【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:42:27.01 ID:wa8VY9/90
―トウゲン温泉街

 ワイワイ ガヤガヤ

お忍びイクセ「……」キョロキョロ ソワソワ


トキワ「……? あの子って……」

クロシュ「……! えっと……イクセちゃん、かも……」

トキワ「えっ!? イクセちゃんって――」

 トコトコ

クロシュ「イクセちゃん」ヒョコ

お忍びイクセ「ひょえっ……!? あっ……も、もしかして……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「うん……! えっと……こっちは、トキワちゃん……!」

トキワ「ど、どうも……! トキワです……! 初めまして、姫巫女さま……」ペコリ

お忍びイクセ「あっ……え、えっと……わたし、もう、姫巫女じゃあなくって……」オロオロ

 *

トキワ「えっ……じゃあ、姫巫女がいなくなるって噂、本当なんだ……」

イクセ「うん……」

クロシュ「じゃあ……これからは、ただのイクセちゃん?」

イクセ「そうだと思う……」

トキワ「……そうなんだ……。えっと、じゃあ……今日は温泉に入りに来たの?」

イクセ「うん……。アキトおにいちゃんと一緒に来たんだけど……はぐれちゃって……」

トキワ「アキトさん……」

クロシュ「それじゃあ、わたしたちと一緒にいる?」

イクセ「え、いいの……?」

クロシュ「うん……!」

トキワ「案内してあげるね。まあ私も最近まで温泉街にいなかったから、あんまり詳しくはないんだけど……」

 *
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:00.41 ID:wa8VY9/90

―旅館雪解け 露天温泉

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ふわぁ〜……」ポカポカ

イクセ「〜〜」ポカポカ


シズク「んふふ……みなさん、お湯加減はいかがですか?」モニョモニョ

トキワ「うん、丁度良いよ」ポカポカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

イクセ「良い湯なのじゃあ〜」ポカポカ


スライムクロシュ「……!!?」モニャニャ!?

トキワ「えっ……い、イクセちゃん……!?」

イクセ「……あっ!? え、えっと……わ、わらわ……じゃなかった! わたし……口調が変になっちゃうこと、あって……!」アタフタ

トキワ「そ、そうなんだ……」

スライムクロシュ「……」


クロシュ(……イクセちゃんの夢の中には……もう、あの悪いどろどろは残ってないみたいだけど……)

クロシュ(…………もしかしたら……わらわじゃの心は、少しだけ残ってて……)

クロシュ(どろどろがなくなった、イクセちゃんの中で……のんびりしてるだけなのかも……)

 ◇

―雪解け 屋外演舞場

クロシュツムリ「〜〜」モゾモゾ モニョモニョ

トキワツムリ「こ、こう……?」モゾモゾ

イクセツムリ「うん! 上手なのじゃ!」キャッキャ モゾモゾ



エバンス「……あれは何をやってるんだ?」

妖精「かたつむりごっこだって」

ローガン「なるほど、防御姿勢を取りつつ動き回る訓練か……!」

妖精「え、そうなの?」



アキト「イクセ殿ォ〜!」ドタドタ

イクセツムリ「あっ、アキトおにいちゃん!」

アキト「すまぬ、すまぬ……イクセ殿をお守りすると申し上げたにも関わらず、拙者は……」

イクセツムリ「でもわらわ、クロシュちゃんとトキワちゃんに会えて、友達になったのじゃ!」キャッキャ

アキト「なんと……」

トキワツムリ「アキトさんも、一緒にかたつむりごっこ……しませんか?」


アキトツムリ「……つかまつった!」ドン! モゾモゾ

 ☆イクセとトキワが仲良くなりました

 ◆
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け

天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ

ユキ母「は〜い」トタトタ



ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」

 手紙「」ペラッ

 *

―旅館雪解け 待合室

ミスティ「え、私たち宛に?」

ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」

サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」

イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」

サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」

ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」

 ユキの手紙「」ポン
 メルルの手紙「」ポン

 *

 ペラッ

ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」

イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」

サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」


↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
 冷凍ウチワサボテン「」ポン!

サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」

イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」

ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」

ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」



スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ

イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ

トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ

アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ

 ☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました

 ◇
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
 留置所

 鉄柵「」ガシャン

妖精「ここに拘留されてるんだ」

イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」

クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」

妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」

クロシュ「あ、うん」

イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」

クロシュ「え、えと……だめ……?」

イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」

クロシュ「うん……」

 *

―留置所
 アウルの独房

イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」


アウル「あ……?」


クロシュ「……」

妖精「……」


アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」

妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」

クロシュ「……」スッ

 油揚げ「」ポン

アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」

イヨ「……あなた……っ!」キッ

クロシュ「ん、大丈夫」

イヨ「クロシュさん……!」

アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」

クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」

アウル「……は?」

クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」

アウル「てっテメッ……!」

クロシュ「……」ジッ

アウル「……寄越せ」

クロシュ「!」

 油揚げ「」スッ

 ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
 ゴックン!

アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」

クロシュ「ん……!」ニコニコ

アウル「チッ……」

 *
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90


アウル「……で、シノホシのことだって?」

妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」

アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」

妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」

アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」

妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」

アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」

妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」

アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」

妖精「ええ……」

アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」

妖精「うへぇ……」

アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」

妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」

アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」


↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です

国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
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