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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6
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357 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:34:26.51 ID:AhPNAKwH0
リュウトウ氏は重要人物でしたが、自由行動で接触しないとクロシュ勢力に引き込めない人だったので、難しい問題だったようです
自由安価はすぐに埋まってしまう時もあれば、けっこう長い間埋まらない時もあり、その辺りは
>>1
自身にも予測不可能であります。良い感じに良いやり方があれば良いのですが、なかなか難しいようです
問題解決後は時間に追われることなく交流できるため、ユーシリア編から努力目標達成によって問題解決後の自由行動数を増やす施策を導入いたしました。今のところ特に問題もなさそうなので、この方針は今後も続けていきたいと思います。クロシュ氏もみんなでかたつむりごっこができてご満悦だと思います
フレメア氏は物騒な人物ですが、実際物騒な人物かもしれません。以前の様子ではアウル氏をよくいじっている姿がみられたため、シホノシ構成員の中でもフレメア氏とアウル氏は仲が良い(?)可能性が高いです。しかしフレメア氏は恐ろしい狂い吸血鬼なので、彼女がどのような思考判断を行うかは予測不可能かもしれません。気を付けるのが良いでしょう
・自由行動がすぐに埋まってしまう問題についてのお願い
自由行動安価を取りたくても取れない人がいる場合があるため、自由行動安価を一度取った方は、次の自由行動安価はなるべく取らないようにして頂けると幸いに思います
今後も様子を見つつ進めていきたいと思います。場合によっては通常の連取りに加えて自由行動安価の連取りも禁止するルールを追加することにもなるかもしれません。よろしくお願いいたします
実を言うとそこまで人の多いスレではないと思っていたので少し驚きました。一度取ったら次は譲る、くらいの緩い気持ちで安価を取って頂けたら幸いに思います
358 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:35:45.26 ID:AhPNAKwH0
妖精「ザイルが国の復興を目指してるのはわかったけど……レインとフレメアはリーリアの出身じゃないよね? なんであの二人はシノホシに入って活動してるの? あ、レインは人間とか王国への復讐か」
アウル「レインは復讐だろうね。フレメアは……詳しくは知らないけど、ザイルに恩だか貸しだかがあるんだってさ。あのイカれた吸血鬼にそんな義理堅いとこがあるなんて、にわかには信じがたいけどね」
クロシュ「レインさん……この前、わたしたちと一緒に、戦った……」
アウル「浮島国での戦いについてはオレも聞いてるよ。仲良く共闘したそうだね」
クロシュ「うん……。レインさん……良い人、だと思う……」
アウル「あははっ、多くの人間を殺すテロリストのサキュバスが良い人だって? まあスライムにとって悪い人じゃないのは確かだけどね。あの人が狙ってるのは王国に与する者だけみたいだし」
クロシュ「わたし……仲良く、できる……?」
アウル「さあ。見かけは冷酷なテロリストを気取ってるけどあの人けっこうナイーブなとこあるし、もし君たちに情が移ったりしていれば仲良くできないこともないだろうね」
クロシュ「!」
妖精「まあ、できれば戦いたくない相手だもんね」
クロシュ「うん……。フレメアさんも……」
妖精「あー……アウル、フレメアの姉妹喧嘩のことは知ってる?」
アウル「凄く仲が悪いってことくらいなら。何があったかは知らないよ」
妖精「そう……。フレメア、妹のことについて何か言ってた?」
アウル「悪口ならしょっちゅう言ってた。バイオレット家の後継者争いとかで何かあったんじゃないかな?」
妖精「うーん……血筋にまつわる争いって理解しがたい……」
アウル「自然の中からボウフラみたいに勝手に湧いてくる妖精には理解できないだろうね」
妖精「ボウフラは勝手に湧かないし、妖精だって勝手に湧くわけじゃないの。あなた、ちょっと他の種族に対する敬意ってもんが足りてないんじゃないの」
アウル「ごめんごめん、悪かったよ」
妖精「全く……あなた、狐以外は全部嫌いなの?」
アウル「そんなことないよ。嫌いなのは人間だけさ」
*
クロシュ「じゃあ……狐さんたちのことは……好き……?」
アウル「……そんなことを聞いてどうするんだい?」
クロシュ「……えっと………よ、妖精さん……どうすれば、良い……?」
妖精「え、私!? え、ええと……どうもしないよ! ただ、アウルが離れ山の狐たちのことを好きかどうか知りたいだけ。深い意味はない……と思う。そうだよね? クロシュ」
クロシュ「う、うん。そう。たぶん」
アウル「はあ……こんなにとぼけた奴らにやられただなんてね……。まあいいや。離れ山の狐たちのことは、もちろん嫌ってなんかいないよ。銀狐ではないけれど、あの地に住まう狐という意味では親戚みたいなものさ」
クロシュ「わあ……」
アウル「質問への回答はこれで良いかい?」
クロシュ「うん……! えっとね……狐さんたち……いつか、アウルさんみたいに、格好良く変化できるようになったら……今度は自分たちで、油揚げを持っていきたいって……言ってた……!」
アウル「……へえ。そうなんだ……」
クロシュ「うん……!」
妖精「ふふ、刑の執行と世界滅亡の他に、もう一つ楽しみが増えたんじゃない?」
アウル「……別に。好きにすれば良いさ」
◇
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/26(土) 19:36:02.98 ID:ScpGv/+Oo
了解
360 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:36:35.96 ID:AhPNAKwH0
妖精「聞きたいことは大体聞けたかな?」
クロシュ「うん」
イヨ「それでは面会を終わりに――」
ドッガァァァァンッ!!!!
イヨ「きゃあっ!!?」
妖精「わああ!!?」
クロシュ「!!?」
アウル「!?」
穴の空いた天井「」パラパラ…
スタッ
フレメア「……」ヌッ
アウル「……フレメア!?」
妖精「!?」
クロシュ「!!」
イヨ「えっ……!?」
フレメア「あ、アウル。本当に捕まってたんだ」スタスタ
アウル「……なんだよ。嗤いにでも来たのか?」
フレメア「大正解! 人間たちに捕まってお仕置きされちゃう哀れな駄狐を嗤いに来てあげたの!」ケラケラ
アウル「……」
フレメア「それとも――うふふふ、助けて欲しい? ねえ、助けて欲しい?」ニコニコ
アウル「………いや……」
フレメア「え、じゃあそのまま無様に人間たちに殺されたいってこと!?」
アウル「そういうわけじゃねえよ」
フレメア「ふうん……アウルの復讐心なんてその程度のものだったんだね。まあ駄狐らしいっちゃ駄狐らしいか」
アウル「こいつ……」
フレメア「まあいっか、ザイルには駄狐は人間に断罪されることを望んでたって伝えてあげよ」
アウル「あのな……オレは別に――」
フレメア「じゃ、死んでくれる? 復讐も果たせずに腑抜けて、本当の駄狐になっちゃったアウルなんてつまんないし」ズオッ
アウル「ッ!!」
ガギンッ!!
吸血鬼の爪「」ギギギ
メイドブレード「」ギギギ
メイドクロシュ「……!」ググ
フレメア「……ん? あんたは……あの時のスライム……!」
ギンッ!
361 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:37:19.79 ID:AhPNAKwH0
ギンッ!
メイドクロシュ「っ!」ズザザッ
フレメア「あっは! レインの言った通りだ! ほんとに見違えた!」シュタッ
メイドクロシュ「……」ジリ
フレメア「でもなんでアウルを庇うの?」
メイドクロシュ「アウルさんは……狐さんたちのこと、好きだから……!」
フレメア「……? 意味がちょっとよくわからないけど……」
妖精「アウルが死ぬと、悲しむ者たちがいるの!! だからクロシュは――」
フレメア「……悲しむ者……? あはっ、冗談でしょ? こんなやさぐれ駄狐が死んで悲しむ奴なんて――」
イヨ「……嘘ではありません。アウルは重罪人ですが、彼を慕う狐たちがいることは事実です」
フレメア「……」
アウル「……」
フレメア「……あんた、天涯孤独じゃなかったの?」
アウル「天涯孤独だよ。オレが死んであいつらが悲しむなんてのも……大げさだ」
フレメア「……」
フレメア「……つまんな。帰る」
シュバッ ビュンッ―
クロシュ「……!」
妖精「開けた天井から帰ってった……」
イヨ「……はあ、良かった……」
天井の穴「」パラパラ…
イヨ「……いや、全然良くない! 大穴を開けるだけ開けて帰るなんて!!」プンスコ
アウル「……」
◆
362 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 20:06:19.75 ID:AhPNAKwH0
―旅館雪解け 客室
イリス「ええっアウル・フォクシーとの面会中にフレメアさんが襲ってきた!?」
クロシュ「うん……。でも……急に、帰っちゃった……」
ミスティ「急に帰った……? なんでかしら?」
クロシュ「えっと……アウルさんが好きな狐さんのお話……聞いたから……?」
妖精「タイミング的にはそう。どういう気持ちだったかはよくわかんないけど……」
イリス「愛する者がいるアウル・フォクシーの命は奪えない――そう思ったのでは!?」
ミスティ「……妖精はどう思う?」
妖精「え、うーん……フレメアってそんな奴なのかなあ……」
◇
―夕方
旅館雪解け 脱衣所
蒼き星の杖・水「」ポワポワ
シズク『わあぁ……!』モニョモニョ
スライムクロシュ『お水……ぽわぽわ……』モニョモニョ
スライムクロシュ(イリスさんたちは……今、お風呂に入ってる……)
スライムクロシュ(わたしもこれから入ろうと思ってたら……シズクちゃんが、イリスさんの杖を見て、モニョモニョしてるのを見つけた……)
スライムクロシュ(シズクちゃんは水属性のスライムだから……水属性の世界樹の光が、きらきらに見えるのかも……)
シズク『こ、これ舐めても良いかなあ? だめかなあ?』モニョモニョ
スライムクロシュ『え、えっと……ちょっとなら……いいと思う……!』モニョモニョ
シズク『じゃ、じゃあちょっとだけ……や、やっぱりだめだよぉ! イリスさんは大切なお客さまで、わたしはここの従業員なんだもん……! お客さまのものを勝手に舐めたら、悪いスライムになっちゃう……!』モニョモニョ
スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ
シズク『そうなの!』モニョ!
スライムクロシュ『!』ピコン!
シズク『?』モニョニョ
スライムクロシュ『じゃあ……わたしは、従業員じゃないから……舐めても、悪いスライムに、ならない……!』モニョモニョ
シズク『わ、わわ……!?』モニャニャ
スライムクロシュ『わたし、代わりに……ぺろぺろ、する……!!』モニョニョ!
シズク『んわわ〜!?』モニャニャ
スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ
蒼き星の杖・水『』ポワポワ
モニョニョ… モニョモニョ…
↓1コンマ
01-10 カナヅチスライム
11-70 溺れそうになった
71-90 取り込んだ
91-00 ??
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/26(土) 20:08:43.07 ID:eRBJPOt3O
あ
364 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 20:39:46.08 ID:AhPNAKwH0
蒼き星の杖・水「」ポワポワ
スライムクロシュ『〜〜』モニョモニョ
◇
ザァーン… ザザァーン…
スライムクロシュ『…?』モニョニョ
海のうねり「」ゴオオオオ―
スライムクロシュ『…!!?』モニャニャ!?
おおきな海のうねり「」ゴオオオオ――
スライムクロシュ『〜!!?』モニャニャニャ!?
ブクブク…
溺れスライムクロシュ『』モニョニョ…ブクブク…
シズク『クロシュちゃん、クロシュちゃん!! わたしの欠片、つかって!! おねがい、わたしの欠片を……!!』モニャニャ
スライムクロシュ『!』モニョッ!
デロデロ…モニョモニョ…ポン!
水スライムクロシュ『〜〜!』モニョニョ プルルン
おおきな海のうねり「」ゴオオオ――
水スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ スイスイ
スイスイスイ…
◇
水スライムクロシュ『……!』モニョッ!
シズク『クロシュひゃん!! よ、よがっだぁああ……目がさめでぇ……』デロデロ…ポロポロ…
水スライムクロシュ『えっと……』モニョニョ
妖精「クロシュ……」ヌッ
水スライムクロシュ『わ……よ、妖精さん……?』
妖精『なんてバカなことをしてるの!!! そこに直れ、大バカスライム!!!』
水スライムクロシュ『んわわ……!!』モニャニャ
*
妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…
エバンス「……何をしているんだ? あれは」
ローガン「イリスくんが入浴している間に、クロシュくんが蒼き星の杖に宿った星の力を舐めてみたのだそうだ」
エバンス「え、ええ……」
ローガン「そうしたらクロシュくんが意識不明になり、シズクくんが泣きながらクロシュくんに何事かを呼びかけている姿が発見された……ということらしい」
エバンス「そ、そうなのか」
ローガン「うむ……」
妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…
エバンス「……なんというか、最近のクロシュちゃんは遠慮がなくなってきたよな。もちろん良い意味でさ」
ローガン「そうだな……。以前はどこか人の顔色を伺っているかのような様子があった。我々に対しても、一歩引いていたり」
エバンス「ああ。前のクロシュちゃんだったら、イリスちゃんの杖を勝手に舐めたりとかはしなかったと思うぜ。多分」
ローガン「ああ。クロシュくんがそれだけ安心できる場所になれた――ということでもあるのだろう」
365 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:43:06.84 ID:AhPNAKwH0
―クロシュの夢
集落の診療所
アリシラ「……」ドキドキ
クロシュ「……」ドキドキ
夢の女神「随分待たせちゃってごめんね。引っ越しの準備が整ったから、今夜始めるよ。二人とも、準備は良い?」
アリシラ「うん……! えっと、何をすれば良いの?」
夢の女神「ここのベッドに横になっていてくれれば、後は私とヴァンが全部やるから大丈夫」
ヴァン「今日は女神の騎士ではなく、女神の助手を務めさせて頂くヴァンです! よろしく!」
クロシュ「ん……!」
フメイ「……がんばって……っていうのも、おかしい……? えっと……」
夢の女神「フメイちゃんは、二人のそばで見守っていてあげて。フメイちゃんがいてくれれば、二人ともきっと安心できるから」
フメイ「……わかった」
◇
アリシラ「……」
クロシュ「……」
夢の女神「一人づつ……ゆっくり、慎重に――」
ポン!
集落のスライム「?」モニョッ
フメイ「スライム!」バッ
集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ
◇
ポン! ポン! ポン! ポン!
集落の子供「あえ?」ポン!
若者「お? ここは……診療所?」ポン!
老婆「ありゃあ……あたしゃボケちまったんかねえ」ポン!
魔族の医者「む……これは一体」ポン!
ポン! ポン!
アリシラ父「ここは……?」
アリシラ母「……アリシラ?」
アリシラ「お父さん、お母さん……!」
夢の女神「ふう……引っ越しは無事完了しました。念の為、説明を――」
アリシラ「……女神さん。あの……」
夢の女神「……はい、わかっております」
◇
366 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:43:36.04 ID:AhPNAKwH0
夢の女神「――というわけで、皆さんの魂をアリシラさんの心からクロシュちゃんの心へと引っ越させていただきました」
アリシラ母「アリシラから、クロシュちゃんに……!?」
アリシラ父「それは、しかし……私たちは、アリシラの中でも――」
夢の女神「アリシラさんの――人の心は、他者の魂をそのままの形で存続させられるようにはできていないのです。皆さんの魂をこれからも保ち続けるには、クロシュちゃんの心に引っ越して頂く他なく……」
アリシラ「お父さん、お母さん……。このことを女神さまにお願いしたのは、私自身なの。私の心の中にいたら、みんな、いつ消えちゃうかわからなかったから……。クロシュちゃんの中なら――きっとみんな、これからもずっと――平和で、しあわせにいられるの」
アリシラ母「アリシラ……」
アリシラ父「……女神様。私をアリシラの心へ戻すことは可能ですか?」
アリシラ「ちょ、お父さん……!?」
夢の女神「……はい。しかし先ほども申し上げました通り、アリシラさんの心にいれば――いつか必ず、その魂は溶け――アリシラさんのお父様という自我は、永遠に失われてしまいます。アリシラさんはそれを厭い――」
アリシラ父「構いません。例え溶けることになるとしても――私は、アリシラの父です。寂しがる娘のそばを離れるわけには、いきません」
アリシラ母「女神様、私からもお願い致します。私たちを、アリシラに戻してくださいませんか。アリシラを一人ぼっちにさせたくないのです……」
夢の女神「え、ええと……」オロオロ
アリシラ「……やめてってば! 女神様も困ってるでしょ! 私は……一人で大丈夫なの! 一人がいいの!! もう誰も……いらないの!!!」
アリシラ母「アリシラ……」
アリシラ「それじゃ、さよなら! みんな元気でね! クロシュちゃんに迷惑かけちゃだめだからね!」タッ
アリシラ父「アリシラ!」
扉「」バァン!
ヴァン「外に!」バッ
夢の女神「待って! アリシラさんは、もうこの夢には――」
フメイ「ひゃ、うっ……!!?」ドサッ
クロシュ「フメイちゃん!?」バッ
魔族の医者「……!? フメイの中にある大きな魔力が、この世界の外側へ吸い出されている!」
夢の女神「まさか……!? クロシュちゃん!」
クロシュ「うん!」
◆
367 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:45:44.41 ID:AhPNAKwH0
―深夜
雪解け 客室
フメイ「あ、うああ……!」ジタバタ
アリシラ「……」ギュオオオオ―
クロシュ「アリシラさん!」ガバッ!
アリシラ「……クロシュちゃん。さっきまで夢の世界にいたのに、もう起きれたの? 凄いね」ギュオオオ
クロシュ「なん、で……」
アリシラ「……ごめんね。フメイちゃんをいじめたかったわけじゃないの。でも――これ以上、フメイちゃんを連れ回すわけにも、いかないから」ギュオオオ
クロシュ「……??」
アリシラ「……この先には、誰も連れていけない。私一人で、いいの」ギュオオオッ!!
星の力・炎「」ゴゴゴゴ―
クロシュ「……!!」
アリシラ「ごめんね。ありがとう。ごめんね」ゴゴゴゴ―
カッ!!
ボガンッ!!!!
吹っ飛んでいくクロシュ「んわぁ〜〜………!!!」ポヒュゥゥゥゥン…
フメイ「……アリ、シラ……!!」グググ
アリシラ「フメイちゃん……。大丈夫、クロシュちゃんは傷付けてないよ。星の力の制御ならもう完璧だもの」
フメイ「……これから……どうするの……。ほんとに……一人で、行くの……?」
アリシラ「そうだよ。フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒が良いでしょ? 安心して。もう無理に巻き込まないから」
フメイ「……」
アリシラ「大丈夫。あの集落の付近には、何もしないって誓うよ。だから……クロシュちゃんと二人で、あの集落にいて。そうすれば――」
フメイ「……フメイも、一緒に行く」
アリシラ「……えっ?」
フメイ「……この旅は……アリシラだけじゃなくて、フメイも一緒に始めたこと……。だから……最期まで、付き合う……」
アリシラ「……無理しなくたって、良いのに。今だって、吹っ飛んだクロシュちゃんを助けに行きたくて仕方がないでしょ?」
フメイ「……クロシュはもう……フメイが守らなくても、大丈夫。一人でも強いし……まあまあな仲間もいる。でも……アリシラは、大丈夫じゃない。仲間もいない」
アリシラ「……」
フメイ「………だめって言っても、ついてく。王国を焼き払うなら、フメイも一緒に焼く。それくらいの恨みは、まだあるもん」
アリシラ「……ふふ……ふふふふ、わかったよ! それじゃあ一緒に焼こう、フメイちゃん!!!!」ジワワ
フメイ「ん」
ボンッ!!
フメイ(クロシュ……ごめんね。きっと……アリシラを、連れて帰るから)
◆
368 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:46:44.75 ID:AhPNAKwH0
―翌朝
旅館雪解け 客室
スライムクロシュ「」デロロ…
エバンス「だめだ、どこにもいねえ……!」
イリス「……フメイちゃんの移動速度から考えれば、もうオノゴロを離脱していてもおかしくない……」
妖精「まさかアリシラがフメイから星の力を吸い出して持ち逃げするなんて……。ちょっと頭が痛い……」フラフラ
ミスティ「……でも、フメイも一緒に行くのならわざわざ星の力を吸い出す必要なんてなかったんじゃないかしら。一体なぜ……」
風の精霊『クロシュちゃん宛にお手紙だよ〜』ヒュルヒュル
妖精「手紙……? 誰から?」
風の精霊『フメイちゃんから!』
スライムクロシュ「!!」モニョニョ
妖精「なんだって!」
風の精霊『はい、どうぞ!』スッ
少し焦げた手紙「」ポン
ペラッ
手紙『アリシラをひとりぼっちにできなかった。ごめん。ぜんぶおわったらみんなでいっしょにかえろう』
スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ
妖精「なるほど……そういうことか」
イリス「これで一安心……と言いたいとこだけど、アリシラさんがまた何か企んでるってことだよねこれ……!」
ローガン「なかなか上手く進まぬものだな……」
☆アリシラの心の住人がクロシュの心に引っ越しました
・アリシラがフメイの星の力・炎を吸収しました
・フメイ&アリシラがパーティを離れました
◆
369 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:33:08.70 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港
ザァーン… ザザァーン…
イヨ「なんと、昨晩そのようなことが……」
妖精「うん。ドタバタして悪いけど、私たちも急がないといけなくなっちゃった」
アキト「ぬう、あのアリシラが……。もし分身できたら、拙者も助太刀に推参致すところでござるが……すまぬ、拙者は分身できぬ身でござる……」
イリス「あはは、大丈夫です! アキトさんはアキトさんのすべきことを!」
トキワ「クロシュちゃんのお陰で……わたし最近、体の調子が凄く良いんだ。本当に……本当に、来てくれて、ありがとう……! またいつか、オノゴロに来てね……! わたし……雪解けの見習いとして、働いてるから……!」
シズク「見習い期間は短いから、次にクロシュちゃんたちが来る頃にはトキワちゃんは正式な従業員になってるかも! また泊まりに来てね、クロシュちゃん!」
ユキ母「トキワちゃんの魔法のことなら心配しないで。下手に乱用しないよう私たちがしっかり見てるから」
サララ「一つ目小僧のおめめで私もしっかり見張ってるから安心してね。もうトキワちゃんをつらい目にはあわせないよ……!」
トキワ「うっ……わ、わたしも皆さんに心配をおかけしないよう、気を付けます……。でもいつか……不死鳥のクロシュちゃんみたいに、素敵な使い方が見つけられるように、がんばるよ……!」
クロシュ「うん……!」
イクセ「……クロシュ……わらわ、おぬしが心配じゃ……。何かわらわにできることはないか……?」
クロシュ「……えっと、それじゃあ……みんなが、しあわせに生きられるように、って……お祈り……」
イクセ「お祈り……! わらわ、元姫巫女なのできっと得意じゃ! 絶対、絶対みんなしあわせになるよう、お祈り、する!」
クロシュ「わあ……!」
トキワ「イクセちゃんの口調、すっかりわらわじゃになっちゃった」
アキト「初めはギョッとしたが、最近はむしろこの口調でないとしっくり来ないでござる」
ユキ母「それにしても凄かったわ、ミスティちゃんの氷魔法……。人の身でありながら、平均的な雪女よりも氷魔法を使いこなしているんだもの」
ミスティ「そうなのですか……?」
ユキ母「そうよ? たぶん人間の中でも最高水準に近いところにいるのではないかしら?」
ミスティ「あんまり、自分では実感できませんが……。でもその力で、大切な人たちを守れるなら……悪くないですね」
ユキ母「ふふ……人間のままにしておくのが勿体ないくらい……。あなたもまたいつか、雪解けに泊まりに来てね」
370 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:33:35.57 ID:WhTzHwps0
リュウトウ「……もう行ってしまわれるのですね」
ローガン「うむ……。貴殿とは港で少し刃を交えただけだが……凄まじい太刀筋と気迫であった。その歳で見事なものだ」
リュウトウ「しかし、結果として私はこの国を守れなかった。どれほど鋭い刃でも、敵を違えればナマクラにすら劣ります」
ローガン「……少し自分に厳しすぎるのではないか? 私が貴殿と同じくらいの頃は、失敗したら全て周りに責任転嫁していたぞ」
リュウトウ「ええ……?」
イヨ「……全て責任転嫁しろとまでは言いませんが、リュウトウは実際自分に厳しすぎます。少しは肩の力を抜いて」
リュウトウ「……しかし、性分は簡単に変えられません」
イヨ「うーん……あ、リュウトウ。あれを見てください」
リュウトウ「え?」
クロシュツムリ「〜〜♪」モニョモニョ モゾモゾ
イクセツムリ「わらわつむりじゃ〜!」モゾモゾ
トキワツムリ「わわ、イクセちゃん腕を上げた……!?」モゾモゾ
アキトツムリ「拙者も負けられないでござる……!」モゾモゾ
イヨ「あれが、救国の英雄と、国を揺るがした元姫巫女の現在の姿です」
リュウトウ「あ、ああ……」
イヨ「責任を感じるのも結構なことですが、あなたもかたつむりになってきてはどうでしょうか? いつもと違った景色が見れるかもしれませんよ」
リュウトウ「……」
リュウトウツムリ「リュウトウツムリ、いざ参る!」シュバッ モゾゾゾ
*
ワイワイ キャッキャ モニョモニョ モゾモゾ
イヨ「……」クスッ
妖精「全くもう、クロシュのトンチンカンな遊びが広まっちゃうなんて……。悪いね、イヨ」
イヨ「いえ……むしろ、感謝しています。遊んででもいないと、みんないろいろ考えすぎてしまいますから」
エバンス「オノゴロ人はみんな真面目だからなあ」
イヨ「はい……。オノゴロの人は他国の人よりも真面目で勤勉……という話を聞いたことがあります」
イリス「私も聞いたことあります。実際そうなんですねえ」
イヨ「……またいつか、皆さんでオノゴロに遊びに来てくださいね。今度は、外国のお話をゆっくりお聞きしたいです。私……オノゴロから外に出たことがないので……」
イリス「そうだったんですか! それならもっと早くに言ってくれれば……いや、実際今まではゆっくりお話してる暇もありませんでしたもんね」
イヨ「はい。だから……またいつか……。いえ、私の方から皆さんの国へお邪魔しても良いのでしょうか?」
妖精「緑の国は今鎖国中だけど……王国との外交問題が解決すれば鎖国も解除できるから、その時なら歓迎するよ」
イリス「私の母国は……オノゴロからはちょっと遠いので、もし来るなら大陸横断くらいの覚悟がいるかもです!」
エバンス「俺の出身は王国だが……まあ技術力とか人口は世界最高レベルだぞ。人間以外への排他性もな!」
イヨ「ふふ……いろいろな問題が片付いて長期休暇を頂けたら、皆さんの国に遊びに行きたいです」
◆
371 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:34:01.52 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港
風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ
イクセ「またなのじゃ〜!」パタパタ
シズク「クロシュちゃんまたね〜!」モニョモニョ
トキワ「クロシュちゃん……ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」
サララ「どうかお元気で〜!」
ユキ母「体に気を付けてね〜!」
イヨ「ありがとう、ございました! またいつか……!」
アキト「お主たちとの日々、決して忘れぬ……! また会おう!」
リュウトウ「……この恩は、いつか必ず……!」
――オノゴロ諸島編 完
372 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:34:30.92 ID:WhTzHwps0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽
61-90 ↑+ヒヒイロカネ
91-00 ↑+会心賽
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 00:35:53.62 ID:sw0omZmqO
はい
374 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:52:40.84 ID:WhTzHwps0
運命賽と希少金属ヒヒイロカネの獲得が決定したところで本日はここまでとなります
オノゴロの闇を祓い、一行は風に乗って次の道へ。
幼巫女の悲しみを打ち払い、狐の憎しみを投げ飛ばし。オノゴロに戻る平穏と安らぎ。
育まれた友情と絆は、そっと胸の奥に。
交わり、そしてまた離れた親友と、次こそはと共に帰る日を夢見て。
気球スライムは、風の速さで空をゆく――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 03:43:35.72 ID:5wsiSHeJo
おつでした
シノクニもなんやかんや険悪ではないよな
アリシラさんの決意は固いか…あれこれ、アリシラさんもフメイ式ジェット移動体得?
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