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【安価コンマ】オリウマ娘と共に

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719 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:54:01.80 ID:9zd8qTaz0
と、いう訳でライムがお風呂から上がるのを監視――こほん。いいタイミングで発見したのでアタシの部屋に連行した。

……いやまあ、大体のウマ娘がお風呂に入る時間は同じ時間帯だし、監視とかしなくても大体予想は出来る。遅くまでトレーニングしてたとかなら、お風呂が遅くなったりもあるけど。

ライム「し、尻尾の手入れですか……?い、いえいえ、そんなパピヨンさんにして貰わなくても!わ、私は一人で出来ますから……!」

パピヨン「まあまあ遠慮しないでライム〜。それに聞いたよ?ライムって尻尾の手入れで悩んでるんでしょ?」

昨日シルフィーから聞いたんだ〜。というと、ライムは恥ずかしそうにぐぬぬ……みたいな顔をして、耳をぺたんと倒す。

……ぷぷっ。こういう表情、貴重かも。

ライム「し、シルフィーさん……!ぅ、も、もう……わ、分かりました。では……お、お願いします。出来れば、優しくお願いしますね……?」

パピヨン「待ってました〜!んもう、ライムももっと早く素直になればよかったのに、それじゃあ――あ、普段から使ってるオイルとかローションある?トリートメントとか……」

もしお気に入りとか、何かの成分で痒くなっちゃうとかそういうのがあるなら色々と考えなくちゃいけない。その辺りはちゃんと考えるべきだよね。。

ライム「い、いえ。そういうのは特にありませんし、お気に入りとかも……普通の市販の奴を使っていますから」

パピヨン「オッケー。じゃあアタシが持ってきた特製の奴を使っちゃうね。ほんと、なにか変な感じがしたら言ってね?すぐ拭いて別の奴を使うから」

――さて、それじゃあ早速始めちゃおう。お風呂上りなだけあってちゃんと尻尾はいい感じに湿っている。じゃあまずは櫛を入れて毛並みを……。

ライム「んっ……!」

パピヨン「んっ?」

櫛を軽く入れてスーッと撫でるように動かすと、ライムの口からそんな声が漏れて、体がビクンと震えた。

……もう一度、同じ場所からスーッと櫛で尻尾を撫でる。

ライム「んっ、ふっ、くっ……!ふはっ……!」

びくっ、びくっ……と、体が震える。びくびくと余韻でまだ身体が動いている。
720 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:54:39.44 ID:9zd8qTaz0
パピヨン「――――なんだ、尻尾が弱いなら最初からそう言えばいいのに」

ライム「は、恥ずかしかったんですよ……!じ、自分でやろうとしても、くすぐったくて中々上手く出来なくて……!」

尻尾を触るとくすぐったくてまともに手入れが出来ない――成程、それは困る。アタシだったら悲しくてストレスが溜まっちゃう。

……それじゃあ人に頼むのも怖いはず。ちょっとミスしちゃったかも、そういう事情なら……もう少しやりようはあったかも?

パピヨン「ごめんごめん、それじゃあもう少し優しくやるから……くすぐったいって言うなら、細かい櫛よりも少し大きめの櫛でやった方が良いかも」

という訳で別の櫛に変えてチャレンジ。そして尻尾の根元にゆっくりと櫛を差し込んで……ゆっくりと、さっきよりも遅いスピードで、毛並みを整えていく。

パピヨン「はい、じゃあ今から行くよ〜。はい、すーっ……」

ライム「ふっ、ふふふふふ……っ!くっ、くふっ……ふはっ……!」

先ほどよりもマシだけど、やっぱりまだくすぐったそうで、笑い声が漏れている。

パピヨン「…………」

……どうしよう、ちょっと……ゾクゾクする。あのライムが、アタシの手で……体をビクビクさせて声を漏らしている。

…………ちょっとくらいなら。良いよね。

ライム「んっ……ふっ!くっ……ぁ!ひゃっ!?ちょ、ぱぴよんしゃん……!」

パピヨン「ごめんねライム。ちょっと念入りにやりたいから少しくすぐったくさせちゃうかも」

そう言って、櫛を尻尾に差し、ゆっくりと丁寧に撫でて毛並みを整えていく。すっ、すっ、すーっと、尻尾の表も裏も、一人じゃ上手く触ることのできない部分も念入りに櫛を入れていく。

ライム「……っ!ぁ、ふぁ……!くっ、ふふふっ……!ふはっ、あはははは……!そ、そこ、だめ……ですからぁ……!」

パピヨン「一人じゃできない部分だからね〜。少し我慢してね〜」
721 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:55:32.83 ID:9zd8qTaz0
全体の毛並みを整えたので、次はオイルを広げていく。手で触ることになるから、櫛よりもくすぐったいし刺激も強いかもだけど……まあ、そこはアタシの手腕に任せて欲しい。

パピヨン「じゃ、根元から広げていくね。出来るだけ優しくするからね」

ライム「ほ、ほんと、ですか……?や、やさしくしてくださゃぁ!?」

ぬとぬとになった手で尻尾の根元に指を入れる、そして浸透させるために軽くわしゃわしゃと指を動かす。

ライム「あっ!ほ、ほんとっ、ぱ、ぱぴよんしゃ……!〜〜〜っ!」

……近くにあったアタシの枕に顔を埋め、へたりと上半身を倒す。必至にアタシの手入れの声を我慢しようとしているのか、より一層体がびくびくしている。

ま、アタシは続けていくだけだけど〜……ふふ。まさかこんな弱点があるなんて知らなかったな〜……でも安心してね?しっかり、尻尾の手入れはするしとっても気持ちよくしてあげるから……。

パピヨン「わしゃわしゃわしゃ〜……お痒いところはございませんか〜?」

ライム「ふっ、ふっ、ふぁ……!〜〜〜!〜〜〜!」

パピヨン「あ、ここかな?じゃあちょっとここをちょっと爪で引っ掻いて……かりかり」

ライム「〜〜〜〜〜!!!ふっ、ふーっ!ふぁ!?あっ、ひゃ……!も、いいかげんに……ひぅ!?」

パピヨン「じゃ、全体に広げちゃうね」

根元に入れた指を、尻尾の先までなぞるように動かしていく。尻尾の根元から先までを撫でて、終わったらもう一度根元から撫でる。尻尾全体にオイルが広がるように、光沢にムラが出ないように満遍なく撫でる。

ライム「ふぁ、ふはっ……!あっ、あはははは……っ!く、くふっ……!……っ!〜〜〜!」

パピヨン「ちょっと暴れないでよライム。危ないしムラが出来ちゃうから……ほらほら、あと少し、我慢我慢〜」

ライム「……ぁ〜〜〜〜っ!」
722 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:56:06.83 ID:9zd8qTaz0
パピヨン「ごめんってライム〜!いや、結構絡まってたりしたから念入りにやりたくて……!」

ライム「あ、あれだけやっておいてなんですかそれは!」

――綺麗な毛並み、つやつやの青い光沢。とても満足のいく手入れだった――アタシにとっては。

しかしライムにとってはそうではなかったみたいで。顔を真っ赤にしながらアタシを睨み、プンプンと怒ってくる。こういうライムもまた珍しい。

ライム「も、もう二度と!二度とライムさんには頼みません!」

パピヨン「え〜!?そんな、もう今日みたいなことはしないってライム!優しくするから〜!でもほら!滅茶苦茶綺麗になったでしょ!?」

ライム「くっ……!ま、まあ、それはそうですけど……!」

パピヨン「次はもっと勉強して、滅茶苦茶気持ちよくしてあげるから!勿論くすぐったくはしない!ね、ね!?」

ライム「…………ほ、本当ですか?ま、まあ、私もこんなに綺麗にして貰ったのは、嬉しかったですし……こ、今回だけですからね」

――勝った!

と、いう訳で。アタシはこれから尻尾手入れをやらせてもらうことになった。あのライムがあんな、あんな声をあんな表情で……!

パピヨン(……アタシだけが独占しちゃってるんだよね、これを)

……罪悪感がないわけじゃない。でも、まあ……これもいいかなと思った。

取り合えずライムには後で尻尾手入れ教室に来てもらうことにしよう。自分で出来るようになった方が良いのはそうだしね。
723 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:56:35.18 ID:9zd8qTaz0
お疲れさまです、00ボーナスの尻尾手入れです。

おやすみなさい。
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 07:34:15.18 ID:2wtsC9/Co

たまらん
レースでは見せない表情を自分だけが知ってるなんて……最高!
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 09:19:09.76 ID:dND+I8qsO

でも幼馴染み彼氏にいつか尻尾手入れの役目とかも奪われるんだよね…
726 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/06/24(月) 21:55:49.02 ID:9zd8qTaz0
流石に死ぬ
デュランダルデュランダルデュランダルデュランダルジャーニージャーニージャーニージャーニービリーヴビリーヴビリーヴ
727 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/06/24(月) 21:59:03.42 ID:9zd8qTaz0
は〜〜〜〜〜デュランダルデュランダル……は〜〜〜〜〜
728 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 22:48:18.46 ID:9zd8qTaz0
落ち着いたのでやりまーす。これだけかも。



9月前半。

『……もう少し近くに来てくれないか』

パピヨン「べ、別にいいでしょこの距離でも。アタシは今この距離が良いの!」

次のレースの話をするためにパピヨンをトレーナー室へ呼び出したのだが、パピヨンが何故だが自分を警戒して全然近くに来てくれない。部屋の隅っこの方で、あの日水族館で購入したペンギンのぬいぐるみを抱きかかえながら睨みつけてくる。

……ま、また何かやってしまったか?まだあの時の注意が引いているか?はぁ……どうしたものか。

『……取り合えず話を始めるぞ。聞こえなかったらちゃんと近くに来てくれよ』

パピヨン「うるさーい!ばかばかばかばか!」

それになんだか妙に子供っぽいな……まあでも普段もこんな感じか?

『次走についてだが――』

エルムステークス、1700mをしっかりと走り切り一着を取ったパピヨン――夏の合宿を得て、しっかりとスタミナをつけた。これなら後はスタミナを維持しつつ走力を鍛えていくだけ。

――いや、話しはそう単純ではないが。今はとにかく、資格を得た――そう思うことにしよう。

(――短距離でG2東京盃、G1JBCスプリント、マイルならチャンピオンズカップ……いや)

パピヨンなら――もっと高みを目指せるんじゃないか。国内だけじゃない、海を越えて――そう考えてしまう。

『……』

パピヨン「ちょ、ちょっとなに。そんな見つめて……み、見つめないで!キモ!キモキモキモ!」

トレーナーとして。【貴方】は――。


次走は:安価下1〜3
1 10月前半、1200mG2東京盃(VSブラックマンティス)
2 11月前半、1200mG1JBCスプリント
3 12月前半、1800mG1チャンピオンズカップ(VSステラライム?)
4 世界へ視野を向けて。
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 22:59:51.67 ID:ectNqJNOo
1
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 23:01:17.80 ID:2wtsC9/Co
1
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 23:29:25.64 ID:nJdki+940
一応1
732 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 23:41:09.02 ID:9zd8qTaz0
『来月の東京盃――これに出よう』

エルムステークスからクラスが上がりG2、東京盃。マイルこそ走れるようになったが、パピヨンの真骨頂は短距離――きっとそこでも勝つことが出来るはずだ。

パピヨン「お、短距離じゃん。お兄さんもしかして――見たくなっちゃった?」

アタシがぶっちぎりで逃げ切って勝っちゃうところ?と、ニヤニヤ笑いながらパピヨンは自信たっぷりに言ってのけた。確かにそれだけ自信満々になる気持ちもわかる、しかし――久しぶりの実戦での短距離。そううまくいくとは思わない。

『……それに、東京盃と言ったら――ブラックマンティスも出走する』

パピヨン「……!」

あの日の模擬レース以来、たまに併走に付き合って貰ったりすることの多いブラックマンティスとは、ここが初めての対決。全てを切り裂く末脚と、圧倒的な迫力。あれを身をもって感じたことのあるパピヨンなら、その恐ろしさも分かっていることだろう。

パピヨン「ふーん……じゃ、アタシマンティに謝らないとじゃん」

『ん?』

パピヨン「アタシ、この前マンティに次のレース応援するね〜。とか言っちゃったけど、それは無理だなーって」

『……なるほどな。まあ、程々にな』

パピヨン「はいはーい。別に慢心はしないけど、ちょっと気合い入れて練習しなくちゃね」

――久しぶりの短距離だからか、気合も十分。これは良いトレーニングが出来そうだと、心の中で笑う。

パピヨン「ま、そのためにも英気を養わないとね。お兄さんちゃんと冷蔵庫にアイス入れてる?貰っちゃうねー」

『…………』

ダメかもしれないと、心の中で悲しくなった。
733 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 23:58:44.03 ID:9zd8qTaz0
ごめんなさいちょっとだけ寝てました。



パピヨン「そろそろ始まるね〜」

『ああ、そうだな』

トレーナー室にあるテレビ、そこで【貴方】とパピヨンはレースを見る。ダートG1、ジャパンダートダービー。

――やはり本日の主役はこのウマ娘で間違いありません。これまで5戦5勝、無敗のウマ娘ステラライム。

ライム「…………」

――しかしこの距離は彼女にとっても初の挑戦。しかしそれを不安にさせない迫力と表情がうかがえます。

テレビにステラライムが映る。やはりステラライムの注目度は群を抜いており、大きな歓声が沸き上がる。

『……さて』

パピヨン「…………」

――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備が整いました。

ライム「――!」

――さあジャパンダートダービー!スタートいたしました!

734 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 00:06:25.20 ID:YDQ58vaT0
ステラライム、結果は……:コンマ直下
1〜4 一着!
5 二着
6 三着
7 掲示板
8〜9 あちゃぁ
0 おおっと
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 00:16:27.87 ID:bVaemvkqo
さて
736 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 00:29:22.27 ID:YDQ58vaT0
星、墜ちる。

それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。おやすみなさい。
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 00:33:48.97 ID:ZPveajbAo
おつ
距離が厳しかったか……
いけ!パピヨン!しっとり慰めタイムだ!!
738 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:45:53.99 ID:YDQ58vaT0
すみません訂正させてもらいます。ステラライム5戦5勝と言いましたが4戦4勝にさせてもらいます。

見返したらちょっと厳しかった……日程が……。



――さあスタートしました!おおっと8番少々出遅れ!バ群から3バ身ほど後方からのスタートとなります!

スタートと同時に一人出遅れが発生。しかし他のウマ娘は好スタートを切り、各々の位置に陣取っていく。

ステラライムは前方集団に位置取りゆっくりと進んでいく。先頭を往く逃げウマ娘を見ながら、他のウマ娘に混ざる形。

――先頭を進む4番、そしてそこから5バ身ほど離れた位置に固まって10番1番、内に5番ステラライム、その後ろに11番――。

パピヨン「…………」

『……少し囲まれているな』

王道のレース展開だが、それ故に今のライムの位置取りは苦しそうだ。前にも後ろにも囲まれ、中々そこから出ることは出来ない。その表情からも苦しさが伺える。

パピヨン「まだ大丈夫でしょ、始まったばかりだし」

『まあ、それはそうだが……』

そこからというものの中々レース展開は動かず、そのまま最終直線。先頭を走る逃げウマ娘がバテはじめゆっくりとペースを落とし始めた瞬間。

――さあ最終直線!ここからレースはどう動くか!ステラライム来ないのか!少々苦しいか!

――逃げる4番!追う10番!リードは3バ身!しかしどんどん差が縮まっていく!大外からなんと2番!先頭へと迫る迫る!

ライム「…………っ!!!ああああああああああああ!!!」

――残り200!ここで先頭変わり10番!追う1番と2番!最後は三人の争いになる!そこから少し下がりステラライムも追うがこれはこれはもう無理か!

パピヨン「……っ」

――内10番、外2番!ここでゴールイン!少々真ん中1番は苦しいか、3人もつれ合っての同時ゴールイン!これは写真判定!そして4着にステラライム、5着に9番――。
739 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:46:36.89 ID:YDQ58vaT0

パピヨン「――――」

『…………』

――ステラライムが負けた。当然レースに絶対はない、しかしあのステラライムがこうやって負けるさまを見てしまうと――【貴方】はパピヨンを見る。

パピヨン「…………」

『……パピヨン』

前に出ることが出来ず自分の走りが出来なかった、初めての距離でスタミナが足りなかった、純粋に力が足りなかった――負ける理由には色々な物がある、しかしステラライムの場合それは自分の走りが出来なかったことにある。

――もし、最後囲まれていなかったら?こういう考えは禁忌だが、それでも――【貴方】は考えてしまう。

パピヨン「……ちょっと、走ってくる」

『あ、おいパピヨン!』

――――行ってしまった。ライバルであるライムの初めての敗北を見て、思うところがないわけがない。今はそっとしておいてやるべきか――。

『……大丈夫かな』
740 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:57:40.27 ID:YDQ58vaT0
パピヨン「…………ふぅ」

――9月の夜はまだまだ蒸し暑い。軽く走り込みをしただけなのにムワっと汗が籠り、気持ち悪い。

お兄さんの期待を裏切ってしまうんじゃないかと不安になったとき、ちょっとモヤモヤすることがあったとき――兎に角アタシは走る。走ればその瞬間だけでも気持ちをリセットできるから――けど、ちょっと今回のそれは普段とは違った。

走っても走っても、なんだか引っかかる。小さなモヤモヤが残って消えない。

パピヨン「嫉妬、ムカつき……違う、違うのかな」

アタシがライムに初黒星を付けてやる!そういう気持ちも確かにあった、だけどそんなことで――いや、ダメだ分かんない!アタシがライムをどう思っていたのかが今更分かんなくなってきた!

ライバル!そう、ライバルになりたかったの!だから――アタシはずっとライムを。

パピヨン「…………そろそろウイニングライブも終わったかな」

――スマホを取り出して、電話をかける。プルル、プルルとコール音が鳴って。

ライム「はい、もしもし。パピヨンさんですか?」

パピヨン「――んっ、んんっ。こんばんはライム」

自分からかけておいて、ライムが電話に出たことに驚いて咄嗟に声が出なかった。喉を鳴らして、声を整える。

パピヨン「レースお疲れさま〜。見てたよテレビで」

ライム「あ、あはは――そうですか、見てましたか……」

――恥ずかしそうに頬を指でかく姿が見える。


ライムは――:コンマ直下

コンマが高いほど全然気にしてない!低いほどめっちゃ落ち込んでるし泣いてる。
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 22:07:56.56 ID:JkGDSsVDO
はい
742 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 22:58:48.34 ID:YDQ58vaT0
ライム「――少し申し訳ないところを見せてしまいましたね。私としては、無敗のままパピヨンさんの挑戦を受け続ける予定だったのですが、それは叶いませんでしたね」

パピヨン「は〜?何その予定。ちょっと調子に乗り過ぎでしょ」

あはは、そうですよね――でも。と電話越しのライムが続ける。

ライム「――私はもっと強くなりますよ。この負けを糧に、私はより速く強く……ですから。もし私の今日のレースを見て勝てるなんて思っていたら……」

パピヨン「ぷっ、ぷふ、ぷはは!ちょっとライム、それはアタシを舐めすぎじゃない?」

負けた姿を見て、アタシなら行けるかも――そんな甘えた考え、してやるもんか。

パピヨン「あーあ、もっと落ち込んでたら慰めてあげる予定だったのに。負けたなら負けたらしく泣いてよね」

ライム「ふふ、泣いて勝ちに繋がるならいくらでも泣いてあげますよ。でも、そうじゃないでしょう?」

パピヨン「…………強すぎでしょ。ほんと」

ただただ圧倒される。このウマ娘は――ステラライム、ほんと……。

パピヨン「じゃ、また今度。次戦う時は黒星をもう一つ増やしてもらうから覚悟しといてね〜?」

ライム「――ええ、期待して待っていますよ。パピヨンさん」

――プツん、と電話が切れる。全く怖いウマ娘。ちょっと声が震えてたくせに、あんなこと言っちゃって。あーあ、まあ気持ちは分かるけど。

パピヨン「…………ま、安心だねとりあえず」

もしこれで本当に落ち込んで、うじうじしてたら――アタシどうしてたんだろ。アタシが言えたことじゃないのにね、同族嫌悪って奴?めっちゃイライラしてたかも。

あーあ、まあとりあえず良し!もうちょっと走って、部屋に戻ろーっと。
743 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 23:25:39.24 ID:YDQ58vaT0
――――ニュースや新聞、雑誌ではジャパンダートダービーの事で持ち切りだった。

「ステラライム敗北。ダートの星ついに墜ちる」なんて、それらしい見出しでステラライムの敗因を語っていたり、勝利したウマ娘へのインタビューが乗っていたり。

パピヨン「めっちゃパピヨンのこと書かれてるじゃん。ほんっとよくやるよね」

『……不満か?』

パピヨン「別に?ただ――勝手にライムのこと、落ち込んでるとか悔しがってるとか、インタビューしてもないのに憶測で書くのは――ねぇ?」

『……キミ、そういうところちょっと怖いよな』

パピヨン「は?なにが?」

なんだかパピヨンの雰囲気が怖くなってきた。この話は少し止めておこう。

『さて、10月の東京盃に向けてトレーニングを続けていくべきだが――基本的には筋力トレーニングになる』

スタミナは十分、なら後は体を鍛えるだけ。

『ジムも坂路も使って、パワーを鍛えて力強いトモを手に入れる。あとは他のウマ娘の情報だが――』

パピヨン「はいは〜い。あとで適当に見ておくから資料置いておいてよ、それじゃ。ちゃちゃっとトレーニング始めよ、お兄さん?」

――ま、やる気は十分。あとはどれだけやれるかだな。
744 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 23:38:04.54 ID:YDQ58vaT0
東京盃前イベント。:自由安価下2まで



今日はこれで終わりです。お疲れさまでしたおやすみなさい。

そろそろ自由安価厳しくなってきてそうなので、自分で色々イベント用意していった方が良いですかね?なんかあったら教えてください。
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 23:56:48.62 ID:ZPveajbAo
東京盃勝ったらご褒美要求するんだー、どんなのかって?ヒ・ミ・ツ(まだ決めてない)みたいな内容をマンティに話して悶々とさせるパピヨン
本人はだから負けないよー位の軽い雑談の体

乙でした
ライムマジ強靭だな、バチバチに対策されて負けはしたけど全然折れてない
安価埋まらないようなら>>1イベントも見たい
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 00:14:41.61 ID:E1CzQc6DO
芝が主戦場だった(はず)のシルフィーが>>697>>699でダート三人娘に入っているからその補足というか、ダートでも想定以上に活躍して今後の方針について改めて話し合うシルフィーとシルフィートレーナーみたいなのを
747 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/26(水) 00:46:06.48 ID:9CC6+x0Oo
シルフィーダート転向ルートちょっと面白いけどさすがに秋華賞終わってからですね……

そういうわけで再安価させて貰います。もう1個イベント募集、来なかったらなにか考えます。
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 11:30:22.32 ID:0u+IcM2So
マンティとマントレ側のトレーニングの様子など
ここまでのマンティ戦績とかお出ししてくれると嬉しい
749 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 00:37:56.10 ID:HIP2GiRR0
パピヨン「あ、マンティ。そういえばアタシも東京盃出ることになったからよろしくね〜」

マンティ「へ?は、はぃ……よ、よろしく、お願いします……」

――おかしい、思ってた反応と違う。アタシはマンティの反応にむむむとなる。

もっと「へ、へぇ!?そ、そうなん、ですかぁ!?」みたいな反応をしてくれると思ったのに……全然驚いてないじゃん!なんでなんで?昨日決まったばかりの話だから誰にも言ってないのに!

パピヨン「お、驚かないじゃん。もしかしてあれ?アタシなんて眼中にないみたいな?」

マンティ「えっ!?そ、そういう、意味じゃなくて……!ひぅう……パ、パピヨンさんは、で、出て来てもおかしくないと思っていたので……!」

パピヨン「なんか凄いアタシのこと意識してくれてる?やだ、ちょっと嬉しいかも」

――ま、いっか。どんだけ意識されてもアタシはいつも通り走るだけだし。どんなことしてくれるんだろ。

パピヨン「……あ、そうだ。実はアタシ、東京盃で勝ったらご褒美おねだりしちゃうんだ〜」

マンティ「ご、ご褒美、ですか?ど、どんな、ご褒美なんですか……?」

お、食いついてくる食いついてくる。このムッツリちゃんめ〜。興味津々のマンティに、にやりと笑って返す。

パピヨン「――ひ、み、つ!ちょっとマンティには教えられないかな〜、大事な大事なご褒美だからね。勿論お兄さんにはオッケー貰ってるんだけど」

マンティ「お、おおお……ふ、ふぇ。や、やっぱり凄いですね……!パ、パピヨンさんと、トレーナーさん……!」

まあお兄さんにはこんな話一切してないし、ご褒美の内容も全然考えてないけどね!ぷははのは。

パピヨン「んま、そういうわけだから!アタシは次負けないよ〜?」
750 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 00:43:45.33 ID:HIP2GiRR0
マンティ「ご、ご褒美……わ、私も、そういうの……憧れます」

パピヨン「そうなの?じゃあねだっちゃえば?」

マンティ「…………へ?」

パピヨン「もしアタシに勝てたら、の話だけどね〜?重賞に勝ったんだし、それくらいあっても全然良いでしょ?」

マンティ「……そ、そう、かもしれませんね。そ、そっか。私も……それくらい……」

お、なんだかやる気出てきた感じ?ま、ちょっとの我が儘くらい叶えてくれるのがトレーナーだよね。お兄さんはそれやって当然だし。

――ま、アタシに勝てたら!の話なんだけど!




おやすみなさい、これだけです。

マンティ戦績はまだできてないので。とりあえずパピヨンとライムだけ載せときます。シルフィーはちょっと保留で。

シルヴァーパピヨン 5戦3勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_プラタナス賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 2着
G3_ユニコーンステークス 5着
G3_エルムステークス 1着


ステラライム 5戦4勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_カトレア賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 1着
G3_ユニコーンステークス 1着
G1_ジャパンダートダービー 4着
751 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 23:16:51.00 ID:HIP2GiRR0
来週までまたお休みになりそうです。すみません。

ちょっと安価募集します。良い機会なのでパピヨン周りの設定を少しずつ埋めていきたいです。

まずはヒミツから。マックイーンが自分のかっとばせー!の寝言で起きるみたいな、ゲーム内で見れるあれです。なんか付け足したい簡単な設定を付けちゃってください。



シルヴァーパピヨンのヒミツ:安価下3まで募集

752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/27(木) 23:19:59.67 ID:Deo4IkXxo
尻尾の手入れでいつの間にか一日過ぎてた事がある
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 19:12:59.72 ID:ehUc+0HiO
二度と自由安価しないで欲しい
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 19:51:30.36 ID:PfqvqcoOO
埋め
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/28(金) 22:17:37.22 ID:nOCU+qz7o
実はぬいぐるみを抱いて眠るのが好き
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/06/28(金) 22:34:14.45 ID:Ilubwq630
めちゃくちゃ食べるタイプではないが、太らない
(実馬は身体を大きくするのに苦労した表現)
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 23:49:14.08 ID:PfqvqcoOO
ちょっと草
自分で全部安価考えていれてる?
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/29(土) 17:25:40.26 ID:RaifrrndO
ほんと自由安価控えて好きなように書いて欲しいです
耳かきとか凄いよかったしもっとみたいです、おなじ思いの人いると思います
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:43:24.95 ID:xnEb7ibt0
ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:44:10.89 ID:xnEb7ibt0
     ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:44:37.45 ID:xnEb7ibt0
        ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:45:17.71 ID:xnEb7ibt0
ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:45:45.85 ID:xnEb7ibt0
 ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
764 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:47:58.64 ID:1nrOjH1Z0
マンティ「――――」

和室に置かれたテレビにはレースが流れています。先頭を往くのは銀色の髪をなびかせ、思うがままに逃げるウマ娘。それを追うのは栗毛のウマ娘と芦毛のウマ娘。

――叫び声と共にゴールした逃げウマ娘が、ゆっくりとスピードを落としながら息を整える。そして何度も聞いた口調で観客席に――。

マントレ「……どうですか。イメージは付きましたか?」

マンティ「ふぇぇ!?あ、と、とれーなーしゃん!?お、おつかれさまです!?」

マントレ「ほらほら落ち着いてください。今冷たいお茶を入れますから」

和室の奥からとれーなーしゃん……ち、違います!トレーナーさんがにこにこと笑いながら、お茶の準備をしてこちらに向かってきます。

……冷たい。美味しいです。

マントレ「今日は一段と暑いですから、熱中症には気を付けませんと。ゆっくり飲んでくださいね、お茶菓子に羊羹もありますよ」

マンティ「あ、ありがとうございます……」

――この和室は私のトレーナーさんのトレーナー室です。ちょっと学校とか寮からは離れた場所にあって、なんだか……そう。雰囲気のある所に、このトレーナー室はあります。

ちりんちりんと風鈴が鳴って、風情を感じます?その辺は、まだまだ分からないことばかりですけど……落ち着く場所で、気に入っています。

マントレ「――エルムステークス、標的は勿論シルヴァーパピヨンさんですか」

マンティ「は、はい。それ以外にも沢山……ユニコーンステークスも、全日本ジュニア優駿も。た、沢山、見ました」

パピヨンさんだけじゃありません、それ以外の出走者の今までのレースも何度も何度も繰り返しリピート。その走りを頭に刻みつける行為。目を瞑るだけで、その走りがイメージできるように、ただひたすらに観察をしました。

マントレ「貴女には実力がある、しかし中々差し切れない。それは単に――他を知らなかった為です」

他の走者の走りを知れば、どのような動きをしてくるかが分かる。どのタイミングでスパートをかけるか、仕掛けてくるかが分かる。勿論それは完璧じゃないし、当然トレーニングによって強くもなっている。

マントレ「獲物を知れば狩りやすくなります。ですから、しっかりと頭に刻み付けて――自信にしましょう。自分はこの自慢の末脚で絶対に刈り取れる――ハッキリとそう思えれば、もう貴女の独壇場です」

マンティ「ふぁ、ふぁぃ……が、がんばり、ます!」

ええ、その意気ですよ。と、優しく私のトレーナーさんは微笑んでくれました。背丈は私と同じ……いえ、ちょっと小さいくらい?なのに、まるでおじいちゃんみたいな安心感を与えてくれます。

……何歳なんでしょうか?
765 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:49:36.11 ID:1nrOjH1Z0
マンティ「そ、それで。あの、と、トレーナーさん!その、お、お願いがあるんです!」

マントレ「はい?」

マンティ「も、もし私が東京盃を勝てたら――ご、ご、ご褒美を下さぁい!」

――は、はぅう。か、顔が熱いです!こ、こんなご褒美だなんて……わ、私らしくない。ひ、ひぁ。だ、ダメでしょうか……?

マントレ「……ふふ。はは、珍しいですねマンティスさんがそんなおねだりだなんて」

マンティ「ご、ごめっ!ごめんなしゃい!わ、わたし、と、とんだご迷惑を!」

マントレ「いえいえ構いませんよ、それじゃあもし一着で勝てたら――ご褒美をあげましょう。何かして貰いたいことなどはありますか?私に出来る範囲内ならいくらでも」

マンティ「へぇぁ!?あ、ぁ、ありがとうございます!ま、まだ考えてないんですけど……よ、よろしくお願いします!」

――――東京盃まであと少し!が、がんばり、ます!
766 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:58:15.26 ID:1nrOjH1Z0
ブラックマンティス 5戦2勝
メイクデビュー 3着
ジュニア級未勝利戦 1着
Pre-OP_昇竜ステークス 1着
Pre-OP_端午ステークス 2着
Pre-OP_天保山ステークス 4着



ブラックマンティス成績になります。本編と食い違う部分があったら優しく見逃して下さい。

更新もう少しだけ続きます。
767 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:20:17.80 ID:3YoYuToa0
――G2東京盃。JBCスプリントのトライアル競争に位置するそのレースには、自信のあるダートのスプリンターが集結していた。

ま、アタシもその一人なんだけど。一番人気らしく堂々とパドックに登場すると……おお、そこそこの歓声。

パピヨン「んま、よろしくね〜」

マンティ「――よぉ、パピヨン」

観客に向かってヒラヒラ手を振っていると、背後から声が。聞いたことのある声が、久しぶりの口調で。

パピヨン「お、マンティ。ぷぷ、もうやる気満々じゃん」

マンティ「前回の屈辱、敗北――きっちりと返させてもらうぜ。ヒラヒラ呑気に飛んでたら――俺様が刈り取るからな」

――いいかテメェら!この俺様の走り!その目ん玉に刻み込んでもらうぜぇ!

わぁあああああああああ……!!!と、アタシよりもデカい歓声。マンティってコアなファンが沢山居るんだよね。走りもハデだし、キャラも濃いし。

パピヨン「ま、そんなこと言って前にアタシに負けたのはマンティだけどね〜?ぷはは!そんな恥ずかしい事言わない方が良いよ?後で後悔しちゃうから〜?」

マンティ「言ってろ!」

――さぁて、初めての公式短距離レース。今までマイルでばっかり頑張ってたけど――一番気持ちよく走って、勝っちゃうから。

――――あー、楽しみ!
768 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:26:35.25 ID:3YoYuToa0
G2東京盃、VSブラックマンティス――結果は:コンマ直下

1 余裕余裕!
2-5 何とか……でもそれでも!
6-7 ――瞬間、首を何かに斬られた
8 背後のプレッシャーにやられて
9 二人してダメじゃん!?
0 おおっと
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 00:37:53.47 ID:VXx9k2PEo
勝て!
770 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:55:03.31 ID:3YoYuToao
お疲れさまでした。今日はこれで終わりです。

自由安価不評のようなのでより一層減らしていきたいと思います。ただやりたいときにはやるのでよろしくお願いします。

マンティ、強い。
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 02:12:37.12 ID:hDVBvzEKo

マンティご褒美やったぜ。
そして分からせ食らうパピヨンはもはや様式美、コイツ新聞読めるタイプだ
772 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:06:00.85 ID:3YoYuToa0
――さあ各ウマ娘一斉にスタートいたしました。まずは一番人気シルヴァーパピヨンが先頭を取る。その後ろにピッタリとくっ付いて8番、そこから2バ身ほど離れて先行集団、その後ろにぽつぽつと並び最高峰ブラックマンティス。

パピヨン「――」

アタシの後ろにピッタリとくっ付いたもう一人の逃げウマ娘――今までは自分が先頭の立場だったけど今回はアタシに譲る感じ?ふぅん……別にいいけど。

パピヨン「最初から一番前が一番気持ちいと思うけどなぁ……!」

しかし先頭を争いがないならそれはそれで、アタシはどんどん前へと進んでいく。

最初から最後まで全力全速で、スタミナ切れも考えないで一心不乱に前へ。逃げる逃げる逃げる。

――第3コーナーを曲がり最終コーナー。依然として先頭は10番シルヴァーパピヨン!最後まで逃げ切ることはできるか!

そんなの当然――!そう思った瞬間。


マンティ「――――は、はは、はっ――ははは!!!」


嫌な笑い声、そして世界が揺れたように錯覚する足音が、アタシの世界にズカズカと入り込んできた。
773 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:08:06.57 ID:3YoYuToa0
パピヨン「――――っ!」

――最終直線、8番はもう苦しいか……!?大外!大外から一気にブラックマンティス!ブラックマンティスがシルヴァーパピヨンに迫ってくる!?

マンティ「ぅおらぁあああああああああああああ!!!!!」

パピヨン「ふざけんっなぁ!!!」

脚を回す、腕を回す。大外から迫るそいつから逃げるために、必死に体を動かす。

まだまだ身体は動く。まだまだアタシは走れる。もっと、もっと早く――!もっともっともっと早く早く早く――!ここで負けたら、アタシだって――!

――残り200!シルヴァーパピヨン先頭シルヴァーパピヨン先頭!しかしブラックマンティスがもうすぐそこ!2バ身!1バ身!


パピヨン「ぁああああああああああああ!!!――っ!?」


マンティ「――並ばねぇよ、じゃあな」


――並ばない!ブラックマンティス大外から一気に先頭!そしてゴール!一着には2番ブラックマンティス!ブラックマンティス重賞初勝利!

――――一瞬で、アタシを抜かして背中を見せつけたマンティは。アタシを見て愉快そうに、笑った。

まるで、首をその鋭利な鎌で斬り落とされたみたいに。アタシは――負けた。速さで、負けた。

マンティ「は、はは、ははは――はははははははははっ!!!!見たかお前ら!これが俺様の走り!目に焼き付けたかぁ!」

――っわぁあああああああああああ!と、爆発みたいな歓声が、レース場に鳴り響く。
774 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:12:18.69 ID:3YoYuToa0
パピヨン:コンマ直下

コンマが高いほど別に落ち込んでないですけど〜?低いととても落ち込んでる。
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 22:20:38.13 ID:UXBpLJ2G0
はい
776 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:27:06.46 ID:3YoYuToa0
しょうがないけどちょっと笑っちゃった
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 22:48:43.06 ID:spf5m6fdo
防御力に全く振ってないウマ娘
778 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 23:37:11.11 ID:3YoYuToa0
パピヨン「うっ……ぐっ、ず……!ぅあ……!」

『……ぱ、パピヨン』

――控室に戻ってきたパピヨンの様子はそれはそれは相当なものだった。

眼が真っ赤に腫れ、鼻水をずぴずぴとすすり、今はまだ我慢出来ているのかもしれないが――一瞬で崩壊してしまいそうなそんな危うさ。

『……お疲れさま。いい走りだった』

パピヨン「う"っ……も、もう少しだったのに、もう少しだったのにぃ……!うぁ、ぐす、ずび……!」

あと少しの所で、大外から一気に伸びてくる黒い影。観客席から見ていても今回のブラックマンティスの走りは――圧巻としか言いようがなかった。

よっぽど悔しかったんだろう。短距離で、しかも速さで――真正面から叩きのめされる。しかもその相手がブラックマンティスなのだからよっぽどだ。

パピヨン「次は……次は絶対に負けない……!次、あんな、絶対差せないくらい、早く逃げ切ってやる……ぅ、ぐすっ」

――。

どうしてあげよう:安価直下
1 ああ、次は頑張ろう。と言葉を投げかける。
2 ……頭を撫でてあげる。
3 自由安価
779 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 23:54:08.73 ID:3YoYuToa0
寝ます、おやすみなさい。

安価は下にずらして下さい。
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 00:01:00.59 ID:Q+3pFzhSo
2おつおつ
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 10:42:37.58 ID:uKWR5BpTO
この子良い子なのは分かるんだけどやっぱクソガキだよな…
782 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/02(火) 23:38:09.79 ID:HroUrREj0
『…………よく頑張ったな』

パピヨン「ぁぅ」

ゆっくりと手をパピヨンの頭に持っていき、優しく撫でる。サラサラと青みがかった銀色の髪が流れ、指の間を通り、撫でている自分も心地いい。

いい走りだった、次も頑張ろう――なんて言葉、ただの自己満足かもしれない。

パピヨン「……ぐすっ。ほん、と、お兄さん……バカ。バカ、撫でないでよ、頭……セクハラなんですけど……」

――けど、パピヨンの表情はとても嫌そうには見えない。そのセリフも全然嫌がっているようには聞こえない。だからきっと、これは間違いじゃない。

パピヨン「…………もっと撫でて、撫でて、慰めて。アタシ、すっごい悔しいから」

『……ああ、そうだな。キミが落ち着くまでこうさせてもらうよ』

パピヨン「……〜♪」

彼女は嬉しそうに尻尾をゆさゆさと振って。結局ライブギリギリの時間まで頭を撫でる行為は続いた。

――負けた。しかし今までの努力がある。ゆっくりと積み重ねて、糧にして――勝ちにつなげる。

まだまだ先は長い、頑張ろう――【貴方】もシルヴァーパピヨンも。
783 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/02(火) 23:39:42.95 ID:HroUrREj0
マンティ「――す、すみ、すみません。トレーナーさん……えっと、その、あの」

マントレ「はは、忘れていませんよマンティスさん。ご褒美、ですよね」

――東京盃から数日。私の初の重賞勝利に、トレーナーさんはとても喜んでくれました。あんまり表情とか、仕草には現れませんけど……分かります。とてもとても、喜んでくれました。

その様子に、私はなんだか恩返しができたような。今までのお礼が言えたようなそんな気持ちになって、当日はちょっとはしゃいじゃいました……は、恥ずかしい……。

マントレ「では、何でもおっしゃってください。マンティスさんのお願いですから、出来る限り応えさせて頂きますよ」

マンティ「そ、そんな、わ、私は別に……!あ、あぅあぅぁ……」

こ、この日の為に色々と考えてきました……!け、けど本当に大丈夫でしょうか……?こ、こわい、けど、これはご褒美で……!

え、ええぃ、ま、ままよ!


マンティス渾身のご褒美:安価直下
1 な、なで、撫でて欲しいです……
2 こ、今度、い、一緒に……お出かけとか……
3 自由安価
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 23:43:32.67 ID:4wJGWFyDO
2
785 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:09:13.89 ID:c79P/Ug50
マンティ「こ、ここ!今度、い、一緒に……お、お出かけ……とか……」

マントレ「……はい?お出かけですか?」

マンティ「は、はい。す、すみませぇん!と、トレーナーさんと、二人で……お、お休みの日に……」

マントレ「…………構いませんが私とですか?面白くもないと思いますが」

マンティ「お、おお、お願いします……」

――トレーナーさんとはあんまりお休みの日に会ったりはしません。ですから、ずっと……のんびりお買い物とか、ご飯食べたりとかしてみたかったんです。

わ、私から言い出すのはなんだか迷惑かなとも思って……でも、今回。ご褒美という形なら――だ、大丈夫、ですよね?こ、これくらい……。

マントレ「はは、変わった人ですね。でも、分かりました。それではスケジュールを合わせますので、お出かけしたい日がありましたら事前に教えてくださいね?」

マンティ「よ、よろしくおねがいしまぁす……!」

や、やった。やった……!と、私は、小さくガッツポーズなんかしてしまった。
786 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:18:02.20 ID:c79P/Ug50
ちょっと時を遡り、グリーンシルフィーの紫苑ステークス。

秋華賞トライアル、紫苑ステークス。シルフィーの結果は:コンマ直下
1-3 一着
4-5 二着
6 三着
7-8掲示板!
9 掲示板すら……
0 おおっと
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:24:21.57 ID:d7y17p23o
ぬん
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:30:16.31 ID:uDWw985So
勝敗コンマほんとリアル志向やんな
まあ重賞掲示板って上澄みだからシルフィーもようやっとる
789 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:31:34.37 ID:c79P/Ug50
前哨戦は掲示板、それでは秋華賞本番は――:コンマ直下

1-2 ダブルティアラ!
3-5 二着!惜しい!
6-7 三着!
8 また掲示板……
9 掲示板も……
0 おおっと
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:57:01.77 ID:uDWw985So
うりゃ
791 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 01:06:22.05 ID:c79P/Ug50
秋華賞3着!

それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。

シルフィーもオークスウマ娘だしようやっとる。もう少し全体的に1着確率上げても良いかなぁとも思いますが、まあこれはこれで。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 11:28:20.50 ID:0fWRpTN7O
ラッキーセブンゾロで1位とか…次のレースで補正とか…ダメ?
793 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/07/04(木) 00:12:01.30 ID:rb19XgCK0
>>792
1位は無理ですけど何か次のレースでシルフィーに補正上げますね……
ダートに挑戦するのか芝で頑張るのか分かりませんが、詳しいこと内容はきっとシルフィー担当トレーナーが頑張ってくれてます。
794 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 22:56:13.19 ID:rb19XgCK0
――が1着でゴール!2着には――3着にはグリーンシルフィー……。

パピヨン「……シルフィー」

秋華賞。トリプルティアラ最後の冠――それを取ったのはグリーンシルフィーではなかった。

――悪くない展開だった。しかし最後の直線で中々伸びず終わってしまった。

『……惜しかったな。シルフィー』

パピヨン「うん、でも一着のあのウマ娘――強かったよね。着差はそんな離れてるわけじゃないけど、でも――」

『ああ、あの青鹿毛のウマ娘――今日に向けてだいぶ仕上げていた様子だった。しかしそれは一番シルフィーが、他の走者が分かっているだろう』

眼に見えて分かるほどのギラギラとしたオーラ、実際に肌で感じていた彼女たちはそのプレッシャーをより深く受けているだろう。感覚としてはそう――ブラックマンティスのあの追込みに近い。

パピヨン「ま、シルフィーなら大丈夫か。案外、もう次のレースのこと考えてたりして」

『そうか?』

パピヨン「アタシの周りのウマ娘はみーんなメンタル強めだからね〜。ほんっと、嫌になっちゃうくらい」

やれやれ怖い怖い〜、とポーズをとる。

『……キミも負けてられないな。さて、次のレースについて話そうか』

パピヨン「はいはーい」
795 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 22:57:55.84 ID:rb19XgCK0
パピヨンの次走について考えているレース。

一つ目は数週間後に開かれる短距離G1「JBCスプリント」、二つ目は来月前半に開かれるマイルG1「チャンピオンズカップ」

三つ目にチャンピオンズカップと同じ時期に開かれるに開かれる短距離G3「カペラステークス」……この三つか、今のところは。

『JBCスプリントにはブラックマンティスが、チャンピオンズカップの方には――おそらくステラライムが来る』

パピヨン「……ライム、まだ次走の表明とかしてないよね?もしかしたら東京大賞典とかに行っちゃうかもだよね」

『そこはステラライム陣営の判断にもよるが――まあ想定しておくには越したことがない。他にも出走したいレースの案があるなら、自分はキミの意見を尊重させてもらうが――次のレースが、クラシック最後のレースのつもりだ』

まあ、日程的にも詰められないしな。と、言うとパピヨンはそりゃそうでしょ。みたいな顔をした。

『……』

そして――これはまだ考えているだけのことだが。一つの案として考えているレースがある。

――ドバイゴールデンシャヒーン。BCスプリント。メトロポリタンハンディキャップ――短距離、マイルの海外ダートレース。

パピヨンが本領を発揮できるのが――海外だったら?日本の砂ではなく、海外の土でこそパピヨンは羽ばたけるんじゃないか――そう、考えてしまう。

もし、パピヨンに今以上に地力がついて"――ライバルに。ライバルに、勝てた時には――。"

(まあ、まだそれは考えることじゃないか)

取り合えず今は目の前を考えよう、未来のレースより今のレース。そもそもパピヨンに意思確認もしないでこんなことを考えている暇なんてない。
796 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 23:05:18.27 ID:rb19XgCK0
次走:安価直下
1 JBCスプリント(ブラックマンティス:リベンジ)
2 チャンピオンズカップ(ステラライム:リベンジ)
3 カペラステークス(地道な実績作り)
4 その他ダートレース(年内で良い感じのものがあれば)
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 23:19:42.60 ID:lnbljYMDO
3
798 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 00:30:54.20 ID:WdAq/ul40
『――カペラステークスに行くか』

パピヨン「えっ!?JBCスプリントとチャンピオンズカップは!?』

勿論リベンジの為にその二つのG1に出走するのも良い。パピヨンが出走したいというのなら勿論出走登録をする――しかし。

『ただ闇雲に、ライバルと同じレースを出ているだけではきっと……ダメだと思うんだ』

沢山レースに出て、レースに慣れる。そしてどんどん実力を付けて――それでようやく、リベンジに挑める。

『だから次はキミが力を付けるために走る。そして来年――分からせてやろう。キミというウマ娘の真価って奴を』

ステラライムにも、ブラックマンティスにも、他のウマ娘にも。キミを応援してくれているファンにも、キミに期待していない観客にも――度肝を抜いてやろう。

『……そういうの、大好きだろ』

パピヨン「――――ぷ、ぷは、ぷはは!お兄さんってそういうこと言うんだ!?ぷふはははは!ちょっと意外かも、お兄さんもそう言う年相応っぽいところあるんだ!?」

『……年早々って、別にいいだろう。普通だ普通』

パピヨン「だってお兄さん、いっつもムスっとしてるし〜?――でも、うん。良いね、お兄さん。それ、サイコー」

ぷはは、と笑いながらパピヨンは【貴方】に向けてサムズアップ。

パピヨン「アタシの走りを見た全ての人間に――期待させちゃうような、そんなレース。期待してない人間に、不意打ちで度肝を抜いて分からせる。うん、それっぽい。良い目標かもね?」

『ああ、その意気だパピヨン!やってやろう!

――ということで、次の目標はカペラステークス。着実に経験を積んでいこう。
799 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 00:55:18.23 ID:WdAq/ul40
カペラステークス前イベント:安価下2まで
1 パピヨンのヒミツ
2 パピヨン、ライムと彼氏の為に――食べる。
3 グリーンシルフィー、ダートの可能性
4 自由安価



これだけです。お疲れさまでした、おやすみなさい。

海外に行く条件として、「ステラライム、ブラックマンティス、グリーンシルフィーの誰かにレースで勝つ」を設定させてもらいます。

もし勝てて海外旅行行きたいなってなったら、考えてみてください。勝てるかはコンマ次第で。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 01:03:01.61 ID:P9RwrKGDo
なんかわからなくて惹かれる2で
おつおつ
ライバルに勝っていざ!海外!してぇ!
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 01:19:26.55 ID:O4fCA+7DO
3
802 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 23:38:43.46 ID:WdAq/ul40
ライム「――お願いしますパピヨンさん!わ、私の料理の感想を教えてください!」

ある日の放課後、アタシはライムにそうお願いされて食堂の席に座っていた。周りにはちらほら生徒がいるけど、ちょっとお喋りをしていたりとかが主で、ご飯を食べる!みたいな雰囲気の子は誰もいなかった。

パピヨン「ねえ、なんでアタシなわけ?シルフィーとか、マンティとか……あ、ほら。食べるの大好きな葦毛のウマ娘とか日本総大将とか呼んでさ」

ライム「それも考えましたけど、出来るなら私。食べて満足して貰いたいんです……そ、その人たちの胃袋を満足に満たすとか出来ません!」

何とも言えない責任感。こういうところがライムらしいなぁと思う、いやそれの被害を受けているのはアタシなんだけど。

パピヨン「というか、ライムなんでいきなりこんな?料理に目覚めたとか?」

ライム「あ、いや、えっと、そのぉ……」

――あれあれ急に顔が真っ赤になったぞ?おやおやおやぁ……?

ライム「……ら、来月はクリスマスじゃないですか?ですからその、あの。パピヨンさんにも話したとは思うんですけど、○○くんに……」

パピヨン「あ、なるほどね。彼氏君に料理作ってあげたいんだ、クリスマスの」

ライム「で、ですから!そういう関係じゃないですから!パピヨンさん!」

手をぶんぶん振って否定するその姿、怪しい。怪しいぞぉライム〜?ニヤニヤと笑ってからかってやる。

――成程、はいはい。つまりアタシを彼氏君に提供できる料理かの判断材料にしたいわけね?というか練習台と。

……………………。

パピヨン「………んま、別にいいけど。ほら、作ってきなよ料理。食べてあげるから」

ライム「――!す、すみません!ありがとうございます!で、ではある程度準備は出来ているのでちゃちゃっと作ってきますね!」

ぱぁっと、明るい笑みを浮かべてライムはキッチンへと走って行ってしまった。はぁ、嫌な笑顔。彼氏君にそんな美味しいものを作ってあげたいの?

ケーキとか作ってあーんとかするつもり?はぁ、アタシの方が今は長く付き合ってると思うけどなぁ。

…………ぽっと出の彼氏君め。いや、ぽっと出はアタシか。なーんて。思いながら頬杖をついて料理を待つ。
803 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 23:39:27.91 ID:WdAq/ul40
照り焼きのチキン、クリスマスリースみたいなサラダ、ブッシュドノエル――その他にも結構な量の料理。というか全体的に……豪華。

パピヨン「……というか、あと茶色くない?お肉多いね――あ、いいから。理由はなんとなくわかるから」

まあ男の子ってお肉好きだもんね、アタシも好きだけどさ。チキンとか。

ライム「あ、あはは……す、すみません。でも、無理して全部食べて貰わなくても大丈夫ですから!ちょっと張り切って作ってしまったなぁと思いましたので――」

パピヨン「は?残す?冗談でしょライム」

――全部平らげるから、ありえないんですけど。

コンマ6以上で太り気味。

コンマ直下
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 23:57:05.35 ID:O4fCA+7DO
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 00:55:30.52 ID:ESpiw8sOo
ちょいちょいしっとりしかけてるなw、一息つけるといいのですが
806 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:13:58.87 ID:kNx0CHnD0
ごめんなさい、寝落ちしてました。いつもより早い時間ですけどちょっとやります。



パピヨン「…………ふぅ、ご馳走様」

ライム「ほ、本当に全部食べちゃいましたね!?で、でも沢山食べてくれて、アタシ嬉しいです!あ、ありがとうございます!」

――苦しい。お腹がもうパンパン、ちょっと見栄貼っちゃったかも……。

ライム「そ、それで感想を教えてもらっても……」

パピヨン「……一応言っておくけどこんな量、絶対彼氏君食べきれないからね」

まあ作り過ぎちゃったって言ってるからそこは大丈夫だと思うけど。ライムって張り切りがちだしねぇ。

……全部美味しかったけど、料理で気になったところとかをいくつか教えてあげる。

ライム「なるほど……ありがとうございます!」

パピヨン「アタシの好みで結構言ってるから、彼氏君が好きな味付けになるかは分かんないけどね。……
というか、さっきの質問だけど」

ライム「はい?」

パピヨン「マンティとかシルフィーがいない理由!そっちは教えてくれてないでしょ?」

――まあ、別にどんな理由でも良いけど。アタシが暇そうだったとか、そんな感じ?

ライム「パ、パピヨンさんが……一番はっきり感想を教えてくれそうだったので」

パピヨン「……別にそんな事無いと思うけど」

ライム「パピヨンさんが美味しいって思う料理になれば、○○くんも美味しいって思ってくれるんじゃないかなって、なんとなくそう思ったので……なのでまずはパピヨンさんの為に料理を作りたくて」

パピヨン「…………」

ライム「あ、あはは、すみません。私もなんでパピヨンさんだけ呼んだのか、上手く言語化できなくて……


パピヨン「……ふ〜ん、ま。別に何でも……いいけど、まあ、また何か作ったら呼んでよ。お兄さんにも沢山食べて身体を作れって前言われたし、都合がいいから」

ライム「え、本当ですか!?あ、ありがとうございます!」

パピヨン「…………」

――まあ、今この瞬間だけはアタシがライムを独占してるし、ちょっと気分が良いかも。
807 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:27:58.10 ID:kNx0CHnD0
――秋華賞が終わってトレーナーさんが言った事は、「暫くは休憩しましょう」でした。

桜花賞7着、オークス1着、秋華賞3着――かつての親友と約束したトリプルティアラ、結局は一つしか冠は取れませんでした。

弟くんも秋華賞が終わってすぐ電話で、お疲れさまと励ましてくれて。とても――嬉しかったはずなんです。けど、私にはどうにも――喜べなくて。

シルフィー「…………」

トレーナーさんもきっとそんな私の気持ちが分かるんでしょう。ですから、一旦レースからは離れて来年からまた再始動――そういうつもりで言ったんでしょう。暫くは休憩しましょうと。

――――本当にそれでいいのか、という気持ちが私の中に沸々と沸き上がります。

トリプルティアラはもう取れません。というか桜花賞に惨敗した時点でその夢は無くなってしまいました。では、今後のレースは?アタシはまだまだ走れます、選手としてこれからも走ると考えたとき――ふと、もう一つの選択肢が浮かび上がりました。
808 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:28:29.57 ID:kNx0CHnD0
シルトレ「――ダートですか?」

シルフィー「はい、芝からダートに転向して結果を残したウマ娘や、芝もダートも両方走れるウマ娘……その両方がいるのですから、可能性はあると思うんです」

シルトレ「…………そうですか」

きっと私のお友達にダートで走る子が多いから――その選択肢に気づけたのかもしれません。でも、だからと言ってダートを軽視しているわけではありません。

私でもダートなら輝けるかも――そんな考え、同室のパピヨンさんを見て言えるなら、とんでもないおバカさんです。

シルトレ「まあ、一度確認してみましょうか。トリプルティアラという夢を聴いて、私は芝での走りにばかり注目していましたが、可能性はあります」

シルフィー「は、はい!あ、ありがとうございます!」


結果は?:コンマ直下
1-5 芝を走ろう
6 まあ走れなくはないけど
8 普通に走れてはいます
9 両方いけます!
0 ――なんで芝を走って?
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 18:41:00.43 ID:Q+P4YrvDO
はい
810 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:30:23.42 ID:kNx0CHnD0
シルトレ「…………はい、お疲れさまです」

シルフィー「は、はぁ、はぁ……はぁ、はぁ」

全然走れませんでした。脚が思うように動かず、蹴っても蹴っても前に進まない。

――やはりそう現実は上手くいきません。ダートを走ってみると、パピヨンさんにライムさん、マンティさんの凄さが分かります。

シルトレ「ダートも芝も走れるという才能は稀有な物ですから、気を落とさないでくださいシルフィー」

シルフィー「はぅ」

……あ、頭を撫でられてしまいました。よしよしと優しい手つきで撫でられて……は、恥ずかしいです。

シルトレ「……焦らず行きましょうシルフィー。ゆっくりと準備をして――来年こそ勝負をしましょう。だって貴女は私が信じたウマ娘なんですから」

シルフィー「トレーナーさん……は、はぃ。あ、ありがとうございます……」

――本当は年明けから次走の話をしたい、という話でしたが。トレーナーさんと共にトレーナー室で次走の話をすることになりました。

目標を決め、しっかりと努力をして、またG1の大舞台で勝利を収めたら――きっとあの子も喜んでくれますよね?
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:48:01.15 ID:ESpiw8sOo
アグネスのやべーやつや産駒から見た余なり両刀はなかなか難しい
812 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:55:14.21 ID:kNx0CHnD0
――JBCスプリント、大井で開催されるダート短距離G1。東京盃でパピヨンと戦い、勝利したらブラックマンティスも当然出走するレース。

『現地で見に行かなくてよかったのか?』

パピヨン「別にいいでしょ、テレビで見れるんだし。あ〜でも確かに、現地でボロボロに負けたマンティをちょっと煽れないのは寂しいかも?」

ぷーくすくす、と笑うパピヨン。しかし【貴方】はパピヨンがそんなことをするウマ娘ではないことをとてもよく知っている。

素直になれないのなら無理やりにでも連れて行くべきだったかもしれない。いや、まあ……それはそれで後が怖いか。

――本日の一番人気、3番ブラックマンティス。東京盃で見せたあの直線一気を見せることが出来るか。

パピヨン「うわ、しかも一番人気じゃん。これってアタシって超強いウマ娘に勝ったからってことだよね?」

『……ああ、そうだな』

あの末脚を見て、ファンになった人も多いだろうに――一番人気という圧があっても、テレビ越しに見るブラックマンティスは何も変わっていなかった。

――堂々としている。その視線はただただ己の勝利だけを見つめていた。

マンティ「く、くは、はははは――!この俺様の勝利の踏み台として、お前らを使ってやる、だから光栄に思え――はははははっ!」

パピヨン「うわ、絶好調……ほんっと、凄いなぁマンティ」

あのキャラ後でどうしてんだろ。絶対恥ずかしいよね。……【貴方】は話を振られても苦笑いをすることしか出来なかった。

――大井レース場にスピード自慢のウマ娘が揃いました、ダートレースのスピード決戦JBCスプリント。今宵はどのウマ娘がダートスプリンターの栄光を手にするか。

――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備整いました。

――――スタートいたしました!

JBCスプリントが、始まった。

813 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:56:59.59 ID:kNx0CHnD0
ブラックマンティスは――:コンマ直下
1-4 一着!!!
5-6 二着!
7 三着
8-9 ダメだった……
0 おおっと
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 20:45:22.20 ID:ESpiw8sOo
!!!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 20:47:24.34 ID:ESpiw8sOo
マンティごめん……
816 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 21:25:03.50 ID:kNx0CHnD0
はじめての「おおっと」です。こういうことをやります。



おおっと――:コンマ直下
1-3 掲示板には"レコード"の文字
4-5 誰も狩人には追い付けない
6-7 脚を挫いて……。
8-9 故障発生
0 ――
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 21:46:59.88 ID:Q+P4YrvDO
どうなるか
818 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 22:55:02.30 ID:kNx0CHnD0
――各ウマ娘出遅れることなく進んでいきます。先頭には逃げ宣言6番、その後ろにすーっと並んで9番、2番のウマ娘が並び先行集団、そして最後方にはブラックマンティス。

ブラックマンティスの何時もの展開。最後方、殿から他のウマ娘の様子を伺い、最終コーナー最終直線で一気に大外からごぼう抜き――これが、ブラックマンティスの戦い方だ。

その戦いを二回経験したパピヨンにとって、それは異様なプレッシャーを感じる走りだった。後ろから「何か」が来る。何か恐ろしい存在がぐんぐんと迫ってくる――恐怖以外の何物でもない走り。

パピヨン「やっぱいつも通りの展開だよね、結局マンティが全部差し切るか、差し切らないかの展開」

『……随分とマンティに肩入れしているな。友達だからか?』

パピヨン「はぁ〜?なにお兄さんそれ、キモいんだけど〜?……そりゃ、友達ってのもあるけど」

アタシに勝ったんだし、他の短距離で負けて欲しくなんかないって思うくらい、普通でしょ。

【貴方】からぷいっとそっぽを向いて、パピヨンはまたテレビを見る。

マンティ「――――は!」

――さあ、最終コーナーを曲がり最後の直線!未だ先頭は6番!後続との差は3バ身ほど!しかしここで大外から迫るウマ娘!3番ブラックマンティスが先頭を狙っている!

パピヨン「お、いけいけ〜!」

『随分と気の抜けた応援だな……』

狩人が足にググっと、力を入れ一気に前を往く。スパートをかけた鋭い切れ味の末脚は、そのまま前方のウマ娘を差し切って――――。
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