【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:15:18.12 ID:bqA4B6C70
少しわかりにくいですが実はこれは多数決ではないので、2と3は確定としてもう1つ話す内容を選ぶことができます

↓1
1.これからのこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:17:14.75 ID:5HkfY+Q6o
0
ブラッドという同じカリスに創られたスライムのこと
244 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 19:40:01.29 ID:bqA4B6C70
フメイ「……クロシュ……アリシラのことなんだけど……」

スライムクロシュ「?」モニョ

フメイ「……アリシラ……もう終わりにするって、言ったの」

スライムクロシュ「!」モニョ!

フメイ「みんながクロシュの中でしあわせに生きられるなら、それでもういいって……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「でも……本当に本気で言ってるのか、わかんない……」

スライムクロシュ『そうなの……?』モニョニョ…

フメイ「うん……。みんながしあわせにいられるなら……復讐する理由も、あんまりない……。でも……フメイも、そうわかってるはずなのに……人間とか、悪い奴らを許せない気持ちは……消えない……」

スライムクロシュ『……』モニョ…

フメイ「……アリシラは……フメイ以上に、そういう気持ちが大きい気がする……。だから……諦めるっていうのは、嘘で……。フメイを遠ざけて、自分だけで世界樹の光を集めに行こうとしてるんじゃないかって……」

スライムクロシュ『……』モニョニョ…

フメイ「自分の中にいるみんなをクロシュに引っ越させるのも、巻き込まない為なんじゃないかって思う……。今のアリシラ、ふざけてるように見えて、お布団の中で泣いてたりするし……」

スライムクロシュ『……それなら……わたし、説得、する……!』モニョニョ…!

フメイ「うん……。まあ、アリシラの本心がそうだって決まったわけじゃないけど……。もしそうだったら、フメイも説得する。お引越しが終わるまでは一緒にいると思うから、猶予はあると思う」

スライムクロシュ『フメイちゃんも、これから、一緒……?』モニョニョ

フメイ「……クロシュが、それでもいいなら……そうする」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「だから、アリシラがもし変なこと考えてたら……ちゃんと、止めよ」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ!

 *

フメイ「ところで、集落のみんなのことなんだけど……クロシュの中に入ったら、あの夢で見た世界で暮らすことになるの?」

スライムクロシュ『うん。たぶん、そうだと思う……』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ。まあクロシュが大丈夫なら、大丈夫かな……?」

スライムクロシュ『うん』モニョ

フメイ「……クロシュの中で生きられるなら……それで、良いんだよね……」


↓1コンマ
01-70 うん
71-90 分体にすればお外に出せるかも
91-00 ??
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 19:41:43.61 ID:3yqhzA8/O
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 20:31:54.33 ID:bqA4B6C70
スライムクロシュ『うん……たぶん、いいと思う』モニョモニョ

フメイ「わかった」

スライムクロシュ『……でも……えっと……』モニョニョ

フメイ「?」

スライムクロシュ『もっと良い考えが……あるような気もする……』モニョモニョ

フメイ「そうなの?」

スライムクロシュ『……気がするだけ、かも……』モニョニョ…

フメイ「……気になる」

スライムクロシュ『んゅ……お、思いついたら……言う……』モニョモニョ

 *

スライムクロシュ『そういえば……フメイちゃんは、ブラッドちゃんって、知ってる……?』モニョモニョ

フメイ「ブラッド……?」

スライムクロシュ『えっとね……。カリス・ノーランドに造られた、赤いスライムさん……』モニョモニョ

フメイ「あ……! し、知ってるかも……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョ…!

フメイ「……フメイが生まれたばかりの頃……血みたいに赤いスライムが、いろいろ教えてくれた……」

スライムクロシュ『そうだったの……!?』モニョニョ

フメイ「うん……。すごく厳しくて、何回もべちべち叩かれたけど……でも、フメイに生き方とか心構えとかを叩き込んでくれた……とも思う……」

スライムクロシュ『わあ……』モニョニョ

フメイ「フメイが、一人で戦えるようになった頃……何かの任務で戦死したって、聞いた……。でもフメイ、あの人が簡単に死ぬとは思えなかったから……もしかしたら、って思ってて……」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ

フメイ「もしそのブラッドが、あの人なら……お礼、言いたい」

スライムクロシュ『うん!』モニョニョ

フメイ「………でも、その……クロシュは、大丈夫なの?」

スライムクロシュ『ほえ……?』モニョニョ

フメイ「……えっと……言っては何だけど……あの人、クロシュみたいな子には特に厳しかったから……」

スライムクロシュ『う、うん……。ブラッドちゃん……いつも、わたしに怒ってるかも……』モニョニョ…

フメイ「やっぱり……」

スライムクロシュ『で、でもね……前に、わたしの言うこと、聞いてくれた……! だから、お話、できる……!』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ……けっこう丸くなったのかなあ」

 ◆
247 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 21:08:28.15 ID:bqA4B6C70
―夕方
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

 カー… カー…

スライムクロシュ「……」ノンビリ

シズク『お疲れさまです、クロシュちゃん。今日はゆっくりだね』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん。妖精さんに……今日は明日に備えてゆっくりするよう、言われた……』モニョモニョ

シズク『明日何かあるの?』モニョニョ

スライムクロシュ『えっと……わかんない。でも……何かあるって……声が、聞こえた……』モニョモニョ

シズク『わ! それってもしかして、お告げっていう……!?』モニョニョ

スライムクロシュ「わ、わかんないけど……。念の為……。明日、もし誰かが大怪我とかした時……わたしがデロデロだと、治せないかもしれないから……」モニョニョ

シズク『不死鳥さん! ……今更だけど、クロシュちゃんの不思議な力って一体どうやってるの?』モニョモニョ

スライムクロシュ『えっとね――』モニョニョ

 *

 チリッ
炎スライムクロシュ『〜〜』チリチリ

 パチッ
雷スライムクロシュ『〜〜』パチチッ

 フワッ
風船スライムクロシュ『〜〜』フヨフヨ


シズク『わわわ、わわ〜!! すごい、すごい! クロシュちゃんなんでもできるんだあ!!』キャッキャ

スライムクロシュ『えっと……これが、同化……。もらったもの次第だから……なんでもは、できないよ……?』モニョモニョ

シズク『ねえねえ、それじゃあわたしの欠片があれば、ウォータースライムにもなれるの!?』モニョニョ!

スライムクロシュ『うん……たぶん……』モニョニョ

シズク『わあ……! じゃあ、はいっ!』モニョニョニョ―

  プチッ
 ウォータースライムの欠片「」プルプル

スライムクロシュ『ほえ……?』

シズク『同化! 同化!』キャッキャ

スライムクロシュ『う、うん……! んへへ……』モニョモニョ

 ☆スライム技能が高いため自動成功します

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「!」モニョン プルプル

シズク『んわわ〜!!』キャッキャ

水スライムクロシュ『んへへ……今度は、シズクちゃんと、おそろい……!』モニョニョ

 ☆シズクからウォータースライムの欠片をもらいました
 ☆クロシュがウォータースライムに同化擬態できるようになりました

↓1〜2選択 シズクちゃんと話すこと
1.明日のこと
2.ウォータースライムのこと
3.この世界のこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:09:34.53 ID:MOnyR0tC0
0、ユキとは仲良しだったのか
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:13:21.51 ID:iqWrqR8pO
0トキワちゃんについて
昔から知り合いだったぽいし
250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 22:46:22.65 ID:bqA4B6C70
シズク『そういえばクロシュちゃんたちって、ユキちゃんとも知り合いなんだよね?』

水スライムクロシュ『うん! 雪女の、ユキさん!』

シズク『わあ……! ユキちゃん、元気だった?』

水スライムクロシュ『うん! えっと……魔法、学園ってとこで……お勉強、してた……!』

シズク『わわぁ……! 大魔女帝国の魔法学園だよね! わたしも行ってみたいなぁ……お空の上に浮かぶ街の、魔法の学校……』

水スライムクロシュ『あ……えっと……』

シズク『?』

水スライムクロシュ『……大魔女帝国の、街は……落っこちちゃった……』

シズク『ふぇ……えええええええ!!!?!?』モニャニャニャニャ!!?!?

水スライムクロシュ『えっと……いろいろ、あって……』

シズク『そ、そうだったんだあ……。あんまり新聞とか読まないから、知らなかったよぉ……』

水スライムクロシュ『うん……。でも……ユキさんは、元気だと思う……!』

シズク『えへへ、そっかぁ! それなら大丈夫だね!』

水スライムクロシュ『シズクちゃんは、ユキさんと仲良しだったの?』

シズク『うん! ユキちゃんが留学に行く前は、雪解けで一緒に働いてたの! わたしに掃除の仕方とか、言葉遣いとか、いろいろ教えてくれたんだぁ』

水スライムクロシュ『わぁ……!』

シズク『えへへ、次に帰ってきた時はきっとびっくりするよ! わたし、言葉が上手になったし、お掃除も浄水もできるもん!』

水スライムクロシュ『うん!』

 *

水スライムクロシュ『トキワちゃんも……雪解けで、働く……?』

シズク『そうしてくれたら嬉しいなあ……。ユキちゃんがいなくて、おじいさんも開拓に行っちゃったから本当に人手不足で……』

水スライムクロシュ『トキワちゃんって……怪我の、肩代わりが……できるんだっけ……?』

シズク『うん。相手の怪我とか病気を自分に移せるんだけど……その代わりに、自分が怪我や病気を負うことになっちゃう変な魔法なんだぁ……。わたしは、あんまり使わない方がいいよって言ったんだけど……トキワちゃんは、昔からしょっちゅう使ってボロボロになってた……』

水スライムクロシュ『そうなんだ……』

シズク『うん……。人や妖怪だけじゃなくて、野良の動物とかが怪我をしててもすぐに肩代わりしちゃうから……ほんとにいつもボロボロだったの……。わたしも水属性の簡単な治癒と浄化の魔法が使えるから、肩代わりしてきたトキワちゃんに応急手当をしてあげたりしたよ……』

水スライムクロシュ『んわ……。え、えと……大怪我とか、大丈夫だったの……?』

シズク『酷いときは、骨折とか、壊死とかしてることもあった……。でもなんでか、どう見ても死ぬような大怪我でも死ぬことはなくて、頑張ればなんとか動いたりもできたみたい……。普通の生き物って、骨が折れたらその部分はちゃんと動かなくなる、よね……?』

水スライムクロシュ『う、うん……。トキワちゃんは……動けたの……?』

シズク『うん……。折れてる足で歩いたりしてた……。ただ、折れてるのは折れてるから凄く痛くて歩きにくそうだったけど……』

水スライムクロシュ『んわわ……』

シズク『だから……えっと、トキワちゃんには、みんなの目の届くとこにいて欲しいっていうか……。そういう心配な気持ちもあるから、旅館で働いて欲しいなあって思うの。みんなが一緒にいれば、もし無茶をしてもすぐに診てあげられるもん……』

水スライムクロシュ『うん……』

 ◆
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:26:39.78 ID:bqA4B6C70
―深夜
 クロシュの夢

クロシュ「……」

セレナディア「クロシュちゃん、お困りごと〜?」ズシン ズシン

クロシュ「セレナディアちゃん」

セレナディア「セレナちゃんでいいよ〜」ズシン

クロシュ「セレナちゃん。えっと……わらわじゃ巫女を、どうやって追い出そうかなって……考えてるの」

セレナディア「食べちゃえば?」

クロシュ「食べちゃうの?」

セレナディア「うん。邪魔者はみ〜んなバックン!」

クロシュ「でも……夢の中で、できる……?」

セレナディア「んふふ……前に、ミスティちゃんが見てた悪い夢をもぐもぐしたことあったよね?」

クロシュ「そういえば……そんなこと、したような気がする……」

セレナディア「うん。クロシュちゃんはもうできるよ。夢の魔王と、夢喰い竜の力を併せ持つクロシュちゃんなら――食べらんない夢なんて、ない!」

クロシュ「わあ……!」

セレナディア「だから食べちゃえ! 悪い狐の夢は、バックン!」

クロシュ「ん! じゃあ、行ってきます!」ピョンッ

 夢の境界「」トプン



ヴァン「……ん? クロシュちゃんはどこだ?」スタスタ キョロキョロ

セレナディア「クロシュちゃんならまた狐巫女のとこに行ったよ〜」

ヴァン「……え!? ど、どうやって!?」

セレナディア「自分で夢境を開いて、ポワーンって」

ヴァン「な、なんだって……昨日までは自分で開けられなかったのに……!?」

セレナディア「んふふ……ここの主はクロシュちゃんだよ? ここの住人ができることならクロシュちゃんもできて当然じゃん〜」

ヴァン「いや、それはそうなんだが……。それで、今日は何をしに行くとかは聞いてるかい?」

セレナディア「悪い狐巫女をバックンしにいくって〜」

ヴァン「ええ……えええっ!?」

 ◇
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:29:05.76 ID:bqA4B6C70
―いク世の夢
 トう原じョウ 縁gaわ

 真っ黒い空「」ヌヌヌヌ
 血の涙を流す月「」シクシク

 極彩色の花畑「」グニャグニャ
 ちょうちょうちょ「」バタバタ

 銀狐の死骸で積み上げられた城「」


いくせ「」デロデロ
 いくせを踏みつける狐たちの影「」ベチッベチッ


クロシュ「……!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「なんじゃお主、また来たのか」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……! これ……何……!?」キッ

半透明の狐巫女「先に言っておくが、この状況はわらわが意図して創ったものではない。歴代の罪悪感がイクセという一個人にのしかかって生まれた……言わば悪夢じゃ」

クロシュ「………」

半透明の狐巫女「実際に人間に捕まり、皮を引っ剥がされてむごたらしく殺され続けた狐たちに比べれば、夢の中で足蹴にされる程度どうということもないじゃろ? 狐を見殺しにした巫女一族への罰としては軽すぎるくらいじゃ」

クロシュ「…………」


どうする
↓1〜 先取3票
1.わらわじゃ巫女を食う
2.悪夢を食う
0.自由安価(票数は内容ごと)
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:32:03.00 ID:fMbKb54oO
0 全て食べる
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:34:30.40 ID:Lol0qXBTo
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:39:46.26 ID:vD5EEFNrO
2
食あたり(混沌クロシュ化)がこわいけど
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:42:23.17 ID:8DIYxv9b0
2
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 00:03:33.14 ID:ngcFqyHe0
少し半端ですが本日はここまでです。次回はイクセの悪夢編、そして運命が大きく動く日編です

わらわじゃ巫女を食べちゃおうと勇んでイクセの夢に突入したクロシュを待ち受けていたのは、地獄のような光景だった。溶けるイクセ。足蹴にする狐の幻影。冷酷に見下ろす狐巫女。狐の憎悪が、巫女たちの罪過が、無垢なる幼巫女を押し潰す。あかちゃんスライムの静かな怒りは、どこへ向かう――

今回はクロシュちゃんとフメイちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんとシズクちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんが水スライム化できるようになったり、クロシュちゃんがイクセちゃんの夢に入って

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なおこのレスは安価に含まれません
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 00:23:00.81 ID:/6nQOzUSo
安価は2

おつです
決戦前の掘り下げ回
これは上からブラッド-フメイ-クロシュ姉妹ってことでいいですよね!
そしてドリームハンタークロシュちゃんになってきたな…あの夢魔に作法とかお勉強しに行けたらいいなあ
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:57:58.16 ID:ngcFqyHe0
その三人の中ではブラッドちゃんが一番年上で、クロシュちゃんが一番年下で、フメイちゃんが間に入っているため、そのご理解でお間違いないかと思います
クロシュ氏はユーシリア編で手に入れた心属性や夢の力をすっかり使いこなしているようです。そして実のところセレナちゃんと女神さまは心や夢に関して優れた力を持っていますが、彼女たちの作法は直感頼りな点も多いため、夢魔などの専門的な知識を持つ方に教えてもらうと実際より効果的かもしれません
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:58:38.82 ID:ngcFqyHe0
クロシュ「……」


クロシュ(……わらわじゃごと……全部、食べる……?)

クロシュ(………食べきれないかも……)

クロシュ(悪夢だけ、食べよう)


巨大スライムクロシュ「!」ドン! モニョモニョ


半透明の狐巫女「ぬわっ! 何のつもりじゃ!」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョモニョ…モグモグモグ…
 真っ黒い空「」モグモグ
  血の涙を流す月「」モグモグ
   極彩色の花畑「」モグモグ
    ちょうちょうちょ「」モグモグ
     銀狐の死骸で積み上げられた城「」モグモグ
      狐たちの影「」モグモグ


半透明の狐巫女「悪夢を喰っておるのか……?」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モグモグモグ…ゴックン


半透明の狐巫女「あれほどの悪夢を平らげるとは、末恐ろしいスライムじゃ! じゃが――歴代姫巫女と狐たちの積もり積もった怨念、果たして消化できるかのお?」ニヤニヤ


巨大スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…


↓1コンマ
01-05 ねじふせた(呪属性適性獲得)
06-25 気持ち悪くなった……
26-75 分解した
76-00 吸収した(呪属性適性獲得)
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 15:59:20.31 ID:g5MyiYtK0
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 16:05:41.04 ID:/6nQOzUSo
セレナ因子のお陰だな!
263 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 16:43:14.54 ID:ngcFqyHe0
巨大スライムクロシュ「――」モニョニョニョ…ポワポワ…


半透明の狐巫女「む、思ったより平気そうじゃな……。悪食スライムめ!」


いくせ「――」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

横たわるイクセ「すう……すう……」

巨大スライムクロシュ「!」モニョニョ!


半透明の狐巫女「ほう……壊れかけていたイクセの形が元に戻ったようじゃ。やるではないか、わっぱスライムよ」

巨大スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

半透明の狐巫女「じゃが、イクセの精神を破壊せしめた根本的な原因は解決しておらぬ。それをどうにかせぬ限り、たとえ夢の中といえどイクセが目覚めることはないじゃろう……」

巨大スライムクロシュ「〜〜!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「わはは、徒労であったなわっぱスライムよ! 今宵はもう帰るが良い、明日はわらわも忙しいのじゃ」

巨大スライムクロシュ「〜〜っ!」モニョニョ! プンスコ

半透明の狐巫女「怒っても無駄じゃ。そら帰れ帰れ」シッシッ

 霊撃「」バシュッ!!
  ベチッ!!
ふっとばされる巨大スライムクロシュ「〜〜〜……!!」モニャニャニャニャ――!!

 夢の境界「」ドボンッ

 ◇

半透明の狐巫女「……」

イクセ「すう……すう……」

半透明の狐巫女「………まあ、イクセをいたずらに苦しめたところで何の意味もないしの……」

イクセ「…………おかあ……さま……」

半透明の狐巫女「……」

半透明の狐巫女「姫巫女という胸糞の悪い仕組みは壊さねばならぬ。それだけじゃ」

 ◆
264 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:10:29.29 ID:ngcFqyHe0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[1/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・わらわじゃ巫女の正体を探る
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[05/08] 防御[04/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:12:45.94 ID:ngcFqyHe0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」

イヨ「今日何かあるかもという話ですが……一体何が起きるのです?」

妖精「ごめん、そこまでは……。あの石の立方体から声が聞こえたとなると、ちょっと無視はできないし――ん?」

 ダカダカダカッ
 戸「」ガラッ!!

アキト「クロシュ殿!! クロシュ殿はおられるか!!?」バッ

イヨ「アキトさ――!!!」

血まみれリュウトウ「げほっ……ごぼっ……」ドクドク

イヨ「リュウトウ!!?」バッ

クロシュ「!!!」

妖精「血が……!! これ、致命傷じゃ……!!?」

アキト「明け方近く、満身創痍でこの里を目指していたようだ! クロシュ殿、不死鳥の炎を――」

血まみれリュウトウ「い、いいえ……。その炎は……これから後の、為に……まだ……」ドクドク

イヨ「何言ってるの!!? クロシュさん、お願いです!! 不死鳥の炎でリュウトウを治してください!!」

血まみれリュウトウ「だ、だめ、で……」ガクッ

イヨ「リュウトウ!!!」


トキワ「な、ならわたしが肩代わりします!!」ガラッ

イヨ「えっ……と、トキワさん……!?」

トキワ「今日大変なことが起きるなら、クロシュちゃんの炎はやっぱりとっておいた方が良いです……! わたしは……きっと、ここくらいでしかお役に立てないから……」

シズク「と、トキワちゃん!! でもそうしたら、トキワちゃんが……!」

トキワ「だ、大丈夫! わたし、死なないから!」

シズク「そうだけどぉ……」


スライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ


どうしよう!
↓1〜 先取3票
1.不死鳥の炎で治療する
2.トキワに任せる
3.反魂丹を1つ使う
0.自由安価(票数は内容ごと)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:06.29 ID:ljOGa0Jzo
2
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:28.99 ID:/6nQOzUSo
3
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:29.53 ID:g5MyiYtK0
0,サララの店秘蔵の万能治療薬を使う。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:18:37.57 ID:VHWWgwVA0
3
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:20:20.28 ID:BSz7h0d3O
1
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:23:09.90 ID:5jY04I7SO
3
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:27:57.02 ID:ngcFqyHe0
イリス「そ、そうだ!! こんな時は――」ガサゴソ

 反魂丹「」ポン!

アキト「それは……丸薬?」

イリス「とある薬師の先生が作った反魂丹です!」

トキワ「反魂丹!?」

イリス「飲ませます! 頭に風穴が開いてても、これを使えば――!!」

 ポイ ゴクン

血まみれリュウトウ「………げほっげほっ!!」

アキト「息を吹き返した!!」

トキワ「す、すごい……傷が、ゆっくり塞がってく……! こんなお薬があるなんて……!」

リュウトウ「はあ、はあ……」

イヨ「リュウトウ! だ、大丈夫ですか!?」

リュウトウ「ま、まさか不死の炎を私に……?」

イリス「違うよ! ちょっと、まあ……良い薬があっただけだよ! 大丈夫!」

リュウトウ「そ、そうですか……」

アキト「しかしお主は朝廷軍の中将であったはず……。一体何があったのか、教えてもらっても構わぬでござるか」

リュウトウ「……はっ! そうでした……こうしてはおれません!! ここにイヨたちが隠れていると聞いて、助力を求めに急いで来たところなのです……! 早くトウゲンに戻らなければ……ぐっ!」ズキッ

イリス「ああっ、無理しないで! すぐには動けないよ!」

リュウトウ「で、ですが……」

妖精「何があったのか教えて。私たちだけで向かうことだってできるからさ」

リュウトウ「……はい」

 *

アキト「何……トウゲン温泉を致死毒で汚染するだと!!?」

リュウトウ「はい……。最終的にはその毒を海に放出し、周辺海域もろとも毒で完全に破壊する計画だと……」

イヨ「そ、そんな馬鹿なことを……!? 本当なの……!?」

リュウトウ「……姫巫女様と、アウルが話しているのを耳にしました。流石に私も看過できず、反対の意を表明したのですが……牢に入れられてしまい……。なんとか脱獄して、ここまで逃げて来たのです」

エバンス「その計画は一体いつから始まるんだ……!?」

リュウトウ「今日です……! だから早く――」


 ドゴオオンッ!!!
 ビリビリビリ……


ローガン「地響き……!? まさか――」

 戸「」ガラッ

サララ「み、皆さん大変です!! トウゲン温泉の方角に――」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:29:51.30 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉

 ズシンズシン

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ

 ベチャッ
 潰れた人間たちの死体「」グチャッ

 キャアアアアア!!!! タスケテクダサイ!!! タスケテクダサイ!!!!

アウル「ヒァーッハッハッハ!! 屑人間共め、薄汚い血を撒き散らして死ねェ!!」ゲラゲラ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシン

 毒に濁る温泉「」ドロドロ…



ハゲ鉢巻職人「なんだありゃ……俺ァ変な夢でも見てんのか……?」ゴシゴシ

さらし美女職人「馬鹿言ってんじゃねェ!! ぼけっとしてっとテメェも踏み殺されんぞ!!」ベシンッ!

 ◆

―トウゲン温泉 空

ジェット気球クロシュ「〜〜!」ボシュウウウッ


イリス「すごい……フメイちゃんの炎でこんなに加速するなんて!」

フメイ「急いだ方が良いんでしょ」

ローガン「うむ……! 感謝するぞ、フメイくん」

ミスティ「……シズク、大丈夫? 本当に危険なのよ……?」

シズク「だ、大丈夫です! 毒の汚染なら……きっと、わたしの浄化の力がお役に立ちます!」

エバンス「無理はするなよ。危ない時はすぐに下がるんだぞ」

シズク「は、はい!」

アリシラ「……あっ! ねえなんかすっごいでかいガイコツがいるよ!?」


 トウゲン温泉の街を破壊する巨大毒骸骨「」ズシンズシン


妖精「あ、あれは……がしゃどくろ!?」

アリシラ「がしゃどくろ?」

イヨ「がしゃどくろとは、埋葬されず野ざらしにされた死者たちの怨念から生まれるという巨大な骸骨の妖怪です。しかし近年はがしゃどくろが発生するような大量死などは――はっ!?」


 巨大毒骸骨から生える複数の骨尻尾「」ユラユラ


妖精「……銀狐!!」

イヨ「なんてこと……同胞の怨念を、利用して……」


 毒色に染まった温泉「」ドロドロ…


シズク「んわわ……!! 温泉が……どろどろに……」

アキト「くっ……! トウゲン諸島一帯を汚染し尽くす気か……!!」

 ◇
274 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:28.64 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

 破壊された街並み「」ドシャッ
 踏み潰された死体「」グチャッ…
 立ち上る煙「」モクモク…
 汚染された水源「」ドロドロ…

ジェット気球クロシュ「」ズンッ!

 シュタッ

イリス「ま、街が……!!」

エバンス「くそっ……!」


アウル「おやおや、遅かったねェ君たち。今までどこに隠れていたんだい?」ヌッ
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:55.33 ID:ngcFqyHe0

イヨ「アウル!!」

アキト「……」グッ

アウル「あぁ……たまらないよ、その怒りと憎しみに満ちた表情! お前たち屑人間にも護りたいものがあるんだねェ」

ミスティ「……あなたにはなかったの?」

アウル「お前たちに奪われたのさ。でもまだまだ、この程度じゃオレたちの苦しみには程遠い――」スタスタ

 潰された子供の死体「」グイッ

イヨ「……!? な、何を――」

アウル「くくく……まあ見てなよ」ズッ

 ベリベリバリッ

妖精「!!? し、死体の……」

イリス「な、生皮を、剥いで……」ゾゾ

フメイ「うわ……」

アリシラ「……」

イヨ「…………うっ……げえっ……!!」ゲロゲロ

アキト「貴様……アウル貴様ァァァ!!!」シャキンッ!!!

 ギンッ!!
毒骸骨兵「」ギギギ

アキト「ぬうう……!!」

妖精「普通の大きさの骸骨兵……!!」

アウル「はあ、人間ってのは本当に野蛮で暴力的だ。すぐ怒りに任せて力で解決しようとする」

ローガン「この惨状を作り出した貴様に言えたことか?」ギロッ

アウル「先にやったのはお前たち人間だろ?」

エバンス「……その子供が……お前たちに、何をしたんだ?」ググッ

アウル「子供だから甘く見ろって? オレたちを殺した奴らだって初めは子供だったんだ。年齢は免罪符にならない」

エバンス「この糞野郎が……!!」シャキン!!

アウル「ヒハッ……! そうだ怒れ、憎め……!! 守れなかった無力さを思い知れよ、屑共!!!」ジャキンッ!!


 ――戦闘開始 毒狐アウル――


 ★アウルが〈狐毒〉を発動!
  敵陣のコンマが半減!!

 ☆妖精が〈耐毒結界〉を発動!
  相手の〈狐毒〉を無効化!!

 ☆ローガンが〈メタルコート〉を発動!
  劣勢・痛恨を1回まで無効化!!

◇自陣(戦力差+40、万全の毒対策+40、温泉+20)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(毒骸骨将軍+40、汚染+30)

↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 19:35:32.33 ID:g5MyiYtK0
277 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 20:13:52.10 ID:ngcFqyHe0
妖精「エバンス、前に出過ぎないで! 作戦通り前衛はクロシュとローガンに!」

エバンス「わかってる!」バッ

メタルローガン「むんっ!」ギン!

クロシュ「ん!」シャキン!


アウル「ハッ、バカ正直にお前たちの戦法に付き合うわけないだろ!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシンズシン

毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ

アキト「チイッ! 骸骨兵がたくさん集まって――」

フメイ「消えろ」チリッ

 爆炎「」ドゴォンッ!!!
爆散する毒骸骨兵たち「」ガッシャアアアンッ

アウル「なに……!?」

アリシラ「やっちゃえフメイちゃん!」

フメイ「アリシラも戦ってよ」

アリシラ「え〜……やっぱり毒属性の魔力って吸収したくないし……」


巨大骸骨将軍「」カタカタ ブオンッ!!

 ガギンッ!!

メタルローガン「ぬぬう、凄まじい毒だ……! メタル化していなければ即死していたかもしれん!」ギギギ

クロシュ「ローガンさん!」

メタルローガン「私は大丈夫だ! 君は――」

アウル「鉄屑野郎が!!」バッ!!

 硫酸「」バシュンッ!!

メタルローガン(!!? あの液体はなんだ!? ただの毒ではない――あたればメタル化していても無事では済まん――)

大盾クロシュ「!!」シュバッ!!
 大盾「」ガシン!!

 守護結界「」シュインッ!!
 硫酸「」バシャアッ!!

アウル「魔力障壁……!?」


妖精「あれは……硫酸の魔法!」

シズク「りゅうさん……?」

妖精「強酸性の化合物を生成して撃つ魔法! 他の毒魔法と違って物理的な破壊をもたらすから、盾や鎧で防御するのは危険なの! でも魔力障壁なら物理的に溶かせないから問題なく防げる!」

シズク「わあ!」

妖精「クロシュ、今の液体を防御する時は必ず大盾の結界を展開して! ローガンは――即席の鉄板とかで受けて!」


大盾クロシュ「ん!」

ローガン「承知した!」


アウル「あの妖精……!! 妖精の癖になんで硫酸のことを……!?」


妖精「妖精は毒が嫌いなんだよ! 嫌いなものの対策は怠らないの!」


↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:16.34 ID:JFbiR7dqO
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:46.24 ID:+43jluheO
補正があるうちに勝ちたい。
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:24:19.83 ID:/6nQOzUSo
妖精は妖精でも太母様だぞ、年の功やぞ
281 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:13:32.38 ID:ngcFqyHe0
イヨ「はぁ、はぁ……い、けっ!」バッ

 オフダ「」シュバッ!
 ボガンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガッシャァン!

アキト「イヨ殿、大丈夫でござるか!? まだ下がっていても――」

イヨ「いいえ……! 下がってなどいられません……!! 絶対に許さない……!!」


 潰された人間たちの死体「」グチャッ


アキト「……であるな。拙者も少々――」スッ
 霊気を纏う刀「」ユラッ

 ギュンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

アキト「――頭に、血が上っている」チャキン



 ギンッ!
  ガギンッ!! ドゴッ!!

 竜角の大槍「」ブオンッ!!

   ドガァッ!!

  砕け散る巨大毒骸骨将軍の腕「」ガッシャァンッ!!


巨大毒骸骨将軍「」ヨロヨロ

竜メイドクロシュ「」ババッ
 竜角の大槍「」シュビビッ!!

アウル「くっ……! お前、その槍は――!」ガガガッ!

竜メイドクロシュ「セレナちゃんの!」チリッ
 竜角の大槍・炎「」ゴウッ!!

アウル「ぐあああっ!!」ドガアッ!! ゴロゴロ



アウル「はぁ、はぁ……くそっ、ふざけるなよ……!! これほど準備したのに……!! なんでこいつら……!!」ググ

狐巫女の幻影「苦戦しておるようじゃの」ヌッ

アウル「姫巫女……君の出る幕はないと言ったはずだけど」

狐巫女の幻影「まあそうじゃな。既に大勢は決しておるし、お主をここで見殺しにしても何の問題もないのじゃ。しかし……しかしなあ……」

アウル「なんだよ」

狐巫女の幻影「……わらわたちに、また銀狐を見殺しにしろと言うのか?」

アウル「はっ……お前の贖罪ごっこなんかどうでも良い……。むしろ、薄汚い姫巫女なんかの手で生かされるなんて恥も良いところだ」

狐巫女の幻影「うむう……」

アウル「だからとっとと――」

狐巫女の幻影「えいっ」パッ!
282 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:14:34.81 ID:ngcFqyHe0
 パシュウウウンッ


妖精「えっ……!? た、耐毒結界……が……」フラッ

妖精「」ポテッ

シズク「よ、妖精さん!? わっ……こ、この空気は……!?」



エバンス「おらぁっ!」
 古代の鉄槌「」ブオンッ!

 砕かれる毒骸骨兵「」ガッシャァン!!

エバンス「おらっ、次は――ぐおっ!? げほっげほっ!!?」
 吐血「」ベシャッ

イリス「ごほっ……!! こ、これは……」フラッ

ミスティ「げほっ……。まさか……」フラ

イヨ「ど、毒が……」フラフラ

アキト「よ、妖精……殿……!」フラッ

アリシラ「うわうわうわ〜〜!? 毒魔力を吸収しまくればなんとか――げぼおっ!」ガクッ

フメイ「アリシラ!?」


メタルローガン「……!! なんてことだ……耐毒結界が、解除されてしまったのか……!!」

竜メイドクロシュ「ろ、ローガンさん……!」

メタルローガン「私はメタル化のお陰でなんとか持ちこたえられているが、先程までよりもかなり身体的負荷が大きい……! 早く奴を倒さなければまずいぞ、クロシュくん……!」

竜メイドクロシュ「う、うん……!!」


アウル「チッ……余計な真似を……」

狐巫女の幻影「じゃ、わらわはこの辺で……」スゥー…

アウル「……まあいい。屑人間共を屠れるなら、生き恥くらいいくらでも晒してやる……」スクッ


メタルローガン「クロシュくん、来るぞ……!」

竜メイドクロシュ「ん……!」


 ★狐巫女の介入により耐毒結界が解除されてしまいました
  アウルの〈狐毒〉の効果によりコンマ値が半減します


↓1コンマ(コンマ1/2+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-00 勝利
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 21:15:15.53 ID:BSz7h0d3O
はい
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/04/13(日) 21:25:32.88 ID:T9sZMawDo
あぶねえなんとか勝てたか
285 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:53:13.83 ID:ngcFqyHe0
イリス「あうぅ……」バタッ

ミスティ「く、そ……」バタッ

イヨ「こんな……ところ、で……」バタッ


毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ


エバンス「げぼっ……や、やべえな……目がかすんできやがった……」

アキト「ぐふっ……せめて、女子たちだけでも守らねば……」ググ


フメイ「ちっ……!」チリッ

 爆炎「」ドガァンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガシャァン!!

フメイ「フメイ一人じゃ抑えきれない……! なんでみんなこの程度で倒れてるの!?」チリチリ

 水刃「」ヴンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

フメイ「水の魔法……!? 誰!?」

シズク「そんなこともわかんないのですか? 水属性なんてわたししかいないのに……」モニョッ

フメイ「えっ……シズク……?」

シズク「ほんとさいあくです……こんな臭くて汚い毒を吸わされるなんてなんて……。へどがでそうです……」モニョモニョ

フメイ「……え、えっと……どうしたの……?」

シズク「ぼけっとしてないで敵を焼いてください。わたしの水だけじゃ対処し切れないです……」モニョモニョ

フメイ「う、うん」チリリッ

 爆炎「」ドガンッ!!
 水刃「」ズバババッ
 砕かれ裂かれる毒骸骨兵たち「」グシャシャシャ
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:54:45.51 ID:ngcFqyHe0

メタルローガン「……! 後ろではフメイくんとシズクくんが踏ん張ってくれているようだ! 我々も行くぞ!」

竜メイドクロシュ「ん!」


アウル「死ねェ!!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ


 ガギンッ!! ドゴッ!!
  ボギョム!! ベゴギイッ!!


アウル「ぐううっ!!」ギギギギ

竜メイドクロシュ「……!!」ギギギギ

アウル「今だ将軍!!」

 爆発する巨大毒骸骨将軍「」ボガンッ!!!!

メタルローガン「なっ!? 巨大骸骨が爆発した!?」

 吹っ飛ぶ巨大骸骨の骨「」ドギュウウウンッ!!

竜メイドクロシュ「!!」

メタルローガン「まずい!! クロシュくん避けろ!!」

アウル「ヒァーハハハもう遅い!! この位置と距離じゃ絶対に避けきれ――」

 雷の残像「」バチッ―

アウル「なっ」

背後に立つ雷竜メイドクロシュ「」パリッ―

アウル「馬鹿な――」

 雷閃「」バヂィッ!!!!

アウル「があああっっ!!!」ババリバリバリ


黒焦げアウル「」プスプスプス

 ドサッ…

 ――戦闘終了――
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:09:58.24 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

黒焦げアウル「」プスプス


シズク「〜〜」モニョモニョ

 浄化魔法「」ポウ…

エバンス「はっ……た、戦いはどうなったんだ!?」キョロキョロ

シズク「もう終わりました……。皆さんがげぼげぼ言いながらおねんねしてる間に……」モニョモニョ

妖精「ごめん……なんか、いきなり耐毒結界が破壊されちゃって……。ほ、本当にごめん……」

ローガン「まあ……結果的に勝利できたのだから、気に病むこともなかろう……。シズクくんも、ありがとう」

シズク「こういう時の為に付いてきたのです……。それより――」モニョニョ


黒焦げアウル「」プスプス


シズク「これはどうするのですか」モニョモニョ

イリス(うわ……シズクちゃんがを汚物を見るような冷ややかな目で、黒焦げになったアウル・フォクシーを見下ろしてる……! こんな目つきができるスライムの子がいるなんて……!)

ミスティ(シズクは……確か汚い水が嫌いなのよね……。この毒狐がやったことを思えば、妥当か……)

イヨ「……この大事件の重要参考人として、牢に……」

アキト「これだけのことをしたのだ。即刻打ち首にすべきでござろう」

イヨ「ですが……正当な手続きによらず処罰を下すことはできません」

アキト「今の朝廷を思えば、もはやこの国の司法は機能しておらぬ」

イヨ「うっ……それはまあ、そうなのですが……」


黒焦げアウル「」プスプス


クロシュ「……」

妖精「……アウルは、取り返しのつかないことをした。例え動機が銀狐の復讐だったとしても、もう情状酌量の余地は一切ない」

クロシュ「……うん」

妖精「あとの処遇は……オノゴロの民に任せる他ない。このテロリストについて……私たちにできることは……もう、ない」

クロシュ「………うん」


フメイ「クロシュ……この狐のこと、憐れんでるの?」

クロシュ「あっ……フメイちゃん」

フメイ「……まあ、ちょっと他人事ではないよね。フメイたちも……一歩間違えば、こいつと同じことをしてたかもしれない……」

アリシラ「…………」

フメイ「………ねえ、アリシラ。フメイたち……」

アリシラ「……うん。わかってる……」
288 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:11:07.38 ID:ngcFqyHe0

イヨ「では……アウル・フォクシーはこの場で処分、ということで……」

アキト「すまぬな……このようなことに付き合わせてしまって……」

イヨ「いえ……どの道、彼に打ち首以外の未来はありません……」

アキト「うむ……。では……斬首人は拙者がつかまつろう。諸外国の者に任せるわけにもゆかぬ」スッ

 掲げられる霊気を帯びた刀「」スッ―

黒焦げアウル「」プスプス



クロシュ(アキトさんの持った刀が……高く掲げられる……)

クロシュ(黒焦げになった、銀狐の妖狐の首を……落とすために……)

クロシュ(……)

クロシュ(妖精さんの言った通り……もう……許されない……)

クロシュ(……)

 ――野良狐『アウルさんなら、時々この山にお墓参りに来るよ。ついでにボクたちの為に油揚げを置いてってくれるんだ』
 ――野良仔狐『アウルの油揚げ、おいしい!』

クロシュ(………)

クロシュ「」ジワワ


 振り下ろされる刀「」ブンッ


↓1〜 先取3票
1.どうにもならない
2.運命賽を1つ使って良いことを思いつく
0.自由安価(票数は内容ごと)
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:12:23.18 ID:JFbiR7dqO
0、食べてメゾンドクロシュに入れて矯正させる
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:26.54 ID:VHWWgwVA0
2
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:28.58 ID:vLNY+thXO
2
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:22:40.96 ID:/6nQOzUSo
>>289
簡単な死よりも長い苦痛(思考矯正)を味合わせる事が出来ると言って
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:31:27.42 ID:ljOGa0Jzo
2
294 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:54:32.29 ID:PeZFX90o0
 シュバッ
 メイドブレード「」キンッ

アキト「!?」

イヨ「クロシュさん……!?」

クロシュ「……」

妖精「ちょ、ちょっとクロシュ! もうどうにもならないって言ったよね!?」

アキト「クロシュ……すまぬが、この狐に情状酌量の余地はない……。君が優しいスライムだということは知っているが……」

クロシュ「……んーん」

アキト「……?」

クロシュ「わたし……考え、ある!!」

妖精「ええ……?」

アリシラ「考え……?」ワクワク

クロシュ「不死鳥の炎で……みんな、生き返らす……!! それで……取り返し、付く……!! だから……殺さないで、良い……!!!!」バン!

妖精「えええ!?」

アキト「いやいや……待ってくれ! そういう問題ではないのだが……! そもそもそんなこと可能なのでござるか!?」

クロシュ「……きっと……たぶん…………できる!!!」

イヨ「……もし生き返らせたとしても、この毒狐がやったことが消えるわけではありません。彼は明確な殺意をもって……」

クロシュ「……銀狐が滅びなかったら……アウルさんも……こんなこと、しなかった……」

アキト「うっ……」

イヨ「それは、そうなのですけど……」

シズク「……わたしも、クロシュちゃんに賛成です」モニョッ

クロシュ「シズクちゃん!」

シズク「……死んで終わりなんて、だめです。一生かけてでも、汚した水を綺麗にしてもらわなきゃ……許さないです……」モニョニョニョ…

クロシュ「……う、うん!! 生きて……償わなきゃ、だめ……!!!」

フメイ「……フメイも、いいと思う」

クロシュ「フメイちゃん!」

フメイ「不死鳥の力は炎の力……。たぶん、フメイなら……クロシュの負担を軽減させられると思うし……。もしかしたら、フメイの持ってる星の炎をクロシュの炎に転換できるかもしれない」

クロシュ「わあ……!」

妖精「世界樹の精霊がまた激怒しそうな……。ま、まあいいか……」

アリシラ「……」

フメイ「アリシラも……いいよね?」

アリシラ「う、うん! いいと思う!」

フメイ「うん……」

フメイ(……復讐に狂ったこいつを……見捨てるのは……)

フメイ(………フメイたち自身を、殺すのと……同じな気がするから……)

フメイ(アリシラ……あなたにも、わかるよね……?)

 *
295 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:11.60 ID:PeZFX90o0
妖精「死んだ魂は、放っておくとすぐに星に還っちゃう! やるなら早い内にやろう!」

クロシュ「うん!」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!!

不死鳥クロシュ「コケコッコー!!」ゴオオオッ!!!

 再生の炎「」メラメラメラ
 潰れた子供の死体「」シュワシュワ…


生き返った子供「……うわあああ!!?」ガバッ


アキト「!!! 完全に潰れて、しかもアウルに無惨に皮を剥がされていたのに……皮もちゃんと再生している……!!!」

イヨ「確かに、これを続ければ――」


不死鳥クロシュ「コッコッコ……」グググ

フメイ「クロシュ……」チリリッ

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」メラメラ

フメイ「一緒にいこ。フメイの炎、使って」

不死鳥クロシュ「コケーッ!」バサバサッ

妖精「待って、私も行く!」パタパタッ

 バサッバサッ


ミスティ「私たちは生きている人の救出に向かいましょう」

エバンス「おう! 犠牲者はクロシュちゃんたちに任せるしかないが、まだ生きてる人なら俺たちで助けられるはずだ!」

ローガン「うむ……! 私はまだメタル化できるゆえ、汚染された場所での行動は任せていただこう!」

シズク「……汚染が深刻な場所は、わたしがお掃除します……。でも……浄化はすごく疲れちゃうから……あんまり、期待しないで欲しいです……」モニョモニョ

イリス「それなら、シズクちゃんの浄化は私が手伝うよ! 私も水魔法使えるんだよ?」

シズク「えっあっ、あっ……そ、そうだったのですか……。ごめんなさい……」モニャニャ…

イリス「い、いやそんな深刻に謝らなくても大丈夫だよ!? でも……シズクちゃんって、汚れを取り込むと本当に性格が変わっちゃうんだねえ……」

シズク「……自分でも……やだなって、ちょっと思っているのです……」

イリス「でも私はいいと思う! なんて言うんだっけ……ギャップ! ギャップがあってかわいいと思う!」

シズク「ぎゃっぷ……?」

 ☆トウゲン温泉の再生・浄化作業を開始します

 ◇
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:54.67 ID:PeZFX90o0
―トウゲン城 天守閣

狐巫女「最期の銀狐、アウル……。彼奴の生は……満足のいくものだったのじゃろうか……」

狐巫女「……そんなわけはあるまいな。許せ……いや、許さずとも良い。歴代の姫巫女を、オノゴロを……存分に恨め」

 星の力・水「」コォォォ

狐巫女「主らの恨みが、やがて海流に乗り――オノゴロを滅ぼすのじゃ」


  コケッコッコーッ


狐巫女「……なんじゃ? 明朝でもないのにやかましい鶏じゃな」スクッ スタスタ

 窓戸「」ガラッ


  コケコッコォーッ!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……えっ!!? ふ、不死鳥!? 本物の不死鳥じゃと!!!?!?」

狐巫女「いや、違う……あの気配、あのわっぱスライムじゃ!!」

狐巫女「まさか……この大被害を、不死鳥の炎で再生させようと……!!?」

狐巫女「いやいや……本物の不死鳥だってこれほどの犠牲者を蘇らすのは手に余るぞ……」


  コケコッコォォォーッ!!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……嘘じゃろ?」

 ◆
297 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:58:12.83 ID:PeZFX90o0
というわけで本日はここまでです。次回は特殊ダンジョン・トウゲン再生大作戦編です

恨みと憎しみに囚われて狂いし、哀しき銀狐アウル。慕う者たちの姿も、声も、聞こえていたはずなのに――それでもアウルは、狂わずにいられなかった。壊さずにいられなかった。やがてその狂気は、取り返しのつかない破滅を引き起こし。一片の救いもない結末を迎えて幕を閉じる――はずだった。しかし、そうならなかった。常識外れに甘々なあかちゃんスライムが、その悲劇を拒絶したゆえに。
あかちゃんスライムは、火の鳥となって飛ぶ。未来を夢見て、希望を信じて。炎と共に、空を飛ぶ――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 09:10:09.50 ID:WDvTghABo
おつ
芸術都市の二の舞は御免だものね
彼等としても私等としても
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 12:56:27.58 ID:kQ9Us3GOO

そんな気はしてたけどやっぱりフメイちゃんも毒耐性持ちだった
そして毒を吸ったシズクちゃんが思ったより大分辛辣でワロタ……ワロタ……
頼むぞ常識外れに甘々なあかちゃんスライム
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/15(火) 22:20:03.20 ID:hVUyK9ifo
毒吸ったから毒吐きスライム化ということか!
やっぱりクロシュはフメイが隣にいればめっちゃ高みに翔べるって感じ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 00:51:37.76 ID:PPCaSbiO0

確認なんだけど反魂丹と運命賽使ったから1つ減って(反魂丹2→1、運命賽6→5)、不死鳥の力を使ったから特殊ダンジョンでの戦闘では使えなくなるのかな?
302 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:50:29.24 ID:U7rMku9j0
芸術都市での出来事は、クロシュたちにとってもつらいものでした。そして今のトウゲン温泉は、実のところ芸術都市での大破壊よりもなお深刻と言えるかもしれません。どうにかしたいと思う心は、きっとクロシュだけでなく皆が共通して抱いていることでしょう
果たしてクロシュたちは、運命を変えることができるのか――

フメイ氏は毒に強いようです。カリス・ノーランドに造られたという経緯が関係しているのかもしれません
シズク氏は汚い水などを取り込むと性格が悪くなるようですが、どうやら空気中にある毒素もだめだったようです。実のところウォータースライムは取り込んだ物質の影響を受けやすいという変わった特性を持っているようです

シズク氏は毒を取り込むと毒を吐くようになってしまうため、実際毒吐きスライムと言っても良いかもしれません。しばらく放って置くか綺麗な水をたくさん飲ませれば、元に戻るかと思います
クロシュ氏はフメイちゃんと一緒だと、実際パフォーマンスが向上する傾向があります。一緒に飛べば、一人では届かない運命を掴むこともできるかもしれません

現在の手持ち反魂丹は[1],と運命賽は[5]となっております。今回のステージでは常時不死鳥パワーを解放し続ける必要があるため、進行および戦闘は少し特殊なものとなります。具体的には、不死鳥化は持久力(=クロシュ氏のお腹)を凄い勢いで減らすので、お腹が尽きると行き倒れてしまいます。逆に言えば、お腹が空っぽにならない限り不死鳥パワーで無敵です
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:51:07.93 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[0/10] 持久力[10/10]

 立ち上る毒煙「」モクモク
 倒壊した家屋「」ゴシャッ
 汚染された水源「」ドロドロ

 踏み潰された遺体「」グチャッ

 バサッバサッ

フメイ「クロシュ、あそこ! 大勢の人が倒れてる!」

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」

 バササッ スタッ

不死鳥クロシュ「コケーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「アアアアアア!!!!」ガババッ

 ウワアアアア!!! オレタチハイッタイ… シンダハズジャ…

妖精「ここに、あなたたちの他に倒れた人はいない!?」パタパタ

生き返った男「え? あ、ああ……他に倒れてる奴はいるか!?」

生き返った猫又「いないと思うニャ!」

妖精「わかった! もし遺体が見つかったら一箇所に集めて、私たちを呼んで! この温泉街を飛び回ってるから!」

生き返った男「わかった! ……あんたたちが助けてくれたってことだよな?」

妖精「そう! ゆっくり説明してる暇はないけど!」

生き返った猫又「わかったニャ! ありがとニャ、がんばるニャ!」

 *

 バサッバサッ

不死鳥クロシュ「……」バサッバサッ

フメイ「……この街も、人と魔族……妖怪が、一緒に暮らしてるんだ」

妖精「そうみたい。オノゴロは大陸ほど偏見や対立があるわけじゃないから、この温泉街以外もそんな感じだと思うよ」

フメイ「……」グッ

不死鳥クロシュ『フメイちゃん……』モニョモニョ

フメイ「……うん。助けよう……必ず……!」


 ・不死鳥の力により毎ターン持久力−6!
 ・深刻な汚染により毎ターン持久力−2!
 ☆フメイの炎により毎ターン持久力+3!
 ☆妖精の補助により毎ターン持久力+1!

 ◇合計:毎ターン持久力−4

↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 綺麗な天然水(持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 17:51:53.20 ID:WmTkXRr90
305 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:19:12.97 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[3/10] 持久力[7/10]

不死鳥クロシュ「コッコーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「おああああ!!!」ガババッ

 *

 バサッバサッ

妖精「クロシュ、大丈夫……!?」

不死鳥クロシュ『うん……! フメイちゃんと、妖精さんの、おかげ……!』モニョモニョ

フメイ「でもこれ、ものすごい勢いで熱を消耗する……! このままじゃ長くは保たないよ……!」

妖精「フメイの炎と合わせても厳しいか……! 何か手は――ん?」


イリス「おーい!!」ブンブン

シズク「〜〜」モニョモニョ


フメイ「シズクと、イリス……?」

 *

イリス「喉乾いてるでしょ! これ、見つけたから飲んで!」スッ

 水甕「」ポン!
 綺麗な天然水「」トプン

不死鳥クロシュ『わ……! でも……綺麗なお水は……シズクちゃんが飲んだ方が……』モニョモニョ

シズク『優先順位を考えてください……。わたしより、今はクロシュちゃんたちが飲むべきです……』モニョモニョ

不死鳥クロシュ『わかった……!』モニョニョ

 グイッ ゴキュゴキュ
 空っぽの水甕「」カラッポ

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ

フメイ「……ふう。………ありがと」

イリス「……! えへへ……お互いにがんばろう!」

 ☆綺麗な天然水を飲んで持久力が1回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:21:01.40 ID:Gw5mprxnO
救う力を!
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:49:59.23 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[6/10] 持久力[5/10]

 再生の炎「」メラメラメラ
生き返るオークの冒険者「うおおおお!!」ガバッ
生き返るコボルトの冒険者「アオーン!!」ガバッ


フメイ「生き返った……!」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ

和装受付嬢「危ないところを助けていただき、なんとお礼をしたら良いか……」

妖精「あなたは冒険者ギルドの人だよね!? それならギルドの力を貸してもらえないかな!?」

和装受付嬢「かしこまりました。ギルドの人員や冒険者たちに、不死鳥の手伝いをするよう伝えましょう」

妖精「ありがとう!」

和装受付嬢「それとこちらを――」スッ

 カニカマボコ「」ポン!

妖精「これは――カニカマボコ!」

フメイ「かにかまぼこ……?」

不死鳥クロシュ『かにかまぼこ……?』モニョモニョ

和装受付嬢「本物のカニには及びませんが、それでも大きな活力を得られる食品です。どうかお役立てください」

妖精「わかった、ありがとう!」

 *

 モニョモニョ モグモグ…

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ モグモグ

フメイ「おいしい……! でもなんでカニカマボコっていうの?」

妖精「カニの風味を模した魚のすり身なんだって」

フメイ「フメイ、サワガニなら食べたことある」

 ☆カニカマボコを食べて持久力が2回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 ヤマイモ  (持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:51:48.74 ID:4BNyt2Z7O
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2025/04/19(土) 19:44:00.72 ID:op0rafM1o
「楽天カップ Warlander2
チョイワル with ネオポルテ
MCおにや、ゲスト呂布カルマ」
▽Steam(PC)Warlander/ウォーランダー
×もこう×おおえのたかゆき×柊ツルギ
(17:51〜)

ttps://www.twitch.tv/kato_junichi0817
310 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:37:01.20 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[10/10] 持久力[4/10]

 人々の遺体「」

不死鳥クロシュ「コッコッコ……」
 再生の炎「」メラメラ

 人々の遺体「」シュワシュワ

 途切れる再生の炎「」フッ…

不死鳥クロシュ「コッ……」フラッ

フメイ「クロシュ!」ギュッ

妖精「クロシュ……!」

不死鳥クロシュ「〜〜…」モニョニョ…
 羽根の先「」デロデロ…

妖精(まずい……食べたり飲んだりしながらなんとかやってきたけど、クロシュがそろそろ限界だ……! でも……ここでクロシュが倒れたら、この街は――)


「――すべての痛みを、私に!」カッ!!

 ギュオオオオンッ!!


妖精「えっ、この声は――」


トキワ「――」ギュオオオンッ!!

 人々の遺体「」シュワシュワ
 遺体から吸い上げられていく傷病「」ギュオオオッ


フメイ「えっ……? トキワ、何をしてるの……?」

妖精「ちょっと待って、トキワの魔法は――」

不死鳥クロシュ「〜〜…!!?」モニャニャ!?


 ドッギャァァァァァァン!!!!

デロデロトキワ「」デロデロ…


フメイ「!!?」

妖精「トキワーッッッ!!!!」

不死鳥クロシュ「…!!!」モニョニョ…ググググ


デロデロトキワ『待って……クロシュちゃん……』

不死鳥クロシュ「!?」モニャ

デロデロトキワ『不死鳥の炎は、わたしに使わないで……。他の……もっと危ない人たちの為に……使って……』

不死鳥クロシュ「!」

デロデロトキワ『わたしはこう見えて……死んでないから、大丈夫……』

不死鳥クロシュ「〜〜…!」モニョモニョ

デロデロトキワ『……明日でも、明後日でも……余裕のあるときに……不死鳥の炎で、あっためてくれたら……嬉しいな……』

不死鳥クロシュ「……!!」

デロデロトキワ『あ、それと……クロシュちゃんに、おまんじゅうを持ってきたから……お腹の、足しにしてね』

 温泉まんじうの箱「」ポン

不死鳥クロシュ「……!!!」ジワワ… コクッ

 バックンッ!! モニョモニョモグモグ…!!

 ☆トキワの活躍により救命率がさらに3上がりました
 ☆温泉まんじうを食べて持久力が3回復しました

 ◇
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:40:47.57 ID:U7rMku9j0

猫又「西の区画はこれで全員ニャ!」

和装受付嬢「東も全員回収済みです」

ローガン「南もこれで全員になる」

エバンス「北は被害が少なく死者もなかった。通常の治癒術で対応できそうだ」

アキト「国政区の方も被害は軽微であった」


妖精「みんなありがとう! クロシュ……最後の一踏ん張り、できる?」

不死鳥クロシュ「…!」モニョ

フメイ「うん……フメイも、最後まで手伝う」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 カッ!!
 再生の炎「」メラメラ―


 ☆救命率が最大になりました
 ☆全ての死者および致命的な重症者の治療が完了しました


 ――救命完了――


☆迅速救命ボーナス
↓1コンマ
01-70 運命賽
71-90 ↑+ヒヒイロガニ
91-00 ↑+アマノムラクモ
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 20:41:20.15 ID:WmTkXRr90
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 20:42:25.94 ID:tu9eTv8Eo
よく頑張った………!
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:09.63 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

 再生の炎「」メラメラ

デロデロトキワ「」シュワシュワ…

 ポン!

トキワ「………う……」

サララ「トキワちゃん!」

シズク「……よかった」

トキワ「あ……ま、街は!? クロシュちゃんは――」


 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


トキワ「ああっ……ご、ごめんね……わたしなんかの為に、無理を……」

妖精「いや……トキワ一人をあのままにしておいたら、クロシュもゆっくり休めなかっただろうからさ。大丈夫、ごはんと休憩を挟んであるから無理をしたわけじゃない……」

トキワ「でも、不死鳥化は一日に一回までなんだよね……? 無理してないわけが……」

妖精「うっ……そ、それはまあ……」

フメイ「……でも、トキワがいなかったら本当に危なかった。あの時は……ありがと……」

 *

縛られアウル「……っ………なぜ、生きてる……?」ググッ

アキト「クロシュ……いや、救命の英雄クロシュ殿に感謝するのだな」ヌッ

縛られアウル「……?」

イヨ「あなたが殺めた人々は、彼女の不死鳥の力によって全員がその命を吹き返しました」

縛られアウル「なっ……!? なん、だって……!!?」

アキト「これから貴様には、オノゴロの司法制度に則って裁きを受けてもらう。国家転覆および大量殺人未遂の容疑者として、な」

縛られアウル「馬鹿な!! ふざけるな、ふざけるな……!! オレが一体どれだけの思いで――」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!」

シズク「お前の都合など知らないのです……。クロシュちゃんの優しさも、綺麗な水の大切さもわからないなら……檻の中で、わかるまでしっかり反省するのです……」

縛られアウル「こ、この……! 人間なんぞにヘコヘコするくそったれの裏切りスライムが……!」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!!」

スライムクロシュ「……」ジッ

妖精「……この島には、人間だけが住んでるわけじゃない。犬も、猫も、狸も……そして、狐も……。たくさんの、人間以外の生き物が住んでる。それなのにあなたは、人間への復讐なんてお題目を掲げて、無関係の人間どころか無関係のたくさんの生き物もまとめて滅ぼそうとしたんだ。あなたこそ、この地に生きる全ての命を裏切ろうとしたんだよ」

縛られアウル「……!」

妖精「狐たちに聞いたよ。あなたはお墓参りをするついでに、野狐たちに油揚げをあげていたんでしょ? そんな優しさを持つあなたが……どうして、その野狐たちまでまとめて滅ぼすようなことをしたの」

縛られアウル「…………知った風なことを」

妖精「……思うところ、ないわけじゃないんでしょ。檻の中でしっかり反省しな。まあやったことがやったことだから、結局打ち首か、あるいは二度と外に出られないかもしれないけどね」

縛られアウル「チッ……今ここで殺せよ」

アキト「お主に自身の処遇を決める権利はない。それに、死にたがりを殺してしまうのは刑にならんでござる」

イヨ「……国家転覆は重罪です。裁き次第で望み通りになるかもしれませんね」

縛られアウル「……」
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:39.43 ID:U7rMku9j0
 パチパチパチ…


イヨ「……拍手?」

イリス「……あっ!」


狐巫女「面白い見世物であったぞ、わっぱスライムたちよ」スタスタ


アキト「イクセ殿……ではないな。貴様が――」

狐巫女「イクセの体ではあるぞ?」

アキト「……」

狐巫女「あれほどの被害を覆すとは、敵ながら天晴じゃ。もしかしたらお主、伝説スライムの株分けかもしれんのう」

スライムクロシュ「……?」

狐巫女「口惜しいのう。今のこの国にさえ来なければ、お主もまた歴史に名を刻む伝説となれたかもしれぬのになあ」

スライムクロシュ「……」

狐巫女「じゃがお主らが如何なる手練れであろうと――精根尽き果てて満身創痍の今、星の力を制したわらわの暴虐に為す術はあるまい」スッ

 星の力・水「」ポウ…

妖精「あっ!!!」

イリス「ほ、星の……世界樹の光……!!」

ミスティ「くっ……イヨの言った通りだったわけね……!」

イヨ「はい……! しかし……」

エバンス「や、やべえぞ……今は……」

ローガン「くっ……私も人命救助の為に力をほとんど使い果たしている……! メタル化ももうできそうにない……!」

アキト「くそっ……ここで終わるのか……!」


狐巫女「あ〜あ、本当に残念じゃ……。わらわの姫巫女として微かに残っている部分が、お主らのような優秀人材を葬らねばならぬことを嘆いておるわ……」


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…

フメイ「くそお……フメイも、もう……」ググ…


狐巫女「くく……くっくっく……わーっはっはっはっはあうっ!?」ドテッ

 星の力・水「」ギュオオオオオッ!!

アリシラ「ぐうっ……こ、これが星の力かぁ……!!」ギュオオオッ

フメイ「アリシラ!?」

狐巫女「き、貴様!? この距離から星の力を奪おうなどと――」バッ

 毒煙「」ボフンッ!!

狐巫女「ぬわあ!?」ゲホゲホ

縛られアウル「……」

狐巫女「アウル……!? お主、一体何を――」

縛られアウル「……うるせえ。少し……気が変わったんだ」

狐巫女「………そうか――ならば致し方なし!」

縛られアウル「……ああ」
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:44:00.96 ID:U7rMku9j0
 星の力・水「」ギュオオオオッ

アリシラ「うっ、ううっ……こんなに大きな力……吸収し切れな――」

 ドクン―

アリシラ(いや……できる……。私が、魔王としての私に完全に身を委ねれば――)

アリシラ(でも――そうしたら、私は―――)

フメイ「アリシラ!!」

アリシラ「……フメイちゃん!?」

イリス「アリシラさん! この杖に、力を!!」

 蒼き星の杖「」コォォォ―

アリシラ「――わ、わかった!」

 星の力・水「」ギュオオオオッ
 蒼き星の杖「」ズギュウウウウウッ!!

イヨ「星の力が……あの杖に、吸い込まれていく……!?」

妖精「あれは星の力を扱う神杖! あの杖なら――」

 ギュオオオオオッ ポン!!

 蒼き星の杖・水「」コォォォォ…

イリス「……よ、よし! なんとかなった!」


狐巫女「ぬう……まさか星の力を奪うことのできるほどの吸収魔法と、それを保持することのできる魔器がそちらにあったとは。少々予想外じゃった」

妖精「残念だったね! これで形勢逆転だよ、あなたも大人しくお縄に――」

狐巫女「形勢逆転? お主らが満身創痍であることは未だ変わっておらぬのにか?」

妖精「うっ……で、でも星の力はこっちにあるんだぞ!」

イリス「そ、そうだそうだ! 諦めて降伏してよ!」

狐巫女「今さっき奪ったばかりの大きな力をもう安全に使いこなす自信があるなんて凄いのう?」

イリス「うっ……」

狐巫女「ククク……わーっはっはっは! 星の力を奪われた程度で、わらわがお主らごときわっぱ共に敗北を喫するとでも? わらわも舐められたものじゃ!」

 ゴゴゴゴゴ…
 怨念の渦「」ドドドド

ローガン「こ、これは……!?」

妖精「膨大な……呪属性の、波……!! ま、まずいかも……状況は、あんまり好転してない……!!」

ミスティ「でも……ここまで来たら、やるしかないでしょ!? あの馬鹿巫女を殴り倒して、正気に戻して、解決よ!!」

エバンス「おう……! 腹ァ括るぞ!!」


狐巫女「死にたい者から前に出よ!! わらわ自ら引導を渡してやろう!!」ズオッ!!


 ――ボス戦闘開始 怨嗟の狐巫女――


 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動!
  敗北時、一度だけ耐えて戦闘続行!!

 ☆クロシュが〈夢喰い〉を発動!
  自陣のコンマ+50!!

◇自陣(夢喰い+50、満身創痍-30)
・もう不死鳥化できない(0/1)

◇敵陣
・耐える(1/1)

↓1コンマ(合計+20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 22:44:50.01 ID:4BNyt2Z7O
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:09.17 ID:U7rMku9j0
 銀狐の影「」ズモモモ
 銀狐の影「」ズモモモモ

トキワ「わわっ!?」

妖精「怨念で形作ったただの影法師だよ! 実体はないから属性攻撃で倒して!」

エバンス「おうよ! 地属性エンチャントだ!」シュバッ ギュオオ

 地の鉄槌「」ブォンッ!!
 ドガンッ!

 砕け散る銀狐の影「」パシュウン―
 飛び散る血液のようなもの「」ブシャァ

エバンス「うげっ……!? 実体がない癖になんで血みたいのが出るんだよ!?」


狐巫女「実体なき者には血など通っておらぬと? ククク、人間らしい傲慢さじゃ」


妖精「悪趣味な演出だよ! 無視して無視!」

エバンス「お、おう!」


狐巫女「ふんっ!」

 怨念の尻尾「」ブオンッ!!

 ドガッ!!

ローガン「ぬうう……! なんと重い一撃だ……!!」ズザザッ

アキト「まともに受ければ身がもたぬが、後方への被害を考えると受けぬわけにもゆかぬ……!」

トキワ「うぅ……す、すみません……私が、動けないせいで……。でも私、叩かれても死なないので――」

アキト「死ななければ叩かれても良いということは決してないであろう!」

トキワ「……!」

アキト「……すまぬ、声を荒げるつもりはなかった。シズク、サララ、隙を見てトキワとクロシュ殿を後方へ――」

スライムクロシュ「」デロロ…

サララ「はっ、はいっ!」

シズク「……待ってください。クロシュちゃんは――」

アキト「ん?」

シズク「寝ているように見えますが、戦っているのです」

 ◇
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:39.25 ID:U7rMku9j0

―イクセの夢

 怨念の渦「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!」シュタッ


イクセ「……」zzz


クロシュ「イクセちゃん! 起きて……!!」


イクセ「……」zzz


狐巫女「このドサクサに紛れてまたもここに入り込むとは、油断ならぬスライムじゃ」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……!」

狐巫女「現実と夢、双方で戦を繰り広げるのは少々忙しないが――お主はここで相手してやろう」

 モニョモニョポン!
 メイドブレード「」シャキン!

メイドクロシュ「……」ジリ

狐巫女「安心せい、お主は面白いわっぱスライムじゃ。全てが終わったらペットとして飼ってやらんこともないぞ?」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 優勢
91-00 会心
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:10:09.77 ID:DxONWoPLO
女神様、力をお貸しください
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:51:02.42 ID:U7rMku9j0
狐巫女「せえい!」

 怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッ

狐巫女「ちょこまかと!」バッ

 怨球「」ギュオン!
  怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッサッ

 メイドブレード「」シャィンッ!!

狐/巫女「ぬおわあっ!?」スパッ


真っ二つ狐巫女「」ボテッ


メイドクロシュ「……」ジッ

真っ二つ狐巫女「」ボテッ

炎魔女クロシュ「……」チリチリ…

 爆炎「」ゴウッ!!

真っ二つ狐巫女「うぎゃあああ!!?!? お、おぬし鬼か!!? 真っ二つになった死体に火を放つなど……!!?」ジタバタ

炎魔女クロシュ「死んだふり……ばればれ……」

焦げ狐巫女「ぬうう、やりおるな……! ここまで世界樹の光を集めてきた者は伊達ではないということか」

炎魔女クロシュ「……」

狐巫女「じゃがここはイクセの――つまりわらわの世界も同然。万に一つとして、お主に勝ち目は――」


イクセ「……う…。おかあ……さま……?」グシグシ
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:52:25.66 ID:U7rMku9j0
狐巫女「……!!」

炎魔女クロシュ「イクセちゃん……!!」

イクセ「あえ……クロシュちゃんに……あっ――」

 ボンッ!

イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、あなたはもうお休みなさい。姫巫女の時代は終わったの」

イクセ「あっ……お、おかあ……」

イクセ母に化けた狐巫女「あなたも、私も……もう、生きていてはいけな――」

 モニョモニョポン!!!!

分体アキトクロシュ「イクセ殿!!」

分体イヨクロシュ「イクセ様!!」

イクセ「えっ……アキトおにいちゃん、イヨおねえちゃん……?」

分体イヨクロシュ「皆、イクセ様のお目覚めをお待ちしておりますよ」ニコニコ

分体アキトクロシュ「また一緒に遊びたいでござるなあ! 拙者、イクセ殿が眠ったままでは寂しいでござる!」

イクセ「……!! み、みんな……」


イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、騙されてはいけません。この者たちは、あなたを誑かす悪いもがっ!?」

狐巫女の口に詰まった分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!


分体アキトクロシュ「イクセ殿、拙者最近かたつむりごっこにはまっているでござる! イクセ殿も一緒にどうでござろう?」

イクセ「えっ……かたつむりごっこ?」

分体イヨクロシュ「はい! 大きな殻を背負って、かたつむりになりきるのです! きっと楽しいですよ!」

イクセ「そ、そうなんだ……えっと……」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョモニョ モゾモゾ

イクセ「わっ! クロシュちゃん……? ほんとだ……ふふっ、楽しそう……!」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョニョ

分体アキトクロシュ「イクセ殿! では――」

イクセ「……でも……おかあさまは……」

分体イヨクロシュ「イクセ様のお母さまも、イクセ様が健やかに生きて、かたつむりごっこをすることを望んでおられました。私がこの耳で直接聞いたのですから、真実です」

分体アキトクロシュ「拙者も同様のことを聞いたでござる。もし何か別のことをイクセ殿が聞いているのだとしても、それはきっと悪い夢……。悪い夢は、通りすがりのスライムにでも食べていってもらうのが良いでござろう」

イクセ「そっか……悪い夢、だったんだ……」

カタツムリクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イクセ「……うん。ありがとう……わたし……起きてみる……!」


狐巫女「もがが……!!」ジタバタ

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

狐巫女「もが……!?」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ズズッ

狐巫女「〜〜〜!!!」ジタバタ

 モニョモニョ…モグモグ…

 〈会心の食撃!〉

 ◇
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:54:31.38 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

狐巫女「――」

 バタッ

エバンス「……? 急に倒れたぞ?」

妖精「……! もしかして、クロシュが――」


イクセ「……うっ……。こ、ここ……は……?」パチッ

アキト「……! その、雰囲気は……イクセ殿……!!」

イヨ「イクセ様!!」

イクセ「アキトおにいちゃん……イヨおねえちゃん……?」


ミスティ「姫巫女が……正気に戻った……?」

イリス「てことは……勝ったの!?」


スライムクロシュ「……!」モニャ!

シズク「クロシュちゃん?」

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョモニョ

シズク「えっ……み、皆さん! まだ――わらわじゃ巫女は、消えていないのです!!!」


ローガン「なに!?」

妖精「……あれは!!」

 ズモモモモ……

空中に浮かび上がる黒い狐の影『まだじゃ……まだ、終わっておらぬ……。わらわの……わらわたちの罪を……雪がなければ……』ズモモモ

 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動! 一度だけ耐える!


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…


黒い狐の影『わらわたちのせいで、苦しみ……滅んでいった全ての者たちに……この島の死を……捧げねば……』ズモモモ


妖精「……狂っている。あれは……もう、救われないものだ」

スライムクロシュ「……」

妖精「みんな、最後の力を振り絞って……! あの救われない魂に……せめて、安らかな終わりを」

アリシラ「……うん」

フメイ「ん……」

縛られアウル「……」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:55:09.42 ID:PPCaSbiO0
325 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:41:19.59 ID:wa8VY9/90
 ズドドドドッ
  ドゴォッ ボムギッ
    ギュオオオオオオッ

  ドッギャァァァァァァン!!!!


散っていく狐の影『……わらわたちの、せいじゃ………わらわたちさえ……いなければ……』


縛られアウル「……」ズリズリ


散っていく狐の影『……許しておくれ……許さないでおくれ……わらわたちのことを……どうか、どうか……』


縛られアウル「……なんでだよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………』


縛られアウル「なんで………オレみたいなイカれた復讐者に便乗して、この島を壊そうとしてんだよ……。アンタは……人間の巫女だったんだぞ……!!」


散っていく狐の影『すまぬ…………』


縛られアウル「わかってるよ……どの口が言ってんだってことくらい……!! でもおかしいだろ!! なんでだよ……なんで、オレと一緒に人間ごとこの島を滅ぼそうとしてんだよ!! なんで……人間の巫女で、いてくれなかったんだよ……。そんなんじゃ……気持ち良く、復讐できないじゃねえかよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………すまぬ…………』


縛られアウル「……もう、いいよ。もう……。とっとと、星にでも還っちまえ……」


散っていく狐の影『すま……ぬ…………』スゥゥ――…


 パシュウン――……


 ――戦闘終了――
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:44:03.55 ID:wa8VY9/90
本日の更新はここまでとなります

大きな功績を挙げたクロシュは、少しばかり感傷的な気分だった。正しいことをしたという自負はある。自分の活躍でいろいろ良くなったという自信もある。しかし、それでも――。あかちゃんスライムの小さな体で救うには、この星はあまりに大きく――命の悲しみは、あまりに深い――
今はただ……疲れ切った体を瓶に潜めて、眠ろう―――……

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 04:19:52.78 ID:x/C04xAao
おつでした
まっぷたつ狐巫女からちゃんとキルチェックするクロシュ、同化住民の経験値かな?
アウル…シノホシメンバーで一番若いというか青い印象だったので取り返しのつかない復讐を止めてあげられたのは良かったな…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 08:41:46.29 ID:mT0h6KT6o
おつ
無事に終わったか
しかしリュウトウ殿は結局最後まで活躍無しだったな…
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 17:59:22.33 ID:wa8VY9/90
真っ二つになった狐巫女の姿を見ても、クロシュ氏は用心深く観察して攻撃することを選んだようでした。それがどのような思考判断によるものなのかは定かではありませんが、食べたものによって培った経験が生きている可能性は実際あるでしょう
アウル氏は若者なので、今回のことで牢にぶちこまれることにはなりましたが、即刻打ち首という運命は避けられたようです。このことでシノホシがどのような反応を示すかは未だ闇に包まれています。慎重に進むのが良いでしょう

ひとまず事態は丸く収まりそうですが、今回の事件でリュウトウ氏は実際あまり活躍できなかったようです。身も蓋もないことを言うと、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めなかったためとも言えるかもしれません
これはネタバレなのですが、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めていた場合はアウルらの企みを事前に察知でき、毒物テロを事前に阻止することもできました。しかしリュウトウ氏を引き込めなかったため、アウルらのテロを察知できず、クロシュたちは後手に回ってしまったのでした……(なお不死鳥パワーによる力技で人的被害はゼロになりました)
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:00:22.43 ID:wa8VY9/90
―数日後
 トウゲン温泉

 毒温泉「」ドクドク

イリス「洗い流せっ!」
 蒼き星の杖・水「」キュオオオ――

 ギュワァァァァァ――

 綺麗な温泉「」ポン!

シズク「んわわ〜!」キャッキャ

トキワ「わあ〜!」キャッキャ

サララ「すごいです!」キャッキャ

ユキ母「ありがとう、イリスちゃん。これで主要な水源は概ね浄化されたわ……!」

イリス「良かったです! でも、まだ細かい汚染が――」

シズク「あとは、星の力に頼らなくても、ここにいるわたしたちの力で浄化できると思います!」モニョモニョ

イリス「そっか、わかったよ!」

世界樹の精霊『……星の力……あんまり濫用はしないように……』ヌッ

イリス「わ、世界樹の精霊さん……!」

世界樹の精霊『あなたたちが毒と呼称しているものも、星を形作る物質の一つ……。毒が苦手な生き物の為に、星の力で無理矢理洗い流すのは……本当は、あんまり良くない……』

シズク「で、でも世界樹の精霊さま……! あの毒は……ほんとは、ここになかったもので……」モニャニャ…

世界樹の精霊『うん……。だから、今回は許可する……。私としては、自然環境の変動として受け入れても良かったけど……イリスたちには、この先もがんばってもらいたいから……。えっと、つまり、アメというやつ……』

シズク「アメ……!」モニョニョ

イリス「わかった! これからもがんばるよ!」

世界樹の精霊『それじゃ……よろしく……』フッ―

 *

イリス「そういえばシズクちゃん、すっかりいつもの調子に戻ったねえ」

シズク「んわわ……忘れてください……! あれは、ほんとのわたしじゃないのです……!!」モニョモニョ

トキワ「でも……毒舌でクールなシズクちゃんも、良かったと思うの」

サララ「あれはあれで良いよね。もちろん今のほわほわなシズクちゃんも良いけど」

ユキ母「旅館のお客様の中にはあのシズクちゃんが好きっていう人もいるわねえ」

シズク「ええ……」

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:15.20 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区 武家道場

 ビシッ ビシッ ビシッ

リュウトウ「九千九十一! 九千九十二!」
 木刀「」ビシッ!! ビシッ!!


イヨ「リュウトウ、まだ素振りしていたのね」スタスタ

リュウトウ「イヨ……何か、用件が?」

イヨ「……朝廷再編の話し合いが一段落ついたから、休憩に来たの。はい、これ」スッ

 温泉まんじう「」ポン

イヨ「あなたも休憩にしましょ?」

リュウトウ「……私には不要だ」

イヨ「……まだ気にしているの?」

リュウトウ「……姫巫女様の様子は明らかにおかしかった。それなのに私は……盲目的に姫巫女様に従って、国家転覆の後押しをしてしまったのだ……」

イヨ「……武官であるあなたには、姫巫女様の御命令に逆らう権利なんてなかった。リュウトウが悪いことなんて、何もないのよ」

リュウトウ「しかし私は護国の刀――国を護る為であれば、姫巫女様に逆らってでも立ち塞がらなければならなかった……!」

イヨ「リュウトウ! そんなの無理だよ!! 過去の自分が絶対にできなかったようなことを悔やんだって仕方ないでしょ!」

リュウトウ「……できなければならなかったのだ……」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……すまぬ……今は、無心に刀を振らせて――」

 温泉まんじう「」ガッ

リュウトウ「もががっ……!?」

イヨ「黙れ! 年下の癖に生意気なの……!! リュウトウはまだお子様なんだから、お子様はお子様らしくまんじゅうを食べてれば良いのよ!!」

リュウトウ「もがもが……!」

イヨ「そもそも、あの時だってリュウトウが血まみれで隠れ里に駆け込んできてなかったら、本当に取り返しのつかない大惨事になってた!! みんなが助かったのはリュウトウのお陰でもあるの!! リュウトウは、ちゃんと護国の刀をしてたの!!!」

リュウトウ「……!!」

イヨ「だから………もう、いいんだよ……。リュウトウは、ちゃんと、がんばったから……」ジワワ

リュウトウ「……なんで、イヨが泣くの?」

イヨ「……泣いてない」グスッ

 ◆
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:49.73 ID:wa8VY9/90
―さらに数日後
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

イヨ「イクセ様〜!」

イクセ「イヨおねえちゃん!」トテトテ

イヨ「お元気そうで何よりです。ここの住心地はどうですか?」

イクセ「うん! とっても良い……!」

イヨ「良かった……」


アキト「拙者が誠心誠意お仕えしているゆえ、不自由はさせませぬ。ご安心を、イヨ殿」ヌッ

イヨ「アキトさん。あなたが、イクセ様のご隠遁に協力してくださったのは幸いでした」

アキト「拙者は既に朝廷と関わりのない身でござるからな。適任であろう」

イヨ「……姫巫女という役職の喪失に伴い、朝廷では大規模な再編が進んでおります。でも――」

アキト「うむ。拙者の席は不要でござる。元より拙者らイザナギ家は、朝廷ではなく姫巫女様に仕える一族。イクセ殿がこちらに隠遁なされるのであれば、拙者もそれに付き従うのみ」

イヨ「……イクセ様のこと、よろしくお願いいたしますね」


イクセ「なんのお話してるの……?」

アキト「今日はイクセ殿と何をして遊ぼうか話し合っていたのでござるよ!」

イヨ「え、ええ。イクセ様は、何かなさりたいことはございますか?」

イクセ「じゃあ、かたつむりごっこ!」

 ◆
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:03:37.56 ID:wa8VY9/90
―オノゴロ諸島 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを経て各々大きな経験を獲得しました(上記加算済)
☆クロシュの剣技、魔法、防御レベルが1づつ上がりました
☆ローガンの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
☆エバンスの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
※通常の訓練等では上限を越えて技術を成長させることはできません
334 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:04:26.20 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
 客室

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

世界樹の精霊『残る星の力は……炎と地の2つ……。炎はすぐそこで……地は……大陸の、少し南の辺り……』

妖精「大陸の少し南の辺り……王国か、セクリエ・ロイエか……」

ミスティ「王国……?」

エバンス「まさか……セインが? いやでも、あの時はセインが何かしてる様子なんてなかったよな……?」

ローガン「……セインくんが何かをせずとも、その裏で糸を引く者が何を企んでいるかはわからんな……」

世界樹の精霊『ひとまず、水の力はその杖に入れておいて。敵がどんな手段で奪うのかわからないから、あなたたちの目に付くところに置いておいた方が良い……』

イリス「わかった……!」

世界樹の精霊『……で、炎の力だけど……』


フメイ「……」

アリシラ「……やっぱり、返さなきゃだめ?」

世界樹の精霊『当然……。でも……』

アリシラ「?」

世界樹の精霊『……さっきも言ったけど、返還する隙に奪われる可能性があるから……ひとまず、イリスの持ってる杖に――』

イリス「ちょ、ちょっと待って! この杖、そんなにたくさんは入り切らないかも……!」

世界樹の精霊『え、そうなの……』

イリス「うん。この杖、本来は星の力を溜めておく専用のものってわけではなくて、星の魔力を循環させて大きな力を生むのが目的のものみたい。だから、これ以上は溜め込めないかも……」

世界樹の精霊『そうだったんだ……。じゃあ……どうしよう……』

アリシラ「……フメイちゃんが持ったままでも良いんじゃない?」

世界樹の精霊『フメイちゃんが持ち逃げしない保証はあるの?』

フメイ「……フメイ、もう……持ち逃げ、しない……」

アリシラ「って言ってるよ!」

世界樹の精霊『……嘘はついてないみたい。わかった、信じる……。いろいろ片付いたら、ちゃんと返してね……』

フメイ「うん」


 ☆蒼き星の杖に水属性の力が宿りました

 ☆ここ数日の内にアリシラの引っ越し計画が進みました(3/4)
  この自由行動が終わると、引っ越しの最終段階へ移行します

 ☆努力目標3つ達成により、自由行動回数が3回増加します


オノゴロ諸島滞在最終日です。明日オノゴロを発ちます
↓1〜6 自由安価 何をする?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:04:52.57 ID:jHEy7PgEO
メルルとユキから手紙が届く
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:08:37.35 ID:LZW/63Rp0
フレメアが狐小僧の様子を見に降臨するのを目撃
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:13:18.85 ID:PZZ/opzLo
伝説スライムの株分けという言葉に思案を巡らせる
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:15:47.88 ID:ny2FZ79P0
クロシュ、イクセ、トキワの3人で温泉街でお店や温泉巡り
イクセとトキワ友達同士になる
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:18:18.87 ID:x/C04xAao
アウルにシノホシのことを聞き取り
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:19:23.61 ID:195OGop8O
星の力一口舐めてみようぜ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:20:00.60 ID:3eskupe0O
引っ越し作業完了前に一度クロシュ、フメイ、アリシラ、そしてアリシラの夢の中の住人を交えて本音で話し合う
380.53 KB Speed:9.4   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)