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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4

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281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:02:14.30 ID:BbqgHer60
クロシュ、学園に潜入捜査
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:02:18.01 ID:ecTrgLJX0
イリス、ローガン三人組の学生と一緒に魔法の授業を受ける
283 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 20:01:12.33 ID:1pxr88Pl0
クロシュ「ごちそうさまでした……。美味しかった、です」

割烹着ロディナ「良かったです」

イリス「あれ、もう食べちゃったの? 早食いはあんまり体に……いや、スライムだから人間とは違うのかな……?」

クロシュ「……?」

イリス「ま、まあいいや。そうだロディナさん、ここ最近変な事件が多いですけど……ロディナさんは犯人に心当たりとかあったりしますか?」

割烹着ロディナ「犯人ですか……? すみません、私は滞在者への対応および接待の担当なので……事件関係でしたら治安維持担当のホムンクルスか上級オートマタにお聞きくださいませ。ただ、彼らも捜査中の情報については答えられない可能性が非常に高いかと思います」

イリス「あ、そりゃそうですよね。すみません……って、ホムンクルス……!? あの、失礼ですが……ロディナさんのご種族は――」

割烹着ロディナ「私の種族はホムンクルスということになっております。ただ、私の作成過程には大魔女様の独自技術が使われているため、他の国で見られるホムンクルスとは少々異なる部分があるかもしれません」

イリス「ほ、本当にホムンクルス!? 人間かと思ってた……!」

割烹着ロディナ「一般的なホムンクルスは人間とは異なった外見をしている場合が多いので、私たちを人間だと勘違いする滞在者の方は少なくないようです。特に勘違いされても問題はないので、私たちの方から敢えて種族を明かすこともあまりないのですが」

クロシュ「ほむんくるす……」

イリス「ホムンクルスっていうのはね、主に生命とか物質に関わる属性の魔法で造られる人工生命体のことなんだよ。イスファハーンでクロシュちゃんが助けたあの銀色のスライムさんも、広義の意味ではホムンクルスって言えるかも」

クロシュ「わあ……」

割烹着ロディナ「この大魔女帝国で公的な職務に就いている者のほとんどは、大魔女によって造られたホムンクルスやオートマタです。これにより、大魔女帝国では常に安定した国家運営と高い生活水準が保たれています」

イリス「すごい……! それじゃあもしかして、国民の全員が働かなくなっても国は回るってことですか……!?」

割烹着ロディナ「はい。大魔女帝国では勤労の義務がないため、配給される食事と住居で働かずに暮らしている方々もおられます」

イリス「なんと……。でも確かに、働かなくても家とご飯があるなら働かないのはおかしくないかも……」

クロシュ「……えと……ごはんの食材も、ホムンクルスさんたちが、作ってるの……?」

割烹着ロディナ「食料は大魔女様が魔法で生産しております。既存の動植物の命を奪わず食材だけを生産する、とてもクリーンで優しい方法です」

イリス「えええっ!? し、食材だけを生産する魔法……!? そんなものがあるの……!?」

割烹着ロディナ「はい。組成がわかれば、命を通さずに食材を生成することは可能です」

イリス「……言われてみれば、確かに不可能じゃないか。でも物質の創造ってけっこう大きな魔力が必要ですよね? ここの国民全員分の食料を毎日三食分、恒常的に生成し続けるなんて、本当に可能なんですか!?」

割烹着ロディナ「はい。実際に生成できているので、可能なのだと思われます」

イリス「うっ、それは確かに……。大魔女様って一体どれだけとんでもない魔力を持ってるんだろう……」

割烹着ロディナ「また、この国の魔導機械に使われる魔力や水道の水も大魔女様によって安定供給されております」

イリス「……め、めまいがしてきた……もし私が同じだけの魔力を供給しようとしたら、たぶん1秒ももたずに干からびて死んじゃう……」

割烹着ロディナ「ご安心ください。イリス様にそのような供給を強いることはございません」

イリス「強いられたら本当に死ぬよ!!」

クロシュ「わあ……」



イリス「ちなみに私たちも戦いの場で水とか氷とか鋼とか土とかホイホイ作ってるけど、あれは完全な物質創造じゃなくて期間限定の仮物質なんだよ。仮物質は時間が経てば消滅しちゃうの。本物の物質をホイホイ作ってたら魔力がいくらあっても足りないからね」

クロシュ「そうなんだ……」

イリス「でも私が海上とか砂漠で作ってる水は本物物質だよ。海上なら水魔法で海水から塩とかの不純物を取り除けば良いだけだから簡単だったけど、砂漠では空気中にも水分が全然ないから魔力で本物を創造するしかなくて大変だったなあ」

クロシュ「わ……。えと……イリスさん、ありがと……」

イリス「いいのいいの! 魔力は寝てれば回復するからね」

割烹着ロディナ「イリス様も水を創造できるのですか。素晴らしい腕前と魔力をお持ちなのですね」

イリス「あはは……大魔女様に比べれば全然ですけどね」

 ◆
284 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 20:50:46.26 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園
 講義室

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「……」チョコン

妖精「パンフレットに書いてあった通り、滞在者の身分でも普通に受講できたね」

ミスティ「……魔力操作基礎……私もちゃんとしたやり方は学んだことがなかったし、丁度良いわ……」

イリス「私もこれを機に基礎を復習しようかな」


 扉「」ガラッ
クローディア「みんな席に着いてる? 今日の講師は私よ」ツカツカ


 ザワザワ…

イリス「え、ええっ……!?」

ミスティ「あ、あれって……大魔女……!?」

クロシュ「わあ……」

妖精「な、なんで大魔女が……!?」


クローディア「本日この講義を担当する予定だったキソマホ教授はアイス教授が作ったかき氷を食べすぎてお腹を壊したから、私が代わりに講師を務めます。私の姿を見られて嬉しさの余りに騒いでしまう気持ちはわかるけれど、講義は静かに、真剣に受けなさい」


生徒たち「はい!」


クローディア「良い返事ね。フフ……今日は外来生も多いみたいだし、張り切っちゃおうかしら」ニコ


↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 全員魔法経験+1
31-60 全員魔法経験+2
61-90 全員魔法経験+3
91-00 全員魔法レベル+1
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 20:53:45.45 ID:SMckU9Y8O
クリティカれ
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 21:32:28.55 ID:1pxr88Pl0
クローディア「――ということ。理解できた?」コンコン


ミスティ(なるほど……全然知らなかったわ……。勉強になるわね……)

イリス(私、基礎をわかった気になってたけどまだまだ理解が足りてなかったかも……!)カキカキ

妖精(まあ基礎だね。この辺は妖精も人間も変わんないみたい)


クロシュ「んゅ……」グルグル

クローディア「あら、難しい?」ヌッ

クロシュ「わ……!」

クローディア「そうねえ……スライムの感覚なら――」

クロシュ「……?」

クローディア「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「!」

妖精(ええっ!? 大魔女ってスライム語も喋れるの……!? ていうかスライム語って人間の声帯で出せる音なの!?)

クローディア『声帯を調整すれば誰でも話せるわ』モニョモニョ

クロシュ『わあ……!』モニョニョ…!

妖精(当たり前のように声帯を調整するな!)


クローディア『ふむふむ……妖精さんは流石に私程度の講義で学べることはないみたいね』モニョモニョ

妖精(そりゃまあ、基礎くらいならね。ていうかなんで私にまでスライム語で話すの……)

クローディア『スライム語って知らない人にはほとんど聞こえない音だからいろいろ便利なのよね』モニョモニョ

 ◇

クローディア「では本日の講義はここまで。次回からは通常通りキソマホ教授の授業に戻りますが、内容は継続しますので予習と復習を欠かさないように。またね♪」ニコッ ツカツカ

 扉「」ガラッ


イリス「……けっこう学び直せた。一度基礎を見直してみようかな……!」

ミスティ「私は普通に勉強になったわね……。ちゃんと基礎を学んでみたいわね……」

妖精「クロシュはどうだった?」

クロシュ「あ、うん。えと……ちょっと、わかったかも……」

イリス「大魔女様とスライム語で話してたよね。どんなお話をしてたの?」

クロシュ「えっとね……スライム向けの、基礎を……教えて、くれた……」

ミスティ「スライム向けの基礎……どんなのなのかしら……」

クロシュ「えと……魔力を、デロデロにして……」モニョモニョ

イリス「……なんで大魔女様はスライム向けの魔法の使い方まで知ってるんだろう」


妖精「ところでよくスライム語で話してるのがわかったね。あれ、人間には聞き取りにくい音じゃない?」

イリス「まあ、普段からクロシュちゃんのスライム語をしょっちゅう聞いてるからかな?」

ミスティ「私も最近はスライム語の響きを少し聞き取れるようになってきたわ」

クロシュ「んへへ……。〜〜」モニョモニョ

イリス「でも何を言ってるかまではわかんないよ!?」

 ☆クロシュ、イリス、ミスティが魔法経験を2獲得しました

 ◆
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 21:51:43.92 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「さて、せっかく学園に来たわけだしここで聞き込みでもしてく?」

イリス「そうだね。でも一般の生徒に聞いても飛行手段はどうにもならなそうだし……」

ミスティ「……一般的じゃない調査方法にすれば良いということ?」

イリス「いや、一般的じゃない調査方法って……」

クロシュ「!」ピコン

妖精「……一応聞こうか。クロシュ、何を思いついたの?」

クロシュ「えと……わたしが、透明になって……立入禁止の向こうに、行く……」

妖精「却下。それでこの前酷い目にあったばかりでしょ。ここは大魔女もいる魔法学園なんだよ、どこで見つかるかわからないでしょ」

クロシュ「んゅ……。わかった……」

妖精「わかればよろしい」

ミスティ「……発想自体は悪くない気がするわ。つまり、立入禁止の場所に入らなければ良いということでしょ?」

妖精「まあ……。でも、それだったら透明化する必要ないんじゃない?」

ミスティ「いいえ。透明化して聞き耳を立てるのよ。新参の滞在者に聞かれても答えにくい内容でも、生徒同士の雑談なら話せることだってあるかもしれないわ」

イリス「まあ、そうかも……? でもそれでピンポイントに飛行手段を手に入れるのってものすごく運が必要じゃない……?」

ミスティ「……それはまあ、そうかもしれないわ。でもやるだけやってみましょう!」

クロシュ「う、うん!」

妖精「上手くいくかなあ」


↓1コンマ
01-10 ???
11-30 昏倒した生徒を発見
31-60 犯行現場に遭遇
61-90 犯人確保
91-00 ???
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 21:52:55.13 ID:eLpKCVhDO
はい
289 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:30:24.95 ID:1pxr88Pl0
光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「わ!」

ミスティ「とりあえず、全員でこれにくるまれば見えなくなるわね……」

妖精「窮屈だ……」

 ◇

光学迷彩「」モゾモゾ ヨタヨタ


イリス「……ん? ねえ、あれ……!」


 昏倒した生徒「」グッタリ


ミスティ「昏倒した生徒!」

イリス「助けなきゃ!」

光学迷彩マントクロシュ「」バサッ

 *
290 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:30:51.71 ID:1pxr88Pl0
―保健室

昏倒していた生徒「……」

保険医ホムンクルス「命に別状はありません。発見および移送していただきありがとうございました」

イリス「いえ、それは良いんですけど……。彼が昏倒していた原因は一体……?」

保険医ホムンクルス「それが……全くの原因不明なのです。今大魔女様に診て頂ければ――」

 扉「」ガラッ

クロ「大魔女様を連れてきたよ!」トテトテ

クローディア「来たわ。例の生徒は――その子ね」ツカツカ

イリス「大魔女様!」

クロシュ「わあ……!」

クロ「クロシュちゃん! 見つけてくれたんだってね。ありがと」

クロシュ「うん……」

クローディア「それでは原因を特定します」

ミスティ「……わかるの? 原因が」

クローディア「ええ。魔法によるものであれ、薬物によるものであれ、このような結果には必ず痕跡が残る。それを見つけ出すのは簡単なことです」スッ

妖精「痕跡……少なくとも魔力の痕跡はないみたいだけど……」

イリス「うん。だとしたら薬物……?」

昏倒している生徒「……」

クローディア「いえ、これは……限りなく巧妙に隠されていますが、生命に干渉する魔法が施された痕跡があります」

妖精「えっ嘘!?」

イリス「そんな!?」

ミスティ「……全然わからなかったわ」

クローディア「あなたたちにわからなくても無理はないわ。これは世界最高クラス……私の次の次の次くらいに魔法を極めた者の手腕です。もしこの術者が本気の殺意を見せたら、彼は赤子の手を捻るよりも容易く命を奪われていたでしょうね」

クロ「そんな凄腕が……。なんでこんなことを……」

クローディア「……登録されている国民にも、現在滞在している滞在者にも、生命に干渉する魔法が使える者はいないはず……。だからこれは多分……挑発でしょうね」

ミスティ「挑発……?」

クローディア「ええ。挑発に乗せられるのは癪だけれど、これ以上無法者を野放しにするわけにもいかない……かといってただの警備じゃこいつの尻尾は捕まえられないわ。クロ、良い?」

クロ「うん! わたし、大魔女さまの次の次くらいにできるもん! だから大丈夫!」

クローディア「悪いわね。でもあなたも、決して一人で相手をしてはだめ。こいつはかなり危険な相手よ……もし見つけたらすぐに私に知らせなさい。指輪は機能しているわね?」

クロ「わ、わかったよ。大魔女さまがそう言うなら……無理、しない」

クローディア「ええ。あなたはこの街にとって最も大切な存在なの。わかってるわね?」

クロ「……うん!」

 ☆学園内の警備が強化されました

 ◆
291 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:40:20.05 ID:1pxr88Pl0
―夜
 宿泊室

スライムクロシュ「……」zzz


イリス「な、なんか大変なことになっちゃったね……」

ミスティ「ええ……。大魔女の次の次の次くらいに優れた魔法使い……そんなとんでもない奴がいるなんて、にわかには信じがたいけれど……」

妖精「……でも、私の目を欺くほどの術師となると確かに相当な腕前だよ。私、これでも魔力反応とか痕跡を見つけるのは得意な方だと思ってたんだけどなあ。とにかく私たちも気を付けないとまずいかも」

イリス「うん。なるべく一人にならないようにしよう。世界最高レベルのテロリストなんて出くわしたら大変だし……」

ミスティ「……またシノホシの奴らだったりするのかしら」

妖精「それは……どうだろう。シノホシは人間を目の敵にしてるけど、この国は人間の国ってわけでもないし……。もしシノホシだったら、今まで掲げてたシノホシの理念ってやつを自分からぶち壊すことにもなっちゃうから違うんじゃないかなあ」

ミスティ「なるほど、確かに……。でもそれなら、本当に一体誰なのかしら……」

イリス「生命に干渉する魔法に精通したテロリスト……うーん、なんか引っかかるけど……なんだったかな……」

妖精「まあ考えても仕方ないし、今日はもう寝よう」

 ◆
292 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:54:40.05 ID:1pxr88Pl0
―大魔女帝国 滞在5日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
293 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:55:31.65 ID:1pxr88Pl0
―朝
 宿舎 食堂

 チュンチュン

ローガン「テロリストか……」

妖精「うん。かなりの手練れみたいだから、ローガンとエバンスも気を付けて」

エバンス「おう……。しかしまあ、俺たちの行き先にゃいつもこういうヤバイ奴が出てくるな……」

妖精「世界樹の光とは直接関係のないこの国なら大丈夫だと思ってたんだけどね……」

ローガン「市場での暴走オートマタ騒ぎや劇場でレッサースライムが落ちてきた事件に、大庭園で蔓延っているミントウネなども、その者が関与しているのだろうか」

妖精「可能性はあると思う。どれも今まで全く起きたことがなくて、ここ最近でいきなり発生し始めた事件なんだもん」

エバンス「何が目的なんだろうな」

ローガン「……検討も付かんな。それほどの実力のある者なら、やはり他国の工作員か? しかしそれならやり方が手ぬるい気も……」

エバンス「確かに……殺せる実力があるなら、殺した方がより大きな混乱を起こせるはず。大魔女からの報復を恐れている……なんてのは流石に通用しないよな、工作員なら」

妖精「まあとにかく気を付けてよ。ローガンとエバンスはこういう手合にも慣れてるでしょ? 頼りにしてるから」

エバンス「世界最高クラスの工作員の相手は流石に慣れてねえけどな!」


大魔女帝国滞在5日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:55:46.62 ID:l49XH9SYO
クロにどんな対策をとるのか尋ね
手伝えそうなら協力する
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:56:13.74 ID:Msdg2Y0hO
魔法店でバイオレット姉妹について聞く
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:56:54.29 ID:eLpKCVhDO
広場で聞き込み中に学生三人組に会う
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:59:08.97 ID:ecTrgLJX0
クロシュ達が移住区で偶然ヨハンナに遭遇する
298 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:59:55.53 ID:1pxr88Pl0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロさんのお手伝い編、バイオレット姉妹のお話編、学生三人組に聞き込み編となります

劇場で事件に巻き込まれたり、食堂でホムンクルスのロディナさんとお話したり、大魔女さまの講義を受けてみたり、昏倒事件を発見してしまったりといった様子でした。大魔女帝国で一体何が起きているのか。暗躍する悪意の真の狙いとは。クロシュは、闇に潜む敵を暴けるか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 04:25:33.30 ID:urh4bkJ/o
おつでした
今回まだ黒幕がまったく見えてこないな…
300 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:00:00.18 ID:m5uBjrem0
黒幕の正体は今のところわかっておりません。わかっていることは、生命に干渉する魔法を使えることと、大魔女でなければ看破できないほど魔力の気配を隠すのが上手なことくらいです。この恐るべき敵はその正体を隠し続けており、その目的も未だに不明なままです。気を付けるのが良いでしょう
301 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:00:39.56 ID:m5uBjrem0
―朝
 魔法学園 廊下

クロ「……」キョロキョロ トコトコ


妖精「あ、クロだ」パタパタ

クロシュ「わあ……」トテトテ


クロ「……ん? あ、妖精さんとクロシュちゃん。おはようございます」ペコリ

クロシュ「おはよう、ございます……」ペコ

妖精「おはよ。見回り?」

クロ「うん。相手は魔力の気配を消すのがものすごく上手みたいだから、目視で発見しないといけないの」

妖精「でもクロみたいな教授が見回ってるところでは動かないんじゃないかな」

クロ「う……それはそうかもしれないけど……。でもわたしが見てるところなら、その人も悪さできないってことでしょ? それに、ほらこれ」スッ

 注意喚起ポスター『不審な昏倒事件が多発しています。一人での行動は避け、不審な人物を目撃した場合は速やかに職員へ連絡してください』

妖精「なるほどね。正直学園全体を閉鎖しても良い気もするけど……」

クロ「今のところただ昏倒するだけで命に別状はないから、事件性はあるものの閉鎖には至らないの。もし傷害や殺人に発展するようであればそうも言ってられなくなるだろうけれど……」

妖精「そういうもんか」

クロ「うん。それに警備も強化されてるから、今後はそう簡単には――」

 ――…

クロ「!」タッ

妖精「攻撃的な魔力反応……! クロシュ、追うよ!」パタパタ

クロシュ「う、うん!」タッ


↓1コンマ
01-50 犯行現場
51-90 犯人確保
91-00 ??
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:01:27.37 ID:B2fS8T5R0
どうなる
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:43:52.72 ID:m5uBjrem0
女子生徒「……」ドサッ


クロ「! 間に合わなかった……!?」ザッ

妖精「違う! まだいる! こいつ――魔法で姿を隠してる!」パタパタ

クロシュ「! そこ!」ビシッ

クロ「……! 捉えた! えいっ!」ブンッ

 魔法弾「」ピュンッ

 ベチッ

透明「んゅっ……!」


妖精「えっ……!?」

クロ「……!?」


透明「〜〜っっっ」トテトテ


妖精「あ、逃げ……」

クロ「……」

クロシュ「……??」


妖精「……逃げられた」

クロ「えと……クロシュちゃん……?」

クロシュ「……?」

妖精(……クロの放った魔法弾が当たった時……透明の何者かが上げた声は……)

クロ「……ううん、なんでもない。クロシュちゃんは……わたしたちと一緒にいたんだもんね」

クロシュ「???」

妖精(……クロシュに、そっくりだった)

 ◆
304 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:44:25.65 ID:m5uBjrem0
―市場
 ヤーレン魔法店

 カランカラン

ミスティ「こんにちは」

イリス「こ、こんにちは」


スール「らっしゃ〜い。おや、こないだユキちゃんが連れてきた黒髪の子じゃないか。また新しい子を連れてきてくれるとはありがたいねえ」ニコニコ

フローレンス「最近繁盛してますね……ん? 貴女……もしかして、ダークヒーローイリスですか?」ズイッ

イリス「えっ……!? いや、まあ……一部の新聞ではそのように言われてるみたいですけど……ほとんど脚色だと思います」

フローレンス「へえ、否定しないってことは本人なんですね。一行が来てるのは知ってたのでもしかしたらとは思っていましたが……なるほど、貴女がフラナのお気に入りの……」マジマジ

イリス「うぅ……」モジモジ

スール「こらこら、やめてやんな。ダークヒーローったって普通の女の子なんだろ? 見世物じゃないんだから」

フローレンス「おっと、失礼致しました。あのフラナが人間を気に入るなんて珍しいものですから、つい私も興味を持ってしまいました。ご容赦くださいね」

ミスティ「……ええと、あなたたちはフラナさんのことを知っているの?」

フローレンス「昔のことなら。最近のことはさっぱりですけどね」

スール「同じくだねえ。あたしらは今の魔族国が魔族自治区になるよりももっと前にあの国を離れちまったからさ」

イリス「てことは、旧魔族国って呼ばれてた時代の……?」

フローレンス「そういうことです。この国の方が居心地が遥かに良いですから」

スール「はっはっは、ここより居心地の良い国なんて他にあるもんかい」

イリス「……えと、それじゃあ少しお聞きしたいんですけど……フラナさんとフレメアさんの間には、どのようなことがあったんですか? 今、お二人はものすごく仲が悪いみたいなんですが……」

フローレンス「あいつらの確執についてですか?」


↓1コンマ
01-60 本人らに直接聞いた方が良いですね
61-90 ……ちょっと可哀想な関係なんですよね
91-00 ???
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:46:16.35 ID:c+V0WY0DO
???
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:46:19.00 ID:gwx9XmO3O
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 17:59:12.86 ID:m5uBjrem0
フローレンス「あー……本人らに直接聞いた方が良いですね。それは」

イリス「……」

フローレンス「勘違いしないで欲しいんですけど、イリスちゃんに意地悪したいわけじゃないんですよ。ただ、まあ……けっこう繊細な話題というか」

スール「だねえ……。部外者が勝手に言いふらすのはちょいと憚られる話なのさ」

イリス「そうなんですか……?」

スール「悪いね。あたしから言えるのは……あいつら二人のうち、どっちかが一方的に悪いわけじゃないってことくらいかね」

フローレンス「多分、片側からはもう一方が絶対悪に見えてるんでしょうけどね。まああと何百年かすれば悪感情も風化するんじゃないですか?」

イリス「な、何百年……」

フローレンス「その前にフラナが王国に殺されるか、フレメアが逮捕されて処刑される方が早いかもしれませんけどね」

イリス「え、ええ……」

スール「はっはっは、あの姉妹がそう簡単にくたばるもんかね?」

フローレンス「死ぬ時はさっくり逝くもんですよ。どんな生物でも」

 ◆
308 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:00:49.61 ID:m5uBjrem0
―広場

 噴水「」シャワシャワ

イリス「うーん……フラナさんたちの間に一体どんなことがあったんだろう……」

ミスティ「部外者が勝手に言いふらすべきじゃないことらしいけど……想像もつかないわね」

イリス「でも、聞くなら本人に聞くっていうのは確かにその通りだよね」

ミスティ「……聞くの?」

イリス「……いや……うーん……」


ユキ「あ、ミスティさん……!」タッタッタッ


ミスティ「あら、ユキ……。もう学校は終わりなの?」

ユキ「それが……また昏倒事件が発生しまして、今日は休校になりました」

イリス「休校……」


橙髪の少年「おーいユキ、どうしたんだよいきなり走り出して!」タッタッタッ

ユキ「トム……以前話したミスティさんよ」

橙髪の少年→トム「おお!? ダークヒロインミスティか!?」ヌッ

ミスティ「え、何それ……」

白髪の少年→トリル「トム〜……初対面の人を呼び捨てにするなんて、すごく失礼だよ……」スタスタ

トム「遅いぜトリル! 別に良いじゃんか、だってダークヒロインだぜ!?」

ユキ「……トム……ミスティさんを軽んじるような発言は許さないよ……」ゴゴゴゴ…

トム「うぇ!? わ、悪かったって……!」

ユキ「私じゃなくて、ミスティさんに謝りなさいよ……」ゴゴゴゴ…

トム「うっ……す、すみませんでしたミスティさん!」ペコッッッ

ミスティ「いやまあ、別に良いけど……私も割と呼び捨てにするし……」



イリス「でもダークヒロインミスティだって! ダークヒロインミスティ!」

ミスティ「何よ、ダークヒーローイリス……」

 *
309 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:01:18.21 ID:m5uBjrem0
イリス「へぇ〜、三人は同じ学年の友達なんだ」

ユキ「はい。出身はそれぞれ違いますけど」

ミスティ「ユキはオノゴロ地方の出身なのよね」

ユキ「はい。見た目は人間に近いですが、実は種族も『雪女』というオノゴロの魔族なんです」

イリス「雪女! 氷属性を使いこなす絶世の美女ばかりって言われるあの雪女!?」

ミスティ「道理で私のわかりにくい授業でも理解できたわけね……」

ユキ「……なんか、他の地方だと誇張されて伝わってるみたいですね……雪女って……」

トリル「でもユキちゃんって将来すっごい美人さんになりそうだよねぇ」

ユキ「そ、そう……?///」

トム「性格はめちゃくちゃキツそうだけどな!」

ユキ「トム……?」ジロッ

トム「なんでもございません。ちなみにオレはトコナツ火山島の出身だぜ!」

イリス「へえ、トコナツ出身なんだ! じゃあモーリィさんのことも知ってるの?」

トム「おう! 姉ちゃんたちも知ってんのか?」

イリス「うん。いろいろ旅をしてきたからね」

ミスティ「じゃあ、レッドのことや猫人のコルトさんのことも知ってる?」

トム「知ってるぞ! レッドの奴も猫のおっさんも、島の仲間だからな!」

イリス「おお……世間は狭い。トリルくんはどこ出身なの?」

トリル「ぼくはテラヌス・ウルス出身だよ。お姉さんたちは、行ったことある?」

イリス「うん、あるよ! 前にリアンノンちゃんたちと一緒にミイラと戦ったの!」

トリル「わあ、リアンノンちゃん元気なんだ……! けっこう魔族を嫌う雰囲気が蔓延してたから心配だったけど……」

ミスティ「非人間排斥法案は否決されて、今は人も魔も手を取り合って団結しているはずよ。水不足も解消されたし」

トリル「そうなんだ……帰るのがちょっと楽しみになってきたかも……!」


 ―――……


イリス「!」バッ

ミスティ「この気配は――」


↓1コンマ
01-05 ???
06-35 脱走ミントウネの群れ
36-65 レッサースライムの群れ
66-95 透明の何者か
96-00 ???
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 18:02:23.09 ID:EH7M26GT0
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:36:19.56 ID:m5uBjrem0
ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! トテトテトテトテ


イリス「あ、あれは――」

ミスティ「小さいアルラウネたち……? かわいいわね……」

トム「いや、ありゃミントウネだぜ!」

イリス「あ、確か大庭園で大発生してるっていう――」


緑髪のイケメンエルフ「おおーいそこの君たち!!」タッタッタッ


ユキ「あれは……都市緑化担当のティリウスさん!」

緑髪のイケメンエルフ→ティリウス「そいつらを止めてくれぇー!!」タッタッタッ

イリス「わ、わかりました!」

ミスティ「ええ……!」バッ


 ――戦闘開始 ミントウネの群れ――


↓1コンマ
01-30 大魔女が現れて焼き尽くした
31-90 移動阻止成功
91-00 会心
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 18:38:10.61 ID:AzE+7er1O
313 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 19:36:30.28 ID:m5uBjrem0
トム「おっし、オレの炎で全員まとめて――」ゴウッ

ユキ「ちょっと何する気!?」シャッ

 ゲシッ
トム「痛っ! お、お前こそ何すんだよ!?」

ユキ「あんたの炎じゃ焼き殺しちゃうでしょ!?」

トム「でもあいつら侵略的外来種ってやつなんだろ!? だったら駆除しねーと……!」

トリル「あわ……! け、喧嘩してる場合じゃ……」


ミスティ「氷壁!」カッ

イリス「こっちは岩の壁!」

 氷の壁「」ギンッ!

ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! オロオロ

 岩の壁「」ズドンッ!


ティリウス「おお〜素晴らしい魔法の冴えだ! ありがとう学生たち!」タッタッタッ

ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! オロオロ


 ――戦闘終了――
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 19:38:03.03 ID:m5uBjrem0
ミントウネの群れ「〜〜」オロオロ

イリス「あの……そのミントウネの子たちは、どうするんですか?」

ティリウス「そうだね……。かわいそうだけど、肥料になってもらうしかないかな」

ミスティ「肥料に……。それって、やっぱり――」

ティリウス「ああ、そうだよ。殺すんだ。ミントウネばかりが増えたら、ここの植生はめちゃくちゃになっちゃうからね……。それは他の植物たちにとっては勿論、当のミントウネたち自身にとってもあまり良い未来ではないんだ」

ユキ「……」

イリス「……あの、元々ここにはいなかったんですよね? ミントウネは」

ティリウス「そのはずなんだけど……誰かが持ち込んで植えちゃったんだろうね。はあ、困ったよ……」

トム「……誰が持ち込んだのかはわかんねーの?」

ティリウス「調査中だよ。でも成果は芳しくない」


ミントウネの群れ「〜〜…」シクシク…

トリル「……どうして……こんなこと……」

ユキ「……許せない」グッ

ミスティ「同感ね。犯人を同じ目に遭わせなければ気がすまないわ……」

イリス「……」


イリス(レッサースライムの事件も、今回のも……小さな命を何とも思っていないかのような、邪悪さを感じる)

イリス(この街で暮らす国民には大した影響はないかもしれないけれど……犠牲になっていくレッサースライムや、ミントウネたちにとっては、そんなの関係ない。この子たちには……理不尽に殺されるという悲惨な結果しかない)

イリス(私も……この犯人は、許せないよ)グッ

 ◆
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:05:07.71 ID:m5uBjrem0
―夕方
 宿舎 食堂

 たくさんのごはん「」デデン!

スライムクロシュ「〜〜」バクバク モグモグ モニョモニョ

 大量の空皿「」カラン


エバンス「お、おお……今日のクロシュちゃんはいつにも増してたくさん食ってるな」

ローガン「炎化などしたのか?」

妖精「いや……してないはず」

エバンス「そうなのか。まあこの国は物価が安いし、しかも三食無料なんだ。食えるだけ食っても良いと思うぜ」

ローガン「うむ。クロシュくんは育ち盛りなのだろうし、腹が減った分しっかり食べるのが良い」

妖精「もう、二人ともクロシュに甘すぎじゃない?」


妖精(……でも……あの透明の、クロシュみたいな声を出した奴は一体何だったんだろう)

妖精(少なくともクロシュではない。だってクロシュはずっと私たちと一緒にいたし、そもそもあの透明を見つけて指さしたのだってクロシュだもん。だから、クロシュでは絶対にない)

妖精(でも……だとしたら、あれは何?)

妖精(……この事件……思っていた以上に、危険な気配がしてきた……)
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:38:27.16 ID:m5uBjrem0
―夕方
 魔法学園 廊下

 窓から差し込む夕日「」

 夕日の橙色に染まる廊下「」


クロ「……」スタスタ キョロキョロ

 カツン―

クロ「!」バッ


 カツン カツン―


クロ(……誘われてる? わたし一人だと思って、舐めているの……?)

クロ(………でも、相手は危険な魔法使い……。まずは大魔女さまに連絡しよう)

 ピッ

クロ「大魔女さま、曲者です。四号館の三階廊下……姿は見えませんが、わたしを挑発しています」

指輪『四号館の三階廊下ね。わかった。曲者から距離を取りつつ見張りを続行して』

クロ「はい」

指輪『ただし危険を感じたらすぐに撤退しなさい』

クロ「わかりました……」

指輪『決して無茶をしないこと。いいわね』

 プツン―


クロ「……」スクッ


 カツン―


クロ(……! 離れる……! 逃さないようにしなきゃ……!)タタッ

 ◇
317 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:39:33.99 ID:m5uBjrem0
―空き教室

 カツーン…

クロ(この講義室にいる……! 大魔女さまは無茶をするなって言うけど……窓から逃げられたりしたら見失っちゃうし、わたしも入らなきゃ……!)

 扉「」ガラッ

クロ「鬼ごっこは終わりだよ!」バッ


 空き教室「」シーン―


クロ「……! また、姿を魔法で隠して――えっ?」


 教壇「」
 奇妙な本『』モニョモニョ


クロ「教壇の上に……本……? これは」スッ

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

クロ(なに……この本……。目が離せない……絶対に、開いちゃだめだってわかってるのに……体が……)ヨタヨタ

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョモニョ

クロ(だ、だめ……これを、読んだら……わたしは……わた、し――――)

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョモニョモニョ

クロ(あ、あ……たすけて……だいまじょ、さ……)

 扉「」バァンッ!!!

クローディア「クロっ!!」タタッ

クロ「はっ……! だ、大魔女さま!!」

クローディア「大丈夫!? 怪我は!? 何をされたの!?」ズイッ

クロ「あ……え、と……」チラッ

 教壇「」ポツン

クロ(あれ……? 何も、ない……?)

クローディア「……こわいものを見たの? 大丈夫よ……」スッ

 ギュッ……

クロ「ふあ……。大魔女さま……」

クローディア「クロはもう一人ぼっちじゃないわ。私がずっと一緒よ」

クロ「大魔女、さま……」

クローディア「大丈夫、大丈夫……。あなたは、愛して良いの。愛されて良いの……」

クロ「〜〜…」モニョモニョ

 デロデロ…モニョモニョ…

 ◆
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:41:12.10 ID:m5uBjrem0
―???

「アッハハハハ! 空き教室でメロドラマ始めちゃうなんて!」ケラケラ

「……」

「アレを誘い込むのには失敗したけど良いモノが見れたし結果オーライかな? チャンスはこの先いくらでもありそうだしね」

「……」

「それにしても、まさかあの失敗作がここまで使えるヤツになってたなんてねえ。前までは孤軍奮闘で大変だったんだから、あなたが来てくれて本当に助かっちゃった」

「……」

「ね? クロシュちゃん」

クロシュ?「はい……カリス、さま……」モニョモニョ

 ◆
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:42:09.17 ID:m5uBjrem0
―大魔女帝国 滞在6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
320 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:43:29.26 ID:m5uBjrem0
―朝
 宿舎 食堂

 たくさんのごはん「」ドドン!

スライムクロシュ「〜〜」バクバク モグモグ モニョモニョ


割烹着ロディナ「素晴らしい食欲ですね、クロシュ様……。おかわりが必要の際は――」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ!

妖精「こらクロシュ! 横着してスライム語でねだらないの!」

割烹着ロディナ「大丈夫です、私たちホムンクルスはスライム語を理解できますので。おかわりをすぐにお持ち致します」ススッ

妖精「そ、そうなんだ……。でも食べながらスライム語でおかわりなんて行儀が悪いよ! あと食べ過ぎ!」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…

エバンス「まあまあ、いいじゃないか。クロシュちゃんのメシ代くらいなら俺が出すよ」

妖精「そういう問題じゃないの! もう、普段はもうちょっと行儀が良いのに……どうしちゃったの?」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ごめんなさい……。でも……なんだか、ものすごくお腹がすいて……」モニョ…

ローガン「ふむ……成長期か?」

妖精「スライムに人間みたいな成長期はないはずだけど……」


大魔女帝国滞在6日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:43:40.15 ID:MGOgxrw0o
大魔女宮殿に行き透明対策の話をする
ついでに大魔女のユニーク属性を知る
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:44:04.66 ID:B2fS8T5R0
浴場に行ったらユキと遭遇
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:44:08.28 ID:7NaKEOu9O
大魔女のマンツーマンによりイリス星属性の真髄に至る
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 21:29:10.02 ID:I9sW9geDO
スイーツ店
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 21:29:48.96 ID:I9sW9geDO
ごめんなさい誤爆しました
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:46:53.28 ID:m5uBjrem0
―大魔女宮殿

 巨大な大魔女像「」ドン!


ロディナ「こちらが大魔女様のおわす宮殿になります」スッ

イリス「こ、ここが大魔女様の……!」ゴクッ

クロシュ「わあ……!」

妖精「……見学に来たわけじゃないからね」

ミスティ「……わかっているわ」

 *

―少し前
 宿舎 食堂

割烹着ロディナ「……え? はい、わかりました……。それではお連れ致します……」


イリス「あれ、ロディナさんどうしたの?」

割烹着ロディナ「いえ……あの……。大魔女様から、ご連絡があり……」

ミスティ「えっ、大魔女から?」

割烹着ロディナ「連続事件の重要参考人として、クロシュ様をお連れするようにと……」

エバンス「!?」ガタッ

ローガン「なんだと……!?」

クロシュ「??」

妖精「……」

 *

―大魔女宮殿

妖精(……大魔女の狙いは……まあ、私もなんとなくわかる)

妖精(あの透明の何者かは……ものすごくクロシュに近い何かだった。声も、魔力の波長も……)

妖精(そしてあの迷彩も……王国の光学迷彩マントとメルルの魔力隠蔽技能を併用したクロシュの独自技法……)

妖精(……クロシュが犯人ではないことは、誰よりも私が知っている。だからこれはむしろ……真相究明のためには好都合)
327 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:47:24.18 ID:m5uBjrem0
クローディア「……来たわね。クロシュ一人来てくれれば良かったのだけれど……」

エバンス「いくら大魔女様の頼みとはいえ、大事な仲間を疑われてたった一人で出向かせるわけにはいかないだろ?」

クローディア「……勘違いされていますね。私はクロシュを疑っているわけではないわ。ただ……重要参考人であることも間違いないの」

イリス「ええと……それはつまり、どういうことですか?」

クローディア「昨日……うちのクロが犯人に襲撃され、精神に傷を負わされたわ」

クロシュ「え……」

クローディア「幸い致命的な事態にはならなかったけれど、あと少し遅れていたら取り返しのつかないことになっていたかもしれない」

ローガン「……そのことに、クロシュくんが関与していると?」

クローディア「……私の予想では間接的に関与している可能性があるわ。ちょっと診させて頂戴」スッ

クロシュ「わ……」

クローディア「……! これは……ルーファス!」

メガネの男→ルーファス「おっほ!? し、小生の力が必要でござるか!?」ヌッ


イリス(うわっ、なんか変なのが出てきた……)

ミスティ(へ、変な喋り方だわ……)


クローディア「ルーファス、あなたの解析魔法でこの子を視てもらえる? ここ最近かけられた魔法を重点的に」

ルーファス「お任せあれ!」キィーン――

 カッ!!

クロシュ「んゅっ……!」

ルーファス「ふむふむ……視えたでござる!! 今日のクロシュ殿のお下着は――」

 大魔女の拳「」ブォンッ!!

  ボムギッ!!

クローディア「失礼したわね……。今からこの馬鹿を折檻してくるから、少し待っていて頂戴」グイッ ズルズル

鼻血を流すルーファス「な、何卒ご慈悲を大魔女殿〜!!」ズルズル



イリス「……」ポカーン

ミスティ「ひ、引きずられていったわ……」

妖精「……ちょっと、折檻とやらを見に行ってみる」ヒュンッ

エバンス「あ、おい妖精!」

ローガン「いや……ここは妖精くんの判断を尊重しよう」

クロシュ「……?」

 *
328 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:47:51.24 ID:m5uBjrem0
―大魔女宮殿
 個室

クローディア「……悪かったわね。痛くなかった?」スッ

ルーファス「ホホホ、小生にとってはご褒美でござりますな!」

クローディア「お陰で、自然にあの場から離れられたわ。それで……あなたがああいう真似をしたということは――」

ルーファス「……うむ。幼子に聞かせるには忍びなき真実でござる。最終的には、大魔女殿のご判断を尊重致すが……」

クローディア「いいわ。話して頂戴。そこの妖精さんにも聞こえるように」

ルーファス「なぬっ!?」バッ

妖精「……そりゃまあバレるか、大魔女には」スッ

クローディア「ルーファスにバレなかっただけでも大したものよ? 彼もこう見えてかなりの実力者だもの」

ルーファス「お褒めに与り恐悦至極……と言いたいところでござるが、小生もまだまだですな! それでは例の話に入らせて頂くが……妖精殿も、よろしいか?」

妖精「うん、お願い」

ルーファス「うむ……。では、ここ最近にクロシュ殿にかけられた魔法についてだが……一つ、極めて特殊なものがござった!」

妖精「極めて特殊なもの……?」

ルーファス「それは……生命と魂に干渉する魔法……かけられた者の自由意志を奪い、術者の意のままに操るもの……広範な地域で禁忌とされる、奴隷化魔法の一種でござる!」

妖精「えっ!!?」

クローディア「……奴隷化魔法には必ず条件があるはずよ。例えば『血の契約』のように、術者と対象の血と血を混ぜ合わせたものを互いに摂取しなければ発動しない、みたいなね」

ルーファス「うむ、この魔法にも条件はもちろんあるようですぞ。それは――」

妖精「そ、それは……?」

ルーファス「――術者によって、造られた命であること――で、ござる」

妖精「!!!?」

クローディア「…………」

 ◇
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:49:40.11 ID:m5uBjrem0
クローディア「悪しき鎖を砕け、偉大なる大魔女の光よ――」ブツブツ

 カッ

クロシュ「わ……」パァァァ


妖精「これで、クロシュはもう大丈夫なの……?」

クローディア「ええ。もう二度と例の悪しき術をかけられる心配はありません」

クロシュ「??」

イリス「えっと……クロシュちゃんに、何か変な魔法がかけられていたんですか?」

クローディア「そう。ちょっとした呪いのようなやつがね。でももう大丈夫よ。ついでに生命と魂への不埒な干渉を阻む防護魔法もサービスしてあげたわ」

クロシュ「わあ……ありがと、ございます……」ペコ


クローディア(でも……恐らくクロシュを操った者は、既にクロシュの分体≠手中に収めて手駒としているはず。そこまでは私も解呪できなかった――)

妖精(クロシュの分体が……)

クローディア(生命と魂を完全に隷属化させる魔法を作り出すような危険極まる魔術師よ。下手をしたら、その分体はクロシュの本体よりも強力な存在となっているかもしれない……十分に気を付けなさい)

妖精(うん……ありがとう)


クローディア「さて……結論から言うと、犯人は恐らくクロシュの分体を手駒にしているわ。うちのクロを欺いたという高度な迷彩の技は、どうやら元はクロシュの技能だったようですし」

クロシュ「!!」

イリス「え、ええ……!?」

ローガン「なんだと……!?」

エバンス「嘘だろ……!?」

ミスティ「クロシュにかけられた呪いって――」

クローディア「先ほど見せてもらったけれど、クロシュの迷彩術はやはり極めて高度よ。光学的に身を隠し、魔力の気配をも巧みに隠蔽する――さらにその上、狡猾で邪悪な魔法使いがそれを援護しているの。正攻法で見つけ出すのは至難と言えるでしょう」

妖精「……」

クローディア「でも、そこに存在しているという事実――運命はどうやったって覆せない。つまり――運命を視るのよ」

イリス「いやいや無理です!! ほとんどの魔法使いは運命を視たりできないですよ!!」

クローディア「あら……あなたたちからは運命神の加護を感じるから、視えたりもするものだと思っていたのだけれど……」

妖精「あー……なんかそういう石ころを持ってるだけで、多分しっかり加護を受けてるわけじゃないと思う……」

クローディア「そう……。それじゃあ困ったわね……。私一人では見回り切れないし……」

ルーファス「ふむ……光学迷彩の対策であれば、音波を利用するのはどうでござろうか?」

クローディア「音波……! その手があったわね!」

エバンス「いやいや待て待て! 俺たちゃクジラでもコウモリでもないんだぞ? 音で見つけるなんて――」

ルーファス「ドゥフ……そう思って小生、こちらをご用意致しましたぞ!」


↓1コンマ
01-50 コウモリのカチューシャ
51-90 音波レーダー
91-00 運命視のメガネ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 22:50:09.46 ID:I9sW9geDO
はい
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 22:50:51.01 ID:bivLQi8z0
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:07:57.84 ID:m5uBjrem0
 コウモリのカチューシャ「」ポン

イリス「わあかわいい……!」

ミスティ「……これを付けろと?」

ルーファス「ドゥフフ……かわいいだけでなく、音の感覚が鋭敏になる素晴らしいグッズでござる! それを付ければコウモリの如く音波で地形把握ができるように――」

クローディア「どれほど音に敏感になっても、音波だけで地形を把握するのは人間の知覚ではかなり難しいわ。これを身に着けた上で何年も訓練を積めばそういう芸当ができるようになる可能性もあると思うけれど」

ルーファス「グボァッ!! 大魔女殿のマジレスが五臓六腑に染み渡り候――」ガクッ

ローガン「だが音に鋭敏になれば、姿を隠していても見つけやすくはなるだろう」

エバンス「まあ……これを男の俺や旦那が付けるのはちょっと見た目がヤバそうだけどな!」

 ☆コウモリのカチューシャを人数分手に入れました
  音に鋭敏になり、隠密状態の者を発見しやすくなります

 ◇
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:08:44.86 ID:m5uBjrem0
というわけで本日はここまでとなります。次回は大魔女のユニーク属性とは何か編、浴場でユキさんとお風呂編、大魔女先生の星属性指導編となります

クロに迫る邪悪なる手をすんでのところで退け、ひとまずの安息を得たクロシュ一行と大魔女。しかし敵の正体は未だ知れず、今も尚クロシュの分体を従えて闇の奥底で悪意に満ちた嘲笑を響かせています。彼女はもしかすると、今までに立ちはだかってきた敵対者の中でも最も危険で、最も恐ろしい相手かもしれません。クロシュにとっては因縁の相手でもあり、そしてこの物語の闇に包まれし謎の数々は間違いなく彼女の悪意によって為されたもの。クロシュよ、君は最悪の敵を相手にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日は祝日なので多分更新できると思われます。よろしくお願いいたします
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 03:16:45.43 ID:iR7lvlKW0
「音波を利用する」と聞いてヨハンナの声魔法と関係あるかなと思ったけどヨハンナの方は音波を発射するような感じだったよな。でももしかて声魔法もそれに含まれているのか?あと、コウモリのカチューシャをつけたままヨハンナの声魔法を受けたら鼓膜が大変な事になりそう。
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 12:17:07.05 ID:f76bHQ07O

妖怪も魔族扱いなら今後も種族のバリエーション増えそう。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 13:37:48.20 ID:hpECAwbIo
おつ
カリスが思った以上に邪悪!
けど赤いのをどうにかする糸口にできるかも
謎洗脳本は大魔女に教えることがてきたらいいかな
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:13:25.46 ID:W5vf2HLr0
コウモリのカチューシャを装備した状態でヨハンナの音波攻撃を受けるのは実際危険かもしれません。しかしルーファス氏が気を利かせて過剰な音は適切にキャンセルする機能を付けた可能性もあるので、一概に致命的とも言えないかもしれません。結局のところはコンマによるのでしょう

東方のオノゴロ地方近辺で妖怪と呼ばれている存在は、魔族に近い存在である場合が多いです。テラヌス・ウルスでちらっと登場した鬼という種族も妖怪であり魔族に含まれます。しかし妖怪ではあっても魔族には含まれない種族も時々いたりするため、明確に区分けするのは難しいかもしれません

カリスと呼ばれた謎の人物は、とても邪悪な雰囲気を纏っているようでした。クロシュの分体を手駒にしてさま付けで呼ばせるなど、身の毛もよだつような悪事を平然と行う危険人物のようです。気を付けなければなりません
赤いスライムさんことブラッド氏は、カリスさんと何らかの因縁があることが示唆されています。クロシュのことを人間にぺこぺこするあかちゃんペットスライムと見なしているブラッド氏ですが、今回の戦いで何かわかることもあるかもしれません
あの本が一体何だったのかは今のところよくわかっていません。クロシュ氏はあれを読んでも暗い気持ちになって風適性を獲得したくらいで危なくはありませんでしたが、クロ氏にとっては何やら危険な可能性があるそうです。大魔女氏に見せてみるのも良いかもしれません
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:14:22.16 ID:W5vf2HLr0
―浴場

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

クローディア「ふう……一仕事終えた後はやっぱりお風呂ね」

妖精「大魔女もこういう公衆浴場を利用するんだ」

クローディア「そりゃあそうよ。ここの整備だって私の配下がやっているんだもの」

イリス「えっと、つまりホムンクルスとかオートマタですか?」

クローディア「あら、知っているの?」

イリス「はい、ロディナさんからお聞きしてます」

クローディア「ロディナか……あの子ももうちょっと表情が豊かになると良いのだけれど」

ミスティ「仕事用のホムンクルスなのに表情が豊かな方が良いの?」

クローディア「あの子は元々お喋り用に造ったのよ」

イリス「そ、そうだったんですか」


 扉「」ガラッ

ユキ「あれ……だ、大魔女様……!?」バッ

クローディア「あら、ユキじゃない」

イリス「ユキちゃんだ!」

ミスティ「奇遇ね」

ユキ「ご、ご機嫌麗しゅうございます。ミスティさんたちも……」

クローディア「そんなにかしこまらなくて良いわ。今はオフ。大魔女ではなく、ただのクローディアよ」

ユキ「そ、そう言われましても……」

妖精「まあ難しいよね」

 *

 カポーン

ミスティ「今日も学園は休校なの?」

ユキ「はい。昨日また襲撃事件があったらしく……」

クローディア「犯人を捕まえるまでは休校せざるを得ない状況よ。しばらくは自主学習に専念してもらう他ないわ。大魔女ともあろう者が、未だに事態を解決できずに申し訳ないわね……」

ユキ「いえ、悪いのは犯人であって大魔女様ではありません」

クローディア「ありがとう、ユキ」

ユキ「……その、差し出がましいかもしれませんが……私にももしできることがあれば、是非お手伝いさせてください。大魔女様にも、この国にも、学園にも、お世話になってばかりですから……。少しでもお返ししたいのです」

クローディア「そうねえ……。もし不審な人物を見かけたら、すぐに近くの治安担当に知らせてくれる?」

ユキ「わかりました……!」

クローディア「……この騒ぎを引き起こしている者は、非常に危険な存在よ。決して学生たちだけで立ち向かおうなんて考えないでね」

ユキ「はい、自分の実力はわかっているつもりです。大魔女様にご迷惑をかけるような真似は致しません」

クローディア「もう、いちいち私の為みたいなことは言わなくても良いの。あなたはまだ若いのだから」

ユキ「しかし……私、は……」

クローディア「……あ」

ユキ「……あ……ふぁ……」トロトロ

ミスティ「……えっ!? と、溶けて――」

クローディア「いけない、この子雪女だから長湯はだめよ! 溶けちゃう!」ザバッ

スライムクロシュ「?」デロデロ

 ◇
339 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:15:35.08 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

風の精霊『送風サービスだよ〜』ヒュルヒュル


ユキ「すみません、自己管理すべきでした……」

クローディア「いいえ……話に付き合わせてしまったのは私よ。ごめんなさい。体はもう大丈夫?」

ユキ「はい、なんともありません。少しくらい溶けた方がリフレッシュできるんです」

ミスティ「そうなのね……。クロシュもそうなの?」

クロシュ「ん……うん、たぶん……」

イリス「クロシュちゃんはお風呂に入る度にデロデロになってるよね」

 ◆
340 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:49:09.97 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

イリス「そういえば……大魔女様はあらゆる属性の魔法を使えるとお聞きしたのですが――」

クローディア「概ねその通りだけど、多少誇張もあるわ。もし私が無条件にあらゆる魔法を使えるなら、この犯人だって簡単に捕まえられる」

妖精「それはまあ確かに……。でも概ねその通りってことは、使えないわけではないってこと?」

クローディア「条件は秘密。やろうとすれば使えない魔法はない――とだけ言っておこうかしら」

妖精「……まあ、そりゃそうか。大魔女にとっては最高機密といっても良い情報だもんね、それは」

クローディア「そういうこと。理解が早くて助かるわ」

イリス「あの……それでしたら、星属性については」

クローディア「もちろん知ってるし使えます。プラネットの末裔イリスよ」

イリス「えっ……! わ、私のことをご存知なのですか?」

クローディア「プラネット家はその筋では有名よ。あなたの師匠も」

イリス「そ、そうなんですか……!?」

クローディア「フフ……せっかく星属性に目覚めても、資料の少ない星属性を独力で探求するのは大変でしょう。少し私が見てあげましょうか?」

イリス「ぜ、是非お願いします! あ、でも今は犯人探しが最優先ですし――」

クローディア「ええ、今本格的に貴女を見てあげる余裕はない――だから、こうしましょう」コォォ―

 カッ!

分身クローディア「私が見てあげます」ポン!

イリス「わっ!? ぶ、分身!?」

妖精「これは……鏡魔法!」

分身クローディア「ええ、その通り。さあ、付いてきなさいイリス・プラネット」スタスタ

イリス「は、はい!」タタッ

クローディア「がんばってね〜」ヒラヒラ

妖精「な、なんかすっごい変な光景……」


↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 星属性経験+2
31-60 星属性経験+3
61-90 星属性経験+4
91-00 星属性経験+6
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 18:49:49.85 ID:hpECAwbIo
学習中……
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 20:10:03.79 ID:W5vf2HLr0
分身クローディア「いい? 星属性の真髄は、星の内側を流れる膨大な力を引き出して自在に扱うことなの」

イリス「は、はい……!」

分身クローディア「見たところ、力を引き出すところまではできているようね。なら次のステップは、引き出した力を制御して自分のものとするのよ。まずはお手本を見せてあげる――」

 ◆

イリス「……」コォォォ―

 カッ!

星の力を纏ったイリス「う、ううっ……!!」ゴゴゴゴゴ

分身クローディア「もうここまで制御できるようになるなんて……凄いじゃない。流石はプラネットの末裔……」

星の力を纏ったイリス「で、でも……もう、溢れそうで……!!」ゴゴゴゴ

分身クローディア「大丈夫よ、解き放っても。私が受け止めてあげる」

星の力を纏ったイリス「わ、わかりました!! いきますっ!!!」

 カッッッ!!!!

分身クローディア「はい」スッ

 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオッ

イリス「は、はあ、はあ……! あ、あれだけ凄い力だったのに……一瞬で吸収しちゃうなんて……!」

分身クローディア「星属性の扱いには慣れているもの」

イリス「すごい……」

分身クローディア「たった数時間であそこまでできるようになったあなたも十分凄いわ」

イリス「えへへ……あ、でも星から魔力を引き出すのはあんまりやっちゃいけないんですよね?」

分身クローディア「え、どうしてそう思うの?」

イリス「え、いや……妖精さんが、星の力はこの星に住むみんなのものだから、使いすぎはだめだって……」

分身クローディア「ああ。理想論としてはそうだけれど……私やあなた程度の魔法使いが少し引き出したくらいでどうこうなるようなものでもないわよ。星の魔力は」

イリス「そうなんですか?」

分身クローディア「考えてみなさい。海からコップ一杯の水を掬ったところで、海の生き物たちが困ることはないでしょ?」

イリス「それはまあ、確かに……」

分身クローディア「妖精さんは世界樹の……緑の国の出身だから、そういう点に少し敏感になっているだけよ。無限に等しい力があるなら、使わなければ損でしょ?」

イリス「そう……なんですかね?」

分身クローディア「そうなの。あなたもそんな素晴らしい才能を持っているのだから、精進しなさいね」

 ☆イリスが星属性経験を6獲得しました[6/8]

 ◆
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:05:45.04 ID:W5vf2HLr0
―大魔女帝国 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:06:40.86 ID:W5vf2HLr0
―???

(眼下には……無数の草木と、動物たちの息吹……)

(仲間たちと助け合い、時には競い合い……日々を、必死に生きている……)

(愛しあい……愛されあい……命を、育んでいく……)


(その先に……どうにもならない離別と、苦痛に満ちた終末があることも知らず……)

(ただ無邪気に、哀しみの螺旋を紡ぎ続ける――愚かで哀れな、命たち)

(かつてわたしも……その中の、一つだった……)


(断ち切って、あげないと)


 ――――


(眼下の命たちが……砕かれ、削られ、終わってゆく)

(苦しみはなく――哀しむ暇もなく――星に還ってゆく)

(ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね)


(愛さえなければ、哀しみも生まれないから)

(命さえなければ、愛も生まれないから)

(哀しみは……もう、終わり)


 ――――

345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:08:05.27 ID:W5vf2HLr0
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「〜〜〜!!」モニャニャニャ!! ガバッ


妖精「わっ!? な、なに!?」バッ

イリス「ど、どうしたのクロシュちゃん!?」


スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…

妖精「えっ……怖い夢を見た?」

ミスティ「怖い夢……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「……よしよし、大丈夫だよ。私が一緒にいてあげるから」ヨシヨシ

イリス「うん、そうだよ! クロシュちゃんが怖い夢を見ても、私たちが守ってあげるから!」

ミスティ「悪夢からどうやって守るのよ……。でもまあ……現実の怖いことなら、一緒に戦ってあげられるわ……」

スライムクロシュ「〜」モニョニョ

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「みんな……ありがと……。えと……見た、夢なんだけど……」

 *

イリス「空から地上を見下ろして……生き物たちを皆殺しにする夢……!?」

クロシュ「うん……。命を、なくして……哀しいのを、なくそうとする、夢……」

妖精「一応聞いておくけど……クロシュがそうしたいってわけじゃないんだよね?」

クロシュ「う、うん……! わたし……そんなこと、思わない……! 哀しいのは、嫌だけど……でも、そんなやり方……もっと、やだ……!」

ミスティ「そうね……いくら哀しみを無くす為としても、過激すぎるわ」

イリス「うん……そんなやり方、まるで魔王だよ! いや魔王の気持ちなんて知らないけど!」

妖精「魔王……? ちょっと待って、なんか引っかかるような……」

ミスティ「……空から……地上の命を殺す……ひょっとして、掃除の魔王?」

妖精「あ、それかも! でも、なんでクロシュが掃除の魔王の夢を……?」

クロシュ「……!」

 魔王図鑑「」ポン

 ペラッペラッ

 掃除の魔王のページ『』ペラッ
 大きな風船のような姿が描かれた挿絵『』ポン

クロシュ「……!!」

ミスティ「掃除の魔王のページ……」

イリス「この姿……どこかで見たような……」

クロシュ「風船スライムさん……!」


大魔女帝国滞在7日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:08:46.98 ID:aO2CaEj+0
クロシュ、分身と空飛ぶ特訓
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:29.95 ID:z/v/SM7DO
図書館であの本を探す途中でトリルと遭遇
クロシュとトリル、絵の話をする
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:33.65 ID:u+/i6LcHo
掃除の魔王についてもっと調べる
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:50.40 ID:f76bHQ07O
魔法店でアイテム探し
350 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:30:39.98 ID:W5vf2HLr0
―居住区
 広場

スライムクロシュ「……」グググ ピョンピョン


エバンス「ええと……クロシュちゃんは何をしてるんだ?」

妖精「さっき言った夢の……空を飛んでる感覚を頼りに、空を飛ぼうとしてるみたい」

ローガン「む……だがそれは魔王の視点の夢だったのだろう? 再現してしまって大丈夫なのか……?」

妖精「その点は大丈夫だと思う。魔王ってなろうとしてなれるものじゃないし」

ローガン「それはまあそうか」


スライムクロシュ「……」グググ…

 プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「お、おい二つに分かれたぞ!?」

妖精「分体を作ったみたい……。二体で練習した方が効率が良いとか考えたのかな?」

ローガン「だが分体は同化を使えないのだろう?」

妖精「そのはずだけど……。もしかして分体の練習も兼ねてるのかも」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


↓1コンマ 練習の成果
01-90 風船化成功
91-00 風属性☆ 風になった

↓2コンマ 分体の成果
01-80 だめでした
81-98 風船化成功
99-00 風になった
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:33:18.79 ID:z/v/SM7DO
はい
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/10/14(月) 21:34:02.07 ID:f76bHQ07O
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:40:19.22 ID:hpECAwbIo
ぴょんぴょん跳ねるのかわいいかよ
354 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:44:54.86 ID:W5vf2HLr0
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…グググ…

 プク―

風船スライムクロシュ「〜〜」フワッ モニョモニョ


妖精「わっ……!」

エバンス「クロシュちゃん飛んでるぞ!」

ローガン「おお……風船スライムのようだ!」


風船スライムクロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「分体の方のクロシュちゃんは……」

妖精「だめだったみたいだね……」


 ☆クロシュの風経験が[10/12]になりました
  クロシュが風船化して空を飛べるようになりました

 ◆
355 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:03.53 ID:W5vf2HLr0

クロシュ(……風船スライムさんになって、わかった……)

クロシュ(あの夢は……やっぱり、風船スライムさんの視点だった……)

クロシュ(……探さなきゃ。もう一度……あの本を……)

 ◇

―図書館

クロシュ「えと……」キョロキョロ

妖精「確かこの辺だったよね」パタパタ

クロシュ「うん……」


トリル「あれ……? 黒髪の女の子に、妖精さん……もしかして……。あの〜……」

妖精「え、誰?」

トリル「ぼく、トリルって言います。えと……妖精さんと、クロシュちゃん……ですか……?」

クロシュ「わ……!」

妖精「……なんで知ってるの?」

トリル「ご、ごめんなさい。イリスさんとミスティさんに、この前お世話になって……。ダークヒーローイリスの一行って、けっこう有名だから……」

妖精「げっ……イリスだけじゃなくて私たちまで知られてるの!?」

トリル「うん……。ダークヒーローの仲間、かわいくも厳しい妖精さんに、かわいいスライムのクロシュちゃん……この国では、ダークヒーローイリスとその仲間たちは大人気なんだ」

妖精「か、かわいくも厳しい……。まあともかく私たちを知ってるのはわかったよ。それで、何か用なの?」

トリル「あ、えと……用があったわけじゃないんだけど……なんか、困ってるみたいだったから……。何か、ぼくに手伝えること、ある?」

妖精「そういうことか……。それじゃあせっかくだし手伝ってもらおうかな? 私たち、ある本を探してるんだけど――」

 *
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:39.10 ID:W5vf2HLr0
 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

クロシュ「……!」

トリル「わあ、これがスライム文字なんだ……!」

妖精「ありがとうトリル、一緒に探してくれて」

トリル「えへへ、どういたしまして……。でも、この本って何の本なの……?」

クロシュ「えと……」

妖精「うーん、何の本なんだろ……私たちにもよくわかってないんだけど……ちょっと調べたいことがあってさ」

トリル「そうなんだあ……。でも、このスライム文字……」

 スライム文字「」モニョモニョ

トリル「ふふ……なんか、もにょもにょしててかわいいねえ」

妖精「そう……? まあ、スライム語をそのまま文字にしたかのような印象の字形だとは思うけど……」

クロシュ「トリルちゃんは……スライム語、わかる……?」

トリル「ううん……。ごめんね、わかんない……」

クロシュ「そうなんだ……」

トリル「あと……ぼく、こう見えても男なんだよ〜……?」

クロシュ「?」

トリル「えっと、そのぉ……ちゃん付けで呼ばれると……ちょっと、恥ずかしいっていうか……///」モジモジ

クロシュ「??」

妖精「あー……トリル、えっとね。スライムは男女の区分けがけっこう曖昧なんだ。人間が持つそれぞれの性別特有の感覚にはちょっと疎いから、あんまり気にしないで」

トリル「え、そうなの?」

妖精「うん。でもクロシュも、相手が人間の男の子の時はちゃん付けで呼んだりすると嫌がられちゃうよ?」

クロシュ「ほえ……。えと、じゃあ……セインさんも……ちゃん付けは、嫌がる……?」

妖精「せ、セインは……どうだろ……。わかんないけど……」

トリル「……でも、わかったよ……! それじゃあ……クロシュちゃんが、ぼくをちゃん付けで呼びたいなら……よ、呼んでも良いよ……!///」

クロシュ「わあ……!」

妖精「う、う〜ん……クロシュに対人コミュニケーションの経験を積ませようと思ったんだけどなあ……」

 ◇
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:04:38.34 ID:W5vf2HLr0
―図書館 アトリエ

 キャンバス「」ポン!

クロシュ「わ……!」

妖精「へえ、この図書館アトリエもあるんだ……」

トリル「うん。クロシュちゃんって、絵が上手なんだよね? ぼくも絵を描くの好きだから、ちょっとだけ一緒に描いてかない?」

クロシュ「いいの……?」

トリル「いいと思う。ここの画材、自由に使って良いことになってるから」

クロシュ「……妖精さん、いい……?」

妖精「ん、まあいいんじゃない? 最近けっこう不穏なことも多かったし、少しくらい息抜きしないとね」

クロシュ「わあ……!」


↓1選択 何の絵を描こう?
1.フメイちゃん
2.かたつむり
3.集落の風景
4.旅の仲間
5.旅で知り合った人たち
6.デロデロ世界
7.風船スライムさん
8.空中楽園都市エデン
9.超巨大風船スライムが世界を掃除するさま
0.その他(自由安価。クロシュが描きそうにないものは再安価)
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 23:05:34.45 ID:f76bHQ07O
5
359 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:04:31.58 ID:at1ecn/H0
 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜」シャカシャカ モニョモニョ

トリル「わっ! スライムの姿で、筆を巧みに操ってる!」

妖精「クロシュにとってはこの姿の方が描きやすいんだって。絵筆は人間が人間用に作った道具なのに、不思議なもんだね」

 *

 絵『聖女さんとこどもたち』ポン!

トリル「わあ……! 優しそうなお姉さんに、かわいい小さい子たちだね。小さいスライムさんもいる……」

クロシュ「うん……! 魔族国で会った……良い人たち……!」

妖精「淫魔の子はクロシュのことが大好きだったよねえ。たまにはお手紙でも書いてあげたら?」

クロシュ「んゅ……文字、書くの……苦手だけど……がんばる……」

 *

 絵『森妖精の子と世界樹の精霊さん』ポン!

トリル「小さい、森の妖精さんに……この綺麗な女の子は……?」

クロシュ「ミスティさんのことが大好きな、森妖精さんと……ちょっと変な、世界樹の精霊さん……!」

妖精「なんでそこで世界樹の精霊をチョイスしたの……」

 *

 絵『かっこいいメイド型魔導人形』シャキーン!

トリル「ジェットで飛んで鉄砲を撃ちながらブレードで斬りかかるすごい躍動感のある絵!」

クロシュ「メイちゃん……! んへへ……いっぱい、助けてくれてる……」

妖精「クロシュのメインウェポンだもんねえ、あのブレードは」

 *

 絵『レッドちゃんとタコおじさんの屋台!』ポン!

トリル「わあ、真っ赤でものすごく熱そうなスライムさんに……凄い筋肉のタコのおじさん!」

クロシュ「レッドちゃんと、タコのおじさん……! フルーツポンチ、おいしかった……!」

妖精「あの島ももう落ち着いたらしいし、元気にしてるかな?」

 *

 絵『レーティアさんと芸術妖精さんと剣舞の姉妹』ポン!

トリル「わあ、賑やかな絵……! 華やかな踊り子さんの二人に、かわいいエプロンの妖精さんと、綺麗な……女の人?」

クロシュ「うん……芸術都市の……良い人たち……」

妖精「……きっと、元気にしてる。負けないよ、あいつらは」

 *

 絵『トカゲリアンノンちゃんと猫耳の子と巨大スライムちゃんと砂漠スライムさんたち』ポン!

トリル「わあ、これもまたすっごい賑やかな絵……ていうかこれリアンノンちゃん!? テラヌス・ウルスだよね!?」

クロシュ「ほえ……」

妖精「知ってるの?」

トリル「う、うん! リアンノンちゃんとは小さい頃から仲良しで……」

クロシュ「わあ……!」

妖精「リアンノンの知り合いだったんだ! ふふ、元気だよみんな」

 *
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:06:13.31 ID:at1ecn/H0

 絵『シュヴィアさんと白銀スライムちゃん 隅っこに小さくエミリオさん』ポン!

トリル「わあ、黄銅色のかっこいいスライムさんに、白銀のかわいいスライムさん……。あと隅っこに……目つきの悪い男の子……?」

クロシュ「シュヴィアさんに、銀色のスライムちゃん……。エミリオさんは……おなさけで、描いてあげた……」

妖精「お情けなんて言葉どこで覚えたの……」

 *

 絵『勇者の像にお祈りを捧げるレインさん』ポン!

トリル「わあ……すっごく綺麗な絵……。この人は……サキュバスさん?」

クロシュ「うん……。テロリストの、レインさん……」

妖精「ちょっと縁があったりなかったりしてね。仲間とかではないよ、決して」

 *

 絵『変な笑顔のレイさん』ポン!

トリル「わ……この変な……笑ってる……? 人は……」

クロシュ「レイさん……。んへへ……面白い人……」

妖精「いちおう指名手配犯なんだけどね……」

 *

 絵『メルルさんとリュアンちゃんとクーちゃん』ポン!

トリル「わあ! 帽子の女の子と、上品な女の子と、ちょっと悪そうなエプロンの女の子……?」

クロシュ「メルルさんと、リュアンちゃんと、クーちゃん!」

妖精「時々道連れになる子たちだね。クーのやつはともかく、メルルとリュアンは元気にやってるかなあ」

 *

 絵『ブラッドちゃんとクロシュヴィアちゃん』ポン!

トリル「わあ、真っ赤なスライムさんに真っ白なスライムさん……!」

クロシュ「ブラッドちゃんと、クロシュヴィアちゃん……!」

妖精「なんでこいつらを一緒に描いたの?」

クロシュ「……えと……わかんない……」

 *

 絵『夜に見張りをしてるセインさん』ポン!

トリル「わあ……! すっごくかっこいい男の子!」

クロシュ「んへへ……セインさん。すっごくつよくて、かっこいい……!」

妖精「なんだかんだでけっこう助けられてるよね、こいつには」

 *
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:03.09 ID:at1ecn/H0
トリル「クロシュちゃんすごいなあ……! 僕も絵にはけっこう自信があったんだけど、速さでも精密さでもクロシュちゃんにはかなわないや……!」

 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』ポン!

クロシュ「んーん……! トリルちゃんの絵も……すごく、すごい……! サボテンドラゴンさん……!」

妖精「だねえ。全然卑下するほどのことはないと思うよ」

トリル「えへへ……そうかな? それと……ぼくにはもう一つ、特技があるんだ……」

クロシュ「とくぎ……?」

トリル「うん。見ててね……そおれ!」


 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』グググ…

 ポンッ!

絵から飛び出した小さなサボテンドラゴン『〜〜!』ポフッ!


クロシュ「わわ……!?」

妖精「え、ええ……!? 絵から……サボテンドラゴンが飛び出した!?」

トリル「うん! えへへ……ぼくの魔法は……描いた絵を、実体化させることができるの!」


小さなサボテンドラゴン『〜〜?』キョロキョロ


妖精「す、すごい……生きてるみたい」

トリル「実際には、ぼくが想像した通りに振る舞ってるだけで、本当に生きてるわけじゃないんだけどね。でもすごいでしょ〜」

クロシュ「うん……! すごい……!」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:39.22 ID:at1ecn/H0
というわけで本日はここまでとなります。次回は掃除の魔法についてもっと調べよう編からとなります

闇からの悪意を警戒しつつも、着々と調査を進めていくクロシュ一行でした。そしてトリルちゃんと出会い、お絵かきがてらに旅を振り返るクロシュ――。気が付けば、すごく長い道のりを歩いてきました。たくさんの人たちと出会い、お世話になり、ご飯をもらい……クロシュちゃんはいっぱい成長したようです。その出会いの一つ一つが、何もできない穀潰しだったあかちゃんスライムの糧となり、今のクロシュさんを支えているのでしょう。思い出は、これからも大切にしていきたいものです

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 00:58:48.84 ID:wiSxMGOpo
おつおつ
色々ここまでありしましたねえ
道連れメンバーって一堂に会することまだ無かったよなーとかセインくん元気か?とかずっと見れない人達も気になっちゃう
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 02:05:46.99 ID:1hxrqbfzo

こうやって見ると長いこと旅してきたなあ
また会いたい人たちがたくさんいる
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 07:53:53.44 ID:DflGvfpDO
乙です
全てが終わったらかつて訪れた国にもう一度行ったり、知り合ったキャラの後日談も見たい
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 11:17:50.21 ID:lwgS+/RSo
おつ
終盤みたいな流れだけど旅はまだ道半ばなのよね
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 08:52:04.73 ID:bwPNQDwS0

雪女ある程度解けても平気なのね
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:27.33 ID:++sINOUq0
道連れメンバーの方々が一緒になったことはなかったのですが、どうやらクロシュ氏は彼らを同じ分類の人々と思っているようです。一緒ではないけれど旅をしている流浪仲間、みたいに思っているのかもしれません

セインくんが今どうしているかはわかりませんが、芸術都市で別れたあとは具合を悪くした僧侶氏の看病をしに行ったようです。セインくんも単独で超高度の飛行はできないため、今は飛行手段探しに奔走しているのかもしれません

旅をし始めてそれほど経っていないような気もしましたが、実はけっこう長い時間が経っていたようです。今まで巡ってきた土地の人々は皆それぞれいろいろありましたが、再会すれば喜んでくれる人がほとんどでしょう

いろいろと解決して平穏を取り戻したら、もう一度ゆっくり諸国を巡ってみるのも良いかもしれません。後日談というわけではありませんが、新しいスレが立つと登場人物紹介の備考欄が更新されることがありますので、見てみると面白いかもしれません

確かに旅の終わりが近いかのような雰囲気のお話をしていますが、実のところ旅は半ばであり、この先もまだまだ長い道が続いております。クロシュさんの今後の旅路がより良いものであるなら幸いでしょう

雪女さんはずっと高温の環境にいると溶けてしまうため、長湯は禁物だったりします。しかし多少溶ける程度であれば体積や体重が少し落ちるくらいで済むため、水分を補給すればすぐ元に戻れるようです
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:54.37 ID:++sINOUq0
―図書館

ミスティ「掃除の魔王についてさらに調べてみましょう……」

イリス「そうだね。この図書館に丁度良い資料とかがあれば良いけど――」

↓1コンマ
01-10 ???
11-50 めぼしい資料はなかったが……
51-90 陰謀論の本
91-00 楽園の真実
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 15:17:47.75 ID:elaxCyktO
真実ぅ
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:03.31 ID:++sINOUq0
ミスティ「……?」

 魔王コーナー「」

ミスティ(この図書館……魔王のコーナーがあって、魔王についての資料はかなり多いのに……)

ミスティ(……なぜか、掃除の魔王についての本はどこにもないわ……。偶然……?)


イリス「ミスティ、面白い本を見つけたよ」スタスタ

ミスティ「面白い本?」クルッ

イリス「これ!」スッ

 陰謀論の本『伝説の大魔女の陰謀に迫る!!!!』ポン

ミスティ「ええ……」

イリス「そ、そんな目で見ないで! 明らかにアレな本だけど、ちょっと気になることが書いてあるんだよ!」

 *

 ペラッ ペラッ

ミスティ「空中楽園都市エデンを吊り下げる気球は、休眠中の掃除の魔王で……大魔女は、全ての準備を整えたら魔王を目覚めさせて操り、地上全てを燼滅しようとしている……ですって?」

イリス「も、もちろん全部が全部真実なんて私も思ってないよ! 地上を滅ぼしたって大魔女様には何の利点もないし――」

ミスティ「まあそりゃそうね……。でも……休眠中の掃除の魔王っていうのは……」

イリス「うん。クロシュちゃんの見た夢とか、風船スライムへの印象とも一致する……。本当に休眠中なのかはわからないけれど、あれが掃除の魔王に関係した物体の可能性はあると思う」

ミスティ「……でも……もしそれが真実だとしたら、けっこうヤバイんじゃないかしら……。魔王の力を利用した都市だなんて、危険で不吉すぎるわ……」

イリス「……魔王の力さえも従えて御する実力があるから……できてることなのかも……」

ミスティ「まあ……実際、この都市の空中運行に何らかの事故や被害が発生したなんて話は聞いたことがないものね……」



クロシュ「……!」トコトコ

妖精「イリス、ミスティ……!」パタパタ

トリル「わ、イリスさんにミスティさん……!」スタスタ



イリス「あ、クロシュちゃんに妖精さんに……トリルくん!」

ミスティ「あなたたちも図書館にいたのね。丁度良いわ、ちょっとこれを見てくれる?」

 *
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:28.68 ID:++sINOUq0
クロシュ「……」

妖精「あの気球が、掃除の魔王……。まあ確かに、これだけの都市を持ち上げるほどの浮力を維持し続ける魔力は一体どこから捻出してるのか疑問だったけれど……」

トリル「えっえっ……!? あ、あの大気球が……魔王……!?」

イリス「あっ……」

ミスティ「……陰謀論の話よ。真に受けなくて良いわ」

イリス「そ、そうそう! 私たち、こういう陰謀論けっこう好きだから時々調べてるの!」

トリル「な、なんだあ……びっくりしたあ……」

ミスティ(……陰謀論の本に書いてあることで良かったわ。誤魔化すのも簡単だし……)

トリル「もし本当に眠ってる魔王だったら、何かの間違いで目覚めちゃったら大変だもんねえ」

妖精「休眠中の魔王……うーん……」

イリス「まあ、あくまで陰謀論の話だから、あんまり真面目に考えなくても――」

クロシュ「……あの風船さん……眠ってるんじゃ、ないと思う……」

妖精「えっ?」

ミスティ「どういうこと?」

クロシュ「わたし……自分も、風船になってみて、わかった……。あの、でっかい風船さんは……えっと……からっぽっていうか……」

イリス「……抜け殻?」

クロシュ「あ、うん……! ぬけがら……! あれが、風船スライムなら……きっと、本体は別のとこにいて……」

ミスティ「じゃああれは分体ってこと?」

クロシュ「んゅ……それは……わかんない、けど……。でも……あの風船スライムさんの気持ちは……別の場所に、ある……と思う……」

ミスティ「体と気持ちを分けることなんて可能なの……?」

妖精「心を物質化して体から分離させる魔法とかは実際にあったりするよ。でも魔王を相手に強制的に発動できるかは……。いやまあ大魔女ならやれてもおかしくないかもしれないけど」

イリス「……大魔女様本人に聞いてみたいけど、聞くのが怖い気もする……」

妖精「基本的には穏やかで優しいけど、意に沿わない相手には容赦なく冷徹な対応をしてくる人でもあるから、本人に聞くなら気を付けた方が良いかも。まあこんな陰謀論本の所蔵を認めてるくらいだから多分大丈夫だとは思うけど」

 ◇
373 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:15:56.78 ID:++sINOUq0
―夕方
 居住区

トリル「それじゃあぼくはこの辺で帰るよ。またね、クロシュちゃん」

クロシュ「うん……! トリルちゃん、またね……」


ミスティ「ふふ、いつの間に仲良くなったの?」

妖精「一緒にお絵かきしたりしてね。面白い体験――」


  カッ―
      ドガァァァァァ―…ン

   キャァァァァァ!!!


クロシュ「!?」バッ

トリル「い、今のって……?」

イリス「歓楽区の方からだよ!」

ミスティ「行ってみましょう!」

妖精(……厄介なことじゃなければ良いけど……)パタパタ

 ◇
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:44:59.54 ID:++sINOUq0
―夕方
 歓楽区

 キャァァァァ!!! タスケテクダサイ!! タスケテクダサイ!!!

 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ

様子のおかしい魔族の青年「殺す……大魔女帝国でぬくぬくと平和に暮らしてる奴らは、全員殺す……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男A「ぎぇあああああ!!」ブシュッ


市民の女A「いやあああああ!!!」

市民の男B「おおおおい!!? 警備は何してんだ警備は!?」


警備オートマタ「現着ニ成功。暴徒鎮圧ニ移リ」

 闇魔法「」ヴォンッ!! バギュムッ

警備スクラップ「――…」グシャッ


様子のおかしい魔族の青年「ガラクタが……邪魔をするな……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男B「ぎゃああああああ!!」ブシュッ


 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ
    市民の死体「」ドチャッ

様子のおかしいレッサースライムの群れ「〜〜♪」モニョモニョ

 モニョモニョ モグモグ
  モニョモニョ モグモグモグ


市民の女A「あ、ああ……スライムが……食べて……いやああああああ!!!!」



トカゲクロシュ「!」シュタタタタッ!!

妖精「こ、これは……何が起きて……!?」パタパタ


↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)
375 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:49:34.22 ID:++sINOUq0
訂正

↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)

↓3コンマ 誰か来た
01-10 クロ
11-30 スライム殺しの歌姫
31-50 気のせいだった
51-70 ユキ&トム
71-90 ロディナ
91-00 大魔女
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:52:54.12 ID:wVTyugXVo
1
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:39.60 ID:N+94jcpDO
2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:52.55 ID:slwE/BtiO
379 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:27:00.60 ID:++sINOUq0
 デロデロ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロシュ「えと、あなたは……あの子たちを、止めて!」

分体スライムクロシュ「〜!」モニョ!

 *

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『みんな……人の死体を食べちゃ、だめ』モニョモニョ

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『聞こえてない……? んゅ……めっ!! 食べるの、めっ!!!』モニョニョ!!!

レッサースライムA『んわ〜!』モニャニャ!
レッサースライムB『……あえ……ここ、どこ……?』モニョニョ…?

分体スライムクロシュ『……! みんな、早く逃げて! 街の人に見つかったら、怒られちゃう……!』

レッサースライムA『わわぁ、逃げなきゃ、逃げなきゃ』モニョニョ
レッサースライムB『にげゅ……』モニョニョ

マンホールに吸い込まれていくレッサースライムたち「」モニョニョニョニョ―

分体スライムクロシュ『これで大丈夫かな……?』モニョニョ

 *
380 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:28:00.80 ID:++sINOUq0
クロシュ「!」ザッ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……お前も帝国民か、ガキ……」フラフラ

クロシュ「んーん……」

様子のおかしい魔族の青年「ならどけ……。俺が殺したいのはこの国でぬくぬくしてるクソ共だけだ……」フラフラ

クロシュ「……だめ」ジリッ

様子のおかしい魔族の青年「正義ぶりやがって……。ならお前も殺してやる……」バッ

クロシュ「!」

妖精「狂い殺人鬼め! クロシュ、こいつの闇魔法ちょっと異常だから気を付けて!」

クロシュ「ん!」バッ

様子のおかしい魔族の青年「死ね――」シャッ

 ガギンッ!!

 魔族青年の剣「」ギギギギ
 氷の壁「」ギギギギ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……」


クロシュ「!」

妖精「これはミスティ――じゃない!」

ユキ「クロシュさんに妖精さん! 助太刀致します……!」ザッ

トム「オレも来たぜ! ……って、あんたは!!?」ザッ

妖精「知ってるの!?」

トム「お、おう! この人は学園高等部の、天才闇魔法使いの留学生……ヤミリュガ先輩だ!」

ユキ「……なぜこんなことを、ヤミリュガ先輩。普段は理知的なあなたらしくありません」

様子のおかしい魔族の青年「トコナツのガキにオノゴロのガキか……。帝国民じゃないが、邪魔をするならまとめて星に還してやる――」シャキンッ

妖精「だめだ、話が通じない! 一旦大人しくさせないと!!」

 モニョモニョ…ポン!

光メイド剣士クロシュ「闇には……光!!」キラキラ


 ――戦闘開始 魔族の青年――


↓1コンマ
01-10 ??
11-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
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