【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 08:41:46.29 ID:mT0h6KT6o
おつ
無事に終わったか
しかしリュウトウ殿は結局最後まで活躍無しだったな…
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 17:59:22.33 ID:wa8VY9/90
真っ二つになった狐巫女の姿を見ても、クロシュ氏は用心深く観察して攻撃することを選んだようでした。それがどのような思考判断によるものなのかは定かではありませんが、食べたものによって培った経験が生きている可能性は実際あるでしょう
アウル氏は若者なので、今回のことで牢にぶちこまれることにはなりましたが、即刻打ち首という運命は避けられたようです。このことでシノホシがどのような反応を示すかは未だ闇に包まれています。慎重に進むのが良いでしょう

ひとまず事態は丸く収まりそうですが、今回の事件でリュウトウ氏は実際あまり活躍できなかったようです。身も蓋もないことを言うと、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めなかったためとも言えるかもしれません
これはネタバレなのですが、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めていた場合はアウルらの企みを事前に察知でき、毒物テロを事前に阻止することもできました。しかしリュウトウ氏を引き込めなかったため、アウルらのテロを察知できず、クロシュたちは後手に回ってしまったのでした……(なお不死鳥パワーによる力技で人的被害はゼロになりました)
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:00:22.43 ID:wa8VY9/90
―数日後
 トウゲン温泉

 毒温泉「」ドクドク

イリス「洗い流せっ!」
 蒼き星の杖・水「」キュオオオ――

 ギュワァァァァァ――

 綺麗な温泉「」ポン!

シズク「んわわ〜!」キャッキャ

トキワ「わあ〜!」キャッキャ

サララ「すごいです!」キャッキャ

ユキ母「ありがとう、イリスちゃん。これで主要な水源は概ね浄化されたわ……!」

イリス「良かったです! でも、まだ細かい汚染が――」

シズク「あとは、星の力に頼らなくても、ここにいるわたしたちの力で浄化できると思います!」モニョモニョ

イリス「そっか、わかったよ!」

世界樹の精霊『……星の力……あんまり濫用はしないように……』ヌッ

イリス「わ、世界樹の精霊さん……!」

世界樹の精霊『あなたたちが毒と呼称しているものも、星を形作る物質の一つ……。毒が苦手な生き物の為に、星の力で無理矢理洗い流すのは……本当は、あんまり良くない……』

シズク「で、でも世界樹の精霊さま……! あの毒は……ほんとは、ここになかったもので……」モニャニャ…

世界樹の精霊『うん……。だから、今回は許可する……。私としては、自然環境の変動として受け入れても良かったけど……イリスたちには、この先もがんばってもらいたいから……。えっと、つまり、アメというやつ……』

シズク「アメ……!」モニョニョ

イリス「わかった! これからもがんばるよ!」

世界樹の精霊『それじゃ……よろしく……』フッ―

 *

イリス「そういえばシズクちゃん、すっかりいつもの調子に戻ったねえ」

シズク「んわわ……忘れてください……! あれは、ほんとのわたしじゃないのです……!!」モニョモニョ

トキワ「でも……毒舌でクールなシズクちゃんも、良かったと思うの」

サララ「あれはあれで良いよね。もちろん今のほわほわなシズクちゃんも良いけど」

ユキ母「旅館のお客様の中にはあのシズクちゃんが好きっていう人もいるわねえ」

シズク「ええ……」

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:15.20 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区 武家道場

 ビシッ ビシッ ビシッ

リュウトウ「九千九十一! 九千九十二!」
 木刀「」ビシッ!! ビシッ!!


イヨ「リュウトウ、まだ素振りしていたのね」スタスタ

リュウトウ「イヨ……何か、用件が?」

イヨ「……朝廷再編の話し合いが一段落ついたから、休憩に来たの。はい、これ」スッ

 温泉まんじう「」ポン

イヨ「あなたも休憩にしましょ?」

リュウトウ「……私には不要だ」

イヨ「……まだ気にしているの?」

リュウトウ「……姫巫女様の様子は明らかにおかしかった。それなのに私は……盲目的に姫巫女様に従って、国家転覆の後押しをしてしまったのだ……」

イヨ「……武官であるあなたには、姫巫女様の御命令に逆らう権利なんてなかった。リュウトウが悪いことなんて、何もないのよ」

リュウトウ「しかし私は護国の刀――国を護る為であれば、姫巫女様に逆らってでも立ち塞がらなければならなかった……!」

イヨ「リュウトウ! そんなの無理だよ!! 過去の自分が絶対にできなかったようなことを悔やんだって仕方ないでしょ!」

リュウトウ「……できなければならなかったのだ……」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……すまぬ……今は、無心に刀を振らせて――」

 温泉まんじう「」ガッ

リュウトウ「もががっ……!?」

イヨ「黙れ! 年下の癖に生意気なの……!! リュウトウはまだお子様なんだから、お子様はお子様らしくまんじゅうを食べてれば良いのよ!!」

リュウトウ「もがもが……!」

イヨ「そもそも、あの時だってリュウトウが血まみれで隠れ里に駆け込んできてなかったら、本当に取り返しのつかない大惨事になってた!! みんなが助かったのはリュウトウのお陰でもあるの!! リュウトウは、ちゃんと護国の刀をしてたの!!!」

リュウトウ「……!!」

イヨ「だから………もう、いいんだよ……。リュウトウは、ちゃんと、がんばったから……」ジワワ

リュウトウ「……なんで、イヨが泣くの?」

イヨ「……泣いてない」グスッ

 ◆
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:49.73 ID:wa8VY9/90
―さらに数日後
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

イヨ「イクセ様〜!」

イクセ「イヨおねえちゃん!」トテトテ

イヨ「お元気そうで何よりです。ここの住心地はどうですか?」

イクセ「うん! とっても良い……!」

イヨ「良かった……」


アキト「拙者が誠心誠意お仕えしているゆえ、不自由はさせませぬ。ご安心を、イヨ殿」ヌッ

イヨ「アキトさん。あなたが、イクセ様のご隠遁に協力してくださったのは幸いでした」

アキト「拙者は既に朝廷と関わりのない身でござるからな。適任であろう」

イヨ「……姫巫女という役職の喪失に伴い、朝廷では大規模な再編が進んでおります。でも――」

アキト「うむ。拙者の席は不要でござる。元より拙者らイザナギ家は、朝廷ではなく姫巫女様に仕える一族。イクセ殿がこちらに隠遁なされるのであれば、拙者もそれに付き従うのみ」

イヨ「……イクセ様のこと、よろしくお願いいたしますね」


イクセ「なんのお話してるの……?」

アキト「今日はイクセ殿と何をして遊ぼうか話し合っていたのでござるよ!」

イヨ「え、ええ。イクセ様は、何かなさりたいことはございますか?」

イクセ「じゃあ、かたつむりごっこ!」

 ◆
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:03:37.56 ID:wa8VY9/90
―オノゴロ諸島 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを経て各々大きな経験を獲得しました(上記加算済)
☆クロシュの剣技、魔法、防御レベルが1づつ上がりました
☆ローガンの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
☆エバンスの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
※通常の訓練等では上限を越えて技術を成長させることはできません
334 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:04:26.20 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
 客室

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

世界樹の精霊『残る星の力は……炎と地の2つ……。炎はすぐそこで……地は……大陸の、少し南の辺り……』

妖精「大陸の少し南の辺り……王国か、セクリエ・ロイエか……」

ミスティ「王国……?」

エバンス「まさか……セインが? いやでも、あの時はセインが何かしてる様子なんてなかったよな……?」

ローガン「……セインくんが何かをせずとも、その裏で糸を引く者が何を企んでいるかはわからんな……」

世界樹の精霊『ひとまず、水の力はその杖に入れておいて。敵がどんな手段で奪うのかわからないから、あなたたちの目に付くところに置いておいた方が良い……』

イリス「わかった……!」

世界樹の精霊『……で、炎の力だけど……』


フメイ「……」

アリシラ「……やっぱり、返さなきゃだめ?」

世界樹の精霊『当然……。でも……』

アリシラ「?」

世界樹の精霊『……さっきも言ったけど、返還する隙に奪われる可能性があるから……ひとまず、イリスの持ってる杖に――』

イリス「ちょ、ちょっと待って! この杖、そんなにたくさんは入り切らないかも……!」

世界樹の精霊『え、そうなの……』

イリス「うん。この杖、本来は星の力を溜めておく専用のものってわけではなくて、星の魔力を循環させて大きな力を生むのが目的のものみたい。だから、これ以上は溜め込めないかも……」

世界樹の精霊『そうだったんだ……。じゃあ……どうしよう……』

アリシラ「……フメイちゃんが持ったままでも良いんじゃない?」

世界樹の精霊『フメイちゃんが持ち逃げしない保証はあるの?』

フメイ「……フメイ、もう……持ち逃げ、しない……」

アリシラ「って言ってるよ!」

世界樹の精霊『……嘘はついてないみたい。わかった、信じる……。いろいろ片付いたら、ちゃんと返してね……』

フメイ「うん」


 ☆蒼き星の杖に水属性の力が宿りました

 ☆ここ数日の内にアリシラの引っ越し計画が進みました(3/4)
  この自由行動が終わると、引っ越しの最終段階へ移行します

 ☆努力目標3つ達成により、自由行動回数が3回増加します


オノゴロ諸島滞在最終日です。明日オノゴロを発ちます
↓1〜6 自由安価 何をする?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:04:52.57 ID:jHEy7PgEO
メルルとユキから手紙が届く
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:08:37.35 ID:LZW/63Rp0
フレメアが狐小僧の様子を見に降臨するのを目撃
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:13:18.85 ID:PZZ/opzLo
伝説スライムの株分けという言葉に思案を巡らせる
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:15:47.88 ID:ny2FZ79P0
クロシュ、イクセ、トキワの3人で温泉街でお店や温泉巡り
イクセとトキワ友達同士になる
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:18:18.87 ID:x/C04xAao
アウルにシノホシのことを聞き取り
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:19:23.61 ID:195OGop8O
星の力一口舐めてみようぜ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:20:00.60 ID:3eskupe0O
引っ越し作業完了前に一度クロシュ、フメイ、アリシラ、そしてアリシラの夢の中の住人を交えて本音で話し合う
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:41:35.83 ID:wa8VY9/90
―雪解け 客室

スライムクロシュ「……」

妖精「どうしたの? 考え事?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「株分け? 株分けっていうのは、植物を根っこから分割して別のとこに植えることだよ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そういえば伝説スライムの株分けとか言ってたね。伝説スライムっていうのがクロシュヴィアのことだとすれば――」

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ?

妖精「……まあ、クロシュが伝説スライムのクロシュヴィアを起源にしたスライムって可能性はあると思う。いやでも、クロシュはカリス・ノーランドに――」


シズク「えっ、クロシュちゃんは伝説スライムなの!?」モニョッ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「ああいや、ただの可能性の話だよ。クロシュヴィアは大昔に生きてたスライムだから、その欠片から生まれたスライムが現代にいるのは何も不思議なことじゃない」

シズク「たしかに……!」モニョニョ

妖精「それに……確かクロシュヴィアも、クロシュと同じ反映魔法を使うんだよね。で、たぶんブラッドの奴が使ってたのもたぶん反映魔法……つまり――」

スライムクロシュ「〜〜…!?」モニョニョ

妖精「……カリス・ノーランドがクロシュヴィアの欠片から造り出したスライムである可能性が……ある!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

シズク「んわ〜!」モニョニョ!

妖精「いや、まあ……決定的なことは何もわからないから、本当にただの可能性の話ね。もしかしたら私たちが知らないだけで、反映魔法を使うスライムがいっぱい住んでる地域とかがあったりするかもしれないし」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「いいなあ……わたしも反映魔法、自分で使ってみたい……」

スライムクロシュ「!」ピコン!

 モニョモニョ…プチッ
 クロシュの欠片「」モニョッ!

シズク「わっ! クロシュちゃん、どうしたの? 自分を千切って……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「えっ! これと同化すれば、反映魔法が使えるようになる……!?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「同化……やったことないけど、できるかな……?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

妖精「前に聞いた話だと、属性によらずほとんどのスライム類は同化の力を持ってるんだって。シズクもがんばれば同化の力を使えるようになると思う」

シズク「そうなんだ……! じゃあわたし……この前クロシュちゃんにやってもらったみたいに、自分でかっこいい擬態ができるように、なる!」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ


妖精(……でも、同化ってけっこう難しい技術らしいんだよね。それを数日の内に使えるようになって、今じゃたぶん手練れスライムのブラッドと同じくらいに使いこなしてる。まだあかちゃんスライムなのにも関わらずだ。カリス・ノーランドの思惑がどんなものかはわからないけど、センスで言えば伝説スライム級と言っても決して過言ではない……のかもしれない……)

 ☆シズクにクロシュの欠片を贈りました

 ◇
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:42:27.01 ID:wa8VY9/90
―トウゲン温泉街

 ワイワイ ガヤガヤ

お忍びイクセ「……」キョロキョロ ソワソワ


トキワ「……? あの子って……」

クロシュ「……! えっと……イクセちゃん、かも……」

トキワ「えっ!? イクセちゃんって――」

 トコトコ

クロシュ「イクセちゃん」ヒョコ

お忍びイクセ「ひょえっ……!? あっ……も、もしかして……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「うん……! えっと……こっちは、トキワちゃん……!」

トキワ「ど、どうも……! トキワです……! 初めまして、姫巫女さま……」ペコリ

お忍びイクセ「あっ……え、えっと……わたし、もう、姫巫女じゃあなくって……」オロオロ

 *

トキワ「えっ……じゃあ、姫巫女がいなくなるって噂、本当なんだ……」

イクセ「うん……」

クロシュ「じゃあ……これからは、ただのイクセちゃん?」

イクセ「そうだと思う……」

トキワ「……そうなんだ……。えっと、じゃあ……今日は温泉に入りに来たの?」

イクセ「うん……。アキトおにいちゃんと一緒に来たんだけど……はぐれちゃって……」

トキワ「アキトさん……」

クロシュ「それじゃあ、わたしたちと一緒にいる?」

イクセ「え、いいの……?」

クロシュ「うん……!」

トキワ「案内してあげるね。まあ私も最近まで温泉街にいなかったから、あんまり詳しくはないんだけど……」

 *
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:00.41 ID:wa8VY9/90

―旅館雪解け 露天温泉

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ふわぁ〜……」ポカポカ

イクセ「〜〜」ポカポカ


シズク「んふふ……みなさん、お湯加減はいかがですか?」モニョモニョ

トキワ「うん、丁度良いよ」ポカポカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

イクセ「良い湯なのじゃあ〜」ポカポカ


スライムクロシュ「……!!?」モニャニャ!?

トキワ「えっ……い、イクセちゃん……!?」

イクセ「……あっ!? え、えっと……わ、わらわ……じゃなかった! わたし……口調が変になっちゃうこと、あって……!」アタフタ

トキワ「そ、そうなんだ……」

スライムクロシュ「……」


クロシュ(……イクセちゃんの夢の中には……もう、あの悪いどろどろは残ってないみたいだけど……)

クロシュ(…………もしかしたら……わらわじゃの心は、少しだけ残ってて……)

クロシュ(どろどろがなくなった、イクセちゃんの中で……のんびりしてるだけなのかも……)

 ◇

―雪解け 屋外演舞場

クロシュツムリ「〜〜」モゾモゾ モニョモニョ

トキワツムリ「こ、こう……?」モゾモゾ

イクセツムリ「うん! 上手なのじゃ!」キャッキャ モゾモゾ



エバンス「……あれは何をやってるんだ?」

妖精「かたつむりごっこだって」

ローガン「なるほど、防御姿勢を取りつつ動き回る訓練か……!」

妖精「え、そうなの?」



アキト「イクセ殿ォ〜!」ドタドタ

イクセツムリ「あっ、アキトおにいちゃん!」

アキト「すまぬ、すまぬ……イクセ殿をお守りすると申し上げたにも関わらず、拙者は……」

イクセツムリ「でもわらわ、クロシュちゃんとトキワちゃんに会えて、友達になったのじゃ!」キャッキャ

アキト「なんと……」

トキワツムリ「アキトさんも、一緒にかたつむりごっこ……しませんか?」


アキトツムリ「……つかまつった!」ドン! モゾモゾ

 ☆イクセとトキワが仲良くなりました

 ◆
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け

天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ

ユキ母「は〜い」トタトタ



ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」

 手紙「」ペラッ

 *

―旅館雪解け 待合室

ミスティ「え、私たち宛に?」

ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」

サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」

イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」

サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」

ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」

 ユキの手紙「」ポン
 メルルの手紙「」ポン

 *

 ペラッ

ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」

イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」

サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」


↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
 冷凍ウチワサボテン「」ポン!

サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」

イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」

ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」

ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」



スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ

イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ

トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ

アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ

 ☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました

 ◇
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
 留置所

 鉄柵「」ガシャン

妖精「ここに拘留されてるんだ」

イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」

クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」

妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」

クロシュ「あ、うん」

イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」

クロシュ「え、えと……だめ……?」

イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」

クロシュ「うん……」

 *

―留置所
 アウルの独房

イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」


アウル「あ……?」


クロシュ「……」

妖精「……」


アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」

妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」

クロシュ「……」スッ

 油揚げ「」ポン

アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」

イヨ「……あなた……っ!」キッ

クロシュ「ん、大丈夫」

イヨ「クロシュさん……!」

アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」

クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」

アウル「……は?」

クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」

アウル「てっテメッ……!」

クロシュ「……」ジッ

アウル「……寄越せ」

クロシュ「!」

 油揚げ「」スッ

 ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
 ゴックン!

アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」

クロシュ「ん……!」ニコニコ

アウル「チッ……」

 *
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90


アウル「……で、シノホシのことだって?」

妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」

アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」

妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」

アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」

妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」

アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」

妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」

アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」

妖精「ええ……」

アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」

妖精「うへぇ……」

アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」

妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」

アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」


↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です

国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
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