【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 19:36:02.98 ID:ScpGv/+Oo
了解
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:36:35.96 ID:AhPNAKwH0

妖精「聞きたいことは大体聞けたかな?」

クロシュ「うん」

イヨ「それでは面会を終わりに――」


 ドッガァァァァンッ!!!!


イヨ「きゃあっ!!?」

妖精「わああ!!?」

クロシュ「!!?」

アウル「!?」


 穴の空いた天井「」パラパラ…

 スタッ

フレメア「……」ヌッ


アウル「……フレメア!?」


妖精「!?」

クロシュ「!!」

イヨ「えっ……!?」


フレメア「あ、アウル。本当に捕まってたんだ」スタスタ


アウル「……なんだよ。嗤いにでも来たのか?」

フレメア「大正解! 人間たちに捕まってお仕置きされちゃう哀れな駄狐を嗤いに来てあげたの!」ケラケラ

アウル「……」

フレメア「それとも――うふふふ、助けて欲しい? ねえ、助けて欲しい?」ニコニコ

アウル「………いや……」

フレメア「え、じゃあそのまま無様に人間たちに殺されたいってこと!?」

アウル「そういうわけじゃねえよ」

フレメア「ふうん……アウルの復讐心なんてその程度のものだったんだね。まあ駄狐らしいっちゃ駄狐らしいか」

アウル「こいつ……」

フレメア「まあいっか、ザイルには駄狐は人間に断罪されることを望んでたって伝えてあげよ」

アウル「あのな……オレは別に――」

フレメア「じゃ、死んでくれる? 復讐も果たせずに腑抜けて、本当の駄狐になっちゃったアウルなんてつまんないし」ズオッ

アウル「ッ!!」

 ガギンッ!!

 吸血鬼の爪「」ギギギ
 メイドブレード「」ギギギ

メイドクロシュ「……!」ググ

フレメア「……ん? あんたは……あの時のスライム……!」

 ギンッ!
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:37:19.79 ID:AhPNAKwH0
 ギンッ!

メイドクロシュ「っ!」ズザザッ

フレメア「あっは! レインの言った通りだ! ほんとに見違えた!」シュタッ

メイドクロシュ「……」ジリ

フレメア「でもなんでアウルを庇うの?」

メイドクロシュ「アウルさんは……狐さんたちのこと、好きだから……!」

フレメア「……? 意味がちょっとよくわからないけど……」

妖精「アウルが死ぬと、悲しむ者たちがいるの!! だからクロシュは――」

フレメア「……悲しむ者……? あはっ、冗談でしょ? こんなやさぐれ駄狐が死んで悲しむ奴なんて――」

イヨ「……嘘ではありません。アウルは重罪人ですが、彼を慕う狐たちがいることは事実です」

フレメア「……」

アウル「……」

フレメア「……あんた、天涯孤独じゃなかったの?」

アウル「天涯孤独だよ。オレが死んであいつらが悲しむなんてのも……大げさだ」

フレメア「……」


フレメア「……つまんな。帰る」

 シュバッ ビュンッ―


クロシュ「……!」

妖精「開けた天井から帰ってった……」

イヨ「……はあ、良かった……」

 天井の穴「」パラパラ…

イヨ「……いや、全然良くない! 大穴を開けるだけ開けて帰るなんて!!」プンスコ



アウル「……」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:06:19.75 ID:AhPNAKwH0
―旅館雪解け 客室

イリス「ええっアウル・フォクシーとの面会中にフレメアさんが襲ってきた!?」

クロシュ「うん……。でも……急に、帰っちゃった……」

ミスティ「急に帰った……? なんでかしら?」

クロシュ「えっと……アウルさんが好きな狐さんのお話……聞いたから……?」

妖精「タイミング的にはそう。どういう気持ちだったかはよくわかんないけど……」

イリス「愛する者がいるアウル・フォクシーの命は奪えない――そう思ったのでは!?」

ミスティ「……妖精はどう思う?」

妖精「え、うーん……フレメアってそんな奴なのかなあ……」

 ◇

―夕方
 旅館雪解け 脱衣所

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

シズク『わあぁ……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『お水……ぽわぽわ……』モニョモニョ


スライムクロシュ(イリスさんたちは……今、お風呂に入ってる……)

スライムクロシュ(わたしもこれから入ろうと思ってたら……シズクちゃんが、イリスさんの杖を見て、モニョモニョしてるのを見つけた……)

スライムクロシュ(シズクちゃんは水属性のスライムだから……水属性の世界樹の光が、きらきらに見えるのかも……)


シズク『こ、これ舐めても良いかなあ? だめかなあ?』モニョモニョ

スライムクロシュ『え、えっと……ちょっとなら……いいと思う……!』モニョモニョ

シズク『じゃ、じゃあちょっとだけ……や、やっぱりだめだよぉ! イリスさんは大切なお客さまで、わたしはここの従業員なんだもん……! お客さまのものを勝手に舐めたら、悪いスライムになっちゃう……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

シズク『そうなの!』モニョ!


スライムクロシュ『!』ピコン!

シズク『?』モニョニョ

スライムクロシュ『じゃあ……わたしは、従業員じゃないから……舐めても、悪いスライムに、ならない……!』モニョモニョ

シズク『わ、わわ……!?』モニャニャ

スライムクロシュ『わたし、代わりに……ぺろぺろ、する……!!』モニョニョ!

シズク『んわわ〜!?』モニャニャ


スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ
 蒼き星の杖・水『』ポワポワ

 モニョニョ… モニョモニョ…

↓1コンマ
01-10 カナヅチスライム
11-70 溺れそうになった
71-90 取り込んだ
91-00 ??
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 20:08:43.07 ID:eRBJPOt3O
364 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:39:46.08 ID:AhPNAKwH0
 蒼き星の杖・水「」ポワポワ
スライムクロシュ『〜〜』モニョモニョ

 ◇

 ザァーン… ザザァーン…

スライムクロシュ『…?』モニョニョ

 海のうねり「」ゴオオオオ―

スライムクロシュ『…!!?』モニャニャ!?

 おおきな海のうねり「」ゴオオオオ――

スライムクロシュ『〜!!?』モニャニャニャ!?

 ブクブク…

溺れスライムクロシュ『』モニョニョ…ブクブク…


シズク『クロシュちゃん、クロシュちゃん!! わたしの欠片、つかって!! おねがい、わたしの欠片を……!!』モニャニャ


スライムクロシュ『!』モニョッ!

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ『〜〜!』モニョニョ プルルン

 おおきな海のうねり「」ゴオオオ――

水スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ スイスイ

 スイスイスイ…

 ◇

水スライムクロシュ『……!』モニョッ!

シズク『クロシュひゃん!! よ、よがっだぁああ……目がさめでぇ……』デロデロ…ポロポロ…

水スライムクロシュ『えっと……』モニョニョ

妖精「クロシュ……」ヌッ

水スライムクロシュ『わ……よ、妖精さん……?』

妖精『なんてバカなことをしてるの!!! そこに直れ、大バカスライム!!!』

水スライムクロシュ『んわわ……!!』モニャニャ

 *

妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……何をしているんだ? あれは」

ローガン「イリスくんが入浴している間に、クロシュくんが蒼き星の杖に宿った星の力を舐めてみたのだそうだ」

エバンス「え、ええ……」

ローガン「そうしたらクロシュくんが意識不明になり、シズクくんが泣きながらクロシュくんに何事かを呼びかけている姿が発見された……ということらしい」

エバンス「そ、そうなのか」

ローガン「うむ……」


妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……なんというか、最近のクロシュちゃんは遠慮がなくなってきたよな。もちろん良い意味でさ」

ローガン「そうだな……。以前はどこか人の顔色を伺っているかのような様子があった。我々に対しても、一歩引いていたり」

エバンス「ああ。前のクロシュちゃんだったら、イリスちゃんの杖を勝手に舐めたりとかはしなかったと思うぜ。多分」

ローガン「ああ。クロシュくんがそれだけ安心できる場所になれた――ということでもあるのだろう」
365 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:06.84 ID:AhPNAKwH0
―クロシュの夢
 集落の診療所

アリシラ「……」ドキドキ

クロシュ「……」ドキドキ

夢の女神「随分待たせちゃってごめんね。引っ越しの準備が整ったから、今夜始めるよ。二人とも、準備は良い?」

アリシラ「うん……! えっと、何をすれば良いの?」

夢の女神「ここのベッドに横になっていてくれれば、後は私とヴァンが全部やるから大丈夫」

ヴァン「今日は女神の騎士ではなく、女神の助手を務めさせて頂くヴァンです! よろしく!」

クロシュ「ん……!」


フメイ「……がんばって……っていうのも、おかしい……? えっと……」

夢の女神「フメイちゃんは、二人のそばで見守っていてあげて。フメイちゃんがいてくれれば、二人ともきっと安心できるから」

フメイ「……わかった」

 ◇

アリシラ「……」
クロシュ「……」

夢の女神「一人づつ……ゆっくり、慎重に――」

 ポン!

集落のスライム「?」モニョッ

フメイ「スライム!」バッ

集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ

 ◇

 ポン! ポン! ポン! ポン!

集落の子供「あえ?」ポン!

若者「お? ここは……診療所?」ポン!

老婆「ありゃあ……あたしゃボケちまったんかねえ」ポン!

魔族の医者「む……これは一体」ポン!

 ポン! ポン!

アリシラ父「ここは……?」

アリシラ母「……アリシラ?」


アリシラ「お父さん、お母さん……!」

夢の女神「ふう……引っ越しは無事完了しました。念の為、説明を――」

アリシラ「……女神さん。あの……」

夢の女神「……はい、わかっております」

 ◇
366 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:36.04 ID:AhPNAKwH0

夢の女神「――というわけで、皆さんの魂をアリシラさんの心からクロシュちゃんの心へと引っ越させていただきました」

アリシラ母「アリシラから、クロシュちゃんに……!?」

アリシラ父「それは、しかし……私たちは、アリシラの中でも――」

夢の女神「アリシラさんの――人の心は、他者の魂をそのままの形で存続させられるようにはできていないのです。皆さんの魂をこれからも保ち続けるには、クロシュちゃんの心に引っ越して頂く他なく……」

アリシラ「お父さん、お母さん……。このことを女神さまにお願いしたのは、私自身なの。私の心の中にいたら、みんな、いつ消えちゃうかわからなかったから……。クロシュちゃんの中なら――きっとみんな、これからもずっと――平和で、しあわせにいられるの」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ父「……女神様。私をアリシラの心へ戻すことは可能ですか?」

アリシラ「ちょ、お父さん……!?」

夢の女神「……はい。しかし先ほども申し上げました通り、アリシラさんの心にいれば――いつか必ず、その魂は溶け――アリシラさんのお父様という自我は、永遠に失われてしまいます。アリシラさんはそれを厭い――」

アリシラ父「構いません。例え溶けることになるとしても――私は、アリシラの父です。寂しがる娘のそばを離れるわけには、いきません」

アリシラ母「女神様、私からもお願い致します。私たちを、アリシラに戻してくださいませんか。アリシラを一人ぼっちにさせたくないのです……」

夢の女神「え、ええと……」オロオロ

アリシラ「……やめてってば! 女神様も困ってるでしょ! 私は……一人で大丈夫なの! 一人がいいの!! もう誰も……いらないの!!!」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ「それじゃ、さよなら! みんな元気でね! クロシュちゃんに迷惑かけちゃだめだからね!」タッ

アリシラ父「アリシラ!」

 扉「」バァン!

ヴァン「外に!」バッ

夢の女神「待って! アリシラさんは、もうこの夢には――」


フメイ「ひゃ、うっ……!!?」ドサッ

クロシュ「フメイちゃん!?」バッ

魔族の医者「……!? フメイの中にある大きな魔力が、この世界の外側へ吸い出されている!」

夢の女神「まさか……!? クロシュちゃん!」

クロシュ「うん!」

 ◆
367 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:45:44.41 ID:AhPNAKwH0
―深夜
 雪解け 客室

フメイ「あ、うああ……!」ジタバタ

アリシラ「……」ギュオオオオ―

クロシュ「アリシラさん!」ガバッ!

アリシラ「……クロシュちゃん。さっきまで夢の世界にいたのに、もう起きれたの? 凄いね」ギュオオオ

クロシュ「なん、で……」

アリシラ「……ごめんね。フメイちゃんをいじめたかったわけじゃないの。でも――これ以上、フメイちゃんを連れ回すわけにも、いかないから」ギュオオオ

クロシュ「……??」

アリシラ「……この先には、誰も連れていけない。私一人で、いいの」ギュオオオッ!!
 星の力・炎「」ゴゴゴゴ―

クロシュ「……!!」

アリシラ「ごめんね。ありがとう。ごめんね」ゴゴゴゴ―

 カッ!!
 ボガンッ!!!!

  吹っ飛んでいくクロシュ「んわぁ〜〜………!!!」ポヒュゥゥゥゥン…


フメイ「……アリ、シラ……!!」グググ

アリシラ「フメイちゃん……。大丈夫、クロシュちゃんは傷付けてないよ。星の力の制御ならもう完璧だもの」

フメイ「……これから……どうするの……。ほんとに……一人で、行くの……?」

アリシラ「そうだよ。フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒が良いでしょ? 安心して。もう無理に巻き込まないから」

フメイ「……」

アリシラ「大丈夫。あの集落の付近には、何もしないって誓うよ。だから……クロシュちゃんと二人で、あの集落にいて。そうすれば――」

フメイ「……フメイも、一緒に行く」

アリシラ「……えっ?」

フメイ「……この旅は……アリシラだけじゃなくて、フメイも一緒に始めたこと……。だから……最期まで、付き合う……」

アリシラ「……無理しなくたって、良いのに。今だって、吹っ飛んだクロシュちゃんを助けに行きたくて仕方がないでしょ?」

フメイ「……クロシュはもう……フメイが守らなくても、大丈夫。一人でも強いし……まあまあな仲間もいる。でも……アリシラは、大丈夫じゃない。仲間もいない」

アリシラ「……」

フメイ「………だめって言っても、ついてく。王国を焼き払うなら、フメイも一緒に焼く。それくらいの恨みは、まだあるもん」

アリシラ「……ふふ……ふふふふ、わかったよ! それじゃあ一緒に焼こう、フメイちゃん!!!!」ジワワ

フメイ「ん」

 ボンッ!!


フメイ(クロシュ……ごめんね。きっと……アリシラを、連れて帰るから)

 ◆
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:46:44.75 ID:AhPNAKwH0
―翌朝
 旅館雪解け 客室

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「だめだ、どこにもいねえ……!」

イリス「……フメイちゃんの移動速度から考えれば、もうオノゴロを離脱していてもおかしくない……」

妖精「まさかアリシラがフメイから星の力を吸い出して持ち逃げするなんて……。ちょっと頭が痛い……」フラフラ

ミスティ「……でも、フメイも一緒に行くのならわざわざ星の力を吸い出す必要なんてなかったんじゃないかしら。一体なぜ……」


風の精霊『クロシュちゃん宛にお手紙だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「手紙……? 誰から?」

風の精霊『フメイちゃんから!』

スライムクロシュ「!!」モニョニョ

妖精「なんだって!」

風の精霊『はい、どうぞ!』スッ

 少し焦げた手紙「」ポン

 ペラッ

 手紙『アリシラをひとりぼっちにできなかった。ごめん。ぜんぶおわったらみんなでいっしょにかえろう』

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ

妖精「なるほど……そういうことか」

イリス「これで一安心……と言いたいとこだけど、アリシラさんがまた何か企んでるってことだよねこれ……!」

ローガン「なかなか上手く進まぬものだな……」


 ☆アリシラの心の住人がクロシュの心に引っ越しました

 ・アリシラがフメイの星の力・炎を吸収しました

 ・フメイ&アリシラがパーティを離れました

 ◆
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:08.70 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

 ザァーン… ザザァーン…

イヨ「なんと、昨晩そのようなことが……」

妖精「うん。ドタバタして悪いけど、私たちも急がないといけなくなっちゃった」

アキト「ぬう、あのアリシラが……。もし分身できたら、拙者も助太刀に推参致すところでござるが……すまぬ、拙者は分身できぬ身でござる……」

イリス「あはは、大丈夫です! アキトさんはアキトさんのすべきことを!」



トキワ「クロシュちゃんのお陰で……わたし最近、体の調子が凄く良いんだ。本当に……本当に、来てくれて、ありがとう……! またいつか、オノゴロに来てね……! わたし……雪解けの見習いとして、働いてるから……!」

シズク「見習い期間は短いから、次にクロシュちゃんたちが来る頃にはトキワちゃんは正式な従業員になってるかも! また泊まりに来てね、クロシュちゃん!」

ユキ母「トキワちゃんの魔法のことなら心配しないで。下手に乱用しないよう私たちがしっかり見てるから」

サララ「一つ目小僧のおめめで私もしっかり見張ってるから安心してね。もうトキワちゃんをつらい目にはあわせないよ……!」

トキワ「うっ……わ、わたしも皆さんに心配をおかけしないよう、気を付けます……。でもいつか……不死鳥のクロシュちゃんみたいに、素敵な使い方が見つけられるように、がんばるよ……!」

クロシュ「うん……!」



イクセ「……クロシュ……わらわ、おぬしが心配じゃ……。何かわらわにできることはないか……?」

クロシュ「……えっと、それじゃあ……みんなが、しあわせに生きられるように、って……お祈り……」

イクセ「お祈り……! わらわ、元姫巫女なのできっと得意じゃ! 絶対、絶対みんなしあわせになるよう、お祈り、する!」

クロシュ「わあ……!」

トキワ「イクセちゃんの口調、すっかりわらわじゃになっちゃった」

アキト「初めはギョッとしたが、最近はむしろこの口調でないとしっくり来ないでござる」



ユキ母「それにしても凄かったわ、ミスティちゃんの氷魔法……。人の身でありながら、平均的な雪女よりも氷魔法を使いこなしているんだもの」

ミスティ「そうなのですか……?」

ユキ母「そうよ? たぶん人間の中でも最高水準に近いところにいるのではないかしら?」

ミスティ「あんまり、自分では実感できませんが……。でもその力で、大切な人たちを守れるなら……悪くないですね」

ユキ母「ふふ……人間のままにしておくのが勿体ないくらい……。あなたもまたいつか、雪解けに泊まりに来てね」
370 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:35.57 ID:WhTzHwps0

リュウトウ「……もう行ってしまわれるのですね」

ローガン「うむ……。貴殿とは港で少し刃を交えただけだが……凄まじい太刀筋と気迫であった。その歳で見事なものだ」

リュウトウ「しかし、結果として私はこの国を守れなかった。どれほど鋭い刃でも、敵を違えればナマクラにすら劣ります」

ローガン「……少し自分に厳しすぎるのではないか? 私が貴殿と同じくらいの頃は、失敗したら全て周りに責任転嫁していたぞ」

リュウトウ「ええ……?」

イヨ「……全て責任転嫁しろとまでは言いませんが、リュウトウは実際自分に厳しすぎます。少しは肩の力を抜いて」

リュウトウ「……しかし、性分は簡単に変えられません」

イヨ「うーん……あ、リュウトウ。あれを見てください」

リュウトウ「え?」



クロシュツムリ「〜〜♪」モニョモニョ モゾモゾ

イクセツムリ「わらわつむりじゃ〜!」モゾモゾ

トキワツムリ「わわ、イクセちゃん腕を上げた……!?」モゾモゾ

アキトツムリ「拙者も負けられないでござる……!」モゾモゾ



イヨ「あれが、救国の英雄と、国を揺るがした元姫巫女の現在の姿です」

リュウトウ「あ、ああ……」

イヨ「責任を感じるのも結構なことですが、あなたもかたつむりになってきてはどうでしょうか? いつもと違った景色が見れるかもしれませんよ」

リュウトウ「……」


リュウトウツムリ「リュウトウツムリ、いざ参る!」シュバッ モゾゾゾ

 *

 ワイワイ キャッキャ モニョモニョ モゾモゾ


イヨ「……」クスッ

妖精「全くもう、クロシュのトンチンカンな遊びが広まっちゃうなんて……。悪いね、イヨ」

イヨ「いえ……むしろ、感謝しています。遊んででもいないと、みんないろいろ考えすぎてしまいますから」

エバンス「オノゴロ人はみんな真面目だからなあ」

イヨ「はい……。オノゴロの人は他国の人よりも真面目で勤勉……という話を聞いたことがあります」

イリス「私も聞いたことあります。実際そうなんですねえ」

イヨ「……またいつか、皆さんでオノゴロに遊びに来てくださいね。今度は、外国のお話をゆっくりお聞きしたいです。私……オノゴロから外に出たことがないので……」

イリス「そうだったんですか! それならもっと早くに言ってくれれば……いや、実際今まではゆっくりお話してる暇もありませんでしたもんね」

イヨ「はい。だから……またいつか……。いえ、私の方から皆さんの国へお邪魔しても良いのでしょうか?」

妖精「緑の国は今鎖国中だけど……王国との外交問題が解決すれば鎖国も解除できるから、その時なら歓迎するよ」

イリス「私の母国は……オノゴロからはちょっと遠いので、もし来るなら大陸横断くらいの覚悟がいるかもです!」

エバンス「俺の出身は王国だが……まあ技術力とか人口は世界最高レベルだぞ。人間以外への排他性もな!」

イヨ「ふふ……いろいろな問題が片付いて長期休暇を頂けたら、皆さんの国に遊びに行きたいです」

 ◆
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:01.52 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ



イクセ「またなのじゃ〜!」パタパタ

シズク「クロシュちゃんまたね〜!」モニョモニョ

トキワ「クロシュちゃん……ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」

サララ「どうかお元気で〜!」

ユキ母「体に気を付けてね〜!」

イヨ「ありがとう、ございました! またいつか……!」

アキト「お主たちとの日々、決して忘れぬ……! また会おう!」

リュウトウ「……この恩は、いつか必ず……!」



 ――オノゴロ諸島編 完
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:30.92 ID:WhTzHwps0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽
61-90 ↑+ヒヒイロカネ
91-00 ↑+会心賽
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 00:35:53.62 ID:sw0omZmqO
はい
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:52:40.84 ID:WhTzHwps0
運命賽と希少金属ヒヒイロカネの獲得が決定したところで本日はここまでとなります

オノゴロの闇を祓い、一行は風に乗って次の道へ。
幼巫女の悲しみを打ち払い、狐の憎しみを投げ飛ばし。オノゴロに戻る平穏と安らぎ。
育まれた友情と絆は、そっと胸の奥に。
交わり、そしてまた離れた親友と、次こそはと共に帰る日を夢見て。
気球スライムは、風の速さで空をゆく――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 03:43:35.72 ID:5wsiSHeJo
おつでした
シノクニもなんやかんや険悪ではないよな
アリシラさんの決意は固いか…あれこれ、アリシラさんもフメイ式ジェット移動体得?
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 12:08:33.30 ID:9EHEWLojO

ここに来てクロシュちゃん素でカナヅチだった説出てきたな…
377 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:11:46.42 ID:WhTzHwps0
シノホシの方々には、話せばわかる人もいたりいなかったりするのかもしれません。アウル氏の今後がどのようなものになるかは未知数です
アリシラ氏の決意はとても強いもののようです。実際のところどのようにするのが正解なのかは、今のところ誰にもわからないのかもしれません。そしてアリシラ氏は星の力を完全に制御したと自称しているため、たぶんジェット移動を行うことができます

クロシュちゃんは水の力に触れてブクブクと溺れてしまったようです。フメイちゃんに擬態しているわけでもないのにブクブクしてしまったので、実際素でカナヅチの可能性があります。自分のカナヅチをフメイちゃんのせいにする悪いスライムかもしれません

 *

また、前回のコンマによって運命賽の数量が7になりました
運命賽5つを会心賽1つに変換することができます。なお変換すると運命賽の所持数は2つになります

↓1〜 先取3票(この安価は物語と無関係なので連取り対象外)
1.運命賽5つを会心賽1つに変換する
2.変換しない
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:03.06 ID:K/qoHdwk0
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:19.07 ID:zdeQIWcfo
1
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:36.07 ID:YXDT2joDO
1
381 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:46:33.87 ID:WhTzHwps0
―セイントレア王国 国境付近

風船気球クロシュ「」フヨフヨ

 スイー… ポフッ
 ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

ミスティ「お疲れ様、クロシュ。ここからはソリ移動ね」

妖精「うん。風船気球の姿で王国内を移動するのはちょっと危ないからね」

ローガン「うむ……王国の兵士は手練れが多い。上空を飛ぶ風船気球を狙い撃てる射手がいてもおかしくはないだろう、用心に越したことはない」

エバンス「行き先は王都セイントレアだっけか?」

妖精「うん」

ミスティ「首都の名前が国と同じなのね」

イリス「確か王都セイントレアの中にセクリエ・ロイエ市国があるんだよね?」

妖精「そうらしい……。私は行ったことないけど」

ローガン「まあ、熱心な信徒でもなければ行く必要も機会もないだろう。しかし今回は――」

妖精「……うん。もし世界樹の光を奪ったのが原理派なら、奪い返さなきゃならない」

エバンス「ロイエ教の総本山にカチコミか……へへ、想像したこともないヤバイ仕事だぜ」

妖精「ま、まあまだカチコミすると決まったわけじゃないから。まずは王都で光の行方を探らないとね。世界樹の精霊によれば王都の辺りにあるのは間違いないみたいだから」

 ☆次の行き先が王都セイントレアに決まりました

 *
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:47:43.27 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*7       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:48:51.49 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目 持久力[10/10]

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「……う〜ん、この大陸の大地! 風! ちょっと懐かしい!」

ミスティ「風にも匂いがあるのよね。オノゴロにはオノゴロの、中央大陸には中央大陸の……」

妖精「お、人間にもわかるんだねえそういうの」

エバンス「長期間離れてるとけっこう感じたりするな、俺も。やっぱり妖精はそういうの敏感なのか?」

妖精「そりゃまあ人間よりはね」

 *

スライムクロシュ「……?」モニョ

 赤金色の延べ棒「」ポン

イリス「あ、クロシュちゃんその延べ棒が気になる? それはね……イヨさんから貰った、オノゴロ諸島に伝わる希少金属のヒヒイロカネだよ!」

スライムクロシュ「!」モニョニョ

エバンス「イヨちゃんも太っ腹だよな。ヒヒイロカネのインゴットをまるまる一つくれるなんてよ」

ミスティ「ヒヒイロカネってそんなに凄いの?」

ローガン「うむ。オリハルコンやステライトにも劣らぬ偉大な希少金属の一つだ。オノゴロに伝わる太陽神アマテラスの神器、アマノムラクモもヒヒイロカネで造られたものと言われている」

ミスティ「え、本当!? 凄いじゃない……」

妖精「まあ、問題は……これを加工するアテがないってことなんだけどね」

エバンス「そうだな……。売るにはあまりにももったいなさすぎるし、ひとまず荷物に入れておこう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 *

 ガサゴソ

イリス「……ん?」

 石の賽「」コロン
 石の賽「」コロン
 白い賽「」コロン

ミスティ「あ、白い立方体」

イリス「うん。最近は石の方がいっぱい増えてきてたんだけど、なんか急に減って……白い方がまた1つ出てきたみたい」

妖精「白い方の立方体は前にも1つあったけどいつの間にかなくなってたんだよね。一体どういうカラクリなのか……」

エバンス「妖精にわからないんじゃ俺たちには絶対わからないぞ……」

イリス「ですね……。まあとりあえずお守りとして荷物に入れておきましょう」

ローガン「そうだな。前回の温泉街の戦いも、前日にクロシュくんがこの石? から声を聞いたと言うし」

クロシュ「うん」

クロシュ(……あの声……誰の声だったのかな……? 聞いたこと……あるような、気がするけど……)

 ☆ヒヒイロカネを1ついただきました
 ☆運命賽5つが会心賽1つに変化しました

↓1コンマ 遭遇イベント
01-32 なし
33-36 ブラッド
37-40 レイン
41-44 ザイル
45-56 黒髪の無愛想な青年
57-68 デュア
69-80 メルル
81-92 リュアン
93-96 レイ
97-00 セイン

↓2〜3コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:49:34.62 ID:ItRvK8tn0
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:50:22.08 ID:8jE3O0opO
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:03:06.96 ID:tuM9KHzWO
387 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:28:30.98 ID:WhTzHwps0
デュアさんと強い敵の気配があります

そして良いことがありました
↓1 自由安価 起こった良いこと
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:28:56.74 ID:K/qoHdwk0
フラナパティマリッサから支援物資がとどく
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:48:14.02 ID:WhTzHwps0
 強化ソリ「」シャーッ

血分身フラナ「久しぶりね」シュタッ

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「うわあ!」

イリス「分身のフラナ先生!」

血分身フラナ「決戦の時は近いわ。あなたたちも鍛錬を怠らないようにしなさい」

エバンス「決戦ってどの決戦のことだ……?」

血分身フラナ「もちろん、私と愚妹の決戦よ」

イリス「えっ……そ、そうなんですか……!?」

血分身フラナ「奴のアジトは既にかなり絞り込めている。あとはこの分身で居城を突き止め、誅罰を下すだけ」

イリス「え、ええっと……その、姉妹で殺し合いというのは……」

血分身フラナ「心配無用よ。死ぬのはフレメア一人」

イリス「……」

血分身フラナ「そういうわけでこれを受け取りなさい」スッ

↓1コンマ
01-40 ナイフ
41-70 聖水
71-90 十字架
91-00 懐中時計
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:58:19.09 ID:zdeQIWcfo
391 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 21:14:33.07 ID:WhTzHwps0
 銀のナイフ「」ポン

イリス「これは……?」

血分身フラナ「銀製のナイフよ。マリッサの光属性付与とパティの栽培したニンニクの練り込みによって吸血鬼に対する殺傷力を高めてあるわ」

イリス「え、ええ……!? そ、そんなものをどうして私に……!?」

血分身フラナ「もしフレメアに襲われることがあればそれで自衛しなさい」

イリス「は、はあ……わかりました」

 ☆銀のナイフを手に入れました

 *

血分身フラナ「では私は奴のアジト捜索に――」

 ヒュンッ!
 ドガァンッ!!
 爆発する血分身「」ブシャァッ!!

イリス「わああっ!!?」

ミスティ「っ!? な、なにが……!!」ググッ

ローガン「今のは――」


 日傘「」クルッ

フレメア「よわ……。あんなもん作って何がしたいんだか、あいつ」スタスタ


妖精「フレメア……!!」


フレメア「お久しぶり……てほどでもないか。あんたとスライムにはこの間オノゴロで会ったばかりだもんね」

 *

 ヒュオオオオオ――…

フレメア「あんたたちの中に、フラナの教え子だかなんだかがいるんだって?」

イリス「え、えと……私、ですか?」

フレメア「ふうん……やっぱりあんたがその身の程知らずね。まあいいよ、私は寛大だから許してやる」

イリス「ええと……」

フレメア「でもそれはそれとして、あんたたちは私たちの仲間を二人もやってくれたんだよね。だからさァ……」ニヤ

イリス「……!」

フレメア「殺るしかないよね? しかも前よりも随分美味しくなったみたいだもの!」バサッ!

イリス「!!」


戦いは避けられそうにない!
↓1〜 先取2票
1.このまま戦う!
2.戦う前に一杯やるのを提案する(ブラッドワイン*2、マッスルワイン*1を消費)
3.一杯やるのを提案して一服盛る(吸血鬼殺ワイン*1消費)
0.自由安価(票数は内容ごと)
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:22:00.18 ID:g2NZtH6gO
むしろ完膚なきまでボコボコにして屈服させればよいのでば?
というわけで1
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:23:36.90 ID:TZYMGhsUo
万が一勝てたときフラナ先生との確執が全部解決しなさそう(強欲)なので
2
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:25:28.84 ID:u9/L/hD1o
3
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:35:08.99 ID:8jE3O0opO
0迷彩魔法をフル活用してさっきのナイフでブスリ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:43:29.50 ID:EbvU6dmeO
2
397 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:34:13.86 ID:WhTzHwps0
イリス「――その前に!」

 ブラッドワイン「」ドン!

イリス「い……一杯、どうですか!」


フレメア「あの時のワインか……まあ味はそこまで悪くなかったし、貰ってあげる」


イリス「……私たちも、飲もう!」

ミスティ「ええ、そうね……」

ローガン「私とエバンスくんはマッスルワインを飲むか」

エバンス「おう、わかったぜ……!」

妖精「クロシュは……両方を少しづつもらったら?」

クロシュ「うん」

 *

 ゴクゴク… グビグビ… ゴキュゴキュ…

 ワイン瓶「」ゴトン…

フレメア「ふう……。言っとくけど手加減とかはしてやらないからね?」

イリス「望むところです……! 私たちも、全力であなたを止めます!」

ミスティ「……魔力がみなぎるわ……フラナさんのワイン、やはり効くわね……」

ローガン「だがそれは相手も同じだ。むしろ吸血鬼の彼女の方がブラッドワインの恩恵を受けやすいかもしれん」

フレメア「そうでもないかな。これ、血の入ってないお子様ドリンクだし」

エバンス「……なら付け入る隙はあるか?」チャキ

妖精「私たちもあの時より強くなった……それに今は太陽のある昼間……!! 勝てない状況じゃない……!!」

クロシュ「ん……!」


フレメア「フフ……じゃあ始めましょう。演舞の名前は……えっと、そうだな……悪竜と駄狐の鎮魂歌(レクイエム)! さあ、踊りましょ!!」バサッ――


 ――強敵 狂い吸血鬼フレメア――


 ☆フレメアが〈狂気の舞踏〉を発動!
  会心率が上昇し、さらに毎ターン会心率+10累積!!

◇自陣(銀のナイフ+5、ブラッドワイン+30)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(戦力差+20、ブラッドワイン+30、日中-30)


↓1コンマ(合計+15)
01-20 痛恨
31-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 22:41:32.84 ID:ItRvK8tn0
399 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:58:53.36 ID:WhTzHwps0
フレメア「」ヒュンッ


ローガン「速いッ!!」

ミスティ「光速でも雷速でもないのになんてスピード……!?」


フレメア「馬鹿正直に囲んで叩かれてやるわけないでしょ? 端っこの奴から血祭ってあげる!」グオッ


イリス「!!」


エバンス「しまった、イリスちゃんが――」


 光の残像「」パヒュンッ―

 ガギンッ!!

光クロシュ「……!」ギギ

イリス「クロシュちゃん!」

フレメア「うげっ、光属性……!?」

光クロシュ「えいっ!!」

 閃光「」カッ!!

 〈会心の一撃!〉

フレメア「うぎゃっ、目がっ……!!」フラフラ


妖精「今だ! みんなかかれぇ!!」

エバンス「お、おう!!」


 ドガッ!! ボゴッ!!
     ボンッ!! バギンッ!!
   ドッギャァァァァァァン!!!!


 ――戦闘終了――
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:00:16.12 ID:TZYMGhsUo
どんだけ強くても囲んで殴れば(出来れば)いいんだよ!
401 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 23:09:28.91 ID:WhTzHwps0
縛られたフレメア「いたた……これが淑女に対する仕打ち?」

妖精「殺しにかかってきたのはあなたでしょ……」

フレメア「はぁ〜あ、まさかこんなに簡単に負けちゃうなんて……。私もヤキが回ったってやつかなあ」


クロシュ「……やきって何? たこやきのやき……?」

ミスティ「え、ヤキ……何かしら、エバンスはわかる?」

エバンス「焼きが回る……いや、すまん。なんの焼きのことかは……」


フレメア「ねえ、殺そうとしたのは謝るからこれ解いてよぉ」グイグイ

妖精「解けるわけないでしょ……」

フレメア「じゃあ殺すの? セレスティアみたいに。それとも駄狐みたいに豚箱?」

イリス「えっ……いや、えっと……私は、その……」

ローガン「……イリスくん、彼女は非常に危険な存在だ。情に流されるべきではない。そして我々には、彼女という爆弾を抱えたまま然るべき場所へ安全に護送する手段もない」

イリス「わ、わかってます! でも、その……うう〜ん……」


フレメア「……もしかして、私がフラナの姉だからって情けをかけようとしてる?」

イリス「……」

フレメア「胸糞わる……。そんな理由で見逃されるとか最悪だし、そのナイフで心臓を突き刺すなりしてさっさと殺せば?」

イリス「……」


どうするの……?
↓1〜 先取3票
1.逃がす
2.殺す
0.自由安価(票数は内容ごと)
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:12:26.41 ID:8jE3O0opO
0メゾンドクロシュに入れておく。フラナに会うまでに吐き出し方を覚える。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:20:04.44 ID:zdeQIWcfo
0 敗者に選択権はないとロイエ教殴り込み部隊として連行させる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:21:54.10 ID:TZYMGhsUo
1
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:25:25.01 ID:rXUnU2O80
1
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:29:34.82 ID:eyqoxe9jO
>>403+まさか誇り高い吸血鬼が勝負に負けて逃げるの?みたいな煽りを加える
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:42:48.75 ID:K/qoHdwk0
>>402
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:48:21.70 ID:BySVEHxEO
1
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:01:39.76 ID:hOpx8wJL0
イリス「……」グググ

 プシュー…

イリス「」プシュー…モクモク…


妖精「あー……イリスは良心と合理の板挟みで限界みたい……」

ローガン「………では汚れ役は私が務めよう。一応聞いておくが、皆も構わないか?」


エバンス「……ああ。そいつはレイ・アンバーみたいな半分被害者みたいな奴ってわけでもなく、最初から自分の意志で破壊活動をやってるテロリストなんだろ? だったら情けをかけてやる必要もないと思うぜ。後味は悪いけどな……」

ミスティ「………私は……少し、迷いがあるわ……。でも、ローガンさんが処断するというのなら止めはしない……」

妖精「まあ……私も、止めないよ。できることならフラナに引き渡したいところだけど、血分身はふっとばされちゃったしね……」

クロシュ「……」


クロシュ「……逃がすのは……だめ……?」

エバンス「クロシュちゃん……気持ちはわかるが、あいつは本当にヤバイ奴なんだ。レイ・アンバーみたいにクロシュちゃんを好きになったりすることもないと断言できる。逃がしたら被害が増えるだけなんだよ」

クロシュ「ひがい……」

ローガン「うむ……。フラナ氏の姉君ゆえ、少々心苦しくはあるが……」


クロシュ「……」トコトコ

フレメア「……何? スライム」

クロシュ「……もう、むやみに殺したり、壊したり、しないって……約束……できる……?」

フレメア「……」


エバンス「え、いやいやクロシュちゃん……! そりゃ無理だって! そんな約束守るわけ……!」

クロシュ「……でも……アウルさんが……フレメアさん、義理堅いって……」


フレメア「え? アウルが?」

クロシュ「うん……。フレメアさん……ザイルさんの、恩返し、してて……義理堅いって……」

フレメア「……」

クロシュ「……だから……約束……守る……?」

フレメア「………ねえ、アウルはどうして復讐をやめたの? 大切なものができたから?」

クロシュ「……わかんない。でも……アウルさん……狐さんたち、親戚みたいなもので……好きだって……」

フレメア「……」

クロシュ「………フレメアさんは……好きな人……いる……?」

フレメア「いるわけないでしょ。バカにしてるの」


イリス「バカになんか……してません!」ヌッ

クロシュ「!」

フレメア「あんた……」

イリス「わ、私は……フレメアさんは、フラナさんとちゃんとお話するのが良いと思うんです! だって、二人は家族で、姉妹なんです!! それなのに……それなのに、殺し合うなんて……だめなんです!!!」

フレメア「だから、部外者が――」

イリス「敗者は勝者の言うことを聞くものです!!! それとも、誇り高い吸血鬼は話し合いの席に付くこともできないんですか!!?!?」

フレメア「こ、こいつ……ガキの癖に……!」

イリス「そのガキに囲んで叩かれて負けたんです!! フラナさんとお話してください!!!」

フレメア「……」

イリス「それを約束してくれるなら……この縄を、ほどきます!!」

フレメア「……」
410 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:02:05.22 ID:hOpx8wJL0

フレメア「……いいよ。私、義理堅いみたいだし。約束してやる」

イリス「!!」

フレメア「でも話し合いの結果どうなるかまでは保証しない。約束は話し合いの席に付くところまでだよ」

イリス「……席についた途端喧嘩とかはやめてくださいよ。ちゃんと言葉で……」

フレメア「そんなガキみたいな屁理屈こねるか! 最初はちゃんと話し合ってやるよ!」

イリス「……約束ですよ。絶対ですからね!」

フレメア「あ〜もうわかったわかった! 全くもう、フラナの奴なんて面倒くさいガキを抱えてんだか……」

クロシュ「フレメアさん……むやみに、殺したり、壊したりしないっていう方の約束も……」

フレメア「わかったよ!!!!」

 *

 シュルシュル…

フレメア「……んじゃ。約束は守ってあげるから安心することね。私、義理堅いから」バサッ

クロシュ「ん……!」

イリス「はいっ! よろしくお願いします!!」


ミスティ「行っちゃったわ。でも、本当に行かせて大丈夫だったのかしら……? 約束を本当に守ると思う?」

妖精「……諸説あるけど、吸血鬼が約束事に真摯という伝承はけっこう数多く聞かれるんだ。私の経験でも、吸血鬼は契約を重んじる奴が多かった印象がある」

ミスティ「なるほど……」


ローガン「……ふう」

イリス「……すみません、ローガンさん。ローガンさんの忠告を、結局私……」

ローガン「……いや、構わない。吸血鬼を相手に約束を取り付けることができたのなら悪い結果ではないと言えるだろう」

エバンス「おう……。まあ実際、あそこであの吸血鬼を殺っちまうってのも本当に後味が悪いしな。見た目が幼い女の子だってのがまた……」

ローガン「うーむ……一部の魔族は幼い少女の姿でいることが多いが、一体なぜなのだろうな」

 ☆フレメアを逃がしました

 *
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:03:18.52 ID:hOpx8wJL0
 強化ソリ「」

ミスティ「さて、それじゃあそろそろ――」


デュア「お前たち、無事か〜!」タタタタッ


クロシュ「わ……!」

妖精「あれは……デュア!?」

エバンス「凄い勢いでこっちに走ってくるぞ」

 *

デュア「はあ、はあ……! 凄まじい戦の気配を感じて、急いで来てみたらお前たちだったとは……。敵はもう倒してしまったのか?」

エバンス「倒した……というよりは、撃退だな」

デュア「くうっ、恩を返す好機だったのに……! いやしかし無事で良かった!」

イリス「デュアさんはあれからどうしてたの?」

デュア「朝廷軍に追い回され、小舟を奪って再び海へ逃げたんだ。そうしたらまた荒れ波で遭難しかけてな……。通りかかった商人のクルーザーに乗せてもらって、すごすごと中央大陸へ戻ってきてしまったというわけだ……」トホホ

ローガン「なんと……」

妖精「ああ……それは申し訳ない……」

デュア「気にしないでくれ! お前たちがいなければどの道私は海の藻屑だったのだ。命あっての物種、刀の整備はまた次の機会にすれば良いさ」

ミスティ「デュアはどこへ向かっていたの? もし王都ならソリに乗せてあげるわ」

デュア「何、本当か!? まさしく王都に向かうところだったのだ!」

ミスティ「なら丁度良いわ……。私たちの戦いに巻き込んでしまったお詫びってわけでもないけど……乗っていって頂戴」

デュア「かたじけない! では遠慮なく相乗りさせてもらおう!」

クロシュ「うん……!」

 ☆旅の冒険剣士デュアが道連れに加わりました

 ◇
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:04:17.99 ID:hOpx8wJL0
というわけで本日はここまでとなります。次回は野営の行動決めから開始となります

いろいろあってついにセイントレア王都を目指すクロシュ一行。いきなりフレメア氏と激突してしまったり、フレメア氏を逃がしたり、デュア氏が道連れに加わったり、初日から盛りだくさんな旅路となった。あかちゃんスライムは焚き火をぼんやりと眺めながら、一日の出来事を振り返って物思いにふける――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば火曜日の祝日に更新したいと思います(不可能だったら土日です)
また、折を見て王都セイントレアおよびセクリエ・ロイエで登場する人物の募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 01:14:43.33 ID:aTrYzB9Xo
おつでした
招かれないと家に押し入ったりしないとか聞くし、吸血鬼は種として義理堅い面があるのかも
フレメアさんの方はまず何とかなったのであとはフラナ先生にも話し合いの話通さにゃ…
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 05:12:27.21 ID:3BcUaO6Do
おつ
ついに王国主要部に殴り込みか…
意外と謎が多いロイエ教の実態もわかるかな
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:17:49.12 ID:DnmzjL7z0
乙です
今回フレメアとの戦いはすぐに終わってビックリした。ワインの力もあるけどセレスティアやアウルと違って苦戦なく勝利できてたね。
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:57:03.69 ID:DnmzjL7z0
>>415を書いた者で書き忘れていたけど
アウルは狐巫女の助けもあったね。
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 12:14:42.80 ID:PSKkFnjtO

フレメアさんフィジカルなら最強クラスなんだろうけど搦め手に凄く弱い某ゴム人間さんタイプだったか・・・
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:22:54.60 ID:v6/B/L000
吸血鬼は約束事を律儀に守ると言われています。フレメア氏も伝承の通りなら、約束をちゃんと守るかもしれません
フラナ先生にも話を通しておかないと戦いになってしまいかねませんが、イリス氏はその辺りをちゃんと準備するつもりのようです

今まで何度か名前が挙がっていたセイントレア王国とセクリエ・ロイエがついに物語の舞台となるようです
そしてそこは、様々な因縁の終着点でもあります。そこに何があり、何が起き、そしてクロシュは何を為すのか――

フレメア氏は万全な状態なら悪竜に比肩する戦闘力を持つ恐るべき吸血鬼ですが、油断して日中に襲ってきたのがあだとなったようです
また、前回のアウル氏との戦いはアウル氏が骨の軍勢を作るなどの入念な準備もあったため、単純比較は難しいかもしれません

フレメア氏は高い運動能力を持つ危険な吸血鬼ですが、日中だったことやクロシュ氏の目眩まし閃光が直撃してしまったのがよくなかったようです
吸血鬼は弱点が多い種族なので、戦闘力は高いですが搦手には実際弱いのかもしれません
419 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:23:20.41 ID:v6/B/L000
―夜
 セイントレア平原 野営地

イリス「……」カキカキ

 手紙「」ポン!

イリス「よし、できた! 妖精さん、風の精霊さんに郵便をお願いしてもらえる?」

妖精「はいはい。フラナ宛だね?」

イリス「うん! フラナ先生に早く伝えないと……!」

ミスティ「フラナさんも殺る気満々だものね……」

妖精「というわけで風の精霊〜」

 ヒュルルルッ

風の精霊『呼んだ〜?』ヒュルヒュル

妖精「うん。フラナ宛、速達でお願い」

風の精霊『あいよ〜。んじゃ行ってきま〜』ヒュルヒュル
 手紙「」フワッ

 ビュオオオオッ

イリス「……風魔力の塊が手紙を運び去っていった……というのは感じ取れたよ!」

妖精「イリスにはそういう風に感じ取れるんだねえ」

ミスティ「……ところで、けっこう風の精霊郵便を使わせてもらってるけど……お代とかは良いのかしら?」

妖精「あいつらにとっては郵便配達が娯楽みたいなもんなんだ。無目的で大気を流れるより楽しいんだって」

イリス「そうなんだ……。でもなんかお礼をしたい気持ちもある……」

妖精「お礼……わたあめとか好きだと思う。たぶん」

 *

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」


スライムクロシュ(セイントレア王国……ロイエ教……)

スライムクロシュ(フメイちゃん……セインさん……)

スライムクロシュ(……みんな……良くなって、欲しい……)


デュア「クロシュ殿。何か考え事か?」スッ

スライムクロシュ「!」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「んーん……考えごとってほどじゃ……ない……」

デュア「そうか!」

クロシュ「デュアさんは……王都に、何をしに行くの……?」

デュア「度重なる海難で道具のいくつかがダメになってしまってな……。せっかくだから王都まで行って質の良いものを揃えようかと思ったのだ」

クロシュ「王都は、質が良いの?」

デュア「ああ、そうだ。王都セイントレアは大陸中のものが集まる花の都――なんて言われたりもするんだぞ」

クロシュ「わ……! お花の、みやこ……!」

デュア「……しかしクロシュ殿はスライムだから、ちょっと気を付けた方が良いかもしれない。まあクロシュ殿の擬態の腕前があれば心配は要らないと思うが……」

クロシュ「うん……妖精さんにも、王国の街ではなるべく人の姿でいろって、言われてる……」

デュア「うむ、そうした方が良いだろう。あえて私が言うまでもなかったな」

クロシュ「んーん……。心配、してくれて……ありがと……」

セイントレア平原で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:28:01.83 ID:viw2+hxp0
クロシュの夢の中でアリシラの両親とアリシラのことについて話す
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:44:57.75 ID:C+u28qWao
ロイエ教よりデロデロ教の方が良いなと理論武装しておく
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:47:05.13 ID:qD9IDwXMo
ミスティさんが白兵戦どれだけやれるのか、デュアさんと模擬戦
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:17:40.03 ID:v6/B/L000
 焚き火「」パチパチ

クロシュ「……えっと、セクリエ・ロイエは……ロイエ教の、真ん中……?」

妖精「そう。ロイエ教についてはわかるよね? 魔族国にいた聖女とか、あの僧侶とかが所属してる宗教団体だよ」

クロシュ「うん……。えっと、でも、どういう団体なのかは……あんまり、知らない……」

イリス「そうだねえ……ロイエ教っていうのは、ロイエ神の教えを大事にしてる人たちの集まり……って感じかなあ」

クロシュ「ろいえしんのおしえ……?」

イリス「ごめん、私はロイエ教徒じゃないから具体的な教えの内容はあんまり知らないんだ……。妖精さんは知らない?」

妖精「え、うーん……なんだっけ……隣人を大切にしろとか、平和を目指せとか、そんなやつだよ。変なことは言ってなかったと思う」

クロシュ「わあ……」

妖精「……デロデロとどっちが良いと思う?」

クロシュ「……えっと………。ロイエ教は……どうやって隣人を大切にして……どうやって、平和を目指すの……?」

妖精「え、そこまでは知らない……ごめん」

クロシュ「そうなんだ……」

ローガン「具体的な方法は、お祈りをしたり、教典を読んだり、奉仕活動を行ったり、だな」ヌッ

妖精「ローガン! 詳しいの?」

ローガン「ロイエ教はユーシリアでも大きいからな。多少の知識はある」

クロシュ「わあ……!」

ローガン「そうだな、例えば魔族国の聖女くんを思い出してみてくれ。彼女は荷車にたくさんのご飯を乗せてみんなに配っていただろう? あれが奉仕活動だ」

クロシュ「わあぁ……!」

ローガン「つまり、ロイエ教の言う隣人を大切にして平和を目指す方法というのは……ごはん配りだ」

クロシュ「ん……!」
424 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:18:16.68 ID:v6/B/L000

妖精「……で、考えはまとまった?」

クロシュ「うん! えっと……ロイエ教も、良いと思う……。ごはん、くれる……!」

妖精「うん、まあそうだね……」

クロシュ「でも……ごはんをくれるだけじゃ……隣の人を大事にできても……平和には、ならないかも……」

妖精「そうなの?」

クロシュ「うん……。聖女さん……ごはん、配ってるのに……怒ってる人、いた……」

妖精「そうだね……。ごはんを受け取る側が、平和を求めてない可能性もある。それはごはん配りじゃどうしようもないね」

クロシュ「……でも、デロデロなら……平和に、できる……!」

妖精「……そうなの?」

クロシュ「うん……! 怒ってる人も、怒ってない人も……みんな、一つのデロデロになれば……平和……!」

妖精「ま、まあそうだね……」

クロシュ「だから……今のところ……デロデロの方が、ちょっと、良い……!」

妖精「……シズクみたいに、デロデロと混ざりたくないって子はどうするの?」

クロシュ「!!」ガーン!!

妖精(何も考えてなかったな……)

クロシュ「……え、えと……せ、説得……する……!」

妖精「納得してくれなかったら?」


クロシュ「……」

クロシュ「………」モニョ…

クロシュ「…………」モニョニョ…

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


イリス「妖精さん……ちょっと今のは酷かったんじゃ……」

妖精「うっ……仕方ないでしょ! クロシュに過激な思想を抱かれても困るし……」

 ☆ロイエ教とデロデロについて考えました

 ◇
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:44:28.68 ID:v6/B/L000
ミスティ「……」
 氷の短刀「」キラキラ

ミスティ「……」ウーン


デュア「どうしたのだ?」ヌッ

ミスティ「ああ、デュア。今日の昼に会った敵との戦いを思い返していたのだけど……簡単に言えば、遅れを取ったのよ」

デュア「何、そうなのか」

ミスティ「ええ。相手の速さに全く追いつけなかった」


エバンス「ミスティちゃん、それは仕方ないと思うぞ……。あれは小手先の技術で覆せる差じゃない。種族としての絶対的な差ってやつだ」ヌッ

ミスティ「エバンス。でも……例えばセインなら、あの吸血鬼に遅れを取ることもないはずよ」

エバンス「そ、それはそうだが……」

ミスティ「セインは勇者モドキと言われているけれど、分類としては一応人間のはず。なら私にセインと同じ動きができない道理はない……」

エバンス「いやいやいや、落ち着け! 確かに同じ人間かもしれないが、人間の中であっても覆しようのない差ってやつはあるだろ!」

ミスティ「……そうやってどうしようもないと諦め続けたら、何にも勝てなくなってしまうのではないかしら?」

エバンス「うっ……一理ある」


デュア「ふむ……面白い話をしているな。では少々私と剣を交えてみるのはどうだろう?」

ミスティ「あなたと?」

デュア「ああ。いろいろ考えるより体を動かしてみた方が上手くいくかもしれんぞ!」

ミスティ「確かに……。わかったわ、やってみましょう」


 ――模擬戦闘開始 冒険者デュア――


↓1コンマ
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:47:07.88 ID:dzK9V5dR0
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:52:53.55 ID:QuYN1ORfo
流石っすねパーティの近接アタッカーは
ん?
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 20:08:03.38 ID:v6/B/L000
デュア「ふっ!」シュバッ

ミスティ「!」バッ

 刀「」ビッ!
 氷の短刀「」ギンッ!

デュア「まだまだ!」

 刀「」ビビビッ!!

ミスティ(くっ……! 私より長い得物を使っているのに、私よりも手数が多い……!!)ギギギンッ!!

デュア「勝つ!!」バッ

 刀「」グオオッ――

ミスティ「!!」


エバンス「まずい! あれは避けられないぞ!!」


 ガギンッ!!

 刀「」ギギギ
 氷塊「」ギギギ

デュア「氷の塊!?」

ミスティ「……剣の腕はまだまだみたいね、私……。でも――」コォォォ

 氷塊「」ヌッ
 氷塊「」ヌッ

ミスティ「剣だけじゃないのよ、私は……!」

デュア「フッ、なるほど……! ならば私も――」コォォォ

 シュボッ!
 赤熱刀「」ジュウウウ…

ミスティ「炎のエンチャント……!!」

デュア「ミスティが氷を使うならば――私はこの炎で、焼き切る!!」バッ

ミスティ「望むところよ!」バッ

 *
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 20:08:47.86 ID:v6/B/L000
ミスティ「はあああっ!!」バッ
 氷の短刀「」シュビッ!!
  氷塊「」ブオンッ!!

デュア「うおおおっ!!」シュバッ
 赤熱刀「」ゴウッ!!

 ギンギンッ!! ジュウウッ!!
   スパッ!!  ガギンッ!!


エバンス「互いに一歩も譲らない攻防だ……! 剣技で勝るデュアだが、ミスティちゃんは氷塊や氷柱の生成で手数に対抗している……!」

エバンス「しかし……ミスティちゃんは、なぜ瞬間凍結と吹雪を使わない……!? あれを使えば有利になるはずだぞ……!」


ミスティ「強い技ばかりに頼っていたら……それ頼りの戦法しかできなくなってしまう! そんな戦い方では、きっと――」


 ――邪悪なカリス「」ニヤニヤ


ミスティ「――あいつを、倒せない!!」


 ジュウッ!!

 氷/塊「」スパッ
 砕ける氷柱「」パキーン

デュア「貰ったぞ!!」グオオッ!!!

 赤熱刀「」ジュウッ!!!

 ギィンッ!!!

デュア「!?」

 赤熱刀「」ギギギ
 氷刃「」ギギギ

デュア「氷の刃で……私の炎刀を受け止めた、だと……!?」ギギギ

ミスティ「打ち合う中で、気付いた……! 熱さえ奪い続ければ――例え地獄の業火でも、私の氷を溶かせない!!」ギギギ

デュア「なにっ!?」

 冷めた刀「」シュウウウ…

デュア「!!? バカな、私の炎が――」

 氷塊「」ドガッ!!

デュア「ぐああああああっ!!!!」ドッギャァァァァン!!!!

 ――戦闘終了――

 *

デュア「完敗だ! 天晴なワザマエだったぞ、ミスティ!」

ミスティ「デュアも、強かったわ……。こう見えて、戦っている最中に何度か挫けそうになった……」

デュア「いや、しかし……相性有利なはずの氷属性に負けたとあっては、流石に自信を失くしそうだ……!」

ミスティ「……いえ、それは違うわ。さっき戦ってる最中に私が言ったこと……覚えてる?」

デュア「ぬ? なんだったか……?」

ミスティ「熱さえ奪い続ければ……ってやつ。一般的には、氷属性は炎属性に弱いと言われているけれど……それは、ほとんどの氷魔法使いがものすごく非効率的に魔力を運用してるから。本来なら炎属性と氷属性の相性は完全に対等のはず……」

デュア「そうなのか!?」

ミスティ「ええ……たぶん。そして私は魔法使いとしてやってきた期間が長いから、魔法の腕があなたより優れていた……ただそれだけのことよ」

デュア「なるほど……なんとなくわかったぞ!」

ミスティ「そういうこと。相性は対等だったのだから、デュアが気を落とす必要はないはずよ……」

デュア「……うむ。だがそれはそれとして敗北には変わりない。精進せねば……!」

 ☆デュアとの模擬戦に勝利しました
  ミスティが剣技2、魔法1の経験を獲得します

 ◇
430 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:15:02.36 ID:v6/B/L000
―クロシュの夢
 夢の集落

集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ
集落の子供「んわ〜!」キャッキャ
炎スライムの欠片「〜〜!」モニョモニョ
雷スライムの欠片「〜〜」モニョモニョ
風船スライムの欠片「〜〜♪」モニョモニョ
水スライムの欠片「〜〜♪」モニョモニョ

 *

―夢の診療所

若者「ははっ、うちの子たちにたくさんの友達ができたみたいだ」

老婆「ほっほっほ、良かったねえ」

光の精霊「お兄さんとお婆ちゃんももうここの仲間だよ〜」

若者「おおっ! これからよろしくな!」

光の精霊「よろしくね〜」

メイ841「何かあればお申し付けください。クロシュ内で最優秀の私がご奉仕いたします」

老婆「あらぁ、めんこいメードさんだねぇ」


魔族の医者「しかしクロシュの心の中に住むことになるとは、不思議な巡り合わせもあったものだ。ある意味、こここそが私の目指した理想に最も近い場所かもしれん」

不死鳥の羽根「あなたの目指した理想……誰であろうと等しく文化的に生きる権利を持ち、平等に尊重される安全な空間……で合っているかしら?」

魔族の医者「その通りだ。クロシュの記憶を読み取ったのか?」

不死鳥の羽根「そこの貼り紙に書いてあったわ」

 貼り紙『イーシャより皆へ 集落の方針について』ポン

魔族の医者「……クロシュはこんなものまでしっかり覚えていてくれたのか」

 ◇
431 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:15:29.86 ID:v6/B/L000
―夢の集落

クロシュ「……」


アリシラ父「クロシュちゃん、おはよう……いや、こんばんはかな?」ヌッ

クロシュ「! アリシラさんの……お父さん……」

アリシラ母「一日お疲れ様、クロシュちゃん……」

クロシュ「うん……おはよ……こんばんは……お疲れさまです……」

 *

アリシラ父「みんなから聞いたよ。僕たちの集落のことや、クロシュちゃんとフメイちゃんとアリシラの旅について……」

アリシラ母「クロシュちゃん……ごめんね、私たちが守ってあげられなかったせいで……すごくつらかったでしょう?」

クロシュ「ん……大丈夫……! えっと、妖精さんと、みんなが、助けてくれて……わたし、大丈夫になった……!」

アリシラ母「うん……。クロシュちゃんを大事にしてくれる人がすぐに現れて、本当に良かった」

クロシュ「……わたしより……アリシラさんの方が……心配……」

アリシラ父「……すまないね、クロシュちゃんにまで心配をかけてしまって……」

アリシラ母「でも、不可解なのよ……。あの子は、みんなに心配をかけて危険なことをするような子じゃなかったと思うの……。どちらかと言えば引っ込み思案で、事なかれ主義の弱気な子だったはずなのに……」

アリシラ父「……やはり、あのことが関係しているんじゃないか」

アリシラ母「………」

クロシュ「……?」

アリシラ父「こんなことになってしまった以上、クロシュちゃんも無関係とは到底言えないと思う。それに……もしかしたらクロシュちゃんの仲間たちが、有効な手立てを思いついてくれるかもしれない。だから……」

アリシラ母「……そうね。話しましょう……アリシラの秘密を」

 *

クロシュ(アリシラさんのお父さんとお母さんは、アリシラさんが生まれた時のことをお話してくれた……)

クロシュ(アリシラさんは……生まれた時に、死んで、生き返った……)

クロシュ(その時に……アリシラさんのお父さんとお母さんは、ものすごく具合が悪くなった……)

クロシュ(アリシラさんの魔法は……確か、吸収……?)

クロシュ(……何かがわかりそうで、わかんない……)

 ☆アリシラについて少し知りました

 ◇
432 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:26:04.92 ID:v6/B/L000
―セイントレア平原 2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1               大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1               かたたたきけん
魔術書「正負の属性」              大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[04/07] 魔法[10/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
433 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:26:43.63 ID:v6/B/L000
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ

 揺れる草花「」サワサワ


イリス「のどかな景色だねえ」

妖精「地属性の星の力がこの国にあるはずだけど、地面や植物に影響が出てる様子はない……。恐らく、何者かが上手く管理してるってことだ」

エバンス「てことは……また星の力を持った敵と戦うことになるのか」

妖精「うん、まあ今まで例外なくそうだったし今回もそうなると思う……。ただ問題は、敵がどうやって星の力を奪ったのかがわからないってこと。敵がどんな能力を持ってるかわからない以上、こちらも迂闊に手を出すのは危険なんだよね……」

イリス「下手をするとこの杖にある水属性の力も奪われかねないってことだよね……」

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

妖精「うん。イリス、できるだけ星の力を上手く使えるように慣らしておいて。もし綱引きみたいに強引に引っ張って奪う方法なら、イリスが頑張れば防げるから」

イリス「うっ、責任重大すぎる……。この力、ちょっと扱いを間違えるとものすごい水のうねりに巻き込まれるような錯覚に陥ってけっこうやばいんだよお」

クロシュ「わたし……溺れた……」

妖精「……ま、まあ無理のない範囲で」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:27:45.57 ID:07dvJK4co
さて
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:27:48.59 ID:8R64kGubO
436 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:37:23.10 ID:v6/B/L000
変わった場所を二つ見つけたようです

↓1〜2コンマ 見つけた場所(被ったらさらに↓1再安価)
01-10 廃城
11-35 廃教会
36-65 山賊のアジト
66-90 妖精の隠れ家
91-00 豪華な廃城
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:37:51.73 ID:dzK9V5dR0
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:41:27.25 ID:C+u28qWao
439 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:38:45.67 ID:v6/B/L000
 強化ソリ「」シャーッ


「たすけて〜!」


ミスティ「えっ?」

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「あれは――」


野良妖精「おねがい止まって〜!」パタパタ


デュア「よ、妖精だ! 妖精が助けを求めているぞ!」

ミスティ「わかったわ」

 強化ソリ「」キキッ

 *

野良妖精「ひい、ひい……よかったぁ……。ありがとぉ、止まってくれて……」ヘナヘナ

妖精「助けるかどうかは未定だよ。まずは話を聞かせて」

野良妖精「うん……。えっと、わたしのおうちの近くにね、ぼろぼろの廃墟があるんだけど……そこからゾンビが湧き出しちゃったの!!」

イリス「ええっゾンビ!?」

野良妖精「お願いだからやっつけてよぉ〜」

エバンス「よし、わかった! ゾンビくらいなら軽く掃除してやろうぜ」

ミスティ「ええ。アンデッドなら慣れたものだしね」

妖精「しょうがないなあ……案内してくれる?」

野良妖精「わわ、ありがと〜! すぐ案内する!」

 ◇
440 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:40:23.62 ID:v6/B/L000
―廃教会

ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ


クロシュ「んわわ……」

イリス「うげっ、ほんとにゾンビだ……!」

野良妖精「なんとかして〜!」


デュア「ゾンビなら火に弱い! 私が先陣を斬るぞ!」シュバッ

 赤熱刀「」ゴウッ!! ズバァッ!!

燃えるゾン/ビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」メラメラメラ


ローガン「よし、我々も続くぞ!」

エバンス「おう! 腐敗物は消毒だ!!」

 ◇

ゾンビの消し炭「」プスプス


デュア「焼却完了だ!」

エバンス「ふう、楽な仕事だったな」チャキン

ローガン「うむ」

野良妖精「わわ〜ほんとにやっつけてくれた! ありがと〜!」キャッキャ

妖精「どういたしまして。でもなんでこんな廃れた教会にゾンビが……?」

野良妖精「何日か前にね、赤髪ロングの小さい吸血鬼がやってきてお墓で怖い魔法を使ってたの! わたし怖くて死にそうだったよ〜!」ガクブル

イリス「そ、それって……」

妖精「フレメアだね……。何を企んでたのかは知らないけど……」

ミスティ「私たちにやっつけられて約束をする前ね……」

イリス「ま、まあとりあえずなんとかできて良かった!」

 ☆廃教会のゾンビを掃除しました

 *

 トコトコ…

クロシュ「!」

 本棚「」

クロシュ「……」ガサゴソ

妖精「クロシュ……ゾンビがいた教会の本なんてちょっと汚くない……?」

クロシュ「んゅ……でも、ちょっと気になって……」ガサゴソ

 原理派活動日誌「」ポン

妖精「……!? 原理派……!?」

クロシュ「……」

 パラパラ…

妖精「……日付は……20年くらい前だ。この教会が廃棄されたのもその頃なのかな……?」

クロシュ「……」

妖精「まあでも何かの役に立つかもしれないし持っていってみようか。でもその前に少し浄化しとこう……」ポウ

 原理派活動日誌「」シュワシュワ

 ☆原理派活動日誌を手に入れました

 ◇
441 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:40:58.45 ID:v6/B/L000
―夕方
 廃教会の裏手


 大きな精霊樹「」サワサワ


クロシュ「わあ……!」

妖精「こんなに大きな精霊樹が!」

野良妖精「えへへ〜わたしのおうちの木だよ〜」

ミスティ「おうちの木……ふふ、懐かしい響きだわ」

野良妖精「なんか知らないけど、この廃教会には人が近付かないんだ〜。だからわたしもおうちの木ものびのびと育てたってわけ〜」

エバンス「でも吸血鬼は近付けたんだな……。何かあるのか、この廃教会には」

妖精「……結界が施されていた痕跡がある。でも何日か前に壊されたような感じ……たぶんフレメアだね」

野良妖精「ええ〜そうだったの〜!? じゃ、じゃあこれから悪い人たちがここに押し寄せて、わたしたちに酷いことするの!?」

妖精「安心しな。私が前よりももっと良い結界を張ってやる」

野良妖精「わわ〜ほんと〜!?」

 *

 緑の結界「」ポン!

妖精「はい。これで悪い奴は近付けないよ」

野良妖精「わわ〜ありがと〜!」

デュア「よし、一件落着だな!」

野良妖精「うん! ねえ、今夜はここに泊まっていってよ! おうちの木も、実を食べてもいいよって言ってる!」

イリス「いいの? それじゃあお言葉に甘えようよ妖精さん!」

妖精「そうだね……自分で言うのもなんだけど、私の結界のお陰でだいぶ快適だし」

ローガン「私も賛成だ。そろそろ日も落ちる」

 ☆妖精の隠れ家にお泊りすることになりました

 *

野良妖精「あ、そうだ! いろいろやってくれたお礼にこれあげる!」スッ

クロシュ「!」

↓1 自由安価 野良妖精がお礼にくれたもの
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 22:42:09.15 ID:8R64kGubO
ダイヤモンドメリケン
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:09:37.51 ID:v6/B/L000
 ダイヤのメリケンサック「」ポン

妖精「……この、ダイヤモンドの指輪が4つ並んでくっついたような謎の物体は……?」

野良妖精「わかんない! でもキラキラですごいでしょ!」

エバンス「見た目は完全にメリケンサックだぞ……。一体どういう用途の物品なんだ……? まさかこれで殴るのか……?」

ローガン「硬度は高いが、ダイヤモンドは靭性が低く割れやすい……。殴打用の武器としての実用性はあまりないと思われる……」

イリス「……でもダイヤモンドって魔法の触媒としてはかなり優れた宝石ですよ! まあ……拳に付けて使うならちょっと工夫が要ると思いますけど……」

ミスティ「まあ……良い記念品にはなるんじゃないかしら?」

 ☆ダイヤのメリケンサックをもらいました

 *

―野良妖精のおうち

 木の棚「」
 木のテーブル「」
 木のベッド「」
 綿花のクッション「」
 光るキノコのランプ「」

イリス「わああ!」

ミスティ「ここ、まるで緑の国みたい……!」

野良妖精「えへへ〜すごいでしょ〜。おうちの木と一緒に長年かけて作ったインテリアだよ〜」

エバンス「てうわっ!? でかっ!?」

ローガン「人間の子供と同じくらいの大きさになっている……!?」

妖精「逆逆。あなたたちが妖精サイズになってるの」ヌッ

クロシュ「わわ! 妖精さん……おっきい……!!」

イリス「妖精さんが……あのちっちゃかった妖精さんが……」グルグル

妖精「だから逆だって言ってんでしょ!」

デュア「なんと面妖な……。お前たちと共にいると全く面白いな!!」

 *

ミスティ「私たちが、妖精サイズに……」

野良妖精「うん〜。昔読んだ魔導書に書いてあったんだ〜。えへへ、使う機会があってびっくり!」

妖精「私もこんなところであの魔法の使い手に会えたなんてびっくりだよ。でもみんなに妖精の視点を知ってもらう良い機会かも」

クロシュ「んへへ……」ニコニコ


妖精の隠れ家で一泊します(全員妖精サイズ化)
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:12:01.83 ID:nekc2dt60
エバンス 前回のメタルローガンみたいに自分も何か地属性の新しい魔法はないか相談してみた。
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:12:55.64 ID:QuYN1ORfo
クッキング in 妖精の隠れ家キッチン
(出来れば妖精とデュアの料理腕前コンマ判定)
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:15:24.76 ID:yMiGnPa6O
クロシュ
夢世界の住人を自身の分体を媒体に再現してみる
447 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:44:07.22 ID:v6/B/L000
―野良妖精のおうち

エバンス「旦那、少し相談があるんだが」

ローガン「ふむ、聞こう」

エバンス「前にメタルコーティングっていう魔法を使ってたろ? 俺もなんか新技が欲しいと思ったりしてな……」

ローガン「新技か……しかし私は地属性のことなど全くわからん。もしや鋼属性の魔法を使いたいという話か?」

エバンス「え、いや……ていうか俺に鋼属性は使えないだろ?」

ローガン「鋼は地から派生した属性だ。ゆえに地属性適性を持つ君なら使えないことはないと思う。ただし派生とはいえ別属性ではあるから、出力は落ちるだろう……」

エバンス「そうだったのか……。まあ、隠し技として鋼魔法を使えるようにしておくのもアリ……か?」

ローガン「相手の意表を突くことはできるだろう。しかし主要な技として使うには恐らく火力不足だ」

エバンス「まあそりゃそうだよな……うーんどうするか……」

ローガン「地属性のことであれば、星属性のイリスくんか自然属性の妖精くんの方がまだ適任であると思う。どうする?」


↓1選択
1.ローガンに鋼魔法を教えてもらう(威力・効果は約2/3)
2.イリスに聞いてみる
3.妖精に聞いてみる
4.独学でなんかやってみる
0.自由安価
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:47:06.56 ID:xMUM8pWVO
2
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:53:06.21 ID:v6/B/L000
 *

イリス「地属性の新技ですか……私も専門家ではないので、あまり良いことは言えないかと思いますけど……」

エバンス「それでも俺よりはずっと上手い。頼む、この通りだ!」ペコッ

イリス「うわわ、やめてくださいよ! ま、まあそうですね……ちょっと待ってください、何か良い魔導書があるかも……」ガサゴソ


↓1コンマ
01-60 エバンス魔法経験+2
61-90 エバンス魔法経験+3、新技習得
91-00 エバンス魔法経験+6、新技習得、地属性LVUP
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 00:00:03.17 ID:PUyFqRsrO
はい
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 00:13:34.83 ID:g2VKutah0
 魔術書『五大属性・中級編』ポン

エバンス「……む、難しいな……」ペラッペラッ

イリス「何かわからないとこがあったら聞いてくださいね! 私も人に教えると理解が深まったりするので!」

エバンス「お、おお……頼む」

 ペラッ ペラッ

エバンス(内容は、魔力の操作や出力調整のことがほとんど……これは術式が書いてある魔導書ではなく、自力を高める為の教本だ!)

エバンス(……まあ、実際自力を高めなきゃならないのは間違っていない。地道だが、強くなるのは一番確実な方法だろう……。精進するしかないな……)

 ペラッ… ペラッ… ペラッ…

 ☆エバンスが魔法経験2を獲得しました

 *
452 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 00:19:05.00 ID:g2VKutah0
というわけで本日はここまでとなります。次回はフェアリークッキング編、夢の住人を分体に入れて再現してみよう編です

旅路の途中、廃教会に湧くゾンビを一掃する一行。そこでクロシュが見つけたのは、古ぼけた一冊の日誌。原理派活動日誌と書かれたその奇妙な書物を、読むか読まぬかは気分次第。それより今は、今夜のごはんが気になるあかちゃんスライムであった――

本日はロイエ教とデロデロについて考えてみたり、ミスティ氏がデュア氏との模擬戦に勝利したり、アリシラ両親からアリシラさんのことを聞いたり、廃教会のゾンビを掃除したり、野良妖精の隠れ家に妖精サイズでお泊りすることになったり、エバンスが新技開発にやる気を出したりしました

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なおこのレスにて次編の登場人物募集の告知を行いますので、そちらもよろしくお願いいたします

 ◆

王都セイントレア〜セクリエ・ロイエ編の登場人物募集についての告知です

〈王都セイントレア〉
■概要
中央大陸の南側を大きく陣取る列強セイントレア王国の首都。国際商業都市イスファハーンや大魔女帝国の楽園都市エデンに並び立つ栄華を誇り、美しく整備された白い街並みから白亜の都とも呼ばれる。
王都セイントレアの周囲は巨大な城壁が築かれており、優れた防衛性能を発揮している。
■産業
農業、漁業、商業、機械工業、芸能、魔法など、多岐に渡る分野が発達している。また公共事業も盛んに行われており、国民の生活を支えている。
しかし上記の産業には植民地からの搾取によって成り立っているものも少なくなく、しばしば批判の的となっている。
■情勢
セイントレア王国は魔族や亜人族など人間以外の種族に対する差別意識が中央大陸で最も強いと言われている。しかし近年は諸外国との交流やロイエ教穏健派が伝える平等思想により、王都における差別感情は王国の他の地方都市や町村よりも薄まっている。一方で王家の執り行う非人間種族に対する過激かつ排他的な方針は変わっておらず、人権派や学生団体などによる反対運動が起こっている。

〈セクリエ・ロイエ〉
■概要
全世界に信者を抱えるロイエ教の総本山。定住しているのは高位の神官を中心にそこまで多くなく、国内人口の大半は巡礼の一時滞在者。
魔族の数は人口の1割ほどだが表立った対立はなく、同じ神を信仰している(魔族は力ある種族、高貴な種族が多い事も関係している)。
王都セイントレアの大城壁の内側に所在しており、国土面積は非常に小さい。しかし中央大陸最大の宗教であるロイエ教の聖地でもある為、その発言力・影響力は列強セイントレア王国を凌ぐものとなっている。
■産業
神の奇跡を込めたお守り。ちょっとした幸運を呼ぶものから死者を呼び戻す、世の理に触れるものまで。
外貨を得る流れは他に建築物の観光くらいで、あとはほぼ寄付で賄われている。
■情勢
セクリエ・ロイエでは人間を最も尊い種族だとする宗派が多数を占めていたが、近年では他種族に融和的な穏健派が勢力を強めている。現教皇も穏健派の人物である。そのため現在のセクリエ・ロイエは最友好国であるセイントレア王国と方針が合わず、微妙に緊張した状態となっている。
また、現教皇および穏健派と対立関係にある原理派が国内外で暗躍しているという噂もある。

 *

〈今回の募集キャラクター〉

@現教皇
 現在のロイエ教における最高位聖職者。穏健派。
 セクリエ・ロイエの実質的な国家元首とも言える。

Aロイエの者
 セクリエ・ロイエに属す者。老若男女存在する。
 性別、年齢は多様だが、職業はほとんどがロイエ教の聖職者か一般信徒。人間以外もいないことはないが、数はとても少ない。
 原理派などの一部の宗派では、誓願を立てる時に名前を神へ捧げるという旧い習わしを堅持している。そのためそのような宗派の聖職者は名前を持たず、主に役職名や通り名やアダ名で呼ばれる(僧侶、聖女、使徒など)。なお穏健派をはじめとした多くの宗派では、この習わしは時代にそぐわないとして撤廃している。

B王国の者
 セイントレア王国に属す者。老若男女存在する。
 性別、年齢、職業、身分は多様だが、原則として人間以外の者に戸籍は与えられない。もしセイントレア王国に堂々と住まう人間以外の者がいれば、それは何らかの手段で種族や身分を偽っている可能性が非常に高い。
 一般国民とは反対に、奴隷の種族は多様である。敗戦国の民、重債務者、人攫いの被害者などが奴隷となることが多い。奴隷の待遇は主人の裁量によるが、優れた職能を持つ奴隷には高待遇が与えられる場合もある。また、人間の奴隷は主人が国へ奴隷解放税を納めることで解放奴隷となることができるが、人間以外の種族の奴隷が解放される仕組みは今のところ存在しない。

Cその他
 魔物、魔導機械、生物兵器など。@〜Bに該当しない者。

 *

(テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】

 *

〈今回のルール〉

・@は、コンマが最も高い案を1つ採用します

・A〜Cは、個性や役割などを鑑みつつ>>1の独断で何名か採用します。たぶん5名くらいが限界です。また、A〜Cの中でコンマが最も高いものは必ず採用します

・作中に登場する際、設定等が若干変更される可能性があります。ご了承ください

・1つのIDにつき採用できるのは1つの案までとなります。2つ以上の案を投下する際はご注意ください。また、IDを変えて2つ以上の案を投下するといった行為はお控えください

 *

今週木曜日の 00:00 〜 23:59 を投下期間といたします。投下する案には@〜Cのいずれかの番号をご記載ください
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 00:44:57.79 ID:hgMMNSqO0
乙です
安価Aのロイエの者は採用されても名前じゃなくて役割やアダ名などで表記されるという事なのかな?
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 11:11:15.64 ID:uwI7MqnIo
おつでしたー
野良妖精さん、なんかかなりレアな魔法つかってない?
ついにセイントレア〜ロイエ教編、今までの登場人物も多数関わって来そう
因縁や謎が解決されるのに期待
455 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 21:36:24.08 ID:g2VKutah0
>>453
原理派などの名前を捧げる習わしを維持している宗派の人物であればそうです。穏健派などのその習わしを撤廃した人物であれば名前を失うことはありません。既に名前を捧げて失っている人物であれば、名前欄のところに通り名やアダ名を書くのも良いでしょう

>>454
野良妖精さんは面白い魔法を習得しているようです。それは具体的に言うと>>174の魔法だと思われます。使い方次第ではけっこう悪いことができそうな恐ろしい魔法でもあるかもしれません
そしてセイントレア王国とロイエ教のお話は、実際大きな山場であるとも言えます。この先に何が待ち受けているのかは闇に包まれていますが、クロシュさんには慎重に進んでいっていただきたいところであります
456 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/01(木) 00:00:06.01 ID:bzdAUdBx0
それでは本日 00:00 〜 23:59 を投下期間といたします。投下する案には@〜Cのいずれかの番号をご記載ください
詳しいルールは>>452
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:23:16.31 ID:KIeKkDkiO
4
【名前】ティナ・プラネット
【種族】魔女
【性別】女性
【年齢】?
【容姿】赤橙色のショートカットを刈り上げた髪型。傷と右目を隠す眼帯のせいで分かりにくいが、よく見るとイリスと似た顔立ちをした長身でスレンダーな美女。黒いスーツ姿で左腕は義手になっているため手袋で常に隠している。
【性格】冷静沈着で礼儀正しいリアリスト。情に厚いが流されない。やや負けず嫌いなところがある。
【魔法】星属性を得意として一通りの魔法を使えたが、現在は無属性の魔法しか扱えない。
【備考】イリスの母親。希少な星属性の使い手だったのでカリスに狙われていた。幼いイリスを危険から遠ざけるため、親友に託して単身カリスに挑むも力及ばず捕らえられてしまう。
実験体として扱われた結果、左腕と右目の視力、記憶を失い、星属性の魔法も使えなくなったことでカリスからの興味は失われた。
ある日、フメイ達の脱走に乗じて逃亡に成功。その後は紆余曲折を経てエバンスが所属する傭兵団に拾われ、その仕事ぶりから「無詠の魔女」の二つ名がつけられて行く先々で恐れられるようになった。自身の名前を思い出せなくなっているので自身もその二つ名を使用している。
使えなくなった各属性魔法の代わりに各属性の魔翌力を撃ち出す二丁の拳銃と身体強化魔法による近接攻撃を用いて戦う。
ダークヒーローイリスの話を聞くとなんとなく複雑な気持ちになるが、本人は理由がわからない。
ロイエ教信者ではないが、名前を持たないことと派遣先での活躍から現在は原理派の要人警護のために雇われている。
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:25:06.92 ID:gbKDlTy+o
C
【名前】フリューゲル・バイオレット
(旧姓フリューゲル・デッドエンド)
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】金髪ロングの美人。娘から貰った髪止めをしている。
【性格】昔は慈愛の塊。
今は静かで冷徹な殺戮兵器。
【魔法】何もかもを消滅させる魔法
【備考】かつてエンド組のまとめ役にして、フラナとフレメアの母親。クロシュヴィアの親友。大昔に魔族たちを纏め上げ最初の魔族国を創設した。当時の魔族国は差別もなく豊かで夢のような国であったが、王国の台頭で少しずつその繁栄も陰りが見え、当時の魔族国の上層部は彼女の身柄を引き渡すことで魔族国への侵攻を止めて欲しいと王国と密約を結ぶ。本人はその事を全て把握していたが、自分の命で魔族国の皆が助かるならと抵抗せず受け入れた。だが王国は彼女を[ピーーー]ことはせず、その自我を奪い魔王化の実験に使い、勇者と並ぶ王国の秘密兵器の一つとして改造してしまう。慈愛の塊だった彼女はもういない、王国の命令を忠実に果たすただの殺戮兵器と成り果ててしまった。更に王国は密約を破り、彼女と勇者を使い初代魔族国を滅ぼしてしまった。残った娘のうち、母親を売った魔族といいように利用する王国への怒りにとりつかれた姉と怒りをなんとか抑えこんで母親の思いを尊重し魔族国を繁栄させようと誓う妹とで意見は相違、完全に袂を分けてしまう。普段は平穏に待機せよという命令に従い昔のような姿を見せるが一度殺せと命令されれば、例え愛娘相手でも殺してしまうだろう。もはや彼女に救いはない。せめて愛ある死を。優しいデッドエンドを迎えさせてあげよう。
ちなみにザイルが国を興す時の手伝いもしており、その時の恩で彼はフレメアを助けた経緯がある
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