やる夫が正史を書くようです６２

206 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/12/26(木) 01:20:02.87 ID:l7gu6zLF0: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
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207 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/26(木) 01:22:41.77 ID:Mn1PTP0c0: 乙
どこまで予測していたのか
208 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/26(木) 05:13:42.59 ID:At03ZF1F0: >>1さん乙です
サタン朱序さんがかっこよすぎて惚れるわ
悟空のように「おめえはホントに世界の…救世主かもな!!!」と言いたくなる
209 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/26(木) 20:03:41.88 ID:WNmqaiM00: 乙です。
いやあ・・・呆れるほどきれいに負けるもんだなあ。
210 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/26(木) 23:10:52.58 ID:5UnrJ8g+O: 乙でした
三国志の時代から何度も戦いがあったが、やはり淮水と長江の間には何かの魔物が棲んでいる・・・
211 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/26(木) 23:45:21.73 ID:i22LaEko0: 乙
史上初のVやねん！は恐ろしい・・・
212 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 02:25:33.53 ID:xCLB/VaXo: Vやねん、なら王邑・王尋の虎牙五威兵が既にやってる
213 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 09:58:55.98 ID:E18wU9QNo: 乙です

苻堅にとっては「ここからが、本当の地獄だ…」なんスよけ
214 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 10:31:07.45 ID:VJQAmNi80: まあ天下統一寸前で盛大にVやねん！するのは多分符堅が初めてと思う
215 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 12:25:44.94 ID:k0Zmqgt70: 符堅「（謝玄より）慕容恪の方が断然いい」
216 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 13:12:58.36 ID:hP9HY2ix0: 「（秦軍）皆で大爆笑していました」
217 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 17:34:48.37 ID:LoOWFxh00: 乙です
必要が無いのに相手の誘いに乗っちゃったのが敗因か…
ここだけは宋襄の仁と大差ないことやっちゃったかな
218 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/27(金) 23:27:31.52 ID:NX2PTjT/0: お疲れ様でした。
なんだか展開がきれいすぎます。

こうしてみると、赤壁始め大負けはあれど致命傷には繋がらなかった曹魏はやはり大したものだったのか。
219 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/29(日) 14:44:01.86 ID:4Kh5u6HB0: >>1さん乙
この南征での苻堅の「急かされてる感」「追い詰められてる感」はなんなんだろうね？
遠征前も臣下から反対が相次いでいるのに強行、遠征中も謝玄の挑発に乗ってまで（これが致命的悪手だったと思う）でも決着をつけたかった感じだし
攻めている側なのに、まるで苻堅のほうが強迫観念に追い詰められてる感じがするんだよね
「今東晋を倒さなければ俺は滅びる」とでも思っていたのか
220 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/29(日) 19:40:45.36 ID:4Kh5u6HB0: 「淝水の戦いのときの苻堅って金の海陵王に似ていると思う」という辛辣すぎる感想をネットで見たな
221 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/29(日) 22:17:31.84 ID:XT31qo0Yo: その場で殺されなかっただけ海陵庶人よりはマシでしょう
222 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/12/30(月) 12:14:48.95 ID:VjkIUD2Oo: >>219
創作なら実は苻堅は不治の病にかかっててそれで焦って東晋攻略を強行したとか書かれそうッスね
223 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします ：2024/12/30(月) 20:00:29.89 ID:GoJTXbaB0: 正統性を持っていないことがある種のコンプレックスになっていたのかもしれないな
それで美しく勝つことができればそういう資格を得たことになると錯覚してしまった
であるならこの辺が苻堅の器量の限界だったんだろう
石勒あたりならきっと気にもしなかったんではなかろうか
224 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/12/31(火) 00:10:04.89 ID:o38JDJMA0: 【良いお年を】

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　　l　＼＿／　　　＿,,　　　　 ,,＿　　　ヽ､＿／　 l　　　　次の投下で第百十回は終わるはずです。
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　　ヾ＿,;;;l　　　, , ,　　　　　　　　　　　　　　 l;;;__ジ　　　　　習鑿歯・苻堅・慕容垂のその後、
　　　　　 |　　　　　　i￣i￣i￣i　　"""　　　　 |　　　　　　　　北魏の台頭まで駆け足でやるつもりですがまとまらねえ。.
　　　　　l　　　　　 .￣￣￣￣￣　　　　　　　 .l
　　　　　 ` ､　　/⌒⌒i　　　/⌒ヽ　　　　　 /　　　　　　　　.時間かかりそうなので一月上旬を予定しています
　　　　　　　　`/　　　　| 　　| 　　　＼　　　／

>>210
周代からこういう事例は後を絶たないというね。

>>213
そのへんは次回の投下で軽く触れる予定です。

>>217
力押しでいけるのに策を弄し過ぎた感があります。

>>219
本編でも触れましたが、
前秦が追い詰められた桓温の北伐のような事態を恐れていたのかなと？
この後の後秦の末路を見るとあながち間違いでもないのが……
225 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/03(金) 23:08:35.60 ID:eHOWmZPd0: 【今年もよろしくお願いします】

　　　　　　　　＿_　＿_
　　　　　　　'´, 　ヾく/
　　　　　∠i　ｌﾉ人））〉　　　　　　　　　　　　　　　あけましておめでとう。
　　　　　　 | (|!|ﾟヮﾟｲl　　 ξ　　　
　　　|＼￣￣￣￣ >>1.　旦￣＼　　　　　　　　今年も「やる夫が正史を書くようです」をよろしくね。
　　 /＼＼　　　　　　　　　　　　＼
　／＃#.＼|===================|　　　　　　.さすがに今年で最後だよね？
　＼＃＃ﾉ　＃＃＃＃＃＃＃＃＃＼　　
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|:;|伍|　　
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|:.|君|　　
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|;:|神|　　
wjvww\
226 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/03(金) 23:16:28.71 ID:eHOWmZPd0: 【ムラっとしてやった反省はしていない】

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　　　　　　　　　　　　　　　三国志餅如何ですかー　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::ﾊ、 ' __,　　 |::::|:::::::::::: |
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227 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/03(金) 23:23:46.03 ID:HGpLkOYx0: あけましておめでとうございます

やる夫は正史を書く、書くと言ったが三国志をとは言ってない
つまり二十四正史をやってもタイトルに嘘偽りはないわけで……
228 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/04(土) 20:08:55.51 ID:BxmXdGQc0: 明けましておめでとうございます。
中華人民共和国版『清史』上梓とどちらが早いか、一時は先方の圧勝に見えましたが、どうやらこちらの完結の方が早そう？
229 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/05(日) 21:54:57.17 ID:Jn09f/M90: あけましておめでとうございます
陸機さん助かった
230 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/07(火) 01:45:11.64 ID:Zfsx0KPS0: 今年もよろしくお願いします

伍君神vs蒋子文vs王表の江南神様対決とか見てみたい
231 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/07(火) 11:45:52.16 ID:cZOtPmNdo: >>227
やる夫が魏書（not魏志)を書くようです
は見たいような、見たくないような
232 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/08(水) 16:02:45.11 ID:1XNwbKZEo: もうすぐやる夫范曄が誕生するわけか
233 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/10(金) 18:59:19.10 ID:JDyHQ5HJ0: 何年続いてるんだろうか
もうさすがに最長だよね？
最後までお付き合いする所存です
234 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/11(土) 11:26:59.01 ID:D6wl4Z/R0: 『三國志 Remake』で左思を無口設定で登録武将にしたら、凄く渋い声になった
鄧艾と同じ声になるからか

確かに吃音エピソードも共通している
235 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/11(土) 11:50:23.82 ID:D6wl4Z/R0: >>234
訂正、『三國志 Remake』→『三國志8 Remake』
236 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/15(水) 17:32:41.71 ID:yqZn4p/h0: >>36
魏呉で関羽を潰すために動員された面子を見ると、関羽は失敗したが強敵、それも超一級の強敵だったことが窺える
曹仁・満寵・于禁・龐徳・徐晃・張遼・呂蒙・陸遜・潘璋・朱然etc

結果論だが、漢中・蜀漢で一番魏の中枢に迫った北伐だったのだし
同時代には、（関羽に勝ったという）武功アピールの側面もあれど、敵の評価の方が高く見えるのはそのためだろうか
237 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/15(水) 18:29:03.99 ID:dWnNd/oZo: 関さんは一時期とは言え不人気（曹操）陣営にいた事もあって後期の蜀漢陣営よりも直接関さんに接した人が多かったのも高評価の理由かも知れないッス
238 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/15(水) 21:21:41.08 ID:Rgfx+VLN0: ついったの方で、符堅をフェイスレスになぞらえている人がいて妙に納得したｗｗ
239 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/16(木) 00:55:35.79 ID:3TqY4YuvO: 関羽と桓温、荊州から北伐しようとしてコケたという点では似た者同士なのに
（むしろ桓温の方がある程度成果出てたのに）どうして後世の名声でここまで差が付いたのやら
240 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/16(木) 01:35:57.41 ID:/SpHgXEY0: 関羽は余韻を残して散った
桓温は生きて帰ったがその後がぐだぐだ

とすると、関羽が荊州から逃げ延びていたら、後世の評価は暴落していたかも知れない
その場合、劉備がどう処遇したか・関羽がどう反応したかにもよるが
241 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/16(木) 01:58:59.45 ID:eE/K13wfo: 干宝の「死ぬのが難しいのではなく、死に場所が難しいのだ。だから古えの烈士は、危難を見て命を授けて節を投じることは帰す如くであったのだ」がほんとハマるんスよね

桓温にしても洛陽長安一時期奪回後に凱旋するも政争に負けて失脚とか刑死ならそれこそ宋代あたりには愛国烈士みたいな扱いだったかも知れんし
242 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/16(木) 12:02:32.71 ID:/SpHgXEY0: それから関羽の子供達は、正史では大きな活躍が無い代わり、大きな失策や悪事も無い
これも重要なこと
243 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/16(木) 22:40:22.86 ID:hJ0ejJLJ0: 【>>233十六周年だぜ（白目）】

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　　／i　　　　 ,.-‐''"´ 　　　　　　　　　＼　　　　 i＼
　　l　＼＿／　　　＿,,　　　　 ,,＿　　　ヽ､＿／　 l　　 .明日１/１７（金）２２：００頃から続きを投下します。
　　l　　::::::/　　　　━━　　　　　━━ 　　　ヽ:::　　 l　　　　　　
　　ヾ＿,;;;l　　　, , ,　　　　　　　　　　　　　　 l;;;__ジ　　　>>224でも触れてますが、
　　　　　 |　　　　　　i￣i￣i￣i　　"""　　　　 |　　　　　　話がまとまらないのでひとまず戦後の東晋側の話から。
　　　　　l　　　　　 .￣￣￣￣￣　　　　　　　 .l
　　　　　 ` ､　　/⌒⌒i　　　/⌒ヽ　　　　　 /　　　　　　.その後、来週末ぐらいに前秦側と慕容垂の最期なんかを
　　　　　　　　`/　　　　| 　　| 　　　＼　　　／

※AAスレだと群雄割拠的なあっちこっちに話が飛ぶのは作りにくいんや
244 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/16(木) 23:17:41.00 ID:vnETWusB0: わーい
245 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/17(金) 17:51:58.94 ID:Wgv0I40D0: >>1さん乙です。投稿楽しみ

桓温に関しては、東晋が前秦に打ち勝てたのは桓温の影響が大きいんじゃないかな
桓温が断行した土断による国力向上もそうだし、謝玄など桓温が抜擢した人物たちが前秦で活躍したし
東晋が前秦に打ち勝てた要因として桓温の影響は大きいと思う
246 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/01/17(金) 18:40:14.00 ID:Z0ttZ/Abo: 殷浩を後方に置いて桓温の補給担当させたら、みんな幸せな世界だったのかしらん
247 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:47:26.45 ID:cKckTtO50: 【>>205の続き】

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　秦　.|　　　　┌─┐　　|　慕　 |　　　　　　　 .|　秦　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
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幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　苻堅が来た？　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
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::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　『晋書』『慕容垂載記』に曰く
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
248 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:47:56.66 ID:cKckTtO50: 　　　__（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
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　 | ﾍ;;;;;;;|;;, ィ｀丶ﾘﾊ |;;;;;;;;;;;;;＼;;.|‐|
　 , 　V丶　ｌｲ　　｀ヾノ;;;;;;;;;;;;;|丶.|_|
　　　　ノ　　　　　｀ |;;;;;;;; ﾘヾ|　.|_|
　　　　＼ _　　　　　|ﾊーィ、　 .|_|
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　　　　　　　ヽ　　イ´イ￣＼　〉￣~|
　　　　　　　ヽ／／,／￣＼丶|　 |.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ﾆ;v'ﾆ;､
　　　　　　　 /|~　イ　　　　| | |　 |/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r=､r=､　　　　 _,!0_i0)　）i:、
　　　　　./:::|　 .|　　　　　〈 .| |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __{0_{0_.}　　　／　　｀ヽ,. ┘ ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､ ,､ /´l r ｀'､_,ﾉi、　 i ′′　　　　　}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - (・(・ ){　　　　　　　)　l、　　　 ( 　　 ,!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ '' 　,r'⌒ﾞi`､　 _.r（_　ﾉ　　ヽ.＿＿. ＾、∠!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽー<　,,ノ　`´-r _ノ: :＼　　　　｀Ｔ-　　ﾍ＞　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 i′　 ,f´: :,. - - 、ヽ　 ,,.-ﾃ|　,／　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/ 　 '''"´　　,,.: -　ヽ　
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　慕容垂軍のみ残ったため、苻堅は千余騎を率いて慕容垂の下へ逃げた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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249 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:49:04.73 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　 ,　'´￣￣｀ｰ-､
　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　/ 　 {/ 〃　ヽヽl ｌ|　　　　　　　　今こそ中興の業、少康の功を建てる時です。
　　　　　 ,'　.│.　ﾘトk八宝ﾊイ} 人.　　
. 　　　ん　 |　　! ●　Ｖ　●{ﾍｌ. 　　　　　　今、天は乱徳を嫌い、
.　　　／／（|　⊂⊃　､_,､_, ⊂!ハ　　　　　　 .凶衆を土崩瓦解させ、我々に千載一遇の機会を授けてくれました。
　　／／.　　i⌒ヽ.＼　　　　ﾉゝ_／⌒)
.　 {.　{　　　ﾍ　∧ .} ､ __,　イ　＼ﾍ／　　　　秦は二京を覆し神器を辱めたのですから、
　　}.　}.　　 ∧｀´ ｜.!:::::Y Y::::) 　／ﾍ　　　　　.願わくば微恩を意気に感じず、社稷の重さをお忘れにならないよう
　／／.　／:::::ヾ_..ﾉ八:::::∨:::( 　人／

　　　　　前秦　慕容垂の子　慕容宝　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _-.::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.＼ﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_-: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./,.:.:.:.:. ＼ﾆ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ﾔ.:.:.:.:.:.:∨]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /,.:.:､.:.:.:＼.:.ﾔ.:.:.:.:.:.:.:ﾔ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.|L.:.:.:.:.:.:＼＼ｨzzzx .:.:.:.:.:.:.:.ﾔ/ 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:八从乂.:.:.:.: > んﾉリ |.:.:.:.:.:.:.:.:./ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .:.:.:.: 〈ｨ扞芍｀⌒　乂少 |.:.:.:.:.:.:.:.:「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:. ハ乂少　､　　　　　|.:.:.:|.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　あんたの言っている事は正しい　　　　　　　　　　　　　　　 .|.:.:.:.:.:.:.込　　　　　　　小.:.:|.:.:: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>　　　⌒　／ i|.:.:/.:. /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八.:.:.:.:.: /⌒　＞　 _ ｨi〔　ﾉ／:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒∨.:.: ′　　　f´ハs≦⌒⌒〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:乂　　 ⌒ヽ jI斗==ミﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀⌒　　　 -{ _{- 　　〉 jI斗:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　√〉　　 7／ﾆﾆﾆﾆヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　慕容垂の世子の慕容宝曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　少康とは夏王朝の帝で、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　父親を叛臣に殺されたが、後に討伐して夏王朝の中興を果たした。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　父親に燕の中興を期待していたのが分かる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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250 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:49:50.44 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　 _ -ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-_
.　　　　　 /-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-
　　　　　　　 |-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-
　　　　　　　 |-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-}
　　　　　　 ∧-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-/
. 　　　　 ,:.:.:.ヽ-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-/
　　　　　 ':.:.:.:./ ｀''＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＞''´:l　　　　　けれど、苻堅が命を投げ打ってきたのに殺すのはどうかしらね？
.　　　　　 |:.:.:./:.:.:.:.:.／i:i:i:i:i:i{i:i:i}i:i:i:i:＼:.: |
.　　　　　 |:.:.:ｌ:.:.:.:.:.〈i:i:i:i:i:i:i:i:i|＾|i:i:i:i:i:i:i:i〉.:|　　　　　天に棄てられたような物言いは口が過ぎるし、
.　　　　　 |:.:.:| :.:.:.:.:. ＼:i:i:i:ｉ/|: |i:i:i:i:i:iｱ :.:.|　　　　 .例え北へ帰っても障害が増えるんじゃないかしら？
.　　　　　 |:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.: /i:i:ｉ:ｉ:|: |i:i:i:ｉ∧:.:.:. |
.　　　　 ∧:.:|＼ｗ''⌒/i:i:i:i:ｉ:|-|i:i:i:i:i:∧:.从　　　　宿命を背負うのなら、義をもって天下を取りたいわ
　　　　　/ ∧:|　　 /￣＾⌒寸 |/＾ヽ~)／ﾉ
.　　　　　　ヽ_,.､'zzzzzzzzzzzzzzz'x,,_
　　　 _　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　_
　　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
.　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　|　　　……兄上　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l l　/〃宝ヽヽ} | 　､　ヽ
　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ljﾊ　!イﾊ　从＼j 　│ 　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l∧}●　Ｖ　● !　　|、ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ.ﾉ⊃ ､_,､_,　⊂⊃ .|ﾉ　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ヽ_.ﾘ人　　ゝ._）　./" ./⌒i　　ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ /／"　＞,､ __　イ{.　ﾍ　 /!　　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /　＼　 (::::::::Y Y:::::.!｜｀´/ﾍ　{ 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／ﾉ　　):::::::∨:::::ﾉ. ヾ..ノ.::::::＼＼丶、

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　慕容垂は息子の言葉を
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ここで苻堅を殺すべきと受け取ったようである
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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251 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:50:20.70 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　 V≫''^｀　　　　　　　　　　￣~^''
　　　　　　　　　　　　／　 _.　 -‐￢　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　〈　　　＼(♀）/-‐…・・/:l‐-´'‐ _　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 '，.　''^~＼./. . . . . ＿Ⅵ__ . . . .´'‐ ＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　} . _.､　''^ﾟ~￣￣　／: ', : ￣~^'' ┘
　　　　　　　　　　　　 -‐ r T^i　　　　 _ -ﾆ∧ : ', : : : :V:∧
　　　　　　　　／　l｜ ! ﾑ '┐--=ﾆ￣: : /- Ⅵ:! : : : : ＼:ﾟ,
　　　　　　　　　 /　　└Lﾉ'´ ／/| ハ: |: :/:/ｯｆ笊Ⅵ : : : : ト--
　　　　　　　 √`'ｰ---=''^｀ /ｘ|'笊И/| ′ Ｖソ｜ : : :_｣ : : l
　　　　　　　　　,′　　/|∧:_:! /:∧└　　'　　　　　 :| : : :√ ∧:|　　　　　隣国は互いに併呑し合うもの。
　　　　　　　 ,′ 　 /　′　l {: l ∧　　　 __　　　 | : : √/ 　ﾘ
　　　　　. -‐/ 　　 ,ﾊ　　　　 { : : 公:.. 　 ´　　 _ ィ l: : :√′　　　　　　 .秦が強ければ燕を
　　　 / く /　 __ ノ. .}　　　　:| : : :/　_≧=‐‐:: --‐： : √、　　　　　　　燕が強ければ秦を併呑しようとするでしょう。
　　／. . . .￣. . . . . ｲ　　　　ｌ : : ｉ''~/　ハlハ　　,ﾞ : :′ .＼
　　〈 . . . . . . . . . . . . .| 　 _､-''~', : :! ∧_ノ(※)-l__ ,ﾞ: :/ . . . . . ＼　　　　ここは報仇雪辱を果たす事こそ宿命です
　　＼ . . . . . . . . .／{￣　　 :{._Ⅵ| {≫'"/＾',:i:i:i:ｉ/／. . . . . .／⌒:.
　　　 | ´^''=---　　ハ　丶く:::::: ／　 / 　ｉ- ／､. . . . .／ ⌒'， ´,
　　　 |　　　　　　 .:ﾞ　:} 　 У ` └～辷-_｣. . ._｣＼／　/　　 ' 　´,
　　　！　　､　　／　　 _､-/　　　ヽ／-‐ 　￣　　　┐ ′　　 ′ :´,
　　　ｰ-　　 ←‐=''^｀　.:′ 　　 ./　　　　　　　／L__}..{　　　　L__｣::´_
　　　　　　　　　　　　／::{　　、　 {　　　　　 ./　　〈:::/,　　　 ==：::.´
　　　　　　　　　／::.: 八　　＼　′　／　　 { 　　　 /, ｌ　　､￣ / ::.:丶

　　　　　　　　　　　　　　　　前秦　奮威将軍　慕容徳

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　慕容垂の弟の慕容徳曰く
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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252 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:51:58.29 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　 | ＜::::.. ＿＿＿＿＿＿　／::|
　　　　　　　　　　　　 |　く::::／　　　　　　　　＼::|
　　　　　　　　　　　／|___／　　　　　　＼￣￣／　Υ
　　　　　　　　　／　　　／―――――＼／― ､/
　　　　　　　／　　　／　　＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　　　　　　　＼＿_／　　／:/ 　 /: ＼　　　　　＼
　　　　　　　　　　{＿＿／|: /　 _/_ : : : ＼＿＿＿＿_）
　　　　　　　　　　|: : : : /: |/　　/: : `メ|: : : :/ _|: |: : : |
　　　　　　　　　　|: : : /: : | 　ｚ===ミ /: : :/´__|/|: : : ＼
　　　　　　　　　　|: : /: : : |　/^:/Vツ/／l/ｲツ｢: |: : : }⌒　　　鄧の祁侯は三甥の言を納めず、楚に滅ぼされました。
　　　　　　　　　　|: /: : : : | ∧: |　　　　､　从:|: : /
　　　　　　　　　　|/∨＼: |/: :V 　　　 _　　 }: : |: /　　　　　呉王夫差は伍子胥の諫言を違え、
　　　　　　　　　　　　　　｀|: : : |:. 　　 ´ 　／: :/:/　　　　　　.越王句践の禍を招いてしまいました。
　　　　　　　　　　　　 |: : : |　}ト　 ___／: : :/: :|
　　　　　　　　　　　　 |: : : |　　 /≧_　＼/: : :|　　　　　　前事を忘れず、後事を手本とすべきです。
　　　　　　　　　　　 _｡ｓ≦＼: :|　／　　　≧ｧ|: : /
　　　　　　　　　z≦　　 /_____＼´　　　　　/:::|: /＼　　　　　　湯王・武王の先例を棄てず、韓信の敗北を追わないよう
　　　　　　　　 |　/　　 |ﾆﾆ／　　　　　 /:::/|/　　|_
　　　　　　　　 |/⌒＼　|_∠＿＿＿＿／:::/ /　　￣＼
　　　　　　　/￣￣＼_ﾏ／￣￣￣ヽ::::::::::/　　　　　　＼
　　　　　　/{　　ﾆ={ {⌒} }=ﾆ　　　ノ::::::::::{　　　　　　　　　＼
　　　　 |::{ 　　ﾊ_〉〈_/、　　　ﾉ:::::::::::::::＼＼　　　　　＼
　　　　 |::{____／　|.....|⌒＼＿/:::::::::::::::::::::::￣＼　　　　　　 |
　　　　ヽ:/　　　 |.....|　　　＼:::::::::::::::::::::::/　　＼　　　　＿＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鄧の祁侯は春秋時代の鄧の君主で、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　三甥と呼ばれた三人の賢者の忠告を聞かずに楚の文王に滅ぼされた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .この時の三甥の忠告が「臍を噛む」の由来となっている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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253 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:52:57.98 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　 | ＜::::.. ＿＿＿＿＿＿　／::|
　　　　　　　　 |　く::::／　　　　　　　　＼::|
　　　　　　　／|___／　　　　　　＼￣￣／　Υ
　　　　　／　　　／―――――＼／― ､/
　　　／　　　／　　＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　　　＼＿_／　　／:/ 　 /: ＼　　　　　＼
　　　　　　{＿＿／|: /　 _/_ : : : ＼＿＿＿＿_）
　　　　　　|: : : : /: |/　　/: : `メ|: : : :/ _|: |: : : |
　　　　　　|: : : /: : | 　ｚ===ミ /: : :/´__|/|: : : ＼
　　　　　　|: : /: : : |　/^:/Vツ/／l/ｲツ｢: |: : : }⌒　　　謹んで天罰を行って逆氐を斬り、
　　　　　　|: /: : : : | ∧: |　　　　､　从:|: : /　　　　　.宗廟の祭祀を復興させ、中興の業を建て大業を継ぐべきです。
　　　　　　|/∨＼: |/: :V 　　　 _　　 }: : |: /　　　
　　　　　　　　　　｀|: : : |:. 　　 ´ 　／: :/:/　　　　　　 .この好機を見逃すべきではなく、
　　　　　　　　 |: : : |　}ト　 ___／: : :/: :|　　　　　　　天の時を退けた後に害を待っていては計とは言えません。
　　　　　　　　 |: : : |　　 /≧_　＼/: : :|
　　　　　　　 _｡ｓ≦＼: :|　／　　　≧ｧ|: : /　　　　　　　断を下せなければ返って乱を受けるという言葉もあります
　　　　　z≦　　 /_____＼´　　　　　/:::|: /＼　
　　　　 |　/　　 |ﾆﾆ／　　　　　 /:::/|/　　|_
　　　　 |/⌒＼　|_∠＿＿＿＿／:::/ /　　￣＼
　　　/￣￣＼_ﾏ／￣￣￣ヽ::::::::::/　　　　　　＼
　　/{　　ﾆ={ {⌒} }=ﾆ　　　ノ::::::::::{　　　　　　　　　＼
　　|::{ 　　ﾊ_〉〈_/、　　　ﾉ:::::::::::::::＼＼　　　　　＼
　　|::{____／　|.....|⌒＼＿/:::::::::::::::::::::::￣＼　　　　　　 |
　　ヽ:/　　　 |.....|　　　＼:::::::::::::::::::::::/　　＼　　　　＿＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　慕容宝もそうだったが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　慕容徳も説得に漢籍を持ち出すあたり、中国式教育を受けたのが分かる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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254 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:53:31.92 ID:cKckTtO50: 　　　　　／|___／　　　　　　＼￣￣／　Υ
　　　／　　　／―――――＼／― ､/
　　／　　　／　　＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　＼＿_／　　／:/ 　 /: ＼　　　　　＼
　　　　{＿＿／|: /　 _/_ : : : ＼＿＿＿＿_）
　　　　|: : : : /: |/　　/: : `メ|: : : :/ _|: |: : : |　　
　　　　|: : : /: : | 　ｚ===ミ /: : :/´__|/|: : : ＼　
　　　　|: : /: : : |　/^:/Vツ/／l/ｲツ｢: |: : : }⌒　　　　　　　　　　　　　　御決断を
　　　　|: /: : : : | ∧: |　　　　､　从:|: : /
　　　　|/∨＼: |/: :V 　　　 _　　 }: : |: /　
　　　　　　　　｀|: : : |:. 　　 ´ 　／: :/:/　
　　　　　　 |: : : |　}ト　 ___／: : :/: :|　　
　　　　　　 |: : : |　　 /≧_　＼/: : :|　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-
　　　　　 _｡ｓ≦＼: :|　／　　　≧ｧ|: : /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-
　　　z≦　　 /_____＼´　　　　　/:::|: /＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　　 ,:.:.:.ヽ-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':.:.:.:./ ｀''＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＞''´:l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 |:.:.:./:.:.:.:.:.／i:i:i:i:i:i{i:i:i}i:i:i:i:＼:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 |:.:.:ｌ:.:.:.:.:.〈i:i:i:i:i:i:i:i:i|＾|i:i:i:i:i:i:i:i〉.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 |:.:.:| :.:.:.:.:. ＼:i:i:i:ｉ/|: |i:i:i:i:i:iｱ :.:.|　
　　　　　私は太傅に受け入れられなくて苻堅に身を投じた　　　 .　　　 |:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.: /i:i:ｉ:ｉ:|: |i:i:i:ｉ∧:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 ∧:.:|＼ｗ''⌒/i:i:i:i:ｉ:|-|i:i:i:i:i:∧:.从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ∧:|　　 /￣＾⌒寸 |/＾ヽ~)／ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ヽ_,.､'zzzzzzzzzzzzzzz'x,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　慕容垂曰く
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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255 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:55:28.89 ID:cKckTtO50: 　　　　///////////／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
　　　 ////////////: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
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　　 {/////////: ／|: : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : :.l : : : l l: : : |: : : :l : : : : : :.
　　 V///////／i:i:i:|: : : : : : : : : /: : / : : : : : : : : l: : : ::l |: : : |: : : :l : : : : : : ,
　　　≧=--=<i:i:i:i:i:i:i|　: : : : : : :/ : :/: : :/ : / : : /: : : : :l |: : : | : : ::l : : : : : : :
　　／i:i:i:i:i/i:i:Vi:i:i:i:i::|: : : : : : : :＿ /: :}/ : /: :__/,:j/: :j / |:＿ l:+--:lﾐ : : : : : :
　　Vi:i:i:i:i/i:i:|i:∨: : : : : : : : : : l: : /￣/￣// 　　/: : /　/: : /: :| : /|: :}: : : : :
　　　＼i:i:i:i:i|l:i:i:∨　: : : : : : : :| :/--/ー/∥￣　￣　　￣_,,云云ﾐ l:/: : : : .'
　　　　/i:i:i:i:| V:i:iV: : : : : : : : |/ｧ彡云芯癶弌　　　　　'''行/　V　Y:.|: : : :/　　　　.王猛に讒言された時も　
　　　　＼i:i:i|　V／: : : : : : : : l　　　弋z,,ソ_,　　　　　　　ゞ--'　从ｲ: : :ｲ　　　　　あいつは潔白を証明してくれた。　 .
　　　　　＼l: : : : : : : : : : : : :l　　　｀"" ￣　　　　　　　　｀"""´　i : l: : : l
　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : :l　　　__　　　　　　　　　ヽ　　　　　 {: ::| : : |　　　　　.国士として礼遇してくれたけど、　
　　　　　　l: : : : : : : : : : : : :l　／　 i ＿　　　　　　　　　　　　　/: : i : : l　　　　　.まだその恩は十分の一も返していない　
　　　　　人: : : : : : : : : : : :l／　￣　　　>　　、　,,..-ｬ　　　　. : : : :l: : : l
　　　　　　　　＞ : :八: : : l: :l　　　　￣￣　)　　)　￣　　／: : : : /: :j:/
　　　　　　　=ﾆﾆ＞　ゝ: :| :l|　　　　￣￣＼　　　　　／__:--＜ﾉイﾆ= _
　　　　-=ニニニニニニ=i|: :l　　　　　＼　人　_ 　...イ_ 7/二二二二二二= _
　　-=ニニニニニニニ= 八::l　　　　　　　Y　　　　::::::::::://二二二二二二二 =_
　-ニニニニニニニニニニ乂　　　　　　　 }⌒(v /7::::://二二二二二二二二二
256 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:56:33.43 ID:cKckTtO50: .　　 /-ﾆﾆ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:ヽ/
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　　|‐ﾆ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.|:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.|/
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.　　 /i:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |/／⌒ ｀　　　　　　＿ノ(|:.:. : :l　　　　
. 　 /i:i:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　_,,ィ(.　　　 ´⌒^゛l:. : :∧　　　　秦の運が必ず尽きて暦数が私にあるのなら、
.　 /i:ｉ:ｉ|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |-===彡''^　　　　　､　　　 }:.:.:.:.:∧　　　 .あいつの首を取るのに何の不便があるってのよ。
　 |i:i:i:i:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　　　　　　　　　八:.:.ﾊヾ!　　
.　 ⌒|∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　　　　_　　.-=ｬ　　/;;:|:.:.:./, }　　　関西の地は私の物じゃないし、
.　　 |i:i∧:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l　　　　　ゝ、_::::::/ 　ｲ;;;; |:.:.:.:.:|ﾉ　　　そっちを騒がす奴がいたら、
.　　　|i:i:i| ﾍ:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.＞　　　　　　　　／;;;;;;;; |:.:.:.:.:l　　　　私は楽に関東を平定できるじゃない
.　　　|ｧ'⌒''＜:.:. <⌒ヽ:.:.:.:.:.: l.: : : :.≧=-　.. _／､;;;;;;;;;;; ,:.:.:.:.,′
　　　 ⌒＞､　｀ヽ∨￣／ヽ＿＼: : : : : :{　　　　⌒ヽ;;/:./:.:′
　　　／ﾆﾆﾆ＼.　/　 /　 /　　Y ~ ‐ _: 」Y 　　　　 ∨:./
.　　 /‐ﾆﾆﾆﾆニ∨ ／　 :/　 /:. 〉　 ./｢{ |=-　_＿＿／´
. 　 /-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ _　　　　＾Yヽ　 / { { Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧s｡,
　　{-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- _　　　　 Y　 .〉〉 ∨／￣`寸ニﾆﾆ-ﾍ
257 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:57:43.48 ID:cKckTtO50: 　　　　　　＿＿＿
　　　　　／ﾆﾆﾆﾆニY
　　　　／ﾆﾆ＞――┴＜
.　　　 /ニ／:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　 /ニ/:.:.:.:./:.:.:|:. |:.:.:.:.|...l.:.',
　　 {ﾆ/:.:.:. : |:.:.メ.:.｣:.:.:斗:｣:.:.l
.　　　/i|:.:.:.:.:.:.|　∩　￣∩|:.:.:|
.　　　〉i|:.:.:.:.:.:.|　∪　　 ∪{:.:.:|　　　　　　　　　　君子は乱を当てにせず、先に禍も作らない！
　　ヾﾑ:.:.:.:.: |　／＾ｰ┐　）:.:|
.　　　 , -ヽ:.:.人_(:::::::::::ｿ.イ/:./　　　　　　　　　　.しばらくは様子見するわよ！！
.　　　/ﾆ＼ﾆ=‐:＼∨￣|x/イ
　　 /ﾆﾆﾆ.|ﾆﾆ}￣:冂:￣}!ニl
　　 |-ﾆﾆﾆ|ﾆニ／|　|ヽ.ハﾆl
　　/ﾆﾆﾆﾆ|ニ<　ﾊ,ﾊ　 l-|ﾆl
.　 /ﾆﾆﾆﾆ/ニ〈　 l:::::::l　|ﾆ|ﾆl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::＼／￣￣￣￣/::::. ｀`　､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八‐z:::::＼　　　　　 /::::::::::,　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼>:::::::)　　　　　￣＼_|　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　￣　　　　　　　　　　　　　_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿__(￣￣)＿ﾆ=――｡_´}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿＼／＿_〈ﾆl__}／: :|: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　＞'-|: : : |: |⌒
　　　　　　　分かりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__{／ヽ＿＿＿___＞'ィｯ灯|: : : |: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r┴ヽヽ}｣7 /: |､､､从{　　､､|: : : |:/
　　　　　　　では、苻堅を迎え入れる準備を整えます　　　　　　　　 c 　 | r_]_｣_」/|/: 公　　　　　　イ: : /´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂　　八　ﾉ_ノ　从: : |´＞´｀＜|z/: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r{＿_}ァ　　r＼|´..rﾉ　　　|/:／s｡_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|////,ﾉ /...{ ........ |　　　／........ |::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |......￣￣} /......| |........|======|............|::|.....,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |...............ｲ´...... | |........|//////|............|::|.....|
258 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:58:16.94 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　 ,　'´￣￣｀ｰ-､
　　　　　　／　　Ｕ　　　　　　＼
　　　　　　/　/ 　 {/ 〃宝ヽヽl ｌ|
　　　　　 ,'　.│.　ﾘ十八　ﾊ十}.人
. 　　　　ん　 |　　! ●　Ｖ　●{ﾍｌ　　　　　　　　　　　叔父様。
.　　　／／（|　⊂⊃　､_,､_, ⊂!ハ　
　　／／.　　i⌒ヽ.＼　　　　ﾉゝ_／⌒)　　　　　　　.本当にこれでいいのかしら？
.　 {.　{　　　ﾍ　∧ .} ､ __,　イ　＼ﾍ／
　　}.　}.　　 ∧｀´ ｜.!:::::Y Y::::) 　／ﾍ
　／／.　／:::::ヾ_..ﾉ八:::::∨:::( 　人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　(　(（♀））　)＿＿＿_∧＿＿_　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　 '＼＼／／. . . . . . く三} o}. .。＼＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／. ／＼／￣￣￣￣￣V . ┴‐-. ﾟ____}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }.／　　　　　　　　／ ∧: : : : : : : :|: : :|　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ―――┬‐　　　　　／ : :/　∨: : : : : :.|: : :|　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ―┐ヽ　|＼_)＿＿／: : : /´￣∨: : : :. :.|: : :|､　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣し'　/レ-ｧ/: ⌒ |: |: |/|/ ィう芹ﾃ: : : |: |: : : ＼:.　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾉ　し　／ /:ｨ芹う|/|: l /　乂ツ | : : : |: |: : :|⌒|＼　　　＼
　兄上は汚名をかぶりたくないんだろう　　　 /　　､______ノ|　/: :{! 乂ツ.|/　　　､､ | : : : |: |: : :|: : |　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 /　　|: : | ハ: :ヽ､､　 ′　　　　　 | : : : |: |: l/|: : |　　　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 'ﾞ⌒| |: |: : : :.　　　　 _ 　　 /|/ : : |/∨ _:／＿___／＼　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 .八|｀|: : : : }ト　　 ´　　　＜/: : : / 　 /　　／/　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　　　　　 |: : : : |　　 ≧r≦ 　 /: : : /＼_/　　　|::｜　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′　　 |／⌒＼＿___ -|: : : /‐=≦ __| 　　 |: : :./ .:/　|　　　.|::｜　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　 |＿　　　＼　　 |: : /　　　/＿___／ .|: :./ .:/　　　　 |::.､＼　／:iﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼:＼　　　　 _|: /　　　/ ⌒／　　 |:./ .:/′　　　　＼:.　￣￣|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『苻堅載記』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　慕容垂の子の慕容宝は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .苻堅を殺すよう慕容垂に勧めたが、慕容垂は従わなかった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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259 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 21:58:58.19 ID:cKckTtO50: 　　　　_-: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./,.:.:.:.:. ＼ﾆ _
　　　　 7 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ﾔ.:.:.:.:.:.:∨]
　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /,.:.:､.:.:.:＼.:.ﾔ.:.:.:.:.:.:.:ﾔ＼
　　　 .:.:.:.:.:.:.|L.:.:.:.:.:.:＼＼ｨzzzx .:.:.:.:.:.:.:.ﾔ/ 〉
　　　 .:.:.:.:.:八从乂.:.:.:.: > んﾉリ |.:.:.:.:.:.:.:.:./ﾉ　　　　　大変だったわね。
　　　　| .:.:.:.: 〈ｨ扞芍｀⌒　乂少 |.:.:.:.:.:.:.:.:「
　　　　|.:.:.:.:. ハ乂少　､　　　　　|.:.:.:|.:.:.:.:.　　　　　　 .私の兵を使ってくれていいから態勢を立て直しましょう。
　　　　|.:.:.:.:.:.:.込　　　　　　　小.:.:|.:.:: /
　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>　　　⌒　／ i|.:.:/.:. /　　　　　　　.まずは離散した将兵を集めないと
　　　八.:.:.:.:.: /⌒　＞　 _ ｨi〔　ﾉ／:／
　　　 ⌒∨.:.: ′　　　f´ハs≦⌒⌒〈
　　　　　 ∨:乂　　 ⌒ヽ jI斗==ミﾆﾆ＼
　　　　　｀⌒　　　 -{ _{- 　　〉 jI斗:＼　.　　　 /.:::::::::/.:::;　' ..イ:::::::::::::::::::::::..＼::::::::::::::::::::::';:::ヽ;、::::::::::::::::::::::::::::::ｌ::ハ
　　　　　　　 /　　√〉　　 7／ﾆﾆﾆﾆヽ...　　　/.:::::::イ::　..イ:::::::l::::::::::::、::::::::::::::';＼::::::::::::::::::;:::::::::｀:..､::::::::::､::::::::::::|::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃´　 ,' .イ;':::::::::::::';＼:::::/';::＞:、:::';::::＼:::::::::::::'::::::::::::::::.＼:::::';＼::::::|:::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.;'::ｌ|:i::::::::::::::::',　 .ﾒ､::ヽ;:､::＼::;:ﾄ､:.＼::::';:::';::::::::::::::::::..＼:';:::.＼:!:Ⅳ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨::|:|:ﾊ:::::::::::::';. / __｀ハ.ヽ:::::::';､ヽｉ::＼:'; ｌ:::::::::::::::::::::::::`:::::::::::::l　ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ｌ:l:! .';:::::::::::::/./,⌒';.＼〉＼∧ｌ Ⅳ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:!| 　＼::::::: 〈:'ﾊ　::　　　　ヽ〉.|.ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::';:: l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ〉　　｀､:::∧';} .:　　　　　　Ｕ.:.:.:';:::ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::ハ:ｌ|
　　　　　　　　　ああ、すまん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l l` .､ﾘ'　　　　　　　::.:.:.:.:.';:|.:.ﾘ､:::＼;::＜´￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　　` 　　　 u 　:.:.:.:.:.:.:l|.:.:.:У´
　　　　　　　　　恩に着る　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､ぐ＞　　　 ..:.:.:.:.:.〃　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人、　　　 ..:.:.:.:.:.:/　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　,.: ,: ＜V　.〃　　　　　 ,　　　'　´ ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨¨´　　 /　 /　　＿＿≦__

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そして、自身の兵を苻堅に所属させた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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260 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:01:26.06 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　 _,..-｀‐:::::::::::::::::::::＼l:::ヽ
　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　／::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-‐:.､
　　　　　　／　/:::::／:::::::::::::l:::::::::::l:::::ヽ::::',＼:::',
　　　　　　　　/::::/:::::::::/:::::/ l:::::::::::l､:::::l::::::',::､｀ヽ
　　　　　　　 /:::::l:::l:::::/⌒/ヽl::::::/´!´､ﾞ!:::::::l:::::l
　 ___　　　　l::／!::l:::::l,ｨl,‐v /:／／t,.l｀,',:::::l､:::|　　　　　　　　ここでお前に会えたのは心強い。
　∨∧ 　　　l　　l::l´､!　込j '´　　込j /!::/　V
. 　∨∧　　　　　l::,ヽ､､　　　　 '　　　.k'!/　　　　　　　　　　将兵を収容しつつ洛陽へ向かおう
　　 ∨∧　　　　 l' ヽ::::::..　　ー ‐ 　 ,.ﾊ_'
　　　∨∧　　　　　}-ﾚ､::｀l　　_ ,..イ:/: :,-｀!
.　　　∨∧　　　　/ヽ: ￣｀丶､_,..-''"´: ／!　
　　　　 ∨∧　／:.ヽ､: : : : : : : ll: : : : : : :,-'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
　　　　　∨_,／､:.:.:.:.:.:.｀丶､: : :.:ll: : :,..-'´　　｀丶､　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.,'.:.:',.:.:.:.:.:.:',.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ
　　　　／ /: :ヽヽ:.:.:.:.:.:.:∧｀|￣|￣|　　　　　　/:',　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:i.:.:{i.:.{.:.:',.:.:ヽ.:',.:.:.::',.:.:.:.:.:Ⅶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./i:.:{:.:i.:.:ii.:.:',､_,,斗七i.:.:.:.i.:.:.:.:.:.|i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.:.', ‐-ヽ┘ γ芹h、.:.:.i.:.:.:.:.:|i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　　　　　　〉:.:.γ芯　　　乂ソj.:.:.:.i.:.:j.:.:|i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 L ヽ.ト、　 .,、　/:.:.:.:ミ,乂ﾉ　　　'.'.'∥.:.:j.:./.:.:.|i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ ＼} }_//{ ヽ {:.:.:.:.{:::::', ''' '　__　 ./.:.:./:/.:.:.∥
　　　　　　　　分かった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/∧　＼}/∧.　＼:.:.:.',::::::＼ ´　｀./.:.:.:.:/-―'__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＼　＼_ ヽ　　＼:.｀ｰァ＞＜＿／,,｡s≦/＿＿
　　　　　　　　そこまでお供してあげるわ　　　　　　　　　　　　//∧　　￣｀.　　',s≦/:::i77{7777/////::〕 i/∧＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　'///::::i//∧///////::::〕 i//∧ 〔ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_　　　 ∨:::::j／/　∨//／::::::〕 i////i 〔::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r''´　)┐ 　　 ';:::i　./　.＿j／::i::::::::〕 i////:i 〔::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j}　''ﾞ´ ノ┬-- 」　 /　 (_::::::::::::j::::::::〕 i////:i 〔:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i 　 ''´　/.)　　ヽ }　　 /:::::::::/::::::::〕_i/////〔::::j

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　五胡十六国時代の美談とされる逸話である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ここで終わっていれば
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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261 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:02:04.81 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　洛陽へ向かう！！！（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　秦　.|　　　　┌─┐　　|　慕　 |　　　　　　　 .|　秦　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　淝水の戦いは終わった
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
262 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:03:06.61 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　　　　　ここからは戦後の話をしよう
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　　　　　　　　　　.まずは、東晋側を追っていきたい
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　　
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀
263 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:03:37.10 ID:cKckTtO50: 【紀元３８３年１１月　晋　首都　建康】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ叉7
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　　　　　　　　　　　　　　 ,,､､-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :｀`ヾ､､､
　　　　　　　　　　,,． '"´. .:.: .:.: : .:r＝=.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.｀ゞｰ-､､
　　　　　　,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
　　　,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:＞
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　　　　　　｀`ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;=＝=;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
　　　　　　　　　　￣｀¨`ヾr＝=.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r＝z,;,;,;::／
　　　　　　　　　　　　　　　｀¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:､､-‐''"　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＞;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :＜´　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　,､r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ､　　　　　　　　　＜　　我が軍の凱旋だァッ！！　＞
　　　　　　　　　　　　,､r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::｀'ヽ､　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　｀`ヾr＝=;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　
　　　　　　　　　　　　　　 `ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'　
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､:;:;;;;;;;;:;:.:.:::＝=.:.::::::.:.:.:.:／　
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264 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:05:33.58 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　1!　　 |　　　　 i
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　　　　　　vymy vymyvvvymy vymyvvvymyvwymyvymyvyvymy vymyvvvymy vymyvvymyvy
　　　　　　MVvvMVvvMMVvvMvyvMVvvMvyMVvvMMVvvMVvvMMVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
　　　　　　Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍΛ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍΛ＿ﾍ＾－＾
　　　　　　　　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λﾍ＿＿Λ　ﾍ＿ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ
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265 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:06:48.04 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　1!　　 |　　　　 i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'　 /'　　　　　　 /'^7'　l|__i!　　　　　 il＾i! 　　　　　　i^l! </
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　　　::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
　　　/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
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　　　　　　　｀Yﾟ￣　　＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
　　　、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::

　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　＜　　あれが劉牢之だ！！　　＞　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　　　　　　）　　北府軍最強！！！　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
266 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:07:39.15 ID:cKckTtO50: 　　 -‐/　　　 //⌒jV∧　　　　　　　　 i　　 /　　　　　　　　　∧V /⌒V　　
／　 .,′　　 .{ {　ソ　V∧＿＿＿＿　　ヽ　ﾉ　　　＿＿＿＿∧V 〈ソ　 }　　
　　 /　　　　∧　　　 ∧ 　.／￣￣斥───ﾔ'´ ￣￣＼　 V　　ﾉ　　/|　　　　へへっ。
.　 /　　　　 ,' ﾍ　ハ .∧ i　　　　　Ⅳ⌒Ⅵ 　二ヤテ　} ./　　ハ.　/　!
　 i　　　　　ｉ　ﾍ　V 　弋　　　　　　ﾉ　　　人　　　　.ﾉ/　　　し' /　 .|　　　　こういうのも悪くねぇな。
　 i　　　　　￤　　＼__　　 ` ‐── "　　　　　 ` ‐── "　　　ｒ-‐ィ　　｜
　 |　　　　　 |　　　|　　|　　　　　　　 i |　　　　　　　　ﾉ　　!　 .|　　　|　　　　後はたんまり恩賞もらえれば文句ねえ
　 i　　　　　　　　 |　　| 　　　　　人　i |　人　　　　　　　　　　 l　　｜
　 |　　　　　 !　　　| 　　､　　　ｧ=‐-　　 `ｰ─'　　 -‐=ヵ　　　,'　　 |　　　!　
　 {　　　　　￤　　 i　　　＼　 { {示二二二二二二二才.|　　 /　　　!　　 ,′
.　 !　　　　　 !　　　i　　　　＼{ { ＼＼＿＿＿＿__,ノ/　}　 ./　　　,'　　 /　　　　/. : . : . : . : . : . : . : . : . : ⌒＼. : .ヽ　　
　 ∧　　　｀､　　 i　　　　＼＼ヽ＿＿＿＿__／／ .／　　　/　　 / 　　　/ : . : / : . : / : ./. : . : . : . : . : . : . : . :、　　
. 　∧　　　　　ヽ　　ﾍ　　　　　　＼＼_,ノ⌒＼＿_／　／　　　　′　 /　　　 ,: . : . : . : . : . : ./＾ﾞ|: .:. . : .|: . : . :.|. : . : :,　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　; / . : .| : . : .|: / 　 |: .:. . : .|: . : . :.|. : . i: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ : . j | : . : .|│ 　 |: .i. : . :|: . : : :.|. : . i: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;. :| : . :i/. : . :∧|　＼|: .i : . ∧: イ: .|. : . i: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i. :|. : .厶ｨ: . :iイ圻仆|:八: . |ィ圻ト<|. : . i丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i. :|. : .｛ (|i : 小弋＾ｿ　　＼代＾ｿ /j. : .人_
　　　　安心して下さい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j:i |. : ./ｰﾍ :八　.::::::.　　　　　.::::. _厶 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼__ﾉ乂.: . : .: . :>､｢　　　　　　 ′　　7|／|
　　　　少々時間がかかっても絶対に上へ掛け合うので　　　　　　　.＼∠二イ : ｛／|〈人　　丶　ノ　　 .ｲ_|. : |__,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒""""|│: ＼|∧　ヽ、　　　イi:∧|. : |く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:::::::::::: ＼|人 : ＜ ∧　　＞r:≦∨＼　l/ ﾘ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ::::::::::::::::::: | |＼__＞ﾍ＿　　∨ /ﾍ　〉〉厶ｲ :::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ::::::::::::::::::::ヽﾆﾆﾆ|／＼　|　/ く|＼〉〈::::::::::::::人

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　淝水の戦いの勝利の立役者だった謝玄。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼は仮節・前将軍への昇進を固辞、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　下賜された銭百万・彩千匹のみもらったと『晋書』『謝安伝』にある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　この時点での彼の肩書は、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　冠軍将軍・徐州刺史・広陵国相・監江北諸軍事とほぼ四品官相当だ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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267 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:08:24.66 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　 ).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)
　　　　　　ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／＾ヽ､.:.:.:.:／^ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
　　　　　　　乂.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈　　　　｀~´　　　〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)
　　　　　　　 (.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__〉==ミ､　　, イ√〈__.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ
.　　　　　　　　て.:.:.:.:.:.:.:/　ｊ{　Ｌぃﾄｖ''ぃ」　 }　∨.:.:.:ｒ'′　　　　しかし、前将軍ぐらい受けてもよかろうに。
　　　　　　　　　　　｀ヽー┤r∧　　　　ｉ　　　 ,/| kﾘ-''′
　　　　　　　　　　　　　　＼lli|　ｒ=-､__ィ^ヽ　|!|,ノ　　　　　　　　 .相応しい活躍はしたと思うぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　}i|　|ｒ''''''^~~＾}i|　|!|
　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ」　||　ー‐''ﾞ |i|　|ﾘ
　　　　　　　　　　　　　＿.ﾉ|: ,|!:, :, :, :, :,ﾘ: ,ﾊ､＿
.　　　　　､── ､＿＿／_-／|＼:,:,:,:,:{:,:,:,:,:,/　|＼-＼＿＿､── ､
　　　 ,.イ_-_-_-_-_-_-_-_-_/　 |　＞ -- ＜　　|　 ∨-_-_-_-_-_-_-_ 　　　　　　 /. /. : ./: . : . : . : . : ヽ . : . : . ＼
　＞''"‐_-_-_-_-_-_-_-_-_∨｀`～､、　　　　 _､丶"´ |-_-_-_-_-_-_-_- 　　　　 /. : . :/^| . : . : . : . : . :ハ . : . : . : .:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. /: |/　:| :i. : . | : . : . : . :i : . .|: . : . :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: . ': ._l___ﾉ| :i. : . ﾄ､＿ | . : . : . :|.: . : . :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;. : .|: jﾉ　人 : . : |＼j:八 : .| : . :| : . : .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: .八 |ｨ尓ﾄ　＼|Vィ伏ﾄ<＼! : . :! : . : . |
　　　朱序将軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ :j八Vソ　　　 Vツﾉ　ﾘ : .|八 : . | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ八 :::｀　,　　　　｀:::.:　/ : .人 :丶∧|
　　　御言葉はありがたいのですが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＼;ゝ　　　　　　　　厶イ^リ⌒i |　j
　　　私の一門の官職ばかり上がると西の方の人たちがですね。　　　　ヽ| :ｉ八　　 rｧ::::ｰ┐　　 ⌒,::-ｸ.: . :i |　i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : . : :.、　､ :::_ノ　　　／i :/ . : . :!:|　;
　　　叔父上もそのあたりを気にしているようなので　　　　　　　　　　　　　 j: . |＼::.>'7　　　　イ |_:j/ : . : . : .∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _乂ﾉ: :.У/个ャ≦ 　／V／:／人（＼_,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＞:_／,.ｲ}￣　｝　r＜,　厶イ＼（__. : ＼__,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ア　　二〕__,/　厶ィ|　　 /:::::://::ﾆ=-＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　广::7　　^二}l<{　/ｰ／| 　 ,::::::://::::::::::::::⌒＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　勝利に決定的な働きをした朱序は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　龍驤将軍・琅邪国内史に任命されている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .少し後に揚州豫州五郡諸軍事・豫州刺史に転じた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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268 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:09:47.72 ID:cKckTtO50: 　　　　　　／. : . : ノ. : . : . : . : . : . :＼ . : . :丶: . : ヽ
.　　　　 /. : . : . : ./: |.: : . : . : . : . : . : :, . : . : . : . : . :,
.　　　 ,′. : / : /'^^|.: .: .: :|. : . : . : . :ﾊ . : . : . : . : . :,
　　　　 : . : . :i. :│　│: .: : :|│ . : . : . : ! : . : : |: . : . :|
　　　ｉ: .| : .:i. :│　│: .: : :|∧:| . : . : : |: : .: : :|: . : . :|
　　　 |: .| : .:|⌒|ヽ　|.: .: .: :|　八／.: .: :|: : .: : :|: . : . :|　　　　　　それより勲功第一は朱序将軍では？
　　　　|: .| : 人Ν -八. : : : |ｰ匕:＼|＼; : . : |:∧ : i : |
　　　八|从. : .:|f＾ｳ沁∨＼|＼,二二　,: : . : |⌒∨i : |　　　　　　.秦軍に捕らわれても心変わりしなかったその忠節。
　　 /　　| ＼:八Ｖツ　　　　'" ￣~¨7 . : . √) ﾉ: ﾞ: :|
.　　 {　　　| . : ∧:ゝ:::　,　　　　　:.:.:::.厶. : ｨ厶イ: / |八　　　　　 .将軍ははホントに世界の救世主かも
　　　　　 |: . : 小.　　　　　　　　 /／八.: . .:∧::| : .＼＿,
　　　　　 |: . : .:|人　　､　＿_(ﾌ　／　.': . : . :/ : 八:: . : .＜＿,
　　　＼八: . : .∨|＼　　　　　　　イ/: . : . :/＞ー‐＼ : . : ＜＿
.　　　　　丶､. :＼ﾘ. : .＞　_ 　＜ ∠: . : .:／:::::::::::::::::::∧＿＿／
　　　　　　　　＼/. :/ : . :rく　 |＼／.:_. イ::: /:::::　　　　　　　　　　ノ⌒.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:
　　　　　　　　／. :/ : /. :|〈厂／⌒7/::::::::/::::::::　　　　　　　ｒ''".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／＾ヽ､.:.:.:.:／^ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈　　　　｀~´　　　〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__〉==ミ､　　, イ√〈__.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　て.:.:.:.:.:.:.:/　ｊ{　Ｌぃﾄｖ''ぃ」　 }　∨.:.:.:ｒ'′
　　　　　　　　　　そ、そうかな？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽー┤r∧　　　　ｉ　　　 ,/| kﾘ-''′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼lli|　ｒ=-､__ィ^ヽ　|!|,ノ
　　　　　　　　　　そうかも　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}i|　|ｒ''''''^~~＾}i|　|!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ」　||　ー‐''ﾞ |i|　|ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿.ﾉ|: ,|!:, :, :, :, :,ﾘ: ,ﾊ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　､── ､＿＿／_-／|＼:,:,:,:,:{:,:,:,:,:,/　|＼-＼＿＿､── ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.イ_-_-_-_-_-_-_-_-_/　 |　＞ -- ＜　　|　 ∨-_-_-_-_-_-_-_｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞''"‐_-_-_-_-_-_-_-_-_∨｀`～､、　　　　 _､丶"´ |-_-_-_-_-_-_-_-_-_ }h､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''"_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_|　　　　 `ヽｖ ''" 　　　 |-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-
269 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:10:29.84 ID:cKckTtO50: ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　）　　朱ー序ーッ！　　　（
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　　　　　　　　　　 l/////////////////////////////////////////////////////////////
　　　　　　　　　　 r‐､l/////////////////////////////////////////////////////////////
　　　　　　　　　　｛////////////////////////////////////////////////////////////////
　　　　　　　　　　ゞ//////////////////／￣＼/////////／￣＼/////＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　〉/////////////////　　　　　＼/////／　　　　＼// 　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　　　　　　　　ム////////////////　 -──-　　　　　　　　　　　　丶/／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　　　　　　　　　j///////////////l　　　--─-､　　　　　　　 l　∨//////////////ノ￣
　　　　　　　　　　　ヽ//////////////ｌ､　　　　､　丶、　　／￣　　 l　 l///////////////)
　　　　　　　　　　　　ゝ//////////x‐､/ｌ ll三辷､＼　　￣　　　 _ ,ｨzｭ,<//⌒ヽ/////////l"
　　　　　　　　　　　　ゝ‐､///////i"⌒ヽll '""ｌ＜ﾐム、　　　　 ,ィﾒ三ニﾆl llｌ / ） l/////l ⌒
　　　　　　　　　　　　　　 ¨し/r､//! -‐'､lll　　 ! 　 (Uム_ｌl l,ィﾑ.Uﾉ　/　　 .!ll'､_　 l//ゝ‐'　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ人　iｔﾉlll　　二二二 ,　　ゝ=ﾆ二‐--　 lll　ﾉ　ﾉ---──　　　　　ふ、ふふふ
　　　　　　　　` ｰ--　　＿＿＿＿　＼ゝlll､_　　　　　　 l　　　　　--､　 ,ｨｌlｌ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝlllllll ｌ r‐　＿_,_′ ヽ＿ｨｪｪ､　　llllllll<　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
＼人_人,_从人_人_人,_从,人／　　　　l lllllll l　//////ゝ'"//////∧　llllllll　l　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　）　　朱ー序ーッ！　　　（　　　　　l　三l　Ｖ/l`ー──‐‐''" l//ｌ　l三　ｌ　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ　　　　 l　　　l　 ∨ｌ　￣￣￣　　l//l　l　　　 !　　　　　　 l　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　ｌ　Ｖl　　　　　　　　l// .:l　　　 !　　　　　 l　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　,ｌ　　　　ﾞ､　lll　／　　ヽ　　lll .../　　　 l＼＿＿　 l　　　　/
　　　　　　　　＼　　　　　　 l-─''"／ l　　　l　ﾞ､ ll!　　　::l:.　　　..ll!:/　　,　　ｌ　＼＿ ` ｌ　　　 /
　　　　　　　　／＼　　　　　l, -''／　丶　　ﾞ、　iﾞ､:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.／　　.,'　　　ｌ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　＼　　 .! ,./ 　　　　　ﾞ、ﾞ､ヽ:.:.:.:.:.;.:.:.:.:／ / 　 /　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（　
　　　　　　　　　.／　＼　　〈　　　　　　　　ﾞ、ﾞ､ `ー⌒ｰ´　/ 　 /　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　　　　　　 /　 /　　丶　　＼　　　　　　ﾞ、ﾞ､　　　　 / 　 /　　　　　／　／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　翌年から始まる北伐において劉牢之と共に活躍。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　数年間に渡って
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　洛陽・彭城・淮陰・洛陽と転戦、兗州の翟魏・并州の西燕の侵入を防いだ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　晩年は督司・雍・梁・秦四州諸軍事として襄陽に駐屯、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　前秦の残党が漢中に侵入した際は配下の将を派遣して対応に当たった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
270 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:12:05.38 ID:cKckTtO50: 　　　　<´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ
.　　　　＞: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :廴
　　　　く: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:（
　　　　/: : : : : : : : : :ｒ､: : : : :ノ'"￣｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : :く
　　　｀> : : : : : : : :′ ¨¨^´ 　　　　　}: : : : : : : : : : : : : : : 〈
　　　 }: : : : : : : .:/　　　　　　　　〈: : : : : : : : : : : : : : : : }
　　　 ⌒〉: : : : .:仆x,_　　 ,,,_,,.斗≦　ヾ: : :ｒ=､: : : : : : : : ノ
.　　　　　￣}: : : :仗ﾞfｧゞ｀¨^ｆ'´ｆｧ>=气ｌ::::/ く } : : : : :＿{
　　　　　　　 ⌒廴厂＾了ｌ:::. 　￣＾｀　　 !:::| Y〃: : : r┘　｀ヽ
　　　　　　　 {　　ｒ| j :.､‐-　、　　 |:::}／´;r ⌒　　　　　＼
　　　　　　　　　ヽﾐ途笊从斧ﾐｘ、　　};/ ,　}〉　　,　-‐　¨　￣　　　　　　　　　　　　　　諸君！
　　　　　　　　／刈｀￣¨¨^´ ｲﾘ } . : : : 　 /　／＞‐-　　＿
　　　　　　／　　　}　: : . : :　 j　:ﾉ : : : 　 / ／∠　 r‐┐　　　　　　‐-　　　　　　　　 .私は帰ってきた！！
　　　　　　　　　　　　 } . . .i . . : : : : .:／　　/ ′　　 /ｊ　　∨⌒ヽ＿＿　　　｀ヽ
. 　　　／　　　　　　　ゝ-┴ - =＝´　　　// 　　〃＼_ノ,　　｀‐-　｀ヽ　ヽ　＼　　　.再び共に戦おうではないか！！
　　　　¨¨¨⌒ヽ　　　　　　} 　　　　　 /　　　／　　: : : :/　　/!　　ヽ　}　、＼　i}
　　　　　　　　＼　　 /´ |　｀　 /　　　/　＞'"　　　 . . : :　　 ,'/　　/　ト、　＼　 |
　　　　　　　　ｒ=∧　/ 　 |!　　/　　　/　〈　　　ノ⌒ゝ=-i{ 　〃　 / 　/　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
.　　　　　　ｒ-厂 //∨=‐- !　 /-=≦/　　　￣´　／∧　 lＬ./＿ ∠ ／! 　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
.　　　＿ハ　　//∧　　　Y^　　　′ 　　　　7　 //∧　　　　 . . : : :j　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　〃　　　ゝ　　 ¨¨＼ _∠＿／ -‐　 7´ 　/　 ///ハ　　　　　. : : :/ ´ |　i!　 !
　　ｉ　　　　　　　＞=-[　ﾄ<¨¨´ 　　 / 　 / 　 //　//`T =‐=＝　´　　 j 　!　 |　i　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　 | 　 ∨ / 　／/／//＾ｌ　＼　　 / 　 /　　　　　/ /∧　{｀＼＿_　ノﾄ､ i!　i|　|　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　 | 　 /　　　　〃 //　 !＼　ヽ　 /　　/　　　　　/　//∧ ヽ　　　　　 ! } |　 |　|　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　 |　 ′/　　　/ 　// 　 |　 |!　〉 ′　:′　　　　/　/ //∧　＼　　　　} | |　 |　| …ｷﾏｯﾀ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　太元十七年（三九二年）、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　老病を理由に何度も官職辞任を求め、紆余曲折の末に許可された。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .翌太元十八年（三九三年）に病死
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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271 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:13:15.13 ID:cKckTtO50: 　　／=ミ>'´￣｀´￣｀丶､
　　（.:::::／　　　　　　　＼
　 /｀７ / .::　|　　.::∧
　ﾚ::..| :|.:/|::∧ .:|/⌒∨ .::i　: |
　　∨|八ﾚf)心∨ ｨ)心}.::/|::...:|　　　　　　　　　謝安を太保にするよ。
　　　 |:（ﾊ　Vｿ　　 Vソ|厶|::::::|
　　　ﾚ|::人'' 　､　,　 '' ｲ::ﾘ ::八　　　　　　　　あなたがみんなをまとめてくれたから苻堅に勝てた
　　　ﾚﾍ介:::vr-r:＜/|厶l/
　　　　　　 ∨{{不::{{ ∨
　　　　　　　/7:::::::::::トく　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:/: : : : :./: : : : : : : : :ヽ: : : : : :. : :.: :. :.∧
　　　　　 /丿:::::::::::{＼ヽ　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　./: : :/: : : : :./: : : : :/ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : :∧　
　　　　 ,ﾞﾏ=====ﾑ　ヽ,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : : : : : : : : /　　 :.: :. :.|:.: :.:.| : : |: : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : :.|: : : : : : : : : : :{__,,.　Ⅴ: : :|:.: :.:.| : : |: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′:.:.:.|:. :.:. :.| : : 〆´!　　　 ∨: :|:.: :.:.| : : |: : : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : :|:.: :.: :.|i: : :.∧:| 斗==ミ、 : : : : | : : |: : : : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :.ﾍ:.: :.:.| ; :./ ,〃 rﾄ斥,ﾊ,》: : : : :|／ |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }: : : : :Y^､: : | ∨　　　乂i以ｲ　∨: : :| 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :|: : :∧r=ミ、　　　　　　.､..､..､. |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　ところで陛下。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:／: : : 〃戈ﾑ　　　　　　　　 |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'′,′＼:.＼　｀′ 　　　　　　 |: : : |ーｲ.: :. : : : : :.|
　　　　　　二つほど提案があるのだけど　　　　　　　　　　　　 : ∧: :＼ﾍ　' 　　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:/　}: ／＞ ,　　 _　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:/　//、　　　　＞　,　　　　　　|: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./／ _ノ　　　　　　　　＞, 　／　　: : '　{⌒八⌒i: :.: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ /´　　__ 　　　　　　 /イ　　＿__i: }---┴ :}: :.|.:. :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒′ｲ_,.　'¨´ノ　　　　 '--i} ｢　　 |:,′　　 /: :.∧: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨´＿,.イ´　　　　　　〃　　 | | i}　　 |;　　／'⌒ヽ、:.:._:.|＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼、　　　　　　　　/＼　,ﾉ.｣ _|　孑匕　　　　　|´　　　　ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　謝安は太保になった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　名誉職ではあるが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .尚書及び中書の権限は握ったままであり、宰相的な地位は変わらない
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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272 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:13:53.48 ID:cKckTtO50: 　　／=ミ>'´￣｀´￣｀丶､
　　（.:::::／　　　　　　　＼
　 /｀７ / .::　|　　.::∧
　ﾚ::..| :|.:/|::∧ .:|/⌒∨ .::i　: |
　　∨|八ﾚf)心∨ ｨ)心}.::/|::...:|　　
　　　 |:（ﾊ　Vｿ　　 Vソ|厶|::::::|　　　　　　　　　　　　何かな？
　　　ﾚ|::人'' 　､　,　 '' ｲ::ﾘ ::八　
　　　ﾚﾍ介:::vr-r:＜/|厶l/
　　　　　　 ∨{{不::{{ ∨
　　　　　　　/7:::::::::::トく　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:/: : : : :./: : : : : : : : :ヽ: : : : : :. : :.: :. :.∧
　　　　　 /丿:::::::::::{＼ヽ　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　./: : :/: : : : :./: : : : :/ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : :∧　
　　　　 ,ﾞﾏ=====ﾑ　ヽ,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : : : : : : : : /　　 :.: :. :.|:.: :.:.| : : |: : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : :.|: : : : : : : : : : :{__,,.　Ⅴ: : :|:.: :.:.| : : |: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′:.:.:.|:. :.:. :.| : : 〆´!　　　 ∨: :|:.: :.:.| : : |: : : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : :|:.: :.: :.|i: : :.∧:| 斗==ミ、 : : : : | : : |: : : : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :.ﾍ:.: :.:.| ; :./ ,〃 rﾄ斥,ﾊ,》: : : : :|／ |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }: : : : :Y^､: : | ∨　　　乂i以ｲ　∨: : :| 　 |: : : : : : : :|
　　一つ目は北伐。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :|: : :∧r=ミ、　　　　　　.､..､..､. |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:／: : : 〃戈ﾑ　　　　　　　　 |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　　淝水の勝利に乗じて　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'′,′＼:.＼　｀′ 　　　　　　 |: : : |ーｲ.: :. : : : : :.|
　　黄河以南の地を回復したい。　　　　　　　　　　　　　　　　 .: ∧: :＼ﾍ　' 　　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:/　}: ／＞ ,　　 _　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　　時期が来たら、私が広陵へ移って指揮を執るつもり　　,.:/　//、　　　　＞　,　　　　　　|: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./／ _ノ　　　　　　　　＞, 　／　　: : '　{⌒八⌒i: :.: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ /´　　__ 　　　　　　 /イ　　＿__i: }---┴ :}: :.|.:. :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒′ｲ_,.　'¨´ノ　　　　 '--i} ｢　　 |:,′　　 /: :.∧: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨´＿,.イ´　　　　　　〃　　 | | i}　　 |;　　／'⌒ヽ、:.:._:.|＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼、　　　　　　　　/＼　,ﾉ.｣ _|　孑匕　　　　　|´　　　　ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　戦後、謝安の脳裏にあったのは、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まず北伐による黄河以南の地の回復
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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273 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:14:47.87 ID:cKckTtO50: 　　／=ミ>'´￣｀´￣｀丶､
　　（.:::::／　　　　　　　＼
　 /｀７ / .::　|　　.::∧
　ﾚ::..| :|.:/|::∧ .:|/⌒∨ .::i　: |
　　∨|八ﾚf)心∨ ｨ)心}.::/|::...:|
　　　 |:（ﾊ　Vｿ　　 Vソ|厶|::::::|　　　　　　　　　　　　良きに計らえ！
　　　ﾚ|::人'' 　､　,　 '' ｲ::ﾘ ::八
　　　ﾚﾍ介:::vr-r:＜/|厶l/
　　　　　　 ∨{{不::{{ ∨
　　　　　　　/7:::::::::::トく　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:/: : : : :./: : : : : : : : :ヽ: : : : : :. : :.: :. :.∧
　　　　　 /丿:::::::::::{＼ヽ　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　./: : :/: : : : :./: : : : :/ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : :∧　
　　　　 ,ﾞﾏ=====ﾑ　ヽ,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : : : : : : : : /　　 :.: :. :.|:.: :.:.| : : |: : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : :.|: : : : : : : : : : :{__,,.　Ⅴ: : :|:.: :.:.| : : |: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′:.:.:.|:. :.:. :.| : : 〆´!　　　 ∨: :|:.: :.:.| : : |: : : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : :|:.: :.: :.|i: : :.∧:| 斗==ミ、 : : : : | : : |: : : : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :.ﾍ:.: :.:.| ; :./ ,〃 rﾄ斥,ﾊ,》: : : : :|／ |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }: : : : :Y^､: : | ∨　　　乂i以ｲ　∨: : :| 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :|: : :∧r=ミ、　　　　　　.､..､..､. |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:／: : : 〃戈ﾑ　　　　　　　　 |: : : | 　 |: : : : : : : :|
　二つ目は国史の編纂。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'′,′＼:.＼　｀′ 　　　　　　 |: : : |ーｲ.: :. : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : ∧: :＼ﾍ　' 　　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　淝水で勝った今こそ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.:/　}: ／＞ ,　　 _　　　　　　 |: : i |: : :| : : : : : : : |
　我が国の正統性を内外に示す時ではないかしら？　　　 ,.:/　//、　　　　＞　,　　　　　　|: : i |: : :| : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./／ _ノ　　　　　　　　＞, 　／　　: : '　{⌒八⌒i: :.: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ /´　　__ 　　　　　　 /イ　　＿__i: }---┴ :}: :.|.:. :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒′ｲ_,.　'¨´ノ　　　　 '--i} ｢　　 |:,′　　 /: :.∧: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨´＿,.イ´　　　　　　〃　　 | | i}　　 |;　　／'⌒ヽ、:.:._:.|＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼、　　　　　　　　/＼　,ﾉ.｣ _|　孑匕　　　　　|´　　　　ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　次に、国史の編纂だったと思われる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　これらについては
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .もう少し後で紹介したい
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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274 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:15:21.24 ID:cKckTtO50: 　　／=ミ>'´￣｀´￣｀丶､
　　（.:::::／　　　　　　　＼
　 /｀７ / .::　|　　.::∧
　ﾚ::..| :|.:/|::∧ .:|/⌒∨ .::i　: |
　　∨|八ﾚf)心∨ ｨ)心}.::/|::...:|　　　　　　　　良きに計らえ！
　　　 |:（ﾊ　Vｿ　　 Vソ|厶|::::::|
　　　ﾚ|::人'' 　､　,　 '' ｲ::ﾘ ::八　　　　　　　謝石もよくやってくれたから、
　　　ﾚﾍ介:::vr-r:＜/|厶l/　　　　　　　　 .中軍将軍・尚書令・南康郡公にするって台本に書いてあった
　　　　　　 ∨{{不::{{ ∨
　　　　　　　/7:::::::::::トく
　　　　　 /丿:::::::::::{＼ヽ
　　　　 ,ﾞﾏ=====ﾑ　ヽ,)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r－-=ソ'"─ - - . ,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iﾑ、_　　　　　　　　/-ｺ､
　　　恐悦至極です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i::::i　::::￣:｀ーt-－'’－-┤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i:::i　::::::::::::::::::::i　　　　　,-!
　　　つきましては　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::i　::::::::::::::::::::!　　　　 / i　
　　　私からも国子学の復興と各州郡に学校の設置を提案致したく。　　　　i-i　:､:::::,.- ､:::!　 ,-,　　 ~!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i .i .,,,.　　,,;;:::::i　　; ; ,; 　 i
　　　詳細はこちらの上奏文を御覧下さい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i, i　<／/~＿,i-, 　.;　;　 .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i .i 　　　｀.＋ｿ　.;...; 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i .iｭ　　　　 i　/　;::::;.　 i

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　謝石は中軍将軍・尚書令に任命された。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　お飾り都督のような地位にいた彼だが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .内政面においては、国家の学問の振興に力を入れている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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275 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:16:43.32 ID:cKckTtO50: 　　／=ミ>'´￣｀´￣｀丶､
　　（.:::::／　　　　　　　＼
　 /｀７ / .::　|　　.::∧
　ﾚ::..| :|.:/|::∧ .:|/⌒∨ .::i　: |
　　∨|八ﾚf)心∨ ｨ)心}.::/|::...:|　　　　　　　　　　うんうん。
　　　 |:（ﾊ　Vｿ　　 Vソ|厶|::::::|
　　　ﾚ|::人'' 　､　,　 '' ｲ::ﾘ ::八　　　　　　　　　各地に学校を設置するんだね？
　　　ﾚﾍ介:::vr-r:＜/|厶l/　　
　　　　　　 ∨{{不::{{ ∨　　　　　　　　　　　　　.謝安と相談して進めて頂戴
　　　　　　　/7:::::::::::トく
　　　　　 /丿:::::::::::{＼ヽ
　　　　 ,ﾞﾏ=====ﾑ　ヽ,)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r－-=ソ'"─ - - . ,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iﾑ、_　　　　　　　　/-ｺ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::i　::::￣:｀ーt-－'’－-┤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i:::i　::::::::::::::::::::i　　　　　,-!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::i　::::::::::::::::::::!　　　　 / i　
　　　　　　　　　　　　　　ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　　　　　.i-i　:､:::::,.- ､:::!　 ,-,　　 ~!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i .i .,,,.　　,,;;:::::i　　; ; ,; 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i, i　<／/~＿,i-, 　.;　;　 .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i .i 　　　｀.＋ｿ　.;...; 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i .iｭ　　　　 i　/　;::::;.　 i

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　『晋書』『謝安伝』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　当時学校は次第に衰え、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　謝石は上奏して国子学の復興を要請した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　士大夫の子弟へ訓示し、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　各州郡に学校を設置するよう訴え、皇帝司馬曜はこれを納めた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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276 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:18:48.70 ID:cKckTtO50: 【紀元３８５年２月　晋　首都　建康】

.:;ﾐ＼.:.:.:..:＼＼　　　　　∧＿＿＿__;';';';';';';';';';'＿/__/___V ＼:|　|　|　|　|＼.:.:＼:＼"´｀"':, : : : ＼,ﾞ.:.:.:.ﾞ, .,ﾞ.:.:ﾞ,　八
;';';';';ﾐ＼.:.:.:.:＼＼　　　｢|＼＿＿＿⌒'ｉ:ｉ'⌒´￣|　||_ll_||＼　＼l　|　|　|　|＼.:.:.＼:＼"´｀':, : : : : ＼;';.:Ｖ.:.:;';'∨.:.;ﾞ,　八
i:i:i:爻爻＼.:.:.:.::＼＼　　　＼＼　／￣￣￣￣＼|＿_,|￣￣￣￣￣:＼:|　|＼.:.:.:＼:＼"´｀"':, : : : ＼{.:.:;';';';'}.:.:;';'ｖ.:.:;ﾞ,　八
爻;';'.:.:;'.:;'爻ｘ.:.:.:.:.:＼＼＿＿＼_／.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｘ--ｘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼|　|＼..:.:.:＼:＼"´｀"':, : : : ＼.:.:;'ﾉ.:.:; ,ﾞ .:.:.:.Ｖ.:;.:ﾞ,　
ﾐ;';';'.:.:....;'.:;'爻＼／.::/￣￣￣／＼/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:＼.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／＼￣￣￣＼'"~~"':, : : :＼.:.:.:;';{.:.:.:;';'{.:.:;';':ﾞ,
爻;';'∴;';';ｘＸ～ｘ＼/.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.∧　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.＼.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.;'.:ﾉ＼: : : ＼.:ﾉ.:.:.:;';'{.:.:;';';';Ｖ
ﾐ;'＼{/ｘＸﾞ;ﾞ;ﾞ;: : : ミ|二二二|＼.:./　 `、二二二二二^|＼/￣ﾍ二二二二二 |＼.:/　 `､二二二¨ﾟ|'"~"':,＼: : : :＼.:.:.;';{.:.:.:;';';';{
: :＾Ｙ{:ｿﾞ;ﾞ;ﾞ;⌒∴.:ミ|　|¨| |¨||＼/ /⌒ `､ｉ⌒ｉｉ⌒ｉｉ⌒ｉ|＼l:二二|ｉ⌒ｉｉ⌒ｉｉ⌒ｉ|＼/ /⌒ `､¨:|¨| |¨||;';';';';く、＼: : : :＼;'{.:.:.:;';';';{
　　ﾐ爻ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ; .:.:j,,;';∴_|_,|_|_,||　 |　|::::::|　||　 | |　 | |　 ||　 || ￣ |||　 | |　 | |　 ||　 |　|::::::|　|_,,|_,|_|_,||.:.:ﾉ;';';'ヽ　＼: : : :＼.:.:.:;';'{
.＼´'爻_,_;';'__j/___ン¨|¨| |¨||＼|,[二二],||＿|_|＿|_|＿||　 ||＿__|||＿|_|＿|_|＿||＼|,[二二],|¨:|¨| |¨||.:.:.:;';';';'ﾉ　　　＼: : : :＼.:; {
＼＼＾'ﾐ;ﾍＶ/ミ.,　|_,,|_,|_|_,||　 |　|￣:l　l:二二二二二|＼l:二二l:二二二二二|　 |　|￣:l　|_,,|_,|_|_,||､j/～''′　　　＼: : : :＼
　＼＼ﾐ;ﾐ;}:{ﾐ;ﾐ;ｘ:|¨:|¨| |¨||＼|_,,|＿,|__|ｉ⌒ｉｉ⌒ｉｉ⌒ｉ|　 | |￣| |ｉ⌒ｉｉ⌒ｉｉ⌒ｉ|＼|_,,|＿,|__|¨:|¨| |¨||.:}:{＼＼　　　　　＼: : :
　　＼l￣￣￣￣|_,,|_,|_|_,||　 |　|￣:l　||　 |_|　 |_|　 ||　 |_|＿|_||　 |_|　 |_|　 ||　 |　|￣:l　|_,,|_,|_|_,||￣￣￣|　
爻ｘ　　＼￣￣￣￣￣￣´＼|_,,|＿,|__|￣￣￣￣￣.:＼|＼:::: ＼￣￣￣￣　＼|_,,|＿,|__|￣￣￣￣￣￣＼
;';';'爻　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;爻　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
vvvvv爻　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ヾ;:ﾐ:ヾ;:ﾐ:,　　　　＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　　　　＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
;:ﾐ:ヾ;:ﾐ:ヾ;,　　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　また、『晋書』『孝武帝紀』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　太元十年（三八五年）二月に、国子学が立てられたとある。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .西晋の司馬炎の時代に勢族向けに設置された太学の上位教育機関だ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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277 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:21:01.13 ID:cKckTtO50: 【紀元３８３年１１月　晋　首都　建康】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　しかし、兄上　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ＿　　
　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―＝　　）　）　
　　　　　　　（　（⌒　＝―　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　　
　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　

==lｭ、　　rl========lｭ、　　　　
　　rl=========ｭ　　　　ヽrl==========lｭ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿＿_ノl_
　 /　　　　　 ∧　　　/　　　　　　　　　ヽ　rl========lｭ　 rl=======lｭ　　　rl=========lｭ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. /　　　　　　 /　 ',rl===============lｭ　/　　　　　　　ヽ/　　　　　　ヽ　 /　　　　　　　ヽ　rl=========lｭ、/
/＿＿＿＿＿/＿_/　　　　　　　　　　　　 ∧＿＿rl====================lｭ　　　 rl========================lｭ＿
三三　三三三|三/　　　　　　　　　　 / 　', 三/　　　　　　　　　　　　　 ∧ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',=
三三　三三三|::/＿＿＿＿＿＿＿＿__/＿＿, /　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ', /＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 ',
三三　三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/＿＿,|三三三三三三三三三三三三三三|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　謝安・謝石の祖父は西晋の恵帝期に国子祭酒を務めた謝衡。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　元々儒者の家系である
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .陳郡陽夏の謝氏の人らしい施策と言える
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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278 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:21:30.60 ID:cKckTtO50: 　　　　　 r－-=ソ'"─ - - . ,___
　　　　 iﾑ、_　　　　　　　　/-ｺ､
　　　　　i::::i　::::￣:｀ーt-－'’－-┤
　　　　　i:::i　::::::::::::::::::::i　　　　　,-!　　　　　　　北伐は我々で進めるとして、
　　　　　i:::i　::::::::::::::::::::!　　　　 / i　　　　　　　　国史の編纂など誰にやらせるので？
　　　　　i-i　:､:::::,.- ､:::!　 ,-,　　 ~!
　　　　　i .i .,,,.　　,,;;:::::i　　; ; ,; 　 i　　　　　　　　孫盛殿亡き後、史書の編纂を任せられるような者は……
　　　　 i, i　<／/~＿,i-, 　.;　;　 .!　
　　　　 i .i 　　　｀.＋ｿ　.;...; 　 !
　　　　 i .iｭ　　　　 i　/　;::::;.　 i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 ,.　　　　 |　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　|　　　　　　 ′　　　 |　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｌ　　 |、　　　　　　|　|　　　　|　　　　　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′ :|.　　　| ＼　　│ :ｌ│ |　　　　| 　　　　　　 ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.. イ　 :|:　　 │／＼　|　:|│ |　　　　|　　 |　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |ｉ:　　／　　 .斗ミ|│ |　　　　|＼　 |　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ||ｉ　Ｎィr引　｢人|　|　　　　|　 ∨|　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドミ　|　　Ｌﾉ　|/　 |　ｌ　　　　|　　|│　　　　　 |
　　　　一人心当たりがある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼rイr引　　　　　 !　;　　　　|　 ∧|　　 |:　　￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ソ　　　　　　 :　　　　　トく　＼　 |ｉ　　 |
　　　　問題がなくはないけれど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ﾉイ　　　八/＼　＼｣|　　 |
　　　　近々事実確認を兼ねて使者を派遣するつもりよ　　　　　　　人　y .ノ　　　　|　　　　′∨/＾　　＼　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′|:＼　　　　ｌ　　　仏三＼　｢￣※￣||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:..　＼__. イ＼!　　 /′ 　　ヽｰ:介介ぐｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣l　／ ,　　 .′　／￣￣＼｝l ｝|　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 |￣|　|个‐/ 　 /　／　/ /￣￣^＼_!　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 │ |／ｌ　|人/ 　 /／　 / /　　　　　＼　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　！ |,ノ　└个/　　/＿＿_/ /　/￣￣￣＼〉 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　个ミ.　∨　/厂￣7 　 ∧二二二′.′　　　　　　Ⅵ
279 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:23:22.86 ID:cKckTtO50: 【紀元３８３年１１月　晋　荊州　上明】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　＼　　 'ｴ＿,.-‐'｀ー―‐'―= ‐倉垣　　　　　　　　　 .,　　　
　￣￣｀ー‐'―'´　　　　　○　石門○○　　　譙　　　〇　　>　
　　　　　　　◎長安　　洛陽　　　○許昌　　　○　下邳,_,　' ヽ　←淮水
　　　　　　　　　　　　　　　宛○　　　　　　　○項r-v'γ　　　　　_
　　　　　　　　　　　　南郷　　　　　　　　　　ｨ-v○寿春　　　　　{_,､
　　　　　　　　　　　　　○　襄陽　　　　　芍陂○,､_○r'◎建康 -､
　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　　　　　　　｀'歴陽　　 {__'ｨ　　}
　　　　　,. -――'´｀ヽ　江陵　　　　,○鄖城　　_,.r'　　　　　　 __／｀　
　　　　 _/　　　　　　●ヽ　○　　　,/○ヽ　　　ﾉ　　　　　　　　｀^ｰ'｀>　
　 _ｨvｰ'´　　　　　上明　Z,､　／武昌　｀ｰ-,r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（●）,　　　､（●）､ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|u　{,｀ﾄ===ｲ ,} 　::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヾﾆノ　　.::::/"''=-
　　　　　　　　　　　　　　申し上げます！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　ﾞヾノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、　をノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::ヽへ、: : : i　　　 i/　ﾞ''ヽ,/
280 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:23:55.70 ID:cKckTtO50: 　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　|（●）,　　　､（●）､ :|
　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
　　　　　|u　{,｀ﾄ===ｲ ,} 　::::::|　　　　　　　　　　　　北府軍が淮南の淝水で苻堅を打ち破りました！
　　　　　＼　　ヾﾆノ　　.::::/"''=-
　　／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、　　　　　　我が軍大勝利です！！
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　ﾞヾノヽ
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　（::::ヽへ、: : : i　　　 i/　ﾞ''ヽ,/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　／　,　'.　/!ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾊ　 ./　　./　 l^　l　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.' / {／　　/　　l　　{　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l '　_ ＼　 /　　 { 　／j
　　　　　　　　　何！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{ﾄ. ヽ`､ヽ' ──` ' / }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._ ィ7ィヶ-　.＿＿／_,ィﾊ＼｀′'　ｒ-ッ　 / /'
　　　　　　　　　詳しく聞かせてくれ　　　　　　　　　　　　　　　ィ彡7' , /　　　　　　／: :|ﾄ.　_`､'_. -`´─ィ7′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ィ' .l/　＿＿____／. : :/::V､｀＞　 _ ィ' V l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡ｨl　／´　　￣7/　: : :l:::rﾍ＞r.ィ´=:ｲ　ﾄ､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊｒく__　　　＜'___ _: :l::::＼7≧´:::::/　 l.!　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"fj l　　ﾍ　 _　　／'´ ヽ:::::77::::::::／　　 |l､　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : l | ト､＼-_ﾊ「　　　|:://::::／ヽ　　　|.|丶､　　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : V |　　｀＞､ﾊ'.: : .　j/'／´ 　　|l ＝ 'ﾉ　　＼}　/
281 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:25:15.95 ID:cKckTtO50: 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|　　　　　　　　戦では謝玄将軍の指揮ぶりと
. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|　　　　　　　　北府軍の劉牢之の活躍が目覚ましかったと専らの評判です。
　　＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　　　　　　　.勝負を決めたのは、秦に捕らわれていた朱序将軍の寝返りだったとの事
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　／　,　'.　/!ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾊ　 ./　　./　 l^　l　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.' / {／　　/　　l　　{　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l '　_ ＼　 /　　 { 　／j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／{ﾄ. ヽ`､ヽ' ──` ' / }
　　　　　　　朱序。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ィ7ィヶ-　.＿＿／_,ィﾊ＼｀′'　ｒ-ッ　 / /'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ彡7' , /　　　　　　／: :|ﾄ.　_`､'_. -`´─ィ7′
　　　　　　　まさか生きていたとはな　　　　　　　　　　　　　／ィ' .l/　＿＿____／. : :/::V､｀＞　 _ ィ' V l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡ｨl　／´　　￣7/　: : :l:::rﾍ＞r.ィ´=:ｲ　ﾄ､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊｒく__　　　＜'___ _: :l::::＼7≧´:::::/　 l.!　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"fj l　　ﾍ　 _　　／'´ ヽ:::::77::::::::／　　 |l､　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : l | ト､＼-_ﾊ「　　　|:://::::／ヽ　　　|.|丶､　　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : V |　　｀＞､ﾊ'.: : .　j/'／´ 　　|l ＝ 'ﾉ　　＼}　/
282 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:26:40.11 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_､――ｒ――､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／7＾|　　 ||　　　「＾＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　∨ _,イ＾|ト､　」　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　Ｙ　　 :||　＼/　　 .∧
　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 |　　　 |　　 |　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 { ∧　　 !|　　　 |　　 |l　　 / ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　∧　＼ /　　　 !|　　 ∧　 /／ l}
　　　　　　　　　　　　　　　 j{　{　　　￣＼　 |　／￣￣　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　{ }　{　　　　　　＼」／　　　　　　//ｈ
　　　　　　　　　　　　　　　 ||　}　　＿＿　　 ||　　＿＿　　/ |ﾘ　　　　　　　すぐに兵を出す。
　　　　　　　　　　　　　　　ト､|ｌi　＼,＿＞　|　＜＿,／　/　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　」「ト､　　　　　||　　　＿､-,イ7/　　　　　　　　.秦軍のいる鄖城と魏興郡、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ||∨∧￣`-､　 |　､／　　７/,〈　　　　　　　　　そして、襄陽を全て奪い返すぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ // ∧　　、＼_／_,　　,人　:∧　　
　　　　　　　　　　　 _　　　 / // /}＾℡ 　￣¨ﾟ￣　／＾{∧ ',∧
　　　　　　　　 _.,ィ７ム　 / //ノ∧二≧ｓ、＿,.ィ７仁.八.∧ ',∧ｒ――ュ　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　〔ﾍ∨//∧＜＿／/-∧「―∧ＴＹ/∠__//―「「＞-/////　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　＿＿＿＿ｒ―ｲ∨//∧―､　/:.:.:.:∧＾―∧∨/―.//:.:.:.:.∨―/////＼＿＿　　　　＜　　　　　ははッ！！　　　　　＞
〔二ﾆ=―＜ｊへ＼＼// ＼　/:.:.:.:.:.:.:.∨二℡:| |二ｦ/:.:.:.:.:.:.　／//／　 // //〉`ー―　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
/＞''´＞''´二／へ＼＼//∧ .:.:.:.:.:.:.:.:.∨二|: | |二/:.:.:.:.:.:.:. /////{ 　 // //〉`ー― 　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
. ＞''´＞''´／／／へ＼∨/∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨ﾆ|: | |//:.:.:.:.:.:.:. /////{ {　// //〉`ー―― ､_７
､＞''´　／／／　７〕　〕 ∨/∧――ゥ.:.∨!|: | |/弋￣￣/////|..| |// //へ　＼ｒ― ､_７
_＼/_／／／/ .///∨＿〕∨/∧／/:.:.:.:.: 寸」./:.:.:.:.:＼ /////: |..|// //ﾍ　＼_ム＜フ
」「:.:. ￣＼「_」_////∧＿/＾∨/∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.: /////:.:. ＼＿/ｲ ∧＿」:.:.:.:.:八
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.寸寸/:.:.:.:.:.:.:.:.∨/∧.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://///.:.:.:.:.:.:.:.:Ｌ［」Ｌ］.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
283 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:27:13.04 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,....,,_　 _,,,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／､　　,.　｀´,.-_,,.ヽ､___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.-''_,,.-=ヾ |　/_,∠_　　　ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／´.／　　ヽ/　　　ﾞ､､___　､. ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'//／　　　　　i　　　　　ﾄ､　￣ﾞヽﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l／ﾉ　　　　　　,l　　　　　 i, ｀ヽ､_　ﾞ､i
　　　　　　　　　　　　　　　　　／/./ 　　　 / /i 　 i i　　　ﾞ､､　　｀ヽ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　/／ /　　　　 / / l 　 l ,l　i　　ﾞ､ヽ、　ﾞﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　 i'/,i'/ ,　/　 ,. /　/ i'　 ,il |ﾞ､ 'i,　　ﾞi,､ﾞヽ､　l
　　　　　　　　　　　　　　　 i! ﾉ´/　i'　 //i' /' ,i'l　 i.l |. ﾞ､ i, 　 i ﾞi ﾞ､.　ﾞ､l
　　　　　　　　　　　　　　　　 !/ /　/　 ,i'/､l/ i./li　 i l | __,ﾞ､i, 　ﾞヾ､__､　ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　 ,'./i　/　 /､ヾ｀ｿ'i､ |.　l=i l､‐‐,yi　　 Y r iﾞ､. |
　　　　　　　　　　　　　　 l l l ./　/il　￣ i'l i l　l　.!'i,￣´ﾞi i　i, | iy'lヽﾞ,i
　　　　　　　　　　　　　　　　 !| l,/ ./i |i　　　 i! l :ﾞi l 　ﾞ､　　.!|､. | l,. ノil　|　　　　　国家の病巣は私であったらしい
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi! |　,'ﾉ i,､.　　　ﾉ　ﾞ､i,　　　　 ! i, il／|　|　|,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ii'　i､　　　ヽ　　ヽ　　　　 l ﾉ | i　i'　|i
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,i'i i!　i./ﾞ､.　　 ‐ -- ､　　　　 i'/i| | l　l　 |l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ﾞ､､i'/　|ﾞ､　　￣　　　／〃| | ! l.　i　l i
　　　　　　　　　　　　　　　　　i'l　l　i i'／iヽヽ、　　　 ,,.-'",／.／ヽ　i,　i　 lﾞi,
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,i'l　i .i／;;; i;ﾞ､ﾞヽ ` - ''"／/　／ i |;;;;＼i　i,　l ﾞi,
　　　　　　　　　　　　　　　　,i'l,,.-'/;;;;;ﾞi' l〉''y'^ヽ-'"-､_/-<　　i';r,;;;;;;;;;＼!　!　i
　　　　　　　　　　 __,,,. -‐'''"　　 /;;r'' ;; l>::::‐‐（_）=-､:::::::i　　 | ,.'";;;;;;;;| |ﾞ'''- .l,,_

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　『晋書』『桓彝伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　桓沖は謝玄らが苻堅を破る大勲を挙げ、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　朱序の帰還が勝利の原因と知ると、本当の疾病は自分であると恥じた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　翌太元九年（三八四年）三月に
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　前秦から荊州北部を奪還するのを見届けたかのように発病して死んだ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
284 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:29:22.12 ID:cKckTtO50: ／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　『晋書』『謝安伝』に曰く。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　桓沖が死んで荊州・江州の官職が空席となり、
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　.朝廷の世論は謝玄の勲功をもって後任にするべきとした
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′:::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::{:::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::}:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ::::/:::::::::::/::::::::::::::::::::/| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::,′:::::／/::::::::::::::::/ i| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:{::::{::::／｀:{|:::::::::::/:/　!| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,.イ::ｲ乂::《⌒x |:| ::::::::::_,斗-- ::::::::,:::/ :::::::: |:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒　|:::::::}　ぅ:ﾑ　＼::::{　　　　Ⅳ/:/::::::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:ﾊ:::|　 Vｿ　　　＼斗=ミx Уｲ|::::::::::::::′ :::: |::∧
　でも、私たち一族が揃って要職を握るのは良くないわ。　　　 |{ ,乂　　　　　　　　　rノj才く´j ::::::::::::′ ::::::,'::|　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　 {＼　/　　　　　夂ン　'"/ ::::::::::,' }::::::::, :::|
　群臣から疑いを持たれたくないし、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　 /ｲ:::::::::::}'′ :::::::: |
　淝水でも活躍した桓氏一門の反発も招きたくない。　　　　　　　　　_},=ゝ、　　　　　　　／r‐:::::::::::,::::::::::::::r‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.=‐'"¨´ | 丶　　　　　　ーイ　　|:::::::::,::::::__,ノ__ノ|
　こうしましょうか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}^!¨´　　　　 }i:::::::ー―i 77´丶　　　 .::::::::, ト( ,/ |:ヽ, |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,/,-､　　　　　ﾉ |::::::::::::::,/,/　　　}　　 :::::::　′＼ i!:::::}::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / {ノ　}　　　　　 |:ﾊ:::::::/ / {　　　　　　|::::::' {　　　丶 ::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y　ー‐'､　　　　　　 i|{　 ::/ /　 ',　　　　　 ,::::,　′　　　　＼:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　ー‐)　　　　　 |{､,У jﾉ　　　　 -─ ,::::,　{＿　　　　　　}::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ¨¨ )　　　　　　 ∨ . .|)　　　　　　　,:::/. .|　　　　　　　 |::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　r '′＿＿＿＿__,|. . ..|ﾉ､　i:/　　　 ,:::′ i!}　/　　　　,′::::::.
285 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:30:24.30 ID:cKckTtO50: ／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　　　　 .ここで謝安が敢行した人事が興味深い。
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　桓石虔を冠軍将軍・監豫州揚州五郡軍事・豫州刺史、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　　.桓石民を監荊州諸軍事・西中郎将・荊州刺史に任命した。
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　　 .この二人は桓温・桓沖の甥に当たる
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′:::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::{:::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::}:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ::::/:::::::::::/::::::::::::::::::::/| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::,′:::::／/::::::::::::::::/ i| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:{::::{::::／｀:{|:::::::::::/:/　!| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,.イ::ｲ乂::《⌒x |:| ::::::::::_,斗-- ::::::::,:::/ :::::::: |:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒　|:::::::}　ぅ:ﾑ　＼::::{　　　　Ⅳ/:/::::::::::::::|:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:ﾊ:::|　 Vｿ　　　＼斗=ミx Уｲ|::::::::::::::′ :::: |::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |{ ,乂　　　　　　　　 .rノj才く´j ::::::::::::′ ::::::,'::|　＼
　……で、その二人の間に桓伊殿を置く、と。　　　　　　　　　　　乂　 {＼　/　　　　　夂ン　'"/ ::::::::::,' }::::::::, :::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　 /ｲ:::::::::::}'′ :::::::: |
　右軍将軍・都督江州・荊州十郡・豫州四郡諸軍事・江州刺史　　　 ._},=ゝ、　　　　　　　／r‐:::::::::::,::::::::::::::r‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.=‐'"¨´ | 丶　　　　　　ーイ　　|:::::::::,::::::__,ノ__ノ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}^!¨´　　　　 }i:::::::ー―i 77´丶　　　 .::::::::, ト( ,/ |:ヽ, |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,/,-､　　　　　ﾉ |::::::::::::::,/,/　　　}　　 :::::::　′＼ i!:::::}::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / {ノ　}　　　　　 |:ﾊ:::::::/ / {　　　　　　|::::::' {　　　丶 ::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y　ー‐'､　　　　　　 i|{　 ::/ /　 ',　　　　　 ,::::,　′　　　　＼:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　ー‐)　　　　　 |{､,У jﾉ　　　　 -─ ,::::,　{＿　　　　　　}::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ¨¨ )　　　　　　 ∨ . .|)　　　　　　　,:::/. .|　　　　　　　 |::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　r '′＿＿＿＿__,|. . ..|ﾉ､　i:/　　　 ,:::′ i!}　/　　　　,′::::::.
286 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:31:22.43 ID:cKckTtO50: ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-v'γ　ヽ　ﾊ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ-v　　　【謝玄】､｀{_,､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､_　 r'◎　　｀,＝-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'　r'建康 {__'ｨ　　}
　　　　　,. -――'´｀ヽ　　　　　　　　 ,　　　　　_,.r'　　　　　　 __／｀
　　　　 _/　　　　　　【桓石民】　　,/　ヽ　　　ﾉ【桓石虔】　　｀^ｰ'｀>　　
　 _ｨvｰ'´　　　　　　　　　）Z､　／【桓伊】ｰ-,r'　　　　　　　　　　　　 }　　
　　　　　　　　　　　　　　 r-‐'´}　　　　　　　{｀ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ'｀"　　　　　　　｀ｰ'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　桓伊はかつて祖逖の副将格として活躍した桓宣の族子で、　　　　　　 .i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　桓温の一門とは別の桓氏一門の出自で当時有力な将軍だった。　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′　
　　　彼ら三人の配置は桓伊が桓氏一門の間に割って入る形となる　　　　　　　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣￣´｀￣￣￣´
287 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:31:52.90 ID:cKckTtO50: ／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　西府軍を桓氏一門に任せると見せて楔も打っておく。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　 .こうした人事を見る限り、
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　謝安という人物は老獪な政治家だったと言える
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:/. /　......../..　　ﾞ．:　ヽ.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::/.../::::::....../,:.　　　|:　　ﾞ．　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .':::::,':::/::: /:::::/..| : : . . .!ﾊ:ヽ　ﾞ． l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::!::,'::: /::／|: :|: !:::::|:::!　∨:....|　|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':::::::::|::|:::/,'─‐|:‐!､|::::,':!:|　　|::::::!.. |ﾞ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::::::::::|: Vzxﾆ二!| |:/:://|'⌒ヽ!:::::|::..|..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::::::::::::|::::|ヽ赱うヾ〃//二二__,ﾘﾊ|::::|::ﾄ､
　　　　　　　　　　均衡を保たないとね　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::!､:::、　　　　　ヽ赱ぅﾇ':::::!::::!::ﾊヾ:､__,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::|::l＼:、　　　,　　　　 /l!:::,'::::ﾊﾄ::ﾞ．｀´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::!::|ﾊ、　　、　　　　 ,.'ィ:::/:./:.,'| ﾞ::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ::|::::::::::::|:::!::::!　　　￣　 ..ィ::::::::/../../.:| }ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,'|:::!:::{≧t≦}:_|　｀ｰ　≦::/ ::::::/../.:ｲ: :.!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':,' |:::l|:::::::{:::}::У{　＿....-'´ト'! :::::/..//||><ゝi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::{　V:|ヽ:::::/::/ ∧/ﾍ　　 /ﾆ||:>'...//_,'ﾊ_|_|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::|＿ゝゝ-/::/.∧!_|／}.　 /ニ:||／//ノﾆﾆフﾆ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:ﾊﾆﾆﾆﾆ,':::,'|'／|::/<´ヽ./ﾆニ/!.,ｲ/ﾆﾆ／ニﾆﾆ
288 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:32:44.35 ID:cKckTtO50: 【紀元３８４年３月　晋　荊州　襄陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ ,｡t r‐‐- ｡　 _
　　　　　　　　　　　　　 __ ,｡-‐ -｡.　__ 　　　 !Ll　　 Ll　　　　Ll ｀ｔｭ　　　　　　　　　　　　 _.ィｚﾊュ､ｘ
　　　　　　　　　　　　｢ Ll　　　　Ll　　ﾞﾟ¨ ｉ　 |　_.. ｡　- ― - ｡ .._ 〔」　　　　　　　　　　z杉イハミ八ハヾｚ
　　　　　　　　　　　　 |_.. ｡ - ― - ｡ .._ 　 |　 Ⅵ＞ ¨´￣￣｀¨＜Ⅵト　　　　　　　　　 '了彡ハッγシハﾊ
　　　　　　　　　　　　　V¨´￣￣￣｀¨V|｢　トｭ |　ｆｌ　　　　　ｆｌ　　=|　 |　　　____rｭ　　ィッ彡森本木辷ハハ
　　　　　　　　　　　　 | i^i 　　 i^i 　=|| ≠＝|　l;ｌ　　,ﾊ. 　l;l 　　 |￣￣￣|＞≠≦ 川杉ハソ≧森林杉ｚ
　　　　　　　　　　　　 | Ｌl 　　Ｌｌ:iニLlニLlニ| 　　 Lｌ　　　　ｰ|　　　　｢￣￣　彡シイィッ≠彡林森森
　　　　　　　　　　　　 |=　　　　 l 　　　　 |= 　　　　　　 |　　　　| ⅱⅱ〃メソ気シﾐγ木林森森
　　　　　　　　　　　　 |- 　_ 　　 ├―――‐┤‐　　　　　　　 =|　{田｝ | ⅱⅱ7シイッハ杉巛人ハ八
　火　　　　　　　　　　|,/ﾍ　　 /ﾊ└Ｌ｢Ｌ｢L｢Lll: 　ｨ代　　　　　-l_________|＿ ,イ川ヮﾂﾉX≦谷辷彡林巛
　彡(　　　　　　　　　　 ||土|　　|土|　|!l　V　ﾘ |ﾊ　　LL|　　　　 =|　　　　|ﾞ_＿__　　イソノ彡森林杉ヾレ
　ハ彡　　　　　　　　　 ||土|　　|土|　l 　　　 lLl　　　　　　　 =l　iYi 　:|＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　林杉　二∠二∠二∠二∠二ヾド┼――‐┼==＝￢冖￢＝=┤ 山　::|　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　木炎彡　TL｢ｌTL｢ｌTL｢ｌTL｢ｌTＬ｢ｌ　 |　 ,.へ.　|=　　　　　　　　ｰ|　　　　|＜　晋軍が帰って来たぞ！！　＞
　杉火彡ﾞｨ　二王二三二王二三二l〃　/'ヾ|‐　　　　　　　　 |　＿.　:|　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　
　非杉彡火ッﾞ人　三二王二三二王|l 　 l 　:l|＝　ﾊ　　　ﾊ　 |　山　::|　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　
　くシ杉木ハ辷ミﾒッｔ　二王二三二|＝＝＝＝＝ L!　　　 Ll :=|＿＿ ,ｌﾚﾊくくィヾ癶火っ㌍進≠ｚ辷ﾐ
　火杉彡'バ林ミ巛彡狩　ハパバヘミハﾐミヾﾐ､　二ﾆ＝＝＝===㍉ｖ／´ ｲ彡不ミ刈_斗＜　　　,,　'￣
　木パバ彡森杉ミ彡林　ハヾパﾐＹミﾒ彡彡杉林;;;;皿皿皿皿,,,,;;;＞''´. . . ｲ彡巛〃｀　ィﾊミ二並炎ミ彡
　火彡辻彡イハ木杉ミﾐ狩　ハ彡杉森㌢ｯｯ　ｯｯ　ｬｬｯｯ＿,.＞'´. . . . . . ハバヾ杉. イハ杉辷林森森林
　森杉ツ爻乂彡ｲ　爻乂ミッメ､森㌢. . . ｡o彡ф彡'¨￣. . . . . . . . . . . .ィ川く. . . . .彡ﾊ木杉'フﾊ本林森
　森森爻林爻ミ彡　杉ハミ三仆宀｡o8ミ％8 ﾟ. . . . . . . . . . . . . . . . . . ¨´. . . . . . . 7ハバ’`¨　'¨¨彡イ¨ヾ
　ヾ乂ノハ乂杉森広　¨. . . . . _ﾋﾟ‰￡ミ彡ｲ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『孝武帝紀』によれば、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　晋軍が襄陽を奪回したのは太元九年（三八四年）三月の事だった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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289 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:33:37.40 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼　
ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|　　　　　淝水の戦では朱序将軍が大活躍だったらしい。
|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/
＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ　　　　　　やってくれるぜ
　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣
　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼＿／￣￣＼＿／|
　　　　　　　　　　　　さすが朱序将軍だぜ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿|　▼　▼　|＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　＼　皿　／
　　　　　　　　　　　　捕らえられてもただじゃ終わらなかったな　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .｜｜　|.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿Y＿）.

　　　　/ﾆY二ヽ　　／⌒ '"⌒ ヽ、
　　　/uーー;##ヽノ　　ｰ　　　　＼
　／　（＿)（＿）　.u＼　　　　　　,; 　＼　,rｰ､
　|-）;;#⌒｀´⌒:::: （-,　⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ
　| 〈 ,_＿＿＿　､〉 i,ﾉ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ
￣￣￣゜｀⌒´ ￣￣｀￣￣￣￣￣￣
290 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:36:18.73 ID:cKckTtO50: ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　）　　朱ー序ーッ！　　　（
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（　
　　　 _,ｨ征三ﾆﾆﾝ心、　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　寸ﾆﾆr'´￣｀ヾミもr'⌒ヽ、
　　　 }ﾆﾆ{　　　　_,)￣j_　　　}
　　　ﾘﾆ弐_,ｨ≦ニ三三Ξ≦%ｭ.,_　 ,辷ｰ-<ﾆｰ''"´￣￣｀`ミく￣~汲
.　 _, -'=ﾆ≠三元云允云允云云三≧、 γ´　　　　　　　　　　丶乃'
∠三三ｱん～'~ ,イ ∧ 　 Λ　　ﾞﾏ三ｚ）/＝=─-　　　ヾ　　-=彡ﾞ、
｀￢≡ん'　/　／__{/_, }　/､_},ﾊ、 j,)彡ベ!　　　ノﾉ_＼∧ハﾉ／_Ｖj 　j　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
.　　｛　　ゝ'i　 ( ﾋ_］レ'　ﾋ_〉)У)ん､_,j!　　ｬ彳（ﾋ_］　　　ﾋ_〉) j,ﾊﾉ　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　｜（} 　ハ''' 　　,＿＿, 　'''iﾒ)　Υ' iY ｀ГＩ ''' 　　,＿＿, 　'''｢Ι　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　,／　/ 　丿　　　丶_ﾝ′　　}[I]ｺ |, ！ゝ_|　| 　　丶_ﾝ′ 　 } i|
　 (　　（　　ゝ、　　　　　　　　,ｲlN　ﾔ И . |__ｊ　　　　　　　　　ｲ_ｊ!
　　ゝ_jﾚﾍ,ﾉ)_)ﾘ≧=‐-- --‐''´jﾘjrﾞ　　ﾔwИ|Nj{≧=‐-- --‐''.´　N{　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'
291 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:39:12.12 ID:cKckTtO50: 　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ

　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　　　＿＿＿＿＿　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　 |::::::::/　⌒　　⌒　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
　　　|:::::::〉（ ●）（●）|
　　（@　::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　　ははっ。
　　　 |　　　　 |r┬-|　 |
　　　＼　　　`ー'´ ／　　　　　　　　.大した御方だ
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　朱ー序ーッ！　　　（
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
292 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:40:03.68 ID:cKckTtO50: 　　　　 ∩＿＿＿∩
　　　　 | ノ　　　　　ヽ
　　　　/　　●　　　● |　
　　　 |　　　　( _●_)　ミ
　　　彡､　　　|∪|　　､｀＼　　　　　　　　旦那様。
　　 /　＿＿　ヽノ　/´>　 )
　　 (＿＿＿）　　　/　(_／　　　　　　　　朝廷の使者が来て、旦那様にお会いしたいと
　　　|　　　　　　 /
　　　|　　／＼　＼
　　　|　/　　　 )　 )
　　　∪　　　（　＼
　　　　　　　　＼＿)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
　　　　　　何？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ノ　　＼　ｉ:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（─）（─ ）〈::::::|
　　　　　　今になって何の用だ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒（__人__）⌒::::　@）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |r┬-| 　u　　|
　　　　　　私がまた在野になったのは、朝廷も知っているはずだろう　　　　　　　　.＼ `ー'´　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,--　ゝーー ___／ /ゝ--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　/ |.!､ _____ ／　ノ　|　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 |,／(__）ヽ／　　 |　　l
293 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:41:19.63 ID:cKckTtO50: 　　　　＿＿＿＿＿
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　　 |::::::::/　ノ　　 ―　|
　　　|:::::::〉（ ●）（●）|　
　　（@　::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　　　使者殿。
　　　 |　　　　 |r┬-|　 |　
　　　＼　　　`ー'´ ／　　　　　　　　　わざわざこの襄陽まで何用で？
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　習鑿歯殿。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
　　　　　　　今、朝廷では　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　
　　　　　　　国史を編纂しようという動きがありまして。　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　　　　　習鑿歯殿に書かせてみてはという意見が出ています　　　　　　　 :　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　『晋書』の孫盛や習鑿歯の記述を見るに、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　太元年間（三七六～三九六年）に国史編纂の機運が高まっていたらしい。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　特に太元年間の前半は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .淝水の戦勝及び謝安の統治によって国力が充実した時期だった。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　国史を編纂して東晋の正統性を主張するにはまたとない好機と言えた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
294 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:41:50.29 ID:cKckTtO50: 　　　　＿＿＿＿＿
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　　 |::::::::/　⌒　　⌒　|
　　　|:::::::〉（ ●）（●）　
　　（@　::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　　　　ほう。
　　　 |　　　　 |r┬-|　 |　　
　　　＼　　　`ー'´ ／　　　　　　　　　　朝廷にはまだ人物がいると見える
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　ただ、その前に習鑿歯殿にお聞きしたい事があります。　　　　　　　　　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　あなたが『漢晋春秋』に記した主張についてです　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
295 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:43:53.06 ID:cKckTtO50: 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　　　　魏の武帝の功績は天下を覆い、文帝は漢から禅譲を受けました。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　本来であれば、
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　魏が漢を終わらせて晋があると言われるのが筋。
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　魏が漢を廃して晋は病にあると言うのは、あなたが晋の臣でいたくないからでは？
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　⌒　　⌒　ｉ:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（○）（○ ）〈::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒（__人__）⌒::::　@）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　|r┬-| 　u　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ `ー'´　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,--　ゝーー ___／ /ゝ--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　/ |.!､ _____ ／　ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 |,／(__）ヽ／　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ | 　|　ハ／　　＜
296 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:45:38.59 ID:cKckTtO50: 　　　　＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　　 |::::::::ゝ　　ノ　　＼ |
　　　|::::::（U（ ●）　（●）|　　　　　　　　　　　　　　　 .そ、そのような事はない。
　　（@　::::⌒（__人__）⌒)
　　　 |　　　　　｀ ⌒´　 |　　　　　　　　　　　　　　　　今の問いへの答えに関しては、
　　　＼　　/⌒)⌒)⌒)　　　 /⌒)⌒)⌒)　　　　　　 .簡単に答えられないので、後日上奏文を送りたい。
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/
　／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　　　　　上にはそう伝えてもらえないか？
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　ヽ　　　ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　／
　　ヽ＿＿　　　／　　 /　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　分かりました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『習鑿歯伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　襄鄧の地が復すると、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .朝廷は習鑿歯を徴しようと欲し、国史を預けようとした
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
297 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:46:13.20 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　: : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::╲::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　./　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::╲::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ╲::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　￣｀ヽ: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ╲::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　./　　　　　　　　／　＿　　　 : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ╲::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 ./ ∧　　　　　　　　　　　　 i　―｀ヽ　　 : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〵::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　/ 　 ∧　　　　　　　　　 |― ＝／　　　　: : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }:::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　./　　　 ∧　　　　　　　　 |i 　 | ―‐/　　　　　　　: : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : 丿::::::::::::::::::::::::::::::
　　　../　　　　＼　　　　　 |i　　| ─/　　　　　　　　 : : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 /　　　　　　 .＼　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　: : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　./　　　　　　　　＼　　 |i 　 | _＿|　　　　　　　　　　　　: : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 ./　　　　　　　　　　＼　　　　i　─i　　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. /　　　　　　　　　　　　ヽ　　　|i 　ヽ　　　　　　　　　　　　　 ,　---- ──────────────
/　　　　　　　　　　　　　　　｀　 |i―￣＼　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽヽ――＿ゝ､　　　　　／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー─　´　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー-- -　´

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　だが、折しも死んだために果たせなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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298 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:48:10.89 ID:cKckTtO50: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/ 　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　/
　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,イ￣ミ､　/
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l「 ,ｨ＝ヽ|/
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ゝ＿_ノﾘ
　　　　　　　　ー―――――――――――――――――――――――ヾ＝一"

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼は臨終の際に上奏文を書いている
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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299 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:49:47.78 ID:cKckTtO50: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　『晋書』『習鑿歯伝』より　　　　　|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´　
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　この上奏文。
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　　　　「蜀漢正統論」批判に対する
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､　　　　　　 .習鑿歯の反論という態を取っている。
　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　　　　　　彼らしく長々とした文章だが、
　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　「蜀漢正統論」への理解も兼ねて要約して紹介する
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!
300 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:51:15.68 ID:cKckTtO50: 【習鑿歯さんの上奏文＠『晋書』『習鑿歯伝』（一部抜粋）】
┏──────────────────────────────────────────────┓
　臣は常々、
　晋の皇祚は魏を越えて漢を継いだと主張しておりますが、
　魏以後は三度の禅譲があったとされて応じられませんでした。

　身は卑しくも微官にあり、
　技芸もなく愚情を抱く事三十余年、今、重病に深く沈み性命を保つ事難しく、
　かつてこのような事があったと懐かしみ、腐りはてる事を惜しみ、謹んで病をおして著論を一篇書いた次第です。
┗──────────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　 |::::::::/　＼:三::／i:::|
　　　　　 |:::::::〉（ ○）::（ ○）.|
　　　　 .（@ ::::::⌒（__人__）⌒)
　　　　　 |　　u 　 |ｉ|!i|!|　　|　　　　　　　　　　　　　　　私の全てをこれに書いておく！
　　　　　　＼　　　｀⌒´ ,／
　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　　／´　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　カ
　　|　　　　ｌ　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　タ　カ
　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､. 　　　タ
　　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))
　　　　　┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
　 ,. - ''"|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣`ｌ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ここで言う三度の禅譲とは、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　漢から魏、魏から西晋、西晋から東晋を指すのだろう。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .厳密には東晋は禅譲ではないが、もうこの時代では正統王朝扱いだった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
301 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:51:50.25 ID:cKckTtO50: ┏────────┓
　ある人が問いました。
┗────────┛

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　　　　魏の武帝の功績は天下を覆い、文帝は漢から禅譲を受けました。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　 .本来であれば、
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　魏が漢を終わらせて晋があると言われるのが筋。
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　 .魏が漢を廃して晋は病にあると言うのは、あなたが晋の臣でいたくないからでは？
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　⌒　　⌒　ｉ:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（○）（○ ）〈::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒（__人__）⌒::::　@）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　|r┬-| 　u　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ `ー'´　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,--　ゝーー ___／ /ゝ--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　/ |.!､ _____ ／　ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 |,／(__）ヽ／　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ | 　|　ハ／　　＜
302 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:53:08.09 ID:cKckTtO50: ┏─────┓
　答えて曰く。
┗─────┛

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　　
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　　　 |.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　!　　　　　 .|　⌒　　⌒　ｉ:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ !　　　　　 .|（●）（● ）〈::::::|
　　私は晋を尊んでいる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　 (⌒（__人__）⌒::::　@）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.._,ﾉ ┴、/ ,/　　　 .| 　|r┬-| 　　　　|
　　ただ、歪曲されている節があるのが悲しい。　　　　　　　　　 .r　`二ヽ） i　　　..＼ `ー'´　　　イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..|　ー、〉 /　　　　 _,,..ゝーー　 ..／i＼,,,,_
　　心を異にする事なく、私の言い分を聞いてもらいたい　　　　.|　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }
303 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:54:35.77 ID:cKckTtO50: ┏──────────────────────────────────┓
　昔、漢氏が失脚して九州が破れ隔たり、
　三国が間に乗じ鼎峙して数世に渡り、
　干戈は日々聞こえ、流血する事百年になっても各々平定できない戦乱となりました。
┗──────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ｢く´r}-;. :../:::::::/.: .: .: .: .:;-┘.: .: .:j´　　　 _,,,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-､,　　　　　 /ハ_/!r'.: .::!::::::::l.: .: .: .:_.:｣　　ヽ.:」┘　 ,／　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,）　)　　　　〈,/　ｌ| l 〕.: .:}::::::/.: .:rソ´!　ｌ　| 　Y　 ,i´.,,　　.　{,
　　　　　　　　　　　　　‐---‐´　,|´　　　.　.l　 /| l└i::｣:;::/.: .:_｣l:　 |　 l　ｌ　｜／ﾉ´ ,}　 _,,,､,二i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　 /　ﾊ.|｣　〈{zﾁ}:ツｌ| l外､l　｜ l　ｌ|,,ﾉ´　 },ﾉ´~
　　　　　　　　　　　　　-‐｀‐､,　　ヽ,,,__-､.　 !　l　ﾊヽ　 Y:::|'|: | ! }ﾄ,ﾐﾄヽ!ﾉjﾉｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　 ,!" ./　l /　＼ヽ l::::ｉ|: l |::::ゞ'＾〈　　,ゝ,..--∠ヽ--,
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304 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:55:07.78 ID:cKckTtO50: ┏────────────────────────────────────────────┓
　宣皇帝の勢いが迫った当年、
　龍は下位に潜み、頭を垂れて足は重く、恐れ慎んで息を殺していました。

　道はあれど受け入れられない難があり、身体を災難に踏み入れる険しさの何と危うき事でしょうか。

　魏武は既に亡く、大難を避け、
　南で孟達を擒にするのに始まり、東は海隅を払い除き、西は勁蜀を抑え、
　巡って諸夏を宣撫し、呉人の侵入の鋒先を挫き、曹爽の忌まわしき党を掃き、
　霊根を植えて中嶽に跨り、樹群の才をもって子弟の助けとし、命世の志を広げて非常の事業を固めました。
┗────────────────────────────────────────────┛

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　　　　　　　　　ーﾍゞ､､,,　､ヽ､￣ーﾆ　　　　　　从ｰﾟ ,l〈l||;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;ヾ￣｀＼
　　　　　　　　　ｲ::／`不ヾ　:.:.`＼　＼､　　　＿　<,卯i<　>／;;;;;;;;;;;;;,へ,〉
　　　　　　　　　ハ:.:.rj:.:|:ﾄ`:.:.:.:.:.:.:.　`ヾ　 `＜=-==ノﾉV_/ /､ヽ'＾Y＾Y
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　　　　　　　　　　 ,ﾊ_'`,ｲ,／　ゞ:.:.:.:.:.:.〉:..:.　　　 /`T:ｫヽﾙ†ヽヽヽ
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　　　　　　　　　　`ｰ´　　　.|: ﾊー:.＿.:_:.　):./. ゝ､./:/　,. -ﾆ:/　}:.:.:　ヾ､　　　　　- ― -　＿
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
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　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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305 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/01/17(金) 22:56:49.22 ID:cKckTtO50: ┏──────────────────────────────────┓
　景帝と文帝がこれを継ぎ、
　霊武は世に冠し、二心を抱いた者への勝利をもって功績を定めました。

　梁州・益州を席巻し、征討は西方を極め、
　功は天帝に至り、勲は古代の烈士に等しく、皇祚の崇高さを明らかにしたのです。
┗──────────────────────────────────┛

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