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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part3
- 931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 16:17:26.71 ID:ur+G9NBO0
- ―イスファハーン中央区
黄金市場
ワイワイ ガヤガヤ
貴族の娘「お父様ぁ、あれ買ってぇ〜」
貴族の男「お母様には内緒だぞ」
イリス「わあ……これが黄金市場……」
ミスティ「……意外と、普通……?」
暗黒行商少女「よく見てみなさい」
丹念に磨かれた石畳「」
傷一つない街灯「」
丁寧に剪定された街路植物「」
身なりの良い通行人たち「」ワイワイ
イリス「すごく綺麗……!?」
ミスティ「……ものすごく質が良いってことね」
暗黒行商少女「そういうこと。品の良い富豪は、露骨な豪華さよりも奥深い質の良さを求めるのよ」
妖精「人の都合でザクザク剪定された植物たちはけっこう不満みたいだけどね」
暗黒行商少女「そ、そうなの」
妖精「肥料とか虫除けもしてもらってるからとりあえず許すってさ」
イリス「そんな感じなんだ……」
ミスティ「まあ……当人らが良いなら良いんじゃないかしら……」
暗黒行商少女「まあとにかく、イスファハーンに来たからにはここを寄らない選択肢はないのよ。イスファハーンピラー攻略の後に急いで離れるってんなら今のうちに見ていきなさい。もしかしたら良い情報も手に入るかもしれないし」
イリス「そうだね!」
情報収集
↓1コンマ
01-05 ??
06-35 デンネル陰謀論
36-65 マリッサの過去
66-95 オーデルシュタインの諜報員
96-00 ??
ついでに買っていくもの(世界一高品質な市場なので大抵のものはありますが、値段がかなり張ります。ものによっては高価すぎて買えません。何も買わないでも可)
↓2〜3自由安価
- 932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 16:22:16.15 ID:GCUUEffDO
- はい
- 933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 16:23:12.46 ID:77Q1hkOvO
- 血でように真っ赤な槍
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 18:02:31.96 ID:GCUUEffDO
- コンマ取っているけど、誰も取らないで結構時間が過ぎているので
運命賽
無理そうなら運命賽のレプリカ(確率で失敗する)
- 935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 18:06:14.35 ID:5N//qumvo
- 上
- 936 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 19:50:52.00 ID:ur+G9NBO0
- 身なりの良い男性A「えっ、デンネル家について? この街で一番偉くて金持ちで社交界のドンってことくらいしか知らんが……」
妖精「何か他にはないの?」
身なりの良い男性B「デンネル家は表からも裏からもこの街を支配している闇の組織だぞ!」
暗黒行商少女「表から堂々と支配してるのに裏も闇もないでしょ」
身なりの良い男性B「表向きは他の御三家との共同統治だろ? だが実際には、他の御三家すらも影から操っているらしいんだ!」
暗黒行商少女「あーはいはい陰謀論ね」
身なりの良い男性B「陰謀論と決めつけて思考停止したら支配される豚のままだぞ! 自分の頭でよく考えろ!」
イリス「えっと、根拠はあるんですか?」
身なりの良い男性B「ない! 奴らは狡猾だからな……人民に知れ渡るような露骨な証拠なんて残すわけがないんだ」
ミスティ「じゃあなんであなたは知っているのよ……」
身なりの良い男性B「それはだな……各状況証拠を統合し、極めて確度の高い推測をしたからだ!!」
暗黒行商少女「妄想ってことね」
☆デンネル陰謀論についての情報を得ました
*
- 937 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 19:52:35.12 ID:ur+G9NBO0
- イリス「う〜ん……デンネル家が真の支配者……?」
ミスティ「もしそれが事実なら……状況は最悪中の最悪じゃないかしら……」
暗黒行商少女「さっきも言ったけど、一部の人たちの間で流行ってる陰謀論よ。もしそれが事実なら私たちはとっくに捕まってる。わざわざあんな作戦を用意する必要もないでしょ。昨日マガジン家に入った時点で取り押さえられて終わりよ」
イリス「流石にここまで回りくどいことをする必要はないと思うし、与太話だと思って良さそうかな?」
妖精「でもあんな話が流行るってことは、御三家の統治に不満を持ってる人もけっこういるってことなのかも」
*
―黄金市場
高級武具店
オリハルソード「」キラキラ
オリハルシールド「」キラキラ
オリハルアーマー「」キラキラ
竜殺しの剣「」ドン
竜革の鎧「」ジャン
竜革の篭手「」ビシッ
賢者の杖「」ドン
賢者の衣「」バサッ
賢者のサークレット「」シャキーン
ギロチンガニの鋏「」ジャキンッ
クラーケンツムリの殻「」ドドンッ
海竜の宝玉「」キラキラ
イリス「わあ! す、すごい……!!」
ミスティ「素人目でも、凄い性能の装備が並んでいるのがわかるわ……」
妖精「さ、流石に全員分の装備を揃えるとかは無理だなあ。新調するとしても一人分くらいが限度かも……」
暗黒行商少女「質は良いけど値段もかなり良いのよね……。物価は実際高いから、他の場所でも買えるものはそっちで買った方が安い場合が多いわ」
ミスティ「それなら……今回は見送った方が良さそうかしら?」
イリス「……ん? あ、ちょっと待って!」
血のように赤い槍「」
ミスティ「これ……ちょっと見覚えがあるわね……」
妖精「……フラナが血で生成してた槍? でも、これは――」
↓1コンマ
01-70 ブラッドランス[影打]
71-00 伝説の吸血槍ブラッドランス
↓2コンマ 価格(伝説の吸血槍の場合-30)
01-60 買えない
61-00 買えた
- 938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 19:54:02.95 ID:2DTobSOW0
- あ
- 939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 19:57:02.37 ID:iqnS8suBO
- こんま
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 20:20:11.83 ID:jPmPZjNeo
- お高い…
- 941 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 21:20:20.80 ID:ur+G9NBO0
- 商品札『伝説の吸血槍ブラッドランス』
暗黒行商少女「へえ! あの有名なバイオレット一族に伝わる伝説の吸血槍ですって! 本物なのかしら!?」
イリス「ゆ、有名なバイオレット一族……」
高級商人「おいおい、ウチは贋作なんて取り扱わないよ。この黄金市場でそんなことしたら一晩で貧民街にドボンだろう?」スタスタ
暗黒行商少女「店主!」
高級商人「それは書いてある通り、あのバイオレット一族に伝わる伝説の吸血槍。世界に一つしかないユニークウェポンさ」
イリス「え、ええと……一体、どうやってこれを手に入れたんですか?」
高級商人「取引情報は企業秘密だねえ。ああ、もちろん詐欺や窃盗ではないよ? そんなことしたらバイオレット一族に殺されちまう」
ミスティ「違いないわね……」
妖精「フラナが自分で売ったとは考えにくいけど……バイオレット家の事情に詳しいわけじゃないし何とも言えないや」
イリス(フラナ先生……これがなくて困ってたりするんじゃないかな……? 買い戻してあげたら――)
値札『桁がたくさん』
イリス(……と、思ったけど……買えるわけないよ!! 高すぎる!!!)
☆黄金市場の高級武具店に伝説の吸血槍が売られているのを発見しました
◇
- 942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 21:41:13.01 ID:ur+G9NBO0
- ―黄金市場
ワイワイ ガヤガヤ
イリス「う〜ん……」
ミスティ「フラナにさっき見た槍のことを伝えるの?」
イリス「いや……フラナ先生があの槍のことで困ってるかどうかもわかんないし、もし買い戻すなんてことになったら凄い値段だから、伝えるべきかどうかちょっと迷ってて……」
妖精「まあフラナならあの槍があってもなくても強いし、困ってはいないんじゃないかなあ」
暗黒行商少女「……さっきから聞いていたけれど……あなたたちってもしかして、バイオレット家当主のフラナ・バイオレットと繋がりがあるの……!?」
イリス「あ、うん」
ミスティ「まあ……いろいろあってね」
暗黒行商少女「嘘でしょ!? だってフラナ・バイオレットってあの魔族国の臨時首長のフラナ・バイオレットよ!? あなたたち、一体どんな経歴が――」
妖精「ちなみに緑の国の現臨時首長のティセリアとか、テラヌス・ウルス議会議長のヨードリーとかとも知り合いだよ。トコナツ島のモーリィは……あなたも知ってるよね」
暗黒行商少女「なんてこと……。凄いコネクションの宝庫じゃない!」
イリス「コネクション……言われてみれば、確かにコネクションかも?」
暗黒行商少女「くぅ〜! こんなことなら私もあんたたちの世界樹探索に付いていけば良かったかしら!?」
妖精「販路を作りたくて各国の首長たちと会ってきたわけではないから、微妙じゃないかなあ」
ミスティ「下心は簡単に見抜かれると思うわ……」
ヴェールで顔を隠した女性「ちょっとお嬢さんたち、いいかな?」チョイチョイ
イリス「あ、はい?」
ミスティ「何かしら? 押し売りはお断りよ」
妖精「……?」
ヴェールで顔を隠した女性「ふふ……押し売りじゃないよ。でも、ひょっとしてこれが必要なんじゃないかなあって思ってね」スッ
石の賽「」ポン
イリス「あっこれは……!」
ミスティ「あの石の立方体じゃない!」
- 943 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 21:41:59.42 ID:ur+G9NBO0
-
ヴェールで顔を隠した女性「これ、いつの間にか減ることがあるでしょ?」
イリス「は、はい! 知ってるんですか!?」
ヴェールで顔を隠した女性「うん。あなたはこれがどうして減るか、どんな時に減るかわかる?」
イリス「え、ええと……わかりません」
ミスティ「……私も知らないわ。知ってるなら教えて」
ヴェールで顔を隠した女性「それはね――。悪い運命に、直面した時――」
イリス「悪い……運命に?」
ヴェールで顔を隠した女性「本当にどうしようもなくて、どうにもならない時。この賽がひとりでに転がって、新たな運命を紡ぐの」
ミスティ「新たな、運命を……」
ヴェールで顔を隠した女性「かなしみに沈む結末なんて、絶対に認めないって……嘆くように、叫ぶように、祈るように……。運命の女神の想いが込められた賽は、ころころと勝手に転がるの」
妖精「それで……役目を果たした賽は、消えるってこと?」
ヴェールで顔を隠した女性「そう。紡がれた新たな運命がどんなものにせよ……一度転がった賽は、力を失って空に溶ける……」
ミスティ「ということは……私たちはもう既に、何度か悪い運命を退けているということ……?」
ヴェールで顔を隠した女性「そういうことだね。それで最近けっこう減っちゃってるでしょ? だから、1つ補充してあげようと思って」
妖精「……あなたは、何者?」
ヴェールで顔を隠した女性「ただの通りすがりだよ。ちょっと縁があっただけ」
妖精「答える気はないってことか」
ヴェールで顔を隠した女性「そうツンツンしないでよぉ。しかめっ面じゃかわいいお顔が台無しだよ?」
妖精「うへぇ、なんだこいつ……」
暗黒行商少女「でも、そんな凄い道具が存在するなんて……。ずるいわ! 私にも頂戴!」
ヴェールで顔を隠した女性「ああー……ごめんね、これは適性のある人の元でしか転がらないの」
暗黒行商少女「んあああ〜〜!!! なんで私には適性がないのよ!!!!」
ヴェールで顔を隠した女性「ふふ……クロシュちゃんと仲良くしてれば、あなたの悲運も退けてくれるよ。きっと」
妖精「えっ? なんでそこでクロシュが――」
ヴェールで顔を隠した女性「はい」スッ
石の賽「」ポン
ミスティ「あ、ありがとう……」ギュッ
ヴェールで顔を隠した女性「それじゃあがんばってね。みんなのこと、応援してるから」ヒラヒラ スタスタ
イリス「え、あっ待って……!」
暗黒行商少女「あの角を曲がったわ! 追いかけるわよ!」タタッ
タッタッタッ
曲がり角「」クルッ
水たまり「」ポチャン
イリス(あの人を追いかけて曲がり角を曲がったけど、そこには――)
イリス(――綺麗な青空を映す、小さな水たまりがあるだけだった)
☆運命賽を1つ手に入れました
◆
- 944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/14(土) 21:52:17.34 ID:ur+G9NBO0
- というわけで少し早いですが、急用が入ったため本日はここまでとなります。次回はローガンとリチャードのサシ飲み編、ローガンエバンスグラドスシモンズの模擬戦編となります
黄金市場で情報収集とウィンドウショッピングを楽しんだ女性陣でした。一部の人たちの間に広まっているデンネルの陰謀論――嘘か真かはわかりませんが、民衆の間に不満がある可能性があるようです。貧民街の人などは、お金持ちに敵意を抱いていたりしても不思議ではないのかもしれません
そして紆余曲折あって運命賽を1つ補充することのできた一行でした。本来はそう頻繁に手に入るものでもないようですが、通りすがりのヴェールの女性の厚意で1つ譲り受けることができたようです。彼女が何者なのか語られることは多分ありませんが、クロシュちゃんを応援しているようです。幼い子とかが好きなのかもしれません
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/14(土) 22:49:53.78 ID:5N//qumvo
- おつでした
実際コネクション凄い
暗黒行商ちゃんはまた放浪するなら時々同行してくれると良いことあるぞ〜!
- 946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/15(日) 21:41:05.51 ID:U06cA1Ap0
- クロシュ一行のコネクションは実際のところかなりすごいものかもしれません
暗黒行商少女ちゃんがこの先どうなるかはわかりませんが、もし放浪することとなった場合はまたどこかで出会うこともあるかもしれません。暗黒優待券を持っている限り彼女との関わりは有意義なものとなる可能性が高いです。縁は大事にしていくのが良いでしょう
- 947 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/15(日) 21:41:32.45 ID:U06cA1Ap0
- ―市場
ワイワイ ガヤガヤ
ローガン「……」スタスタ
リチャード「……」スタスタ
ローガン「!」ピタッ
リチャード「おや……」
ローガン「……リチャード・デンネル」
リチャード「どうも。少しお聞きしたいことがあるのですが、どうです?」スッ
酒場「」
ローガン「……いいだろう。私も聞きたいことがある」
*
―酒場
グラス「」カラン
ローガン「……以前、ユーシリア帝国の魔法騎士団で参謀をやっていたそうだな」
リチャード「ええ。立場的には貴方の上司だったわけですね」
ローガン「……私のことも知っていたのか」
リチャード「当然でしょう」
ローガン「ならば単刀直入に問おう。なぜ魔法騎士団を辞めてこちらへ?」
リチャード「家督を継ごうと思ったからですね」
ローガン「そうか」
リチャード「ではこちらからも質問です。スピリチュアルジェルは今どこにいますか?」
ローガン「……何のことだ?」
リチャード「とぼけても無駄です。あなた方のお仲間のスライムはこちらが確保しています。皆まで言わずともわかりますね?」
ローガン「……」
リチャード「あの黒いスライムが大事であれば、素直に吐くことです。大事でないのなら答えずとも構いませんが」
ローガン「……」
↓1〜 先取2票
1.適当に誤魔化す
2.今夜ピラーへ連れて行くと約束する
3.急いでこの場から逃げる
4.その他(自由安価)
5.運命賽を使う
※ヒント:リチャードは頭脳魔法により、触れた相手の思考や記憶を読むことができます
- 948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/15(日) 21:44:25.54 ID:fEyPqnP2O
- 1
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/15(日) 21:49:02.63 ID:748tnbe+O
- 3
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/15(日) 21:50:55.76 ID:Iqy5u8vn0
- 3
- 951 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/15(日) 22:24:49.07 ID:U06cA1Ap0
- ローガン「急用を思い出した!」ガタッ
リチャード「おっとそうは――」シュッ
ローガン「回答はまた後日! 会計はよろしく頼む!」ササッ タタッ
タタタタッ
リチャード「……ここで彼を追えば、私も食い逃げの現行犯ですね。デンネル家当主がそのような無様な姿を衆目に晒すことは許されない……」
リチャード「………しかし問題はありません。あの黒いスライムがこちらの手中にある以上、彼らは私から逃げ続けるわけにはいかないはずです」
リチャード「フフフフ……帰ったらあのスライムちゃんにお仕置きしないとね」
*
- 952 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/15(日) 22:29:47.79 ID:U06cA1Ap0
- ―オーデル軍警駐屯地
訓練場
オーデル私兵たち「セイ! ハァッ!」
槍「」シュッ! シュッ!
エバンス「ほお、これがオーデルシュタイン軍警の訓練場か!」
シモンズ「おうよ! なかなかなもんだろ? どうだ、お前さんも訓練してくか?」
エバンス「せっかくだしそうするか!」
扉「」ガチャッ!
ローガン「失礼! はあ、はあ……」スタスタ
エバンス「ローガンの旦那! どうしたんだ、そんなに息を切らして」
ローガン「リチャード氏に捕まりそうになったゆえ、慌てて逃げてきたのだ」
エバンス「なんだって!?」
グラドス「逃げているローガン殿を見かけ、某がここまで誘導した。ここであれば、いかなデンネル家当主と言えど軽々に手出しできぬ」スタスタ
ローガン「すまぬ、恩に着る……!」
シモンズ「おお……こりゃあ作戦前から早速一悶着あったみてえだな!」ニヤリ
ローガン「フッ……私としたことが少々迂闊だったが、グラドス殿のお陰で助かった」
グラドス「気にせずとも良い。今宵、我らは共に肩を並べて戦う同志なのだから」
シモンズ「……そうだ! 共に戦う者同士、お互いの動きがわかんねえと連携も難しいだろ? つーわけで交えようぜ、一戦!」
エバンス「お、おお……? 俺は構わないが……」
グラドス「賛成だ。某もローガン殿とエバンス殿の実力を知っておきたい。そしてそれは貴殿らも同様ではないか?」
ローガン「……確かにそうだな。互いの動きを知っておけば、作戦時はより最適な動きをすることもできるだろう」
シモンズ「決まりだな! おいお前ら、試合場借りんぞ!」
オーデル私兵たち「ハッ!」ササッ
試合場「」ババン!
↓1コンマ
01-30 敗北 剣技経験+1
31-55 敗北 剣技経験+1、魔法経験+1
56-75 勝利 剣技経験+2、魔法経験+1
76-90 勝利 剣技経験+2、魔法経験+2
91-00 会心 剣技経験+4、魔法経験+4
- 953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/15(日) 22:31:37.68 ID:ZV+UEbF0o
- オーデル陣営は人が良さそうなのよな
- 954 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 00:04:40.45 ID:JqikqMjL0
- シモンズ「先手必勝!」シュバッ
ハンマー「」ゴウッ!
エバンス「うおっ!」サッ
ハンマー「」ドズウンッ!!
エバンス(あの重量を軽々と! 受けたら潰される、なら避けながら――)シュバッ
シモンズ「どうしたァ! 避けるだけじゃ戦いにならねえぞ!!」ブオンッ ブオンッ
エバンス「避けるだけじゃ――ねえよ!」シャッ
魔銀の剣「」グオオッ
シモンズ「!!」
エバンス(あ、やべっ! 熱が入りすぎて止まらねえ!)
エバンス「うおあああ!!! す、すまね――」
ガギイインッ!!
魔銀の剣「」ギギッ…!
エバンス「!!?」
シモンズ「っと……ハハハッ、俺じゃなかったら大事故だぞ若造!!」
エバンス「け、剣が……通らなかった……!?」
シモンズ「ハンマーを振るうだけの脳筋かと思ったかァ!? 俺の体はなァ……岩石魔法で何よりも堅くて丈夫になってんだよ!!」
エバンス「岩石――魔法!!」
*
ローガン「こちらからもいくぞ!」バッ
鋼の剣「」シャッ
グラドス「むん!」バッ
薙刀「」ガギンッ!
ローガン(薙刀……! リーチの差で近接戦はこちらが不利か――)バッ
グラドス「まだだ!」ババッ
投げナイフ「」シャシャッ
ローガン(薙刀で切り結びながら投げナイフの投擲!? これは――)サササッ
グラドスの四本腕「」バババッ
ローガン「四本腕の魔族、阿修羅!? 実在したのか!!」
グラドス「隠していたわけではない……が、これを見ると驚く者も多いのでな。普段は衆目に晒さぬよう気を付けているのだ。だが――」
グラドスの四本腕「」ゴゴゴゴゴ…
グラドス「――戰場では、吠え滾るのだ……!! この四本の腕で敵対者を喰らい、八つ裂きにせよとな……!!!」ニタァ…!!
*
- 955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 00:05:12.54 ID:JqikqMjL0
- シモンズ「はっはっはァ! 回避なんてしゃらくせェ! 全部受けた上で捻り潰してやらァ!!」
ハンマー「」ドズゥンッ!!
エバンス「おわああ! じ、地響きで態勢が……!」グラグラ
シモンズ「これで終わりだァ!」バッ
ハンマー「」グオオオオッ!!
エバンス(避けらんねえ――なら――!)コオオオオオ―
魔銀の剣「」カッ
ガギイイインッ!!
ハンマー「」ギギギギギッ
魔銀の剣「」ギギギギギギッ
シモンズ「なにィ!? 俺のハンマーを受けて折れない、だと……!?」ギギギ
エバンス「おう……!! 地属性には……地属性だ!!」ギギギ
地属性が付与された魔銀の剣「」ゴゴゴゴ…!!
エバンス(練習中だったエンチャント……土壇場だが成功した!)
エバンス「くっ……うおおおおおおっ!!」ガッ
シモンズ「うおっ!」ヨロッ
エバンス「だああああッ!!」
地の魔銀の剣「」グオオオオッ
シモンズ「ぐわあああああ!!」ドッギャァァァンッ!!
*
グラドス「ぬんっ! せいっ!」
薙刀「」シャッ! ギンッ!
投げナイフ「」シャシャシャッ!
ローガン「くっ……! 四本の腕を駆使した薙刀と投げナイフによる巧みな戦術……! このままでは――」ギンギンッ
グラドス「獲った!!」
薙刀「」シャアアアッ!!
ローガン「ぬおおおおお!!!!」
ガギイイインッ!!!
グラドス「何ッ!?」
浮遊する回転ノコギリ「」ギャギャギャギャ!!
ローガン「マーベル殿……技を借りるぞ!!」コオオオオ―
飛翔する回転ノコギリ「」シュバッ
グラドス「これはまさか――トウゲン帝国の武術に伝わる絶技、気円ざ――」
ローガン「いや、これは――とあるエルフが編み出した科学と魔法の融合技、飛翔回転鋸だ!!」
飛翔する回転ノコギリ「」ギュオオオオッ
グラドス「ぬううう!!」バッ
投げナイフ「」シャシャッシャッ
飛翔する回転ノコギリ「」ギャインギャインッ!!
弾き飛ばされる投げナイフたち「」カーンッ
グラドス「ならば再び薙刀で叩き落とし――」バッ
ローガン「私もいるぞ!!」バッ
鋼の回転ノコギリ「」ギュオオオオオッ!!!!
グラドス「ぬおおおおお!!!」
飛翔する回転ノコギリ「」ギュオオオオオ!!!!
グラドス「ぐおわあああああ!!」ドッギャァァァァン!!
◇
- 956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 00:05:43.23 ID:JqikqMjL0
- シモンズ「だははははは! 負けたぜ!」
グラドス「うむ……! 貴殿らの実力、しかと身に受けさせて頂いた!」
エバンス「お、おお……思いっきりやっちまったけど、大丈夫か?」
シモンズ「おう! この俺をあそこまでのしちまうなんて大したもんだぜ、若造!」
ローガン「フッ……エバンスくんも良い経験が積めたようだな」
エバンス「ああ! シモンズの岩石魔法のお陰だ!」
シモンズ「何か知らんが掴めたなら何よりだぜ!」
グラドス「某も今回は勉強させて頂いた。まさかあのような絶技を操る者がいるとは、やはり戦の世界は面白い……!」
ローガン「う、うむ……。咄嗟の思い付きではあったが、我ながら上手くいったかもしれん」
グラドス「戰場での成長こそ、戦士の真髄よ。今宵も、互いに更なる高みを目指そうぞ……!」
☆ローガンとエバンスが剣技経験+2と魔法経験+1を得ました
◆
- 957 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 00:06:16.85 ID:JqikqMjL0
- というわけであまり進んでいませんが本日はここまでとなります。本日は昨日からの私用が長引いてしまい、開始が遅くなってしまったようです。そして次回はついにイスファハーンピラー攻略編となります
リチャード氏の謀略を躱し、訓練場で一戦交えて交流と経験を積む男たちでした。オーデル陣営のグラドス氏とシモンズ氏は、実際多くの人から慕われる善の男たちのようです。しかしオーデルシュタイン陣営の全てが善と言えるかは今のところわかりません。あのシュヴィア・オーデルシュタインは気難しく冷徹な雰囲気を纏うオリハルスライムであり、人々から恐れられているようです。そしてオーデルシュタインには、闇の中を暗躍する影の諜報組織の噂もあります。気を付けるのが良いかもしれません
それでは本日もありがとうございました。明日は祝日なので、多分更新できるかと思います。よろしくお願いいたします
- 958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 01:59:25.73 ID:AMV0xn4lo
- おつでした
男性陣パワーアップよすよす
このハゲ……今に見てろよクロシュちゃんにしたことの報い受けろ!
- 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 04:06:04.73 ID:Su4K58DN0
- 乙
リチャードはやっぱりローガンの事を知っていたけどローガン自身はリチャードが魔法騎士団に入っていた事は知らなかったのね(初対面時も久しぶりに会ったような話し方ではなかったし)後、リチャードが辞めたの家督を継ぐためなのかてっきりユーシリア帝国関係で何らかの責任を負われて辞めさせられたのかと思った。
- 960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 12:16:30.54 ID:mltUY+mnO
- 乙
バイオレット家かなりの影響力ある魔族の一族かな。
- 961 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 15:53:38.23 ID:JqikqMjL0
- 今回の戦いでエバンス氏とローガン氏は戦いの経験を積むことができました。この経験はきっと役に立つと思われます
リチャード氏は狡猾な人物であるため、不用意に接触した場合きけんがあぶないことになる可能性があります。接触する際は気を付けた方が良いかもしれません
ローガンがリチャードを知らなそうな振る舞いをしたのはブラフのようです。言葉の裏には何らかの思惑が隠れていることもあります。そしてお互いにお互いを知ってはいたようですが、直接話したのは恐らく今回が初めてなのでしょう
そしてリチャードが騎士団を辞めた理由についても、その言葉の全てが真実をつまびらかにしているとは限りません。家督を継ぐ為に辞めたというのは本当なのか? 本当であればなぜ急に家督を継ごうと思ったのか? その真相は未だ闇に包まれています
バイオレット家がどのような一族だったかは現時点で明らかになっていませんが、これまでに見聞きしてきた話を総合するとある程度以上の力を持っていたことは確かなようです。しかし現在その血筋に身を連ねる者はフラナ氏とフレメア氏しか確認されておらず、そしてその二人は仲が悪いようです。没落したのかもしれません
- 962 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 15:54:21.35 ID:JqikqMjL0
- ―夜
イスファハーン・ピラー周辺
マリッサ「あなたたち、準備はできているかしら?」
シモンズ「おう! 俺たち陽動部隊は正面からカチコミして暴れりゃ良いんだろ?」
グラドス「腕が鳴るな。デンネルが用意した警備兵の実力、どれほどのものか」
シュヴィア「そしてその混乱に乗じて、僕たち暗殺部隊が電撃的に先行……同時に、人質の奪還を目指す隠密部隊も侵入だ」
妖精「隠密部隊ってのは私たちのことだね」
イリス「う、うん!」
ミスティ「ええ、わかっているわ……」
マリッサ「ちなみに私は暗殺部隊。シュヴィアと共にリチャードの首を獲りに行くわ」
エバンス「たった二人で大丈夫なのか?」
シュヴィア「舐めるな、人間。お前たちが束になっても、僕には傷一つ付けられない」
マリッサ「そういうこと。鉄壁のシュヴィアと万能の私がいれば何の問題もないわ。あのリチャードでも手も足も出ず無様に命乞いするしかなくなるでしょうね」
ローガン「心配は全くの無用ということか」
シュヴィア「そうだ。身の程を弁えろ」
エバンス「なんだと……?」
妖精「ちょ、エバンス!」パタパタ
シモンズ「だははは! 大将も若造も血の気が多くて結構だな!」
マリッサ「作戦前に何バチバチしてんのよこの馬鹿共!」
シュヴィア「フン……」
*
- 963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 15:55:11.92 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーン・ピラー 踏破率[0/10] 持久力[10/10]
換気口「」パカッ
妖精「みんな、大丈夫?」パタパタ
イリス「おっとと……! うん、大丈夫!」スタッ
エバンス「よし、無事に侵入できたな」スタッ
ローガン「正面でグラドスたちが暴れている間に急ぐぞ」スタッ
ミスティ「ええ……急ぎましょう、クロシュを助けに……!」スタッ
↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-50 踏破率+3、精霊樹のゼリー(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
56-70 踏破率+3、カロリーブレッド(持久力+4)
71-90 踏破率+3、マキシマドリンクZ(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破率+3、???
- 964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 15:58:35.70 ID:UVa1zjZso
- こんま
- 965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 16:20:19.78 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーン・ピラー 踏破率[3/10] 持久力[9/10]
警報『正面玄関より暴徒が侵入し暴れています。警備兵は直ちに鎮圧に向かってください』ウーウー
人間の警備兵「天下のデンネルに楯突く身の程知らずはどこのどいつだよ!」タッタッタッ
オークの警備兵「これで給料上がったりしねえかな!」タッタッタッ
ローガン「……行ったようだな」スッ
イリス「ひぃ……心臓が爆発するかと思いました……」ドキドキ
ミスティ「見つかったら黙らせれば良いのよ……」
エバンス「はは、ミスティちゃんは頼りになるよなあ」
妖精「まだ気は抜かないでね。ここは敵の本拠地の真っ只中なんだから――ん、あれは?」
テーブルの上に置かれた焼き菓子のような食べ物「」ポン
ローガン「ここは……休憩室と書かれているな。となると、ここで働いている者たちのオヤツかもしれん」
イリス「あ、これアレですよ! 最近イスファハーンで流行ってるっていう総合栄養食のエナジーブレッド!」
エバンス「そういえば市場でも見かけたな。美味いのか?」
妖精「これはまだ手が付けられてない新品同然のものみたいだね。クロシュがいたら食べ始めちゃいそうだけど――」
ミスティ「せっかくだし頂いていきましょう。栄養補給よ」
イリス「えっ」
サクッ モグモグ…
ミスティ「美味しいわ」モグモグ
エバンス「……よし、俺ももらうぜ!」
サクッ モグモグ…
エバンス「これは確かに……美味い!」モグモグ
サクッ モグモグ…
妖精「へえ……ほんとだ、けっこう美味しい」モグモグ
ローガン「なるほど……総合栄養食と言うから味気ないものかと思っていたが、これはなかなか……」モグモグ
イリス「あっ……サクサクほろほろでほんのり甘くて、本当に美味しい……! でも――」モグモグ
ミスティ「…………ノドが乾くわね……」
☆カロリーブレッドを食べたことにより持久力が4回復しました
↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-40 踏破率+3、敵襲
41-70 踏破率+3、精霊樹のゼリー(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
71-90 踏破率+3、マキシマドリンクZ(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破率+3、???
- 966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 16:24:53.10 ID:Su4K58DN0
- あ
- 967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 16:52:47.36 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーン・ピラー 踏破率[6/10] 持久力[12/10]
タッタッタッ
警報『正面玄関より暴徒が侵入し暴れています。警備兵は直ちに鎮圧に向かってください』ウーウー
警報『正面玄関より暴徒が侵入し暴れています。警備兵は直ちに鎮圧に向かってください』ウーウー
警報『正面玄関より暴徒が侵入し暴れています。警備兵は直ちに鎮圧に向かってください』ウーウー
ミスティ「狂ったように同じフレーズを繰り返しているわ……。あれ、どういう技術なのかしら……」
イリス「えっと、音声を魔力の波に変換してどうのこうの……っていう魔導技術なんだって」
エバンス「すげえな魔導技術!」
ローガン「テンペスターにも引けをとらん技術だな。お互いにある程度の技術協力はしているのだろうが――」
警報『正面玄関より暴徒が侵ピガーッ!!!』バチバチ
エバンス「なんだ!?」
ローガン「故障か……?」
妖精「……? な、なに……この気配は――」
警報『ジジッ……シンニュウシャ、ハッケン……。ハイジョ……』バチバチ
イリス「……!? 何か来る、気を付けて!!」
雷撃「」バチバチバチッ!!!
――戦闘開始 ???????――
↓1コンマ
01-05 痛恨 持久力-4
05-40 劣勢 持久力-2
41-90 優勢
91-00 会心
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 16:56:10.57 ID:AMV0xn4lo
- あ
- 969 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 17:10:42.26 ID:JqikqMjL0
- 雷撃「」バチバチバチ!
ローガン「ぐおおっ!」ビリビリ
エバンス「旦那は下がれ!! 鋼じゃ電撃と相性が悪すぎる!!」
イリス「あの警報機から電撃が放たれてるみたい! あれを破壊すれば――」カッ
星弾「」バシュンッ!
ガッ
警報機「」ゴシャアッ
エバンス「やったか!?」
剥き出しになった導線「」バチバチ…カッ!!
雷撃「」バリバリバリッ!!!
イリス「きゃああ!!!」ビリビリ!!
ミスティ「イリス!!」
イリス「だ、大丈夫!」
妖精「警報機じゃない……! 敵はそこじゃなくて――その導線の向こうにいるんだ!!」
エバンス「なんだって!?」
ローガン「ぬう……! であれば――」
イリス「今は逃げるしかない!」
↓1コンマ
01-05 痛恨 持久力-4
05-40 劣勢 持久力-2
41-90 撤退成功
91-00 会心撤退
- 970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 17:13:30.78 ID:fkgmMG5BO
- 転進、転進、退却にあらず!
- 971 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 17:29:48.90 ID:JqikqMjL0
- タタタタタッ
雷撃「」バチバチバチッ!!
妖精「うわっ!」ヒョイッ!
ミスティ「妖精、大丈夫!?」タタタッ
妖精「大丈夫! くそお、自然の雷ならそっくり跳ね返してやれるのに……!!」パタパタ
雷撃「」バシュウンッ!!
サッサッ タタタタタタッ――…
*
イリス「はあ、はあ……や、止んだかな……?」
ミスティ「そうみたい……」
エバンス「なんとか撒けたみたいだな……。旦那、大丈夫か?」
ローガン「うむ……まだ少し体が痺れているが支障はない」
妖精「良かった。あいつにまた見つからないうちに、先を急ごう」
☆???????から逃げ切りました
↓1コンマ
01-40 踏破率+3、敵襲
41-70 踏破率+3、精霊樹のゼリー(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
71-90 踏破率+3、マキシマドリンクZ(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破率+3、???
- 972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 17:30:55.65 ID:AoERQ7tsO
- はい
- 973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 17:53:15.71 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーン・ピラー上層 踏破率[9/10] 持久力[11/10]
展望デッキ「」
夜景「」キラキラ
イリス「わあ……! これ、外の景色……!?」
ミスティ「綺麗ね……。この光の一つ一つが、街に灯った明かりなのかしら……」
ローガン「逃げているうちにかなり高いところまで登ってきたようだな」
エバンス「マリッサからの情報によると、この上層に監禁室があるらしい。クロシュちゃんはかなり近いぞ!」
妖精「クロシュ……無事でいてね……」
*
スタスタ
ローガン「む? これは――」
自動販売機「」ピカピカ
イリス「あっ自動販売機!」
ミスティ「でも値段が書かれてないわ……」
エバンス「どういうことだ? とりあえず押してみるか」ピッ
精霊樹のゼリー「」ガゴン!
イリス「ええっ!? お金を入れてないのに商品が出てきた!?」
ローガン「……なるほど。これはつまり、ここの従業員専用の無料自動販売機なのだろう」
ミスティ「無料、ですって……!?」
ローガン「ここはイスファハーンで最も高貴なデンネル家の所有する最大の塔だ。その従業員への福利厚生の一貫と見て良いだろう」
エバンス「お、おお……社員でもないのにそれを貰っちまうのはちょっと気が引けるが……」
妖精「不法侵入してる時点で今更でしょ。妖精用のは……流石にないか……」
ミスティ「じゃあ私もゼリーを頂くわ。一緒に食べましょ、妖精」
妖精「わ、ありがと!」
イリス「あはは……。そうだ、クロシュちゃんの分ももらってこう!」
ローガン「……うむ。先程駆け回って少し疲れたし、補給するのは賛成だ」
ガゴン! ガゴン!
モグモグ…
☆精霊樹のゼリーなどを食べて元気になりました
持久力が2回復し、次回の戦闘コンマに+10の補正がかかります
*
↓1コンマ
01-70 踏破
71-90 踏破、マキシマドリンクZ(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破、???
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 17:53:54.52 ID:XSTDFecDO
- はい
- 975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 19:39:26.42 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーン・ピラー上層 踏破率[10/10] 持久力[12/10]
座敷牢の襖「」ドドン!
ミスティ「これは……!?」
ローガン「オノゴロ建築の、フスマか!」
イリス「な、なんでオノゴロのフスマが塔の上層に……!?」
エバンス「さあな。お偉いさんは自分の好きなもんを無節操に取り入れたがるもんさ。ここの主……リチャード・デンネルもそうなんじゃないのか?」
「ええ、その通り。リチャードおじさんはオノゴロ文化が好きなのだそうです」スタスタ
イリス「君は……オークション会場にいた、魔眼持ちの――!!」
エミリオ「ゲンズブール家当主、エミリオです。お見知りおきを。侵入者の皆さん」ペコリ
ローガン「……不法侵入者を前にしてその余裕は……魔眼を持つ者ゆえの自信か?」
エミリオ「さあ、どうでしょう? 例え魔眼がなくとも、下賤の者などにへつらうことはないと思いますけどね」
ミスティ「本当に下賤な心を持っているのはどちらかしら? 私たちの大事な仲間、返してもらうわよ」ジャキッ
エミリオ「いいのですか? 僕にそんな真似をして、あの黒いスライムがどうなっても――」
襖「」カッ!!!!
エミリオ「なっ!? 襖が勝手に開かれて――」
◆
- 976 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 19:40:20.85 ID:JqikqMjL0
- ―少し前
妖精「……! クロシュの気配がする……!」
イリス「えっ! 本当!?」
妖精「うん! ちょっと先行していい?」
ミスティ「危険じゃない……?」
妖精「危険だけど、全員で行けば見つかって塞がれる。下手したらクロシュを人質に取られて厄介なことになるかも。だから私が先行して、クロシュを解放するよ」
ローガン「……わかった。だがくれぐれも無茶はしないように。君が傷付けば……最も苦しむのは、他ならぬクロシュくんだ」
妖精「わかってるって。大丈夫、単独で動けば見つからない自信はけっこうあるから」
エバンス「おう……じゃあ、頼むぜ!」
妖精「うん!」パタパタ
*
座敷牢の襖「」ドドン!
妖精(あからさまに怪しい襖がある……。クロシュの気配も向こうから感じる……)
魔導人形「」ジャキッ
魔導人形「」ジャキッ
妖精(案の定魔導人形が警備してる……。あの子たちの中にも私の同胞が使われてると思うとハラワタが煮えくり返るけれど……今はクロシュを優先するよ。ごめんね)
妖精(でも単独で先行してきたのは正解だったな。私一人なら奴らの目を掻い潜って――)パタパタ
座敷牢の襖の隙間「」スルッ
妖精(くぐっちゃえるもんね。さて、襖の中は――)パタパタ
座敷牢「」
魔封の檻「」ガシャン
囚われスライムクロシュ「」デロロ…
妖精(クロシュ!!)パタパタ
囚われスライムクロシュ「……?」モニョ…?
妖精(助けに来たよ! 大丈夫、声は出さないで……。今出してあげるからね)
囚われスライムクロシュ「……!!」モニョ…モニョニョ…!!
妖精(無垢なる命を閉じ込める悪しき檻よ――錆び朽ちて風化しろ――!!)フォン―
朽ち崩れる魔風の檻「」ボロボロ…ガシャ…
スライムクロシュ「〜〜!」モニョ! ピョンッ!
妖精「わっ!」モニョッ
スライムクロシュ「…♪」モニョモニョ スリスリ
妖精「遅くなっちゃってごめんね。さ、すぐにここから脱出しよ!」
◆
- 977 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 19:41:05.37 ID:JqikqMjL0
- ―現在
襖「」カッ!!!!
スライムクロシュ「!」モニョ!
妖精「ふっふっふ……あの黒いスライムが何だって?」ニヤニヤ
エミリオ「馬鹿な……!」
イリス「クロシュちゃん!!」
ミスティ「妖精、クロシュ……! 良かった……」
エバンス「へへっ……元気みたいだな!」
ローガン「うむ……! あとはここから脱出するのみ――」
エミリオ「ふざけるな……! 傀儡共、来い!」
警備魔導人形たち「」ザザッ!!
イリス「うわわわっ! 魔導人形……!?」
ミスティ「……囲まれたわね」
エミリオ「そのスライムは僕が譲り受ける約束をしていたんだ。誰にも渡さない――」
魔眼「」ギラッ!
エバンス「!? 左の瞳が、金から紫に――」
妖精「絶対に目を合わせないで! こいつの魔眼がどんな効果かはわかんないけど、目を合わせたらまずい!」
エミリオ「絶対に逃さないよ。僕を怒らせたこと、後悔させてやる」
――ボス戦闘開始 エミリオ・ゲンズブール――
〈恐怖の魔眼〉発動! 対象の被痛恨率が上昇する!
↓1コンマ(精霊樹のゼリー+10)
01-25 痛恨
26-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
- 978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 19:42:54.40 ID:15qvDb6b0
- あ
- 979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 19:43:40.81 ID:fkgmMG5BO
- クリティカれ
- 980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 19:44:28.45 ID:xesePvqzo
- はい!
- 981 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 20:13:48.57 ID:JqikqMjL0
- 警備魔導人形たち「」シュババッ
エバンス「チッ!」ガギンッ
ローガン「数が多いな……! しかも動きも素早く洗練されている!」ガギンッ
イリス「とにかく押し止めないと!」カッ
炎弾「」バギュンッ!
ミスティ「ここは……氷塊で一気に薙ぎ払う!」カッ
氷塊「」ゴウンッ!!
警備魔導人形たち「」ドガッ バギャアンッ!!
魔眼「」ギラッ
燃え盛る集落『』メラメラ
谷底へと落ちる馬車『』ガシャアン
骨を折って動かなくなった自分の体『』
エバンス「あ、お、あ……!!?」ガクガク
ミスティ「エバンス!?」
魔眼「」ギラッ
荒らされた室内『』グシャア
広がった血溜まり『』ドプ…
原型を留めていない二つの死体『』グチャッ…
ローガン「……!!?!?」ガクガク
イリス「ローガンさん!!」
妖精「催眠解除!!」パァァァァ!
エバンス「ハッ!!」バッ
ローガン「ぬう!!」バッ
エミリオ「チッ……」
妖精「催眠解除が通じるタイプの魔眼で良かった! でも――」
エバンス「俺たちゃ目を合わせてねえぞ!?」
ローガン「まさか――」
イリス「――凝視するだけで効果を発揮する魔眼!?」
エミリオ「御名答。二流三流の出来損ないと一緒にしないで欲しいね、僕の魔眼を」
魔眼「」ギラッ
ガギンッ!!
エミリオ「チッ!」
メイド剣士クロシュ「……」ギギギギ
エミリオ「厄介な擬態能力だ……! じゃあまずはお前から――」
氷塊「」ブオンッ! ドガッ!!
エミリオ「ぐうっ!」ヨロッ
ミスティ「視線を定めさせないように攻め続ければ良いんでしょ!?」
エバンス「わかりやすいな!」
↓1コンマ(精霊樹のゼリー+10)
01-25 痛恨
26-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 20:15:50.95 ID:fkgmMG5BO
- クリティカれ
そろそろ次スレの出番だなぁ
- 983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 21:41:32.24 ID:JqikqMjL0
- メイド剣士クロシュ「」クルッ ゲシッ!!
エミリオ「ぐあっ!」ドガッ! ゴロゴロ
メイド剣士クロシュ「もう、やめて……!! みんな――こんなこと、ほんとは……いやなはずだもん……!!」
エミリオ「は……? 勝手に僕を決めつけ――」
メイド剣士クロシュ「あなたじゃない……! 人形にされた……みんな……!!」
エミリオ「なに……!?」
魔導人形たち「……」ギギ
魔導人形ブレード「」カラン
魔導人形シューター「」カラン
魔導人形たち「……」シュウウン…
エミリオ「あ……!! 貴様ら、何を勝手に機能停止して――」
妖精「……魔導人形は、ただの魔導機械じゃない。その中枢には――」スッ
精核「」コロン…
妖精「私たち妖精や精霊を材料にして造られた……この物体が使われてるんだよ」
エミリオ「なんだ、それは――」
魔銀の剣「」シャッ
鋼の剣「」ビッ
エミリオ「!」
ローガン「勝負あったな。御曹司」
エバンス「左右から突きつけられちゃ、流石の魔眼持ちもどうにもなんねえだろ?」
エミリオ「チッ……」
――戦闘終了――
- 984 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 21:41:58.39 ID:JqikqMjL0
-
妖精「……クロシュ、この子たちの精核……食べてあげてくれる?」
デロデロ…ポン!
スライムクロシュ「〜」モニョ
精核「」パクッ
モニョモニョ モグモグ…
エミリオ「……それが、妖精や精霊を材料にしているのはわかりましたが……なぜその物質を食すんですか?」
妖精「クロシュなりの供養の仕方なんだよ。人間に理解してもらおうとは思わない」
エミリオ「……」
妖精「さて、あなたにはしばらく眠っていてもらおうかな。私たちが安全に脱出するために」
エミリオ「……? 眠らせる……?」
妖精「何、嫌なの? それくらい我慢して欲しいんだけど」
エミリオ「……いえ。こうなってしまえば、殺されるか人質にされるものだと思っていたので」
妖精「はあ!? ……いや、確かにそれもアリか……?」
イリス「ちょ、妖精さん! 相手は子供だよ!?」
妖精「わわ、冗談だよ! いやでも、ゲンズブール家の当主なんだし別に子供扱いする必要はなくない?」
ローガン「まあ無闇に禍根を残すこともあるまい。それにゲンズブールは御三家ではないにしろ、デンネルと関わりの深い家系だ。その当主に何かあれば、この都市の情勢にいらぬ混乱を招きかねん。不法侵入と器物破損で済むのならそれに越したことはないだろう、互いにな」
エミリオ「……窃盗もですよ。200億相当の」
ゲシッ
エミリオ「いたっ!」
妖精「クロシュをモノ扱いするな。次言ったら二倍蹴るよ」
エミリオ「……」
妖精「大体、あのステラスライム……スピリチュアルジェルだって、あなたたちデンネルが自作自演でオークションに出品したんでしょ? それなら200億だって懐に戻って来てんでしょうが」
エミリオ「は? 自作自演? そんな姑息な真似するわけないでしょう」
妖精「え?」
エミリオ「何ですか、巷で流行ってるデンネル陰謀論ってやつですか? 妖精の小さな脳ミソじゃそんな下らない言説を退けることすらあいたっ!」ゲシッ
妖精「うるさい!! ローガン、こいつを黙らせて!」
ローガン「うむ……。では失礼」グッ
ズンッ!
エミリオ「はうっ……」カクン
妖精「よし、じゃあさっさと脱出しよう!」
*
- 985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 22:09:44.13 ID:scrh99slO
- メタルスライム的な存在なんだろうか
- 986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 22:48:12.54 ID:JqikqMjL0
- ―イスファハーンピラー 最上階ホール
リチャード「……来たか」
マリッサ「ええ。年貢の納め時よ、リチャード」スタスタ
シュヴィア「……」スタスタ
リチャード「まさかこんな強硬手段に出るとはね。流石の私もこんな愚かな選択は予想外だったよ」
マリッサ「初めに愚かな真似をしたのはあなたでしょう?」
シュヴィア「罪を精算する時だ。リチャード・デンネル」ザッ
リチャード「……初めに愚かな真似をした?」
マリッサ「とぼけないで。うちのスピリチュアルジェルを奪って、オークションで自作自演を仕掛けたのはわかってるのよ」
リチャード「……なるほど。君たちの頭の中では、あれは我々デンネルの自演ということになっているのですね」
マリッサ「自分だけが何もかもわかってますみたいな態度、心底不快よ」
リチャード「私はマガジン家の内通者を名乗る者から出品情報とあのスピリチュアルジェルの秘密を知らされたのですがね」
マリッサ「マガジン家の……内通者!?」
リチャード「ククク……どうやら当主のマリッサ氏は何もご存知でなかったようだ」
マリッサ「ま、待ちなさい……! その内通者ってのは――」
シュヴィア「マリッサ、熱くなりすぎだ。口八丁はリチャードの十八番。乗せられるな」
マリッサ「ハッ……危うく騙されるところだったわ。悪いわね、シュヴィア」
リチャード「おや、今回は騙す気などなかったのですが……これも日頃の行いかもしれませんね」
マリッサ「この期に及んで下らない口先を弄した罪、ここで裁いてあげる!!」
一斉に展開されるマリッサの人形たち「」バババッ
リチャード「やれやれ……たまには運動も悪くありませんね」
蛇腹剣「」ジャキン
シュヴィア「……」ザッ…
◇
- 987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 22:50:03.76 ID:JqikqMjL0
- 雷撃「」バチバチバチッ!!
チュドーンッ!! ズギャアアアアンッ!!!
マリッサの人形たち「」シュバババッ
リチャード「ぬう……!」ザッ
マリッサ「戦いは数と速さ……。個人の頭がどれだけ良くなったところで、圧倒的な物量の前に打つ手はない」スッ
雷の残像「」パリッ
マリッサ「雷速移動!」
シュヴィア「させん」バッ
ガギイインッ!!
リチャード「!」ギギギ
シュヴィア「僕たちオリハルスライムの速さを侮らないことだ」ギギギ
マリッサ「シュヴィアめ余計な真似を……。雷速移動くらい私一人でも対処できたわ」
シュヴィア「そうか」
光の残像「」パヒュンッ
マリッサ「私の魔法は光をも統べる。雷速は所詮、亜光速……。真なる光速である私には、決して追いつけない!」ババッ
リチャード「シュヴィアくんに守ってもらいながら吠えますねえ!」
マリッサ「黙りなさい!!」
カッ!!
光線「」ドギュウウン!!
リチャード「ぐわああっ!!!」ドガッ!
マリッサ「あなた、オノゴロ文化が好きなんでしょう? 辞世の句とかあるなら聞いてやってもいいわよ」スタスタ
リチャード「げほっげほっ……やはり2対1は厳しいですね……」
マリッサ「私が強すぎるのよ。シュヴィアはオマケでしょう」
リチャード「ハハ……内通者≠ノマガジン家が滅茶苦茶にされるところを観覧できないのが残念です」
マリッサ「それが辞世の句? 最期の最期まで懲りない男ね……もういいわ、終わらせてあげる――」スッ
収束する光「」キュオオオン――
リチャード(はあ……内通者を名乗る者が現れたのは事実だったのですが……。まさか、この展開もその内通者≠フ描いたシナリオ通りなのでしょうか? だとすれば人生最大の失態でしたね……。まんまと嵌められてしまったというわけですか)
リチャード(まあ今更悔いても仕方のないことです。後はエミリオくんが上手くやってくれると良いのですが――)
カッ!!!!
バチバチバチバチッ!!!
*
―夜明け前
イスファハーン・ピラー周辺
マリッサ「うっ……こ、ここは……?」
シュヴィア「ようやく起きたか」
マリッサ「……あれ? さっきまでリチャードを追い詰めていたはずよね? なんで私……」
シュヴィア「あの時、僕たちは正体不明の雷撃に襲われた。恐らくはリチャードが仕掛けていた罠か何かが起動したのだろう」
マリッサ「な、何ですって!? それじゃあリチャードは!?」
シュヴィア「わからない。あの雷撃の迸る空間では、僕でもお前を抱えて逃げるのが限界だった」
マリッサ「……」
シュヴィア「ああ、それともう一つ……」
マリッサ「何よ」
シュヴィア「あの旅の一行は、スピリチュアルジェルを見つけられなかったようだ。仲間だけ見つけて帰っていった」
マリッサ「…………」
- 988 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 22:50:30.67 ID:JqikqMjL0
- ―明け方
シルバーコイン
妖精「みんな疲れてると思うけど、荷物を回収したらすぐにここを出るよ。一刻も早くこの街から離れないと」
クロシュ「ほえ……?」
イリス「あー……ほら、私たちこの街の偉い人たちに喧嘩を売っちゃったわけでしょ? だから、ちょっと居づらくなっちゃったというか……」
クロシュ「あっ……ごめんなさい……」シュン
イリス「違うよ、クロシュちゃんは何も悪くないの。実際、悪いのはあんなことをしてたこの街の御三家なんだもの」
ミスティ「そうよ……。でもクロシュが助けた、あの銀色のスライムの子は無事よ。だから安心して」
クロシュ「わあ……」
妖精「ふふ、クロシュが助けた子だもんね。この部屋で待っててくれてる――」
扉「」ガチャッ―
誰もいない客室「」
開け放たれた窓「」ヒュオオオオ――…
妖精「えっ……」
クロシュ「……!」
ミスティ「……嘘でしょ」
イリス「あのステラスライムの子が……消えた!?」
◆
- 989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/16(月) 22:51:46.89 ID:JqikqMjL0
- というわけで本日はここまでとなります。次回は次スレからとなります
クロシュの救出に成功し、意気揚々と宿に帰還したクロシュ一行。しかしそこには、待っているはずの白銀スライムの姿がなかった――。そして事態は新たな局面へ。大いなる野望の裏に秘められし哀しみを、クロシュは打ち砕けるか――
ステラスライムことスピリチュアルジェルはとても珍しいスライムのようです。非常に硬度が高くて逃げ足が速いらしく、その生態はオリハルスライムによく似ています。オリハルスライムの体色は希少金属オリハルコンと同様の燃えるような黄銅色のため、美しい白銀色のスピリチュアルジェルと見間違える心配はありません
スピリチュアルジェルにもオリハルスライムにも、「討伐した者に莫大な力をもたらす」という謎の迷信が共通してあるようです。ステライトとオリハルコンはどちらも極めて希少な上に高い堅牢性と優れた魔術的特性を持っているため、それを得ることこそが即ち力がもたらされることだという解釈に繋がったのかもしれません
それでは本日もありがとうございました。次回はまた来週の土日となります、よろしくお願いいたします
なおこのスレでの更新はこれにて終わりなので、続きは次スレからとなります。このスレの余りは質問や感想などご自由にお使いください
また運命賽の使い方について、もし致命的な場面以外でも使いたいなどあればご意見をお願いいたします。特に何もなければ、今後も従来通り致命的な場面および選択肢のカンペとしての使用ができる状態が維持されます
- 990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 23:13:07.35 ID:fYrO2wMPo
- シュヴィア出品したら高く売れそう
- 991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/16(月) 23:54:55.47 ID:Su4K58DN0
- 乙です
意見なんですがシノホシを中心にシノホシのメンバーがどういった経緯で集まり結成したのか、芸術都市での戦闘はどんな感じだったのかなど裏話的な事を書いて欲しいです。シノホシのメンバーがクロシュ達と会っても「このテロリストが!」みたいな感じで戦闘になってまともに話しを聞かないと思うので。
それかザイルが主人公になりシノホシメンバー+新しい仲間で世界樹の光を集めリーリア王国の再建を目指すifストーリーもありかなと思います。
- 992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 00:10:08.39 ID:yGCVZRk+o
- おつおつ
やはり一筋縄では行かない…いや更に操っている奴がいる…!
クロシュちゃんももう一段パワーアップしてえなぁ、いま分体ってどのくらいできるんだっけ?
運命賽は今のままの仕様に一票
- 993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 02:14:47.36 ID:6YiM50cb0
- 運命賽ですが>>931で運命賽を安価しているがそれは無しにした方がいいと思う。買い物で運命賽の安価がOKになると市場や雑貨店、武器屋等で買い物する時に運命賽を安価する人が出てきて運命賽が大量に手に入り、コンマでのハラハラ感がなくなってしまうと思うのでいつもみたいにクリアボーナスでの入手にして欲しい。
- 994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 06:47:33.68 ID:77vtLXaDO
- >>993
運命賽安価した者だけど不快にさせたようで悪かった
言い訳と言うか、黄金市場という世界一高品質質な市場だったからダメ元+↓3の安価止まっていたけど何も買わないという安価も勿体ないかなと思ったという感じで流石に普通の店だったら運命賽安価はしなかった
運命賽の使い方については従来通りのままで
- 995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 07:06:59.15 ID:wl8sKitb0
- 余程作者が殺伐展開が好きでもないならコンマって半分演出みたいなところあるしそんなピリピリする必要ない気もするけど
- 996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 07:15:46.74 ID:wl8sKitb0
- 無理矢理くさい救済措置入るくらいなら常に適度に持ってて欲しいみたいなのはある
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 20:32:47.48 ID:h5bOBjd4O
- 賽が保険になってるおかげで曇らせ系の描写は伸び伸びと書けてそうだし良いシステムだと思う
- 998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/17(火) 20:38:28.99 ID:Rs9t2IrS0
- 乙
バイオレット姉妹の仲良かった頃とかフラナ氏の現役時代(勇者と戦ってた?)も見てみたい
- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/18(水) 00:35:07.91 ID:fElgJ/vDO
- 乙です
白銀スライムちゃんは内通者にさらわれたのか、最初から内通者とグルだったのか、それとも……
個人的に過去編が気になるキャラはセイン君やレイさんだけど今後のストーリーのネタバレになりそう
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/18(水) 21:33:14.39 ID:vfOrMWzx0
- 乙です
いつも楽しく読ませて貰っていますが、時折挟まれる百合っぽい描写に関してはもう少し何とかならないものかと思います
自分はファンタジーは好きだけど百合は苦手なため今作から入った読者なのですが、明らかに感情が友情や尊敬以上のものになっていて正直見ていてキツイなと思う瞬間があります
作者さんの前スレが百合スレだったことは知っていますが今回は違うわけですし、考えて貰えたら嬉しいです
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