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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 16:20:55.80 ID:OxIGtdUT0
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 17:41:39.99 ID:UUcltqwW0
クロシュ「おかね……ない……」

黒服の男「じゃあ帰った帰った。ここは貧乏ガキの遊び場じゃねえぞ」

クロシュ「……」クルッ トコトコ

黒服の男「気ィつけて帰れよ」

 *

クロシュ「……」トコトコ

妖精「諦めたの?」ヒョコッ

クロシュ「んーん」ピタッ

妖精「……私も、あの中が気になり始めた。入るのに何か良い方法はある?」

クロシュ「うん……。妖精さん……わたしの中から、出ないでね」

妖精「え――」

光学迷彩クロシュ「……」スゥー

妖精「うわわ! 中にいる私ごと透明になった! これ、前にイリスたちが言ってたやつ!?」

光学迷彩クロシュ「うん。こーがくめーさい、だって」

妖精「なるほど……。わかった、じゃあ私は魔力の流れがなるべく自然に溶け込むよう偽装してあげる」ホワワ…

光学迷彩クロシュ「わあ……」

妖精「これでよほどの手練れでもなきゃ魔力感知もできないよ。視覚的にも魔力的にも透明ってわけ」

光学迷彩「うん……ありがと……」

妖精「早く行こう。嫌な予感がする」

 *

黒服の男「ふわあぁ……俺も帰りてェ……」

光学迷彩クロシュ「……」トコトコ

黒服の男「ん? 今何か……? いや、何もない……気のせいか……」

 *
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 17:48:30.24 ID:UUcltqwW0
―見世物小屋

 ヒソヒソ… ヒソヒソ…

光学迷彩クロシュ「」コソコソ

妖精「けっこう人が多い……ぶつからないように気を付けて」ヒソヒソ

光学迷彩クロシュ「ん」


人間の子供「ねーまだー?」
人間の母親「こら、静かに。もうすぐよ」
人間の男A「へへっ、一日の終わりに見世物小屋! 人生にゃ彩りってもんが必要だよな」
人間の男B「こんなのが人生の彩りとか、お前無様な人生歩んでんだなあ」


妖精「……これ、なんの集まりなの? 外の看板には見世物小屋とか書いてあったけど……」

光学迷彩クロシュ「……」


仮面の司会「今宵もお集まり頂きありがとうございます、紳士淑女の皆様方! 間もなく開演となります!」


妖精「なんか舞台に出てきた」

光学迷彩クロシュ「……」


仮面の司会「本日の演目は、レッサースライムと妖精のなかよしごっこ!!」


妖精「!!?」

光学迷彩クロシュ「……?」


仮面の司会「演者を務めるは、劣等種の分際で違法路上営業を行っていた愚かな羽虫と、ミュージア下水道で醜く繁殖した下劣な粘体生物の方々です!!」


羽根をピン留めされた芸術妖精「ひっ……」ガタガタ

レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ


人間の子供「わぁ〜妖精さんとスライムさんだ〜」キャッキャ
人間の母親「まぁ、汚らわしい……」ゲテゲテ
人間の男A「おっ、良いねぇ! 今日の演目は気合入ってんぜ!」ゲテゲテ
人間の男B「あの羽虫、何日か前から路上で調子乗ってて目障りだったんだよな。スカッとするわ」ゲテゲテ


妖精「!!!!」

クロシュ「……!!」


仮面の司会「それでは、演目開始です! 粘体たちの貴重な羽虫捕食シーン、とくとご覧あれ!!」


レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

ピン留め芸術妖精「や、やだぁ……」

レッサースライムたち「〜〜♡」モニョニョ モニョモニョ

 ネチョッ ベチョッ デロデロ…

ピン留め芸術妖精「いたいっ! やめてぇ! わたしなんか食べてもおいしくないよぉ!!」ジタバタ


観客たち「」ゲテゲテゲテゲテ


妖精「ふざけやがって……!!! あいつら、殺してやる……!!!」ギギギ

光学迷彩クロシュ「――」


↓1〜3多数決 クロシュはどうする
1.見ている
2.乱入する
3.自由安価
4.運命に従う(運命賽を一つ消費し、クロシュを良い運命へ導きます)
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:03:03.59 ID:I6DZ9xUSo
3
スライム語でレッサースライムを怒ってやめさせる
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:05:31.81 ID:8Lh4eJCCO
3
↑に更にスライム達に命令して妖精を救出してとんずら
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:43:47.25 ID:s7Oefnnf0
>>909
911 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:10:13.13 ID:UUcltqwW0
光学迷彩クロシュ「妖精さん……ちょっと、ごめんね」

妖精「へっ……? わっ!」モニョン

クロシュの体内に飲み込まれた妖精「〜〜!」モガモガ

 デロデロ…

 *

光学迷彩スライムクロシュ「」シュバッ モニョッ

レッサースライムたち『だ〜れ〜?』モニョニョ?

光学迷彩スライムクロシュ『こんばんは。わたし、クロシュ』モニョモニョ

レッサースライムたち『わあ〜。いっしょにたべる〜?』モニョモニョ

光学迷彩スライムクロシュ『んーん……。妖精さんは……おいしく、ないよ……?』モニョモニョ

レッサースライムたち『でも〜とってもおいしそうだよ〜』モニョモニョ

光学迷彩スライムクロシュ『……ここで、妖精さんを食べたら……悪い人たちの、思う壺だもん……』

レッサースライムたち『わるいひとたちって〜?』モニョニョ
レッサースライムたち『わかんない〜』モニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『んゅゅ……とにかく、だめなの!!!』モニョニョ!!!!

レッサースライムたち『んわ〜』モニョ~
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョニョ


人間の子供「止まっちゃったよ?」
人間の母親「止まったわね」
人間の男A「なんだよ、これから良いとこだったってのに!」
人間の男B「早くスカッとさせろよ」


仮面の司会「チッ、使えない奴らだ」ボソッ


ピン留め芸術妖精「ぐすっ、ひぐっ……た、たべるなら、早くしてよぉ……」

光学迷彩スライムクロシュ『この妖精さんは、連れてく。いい?』モニョモニョ

レッサースライムたち『はぁ〜い』モニョニョ
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『……わたしの体、少しあげる。それで我慢、してね……』モニョニョ プチン

 クロシュの欠片「」モニョッ

レッサースライムたち『わぁ〜ごはん〜』モニョモニョ モグモグ


仮面の司会「はい皆さん! ここで演目変更です! ここから先の演目は、観客の皆さんも参加型のレッサースライム駆除ショーでございます!!」

 ザワザワ…

人間の子供「ママ〜くじょってなに〜?」
人間の母親「はあ? 自分の手を汚すなんてありえないでしょ」
人間の男A「ん? なんだそりゃ……まあたまにはそういうのもいいか」
人間の男B「おい、それなら羽虫も駆除させろよ」

仮面の司会「ご安心ください! レッサースライムは最弱の魔物とも言われる下等生物! お子様の手でも簡単に捻り潰すことが可能です!」

 ザワザワ…
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:12:25.55 ID:UUcltqwW0
光学迷彩スライムクロシュ『わわ……大変なことになっちゃった! みんな、逃げなきゃ!』モニョモニョ!

レッサースライムたち『んえ〜? なんで〜?』モニョモニョ
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『くろしゅちゃん、もっとたべたい……』モニョニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『悪い人たちがわたしたちを殺そうとしてるの!! 逃げるよ!!』モニョモニョ!!


仮面の司会「まずは私がお手本をお見せ致しましょう! この最新式の魔導火炎放射器で、汚物は消毒ゥー!!!」カッ

 炎「」ゴウッ!!

レッサースライムたち『んわ〜』モニャニャ
レッサースライムたち『あつゅい〜しんじゃう〜』モニャモニャ
レッサースライムたち『おなか……』モニャ…

光学迷彩バーニングスライムクロシュ『させないもん!!』チリッ

 カッ――
 ドガァン!!!

仮面の司会「オアアアアア!!!」メラメラ

人間の子供「わあ〜! ばくはつ、ばくはつ!」キャッキャ
人間の母親「こ、これは……そういう演目なの……?」
人間の男A「お、おいおい自爆したぞあの司会!?」
人間の男B「チッ……」


光学迷彩スライムクロシュ『みんな、今のうちに!』モニョニョ

レッサースライムたち『わ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『にげろ〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『ごはん……』モニョニョ

ピン留め芸術妖精「な、なにが起きてるの……?」

光学迷彩スライムクロシュ『針を抜くね……』モニョモニョ

芸術妖精「あ……透明な、スライムさん……!? 私を助けてくれたの……?」

光学迷彩スライムクロシュ『うん。飛べる?』モニョニョ?

芸術妖精「えと……なんて言ってるかわかんないけど、ありがと! 一緒に逃げよ!」パタパタ

光学迷彩スライムクロシュ『うん!』モニョ!

 ◇
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:14:51.83 ID:UUcltqwW0
―路地裏

レッサースライムたち『ばいば〜い』モニョニョ
レッサースライムたち『おやすみなさい〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『くろしゅちゃん、すき』モニョモニョ

マンホールに吸い込まれていくレッサースライムたち「」モニョニョニョ

スライムクロシュ『うん……みんな、元気でね……』モニョモニョ

 *

妖精「はあ……いきなり飲み込まないでよ」パタパタ

クロシュ「ごめんなさい……。でも、ああするしか……」

妖精「いや、わかってるけどさ……」

芸術妖精「あれれ? 他にも妖精がいたの?」ヒョコ

妖精「まあね。あなた、羽根は大丈夫なの? 魔封ピンで留められてたみたいだけど」

芸術妖精「まだピリピリするよぉ〜。だいぶ無理したかも……」

妖精「はあ……。堂々と人前なんかに出るからだよ。気を付けることだね」

芸術妖精「でも、芸術都市だよ? 芸術を志すのに種族なんて関係ないじゃん」

妖精「芸術都市の前にここは王国なんだよ。王国の連中の考え方は身を持ってわかったでしょ?」

芸術妖精「む〜……わかりたくなかった」

妖精「クロシュにちゃんとお礼を言ってよね。クロシュがいなかったら、あなた今頃レッサースライムたちの体の一部だよ」

芸術妖精「クロシュちゃんってこのスライムさんだよね? 本当に、ありがとね。食べられちゃうかと思っちゃった……」

クロシュ「……うん……。でも……次は、助けられないかも……。レッサースライムの子たちも……おなか、すいてたみたいだから……」

芸術妖精「自然の掟だぁ〜。でも、クロシュちゃんは掟に反してまで助けてくれたんだね……」

クロシュ「うん……。妖精さんたちのことも……好きだから……」

芸術妖精「わたしもクロシュちゃんのこと大好き!」ギュッ

妖精「こらっクロシュに抱きつくな!!」

 *

芸術妖精「とりあえず、わたしもしばらく隠れて暮らすことにするよ。今日は本当にありがとね」

クロシュ「ん……。気を付けてね……」

妖精「できればこの街からも出てった方が良いよ。フォレスティナ辺りが安全だよ」

芸術妖精「ん〜、でも芸術祭で見ておきたいものがいくつかあるんだよね〜。まあ祭が終わったら出るよ!」

妖精「呑気なやつ……。二度目は本当に助けらんないかもだから、本当に気を付けてよね」

芸術妖精「わかってるよ〜。クロシュちゃんたちも、この街のことでわかんないことがあったらなんでも聞きに来てね。わたし、絵空の家って宿屋の屋根裏に住んでるから〜」

妖精「えっ私たちが泊まってるとこだ」

芸術妖精「わあ偶然〜! あそこのご主人のご厚意で住まわせてもらってるの〜。人間だけど良い人だよ〜」

妖精「まあ……良い人間がいることはその通りだと思う、うん」

 ◆
914 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:17:19.29 ID:UUcltqwW0
―深夜
 裏通り

 見世物小屋「」メラメラ


金髪の竜人「……」

イケメン狐獣人「うわ、何やってんだよアンタ……。こんな目立つ真似なんかしちまってさァ……」

金髪の竜人「勘違いしないでくださいまし。わたくしではありませんわ」

イケメン狐獣人「アンタ以外に誰がいんだよ、こんな派手な燃やし方する奴が」

金髪の竜人「一瞬ですが、バーニングスライムの気配を感じましたわ」

イケメン狐獣人「はァ? バーニングスライムはとっくの昔に絶滅したんだろ?」

金髪の竜人「ですがあれは間違いなくバーニングスライムの気配でしたわ。すぐに消えてしまいましたが」

イケメン狐獣人「なんだそりゃ? 一瞬だけ蘇ってまた死んだとでも?」

金髪の竜人「さあ? ただ、その後……この建物から、光学迷彩魔法で身を隠した謎のスライムが逃げていくのが見えましたわ」

イケメン狐獣人「ふうん? んじゃそいつがバーニングスライムモドキってこと?」

金髪の竜人「くすくす……バーニングスライムの驚異的な炎の力と、高度な光魔法である光学迷彩を駆使してテロを引き起こす謎のスライム……面白くなってきたと思いませんこと?」

イケメン狐獣人「不確定要素が増えることの何が面白いのか、理解に苦しむね」

金髪の竜人「相変わらずですわね、あなたは。わたくしたちと同じく、人間を恨む同志なのかもしれませんわよ?」

イケメン狐獣人「アンタはソレが何であろうと滅茶苦茶に殺し合いがしたいだけだろ。恨みなんて毛頭ない癖に同志ヅラしてんじゃねえよ、サイコトカゲ女が」

金髪の竜人「あら、手厳しい……。同じ腹黒槍使い同士、仲良くできてると思ってましたのに」

イケメン狐獣人「アンタは腹黒じゃなくてイカレてるだけだっつーの! ったく……あと角くらい隠せよ」

金髪の竜人「あらら、ごめんあそばせ。うふふ、変化の術は不得手ですの。お狐さんと違いましてね」

 ◆
915 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:29:20.79 ID:UUcltqwW0
―芸術都市ミュージア 滞在2日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
916 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:31:00.07 ID:UUcltqwW0
―朝
 絵空の家

 チュンチュン

イリス「クロシュちゃんと妖精さん、昨晩はどこに行ってたの?」

妖精「あー、それはね……」

芸術妖精「囚われのヒロインであるわたしを助けてくれてたんだよ〜!」ヒョコッ

ミスティ「うわっ! あなたは……通りで似顔絵描きをやってた妖精……?」

芸術妖精「わあ、知ってくれてるの? その通り、似顔絵描きの妖精です。いろいろあって、クロシュちゃんに助けてもらっちゃった」

クロシュ「うん……」

イリス「な、なんかいろいろあったんだね……。お疲れさま」

 扉「」ガラッ

白髪の美人「皆さんおはようございます! うちの妖精さんがお世話になったそうで!」ズイッ

妖精「うわっ誰!?」

白髪の美人→レーティア「申し遅れました、私この宿の管理運営をさせていただいております、レーティア・フォン・ロスチャイルドと申します」ペコリ

イリス「あ、どうも! 受付のゴーレムさん、精巧ですごかったです!」

芸術妖精「ふふん、すごいでしょ! あれ私が作ったんだよ!」ドヤ

ミスティ「え、そうだったの……。すごいわね……。てっきり、宿の主人が作ったものだと……」

レーティア「私も芸術は嗜んでおりますが、腕はそれほどでもないのですよね……」

芸術妖精「レーティアはね〜。才能のある人を発掘して、活動を支援する人なんだよ〜」

レーティア「はい。アーティストの方々のおこぼれにあずかって、細々と日銭を稼がせて頂いております。本音としては、自分自身の芸術活動で生計を立てたいのですけれどね……」

イリス「ええと……パトロンみたいなもの、ですか?」

レーティア「この国の経済ではまだ馴染みが薄い概念かもしれませんが、投資家、という言い方が近いかもしれません」

妖精「投資家……聞いたことがある。海の向こうのイスファハーンでは、投資によって巨万の富を築く者たちがいるとか何とか……」

レーティア「そうそう、その投資です。まあ私のはおままごとみたいなものですけれどね」


芸術妖精「あそうだレーティア〜、わたし芸術祭のお絵かき演舞できないかも〜」

レーティア「ええっ……! あなたができないとなると……いえ、でも昨日のようなことがあったとなれば、仕方ないですね……。あなたの身の安全が第一ですから……」

芸術妖精「ごめんね〜。まあ王様って人間以外は大っ嫌いらしいし、きっとこの方が良いよね〜」

レーティア「しかし既にスケジュールには一流芸術家のお絵かき演舞が組み込まれてるんですよね……。くっ、今から代役を探して間に合うでしょうか……。かくなる上は、私自ら……いえ、王族の方々に無様な絵など見せれば私の首が……」ブツブツ


ミスティ「な、なんか大変そうね……」

イリス「投資家?っていうのもいろいろ大変なんだね……」


レーティア「どこかにフリーの超絶画力の持ち主が転がっていたりはしないでしょうか……」ブツブツ

芸術妖精「わたし並の人材なんてそうそう転がってるわけないよ〜」


クロシュ「……あの……」オズ

レーティア「ん? 君はうちの妖精を助けてくれたスライムの王子様ですよね。フフ、なんですか?」

クロシュ「わたし……絵、描ける……」

レーティア「えっ……?」

妖精「いやいやいやいや! そんなことしてる暇――いや、待てよ――」

妖精(このレーティアって奴が投資家なら、旅の資金をがっぽり稼ぐチャンスか!?)


レーティア「本当ですか? 失礼ですが、腕前の方を見させて頂いても?」

クロシュ「ん」

 *
917 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:33:40.75 ID:UUcltqwW0
 ものすごく精緻に描かれたフメイちゃんの絵「」

 ものすごく精緻に描かれたスライムの絵「」

 ものすごく精緻に描かれたカタツムリの絵「」

レーティア「こ、この技術は……!!」

芸術妖精「すごい……! 技量だけならわたしに並んで、この街でもトップクラスかも……! でも――」

レーティア「……はい。これはものすごく精緻で美しい絵なのですが……芸術という観点では、少し弱いと言わざるを得ません……」

クロシュ「!!」ガーン!!

イリス「ええっ!? こんなに綺麗なのに!?」

ミスティ「げ、芸術って……何……?」

レーティア「う〜ん……説明は難しいのですが……。その人にしか描けない、その人にしかないもの――その人が心の底から表現したいと思う、情熱の具現……とでも言いましょうか」

芸術妖精「ぱわーが弱いってこと! テクニックは凄いんだけどね」

クロシュ「ぱ、ぱわー……」

レーティア「この絵もとても精緻で美しいのですが……恐らく、うちの妖精さんも近いものを描くことはできます。これは、言ってしまえば現実の模写でしかないというか……」

妖精「わ、わけがわからない……」

レーティア「これが王族の観覧するお絵かき演舞でなければ、余裕にどうとでもなるのですが……。この国の王族は芸術の価値を無駄にわかってやがるものですから、適当なそれっぽい誤魔化しが通用しません」

イリス「芸術の価値がわかってるのって良いことなんじゃ……?」

レーティア「芸術の価値をわからない人相手の方が売りやすいんですよ。人気なもの、流行っているものと思わせられれば簡単に買ってくれますから」

芸術妖精「も〜、レーティアは芸術よりお金稼ぎの方が好きなの〜?」

レーティア「ハッ……も、もちろん芸術ですよ! お金稼ぎは副業ですからね、ハハッ……」

ミスティ「な、なんか酷い話を聞いてしまったような気がするわ……」

クロシュ「えと……とにかく、ぱわー……?」

芸術妖精「そう、ぱわー! わたしがクロシュちゃんに教えたげる! 芸術祭までに出せるようになろうね、ぱわー!」

レーティア「もしぱわーを出せるようにならなくても、ここまで精緻なものが描けるのなら王族の方々と言えど大目に見てくれるとは思いますよ。どうか気楽に臨んでください。謝礼はたっぷり用意させていただきますから」


 ☆目標「ぱわーを獲得する[0/3]」が発生しました


ミュージア滞在2日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:35:16.54 ID:OxIGtdUT0
クロシュ、酒場で情報集め
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:35:42.78 ID:TzpGp1zDO
図書館で何かパワーを獲得できるような本を探して読んでみる
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:37:39.03 ID:M0ygXKVro
ローガンエバンス修行編
-街の強者と手合わせ-
921 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:49:08.50 ID:UUcltqwW0
それでは本日はここまでとなります。次回は酒場で情報収集編、図書館でぱわー探し編、ローガンエバンス修行編となります

いろいろありましたが峠を乗り越え、芸術妖精を救出することに成功したクロシュさんでした。あの場でレッサースライムの方々とお話をすることができたのはとても有意義なことだったかと思います。何やら暗躍する者たちもいるようですが……
そして宿屋の主人で投資家で芸術家のレーティア氏との邂逅を果たしました。ぱわーを獲得するのは難しいかもしれませんが、もし上手くいけばがっぽり稼げるかもしれません。せっかくの芸術都市ですので、芸術活動を楽しんでいっていただきたいところです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 23:04:51.38 ID:M0ygXKVro
乙乙
他の仲間の芸術レベルはそんな高くないのかね
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 00:34:35.43 ID:zxJ0Q64Co

運命賽さんそんな発動の仕方もあるのね、コンマ神何時また機嫌損ねるか分からないから無消費で切り抜けられたのは良かった
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 11:38:57.57 ID:pCHL2N9Eo
レーティアの金稼ぎ能力をクロシュがコピーできたら最強だ
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 16:16:45.39 ID:mKlN6xqD0
パーティ各位のお絵かき能力については、前スレ448辺りで判明しているようです。ぱわーを持っているかどうかはわかりません。なおエバンス氏は当時パーティにいなかったため、お絵描き能力についてもはっきりしていないようです

運命賽がけっこう余ってきたため、新しい使い方が登場しました。なお今回可決された自由安価は運命賽を使った場合とほとんど同じものだったため、実際無消費で良い運命に進むことができたと言っても良いかと思います。おめでとうございました

レーティア氏のお金稼ぎ能力は、彼女自身の知識・経験によるものも大きいため、単純な擬態でそれを真似するのは困難かと考えられます
もしレーティア氏のお金稼ぎ能力を習得したい場合は、レーティア氏と同化するのが手っ取り早いでしょう。ただし、生きている方と同化するのは様々な点から危険が伴うため、あまり推奨はできません
926 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 16:17:26.28 ID:mKlN6xqD0
―酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「……」トコトコ

妖精「なんで酒場?」パタパタ

クロシュ「情報収集と言えば、酒場……ってローガンさんが、言ってた……」

イリス「冒険者の基本だよね」

ミスティ「……前から少し思っていたのだけれど、私たちって冒険者なのかしら?」

イリス「ま、まあ冒険者じゃない? ほら、ギルドの冒険者証も持ってるし……」

妖精「私は持ってないけど」

クロシュ「わたしも……持ってない……」

イリス「……誰か一人が冒険者証を持ってればパーティとして認められるから、実質冒険者だよ!」

妖精「いやまあ、別にいいけどさ……」

ミスティ「とりあえずいろいろ聞き込みでもしてみましょうか」


↓1コンマ
01-25 とりあえず一杯
26-50 国王について
51-75 不審者について
76-00 ぱわーについて
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 16:18:48.87 ID:Lto8mMKJO
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 16:19:53.85 ID:zxJ0Q64Co
ぱわー!
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 17:12:36.27 ID:mKlN6xqD0
老画家「わしは若い頃にな――」ウンヌン

酒場の客A「まーた爺さんの昔話が始まったよ」

酒場の客B「若い頃にコンクールで特別賞を獲った話?」

酒場の客C「その後は鳴かず飛ばずなんだろ? まぐれだったんじゃねえの」

老画家「いいや、まぐれではない……。あれは、わしが真の力を発揮することのできた奇跡の――」

酒場の客A「あーあージジイの言い訳なんか聞いてたら酒が不味くなる。行こうぜ」スタスタ



老画家「……」

クロシュ「……」トコトコ

老画家「なんじゃ。ここはお主のような小童が来る場所ではない……」

クロシュ「わたし……お酒、飲める……。スライムだから……」

老画家「なんと、スライムの子じゃったか……。しかしそれは言いふらさない方が良いじゃろう……」

クロシュ「うん……」

老画家「わしが若い頃は……今よりも、人と魔の関係はもう少し良かったんじゃが……おっと、すまぬ……。昔話など面白くもなかろう……」

クロシュ「んーん……。おじいさんのお話……聞きたい……」

老画家「ほう……! では、わしが若い頃……たった一枚だけ描けた、奇跡の一枚の話をしてあげよう……」

 *

老画家「わしは今でも……あの絵が、限りなく真に迫った奇跡の一枚であったと確信しておる……。しかし……あれ以降、さっぱりそのような絵を描けなくなってしまったのじゃ……」

クロシュ「どうして……?」

老画家「情けない話じゃが……あの一枚に、わしの内なる力のほとんどを注ぎ尽くしてしまったのじゃろう……。真に才ある者であれば、注いだとて自身の内なる力をも失うことはないのかもしれぬが……結局のところわしは、たった一枚の奇跡を起こすことしかできなかった、凡人だったのじゃ……」

クロシュ「ちから……。ぱわー……?」

老画家「そういう言い方もあるじゃろう……」

クロシュ「なくなっちゃったの……?」

老画家「うむ……。ときにお嬢ちゃんは、芸は嗜むのかい?」

クロシュ「うん……。絵、描く……」

老画家「ほう……」

クロシュ「わたしも、ぱわーを出せるようになりたい……」

老画家「……芸術とは、芸術を成そうとして成すものではない……内なる意思に従って創り上げたもの――その結果が、芸術になるのじゃ……」

クロシュ「……???」

老画家「つまり……お嬢さん自身が、描きたいものを描けば良いのじゃよ」

クロシュ「わたしが……?」

老画家「そうじゃ。素晴らしいものを創り上げたいとか、富や名声を得たいといった我欲に囚われず……気の赴くまま、思うままに描くのじゃ。お嬢さん自身が見たいもの、描きたいもの、願い、祈りを……絵に、込めるのじゃ……」

クロシュ「……」


↓1コンマ
01-60 うん  [ぱわー1/3]
61-90 わかった[ぱわー2/3]
91-00 !   [ぱわー☆]
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 17:17:11.26 ID:tpJSp9Yc0
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 17:17:31.06 ID:pCHL2N9Eo
芸術王
932 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 18:13:53.57 ID:mKlN6xqD0
クロシュ「うん……」

老画家「……ふっ……などと偉そうなことを言ってみたが、所詮は凡なる老いぼれの戯言じゃ……。わからぬ、合わぬと感じたら聞き流してくれ……」

クロシュ「んーん……。ありがと……。考えてみる……」

 ☆クロシュのぱわーが[1/3]になりました

 ◆
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 18:14:26.27 ID:mKlN6xqD0
―絵空の家

クロシュ「――っていう話、聞いた……」

芸術妖精「へえ〜誰だろそのお爺ちゃん?」

レーティア「若い頃に一度だけ賞を取った老画家……ローガさんかな?」

芸術妖精「あ〜ローガの奴か〜! あいつの受賞作は本当に奇跡の一枚だよ! わたしもあの時は心の底から悔しさと敬意を覚えたなあ……」

レーティア「だからこそ再起を望まれていたのですが……結局その後、彼が画家として名を馳せることはありませんでした……。芸術の道とは時に残酷なのですね……」

芸術妖精「まだ死んでないよ! わたしは今でも再起したローガと競い合う日を楽しみにしてんだよ!」

レーティア「おっと、これは失礼しました……。でも今は、目の前の悩める画家の卵を導いてあげるのが先決ですよ」

芸術妖精「そうだね〜。それじゃあ今度は、わたしと一緒に図書館にでも行ってみよっかクロシュちゃん!」

クロシュ「図書館……?」

レーティア「あなたが教えてあげた方が早いんじゃないですか?」

芸術妖精「言いたいことも言語化できなかったことも全部ローガに言われちゃったもん!」

レーティア「なるほど……」

 ◇

―図書館

妖精「今度は図書館?」パタパタ

芸術妖精「うん。ここには芸術に関するいろんな本があるからね〜。多分ぱわーの手がかりもあるんじゃないかなあ〜」

ミスティ「曖昧ね……」

イリス「あ、初心者向けの本もあるよ。私もちょっと読んでみようかな?」

妖精「ふうん……あ、これ氷魔法を使った氷像の本だよ。ミスティも読んでみたら?」

ミスティ「氷像……せっかくだし読んでみようかしら……」


芸術妖精「ふふふ、みんな芸術に興味持ってくれてるね〜」

クロシュ「うん……」


↓1コンマ
01-60 勉強した[ぱわー2/3]
61-90 理解した[ぱわー3/3]
91-00 !   [ぱわー☆]
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 18:15:41.56 ID:9llfPP9DO
はい
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 18:16:19.31 ID:4RlZrYHg0
芸術
936 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 19:08:05.49 ID:mKlN6xqD0
 ペラッ ペラッ

ミスティ(ウサギ……クマ……白鳥……。剣とか槍みたいに、戦いに丁度良さそうな形の例はないかしら……)


 ペラッ ペラッ

イリス(……人体の……骨格が……筋肉が……こうなってて……うわああああどこが初心者向けなのこれ!!?)グルグル


 ペラッ ペラッ

 芸術の本『芸術とはカクカクシカジカウンヌンカンヌン〜』

クロシュ「んゅゅ……」グルグル

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

芸術妖精「あわわ、クロシュちゃんが溶けちゃった!」

妖精「難しすぎたんだよ! ああもうこんなとこで溶けちゃだめだよバカクロシュ!」ペシペシ

スライムクロシュ「」デロロロ…

 ☆クロシュのぱわーが[2/3]になりました

 ◆
937 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 19:08:47.38 ID:mKlN6xqD0
―芸術都市ミュージア
 大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「さーて、クロシュちゃんたちは芸術活動で忙しいみたいだし――」

ローガン「うむ。我々は修行を行おう」

エバンス「おう! つっても……この街で修行できそうなとこなんてあるのか?」

ローガン「戦の場とは、しばしば芸術の題材となる。戦に身を投じる者たちもまた。ならば、この街に戦いを芸術とする者がいても不思議ではないと思わないか?」

エバンス「そ、そういうもんか……? まあ理屈はわからなくもないが……」

ローガン「まずはこの街の強者について聞いてみよう」


↓1コンマ
01-05 あら、戦をお求めですの?
06-35 パペットマスター
36-65 剣の踊り手
66-95 芸術的筋肉
96-00 オリハルスライム
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:10:23.53 ID:Lto8mMKJO
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:10:43.16 ID:zJNn1GQ8O
はい
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:16:30.81 ID:KmvJg2VOO
修行中うっかり殺してきそうな奴が紛れてるぅ
941 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:00:09.48 ID:mKlN6xqD0
町人A「この街で戦える人? それなら踊り子の剣舞姉妹だろう」

町人B「美人で華麗な姉に、小悪魔的可愛さで挑発的な妹! 俺はアイドルよりもあの姉妹のファンだぜ!」

町人C「おじさんたちストーカー? キモ……」

 *

エバンス「おじさん扱いされた上にストーカーかと思われたぞ……」

ローガン「仕方あるまい……。若い子たちからすれば、大人の男は皆おじさんなのだ……」

エバンス「嘘だろ……」

ローガン「とにかく所在は掴めた。今は町外れの空き地で練習しているらしい。突撃するぞ!」

エバンス「……いやでも、ストーカーってのはあながち間違ってない気がしてきたぞ……」

ローガン「気にしてはならん! これも修行の一環だ!」

 *
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:03:32.24 ID:mKlN6xqD0
―町外れの空き地

剣舞妹「くるくるくる、ターン!」クルクルクル ターン!

剣舞姉「良い調子よ。このまま続けていきましょう」

剣舞妹「当然! アイドルとかいうチャラチャラした奴らになんて絶対負けないんだから!」

剣舞姉「ええ。あんな、未熟を売りにするような奴らに負けてたまるもんですか」

剣舞妹「戦いでも、芸術でも、あたしたちがテッペンを取る!」


ローガン「ならば手合わせ願おう、剣舞の姉妹よ」スタスタ

エバンス(いや、これ完全に不審者じゃねえか俺たち!?)スタスタ


剣舞妹「え、誰おじさんたち……」

剣舞姉「……最近多いのよね。あなたみたいな勘違い男」


ローガン「誤解だ。私たちは貴女がたの剣の腕を聞いて、是非とも剣を交えたいと思ってここに来ただけだ」

エバンス「お、おう! 他意はない!」


剣舞姉「交えたいのは剣だけではないのでしょう? 見え見えなのよ、下心が」シャキン

剣舞妹「見た感じ冒険者? なら突然行方不明になるのも不思議じゃないよね?」シャキン


ローガン「待て、落ち着くんだ! 本当に我々は――」

剣舞姉「しつこい! 問答無用よ!!」シュバッ

エバンス「うおお!? もうやるしかねえじゃねえか!!」シャキンッ


↓1コンマ
01-40 敗北
41-95 勝利
96-00 ??
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:06:28.10 ID:tpJSp9Yc0
944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:27:20.72 ID:mKlN6xqD0
 キンキンキンッ ガギンッ

ローガン「ま、待ってくれ! 本当に我々は――」

剣舞妹「いつまでその設定にこだわってんの? 馬鹿じゃないの? 死ね!」クルンクルン シャッ

ローガン(この踊りを混じえた剣技……読めぬ!! このままでは――)



エバンス(や、やべえ……こっちは怪我をさせないよう気を遣ってるのに、相手は完全に殺す気で来てる!! 手加減したままじゃ――)

剣舞姉「隙だらけよ!」シャッ

エバンス「おあああああ!!!?」

 *

ローガン(正座)「」

エバンス(正座)「」

剣舞姉「……剣を通して、あなたたちが本当に手合わせに来ただけだということは、なんとなくわかりました……」

剣舞妹「紛らわしいんだよ、もう……。危うく本当に殺しちゃうとこだったじゃん……」

ローガン(正座)「申し訳ない……」

エバンス(正座)「返す言葉もねえ……」

剣舞姉「……力を付けようと焦る気持ちは、わかります。もし良ければ、私たちと一緒に剣舞の練習でもしていきますか?」

剣舞妹「ええ!? お姉ちゃん正気!?」

剣舞姉「……この人たち、私たちを傷付けないようにとても慎重に剣を振るっていたのよ。本気で殺り合っていたら、多分負けていたのは私たちの方……」

剣舞妹「うっ……それはまあ……」

剣舞姉「たまには外部の剣技を見聞きしてみるのも良いかもしれないわ」

剣舞妹「……わかったよ」

 *

剣舞姉「そう、そこでターン!」

ローガン「むむっ……ターン!!」ターンッ!


剣舞妹「ここでの振り方は、もっと円を描くように!」

エバンス「こ、こうか……!?」シャッ


 ☆ローガンとエバンスが剣技経験点が[1/4]になりました

 ◆
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:45:45.94 ID:mKlN6xqD0
―芸術都市ミュージア 滞在3日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]
・ぱわー[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・剣技を磨く[1/4](ローガン)
・剣技を磨く[1/4](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:48:09.02 ID:mKlN6xqD0
―朝
 絵空の家 アトリエ


 キャンバス「」

クロシュ「……」カキカキ

 ものすごく精緻に描かれたかっこいいフメイちゃんの絵「」チリチリ

 ものすごく精緻に描かれたデロデロなスライムの絵「」デロデロ

 ものすごく精緻に描かれたヌルヌルなカタツムリの絵「」ヌルヌル


芸術妖精「わ、わ……! たった一日で、絵から染み出るぱわーがかなり上がってる……!」

イリス「なんでかわかんないけど、私にもわかるよ……! 昨日の絵も綺麗だったけど、今回の絵は迫力が違うっていうか……!」

ミスティ「い、一体この差は何なのかしら……?」

妖精「これが……芸術の力……!」

レーティア「クロシュちゃんの中で『描きたいもの』とか『見せたいもの』が定まってきたのかもしれませんね。もちろん私はクロシュちゃん本人ではないので、はっきりしたことは言えないのですが。それにしても素晴らしい成長速度です……! 一生かかってもそこまで辿り着けない者も多いのに」

芸術妖精「でももう一息! もう一息欲しい!」

レーティア「もう十分では……? これだけのものが描ければ、王族の方々も満足されるかと――」

芸術妖精「そんなのどうでもいいの! わたしは見てみたいんだよ!! クロシュちゃんが心の底から描く、クロシュちゃん自身の絵を!!!」

レーティア「……!」ハッ


クロシュ「わたし自身の、絵……」

妖精「なんかわかんないけどすごい期待されてるみたいだよ、クロシュ」


ミュージア滞在3日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:49:00.13 ID:zJNn1GQ8O
ローガンエバンス修行のため少し難しめの討伐クエストにいどむ
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:49:04.38 ID:Lto8mMKJO
工芸店を覗いてみる
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:50:42.09 ID:9llfPP9DO
クロシュ
自分が何を描きたいのか自問自答する
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:56:18.14 ID:mKlN6xqD0
少し早いですが、急用が入ってしまったため本日はここまでです。次回はローガンエバンス武者修行part2編、工芸店を覗いてみよう編、クロシュの自問自答編となります

芸術とは何か? 実際のところ、よくわかりません。>>1もよくわからないものをよくわからないまま書いているらしいです。そういうわけで、このスレの登場人物たちが言っている芸術論などはあまり鵜呑みにしない方が良いかもしれません。皆、好き勝手に自分の定義する芸術を語っているだけなのです。もしそれでも、何かしら彼らの言葉の中に参考になりそうな部分がありましたら、それはとても幸いなことかもしれません。クロシュちゃんも、自分の描きたいものが描けると楽しいと思います

そして武者修行を始めたローガンさんとエバンスくんの二人組です。今回は惜しくも敗れてしまいましたが、美人姉妹に踊りの手ほどきを受けるなど、割と充実した時間を過ごせているようです。今後の彼らの活躍にも是非ご期待くださいませ

それでは本日もありがとうございました。明日も祝日なので、多分更新できると思います。よろしくお願いいたします
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:28:26.07 ID:zxJ0Q64Co
おつおつ
老画家おじいちゃん、真に迫ってるなぁ。レーティアさんとお話したら色々よさそうだが
ストーカーオジたちズは切り捨てられなくてよかったねw
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:54:54.37 ID:tpJSp9Yc0

酒場の女王クロシュの爆誕にはならなかったか・・・
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 12:17:38.48 ID:IsS2qb1EO

吸血鬼は魔族では割と上位なのか
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:06:10.26 ID:yo8YBSH5O
オリハルスライムが気になるわ
955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 15:51:06.43 ID:biT3SkuF0
老画家氏は才能が枯れてしまっており、レーティア氏もそんな再起できるかもわからない老人に投資するほどの余裕はないのかもしれません
ローガン氏とエバンス氏は不審者でしたが、剣を通して誠意が伝わったようです

ミュージアは王国の街なので、見た目幼女のクロシュ氏がぐびぐび酒を飲むのはちょっと危ないかもしれません。先日の見世物小屋での一件からもわかるとおり、芸術都市と言えど人間以外の種族への差別感情はどうやら根強くあるらしく、もしスライムであることがバレたら面倒なことになる可能性があります
非人間への差別は、人間の形から離れれば離れるほど大きくなりやすい傾向があります。王国でもエルフなどはそこそこ嫌われていませんが、体の小さい妖精や獣耳がフサフサな獣人などはもう嫌われやすくなってしまうようです。そしてデロデロなスライムは、知性ある種族の一員として扱われず、虫や獣などと同列の存在として見られてしまうかもしれません

吸血鬼は魔族の中ではとても強い方であると言われています。たいていの吸血鬼は、膂力、魔力、敏捷性、どれを取っても極めて高いポテンシャルを誇り、その力強さから支配階級である場合も多いようです。ただし光や流水、銀製品などの弱点も多いため、吸血鬼を討伐する人間の英雄譚もまた多く謳われています。

オリハルスライムとは、体組成に希少金属であるオリハルコンを含有しているとても珍しいスライムです。その特徴から極めて高い耐久力を持ち、並大抵の攻撃では傷一つ付かないと言われています
オリハルスライムを打ち負かした者は、莫大な力と経験を授けられるという迷信があります。この迷信は冒険者の間に根強く広まっており、オリハルスライムを見かけると喜び勇んで打ち倒しに行く者が後を絶ちません。しかし実際にオリハルスライムを討伐したという報告が上がることは滅多になく、上がった場合でもただのホラ話であることが多いようです
956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 15:51:36.47 ID:biT3SkuF0
―冒険者ギルド ミュージア支部

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「今日はここで強敵を探そう」

エバンス「おう。人間の強敵を探すよりも楽そうだ」

ローガン「うむ……剣舞の稽古も、良い経験にはなったがな……」

エバンス「……まあ、そうだな」

 *

受付嬢「はい、冒険者証を確認させていただきました」

エバンス「俺たちのランクで受けられる討伐依頼にはどんなのがある?」

受付嬢「エバンスさんとローガンさんは討伐実績もそこそこありますので、現在出ている討伐依頼であれば全て受注可能ですね。こちらなどいかがでしょう?」スッ


↓1コンマ
01-05 ギロチンガニ
06-35 天然イワゴーレム
36-65 死喰い鳥
66-95 キャニオンウルフの群れ
96-00 オリハルスライム
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:58:46.79 ID:1VZiJtqA0
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:59:08.46 ID:1cIZXyWDo
(クエスト開始の笛の音)
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 16:16:01.50 ID:biT3SkuF0
 討伐依頼「キャニオンウルフの群れ 報酬:中」

ローガン「ほう、キャニオンウルフか」

受付嬢「はい。郊外のサボテン農場を荒らす厄介な群れが居着いてしまったそうです」

エバンス「そりゃ事だな。よし、受けよう!」

受付嬢「ありがとうございます!」

 受注印「」ポン!

 ◇

―芸術都市郊外 サボテン農場

サボテン農家「おお、来てくれたか! 頼むよ、あいつらのせいでうちのサボテンたちが大打撃なんだ!」

ローガン「彼らはいつも、どこからどのように攻めてくる?」

サボテン農家「初めは夜間のうちにひっそりサボテンの実を食らっていたようなんだが……ここ最近は白昼堂々来やがるんだ! 群れのボスがこれまたでかいやつでよお……」

 アオォーーン…

サボテン農家「うあああ!! き、来た! 来やがった!! 頼みますよ、冒険者のお兄さん方……!!」

エバンス「……! おう、任せろ!! ここのサボテンは俺たちが守ってやるぜ!!」

ローガン(フッ……エバンスくん、張り切っているな!)

 *

キャニオンウルフの群れ「ハッハッハッ……ワン! ワン! グルルル……!」ジリジリ


エバンス「お出ましだな……! ケモノ肉にしてやるぜ!」シャキン!

ローガン「数が多い。個々の力は弱くとも油断はできん」シャキン

エバンス「わかってるぜ! 行くぞオオカミども!」シュバッ


 ――戦闘開始 キャニオンウルフの群れ――


↓1コンマ
01-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 会心
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:16:48.67 ID:t1M0JbjkO
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:17:01.62 ID:0h5qtS1l0
えい
962 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 16:25:58.82 ID:biT3SkuF0
エバンス「オラァ!」シャッ

キャニオンウルフA「キャン!!」ズバッ

キャニオンウルフB「ガウッ!!」バッ

エバンス「見えてるぞ!」シュビッ

キャニオンウルフB「キャウン!!」ズバァ

キャニオンウルフC「グルルル……ガウッ!!」バッ

ローガン「させん!」バッ ドガッ

キャニオンウルフC「キャオオン!!」ドテッ



サボテン農家「おお、あの忌々しいオオカミどもが!! いいぞ、やれえ! 犬どもを三枚おろしにしちまってくだせえーッ!!」


「グルルル……」ゴゴゴゴゴ


サボテン農家「ひえっ……こ、この気配は……まさか!!」


キャニオンウルフの長「……」ザッザッザッ


サボテン農家「うわあああああ!!! 出たァアァァアア!!! お、おしまいだァ……!! あいつが来たら、あの兄さん方だって……!!」ガクブル



エバンス「だあもう! 調子が良いんだか悪いんだかわからん依頼主だ!」

ローガン「しかしあれは恐らく群れのボス……! 他の個体とは明らかに雰囲気が違う、気を付けていくぞ!」


キャニオンウルフの長「グルルル……ワオオオオンッ!!」


↓1コンマ
01-10 痛恨
11-40 劣勢
41-00 勝利
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:27:50.65 ID:0YmAA/zvO
勝利6割。油断できない。
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 17:30:52.12 ID:biT3SkuF0
キャニオンウルフの長「」シャッ

 ドガガッ!!

ローガン「速い!」ガガッ

エバンス「だが俺たちも!」バッ

キャニオンウルフたち「ワオンワオン!!」シュババッ

エバンス「何ィ!? こいつら……!!」ガガッ

ローガン「ボスの登場で士気が上がったのか!? エバンスくん!」

エバンス「ああ! 切り崩す!」コオオオッ

 土塊「」ドンッ!!

キャニオンウルフたち「キャオン!?」

ローガン「貫け!」カッ

 鋼の槍の雨「」シュババババッ

キャニオンウルフたち「キャオオオンッ!!」グサグサッ


サボテン農家「おおおお!!! ボス以外の雑兵は皆殺しだァァァァ!!!」


キャニオンウルフの長「ガウウウッ!!!」シュバッ

エバンス「急いたな! そこだ!!」ヒュッ
 魔銀の剣「」シャッ

 ズバァッ!!

キャニオンウルフの長「ガ……ぐ、ぐる、る……」ググッ…

ローガン「部下をやられて怒りで我を忘れたか……。情に厚き獣よ……」スタスタ

キャニオンウルフの長「ぐる、るる……!!!」ギロッ

ローガン「すまぬが、これも戦の定めなのだ。部下たちの後を追うが良い――」

 ザシュッ―

 ――戦闘終了――
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 17:31:55.86 ID:biT3SkuF0
―冒険者ギルド ミュージア支部

受付嬢「依頼達成おめでとうございます! こちら、報酬になります!」

 金袋「」チャリン

ローガン「うむ。確かに受け取った」

受付嬢「お仕事をお探しの時はまたいつでもどうぞ!」

エバンス「おう……」

 *

―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「ふう……。お疲れ様だ、エバンスくん」

エバンス「おう……。ローガンの旦那も、お疲れ……」

ローガン「浮かない顔だな」

エバンス「いや……そんなことねえよ」

ローガン「そうか?」

エバンス「……」

ローガン「……」

エバンス「……いや……そんなこと、あるな……」

ローガン「そうか」

エバンス「ああ……。前だったら……こんな獣退治なんかしても、何も感じなかったのにな……」

ローガン「それは……」

エバンス「……クロシュちゃんたちと一緒に来て、スライムの生き方とか、妖精の昔話とかを聞いたりしたせいかさ……。ああいうオオカミたちも俺たちと同じで、今を必死に生きてる奴らなんだって、わかるようになっちまったっつーか……」

ローガン「うむ……」

エバンス「わかってるよ。だからって情けなんかかけたら、俺たち人間の生活が危なくなる。畑を荒らしたんだから、退治されんのは自然の成り行きだ」

ローガン「そうだな。これも、生存競争の一つだ」

エバンス「ああ……。ったく、二十歳を越えていっぱしの傭兵を気取ってたつもりなんだがな……。俺、まだこんなに青臭かったのか……」

ローガン「戦士には不要どころか、持っていない方が良い感覚だろうな。戦場で、敵の生に思いを馳せてしまうなど」

エバンス「だよなあ……。はあ、こんなんでやっていけんのかな俺……」

ローガン「だが他者と共に生きていくなら、決して失ってはならぬ感覚でもある……と私は思う」

エバンス「……」

ローガン「フッ……それに恐らく我がパーティの女性陣は、そういう優しさを持った人物の方が好みであると思うぞ」

エバンス「ははっ、そうかもな」

 ☆ローガンとエバンスの剣技経験点が[3/4]になりました
 ☆ほどほどの収入を得ました

 ◆
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 18:14:26.08 ID:biT3SkuF0
―工芸店

 カランカラン


 木彫りのマグロ「」

 美しい意匠の木製チェスト「」

 ガラス細工のザリガニ「」

 お洒落なランプ「」

 テントウムシのブローチ「」


イリス「わあ……!」

芸術妖精「ここでは最高の技術力を持った職人たちの工芸品を扱ってるんだよ〜」

ミスティ「おしゃれなインテリアからかわいい装飾品まで、色とりどりね……」

妖精「クロシュ……一人で大丈夫かな……」

芸術妖精「大丈夫だよ! 一人で考えたいって言ったのはクロシュちゃんだし、自分自身を見つめるには一人の方が良い時もあるもん!」

妖精「そうだけど……思い詰めすぎてデロデロに溶けてないかなあ……」

芸術妖精「あはは、そうなったらそれもまた芸術だよ! 前にも後ろにも進めなくなってデロデロになるなんて芸術家にとっては日常茶飯事!」

ミスティ「そういうものなの……」

イリス「芸術家って難しいんだなあ……」


↓1自由安価 何か買う?
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 18:23:18.97 ID:IsS2qb1EO
ザリガニ
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 19:47:50.46 ID:biT3SkuF0
 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ

イリス「これは……ガラスのザリガニ……!!」

芸術妖精「見事な一品! ガラスでここまで精巧に美しいザリガニを創り上げるなんて、この職人はタダ者じゃない!」

ミスティ「でも本当にすごく綺麗……。それに、今にも動き出しそうな気迫を感じるわ……。これも、ぱわーというやつなの……?」

芸術妖精「そうだね! こういうお土産屋で売る商品はぱわーを控えめに抑えられることが多いんだけど、これは全くそんな手心を加えてる様子がない。真のザリガニを創り上げようっていう強烈な熱意が籠もってる……!」

妖精「すごいな……。でも、そんな大切なものを売り物にしちゃって良いの?」

芸術妖精「芸術家にもいろんなタイプの人がいるんだよ。自分の出来上がった作品に何の興味も関心も抱けない人とかさ。これの作者もそういう人なのかも」

ミスティ「ええ……? どういうこと……?」

芸術妖精「創ってる最中は、何よりもその作品に情熱を注いでるんだよ。でも出来上がった途端にどうでもよくなっちゃうんだってさ。作品そのものじゃなくて、作る過程に意味を見出してるのかもね」

妖精「全く理解できない……」


 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ

イリス「……これ、微かに川の魔力を感じる……。見た目だけじゃない、魔力的にもザリガニに迫ろうとしてるんだ……!」

妖精「ほ、本当だ……。並々ならぬこだわりを感じる……」

イリス「そして川の魔力と言えば……」ゴソゴソ

 ザリガニのお守り「」ポン!

ミスティ「それは……魔族国の工芸店で買ったザリガニのお守り!」

イリス「うん……。なんだか、とても偶然とは思えないんだよね」

妖精「いや、偶然だと思う……」

イリス「もー! 妖精さんは運命ってやつがわかってないなあ!」

妖精「ええ……」

イリス「というわけで、私買うね! このザリガニ細工!」

芸術妖精「おおー!」パチパチ

 ☆ガラス細工のザリガニを購入しました

 ◆
969 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 19:49:13.09 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 アトリエ

クロシュ「……」

 真っ白なキャンバス「」

クロシュ「……」


クロシュ(わたしが……描きたいもの……)

クロシュ(フメイちゃん……スライム……カタツムリさん……これも、わたしが描きたくて描いたもの……。でも……あのおじいさんが言ってたのとは、少し違う気もする……)

クロシュ(描きたいもの……)

クロシュ(わたしの、見たい景色……。願い……祈り……)

クロシュ(わたしは――――)


↓1コンマ
01-10 全てが溶け合った世界(??)
11-50 あの日に帰りたい……(望郷)
51-90 みんなと、一緒に――(希望)
91-00 全てが溶け合った世界(??)
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 19:52:50.99 ID:anJXC2twO
クリティカル
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:07:54.18 ID:1cIZXyWDo
うおおおお!!
972 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:38:58.15 ID:biT3SkuF0
 デロデロ… モニョモニョ…

色付いていくキャンバス「」デロデロ

 デロデロ… デロデロデロ…

 ◆

レーティア「クロシュちゃん、ずっと籠もってますね……。少しお茶菓子でも差し入れしてあげましょう」スタスタ

レーティア「ちょっと失礼しますよ、クロシュちゃ――」ガラッ


 スライムとインクの飛び散ったアトリエ「」デロデロ

スライムクロシュ「」デロロ…


レーティア「クロシュちゃん!?」タタッ


 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…


レーティア「ううっ!? こ、これは……一体……!?」


レーティア(そこに描かれていたものは、人間の私に理解可能なものではなかった)

レーティア(だが……そこに迸っている、尋常ならざる情念は……クロシュちゃんの、内なる意思の具現そのもので――)

レーティア(……キャンバスだけでなく、このアトリエや、見ている私までもが――クロシュちゃんのように、溶けてしまいそうで――)

レーティア(私たちは……とんでもない怪物を、目覚めさせてしまったのかもしれない……)


 ☆クロシュのぱわーが[☆]になりました

 ◆
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:41:14.43 ID:biT3SkuF0
―夜
 絵空の家 アトリエ

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…

芸術妖精「わお……わお、わお、わおおおおお!!!」キャッキャ

イリス「こ、これは……!?」

ミスティ「い、一体……何が描かれているの……!?」

妖精「クロシュ……これ、何……?」

半スライムクロシュ「んゅ……わかんない……」デロ…

芸術妖精「すごい!! クロシュちゃんすごいよおお!!! わたしこんなの見たことない!! こんな美しい絵、今までに一度も見たことないよおおお〜〜!!」キャッキャ

イリス「芸術家の妖精さんがおかしくなっちゃった……」

レーティア「いえ、でも……私もここまで凄まじい絵は見たことがありません……。彼女がおかしくなるのも無理はないかと……」

芸術妖精「だって、すごいんだよ!!? これはさ! 世界!! 世界だよ!!! 全てが溶け合い、混じり合い、一つになった――完全なる世界の形なんだよ!!!!」キャッキャ

ミスティ「わ、わけがわからないわ……」

イリス「クロシュちゃん、そうなの……?」

クロシュ「……たぶん……そう、かも……?」

妖精「クロシュ……あなたは……」


妖精(もし、この絵が今あいつが言ったように、全てが溶けて混じり合った世界の姿だというのなら……。それが、クロシュの願いだということ……?)

妖精(でもそれは……まるで、魔王のようだよ……。世界全てを溶かして、一つにしたいと願うなんて……)

妖精(クロシュ……)

 パシンッ

妖精「え……」ヒリヒリ

芸術妖精「悲観してないでもっとよく見てあげてよお〜!! この絵を!! この絵が持つぱわーを!!」

妖精「……」

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ

妖精「……!」

芸術妖精「わかった? クロシュちゃんはクロシュちゃんのままだよ〜」

妖精「うん……」

芸術妖精「んふふ〜まあ過激思想なのは変わりないけどね〜。でもこれは紛れもなく、クロシュちゃんの愛の形ってこと!」

妖精「むむう……」

クロシュ「妖精さん……」

妖精「……変な気を起こしちゃだめだからね、クロシュ」

クロシュ「うん……」

 ☆全てが溶け合った世界(愛)を描きました

 ◆
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:43:09.33 ID:biT3SkuF0
―空

 ヒュオオオオオオ…

「……」

 ヒュオオオオオオ…

「……?」

 ヒュオオオオオオ…

「……!」

 ヒュオオオオオオ…

「……〜〜」モニョモニョ

 デロデロ…ポン!!

 ◆
975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:44:20.02 ID:biT3SkuF0
―芸術都市ミュージア 滞在4日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券
・ガラス細工のザリガニ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]
・ぱわー[☆]達成!

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・剣技を磨く[3/4](ローガン)
・剣技を磨く[3/4](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:45:10.22 ID:j7Y9AAzAo
人類補完計画かな
977 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:45:33.23 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 アトリエ

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…

エバンス「うおおおお!!? こ、こりゃ一体……」

ローガン「これが……クロシュくんの、絵だと……」

レーティア「はい。彼女の真のぱわーが開花した姿……それが、この絵なのです」

エバンス「そうなのか……なんかわかんねえがすごいのはわかるぜ!」

レーティア「はい。実際凄い絵です。ただ……」

ローガン「ただ……?」

レーティア「この絵に込められたもの……それは、王族の方々には許容できないものである可能性がありまして……。クロシュちゃんにお絵かき演舞へ出てもらうべきか否か、迷っています」

エバンス「そ、そうなのか……。まあ王族連中の機嫌を損ねたらやばいもんな……」

ローガン「ううむ……だがこの国の王族は芸術には寛容と聞くぞ。その意図が何であれ、芸術的ぱわーが優れているなら認めるのではないか?」

レーティア「そう思いたいところですが、万が一ということもありますし……。私の首だけならともかく、クロシュちゃんの首が飛ぶなんて絶対にだめなんです。これほどの逸材を失うわけにはいきません」

ローガン「うむ……確かに、楽観視して最悪の結果を引き起こすのは避けるべきかもしれんな」

レーティア「しかしクロシュちゃんが出られないとなると代役不在問題が浮上するんです! あああ、どうしましょう……!!」

エバンス「あんたの首はどっちにしてもやばいのかよ!」


ミュージア滞在4日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:46:04.14 ID:j7Y9AAzAo
レーティアと身の上話というか雑談というか
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:46:10.14 ID:Nqhw6/ib0
妖精コンビの語らい
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:47:40.10 ID:aIdYEH0q0
ローガンエバンス剣舞姉妹以外で剣術の得意な人物を探し手合わせをする
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:57:50.11 ID:aIdYEH0q0
>>980少し訂正
ローガンエバンス 剣舞姉妹以外の剣術が得意な人物を探し手合わせする
982 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:15:21.05 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 ロビー

イリス「そういえばレーティアさんのロスチャイルドって、もしかしてあの有名な――」

レーティア「ゲーッ違います違います! あんな薄穢い悪徳貴族なんか何の関係もない赤の他人ですね!」

イリス「そ、それは失礼しました」

 ガチャッ

執事「レーティアお坊ちゃま、お久しゅうございます」スタスタ

レーティア「ゲーッなんて時に来るんですか!? 帰れ帰れシッシッ!」シッシッ

執事「レーティアお坊ちゃま……。それではまた日を改めさせて頂きます。くれぐれも、火遊びはなさり過ぎぬよう……」スタスタ

 バタン…

イリス「お坊ちゃま……!?」

ミスティ「嘘でしょ……」

クロシュ「わあ……」

 *

レーティア「はあ……見られてしまったものは仕方ありません。そうです、悪徳貴族ロスチャイルドの末席に居座るはこの私、レーティア・フォン・ロスチャイルドという男なのです」

イリス「お、男の人だったんですか……!」

レーティア「別に女装してるつもりはないんですが、勘違いされやすい容姿ではあるかもしれないですね。我ながら声もちょっと高い気がしますし」

ミスティ「完全に騙されてたわ……。でも女だと思われるといろいろ面倒なことに巻き込まれたりしないの?」

レーティア「あるにはありますけど、女と思われた方が便利な場面もありますからね。ケースバイケースですよ」

イリス「器用だなあ……」

レーティア「ま、あのくそったれ貴族への意趣返しみたいな気持ちもなくはないですね。あいつらは私をゴリゴリムキムキの男に仕立てようと必死でしたから。下らないマッチョイズムが蔓延る原始的環境、それが貴族社会ってやつですよ」

イリス「そ、そうなんですね……。貴族ってのもいろいろ大変なんだなあ……」

レーティア「ええ、そりゃもう。人間界の癌ですよあんな奴ら。とっとと滅びれば良いんです」

ミスティ「凄い恨みだわ……」

レーティア「というか私なんかのことよりクロシュちゃんのことですよ! 明日のお絵かき演舞ですが――」

クロシュ「うん……わたし、描ける……」

レーティア「いや……しかし、もしあの絵がうちの妖精さんの言ったような絵だった場合、王族の方々のお気に召さない可能性が……」

イリス「あ、そういうこともあるんだ……」

ミスティ「ええ……じゃあどうするのよ……?」

クロシュ「……えと、じゃあ……人間には、わかんないように……描けば、いい……?」

レーティア「ハッ……! そうか、言われてみれば! 確かに私もあの絵を初めて見た時、その意図を全く読み取れませんでした! しかし強烈なぱわーはしっかり感じられました。なら、同じように描けばそれで問題ないかも……!」

イリス「えと、王族の人たちが理解できなければ問題ないってことですか?」

レーティア「そうです! 理解できないけどすごいぱわーは感じられる……そうなれば問題ないはず! よし、それでいきましょう!」

クロシュ「ん、わかった……」

レーティア「あ、でも……お絵かき演舞では、みんなの見ている前で絵を描くことになるのですが、スライムの姿にならずにもう一度あの絵を描くことは可能ですか?」

クロシュ「一回描けたから、できると思う……」

レーティア「エクセレント! それでは今日のうちに予行練習もしておきましょうか。当日は私もお手伝いいたしますから、何か不安なことがあったら遠慮なく仰ってくださいね」

クロシュ「うん、ありがと……」

 ◆
983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:35:28.12 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 屋根裏

芸術妖精「わあ、いらっしゃい〜! ふふ、ここに妖精のお客さんが来るのは初めてだなあ〜。ネズミさんとかは時々来るんだけどね〜」

妖精「そ、そう……」


 描きかけのキャンバス「」

 妖精サイズのイケメンゴーレムのパーツ「」

 散らばった工具「」

 ごちゃごちゃした紙くず「」


妖精「掃除しないの?」

芸術妖精「してるよ! 時々!」

妖精「そ、そう……」

芸術妖精「ちょっと待っててね、今お茶淹れる〜」パタパタ

妖精「ええ……この汚い部屋で淹れられたお茶、あんまり飲みたくないんだけど……」

 *
984 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:38:18.01 ID:biT3SkuF0
 フェアリーシロップティー「」コトン

芸術妖精「はい! わたしのシロップだよ〜」

妖精「はいはい。いただきます」ズズ

芸術妖精「んふふ〜、美味しい〜?」

妖精「んん……思ったより普通に美味しい……。もっとトンチンカンな味付けしてるかと思ってた……」

芸術妖精「そんなことしないよ〜! 味付けを芸術にしちゃう人もいるにはいるけど、わたしは人に出すものはちゃんと相手のことを考えて出すよ〜」

妖精「随分まともなこと言うなあ……」

芸術妖精「わたしはまともだよお〜!」

妖精「はいはい……。……昨日はさ……ありがと」

芸術妖精「んえ? 何だっけ?」

妖精「……わたしが、クロシュの絵を読み違えて狼狽えてた時……あなたが頬を叩いてくれたでしょ。お陰で、ちゃんと見れたの」

芸術妖精「ああ〜! んふふ、まあ仕方ないよ〜。わたしは芸術慣れしてるけど、他の人はそうじゃないからね〜」

妖精「むう……ちょっと悔しい……」

芸術妖精「ふふ……あなたは、クロシュちゃんのことがとっても大切なんだね」

妖精「へ? ま、まあ……あいつはまだ赤ちゃんだし、放っておけないし……?」

芸術妖精「んふふ〜わかるよ〜。クロシュちゃん、わたしを助けてくれたときはすっごくかっこよかったけど、普段の姿はもにょもにょででろでろなんだもん!」

妖精「うん……。時々、あの子が何考えてるのか……わかんなくなる時がある……。フメイ……あの子の大切な友達を探したいって気持ちは、ずっと変わらないと思うけれど……。でも、あの子の目に映る世界は……一体、どんな風なんだろうって、すごく不安になる時があって……」

芸術妖精「……大丈夫だよ。あの絵、見たでしょ……? あれが、クロシュちゃんの心だもの……」

妖精「でも……あの願いを支えている……あなたの言う愛≠チてやつは……。ほんの僅かな掛け違いで哀≠ノ転じる、とても不確かで儚い祈りなんだよ……」

芸術妖精「うん……」

妖精「もしクロシュが……その愛ゆえに、大きな哀しみを抱いて……。世界樹の力に手を伸ばしたりなんかしたら……」

芸術妖精「……大丈夫。あなたが、そばにいるもの」

妖精「え……?」

芸術妖精「芸術の果てにおかしくなる人ってさ……みんな、孤独なんだよ。一人ぼっちでキャンバスに向かい続けてると、いつかおかしくなっちゃうの。孤独は、どれほどの高潔な芸術家をも蝕む、最凶の呪いなんだよ」

妖精「……」

芸術妖精「大体の芸術活動って、孤独なものだからさ……。おかしくなっちゃう芸術家はこの街でも後を絶たないんだ。芸術に人生を捧げるっていうのは、そういうことなのかもね」

妖精「そう、なんだ……」

芸術妖精「でもクロシュちゃんは違うでしょ? あの子は芸術が本業ってわけじゃないし、いつだってあなたや、イリスちゃんたちがそばにいる。クロシュちゃんの見てる世界は、きっといつまでも……希望を失わない」

妖精「……!」

芸術妖精「だから大丈夫。クロシュちゃんは、あなたたちが一緒だもの!」

妖精「……ふふ、ありがと。あなたに励まされちゃうなんてね……」

芸術活動「んふふ〜こう見えてわたしも長生きだからね〜」

妖精「……ねえ、でもあなたは? あなたは大丈夫なの?」

芸術妖精「まあ私はね〜。今はレーティアも面倒見てくれてるし、ここを出たらフォレスティナでまたパトロン探しからかな〜」

妖精「……確かに、あなたは割と大丈夫そうだね。うん」

 ◆
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:39:21.78 ID:biT3SkuF0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、本日の予定は……」

エバンス「今日は剣舞姉妹のとこに行かねえか? あの踊りの動き、もう少しで何かが掴めそうなんだよな」

ローガン「確かに、あれも非常に洗練された型の一つだ。よし、では今日も剣舞姉妹のもとへ――」

剣舞妹「あたしたちが何だって?」ヌッ

ローガン「うおっ!? お前は剣舞姉妹の妹の方!」

剣舞姉「私もおります。少し聞いていましたが、また私たちに稽古を付けられたいと……?」

ローガン「うむ……。差し支えなければ是非お願いしたいのだが……」

剣舞姉「うーん……申し訳ありませんが、今日は明日の芸術祭へ向けての最終調整を行いたいので、あなたがたのお相手をする余裕はないのです……」

剣舞妹「そーゆーこと。ストーキングなら別の人にしてよね」

エバンス「ストーキングじゃねえ! いや、でもまあ、事情はわかった……こっちもいきなり押しかけようとして悪かったな」

ローガン「うむ……。芸術祭での活躍、我々も応援していよう。頑張ってくだされ」

剣舞妹「ありがと! 戦いだけじゃない、美しさも兼ね備えたあたしたちの踊り、観客席からも是非堪能してってよね!」

エバンス「お、おう……。そういえば攻撃される側でしか見たことないし、そっちも素直に見てみたいな」


剣舞姉「ところで、剣を交える相手をお探しなのですよね? それでしたら――」


↓1コンマ
01-05 「槍を交えるのはいかがですの?」ヌッ
06-50 パペットマスターは剣士の人形をも操ります
51-95 筋肉芸術のおじさまは、昔剣闘士であったと聞きます
96-00 オリハルコンの剣を携えたスライムの噂があります
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:39:45.50 ID:62QayciDO
はい
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:58:20.96 ID:biT3SkuF0
―ミュージア郊外 人形の館

 ガチャッ ギィィ…

エバンス「頼もー!」

ローガン「突然の来訪、お許しいただきたい! 我々はパペットマスター殿の操る剣士人形の剣捌きを一目拝見したく、参らせていただいた!」


「ンッフッフ……中年二人とは言え、突然のお客様ってのも楽しいものだねェ……」コツコツ


エバンス「!?」

ローガン「あ、あなたが……」


半仮面の四本腕の男「いかにも。この街で最も強く、最も芸術的な男……パペットマスターとはこのボクのことだ!!」バァーン!!


エバンス「よ、四本腕……!?」

ローガン「よく見たまえ、あれは義腕だ!」

パペットマスター「ンッフッフ、美しいフォルムだろう? このボクの、計算し尽くされた完璧なエクストラアーム!!」ジャキーン!

エバンス(な、なんかわからんがヤバい! ヤバい奴な気がするぞ!!)

パペットマスター「して、キミたちはボクの完璧な人形捌きを見たいそうだね? ンフフ、中年なのに目の付け所が素晴らしいッ!! あなたたちのことは名誉青年と呼ばせて頂こうッ!」

ローガン「う、うむ……」

エバンス「俺は23だ!! まだ中年って年じゃねえ!」

パペットマスター「おっとこれは失礼。では青年と名誉青年よ、中庭へ出たまえ!! キミたちの、ボクの人形に直々に貫かれたいという倒錯した思い……全霊で果たさせてあげようッ!!!」

エバンス「うおあああ!!! そんな変態でもねえよ俺はああ!!!」


 ――戦闘開始 パペットマスター――


↓1コンマ
01-10 痛恨
11-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:00:38.16 ID:Nqhw6/ib0
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:01:05.98 ID:1cIZXyWDo
濃ゆい
990 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:18:28.26 ID:biT3SkuF0
フリフリの剣士人形「」シャキーン!
フリフリの騎士人形「」シャキーン!

エバンス「な、なんかかわいいな!?」

パペットマスター「当然だ! ボクの操る人形は、ボクに操られるに相応しい可憐さ、美しさ、そしてぱわーを兼ね備えた最強の人形なのだからッ!!」

ローガン「来るぞ! 見た目の面白さに油断するな!」シャキッ!

フリフリの剣士人形「」シュバッ

エバンス「くっ!!」ガギンッ

フリフリの騎士人形「」シャッ

ローガン「大きな盾とは裏腹にこちらの騎士人形も速い!」ガギギンッ

パペットマスター「さあ、踊るが良い!! キミたちにボクの美しい人形たちの相手は務まるかな!?」

エバンス「くっ……舐めるな!!」シュバッ

フリフリの剣士人形「!」ガインッ

ローガン「ぬんっ!」ゴッ

フリフリの騎士人形「!」ガギンッ


エバンス「速いが剣舞姉妹ほどじゃねえ! やりようはあるぜ!」シャキッ

ローガン「うむ! このまま反撃といくぞ!」シャキッ


パペットマスター「ほう……流石に二人だけでは分が悪いか……。ならばッ!!」
 エクストラアーム「」ジャキーンッ!!


フリフリの魔法使い人形「」コォォォ―

フリフリの治癒術師人形「」キラキラ―


エバンス「お、おいおい嘘だろ……人形が、さらにもう二体……!?」

ローガン「なんということだ……!!」


パペットマスター「ただの見栄えだけの四本腕だとでも思っていたかい!? いいや、これは――」

パペットマスター「さらに多くの人形を操る為の、エクストラデバイスさッ!!」


↓1コンマ
01-60 敗北
61-90 優勢
91-00 会心
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:19:39.59 ID:62QayciDO
はい
992 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:40:17.83 ID:biT3SkuF0
エバンス(その後、俺たちは人形たちの一糸乱れぬ連携にじわじわと追い詰められ――)

エバンス(ついに、敗北を喫したのだった……)

 ◇

パペットマスター「ンフーッフッフッフッ! ボクの人形たちとのダンシング、楽しんでいただけたかな?」

エバンス「お、おう……たった一人であれだけの連携を生み出すなんて、すげえぜ……」ボロボロ

ローガン「うむ……。この街で最も強いというのも、誇張でもなんでもないのだろう……」ボロボロ

パペットマスター「久しぶりに人形たちを踊らせてあげられて楽しかったッ!! キミたちの来訪に感謝しようッ!!」

エバンス「そりゃどうも……」

パペットマスター「またいつでも遊びに来たまえ! ボクの人形たちも、キミたちと再び踊れる日を楽しみに待っているッ!!」

ローガン「うむ……。ところでパペットマスター殿は、明日の芸術祭には参加されるのか?」

パペットマスター「……フン。祭りと聞いて集まるような美を解さぬ衆愚どもなどに、ボクの人形たちの美しさがわかるものか。あんな下劣な祭典、二度と御免だ」

ローガン「そ、そうか……。それは失礼致した……」

パペットマスター「だがキミたちのような美を解する者はいつでも大歓迎だ! 踊りではなくとも、是非また遊びに来てくれたまえッ!!」

エバンス「お、おう。あんたも人形を大事にな!」

 ☆ローガンとエバンスの剣技が[4/4]になり、剣技のレベルが一段階上がりました

 ◆
993 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:44:20.05 ID:biT3SkuF0
というわけで本日はここまでとなります。次回は、ついに芸術祭編です。噂では王様も参加されるとのことです

いろいろありましたがついにクロシュ氏がぱわーを獲得するにいたったようです。クロシュ氏がどのような絵を描いたのか、それは文章で表現することのできないとてもすごい絵だったのですが、実際芸術妖精やレーティア氏などの芸術に造詣の深い方々も称賛するほどの出来栄えだったようです。これでお絵かき演舞も安泰でしょう。是非セイントレアの王様に、世界がデロデロに溶けていくことの素晴らしさを見せて差し上げていただきたいものです

そして武者修行に明け暮れるエバンスくんとローガンさんも、オオカミ退治をしたりお人形遊びに巻き込まれたりなど、楽しい日々を過ごしているようです。ついに剣技のレベルも上がったとのことで、今後の活躍が一層期待できます。今後の活躍をお楽しみに

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:47:51.26 ID:j7Y9AAzAo
乙乙
クロシュ思ったより過激思想
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 12:14:54.48 ID:LvRUtxEgO

芸術祭は次スレかな
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/07/16(火) 19:33:22.80 ID:hFDKQDPS0
なんと、気が付いたらもうスレの終わりだったようです。次回の更新の時に新スレを立てようと思いますので、よろしくお願いいたします

クロシュ氏は、あらゆるものが溶け合って一つになれば、苦しみも哀しみもない完全な平和が訪れると思っているようです
それは人間の感覚からすればとても怖いことかもしれませんが、スライムの感覚ではとても良いことなのかもしれません

そして芸術祭は次スレとなります。次スレでもよろしくお願いいたします

以降のこのスレは、質問や意見や要望など、ご自由にお書き込みくださいませ
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 19:56:51.73 ID:nr3ZDLIu0

フラナティセリアモーリィによるダークヒーローイリスに救われた会談とか面白そう
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 22:41:15.19 ID:qkowzrWm0

前スレで安価したクリーチャー達がだいぶスレに登場しているからまたクリーチャーでの安価を募集してほしいです。
できれば同じ前スレで募集した敵対ネームドキャラクターもいつか募集してほしいと思いました。
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 23:39:06.11 ID:tBHdCyiDO
乙です
最近の国の長や友好的な住人等は突発的なキャラ募集で中々参加出来ないから、もしまたクリーチャーやネームドキャラを大々的に募集をするなら前スレのような時間指定での範囲募集が良いなと思いました
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/17(水) 23:31:05.11 ID:53I5lPwY0
乙です 
今さらだと思うけどファンタジー系のスレなので技名や魔法の呪文があっても良いかなと思います。(ただ「水!」とか「氷」のような単語だけや「おりゃ」みたいな掛け声じゃなくてちゃんとしたもの)
例:ミスティ「氷の刃(アイスブレード)」、ローガン「鋸一閃(のこぎりいっせん)」
1001 :1001 :Over 1000 Thread
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | アパム!アパム!次スレ建てて来い!アパーーム!
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                ∨
                      / ̄ ̄ \
      /\     _. /  ̄ ̄\  |_____.|     / ̄\
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誰でもAAキャラ雑談inA雑VIP★160 @ 2024/07/07(日) 16:41:01.47 ID:nKhUw9YW0
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ここじゃ星は見えないよ @ 2024/07/07(日) 00:59:58.89 ID:XeY6XUaMo
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