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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4

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481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:19:41.41 ID:Ew7TzP9w0
血を流して倒れている男子留学生E「」ドクドク


女子留学生A「キャァァァァァ!!!!」

男子留学生B「おい!? なんなんだよ!?」


様子のおかしい市民X「お前らが……外から来た奴らがいるから……!!」
 血が付着した鉄パイプ「」ポタポタ

様子のおかしい市民Y「環境を荒らす外来種は……殺すしかねェよなァ!!」
 血が付着した金槌「」ポタポタ

様子のおかしい市民Z「へ、へへ……大魔女様の聖火で、悪しき命は浄化だ……」
 火炎瓶「」チャプ…


女子留学生C「や、やめてください……来ないで……」ビクビク

男子留学生D(と、通り魔襲撃イベントキター!!! ここはCちゃんに格好良いところを――)

様子のおかしい市民X「消えろォ!!」グワッ
 血の付着した鉄パイプ「」ブオンッ!!

男子留学生D「おああああああ!!?!?!!??」

 ガギンッ!!

凍り付く市民X「ガッ……!」カチコチ

ユキ「みんな下がって!! 暴漢は私が抑える!!」ザッ

女子留学生A「ゆ、ユキちゃん……!」

男子留学生B「でも危ねえよ!!」

トム「オレもいるぜ! お前らは警備を呼んでこい!!」ザッ

女子留学生A「わ、わかった!!」ダッ

男子留学生B「すまねえ……! すぐに呼んでくる!!」ダッ

女子留学生C「うう……ごめんなさい、ごめんなさい……」ダッ

男子留学生D「う、うう……うおおおお!! おれも戦うぞ!!!!」ググッ

トム「無茶すんなよ!?」


 ――戦闘開始 様子のおかしい市民たち――


↓1コンマ
01-10 ??
11-60 劣勢
51-90 優勢
91-00 ??
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:22:41.87 ID:X9fLOSxJO
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:23:35.05 ID:N7XM2gzEo
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:34:35.99 ID:Ew7TzP9w0
トム「だらあっ!!」シュバッ
 斧「」ブオンッ!!

 ズドンッ!!

様子のおかしい市民Y「ごあ……!」ドサッ


ユキ「殺しちゃだめよトム!!」

トム「峰打ちだ!!」


凍り付く市民X「外来の悪種が……妖しげな術を使いやがって!! ぬああああ!!!」ググググ

 氷「」バギンッ!!
 血「」ドクドクドク!!

ユキ「えっ!? こ、凍った体を無理矢理動かして――」

トム「危ねえ!!」

 パヒュンッ
  ガギンッ!!

光メイド剣士クロシュ「……!」ギギギ

ユキ「クロシュ、さん……!」

血を流す市民X「なんだ……お前はァァァ!!!!」

ミスティ「私も来たわ!! はぁっ!!」シュバッ
 氷塊「」ブオンッ!!

 ドゴッ!!

血を流す市民X「オゴッ……」ドサッ

ユキ「ミスティさん!!」

トム「おお……!!」


様子のおかしい市民Z「へへへ……燃えろ、燃えろ……!!!」ブンッ

 火炎瓶「」ヒュンッ


↓1コンマ
01-10 ??
11-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 ??
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:37:55.05 ID:S5hcTLzK0
486 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 22:10:43.68 ID:Ew7TzP9w0
 火炎瓶「」ヒューン

 風「」ヒュルルッ

 火炎瓶「」フワフワ…


様子のおかしい市民Z「おあ……? 聖火が……宙で止まった……」

妖精「危ないもん投げないでよ」

様子のおかしい市民Z「あ……?」

 氷塊「」ドゴッ!!

様子のおかしい市民Z「ごが……」ドサッ

ミスティ「こいつで終わりね」スタッ


ユキ「皆さん……ありがとうございました」

ミスティ「当然のことをしただけよ」

妖精「まあそうだね。でもこいつら……」

トム「おかしいぜ……いくら最近オレたち滞在組への風当たりが強くなってるからって、今までこんなこと一度もなかったぞ」

クロシュ「……」


男子留学生B「おーい、警備呼んで来たぞー!!」タッタッタッ

警備オートマタ「現着シマス」ガションガション
警備オートマタ「現着シマス」ガションガション

上級オートマタ「これは……状況をお聞かせ願えますか?」ガション


ユキ「警備……! あの――」


 ズズ…


妖精「……!? まずい!! みんな気を付け――」


漆黒に染まった市民X「」ヌッ

漆黒に染まった市民Y「」ヌッ

漆黒に染まった市民Z「」ヌッ


クロシュ「!!!!」バッ


 ★市民Xが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Yが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Zが〈疑似魔王化〉を発動!
  会心率および痛恨率が大幅に上昇!
  さらにコンマ+300!!
  1ターン後に死ぬ!!


↓痛恨確定

↓1
01-02 全滅
03-06 ミスティ
07-10 妖精
11-15 ユキ
16-20 トム
21-25 男子留学生D
26-30 男子留学生B
31-35 女子留学生C
36-45 上級オートマタ
46-60 警備オートマタ
61-90 クロシュがんばった
91-00 クロシュ覚醒
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:13:35.73 ID:FO03j/qdO
全滅こわ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:17:48.27 ID:N7XM2gzEo
頑張った……!本当に……!
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:28:15.13 ID:Ew7TzP9w0
漆黒に染まった市民X「キエロ――」
 漆黒に染まった鉄パイプ「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Y「ガイチュウ――」
 漆黒に染まった金槌「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Z「ダイマジョサマノタメニ――」


漆黒に染まった市民たち「コロス――――」ゴゴゴゴ…


妖精「う、うわああああああ!!!!」

ミスティ「はあっ!!」カッ

 氷のシェルター「」ドンッ!

ミスティ「みんな早くこの中へ!!」

ユキ「はい!!」
トム「お、おう!!」
男子留学生B「し、失礼します!!」
男子留学生D「お、おれも!」
女子留学生C「ごめんなさい……」

ミスティ「妖精! クロシュも! 警備さんたちも!!」

妖精「わわ、わかった!」
クロシュ「うん!」
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
上級オートマタ「状況を確認したいのですが……」ガションガション

ミスティ「あれは長くは持たなかったはず……! このシェルターで持ちこたえれば――」


 バゴンッ!!
 シェルター壁面「」バギャッ


男子留学生B「う、うわあああああ!!? これ持つんですか!? 持つんですか!!??」

ミスティ「くっ……! 壁の補修を――」

ユキ「わ、私も手伝います!!」

 バゴンバゴンッ!!
 シェルター壁面「」ゴシャッ グシャッ

 ドガンッ!!
 風穴「」グシャアッ

ミスティ「ほ、補修が間に合わな――」

クロシュ「!!」シュバッ!!

妖精「えっ!? クロシュ何を――」
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:29:15.95 ID:Ew7TzP9w0
 デロデロ…モニョモニョ…


シェルターを覆う大亀の甲羅「」ポン!!


ミスティ「あっ……く、クロシュやめなさい!! だめ!!!!」

妖精「ば、ばか!! ばかクロシュ、やめろ!!!」


 ドゴンッ!! バゴンッ!!
  グシャアッ!! ボムギッ!!!


妖精「あ、ああああああ!!! やめて、もうやめて!!!!」ポロポロ

ミスティ「出しなさい!! ここから出せ、クロシュ!!!!」ドンドン!!

トム「クロシュさん出してくれ!!! オレが奴らと戦う!!!」

ユキ「うう、うううう……!!」グググ…


 バギイッ!! ドゴオッ!!
  ボゴンッ!! バギャアンッ!!

    ――…


男子留学生B「お、音が……止んだ……?」


 デロデロ…

ボロボロスライムクロシュ「」デロロ…


妖精「あ、あ……クロシュ、クロシュ……!!!」パタパタ

ミスティ「クロシュ……!!」タタッ

ボロボロスライムクロシュ「」デロデロ…


 ――戦闘終了――
491 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:30:30.56 ID:Ew7TzP9w0
―昼
 居住区 交番

上級オートマタ「皆さん、本日は事態の鎮圧にご協力頂きありがとうございました」ペコリ

警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ
警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ

上級オートマタ「そして……身を挺して市民の皆様を守って頂いたクロシュ様には、特大の感謝を申し上げます。しかし恥を偲んで言わせていただけば、もう二度とあのような無茶はしないで頂きたく思います」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「そうだよクロシュ……もう二度とあんな真似しないで……」 グスッ

ミスティ「ええ……あなたが酷い目に遭って私たちだけが助かっても全く嬉しくないわ……」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョニョ…

上級オートマタ「申し訳ありません。全ては我々の不甲斐なさゆえであります」

トム「……ああ。怒りでブチギレそうだぜ……オレ自身の弱さに……」グッ

ユキ「……珍しく意見が合うね、トム……」グッ

 *
492 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:31:32.00 ID:Ew7TzP9w0
―居住区 公園

トム「ふんッ! はッ! だあッ!!」ブンブンブンッ

ユキ「はあっ!! せやっ!!」カチンッ! コチンッ!



ミスティ「……クロシュ……さっきは、言い過ぎたわ……。あなたが守ってくればければ……私たちはきっと、無事ではいられなかった……」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョ

妖精「……私も……言い過ぎちゃったかも……。ごめんね……。助けてくれて、ありがとうね……」ナデナデ

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…♪」モニョニョ…



クローディア「……聞いたわ。また、あなたたちに助けられてしまったそうね……」スタスタ

妖精「大魔女……」

クローディア「特にクロシュには大変な苦労を強いてしまったとか……。頭が下がるわ」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…

クローディア「我が国に尽くしてくれた勇姿には最大の恩寵を与えなければね」ゴウッ―

 橙色の焔「」ユラユラ

妖精「えっ……!? その、焔って――」

クローディア「私の真の力の一端をお見せ致しましょう」

 橙色の焔「」ユラッ―

クローディア「原初の焔よ――勇気あるスライムの子に、再生の熱をもたらせ」

 橙色の焔「」カッ!

ボロボロスライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャ!!


 傷ついたクロシュの体組成「」ジワジワ――

  再生していくクロシュの体組成「」デロデロ――

   完治するクロシュの体組成「」モニョモニョ――


万全スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!


妖精「す、すごい……! 傷が治っただけじゃなくて、体力とかまで全回復してる……!?」

クローディア「私の最も優れた力の一つと言えるでしょう。元気になったようで何よりです」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

妖精「……大魔女って、もしかして……不死鳥……?」

クローディア「あら、大魔女は大魔女よ?」ニコ

 *
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:32:21.45 ID:Ew7TzP9w0
トム「だりゃあああっ!!!」
 斧「」ブオンッ!!

  氷「」バギョムッ!!

ユキ「くっ……! 私の負け……」

トム「はあ、はあ……。まあオレは炎だからな。ユキ相手なら勝てて当然だ」

ユキ「その言い方はムカつく……」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン モニョモニョ!


トム「あ、クロシュさん! 怪我は大丈夫なのかよ!?」

ユキ「……もう、治ってる……?」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


 デロデロ…モニョモニョ…チリッ


炎クロシュ「トムさん……バーニングスライムのちから……どう……?」チリチリ…

トム「なっ……!? クロシュさん、炎属性まで使えんのかよ!?」

炎クロシュ「うん……レッドちゃんに、もらった……」

トム「は、反則すぎんだろ……。ていうか怪我は大丈夫なのか?」

炎クロシュ「うん……大魔女さんに、治してもらった……」

トム「まじか……。じゃあ、ちょっと戦ってみてえ!! 病み上がりで悪いんだけど良いか!?」

ユキ「本当に悪い……。クロシュさん、こいつの言うことは聞かなくても……」

炎クロシュ「うん……! わたしも……体の奥、めらめらちりちりする……!!」

トム「しゃあ!! じゃあやろうぜ!!」

ユキ「ええ……」


 ――模擬戦闘開始 炎の留学生トム――


↓1コンマ
01-10 敗北 剣経験+1、トムLV+1
11-50 勝利 剣経験+1、魔経験+1、トムLV+1
51-90 勝利 剣経験+2、魔経験+1、トムLV+2
91-00 会心 剣経験+4、魔経験+4、トム覚醒
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:33:33.88 ID:Dcf82JM+0
てや
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:53:49.93 ID:Ew7TzP9w0
炎メイド剣士クロシュ「」シュバッ

トム「うおっ!」

 ガギンッ!!

  赤熱メイドブレード「」ギギギ
  炎の斧「」ギギギ

トム「あっちち……!? マジでレッドと同じ熱さだ……!!」バッ

炎メイド剣士クロシュ「」シャッ

トム「ちいっ!!」

 ギンギンギンガギンッ!!

炎メイド剣士クロシュ「!」グラッ

トム「だが――パワーなら斧の方が上だ!!」グオアッ

 炎の斧「」ブオンッ!!

  ヒュンッ

トム「なにっ!? 避けられ――」

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン

 際どい踊り子衣装「」シャランシャラン

トム「えっ……!? う、うおおっ!?///」

炎の踊り子クロシュ「?」



ユキ「……トムの奴……戦いの最中に何考えてるのかしら……」

妖精「男の子なんだねえ……」

クローディア「あっははは、かわいいじゃない!」



トム「うおおおお!! 卑怯だぞクロシュさん!!!!」

炎の踊り子クロシュ「ほえ……?」

トム「そんな軟派なやり方に……オレは負けねえ!!!」カッ!!!
 炎「」ゴオオオオッ!!

炎の踊り子クロシュ「わあ……!」

トム「決着を付けてやんぜ!!」シュバッ

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン
 踊り子の双剣「」シャキンッ

  ギンギンギンギンッ
   クルンクルンッ ドッギャァァァンッ!!!!

 *

トム「負けた……魔法でも、炎でも、武技でも……」

クロシュ「……踊り子になったら……トムさん、弱くなった……」

トム「うっ……」

ユキ「技術よりも精神を鍛えた方が良いんじゃないの」

トム「う、うるせェ!!」


 ☆クロシュの剣経験が+2、魔経験が+1となりました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:54:44.92 ID:Ew7TzP9w0
というわけで本日はここまでとなります。次回はダークヒーローを称える歌編からとなります

ユキさんのところへ行こうとしたら突然のテロリズムが発生し、窮地に追いやられる一行。続々と疑似魔王化する市民たちに絶体絶命のクロシュたちでしたが、ミスティのシェルターとクロシュの根性によりなんとか九死に一生を得ました。妖精さんとミスティさんにものすごく叱られたクロシュさんですが、間違ったことをしたつもりは全くないらしく、たぶん反省もしていません
そして純情な若者を相手に扇情的な格好で攻め立てて勝利を収めるクロシュ氏です。明日の調査へ向けて、一歩一歩力を付けていくのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回の土日もよろしくお願いいたします
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:57:21.41 ID:T5Wr5iWDO
乙です
学生三人組の中で出てこなかったトリル君は大丈夫だったのかな
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/28(月) 03:05:33.10 ID:1TB7dIWWo
おつです
ああ、擬似魔王化が切れるまでクロシュが耐えたのか…
考えるより動く派 クロシュ、ミスティ(妖精も此方寄り)
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/01(金) 02:10:31.14 ID:ea86b0O90

トムって炎魔法以外にもマグマを操る溶岩魔法があるけどそれは使わないのかな?それかトムレベルが覚醒したら使えるのかな。後、トムレベルはどれくらい上げたら覚醒になるのかな?
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 08:37:18.60 ID:sgggkT1n0

もう魔王のだな
501 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 17:16:16.01 ID:SR0sl2AI0
トリルくんはたまたまあの時あの場にいなかったようです。図書館にでも行っていたのかもしれません。彼の方では特に問題はなかったようです
トリル氏はユキさんやトム氏と比べると武闘派というわけでもありませんが、面白い魔法の使い手なので、もし彼が戦うことになったら面白いものが見られるかもしれません

クロシュは大亀の甲羅の姿になり、疑似魔王化した人たちからの攻撃を耐えたようです。とても痛かったそうですが、スライムは物理に強く体も丈夫な生き物なので、大事には至らなかったようです
クロシュとミスティさんは、考えるよりも先に体が動いてしまうことが他の人より確かに多いかもしれません(ミスティさんはクロシュよりは冷静です)。妖精さんもそういう節がないわけではないですが、時々考えすぎて動けなくなってしまったりもするため、前者二人に比べると慎重かつ引っ込み思案と言えるかもしれません

トム氏は溶岩を扱う魔法も使えますが、街中で溶岩を出すのはけっこう危険なので、街中で溶岩を出すことはないようです。この大魔女帝国は空中都市なので、トム氏が溶岩魔法を自由に使える場所は学園の耐火室や競技場くらいかと思われます
覚醒はレベルアップではなくクリティカルが出た時のものとなっています。パーティメンバーというわけではないので、運次第と言えるのかもしれません

疑似魔王化は恐ろしい邪法ですが、1ターンで死ぬ上に本物の魔王よりは全然弱いので、気をつければ大丈夫でしょう。しかし複数人が一気に疑似魔王化すると冗談では済まされないコンマ補正がかかってしまうため、やはり気を付けた方が良いかもしれません
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 17:17:05.25 ID:SR0sl2AI0
―歓楽区

 アイテムポーチ「」パンパン

イリス「準備はこれくらいで良さそうですかね?」

ローガン「うむ。ひとまずはこれで十分だろう」

エバンス「俺たちだけじゃなくて明日は大魔女もいるからな」

イリス「ですね……! 大魔女様と一緒に調査できるなんて、私すごい楽しみです……!」

エバンス「イリスちゃんはやっぱり大魔女のことを尊敬してるのか?」

イリス「そりゃそうですよ! 魔女の中の魔女、全ての魔法を極めし超人なんですから!」

エバンス「そ、そうか……」



クリス「……あれ? あなた方は、もしかしてダークヒーローイリスの一行ですか……!?」ヌッ

イリス「えっ……!?」

クリス「あっ、すみません! 私、歌手のクリスティーナ・アムニジスと言います!」

イリス「……あっ! 前に劇場で歌ってたのを見ました!」

クリス「えっ本当ですか!? わあ……ダークヒーローイリスに見てもらえてたなんて……!」

エバンス「ああ、そういえば前に見たな。あの時は天井からレッサースライムが落ちてきて……」

クリス「あっ……そ、その時だったんですね。その節は大変ご迷惑をおかけしてしまい……」

エバンス「いやいや、気にしないでくれ。別にあんたが悪いわけじゃないだろう」

イリス「そうですよ! まあ、その……レッサースライムさんたちは、気の毒でしたけど……。そういえば今日はお休みなんですか?」

クリス「はい。昨今の騒ぎもあって、劇場も休館中でして……。なるべく外出も控えるべきなんですけど、のど飴を切らしてしまったので」スッ

 大魔女のど飴「」ポン

イリス「わあ……袋に大魔女様のお姿がプリントされてますね」

クリス「すっごい良く効くんですよ。歌いすぎて喉がガラガラになっちゃった時はこれを舐めてるんです」

イリス「おお……」

クリス「……そうだ! 私、以前ダークヒーローイリスとその一行のテーマソングを作曲したんですけど、せっかくなので聞いていかれませんか!?」

イリス「えっ」

エバンス「お、おう……いいんじゃねえか?」

ローガン「うむ……買い出しは済んでいる。特段問題はないだろう」

イリス「じゃ、じゃあ……せっかくなのでお願いします」

クリス「はいっ! それではこの閑散とした通りを特設ステージに見立てて――」


↓1コンマ
01-05 ひどかった
06-35 変わった曲だった
36-65 面白い曲だった
66-95 元気が出る曲だった
96-00 様々な経験を積めた
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 17:17:52.84 ID:sgggkT1n0
504 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:00:58.63 ID:SR0sl2AI0

クリス「真なる巨悪を討つ闇の英雄ダークヒーローイリス――彼女の戦いはこれからだ!!!!」ドドン!!


観衆「ワーワー!!」パチパチパチ


クリス「ご清聴ありがとうございました!!!!」



イリス「……///」

エバンス「こういう曲調なのか……!」

ローガン「フッ……良い曲だ」


クリス「イリスさん、どうでしたか!?」ヌッ

イリス「ええと……よ、良かったと思います……」

クリス「本当ですか!? ダークヒーローイリス御本人に認めていただけるなんて……!」パァァァ!

イリス「これからもがんばってくださいね……!」

クリス「はいっ! イリスさんたちも、悪には絶対に負けないで!!」

イリス「もちろんです……!」

 ◆
505 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:16:09.71 ID:SR0sl2AI0
―大魔女帝国 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◇クローディア[大魔女]
武:万象の杖     盾:         飾:不死鳥の羽根
武:         防:大魔女のローブ  飾:黒晶の耳飾り

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
506 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:16:42.26 ID:SR0sl2AI0
―大庭園

 チュンチュン クルーポッポッポ

 噴水「」シャワシャワ

 花のアーチ「」フワフワ

 花の生け垣「」フサフサ


クロシュ「わあ……!」

イリス「大庭園……! 大魔女様の宮殿に行く時に通るけれど――」

ミスティ「庭園の中に入っていくのは今回は初めてね……。生け垣に咲いている花が綺麗だわ……」

ティリウス「あれはウィッチローズ。フォレスティナのフェアリーローズをこの庭園の環境に適すように品種改良したんだ」

妖精「へえ。土いじり趣味は相変わらずみたいだね」

クローディア「ティリウスにはこの都市全体の植物を統括管理してもらってるの。植物に関して彼の右に出る者はいないから」

ティリウス「やあ、それほどでもありますが!」ニコニコ

妖精「お調子者なところも相変わらず……」

クローディア「今日は遠足に来たわけではないから、花の美しさに見惚れて気を抜かないよう。いいですね?」

ローガン「承知しております。大魔女殿の足を引っ張らぬよう全力を尽くしましょう」

エバンス「物理戦闘は俺と旦那に任せ――お任せください、大魔女様」

クローディア「無理に慣れない言葉遣いにしなくて良いわ」

 ◇

―大庭園 奥地

 結界「」ゴゴゴゴ…

妖精「こ、これは……!」

クローディア「……見事な結界ね。私もかなり昔に一度世界樹の結界を見たことがあるけれど……あれの構成をよく再現している」

ミスティ「じゃあ……本当に、緑の国の結界……?」

妖精「……間違いなくあの結界だ。細部は異なる……ていうか、あれよりも洗練されてるけれど。根本的な設計思想があれと共通してる」

ティリウス「……では、やはり緑の国の者が……?」

妖精「……それは……断言はできないよ……。何かの間違いで結界の作り方が流出しただけの可能性もあるし……」

クローディア「中に潜んでいる者を捕らえて問い質せばわかることです。早速侵入しましょうか」

ティリウス「僕はここで待っているよ。外から見張っている人も必要だろうからね」

妖精「うん、お願い。それじゃあ入ろう」

 トプン…

 *
507 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:17:23.81 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[0/10] 持久力[10/10]

 ゴウンゴウン… ゴゴゴゴゴ…

 板金の床「」カンカン
 金属のパイプ?「」ゴウンゴウン
 謎の機械「」ピポポ


エバンス「な、なんだここは……!?」

イリス「……金属です……! 床も、壁も……!」

ローガン「……イスファハーンや大魔女帝国の建築物も先進的な施工が為されていたが……これは……」

ミスティ「気味が悪いわね……」


妖精「……うっ……」フラッ

クロシュ「!」バッ

 ポフッ

妖精「うぅ……クロシュ……ありがと……」

クロシュ「妖精さん……だいじょうぶ……?」

妖精「気持ち悪い……。ここ……酷い感じがする……」

クロシュ「……うん……」

クローディア「同感よ……。ここは……最悪の気が漂っている。空気に敏感な妖精類には酷な環境でしょう。今耐性魔法をかけるわ」ポウ―

妖精「……はあ……楽になった。ありがと……」

クローディア「礼には及ばないわ。この結界に最も詳しいのはあなたなのだから、ここででへばられちゃ困るし」


クロシュ「……」

 板金の床「」
 金属のパイプ?「」ゴウンゴウン
 謎の機械「」ピポポ

クロシュ「………?」


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-50 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
51-70 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
71-90 踏破率+3、???(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破率+3、???
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 20:19:21.87 ID:6k8CWBybO
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 20:19:24.29 ID:FZnF/pQb0
510 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:00:31.07 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[3/10] 持久力[9/10]

 カン カン カン…

 ヌッ!

不定形の生物「」グニョグニョ


クロシュ「!?」

イリス「うわあっ!?」

ミスティ「スライム……!?」


 デロデロ…ポン!

スライムクロシュ『こんにちは……』モニョモニョ

不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ『……ことば……わかる……?』モニョモニョ

不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ『んゅ……』モニョニョ…


妖精「クロシュ……これは……多分スライムじゃ、ない……」

スライムクロシュ「……」モニョ…

クローディア「……ええ。スライムに似ているけれど……スライムではないわ」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

クローディア「これは……純化された生命のソースね。言うなれば、生命の素……生命になる前の生命……とでも言えばわかりやすいかしら?」

エバンス「ぜ、全然わからん……」

クローディア「まあ……命の素だってことがわかれば良いでしょう。でも普通、生命のソースはそのままの状態でこの世界に存在していないし……何らかの偶然で発生してしまっても、こんな蠢くゲル状の物質になるとは考えにくい……」

ローガン「……つまり、この結界の主が意図的にこれを作り出したということですかな?」

クローディア「そう考えるのが自然でしょう。そして……生命のソースの作り方は――わざわざ説明するまでもない」

イリス「……」

ミスティ「……予想通りの外道というわけね。ここの主は」


不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ「……」モニョ…

 モニョモニョ… モグモグ…


エバンス「うおっ!? クロシュちゃん、それ食って大丈夫なのか!?」

クローディア「……生命のソースは食べられます。もし毒性を有するものでも、スライムのクロシュなら問題なく消化できるでしょう。見たところ、魔法や呪いの類がかけられているわけでもありません」

エバンス「そ、そうか……」


スライムクロシュ「……」モニョモニョ モグモグ…

 *
511 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:01:20.41 ID:SR0sl2AI0
 カン カン カン…

 金属扉「」ギィ…

 部屋中に飛び散った赤い液体「」ベチャッ


イリス「うっ……!?」

ミスティ「これは……まさか……!!」

エバンス「……いや、待て……! 見た目はともかく……血の匂いはしないぞ」

イリス「……あ、本当だ……」

ミスティ「じゃあ……これは、何……?」

妖精「……」

クローディア「これは……今度は、スライムみたい。飛び散っているのは……このスライムを構築していた粘体でしょうね」

ローガン「ぬう……」

ミスティ「……赤い、スライム……?」




床に転がっている小さな核「」

クロシュ「……」トコトコ

 デロデロ…ポン

スライムクロシュ『生きてる……?』モニョモニョ

『……だ……れ………?』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『わたし……クロシュ……。あなたは……』モニョモニョ

『…あた……し……だ、れ…………?』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『……ごめんなさい……。わかんない……』モニョニョ…

『………くる、し……い……。くろ、しゅ……たす、けて……』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『…………食べて、いい……?』モニョニョ…

『……う、ん……。はやく……らく、に……なり、たい…………』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『……わかった……』モニョ…

 モニョモニョ…モグモグ…

『……あり……が………と…………』モ…ニョ…


 ☆クロシュが誰かの分体核を食べました
  本日の戦闘時、コンマが+25されます


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-60 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
61-90 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
91-00 踏破率+3、???
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:02:20.06 ID:sgggkT1n0
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:04:18.98 ID:UrdJ1j5bo
あーこれ……
というかここで強敵の流れはコンマ演出家っすね
514 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:36:10.55 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[6/10] 持久力[8/10]

 カン カン カン…

クローディア「……何か来る。構えて」

ローガン「むっ」バッ

エバンス「お、おお……!」バッ


 通路の奥「」ヒタ ヒタ…


イリス「通路の奥……薄暗くてよく見えないけど……」

ミスティ「この足音は……?」

クロシュ「!」


虚ろなブラッド?「……」フラフラ


ミスティ「……ブラッド……!」

妖精「ま、待って! 様子が――」


虚ろなブラッド?『あ……てき……ころさないと……』モニョモニョ

クロシュ「!!」バッ

 シュバッ!!
  ガギンッ!!!

 メイドブレード「」ギギギ
 ブラッド?の刃腕「」ギギギ

クロシュ『ブラッドちゃん……!!』モニョモニョ…!!

ブラッド?『あは……おまえも、あたしとおなじなんだ……!?』モニョモニョ…!!


イリス「クロシュちゃん! 私も――」

クローディア「後ろからも来ている!! 挟み撃ちだわ!!」

ミスティ「えっ!!?」


ブラッド?B「〜〜…」モニョモニョ…
ブラッド?C「〜」モニョニョ
ブラッド?D「〜…」モニョ…
ブラッド?E「〜〜」モニョモニョ


ローガン「ぬう……!!」シャキン

エバンス「冗談じゃねえぞ……!!」シャキン


 ――戦闘開始 ブラッド?の群れ――


↓1コンマ(誰かの分体核+25)
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 優勢
91-00 会心
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:37:56.25 ID:6k8CWBybO
いけ
516 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:50:26.82 ID:SR0sl2AI0
ブラッド?B「」シュバッ!

ローガン「ぬう!」ガギンッ!!


ブラッド?C「」シャッ!

 ガギギギンッ!!

エバンス「ぐおお……!! は、速い……!!」


ミスティ「くっ……速すぎて捉えられない! あいつら、ブラッドの分体なの……!?」

妖精「わ、わからない!! でも……全部今まで戦ってきた分体と遜色ない強さだ!!」

イリス「くうう……!! 援護しなきゃ――」


クローディア「戦の加護を!!」カッ!!


ローガン「!」パァァァ!

エバンス「なんだこりゃ……体が軽くなった!!」パァァァ!!

クローディア「強化の魔法をかけました。今ならそのスライムとも打ち合えるはずです」


 ギギギギンッ!! ドガッ!!

ブラッドC?『〜!』モニャ!
ブラッドD?『〜〜!』モニャニャ!

エバンス「しゃあ! サンキュー大魔女様!」

ローガン「これで我々も皆を守れる……!」ジャキッ



 ギンッ
  ギギンッ

メイド剣士クロシュ『ブラッドちゃん……どうしてここにいるの……!?』モニョモニョ!

ブラッド?『だあれ、それ……? どうでもいい……あそぼ、くろしゅ!』モニョモニョ!

  ガギンッ!
   ギンギンギンッ!!

↓1コンマ(誰かの分体核+25)
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 勝利
91-00 勝利
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:51:17.20 ID:FZnF/pQb0
はい
518 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:19:28.81 ID:SR0sl2AI0
 ギンギンッ
  カチンッ! ドガアンッ!!

ブラッド?B「」デロデロ
ブラッド?C「」デロデロ
ブラッド?D「」デロデロ
ブラッド?E「」デロデロ

エバンス「こっちは片付いた! あとは――」



 ギギンッ
  ドゴッ!!

ブラッド?『んわっ……!』ゴロゴロ モニャニャ

クロシュ『ブラッドちゃん……! もう、やめよ……? 痛いのは……やだよね……?』モニョモニョ

ブラッド?『あは……なにいってるの……? あたし……ころさなきゃだめなんだよ……?』モニョモニョ

クロシュ『え……?』モニョ…

ブラッド?『そうしなきゃ……失敗作は、ぐにょぐにょにされちゃうんだもん!』モニョモニョ!

クロシュ『!!』モニョ!!

ブラッド?『くろしゅは、ちがうの……?』モニョニョ…?

クロシュ『……』



『……そいつらを……解放してやって……』モニョモニョ

クロシュ『!』

『そいつらは……分体のあたしから作られた……言わば、分体の分体……。あたしだけ楽になるのは……やだ……。あたしから生まれたこいつらも……これ以上苦しませたくない……』モニョモニョ

クロシュ『わかった……』モニョモニョ

『お願い……』モニョニョ…



メイド剣士クロシュ『……』シャキン

ブラッド?『あは……やるきになった……! やろ、やろ……!!』モニョニョ…!!

メイド剣士クロシュ『……!!』シュバッ

 ズバァッ!!

 *
519 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:19:58.62 ID:SR0sl2AI0

 ブラッド?たちの死骸「」ジュクジュク…

スライムクロシュ「」モニョモニョ モグモグ…


ミスティ「……ブラッドの死骸なんて食べて大丈夫……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ

妖精「……大丈夫だって」

ミスティ「そう……」


スライムクロシュ「」モニョモニョ モグモグ…


ミスティ(ブラッド……憎き復讐相手だけれど……)

ミスティ(ここにいたこいつらは、明らかに様子がおかしかった……)

ミスティ(ここは何? なぜブラッドがいるの? ここの主は……何者なの?)

ミスティ(……ここの主に、問い質さねばならない)


 ☆ブラッド?の群れを食べたことで持久力が3回復しました
  さらに、次の戦闘コンマに+15が加算されます


↓1コンマ
01-30 踏破率+3、敵襲
31-60 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
61-90 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
91-00 踏破率+3、???
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:20:25.74 ID:jz94fOTDO
はい
521 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:35:11.78 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[9/10] 持久力[10/10]

 カン カン カン…

 金属扉「」ギィ…


イリス「この部屋は……?」

クローディア「……貯蔵庫のようですね」

 貯蔵庫「」バカッ

 何かの結晶「」キラキラ

ミスティ「結晶……?」

クローディア「これは……先ほど言った生命のソースの結晶ね。かなり高純度に物質化されている……これほどの洗練された物質化技術があるなら、ますますあのゲル状の物質が不可解だけれど――」

妖精「……この結晶たちも、元は尋常な生命だったんだ。ここに置いてはいけないよ」

クロシュ「たべる……?」

妖精「食べられる……?」

クロシュ「うん……」

クローディア「……私の手で生命力に変換し、皆に分配しましょう。クロシュ一人で食べるには少々多すぎますから」

妖精「そんなこともできるの? じゃあお願い」

クローディア「ええ。それじゃあいきますよ――」パァァァ


イリス「わ……なんだか、体の奥から力が湧いてくるような……!」ポウ

ミスティ「生命力……これが……」ポウ

エバンス「少し疲れてたが元気が出てきたな」ポウ

ローガン「おお……これは凄いな」ポウ

クロシュ「わあ……」ポウ


 ☆生命の結晶をみんなで分け合い、持久力が5回復しました


↓1コンマ
01-45 踏破率+3、敵襲
46-90 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
91-00 踏破率+3、???
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:37:39.75 ID:Yjm2lubxo
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:37:50.05 ID:Gqsx9zU5O
ほい
524 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:42:03.87 ID:SR0sl2AI0
謎の結界 踏破率[9/10] 持久力[14/10]

 貯蔵庫「」

イリス「あれ? こっちの貯蔵庫は何だろう?」

ミスティ「開けてみましょう」

 貯蔵庫「」パカッ

 何かの結晶「」キラキラ

妖精「これは……結晶化された魔力だね。そのままじゃ食べられないけど――」

クローディア「せっかくですしこれもみんなに分配してきましょう」

妖精「できると思った」

クローディア「当然です。魔力の扱いに関しては世界一の大魔女ですから」パァァァ


イリス「おお〜! 今度は魔力がみなぎる……!」ポウ

ミスティ「こっちは馴染み深い感覚ね……」ポウ

エバンス「よし、戦備は万全だな……!」ポウ

ローガン「うむ……何が出てきても全力を出せるだろう」ポウ

クロシュ「わあ……」ポウ


 ☆魔力の結晶をみんなで分け合い、持久力が2回復しました
  さらに、次回の戦闘コンマに+10が加算されます

 *
525 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:42:30.55 ID:SR0sl2AI0
謎の結界 踏破率[10/10] 持久力[16/10]

 カン カン カン…

 大きな金属扉「」ドン!

妖精「……異様な気配。この先が最深部かも」

クローディア「もし結界の主がいるなら、私たちの侵入に気付いていないはずがありません。待ち伏せしていると思った方が良いでしょう」

エバンス「大人しくお縄についてもらいたいとこだがな」

ローガン「……しかし、ブラッドくんの分体たちによる襲撃こそあったが、この施設の警備システムとしての動きとは思えなかった。ここの主は不在なのではないか?」

クローディア「不在だとしても、普通は自動的に動く警備システムを構築するはず……。誘い込まれたと考える方が自然かもしれません」

イリス「誘い込まれた……罠ってことですか?」

クローディア「ええ。例えば、この扉を開けた瞬間施設ごと大爆発! とか」

エバンス「ええ……勘弁して欲しいぞそれは」

クローディア「今のところそれらし魔力反応は検知できていません。それに爆発やそれに類する事象が起きたとしても、私の防護魔法が発動する方が早いので大丈夫です」

妖精「そりゃまあ頼りになる……。とにかくここまで来たら開けるしかないし、さっさといこう」

クローディア「ええ。それじゃあ私が先陣を切りましょう――」スッ

 大きな金属扉「」ガチャッギィィー…

 *
526 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:43:12.31 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 最深部

「おやおや、ようやくここまで辿り着いたんですか。思ったより遅かったですねえ」


クローディア「お前は――」

イリス「あなたは――留学生の、ノーラさん!?」

ノーラ「アッハ、まだそんな偽りを無邪気に信じているんですか? 天下のダークヒーローも大したことありませんね」

クローディア「変装を解いたらどうですか? 冒涜の魔術師カリス・ノーランド」

妖精「えっ!? か、カリス・ノーランド……!?」

ノーラ「はあ……太母まで、いつからそんなに節穴になったんですか? いえ……太母は元々でしたね――」スッ

 ポイッ
  砕け散る丸眼鏡「」カシャァンッ―
   銀色から金色へと変化していく髪色「」サラサラ

ノーラ→白衣の金髪エルフ少女→カリス「……ふっ……やっぱり真の姿の方が落ち着きますね」ファサッ
527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:58:13.87 ID:SR0sl2AI0
というわけで本日はここまでとなります。次回、カリスとの戦いから開始です

とうとう正体を現した巨悪――それはかつて指名手配され、既に処刑されたはずの国際指名手配テロリストのカリス・ノーランドだった
金属に囲まれた薄ら寒い施設に木霊する、声なき者たちの慟哭。クロシュの心奥に響き、やがて音もなく溶けていく。そして胸に灯るは、静かなる決意。かの邪術師が哀しみをもたらすのであれば――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 12:49:00.95 ID:3cdqDGujo
おつ
カリスこいつ掛け値なしの邪悪だからコテンパンにしてほしい、頑張れクロシュ!!
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 16:30:02.73 ID:hM4BP/Vf0
カリス氏はとても邪悪な人物です。野放しにしておけばさらなる被害と哀しみが生まれ続けるでしょう
この物語にはこれまでも恐ろしかったり危険だったり悪どかったりする人物はそれなりに登場してきましたが、このカリスという人物はそれらの誰よりも恐ろしく危険で邪悪な者かもしれません。凶悪なテロ組織のシノホシの面々ですら、この最悪の犯罪者に比べれば対話の余地が僅かでもあるだけまし……と妖精は思っているようです
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 16:34:46.74 ID:hM4BP/Vf0
イリス「かっ、カリス・ノーランドって、史上最悪の極悪魔術師!? でももうとっくに捕まって処刑されたはずじゃ――」

カリス「アッハハ! 私の手にかかれば歴史や因果の捏造なんてお茶の子さいさいってことですね」

妖精「カリス、あなた……生きていたの……!!!」

カリス「わあ〜、そう睨まないでくださいよ太母さまぁ〜。昔のことはもう水に流しましょう?」

妖精「ふざけるな……!! お前のせいで、どれだけたくさんの――」

カリス「あーやだやだ、私根に持つタイプの人って嫌いなんですよね」

 シャキンッ!!

ミスティ「……答えなさい、カリス・ノーランド。10年前のスノウタウン滅亡について……」

カリス「ん? ああ……スノウタウンなら疑似魔王化の初実戦の舞台として使った記憶がありますね。結果は上々……素晴らしいものでした。あの街のお陰で私の研究もさらなる――」

 氷柱「」ヒュンッ!!

カリス「おっと」サッ

ミスティ「……」

カリス「……なるほど、あなたはあの街の生き残りですか。フフ……生き残る喜びを身を以て体験できて良かったですね? 感謝してくれても良いんですよ?」

ミスティ「……殺す」


カリス「やれやれ……仕方ありません。来なさい、私のかわいいクロシュ」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

操られ分体クロシュ「はい……カリスさま……」モニョモニョ


クロシュ「!!」

妖精「あいつ……やっぱり……!!」


カリス「あの怒りっぽい人たちと遊んであげなさい。食べても構わないよ」

操られ分体クロシュ「……わかりました……」モニョモニョ

 モニョモニョ――シャキンッ
  赤熱メイドブレード「」ジュッ!!

操られ分体炎メイド剣士クロシュ「……やっつけます……」チリチリ


 ――戦闘開始 カリス&操られ分体クロシュ――

 ☆カリスが〈生命惨歌〉を発動!!
  カリス以外の味方の人数*30をコンマに加算!!
  戦闘終了後、カリス以外の味方は死ぬ!!!

↓1コンマ(分体核+25、ブラッド?+15、魔力結晶+10、生命惨歌-30)
01-10 痛恨
11-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 会心
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 16:36:12.67 ID:JCpzW90w0
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 17:16:13.82 ID:hM4BP/Vf0
クロシュ「!!?」モニャ!?

妖精「な、なんで!? あいつは分体なのに――なんで炎化できて、メイドブレードまで――」

カリス「配下の潜在能力を引き出してあげるのも主人の務めですから。フフ、クロシュを失敗作と見なした過去の私も節穴だったようです」

ミスティ「こいつ……!! 命を失敗作などと……!!!!」ギラッ

カリス「おっとっと」サッ
 凍る地面「」ガギンッ!!

エバンス「初見でミスティちゃんの技が避けられただと!?」

カリス「負属性に気付けてるのは合格。でもそんな発動速度じゃ雑魚にしか――」

 星弾「」ギュンッ!!

 障壁「」ヴン!

 ドガァンッ!!

カリス「喋ってる最中に攻撃しないでくださいよ、礼儀がなってないなあ」モクモク

イリス「くっ……!」


クローディア「イリスとミスティはクロシュの援護へ。この大犯罪者は――」

 万象の杖「」スッ

クローディア「私が裁きます」ジャキ―


イリス「大魔女様……!」

ミスティ「くっ……悔しいけどその通りだわ。奴は大魔女に任せましょう」

カリス「アッハ、早速大魔女ですか……。いきなり大ピンチみたいですね、私……!」

 *

操られ分体炎クロシュ「」シュバッ

 赤熱メイドブレード「」ガギンッ!!
  赤熱メイドブレード「」ガギギンッ!!

操られ分体炎クロシュ「……」ギギギ

炎メイドクロシュ「んゅ……!!」ギギギ

妖精「クロシュ……!! くそっ……こんな淀んだ場所じゃ自然魔法で援護ができない……!!」

 鋼の剣「」シャッ!

 ギンッ!

操られ分体炎クロシュ「!」バッ

ローガン「ぬう……! 不意を突けたと思ったが……!」シャキン

エバンス「だが3対1だ! 分体とはいえクロシュちゃんと戦うのは気が引けるが――」


操られ分体炎クロシュ「……」スッ

 デロデロ…モニョモニョ…

 パラサイトソード「」シャキン!!
 メイドブレード「」シャキン

炎メイドクロシュ「!!」
エバンス「!!?」
ローガン「!!?」

 ヒュッ―
  ギギギギギンッ!!
   ガギンガギンッ!! シュバッ!!

炎メイドクロシュ「んゅっ……!」ズザザッ!!
エバンス「なんだと……なんでだよ……!?」ズザッ!
ローガン「バカな……!!」ズザッ!

操られ分体剣鬼クロシュ「……」ゴゴゴゴ…

 *
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 17:17:02.87 ID:hM4BP/Vf0
 炎「」ゴウッ!!
  旋風「」ビュオオオッ!!

 障壁「」ピシピシ…!!

  光「」カッ!!

 障壁「」バリィンッ!!

クローディア「そこ!」バッ!

カリス「ちぃっ!」ササッ!!

クローディア「喰らいなさい!!」ブンッ!!

 魔法弾「」ギュンッ!

カリス「!!」

 ドガァンッ!!!!

黒焦げカリス「」プスプス…

クローディア「殺しはしない。あなたにはこれから聞きたいことが――」

 ギュルギュル…グジュグジュ…

クローディア「!」

再生するカリス「いったいなあ……! こんな生きる実感とか、求めてないんですけど……!!」グジュグジュ

クローディア「生命魔法……!」


↓1コンマ(分体核+25、ブラッド?+15、魔力結晶+10、生命惨歌-30)
01-10 痛恨
11-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 会心
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 17:18:20.72 ID:hQhuAZraO
えいやっ
535 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 19:58:40.42 ID:hM4BP/Vf0
操られ分体剣鬼クロシュ「」ヒュンッ

 シュバババッ!!
  ガギンガギンッ!! ドゴオッ!!

メイドクロシュ「んゅっ……!!」ドンッ ゴロゴロ…

妖精「クロシュ!!」

エバンス「ちくしょう! こいつ――前に魔剣でクロシュちゃんが操られてた時と違って――」

操られ分体剣鬼クロシュ「」シャッ!!

 パラサイトソード「」ビビビッ!!
 メイドブレード「」シュバァッ!!

ローガン「ぬうう……!! 完全に二刀流を使いこなしている……!!!」ギギギギンッ!!


イリス「クロシュちゃん! 援護します!!」

 星弾「」ギュンッ!!

操られ分体剣鬼クロシュ「!」サッ

ミスティ「そこ!!」ギラッ!

操られ分体剣鬼クロシュ「!!」
 凍っていく体「」カチコチ――

 炎「」ゴウッ!!!!

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」ジュウ…チリチリ…

ミスティ「!!」

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」チリッ

 光の残像「」パヒュンッ


妖精「嘘――炎化してる状態で光速移動まで――」


クロシュ「んゅゅ……」ググッ

操られ分体炎剣鬼クロシュ「」パヒュンッ

クロシュ「わ……!?」

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」
 赤熱メイドブレード「」スッ


妖精「だめ!! クロシュ避けてぇ!!!」


 赤熱メイドブレード「」シャッ―

クロシュ「あ――」
536 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 19:59:29.91 ID:hM4BP/Vf0

『ばか!! ぼうっとしてないで!!!!』モニョモニョ!

クロシュ『ほえ……』モニョ…

『おまえがすっとろいせいでいつまでも眠れないの!! あたしの戦闘経験を使え!!!!』モニョニョ!!

クロシュ『!!』モニョ!!



 ザシュッ!!!!

赤熱メイドブレードに貫かれるクロシュ「」デロ…



妖精「あ――ああああああああ!!!!!!」パタパタパタ!!

エバンス「ま、待て……!!! クロシュちゃんの様子が――」

赤熱メイドブレードに貫かれるクロシュ「……んへへ……」ニタ…

操られ分体炎剣鬼クロシュ「!?」モニャ!?

 デロデロ…モニョモニョ…


ミスティ「相手のメイドブレードを――」

イリス「取り込んで……同化してる!!?」


 ポン!

赤熱二刀流メイドクロシュ「!」シャキン!

操られ分体クロシュ「!!?」モニャニャ!?

赤熱二刀流メイドクロシュ「」シュバッ!!

 赤熱ツインメイドブレード「」シュビビビッ!!!

操られ分体盾クロシュ「〜〜!!」モニャニャニャ!! ガギギギンッ!!

 ドガァンッ!!
 デロデロ…

操られ分体スライムクロシュ「」デロロ…


イリス「やった!!」

妖精「あぁ……」ヘナヘナ…

 *
537 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:00:02.37 ID:hM4BP/Vf0
 ドガン!! カッ!!
  ゴウッ!! ビュオオオッ!!

クローディア「あちらでは決着が付いたようね。あなたもそろそろ悪あがきを辞めたら?」

カリス「ちっ……もう少し時間を稼げると思ってたのに。あそこまで強化してやってこれじゃやっぱり失敗作かな」

クローディア「……もう喋らなくて結構。あなたの言葉を聞いていると虫唾が走ります」

カリス「へえ。私と同じ穴のムジナの癖に」

クローディア「……」

カリス「掃除の魔王を無間地獄に落として積み上げた楽園の玉座はどんな座り心地ですか? 無知蒙昧な衆愚を作り上げて慕われるのはどんな気分ですか? ねえ? 大魔女さ――」

 光線「」カッ!!

再生するカリス「っつう……! 言葉で返せないから暴力ですか。ブタオーク並の倫理観でがっかりですよ」グジュグジュ

クローディア「二度と喋れないようにしてあげましょう。喉が潰れていても尋問は可能ですので」スッ

カリス「アッハ……仕方ない、そろそろ本気を出しましょうか……」

クローディア「もうとっくに本気でしょう。底は見えていますよ」

カリス「フフフ……勘違いしないでください。本気を出すのは――」スッ

クローディア「――!!」

カリス「私のクロシュですよ!!」カッ!!!!

 *

操られ分体スライムクロシュ「〜〜!!!!」モニャニャニャニャ!!


クロシュ「!!?」

イリス「な、これは……!!」


 漆黒の邪気「」ズズズズ…


ミスティ「魔王化もどき……!!」

ローガン「ぬう……!」シャキン!


 デロデロポン!


スライムクロシュ「!」モニョニョ!

操られ分体スライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャニャ!!

スライムクロシュ「!」バックン!!

クロシュに呑まれた操られ分体スライムクロシュ「〜〜…」モニャニャ―

 モニョモニョ…モグモグ…


エバンス「た、食べた……!? 大丈夫なのか!!?」

妖精「く、クロシュ……!! やめて、もしあなたまで魔王化しちゃったら――」


スライムクロシュ『この子も……元は……わたしだったから……』モニョモニョ…モグモグ…

妖精「!!」

スライムクロシュ『これ以上……苦しませない……!!』モニョニョ…モグモグ…!!

 〈会心の食撃!〉

 モニョモニョ…モグモグ…

 *
538 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:01:26.39 ID:hM4BP/Vf0
カリス「……あれ?」

クローディア「……目論見は外れたようね」

カリス「ふむ……このケースは初めてです。まだまだ研究が――」

クローディア「もう黙りなさい」ヒュッ

 ドゴッ!!

カリス「うっ……!!」フラッ

 魔封の縛鎖「」ジャラララッガシッ!!!!

縛られるカリス「うあっ……!」ギチギチ

クローディア「完全なる魔封の縛鎖……これであなたはもう何もできない」ツカツカ

縛られるカリス「アッハ……本当に絶体絶命ですね、これは……」

クローディア「何も言わなくて結構。心を暴いてあげる」ツカツカ

縛られるカリス「……あー……」

クローディア「あら、本当に何も言わなくなるの?」ツカツカ

縛られるカリス「……まあまあ楽しかったですよ」

クローディア「……!!」バッ!!

縛られるカリス「ではお先に失礼――」キュイイン――

 カッ――
 衝撃吸収陣「」ギュオオオオオッ!!!!

クローディア「……危なかった。これほどの爆発……あと一瞬衝撃吸収陣の展開が遅れていたら施設諸共無に還るところだったわ……」

クローディア「まさか魔力に頼らない爆発手段を体内に仕込んでいたなんて……。こいつ……」


 ――戦闘終了――
539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:02:40.89 ID:hM4BP/Vf0

スライムクロシュ「……」

『やっと終わった……これでようやく……おまえの中に、溶けられる……』モニョモニョ…

スライムクロシュ『……あなたは……ブラッドちゃんの……分体、なの……?』モニョニョ?

『さあ……あたしの本体が誰だったのかは、もう思い出せない……。そのブラッドってのは、あたしと同じ姿をしていたの……?』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……』モニョ

『そう……。じゃあ、もしその本体に出会うことがあったら、よろしくね……。クロシュみたいな優しいスライムなら……きっと、仲良くなれると思う……』モニョモニョ

スライムクロシュ『……』モニョ…

『……ここに来て……あたしたちを、助けてくれて……ありがとう………クロシュ……………』

 ☆誰かの分体を消化しました
  クロシュのスライム能力レベルが上がりました

 ◆
540 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 21:05:51.00 ID:hM4BP/Vf0
 一方その頃――

―大魔女宮殿

クロ「……なんだろ……胸がざわざわする……。大魔女さま……」

「見〜つけた。クロ教授」

クロ「えっ……」

ノーラ「お久しぶりです。お元気になさってましたか?」スタスタ

クロ「あ、うん……。ノーラ……どうして、ここに……?」

ノーラ「どうしてって、お見舞いに決まってるじゃないですか。クロ教授のこと、みんな心配してるんですよ?」

クロ「そ、そうじゃなくて……だって、今日は……」

ノーラ「……」

クロ「宮殿を、閉めてるはずなのに……」

ノーラ「……」

クロ「ノーラ……?」

ノーラ「……クロ教授のことが心配で、無理して入ってきました。だって……クロ教授っていつも笑ってるのに……心は、泣いてるから……」

クロ「え……」

ノーラ「……私……勝手に、クロ教授のことについて調べちゃいました。クロ教授は……その……魔王、だったんですよね……」

クロ「……!!」

ノーラ「大丈夫です、誰にも言いふらす気はありません。ただ……私は、クロ教授をこのまま放っておけません……! 私……クロ教授の苦しみを……なんとかしたいんです……!!」

クロ「だ、だめだよぉ……。わたしなんかのこと……そんな風に思う必要なんて……」

ノーラ「大丈夫です! 私が勝手にやりたくてやってるだけですから! 全部、私自身の為なんです!」

クロ「え……そ、そうなの……?」

ノーラ「はい! なので安心してください! 実はもう……クロ教授の苦しみを取り除く方法も見つけてあるんです……!」

クロ「えっ……!?」

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』ポン! モニョモニョモニョ…

クロ「ひっ……!? な、なんで……」

ノーラ「フフ……これを読めば、クロ教授は救われます。かつての自分を取り戻し……罪過に苦しむ心は闇の奥底に沈んでいっちゃうはずですから……」

クロ「や、やめてぇ……わたし……戻りたく、ない……」

ノーラ「なぜです?」

クロ「だって……この国のことも……大魔女さまのことも……裏切りたくない……!」

ノーラ「裏切る? 何を言っているんです? あなたの献身を今も尚裏切り続けているのは、他ならぬこの国と大魔女様自身でしょう! クロ教授がどれほど苦しんでいるかも知らず、愚かな民は自堕落に暮らし――大魔女様はそんな衆愚に慕われて陶酔し切っている! こんな地獄、私は許せない……!!」

クロ「ち、違う……! 大魔女さまは……苦しんでるわたしを、助けてくれて……」

ノーラ「違いませんよ。国の為ともっともらしい大義名分を掲げて、苦しんでいるあなたを放置している。大魔女様は、この街を浮かせる為にあなたを利用しているだけなんです」

クロ「違うもん……!」

ノーラ「違いません。目を覚ましてください、クロ教授――いいえ、掃除の――」

 ドシュッ!!

ノーラ「」ドサッ
541 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 21:06:19.63 ID:hM4BP/Vf0
クロ「ふえ……!?」

クローディア「そこまでよ、曲者」スタスタ

クロ「だ、大魔女さま……!? なんでここに……!?」

クローディア「調査に出たのは鏡の私。ここを手薄にするわけにはいかないもの」

クロ「あ……」

クローディア「この曲者の言い分には耳を貸さないでね、クロ。私はあなたを――」


『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ』ジジ…


クローディア「!!?」バッ


『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ』ジジジ…


クロ「あ……」ジワ…


転がっている録音水晶『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで――』ジジ…

 パリンッ!!

砕けた録音水晶「」グシャ…


クローディア「クロ!! 今のは――」


クロ「……」ポロ…ポロ…


クローディア「……!!!」


クロ「えへ……。ぐすっ………わかって、た……。大魔女さまが……わたしの、力を目当てに……してた、こと………」ポロポロ

クローディア「クロ、違うのよ……! あれは――」

クロ「……でも……良かった……。大魔女さまが……わたしのこと……愛して……なくて……」ズズ…

クローディア「――!!!!」

 
 奇妙な本『ある風船スライムのお話』ペラッ…ペラッ…
  バララララララララッ――


クロ「やっぱり……愛なんて……なくさなきゃ、だめなんだね……」ズズズ……


クローディア「クロぉーっ!!!!!!」

 *
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 21:24:37.31 ID:3cdqDGujo
くっそやってくれるじゃねえか…!
543 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:02:37.44 ID:hM4BP/Vf0
―謎の結界

 カン カン カン…

クローディア「!!!!」

イリス「……? 大魔女様、どうしたんですか?」

クローディア「ごめんなさい、先に戻るわ!!」

 光の残像「」パヒュンッ


エバンス「うお、光速移動……!」

ミスティ「何かあったのかしら……?」

妖精「……嫌な予感がする。私たちも急ごう」

クロシュ「ん!」

 *

 カンッカンッカンッ!

妖精「えと……クロシュ、体は大丈夫」パタパタ

クロシュ「うん……ブラッドちゃんの、おかげ……」

妖精「そ、そう……。でも何事もなくて良かった……」

クロシュ「……わたし……ブラッドちゃんと……お話、してみたい……」

妖精「うん。今度会うことがあったら……いろいろ聞いてみたいことが増えたね」

クロシュ「うん……!」


ミスティ「……私の復讐は……間違っていたのかしら……?」

妖精「……それも確かめたいし。それにいつもブラッドの方がこっちを襲ってくるんだから、ミスティが正当でない復讐をしたってことにはならないよ。この前分体をやっつけたのも正当防衛だよ」

ミスティ「まあそれはそうだけど……」


ミスティ(……あのカリスという邪術師……爆死したらしいけれど……まるで終わった気がしないわ……。それは……私自身がトドメを刺したかったから……? それとも……)

 ◇
544 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:04:01.65 ID:hM4BP/Vf0
―大庭園 奥地

 トプン―

エバンス「っはあ! シャバの空気はうま――おああああ!!?」

ミスティ「なっ……!? 何よ、あれ……!?」


  黒く染まった空「」ゴゴゴゴゴ――

  頭上で異様な雰囲気を放つ漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ――


ローガン「これは!? 何が起きている!?」

イリス「まだ昼間ですよね!? なんで空が黒く――」


ティリウス「みんな、戻ったんだね!! なんか空と気球の様子がおかしいんだ!!」

妖精「ティリウス!」

ティリウス「大魔女様も光の速さですっ飛んでいっちゃって……! 一体何が起きてるかわかるかい!?」

クロシュ「…………クロ、さん……」

妖精「!!」

ティリウス「クロさん……クロ教授のこと?」

クロシュ「…………うん」

妖精「まさか――」


  漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…


クロシュ「……クロさん……泣いてる……」


  漆黒の大気球「」キュオオオオオン――


イリス「わっ……!? な、なんか……とんでもない魔力が、あの気球の中で高まって――」

妖精「はっ……ま、まずい!! もしあれが掃除の魔王なら、直下にあるこの楽園空中都市は――」

ミスティ「あっ……」


  漆黒の大気球「」キュオオオオオオオ――
  燼滅波「」カッ――


クロシュ(……全てを無に還す……哀しみの光……。諦める暇すら、ない)

クロシュ(でも……その光は……ここまで、届かなかった――)
545 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:04:29.44 ID:hM4BP/Vf0


空を飛ぶクローディア「はああああああ!!!!!!!」
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオオオオッ!!!!!!!



イリス「あ、あれは……大魔女様!?」

ミスティ「嘘……!? あれを……吸収しているの……!!?」

妖精「ば、馬鹿な……!! あんな膨大な魔力、吸収できるわけ――」


 燼滅波「」ズドオオオオオオ!!!!!
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオオオオッ!!!!!!!


エバンス「じ、実際に吸収してるぞ!!」

ローガン「う、うむ……! しかし――」


空を飛ぶクローディア「ぬうあああああああ!!!!!!!!」ググググ…


イリス「こ、このままじゃ押し負けちゃう!!!」

エバンス「どうすりゃいいんだよ!? 俺たちにできることはないのか!?」

妖精「そ、そんなこと言われても……! ええと、確か掃除の魔王は……」

ミスティ「側面や上方が弱い……!」

妖精「そ、そう! どうにかして上空に行ければ――」


 モニョモニョポン!


風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

ローガン「クロシュくん!」

妖精「そっか! その風船なら……!」

ティリウス「なるほど……! それなら、カゴはこれを使ってくれ!」バッ!

 蔓で編まれた気球用カゴ「」シュルシュル…ポン!

風船クロシュ「〜!」モニョ!
 蔓のカゴ「」ポン!

エバンス「よし、乗り込め!」

ローガン「うむ……! 持ってくれ、大魔女殿……!」

ミスティ「乗り込むわ! お願い、クロシュ!」

イリス「……あ、そうだ! 妖精さん、この結界引っ張って来れないかな!?」

妖精「えっ!? まあできないこともないけど――あ、そうか!」

イリス「うん! 世界樹の結界なら、あの消滅魔法にもきっと抗えるはず!」

妖精「冴えてる! 引っ張ってこう!」

 結界「」ニュン―

妖精「クロシュ、出ていいよ!」

風船クロシュ「〜!」モニョ!

 フワフワ…モニョモニョ…

 *
546 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:05:05.46 ID:hM4BP/Vf0
―楽園空中都市エデン上空


漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…

 燼滅波「」スドオオオオオッ!!!!!
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオッ!!!!

クローディア「ぐ、う……これは……あなたを苦しめ続けた私への……罰……なのかしら……」ググググ…


「大魔女様!!」


クローディア「えっ……!?」


風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!! フヨフヨ

イリス「大魔女様! 私たちも手伝います!!」

クローディア「馬鹿! 離れなさい、ここにいたら――」

妖精「この国のどこにいたって同じでしょ!!!!」

クローディア「う……それもそうね……」

妖精「あの犯罪者の作った結界を引っ張ってきた! ちょっと待ってね――」パタパタ


 妖精の大結界「」カッ―!!
 燼滅波「」ジジジジジッ……!!!!


イリス「わあ……! 抑え込めてる……!!」

ミスティ「妖精が使うと……こんなにも明るく透き通った結界になるのね……」


妖精「くうっ……! あの最悪犯罪者が無駄に魔力を充填しといてくれて助かった! もうしばらくは保ちそう……!!」グググ

クローディア「あの庭園奥地からこんな上空まで……!? フフ、やはり伊達ではないわね……緑の国の太母……!」

妖精「そ、そういうのいいから早くなんとかして!! 私がこっちを抑えられる間に!!!」

クローディア「わかりました……! クロシュ、大気球の上まで飛んで来れる!?」

風船クロシュ「〜!」モニョ!

クローディア「じゃあ一緒に来て! あなたたちの助けが必要です!」

風船クロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!

 *
547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:07:12.12 ID:hM4BP/Vf0
―空中楽園都市エデン上空 大気球側面

漆黒の大気球の側面「」ゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…


風船クロシュ「」フヨフヨ

クローディア「ここから……大気球を、攻撃します」

風船クロシュ「!」


風船クロシュ『……クロさんは……』モニョニョ…

クローディア『……終わりにします……。あの子の……苦しみを……』モニョモニョ

風船クロシュ『……』モニョ…

クローディア『もう……こうするしか、ないのです……。この街も……もう、終わりです……』モニョニョ…

風船クロシュ『……』

クローディア『こういう事態に備えて、街を可能な限り安全に不時着させる為の保険はかけてあります。最悪の事態にはなりません』モニョモニョ

風船クロシュ『………』

クローディア『再び人の姿を与えるというのは絶対になしです。そのせいで……あの子は苦しんだのですから。もう……眠らせてあげなければ……』

風船クロシュ『…………』


風船クロシュ(……なんとか……してあげたいけれど……今は……方法を考えている時間も、ない……)

風船クロシュ(………戦いながら……考えよう……)


 ――魔王降臨 漆黒の大気球――


 ☆漆黒の大気球が〈哀を絶つ祈り〉を発動!
  会心率が絶大に上昇し、コンマ+500!!

 ☆クロシュたちが〈側面取った!〉を発動!
  痛恨および相手のコンマ補正を無効化!!
  さらにコンマ+30!!


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 22:07:47.22 ID:JBy4lceU0
549 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:39:44.21 ID:hM4BP/Vf0
クローディア「はあっ!!」カッ!!

 魔法弾「」バギュンッ!!
 大気球の側面「」ドガァンッ!! モクモク…

イリス「私たちも大魔女様に続こう! はぁぁぁ……!!!」ゴゴゴゴ…

ミスティ「ええ……! あれだけ大きいと凍らせられないし、氷柱も通らない……ならば!!」カッ!

 氷塊の群れ「」ドギュンッドギュンッ!!
 大気球の側面「」ドゴォンッ!!

ローガン「我々は天辺に行くぞエバンスくん! 射撃より直接攻撃した方が強い!」シュバッ!

エバンス「おう! ちっと跳ぶぞ、クロシュちゃん!」シュバッ!

風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 *

妖精「わ……! 気球の側面をローガンとエバンスが駆け上がっていく……! あいつら凄いなあ……!」

 妖精の大結界「」ジジジジジ…!!

妖精「私も負けてられない……えっ!?」


首輪を付けられた飛竜「ギャオオオ!」バサッバサッ


妖精「う、嘘……なんで、疑似魔王化した飛竜が……!!」


首輪を付けられた飛竜「ギャオギャオ!!」バサッバサッ


妖精「こ、来ないで!! ここで私が斃れたら――」


 ドゴオッ!!

首輪を付けられた飛竜「グギャッ……!」

翼で飛ぶサボテンドラゴン「〜〜!!」


妖精「えっ……サボテンドラゴン!? しかも翼で飛んでる――」


トム「こんにゃろう!! 妖精の邪魔をするんじゃねえ!!」グオンッ!!

 ドゴオッ!!

首輪を付けられた飛竜「ギャオオオオンッ!!!」


妖精「と、トムまで!? どこから飛んできたの!?」


トリル「妖精さん!」

ユキ「私たちも来たわ!!」


妖精「ええっ!?」


空飛ぶ絨毯「」ヒラヒラ


ユキ「トリルがこの絨毯を描いてくれたの!」

トリル「そのサボテンドラゴンさんも僕が描いたんだよ! 本当のサボテンドラゴンは飛ばないんだけど、絵だからね!」

トム「何が起きてんだか知らねえが、妖精たちが街を守ってくれてんのはわかってる! オレたちも一緒に戦うぜ!!」


妖精「みんな……!!」


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 22:41:54.16 ID:JCpzW90w0
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:04:09.31 ID:hM4BP/Vf0
イリス「はああああっ!!」

 星光の奔流「」ギュオオオッ!!!!
 大気球の側面「」ドガァァァンッ!!!

イリス「はあ、はあ……! なんて堅さなの……!?」

ミスティ「くっ……でも泣き言を言っている暇はないわ……! 私たちがモタモタしている間も、妖精の結界は消耗していく……!」

イリス「わ、わかってるよぉ!」バッ!


クローディア「くっ……! 結界調査からの連戦ともなると、あの子たちにとってはキツくて当然か……! やはり私が――」

 ズキッ!

クローディア「っ……! さっきの……無茶な魔力吸収が効いてるわね……! しっかりしろ、私の体……!!」ググッ!!



風船クロシュ「〜〜!!」モニャニャ!!

イリス「え、クロシュちゃんどうし――」


首輪を付けられた飛竜の群れ「ギャオオオッ!!」バサッバサッ


ミスティ「えっ……!? 何よ、あれは……!?」

クローディア「カリス・ノーランド……!!」ギリッ


 ヒュンッ!!

飛竜の群れを攻撃するホムンクルスたち「」シュバッ!! ドゴンッ!!
飛竜の群れを攻撃する航空オートマタ「コウゲキスル」ダァンダァン!

飛竜の群れ「ギャオオオオンッ!!」


イリス「えっあのホムンクルスたちは……!?」


ロディナ「遅れて申し訳ありません、大魔女様」ヒュン

クローディア「ロディナ!」

ロディナ「飛行魔法が使えるホムンクルスの有志を募り、航空オートマタと共に援護に参りました」

クローディア「でかしたわ! そのまま私たちの援護を! 余裕のある者は大気球を攻撃して!」

ロディナ「承知致しました」


イリス「わあ……! これなら――」

クローディア「油断はできないわ! 何より――」


漆黒に染まっていく飛竜「」ズズズズ――


イリス「疑似魔王化……!」

クローディア「我が航空戦隊でもあの相手は荷が重い……! 急がなければ!!」


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 23:05:18.51 ID:1yLfcacDO
はい
553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:38:49.10 ID:hM4BP/Vf0
ユキ「はっ!」ギラッ

凍る飛竜「ギャッ……」カチンッ!


飛竜の群れ「ギャオオオンッ!!」バサッバサッ

トム「どんどん数が増えてきやがる!! キリがねえ!!」

トリル「でも妖精さんには絶対に近づけさせないようにしないと……!!」

ユキ「くっ……! 私たちだけじゃ手が足りない……!!」



フローレンス「それー」ヒュンッ

 ズバズバザシュッ!!!

落ちていく数匹の飛竜「」ヒューン


トリル「え……? 飛竜がいきなり落ちて……」

トム「うおっ!? なんか滅茶苦茶速く飛んでる奴がいる!!」

スール「小童ども、無事かい!? 薬を持ってきてやったよ!」ヌッ

トリル「わああああ!?」

トム「魔法屋のおばさん!? なんでこんなとこに!?」

スール「はっはっは、蛇は飛べるのさ! 知らなかったのかい?」

ユキ「聞いたことないけど!?」

 *
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:39:17.26 ID:hM4BP/Vf0

ロディナ「ふっ!」カッ!

 魔法弾「」バギュン!!
 ドガァンッ!

飛竜「ギャオオオンッ!!」


飛行オートマタ「コウゲキスル」ダァンッ!

飛竜「ギャオギャオ!」


疑似魔王化した飛竜「GYAOOOOOOOOOON!!!」バサッバサッ

飛行オートマタ「ソンショウ……」ボロボロ



イリス「うう……! 時々疑似魔王化した個体が現れて、少しづつ押されてる……!」

ミスティ「くっ……! イリス、あなたは大気球への攻撃に集中して! 私は飛竜の方を攻撃する!」

イリス「わ、わかった!」


イリス(でも……実のところ、もう魔力が限界で……頭がふらふらする……)

イリス(持ってきたポーションももう呑みきっちゃったし……)

イリス(でも、ここで負けたら、何もかも終わりだ……! こうなったら、魔力枯渇死を覚悟で――)


「闇夜に輝く星の如く 我らの希望、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを守り、導く光――」♪

「天空に浮かぶこの都市 大魔女のもとに栄え その慈悲深き心に 我らは永遠の忠誠を誓う――」♪


イリス「はっ……! この歌は――」

ミスティ「力が……湧いてくる……!!」

クローディア「ヨハンナとクリス……!! クリスの祝福の歌をヨハンナの声魔法で空まで届けてくれてるのね……!!」


「真なる巨悪を討つ 闇の英雄ダークヒーローイリス 伝説の大魔女と共に空を舞う――!!!!」♪

「正義は胸の奥に 勇気の杖は天高く 戦い続けるダークヒーロー 唸れ 星光のスターライト――!!!!」♪


イリス「……よし……気合、入ってきた……!!」ゴゴゴゴ!!!!


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 魔王撃破
91-00 会心
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 23:46:46.12 ID:PL6f9MIAo
会心
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 00:52:20.17 ID:n2oYB4JL0
 会心賽が転がる――


イリス「唸れ――星光のスターライトォ!!!!」カッ!!

 星光の奔流「」ドギュウウウウンンッ!!
 大気球の側面「」ドゴオオオオンッ!!!!!

漆黒の大気球「」ゴゴゴゴ…モニョ…モニョ…


風船クロシュ「……」モニョ…


風船クロシュ(だめだ……何も……おもいつかない……)

風船クロシュ(このまま……クロさんが……滅ぼされるのを、見てるしか……ないの……?)

風船クロシュ(……でも……このまま、苦しみ続けるくらいなら……終わらせて、あげるのが……良いのかな……)


 ――『愛しているから、一つになるんだもん……』

 ――『……ここに来て……あたしたちを、助けてくれて……ありがとう………クロシュ……………』


風船クロシュ(……違う。あった……わたしたちらしい……やり方……!!)モニョニョ…!!



風船クロシュ「……」ググググ―

イリス「……ん?」

ミスティ「クロシュ……?」

 スポーンッ!!

スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!

イリス「え、ええ!? 風船のクロシュちゃんから、スライムのクロシュちゃんが飛び出してった……!?」

ミスティ「ど、どういうことよ!? 分体!?」

分体風船クロシュ「」フヨフヨ

クローディア「違うわ……分体はその風船で……あの飛んでいったスライムがクロシュの本体よ!!」

イリス「ええっ!?」

ミスティ「クロシュ、何を!?」

 *

 大気球の側面「」ゴゴゴゴ…

スライムクロシュ「〜〜!」ベチャッ! モニョニョ!!

漆黒の大気球「」ゴゴゴゴ…モニョモニョ…


スライムクロシュ『クロさん……わたしの声……きこえる……?』モニョモニョ

漆黒の大気球『えぐ……ぐすっ……』モニョモニョ…シクシク…

スライムクロシュ『やっぱり……魔王になっちゃうと……何も、聞こえなくなっちゃうんだね……』モニョニョ…

漆黒の大気球『ぐすっ……えぐ、えぐ……』モニョモニョ…シクシク…

スライムクロシュ『……大丈夫……クロさんのかなしみは……わたしが、溶かしてあげるから……』モニョモニョ

 モニョモニョ…モグモグ…

 ◆
557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 00:58:25.78 ID:n2oYB4JL0
というわけで本日はここまでとなります

邪悪なるカリス・ノーランドを打ち倒して庭園に戻るも、息を付く間もない大異変の渦中だったクロシュ一行でした
カリス・ノーランドの邪智によってついに復活を果たしてしまった掃除の魔王こと漆黒の大気球。空前絶後の危機に晒される大魔女帝国ですが、大魔女やクロシュたちだけでなく住民の方々も立ち上がり、危機に立ち向かっているようです。この騒動がどこに着地することになるかは未だわかりませんが、会心の女神に微笑みを強いたのできっと良い運命が拓かれることでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 01:07:38.37 ID:ZXX7Muy4o
おつおつ
魔王化で物量押しザ・悪役って感じ
クロシュもデロデロ混ざり合い肯定派だったなそういや
なんとかいいかんじに着陸してくれると嬉しいが……
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 12:13:09.26 ID:Pt4FasoiO

壮大なバトルだったけどまだ実りの場所行ってないからこれ全部中ボス戦なんだよな・・・
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 12:38:52.14 ID:acV9rgII0

まさか大魔女帝国で出会ったほとんどの人達が手助けしてくれるとは思わなかった。
561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:08:24.79 ID:n2oYB4JL0
クロシュ氏はデロデロに溶け合う世界について肯定的な考えを持っています。これはスライム以外の人にはなかなか理解されづらい考え方なので、クロシュ氏は他者に押し付けるつもりはあまりないようです

かつてない規模の戦いでしたが、実のところ道半ばであります。今回の目的地は大陸西部上空の世界樹の光なので、まだ目的地に到着していないようです。先はまだまだ長そうです

大魔女帝国で暮らしている人々にとっては、自分たちが生きるか死ぬかの瀬戸際なので、立ち上がらざるを得ない状況でもあるのかもしれません。今回の戦いはとても規模の大きいものとなったようです
562 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:08:52.27 ID:n2oYB4JL0
―??
 静かな集落跡

 焼け落ちた木々「」
 倒壊した家屋「」
 人の死体「」
 魔族の死体「」
 スライムの死骸「」
 風船スライムの死骸「」


黒い風船スライム「……」シクシク


クロシュ「……」モニョ


黒い風船スライム「ぜんぶ……ぜんぶ……終わっちゃった……」モニョモニョ

クロシュ「……」

黒い風船スライム「なんで……みんな、生まれてきたんだろう……。こんな終わり方で……終わる為に、生まれたの……?」モニョニョ…

クロシュ「……」

黒い風船スライム「みんな……みんな……わたしを……大好きでいてくれて……。わたしも……みんなのこと……大好きだったのに……。なんで……なんで……」モニョニョ…

クロシュ「……」

黒い風船スライム「大好きだったから……大好きでいてくれたから……嬉しくて……しあわせだったのに……。大好きだったから……こんなにも、苦しいの……?」モニョニョ…

クロシュ「……」モニョ…

黒い風船スライム「こんなことなら……大好きに、ならなきゃ……良かった……。わたしなんか……大事にしてくれなきゃ、良かった……」

クロシュ「……」モニョニョ…

黒い風船スライム「ああ……でも、でも……大好きなのに……! みんなのこと……大好きで……ずっと一緒に、この村で暮らしてたくて……! ただ、それだけだったのに……!! 大好きにならなきゃ良かったなんて……思いたくないのに……!!」モニャニャ…!!

クロシュ「……」モニョ…

黒い風船スライム「もう……やだ……」モニャ…
563 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:09:46.97 ID:n2oYB4JL0
クロシュ「……クロさん……」モニョ

黒い風船スライム「クロシュちゃん……。わたしのことなんて……放っておいて……」モニョ…

クロシュ「……いいの……? 大魔女さんのことも……街のことも……みんな……終わりに、しちゃって……」モニョモニョ

黒い風船スライム「いい……。好きになっちゃいけなかったのに……なにもかも忘れて、また好きになったわたしが……いけないの……。苦しむのは、もう……わたしだけで……いい……」モニョニョ…

クロシュ「でも……」モニョ…

黒い風船スライム「わたしの、ちからなら……みんな……苦しむ隙間もないくらいに、一瞬で……終わらせて、あげられる……。だから……これで、いいの……」モニョモニョ…

クロシュ「……だめ……。クロさんも……苦しいのは……だめ……」モニョニョ…

黒い風船スライム「いいもん……。だって……大魔女さまも、魔王の力が欲しかっただけだって……。わたしのことなんて、本当はちっとも愛してなかったって……。だから……嫌われ者のわたしが……苦しむだけなら……いい……」モニョモニョ…

クロシュ「……きっと、誤解……。大魔女さんは……クロさんのこと……とっても、大事にしてる……」モニョモニョ

黒い風船スライム「してない……! してちゃ、だめなの……!!」モニョニョ…!!

クロシュ「……んーん……大事にして、いい……!」モニョ…!

黒い風船スライム「なんで……!」モニョ…!

クロシュ「だって……。こんな、どうしようもなくて……苦しいばっかりの世界でも……」モニョニョ―

 ――フメイ『』ギュッ
  ――妖精『』ナデナデ
   ――パーティのみんな『』ニコニコ

クロシュ「大事にして……大事にされるから……生きて、いけるの……!!」モニョニョ…!

黒い風船スライム「……そんな、ぬくもりがあるせいで……失ったら、余計に凍えちゃうの……!!」モニョニョ…!

クロシュ「んゅ……」モニョ…

黒い風船スライム「最初から……そんなものが、なければ……こんなにも……哀しく、ならなかったもん……!!」モニョニョニョ…!!

クロシュ「んゅゅ……」モニョニョ…

黒い風船スライム「クロシュちゃんだって……わかるよね……。わたしと……おんなじだよね……?」モニョモニョ…

クロシュ「……」デロ…

  ――ゴオオオ……
  ――メラメラ… パチパチ…
  ――燃える大人の死体「」メラメラ
  ――燃える子供の死体「」メラメラ
  ――燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…

クロシュ「………」デロロ…

黒い風船スライム「だから、クロシュちゃんも――」モニョモニョ―

クロシュ「…………でも……それ、でも……」ジワワ…

黒い風船スライム「ふえ……」

  ――集落のスライム『』モニョモニョ
   ――集落の子供『』キャッキャ
    ――集落のみんな『』ニカッ! コクリ グッ!

クロシュ「……思い出は……なくならないもん……!!」モニョニョ…!! ポロポロ…

黒い風船スライム「――!!!!」モニャッ―!!!!

クロシュ「わたし……みんなが、大事にしてくれた……わたしを……大事に、する……!!!! みんなが、生きてたこの世界のことも……大事に、したい……!!!!」モニョモニョ…!!!!
564 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:10:52.09 ID:n2oYB4JL0
黒い風船スライム「――」デロ…

クロシュ「クロさんが……苦しくて……哀しくて……どうしようもないなら……わたしが、全部溶かす……!!」モニョモニョ…!!

黒い風船スライム「――…」デロロ…

クロシュ「……だから――」モニョニョ―


 空に入る亀裂「」ビシッ――


クロシュ「ほえ――」


クローディア「クロォー!!!!」バリィンッ!!!!


黒い風船スライム「あ……大魔女、さま……」モニョニョ…ポロポロ…

クローディア「はあ、はあ……迎えに……来たわ……!! 大丈夫……!?」バサッバサッ

黒い風船スライム「だ、大魔女さまこそ……そ、そんなにボロボロで……」モニョニョ…

クローディア「泣く子をあやしていただけ。さ、帰るわよ……!」ザッ!

黒い風船スライム「……でも……」モニョ…

クローディア「あの録音水晶のことを気にしているの? あれは下劣な悪意ある切り抜き!! 私は――あなたを、愛している!!!!」

黒い風船スライム「!!!!」モニャッ…!!!!

クローディア「偉大なる私の言葉と、あの悪辣な邪術師の奸計……あなたが信じるべき方は明白のはずよ!!!! 心に従い、私を愛しなさい!! 我が愛しの秘書クロ!!!!」

黒い風船スライム「う、うぅぅ〜……でも……わたし……魔王で……」モニャモニャ…

クローディア「問題ない!」バッ!!

 白紙の本「」ポン!

黒い風船スライム「ふえ……」モニョ…!

クローディア「あの最悪の犯罪者が擬似魔王化を見せてくれたお陰で……魔王化に関する研究が一気に進んだわ。今なら――あなたの記憶を残したまま、完全に魔王と切り離すことができる……!」

黒い風船スライム「え、え……!?」モニョニョ…!?

クローディア「さあ――漆黒の夜はもう終わり。暖かな朝日が差したら、目覚めなきゃね――」スッ


 白紙の本「」ペラッペラッ―
  バラララララララッ――


黒い風船スライム「あ……あぁ……」キラキラ…

 光となって溶けていく世界「」キラキラ…


黒い風船スライム「大魔女さま……わたし……」キラキラ…モニョニョ…

クローディア「案ずることは何もありません。全てこの大魔女に委ねなさい」ファサッ

黒い風船スライム「う、ん……」キラキラ…



クロシュ「わあ……」モニョ

クローディア「……ここに入って来れたのは……クロシュが道を開いてくれたお陰よ……。実のところ……もう、ほとんど力が残っていなかったの……」フラフラ

クロシュ「ほえ……」モニョニョ

クローディア「ありがとう……クロのことを、最後まで諦めないでいてくれて……。クロのことを……愛して、くれて……」


 光となって溶けていく世界「」キラキラ


クローディア「本当に――ありがとう―――!!」


 ◆
565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:12:09.30 ID:n2oYB4JL0
―空中楽園都市エデン上空


 光となって空へ溶けていく大気球「」キラキラ…


分体風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

イリス「わあ……綺麗……」

エバンス「これは……一体、何がどうなったんだ?」

ミスティ「わからないけど……クロシュが大気球の側面にかじりついたと思ったら、大魔女も慌ててその後を追って大気球の内部に潜り込んでいったのよ……」

ローガン「ふむ……大魔女殿も一緒ならクロシュくんも心配無用か……?」

妖精「はあ……いつもいつも勝手に先行しちゃうんだから、クロシュのばか……」


イリス「……あ! みんな、見て!! あれ!!」


 光となって空へ溶けていく大気球「」キラキラ…

 バサッバサッ

不死鳥クローディア「」バサッバサッ


ミスティ「あれは……不死鳥……!?」

ローガン「なんと美しい――」

エバンス「おい、しかも背には――」


スライムクロシュ「」zzz
黒い風船スライム「」zzz


妖精「クロシュ!! と……あの風船スライムは――」

ミスティ「ふふ……やったのね。クロシュ……」


 ――魔王消滅――
566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:04:14.94 ID:n2oYB4JL0
―空中楽園都市エデン

ティリウス「ふう、一件落着ってとこかな? 流石大魔女様だ」

ルーファス「……しかし最大の問題が残っているでござるな」

ティリウス「えっ最大の問題?」

ルーファス「うむ……」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!
 ドズン…ヒュウ…


ティリウス「うわっ……!? ああ……そうか!! 大気球がなくなったから――」

ルーファス「この楽園都市は――もはや、空中には身を置けぬ――」

 ◇

―空中楽園都市エデン上空

分体風船クロシュ「」フヨフヨ モニョニョ


スライムクロシュ「……」zzz
黒い風船スライム「……」zzz

妖精「クロシュ、お疲れさま……。クロも、おかえり……」

イリス「やったね!」

エバンス「ふう、一件落着だな」


不死鳥クローディア「さて……それでは、もう一踏ん張りですね」

ミスティ「えっ……?」

ローガン「……まさか」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!
 ドズン…ヒュウ…


イリス「!? こ、この地響きは――」

不死鳥クローディア「最後の大仕事に行ってきます。クロのこと……よろしくお願いします」バサッ

 バサッバサッ…

 ◇
567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:04:50.42 ID:n2oYB4JL0

 落下し始める楽園空中都市エデン「」ゴゴゴ…ヒュウウ…


不死鳥クローディア「エデン……私が追い求めた、理想の国……」

不死鳥クローディア「……クロシュヴィアには、何も言い返せないわね……」

不死鳥クローディア「でも……この街は、これで終わりではないわ……!」

不死鳥クローディア「クロ――私に力を貸して――」カッ―


 ヒュウウウ――…フワッ…

 ゆっくりと落下し始めた空中楽園都市エデン「」フワフワ…


不死鳥クローディア「ふ、ぐううううう!!!!!」グググググ


妖精「保険って、こんな力技のこと!!? ばかでしょ!!!?」パタパタ

不死鳥クローディア「よう、せい……!?」ググググ

妖精「あなた、いくら不死鳥でも干からびて死ぬよ!!?」

不死鳥クローディア「大丈夫……星の魔力を、奪っているもの……!!!」ググググ

妖精「星の……なるほど、そういうこと……! でも、どっちにしろ体は持たないよ!! いくら不死鳥も、これだけの大質量を支え続けるほどの魔力を常に使い続けたら――」

不死鳥クローディア「だったら――他にどうしろと!!? 私が作った、私の街を――私が守らずして、誰が守るのよ!!!」ググググ

妖精「そんなの――」


 ボンッ!!

黒いスライムの大気球「〜〜!!!!」モニョニョ!!!! グググググ…!!!!

大気球スライムクロシュ「〜〜!!!!」モニョニョニョ!!!! ググググ…!!!!



不死鳥クローディア「えっ……!? あの子たち――」

妖精「わたしだって……!! 上昇気流よ――この都市を持ち上げろォー!!!!」カッ!!!!

 上昇気流「」ビュオオオオッ!!!!

 *
568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:05:18.62 ID:n2oYB4JL0

ロディナ「浮遊魔法が使える者は落下を支えて!!」ググググ

ホムンクルスたち「はっ!」

飛行オートマタ「ワレワレハトビマス」シュバッ!


トリル「熱気球を描いたよ!」

 熱気球「」ポン!

トム「しゃあ! オレの熱で浮けェー!!!」ゴウッ!!

スール「あたしもちょいと手伝ってやろうか!」ゴウッ!!

フローレンス「がんばれがんばれ〜」フレーフレー


ティリウス「パラシュートフラワー! この街を支えてくれ!」カッ!

 パラシュートのような植物「」ググッ!


ルーファス「ほらほら、狼藉を働いた分は体で返すでござるよ!」

飛竜たち「ギャオ……」バサッバサッ


ヨハンナ「スライムの風船も……この街を、守る為に……」

クリス「ヨハンナさん次の曲いきましょう! みんなに元気を!」

ヨハンナ「え、ええ……! 〜〜♪」


ユキ「……わ、私にできることは……」

ミスティ「ユキ! ポーションを運ぶのを手伝ってくれる!?」タタッ

 ポーションが積まれた箱「」ドッサリ

ユキ「ミスティさん! わかりました……!」

エバンス「ありがとな! 助かる!」

ローガン「うむ……! 各地に急いで運ぶぞ!」

 *


不死鳥クローディア「みんな……!」ググググ

妖精「……この国の奴らは――自分の意思で、運命を掴もうとすることができるんだ。あなたの庇護がなくても」

不死鳥クローディア「……」ググググ

妖精「過保護なのは……そろそろ終わりにしたら?」

不死鳥クローディア「……ええ……そう、ね……」ググググ


 ゆっくりと降下していく楽園都市エデン「」フワフワ…


不死鳥クローディア「……丁度……良かったのかもしれないわ」

 ◆
569 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:05:51.34 ID:n2oYB4JL0
―夕方
 テラヌス・ウルス

 噴水「」シャワシャワ

砂漠スライム「〜〜!」ピョンピョン!!

砂漠スライム長老「んわ〜!」ピョンピョン!


ミラ「……? スライムたちが騒がしいわね……」

リアンノン「何かあったのでしょうか……?」

猫耳の褐色少女「えと……どうしたの……?」ヒョコ

砂漠スライム長老「街が、落っこちてくるのぢゃ!!」モニョニョ!!

ミラ「は?」
リアンノン「え?」
猫耳の褐色少女「あ――」


  遠い空をゆっくりと降下している楽園都市「」ゴゴゴ…


ミラ「え、ええええええ!!?!?」

リアンノン「あ、あれって……大魔女帝国!!?」

猫耳の褐色少女「わ、わわ……!?」

 ◆
570 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:06:52.04 ID:n2oYB4JL0
―中央大陸
 テラヌス地方南部 アレノ荒原

 ヒュオオオオ……

 降下する楽園都市エデン「」ゴゴゴゴ…

 ドッズゥゥゥゥゥゥ――――……ン…


不死鳥クローディア「はあ、はあ、げほっ、えぼっ……!」ドサッ

 吐血「」ベチャッ

妖精「だ、大丈夫……!? エデンは無事に地についたよ……!」

不死鳥クローディア「え、ええ……大丈夫よ……」グッタリ

妖精「ここは……中央大陸の、テラヌス地方の南だね……。ここはテラヌス・ウルスの領地だけど……この辺りは知性ある種はほとんど住んでいないみたいだし、大丈夫だと思う。テラヌス・ウルスの今の議会も話のわかる奴らだから、きっと大丈夫」

不死鳥クローディア「そう、なのね……。良かった……げほっ、ごほっ!!」

妖精「ああ、もう無理しないで! いろいろ気になることはたくさんあるだろうけど、もう休んだ方が良い!」


ロディナ「大魔女様!!」シュバッ

不死鳥クローディア「ロディ、ナ……」

ロディナ「只今病院へお運び致します! 少々のご辛抱を……!」

不死鳥クローディア「ええ……」


不死鳥クローディア(ふふ……本当に……私が思っていたより……ずっと、頼りになる子たちだったのね……)


 ☆大魔女帝国の楽園都市エデンがテラヌス地方南部に不時着しました
 ☆クロシュの風属性適性が大きく上がりました(次回の風練習選択時、必ず会心)
 ☆激しい戦いを経て、各々の得意分野の経験を3獲得しました(クロシュは剣と魔法それぞれ2)

 ◆
571 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:04.71 ID:n2oYB4JL0
―大魔女帝国 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◇クローディア[大魔女]
武:万象の杖     盾:         飾:不死鳥の羽根
武:         防:大魔女のローブ  飾:黒晶の耳飾り

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[4/4](クロシュ)LVUP
・魔法[4/4](クロシュ)LVUP
・魔法[5/8](イリス)
・星属[8/8](イリス)LVUP
・魔法[5/8](ミスティ)
・剣技[8/8](エバンス)LVUP
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[8/8](ローガン)LVUP
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
572 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:32.10 ID:n2oYB4JL0
―朝
 宿舎 食堂

 チュンチュン…

イリス「ふわぁ……おはようございます……」スタスタ

ミスティ「もう起きてきてたのね……」スタスタ


エバンス「イリスちゃんとミスティちゃんか。おはよう」

ローガン「まだ疲れが抜けきっていないようだな」

ミスティ「ええ、まあ……」

イリス「昨日は本当に大変で……。まだ頭がぼーっとします……」

ミスティ「……でも、まだ終わっていないわ……」

ローガン「カリス・ノーランドのことか……」

エバンス「あー……まだ生きてるんだってな」

イリス「……はい。私たちが倒したのは、生命魔法で造った複製の可能性が高いとか……。クロさんをそそのかしたのも、多分……」

ミスティ「……本体は、安全なとこでのうのうとしてるってわけね」

イリス「うん。複製だって……痛みや苦しみはあるはずなのに。自分の複製すら捨て駒みたいに扱ってるなんて……」

エバンス「イカれてやがる」

ミスティ「……吐き気を催すわ」

ローガン「史上最悪の魔法使い、だったか……。評判に偽りなしだな」

イリス「……同じ魔法使い……ううん……知性ある種だなんて、思いたくないですね……」

ミスティ「ええ……」

エバンス「ところでクロシュちゃんと妖精は?」

ミスティ「あの二人なら……早起きして宮殿の方へ行ったみたいよ」

 *
573 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:58.28 ID:n2oYB4JL0
―宮殿

クロシュ「おはよう、ございます……!」トコトコ

妖精「おはよう」パタパタ

ロディナ「クロシュ様、妖精様。おはようございます」ペコリ

妖精「クローディアとクロの具合はどう?」

ロディナ「大魔女様とクロ様でしたら――」


クローディア「完全復活よ!」ババン!!

妖精「わっ……!」

黒い風船スライム「〜〜!」フヨフヨ モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」

 モニョモニョ…ポン!

クロ「えへへ……おはよ、クロシュちゃん、妖精さん。昨日は……ありがとね……」

クロシュ「うん……!」

妖精「クロ! 風船スライムの姿は――」

クロ「うん……全部思い出したから、クロシュちゃんみたいに自由に変化できるようになったの」

クロシュ「わあ……!」

クローディア「……緊急事態でぶっつけ本番の施術だったから、また不備が出てしまう恐れもある……。何か心身の不調があったらすぐに言うのよ、クロ」

クロ「うん……ありがと、大魔女さま……」

妖精「ひとまず、こっちは大丈夫そうかな?」

クローディア「ええ、ご心配には及ばないわ。さあ、これからやることがたくさん――」


風の精霊『大魔女帝国の大魔女さま宛に伝言だよ〜』ヒュルヒュル


妖精「風の精霊!」

クローディア「私宛に伝言……? 一体誰からかしら?」

風の精霊『世界樹の精霊から〜』ヒュルヒュル

クローディア「げっ……」

妖精「あ〜……」

風の精霊『それじゃあモノマネするね〜』ヒュルヒュル


モノマネ世界樹の精霊『前々から、どこかの誰かが星の魔力を不当に吸い上げてる件はむかついてた……』

モノマネ世界樹の精霊『昨日のは、過去最悪だった。あの吸い上げで……ものすごく、不公平になった……』

モノマネ世界樹の精霊『でも……お陰で、犯人がようやくわかった……』

モノマネ世界樹の精霊『今後……不死鳥クローディアが星の魔力を奪うことを永久に禁じます……』

モノマネ世界樹の精霊『もちろん……大魔女帝国に連なる誰かが吸うのも禁止……』

モノマネ世界樹の精霊『どの辺から連なる判定になるかは……私の独断と偏見で決めます……』

モノマネ世界樹の精霊『以上……。不服の申し立ては、一切認めません……。ばいばい……』


風の精霊『だって〜! 世界樹の精霊、激おこぷんぷんだったよ〜!』ヒュルヒュル

クローディア「そ、そう……」

妖精「まあ……丁度良い機会なんじゃない? もう空に浮いてないわけだし……」

クローディア「そうですね。世界樹の精霊直々に禁止されてしまっては、どうしようもありません」

ティリウス「農業ならお任せを! この荒野を見事な農地へと開拓して見せましょう!」ヌッ

妖精「確かにこの分野ならティリウスほど頼りになるやつもいないかも……」
574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:07:48.90 ID:n2oYB4JL0

クローディア「ところで、あなたたちはこの中央大陸西に滞留している雲塊の中に用事があるのよね?」

妖精「あ、うん。まさしくその世界樹の光……星の力を取り戻す為にね」

クローディア「それであれば……恐らく、今のクロシュの力ならあの雲塊に突っ込んでも問題なく飛行できます」

クロシュ「!」

クロ「わあ……!」

妖精「ええと……本当?」

クローディア「ええ。昨日のクロシュが見せた風船――あれには、クロと同じ強力な浮遊の力が感じられました。あの雲塊の中はかなり強烈な乱気流が発生していますが、今のクロシュの風船であれば動じることなく移動できるはずです。それに万が一のことがあっても、自然魔法の優れた使い手であるあなたがカバーできるでしょう?」

妖精「まあ……クローディアがそう思うなら、大丈夫なのかな?」


大魔女帝国滞在13日目です。この行動終了後、大魔女帝国から空へ出発します
↓1〜3 自由安価 何をする?
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:08:44.83 ID:Vgi75s6L0
魔法店に行くとフラナ(血で作った分身)がいて支援物資をくれた。
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:08:57.04 ID:vhQse9LDO
クロシュとトリルとクロで美術館に行く
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:10:16.14 ID:Pt4FasoiO
ユキの手料理を食べる
578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:53:13.78 ID:n2oYB4JL0
―歓楽区

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「賑わってる!」

エバンス「まあ、そりゃそうだろうな。今まで空の上で暮らしてたのが地上に落ちちまったんだから……外に出ずにはいられないうだろうよ」

ローガン「うむ……だが大魔女殿への信仰心があれば大丈夫だろう」

イリス「あはは……とりあえず今は、明日の出発に向けて準備をしないとです!」

 *

―ヤーレン魔法店

 カランカラン

イリス「こんにちは!」


血分身フラナ「」ヌッ


イリス「うわあっ!? フラナ先生!?」

ローガン「な、なんだこれは……」


スール「いらっしゃい、イリスちゃん。それはだねえ……」

フローレンス「血で分身を作る魔法……の試作ですって。血の無駄遣いにしか見えませんけどねえ」

血分身フラナ「無駄デハナイワ。地道ナ研究コソ、成功ノ礎トナルノヨ」

イリス「す、すごい……! 喋れてます!」

エバンス「お、おお……」

スール「まあ凄いと言えばめちゃくちゃ凄いけど……。血液魔法で遠隔分身なんて効率が悪すぎんじゃないかねえ」

フローレンス「戦闘中に即席の分身を作るとかならアリだと思うんですけどね。最近ちょっと迷走してるんじゃないですか?」

イリス「お、お二人ともフラナ先生に辛辣ではありませんか……!?」

フローレンス「そりゃまあ、いつまでも意地張ってるガキですし。あいつ」

スール「あっはっは、あたしにとっちゃ全員まだまだガキだよ!」

フローレンス「あーはいはい、おばさんにとっちゃそうでしょうね〜」


血分身フラナ「イリス、コレヲ受ケ取リナサイ」スッ

イリス「えっ!?」


↓1コンマ
01-60 日蝕の傘修理キット
61-90 マジカルブラッドワイン
91-00 無敵薬
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:57:20.75 ID:4YFfuUu1O
無敵んぐ
580 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 22:49:22.31 ID:n2oYB4JL0
 マジカルブラッドワイン「」ポン!

イリス「これは……マジカルブラッドワイン!」

フローレンス「あ、いいなー。私も欲しいー」

血分身フラナ「誇リヲ失ッタ野良吸血鬼ニ付ケル薬ハナイワ」

フローレンス「こいつ、カタコト分身の癖に……」

スール「はっはっは、変なとこで高性能だねえ!」

 ☆マジカルブラッドワインを1本もらいました

 ◇
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