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【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】

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220 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:23:58.83 ID:69z9u1eTo
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以上です。

これも1つのキャンパスライフの形。
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 19:57:48.86 ID:iOb/k8LNo
こんばんは〜

…って…ん?
222 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 22:05:19.53 ID:69z9u1eTo
>>221
こんばんは。
要するに、素敵な友達の話です。
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 22:20:25.57 ID:IBbSqADUo
どじっ娘寝子にゃん、こんばんはw

微妙に張られた伏線が気になる〜〜〜
次回にも期待w
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 22:52:18.98 ID:IvBXMgfW0
さやにゃんこんばんは

最近はレスを控えておりますが毎日見ているよ
(これからの展開がどうなるのか期待半分不安半分ではありますが)
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/03/26(木) 23:02:29.72 ID:f1jbuYRY0
こんばんは
来月からもう2年生か
早いね〜
226 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/27(金) 00:10:06.92 ID:xHxBzXEoo
>>223
こんばんは。
この先紐解かれていく…はずです。
ありがとうございますw

>>224
こんばんは。
ありがとうございますw中々書けなくてすみません…。
今後もよろしくお願いしますm(_ _)m

>>225
こんばんは。
はやいものですねw
今年で成人なんですよ!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 07:50:50.57 ID:OygxH8/uo
ネコ耳ミステリ作家誕生?
228 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:42:03.45 ID:duORX07Qo
>>227
ジャンルは百合で、プロットは人任せですが…w
構成力の無さを痛感しております…。



短い話を1つ、投稿します。
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/28(土) 00:45:18.40 ID:a9gDVHdKO
あら、今日はゆっくりやな
夜更かしは美容の敵やで〜
230 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:46:02.58 ID:duORX07Qo
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11月某日


研究室から続く廊下は、日中の賑わいもなく静まり返っていた。

立ち止まって窓の外を見る。
外はすっかり暗くなり、夕方降り出したにわか雨は未だ降り続いていた。
小さくため息を吐いて、再び歩き出す。

静かな廊下には自分の足音だけが響く。
湿ったリノリウムの床と擦れる足音は、どこか間が抜けたように聞こえる。


行き着いた先、ベンチが立ち並ぶ自販機前。
人の気配に顔を上げると、さも当然のような顔で「おつかれー」と労いの言葉をかけてくる。

「…メールしてよ」
「先に言ったらおもしろくないでしょ?」
「ばか…。もし帰ってたらどうするの」
「本当は今メールするところだったけどね」

なんて憎まれ口を叩きつつ、内心の嬉しさを隠しはしない。
「ありがと」と言って、彼の側に並ぶ。

相変わらず、こういうサプライズを仕掛けるのが好きなしょうちゃんだ。
こうして待ってくれているのはこれで2回目。

響く足音は2つ。
やはり間が抜けて聞こえる。


ぐるるる

「…腹減ったな」
「……聞き流してよ…」

ついでに気も抜ける。

231 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:48:36.54 ID:duORX07Qo


降り出した時の勢いも弱まり、今はしとしと雨に変わっていた。
か細い雨音は、不思議と無音よりも静けさを感じる。
これくらいの雨は嫌いじゃない。
…出歩かなければ、だけど。

鞄から折りたたみ傘を取り出すと…それを取り上げられてしまった。

「これはいらないねー」
「……そうですね」

彼が差す傘に入る。
必然、身体が寄り添う形になる。
それよりも気持ち近づいて、傘を持つ腕に手を添えた。

傘を叩く音が絶え間なく耳に届く。
心地よい静かな雨音。
雨の中を歩くのも、嫌いじゃないかもしれない。

「さむいな」
「うん…」

冷たい風が通り過ぎ、彼がぶるっと身を震わせる。
むき出しの手は、さぞかし冷たいのだろう。
傘を持つ手を囲うように両手で握る。

「…こうすれば、少しはあったかいよ」
「……あざといなー」
「それはお互い様」

なんと言われようと、握った手は離したりしない。
たとえこの先どんなことがあっても、私からは決して離さない。



「おつかれー」
「あ、おつかれっす」





「…今さら離してもばれてるから」
「…はずかし…」


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232 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:54:58.62 ID:duORX07Qo
以上です。

いつかはこんな雨路もありました。




>>229
こんばんは。
思いついたうちにと…つい遅くなりました(^^;;
もうすぐ寝ますね。
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/28(土) 00:58:05.19 ID:a9gDVHdKO
やっぱり、ほっこりするなぁ〜

お疲れさま!
234 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 17:58:41.93 ID:duORX07Qo
>>233
それは何よりですw
こういう話も入れつつ進めるつもりです。
一応つもり…w
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/29(日) 01:20:34.20 ID:my8UxMQho
さやちゃんこんばんは!

心配症のおっさんはこの先の展開が不安で仕方無いわ
236 : 【大吉】 [sage]:2015/04/01(水) 04:58:44.26 ID:PsMZmZ+DO
エッセイストとしての才能が徐々に開花?
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/02(木) 20:45:19.50 ID:P0ewGAKAO
これはほっこりする2828(・∀・)
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/02(木) 20:47:31.50 ID:wprqfkNUo
さやちゃん小説家でも目指してんの?
239 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 15:01:26.85 ID:6cn57jgso
>>235
仰々しく言っておいて、実際は大したことないかもしれません…(^^;;

>>236
リアルに少しスパイスを加えたリアリティという…つもりで書いていますw
エッセイになるのでしょうか…?

>>237
ありがとうございますw

>>238
目指してないですよw
飽く迄趣味の範囲で楽しむつもりです。




ちょうど今、執筆時の一幕を書いているところでしたw
今日中には投稿できるかと思いますので。
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/04/05(日) 16:41:14.62 ID:DCrk0oG00
さやにゃんこんにちは  
 
眠気と戦いながらまってるよww

241 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:21:32.93 ID:fH0yPlZMo
>>240
こんばんは。
ありがとうございますw

それほど遅くなりませんよー。



というわけで、出来ましたので投稿していきます。
242 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:25:36.18 ID:fH0yPlZMo
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12月某日


淡い暖色系を基調とした、温かみのある落ち着いた部屋。
初めて来た時は少し意外に思った。
当時は彼女のことを、ちゃんとわかっていなかったということなのだろう。
それも懐かしく感じるほど、今では慣れ親しんだ場所となった。

そんなくつろげるつぐみさんの部屋で、私は落ち着きのない時間を過ごしていた。

淹れてくれた紅茶に口を付けつつ、真剣な表情でパソコンに向かっている彼女を窺う。
つぐみさんには、書きかけの小説を読んでもらっていた。
正確に言えば、行き詰まった小説…。


程なくして彼女はほっと一息吐き、真っ直ぐにこちらを見据える。
私と目が合うと、しかして少し視線を逸らし、ゆっくりと口を開いた。

「……よく、書けてると思う」

熱のこもった声で丁寧に告げられる。
想像していなかった反応に、戸惑いながらなんとか返事をした。

「え、あ…ほんとに…?」
「…うん…」

それほど多くない言葉。
でも、その口調と声色にただならぬものを感じた。

「…な、なら、よかった…けど…」
「…」

伝染するように、私にも言いようのない緊張が走る。

「…えっと…」
「…ふふ」

それも束の間、彼女の柔らかい笑い声で、空気が弛緩した。

「さやちゃんに頼んでよかった」

つぐみさんはいつもの笑顔で、そっと私の頭を撫でてくる。

「う……そ、そんな…自信なくなってきてたんだけど…」
「大丈夫。ちゃんとおもしろいから」

そこには普段通りの光景が広がる。
何の違いもない、はずの。


243 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:27:06.13 ID:fH0yPlZMo


つぐみさんに意見をもらいながら、続きを書き進める。
考え考えしながらも、それなりに手は進んでいた。

元々漫画で掲載する予定だったこの話。
都合で書けなくなって急遽今回のような運びとなった。
その為、プロットもストーリーもある程度は出来上がっている。
行き詰っていたのは、要するに自信がなくなっていたのだ。
「よく書けてる」と言ってくれたことが、何より心強いアドバイスであった。



そうして私がパソコンに向かう最中、つぐみさんはというと、私の髪で遊んでいた。

無邪気に戯れるように、毛先で自分の顔をくすぐったりしている。
彼女らしからぬ行動である。

「さやの髪は、女の子の匂いがするな」

そして、明らかにいつもとは違う口調。
まるで今書いている物語の主人公のような言い方と、書き覚えのあるシーンのようだ。

まあ、このヒロインのように「だ、だって女の子だし!」なんて殊勝なことは、私には言えないけど。

…ていうか実際言われてみるとすごい恥ずかしいなこれ…。

弄んでいる彼女の手から離れようとすると、すんすんと嗅いで言葉を続けた。

「むらむらする」
「…台無しだよ!」

…一言足しただけで残念なシーンの出来上がりである。


244 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:28:53.29 ID:fH0yPlZMo


別のシーンへと移る。


机の上に投げ出した左手が、彼女の手に包まれる。
ひんやりして気持ちいい。
ゆっくりとした手つきで次第に指を絡ませ、ぎゅっと握られた。

「……手枷の代わりに?」
「……うん」

目を合わせると、つぐみさんは優しく微笑んだ。

「簡単にほどけてしまうのにね」

言いながら緩める手を、私から軽く握り返した。

「…すぐ繋ぎ直せばいいよ」

そう答えると、つぐみさんは破顔して声を上げて笑い出す。

「ふふ、イタすぎ」
「い、今のはボツ案にしたから…」

ボツにしてよかった…。
思いつく時点でイタいのだろうけど。
重々承知している。



幾年もかけて募った重たい感情。
そう表現した主人公の心情は、果たして正しいのだろうか。
この行動に込めた思いとは。

彼女の表情を思い返して、そのシーンに一文付け加えた。


書き連ねた物語も佳境。
夜が明ける頃には、彼女と彼女は結末を迎える。


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245 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:31:20.30 ID:fH0yPlZMo
以上になります。

とある物語の話。
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/05(日) 19:40:17.23 ID:1nWLGvSR0
さやにゃん       


つぐみさんと……(……)
247 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 21:58:49.97 ID:fH0yPlZMo
>>246
つぐみさんとは良き仲でありますw
今も昔も、これからも。
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/06(月) 01:27:31.26 ID:9bENHk1co
さやちゃんこんばんは

「ムラムラする」
「…台無しだよ」→「…わたしも」

これで完璧なシーンですねわかります
249 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:47:52.14 ID:IK87kB+Ro
おはようございます。(早起き)


>>248
そういうことです(涎)
いや、ほんとは純粋でもどかしいシーンなんですよ。




続き投稿します。
思いの外長くなってしまったので、一旦区切りました。
この先はまた今日中にでも。
250 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:49:46.66 ID:IK87kB+Ro
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大学にも席替えというものがあることを知った。

通常の講義は基本的に自由席なので、先生から席を決められているわけでもない。
しかし、ほぼ毎日講義を受ける自分の教室であれば、わざわざ毎朝席を探すこともなく、自ずと座る席も決まってくる。
図鑑みたいな教科書とか、そりゃあ置いて帰りたいし、自分の席がないと困る。

好きに座っていいとなれば、大体の子は仲のいい子同士で集まる。
私も例に漏れず、入学オリエンテーションの時になんとなく話した子たちと、そのままなんとなく集まって座っていた。

即ち、大学での席は友達関係を表しているとも言える。
所謂友達グループというものだ。

では、そこにおける席替えとは。

251 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:53:12.40 ID:IK87kB+Ro



新学期初日。

始業時間よりそこそこ早めに登校すると、教室にいる生徒はまだ数人だった。
目が合った子に軽く挨拶して、前期と同じ席に着く。
周りの席の子は誰も来ていなかった。

持ってきた教科書を鞄から机の中へと移す。
夏季休暇中は教科書等私物を持ち帰るようにとのお達しがあったため、机の中は空っぽだった。
なので、取手が千切れそうなくらい何冊もの重い教科書を持ってきていた。
いやほんとに重かった。ついでに値段も重い。
これから後期に使う教科書も買わないといけないかと思うと、一層気分も重い。

そうこうしてずしーんと過ごしていると、徐々に登校した生徒が集まりだす。
久々の再会か或いはそうでもないのか、各々集まって会話が広がっており、忽ち教室内は賑やかになった。

奥の方の席から教室内を眺めていると、どうも様子が違うのに気づく。
ちらほら席に着き出している子もいるが、その席が前期の時と若干変わっている。

様子が違うとは言ったものの、別に不自然なわけではない。
仲のいい子同士でお喋りして、そのままの流れで「ここにしよっかー」と言った感じで席に着いていく。
最初の席が決まった時のような、言わば自然な流れである。

入学してから半年もすれば、気の合う子も変わってくるだろうし、本当の所合わなかったというのもわかってくるものだろう。
サークル関係やバイト関係その他諸々、夏季休暇中の行事で、などなど交友関係に変化があってもなんら不思議なこともない。
机の中が空の今は、席替えにうってつけの機会であった。

こうして、教室内では席替えという体の友達替えが行われた。
まあこの席替えはただの結果にすぎない。


かく言う私の周りはと言うと、絶賛空席である。

前期で一緒にいた子たちは、別のグループの近くに着席していた。
あ…。(察し)
間違いなくクラスで1番賑やかなグループの出来上がりだ。

何の間違いか、私は当初、クラスでも1、2の派手目な子たちのグループに属していた。
属していたというのも違うかもしれないけど。

最初に声を掛けてくれた子たちが偶々そういう子だった。
決して苦手でも嫌いなわけでもないし、むしろ感謝している。
教室ではそれなりに仲良くしていたけど、それでもまあこんな私では反りが合わないわけで…。

この席替えを機に敢え無くグループ解消いや、私のグループ脱退が決定した。
そ、ソロデビューだし…!
私のことは嫌いになってもうんちゃらかんちゃら。(古い)

飽く迄自然の流れ、である。

252 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:54:52.45 ID:IK87kB+Ro


講義の開始時間が迫り、会話に花を咲かせていた子たちも漸くに着席する。
そうなればさすがに私の周りの席も埋まっていった。

「おー、いちさんじゃん!よろしくー」
「よろしくねー!」
「あ…はい、うん。よろしく…」

いぇーいとでも言わんばかりの快活なご挨拶。
前の席は、彼ら賑やかな男子グループの席となったようだ。
うーん…。いや、何も言う資格はないんだけど…。

「ここ、空いてる?」
「あ…はい、うん。空いてる、けど…」
「そう」

隣の席に着たのは、独特の雰囲気を放つ女の子だった。
孤高というかなんというか。
こう言っちゃなんだし、私が言えたことでもないけど、この子もあまりクラスに馴染んではいなかった。
暗いわけではなく、学校とは別の生業に重きを置いているような印象。
一方の私は根暗である。

まだ話したこともないけど…そういう子との方が合いそうな気はする。

「…よ、よろしく」
「ん。よろしく」

その素っ気ない挨拶になんだか安心感を覚えた。
さっきとのギャップかな。

まあおそらく半年間は隣の席で過ごすのだ。
これから知っていくこともあるだろう。


かくして、前途多難かはたまた洋々なのか、新学期の始まりを迎えた。




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253 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 05:00:07.15 ID:IK87kB+Ro
以上です。

ある意味では椅子取りゲームもあります。
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2015/04/12(日) 05:09:02.43 ID:OdTZD6Hro
さやにゃんおはようございます。

なんだか、つぐみさんタイプが増える予感o(*゚∀゚*)o
255 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/13(月) 23:10:55.80 ID:Y1Znytilo
>>254
んー…1番近いのは、昔のいーちゃんですかね。
と、いーちゃんの本人談です(^^;;
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/16(木) 14:10:26.97 ID:mc8xzaGCO
昔が思い出されるな〜(´ω`)
ほとんど行ってなかったけどww

次は孤高の美少女をたぶらかすんですね(願望)
257 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/20(月) 23:12:51.96 ID:IQDytp/Ko
>>256
あまりいい大学生活とは言えないかもしれませんが…w

行ってなかったんですか(^^;;
巷で言う代返とかできる環境ではないので、私は行かざるを得ないですw

誘い受けの名にかけて(切望)
まあ先に言ってしまいますと、まだそんなに仲良くなれてないです…。
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/04/20(月) 23:41:47.72 ID:yJvwZL1+0
おやこんばんは
東京は暴風が吹き荒れてるよ
春の嵐だわ
259 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:24:28.88 ID:3OCLgxcJo
>>258
こんばんは。
そうみたいですね…お気をつけてください(ー ー;)
こちらも中々の強風でむしむしじめじめ嫌な天気でした…。
気象が荒い()
260 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:25:51.10 ID:3OCLgxcJo
最近全然書けないので、途中で申し訳ないですが投稿していきます…。
261 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:29:53.55 ID:3OCLgxcJo

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結論から言えば、この席替えは私にとって良いものではなかった。


新学期が始まってから2週間ほど。
新しい席でソロデビューとなった私は、静かに学校生活を送っていた。
というわけでもなかった。

前席の男子グループがよく話しかけてくれるのだ。
隣の彼女も巻き込んで、話しかけられている。
まあ彼女はあまり話さないけど…。かくいう私も似たようなものかもしれない。

「ねね、これ知ってる?おもしろくね?」
「んー…ごめんわかんない…」
「知らない」
「まじかー」

こんな感じである。

まあこんなでも一応会話はしているわけで、1人寂しく教室にいるということはなかった。
はたから見ても、それなりに仲良くしているように見えていたらしい。


グループとは言っても全員で一斉に話してくるわけはなく、実際に声をかけてくるのは、必然すぐ前の席に座る彼になる。

前の席の彼、前野くんとでもしておこう。
その前野くんは、明るく陽気で誰にでも別け隔てなく接する、言わばクラスの人気者のような存在である。
背が高く、容姿もいい、らしい。
おそらく学内で見ても目立つのだろう。私はよく知らないけど。

そういう性格の彼だから、私のようなものにも、例えおもしろくもない返答ばかりでも、話しかけてグループの輪に入れてくれるのだ。
そこに他意はない。


これは飽く迄私の主観に過ぎず、客観では他意が見えていたことをすぐに知ることになる。
いや、重々承知していたはずであるのに。


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262 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:32:42.42 ID:3OCLgxcJo
以上、書き溜め終了です。

次にはこの話をまとめるつもりですので…。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/21(火) 20:43:47.43 ID:Gwi7E7ZMo
ドジッ娘、さやにゃん今晩はw

何だかこの前の伏線が生きそうな、、、そして
春らしい楽しい多角形が描かれそうな展開だww

次回作に期待w
264 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/23(木) 23:00:16.02 ID:YhfBPA0To
>>263
その辺りの話になりますw
決して楽しい話ではありませんが…(^^;;
直に冬を迎える夜長の季節。

ありがとうございますw
265 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:01:42.59 ID:uBJVzt6Ro
こんばんは。

粗方続き出来ましたので、ぼちぼち投稿していきます。
はっきり楽しくない話です…w
266 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:05:46.94 ID:uBJVzt6Ro
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10月某日


昼休みが終わる15分前。
前席では、今日も変わらず賑やかな会話が広がっている。

前野くんを始め彼ら男子グループに加えて、最も賑やかな女子グループの何人かも混ざり、一層盛り上がっていた。
彼女らは前野くんと仲がよく、休み時間にこうして話に来るのも珍しいことではない。
ていうかしょっちゅう来ている。
ちなみに前期で私と同じグループだった子たちは、たまに来る程度。今は来ていない。

大勢の男女で仲良く語らう様は、実に充実した大学生らしい光景である。
うむ。


とか頷いて傍観者を気取ってみたりしているけど、私自身もその中に含まれていたりするのだ。

267 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:09:34.76 ID:uBJVzt6Ro

「つーか、◯◯のレポートだるくない?」

言葉通り気怠そうに毛先を弄りながら、彼女は前野くんに話題を投げかける。
派手目な彼女、とりあえず明るいし明野さんとでもしておこう。

「それなー。いちさんは終わった?」
「え…うん、一応…お」

振り向いて問いかけられた言葉に逡巡しながら返事をする。
「終わってるけど…」と続ける途中で、言葉を遮られた。

「そりゃあ、いちさんは終わってんでしょー」
「だよねー」
「ねー」

どうやら決定事項だったらしい。いや実際終わってるけどさ…。

明野さんは、先ほどの気怠そうな顔とは打って変わって、にーっと口角を上げて明るい声で周囲に笑いかけている。
そして、よく似た笑顔で同意する取り巻きのような彼女たち。
いやはや、仲良きことは美しきかな。

「そうなんだ。偉いね」

振り向いて私に笑いかけてくる彼の笑顔は、彼女たちのそれとは種類が違う。

「い、いや…別に…そん」
「つーかさー、レポートの話とかやめようよー」
「だねー」

またも私の言葉は続かなかった。
明野さんが出した話題は、彼女自身のお気に召さなかったようだ。
話しかけられてしまって申し訳ない。

「ねーねー、それよりさー」

まだこちらに振り向いたままだった前野くんは、軽いボディタッチを伴った明野さんの呼びかけで前に向き直った。

切り出された別の話題で、彼女らは盛り上がっている。
先ほどの笑顔とは別のきらきらした笑顔だ。


実に大学生らしい光景である。
268 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:13:20.83 ID:uBJVzt6Ro

とまあ、こうしてキャンパスライフを送っていた。

もちろん何も気づいてないわけではない。
これでも3年間、高度な空中戦を間近で見てきているのだ。
これくらいの真意ならわかる。…誰にでもわかるのかな。


単純な話、明野さんは私が気に入らないのだ。

彼に話しかけられておきながら、好意的に返したりもしない、適当に誤魔化したり、困ったような態度をとるだけ。
何様のつもりだ、と。
「男の人とか苦手だし…」なんて、彼氏がいては通用しないし、通用したとしても、それはそれでかまととぶってるとか思われるまでだ。
詰んでいる。

別に彼に対して特別な好意があるというわけでもないとは思う。
でも、仲がいいお気に入りの男子が、私のような女子に話しかけているということが気に食わないのだろう。

端的に言えば嫉妬だ。

私の身近にいる素敵な彼女たち。
彼女たちと一緒にいれば当然目立つ。
だからこう言った注目を集めることも珍しくない。
けれどこのクラスに彼女たちはいない。
もう自覚している。私もそれなりに目立つのだろう。
あれだけ「世界一…」とか言われたらさすがに自覚する。…これはまた違うか。

それゆえの嫉妬。
女の嫉妬は複雑で簡潔なのである。

それだけわかっていても、私はどうこうするつもりはなかった。
絶対に仲良くしたくないなんてことはないけど、大変だろうし私に上手くできるとも思えない。
これから4年同じクラスだ。
何もしなければその内収まって、表面上はなんとなく付き合っていける。
それが女世界というものだ。…たぶん。


高校の頃は恵まれていたなぁ…。
と、自分のコミュ症を痛感するばかり。



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269 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:16:54.33 ID:uBJVzt6Ro
一旦区切ります。

暗いですね…性格が(ーー;)
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/25(土) 21:43:11.35 ID:Ot47CJ43o
さやちゃんこんばんは

まあみんな仲良くとは行かないからね
おっさんの様に年をとってくると色々と割り切れるんだろうけど
271 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:06:32.71 ID:uBJVzt6Ro
>>270
こんばんは。

みんな仲良くなんてできませんよね。
陰口叩きながら表面上で付き合っていくのでしょう…。
272 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:14:07.95 ID:uBJVzt6Ro
続き投稿しますね。
273 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:15:23.92 ID:uBJVzt6Ro
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10月某日


日付変わって、今日は前から決まっていたクラス会の日。
後期が始まってすぐに予定されたこの会に、その時は誘われるがままとりあえず出席すると返事していた。
別に私はアンチクラスではない。
そう答えた以上、参加しないわけにもいかない。
正直気乗りしないけど….。


「夜までどうする?」
「地味に時間あるしねー」

前野くんとその隣の彼が、こちらに尋ねてくる。
飽く迄尋ねてきているのであって、誘いではない。

「えと……研究室行こうかなと…」
「そうかー。がんばって」
「うん。また後で」

いつも通り答えて、隣の彼女にも軽く挨拶して席を立った。
ちなみに彼女はクラス会には参加しない。

ドア付近の席で賑わう明野さんたちを横目に、教室を後にした。
274 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:17:31.93 ID:uBJVzt6Ro




某居酒屋にて絶賛クラス会中である。
とりあえず私は参加している。

クラスの大半は、頬を赤らめて普段よりも幾らか気分がよさそうだ。
楽しい空気に酔っているのかな?(すっとぼけ)

会話は嗜む程度におつまみを堪能していると、どうやら話題の矛先を向けられたらしいことに気づく。

「いちさんって、研究室通ってるんでしょ?」
「すごいよなー。テスト以外勉強したくねーわ」

隣の彼が出した話題に、近くの前野くんが便乗する形で会話を広げた。

「い、いやいや…」

私なんて滅相もないです、とまた食事に戻る。
この和え物おいしいな。


「うんうん!まじすごいよねー!」

どうやらまだ続くらしい。
続きを拾ったのは、明野さんだった。普段より一層声が明るい。

「うちらにはできないわー!」
「ねー!」
「い、いや…」

随分と好意的に言ってくれることに驚く。
実はツンデレで、これが素直な感想なのかしら?

しかしその表情はにやついていた。
275 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:21:37.23 ID:uBJVzt6Ro


「あとー、なんか企業のバイト?とかもしてるよね」
「違うってー、仕事だよ仕事!大学生だけど」
「仕事かー!えらいよねー。なんつーの?意識高い系みたいな」
「それなー!」

あはは…褒めてないよね、それ。最初からそうか。
語尾に(笑)が見える。

そこも目についてたんだ…。いや鼻についていたのか。
別にアピールしていたわけじゃないんだけどな…「仕事」も他のバイトと区別して言ってただけだし。
ていうか貴女たちには言ってないけど…ああ、前のグループの子たちか。
あっ…(察し)

でもまあ、その辺りのことはそう思われても仕方ないのかもしれない。
こうして私のように活動している子はそういない。普通はしないのだ。
人と違うことをしていれば目立つし、そこに嫉妬が加われば尚のこと。
普通の人と違うとか、まるで中二病。

いいじゃないの…意識高い系上等。
やりたいからやっているのだ。
何を言われても気にしない。

「でもさー、研究室行くとか、あからさまじゃない?」
「1年から教授に媚びるとか、ねー?」
「就職意識高い」

…どうやら普段より素直なのは間違ってなかったらしい。ストレートだ。
それとその意識高いの使い方はたぶん違うよ。

なるほど、そう思われていたのね…。まあ気にしない。

「でもそういうの、彼氏がかわいそー」
「あー、かも。男は嫌だよねー?」
「いや…俺は…」

話を振られた前野くんは、困ったように誤魔化している。

「あれじゃない?最近流行ってるあれ」
「…寝取られ?」
「それそれ!」


…ちりっと、空気が擦れるような音が聞こえた気がした。
主に私の中で。
276 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:24:59.72 ID:uBJVzt6Ro


さすがにしょうちゃんのことを言われては黙っていられない。

そう思ったが、やめた。
前野くんが苦笑いで彼女らを諌めている。
流石に巻き込むのはかわいそうだ。
もう遅いか…申し訳ない。

ヒートアップした彼女らの言葉には、さすがに何人かは引き気味だ。
対して私は飽く迄クールに繕う。
周囲の視線にも応えずぐっと堪えて、静かに急ぎめでグラスとお皿を片付けた。


「先に帰るね。…こういうの、彼がいい顔しないから」


そう告げて、彼女たちを見下ろしながら店を後にした。



277 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:33:46.57 ID:uBJVzt6Ro


店を出てしばらく歩いていると、胸中のわだかまりも薄れていく。
それと同時に罪悪感が湧いてくる。

当然、彼女らにではない。
しょうちゃんに対してだ。

最後の言い方はよくなかった…しょうちゃんの心象を悪くしてしまっただろう。
それ以上に酷いことを思われていたわけだけど、私が言っていいことにはならない。
結局訂正もできてないし…。
全然クールじゃない。


罪悪感とその他の色々な感情を混ぜながら、しょうちゃんに電話する。

今はしょうちゃんも飲み会のはずだ。
それなのにかけてしまった。
かけらもクールじゃない。

そりゃ出ないよね…と、5コール目くらいで切ろうとすると、繋がった。

「あ、もしも」
「愛してるよー!」
「…」

………。
色々と吹き飛ばされてしまった。


電話の奥で色めき立つ声が聞こえてくる。
ああ、言わされたのね…。

そちらは楽しそうで何よりだ。


ごめんごめんと言いながら、静かなところに移動してくれたらしい。
電話口からは、落ち着いた彼の声だけが響いて聞こえる。

「それで、どうし」
「愛してるよ」


お返しに、私は小声でそう言った。


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278 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 23:37:22.55 ID:uBJVzt6Ro
以上になります。

まあ今はほとぼりも冷めて、上手くやっております。
上辺だけですが。
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/25(土) 23:57:41.37 ID:Ot47CJ43o
女同士って怖いな、、、w
負けず嫌いか変な方向に向いているというか

とりあえずしょうちゃんです仲良さそうで安心したわw
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/26(日) 00:20:42.61 ID:3/OCbir4O
やぁさやちゃん元気そうだね
くだらない人と付き合うと自分もくだらない人になるから適当に距離を置くのがいいね
対立する価値もないからなあ

281 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/26(日) 00:21:09.30 ID:oVmusKtqo
>>279
人を蹴落としてでも1番でいたい乙女心()ですね(ーー;)
中学の時も女世界ではいろいろありましたけど、ここまでは…。
本当に高校は恵まれてましたねw

こういう時のしょうちゃんの癒し効果と言ったらもう。
282 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/26(日) 00:26:32.49 ID:oVmusKtqo
>>280
こんばんは。
まあ実習班とかもあるので、ただのクラスメイトという形で適当にやっております(^^;;
仰る通り、対立してもね…。
私も非がありますし、お互い様ということで。
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/29(水) 00:51:14.18 ID:aQXChhRYO
アルバイトも立派な仕事だよね。
どんな仕事や立場でも、真剣に本気で取り組んでる人はそれだけで尊敬できるよ。
仕事に優劣を付ける人は信用ならねえww

しかし、しょうちゃんww
流石だねww
もうそれしか言えないww
2828できました(・∀・)
284 : 【ピョン吉】 [sage]:2015/05/01(金) 11:17:55.10 ID:eL2GAeNDO
しょうちゃんのイケメンぶりに寸分のブレなし
285 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/04(月) 21:19:46.78 ID:vJPGWFgmo
>>283
働いてる私偉いアピール、みたいに見えたんですかね…もう開き直ってます(^^;;
好きでやっていますが、それなりに責任は持っているつもりですw
意識高いんで…!

まあ、よっぱ…気分よくなった勢いで言っただけでしょうけどねー(¬_¬)
全部持っていかれました。
タイミングよすぎですよ…まったくもう…w


>>284
無意識にこういことしちゃう辺りがですね…w
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/05(火) 20:55:34.17 ID:k6NXyxhcO
大学なんて、いろんな人がいて当然なんだけどね〜

自分の同期生には実家に仕送りしている人もいたし、
一度就職してお金をためてから入学した人もいたし
寮生では仕送りが無くて自分で生計をたてている
なんて珍しくもないし
地方大学で車の所有率は高かったけど、自分を含め
仲間の半分以上はバイト代で買ってた

中にはお嬢様でバイトや労働に嫌悪している人も
いたけど、あまり好かれて無かったよ…
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/05(火) 20:56:40.68 ID:k6NXyxhcO
それにしても、しょうちゃんカッケーよ!
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/05(火) 21:07:36.10 ID:D31RkFyeo
しょうちゃんかっこいいな〜〜
男だけど抱かれても良い、、、、けどその役はさやにゃんに任せようw
289 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/06(水) 21:08:08.26 ID:2RFUlAsWo
こんばんは。


>>286
いろんな人がいますよね。
年の違う人ももちろんいますし、そもそも大学とは広く自由なところじゃないのかと…まあ実際そうではあるのですが。

彼女たちは、バイトについては悪く思ってないですよ。
大学生にとってアルバイトは、ある意味ステータスとも言えますしね。
私がしているちょっと違う「仕事」に対して…というか単に私が気に食わなかったのでしょう(^^;;


>>287>>288
なんだかしょうちゃんが意外と高評価…
飲みの場でたまたま言わされただけですよ!
私は救われましたけど!嬉しかったですけど!
290 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:45:48.06 ID:/ps8wCLXo
深夜の投稿です。
時間空いてすみません…。

それでは、少し長いですがお願いします。
291 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:48:46.13 ID:/ps8wCLXo
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10月某日


「おかえりなさいませ、お嬢様」

いつも通りの熱いおもてなしを受けて、店内へと入る。
普通の喫茶店である。メイドはいないし、一緒に写真を撮ったりもできない。

「ただいま、ごきげんよう」
「…こんにちは」
「ご主人様もいるんだけど?」

いや、しょうちゃん突っ込むところはそこじゃないから。
まあ今更誰も突っ込みはしない。
いーちゃんなんてノリノリ。

「つーちゃん今日も可愛い」
「いえいえ、私なんて滅相もありません」

奥ゆかしく否定するけど、制服姿のつぐみさんはいつ見ても可愛い。

この喫茶店は、つぐみさんの勤め先である。
つぐみさんが働き始めて、最初に遊びに来てからみんな気に入り、よく集まるようになった。

私たちにだけは、こうして特別メイド待遇をしてくれる。
もちろん彼女の趣味だ。

落ち着いた雰囲気のこのお店につぐみさんがいるこの世の中は、きっと正しい。

292 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:50:28.38 ID:/ps8wCLXo


席についた私たち3人は、会話に花を咲かせていた。
実際は花が咲くなんて表現できるような内容ではなかったわけだけど…。

「うーん…まあ、そういうのはしょうがないよねー」

少しうんざりした表情で、けれどなんでもないことのようにいーちゃんはそう言った。
私としても同じ気持ち。さすがよくわかってくれている。


私はいーちゃんとしょうちゃんに、先日のクラス会の話をした。
相談だとか愚痴というわけではなく、…いや愚痴る気持ちはあったけど、まあ話題の1つとして、といったところ。
あれから数日経って落ち着いてもいたので、「こんなことがあってさー」くらいに軽く伝えた。

そんな私の様子もあってだろうか、いーちゃんは軽く答えてくれた。
そのたった一言に救われる。
話題とは裏腹に、こうしてわかってくれる彼女が居てくれることを嬉しく思う。

さらに言えば、窓際の席で紅茶を嗜む彼女を間近で見られる私は世界一の幸せ者である。(眼福)

293 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:52:21.06 ID:/ps8wCLXo


彼女とは対照的に、隣で話を聞いていたしょうちゃんはといえば、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
当然と言えば当然かもしれない。

「そっか…それは嫌だね」
「え…うん、まあ…」

嫌なことではあったけど、私はそれほど深刻に考えていなかった。
彼の表情のように。
それでも、私にも心残りはある。

「…ごめんね。しょうちゃんのこと、言い返せなくて…」
「いや、それは言わなくてよかったと思うけど」

…確かに、言い返していたら口論になって、もっと面倒くさいことになっていたかもしれない。
そもそも訂正したところで、聞いてもらえる気もしない。

「…ちゃんと話して、さやのことわかってもらえたらいいね」

弱々しくも励ますように、私に笑いかけてくれる。
その笑顔に、私はどう答えていいかわからなかった。
「いやー、うーん…」と困っていると、代わりにいーちゃんが、横からため息混じりで答えた。

「なんでそういうこと言っちゃうかなー。わかってないなー」

やれやれと、大袈裟に手振りを加える。
その言い方が癇に障ったのか、しょうちゃんは低い声で短く返した。
それでもいーちゃんは態度を変えない。

「…なにが」
「女心。ていうかさやちゃんのこと」
「なんで」
「なんでって。さっきの言葉がわかってない証拠でしょ」
「ちょ、ちょっと、いーちゃん…」

私の止める声も聞いてはもらえなかった。
294 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:54:31.36 ID:/ps8wCLXo


「嫌われてる相手にわかってもらいたいなんて、思うわけないじゃん」
「いやでも、嫌われたままでいいことはないだろ」
「だからー、しょうがないんだって。嫉妬っていうのはそうなくならないよ」
「…さやが嫌われててもいいって言うの?」
「それより大事なことがあると思うけど?」

「やめてー!私のために争わないでー!」なんて言えるヒロイン力でもあればよかったのかな…。
いや、それはなくていい。
いやいや、どうしてこうなっちゃうの…この2人はもう…。
もう一度私が止めに入ろうとすると、横から救いの手が差し伸べられる。

「お嬢様。他のお客様のご迷惑になりますので、口を塞がせていただきますね」

唐突にそう告げたメイドことウェイトレスの彼女は、彼女の頬に手を添えて顔を近づけていき…。

「…ごめん」
「止めちゃいや」

いーちゃんの手で制止されたつぐみさんは、残念そうに顔を離していく。
休憩をもらったらしく、着ていたエプロンを脱いで、4人席の空いている席に腰を掛けた。
救いの女神(仮)。
295 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:55:25.60 ID:/ps8wCLXo


つぐみさんが止めてくれたことで、その場は一先ず静まった。
…止め方はさて置くとして。

私からつぐみさんに「ありがと」と言うと、いーちゃんから「ごめんね」と謝られてしまった。
首を横に振って答える。

「怒り顏のいーも、慌て顔のさやちゃんもとっても魅力的」

そんな発言はスルーして、考えを巡らせる。

いーちゃんも、きっとこうした嫉妬を孕んだ敵意を向けられることはよくあったのだろう。
昔の彼女なら尚更…というのも知っている。今でも少なからずはあるのかもしれない。
だからよくわかっている。わかってくれる。
それらを踏まえて、「しょうがない」と言ったのだ。


ちなみにつぐみさんには、前にこの話をしていた。

「怒ったさやちゃんもいいのはわかるけど、もっといい表情があるのに…自ら離れるなんて愚かだわ」

…ちょっと何言ってるかわからなかった。
斜め上な考え方である。
まあそれが彼女の、何があっても揺るがない包容力なのはよく知っている。


対してしょうちゃんはと言うと、やはりまだ納得いかない顔をしていた。

296 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:57:51.32 ID:/ps8wCLXo


しっかり顔を上げて、宣言する。

「彼氏として、さやがよく思われてないのを良しとするわけにはいかないよ」

…い、いきなりなんてことを…。
もちろんその気持ちはとんでもなく嬉しい。

たじろぐ私を他所に、はぁーと深くため息を吐いていーちゃんが答えた。

「あのねー、そういうとこ惚れちゃうくらい大好きだけどね。そういう話してるんじゃないの」
「いや、でも…」

いーちゃんに言ってもらってばかりじゃいけない。
自分のことは自分で言わないと。
…別に対抗して言うわけじゃないんだからね。

「…私も大好きだけど。…でも、ほんとに大丈夫だから。ありがとね」
「…そう」
「その…こうしてみんながいるし、それに……しょうちゃんがいてくれるから…」

こんな言い方しかできないけど、上手く伝わったかな。

わかってくれる貴女たちと、貴方がいるから。
誰にどう思われても構わない。
だから、自信を持って自分の道を進める。

297 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 02:59:14.80 ID:/ps8wCLXo


「…そういうのは家で言ってくれない?ちょっとどう抑えていいかわかんないんだけど」

…たぶん伝わったのだろう。
真顔でも、少しだけ口角が上がった、いつもからかってくる時の顔をしている。

「えっ?ごめんね…」
「頭撫でていい?とまらなくなるかもだけど」
「や、やめて…」

よかったけど…自分で言っといてなんだけど、めちゃくちゃ恥ずかしい。

ちょっと店員さん、このお店暖房効きすぎじゃないですかね。
そう訴えかけた店員さんはと言うと、しらーっと冷ややかな目をこちらに向けていた。

「私は大っ嫌いだけどね。大体独り占めしないでよ。2人ともちょうだい」

その隣の彼女も先ほどとは違う冷めた目をしている。

「なにこれー。私ただの当て馬じゃん。しっかり発情してるし」
「仕方ないよ、優秀なのだから。ほら、私だってこんな風に」

明るいうちからやめてください。
と、人の事は言えない私たちだった。


居心地のいい彼と彼女たちとの時間に、私はただただ浮かれるばかり。

ずっと続いていくこの時間を、今までと変わらず、手放しで楽しんでいた。
298 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 03:01:50.85 ID:/ps8wCLXo



つぐみさんの休憩は終わり、3人だけの席となった。
改めて、私は2人に謝った。

「…変な話してごめんね」

本当はこんなつもりじゃなかった。
と、自分の中だけで言い訳をする。

「ううん。変な空気にしたのはしょうちゃんだし」
「いーちゃんもだろ」
「まあそういうことにしといてあげる」
「…腹立つ言い方だな」

これくらいならただの予定調和。
先ほどの言い争いとは違う。
にやにやと、挑発するようにキャッチボールをしているだけである。

だけどいーちゃんの言葉に含みがあるように思えたのは、私がどこか違和感を感じていたからかもしれない。
彼女も同じものを感じていたのではないだろうか。
そう思えたからだ。

そもそも、なぜ言い争いになったのか。
普段のしょうちゃんなら、こうはならなかったように思える。

そこには、彼が言ったように彼氏として譲れない気持ちがあったのかもしれないし、別の気持ちもあったのかもしれない。

詰まる所、私は男心も彼の事もわかっていなかった。


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299 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/08(金) 03:04:53.95 ID:/ps8wCLXo
以上です。

制服姿のつぐみさんに会えるのは◯◯だけ!


深夜に失礼いたしましたm(_ _)m
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/08(金) 08:04:54.70 ID:hamXW3/PO
おはよう
つい宵っ張りになるのが大学生っぽいや

「うーん、まあ…いーちゃんはしょうがないよねー」
という展開を予測してたんだけど
ちょっと違う気もしてきたなー

301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/08(金) 09:10:00.66 ID:Aayhvbg3O
いー様とつぐみさんとしょうちゃんになら抱かれてもいい(真顔)
大切な人が貶されて平気な人はいないよね。
しょうちゃんの気持ちもわかるな(´ω`)
302 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 20:35:17.74 ID:NQ6tM4gHo
こんばんは。

>>300
連休明けはどうも崩れてしまいますね…(^^;;

「いーちゃんになら…」という思いは、きっぱり否定しておきますw
別の意味での熱い思いならいつでも…!(爛々)


>>301
いーちゃんとつぐみさんはだめです(ジト目)
もちろんそうですよね。
その気持ちはすごく嬉しくて、なのにいつも一緒ないーちゃんの意見と違ったのは、
男心でしょうか。
303 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 20:53:22.40 ID:NQ6tM4gHo
短めなのを1つ投稿します。

出来ればもう1個したいところ…。
304 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 20:55:31.84 ID:NQ6tM4gHo

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11月某日


吹き荒ぶ木枯らしが窓を叩き、がたがたと揺れていた。
やがて揺れは治まり、代わりに風音だけが聞こえてくる。
晩秋の夜は身に染みるように寒いのだろう。


その寒さを嘲笑うかのように、この部屋はいつも暖かい。
仄かな香りが微睡みを誘い、何度誘惑に負けたか数え切れない。
きっと魔法がかかっているんだ。
一生かかっていたい幸せな魔法か。


「大好き」

聞こえるか聞こえないかくらいの小声で囁いた。
たぶん聞こえていない。
こんなに近くにいるのに。

静かに身体を動かして、そっと彼に重ね合わせる。
触れ合う肌は体温以上の温もりを感じ、首すじにかかる吐息が少しくすぐったい。
深く息を吸い込めば、彼の香りに身体中が満たされていく。
どれもが心地よくて、このままいつまでも溺れていたいなんて、つい自堕落に考えてしまう。

だけど、もうすぐ終わりが来る。

305 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 20:57:26.60 ID:NQ6tM4gHo


最後に思いっきり吸い込んで、彼でいっぱいにする。

「んっ…」

静かな寝息のリズムを乱してやった。
いつもの仕返しだから、いいよね。

「んむ……」

寝ぼけ眼で口を開けた間抜け顏。
そんな顔されたら我慢できないから….。

「ん…んぷ……んー!」

溺れてしまえ!
なんて、仕返しのつもりじゃないけど。

「んー……むふ」
「…おはよ」

お返しにはなったのかなー…。
名残惜しそうな彼に、私もまた名残惜しそうに告げる。

「…そろそろ帰らないと…」

起き上がろうとすると、ぐっと抱き寄せられた。
やっとの思いで決意したのに…寝起きのくせに生意気だ。

彼の大きな器は、私が溺れるには十分すぎる。

「……もうちょっと」

思い違いなんかじゃないから。
不安な顔をしないでほしい。


「もう…しょうがないなー」

お返しに溺れさせてあげる。


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306 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 20:59:07.45 ID:NQ6tM4gHo
以上です。

だいぶあれです。攻めました。
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/05/13(水) 21:19:27.84 ID:2q+ZrMe/o

何かがヤバイんですがww
308 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/13(水) 22:54:24.49 ID:NQ6tM4gHo
>>307
ありがとうございますw
私も何かとやばいです…。
ようやく本題に入ろうかというところでして。
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/05/16(土) 19:27:08.34 ID:uYfvjSZs0
おまんこしたのけ?
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(三重県) [sage]:2015/05/16(土) 21:11:04.75 ID:gXR6Lx2No
>>309
清々しいほどスケベおじさん臭剥き出しだなぁ。
311 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/16(土) 22:36:50.40 ID:Sbw0rAVBo
こんばんは。


こういう言葉は変換されたりしないんですねー…。
まあ内容もわりとあれでしたし、致し方ないですね…。


>>310
お気遣いありがとうございますm(_ _)m
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/05/16(土) 23:34:41.06 ID:4H+RJGEGO
さやちゃんこんばんは

あれ、さやちゃんって料理は得意なんだっけ?
313 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/16(土) 23:45:25.54 ID:Sbw0rAVBo
>>312
こんばんは。
人並み程度には…一応今でもしてますのでw
314 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/16(土) 23:55:16.75 ID:Sbw0rAVBo
続きできましたので、投稿していきます。
315 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/16(土) 23:57:19.23 ID:Sbw0rAVBo

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言うまでもなく、彼は私にとって特別な存在である。
それは、彼が彼であることは元より、共に過ごしてきた時間があるから。
特別長い時間を、色々な時間を過ごしてきた。
そうして積み重ねてきた時間が、お互いを特別な存在にしたのだろう。

出会ったことは偶然かもしれない。
一緒に過ごせたことは偶然かもしれない。

だけど、その偶然が彼でよかったと思う。
彼の近くで、出会える場所で生まれたことをこの上なく幸せに感じる。
彼だったから、過ごした時間が特別になったのだ。

もし、他の人だったら、なんてことは関係ない。
他の人を知らないし、そもそももっといい人がいるかも、なんて考えすら及ばない。
だから、そう思わせてくれた彼はやっぱり特別で、私にとって彼以外にいない。

時間を積み重ねたから、彼を知っている。
私を知ってもらえている。
そうして至ったこの気持ちは、きっと、間違ってなどいない。


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316 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/16(土) 23:59:26.64 ID:Sbw0rAVBo

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12月某日


遅めに学校を終えた私は、まっすぐしょうちゃんの家へと向かっていた。
気分は憂鬱だ。

言いづらいことがある。
それでも言わないわけにはいかない。

思わず吐いたため息は一層白く、より寒さを感じさせる。
こんな寒い夜ほど、彼の温もりが恋しい。
だけど今夜ばかりは縋れない。
そのことが何より、私の心を寒くさせていた。


口元をマフラーで覆い隠し、俯きながらもゆっくり一歩ずつ、彼の家へと足を運んだ。

317 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/17(日) 00:02:05.14 ID:mGDpkORTo


どうしてこの部屋はこんなに暖かいのだろう。

あるのはこたつだけでエアコンも付いていないのに、この部屋に入ると身体の芯から温まっていく。

「つめたっ。早くあっためないと…」
「っ…。だ、大丈夫…」

かかる吐息は温かいのに、ぞくっと鳥肌が立つのは一体どういう仕組みなのか…。

「んむ…」
「ひゃっ…ちょっ、やめて!」

耳元から彼を引き離して、こたつに座らせる。
今日は微睡んでいる場合じゃないのだ。
…許されるのなら、また後でにしてほしい。


「それで、どうしたの?」

しょうちゃんから切り出してくれた。
ただ「今日行くね」とだけ言っていたけど、何か話があるのはわかっていたのだろう。

不安など微塵もない彼の表情から、私は思わず顔をそらしてしまう。
自分の手元に視線を向け、言い淀みながらもなんとか私は告げた。



「あの…クリスマス、なんだけどね……24と25、仕事が入っちゃって…」

…この言い方はずるい。自分でもわかっている。
それに、嘘もついているのだから尚更悪い。

「…そっか。残念だけど…まあ、しょうがないよね」

ほら。
こういう言い方をすれば、こう言うしかないのだ。

「ごめんね…。約束してたのに、ほんとに…ごめんね」
「ううん。まだちゃんと決めてなかったし。仕事頑張ってね」

優しい言葉をかけてくれる彼に、私はただ謝るしか出来なかった。
目も合わせられない。
見れないけど、きっと優しく微笑みかけてくれているのだろう。

私の大好きで愛おしくてたまらない笑顔がすぐ近くにあるのに、
私は後ろめたさから見ることが出来なかった。

暖かい彼の部屋なら、どんな事でも溶かしてくれる気がしていた。


318 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/17(日) 00:04:57.29 ID:mGDpkORTo


優しく撫でられると、つい縋り付きたくなってしまう。
だから、自分からその手を止めた。

「ごめん……本当のこと言うね」

掴む力が強張っていく私の手を、彼が優しく包んでくれる。
その手で続きを促されて、ゆっくり言葉にした。


「本当は、…私から、言い出したの…。私が、自分で…どうしても、やりたかったから…」

急遽入った仕事なのは本当だ。
でも、まるで仕方なく入れられたかのように言った言い方は、嘘だった。
卑怯で打算的な言い方を、思わずではあるけど、意図的にした。

彼から言葉を待たずに、私は話を続けていた。
何の言い訳か、何を言いたいのか、その仕事についての話をまくし立てるようにしている。
彼はそんな話が聞きたいわけじゃないなんてこと、わかっているのに…。

「わかった。わかってるから…気にしなくていいって」
「……ごめん」

宥めるように止めてくれて、またさっきみたいに優しく撫でてくれる。

「…はは。かわいいなー。言ってくれてありがとね」
「……うん」

ほんとにもう…。
言って欲しい言葉を、きっちり言ってくれる。
優しい声音で笑いかてくれる彼の表情は、きっといつもの温かい笑顔なのだろう。

そう信じて顔を上げると、彼は力ない笑顔をしていた。

319 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/05/17(日) 00:08:26.84 ID:mGDpkORTo

ただ繰り返し謝る私に、宥め続ける彼。
きっと彼はもう謝ってほしくないのだろう、というのはわかっていた。
それでも私には、それしかできることが思い浮かばなかった。

弱々しい笑顔を、彼自身は見つけてほしくなかったのかもしれない。
見てないふりをしてほしかったのかもしれない。
それでも見てしまったから。
何かをせずにはいられない。
そんな、自己満足な謝罪。

それを彼の言葉が止めてくれた。


「…頑張ってるさやを、俺がとめられるわけないだろ」


ゆっくり、諭すように告げられた言葉は、私の中にすっと入っていく。
そして、それはすぐに消えず、火が燻るようにいつまでも微かに残っていた。

彼の本心であり、本意ではない言葉。
きっとそれは、私にとっても…

「…じゃあ、譲歩案」

彼の言葉が考えを遮った。
黙っていた私の顎を持ち上げ、しかめた顔をぐっと寄せてくる。

そして、しょうちゃんは耳打ちで素敵な提案をしてきたのだった。

「…………」
「なっ…!?」

………ど変態か!
もちろん、それをするであろう私がである。

いや、いやいや、いやいやいや。
いやいや、悪いのは私だけど…でもさすがに…でもそれで許してくれるのなら……。

数度の押し問答の末。

「できない?」
「…………わ、わかった」

こうしてサンタクロースは、クリスマスの幾日か前にやってくる約束をした。
…不本意ながら。



結果から言えば、その日が訪れることはなかった。

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