【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「CBA」

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641 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2023/11/21(火) 03:54:59.86 ID:GCWUIWkM0
そうこうしているうちに、どうやら装置が完成したようです
元々異なる次元にあるS装備、そしてその次元に繋がる時空の歪みを見付け出すための装置でしたが

フリードマン「S装備だけでなくその特殊な山桜の花弁と同じエネルギーを発する物体を探知する機能、探知した次元の座標を直接その眼鏡に送信する機能が追加され晴れて理想の...いや、それ以上の出来だ」

ウェル「更にッ!コレを本体とし複数人同時回線対応の無線子機をたっぷりキリよく20台!」

フリードマン「予備を含めてその数が用意出来る限界だ」

本体の装置に例の眼鏡、見た目には特に変化した箇所はありません
そして渡された子機とやらは...

翠「こちらも眼鏡型?」

フリードマン「統一感さ、それに小型化の限界ギリギリだ」

ウェル「両手が空く、使用中外れてもすぐに気付く、利便性を求めた結果というのが所詮子供にはわかりませんか」

フリードマン「なにも両腕いっぱいに抱えていく必要はないよ、装置には収納スペースを用意したからね」



安価下
1 早速未来の時間軸へ
2 もう少しこの世界で何かする(記述)
3 その他(記述)
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/21(火) 11:49:51.42 ID:lbaNPzbp0
3 『翠』ちゃん達に通信は繋がらないか試してから1の選択肢
643 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2023/11/29(水) 04:17:54.59 ID:t+Vq4HFY0
装置が完成した今、やるべきことは一度未来の時間軸に戻って皆さんと合流し、この時間軸の元の世界に行くこと...
このまま向かっても良いですが、その前に事前連絡が出来るか試してみることにしました

翠「とはいえ、元々通信は不安定、おまけにあの時空震で一時的にですが電波も麻痺していましたし...」


コンマ下1
奇数 繋がった
偶数 繋がらない

通信内容安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/29(水) 09:38:02.95 ID:/6P/tV8u0
奇数のコンマ判定こい!
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/30(木) 17:28:01.88 ID:yUb5hFc/0
未来の世界で何か異変や問題は起きてないか聞く
646 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2023/12/04(月) 03:55:49.85 ID:4Kawy2Rb0
一度空き部屋に移った私は端末を取り出し『翠』に...未来の時間軸にいる現代の時間軸の『翠』に通信を試みました

翠「『翠』、聞こえ」

『翠』『もしもしッ!?』

翠「ま...したね」

いきなりの爆音に耳がキーンとします...とりあえず時空震の影響は無く通信は繋がれているようですね

『翠』『通信繋がるなら繋がるって言っておいてくれないかな!?というかどっか行くなら先に誰かに言ってからにしてよ!』

翠「いやこんな簡単に繋がるとは思わなかったので...あと今回は不可抗力ですよ人為的ですけど」

『翠』『いやうん知ってるけども!こっちの『私』とこっちの翠から経緯は聞いたけども!』

翠「ですよねそれは良かっ...えっそっちの時間軸の私もいるんですか!?」

『翠』『いるも何も...あれ、どこまでこっちの今を把握してるの?』

翠「何にもですよ!私がこっちに跳んでからどうなってるんです?」



未来の時間軸で何か起きた?記述安価下

(翠「初日から欠かさずやり続けたXDが遂に...悲しいですが、いつかこうなることはわかっていました」

『翠』「それに間髪入れずに新プロジェクトと映画化の発表もあったからセーフ!こっちはすごく楽しみ!」

翠「ですね!シンフォギアのこれからにますます目が離せません!」)
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/05(火) 02:09:17.40 ID:ZPZAa7m70
元の世界に戻る為の装置が急に動き出したらしい
648 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2023/12/11(月) 03:12:32.07 ID:HxfdqN4v0
とりあえずあちらの時間軸での様子を知ってから動いた方がいいでしょう
私としてはこちらの時間軸でのやるべきこと...だと思われることは多分やり尽くしたので一度合流して改めてキャロルちゃんの助太刀に...

『翠』『そうだった!今ちょっとこっちゴタゴタしてるんだけどそっちで何かやってる?』

翠「やってるかと聞かれたらやってたというか今はやってませんが...」

『翠』『なら違うのかな...こっちね、今あのでかい輪の装置が急に動き出しててアラートが鳴り響いてる』

翠「待ってください大事件の真っ最中ってことですか!?」

いえ、私がこっちに跳ぶ前も全然大事件の真っ最中だった気がしますが

『翠』『あの装置やっぱりこことそっちの時間軸の元の世界を繋げる装置らしくて...らしくてっていうのはこっちの時間軸の『私』達が言ってたんだけど、それで翠もそっちにいるみたいだから『私』達もって話になってて』


安価下
1 このままこっちの時間軸の元の世界で合流
2 とりあえず未来の時間軸に一旦向かう
3 その他(記述)
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/11(月) 17:37:54.16 ID:pPRzztXb0
3 未来の時間軸に向かう前に命綱的な物は付けられないかな?
650 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2023/12/19(火) 04:30:16.68 ID:e+VPxw4E0
つまりこのままここで、というかこの時間軸の元の世界で待っていても合流出来る...ということでしょうか
一瞬それでも良いのでは、と思いましたが

翠「いや待ってください、一旦私がそっちに戻ります、時空震の対策は多いに越したことはありませんから」

『翠』『何か対策増えたの?』

翠「えぇ、まぁ」

いつどこで時空震に晒されるかわかりません、山桜の花弁があれば響さんや友奈ちゃんとの繋がりが途絶えない筈ですが、それをこちらから辿る手立てがない今、時空を越える度にその場で元の時間軸に戻る手段を探すというのはあまりに...
今回は最終的に未来の時間軸に辿り着いたからこそその時間軸での経験を元に手段が用意されていたようですが、また過去の時間軸や、全く異なる文化形態の並行世界ではどうなるか...

翠「すぐにそっちに...あ、でもその前に」

今からでもすぐに未来の時間軸に行き、そこからまたこちらの時間軸に...と思いましたが、ふと想像してしまったのは

私が未来の時間軸に着いたタイミングでこの時間軸と繋げる装置が止まる可能性

未来の時間軸に行く途中で何らかのアクシデントが起こり、私だけがまた別の並行世界へ跳ばされる可能性

『翠』達と合流しこの時間軸に戻る途中で何らかのアクシデントが起こり、戻れなくなる可能性

ない、とは言い切れないような経験をそれなりにしてきました
未来の時間軸に向かう前に何か、確実にこの時間軸に戻れる手立てを...


安価下
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 06:30:03.92 ID:3ohb52u50
ひらめきにたよる
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/29(金) 09:53:36.59 ID:ySM8WgZl0
気休め程度のロープをベルトとかに括り付けてみる
653 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/05(金) 04:47:38.93 ID:R1fvsRFz0
こちらの時間軸の世界...刀使の世界かシンフォギアの世界か、いずれにしても両者は現状繋がっているのでどちらでもいいとして、そこに確実に戻される方法、あるいは戻る道順がわかる方法...
例えばギャラルホルンを用いて並行世界間を移動したのであればギャラルホルンにその記録が残り、二度目以降の行き来が可能になりますが、今回は時空震か未来の時間軸の『翠』に渡された眼鏡での行き来しか経験していません
ギャラルホルンに私の記憶を頼りに未来の時間軸を感知させることは...出来なくもなさそうですがエルフナインちゃんに禁止されましたし

翠「いっそ物理的に...直接足で向かえる場所なら命綱でも付ければいいんでしょうが」

並行世界というのは実際、どのようなものなのかほとんど知られていません
というか、私は直接行ったのもそうですしそもそも異なる世界からの転生者であるがために並行世界の存在そのものは疑う余地がありませんが
逆に存在そのもの以外は正直よくわかりません
例えば並行世界の場所に関して『異なる宇宙に存在している異なる星』『同じ宇宙に存在している異なる星』『同じ場所に存在している異なる周波数の世界』等様々な説があります
前者2つの場合距離が気の遠くなる長さであることに目を瞑れば理論上は足で行けますし、後者であれば目に見えず肌で感じられないだけで今この瞬間もこの世界と並行世界に同時にいることに...
654 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/05(金) 04:48:53.32 ID:R1fvsRFz0
翠「...同時に?」

異なる世界同士が同時に存在している...そんな光景を私は何度か経験しているはずです

例えば突如周りが灼熱の炎に包まれた世界になり壁の内側の四国に行ったとか

例えば装者のいる世界と勇者のいる世界が重なったとか

例えば装者のいる世界にあるはずがない御刀が出現したとか

例えばバグのように姿形を変え続ける不安定な街全体とか

翠「そもそもノイズやカルマノイズの異相差障壁の存在そのものが、元の世界とバビロニアの宝物庫とが同じ場所に同時に重なりあっていることの証拠...抜かりましたっ!基本的なこと過ぎてすっかり頭から抜けていましたが、そうであれば並行世界の在り方は検討が付きます!そして何故この眼鏡によって並行世界間を移動した先が海の中や空中だったのかも!」

『翠』『あー...終わった?』

翠「アッハイ」

しまりました、通信を繋げたままだったことをすっかり忘れて一人考えに耽って

翠「と、とにかく!こちらの世界とそちらの世界、だけでなく他の世界も含めて在り方がかなりわかってきてて!」

『翠』『あんまり待たされるとこっちもね?』

翠「ごめんなさい」
655 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/05(金) 04:50:25.64 ID:R1fvsRFz0
冷水をぶっかけられたような、というほとではありませんが、一気に頭が冷やされます
それによくよく考えたら結局当初の目的...こちらの世界に確実に戻る手立てに関しては何も思い付いてません...

翠「いえ、命綱というのは思い付きましたが...結局周波数の違いを越えられる物質なんて」

それこそこの眼鏡なんかは当て嵌まるのかもしれませんが、この眼鏡を使って移動するのにこの眼鏡だけを並行世界間に跨がらせるのは不可能ですし

『翠』『ドンピシャだ...あ、えっと、命綱付けるの?』

翠「ドン?...いえ、まぁ最悪ダメ元で付けてみるのも...でもロープそのものごとかロープで繋げたものごとか、一番可能性が高いのはそのロープだけこちらに残して私だけ跳ぶことになるなと」

『翠』『ならさ、そっちの世界そのものとも言える『何か』に繋げてみたら?』

翠「世界そのものと言える『何か』...?」

その発想はありませんでした
命綱を付けるならその先は絶対に揺るがない場所
並行世界間を移動するなら、世界そのもの

『翠』『ギアと『私』達自身みたいに繋がってさえいれば並行世界間移動の恩恵は受けられるはずだし、そのまま世界ごと跳ぼうとすれば結局跳んでないことになるだけ、跳んだことになるほどの出力は出ない...出ない?よね、うん、出ないはずだから』

翠「で、ですがそんなもの...」

『翠』『いやいや、刀使の世界はわかんないけどシンフォギアの世界にはあるでしょ、その世界を世界足らしめるであろう『要』が』

翠「...はっ!」

・・・

私は通信を切り、糞眼鏡とフリードマン博士が完成させた装置...もとい装備を纏い一度この時間軸の装者の世界へ帰還
S.O.N.G.の保管庫からなるべく頑丈そうなロープを拝借し、外へ飛び出しました

翠「目指すは龍脈...!」
656 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/05(金) 04:52:20.74 ID:R1fvsRFz0
☆☆☆

で〜れれ〜で〜でん!

☆☆☆


『翠』「言われた通りに誘導した、というか出来たみたいだけど...」

翠(未来)「えぇ、それで良かったんですよ」

元の時間軸に戻ったらしい翠からの通信が来ることを『私』は予め聞かされていた
この時間軸...未来の時間軸の『私』達から

翠(未来)「偶然一つからの発想は容易く改められてしまいますが、偶然が幾度も重なれば奇跡、必然、運命へと強化されます」

『翠』(未来)「そこから導きだされた発想は視野を狭まわせ、他の可能性を無意識に排除されて」

『翠』「概念が確かなものとなる...ね」

どうやら翠の想定はどこかしらが明確に『間違い』らしい
でもそれがどこで、どう間違っているのかは『私』も知らされていない
『私』がそれを知ると仮にこの事件が解決するまでに翠とフルシンクロすることがあった場合、翠にも正解が伝わってしまうから...と

翠(未来)「概念は所詮思い込み...ですが、たった一人の思い込みが2000年の真実よりちっぽけだとは誰も決めてないんですよ」

『翠』(未来)「そのためにダメ元で、思い込みを加速させる仕込みをいくつか配置させてきたわけだしね」
657 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/05(金) 04:53:21.55 ID:R1fvsRFz0
☆☆☆

で〜れれ〜で〜でん!

☆☆☆


翠「この辺に...せいっ」

レイライン上の、なるべく人目に付かない場所を探した私は、そこでアメノムラクモのアームドギアである刀の内の一本を取り出し地面に突き刺します
次にその刀の柄の部分にロープを固く結び付け

翠「さて...行きますか」

私は装備モードに変形していることで腕の位置に移動している装置の操作パネルに手を伸ばしました

翠「いざ、未来の時間軸へ!」


コンマ下
奇数 着いた
偶数 途中地点
ゾロ目 着いたけど...

(翠「明けましておめでとうございます!」

『翠』「今年もよろしく、と行っても多分かなりクライマックス寄りのはずだけど」

女神「大分前からクライマックスのはずだったんですけどね...」

翠「何はともあれ目指せハッピーエンドです!」)
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/05(金) 11:31:39.46 ID:tdoOrgRP0
はい
659 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/01/20(土) 03:43:41.46 ID:tqg+lYxC0
身に付けた装備に連動して眼前に出現した時空の歪み
そこに意を決して飛び込んだ私は、ゆっくりと目を開いて周りを見渡しました

翠「この光景...ギャラルホルンで移動する時みたいですね...」

全体的に赤黒く、長い長いトンネルのような
足を付く地面がなく浮遊感がありますが、完全な無重力というわけでもなく、不思議と自分の位置を維持出来るような、それでいて自然と身体が前方に押し出され引き寄せられる感じ

翠「はっ!ロープは」

腰の辺りに視線を落とすと、腰に結んだロープの先は少し離れたところで途切れていました
否、切れてしまっているのではなくロープの途中に私が入ったのよりも小さな時空の歪みが発生していて、そこから先が見えなくなっているようです

翠「成功...なんでしょうか...?」

軽く引っ張ってみると僅かに反作用を感じました
ここからは確認出来ませんがやはり先端は固定出来ている...と思います

翠「ならこのまま行くだけです!」

私は気を取り直し前を向きました


コンマ下
奇数 無事到着
偶数 カオスビースト戦
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 11:36:21.93 ID:a932I2150
奇数の判定こい!
661 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/02/06(火) 04:06:36.78 ID:q0cIEgje0
・・・

そうして道中何事もなく私はその空間を通り抜け、遂に出口まで辿り着きました

翠「ここは未来の時間軸...で合ってますよね」

見渡す景色は...最初に未来の時間軸に来た時同様現代とそこまで差がないのでよくわかりませんが...少なくとも目的地に近しい文明であることは確かですね

『翠』《こっち着いた?》

なんて考えていると、丁度『翠』からの念話が来たことでここが目的地である未来の時間軸で間違いないことが確定しました

翠《着きました、そっちに向かおうとしていたところです》

『翠』《了解、じゃあ...あ、ううん、そこで待っててって》

翠《へ?》

待ってて...って、ここで、ですか?

翠「というか誰から言われたんですか」

翠(未来)「私です」

翠「うわっひゃあ!?」

さっきまで誰もいなかったはずの真後ろから声をかけてきたのは、この時間軸の私
足元に消えつつある錬成陣があることから、恐らくテレポートジェムか何かで来たのでしょうが

翠「迎えに来るにしても普通に来てくださいよ!というか本当にもう出てきてるんですね」

翠(未来)「えぇ、存在を安定させられるくらいには概念も確定させられましたし...それよりコレ少し借りますよ」
662 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/02/06(火) 04:07:26.48 ID:q0cIEgje0
話を聞いてるのか聞いていないのかわからない返事をしながらこの時間軸の私は私の腰に巻いたロープに手を伸ばすと、軽くクイッと引っ張ります
するとその先にある小さな時空の歪みから淡い金色の光が溢れ出しました

翠(未来)「このタイミングだけは神の力が飽和してます、まぁ敵味方どちらもそれで強化されるのでいくらあっても困らないものではありますが、逆に減ってしまうと厄介なので丁度良い...というよりここで帳尻を合わせられるのは偶然ではないという可能性もあってなんとも言えませんね」

翠「つまり?」

翠(未来)「御使いご苦労様でした」

翠「やっぱりノせられただけでしたか...」

細かいところはわかりませんが、今のこの状況はこの時間軸の私が仕組んだもの、ということらしいです

・・・

そうして腰の辺りから細々と光を撒き散らすことになった私は、そのままこの時間軸の本部に向かうことになりました
と言ってもテレポートジェムで一瞬でしたが

『翠』「お疲れ...何そのキラキラしてるの」

翠「わかんないです」

翠(未来)「今はとりあえず理解しないようにしてください、バランスが乱れるので」

私や『翠』...というかこの未来の時間軸以外の存在が何をどこまで知っているかはかなりデリケートな問題らしいです
そのこと自体は『翠』も聞かされていたようですぐに納得していました
私より先に知らされていたのはなんとなく微妙な気持ちですがそれは置いておくとして

翠「これでこの時間軸での役割は終わり...で良いんですよね?」


やっておくこと安価下
(特になければ皆で元の世界へ帰還)
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/06(火) 13:00:14.32 ID:T31nEZzg0
アルカノイズや荒魂の新たな目撃情報は無いか聞く+未来の翠ちゃんに助言を求める
664 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/02/22(木) 04:53:10.34 ID:c5gblili0
皆さんも早く元の時間軸に戻りたいでしょうし、響さんの無事も気になります
それとちゃっちゃとこの時間軸を去れればお説教もキャンセル出来るかも...いえこれはあくまでおまけですが

翠「やり残したこと...あれ以降アルカノイズや荒魂が出たとかそういう目撃情報があったりとか、ありますか?」

この時間軸に思い入れがないわけではありません、それなりの期間を過ごしたわけですし
ですが、役割を終えたのであれば長居するのは私達にとってもこの時間軸にとっても良いこととは言えないでしょう
なので跡を濁さぬよう...


コンマ下
奇数 出現有り
偶数 現状無し
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/22(木) 10:49:54.22 ID:PsFt10Ip0
はい
666 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/03/06(水) 04:03:31.15 ID:LBUegDr20
翠(未来)「いいえ、それらの発生は貴女達が対処して以降確認されてませんよ」

翠「そうですか」

翠(未来)「今後出ないという保証は出来ませんがその時は別の要因で、でしょう...貴女達の時間と繋がったことによる影響はこちら側は収束に向かっているはずです」

翠「時間...時間軸、ではなく、ですか?」

翠(未来)「いいえ、だからこそ収束したんですよ」

この時間軸の私も『翠』もその言い方を、言い換えを強調しているのは薄々気付いていましたが、やはりハッキリと説明する気はなさそうですね
こうやって匂わせておいてボカすやり方はあまり好きではありませんが、そうせざるを得ない理由があることだけはハッキリしたので仕方がないと今では思えます

翠「仕方がないと思えていますが...」

翠(未来)「収穫が少ない、ですか?」

翠「まぁ、何をすれば正解なのかよくわからないままこの時間軸での生活を終えてしまいそうですからね」

翠(未来)「隠しませんね」

翠「私相手に取り繕っても恥ずかしいだけでしょう...」

いずれ辿る...かもしれない...未来のことを知れるというのはかなりの収穫だと思う人もいるでしょうが、その内容が身近であればあるほど過程を知らなければ近付くことも避けることも出来ません
それに『時間』ではなく『時間軸』であるのならなおのこと...

翠「何か助言...のようなものはありませんか?未来の私」

翠(未来)「ふむ、そうですね...過去の私に出来る助言ですか」

翠(未来)ちゃんの助言安価下
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 12:41:21.44 ID:Bhj0NDrS0
未来の翠ちゃん、「響さんがシェム・ハやタギツヒメに勝った以上もう身体も精神も乗っ取られる事は無いだろうけど、近くに現れる荒魂にシェム・ハやタギツヒメの意識が宿ってる可能性がある」と告げる
668 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/03/17(日) 05:44:39.98 ID:waVaCZA+0
既に異なる歴史を歩み始めているということを踏まえた上で、と前置きした未来の私は

翠(未来)「響さんがシェム・ハやタギツヒメに勝ち、主導権を奪...い切れずとも不動まで持っていけている以上、もう身体も精神も乗っ取られる事は無いでしょうけど...」

翠「そこは信じて良いんですね?」

翠(未来)「一度吹っ切れた響さんはすごいですからね、それに友奈もいますし...それはともかく」

こほんとわざとらしく咳払いをし、話を続けました

翠(未来)「ここからの戦いにおいて、近くに現れる荒魂にはシェム・ハさんやタギツヒメの意識が宿ってる可能性があります」

翠「近くに現れる...?」

翠(未来)「雑魚敵のようなものです、もっともその表現はあくまで俯瞰した見方であって厳密には尻尾切りしているだけでしょうが...いえ、あるいはもっと単純に量や面積の問題で?まぁ過ぎた話なので今更わかりませんが」

翠「私それ過ぎてない話なんですが」

しかしあの巨人響さんをどうにか元に戻すだけでは終われないことがわかったのは行幸です
シェム・ハさんが入ってる荒魂は私達が、タギツヒメが入ってる荒魂は刀使の皆さんに頼むべきでしょうか...その辺も元の時間軸に戻る時に相談しておきましょう
669 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/03/17(日) 05:45:19.31 ID:waVaCZA+0
・・・

翠「では行きましょうか!向こうではエルフナインちゃんというかキャロルちゃんが頑張ってくれてます!急ぎましょう!」

クリス「怒られたくなくて急いでるのバレてるぞ」

未来「でも、急ぎたいのは同じだよね」

今一番飛び出したいであろう未来さんが冷静であることで、私も身が引き締まる感じがしました

調「先にこの後戦いが待ってるのがわかったのは良かった」

切歌「この大所帯なら負ける気がしないのデス!」

翼「あぁ、それに私達は希望をこの目で確かめたのだ」

マリア「やってやれないことはないわ、響を助けて明日を掴むわよっ!」

こうして私達は改めて、全員で、元の時間軸へ...


コンマ下
奇数 響さん起きてる
偶数 響さん起きてない
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 11:09:55.96 ID:TbuO7XJG0
はい
671 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/04/06(土) 03:22:33.27 ID:QiMbzZWc0
・・・

大所帯ながらも誰一人欠けることなく、無事に、この世界...元の時間軸の装者の世界まで戻ってくることが出来ました
ここまでは順調です

未来「響は...止まってる?」

『翠』「巨人響さんは停止中、その周りを付かず離れず飛んでるのはエルフナインちゃん...いやキャロルちゃん?どっちも?」

翠「一応どっちものはずです」

どちらかといえば今はキャロルちゃんが主に表に出ているはずですが、シームレスに入れ替われていたのでどちらがという区別は必要ないでしょう
強いていえばどっちも、というのがやはりしっくり来ます
キャロルちゃん達は私達に気付いたのかこちらを一瞥すると、巨人響さんから距離を取り始めました

翠「巨人響さんが完全に停止したままということは、響さんが主導権を奪い返したまま眠りについている可能性が高いです、そっちの作戦でいきましょう」

未来「私と翠ちゃん達で響を起こしに行く...だよね?」

『翠』「夢の中、というより深層世界に行ってね」

外から声をかけるというやり方でも出来なくはないでしょうが、それでまかり間違ってシェム・ハさんやタギツヒメの方が目を覚ましてしまうと詰みです
内側から直接確実に響さんを起こし、表では目を覚ました響さんにシェム・ハさんの腕輪を外してもらう、これです

翠「というわけで皆さん、お願いします」

この作戦は具体的には私と『翠』と未来さんで一度それぞれ深層世界に行き、そこから響さんの深層世界へ行くというもの...つまりその間表では眠っている私達の身体が(ギアを纏っているとはいえ)無防備になってしまいます
響さんが起きるまで巨人響さんも動かず他に何も起こらないならともかく、どうやら荒魂が現れるようなので皆さんに守ってもらおうという話になりました

友奈(赤嶺)「申し訳ないけど私は戦闘に参加出来ない、ごめんね」

可奈美「大丈夫だよ!バッチリ守るから!」

夏菜「そっちで何か不足の事態が起きたら教えてください」

『翠』「頼りにしてるよ」

翠「行ってきます!」

未来「行こう!響が待ってる...!」
672 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/04/06(土) 03:23:32.77 ID:QiMbzZWc0
・・・

戦場のど真ん中...ではなく端の方で眠りについた私は、早速深層世界へ

園子「じゃあ出発なんよ!」

翠「2人も来てくれるんです?」

若葉「人手はあった方がいいからな、戦闘では手を出せないのが歯痒いが」

園子「多分ちーちゃんも来てくれるんじゃないかな、それにもしかしたら...」

しばらく深層世界を進んでいると、遠くの方に『翠』と千景ちゃん、別の方向に未来さんの姿が見えてきました
どうやら深層世界の交わるところまで来たようです

『翠』「いつもここってこんな距離なくなかった?」

千景「勝手が違うのよ、小日向さんをパーティに加えて結城さんと立花さんの深層世界に行くには樹海からではなく遠回りが必要なの」

未来「えっと...その娘達は」

園子「はい!そのこです!」

若葉「ややこしくするな!...あー、私達は助っ人だ、いや大した手助けも出来ない今は助っ人ですらないのか?」

『翠』「この娘は千景、あっちは園子と若葉、今は力を借りれないから妖精さんみたいなものと思って」

千景「は?」

未来「なるほど...?」

妖精さんて...


コンマ下
奇数 立ちはだかる影
偶数 順調に
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 04:03:44.76 ID:n+VfXQUD0
偶数のコンマ判定こい!
674 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/04/21(日) 02:38:29.41 ID:3+MmWeBJ0
・・・

未来「いた!響っ!」

響「未来...?」

進み続けてどれ程経ったのか、ようやく響さんの深層世界までやって来られました
ここまでに何らかの障害が立ちはだかるかと身構えていましたが杞憂でしたね

響「本当に、未来だ」

未来「響!良かった...ただいま、響」

響「うん...おかえり、未来」

響さんの方も、特に問題はなさそうです

『翠』「眠ってる、なんていうからどんなもんかと思ったけど」

翠「実際ここは寝てる間のある種の夢の中ですからね、起きてはいるでしょう...しかしそれなら現実で起きられないのはいったい」

響「あ、それは...」

響さんが何かを言い終わる前に、置くの方から人影が...結城の友奈ちゃんが駆け寄ってきました

友奈「完全に閉じ込められちゃってるらしいんだよね、ここに」

翠「あーそういう...でも私達は来られましたが」

園子「来るもの拒まず去るもの逃がさず、なのかな?」

響「どうにか友奈ちゃんと一緒にシェム・ハさんとタギツヒメの拘束を解いたんだけど、そしたらどっちも居なくなっちゃって」

若葉「より範囲の広く協力な結界に捕まった、か...」

さっきまで友奈ちゃんは結界に出口がないか探し回っていたそうです
その途中私達がここに来たのを感じ取り戻ってきたとか

千景「ありがちな解決法としては結界を張った張本人を改めて倒すか、結界を破壊するか、かしら」


安価下
1 結界破壊を試みる
2 深層世界内でシェム・ハさんとタギツヒメを探す
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 12:14:24.06 ID:JUESLIzOO
1
676 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/04/30(火) 02:58:29.11 ID:1Z3ssLBs0
若葉「探すにしても手掛かりもなければ倒せる保証もない、となれば」

翠「結界とやらを破壊して響さんに目覚めてもらうのが先ですね」

私達は響さんの深層世界の端...結界の外と内の境界線を探すため移動することに

『翠』「この場に東郷ちゃんがいないのが惜しいね、こういうのは専売特許なのに」

翠「酷い風評被害...一回だけでしょ?」

千景「他人の黒歴史を笑うと後で痛い目を見るわよ」

しばらく進んでいくと、突然周りの風景が変化しました
何もない真っ暗な空間だったのが、見覚えのある昼間の街へ

未来「えっ、外に出たの!?」

園子「ううん、まだここは深層世界の中なんよ」

パッと見は私達の元の世界そのもの...ですが建物や看板が懐かしい、あるいは私は見たことがないものになっています
つまりここは、響さんの記憶の世界

響「えへへ、何だか恥ずかしいね」

友奈「いつのどの記憶が反映されるかはランダムだから、どこが世界の端なのかも毎回変わっちゃうんだよ」

園子「実際は変わってなくても体感として同じ範囲に感じ取れないのかもしれないね」

つまるところ記憶の世界の端とは五感で認識している範囲の限界のこと
響さんが知らない部分は世界の構築がされない...と、そんな簡単な話でもなく

園子「例えば自分の真後ろは自分では見えなくても、鏡とか映像越しとか、真後ろの風景がどんなだったかっていう記憶から想像が出来る、想像出来る部分までは構築されるのが記憶の世界なんよ」

翠「極端な話、この頃の響さんが知ってる場所は再現されてるけど知らない街は存在しない、みたいなことですね?」

響「この頃...いつの記憶だろう...」


いつの記憶?安価下
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 11:53:30.34 ID:0ZoL1Wtp0
全ての始まりであるツヴァイウィングのライブの日
678 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/13(月) 04:51:49.37 ID:19mUsutF0
私達は今いる記憶の世界の詳細な日付を把握するため、大通り...人で賑わっている場所を目指し歩き始め
そしてその目的はあっさりと、一瞬で果たされました

響「そっか...この日は」

通りに添うように建てられた電灯に設置されたホログラムの広告
そのどれもが同じ内容を宣伝しています


『ZWEI WING』


翼さんと奏さん、2人の歌姫の姿が写し出されたそれは時間経過と共に自動で表示が切り替わり、それがライブの宣伝であること、そしてこの世界の今日がライブ当日であることを周知させていました

未来「翼さんと奏さんの、ツヴァイウィングのライブ...」

響「私の、始まりの日...」

進めば進むほど人は増え、賑わい、ツヴァイウィングに関する高揚した話し声も多く聞こえてくるように
どこか見覚えがある、しかし馴染みがあるほどではないこの大通りは、現実世界の今は無き...正確には跡地ですが...あの惨劇が起きたツヴァイウィングのライブ会場へと続く道だったようです

響「うん、間違いないよ、この先にこの時間の私がいるはず」

園子「想像力は広がるし逆に狭まることもある、視野が狭くなるなんて言い方もあるけど...とにかくこの記憶の世界は印象が強いところが一番濃くて境界も曖昧になるはず」
679 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/13(月) 04:53:00.48 ID:19mUsutF0
『翠』「でもこの時間の響さんが知らない場所は存在してないんでしょ?そこに向かった方が外に近くない?」

園子「知らない場所には行けない、行くための道を知らないから、知らないと想像出来ないから...簡単に言うとそのやり方だと迷子になるんよ」

『翠』「じゃあやめよっか!」

ここは響さんの深層世界、迷子になっても現実の響さんが無事なら少なくともここにいるという事実は変わりませんが、そこから探し出すのは響さんが過去にたった一度見かけた物をノーヒントでいつどこでどんな物だったかを正確に思い出すくらいの難易度になるそうです

未来「ここで何かを変えても、現実には影響しないんだよね...?」

翠「えぇ、ここは記憶の世界であって現実の過去でもなければ分岐した過去の世界でもありません、全ては響さんの記憶が作り出した夢のようなもの...例えば物を動かしたりここにいる人に話しかけたりは出来るでしょうが、それが現実の現在に作用することも響さんの記憶が改竄されることもないはずです」

友奈「話しかけた相手の返答もこの深層世界の主の響さんが「この人ならこう返すだろうな」って無意識に考えたものが反映される...だよね?」

園子「そうなんよ」

未来「そう、だよね」

ふっと視線を落とす未来さん
この時間に思うところは...沢山あるでしょう
私も、もし可能なら...と思うことはいくつもあります

全てはこの日から始まった、戦姫絶唱シンフォギアという物語の最初の1ページ

その物語を否定することも、原作とは乖離してしまった元の世界の私達のこれまでも否定する気はありませんが
それでもこの日に起こることは間違いなく悲劇です
たとえ命を落とした歌姫が幽霊となって昔の話だと笑って過ごせていても
託された歌を胸に生きることを諦めなかった少女が紆余曲折の末に友や仲間に囲まれていても
680 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/13(月) 04:54:12.01 ID:19mUsutF0
その『昔の話』が、『紆余曲折』がここかは始まるのだから


「未来〜、今どこ?私もう会場だよ?」


その時、人混みの向こうから聞こえてきたその声は不思議とはっきりと聞き取ることが出来ました
聞き取れたのは私だけではなかったようで、私と『翠』、響さんと未来さんは思わず顔を見合わせます

未来「今の声、響だよね?」

響「うん、覚えてる、未来と電話してた時の私だ」

翠「どうします?近付きます?」


安価下
1 合流し記憶の世界の境界を探る
2 合流はせず記憶の世界の境界を探る
3 その他(記述)
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 11:04:24.77 ID:OCz6XeBE0
2
記憶の世界でも過去を変えるような行動は控えよう
682 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/28(火) 05:02:54.19 ID:L6b87rHZ0
声のする方向に目を向けると、ライブ会場に続く長蛇の列の中にこの記憶の響さんの姿が見えました
ガラケーを片手に大きな声を出してしまい、若干周りから注目を集めてしまっています

園子「ダメとは言わないけど、メリットは少ないかな〜」

翠「デメリットならある、と」

園子「さっき話していた通り現実や夢の主に影響は出ない、影響が出るのは今私達が見て体験している夢の世界だけ...でもここから早く出るためには少しでもこの夢の世界、深層世界の端がどこなのかを探さなきゃいけない...夢の輪郭を大きく変えてしまうのは上手くいけば早く夢を終わらせられるけど、下手をするとより長く広くなってしまうかもしれない」

今のままでも端がどこなのかははっきりとはしていませんが、確かにそれでも推測すら出来なくなるよりは今の方がマシなのかもしれません
それとなく幼い響さんの姿を視線で追いつつ、私達はこの世界の端の探し方について今一度作戦を練ることにしました

『翠』「えっと、その『端』が実はよくわからないんだけど...」

未来「目で見える境界なの?」

園子「基本的には少し違うんよ...本人の認識している範囲の限界というのは1つは想像の限界...さっきも言った通り想像出来るものは例え正しくなくともその通りに構築されるし、想像出来ないものは構築されない、そこの境界は本人にもわからない」
683 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/28(火) 05:03:25.80 ID:L6b87rHZ0
園子「眠った時や意識が完全に他のものに移った時かなぁ、連想出来る意識同士や次にこれが来ると予めわかってる意識だとそうでもないかもしれないけど」

千景「結局虱潰しをしながらいつ来るかわからない時間切れを待つしかない、ということね...厄介な所に閉じ込められたものだわ」

ざっくりとわかりやすく千景ちゃんがまとめたその一言に私達は揃って肩を落としてしまいます
効果的な脱出の仕方は存在しない...いえ、だからこそシェム・ハさんはこのやり方を実行したのかもしれませんが
その時、ここまでほとんど会話に参加していなかった響さんと友奈ちゃんがより一層困った顔をして目配せしていることに気付きました

友奈「あはは...その虱潰しも私が結構やってみて失敗続きだったりするよ...」

あっ...それはそうですよね
ここまでの会話、私達はともかく響さんと友奈ちゃんはずっとここから出ようと実践してきたはずです
言われるまでもなく、やるまでもなく何が上手くいかないのかも知っているはず
あれ?でもそれなら

翠「記憶の終わりの方はどうだったんですか?この記憶以外も体験したんですよね?」

響「うん...何度か記憶の終わり...景色がガラッと変わって別の世界になるのは体験したよ」

未来「その時境界から出ようとはしなかったの?」

響「ううん、そこから本当に世界から出られるっていうのは知らなかったけど、何となくそんな気はしたから出ようとはしたんだ!したんだけど...」
684 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/28(火) 05:04:32.43 ID:L6b87rHZ0
友奈「その度にどこからともなく荒魂が道を塞いで来るんだよ...」

・・・

詰んだ

またしても思ったことが一致してしまった私達は、こうしていても仕方がないととりあえずこの世界の端を探すことにしました

翠「時間切れの際に道を塞ぐ荒魂は恐らくタギツヒメかそれを操るシェム・ハさんの仕業...姿を隠していながらこちらのことは監視しているということでしょうが...」

友奈ちゃんが境界となる世界の端を探している最中は出てこなかったそうですが、それはシェム・ハさんも世界の端がどこあるいはどれなのか知らないのか、正解とは程遠かったのか

『翠』「...この人数で団体行動してもアレだし、『私』は別行動するね!」

翠「へ?あっちょっと」

『翠』「端見付けたら念話するから!じゃ!」

言うが早いか突然走り出してしまう『翠』
確かに虱潰しなら別行動は効果的ですし、時間切れの場合でも恐らく戦場で再会出来るとはいえ
この状況で勝手に...こういう時に説明を省くのを私が好んでいないことは『翠』も『私』なのだからわかっているはずですが

若葉「追うか?あの様子、ただ手分けするのが目的ではなさそうだが」

翠「私なら何かしら考えあっての行動だと思いたいですが、うーん...」

千景「いいえ、そっとしておいてあげなさい」

既に動こうとしていた若葉ちゃんととりあえず追い付いてから考えようかと思っていた私を制止したのは、意外にも千景ちゃん
685 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/05/28(火) 05:05:31.37 ID:L6b87rHZ0
千景「何となく察しが付くわ、例えここが過去ではなく記憶の世界だとしても、それが自分勝手な動きだとしても、そこまで大人になれないものよ」

未来「うん...私も、わかる気がする...『翠』ちゃんのことは、多分大丈夫だよ」

千景ちゃんに続き未来さんによる援護射撃とは

翠「まぁ...後で問い詰めるので許しますか」

千景「ふふっ、貴女は大人になれるのかしら?」

翠「多くを聞かずに察したつもりになってる大人にはなるつもりがないだけですよ」


コンマ下
ゾロ目 境界発見
ゾロ目以外 時間切れ
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/28(火) 12:47:16.45 ID:g/qeA/4I0
ゾロ目来てくれ
687 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/06/11(火) 03:58:30.88 ID:Oj2DnIlY0
・・・

至る所...それこそ見知らぬ他人の家であろうと躊躇なくお邪魔する勢いで虱潰した私達でしたが
日が傾き始めてもこの世界の端は見付けられずにいました

未来「はぁ、暑くなってきちゃった」

響「休まず動きっぱなしだもんね」

じんわりと滲む汗を服の襟元で拭いながらその場に座り込む私達
ここまでどん詰まりだと流石に滅入ってきます

友奈「それにしても、こんなに一つの記憶がずっと続くなんて珍しいかも...いつもはもっと早く色々変わるのに」

翠「それだけこの時間の響さんが何かに熱中し続けていたということでしょうかね?」

ふと視界に入ったのは、件のこの時間の響さんがいるライブ会場
これほど熱中しているのですからあっちはさぞ盛り上がっていることでしょう

千景「それにしても本当に暑いわね、もう夕方だというのに」

若葉「あぁ、まるで真夏の昼間のようだ」

翠「確かに日差しのせいというよりは、ムシムシするというか、熱気に包まれているような暑さですね」

園子「熱気に...っ、まずいかも知れないんよ!」

突然立ち上がった園子ちゃんはライブ会場をキッと睨み付け、そのまままっすぐ走り出してしまいました

翠「園子ちゃん!?」

未来「え、走るの!?」

響「私達も行こう未来!ってあぁっ未来足速い!」

走りながら勇者服に変化していた園子ちゃんを追いながら私もアメノムラクモのギアを纏い、浮遊と走りを交えてどうにか横に並び声を投げ掛けます
688 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/06/11(火) 03:59:00.40 ID:Oj2DnIlY0
翠「どうしたんですか急に!」

園子「この季節のこの時間、こうして走って風を浴びてもなお変わらない熱気、どう考えてもおかしいんよ」

翠「それは...そうですか?」

園子「考えられる可能性は1つ、私達の精神体の感覚がこの時間の夢の主とリンクしてる」

翠「感覚が...ッ、つまりこの熱気は、周囲が熱気で包まれているのは私達じゃなく!」

園子「そう、そして確かこの後起きるのは...」

その時、視界の向こうから爆発音が響き渡ってきました
発信源はライブ会場...あの惨劇が始まった瞬間です
そして同時に、ライブ会場の周囲の景色がバグのように輪郭を不安定になり始めていて

・・・

それぞれがここに来るまでに装者、あるいは勇者の姿になっていた私達が開けた上部から会場に乗り込むと、そこにあったのは既に阿鼻叫喚の地獄絵図と化していました
観客達が我先にと出口に殺到し、所々その途中でノイズに触れられ炭化していく人達の姿もあります

友奈「見て!記憶が終わろうとしてる!このままじゃ荒魂も来るよ!」

友奈ちゃんが指差す先では空間が歪み、ちらりちらりとオレンジ色の光が何もない空間に浮かんでいました
否、浮いているのではなくあの場にいる荒魂がこちらからは一部分しか見えていないということ
こちらに出てくるのも時間の問題です
689 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2024/06/11(火) 03:59:38.90 ID:Oj2DnIlY0
未来「一応聞くけど、ここで死ぬとどうなるの?」

園子「運が良くて夢の主の精神と同化、けれどそのまま死んでしまう可能性が高いね、荒魂に殺されたとしてもノイズに殺されたとしても」

若葉「夢に殺される場合も、か...よもや改変がどうのとは」

千景「言ってられないでしょうね、どうせ出口は見えてることだし今更よ」

響「ノイズも荒魂も倒して、あの変になってる所...世界の端から外に出る、だよね!」

言ってる側から荒魂達は姿を完全に現し
向こうの方では丁度この時間の奏さんと翼さんがギアを纏いノイズを相手し始めたところでした

翠「行きましょう!また別の記憶の世界ではじめからやり直しなんて勘弁です!」


コンマ下
奇数 いい調子
偶数 生きるのを諦めるな
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/11(火) 10:23:07.31 ID:b1cJtLCJ0
はい
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