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ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART47
- 62 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/23(水) 01:55:44.28 ID:SDcHSJVL0
- >>61
「そうか……それなら、問題はないか」
バリケードと扉の隙間を見つめ、小さく頷く。
「じゃあ……はい。
大した物は入ってないから何をしてくれても構わないよ。元々、僕のでもないし」
そういうなり、抵抗なく差し出されたのは白いスマホ。
異様なシンプルさが目に付くフォルムは中身も基本機能以外の物は何もない。
- 63 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/23(水) 23:52:12.40 ID:63DMk8wVo
- >>62
「はい、このアプリの案内通り進めば出られますよ。通る扉とエレベーターの権限も付与しときました。改札みたいにタッチすれば通れるはずです」
ケーブルを繋いで何か操作して渡した
「……よく考えたら溶接なんかするよりこの血液自体使えなくしてしまったほうが良かっ……」
激しい衝撃とともに車がブロック塀に追突したような音が伊織の言葉をかき消す。
「……っ、早く逃げましょう!」
袖からフックショットを飛ばし、ウルスラグナの腰に手を回して一緒にダクトまで上がり先にウルスラグナを押し込んだ。
- 64 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/24(木) 00:40:00.25 ID:ZfTMbt2Ro
- >>63
「了解」
スマホをポケットに戻して。
「ふむ……」
伊織の言葉に頷く。
それもそうだ。と同様の思いを得たところで不意に衝撃が襲う。
彼女も危機感を得ていたらしく、迫る伊織を咎めることもなく黙々とダクトを引き返していく。
書庫へと引き返して少し呼吸を置いてから、
「……今のが?」
と尋ねた。
- 65 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/10/25(金) 02:21:57.21 ID:faGL/hfD0
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- 66 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/26(土) 21:27:25.62 ID:LxWCgBTnO
- >>64
「……バリケード……ならば密室ではないか……なるほど」
蹴られるごとに順調に形を歪めていく扉はその衝撃に10回耐えることなく蹴破られた。
銀髪の人物は足元に転がるバリケードの残骸を蹴って避けながら室内を確認する。
「っ……」
保管庫から血液パックを手に取り顔をしかめながら不味いパックジュースでも飲むように容器を空にする。
「綾さんの攻撃を真っ正面から打ち返してましたからね……あの頑丈な扉を打撃でこじ開けようなんて発想になるということはまあ間違いなくそうでしょうね。」
端末を操作しながら答える。
「さあ、行きましょう。隔壁とトラップのフルコースなら流石に奴も無事では済まないでしょう」
書庫を出て血液保管庫と反対方向へ走り始めた。保管庫側の廊下ではすでに隔壁が動き始めている。
- 67 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/27(日) 03:10:43.27 ID:hy8IjtsR0
- >>66
「やだなあ……」
いやそうな雰囲気がにじみ出た呟き。
「ところで、ここは敵中のはずだけどキミはよく色々と知っているね」
伊織と並走しながら訪ねる。
- 68 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/27(日) 21:57:27.13 ID:ha6oUW7yo
- >>67
「見た目はキリッとしててナイスバディなお姉さんなんですけど……ターミネーターですねあれは。胸揉んだら腕を握りつぶされますよきっと」
こっちも嫌そうな雰囲気。
「えっ、ああ職業柄偵察とか潜入は得意ですから」
さらっと返したが理由はそれだけではない
- 69 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/28(月) 03:40:55.82 ID:lm7+WSIx0
- >>68
「まともな答えが聞けるとは思ってないよ」
初めからそのつもりだったようだ。
解答があったとしても素直に信じるつもりもないらしく。
「詳しいついでに聞くとして、今、僕達は何処に向かってるんだい?」
- 70 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/28(月) 17:28:37.15 ID:pbt0Hd46O
- >>69
「ひとつ上の階にエレベーターがあるんでそこを目指してます」
と言っている間に階段が見えてきた。
- 71 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/29(火) 04:28:21.84 ID:aM3bxUNt0
- >>70
「随分と降りていたみたいだね、あの滑り台
で……そのエレベータからは何処に行ける?」
校舎にはエレベータなんか無い筈だ。
実はあって、知らなかっただけという真実があっても驚きはしないが。
- 72 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/29(火) 12:53:14.60 ID:Of/aN2P4O
- >>71
「校長室近くの廊下に扉みたいなのがありますよね?あそこに……失礼!」
前方の床に異変を感じ飛翔。
(ウルスラグナが気付いてなければお姫様抱っこで抱えてもちろん片手は胸の位置)
着地の直後に飛び越えた部分の床が崩落する。
- 73 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/29(火) 22:35:39.93 ID:aM3bxUNt0
- >>72
「あぁ、あれが……うわっ!?」
後者の方だった。
勿論、予想できるだけ驚きは少なく、悲鳴は全く別の場所にあった。
「ありがとう、助かるよ」
伊織の肩越しに崩れていった床を見て安堵の声で礼を告げる。
お姫様抱っこそのものには異議を立てるつもりは無いようで、腕の中で大人しくしていて。
して、その白く細い身体は異様なまでに軽かった。細さもあるが、特に胸の抑揚がない。
曰く、本来ゼオラが成長した際のものらしいが……貧相の一言。
「……こら」
少しして手の意図に気づいたらしく、咎める口調を投げかける。
- 74 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/30(水) 01:35:54.40 ID:Pr58rXfFo
- >>73
「どういたしまして。すみませんがこのまま行かせてもらいますよ」
バラバラと爆薬やらマキビシをバラ撒きながら加速。背後では爆発による炎と煙の嵐だ。
階段を駆け抜ければ目の前には扉の開いたエレベーター。伊織がウルスラグナを庇い背中で滑り込むと扉が閉じ動き始める。遠隔操作でうまくやったのだろう。
「すみませんね。そっとおろしたかったのですが」
怒られたのは違う、そこじゃない。今もその右手が触っている位置だ。しかし其処は微妙に胸からずれているのが悲しい。
「ですが……ふふ、これでひとまず上には逃げられる筈です」
ウルスラグナが軽いこともありかなりの速度で駆け抜けた伊織。ウルスラグナに笑顔を向けるもののその顔には汗がにじみ笑顔にいつものキレはない。
エレベーターの床を見れば背面スライディングのあとにべっとりと血の跡が残されているのに気付くはずだ
- 75 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/10/30(水) 02:26:49.43 ID:mcydMABr0
- >>74
「すまないね。少し、別のことを考えていた」
上昇を始めたエレベータの中で重力を感じながらも身を起こす。
考えていたことというのはこのエレベータの始点と終点だ。
件の招かれざる者が徘徊する施設へ(それなりに走りはしたが)直通のエレベータ。
企みの証拠にしては十分すぎる材料だろう。
「その傷……無茶をする。
姉弟そろって横になるのがそんなに嬉しかったのかい?」
視線を下ろして、やっと気づく。
伊織の身体を持ち上げうつぶせにし、背中が床に触れるのを避ける。
「……助かったよ。ありがとう」
穏やかで慈しみを含んだ、純真な少女の声。
- 76 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/10/31(木) 11:51:59.16 ID:oT7Jg2Udo
- >>75
「やれやれ、なかなか格好良くはいかないものですね……
ま、男ってのは女の子の前では格好つけちゃうように出来てるから仕方ないんですよ。笑ってください」
転がされると起き上がって床に座り、背中に手を伸ばす
「っ!装束を着ていなければまずかったですね……しかしあいつ、何でも使ってきますね……ヤッハしっかり戦力揃えていかないとダメですね」
顔をしかめて引き抜いたのは手裏剣。特殊素材の忍装束で軽減されていてもそこそこのダメージをもらったらしい。
「いえいえ、連れてきたのは僕ですからね。できる限りのエスコートはさせて貰わないと……」
- 77 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/01(金) 05:36:44.53 ID:q4oBlir+o
- >>76
「確りと覚えておくから、今は黙っておいてくれ。
今はただ寝ていてくれ。キミくらいなら楽に運んでくれるさ」
スマホを手に取り何やらメッセージを作っている指さばき。
「あぁ。ただ、彼には僕のことは喋らないでおいてくれたまえ……送信、と」
- 78 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/01(金) 21:04:44.25 ID:0as9nz6go
- >>77
「なあにこれくらいこの紐を締めれ……かふっ!
ぐっ……これは……毒……」
装束の紐を締めようとしたところで血を吐いて倒れた。
- 79 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/02(土) 05:52:59.98 ID:toXi799Ao
- >>78
「思った以上だな。すぐに来てくれればいいが……」
そうこうしている内にエレベータが到着。
メッセージの送信完了を見届けてから静かに姿を消す。
それから暫くした保健室。
「どっちがどっちだか解らんな」
「お前が一番長いだろ」
「興味がない」
椅子にふんぞり返りながら横に並んで眠る双子を一瞥して。
言葉を返した方も視線の先を同じにしていた。
「顔もそうだが、揃いも揃って重傷。
ここの事は聞かされていたが、ここまでとは」
さらにもう一人。
保健室に運ばれた伊織の治療結果が天井から落ちてきたようで、それに目を通しながら。
- 80 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/03(日) 01:17:21.95 ID:tqJ14Ayto
- >>79
治療結果の紙には『伊織君の解毒は済んでいます。忍者で毒に耐性がなければ危なかったですね。少し眠って目が覚める頃には傷もふさがり体力も戻るでしょう』といった内容の文章が女性的な達筆でしたためられていた。
「うわあああああ!!なんでっ!!!どうしてっ!!!!そんなっ!!!!!」
入り口から中学生くらいの少女が大声を上げ半狂乱でそこら中にぶつかり色々なものをひっくり返しながら転がり込んできた。鈴たちの従妹の時雨だ。そのまま勢いよく鈴の横で寝ている綾にぶち当たりそうだ。
- 81 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/03(日) 04:01:32.37 ID:/KB7yGMF0
- >>80
「そうかそうか……って、忍者? 耐性?」
保険医が存在しないはずの天井裏に住んでいるとの話は予め聴けていたが、
診断書の方にも見慣れない単語が当然のように並んでいて眉間を抑える。
「今度は何だ!?
お嬢ちゃん、お嬢ちゃん! どうどう!」
飛び込んできた時雨を落ち着かせようと立ちはだかるのはやたらとガタイの良い男。年齢は時雨の倍以上にありそうだ。
同じ目的で立ち上がった青年も居る。こっちは鈴たちと同年代だということがわかるだろう。学生服を着用している。
逆に、無関心なのも居た。時雨は何度か見たことがあるだろう。横柄な態度の目立つ小柄な少女だ。
「……お前もいたのか。……まあ、居るか」
鈴のベッドに頭だけ乗せる形で椅子に座ったまま寝ている綾の姿に初めて気づいたらしい。
- 82 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/03(日) 17:00:34.16 ID:tqJ14Ayto
- >>81
「きゃっ?」
最後につまずく時雨。ちょうど飛び出してきたカサギに頭から突っ込む形になる。
- 83 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/03(日) 18:48:20.77 ID:/KB7yGMF0
- >>82
「よーしよし」
正面から受け止めるカサギ。びくともしない。
「なんだお前達。騒がしい」
暇つぶしに患者共の様子を一瞥していたレラが振り返って。
時雨の顔を見るなり顔をしかめた。
「また小うるさいのが増えたな……」
- 84 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/03(日) 19:48:31.93 ID:tqJ14Ayto
- >>83
「はっ、すみません!どこかお怪我はありませんか?」
軽々とキャッチされ、床にそっと降ろされる。少し冷静になったようでカサギに頭を下げた。
- 85 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/03(日) 20:46:38.02 ID:/KB7yGMF0
- >>84
「怪我をしてるように見えるか?」
丈夫さには自身があるのか自慢げに尋ねかえす。
実際に見るからに強靭な身体に不調は無さそう。
「お嬢ちゃんのほうこそどうだ?
ここに来る前から結構派手な物音がしてたが……」
脇の下に手を取す形で抱えた時雨を降ろしながら様子をうかがう。
「……ここ、男子校じゃなかったか?」
「どうでもいい。……はぁ、お腹空いた……」
出番がないと悟り戻って、同じく戻ってきたレラに耳打ちする。
レラの方は気力が底を尽きかけているのか妙にしょげていた。
- 86 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/03(日) 21:24:43.54 ID:tqJ14Ayto
- >>85
「ええと……大丈夫です。ありがとうございます。」
ところどころに小さなかすり傷などがあったが乱れたセーラー服を直しながら話をしている間にもすーっと消えていく。保健室リジェネ効果すごい。
「そうだ!綾さん!鈴ね……鈴さんはどうなんですか綾さん!」
鈴の横で寝ている綾を起こし前から両肩をつかみ乱暴に揺すりながら尋ねる
- 87 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/04(月) 04:21:06.72 ID:3o5jbImBo
- >>86
「そうか。大丈夫ならいいんだ」
時雨の傷がたちどころに治っていく様子に驚きを隠せないが、その凄まじさは信頼に値するものだった。
「zzz……?」
側で手を握りながらじっとしたまま数時間。
意識は次第に下っていきやがて眠ってしまったようだ。
物音で覚めかけていたところに肩を揺さぶられてゆっくりと身体を起こす。
時雨を見つめながらどう説明したものかと思案していると、横から声がかかる。
「特殊な状態にあるようだ。
例えるなら呪いのような感じらしい。
原因を見極めない限り回復は見込めないそうだ」
栖狩光宗。細見で優れた見た目をした、見るからに実直な男だが、同時に堅物であることも筒抜けてしまうだろう。
今までの時間で鈴のカルテには一通り目を通していた。性別などは偽装されているため気づく余地は無いが。
「ところで、部外者だろ。
あまり感心しないな。ここは危険だぞ」
時雨に軽い説明を施すが、その一方で堅物さを発揮してくる。
- 88 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/04(月) 17:30:22.37 ID:/fXYXhhVo
- >>87
「呪い……!?
うっ……わ、私は霜月の身内なので」
光宗の説明に質問をしかけたが続く警告でキャンセルされた。堅物さはこちらも似たようなものなので指摘は効果抜群だった。
- 89 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/09(土) 05:27:19.54 ID:35mbtB9l0
- >>88
「寝たままで改善することはないだろうな」
ふむ。と同じく容体を案ずるような唸り。
「まあ、そうなる気持ちもわかる。が、余り入り浸っていい場所じゃないぞ」
今回は咎めるつもりは無いようだ。
その様子を横で見たレラには思うところがあるようでニヤついている……。
- 90 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/09(土) 15:55:13.72 ID:QQHc6uc7O
- >>89
「……」
この世の終わりのような顔で鈴の方を見る。今にも泣きそう。レラのことは最初からまったく目に入っていない。
- 91 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/09(土) 17:39:54.04 ID:35mbtB9l0
- >>90
「な、泣くな! ほら、これやるから!」
泣きだしそうな顔を見たレラは驚いた顔をしてすかさずポケットから出した飴玉を握らせてくる。
「戻す方法が見つかっていない訳ではない。待っていろ」
時雨に静かに言い渡すと踵を返す光宗。
「レラ、カサギ。コイツが倒れてた場所を調べるぞ。
何かが見つかるかもしれん。お前にメッセージを送ってきた相手のことも」
「チッ……少しだけだぞ」
「そこのアンタやお嬢ちゃん、暗くならないうちに帰りなよ?」
綾と時雨を順番に見て、声を掛けてから光宗についていく形で去って行った。
- 92 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/10(日) 20:23:46.27 ID:SLYfR5yqo
- >>91
「なっ、泣いてなんか……ちょっと目にゴミが入っただけです!あっ、ちょっと!」
置いていかれてしまった。
- 93 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/11(月) 04:44:40.86 ID:VjIVokFb0
- >>92
「……僕も、やることをやらないと」
続いて立ち上がった綾も帰ろうとしているらしい。
帰りがけに時雨と目を合わせて。
「鈴のお父さんとお母さんには、学校が連絡してるらしい、から」
と、静かにそれだけを伝えて。
- 94 :霜月 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/11(月) 23:07:49.76 ID:N375ihlIo
- >>93
「あっ……はい、お気をつけて」
綾も去り、保健室に残るは眠る霜月ふたりと涙目の霜月ひとり、そして天井裏のどこかは判らないが確かに気配はする保健室の先生。
「……」
保健室に飛び込んだ際にその辺りに投げ捨てていたケース型武器を拾い、本体と中身の確認整備を始めた。
- 95 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/11/25(月) 06:09:30.54 ID:0+i8uIQS0
- >>94
保健室のドアが開き、金髪の青年が入ってきた。
「まだ居たのか」
青年は時雨が来ていたことを知っていた。
廊下を荒らしながら駆け抜けていった少女の話題は既に彼の身にも届いていた。
武器の整備をする時雨を横目に鈴の眠るベッドの元へ向かおうとしてその手前で歩みを止める。
「……なんでまた」
一時は無事だったはずだが、明らかに別な大怪我で眠る伊織を訝しむような目で見つめる。
思案も程々に、再び足を進め鈴のベッド脇にまで進むと綾が居ないことを確認し振り返った。
「時雨ちゃん、綾が何処に行ったか知ってるか?」
- 96 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/11/28(木) 12:32:06.48 ID:azvfhPaLo
- >>95
「あっ、はい。お邪魔してます」
なんで自分がここである程度の時間を過ごしたのを知っているんだろうという顔でライナーの方を見ている。
「大丈夫ですよ、この人は殺しても死にませんから。ひっぱたけば目を覚ましますよ」
冷たいようだがおそらく事実だろう。
「いえ……何かやることがあるとか言われてましたけど……」
- 97 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/01(日) 20:31:01.70 ID:yQhk0eQG0
- >>96
「今はゆっくり眠らせてやってくれ」
この怪我の具合だとまたなにかを企んで一仕事……と言ったところだろう。
後々、そのたくらみが何であったかハッキリとさせておけばいい話だ。
「そうか。居ないならいいんだ。
今日は引き上げるから迎えに来ただけなんだが……。
時雨ちゃんは何時までいるつもりだ? 気持ちは解るが、ここにずっと居るわけにもいかないだろ?」
- 98 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/12/02(月) 22:52:54.79 ID:5XIrSDDEo
- >>97
「ご心配なく!準備は抜かりありません!」
お泊りセットだ。
- 99 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/06(金) 03:15:04.07 ID:9DtcgKsmo
- >>98
「いや、そういう意味じゃないんだ……。
両親に話すとか、学校とか……あるだろ? 他にも色々」
学校側にも許可もとってないだろうし、色々問題が思い浮かぶ。
「それに……多分だけど、先に起きるのあっち(伊織)だぞ?」
- 100 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/12/13(金) 13:13:06.10 ID:RWisV3j7O
- >>99
「緊急時なので大丈夫です!ちゃんと先生には報……」
「時雨ちゃん!学校はちゃんと行かないといけません!成績が良くても!」
「えっあなんで」
「問答無用です!」
「そんなっ」
「それでは失礼します」
スマブラには出られなさそうな格好のお姉さんが扉を開けてつかつかと入ってきたかと思うと時雨を抱えて去っていく。彼女が部屋を出る前に一礼して扉を閉めると保健室は再び静寂に包まれた。
- 101 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/17(火) 04:57:43.26 ID:hu0x0LHT0
- >>100
「……??????????」
なんだかすごい恰好の人が見えた気がする。
衝撃的すぎて一瞬頭がグラついてハッキリと覚えていない。
「まあ、いいか……」
- 102 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/12/17(火) 17:21:50.06 ID:Zl7Zi+5kO
- >>101
「ライナーくんもああいうの好きみたいですね。紹介しましょうか?」
ニヤニヤしながら話しかける伊織。いつの間にか起きていたようだ
- 103 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/18(水) 01:29:24.88 ID:0o5t4jXE0
- >>102
「……ハッ」
声を掛けられて気を持ち直した。
「お前と一緒にするなよな……もういいのか?」
- 104 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/12/18(水) 02:18:00.83 ID:9aCym0q30
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- 105 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/12/18(水) 17:49:11.34 ID:9aCym0q30
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- 106 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/12/20(金) 23:10:17.20 ID:+/rVuqvco
- >>103
「だらしない顔してましたけどねえ……ま、女の子の胸が揺れれば男なら誰だって仕方ないですけどね」
仲間を見る時の笑顔だ。
「体の調子はこの通りバッチリですよ。先生の治療は良く効きますからね。おかげでついつい調子に乗っちゃうんですけど……
そういえば天井裏に気配が感じられませんね。どっか行っちゃったんでしょうか先生」
- 107 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/21(土) 05:17:48.24 ID:1HtqRhx50
- >>106
「そりゃあ、まあ、な」
否定はしない。
「そりゃあいい。で、今度はどうして寝てたんだ? ん……そうなのか?」
気配を感じ取ることに関しては鈍いようだ。
「あ、そうだ。保健室を増やす話。思いのほか早く進みそうだ。
日ごろから血の気が多いというか……備えに関しては皆協力的だよ。
人の方も良いカンジのが見つかってな。早速、明日下見ってところだ」
- 108 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2019/12/22(日) 09:44:52.27 ID:OKvKp3bTO
- >>107
「毒の手裏剣を食らいましてね……
ええ、いつも優しい気配を感じるんですが今は……
えぇ!?随分手が早いですね!?」
流石の伊織も驚いたようだ
- 109 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2019/12/28(土) 02:41:25.11 ID:4VrYE6Bc0
- >>108
「何処かに行ってるのかもな……休んでるんじゃないのか?」
「ま、速いに越したことはないだろ?
ちょうど、理事長の方で確保してた人が今回の件で使えそうだっていうんでな。運が良かっただけだが」
辺りを見回し、誰も居ないのを確認して。
「ちょっとは……いや、結構期待してもいいぞ?」
ライナーくんも男の子だ。
- 110 :霜月 伊織 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/02(木) 21:04:34.55 ID:1ulF2FRX0
- >>109
「うーん……そうなんですかねえ?」
なんとなく天井裏の秘密の部屋はとても快適な感じになってそうなイメージだったが外に休みに出ないといけないような作りになっているのだろうか?
「へェ、理事長なら安し……ほう、詳しく、詳しく聞かせてもらいましょうか」
すごい食いつきだ
- 111 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/03(金) 09:04:00.04 ID:MuWqYfl0o
- >>110
「俺も詳しいことはわかんないけど。
職場に籠もりっきりというのもな……」
「詳しく、なぁ。
まだ確定した訳じゃないし、話せる事にも限りが……」
予想以上の食いつきに日和る。
「そうだなぁ……だったら明日、来るか?
お前もお世話になることが多いってのもあるし、そう言う意味じゃ戦力だ。お前にも見極めてほしい」
- 112 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/05(日) 09:53:03.13 ID:6VF0pwGlO
- >>111
「写真は?スリーサイズは?ぎゃっ!」
つかみかかるようにライナーに聞きに行った伊織に大きなたらいが直撃する。当然くっついているライナー君にも当たる。保健室の先生はどうやら帰ってきたらしい。
- 113 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/08(水) 18:57:06.85 ID:MVUBHyHU0
- >>112
「ぐわっ!」
いつの間に帰って来ていたのだろうか。
気配を察すえることができないのでそれすら解らなかった。
頭を抑えながら天井をぼんやりと見つめて。
「……帰るか。今日のところは……」
- 114 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/10(金) 17:17:53.81 ID:tGpU0FAoo
- >>113
「そうですね……ここなら兄さんも安全でしょう。僕もしっかり準備を整えて出直すとしましょう。さあ、行きましょうかライナー君」
- 115 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/14(火) 12:24:11.61 ID:Zwz/QGb40
- >>114
「ああ……」
ガラにもないことをしてしまった。と自省中の青年であった。
翌日:放課後:正門前
「わざわざすまないな。今日はよろしく頼む。
もうそろそろ時間だが、これ。相手の情報だ。さらっと眺めておいてくれ」
手渡された資料には、緑間 纏という28歳の女性のことが書かれていた。
ストレートのロングヘアに気の強そうな顔立ち、今まさに写真で見た通りの人物がこちらへと向かってきていた。
- 116 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/14(火) 17:29:34.53 ID:Btc4qKGhO
- >>115
「ほほう……なんというか、関節をバキバキに外しながら『フフッ、アタシは治すのも得意だけど、壊すのはもっと得意なのさ』とか言いそうなタイプのお姉さんですね……
もっとサキュバス系のお姉さんかと思ったのですが……ん?あっ。ほう……」
書類と本人らしき女性とに交互に視線を移動させる
- 117 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2020/01/16(木) 02:22:55.86 ID:8Te4SfEb0
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- 118 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/26(日) 01:20:58.04 ID:gJsW9gOa0
- >>116
「ん? 時間丁度だな」
伊織に渡したものと同じ資料を見ていた青年は遅れて女性の存在に気付いて。
「はじめまして。
今日は理事長に変わって案内をします。ラインハルト=アドヴァルドです」
「そうか……。
私の名前は知っていると思うが、緑間 纏(みどりま まとい)だよ。こちらこそよろしく」
何故か最初から白衣を着ている緑間。白衣の下からは黒タイツに包まれた脚が覗く。
切れ長の鋭い目がライナーくんから伊織に向いて。
「それで、こちらは? お友達かな?」
- 119 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/27(月) 08:55:41.18 ID:5TW4RRKio
- >>118
「霜月 伊織と申します。纏先生、以後お見知りおきを」
両手で纏の右手を持って握手。その表情は当然歯を輝かせながらの100点満点のイケメンスマイルだ。
- 120 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/29(水) 19:08:37.70 ID:xWQAtWqt0
- >>119
「あぁ……どうも。よろしく」
手を取られて戸惑いを交えながらも笑みで返す。
「友達は友達ですけど、今日はアシスタント……のようなものです」
「そうか。わかったよ。
それよりもここは寒い。早く中に入ろう」
そう言うなり正門をスルーして校舎の外周をまわっていくような足取りをとる。
恐らく、より保健室に近い裏口を目指しているのだろう。
- 121 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/30(木) 12:36:01.96 ID:wyC/N3eKO
- >>120
(試してみますか……)
明らかに危険すぎる職場、そのうえ今は更に危険な状態であることがわかっていてやってきた保健教諭。
伊織は背後から忍び寄り抱きつくようにして右手を胸に、左手を股に滑り込ませようとした。
- 122 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/30(木) 20:02:12.56 ID:IawnZUc+0
- >>121
手をすり合わせながら歩を進める纏いのハイヒールが、舗装された地面を叩くコツコツという音の感覚は短い。
背を丸め、寒さに震えている様子は無防備に見えることだろう。
「近付きすぎだよ」
しかしながら、伊織が踏み込んできたところで急激に身を翻す。
ミニスカートのスーツから伸びる脚を大胆に振り、回し蹴りを放った。ハイヒールの踵が伊織の鼻先を掠める丁度のところで。
「寒いのはわかるけどね。早く中に入ろう」
何事もなかったかのように身体を戻し、裏口から校舎へと入っていく。
「お前、気が早すぎないか?」
後から追いかけてきたライナー君が呆れた顔で。
- 123 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/01/30(木) 23:02:35.06 ID:mCTC9TfYo
- >>122
「ははは、先生が寒そうなので温めて差し上げようかと思ったんですけどね……」
手を上げろと言われたときのような姿勢で止まる伊織。タイツに阻まれパンツは見られなかったらしく少し残念そうだ。
「やっぱり武闘派の先生でしたね」
姿勢はそのままでライナーの方に振り返りながら答えた
- 124 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/01/31(金) 16:46:55.13 ID:8xCkBsp30
- >>123
「にしても、凄いものだな。
全然警戒してるように見えなかったから、てっきりそのまま捕まるのかと」
繰り出された蹴りはヒールの長さも考慮したギリギリの角度だった。
少しずれていれば全く違った結果になっていたかもしれないというのは、体験した伊織が一番実感できるはず。
「おっと、もう行っちゃったぞ」
既に校舎内へ入っていた緑間を追いかけて小走りで。
「緑間先生、どこへ行くつもりで?」
「保健室じゃないのか?」
「先ずは第二の方から見てもらおうかと……」
「そうか」
真っすぐ保健室に向かおうとしていた踵を返し、戻ってくる。
そして揃って階段を歩き始めた。
「伊織、まだ話してなかったな。第二保健室の場所。
空き教室を使うって話はしたよな。その関係で、ちょっと距離が離れてるんだ。
ゆくゆくは近づけたいって構想はみんな持っているみたいなんだが……実現はいつになるかな」
「それで、どこに行けばいいんだ?」
「ああ、階段を上がり切った廊下の右側です。
多分、入り口に搬入作業の残りがまだあるので、場所はわかるかと」
「わかった」
そういうなり一足先に階段を上がり先に消えていく。
回し蹴りの時に垣間見えたミニスカートなら下から覗けばあるいはというところだったが白衣に阻まれていた。
- 125 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/02/04(火) 20:07:19.18 ID:QZC3/2YrO
- >>124
「……ライナー君は、意外と全然警戒とかしないタイプですよね」
鈴は見た目通りだがシルバーゴテゴテだったライナーも割とそうなのは伊織にとって意外なところであった。
「おっと」
置いていかれそうになるがすぐについていった
- 126 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/02/12(水) 21:35:18.98 ID:GYprneHw0
- >>125
「お前達と違って戦う必要に駆られちゃなかったんだよ。俺の場合はあくまでも手段だ」
廊下に出てみると、確かに搬入作業の途中なのが見て取れる箇所があった。
既に先生は中に入っているらしく、ライナー君もそれに続く。
「一通りそろってるみたいだが……中はまだ空みたいだな」
棚の中を開ける青年と教員ようの机の引き出しを確認する先生。
窓際に置いてある机からは中庭が一望でき、冬化粧の施された姿がよく見えた。
「ここ、空き教室で来る機会が無かったが、こんなにいい景色だったんだな」
「ああ、ここからだと桜の木がよく見える。いい場所だよ」
教員用の椅子に背を預け、一通り教室を見渡した後窓の外を眺め笑みを浮かべる纏。
- 127 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/02/13(木) 22:13:01.84 ID:mpGkgu+Xo
- >>126
「僕はまあ叔父さんにうまいこと丸め込まれたというかなんというか……ま、楽しくやってますけどね。」
「ほう……これは絵になりますね」
携帯端末を取り出し纏の写真をとりながら近づいていく。
- 128 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/02/18(火) 17:09:29.99 ID:UyNOGqUMo
- >>127
「写真、取るのはいいがSNSへの拡散なんかはしないように」
自然体でかけていた姿から、より映えるようにポージングをしてみせ。
「桜、今年はよく咲くといいですね」
「そうだな……今から待ち遠しいよ」
- 129 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/02/19(水) 20:24:42.02 ID:N+w0E08mO
- >>128
「デュフフ個人用です」
少しずつ近付きローアングラーと化した伊織
- 130 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/02/20(木) 04:39:29.16 ID:ruX4rIb8o
- >>129
「だったら構わないよ」
そう言いつつ目線まで投げて。
けれども脚をしっかりと閉じていて奥深くは撮れそうにない。
「俺、理事長に連絡入れます。少し、ここで待っててください」
「わかった」
ポケットからスマホを取り出し、入り口へ向かい。
「……あんまり変なことばっかりするなよ? 来てくれなくなっても困るだろ」
と、さり際に一言。
が、それからすぐ。
伊織のスマホにライナーくんからメッセージが届く。
>さっきの話、お前はどう思った?
>理事長に確認取るのは本当だが、お前も警戒しといてくれ。
「二人っきりになってしまった。
せっかくだし話でもしようか」
ポーズは変えず、カメラ越しに目を合わせて語りかけてくる。
- 131 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/02/20(木) 12:49:51.21 ID:hNOIN5EKO
- >>130
「ふふ、そうですね。僕ももっと纏先生のことが知りたい……」
許可を得た事で喜んでいろいろなアングルから写真を撮りまくりつつもきっちりライナー君のメッセージも読む。しかしその撮影に全く影響はない。誰もメッセージが届いたことすら気づかないだろう。
そして先生から話しかけられれば直接目を合わせ、机に手をついてイケメンスマイルで応える。近い。
- 132 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/02/24(月) 00:47:03.93 ID:4ZyNDwaX0
- >>131
「私のことか……。
だったら、私の役割の話でもしようか。伊織くんは知らないだろうからね」
目の前で微笑みかけられても動じる様子を見せず、微かな笑みで応え。
椅子を下げて少し距離を取ってから口を開く。
「この教室を見てくれ」
示したのは、第二保健室へと生まれ変わる途中の空き教室。
棚や机は新調されたものだが、身長計や体重計は元の保健室から持ち運んだらしく見覚えがあるだろう。
特徴的なのは纏の背後に、廊下から直接はつながっていないまた別の部屋に繋がるドアがあることだ。
「治療の腕なら彼女だけで十分だろう。
だから、彼女の補佐として私は呼ばれているというのが一つ。
健康測定や簡単な手当て。薬の発注なんかの雑用もだね」
立てた人差し指を伊織の目の前に持っていき、もう一本の指を立てて『二』を示しながら。
「大きな仕事がもう一つ。こっちも彼女には難しいだろうね。
そして、私の得意分野でもある。……なんだと思う?」
- 133 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/02/29(土) 19:25:48.36 ID:ZsC6fcKMO
- >>132
「……」
促されるまま保健室を見渡し、そしてまた纏へ視線を戻すと微笑む。
「生徒の相談相手とかでしょうか?」
- 134 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/03/05(木) 04:52:25.58 ID:XVC9C+P10
- >>133
「正解。ちょっと簡単だったかな。
彼女に面と向かって話をすることはできないだろうからね。
まあ、協会の懺悔室のような物だと思ってくれればいいよ」
椅子から立ち上がると奥の部屋に足を運ぶ。
前の部屋以上に殺風景……というか、まだ何も運び込まれていない。
「悩み事ができたときにはと寄ってくれ……おろ? 穴が開いているね」
床に敷き詰められているはずのタイルが一角だけ存在しない。
上から覗きこむとどうやら真下に存在する備品管理室に直接つながっているようだった。
名前の通り、学校で使う者のストックが備えられる筈だが、あまり有効に使われておらず室物置状態になっていた部屋だ。
- 135 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/03/05(木) 12:37:46.04 ID:h4UBYsf+O
- >>134
「懺悔室……」
そこは普通にカウンセリングルームとかじゃないんだ等のツッコミを入れることもなく、シスターもののエロ同人みたいな妄想をしながら纏についていく。
「便利そうですけど逆に懺悔中に下から聞かれたり入られそうなのはちょっと問題ですね」
- 136 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/03/12(木) 18:14:00.50 ID:H0ackpTW0
- >>135
「迷惑なだけじゃないか?」
頭上に「?」が浮かんで見えそうなくらい疑問を示す。
「下は……備品管理室だったかな」
空き教室の穴に近づくとしゃがみ、その下を覗く。
丁度、穴の下に手頃な荷物が置かれているのがみえる。
凹みの感覚から上り下りの足場として使われていたのは間違いなさそうだ。
「困ったな。厄介な同居人がいるかもしれない」
- 137 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/03/12(木) 20:24:08.67 ID:5otC59APO
- >>136
「ちょっと荷物取りに行くのに大回りしなくて良いぶん便利かなと思ったんですけど……
第2保健室に必要そうなものはあまり無さそうですか?」
穴を覗き込む纏の後ろでお尻を凝視しながら答える。
「厄介な同居人……」
現在校内を騒がせている白髪の鈴だろうか。それとも……
- 138 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/03/19(木) 19:32:05.20 ID:JNr2Bxql0
- >>137
「秘密の悩みを聞かれたりしたら大変だろう」
穴をのぞき込んでいた纏が徐に飛び込んでいった。
下の部屋の様子をチェックしているようだ。
「明らかに作為的な穴だから、何かあると思うんだけど。
こういうのは伊織くんの得意分野だろう? ちょっと手伝ってくれ」
- 139 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/03/21(土) 18:28:51.23 ID:gChmwRIJO
- >>138
「そうですよね……ってちょっ!」
自分も同じようなことは一応言っていたのになかったことにされている。あまり話を聞かないタイプなんだろうかと思ったところでいきなり飛び込んでしまったのであわてて追いかける。
「ふう……とりあえず誰もいないみたいですね……」
なんとなく纏に鈴に近いものを感じながら周りを調べる。端末で周りに動くものがいないかのチェックも欠かさない。
- 140 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/04/04(土) 04:44:44.35 ID:N/43ed7d0
- >>139
「伊織くんはここに入ったことはあったのか?」
どうやら学校全体の備品が供えられる部屋らしい。
未使用のチョークや黒板消し、プリンタ用紙などが並んでいる。
伊織の忍者的スキルをもってすれば、棚の下の床にさらなる入り口が隠されているのが見つかるだろう。
動かしやすいようにか、一番下の段にだけ段ボール箱を詰んでカモフラージュしているようだ。
「ふむ……潤沢だな。当然だが、薬の類は無いようだけれど」
纏は伊織に背中を向ける形で反対側の棚を物色している。
- 141 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/04/10(金) 23:35:34.00 ID:J+hma/FZo
- >>140
「いえ、大体の部屋は把握してるんですがここは初めてですね……でもまあ見当はつきますよ。こことかね」
まっすぐに隠された入口のもとへと歩いていくと段ボールを除けて暴いて見せる。
- 142 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/04/23(木) 17:30:23.90 ID:E8Iv0j4Z0
- >> 141
「ここから……或いはこっちへ。人が流れていたのか」
隠すにしては半端な手際。
直近で使用されていることの裏付けになるだろうか。
「中は……まだ下があるのか!」
早速蓋を開けるとはしごが続いていて、底は暗くて見えない。
「いってみよう」
言うが早いかはしごに脚をかけ始めた。妙に楽しそうだ。
- 143 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/04/24(金) 22:23:12.57 ID:E80NhYzho
- >>142
「最初は丁寧に隠していたものの何度も通るうちに面倒になったとか……」
地下研究所の面々でそういうのがいた気がする。警戒しているのが急にバカバカしくなってくる。
が、地下には今実際危ない奴がいるのだ。用心するにこしたことはない
「って先生!?」
伊織が穴を覗き込めば既にずんずん進んでいる先生。あわてて後を追った
- 144 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2020/04/25(土) 02:16:32.28 ID:K9/OjSI70
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 145 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/04/25(土) 02:31:15.95 ID:J2gKft5O0
- >>143
「ん、あまり深くないな」
梯子を下りる時には見下ろしながら、慎重さを覗かせつつも。
おもむろにそう呟くなり手を離し、一気に暗闇の中に落ちていった。
「……と。伊織くん、ここは暗いぞ」
着地したらしく、底から当たり前の報告が飛んできて。
「先に進めば明りを付けられる場所があるかもしれないな?」
まだ行く気らしい。
- 146 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/04/25(土) 21:16:26.31 ID:lZwDcXvJo
- >>145
「……どうぞ使ってください」
素早く梯子を滑るように降りてくるとペンライトを渡す。表情がちょっと疲れてきた
- 147 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/04/26(日) 00:25:32.47 ID:q4d/JGfoo
- >>146
「私は夜目が効くんだ。
でも、あった方がいいのは間違いない。ありがとう」
ペンライトをつけると先を照らす。
「ここが噂に聞く学校地下か……。
しかし、ずっと奥までまっくらだな」
「白衣は置いてくるべきだったかな」
はしごに脱いだ白衣を引っ掛けた。
白衣の下は一般的なスーツスタイルに見えるが、スカートはかなり短い。
- 148 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/04/26(日) 12:46:48.34 ID:ZySOjAH7O
- >>147
「奇遇ですね、僕も暗いところは得意なんですよ」
忍者だからね
「僕の知ってる場所は大体どこも結構明るいんですけどね……」
いつもであれば闇に乗じてセクハラをしている筈だがどうもうまくいかない。完全に纏のペースである。
- 149 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/05/03(日) 06:38:54.46 ID:bQ98fKla0
- >>148
「そういえば、ライナー君を置いてきてしまった。
私の携帯も連絡付かないし、今のところ一本道だから問題ないだろう」
ずんずんと先に進んでいく背中は無防備に見えるが、隙が無い。
始めの鋭い切り返しを思い返すに、それなりに戦える人間だということはわかる筈だ。
「……分かれ道だ。どっちに進みたい?」
問題なしじゃなくなった。しかし帰る気はないらしい。
- 150 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/05/06(水) 18:06:56.91 ID:J0Ba/j78o
- >>149
「そういえば待っててって言ってましたね……」
完全に振り回されっぱなしで忘れていた。
「まあ僕の端末なら連絡はつくと思うんですけど……分かれ道ですか。うーん、どこに向かっているんでしょうこの道は……」
- 151 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/05/25(月) 14:35:23.21 ID:6kNpiEm50
- >>150
「その必要はないな」
背後から声が投げかけられると同時に地下廊下の電灯が灯る。
振り返るころには追ってきたらしいライナーくんをしっかりと視認できるだろう。
そして、彼が黒いアタッシュケースのようなものを提げているのもわかるはず。
「ライナー君……穏やかじゃないな」
「緑間先生のことを確認したんですけど、どうにも聞き取り切れなくて。
終いには「自分で試してみろ。」と言われちゃいましたから……そうしようかな、と」
- 152 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/05/27(水) 09:07:02.37 ID:ISTPehKCo
- >>151
「流石ですねライナー君。この辺りは僕もよく知らなかったので助かりますよ」
また調べておかなければと思いながら明るくなったあたりを見渡す。
「試す……」
期待していいと言っていたからそうなのか、それともシリアスな感じなのか……とりあえず一歩引いて二人を見守ることにした伊織。
- 153 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/05/27(水) 15:16:19.50 ID:DVD90Gy30
- >>152
「戻って見ると居なかったから、驚いたけどな……」
彼も纏に振り回されている一人には間違いなく、ため息が零れる。
明りが点いて鮮明になった周囲は一面が研究所と同じ壁が用いられた通路だ。
ただ掘られただけの地下の洞穴でなく、確りと整備されたものであることが読み取れる。
「私は君たちの味方だよ。それだけは断言しておこう。
それ以上のことが知りたいならば……ここで構わないよ。試してみるか?」
笑みを携えたままの纏だったが、明確な戦意を露わにしているのは間違いなかった。
それと言った構えもなく立っているだけにも見えるが、突く隙は見当たらない。
彼女はラインハルトの方を見ていたにも拘わらず、伊織にも確実に『視られている』感触があるはずだ。奇妙な雰囲気の正体はそこだ。
「……それが聞けただけで良しとしましょう。今は」
黒いケースのようなものを肩にかけるようにして背中に回すと同時に踵を返す。
「妙な調べものの時間のせいで結構遅れてしまいましたから、今日はもう帰りますよ」
「そうか・……私は暴れても構わなかったんだが」
微笑みを絶やさないままだったが、奇妙な感触が消えるとその前後ではやはり穏やかさに違いが感じられるだろう。
伊織の肩を軽く叩くとライナーくんの後を追う。
「探索ごっこはまた今度だね」
- 154 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/06/01(月) 20:15:08.77 ID:NUe9zal4o
- >>153
「はは……すみませんね」
申し訳無さそうに苦笑いを浮かべる。実際申し訳ない気持ちはあるようだ。
「そうですね、地下は今ちょっとあんまり長居したくはないですね……」
フラグっぽいことを言ったが特に何事もなく来た道を戻り始める
- 155 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/07/01(水) 06:19:07.82 ID:9mn1XSWk0
- >>154
「そうだったのか。じゃあ早く戻ろう」
今来た道を素直に戻って。
梯子の下で伊織を待っていて。
「さあ、先にあがって」
- 156 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/07/02(木) 09:48:12.78 ID:thwI86Xyo
- >>155
「……ライナー君、ここ入るときに上閉めました?」
はしごの下から上を見上げた伊織。纏と伊織が入ってきた時は開けっ放しで入ってきたはずの入り口が閉じている。
- 157 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/07/04(土) 21:53:36.77 ID:YeCb9J08o
- >>156
「……閉めてないな」
同じく梯子を見上げ、閉まっている扉を訝しみながら答えた。
- 158 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/07/05(日) 16:53:01.39 ID:iQ4IAI3Ko
- >>157
「っ……!」
端末を確認。周囲に自分たち3人以外の反応はない。閉じた入口を開けようとするが上に何か乗っているようでびくともしない。
「とりあえずここは早く離れた方が良さそうですね……」
- 159 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/07/09(木) 03:02:02.12 ID:QA7VuEIn0
- >>158
「奥に進むしかないな……」
重く言葉を吐く青年の横でちょっと嬉しそうにしてる先生がいる。
「ある程度は知っているエリアだが、だからといって安全とは限らないからな。充分、用心してくれ」
- 160 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2020/07/09(木) 06:32:13.91 ID:AuTo7kdTo
- >>159
「……何か、居ますね……」
端末で周囲の生体反応を見つつ進んでいた伊織が前に出て二人を止める。
『おっ、なんだ姉ちゃん新顔か?な、なにしやがる!ぐげあ!』
耳をすませば先の方からは戦闘音のようなものが聞こえてくる
- 161 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2020/07/14(火) 11:18:39.25 ID:6e7apX4Q0
- >>160
「……穏やかじゃないな」
肩に担いでいた黒いケースの取手に力が入る。
近くでよく見てみれば、ケースの形をした黒い金属片の集合体のようで収納用途に使う者ではなさそうだ。
「荒事にはこと欠かないな」
両手で緑色の長髪を掻き上げながら、最後尾を歩く。
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