【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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136 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:33:14.63 ID:OA68lb0X0

九尾「むむ、儂の情報が無益だったというのは聞き捨てならぬ。お主ら、もっと知りたいことを聞いてみよ」

妖精「え、ええと……何かある?」

銀狐クロシュ『……』

九尾「……ふむ、お主らから微かに一つ目小僧の気配が感じられるな。ではせっかくじゃから、彼奴らの秘伝について教えてやろう」

妖精「え、一つ目小僧の秘伝?」

九尾「うむ。それはな――」

↓1コンマ
01-60 目潰しの極意
61-90 目隠れの極意
91-00 心眼の極意
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 23:34:47.52 ID:Usy7xpCo0
138 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:45:13.36 ID:OA68lb0X0
九尾「――目潰しの極意じゃ」

妖精「ええ……それって一つ目小僧の秘伝じゃなくて、一つ目小僧をやっつける為の秘伝じゃないの……」

九尾「いいや。一つ目小僧は大きな一つ目の妖怪じゃが、じゃからこそ目に対する造詣、意識は他の種族よりも大きい。そしてあの大きな目からは、相手の目を潰す死の視線を放つことができるのじゃ。本気で怒った一つ目小僧とは決して目を合わせてはならぬぞ……」

妖精「わ、わかった……。サララは怒らせないようにしよう」

銀狐クロシュ『う、うん……』

 ◆
139 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:45:39.89 ID:OA68lb0X0
というわけで本日はここまでとなります。次回はイリスの特訓編、銀狐乱獲について元朝廷の人たちに聞いてみよう編となります

すたれ村で狐たちとお話したり、通りすがりの九尾から役に立つのか立たないのか微妙な話を聞かされたり、のんびりしたクロシュ一行でした。穏やかな空気の流れる霊峰の隠れ里にいると、オノゴロが危機にひんしていることを忘れそうになってしまいます。まあ、少しくらいはのんびりしても良いかもしれません。フメイちゃんたちと一緒に数日過ごせる機会など、滅多にないのですから――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 07:46:05.85 ID:P6GFz/Coo
気さくな九尾さんで助かったぜ
アウルにクロシュの思いは届くのか
おつ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 13:19:56.80 ID:nvDsBO+1O

初手で正体明かすのは草
でもそういう正直さのお陰で九尾さんの信頼を得られたとも思えるし結果オーライやね
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 23:36:44.93 ID:1MftngjeO

妖精が「アウルが銀狐と決まったわけじゃない」とか言っていたけど、今回の九尾さんの発言でアウルが銀狐の生き残りだと判明したね。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/25(火) 15:05:48.42 ID:U8Z1z24+0
最初から読んでやっと追いついた!
もしよろしければ前作のタイトルを教えてください…検索しても出てこなくて。
144 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:05:05.47 ID:Bwc0Ly9v0
九尾氏は尻尾の数が多いですが、性格は割とフランクだったようです。無礼な態度を取る等の変なことをしなければ、怒られたりすることもないかと思われます。なお彼女の乗っている二輪車は、非自律型の魔導機械のようです
クロシュ氏は優しいスライムですが、アウル氏があかちゃんスライムなどの同情を受け入れられるかは未知数です。慎重に対応していくのが良いでしょう

クロシュ氏は迂闊なところがあるらしく、ついうっかり自分の正体を明かしてしまったようです。擬態を生業とする生き物としてはあまり相応しくない態度ですが、まだあかちゃんスライムなので大目に見てあげて欲しいところであります
そしてそういう正直さが九尾氏のお気に召したというのは恐らく事実です。結果良ければ全て良し、としていくのが良いでしょう

アウル氏はどうやら銀狐の生き残りのようです。銀狐の復讐の為に、恐るべき企てを行っているのかもしれません
なお妖精さんは確定していない情報を断定的に扱うことを嫌う性格なので、確定していない情報を断定的に扱いたがらないようです。そのような慎重さが、妖精という迂闊なかよわい種族でありながら長生きしていられる理由かもしれません

思ったよりだいぶ長くなっているこのスレをここまで読んでいただきありがとうございます。今後とも動向を注視していただければ幸いに思います
なお前作は「【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】」というタイトルのスレになります。タイトルからもわかる通り百合なのでちょっと毛色は違うかと思いますが、このスレと同じ人が書いているんだろう感はあると思います。もしよろしければ楽しんでいただけると幸いでございます

前作【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1682162106/
145 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:05:48.08 ID:Bwc0Ly9v0
 ―番外―

―海

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商クーちゃん「ふう〜、やっぱり魔導クルーザーの乗り心地は最高ね! 大枚はたいた甲斐があったわ!」

クーちゃん「そして次なる目的地はオノゴロ諸島! 謎の荒れ波で貿易が途絶えているとかいう今がチャンス! 中級品でも海外の品なら高値で売り捌けるに違いない! うっひひひひ……!!」

クーちゃん「しかし……」

 遥か遠くまで広がる大海原「」

クーちゃん「暇ね……。目的地さえ設定しちゃえばほとんど自動で運転してくれるし……」

水の精霊『ちなみにこの魔導クルーザーは精核不使用だよ〜。暇な精霊が航行を手伝ってあげる契約になってるんだ〜』

クーちゃん「……そもそも自動運転って何なのかしら。機械都市の自律型魔導機械は精核とかいうパーツを使って実現してるらしいけど、これはそういうのも使ってないみたいだし……」

水の精霊『クーちゃんはそこまで感覚が鋭くないみたいだから私たちの姿や声は知覚できないみたいだね〜』

クーちゃん「……まあいいか! イスファハーンで買った映像水晶で録画演劇でも見てましょう」

水の精霊『私も見てみよ〜』

 ◇

 映像水晶『金糸の姉妹人形に愛されすぎて夜も眠れない 中編に続く!』ポン

クーちゃん「ああ〜!! なんでそこで終わっちゃうのよおお〜!!」

水の精霊『続きは!? 続きはどこで見れるの!!?』

クーちゃん「はあ……きっと原作か脚本の人がものすごく遅筆なんでしょうね……。仕方ない、中編が出るまで大人しく待とう……」

水の精霊『そんなあ〜待てないよお〜〜!!』

クーちゃん「ひとまず今はオノゴロでの商売に備えて――ん?」

 凪いだ海「」――

クーちゃん「……あれ? おかしいな……もうオノゴロの近海に入ったはずなのに、なんで波が荒れてるどころか、こんなに……」

水の精霊『ああああ〜〜しまった〜〜!!! 演劇に夢中でこの海域に入っちゃった〜〜!!!』

クーちゃん「ここは一体――」

幼い少女の影「」ヌッ

クーちゃん「……ひっ!!?!?」

幼い少女の影「……」スッ

クーちゃん「はぐっ……」コテッ

水の精霊『わあああああ!!!!! クーちゃん耐えて耐えて〜〜!!!!』アタフタ

 魔導クルーザー「」シャァァァァ――ッ!!

 ☆錯乱した水の精霊により、魔導クルーザーは大陸方面に引き返していきました……

 ◆
146 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:08:07.72 ID:Bwc0Ly9v0
というわけで突然の番外編、暗黒行商少女クーちゃんの臨死クルージング編でした
本編は予定通り土日に更新する予定です。よろしくお願いいたします
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/27(木) 06:23:53.78 ID:SaybjszbO
更新気付かなかった…クーちゃん中々目的地に行けないの可哀想だけど可愛い
148 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/29(土) 17:56:25.21 ID:Rayd8UPW0
申し訳ありません、すごく体調が悪いので本日と明日の更新はお休みさせていただきます

クーちゃん氏はちょっと運が悪いようです。しかし今回は転覆とまではいかず商品も無事だったようなので、きっと大丈夫でしょう。いつかまたクロシュたちと会う機会もあるかもしれません

それでは申し訳ありませんが、次回更新の予定は来週の土日となります。よろしくお願いいたします
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/29(土) 17:57:31.70 ID:3I6auw/io
お休み了解
お大事に
150 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/29(土) 21:19:10.70 ID:Rayd8UPW0
ありがとうございます、寒暖差に気を付けて過ごしたいと思います

次回まで何もないというのも残念なので、次の更新まで汎用魔法などの募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします


(テンプレ)
【名称】
【属性】
【効果】
【備考】


(例1)
【名称】火球
【属性】炎
【効果】火の球を生成して放つ
【備考】初歩的な炎属性魔法。炎属性適性があれば簡単に習得できる


(例2)
【名称】カニギロチン
【属性】物理
【効果】大きな鋏で対象を切断する
【備考】ギロチンガニの得意技。オリハルコンでさえ断ち切ることができると言われている


↓1〜 次の更新まで
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/29(土) 21:37:30.73 ID:53fVUjZE0
【名称】スキャン
【属性】無
【効果】相手の心理状態を把握できる。
【備考】一つ目小僧や三つ目の魔族など目に特徴のある種族が覚えられるが、稀にエルフにも習得者がいる。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/30(日) 01:05:18.16 ID:iBX1NkoIO
【名称】魔翌力砲
【属性】無
【効果】溜めた魔翌力をビームにして解き放つ
【備考】理論は簡単だが魔翌力のコントロールが非常に難しく、放つまでに時間もかかる。扱う魔翌力量によっては術者が命を失う可能性もあり、使い手は稀。
極めれば国一つを消しとばすことも可能になるが、そこまでの使い手は大魔女や魔王など人智を超えた存在くらいである。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/30(日) 20:21:22.42 ID:Yj3dHbwRo
【名称】スターバースト
【属性】星
【効果】星に連なる様々な魔法を一気に放出する。疑似他属性魔法となり防いだりする事は困難
【備考】長い詠唱を間違えずに唱える必要がある。威力は申し分ないが、発動まで長時間掛かる取り回しの悪さや極悪の燃費、星魔法習得者の減少により今では幻の魔法とされている
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/31(月) 03:09:34.37 ID:huapLEtd0
【名称】パワーグラウンド
【属性】土
【効果】地面に向かって拳を打つと相手の地面の下から地面でできた拳を出現し攻撃する。同様に剣とかにすると相手の下から地面でできた剣が伸びて相手を刺す事ができる。
【備考】少し難しい魔法だが土属性適性と筋肉を鍛えていれば習得が可能(少し練習は必要)。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/01(火) 00:12:37.48 ID:GJEWVGat0
【名称】硫酸
【属性】毒
【効果】何でも溶かす酸を生成し放つ
【備考】クロシュなど毒がきかない者や耐毒結界の対策として編み出された魔法で毒魔法を扱う者なら簡単に習得できる。酸のため毒がきかない者や耐毒結界でも普通にダメージを与える事ができる。毒魔法を使う人が少ないので、毒魔法に酸が含まれている事は毒魔法を扱う者以外は知らない。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 02:30:28.24 ID:EEajNM6Oo
お大事に…

【名称】サンダーボウ
【属性】雷属性
【効果】一方向に雷を放って攻撃する。消費マナによって増減するが、基本的に射程は約5m、一般成人や低級魔獣なら一撃で気絶させられる。耐性がある者でも痺れにより動きや思考を一瞬止められる。
【備考】雷属性の初級魔法。雷属性に適正がある者なら自然に扱え、そうでない者も少し学べば習得出来る。"雷属性故の高弾速" "命を奪わずに無力化出来る威力" "射程が短い分、避雷針の影響を受け辛い" "簡単に覚えられる"と使い勝手が良く、護身術・獣の狩猟・相手の鎮圧など幅広い場面で活用される。魔法戦でも敵の行動を止めるスタン技として使われる。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 07:36:04.10 ID:/BVTda5n0
【名称】フラッシュオーバー
【属性】炎
【効果】自身の体から爆発するかのように1000度以上の炎を放出し周りを焼き尽くす。
【備考】上級魔法で炎属性適性のある人でも練習しないと習得は難しいが習得すれば結構強い魔法。全身で魔翌力を限界まで溜め最後に炎を放出する。溜める魔翌力によって炎の範囲が変わる。放出した後は、魔翌力が無くなってしまいしばらく魔法が使えなくなり、動きも鈍くなる。敵、味方関係なく周囲を炎で消し炭にしてしまうので、使う際は周りを気を付けないといけない。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 19:27:51.50 ID:b0DYG1y6o
【名称】アイスボム
【属性】氷
【効果】氷の球を飛ばしてはじけさせ、破片で広範囲に攻撃
【備考】氷に意図的に不純物や空気を混ぜることで割れやすい球を作る中級レベルの技
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 22:41:55.14 ID:3tQjH1seO
【名称】メタルコーティング
【属性】鋼
【効果】一定時間、物理耐性と魔法耐性を上昇させる。
【備考】鋼の上級魔法。術者の精神力によって能力は変動し、強い心を持てば更に強固に、弱い心では軟弱になってしまう。強固なメタルコーティングはかけた対象の見た目がメタリックになる副作用がある
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 23:26:24.45 ID:H+4fIHclo
【名称】ティアードロップ
【属性】心属性
【効果】涙の数だけ強くなれるよ
【備考】皆の持つ哀しみや絶望を織り合わせて特大のエネルギー球を作る。涙の後には希望の明日がやってくる。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 03:58:43.23 ID:1ajjAoeuo
【名称】小吹雪
【属性】氷
【効果】手のひらから無数の小さな氷の粒を飛ばし、ごく小規模な擬似的吹雪を起こす
【備考】目くらましに使えるほか、長く浴びせ続けると相手は徐々に衰弱し、凍り付いていく
初級〜中級の間くらいの技
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 09:41:11.55 ID:A/r3S5RjO
【名称】チェーンロック
【属性】闇
【効果】相手の周りに5個の魔方陣が現れ、そこから5本の紫色の鎖で相手を拘束&相手の力を封印する。
【備考】闇の上級魔法。この鎖は特殊な鎖で拘束だけではなく少しでも鎖に触れると相手の魔法、戦闘技術など最大5つ封じることができる(クロシュの場合はメゾンドクロシュも含む)。封印された相手は体の周りに鎖の刺青ができ、拭いたり、洗っても落ちない。解くには魔法を使った本人に解除するしかなく浄化や解呪も効果がない。その為、魔法を使った本人が亡くなってしまうと封印は一生そのままになる。闇の魔法だがどちらかというと呪いに近い魔法。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 17:00:10.95 ID:mpyIpg5F0
【名称】ライトバリア
【属性】光
【効果】ドーム状のバリアを生成し攻撃を防ぐ。
【備考】自分を中心にバリアを生成して、どんな攻撃も防ぐ事が出来るが生成時に大量の魔翌力を消費してしまうので、長時間の使用は難しい。さらにドーム状の為、真下からだと攻撃を受けてしまう。生成前に本人の近く寄れば他の人もバリアの中に入れて防ぐ事が可能。光属性の中級魔法で光属性適性があれば習得出来る。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 22:06:54.00 ID:2+EEIawv0
【名称】リプレイスゲート
【属性】空間
【効果】自身と相手の位置を入れ替える。
【備考】自身と相手が同じ空間内にいる時に限り、両者の足元に空間魔法によるゲートを開いて互いの位置を入れ替えてしまうという術。
位置を入れ替えるだけなら大して害が無いように思えるが、例えば高所で戦っている際に空間魔法の術者がわざとそこから飛び降りたとする。
そしてその際にこの術を使えば落ちているのは自分ではなく相手という事になり、相手が空を飛べたり落下のダメージを無効化できるような手段を持たない限
り、難なく勝利できるというわけである。
そもそも空間魔法の使い手自体が貴重なわけだが、これはその中でも特に高度な術の一つであり扱える者はほんの一握りと言えるだろう。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 14:01:35.28 ID:m1mD2+yC0
【名称】ミスト
【属性】水
【効果】濃霧を発生させて相手の視界を奪う
【備考】水属性の中級魔法。水属性適性があれば習得出来る。煙幕のようにして使うので、逃走や相手の隙をつくのに使われている。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 14:52:31.04 ID:cwNEzJFuO
【名称】ボラー
【属性】大地
【効果】大地に穴をあける
【備考】
大地属性の初歩的な魔法。魔翌力を込めるほど大きな穴があけられる。山菜や薬草の採取、雨宿りなどに役立つ。極めた術者なら山にトンネルを作ることもできる。



【名称】エインヘリヤル
【属性】反映・心の複合
【効果】スライム族しか使えない魔法で、作り出した分体に同化した人物を憑依させる。分体が倒されても同化している魂には影響はない。
【備考】
一時的に故人を復活させられるように見えるが、あくまで体はスライムの分体に過ぎず何もかもが再現できるわけではない。
100%の力を発揮するには術者であるスライム自体の能力が高くないといけない。

汎用っぽくない気もする。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 19:13:11.49 ID:EhSqH28C0
【名称】氷受け
【属性】氷
【効果】相手の攻撃を受けるように氷を発生させ、滑らせて受け流す
【備考】相手の攻撃にあわせて位置、角度を調整し、氷の表面を可能な限り完全なつるつるに近づけなければならないので
とても繊細な技術が要求される応用技
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 22:05:40.01 ID:O7StiQYNO
【名称】咆哮
【属性】物理
【効果】大声を出して相手を怯ませる
【備考】ドンエテコウが使う技。大声を出すことで相手は耳を塞いでしまうくらい爆音である。近くで咆哮を受けると最悪鼓膜が破れてしまう可能性がある。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 22:29:56.58 ID:SbEagkVoo
【名称】カラオケ
【属性】音
【効果】みんなで楽しめる
【備考】どこからともなく音楽を正確に再生することができる。応用で誰かの声真似もできる。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 01:44:30.82 ID:XuBChnwtO
すいません>>154書いたものですが今更ながら属性の変更します。
【名称】パワーグラウンド
【属性】地
【効果】地面に向かって拳を打つと相手の地面の下から地面でできた拳を出現し攻撃する。同様に剣とかにすると相手の下から地面でできた剣が伸びて相手を刺す事ができる。
【備考】少し難しい魔法だが地属性適性と筋肉を鍛えていれば習得が可能(少し練習は必要)。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 08:53:46.21 ID:4IdjcCes0
【名称】ブラッド・エクスプロージョン
【属性】血
【効果】体内の血液を放出し、爆発させる。
【備考】吸血鬼一族のみに伝わる禁術の1つ。その気になれば体内の血液を全て起爆できるが使用者の死を意味する禁じ手としてこの術の魔術書は封印されている。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 13:58:09.87 ID:cYLLMVJA0
【名称】毒の巨兵(ベノムジェネラル)
【属性】毒
【効果】毒を纏った巨大で鎧を着た骸骨の将軍を召喚し一緒に戦う。
【備考】毒属性の禁術。「毒の巨兵」の毒は特殊で、毒に効果がない相手やスライムでも毒に触れれば動けなくなるくらい全身に激痛がはしりその痛みは永遠に続く。もちろんそうじゃない相手も触れれば苦しみながら亡くなってしまう。毒は人や物などにすぐに纏ってしまう特性がある。「毒の巨兵」は武器や魔法を受けてもすぐに再生できる。逆に武器だとすぐに毒を纏ったしまうので、使えなくなる。相手が耐毒結界だと効果は発揮出来ないが毒に纏ってしまうので、相手とって毒の牢屋に入ったようになる。使用者が止めれば「毒の巨兵」は消える。周囲の環境に影響を及ぼすので、禁術とさせている。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 15:15:39.54 ID:N9RqDkWJo
【名称】スライム化
【属性】スライム
【効果】スライムに変身する
【備考】何でも変身できるスライムに変身できる。楽しいよ。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 15:51:19.91 ID:6ia1Ywoh0
【名称】サイズ変化
【属性】妖精魔法
【効果】人間に強い憧れを持った妖精が作りだしたとされる魔法。人間サイズに大きくなったり、妖精サイズに小さくなれる(それ以上に巨大化することや小さくなることも可能)
【備考】扱いかたさえ学べば妖精以外の人間や魔族も使える
175 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:12:13.81 ID:WJuVyd2V0
皆さんありがとうございました。機会があれば是非とも使わせていただきたいと思います


(例3)
【名称】ハイパーカニゼイション
【属性】不明
【効果】自身の全ての能力とあらゆる攻撃に対する耐性を大きく上昇させる
【備考】古代アーケオガニが用いた能力。その効力は現代における最先端の強化技術・魔法を大きく超えるものとされ、戦術的価値を見込まれて研究が進められている。しかし今のところどの国や研究機関も目立った成果を上げられていない
176 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:13:18.88 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里

 光学迷彩マント「」バサッ

イリス「ふむふむ……」

エバンス「何をしてるんだ?」

イリス「あ、エバンスさん。このマントの光学迷彩を研究してるんです」

エバンス「へえ、光学迷彩を……。もしかして光魔法で光学迷彩をする為にか?」

イリス「いやまあ……できたら良いなって程度ですけどね。光学迷彩はかなり繊細な魔力操作が要求される魔法らしいですし、光属性の専門家じゃない私には難しいかもしれません」

エバンス「でも専門家じゃないクロシュちゃんはできるんだよな?」

イリス「擬態を生業にするスライムのクロシュちゃんを例に挙げるのは酷いですよ! しかもクロシュちゃんの中には光の精霊が住み着いてるらしいですし」

エバンス「す、すまん」

イリス「まあでも有事の際の隠密行動にクロシュちゃんだけに押し付けるのは良くないですし、私も使えたら良いかなとも思いまして。もし私も隠密行動できれば、イヨさんの友達のリュウトウ中将と接触する際に一緒に行けますから」

エバンス「なるほどな。器用なイリスちゃんが一緒にいれば実際安心できそうだ」

イリス「できるかどうかもまだわからないですけどね……」


↓1コンマ
01-60 難しい(魔法経験+1)
61-95 できた(魔法経験+2)
96-00 光化 (魔法経験+4、五大属性レベル+1)
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 16:14:55.71 ID:4IdjcCes0
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:42:35.21 ID:WJuVyd2V0
 光学迷彩マント「」ヒラヒラ

イリス「ふむふむ……形状に合わせて光の通り道も柔軟に変えられるように……」


エバンス「何を言ってるのか全然わからん……」

 ◇

 スゥー…

透明イリス「……」

エバンス「……ん? あれっイリスちゃんどこ行った?」キョロキョロ

透明イリス「ここです、ここ!」

エバンス「……! 成功したのか!」

透明イリス「そうみたいです! エバンスさんの反応を見る限り」

エバンス「凄いじゃないか! 光学迷彩ってかなり難しい魔法なんだろ?」

透明イリス「ええまあ……実際かなり神経を使いますね……。ちょっとでも集中が途切れたら――」


スズメバチ「」ブンブン
スズメバチ「」ブンブンブン
スズメバチ「」ブンブンブンブン


透明イリス「……と、途切れたら……」アセアセ

エバンス「……追い払おうか?」

透明イリス「い、いえ……! 集中力を鍛える良い機会です! あ、でも解毒剤の用意はしといてください……!」


 ☆イリスは蜂にまとわりつかれても集中を切らせず、無事に光学迷彩を身につけることができました

 ◇
179 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 17:51:21.20 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家

ミスティ「イヨ、少し良い?」

イヨ「はい、なんですか?」

ミスティ「銀狐についてなんだけど……」

イヨ「銀狐、ですか?」

ミスティ「ええ。20年ほど前に乱獲されて絶滅したと聞いたわ。その時朝廷は……どうしていたのかしら?」

イヨ「……20年前というと……先代巫女の時代ですね。記録によると銀狐などの密猟を厳しく取り締まるお触れを出したり、当局による警備を強化したりといった施策は行っていたようです。残念ながら銀狐は守れなかったようですが……」

ミスティ「そうだったのね……」

アキト「先代朝廷の話でござるか?」ヌッ

イヨ「アキトさん……」

ミスティ「ええ。銀狐の絶滅について、朝廷が当時どんな手立てを講じたか聞いていたの」

アキト「ふむ……拙者も物心が付いた時分には既に銀狐が滅びていたゆえ、直接見聞きしてきたわけではござらんが……。先代の巫女殿は、銀狐の絶滅に大層御心を痛めていらっしゃった……」

ミスティ「そうだったのね……」

アキト「だが数年ほど前、オノゴロ当局は密猟組織の検挙に成功した。国際的に密猟を働く巨大組織であったようだが、既に解体され、構成員は軒並み刑罰を受けている」

ミスティ「!」

イヨ「例のお触れも銀狐は守れませんでしたが、他の希少生物たちを密猟から守ることはできたようです。だから決して無意味だったわけではなくて……。先代巫女様は、できる限りのことをしたと私は思っております」

アキト「うむ……」

ミスティ「わかったわ。ありがとう……」

イヨ「……もしかして、アウル・フォクシーが銀狐の生き残りではないかと考えておられるのですか?」

ミスティ「……そうね。でももしそうだとして、手心を加えるつもりなんてないから安心して。奴の動機が同族を滅ぼされた憎しみだとしても、無差別攻撃に走るのであればそれは正当な復讐ではなくただの八つ当たり。同情の余地はないわ……」

アキト「であるな。少々気の毒ではあるが、オノゴロを脅かす敵となるのであれば手加減する道理もなし」

イヨ「……はい。私も、私自身だけでなくリュウトウにまで酷い目に遭わされているので、あの狐は許しません」

 ☆当時の朝廷の施策についての情報を得ました

 ◇
180 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 18:47:17.53 ID:WJuVyd2V0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在11日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 18:48:33.34 ID:WJuVyd2V0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 囲炉裏「」パチパチ

妖精「今の状況はこんな感じだよ」

◯世界樹の光
・荒れ波の原因
・姫巫女が保持し、荒れ波を起こしているらしい

◯わらわじゃ巫女
・歴代の姫巫女?
・元のイクセちゃんが夢の中にいた?
・姫巫女という仕組みを破壊しようとしている?

◯反朝廷勢力
・朝廷の破壊が目的
・テロリストの毒狐アウルが加入した
・反朝廷組織なのに朝廷と手を組んでいる
・反朝廷の巫女であるトキワちゃんはこっちで保護してる

◯朝廷
・わらわじゃ巫女の支配下
・毒狐アウルになぜか大きな裁量権が認められている
・国政区の警備はリュウトウ中将が担当している

◯毒狐アウル
・絶滅した銀狐の生き残りらしい
・チョコレートに弱い
・挑発が有効かもしれない
・耐毒結界があるので気体の毒は大丈夫

ミスティ「……どうすれば良いのかしら?」

イリス「やっぱりリュウトウ中将を引き込みたいですよね。私も光学迷彩できるようになったので、もし接触するなら一緒に行けます!」

アキト「わらわじゃ巫女の正体も気になるなでござる。どうにかしてイクセ殿と話をできれば……」

クロシュ「……がんばれば……夢の中で、会えるかも……」

エバンス「アウル対策は十分か? チョコレートスムージーを飲ませられれば……ん? 気体の毒?」

妖精「うん。妖精の耐毒結界は気体状の毒しか防げないよ。液体や固体の毒をぶつけられたら防げないから注意してね」

エバンス「ま、マジか……」

イヨ「気体状の毒が空気中に充満すれば避けようがありませんから、妖精さんの耐毒結界もものすごくありがたいです」

エバンス「まあそうだな。液体とか固体を避けりゃ良いってことは普段通りの戦闘と変わらないってことだしな」

妖精「そういうこと。ローガンのオリハル鎖帷子なら大抵の液体毒や固体毒も無効化できるだろうから、前衛はクロシュとローガンに務めてもらうのが良いかな?」

ローガン「うむ……。実はこっそり練習している鋼の防御魔法もあるのだ。毒への備えはクロシュくんの次くらいに万全と言えるかもしれん」

クロシュ「わあ……!」

フメイ「……クロシュを矢面に立たせるの?」ジト

妖精「適材適所だよ。クロシュなら毒を受けたって効かないし」

フメイ「絶対にどんな毒も効かないって言い切れるの?」

妖精「う……スライムでも消化し切れない呪毒とかだと、一時的に気持ち悪くなったりするかもしれないけど……。それでも他の人よりはずっと平気なはずだよ。その隙にフメイが後ろから炎で敵を焼いちゃえばクロシュだって安全なんだから」

フメイ「むー……もしクロシュが苦しい目に遭ったら標本にしてやる……」

妖精「標本はやめて……」

 ☆目標が追加されました
  ・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

 ☆努力目標が追加されました
  ・わらわじゃ巫女の正体を探る
  ・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
  ・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
  ・アウルの出自を調べる(達成済)

オノゴロ諸島滞在11日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?

↓4コンマ 残り日数
01-75 3日
76-00 4日
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:50.19 ID:lbeuawGRO
クロシュ、オノゴロの酒を堪能
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:56.31 ID:wlOH+tTLO
クロシュ シズクとおしゃべりする
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:57.07 ID:6ia1Ywoh0
クロシュ、フメイ、アリシラ再び3人で一緒に寝る 
今度はクロシュの夢の中のメゾンドクロシュにお邪魔する(アリシラの夢の中の村の村人も何人かクロシュの夢の中に来ること出来るのかな?)
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:51:56.36 ID:uyILu3Z8O
はい
186 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 19:46:47.09 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家

シズク「んしょ、んしょ」モニョモニョ
 酒樽「」ユサユサ

クロシュ「わあ……!」

ローガン「酒か……!?」

シズク「はい、お酒です!」モニョニョ

 酒樽「」ポン!

シズク「いっぱい仕入れたので、お飲みできます!」モニョモニョ

ローガン「おお……では早速頂いても?」

シズク「もちろんです!」モニョニョ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「えっクロシュちゃんも飲むの!?」モニャニャ

スライムクロシュ「〜!」モニョ


↓1コンマ
01-60 大吟醸
61-90 鬼ころし
91-00 ヤシオリ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 19:50:14.14 ID:3cl144sto
ゴッキュゴッキュ
188 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 20:22:04.65 ID:WJuVyd2V0
 一升瓶「」トクトク
 徳利「」ポン!

 クイッ… ゴクッ…

ローガン「瑞々しい果実を思わせる華やかな香りに、やや辛口ながらもさっぱりとした滑らかな味わい……。仄かな甘みと酸味がまた心地良く、後には爽やかな余韻が残る……。素晴らしいオノゴロ酒だ」

シズク「そ、そうなのですか……? でも美味しかったなら良かったです!」モニョニョ

 グビグビ

ローガン「……!?」

シズク「えっ!?」モニョ!?


 酒樽「」グイッ
スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョニョ グビグビ


シズク「わ、わわわ……!!? クロシュちゃん!!?」モニャニャ

ローガン「クロシュくん!!? なんという飲み方をしているのだ!!?」

スライムクロシュ「〜〜♪♪♪」モニョモニョ

ローガン「いくら酒に強いからと言って、これほど良い酒をそのように飲むのはだな……」

 一升瓶「」グイ
フメイ「どうせお腹に収まるんだから、どんな飲み方でも同じ……」グビグビ

ローガン「フメイくんもか!!?」

フメイ「アルコールは魔力効率が良い……。何本か貰ってく……」グビグビ

シズク「え、あ、ええっと……」アタフタ モニョニョ…


ユキ母「はあ、困ったお客様ねぇ……。まあでもこんな時だから、好きなだけ飲んでもらって大丈夫よ」

シズク「雪女さん……!」モニョニョ

ユキ母「だからちゃんとオノゴロを守って頂戴ね。クロシュちゃん、フメイちゃん」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

フメイ「……善処する」グビ

 ☆美味しいお酒を飲んで元気になりました

 ◇
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:24:21.85 ID:3cl144sto
酒豪赤ちゃんズ
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 20:41:18.37 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家


シズク『クロシュちゃんお酒飲めるんだねぇ』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……。シズクちゃんは……飲まないの……?』モニョニョ

シズク『わたし、お酒飲むと気分がぶわぶわ〜ってなっちゃうの。汚れた水を取り込んだ時に比べれば全然良いんだけど、それでもぶわぶわになっちゃうとお仕事ができないから……』モニョニョ

スライムクロシュ『ぶわぶわ……。ぶわぶわになったシズクちゃん、見たい……』モニョモニョ

シズク『だ、だめだよ! わたし、飲まないもん!』モニョニョ


↓1〜2 シズクとおしゃべりする内容
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:42:35.96 ID:cYLLMVJA0
銀狐乱獲についてシズク的にはどう思っているか
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:42:55.29 ID:4IdjcCes0
サララの家族について
193 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 21:28:02.89 ID:WJuVyd2V0
クロシュ『シズクちゃんは……狐さんのこと、どう思う……?』

シズク『狐さん……あっ、悪い毒狐さんのことだよね。銀狐さんの生き残りの』

クロシュ『うん……』

シズク『うーん……どうって言われても、わかんないや……。かわいそうだとは思うけど、あんまりよく知らないし……』

クロシュ『えっと……20年前、だもんね』

シズク『うん……。わたしなんかがかわいそうなんて言ったら、きっとあの狐さん、怒ると思うから……直接は言えないけど……』

クロシュ『きつねごころ……むずかしい……』

 *

シズク『そういえばサララちゃんにはお姉さんがいるんだよ』

クロシュ『ほえ、そうなの?』

シズク『うん。今は大陸で冒険者をやってるんだって。もしかして会ったことあるんじゃないかな?』

クロシュ『ん〜……でっかいおめめの人、サララちゃん以外に見たことない……』

シズク『サララちゃんのお姉さんは3つ目なんだよ! おでこにもう一つのおめめがあるの!』

クロシュ『ほえ……』

シズク『ちょうどそこにあるみたいな帽子をいつもかぶってたの』

 メルルの帽子「」ポン

クロシュ『! もしかして……メルルさん?』

シズク『わあ! やっぱり会ったことあったんだ!』

クロシュ『うん……。時々……一緒になった……!』

シズク『世間は狭いんだねえ』

 *

クロシュ『シズクちゃんは、どんなスライムなの?』

シズク『えっ、わたしのお話……!? え、えっと……ウォータースライムって、知ってる……?』

クロシュ『ウォータースライム……!』

シズク『うん。霊峰の周りには綺麗な泉とか地底湖があちこちにあってね、そういうところで暮らしてるスライムなんだぁ。わたしも、人里離れた山奥の小さな泉で生まれたの』

クロシュ『わあ……!』

シズク『クロシュちゃんは、何のスライムなの?』

クロシュ『……えっと………』

シズク『うん……!』

クロシュ『………カリス・ノーランドっていう悪者が作った、変なスライム……?』

シズク『……え? そ、それって……どういう……』

クロシュ『わたしも……よくわかんない……。でも、困ってないから、たぶんだいじょうぶ!』

シズク『そっか! 大丈夫なら大丈夫だね』

クロシュ『ん!』

 ☆シズクちゃんとおしゃべりして親交を深めました

 ◇
194 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 22:57:46.73 ID:WJuVyd2V0
―夜
 貸家 寝室

クロシュたんぽ「」zzz
フメイ「」zzz
アリシラ「」zzz

 ◆

―クロシュの夢
 集落

クロシュ「……」

メイ841「クロシュ、今日も一日お疲れさまです。そちらの方々は……」

クロシュ「……ほえ?」

フメイ「……えっ?」

アリシラ「……あれ? ここ……どこ?」

 ◇

夢の女神「稀に、強い結び付きを持った者同士の夢が混線してしまうことがあります。恐らく、フメイちゃんとアリシラさんがクロシュちゃんの夢に入り込んでしまったのもそれと同様のケースでしょう」

フメイ「ふうん……。じゃあここはクロシュの夢の中なんだ……」

アリシラ「へ〜面白い! クロシュちゃんの夢の中にはこんなに大勢の人が住んでるんだねえ」

クロシュ「んへへ……」


光の精霊「あっフメイちゃん! 久しぶりだね〜」

フメイ「お前は……テラヌス砂漠の遺跡にいた光の精霊?」

光の精霊「覚えててくれたんだ〜。あれからいろいろあって、分霊をクロシュちゃんの中に派遣したんだよ〜」

フメイ「そんなことできるんだ、精霊って……」

炎スライムの欠片「初めまして、フメイちゃん!」

フメイ「炎の、スライム……?」

炎スライムの欠片「バーニングスライムだよ! フメイちゃんに負けないくらい熱いクロシュちゃんの炎はボクの力でもあるんだ〜」

フメイ「そういうことだったんだ……。まあ、クロシュの力になってるなら良いけど……」


セレナディア「……だあれ? 食べても良い人?」ノッシノッシ

アリシラ「うわあ! ドラゴンまでいるの!?」

クロシュ「んへへ……セレナディアさん」

夢の女神「クロシュちゃんのお客様だから食べちゃだめですよ、セレナディア」

セレナディア「え〜」

ヴァン「よし、それじゃあ俺がこの夢の中で栽培しているリンゴを食え!」ヌッ

 カゴいっぱいのリンゴ「」ドッサリ

セレナディア「しょうがないなあ〜」ペロッシャクシャク

ヴァン「まだまだたくさんあるので、お客様たちもどうぞ!」

 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン
 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン
 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン

フメイ「わあ」

 *
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 22:58:57.23 ID:WJuVyd2V0
 シャクシャク モグモグ

フメイ「……集落なのに……住んでる住民が全然違うから、なんだか不思議……。でも、嫌じゃない……」

アリシラ「そうだねえ……。もし全然知らない奴らがあの集落に住み着いてたら嫌だけど、ここはクロシュちゃんの夢で、クロシュちゃんが住んで良いと思ってる人たちだからねえ」

クロシュ「んへへ……」

不死鳥の羽根「……ねえ、あなたたち考え直す気はない? こうして、元の集落に暮らしていた三人でのんびりしていればそれで十分ではないかしら」

フメイ「あっ性悪魔女……!」

不死鳥の羽根「……私の本体と何かあったのね……」

アリシラ「何にしても考え直す気はないねえ。ここはクロシュちゃんの中だから平和そのものだけど、外の世界にはどうしようもない最悪な奴らが蛆虫みたいに湧いてくるんだよ。全部まとめて焼き尽くさなっきゃ綺麗にならないでしょ?」

不死鳥の羽根「はあ……わかったわよ。ここで議論をする気はないから、せめて平和に過ごして頂戴」

アリシラ「ふふ、ありがと」

 *

―クロシュの夢
 集落の広場

 ワイワイ キャッキャ

クロシュ「――」キャッキャ
フメイ「――」キャッキャ
ウニ大盾「――」キャッキャ
炎スライムの欠片「――」キャッキャ
雷スライムの欠片「――」キャッキャ
風船スライムの欠片「――」キャッキャ
光の精霊「――」キャッキャ
踊り子の双剣・妹「――」キャッキャ
ワイバーンの鱗「――」ギャオギャオ
パラサイトソード「――」シャキーン



アリシラ「ふふ、すっかり馴染んじゃって」

夢の女神「良い場所ですよね。私も……人生の最期にこんな素敵なところに辿り着けるなんて、夢にも思っていませんでした」

アリシラ「……本当に、良い場所。あの人たちも……私なんかの中より、こっちに連れて来られたら良かったのに……」

夢の女神「あの人たち……?」

アリシラ「……あなたは夢の力を持つ女神様なんだっけ?」

 *

夢の女神「私の力で、あなたの内側に閉じ込められている者たちの魂をこちらへ連れていって欲しい、と……?」

アリシラ「うん。私の中にいたんじゃ、いつ消えるかもわからないらしいから。こっちなら、ずっとここで平穏に暮らせるんでしょ? だったら……」

夢の女神「……危険です。夢の住人とは、既にその人の心の一部ともなっている存在。無理にあなたから引き剥がせば、あなた自身に重大な問題が発生する可能性があります」

アリシラ「別にいいよ。どうせもう魔王が混ざり込んでおかしくなってるんだもん」

夢の女神「……」

アリシラ「……お願いします。みんなを……お父さんと、お母さんを……」


↓1コンマ
01-05 ??
06-65 慎重にやりましょう(1/4)
66-95 思ったよりいけそう(2/4)
96-00 ??
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 23:04:19.08 ID:6ia1Ywoh0
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 23:35:23.19 ID:WJuVyd2V0

アリシラ「……ど、どう?」

夢の女神「……アリシラさんとクロシュちゃんの心の波長を合わせて、慎重にやっていく必要があります。今日一日では難しいので、またクロシュちゃんと一緒に寝てくれますか? こんな風にあなたとクロシュちゃんの夢が交わった時に、また続きをしましょう」

アリシラ「わかった……。お願いします」ペコリ

 ◇

―クロシュの夢
 集落

 白んでいく空「」


フメイ「……あれ? なんか空が明け方みたいになってる……?」

炎スライムの欠片「もう朝が来るみたい。そろそろお別れだね」

アリシラ「へえ〜さっきまで夜って感じじゃなかったのに、朝は明け方になるんだねえ。なんだか不思議……」

夢の女神「クロシュちゃんの心象が反映されるので、現実で眠っているクロシュちゃんの体が朝の光を感知したりすると夢の中でもこんな風にそれが現れるんですよ。目覚めが近い証でもあります」


ウニ大盾「また来てね、フメイちゃん……。クロシュちゃんと、ずっと一緒に……」

フメイ「うん……」

メイ841「クロシュを泣かせたら承知しません」

フメイ「な、泣かせたことなんてないもん」

不死鳥の羽根「あら? クロシュの記憶によれば、人間を滅ぼすと言ってクロシュを置いて去った時に泣かせているみたいよ?」

フメイ「〜〜!! こ、この性悪魔女……!!」チリリッ

ヴァン「これから泣かせなければ良いんだよ。それなら問題なくできるだろう? クロシュちゃんの親友のフメイちゃんなら」

フメイ「……当然」

ヴァン「よし! クロシュちゃんも、フメイちゃんを泣かせちゃだめだよ? はは、クロシュちゃんなら言うまでもないかな?」

クロシュ「ん!」

踊り子の双剣・姉「いつまでも仲良くね。悔いのないように……」

踊り子の双剣・妹「そうだよ! 死ぬまで仲良くして、死ぬ時も一緒に死ぬのが一番!」

踊り子の双剣・姉「こら、何てこと言うのこの子は……」

踊り子の双剣・妹「……置いてかれる側の苦しみなんて、絶対に味わわせちゃだめなんだから」

踊り子の双剣・姉「………そうね」

フメイ「置いてかれる側の……」

クロシュ「フメイちゃん……」

 おてて「」ギュッ

フメイ「クロシュ……」

クロシュ「……」

フメイ「……うん。置いてかない……フメイ、クロシュのこと……」

クロシュ「……!」パァァァ


アリシラ「……ふふ」


アリシラ(……私とフメイちゃんの二人旅も……もしかしたら、ここで終わりなのかも……)

アリシラ(そんで……私の中にいるみんなをクロシュちゃんに送れたら……)

アリシラ(…………一人で、行かなきゃ)


 ☆アリシラの夢の住民引っ越し計画が始まりました(1/4)

 ☆フメイちゃんの心境に変化の兆しがあります

 ☆アリシラさんの心境に変化の兆しがあります

 ◆
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:21:07.89 ID:5DJi5qRE0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[1/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・わらわじゃ巫女の正体を探る
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:21:36.03 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落

ブラッドの欠片「ふわあ……よく寝た……」モニョモニョ

光の精霊「あ、ブラッドおはよ〜。もうクロシュちゃんたち起きちゃったよ〜?」

ブラッドの欠片「ん? クロシュ以外にも誰か来てたの?」

光の精霊「クロシュちゃんの友達の、フメイちゃんとアリシラちゃん!」

ブラッドの欠片「ああ……この集落に暮らしてた本当の住人だっけ。腐れカリスノーランドに造られた仲間でもあるっていう……」

光の精霊「そうそう。アリシラちゃんはカリスと関係ないと思うけど」

ブラッドの欠片「……あの腐れ外道とは遠くない内にぶつかることになる気がする。あたしもクロシュの内側でできるだけのことはしておくか」グッグッ

光の精霊「おお、頼りになるゥ〜」

ブラッドの欠片「クロシュがあたしの本体と同盟でも結んでくれれば心強いんだけどなあ。あたしの本体は人間嫌いだろうし難しいか……」

光の精霊「ここにいるあなたは人間嫌いじゃないの?」

ブラッドの欠片「どちらかと言えば嫌いだけど、ここに住んでいる内にどうでも良くなった」

光の精霊「なるほど」

 ◇
200 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:22:48.23 ID:5DJi5qRE0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 チュンチュン

クロシュたんぽ「……」zzz

フメイ「ん……」パチ


窓の外を見つめるアリシラの後ろ姿「……」


フメイ「アリシラ……?」

アリシラの後ろ姿「おはよ、フメイちゃん」

フメイ「あ、うん。おはよ……。えっと……アリシラは、覚えてる……? 今朝の、夢……」

アリシラの後ろ姿「うん」

フメイ「……そうなんだ」

アリシラの後ろ姿「……うん」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「……」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「……私のことなら、気にしなくて良いよ。元から私が始めたことだもん」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「………今まで、付き合わせて、ごめん」

フメイ「……違う。フメイは……自分の、意思で……」

アリシラの後ろ姿「でももう……クロシュちゃんと一緒にいたい。離れたくない。そうでしょ」

フメイ「……でも……フメイには……そんな資格……」

アリシラの後ろ姿「……あるよ。だってみんな……私の中で、生きてる……」

フメイ「……!」

アリシラの後ろ姿「前にフメイちゃんも、会ったでしょ? 私、今……みんなを、クロシュちゃんの中に引っ越しさせようとしてるの」

フメイ「え……」

アリシラの後ろ姿「そしたら……フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒に寝ればいつでもあの集落のみんなと会える。みんなも、クロシュちゃんの中でずっと平和に暮らしていける……。誰も、犠牲になんかならなかった……しあわせな結末なの」

フメイ「……アリシラは……?」

アリシラの後ろ姿「……あははっ、そしたら……私も諦めようかな? みんながしあわせに生きてるなら、世界に復讐する意味もないしね」

フメイ「じゃあ……」

 クルッ

アリシラ「……私たちの旅は……ここで、終わりにしよう」ニコッ

フメイ「……ん」コク


オノゴロ諸島滞在12日目。ここは霊峰の隠れ里です。14日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:08.37 ID:rQp7ZWLk0
ローガン エバンスとイリスに協力してもらい鋼の防衛魔法の強化
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:25.37 ID:kymc+32/0
再びクロシュの夢の中でアリシラの夢の住人引っ越し計画の続き
(可能なら再び元のイクセが現れてお話し)
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:56.83 ID:uCzFrlnWo
取り敢えずアウルを遠くから観察してみる
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:40:06.28 ID:5DJi5qRE0
本日はここまでとなります。次回はローガン氏の新防御魔法鍛錬編、アリシラの夢引っ越し計画+イクセちゃんとお話しよう編、アウル氏を探して観察してみよう編となります

クロシュの夢の中で過ごし、それぞれの思いを巡らせる集落の三人。罪ある限り、共に生きられぬ。ならば罪をなくせば、共に生きられるはず。幼い少女たちの罪を、悲しみを、空へ昇華せしめんとするは如何なる想いか。共に旅したフメイちゃんの心を欺いて突き進む、魔王もどきの少女が目指す未来は――

本日はイリスさんが光学迷彩を使えるようになったり、当時の朝廷の密猟対策について聞いてみたり、オノゴロの大吟醸を美味しく頂いたり、シズクちゃんとお話して親交を深めたり、クロシュちゃんの夢の中で楽しく遊んだり、アリシラ氏が夢の住人の引っ越し計画を始めたりしました

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 01:09:28.88 ID:tC/pfWqIo
おつでしたー
ここまで出会ってきた魔王達を見るに、魔王だからって一緒に居られないなんて事はないと思うんだけどな…
クロシュちゃん、アリシラさんもつなぎとめてくれ!
ブラッドと同盟はフメイちゃんが一緒であればなんか突破の糸口になりそう
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 02:01:53.05 ID:4T1d9wULO
乙です
結構汎用魔法の募集が来たけど汎用魔法もキャラ安価みたいに少し設定変えたりするのかな。
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 07:05:12.27 ID:0lFFQii70

メルルちゃん三つ目だしサララちゃん以上にいじめられてそう。
そんな妹を置いて旅に出た背景も気になる・・・
三つ目はハーフだし特殊個体かな?
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 15:06:51.53 ID:joZrDM4uO

シズクちゃんともっと仲良くなればウォータースライムの欠片をもらえたりするんかな?
なお残り日数
209 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 17:44:23.85 ID:5DJi5qRE0
アリシラ氏はとても特殊なケースなので、今のところどのようにするのが彼女にとって最も良い選択となるかはわかりません。慎重に考えていかなければならないかもしれません。クロシュ氏の言葉が届くかどうかもまた未知数であります
ブラッド氏の視点からは、クロシュは人間に良いように騙されているのろまなペットスライムのように見えているのかもしれません。そしてフメイちゃんもブラッド氏の同郷と言えるので、もし対話の機会があれば良い方に働く可能性があります

投下された案は形式に関わらず世界観や設定に沿うように修正される可能性があります。もし修正してほしくない場合はその旨を宣言して頂ければ修正いたしません(でもその場合、世界観にそぐわないと判断されると劇中に出せなくなります)

メルル氏は攻撃されたらやり返すタイプなので、いじめの標的になることはあまりなかったかと思われます。また、旅をしている理由については実のところスレ冒頭の登場人物紹介を読めばわかるかもしれません
一つ目小僧やその混血児の生態については未だ解明されていない点が多く、今のところ熱心に調べている研究者もいないため、姉妹で目の数や大きさが異なる理由は不明のようです

シズクちゃんともっと仲良くなると実際良いことがあるかもしれません。そして欠片については、実のところもう既にだいぶ仲良しなので、自由行動などで欲しい旨を伝えれば割とあっさりくれるかと思います。なお実際残り日数は少ないので、いろいろ終わってからゆっくりお話するのも良いかと思います
規定の日になれば自動的に話が進みますが、それまでに達成した努力目標の項目によっていろいろな運命が変わる可能性があります。クロシュちゃんたちには悔いのないように過ごして頂きたく思います
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 17:44:55.60 ID:5DJi5qRE0
―霊峰の隠れ里
 里外れ

 ホーホケキョ ポッポホーホー

エバンス「思いっきり攻撃すりゃ良いのか?」

ローガン「ああ。手加減無用で頼む」

イリス「手加減無用……あの、本当に大丈夫ですか……?」

ローガン「君たちの攻撃にやられてしまうようでは、前衛は務まらんからな」

イリス「まあそういうことなら……」

エバンス「無茶はすんなよな」

イリス「じゃあいきますよ……!」コォォォ――


↓1コンマ
01-05 負傷した……
06-60 普通(魔法+1、防御+1)
61-90 良い(魔法+1、防御+2)
91-00 会心(魔法+2、防御+4、鋼属性レベルUP)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 17:45:46.83 ID:CucO16h1o
やあああ!
212 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 18:19:23.74 ID:5DJi5qRE0
エバンス「とうっ!」バッ
 魔銀の刀「」シャッ!

ローガン「むんっ!」
 灼鋼の盾「」ギンッ!

イリス「はああっ!!」カッ

 星光の奔流「」ドギュウウウンッ!!

ローガン「!!」バッ!

 ドガァァァァンッ!!
 モクモクモク…

エバンス「お、おいやりすぎじゃないか!?」

イリス「だ、だって本気でって……」

エバンス「いや確かにそうだが……とにかく大丈夫か、旦那!」

 モクモク…

 ガションガション―

イリス「えっこの足音は……」

エバンス「な、な……」


 ガションガション―

メタルローガン「問題ない」ギラン


イリス「う、うわあああ!!?!? ろろ、ローガンさんが!!?!?」

エバンス「ぎ、銀ピカの鉄人になっちまった!!?!?」

 *

メタルローガン「メタルコーティングという魔法でな。全身を鋼の魔力で硬質化させるという術なのだ」ギラギラ

イリス「メタルコーティング……!! 聞いたことがあります。鋼属性の上級術師が使うという、世界的に見ても屈指の堅さを得られるという強力な防護魔法……!!」

エバンス「そんな隠し技を持ってたなんて……やるじゃないか、旦那!!」

メタルローガン「ユーシリア大図書館に滞在していた時、隙間時間に教本を読んで勉強していたのだ。この魔法があれば物理的な攻撃のみならず、魔法や毒に対しても優位に立ち回れるはずと思ってな」

イリス「なるほど……鋼の力で体を包めば大抵の毒も効かなくなりますね!」

メタルローガン「うむ。問題は呼吸によって取り込んでしまう気体毒だったのだが、それも妖精くんの耐毒結界で無効化できる。我ながら毒対策は万全にできているのではないかと思う」

エバンス「確かに、鋼に毒って効かなそうだが……実際効かないもんなのか?」

メタルローガン「雨風に晒された鋼が錆びて腐蝕するように、全く効かないとは言い切れないだろう。だがそれでも生身でいるよりは毒の侵食をかなり防げるはずだ」

エバンス「まあそりゃそうか」

メタルローガン「妖精くんも言っていたように、強力すぎる毒を浴びればスライムであっても無事では済まないかもしれん。そんな危険な戦いの前衛をクロシュくんだけに押し付けるわけにはいかんしな」

イリス「ですね……。私もできる限り早く戦いを終わらせられるよう頑張ります!」

メタルローガン「うむ、頼んだぞ」

 ☆ローガンが経験を積みました(魔法+1、防御+2)
  さらに戦闘中、必要に応じてメタル化するようになりました

 ◇
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 18:39:36.92 ID:5DJi5qRE0
―霊峰の隠れ里 貸家

 オフダ「」ヒラヒラ

イヨ「……」ムム…

妖精「何してるの?」

イヨ「オフダで温泉街の様子を探っています。警備もかなり強まっているので、遠くから観察するくらいしかできませんが……」

ミスティ「今の温泉街の状況はどんな感じなの?」

イヨ「……国外から来た旅行者や冒険者たちは捕縛されて牢に入れられてしまったようで、先日までの賑わいが嘘のように閑散としています。それに抗議した商人や手工業者も、朝廷反逆罪で捕らえられてしまうようです」

妖精「……本気でオノゴロを壊す気なんだ」

イヨ「はい。ああ、あと……私たちの人相書きが掲示板などに貼られています。けっこうな懸賞金がかけられているみたいです」

ミスティ「……ついにお尋ね者になってしまったのね」

妖精「今までにも何度かお尋ね者になりそうな事態はあったけど、実際にお尋ね者になったのは初めてな気がする……」

イヨ「……あっ! アウルです! あの毒狐の姿を発見しました!」

妖精「えっ、それ大丈夫?」


↓1コンマ
01-05 逆探知されてしまった!
06-35 オフダを破壊された
36-65 リュウトウを叱っている
66-95 大掛かりな方陣を作っている
96-00 リュウトウがオフダに気付いた
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 18:42:50.50 ID:0lFFQii70
215 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 20:14:17.60 ID:5DJi5qRE0
イヨ「……リュウトウを叱っているようです。何と言っているかまでは聞き取れませんが……」

ミスティ「リュウトウ中将もいるのね」

妖精「やっぱりアウルの方が立場が上なんだ」

ミスティ「……叱っているということは、リュウトウ中将は何かの失敗をしたということ?」

イヨ「……もしくは、アウルの意に沿わない発言をした……でしょうか。リュウトウは真面目で曲がったことが嫌いですから、あの毒狐の横暴に耐えられず何らかの反抗を行った可能性もあります……」

妖精「……でも、叱られてるだけで捕まったり連行されたりしてるわけじゃないんでしょ? それなら……きっと大丈夫だよ。イヨがアウルに殺されそうになってる時に、反逆じゃなくて土下座っていう行動を選択できた子だもん。感情に任せて無茶な行動に走ったりはしないはずだよ」

イヨ「そう、ですね……。そう信じます……」

妖精「でも、リュウトウが叱られるに至った経緯は気になるね……。一体何があったんだろう」

ミスティ「……まだ14歳なのよね……。それなのに朝廷軍の重責を負わされて、しかも外患そのものな毒狐に嫌味を言われながら働かせられるなんて……気の毒だわ……」

イヨ「…………」

 ◇
216 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 21:41:09.18 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落診療所

夢の女神「ゆっくり、深く呼吸をして……」

アリシラ「すぅー……はぁー……」

夢の女神「そう、そのままリラックスして……」



フメイ「アリシラ……ほんとに、引っ越ししてもらうつもりなんだ……」

クロシュ「うん……」

フメイ「クロシュも知ってたんだ……引っ越し先の当事者なんだから、知ってて当然……?」

クロシュ「うん……なんとなく……わかった……」

 *

―クロシュの夢
 集落

クロシュ「……あ、やらなきゃいけないこと……あるんだった……」

フメイ「え、やらなきゃいけないこと?」

クロシュ「えっと……姫巫女の、イクセちゃんと……お話……」

フメイ「姫巫女の……? どうやって……?」

クロシュ「女神さまに……あっ、今お引っ越しで忙しいから……えっと……」モニョニョ…


ヴァン「夢の力が必要なんだね? 俺に任せてくれ!」ヌッ

クロシュ「ヴァンさん……!」

フメイ「昨日リンゴをくれた人……?」

ヴァン「また会ったねフメイちゃん! 俺は女神の騎士ヴァン・アナザールート! 女神ほどじゃないけど、生前は夢の魔法が使えたんだ! クロシュちゃんの道は俺が切り開こう!」

クロシュ「わあ……!」

ヴァン「姫巫女さんとは一度夢が交わってる仲だから、俺の力でも繋げられると思う!」

フメイ「……フメイも、いける?」

ヴァン「フメイちゃんはお客さんだから、たぶん行けると思うよ!」

フメイ「わかった……クロシュはフメイが守るから、安心して」

ヴァン「ははっ、心強いなあ。それじゃあ道を繋げるよ」スッ

 ポワン!
 夢の境界「」ユラユラ

フメイ「わ……空間が、水面みたいにゆらゆらしてる……!?」

ヴァン「夢と夢の境界だよ。この向こうが姫巫女さんの夢の世界に繋がってる」

クロシュ「ヴァンさん、すごい……!」

ヴァン「女神の騎士だからね! 俺たち夢住人は向こう側には行けないから、もし向こうで何かあったら急いで帰っておいで」

クロシュ「ん……!」

フメイ「……いってきます」

 夢の境界「」トプン…

 ◇
217 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 21:46:32.31 ID:5DJi5qRE0
―イクセの夢
 トウゲン城 縁側

 お花畑「」ソヨソヨ
 ちょうちょ「」ヒラヒラ

イクセ「……」ボー…


クロシュ「」ヒョコ

フメイ「ここが……姫巫女の……?」ヒョコ


イクセ「……あっ……この前の、スライムさん……? でも……二人……?」

クロシュ「わたし……クロシュ……。この前の、スライム……。えと、こっちの……フメイちゃんは……」

フメイ「……フメイは、フメイ……。クロシュの……友達……」

イクセ「そうなんだ……。クロシュちゃんに、フメイちゃん……」

クロシュ「ん……!」

フメイ「あなたが……姫巫女の、イクセ……?」

イクセ「……ううん。わたしは……ただの、イクセだよ……?」

フメイ「え、そうなの?」

イクセ「うん……」

フメイ「そうなんだ……」

 *

イクセ「今日は……どんな、ご用で来たの……?」

クロシュ「えっと……先代の、姫巫女さまのこと……イヨちゃんと……ござるのおじさんから、聞いた……」

イクセ「ござるのおじさん……あっ、アキトおにいちゃん……!?」

クロシュ「知ってるの……?」

イクセ「うん……! イヨおねえちゃんも、アキトおにいちゃんも、知ってる……!」

クロシュ「わあ……! えっとね……イヨちゃんと、ござるのアキトさんが……先代の姫巫女さまは、すごく優しくて、いい人だったって……言ってた……!」

イクセ「……うん……」

クロシュ「だから……えっと……」

イクセ「……でも……優しかったお母さまは……姫巫女なんかになったせいで、死んじゃった……」

クロシュ「んゅ……」

イクセ「……だから、姫巫女さえなくなっちゃえば……もう誰も……ひどい目に、あわない……」

フメイ「……」


↓1コンマ
01-05 「わらわの心に土足で上がり込む不届き者はどこの誰じゃ?」ヌッ
06-60 フメイの反論
61-90 霊媒スライム
91-00 夢想スライム
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 21:49:02.48 ID:QcRWGm2JO
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:14:09.89 ID:5DJi5qRE0
フメイ「……じゃああなたのお母さまは……あなたも一緒に死ねって、思ってるの?」

イクセ「えっ……」

フメイ「だって……そういうことになる。わらわじゃの姫巫女が、歴代の姫巫女の総意だって言うなら……あなたのお母さまは、あなたが死んでも良いって思ってるってこと……」

イクセ「あ……」ジワ…

クロシュ「〜〜…!」モニャニャ アタフタ

フメイ「……でも……フメイは、違うと思う」

イクセ「……ふえ……」ジワワ

フメイ「……フメイ……お母さまっていうのは、正直、よくわかんないけど……。大切な人のことなら……わかるから……。大切な人が泣いたり、死んだりして良いなんて……絶対、望まない……」

クロシュ「!」パァァァ

イクセ「で、でも……お母さまの、声が……」

フメイ「……声真似が上手いのも、たまにいる……。クロシュだって、フメイの声真似……上手いし……」

クロシュ「〜〜///」モニョニョ

イクセ「……じゃあ……誰かが、お母さまの声真似……してたの……?」

フメイ「……確証、ないけど。たぶんそう」

イクセ「うぅ……」

フメイ「……きっと、悪霊みたいのが……」


「わらわのイクセを泣かせる不届き者はどこのどいつじゃ?」ヌッ


クロシュ「!」

フメイ「お前が……」


イクセ「あ……御代表さま……」

半透明の狐巫女「おお、よしよし……かわいそうに、わらわのかわいいイクセ……」ヨシヨシ

イクセ「……あ、あの……! お、お母さまは……わたしが、死んでも良いって……」

半透明の狐巫女「……かような悪童共の戯言に耳を傾けてはならぬ」

イクセ「で、でも……御代表さまの言う通りなら……お母さまは……」ジワワ…

半透明の狐巫女「……そうじゃ。お主の母は、お主が死んでも構わぬと言った」

いク世「」グニャァァ


クロシュ「!!?」

フメイ「い、イクセの姿形が歪んで……」


半透明の狐巫女「はぁ〜あ。お主らが変なことを吹き込むから、イクセが壊れてしもうた。お主らのせいじゃ」

フメイ「お前っ……! イクセに、何した……!!」

半透明の狐巫女「まこと、幼子の心は儚く脆い……。こうなってしまっては姫巫女としての力も半減じゃが……まあ反抗されるよりはマシじゃからな。はぁ〜こんな幼い子の心を壊してしまうなんて、お主らは血も涙もない冷血漢じゃのお〜」

フメイ「違うっ! お前が……嘘を、言った……!!」

半透明の狐巫女「どちらにしろ手遅れじゃ。わらわの言葉が真であれば、イクセの母は娘と国を破滅に追いやる畜生。わらわの言葉が偽であれば、イクセは正体不明の悪霊に言いくるめられて体を明け渡し国を破滅させた史上最悪の姫巫女。どっちに転んでも、幼いイクセのひわひわな心では耐えられん」
220 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:15:09.01 ID:5DJi5qRE0

クロシュ「……あなたは……誰なの……?」

半透明の狐巫女「わらわは――銀狐の怨嗟を受けて表象した、姫巫女の罪過。オノゴロを滅ぼす魔性の者。名前は特にないゆえ、好きに呼ぶが良い」

クロシュ「銀狐の……呪い……」

半透明の狐巫女「ま、そういうわけじゃ。お主らに恨みはないゆえ、速やかに島を出ていくなら追いはせぬ。もっとも……オノゴロを沈めた後、星の力を有したわらわがどう動くかは未定じゃがな?」ニヤニヤ

フメイ「……星を滅ぼすの?」

半透明の狐巫女「未定と言ったじゃろ! まあそれも楽しそうじゃが」

クロシュ「……」


半透明の狐巫女「ふわあ……昼間に引き続き夢の中でも働くと流石に眠くなるのう……。お主らもそろそろ帰るのじゃ」シッシッ

クロシュ「……イクセちゃん……治して」

いくせ「」デロデロ

半透明の狐巫女「無理じゃ。壊れた心を治す術などない」

フメイ「……」

半透明の狐巫女「おおっと、ここで暴れるのは止すんじゃな。壊れたとはいえ、ここはイクセの夢。下手に暴れればトドメを刺すことになるぞ? それはわらわも困るしの」

フメイ「………」


半透明の狐巫女「自分の足で帰れないというなら――わらわが送っていってやろう」ズオッ!

半透明の狐「」ピョンッ!


フメイ「!」

クロシュ「わ、狐さん……!」

 パクッ!

狐に咥えられたフメイ「わわあ!?」ジタバタ

狐に咥えられたクロシュ「んわわ……!!」ジタバタ

クロシュたちを咥えた半透明の狐「」シュタタタタッ

 夢の境界「」トプン…

 ◆
221 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:16:20.11 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落

 夢の境界「」ポヨン

フメイ「んぐっ!」ドテッ

クロシュ「んゅっ!」ドテッ


ヴァン「クロシュちゃん、フメイちゃん!」

 *

―クロシュの夢
 診療所

ヴァン「姫巫女の正体は銀狐の呪いで表出した姫巫女たちの罪悪で、当代の姫巫女であるイクセちゃんはデロデロに溶けてしまっただって……!!?」

アリシラ「そんなことになってたんだあ……」

フメイ「うん……」

クロシュ「女神さま……イクセちゃん、治せる……?」

夢の女神「……呪いの影響で壊されてしまった心は、まず呪いを祓わないとどうしようもないかも……。治せるかどうかさえ、現時点ではわからないとしか言えない……。ごめんね」

クロシュ「……じゃあ、わらわじゃ巫女をやっつければ……いいの……?」

夢の女神「そういうこと」

フメイ「……わかった。あいつ……むかつくから、やっつける」

アリシラ「それでこそだよフメイちゃん! まあ私はちょっと状況を飲み込めてないんだけどね」

フメイ「……アリシラの方は、引っ越し、どうだったの?」


↓1コンマ
01-65 まあまあ(2/4)
66-95 良い感じ(3/4)
96-00 ??
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 23:19:15.30 ID:0lFFQii70
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:52:25.90 ID:5DJi5qRE0
夢の女神「引っ越しの準備は順調に進んでいます。上手くいけば、あと一晩か二晩でできるかと思います」

アリシラ「だそうです。よろしくね〜クロシュちゃん」

クロシュ「うん!」

フメイ「……」

 ☆姫巫女の正体を突き止めました

 ☆アリシラさんの夢引っ越し準備が進みました(2/4)

 ◆
224 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:00:46.98 ID:JBC8PCf70
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在13日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[2/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・わらわじゃ巫女の正体を探る(達成済)
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[05/08] 防御[04/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
225 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:01:34.00 ID:JBC8PCf70
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

妖精「姫巫女が、銀狐の呪いだって!?」

クロシュ「えっと……銀狐の呪いで、罪悪感が……いっぱいになって……わらわじゃに、なったんだって……」

イリス「……つまり、姫巫女ではある?」

クロシュ「うん……たぶん……」

エバンス「アウルが妙に高い地位に就いてたのも、憎き朝廷や姫巫女の元で動いていたのもこれで説明がつくな。銀狐の恨みに端を発する話だったってわけだ……!」

ミスティ「……ままならないものね。当時の朝廷は、決して銀狐を見捨てたわけではなかったのに……」

イヨ「……結果として、銀狐は滅びてしまいました。当人たちからすれば……当時どれほど朝廷が努力していたとしても、全て無意味でしょう。もちろん、だからと言って銀狐の恨みを受け入れるわけには参りませんが」

アキト「……イクセ殿は……無事なのだろうか」

クロシュ「えっと……わたし、心の力が……少し使えるから……わらわじゃをやっつけたら、がんばってみる……!」

アキト「……すまぬ。お願い申し上げる……」


トキワ「……不死鳥の炎じゃ、心の傷は治せないの……?」

妖精「不死鳥の炎は命の熱そのものだから、心の負傷にも多少は効くよ。病気の時とかは心も弱くなりがちでしょ? そういう場合には効く。でもイクセの場合は、たぶん体の不調に関係した心の痛みではないと思うから……不死鳥の炎でもちょっと難しいかも」

トキワ「……そうなんだ」


 運命賽「」コロン

クロシュ「……?」ヒョイ

 運命賽「」グォン―

『明日、運命が大きく動きます……。クロシュさん……どうか、悔いのないように……』

 運命賽「」シュゥン…

クロシュ「??」キョロキョロ

妖精「クロシュ、どうしたの?」

クロシュ「……今……声が、聞こえた……」

妖精「え、声? 誰の?」

クロシュ「…………わかんない。でも……聞き覚え……あった、ような……」

妖精「なんて言ってたの?」

クロシュ「明日……運命が、おおきく動くって……」

妖精「運命が大きく動く……? どういう意味だろう……。ま、まさかアウルたちが何かするとか!?」

クロシュ「……わかんない……。でも……準備、しといた方が良いかも……」


オノゴロ諸島滞在13日目。ここは霊峰の隠れ里です。明日何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:02:04.76 ID:KblKq4Lso
セレナディアの夢を喰う力をクロシュが顕現させ、わらわじゃ巫女を喰ってしまおう
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:02:21.17 ID:DJb/zW4m0
クロシュ 温泉でフメイとお話しする
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:03:04.94 ID:mtq0i5lnO
シズクとおしゃべり
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:07:13.64 ID:mtq0i5lnO
>>228 ごめん訂正します
シズクとおしゃべりして可能ならウォータースライムの欠片貰えるか聞いてみる
230 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:15:14.03 ID:JBC8PCf70
というわけで本日はここまでとなります。次回は夢喰いスライム強襲編、温泉でフメイちゃんとカポーン編、シズクちゃんとモニョモニョしよう編です

ついに明かされるわらわじゃ巫女の真実。それは銀狐の呪いと罪悪感によって変質した姫巫女たちの闇の側面だった。砕かれたイクセの心は、デロデロに溶けて夢の中に沈み――暗黒のわらわじゃ巫女が、オノゴロの歴史に終止符を打たんと動き出す。クロシュは、幼い巫女のかなしみを救うことができるのか――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:17:27.53 ID:mVAQ6C+K0
乙です
フメイの反応見てるともしかしてアリシラの引っ越し計画を止めたほうが良いのかな?
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 03:07:38.10 ID:POy9v4ivo
おつ
もう最終日だが準備不足が否めない
メイン組は最悪運命賽使えばいいけど…
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 07:18:59.59 ID:KaM2sqHGo
おつです
こんな時にあれですが運命賽さんが意外と律儀でニッコリした
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 13:14:23.22 ID:uShQziTvO

フメイちゃんが話してる横でクロシュさんの表情が忙しくてかわいい
火力と毒対策にはだいぶ恵まれたけどりゅうとう

当日どうなるか
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 13:17:18.27 ID:uShQziTvO
途中送信スマソ
火力と毒対策にはだいぶ恵まれたけどリュウトウ中将を引き込めなさそうなのがどう響くか心配ではある…
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 03:54:11.91 ID:pqPzEe0X0

わらわじゃ巫女の正体が銀狐の怨嗟だったのか。個人的にわらわじゃ巫女とアウルのやり取りはちょっと見てみたいところはある。
あと、準備不足なところはあるけどチートの不死鳥の力と運命賽があるからなんとかなりそう。
237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:04:35.00 ID:bqA4B6C70
アリシラさんの引っ越し計画は順調に進んでいる最中なので、ここから止めようとするのは難しいでしょう。いちおう夢の女神様が細心の注意を払って準備を進めているため、精神的に大きな問題が発生するリスクは低いと思われます

実のところ今回の行動ではどう動いてもリュウトウ氏をこちらに引き込めないため、努力目標が一つ達成できていない状態で明日を迎えることとなります。それがどのような運命をもたらすかは今のところ闇に包まれています。慎重に行くのが良いでしょう

運命賽さんは、クロシュちゃんをさん付けで呼ぶようです。増えたり減ったりを繰り返してはいますが、実のところ魔族国からの長い付き合いのようです。どのような考えかはわかりませんが、クロシュたちの味方だという点ははっきりしているかもしれません

クロシュ氏は口下手ですが感情は豊かなので、表情がコロコロ変わることがあるようです
実のところ単純な火力と毒対策でいえばものすごく強いと言えますが、リュウトウ中将を引き込めなかった点がどのように作用するかは今のところ未知数です

わらわじゃ巫女とアウル氏がどのような関係かは今のところはっきりしていませんが、目的を同じくしていることは恐らく確かでしょう
また、クロシュ一行が生き残ることに関しては実際かなり優位であると思われますが、他の点は闇に包まれています
238 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:05:09.23 ID:bqA4B6C70
―霊峰の隠れ里
 ひのき風呂

 カポーン

フメイ「ふう……」チャプン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

フメイ「クロシュ、お風呂の時にデロデロになるのは相変わらずだね」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

フメイ「うん……」


フメイ「……」

スライムクロシュ「……」デロデロ

フメイ「……」

スライムクロシュ「……」デロデロ

フメイ「……クロシュは……フメイのこと、止めたがってたよね」

スライムクロシュ「……」モニョ

フメイ「………アリシラの中でみんな生きてて……クロシュの中に引っ越しせば、みんなずっとしあわせにいられるなら…………フメイ……もういいのかな……」

スライムクロシュ「――」モニョ―

フメイ「…………なんでもない。クロシュに聞いて良いことじゃなかった」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

フメイ「……」

スライムクロシュ「……」


↓1〜3 フメイちゃんと話すこと
1.これからのこと
2.アリシラのこと
3.集落のみんなのこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:06:47.64 ID:8DIYxv9b0
2
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:07:44.52 ID:MOnyR0tC0
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:08:32.12 ID:M9uPOAKpO
2
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:15:18.12 ID:bqA4B6C70
少しわかりにくいですが実はこれは多数決ではないので、2と3は確定としてもう1つ話す内容を選ぶことができます

↓1
1.これからのこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:17:14.75 ID:5HkfY+Q6o
0
ブラッドという同じカリスに創られたスライムのこと
244 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 19:40:01.29 ID:bqA4B6C70
フメイ「……クロシュ……アリシラのことなんだけど……」

スライムクロシュ「?」モニョ

フメイ「……アリシラ……もう終わりにするって、言ったの」

スライムクロシュ「!」モニョ!

フメイ「みんながクロシュの中でしあわせに生きられるなら、それでもういいって……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「でも……本当に本気で言ってるのか、わかんない……」

スライムクロシュ『そうなの……?』モニョニョ…

フメイ「うん……。みんながしあわせにいられるなら……復讐する理由も、あんまりない……。でも……フメイも、そうわかってるはずなのに……人間とか、悪い奴らを許せない気持ちは……消えない……」

スライムクロシュ『……』モニョ…

フメイ「……アリシラは……フメイ以上に、そういう気持ちが大きい気がする……。だから……諦めるっていうのは、嘘で……。フメイを遠ざけて、自分だけで世界樹の光を集めに行こうとしてるんじゃないかって……」

スライムクロシュ『……』モニョニョ…

フメイ「自分の中にいるみんなをクロシュに引っ越させるのも、巻き込まない為なんじゃないかって思う……。今のアリシラ、ふざけてるように見えて、お布団の中で泣いてたりするし……」

スライムクロシュ『……それなら……わたし、説得、する……!』モニョニョ…!

フメイ「うん……。まあ、アリシラの本心がそうだって決まったわけじゃないけど……。もしそうだったら、フメイも説得する。お引越しが終わるまでは一緒にいると思うから、猶予はあると思う」

スライムクロシュ『フメイちゃんも、これから、一緒……?』モニョニョ

フメイ「……クロシュが、それでもいいなら……そうする」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「だから、アリシラがもし変なこと考えてたら……ちゃんと、止めよ」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ!

 *

フメイ「ところで、集落のみんなのことなんだけど……クロシュの中に入ったら、あの夢で見た世界で暮らすことになるの?」

スライムクロシュ『うん。たぶん、そうだと思う……』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ。まあクロシュが大丈夫なら、大丈夫かな……?」

スライムクロシュ『うん』モニョ

フメイ「……クロシュの中で生きられるなら……それで、良いんだよね……」


↓1コンマ
01-70 うん
71-90 分体にすればお外に出せるかも
91-00 ??
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 19:41:43.61 ID:3yqhzA8/O
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 20:31:54.33 ID:bqA4B6C70
スライムクロシュ『うん……たぶん、いいと思う』モニョモニョ

フメイ「わかった」

スライムクロシュ『……でも……えっと……』モニョニョ

フメイ「?」

スライムクロシュ『もっと良い考えが……あるような気もする……』モニョモニョ

フメイ「そうなの?」

スライムクロシュ『……気がするだけ、かも……』モニョニョ…

フメイ「……気になる」

スライムクロシュ『んゅ……お、思いついたら……言う……』モニョモニョ

 *

スライムクロシュ『そういえば……フメイちゃんは、ブラッドちゃんって、知ってる……?』モニョモニョ

フメイ「ブラッド……?」

スライムクロシュ『えっとね……。カリス・ノーランドに造られた、赤いスライムさん……』モニョモニョ

フメイ「あ……! し、知ってるかも……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョ…!

フメイ「……フメイが生まれたばかりの頃……血みたいに赤いスライムが、いろいろ教えてくれた……」

スライムクロシュ『そうだったの……!?』モニョニョ

フメイ「うん……。すごく厳しくて、何回もべちべち叩かれたけど……でも、フメイに生き方とか心構えとかを叩き込んでくれた……とも思う……」

スライムクロシュ『わあ……』モニョニョ

フメイ「フメイが、一人で戦えるようになった頃……何かの任務で戦死したって、聞いた……。でもフメイ、あの人が簡単に死ぬとは思えなかったから……もしかしたら、って思ってて……」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ

フメイ「もしそのブラッドが、あの人なら……お礼、言いたい」

スライムクロシュ『うん!』モニョニョ

フメイ「………でも、その……クロシュは、大丈夫なの?」

スライムクロシュ『ほえ……?』モニョニョ

フメイ「……えっと……言っては何だけど……あの人、クロシュみたいな子には特に厳しかったから……」

スライムクロシュ『う、うん……。ブラッドちゃん……いつも、わたしに怒ってるかも……』モニョニョ…

フメイ「やっぱり……」

スライムクロシュ『で、でもね……前に、わたしの言うこと、聞いてくれた……! だから、お話、できる……!』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ……けっこう丸くなったのかなあ」

 ◆
247 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 21:08:28.15 ID:bqA4B6C70
―夕方
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

 カー… カー…

スライムクロシュ「……」ノンビリ

シズク『お疲れさまです、クロシュちゃん。今日はゆっくりだね』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん。妖精さんに……今日は明日に備えてゆっくりするよう、言われた……』モニョモニョ

シズク『明日何かあるの?』モニョニョ

スライムクロシュ『えっと……わかんない。でも……何かあるって……声が、聞こえた……』モニョモニョ

シズク『わ! それってもしかして、お告げっていう……!?』モニョニョ

スライムクロシュ「わ、わかんないけど……。念の為……。明日、もし誰かが大怪我とかした時……わたしがデロデロだと、治せないかもしれないから……」モニョニョ

シズク『不死鳥さん! ……今更だけど、クロシュちゃんの不思議な力って一体どうやってるの?』モニョモニョ

スライムクロシュ『えっとね――』モニョニョ

 *

 チリッ
炎スライムクロシュ『〜〜』チリチリ

 パチッ
雷スライムクロシュ『〜〜』パチチッ

 フワッ
風船スライムクロシュ『〜〜』フヨフヨ


シズク『わわわ、わわ〜!! すごい、すごい! クロシュちゃんなんでもできるんだあ!!』キャッキャ

スライムクロシュ『えっと……これが、同化……。もらったもの次第だから……なんでもは、できないよ……?』モニョモニョ

シズク『ねえねえ、それじゃあわたしの欠片があれば、ウォータースライムにもなれるの!?』モニョニョ!

スライムクロシュ『うん……たぶん……』モニョニョ

シズク『わあ……! じゃあ、はいっ!』モニョニョニョ―

  プチッ
 ウォータースライムの欠片「」プルプル

スライムクロシュ『ほえ……?』

シズク『同化! 同化!』キャッキャ

スライムクロシュ『う、うん……! んへへ……』モニョモニョ

 ☆スライム技能が高いため自動成功します

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「!」モニョン プルプル

シズク『んわわ〜!!』キャッキャ

水スライムクロシュ『んへへ……今度は、シズクちゃんと、おそろい……!』モニョニョ

 ☆シズクからウォータースライムの欠片をもらいました
 ☆クロシュがウォータースライムに同化擬態できるようになりました

↓1〜2選択 シズクちゃんと話すこと
1.明日のこと
2.ウォータースライムのこと
3.この世界のこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:09:34.53 ID:MOnyR0tC0
0、ユキとは仲良しだったのか
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:13:21.51 ID:iqWrqR8pO
0トキワちゃんについて
昔から知り合いだったぽいし
250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 22:46:22.65 ID:bqA4B6C70
シズク『そういえばクロシュちゃんたちって、ユキちゃんとも知り合いなんだよね?』

水スライムクロシュ『うん! 雪女の、ユキさん!』

シズク『わあ……! ユキちゃん、元気だった?』

水スライムクロシュ『うん! えっと……魔法、学園ってとこで……お勉強、してた……!』

シズク『わわぁ……! 大魔女帝国の魔法学園だよね! わたしも行ってみたいなぁ……お空の上に浮かぶ街の、魔法の学校……』

水スライムクロシュ『あ……えっと……』

シズク『?』

水スライムクロシュ『……大魔女帝国の、街は……落っこちちゃった……』

シズク『ふぇ……えええええええ!!!?!?』モニャニャニャニャ!!?!?

水スライムクロシュ『えっと……いろいろ、あって……』

シズク『そ、そうだったんだあ……。あんまり新聞とか読まないから、知らなかったよぉ……』

水スライムクロシュ『うん……。でも……ユキさんは、元気だと思う……!』

シズク『えへへ、そっかぁ! それなら大丈夫だね!』

水スライムクロシュ『シズクちゃんは、ユキさんと仲良しだったの?』

シズク『うん! ユキちゃんが留学に行く前は、雪解けで一緒に働いてたの! わたしに掃除の仕方とか、言葉遣いとか、いろいろ教えてくれたんだぁ』

水スライムクロシュ『わぁ……!』

シズク『えへへ、次に帰ってきた時はきっとびっくりするよ! わたし、言葉が上手になったし、お掃除も浄水もできるもん!』

水スライムクロシュ『うん!』

 *

水スライムクロシュ『トキワちゃんも……雪解けで、働く……?』

シズク『そうしてくれたら嬉しいなあ……。ユキちゃんがいなくて、おじいさんも開拓に行っちゃったから本当に人手不足で……』

水スライムクロシュ『トキワちゃんって……怪我の、肩代わりが……できるんだっけ……?』

シズク『うん。相手の怪我とか病気を自分に移せるんだけど……その代わりに、自分が怪我や病気を負うことになっちゃう変な魔法なんだぁ……。わたしは、あんまり使わない方がいいよって言ったんだけど……トキワちゃんは、昔からしょっちゅう使ってボロボロになってた……』

水スライムクロシュ『そうなんだ……』

シズク『うん……。人や妖怪だけじゃなくて、野良の動物とかが怪我をしててもすぐに肩代わりしちゃうから……ほんとにいつもボロボロだったの……。わたしも水属性の簡単な治癒と浄化の魔法が使えるから、肩代わりしてきたトキワちゃんに応急手当をしてあげたりしたよ……』

水スライムクロシュ『んわ……。え、えと……大怪我とか、大丈夫だったの……?』

シズク『酷いときは、骨折とか、壊死とかしてることもあった……。でもなんでか、どう見ても死ぬような大怪我でも死ぬことはなくて、頑張ればなんとか動いたりもできたみたい……。普通の生き物って、骨が折れたらその部分はちゃんと動かなくなる、よね……?』

水スライムクロシュ『う、うん……。トキワちゃんは……動けたの……?』

シズク『うん……。折れてる足で歩いたりしてた……。ただ、折れてるのは折れてるから凄く痛くて歩きにくそうだったけど……』

水スライムクロシュ『んわわ……』

シズク『だから……えっと、トキワちゃんには、みんなの目の届くとこにいて欲しいっていうか……。そういう心配な気持ちもあるから、旅館で働いて欲しいなあって思うの。みんなが一緒にいれば、もし無茶をしてもすぐに診てあげられるもん……』

水スライムクロシュ『うん……』

 ◆
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:26:39.78 ID:bqA4B6C70
―深夜
 クロシュの夢

クロシュ「……」

セレナディア「クロシュちゃん、お困りごと〜?」ズシン ズシン

クロシュ「セレナディアちゃん」

セレナディア「セレナちゃんでいいよ〜」ズシン

クロシュ「セレナちゃん。えっと……わらわじゃ巫女を、どうやって追い出そうかなって……考えてるの」

セレナディア「食べちゃえば?」

クロシュ「食べちゃうの?」

セレナディア「うん。邪魔者はみ〜んなバックン!」

クロシュ「でも……夢の中で、できる……?」

セレナディア「んふふ……前に、ミスティちゃんが見てた悪い夢をもぐもぐしたことあったよね?」

クロシュ「そういえば……そんなこと、したような気がする……」

セレナディア「うん。クロシュちゃんはもうできるよ。夢の魔王と、夢喰い竜の力を併せ持つクロシュちゃんなら――食べらんない夢なんて、ない!」

クロシュ「わあ……!」

セレナディア「だから食べちゃえ! 悪い狐の夢は、バックン!」

クロシュ「ん! じゃあ、行ってきます!」ピョンッ

 夢の境界「」トプン



ヴァン「……ん? クロシュちゃんはどこだ?」スタスタ キョロキョロ

セレナディア「クロシュちゃんならまた狐巫女のとこに行ったよ〜」

ヴァン「……え!? ど、どうやって!?」

セレナディア「自分で夢境を開いて、ポワーンって」

ヴァン「な、なんだって……昨日までは自分で開けられなかったのに……!?」

セレナディア「んふふ……ここの主はクロシュちゃんだよ? ここの住人ができることならクロシュちゃんもできて当然じゃん〜」

ヴァン「いや、それはそうなんだが……。それで、今日は何をしに行くとかは聞いてるかい?」

セレナディア「悪い狐巫女をバックンしにいくって〜」

ヴァン「ええ……えええっ!?」

 ◇
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:29:05.76 ID:bqA4B6C70
―いク世の夢
 トう原じョウ 縁gaわ

 真っ黒い空「」ヌヌヌヌ
 血の涙を流す月「」シクシク

 極彩色の花畑「」グニャグニャ
 ちょうちょうちょ「」バタバタ

 銀狐の死骸で積み上げられた城「」


いくせ「」デロデロ
 いくせを踏みつける狐たちの影「」ベチッベチッ


クロシュ「……!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「なんじゃお主、また来たのか」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……! これ……何……!?」キッ

半透明の狐巫女「先に言っておくが、この状況はわらわが意図して創ったものではない。歴代の罪悪感がイクセという一個人にのしかかって生まれた……言わば悪夢じゃ」

クロシュ「………」

半透明の狐巫女「実際に人間に捕まり、皮を引っ剥がされてむごたらしく殺され続けた狐たちに比べれば、夢の中で足蹴にされる程度どうということもないじゃろ? 狐を見殺しにした巫女一族への罰としては軽すぎるくらいじゃ」

クロシュ「…………」


どうする
↓1〜 先取3票
1.わらわじゃ巫女を食う
2.悪夢を食う
0.自由安価(票数は内容ごと)
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:32:03.00 ID:fMbKb54oO
0 全て食べる
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:34:30.40 ID:Lol0qXBTo
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:39:46.26 ID:vD5EEFNrO
2
食あたり(混沌クロシュ化)がこわいけど
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:42:23.17 ID:8DIYxv9b0
2
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 00:03:33.14 ID:ngcFqyHe0
少し半端ですが本日はここまでです。次回はイクセの悪夢編、そして運命が大きく動く日編です

わらわじゃ巫女を食べちゃおうと勇んでイクセの夢に突入したクロシュを待ち受けていたのは、地獄のような光景だった。溶けるイクセ。足蹴にする狐の幻影。冷酷に見下ろす狐巫女。狐の憎悪が、巫女たちの罪過が、無垢なる幼巫女を押し潰す。あかちゃんスライムの静かな怒りは、どこへ向かう――

今回はクロシュちゃんとフメイちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんとシズクちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんが水スライム化できるようになったり、クロシュちゃんがイクセちゃんの夢に入って

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なおこのレスは安価に含まれません
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 00:23:00.81 ID:/6nQOzUSo
安価は2

おつです
決戦前の掘り下げ回
これは上からブラッド-フメイ-クロシュ姉妹ってことでいいですよね!
そしてドリームハンタークロシュちゃんになってきたな…あの夢魔に作法とかお勉強しに行けたらいいなあ
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:57:58.16 ID:ngcFqyHe0
その三人の中ではブラッドちゃんが一番年上で、クロシュちゃんが一番年下で、フメイちゃんが間に入っているため、そのご理解でお間違いないかと思います
クロシュ氏はユーシリア編で手に入れた心属性や夢の力をすっかり使いこなしているようです。そして実のところセレナちゃんと女神さまは心や夢に関して優れた力を持っていますが、彼女たちの作法は直感頼りな点も多いため、夢魔などの専門的な知識を持つ方に教えてもらうと実際より効果的かもしれません
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:58:38.82 ID:ngcFqyHe0
クロシュ「……」


クロシュ(……わらわじゃごと……全部、食べる……?)

クロシュ(………食べきれないかも……)

クロシュ(悪夢だけ、食べよう)


巨大スライムクロシュ「!」ドン! モニョモニョ


半透明の狐巫女「ぬわっ! 何のつもりじゃ!」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョモニョ…モグモグモグ…
 真っ黒い空「」モグモグ
  血の涙を流す月「」モグモグ
   極彩色の花畑「」モグモグ
    ちょうちょうちょ「」モグモグ
     銀狐の死骸で積み上げられた城「」モグモグ
      狐たちの影「」モグモグ


半透明の狐巫女「悪夢を喰っておるのか……?」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モグモグモグ…ゴックン


半透明の狐巫女「あれほどの悪夢を平らげるとは、末恐ろしいスライムじゃ! じゃが――歴代姫巫女と狐たちの積もり積もった怨念、果たして消化できるかのお?」ニヤニヤ


巨大スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…


↓1コンマ
01-05 ねじふせた(呪属性適性獲得)
06-25 気持ち悪くなった……
26-75 分解した
76-00 吸収した(呪属性適性獲得)
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 15:59:20.31 ID:g5MyiYtK0
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 16:05:41.04 ID:/6nQOzUSo
セレナ因子のお陰だな!
263 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 16:43:14.54 ID:ngcFqyHe0
巨大スライムクロシュ「――」モニョニョニョ…ポワポワ…


半透明の狐巫女「む、思ったより平気そうじゃな……。悪食スライムめ!」


いくせ「――」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

横たわるイクセ「すう……すう……」

巨大スライムクロシュ「!」モニョニョ!


半透明の狐巫女「ほう……壊れかけていたイクセの形が元に戻ったようじゃ。やるではないか、わっぱスライムよ」

巨大スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

半透明の狐巫女「じゃが、イクセの精神を破壊せしめた根本的な原因は解決しておらぬ。それをどうにかせぬ限り、たとえ夢の中といえどイクセが目覚めることはないじゃろう……」

巨大スライムクロシュ「〜〜!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「わはは、徒労であったなわっぱスライムよ! 今宵はもう帰るが良い、明日はわらわも忙しいのじゃ」

巨大スライムクロシュ「〜〜っ!」モニョニョ! プンスコ

半透明の狐巫女「怒っても無駄じゃ。そら帰れ帰れ」シッシッ

 霊撃「」バシュッ!!
  ベチッ!!
ふっとばされる巨大スライムクロシュ「〜〜〜……!!」モニャニャニャニャ――!!

 夢の境界「」ドボンッ

 ◇

半透明の狐巫女「……」

イクセ「すう……すう……」

半透明の狐巫女「………まあ、イクセをいたずらに苦しめたところで何の意味もないしの……」

イクセ「…………おかあ……さま……」

半透明の狐巫女「……」

半透明の狐巫女「姫巫女という胸糞の悪い仕組みは壊さねばならぬ。それだけじゃ」

 ◆
264 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:10:29.29 ID:ngcFqyHe0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[1/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・わらわじゃ巫女の正体を探る
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[05/08] 防御[04/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:12:45.94 ID:ngcFqyHe0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」

イヨ「今日何かあるかもという話ですが……一体何が起きるのです?」

妖精「ごめん、そこまでは……。あの石の立方体から声が聞こえたとなると、ちょっと無視はできないし――ん?」

 ダカダカダカッ
 戸「」ガラッ!!

アキト「クロシュ殿!! クロシュ殿はおられるか!!?」バッ

イヨ「アキトさ――!!!」

血まみれリュウトウ「げほっ……ごぼっ……」ドクドク

イヨ「リュウトウ!!?」バッ

クロシュ「!!!」

妖精「血が……!! これ、致命傷じゃ……!!?」

アキト「明け方近く、満身創痍でこの里を目指していたようだ! クロシュ殿、不死鳥の炎を――」

血まみれリュウトウ「い、いいえ……。その炎は……これから後の、為に……まだ……」ドクドク

イヨ「何言ってるの!!? クロシュさん、お願いです!! 不死鳥の炎でリュウトウを治してください!!」

血まみれリュウトウ「だ、だめ、で……」ガクッ

イヨ「リュウトウ!!!」


トキワ「な、ならわたしが肩代わりします!!」ガラッ

イヨ「えっ……と、トキワさん……!?」

トキワ「今日大変なことが起きるなら、クロシュちゃんの炎はやっぱりとっておいた方が良いです……! わたしは……きっと、ここくらいでしかお役に立てないから……」

シズク「と、トキワちゃん!! でもそうしたら、トキワちゃんが……!」

トキワ「だ、大丈夫! わたし、死なないから!」

シズク「そうだけどぉ……」


スライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ


どうしよう!
↓1〜 先取3票
1.不死鳥の炎で治療する
2.トキワに任せる
3.反魂丹を1つ使う
0.自由安価(票数は内容ごと)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:06.29 ID:ljOGa0Jzo
2
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:28.99 ID:/6nQOzUSo
3
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:29.53 ID:g5MyiYtK0
0,サララの店秘蔵の万能治療薬を使う。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:18:37.57 ID:VHWWgwVA0
3
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:20:20.28 ID:BSz7h0d3O
1
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:23:09.90 ID:5jY04I7SO
3
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:27:57.02 ID:ngcFqyHe0
イリス「そ、そうだ!! こんな時は――」ガサゴソ

 反魂丹「」ポン!

アキト「それは……丸薬?」

イリス「とある薬師の先生が作った反魂丹です!」

トキワ「反魂丹!?」

イリス「飲ませます! 頭に風穴が開いてても、これを使えば――!!」

 ポイ ゴクン

血まみれリュウトウ「………げほっげほっ!!」

アキト「息を吹き返した!!」

トキワ「す、すごい……傷が、ゆっくり塞がってく……! こんなお薬があるなんて……!」

リュウトウ「はあ、はあ……」

イヨ「リュウトウ! だ、大丈夫ですか!?」

リュウトウ「ま、まさか不死の炎を私に……?」

イリス「違うよ! ちょっと、まあ……良い薬があっただけだよ! 大丈夫!」

リュウトウ「そ、そうですか……」

アキト「しかしお主は朝廷軍の中将であったはず……。一体何があったのか、教えてもらっても構わぬでござるか」

リュウトウ「……はっ! そうでした……こうしてはおれません!! ここにイヨたちが隠れていると聞いて、助力を求めに急いで来たところなのです……! 早くトウゲンに戻らなければ……ぐっ!」ズキッ

イリス「ああっ、無理しないで! すぐには動けないよ!」

リュウトウ「で、ですが……」

妖精「何があったのか教えて。私たちだけで向かうことだってできるからさ」

リュウトウ「……はい」

 *

アキト「何……トウゲン温泉を致死毒で汚染するだと!!?」

リュウトウ「はい……。最終的にはその毒を海に放出し、周辺海域もろとも毒で完全に破壊する計画だと……」

イヨ「そ、そんな馬鹿なことを……!? 本当なの……!?」

リュウトウ「……姫巫女様と、アウルが話しているのを耳にしました。流石に私も看過できず、反対の意を表明したのですが……牢に入れられてしまい……。なんとか脱獄して、ここまで逃げて来たのです」

エバンス「その計画は一体いつから始まるんだ……!?」

リュウトウ「今日です……! だから早く――」


 ドゴオオンッ!!!
 ビリビリビリ……


ローガン「地響き……!? まさか――」

 戸「」ガラッ

サララ「み、皆さん大変です!! トウゲン温泉の方角に――」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:29:51.30 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉

 ズシンズシン

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ

 ベチャッ
 潰れた人間たちの死体「」グチャッ

 キャアアアアア!!!! タスケテクダサイ!!! タスケテクダサイ!!!!

アウル「ヒァーッハッハッハ!! 屑人間共め、薄汚い血を撒き散らして死ねェ!!」ゲラゲラ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシン

 毒に濁る温泉「」ドロドロ…



ハゲ鉢巻職人「なんだありゃ……俺ァ変な夢でも見てんのか……?」ゴシゴシ

さらし美女職人「馬鹿言ってんじゃねェ!! ぼけっとしてっとテメェも踏み殺されんぞ!!」ベシンッ!

 ◆

―トウゲン温泉 空

ジェット気球クロシュ「〜〜!」ボシュウウウッ


イリス「すごい……フメイちゃんの炎でこんなに加速するなんて!」

フメイ「急いだ方が良いんでしょ」

ローガン「うむ……! 感謝するぞ、フメイくん」

ミスティ「……シズク、大丈夫? 本当に危険なのよ……?」

シズク「だ、大丈夫です! 毒の汚染なら……きっと、わたしの浄化の力がお役に立ちます!」

エバンス「無理はするなよ。危ない時はすぐに下がるんだぞ」

シズク「は、はい!」

アリシラ「……あっ! ねえなんかすっごいでかいガイコツがいるよ!?」


 トウゲン温泉の街を破壊する巨大毒骸骨「」ズシンズシン


妖精「あ、あれは……がしゃどくろ!?」

アリシラ「がしゃどくろ?」

イヨ「がしゃどくろとは、埋葬されず野ざらしにされた死者たちの怨念から生まれるという巨大な骸骨の妖怪です。しかし近年はがしゃどくろが発生するような大量死などは――はっ!?」


 巨大毒骸骨から生える複数の骨尻尾「」ユラユラ


妖精「……銀狐!!」

イヨ「なんてこと……同胞の怨念を、利用して……」


 毒色に染まった温泉「」ドロドロ…


シズク「んわわ……!! 温泉が……どろどろに……」

アキト「くっ……! トウゲン諸島一帯を汚染し尽くす気か……!!」

 ◇
274 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:28.64 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

 破壊された街並み「」ドシャッ
 踏み潰された死体「」グチャッ…
 立ち上る煙「」モクモク…
 汚染された水源「」ドロドロ…

ジェット気球クロシュ「」ズンッ!

 シュタッ

イリス「ま、街が……!!」

エバンス「くそっ……!」


アウル「おやおや、遅かったねェ君たち。今までどこに隠れていたんだい?」ヌッ
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:55.33 ID:ngcFqyHe0

イヨ「アウル!!」

アキト「……」グッ

アウル「あぁ……たまらないよ、その怒りと憎しみに満ちた表情! お前たち屑人間にも護りたいものがあるんだねェ」

ミスティ「……あなたにはなかったの?」

アウル「お前たちに奪われたのさ。でもまだまだ、この程度じゃオレたちの苦しみには程遠い――」スタスタ

 潰された子供の死体「」グイッ

イヨ「……!? な、何を――」

アウル「くくく……まあ見てなよ」ズッ

 ベリベリバリッ

妖精「!!? し、死体の……」

イリス「な、生皮を、剥いで……」ゾゾ

フメイ「うわ……」

アリシラ「……」

イヨ「…………うっ……げえっ……!!」ゲロゲロ

アキト「貴様……アウル貴様ァァァ!!!」シャキンッ!!!

 ギンッ!!
毒骸骨兵「」ギギギ

アキト「ぬうう……!!」

妖精「普通の大きさの骸骨兵……!!」

アウル「はあ、人間ってのは本当に野蛮で暴力的だ。すぐ怒りに任せて力で解決しようとする」

ローガン「この惨状を作り出した貴様に言えたことか?」ギロッ

アウル「先にやったのはお前たち人間だろ?」

エバンス「……その子供が……お前たちに、何をしたんだ?」ググッ

アウル「子供だから甘く見ろって? オレたちを殺した奴らだって初めは子供だったんだ。年齢は免罪符にならない」

エバンス「この糞野郎が……!!」シャキン!!

アウル「ヒハッ……! そうだ怒れ、憎め……!! 守れなかった無力さを思い知れよ、屑共!!!」ジャキンッ!!


 ――戦闘開始 毒狐アウル――


 ★アウルが〈狐毒〉を発動!
  敵陣のコンマが半減!!

 ☆妖精が〈耐毒結界〉を発動!
  相手の〈狐毒〉を無効化!!

 ☆ローガンが〈メタルコート〉を発動!
  劣勢・痛恨を1回まで無効化!!

◇自陣(戦力差+40、万全の毒対策+40、温泉+20)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(毒骸骨将軍+40、汚染+30)

↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 19:35:32.33 ID:g5MyiYtK0
277 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 20:13:52.10 ID:ngcFqyHe0
妖精「エバンス、前に出過ぎないで! 作戦通り前衛はクロシュとローガンに!」

エバンス「わかってる!」バッ

メタルローガン「むんっ!」ギン!

クロシュ「ん!」シャキン!


アウル「ハッ、バカ正直にお前たちの戦法に付き合うわけないだろ!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシンズシン

毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ

アキト「チイッ! 骸骨兵がたくさん集まって――」

フメイ「消えろ」チリッ

 爆炎「」ドゴォンッ!!!
爆散する毒骸骨兵たち「」ガッシャアアアンッ

アウル「なに……!?」

アリシラ「やっちゃえフメイちゃん!」

フメイ「アリシラも戦ってよ」

アリシラ「え〜……やっぱり毒属性の魔力って吸収したくないし……」


巨大骸骨将軍「」カタカタ ブオンッ!!

 ガギンッ!!

メタルローガン「ぬぬう、凄まじい毒だ……! メタル化していなければ即死していたかもしれん!」ギギギ

クロシュ「ローガンさん!」

メタルローガン「私は大丈夫だ! 君は――」

アウル「鉄屑野郎が!!」バッ!!

 硫酸「」バシュンッ!!

メタルローガン(!!? あの液体はなんだ!? ただの毒ではない――あたればメタル化していても無事では済まん――)

大盾クロシュ「!!」シュバッ!!
 大盾「」ガシン!!

 守護結界「」シュインッ!!
 硫酸「」バシャアッ!!

アウル「魔力障壁……!?」


妖精「あれは……硫酸の魔法!」

シズク「りゅうさん……?」

妖精「強酸性の化合物を生成して撃つ魔法! 他の毒魔法と違って物理的な破壊をもたらすから、盾や鎧で防御するのは危険なの! でも魔力障壁なら物理的に溶かせないから問題なく防げる!」

シズク「わあ!」

妖精「クロシュ、今の液体を防御する時は必ず大盾の結界を展開して! ローガンは――即席の鉄板とかで受けて!」


大盾クロシュ「ん!」

ローガン「承知した!」


アウル「あの妖精……!! 妖精の癖になんで硫酸のことを……!?」


妖精「妖精は毒が嫌いなんだよ! 嫌いなものの対策は怠らないの!」


↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:16.34 ID:JFbiR7dqO
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:46.24 ID:+43jluheO
補正があるうちに勝ちたい。
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:24:19.83 ID:/6nQOzUSo
妖精は妖精でも太母様だぞ、年の功やぞ
281 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:13:32.38 ID:ngcFqyHe0
イヨ「はぁ、はぁ……い、けっ!」バッ

 オフダ「」シュバッ!
 ボガンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガッシャァン!

アキト「イヨ殿、大丈夫でござるか!? まだ下がっていても――」

イヨ「いいえ……! 下がってなどいられません……!! 絶対に許さない……!!」


 潰された人間たちの死体「」グチャッ


アキト「……であるな。拙者も少々――」スッ
 霊気を纏う刀「」ユラッ

 ギュンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

アキト「――頭に、血が上っている」チャキン



 ギンッ!
  ガギンッ!! ドゴッ!!

 竜角の大槍「」ブオンッ!!

   ドガァッ!!

  砕け散る巨大毒骸骨将軍の腕「」ガッシャァンッ!!


巨大毒骸骨将軍「」ヨロヨロ

竜メイドクロシュ「」ババッ
 竜角の大槍「」シュビビッ!!

アウル「くっ……! お前、その槍は――!」ガガガッ!

竜メイドクロシュ「セレナちゃんの!」チリッ
 竜角の大槍・炎「」ゴウッ!!

アウル「ぐあああっ!!」ドガアッ!! ゴロゴロ



アウル「はぁ、はぁ……くそっ、ふざけるなよ……!! これほど準備したのに……!! なんでこいつら……!!」ググ

狐巫女の幻影「苦戦しておるようじゃの」ヌッ

アウル「姫巫女……君の出る幕はないと言ったはずだけど」

狐巫女の幻影「まあそうじゃな。既に大勢は決しておるし、お主をここで見殺しにしても何の問題もないのじゃ。しかし……しかしなあ……」

アウル「なんだよ」

狐巫女の幻影「……わらわたちに、また銀狐を見殺しにしろと言うのか?」

アウル「はっ……お前の贖罪ごっこなんかどうでも良い……。むしろ、薄汚い姫巫女なんかの手で生かされるなんて恥も良いところだ」

狐巫女の幻影「うむう……」

アウル「だからとっとと――」

狐巫女の幻影「えいっ」パッ!
282 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:14:34.81 ID:ngcFqyHe0
 パシュウウウンッ


妖精「えっ……!? た、耐毒結界……が……」フラッ

妖精「」ポテッ

シズク「よ、妖精さん!? わっ……こ、この空気は……!?」



エバンス「おらぁっ!」
 古代の鉄槌「」ブオンッ!

 砕かれる毒骸骨兵「」ガッシャァン!!

エバンス「おらっ、次は――ぐおっ!? げほっげほっ!!?」
 吐血「」ベシャッ

イリス「ごほっ……!! こ、これは……」フラッ

ミスティ「げほっ……。まさか……」フラ

イヨ「ど、毒が……」フラフラ

アキト「よ、妖精……殿……!」フラッ

アリシラ「うわうわうわ〜〜!? 毒魔力を吸収しまくればなんとか――げぼおっ!」ガクッ

フメイ「アリシラ!?」


メタルローガン「……!! なんてことだ……耐毒結界が、解除されてしまったのか……!!」

竜メイドクロシュ「ろ、ローガンさん……!」

メタルローガン「私はメタル化のお陰でなんとか持ちこたえられているが、先程までよりもかなり身体的負荷が大きい……! 早く奴を倒さなければまずいぞ、クロシュくん……!」

竜メイドクロシュ「う、うん……!!」


アウル「チッ……余計な真似を……」

狐巫女の幻影「じゃ、わらわはこの辺で……」スゥー…

アウル「……まあいい。屑人間共を屠れるなら、生き恥くらいいくらでも晒してやる……」スクッ


メタルローガン「クロシュくん、来るぞ……!」

竜メイドクロシュ「ん……!」


 ★狐巫女の介入により耐毒結界が解除されてしまいました
  アウルの〈狐毒〉の効果によりコンマ値が半減します


↓1コンマ(コンマ1/2+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-00 勝利
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 21:15:15.53 ID:BSz7h0d3O
はい
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/04/13(日) 21:25:32.88 ID:T9sZMawDo
あぶねえなんとか勝てたか
285 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:53:13.83 ID:ngcFqyHe0
イリス「あうぅ……」バタッ

ミスティ「く、そ……」バタッ

イヨ「こんな……ところ、で……」バタッ


毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ


エバンス「げぼっ……や、やべえな……目がかすんできやがった……」

アキト「ぐふっ……せめて、女子たちだけでも守らねば……」ググ


フメイ「ちっ……!」チリッ

 爆炎「」ドガァンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガシャァン!!

フメイ「フメイ一人じゃ抑えきれない……! なんでみんなこの程度で倒れてるの!?」チリチリ

 水刃「」ヴンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

フメイ「水の魔法……!? 誰!?」

シズク「そんなこともわかんないのですか? 水属性なんてわたししかいないのに……」モニョッ

フメイ「えっ……シズク……?」

シズク「ほんとさいあくです……こんな臭くて汚い毒を吸わされるなんてなんて……。へどがでそうです……」モニョモニョ

フメイ「……え、えっと……どうしたの……?」

シズク「ぼけっとしてないで敵を焼いてください。わたしの水だけじゃ対処し切れないです……」モニョモニョ

フメイ「う、うん」チリリッ

 爆炎「」ドガンッ!!
 水刃「」ズバババッ
 砕かれ裂かれる毒骸骨兵たち「」グシャシャシャ
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:54:45.51 ID:ngcFqyHe0

メタルローガン「……! 後ろではフメイくんとシズクくんが踏ん張ってくれているようだ! 我々も行くぞ!」

竜メイドクロシュ「ん!」


アウル「死ねェ!!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ


 ガギンッ!! ドゴッ!!
  ボギョム!! ベゴギイッ!!


アウル「ぐううっ!!」ギギギギ

竜メイドクロシュ「……!!」ギギギギ

アウル「今だ将軍!!」

 爆発する巨大毒骸骨将軍「」ボガンッ!!!!

メタルローガン「なっ!? 巨大骸骨が爆発した!?」

 吹っ飛ぶ巨大骸骨の骨「」ドギュウウウンッ!!

竜メイドクロシュ「!!」

メタルローガン「まずい!! クロシュくん避けろ!!」

アウル「ヒァーハハハもう遅い!! この位置と距離じゃ絶対に避けきれ――」

 雷の残像「」バチッ―

アウル「なっ」

背後に立つ雷竜メイドクロシュ「」パリッ―

アウル「馬鹿な――」

 雷閃「」バヂィッ!!!!

アウル「があああっっ!!!」ババリバリバリ


黒焦げアウル「」プスプスプス

 ドサッ…

 ――戦闘終了――
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:09:58.24 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

黒焦げアウル「」プスプス


シズク「〜〜」モニョモニョ

 浄化魔法「」ポウ…

エバンス「はっ……た、戦いはどうなったんだ!?」キョロキョロ

シズク「もう終わりました……。皆さんがげぼげぼ言いながらおねんねしてる間に……」モニョモニョ

妖精「ごめん……なんか、いきなり耐毒結界が破壊されちゃって……。ほ、本当にごめん……」

ローガン「まあ……結果的に勝利できたのだから、気に病むこともなかろう……。シズクくんも、ありがとう」

シズク「こういう時の為に付いてきたのです……。それより――」モニョニョ


黒焦げアウル「」プスプス


シズク「これはどうするのですか」モニョモニョ

イリス(うわ……シズクちゃんがを汚物を見るような冷ややかな目で、黒焦げになったアウル・フォクシーを見下ろしてる……! こんな目つきができるスライムの子がいるなんて……!)

ミスティ(シズクは……確か汚い水が嫌いなのよね……。この毒狐がやったことを思えば、妥当か……)

イヨ「……この大事件の重要参考人として、牢に……」

アキト「これだけのことをしたのだ。即刻打ち首にすべきでござろう」

イヨ「ですが……正当な手続きによらず処罰を下すことはできません」

アキト「今の朝廷を思えば、もはやこの国の司法は機能しておらぬ」

イヨ「うっ……それはまあ、そうなのですが……」


黒焦げアウル「」プスプス


クロシュ「……」

妖精「……アウルは、取り返しのつかないことをした。例え動機が銀狐の復讐だったとしても、もう情状酌量の余地は一切ない」

クロシュ「……うん」

妖精「あとの処遇は……オノゴロの民に任せる他ない。このテロリストについて……私たちにできることは……もう、ない」

クロシュ「………うん」


フメイ「クロシュ……この狐のこと、憐れんでるの?」

クロシュ「あっ……フメイちゃん」

フメイ「……まあ、ちょっと他人事ではないよね。フメイたちも……一歩間違えば、こいつと同じことをしてたかもしれない……」

アリシラ「…………」

フメイ「………ねえ、アリシラ。フメイたち……」

アリシラ「……うん。わかってる……」
288 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:11:07.38 ID:ngcFqyHe0

イヨ「では……アウル・フォクシーはこの場で処分、ということで……」

アキト「すまぬな……このようなことに付き合わせてしまって……」

イヨ「いえ……どの道、彼に打ち首以外の未来はありません……」

アキト「うむ……。では……斬首人は拙者がつかまつろう。諸外国の者に任せるわけにもゆかぬ」スッ

 掲げられる霊気を帯びた刀「」スッ―

黒焦げアウル「」プスプス



クロシュ(アキトさんの持った刀が……高く掲げられる……)

クロシュ(黒焦げになった、銀狐の妖狐の首を……落とすために……)

クロシュ(……)

クロシュ(妖精さんの言った通り……もう……許されない……)

クロシュ(……)

 ――野良狐『アウルさんなら、時々この山にお墓参りに来るよ。ついでにボクたちの為に油揚げを置いてってくれるんだ』
 ――野良仔狐『アウルの油揚げ、おいしい!』

クロシュ(………)

クロシュ「」ジワワ


 振り下ろされる刀「」ブンッ


↓1〜 先取3票
1.どうにもならない
2.運命賽を1つ使って良いことを思いつく
0.自由安価(票数は内容ごと)
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:12:23.18 ID:JFbiR7dqO
0、食べてメゾンドクロシュに入れて矯正させる
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:26.54 ID:VHWWgwVA0
2
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:28.58 ID:vLNY+thXO
2
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:22:40.96 ID:/6nQOzUSo
>>289
簡単な死よりも長い苦痛(思考矯正)を味合わせる事が出来ると言って
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:31:27.42 ID:ljOGa0Jzo
2
294 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:54:32.29 ID:PeZFX90o0
 シュバッ
 メイドブレード「」キンッ

アキト「!?」

イヨ「クロシュさん……!?」

クロシュ「……」

妖精「ちょ、ちょっとクロシュ! もうどうにもならないって言ったよね!?」

アキト「クロシュ……すまぬが、この狐に情状酌量の余地はない……。君が優しいスライムだということは知っているが……」

クロシュ「……んーん」

アキト「……?」

クロシュ「わたし……考え、ある!!」

妖精「ええ……?」

アリシラ「考え……?」ワクワク

クロシュ「不死鳥の炎で……みんな、生き返らす……!! それで……取り返し、付く……!! だから……殺さないで、良い……!!!!」バン!

妖精「えええ!?」

アキト「いやいや……待ってくれ! そういう問題ではないのだが……! そもそもそんなこと可能なのでござるか!?」

クロシュ「……きっと……たぶん…………できる!!!」

イヨ「……もし生き返らせたとしても、この毒狐がやったことが消えるわけではありません。彼は明確な殺意をもって……」

クロシュ「……銀狐が滅びなかったら……アウルさんも……こんなこと、しなかった……」

アキト「うっ……」

イヨ「それは、そうなのですけど……」

シズク「……わたしも、クロシュちゃんに賛成です」モニョッ

クロシュ「シズクちゃん!」

シズク「……死んで終わりなんて、だめです。一生かけてでも、汚した水を綺麗にしてもらわなきゃ……許さないです……」モニョニョニョ…

クロシュ「……う、うん!! 生きて……償わなきゃ、だめ……!!!」

フメイ「……フメイも、いいと思う」

クロシュ「フメイちゃん!」

フメイ「不死鳥の力は炎の力……。たぶん、フメイなら……クロシュの負担を軽減させられると思うし……。もしかしたら、フメイの持ってる星の炎をクロシュの炎に転換できるかもしれない」

クロシュ「わあ……!」

妖精「世界樹の精霊がまた激怒しそうな……。ま、まあいいか……」

アリシラ「……」

フメイ「アリシラも……いいよね?」

アリシラ「う、うん! いいと思う!」

フメイ「うん……」

フメイ(……復讐に狂ったこいつを……見捨てるのは……)

フメイ(………フメイたち自身を、殺すのと……同じな気がするから……)

フメイ(アリシラ……あなたにも、わかるよね……?)

 *
295 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:11.60 ID:PeZFX90o0
妖精「死んだ魂は、放っておくとすぐに星に還っちゃう! やるなら早い内にやろう!」

クロシュ「うん!」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!!

不死鳥クロシュ「コケコッコー!!」ゴオオオッ!!!

 再生の炎「」メラメラメラ
 潰れた子供の死体「」シュワシュワ…


生き返った子供「……うわあああ!!?」ガバッ


アキト「!!! 完全に潰れて、しかもアウルに無惨に皮を剥がされていたのに……皮もちゃんと再生している……!!!」

イヨ「確かに、これを続ければ――」


不死鳥クロシュ「コッコッコ……」グググ

フメイ「クロシュ……」チリリッ

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」メラメラ

フメイ「一緒にいこ。フメイの炎、使って」

不死鳥クロシュ「コケーッ!」バサバサッ

妖精「待って、私も行く!」パタパタッ

 バサッバサッ


ミスティ「私たちは生きている人の救出に向かいましょう」

エバンス「おう! 犠牲者はクロシュちゃんたちに任せるしかないが、まだ生きてる人なら俺たちで助けられるはずだ!」

ローガン「うむ……! 私はまだメタル化できるゆえ、汚染された場所での行動は任せていただこう!」

シズク「……汚染が深刻な場所は、わたしがお掃除します……。でも……浄化はすごく疲れちゃうから……あんまり、期待しないで欲しいです……」モニョモニョ

イリス「それなら、シズクちゃんの浄化は私が手伝うよ! 私も水魔法使えるんだよ?」

シズク「えっあっ、あっ……そ、そうだったのですか……。ごめんなさい……」モニャニャ…

イリス「い、いやそんな深刻に謝らなくても大丈夫だよ!? でも……シズクちゃんって、汚れを取り込むと本当に性格が変わっちゃうんだねえ……」

シズク「……自分でも……やだなって、ちょっと思っているのです……」

イリス「でも私はいいと思う! なんて言うんだっけ……ギャップ! ギャップがあってかわいいと思う!」

シズク「ぎゃっぷ……?」

 ☆トウゲン温泉の再生・浄化作業を開始します

 ◇
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:54.67 ID:PeZFX90o0
―トウゲン城 天守閣

狐巫女「最期の銀狐、アウル……。彼奴の生は……満足のいくものだったのじゃろうか……」

狐巫女「……そんなわけはあるまいな。許せ……いや、許さずとも良い。歴代の姫巫女を、オノゴロを……存分に恨め」

 星の力・水「」コォォォ

狐巫女「主らの恨みが、やがて海流に乗り――オノゴロを滅ぼすのじゃ」


  コケッコッコーッ


狐巫女「……なんじゃ? 明朝でもないのにやかましい鶏じゃな」スクッ スタスタ

 窓戸「」ガラッ


  コケコッコォーッ!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……えっ!!? ふ、不死鳥!? 本物の不死鳥じゃと!!!?!?」

狐巫女「いや、違う……あの気配、あのわっぱスライムじゃ!!」

狐巫女「まさか……この大被害を、不死鳥の炎で再生させようと……!!?」

狐巫女「いやいや……本物の不死鳥だってこれほどの犠牲者を蘇らすのは手に余るぞ……」


  コケコッコォォォーッ!!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……嘘じゃろ?」

 ◆
297 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:58:12.83 ID:PeZFX90o0
というわけで本日はここまでです。次回は特殊ダンジョン・トウゲン再生大作戦編です

恨みと憎しみに囚われて狂いし、哀しき銀狐アウル。慕う者たちの姿も、声も、聞こえていたはずなのに――それでもアウルは、狂わずにいられなかった。壊さずにいられなかった。やがてその狂気は、取り返しのつかない破滅を引き起こし。一片の救いもない結末を迎えて幕を閉じる――はずだった。しかし、そうならなかった。常識外れに甘々なあかちゃんスライムが、その悲劇を拒絶したゆえに。
あかちゃんスライムは、火の鳥となって飛ぶ。未来を夢見て、希望を信じて。炎と共に、空を飛ぶ――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 09:10:09.50 ID:WDvTghABo
おつ
芸術都市の二の舞は御免だものね
彼等としても私等としても
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 12:56:27.58 ID:kQ9Us3GOO

そんな気はしてたけどやっぱりフメイちゃんも毒耐性持ちだった
そして毒を吸ったシズクちゃんが思ったより大分辛辣でワロタ……ワロタ……
頼むぞ常識外れに甘々なあかちゃんスライム
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/15(火) 22:20:03.20 ID:hVUyK9ifo
毒吸ったから毒吐きスライム化ということか!
やっぱりクロシュはフメイが隣にいればめっちゃ高みに翔べるって感じ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 00:51:37.76 ID:PPCaSbiO0

確認なんだけど反魂丹と運命賽使ったから1つ減って(反魂丹2→1、運命賽6→5)、不死鳥の力を使ったから特殊ダンジョンでの戦闘では使えなくなるのかな?
302 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:50:29.24 ID:U7rMku9j0
芸術都市での出来事は、クロシュたちにとってもつらいものでした。そして今のトウゲン温泉は、実のところ芸術都市での大破壊よりもなお深刻と言えるかもしれません。どうにかしたいと思う心は、きっとクロシュだけでなく皆が共通して抱いていることでしょう
果たしてクロシュたちは、運命を変えることができるのか――

フメイ氏は毒に強いようです。カリス・ノーランドに造られたという経緯が関係しているのかもしれません
シズク氏は汚い水などを取り込むと性格が悪くなるようですが、どうやら空気中にある毒素もだめだったようです。実のところウォータースライムは取り込んだ物質の影響を受けやすいという変わった特性を持っているようです

シズク氏は毒を取り込むと毒を吐くようになってしまうため、実際毒吐きスライムと言っても良いかもしれません。しばらく放って置くか綺麗な水をたくさん飲ませれば、元に戻るかと思います
クロシュ氏はフメイちゃんと一緒だと、実際パフォーマンスが向上する傾向があります。一緒に飛べば、一人では届かない運命を掴むこともできるかもしれません

現在の手持ち反魂丹は[1],と運命賽は[5]となっております。今回のステージでは常時不死鳥パワーを解放し続ける必要があるため、進行および戦闘は少し特殊なものとなります。具体的には、不死鳥化は持久力(=クロシュ氏のお腹)を凄い勢いで減らすので、お腹が尽きると行き倒れてしまいます。逆に言えば、お腹が空っぽにならない限り不死鳥パワーで無敵です
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:51:07.93 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[0/10] 持久力[10/10]

 立ち上る毒煙「」モクモク
 倒壊した家屋「」ゴシャッ
 汚染された水源「」ドロドロ

 踏み潰された遺体「」グチャッ

 バサッバサッ

フメイ「クロシュ、あそこ! 大勢の人が倒れてる!」

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」

 バササッ スタッ

不死鳥クロシュ「コケーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「アアアアアア!!!!」ガババッ

 ウワアアアア!!! オレタチハイッタイ… シンダハズジャ…

妖精「ここに、あなたたちの他に倒れた人はいない!?」パタパタ

生き返った男「え? あ、ああ……他に倒れてる奴はいるか!?」

生き返った猫又「いないと思うニャ!」

妖精「わかった! もし遺体が見つかったら一箇所に集めて、私たちを呼んで! この温泉街を飛び回ってるから!」

生き返った男「わかった! ……あんたたちが助けてくれたってことだよな?」

妖精「そう! ゆっくり説明してる暇はないけど!」

生き返った猫又「わかったニャ! ありがとニャ、がんばるニャ!」

 *

 バサッバサッ

不死鳥クロシュ「……」バサッバサッ

フメイ「……この街も、人と魔族……妖怪が、一緒に暮らしてるんだ」

妖精「そうみたい。オノゴロは大陸ほど偏見や対立があるわけじゃないから、この温泉街以外もそんな感じだと思うよ」

フメイ「……」グッ

不死鳥クロシュ『フメイちゃん……』モニョモニョ

フメイ「……うん。助けよう……必ず……!」


 ・不死鳥の力により毎ターン持久力−6!
 ・深刻な汚染により毎ターン持久力−2!
 ☆フメイの炎により毎ターン持久力+3!
 ☆妖精の補助により毎ターン持久力+1!

 ◇合計:毎ターン持久力−4

↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 綺麗な天然水(持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 17:51:53.20 ID:WmTkXRr90
305 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:19:12.97 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[3/10] 持久力[7/10]

不死鳥クロシュ「コッコーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「おああああ!!!」ガババッ

 *

 バサッバサッ

妖精「クロシュ、大丈夫……!?」

不死鳥クロシュ『うん……! フメイちゃんと、妖精さんの、おかげ……!』モニョモニョ

フメイ「でもこれ、ものすごい勢いで熱を消耗する……! このままじゃ長くは保たないよ……!」

妖精「フメイの炎と合わせても厳しいか……! 何か手は――ん?」


イリス「おーい!!」ブンブン

シズク「〜〜」モニョモニョ


フメイ「シズクと、イリス……?」

 *

イリス「喉乾いてるでしょ! これ、見つけたから飲んで!」スッ

 水甕「」ポン!
 綺麗な天然水「」トプン

不死鳥クロシュ『わ……! でも……綺麗なお水は……シズクちゃんが飲んだ方が……』モニョモニョ

シズク『優先順位を考えてください……。わたしより、今はクロシュちゃんたちが飲むべきです……』モニョモニョ

不死鳥クロシュ『わかった……!』モニョニョ

 グイッ ゴキュゴキュ
 空っぽの水甕「」カラッポ

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ

フメイ「……ふう。………ありがと」

イリス「……! えへへ……お互いにがんばろう!」

 ☆綺麗な天然水を飲んで持久力が1回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:21:01.40 ID:Gw5mprxnO
救う力を!
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:49:59.23 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[6/10] 持久力[5/10]

 再生の炎「」メラメラメラ
生き返るオークの冒険者「うおおおお!!」ガバッ
生き返るコボルトの冒険者「アオーン!!」ガバッ


フメイ「生き返った……!」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ

和装受付嬢「危ないところを助けていただき、なんとお礼をしたら良いか……」

妖精「あなたは冒険者ギルドの人だよね!? それならギルドの力を貸してもらえないかな!?」

和装受付嬢「かしこまりました。ギルドの人員や冒険者たちに、不死鳥の手伝いをするよう伝えましょう」

妖精「ありがとう!」

和装受付嬢「それとこちらを――」スッ

 カニカマボコ「」ポン!

妖精「これは――カニカマボコ!」

フメイ「かにかまぼこ……?」

不死鳥クロシュ『かにかまぼこ……?』モニョモニョ

和装受付嬢「本物のカニには及びませんが、それでも大きな活力を得られる食品です。どうかお役立てください」

妖精「わかった、ありがとう!」

 *

 モニョモニョ モグモグ…

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ モグモグ

フメイ「おいしい……! でもなんでカニカマボコっていうの?」

妖精「カニの風味を模した魚のすり身なんだって」

フメイ「フメイ、サワガニなら食べたことある」

 ☆カニカマボコを食べて持久力が2回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 ヤマイモ  (持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:51:48.74 ID:4BNyt2Z7O
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2025/04/19(土) 19:44:00.72 ID:op0rafM1o
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310 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:37:01.20 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[10/10] 持久力[4/10]

 人々の遺体「」

不死鳥クロシュ「コッコッコ……」
 再生の炎「」メラメラ

 人々の遺体「」シュワシュワ

 途切れる再生の炎「」フッ…

不死鳥クロシュ「コッ……」フラッ

フメイ「クロシュ!」ギュッ

妖精「クロシュ……!」

不死鳥クロシュ「〜〜…」モニョニョ…
 羽根の先「」デロデロ…

妖精(まずい……食べたり飲んだりしながらなんとかやってきたけど、クロシュがそろそろ限界だ……! でも……ここでクロシュが倒れたら、この街は――)


「――すべての痛みを、私に!」カッ!!

 ギュオオオオンッ!!


妖精「えっ、この声は――」


トキワ「――」ギュオオオンッ!!

 人々の遺体「」シュワシュワ
 遺体から吸い上げられていく傷病「」ギュオオオッ


フメイ「えっ……? トキワ、何をしてるの……?」

妖精「ちょっと待って、トキワの魔法は――」

不死鳥クロシュ「〜〜…!!?」モニャニャ!?


 ドッギャァァァァァァン!!!!

デロデロトキワ「」デロデロ…


フメイ「!!?」

妖精「トキワーッッッ!!!!」

不死鳥クロシュ「…!!!」モニョニョ…ググググ


デロデロトキワ『待って……クロシュちゃん……』

不死鳥クロシュ「!?」モニャ

デロデロトキワ『不死鳥の炎は、わたしに使わないで……。他の……もっと危ない人たちの為に……使って……』

不死鳥クロシュ「!」

デロデロトキワ『わたしはこう見えて……死んでないから、大丈夫……』

不死鳥クロシュ「〜〜…!」モニョモニョ

デロデロトキワ『……明日でも、明後日でも……余裕のあるときに……不死鳥の炎で、あっためてくれたら……嬉しいな……』

不死鳥クロシュ「……!!」

デロデロトキワ『あ、それと……クロシュちゃんに、おまんじゅうを持ってきたから……お腹の、足しにしてね』

 温泉まんじうの箱「」ポン

不死鳥クロシュ「……!!!」ジワワ… コクッ

 バックンッ!! モニョモニョモグモグ…!!

 ☆トキワの活躍により救命率がさらに3上がりました
 ☆温泉まんじうを食べて持久力が3回復しました

 ◇
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:40:47.57 ID:U7rMku9j0

猫又「西の区画はこれで全員ニャ!」

和装受付嬢「東も全員回収済みです」

ローガン「南もこれで全員になる」

エバンス「北は被害が少なく死者もなかった。通常の治癒術で対応できそうだ」

アキト「国政区の方も被害は軽微であった」


妖精「みんなありがとう! クロシュ……最後の一踏ん張り、できる?」

不死鳥クロシュ「…!」モニョ

フメイ「うん……フメイも、最後まで手伝う」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 カッ!!
 再生の炎「」メラメラ―


 ☆救命率が最大になりました
 ☆全ての死者および致命的な重症者の治療が完了しました


 ――救命完了――


☆迅速救命ボーナス
↓1コンマ
01-70 運命賽
71-90 ↑+ヒヒイロガニ
91-00 ↑+アマノムラクモ
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 20:41:20.15 ID:WmTkXRr90
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 20:42:25.94 ID:tu9eTv8Eo
よく頑張った………!
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:09.63 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

 再生の炎「」メラメラ

デロデロトキワ「」シュワシュワ…

 ポン!

トキワ「………う……」

サララ「トキワちゃん!」

シズク「……よかった」

トキワ「あ……ま、街は!? クロシュちゃんは――」


 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


トキワ「ああっ……ご、ごめんね……わたしなんかの為に、無理を……」

妖精「いや……トキワ一人をあのままにしておいたら、クロシュもゆっくり休めなかっただろうからさ。大丈夫、ごはんと休憩を挟んであるから無理をしたわけじゃない……」

トキワ「でも、不死鳥化は一日に一回までなんだよね……? 無理してないわけが……」

妖精「うっ……そ、それはまあ……」

フメイ「……でも、トキワがいなかったら本当に危なかった。あの時は……ありがと……」

 *

縛られアウル「……っ………なぜ、生きてる……?」ググッ

アキト「クロシュ……いや、救命の英雄クロシュ殿に感謝するのだな」ヌッ

縛られアウル「……?」

イヨ「あなたが殺めた人々は、彼女の不死鳥の力によって全員がその命を吹き返しました」

縛られアウル「なっ……!? なん、だって……!!?」

アキト「これから貴様には、オノゴロの司法制度に則って裁きを受けてもらう。国家転覆および大量殺人未遂の容疑者として、な」

縛られアウル「馬鹿な!! ふざけるな、ふざけるな……!! オレが一体どれだけの思いで――」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!」

シズク「お前の都合など知らないのです……。クロシュちゃんの優しさも、綺麗な水の大切さもわからないなら……檻の中で、わかるまでしっかり反省するのです……」

縛られアウル「こ、この……! 人間なんぞにヘコヘコするくそったれの裏切りスライムが……!」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!!」

スライムクロシュ「……」ジッ

妖精「……この島には、人間だけが住んでるわけじゃない。犬も、猫も、狸も……そして、狐も……。たくさんの、人間以外の生き物が住んでる。それなのにあなたは、人間への復讐なんてお題目を掲げて、無関係の人間どころか無関係のたくさんの生き物もまとめて滅ぼそうとしたんだ。あなたこそ、この地に生きる全ての命を裏切ろうとしたんだよ」

縛られアウル「……!」

妖精「狐たちに聞いたよ。あなたはお墓参りをするついでに、野狐たちに油揚げをあげていたんでしょ? そんな優しさを持つあなたが……どうして、その野狐たちまでまとめて滅ぼすようなことをしたの」

縛られアウル「…………知った風なことを」

妖精「……思うところ、ないわけじゃないんでしょ。檻の中でしっかり反省しな。まあやったことがやったことだから、結局打ち首か、あるいは二度と外に出られないかもしれないけどね」

縛られアウル「チッ……今ここで殺せよ」

アキト「お主に自身の処遇を決める権利はない。それに、死にたがりを殺してしまうのは刑にならんでござる」

イヨ「……国家転覆は重罪です。裁き次第で望み通りになるかもしれませんね」

縛られアウル「……」
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:39.43 ID:U7rMku9j0
 パチパチパチ…


イヨ「……拍手?」

イリス「……あっ!」


狐巫女「面白い見世物であったぞ、わっぱスライムたちよ」スタスタ


アキト「イクセ殿……ではないな。貴様が――」

狐巫女「イクセの体ではあるぞ?」

アキト「……」

狐巫女「あれほどの被害を覆すとは、敵ながら天晴じゃ。もしかしたらお主、伝説スライムの株分けかもしれんのう」

スライムクロシュ「……?」

狐巫女「口惜しいのう。今のこの国にさえ来なければ、お主もまた歴史に名を刻む伝説となれたかもしれぬのになあ」

スライムクロシュ「……」

狐巫女「じゃがお主らが如何なる手練れであろうと――精根尽き果てて満身創痍の今、星の力を制したわらわの暴虐に為す術はあるまい」スッ

 星の力・水「」ポウ…

妖精「あっ!!!」

イリス「ほ、星の……世界樹の光……!!」

ミスティ「くっ……イヨの言った通りだったわけね……!」

イヨ「はい……! しかし……」

エバンス「や、やべえぞ……今は……」

ローガン「くっ……私も人命救助の為に力をほとんど使い果たしている……! メタル化ももうできそうにない……!」

アキト「くそっ……ここで終わるのか……!」


狐巫女「あ〜あ、本当に残念じゃ……。わらわの姫巫女として微かに残っている部分が、お主らのような優秀人材を葬らねばならぬことを嘆いておるわ……」


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…

フメイ「くそお……フメイも、もう……」ググ…


狐巫女「くく……くっくっく……わーっはっはっはっはあうっ!?」ドテッ

 星の力・水「」ギュオオオオオッ!!

アリシラ「ぐうっ……こ、これが星の力かぁ……!!」ギュオオオッ

フメイ「アリシラ!?」

狐巫女「き、貴様!? この距離から星の力を奪おうなどと――」バッ

 毒煙「」ボフンッ!!

狐巫女「ぬわあ!?」ゲホゲホ

縛られアウル「……」

狐巫女「アウル……!? お主、一体何を――」

縛られアウル「……うるせえ。少し……気が変わったんだ」

狐巫女「………そうか――ならば致し方なし!」

縛られアウル「……ああ」
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:44:00.96 ID:U7rMku9j0
 星の力・水「」ギュオオオオッ

アリシラ「うっ、ううっ……こんなに大きな力……吸収し切れな――」

 ドクン―

アリシラ(いや……できる……。私が、魔王としての私に完全に身を委ねれば――)

アリシラ(でも――そうしたら、私は―――)

フメイ「アリシラ!!」

アリシラ「……フメイちゃん!?」

イリス「アリシラさん! この杖に、力を!!」

 蒼き星の杖「」コォォォ―

アリシラ「――わ、わかった!」

 星の力・水「」ギュオオオオッ
 蒼き星の杖「」ズギュウウウウウッ!!

イヨ「星の力が……あの杖に、吸い込まれていく……!?」

妖精「あれは星の力を扱う神杖! あの杖なら――」

 ギュオオオオオッ ポン!!

 蒼き星の杖・水「」コォォォォ…

イリス「……よ、よし! なんとかなった!」


狐巫女「ぬう……まさか星の力を奪うことのできるほどの吸収魔法と、それを保持することのできる魔器がそちらにあったとは。少々予想外じゃった」

妖精「残念だったね! これで形勢逆転だよ、あなたも大人しくお縄に――」

狐巫女「形勢逆転? お主らが満身創痍であることは未だ変わっておらぬのにか?」

妖精「うっ……で、でも星の力はこっちにあるんだぞ!」

イリス「そ、そうだそうだ! 諦めて降伏してよ!」

狐巫女「今さっき奪ったばかりの大きな力をもう安全に使いこなす自信があるなんて凄いのう?」

イリス「うっ……」

狐巫女「ククク……わーっはっはっは! 星の力を奪われた程度で、わらわがお主らごときわっぱ共に敗北を喫するとでも? わらわも舐められたものじゃ!」

 ゴゴゴゴゴ…
 怨念の渦「」ドドドド

ローガン「こ、これは……!?」

妖精「膨大な……呪属性の、波……!! ま、まずいかも……状況は、あんまり好転してない……!!」

ミスティ「でも……ここまで来たら、やるしかないでしょ!? あの馬鹿巫女を殴り倒して、正気に戻して、解決よ!!」

エバンス「おう……! 腹ァ括るぞ!!」


狐巫女「死にたい者から前に出よ!! わらわ自ら引導を渡してやろう!!」ズオッ!!


 ――ボス戦闘開始 怨嗟の狐巫女――


 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動!
  敗北時、一度だけ耐えて戦闘続行!!

 ☆クロシュが〈夢喰い〉を発動!
  自陣のコンマ+50!!

◇自陣(夢喰い+50、満身創痍-30)
・もう不死鳥化できない(0/1)

◇敵陣
・耐える(1/1)

↓1コンマ(合計+20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 22:44:50.01 ID:4BNyt2Z7O
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:09.17 ID:U7rMku9j0
 銀狐の影「」ズモモモ
 銀狐の影「」ズモモモモ

トキワ「わわっ!?」

妖精「怨念で形作ったただの影法師だよ! 実体はないから属性攻撃で倒して!」

エバンス「おうよ! 地属性エンチャントだ!」シュバッ ギュオオ

 地の鉄槌「」ブォンッ!!
 ドガンッ!

 砕け散る銀狐の影「」パシュウン―
 飛び散る血液のようなもの「」ブシャァ

エバンス「うげっ……!? 実体がない癖になんで血みたいのが出るんだよ!?」


狐巫女「実体なき者には血など通っておらぬと? ククク、人間らしい傲慢さじゃ」


妖精「悪趣味な演出だよ! 無視して無視!」

エバンス「お、おう!」


狐巫女「ふんっ!」

 怨念の尻尾「」ブオンッ!!

 ドガッ!!

ローガン「ぬうう……! なんと重い一撃だ……!!」ズザザッ

アキト「まともに受ければ身がもたぬが、後方への被害を考えると受けぬわけにもゆかぬ……!」

トキワ「うぅ……す、すみません……私が、動けないせいで……。でも私、叩かれても死なないので――」

アキト「死ななければ叩かれても良いということは決してないであろう!」

トキワ「……!」

アキト「……すまぬ、声を荒げるつもりはなかった。シズク、サララ、隙を見てトキワとクロシュ殿を後方へ――」

スライムクロシュ「」デロロ…

サララ「はっ、はいっ!」

シズク「……待ってください。クロシュちゃんは――」

アキト「ん?」

シズク「寝ているように見えますが、戦っているのです」

 ◇
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:39.25 ID:U7rMku9j0

―イクセの夢

 怨念の渦「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!」シュタッ


イクセ「……」zzz


クロシュ「イクセちゃん! 起きて……!!」


イクセ「……」zzz


狐巫女「このドサクサに紛れてまたもここに入り込むとは、油断ならぬスライムじゃ」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……!」

狐巫女「現実と夢、双方で戦を繰り広げるのは少々忙しないが――お主はここで相手してやろう」

 モニョモニョポン!
 メイドブレード「」シャキン!

メイドクロシュ「……」ジリ

狐巫女「安心せい、お主は面白いわっぱスライムじゃ。全てが終わったらペットとして飼ってやらんこともないぞ?」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 優勢
91-00 会心
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:10:09.77 ID:DxONWoPLO
女神様、力をお貸しください
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:51:02.42 ID:U7rMku9j0
狐巫女「せえい!」

 怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッ

狐巫女「ちょこまかと!」バッ

 怨球「」ギュオン!
  怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッサッ

 メイドブレード「」シャィンッ!!

狐/巫女「ぬおわあっ!?」スパッ


真っ二つ狐巫女「」ボテッ


メイドクロシュ「……」ジッ

真っ二つ狐巫女「」ボテッ

炎魔女クロシュ「……」チリチリ…

 爆炎「」ゴウッ!!

真っ二つ狐巫女「うぎゃあああ!!?!? お、おぬし鬼か!!? 真っ二つになった死体に火を放つなど……!!?」ジタバタ

炎魔女クロシュ「死んだふり……ばればれ……」

焦げ狐巫女「ぬうう、やりおるな……! ここまで世界樹の光を集めてきた者は伊達ではないということか」

炎魔女クロシュ「……」

狐巫女「じゃがここはイクセの――つまりわらわの世界も同然。万に一つとして、お主に勝ち目は――」


イクセ「……う…。おかあ……さま……?」グシグシ
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:52:25.66 ID:U7rMku9j0
狐巫女「……!!」

炎魔女クロシュ「イクセちゃん……!!」

イクセ「あえ……クロシュちゃんに……あっ――」

 ボンッ!

イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、あなたはもうお休みなさい。姫巫女の時代は終わったの」

イクセ「あっ……お、おかあ……」

イクセ母に化けた狐巫女「あなたも、私も……もう、生きていてはいけな――」

 モニョモニョポン!!!!

分体アキトクロシュ「イクセ殿!!」

分体イヨクロシュ「イクセ様!!」

イクセ「えっ……アキトおにいちゃん、イヨおねえちゃん……?」

分体イヨクロシュ「皆、イクセ様のお目覚めをお待ちしておりますよ」ニコニコ

分体アキトクロシュ「また一緒に遊びたいでござるなあ! 拙者、イクセ殿が眠ったままでは寂しいでござる!」

イクセ「……!! み、みんな……」


イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、騙されてはいけません。この者たちは、あなたを誑かす悪いもがっ!?」

狐巫女の口に詰まった分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!


分体アキトクロシュ「イクセ殿、拙者最近かたつむりごっこにはまっているでござる! イクセ殿も一緒にどうでござろう?」

イクセ「えっ……かたつむりごっこ?」

分体イヨクロシュ「はい! 大きな殻を背負って、かたつむりになりきるのです! きっと楽しいですよ!」

イクセ「そ、そうなんだ……えっと……」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョモニョ モゾモゾ

イクセ「わっ! クロシュちゃん……? ほんとだ……ふふっ、楽しそう……!」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョニョ

分体アキトクロシュ「イクセ殿! では――」

イクセ「……でも……おかあさまは……」

分体イヨクロシュ「イクセ様のお母さまも、イクセ様が健やかに生きて、かたつむりごっこをすることを望んでおられました。私がこの耳で直接聞いたのですから、真実です」

分体アキトクロシュ「拙者も同様のことを聞いたでござる。もし何か別のことをイクセ殿が聞いているのだとしても、それはきっと悪い夢……。悪い夢は、通りすがりのスライムにでも食べていってもらうのが良いでござろう」

イクセ「そっか……悪い夢、だったんだ……」

カタツムリクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イクセ「……うん。ありがとう……わたし……起きてみる……!」


狐巫女「もがが……!!」ジタバタ

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

狐巫女「もが……!?」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ズズッ

狐巫女「〜〜〜!!!」ジタバタ

 モニョモニョ…モグモグ…

 〈会心の食撃!〉

 ◇
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:54:31.38 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

狐巫女「――」

 バタッ

エバンス「……? 急に倒れたぞ?」

妖精「……! もしかして、クロシュが――」


イクセ「……うっ……。こ、ここ……は……?」パチッ

アキト「……! その、雰囲気は……イクセ殿……!!」

イヨ「イクセ様!!」

イクセ「アキトおにいちゃん……イヨおねえちゃん……?」


ミスティ「姫巫女が……正気に戻った……?」

イリス「てことは……勝ったの!?」


スライムクロシュ「……!」モニャ!

シズク「クロシュちゃん?」

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョモニョ

シズク「えっ……み、皆さん! まだ――わらわじゃ巫女は、消えていないのです!!!」


ローガン「なに!?」

妖精「……あれは!!」

 ズモモモモ……

空中に浮かび上がる黒い狐の影『まだじゃ……まだ、終わっておらぬ……。わらわの……わらわたちの罪を……雪がなければ……』ズモモモ

 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動! 一度だけ耐える!


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…


黒い狐の影『わらわたちのせいで、苦しみ……滅んでいった全ての者たちに……この島の死を……捧げねば……』ズモモモ


妖精「……狂っている。あれは……もう、救われないものだ」

スライムクロシュ「……」

妖精「みんな、最後の力を振り絞って……! あの救われない魂に……せめて、安らかな終わりを」

アリシラ「……うん」

フメイ「ん……」

縛られアウル「……」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:55:09.42 ID:PPCaSbiO0
325 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:41:19.59 ID:wa8VY9/90
 ズドドドドッ
  ドゴォッ ボムギッ
    ギュオオオオオオッ

  ドッギャァァァァァァン!!!!


散っていく狐の影『……わらわたちの、せいじゃ………わらわたちさえ……いなければ……』


縛られアウル「……」ズリズリ


散っていく狐の影『……許しておくれ……許さないでおくれ……わらわたちのことを……どうか、どうか……』


縛られアウル「……なんでだよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………』


縛られアウル「なんで………オレみたいなイカれた復讐者に便乗して、この島を壊そうとしてんだよ……。アンタは……人間の巫女だったんだぞ……!!」


散っていく狐の影『すまぬ…………』


縛られアウル「わかってるよ……どの口が言ってんだってことくらい……!! でもおかしいだろ!! なんでだよ……なんで、オレと一緒に人間ごとこの島を滅ぼそうとしてんだよ!! なんで……人間の巫女で、いてくれなかったんだよ……。そんなんじゃ……気持ち良く、復讐できないじゃねえかよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………すまぬ…………』


縛られアウル「……もう、いいよ。もう……。とっとと、星にでも還っちまえ……」


散っていく狐の影『すま……ぬ…………』スゥゥ――…


 パシュウン――……


 ――戦闘終了――
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:44:03.55 ID:wa8VY9/90
本日の更新はここまでとなります

大きな功績を挙げたクロシュは、少しばかり感傷的な気分だった。正しいことをしたという自負はある。自分の活躍でいろいろ良くなったという自信もある。しかし、それでも――。あかちゃんスライムの小さな体で救うには、この星はあまりに大きく――命の悲しみは、あまりに深い――
今はただ……疲れ切った体を瓶に潜めて、眠ろう―――……

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 04:19:52.78 ID:x/C04xAao
おつでした
まっぷたつ狐巫女からちゃんとキルチェックするクロシュ、同化住民の経験値かな?
アウル…シノホシメンバーで一番若いというか青い印象だったので取り返しのつかない復讐を止めてあげられたのは良かったな…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 08:41:46.29 ID:mT0h6KT6o
おつ
無事に終わったか
しかしリュウトウ殿は結局最後まで活躍無しだったな…
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 17:59:22.33 ID:wa8VY9/90
真っ二つになった狐巫女の姿を見ても、クロシュ氏は用心深く観察して攻撃することを選んだようでした。それがどのような思考判断によるものなのかは定かではありませんが、食べたものによって培った経験が生きている可能性は実際あるでしょう
アウル氏は若者なので、今回のことで牢にぶちこまれることにはなりましたが、即刻打ち首という運命は避けられたようです。このことでシノホシがどのような反応を示すかは未だ闇に包まれています。慎重に進むのが良いでしょう

ひとまず事態は丸く収まりそうですが、今回の事件でリュウトウ氏は実際あまり活躍できなかったようです。身も蓋もないことを言うと、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めなかったためとも言えるかもしれません
これはネタバレなのですが、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めていた場合はアウルらの企みを事前に察知でき、毒物テロを事前に阻止することもできました。しかしリュウトウ氏を引き込めなかったため、アウルらのテロを察知できず、クロシュたちは後手に回ってしまったのでした……(なお不死鳥パワーによる力技で人的被害はゼロになりました)
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:00:22.43 ID:wa8VY9/90
―数日後
 トウゲン温泉

 毒温泉「」ドクドク

イリス「洗い流せっ!」
 蒼き星の杖・水「」キュオオオ――

 ギュワァァァァァ――

 綺麗な温泉「」ポン!

シズク「んわわ〜!」キャッキャ

トキワ「わあ〜!」キャッキャ

サララ「すごいです!」キャッキャ

ユキ母「ありがとう、イリスちゃん。これで主要な水源は概ね浄化されたわ……!」

イリス「良かったです! でも、まだ細かい汚染が――」

シズク「あとは、星の力に頼らなくても、ここにいるわたしたちの力で浄化できると思います!」モニョモニョ

イリス「そっか、わかったよ!」

世界樹の精霊『……星の力……あんまり濫用はしないように……』ヌッ

イリス「わ、世界樹の精霊さん……!」

世界樹の精霊『あなたたちが毒と呼称しているものも、星を形作る物質の一つ……。毒が苦手な生き物の為に、星の力で無理矢理洗い流すのは……本当は、あんまり良くない……』

シズク「で、でも世界樹の精霊さま……! あの毒は……ほんとは、ここになかったもので……」モニャニャ…

世界樹の精霊『うん……。だから、今回は許可する……。私としては、自然環境の変動として受け入れても良かったけど……イリスたちには、この先もがんばってもらいたいから……。えっと、つまり、アメというやつ……』

シズク「アメ……!」モニョニョ

イリス「わかった! これからもがんばるよ!」

世界樹の精霊『それじゃ……よろしく……』フッ―

 *

イリス「そういえばシズクちゃん、すっかりいつもの調子に戻ったねえ」

シズク「んわわ……忘れてください……! あれは、ほんとのわたしじゃないのです……!!」モニョモニョ

トキワ「でも……毒舌でクールなシズクちゃんも、良かったと思うの」

サララ「あれはあれで良いよね。もちろん今のほわほわなシズクちゃんも良いけど」

ユキ母「旅館のお客様の中にはあのシズクちゃんが好きっていう人もいるわねえ」

シズク「ええ……」

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:15.20 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区 武家道場

 ビシッ ビシッ ビシッ

リュウトウ「九千九十一! 九千九十二!」
 木刀「」ビシッ!! ビシッ!!


イヨ「リュウトウ、まだ素振りしていたのね」スタスタ

リュウトウ「イヨ……何か、用件が?」

イヨ「……朝廷再編の話し合いが一段落ついたから、休憩に来たの。はい、これ」スッ

 温泉まんじう「」ポン

イヨ「あなたも休憩にしましょ?」

リュウトウ「……私には不要だ」

イヨ「……まだ気にしているの?」

リュウトウ「……姫巫女様の様子は明らかにおかしかった。それなのに私は……盲目的に姫巫女様に従って、国家転覆の後押しをしてしまったのだ……」

イヨ「……武官であるあなたには、姫巫女様の御命令に逆らう権利なんてなかった。リュウトウが悪いことなんて、何もないのよ」

リュウトウ「しかし私は護国の刀――国を護る為であれば、姫巫女様に逆らってでも立ち塞がらなければならなかった……!」

イヨ「リュウトウ! そんなの無理だよ!! 過去の自分が絶対にできなかったようなことを悔やんだって仕方ないでしょ!」

リュウトウ「……できなければならなかったのだ……」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……すまぬ……今は、無心に刀を振らせて――」

 温泉まんじう「」ガッ

リュウトウ「もががっ……!?」

イヨ「黙れ! 年下の癖に生意気なの……!! リュウトウはまだお子様なんだから、お子様はお子様らしくまんじゅうを食べてれば良いのよ!!」

リュウトウ「もがもが……!」

イヨ「そもそも、あの時だってリュウトウが血まみれで隠れ里に駆け込んできてなかったら、本当に取り返しのつかない大惨事になってた!! みんなが助かったのはリュウトウのお陰でもあるの!! リュウトウは、ちゃんと護国の刀をしてたの!!!」

リュウトウ「……!!」

イヨ「だから………もう、いいんだよ……。リュウトウは、ちゃんと、がんばったから……」ジワワ

リュウトウ「……なんで、イヨが泣くの?」

イヨ「……泣いてない」グスッ

 ◆
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:49.73 ID:wa8VY9/90
―さらに数日後
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

イヨ「イクセ様〜!」

イクセ「イヨおねえちゃん!」トテトテ

イヨ「お元気そうで何よりです。ここの住心地はどうですか?」

イクセ「うん! とっても良い……!」

イヨ「良かった……」


アキト「拙者が誠心誠意お仕えしているゆえ、不自由はさせませぬ。ご安心を、イヨ殿」ヌッ

イヨ「アキトさん。あなたが、イクセ様のご隠遁に協力してくださったのは幸いでした」

アキト「拙者は既に朝廷と関わりのない身でござるからな。適任であろう」

イヨ「……姫巫女という役職の喪失に伴い、朝廷では大規模な再編が進んでおります。でも――」

アキト「うむ。拙者の席は不要でござる。元より拙者らイザナギ家は、朝廷ではなく姫巫女様に仕える一族。イクセ殿がこちらに隠遁なされるのであれば、拙者もそれに付き従うのみ」

イヨ「……イクセ様のこと、よろしくお願いいたしますね」


イクセ「なんのお話してるの……?」

アキト「今日はイクセ殿と何をして遊ぼうか話し合っていたのでござるよ!」

イヨ「え、ええ。イクセ様は、何かなさりたいことはございますか?」

イクセ「じゃあ、かたつむりごっこ!」

 ◆
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:03:37.56 ID:wa8VY9/90
―オノゴロ諸島 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを経て各々大きな経験を獲得しました(上記加算済)
☆クロシュの剣技、魔法、防御レベルが1づつ上がりました
☆ローガンの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
☆エバンスの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
※通常の訓練等では上限を越えて技術を成長させることはできません
334 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:04:26.20 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
 客室

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

世界樹の精霊『残る星の力は……炎と地の2つ……。炎はすぐそこで……地は……大陸の、少し南の辺り……』

妖精「大陸の少し南の辺り……王国か、セクリエ・ロイエか……」

ミスティ「王国……?」

エバンス「まさか……セインが? いやでも、あの時はセインが何かしてる様子なんてなかったよな……?」

ローガン「……セインくんが何かをせずとも、その裏で糸を引く者が何を企んでいるかはわからんな……」

世界樹の精霊『ひとまず、水の力はその杖に入れておいて。敵がどんな手段で奪うのかわからないから、あなたたちの目に付くところに置いておいた方が良い……』

イリス「わかった……!」

世界樹の精霊『……で、炎の力だけど……』


フメイ「……」

アリシラ「……やっぱり、返さなきゃだめ?」

世界樹の精霊『当然……。でも……』

アリシラ「?」

世界樹の精霊『……さっきも言ったけど、返還する隙に奪われる可能性があるから……ひとまず、イリスの持ってる杖に――』

イリス「ちょ、ちょっと待って! この杖、そんなにたくさんは入り切らないかも……!」

世界樹の精霊『え、そうなの……』

イリス「うん。この杖、本来は星の力を溜めておく専用のものってわけではなくて、星の魔力を循環させて大きな力を生むのが目的のものみたい。だから、これ以上は溜め込めないかも……」

世界樹の精霊『そうだったんだ……。じゃあ……どうしよう……』

アリシラ「……フメイちゃんが持ったままでも良いんじゃない?」

世界樹の精霊『フメイちゃんが持ち逃げしない保証はあるの?』

フメイ「……フメイ、もう……持ち逃げ、しない……」

アリシラ「って言ってるよ!」

世界樹の精霊『……嘘はついてないみたい。わかった、信じる……。いろいろ片付いたら、ちゃんと返してね……』

フメイ「うん」


 ☆蒼き星の杖に水属性の力が宿りました

 ☆ここ数日の内にアリシラの引っ越し計画が進みました(3/4)
  この自由行動が終わると、引っ越しの最終段階へ移行します

 ☆努力目標3つ達成により、自由行動回数が3回増加します


オノゴロ諸島滞在最終日です。明日オノゴロを発ちます
↓1〜6 自由安価 何をする?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:04:52.57 ID:jHEy7PgEO
メルルとユキから手紙が届く
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:08:37.35 ID:LZW/63Rp0
フレメアが狐小僧の様子を見に降臨するのを目撃
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:13:18.85 ID:PZZ/opzLo
伝説スライムの株分けという言葉に思案を巡らせる
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:15:47.88 ID:ny2FZ79P0
クロシュ、イクセ、トキワの3人で温泉街でお店や温泉巡り
イクセとトキワ友達同士になる
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:18:18.87 ID:x/C04xAao
アウルにシノホシのことを聞き取り
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:19:23.61 ID:195OGop8O
星の力一口舐めてみようぜ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:20:00.60 ID:3eskupe0O
引っ越し作業完了前に一度クロシュ、フメイ、アリシラ、そしてアリシラの夢の中の住人を交えて本音で話し合う
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:41:35.83 ID:wa8VY9/90
―雪解け 客室

スライムクロシュ「……」

妖精「どうしたの? 考え事?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「株分け? 株分けっていうのは、植物を根っこから分割して別のとこに植えることだよ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そういえば伝説スライムの株分けとか言ってたね。伝説スライムっていうのがクロシュヴィアのことだとすれば――」

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ?

妖精「……まあ、クロシュが伝説スライムのクロシュヴィアを起源にしたスライムって可能性はあると思う。いやでも、クロシュはカリス・ノーランドに――」


シズク「えっ、クロシュちゃんは伝説スライムなの!?」モニョッ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「ああいや、ただの可能性の話だよ。クロシュヴィアは大昔に生きてたスライムだから、その欠片から生まれたスライムが現代にいるのは何も不思議なことじゃない」

シズク「たしかに……!」モニョニョ

妖精「それに……確かクロシュヴィアも、クロシュと同じ反映魔法を使うんだよね。で、たぶんブラッドの奴が使ってたのもたぶん反映魔法……つまり――」

スライムクロシュ「〜〜…!?」モニョニョ

妖精「……カリス・ノーランドがクロシュヴィアの欠片から造り出したスライムである可能性が……ある!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

シズク「んわ〜!」モニョニョ!

妖精「いや、まあ……決定的なことは何もわからないから、本当にただの可能性の話ね。もしかしたら私たちが知らないだけで、反映魔法を使うスライムがいっぱい住んでる地域とかがあったりするかもしれないし」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「いいなあ……わたしも反映魔法、自分で使ってみたい……」

スライムクロシュ「!」ピコン!

 モニョモニョ…プチッ
 クロシュの欠片「」モニョッ!

シズク「わっ! クロシュちゃん、どうしたの? 自分を千切って……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「えっ! これと同化すれば、反映魔法が使えるようになる……!?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「同化……やったことないけど、できるかな……?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

妖精「前に聞いた話だと、属性によらずほとんどのスライム類は同化の力を持ってるんだって。シズクもがんばれば同化の力を使えるようになると思う」

シズク「そうなんだ……! じゃあわたし……この前クロシュちゃんにやってもらったみたいに、自分でかっこいい擬態ができるように、なる!」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ


妖精(……でも、同化ってけっこう難しい技術らしいんだよね。それを数日の内に使えるようになって、今じゃたぶん手練れスライムのブラッドと同じくらいに使いこなしてる。まだあかちゃんスライムなのにも関わらずだ。カリス・ノーランドの思惑がどんなものかはわからないけど、センスで言えば伝説スライム級と言っても決して過言ではない……のかもしれない……)

 ☆シズクにクロシュの欠片を贈りました

 ◇
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:42:27.01 ID:wa8VY9/90
―トウゲン温泉街

 ワイワイ ガヤガヤ

お忍びイクセ「……」キョロキョロ ソワソワ


トキワ「……? あの子って……」

クロシュ「……! えっと……イクセちゃん、かも……」

トキワ「えっ!? イクセちゃんって――」

 トコトコ

クロシュ「イクセちゃん」ヒョコ

お忍びイクセ「ひょえっ……!? あっ……も、もしかして……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「うん……! えっと……こっちは、トキワちゃん……!」

トキワ「ど、どうも……! トキワです……! 初めまして、姫巫女さま……」ペコリ

お忍びイクセ「あっ……え、えっと……わたし、もう、姫巫女じゃあなくって……」オロオロ

 *

トキワ「えっ……じゃあ、姫巫女がいなくなるって噂、本当なんだ……」

イクセ「うん……」

クロシュ「じゃあ……これからは、ただのイクセちゃん?」

イクセ「そうだと思う……」

トキワ「……そうなんだ……。えっと、じゃあ……今日は温泉に入りに来たの?」

イクセ「うん……。アキトおにいちゃんと一緒に来たんだけど……はぐれちゃって……」

トキワ「アキトさん……」

クロシュ「それじゃあ、わたしたちと一緒にいる?」

イクセ「え、いいの……?」

クロシュ「うん……!」

トキワ「案内してあげるね。まあ私も最近まで温泉街にいなかったから、あんまり詳しくはないんだけど……」

 *
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:00.41 ID:wa8VY9/90

―旅館雪解け 露天温泉

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ふわぁ〜……」ポカポカ

イクセ「〜〜」ポカポカ


シズク「んふふ……みなさん、お湯加減はいかがですか?」モニョモニョ

トキワ「うん、丁度良いよ」ポカポカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

イクセ「良い湯なのじゃあ〜」ポカポカ


スライムクロシュ「……!!?」モニャニャ!?

トキワ「えっ……い、イクセちゃん……!?」

イクセ「……あっ!? え、えっと……わ、わらわ……じゃなかった! わたし……口調が変になっちゃうこと、あって……!」アタフタ

トキワ「そ、そうなんだ……」

スライムクロシュ「……」


クロシュ(……イクセちゃんの夢の中には……もう、あの悪いどろどろは残ってないみたいだけど……)

クロシュ(…………もしかしたら……わらわじゃの心は、少しだけ残ってて……)

クロシュ(どろどろがなくなった、イクセちゃんの中で……のんびりしてるだけなのかも……)

 ◇

―雪解け 屋外演舞場

クロシュツムリ「〜〜」モゾモゾ モニョモニョ

トキワツムリ「こ、こう……?」モゾモゾ

イクセツムリ「うん! 上手なのじゃ!」キャッキャ モゾモゾ



エバンス「……あれは何をやってるんだ?」

妖精「かたつむりごっこだって」

ローガン「なるほど、防御姿勢を取りつつ動き回る訓練か……!」

妖精「え、そうなの?」



アキト「イクセ殿ォ〜!」ドタドタ

イクセツムリ「あっ、アキトおにいちゃん!」

アキト「すまぬ、すまぬ……イクセ殿をお守りすると申し上げたにも関わらず、拙者は……」

イクセツムリ「でもわらわ、クロシュちゃんとトキワちゃんに会えて、友達になったのじゃ!」キャッキャ

アキト「なんと……」

トキワツムリ「アキトさんも、一緒にかたつむりごっこ……しませんか?」


アキトツムリ「……つかまつった!」ドン! モゾモゾ

 ☆イクセとトキワが仲良くなりました

 ◆
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け

天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ

ユキ母「は〜い」トタトタ



ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」

 手紙「」ペラッ

 *

―旅館雪解け 待合室

ミスティ「え、私たち宛に?」

ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」

サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」

イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」

サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」

ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」

 ユキの手紙「」ポン
 メルルの手紙「」ポン

 *

 ペラッ

ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」

イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」

サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」


↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
 冷凍ウチワサボテン「」ポン!

サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」

イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」

ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」

ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」



スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ

イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ

トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ

アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ

 ☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました

 ◇
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
 留置所

 鉄柵「」ガシャン

妖精「ここに拘留されてるんだ」

イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」

クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」

妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」

クロシュ「あ、うん」

イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」

クロシュ「え、えと……だめ……?」

イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」

クロシュ「うん……」

 *

―留置所
 アウルの独房

イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」


アウル「あ……?」


クロシュ「……」

妖精「……」


アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」

妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」

クロシュ「……」スッ

 油揚げ「」ポン

アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」

イヨ「……あなた……っ!」キッ

クロシュ「ん、大丈夫」

イヨ「クロシュさん……!」

アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」

クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」

アウル「……は?」

クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」

アウル「てっテメッ……!」

クロシュ「……」ジッ

アウル「……寄越せ」

クロシュ「!」

 油揚げ「」スッ

 ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
 ゴックン!

アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」

クロシュ「ん……!」ニコニコ

アウル「チッ……」

 *
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90


アウル「……で、シノホシのことだって?」

妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」

アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」

妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」

アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」

妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」

アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」

妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」

アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」

妖精「ええ……」

アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」

妖精「うへぇ……」

アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」

妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」

アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」


↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です

国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
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