【安価コンマ】オリウマ娘と共に Part2

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 23:03:59.58 ID:bbKbCQ7N0
  ━━━━━━━━━━━━
┃     ノ|     _        ┃
┃  {\イ;;ム彡、<~;;;;;ヘ      . ┃
┃  へ;;;;;;/ケーミ\゙i;;;;;;゙i      .┃
┃   /人;弋   ~ヘ} ゙i;;;;;|    ..┃
┃  弋;{ミ、\`=、_  }} |;;;;|     ┃
┃   ~ヘ マ´~~´_,ノノ しヘ     ┃
┃    そ  ノ二/   ヾミニ-、  ┃
┃   _`三´ ___  _    ┃
┃   | | | |  | | ))  /∧   ┃
┃   | | | |  | |夂{  // ∧   ┃
┃     `ー´   ̄  ̄  ̄  ̄   .┃
  ━━━━━━━━━━━━

日本ウマ娘トレーニングセンター学園――通称トレセン学園。

トゥインクル・シリーズでのデビューを目指すウマ娘たちが集う、全寮制の学園。その輝かしい門を、また一人のウマ娘が――。



【貴方】はトレセン学園の新人トレーナーです。

トレーナーとしてウマ娘と向き合い、担当ウマ娘を活躍させてあげましょう。



過去スレ

1スレ目
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1709398953/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1722780239
2 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 23:08:25.11 ID:bbKbCQ7N0
【貴方】の担当ウマ娘:シルヴァーパピヨン



シルヴァーパピヨンの競争戦績

メイクデビュー 1着
Pre-OP_プラタナス賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 2着
G3_ユニコーンステークス 5着
G3_エルムステークス 1着
G2_東京盃 2着
G3_カペラステークス 1着


次走:G1_ドバイゴールデンシャヒーン

3 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 23:12:43.26 ID:bbKbCQ7N0
次スレです。今後はこちらで始めていきます。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/04(日) 23:15:12.18 ID:HVvB72Hno
たておつおつおつ
5 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/06(火) 15:25:21.29 ID:eGk/AgfH0
お疲れ様です。前スレ1000確認しました。

パピヨンのママとパパ。どこかで出したいなという気持ちもありましたが、設定とか思いつかずそのままにしていました。パピヨンのこと溺愛してそうな雰囲気はあったんですけど。

何かママパパ案ありましたら送ってくれると嬉しいです。週末まで更新できなさそうなので。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 17:46:32.05 ID:bV2JO8PsO
ママンは甘やかしてそうな印象
逆にパパンはなんだろうな…放任?
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 18:13:29.38 ID:fG1oh/Sco
パピヨンがビックマウスで観客煽ってる時
ママ「あらあら、も〜パピヨンはしょうがないわねぇ」(消極的許容)
パパ「あわわ……いくら本当の事だからといって言い方が……」(消極的賛同)
こんなイメージ

あとママはウマ耳でおっとり系
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 19:27:32.13 ID:rofwqotfo
ドバイで勝ったら見に来てて欲しい>パパンママン

新スレ立て乙
9 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/06(火) 20:20:33.29 ID:cRLt2vt2O
下世話な話します
でっけぇだろうねパピヨンママの乳
10 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/06(火) 20:21:24.71 ID:cRLt2vt2O
ごめんなさい上げちゃいました
更新じゃないです
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 20:31:27.44 ID:rofwqotfo

まぁそりゃねぇ
ママが慎ましかったら、遺伝子的にパパが筋骨隆々になるし
12 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/08(木) 19:57:48.69 ID:3xD3LUaY0
やっぱ普通に家庭って感じはしそう。オペラオーさんのところみたいな。
ママはウマ娘ですごくあってほしいな……体……
13 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/08(木) 22:16:37.54 ID:3xD3LUaY0
パパがトレーナーでママが担当ウマ娘だったとかよくありますけど、それだとパピヨンにもう少しなんかあってもよさそうな気がするのでパパは普通の会社員とかな気がします。

何かお店やってたりしても面白いですね。パパがご飯作ってママが配膳とか……。

次更新土曜日予定です。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/08(木) 22:41:59.78 ID:CsYNzTfZo
予定了解
ママはウマ娘だけどあんまりレースは速くなかったイメージだなあ
15 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/10(土) 23:56:26.62 ID:svUFStVM0
パピヨン「――やっほ、どう?元気してた?」

マンティ「ぱ、パピヨン、さん……!こ、こんにちは……!」

病室の扉を開けて、ベッドに横たわるマンティに手をひらひらと振って挨拶をする。アタシを見てゆっくりと上半身を起こそうとするのをちょっと止めて、近くの椅子に腰を掛ける。

パピヨン「足はまだ駄目な感じ?」

マンティ「……はい。松葉杖などを使えば、少しだけ歩けるんですけど……でも、まだ全然で」

そういえば、ベッドの近くに松葉杖が立てかけられてある。これ使って歩くんだ……へぇ。

マンティ「…………」

あ、しゅんとした表情になっちゃった。やば、ちょっと近況どんな感じ?って聞いただけのつもりだったんだけど、間違えちゃったか――。

パピヨン「ちょっとマンティ!そんな悲しい顔しないでよ!ごめんって――でも、ちゃんと歩けるようにはなってるんでしょ?リハビリも頑張って、それでさ」

また、走ろうよ。約束したじゃん。

マンティ「……はい、はい!それは、もちろん、です……!わ、私、その……リ、リハビリ、頑張ってますから!」

パピヨン「ん、当然でしょ。まあでも〜?マンティがリハビリしてレースで復帰するころにはアタシもダート最強になっちゃってるしな〜なかなか戦えないかもね〜」

マンティ「ふふっ……ええ、そうかもしれませんね。パピヨンさんならきっと……どんな人も魅了して、釘付けにして……そんな走りで一番になっちゃいますね」

パピヨン「……ふふ、言ってくれるじゃん。もしかしてマンティ、アタシのこと大好きでしょ」

マンティ「――――はい、ずっとずっと大好きでしたよ。貴女の走りがなかったら、私は今ここにきっと……いませんでしたから」

パピヨン「うぇ!?」

ま、は、はぁ!?そ、好きとか……や、止めてくんない!?こ、こっぱずかしいんだけど!?は、はー!そうやって動揺させる作戦!?そういうこともしてくる!?
16 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/10(土) 23:57:43.36 ID:svUFStVM0
マンティ「では、頑張ってくださいね――テレビで見ていますよ。貴女が、世界で一番になる瞬間を。そして待っていてください、すぐに……追いつきますから」

パピヨン「ほ、ほぉ。まあ、そういう約束だからね、うん……頑張ってくるよ、だから期待して待っててよ」

期待して待っててよ。この言葉に、マンティはなんだかとても嬉しそうにしながら笑うと。右手で握りこぶしを作って、こちらに向ける。

……いいね。やってあげる。

パピヨン「いっ、えーい!」

マンティ「い、いえーい!」

グーターッチ!

――――ドバイに向かう、前日のお話。

さてさて、頑張っちゃおうかな〜……ぷはは。
17 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/11(日) 00:04:35.05 ID:bU5nHJzA0
すみません、土曜日にやる予定でしたがちょっとこれだけです。お疲れさまでした。

次ゴールデンシャヒーン。行きましょうやりましょう。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/11(日) 01:38:26.22 ID:GmECsmLBo
行くぜやるぜ
しっとりマンティももっとやろう!
おつ
19 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 19:07:31.56 ID:92/7nx8r0
『……』

様々な人やウマ娘に見送られながら、【貴方】とパピヨンはドバイへと旅立った。長い長いフライトの間、【貴方】はドバイでのレースに思いを馳せたが、中々思考がまとまらない。

……【貴方】は飛行機に乗るのがこれが初めてだった。学生時代の修学旅行などはすべて新幹線で行ける範囲内で、友人との旅行なんてのもするタイプではなかった。

パピヨン『うわっ!すごっ!お兄さんお兄さん!空飛んでる空飛んでる!うひゃ〜……うわ、うわ〜!』

そういえば、この前パピヨンも飛行機に乗るのは初めてだと言っていた。窓際の席から外の景色を眺め、きゃほきゃほと喜んでいた姿は、確かに初めて飛行機に乗る人の姿だった。

……まあ、そんな自分もちょっと外の景色を写真で撮ってしまったのだが。と、【貴方】はなんだか恥ずかしくなる。

パピヨン「すぅ……すぅ……んむっ、ぅ……」

『……すぐ寝たな』

あんなにはしゃいでいた彼女も、今はすっかりおとなしくなってぐっすり眠っていた。これまで一緒に過ごしてきて、あんなに成長した彼女もやはりまだまだ子供なのだと、【貴方】はクスリと笑う。

――何もパピヨンは一人じゃない。【貴方】もいるし、それにドバイの他のレースに日本から出走する別のウマ娘もいる。

実力なんて疑う必要はない、気持ちも負けやしない。全部全部必要以上なんだから、あと足りないのは――。

『……自分も寝るか』

ちらりと、隣の席でスヤスヤ眠っているパピヨンを見る。

……軽く、髪の毛を撫でる。尻尾と同様にとても丁寧に手入れされていて、少し触るだけでなんだか気持ちがいい。それに何時だったかお気に入りだと言っていた、甘い匂いがふわりと鼻をくすぐった。

『…………頑張ろうな、パピヨン』

そう言って、【貴方】は目を瞑った。

――。

――――。

――――――――。

――――――――――――――――。
20 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 19:08:35.89 ID:92/7nx8r0
――――ドバイ、メイダンレース場。控室。

『……どうだ、コンディションのほうは』

控室でパピヨンに言葉をかける。

ダボっとした一枚パーカー、黒のダメージソックス、ヒトではまともに走ることすらできないようなピンヒールブーツ。なんだか見てるだけでハラハラしてしまいそうな、心配したくなるような勝負服を身に纏ったパピヨン。

……パピヨンが、口を開く。

パピヨン「――うん、絶好調。ドバイのコースでも練習してたけど別に違和感とかもなかったし……というか、それはお兄さんが一番よく知ってるよね」

思えば飛行機を降りてドバイの地に立ち、ホテルなどに荷物を置いてから――ずっと今日までドバイのコースになれるために練習の毎日だった。

結論から言うと――パピヨンは十分ドバイの地でも走れるということが分かった。日本のダートとも遜色変わらない走りを見せつけ、にやりと笑うパピヨンの顔が今でも忘れられない。

――だとすれば後は自分が頑張るしかない。初めての海外による時差ボケも生活習慣も、食生活も、アウェーのこの空気に負けないサポートも――全部やり切って、パピヨンを舞台に立たせるだけだ。

そして今、自分とパピヨンはここにいる――。

パピヨン「今日までお兄さんほんっと過保護かって思うくらい色々してくれたよね。いつも通り我儘言っても全部対応してくれたし」

『そりゃ、それをやるのがキミのトレーナーだからな』

パピヨン「ぷぷ、お兄さんアタシのこと大好き過ぎるでしょ〜!」

『……好きじゃなかったらここまでしないさ』

パピヨン「……!っ……すー……っ……。ふっ、ふぅ、へぇ……ま、まあ。そ、そりゃそうだよね〜!ぷ、ぷはははは!!!」

……と、というかこんな話はどうでもいいの!お兄さんのキモい言動もそこまでにして!

顔を真っ赤にしながらぷんぷん怒り出すパピヨン。

パピヨン「はぁ……こんな大舞台でちょっと緊張してたのに、お兄さんのせいで緊張もどっか行っちゃった」

『そ、そうか……ならよかった。キミが緊張で実力を発揮できないとか言われたら困ってしまうからな』

パピヨン「言っとくけど良い意味で言ってないからね。アタシ以外のウマ娘にそんな言動したら普通に嫌われるし、通報とかされるからね!」

『……分かってるよ』

この前もこんなことを言われたような気がする、しかしそれならこっちにも言いたいことがある。パピヨンの我儘な言動は他の人にやると迷惑がかかるから自分以外にやらないでほしい――が、これは今言うことではないな。

……こんなやり取りができるなら、本当にパピヨンは大丈夫そうだな。
21 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 19:09:14.49 ID:92/7nx8r0
パピヨン「それにしても、ついにこんなところまで来ちゃったね。昔のアタシが聞けば嘘だって信じてもらえないだろうね。アタシが海外のG1で走ろうとしてるなんて」

『ああ、そうかもな』

パピヨン「……でも昔のお兄さんなら信じてくれるよね。未来のアタシが、海外のG1で走ってるよって言っても――」

『信じるに決まっているさ。だって自分は、キミの走りに魅了されてここまで来たんだ。キミの走りが世界に通用しないはずがない――そう信じて、ずっとキミと頑張ったんだ」

メイクデビューであの走りを見た瞬間から、自分はキミの走りに焼かれているんだ。

パピヨン「――じゃあ期待してね。アタシが世界の大舞台で人気も空気も全部ひっくり返して――勝つ姿を」

『……期待するさ、ずっとずっと自分はキミに期待してばかりなんだ』

パピヨン「はぁ、重いなぁ。そういうの嫌われるよ?でも――――そんなお兄さんだから、アタシはここまでこれた」

お兄さんの期待も、日本の期待も、友達の――ライバルの期待も。全部全部ぜーんぶ背負って。



パピヨン「――――特等席で見ててよ、ばっちり応えて見せるから」

『ああしっかり見ているよ、パピヨンの大舞台――――だから、楽しんで行ってこい!」



パシィン!と、ハイタッチの音が響く。

そして、パピヨンは――――満面の笑みで、控室を飛び出して行って――――。

22 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 19:11:07.03 ID:92/7nx8r0
パピヨン「――――」

――空気がピリピリとしている。これがドバイのG1レース、かぁ。

右を見ても左を見ても歴戦のダートウマ娘がいて、アウェーのこの空気でアタシが走る――人気もだいぶ低いし、殆どの人から期待もされていない。

パピヨン「っふぅうううう……よし」

お兄さんは言った、楽しんで来いって。常識的に考えて、こんな時に楽しんで走れるわけなくない?緊張がどっか行ったなんて言ったけど、やっぱりちょっと緊張はするし、ドキドキもする。

――けど、それもこれも全部アタシが抱えて走る――それって。きっと。

パピヨン(――――楽しいだろうなぁ)

どうしよ、頭がおかしくなっちゃったのかもしれない。ライバルとの約束とかもあるのに、どうしてこんなにうずうずしてワクワクして、ドキドキして……心が昂っちゃってるんだろう。


パピヨン「――――さぁて」


――すべてのウマ娘がゲートイン完了――出走準備整いました――――。


パピヨン「――――ドバイの皆の度肝抜いてやるから、覚悟しといてよ」


23 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 19:11:36.96 ID:92/7nx8r0

G1ドバイゴールデンシャヒーン。結果は:コンマ直下

1 全部全部背負って。駆け抜けて――
2-5 有無を言わせぬその一着は。
6 世界には、あと一歩手が届かず。
7-9 それでも、足りない。届かない。
0 おおっと――――。

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 19:45:12.14 ID:47O6aScMo
届け!!!!
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 19:47:01.96 ID:47O6aScMo
すまん…すまん…
26 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/12(月) 20:26:25.16 ID:92/7nx8ro
コンマが間違ってないかちょっと何回か確認してました。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 20:32:23.72 ID:47O6aScMo
えーーーこの度はIDの数字をコンマと勘違いし頓珍漢な反応をしてしまい重ねて謝罪申し上げます

本当にすみませんでしたぁぁあ!
28 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/12(月) 21:52:47.61 ID:92/7nx8r0
――――シルヴァーパピヨン先頭!シルヴァーパピヨン先頭!後続とは3バ身の差!このまま逃げ切ることができるか!?

その実況の声に、周りの観客から声が上がる。決して高くはない人気の日本のウマ娘が先頭を突き進むその光景に、困惑のような驚愕のような声がワーッ!と響く。

今この瞬間、全ての観客がシルヴァーパピヨンに視線を向けている――注目を浴び、度肝を抜かせている。

『――――』

手に汗が握る、心臓が高鳴る。自然と体が前のめりになる。ドバイの大舞台で華麗に前を往く銀の蝶、これが、これがずっとずっと自分と彼女が追い求めていた景色――。

『――行け』

逃げろ、逃げろ、逃げろ!作戦も何も必要ない、自分が思うように、自分が楽しいと思えるように!自由奔放に、自由気ままに!

『行け――!逃げろ、逃げろパピヨン!行けっ!!!』

息が苦しい、呼吸することも忘れて叫ぶ。この声が彼女に届くように必死に何度も叫ぶ。

――ボロボロと涙が零れる、しかし叫ぶ。こうでもしなければこの思いは抑えきれない――!

夢じゃない、これは夢じゃない!あまりにも険しい道だった、心が折れそうになる日もあった、自分はトレーナーを辞めたほうがいいんじゃないかと眠れない日もあった――けど!今はっきりと思う!



『行けぇええええええええええええっっっっっ!!!!!』



――ああ、シルヴァーパピヨンのトレーナーでよかった。この役目は、誰にも渡したくない。渡してたまるもんか。



29 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/12(月) 21:53:47.35 ID:92/7nx8r0
――脚が軽い。まるで、羽のように。

――体が思い通りに動く。まるで、自由に空を飛ぶ蝶のように。

パピヨン「――――っ!」

は、はは!観客の声が聞こえる――どう?誰にもマークされてないアタシが先頭を走ってるのはそんなにびっくりした?

――――行け――!逃げろ、逃げろパピヨン!行けっ!!!

パピヨン「――――!?」

ぷっ、はは、あはは!お兄さんの声が聞こえてきた――へぇ、あんなに叫ぶことあるんだお兄さんって――でも、うん、分かる。

心臓が痛い、息が苦しい。しかし脚は止まらない、逃げて逃げて逃げて、それでも止まらない。高鳴る心臓の鼓動と呼吸音、そして観客の声だけが聞こえてくる。

――――ねえ、お兄さん。アタシ実は全日本ジュニア優駿で負けた時、もう走るの止めようかなとか考えてたんだよ?いろんな人の期待も裏切って、無様な姿を見せて――でも、でもさ。

アタシの走りは今日この日のために、お兄さんとライバルの皆――それと物好きなファンに今までの期待を全部返すために。

アタシがアタシを認められるようになるために。



パピヨン「――――走るのって、サイコー……!」



アタシは2バ身差の一着でゴールした。


は、はは、あはは――!ああ、息苦しー……!
30 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 22:18:10.87 ID:92/7nx8r0
『――――お疲れ様、パピヨ――うわぁ!?』

控室の扉が開かれた瞬間、まるで弾丸のように何かが自分の体に突撃してきた――自分の胸に、ごしごしと頭をこすりつけてくるそのウマ娘は。

『……お疲れ、見ていたよパピヨン』

パピヨン「えへ、ありがとうお兄さん――どう、どう?アタシの走り――その目に焼き付けた?」

『勿論、キミの走りをずっと――ずっと見ていたよ』

土だらけの格好で抱き着いてきたパピヨンを、こちらからも抱きしめ返す。頭も撫でてあげると、気持ちよさそうにパピヨンは笑った。

パピヨン「うわ、お兄さんお目目真っ赤じゃん。もしかして……感極まって泣いちゃった?うわ、泣き虫じゃん」

『……そりゃ泣くに決まっているだろ?キミがこの大舞台で――一着を取ったんだ。泣かないトレーナーがいるもんか』

パピヨン「ぷぷぷ……ほんっと、お兄さんってそういうとこだよね」

でもさ、アタシ聞こえたんだ。お兄さんが叫んで――応援する声が。その声を聴いた瞬間、なんだか体に力が湧いて、もっともっと体が軽くなって。

パピヨン「……嬉しかった、嬉しかったんだ。だから、ありがとう。お兄さん」

『お礼を言うのはこっちだよパピヨン。ありがとう、本当にありがとうパピヨン――』

――一層力強く抱きしめる、するとパピヨンも力強く抱きしめ返してくれる。ウマ娘の力だそれをやられるとちょっと苦しいけど、そんなの気にならない。

パピヨン「よし!じゃあお兄さんにお仕事!」

『……ん?』

体を離し、パピヨンが何かを言おうとしている。――これまでパピヨンと付き合ってきた仲だ――なんとなく、分かる。


パピヨン「――――尻尾の手入れ、やーって?うんと綺麗にしてよね」

『……もちろん、やらせていただきますよ。お姫様』

パピヨン「――――んふ、んふふふふっ!」


さっすがお兄さん――期待してるからね?



31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 22:24:22.97 ID:QBFX2Fhxo
やった…やったやったやったああああ!!
32 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 22:41:48.73 ID:92/7nx8r0


――――ドバイゴールデンシャヒーン。1着、シルヴァーパピヨン。

その名誉は日本でももちろん話題となり、たちまちシルヴァーパピヨンの名を広めることとなった。

――――華麗に舞い、自由気ままに前を往く。"砂上の銀の蝶"。

我儘に、しかし誠実に。強い責任感と鍛え抜かれた脚で覚醒した"魔王"は、世代最強のダートウマ娘としても語られるようになり――――。



33 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 22:58:02.36 ID:92/7nx8r0
『…………ぐぅ』

パピヨン「ぷぷぷ、間抜けなキモい寝顔晒してる〜』

飛行機の中。隣の席のお兄さんがすやすや眠っているのを見て笑いが止まらない。窓の外はすっかり暗くなっていて、周りの人も大体が眠っている。

アタシも行きはぐっすり眠ったけど、今日はなんだか眠れなかった。だからこうして起きているんだけど……いやいや、良いものが見れた。

パピヨン「まずは写真を撮って〜……後でウマッターに晒そ。そんでリュックから取り出すのはマジックペン〜」

さて、どんな落書きをしてやろうか〜?

…………。

パピヨン「……はぁ、まあ今日は止めてあげるか」

お兄さんもアタシもなんだかとても疲れた。優勝パーティーとか、写真撮影とか、インタビューとか……正直インタビューのほうは何喋ってるのか全然分かんなかったけど。翻訳さんがいなかったら終わってたよね、ほんと。

……一緒に来ていた日本のウマ娘さんにも滅茶苦茶おめでとうって言われたし、ウマッターとか電話でもお祝いのメッセージが沢山来た。

パピヨン「…………アタシが、世界を」

夢じゃない、ちゃんと現実なことは理解している――けど、どうしても信じられない。あのアタシが、誰からも期待されなかったアタシが――今こうして、存在していることが。

『…………すぅ』

パピヨン「どれもこれも、全部……お兄さんのせいなんだからね』

――あの日声をかけてくれなかったら、あの日走りを見てもらえなかったら、お兄さんがトレーナーじゃなかったら――アタシは今頃、どうなっていたか。
34 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 23:00:49.21 ID:92/7nx8r0
パピヨン「…………」

……ああ、うん。この気持ち、わかるよ――ずっとずっと認めたくなかったけど、あのしつこい恋愛脳ウマ娘たちにからかわれたりして、なんとなく目を背けていた――ように思えるけど。

パピヨン「あぁ……」



――――アタシ、この人のこと大好きだ。はっきり言える。好きで好きで、たまらないって。



アタシのトレーナーはお兄さん以外考えられないし、その役目は誰にも奪わせない。お兄さんがアタシをこうした責任――取ってもらわないと。

あんな軽率な行動ばっかりしてたら、年頃の女の子は――そりゃ好きになっちゃうよ。

パピヨン「――――お兄さん」

スヤスヤ眠ってるお兄さん、今日もいろんな人の対応で動き回ったお兄さん。だからきっと、何をしてもすぐには起きない。はず。

パピヨン「……」

周りにはほとんど寝ている人、知り合いは近くにいない、きっと。

パピヨン「…………」

――アタシはドバイG1を獲ったウマ娘!これくらい――!


アタシはドバイG1勝ったウマ娘:コンマ直下
1-3 ……っすー……
4-6 …………手を握っちゃったり。
7-9 ……お兄さんの腕を抱き枕にしちゃったり。
0 ――――。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 23:08:21.93 ID:VHL20nhDO
はい
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 23:10:49.07 ID:47O6aScMo
行け!
37 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 23:22:23.25 ID:92/7nx8r0
――――いや、いやいや、いやいやいや。

パピヨン「待って、今アタシ――何をしようとした?」

――さ、流石に行動が早すぎる。こういうのは、もっとこう……じゅ、順序とかあるよね。て、手をつなぐとか……。

…………し、しかも寝てるお兄さんに勝手にやるとか。あ、あとでバレたら……そ、それに誰かに見られてたら!?

パピヨン「…………っすー……」

よ、よし。いったん落ち着こう。きょ、今日は……うん、うん、終わり!それにお兄さんもアタシも疲れてるし、後日ちゃんと考えてから……そ、そうしよう。うん。

パピヨン「お、お休み、お兄さん……」

で、でもやっぱり手を繋ぐくらい……だ、ダメ!い、意識すると無理、無理!はずい!

パピヨン「…………」

――ね、寝れるかぁ!か、顔があっつい!心臓もどっきどきするし、というか隣にお兄さんがいて眠るとか、これ大丈夫なの!?

ア、アタシ行きの飛行機で変なことされてないよね!?あ、うわ、考えるともうそのことしか考えられない!お、お兄さん……!お兄さんのバカ……!バカ……!!!
38 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/12(月) 23:28:25.46 ID:92/7nx8r0
お疲れさまでした。今日はこれで終わりです、おやすみなさい。


多分9番人気とか10番人気くらいで勝ってますパピヨン。すごい。

ライムに勝ったこともあって、勝ちコンマ大きめでした。とりあえず勝ってくれてよかったです。

では次ファン感謝祭。そして次のレース決めです。ありがとうございました。


パピヨンが恋をはっきり自覚してもクッソ弱そうでとてもよかったです。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 23:57:23.42 ID:47O6aScMo
おつおつ
(レースコンマ)やるやん、コンマ神
(ドバイG1勝ちコンマ)やるやん、コンマ神

パピヨンもトレーナーも日本に帰ってからも大変だぞ、楽しめ〜
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/13(火) 04:41:31.38 ID:Y5EmHcg7O
最強議論スレが盛り上がりそうですな
41 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/13(火) 22:30:13.47 ID:2p4nH+yH0
シルフィー「ぱ、パピヨンさん……!!!」

パピヨン「うわっ!ちょ、シルフィー……!」

トレセン学園に戻って早々、シルフィーがぎゅうっと抱き着いてくる。油断していたせいでちょっと苦しいし、恥ずかしい。

シルフィー「わ、私見てましたよ!テレビで、み、皆と応援しながら……!い、一着を取ったとき、ほんと感動で泣いちゃって……!」

パピヨン「おっけ、おっけ!分かったから……うんありがとうね、シルフィー」

……そんなに喜んでくれるなんて思わないでしょ。もう何日か経ってるってのに、優しいねシルフィーは。

ライム「――はい、見ていましたよパピヨンさん。ドバイゴールデンシャヒーン、おめでとうございます!」

抱き着いて離れないシルフィーをよしよしするアタシに、ライムが話しかけてくる。

――普段の様子、普段の言葉遣い。けれど分かる――隠せないほどの闘争心、メラメラと燃えるオーラがライムから出ているのを。

パピヨン「どう?ドバイダートの電撃戦を制したアタシは――ライバルとして十分?」

ライム「ふふ、パピヨンさんは何時だってライバルとして最高です!けど今の貴女は――もっともっと最高です!」

より強くなった貴女と戦える日が来るのが楽しみです!と、笑いながら言うライム。ほんっとこのウマ娘は……天然物の戦闘狂め。

パピヨン「……ふふん、その余裕アタシがぼこぼこにしてあげるから覚悟しといてよね」

シルフィー「ぐす、パピヨンさぁん……」

パピヨン「あーもーそんなに嬉しかったの!?は、恥ずかしいんだけど!?」

42 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/13(火) 22:31:01.77 ID:2p4nH+yH0
ライム「そうだ、パピヨンさん。実はマンティさんなんですけど……」

パピヨン「……マンティ?」

そういえばマンティから連絡が来ていない。今この場にタブレットもないし……も、もしかして何かあったんじゃ――。

ライム「マンティさん、パピヨンさんのあのレースを見た日からとてもリハビリを頑張っているんです。パピヨンさんがやってくれたんですから、私も頑張らないとって」

パピヨン「ああ、なるほどね……そっか」

――ああ、じゃあ今も頑張ってるんだリハビリ。マンティ、今度様子見に行かなくっちゃ。

パピヨン「……んふーっ。にしても、ようやくアタシもG1勝利のウマ娘か〜、しかもドバイの優勝ウマ娘……これ、色んなところから取材の引っ張りだこだろうな〜」

ライム「確かにそうですね!パピヨンさんの実力ならもっと前からテレビで取材をされてもおかしくないと思いますが……あんまりしませんよね?」

シルフィー「……ぱ、パピヨンさんは、その……ちょっとあんまりテレビで放送するのは」

パピヨン「え〜?アタシは素直な感想をそのまま話してるだけだけどな〜」

ぷぷぷ、あーお兄さんと一緒に有名人になっちゃうかも〜!手のひらクルクルの人たちたっくさんいるんだろうな〜!
43 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/13(火) 22:32:54.71 ID:2p4nH+yH0
シルフィー「ところでパピヨンさんはファン感謝祭どうするんですか?」

パピヨン「……ファン感謝祭?」

……あ〜そういえばそういうのあったね。今まであんまファンとか気にしたことなかったから覚えてなかったや。

パピヨン「てか最近優勝しちゃったアタシだしファン感謝祭凄いことになるんじゃない〜?ぷぷぷ、バカみたい〜」

ライム「ちょっと!いけませんよパピヨンさん!ファンの皆さんが応援してくれるからアタシたちウマ娘は――」

パピヨン「あーはいはい!そうそう、ファンの皆さんがお金をぽこぽこ落としてくれるからアタシたちはおいしいご飯が食べれるんだもんね!」

ライム「ぱーぴーよーんーさーん!」

シルフィー「あはは……で、ファン感謝祭では何をするんですか?いろんな競技があったり、チームで出し物やお店があったりするみたいですけど……」

ライム「わ、私はいくつか競技に出てみようと思います!せっかくの機会ですから、色んなウマ娘さんと競いたいです!」

パピヨン「ふむぅ」

……どうしよ、本当に何も考えてなかった。ドバイで頭いっぱいいっぱいだったし……お兄さんも多分あんま考えてないよね。

うーん、うーん……要するにアタシのファンに何かしてあげろってことでしょ?競技でアピールするのも、お店で何かを提供するのもそういうことだし。

パピヨン「…………物好きなファンが喜びそうなことねぇ」
44 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/13(火) 22:42:50.96 ID:2p4nH+yH0
シルヴァーパピヨンのファン感謝祭、何をしよう……:安価下3まで募集。

ファン感謝祭ってなんでもやってそうなので、やってみたいことやりたいこと何でも自由にどうぞ。

今日はこれでおしまいです、おやすみなさい。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/13(火) 22:49:49.27 ID:Z5jt3weso
メイド喫茶
メスガキメイドだ!
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/13(火) 23:07:04.22 ID:tAz4JuzZO
蹄鉄を型どって焼き印を作って、大判焼き?今川焼き?みたいな和菓子あると思うけど、それに焼き付けて販売
パピヨンはぷぷぷ、こんなの別の人のでも誤魔化せるよね〜と言いつつ意外と売れるので内心まんざらでもない、みたいな
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/13(火) 23:46:41.19 ID:YQ7/7y1fo
両方見たいので>>46がメニューにある>>45っていけます?
48 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/14(水) 19:51:02.21 ID:B/zJkmHT0
>>47
全然混ぜます混ぜます。

もう一つ安価ありましたら安価募集しています。
49 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/08/14(水) 20:09:50.10 ID:B/zJkmHTo
ごめんなさいこれ安価じゃない奴だと思っちゃったんですけど安価でしたかね?

勝手に安価追加しちゃいましたが9時までなにもなければそのまま進めます
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/14(水) 20:29:56.06 ID:Tv1+beUto
(ごめんなさい安価のつもりでした)
51 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/14(水) 22:20:36.56 ID:B/zJkmHT0
パピヨン「――メイド」

ライム「はい?」

パピヨン「メイド喫茶やろう!どうせアタシのファン層なんて、メイド喫茶とかそういう媚びたのが大好きな人しかいないんだし!」

うん!メイド喫茶!うんうん決定!適当に写真撮影とかでお金取ればめちゃくちゃ大金持ち〜!

シルフィー「ま、待ってください!め、メイド喫茶なんて……そ、そもそも!一人で切り盛りなんて……」

パピヨン「え?」

シルフィー「……えっ!?」

パピヨン「やだなぁシルフィー。アタシたち同室で同期でお友達じゃーん。一緒にやろうよ、メイドさん〜!シルフィーならアタシとは違うファン層にストライクだよ〜?」

シルフィー「ふ、ふぇ!?や、やりまっ、やりませんからぁ!め、メイドさんなんて私には、に、似合いませんってぇ……!」

ライム「パピヨンさん!駄目ですよ勝手に人を巻き込んでは!やるならまず事前に連絡や打ち合わせを」

パピヨン「ライムは料理上手だし厨房担当だよね。あーでも沢山売りたいし誰でも簡単に用意できるようなものにした方がいいよね〜……お菓子とか冷凍食品にちょーっと手を加えたみたいな」

ライム「なんで当然のように私まで入ってるんですか!わ、私はもう競技のエントリーも済んでいて――」

パピヨン「まーまー!せっかくだし一緒にやろうよメイド喫茶!競技の合間にちょ〜っとやってくれるだけでいいし、それに〜……」

――――キミたちの大好きな男の子にメイドさん姿見せられるよ〜?

52 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/14(水) 22:21:01.82 ID:B/zJkmHT0
ライム「!」

シルフィー「!」

パピヨン「どうせ来るでしょ?せっかく外からお客さんが沢山来る機会なんだし」

シルフィーは親友の弟くん。ライムは幼馴染くんに……甘々なメイドさん姿、見せたいでしょ〜?

ライム「……だ、ダメです!そんな、べ、別に見せたいとかそんな……」

シルフィ―「ふぁ、ファンの皆さんのための場で、そんな個人の……そ、そういう感情を使うのはよくありませんパピヨンさん!」

パピヨン「え〜?でも男の子ってみんなメイドさん好きだよ?知ってる女の子にメイドさんでご奉仕とか、絶対喜ぶと思うけど」

ライム「くっ……!ふっ、ぅうううううう……!!!」

シルフィー「うっ、うぅうう……!」

恋する乙女の葛藤。ぷはははは!好きな男の子に可愛い恰好見せたくて堪らないんだ!

――――結果、とりあえず二人のメイドさんを手に入れた!チョロい奴らめ!
53 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/14(水) 22:31:38.14 ID:B/zJkmHT0
さてさて、メイド喫茶をやることにしたわけだけど――流石にもう少しメイドさんが欲しいかも。

パピヨン「むむむ」

さて誰に声をかけようかな、最近あんまり話せてなかったかもだし――――。

誰かに声をかけよう:安価直下
1 ニシノフラワー
2 ダイワスカーレット
3 ナカヤマフェスタ
4 メイドさんもういらない?
5 自由安価
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/14(水) 22:44:58.47 ID:DHIwVXXDo
やってくれるのか気になる3
55 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/14(水) 22:51:34.51 ID:B/zJkmHT0
すみませんこれだけです。お疲れ様でした、おやすみなさい。

ドキドキメイド喫茶編やっていきます。ドバイも終わりましたので少し騒いでいきましょう。

ただイベント何も考えていないため自由安価多めで行きます。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/14(水) 23:02:36.78 ID:DHIwVXXDo
おつおつー
57 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/15(木) 23:50:58.74 ID:9jBt3bU40
ナカヤマ「――――よぉ、ドバイの王者様。久しぶりじゃねぇか」

パピヨン「別に王者様になったわけじゃないんですけど、ナカヤマ先輩」

というかアタシとしては王者様というより、お姫様とかそっちの方が好みなんですけど。魔王もまあぶっ飛んでて好きだけど。

――ナカヤマ先輩が棒付きのキャンディを口の中で転がしながら、アタシを見てにやりと笑う。

ナカヤマ「見てたぜ、お前の大舞台――誰もお前に期待していない人気薄の状況で、逃げ切り勝ち。どよめきと熱狂が入り混じった歓声――――なあ、お前はあの場で勝利して、何を感じた?」

パピヨン「何を感じたか、とか言われても」

あ、これ前にアタシもライムにしたことある。あー、逆に自分が訊かれるとちょっと悩む……けど、分かりやすい答えが一つだけ。

パピヨン「――――走るのがやっぱ好きなんだなって。思いも決意も夢も約束も期待も――全部全部背負い込んだうえで、無我夢中の全力で前を駆ける」

これが最高に気持ちいいんだよね。と、語ると――ナカヤマ先輩が、目を丸くしてこっちを見る。

……な、なに?別に変なことは言ってないと思うけど。

ナカヤマ「クッ……クハ、クハハハハ!私はお前のことを道化だと思っていたが――どうやらとびっきりのバーサーカーだったみたいだな、パピヨン?」

パピヨン「人のこと勝手に狂戦士にしないでくれます?」

てか、そういうのはライムの方だと思うんですけど。

ナカヤマ「やっぱりお前はおもしれ―やつだよ。それで?お前は私に何の用なんだ?ベットする価値のないピエロがこんなに良い後輩になって帰ってきたんだ――きっと愉しませてくれるんだろ?」

58 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/15(木) 23:51:26.64 ID:9jBt3bU40
パピヨン「あ、そうなんですよ〜!実はメイド喫茶やろうと思ってて、ナカヤマ先輩どうかな〜って」

ナカヤマ「は?メイド喫茶?」

パピヨン「メイド喫茶」

――さっきまでの騒がしい感じの会話はどこへやら。一瞬の静寂、そして。

ナカヤマ「クッ……ククク!クハハハハ!なあ、パピヨン?お前――私をメイドにしようなんざ、ずいぶんと度胸があるな?」

パピヨン「いいじゃん、やりましょうよメイド。ゴーゴー!」

ナカヤマ「…………ま、かわいい後輩の頼みだ。しかもどでかい勝負事を制した後の」

やってやろうじゃねぇか。と言いながら、ナカヤマ先輩は承諾してくれた――チョロい!この人優し!

ナカヤマ「ちなみにそのメイド喫茶のメニューは考えてんのか?」

パピヨン「適当な冷凍食品とかに簡単な手を加えて高いお金で売り付けます」

ナカヤマ「じゃあもつ煮も売るぞ!どうせお前のメイド喫茶なんざ正統派になるわけがねぇ!」

パピヨン「うおおおおおお!!!」

あ、でも作るのめんどくさそうだったら全部ナカヤマ先輩が作ってくださいね!それかライムに作り方教えて上げてください!

――メイドさんげーっと!ギャンブル系のゲームも追加すればきっとリピーターが続出だ!ぷぷぷ!
59 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/15(木) 23:54:22.03 ID:9jBt3bU40
――さてさて〜。メイド喫茶の人員はゲット、メニューも適当に作るとして……ああでも。ちょっとはそれっぽくしないといけないよね。

…………ま、その辺は適当にやるとして。何かやることあるかな〜。準備とか――。

メイド喫茶準備編。何をすればお金……じゃないじゃない。お客さんを満足させられるかな〜。ぷぷぷ。


準備イベント。何かメイド喫茶でやりたいことや、絡みたい人とか、事前にやりたいこと:安価下2まで。

この人メイドに呼ぼうとか、メイド喫茶でこんなイベントやろうとか、何かあれば。全然関係ないことでもいいです、メイド服の破壊力でお兄さん誘惑してもいいです。




今日はこれだけです。おやすみなさい。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 01:18:38.96 ID:Wpqfjx1Fo
トレーナーに試作品食わせる→感想聞く
上がメインの思考を占めてるのでかなり大胆な事をするパピヨン
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 03:39:39.95 ID:pxztg16Zo
ナカヤマフェスタがこの間賭けに負けたろとシリウスシンボリを捕まえてメイドにする
62 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/16(金) 22:22:36.95 ID:zunHSaWc0
パピヨン「お、に、い、さ〜ん!」

『うわぁ!?な、なんだパピヨンか……』

トレーナー室でぼんやり考え事をしていると、後ろから勢いよくパピヨンが突撃してきた。

パピヨン「ぷぷ、実はお兄さんにメイド喫茶で出すメニューの試作品を食べてほしいんだ〜」

……ああ、そういえばメイド喫茶を感謝祭でやると前に言っていたな。ライムたちもいるし何か問題を起こすとは思わないが……まあ、パピヨンはこういう時ちゃんとやるし大丈夫か。

……大丈夫か?

『試食にならいくらでも付き合うが……ただ変なのは止めてくれよ?』

パピヨン「え〜。変なのってなになに、お兄さんアタシが激辛ロシアンルーレット饅頭とか出すと思ってるの?」

『具体的な名前を出してるじゃないか……』

まあ、あんまりにもやばいのは学園側からストップがかかるだろう。いや、けどトレセン学園だしなぁ……。

パピヨン「さぁさぁ!色々持ってきたからたくさん食べて食べて!」

――――こうしてパピヨンが持ってきた試食品をひたすら食べることになった。基本的には市販品にちょっと手を加えたものだが、妙に手が凝ってるものやクセのある試食品があったり……なんだ、もつ煮って。おいしいけど。

パピヨン「この今川焼……大判焼き?いやまん丸焼き……まあなんでもいいんだけど!これに焼き印ついてるでしょ?実はこれアタシの蹄鉄モチーフなんだ〜」

こうやってちょっとアタシたち要素を付け加えるだけでちょろいファンはすぐにお金投げちゃうよね〜。んー、アタシ商売の才能あるかも?と、ドヤ顔で語るパピヨン。

……そんなに上手くいくものだろうか。
63 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/16(金) 22:29:26.02 ID:zunHSaWc0
『いや、あんまり食レポとかできる人間じゃないが……美味しいよ、ただ全体的にメイド喫茶っぽくはないが』

本当に全部おいしかった。今川焼も、もつ煮も……どうしたことか、メイド喫茶ぽくない。

パピヨン「えっ!ほんとほんと!?んふ、んふふふ!そっかそっか、美味しかったか〜……」

『……?』

美味しい、という言葉を聞いてパピヨンがなんだかとても嬉しそうにそわそわし始めた。尻尾がフリフリ揺れて、ウマ耳がぴょこぴょこ動いていかにもな様子だ。

パピヨン「ぷぷ、ぷぷぷ……えへ。ほら!もっと沢山あるから食べて食べて!お兄さんは貴重な試食係なんだから、沢山感想を言ってアタシたちに貢献して!」

『わ、分かった。分かったから……!』


何かパピヨンがかなり大胆な行動:安価下2まで。
1 【貴方】のほっぺについたクリームをペロリ。
2 自由安価
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 22:39:09.90 ID:Wpqfjx1Fo
1
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 23:38:54.66 ID:pxztg16Zo
1
66 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/16(金) 23:59:18.84 ID:zunHSaWc0
申し訳ないですが今日もこれだけです、やっぱり自由安価はあんまこないですね。

ありがとうございました。お疲れ様でした
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 00:35:45.10 ID:bXQwpzHRo
おつおつー
もつ煮の異質感
いや美味しいならありだけど
68 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/17(土) 23:55:01.42 ID:xc7xqBkZ0
パピヨン「……あ、ぷぷ〜。お兄さんほっぺたにクリームついてるよ〜」

『えっ?ああ、本当だ……ありがとうパピヨン。ティッシュティッシュ……ぁー」

ニヤニヤ笑う彼女に教えられて、ティッシュを探す……が、近くにあるティッシュ箱が空になってしまっていた。新しいティッシュを取りに行くのも、少し距離がある。

パピヨン「ティッシュないじゃんお兄さん。んも、しょうがないな〜」

『ん、悪いけどパピヨン――』

ちょっとティッシュを取りに行ってもらおう。そうお願いしようとした瞬間、パピヨンがグイっと顔を近づけてきて。

パピヨン「んっ……れぇ……」

ペロリ、と。ほっぺたについたクリームを、舐めとった。

『――――へ』

パピヨン「えへ、クリームあま〜い!……あっ、まだちょっと残ってる。んんっ……」

突然の出来事に言葉が出ないし体が固まってしまう。しかしパピヨンはそんな自分のことなど知らず、続けて残ったクリームを掬ってくる。

小さな可愛らしい舌が、ちゅぷちゅぷと頬を撫で。ぺろぺろとクリームの一つも残さないよう丁寧に舌が往復する。

パピヨン「れぇ……んっ、ちゅっ、ちゅぱ。れろぉ……んむっ。ぷはぁ……!ほらお兄さん!クリーム全部食べたから!次の料理次の料理!」

そしてパピヨンは何事もなかったように行為を終えて、ニコニコと次の料理を持ってこようとする。


【貴方】は――。:コンマ直下
1-10 ――ここでしっかり怒っておかないとダメな気がする。
11-75 驚いたけど中学生だし……簡単な注意だけ。
76-90 注意したいけどパピヨンの姿を見て何も言えなくなってしまう。
91-00 ――ドキドキが止まらない。パピヨンの顔が見れない。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 23:57:21.48 ID:EYH5w1Syo
はい
70 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/18(日) 00:19:35.07 ID:ZXJNLXRA0
『――――ちょ、ちょっと待ってくれパピヨン』

パピヨン「?」

引き留める。引き留めなければならない、いや、いや――落ち着け。

……そうだ、パピヨンはまだ中学生。普段あんな言動をしているとはいえ去年まで小学生だったまだまだ子供のウマ娘。だったらいきなりあんなことをしても……まあ、普通なのかもしれない。

『その、さっきみたいな……いきなり頬っぺたを舐めるみたいな。そういうことは良くないんだ』

パピヨン「え〜?別に良くない?お兄さんずっとほっぺにクリームつけてるつもり?」

『普通にティッシュを取ってくるだけでよかっただろう?とにかく、こういう舐めるとか……もう他の人にもしないでくれ、もちろん自分にも』

パピヨン「あーはいはい!分かったから!わかったわかった!ほら、だから次の食べて〜!」

頬っぺたを膨らませながら、本当に分かっているのか分からない返事でパピヨンは次の料理を取りに行ってしまった。

……もしかしてライムやシルフィー、マンティにもあんなことを軽率にしているのだろうか。なんだかいきなり怖くなってしまった。いや、けどパピヨンは賢い子だし……うぅん。

パピヨン「……何ずっとうんうん唸ってるんだろ、お腹一杯かな?」

――とりあえずパピヨンが出してくれた試食品は何とか食べきることができた。とんでもない量にだったが……うぷっ。大丈夫だった。

パピヨンのとても嬉しそうな表情を見ると、この苦しさも……問題ない。ただ体重が……うぅ。





今日はこれだけ、お休みです。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 01:53:51.58 ID:xaFdm9FDo
おつ
そういうとこだぞおにーさん、ぎりぎり大人の威厳は保てたが……
あ、パピヨンはそのままでいてこれでもまだ壁は厚いからね
72 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/18(日) 21:40:31.74 ID:ZXJNLXRA0
シリウス「――おい、どういうことだナカヤマ。なんで私がメイドなんざやらないといけねぇ」

ナカヤマ「この間の賭けに負けたろ?人手なんざいくらあっても良いんだ、どうせ暇なんだから手伝え」

パピヨン「はんたいはんたーい!こんな人メイドカフェのメイドさんにしたら印象悪くなっちゃいまーす!」

なんだかナカヤマ先輩が良い人を知っていると言うから来てみれば……シリウス先輩とか全然メイドじゃない!

パピヨン「こんな口の悪くてファン層がヤバそうな人NG!」

ナカヤマ「……それお前が言うか」

シリウス「はっ――どうやら私はお呼びじゃねぇみたいだ。この子犬もキャンキャン吠えているしな」

ナカヤマ「おおっと逃がさねぇぞ。そのヤバそうなファンを連れて売り上げにでも貢献しようぜ、なぁ?」

ほら、お前としても売り上げが増えるのは嬉しいだろ?と、ナカヤマ先輩が言うけれど――むむむむむ。むむむむむ……。

パピヨン「……まあ賭けに負けた人だし!変なことはしないか!シリウス先輩もアタシの手となり脚となりテキパキ働いてね!」

シリウス「はぁ!?おい、こらなんでそんないきなり……!この子犬、ドバイ勝ってから図太くなってねぇか。前はもっと不安定な感じだったろ」

ナカヤマ「おいおい知らねぇのか?だからこいつはおもしれーんだよ。なんもかんもメンタルが釣り合ってねぇ、いつでも壊れそうな状態で走ってた奴だぜ?」

パピヨン「なんか滅茶苦茶ディスられてる気がするんですけど」

とにかく先輩が新しいメイドさんになった!まあ、ぶっちゃけあんま好きじゃないけど……それはそれとして人は来そう!

賭けに負けたらしいし、ナカヤマ先輩とアタシの言うことに従う手足となれぇい。ぷははははは!
73 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/18(日) 22:03:33.71 ID:ZXJNLXRA0
――――――――――――――――

――――――――

――――

――

ファン感謝祭当日。アタシたちのメイド喫茶はというと――。

メイド喫茶の繁盛具合:コンマ直下

コンマが高いほど繁盛繁盛。

コンマ補正
ドバイゴールデンシャヒーン優勝+35
ライムとシルフィー+20
ナカヤマ先輩とシリウス先輩+25
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:05:44.88 ID:xaFdm9FDo
バチバチ盛られてて芝3200
75 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/18(日) 22:39:24.63 ID:ZXJNLXRA0
パピヨン「え〜?ご主人様もお嬢様もアタシ目当てでメイド喫茶なんて来ちゃったの〜!?ぷぷぷ、よっぽどヒマなのかな〜?しかもアタシに萌え萌え〜って魔法かけてほしいんだ?え〜キモ〜い!」

シリウス「おいおい、キャーキャー言ってないで早く注文しな。今なら特別に……この私からの奉仕を受けれるんだぞ?この時間、無駄にしたくないだろ?」

ライム「はい、こちらドリンクとまん丸焼き――あ!もしかしてこの間私のレースを見てくれた方ですか!?はい!レース前から最前列で熱心に応援してくれてましたよね!ふふ、嬉しいです!はい、ありがとうございます!今日はたくさん楽しんでくださいね!」

――――人が入る、人が入る。面白いくらいに人が入る。

最初はドバイゴールデンシャヒーンで優勝したパピヨンを一目見ようと来る野次馬のような人ばかりだったが――この口コミがどんどん広まり。まだ午前中だというのにもう人で教室が埋まっていた。

曰く、とても可愛く罵ってくれるだとか。曰く、客のはずなのに子犬になっていただとか。曰く、どんなファンでもちゃんと覚えてくれているだとか――。

シルフィー「お、お待たせしました!こ、こちらもつ煮……ひゃぁ!ご、ごめんなさい!あ、熱い汁がかかっちゃいましたか!?す、すぐに拭かせてもらいます!ご……ご主人様!」

ナカヤマ「ふっ……ほら私の勝ちだ。ご主人様はメイドの私に負けた――罰として、ほら。このドリンクを飲みな」

びっくりするくらい小動物みたいなメイドさんがいるとか、ゲームの罰として大量にドリンクを飲まされるが勝つとめちゃくちゃファンサしながらチェキを取ってくれるとか。

噂が噂を呼び、人が人を招き。どんどんどんどんメイド喫茶に人が足を運び――結果として。このメイド喫茶は大成功だった!

パピヨン「もえもえ〜……きゅん!ぷっ、はは、あはは!バカみた〜い!え、ご主人様〜、そんなに嬉しいの?うわ、バカにされて喜んじゃうとか、人としてどうかと思うな〜……けど、アタシはそんなご主人様もお嬢様も〜……好きだよ。なーんて!」
76 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/18(日) 22:53:15.78 ID:ZXJNLXRA0
『……だいぶ繁盛してるじゃないか』

パピヨン「あ、お兄さんじゃん。どしたのどしたの、担当ウマ娘がしっかりご奉仕してるかの確認?」

時間ができたのでメイド喫茶に顔を見せると、かなりのファンがそのメイド喫茶でご奉仕を受けていた。

『……まあ、そんなところだ』

パピヨンがちゃんとファンを相手に対応できているか、何か問題を起こしていないか、変な輩がいないかの確認だったが……雰囲気的に大丈夫そうだな。これは。

ライム「パピヨンさんのトレーナーさん!お疲れ様です!」

『やあ、お疲れ様ライム』

ライム「パピヨンさんなら大丈夫ですよ!私も心配だったんですけど、ちゃんと接客も……できてるかわかんないですけど。皆さん喜んでいますから!」

『ちょっと不安になるな、なんだか』

パピヨン「え〜?大丈夫だって、ほらほら。アタシにバカにされて喜ぶような人たちばーっかりなんだから、アタシがどんな接客しようと平気平気!」

そういってぷぷぷと笑うパピヨン。担当ウマ娘がそういうのならトレーナーとして信じてやりたいが……うーん。

パピヨン「ほらほら、席空いたから座って座ってお兄さん――じゃないや、ご主人様〜?ねぇ、アタシメニュー表の上から下まで全部くださいって言ってほしいな〜?」

『いやいやいやいや』

勘弁してくれ。
270.51 KB Speed:2.6   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)