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【安価コンマ】オリウマ娘と共に

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71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 00:34:49.41 ID:t8olb9JDO
はい
72 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/06(水) 00:38:16.33 ID:/6Ym0qmR0
寝ます。おやすみなさい、ありがとうございました。

泳げました。中々やりますね。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 12:11:06.13 ID:XBKlfJF2O
おつ
スペック高い…高くない?
実馬は新聞読めるタイプだったと見た
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 14:34:38.79 ID:H+qxPqscO
おつです
このメスガキわからせてやりて〜大人を舐めるなよ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 21:11:29.89 ID:A/k4vRgso
実はステゴ産駒なのかもしれない
76 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/06(水) 23:18:06.55 ID:/6Ym0qmR0
どっかでステゴの血は入ってそうですよね。シルヴァーって聞くとシルヴァーソニックでオルフェ産駒ですし。

基本スペック高め中一スプリンターメスガキ。



パピヨン「ぷは〜……ひー、あー……きゅうけ〜」

25メートル時点でバタフライを止め、ぷかぷかと浮いて休み始めたパピヨン。

……もし泳げなかったらどうしようか、そんな考えすら吹き飛ぶ見事なバタフライだったが……如何せんすぐにバテてしまった。

『ほら、止まらない止まらない。まだ始まったばかりだぞ』

パピヨン「え〜? お兄さんひっどーい! そんなにアタシが泳ぐ姿が見たいの? ワガママー」

ワガママはどちらだ、と声に出しそうになるのをグッとこらえる。ぶーぶーと文句を言うパピヨンをどうにかこうにかおだてて、泳いでもらう。

『よっ!流石!』

『パピヨンの泳ぐ姿が眩しい!』

『ウマ娘のマーメイド!』

パピヨン「…………っ」

『……待て、待て。なんで黙ってプールから上がって……パピヨン!?』

……何も言わずに逃げようとしたパピヨンを連れ戻し、なんとかプールトレーニングを完了した。
77 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/06(水) 23:35:40.59 ID:/6Ym0qmR0
芝を走り、走り。プールで泳ぎ、泳ぎ、たまにサボられ――なんとかシルヴァーパピヨンとのトレーニングは上手くいっていた。

――これならきっとメイクデビューでも活躍するだろう、が……。

パピヨン「お兄さーん!ちょっとー!ジュースきれてるんだけどー!ちゃんと補充しておいてよー!」

メイクデビュー、短距離を走らせるかマイルを走らせるか。確実に勝つのなら短距離だろうが、今後の事を考えるとマイル距離でデビューし、改めて今後の事を考えるのも手かもしれない。

パピヨン「ねー!お菓子ないのお菓子!アタシポッキー食べたいんだけど!トッポー!」

……しかし結局はパピヨンが走ってくれるかどうか。彼女が嫌がればまた考え直さなければならないが――。

パピヨン「おーにーいーさーんー!」

『……聞いてるよ。あとでスーパーに寄るよ』

パピヨン「んもー、アタシが言う前にちゃんと補充しておいてよね!プリンとかも買ってきてねー?」

……案外こういうところは中学生らしい。普段の言動も……まあ、それらしいと言えばそれらしいなと、【貴方】はなんとなく頷いてしまう。

さて、ではメイクデビュー。シルヴァーパピヨンは……。


メイクデビュー――:安価直下
1 ダート1200m
2 ダート1600m
3 ……いや、彼女に決めてもらおう。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 23:41:26.63 ID:Y3oaJrZn0
3
79 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/06(水) 23:54:12.88 ID:/6Ym0qmR0
『なあ、パピヨン』

パピヨン「んー?」

『キミは、最初のデビュー戦……短距離とマイルどちらを走りたい?』

【貴方】自身が決めるより、彼女に決めてもらったほうがきっと良いだろう……そう考えた【貴方】は、パピヨンに問いかける。

パピヨン「えー?アタシとしてはどっちでも良いんだけど。どっちでも走れるんでしょ?」

『気分で良い、なんとなく短く走りたいとか。ちょっと長い距離走りたいとか、それくらい気軽で』

パピヨン「ぷぷ、気分で良いの〜?お兄さん、もしかして考えるの放棄してぜーんぶアタシに丸投げ〜?」

『キミの気分が大切なんだよ、キミが走りたいレースを走らせてあげたいんだ自分は』

パピヨン「…………なにそれ」

……なんだか、引かれてしまった。

距離は:コンマ直下
1〜5 ……短距離
6〜0 じゃ、マイル

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 00:00:53.63 ID:unNgUyIYo
はい
81 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 00:17:19.49 ID:aoJCC0Si0
パピヨン「……短距離」

ほんの少しの沈黙の後、彼女はそう呟いた。

短距離か、確かに最初は自分の得意な距離で走りたいか。【貴方】はすぐに納得して頷く。

『分かった、じゃあメイクデビューは短距離で走ろう』

パピヨン「……当然でしょお兄さん!アタシ、確かに沢山走りたいけど、デビューから躓いて未勝利戦をうろちょろなんて趣味じゃないから!」

アタシの走りで〜……お兄さんをビビらせちゃうから。と、自慢げに笑う。

パピヨン「あ、じゃあアタシそろそろ部屋戻るから!今日はお疲れ〜、ちゃんとジュースとお菓子用意しといてよね!」

『ああ、また明日。お疲れパピヨン』
82 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 00:22:02.74 ID:aoJCC0Si0
パピヨン「…………」

短距離、アタシが今自信を持って走れる距離。一番強く走れる距離。

確かに勝ちたいからこの距離を選んだ――その理由は勿論ある、けど……。

パピヨン「……ぅー」

――嫌われたくない。あんなに気を付けたはずなのに、嫌われたくないと一瞬でも思っちゃった。

メイクデビューでもし勝てなかったら……期待を裏切っちゃう。

パピヨン「…………走ろ」

アタシは、夜のダートコースへと向かった。
83 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 00:30:10.96 ID:aoJCC0Si0
トレーニングやパピヨンとの関係も進み、次のレースも決まったので少し自由安価入ります。

初めてなので、こういうイベントが見たい。というのをレスしていただければそれを採用して書きます。【貴方】とパピヨン以外でも、以前募集したパピヨンと関係のありそうなウマだったり、グリーンシルフィーの登場もありです。

見たいイベント:自由安価下3まで。



寝ます。お疲れさまでした。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 00:55:36.45 ID:JYwd0lNro
夜のダートコースでナカヤマフェスタとばったり
らしくないとからかわれつつ走りを見てもらうことに

おつ
そういえばシルフィーちゃんは適正と距離はどうなります?
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 00:56:15.58 ID:YBYo+oADO
乙です
安価はパピヨンとグリーンシルフィーの部屋での雑談
内容は互いのトレーナーについて
グリーンシルフィーにまだトレーナーがいなかったら、趣味やレースにかける思いについて
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 07:44:49.18 ID:h9uqm72/O
シンボリルドルフがトレーニング中の所を見ながら歩いていると、シリウスシンボリにぶつかりそうになるパピヨン
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 10:23:32.09 ID:TAqAgAkEo

安価はパピヨンの過去編(ぼんやりでいい)
シルソニくん阪神大賞典がんばって欲しいわね
88 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 18:07:00.19 ID:aoJCC0Si0


ナカヤマ「――おいおい、なんだからしくねぇことしてんじゃねぇか」

パピヨン「はぁ、はぁ……あ、ナカヤマ先輩」

夜のダートコース、走り込みをしているとナカヤマ先輩に声を掛けられる。

……ナヤカマフェスタ先輩。入学したばかりの時に、ちょっと喋ることがあってからなんだか気に入られて、今の今までちょくちょく喋っている。

結構素行不良だけど、ヤンキーとかそういうのとはちょっと違う感じの……ぷぷ、お兄さんだったらあんまりかかわるなとか言うかな?

ナカヤマ「なあパピヨン?お前そんな真面目に練習とかする奴だったか?」

パピヨン「……別に〜? アタシだってメイクデビュー前にはちょっとくらい練習するする〜」

ほら、もしデビューに失敗しちゃったらどうしよ〜?みたいな。この前先輩が言ってたスリル?心のヒリつき?

ナカヤマ「……ククッ、随分と可愛らしい一面もあるじゃねぇか」

パピヨン「むっ……」

ああもううるさいなぁ!と、ちょっと怒る。しかし先輩には全く効いていない。逆に笑われる。

パピヨン「もー!何なの先輩!アタシ、珍しく真面目なんですけど!」

ナカヤマ「キャンキャン吠えるなよ――後輩。じゃ、小さな心臓がバクバクのお前の走りで、一つ賭けでもさせてもらうか」

パピヨン「……賭け?え、やだ。アタシ今お金ないんだけど」

ナカヤマ「賭けるのはお前の脚。私が提示するタイムで3ハロン走れるかどうか……もしお前が走れたら、明日メシでも奢ってやる」

パピヨン「ほんと!?やったぁごちそうさまでーす!」

ナカヤマ「そしてもし走れなかったら……当然、お前が私に奢るんだぞ?」

「はいはい分かってる分かってる!明日何食べようかな〜……」と、後輩の話は聞こえていない様子に、ナカヤマは呆れたように笑う。そして――。

パピヨン「はぁああああ!?今のなし!ノーカンノーカン!もっかいもっかい!」

ナカヤマ「ハハハ!そんな走りじゃ一か八かもありえないか!いいか、まずお前の走りは――」

――そしてもう一度、ダートを走る。
89 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 18:13:46.17 ID:aoJCC0Si0
『あれ』

パピヨン「おはよ〜お兄さーん……あれれ、何か探してるの?」

『補充したばかりのニンジンジュースが何故かもう無くなって……すまん!買いに行ったはずなんだが……』

空のペットボトルすらないから、そのまま盗られたか……?【貴方】の呟きに、パピヨンの視線がそーっと斜め上に。

パピヨン「あ〜……も、もードジだなお兄さん!い、いーよいーよ!ニンジンジュースは!」

『いや、けど……』

パピヨン「じゃ、じゃあ今度一緒にスーパーに買いに行こ!アタシ、そういう気分かもー?」

『……???』

明らかに普段の様子と違うパピヨンに首をかしげる【貴方】。もしかして、なにか悪いことでもしたんじゃないか――。

……そこまで考えて、【貴方】はパピヨンを信じよう。と思った。そんなことはしないはずだと。

パピヨン「あ、あはは〜……はは」
90 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 18:22:45.76 ID:aoJCC0Si0
>>84
決めてなかったので決めます。

グリーンシルフィーの適性は……:安価直下
1 ダート!
2 芝!
3 両方走れる変態!
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 18:34:56.02 ID:YBYo+oADO
2
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 18:36:44.34 ID:sSKZdh+r0
2
93 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 18:41:27.16 ID:aoJCC0Si0
芝を走る子です。距離は……:安価直下

1 短距離
2 マイル
3 中距離
4 長距離
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 18:43:45.12 ID:BQxUtW9aO
3
95 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 19:09:56.38 ID:aoJCC0Si0
中距離が主戦場なだけでマイルや長距離も走れるかもしれません。

ダート走れる子だったらライバル路線もありでしたが、別にパピヨンと同期のダートウマを募集してもいいかもしれませんね。

では、グリーンシルフィーのトレーナーさんの話を。

グリーンシルフィーのトレーナーは:安価直下
1 もう契約してます
2 まだいません
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 19:20:14.06 ID:YBYo+oADO
1
97 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 19:41:32.15 ID:aoJCC0Si0
パピヨン「あー、ねーねーシルフィー。シルフィーってもうトレーナー居るんだっけ」

トレーニングを終えて暇だったので、机に向かって何か作業をしているシルフィーに訊いてみる。

なんだっけ、結構色々小説とか絵本とか作ってるんだっけ?見たことないけど。

シルフィー「ふぇっ!?は、はい……この間、トレーナーさんが契約してくれて……」

パピヨン「おー!じゃあそろそろデビューして走るんだ?」

シルフィー「ど、どうでしょう……?まだデビューの予定は決まっていないので、パピヨンさんと同じ時期に走る……というのは、ないかもしれません……けど」

あー、しっかり準備してから走るタイプねー。シルフィーって。

パピヨン「ふーん……あ、じゃあ。トレーナーさんどんな人なの? アタシのトレーナー……?は、ちょっとアレだけど」

ちょっと変態で、キモいお兄さん。そういうと、シルフィーは目をギョッとさせて。

シルフィー「だ、ダメですよぉ……!そ、そんな風にトレーナーさんを言ったら……!」

パピヨン「ぷくく!だって本当のことだし〜?んで、シルフィーのは〜?」

シルフィー「え、ええっとぉ……」


シルフィーのトレーナーさんは:安価下1〜2

性別や簡単な性格とか。ちゃんと登場するかは分かんないです。
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 19:51:37.96 ID:xK/u2Fd7O
女性
元気で優しい頑張り屋さん
パピヨンのトレーナーと同じ年の幼馴染
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 19:53:03.01 ID:p6I3Xnjuo
オンの日はスーツに眼鏡のカッチリキメてる女史
オフの日はいつも飲兵衛の酔っ払い
100 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 20:15:37.05 ID:aoJCC0Si0
シルフィー「すっごい、真面目な人……です。スーツと眼鏡が凄い似合ってていて、なんだか
……大人の女性、って感じで」

パピヨン「えー、なんだかかたっくるしそ〜。大丈夫?息苦しくない?」

シルフィー「そ、そんなことないですよ!と、トレーナーさんが、私を選んでくれたから……その想いに、答えたいんです……!」

……それに、ちょっと憧れてるん、です。私も、あんな風に大人の女性に……みたいな。

パピヨン「…………へ〜。シルフィーって、そういうとこあるんだ」

シルフィー「えっ……えっ?」

やっぱ、綺麗なお姉さんとか仕事が出来る人とか見ると憧れるもんなんだ〜。アタシ、よく分かんないけど。

パピヨン「あ〜でも、そういう人に限ってオフの時すっごいだらしないとか、よくあるよね」

シルフィー「……そ、そうですか?」

パピヨン「そうだって!ほら、仕事はバリバリの人が、私室は汚部屋みたいなの!ドラマとかでよくあるじゃん!」

シルフィー「う、うーん。そうなんですかね……でも。そういうのって、結構創作だけだったり……しませんか?」

パピヨン「あーでもアタシのも、ちょっとリアルだらしなさそ〜。料理とか絶対できないでしょ」

シルフィー「あ!私のトレーナーさんは、料理できるって言っていました……!」

……消灯時間が来るまで、シルフィーとトレーナーさんの話で盛り上がった!

うーん、やっぱお兄さんはトレーナーの中でもだめだめな部類かなぁ。キモさはダントツかもだけど。
101 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 20:47:38.09 ID:aoJCC0Si0
一旦ご飯食べます。離席。

オフの日のシルフィートレーナーががっつりシルフィーにお世話されちゃうのが見たいです。

定番だけど良いですよね
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 21:06:59.59 ID:JYwd0lNro
たんおつ
103 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:03:51.17 ID:aoJCC0Si0
パピヨン「……んー?」

コースに人だかりが出来ている。なんだなんだと歩きながら見てみると……。

ルドルフ「――!」

パピヨン「あー、ルドルフ会長さんか」

シンボリルドルフ会長。このトレセン学園の生徒会長さんで、無敗の三冠馬とかいう凄い人。

そりゃそんな人がトレーニングしてたら人だかりもできるよね。

……にしても、あんな色んな人に期待されても、全然気にせずトレーニング。それが当然みたいな、期待されて当たり前みたいな……凄いなぁ。

パピヨン「アタシには真似できな――きゃっ!」

「……アンタ、周りをよく見て歩きな。そんなに皇帝サマが好きなら止まって見学しな」

思わずぶつかりそうになったのを、身体を大きくひねって避ける。

――あれ、もしかしてこの人。ナカヤマ先輩の……。

パピヨン「……シリウスシンボリ、先輩」

シリウス「へぇ?私のことを知っているか。勉強熱心な子犬だ……どうした、そんな目をして」

パピヨン「あ、アタシは子犬じゃなくてパピヨン!シルヴァーパピヨン!貴女の同室のナカヤマ先輩と仲良くさせて貰ってます!」

シリウス「……ナカヤマと?ふん、アイツと仲良くとは、なかなかどうして吠えるじゃねぇか。なぁ、子犬」

シルヴァーパピヨン、パピー。随分と子犬にお似合いの名前じゃねぇか。と、目の前のシリウス先輩に、笑われる。
104 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:15:06.09 ID:aoJCC0Si0
……なんだか無性にムカつく!

パピヨン「はぁ〜?アタシ、そんな子犬とか言われたくないんですけど?先輩だからって、ちょっと勝手にあだ名付けないでくれます?」

シリウス「……ははっ、そんな覚えた眼でそう睨むなよ子犬」

……瞬間、アタシの顎を手で杭っと持ち上げられて――こ、これ。顎クイ……!?

パピヨン「……っ!」

シリウス「さっきみたいに吠えてみろよ、私に対して震えながらキャンキャンな」

パピヨン「うが〜! 止め……て! アンタ嫌い! なんかゾワゾワする!」

――そう吐き捨てて逃げる。なんだかあの人、雰囲気というか、喋り方が……キモい!

シリウス「……ふっ。面白いなあいつ、後でナカヤマに訊いてみるか」
105 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:40:07.98 ID:aoJCC0Si0
――――メイクデビュー当日。中山レース場、空は青く晴れ、快晴。

【貴方】は今、初の担当ウマ娘、シルヴァーパピヨンのメイクデビューを迎えていた。

担当ウマが緊張しているかもしれない、ならばそれを解消してあげるのがトレーナーとしての役目だ――。

パピヨン「すご!ねーお兄さん!ここお菓子置いてる!食べよ!」

『……』

……別に緊張はしていなさそうだった。

『なあ、パピヨン。キミ……緊張はしていないみたいだな』

パピヨン「ん?別に緊張とかしてないけど〜?もーしかしてー……お兄さん、緊張してるの!?」

うわ、マジ〜?大人なのに、中学生よりガチガチとかなっさけな〜!ぷぷぷ〜!

……ここぞとばかりに煽られる。しかし、これでめげるなら彼女のトレーナーはやっていけない。

『……もう一度確認しておこう。中山ダート1200mの出走人数は10人、作戦は――』

パピヨン「あー大丈夫大丈夫!作戦はアタシが走りたいように走る!それで一番最初にゴールを通る、それで良いでしょ?」

ま、お兄さんはプルプル震えながらアタシの走りを見ててよ?と、にやりと笑い。パドックに向かおうとする……。

【貴方】は、引き留める。

パピヨン「え〜、何々?アタシもう行くんだけど――」
106 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:43:53.88 ID:aoJCC0Si0

『――頑張れ。パピヨンは、パピヨンの走りを見せてくればいい』

キミの圧倒的な逃げを、期待しているよ。と、【貴方】は、言った。

パピヨン「…………!」

……一瞬の、沈黙。パピヨンは困った表情をして。

パピヨン「……お兄さん、ちょっと恥ずかしいよ〜?ぷぷ」

そして、駆け足で行ってしまった……
107 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:46:30.93 ID:aoJCC0Si0
メイクデビュー!結果は:コンマ直下
1 圧倒的勝利!!!
2〜8 勝利!
9 あちゃ〜
0 おおっと
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 23:47:12.02 ID:sSKZdh+r0
\(^o^)/
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 23:51:39.28 ID:JYwd0lNro
ナイスぅ!
110 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/07(木) 23:54:25.48 ID:aoJCC0Si0
勝った!

それじゃあ、今日はこれで寝ます。お疲れさまでした。


そしていきなりですが、パピヨンと同期のダートキャラ募集します。前回のキャラ募集と同じように送ってくれると嬉しいです。

同期ダートウマ:安価下1〜3

よろしくお願いします。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 23:58:00.99 ID:sSKZdh+r0
前回と同じってパピヨン達と同じで良いのかな?

名前:オールドンマイ
性格:恋愛脳
口調:ですます調
見た目:黒鹿毛おかっぱの巨乳
趣味:イケメン探し
レースにかける思い:無い、強いて言えば勝てばイケメントレーナーと結婚できるから
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 00:04:26.61 ID:i1MlwbNPO
名前:ステラライム
性格:礼儀正しく元気いっぱいの頑張り屋
基本的に温厚で前向き
口調:はきはきした丁寧な言葉遣い
見た目:青髪ポニーテール、平均身長くらいで胸は大きめ。ほんわかしつつも凛としたところもある雰囲気の少女
趣味:料理、パッチワーク
レースにかける思いとか夢:幼馴染(同年齢の男の子)と誓ったG1勝利

乙です
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 00:08:36.85 ID:Jb541SLDO
名前:オーシャンブルー
性格:おっとりして普段はぼんやりしている
口調:どこか幼い口調
見た目:青いロングストレートをした長身のモデル体型の美女
趣味:気ままに散歩・子供と遊ぶ
レースにかける思い:孤児院の子供達を楽しませたい
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 00:09:25.89 ID:Jb541SLDO
忘れてた乙です
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 00:12:51.15 ID:r3OUwDgho
おつおつー
さてパピヨンちゃんはどう喜んでくれるか
116 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/09(土) 00:22:06.90 ID:aNta1IfC0
パピヨン「――!」

ゲートインが完了し、各ウマ娘一斉にスタートし最初にハナに立ったのは3番シルヴァーパピヨン。

1バ身、2バ身と差を広げ戦闘を進む彼女の後に続くように、他のウマ娘が各々のペースで走り始める。

パピヨン「あ、は――」

思わず、笑みが零れる。最近は泳いだりするばかりで、あまり走れていなかった分。その走りはとても、気持ちのいいものだった。

全身に風を受け、風を切る音をその耳で感じる。そして目の前には誰も居ない――パピヨンは小さな頃から走ることが大好きなウマ娘だった。

楽しい、楽しい。走りたいから、走る。走ることが楽しいから、走る。彼女はただそれだけだった。

――コーナーを曲がり最終直線。6番と8番のウマ娘が、パピヨンに迫る。

パピヨン「――もっとっ!」

が、しかし。飽きても飽きてもやらされたプールトレーニングのおかげか、彼女にはまだスタミナがあった。

迫るが、縮まらない。差が一向に縮まらないまま、先頭のパピヨンはどんどん前へと走り――!
117 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/09(土) 00:22:46.84 ID:aNta1IfC0
ワァアアア……!観客席から、歓声が上がる。【貴方】の担当ウマ娘、シルヴァーパピヨンは見事メイクデビューを華々しく勝利を飾った。

『パピヨン……!』

思わず手を力強く握りしめる。そうか、パピヨンはやったんだ……!

パピヨン「……勝った。勝った、勝った……!」

ゴールを通過した彼女は、その勝利を噛み締めていた――噛み締めている、はずだった。

『パピヨン……?』

しかし、なんだろう。なんだか猛烈に嫌な予感がする。彼女はそうだ、ワガママで、初めて会った時初対面でも【貴方】を馬鹿にした――。

パピヨン「は〜〜〜? ちょっと、なに喜んでんの?」

――歓声が、止まった。

パピヨン「アタシが勝つなんて当然でしょ!アタシはもー、すっ……ごい強いんだから!こんなデビュー戦何かで騒がないで!」

『お、おい。パピヨ――』

パピヨン「ぷぷ、ぷははは!こんな当然の勝利に、きゃーきゃー喜んじゃってぇ……バカみたーい!見てるだけの人ってなーんにも分かんないんだ!」

――――今にも倒れそうだ。ああ、終わった……血の気が、サーっと引いていく。
118 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/09(土) 00:46:35.67 ID:aNta1IfC0
彼女を迎えに地下バ道に行くと、その彼女は何もなかったように笑い手をひらひらと振ってきた。

パピヨン「あ、お兄さーん。どうだった、アタシの走りー?」

『き、キミなぁ……』

……観客に向かってあんな発言。観客に対しても、他の出走ウマ娘に対しても失礼だ。そんなことは当然で【貴方】は、それを叱ろうとするが。当の本人は全く聞く耳を持たなかった。

パピヨン「あ、もしかして怒ってる?だって本当のことでしょ?お兄さんももっともーっとアタシを凄いレースで走らせたいんだから、こんなところで負けてられないよー?」

『だからと言って、あんな台詞は――』

パピヨン「……問題、ないでしょ?」

『……!』

時々、思う。もしかして……彼女のこの言動には、何か意味があるんじゃないかと。ただ煽るだけじゃない、ただ意味もなく嫌われるような言動をしているわけではないのだと。

ほんの少し、パピヨンのトレーナーをしていて、【貴方】は、そう思った。

「――すみません、シルヴァーパピヨンさんよろしいでしょうか!」

パピヨン「……んー?」
119 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/09(土) 01:02:04.84 ID:aNta1IfC0
記者「先ほどのレースお見事でした!あ、わたくしこういうもので……」

手渡された名刺を見ると、ウマ娘レース雑誌の記者だった。有名でもなければ無名でもない、そこそこの雑誌――デビューを見事勝利した、パピヨンに取材をしたいのだろう。

記者「では単刀直入に聞かせてください!次のレース予定は!レース後に、あんな啖呵を切った、彼女の次のレースは――全日本ジュニアでしょうか!」

『……すみませんが取材の方は』

パピヨン「えー?良いじゃん良いじゃん、アタシを取材だなんてよっぽど見る眼があると思うな、この記者さん」

記者「はは、そりゃ当然ですよ!あんな見事な逃げ、あのヒール振り!取材せねばなりませんよ!」

ぐっ!と拳を握り締める記者。なんだなんだこの二人……。しかし、まあ、そうだ。

――全日本ジュニア優駿。川崎のレース場で行われるデビューしたばかりのウマ娘だけが出ることのできる、マイルのダートG1。

確かに出走して一着を取ることが出来れば、パピヨンの人気は格段に上がるだろうが……しかし距離が問題だ。

マイル1600mをパピヨンは耐えられるのか……?プールトレーニングは行っているが、それでも……。

(……)



次のレースは:安価直下
1 ええ、挑戦します。全日本ジュニア優駿。
2 いえ、今のところは他のダートレースを目標にしています。
3 ……大事な話ですので、パピヨンと話し合い決めていく予定です。
120 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/09(土) 01:21:15.06 ID:aNta1IfC0
遅い時間なので寝ます、お疲れさまでした。安価は下でお願いします。

レースは基本ゲーム準拠です。実際にあるレース名とかはあまり詳しく知らないので、何かあったら教えてくれると嬉しいです。

海外のダートレースとかはパピヨンが行けそうなら行きたい気持ちです、ドバイとかね。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 01:32:39.40 ID:S5jcMIL90
1
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 01:40:36.60 ID:YaELrgGqo
おつ
挑戦だ!
この記者さんもパピヨンがヒール=意図持ってやってる事にきづいてる?中々やるな
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/03/09(土) 17:20:23.34 ID:aNta1IfC0
『……ええ、挑戦します。全日本ジュニア優駿』

パピヨンは言った。アタシは走れればいい、走りたいから走ってるだけ――ならば、ここで彼女が一着を取り、マイルでも走れることを証明できれば。彼女はより沢山のレースで走ることが出来るだろう。

記者「そ、それはつまり!全日本ジュニアにおいてもパピヨンさんの見事な逃げを決めると!?」

『え、いや。確かにパピヨンは逃げウマですが――』

記者「これは新しいダート新星ですね!お時間ありがとうございました!この後のウイニングライブも楽しみにしています!それでは!』

そして記者は行ってしまった……変なことは言わず追い返したほうが良かったかもしれない。が、しかし良い機会であるのは確かだ。

【貴方】は、チラリと横に立っているパピヨンを見る。

パピヨン「……や〜ん。お兄さんがアタシのことちらちら見てる〜、キモ〜い!」

『その、すまない。自分一人で決めてしまって』

パピヨン「あ、全日本ジュニア?別に気にしてないけど?アタシはただ走るだけだし、お兄さんは走れっていうなら、アタシ走るよ?」

G1でもマイルでも〜……アタシは変わらず走るだけ。知ってるでしょお兄さんなら?と、プププと笑いながら言う。

『……そうか。じゃあ行こうパピヨン、全日本ジュニア優駿でキミの走りを見せつけよう』

パピヨン「は〜い。ま、アタシなら全員ぶっちぎって超逃げ勝ちなの確定だよね〜」

――こうして、【貴方】とシルヴァーパピヨンは初のG1、初のマイル距離に挑戦することになった。

これがどのような結果になるかは、誰にも分からない――。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/03/09(土) 17:21:29.43 ID:aNta1IfC0
ダスカ「すみませーん、シルヴァーパピヨンさんの控室で間違いないでしょうか……あ、パピヨン」

控室に戻り少し休憩していると、コンコンと丁寧なノック。どうぞ、と声を掛けるとそのウマ娘が入って来た。

フラワー「パピヨンちゃんメイクデビューお疲れさま!とても良いレースだったよ!」

ダスカ「でもレース後のあの発言!ああいうのは控えなさいって、前に何度も……!」

パピヨン「だって本当のことじゃーん。アタシ、別に間違ったこと言ってないし〜?」

『フラワーと……ダイワスカーレット?』

ダスカ「あ、ご存じだったんですね。アタシ、ダイワスカーレットって言います。パピヨンのトレーナーさん」

パピヨンの同期であり芝レースで話題になっているダイワスカーレット。確かパピヨンと仲良くしてもらっているらしいが……。

『初めまして、スカーレット』

パピヨン「てか、あれ。スカーレットとフラワーって仲良かったっけ?」

フラワー「丁度控室に行く途中でスカーレットさんに会ってね、お互いパピヨンちゃんに用があったから……」

ダスカ「そうよ、パピヨンのデビューを応援しに来たんだから!」

パピヨン「へ〜?二人とも優しいじゃーん。ありがと〜!」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/03/09(土) 17:26:46.44 ID:aNta1IfC0
ダスカ「でも、怪我なく終わって良かった……あとはウイニングライブだけね!」

『……ウイニングライブ』

ウイニングライブ。パピヨンは一着だったから当然センターで歌い踊るのだが……。

『パピヨン。キミ……ダンス練習は』

パピヨン「ん〜、授業でちょっとやったくらい?」

フラワー「パ、パピヨンちゃん大丈夫なの?ちゃんと踊れる?」

パピヨン「大丈夫大丈夫!アタシの事を応援してくれるファンの皆さんに、感謝の気持ち伝えちゃお〜!ぷふふ!」

……すこぶる心配だ。レースの事ばかりで、全くダンス練習は出来ていなかった……授業で練習したとは言うが、観客の前で無事踊れるか……。


ウイニングライブは……:コンマ直下
1 完璧!
2〜9 可もなく不可もなく
0 あちゃ〜
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 17:43:18.98 ID:5biNd+1DO
はい
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 18:34:52.13 ID:YaELrgGqo
本当にスペックは高いパピヨン
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/03/09(土) 18:45:25.10 ID:aNta1IfC0
パピヨン「――♪」

取り合えずミスなどをすることはなく、パピヨンはウイニングライブを終えた。しかし、なんだかどこか危なっかしい。

隣で踊るウマ娘にぶつかりそうになった場面など、見ていてハラハラしてしまう。

……しかし、その歌声や踊りのキレなどはだいぶ完成されていた。

(……他の子と一緒に踊らせてみたりするのも必要かもしれない)

パピヨンはあまり周りを考えない、だから周囲を見渡す協調性が培われれば……。

『まあ、それを今考えるべきではないか』

センターで歌って踊る担当ウマ娘を見る。

パピヨン「――――♪」

……あんなことを言ったばかりだとは思えないほどの、笑顔だった。

自分も頑張らなければ。【貴方】は、そのライブを聞き、再確認した。
129 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 18:53:39.75 ID:aNta1IfC0
『……』

メイクデビューの次の日。【貴方】は、トレーナールームでメイクデビューの録画を見ていた。

パピヨン「あれ〜、お兄さん。そんなビデオなんか見ちゃってどしたの?もしかして〜……タイプな子でもいた?」

『ああ、パピヨン。実はな……』

パピヨンと同期のダートウマ娘の情報を集めるべく、色々なレースを見ていたのだが……その中でも今話題の子のメイクデビューを見ていた。

ライム「やぁああああああああ――!」

――ステラライム。パピヨンの一週間前にデビューしたばかりのダートウマ娘。この子も、きっとパピヨンと同じ全日本ジュニア優駿に出場するだろう。

そしてその走りは……。

ステラライムの脚質は:安価直下
1 逃げ
2 先行
3 差し
4 追込み
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 18:58:17.57 ID:cZ3AXloBO
2
131 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 19:19:46.73 ID:aNta1IfC0
前から3番目辺りに付き、最後の直線で一気に抜き差す。お手本のような先行差し……ステラライムの地力がハッキリと分かるメイクデビューであった。

ライム「――やりました、やりましたよトレーナーさん!トレーナーさーん!」

パピヨン「ぷぷ、元気な子だね〜」

『まだ分からないが、きっとこのステラライムが全日本ジュニアでは有力バとなるだろうな』

それに、きっとこの子はマイラー……スプリンター気質のパピヨンと彼女ではそもそものスタミナ勝負で負けて刺されてしまうかもしれない。

パピヨン「……ふーん。じゃ、アタシはこの子に追いつかれないように沢山スタミナ付けて、逃げ切れば良いわけ?」

『まあ、そういう訳なんだが』

スタミナ、それにパワーもスピードも何もかもがまだパピヨンには足りないかもしれない。だが……それをどうにかして送り出すのがトレーナーだ。

『頑張ろうパピヨン、自分がキミを勝たせるよ、そのためのトレーニングも――』

パピヨン「うわ、なんかキモ。勝たせるよ……だって〜!ぷぷぷ!カッコいいこと言ったつもりだ〜!」

……頑張ろう。パピヨンは勝てないウマじゃないはずだ。
132 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 19:34:33.94 ID:aNta1IfC0
『さて、ではトレーニングを始めよう』

プールは勿論ジムでの筋力トレーニング、それに他ウマ娘との併走……やれることは沢山ある。

『それに、彼女のやる気維持もしなくては』

昨日安売りしていた為大量に購入したジュースやお菓子をトレーニングルームに置いておくことも忘れない。それ以外にも、何か彼女のためにやって上げれることがあるかもしれない……。

『……ただ年頃の女の子の好きな物やことって知らないな』

まあ、やれるだけやろう。さて、トレーニング内容をもう一度考え直してみよう……。

見たいイベント:自由安価下3まで。



前のように、イベントを書いてください。

パピヨン視点でも、【貴方】視点でも。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 19:36:42.98 ID:JW0mXv2k0
ダスカにパピヨンの好みとか知ってるか訊いてみる
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:00:03.90 ID:5biNd+1DO
パピヨンシルフィーが同じトレーニングをすることになった流れで、シルフィーのトレーナー含めてケアやトレーニングについて4人で色々な話し合う

パピヨン視点でも【貴方】視点どちらでも良いけど、>>98の幼馴染設定があるなら【貴方】視点の方が良いのかな?
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:00:20.61 ID:YaELrgGqo
先輩トレーナーにメイクデビューでの事とかで心配されるも話したら相性は心配なさそうと納得される貴方
136 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 20:26:24.23 ID:aNta1IfC0
ダスカ「パピヨンの好み……ですか?」

パピヨンの好きなものを探るべく、【貴方】はクラスメイトであるダイワスカーレットに話を聞くことにした。

彼女ならきっと色々と教えてくれるだろう。

『本人に直接聞くことも考えたんだけどね、ちょっと……』

――え〜!アタシの好きなものが知りたいのお兄さ〜ん!年下の女の子のそういうの知りたいって、なんか必死!ぷぷぷ!

……こんな感じの事を言われるだろうと思い、なんだかめんどくさくなりそうだったので止めたのだった。

ダスカ「あはは……まあ、アタシもパピヨンの事は色々知ってるつもりですけど、好きなものと言われると……」

『好きな食べ物とか、趣味とかでも構わないんだが……』

ダスカ「そうですねぇ」


パピヨンの好きな物とか趣味とか:安価直下
1 尻尾の手入れとか好きですよ
2 ……お兄さんをからかうことって
3 自由安価
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:30:29.09 ID:21CeAED3o
1
138 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 20:51:27.69 ID:aNta1IfC0
ダスカ「そういえばパピヨンって尻尾の手入れが好きなんですよ」

『尻尾の手入れ?』

ダスカ「あの子がする尻尾の手入れ、凄い丁寧で気持ちが良いって評判なんです」

ウマ娘にとって尻尾とは感情表現などにも使われることがある大事な部位だ。専門のシャンプーやトリートメント、櫛など沢山の種類があり、匂いなども気を付けないと気分が悪くなったりすることもある……らしい。

尻尾は生えていない為よく分からないが。パピヨンにそんな趣味があったなんて……知らなかった。

ダスカ「沢山オイルとかシャンプーを持っているんですよ。そのウマ娘にあったものを探して、職人みたいに櫛を使って」

『なるほど……』

ダスカ「あ、あと。するのも好きだけどされるのも好きだって」

『!』

されるのも好き。もしかしたら、自分が上手に尻尾の手入れをしてあげれたら、パピヨンのやる気に繋がるかもしれない!

『スカーレットありがとう!今度またお礼をするよ!』

ダスカ「へっ?あ、は、はい……ま、待ってください?もしかして尻尾の手入れを――ト、トレーナーさん?!」

取り合えず、急いで本屋によって……あと尻尾のオイルとシャンプートリートメント……。
139 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 21:04:03.48 ID:aNta1IfC0
パピヨン「あー、疲れた〜……お兄さんジュース!」

『はいはい』

トレーナールームのソファに倒れたパピヨンの手に、冷えたニンジンジュース入りのコップを手渡す。勿論ストローを差して。

パピヨン「ん、よろしい」

ちゅーちゅー飲み始めるパピヨン。そして【貴方】その話を始める。

『……実は今日はキミにしてあげたいことがあるんだ』

パピヨン「……え、なになに〜?もしかしてエッチなこと?きゃ〜!お兄さんにセクハラされちゃう〜!」

スマホを見ながら、いつものように笑うパピヨン。その態度はいつも通りなので【貴方】は気にせず続ける。

『嫌なら言ってほしい。今からキミの尻尾を手入れさせてほしいんだ』

パピヨン「へー、尻尾の手入れ?良いじゃん良いじゃん、アタシ実はちょーっとそっちにはこだわりが――――」

彼女の言葉が、止まった。手に持っていたスマホが、ぽとりと体に落ちる。

【貴方】を見つめ固まってしまったパピヨン。

パピヨン「…………は?」

『だから、尻尾の手入れをさせて欲しいんだ。不快だったら言ってくれ』
140 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 21:09:09.60 ID:aNta1IfC0
【貴方】トレーナーの尻尾手入れ:コンマ直下
01に近いほど下手糞、00に近いほど上手



ご飯の為離席。

尻尾手入れ、滅茶苦茶親しい仲じゃないとさせてくれたりしないと思います。異性なら特に。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 21:11:57.35 ID:YaELrgGqo
頑張れ!
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:50:29.37 ID:21CeAED3o
まあ初めてだししゃーない
143 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 23:29:21.35 ID:aNta1IfC0
と、いう訳でパピヨンの尻尾の手入れの許可を貰った。

パピヨン「…………」

本屋で買った「誰にでも分かるウマ娘の尻尾手入れ!」の内容を思い出しながら。道具の準備をする。

『それじゃ、尻尾に触るからな』

パピヨン「変な風に触ったら怒るから……んっ」

尻尾に少し触れた瞬間、彼女の口から小さな吐息。思わず手を止めてしまう。

『だ、大丈夫か!?や、止めるか!?』

パピヨン「ちょ、ちょっとびっくりしただけだって……ほら、お兄さんか言ったんだから手を止めないでよ」

……そう言われて、もう一度手入れを続ける。尻尾を持ち上げ、手に持った専用の櫛を尻尾に入れる。

毛並みに沿ってすーっ、すーっと櫛を動かして……。

パピヨン「……お兄さん下手糞。触り方もそうだけど、櫛の入れ方も動かし方も最悪」

『え、あ、ごめん……』

……流石、職人と言われるような彼女に対して付け焼き刃の知識を付けただけの自分では、この時点でもう駄目らしい。

なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。

パピヨン「はぁ……ほら、櫛の入れ方はそんな真っすぐじゃなくて、ちょっと斜めに入れて」

『……あ、ああ』

パピヨン「そうそう。それで優しく撫でるみたいに、尻尾の先に向かって三回くらい」

彼女の言われたとおりに櫛を動かす、確かにさっき自分でやった時よりも尻尾が綺麗になった……気がする。
144 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/09(土) 23:31:00.58 ID:aNta1IfC0
パピヨン「この櫛入れもシャンプーとリンスをしてからの方が良いんだけど、ここじゃね〜。ほら、次はオイルを用意して、因みに匂いは?」

『……柑橘系の匂いの奴を買ったよ』

パピヨン「柑橘系……なんでそれを買ったのか、アタシ知りたいな〜」

『……キミにはこの匂いが合うと思ったからだよ、もしかして苦手な匂いだったか?』

パピヨン「…………いや、別に〜?じゃ、それを手にしっかり馴染ませて、尻尾全体に塗り込んで」

『ああ』

毛の裏表全体に均等にオイルを塗り広げると、段々尻尾全体に光沢が帯びてきた。

パピヨン「そうそう、そんな感じ……ん〜……あ〜……」

……尻尾が小さくフリフリ揺れている。

『……これで終わりか?』

パピヨン「えっ?……あー、そう。オイルも塗ったし終わり終わり。お兄さんお疲れさま〜」

『その、なんだ。キミの言うとおりにしてしまったけど……どうだった?」

パピヨン「へたっぴ!お兄さん何もかも不器用すぎ!ん〜……まあアタシの言うとおりにして20点くらい?」

尻尾を大きく振ってみて、点数を付ける。そんなに低いのか……と、なんだか悲しい気持ちになる。そもそも、彼女の言うとおりにやってこれなのだから、本当はもっと低いのだろう。

パピヨン「……だから、今度はもっと練習してきてね。またテストするから、お兄さん?」

『え』

パピヨン「じゃ、お疲れさま〜!また明日〜」

……行ってしまった。

パピヨン「……〜♪」
145 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 00:13:03.31 ID:vyOUQk7x0
シルトレ「本日はありがとうございます、まさか一緒にトレーニングをして貰えるとは」

『ああいえ、こちらこそ。色々と勉強させてもらいます……グリーンシルフィーのトレーナーさん」

今日は坂路ダッシュのトレーニングをする予定だったが、グリーンシルフィーのトレーニングと被ってしまったため、一緒にトレーニングをすることになった。

パピヨン「やぁあああああ!!!」

シルフィー「…………っ!」

……普段は飽きっぽいパピヨンだが、同室のシルフィーがいるおかげかいつもより長くトレーニングを続けられている。これは良い傾向だ。

シルトレ「……シルヴァーパピヨン、良い鍛え方をしていますね。販路をもう複数回往復していますが、スプリンターだというのに、まだ走れている」

『……スタミナには少し気を付けているんです』

グリーンシルフィーのトレーナーさん今まで何人もの重賞勝利ウマ娘を輩出したベテラントレーナーだ。そんな方からそう言われると、なんだか少し気恥ずかしい。

シルトレ「スタミナは大事です、体力は全ての基本となりますし何より怪我の防止になりますから」

『……レース中に体力が無くなったことで、意図しない走りをした結果衝突や転倒。色々ありますよ』

シルトレ「はい。確かにスピードなども大事ですがまず体力、次に体力だと私は思っています」

……模擬レースでのパピヨンの走りを思い出す。確かに一着でゴールした後、倒れそうになっていた。あれは事故に繋がる。

『……実は今パピヨンのスタミナを底上げしたいと考えていまして、プールトレーニングを多くしているんですが、他に何かいいトレーニングはないですかね』

シルトレ「……ああ、そういう。そうですね、スプリンターの彼女のスタミナを引き上げるとするなら、まず――」

パピヨン「あー!お兄さん坂路飽きた!お菓子!」

シルフィー「パ、パピヨンさん……!」

……ああ、もう駄目だったみたいだ。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 00:16:46.25 ID:Zv7zk97TO
シルトレは>>99の設定だけっぽいな
147 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 00:31:56.35 ID:vyOUQk7x0
パピヨン「あ、この人がシルフィーのトレーナーさん?ふーん、確かに出来る女って感じ?」

シルトレ「ありがとうございます、パピヨンさん」

シルフィー「あ、その、トレーナーさん……」

シルトレ「……ふふ、そんな心配そうな顔をしなくても良いわよシルフィー。少し休憩しましょう?」

シルフィー「!は、はい」

『パピヨン、キミなぁ……』

パピヨン「ん?どうかしたお兄さん?それとジュースは?」

……溜息を吐いて、【貴方】お菓子とジュースを手渡す。少しだけだぞ、と念押しするがあまり聞こえていなさそうだ。

『……担当ウマ娘のトレーニングへの集中力を維持するためには、何をすればいいんですかね』

シルトレ「あぁ、そうですね……やはりご褒美だったり、同じトレーニングを集中させなかったりやり方はありますが。確かに、彼女は少々大変そうですね」

パピヨン「あれ、もしかしてアタシの話してる?やっぱアタシっていつも話題になっちゃう〜」

――折角だ、色々話しを訊いてみよう。ベテラントレーナーの知恵を借りよう。


何か訊いてみよう:安価下2
1 トレーニング後のケアは何を?
2 ご褒美というのは?
3 ……グリーンシルフィーのレース
4 自由安価
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 00:41:19.50 ID:rUdQ29qDO
3
意味深な感じがして気になる
149 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 01:42:14.93 ID:vyOUQk7x0
今日はこれで終わります、ありがとうございました。

安価はこれで採用します。下2は来ないですね時間も遅いので。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 02:47:02.93 ID:xAbX2HRfo

トレーナーに尻尾手入れ許すってそういうコトですね、ええこれは
151 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 18:04:25.95 ID:vyOUQk7x0
>>150
このメスガキウマ娘もしかしてチョロい?

やっていきます。



『ところで、何ですけど』

グリーンシルフィーの今後のレースは……と、訊ねると。シルトレさんは眉間に皴を寄せて、こちらを見る。

シルトレ「……何かそれを聞いて、そちらの陣営に何かメリットが?」

『あ、いえ。そういうつもりじゃ……すみません、少し気になってしまっただけで』

パピヨン「あー、お兄さんデリカシーないこと聞いたんだ!新米トレーナーだからって、良くないんだ〜」

シルトレ「……そんな落ち込まないで下さい。まあ、まだこちらはメイクデビューもまだですから……少しくらいなら


デビューは秋ごろを予定していて、そこからはシルフィーの夢の為にレースを走って行きたいと考えています。

『夢、ですか』

シルフィー「は、はい。その、夢というか、約束なんですけど……」


――シルフィーの夢:安価直下
グリーンシルフィーの適性距離は中距離で芝です。
1 ……G1勝利
2 3冠……
3 トリプルティアラ……
4 自由安価
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 18:05:33.89 ID:8wiv7J0P0
3
153 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 18:33:21.09 ID:vyOUQk7x0
シルフィー「トリプルティアラが……夢、なんです。親友との約束で……」

パピヨン「あ、前に話してた夢ってトリプルティアラなんだ」

シルフィー「……うん。親友と一緒に、テレビで見たレースが秋華賞だったんです。そして、その勝ったウマ娘さんが……」

凄い、綺麗だったんです。その勝ち方も、走る姿も。全部……輝いて見えたんです。

パピヨン「……ふーん」

シルトレ「私は彼女のこの夢を聴いて、取らせてあげたいと思ったんです。トリプルティアラ――それに、この子にはそのポテンシャルがある」

勿論、それを引き出すのが我々トレーナー何ですが、と。眼鏡をクイっと動かし、堂々と言った。

……ウマ娘のポテンシャルを引き出すのがトレーナー。その言葉に【貴方】は頷いた。

パピヨン「ま、アタシはそういう夢とかないけど〜……お兄さんは、アタシを沢山走らせてくれるよね?」

『それは、勿論だよ』

キミの走りに惚れたから、自分は担当トレーナーになったのだから……。

『ほら、そろそろ坂路に戻ろう』

パピヨン「うげ〜……あー、シルフィー行こー」

シルフィー「あ、え、はい!それじゃあ、失礼します!」

――こうして、暗くなるまで坂路トレーニングは続けられた。

夢、約束、使命……そういう物はないかもしれないが、【貴方】はパピヨンが望むとおりに走らせてあげよう。そう思った。
154 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 18:53:29.46 ID:vyOUQk7x0
先輩トレ「よう、トレーニングやってるな」

『あ、先輩。お疲れさまです』

パピヨンのトレーニングを見ている途中、トレセン学園に来たばかりの時にお世話になった先輩トレーナーから声を掛けられた。

先輩トレ「……成程あの走ってるウマ娘がシルヴァーパピヨン。メイクデビューで凄い事を言った……」

『うぐっ』

……パピヨンのあのメイクデビューはトレーナー間でも少し話題になっていることを【貴方】は把握していた。

あのような態度はいかがなものか、とか。トレーナーの指導はどうなっているんだ、とか。それにネット上でも物議を醸していたり……。

なんだか、胃が痛くなってきた。

『……ですが、パピヨンの走りは本物です。確かにパピヨンは……問題のある子ですけど、その走りを見たら、皆が認めますよ』

先輩トレ「確かに、あの瞬発力には目を見張るものがあるがなぁ……」

『あとはそれをどれだけ持続させて、最後まで走らせてあげるか。そうすればきっとパピヨンは……G1も取れます』

先輩トレ「随分とまあ、気に入ってるんだな」
155 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 19:25:24.84 ID:vyOUQk7x0
パピヨン「――ねー!お兄さん!飲み物!」

遠くから、パピヨンの声が聞こえる。この声色はだいぶ疲れてイライラしているようだな……。

『パピヨンお疲れさま、ほら』

パピヨン「ん!」

こういう時はジュースではなくスポーツドリンクを渡す、そして一緒に汗を拭くためのタオルも。

パピヨン「もう暫くこのトレーニングやりたくない!明日は別のにして!」

『ああ、分かっているよ。メニューは複数用意してるから、後で部屋で確認しよう』

パピヨン「当然でしょ!あーもー、お兄さんデザート用意しといてよ!」

そう言い残して、パピヨンは起こりながらコースに戻っていった。

先輩トレ「……大変だな、なんか。デザートとか用意してるか?」

『ああはい、最近ハチミー……?とかとコラボしたプリンがあるらしくて、それとコンビニで最近発売されたエクレアを』

先輩トレ「…………取り合えず担当ウマ娘との仲は悪くなさそうで安心したよ」

なんだか、ワガママお嬢様と執事って感じだな。と呆れたように言われてしまった。

……そうだろうか?【貴方】は首を傾げた。
156 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 19:52:07.27 ID:vyOUQk7x0
――シルヴァーパピヨン宣言!全日本ジュニア優駿でも逃げ切りか!

(……バッチリ書かれてるな)

あのメイクデビューであった記者の記事だろう、あの時の会話を元にだいぶこちらがヒールのように書かれている。

『シルヴァーパピヨンとその担当トレーナーはG1でも華麗な逃げ切りを決めると記者に対して宣言し、当日のメイクデビューでは勝利後、己の強さをアピールするように観客を煽り……』

……ネット上でも、この記事は話題になっているようだ。まあ、メイクデビューで勝ったばかりの子がこんなことを言ったらなぁ……。

パピヨン「あー、お兄さんもしかしてそれ……アタシの記事?」

『あ、こら!』

後ろから読んでいた雑誌を取られてしまう。しまった、彼女にこういうのはあまり見せたくなかったが……仕方ない。

パピヨン「ふーん……ま、ウマッターでもちょくちょくアタシの名前見るし、こういうのも書かれるよね〜。てか、これあの時の記者さんのでしょ」

……あ、写真写りちょっと悪い!もっと可愛く撮って欲しいんだけどな〜、と。パピヨンはあまり内容については気にしていなかった。

『……大丈夫か?』

パピヨン「は、なにが?デビューを上手く飾ったウマ娘が、ちょっと調子に乗ってる〜って思われてるだけでしょ?」

勝てるわけがない、逃げ切れない、期待されていない――パピヨンはなぜか、嬉しそうに言った。

パピヨン「ま、だから別にアタシは気にせず走るだけだよ〜お兄さん」

『……そうか。キミが気にしていないならそれでいいが……少し間違えてる』

パピヨン「?」

『自分は、キミが勝つことも、逃げ切ることも信じているし、期待もしている……だから、頑張ろう』

【貴方】はパピヨンの手を握り、言った。ジーっと彼女の瞳を見つめると、パピヨンの方から視線をずらされてしまった。

パピヨン「…………っ!バカみたい。じゃ、アタシプール行ってきまーす」

『……ああ、少ししたら自分も行くから先に準備していてくれ』

戦いは冬――まだやれることはある。頑張ろう……と、心の中で誓った。
157 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 20:07:51.20 ID:vyOUQk7x0
イベント:安価直下
1 ステラライム「私と併走トレーニングしてくれませんか!」
2 パピヨン「ねーお兄さん、ちょっと休日暇?」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 20:15:39.66 ID:xAbX2HRfo
1
159 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 20:37:01.88 ID:vyOUQk7x0
ライム「――失礼します!こちらシルヴァーパピヨンさんのトレーナールームで合っているでしょうか!」

『うわぁあ』

コンコン、というノックが聞こえていたものの、想像以上に大きな声であいさつが飛んできて情けない声が出てしまった。

『……ステラライム?』

ライム「はい!ステラライムと申します!よろしくお願いします!」

とても礼儀正しく、はきはきとした喋り方のウマ娘。ステラライム……おそらく全日本ジュニア優駿にも出走するだろう、パピヨンのライバルとなるかもしれないウマ娘。

そんな彼女が、いったいどうして……。

ライム「あの、もし宜しければ本日シルヴァーパピヨンさんと併走トレーニングをお願いしたいのですが!どうでしょうか!」

……成程、そういうことか。確かに、同じダートウマ同士、こういう機会はパピヨンにとって貴重だ。

それに、もしかしたら色々と情報収集が出来るかもしれない……!
160 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 20:38:33.46 ID:vyOUQk7x0
ステラライムのトレーナーさんは:安価下1~2

性別や簡単な性格などをお願いします。また、設定は全て採用出来るわけではないのでご了承ください。シルトレさんにあった幼馴染設定みたいな。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 20:47:10.93 ID:4X0ZbWvtO

真面目で熱血漢だけど、ちょっと天然なところがある(バクシントレーナーの1200?3みたいな感じ)
熱血なれど、ウマ娘への指導は基本的に論理的かつ親身
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 21:18:55.29 ID:rUdQ29qDO
現在の家族構成は母・姉・妹・妻・娘と女性に囲まれており女性の扱いが上手い(家族的な意味で)
163 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 22:11:13.98 ID:vyOUQk7x0
ライトレ「――いやぁ、今回は併走トレーニングありがとうございます!こちらもシルヴァーパピヨンさん陣営とは一度お話をしてみたかったんです」

『いえいえ、こちらこそありがとうございます。今回は色々と勉強させてもらいます』

ライトレ「はは、いえいえこちらこそ色々と……」

パピヨン「うわ〜、なんかペコペコしてる〜!なんだか情けな〜!写真撮っておこ!」

ライム「パピヨンさん、勝手に写真を撮ってはいけませんよ!ちゃんと許可を取らないと」

パピヨン「え〜?別に良くない?ライムって真面目〜」

……なんだか、真面目なコンビだ。こちらとは正反対……とまではいわないが。だいぶ違った雰囲気の二人だった。

ライム「――では、パピヨンさん!そろそろ始めましょう、同世代のダートを走る方と併走するのは初めてなので、少し楽しみなんです!」

パピヨン「え、もう?アタシ、もうちょっとしてから〜……」

『ほら、待たせてないで早く行ってきな。貴重な機会』

パピヨン「お兄さんひっどーい!何その言い方!はいはい、分かりましたー!やればいいんでしょやればー!」

……よし、今日はちゃんとコースに向かったな。パピヨンが素直に行ったのを見て、【貴方】は思わず微笑んでしまう。

ライトレ「……笑う要素ありましたか?」

『え?』
164 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 22:59:38.24 ID:vyOUQk7x0
パピヨン「――っ!」

ステラ「やぁあああ!!!」

併走しながら走っている形ではあるが。パピヨンが逃げ、それ追うステラライム……そう見えてしまう。

抜かそうとする方と、抜かれまいとする方。お互いがお互いをかき立てている……が。

パピヨン「……はぁ、はっ……!くっ、このっ……ぉ」

……すぐにパピヨンの勢いが落ち、ずるずると下がってしまう。

ステラ「あ、パピヨンさん!」

それを見たステラライムが心配するように駆け寄る……まだまだスタミナには余裕がある感じで、本番のマイル1600mは十分走り切れるだろう。

ライトレ「……シルヴァーパピヨンさんは、本来スプリンターですよね。なのに全日本ジュニアに挑むというのは……何か理由が?」

『……最初に決めたのは自分でしたが、パピヨン自身が走りたいと言ったので』

ライトレ「なるほど、確かに担当ウマ娘の意思や夢というのは大事ですね……しかし、それを叶えるために無理をさせて怪我をさせてしまう可能性がある。というのは、良くないと思います」

『怪我には最大限の注意をしています、トレーニング後のストレッチやアイシングは欠かせませんし、スタミナを鍛えるために――』

ライトレ「……成程ね」

……ああ、この視線。分かってしまう、自分が無理やりパピヨンをマイルで走らせようとしているとしている、そう思っている視線だ。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 23:04:56.65 ID:bcn/TCtUO
でも、ダートの短距離専門だと出れるレースが少なすぎるのもたしかにあるんだよね
166 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 23:11:08.67 ID:vyOUQk7x0
『……エゴに見えますか?』

ライトレ「私自身としては、ウマ娘本人が走りたいからといって無理はさせたくない。彼女には彼女の進むべき道があると思うのですよ」

……マイルでは走らず、短距離だけを目指し走るシルヴァーパピヨンの姿。その意見はごもっともだと【貴方】は思う。当然だと【貴方】は思う。

自分が言ったマイルも走ろうという言葉で、無理やり走らせているのかもしれない。けど……。

『パピヨンがどういう風に走るのか、走りたいのか……それを見つけてあげるのも、自分の仕事だと思うんです』

夢なんてない、走りたいから走る彼女が、気持ちよく走れる道を見つけたいと【貴方】は言った。

ライトレ「……では、こうしませんか?簡単な模擬レースをしましょう」

――ダート1600m左回り、全日本ジュニアと同じ条件でステラライムさんと模擬レースをして……もし走り切れなければ。

ライトレ「もう一度考え直してほしい、シルヴァーパピヨンさんが走る姿は、少し痛々しいんです。走り終わると今にも倒れてしまいそうな、彼女の走りは」

『……』
167 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/10(日) 23:12:48.31 ID:vyOUQk7x0
模擬レース……:安価直下
1 受ける
2 受けない
3 パピヨンの意思を訊きたい



ご飯食べるため離席。再開できなさそうだったらまた連絡します。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 23:14:24.74 ID:rUdQ29qDO
3
169 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/11(月) 00:00:41.24 ID:s8E5ixYx0
パピヨン「走る!」

『即答だな、キミは』

ステラライムとの模擬レースを走るかどうか、本人に聞きに行ったが……即答であった。しかし、【貴方】は当然かと思った。

――走るか、走らないか。この二択があるなら……彼女は走る。

パピヨン「アタシがマイル距離を走れるかどうか不安なんでしょあのトレーナーは?ま、そういうのアタシどうでもいいけど、なんかムカつくし〜?」

『ムカつくって……』

パピヨン「だってそうでしょ〜?しっかり走って、しっかり勝ってくるよ、お兄さん?」

『……分かった、なら作戦なんだが――』

パピヨン「あーあー作戦とか知らない!お兄さん、そんなトレーナーみたいなことしないでよ。頭の中に作戦とかあったら、アタシ楽しく走れないから」

『トレーナー何だがな、自分は……しかし、まあ。キミがそういうなら、何も言わないよ』

――好きなように走って、逃げ切っておいで。あとのことはレースが終わってから考えよう。

パピヨン「……ぷぷ、分かってるじゃん。お兄さん」
170 : ◆OX0aJKbZO.0H :2024/03/11(月) 00:06:20.60 ID:s8E5ixYx0
ステラライムとの模擬レース――結果は:コンマ直下
1 限界ギリギリだけど逃げ切り!
2〜3 限界まで粘ったけど……
4〜9 負け!
0 おおっと
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