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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4

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332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:07:57.84 ID:m5uBjrem0
 コウモリのカチューシャ「」ポン

イリス「わあかわいい……!」

ミスティ「……これを付けろと?」

ルーファス「ドゥフフ……かわいいだけでなく、音の感覚が鋭敏になる素晴らしいグッズでござる! それを付ければコウモリの如く音波で地形把握ができるように――」

クローディア「どれほど音に敏感になっても、音波だけで地形を把握するのは人間の知覚ではかなり難しいわ。これを身に着けた上で何年も訓練を積めばそういう芸当ができるようになる可能性もあると思うけれど」

ルーファス「グボァッ!! 大魔女殿のマジレスが五臓六腑に染み渡り候――」ガクッ

ローガン「だが音に鋭敏になれば、姿を隠していても見つけやすくはなるだろう」

エバンス「まあ……これを男の俺や旦那が付けるのはちょっと見た目がヤバそうだけどな!」

 ☆コウモリのカチューシャを人数分手に入れました
  音に鋭敏になり、隠密状態の者を発見しやすくなります

 ◇
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:08:44.86 ID:m5uBjrem0
というわけで本日はここまでとなります。次回は大魔女のユニーク属性とは何か編、浴場でユキさんとお風呂編、大魔女先生の星属性指導編となります

クロに迫る邪悪なる手をすんでのところで退け、ひとまずの安息を得たクロシュ一行と大魔女。しかし敵の正体は未だ知れず、今も尚クロシュの分体を従えて闇の奥底で悪意に満ちた嘲笑を響かせています。彼女はもしかすると、今までに立ちはだかってきた敵対者の中でも最も危険で、最も恐ろしい相手かもしれません。クロシュにとっては因縁の相手でもあり、そしてこの物語の闇に包まれし謎の数々は間違いなく彼女の悪意によって為されたもの。クロシュよ、君は最悪の敵を相手にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日は祝日なので多分更新できると思われます。よろしくお願いいたします
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 03:16:45.43 ID:iR7lvlKW0
「音波を利用する」と聞いてヨハンナの声魔法と関係あるかなと思ったけどヨハンナの方は音波を発射するような感じだったよな。でももしかて声魔法もそれに含まれているのか?あと、コウモリのカチューシャをつけたままヨハンナの声魔法を受けたら鼓膜が大変な事になりそう。
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 12:17:07.05 ID:f76bHQ07O

妖怪も魔族扱いなら今後も種族のバリエーション増えそう。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 13:37:48.20 ID:hpECAwbIo
おつ
カリスが思った以上に邪悪!
けど赤いのをどうにかする糸口にできるかも
謎洗脳本は大魔女に教えることがてきたらいいかな
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:13:25.46 ID:W5vf2HLr0
コウモリのカチューシャを装備した状態でヨハンナの音波攻撃を受けるのは実際危険かもしれません。しかしルーファス氏が気を利かせて過剰な音は適切にキャンセルする機能を付けた可能性もあるので、一概に致命的とも言えないかもしれません。結局のところはコンマによるのでしょう

東方のオノゴロ地方近辺で妖怪と呼ばれている存在は、魔族に近い存在である場合が多いです。テラヌス・ウルスでちらっと登場した鬼という種族も妖怪であり魔族に含まれます。しかし妖怪ではあっても魔族には含まれない種族も時々いたりするため、明確に区分けするのは難しいかもしれません

カリスと呼ばれた謎の人物は、とても邪悪な雰囲気を纏っているようでした。クロシュの分体を手駒にしてさま付けで呼ばせるなど、身の毛もよだつような悪事を平然と行う危険人物のようです。気を付けなければなりません
赤いスライムさんことブラッド氏は、カリスさんと何らかの因縁があることが示唆されています。クロシュのことを人間にぺこぺこするあかちゃんペットスライムと見なしているブラッド氏ですが、今回の戦いで何かわかることもあるかもしれません
あの本が一体何だったのかは今のところよくわかっていません。クロシュ氏はあれを読んでも暗い気持ちになって風適性を獲得したくらいで危なくはありませんでしたが、クロ氏にとっては何やら危険な可能性があるそうです。大魔女氏に見せてみるのも良いかもしれません
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:14:22.16 ID:W5vf2HLr0
―浴場

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

クローディア「ふう……一仕事終えた後はやっぱりお風呂ね」

妖精「大魔女もこういう公衆浴場を利用するんだ」

クローディア「そりゃあそうよ。ここの整備だって私の配下がやっているんだもの」

イリス「えっと、つまりホムンクルスとかオートマタですか?」

クローディア「あら、知っているの?」

イリス「はい、ロディナさんからお聞きしてます」

クローディア「ロディナか……あの子ももうちょっと表情が豊かになると良いのだけれど」

ミスティ「仕事用のホムンクルスなのに表情が豊かな方が良いの?」

クローディア「あの子は元々お喋り用に造ったのよ」

イリス「そ、そうだったんですか」


 扉「」ガラッ

ユキ「あれ……だ、大魔女様……!?」バッ

クローディア「あら、ユキじゃない」

イリス「ユキちゃんだ!」

ミスティ「奇遇ね」

ユキ「ご、ご機嫌麗しゅうございます。ミスティさんたちも……」

クローディア「そんなにかしこまらなくて良いわ。今はオフ。大魔女ではなく、ただのクローディアよ」

ユキ「そ、そう言われましても……」

妖精「まあ難しいよね」

 *

 カポーン

ミスティ「今日も学園は休校なの?」

ユキ「はい。昨日また襲撃事件があったらしく……」

クローディア「犯人を捕まえるまでは休校せざるを得ない状況よ。しばらくは自主学習に専念してもらう他ないわ。大魔女ともあろう者が、未だに事態を解決できずに申し訳ないわね……」

ユキ「いえ、悪いのは犯人であって大魔女様ではありません」

クローディア「ありがとう、ユキ」

ユキ「……その、差し出がましいかもしれませんが……私にももしできることがあれば、是非お手伝いさせてください。大魔女様にも、この国にも、学園にも、お世話になってばかりですから……。少しでもお返ししたいのです」

クローディア「そうねえ……。もし不審な人物を見かけたら、すぐに近くの治安担当に知らせてくれる?」

ユキ「わかりました……!」

クローディア「……この騒ぎを引き起こしている者は、非常に危険な存在よ。決して学生たちだけで立ち向かおうなんて考えないでね」

ユキ「はい、自分の実力はわかっているつもりです。大魔女様にご迷惑をかけるような真似は致しません」

クローディア「もう、いちいち私の為みたいなことは言わなくても良いの。あなたはまだ若いのだから」

ユキ「しかし……私、は……」

クローディア「……あ」

ユキ「……あ……ふぁ……」トロトロ

ミスティ「……えっ!? と、溶けて――」

クローディア「いけない、この子雪女だから長湯はだめよ! 溶けちゃう!」ザバッ

スライムクロシュ「?」デロデロ

 ◇
339 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:15:35.08 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

風の精霊『送風サービスだよ〜』ヒュルヒュル


ユキ「すみません、自己管理すべきでした……」

クローディア「いいえ……話に付き合わせてしまったのは私よ。ごめんなさい。体はもう大丈夫?」

ユキ「はい、なんともありません。少しくらい溶けた方がリフレッシュできるんです」

ミスティ「そうなのね……。クロシュもそうなの?」

クロシュ「ん……うん、たぶん……」

イリス「クロシュちゃんはお風呂に入る度にデロデロになってるよね」

 ◆
340 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:49:09.97 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

イリス「そういえば……大魔女様はあらゆる属性の魔法を使えるとお聞きしたのですが――」

クローディア「概ねその通りだけど、多少誇張もあるわ。もし私が無条件にあらゆる魔法を使えるなら、この犯人だって簡単に捕まえられる」

妖精「それはまあ確かに……。でも概ねその通りってことは、使えないわけではないってこと?」

クローディア「条件は秘密。やろうとすれば使えない魔法はない――とだけ言っておこうかしら」

妖精「……まあ、そりゃそうか。大魔女にとっては最高機密といっても良い情報だもんね、それは」

クローディア「そういうこと。理解が早くて助かるわ」

イリス「あの……それでしたら、星属性については」

クローディア「もちろん知ってるし使えます。プラネットの末裔イリスよ」

イリス「えっ……! わ、私のことをご存知なのですか?」

クローディア「プラネット家はその筋では有名よ。あなたの師匠も」

イリス「そ、そうなんですか……!?」

クローディア「フフ……せっかく星属性に目覚めても、資料の少ない星属性を独力で探求するのは大変でしょう。少し私が見てあげましょうか?」

イリス「ぜ、是非お願いします! あ、でも今は犯人探しが最優先ですし――」

クローディア「ええ、今本格的に貴女を見てあげる余裕はない――だから、こうしましょう」コォォ―

 カッ!

分身クローディア「私が見てあげます」ポン!

イリス「わっ!? ぶ、分身!?」

妖精「これは……鏡魔法!」

分身クローディア「ええ、その通り。さあ、付いてきなさいイリス・プラネット」スタスタ

イリス「は、はい!」タタッ

クローディア「がんばってね〜」ヒラヒラ

妖精「な、なんかすっごい変な光景……」


↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 星属性経験+2
31-60 星属性経験+3
61-90 星属性経験+4
91-00 星属性経験+6
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 18:49:49.85 ID:hpECAwbIo
学習中……
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 20:10:03.79 ID:W5vf2HLr0
分身クローディア「いい? 星属性の真髄は、星の内側を流れる膨大な力を引き出して自在に扱うことなの」

イリス「は、はい……!」

分身クローディア「見たところ、力を引き出すところまではできているようね。なら次のステップは、引き出した力を制御して自分のものとするのよ。まずはお手本を見せてあげる――」

 ◆

イリス「……」コォォォ―

 カッ!

星の力を纏ったイリス「う、ううっ……!!」ゴゴゴゴゴ

分身クローディア「もうここまで制御できるようになるなんて……凄いじゃない。流石はプラネットの末裔……」

星の力を纏ったイリス「で、でも……もう、溢れそうで……!!」ゴゴゴゴ

分身クローディア「大丈夫よ、解き放っても。私が受け止めてあげる」

星の力を纏ったイリス「わ、わかりました!! いきますっ!!!」

 カッッッ!!!!

分身クローディア「はい」スッ

 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオッ

イリス「は、はあ、はあ……! あ、あれだけ凄い力だったのに……一瞬で吸収しちゃうなんて……!」

分身クローディア「星属性の扱いには慣れているもの」

イリス「すごい……」

分身クローディア「たった数時間であそこまでできるようになったあなたも十分凄いわ」

イリス「えへへ……あ、でも星から魔力を引き出すのはあんまりやっちゃいけないんですよね?」

分身クローディア「え、どうしてそう思うの?」

イリス「え、いや……妖精さんが、星の力はこの星に住むみんなのものだから、使いすぎはだめだって……」

分身クローディア「ああ。理想論としてはそうだけれど……私やあなた程度の魔法使いが少し引き出したくらいでどうこうなるようなものでもないわよ。星の魔力は」

イリス「そうなんですか?」

分身クローディア「考えてみなさい。海からコップ一杯の水を掬ったところで、海の生き物たちが困ることはないでしょ?」

イリス「それはまあ、確かに……」

分身クローディア「妖精さんは世界樹の……緑の国の出身だから、そういう点に少し敏感になっているだけよ。無限に等しい力があるなら、使わなければ損でしょ?」

イリス「そう……なんですかね?」

分身クローディア「そうなの。あなたもそんな素晴らしい才能を持っているのだから、精進しなさいね」

 ☆イリスが星属性経験を6獲得しました[6/8]

 ◆
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:05:45.04 ID:W5vf2HLr0
―大魔女帝国 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:06:40.86 ID:W5vf2HLr0
―???

(眼下には……無数の草木と、動物たちの息吹……)

(仲間たちと助け合い、時には競い合い……日々を、必死に生きている……)

(愛しあい……愛されあい……命を、育んでいく……)


(その先に……どうにもならない離別と、苦痛に満ちた終末があることも知らず……)

(ただ無邪気に、哀しみの螺旋を紡ぎ続ける――愚かで哀れな、命たち)

(かつてわたしも……その中の、一つだった……)


(断ち切って、あげないと)


 ――――


(眼下の命たちが……砕かれ、削られ、終わってゆく)

(苦しみはなく――哀しむ暇もなく――星に還ってゆく)

(ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね)


(愛さえなければ、哀しみも生まれないから)

(命さえなければ、愛も生まれないから)

(哀しみは……もう、終わり)


 ――――

345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:08:05.27 ID:W5vf2HLr0
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「〜〜〜!!」モニャニャニャ!! ガバッ


妖精「わっ!? な、なに!?」バッ

イリス「ど、どうしたのクロシュちゃん!?」


スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…

妖精「えっ……怖い夢を見た?」

ミスティ「怖い夢……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「……よしよし、大丈夫だよ。私が一緒にいてあげるから」ヨシヨシ

イリス「うん、そうだよ! クロシュちゃんが怖い夢を見ても、私たちが守ってあげるから!」

ミスティ「悪夢からどうやって守るのよ……。でもまあ……現実の怖いことなら、一緒に戦ってあげられるわ……」

スライムクロシュ「〜」モニョニョ

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「みんな……ありがと……。えと……見た、夢なんだけど……」

 *

イリス「空から地上を見下ろして……生き物たちを皆殺しにする夢……!?」

クロシュ「うん……。命を、なくして……哀しいのを、なくそうとする、夢……」

妖精「一応聞いておくけど……クロシュがそうしたいってわけじゃないんだよね?」

クロシュ「う、うん……! わたし……そんなこと、思わない……! 哀しいのは、嫌だけど……でも、そんなやり方……もっと、やだ……!」

ミスティ「そうね……いくら哀しみを無くす為としても、過激すぎるわ」

イリス「うん……そんなやり方、まるで魔王だよ! いや魔王の気持ちなんて知らないけど!」

妖精「魔王……? ちょっと待って、なんか引っかかるような……」

ミスティ「……空から……地上の命を殺す……ひょっとして、掃除の魔王?」

妖精「あ、それかも! でも、なんでクロシュが掃除の魔王の夢を……?」

クロシュ「……!」

 魔王図鑑「」ポン

 ペラッペラッ

 掃除の魔王のページ『』ペラッ
 大きな風船のような姿が描かれた挿絵『』ポン

クロシュ「……!!」

ミスティ「掃除の魔王のページ……」

イリス「この姿……どこかで見たような……」

クロシュ「風船スライムさん……!」


大魔女帝国滞在7日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:08:46.98 ID:aO2CaEj+0
クロシュ、分身と空飛ぶ特訓
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:29.95 ID:z/v/SM7DO
図書館であの本を探す途中でトリルと遭遇
クロシュとトリル、絵の話をする
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:33.65 ID:u+/i6LcHo
掃除の魔王についてもっと調べる
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:50.40 ID:f76bHQ07O
魔法店でアイテム探し
350 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:30:39.98 ID:W5vf2HLr0
―居住区
 広場

スライムクロシュ「……」グググ ピョンピョン


エバンス「ええと……クロシュちゃんは何をしてるんだ?」

妖精「さっき言った夢の……空を飛んでる感覚を頼りに、空を飛ぼうとしてるみたい」

ローガン「む……だがそれは魔王の視点の夢だったのだろう? 再現してしまって大丈夫なのか……?」

妖精「その点は大丈夫だと思う。魔王ってなろうとしてなれるものじゃないし」

ローガン「それはまあそうか」


スライムクロシュ「……」グググ…

 プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「お、おい二つに分かれたぞ!?」

妖精「分体を作ったみたい……。二体で練習した方が効率が良いとか考えたのかな?」

ローガン「だが分体は同化を使えないのだろう?」

妖精「そのはずだけど……。もしかして分体の練習も兼ねてるのかも」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


↓1コンマ 練習の成果
01-90 風船化成功
91-00 風属性☆ 風になった

↓2コンマ 分体の成果
01-80 だめでした
81-98 風船化成功
99-00 風になった
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:33:18.79 ID:z/v/SM7DO
はい
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/10/14(月) 21:34:02.07 ID:f76bHQ07O
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:40:19.22 ID:hpECAwbIo
ぴょんぴょん跳ねるのかわいいかよ
354 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:44:54.86 ID:W5vf2HLr0
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…グググ…

 プク―

風船スライムクロシュ「〜〜」フワッ モニョモニョ


妖精「わっ……!」

エバンス「クロシュちゃん飛んでるぞ!」

ローガン「おお……風船スライムのようだ!」


風船スライムクロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「分体の方のクロシュちゃんは……」

妖精「だめだったみたいだね……」


 ☆クロシュの風経験が[10/12]になりました
  クロシュが風船化して空を飛べるようになりました

 ◆
355 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:03.53 ID:W5vf2HLr0

クロシュ(……風船スライムさんになって、わかった……)

クロシュ(あの夢は……やっぱり、風船スライムさんの視点だった……)

クロシュ(……探さなきゃ。もう一度……あの本を……)

 ◇

―図書館

クロシュ「えと……」キョロキョロ

妖精「確かこの辺だったよね」パタパタ

クロシュ「うん……」


トリル「あれ……? 黒髪の女の子に、妖精さん……もしかして……。あの〜……」

妖精「え、誰?」

トリル「ぼく、トリルって言います。えと……妖精さんと、クロシュちゃん……ですか……?」

クロシュ「わ……!」

妖精「……なんで知ってるの?」

トリル「ご、ごめんなさい。イリスさんとミスティさんに、この前お世話になって……。ダークヒーローイリスの一行って、けっこう有名だから……」

妖精「げっ……イリスだけじゃなくて私たちまで知られてるの!?」

トリル「うん……。ダークヒーローの仲間、かわいくも厳しい妖精さんに、かわいいスライムのクロシュちゃん……この国では、ダークヒーローイリスとその仲間たちは大人気なんだ」

妖精「か、かわいくも厳しい……。まあともかく私たちを知ってるのはわかったよ。それで、何か用なの?」

トリル「あ、えと……用があったわけじゃないんだけど……なんか、困ってるみたいだったから……。何か、ぼくに手伝えること、ある?」

妖精「そういうことか……。それじゃあせっかくだし手伝ってもらおうかな? 私たち、ある本を探してるんだけど――」

 *
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:39.10 ID:W5vf2HLr0
 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

クロシュ「……!」

トリル「わあ、これがスライム文字なんだ……!」

妖精「ありがとうトリル、一緒に探してくれて」

トリル「えへへ、どういたしまして……。でも、この本って何の本なの……?」

クロシュ「えと……」

妖精「うーん、何の本なんだろ……私たちにもよくわかってないんだけど……ちょっと調べたいことがあってさ」

トリル「そうなんだあ……。でも、このスライム文字……」

 スライム文字「」モニョモニョ

トリル「ふふ……なんか、もにょもにょしててかわいいねえ」

妖精「そう……? まあ、スライム語をそのまま文字にしたかのような印象の字形だとは思うけど……」

クロシュ「トリルちゃんは……スライム語、わかる……?」

トリル「ううん……。ごめんね、わかんない……」

クロシュ「そうなんだ……」

トリル「あと……ぼく、こう見えても男なんだよ〜……?」

クロシュ「?」

トリル「えっと、そのぉ……ちゃん付けで呼ばれると……ちょっと、恥ずかしいっていうか……///」モジモジ

クロシュ「??」

妖精「あー……トリル、えっとね。スライムは男女の区分けがけっこう曖昧なんだ。人間が持つそれぞれの性別特有の感覚にはちょっと疎いから、あんまり気にしないで」

トリル「え、そうなの?」

妖精「うん。でもクロシュも、相手が人間の男の子の時はちゃん付けで呼んだりすると嫌がられちゃうよ?」

クロシュ「ほえ……。えと、じゃあ……セインさんも……ちゃん付けは、嫌がる……?」

妖精「せ、セインは……どうだろ……。わかんないけど……」

トリル「……でも、わかったよ……! それじゃあ……クロシュちゃんが、ぼくをちゃん付けで呼びたいなら……よ、呼んでも良いよ……!///」

クロシュ「わあ……!」

妖精「う、う〜ん……クロシュに対人コミュニケーションの経験を積ませようと思ったんだけどなあ……」

 ◇
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:04:38.34 ID:W5vf2HLr0
―図書館 アトリエ

 キャンバス「」ポン!

クロシュ「わ……!」

妖精「へえ、この図書館アトリエもあるんだ……」

トリル「うん。クロシュちゃんって、絵が上手なんだよね? ぼくも絵を描くの好きだから、ちょっとだけ一緒に描いてかない?」

クロシュ「いいの……?」

トリル「いいと思う。ここの画材、自由に使って良いことになってるから」

クロシュ「……妖精さん、いい……?」

妖精「ん、まあいいんじゃない? 最近けっこう不穏なことも多かったし、少しくらい息抜きしないとね」

クロシュ「わあ……!」


↓1選択 何の絵を描こう?
1.フメイちゃん
2.かたつむり
3.集落の風景
4.旅の仲間
5.旅で知り合った人たち
6.デロデロ世界
7.風船スライムさん
8.空中楽園都市エデン
9.超巨大風船スライムが世界を掃除するさま
0.その他(自由安価。クロシュが描きそうにないものは再安価)
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 23:05:34.45 ID:f76bHQ07O
5
359 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:04:31.58 ID:at1ecn/H0
 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜」シャカシャカ モニョモニョ

トリル「わっ! スライムの姿で、筆を巧みに操ってる!」

妖精「クロシュにとってはこの姿の方が描きやすいんだって。絵筆は人間が人間用に作った道具なのに、不思議なもんだね」

 *

 絵『聖女さんとこどもたち』ポン!

トリル「わあ……! 優しそうなお姉さんに、かわいい小さい子たちだね。小さいスライムさんもいる……」

クロシュ「うん……! 魔族国で会った……良い人たち……!」

妖精「淫魔の子はクロシュのことが大好きだったよねえ。たまにはお手紙でも書いてあげたら?」

クロシュ「んゅ……文字、書くの……苦手だけど……がんばる……」

 *

 絵『森妖精の子と世界樹の精霊さん』ポン!

トリル「小さい、森の妖精さんに……この綺麗な女の子は……?」

クロシュ「ミスティさんのことが大好きな、森妖精さんと……ちょっと変な、世界樹の精霊さん……!」

妖精「なんでそこで世界樹の精霊をチョイスしたの……」

 *

 絵『かっこいいメイド型魔導人形』シャキーン!

トリル「ジェットで飛んで鉄砲を撃ちながらブレードで斬りかかるすごい躍動感のある絵!」

クロシュ「メイちゃん……! んへへ……いっぱい、助けてくれてる……」

妖精「クロシュのメインウェポンだもんねえ、あのブレードは」

 *

 絵『レッドちゃんとタコおじさんの屋台!』ポン!

トリル「わあ、真っ赤でものすごく熱そうなスライムさんに……凄い筋肉のタコのおじさん!」

クロシュ「レッドちゃんと、タコのおじさん……! フルーツポンチ、おいしかった……!」

妖精「あの島ももう落ち着いたらしいし、元気にしてるかな?」

 *

 絵『レーティアさんと芸術妖精さんと剣舞の姉妹』ポン!

トリル「わあ、賑やかな絵……! 華やかな踊り子さんの二人に、かわいいエプロンの妖精さんと、綺麗な……女の人?」

クロシュ「うん……芸術都市の……良い人たち……」

妖精「……きっと、元気にしてる。負けないよ、あいつらは」

 *

 絵『トカゲリアンノンちゃんと猫耳の子と巨大スライムちゃんと砂漠スライムさんたち』ポン!

トリル「わあ、これもまたすっごい賑やかな絵……ていうかこれリアンノンちゃん!? テラヌス・ウルスだよね!?」

クロシュ「ほえ……」

妖精「知ってるの?」

トリル「う、うん! リアンノンちゃんとは小さい頃から仲良しで……」

クロシュ「わあ……!」

妖精「リアンノンの知り合いだったんだ! ふふ、元気だよみんな」

 *
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:06:13.31 ID:at1ecn/H0

 絵『シュヴィアさんと白銀スライムちゃん 隅っこに小さくエミリオさん』ポン!

トリル「わあ、黄銅色のかっこいいスライムさんに、白銀のかわいいスライムさん……。あと隅っこに……目つきの悪い男の子……?」

クロシュ「シュヴィアさんに、銀色のスライムちゃん……。エミリオさんは……おなさけで、描いてあげた……」

妖精「お情けなんて言葉どこで覚えたの……」

 *

 絵『勇者の像にお祈りを捧げるレインさん』ポン!

トリル「わあ……すっごく綺麗な絵……。この人は……サキュバスさん?」

クロシュ「うん……。テロリストの、レインさん……」

妖精「ちょっと縁があったりなかったりしてね。仲間とかではないよ、決して」

 *

 絵『変な笑顔のレイさん』ポン!

トリル「わ……この変な……笑ってる……? 人は……」

クロシュ「レイさん……。んへへ……面白い人……」

妖精「いちおう指名手配犯なんだけどね……」

 *

 絵『メルルさんとリュアンちゃんとクーちゃん』ポン!

トリル「わあ! 帽子の女の子と、上品な女の子と、ちょっと悪そうなエプロンの女の子……?」

クロシュ「メルルさんと、リュアンちゃんと、クーちゃん!」

妖精「時々道連れになる子たちだね。クーのやつはともかく、メルルとリュアンは元気にやってるかなあ」

 *

 絵『ブラッドちゃんとクロシュヴィアちゃん』ポン!

トリル「わあ、真っ赤なスライムさんに真っ白なスライムさん……!」

クロシュ「ブラッドちゃんと、クロシュヴィアちゃん……!」

妖精「なんでこいつらを一緒に描いたの?」

クロシュ「……えと……わかんない……」

 *

 絵『夜に見張りをしてるセインさん』ポン!

トリル「わあ……! すっごくかっこいい男の子!」

クロシュ「んへへ……セインさん。すっごくつよくて、かっこいい……!」

妖精「なんだかんだでけっこう助けられてるよね、こいつには」

 *
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:03.09 ID:at1ecn/H0
トリル「クロシュちゃんすごいなあ……! 僕も絵にはけっこう自信があったんだけど、速さでも精密さでもクロシュちゃんにはかなわないや……!」

 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』ポン!

クロシュ「んーん……! トリルちゃんの絵も……すごく、すごい……! サボテンドラゴンさん……!」

妖精「だねえ。全然卑下するほどのことはないと思うよ」

トリル「えへへ……そうかな? それと……ぼくにはもう一つ、特技があるんだ……」

クロシュ「とくぎ……?」

トリル「うん。見ててね……そおれ!」


 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』グググ…

 ポンッ!

絵から飛び出した小さなサボテンドラゴン『〜〜!』ポフッ!


クロシュ「わわ……!?」

妖精「え、ええ……!? 絵から……サボテンドラゴンが飛び出した!?」

トリル「うん! えへへ……ぼくの魔法は……描いた絵を、実体化させることができるの!」


小さなサボテンドラゴン『〜〜?』キョロキョロ


妖精「す、すごい……生きてるみたい」

トリル「実際には、ぼくが想像した通りに振る舞ってるだけで、本当に生きてるわけじゃないんだけどね。でもすごいでしょ〜」

クロシュ「うん……! すごい……!」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:39.22 ID:at1ecn/H0
というわけで本日はここまでとなります。次回は掃除の魔法についてもっと調べよう編からとなります

闇からの悪意を警戒しつつも、着々と調査を進めていくクロシュ一行でした。そしてトリルちゃんと出会い、お絵かきがてらに旅を振り返るクロシュ――。気が付けば、すごく長い道のりを歩いてきました。たくさんの人たちと出会い、お世話になり、ご飯をもらい……クロシュちゃんはいっぱい成長したようです。その出会いの一つ一つが、何もできない穀潰しだったあかちゃんスライムの糧となり、今のクロシュさんを支えているのでしょう。思い出は、これからも大切にしていきたいものです

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 00:58:48.84 ID:wiSxMGOpo
おつおつ
色々ここまでありしましたねえ
道連れメンバーって一堂に会することまだ無かったよなーとかセインくん元気か?とかずっと見れない人達も気になっちゃう
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 02:05:46.99 ID:1hxrqbfzo

こうやって見ると長いこと旅してきたなあ
また会いたい人たちがたくさんいる
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 07:53:53.44 ID:DflGvfpDO
乙です
全てが終わったらかつて訪れた国にもう一度行ったり、知り合ったキャラの後日談も見たい
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 11:17:50.21 ID:lwgS+/RSo
おつ
終盤みたいな流れだけど旅はまだ道半ばなのよね
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 08:52:04.73 ID:bwPNQDwS0

雪女ある程度解けても平気なのね
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:27.33 ID:++sINOUq0
道連れメンバーの方々が一緒になったことはなかったのですが、どうやらクロシュ氏は彼らを同じ分類の人々と思っているようです。一緒ではないけれど旅をしている流浪仲間、みたいに思っているのかもしれません

セインくんが今どうしているかはわかりませんが、芸術都市で別れたあとは具合を悪くした僧侶氏の看病をしに行ったようです。セインくんも単独で超高度の飛行はできないため、今は飛行手段探しに奔走しているのかもしれません

旅をし始めてそれほど経っていないような気もしましたが、実はけっこう長い時間が経っていたようです。今まで巡ってきた土地の人々は皆それぞれいろいろありましたが、再会すれば喜んでくれる人がほとんどでしょう

いろいろと解決して平穏を取り戻したら、もう一度ゆっくり諸国を巡ってみるのも良いかもしれません。後日談というわけではありませんが、新しいスレが立つと登場人物紹介の備考欄が更新されることがありますので、見てみると面白いかもしれません

確かに旅の終わりが近いかのような雰囲気のお話をしていますが、実のところ旅は半ばであり、この先もまだまだ長い道が続いております。クロシュさんの今後の旅路がより良いものであるなら幸いでしょう

雪女さんはずっと高温の環境にいると溶けてしまうため、長湯は禁物だったりします。しかし多少溶ける程度であれば体積や体重が少し落ちるくらいで済むため、水分を補給すればすぐ元に戻れるようです
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:54.37 ID:++sINOUq0
―図書館

ミスティ「掃除の魔王についてさらに調べてみましょう……」

イリス「そうだね。この図書館に丁度良い資料とかがあれば良いけど――」

↓1コンマ
01-10 ???
11-50 めぼしい資料はなかったが……
51-90 陰謀論の本
91-00 楽園の真実
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 15:17:47.75 ID:elaxCyktO
真実ぅ
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:03.31 ID:++sINOUq0
ミスティ「……?」

 魔王コーナー「」

ミスティ(この図書館……魔王のコーナーがあって、魔王についての資料はかなり多いのに……)

ミスティ(……なぜか、掃除の魔王についての本はどこにもないわ……。偶然……?)


イリス「ミスティ、面白い本を見つけたよ」スタスタ

ミスティ「面白い本?」クルッ

イリス「これ!」スッ

 陰謀論の本『伝説の大魔女の陰謀に迫る!!!!』ポン

ミスティ「ええ……」

イリス「そ、そんな目で見ないで! 明らかにアレな本だけど、ちょっと気になることが書いてあるんだよ!」

 *

 ペラッ ペラッ

ミスティ「空中楽園都市エデンを吊り下げる気球は、休眠中の掃除の魔王で……大魔女は、全ての準備を整えたら魔王を目覚めさせて操り、地上全てを燼滅しようとしている……ですって?」

イリス「も、もちろん全部が全部真実なんて私も思ってないよ! 地上を滅ぼしたって大魔女様には何の利点もないし――」

ミスティ「まあそりゃそうね……。でも……休眠中の掃除の魔王っていうのは……」

イリス「うん。クロシュちゃんの見た夢とか、風船スライムへの印象とも一致する……。本当に休眠中なのかはわからないけれど、あれが掃除の魔王に関係した物体の可能性はあると思う」

ミスティ「……でも……もしそれが真実だとしたら、けっこうヤバイんじゃないかしら……。魔王の力を利用した都市だなんて、危険で不吉すぎるわ……」

イリス「……魔王の力さえも従えて御する実力があるから……できてることなのかも……」

ミスティ「まあ……実際、この都市の空中運行に何らかの事故や被害が発生したなんて話は聞いたことがないものね……」



クロシュ「……!」トコトコ

妖精「イリス、ミスティ……!」パタパタ

トリル「わ、イリスさんにミスティさん……!」スタスタ



イリス「あ、クロシュちゃんに妖精さんに……トリルくん!」

ミスティ「あなたたちも図書館にいたのね。丁度良いわ、ちょっとこれを見てくれる?」

 *
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:28.68 ID:++sINOUq0
クロシュ「……」

妖精「あの気球が、掃除の魔王……。まあ確かに、これだけの都市を持ち上げるほどの浮力を維持し続ける魔力は一体どこから捻出してるのか疑問だったけれど……」

トリル「えっえっ……!? あ、あの大気球が……魔王……!?」

イリス「あっ……」

ミスティ「……陰謀論の話よ。真に受けなくて良いわ」

イリス「そ、そうそう! 私たち、こういう陰謀論けっこう好きだから時々調べてるの!」

トリル「な、なんだあ……びっくりしたあ……」

ミスティ(……陰謀論の本に書いてあることで良かったわ。誤魔化すのも簡単だし……)

トリル「もし本当に眠ってる魔王だったら、何かの間違いで目覚めちゃったら大変だもんねえ」

妖精「休眠中の魔王……うーん……」

イリス「まあ、あくまで陰謀論の話だから、あんまり真面目に考えなくても――」

クロシュ「……あの風船さん……眠ってるんじゃ、ないと思う……」

妖精「えっ?」

ミスティ「どういうこと?」

クロシュ「わたし……自分も、風船になってみて、わかった……。あの、でっかい風船さんは……えっと……からっぽっていうか……」

イリス「……抜け殻?」

クロシュ「あ、うん……! ぬけがら……! あれが、風船スライムなら……きっと、本体は別のとこにいて……」

ミスティ「じゃああれは分体ってこと?」

クロシュ「んゅ……それは……わかんない、けど……。でも……あの風船スライムさんの気持ちは……別の場所に、ある……と思う……」

ミスティ「体と気持ちを分けることなんて可能なの……?」

妖精「心を物質化して体から分離させる魔法とかは実際にあったりするよ。でも魔王を相手に強制的に発動できるかは……。いやまあ大魔女ならやれてもおかしくないかもしれないけど」

イリス「……大魔女様本人に聞いてみたいけど、聞くのが怖い気もする……」

妖精「基本的には穏やかで優しいけど、意に沿わない相手には容赦なく冷徹な対応をしてくる人でもあるから、本人に聞くなら気を付けた方が良いかも。まあこんな陰謀論本の所蔵を認めてるくらいだから多分大丈夫だとは思うけど」

 ◇
373 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:15:56.78 ID:++sINOUq0
―夕方
 居住区

トリル「それじゃあぼくはこの辺で帰るよ。またね、クロシュちゃん」

クロシュ「うん……! トリルちゃん、またね……」


ミスティ「ふふ、いつの間に仲良くなったの?」

妖精「一緒にお絵かきしたりしてね。面白い体験――」


  カッ―
      ドガァァァァァ―…ン

   キャァァァァァ!!!


クロシュ「!?」バッ

トリル「い、今のって……?」

イリス「歓楽区の方からだよ!」

ミスティ「行ってみましょう!」

妖精(……厄介なことじゃなければ良いけど……)パタパタ

 ◇
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:44:59.54 ID:++sINOUq0
―夕方
 歓楽区

 キャァァァァ!!! タスケテクダサイ!! タスケテクダサイ!!!

 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ

様子のおかしい魔族の青年「殺す……大魔女帝国でぬくぬくと平和に暮らしてる奴らは、全員殺す……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男A「ぎぇあああああ!!」ブシュッ


市民の女A「いやあああああ!!!」

市民の男B「おおおおい!!? 警備は何してんだ警備は!?」


警備オートマタ「現着ニ成功。暴徒鎮圧ニ移リ」

 闇魔法「」ヴォンッ!! バギュムッ

警備スクラップ「――…」グシャッ


様子のおかしい魔族の青年「ガラクタが……邪魔をするな……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男B「ぎゃああああああ!!」ブシュッ


 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ
    市民の死体「」ドチャッ

様子のおかしいレッサースライムの群れ「〜〜♪」モニョモニョ

 モニョモニョ モグモグ
  モニョモニョ モグモグモグ


市民の女A「あ、ああ……スライムが……食べて……いやああああああ!!!!」



トカゲクロシュ「!」シュタタタタッ!!

妖精「こ、これは……何が起きて……!?」パタパタ


↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)
375 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:49:34.22 ID:++sINOUq0
訂正

↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)

↓3コンマ 誰か来た
01-10 クロ
11-30 スライム殺しの歌姫
31-50 気のせいだった
51-70 ユキ&トム
71-90 ロディナ
91-00 大魔女
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:52:54.12 ID:wVTyugXVo
1
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:39.60 ID:N+94jcpDO
2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:52.55 ID:slwE/BtiO
379 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:27:00.60 ID:++sINOUq0
 デロデロ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロシュ「えと、あなたは……あの子たちを、止めて!」

分体スライムクロシュ「〜!」モニョ!

 *

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『みんな……人の死体を食べちゃ、だめ』モニョモニョ

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『聞こえてない……? んゅ……めっ!! 食べるの、めっ!!!』モニョニョ!!!

レッサースライムA『んわ〜!』モニャニャ!
レッサースライムB『……あえ……ここ、どこ……?』モニョニョ…?

分体スライムクロシュ『……! みんな、早く逃げて! 街の人に見つかったら、怒られちゃう……!』

レッサースライムA『わわぁ、逃げなきゃ、逃げなきゃ』モニョニョ
レッサースライムB『にげゅ……』モニョニョ

マンホールに吸い込まれていくレッサースライムたち「」モニョニョニョニョ―

分体スライムクロシュ『これで大丈夫かな……?』モニョニョ

 *
380 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:28:00.80 ID:++sINOUq0
クロシュ「!」ザッ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……お前も帝国民か、ガキ……」フラフラ

クロシュ「んーん……」

様子のおかしい魔族の青年「ならどけ……。俺が殺したいのはこの国でぬくぬくしてるクソ共だけだ……」フラフラ

クロシュ「……だめ」ジリッ

様子のおかしい魔族の青年「正義ぶりやがって……。ならお前も殺してやる……」バッ

クロシュ「!」

妖精「狂い殺人鬼め! クロシュ、こいつの闇魔法ちょっと異常だから気を付けて!」

クロシュ「ん!」バッ

様子のおかしい魔族の青年「死ね――」シャッ

 ガギンッ!!

 魔族青年の剣「」ギギギギ
 氷の壁「」ギギギギ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……」


クロシュ「!」

妖精「これはミスティ――じゃない!」

ユキ「クロシュさんに妖精さん! 助太刀致します……!」ザッ

トム「オレも来たぜ! ……って、あんたは!!?」ザッ

妖精「知ってるの!?」

トム「お、おう! この人は学園高等部の、天才闇魔法使いの留学生……ヤミリュガ先輩だ!」

ユキ「……なぜこんなことを、ヤミリュガ先輩。普段は理知的なあなたらしくありません」

様子のおかしい魔族の青年「トコナツのガキにオノゴロのガキか……。帝国民じゃないが、邪魔をするならまとめて星に還してやる――」シャキンッ

妖精「だめだ、話が通じない! 一旦大人しくさせないと!!」

 モニョモニョ…ポン!

光メイド剣士クロシュ「闇には……光!!」キラキラ


 ――戦闘開始 魔族の青年――


↓1コンマ
01-10 ??
11-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 18:32:35.90 ID:bwPNQDwS0
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 19:57:53.00 ID:++sINOUq0
様子のおかしい魔族の青年「ぬゥン!!」バッ

 闇魔法「」ヴォンッ!!

トム「うおわっ!?」サッ

妖精「さっきも見たけど、異常な魔力だ……! 出力だけで言えばテロリストのレイン・フォールの闇魔法にも引けを取らない! あれ本当に学生なの!?」

ユキ「いえ……天才とは呼ばれていましたが、世界的なテロリストに並ぶほどでは――」

トム「ドーピングでもしたんじゃねえのか!?」

様子のおかしい魔族の青年「ごちゃごちゃと……!」シャッ

ユキ「!」

光メイド剣士クロシュ「!」シャッ!!

 ギンッ
 闇の剣「」ギギギギ
 光のメイドブレード「」ギギギギ

様子のおかしい魔族の青年「こいつ……! 光属性……!!」

 キンッ
  ギンギンガギンッ
   ザシュッ!

様子のおかしい魔族の青年「ぐっ……!」ズザッ


妖精「入った! 近接戦ならクロシュの方が上だよ! そのまま押しきっちゃえ!」


様子のおかしい魔族の青年「舐めるなよ……!」カッ!!

 闇魔法「」ヴォンッ!!

光メイド剣士クロシュ「!」ササッ

トム「オレもいるぜ先輩!」ジャッ
 炎の斧「」ゴウッ

様子のおかしい魔族の青年「うおっ!」ガギンッ!

ユキ「そこよ! 凍て付け――」コォォォ―


凍てつく魔族の青年「ガッ……!」カチコチ


ユキ「ミスティ先輩から教えて頂いた力……まだ安定しないけど、やれた……!」

トム「やるじゃねぇかユキ!」

ユキ「クロシュさんのお陰よ」
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 19:58:34.34 ID:++sINOUq0

凍てつく魔族の青年「くそ……クズの帝国民を……殺さねば……!!」


妖精「まだ喋れるの? 諦めてお縄に……いや、その前に大魔女に見てもらった方が良いね。なんか怪しいし……」

ユキ「このまま凍結を持続させた方が良さそうですね……あっ」


ミスティ「クロシュ! 妖精! それに……ユキとトム!?」タッタッタッ

イリス「みんないたんだ!」タッタッタッ

トリル「ユキちゃん、トムくん〜!」タッタッタッ

エバンス「俺たちも来たぞ!」タッタッタッ

ローガン「何があった!?」タッタッタッ


妖精「みんな来たね。この男が――」


凍てつく魔族の青年「クソ、がァァァァァァ!!!!!」ゴゴゴゴ…ベキベキ…!!


妖精「えっ!?」

ユキ「こ、凍らせられない……!? 私の魔力だけじゃ――」

ミスティ「手伝うわ!! ふっ……!!」コォォォ――


凍てつく魔族の青年「グォァァァァァ……!!!!」ゴゴゴゴ…ベキベキベキ…!!


ミスティ「は、阻まれる……! こいつの強烈な魔力の波動に……!!」グググ

ユキ「う、うぅぅぅ……!!」グググ


 バギンッ!!


漆黒に染まった魔族の青年?「グ、オオオオ……コロス……テイコクミン、コロス……!!」ズンッ


トリル「ひっ……!?」ゾワッ

イリス「あ、あの姿は……!!?」

エバンス「な、なんかやべえぞ……!! ありゃ人間なのか!?」

妖精「……あ、あれは……でも……おかしいよ……」カタカタ

ローガン「妖精くん、どうした!? しっかりしたまえ!!」

妖精「あっ……ご、ごめん!!」

ミスティ「妖精、あの変化に何か心当たりがあるの!?」

妖精「…………」

光メイド剣士クロシュ「……妖精さん……?」

妖精「……魔王化に……少し、似てる……」


漆黒に染まった魔族の青年?「GAAAAAAAAAAAAAA!!!!」ズドォォォォンッ!!!

 ★魔族の青年が〈疑似魔王化〉を発動!
  会心率および痛恨率が大幅に上昇!
  さらにコンマ+100!!
  1ターン後に死ぬ!!

↓1コンマ(仲間到着+100、疑似魔王化-100)
01-30 痛恨
31-40 劣勢
41-70 優勢
71-00 会心
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 20:00:27.78 ID:wi3EjzPAO
プラマイ0
385 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 20:45:17.98 ID:++sINOUq0
漆黒に染まった魔族の青年?「VAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」シュバババッ

 闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
  闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
   闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
    闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!

エバンス「う、うおおおおっ!? なんて数の闇球だよ!?」サササッ

ローガン「少年少女たちは後ろへ! ぬう、しかしこれは我らもまともに受けられんぞ……!!」

ミスティ「なら殺られる前にやるしかないわ! くっ……凍結が効かないなら、いつもの戦技を使うだけよ!!」カッ

 無数の氷柱「」シュバババッ

 闇の障壁「」ヴォン―

 闇に呑まれ消滅していく氷柱「」シュゥン…

ミスティ「防御面も隙がない……!?」

イリス「負の属性で造られた障壁なら……正属性の極地、星属性で貫く!! ちょっと星の魔力お借りします!!」コォォォオ――


漆黒に染まった魔族の青年?「GUOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!」ゴゴゴゴッ!!!

 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!

イリス「っ!!!」

妖精「まずい、イリスが狙われ――」

光メイド剣士クロシュ「!!!!」グオオオッ!!!
 光刃メイドブレード「」バシュウンッ!!

 ズバァッ!!!!
 闇の/触手「」ボトッ

エバンス「させねえよ!!」シュバッ!!

ローガン「実体のある存在ならば!!」シュバッ

ミスティ「凍れ!!」カッ!!

 ズバアッ!! ズバァッ!!! ガギンッ!!!
 闇/の触手「」ボトッ
 闇の触/手「」ボトッ
 凍った闇の触手「」カチコチ

イリス「みんな……! ありがとう……準備、できたよ……!」ゴゴゴゴ…!!
 星の魔力「」バチバチ…!!


ユキ「この、力は……」

トム「なんだ……? すっげえ……あったかいっつうか……」

トリル「ぼく……知ってる、気がする……」


イリス「いっけぇぇぇぇぇ!!!!」カッッッッ!!!!

 星光の奔流「」ギュオオオオオオッ!!!!

漆黒に染まった魔族の青年「ガ――」


 迫りくる星光の奔流「」ギュオオオオオ――

魔族の青年『……ああ……星の、光……』

魔族の青年『これを……この暖かさを……みんなにも――』

 ジュッ―

 ――戦闘終了――

 ◇
386 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 20:51:32.41 ID:++sINOUq0
―夜
 歓楽区

 ザワザワ…

エデン新聞記者「事件現場を拝見させていただいてもよろしいですか?」

ハーピィ記者「留学生が帝国民を憎んで引き起こしたテロというのは本当ですか!?」

上級オートマタ「立入禁止です。申し訳ありませんが迂回をお願い致します」ペコペコ

治安ホムンクルス「治安担当です、どいてください〜」

 *

クローディア「……本当にありがとう……。あなたたちが彼を止めてくれなければ、被害は今よりも遥かに大きくなっていたわ……」

妖精「や……まあ、それはいいんだけど……」

クロシュ「……えと……あの、人は……?」

クローディア「消滅してしまいました」

イリス「……」

クローディア「イリス・プラネットの責任ではありません。ルーファスの解析によれば、彼が消滅した直接の原因は……彼自身の、あの異常な変化だったのです」

イリス「えっ……?」

妖精「ええと……あれ、何だったの……?」

クローディア「……現時点では、はっきりとしたことは何も言えませんが……彼は恐らく、被害者です」

妖精「……」

クローディア「……私たちの追っている者が……悪意を数段引き上げてきたようです」

 ◆
387 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:08:19.05 ID:++sINOUq0
―大魔女帝国 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
388 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:09:20.76 ID:++sINOUq0
―朝
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

 エデン新聞「」バサッ
 「善良なる市民を襲った卑劣なテロ。犯行は留学生によるもの」
 「大魔女帝国の優れた生活水準を妬んでの犯行か」
 「妬みと思われる発言を多数の目撃者が聞いており――」
 「一部の市民間では、外国人滞在者を排斥すべきという主張が俄に広がっている」

 「お手柄! この国にもやって来ていた、ダークヒーロー一行!」
 「ダークヒーローイリスの新技!? まばゆい光で悪を討つ!」
 「ダークスライムのクロシュちゃん、華麗なる光のメイド剣技」
 「ダークヒーローたちと共に戦った三人の勇敢な学生に迫る」


イリス「……昨日のこと、もう新聞になってるね」

ミスティ「ええ……。私たちのことも載ってるわ……」

クロシュ「……」ジッ

イリス「ん、クロシュちゃんも読む? クロシュちゃんはダークスライムってことになってるよ」

クロシュ「ん……」

ミスティ「ダークスライム……。じゃあ妖精はダークフェアリーだったりするのかしら?」

妖精「ええ……。いやまあ、なんでもいいけど……」



クロシュ(レッサースライムさんたちのことは……書かれてないみたい……)

クロシュ(よかった……。あの子たちも……何者かに操られてたみたいだし……)

クロシュ(…………どうして犯人は……あんなひどいこと、したんだろう……)


大魔女帝国滞在8日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/10/19(土) 21:09:43.56 ID:hEHLuL+o0
クロシュ達が偶然広場でヨハンナと出会う
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:09:55.17 ID:bwPNQDwS0
クロシュ、皆を乗せて空飛ぶ特訓
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:10:06.74 ID:98JtFNJc0
ローガンエバンス、トムの修業に付き合う
392 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:28:00.65 ID:++sINOUq0
―広場

風船クロシュ「」フヨフヨ モニョモニョ


イリス「わあ! 本当に風船スライムさんみたい!」

ミスティ「凄いじゃない! 風船スライムみたいに荷物を乗せて飛んだりとかもできるの?」


風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

妖精「試すだけ試してみる?」

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョニョ

妖精「確かに、風船の姿じゃみんなを乗せて飛ぶのは難しいか。どこかに風船で吊り下げるのに丁度良いカゴみたいなのがあれば良いんだけど……」

ミスティ「カゴ……それなら、私のソリはどう? ちょっとバランスは悪いけれど、ローガンさんの補強のお陰で軽量化もバッチリだし……」

イリス「そういえば今回はソリを持ってきてたんだよね」

 *

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ
 吊り下げられたソリ「」ポン


妖精「よし、それじゃあソリに乗ってみよう」

イリス「だ、大丈夫かな……?」

ミスティ「難しそうなら無理しないのよ、クロシュ」

風船クロシュ「〜〜」モニョニョ


↓1コンマ
01-30 まだ難しい……
31-60 浮くだけならなんとか
61-90 浮いて移動できる(風経験+1)
91-00 それはそれとして風になった(風経験☆)
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:33:30.87 ID:QNuDAup6O
風になれ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:34:49.99 ID:hlZFtp0po
行ける行ける!
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:55:54.23 ID:++sINOUq0
風船クロシュ「〜〜」モニョニョ…グググ…
 吊り下げられたソリ「」グググ…フワッ


イリス「わっ……!」

ミスティ「う、浮いたわ……!」

妖精「おお……! クロシュ、大丈夫そう?」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ


妖精「全然大丈夫だって!」

イリス「そうなんだ!」

ミスティ「ふふ、良かったわ」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 フヨフヨ スイー…

イリス「わ、移動してる!?」

妖精「風は吹いてない……てことはクロシュが自分で移動してるの!?」

風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「自分で動かしてるって!」

ミスティ「凄いじゃない! これならどこにでも飛んでいける――」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 スイー… ノロノロ…


妖精「まあ……風向き次第だね。クロシュの自力だけじゃまだあんまり速く動けないみたいだし……」

イリス「じゃあ私と妖精さんが風を吹かせてあげれば……!」


風船クロシュ「〜〜…」モニョニョ… フヨフヨ…

妖精「あ、うん! もう降りて良いよ!」

イリス「あ……もしかして……」

ミスティ「疲れちゃった……?」

妖精「うん……。実を言うと、この風船化はちょっと不思議なんだ。風船スライムと同化してるわけでもないのに、風船スライムの固有能力である浮遊をなぜか使えるようになってたりするし。擬態は形だけのはずなんだけど……」

ミスティ「そういえば、確かに……」

イリス「普通とは違うことをやってるから、疲れやすいのかな……?」

妖精「そういう面はあると思う」


妖精(……やっぱり、あの本を読んだ影響? あの本に風船スライムの……因子みたいなものが含まれてて、知らず知らずのうちにそれを取り込んじゃったとかかなあ。何にせよ、しばらくは様子を見てあげないとね)

 ☆クロシュが風船状態で人や物を運べるようになりました
  ただし現在はまだ慣れていないのか疲れやすいようです
  また、風経験が+1となり、[11/12]になりました

 ◇
396 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 22:07:28.72 ID:++sINOUq0
―広場

 噴水「」シャワシャワ


スライムクロシュ「」デロデロ…

イリス「お疲れ様、クロシュちゃん。休憩しようね」

ミスティ「せっかく外に出したわけだし、ソリの整備でもしようかしら……」スクッ

妖精「……ん?」


「……」スタスタ


↓1コンマ
01-10 スライムスレイヤー
11-50 嫌悪の視線
51-90 懐疑の視線
91-00 ???
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:07:57.22 ID:bwPNQDwS0
398 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 22:51:16.38 ID:++sINOUq0
ヨハンナ「……」スタスタ


イリス「あれは……前に劇場で歌ってた歌手の……」

ミスティ「こっちを見てる……というか――」

スライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「クロシュを、睨んでる……?」


ヨハンナ「……」

ミスティ「……何? 喧嘩なら余所で売ってくれる?」

ヨハンナ「ああ……申し訳ありません……」

妖精「……この子が何かした?」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

ヨハンナ「いえ……そういうわけではないのですが……。すみません、スライムが少し苦手で……」

スライムクロシュ「……」モニョ…

イリス「え、えと……! この子は別に何も悪さとかしない、優しい子です! えと、なので……いえ、別に何もしなくて良いんですけど……」

妖精「まあでも……ここ大魔女帝国じゃ、知性ある種族は平等に人権が与えられるんだよね? スライムだって大体の種族は人間とかと同程度の知性があるし、実際大魔女本人も認めてるはず。外でのんびりしてたって良いでしょ?」

ヨハンナ「……そうですね。その通りです。失礼致しました。ただ……もしレッサースライムだったら、見過ごせませんから……」

イリス「えっ……?」

ミスティ「どういうこと……?」

スライムクロシュ「……」

ヨハンナ「レッサースライムは、知性を持たない危険なスライムです。見つけたら積極的に駆除しなければ……」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

妖精「……レッサースライムだって人間の害になることは滅多にないし、むしろ自然界においては水や空気の浄化に欠かせない役割を持っていたりするんだよ。それでももし何か問題があれば行政担当のホムンクルスとかが何とかするでしょ、個人がどうにかすべきことじゃ……」

ヨハンナ「何かあってからでは遅いですよね? この間だって、劇場でいきなりレッサースライムが落ちてきて……」ゾワッ

イリス(あっ、あの時の……! あの音魔法、パニックになって暴れてたわけじゃなくて明確な殺意を持ってレッサースライムを殺してたの……!?)


ミスティ「……帰りましょう。クロシュにとって毒にしかならない」スクッ

イリス「あ、ええっと……」

妖精「……そうだね。帰ろう、クロシュ」パタパタ

スライムクロシュ「……」モニョ…


↓1〜3多数決
1.何も言わずに帰る
2.人の姿に擬態し、レッサースライムを殺さないようお願いする
3.その他(自由安価)
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:53:36.65 ID:wi3EjzPAO
2
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:57:36.91 ID:N+94jcpDO
2
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:10:30.79 ID:M2wHD2QZO
3 人に擬態して何でレッサースライムを嫌っているか聞いてみる
402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:26:11.91 ID:++sINOUq0
 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「あの……」

妖精「クロシュ……!」

ヨハンナ「!? まさか……擬態……!?」

クロシュ「えと……レッサースライムさんたちも……一生懸命、生きてて……。何も、悪いことしてないのに、殺すのは……しないで、ください……。あっ……えと……お腹が減って、ごはんにするためとか、なら……仕方ないけど……」モニョモニョ…ペコリ

イリス「クロシュちゃん……! え、えと……私からも、お願いします……! 命は……大切にすべきものなんです……!!」

ミスティ「……私も……お願いします。無益な殺生は避けるべきだと……大魔女様も仰っていました」ペコ

妖精「………お願い。スライム語が理解できればわかるんだけど、レッサースライムたちは本当に無邪気に、ただ生きてるだけの子たちなんだよ。あなたが過去スライムに何をされたのかはわからないけれど……今を生きるスライムたちには、関係ないことのはず。どうか、賢明な判断を……」ペコリ


ヨハンナ「……」


↓1コンマ
01-50 (え、人に擬態とかこわ……。やっぱりスライムは殲滅しないと……)
51-90 (一理、あるかも。でもスライムの言葉なんて……)
91-00 (……でも……スライムを大切にすべき命と認めたら……私は……)
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:27:15.54 ID:bwPNQDwS0
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:35:24.83 ID:hlZFtp0po
5割響かないのを完結超えた……!
405 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:43:07.01 ID:++sINOUq0
ヨハンナ「…………考えさせて、ください」

クロシュ「……!」

イリス「ありがとう! 考えてくれるだけでも嬉しいです!」

ミスティ「……優しい結論を出してくれることを祈っているわ……」

妖精「まあ……さっきも言ったけど、問題があればホムンクルスや大魔女に頼んだ方が良いよ。うん」


ヨハンナ「……あなたたちは……スライムを、とても大切になさっていらっしゃるんですね」

イリス「えっ? うーん……そうなのかな?」

妖精「普通だと思うけど……」

ミスティ「別に……。この子……クロシュが大切なだけよ」

クロシュ「んへへ……」

ヨハンナ「……今日は、勝手に絡んだような形になってしまい申し訳ありませんでした。皆さんから頂いた言葉……ゆっくり考えさせていただきます」ペコリ

妖精「まあ……スライムは基本的にのんびりしてる良い子が多いから、好きになれとは言わないけどあんまり敵視しないでやってくれると嬉しいかな」

クロシュ「うん……。お願い、します……」ペコリ

 ☆ヨハンナに考えさせることに成功しました

 ◆
406 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:46:31.27 ID:++sINOUq0
というわけで本日はここまでとなります。次回はローガンとエバンスとトムくんの修行編となります

暴走青年とのバトル、突然の疑似魔王化、そして避けられぬ消滅……。敵は姿を隠したまま、着実に悪意のギアを上げていっているようです
そしてスライム風船運送の真似事をしてみたり、スライム嫌いのヨハンナ氏を相手にめげずにお願いをしてみたりと、本日のクロシュ氏もがんばったようでした
ヨハンナ氏はギリギリ失礼にならない程度の態度をなんとか装っていますが、実のところ極度のスライム嫌いなのでクロシュ氏が相手の今回もかなり無理をしていた可能性はあります。実際5割でスライムへの印象が悪化していた邪悪なコンマ判定をくぐり抜けて考えさせることに成功したのはすごくすごいことだったと言えるかもしれません。今後ヨハンナ氏がスライムにとって優しい結論を出してくれることを願わずにはいられない、と妖精も思っているかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 05:57:27.64 ID:x4eEwMm4o
おつおつ
風船スライムの能力も使えるようになって移動が更に楽になる、かな?
擬似魔王化……恐ろしいことやってんな(多分)アイツ
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:04.87 ID:Wh5qebX70
まだクロシュ氏は風船化に慣れてはいませんが、もっと慣れて自由に空を飛べるようになれば非常に優れた移動が可能となるでしょう
疑似魔王化がどのようなものなのかは今のところわかりませんが、ものすごく邪悪な手法による変化なのは疑いようのないことです。本物の魔王化よりも力の向上はかなり控えめで、ある程度の時間が経つと自滅してしまうという巨大な欠点があるようですが、邪悪なる黒幕は口封じもできて一石二鳥くらいに思っているかもしれません
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:33.32 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

 噴水「」シャワシャワ

トム「ふんっ! せいっ!」
 斧「」ブンッブンッ


エバンス「お、昨日一緒に戦ってくれた少年じゃないか」スタスタ

ローガン「こんなところで修行か……?」スタスタ

トム「あ、ダークヒーローのおっさんたち! 昨日はありがとな!」

エバンス「おう。君こそクロシュちゃんと一緒に戦ってくれたんだろ?」

トム「へへ、あんま役に立てなかったけどな。クロシュさん剣技も魔法も強いとか反則だろ!」

ローガン「うむ……彼女のポテンシャルは輝きを秘めている。だが君の斧術もなかなかだった。その若さでそれだけ斧を使えるなら大したものだぞ」

トム「若さを理由に褒められてもなあ……。それってつまり、大人から見たらまだまだってことだろ?」

ローガン「はっはっは、言うではないか!」

エバンス「けどそういう反発心は大事だと思うぞ! よし、ここは俺たちも修行してくか!」

ローガン「それも悪くないが……正式な修行場などはないのか?」

トム「学園が開いてれば競技場で修行できるんだけど、今休校中だからさ」

エバンス「なるほど……ならまあここでいいか!」


↓1コンマ
01-30 剣技経験+1
31-60 剣技経験+1、魔法経験+1、トムLV+1
61-90 剣技経験+2、魔法経験+1、トムLV+2
91-00 剣技経験+3、魔法経験+2、トム覚醒
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 16:06:04.49 ID:QGsdq2MoO
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:11:46.88 ID:Wh5qebX70
 ガギンッ
   ギンッ
    ドガァンッ!!

トム「ぐわあーっ!」ドガッ ゴロゴロ

エバンス「うおっすまん! 大丈夫か!?」タタッ

トム「へっ……よ、余裕!」シャキッ

ローガン「根性で言えば既に一人前以上だな」

 *

トム「ぐへぇ〜っ! も、もうだめだ……」バタッ

エバンス「お疲れ。戦いの中で成長してたぞ、自分で気付いてたか?」

トム「一応頭使いながら戦ってたからなぁ……。おっさんたちの動きも参考になったし」

ローガン「やはり若い分、我々より成長も速いし伸び代もあるようだ」

エバンス「うっ……俺もけっこう若いつもりでいたが、けっこうヤバイのか?」

ローガン「エバンスくんは現時点で十分な実力もあるし成長も続けている。悲観する必要はないだろう」

エバンス「そ、そうか。だがそういうローガンの旦那も、その歳でけっこうまだまだ剣技が磨かれてるぜ」

ローガン「うむ……私も人生の後輩たちにはまだ負けられぬ」

 ☆ローガンとエバンスが剣技と魔法の経験を+1積みました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:12:15.77 ID:Wh5qebX70
―大魔女帝国 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
413 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:22:37.69 ID:Wh5qebX70
―朝
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

 エデン新聞「」バサッ
 「自爆テロ再び! またも善良なる市民に犠牲者」
 「今回も犯行は国外からの滞在者によるもの」
 「外国人滞在者への在留許可基準に疑問の声」


イリス「えっ……!? 昨日もあったの、テロが……?」

ミスティ「これ……やばいんじゃないの? まだ裏で糸を引く黒幕は見つかっていないのでしょう?」

妖精(……しかも……この黒幕は、クロシュを造ったと思わしき邪悪な魔法使い……。今もなおクロシュの分体を操って、一連の事件の裏で暗躍しているとすれば……クロシュの身も、安全とはとても言えない……)

クロシュ「……」

イリス「一昨日までは、ここまで露骨な被害を出す事件は起こしていなかったのに……。犯人の目論見は一体何なの……?」

ミスティ「滞在者を操って市民を攻撃するように仕向けているみたいだけど……大魔女はなぜそのことを公表しないのかしら? このままじゃ他の滞在者に余計な憎しみが向いてしまうわ……」

妖精「……大魔女ですら手を焼く危険な魔法使いが暗躍してる……なんてことをここの国民が知ったら、多分もっとまずいことになるからだと思う。大魔女への信頼と信仰心が揺らぎ、底知れぬ犯人への恐怖が蔓延して……最悪、この国の秩序は崩壊することになる」

ミスティ「……! なるほど……良くも悪くも、大魔女への信仰によって成り立ってる国だから……それを揺るがすような情報は絶対に公開できないってこと……」

イリス「で、でも……このまま自爆テロが発生し続ければ、大魔女の責任を問う声が出るのも時間の問題じゃないの……!?」

妖精「うん……。だから多分、大魔女は今必死に事件解決の為に動いているはず。何もかもが手遅れになってしまう前に」

ミスティ「……黒幕は、そこまで把握した上でやってるのかしら」

妖精「その可能性は高い……。この犯人、あの大魔女ですら未だ尻尾を掴めないほど痕跡を消すのが上手いんだ。極めて危険で悪意に満ちた輩なのは間違いない……」

イリス「………大魔女でさえ欺くほどの実力を持っているのに……その力を、こんな酷いことに使うなんて……。同じ魔法使いとして……私、絶対に許せないよ」グッ

妖精「……」


妖精(正直に言って、めちゃくちゃに危険でやばい相手だ。大魔女を欺くほどの手腕だけでなく、クロシュを造って洗脳したということや、昨日のテロリストを操って魔王化のような現象まで引き起こした……。まともに考えれば、絶対に関わってはいけない存在だ……)

妖精(でも……ここで奴から逃げても、その先が安全だなんて保証はどこにもない。クロシュが奴に造られたのだとするなら、きっとこの先もクロシュはそいつに狙われる危険に晒され続ける……。だったら、大魔女に喧嘩を売っているこの状況を利用して、大魔女と共に奴を討ってしまうのが一番良い)

妖精(クロシュも、みんなも……絶対に、傷付けさせるもんか)


大魔女帝国滞在9日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:22:59.71 ID:mf2yUGkp0
ミスティ、ユキと模擬戦
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:39.57 ID:0JvDRc5yo
クロの出生話を聞く
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:46.27 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達とトムやトリルと食事所で食事
故郷の事についてや故郷の知り合いについて話したりする
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:31:56.20 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達、がクロシュ達とになって文章が変になってしまった
失礼しました
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:06:41.40 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

ミスティ「静かね……」スタスタ

イリス「昨日と一昨日のテロ事件で、不要な外出は控えるようお触れが出たんだって。だからまあ、私たちも実はなるべく外に出ない方が良いんだけど……」スタスタ

ミスティ「そのお触れを出さなければならない原因を突き止める為に外に出たのだから、必要な外出よ」

イリス「まあそれもそうだね……ん?」


ユキ「せっ! はあっ!」

 氷「」ガギンッ!


ミスティ「あら……」

イリス「ユキちゃんだ! 公園で……修行?」

ユキ「ミスティさん、イリスさん! ええ、まあ……昨日や一昨日のこともあったので、いつでも敵と戦えるようにしておかなければ、と……」

ミスティ「でも、犯人は滞在者を操って自爆テロに差し向けているのよ……? 一人で外に出ているのは危険だわ……」

ユキ「あっ……確かに。すみません、迂闊でした」

イリス「まあでも、今は私たちが来たから大丈夫だよ!」

ミスティ「そうね……。良ければ、私たちも修行に付き合うわ」

ユキ「良いのですか?」

イリス「もちろん! 私たちも、いつでも犯人と戦えるように力を付けておかないとだから」

ユキ「あの……それではミスティさん。私と、模擬戦をして頂けませんか」

ミスティ「えっ。いや、いいけど……どうして?」

ユキ「一昨日のミスティさんの動き……同じ氷魔法使いとして、とても洗練されているように見えました。できれば、それをもっと間近に見てみたいのです」

ミスティ「……ユキが言うほど整ったものじゃないわよ。いつもがむしゃらにやってるだけだし……。学園で真面目に学んでいるユキの方が洗練されていて強いと思うわ……」

ユキ「いえ、そんなことはありません。お願いします」

ミスティ「わ、わかったわよ。イリス、審判やってもらっていい?」

イリス「了解!」


 ――模擬戦闘開始 学生雪女のユキ――


↓1コンマ
01-20 敗北 魔法経験+1、ユキLV+1
21-60 勝利 魔法経験+1、ユキLV+1
61-90 勝利 魔法経験+2、ユキLV+2
91-00 会心 魔法経験+4、ユキ覚醒
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 18:19:46.35 ID:QGsdq2MoO
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:28.19 ID:Wh5qebX70
ミスティ「じゃあいくわよ……凍れ!」カッ

凍り付くユキ「!」パキパキ…

イリス「わっ! ちょっとミスティやりすぎじゃ――」

凍り付くユキ「いえ……問題ありません。だって私は――」パキパキ―

ミスティ「!!」

 パキンッ―
  コォォォォ――

氷の魔力を纏ったユキ「雪女ですから――」コォォォ

ミスティ「そりゃそうよね!」

ユキ「今度はこっちから行きます。ミスティさんに教えて頂いたこの技で……!」カッ!

ミスティ「!」サッ

 凍る地面「」パキッ!

ユキ「はっ! 凍て付け!」カッ! カッ!

ミスティ「っ!」サッサッ

 凍る地面「」パキッ!
  凍る地面「」パキッ!

ユキ「くっ……当たらない……!」

ミスティ「その技……集中と発動に若干時間がかかるのよ。あなたも気付いていると思うけど」

ユキ「むう……弱点も熟知しているのは当然ですか」

ミスティ「ええ。知らない相手にならほぼ確実に不意を付けるんだけどね」

ユキ「ならば……私の得意技をお見せします!」カッッッ!!

ミスティ「!」


イリス「こ、これは……!」


 吹雪の渦「」ビュオオオオオッ!!!


ミスティ「雪の、竜巻……!?」

ユキ「雪女に伝わる、相手を凍死に至らしめる極意です」


凍っていくミスティ「くっ……まずい、体が冷えて……」パキパキ

ユキ「さあ、どうしますかミスティさん……!」

凍っていくミスティ「そうね……こういう時は――」カッ

 氷塊「」ドンッ!!

ユキ「お、大きな氷の塊……!?」

凍っていくミスティ「氷属性が効かないなら……物理で殴るだけよ!!」シュバッ
 氷塊「」グオオオッ!!

ユキ「えっ……ひ、ひやああああっ!!!」アタフタ

 バゴンッッッ!!!!

ユキ「はうっ……」フラッ

 ドサッ…

ミスティ「はっ……し、しまった! ユキ、ユキ!」ユサユサ

イリス「し、試合終了!!」

 *
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:57.04 ID:Wh5qebX70

ユキ「……試合、ありがとうございました……!」

ミスティ「い、いえ……。それよりごめんなさい、つい熱が入ってしまって……」

ユキ「大丈夫です、雪女は怪我の治りも早いので。むしろ私こそ……氷が効かない雪女の身でミスティさんに勝負を挑んでしまうなんて、卑怯な真似をしてしまい……」

ミスティ「いえ、それは別にいいわ……。むしろ、氷が効かない相手にどう立ち回るかの勉強になったもの……」

ユキ「そうですか。私も……ミスティさんの戦技を間近で見て、体験することができて、とても勉強になりました……!」

ミスティ「それなら良かったわ。引き続きがんばっていきましょう」

ユキ「はいっ……!」


イリス(……前から少しそんな気はしてたけど……ミスティって、実はけっこう脳筋じゃ……?)


 ☆ミスティの魔法経験が+1となりました
 ☆ユキの戦闘レベルが上がりました

 ◆
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 19:07:50.30 ID:x4eEwMm4o
脳筋激情派だよ
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 20:16:18.23 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 クロの部屋

クロ「わあ……。クロシュちゃんに妖精さん……」

クロシュ「こんにちは……」トコトコ

妖精「お見舞いに来たよ。調子は……良いわけないか」パタパタ

クロ「うん……。わたし、大魔女さまのお手伝いをしなきゃいけないのに……」

妖精「大丈夫。例の犯人に狙われたんでしょ? それならここにいた方が良いって。その方が大魔女も安心できるだろうし」

クロ「でも……大魔女さまのこと、心配……」

妖精「大魔女ならそれこそ大丈夫でしょ」

クロ「うん……」

 *

クロ「わあ……友達を探して、世界樹の光を追ってるなんて……すごいなあ……」

クロシュ「んへへ……」

妖精「光を追えば、フメイたちの道とも交わるだろうからね。一石二鳥なんだよ」

クロ「……不謹慎だけど……ちょっと、羨ましくなっちゃった……」

クロシュ「ほえ……?」

クロ「わたし……友達、いないから……」

妖精「え、そうなの?」

クロ「うん……。わたし、こんな見た目だから……大人には子供扱いされて……かといって、子供たちの輪にも入れないし……。教授仲間にも、大魔女さまの秘書だからってちょっと距離を置かれちゃうの……。それに……」

クロシュ「……」

クロ「あ、でも……! えと、大魔女さまには、本当にとっても良くして頂いてるよ……! だから、寂しくなんてないの。本当に……ちょっとだけ、羨ましいなって……思っただけ……」

クロシュ「………じゃあ……わたしが……クロさんの、友達……!」

クロ「え……?」

クロシュ「友達……!」ニコニコ

クロ「クロシュちゃん……」

妖精「良いんじゃない? 同じ黒髪の幼女みたいな外見なんだし。まあクロシュのはフメイの擬態だけど」

クロ「でも……わたし……」

クロシュ「?」

クロ「わたし……本当は……」

妖精「……?」

クロ「…………ううん……。なんでも……ない……」

クロシュ「……」

クロ「えへへ……わたしなんかの友達になっちゃ、だめだよ。クロシュちゃん……」グスッ

クロシュ「………」


↓1〜3 自由安価 クロさんとどんな風にどんなお話をする?
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:25:16.58 ID:rHy2Sqp3O
自尊心の低いクロに友達ったら友達だとわからせてやる
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:30:30.84 ID:fFb/2tA5O
自分は友達を大切にするみたいな事を伝えつつ何で友達になっちゃダメなのか聞いてみる。
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:36:24.53 ID:0JvDRc5yo
分体クロシュを作りクロにあげることでこの国から旅立っても友達として一緒に入れるようにする
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 21:00:19.84 ID:Wh5qebX70
クロシュ「……えと……どう、して……?」

クロ「……」

クロシュ「わたし……やだ……?」

クロ「ち、違うよ……! クロシュちゃんのこと、嫌なわけないよ……。でも……その……」

クロシュ「……?」

クロ「……わたし……誰かを、好きになっちゃ……いけないの……」

クロシュ「……??」

妖精「どういうこと……? 好きになるのがいけないなんて決まり、この世のどこにもないと思うけど……」

クロ「……ごめんなさい……。詳しくは……言えないの……」

クロシュ「………えと……わたし……クロさんの、こと……大切に、できる……!」

クロ「や、やめて……! 大切に……しないで……。わたしを……愛さないで……」

クロシュ「……???」


妖精(……本当に、どういうこと……? 一体このクロという子に、どんな事情があるの……?)


クロシュ「……!」ピコン!

 デロデロ…モニョモニョ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロ「えっ……。クロシュちゃん……それは……」

クロシュ「んへへ……わたしの、分体……!」

分体スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

クロ「えっ……」

クロシュ「えっとね、今……分体のわたしが、これからよろしくねって……」

クロ「ううん……。わたし……わかるよ……。スライムの、言葉……」

クロシュ「ほえ……」

妖精「え、わかるの!?」


分体スライムクロシュ『わあ〜』モニョモニョ キャッキャ

クロ『えっと……よろしくねって、どういうこと……?』モニョモニョ

分体スライムクロシュ『えっとね……クロさんが、寂しくないように……分体のわたし、ここにいる……!』モニョモニョ

クロ『ええっ……!?』モニョニョ…!?

分体スライムクロシュ『んへへ……クロさんも、スライムなの……?』モニョモニョ

クロ『わたし……わたし、は……』モニョ…モニョ…


↓1コンマ(会話補正+30)
01-50 話せない
51-90 話す+友達になれない……
91-00 話す+友達になる
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 21:02:30.26 ID:8ZxIxN2I0
今日からお前も友達だ!
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:15:07.52 ID:Wh5qebX70
クロ「えっとね……。わたし……本当は……」

クロシュ「……」

クロ「……魔王、だったの……」

クロシュ「!?」
分体クロシュ『!?』モニョ!?
妖精「え、え……ええっ……!!!?!?」

クロ「かつて……この世界を荒らした……悪い、魔王だった……。当時の記憶は、大魔女さまに取り除いてもらったから、わたしはもう何も覚えていないんだけど……。でも……わたしは……魔王、だったの……」

妖精「う、嘘……」

クロ「この街を吊り下げてる、大きな気球……あれが、魔王だったわたしの遺骸……。大魔女さまは……あれを利用して、この街を浮かせているの……。確か……当時は、掃除の魔王って、呼ばれてたんだって……」

妖精「掃除の、魔王……!? じゃああなたは、まさか――」

クロシュ「……風船スライム、さん……?」

クロ「わあ……妖精さんと、クロシュちゃんも……知ってたんだ……」

クロシュ「んゅ……」

クロ「…………だから……友達には、なれないの。だって……たくさんの命を奪ったわたしに、誰かに愛されたり、愛したりする資格なんてないし……。きっと、魔王なんかが愛を望んだら……この国は、最悪なことになっちゃうもん……」

クロシュ「そんなこと……ない……! だって……クロさん……寂しいもん……!!」

クロ「いいの……。わたし、わかってるもん……」

クロシュ「んゅゅ……」

クロ「……分体……わざわざ、わたしのために作ってくれたのに……ごめんなさい」

 クロに持ち上げられる分体スライムクロシュ『〜〜…』モニョニョ…

クロ「わたしなんかのために身を裂いちゃ、だめだよ。はい……」

 クロシュに戻っていく分体スライムクロシュ『』デロデロ…モニョモニョ…

クロシュ「んゅ………」ジワワ

クロ「ああ、泣かないで……。わたし、本当にクロシュちゃんのこと……全然、嫌いじゃなくて……。えと……でも……わたしなんかの友達に、なったら……良くないから……」

妖精「……良くないから……大切に思えるから、友達にできないんだ」

クロ「あっ……」

妖精「……矛盾してる。クロは、この街のことも、大魔女のことも……たくさんのものを既に大切に思って、愛してるでしょ。そして元魔王が愛したものが酷いことになるっていうなら、この街も大魔女もとっくに酷いことになってるはず。でもそうなってない。それは……クロが誰かを愛したって、何も悪いことなんて起きないからでしょ!!」

クロ「っ……!」

妖精「そもそも大魔女が施した術なら、元魔王だろうが何だろうが現実に悪い影響を及ぼす力なんて残ってるわけないでしょ!! 観念してクロシュの友達に――」

クロ「ちがう……わたしなんか……わたし、なんか……」

クロ『〜〜〜……』モニョモニョモニョ…

 扉「」バァンッ!

クローディア「そこまでよ!」

妖精「あっ……!」

 ◇
430 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:17:16.70 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 応接室

妖精「えっと……その……ごめん。私……クロに、酷いことを……」

クロシュ「んゅ……」

クローディア「……クロのことは、クロ自身から聞いたのでしょう? それなら仕方ありません。あなたたちがクロのことを思って、あのようなことを言ったのも理解しています。むしろ私は……クロの友達になろうとしてくれてありがとうと、感謝しなければならない……」

妖精「……」

クローディア「……あの子があんな性質になってしまったのは……私があの子に魔王だったことを教えてしまったたことや、魔王としての感情の全てを取り除いてあげることができなかった私の落ち度なの。もっと上手くやれていれば……あの子を苦しませることなんてなかった……。当時の私は……あの子のことを、強力な浮遊物体としてしか見ていなかった……」

クロシュ「……」

クローディア「ええ……そうよ。この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ。あの子が……どんな思いで魔王になって、どんな慟哭を上げながら地上を破壊していたのかも知らず……知ろうともせず……」

妖精「……!」

クロシュ「……」

クローディア「後になって……あの子が、誰かを愛したり愛されたりすることに酷い罪悪感を覚えてしまう……魔王だった頃の後遺症とでも言うべき症状を抱えていることに気付いた。でもその頃にはもうエデンの運行も軌道に乗り始めていて……下手なことをすれば、エデン諸共魔王の力で消滅してしまう危険があったの。だから……クロの苦しみを知りながら、私は見てみぬフリしかできなかった……」

妖精「そんな……そんなことって……!」

クローディア「たった一人の女の子を生贄にして、この街は安全で快適な高度を保っているの。それがこの……楽園の真実。フフ……最低でしょう?」

妖精「……」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票 クロシュはどう思う――
1.最低だ
2.最低じゃない
3.わからない
4.どうにもならない
0.その他(自由安価。票数は内容ごと)
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:18:46.68 ID:mf2yUGkp0
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