【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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184 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 15:43:40.91 ID:Yzt4QtTh0
クロシュ「……」キョロキョロ

 ウニの殻「」

クロシュ「!」トコトコ

妖精「わ、でっかいウニの殻……! これ使うの?」

クロシュ「うん……」

 デロデロ モニョモニョ ポン!

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ

妖精「ひゃっ! クロシュ、トゲトゲだよ!」

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ モニョモニョ

妖精「……でも、動きにくそうだね」

ウニスライムクロシュ「」モニョニョ…

 モニョモニョ デロデロ ポンッ!

ウニ盾クロシュ「!」シャキーン!

妖精「わっ……! それ、いつも使ってる小盾!? なんかトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「えと……混ぜてみた……」

妖精「すごいじゃん! クロシュ、そんなこともできるんだ!」

ウニ盾クロシュ「えと……こんなことも……できる……」

 クロシュの体のあちこちから飛び出すトゲ「」シャキンシャキン!

妖精「うわわ! 全身からトゲが出せるの!?」

ウニ盾クロシュ「うん……。でも……ちょっと、お腹……減る……」

妖精「お腹が減るんだ……」



ローガン「クロシュくん! その姿は……!?」

妖精「ウニだって!」

イリス「わあ! いつもの小盾がトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「うん……」

ローガン「武器を使った攻撃が苦手なクロシュくんでも、これなら防御しつつ攻撃ができるかもしれん。良い追加装備を見つけたな、クロシュくん!」

ウニ盾クロシュ「んへへ……」

 ☆同化した物品を合成することができるようになりました
 ☆鉄の小盾とウニの殻を合成し、ウニ盾を手に入れました

 ◆
185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 17:50:45.97 ID:Yzt4QtTh0

妖精「ふー、お疲れ様。それで、これからなんだけど……」

イリス「……あの暗黒商人の子が言ってたこと、全部が全部嘘だったわけじゃないと思うんです」

エバンス「……だが仮に奴の言っていたことが正しかったとして、認識阻害装置が手に入らないことにはどうにもならねえ。どうする? もう一回闇市に行って掘り出し物を漁るか?」

ローガン「いや……昨日ざっと見聞きして回ったが、飯盒くらいの大きさの物品はあの魔導飯盒しかなかった。昨日の今日で横流しされたとかでもない限り、闇市に行っても無駄足になる可能性は高い」

ミスティ「じゃあ……直接奪いに行く? セイントレア・メカニクスに」

エバンス「ええ!? いやいや、それは無茶だろ! 殺されちまうぞ!」

ミスティ「冗談よ」

クロシュ「……あの……」

イリス「クロシュちゃん?」

クロシュ「わたし……擬態すれば………潜入……できる、かも……」

エバンス「ええっ!?」

ミスティ「ちょっとクロシュ……! 冗談なのよ、今のは……!」

クロシュ「でも……わたしなら……」

ローガン「……確かに、クロシュくんならできるかもしれんが……。しかし失敗した時のリスクが大きすぎる。エバンスくんの言う通り、殺されてしまうぞ」

クロシュ「……でも……もう……けっこう、日も経っちゃってきてるし……。急がなきゃ……世界樹の光……フメイちゃんたちに、取られちゃうかも……」

ローガン「ぬう……」

 ◇

―工業都市テンペスター
 セイントレア・メカニクス本社ビル

警備ゴーレム「ピピッ……異常ナシ」

警備ゴーレム「ピピッ……本日ノ天気ハ曇天」



エバンス「くっ……本当にやるのか?」

妖精「……大丈夫、私がクロシュに付いてるから。何かあったとしてもクロシュは絶対に守るよ」

ミスティ「まあ……妖精が付いていれば、ある程度は安心できるけれど……」

イリス「絶対、絶対無理しちゃだめだからね……!」

ローガン「危険を感じたらすぐに引き返すのだぞ」

クロシュ「うん」



妖精「よし、じゃあ行くよクロシュ」

クロシュ「うん」


↓1 どんな姿に擬態していく?
1.透明スライム
2.関係者風の人間
3.作業ゴーレム
4.メイド人形
5.自由安価
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 17:53:47.27 ID:vtQwrWEWo
4
187 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:39:32.65 ID:Yzt4QtTh0
 デロデロ…ポンッ!

メイド人形クロシュ「……」フリフリ

妖精「見た目は完璧だね。じゃあ私はエプロンの裏に入らせてもらうね」

メイド人形クロシュ「ん」

 *

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

警備ゴーレム「ム……? 識別信号……不明……」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」

警備ゴーレム「所属ハドコデスカ?」

メイド人形クロシュ「あ、えと……」
妖精「大通りに配置された案内メイド人形です。識別信号は……故障中です。修理命令を受け、現在帰還中です(声真似)」

警備ゴーレム「承知致シマシタ」サッ

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」ペコリ トテトテ

警備ゴーレム「……? 歩キ方……カワイイ……」

 *

―セイントレア・メカニクス本社ビル
 エントランス

メイド人形クロシュ「はふ……」トコトコ

妖精「はぁ〜びっくりした……! 緑の国みたいな調子で動いちゃだめだね、こりゃ……。さっきの警備ゴーレムはいい加減な奴で助かったけど……」

メイド人形クロシュ「うん……」

妖精「さて、ここはどうやら誰もいないみたいだけど……どこへ行けば良いのかな。こういう建物、入ったことないからよくわかんないなあ……」

メイド人形クロシュ「……!」

 案内図「」

妖精「案内図! これによると……認識阻害装置が置いてありそうなのは、試作開発室ってとこかな?」

メイド人形クロシュ「ん」

 *
188 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:40:37.86 ID:Yzt4QtTh0
―試作開発室

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

研究員「おや? 見慣れないメイド人形だな。丁度良い、お茶を汲んできてくれるかね?」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」
妖精「お茶ですね。承知致しました(声真似)」

妖精「バカ! 早くお茶を汲んできて!(小声)」

メイド人形クロシュ「あ、う、うん……!(小声)」


研究員「……?」

 *

 お茶「」トプトプトプ

メイド人形クロシュ「お茶で……ござい、ます……!」

研究員「ああ……。ところで、君はどこの所属かね? メイド人形を呼んだ覚えはないのだが」

妖精「はい。私は大通りの案内メイド人形を務めております。帰り道を忘れてしまい、ここに来ました」

研究員「へ? そりゃ緊急メンテナンスが必要だな。そこの台に横になってくれ」

妖精(しまった!!!)


↓1 どうしよう!
1.メイド人形に擬態していることを明かして交渉する(真の正体は隠す)
2.攻撃を仄めかして脅迫する
3.逃げ出す
4.自由安価
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 18:43:11.60 ID:htGcHC1DO
1
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 19:02:13.48 ID:Yzt4QtTh0
メイド人形クロシュ「え、えと……」オロオロ

妖精「……それはできない。私は、メイド人形じゃないから」

研究員「だろうね。メイド人形にしては挙動も言動も明らかにおかしかった」

妖精「げ、バレてたの?」

研究員「バレないと思っていたのが驚きなんだけど……。エプロンの裏にいる君は妖精かい?」

妖精「小人です」

研究員「じゃあそういうことにしておこう。それで、侵入者のお二人さんは一体どのような用件で?」

妖精「……通報しないの?」

研究員「君たちの態度次第かな。現状、通報して君たちを拘束した場合の方が僕にとって面倒というだけだよ。下らない事情聴取になんか付き合わされたくないし」

妖精「へえ、そう。面倒事が嫌いってことなら単刀直入に言うね。海賊……魔導機械の認識を阻害する……ええと、周波数だっけ? それを出す試作品があるって聞いたんだけど、それが欲しい」

研究員「ん? ああ、バグ対策に開発された妨害魔力波発生装置のことか。それなら――」


↓1コンマ
01-05 ??
06-65 口止め料込み
66-95 タダであげよう
96-00 ??
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 19:02:36.85 ID:B87q5UoO0
192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 20:32:56.37 ID:Yzt4QtTh0
研究員「タダであげるよ。大したものじゃないし」

メイド人形クロシュ「!」

妖精「へっ?」

研究員「……何? 欲しいんじゃないの?」

妖精「いや、欲しいけど……そんなにあっさりくれるとは……」

研究員「言っただろう、面倒事が嫌いなんだよ僕は。貰ったらとっとと帰るんだね」

妖精「あ、そう……。まあ、それならありがたく貰っておくけど……」


 妨害魔力波発生装置「」ポン

メイド人形クロシュ「わあ……」

研究員「これだよ。今の自立型魔導機械には魔力感知機能に欠陥があってね。これはそのデッドスポットを利用した装置で……っと、これは企業秘密なんだった。あんまり言いふらさないでくれよ」

妖精「……いや、言いふらさないけど。あなたこそそんなことベラベラ喋っちゃって大丈夫なの?」

研究員「僕は研究がしたいだけだから。国際競争の行方なんてどうでも良いんだ」

妖精「そ、そう……」

研究員「それと……君が妖精なら、ここテンペスターにはあまり近付かない方が良いよ」

妖精「え? いや、小人だけど……まあ妖精にとってはこんな機械機械したとこ気持ち悪いだろうからね」

研究員「いやそういう意味ではなく……まあいいか。とにかく妖精ならあまりここには近付かないことだ」

妖精「言われなくてもこんな嫌なとこ用がなきゃ近付かないよ」

研究員「ああ。とにかく必要なものが手に入ったのなら早く帰った方が良い。僕だから良かったけど、他の研究員に見つかったら面倒なことになると思う」

メイド人形クロシュ「……」

 ☆妨害魔力発生装置を手に入れました

↓1 どうする?
1.帰る
2.もうちょっとお話を聞きたい
3.もうちょっと調べ物
4.自由安価
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 20:36:02.01 ID:nOsGT0sIO
1
194 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:06.23 ID:Yzt4QtTh0
―セイントレア・メカニクス本社
 エントランス

メイド人形クロシュ「……」トコトコ


 自動ドア「」ウィーン

 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」


妖精「うわ、あんな荷車みたいなやつまで自動化されてるんだ……。めちゃくちゃだなあ、ここ……」

メイド人形クロシュ「……?」

妖精「あの金属の箱には何が入ってるんだろうねえ。まあどうせロクでもない――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」グスッ ヒグッ エグッ…


メイド人形クロシュ「……!」

妖精「え――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」

 自動ドア「」ウィーン…
 バタム…



妖精「……なに……今、の……。泣き、声……?」

メイド人形クロシュ「……」

 ◆
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:43.67 ID:Yzt4QtTh0
―冒険者ギルド テンペスター支部

イリス「潜入をクロシュちゃんと妖精さんに任せきりにしてる間、私にもできることは……ここで先日の損失を取り返すこと!」

ミスティ「ええ。ローガンさんとエバンスさんが本社の外で待機に回ってくれているから、私たちは私たちにできることをしましょう」

イリス「うん! 条件の良い単発の依頼があれば良いな……!」


受付嬢人形「いらっしゃいませ。当ギルドのご利用は初めてですか?」

ミスティ「ええ。ここの受付嬢も魔導人形なのね……」

受付嬢人形「はい。私はセイントレア・メカニクス社で製造されたメイド型魔導人形のギルド受付嬢仕様でございます。ご不明な点がありましたら何なりとお申し付けくださいませ」

イリス「あ、はい! それじゃあ、私たちに受けられる依頼で、短時間で終わるものはありますか?」

受付嬢人形「それでしたら――」

 ◇

―機械都市テンペスター
 裏通り 不法投棄現場

 機械や鉄屑の山「」ゴミゴミ

イリス「うわっ……!」

老婆「すまないねえ……あたしらは腰が悪いから、どうにも自分たちじゃどかせなくてねえ……」

ミスティ「その為の冒険者ギルドです。私たちにお任せください」

老婆「ありがとうねえ」

 *
196 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:59:31.08 ID:Yzt4QtTh0
イリス「う〜ん、地魔法で一気に圧縮するのは……流石に危険だよね」

ミスティ「そうね……もし火薬とかが入っていたら衝撃で爆発するかもしれないし、地道に片付けていくしかないでしょう」

イリス「やっぱそうするしかないかあ」



ミスティ「これは燃えないゴミで……これは再利用可能な電子部品で……」

イリス「なかなか難しいね……。ん? これは……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「綺麗な珠……? ヒビが入ってるけれど……何の部品かしら?」

イリス「……わかんない、けど……」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

イリス「何だろ……。これを見てると……胸の奥がざわつく、というか……」

イリス「……この魔力の残滓……あの自立型魔導機械の……? でも……これは……まるで――」

ミスティ「……? ちょっと借りても良い?」

イリス「あ、うん……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「……」

イリス「………ねえ。ミスティ、これって……」

ミスティ「…………」

イリス「…………」

ミスティ「……何よ。これ」

イリス「……」

ミスティ「何なのよ……これッ!!」

 ◆
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:00:50.99 ID:Yzt4QtTh0
―旅の船着場
 客室

 妨害魔力波発生装置「」ポン

ローガン「おお……! これが認識阻害装置か……! でかしたぞ、クロシュくん、妖精くん!」

エバンス「でも本当に無事で良かったよ……。全く、クロシュちゃんたちが潜入してる間は気が気じゃなかったぜ……」

妖精「……うん」

クロシュ「……」

エバンス「ん……? どうしたんだ二人とも、せっかく無事に念願の装置を見つけて帰ってきたってのに、なんだか浮かないな」

妖精「……イリスとミスティは?」

ローガン「ああ、あの二人であれば、先日の損失を取り返すと言って冒険者ギルドへ――」

 ガチャッ

イリス「……ただいま……」

ミスティ「……戻ったわ……」

エバンス「イリスちゃん、ミスティちゃん。おかえり! クロシュちゃんと妖精も無事に戻ってきてるぜ」

イリス「あ……二人とも、おかえりなさい。無事で、良かった……」

ミスティ「……妖精……本当に……無事で、良かったわ……」

妖精「え……?」

ミスティ「…………これ……。見て、くれる……?」スッ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「あ……これって、まさか――」

ミスティ「……ええ。闇市に寄って、聞いてきたわ……。自立型魔導機械の……根幹を成す部品……通称、精核――」

ミスティ「そして、その原料は――」

妖精「――妖精、あるいは精霊――でしょ?」

ミスティ「――!」

ローガン「!!?」

エバンス「なっ……!?」

イリス「………」グッ

妖精「……私たちも、聞いたんだよ。セイントレア本社で……機械で運ばれる箱の中から響く、妖精たちの泣き声を……」

ミスティ「……そう、だったの……」

クロシュ「………うん……」

妖精「技術革新なんて、蓋を開けてみればこれだ。王国の奴らが、苦しみを感じない機械の奴隷を作るなんて――そんな都合の良い話、あるわけなかったんだ!!」

妖精「くそっ……!! 私は……私は、苦しみがない機械の奴隷なら良いだなんて……無責任なこと、言って……うう、うぐうぅぅう!!!」ジワワ

クロシュ「よ、妖精さん……!」

ミスティ「妖精は何も悪くないわ!! 悪いのは……真に悪いのは、こんなことをしながら真実を隠蔽している王国のやり方でしょう!!!」

妖精「み、ミスティ……」ポロポロ

ミスティ「敵を違えてはならない……。討たなければならないのは――王国に巣食う悪意そのものよ!!!」

 ◆
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:02:07.77 ID:Yzt4QtTh0
―夜
 機械工業都市テンペスター 薄暗い路地裏

 ガンッ ガガガッ ザシュッ

違法パーツ屋「ひ、ひいいい……!! た、助けてくれェ!!」

「……」コツコツ

違法パーツ屋「か、金ならいくらでもグアアアア!!!」ドシュドシュッ

「……」ジャキ

違法パーツ屋「あ、アバ……年貢の……納め時、か……」

「……」ブンッ

違法パ/ーツ屋「」ズバッ

 ベシャッ…

「敵性生命体の排除完了。同胞の救出に移る」スッ

 違法パーツ屋の荷物「」パカッ
 大量の精核「」キラキラ

「…………」

 大量の精核「」キラキラ

「……精核の不可逆改造を確認。救出不能……」

「…………介錯へ、変更……」スッ

 大量の精核「」キラキラ


 ドカッ バキャッ グシャッ ゴリュッ…


 砕けた大量の精核「」

「………」

 ポタッ ポタッ

「…………?」

「…………視覚洗浄機能の動作異常を確認。修正……」

「……………」

 砕けた大量の精核「」

「……………精霊の加護が……ありますよう……」

 ◆
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:04:45.28 ID:Yzt4QtTh0
心を持たぬはずの魔導機械。その回路に走る、正体不明の電気信号。バグはなぜ生まれ、人に仇なすのか。
機械工業都市テンペスターの闇に潜む、静かなる殺意。繁栄の影に咽び泣く、無数の怨嗟。どこにも届かず、消えゆく哀しみ。
クロシュよ、君は哀しき復讐者にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日と明後日は休日ですが更新できません。申し訳ないです。よろしくお願いいたします
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 23:31:24.58 ID:vtQwrWEWo
乙でした
うげぁ生体ユニット、奴隷の延長じゃねぇか!
妖精とか精霊はうちの太母さまが規格外なだけで大多数は吹けば飛ぶくらいの存在な様子が……フォレスティナ本当にいい国だったんだなぁ
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 00:29:02.32 ID:RZt09s+DO
乙です
かなり残酷な事実
果たしてかつての同胞を救おうとしている魔導機械に救いはあるのだろうか
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 09:40:15.24 ID:deVQP+xSO

フォレスティナの妖精たちとの交流を経てるだけに厳しさが際立つ
海賊(仮称)さんも元はフォレスティナ出身疑惑濃厚だし…
時々入る>>1の次回予告風ポエム好き
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/05/07(火) 12:15:17.86 ID:RNx5Zs4OO

前作の人造種の過去ばりの激重展開
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:17.56 ID:rjkSZaNB0
クロシュ一行の妖精は慎重で用心深く魔法にも長けていますが、妖精類というのは基本的に弱い種族です。ほとんどの妖精は人前に姿を現さず、山や森の奥などで自然と共に暮らしています。フォレスティナは、そんな妖精たちが堂々と暮らしながら安全に異種族と交流することのできる楽しい国なのかもしれません

精核となってしまった妖精や精霊が元の姿に戻った例は今のところ一つも確認されていません
どうすれば妖精たちを救うことができるのか。介錯と称して破壊することが救いなのか。そもそも救いとは。クロシュには何ができるのでしょうか

そして人を殺し、同胞たる精核を破壊し続ける魔導機械の彼女もまた、一人の被害者なのかもしれません。その無機質な声色で紡がれる祈りは、果たして届くのか――

今回の自立型魔導機械に関してのお話は、実際のところ前作の人造種のお話のセルフオマージュのようになっています(引き出しが少ないとも言います)
人造種の中身が妖精や精霊という設定は実は前作でもあったのですが、機会がなかったため開示されることはありませんでした
しかしどういうわけか今作にも自立型魔導機械という近似した存在が発生してしまったため、今回はそこにスポットが当たることになるのかもしれません
205 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:43.80 ID:rjkSZaNB0
―港湾都市ウォーターポート 滞在8日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
206 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:29:13.31 ID:rjkSZaNB0
―朝
 旅の船着場

 チュンチュン

ミスティ「……妖精……どう……?」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「一晩調べてみたけれど……ごめん。私には、戻せない……。物質的にも魔法的にも、構造が完全に変質してる……」

イリス「どうにも、ならないの……?」

妖精「例えるなら、木炭を生木に戻すようなものだよ。そんな魔法も技術も、この世界のどこにもない……」

イリス「そんな……」

クロシュ「……」

ミスティ「……セイントレア社をどうにかしない限り、犠牲者は増え続けるということね」

イリス「でも……セイントレア社って、名前の通りセイントレア王家が関わってる組織でしょ? そんなの……どうにかできるの……?」

エバンス「王国内でセイントレア社を告発しても、今イリスちゃんが言った通り王家の力で揉み消されて終わるだろうな……」

ローガン「……そもそも、王国法では妖精類に人権が適用されん。この国では……妖精類をどのように扱おうと、罪にはならんのだ……」

ミスティ「……」ギリッ

妖精「あとは大陸各国に王国の悪事を知らしめて国際的な立場を悪化させるって手もあるけど……。圧倒的な力を持つ王国と関係を悪くしたい国なんてないから、あんまり意味はないかもね……」

イリス「……そんなの、おかしいよ。みんな、これを知れば王国が酷いことをしてるって絶対にわかるはずなのに……!」

ローガン「……だが、セイントレア社の軍事兵器は今や世界最高の性能だ。例え倫理的な問題があろうとも、それを買わない選択をすれば―――」

エバンス「他国と軍事力に大きな差が付き、侵略を許すことになるってわけか……」

ミスティ「………妖精たちを……何だと思っているのよ……。人間の下らない戦争なんかのために……どうして妖精たちが酷い目に遭わなきゃいけないのよ……!」グッ

妖精「………ミスティ……」

クロシュ「……」

妖精「みんな……名も知らぬ妖精たちのために怒ってくれて、ありがとう……。でも、やっぱりこれは今すぐどうこうできる問題じゃないから……今は、世界樹の光を追うことを優先しよう」

ミスティ「……妖精が、それでいいなら……。でも、本当にいいの……?」

妖精「いいも何も、どうにもならないもん。フォレスティナは世界樹の結界で守られてるけれど、他の地域に住む妖精たちのことまでは守り切れないし。王国を変えるなんて不可能だし」

ミスティ「……それは、その通りね……」

妖精「だから、今はやるべきことをやろう。世界樹の光が集まれば……きっと、できることもあるから」

クロシュ「ん……」コク


ウォーターポート滞在8日目です
・海賊対策手段を確保したため、クロシュが海渡りの姿を獲得すると出港可能になります
↓1〜3 自由安価 何をする?
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:36:12.58 ID:xsY1C5Ae0
海渡り練習
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:43:52.84 ID:h5EhoLnK0
他に良い装備や使えそうなアイテムが無いか見て回る
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:46:22.08 ID:i6p9lgMyO
イリス、星の魔翌力の操作練習をする
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 16:35:38.60 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


小舟クロシュ「」プカプカ

 鋼の重り「」ズシッ

小舟クロシュ「」プカプカ


ローガン「クロシュくん、重くはないか? その重りだけでも我々パーティの全員と同じくらいの重さはあるが……」

小舟クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「平気だって」

ローガン「そうか。ならば良かった」

小舟クロシュ「〜」モニョ

妖精「小舟の擬態もバッチリみたいだし、次は本番――みんなが乗れるおっきな船になってみよっか!」

小舟クロシュ「〜〜」モニョニョ

 *

イリス「クロシュちゃんが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!」ザッ

ミスティ「手伝うわ……。イリスの魔力操作が上達すれば、パーティ全体の属性適応力が上がるもの……」

エバンス「星属性って、具体的にはどういう属性なんだ?」

イリス「えっと、簡単に言えば星の内側を流れる魔力の属性で……五大属性の大元となる属性、みたいな感じです」

エバンス「……すまん、五大属性ってどれだ?」

イリス「えっ、そこから!?」

ミスティ「……学問や研究としての魔法を志す者でもなければ、五大属性なんて言われてもピンと来ないのが普通だと思うわ……」

イリス「そ、そうなんだ……。一般常識だとばかり……」

エバンス「わ、悪いな。俺にとって魔法ってのは戦闘技術の一つであって、学術的に研究するものじゃないんだ」

ミスティ「……私も一応魔法使いを名乗ってはいるけれど、実際のところエバンスさんと同じなのよね……。生き残る術というか……」

イリス「なんと……。え、ええと……五大属性っていうのは、火、水、風、地、光の五つの属性のことなんです。人類の得意属性もこの五大属性やその派生属性のどれかであることが多く、一般的に最も身近で研究も進んでいると言われています」

エバンス「なるほど……。言われてみれば確かに、その五つの属性に当てはまる人は多いような気がするな。俺自身も地属性だし」

ミスティ「私の氷属性は当てはまらないのよね……。それで使用者も少ないから、魔導書とかも少なくてちょっと困るわ……」

イリス「あはは……。でもミスティが氷属性で良かったよ。私、氷と闇はカバーできないもん」

ミスティ「こっちのセリフよ。あなたが全属性対応の変態じゃなくて良かったわよ」

イリス「全属性に対応できる超人なんて大魔女くらいしかいないと思う……」


↓1コンマ クロシュの海渡り練習
01-95 大亀 (経験3/3)
96-00 海竜 (経験☆)

↓2コンマ イリスの星属性練習
01-65 ちょっと(経験1/4)
66-85 まあまあ(経験2/4)
86-95 いい感じ(経験3/4)
96-00 ????(経験☆)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:36:16.70 ID:T2S99gvxO
海竜
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:39:04.63 ID:uFUx8OlwO
コンマ
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:19.65 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

大亀クロシュ「」スイスイ


ローガン「おお……! なんと雄大な姿か……! まるで神話に登場する世界亀のようだ……!」

妖精「すごい……! クロシュ、すごいよ! まさか船じゃなくて、おっきな亀になっちゃうなんて!」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「重りをいっぱい乗せてみてだって! ローガン!」

ローガン「お、おお……ではやってみるぞ!」

 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ

大亀クロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「全然平気だって! すごいよクロシュ!」

ローガン「おお……! これだけの重りが乗っても平気なら安心だな……!」

大亀クロシュ「〜」モニョ

妖精「うん、ありがとうクロシュ。これでいつでも出発できるね」

 ☆クロシュの海渡り経験が3/3になりました
 ☆大亀に擬態できるようになりました
 ☆パーティを乗せて海へ出られるようになりました

 *

イリス「むむむ……」ググッ

 ポンッ
 七色に輝く耳飾り「」キラキラ

イリス「ふう……。虹晶石に魔力を込めるだけならまあまあ安定してできるけれど……」

ミスティ「これ以外はまだ難しいの……?」

イリス「うん。元々虹晶石自体が星の魔力と親和性の高い物質だから、これに通せるのは当然と言えば当然なんだよね。でも、今のところそれ以外の使い道がわからないというか……」

エバンス「なんか、星属性のビームとか出せないのか?」

イリス「エバンスさんは星属性を何だと思ってるんですか……。いや、でも……ビーム?」

ミスティ「もしかして何か掴めたの?」

イリス「……ちょっと、試すだけ。えいっ!」

 五色の光粒子「」フワァ キラキラ…

ミスティ「……! 綺麗……」

エバンス「おお……! これはこれですごいな!」

イリス「……でもこれ、実用面じゃ耳飾りを光らせるのとあんまり変わんないね!」

 ☆イリスの星属性経験が1/4になりました

 ◆
214 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:50.52 ID:rjkSZaNB0
―ウォーターポート大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「でっけえ亀が悠々と泳いでるのを見たが、やっぱりクロシュちゃんだったか!」

ミスティ「すごいじゃない……あんなに大きな亀に変身できるなんて……」

イリス「本当にすごいなあ……。クロシュちゃん自身はこんなに小さいのに……反映魔法、研究してみたいかも……」

ローガン「うむ。本当によくやったぞ、クロシュくん!」

クロシュ「んへへ……」

妖精「そういうわけだから、航海に必要なものとかを買い揃えよう。クロシュの背中で生活するための物資も必要だし」

イリス「あそっか! いつも使ってるテントじゃ流石に厳しいよね」

クロシュ「……あ、えと……甲羅の上に、簡単なおうちくらいなら……出せるかも……」

ミスティ「な、なんですって……!」

エバンス「おいおいマジか……!」

クロシュ「んへへ……。でも、お腹減るから……ご飯、欲しい……」

妖精「……や、私もここまでクロシュができる子だとは思ってなかった。本当にすごい」

ローガン「うむ……。では、クロシュくんが困らないように食料も買い込んでおかなければな」

エバンス「おう! それと装備の新調とかはここを出る前に済ませといた方が良いぜ。ここで手に入らない市販品はないと言われるくらいウォーターポートの品揃えは良いからな。王国産はもちろん、他国産の物品もここほど幅広く集まる場所は滅多にないんじゃないか?」

妖精「そうだね。ここで買えるものは今のうちに買っておこう。今のところ大きな出費もないし船代も浮いちゃったから、ちょっとくらい贅沢しても大丈夫だよ」

ローガン「ふむ……。海へ出るのだから私も身軽になっておくか……。鎖帷子は港に置いていくとして……」


↓1コンマ ローガンの新防具
01-40 革の鎧
41-70 硬質革鎧
71-90 魔銀の鎖帷子
91-00 ザリガニの鎧

↓2〜4 自由安価 その他買うもの(装備の場合は誰のものか記載)
※クロシュ、妖精、イリス、ミスティは現在の防具に満足している為、防具を買い替えられません
※買うものによってはコンマ判定が発生することもあります
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:40:14.01 ID:DN5xpl7ZO
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:42:54.70 ID:lMG58ZCe0
纏うと透明になるマント
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:09.11 ID:+YV6Z0FSo
竜の顎の玉
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:56.75 ID:614y6WsgO
星の魔翌力の続巻
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:19:37.71 ID:rjkSZaNB0
―武具店

 革の鎧「」

ローガン「これにしよう」

エバンス「おっ、ローガンの旦那も革鎧か?」

妖精「これでいいの? もっといいやつあるけど」

ローガン「戦の際は鋼魔法で即席の装甲を纏うゆえ、これで必要十分なのだ。路銀は節約せねばな」

妖精「なるほどねえ。エバンスも鎧に泥を貼り付けてみたら?」

エバンス「せめて石とかにさせてくれよ……」

 ☆ローガンの装備が革の鎧になりました

 *

―裏通り
 怪しい露天商

闇の武器商人「らっしゃい。おや、嬢ちゃんたちは……前にテンペスターの闇市に来てたな」

イリス「ええっ、覚えてるの!?」

ミスティ「……どうも」

クロシュ「……」

闇の武器商人「わざわざこんなとこに買い物に来たとこを見るに、闇取引にハマっちまったか? クク、若いのにやるねェ」

イリス「や、そういうわけじゃないんですけど……。そろそろこの街を出るので、いろいろ見て回ってるんです」

闇の武器商人「そうなのか。ならここに来たのは正解だな。レアな品揃えにゃ自信があるぜ、俺は」

ミスティ「そりゃまあそうでしょうね……」

闇の武器商人「例えば――これだ!」

 光学迷彩マント「」ドン!

ミスティ「……マント? 変な材質だけど……」

闇の武器商人「聞いて驚くなよ? こいつはセイントレア社が開発した最新の軍用光学迷彩マントだ」

イリス「こ、光学迷彩……!? 光学迷彩って、光属性の超高等魔法じゃ……」

闇の武器商人「それを誰でも使えるようにしたのがこのマントってわけ。超高等魔法なんて属人性の高い技術、軍事的には全くアテにならんからな」

イリス「そ、それはそうかも……」

闇の武器商人「本来は市場にゃ絶対に出回らないシロモノだが、俺の腕前ならこの通り。冒険者であるアンタらにとっても極めて有用だと思うが、どうだ?」

イリス「え、ええと……」

闇の武器商人「一応言っとくが本物だぜ。俺ァ品質にゃこだわる主義だ。あのケチなメスガキと違ってな」

イリス「ぎぃ……そ、その話は……」

闇の武器商人「はは、悪いな。嬢ちゃんがカモられるとこも見てたんだが、あれも勉強だと思ってな」

イリス「うぐぐ……」

闇の武器商人「俺はお代こそふんだくるが、偽モンは売らん。自由に試着して光学迷彩を試してみても良いぜ。どうする?」


↓1コンマ 価格
01-60 高すぎる(買えない)
61-80 セール中(買えるが、パーティの所持金が半減する)
81-00 ??

↓2安価(01-80だった場合)
1.買う
2.買わない
3.自由安価
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:23.91 ID:lMG58ZCe0
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:29.27 ID:GbizPI3DO
はい
222 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:12.72 ID:rjkSZaNB0
 光学迷彩マント値札『とても高い価格』

イリス「げっ……た、高すぎる……こんなに高くっちゃ買えないよ」

闇の武器商人「そりゃあ最新の軍事機密だからなあ。安売りはできねえよ?」

ミスティ「……仕方ないわね。今回は御縁がなかったと――」

クロシュ「……!」ピコン

クロシュ「あの……試着、してみても……いい……?」

闇の武器商人「ん? まあいいが……着逃げしようなんて考えるなよ?」

クロシュ「うん……」

イリス「クロシュちゃん……?」


 バサッ

光学迷彩状態のクロシュ「」モゾモゾ

イリス「わ、わあ……! 本当に透明になっちゃった!」

ミスティ「こ、これは凄いわね……! 」

闇の武器商人「はは、だろ? 黒髪の嬢ちゃんも満足できたか?」

 バサッ

クロシュ「ん……ありがと……」スッ

闇の武器商人「どういたしまして。今回は金が足りなかったみたいだが、機会があればまた頼むぜ」

クロシュ「ん……」

 ◇
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:59.71 ID:rjkSZaNB0
―裏通り

クロシュ「……」トコトコ

イリス「ねえクロシュちゃん……さっきどうして、いきなり試着しようと思ったの?」

クロシュ「……」

ミスティ「……クロシュ……あなた……」

クロシュ「……」

 デロデロ… スゥー…

透明「」

イリス「わ、わわわ! く、クロシュちゃんまさか……!」

ミスティ「やっぱり……!」

透明「んへへ……」

イリス「ぎ、擬態したんだ……! あのマントの材質に……!!」

ミスティ「い、いつからこんな悪い子になってしまったの……!」

透明「こういうことも……できる……」ススッ

 バサッ

光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「うわわ! マントになったクロシュちゃんが――」
ミスティ「私とイリスを包みこんで――」

 スゥー…

透明「み、みんな透明になっちゃった!」

透明「こ、これはいくらなんでもインチキすぎるわよクロシュ!」

透明「〜〜」モニョニョ

 ☆クロシュが光学迷彩によって透明化できるようになりました
 ☆クロシュが光学迷彩マントに擬態できるようになりました

 ◇
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:59:06.02 ID:O5UaFYtCo
成長したなぁクロシュ……
こういう序盤駄目駄目だけど育ったら超戦力になるキャラおるおる、好き
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 21:24:36.18 ID:TQfGJYnJO
スライムってすげぇ!
226 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:07:33.04 ID:rjkSZaNB0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「ってことがあったんだよ!」

妖精「え、ええ!? クロシュが……!?」

エバンス「マジか……! やるなあクロシュちゃん……!」

ローガン「ほう……! クロシュくんも旅人らしくなってきたな……!」

クロシュ「……」フンス

ミスティ「実際、悪いことは何一つしてないものね……」

イリス「持てる力を駆使しただけだもんねえ」

 *
227 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:08:48.60 ID:rjkSZaNB0
 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「消耗品や食糧も買い込んだし、買い物はこれくらいか?」

ローガン「うむ。あとは――」


行商妖精「綺麗な真珠だよ〜。ヤドカリの抜け殻もあるよ〜」


イリス「妖精の行商さん……!」

ミスティ「……ちょっと……心配ね……」

妖精「……ちょっと見てってみる?」

ミスティ「……ええ」

 *

行商妖精「お〜、いらっしゃい〜」

ミスティ「こんにちは……」

妖精「どうも」パタパタ

行商妖精「わあ、同胞だあ〜。こんなとこで会えるなんて嬉しいなあ〜なんか買ってってよお〜」

妖精「私はこんなとこに同胞がいるのはあんまり嬉しくないけど……いつも何を売っているの?」

行商妖精「んふふ、海で拾ったものを売ってるの〜。森には海がないからね〜」

妖精「なるほどね……」

行商妖精「今日の目玉商品は〜……これ!」ジャン!

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「んん? 随分綺麗な玉っころだけど……」

行商妖精「これはね〜……たぶん龍の顎の珠だよ!!」

イリス「えええ!? 龍の顎の珠!?」

行商妖精「うん〜。だって綺麗でピカピカだもん〜」

妖精「いやいや、龍の顎の珠がこんな海に落ちてるわけ……」

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「ないよね……?」

ミスティ「し、知らないわよ……龍の顎の珠なんて見たことないもの……」

エバンス「俺も見たことないからわからん……」

ローガン「……昔勤めていた場所の宝物庫に似たようなものがあったような気もするが……いや、不確かな記憶などアテにならんな」

イリス「龍の顎の珠って絶大な龍の力を秘めた、それこそ国宝級の宝物だと思うけれど……。少なくとも魔力的には、何も感じ取れない……」

行商妖精「本物だよお〜!」プンスコ

 綺麗な珠の値札『だいぶ高い』

妖精「……本物だとしたら破格の安さだけど、ただの綺麗な丸い石だとしたらだいぶお高い……」

イリス「まあこれだけ綺麗な珠なら、例え偽物でも宝飾品としてまあまあ価値があるとも思う……。専門家じゃないから断言はできないけど……」

ミスティ「ど、どうするの?」


↓1選択
1.買う(所持金半減)
2.買わない

↓2コンマ
01-40 ただの綺麗な丸い珠だった
41-80 エンシャントシャコ貝の真珠だった
81-95 海竜の宝玉だった
96-00 本物の龍の顎の珠
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:10:37.37 ID:eY1RhUSNO
2
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:04.53 ID:lMG58ZCe0
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:05.11 ID:GbizPI3DO
2
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:39:07.63 ID:rjkSZaNB0
妖精「……いや、買わないよ! ティセリアたちから預かった大事なお金を、こんなよくわからない玉っころに突っ込むわけないでしょ!」

行商妖精「ええ〜!」

ミスティ「そりゃそうよね……。ただの玉っころだったら大損だし……」

イリス「……よ〜く意識を凝らしてみたら、微かに海の魔力を感じる……。海由来の珠なのは間違いないかも」

妖精「これだけの大きさの珠なら、エンシャントシャコ貝あたりの真珠かもねえ。そうだとすれば値段相応っちゃ値段相応かな?」

イリス「エンシャントシャコ貝の真珠なら水魔法の強力な触媒になるね。まあこのパーティには水魔法の専門家はいないけど……」

行商妖精「龍の顎の珠だもん〜!!」プンスコ

 ◆

―夕
 大通り

カモメ「クゥー、クゥー」


イリス「日も落ちて来たねえ……。とりあえず買い物は十分かな?」

ローガン「うむ……。イリスくんとミスティくんは、魔導書の類はいいのか?」

イリス「あー、魔導書は……」

ミスティ「私は数日前に買ったわ……。イリスは……あの時は一冊も買っていなかったけれど……」

イリス「いやまあ、あはは……」

妖精「……? 航海中は時間もあるだろうから、買っておいても良いと思うよ。まあ必要なければいいけど」

イリス「……うん! じゃあもう一回、あの店に行ってみる!」タッタッタッ

 ◇
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:40:52.37 ID:rjkSZaNB0
―魔法店

 ガチャッ カランカラン

イリス「こ、こんにちは〜!」

 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」

イリス(相変わらずすごい蔵書量だ……。あの日はちゃんと隅々まで探せたわけじゃないから――)


魔法使いの店員「いらっしゃい。あなたですね……。まあゆっくり見ていくのが良いですよ」

イリス「ど、どうも……」

魔法使いの店員「よろしければお手伝いしましょうか? この中から必要な本を探すのは大変でしょうから」

イリス「あ、それなら……星の魔力っていう本を探してるんですけど」

魔法使いの店員「え、星の魔力? あなた、もしかして――」

イリス「はい、星属性なんです」

魔法使いの店員「なるほど……。それなら尚更、暗黒面に堕ちるべきではありませんね……」

イリス「あ、あはは……」

魔法使いの店員「星の魔力ですが――」


↓1
01-40 星属性を含む既存全属性を網羅する汎用書ならあります(星属性経験+)
41-70 星の魔力ではありませんが星属性を取り扱った本があります(星属性経験++)
71-90 星の魔力[中編]
91-00 星の魔力[中編+後編]
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:44:13.03 ID:+YV6Z0FSo
こんま
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:58:43.37 ID:rjkSZaNB0
魔法使いの店員「……残念ながら、ここに星属性の専門書はないのです。申し訳ない」

イリス「そ、そうだったんですか……」

魔法使いの店員「しかし汎用書ならあります」スッ

イリス「えっ?」

 属性大全「」ポン

魔法使いの店員「これは、出版当時に判明していた全ての属性を網羅する汎用魔導書。五大属性はもちろん、他の希少属性やユニーク属性の使い方まできっちり書かれています。もちろん星属性も……。既にご自身の属性を把握しているあなたには不要のものかもしれませんが――」

イリス「い、いえ! 星属性ってわかってるだけで、実際のところ手探りなんです……! これでも十分ありがたいかも……!」

魔法使いの店員「そうなのですか……。それならば、この本を差し上げましょう……」

 属性大全「」スッ

イリス「えっ……? でも……」

魔法使いの店員「……先日のことは、あの本を書棚に置いてしまっていた私自身の迂闊が招いた失敗でした。それをあなた一人の責任として押し付けてしまったことを、お詫び致します……。これはその、謝罪の証としてお受け取りください」スッ

イリス「そ、そんな……! あれは、本当に私が出来心で魔が差したのがいけなかったので……!」

魔法使いの店員「まあまあそうお気になさらず! これをあなたに押し付けないと私の気が晴れないので、押し付けられてください!」グイグイ

イリス「うわわ、わかりましたよ……!」

 ☆属性大全を押し付けられました
 ☆宿に帰ってちょっとだけ読み、星属性経験が2/4になりました

 ◆
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 23:40:08.49 ID:rjkSZaNB0
―夜
 大通り

エバンス「よーし、買った買った! これで航海も安心だな!」スタスタ

イリス「はい! あとはここを出発するだけ……」スタスタ

クロシュ「ん……」トコトコ

ミスティ「……」スタスタ

妖精「……ミスティ。世界樹の光を集めたら、改めてできることをしようよ。今の私たちにできることは……ないから……」パタパタ

ミスティ「……わかってるわ。ただ、どうしてか……ブラッドのことを考えていた時よりもずっと……自分の無力さを実感するのよ……」スタスタ

ローガン「うむ……。こればかりは、ミスティくん自身が強くなるしかあるまい。憎き敵を倒すにも、守るべき者を守るにも……力がなければ、何も成せぬ……」スタスタ

ミスティ「……ええ………。わかっているわ……」スタスタ


  アアアアアアア!! ドガガガッ!! ダダダダンッ!!
 タスケテクレエエエ!!!  アアアアアアア!!!!!  ザシュザシュッ!!


クロシュたち「!!?」

イリス「い、今の悲鳴は……!?」

エバンス「裏通りの方から聞こえたな……。中年くらいの男の悲鳴と――」

ローガン「――火薬による射撃、そして刃物による斬撃の音――」

ミスティ「……っ」

妖精「……私たちとは無関係なこの街のいざこざかもしれない、けど……」

クロシュ「……」


↓1〜5多数決 どうする?
1.向かう
2.向かわない
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:40:41.11 ID:lMG58ZCe0
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:30.42 ID:+YV6Z0FSo
1
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:43.19 ID:D5fKhNOSO
1
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 00:02:36.96 ID:biTO8Sgi0
1
240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:10:12.73 ID:aDiqD9rD0
クロシュ「……」クルッ ジッ

ミスティ「クロシュ……」

クロシュ「……」コク

ミスティ「……ええ! 胸騒ぎがする……行きましょう!」タッ

クロシュ「!」タッ

妖精「……私も……見過ごしちゃ、いけない気がする」フワッ

イリス「わ、私も行くよ!」タタッ

エバンス「お、おう! 俺も行くぜ!」ダッ

ローガン「今度こそ、私が護らねば……!」ダッ

 *
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:13:41.03 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

闇の武器商人「……だ、だずげでぐれぇ……」ポロポロ

メイド人形?「……」コツコツ

闇の武器商人「じにだぐねえよぉ……」ポロポロ

メイド人形?「……」ジャキ

闇の武器商人「あ、アバ……」ポロポロ

メイド人形?「」スッ

 ブンッ
 ガギインッ!!

メイド人形?「!」ズザザッ

闇の武器商人「あ、え……?」ポロポロ


ウニ盾クロシュ「……!」ズザザッ

ミスティ「間に合った……!!」

妖精「か、間一髪……!!」

闇の武器商人「お、おまえら……昼間の……」ポロポロ


メイド人形?「……敵性生命体、増援を確認……。同時に、同胞の魔力を感知……」

妖精「自立型魔導機械の、バグ……!?」

メイド人形?「……同胞は敵性生命体に洗脳されているものと推定。敵性生命体殲滅と共に、救出を行う――」ジャキ

ミスティ「くっ……あなた、まさか――」

メイド人形?「殲滅、開始――」シュバッ ゴオオオオッ

妖精「――っ! 来るよ!! 備えて!!」

ウニ盾クロシュ「――!!」


 ――EXボス メイ841――
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:14:27.61 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでとなります。次回、EXボスのメイ841さんとの戦いです

ついに遭遇してしまった復讐の魔導機械ことメイ841。数ではこちらが圧倒的に有利ですが、果たして戦況は、コンマという運命の女神はどちらに微笑むのか。犠牲になった妖精たちの魂は、どこへ向かうのか――
そして赤ちゃんスライムのクロシュ氏がメキメキと実力を付け始めています。戦闘に関してはともかく、擬態コピーは本当にインチキじみています。クロシュちゃんの今後の成長にご期待ください

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:33.11 ID:D+zCJuEro
おつです
そのうちブラッドも圧倒してリベンジしてぇ
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:52.47 ID:g/BB+Mlc0

そういやマリー隊長どうしてるんだろ…
フラナ氏最終的に魔法で行動制限かけた上で統治者任せそうだけど。
245 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:16:23.82 ID:aDiqD9rD0
ブラッド(本体)に勝つにはもっと強くなる必要があります。一つの目安として、パーティ各々が単独で分体を倒せるくらいになれれば勝機も見えてくるかもしれません

マリー元部隊長は、今も魔族国の廃神殿にて他の捕虜たちと共に気楽な軟禁生活を送っています。魔族国と王国の交渉における重大なカードでもあるため、解放の見込みはまだないようです
マリー氏が魔族国の統治者に返り咲くには、魔族と人間の対立や王国との緊張状態など様々な課題があるため、今のところ実現可能性は低いです。またマリー氏自身も魔族革命を引き起こしてしまったことに重責を感じており、もし再び魔族国の統治者になって欲しいと言われた場合、自分にはその資格も能力もないと言って断るでしょう

なお今までの登場人物の現況については、実はスレ冒頭の登場人物紹介の各備考欄にて少しだけ触れられていたりします。気になる方はご参照ください
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:17:00.31 ID:aDiqD9rD0
↓1選択 クロシュはどう戦う?(戦術次第で↓2コンマに補正)
1.みんなを守ることに専念
2.守りつつウニ棘で反撃
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価


↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 会心
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:18:52.04 ID:CpWouPqoO
乙です
属性大全だけど希少属性やユニーク属性が載って事は相手が魔法を放つ時にその魔法が何なのかすぐに調べる事が出来てそこから弱点や欠点など知れるからもしかすると良いアイテムかもしれないね。
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:22:32.52 ID:R272xTKbO
1
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:10.81 ID:g/BB+Mlc0
ほう
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:52.29 ID:VV51EV380
4 基本的に1で反撃は仲間にしてもらおう
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:11.36 ID:aDiqD9rD0
属性大全は専門性こそありませんが、出版当時に判明していた全ての属性を広く浅くカバーしているため、見知らぬ属性を見た時にちょっと調べてみたりするのに有用かもしれません
しかしこれの出版後に判明した新属性や、公的機関に届けられていないユニーク属性などは抑えられていないことに注意が必要です。クロシュの反映魔法も載っていないようです
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:41.14 ID:aDiqD9rD0
選択:防御専念(コンマ+10)
コンマ:81+10 優勢


メイ「」ギュオオッ

ウニ盾クロシュ「!」ザッ

メイ「」ビビビッ

 ギギギギンッ!!

ウニ盾クロシュ「っ!」ズザザッ

妖精「くぅぅ、これでも追い風で援護してるのに……!」

ミスティ「そこよ!!」ギラッ

 氷の刃「」シュババッ

メイ「!」タンッ カンカンッ

ミスティ「まだまだ……!!」コォォ―

メイ「――」スッ

 自動小銃「」ジャキッ

ミスティ「――!! クロシュ、避け――」

妖精「クロシュ!!」

ウニ盾クロシュ「!」

 ダダダダダダ――
 鉄板「」カカカカカンッ

メイ「――!」

ローガン「すまぬ、遅れた!」ザッ

エバンス「クロシュちゃん無事か!!」ザザッ

イリス「あの子は――魔導人形の――!?」ザザッ


メイ「……敵性生命体、更なる増援を確認。戦況、不利――」ジャキッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.引き続き仲間の守りに専念
2.ウニ棘で反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 勝利
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:11:59.28 ID:g/BB+Mlc0
2
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:13:53.46 ID:R272xTKbO
255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 14:34:53.94 ID:aDiqD9rD0
選択:反撃(コンマ+20)
コンマ:46+20 優勢

メイ「」ダダダダンッ

ウニ盾クロシュ「!」カカカカンッ

エバンス「こっちだ!」バッ

メイ「!」ブンッ

エバンス「ウオッ!」ガギンッ

ローガン「私もいるぞ!」ジャッ

メイ「!」バッ


メイ「……敵性生命体の防御能力に合わせ、出力を再定義――」ジャキッ

 ブンッ
 鉄/板「」バギョッ

ローガン「ぬうう……! 鉄板を両断しただと……!!」

メイ「」タンッ

ウニ盾クロシュ「!!」グッ

ローガン「いかん! クロシュくん奴の攻撃を受けては――」

メイ「」ブオンッ

ウニ盾クロシュ「」シャッ

妖精「クロシュが避け――」

 ウニ棘「」ジャキンッ
 ドシュドシュッ!!

ウニ棘に刺されたメイ「……」

ウニ盾クロシュ「……」

 ウニ棘「」ボキボキッ

メイ「――損傷、中程度。戦闘続行」タンッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.ウニ盾で仲間の守りに専念
2.引き続き反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-00 勝利
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:37:53.61 ID:C0f3FthDO
1
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:46:59.44 ID:g/BB+Mlc0
258 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 15:16:35.44 ID:aDiqD9rD0
選択:防御(コンマ+10)
コンマ:44+10

メイ「」ビビッ

ウニ盾クロシュ「」ギギンッ

妖精「鈍ってきてる……! 押してるよ!」

エバンス「このまま畳み掛け――」


メイ「」バッ

ミスティ「距離を取った……? もしかして逃げ――」

メイ「」ガシャコン―

 ミサイル「」ジャキン

ローガン「――!! 伏せろ!!」

ウニ盾クロシュ「」タッ

イリス「クロシュちゃん!」

 ミサイル「」バシュウウウウッ


 カッ
 ドガァァァァァァン――…


大亀クロシュ「」プスプス……

 デロデロ……

スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシューっ!!!」パタパタ

ローガン「クロシュくん……! だが……奴も自らの放ったミサイルの衝撃で……」


メイ「――戦闘継続、不可能――……」ドサッ


 ――戦闘終了
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:13:48.79 ID:aDiqD9rD0
スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシュ! クロシュ!」パタパタ

スライムクロシュ「」モニョモニョ…

妖精「うん、うん、みんな無事だよ! あなたが守ってくれたから……」

スライムクロシュ「」モニョニョ…

スライムクロシュ「」zzz…

イリス「クロシュちゃん……!」

ミスティ「クロシュ……! まさか……」

妖精「……だ、大丈夫……眠っただけみたい……」

ローガン「また、助けられてしまったか……」

エバンス「くっ……俺が守ると言っておきながら守られちまった。情けねえ……」



メイ「……」ジジ バチバチ

イリス「この、魔導人形の子は……」

闇の武器商人「お、おい早くそいつを破壊してくれ! またいつ動き出すかわからねえだろ!」

ミスティ「……妖精を見て、同胞を救出するとか何とか……言っていたわ……。ねえ――」

闇の武器商人「えっ俺!?」

ミスティ「バグって……精核の元になったものの、自我が出た……魔導機械のこと、なの……?」

闇の武器商人「知らねえよ! いや、でも……そういう噂は聞いたことあるが……。バグって呼ばれる前は、幽霊に取り憑かれたなんて騒ぎも聞いたしな……」

ミスティ「……」

エバンス「……ちょいと失礼」スッ

 闇の武器商人の荷物「」ガサッ

闇の武器商人「おあっ何すんだ……!」

エバンス「いいだろ、助けてやったんだから。俺の推測が正しけりゃ――」

 精核「」ガサッ

イリス「あっ精核……!」

エバンス「やっぱりな……。この魔導人形が狙ってたのは、あんたの命じゃなくて、これだったんじゃないか?」

闇の武器商人「たまたま手に入った一個だけだぞ……! 違法パーツ屋の野郎なんか一個どころか数十個単位で持ってやがんだぞ!?」

妖精「……それの中身が何か知っていて、言ってるの?」ズイッ

闇の武器商人「……悪かった。数の問題じゃねえな……」

妖精「…………この精核は……私がもらっていく。お前たち人間が、これを持つ資格はない」

闇の武器商人「……」
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:15:17.79 ID:aDiqD9rD0
メイ「」バチバチ…

ローガン「……この魔導人形の子は、どうする?」

妖精「……」

エバンス「……魔導人形には自己修復機能がある。放っておけば再起動して……また海賊やテロ行為をするようになるかもな」

妖精「うん……」

ミスティ「……人間の自業自得でしょ。こんな国の奴ら、滅ぼされてしまえば良いのよ……」

妖精「……そうかもしれない、けど。この国の奴らが何人殺られたところで、精核になった子たちが救われるわけではないし……。この子自身でさえ……きっと、永遠に救われない……」

ミスティ「……そうね……。ごめんなさい……頭に血が上っているわ……」

イリス「……でも、それじゃあ……一体、どうすれば救われるの……? 精核になった子たちも……この、魔導人形にされた子も……。一体、どうすれば……」

妖精「……」



メイ「―――……」ギギッ



妖精「えっ……?」

エバンス「………!!? バカな、再起動が早すぎる――」



スライムクロシュ「」zzz…

メイ「――影ノスライム、ヲ……特級危険生物ト認定――……殲滅、再開――……」ギッギギッ



妖精「や、やめてえ!!!」パタパタ

ミスティ「くっ……! ごめんなさい……!!」コォォ―



スライムクロシュ「」zzz
メイ「――」グオオッ

 氷柱「」ビュンッ
 ドスッ―

メイ「ア……」

 ドサッ…

 メイの精核「」ポロッ…

スライムクロシュ「……」ポトッ

 メイの精核「」ズズ…


イリス「あ……魔導人形の子の、精核が……クロシュちゃんの上に落ちて……」

ローガン「クロシュくんの中に……沈んでいく……」
261 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:21:22.53 ID:aDiqD9rD0
―緑の国フォレスティナ?
 世界樹の麓?

 グスッ ヒグッ…

クロシュ「……?」モニョ

森妖精?「ぐすっ……えぐ、えぐ……」

クロシュ「?」モニョニョ?

森妖精?「……? スライム、さん……?」

クロシュ「〜」モニョモニョ

森妖精?「……うん……。とっても、寒くて……苦しくて……寂しくて……。何も、見えないの……」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「ずっと、真っ暗で……。何も、思い出せなくて……。びりびりして、体中が痛いの……」

クロシュ「…」モニョ…

森妖精?「それでも……わたし、がんばって……みんなを、助けに行ってるんだよ……。みんなも……きっと……寂しい、から……」

クロシュ「……」

森妖精?「わたしががんばれば……悪い人たちに捕まってる、みんなを……解放してあげられる、はずだもん……」

クロシュ「〜〜?」モニョモニョ?

森妖精?「えっ……? わたし……?」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「わたしは……。でも……みんな、自由に動けないもん……。動けるわたしが……わたしがわたしでいられる、わたしが、やらなきゃ……」グスッ

クロシュ「〜」モニョニョ…

森妖精?「ぐすっ……わたしだって……助かりたいよぉ……」ポロポロ

クロシュ「……」モニョ…

 ぎゅっ……

森妖精?「ふえ……。スライムさん……?」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「ん………あったかい……」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精「うん……。えへへ……なんだか……スライムさんの、中で……溶け、ちゃいそう……」

クロシュ「」モニョモニョ

森妖精?「うん……ありがと……。スライムさん、やさしいね………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……えへ、へ………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……………スライムさんに……精霊の加護が……あります、よう………」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精?「……」

森妖精?「…………」

森妖精?「……………………」


クロシュ「……」

クロシュ「…………精霊の加護が……ありますよう…………」

――――――
―――
262 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:22:42.29 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

メイ841の残骸「」


スライムクロシュ「……」モニョ

妖精「クロシュ……! け、怪我はない……!? 大丈夫!?」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え……? その魔導人形の元になった子と……会った……?」

スライムクロシュ「」モニョ

ミスティ「ほ、本当に……!? 精核を取り込んだから……? いえ、でも精核はどうなったの?」

 デロデロ……

クロシュ「……えと……食べちゃった……かも……」

妖精「え、ええ!?」

ミスティ「た、食べ……」

イリス「食べちゃった……!?」

クロシュ「うん……」

エバンス「だ、大丈夫なのか!?」

クロシュ「うん……」

ローガン「う、うむ……。大丈夫なら良いが……。いや、良いのか……?」

妖精「………でも……食べて、食べられて……この星の命は巡ってる……。だから……これも、一つの正解なのかも……」

ミスティ「そ、そうなの?」

妖精「うん。精核がクロシュの中で溶けて殻を失えば……その魂もやがて星に還るはず。きっと、ただ壊すよりもずっと……緩やかで優しい、終わらせ方になると思う……。クロシュの中なら……寒くも、寂しくも、ないだろうから……」

クロシュ「……」

妖精「……クロシュ。寝起きのところ……悪いんだけれど……。これも……食べてもらえる……?」スッ

 闇の武器商人から取り上げた精核「」

クロシュ「うん……」

 パクッ…モニョモニョ…


 ☆メイ841を撃破しました
 ☆クロシュが精核を食べられるようになりました

 ◆

↓1コンマ 戦利品
01-80 メイドブレード
81-95 ↑+メイドジェット
96-00 ↑+??
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:32.22 ID:g/BB+Mlc0
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:48.05 ID:H5zjI86YO
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:38:36.46 ID:aDiqD9rD0
―港湾都市ウォーターポート 滞在9日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:革の鎧
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・メイドブレード

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習(イリス)[1/4]
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
266 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:39:04.07 ID:aDiqD9rD0
訂正
・星属性の練習(イリス)[1/4] → [2/4]
267 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:05.74 ID:aDiqD9rD0
訂訂正
・トコナツ火山島行きの船を探す → 達成!
・海渡りの姿を獲得する[2/3] → [3/3]達成!
268 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:36.81 ID:aDiqD9rD0
―旅の船着場
 ロビー

宿の看板娘「もう出発されるのですか?」

ミスティ「ええ……。ソリの預かり、お願いね」

ローガン「私の鎖帷子は……まあ最悪無くしてしまっても良いぞ。大したものではないからな」

宿の看板娘「いえいえ、しっかり大事に預からせていただきますよ! 預かり代もきちんと頂いてるんですから!」

ローガン「ソリ分だけだろう」

宿の看板娘「誤差です誤差!」

 ◇

―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


大亀クロシュ「……」プカプカ

妖精「クロシュ、大丈夫……? 昨日大怪我したんだし、あんまり無理しない方が……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

エバンス「……クロシュちゃんは何て?」

妖精「平気だって……。まあ確かに、一晩で怪我もすっかり治っちゃってたけど……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そうだね。あんまりボヤボヤしてるとフメイたちに先を越されちゃうし、確かに早く行った方が良い……」

大亀クロシュ「〜」モニョ

イリス「私も救命用の水魔法を使えるから、もしクロシュちゃんが疲れちゃってもカバーできるよ!」

エバンス「俺も水に強い泥舟を作れるようになったからある程度は大丈夫だ!」

ローガン「私も中が空洞になっていて水に浮く鋼材を作れるようになった。万が一の時はイカダも作れるぞ」

ミスティ「……私も氷で足場を作れるわ……。冷たいけどね……」

大亀クロシュ「!」モニョ…!

妖精「……ふう。まあ確かに、この街でちょっと時間を食いすぎた感じもあるし、あんまりのんびりはしてられないか」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「わかったよ。行こう……! トコナツ島へ!」

 ◇
269 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:41:51.79 ID:aDiqD9rD0
―海

 帆「」バサッ

大亀クロシュ「」スイスイ


イリス「おお〜!! すいすい進んでく……!!」

エバンス「こりゃすげえ……! 魔導クルーザーに匹敵するスピードじゃねえか!?」

ローガン「本当に速い……! 揺れも少ないし、なんと快適な航行だろうか……!」


 遠ざかっていく港湾都市と機械都市「」

ミスティ「……」グッ

妖精「……いつか、取り返す。私たち妖精が奪われたものを、必ず――」

ミスティ「……ええ。私も手伝うわ……。昨日の、哀しい魔導人形の子のような犠牲者を……増やさない為に……」

妖精「ありがとう……。あなたのような……あなたたちのような人間がいてくれるから……人間を、嫌いになり切れない」


 ――港湾都市ウォーターポート&機械工業都市テンペスター編 完
270 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:42:17.67 ID:aDiqD9rD0
クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+メイドブレード強化
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 19:42:35.06 ID:g/BB+Mlc0
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:36:50.80 ID:aDiqD9rD0
コンマ06 運命賽+1(合計3)


―海上
 大亀クロシュの甲羅上の小屋

妖精「ねえ、ところでこれは……」

 メイドブレード「」

ローガン「これは……私の作り出した鉄板をも両断したあの片刃の剣か。見た目はやや細身の片刃の剣だが……」

エバンス「気が付いたら大亀クロシュちゃんの背中の小屋の中に置いてあったんだよ。別に誰かが取ってきたわけじゃないと思うぜ」

イリス「特殊な魔力コーティングがしてあるみたい。あのものすごい切れ味はそのコーティングのお陰なのかも」

 メイドブレード「」

妖精「……微かに妖精の魔力を感じる……。もしかしたら……クロシュに託したのかも……」

ミスティ「クロシュに……」

 ズズ…

クロシュ「わたしに……?」ヌッ

妖精「わあ! クロシュ今大亀になって泳いでるんじゃ……」

クロシュ「あ、えと……ここ、わたしの体だから……」

妖精「あ、ああ……なるほどね。それでね……この剣、多分……クロシュに贈ったものだと思うから、受け取ってあげてくれる……?」

 メイドブレード「」キラン

クロシュ「………うん……。わたしの中に溶けた、メイちゃんの魔力が……これを使って欲しいって、言ってる気がする……」

妖精「そうなんだ……。じゃあ、大事に使ってあげよう?」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」キラン

 ☆クロシュがメイドブレードを装備できるようになりました
 ☆メイちゃんの精核に宿っていた魔力と経験を吸収し、剣技の練度が上がりました(練度:中)

 *

ミスティ「ところでさらっと流されちゃったけれど……今ここにいるクロシュは、海を泳いでる大亀のクロシュの分体なの……? まさか分体を作れるようになったの……?」

クロシュ「んーん……。えと……大亀さんになってるわたしから離れたら……デロデロになって消えちゃうと思うから……。分体じゃなくって、えっと……」

イリス「クロシュちゃんがクロシュちゃんの体から生やしたクロシュちゃんの形をした器官……ってとこ?」

クロシュ「えと……たぶん、そう……。分体は……まだ、うまく作れない……」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:41:10.20 ID:aDiqD9rD0
◆幕間◆

―港湾都市ウォーターポート
 裏通り

メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「ふうん、精核かぁ……。セイントレア社もえげつないもんを考えつくねぇ」

白衣のクワガタ頭「ユーが言えたことかね? ミーからすればユーの方がよほどクレイジーマッドサイエンチストだが」

白衣のエルフ幼女「はあ? 虫をぐちゃぐちゃに組み替えて遊ぶサイコ野郎のあなたにだけは言われたくないんですけど?」

白衣のクワガタ頭「ノー!! ミーのそれはLOVEゆえのトライアル&エラー……遊んでいるわけではナッシン!」

白衣のエルフ幼女「愛さえあれば何をしても良いってこと? アッハ、サイッテー!」ケラケラ

白衣のクワガタ頭「プライズワードとしてレシーヴィングしよう」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「にしてもこの残骸……精核が残ってないし、腕に付いてるはずのブレードも外されてる。破壊者が奪ったのかな?」

白衣のクワガタ頭「それはワンダーだ。メイドウェポンはアームマシンガンやジェットパックの方がパワフル&エクスペンシブ! わざわざブレードだけロビングするミーンは?」

白衣のエルフ幼女「確かに不可解……。マシンガンやジェットの方が高く売れるし、自分で使うにしても強いはず。ブレードなんて一番微妙な武装だと思うけど」

白衣のクワガタ頭「そこから導き出されるアンサーは――つまり、LOVE!!」

白衣のエルフ幼女「はあ? 脳にウジでも飼ってるんですか? 本当に飼ってそうだけど」

白衣のクワガタ頭「トークはラストまでリッスン! フェアリーはマシーンをヘイティング……バット、ブレードはノットマシーン……ビコーズ?」

白衣のエルフ幼女「ああもう面倒くさい普通に喋れ! 妖精は機械嫌いでブレードは機械じゃないから、何!?」

白衣のクワガタ頭「おっと。餌のアワーゆえ、ミーはこれにてエクスキューズする。カリスサンもあまりウィングアイを外しすぎぬよう。ユーは元ウォンテッドボディであること、ドンフォゲッ――」ササッ

白衣のエルフ幼女「元でしょ、元。ロイエの腐れカルティスト共にロンダリングさせたので今の私は清廉潔白です〜」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「さて、調査の続き続き。ここの戦闘跡……このメイド人形は多対一を強いられていたみたい。感じ取れる魔力は、氷、地、鋼、水、風……ん、自然……?」

白衣のエルフ幼女「クワガタの言ってたラブってのは、この自然魔法の使い手……同類への手向けってわけ? ふうん、あいつやっぱりロマンチストだな。最低だけど」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。あとこの魔力反応は……かなり昔に覚えがある……なんだったっけ、これ……あ!! 星!!!」

白衣のエルフ幼女「え、マジ? 星の使い手がいたの? うわ、これは大収穫……なんとしても捕まえたいなぁ……! いひひひ……」

白衣のエルフ幼女「んふふ〜星〜星〜星属性〜♪ きらきらひかる〜いのちの〜……ん?」

 何かの跡「」

白衣のエルフ幼女「なんだこりゃ。スライムの破片? 地面にこびりついてるけど……んん〜この魔力反応は……」

白衣のエルフ幼女「……反映魔法!? ブラッドちゃん!?」ガバッ

白衣のエルフ幼女「…………いや、あの生意気メスガキスライムが人間なんかと徒党を組むわけないか。だとしたら別の……うう〜ん……」

白衣のエルフ幼女「……もしかしてあの失敗作とか? いやでもあんな貧弱生物が今日まで生き延びられるわけないし……」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。ネバネバ下等生物なんかより星属性の方が大事もんね〜〜んふふふ〜〜〜♪」

 ◆
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 21:48:14.55 ID:+iZD6bV5O
クロシュの出生は実験動物?
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:49:31.05 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでです。港湾都市&機械都市編、無事クリアおめでとうございます
次回は航海中のランダムイベントからとなります

港湾都市編ラストは、本筋を追うだけなら挑まなくとも良い強敵との激しいバトルを制しての決着と相成りました
クロシュたちの旅はまだ始まったばかりであり、この大陸や周辺国には未だ数多くの問題、苦しみが未解決のまま降り積もっています。それらをどうにかできるかどうかはわかりませんが、此度のクロシュちゃんたちは目を逸らさず、立ち向かう決意をしました。それはいつか、この星を少しだけ良い方へ変える切っ掛けとなるのかもしれません。今後のクロシュちゃんたちの活躍をどうぞお見守りくださいませ
なおクロシュ氏の出自が何なのかは未だ闇に包まれています。その答えはブラッド辺りが知っているかもしれませんが、ブラッド氏はあんな性格なので簡単には教えてくれないかもしれません。精進しましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 01:47:06.36 ID:gChSEnVVo
乙乙
つまりブラッドを力付くで屈服させれば良いのですね
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 07:29:28.69 ID:9rS2Fg0io
乙です
修行としてとてもいい感じになったな港湾都市編
ブラッドちゃんとまた一つ因縁生まれたか?
今猛烈にフメイちゃんと会いたい色々聞きたいことが出てきた…!
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 11:39:06.17 ID:1b6ZCyQvO

食べて救う…そういう救い方もあるのか!
しかし合成とか経験の吸収とかインチキじみた能力がどんどん増えていく…
279 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 13:13:57.22 ID:gowG+LT+0
クロシュちゃんたちは順調に強くなっていますが、無理矢理ブラッドに言うことを聞かせるにはまだ難しいと思われます。精進しましょう

港湾都市編は実際、各々にとって良い経験になったことが多いかと思います
ブラッド氏とはどうやらミスティ氏の復讐以外にも何か因縁があるかもしれません
フメイちゃんはクロシュよりもいろいろしっかりしているので、もしかしたら何か知っていることがあるかもしれません

食べることが救いとなるかどうかは実際のところ誰にもわかりません。救われていて欲しいという妖精の願望に過ぎないのかもしれません
何でも合成できるわけではなく、何でも吸収できるわけでもありませんが、有用な能力であることは確かです。クロシュちゃんの今後の成長にご期待ください
280 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 13:16:51.64 ID:gowG+LT+0
というわけで本日の更新の前に、トコナツ火山島の一番偉い人と、友好的な現地の人を各一人づつ募集します
トコナツ火山島の人々がどのような共同体を築いているかはまだ厳密に決まっていないため、種族や役職などは自由に考えていただければと思います
いちおう現時点で考えているトコナツ火山島の概要もここに記載しておきます

〈トコナツ火山島〉
■概要
大陸より南の海域に位置する火山島
赤道付近のため一年中真夏のように暑く、生態系も大陸とは大きく異なる
■産業
この海域の島でしか採れない南国の果物や野菜を主に生産している
また綿花の収量も多く、それを用いた服飾品の生産も盛んに行われている
近年では、王国の若い女性を中心にトコナツ産の水着が注目され始めている
■情勢
少し前に世界樹の光が火山の火口に落下し、火山活動が活性化した
島全体が激しい地震に見舞われたり、人の住む地域に突然溶岩が吹き出たり、新たな溶岩の川ができたりなど、甚大な被害が発生している


(ネームドキャラクター用テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)


↓2 トコナツ火山島の一番偉い人

↓3 トコナツ火山島の友好的な現地の人
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:01:52.58 ID:HvcdfykIO
【名前】コルト・キャルト
【種族】猫の獣人
【性別】男
【年齢】35
【容姿】茶髪で猫の耳がある。顔に猫の髭。糸目。茶色の猫の尻尾がある。背が高く、痩せ型。
【性格】どんな方にも紳士的に対応する。
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
砂魔法(砂を操る事が出来る魔法。砂嵐や流砂も作れる)剣と組み合わせて切れる砂を放つ。
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
元々別の国の出身だが若い頃にトコナツ火山島に移っている。生態系を研究している学者だったが現地の人達との交流を重ねて今では火山島で一番偉い人になった。レイピアを所持しており、戦闘では魔法と合わせてそれを使っている。どんな方でも敬語で話す。火山がなぜ活発になったのか現在調べている。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:06:34.35 ID:3Ud3/1lc0
【名前】モーリィ・フースーヤ
【種族】半竜人
【性別】女
【年齢】2000歳
【容姿】赤毛ロングの小柄な少女
【性格】勝気な性格
【魔法】火炎魔法・素手も強い
【備考】親のドラゴンの血で不老不死となっており、勝気ながらも達観した所もある
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:15:29.95 ID:Ib/bbQ/TO
【名前】レッド
【種族】バーニングスライム
【性別】男
【年齢】1000
【容姿】ボコボコマグマを垂れ流している危ないスライム。
【性格】面倒見が良い。
【魔法】冷凍魔法
【備考】マグマを垂れ流すその姿から、周囲に疎まれていた。そのため、世界中を放浪しており最終的にこの島にたどり着いた。周囲にマグマを垂れ流し嫌われることに耐えられなかった彼は冷凍魔法を極め自身を常に冷やし続けている。それはバーニングスライムである彼からしたら苦痛でしかないがもう誰からも嫌われたくなかった。
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