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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 20:51:22.16 ID:CcaCExly0
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 20:59:12.46 ID:+L6di7kro
2
768 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 21:09:37.87 ID:R0+Uknd10
スライムクロシュ『……もし……わたしが、憎いなら……』

星竜の子供『……』

スライムクロシュ『わたし……いつでも……受けて、立つ……』

星竜の子供『……』

スライムクロシュ『……わたし……あなたの、ママを……殺して……食べたもん』

星竜の子供『……』

スライムクロシュ『……』

星竜の子供『……』ジワワ

スライムクロシュ『……』

星竜の子供『……ギャオオッ!!』バッ

スライムクロシュ『……っ』ギュッ

 ゲシッゲシッ ゲシッ…

 ◇
769 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 21:58:14.75 ID:R0+Uknd10
―朝
 小さな無人島

 チュンチュン

イリス「……ねえ、ミスティ……私たち、すっごく大事なことを忘れてない……?」

ミスティ「な、何よ……? 私は思い当たることなんて特にないけど……」

イリス「これだよ!」

 フリルワンピース水着「」ドン!
 スクール水着「」ドン!

ミスティ「こ、これがどうしたって言うのよ」

イリス「私たち、泳いでない! せっかく水着をもらったのに、写真を撮られただけだよ!」

ミスティ「そ、そうね……。せっかくだし、泳いでくれば良いんじゃないかしら……。ほら、ここはまだ熱帯だし、きっと気持ち良いわ……」

イリス「……ミスティは?」

ミスティ「私は、別に……。水、苦手だし……」

イリス「大丈夫!! 私が手取り足取り教えてあげるから!! 一緒にいこ!」

ミスティ「い、嫌! みんなにあんな格好見られたら死ぬ……!!」

イリス「大丈夫だよ!! 絶対かわいいから絶対大丈夫!!!」

 ◇

―小さな無人島 海岸

 バシャバシャ

イリス(フリルワンピ水着)「こうやって手を動かして――」

ミスティ(スク水)「こ、こう……?///」



エバンス「ふう……水着か……。俺も買っておくんだったぜ……」

妖精「イリスとミスティが記念にもらったやつだけだからねえ」

クロシュ「……妖精さんの格好も……ちょっと、水着っぽい……」

妖精「ああ、これ? そういえばそうかも? あんまり考えたことなかったなあ」

ローガン「言われてみれば、妖精たちの格好は一般的な人間のそれと比べると少々刺激的かもしれん」

妖精「えっそうなの!? けっこう恥ずかしい格好だったりするのこれ!?」

暗黒少女「妖精類がそういう格好してるのはそういうもんだと思うし全然気にならないわね。人間が同じ格好してたらたぶん二度見するけど」

妖精「……う、う〜ん……つまり、どうしよう……」グルグル

エバンス「まあ、いつも通りでいいんじゃないか?」

 *
770 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 21:59:19.72 ID:R0+Uknd10
エバンス「女の子たちが泳いでる間に訓練でもしてるか! 魔銀の剣の重さに慣れとかねえとな!」ブンブンッ

ローガン「必要なら私が相手を務めよう」



クロシュ「……」

妖精「そういえばクロシュ……昨日、星竜の子供と喧嘩してたけど、大丈夫だった?」

クロシュ「うん……。喧嘩は……してない……。受けて、立ってた……だけ……」

妖精「そう……。でも、あんまり一人で抱えないでね。星竜を倒したのは、あなた一人じゃないんだから」

クロシュ「うん……」



クロシュ「……そういえば……昔、風に溶けたスライムがいたんだって……」

妖精「ん? あ、それってクロシュヴィアの伝説?」

クロシュ「うん。わたし……ちょっと、試してみる……」

妖精「ええ……? もし失敗したら風に溶けたまま二度と元に戻れなくなるって話だよ? 危ないよ」

クロシュ「だいじょうぶ……妖精さんが、風を集めて元に戻してくれるから……」

妖精「こらっ私をアテにするな! でもまあ、そうだね。私の見てるとこでなら試してみてもいいよ」

クロシュ「んへへ……ありがと……」

妖精「でも私の見てないとこじゃ絶対にだめだからね」

クロシュ「ん……わかりました……」


↓1コンマ
01-90 だめです[経験1/12]
91-98 霧散する[経験6/12]
99-00 風の如し[経験☆]
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 22:01:05.28 ID:JEGXDS/5O
772 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 22:14:46.66 ID:R0+Uknd10
クロシュ「んん……風を……捕まえて……同化……」ムムム

妖精「どう? できそう?」

クロシュ「んむむ……」

妖精「やっぱ難しいんじゃない? あのブラッドだって、ミスティの出した冷気には咄嗟に同化できなかったんだもの。気体との同化はそれくらい難しいってことだよ」

クロシュ「んむ……」

妖精「まあ焦らずにやってこうよ。みんないるんだからさ、クロシュ一人が焦ってなんでもできるようになんなくても大丈夫だから」

クロシュ「うん……」

 ☆空気化経験が[1/12]になりました

 ◇
773 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 22:16:19.31 ID:R0+Uknd10
―小さな無人島

溶岩エイ「キュウ〜ン」ヒラヒラ

星竜の子供「……」プイッ



エバンス「またなー! モーリィたちによろしくなー!!」

イリス「行っちゃったね……」

ミスティ「あの星竜の子供……昨日より大人しかったわね……」

ローガン「何かあったのだろうか……?」

クロシュ「……」

妖精「まあ、生きてればいろいろあるよ。あの子も、クロシュと同じでまだまだ赤ちゃんなんだもの……」

暗黒少女「ええっ、クロシュってまだ赤ちゃんなの!? 子供だとは思ってたけど……」

イリス「でもクロシュちゃんはすっかり頼もしくなったよ!」

ミスティ「同感ね……。海は渡れるし、同化でなんでもできる……」

エバンス「クロシュちゃんを守るためにこのパーティに入ったってのに、このままじゃ名折れだ! 俺も強くなるぞ……!」

ローガン「うむ……私も気を引き締めよう」

 ◆
774 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 23:13:30.01 ID:R0+Uknd10
―港湾都市ウォーターポート
 海岸

 ザァーン ザザァーン…

暗黒少女「ああ……懐かしのウォーターポート!」

妖精「お疲れ様。あなたともお別れだね」

暗黒少女「あっ……」

イリス「短い間だったけど、一緒にいれて楽しかったよ! もう悪いことはしないでね!」

ミスティ「……真っ当に働け……なんて、言っても聞かないかもしれないけど……。危ないことはするんじゃないわよ……」

ローガン「フッ……君を心配する者もいるということを、覚えておいてくれたまえ」

エバンス「うちの傭兵団に入りたかったら気軽に応募してくれよ。前も言ったが、商人経験ありなら歓迎だぜ」

クロシュ「えと……お元気で……」

暗黒少女「あんたたち……うう……ぐすっ……。こんな、詐欺師の私なんかを……見捨てないで、ここまで連れてきてくれて……。本当に……本当に、ありがとう……!!」ジワワ

イリス「……!」

暗黒少女「私……やれるだけ、やってみるわ……! 法に触れない範囲で、どでかい収益を出して……いつかあんたたちに、この借りを返す!!」

ミスティ「……」

暗黒少女「だから待ってなさいよね! こんどは豪華客船にあんたたちを乗せて海の向こうに連れてってやるわ! クロシュにも、自分が泳がない船旅ってもんを味わわせてやるんだから!」

クロシュ「わあ……。うん……」

暗黒少女「それじゃあ、また会いましょう! 死ぬんじゃないわよ!!」

 ☆暗黒少女と別れました
 ☆暗黒優待券を手に入れました

 ◆
775 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/30(日) 23:15:56.86 ID:R0+Uknd10
というわけで本日はここまでとなります

いろいろありましたが無事に大陸に戻ってきました、クロシュ一行です
星竜の子からの憎しみを受け止めたクロシュ氏は、またひとつ成長しました。奪われる側の苦しみは、本当にどうしようもなく、どうにもならないものです。クロシュさんは主人公ですが、奪う側に回ってしまうこともあります。こればかりは、憎しみを受け止めながら進んでいくしかないのかもしれません。謝っても救われず、謝らなくても救われません。どうしようもないのです
なお、今回の選択で星竜の子供くんは、ちょっとだけクロシュへの好感度が上がったようです。もちろん憎しみが消えたわけではありませんが、少しは見方を変えてくれるかもしれません

そして長い間苦楽をともにした暗黒行商少女さんともついにお別れです。いろいろありましたが、人に優しくされて、心配されるという経験をした彼女は、これからどう変わっていくのでしょうか。それは彼女次第ではありますが、願わくば、それがしあわせにつながるものでありますよう、と願わずにはいられないのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回ですが、今度は日曜の更新がちょっと怪しいため、代わりにまた平日のどこかで更新するかもしれません。よろしくお願いいたします
(もし更新日を明確にして欲しいなどの要望がありましたら、なるべく早い段階でお知らせするようにいたします。特になければ前回同様いきなり更新し始めます)
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 23:23:52.72 ID:+L6di7kro
乙乙
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 23:28:21.84 ID:NFBWb1XCO

妖精さん人間基準だと結構なナイスバディなのかな
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 01:01:42.14 ID:oxsLu7YDO
乙です
更新日については出来れば知りたいかな
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 01:43:44.27 ID:E73dHXaYO
乙です
更新日を明確にしてくれると助かります
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 12:14:04.72 ID:q/AUtInNO

暗黒少女から暗黒がとれる日は来るのか・・・?
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 12:36:46.91 ID:iuoOhuupO
乙。
魔法の属性が暗黒だから暗黒少女なんだよ(でまかせ)
782 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/02(火) 21:48:03.99 ID:RCnGzwAu0
皆さんご反応ありがとうございます。それでは次回の更新予定は木曜日とさせていただきます。よろしくお願いします

妖精類のほとんどは、人間で言うところの二次性徴前くらいの体型です。つまりつるぺた幼女です。それはクロシュたちと一緒にいる建国の太母も同様です
また、妖精類は露出度が高めの格好をしがちなようです。妖精類は自然に満ちている魔力を全身から吸収することができるため、露出している方が実際都合が良く、ついつい薄着になってしまうのです。流石にお胸やお股は隠したがりますが、迂闊な妖精がノーパンスカートで飛んでいることは稀によくあります
クロシュ一行の妖精がよく身に付けているレオタードは、妖精の自然魔力吸収を阻害しない特殊な素材で作られているようです

暗黒少女から暗黒が取れる日が来るかは今のところわかりません。というのも、彼女自身が†暗黒†という肩書を気に入っているからです
ちなみに、実は彼女の得意属性も>>781さんの予想通り闇だったりします。練度は高くありませんが、最低限の護身術として使える程度には修めているようです
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [乙]:2024/07/04(木) 12:38:43.87 ID:fjnQ35SHO
モーリィさんはジャージか拳法着っぽいの着てそう。
784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 19:01:24.44 ID:QpkMGIrO0
モーリィ氏は動きやすい格好をしています。普段はトコナツ産の繊維で織られた作務衣を、戦いに赴く際は竜革のドレスを着ていくようです
また、旧トコナツ村で過ごす時は旧トコナツの伝統的な民族衣装を着ることがあるそうです
785 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 19:01:50.45 ID:QpkMGIrO0
―夜
 旅の船着場

看板娘「わあ〜お久しぶりです! お荷物はしっかり預かっておりましたのでご安心ください!」

妖精「ありがと。ついでに今日一泊してってもいい?」

看板娘「もちろんです!」

エバンス「なあ、ところでこの数日の間に何か変わったこととかなかったか? 情勢的な意味で」

看板娘「変わったことですか? う〜んそうですねえ……あ! そうだ、今年の芸術祭はアイドルの演目が追加されるそうですよ!」

ローガン「アイドルの……演目?」

看板娘「うふふふ、おじさんはあんまり興味ありませんか? アイドルっていうのは、最近ミュージアで生まれた新時代の文化ですよ!」

ローガン「む、むう……最近の流行りには少々疎いもので……」

エバンス「俺も聞いたことはあるが、詳しくは知らないな……。芸術の一種なのか?」

看板娘「そうです! かわいい女の子やかっこいい男の人が、ステージの上で歌って踊るっていう新時代の芸術文化です!」

妖精「なにそれ……? マーベルのアホがやってたダンスショーみたいなやつ……?」

イリス「あ、うん! マーベルさんがやってたやつが近いと思う!」

看板娘「わあ! あなたたち、マーベル様のライブショーを見たことがあるんですか!? いいなあ……!」

ミスティ「あ、あなたもしかしてマーベルのファンなの……?」

看板娘「様を付けてください! えへへ、ちょっと気になってるだけです。ファンってほどじゃないと思います」

ミスティ「そ、そう……。まあとりあえず、アイドルってのがどんなものなのかはわかったわ……。ていうかイリスは知ってるのね、アイドル……」

イリス「えっ!? ま、まあ……ちょっとだけね」

看板娘「うふふ。今年の目玉はアイドルですけれど、元々芸術祭は絵とか彫刻とか音楽とか、いろんな芸術が一挙に集まる凄い催しなんですよ。ここセイントレア王国の王族の方々も毎年ご観覧に訪れるくらいですし、皆さんももし良かったら是非見に行ってみてくださいね」

 ◇

―客室

イリス「芸術祭かあ……。ミュージアって今回の道程の途中にある街だよね、確か」

妖精「うん。日程的には、明日出発すれば芸術祭の期間中には着くと思う」

ミスティ「……寄り道している余裕はあるかしら……?」

妖精「まあ……旅に差し障らない程度なら良いと思う。どっちにしても補給の為に立ち寄る必要はあるし」

クロシュ「……」

妖精「それに、絵が得意なクロシュにとっても、良い学びが得られるかもしれないしね」

クロシュ「ほえ……?」

 ◆
786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 19:02:30.04 ID:QpkMGIrO0
―芸術都市ミュージアへの旅路 1日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法練習[1/3]
・風になる[1/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・氷属性の練習[2/4](ミスティ)
787 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 19:03:04.34 ID:QpkMGIrO0
―朝
 王国平原 街道


 帆「」バサッ
 強化ソリ「」シャーッ

 ビュオオオオ―

クロシュ「わぁ〜」

エバンス「うおお!? これが噂のミスティちゃんのソリか……!」

ローガン「おお……帆が付いたからか更に速度が増したな」

イリス「風は私が魔法で吹かせてます!」

ミスティ「助かるわ……。一人で動かすよりけっこう楽になるわね……」

妖精「この速度なら芸術祭が始まる直前くらいに着けるかも。帆付きのソリかあ、イリスも良いことを思いつくねえ」

イリス「大亀クロシュちゃんの背中に付けたのを見て思い付いたの! これならミスティの負担を減らせるかなって!」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 食料発見(コンマ)
36-50 物品発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
66-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 19:04:00.14 ID:DT0Gn79po
やー
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 19:06:21.86 ID:fjnQ35SHO
790 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 19:49:05.33 ID:QpkMGIrO0
先に道連れ判定を行います

↓1コンマ
11-25 メルル
26-50 黒髪の無愛想な青年
51-75 赤髪ロングポニテの女性冒険者
76-00 銀髪ウェーブセミロングお嬢様
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 19:54:51.78 ID:km0yBjRa0
792 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 21:01:00.59 ID:QpkMGIrO0
王国平原 街道

 強化ソリ「」シャーッ

妖精「ん……?」


銀髪セミロングの少女「あああああああああ!!!」タタタタタッ

青触手「〜〜」ズモモモモ


イリス「小さい女の子が……触手に追われてる!!」

エバンス「助けよう!」

ミスティ「ええ……! それにしてもあの触手と女の子、かなり速いわね……」

ローガン「青い触手は触手内序列でも中位の実力派。普通の人間からすればかなりの脅威だが、我々なら勝てるはずだ!」

クロシュ「うん!」

 *

銀髪セミロングの少女「ひい、ひい、もう足が……」フラッ

 石「」ガッ

銀髪セミロングの少女「ひあっ……」

 ビターン!

銀髪セミロングの少女「い、いたた……あっ」

青触手「〜〜」ヌッ

銀髪セミロングの少女「あ、ああ……」

伸ばされる青い触手「〜〜」ズズズッ

銀髪セミロングの少女「いやあああああ!!!」


 強化ソリ「」シュバッ

 ドガッ

青触手「!!?」グラッ


 シュバッ

エバンス「かわいい女の子に無理矢理迫るたあ、礼儀のなってねえ触手だぜ!」ザッ

ローガン「今度は我々が相手だ、触手殿」ザッ

ウニ盾クロシュ「……」ザッ

青触手「〜〜!!」グオオオッ


 ――戦闘開始 青触手――


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 会心
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 21:02:04.68 ID:fjnQ35SHO
794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 21:12:12.91 ID:QpkMGIrO0
青触手「」ブォンッ

 ガギンッ

ウニ盾クロシュ「わわっ……」ヨロッ

ローガン「クロシュくん! 奴は一撃が重い、正面から受けない方が良い!」

ウニ盾クロシュ「う、うん!」


エバンス「だがその隙は頂いたぜ! オラァッ」バッ
 魔銀の剣「」シャッ

 ズバァッ!!

 触手の一本「」ボトッ

青触手「〜〜!!」ジタバタ


イリス「痛がってるとこ悪いけど、畳みかけさせてもらうよ! スゥー……星の光よ!!」カッ

 星弾「」ピュンッ

青触手「!?」

 星弾「」カッ
 ドガアッ!!!!


青触手「」プスプス…


ミスティ「これが……星の魔法!!」

ローガン「このまま押し切れ!」



銀髪セミロングの少女「え、え……? あ、あなたたちは……?」

妖精「あー……通りすがりの旅人、かな」


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-20 劣勢
21-00 勝利
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 21:12:46.44 ID:lnbljYMDO
796 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 22:12:00.19 ID:QpkMGIrO0
ミスティ「レッドから教えてもらった技は……まだ使いこなせないから、今はこれで!!」カッ

 氷の刃「」ヒュンヒュンッ

 ズババババッ

青触手「〜〜!!」ジタバタ


妖精「クロシュ、炎の力は使える?」

ウニ盾クロシュ「あ、うん!」

妖精「じゃあ……あいつにトドメを刺してやって」

 チリッ…

炎クロシュ「ん……」チリチリ


青触手「」グッタリ

炎クロシュ「……」トコトコ

青触手「」ググ…

炎クロシュ「……」グッ
 赤熱メイドブレード「」シャッ

 ズバアッ―


 ――戦闘終了――

 ◇
797 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 22:12:51.43 ID:QpkMGIrO0
焼き青触手「」コンガリ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ

妖精「うへぇ、よくこんなの食べられるなあ……」



銀髪セミロングの少女「あの……助けていただいて、ありがとうございました」ペコリ

エバンス「いいってことよ!」

ローガン「うむ……。困っている者がいれば、身を投じて助けるのが騎士道というものだ」ムンッ

ミスティ「まあ、大きな怪我はなさそうで良かったわ……」

イリス「本当に! でも、ええと……あなたはどうしてこんな平原の真っ只中を一人で?」

銀髪セミロングの少女→リュアン「あ……えと、私リュアンって言います。えと……」

 *

イリス「ええっ!? 触手に襲われて逃げてる内に、お付きの人とはぐれちゃった!?」

リュアン「はい……。あの、ここがどこだかわかりますか……?」

ローガン「ここは王国の中央平原。南下すれば港湾都市ウォーターポートがあるが……」

リュアン「ええっ!? そ、そんなとこまで戻ってきちゃったの……?」

ミスティ「戻って……?」

リュアン「あ、えと……私……ミュージアに向かってる途中だったんです。半分くらいまで行ったところで、あの触手に襲われちゃって……」

エバンス「ここまで走り続けてきたのか!? すげー健脚だな……」

ローガン「う、うむ……軍隊でも通用する足腰だぞ……」

リュアン「そうなんでしょうか……。と、とにかく早く戻って合流しなきゃ……ふゃっ!」コテッ

イリス「うわわ、無理しちゃだめだよ! ずっと走り続けて来たんなら、すごく疲れてるでしょ?」

リュアン「ですが……」

ミスティ「……ミュージアへ向かう途中で逸れたのでしょう? 私たちもミュージアに向かうところだから、ソリに乗せてあげるわ……」

リュアン「えっ……?」

ローガン「うむ……ソリの担い手であるミスティくんが言うのであれば、問題なかろう」

リュアン「あ、あの……私、お金持ちみたいに見えるかもしれませんが……少し事情がありまして、お返しできるものは、何も……」

ミスティ「……ああ、いや……対価が欲しいわけではないわ……。まあ、もらえるならもらいたいけれど、なくても別に構わない……」

リュアン「ええと……じゃあ、どうして……?」

ミスティ「単にその方が気持ち良いからよ。触手に追われるあなたを助けたのも、同じ」

リュアン「……」

ミスティ「まあ……そこの赤ポニテのお人好しが伝染しただけだけどね」ポリポリ

イリス「そこで私を出すの!? いや、確かに私も人助けは気持ち良いと思うけどさ!」

リュアン「……ふふ……わかりました。それじゃあ……お言葉に甘えさせていただいてもよろしいですか?」

ミスティ「ええ、もちろんよ」

 ☆謎のお嬢様?リュアンが一時的にパーティに加わりました

 ◆
798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 22:14:15.73 ID:QpkMGIrO0
―夕方
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ

リュアン「世界樹の光を取り戻す旅だなんて……! あなたがたは救世主様であらせられたのですか!?」

妖精「違うよ! ただ光を世界樹に戻したいだけだし、既に光を一つ奪われてるからどちらかと言うと戦犯に近い」

クロシュ「せんぱん……」

リュアン「そ、そうなんですか……。でも、すごいです……世のために命を懸けて戦えるなんて……」

クロシュ「そうなの……?」

リュアン「はい、すごいです……!」

クロシュ「わあ……」

リュアン「ふふ……クロシュちゃんは偉いです。なでなでしてあげます」スッ

 ナデナデ

クロシュ「ん……」

 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

リュアン「わっ、スライムの姿になっちゃいました!」

妖精「なでなでされるのが気持ち良かったのかな……?」


ミュージアへの旅路初日の夜です
↓1〜3 野営中何をする?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 22:15:29.74 ID:km0yBjRa0
リュアン、クロシュの変化特訓に付き合う
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 22:18:46.65 ID:fjnQ35SHO
リュアンとイリスとミスティでお料理
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 22:20:00.76 ID:f1uscsL+o
勇者像の前になんか凄そうな剣が刺さってる
持っていこう
802 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 22:53:38.79 ID:QpkMGIrO0
―夕方
 野営地

 焚き火「」パチパチ

イリス「ふんふふ〜ん〜今晩は青触手のお肉〜」

 鉄鍋「」
 魔導飯盒「」

リュアン「わあ! 調理器具があります!」

イリス「もちろん! 旅の途中でも美味しいものを食べたいからね!」

リュアン「私のお付きの人も、私に美味しいものを食べて欲しいからって調理器具を手放さないんです」

イリス「おお〜! 私、その人と気が合いそう!」

ミスティ「イリスと一緒になる前までは、旅中の食事なんて適当に焼いて食べられればそれで十分だと思ってたわ……」

リュアン「わあ……。私は、旅をしていますが実はそういう食生活をしたことがありません……」

イリス「まあこれでも街での料理に比べればかなり簡易的なんだけどね。やっぱり少しでも美味しく食べたいからさ」

ミスティ「そうね……。栄養補給だけではない……文化的な営みが必要なのよ……」


エバンス「お〜い追加の食材採って来たぞ〜!」タッタッタッ


イリス「あっ、ありがとうございます! ふふ、何が採れたのかな、何を作れるかな?」

リュアン「私もお手伝いします!」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択(肉類は青触手のお肉を使用します)
野菜:食べられる野草、セイントレア草、トコナツマメ
穀物:パラパラ米、ヤマイモ、ナッツ、船旅ビスケット
魚介:サワガニ、ザリガニ、セイントレアバス、オオキイタニシ
果実:リンゴ、ナシ、野苺
卵乳:トリの卵、ミルク
特殊:スライムゼラチン、マジカルブラッドワイン、精霊樹の実のジャム、お宿の焼き菓子
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 22:55:51.44 ID:ko89WxKWO
オオキイタニシ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 23:01:02.20 ID:lnbljYMDO
パラパラ米 トコナツマメ
805 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 23:44:16.53 ID:QpkMGIrO0
 オオキイタニシ「」モゾモゾ

エバンス「オオキイタニシだ! 川で獲れたぜ!」

リュアン「ひぇっ……お、オオキイタニシって、農業国でウルティ米農家に大きな被害を与えてるっていうオオキイタニシですか!?」

エバンス「おう。オオキイタニシって言えばそいつだろ?」

ミスティ「これが水田にいると、大量発生してウルティ米が実る前に葉っぱを食べ尽くしちゃって大変……という話を聞いたことがあるわ……」

イリス「農業国じゃ悪魔の貝だとか、呪いの貝だとか散々に言われてるらしいね……」

妖精「ただの生存競争に悪魔だの呪いだの、馬鹿じゃないの?」

イリス「ま、まあまあ落ち着いて妖精さん。ほら、クロシュちゃんでも見て落ち着こうよ」

 オオキイタニシ「」モゾモゾ

タニシクロシュ「」モゾモゾ

妖精「いつの間にタニシに擬態したの……」

リュアン「クロシュちゃんだと思うとけっこうかわいく見えます。不思議です……」

 *

 触手とタニシとマメのパラパラ炒飯「」ポン!

イリス「はい! 今日採れた食材と、トコナツ島で仕入れたパラパラ米と豆を使った炒めご飯です! 隠し味にトコナツの香辛料をちょっとだけ混ぜてあります!」

ローガン「おお! つまりチャーハンか!」

イリス「えっ? あ、確かにこれチャーハンだ!」

リュアン「えっと……チャーハン……?」

ミスティ「チャーハンって何かしら……」

イリス「チャーハンっていうのは、北のトウゲン帝国発祥……だったかな? 香辛料といっしょにご飯を炒めて作る料理なんだけど……私も今言われて初めて思い出した!」

エバンス「トウゲン帝国じゃないのに、図らずもそこの料理を作っちまうなんて不思議なこともあるもんなんだなあ」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ

イリス「あ、クロシュちゃんごめんね! 早くいただきますしよっか!」

スライムクロシュ「!」モニョ!

 *

ローガン「これは……! パラパラに炒められた米が、美味い!」モグモグ

エバンス「香辛料をまぶして炒めるだけでこんなに美味くなるのか……!」モグモグ

リュアン「お手伝いさせていただきながら半信半疑だったのですが……触手肉とタニシって、ちゃんと美味しかったんですね……。どちらもコリコリとした独特な弾力があって、パラパラの炒めご飯にとっても合ってる気がします……」モグモグ

ミスティ「この豆も美味しいわ……。野菜でありながら濃厚な旨味を含有していて、この料理にとても相応しい食材となっている……」

妖精「本当に料理上手だよねえ、イリスは」モグモグ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

イリス「ふふ、褒めてもお代わりくらいしか出ないよ〜」

 ☆触手とタニシとマメのパラパラ炒飯を食べて元気になりました

 ◇
806 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/04(木) 23:44:56.17 ID:QpkMGIrO0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロシュの訓練編と伝説の剣?編から開始となります

芸術都市への旅路でいきなり出会った謎の少女リュアンちゃん。その正体は、前スレの12に答えがあります
何やらクロシュちゃんたちとはまた別方向でいろいろな課題を抱えていそうな彼女ですが、ひとまず今は同じ釜の飯を呑気に食べていられる程度には平和なようです。お嬢様でありながら旅人でもある彼女は、育ちの良さを備えつつ旅の厳しさを知る珍しい人物であるのかもしれません。今回の道連れで、クロシュ氏は彼女から何を学ぶのでしょうか(必ずしも学ばなければならないというわけではありません。気楽にいきましょう)

それでは本日もありがとうございました。次回は土曜日の更新となります。また、日曜はまだ更新できるかはっきりしていないようです。よろしくお願いいたします
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 23:48:33.52 ID:f1uscsL+o
乙乙
最初の募集キャラだいぶ登場してるな
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 00:47:30.30 ID:P9RwrKGDo
乙です
貝類にはすぐ擬態できるクロシュちゃんかわよ
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 19:53:59.03 ID:lYsW4wbX0

服装といえばフラナ氏は黒ワンピースに黒マント(光耐性付き)着てそう。
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 15:21:10.54 ID:CC8ixTyVO
勇者像漁ってたらまた来そう
811 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 16:06:09.79 ID:DS9C2klF0
言われてみれば、最初に募集したキャラクターの方々はけっこう出てきたかもしれません
まだ登場していないキャラクターもいますが、まだまだ先は長いので登場する機会はあると思います。よろしくお願いします

クロシュ氏は貝類への擬態が得意なようです。恐らく既に会得している擬態に近いものであれば、それほど難なく擬態することができるのではないかと思われます
クロシュ氏は貝類を見るのも真似るのも食べるのも好きなのかもしれません。時々カタツムリなどに擬態してもぞもぞしている姿が目撃されています

フラナ氏は普段は襟付きのワンピースを着用しているようです
以前は光耐性など不要!と耐性防具を付けずにいたが、最近は外出する際に光耐性付きのローブを着用することが増えた。これは勇者モドキのセイン氏に焼かれたことが影響しているのではないかと推測される……という記事が風雪新聞に載ったことがありました

勇者像と言えばエルダーサキュバスの影あり……かどうかはわかりませんが、彼女が今どこで何を企んでいるのかは今のところわかりません。クロシュ氏らは彼女に嫌われているわけではないので、出くわしてしまってもすぐに危ないということはなさそうですが……
812 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 16:06:35.49 ID:DS9C2klF0
―夜
 野営地

クロシュ「……」ムムム


リュアン「えと、クロシュちゃんは何をしているんですか……?」

妖精「風になりたいんだって」

リュアン「ええっ……? それって、どういう……」

妖精「比喩的な意味じゃなくて、文字通り。スライムには同化っていう力もあって……まあ簡単に言えば、物質の力を取り込んでその物質の性質を得られるの」

リュアン「え、そんな力が……! じゃあクロシュちゃんは、風を取り込んで風になろうとしてるってことですか!?」

妖精「そういうこと。流石にかなり難しいみたいだけどね」

リュアン「そうなんですね……。クロシュちゃん、がんばって……!」


クロシュ「……! んへへ……ありがと、リュアンちゃん……」


↓1コンマ
01-80 だめです[経験2/12]
81-98 霧散する[経験6/12]
99-00 風の如し[経験☆]
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/07/06(土) 16:10:24.75 ID:q2KL78z7O
814 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 17:32:58.96 ID:DS9C2klF0
クロシュ「……」ムムム

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


リュアン「わ、またスライムの姿になっちゃいました」

妖精「うーん、ちょっと限界みたい。今日はもう終わりかな」

スライムクロシュ「」デロロ…

リュアン「クロシュちゃん、お疲れさまでした。今日はもうお休みしましょう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

 ☆風経験が[2/12]になりました

 ◇
815 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 17:33:27.25 ID:DS9C2klF0
―朝
 野営地

 チュンチュン

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

リュアン「おはようございます、クロシュちゃん。疲れは取れましたか?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

妖精「元気いっぱいだってさ」

リュアン「良かったです! 今日も一日、よろしくお願いします!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 *

リュアン「それにしてもここ……草木が生い茂っててわかりにくいですけど、人工物の残骸があちこちにありますね……」

ローガン「元は村か何かだったのかもしれぬ。既に遺棄されて久しいようだが」

リュアン「どのような事情で遺棄されてしまったのでしょうか……」

妖精「人に恨みを抱いてる魔族とかに滅ぼされたのかもね。魔族たちは王国騎士団に追いやられてるけれど、ゲリラ的に活動してる奴らもけっこういるみたいだし」

エバンス「ここは主要な都市からも遠いし、一気にやられたら救援も間に合わねえだろうな……」

リュアン「……誰が、悪いんでしょうか……」

妖精「さあね。もし下手人が魔族だとしたら、魔族を迫害した王国の人間……と言いたいところだけど、例え迫害されたとしてもこんな小さな村を滅ぼして良い理由にはならない」

ミスティ「でも、王国のやり方が魔族の憎悪を育てたのも事実よ……。もちろん、村を襲って良いわけではないけれど……」

エバンス「魔族の憎悪がなけりゃこんなことにはなってねえってのはその通りな気がするな」

妖精「まあつまり、全員悪い! 等しく打ち首が妥当だね」

リュアン「ええっ……!?」

ミスティ「そ、それは流石に乱暴すぎないかしら……」

妖精「冗談だよ。まあでも、リュアンは人間以外にも差別意識とかないんだね。私やクロシュとも普通に話せるみたいだし」

リュアン「あ、はい。えと、旅に出る前はなんとなく怖い印象を持っていました。でも旅をしている内に、魔族にも良い人はいるし、人間にも悪い人はいるっていう当たり前のことに気付きまして……」

妖精「おおー偉い! 何年旅をしても気付けないアホ冒険者なんてごまんといるのに、リュアンは大したもんだよ!」

リュアン「それを言うなら、皆さんもそうです。誰も妖精さんとクロシュちゃんを変な風に扱いません」

妖精「……それは確かに。まあ、やたらお人好しが集まる変なパーティだとは思ってるけどさ」

リュアン「ふふ、冒険者って普通荒くれ者ばっかりなのに、女の子がやたら多いし実際変なパーティだとは思います。あ、もちろん良い意味でです……あれ? そういえばクロシュちゃんは?」

妖精「ん? さっきスライムの姿でモニョモニョしてたけど……」

ミスティ「イリスの姿も見ないわね……散策でもしてるのかしら?」

 *
816 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 17:34:09.92 ID:DS9C2klF0
 勇者の像「」

 地面に刺さった剣「」ゴゴゴゴゴ


スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ!

イリス「こ、これは……なんか凄そうな剣!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 デロデロ…

クロシュ「わたし……抜いてみる……!」ザッ

イリス「ええっ!? で、でも大丈夫かなあ……泥棒になっちゃうんじゃ……」

クロシュ「こういうのは持ってっていいって、妖精さんが言ってた……!」

イリス「よ、妖精さん……!」

クロシュ「……」グッ

 地面に刺さった剣「」ゴゴゴゴゴ


↓1コンマ
01-05 剣の魔王
06-35 パラサイトソードだ!
36-65 ただの錆びた剣
66-95 剣の精霊
96-00 聖剣
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 17:46:35.12 ID:sYRqESbM0
818 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 18:14:28.20 ID:DS9C2klF0
 抜き放たれた剣「」ズッ

クロシュ「――」

 剣から噴出する闇「」ゴウッ!!!!


イリス「……っ!? こ、この魔力は……!!? クロシュちゃん!!」

妖精「ちょ、ちょっと! 何があったの!? この魔力の波動は――」パタパタ

リュアン「い、一体何があったんです!?」タタタッ

エバンス「どうした!?」タタッ

ローガン「クロシュくん!? これは一体……」タタッ

ミスティ「な、何……この魔力は……!」

イリス「ご、ごめんなさい……私が、止めてれば……」


クロシュ「――」ユラッ

 デロデロ… モニョモニョ…

剣鬼クロシュ「」ズッ
 パラサイトソード「」シャキン


妖精「く、クロ――」

ローガン「来るぞ!! 構えろ!!」バッ


 ――戦闘 憑依剣鬼クロシュ――

↓1コンマ
01-10 痛恨
11-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 18:16:26.18 ID:Q+P4YrvDO
はい
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 18:19:17.26 ID:D4HrzMZcO
優勢が4割とか苦しい戦いだな(有利だったのに負けた星竜戦を思いだしつつ)
821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 18:44:09.97 ID:DS9C2klF0
剣鬼クロシュ「」フッ


イリス「えっ、消え――」

 ガギギギギンッ!!!

ローガン「ぬうううっ!!」ザザッ

剣鬼クロシュ「」シュタタンッ

 シュビビビッ
 ギギギギンッ

エバンス「くっ速すぎるッ!!」

剣鬼クロシュ「」シュバッ

ローガン「いかん! イリスくんミスティくん!!」

ミスティ「こ、氷の防壁を――」

イリス「クロシュちゃ――」

剣鬼クロシュ「」シャッ

ミスティ「!! 間に合わ――」

 光「」カッ!!

剣鬼クロシュ「!!」ビクッ シュバッ

イリス「えっ!? い、今の光は――」

リュアン「私の魔法です! 目眩ましくらいにしか使えませんけど……クロシュちゃん……!!」


剣鬼クロシュ「……」ゴゴゴゴゴ


エバンス「おいおいおいおいヤバいぞ……!! 下手すると星竜よりヤバいんじゃねえのか!!? クロシュちゃんどうしちまったんだ!!?」

妖精「……わかった、あれパラサイトソードだ……! 持ち主を乗っ取って操る魔剣……! 道具と同化できるスライムとは、相性が最悪に良かったんだ……!!」

ローガン「なんてことだ……! どうすればクロシュくんを助けられる!?」

妖精「魔剣を折るしか……でも、魔剣を折るにはとんでもない馬鹿力か竜の炎でもなきゃ……」


剣鬼クロシュ「」ゴゴゴゴ
 パラサイトソード「」シャキン
 メイドブレード「」シャキン


エバンス「二刀流、だと……」

ローガン「くっ……ならば、命に替えてでも――」ザッ

 ◇
822 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 18:45:00.25 ID:DS9C2klF0
―??

クロシュ「……」デロデロ…

魔剣「素晴らしいぞ、お前の力……! ただのスライムかと思ったら、まさかこれほどの逸材だったとは……!」ウキウキ

クロシュ「……」デロデロ…

魔剣「ククク、使いこなせていないようだから我が存分に使いこなしてやろう。貴様の体をな……!!」

クロシュ「……」デロデロ…

魔剣「ククク……フハハハ……フゥーッハッハッハ――」

 ズバッ

魔剣「ぬわっ!?」

メイ841「同胞の危機を感知。救出を行う」シャキン

魔剣「貴様……このスライムが持っていたもう一つの剣の意志か。洗練された刀身とは不似合いな珍妙な格好よ」

メイ841「時代遅れの老害剣は最先端の衣装を知らないものと推測……。クロシュ、起きて……」

クロシュ「……」デロデロ

魔剣「無駄だ。そのスライムの意志は我が完全に掌握している。後は不純物たる貴様を下すだけよ……!」シャキン

メイ841「……」

魔剣「死ねい!」シュバッ


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 18:46:05.50 ID:D4HrzMZcO
コンマ狙撃手ー!!!!はやくきてくれーっ!!!!
824 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 19:07:04.15 ID:DS9C2klF0
魔剣「どうした! その程度か!?」シャシャシャッ

 ガギンガギンッ

メイ841「敵性体の技量、極高。近接戦闘は不利」ズザザッ

魔剣「状況判断能力は優れているようだな? 大したカラクリ仕掛けよ!」シュバッ

メイ841「ジェットパック使用」ボッ

 シュゴオオオオッ(メイ841が空を飛ぶ音)

魔剣「えっ?」

メイ841「遠距離戦闘に変更。射撃開始」ジャキッ

 ズガガガガガッ

魔剣「オアアアア!!! 卑怯だぞ貴様!!? なぜ剣の癖にそのような武装を……!!!」

メイ841「メイは妖精。メイは魔導人形。メイはクロシュの友。剣は、武器の一つ」

魔剣「チイッ、剣が本質でないのか!! だが飛行は貴様の専売特許ではない!!」フワッ

メイ841「!」

魔剣「空中戦だ!!」シュビッ

メイ841「……っ! 状況……不利……」ガギギギンッ

 ◇
825 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 19:07:43.88 ID:DS9C2klF0
―野営地

剣鬼クロシュ「」シュバッ

 シュビビビッ

エバンス「くっ……! 押し負け――」ガギギギンッ

 メイドブレード「」ブンッ
 パラサイトソード「」ガギンッ

剣鬼クロシュ「!」バッ

エバンス「何っ!? 今何が――」

ローガン「クロシュくんの持ったメイドブレードが、魔剣を弾いた!?」


剣鬼クロシュ「……」
 パラサイトソード「」グググ
 メイドブレード「」グググ


妖精「違う……あれは二刀流じゃない! メイドブレードが抵抗してるんだ!」

エバンス「なにっ!?」

ローガン「そんなことが……!!」


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:09:07.52 ID:q2KL78z7O
827 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 19:45:46.34 ID:DS9C2klF0
剣鬼クロシュ「」バッ

ローガン「させん!」バッ

 ガギンガギンッ

エバンス「魔剣だか何だか知らねえが、クロシュちゃんを乗っ取るたあ許さん!!」シュバッ

 魔銀の剣「」ヒュッ

 パラサイトソード「」ガギンッ

ミスティ「ごめんなさいクロシュ、足を凍らせるわ!!」カッ

 パキパキ―

剣鬼クロシュ「!」ググッ

イリス「そこだぁ!! ちゃんと魔剣で受け止めてよ!!」カッ

 星弾「」バシュンッ

剣鬼クロシュ「!!」グッ

 パラサイトソード「」シャキッ

 ドガァンッ!!!!


剣鬼クロシュ「……」ググ

 パラサイトソード「」パキッ…


リュアン「魔剣が……少し欠けました……!!」

妖精「目に見えて動きが悪くなってる……!! 中でものすごく抵抗してるのかも! みんな、今のうちに!!」

エバンス「おう!!!」

 ◇
828 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 20:03:21.11 ID:DS9C2klF0
―??

魔剣「ぐおおっ!!」バキッ

メイ841「敵性体、現実体が損傷したものと推測。状況、好転の可能性あり」

魔剣「舐めるな……!! この程度損傷のうちに入らぬわ!!」

 *

クロシュ「」デロデロ

バーニングスライムの欠片「クロシュちゃん、大丈夫?」

クロシュ「〜〜…?」モニョニョ?

バーニングスライムの欠片「うん……あいつが少し欠けたから、ボクも少しだけ自由になれたみたい」

クロシュ「〜〜…」モニョモニョ

星竜の珠「いつまで溶けている、馬鹿者」

クロシュ「〜〜…」モニョニョ

星竜の珠「我を喰らった貴様が、あの程度の下郎に敗北するなど許さぬぞ。立て。あの妖精の剣に報いよ」

クロシュ「〜〜…!」モニョ…!

ウニ盾「……立てる?」

クロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!

ウニ盾「じゃあ、行こう……。大丈夫……背中はわたしが守るから……」

 モニョモニョ ポン!!!!

 *

魔剣「ぬおおおお!!」

 分身剣「」ヴンッ
  分身剣「」ヴンッ 分身剣「」ヴンッ
   分身剣「」ヴンッ 分身剣「」ヴンッ 分身剣「」ヴンッ

メイ841「!」

魔剣「はあ、はあ……! これが我の奥の手……最早これまでだ、妖精の残滓!!」

メイ841「……救出、続行」ジャキッ

魔剣「フッ、健気なものよ。我が分身剣に刺し貫かれて果てるが良い!!」

 分身剣たち「」シュバババババッ


メイ841「メイは……今度こそ……同胞を………助け――」


 ズババババッ
829 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 20:04:49.35 ID:DS9C2klF0
魔剣「ククク……フハハハ……フゥーハッハッ……は?」


炎ウニ魔法剣士クロシュ「……」シュタッ

 熱で両断された分身剣たち「」ボトボトボト


メイ841「……あ…」フラッ

炎ウニ魔法剣士クロシュ「……」ダキッ

妖精メイ「……えへへ……やっと……救出、成功……した……」ニコッ スゥー…

炎ウニ魔法剣士クロシュ「うん……。ありがと……」



魔剣「なにィ!!? 貴様なぜ……!? 例え多少我の身が欠けたとしても、独力で支配を脱するのは不可能な――」

炎ウニ魔法剣士クロシュ「一人じゃ……ないもん!」

 メイドブレード「」シャキンッ


魔剣「チィッ……! いいだろう、ならば我が手ずから貴様を躾けてやる!! 覚悟しろ、スライム!!!」バッ


↓1コンマ
01-90 勝利
91-00 会心
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 20:06:01.11 ID:D4HrzMZcO
……クロシュちゃん分からせだと!?
831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 20:32:08.43 ID:DS9C2klF0
魔剣「小細工なしに切り刻む!! いくぞ!!」バッ

炎ウニ魔法剣士クロシュ「!」バッ

 ギンギンギンガギンッ!!

炎ウニ魔法剣士クロシュ「!!」ズザザッ

魔剣「フハハハ!! 粋がったところで技量はやはり私の方が圧倒的に上のようだな!! このまま両手両足を落として惨めな格好に――」

炎ウニ魔法剣士クロシュ「ほのお!!!」チリッ

 カッ!!!!
 ドガアアアアンッ!!!!

魔剣「馬鹿な……炎魔法だと……」プスプス

炎ウニ魔法剣士クロシュ「」シュバッ

魔剣「だがまだだ!! 我を鍛えた炎はこの程度ではなかった!!!」シュバッ

 ギンギンギン
 ドスドスッ
 ウニ棘「」ジャキンッ

魔剣「馬鹿な……なぜ、体から棘が……」

炎ウニ魔法剣士クロシュ「……」ギラッ

魔剣「ぬおおお!! 長年雨風に晒されながら待ち続けた好機、逃してなるかァァァァ!!!!」グオオオッ

 赤熱メイドブレード「」ゴウッ

 バキャッ――


砕けた魔剣「馬鹿な……量産品如きに……この、我が……」パラパラ


炎ウニ魔法剣士クロシュ「……」
 メイドブレード「」スチャッ

 ◇
832 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 20:32:47.47 ID:DS9C2klF0
ローガン「ぬう……うおおおおおっ!!」

剣鬼クロシュ「!!」ガギインッ!!

 パラサイトソード「」クルクル


妖精「ローガンが魔剣を弾いて――」

リュアン「魔剣がクロシュちゃんの手から吹っ飛びました!!」


イリス「もう一度!! 星の力よ!!」ググググッ

 カッ
 星弾「」バシュウウウンッ!!!

 パラサイトソード「」クルクル
 星弾「」ガッ

 ドガアアアアアアアンッ!!!!


リュアン「やった!!」

イリス「まだ生きてる!!」

リュアン「ええ!?」


 ヒビが入ったパラサイトソード「」グググッ


エバンス「なんてしぶとさだ! だがクロシュちゃんの手を離れた今なら――」


 シュバッ


エバンス「えっ今のは――」


パラサイトソード「!!!!」グググググッ

炎ウニ魔法剣士クロシュ「こっちでも……終わり……!!!」ゴオオオオッ

 赤熱メイドブレード「」ゴウッ

 バキャッ――

砕け散るパラサイトソード「」


炎ウニ魔剣士クロシュ「」シュタッ
 メイドブレード「」スチャッ

 パラサイトソードの破片「」ボトボト


 ――戦闘終了――
833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 21:36:16.08 ID:DS9C2klF0
イリス「クロシュちゃん!!」タッタッタッ


炎ウニ魔法剣士クロシュ「……」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


リュアン「スライムの姿に……」

妖精「……きっと、魔剣との戦いの中でいろいろあったんだろうね」

ローガン「……クロシュちゃんは大丈夫なのか?」

妖精「うん。もう魔力も安定してるし、今は本当に疲れて眠ってるだけだと思う」

イリス「良かったぁ……。私のせいでクロシュちゃんが二度と戻らないなんてことになったら……」グスッ

エバンス「だがやるじゃねえか! どれだけ打ち合っても傷一つ付かなかった魔剣が、イリスちゃんの魔法でならダメージが入ったんだぜ!」

ミスティ「ええ……。お手柄じゃないかしら……」

イリス「えへへ、そうかな……?」

 ◇
834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 21:37:24.63 ID:DS9C2klF0
 強化ソリ「」

妖精「いろいろあったけど出発しようか」

ミスティ「ええ。みんな忘れ物はない?」


スライムクロシュ「〜〜…」モニョ

イリス「あっ、クロシュちゃん! 目を覚ましたんだね、大丈夫?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ ピョンッ

妖精「え、忘れ物?」

 *

 砕けたパラサイトソード「」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ええ……? 砕けたとはいえ危ないよ、放っておきなよこんなの……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ええっ!? ばっ馬鹿やめときなよ! お腹壊すよ!!」

リュアン「えっと……クロシュちゃんは何て?」

妖精「これ食べるって!!!」

リュアン「ええっ!?」


 砕けたパラサイトソード「!」ググッ

スライムクロシュ「〜〜」バックン モニョモニョ

 呑まれたパラサイトソード「〜〜!」ジタバタ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ

 消化されるパラサイトソード「〜〜!!」ジュワワワ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ

 ☆パラサイトソードの能力を一部吸収し、クロシュの剣技レベルが上がりました
 ☆魔法を使った経験を重ね、クロシュの魔法レベルが上がりました
 ☆同化したものとの対話により、クロシュの同化能力が向上しました

 ◇
835 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 21:50:47.65 ID:DS9C2klF0
―芸術都市ミュージアへの旅路 2日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

 ◇リュアン [旅のお嬢様]
 武:黒耀鋼のナイフ  盾:魔導障壁     飾:守りのペンダント
 武:         防:旅人のドレス   飾:


◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・氷属性の練習[2/4](ミスティ)
836 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 21:51:17.34 ID:DS9C2klF0
―王国平原 街道

 強化ソリ「」シャーッ


スライムクロシュ「」zzz

妖精「ひとまずミュージアまでの道のりは半分くらいまで来たかな?」

リュアン「はい……。この辺りで、付き人さんとはぐれちゃったんです……」

ミスティ「それなら、この先は探しながら進んだ方が良いかしら……?」

リュアン「いえ、はぐれる間際にミュージアで落ち合う約束をしたような気がします……。必死に逃げながらだったのでちょっとうろ覚えなのですが……」

妖精「うろ覚え……」

リュアン「と、とにかく今のペースのままで進んでもらって大丈夫です!」

ミスティ「わかったわ……。でももしミュージアにいなかったら……」

リュアン「その時は……なんとかします。ありがとうございます、気にかけていただいて……」

エバンス「目的地が同じなら街道から離れることもないだろうし、どのみち進めば落ち合えるさ」

リュアン「エバンスさん……」

妖精「そうだね。前向きに考えていこうよ、道は一つしかないんだから」

リュアン「はい……ありがとうございます」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
05-30 食料発見(コンマ)
31-55 物品発見(コンマ)
56-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 21:52:35.16 ID:q2KL78z7O
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 21:52:43.43 ID:voAFM/dx0
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 21:58:25.65 ID:DS9C2klF0
食べ物とアイテムを見つけたようです

↓1コンマ 見つけた食料
01-10 デカムカデ
11-20 食べられる野草
21-30 セイントレア草
31-40 ヤマイモ
41-50 オオキイタニシ
51-60 セイントレアバス
61-70 ザリガニ
71-80 コガネリンゴ
81-90 スカイマグロ
91-00 セイントレアシロガニ


↓2コンマ 見つけた道具
01-35 マジカルペンライト
36-65 風の塊
66-95 氷精の魔導書
96-00 クロシュヴィアの欠片
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 21:59:02.55 ID:sYRqESbM0
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 22:01:36.76 ID:ESpiw8sOo
842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 22:48:10.69 ID:DS9C2klF0

 川「」サラサラ

エバンス「おっ川だ! ちょっと休憩してかねえか?」

ミスティ「そうね……お昼も近いし、あの川沿いに一旦停めましょう……」

 *

 強化ソリ「」キキッ


イリス「さーて今日のお昼ご飯は〜」フンフン


エバンス「魚獲って来たぞ〜」スタスタ

イリス「はやっ!?」

エバンス「どうだ、なかなかじゃないか?」

 桶に入った数匹のセイントレアバス「」

ローガン「ほう、これはセイントレアバスか。川魚だが身には油がよく乗っていて美味い」

クロシュ「わぁ……」

イリス「じゃあ今日のお昼は簡単に焼き魚にしましょう!」

 *

 焚き火「」パチパチ

 串焼きセイントレアバス「」コンガリ

リュアン「わ……! 丸焼きです!」

イリス「凝った料理も美味しいけれど、こういう素材を生かした食べ方もこれはこれで美味しいんだよね。この前言ったことと矛盾するような気もするけど」

エバンス「流石に昼休憩でまで凝った料理を作ってたら時間がかかっちまうからな。昼は簡単に美味しく済ませるのが良い」

ミスティ「……塩をまぶしてるだけ凝ってると思うわ……。私一人だったら、塩すらかけずに単品で焼いて食べてしまうもの……」

ローガン「ミスティくんは意外と料理に無頓着だったりするのか……?」

ミスティ「そんなことはないわ……。イリスの作る料理は本当に美味しいと思うし……。ただ、自分で手間をかけて作るのが苦手なだけよ……」

イリス「ミスティを一人にするとものすごく適当な食事をし始めそうで心配かも……」

ミスティ「そんなことは……ないわ……。それにどちらかと言うとクロシュの方が、一人にしたらいい加減な食生活になりそうじゃないかしら……」

スライムクロシュ「??」モニョニョ?

イリス「そ、それは確かに……。クロシュちゃんなんでも食べちゃうからなあ……」

妖精「パラサイトソードまで食べるとは思わなかったよ……。あの後お腹は大丈夫なの?」

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「そ、そう……。変な感じがしたらすぐ言うんだよ?」

 ☆セイントレアバスの串焼きを食べてお腹いっぱいになりました
 ☆この行軍中の次の戦闘コンマに+10の補正が入ります

 ◇
843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 22:50:30.66 ID:DS9C2klF0
ミスティ「さて、腹ごしらえも済んだところで……あら? これは……」

イリス「これは……ええと、氷の魔力だよね?」

ミスティ「ええ……川上の方から……こっちに流れてくるわね……」


 川「」
 氷の塊「」ドンブラコドンブラコ


リュアン「うわわ! なんですかあれ!」

妖精「ありゃ……なんか精霊の気配がするような……」

ミスティ「気になるわね。拾ってみましょう」スッ

 *

氷の塊「んあ〜何〜?」

リュアン「喋った!?」

妖精「あなた、どこから来たの?」

氷の塊「ほえ〜? どこって、大山脈だけど〜」

ミスティ「大山脈……!? ずっと北の方じゃない……川を流れてここまで……!?」

氷の塊「ん〜? ここどこ〜?」

妖精「ここはセイントレア王国だよ。妖精が呑気にしてられる場所じゃない、さっさと帰りな」

氷の塊「うええ!? そんなとこまで来ちゃったの!?」

 バキャッ

氷妖精「あわわ、大変だ! 早く帰らなきゃ! ありがとね、起こしてくれて!!」

妖精「寝てたのか……。まあでも、本当に危ない場所だから気を付けて帰りなよ」

氷妖精「うん! あそうだ、そこのお姉さん氷属性の人だよね? 私を起こしてくれたお礼に、これあげる」スッ

 氷精の魔導書「」ポン

ミスティ「あ、ありがとう……」

氷妖精「妖精用のやつだから、人間には小さくて読みにくくてごめんね! そこの妖精に読んでもらって!」

妖精「ええ……まあいいけど……」

氷妖精「ふっふっふ、でも人間の氷魔法ってヘタクソばっかりだから、それを読んでマスターすれば一気に世界一になれるよ!」

ミスティ「そうなの……? でも妖精の魔法が私に学べるかしら……」

氷妖精「妖精用の部分は飛ばしちゃっても大丈夫! 基本的なとこは人間も妖精もたぶんおんなじだから!」

ミスティ「そ、そう……。ならありがたく頂くわね……。妖精、後で頼んでもいい……?」

妖精「うん……」

氷妖精「それじゃありがと! 縁があったらまたね〜」パタパタ

 ☆氷精の魔導書を手に入れました。自由行動で読むことができます
  効率的に氷属性の経験を積むことができます

 ◆
844 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 23:08:29.64 ID:DS9C2klF0
―夕方
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ

リュアン「いろいろありましたが、今日も皆さん全員がご無事で良かったです……」

イリス「ええ、ご無事だなんて大げさな……いや、今朝のパラサイトソードの一件を考えるとあんまり大げさじゃないかも……」

エバンス「いやあ、マジで死ぬかと思ったぞ……。単純比較はできねえが、個人的には星竜よりヤバかったぜ……」

ローガン「例え片時でも気を抜けば、盾ごと両断されて命を落としていた確信がある……。人数の上ではこちらの方が圧倒的に有利だったにも関わらずだ……」

ミスティ「あれが魔剣の力なのかしら……」

クロシュ「ご、ごめんなさい……」ショボン

エバンス「ああ、違うんだクロシュちゃん。むしろ、そんなことがあったのに全員無事で良かったぜって話なんだこれは」

ローガン「うむ……。むしろ今後の課題を教えてくれたと言っても良い。感謝するぞ」

クロシュ「うん……」

妖精「でも、魔剣と言えど宿主の身体的な限界を越えることは不可能のはずなんだよね。だから、あの時のクロシュの実力って……」

イリス「クロシュちゃんも、あれくらいの動きができるってこと!?」

クロシュ「……なんか……わたしの体、わたしより使いこなせるって、言ってた……」

ローガン「ということは……クロシュくんには、あれだけの剣の才が眠っているかもしれんのか!!」

妖精「剣技は流石に魔剣の力だろうけれど、あの異常な力や速さはクロシュのポテンシャルってことだろうね」

エバンス「おお……こりゃ将来が楽しみだな」

リュアン「そういえば、魔剣を叩き折る時の一瞬だけ見せた、あの不思議な格好のクロシュちゃんは一体何だったのですか?」

ミスティ「そういえば……剣士っぽい格好でありながら三角帽子をかぶっていたり背中にウニ盾を背負っていたりメラメラ燃えてたり、ちょっと面白い格好だったわね……」

クロシュ「んと……わかんない……。でも……みんなが、力を貸してくれたから……できたんだと、思う……」


ミュージアへの旅路2日目の夜です
↓1〜3 野営中何をする?
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:10:30.36 ID:q2KL78z7O
クロシュ、酒をガブ飲み
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:10:35.08 ID:Q+P4YrvDO
魔王図鑑の続きを読んでみる
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:12:36.08 ID:D4HrzMZcO
早速氷精の魔導書を読んでみる
848 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/06(土) 23:16:21.11 ID:DS9C2klF0
というわけで本日はここまでとなります。次回は酒飲みクロシュ編、魔王図鑑の続き編、氷精の魔導書を読んでみよう編となります

突然の強敵パラサイトソード氏との死闘に打ち克ち、クロシュさんはまた強くなりました
クロシュ氏はポテンシャルで言えばやはりすごい輝きを秘めうるのかもしれません。そして最近はその才覚をすこしづつ発揮し始めており、もはや穀潰しと言われていた過去が遥か遠い昔のことのようです。クロシュ氏の今後の活躍にご期待くださいませ

それでは本日もありがとうございました。次回ですが、明日の日曜は結局更新できそうなので更新することになりました。よろしくお願いいたします
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:36:37.76 ID:ESpiw8sOo
乙でした
ヌルっと人格ついたメイドブレードちゃん…って今まで同化したものいっぱい出てきた!
これはパラ剣オジもクロシュの家族だ!されるか?
ミスティお姉さんがさt、いや逞しさがどんどん判明していくぅ
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:47:32.17 ID:voAFM/dx0
乙です

ちょっと前から思っていたけど、クロシュちゃんすでに実力だけならパーティーで一番?
まあ知識とか常識面はまだまだ妖精さんとかのサポートが必要だろうけど
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:59:32.09 ID:N5cXJPhVO

生前?は同胞を救えず介錯するしかなかったメイさんが、今度はちゃんと救えて良かった
852 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 16:07:59.77 ID:mXFlx71k0
クロシュ氏が食べたものは、今もなおクロシュ氏の中に息づいているのかもしれません
メイドブレードさんの人格は、厳密にはメイ841氏そのものではないのですが、限りなく近いものではあるようです。彼女もまた、クロシュ氏の中で今でも生き続けているのかもしれません
ミスティさんは見た感じはクールでスマートなお姉さんですが、考え付く問題解決法が過激だったり、一人の時の食事が適当だったりと、意外な一面があるのかもしれません

クロシュ氏は実力をものすごく付けてきていますが、魔法に関してはイリスやミスティにはまだ及ばず、近接戦闘に関してはローガンやエバンスにまだ及ばないというバランスであります
しかし全ての要素を加味した総合的な実力で言えば、もしかしたらパーティいちと言えるかもしれません。もちろん知識や常識はだいぶ不足しているため、仲間がいないと危ういところはかなりあると思われます。得手不得手は上手に補い合いましょう

精核にされた同胞を砕いて介錯するしかなかった元妖精で魔導人形のメイ氏ですが、今度こそは救いたいものをちゃんと救えたのかもしれません。これからもクロシュちゃんに力を貸してあげてくれたら良いと思います
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 16:09:06.56 ID:mXFlx71k0
―夜
 野営地の外れ

クロシュ「……」トコトコ

リュアン「く、クロシュちゃん! あんまり離れすぎると、また変な剣とか抜いたら大変です……!」トテトテ

クロシュ「ん……今度は、気をつける……」

リュアン「うう……。で、でもどうしてこんなとこに来たのですか……?」

クロシュ「……いい匂いがする……」

リュアン「え……?」

クロシュ「……! これ……!」ガサッ

 朽ちた荷馬車「」ドン!

リュアン「え、ええと……暗くてよく見えません……。それは……なんですか? 何か大きいものみたいですが……」

クロシュ「あ、えと……じゃあ」チリッ

 クロシュの指先に点いた炎「」ボッ

炎クロシュ「これで、見える……?」チリチリ

リュアン「あ、はい! ありがとうございます、クロシュちゃん。すごいです、その力……!」

炎クロシュ「んへへ……。レッドちゃんの、おかげ……」

リュアン「それで……これは、荷馬車ですか……? 随分ボロボロみたいですが……」

炎クロシュ「うん……。この中から、美味しい匂いがする……」

リュアン「うーん、でもものすごく古いみたいですけど……。保存食か何かでしょうか……」

炎クロシュ「探してみる」トコトコ

 *

 ガサゴソ…
 酒樽「」ドン!!

炎クロシュ「これ……!」

リュアン「これ……樽、ですか……? 私には匂いは感じ取れません……」

 酒樽「」チャプン

炎クロシュ「おいしい水が入ってる!」

リュアン「何かの液体が入ってるのは間違いなさそうですが……」

炎クロシュ「わたしが見つけたから、わたしが飲む……!」ガシッ

 酒樽の蓋「」ポコン
 ワインの香り「」フワ〜

リュアン「うっ……こ、これお酒ですクロシュちゃん! 子供は飲めないんです!」

炎クロシュ「んへへ……スライムは、飲める……!」ガシッ グイッ

リュアン「あ、あわわ! クロシュちゃんが酒樽ごと抱えて……!!」

炎クロシュ「いただきます……」

 グビグビグビ

↓1
01-30 流石に酔った
31-90 酔わずに飲み干した
91-00 覚醒
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 16:11:06.49 ID:p/mt8FuJO
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 16:14:07.68 ID:f+39JrSoo
うわーっバミスライム!
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 16:59:09.62 ID:mXFlx71k0
 *

 酒樽「」グイッ

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ グビグビ

 酒樽「」グイッ グイッ ピチョン…

スライムクロシュ「〜〜〜♪♪♪」モニョニョニョ ケプッ

リュアン「の、飲み干しちゃった……! 自分の体よりおっきい樽の中身を……!」

 モニョモニョ ポン!

クロシュ「ん……おいしかった……」

リュアン「ほ、本当に酔ってない……。スライムってすごいなあ……」

クロシュ「……リュアンちゃんは……飲まなくて、よかったの……?」

リュアン「だ、だから人間の子供は飲めないの! お酒!」

クロシュ「んゅ……」

 ◇
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 17:10:54.43 ID:mXFlx71k0
―夜
 野営地 テント

 ランプ「」ユラユラ


 魔王図鑑「」

妖精「さて……」

ミスティ「妖精。早速だけど……あ、それを読んでたの?」

妖精「あいや、まだ読んでない。氷精の魔導書の件でしょ? いいよ、読んであげる」

ミスティ「……それなら、まずは私がその魔王図鑑のページをめくってあげるわ。妖精には読みにくいでしょう?」

妖精「いいの?」

ミスティ「ええ……。氷精の魔導書を読んでもらうのだもの、私にもそれくらいの手伝いはさせて欲しいわ……」

妖精「ありがとう。じゃあお願いしようかな」

 *

 ペラッ

「目次」
・絶望の魔王 済
・狂気の魔王 済
・暗黒の魔王 済
・虚無の魔王
・夢想の魔王
・旋律の魔王
・記憶の魔王
・雷霆の魔王
・巨樹の魔王
・海難の魔王
・吹雪の魔王
・双子の魔王
・憑霊の魔王
・永遠の魔王
・水底の魔王

 ペラッ

「虚無の魔王」
生前は、とある国の哲学者だったと言われている。
出現地域一帯に住む知性ある生命体の意識を、あらゆる意味が失われる虚無≠ノ陥れた。虚無≠ノ陥った者は、生命活動の意味をも失って衰弱死していったとされる。
しかしある日を境に、その影響及び存在が確認されなくなった。
余談だが、後に光の聖女と呼ばれる子が誕生したのもその日である。

 ペラッ

「夢想の魔王」
生前の姿は不明。
出現地域一帯に住む生命体を深い眠りの底へ陥れた。夢想の魔王に眠らされた者は、その者が望む最も幸せな夢に沈み、ほとんどは二度と目覚めることなく死亡したとされる。
最期には、とある一人の男が眠りから脱し、単身挑んで討伐を果たした。男は称賛を望まず、夢想の魔王の亡骸を抱えたまま何処かへと去っていったと伝えられている。

 ペラッ

「旋律の魔王」
生前は、一人の音楽家だったと言われている。
日夜破滅的な音波を伴う楽曲を演奏し続け、周辺一帯を破壊し尽くした。
当時の魔術師たちが総力を結集して作り上げた完全無音結界により無力化され、討伐された。

 *
858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 17:13:45.80 ID:mXFlx71k0
ミスティ「……アリシラの状態に似た魔王は見つからないわね……」

妖精「まあそんなに簡単に見つかるとも思ってないしね。ゆっくり探してくしかないよ」

ミスティ「それにしても……この『光の聖女』って、前のとこにも登場してたわね……。確か、暗黒の魔王を滅ぼした人物……」

妖精「そうみたい。この本、時系列とか関係なく適当な順番で魔王を載せてるんだなあ……。でも、魔王を滅ぼすほどの光の魔法か……」

ミスティ「……勇者に匹敵……あるいは勇者を越えるほどの規格外の人物よね……。一体何者なのかしら……」

妖精「光の聖女については私もよく知らないんだよね。私が生まれるよりももっと前の人物みたいだし、伝わってる情報も少なくてね」

ミスティ「そうなのね……」

妖精「まあとりあえず今回はこれくらいにして、氷精の魔導書を読もう」


↓1コンマ 氷精の魔導書の成果
01-80 多分理解したわ(経験4/4)
81-00 全然わからない(経験☆)
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 17:15:17.55 ID:vj+FUlTDO
はい
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 17:57:59.14 ID:mXFlx71k0
妖精「――とりあえず基礎の部分はこんな感じ。質問はある?」

ミスティ「……実践してみないと、自分が理解できたかどうかもわからないわ」スクッ

 *

―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ


イリス「え、火を出して欲しい?」

ミスティ「ええ……。いいかしら……?」

イリス「もちろん! それじゃああの枯れ草の塊を……えい!」ボッ

 燃える枯れ草「」メラメラ

ミスティ「……はっ!」カッ

 瞬時に凍る枯れ草「」キンッ!

イリス「わっ! 燃えてた枯れ草が一瞬で……!」

妖精「これ……レッドがやってたみたいな、離れた位置からの瞬間凍結!」

ミスティ「……多分、理解したわ……。熱を奪う……こういうことだったのね……」

イリス「おお……! ミスティも何かのコツを掴んだんだね、おめでとう!」

ミスティ「ええ……これなら、ブラッドにも通用するはず……!」

 ☆ミスティの氷魔法レベルが上がりました

 ◆
861 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 17:58:33.71 ID:mXFlx71k0
―芸術都市ミュージアへの旅路 3日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

 ◇リュアン [旅のお嬢様]
 武:黒耀鋼のナイフ  盾:魔導障壁     飾:守りのペンダント
 武:         防:旅人のドレス   飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・氷属性の練習[4/4] 達成!
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 18:03:04.77 ID:mXFlx71k0
―西セイントレアキャニオン

 ヒュオオオオ…

 強化ソリ「」シャーッ


 タンブルウィード「」コロコロ…

クロシュ「わあ……」

リュアン「な、何かが地面をころころと転がっていきます……!」

ローガン「あれはタンブルウィード。回転草とも呼ばれている」

妖精「ああやって転がってって、いろんなとこに種を撒いてるんだよ。植物なりの生き方の一つだね」

リュアン「植物なんですね……。不思議な草です……」

イリス「環境も変わってきましたね……。私、こういう場所に来るのは初めてです……!」

エバンス「砂漠が近いってことだな。まあこの辺はまだ過酷じゃないが」


精霊樹の鉢植え「」
  精霊樹の芽「」ピョコン!

ミスティ「精霊樹も芽が出てきたわね……。いつもお世話してくれてありがとう、妖精……」

妖精「まあ私の責任だからね、この子は……。ちゃんと面倒を見てあげてるよ」

ミスティ「でも、この先の乾燥地帯……砂漠とかにまで連れて行って大丈夫かしら……?」

妖精「私が見てあげてるから大丈夫だよ。精霊樹は妖精や精霊がそばにいてあげれば、どんな場所でも元気に育つから」

ミスティ「それなら安心だわ……」


 タンブルウィード「」コロコロ…


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-40 食料発見(コンマ)
41-60 物品発見(コンマ)
61-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 18:04:47.39 ID:p/mt8FuJO
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 18:11:42.04 ID:hG3O01lC0
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 18:33:52.39 ID:f+39JrSoo
WARNING!WARNING!WARNING!
866 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 18:35:26.46 ID:mXFlx71k0
とても大変な相手が現れましたが、まずはごはんです

↓1コンマ 見つけた食料
01-10 デカムカデ
11-20 食べられる野草
21-30 サバクイナゴ
31-40 セイントレア草
41-50 どんぐり
51-60 スナニワトリの卵
61-70 テラヌスアロエ
71-80 精霊サボテンの実
81-90 スカイマグロ
91-00 キャニオンガニ

↓2コンマ 出遭ってしまった相手
01-10 銀の長髪の魔族
11-40 誰かに似ている吸血鬼
41-70 金髪の竜人
71-00 イケメン狐獣人
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 18:36:35.02 ID:mwyr+U680
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 18:40:00.17 ID:f+39JrSoo
869 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 18:48:47.84 ID:mXFlx71k0
 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「この辺りで一旦休憩にしましょう……」

妖精「ミュージアまであと少しだね。今日の夕方には着けそうかな?」

イリス「砂漠に面した芸術都市かあ……! ふふ、やっぱり楽しみだなあ」

 *

エバンス「うーむ、この辺りじゃメシになりそうなものを探すのも一苦労だな……。諦めて保存食を食うか……?」スタスタ

クロシュ「!」ピコン!

エバンス「お、クロシュちゃん何か見つけたか?」

クロシュ「ん!」

 大きな岩「」グイッ
 岩の下に隠れていたデカムカデたち「!!」っっっ

エバンス「うぇ!? デカムカデじゃねーか!!」

クロシュ「んへへ……意外と、おいしい……」シュバッ

 *

 焚き火「」パチパチ
 焼きデカムカデ「」コンガリ
 焼きデカムカデ「」コンガリ
 焼きデカムカデ「」コンガリ

イリス「う、うう……」

ミスティ「こ、これは……」

リュアン「う、嘘ですよね……? これを食べるなんて……」

ローガン「……食用は、可能だったはずだ……。確か……」

エバンス「お、おう……。クロシュちゃんの太鼓判付きだぜ……」

妖精「うへぇ……」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

 ☆デカムカデを食べたことにより、次の戦闘コンマが+5されます(現在合計+15)

 ◇
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 19:11:30.89 ID:mXFlx71k0
―西セイントレアキャニオン

 強化ソリ「」シャーッ

リュアン「……ふう。意外と……食べようと思えた食べられるものですね……」

ミスティ「そうね……。生存力が上がったわ……」

ローガン「うむ……。選択肢が増えたのは、良いことだな……」

イリス「うーん……でも次はちゃんと調理して食べたいなあ。丸焼きじゃなくて」

妖精「え、そこ!?」

エバンス「イリスちゃんの気持ちはわかるぜ。ゲテだからこそ、気持ち良く食えるようにしたいよな」

イリス「はい!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ



エバンス「さて……あと少しとは言え、警戒は続け――ん?」


 日蝕「」スゥー…


ミスティ「えっ……? 急に暗く――」

イリス「道の先に誰か立ってる!! でも、あれ……あの魔力は……!!!」


日傘を差した吸血鬼の幼女「……」ニコッ


ローガン「なっ……あれは、フラナ氏か!? いや、髪の色が違うが――」


日傘を差した吸血鬼の幼女「……」スタスタ


リュアン「こ、こっちに来ます……!」

エバンス「何だかわからねえがヤベえ気がするぜ……!!」シャキン


 スタスタ ピタッ

日傘を差した吸血鬼の幼女「……頂戴」


イリス「え……?」


日傘を差した吸血鬼の幼女「あなたたちの血……頂戴」ニコッ

 吸血鬼の翼「」バサッ


ローガン「来るぞ!!」

ウニ剣士クロシュ「!!」シャキン


 ――遭遇戦 吸血鬼の姉 フレメア・バイオレット――


↓1コンマ(セイントレアバス+10、ムカデ+5)
01-10 痛恨
11-70 劣勢
71-95 優勢
96-00 会心
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 19:12:18.24 ID:vj+FUlTDO
はい
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 19:25:37.54 ID:f+39JrSoo
ヤベぇつよい
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 19:30:00.99 ID:r0+b9B7eO
だいたい会う相手皆格上ばかりやなあ
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 19:42:35.10 ID:mXFlx71k0
フレメア「」ヒュンッ

 ドガガガッ!!

ウニ剣士クロシュ「っ!!」

 ウニ棘「」ジャキンッ!!

フレメア「! へえ……面白い力だね」サッ

エバンス「野郎!」シャッ

フレメア「うわ……魔銀って嫌い……」ササッ

ローガン「ぬんっ!」バッ

フレメア「大の男たちが、幼子相手に大人気ないね……」ササッ

ローガン「吸血鬼の外見などアテになるか!!」バッ

フレメア「それはそう!」ガギンッ

エバンス「ぐおおっ!」ドガアッ

ローガン「エバンスくん!!」



ミスティ「くっ……動きが速すぎて狙いが……!!」

イリス「下手に撃ったら味方に当たっちゃうよ……! どうすれば……」



リュアン「あ、あわわ……クロシュちゃん……皆さん……!!」

妖精「くそ……! 太陽の光さえ届けば、私の魔法で焼いてやるのに……!!」



フレメア「ああ……乾く、乾く……!! あなたたちの血を早く飲ませて……!!」ヒュンッ


イリス「……血………?」


↓1選択
1.マジカルブラッドワインを飲む
2.マジカルブラッドワインを差し出す
3.このまま戦闘続行
4.その他
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 19:44:24.81 ID:p/mt8FuJO
2
876 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 20:39:14.79 ID:mXFlx71k0
イリス「ま、待って!!!!」


フレメア「?」

エバンス「ぐっ……イリスちゃん……?」

ローガン「何か策があるのか……?」


イリス「こ、これ……!!」

 マジカルブラッドワイン「」ポン


フレメア「……」

イリス「ち、血のお酒です! これを……差し上げます……!! だから……」

フレメア「……それ、血は入ってないやつ」

イリス「えっ……」

フレメア「薬師気取りの馬鹿吸血鬼が、非吸血鬼用に作った清涼飲料水。そんな生ゴミ差し出すとか……舐めてる?」

イリス「あっ……!」

フレメア「まあ、いいや……。貸して」ヒュンッ

 ブンッ パシッ
 グビグビ

フレメア「ふうん……。思ったよりは、マシかも……。あの馬鹿妹の割には……」グビグビ

イリス「……」

フレメア「……ん〜……でも、物足りない……。やっぱり、処女の生き血が欲しいかも……」ジッ

イリス「うっ……」



エバンス「くっ……あのガキ、ふざけやがって……!!」ググッ

ローガン「エバンスくん、無理をするな!」

エバンス「今無理しないでいつ無理すんだよ!! このままじゃイリスちゃんたちが――」



「フレメア、こんなとこで何をしているの」
877 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 20:39:45.54 ID:mXFlx71k0
イリス「えっ……?」

クロシュ「あっ……」

フレメア「……」


レイン「……」スタスタ


妖精「あ、あのサキュバスは――」

ミスティ「いつだか、勇者像の前で会った――」

ローガン「指名手配犯のレイン・フォール!!」


フレメア「どこで何してようと、私の勝手」

レイン「いいえ。私たちはこんなところで油を売っている暇はないはずよ」

フレメア「めんどくさ……。仕事ならあんたたちだけで十分」

レイン「狂気に落ちて荒野を彷徨っていたあなたを救ったのが誰か、もう忘れたの?」

フレメア「恩の押し売り? 誰も救ってくれなんて頼んでない」

レイン「むう……。とにかく、あなたの力も必要なのよ。今回の作戦の重要性はわかってるでしょ?」

フレメア「……はいはい、わかってるよ……」


イリス「え、ええと……」

ミスティ「た、助かった……のかしら……?」


レイン「……別に、あなたたちを助けたわけではないわ。急ぎの用があるから、フレメアを連れ戻しに来ただけ……」

クロシュ「……」

レイン「……命が惜しければ、今後しばらくはミュージアに近付かないことね……」

リュアン「えっ……!? そ、それってどういう――」

レイン「惜しくなければ近付いても良いわ……。行くわよ、フレメア」バサッ

フレメア「……」バサッ


ローガン「……飛んでいく……」

イリス「ま、待って! フレメアさん!! あなたは、フラナ先生の――」


フレメア「……フラナは、私の愚妹。それだけ――」バサッバサッ


 ――戦闘終了――

 ・マジカルブラッドワインを失いました

 ◇
878 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 20:40:57.11 ID:mXFlx71k0
―西セイントレアキャニオン

 強化ソリ「」シャーッ

リュアン「さっきの二人は……一体……。それに、ミュージアに近付くなって……」

イリス「フラナ先生の、お姉さん……? それに指名手配犯のレイン・フォールが、どうして一緒に……?」

エバンス「くそっ……あいつら何を企んでやがんだ……? まさか芸術祭に乗じてテロでも起こす気じゃないだろうな……」


クロシュ「……」

妖精「みんな無事だけど……スッキリしないね。せっかくもうすぐ到着なのに……」

ローガン「うむ……。いや、あれほどの強敵を相手に誰一人大きな怪我を負うこともなく生き残れたのだから喜ぶべきなのだが、彼らの言葉があまりに不穏すぎるのだ……」

ミスティ「……本当に、テロでも起こすつもりなんじゃ……。芸術都市には入らずに迂回してく……?」

妖精「いや……補給無しで砂漠に突入したら死ぬだけだし、芸術都市に立ち寄らない選択肢はない。でも、警戒は必要かもね……」


クロシュ「……」

クロシュ(レインさん……ほんとは、優しい人なのかな……?)

 ◆
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 20:44:24.05 ID:JBM/FoyTo
強敵枠は一枚岩なのか
880 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 21:36:04.91 ID:mXFlx71k0
―夕方
 芸術都市ミュージア

 ワイワイ ガヤガヤ

 奇妙な形の彫像「」デン!


芸術妖精「似顔絵描いてるよ〜。あなたの顔をかわいくデフォルメして描くよ〜」


画家「はあ、最近売れねえなあ……」カンコドリ


アイドル専門画家「アイドルの絵売ってま〜す。毎度〜」チャリン


エルフの吟遊詩人「ダークヒーローイリス……人知れずトコナツ火山を救いし闇の英雄……」ポロロン


観光客「最近のダークヒーローイリス、ダーク要素薄いな。もっとダークダークして欲しいぜ」



イリス「おお〜流石芸術都市! 出歩くだけですごく芸術に溢れてる……!」

ミスティ「ここでも妖精が商売してるわね……。大丈夫なのかしら……」

ローガン「芸術都市で最も重視されるのは芸術だ。種族の違いで扱いが変わることはあまりない……と思われる」

妖精「ウォーターポートと言いここと言い、意外と他種族に寛容な街を訪れることが多いよね」

エバンス「まあこの芸術都市自体が国境に面した街だからな。港湾都市と似た面があるのは当然かもしれないぜ」


クロシュ「リュアンちゃん……付き人さんは……?」

リュアン「えと……」キョロキョロ


「お嬢様〜!!」タッタッタッ


リュアン「!!」

メイド「お嬢様、申し訳ありません……! あなたをお守りすることができず……」

リュアン「あ、いえ大丈夫です。この人たちが、一緒に連れてきてくださいました」


クロシュ「……」ペコリ

妖精「あなたが……リュアンの付き人?」

メイド「はい! お嬢様……リュアン様をここまでお守りしていただき、本当にありがとうございました!」ペコリ

ミスティ「いえ、いいわ……。たまたま行き先が一緒だったから……」

リュアン「でも、本当にありがとうございました。私一人じゃ、きっと途方に暮れていました。この御恩は……すみません、今すぐ返すのはやっぱり難しいかもしれないのですが……」

エバンス「いやいや、大丈夫だ。元からお礼が欲しかったわけじゃないって言っただろ? 無事に付き人さんと再会できて何よりだよ」

ローガン「うむ。今後ははぐれぬよう気を付けると良い」

リュアン「皆さん……! 本当に、本当にありがとうございました! 必ずお返し致しますので、いつかまたお会いしましょう! それまで、どうかお元気で……!」

クロシュ「うん……! リュアンちゃんも、おげんきで……!」

リュアン「うん! クロシュちゃんも、元気で! がんばってね!」

 ☆お嬢様のリュアンちゃんと別れました

 ◆
881 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 22:03:59.15 ID:mXFlx71k0
―芸術都市ミュージア 滞在初日

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋、他
……………………………………………………………………………………
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 22:04:28.34 ID:mXFlx71k0
―夜
 宿泊所 絵空の家

イケメンゴーレム「イラッシャイマセ! オトマリハ6名様デヨロシイデスカ!?」ドン!

エバンス「おわっ! ゴーレム!?」

妖精「んん……? 看板があるね……」

 看板『このゴーレムは当館の受付です。仕事はちゃんとできます』

ミスティ「な、なるほどね……。主人は優秀な傀儡師なのかしら……」

イリス「でもすっごい精巧なゴーレム……芸術都市だし、彫刻家でもあるのかも……」

イケメンゴーレム「オトマリハ6名様デヨロシイデスカ!?」

ローガン「う、うむ……。それで問題ない」

イケメンゴーレム「カシコマリマシタ! オ部屋ヘゴ案内シマス!」ズンズン

クロシュ「わあ……」

妖精「書いてある通り、仕事は確かにできるみたいだね……」

 *

―絵空の家 客室

 なんかよくわからない抽象画「」
 なんかよくわからない小さな彫像「」
 やたらかわいくデフォルメされたアイドルのフィギュア「」

イリス「わあ……! お部屋の中も芸術でいっぱいだ!」

ミスティ「この絵と像が何を示すものなのか全然わからないわ……」

妖精「対照的に、このひらひらした格好の……女の子の像? はすっごいわかりやすいね……」

クロシュ「……!」ピコン

 フメイ人形「」ポン
 アリシラ人形「」ポン
 アイドルのフィギュア「」

クロシュ「んへへ……」

イリス「わあ、かわいい……!」

ミスティ「ふふ……クロシュもこういうところがあるのね」


芸術都市ミュージア滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?(疲れているため、宿から遠くへは行けません)
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 22:05:15.18 ID:mwyr+U680
フラナにフレメアについての手紙を出す
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 22:05:36.40 ID:M8B4tbUbO
ローガン、エバンス2人で酒を飲む
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 22:06:14.53 ID:GMAujKw7o
見世物小屋を覗いて見る
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/07(日) 22:19:57.28 ID:mXFlx71k0
それでは本日はここまでとなります。次回はフラナ先生へのお手紙編、ローガンとエバンスの男子会編、戦慄の見世物小屋編となります

ついに芸術都市へ到着したクロシュご一行です。途中恐ろしい吸血鬼に襲われたりもしましたが、なんとか無事に切り抜けることが出来ました
しかしどうやら、彼女らも何か良からぬことを企んでいる様子。一体芸術都市で何が起きてしまうのでしょうか。気を付けていきましょう

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 22:58:16.42 ID:JBM/FoyTo
乙乙
強敵は強敵でしたね
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 00:43:36.29 ID:Vz/DNykWo
乙でした
クロシュちゃんとレインさんは話せば敵対しなくなる…ないかなぁ
ミュージアでなにか仕掛けられそうだしチャンスないかな
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 12:17:58.20 ID:Y9pAEo5zO

フラナ師匠かなり吸血衝動抑えてたんだなって。
今は捕虜にした王国兵士から死なない程度に吸ってるのかな。
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/10(水) 19:52:55.51 ID:yyFjOYs00

フレメアさんも魔王化しかけてそう。
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/11(木) 01:55:51.60 ID:tHhwo6WE0

フレメラが「仕事ならあんたたちだけで十分」と言っているけど"あんたたち"って事はレインってフレメラ以外仲間がいるという事でいいのかな?もしかして>>866でまだ出てないキャラもレインの仲間として出たりするのかな。
892 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 10:08:41.83 ID:UUcltqwW0
強敵は本当に強い敵が出ます。現在のクロシュたちの実力では、彼らと正々堂々戦うのは少々のリスクがあります
戦闘の形式が現状コンマ任せでしかないので、もう少し戦術性のあるものにできないか少し考えています……

レイン氏は、直ちにクロシュたちと敵対する意思があるわけではないようです
しかし彼女らがミュージアで何をしようとしているのかはわかりません。気を付けましょう

フラナ氏がどこで誰の血を摂取しているのか、その真相は実のところ闇に包まれています。魔族国が王国に支配されている魔族自治区だった時代でも、フラナ氏はなぜか栄養失調には陥ることなくピンピンしていました。これは魔族国七不思議の一つとして子供たちの間でおもしろおかしい話題になっているようです

フレメア氏が魔王になりかけているかどうかはわかりませんが、レイン氏の言う事を聞く程度には理性が残っているようです
もし魔王であればとても大きな脅威なので、王国は急いで対策を練る必要があります

フレメア氏の言葉の真意がどのようなものなのか、今はまだわかりません。口ぶりからするとレイン氏の他にも人員がいるかのように聞こえます
もし彼女らの背後に何らかの危ない組織が関わっていた場合、ミュージアはとても危険な状態と言えるかもしれません
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 10:10:10.79 ID:UUcltqwW0
突然ですがここで、芸術都市在住の芸術家でクロシュたちに友好的な登場人物を一人と、芸術祭でここを訪れるセイントレア王国の王様の人物像を募集いたします
本編の更新は午後からとなります。よろしくお願いいたします


(友好的な芸術家のテンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)


(セイントレア国王のテンプレート)
【名前】(ラストネームはセイントレア)
【種族】人間
【性別】男
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(セイントレア王国の国王。過激な人間至上主義政策を推し進めている)


↓1友好的な芸術家

↓2セイントレア国王
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 10:40:26.49 ID:M0ygXKVro
【名前】レーティア・フォン・ロスチャイルド
【種族】人間
【性別】ないしょ
【年齢】ないしょ
【容姿】中性的で笑顔が素敵な白髪美人
【性格】お人好しでよく騙される正直者と思いきや結構頭はキレる。善人が好き。
【魔法】闇魔法
最近闇魔法の出力が上がっている気がする
【備考】とある大富豪一族の一人。お金や権力の闇を散々見てきたから、そんなものに染まりたくないと出奔。芸術家になる。一族からは高位の職につけと圧力が加えられている。散々見てきた真っ黒い人たちは少数派だ。人の性は善だと信じて、誰かが困るとお金を貸したり、助けたりと人の言ったことを信じて生きてきたがどうにも騙されることが多い。金持ちも貧乏人も悪性は変わらないのかとうちひしがれ、自分の心まで真っ黒に染まりそうなところを芸術に逃げることで何とか立ち止まっている。別にお金なんていくら盗られても問題じゃない。でも心が痛い。正直芸術のセンスより金稼ぎのセンスの方が高い。そのため、売れない芸術家であるのにこの街ではかなりリッチな生活をしている。
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 11:00:08.33 ID:V1AeEhkqO
【名前】アルベール・ド・セイントレア
【種族】人間
【性別】男
【年齢】45
【容姿】長身ですらりとした姿
茶髪で肩ぐらいの髪
【性格】穏やかで理知的
有事には威厳のある王として振る舞う
【魔法】炎属性のみだがかなり上位の腕前
【備考】王国(の人間)の民には優しく公平な王
王としての才覚もなかなかのもの
一方で魔族には過激かつ排他的な政策を進める
そのあまりの差には一部の側近にも不思議に思われている
王国に代々伝わる炎の魔剣を自在に扱い、個人的な武力は世界でみてもかなり上位
実はかなりの愛妻家
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 11:03:12.43 ID:Hxg0cvmmO
【名前】アダム・セイントレア
【種族】人間
【性別】男
【年齢】60
【容姿】年齢から不自然なほど乖離した若い見た目。
【性格】博愛主義で皆が幸せになることを祈っている善人(人間種のみにその愛は適用されている)
【魔法】ねじ曲がった神聖魔法
【備考】セイントレア王国の国王。過激な人間至上主義政策を推し進めている。王国が強く豊かになればその他はどうでもいいと、合理的に冷血に国家運営を行ってきた。王とは神であると強い自尊心を持ちすぎたため、ロイエ教とは関係なく自身への信仰で神聖魔法が発動するあたおか
897 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 15:51:43.32 ID:UUcltqwW0
みなさんありがとうございます。友好的な人物はレーティアさん、王様はアルベール氏となりました。今後の登場にご期待ください
898 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 15:52:08.44 ID:UUcltqwW0
―夜
 絵空の家 客室

イリス「……」カキカキ

ミスティ「手紙……フラナさんへ?」

イリス「うん。今日のこと……フレメア・バイオレットについて、聞きたくて」

ミスティ「あなたの師匠から聞いたことはなかったの?」

イリス「うん。師匠からもフラナ先生からも、フラナ先生にお姉さんがいたことについては聞いたことがなかったから」

ミスティ「……魔族国に滞在してた時も、フラナさんの家族については全く聞いたことがなかったわね。あれほどの力の持ち主なら、噂くらいにはなっていてもおかしくないと思うのだけれど……」

イリス「……あまり公にはしたくないことなのかも。だからちょっと気が引けるけど……今はあの人たちが何者なのか、手がかりが欲しいし……」

ミスティ「そうね……。それに彼女たちは、吸血鬼とエルダーサキュバス……。どちらも高位の魔族、フラナさんなら何か知っている可能性は実際あると思うわ……」

イリス「流石に魔族国は関わってないと思うけどね」

 ☆フラナへお手紙を出しました

 ◆
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 15:53:12.04 ID:UUcltqwW0
―夜
 酒場

 ジョッキ「」ドンッ

エバンス「くそぉ……俺ァ一体何の為にこのパーティに入ったんだ……」グビグビ

ローガン「エバンスくん、落ち着くんだ……。酒をそのように飲むのは……」

エバンス「俺は守れなかった!! あの村の人たちを守れなかったんだ!!! だから、だから俺は、あの人たちの忘れ形見とでも言うべきクロシュちゃんを守りたくて……!!」グビグビ

ローガン「エバンスくん、クロシュくんは無事だぞ……」

エバンス「わかってんだよ!!! それがクロシュちゃん自身が力を付けた結果だってこともよォ!!」

ローガン「う、うむ……。クロシュくんが自分で自分を守れるようになるのは、良いことではないか」

エバンス「そうだよ!! 良いことに決まってんだろ!! だが今日のザマを思い出せローガンの旦那!! 俺はクロシュちゃんを守れず、パーティの女の子たちも守れず、挙げ句の果てにイリスちゃんの機転と突然の幸運に助けられただけじゃねぇか!!」

ローガン「うむ……」

エバンス「ああいう危機にこそ俺が守れなきゃならねえってのに……!! ックショウッ……!!」ドンッ

ローガン「……」


ローガン(エバンスくんの気持ちは、私もわかる)

ローガン(私自身も、彼女らを守ると宣ってこのパーティに入ったのだから)

ローガン(そして私も彼と同様に……焦りを感じている……)

ローガン(まず、ものすごい勢いで力を付けていくクロシュくん……。剣の腕ではまだ私やエバンスくんに分があるが、単純な耐久力や同化を用いた多彩な戦術を鑑みれば、総合的な戦力は恐らく我々を凌ぐ……)

ローガン(そしてイリスくんとミスティくんもまた……。日々研鑽を怠らず、日進月歩で魔法の技量を磨いている……。イリスくんはついに星属性魔法を習得し、ミスティくんもレッドくんが使っていたような、瞬間冷凍魔法を会得した……)

ローガン(だが私は……今までに得た実力に胡座をかいたまま、先へ進めていない)

ローガン(……まあそれでも、単純な剣技や防衛術ならまだまだ他の者には負けない自信はある。身体的なポテンシャルでは若者に追いつけぬとしても、技術を授ける側としてならばまだまだ私にもやれることはある、と思う)

ローガン(そういうわけで、まずは――)


↓1コンマ
01-10 もっと飲むぞ!
11-30 娼館へ行くぞ!
31-60 帰って寝るぞ!
61-90 特訓をするぞ!
91-00 ??
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 15:57:34.60 ID:8Lh4eJCCO
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 15:58:00.59 ID:ao3tonYFO
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 16:10:15.95 ID:UUcltqwW0
ローガン「エバンスくん! 帰って寝るぞ!」スクッ

エバンス「んああ……? 俺ァまだまだ……」フラフラ

ローガン「気が弱っている時は、酒を飲んで寝る! これに勝る健康法はない!!」ドン!!

エバンス「なん、だと……」

ローガン「まずは体を休め、明日こそはクロシュくんたちを十全に守れるよう努めるのだ」

エバンス「うむむ……」

ローガン「まずは休息というわけだ。帰るぞ、エバンスくん!」ズンズン

エバンス「うおお、ま、待ってくれよォ」フラフラ

 ◆
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 16:14:16.68 ID:I6DZ9xUSo
質実剛健イケオジ
904 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 16:19:40.24 ID:UUcltqwW0
―夜
 裏通り

クロシュ「……」トコトコ

妖精「ちょっとクロシュ、曲がりなりにもここは王国の街なんだよ? こんな時間に外に出たら危ないよ」パタパタ

クロシュ「……気になる」トコトコ

妖精「気になるって、何が……」パタパタ

クロシュ「わかんない……」トコトコ

妖精「あ〜もう〜!」パタパタ

 *

 見世物小屋「」


クロシュ「……」

妖精「あれは……何かの店……?」

クロシュ「……」

妖精「中から、他の妖精の気配を感じるけど……。これ……」

クロシュ「……」トコトコ

妖精「あ、馬鹿! せめて服の内に入らせて!」ササッ モゾモゾ



クロシュ「……」トコトコ

黒服の男「待て。入場料を払いな、嬢ちゃん」スッ

クロシュ「にゅうじょうりょう……?」

黒服の男「そうだ。金は持ってるのか?」


↓1 どうしよう
1.お金を払う
2.帰るフリをしたあと光学迷彩で忍び込む
3.その他(自由安価)
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 16:20:55.80 ID:OxIGtdUT0
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 17:41:39.99 ID:UUcltqwW0
クロシュ「おかね……ない……」

黒服の男「じゃあ帰った帰った。ここは貧乏ガキの遊び場じゃねえぞ」

クロシュ「……」クルッ トコトコ

黒服の男「気ィつけて帰れよ」

 *

クロシュ「……」トコトコ

妖精「諦めたの?」ヒョコッ

クロシュ「んーん」ピタッ

妖精「……私も、あの中が気になり始めた。入るのに何か良い方法はある?」

クロシュ「うん……。妖精さん……わたしの中から、出ないでね」

妖精「え――」

光学迷彩クロシュ「……」スゥー

妖精「うわわ! 中にいる私ごと透明になった! これ、前にイリスたちが言ってたやつ!?」

光学迷彩クロシュ「うん。こーがくめーさい、だって」

妖精「なるほど……。わかった、じゃあ私は魔力の流れがなるべく自然に溶け込むよう偽装してあげる」ホワワ…

光学迷彩クロシュ「わあ……」

妖精「これでよほどの手練れでもなきゃ魔力感知もできないよ。視覚的にも魔力的にも透明ってわけ」

光学迷彩「うん……ありがと……」

妖精「早く行こう。嫌な予感がする」

 *

黒服の男「ふわあぁ……俺も帰りてェ……」

光学迷彩クロシュ「……」トコトコ

黒服の男「ん? 今何か……? いや、何もない……気のせいか……」

 *
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 17:48:30.24 ID:UUcltqwW0
―見世物小屋

 ヒソヒソ… ヒソヒソ…

光学迷彩クロシュ「」コソコソ

妖精「けっこう人が多い……ぶつからないように気を付けて」ヒソヒソ

光学迷彩クロシュ「ん」


人間の子供「ねーまだー?」
人間の母親「こら、静かに。もうすぐよ」
人間の男A「へへっ、一日の終わりに見世物小屋! 人生にゃ彩りってもんが必要だよな」
人間の男B「こんなのが人生の彩りとか、お前無様な人生歩んでんだなあ」


妖精「……これ、なんの集まりなの? 外の看板には見世物小屋とか書いてあったけど……」

光学迷彩クロシュ「……」


仮面の司会「今宵もお集まり頂きありがとうございます、紳士淑女の皆様方! 間もなく開演となります!」


妖精「なんか舞台に出てきた」

光学迷彩クロシュ「……」


仮面の司会「本日の演目は、レッサースライムと妖精のなかよしごっこ!!」


妖精「!!?」

光学迷彩クロシュ「……?」


仮面の司会「演者を務めるは、劣等種の分際で違法路上営業を行っていた愚かな羽虫と、ミュージア下水道で醜く繁殖した下劣な粘体生物の方々です!!」


羽根をピン留めされた芸術妖精「ひっ……」ガタガタ

レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ


人間の子供「わぁ〜妖精さんとスライムさんだ〜」キャッキャ
人間の母親「まぁ、汚らわしい……」ゲテゲテ
人間の男A「おっ、良いねぇ! 今日の演目は気合入ってんぜ!」ゲテゲテ
人間の男B「あの羽虫、何日か前から路上で調子乗ってて目障りだったんだよな。スカッとするわ」ゲテゲテ


妖精「!!!!」

クロシュ「……!!」


仮面の司会「それでは、演目開始です! 粘体たちの貴重な羽虫捕食シーン、とくとご覧あれ!!」


レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

ピン留め芸術妖精「や、やだぁ……」

レッサースライムたち「〜〜♡」モニョニョ モニョモニョ

 ネチョッ ベチョッ デロデロ…

ピン留め芸術妖精「いたいっ! やめてぇ! わたしなんか食べてもおいしくないよぉ!!」ジタバタ


観客たち「」ゲテゲテゲテゲテ


妖精「ふざけやがって……!!! あいつら、殺してやる……!!!」ギギギ

光学迷彩クロシュ「――」


↓1〜3多数決 クロシュはどうする
1.見ている
2.乱入する
3.自由安価
4.運命に従う(運命賽を一つ消費し、クロシュを良い運命へ導きます)
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:03:03.59 ID:I6DZ9xUSo
3
スライム語でレッサースライムを怒ってやめさせる
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:05:31.81 ID:8Lh4eJCCO
3
↑に更にスライム達に命令して妖精を救出してとんずら
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 18:43:47.25 ID:s7Oefnnf0
>>909
911 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:10:13.13 ID:UUcltqwW0
光学迷彩クロシュ「妖精さん……ちょっと、ごめんね」

妖精「へっ……? わっ!」モニョン

クロシュの体内に飲み込まれた妖精「〜〜!」モガモガ

 デロデロ…

 *

光学迷彩スライムクロシュ「」シュバッ モニョッ

レッサースライムたち『だ〜れ〜?』モニョニョ?

光学迷彩スライムクロシュ『こんばんは。わたし、クロシュ』モニョモニョ

レッサースライムたち『わあ〜。いっしょにたべる〜?』モニョモニョ

光学迷彩スライムクロシュ『んーん……。妖精さんは……おいしく、ないよ……?』モニョモニョ

レッサースライムたち『でも〜とってもおいしそうだよ〜』モニョモニョ

光学迷彩スライムクロシュ『……ここで、妖精さんを食べたら……悪い人たちの、思う壺だもん……』

レッサースライムたち『わるいひとたちって〜?』モニョニョ
レッサースライムたち『わかんない〜』モニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『んゅゅ……とにかく、だめなの!!!』モニョニョ!!!!

レッサースライムたち『んわ〜』モニョ~
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョニョ


人間の子供「止まっちゃったよ?」
人間の母親「止まったわね」
人間の男A「なんだよ、これから良いとこだったってのに!」
人間の男B「早くスカッとさせろよ」


仮面の司会「チッ、使えない奴らだ」ボソッ


ピン留め芸術妖精「ぐすっ、ひぐっ……た、たべるなら、早くしてよぉ……」

光学迷彩スライムクロシュ『この妖精さんは、連れてく。いい?』モニョモニョ

レッサースライムたち『はぁ〜い』モニョニョ
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『おなかすいた……』モニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『……わたしの体、少しあげる。それで我慢、してね……』モニョニョ プチン

 クロシュの欠片「」モニョッ

レッサースライムたち『わぁ〜ごはん〜』モニョモニョ モグモグ


仮面の司会「はい皆さん! ここで演目変更です! ここから先の演目は、観客の皆さんも参加型のレッサースライム駆除ショーでございます!!」

 ザワザワ…

人間の子供「ママ〜くじょってなに〜?」
人間の母親「はあ? 自分の手を汚すなんてありえないでしょ」
人間の男A「ん? なんだそりゃ……まあたまにはそういうのもいいか」
人間の男B「おい、それなら羽虫も駆除させろよ」

仮面の司会「ご安心ください! レッサースライムは最弱の魔物とも言われる下等生物! お子様の手でも簡単に捻り潰すことが可能です!」

 ザワザワ…
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:12:25.55 ID:UUcltqwW0
光学迷彩スライムクロシュ『わわ……大変なことになっちゃった! みんな、逃げなきゃ!』モニョモニョ!

レッサースライムたち『んえ〜? なんで〜?』モニョモニョ
レッサースライムたち『わかりましたぁ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『くろしゅちゃん、もっとたべたい……』モニョニョ…

光学迷彩スライムクロシュ『悪い人たちがわたしたちを殺そうとしてるの!! 逃げるよ!!』モニョモニョ!!


仮面の司会「まずは私がお手本をお見せ致しましょう! この最新式の魔導火炎放射器で、汚物は消毒ゥー!!!」カッ

 炎「」ゴウッ!!

レッサースライムたち『んわ〜』モニャニャ
レッサースライムたち『あつゅい〜しんじゃう〜』モニャモニャ
レッサースライムたち『おなか……』モニャ…

光学迷彩バーニングスライムクロシュ『させないもん!!』チリッ

 カッ――
 ドガァン!!!

仮面の司会「オアアアアア!!!」メラメラ

人間の子供「わあ〜! ばくはつ、ばくはつ!」キャッキャ
人間の母親「こ、これは……そういう演目なの……?」
人間の男A「お、おいおい自爆したぞあの司会!?」
人間の男B「チッ……」


光学迷彩スライムクロシュ『みんな、今のうちに!』モニョニョ

レッサースライムたち『わ〜』モニョニョ
レッサースライムたち『にげろ〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『ごはん……』モニョニョ

ピン留め芸術妖精「な、なにが起きてるの……?」

光学迷彩スライムクロシュ『針を抜くね……』モニョモニョ

芸術妖精「あ……透明な、スライムさん……!? 私を助けてくれたの……?」

光学迷彩スライムクロシュ『うん。飛べる?』モニョニョ?

芸術妖精「えと……なんて言ってるかわかんないけど、ありがと! 一緒に逃げよ!」パタパタ

光学迷彩スライムクロシュ『うん!』モニョ!

 ◇
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:14:51.83 ID:UUcltqwW0
―路地裏

レッサースライムたち『ばいば〜い』モニョニョ
レッサースライムたち『おやすみなさい〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『くろしゅちゃん、すき』モニョモニョ

マンホールに吸い込まれていくレッサースライムたち「」モニョニョニョ

スライムクロシュ『うん……みんな、元気でね……』モニョモニョ

 *

妖精「はあ……いきなり飲み込まないでよ」パタパタ

クロシュ「ごめんなさい……。でも、ああするしか……」

妖精「いや、わかってるけどさ……」

芸術妖精「あれれ? 他にも妖精がいたの?」ヒョコ

妖精「まあね。あなた、羽根は大丈夫なの? 魔封ピンで留められてたみたいだけど」

芸術妖精「まだピリピリするよぉ〜。だいぶ無理したかも……」

妖精「はあ……。堂々と人前なんかに出るからだよ。気を付けることだね」

芸術妖精「でも、芸術都市だよ? 芸術を志すのに種族なんて関係ないじゃん」

妖精「芸術都市の前にここは王国なんだよ。王国の連中の考え方は身を持ってわかったでしょ?」

芸術妖精「む〜……わかりたくなかった」

妖精「クロシュにちゃんとお礼を言ってよね。クロシュがいなかったら、あなた今頃レッサースライムたちの体の一部だよ」

芸術妖精「クロシュちゃんってこのスライムさんだよね? 本当に、ありがとね。食べられちゃうかと思っちゃった……」

クロシュ「……うん……。でも……次は、助けられないかも……。レッサースライムの子たちも……おなか、すいてたみたいだから……」

芸術妖精「自然の掟だぁ〜。でも、クロシュちゃんは掟に反してまで助けてくれたんだね……」

クロシュ「うん……。妖精さんたちのことも……好きだから……」

芸術妖精「わたしもクロシュちゃんのこと大好き!」ギュッ

妖精「こらっクロシュに抱きつくな!!」

 *

芸術妖精「とりあえず、わたしもしばらく隠れて暮らすことにするよ。今日は本当にありがとね」

クロシュ「ん……。気を付けてね……」

妖精「できればこの街からも出てった方が良いよ。フォレスティナ辺りが安全だよ」

芸術妖精「ん〜、でも芸術祭で見ておきたいものがいくつかあるんだよね〜。まあ祭が終わったら出るよ!」

妖精「呑気なやつ……。二度目は本当に助けらんないかもだから、本当に気を付けてよね」

芸術妖精「わかってるよ〜。クロシュちゃんたちも、この街のことでわかんないことがあったらなんでも聞きに来てね。わたし、絵空の家って宿屋の屋根裏に住んでるから〜」

妖精「えっ私たちが泊まってるとこだ」

芸術妖精「わあ偶然〜! あそこのご主人のご厚意で住まわせてもらってるの〜。人間だけど良い人だよ〜」

妖精「まあ……良い人間がいることはその通りだと思う、うん」

 ◆
914 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 21:17:19.29 ID:UUcltqwW0
―深夜
 裏通り

 見世物小屋「」メラメラ


金髪の竜人「……」

イケメン狐獣人「うわ、何やってんだよアンタ……。こんな目立つ真似なんかしちまってさァ……」

金髪の竜人「勘違いしないでくださいまし。わたくしではありませんわ」

イケメン狐獣人「アンタ以外に誰がいんだよ、こんな派手な燃やし方する奴が」

金髪の竜人「一瞬ですが、バーニングスライムの気配を感じましたわ」

イケメン狐獣人「はァ? バーニングスライムはとっくの昔に絶滅したんだろ?」

金髪の竜人「ですがあれは間違いなくバーニングスライムの気配でしたわ。すぐに消えてしまいましたが」

イケメン狐獣人「なんだそりゃ? 一瞬だけ蘇ってまた死んだとでも?」

金髪の竜人「さあ? ただ、その後……この建物から、光学迷彩魔法で身を隠した謎のスライムが逃げていくのが見えましたわ」

イケメン狐獣人「ふうん? んじゃそいつがバーニングスライムモドキってこと?」

金髪の竜人「くすくす……バーニングスライムの驚異的な炎の力と、高度な光魔法である光学迷彩を駆使してテロを引き起こす謎のスライム……面白くなってきたと思いませんこと?」

イケメン狐獣人「不確定要素が増えることの何が面白いのか、理解に苦しむね」

金髪の竜人「相変わらずですわね、あなたは。わたくしたちと同じく、人間を恨む同志なのかもしれませんわよ?」

イケメン狐獣人「アンタはソレが何であろうと滅茶苦茶に殺し合いがしたいだけだろ。恨みなんて毛頭ない癖に同志ヅラしてんじゃねえよ、サイコトカゲ女が」

金髪の竜人「あら、手厳しい……。同じ腹黒槍使い同士、仲良くできてると思ってましたのに」

イケメン狐獣人「アンタは腹黒じゃなくてイカレてるだけだっつーの! ったく……あと角くらい隠せよ」

金髪の竜人「あらら、ごめんあそばせ。うふふ、変化の術は不得手ですの。お狐さんと違いましてね」

 ◆
915 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:29:20.79 ID:UUcltqwW0
―芸術都市ミュージア 滞在2日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
916 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:31:00.07 ID:UUcltqwW0
―朝
 絵空の家

 チュンチュン

イリス「クロシュちゃんと妖精さん、昨晩はどこに行ってたの?」

妖精「あー、それはね……」

芸術妖精「囚われのヒロインであるわたしを助けてくれてたんだよ〜!」ヒョコッ

ミスティ「うわっ! あなたは……通りで似顔絵描きをやってた妖精……?」

芸術妖精「わあ、知ってくれてるの? その通り、似顔絵描きの妖精です。いろいろあって、クロシュちゃんに助けてもらっちゃった」

クロシュ「うん……」

イリス「な、なんかいろいろあったんだね……。お疲れさま」

 扉「」ガラッ

白髪の美人「皆さんおはようございます! うちの妖精さんがお世話になったそうで!」ズイッ

妖精「うわっ誰!?」

白髪の美人→レーティア「申し遅れました、私この宿の管理運営をさせていただいております、レーティア・フォン・ロスチャイルドと申します」ペコリ

イリス「あ、どうも! 受付のゴーレムさん、精巧ですごかったです!」

芸術妖精「ふふん、すごいでしょ! あれ私が作ったんだよ!」ドヤ

ミスティ「え、そうだったの……。すごいわね……。てっきり、宿の主人が作ったものだと……」

レーティア「私も芸術は嗜んでおりますが、腕はそれほどでもないのですよね……」

芸術妖精「レーティアはね〜。才能のある人を発掘して、活動を支援する人なんだよ〜」

レーティア「はい。アーティストの方々のおこぼれにあずかって、細々と日銭を稼がせて頂いております。本音としては、自分自身の芸術活動で生計を立てたいのですけれどね……」

イリス「ええと……パトロンみたいなもの、ですか?」

レーティア「この国の経済ではまだ馴染みが薄い概念かもしれませんが、投資家、という言い方が近いかもしれません」

妖精「投資家……聞いたことがある。海の向こうのイスファハーンでは、投資によって巨万の富を築く者たちがいるとか何とか……」

レーティア「そうそう、その投資です。まあ私のはおままごとみたいなものですけれどね」


芸術妖精「あそうだレーティア〜、わたし芸術祭のお絵かき演舞できないかも〜」

レーティア「ええっ……! あなたができないとなると……いえ、でも昨日のようなことがあったとなれば、仕方ないですね……。あなたの身の安全が第一ですから……」

芸術妖精「ごめんね〜。まあ王様って人間以外は大っ嫌いらしいし、きっとこの方が良いよね〜」

レーティア「しかし既にスケジュールには一流芸術家のお絵かき演舞が組み込まれてるんですよね……。くっ、今から代役を探して間に合うでしょうか……。かくなる上は、私自ら……いえ、王族の方々に無様な絵など見せれば私の首が……」ブツブツ


ミスティ「な、なんか大変そうね……」

イリス「投資家?っていうのもいろいろ大変なんだね……」


レーティア「どこかにフリーの超絶画力の持ち主が転がっていたりはしないでしょうか……」ブツブツ

芸術妖精「わたし並の人材なんてそうそう転がってるわけないよ〜」


クロシュ「……あの……」オズ

レーティア「ん? 君はうちの妖精を助けてくれたスライムの王子様ですよね。フフ、なんですか?」

クロシュ「わたし……絵、描ける……」

レーティア「えっ……?」

妖精「いやいやいやいや! そんなことしてる暇――いや、待てよ――」

妖精(このレーティアって奴が投資家なら、旅の資金をがっぽり稼ぐチャンスか!?)


レーティア「本当ですか? 失礼ですが、腕前の方を見させて頂いても?」

クロシュ「ん」

 *
917 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:33:40.75 ID:UUcltqwW0
 ものすごく精緻に描かれたフメイちゃんの絵「」

 ものすごく精緻に描かれたスライムの絵「」

 ものすごく精緻に描かれたカタツムリの絵「」

レーティア「こ、この技術は……!!」

芸術妖精「すごい……! 技量だけならわたしに並んで、この街でもトップクラスかも……! でも――」

レーティア「……はい。これはものすごく精緻で美しい絵なのですが……芸術という観点では、少し弱いと言わざるを得ません……」

クロシュ「!!」ガーン!!

イリス「ええっ!? こんなに綺麗なのに!?」

ミスティ「げ、芸術って……何……?」

レーティア「う〜ん……説明は難しいのですが……。その人にしか描けない、その人にしかないもの――その人が心の底から表現したいと思う、情熱の具現……とでも言いましょうか」

芸術妖精「ぱわーが弱いってこと! テクニックは凄いんだけどね」

クロシュ「ぱ、ぱわー……」

レーティア「この絵もとても精緻で美しいのですが……恐らく、うちの妖精さんも近いものを描くことはできます。これは、言ってしまえば現実の模写でしかないというか……」

妖精「わ、わけがわからない……」

レーティア「これが王族の観覧するお絵かき演舞でなければ、余裕にどうとでもなるのですが……。この国の王族は芸術の価値を無駄にわかってやがるものですから、適当なそれっぽい誤魔化しが通用しません」

イリス「芸術の価値がわかってるのって良いことなんじゃ……?」

レーティア「芸術の価値をわからない人相手の方が売りやすいんですよ。人気なもの、流行っているものと思わせられれば簡単に買ってくれますから」

芸術妖精「も〜、レーティアは芸術よりお金稼ぎの方が好きなの〜?」

レーティア「ハッ……も、もちろん芸術ですよ! お金稼ぎは副業ですからね、ハハッ……」

ミスティ「な、なんか酷い話を聞いてしまったような気がするわ……」

クロシュ「えと……とにかく、ぱわー……?」

芸術妖精「そう、ぱわー! わたしがクロシュちゃんに教えたげる! 芸術祭までに出せるようになろうね、ぱわー!」

レーティア「もしぱわーを出せるようにならなくても、ここまで精緻なものが描けるのなら王族の方々と言えど大目に見てくれるとは思いますよ。どうか気楽に臨んでください。謝礼はたっぷり用意させていただきますから」


 ☆目標「ぱわーを獲得する[0/3]」が発生しました


ミュージア滞在2日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:35:16.54 ID:OxIGtdUT0
クロシュ、酒場で情報集め
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:35:42.78 ID:TzpGp1zDO
図書館で何かパワーを獲得できるような本を探して読んでみる
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 22:37:39.03 ID:M0ygXKVro
ローガンエバンス修行編
-街の強者と手合わせ-
921 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/13(土) 22:49:08.50 ID:UUcltqwW0
それでは本日はここまでとなります。次回は酒場で情報収集編、図書館でぱわー探し編、ローガンエバンス修行編となります

いろいろありましたが峠を乗り越え、芸術妖精を救出することに成功したクロシュさんでした。あの場でレッサースライムの方々とお話をすることができたのはとても有意義なことだったかと思います。何やら暗躍する者たちもいるようですが……
そして宿屋の主人で投資家で芸術家のレーティア氏との邂逅を果たしました。ぱわーを獲得するのは難しいかもしれませんが、もし上手くいけばがっぽり稼げるかもしれません。せっかくの芸術都市ですので、芸術活動を楽しんでいっていただきたいところです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 23:04:51.38 ID:M0ygXKVro
乙乙
他の仲間の芸術レベルはそんな高くないのかね
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 00:34:35.43 ID:zxJ0Q64Co

運命賽さんそんな発動の仕方もあるのね、コンマ神何時また機嫌損ねるか分からないから無消費で切り抜けられたのは良かった
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 11:38:57.57 ID:pCHL2N9Eo
レーティアの金稼ぎ能力をクロシュがコピーできたら最強だ
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 16:16:45.39 ID:mKlN6xqD0
パーティ各位のお絵かき能力については、前スレ448辺りで判明しているようです。ぱわーを持っているかどうかはわかりません。なおエバンス氏は当時パーティにいなかったため、お絵描き能力についてもはっきりしていないようです

運命賽がけっこう余ってきたため、新しい使い方が登場しました。なお今回可決された自由安価は運命賽を使った場合とほとんど同じものだったため、実際無消費で良い運命に進むことができたと言っても良いかと思います。おめでとうございました

レーティア氏のお金稼ぎ能力は、彼女自身の知識・経験によるものも大きいため、単純な擬態でそれを真似するのは困難かと考えられます
もしレーティア氏のお金稼ぎ能力を習得したい場合は、レーティア氏と同化するのが手っ取り早いでしょう。ただし、生きている方と同化するのは様々な点から危険が伴うため、あまり推奨はできません
926 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 16:17:26.28 ID:mKlN6xqD0
―酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「……」トコトコ

妖精「なんで酒場?」パタパタ

クロシュ「情報収集と言えば、酒場……ってローガンさんが、言ってた……」

イリス「冒険者の基本だよね」

ミスティ「……前から少し思っていたのだけれど、私たちって冒険者なのかしら?」

イリス「ま、まあ冒険者じゃない? ほら、ギルドの冒険者証も持ってるし……」

妖精「私は持ってないけど」

クロシュ「わたしも……持ってない……」

イリス「……誰か一人が冒険者証を持ってればパーティとして認められるから、実質冒険者だよ!」

妖精「いやまあ、別にいいけどさ……」

ミスティ「とりあえずいろいろ聞き込みでもしてみましょうか」


↓1コンマ
01-25 とりあえず一杯
26-50 国王について
51-75 不審者について
76-00 ぱわーについて
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 16:18:48.87 ID:Lto8mMKJO
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 16:19:53.85 ID:zxJ0Q64Co
ぱわー!
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 17:12:36.27 ID:mKlN6xqD0
老画家「わしは若い頃にな――」ウンヌン

酒場の客A「まーた爺さんの昔話が始まったよ」

酒場の客B「若い頃にコンクールで特別賞を獲った話?」

酒場の客C「その後は鳴かず飛ばずなんだろ? まぐれだったんじゃねえの」

老画家「いいや、まぐれではない……。あれは、わしが真の力を発揮することのできた奇跡の――」

酒場の客A「あーあージジイの言い訳なんか聞いてたら酒が不味くなる。行こうぜ」スタスタ



老画家「……」

クロシュ「……」トコトコ

老画家「なんじゃ。ここはお主のような小童が来る場所ではない……」

クロシュ「わたし……お酒、飲める……。スライムだから……」

老画家「なんと、スライムの子じゃったか……。しかしそれは言いふらさない方が良いじゃろう……」

クロシュ「うん……」

老画家「わしが若い頃は……今よりも、人と魔の関係はもう少し良かったんじゃが……おっと、すまぬ……。昔話など面白くもなかろう……」

クロシュ「んーん……。おじいさんのお話……聞きたい……」

老画家「ほう……! では、わしが若い頃……たった一枚だけ描けた、奇跡の一枚の話をしてあげよう……」

 *

老画家「わしは今でも……あの絵が、限りなく真に迫った奇跡の一枚であったと確信しておる……。しかし……あれ以降、さっぱりそのような絵を描けなくなってしまったのじゃ……」

クロシュ「どうして……?」

老画家「情けない話じゃが……あの一枚に、わしの内なる力のほとんどを注ぎ尽くしてしまったのじゃろう……。真に才ある者であれば、注いだとて自身の内なる力をも失うことはないのかもしれぬが……結局のところわしは、たった一枚の奇跡を起こすことしかできなかった、凡人だったのじゃ……」

クロシュ「ちから……。ぱわー……?」

老画家「そういう言い方もあるじゃろう……」

クロシュ「なくなっちゃったの……?」

老画家「うむ……。ときにお嬢ちゃんは、芸は嗜むのかい?」

クロシュ「うん……。絵、描く……」

老画家「ほう……」

クロシュ「わたしも、ぱわーを出せるようになりたい……」

老画家「……芸術とは、芸術を成そうとして成すものではない……内なる意思に従って創り上げたもの――その結果が、芸術になるのじゃ……」

クロシュ「……???」

老画家「つまり……お嬢さん自身が、描きたいものを描けば良いのじゃよ」

クロシュ「わたしが……?」

老画家「そうじゃ。素晴らしいものを創り上げたいとか、富や名声を得たいといった我欲に囚われず……気の赴くまま、思うままに描くのじゃ。お嬢さん自身が見たいもの、描きたいもの、願い、祈りを……絵に、込めるのじゃ……」

クロシュ「……」


↓1コンマ
01-60 うん  [ぱわー1/3]
61-90 わかった[ぱわー2/3]
91-00 !   [ぱわー☆]
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 17:17:11.26 ID:tpJSp9Yc0
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 17:17:31.06 ID:pCHL2N9Eo
芸術王
932 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 18:13:53.57 ID:mKlN6xqD0
クロシュ「うん……」

老画家「……ふっ……などと偉そうなことを言ってみたが、所詮は凡なる老いぼれの戯言じゃ……。わからぬ、合わぬと感じたら聞き流してくれ……」

クロシュ「んーん……。ありがと……。考えてみる……」

 ☆クロシュのぱわーが[1/3]になりました

 ◆
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 18:14:26.27 ID:mKlN6xqD0
―絵空の家

クロシュ「――っていう話、聞いた……」

芸術妖精「へえ〜誰だろそのお爺ちゃん?」

レーティア「若い頃に一度だけ賞を取った老画家……ローガさんかな?」

芸術妖精「あ〜ローガの奴か〜! あいつの受賞作は本当に奇跡の一枚だよ! わたしもあの時は心の底から悔しさと敬意を覚えたなあ……」

レーティア「だからこそ再起を望まれていたのですが……結局その後、彼が画家として名を馳せることはありませんでした……。芸術の道とは時に残酷なのですね……」

芸術妖精「まだ死んでないよ! わたしは今でも再起したローガと競い合う日を楽しみにしてんだよ!」

レーティア「おっと、これは失礼しました……。でも今は、目の前の悩める画家の卵を導いてあげるのが先決ですよ」

芸術妖精「そうだね〜。それじゃあ今度は、わたしと一緒に図書館にでも行ってみよっかクロシュちゃん!」

クロシュ「図書館……?」

レーティア「あなたが教えてあげた方が早いんじゃないですか?」

芸術妖精「言いたいことも言語化できなかったことも全部ローガに言われちゃったもん!」

レーティア「なるほど……」

 ◇

―図書館

妖精「今度は図書館?」パタパタ

芸術妖精「うん。ここには芸術に関するいろんな本があるからね〜。多分ぱわーの手がかりもあるんじゃないかなあ〜」

ミスティ「曖昧ね……」

イリス「あ、初心者向けの本もあるよ。私もちょっと読んでみようかな?」

妖精「ふうん……あ、これ氷魔法を使った氷像の本だよ。ミスティも読んでみたら?」

ミスティ「氷像……せっかくだし読んでみようかしら……」


芸術妖精「ふふふ、みんな芸術に興味持ってくれてるね〜」

クロシュ「うん……」


↓1コンマ
01-60 勉強した[ぱわー2/3]
61-90 理解した[ぱわー3/3]
91-00 !   [ぱわー☆]
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 18:15:41.56 ID:9llfPP9DO
はい
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 18:16:19.31 ID:4RlZrYHg0
芸術
936 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 19:08:05.49 ID:mKlN6xqD0
 ペラッ ペラッ

ミスティ(ウサギ……クマ……白鳥……。剣とか槍みたいに、戦いに丁度良さそうな形の例はないかしら……)


 ペラッ ペラッ

イリス(……人体の……骨格が……筋肉が……こうなってて……うわああああどこが初心者向けなのこれ!!?)グルグル


 ペラッ ペラッ

 芸術の本『芸術とはカクカクシカジカウンヌンカンヌン〜』

クロシュ「んゅゅ……」グルグル

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

芸術妖精「あわわ、クロシュちゃんが溶けちゃった!」

妖精「難しすぎたんだよ! ああもうこんなとこで溶けちゃだめだよバカクロシュ!」ペシペシ

スライムクロシュ「」デロロロ…

 ☆クロシュのぱわーが[2/3]になりました

 ◆
937 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 19:08:47.38 ID:mKlN6xqD0
―芸術都市ミュージア
 大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「さーて、クロシュちゃんたちは芸術活動で忙しいみたいだし――」

ローガン「うむ。我々は修行を行おう」

エバンス「おう! つっても……この街で修行できそうなとこなんてあるのか?」

ローガン「戦の場とは、しばしば芸術の題材となる。戦に身を投じる者たちもまた。ならば、この街に戦いを芸術とする者がいても不思議ではないと思わないか?」

エバンス「そ、そういうもんか……? まあ理屈はわからなくもないが……」

ローガン「まずはこの街の強者について聞いてみよう」


↓1コンマ
01-05 あら、戦をお求めですの?
06-35 パペットマスター
36-65 剣の踊り手
66-95 芸術的筋肉
96-00 オリハルスライム
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:10:23.53 ID:Lto8mMKJO
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:10:43.16 ID:zJNn1GQ8O
はい
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 19:16:30.81 ID:KmvJg2VOO
修行中うっかり殺してきそうな奴が紛れてるぅ
941 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:00:09.48 ID:mKlN6xqD0
町人A「この街で戦える人? それなら踊り子の剣舞姉妹だろう」

町人B「美人で華麗な姉に、小悪魔的可愛さで挑発的な妹! 俺はアイドルよりもあの姉妹のファンだぜ!」

町人C「おじさんたちストーカー? キモ……」

 *

エバンス「おじさん扱いされた上にストーカーかと思われたぞ……」

ローガン「仕方あるまい……。若い子たちからすれば、大人の男は皆おじさんなのだ……」

エバンス「嘘だろ……」

ローガン「とにかく所在は掴めた。今は町外れの空き地で練習しているらしい。突撃するぞ!」

エバンス「……いやでも、ストーカーってのはあながち間違ってない気がしてきたぞ……」

ローガン「気にしてはならん! これも修行の一環だ!」

 *
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:03:32.24 ID:mKlN6xqD0
―町外れの空き地

剣舞妹「くるくるくる、ターン!」クルクルクル ターン!

剣舞姉「良い調子よ。このまま続けていきましょう」

剣舞妹「当然! アイドルとかいうチャラチャラした奴らになんて絶対負けないんだから!」

剣舞姉「ええ。あんな、未熟を売りにするような奴らに負けてたまるもんですか」

剣舞妹「戦いでも、芸術でも、あたしたちがテッペンを取る!」


ローガン「ならば手合わせ願おう、剣舞の姉妹よ」スタスタ

エバンス(いや、これ完全に不審者じゃねえか俺たち!?)スタスタ


剣舞妹「え、誰おじさんたち……」

剣舞姉「……最近多いのよね。あなたみたいな勘違い男」


ローガン「誤解だ。私たちは貴女がたの剣の腕を聞いて、是非とも剣を交えたいと思ってここに来ただけだ」

エバンス「お、おう! 他意はない!」


剣舞姉「交えたいのは剣だけではないのでしょう? 見え見えなのよ、下心が」シャキン

剣舞妹「見た感じ冒険者? なら突然行方不明になるのも不思議じゃないよね?」シャキン


ローガン「待て、落ち着くんだ! 本当に我々は――」

剣舞姉「しつこい! 問答無用よ!!」シュバッ

エバンス「うおお!? もうやるしかねえじゃねえか!!」シャキンッ


↓1コンマ
01-40 敗北
41-95 勝利
96-00 ??
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:06:28.10 ID:tpJSp9Yc0
944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:27:20.72 ID:mKlN6xqD0
 キンキンキンッ ガギンッ

ローガン「ま、待ってくれ! 本当に我々は――」

剣舞妹「いつまでその設定にこだわってんの? 馬鹿じゃないの? 死ね!」クルンクルン シャッ

ローガン(この踊りを混じえた剣技……読めぬ!! このままでは――)



エバンス(や、やべえ……こっちは怪我をさせないよう気を遣ってるのに、相手は完全に殺す気で来てる!! 手加減したままじゃ――)

剣舞姉「隙だらけよ!」シャッ

エバンス「おあああああ!!!?」

 *

ローガン(正座)「」

エバンス(正座)「」

剣舞姉「……剣を通して、あなたたちが本当に手合わせに来ただけだということは、なんとなくわかりました……」

剣舞妹「紛らわしいんだよ、もう……。危うく本当に殺しちゃうとこだったじゃん……」

ローガン(正座)「申し訳ない……」

エバンス(正座)「返す言葉もねえ……」

剣舞姉「……力を付けようと焦る気持ちは、わかります。もし良ければ、私たちと一緒に剣舞の練習でもしていきますか?」

剣舞妹「ええ!? お姉ちゃん正気!?」

剣舞姉「……この人たち、私たちを傷付けないようにとても慎重に剣を振るっていたのよ。本気で殺り合っていたら、多分負けていたのは私たちの方……」

剣舞妹「うっ……それはまあ……」

剣舞姉「たまには外部の剣技を見聞きしてみるのも良いかもしれないわ」

剣舞妹「……わかったよ」

 *

剣舞姉「そう、そこでターン!」

ローガン「むむっ……ターン!!」ターンッ!


剣舞妹「ここでの振り方は、もっと円を描くように!」

エバンス「こ、こうか……!?」シャッ


 ☆ローガンとエバンスが剣技経験点が[1/4]になりました

 ◆
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:45:45.94 ID:mKlN6xqD0
―芸術都市ミュージア 滞在3日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]
・ぱわー[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・剣技を磨く[1/4](ローガン)
・剣技を磨く[1/4](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:48:09.02 ID:mKlN6xqD0
―朝
 絵空の家 アトリエ


 キャンバス「」

クロシュ「……」カキカキ

 ものすごく精緻に描かれたかっこいいフメイちゃんの絵「」チリチリ

 ものすごく精緻に描かれたデロデロなスライムの絵「」デロデロ

 ものすごく精緻に描かれたヌルヌルなカタツムリの絵「」ヌルヌル


芸術妖精「わ、わ……! たった一日で、絵から染み出るぱわーがかなり上がってる……!」

イリス「なんでかわかんないけど、私にもわかるよ……! 昨日の絵も綺麗だったけど、今回の絵は迫力が違うっていうか……!」

ミスティ「い、一体この差は何なのかしら……?」

妖精「これが……芸術の力……!」

レーティア「クロシュちゃんの中で『描きたいもの』とか『見せたいもの』が定まってきたのかもしれませんね。もちろん私はクロシュちゃん本人ではないので、はっきりしたことは言えないのですが。それにしても素晴らしい成長速度です……! 一生かかってもそこまで辿り着けない者も多いのに」

芸術妖精「でももう一息! もう一息欲しい!」

レーティア「もう十分では……? これだけのものが描ければ、王族の方々も満足されるかと――」

芸術妖精「そんなのどうでもいいの! わたしは見てみたいんだよ!! クロシュちゃんが心の底から描く、クロシュちゃん自身の絵を!!!」

レーティア「……!」ハッ


クロシュ「わたし自身の、絵……」

妖精「なんかわかんないけどすごい期待されてるみたいだよ、クロシュ」


ミュージア滞在3日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:49:00.13 ID:zJNn1GQ8O
ローガンエバンス修行のため少し難しめの討伐クエストにいどむ
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:49:04.38 ID:Lto8mMKJO
工芸店を覗いてみる
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:50:42.09 ID:9llfPP9DO
クロシュ
自分が何を描きたいのか自問自答する
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/14(日) 20:56:18.14 ID:mKlN6xqD0
少し早いですが、急用が入ってしまったため本日はここまでです。次回はローガンエバンス武者修行part2編、工芸店を覗いてみよう編、クロシュの自問自答編となります

芸術とは何か? 実際のところ、よくわかりません。>>1もよくわからないものをよくわからないまま書いているらしいです。そういうわけで、このスレの登場人物たちが言っている芸術論などはあまり鵜呑みにしない方が良いかもしれません。皆、好き勝手に自分の定義する芸術を語っているだけなのです。もしそれでも、何かしら彼らの言葉の中に参考になりそうな部分がありましたら、それはとても幸いなことかもしれません。クロシュちゃんも、自分の描きたいものが描けると楽しいと思います

そして武者修行を始めたローガンさんとエバンスくんの二人組です。今回は惜しくも敗れてしまいましたが、美人姉妹に踊りの手ほどきを受けるなど、割と充実した時間を過ごせているようです。今後の彼らの活躍にも是非ご期待くださいませ

それでは本日もありがとうございました。明日も祝日なので、多分更新できると思います。よろしくお願いいたします
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:28:26.07 ID:zxJ0Q64Co
おつおつ
老画家おじいちゃん、真に迫ってるなぁ。レーティアさんとお話したら色々よさそうだが
ストーカーオジたちズは切り捨てられなくてよかったねw
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:54:54.37 ID:tpJSp9Yc0

酒場の女王クロシュの爆誕にはならなかったか・・・
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 12:17:38.48 ID:IsS2qb1EO

吸血鬼は魔族では割と上位なのか
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:06:10.26 ID:yo8YBSH5O
オリハルスライムが気になるわ
955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 15:51:06.43 ID:biT3SkuF0
老画家氏は才能が枯れてしまっており、レーティア氏もそんな再起できるかもわからない老人に投資するほどの余裕はないのかもしれません
ローガン氏とエバンス氏は不審者でしたが、剣を通して誠意が伝わったようです

ミュージアは王国の街なので、見た目幼女のクロシュ氏がぐびぐび酒を飲むのはちょっと危ないかもしれません。先日の見世物小屋での一件からもわかるとおり、芸術都市と言えど人間以外の種族への差別感情はどうやら根強くあるらしく、もしスライムであることがバレたら面倒なことになる可能性があります
非人間への差別は、人間の形から離れれば離れるほど大きくなりやすい傾向があります。王国でもエルフなどはそこそこ嫌われていませんが、体の小さい妖精や獣耳がフサフサな獣人などはもう嫌われやすくなってしまうようです。そしてデロデロなスライムは、知性ある種族の一員として扱われず、虫や獣などと同列の存在として見られてしまうかもしれません

吸血鬼は魔族の中ではとても強い方であると言われています。たいていの吸血鬼は、膂力、魔力、敏捷性、どれを取っても極めて高いポテンシャルを誇り、その力強さから支配階級である場合も多いようです。ただし光や流水、銀製品などの弱点も多いため、吸血鬼を討伐する人間の英雄譚もまた多く謳われています。

オリハルスライムとは、体組成に希少金属であるオリハルコンを含有しているとても珍しいスライムです。その特徴から極めて高い耐久力を持ち、並大抵の攻撃では傷一つ付かないと言われています
オリハルスライムを打ち負かした者は、莫大な力と経験を授けられるという迷信があります。この迷信は冒険者の間に根強く広まっており、オリハルスライムを見かけると喜び勇んで打ち倒しに行く者が後を絶ちません。しかし実際にオリハルスライムを討伐したという報告が上がることは滅多になく、上がった場合でもただのホラ話であることが多いようです
956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 15:51:36.47 ID:biT3SkuF0
―冒険者ギルド ミュージア支部

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「今日はここで強敵を探そう」

エバンス「おう。人間の強敵を探すよりも楽そうだ」

ローガン「うむ……剣舞の稽古も、良い経験にはなったがな……」

エバンス「……まあ、そうだな」

 *

受付嬢「はい、冒険者証を確認させていただきました」

エバンス「俺たちのランクで受けられる討伐依頼にはどんなのがある?」

受付嬢「エバンスさんとローガンさんは討伐実績もそこそこありますので、現在出ている討伐依頼であれば全て受注可能ですね。こちらなどいかがでしょう?」スッ


↓1コンマ
01-05 ギロチンガニ
06-35 天然イワゴーレム
36-65 死喰い鳥
66-95 キャニオンウルフの群れ
96-00 オリハルスライム
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:58:46.79 ID:1VZiJtqA0
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 15:59:08.46 ID:1cIZXyWDo
(クエスト開始の笛の音)
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 16:16:01.50 ID:biT3SkuF0
 討伐依頼「キャニオンウルフの群れ 報酬:中」

ローガン「ほう、キャニオンウルフか」

受付嬢「はい。郊外のサボテン農場を荒らす厄介な群れが居着いてしまったそうです」

エバンス「そりゃ事だな。よし、受けよう!」

受付嬢「ありがとうございます!」

 受注印「」ポン!

 ◇

―芸術都市郊外 サボテン農場

サボテン農家「おお、来てくれたか! 頼むよ、あいつらのせいでうちのサボテンたちが大打撃なんだ!」

ローガン「彼らはいつも、どこからどのように攻めてくる?」

サボテン農家「初めは夜間のうちにひっそりサボテンの実を食らっていたようなんだが……ここ最近は白昼堂々来やがるんだ! 群れのボスがこれまたでかいやつでよお……」

 アオォーーン…

サボテン農家「うあああ!! き、来た! 来やがった!! 頼みますよ、冒険者のお兄さん方……!!」

エバンス「……! おう、任せろ!! ここのサボテンは俺たちが守ってやるぜ!!」

ローガン(フッ……エバンスくん、張り切っているな!)

 *

キャニオンウルフの群れ「ハッハッハッ……ワン! ワン! グルルル……!」ジリジリ


エバンス「お出ましだな……! ケモノ肉にしてやるぜ!」シャキン!

ローガン「数が多い。個々の力は弱くとも油断はできん」シャキン

エバンス「わかってるぜ! 行くぞオオカミども!」シュバッ


 ――戦闘開始 キャニオンウルフの群れ――


↓1コンマ
01-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 会心
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:16:48.67 ID:t1M0JbjkO
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:17:01.62 ID:0h5qtS1l0
えい
962 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 16:25:58.82 ID:biT3SkuF0
エバンス「オラァ!」シャッ

キャニオンウルフA「キャン!!」ズバッ

キャニオンウルフB「ガウッ!!」バッ

エバンス「見えてるぞ!」シュビッ

キャニオンウルフB「キャウン!!」ズバァ

キャニオンウルフC「グルルル……ガウッ!!」バッ

ローガン「させん!」バッ ドガッ

キャニオンウルフC「キャオオン!!」ドテッ



サボテン農家「おお、あの忌々しいオオカミどもが!! いいぞ、やれえ! 犬どもを三枚おろしにしちまってくだせえーッ!!」


「グルルル……」ゴゴゴゴゴ


サボテン農家「ひえっ……こ、この気配は……まさか!!」


キャニオンウルフの長「……」ザッザッザッ


サボテン農家「うわあああああ!!! 出たァアァァアア!!! お、おしまいだァ……!! あいつが来たら、あの兄さん方だって……!!」ガクブル



エバンス「だあもう! 調子が良いんだか悪いんだかわからん依頼主だ!」

ローガン「しかしあれは恐らく群れのボス……! 他の個体とは明らかに雰囲気が違う、気を付けていくぞ!」


キャニオンウルフの長「グルルル……ワオオオオンッ!!」


↓1コンマ
01-10 痛恨
11-40 劣勢
41-00 勝利
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 16:27:50.65 ID:0YmAA/zvO
勝利6割。油断できない。
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 17:30:52.12 ID:biT3SkuF0
キャニオンウルフの長「」シャッ

 ドガガッ!!

ローガン「速い!」ガガッ

エバンス「だが俺たちも!」バッ

キャニオンウルフたち「ワオンワオン!!」シュババッ

エバンス「何ィ!? こいつら……!!」ガガッ

ローガン「ボスの登場で士気が上がったのか!? エバンスくん!」

エバンス「ああ! 切り崩す!」コオオオッ

 土塊「」ドンッ!!

キャニオンウルフたち「キャオン!?」

ローガン「貫け!」カッ

 鋼の槍の雨「」シュババババッ

キャニオンウルフたち「キャオオオンッ!!」グサグサッ


サボテン農家「おおおお!!! ボス以外の雑兵は皆殺しだァァァァ!!!」


キャニオンウルフの長「ガウウウッ!!!」シュバッ

エバンス「急いたな! そこだ!!」ヒュッ
 魔銀の剣「」シャッ

 ズバァッ!!

キャニオンウルフの長「ガ……ぐ、ぐる、る……」ググッ…

ローガン「部下をやられて怒りで我を忘れたか……。情に厚き獣よ……」スタスタ

キャニオンウルフの長「ぐる、るる……!!!」ギロッ

ローガン「すまぬが、これも戦の定めなのだ。部下たちの後を追うが良い――」

 ザシュッ―

 ――戦闘終了――
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 17:31:55.86 ID:biT3SkuF0
―冒険者ギルド ミュージア支部

受付嬢「依頼達成おめでとうございます! こちら、報酬になります!」

 金袋「」チャリン

ローガン「うむ。確かに受け取った」

受付嬢「お仕事をお探しの時はまたいつでもどうぞ!」

エバンス「おう……」

 *

―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「ふう……。お疲れ様だ、エバンスくん」

エバンス「おう……。ローガンの旦那も、お疲れ……」

ローガン「浮かない顔だな」

エバンス「いや……そんなことねえよ」

ローガン「そうか?」

エバンス「……」

ローガン「……」

エバンス「……いや……そんなこと、あるな……」

ローガン「そうか」

エバンス「ああ……。前だったら……こんな獣退治なんかしても、何も感じなかったのにな……」

ローガン「それは……」

エバンス「……クロシュちゃんたちと一緒に来て、スライムの生き方とか、妖精の昔話とかを聞いたりしたせいかさ……。ああいうオオカミたちも俺たちと同じで、今を必死に生きてる奴らなんだって、わかるようになっちまったっつーか……」

ローガン「うむ……」

エバンス「わかってるよ。だからって情けなんかかけたら、俺たち人間の生活が危なくなる。畑を荒らしたんだから、退治されんのは自然の成り行きだ」

ローガン「そうだな。これも、生存競争の一つだ」

エバンス「ああ……。ったく、二十歳を越えていっぱしの傭兵を気取ってたつもりなんだがな……。俺、まだこんなに青臭かったのか……」

ローガン「戦士には不要どころか、持っていない方が良い感覚だろうな。戦場で、敵の生に思いを馳せてしまうなど」

エバンス「だよなあ……。はあ、こんなんでやっていけんのかな俺……」

ローガン「だが他者と共に生きていくなら、決して失ってはならぬ感覚でもある……と私は思う」

エバンス「……」

ローガン「フッ……それに恐らく我がパーティの女性陣は、そういう優しさを持った人物の方が好みであると思うぞ」

エバンス「ははっ、そうかもな」

 ☆ローガンとエバンスの剣技経験点が[3/4]になりました
 ☆ほどほどの収入を得ました

 ◆
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 18:14:26.08 ID:biT3SkuF0
―工芸店

 カランカラン


 木彫りのマグロ「」

 美しい意匠の木製チェスト「」

 ガラス細工のザリガニ「」

 お洒落なランプ「」

 テントウムシのブローチ「」


イリス「わあ……!」

芸術妖精「ここでは最高の技術力を持った職人たちの工芸品を扱ってるんだよ〜」

ミスティ「おしゃれなインテリアからかわいい装飾品まで、色とりどりね……」

妖精「クロシュ……一人で大丈夫かな……」

芸術妖精「大丈夫だよ! 一人で考えたいって言ったのはクロシュちゃんだし、自分自身を見つめるには一人の方が良い時もあるもん!」

妖精「そうだけど……思い詰めすぎてデロデロに溶けてないかなあ……」

芸術妖精「あはは、そうなったらそれもまた芸術だよ! 前にも後ろにも進めなくなってデロデロになるなんて芸術家にとっては日常茶飯事!」

ミスティ「そういうものなの……」

イリス「芸術家って難しいんだなあ……」


↓1自由安価 何か買う?
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 18:23:18.97 ID:IsS2qb1EO
ザリガニ
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 19:47:50.46 ID:biT3SkuF0
 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ

イリス「これは……ガラスのザリガニ……!!」

芸術妖精「見事な一品! ガラスでここまで精巧に美しいザリガニを創り上げるなんて、この職人はタダ者じゃない!」

ミスティ「でも本当にすごく綺麗……。それに、今にも動き出しそうな気迫を感じるわ……。これも、ぱわーというやつなの……?」

芸術妖精「そうだね! こういうお土産屋で売る商品はぱわーを控えめに抑えられることが多いんだけど、これは全くそんな手心を加えてる様子がない。真のザリガニを創り上げようっていう強烈な熱意が籠もってる……!」

妖精「すごいな……。でも、そんな大切なものを売り物にしちゃって良いの?」

芸術妖精「芸術家にもいろんなタイプの人がいるんだよ。自分の出来上がった作品に何の興味も関心も抱けない人とかさ。これの作者もそういう人なのかも」

ミスティ「ええ……? どういうこと……?」

芸術妖精「創ってる最中は、何よりもその作品に情熱を注いでるんだよ。でも出来上がった途端にどうでもよくなっちゃうんだってさ。作品そのものじゃなくて、作る過程に意味を見出してるのかもね」

妖精「全く理解できない……」


 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ

イリス「……これ、微かに川の魔力を感じる……。見た目だけじゃない、魔力的にもザリガニに迫ろうとしてるんだ……!」

妖精「ほ、本当だ……。並々ならぬこだわりを感じる……」

イリス「そして川の魔力と言えば……」ゴソゴソ

 ザリガニのお守り「」ポン!

ミスティ「それは……魔族国の工芸店で買ったザリガニのお守り!」

イリス「うん……。なんだか、とても偶然とは思えないんだよね」

妖精「いや、偶然だと思う……」

イリス「もー! 妖精さんは運命ってやつがわかってないなあ!」

妖精「ええ……」

イリス「というわけで、私買うね! このザリガニ細工!」

芸術妖精「おおー!」パチパチ

 ☆ガラス細工のザリガニを購入しました

 ◆
969 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 19:49:13.09 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 アトリエ

クロシュ「……」

 真っ白なキャンバス「」

クロシュ「……」


クロシュ(わたしが……描きたいもの……)

クロシュ(フメイちゃん……スライム……カタツムリさん……これも、わたしが描きたくて描いたもの……。でも……あのおじいさんが言ってたのとは、少し違う気もする……)

クロシュ(描きたいもの……)

クロシュ(わたしの、見たい景色……。願い……祈り……)

クロシュ(わたしは――――)


↓1コンマ
01-10 全てが溶け合った世界(??)
11-50 あの日に帰りたい……(望郷)
51-90 みんなと、一緒に――(希望)
91-00 全てが溶け合った世界(??)
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 19:52:50.99 ID:anJXC2twO
クリティカル
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:07:54.18 ID:1cIZXyWDo
うおおおお!!
972 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:38:58.15 ID:biT3SkuF0
 デロデロ… モニョモニョ…

色付いていくキャンバス「」デロデロ

 デロデロ… デロデロデロ…

 ◆

レーティア「クロシュちゃん、ずっと籠もってますね……。少しお茶菓子でも差し入れしてあげましょう」スタスタ

レーティア「ちょっと失礼しますよ、クロシュちゃ――」ガラッ


 スライムとインクの飛び散ったアトリエ「」デロデロ

スライムクロシュ「」デロロ…


レーティア「クロシュちゃん!?」タタッ


 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…


レーティア「ううっ!? こ、これは……一体……!?」


レーティア(そこに描かれていたものは、人間の私に理解可能なものではなかった)

レーティア(だが……そこに迸っている、尋常ならざる情念は……クロシュちゃんの、内なる意思の具現そのもので――)

レーティア(……キャンバスだけでなく、このアトリエや、見ている私までもが――クロシュちゃんのように、溶けてしまいそうで――)

レーティア(私たちは……とんでもない怪物を、目覚めさせてしまったのかもしれない……)


 ☆クロシュのぱわーが[☆]になりました

 ◆
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:41:14.43 ID:biT3SkuF0
―夜
 絵空の家 アトリエ

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…

芸術妖精「わお……わお、わお、わおおおおお!!!」キャッキャ

イリス「こ、これは……!?」

ミスティ「い、一体……何が描かれているの……!?」

妖精「クロシュ……これ、何……?」

半スライムクロシュ「んゅ……わかんない……」デロ…

芸術妖精「すごい!! クロシュちゃんすごいよおお!!! わたしこんなの見たことない!! こんな美しい絵、今までに一度も見たことないよおおお〜〜!!」キャッキャ

イリス「芸術家の妖精さんがおかしくなっちゃった……」

レーティア「いえ、でも……私もここまで凄まじい絵は見たことがありません……。彼女がおかしくなるのも無理はないかと……」

芸術妖精「だって、すごいんだよ!!? これはさ! 世界!! 世界だよ!!! 全てが溶け合い、混じり合い、一つになった――完全なる世界の形なんだよ!!!!」キャッキャ

ミスティ「わ、わけがわからないわ……」

イリス「クロシュちゃん、そうなの……?」

クロシュ「……たぶん……そう、かも……?」

妖精「クロシュ……あなたは……」


妖精(もし、この絵が今あいつが言ったように、全てが溶けて混じり合った世界の姿だというのなら……。それが、クロシュの願いだということ……?)

妖精(でもそれは……まるで、魔王のようだよ……。世界全てを溶かして、一つにしたいと願うなんて……)

妖精(クロシュ……)

 パシンッ

妖精「え……」ヒリヒリ

芸術妖精「悲観してないでもっとよく見てあげてよお〜!! この絵を!! この絵が持つぱわーを!!」

妖精「……」

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ

妖精「……!」

芸術妖精「わかった? クロシュちゃんはクロシュちゃんのままだよ〜」

妖精「うん……」

芸術妖精「んふふ〜まあ過激思想なのは変わりないけどね〜。でもこれは紛れもなく、クロシュちゃんの愛の形ってこと!」

妖精「むむう……」

クロシュ「妖精さん……」

妖精「……変な気を起こしちゃだめだからね、クロシュ」

クロシュ「うん……」

 ☆全てが溶け合った世界(愛)を描きました

 ◆
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:43:09.33 ID:biT3SkuF0
―空

 ヒュオオオオオオ…

「……」

 ヒュオオオオオオ…

「……?」

 ヒュオオオオオオ…

「……!」

 ヒュオオオオオオ…

「……〜〜」モニョモニョ

 デロデロ…ポン!!

 ◆
975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:44:20.02 ID:biT3SkuF0
―芸術都市ミュージア 滞在4日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*4
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書
・フリルワンピース水着
・魔法学園のスクール水着
・炎鉱石
・魔王図鑑
・溶岩石のアミュレット*6
・暗黒優待券
・ガラス細工のザリガニ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・風になる[2/12]
・ぱわー[☆]達成!

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・剣技を磨く[3/4](ローガン)
・剣技を磨く[3/4](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□芸術都市ミュージア 主要施設
大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:45:10.22 ID:j7Y9AAzAo
人類補完計画かな
977 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 20:45:33.23 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 アトリエ

 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ…

エバンス「うおおおお!!? こ、こりゃ一体……」

ローガン「これが……クロシュくんの、絵だと……」

レーティア「はい。彼女の真のぱわーが開花した姿……それが、この絵なのです」

エバンス「そうなのか……なんかわかんねえがすごいのはわかるぜ!」

レーティア「はい。実際凄い絵です。ただ……」

ローガン「ただ……?」

レーティア「この絵に込められたもの……それは、王族の方々には許容できないものである可能性がありまして……。クロシュちゃんにお絵かき演舞へ出てもらうべきか否か、迷っています」

エバンス「そ、そうなのか……。まあ王族連中の機嫌を損ねたらやばいもんな……」

ローガン「ううむ……だがこの国の王族は芸術には寛容と聞くぞ。その意図が何であれ、芸術的ぱわーが優れているなら認めるのではないか?」

レーティア「そう思いたいところですが、万が一ということもありますし……。私の首だけならともかく、クロシュちゃんの首が飛ぶなんて絶対にだめなんです。これほどの逸材を失うわけにはいきません」

ローガン「うむ……確かに、楽観視して最悪の結果を引き起こすのは避けるべきかもしれんな」

レーティア「しかしクロシュちゃんが出られないとなると代役不在問題が浮上するんです! あああ、どうしましょう……!!」

エバンス「あんたの首はどっちにしてもやばいのかよ!」


ミュージア滞在4日目です。5日目から芸術祭が始まります
↓1〜3 自由安価 何をする?
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:46:04.14 ID:j7Y9AAzAo
レーティアと身の上話というか雑談というか
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:46:10.14 ID:Nqhw6/ib0
妖精コンビの語らい
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:47:40.10 ID:aIdYEH0q0
ローガンエバンス剣舞姉妹以外で剣術の得意な人物を探し手合わせをする
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:57:50.11 ID:aIdYEH0q0
>>980少し訂正
ローガンエバンス 剣舞姉妹以外の剣術が得意な人物を探し手合わせする
982 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:15:21.05 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 ロビー

イリス「そういえばレーティアさんのロスチャイルドって、もしかしてあの有名な――」

レーティア「ゲーッ違います違います! あんな薄穢い悪徳貴族なんか何の関係もない赤の他人ですね!」

イリス「そ、それは失礼しました」

 ガチャッ

執事「レーティアお坊ちゃま、お久しゅうございます」スタスタ

レーティア「ゲーッなんて時に来るんですか!? 帰れ帰れシッシッ!」シッシッ

執事「レーティアお坊ちゃま……。それではまた日を改めさせて頂きます。くれぐれも、火遊びはなさり過ぎぬよう……」スタスタ

 バタン…

イリス「お坊ちゃま……!?」

ミスティ「嘘でしょ……」

クロシュ「わあ……」

 *

レーティア「はあ……見られてしまったものは仕方ありません。そうです、悪徳貴族ロスチャイルドの末席に居座るはこの私、レーティア・フォン・ロスチャイルドという男なのです」

イリス「お、男の人だったんですか……!」

レーティア「別に女装してるつもりはないんですが、勘違いされやすい容姿ではあるかもしれないですね。我ながら声もちょっと高い気がしますし」

ミスティ「完全に騙されてたわ……。でも女だと思われるといろいろ面倒なことに巻き込まれたりしないの?」

レーティア「あるにはありますけど、女と思われた方が便利な場面もありますからね。ケースバイケースですよ」

イリス「器用だなあ……」

レーティア「ま、あのくそったれ貴族への意趣返しみたいな気持ちもなくはないですね。あいつらは私をゴリゴリムキムキの男に仕立てようと必死でしたから。下らないマッチョイズムが蔓延る原始的環境、それが貴族社会ってやつですよ」

イリス「そ、そうなんですね……。貴族ってのもいろいろ大変なんだなあ……」

レーティア「ええ、そりゃもう。人間界の癌ですよあんな奴ら。とっとと滅びれば良いんです」

ミスティ「凄い恨みだわ……」

レーティア「というか私なんかのことよりクロシュちゃんのことですよ! 明日のお絵かき演舞ですが――」

クロシュ「うん……わたし、描ける……」

レーティア「いや……しかし、もしあの絵がうちの妖精さんの言ったような絵だった場合、王族の方々のお気に召さない可能性が……」

イリス「あ、そういうこともあるんだ……」

ミスティ「ええ……じゃあどうするのよ……?」

クロシュ「……えと、じゃあ……人間には、わかんないように……描けば、いい……?」

レーティア「ハッ……! そうか、言われてみれば! 確かに私もあの絵を初めて見た時、その意図を全く読み取れませんでした! しかし強烈なぱわーはしっかり感じられました。なら、同じように描けばそれで問題ないかも……!」

イリス「えと、王族の人たちが理解できなければ問題ないってことですか?」

レーティア「そうです! 理解できないけどすごいぱわーは感じられる……そうなれば問題ないはず! よし、それでいきましょう!」

クロシュ「ん、わかった……」

レーティア「あ、でも……お絵かき演舞では、みんなの見ている前で絵を描くことになるのですが、スライムの姿にならずにもう一度あの絵を描くことは可能ですか?」

クロシュ「一回描けたから、できると思う……」

レーティア「エクセレント! それでは今日のうちに予行練習もしておきましょうか。当日は私もお手伝いいたしますから、何か不安なことがあったら遠慮なく仰ってくださいね」

クロシュ「うん、ありがと……」

 ◆
983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:35:28.12 ID:biT3SkuF0
―絵空の家 屋根裏

芸術妖精「わあ、いらっしゃい〜! ふふ、ここに妖精のお客さんが来るのは初めてだなあ〜。ネズミさんとかは時々来るんだけどね〜」

妖精「そ、そう……」


 描きかけのキャンバス「」

 妖精サイズのイケメンゴーレムのパーツ「」

 散らばった工具「」

 ごちゃごちゃした紙くず「」


妖精「掃除しないの?」

芸術妖精「してるよ! 時々!」

妖精「そ、そう……」

芸術妖精「ちょっと待っててね、今お茶淹れる〜」パタパタ

妖精「ええ……この汚い部屋で淹れられたお茶、あんまり飲みたくないんだけど……」

 *
984 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:38:18.01 ID:biT3SkuF0
 フェアリーシロップティー「」コトン

芸術妖精「はい! わたしのシロップだよ〜」

妖精「はいはい。いただきます」ズズ

芸術妖精「んふふ〜、美味しい〜?」

妖精「んん……思ったより普通に美味しい……。もっとトンチンカンな味付けしてるかと思ってた……」

芸術妖精「そんなことしないよ〜! 味付けを芸術にしちゃう人もいるにはいるけど、わたしは人に出すものはちゃんと相手のことを考えて出すよ〜」

妖精「随分まともなこと言うなあ……」

芸術妖精「わたしはまともだよお〜!」

妖精「はいはい……。……昨日はさ……ありがと」

芸術妖精「んえ? 何だっけ?」

妖精「……わたしが、クロシュの絵を読み違えて狼狽えてた時……あなたが頬を叩いてくれたでしょ。お陰で、ちゃんと見れたの」

芸術妖精「ああ〜! んふふ、まあ仕方ないよ〜。わたしは芸術慣れしてるけど、他の人はそうじゃないからね〜」

妖精「むう……ちょっと悔しい……」

芸術妖精「ふふ……あなたは、クロシュちゃんのことがとっても大切なんだね」

妖精「へ? ま、まあ……あいつはまだ赤ちゃんだし、放っておけないし……?」

芸術妖精「んふふ〜わかるよ〜。クロシュちゃん、わたしを助けてくれたときはすっごくかっこよかったけど、普段の姿はもにょもにょででろでろなんだもん!」

妖精「うん……。時々、あの子が何考えてるのか……わかんなくなる時がある……。フメイ……あの子の大切な友達を探したいって気持ちは、ずっと変わらないと思うけれど……。でも、あの子の目に映る世界は……一体、どんな風なんだろうって、すごく不安になる時があって……」

芸術妖精「……大丈夫だよ。あの絵、見たでしょ……? あれが、クロシュちゃんの心だもの……」

妖精「でも……あの願いを支えている……あなたの言う愛≠チてやつは……。ほんの僅かな掛け違いで哀≠ノ転じる、とても不確かで儚い祈りなんだよ……」

芸術妖精「うん……」

妖精「もしクロシュが……その愛ゆえに、大きな哀しみを抱いて……。世界樹の力に手を伸ばしたりなんかしたら……」

芸術妖精「……大丈夫。あなたが、そばにいるもの」

妖精「え……?」

芸術妖精「芸術の果てにおかしくなる人ってさ……みんな、孤独なんだよ。一人ぼっちでキャンバスに向かい続けてると、いつかおかしくなっちゃうの。孤独は、どれほどの高潔な芸術家をも蝕む、最凶の呪いなんだよ」

妖精「……」

芸術妖精「大体の芸術活動って、孤独なものだからさ……。おかしくなっちゃう芸術家はこの街でも後を絶たないんだ。芸術に人生を捧げるっていうのは、そういうことなのかもね」

妖精「そう、なんだ……」

芸術妖精「でもクロシュちゃんは違うでしょ? あの子は芸術が本業ってわけじゃないし、いつだってあなたや、イリスちゃんたちがそばにいる。クロシュちゃんの見てる世界は、きっといつまでも……希望を失わない」

妖精「……!」

芸術妖精「だから大丈夫。クロシュちゃんは、あなたたちが一緒だもの!」

妖精「……ふふ、ありがと。あなたに励まされちゃうなんてね……」

芸術活動「んふふ〜こう見えてわたしも長生きだからね〜」

妖精「……ねえ、でもあなたは? あなたは大丈夫なの?」

芸術妖精「まあ私はね〜。今はレーティアも面倒見てくれてるし、ここを出たらフォレスティナでまたパトロン探しからかな〜」

妖精「……確かに、あなたは割と大丈夫そうだね。うん」

 ◆
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:39:21.78 ID:biT3SkuF0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、本日の予定は……」

エバンス「今日は剣舞姉妹のとこに行かねえか? あの踊りの動き、もう少しで何かが掴めそうなんだよな」

ローガン「確かに、あれも非常に洗練された型の一つだ。よし、では今日も剣舞姉妹のもとへ――」

剣舞妹「あたしたちが何だって?」ヌッ

ローガン「うおっ!? お前は剣舞姉妹の妹の方!」

剣舞姉「私もおります。少し聞いていましたが、また私たちに稽古を付けられたいと……?」

ローガン「うむ……。差し支えなければ是非お願いしたいのだが……」

剣舞姉「うーん……申し訳ありませんが、今日は明日の芸術祭へ向けての最終調整を行いたいので、あなたがたのお相手をする余裕はないのです……」

剣舞妹「そーゆーこと。ストーキングなら別の人にしてよね」

エバンス「ストーキングじゃねえ! いや、でもまあ、事情はわかった……こっちもいきなり押しかけようとして悪かったな」

ローガン「うむ……。芸術祭での活躍、我々も応援していよう。頑張ってくだされ」

剣舞妹「ありがと! 戦いだけじゃない、美しさも兼ね備えたあたしたちの踊り、観客席からも是非堪能してってよね!」

エバンス「お、おう……。そういえば攻撃される側でしか見たことないし、そっちも素直に見てみたいな」


剣舞姉「ところで、剣を交える相手をお探しなのですよね? それでしたら――」


↓1コンマ
01-05 「槍を交えるのはいかがですの?」ヌッ
06-50 パペットマスターは剣士の人形をも操ります
51-95 筋肉芸術のおじさまは、昔剣闘士であったと聞きます
96-00 オリハルコンの剣を携えたスライムの噂があります
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:39:45.50 ID:62QayciDO
はい
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 22:58:20.96 ID:biT3SkuF0
―ミュージア郊外 人形の館

 ガチャッ ギィィ…

エバンス「頼もー!」

ローガン「突然の来訪、お許しいただきたい! 我々はパペットマスター殿の操る剣士人形の剣捌きを一目拝見したく、参らせていただいた!」


「ンッフッフ……中年二人とは言え、突然のお客様ってのも楽しいものだねェ……」コツコツ


エバンス「!?」

ローガン「あ、あなたが……」


半仮面の四本腕の男「いかにも。この街で最も強く、最も芸術的な男……パペットマスターとはこのボクのことだ!!」バァーン!!


エバンス「よ、四本腕……!?」

ローガン「よく見たまえ、あれは義腕だ!」

パペットマスター「ンッフッフ、美しいフォルムだろう? このボクの、計算し尽くされた完璧なエクストラアーム!!」ジャキーン!

エバンス(な、なんかわからんがヤバい! ヤバい奴な気がするぞ!!)

パペットマスター「して、キミたちはボクの完璧な人形捌きを見たいそうだね? ンフフ、中年なのに目の付け所が素晴らしいッ!! あなたたちのことは名誉青年と呼ばせて頂こうッ!」

ローガン「う、うむ……」

エバンス「俺は23だ!! まだ中年って年じゃねえ!」

パペットマスター「おっとこれは失礼。では青年と名誉青年よ、中庭へ出たまえ!! キミたちの、ボクの人形に直々に貫かれたいという倒錯した思い……全霊で果たさせてあげようッ!!!」

エバンス「うおあああ!!! そんな変態でもねえよ俺はああ!!!」


 ――戦闘開始 パペットマスター――


↓1コンマ
01-10 痛恨
11-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:00:38.16 ID:Nqhw6/ib0
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:01:05.98 ID:1cIZXyWDo
濃ゆい
990 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:18:28.26 ID:biT3SkuF0
フリフリの剣士人形「」シャキーン!
フリフリの騎士人形「」シャキーン!

エバンス「な、なんかかわいいな!?」

パペットマスター「当然だ! ボクの操る人形は、ボクに操られるに相応しい可憐さ、美しさ、そしてぱわーを兼ね備えた最強の人形なのだからッ!!」

ローガン「来るぞ! 見た目の面白さに油断するな!」シャキッ!

フリフリの剣士人形「」シュバッ

エバンス「くっ!!」ガギンッ

フリフリの騎士人形「」シャッ

ローガン「大きな盾とは裏腹にこちらの騎士人形も速い!」ガギギンッ

パペットマスター「さあ、踊るが良い!! キミたちにボクの美しい人形たちの相手は務まるかな!?」

エバンス「くっ……舐めるな!!」シュバッ

フリフリの剣士人形「!」ガインッ

ローガン「ぬんっ!」ゴッ

フリフリの騎士人形「!」ガギンッ


エバンス「速いが剣舞姉妹ほどじゃねえ! やりようはあるぜ!」シャキッ

ローガン「うむ! このまま反撃といくぞ!」シャキッ


パペットマスター「ほう……流石に二人だけでは分が悪いか……。ならばッ!!」
 エクストラアーム「」ジャキーンッ!!


フリフリの魔法使い人形「」コォォォ―

フリフリの治癒術師人形「」キラキラ―


エバンス「お、おいおい嘘だろ……人形が、さらにもう二体……!?」

ローガン「なんということだ……!!」


パペットマスター「ただの見栄えだけの四本腕だとでも思っていたかい!? いいや、これは――」

パペットマスター「さらに多くの人形を操る為の、エクストラデバイスさッ!!」


↓1コンマ
01-60 敗北
61-90 優勢
91-00 会心
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:19:39.59 ID:62QayciDO
はい
992 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:40:17.83 ID:biT3SkuF0
エバンス(その後、俺たちは人形たちの一糸乱れぬ連携にじわじわと追い詰められ――)

エバンス(ついに、敗北を喫したのだった……)

 ◇

パペットマスター「ンフーッフッフッフッ! ボクの人形たちとのダンシング、楽しんでいただけたかな?」

エバンス「お、おう……たった一人であれだけの連携を生み出すなんて、すげえぜ……」ボロボロ

ローガン「うむ……。この街で最も強いというのも、誇張でもなんでもないのだろう……」ボロボロ

パペットマスター「久しぶりに人形たちを踊らせてあげられて楽しかったッ!! キミたちの来訪に感謝しようッ!!」

エバンス「そりゃどうも……」

パペットマスター「またいつでも遊びに来たまえ! ボクの人形たちも、キミたちと再び踊れる日を楽しみに待っているッ!!」

ローガン「うむ……。ところでパペットマスター殿は、明日の芸術祭には参加されるのか?」

パペットマスター「……フン。祭りと聞いて集まるような美を解さぬ衆愚どもなどに、ボクの人形たちの美しさがわかるものか。あんな下劣な祭典、二度と御免だ」

ローガン「そ、そうか……。それは失礼致した……」

パペットマスター「だがキミたちのような美を解する者はいつでも大歓迎だ! 踊りではなくとも、是非また遊びに来てくれたまえッ!!」

エバンス「お、おう。あんたも人形を大事にな!」

 ☆ローガンとエバンスの剣技が[4/4]になり、剣技のレベルが一段階上がりました

 ◆
993 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/07/15(月) 23:44:20.05 ID:biT3SkuF0
というわけで本日はここまでとなります。次回は、ついに芸術祭編です。噂では王様も参加されるとのことです

いろいろありましたがついにクロシュ氏がぱわーを獲得するにいたったようです。クロシュ氏がどのような絵を描いたのか、それは文章で表現することのできないとてもすごい絵だったのですが、実際芸術妖精やレーティア氏などの芸術に造詣の深い方々も称賛するほどの出来栄えだったようです。これでお絵かき演舞も安泰でしょう。是非セイントレアの王様に、世界がデロデロに溶けていくことの素晴らしさを見せて差し上げていただきたいものです

そして武者修行に明け暮れるエバンスくんとローガンさんも、オオカミ退治をしたりお人形遊びに巻き込まれたりなど、楽しい日々を過ごしているようです。ついに剣技のレベルも上がったとのことで、今後の活躍が一層期待できます。今後の活躍をお楽しみに

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 23:47:51.26 ID:j7Y9AAzAo
乙乙
クロシュ思ったより過激思想
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 12:14:54.48 ID:LvRUtxEgO

芸術祭は次スレかな
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/07/16(火) 19:33:22.80 ID:hFDKQDPS0
なんと、気が付いたらもうスレの終わりだったようです。次回の更新の時に新スレを立てようと思いますので、よろしくお願いいたします

クロシュ氏は、あらゆるものが溶け合って一つになれば、苦しみも哀しみもない完全な平和が訪れると思っているようです
それは人間の感覚からすればとても怖いことかもしれませんが、スライムの感覚ではとても良いことなのかもしれません

そして芸術祭は次スレとなります。次スレでもよろしくお願いいたします

以降のこのスレは、質問や意見や要望など、ご自由にお書き込みくださいませ
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 19:56:51.73 ID:nr3ZDLIu0

フラナティセリアモーリィによるダークヒーローイリスに救われた会談とか面白そう
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 22:41:15.19 ID:qkowzrWm0

前スレで安価したクリーチャー達がだいぶスレに登場しているからまたクリーチャーでの安価を募集してほしいです。
できれば同じ前スレで募集した敵対ネームドキャラクターもいつか募集してほしいと思いました。
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 23:39:06.11 ID:tBHdCyiDO
乙です
最近の国の長や友好的な住人等は突発的なキャラ募集で中々参加出来ないから、もしまたクリーチャーやネームドキャラを大々的に募集をするなら前スレのような時間指定での範囲募集が良いなと思いました
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/17(水) 23:31:05.11 ID:53I5lPwY0
乙です 
今さらだと思うけどファンタジー系のスレなので技名や魔法の呪文があっても良いかなと思います。(ただ「水!」とか「氷」のような単語だけや「おりゃ」みたいな掛け声じゃなくてちゃんとしたもの)
例:ミスティ「氷の刃(アイスブレード)」、ローガン「鋸一閃(のこぎりいっせん)」
1001 :1001 :Over 1000 Thread
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | アパム!アパム!次スレ建てて来い!アパーーム!
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                      / ̄ ̄ \
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みっちんイケパン40 風 @ 2024/07/08(月) 00:30:18.40 ID:PV2RKAjZO
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【安価】上条「とある禁書目録で」白栗「か、仮面ライダーです!」【禁書】 @ 2024/07/07(日) 18:41:54.88 ID:tFxrwQEy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1720345314/

誰でもAAキャラ雑談inA雑VIP★160 @ 2024/07/07(日) 16:41:01.47 ID:nKhUw9YW0
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ここじゃ星は見えないよ @ 2024/07/07(日) 00:59:58.89 ID:XeY6XUaMo
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