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【安価コンマ】オリウマ娘と共に
- 719 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:54:01.80 ID:9zd8qTaz0
- と、いう訳でライムがお風呂から上がるのを監視――こほん。いいタイミングで発見したのでアタシの部屋に連行した。
……いやまあ、大体のウマ娘がお風呂に入る時間は同じ時間帯だし、監視とかしなくても大体予想は出来る。遅くまでトレーニングしてたとかなら、お風呂が遅くなったりもあるけど。
ライム「し、尻尾の手入れですか……?い、いえいえ、そんなパピヨンさんにして貰わなくても!わ、私は一人で出来ますから……!」
パピヨン「まあまあ遠慮しないでライム〜。それに聞いたよ?ライムって尻尾の手入れで悩んでるんでしょ?」
昨日シルフィーから聞いたんだ〜。というと、ライムは恥ずかしそうにぐぬぬ……みたいな顔をして、耳をぺたんと倒す。
……ぷぷっ。こういう表情、貴重かも。
ライム「し、シルフィーさん……!ぅ、も、もう……わ、分かりました。では……お、お願いします。出来れば、優しくお願いしますね……?」
パピヨン「待ってました〜!んもう、ライムももっと早く素直になればよかったのに、それじゃあ――あ、普段から使ってるオイルとかローションある?トリートメントとか……」
もしお気に入りとか、何かの成分で痒くなっちゃうとかそういうのがあるなら色々と考えなくちゃいけない。その辺りはちゃんと考えるべきだよね。。
ライム「い、いえ。そういうのは特にありませんし、お気に入りとかも……普通の市販の奴を使っていますから」
パピヨン「オッケー。じゃあアタシが持ってきた特製の奴を使っちゃうね。ほんと、なにか変な感じがしたら言ってね?すぐ拭いて別の奴を使うから」
――さて、それじゃあ早速始めちゃおう。お風呂上りなだけあってちゃんと尻尾はいい感じに湿っている。じゃあまずは櫛を入れて毛並みを……。
ライム「んっ……!」
パピヨン「んっ?」
櫛を軽く入れてスーッと撫でるように動かすと、ライムの口からそんな声が漏れて、体がビクンと震えた。
……もう一度、同じ場所からスーッと櫛で尻尾を撫でる。
ライム「んっ、ふっ、くっ……!ふはっ……!」
びくっ、びくっ……と、体が震える。びくびくと余韻でまだ身体が動いている。
- 720 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:54:39.44 ID:9zd8qTaz0
- パピヨン「――――なんだ、尻尾が弱いなら最初からそう言えばいいのに」
ライム「は、恥ずかしかったんですよ……!じ、自分でやろうとしても、くすぐったくて中々上手く出来なくて……!」
尻尾を触るとくすぐったくてまともに手入れが出来ない――成程、それは困る。アタシだったら悲しくてストレスが溜まっちゃう。
……それじゃあ人に頼むのも怖いはず。ちょっとミスしちゃったかも、そういう事情なら……もう少しやりようはあったかも?
パピヨン「ごめんごめん、それじゃあもう少し優しくやるから……くすぐったいって言うなら、細かい櫛よりも少し大きめの櫛でやった方が良いかも」
という訳で別の櫛に変えてチャレンジ。そして尻尾の根元にゆっくりと櫛を差し込んで……ゆっくりと、さっきよりも遅いスピードで、毛並みを整えていく。
パピヨン「はい、じゃあ今から行くよ〜。はい、すーっ……」
ライム「ふっ、ふふふふふ……っ!くっ、くふっ……ふはっ……!」
先ほどよりもマシだけど、やっぱりまだくすぐったそうで、笑い声が漏れている。
パピヨン「…………」
……どうしよう、ちょっと……ゾクゾクする。あのライムが、アタシの手で……体をビクビクさせて声を漏らしている。
…………ちょっとくらいなら。良いよね。
ライム「んっ……ふっ!くっ……ぁ!ひゃっ!?ちょ、ぱぴよんしゃん……!」
パピヨン「ごめんねライム。ちょっと念入りにやりたいから少しくすぐったくさせちゃうかも」
そう言って、櫛を尻尾に差し、ゆっくりと丁寧に撫でて毛並みを整えていく。すっ、すっ、すーっと、尻尾の表も裏も、一人じゃ上手く触ることのできない部分も念入りに櫛を入れていく。
ライム「……っ!ぁ、ふぁ……!くっ、ふふふっ……!ふはっ、あはははは……!そ、そこ、だめ……ですからぁ……!」
パピヨン「一人じゃできない部分だからね〜。少し我慢してね〜」
- 721 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:55:32.83 ID:9zd8qTaz0
- 全体の毛並みを整えたので、次はオイルを広げていく。手で触ることになるから、櫛よりもくすぐったいし刺激も強いかもだけど……まあ、そこはアタシの手腕に任せて欲しい。
パピヨン「じゃ、根元から広げていくね。出来るだけ優しくするからね」
ライム「ほ、ほんと、ですか……?や、やさしくしてくださゃぁ!?」
ぬとぬとになった手で尻尾の根元に指を入れる、そして浸透させるために軽くわしゃわしゃと指を動かす。
ライム「あっ!ほ、ほんとっ、ぱ、ぱぴよんしゃ……!〜〜〜っ!」
……近くにあったアタシの枕に顔を埋め、へたりと上半身を倒す。必至にアタシの手入れの声を我慢しようとしているのか、より一層体がびくびくしている。
ま、アタシは続けていくだけだけど〜……ふふ。まさかこんな弱点があるなんて知らなかったな〜……でも安心してね?しっかり、尻尾の手入れはするしとっても気持ちよくしてあげるから……。
パピヨン「わしゃわしゃわしゃ〜……お痒いところはございませんか〜?」
ライム「ふっ、ふっ、ふぁ……!〜〜〜!〜〜〜!」
パピヨン「あ、ここかな?じゃあちょっとここをちょっと爪で引っ掻いて……かりかり」
ライム「〜〜〜〜〜!!!ふっ、ふーっ!ふぁ!?あっ、ひゃ……!も、いいかげんに……ひぅ!?」
パピヨン「じゃ、全体に広げちゃうね」
根元に入れた指を、尻尾の先までなぞるように動かしていく。尻尾の根元から先までを撫でて、終わったらもう一度根元から撫でる。尻尾全体にオイルが広がるように、光沢にムラが出ないように満遍なく撫でる。
ライム「ふぁ、ふはっ……!あっ、あはははは……っ!く、くふっ……!……っ!〜〜〜!」
パピヨン「ちょっと暴れないでよライム。危ないしムラが出来ちゃうから……ほらほら、あと少し、我慢我慢〜」
ライム「……ぁ〜〜〜〜っ!」
- 722 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:56:06.83 ID:9zd8qTaz0
- パピヨン「ごめんってライム〜!いや、結構絡まってたりしたから念入りにやりたくて……!」
ライム「あ、あれだけやっておいてなんですかそれは!」
――綺麗な毛並み、つやつやの青い光沢。とても満足のいく手入れだった――アタシにとっては。
しかしライムにとってはそうではなかったみたいで。顔を真っ赤にしながらアタシを睨み、プンプンと怒ってくる。こういうライムもまた珍しい。
ライム「も、もう二度と!二度とライムさんには頼みません!」
パピヨン「え〜!?そんな、もう今日みたいなことはしないってライム!優しくするから〜!でもほら!滅茶苦茶綺麗になったでしょ!?」
ライム「くっ……!ま、まあ、それはそうですけど……!」
パピヨン「次はもっと勉強して、滅茶苦茶気持ちよくしてあげるから!勿論くすぐったくはしない!ね、ね!?」
ライム「…………ほ、本当ですか?ま、まあ、私もこんなに綺麗にして貰ったのは、嬉しかったですし……こ、今回だけですからね」
――勝った!
と、いう訳で。アタシはこれから尻尾手入れをやらせてもらうことになった。あのライムがあんな、あんな声をあんな表情で……!
パピヨン(……アタシだけが独占しちゃってるんだよね、これを)
……罪悪感がないわけじゃない。でも、まあ……これもいいかなと思った。
取り合えずライムには後で尻尾手入れ教室に来てもらうことにしよう。自分で出来るようになった方が良いのはそうだしね。
- 723 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 00:56:35.18 ID:9zd8qTaz0
- お疲れさまです、00ボーナスの尻尾手入れです。
おやすみなさい。
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 07:34:15.18 ID:2wtsC9/Co
- 乙
たまらん
レースでは見せない表情を自分だけが知ってるなんて……最高!
- 725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 09:19:09.76 ID:dND+I8qsO
- 乙
でも幼馴染み彼氏にいつか尻尾手入れの役目とかも奪われるんだよね…
- 726 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/06/24(月) 21:55:49.02 ID:9zd8qTaz0
- 流石に死ぬ
デュランダルデュランダルデュランダルデュランダルジャーニージャーニージャーニージャーニービリーヴビリーヴビリーヴ
- 727 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/06/24(月) 21:59:03.42 ID:9zd8qTaz0
- は〜〜〜〜〜デュランダルデュランダル……は〜〜〜〜〜
- 728 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 22:48:18.46 ID:9zd8qTaz0
- 落ち着いたのでやりまーす。これだけかも。
★
9月前半。
『……もう少し近くに来てくれないか』
パピヨン「べ、別にいいでしょこの距離でも。アタシは今この距離が良いの!」
次のレースの話をするためにパピヨンをトレーナー室へ呼び出したのだが、パピヨンが何故だが自分を警戒して全然近くに来てくれない。部屋の隅っこの方で、あの日水族館で購入したペンギンのぬいぐるみを抱きかかえながら睨みつけてくる。
……ま、また何かやってしまったか?まだあの時の注意が引いているか?はぁ……どうしたものか。
『……取り合えず話を始めるぞ。聞こえなかったらちゃんと近くに来てくれよ』
パピヨン「うるさーい!ばかばかばかばか!」
それになんだか妙に子供っぽいな……まあでも普段もこんな感じか?
『次走についてだが――』
エルムステークス、1700mをしっかりと走り切り一着を取ったパピヨン――夏の合宿を得て、しっかりとスタミナをつけた。これなら後はスタミナを維持しつつ走力を鍛えていくだけ。
――いや、話しはそう単純ではないが。今はとにかく、資格を得た――そう思うことにしよう。
(――短距離でG2東京盃、G1JBCスプリント、マイルならチャンピオンズカップ……いや)
パピヨンなら――もっと高みを目指せるんじゃないか。国内だけじゃない、海を越えて――そう考えてしまう。
『……』
パピヨン「ちょ、ちょっとなに。そんな見つめて……み、見つめないで!キモ!キモキモキモ!」
トレーナーとして。【貴方】は――。
次走は:安価下1〜3
1 10月前半、1200mG2東京盃(VSブラックマンティス)
2 11月前半、1200mG1JBCスプリント
3 12月前半、1800mG1チャンピオンズカップ(VSステラライム?)
4 世界へ視野を向けて。
- 729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 22:59:51.67 ID:ectNqJNOo
- 1
- 730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 23:01:17.80 ID:2wtsC9/Co
- 1
- 731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 23:29:25.64 ID:nJdki+940
- 一応1
- 732 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 23:41:09.02 ID:9zd8qTaz0
- 『来月の東京盃――これに出よう』
エルムステークスからクラスが上がりG2、東京盃。マイルこそ走れるようになったが、パピヨンの真骨頂は短距離――きっとそこでも勝つことが出来るはずだ。
パピヨン「お、短距離じゃん。お兄さんもしかして――見たくなっちゃった?」
アタシがぶっちぎりで逃げ切って勝っちゃうところ?と、ニヤニヤ笑いながらパピヨンは自信たっぷりに言ってのけた。確かにそれだけ自信満々になる気持ちもわかる、しかし――久しぶりの実戦での短距離。そううまくいくとは思わない。
『……それに、東京盃と言ったら――ブラックマンティスも出走する』
パピヨン「……!」
あの日の模擬レース以来、たまに併走に付き合って貰ったりすることの多いブラックマンティスとは、ここが初めての対決。全てを切り裂く末脚と、圧倒的な迫力。あれを身をもって感じたことのあるパピヨンなら、その恐ろしさも分かっていることだろう。
パピヨン「ふーん……じゃ、アタシマンティに謝らないとじゃん」
『ん?』
パピヨン「アタシ、この前マンティに次のレース応援するね〜。とか言っちゃったけど、それは無理だなーって」
『……なるほどな。まあ、程々にな』
パピヨン「はいはーい。別に慢心はしないけど、ちょっと気合い入れて練習しなくちゃね」
――久しぶりの短距離だからか、気合も十分。これは良いトレーニングが出来そうだと、心の中で笑う。
パピヨン「ま、そのためにも英気を養わないとね。お兄さんちゃんと冷蔵庫にアイス入れてる?貰っちゃうねー」
『…………』
ダメかもしれないと、心の中で悲しくなった。
- 733 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/24(月) 23:58:44.03 ID:9zd8qTaz0
- ごめんなさいちょっとだけ寝てました。
★
パピヨン「そろそろ始まるね〜」
『ああ、そうだな』
トレーナー室にあるテレビ、そこで【貴方】とパピヨンはレースを見る。ダートG1、ジャパンダートダービー。
――やはり本日の主役はこのウマ娘で間違いありません。これまで5戦5勝、無敗のウマ娘ステラライム。
ライム「…………」
――しかしこの距離は彼女にとっても初の挑戦。しかしそれを不安にさせない迫力と表情がうかがえます。
テレビにステラライムが映る。やはりステラライムの注目度は群を抜いており、大きな歓声が沸き上がる。
『……さて』
パピヨン「…………」
――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備が整いました。
ライム「――!」
――さあジャパンダートダービー!スタートいたしました!
- 734 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 00:06:25.20 ID:YDQ58vaT0
- ステラライム、結果は……:コンマ直下
1〜4 一着!
5 二着
6 三着
7 掲示板
8〜9 あちゃぁ
0 おおっと
- 735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 00:16:27.87 ID:bVaemvkqo
- さて
- 736 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 00:29:22.27 ID:YDQ58vaT0
- 星、墜ちる。
それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。おやすみなさい。
- 737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 00:33:48.97 ID:ZPveajbAo
- おつ
距離が厳しかったか……
いけ!パピヨン!しっとり慰めタイムだ!!
- 738 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:45:53.99 ID:YDQ58vaT0
- すみません訂正させてもらいます。ステラライム5戦5勝と言いましたが4戦4勝にさせてもらいます。
見返したらちょっと厳しかった……日程が……。
★
――さあスタートしました!おおっと8番少々出遅れ!バ群から3バ身ほど後方からのスタートとなります!
スタートと同時に一人出遅れが発生。しかし他のウマ娘は好スタートを切り、各々の位置に陣取っていく。
ステラライムは前方集団に位置取りゆっくりと進んでいく。先頭を往く逃げウマ娘を見ながら、他のウマ娘に混ざる形。
――先頭を進む4番、そしてそこから5バ身ほど離れた位置に固まって10番1番、内に5番ステラライム、その後ろに11番――。
パピヨン「…………」
『……少し囲まれているな』
王道のレース展開だが、それ故に今のライムの位置取りは苦しそうだ。前にも後ろにも囲まれ、中々そこから出ることは出来ない。その表情からも苦しさが伺える。
パピヨン「まだ大丈夫でしょ、始まったばかりだし」
『まあ、それはそうだが……』
そこからというものの中々レース展開は動かず、そのまま最終直線。先頭を走る逃げウマ娘がバテはじめゆっくりとペースを落とし始めた瞬間。
――さあ最終直線!ここからレースはどう動くか!ステラライム来ないのか!少々苦しいか!
――逃げる4番!追う10番!リードは3バ身!しかしどんどん差が縮まっていく!大外からなんと2番!先頭へと迫る迫る!
ライム「…………っ!!!ああああああああああああ!!!」
――残り200!ここで先頭変わり10番!追う1番と2番!最後は三人の争いになる!そこから少し下がりステラライムも追うがこれはこれはもう無理か!
パピヨン「……っ」
――内10番、外2番!ここでゴールイン!少々真ん中1番は苦しいか、3人もつれ合っての同時ゴールイン!これは写真判定!そして4着にステラライム、5着に9番――。
- 739 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:46:36.89 ID:YDQ58vaT0
-
パピヨン「――――」
『…………』
――ステラライムが負けた。当然レースに絶対はない、しかしあのステラライムがこうやって負けるさまを見てしまうと――【貴方】はパピヨンを見る。
パピヨン「…………」
『……パピヨン』
前に出ることが出来ず自分の走りが出来なかった、初めての距離でスタミナが足りなかった、純粋に力が足りなかった――負ける理由には色々な物がある、しかしステラライムの場合それは自分の走りが出来なかったことにある。
――もし、最後囲まれていなかったら?こういう考えは禁忌だが、それでも――【貴方】は考えてしまう。
パピヨン「……ちょっと、走ってくる」
『あ、おいパピヨン!』
――――行ってしまった。ライバルであるライムの初めての敗北を見て、思うところがないわけがない。今はそっとしておいてやるべきか――。
『……大丈夫かな』
- 740 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 21:57:40.27 ID:YDQ58vaT0
- パピヨン「…………ふぅ」
――9月の夜はまだまだ蒸し暑い。軽く走り込みをしただけなのにムワっと汗が籠り、気持ち悪い。
お兄さんの期待を裏切ってしまうんじゃないかと不安になったとき、ちょっとモヤモヤすることがあったとき――兎に角アタシは走る。走ればその瞬間だけでも気持ちをリセットできるから――けど、ちょっと今回のそれは普段とは違った。
走っても走っても、なんだか引っかかる。小さなモヤモヤが残って消えない。
パピヨン「嫉妬、ムカつき……違う、違うのかな」
アタシがライムに初黒星を付けてやる!そういう気持ちも確かにあった、だけどそんなことで――いや、ダメだ分かんない!アタシがライムをどう思っていたのかが今更分かんなくなってきた!
ライバル!そう、ライバルになりたかったの!だから――アタシはずっとライムを。
パピヨン「…………そろそろウイニングライブも終わったかな」
――スマホを取り出して、電話をかける。プルル、プルルとコール音が鳴って。
ライム「はい、もしもし。パピヨンさんですか?」
パピヨン「――んっ、んんっ。こんばんはライム」
自分からかけておいて、ライムが電話に出たことに驚いて咄嗟に声が出なかった。喉を鳴らして、声を整える。
パピヨン「レースお疲れさま〜。見てたよテレビで」
ライム「あ、あはは――そうですか、見てましたか……」
――恥ずかしそうに頬を指でかく姿が見える。
ライムは――:コンマ直下
コンマが高いほど全然気にしてない!低いほどめっちゃ落ち込んでるし泣いてる。
- 741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 22:07:56.56 ID:JkGDSsVDO
- はい
- 742 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 22:58:48.34 ID:YDQ58vaT0
- ライム「――少し申し訳ないところを見せてしまいましたね。私としては、無敗のままパピヨンさんの挑戦を受け続ける予定だったのですが、それは叶いませんでしたね」
パピヨン「は〜?何その予定。ちょっと調子に乗り過ぎでしょ」
あはは、そうですよね――でも。と電話越しのライムが続ける。
ライム「――私はもっと強くなりますよ。この負けを糧に、私はより速く強く……ですから。もし私の今日のレースを見て勝てるなんて思っていたら……」
パピヨン「ぷっ、ぷふ、ぷはは!ちょっとライム、それはアタシを舐めすぎじゃない?」
負けた姿を見て、アタシなら行けるかも――そんな甘えた考え、してやるもんか。
パピヨン「あーあ、もっと落ち込んでたら慰めてあげる予定だったのに。負けたなら負けたらしく泣いてよね」
ライム「ふふ、泣いて勝ちに繋がるならいくらでも泣いてあげますよ。でも、そうじゃないでしょう?」
パピヨン「…………強すぎでしょ。ほんと」
ただただ圧倒される。このウマ娘は――ステラライム、ほんと……。
パピヨン「じゃ、また今度。次戦う時は黒星をもう一つ増やしてもらうから覚悟しといてね〜?」
ライム「――ええ、期待して待っていますよ。パピヨンさん」
――プツん、と電話が切れる。全く怖いウマ娘。ちょっと声が震えてたくせに、あんなこと言っちゃって。あーあ、まあ気持ちは分かるけど。
パピヨン「…………ま、安心だねとりあえず」
もしこれで本当に落ち込んで、うじうじしてたら――アタシどうしてたんだろ。アタシが言えたことじゃないのにね、同族嫌悪って奴?めっちゃイライラしてたかも。
あーあ、まあとりあえず良し!もうちょっと走って、部屋に戻ろーっと。
- 743 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 23:25:39.24 ID:YDQ58vaT0
- ――――ニュースや新聞、雑誌ではジャパンダートダービーの事で持ち切りだった。
「ステラライム敗北。ダートの星ついに墜ちる」なんて、それらしい見出しでステラライムの敗因を語っていたり、勝利したウマ娘へのインタビューが乗っていたり。
パピヨン「めっちゃパピヨンのこと書かれてるじゃん。ほんっとよくやるよね」
『……不満か?』
パピヨン「別に?ただ――勝手にライムのこと、落ち込んでるとか悔しがってるとか、インタビューしてもないのに憶測で書くのは――ねぇ?」
『……キミ、そういうところちょっと怖いよな』
パピヨン「は?なにが?」
なんだかパピヨンの雰囲気が怖くなってきた。この話は少し止めておこう。
『さて、10月の東京盃に向けてトレーニングを続けていくべきだが――基本的には筋力トレーニングになる』
スタミナは十分、なら後は体を鍛えるだけ。
『ジムも坂路も使って、パワーを鍛えて力強いトモを手に入れる。あとは他のウマ娘の情報だが――』
パピヨン「はいは〜い。あとで適当に見ておくから資料置いておいてよ、それじゃ。ちゃちゃっとトレーニング始めよ、お兄さん?」
――ま、やる気は十分。あとはどれだけやれるかだな。
- 744 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/25(火) 23:38:04.54 ID:YDQ58vaT0
- 東京盃前イベント。:自由安価下2まで
★
今日はこれで終わりです。お疲れさまでしたおやすみなさい。
そろそろ自由安価厳しくなってきてそうなので、自分で色々イベント用意していった方が良いですかね?なんかあったら教えてください。
- 745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/25(火) 23:56:48.62 ID:ZPveajbAo
- 東京盃勝ったらご褒美要求するんだー、どんなのかって?ヒ・ミ・ツ(まだ決めてない)みたいな内容をマンティに話して悶々とさせるパピヨン
本人はだから負けないよー位の軽い雑談の体
乙でした
ライムマジ強靭だな、バチバチに対策されて負けはしたけど全然折れてない
安価埋まらないようなら>>1イベントも見たい
- 746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 00:14:41.61 ID:E1CzQc6DO
- 芝が主戦場だった(はず)のシルフィーが>>697と>>699でダート三人娘に入っているからその補足というか、ダートでも想定以上に活躍して今後の方針について改めて話し合うシルフィーとシルフィートレーナーみたいなのを
- 747 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/26(水) 00:46:06.48 ID:9CC6+x0Oo
- シルフィーダート転向ルートちょっと面白いけどさすがに秋華賞終わってからですね……
そういうわけで再安価させて貰います。もう1個イベント募集、来なかったらなにか考えます。
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 11:30:22.32 ID:0u+IcM2So
- マンティとマントレ側のトレーニングの様子など
ここまでのマンティ戦績とかお出ししてくれると嬉しい
- 749 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 00:37:56.10 ID:HIP2GiRR0
- パピヨン「あ、マンティ。そういえばアタシも東京盃出ることになったからよろしくね〜」
マンティ「へ?は、はぃ……よ、よろしく、お願いします……」
――おかしい、思ってた反応と違う。アタシはマンティの反応にむむむとなる。
もっと「へ、へぇ!?そ、そうなん、ですかぁ!?」みたいな反応をしてくれると思ったのに……全然驚いてないじゃん!なんでなんで?昨日決まったばかりの話だから誰にも言ってないのに!
パピヨン「お、驚かないじゃん。もしかしてあれ?アタシなんて眼中にないみたいな?」
マンティ「えっ!?そ、そういう、意味じゃなくて……!ひぅう……パ、パピヨンさんは、で、出て来てもおかしくないと思っていたので……!」
パピヨン「なんか凄いアタシのこと意識してくれてる?やだ、ちょっと嬉しいかも」
――ま、いっか。どんだけ意識されてもアタシはいつも通り走るだけだし。どんなことしてくれるんだろ。
パピヨン「……あ、そうだ。実はアタシ、東京盃で勝ったらご褒美おねだりしちゃうんだ〜」
マンティ「ご、ご褒美、ですか?ど、どんな、ご褒美なんですか……?」
お、食いついてくる食いついてくる。このムッツリちゃんめ〜。興味津々のマンティに、にやりと笑って返す。
パピヨン「――ひ、み、つ!ちょっとマンティには教えられないかな〜、大事な大事なご褒美だからね。勿論お兄さんにはオッケー貰ってるんだけど」
マンティ「お、おおお……ふ、ふぇ。や、やっぱり凄いですね……!パ、パピヨンさんと、トレーナーさん……!」
まあお兄さんにはこんな話一切してないし、ご褒美の内容も全然考えてないけどね!ぷははのは。
パピヨン「んま、そういうわけだから!アタシは次負けないよ〜?」
- 750 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 00:43:45.33 ID:HIP2GiRR0
- マンティ「ご、ご褒美……わ、私も、そういうの……憧れます」
パピヨン「そうなの?じゃあねだっちゃえば?」
マンティ「…………へ?」
パピヨン「もしアタシに勝てたら、の話だけどね〜?重賞に勝ったんだし、それくらいあっても全然良いでしょ?」
マンティ「……そ、そう、かもしれませんね。そ、そっか。私も……それくらい……」
お、なんだかやる気出てきた感じ?ま、ちょっとの我が儘くらい叶えてくれるのがトレーナーだよね。お兄さんはそれやって当然だし。
――ま、アタシに勝てたら!の話なんだけど!
★
おやすみなさい、これだけです。
マンティ戦績はまだできてないので。とりあえずパピヨンとライムだけ載せときます。シルフィーはちょっと保留で。
シルヴァーパピヨン 5戦3勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_プラタナス賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 2着
G3_ユニコーンステークス 5着
G3_エルムステークス 1着
ステラライム 5戦4勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_カトレア賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 1着
G3_ユニコーンステークス 1着
G1_ジャパンダートダービー 4着
- 751 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/27(木) 23:16:51.00 ID:HIP2GiRR0
- 来週までまたお休みになりそうです。すみません。
ちょっと安価募集します。良い機会なのでパピヨン周りの設定を少しずつ埋めていきたいです。
まずはヒミツから。マックイーンが自分のかっとばせー!の寝言で起きるみたいな、ゲーム内で見れるあれです。なんか付け足したい簡単な設定を付けちゃってください。
★
シルヴァーパピヨンのヒミツ:安価下3まで募集
- 752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/27(木) 23:19:59.67 ID:Deo4IkXxo
- 尻尾の手入れでいつの間にか一日過ぎてた事がある
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 19:12:59.72 ID:ehUc+0HiO
- 二度と自由安価しないで欲しい
- 754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 19:51:30.36 ID:PfqvqcoOO
- 埋め
- 755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/28(金) 22:17:37.22 ID:nOCU+qz7o
- 実はぬいぐるみを抱いて眠るのが好き
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/06/28(金) 22:34:14.45 ID:Ilubwq630
- めちゃくちゃ食べるタイプではないが、太らない
(実馬は身体を大きくするのに苦労した表現)
- 757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2024/06/28(金) 23:49:14.08 ID:PfqvqcoOO
- ちょっと草
自分で全部安価考えていれてる?
- 758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/29(土) 17:25:40.26 ID:RaifrrndO
- ほんと自由安価控えて好きなように書いて欲しいです
耳かきとか凄いよかったしもっとみたいです、おなじ思いの人いると思います
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:43:24.95 ID:xnEb7ibt0
- ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
- 760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:44:10.89 ID:xnEb7ibt0
- ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:44:37.45 ID:xnEb7ibt0
- ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
- 762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:45:17.71 ID:xnEb7ibt0
- ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
- 763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/06/30(日) 18:45:45.85 ID:xnEb7ibt0
- ด้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้้็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็
- 764 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:47:58.64 ID:1nrOjH1Z0
- マンティ「――――」
和室に置かれたテレビにはレースが流れています。先頭を往くのは銀色の髪をなびかせ、思うがままに逃げるウマ娘。それを追うのは栗毛のウマ娘と芦毛のウマ娘。
――叫び声と共にゴールした逃げウマ娘が、ゆっくりとスピードを落としながら息を整える。そして何度も聞いた口調で観客席に――。
マントレ「……どうですか。イメージは付きましたか?」
マンティ「ふぇぇ!?あ、と、とれーなーしゃん!?お、おつかれさまです!?」
マントレ「ほらほら落ち着いてください。今冷たいお茶を入れますから」
和室の奥からとれーなーしゃん……ち、違います!トレーナーさんがにこにこと笑いながら、お茶の準備をしてこちらに向かってきます。
……冷たい。美味しいです。
マントレ「今日は一段と暑いですから、熱中症には気を付けませんと。ゆっくり飲んでくださいね、お茶菓子に羊羹もありますよ」
マンティ「あ、ありがとうございます……」
――この和室は私のトレーナーさんのトレーナー室です。ちょっと学校とか寮からは離れた場所にあって、なんだか……そう。雰囲気のある所に、このトレーナー室はあります。
ちりんちりんと風鈴が鳴って、風情を感じます?その辺は、まだまだ分からないことばかりですけど……落ち着く場所で、気に入っています。
マントレ「――エルムステークス、標的は勿論シルヴァーパピヨンさんですか」
マンティ「は、はい。それ以外にも沢山……ユニコーンステークスも、全日本ジュニア優駿も。た、沢山、見ました」
パピヨンさんだけじゃありません、それ以外の出走者の今までのレースも何度も何度も繰り返しリピート。その走りを頭に刻みつける行為。目を瞑るだけで、その走りがイメージできるように、ただひたすらに観察をしました。
マントレ「貴女には実力がある、しかし中々差し切れない。それは単に――他を知らなかった為です」
他の走者の走りを知れば、どのような動きをしてくるかが分かる。どのタイミングでスパートをかけるか、仕掛けてくるかが分かる。勿論それは完璧じゃないし、当然トレーニングによって強くもなっている。
マントレ「獲物を知れば狩りやすくなります。ですから、しっかりと頭に刻み付けて――自信にしましょう。自分はこの自慢の末脚で絶対に刈り取れる――ハッキリとそう思えれば、もう貴女の独壇場です」
マンティ「ふぁ、ふぁぃ……が、がんばり、ます!」
ええ、その意気ですよ。と、優しく私のトレーナーさんは微笑んでくれました。背丈は私と同じ……いえ、ちょっと小さいくらい?なのに、まるでおじいちゃんみたいな安心感を与えてくれます。
……何歳なんでしょうか?
- 765 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:49:36.11 ID:1nrOjH1Z0
- マンティ「そ、それで。あの、と、トレーナーさん!その、お、お願いがあるんです!」
マントレ「はい?」
マンティ「も、もし私が東京盃を勝てたら――ご、ご、ご褒美を下さぁい!」
――は、はぅう。か、顔が熱いです!こ、こんなご褒美だなんて……わ、私らしくない。ひ、ひぁ。だ、ダメでしょうか……?
マントレ「……ふふ。はは、珍しいですねマンティスさんがそんなおねだりだなんて」
マンティ「ご、ごめっ!ごめんなしゃい!わ、わたし、と、とんだご迷惑を!」
マントレ「いえいえ構いませんよ、それじゃあもし一着で勝てたら――ご褒美をあげましょう。何かして貰いたいことなどはありますか?私に出来る範囲内ならいくらでも」
マンティ「へぇぁ!?あ、ぁ、ありがとうございます!ま、まだ考えてないんですけど……よ、よろしくお願いします!」
――――東京盃まであと少し!が、がんばり、ます!
- 766 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/06/30(日) 23:58:15.26 ID:1nrOjH1Z0
- ブラックマンティス 5戦2勝
メイクデビュー 3着
ジュニア級未勝利戦 1着
Pre-OP_昇竜ステークス 1着
Pre-OP_端午ステークス 2着
Pre-OP_天保山ステークス 4着
★
ブラックマンティス成績になります。本編と食い違う部分があったら優しく見逃して下さい。
更新もう少しだけ続きます。
- 767 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:20:17.80 ID:3YoYuToa0
- ――G2東京盃。JBCスプリントのトライアル競争に位置するそのレースには、自信のあるダートのスプリンターが集結していた。
ま、アタシもその一人なんだけど。一番人気らしく堂々とパドックに登場すると……おお、そこそこの歓声。
パピヨン「んま、よろしくね〜」
マンティ「――よぉ、パピヨン」
観客に向かってヒラヒラ手を振っていると、背後から声が。聞いたことのある声が、久しぶりの口調で。
パピヨン「お、マンティ。ぷぷ、もうやる気満々じゃん」
マンティ「前回の屈辱、敗北――きっちりと返させてもらうぜ。ヒラヒラ呑気に飛んでたら――俺様が刈り取るからな」
――いいかテメェら!この俺様の走り!その目ん玉に刻み込んでもらうぜぇ!
わぁあああああああああ……!!!と、アタシよりもデカい歓声。マンティってコアなファンが沢山居るんだよね。走りもハデだし、キャラも濃いし。
パピヨン「ま、そんなこと言って前にアタシに負けたのはマンティだけどね〜?ぷはは!そんな恥ずかしい事言わない方が良いよ?後で後悔しちゃうから〜?」
マンティ「言ってろ!」
――さぁて、初めての公式短距離レース。今までマイルでばっかり頑張ってたけど――一番気持ちよく走って、勝っちゃうから。
――――あー、楽しみ!
- 768 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:26:35.25 ID:3YoYuToa0
- G2東京盃、VSブラックマンティス――結果は:コンマ直下
1 余裕余裕!
2-5 何とか……でもそれでも!
6-7 ――瞬間、首を何かに斬られた
8 背後のプレッシャーにやられて
9 二人してダメじゃん!?
0 おおっと
- 769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 00:37:53.47 ID:VXx9k2PEo
- 勝て!
- 770 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 00:55:03.31 ID:3YoYuToao
- お疲れさまでした。今日はこれで終わりです。
自由安価不評のようなのでより一層減らしていきたいと思います。ただやりたいときにはやるのでよろしくお願いします。
マンティ、強い。
- 771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 02:12:37.12 ID:hDVBvzEKo
- 乙
マンティご褒美やったぜ。
そして分からせ食らうパピヨンはもはや様式美、コイツ新聞読めるタイプだ
- 772 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:06:00.85 ID:3YoYuToa0
- ――さあ各ウマ娘一斉にスタートいたしました。まずは一番人気シルヴァーパピヨンが先頭を取る。その後ろにピッタリとくっ付いて8番、そこから2バ身ほど離れて先行集団、その後ろにぽつぽつと並び最高峰ブラックマンティス。
パピヨン「――」
アタシの後ろにピッタリとくっ付いたもう一人の逃げウマ娘――今までは自分が先頭の立場だったけど今回はアタシに譲る感じ?ふぅん……別にいいけど。
パピヨン「最初から一番前が一番気持ちいと思うけどなぁ……!」
しかし先頭を争いがないならそれはそれで、アタシはどんどん前へと進んでいく。
最初から最後まで全力全速で、スタミナ切れも考えないで一心不乱に前へ。逃げる逃げる逃げる。
――第3コーナーを曲がり最終コーナー。依然として先頭は10番シルヴァーパピヨン!最後まで逃げ切ることはできるか!
そんなの当然――!そう思った瞬間。
マンティ「――――は、はは、はっ――ははは!!!」
嫌な笑い声、そして世界が揺れたように錯覚する足音が、アタシの世界にズカズカと入り込んできた。
- 773 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:08:06.57 ID:3YoYuToa0
- パピヨン「――――っ!」
――最終直線、8番はもう苦しいか……!?大外!大外から一気にブラックマンティス!ブラックマンティスがシルヴァーパピヨンに迫ってくる!?
マンティ「ぅおらぁあああああああああああああ!!!!!」
パピヨン「ふざけんっなぁ!!!」
脚を回す、腕を回す。大外から迫るそいつから逃げるために、必死に体を動かす。
まだまだ身体は動く。まだまだアタシは走れる。もっと、もっと早く――!もっともっともっと早く早く早く――!ここで負けたら、アタシだって――!
――残り200!シルヴァーパピヨン先頭シルヴァーパピヨン先頭!しかしブラックマンティスがもうすぐそこ!2バ身!1バ身!
パピヨン「ぁああああああああああああ!!!――っ!?」
マンティ「――並ばねぇよ、じゃあな」
――並ばない!ブラックマンティス大外から一気に先頭!そしてゴール!一着には2番ブラックマンティス!ブラックマンティス重賞初勝利!
――――一瞬で、アタシを抜かして背中を見せつけたマンティは。アタシを見て愉快そうに、笑った。
まるで、首をその鋭利な鎌で斬り落とされたみたいに。アタシは――負けた。速さで、負けた。
マンティ「は、はは、ははは――はははははははははっ!!!!見たかお前ら!これが俺様の走り!目に焼き付けたかぁ!」
――っわぁあああああああああああ!と、爆発みたいな歓声が、レース場に鳴り響く。
- 774 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:12:18.69 ID:3YoYuToa0
- パピヨン:コンマ直下
コンマが高いほど別に落ち込んでないですけど〜?低いととても落ち込んでる。
- 775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 22:20:38.13 ID:UXBpLJ2G0
- はい
- 776 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 22:27:06.46 ID:3YoYuToa0
- しょうがないけどちょっと笑っちゃった
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 22:48:43.06 ID:spf5m6fdo
- 防御力に全く振ってないウマ娘
- 778 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 23:37:11.11 ID:3YoYuToa0
- パピヨン「うっ……ぐっ、ず……!ぅあ……!」
『……ぱ、パピヨン』
――控室に戻ってきたパピヨンの様子はそれはそれは相当なものだった。
眼が真っ赤に腫れ、鼻水をずぴずぴとすすり、今はまだ我慢出来ているのかもしれないが――一瞬で崩壊してしまいそうなそんな危うさ。
『……お疲れさま。いい走りだった』
パピヨン「う"っ……も、もう少しだったのに、もう少しだったのにぃ……!うぁ、ぐす、ずび……!」
あと少しの所で、大外から一気に伸びてくる黒い影。観客席から見ていても今回のブラックマンティスの走りは――圧巻としか言いようがなかった。
よっぽど悔しかったんだろう。短距離で、しかも速さで――真正面から叩きのめされる。しかもその相手がブラックマンティスなのだからよっぽどだ。
パピヨン「次は……次は絶対に負けない……!次、あんな、絶対差せないくらい、早く逃げ切ってやる……ぅ、ぐすっ」
――。
どうしてあげよう:安価直下
1 ああ、次は頑張ろう。と言葉を投げかける。
2 ……頭を撫でてあげる。
3 自由安価
- 779 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/01(月) 23:54:08.73 ID:3YoYuToa0
- 寝ます、おやすみなさい。
安価は下にずらして下さい。
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 00:01:00.59 ID:Q+3pFzhSo
- 2おつおつ
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 10:42:37.58 ID:uKWR5BpTO
- この子良い子なのは分かるんだけどやっぱクソガキだよな…
- 782 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/02(火) 23:38:09.79 ID:HroUrREj0
- 『…………よく頑張ったな』
パピヨン「ぁぅ」
ゆっくりと手をパピヨンの頭に持っていき、優しく撫でる。サラサラと青みがかった銀色の髪が流れ、指の間を通り、撫でている自分も心地いい。
いい走りだった、次も頑張ろう――なんて言葉、ただの自己満足かもしれない。
パピヨン「……ぐすっ。ほん、と、お兄さん……バカ。バカ、撫でないでよ、頭……セクハラなんですけど……」
――けど、パピヨンの表情はとても嫌そうには見えない。そのセリフも全然嫌がっているようには聞こえない。だからきっと、これは間違いじゃない。
パピヨン「…………もっと撫でて、撫でて、慰めて。アタシ、すっごい悔しいから」
『……ああ、そうだな。キミが落ち着くまでこうさせてもらうよ』
パピヨン「……〜♪」
彼女は嬉しそうに尻尾をゆさゆさと振って。結局ライブギリギリの時間まで頭を撫でる行為は続いた。
――負けた。しかし今までの努力がある。ゆっくりと積み重ねて、糧にして――勝ちにつなげる。
まだまだ先は長い、頑張ろう――【貴方】もシルヴァーパピヨンも。
- 783 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/02(火) 23:39:42.95 ID:HroUrREj0
- マンティ「――す、すみ、すみません。トレーナーさん……えっと、その、あの」
マントレ「はは、忘れていませんよマンティスさん。ご褒美、ですよね」
――東京盃から数日。私の初の重賞勝利に、トレーナーさんはとても喜んでくれました。あんまり表情とか、仕草には現れませんけど……分かります。とてもとても、喜んでくれました。
その様子に、私はなんだか恩返しができたような。今までのお礼が言えたようなそんな気持ちになって、当日はちょっとはしゃいじゃいました……は、恥ずかしい……。
マントレ「では、何でもおっしゃってください。マンティスさんのお願いですから、出来る限り応えさせて頂きますよ」
マンティ「そ、そんな、わ、私は別に……!あ、あぅあぅぁ……」
こ、この日の為に色々と考えてきました……!け、けど本当に大丈夫でしょうか……?こ、こわい、けど、これはご褒美で……!
え、ええぃ、ま、ままよ!
マンティス渾身のご褒美:安価直下
1 な、なで、撫でて欲しいです……
2 こ、今度、い、一緒に……お出かけとか……
3 自由安価
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/02(火) 23:43:32.67 ID:4wJGWFyDO
- 2
- 785 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:09:13.89 ID:c79P/Ug50
- マンティ「こ、ここ!今度、い、一緒に……お、お出かけ……とか……」
マントレ「……はい?お出かけですか?」
マンティ「は、はい。す、すみませぇん!と、トレーナーさんと、二人で……お、お休みの日に……」
マントレ「…………構いませんが私とですか?面白くもないと思いますが」
マンティ「お、おお、お願いします……」
――トレーナーさんとはあんまりお休みの日に会ったりはしません。ですから、ずっと……のんびりお買い物とか、ご飯食べたりとかしてみたかったんです。
わ、私から言い出すのはなんだか迷惑かなとも思って……でも、今回。ご褒美という形なら――だ、大丈夫、ですよね?こ、これくらい……。
マントレ「はは、変わった人ですね。でも、分かりました。それではスケジュールを合わせますので、お出かけしたい日がありましたら事前に教えてくださいね?」
マンティ「よ、よろしくおねがいしまぁす……!」
や、やった。やった……!と、私は、小さくガッツポーズなんかしてしまった。
- 786 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:18:02.20 ID:c79P/Ug50
- ちょっと時を遡り、グリーンシルフィーの紫苑ステークス。
秋華賞トライアル、紫苑ステークス。シルフィーの結果は:コンマ直下
1-3 一着
4-5 二着
6 三着
7-8掲示板!
9 掲示板すら……
0 おおっと
- 787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:24:21.57 ID:d7y17p23o
- ぬん
- 788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:30:16.31 ID:uDWw985So
- 勝敗コンマほんとリアル志向やんな
まあ重賞掲示板って上澄みだからシルフィーもようやっとる
- 789 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 00:31:34.37 ID:c79P/Ug50
- 前哨戦は掲示板、それでは秋華賞本番は――:コンマ直下
1-2 ダブルティアラ!
3-5 二着!惜しい!
6-7 三着!
8 また掲示板……
9 掲示板も……
0 おおっと
- 790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:57:01.77 ID:uDWw985So
- うりゃ
- 791 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/03(水) 01:06:22.05 ID:c79P/Ug50
- 秋華賞3着!
それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。
シルフィーもオークスウマ娘だしようやっとる。もう少し全体的に1着確率上げても良いかなぁとも思いますが、まあこれはこれで。
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 11:28:20.50 ID:0fWRpTN7O
- ラッキーセブンゾロで1位とか…次のレースで補正とか…ダメ?
- 793 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/07/04(木) 00:12:01.30 ID:rb19XgCK0
- >>792
1位は無理ですけど何か次のレースでシルフィーに補正上げますね……
ダートに挑戦するのか芝で頑張るのか分かりませんが、詳しいこと内容はきっとシルフィー担当トレーナーが頑張ってくれてます。
- 794 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 22:56:13.19 ID:rb19XgCK0
- ――が1着でゴール!2着には――3着にはグリーンシルフィー……。
パピヨン「……シルフィー」
秋華賞。トリプルティアラ最後の冠――それを取ったのはグリーンシルフィーではなかった。
――悪くない展開だった。しかし最後の直線で中々伸びず終わってしまった。
『……惜しかったな。シルフィー』
パピヨン「うん、でも一着のあのウマ娘――強かったよね。着差はそんな離れてるわけじゃないけど、でも――」
『ああ、あの青鹿毛のウマ娘――今日に向けてだいぶ仕上げていた様子だった。しかしそれは一番シルフィーが、他の走者が分かっているだろう』
眼に見えて分かるほどのギラギラとしたオーラ、実際に肌で感じていた彼女たちはそのプレッシャーをより深く受けているだろう。感覚としてはそう――ブラックマンティスのあの追込みに近い。
パピヨン「ま、シルフィーなら大丈夫か。案外、もう次のレースのこと考えてたりして」
『そうか?』
パピヨン「アタシの周りのウマ娘はみーんなメンタル強めだからね〜。ほんっと、嫌になっちゃうくらい」
やれやれ怖い怖い〜、とポーズをとる。
『……キミも負けてられないな。さて、次のレースについて話そうか』
パピヨン「はいはーい」
- 795 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 22:57:55.84 ID:rb19XgCK0
- パピヨンの次走について考えているレース。
一つ目は数週間後に開かれる短距離G1「JBCスプリント」、二つ目は来月前半に開かれるマイルG1「チャンピオンズカップ」
三つ目にチャンピオンズカップと同じ時期に開かれるに開かれる短距離G3「カペラステークス」……この三つか、今のところは。
『JBCスプリントにはブラックマンティスが、チャンピオンズカップの方には――おそらくステラライムが来る』
パピヨン「……ライム、まだ次走の表明とかしてないよね?もしかしたら東京大賞典とかに行っちゃうかもだよね」
『そこはステラライム陣営の判断にもよるが――まあ想定しておくには越したことがない。他にも出走したいレースの案があるなら、自分はキミの意見を尊重させてもらうが――次のレースが、クラシック最後のレースのつもりだ』
まあ、日程的にも詰められないしな。と、言うとパピヨンはそりゃそうでしょ。みたいな顔をした。
『……』
そして――これはまだ考えているだけのことだが。一つの案として考えているレースがある。
――ドバイゴールデンシャヒーン。BCスプリント。メトロポリタンハンディキャップ――短距離、マイルの海外ダートレース。
パピヨンが本領を発揮できるのが――海外だったら?日本の砂ではなく、海外の土でこそパピヨンは羽ばたけるんじゃないか――そう、考えてしまう。
もし、パピヨンに今以上に地力がついて"――ライバルに。ライバルに、勝てた時には――。"
(まあ、まだそれは考えることじゃないか)
取り合えず今は目の前を考えよう、未来のレースより今のレース。そもそもパピヨンに意思確認もしないでこんなことを考えている暇なんてない。
- 796 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/04(木) 23:05:18.27 ID:rb19XgCK0
- 次走:安価直下
1 JBCスプリント(ブラックマンティス:リベンジ)
2 チャンピオンズカップ(ステラライム:リベンジ)
3 カペラステークス(地道な実績作り)
4 その他ダートレース(年内で良い感じのものがあれば)
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 23:19:42.60 ID:lnbljYMDO
- 3
- 798 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 00:30:54.20 ID:WdAq/ul40
- 『――カペラステークスに行くか』
パピヨン「えっ!?JBCスプリントとチャンピオンズカップは!?』
勿論リベンジの為にその二つのG1に出走するのも良い。パピヨンが出走したいというのなら勿論出走登録をする――しかし。
『ただ闇雲に、ライバルと同じレースを出ているだけではきっと……ダメだと思うんだ』
沢山レースに出て、レースに慣れる。そしてどんどん実力を付けて――それでようやく、リベンジに挑める。
『だから次はキミが力を付けるために走る。そして来年――分からせてやろう。キミというウマ娘の真価って奴を』
ステラライムにも、ブラックマンティスにも、他のウマ娘にも。キミを応援してくれているファンにも、キミに期待していない観客にも――度肝を抜いてやろう。
『……そういうの、大好きだろ』
パピヨン「――――ぷ、ぷは、ぷはは!お兄さんってそういうこと言うんだ!?ぷふはははは!ちょっと意外かも、お兄さんもそう言う年相応っぽいところあるんだ!?」
『……年早々って、別にいいだろう。普通だ普通』
パピヨン「だってお兄さん、いっつもムスっとしてるし〜?――でも、うん。良いね、お兄さん。それ、サイコー」
ぷはは、と笑いながらパピヨンは【貴方】に向けてサムズアップ。
パピヨン「アタシの走りを見た全ての人間に――期待させちゃうような、そんなレース。期待してない人間に、不意打ちで度肝を抜いて分からせる。うん、それっぽい。良い目標かもね?」
『ああ、その意気だパピヨン!やってやろう!
――ということで、次の目標はカペラステークス。着実に経験を積んでいこう。
- 799 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 00:55:18.23 ID:WdAq/ul40
- カペラステークス前イベント:安価下2まで
1 パピヨンのヒミツ
2 パピヨン、ライムと彼氏の為に――食べる。
3 グリーンシルフィー、ダートの可能性
4 自由安価
★
これだけです。お疲れさまでした、おやすみなさい。
海外に行く条件として、「ステラライム、ブラックマンティス、グリーンシルフィーの誰かにレースで勝つ」を設定させてもらいます。
もし勝てて海外旅行行きたいなってなったら、考えてみてください。勝てるかはコンマ次第で。
- 800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 01:03:01.61 ID:P9RwrKGDo
- なんかわからなくて惹かれる2で
おつおつ
ライバルに勝っていざ!海外!してぇ!
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 01:19:26.55 ID:O4fCA+7DO
- 3
- 802 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 23:38:43.46 ID:WdAq/ul40
- ライム「――お願いしますパピヨンさん!わ、私の料理の感想を教えてください!」
ある日の放課後、アタシはライムにそうお願いされて食堂の席に座っていた。周りにはちらほら生徒がいるけど、ちょっとお喋りをしていたりとかが主で、ご飯を食べる!みたいな雰囲気の子は誰もいなかった。
パピヨン「ねえ、なんでアタシなわけ?シルフィーとか、マンティとか……あ、ほら。食べるの大好きな葦毛のウマ娘とか日本総大将とか呼んでさ」
ライム「それも考えましたけど、出来るなら私。食べて満足して貰いたいんです……そ、その人たちの胃袋を満足に満たすとか出来ません!」
何とも言えない責任感。こういうところがライムらしいなぁと思う、いやそれの被害を受けているのはアタシなんだけど。
パピヨン「というか、ライムなんでいきなりこんな?料理に目覚めたとか?」
ライム「あ、いや、えっと、そのぉ……」
――あれあれ急に顔が真っ赤になったぞ?おやおやおやぁ……?
ライム「……ら、来月はクリスマスじゃないですか?ですからその、あの。パピヨンさんにも話したとは思うんですけど、○○くんに……」
パピヨン「あ、なるほどね。彼氏君に料理作ってあげたいんだ、クリスマスの」
ライム「で、ですから!そういう関係じゃないですから!パピヨンさん!」
手をぶんぶん振って否定するその姿、怪しい。怪しいぞぉライム〜?ニヤニヤと笑ってからかってやる。
――成程、はいはい。つまりアタシを彼氏君に提供できる料理かの判断材料にしたいわけね?というか練習台と。
……………………。
パピヨン「………んま、別にいいけど。ほら、作ってきなよ料理。食べてあげるから」
ライム「――!す、すみません!ありがとうございます!で、ではある程度準備は出来ているのでちゃちゃっと作ってきますね!」
ぱぁっと、明るい笑みを浮かべてライムはキッチンへと走って行ってしまった。はぁ、嫌な笑顔。彼氏君にそんな美味しいものを作ってあげたいの?
ケーキとか作ってあーんとかするつもり?はぁ、アタシの方が今は長く付き合ってると思うけどなぁ。
…………ぽっと出の彼氏君め。いや、ぽっと出はアタシか。なーんて。思いながら頬杖をついて料理を待つ。
- 803 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/05(金) 23:39:27.91 ID:WdAq/ul40
- 照り焼きのチキン、クリスマスリースみたいなサラダ、ブッシュドノエル――その他にも結構な量の料理。というか全体的に……豪華。
パピヨン「……というか、あと茶色くない?お肉多いね――あ、いいから。理由はなんとなくわかるから」
まあ男の子ってお肉好きだもんね、アタシも好きだけどさ。チキンとか。
ライム「あ、あはは……す、すみません。でも、無理して全部食べて貰わなくても大丈夫ですから!ちょっと張り切って作ってしまったなぁと思いましたので――」
パピヨン「は?残す?冗談でしょライム」
――全部平らげるから、ありえないんですけど。
コンマ6以上で太り気味。
コンマ直下
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 23:57:05.35 ID:O4fCA+7DO
- あ
- 805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 00:55:30.52 ID:ESpiw8sOo
- ちょいちょいしっとりしかけてるなw、一息つけるといいのですが
- 806 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:13:58.87 ID:kNx0CHnD0
- ごめんなさい、寝落ちしてました。いつもより早い時間ですけどちょっとやります。
★
パピヨン「…………ふぅ、ご馳走様」
ライム「ほ、本当に全部食べちゃいましたね!?で、でも沢山食べてくれて、アタシ嬉しいです!あ、ありがとうございます!」
――苦しい。お腹がもうパンパン、ちょっと見栄貼っちゃったかも……。
ライム「そ、それで感想を教えてもらっても……」
パピヨン「……一応言っておくけどこんな量、絶対彼氏君食べきれないからね」
まあ作り過ぎちゃったって言ってるからそこは大丈夫だと思うけど。ライムって張り切りがちだしねぇ。
……全部美味しかったけど、料理で気になったところとかをいくつか教えてあげる。
ライム「なるほど……ありがとうございます!」
パピヨン「アタシの好みで結構言ってるから、彼氏君が好きな味付けになるかは分かんないけどね。……
というか、さっきの質問だけど」
ライム「はい?」
パピヨン「マンティとかシルフィーがいない理由!そっちは教えてくれてないでしょ?」
――まあ、別にどんな理由でも良いけど。アタシが暇そうだったとか、そんな感じ?
ライム「パ、パピヨンさんが……一番はっきり感想を教えてくれそうだったので」
パピヨン「……別にそんな事無いと思うけど」
ライム「パピヨンさんが美味しいって思う料理になれば、○○くんも美味しいって思ってくれるんじゃないかなって、なんとなくそう思ったので……なのでまずはパピヨンさんの為に料理を作りたくて」
パピヨン「…………」
ライム「あ、あはは、すみません。私もなんでパピヨンさんだけ呼んだのか、上手く言語化できなくて……
」
パピヨン「……ふ〜ん、ま。別に何でも……いいけど、まあ、また何か作ったら呼んでよ。お兄さんにも沢山食べて身体を作れって前言われたし、都合がいいから」
ライム「え、本当ですか!?あ、ありがとうございます!」
パピヨン「…………」
――まあ、今この瞬間だけはアタシがライムを独占してるし、ちょっと気分が良いかも。
- 807 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:27:58.10 ID:kNx0CHnD0
- ――秋華賞が終わってトレーナーさんが言った事は、「暫くは休憩しましょう」でした。
桜花賞7着、オークス1着、秋華賞3着――かつての親友と約束したトリプルティアラ、結局は一つしか冠は取れませんでした。
弟くんも秋華賞が終わってすぐ電話で、お疲れさまと励ましてくれて。とても――嬉しかったはずなんです。けど、私にはどうにも――喜べなくて。
シルフィー「…………」
トレーナーさんもきっとそんな私の気持ちが分かるんでしょう。ですから、一旦レースからは離れて来年からまた再始動――そういうつもりで言ったんでしょう。暫くは休憩しましょうと。
――――本当にそれでいいのか、という気持ちが私の中に沸々と沸き上がります。
トリプルティアラはもう取れません。というか桜花賞に惨敗した時点でその夢は無くなってしまいました。では、今後のレースは?アタシはまだまだ走れます、選手としてこれからも走ると考えたとき――ふと、もう一つの選択肢が浮かび上がりました。
- 808 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 18:28:29.57 ID:kNx0CHnD0
- シルトレ「――ダートですか?」
シルフィー「はい、芝からダートに転向して結果を残したウマ娘や、芝もダートも両方走れるウマ娘……その両方がいるのですから、可能性はあると思うんです」
シルトレ「…………そうですか」
きっと私のお友達にダートで走る子が多いから――その選択肢に気づけたのかもしれません。でも、だからと言ってダートを軽視しているわけではありません。
私でもダートなら輝けるかも――そんな考え、同室のパピヨンさんを見て言えるなら、とんでもないおバカさんです。
シルトレ「まあ、一度確認してみましょうか。トリプルティアラという夢を聴いて、私は芝での走りにばかり注目していましたが、可能性はあります」
シルフィー「は、はい!あ、ありがとうございます!」
結果は?:コンマ直下
1-5 芝を走ろう
6 まあ走れなくはないけど
8 普通に走れてはいます
9 両方いけます!
0 ――なんで芝を走って?
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 18:41:00.43 ID:Q+P4YrvDO
- はい
- 810 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:30:23.42 ID:kNx0CHnD0
- シルトレ「…………はい、お疲れさまです」
シルフィー「は、はぁ、はぁ……はぁ、はぁ」
全然走れませんでした。脚が思うように動かず、蹴っても蹴っても前に進まない。
――やはりそう現実は上手くいきません。ダートを走ってみると、パピヨンさんにライムさん、マンティさんの凄さが分かります。
シルトレ「ダートも芝も走れるという才能は稀有な物ですから、気を落とさないでくださいシルフィー」
シルフィー「はぅ」
……あ、頭を撫でられてしまいました。よしよしと優しい手つきで撫でられて……は、恥ずかしいです。
シルトレ「……焦らず行きましょうシルフィー。ゆっくりと準備をして――来年こそ勝負をしましょう。だって貴女は私が信じたウマ娘なんですから」
シルフィー「トレーナーさん……は、はぃ。あ、ありがとうございます……」
――本当は年明けから次走の話をしたい、という話でしたが。トレーナーさんと共にトレーナー室で次走の話をすることになりました。
目標を決め、しっかりと努力をして、またG1の大舞台で勝利を収めたら――きっとあの子も喜んでくれますよね?
- 811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:48:01.15 ID:ESpiw8sOo
- アグネスのやべーやつや産駒から見た余なり両刀はなかなか難しい
- 812 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:55:14.21 ID:kNx0CHnD0
- ――JBCスプリント、大井で開催されるダート短距離G1。東京盃でパピヨンと戦い、勝利したらブラックマンティスも当然出走するレース。
『現地で見に行かなくてよかったのか?』
パピヨン「別にいいでしょ、テレビで見れるんだし。あ〜でも確かに、現地でボロボロに負けたマンティをちょっと煽れないのは寂しいかも?」
ぷーくすくす、と笑うパピヨン。しかし【貴方】はパピヨンがそんなことをするウマ娘ではないことをとてもよく知っている。
素直になれないのなら無理やりにでも連れて行くべきだったかもしれない。いや、まあ……それはそれで後が怖いか。
――本日の一番人気、3番ブラックマンティス。東京盃で見せたあの直線一気を見せることが出来るか。
パピヨン「うわ、しかも一番人気じゃん。これってアタシって超強いウマ娘に勝ったからってことだよね?」
『……ああ、そうだな』
あの末脚を見て、ファンになった人も多いだろうに――一番人気という圧があっても、テレビ越しに見るブラックマンティスは何も変わっていなかった。
――堂々としている。その視線はただただ己の勝利だけを見つめていた。
マンティ「く、くは、はははは――!この俺様の勝利の踏み台として、お前らを使ってやる、だから光栄に思え――はははははっ!」
パピヨン「うわ、絶好調……ほんっと、凄いなぁマンティ」
あのキャラ後でどうしてんだろ。絶対恥ずかしいよね。……【貴方】は話を振られても苦笑いをすることしか出来なかった。
――大井レース場にスピード自慢のウマ娘が揃いました、ダートレースのスピード決戦JBCスプリント。今宵はどのウマ娘がダートスプリンターの栄光を手にするか。
――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備整いました。
――――スタートいたしました!
JBCスプリントが、始まった。
- 813 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 19:56:59.59 ID:kNx0CHnD0
- ブラックマンティスは――:コンマ直下
1-4 一着!!!
5-6 二着!
7 三着
8-9 ダメだった……
0 おおっと
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 20:45:22.20 ID:ESpiw8sOo
- !!!
- 815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 20:47:24.34 ID:ESpiw8sOo
- マンティごめん……
- 816 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 21:25:03.50 ID:kNx0CHnD0
- はじめての「おおっと」です。こういうことをやります。
★
おおっと――:コンマ直下
1-3 掲示板には"レコード"の文字
4-5 誰も狩人には追い付けない
6-7 脚を挫いて……。
8-9 故障発生
0 ――
- 817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 21:46:59.88 ID:Q+P4YrvDO
- どうなるか
- 818 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 22:55:02.30 ID:kNx0CHnD0
- ――各ウマ娘出遅れることなく進んでいきます。先頭には逃げ宣言6番、その後ろにすーっと並んで9番、2番のウマ娘が並び先行集団、そして最後方にはブラックマンティス。
ブラックマンティスの何時もの展開。最後方、殿から他のウマ娘の様子を伺い、最終コーナー最終直線で一気に大外からごぼう抜き――これが、ブラックマンティスの戦い方だ。
その戦いを二回経験したパピヨンにとって、それは異様なプレッシャーを感じる走りだった。後ろから「何か」が来る。何か恐ろしい存在がぐんぐんと迫ってくる――恐怖以外の何物でもない走り。
パピヨン「やっぱいつも通りの展開だよね、結局マンティが全部差し切るか、差し切らないかの展開」
『……随分とマンティに肩入れしているな。友達だからか?』
パピヨン「はぁ〜?なにお兄さんそれ、キモいんだけど〜?……そりゃ、友達ってのもあるけど」
アタシに勝ったんだし、他の短距離で負けて欲しくなんかないって思うくらい、普通でしょ。
【貴方】からぷいっとそっぽを向いて、パピヨンはまたテレビを見る。
マンティ「――――は!」
――さあ、最終コーナーを曲がり最後の直線!未だ先頭は6番!後続との差は3バ身ほど!しかしここで大外から迫るウマ娘!3番ブラックマンティスが先頭を狙っている!
パピヨン「お、いけいけ〜!」
『随分と気の抜けた応援だな……』
狩人が足にググっと、力を入れ一気に前を往く。スパートをかけた鋭い切れ味の末脚は、そのまま前方のウマ娘を差し切って――――。
- 819 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 22:56:42.23 ID:kNx0CHnD0
-
マンティ「――――っ!」
パピヨン「ぁ……?」
『――――!』
その瞬間。マンティの顔が酷く歪み、二人の顔から――一気に血の気が引いた。
――ブラックマンティス来ない!スーッと後方に下がっていく!これは故障発生か!?
故障発生。その言葉がパピヨン頭の中で繰り返される。しかし中々意味が理解できない。理解が追い付かない。
故障。故障、故障――スパートの時に脚を挫いた?いやでも、あれくらいマンティなら別に――――え、こしょう?もう、レースが出来ないとか――マンティが。マンティが?
『――おいパピヨン、パピヨン!』
パピヨン「へっ!?ぁ、お、お兄さん――?」
『落ち着いて、今キミ顔が凄いことになってたぞ。まずは大きく鼻からゆっくり吸って、口から吐いて――』
アタマがまだ混乱してる、お兄さんに言われるがままに深呼吸をするけど、なんだか変わったのか変わらなかったのか、よく分からない。
――一着は見事に逃げ切りました6番!JBCスプリントを制し、栄冠を手に入れました!初のG1タイトル!
――しかし、心配なのはブラックマンティス。今救急車に運ばれていきました、何事も泣ければよいのですが――――。
パピヨン「――――」
テレビで逃げウマ娘が一番にゴールをした、実況が聴こえてくる。けど、そんなのは全然……どうでもよくて……。
――ぷるるるる。と鳴るスマホの音にも、気が付けないまま。JBCスプリントは幕を閉じた。
- 820 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 23:28:50.53 ID:kNx0CHnD0
- マンティ「――――あ、パピヨンさんに、皆……」
ライム「マンティさん……!」
――後日、アタシといつもの仲間でマンティのお見舞いに行くことにした。病院のベッドの上で、患者衣を着ているマンティをみて……アタシは、また血の気が引いていく感じがした。
…………右足に巻かれたギプスから、目が離せない。
シルフィー「マンティさぁん……!うぅ、うぁあぁ……!」
マンティ「ひぁ!?ちょ、シルフィーさん……ライムさんも!?」
二人が涙目でマンティに抱き着きに行く、それを顔を赤くしながらマンティは抱き着かれている。
……ヘルプミー!な、目をこちらに向けられるけど、アタシには何も……はぁ。
パピヨン「……気持ちは分かるけど、マンティは怪我人だしそこまでにしておきなよ」
ライム「あっ、ごめっ、ごめんなさい……私、ちょっと、全然考えられてなくて……」
シルフィー「ぐすっ……ごめ、ごめんねマンティさん……だ、大丈夫?」
マンティ「だ、大丈夫。全然大丈夫ですからぁ……」
――へたっぴな笑顔で大丈夫というマンティ。けど全然大丈夫そうには――見えない。
マンティ「……全知半年の骨折、らしいです。スパートで力を入れ過ぎて折れちゃったのかもって、お医者さんが……」
――――半年?半年も、このままで……マンティは、走れないの?
マンティ「リハビリとかを頑張ればもっと早く治るかもしれない……けど、安静の為、半年は必要と」
- 821 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 23:30:26.39 ID:kNx0CHnD0
- ライム「――」
シルフィー「は、半年、も……」
マンティ「だ、大丈夫です!半年頑張って休んで、リハビリもすれば――また走れるようになりますから!」
ぎゅっと拳を握って、大丈夫とアピールをするマンティ。さっきから、そんなアピールが多くて、主張が激しい。
――あーだめだ。ずっと頭が、ふわふわしてる。
パピヨン「……し、しっかり、休んでね。アタシ……待ってるから」
マンティ「――――はい。わ、私も、またパピヨンさんと走りたい、ですから――」
ライム「う、うぅぁあ……!わ、わたし、も、マンティと走りたいよ"ぉ……!」
ああまたライムが抱き着いて、服に涙とか鼻水が……。
シルフィー「…………ぐすっ、今はしっかり休養してくださいね。また今度お見舞いに来ますから……」
――――こうして、お見舞いが終わった。最後にギプスにメッセージでも書こう!ということで、早く治ってねみたいなメッセージを書いて……終わった。
- 822 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/06(土) 23:35:28.46 ID:kNx0CHnD0
- ――――:コンマ直下
コンマ3以上で。
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 23:40:48.26 ID:xWxG7hcRo
- なに怖いよ……
- 824 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 00:03:35.48 ID:5wtNQhHU0
- パピヨン「――――忘れ物しちゃった、はぁやらかした」
帰り道の途中、マンティの病室に忘れ物したことに気がついてアタシ一人病院に戻ってきちゃった。
……忘れ物だけ取って、早く帰ろ。なんだか今、マンティの顔とかちゃんと見れない気がする。というかさっき会った時も……全然話せなかった。
病院に入って、受付のお姉さんに話して、マンティの病室に向かう。なんとなく静かで、病院の匂いって感じの匂いがする。
パピヨン「……あれ」
……マンティの病室に誰かいる、そっとドアの窓から顔を覗かせて……見るとそれはマンティのトレーナーさんだった。和服で、アタシくらい身長のちっちゃな、妙に威厳のあるトレーナーさん。
マンティ「――――!――!」
マントレ「――」
マンティ「――っ!……っ!」
……声は聞こえない、けど何か話していることは分かる。何か言い争ってる……?
…………マンティが泣いていることも、分かる。ぼろぼろ大粒の涙が零れ落ちて、患者衣に小さな水玉を作る。
パピヨン「……っ」
アタシたちが来た時、全然泣いてなかった。アタシたちが泣いてばかりで――きっと、マンティは我慢してたんだ。今にも泣いてしまいそうなのを、堪えて。アタシたちに心配させまいと――大丈夫なアピールまでして。
――――いけないものを見てしまった気分。トイレにでも行って少し時間を潰してから、また来よう。
- 825 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 00:32:22.80 ID:5wtNQhHU0
- マンティ「――あ、パ、パピヨンさん……!ど、どうかしましたか?」
パピヨン「実は忘れ物しちゃって取りに来たんだ〜ごめんね、いきなり来ちゃって」
病室にはもうマンティしかいなくて、トレーナーさんの姿はなかった。アタシ的には嬉しいけど、何処行っちゃったんだろ……。
……不思議そうな顔をしているマンティ。その眼もとは、隠せないくらい真っ赤だった。トレーナーさんが戻ってくるかどうかも分からない、ほんとさっさと帰らないと……。
パピヨン「ん、あったあった……」
マンティ「…………」
忘れ物は見つかった、だからもう帰った方が良い。アタシはただの……友達だ。ブラックマンティスの同期で、同じレースも走った、ただそれだけの。
さっきのアタシみたいに、トレーナーさんが外で待ってるかもしれない!本当は大事な話があるのにアタシがいるせいで話せない……そう、きっとそう!だから、早く帰らないと――。
マンティ「……じ、実は私。ずっと……パピヨンさんに、憧れてたんです」
パピヨン「へっ?」
いきなりマンティが話し始める。どしたの突然、と思わなくもないけど……え、アタシに憧れ?
マンティ「私がこの学園に来たのは……お家の期待に応えるためなんです。私がもし結果を出せば、それだけでお家の威厳に繋がりますから」
――――期待に応えるために走る。期待、という言葉はアタシには――とても聞き覚えのあるものだった。
マンティ「入学した時はもうすぐに走るのも辞めちゃいそうなほど、辛くて……でもそんなとき、パピヨンさんの走りを見たんです。最初の模擬レースで楽しそうに先頭を往く、貴女の走りを」
とても気持ちよさそうに走るその姿を見て、私は――思い出しました。初めて走り始めたときに感じた風の気持ちよさを。
――そうだ、私は、この風が好きで走り始めたんだって。
- 826 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 00:51:52.09 ID:5wtNQhHU0
- パピヨン「――――」
ねえ、待って。待ってよ。そんな――肩の荷が取れたみたいな顔で自分語りしないで。自分だけで気持ちよくならないでよ。
マンティ「だから、この前の東京盃でパピヨンさんに勝った時は凄い嬉しくて!あ、でも抜くときにちょっと……あ、あんなことを言ってしまって……!ほ、本当にごめんなさい!けど、憧れてたあの走りを間近に見れてとても嬉しかったんです!」
風を感じれました、初心を思い出せました。家族の期待じゃなくて、私が走りたいから走る――そのレースが、どれだけ楽しいのかを思い出せました。
待って、ストップ。止めて――そんな話、聞きたくない。口を閉じて、閉じてよ――!
マンティ「ですから、こんな風に脚がなっちゃう前にパピヨンさんと走れて私は――――
パピヨン「は――――?」
――こんな風に脚がなっちゃう前に?アタシと走れて――良かったって?
――ふざけんな、ふざけんなふざけんな!
パピヨン「――――ふざけないでよ!!!!!」
- 827 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 01:03:09.59 ID:5wtNQhHU0
- マンティ「ひゃぁ!?パ、パピヨンさん!?」
パピヨン「何その言い方、何その雰囲気!?まるで――もう走れないみたいな、もうアタシと走れないみたいな!何気持ちよく自分語りしてるの!」
――身を乗り出して叫ぶ。ああもうムカつく!全部全部、全部イライラする!
パピヨン「――これからもアタシとマンティは走るんだよ!?その話し方、勝ち逃げのつもり!?」
マンティ「ぇ、いや、ちがっ……!そ、そんなつもりじゃ……!」
パピヨン「そんなつもりだよ!なーにが、憧れのパピヨンさんだ!憧れ憧れって、そんなウマ娘じゃないしアタシは!」
――アタシはアンタのライバルなんだけど!?だから一抜けとか許さないから――骨折でちょっとメンタル落ち込んでるのかもしれないけど、そんなの許さないから!
思いっきり叫ぶ、思ってること全部言う。友達だけど、ライバル!だから、これからもずっとずっと走るの!
マンティ「――――で、でも半年、半年も走れないんですよ!?リハビリも、とても大変らしいですし、今まで見たいに走れるかどうかも、分からないんですよ!?」
パピヨン「はぁ!?なにそれ、意味わかんないんだけど!」
マンティ「私はもうトゥインクルシリーズで、貴女と――同じレースには出られないかもしれないんです!半年の怪我は、そういうものなんです!お医者さんも、トレーナーさんも……そう言ってるんですよ!?」
――全治半年、完全に治るまで半年かかる。そこからトレーニングも含めたらまともに走れるようになるのは一年前後くらい。それまで時間をかけても、今くらい走れるようになるか――もっと時間がかかるのかもしれない。
真っ赤な目から涙をぼろぼろこぼしながら、マンティも叫ぶ。なんだ、そんな大きな声出せるんじゃん……!
マンティ「わたっ、私だって……!走りたいですよ……!もっともっと、パピヨンさんとも、ライムさんとも……シルフィーさんとだって……!走りたいですよぉ……!」
パピヨン「じゃあそうすればいいじゃん!もっと我が儘になろうよ!お医者さんに言われたから、トレーナーさんに言われたから……!?関係ないじゃん!?」
- 828 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 01:08:34.14 ID:5wtNQhHU0
-
マンティ「う、うぁ、う"ぅ"ぅぁぁぁぅあぁ……!」
パピヨン「マンティは諦めないでリハビリ頑張る!アタシも頑張る!――マンティが勝負したくなるくらい、憧れなくなるくらいアタシが強くなって――一年後に立ちはだかるから!それに挑んで!」
――マンティにふさわしい相手になるために、走れないなんて思えなくなるくらい強くなって。待ち受ける。ゲームのラスボスみたいな、魔王みたいな、そんなウマ娘になる。
パピヨン「――絶対戻ってきてよ。待ってるから!アタシも滅茶苦茶頑張るからさ……!ぐすっ、期待して待っててよ!アタシもマンティに期待してるから!」
アタシもなんだかボロボロ涙が出てきて、溢れて止まらない。
――結局最後の方はお互いに何言ってるのか分かんなくなっちゃって。泣いて、怒って――最後にちょっと笑って、それは終わった。
頑張ろうね――なんて言い残して病室を飛び出し、病院から出る。ウマ娘専用の道路を、走って走って。スタミナが無くなっても走って走って――走りまくって。
- 829 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 01:16:33.50 ID:5wtNQhHU0
- パピヨン「お兄さん!!!」
『うわぁあ!?パ、パピヨン……?」
トレーナー室。バァンと勢いよく扉を開けると情けないお兄さんの姿が。こっちは色々やってきたばかりだというのに、呑気だと呆れてしまう。
パピヨン「――――ねえ、お願いがあるんだけど!」
――マンティにああ言ってしまった、期待させてしまっている。ならそれには全力でアタシが応えないといけない。
ラスボス?魔王?ようは――マンティが憧れてたアタシよりも圧倒的に強いアタシになって、最強のダートウマ娘になる。
その手段、その方法を――前に、聞いた気がする。
パピヨン「――――海外のダート!G1!獲るよ!」
思うのは簡単だ、これだって勢いだ。お兄さんには呆れられる、考え直せと言われるかもしれない。計画と違うとか――でもそんなの、アタシの我が儘で全部吹き飛ばしてあげる。
――――だって、アタシのトレーナーなんだよ。お兄さんは?これくらい、何も言わず受け入れて欲しいな。
- 830 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 01:20:02.37 ID:5wtNQhHU0
- 今日はこれで終わりです、時間がかかりましたがありがとうございました。
マンティが骨折して、あーだこーだと進めたらこうなりました。マンティが憧れられないくらい圧倒的に強いウマ娘になって、また戦いましょう。
カペラステークス、そしてチャンピオンズカップ。クリスマス、大晦日、くじ引き――海を越えて。イベントは盛りだくさんです。
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 02:32:38.72 ID:f+39JrSoo
- おつ!
アオハルだなぁ……!
マンティのキャラ設定改めて確認したけどそうだね、これパピヨンに重矢印向いて然るべきやつやん
マジ勝たないといけんなあ!
- 832 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 21:56:37.28 ID:5wtNQhHU0
- ――――カペラステークス当日。中山レース場の控にでパピヨンと自分は居た。
レース展開や走り方、他出走者の最終確認と。レース後にむやみやたらと煽らないことの注意を数回して、体操着姿の彼女を送り出す。
『――行ってこいパピヨン。キミの走りを見せつけてこよう』
パピヨン「おっけーお兄さん。2番人気とか見る目がない人たちにアタシの走りでビビらせちゃう!」
『言っておくが、本当に煽ったりするなよ。なあ、何回も何回も言うが』
パピヨン「あー!はいはい分かってます分かってます!お兄さんほんっとーにしつこい!そんなんだからモテないんだよ?」
……それとこれとは話が違うように思う。けど、まあ……下手に言い返すつもりもない。
パピヨン「ぷぷぷ、もしかして図星〜?ちょっとは言い返してくれないと張り合いがないんですけど〜」
『ほら、早く行った行った。キミのファンが待ってるよ』
パピヨン「はいはーい」
――――「海外のダート!G1!獲るよ!」なんて、言葉を聞いた時は驚いた。が――正直嬉しいとも思った。
ライバルと戦うためにレースを選ぶのでもなく、自分の提案に乗っかるのでもなく。自分自身で考えてこのレースに出たいのだと言った。
真っすぐな瞳で、自分を見つめながら。海の向こうの大舞台で羽ばたきたいのだと、パピヨンが言った。
『……ならここでは負けられないよな』
- 833 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 21:58:48.62 ID:5wtNQhHU0
- カペラステークス、結果は:コンマ直下
1-3 余裕余裕!
4-7 勝利勝利!
8 2着2着!
9 3着3着……
0 おおっと
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 22:18:03.26 ID:9ew0ffa9o
- はい
- 835 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 22:44:02.56 ID:5wtNQhHU0
- パピヨン「――っああぁああああああ!!!」
――十一番シルヴァーパピヨン逃げる逃げる!そしてそのまま一着でゴール!そして二着――三着には――。
少し危ないところもあったが無事に一番にゴールしたパピヨン。重賞二勝目ということもあり、ファンからの歓声も大きい。
パピヨン「――ぷぷ、当然なのに喜んじゃってはっずかし〜……あ、えーっと……いいやめんどくさ」
『ぱ、パピヨン……』
一瞬煽るのを止めようとした、その瞬間心の中でガッツポーズしてしまったが――はぁ。
いつも通り煽りに煽るシルヴァーパピヨン。それが他の走者に向けてではなく、観客に対してというのがまだ安心できるところか――いや、全然安心できない。
――後でまた叱ろう。
パピヨン「あー……でも最初から応援してくれた人は見る目あるじゃーん!ありがとねー!ぷはははは
!」
- 836 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 23:26:48.65 ID:5wtNQhHU0
- 『お疲れさまパピヨン、いい走りだったよ』
パピヨン「ふ〜……疲れた疲れた。えへ、でしょ〜お兄さん?」
控室に戻ってきたパピヨンはそれは良い笑顔だった。
……こういう時自分はますます情けなくなる。叱ろうと思っていたのに、なんだかその気が無くなってきてしまう。
パピヨン「あれあれ、何か言いたいことがありそうな顔してるけど……どしたの?」
『……別に何も。うちの担当はよくやってるなと褒めてあげたかったんだよ』
パピヨン「え〜?絶対違うでしょ〜!ぷぷ、ほんっとお兄さんチョロいよね〜、一応トレーナーなんだからそういうときはちゃんとしないとでしょ?」
『…………』
……この前の発言で、成長したなと思ったがそれも撤回しなくてはいけないかもしれないな、と。思った。
- 837 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 23:35:16.69 ID:5wtNQhHU0
- ――チャンピオンズカップ。ステラライムは:コンマ直下
1 圧倒的な――
2-4 一着一着!
5-6 二着
7-8 三着
9 掲示板
0 おおっと
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 23:46:06.10 ID:vj+FUlTDO
- はい
- 839 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 23:52:14.53 ID:5wtNQhHU0
- 一気に0来てビビる
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/07(日) 23:53:07.16 ID:GMAujKw7o
- コンマ神はこういうことする
- 841 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/07(日) 23:55:00.61 ID:5wtNQhHU0
- おおっと――:コンマ直下
1-3 掲示板には"レコード"の文字
4-5 ダートを流れる星の煌めき
6-7 脚を挫いて……。
8-9 故障発生
0 ――
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 00:00:06.82 ID:p7PZF4lDO
- レコード
- 843 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/08(月) 00:05:26.34 ID:41is1SSw0
- うおおおおお疲れさまでした。今日はこれで終わりたいと思います、ありがとうございました。
チャンピオンズカップレコードのステラライム誕生の瞬間でした。
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 00:45:46.54 ID:Vz/DNykWo
- うおおおおお!
やっぱりこの世代の実力では筆頭っぽいぜライム!
(メタ的にライムまで故障入るとパピヨンの目標が……となるのはコンマ神も空気読んで頂けたな
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 09:09:01.44 ID:DidhZNq0O
- 乙
やっぱラスボスはライムなんじゃないかな…ちょっと仲良し組の中でも飛び抜けてるよね
- 846 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/07/08(月) 23:14:32.42 ID:41is1SSw0
- 現役ダートウマ娘最強格と言っても差し支えない実力になってきましたねステラライムは。
そんなステラライムに勝てたら、一気にダート最強名乗れるくらいにはなりそうですね。勝つことが出来たらですけど。
ちょっとまた期間空きそうです。全然進まなくて申し訳ないです。
なのでまたなんか書き溜めておこうと思います、耳かきの時みたいに。案が多かったものや自由安価で良いなぁって思ったもの書きます。
何か:安価下1~3まで。
1 パピヨンが【貴方】にウマ耳マッサージされる話。
2 パピヨンが抱き枕に嫉妬する話
3 煽りすぎてちょっと分からせられるパピヨンの話
4 自由安価(パピトレ限定)
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/09(火) 00:25:35.07 ID:OnbinuxZo
- そんな国内ダート最強格でも勝たねぇとこちとら海外行く約束あるんだ……!
安価は2
- 848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/09(火) 00:40:59.51 ID:r21g0JSDO
- 3
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/09(火) 06:01:21.51 ID:qYojctqeo
- 1
- 850 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/09(火) 17:34:47.65 ID:TfnURFTbO
- 一番安価が多かったものを書く予定だったのですが書き方を間違えているせいで全部書くみたいになっちゃいましたね……
これは自分が悪いのでちょっと頑張ります。すぐに全部投下は出来ませんが……
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/09(火) 18:00:07.06 ID:2E3+o32uo
- おう無理しないで?
でも書いてくれるなら嬉しいので待ってます
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/10(水) 22:49:35.41 ID:idRbC2iy0
- b͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇͇
- 853 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/11(木) 23:13:26.11 ID:sn/Ab0NW0
- ――まるで"流星"のようだと誰かが言った。
青いポニーテールが流れる星の軌跡を表すように、風を切り裂き靡いてく。青い星が残した残滓が、彼女の流れる道を示していく。
――最終コーナー!さあここで外からステラライム!ステラライムが仕掛けてくる!他のウマ娘を一気に抜き去り先頭のウマ娘との差を縮めに行く!
見るものすべての視線を釘づけにして、その速さと煌めきをどんどん高めていく、ダートを流れるその青い星は――誰が見ても圧倒的だった。
――凄い!なんて速さだ!?あっという間に先頭に立ちどんどん後続との差を広げに行く!1バ身!2バ身!3バ身!?どんどん広がっていく!
その流星の名は――ステラライム。"青の流星"とも呼ばれるようになる彼女は、誰がどう見ても覚醒していて――誰しもにそう思わせた。
ああ、このウマ娘が――現役最強なのだと。
――ゴール!!!ステラライム後続と5バ身の差を付け一着でゴール!
――そしてなんとレコード!掲示板にはレコードの文字!ステラライムG1二勝目にしてチャンピオンズカップレコードタイム!
ライム「――――っ!」
眼に見える程の青色の煌めきを輝かせながら。今一着でゴールしたステラライムは。
ライム「――ありがとうございました……っ!ありがとうございましたっ……!!!!」
――大きく観客席に頭を下げ、そしてめいいっぱいの感謝の気持ちを伝えていた。
――――歓声が、一際大きくなった。
- 854 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/11(木) 23:15:33.43 ID:sn/Ab0NW0
-
翌日。
『…………』
――"チャンピオンズカップレコードウマ娘誕生!そのウマ娘の名はステラライム!"なんてタイトルで色んな雑誌や新聞でそのレースの事は特集されていた。
思えば全日本ジュニア優駿の時も彼女はこんな風に特集されていたな……流石G1二勝のウマ娘。
こちらは……特集組まれないなぁ。デビューしたばかりの頃に来たあの記者は今どこで何をしているのだろうか。
雑誌のページをめくる。現役ダート最強のウマ娘!……成程目を引くワードだ。最強なんて言葉を使われたら――どうにも意識せざるを得ない。
パピヨン「……みんなライムが最強だって?ぷぷぷ、まあ――分からなくもないけど」
ソファの隣でスマホを弄っていたパピヨンが、自分が見ていた雑誌を横から見てそう言う。あのレースを見た瞬間、自分もパピヨンも分からされたのだ、ステラライムが最強だという事実を。
――それくらい圧倒的だった。それくらいに、煌めいていた。
パピヨン「けど、それは――今だけの話でしょ?」
『ああ、今だけの話だ』
ステラライムは最強だ、そうこの瞬間だけは。
――最終的に最強のダートウマ娘になるのはシルヴァーパピヨンであると、このトレーナー室にいる一人のトレーナーと一人のウマ娘はそう確信していた。
パピヨン「――それじゃ、そろそろトレーニングに行こ?アタシ、今はやる気十分だから」
『ああ、勿論だ。キミがやる気なら――そのやる気に応えてあげるのがトレーナーの役割だからな』
――そしてキミを最強にするのが、自分の使命だ。
- 855 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/11(木) 23:21:47.87 ID:sn/Ab0NW0
- 2回目のクリスマス、イベント:安価直下
1 いつもの4人でクリスマスパーティーだ!
2 ――ブラックマンティスの病室へ。
3 クリスマスもトレーニングを頑張る彼女に、ご褒美を。
4 自由安価直下
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/11(木) 23:37:44.53 ID:FzGWQ4BDO
- 1
- 857 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/12(金) 00:09:47.48 ID:xGhK2rTh0
- ――トレセン学園に来てから2回目のクリスマス。去年はサンタさんになってお兄さんにたーっぷりプレゼントを用意してあげたっけ?いやぁ、アタシは良いウマ娘だなぁ。
でも今年のアタシはサンタさんじゃない。ただのクリスマスを楽しむウマ娘。たっぷりクリスマスの飾り付けがされたトレーナー室に。いつもの面子が揃っていた。
……で、そこでアタシが聞かなくちゃいけないことと言えば。
パピヨン「ライムさ、彼氏君とのクリスマスデートはどうしたの」
シルフィー「え、えええっ!?ク、クリスマスにデートの約束……してたんですか!?」
ライム「し、してない!してないしてないですって!?パ、パピヨンさん!?何を言ってるんですか!?」
――顔を真っ赤にして否定をするライム。うーんこれがダート最強と名高いウマ娘の姿……全然それっぽくない。
ライム「……クリスマスも普通にトレーニングでしたし、その。そういうのは帰省してからということになりまして……」
パピヨン「おー」
シルフィー「おー……」
ライム「止めてくださいその反応!」
いつも通りのやり取り、いつも通りの空気間。でもなんだか足りない、何時もいる一人のウマ娘が、その場にはいない。
――彼女の分まで、アタシたちが楽しまないと。
マンティ『あ、あのぉ……なんか、パピヨンさん……私がもういないウマ娘みたいな感じにしてません?』
- 858 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/12(金) 00:10:17.73 ID:xGhK2rTh0
- パピヨン「あ、バレちゃった?」
シルフィー「ちゃ、ちゃんといますから!マ、マンティさんは大丈夫ですか?電波の調子とか、機械トラブルとか!」
マンティ『ひゃ、ひゃい!だ、大丈夫です……!』
――タブレットには今病院の一室にいるマンティの顔が映ってる。そう、マンティだけリモートなんだよね。
脚がまだまだ出歩ける状態じゃないから病室でパーティー――なんてことが出来るはずもなく。ならせめて、ということでこういう形での参加となった。
ライム「それにしてもマンティさんは気合いが入ってますね。サンタさんの帽子、似合っていますよ!」
マンティ『あ。ぅ、こ、これは、ナースの人がプレゼントしてくれて……!は、恥ずかしぃ……』
……よく見るとマンティの背景にもクリスマスっぽい飾り付けがされている。なんだかナースさんにだいぶ可愛がられているような雰囲気。
…………マンティっぽいなとなんとなく思った。
パピヨン「さてさて早速ご飯食べちゃおう!ライムが彼氏にふるまう予定だった料理、全部平らげちゃおうねシルフィー?」
シルフィー「こ、これが彼氏くんに込められた愛情の味なんですね……!」
ライム「まあ、美味しく食べてくれるのは嬉しいんだけど……!パピヨンさん!」
――こうしてクリスマスパーティーが始まった!
さぁて食べるぞ食べるぞ!
- 859 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/12(金) 00:10:45.82 ID:xGhK2rTh0
- 誰に話しかけようかな……:安価直下
1 グリーンシルフィー
2 ステラライム
3 ブラックマンティ
- 860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/12(金) 00:51:34.91 ID:bjZWga+DO
- 1
- 861 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/12(金) 01:15:19.27 ID:xGhK2rTho
- 今日はこれだけです。お疲れさまでしたおやすみなさい。
募集した奴はちまちま書いていきたいと思います。
- 862 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/12(金) 01:29:05.86 ID:xGhK2rTho
- 安価します。こんな時間ですけど。
パピヨンのウマお耳の大きさ。:安価直下
1 ちっちゃい
2 普通
3 おっきい
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/12(金) 02:14:32.76 ID:AZORHqT3o
- 3
- 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 01:52:21.49 ID:dP0xf+K7O
- 時間が遅すぎて誰も参加できてないんでもう少し人がいそうな時間にやって欲しいです
日付変わると誰も参加できないです。そのせいか話の進みも遅いので。
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 06:10:44.85 ID:m3StPNSz0
- あのねえ、イッチにも生活があるんだよ
何でお前の都合に合わせなきゃならんのだよ
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 11:07:02.66 ID:vc862MbzO
- それは思うけど実際深夜帯だと人いないし進まなくない?
このままパピヨン終わらないままエタるとかあんまみたくないし…ちょっと考えて欲しいな
- 867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 12:04:12.69 ID:RlI+sFuvO
- ほならね
自分でオリウマ娘ものスレ建てて書けって話なんですよ
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 19:36:54.75 ID:vc862MbzO
- >>866です。
なんでいきなりほならね理論展開されてんのかがわからない…
時間もう少し時間早い方がいろんな人参加しやすいのは事実でしょう。事実他のスレはちゃんと人がいるし。
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/13(土) 20:01:07.97 ID:sqe+NmJb0
- >>1の立場になって考えろよ
毎日夜遅くまで仕事で早い時間にやりたくてもできないのかもしれないだろ
そんなことぐらい想像できないのか
これだからニートは
- 870 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 19:31:49.16 ID:K2AMoNZr0
- 更新時間はもう少し早い時間にしたいですけど、なかなか難しいですね〜。たまに早めの時間に出来たりもしますけど、まあ時期によります。
- 871 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 19:33:21.85 ID:K2AMoNZr0
- シルフィー「もくもく……んっ、美味しい……!」
パピヨン「シルフィーって結構食べるタイプだよね」
シルフィーの手に持った紙のお皿にはこれでもかと盛られた料理。もくもくと食べては目をキラキラと輝かせている様は、なんだかおもしろい。
……もぐもぐ。やっぱりライムの料理は絶品だ、前に試食した時よりも美味しくなってる。
パピヨン「はーあー、クリスマスはもっとキラキラしてると思ったけど結局いつもの面子でご飯食べて……あんまいつもと変わらないじゃん」
シルフィー「ふふっ……私は楽しいですよ。パピヨンさんは、つまらないですか?」
……そういうことをアタシ言ってないんだけど。ズルい、つまらないとかそんなわけないでしょ。
ちょっと変化があると思っただけ!お兄さんも今仕事でいないし!てかお兄さんクリスマスに仕事!?かわいそ!
シルフィー「……クリスマスが終われば直ぐに年が明けて、そしてまたレースですね」
パピヨン「んね、レースレースレース、トレセン学園の生徒らしくそれくらいはしなくちゃね」
――走るのは好きだしそれは問題ない。好きだから走る、好きだから走り続けられる。
これが私の原点で、他にも色んな要素が付け加えられたけど――そこは変わらないと思う。ある意味で、お兄さんと出会ってから今に至るまでで、一番アタシが理解した部分かも。
勿論、誰かのために走るとか、期待を背負うとか、そう言うのもあるけどね。
シルフィー「ウマ娘は走るために生まれてきた……私も、パピヨンさんも、ライムさんもマンティさんも……誰しもが例外ではありませんよね」
語るシルフィーに頷く。そうでもなきゃ、アタシはきっとトレセン学園になんて来ていないからね。
- 872 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 19:42:14.98 ID:K2AMoNZr0
- ちょっと自由安価します。
★
シルフィーと何かお話。:自由安価直下
- 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:08:50.97 ID:rRSzngiE0
- 君のエネルギーって何だい?
- 874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 20:12:27.17 ID:O8hui2+To
- 中央トレーナーは激務、皆知ってるね!
- 875 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:10:55.48 ID:K2AMoNZr0
- パピヨン「じゃあシルフィーが走る理由ってなによ」
シルフィー「走る理由、ですか?」
――ウマ娘は走るために生まれてきた。それはそうだと思うけど、走る理由や、走る為のエネルギーは千差万別。
自分自身の夢のため、憧れのため――アタシの場合は、期待に応えるため。そして、ライバルのため最強になるために、走る。
あ、もちろん走るのが好き!ってのは前提条件なので言わなかっただけだけど?
シルフィー「――最初は親友との約束を果たす為でした。トリプルティアラウマ娘になるのが、私が走る為のエネルギーになっていました」
けどそれは最初の冠の時点で果たせなくなってしまいました……あの時は、とても気分が落ち込んでいましたね。
パピヨン「ああ、そういえばそんなだったねあの時期」
言われてみると、確かに。桜花賞で負けてから暫くはシルフィーもう死にそうな表情だったっけ。心配になるくらいだったけど、何時の間にか立ち直ってたから特にアタシも何も言わなかったっけ。
シルフィー「トレーナーさんに言われました。夢破れても、最初で挫いてしまっても――走り続けるべきだと」
――親友との約束。今思えばウマ娘のアタシにずっとずっと走って欲しいために行った言葉――なんじゃないかなと、今ではなんとなく思います。と、クスっと笑う。
シルフィー「ですから私のエネルギーは親友との約束のため、というのは変わりませんけど。私が走り終えて――最後、親友に向かって無事に走り切った!と報告をするためかもしれませんね」
パピヨン「……大好きじゃん、その親友のこと」
シルフィー「――ええ、大好きです」
うわっ、やば……。
- 876 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:13:14.79 ID:K2AMoNZr0
- 誰に話しかけようかな……(最後):安価直下
1 ステラライム
2 ブラックマンティ
- 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:16:50.11 ID:zxJ0Q64Co
- 1
- 878 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:30:50.00 ID:K2AMoNZr0
- ブラックマンティスの名前間違えてるのに気づいてたのに直し忘れてました……。
★
ライム「どうですかパピヨンさん!パピヨンさんのアドバイスを参考に料理したんですけど……!」
パピヨン「ん〜……ひゃくてんまんてーん」
ライム「!!!」
……分かりやすいくらいに満点の笑顔。嬉しそうだなぁ、ほんと。
このステラライムってウマ娘はずっと明るい。優しくて礼儀正しくて、前向きで――眩しい。
星のように明るくて、瞬いている。
パピヨン「…………」
そんなに輝いているから、アタシも――こんな風になっちゃった。暗いアタシを嫌になるくらい照らす一等星。それが――。
ライム「?パピヨンさん」
パピヨン「あ、いや。やっぱライムの料理はおいしいな〜って。やっぱり愛情かな?必要なのは」
ライム「も、もう!だからそうやって茶化すのは止めてください!」
パピヨン「ぷぷぷ!」
――だからずっと輝いていてほしい。曇らないで、陰らないで。アタシを照らしたその責任――取ってよね。
ライバルとか言いだしたのも悪い、あんなグイグイ来たのも悪い。ああ、ほんっと、出遭わなかったら――どうなってたんだろアタシ。
- 879 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:31:19.46 ID:K2AMoNZr0
- ライムと何かお話。:自由安価直下
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:53:56.59 ID:yrnkZmnU0
- レコード出した時の気持ちなど聞きたい
- 881 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 22:38:28.23 ID:K2AMoNZr0
- パピヨン「そういえばレコードおめでと。テレビでちゃーんと見てたよ〜?」
ライム「あ、はい!ありがとうございます!」
――あのチャンピオンズカップ以来、テレビ番組でちょくちょくライムの事を見る機会が多くなった。そりゃあレコードを取るほどの実力で、明るくて真面目で良い子なんだから、うってつけだよね。
アナウンサーの人の質問にハキハキ答えてるのが好印象な感じ。変なこともあんまり言わないし。
パピヨン「レコード出した時の気持ちはどうですか〜?ステラライムさ〜ん?ほらほら、アタシにも教えてよ〜」
ライム「ちょ、ぱ、パピヨンさん止めてください……!んっ、脇腹突っつかないでくださいよぉ……!」
つんつんつんとライムの脇腹を攻撃。このこの、有名ウマ娘め。勝負服だったら背中をつんつんしてあげちゃうからね。
ライム「……正直な所、レコードを出した時の感動というのはあんまりないんです。それは勿論、嬉しい!みたいな気持ちはありましたけど……」
パピヨン「ふーん?」
――ああ、なんとなく分かったかも。
ライム「私としては、精一杯頑張った結果一着を取れてそれがレコードであってもなくても――それは同じ気持ちです」
どんな一着でもアタシは精一杯の感謝を伝えますし、同じくらい嬉しいです。
ライム「な、なんて。ちょっと傲慢ですかね。実はこれ、テレビでもあんまり言ってないんですよ……あはは」
パピヨン「うん、知ってる。聞いててちょっとモゴモゴしてるなって思ったもん
」
ライム「うぇ!?」
- 882 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 23:06:14.65 ID:K2AMoNZr0
- パピヨン「ライムがレース系で結構傲慢なのバレてると思うけどね〜。だって話してる感じとか、オーラとか凄いよ?」
ライム「そ、そうですか……?あ、あんまり意識はしていないんですけど」
――まあ無意識だろうなとは思う。だって、狙ってあんなこと言えたら驚きだよ。天然物の発言じゃなきゃあり得ないよ。
「――――私はパピヨンさんをライバルだと思っています!」
こんなセリフ、押しつけがましいにもほどがある。勝手にライバル認定して、勝手に期待して、勝手にアタシにはライムに勝てる力があるみたいなことを、明るく言って――。
――だから、アタシは。
パピヨン「――でも、アタシそう言うの嫌いじゃないよ?ライムらしいじゃん」
ライム「……?は、はい!ありがとうございま、す……?」
パピヨン「褒めてるの!だから素直に受け取っておきな〜?」
なんだか納得がいっていないみたいで、うーんと首をかしげているけど。本当にそういうところは嫌いじゃないよ?アタシは。
- 883 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 23:48:44.94 ID:K2AMoNZr0
- マンティ「――パピヨンさん、パピヨンさん」
パピヨン「ん?どしたのマンティ」
――タブレット越しにマンティに名前を呼ばれる。何時の間にかサンタさん帽子は取っていていつもと変わらない普段通りのマンディがそこにいた。
あーあ似合ってたのに、勿体ないなぁ。
マンティ「その、この前は……ありがとうございました」
パピヨン「……え、なんかやったっけアタシ」
マンティ「え、ええっ!?あ、あの、前に言ってくれたじゃないですか……!わ、我が儘になって良いって、リハビリ頑張れって……!」
パピヨン「ぷぷ、冗談だって冗談。覚えてる覚えてる」
いや、最初から覚えてはいた。マンティに改まってお礼を言われるようなことなんて、あれくらいしかない。けどアタシにとってあれはそんなお礼を言われるようなものじゃないと思う。
我が儘で良いなんて普通の女の子なら当たり前のことだと思うし。アタシはそれに付き合っただけ。むしろアタシの我が儘に突き合わせてる感じ。
――でも、それでマンティが元気になってくれたのなら、アタシも嬉しい。
マンティ「わ、私……頑張ります!だから、パピヨンさんも……頑張ってくださいね」
パピヨン「――うん。頑張る頑張る」
――――一年後、マンティが走れるようになったとき。最強のウマ娘として――立ちはだかる。その為にもまずは。
ライム「……?」
パピヨン「自分で作ったものだから全然良いと思うけど、そんなに食べると太るよ?」
ライム「ふぁ、ふぁい!?」
――あの青く輝く流星を、どうにかしなくちゃね。
- 884 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 00:17:25.36 ID:EmETXnrh0
- 日付変わったので今日はこれだけ、お疲れさまでした。
次のレース決めしてからお正月です。
- 885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 01:27:47.77 ID:1cIZXyWDo
- おつおつ
持てる者特有というか爽やかに傲慢なライム、悪くない
そんなライムにちょくちょくしっとりしているパピヨンは、もし彼女いなかったら……おにーさん色々ヤバい
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 07:35:02.89 ID:62QayciDO
- 乙
シルフィーやマンティスに対してもしっとりして
- 887 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:22:29.70 ID:EmETXnrh0
- パピヨン「ぷぷぷ〜、クリスマス当日に一人ぼっちで寂しい夜を過ごしたおにいさーん!寂しいのは分かるけど、可愛い担当ウマ娘をトレーナー室に連れ込むのはアタシどうかと思うけどな〜?」
『キミなぁ……』
クリスマスが終わり、【貴方】はシルヴァーパピヨンをトレーナー室に呼び出す。いつもの調子でいつもの感じに煽られバカにされ、何とも言えない表情をする【貴方】
実際今年のクリスマスは仕事の消化だけで終わってしまった。一応の休日ではあるが、新米の【貴方】にそんな休日はあってないようなもので、それは他のトレーナーにとっても同じだった。
『……そういうことを言っていると、もし自分が一人で過ごすことになったときに返ってくるぞ』
パピヨン「え〜?アタシ、そんな寂しいクリスマスを過ごす予定とかないからな〜。あ、ごめんねお兄さん?アタシクリボッチとか経験したことないから気持ちが分かんなくて〜」
『……』
――クリスマスという特別な日だからこそ、彼女の煽りが苛烈だった。正直、あまり一人ぼっちということは気にしていなかったが、ここまで言われてしまうと……ちょっと気にしてしまう。
パピヨン「ほらほら、寂しいお兄さんは何の用でアタシを呼んだのかな〜?アタシも暇じゃないんだからさ〜」
『キミ本当に後で怒るからな……はぁ』
【貴方】はため息をついて、話を戻す。パピヨンする予定だった話というのは、次走のレースについてである。
年明けてから最初の戦い、ここは慎重に決めたいところだが――今回に限っていえば。分かりやすい目標がある。
『――ドバイゴールデンシャヒーン』
ドバイ首長国にあるメイダンレース場にて行われる、ダート1200mのG1レース。ドバイゴールデンシャーヒン。年明けてから海外のダート短距離G1に出るとしたら、まず候補に挙がるものだ。
世界からダートスプリンターが集まり己の脚を競い合う電撃戦。参加するなら今しかないと、二人は思う。
- 888 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:23:57.93 ID:EmETXnrh0
- パピヨン「けど――アタシとしては、一発かまさなきゃいけない相手ももちろんいるんだよね」
仮に世界を獲ったとしよう、しかし。その世界ではまだ勝てていない相手がいる。
勿論それは、ステラライムである。
『ステラライムが次に出走するであろうレースはG1フェブラリーステークス。東京レース場で行われる1600mのマイル戦だ』
――東京、左回り、1600m。この条件は、ステラライムに大敗したあのユニコーンステークスと同条件だった。
シルヴァーパピヨンの眉間に皴が寄る。
『もしフェブラリーステークスに出るのであれば、前哨戦としてG3根岸ステークスに出走するという手もある。が――その場合出走間隔がな』
出るレースによってはドバイでのレースは諦めて、他のレースに向けるという手もある。ライバルとの約束は一年後――それまでに、一度でも海外に羽ばたくことが出来れば。
パピヨン「ま、どんな結果になろうとお兄さんがアタシのために頑張ってくれるんでしょ?トレーニングか、スケジュール調整と」
『ああ、当たり前だ』
――どうなったとしても、パピヨンが走れるように調整をする。我が儘を聞いてあげることがトレーナーの仕事であると【貴方】は考える。
海の向こうへ挑戦状を叩きつけるか、最強のライバルと決着を付けるか、レースを経て経験を積むか。
さあ、次走は――。
- 889 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:25:24.87 ID:EmETXnrh0
-
次走:安価下3までで多いもの。多数決。※今回に限り、海外直行ありです。
1 3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーン
2 2月後半、G1フェブラリーステークス(VSステラライム)
3 1月後半、G3根岸ステークス
★
今日はこれだけです。おやすみなさい。
今回は多数決です。多かったものを採用します。そろそろ物語が大きく動き出しそうですが、どうなっても相手は最強レベルです。
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 21:34:17.86 ID:1cIZXyWDo
- vsライムは個人的にクライマックス派
1で
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:15:25.54 ID:W1WsUpGfo
- 1
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:30:23.40 ID:jSeFZq//0
- 1
- 893 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/07/16(火) 06:15:49.91 ID:Fsggd0R8O
- おはようございます。
シルヴァーパピヨン海を越えて。いざ行かん。
- 894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 21:45:12.93 ID:wkLnhZtDo
- 海外の砂の方が適正ある……といいなぁ!
- 895 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 22:58:40.11 ID:7jXHerMK0
- 記者「――――なるほどなるほど!ドバイゴールデンシャヒーンに挑戦ですか!」
トレーナー室のソファに腰を掛けるその男は【貴方】のそのセリフに目を輝かせ、テーブル越しに上半身をグイっと寄せ【貴方】に迫る。
――シルヴァーパピヨンに初めて取材をしたあの記者。今もなお取っておいた名刺から連絡して次の日にはもう来てくれた、あの日以来一度も取材には来なかったのでもう忘れられているのではないかとも思ったが、そうでもないようだった。
記者「いやぁすみませんね、わたくしとしてもパピヨンさんの取材に赴きたかったのですが、いかんせん下っ端なもので上からの命令で他のウマ娘ばかり……」
『いえいえ、気にしないでください。その上からの命令で取材をさせたくなるようなウマ娘に出来なかった、自分の責任ですから』
パピヨンの言動を差し引いても取材したくなるような、輝かしい成績のウマ娘であったら、きっと今頃取材陣に囲まれまくりである。それは流石に勘弁したいなと【貴方】はぼんやり考える。
記者「しかし海外初挑戦、しかもG1競争……少し無謀ではありませんか?パピヨンさんの戦績から考えますと、ジャイアントキリング狙いでしょうか」
それともパピヨンさんの本領は海外のダートであると?記者は問いを投げかける。
――確証はない。未だ海外で走ったことがないのだから、可能性は未知数であり、無限大だ。しかしいうなればそれは、パピヨンが海外の大舞台で惨敗するかもしれないという可能性もある。
無謀で、無鉄砲。考えなしで、勢い任せ。
『けどそれでも、自分は――パピヨンなら、やれると信じています』
自分はシルヴァーパピヨンのトレーナーですから。彼女の信じる、走りたい道を走らせてあげたいんです。
- 896 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 22:59:17.96 ID:7jXHerMK0
- 記者「なるほどなるほど……はい、貴方のシルヴァーパピヨンさんへの熱い思いは伝わりました。では、そのように記事は書かせてもらいます」
少々脚色は加えるかもしれませんが、きちんと載せさせてもらいますよ。と、笑顔で言う男。その笑顔にどことなく不安を覚えるが、まあ、大丈夫だろう。
『すみません、よろしくお願いします』
記者「ところで、何故わたくしを?シルヴァーパピヨンさんの海外挑戦ならば、もっと大きな雑誌でも取り上げられそうなものですが。自分で言うのも何ですが、木っ端の雑誌ですよ」
――――確かに、最初に呼んだ記者はこの男だ。だが別に他の雑誌にも宣伝するつもりだし、テレビで小さなニュースくらいはなるかもしれない。
けど、なんとなく【貴方】がこの男を最初に海外挑戦を伝えたのには――あの日の彼女の言葉が理由だった。
『……パピヨン曰く、よっぽど見る眼があるそうですから。貴方は』
――パピヨンの事を見透かしたように語ったあの日の男。真っ先にパピヨンを取材した記者の男。それを、パピヨンは見る眼があると言った。
それだけの理由、それっぽっちの理由。
記者「――はは。成程、記者としてそう言って貰えると嬉しい限りです。では私の記者としての人脈や能力を使い出来るだけこのニュースを広げましょう!さあ、日本中に伝えるのです!シルヴァーパピヨンさんがドバイの地で世界一に輝くのだと!」
『ええ、よろしくお願いします!』
- 897 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:00:13.25 ID:7jXHerMK0
-
雑誌の見本誌が送られてきたので確認をする。ぺらぺらと捲り大々的に書かれたその見出しを見る。
――――シルヴァーパピヨンは世界で羽ばたく!ドバイの地でその実力は覚醒!?
……まあ、いいか。ギリギリ、許容できるか……?
ああ、こら。そこの当事者ウマ娘。笑うな笑うな。ああくそ、なんで虹色でこんな見出し作るんだ……!
- 898 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:03:38.84 ID:7jXHerMK0
-
――次走が3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーンに決まった!
- 899 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:25:58.10 ID:7jXHerMK0
- パピヨン「あけおめことよろ〜」
『雑だな、色々と』
――新年早々、トレーナー室にやってきたパピヨンはそう一言だけ言ってソファに腰を掛けた。
パピヨン「ほらほら、どうせお兄さんの事だしお汁粉とか用意してくれてるでしょ?レンジでチンしてきて〜」
『……はいはい』
まあ、用意はしてるんだが……。コンビニで複数個買っておいたので、自分のと合わせてレンジでチンをする。
パピヨン「アタシの部屋ちょっと寒いんだよね、シルフィーも寒いって理由でトレーナーのお部屋に温まりに行ってるし」
『へぇ、結構そういうウマ娘は多いんだな……なら、あれだな。炬燵でも出しておけばよかったか』
パピヨン「えっ!?炬燵あるの!?なんで出してないの!?あり得ないんだけど!?」
『……』
滅茶苦茶怒られた。
『ほら、お汁粉。あっついからゆっくり食べるんだぞ』
パピヨン「ん、ありがと〜」
…………。
- 900 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:27:23.74 ID:7jXHerMK0
- はふはふと二人でお汁粉を食べる。特に会話はなく、静かな時間だけが過ぎていく。
――嫌な空気じゃない。パピヨンと二人きりで過ごすこの空間が、【貴方】にとって居心地のいい空気になっていた。多分パピヨンも似たようなことを考えているだろう。
『……』
パピヨン「はふっ、はふっ……あむっ。もぐもぐ……」
……ぼんやりと、お汁粉を食べるパピヨンを眺める。小さなお口にびよーんと伸びたお餅を入れて、熱そうにしながら食べている。あんなにゆっくり食べろと言ったのに……まあ、しょうがないか。
パピヨン「……何見てるのお兄さん。キモいよ?」
『はいはい、悪かったって』
新年、トレーナー室、二人っきり:安価直下
1 シルヴァーパピヨン世界挑戦、世間の反応
2 新年の抱負
3 自由安価
★
今日はこれでおしまいです。ありがとうございました、おやすみなさい。
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 23:36:06.95 ID:mYnkQK/io
- 2
- 902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/17(水) 09:40:00.47 ID:uK1gGahTo
- 夫婦かな?
- 903 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:37:39.42 ID:YllvdY2c0
- 『パピヨンは新年の抱負とか決めてるのか?』
パピヨン「新年の抱負ぅ?ああ、去年もこんな話したよね」
去年のパピヨンが語った新年の抱負は――ステラライムに勝つ。ライバルに勝つために、新たに気持ちを入れ替えてレースに臨むというパピヨンの意思表示。
ああ、もう一年も経ってしまったのか……と、なんだか寂しい気持ちになる。
パピヨン「んじゃ、今年の新年の抱負は――勿論、最強のダートウマ娘になる、だよね」
当然だよね、と言いながらハフハフとお汁粉を食べる。少し時間が経ったからか少し冷めて、落ち着いて食べることが出来ている。
――最強なんて軽々しく願えるものじゃない。最も強いと書いて最強で、その意味と果てしない道のりを、きっとパピヨンも分かっているはずだ。
――――けど。
『……自分がキミを最強にして見せるよ。シルヴァーパピヨン』
これくらいの我が儘を叶えて見せてこそ、トレーナーだ。
パピヨン「……ふふっ。お兄さんそんな大層な事言って、大丈夫〜?アタシお兄さんと長い付き合いだけど、そんな有言実行できるような人に思えないけど」
長い付き合いといってもまだ2年くらいだろ、と思わざるを得ないが――まあ、濃い付き合いだとは思う。
『そこは付き合ってくれよ。ほら、お汁粉食べ終わったなら容器捨ててくるから』
パピヨン「ん、ありがと〜やっさし〜」
- 904 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:38:18.88 ID:YllvdY2c0
- 『……』
――パピヨンと会話をしていると、ふと思うことがある。自分は心の底からパピヨンを最初の担当ウマ娘にしてよかったと思っている、しかし――そのせいでパピヨンの本来の力を引き出せていないのではないかと。
例えば、ステラライムのトレーナー。グリーンシルフィー、ブラックマンティスのトレーナー。自分の身近にはトレーナー経験が豊富なベテラントレーナーが沢山いる。
――自分がトレーナーじゃなければ全日本ジュニア優駿で一着に輝けていたかもしれない、ユニコーンステークスでの惨敗もなかったかもしれない。もっともっと効率的なトレーニングで、パピヨンを育てることが出来たかもしれない。
『……』
自分がパピヨンを最強にして見せる。これは嘘偽りのない本心だ。でも、パピヨンの事を思えば――夢を願うのなら。パピヨンのことを第一に考えるのなら。自分は――――他の人に、その役目を。
『…………あ、そうだアイスもあるな』
そんな事を考えながら、冷凍庫にアイスが残っているのを思い出し漁る。パピヨンは結構見た目でアイスやお菓子を選びがちだが、実は結構シンプルな味の方が好みだ。
チョコ系か、バニラ系か――まあ、ここはどっちも持って行って選んでもらおうか。それにパピヨンの事だ、自分が食べた方も食べてみたいというかもしれないしな。
『……よし』
――――パピヨンは、後悔していないだろうか。自分というトレーナーに絡まれて、担当トレーナーにしてしまった事を。
もしかしたら、心の奥、そんな思いを隠して……付き合っているのかも、なんて。こんな寝る前に考えてしまうようなことを、今考えてしまうなんて。早くアイスを持っていこう。
- 905 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:38:45.57 ID:YllvdY2c0
- パピヨン「――あ、アイス!お兄さんやるじゃん!」
『ああ、丁度残ってるのを思い出してな。チョコとバニラどっちが良い?』
パピヨン「ん〜……じゃあバニラ!」
はいよ、と言ってバニラをパピヨンに渡すと嬉しそうな表情でアイスの蓋を剥がす。ストーブの熱も相まって、バニラのアイスはほんの少し溶けていた。
パピヨン「丁度いい感じに溶けておいし〜!うわ、お兄さんのチョコも良い感じじゃん。そっちも後で頂戴ね」
『分かってる分かってる』
――――今嬉しそうに笑うパピヨンも、自分でなければもっと、もっと笑わせてあげれたのかもしれない――。なら、自分は――もっともっと、もっともっともっと勉強して、パピヨンを笑わせてあげよう。
世界の、海の向こう側の、G1の舞台でこそ。彼女という蝶は笑顔で羽ばたくべきなのだ。
――もしそれでも、蝶を極上の舞台で羽ばたかせてやれないのなら、自分は。
パピヨン「あ、そうだ。お兄さんの新年の抱負って?」
『……そうだな、新年の抱負か』
パピヨンに問われ考える。改めて、今この段階で抱負を決めるとするならば――一つしかない。
『――――キミにふさわしいトレーナーになるよ、パピヨン』
どんな我が儘にも答えられる、キミのためのトレーナーになって見せる。
パピヨン「ぷぷ、カッコいいじゃん……でもちょっと自分に酔ってない?』
『キミなぁ……』
そう言いながら、自分はチョコのアイスをスプーンですくい、口に運ぶ。
……もうアイスはだいぶ溶けていて、ドロドロの液状になってしまっていた。
- 906 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:46:50.36 ID:YllvdY2c0
- 今日はこれだけ、おやすみなさい。
暫く安価コンマ少なめかもです。
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 00:27:30.28 ID:j/eAZ05co
- おつおつ
おや……トレーナーの様子が……?
そうはいってもこのじゃじゃウマ娘の手綱を握っとけるのはおにーさん誇っていいぞ
- 908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 12:29:56.72 ID:clJBzHk3O
- このコンビ自己肯定感ひっくいよななんか
それをお互いが励まし合う構図じゃん
- 909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 13:05:21.76 ID:g6UtH8eCO
- 共依存はヤバい
- 910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 22:40:47.70 ID:uU5Oh1dY0
- トレの方はともかく毎回観客煽る唯我独尊なパピヨンが実は自己肯定感弱々なの対外的には信じてもらえんだろうなぁ
- 911 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:09:10.30 ID:6oOEB6i60
- お兄さんもパピヨンもお互いがお互いの事大好きでとても良いなぁと思います。ええ、ええ。
★
ある日の夕方、パピヨンと二人で商店街を通りがかると人だかりが出来ていた。
商店街の人「さあさあ新春!大福引祭りの開催中だよ〜!特賞はなんと豪華な温泉旅行券!一等ニンジンハンバーグ、二等――」
パピヨン「うわ、温泉!お兄さんお兄さん!あれやりたい!」
『いや、やりたいと言われても……福引券なんて持ってないぞ』
パピヨン「は〜!?そこは何も言わずに何か買って福引券を手に入れる流れでしょ!?……あ、あそこのお肉屋さんのコロッケ!コロッケ食べたい!」
――と、いう訳で自分の分とパピヨンの分のコロッケを買って福引券を手に入れる。枚数は、一枚。
ルンルン気分でパピヨンが福引券を握りしめて、福引のガチャガチャに向かう。頼む……どうか残念賞だけは……残念賞だけは……!
絶対に機嫌を悪くする!絶対!
パピヨン「ガチャガチャ〜、ガチャガチャガチャ〜!」
福引の結果:コンマ直下
1-00 特賞!温泉旅行券!
- 912 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:50:12.67 ID:6oOEB6i60
- ちょっとやりたかっただけなんです、はい。
- 913 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:51:01.93 ID:6oOEB6i60
- 商店街の人「――――なんとっ!おめでとうございまぁあああああああす!特賞温泉旅行券!出ましたぁあああああ!!!!」
――勢いよくカランカランカランとベルの音。そして周囲からお〜という驚きの声。
パピヨン「わっ……!?うそ、本当に当たっちゃった……!?」
『凄いじゃないか、おめでとうパピヨン!』
パピヨン「こんなすんなり当たっちゃうものなんだ……!え、いや、まあ。アタシなら当然だけどね〜!ぷぷ、どうどう?羨ましいでしょおにいさ〜ん?」
ヒラヒラと温泉旅行券を動かし、自慢するように見せつけてくる。ペチペチ自分の頬にぶつかってビンタされているような感覚だ。
『まあ、特賞が当たればそれくらいはしゃぐよな。自分もちょっと心が躍りそうだし』
パピヨン「ぷふふ〜!いやぁ、誰と行こうかな〜。ペア券っぽいしアタシ一人で行くのも寂しいしな〜」
へえ、ペア券なのか。確かにそれは一人で行くのはもったいないな。
パピヨン「ま、ま〜……お、お兄さんがどうしてもって言うなら一緒――」
『じゃあ友達を誘っていくと良い、ライムにシルフィー……他にも家族を誘ってみるとか』
パピヨン「ぇ」
『あ、でも――今は少し時期が悪いか』
今のパピヨンに温泉旅行に行く時間なんてない。今は次のレースに向けて頑張らないといけない時期だ。
そのレースが終わっても、また次のレースが。そしてそのまた次のレースが――。
パピヨン「……ほんっと、お兄さんキモい」
『えっ』
パピヨン「良いよ良いよ、じゃあお兄さんが旅行券持っててよ。ちゃんとやることやった後に、回収するから」
……温泉旅行券を当てたはずなのに、なぜか拗ねてしまったパピヨンに旅行券を押し付けられ。早足にパピヨンが行ってしまった。
な、何でそんな……?ま、まあ来る日の時のために大事に保管しておこう……。
- 914 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 01:07:13.76 ID:6oOEB6i60
- 温泉旅行の件がやりたいだけでした。おやすみなさい。
- 915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/20(土) 01:33:55.81 ID:8QxrDbTto
- まあペアはね、おにーさんだとこういう反応だろうねw
- 916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/20(土) 18:24:53.40 ID:X4SWNLKkO
- お兄さんパピヨンのこと一切そういう目で見てないからいつか泣かれそうパピヨンに
温泉いけるといいねパピヨン
- 917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/21(日) 01:44:40.17 ID:cdnk63uAO
- 逆にここでお兄さんが乗り気だったらパピヨン弾き返すでしょ
絶対顔真っ赤にしてふにゃふにゃになって逃げる
- 918 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/22(月) 23:07:52.72 ID:QEGR9o6xO
- すみません暫くまたお休みさせてもらいます。来週にはまたやれると思います。
★
>>917
パピヨン「――――ぅぇ?」
パピヨン「へっ、ぁ、いや、そ、そっか〜!お兄さん、アタシと温泉、い、行きたいんだ〜……へぇ〜?」
パピヨン「ぷ、ぷぷぷ!お兄さんってば、温泉旅行でアタシの何を想像しちゃったのかな〜?ほんっと、お兄さんってロリコンの変態でどうしようもないよね〜?」
パピヨン「…………ちょ、やめ、やめて。そんな顔しないで」
パピヨン「ぅ、いや、行きたくないわけじゃないけど……ぁ、や、やだっ!い、行きたい……よ、ようなぁ……そうでもない……ようなぁ……」
パピヨン「は、はぁ!?顔、赤くないけど!?い、やめ、顔近付けないで……!」
パピヨン「――〜〜っ!!!お兄さんのバカぁ!勝手にお兄さん一人で温泉行ってろ!ぜんっぜん温泉とか興味ないし!」
パピヨン「――――ぅうううううううう!!!!!ばーか!」
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/23(火) 21:22:22.85 ID:yr+QzlHiO
- エタ
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/23(火) 21:34:17.59 ID:z5Cy2FRso
- >>918
ニヤニヤしてしまう
- 921 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/23(火) 23:34:34.99 ID:yr+QzlHiO
- >>920
キモ
- 922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 00:06:47.84 ID:6DrlDCYNo
- 酉割って粘着してる方がキモい
- 923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 01:16:14.66 ID:I3cRgJos0
- 蓋入れる、水入れる。これでオッケー全自動
- 924 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/24(水) 09:25:32.26 ID:ZkOx3ILnO
- テスト
酉バレるなんてある?嘘でしょ?
- 925 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/24(水) 09:28:08.30 ID:ZkOx3ILnO
- おはようございます、お外ですけど流石にビビるので酉変えます。
短めの酉だったし分かりやすそうなので、頑張れば分かるのかなぁって感じです。
- 926 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/24(水) 09:31:55.87 ID:ZkOx3ILnO
- 酉変え
- 927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 09:51:57.50 ID:OltJ8wZoo
- お疲れ様
対応ありがとう
- 928 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/27(土) 23:14:45.50 ID:UW0xp/yEO
- ちょっとテスト
- 929 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/27(土) 23:15:50.47 ID:UW0xp/yEO
- 『――スピードが落ちてる!もう一周!』
パピヨン「あ"ぁ"ぁ"!?は――やればいいんでしょやれば!」
新年早々。雨の日のダートコースをパピヨンが苛立ちながら駆ける。雨の日の練習などやろうと思ってやれるものではないのだから、こういう日はトレーニングにうってつけの日だった。
パピヨンは嫌だ嫌だと文句を言っていたが、それはそれこれはこれとして。貴重な機会に走らせないわけにはいかない。
――それにパピヨンも文句を言いながらも走っている。やる気もある、負けん気もある、自我が強く熱がある。あの時の我が儘を叶えようと、パピヨンも必死なのだと、【貴方】はそう解釈している。
パピヨン「――――っらぁ!タイムは!」
『……ああ、さっきの一周よりも速い。一度休憩にしようか、ほらタオル」
パピヨンが【貴方】の差し出したタオルを奪い取り、汗と泥だらけになった顔や腕を拭う。綺麗に手入れしていた尻尾もぐしょぐしょになって、苛立ちを隠さず尻尾を力強く振っている。
ある意味それが努力の証だった。目で見て分かる指標だった。
『……トレーニングが終わったら尻尾の手入れもしようか。今日は念入りにやらせてもらうよ』
パピヨン「……当然でしょ。でも、まぁ。やる気出てきたかも」
ほら、まだやるよ。そう言ってパピヨンがぐっしょりと濡れたタイムを【貴方】に投げ渡すと、また一人ダートコースに向かって行く。その後ろ姿はとても汚れていたが、【貴方】にとっては誰よりも輝いて見えた。
――――雨の土を踏みしめて、キックバックがまるで鱗粉のように飛び散って、彼女の通った道を示す。
ドバイでのレースまで残された時間はもう少ない。ならばどれだけ彼女を高めてあげられるか。それを考える毎日で――トレーニングは続いていく。ずっとずっと、彼女の我が儘を叶えるその瞬間まで。
- 930 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/27(土) 23:25:44.80 ID:UW0xp/yEO
- イベント:安価下2まで採用
1 パピヨンとぬいぐるみ
2 バレンタイン、リベンジ
3 深夜、練習、煌めく星
4 自由安価
- 931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/27(土) 23:27:50.76 ID:A9mYsotEo
- 3
- 932 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/27(土) 23:58:55.61 ID:UW0xp/yEO
- 突発でしたが今日はここまで。安価は下でお願いします。
おやすみなさい。明日もきっとやります。
- 933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/28(日) 00:01:27.20 ID:V1BW4aHDO
- 1
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/28(日) 00:21:59.20 ID:bMAaIaJNo
- おつおつー
…これトレーナーの方に邪念は全くないんだろうなぁ
いやパピヨンが尻尾手入れに邪念マシマシとは言わないが
- 935 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/28(日) 23:59:39.53 ID:tGoCMKHd0
- シルフィー「パピヨンさん、最近ずっとそのぬいぐるみと一緒に寝ていますよね」
パピヨン「ん〜……?良いでしょ、貸さないよ〜?」
そろそろ就寝時間というタイミングでシルフィーからそんな話題を投げかけられる。最近一緒に寝ているぬいぐるみ、というと――やはりこのペンギンのぬいぐるみ。
北海道でお兄さんと一緒に行った水族館で買ってもらった、ペンギンのぬいぐるみ。触り心地が良くてフカフカしてて、寝るときに抱くと丁度いい。
パピヨン「これはアタシのぬいぐるみだからね。でも、ぬいぐるみとか抱き枕にして寝ると寝やすいから、シルフィーにもおすすめだよ?」
シルフィー「確かに安心感ありますよね、何かを抱いて眠ると。家に居た頃はよくぬいぐるみと一緒に寝ていましたけど……私も何か買いましょうか」
パピヨン「良いね、じゃあ今度時間あったら買いに行こっか。質の良い睡眠は色々なことのプラスになるって偉い人も言ってたしね〜」
――と、こんな流れで今度ぬいぐるみを買いに行くことが決まっちゃった。まあ、お互い暫くは忙しいだろうしだいぶ先になっちゃうだろうけど。
パピヨン「はい、じゃあお休み〜」
シルフィー「はい、お休みなさいパピヨンさん」
部屋の電気を消してお互い眠りにつく。買ったばかりの時から少し形がグシャっとなってしまったペンギンのぬいぐるみを、ぎゅうっと抱きしめて。あの日の出来事を思い出しながら。
――ああ、お兄さんも同じ奴買ったらよかったのに。そしたら同じぬいぐるみ抱きながら寝て――あ。そうだ、良いこと考えた!
- 936 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/29(月) 00:00:06.47 ID:LRjF6/VU0
- 『ぬいぐるみ?』
パピヨン「そうそう、お兄さんちょっと睡眠を軽視し過ぎだからアタシのペンギンぬいぐるみ貸してあげる
!」
これを抱きながら寝て、睡眠の質を高めてね〜。 なんて言いながら、なんだか困惑しているお兄さんに愛用のぬいぐるみを押し付ける。
本当はお兄さん用ぬいぐるみを買いに行っても良いんだけど、まあお兄さんもアタシも最近忙しいしね。そこはアタシの優しさってことで〜。
『……いや、まあ。パピヨンが良いなら良いんだけど』
パピヨン「ちゃんと抱いて眠るんだよ?明日感想訊くからね!」
お兄さんってば本当に自分じゃ何もできないダメ大人なんだから、いっそのことアタシがお兄さんの睡眠も食も身だしなみも全部ケアしてあげちゃおうかな〜、なんて。そうだ、耳かきの道具も新しいの増やして――。
『それにしても何かを抱いて眠るなんて初めてかもな……ああ、分かった今日は試して見るよ」
パピヨン「たっくさん抱きしめて眠るんだよ?触り心地も良くて程よくフカフカ柔らかだからね!」
- 937 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/29(月) 00:00:57.00 ID:LRjF6/VU0
- シルフィー「――――」
パピヨン「と、いう訳で今日はあの子お兄さんの所に行ってるんだ。いや〜これでお兄さんがあのぬいぐるみでぬいぐるみと一緒に寝る良さを分かってくれるといいけど」
思えばアタシって幼い頃からずっとぬいぐるみと一緒に寝てるかも。トレセンに来てから暫くは無しで寝てたけど、結局我慢できなくてぬいぐるみ買っちゃったし。
しょうがないから今日は前に抱いてた猫のぬいぐるみを抱いて寝よう。この子も結構触り心地が良いんだよね〜、ふわふわって感じ。
シルフィー「あ、あの。えー……洗濯とか、してないですよね?昨日今日の話ですから」
パピヨン「洗濯?え、別にしなくてもよくない?お兄さんだし」
そりゃあ洗濯とかした方が良いのかなーって思うけど、まあ相手がお兄さんなら配慮とかいらないよね。別に汚くないし。あ、でもよだれ……いや、大丈夫なはず。
シルフィー「それもありますけど、ほら。パピヨンさん毎日一緒に寝てたじゃないですか、あのペンギンさんと」
パピヨン「うん」
シルフィー「ですからその、よだれとかもそうですけど、匂いとか……」
パピヨン「……えっ」
……匂い?
シルフィー「もう遅い時間ですから、今頃そのお兄さんはシルフィーさんの匂いがたっぷりと付いたペンギンさんと一緒に眠って――パピヨンさん!?」
――――LANEを起動して急いでお兄さんにメッセージを送る。既読は――付かない!?いつもならすぐに既読が付くのに!?ああもう、何でこんな時に……まさかもう寝たの!?
パピヨン「電話!ああもう、早く出てよ……!」
シルフィー「お、落ち着いてくださいパピヨンさん。もうこんな時間ですからまた明日にしましょう?ね?」
パピヨン「こんな状況で眠れるわけないでしょ!?あ、ああ、なんでそんなアタシ……!」
今頃アタシの匂いを嗅ぎながらお兄さんが寝てるかもしれないってこと!?ダメ、ダメダメ絶対駄目!頭おかしくなる!ああもうアタシのバカ……!ちょっと考えればわかった事なのに……も、もしお兄さんが匂いで興奮とかしてたら……!
パピヨン「ぅあぅぁぅぁ〜……っ!」
- 938 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/29(月) 00:02:42.39 ID:LRjF6/VU0
- 次の日。
『聞いてくれパピヨン!実は昨日ぬいぐるみを抱いて寝たらとてもよく眠れたんだ!流石パピヨンが教えてくれた通りだな!」
『いや、恥ずかしながら……起きてからの仕事の効率とか集中度が上がったように思えるし、改めて睡眠の大切さを思い知ったよ。これ、この前耳かきをして貰った時も教えてもらった気がするな』
『……はは、今度時間があったらぬいぐるみ……じゃなくても抱き枕を購入しようと思う。なんなら睡眠用の道具を一式そろえてしまうのも手かもな』
『それになんだかとても安心する匂いがしてすぐに入眠出来た気もするんだ。これ、もしかしてなにか香水とかそう言うのを振りかけてくれたとか――あいたぁ!?』
すねを蹴っ飛ばして、ペンギンのぬいぐるみを奪い取る。
――――本当に、これを狙ってやっていないんだからキモい!最悪、最悪最悪最悪……!
変態!ロリコン!スメハラ!トレーナー失格!…………うぅ。アタシももっと考えて行動しないと……。
- 939 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/29(月) 00:05:38.86 ID:LRjF6/VU0
- おやすみなさい。
安価もコンマも今日はお休みでした。
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/29(月) 12:11:19.03 ID:lqY6GYW5O
- 気付かなければ同衾()健全くらいさらっとやりそうな二人
おつ
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/29(月) 19:57:51.37 ID:/tcTHETJo
- おそろいのぬいぐるみ買うべきでは?
- 942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/30(火) 01:10:04.18 ID:w9Bt0HbT0
- 追い付いた
支援
- 943 : ◆b0/EDFEyC136 [sage]:2024/07/30(火) 11:03:30.26 ID:NCz8xhwM0
- 新規で見てくれた方がいらっしゃるんですか!?
わーありがとうございます!ペースは遅いですがやり切るつもりはあるのでよろしくお願いします!
パピヨンは言われなきゃ大体気づかないので同衾もするし、夏の暑い日でもべったりくっついたりする。攻撃翌力全振り防御力お豆腐ウマ娘です。
- 944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/31(水) 01:29:46.50 ID:FVPXRS5bo
- 阿武隈の見立てであとどのくらい耐えればいいか
- 945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/31(水) 01:30:37.75 ID:FVPXRS5bo
- 誤爆すみません
- 946 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/31(水) 23:50:52.75 ID:/YzgZ1zy0
- パピヨン「――――やぁああああああああ!!!」
コースを駆ける。アタシの声と走る音が冬の空に響き、消えていく。
――ちょっと眠れないから冷たい空気でも吸って来ようと思って外に出たのに……はぁ、結局汗だく。これじゃもっと眠れなくなっちゃうじゃん。
パピヨン「……はぁ、はぁ……ふぅ」
身体からむわっ……と湯気が立ち込める。最初はあんなに寒かったのに、走り始めたら身体が熱くて熱くて堪らない。そんな火照った身体に、冷たい夜風が気持ち良い。
……そういえば、昔はよく夜も走ってたっけ。誰もいない道をアタシ一人だけが走ってる。それが何だか独り占めしてるみたいで嬉しくて、ずっとずっと走って――――。
パピヨン「走るのずっと好きだよね。アタシって」
そりゃトレセン学園にも来ちゃうくらいなんだし、当然でしょって感じだけど。改めてそう思う。
――その想いに、その他諸々が色々くっ付いて走ってるのが今のアタシ。それが良いことなのか悪いことなのかは分からないけど、まあどうでも走るし。うん。
いや、でもアタシお兄さんに会えてなかったら走るの止めちゃってたかな……うーん。お兄さんに会えなかった時の事を考えられない。お兄さんがトレーナーじゃない場合、じゃない場合かぁ……。
パピヨン「全然考えられないかも」
ま、あり得ない話を考えても仕方ないよね。お兄さんはずっとお兄さんだし……てか、お兄さんがいなかったら誰がお菓子とかジュース補充するのって話。
そもそも、お兄さんとかクソザコなんだしアタシが担当契約してあげたことに感謝してほしいよね。きっとアタシがいなかったら今も一人ぼっちだし絶対。というかそう!担当ウマ娘でありがと〜!って泣きながらご飯とか作ってくれても良くない!?毎日ご飯作るくらい当然でしょ!
……ぷぷ、よしじゃあ明日から要求しちゃおう。あーでも毎日は可哀想かなぁ、アタシが作って〜っておねだりしたら何も言わず作って――――。
ライム「――なにニヤニヤしているんですか?」
パピヨン「ふひゃぁぁあぁ!?」
- 947 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/31(水) 23:51:44.14 ID:/YzgZ1zy0
- ライム「わっ!ご、ごめんなさい!そんなに驚かれるなんて思わなくて……」
パピヨン「なっ、はっ、はぁ!?ラ、ライム!?」
何でライムがここに!?け、結構遅い時間だよ!?え、はっ、なんで!?
ライム「あはは……実は眠れなくて走りに来たんです。門限を過ぎているので本当はよくないことなんですけど……でも、こうして貴女に会えましたね」
パピヨン「……アタシもびっくりだよ。ほんと、色んな意味で」
ほんっと、一瞬ストーカーかと思っちゃった。滅茶苦茶ビックリしちゃって変な声出ちゃったじゃん、全く……。
パピヨン「アタシもだよ、眠れなくて外に出て……走る予定はなかったけど、何か走りたくなっちゃって」
ライム「ふふっ、お互い大事な時期ですもんね」
――そう言いながら笑うライム。そうだ、ライムはもうすぐフェブラリーステークスか……。
パピヨン「どう?自信のほどは。フェブラリーステークスでも勝てる?」
ライム「勝ちますよ、勝って勝って勝ち続けて……どんどん頂点に上り詰めて、それで、待っていますから」
……パピヨンさんも、マンティさんも。
ライム「ですから、パピヨンさんも頑張ってくださいね――――ドバイ。応援していますよ」
パピヨン「ん……言われなくても」
なんだかこっぱずかしくてそっぽを向く、それを見て微笑むライム。何その反応、ムカつくんですけど。
- 948 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/31(水) 23:52:56.50 ID:/YzgZ1zy0
- ライム「はー……折角ですから走りましょうか!お互いに大事なレース前、どんな感じかを確かめるためにも!」
パピヨン「えー……アタシ練習で疲れてるんだけど」
ライム「まあまあ、いいじゃないですか。それにパピヨンさんのスタミナなら十分走れますって!」
パピヨン「んま、別にいいけどね。それじゃあ走ろっか――1600でいいよね」
ライム「!……ええ、構いませんよ」
はあ、嫌だ嫌だ。露骨に目の色変えちゃってさ。別に公式のレースじゃない、練習のちょっとしたレースなのに……本番みたいなオーラ出しちゃって。
……こういうところが、ライム何だよなぁ。まあ、気持ちは……分からないでもないけど。
ライムはどんなときにも全力で、手は抜かない。妥協は許さない、だからずっとずっとこうやって走り続けて――――あれ、なんかこれ聞いたことあるかも。誰だっけ。
ま、どうでもいっか。
パピヨン「――――フェブラリーステークス前に気持ちよく勝たせてあげると思ったら大間違いだからね」
ライム「ふふ、気持ちよく勝たせてあげたい――なんて気持ちは微塵もありまえんからご心配なく」
スタートラインに立つ。1600のゴール版に向かって、準備をする
パピヨン「ポッケにコインあったからこれを弾いて地面に落ちたらスタートで良いよね」
ライム「はい、大丈夫ですよ」
……はぁと息を吐くと、ほんの少し息が白くなった。けどこれも――すぐに消える。体中の熱で、上書きされるみたいに。
――――コインを親指の爪に乗せて、勢いよく弾く。ピーン、と音が響いて、ひゅるひゅると空気を切る音が聞こえて――。
――――地面に落ちる、瞬間。
パピヨン「――――!」
ライム「――――!」
アタシたちは、地面を蹴った。
- 949 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/31(水) 23:56:11.81 ID:/YzgZ1zy0
-
結果は。:コンマ直下
コンマ7以上で勝利。
コンマ0で――――。
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 00:10:54.69 ID:tn+2nPmq0
- こい
- 951 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 00:18:08.23 ID:5C3SENQ10
- 寝ます、おやすみなさい。お疲れさまでした。
そろそろ次スレの時間ですかね。
- 952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 00:31:31.99 ID:tn+2nPmq0
- 早く次スレ建てたらスレを余すし遅かったら不意の荒らしで立てたいと思ってたレス数飛ばして全部埋められるし難しいとこすよねえ
いくつで次スレ立てるかは任せます
しっかりライバルに自分を意識付けて海外へ行くウマ娘、パピオン
- 953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 00:56:26.39 ID:rNY0E5DHo
- おつおつー
スポ根青春しやがっていいぞぉ
公式レースはもちろん練習ですら勝った描写なかったと思うライムに初めて先着、これは大きいぞ
- 954 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:20:52.76 ID:5C3SENQ10
- ライム「――っぁああああああああああああああ!!!!!」
パピヨン「――――」
後ろからライムの叫び声が聞こえる。ぐんぐんと距離を詰めてきて、今にも抜かされてしまいそうなくらいのスピードで追ってくる――けど、それ以上に。今のアタシは――。
――なんて風が気持ち良いんだろう。火照った身体で冷たい夜風を切って、腕を振るう。脚を動かす。ただひたすらに、無心でそれを繰り返す。
パピヨン「――――っ」
背後から迫る星が、アタシに追いつかない。
冬の夜空に瞬く一筋の"青の流星"は、アタシという一頭の蝶に届かない。
今後どうなるかなんて分からない、今までのアタシは負けていた。けど、今この瞬間この走りは――自由に羽ばたくアタシが――――。
ライム「パピ、ヨン――っ!ぅぁあああああああああああああああ!!!!!」
へぇ、なんだ……そんな顔できるんだ。背後なんて見えないけど、何となく分かる。ライムの声と雰囲気が今までのそれとは違っていて、テレビでも見たことのない表情をしているんだろうな――ってのだけ、分かる。
――――けど、今のアタシにはそんなのどうでも良くて。
――。
――――。
――――――――。
――――――――――――――――。
- 955 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:21:53.24 ID:5C3SENQ10
- ライム「はぁ……っ!はぁ、はぁ……っ!」
パピヨン「――――今回は、アタシに勝ちを譲ってね」
堂々の一着でゴール版を駆け抜けたアタシを、汗だくのライムが見たことのない表情でアタシを見つめながら――笑う。
ライム「っ、今回は――パピヨンさんにプレゼントします。ですから次は――アタシが貰う版です」
パピヨン「もうあげないよ、ライムには――だから見ててよ、青の星を墜としたアタシが、世界で一番になるところを」
ライム「ええ、楽しみにしてますよ――そんな貴女を、日本の舞台で引きずり落とすのを」
パピヨン「……言うじゃん、滅茶苦茶」
ライム「パピヨンさんにだから言うんですよ?」
……あ、空気が戻ってきた。
それをライムも認識したみたいで、なんだかまた変な空気に。
パピヨン「…………んま、そういう事で。お互い頑張ろうね、国内国外で」
ライム「ふふっ、なんだか締まりませんね。でも、ええ、はい!頑張りましょう!」
お互いの覚悟を握り拳の形にして、ごつんとぶつけ合う――あ、いたっ!ライムちょっと強めに殴ってきた!あー痛い!ひりひりする!
- 956 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:22:38.43 ID:5C3SENQ10
- ――――レースを終えて、流石に汗だくすぎるのでこっそりと二人でお風呂場でシャワーを浴びることにした。
ライム「ふふっ……今日だけで私、とても不良になってしまったかもしれません」
パピヨン「別にこれくらい良いでしょ、バレないバレない〜って……あーシャワーきもち〜」
ライム「……あ、折角ですから今日は私がパピヨンさんの尻尾を手入れしてあげましょうか?」
パピヨン「えっ!?良いの!?それじゃあ、代わりにライムの尻尾をアタシが綺麗綺麗してあげるね」
ライム「へぇ!?い、いいですよ私のは……く、くすぐったいですから。ぁ!?ちょ、ぱぴ、ぱぴよんさぁん!?し、尻尾!ひゅっ、ひゅぁ、ぁ〜〜〜…………!!!」
――――この後とってもライムの尻尾を根元から丁寧に手入れしてあげた。
そして滅茶苦茶、ヒシアマ姐さんに叱られた。門限破りに時間を過ぎたお風呂の罰として、二人して暫くお風呂掃除当番になっちゃった。
……別にニコニコするようなイベントじゃないんだよ、ライム?
- 957 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:27:32.78 ID:5C3SENQ10
- ――――フェブラリーステークス当日。
圧倒的一番人気に支持されたステラライム。そして、その結果は――。
結果:コンマ直下
1 圧倒的勝利!
2-7 勝利勝利勝利!
8-0 レースに絶対は、ない。
- 958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 23:28:17.69 ID:rNY0E5DHo
- はい
- 959 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:30:23.05 ID:5C3SENQ10
- ライムぅうううううう!!!!!!!
パピヨンとの走りで楽しくなりすぎて集中できなかったか!!!!!ライムぅうううううう!!!!!!!
- 960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 23:32:19.50 ID:rNY0E5DHo
- ぐぬぬ……
コンマ神マジでデレがない…
- 961 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/01(木) 23:55:24.12 ID:5C3SENQ1o
- 今日はこれで終わりです。ありがとうございました、お休みなさい
次、ドバイです。
- 962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 00:22:38.26 ID:85G414xzo
- おつでした
絶対は、ない
だから面白い
- 963 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/02(金) 00:23:47.04 ID:ylDfngQ40
- これ書き込むの忘れていました。
シルヴァーパピヨンのヒミツ
実はぬいぐるみを抱いて眠るのが好き
- 964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 00:56:30.55 ID:ps0sjibv0
- こういうままならない感じこそ安価コンマスレって感じよね
- 965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 13:36:02.91 ID:I2fzcXSu0
- おつ
- 966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 17:16:39.17 ID:XEYS91zLo
- コンマ神はリアル志向
ちいおぼえた
- 967 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/02(金) 18:47:40.59 ID:MVK2Zz7GO
- もうこれステラライムに勝ってるだけでネームドになっても良いでしょ…
でももう増やすのもなぁって思います。また次の機会で。
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 20:02:24.14 ID:85G414xzo
- 在野モブがコンマに愛されるのあるある
- 969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/03(土) 07:42:19.93 ID:4jdeyFGoo
- ヒシミラクルみたいなタイプかしらん
- 970 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 03:40:06.46 ID:bbKbCQ7N0
- ――チャンピオンズカップにて圧巻のレコード勝ちを収めた"青の流星"には勿論その期待が寄せられる。
フェブラリーステークスを勝利し「2大ダート戦覇者」の称号を獲得し、国内の最強のダートウマ娘の座を掴み取る――誰しもがそう思っていた。
――――先頭1番の○○!○○が突き放す!後ろからステラライムが追うが間に合わないか!?
ライム「――――っっっ!!!」
しかし現実はそう甘くない。レースに絶対はない――必ず勝つウマ娘なんて存在しないのだ。
――ゴーーーール!!!1着は○○!レース場にざわざわとどよめきが起きております!1着は○○です!
――――ステラライム敗れる!惜しくも2着です!
――。
――――。
――――――――。
――――――――――――――――。
- 971 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 03:41:04.27 ID:bbKbCQ7N0
- パピヨン「お疲れ様ライム。見てたよ〜レース」
ライム「あ、お疲れ様ですパピヨンさん!あはは……この前あんなことを言ったのに、負けてしまいました……」
次の日。練習中のライムを捕まえて挨拶をする。昨日G1を走ったばかりだというのに、やる気だなぁと思う。アタシなら1週間くらい休みもらいたいけど。
パピヨン「いや、テレビでめちゃくちゃ驚いたけど……まあ、そりゃ必勝のウマ娘なんていないし当然だよね」
ライム「――あの私と同じ先行策だった○○さん、とても……私を意識していたと思います。じゃなければあんなタイミングで前には――」
……勝負を仕掛けるタイミング、最初どの位置に陣取り、どのようにレースを展開していくか。レース中には考えることが沢山ある――アタシはそんな考えないけど。
ライムの実力を、あのウマ娘は努力と作戦で黙らせたのだ。いいな――悔しいけど。
――――ライムを最初に倒すのはアタシがよかった、なんて思ってたこともあったな。
パピヨン「でもそれで終わるウマ娘じゃないでしょ?」
ライム「ええ、もうあんな負けはしません――トレーナーさんにも少し喝を入れられましたから」
え、あの熱血な感じのトレーナーに?うわ、ちょっと怖そう……アタシだったら聞く前に逃げちゃうかも。ちゃんと聞いて自分のやる気に繋げてるなんて、ライムは凄いね。
ライム「ふふ……では次は貴女の番ですね、パピヨンさん」
パピヨン「うん、おっけおっけ。じゃあ昨日敗けちゃったライムの分まで――――頑張るよ」
ニヤリと笑みを浮かべてそう返すと、ライムは「それでこそパピヨンさんですね」と言って笑った。
- 972 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 03:45:44.11 ID:bbKbCQ7N0
- 多分フェブラリーステークス1着の○○さんとライムは連絡先交換してるし、ちゃっかりご飯とか行ってる。
でも○○に具体的な名前が当てはまることは……なさそう。仮についてももう出るかどうか。
ド深夜更新。これだけですおやすみなさい。
明日次スレ建てます。1000ボーナスはやる予定ですけど、気分次第です。
- 973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/04(日) 10:52:32.87 ID:HVvB72Hno
- おつおつ
それでいいと思うよ>名前とかの話
ライム本当にいい子で強い
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/04(日) 13:26:16.66 ID:KLsZm1fKo
- おつ
>>1000ならパピヨンとトレーナーが無自覚混浴
- 975 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/04(日) 23:16:23.53 ID:bbKbCQ7N0
- https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1722780239/
次スレになります。続きは次スレで。
ですが今日はこれだけです。
残りは適当に埋めるなり要望を書き込むなりなんでもどうぞ。1000は気分です。
>>974
無自覚で混浴するかなぁ……するかも……わかんない……
- 976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 01:03:50.15 ID:PCIGmm650
- マンティJBCスプリントで故障で半年後復帰なら帝王賞あたりかね?いや距離が長すぎるか…復帰戦なににするんだろ
1000なら新療法開発されてマンティの復帰早まる
- 977 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:08:11.36 ID:x2PHwe0c0
- さすがに次スレ建てるの早すぎたかもしれません。
埋めます!
- 978 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:08:43.75 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 979 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:09:42.20 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 980 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:10:11.73 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 981 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:10:38.59 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 982 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:11:08.53 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 983 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:12:06.24 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 984 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:12:45.58 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 985 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:13:20.37 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 986 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:14:03.69 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 987 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:15:06.74 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 988 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:15:40.37 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 989 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:16:26.37 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 990 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:17:00.81 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 991 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:17:39.86 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 992 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:18:52.06 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 993 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:19:23.35 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 994 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:20:17.79 ID:x2PHwe0c0
- 埋め
- 995 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/08/05(月) 21:21:20.28 ID:x2PHwe0c0
- これだけ埋めたらたぶん大丈夫でしょう
あとはよろしくお願いいたします。
- 996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 21:24:53.80 ID:NKUo/2Hho
- おつあり〜
うめうめ
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 23:14:35.16 ID:2BtfY0RFo
- うめ
- 998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 23:44:37.65 ID:PCIGmm650
- 阪急梅田駅
- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 00:19:47.13 ID:rofwqotfo
- >>1000ならマンティ距離延長
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 00:58:05.97 ID:ON4Rp8d20
- 1000ならパピヨンママ・パパの話が見たい
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- , -― 、
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i _,,_ル,,rョュ 、 i
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