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【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】

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171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) [sage]:2015/02/24(火) 05:17:31.90 ID:PDmYixgSo
さやにゃんのまたの登場を楽しみに待ってるね〜
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/24(火) 09:26:59.27 ID:Y5qYT1uGo
なるほど…
つまりいーにゃんがえふにゃんになったわけですね!
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/25(水) 05:55:59.28 ID:fUlGavmro
おはようでめす、38にゃん。

こういう文章、懐かしい感じ……。
お待ちしております。


ではノシ

>>172
それはステキだね!
174 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 21:26:14.31 ID:4QONYRmuo
こんばんは。

温かくなってきて徐々に花粉が…
花粉症の皆様、今年もなんとか乗り切りましょう。


次の話ももう少しですので、少々お待ちください。


>>171
ご清覧ありがとうございますw

>>172
いえ、それはちがいます(真顔)

>>173
懐かしいですかねw
今後ともお願いします。
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/26(木) 21:38:43.64 ID:GgQJNybu0
さやにゃんこんばんは まってたよ
176 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:07:46.39 ID:4QONYRmuo
>>175
こんばんは。
お待ち下さってありがとうございますw


それでは、投稿していきますね。
177 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:10:28.16 ID:4QONYRmuo

ーーーーーーーーーー


12月某日

休日の昼下がり。
とはいえ、私は大学で用事があったので登校していた。
その帰り道、自宅の斜向かいにある家の前で見慣れた姿を見つけた。

「あれ、いーちゃん」
「あ、おかえりー」

スマホを片手に振り向き、手を振って笑顔で挨拶してくれる。
うん、今日もがんばれる。

「どうしたの?」
「しょうちゃんと一緒に課題する約束してたんだけど、まだ帰ってきてないみたい。バイト終わってないのかなー」

しょうちゃんのバイトは通例のシフト制勤務だが、休日だとたまに延長することがある。
彼女もそれを知っているからか、特別気にしていない様子だ。

「そっか…。それなら…」

先に上がらせてもらえば、と言いかけて庭先の方に目線を移すと、普段停まっている車がない。
きっとご両親も外出中なのだろう。

「……うちで待ってる?」

変に間が空いた誘い方になってしまい、まるで誘っているようだ。いや何を。

「…?うん、そうする」

一瞬首を傾げるも、にこっと笑顔で首肯する。
これで明日もがんばれる。

助かったー寒かったよーきゃっきゃ、ひゃっ冷たーやめてよーうふふ、など言いながら、直ぐにうちの前に到着した。
これは一週間分くらいかもしれない。

178 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:12:02.14 ID:4QONYRmuo

我が家も全員外出していたため、リビングに上がってもらった。
そちらの方が私の部屋より暖まるだろう。

エアコンと炬燵の電源を付け、電気ケトルに水を入れてスイッチをONにする。
彼女はうちの犬をわしわし撫でまわしながら、んーあったかーいと御満悦な様子だ。
こちらとしては、そちらの大きなわんちゃんをわしわししたい。

とか、益体のない願望に思いを巡らせていると、炬燵卓に置かれた彼女のスマホが振動した。

「おつかれー。ううん。いいよー。さやちゃん帰ってきたから入れてもらった。うんーーー」

しょうちゃんからの電話らしく、どうやらバイトが終わったようだ。

電話する彼女を横目に洗面所に行く。
冷たい水で手を洗っている間に、お湯は沸いているだろう。
179 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:18:39.29 ID:4QONYRmuo



「何の課題?」

炬燵で暖をとる彼女に、簡素なコーヒーを差し出しながら尋ねた。

「ありがとー。○○学の。苦手なやつー…」
「あー、言ってたね」
「うん。その課題がさー、ーーー」

講義の内容に対して考察するという課題が、毎週出るらしい。確かに中々大変だ…。
前に聞いたことがあった。
彼女は苦手だというが、しょうちゃんはそうでもないらしい。
だからきっと、頼りにしているのだろう。

同じ大学に進学した私たちだが、学部が違えばこうしたことはほとんどない。
専門科目が増えるこの先は、もっとなくなるのだろう。

羨ましいと、そう思った時もあった。
自分で選択した道に決して後悔はないけれど、少しばかりは考えてしまった。
尤も、新たな事に充実している今となっては思わなくなった。
そもそもこういう考えは、進路に悩んでいた2人に、それ以外の人たちにも失礼だ。


「…羨ましい?」

私の顔を覗き込みながら、からかうような表情で聞いてくる。

相変わらず鋭いなぁ…。
当たってはいないけど、どんなことを考えているかはわかるらしい。
まあ、当たってないのもわかっていながら言っているのだろうけど。

「……別に」
「えー?今から2人っきりで、ぴったりくっついて課題するんだよ?」

何を今更…そちらのことに関しては羨ましく思ったりしたことはない。

「そんなこと…。私なんて、昨日は…」
「……え、なに?」
「い、いや、べつに…」
「なに?何したの?」

両手で顔を挟んで、じーっと目を見て「教えろー」と問い詰めてくる。
や、やめてーどきどきしちゃうからやめてー

目を逸らしつつ、やっぱり勿体無くて見つつしながらやり過ごした。

ただの予定調和である。
そして、これが彼女なりの優しさであり気配りであることを、私はよく知っている。

180 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:21:14.42 ID:4QONYRmuo

そんな他愛ない会話をしていると、漸くにインターホンがなった。
彼女も一緒に炬燵から立ち上がり、玄関に出迎えに行く。

「おつかれさま」
「おつかれー」
「ありがと。ほんとごめん…。さやがいてよかったよ」
「そうだよー寒かったしー」

申し訳なさそうに謝る彼に、彼女が憎まれ口を叩く。
まあバイトで仕方ないのはわかっているから、もちろん冗談だ。

「いいよ。……さやちゃんと、あっためてあってたから…」

ちろっと上目遣いで、意味あり気につぶやく彼女。
ひゃあああ。

「…ほう。くわしく」
「えー?ひみつ」
「そこをなんとか!」

まあ実際は、彼女は炬燵とかコーヒーで温まったくらいだし、私としては彼女の可愛い仕草一つ一つに心温まっただけだ。
あれ、あっためあってる。

「…ないしょ」
「なに!?マジだったのかよ…」
「ふひひ」

でれっとだらしなく笑うと美人が台無しである。
いやそんな顔も可愛いけど。

以前から変わらない予定調和だ。

181 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:27:00.97 ID:4QONYRmuo


玄関から出ると、振り返りながら私に声をかける。

「さやちゃんも一緒に来る?」

さっきは2人きりなんて言っておきながらも、誘ってくれる。
まあ冗談で言っていたのだから普通の流れだけど。

「んー…私も仕事でやることあるから」
「そっかー」
「ごめんね」

遠慮したわけではなく、本当にやらないといけないことがあった。
これも今更、遠慮することもないし。

「じゃあ2人っきりだー」とか言う彼女をあしらいながら、庭先から2人を見送った。


もしも、私と彼が同じ学部で、同じ課題が出されたとしたら。
あんな風に2人で課題に取り組むということがあったのだろうか。
きっとそうはなっていないのだろう。

それは私の問題で、真面目で堅いと言われる変わらない性根の所為だ。
自分の考えを述べるような課題なら、自分で、1人で向き合って考えたいと思っているし、実際そうしている。
私と彼女で考えてみても、変わらないと思えるし、他の子でもそうだ。

だからこれは、彼と恋人同士であるからというわけではない。
たとえ、彼と恋人同士でなく、仲のいい友達であったとしても、この関係は変わらないのだろう。

そんな益体もないもしもの話を考えてみたりした。


リビングのエアコンと炬燵の電源を切り、二階に上がる。
迎え入れる人のいない自室は、いつも通り寒々としていた。


ーーーーーーーーーー

182 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 22:29:23.54 ID:4QONYRmuo
以上になります。

たとえ天地がひっくり返っても、いーちゃんは可愛い。
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/02/26(木) 22:37:53.90 ID:t6W86DSI0
むむむ

じらすなあwwww
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/26(木) 22:47:56.73 ID:3QUXsGUNo
さやしゃん、こんばんは〜

いやあ、相変わらず両手に花で羨ましい!
ん?間違っている?いない?よね?

…さやしゃんの両手には花を?その花の両手は…いーおっp(ゲフンゲフン
185 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/26(木) 23:08:42.81 ID:4QONYRmuo
>>183
焦らしますw
私も振り返り中ですので、お付き合いいただければと思います。

>>184
こんばんはー
間違ってないですよww
もちろん私も両手に花です。華ですよ!
186 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:34:26.96 ID:EAFDiDJmo
もう一つできたので、投稿しておきますね。
187 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:36:26.01 ID:EAFDiDJmo

ーーーーーーーーーー

12月某日


パソコンを起ち上げてからどれくらい経っただろうか。
数行しか埋まっていないワードを見て、思わずため息をつく。
時計を見ると、とっくに日付けが変わった時間だ。

最近仕事で任されるようになった報告書と悪戦苦闘していた。
いや、闘いにもなってないけど。

明日、というか今日も朝早いし寝ようかと考えていると、隣の部屋のドアが開く音が聞こえた。
それに続いて階段を降りて行く足音がする。

隣には妹の部屋がある。
高校では、今はテスト期間中だと言っていた。勉強していたのだろう。
こんな時間まで…今日は休みとはいえ、さすがに心配だ。
部屋から出て、追うように私も一階へ降りた。
いつものやかましいお小言である。


188 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:37:48.18 ID:EAFDiDJmo


妹はキッチンで飲み物を注いでいた。

「あ、さやちゃん」
「まだ起きてたの?」
「うん…。勉強してた」

答える表情は、少し暗い。
まあこの時間だからというのあるだろうし、不安もあるのかもしれない。

「そう。でもこんな時間までやらなくても…」
「さやちゃんも起きてるじゃん」
「…私は、仕事で」
「……すごいなぁ」
「なんで。別にすごくないよ」

実際ほとんど進んでなかったし…。
妹にそう言われてしまうと、後ろめたい。

「…ううん、すごい。大学行って、勉強して、仕事もしてる」
「…」

彼女はそう呟くように言って、僅かに憂いを帯びて微笑んだ。

「私なんか学校のテストぐらいでも全然ダメだよ……」

その微笑みを嘲笑に変えて、弱音を吐く。
…お小言言ってる場合じゃないなぁ。

189 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:40:59.05 ID:EAFDiDJmo


深夜だからか、勉強で疲れているからか、いつも以上に弱気になっている。
10月の実力テストの結果も関係しているのだろう。
決して悪い成績ではなかった。ただ、僅かだけど1学期のテストより順位が下がっていた。
中間の前にあった実力テストで下がって、中間でさらに…だった。
だから次こそは…という重圧もあるのかもしれない。

……加えて、私の成績と比べているというのもあるのだろう。
というか、妹にとってはそれが主なのだ。
いくら気にしなくていいと言っても、中々に譲れない所があるらしい。
それが良いことか悪いことかは一先ず置いておくとしても、最愛の妹が苦しんでいるのを良しとすることはできない。
伊達にシスコンをやっていない。

過去の私の結果はどうすることもできない。
だから、今の、今後の私自身がどうにかしなければいけないのだ。いや、どうにかしてあげたい。

とりあえずは、その落ち込んだ表情を見ていられないのでなんとかしよう。

190 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:42:50.36 ID:EAFDiDJmo



そっと妹の頭に手を伸ばす。
子供を寝かしつけるように、努めて優しく撫でながら伝えた。

「大丈夫。…テストの一回ぐらい、どうってことないよ」
「……でも、一回でも悪かったら、成績下がるし…」

いつか言われたお兄ちゃんの言葉でも、あまり効果がない。

「…で、でも、まだ一年生なんだから、そんなに頑張らなくたって…」
「…一年生で、もう置いてかれてたら追いつけないよ…」

考えつくのは、こんな当たり障りないことばかり。
語彙力の無さが歯痒い。
励まそうとしている私の方が狼狽える始末…。
困った。困るのが早すぎて困った。

伝える言葉もないまま、偉大な母にあやかる。
撫でていた手を背中にまわしてそっと抱き寄せた。

「う…?」
「わ、私は…あやに、苦しい思いしてほしくないよ」
「…うん」
「勉強なんかできなくても、…元気でいてくれれば、それでいい」

過保護と言われるものかもしれないけど、実際そう思うのだから仕方がない。
私の本心からの、唯一の願いだ。
あとは可愛い笑顔を見せてくれるだけでいいし、それと「さやちゃん大好き」とか言ってくれたらうれしいし、
たまにこうして抱かせてくれたらこんなにうれしいことはない。
唯一で唯一に唯一な願いだ。
まあ要するに元気でいてほしい。


191 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:44:26.70 ID:EAFDiDJmo


私の腰に回された手に、きゅっと軽く力が入る。
そして、疼くまっていた顔を上げて、にこっと笑った。

「……勉強もできるし」
「あ…う、うん、ごめん」
「へへ。ありがと!」

元気よく言って、もう一度ぎゅーっと抱きついてくる。
痛い……でも痛くない…きっと目に入れても。

…これでよかったのか。
答えはわからないけど、今見ている笑顔は唯一の願いの一つに違いない。

「じゃあ、今日はもう寝ようね」
「うん。そうする」

最後にもう一度頭を撫でて、2人で二階へと上がった。

私も寝よう。
いや、でも全然できてないしなぁ…せめて取っ掛かりだけでも掴んでから…。

「おやすみー。さやちゃんも寝てよ?」
「…うん、寝るよ。おやすみ」

見事に筒抜けである。
最愛の妹に言われては仕方ない。
パソコンを落として、消灯した。

192 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:47:53.07 ID:EAFDiDJmo


寝るとは言ったものの、さっきのあれでいきなり就寝とはいかない。興奮冷めやらぬ。
恥ずかしかったという意味で。深夜のテンションだったのだ。
眠りにつくまで、少し考える。


妹から、私はどう見えているのだろうか。
いい姉。とは思ってくれているのだろう。…そうであってほしい。
尊敬できる姉。とも見てくれているのだと思う。自惚れでもなく。
目標。これも大体あっているのだろう。
理想。真似しようとしたり、そう思っている節がある。
ライバル。時にそう考えていることもあるのがわかる。

周りの人達のお陰で、今は私自身、自分をそれなりに評価している。
だから、これらもそこまで悪いことだとは思わない。
そうして比較して成長できるなら、結果としていいことだと思う。

けれど最も身近な所にそうした存在がいるというのは、どんな気持ちなのだろうか。
…知っている。何度も苦しむ姿を見ているのだ。

往々にして兄弟姉妹とは、比較されて育つものなのだろう。
けれど私たちにはそうしたことがあまりなかった。
だから慣れを知らずに、今こうして苦しんでいるのかもしれない。


そばにいるだけで、苦しめてしまうのなら。ならば私は甘々でいよう。
一方的な押し付けであっても、唯一の願いを叶えるためにそうありたい。


考えた末に至った思いは、結局先ほど抱き合った時の気持ちと同じだった。
寝る前なんてこんなものかな…。

寝てよ?という彼女の言葉を思い出し、寝付く感覚に包まれていく。
あ、寝れる…と感じながら、頭の中の誰かに向けておやすみと挨拶した。


最も身近な存在として、私から見て、或いは彼から見て、お互いがある。
ふと過ぎったこの事について、その時は深く考えはしなかった。


ーーーーーーーーーー

193 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/02/27(金) 02:52:05.02 ID:EAFDiDJmo
以上です。


「姉や妹を溺愛しているなら、性別問わずシスコンと言うでしょ」
つぐみさんのお言葉により、私は姉バカからシスコンとなりました。
194 : 【大吉】 [sage]:2015/03/01(日) 00:10:48.71 ID:gYgag33DO
シスコンの二人に幸あれ
(もう一人のシスコンは前々スレを見r(ry
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 20:41:31.39 ID:e7L90X+Ao
どじっ娘寝子にゃん、おつかれさま〜〜
前と文体が少し変わったよねw

読んでる本の影響かな?
最近の愛読書はなんだろww


意味深な終わり方で続きが気になるw
愛すべき姉妹に幸あれ〜!
196 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/07(土) 22:15:54.33 ID:8bo9HzHDo
時間が空いてしまってすみません…。
只今次の話を書いていますので、今日か明日には再開できると思います。



>>194
私達だけでなくシスコンばかりな私の周り…
いーちゃんのお兄さん然り、私の妹然り(願望)。

>>195
お久しぶりです!

実は結構前につぐみさんからの依頼で、同人誌で数ページほど小説を書きました。
「次もお願い」とお褒めの言葉をいただきまして…その練習も兼ねて、少し意識して書いていますw
愛読書というとそう変わってないですけど、参考になるような本は色々読みました。

まだまだ続きまして…恐縮ですが気長にお待ち下さいませm(_ _)m
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(千葉県) [sage]:2015/03/07(土) 22:29:07.12 ID:W4Iq+ulDo
さやちゃん こんばんは

その小説ってエロいの?
是非ここでさわりだけでも(*'∀'人)
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 23:15:30.21 ID:ADyQ3ayJo
紳士協定違反です
199 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/07(土) 23:40:54.45 ID:8bo9HzHDo
>>197
こんばんは。

全年齢対象です!
私だけの作品ではないのでそれは…すみません。
つぐみさん所属のサークルということで、内容はお察しです(^^;;


>>198
協定に則り、無事故無違反ですよw
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/08(日) 10:47:25.48 ID:lxqCSMm1O
だからあれほど何か始める前に呼べとだな(´・ω・`)
久しぶりにリアルタイムで見れそうですww
ゆっくりまったり、いつものペースで待ってます。

あ、女の子産まれたよww
三姉妹の誕生だよww
201 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 22:05:26.77 ID:7epQtOWCo
>>200
わあ、お久しぶりです!
唐突ですみません(^^;;

なんと!おめでとうございます!
当時を思い出すと、生意気にも感慨深い気持ちになります。
お幸せにw
三姉妹とは、益々パパ大変…w
202 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 22:51:56.58 ID:7epQtOWCo
ようやく書き終わりましたので、投稿していきます。
203 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 22:57:39.27 ID:7epQtOWCo

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11月某日


方々から人が流れ込み、吹き溜まりのように喧騒が広がっている。
一斉に昼休みとなるこの時間、学内で最も人が多いであろうこの場所は、食堂である。

私は基本弁当を持参しているので、あまりこの食堂を利用しない。
大体自分の教室で食べている。
今日も弁当はあるが、一緒に食べようと約束があった。

その約束の相手を探していると、後ろから軽く肩を叩かれた。
突然の衝撃に勢いよく振り返ると、淑やかに微笑む、慣れ親しんだ表情が眼に映る。
約束相手の、つぐみさんである。

いやあまり淑やかとは言えない…何が可笑しいのか、少し口を歪ませて微笑んでいた。

「ふふ、ごめん。待った?」
「あ…ううん。今来たとこ」

実際に来たばかりだったのでそう答える。
図らずも、今では聞くこともないような定番の返しをしてしまった。

「ふふふ、100点の答え」
「いや、本当に今来たところだったから…」

ぐっと顔を寄せ、両手で頭を撫で回してくる。

やめてー心地いいけど恥ずかしいし直視できないから今度人がいないとこでして。

その両手から抜け出そうしていると、すぐ近くから熱い視線を感じる。

「ふひひ、いいっすなー」

だらしなく眉を下げて笑う彼女。これも見慣れた光景だ。

彼女はつぐみさんと同じ学科で、且つサークル仲間でもある。
今では私もよく知る仲となった。
サークル仲間ということで、名前はさくらさんとしよう。

「さくら。はしたない」
「つぐみさんもでしょ…」
「むふふ、ごちそうさま」

特徴として、笑い方が結構はしたない。いやいい意味でだけど。

そして、つぐさや推しだそうだ。つぐいーも好きらしい。つぐりんもいいとか。
要するに、つぐみさんが好きなのだ。
204 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 22:59:38.98 ID:7epQtOWCo


きゃっきゃうふふぐふふ言いながら、3人で座れる席を探す。
こうして誘われた時くらいしか来ないので、この喧騒にも慣れておらずどうも居心地が悪い。

漸く空いている4人席を見つけ、ほっと一息つく思いで椅子に座る。

「つぐちゃん、何にする?買ってくるよ」
「……じゃあ、◯◯で」

つぐみさんは逡巡して、さくらさんにメニューを伝えた。
今考えたのは、メニューのことだけではないのだろう。

「はいよー」
「…ごめんね。ありがとう」
「いいっていいってー。じゃあ行ってくる」

笑いながら軽く言って、財布を手に喧騒の中をすいすいと進んでいった。

謝ってお礼を言ったのは私だ。


以前3人で食堂に来た時のこと。
その時も私は弁当を持ってきていたので、2人が食事を運んでくるのを席で待っていた。
慣れない騒がしさで居心地の悪さを感じつつも、きょろきょろそわそわしながらぼーっと待っていた。
全然ぼーっとできていない。

戻ってきたさくらさんに、「ごめんね、心細かった?超落ち着きなかったよ。次からはつぐちゃんに付いててもらおうね」
なんて言われてしまったのである。

別に大丈夫なんだけど…きょろきょろは元々だし。というかはたから見てそんなにあれだったのかな…。

まあそんな気遣いに加えて、彼女の「つぐみ様のお食事ならよろこんで用意するよ!」という言葉で、今回のような運びとなったのである。

205 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 23:03:17.50 ID:7epQtOWCo


気さくであっけらかんとした性格の彼女は、人見知りな私でも話しやすい。
その性格とは対照的というか、時折見える繊細な女性らしさもあり、こうしてなんでもないかのように気遣いをしてくれる。
普段のはしたない笑顔に隠された本音のように。
まあ、その本音はないのかもしれないけど。


そんな彼女がつぐみさんに付いていてくれることを、嬉しく思う。
友だちの多いつぐみさんだが、不思議と彼女に対してはそう思うのだ。
いーちゃんと似ているようで、また違った何か。
206 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 23:06:10.60 ID:7epQtOWCo


人混みに消えていく彼女を目で追っていると、向かいに座るつぐみさんが口を開く。

「花開いたの?」
「ちがうから…」

何の花も開いてはいない。
まあ、そんな表情に見えたのかもしれないけど…。

「いい子でしょ」
「うん」
「ふふ」

少し誇らしげに微笑むつぐみさん。
その表情に私も嬉しくなる。

「…それに、つぐみさんすごい好かれてるね」

つぐみさんを慕うさくらさんと、それを誇らしく思っているつぐみさん。
これには花が開かないとも言えない。

「まあね。ほら、私オタサーの姫だから」
「全然違うでしょ…」

軽い冗談が返っきてしまった。

自分で言うのはどうなんだろう…。
でも、全然違うとも言えないのかな…サークルの皆(ほぼ同性)にちやほやされてるし。
決定的に違う所と言えば…。

「つぐみさんは本当に可愛いから!」
「あら、ありがとう。サークルの皆もそう言ってくれるわ」
「…姫じゃん」

そんなやり取りをしていると、さくらさんがトレーを持って戻ってきた。

「おまたせー」
「ありがとう。大好き」
「ええっ?ううん…いいよ…うへへ」
「やっぱり姫だ…」

つぐみさんに頭を撫でられ、はしたなく笑うさくらさん。
立派なお姫様の振る舞いであった。
きっと、私も家来の1人。


とまあ、昔から変わらない彼女の軽い悪ノリである。
実際は傲慢な態度もとらないし、もちろんサークルクラッシュもない。

207 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 23:09:49.40 ID:7epQtOWCo


全員食事が揃ったところで、一様に食べはじめる。
主にサークルの話で盛り上がる2人の会話を、相槌を打ちながら聞いていた。
私も所属はしていないけど、何度か参加したことがあるので、少しは話がわかる。


大学生となった彼女の世界は大幅に広がった。
学内のサークルや同人サークルなど、積極的に活動している。
共通の趣味を持つ仲間に囲まれ、生き生きしているのがわかる。
またその趣味以外のこともよく知っているため、色々なところからお声がかかるらしい。
学科内での信頼も厚い。
ひとえに、彼女の人徳のなせる業だ。

対して私は。
方向性は違えど、私の世界も広がった。
研究室で知識を深め、仕事で様々な経験を積ませてもらっている。
私にとってはどれも充実したものだ。
しかしそれは、私一人の世界に過ぎないのかもしれない。

自身の向上だけを目指して進んだ先に、広がる世界。
そこには、住み慣れた町は残っているのだろうか。

208 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 23:12:39.88 ID:7epQtOWCo


「さやちゃん、今日サークル来れる?」
「んー……うん。いいよ」
「そ。よかった」

特別予定もなかったので、承諾した。
笑顔で喜んでくれるつぐみさんを見て、つい私も顔が綻ぶ。
隣のさくらさんもはしたなく。



彼女はこんな私にも目を向けて、こうして誘ってくれる。
決定的な何かが違う彼女と私の世界は、彼女の差し伸べる手だけで繋がっていたのかもしれない。

欲しいものがあるのなら、形はどうあれ手を伸ばす。
でなければなくしてしまう。離れていってしまう。
たとえどこかの世界の姫であろうとも、それは変わらない。


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209 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/08(日) 23:21:10.65 ID:7epQtOWCo
以上になります。

共有できるキャンパスライフの1つの形です。
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/09(月) 00:16:46.80 ID:yW+21/gnO
乙でした。
とうとう百合の花が開く時が…(`・ω・´)

充実した大学生活を遅れてるのかな?
昔より重い文に感じるのは、さやちゃんが大人の女に成長してドジっ娘成分が薄れたからなのかな?ww

色々あるだろうけど、息抜くときはしっかり抜こうねノシ
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/03/09(月) 00:22:19.91 ID:MaV7XOMM0
幕が上がるか、上がらないのか…
ふひひ
212 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/09(月) 00:56:04.07 ID:8jfliGUIo
>>210
ありがとうございますw
練習として、百合増しで書いています(^^;;

すべて順調とはいきませんが、充実してますよw
実際重く考えているからですかね…。
もちろんそれもありますよ!元々どじじゃなかったですけど!

幸せな報告が聞けて息抜きになりましたww
ありがとうございました。

>>211
そんな舞台もありえたのかもしれません。
そろそろ花咲く季節の幕開けですね(意味深)。
213 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 18:59:26.97 ID:69z9u1eTo
こんばんは。

遅くなりましたが、続きを投稿していきます。
次からは短めにします…。
214 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:02:58.61 ID:69z9u1eTo
--------------------


10月某日


講師の先生が講義の終わりを告げると、先刻までの沈黙を破ってあちらこちらから話し声があがる。
その声は次第に大きくなり、たちまち喧騒へと変わっていった。
いつもの授業終わりの光景である。

板書したルーズリーフをぱらぱらめくり、見返して頭の中で整理する。
まだまだ基礎の段階ではあるけど、専門科目の講義は面白いと感じられる。
特にこの先生の講義はわかりやすい。
今日の内容も満足できるものだった。

そんな感想を胸に、荷物をまとめる。
次の時間はこことは別の広い教室で行われる講義がある。
選択科目なので、クラスの全員が移動するわけではない。
というかこのクラスで選択している生徒はほとんどいない。
そのためか、毎週この時間はいつもの休憩時間よりも騒がしくなるのだ。

移動しようと立ち上がると、隣の子と談笑していた前席の男子が、こちらを見上げて声をかけてきた。

「もう移動すんの?俺も一緒に行くわ」

彼も次の講義を選択している。

「あ、ううん、えっと…ちょっと寄るとこあるから」

逡巡しながらそう返すと、「そっかー」と特に気にする風でもなく彼は答える。
その彼と隣の子にも簡単に挨拶して、席を離れた。
まあこの短い休み時間で立ち寄るようなところもないけど…トイレくらいは寄るかもしれないし。
215 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:10:02.95 ID:69z9u1eTo


喧騒をすり抜けるて教室を出ると、廊下もまたそこそこに賑わっていた。
歩き出して程なく、進行方向から私を呼ぶ声が聞こえてくる。

「さやちゃーん」

その声がする先には、見慣れた彼女の姿があった。
笑顔で大きく手を振る彼女は、モデルのように背が高く華やかで、大勢の中でも一際目立っている。
高校からの友人、りんちゃんだ。
今日も見目麗しい。

周囲の子達に一言二言挨拶してから、こちらに駆け寄ってくる。
ひらひら踊るスカートに目が奪われる私は、きっと正常。

「おはよー」
「おはよ」

笑顔で挨拶して、雑談しながら講義室へと向かう。
彼女もこれから同じ講義を受けるのだ。

同じ学部の彼女とは、いくつか同じ講義がある。
それも前期は結構あったが、後期では随分少なくなってしまった。
今日のこの講義は、彼女と一緒に受けられる貴重な時間だ。
216 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:13:32.34 ID:69z9u1eTo

こころぴょんぴょん移動中の一時の会話を楽しんでいると、そのままの流れでトイレに入っていくので私もそれに続いた。
彼女は奥の個室へ進んでいく。
手持ち無沙汰で鏡を見ながら前髪を弄っていると、後から入ってきた子の内の1人と鏡越しに目が合った。
同じクラスの子だ。

ばっちり目が合い、そしてややわざとらしく、ふいっと逸らされる。
彼女達はそのまま奥に進んでいった。

うーん…まあ、私も大体同じ気持ちだけど…。
先日の事を考えれば、これも致し方ない。

そんな憂いもわずか、入れ違いで出てきたりんちゃんを見て、すぐに心が弾んだ。
ああ^〜ぴょんぴょんする。

相当はしたない顔をしていたのか、はたまた複雑な顔をしていたのか、「ん?」と訝しむ顔を向けられる。
なんでもないとかぶりを振って、誤魔化した。

手を洗う彼女にならい、私も目に見えない何かを冷水で洗い流した。

217 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:14:40.51 ID:69z9u1eTo

教室で講義の始まりを待つ間、側を通る子の何人かがりんちゃんに声をかけていく。
男女問わず、みんな弾んだ声だ。

屈託のない素敵な笑顔で話す彼女といると、自然とこちらも笑顔になる。
きっと誰もが同じ気持ちになるのだろう。
華やかな彼女の周りには笑顔が絶えない。


「---って言われてー」
「あーね」
「あるわーそれ」

近くの席の子達とは、楽しい会話が広がっている。私も何度か話したことのある子だ。
相槌を打ちながら、なんとなく混ざっていた。

その談笑中、ふと脈絡もなく、りんちゃんに両手で手を握られた。
当の本人はそれについて触れず、会話を続けている。

なんのことはない、いつもの癖である。
218 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:16:43.54 ID:69z9u1eTo


高校の頃から、彼女のこうしたスキンシップはよくあった。
無意識に触ってしまうらしい。
最初の頃はおどおどきょどきょどしていたけど、今となっては慣れたものだ。
動揺したりしない。もちろん高翌揚はする。

「……仲良いねー」
「んー?うん、まあねー。ねー?」
「う、うん」
「微笑ましい」
「あはは」
「ちょ、ちょっと…近いって」

煽られて更に、ぐーっと顔を寄せて頭を撫でてくる。
慣れた慣れた…ふひひ。
はしたない笑いは心の中だけで。

決して誰にでもするわけではない。
特別仲のいい子だけである。
私の知るところ、いーちゃんとつぐみさん、それに大学でよく一緒にいる子くらいだろうか。
…しょうちゃんにもしていたが、一度怒ってからは止めた。
ちなみに怒ったのはいーちゃんで、怒られたのはでれでれしたしょうちゃんである。

それだけ気を許してくれているのは、心から嬉しい。
ますます素敵になる彼女が変わらず近付いてきてくれることを、誇らしく思う。
それに甘えている。

それは純粋な気持ちのようで、たちの悪い自尊心なのかもしれない。


程なくして講義が始まった。

離された手には、ほのかな温もりと一抹の寂しさがわだかまっていた。
219 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:21:58.32 ID:69z9u1eTo



「それじゃ、先戻るね」
「うん、じゃあねー」
「またね」

彼女と一緒の講義はあっという間に終わりを迎える。
別の友達と会話に花を咲かせている彼女に別れを告げ、その場を後にした。
離れても、明るい空気は伝わってくる。少し名残惜しい。

扉近く。元いた席の方を振り向くと、偶然なのかこちらに視線を向けた彼女と目が合った。
期待通りの笑顔で大きく手を振ってくれる。
小さく手を振り返して、満ち足りた気持ちで退室した。

弾んだ気持ちも周囲の賑わいに高まることはなく、教室に向かううちに平静に戻っていく。
教室内での視線にもその平静を乱されることはなかった。
220 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 19:23:58.83 ID:69z9u1eTo
--------------------



以上です。

これも1つのキャンパスライフの形。
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 19:57:48.86 ID:iOb/k8LNo
こんばんは〜

…って…ん?
222 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/26(木) 22:05:19.53 ID:69z9u1eTo
>>221
こんばんは。
要するに、素敵な友達の話です。
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 22:20:25.57 ID:IBbSqADUo
どじっ娘寝子にゃん、こんばんはw

微妙に張られた伏線が気になる〜〜〜
次回にも期待w
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 22:52:18.98 ID:IvBXMgfW0
さやにゃんこんばんは

最近はレスを控えておりますが毎日見ているよ
(これからの展開がどうなるのか期待半分不安半分ではありますが)
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/03/26(木) 23:02:29.72 ID:f1jbuYRY0
こんばんは
来月からもう2年生か
早いね〜
226 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/27(金) 00:10:06.92 ID:xHxBzXEoo
>>223
こんばんは。
この先紐解かれていく…はずです。
ありがとうございますw

>>224
こんばんは。
ありがとうございますw中々書けなくてすみません…。
今後もよろしくお願いしますm(_ _)m

>>225
こんばんは。
はやいものですねw
今年で成人なんですよ!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 07:50:50.57 ID:OygxH8/uo
ネコ耳ミステリ作家誕生?
228 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:42:03.45 ID:duORX07Qo
>>227
ジャンルは百合で、プロットは人任せですが…w
構成力の無さを痛感しております…。



短い話を1つ、投稿します。
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/28(土) 00:45:18.40 ID:a9gDVHdKO
あら、今日はゆっくりやな
夜更かしは美容の敵やで〜
230 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:46:02.58 ID:duORX07Qo
--------------------


11月某日


研究室から続く廊下は、日中の賑わいもなく静まり返っていた。

立ち止まって窓の外を見る。
外はすっかり暗くなり、夕方降り出したにわか雨は未だ降り続いていた。
小さくため息を吐いて、再び歩き出す。

静かな廊下には自分の足音だけが響く。
湿ったリノリウムの床と擦れる足音は、どこか間が抜けたように聞こえる。


行き着いた先、ベンチが立ち並ぶ自販機前。
人の気配に顔を上げると、さも当然のような顔で「おつかれー」と労いの言葉をかけてくる。

「…メールしてよ」
「先に言ったらおもしろくないでしょ?」
「ばか…。もし帰ってたらどうするの」
「本当は今メールするところだったけどね」

なんて憎まれ口を叩きつつ、内心の嬉しさを隠しはしない。
「ありがと」と言って、彼の側に並ぶ。

相変わらず、こういうサプライズを仕掛けるのが好きなしょうちゃんだ。
こうして待ってくれているのはこれで2回目。

響く足音は2つ。
やはり間が抜けて聞こえる。


ぐるるる

「…腹減ったな」
「……聞き流してよ…」

ついでに気も抜ける。

231 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:48:36.54 ID:duORX07Qo


降り出した時の勢いも弱まり、今はしとしと雨に変わっていた。
か細い雨音は、不思議と無音よりも静けさを感じる。
これくらいの雨は嫌いじゃない。
…出歩かなければ、だけど。

鞄から折りたたみ傘を取り出すと…それを取り上げられてしまった。

「これはいらないねー」
「……そうですね」

彼が差す傘に入る。
必然、身体が寄り添う形になる。
それよりも気持ち近づいて、傘を持つ腕に手を添えた。

傘を叩く音が絶え間なく耳に届く。
心地よい静かな雨音。
雨の中を歩くのも、嫌いじゃないかもしれない。

「さむいな」
「うん…」

冷たい風が通り過ぎ、彼がぶるっと身を震わせる。
むき出しの手は、さぞかし冷たいのだろう。
傘を持つ手を囲うように両手で握る。

「…こうすれば、少しはあったかいよ」
「……あざといなー」
「それはお互い様」

なんと言われようと、握った手は離したりしない。
たとえこの先どんなことがあっても、私からは決して離さない。



「おつかれー」
「あ、おつかれっす」





「…今さら離してもばれてるから」
「…はずかし…」


--------------------
232 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 00:54:58.62 ID:duORX07Qo
以上です。

いつかはこんな雨路もありました。




>>229
こんばんは。
思いついたうちにと…つい遅くなりました(^^;;
もうすぐ寝ますね。
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/28(土) 00:58:05.19 ID:a9gDVHdKO
やっぱり、ほっこりするなぁ〜

お疲れさま!
234 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/03/28(土) 17:58:41.93 ID:duORX07Qo
>>233
それは何よりですw
こういう話も入れつつ進めるつもりです。
一応つもり…w
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/29(日) 01:20:34.20 ID:my8UxMQho
さやちゃんこんばんは!

心配症のおっさんはこの先の展開が不安で仕方無いわ
236 : 【大吉】 [sage]:2015/04/01(水) 04:58:44.26 ID:PsMZmZ+DO
エッセイストとしての才能が徐々に開花?
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/02(木) 20:45:19.50 ID:P0ewGAKAO
これはほっこりする2828(・∀・)
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/02(木) 20:47:31.50 ID:wprqfkNUo
さやちゃん小説家でも目指してんの?
239 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 15:01:26.85 ID:6cn57jgso
>>235
仰々しく言っておいて、実際は大したことないかもしれません…(^^;;

>>236
リアルに少しスパイスを加えたリアリティという…つもりで書いていますw
エッセイになるのでしょうか…?

>>237
ありがとうございますw

>>238
目指してないですよw
飽く迄趣味の範囲で楽しむつもりです。




ちょうど今、執筆時の一幕を書いているところでしたw
今日中には投稿できるかと思いますので。
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/04/05(日) 16:41:14.62 ID:DCrk0oG00
さやにゃんこんにちは  
 
眠気と戦いながらまってるよww

241 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:21:32.93 ID:fH0yPlZMo
>>240
こんばんは。
ありがとうございますw

それほど遅くなりませんよー。



というわけで、出来ましたので投稿していきます。
242 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:25:36.18 ID:fH0yPlZMo
--------------------


12月某日


淡い暖色系を基調とした、温かみのある落ち着いた部屋。
初めて来た時は少し意外に思った。
当時は彼女のことを、ちゃんとわかっていなかったということなのだろう。
それも懐かしく感じるほど、今では慣れ親しんだ場所となった。

そんなくつろげるつぐみさんの部屋で、私は落ち着きのない時間を過ごしていた。

淹れてくれた紅茶に口を付けつつ、真剣な表情でパソコンに向かっている彼女を窺う。
つぐみさんには、書きかけの小説を読んでもらっていた。
正確に言えば、行き詰まった小説…。


程なくして彼女はほっと一息吐き、真っ直ぐにこちらを見据える。
私と目が合うと、しかして少し視線を逸らし、ゆっくりと口を開いた。

「……よく、書けてると思う」

熱のこもった声で丁寧に告げられる。
想像していなかった反応に、戸惑いながらなんとか返事をした。

「え、あ…ほんとに…?」
「…うん…」

それほど多くない言葉。
でも、その口調と声色にただならぬものを感じた。

「…な、なら、よかった…けど…」
「…」

伝染するように、私にも言いようのない緊張が走る。

「…えっと…」
「…ふふ」

それも束の間、彼女の柔らかい笑い声で、空気が弛緩した。

「さやちゃんに頼んでよかった」

つぐみさんはいつもの笑顔で、そっと私の頭を撫でてくる。

「う……そ、そんな…自信なくなってきてたんだけど…」
「大丈夫。ちゃんとおもしろいから」

そこには普段通りの光景が広がる。
何の違いもない、はずの。


243 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:27:06.13 ID:fH0yPlZMo


つぐみさんに意見をもらいながら、続きを書き進める。
考え考えしながらも、それなりに手は進んでいた。

元々漫画で掲載する予定だったこの話。
都合で書けなくなって急遽今回のような運びとなった。
その為、プロットもストーリーもある程度は出来上がっている。
行き詰っていたのは、要するに自信がなくなっていたのだ。
「よく書けてる」と言ってくれたことが、何より心強いアドバイスであった。



そうして私がパソコンに向かう最中、つぐみさんはというと、私の髪で遊んでいた。

無邪気に戯れるように、毛先で自分の顔をくすぐったりしている。
彼女らしからぬ行動である。

「さやの髪は、女の子の匂いがするな」

そして、明らかにいつもとは違う口調。
まるで今書いている物語の主人公のような言い方と、書き覚えのあるシーンのようだ。

まあ、このヒロインのように「だ、だって女の子だし!」なんて殊勝なことは、私には言えないけど。

…ていうか実際言われてみるとすごい恥ずかしいなこれ…。

弄んでいる彼女の手から離れようとすると、すんすんと嗅いで言葉を続けた。

「むらむらする」
「…台無しだよ!」

…一言足しただけで残念なシーンの出来上がりである。


244 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:28:53.29 ID:fH0yPlZMo


別のシーンへと移る。


机の上に投げ出した左手が、彼女の手に包まれる。
ひんやりして気持ちいい。
ゆっくりとした手つきで次第に指を絡ませ、ぎゅっと握られた。

「……手枷の代わりに?」
「……うん」

目を合わせると、つぐみさんは優しく微笑んだ。

「簡単にほどけてしまうのにね」

言いながら緩める手を、私から軽く握り返した。

「…すぐ繋ぎ直せばいいよ」

そう答えると、つぐみさんは破顔して声を上げて笑い出す。

「ふふ、イタすぎ」
「い、今のはボツ案にしたから…」

ボツにしてよかった…。
思いつく時点でイタいのだろうけど。
重々承知している。



幾年もかけて募った重たい感情。
そう表現した主人公の心情は、果たして正しいのだろうか。
この行動に込めた思いとは。

彼女の表情を思い返して、そのシーンに一文付け加えた。


書き連ねた物語も佳境。
夜が明ける頃には、彼女と彼女は結末を迎える。


--------------------
245 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 19:31:20.30 ID:fH0yPlZMo
以上になります。

とある物語の話。
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/05(日) 19:40:17.23 ID:1nWLGvSR0
さやにゃん       


つぐみさんと……(……)
247 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/05(日) 21:58:49.97 ID:fH0yPlZMo
>>246
つぐみさんとは良き仲でありますw
今も昔も、これからも。
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/06(月) 01:27:31.26 ID:9bENHk1co
さやちゃんこんばんは

「ムラムラする」
「…台無しだよ」→「…わたしも」

これで完璧なシーンですねわかります
249 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:47:52.14 ID:IK87kB+Ro
おはようございます。(早起き)


>>248
そういうことです(涎)
いや、ほんとは純粋でもどかしいシーンなんですよ。




続き投稿します。
思いの外長くなってしまったので、一旦区切りました。
この先はまた今日中にでも。
250 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:49:46.66 ID:IK87kB+Ro
--------------------


大学にも席替えというものがあることを知った。

通常の講義は基本的に自由席なので、先生から席を決められているわけでもない。
しかし、ほぼ毎日講義を受ける自分の教室であれば、わざわざ毎朝席を探すこともなく、自ずと座る席も決まってくる。
図鑑みたいな教科書とか、そりゃあ置いて帰りたいし、自分の席がないと困る。

好きに座っていいとなれば、大体の子は仲のいい子同士で集まる。
私も例に漏れず、入学オリエンテーションの時になんとなく話した子たちと、そのままなんとなく集まって座っていた。

即ち、大学での席は友達関係を表しているとも言える。
所謂友達グループというものだ。

では、そこにおける席替えとは。

251 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:53:12.40 ID:IK87kB+Ro



新学期初日。

始業時間よりそこそこ早めに登校すると、教室にいる生徒はまだ数人だった。
目が合った子に軽く挨拶して、前期と同じ席に着く。
周りの席の子は誰も来ていなかった。

持ってきた教科書を鞄から机の中へと移す。
夏季休暇中は教科書等私物を持ち帰るようにとのお達しがあったため、机の中は空っぽだった。
なので、取手が千切れそうなくらい何冊もの重い教科書を持ってきていた。
いやほんとに重かった。ついでに値段も重い。
これから後期に使う教科書も買わないといけないかと思うと、一層気分も重い。

そうこうしてずしーんと過ごしていると、徐々に登校した生徒が集まりだす。
久々の再会か或いはそうでもないのか、各々集まって会話が広がっており、忽ち教室内は賑やかになった。

奥の方の席から教室内を眺めていると、どうも様子が違うのに気づく。
ちらほら席に着き出している子もいるが、その席が前期の時と若干変わっている。

様子が違うとは言ったものの、別に不自然なわけではない。
仲のいい子同士でお喋りして、そのままの流れで「ここにしよっかー」と言った感じで席に着いていく。
最初の席が決まった時のような、言わば自然な流れである。

入学してから半年もすれば、気の合う子も変わってくるだろうし、本当の所合わなかったというのもわかってくるものだろう。
サークル関係やバイト関係その他諸々、夏季休暇中の行事で、などなど交友関係に変化があってもなんら不思議なこともない。
机の中が空の今は、席替えにうってつけの機会であった。

こうして、教室内では席替えという体の友達替えが行われた。
まあこの席替えはただの結果にすぎない。


かく言う私の周りはと言うと、絶賛空席である。

前期で一緒にいた子たちは、別のグループの近くに着席していた。
あ…。(察し)
間違いなくクラスで1番賑やかなグループの出来上がりだ。

何の間違いか、私は当初、クラスでも1、2の派手目な子たちのグループに属していた。
属していたというのも違うかもしれないけど。

最初に声を掛けてくれた子たちが偶々そういう子だった。
決して苦手でも嫌いなわけでもないし、むしろ感謝している。
教室ではそれなりに仲良くしていたけど、それでもまあこんな私では反りが合わないわけで…。

この席替えを機に敢え無くグループ解消いや、私のグループ脱退が決定した。
そ、ソロデビューだし…!
私のことは嫌いになってもうんちゃらかんちゃら。(古い)

飽く迄自然の流れ、である。

252 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 04:54:52.45 ID:IK87kB+Ro


講義の開始時間が迫り、会話に花を咲かせていた子たちも漸くに着席する。
そうなればさすがに私の周りの席も埋まっていった。

「おー、いちさんじゃん!よろしくー」
「よろしくねー!」
「あ…はい、うん。よろしく…」

いぇーいとでも言わんばかりの快活なご挨拶。
前の席は、彼ら賑やかな男子グループの席となったようだ。
うーん…。いや、何も言う資格はないんだけど…。

「ここ、空いてる?」
「あ…はい、うん。空いてる、けど…」
「そう」

隣の席に着たのは、独特の雰囲気を放つ女の子だった。
孤高というかなんというか。
こう言っちゃなんだし、私が言えたことでもないけど、この子もあまりクラスに馴染んではいなかった。
暗いわけではなく、学校とは別の生業に重きを置いているような印象。
一方の私は根暗である。

まだ話したこともないけど…そういう子との方が合いそうな気はする。

「…よ、よろしく」
「ん。よろしく」

その素っ気ない挨拶になんだか安心感を覚えた。
さっきとのギャップかな。

まあおそらく半年間は隣の席で過ごすのだ。
これから知っていくこともあるだろう。


かくして、前途多難かはたまた洋々なのか、新学期の始まりを迎えた。




--------------------
253 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/12(日) 05:00:07.15 ID:IK87kB+Ro
以上です。

ある意味では椅子取りゲームもあります。
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2015/04/12(日) 05:09:02.43 ID:OdTZD6Hro
さやにゃんおはようございます。

なんだか、つぐみさんタイプが増える予感o(*゚∀゚*)o
255 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/13(月) 23:10:55.80 ID:Y1Znytilo
>>254
んー…1番近いのは、昔のいーちゃんですかね。
と、いーちゃんの本人談です(^^;;
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/16(木) 14:10:26.97 ID:mc8xzaGCO
昔が思い出されるな〜(´ω`)
ほとんど行ってなかったけどww

次は孤高の美少女をたぶらかすんですね(願望)
257 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/20(月) 23:12:51.96 ID:IQDytp/Ko
>>256
あまりいい大学生活とは言えないかもしれませんが…w

行ってなかったんですか(^^;;
巷で言う代返とかできる環境ではないので、私は行かざるを得ないですw

誘い受けの名にかけて(切望)
まあ先に言ってしまいますと、まだそんなに仲良くなれてないです…。
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2015/04/20(月) 23:41:47.72 ID:yJvwZL1+0
おやこんばんは
東京は暴風が吹き荒れてるよ
春の嵐だわ
259 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:24:28.88 ID:3OCLgxcJo
>>258
こんばんは。
そうみたいですね…お気をつけてください(ー ー;)
こちらも中々の強風でむしむしじめじめ嫌な天気でした…。
気象が荒い()
260 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:25:51.10 ID:3OCLgxcJo
最近全然書けないので、途中で申し訳ないですが投稿していきます…。
261 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:29:53.55 ID:3OCLgxcJo

--------------------


結論から言えば、この席替えは私にとって良いものではなかった。


新学期が始まってから2週間ほど。
新しい席でソロデビューとなった私は、静かに学校生活を送っていた。
というわけでもなかった。

前席の男子グループがよく話しかけてくれるのだ。
隣の彼女も巻き込んで、話しかけられている。
まあ彼女はあまり話さないけど…。かくいう私も似たようなものかもしれない。

「ねね、これ知ってる?おもしろくね?」
「んー…ごめんわかんない…」
「知らない」
「まじかー」

こんな感じである。

まあこんなでも一応会話はしているわけで、1人寂しく教室にいるということはなかった。
はたから見ても、それなりに仲良くしているように見えていたらしい。


グループとは言っても全員で一斉に話してくるわけはなく、実際に声をかけてくるのは、必然すぐ前の席に座る彼になる。

前の席の彼、前野くんとでもしておこう。
その前野くんは、明るく陽気で誰にでも別け隔てなく接する、言わばクラスの人気者のような存在である。
背が高く、容姿もいい、らしい。
おそらく学内で見ても目立つのだろう。私はよく知らないけど。

そういう性格の彼だから、私のようなものにも、例えおもしろくもない返答ばかりでも、話しかけてグループの輪に入れてくれるのだ。
そこに他意はない。


これは飽く迄私の主観に過ぎず、客観では他意が見えていたことをすぐに知ることになる。
いや、重々承知していたはずであるのに。


--------------------
262 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/21(火) 00:32:42.42 ID:3OCLgxcJo
以上、書き溜め終了です。

次にはこの話をまとめるつもりですので…。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/21(火) 20:43:47.43 ID:Gwi7E7ZMo
ドジッ娘、さやにゃん今晩はw

何だかこの前の伏線が生きそうな、、、そして
春らしい楽しい多角形が描かれそうな展開だww

次回作に期待w
264 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/23(木) 23:00:16.02 ID:YhfBPA0To
>>263
その辺りの話になりますw
決して楽しい話ではありませんが…(^^;;
直に冬を迎える夜長の季節。

ありがとうございますw
265 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:01:42.59 ID:uBJVzt6Ro
こんばんは。

粗方続き出来ましたので、ぼちぼち投稿していきます。
はっきり楽しくない話です…w
266 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:05:46.94 ID:uBJVzt6Ro
--------------------

10月某日


昼休みが終わる15分前。
前席では、今日も変わらず賑やかな会話が広がっている。

前野くんを始め彼ら男子グループに加えて、最も賑やかな女子グループの何人かも混ざり、一層盛り上がっていた。
彼女らは前野くんと仲がよく、休み時間にこうして話に来るのも珍しいことではない。
ていうかしょっちゅう来ている。
ちなみに前期で私と同じグループだった子たちは、たまに来る程度。今は来ていない。

大勢の男女で仲良く語らう様は、実に充実した大学生らしい光景である。
うむ。


とか頷いて傍観者を気取ってみたりしているけど、私自身もその中に含まれていたりするのだ。

267 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:09:34.76 ID:uBJVzt6Ro

「つーか、◯◯のレポートだるくない?」

言葉通り気怠そうに毛先を弄りながら、彼女は前野くんに話題を投げかける。
派手目な彼女、とりあえず明るいし明野さんとでもしておこう。

「それなー。いちさんは終わった?」
「え…うん、一応…お」

振り向いて問いかけられた言葉に逡巡しながら返事をする。
「終わってるけど…」と続ける途中で、言葉を遮られた。

「そりゃあ、いちさんは終わってんでしょー」
「だよねー」
「ねー」

どうやら決定事項だったらしい。いや実際終わってるけどさ…。

明野さんは、先ほどの気怠そうな顔とは打って変わって、にーっと口角を上げて明るい声で周囲に笑いかけている。
そして、よく似た笑顔で同意する取り巻きのような彼女たち。
いやはや、仲良きことは美しきかな。

「そうなんだ。偉いね」

振り向いて私に笑いかけてくる彼の笑顔は、彼女たちのそれとは種類が違う。

「い、いや…別に…そん」
「つーかさー、レポートの話とかやめようよー」
「だねー」

またも私の言葉は続かなかった。
明野さんが出した話題は、彼女自身のお気に召さなかったようだ。
話しかけられてしまって申し訳ない。

「ねーねー、それよりさー」

まだこちらに振り向いたままだった前野くんは、軽いボディタッチを伴った明野さんの呼びかけで前に向き直った。

切り出された別の話題で、彼女らは盛り上がっている。
先ほどの笑顔とは別のきらきらした笑顔だ。


実に大学生らしい光景である。
268 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:13:20.83 ID:uBJVzt6Ro

とまあ、こうしてキャンパスライフを送っていた。

もちろん何も気づいてないわけではない。
これでも3年間、高度な空中戦を間近で見てきているのだ。
これくらいの真意ならわかる。…誰にでもわかるのかな。


単純な話、明野さんは私が気に入らないのだ。

彼に話しかけられておきながら、好意的に返したりもしない、適当に誤魔化したり、困ったような態度をとるだけ。
何様のつもりだ、と。
「男の人とか苦手だし…」なんて、彼氏がいては通用しないし、通用したとしても、それはそれでかまととぶってるとか思われるまでだ。
詰んでいる。

別に彼に対して特別な好意があるというわけでもないとは思う。
でも、仲がいいお気に入りの男子が、私のような女子に話しかけているということが気に食わないのだろう。

端的に言えば嫉妬だ。

私の身近にいる素敵な彼女たち。
彼女たちと一緒にいれば当然目立つ。
だからこう言った注目を集めることも珍しくない。
けれどこのクラスに彼女たちはいない。
もう自覚している。私もそれなりに目立つのだろう。
あれだけ「世界一…」とか言われたらさすがに自覚する。…これはまた違うか。

それゆえの嫉妬。
女の嫉妬は複雑で簡潔なのである。

それだけわかっていても、私はどうこうするつもりはなかった。
絶対に仲良くしたくないなんてことはないけど、大変だろうし私に上手くできるとも思えない。
これから4年同じクラスだ。
何もしなければその内収まって、表面上はなんとなく付き合っていける。
それが女世界というものだ。…たぶん。


高校の頃は恵まれていたなぁ…。
と、自分のコミュ症を痛感するばかり。



--------------------
269 :さや ◆0j8YIq7DEniB :2015/04/25(土) 20:16:54.33 ID:uBJVzt6Ro
一旦区切ります。

暗いですね…性格が(ーー;)
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/25(土) 21:43:11.35 ID:Ot47CJ43o
さやちゃんこんばんは

まあみんな仲良くとは行かないからね
おっさんの様に年をとってくると色々と割り切れるんだろうけど
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