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【安価コンマ】オリウマ娘と共に

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367 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/04(木) 23:56:47.18 ID:mA7S+uTm0
シルフィー「……え、えっとこの番号で合って、ますよね?」

――申し訳ないんだけどこの書類を届けて来てくれないかな?そんなお願いを引き受けたのが今日、休日のお昼。私は今トレーナーさんの寮室の前に居ます。

……あ。は、初めまして!グリーンシルフィーと言います。最近はメイクデビューに向けてのトレーニングをトレーナーさんと行っている、そんな普通のウマ娘、です。

そしてここはトレセン内に存在するトレーナーさんの為の遼。普通は生徒のウマ娘は立ち入り禁止らしい……のですけど、それが真っ当に守られているところを見たことがありません。

……ピーンポン。と、インターホンを鳴らします。すると中からどたどたと音が。

「はいはーい!今出ます今出まーす!」

シルフィー「あ、トレーナーさん!こんにち――」

シルトレ「んぁれ。通販じゃない……ぁれれ?」

――その衝撃に、私は一瞬脳がクラリとしました。
368 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/04(木) 23:57:28.91 ID:mA7S+uTm0
いつものスーツからは考えられない、だぼだぼの緑色のジャージ、胸元にはどこかの学校の校章が。

いつものぴっちりとした上方からは考えられない、雑に髪の毛を後ろに纏めたポニーテール。

――顔が真っ赤、お酒臭い。

シルトレ「……シルフィーじゃーん。どしたの?」

シルフィー「え、あ、え?いや、えっと、その……?」

言葉が上手く出ません。あのトレーナーさんが、あのトレーナーさんがこんな……こんな姿を。

シルトレ「ぁ、もしかしてその書類?んー……ひっく!あー、忘れてたやつかぁ、別に期限はまだ先なんだから、後で出も良かったのに……んー、でもありがとシルフィー!」

シルフィー「へっ!?あ、わ、私はお願いされただけでひゃぅ!?」

――と、突然ハグされましたぁ!?と、トレーナーさん、顔、ちかっ……!?

シルトレ「ぎゅーしたげる。ん〜……よーし、じゃあトレーナーが何かご馳走してあげる!さぁさぁ入って入って!」

シルフィー「い、いや私は――あ、トレーナーさん引っ張らないでくださいぃ……!」
369 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/04(木) 23:58:00.71 ID:mA7S+uTm0
これだけです。おやすみなさい。




シルフィー「うっ……」

それはそれは、とてもすごい部屋でした。

飲み干してある一升瓶、一升瓶、缶ビールの空き缶、空き缶、しぼんだパック酒……あと適度に散らばった着替えやらなんやら。

――以前、パピヨンさんと話したことが、まさか本当になるなんて……!

シルトレ「あー、散らかしててごめんねー。うー……もっと片しておけばよかった」

シルフィー「トレーナーさん……」

だらしのないトレーナー、飲兵衛なトレーナー。普段との天変地異みたいなギャップに、私は――。


どうなっちゃう:安価直下
1 シルフィー「こ、こんなにお酒飲んだら駄目ですよ!」
2 シルフィー「流石にだらしなすぎます!片づけます!」
3 シルフィー「トレーナーさん……」ゾクゾク
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 00:04:46.49 ID:aa3tT6BDO
1
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 10:30:11.43 ID:ebBzu6wTo
しっとりシルフィー回避!(一回目)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 19:26:02.61 ID:XSu85PrXO
シルフィーちゃんは優しくて良い子だね
パピヨンの後に育成担当ウマ娘したいけど難しそう
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 22:28:40.87 ID:+XeoN03No
高湿度になる可能性も
374 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/07(日) 02:20:35.50 ID:tQIb7vZA0
しっとりじっとりした湿度高めのシルフィーちゃんもあります。



シルフィー「こ、こんなにお酒飲んだら駄目ですよ!」

ばっ!と、私はトレーナーさんが今にも飲もうとしているお酒を取り上げます!お酒は飲んだことありませんが、体に悪いことは知っています!それに、こんな量……!

わ、私が……私がトレーナーさんの体を守ります……!

シルトレ「えーっ!?シルフィーそんな意地悪しないでよ〜!うー、酷いなぁ……」

シルフィー「そ、そんな顔しても駄目――あっ!?どこからお酒を……!」

どこからか取り出したパック酒をもう一度取り上げます!……ど、どれだけのお酒を抱えているんですか!?

シルトレ「あ"〜……私のお酒ぇ……」

顔を真っ赤にして悲しそうにわーんと、私に縋りつくトレーナーさん……ちょ、ちょっと。なんだか、ビックリしちゃいます……。

シルフィー「い、いいですかトレーナーさん!お酒を飲む量は適量!適量です!こんな沢山飲んだら死んじゃいますよ!」

シルトレ「私のお金で買ったお酒なんだし、別にいいじゃーん。シルフィーは分かってないなぁ」

シルフィー「わ、分かりたくないですよぉ!」

――結局。今日はうやむやにされて終わってしまいました……トレーナーさん、何処からあんなにお酒を……。
375 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/07(日) 02:22:05.48 ID:tQIb7vZA0
次の日。

シルトレ「それじゃあトレーニングを始めましょう、シルフィー」

シルフィー「…………」

シルトレ「……シルフィー?」

シルフィー「ぇ!?あ、は、ひゃぁい!?」

――まるで別人。昨日のトレーナーさんと、今日のトレーナーさんは、本当に別人みたいで……。

……もしかして、二重人格?なんですか?

シルフィー「……あ、あの。トレーナーさん……」

シルトレ「?どうかした?」

シルフィー「あの、お酒はもう飲まないで下さい……ね?というか、飲まないですよね?」

一応の確認。もしかしたら、昨日のトレーナーさんは夢で。本当のトレーナーさんは、お酒とかそう言うのは一切口にしない――。

シルトレ「ふふっ、安心してシルフィー……今日は飲まないから」

シルフィー「そ、そうですよね!ですよね!わ、私、なんか変な事訊いちゃって――あれ?」

……今日は?
376 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/07(日) 02:57:52.19 ID:tQIb7vZA0
休日。【貴方】はパピヨンと一緒に出かけることになった。

最近のパピヨンはトレーニング続きで、しっかりとした休養を取れていなかった……今日はじっくりと体を休めて欲しかったが――。

『自分と一緒でいいのか?』

パピヨン「え、なにが?」

キョトン、とした顔のパピヨン。いわゆるゴスロリ?のファッションを身にまとって、なんだかお人形さんみたいだなぁ……と、今日初めて見たとき思ったが、口には出さなかった。

『いやほら、自分みたいなのが一緒だと、休まらないんじゃないか?もっと伸び伸びしたいだろ』

パピヨン「あー、なるほどね〜。お兄さんとアタシが休日に私服でこんな出かけてたら〜……ぷぷ、お兄さん変態だし捕まっちゃうかもね〜」

そりゃ心配もするか〜。と、いつもの調子で笑われる。

『あのなぁ……いや、まあ。可能性はあるからな……それ』

パピヨン「え〜!?ウケる〜!ぷぷぷ!職質されたらこっそり写真で撮ってあげるねお兄さん?ウマッターで拡散しちゃうから」

『勘弁してくれ……』

……いや、流石にそこまではパピヨンでもしない。これでも担当とそのトレーナーとして付き合ってた仲だ……。

……いや、いや助けに入ってくれるよな……?。
377 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/07(日) 03:06:19.76 ID:tQIb7vZA0
最近は一日一安価で申し訳ないです。今日はこれで。

おやすみなさい。



『ゲームセンターか……』

そこはゲームセンターだった。しかし意外だ、パピヨンもこういう場所で遊ぶのか……いや、そりゃ普通の女の子だし、同級生と遊んだりもするか。

パピヨン「そうそう。行ってみたかったんだーゲーセン。最近あんま行ってなかったんだけどね」

『自分も最後に来たのは学生時代以来だな』

昔はそこそこ遊んでいたつもりだが、トレーナー資格取得の勉強を始めてからは行かなくなったからなぁ……。

【貴方】は思い出す、学生時代にゲーセンに友達と入り浸った光景を……。

パピヨン「うわ、なんか感傷に浸ってる。キモ……」

『……ほら、何をするんだゲーセンで。今日はキミの休日だ、お金くらい出すよ』

パピヨン「え、ほんと!?うわ〜、お兄さんなんかお金で気を引こうとするおじさんみた〜い!ぷぷ、まあでもお金は貰っちゃお〜」

……そういえば、パピヨンはこのゲームセンターで何をする予定なのだろうか。

結構大きめのゲームセンター。人もウマ娘も楽しそうに遊んでいるが、パピヨンは……。

パピヨンと――:安価直下
1 クレーンゲーム
2 格闘ゲーム
3 プリクラ
4 その他(自由安価)
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 03:32:42.90 ID:8vVC0zs4o
1
おつ
シルフィートレはシルフィーにだめだめな部分見られても平気なの(駄目な)大人だなぁ
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 09:04:39.22 ID:DqtnuXKDO
乙です
今は飲めないけどシルフィーが実はシルトレ以上に酒癖が悪い因子を持っていて、大人になっても交流があるシルトレが逆にしっとりじっとりする未来があったら萌える
380 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/09(火) 23:55:03.51 ID:ohGfpaIP0
『クレーンゲーム?』

パピヨン「そうそう。たまにやると結構楽しいんだよね〜」

実はアタシ、クレーンゲーム結構得意なんだよ?と、自慢げな顔で言うパピヨン。

『自分はあんまりクレーンゲームやった事無いんだよな。へぇ、ぬいぐるみとかは分かるけど、お菓子とかもあるもんなんだな』

パピヨン「10円お菓子の詰め合わせみたいなのとか、夢あるよね〜。もし取れたらお兄さんの所に補充しておかないと」

……普通にクラスメイトとシェアとかすればいいんじゃないかと思ったが。本人は何だか楽しそうなので、まあそれで良いか。

【貴方】もお菓子は好きだ。パピヨン用にお菓子をたくさん買い込んでいるから、少しずつ間食するのも増えていっている。

『……お』

色々なクレーンゲームを見ていると、それが目に付いた。

――ぱかプチ。ウマ娘グッズの中でも特に人気の高い、二頭身サイズのぬいぐるみ。基本的にG1を勝利したウマ娘や、それ以外に輝かしい成績や成果を残したウマ娘が販売されることが多いが……。
381 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/09(火) 23:57:30.67 ID:ohGfpaIP0
(……まあ、いないよな)

当然だ。ぱかプチ化の話なんて一切来ていないし、もし仮に販売されていたらそれはそれで問題だ。

パピヨン「あ、お兄さんもしかして……ぬいぐるみ欲しいの?」

『え』

パピヨン「ぱかプチじゃんしかも〜。え、なに、他のウマ娘のぬいぐるみを取って……なにするつもり〜?キモーい!」

『いや、別にそんなつもりはないけど……よし』

パピヨン「ま、確かにお兄さんじゃ一つも取れなさそうだよね〜。何百円でも無駄にして、結局成果ゼロ。似合う似合う〜!」

『……む』

そう言われると……なんだか。やってやりたくなるな。

……財布から百円玉を取り出す。

パピヨン「おっ!」

『見てろよパピヨン。キミの部屋に沢山お友達を増やしてやるからな……!』

――いざ尋常に勝負!
382 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/09(火) 23:58:56.13 ID:ohGfpaIP0
一日一安価コンマ。もうしわけないです。

おやすみなさい。




結果は:コンマ直下
1〜5 ダメでした……
6〜8 一個とれた!
9 二個も!
0 五個も!?
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 00:24:14.47 ID:REGp/fMQo
大成功
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/04/10(水) 00:33:20.53 ID:ICzuSCEYo
>>1です
パピヨンのぱかプチはないんですけどライムのぱかプチは全然あるんじゃないかなってラインな気がしてきました

G1勝ったしね
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 09:36:06.15 ID:YakAqXPc0
ぱかプチ発売はきっとG1ウマ娘である必要はないけどクラシック級以上でオープンウマ娘以上かつ人気ウマ娘じゃないといけない

だからキンイロリョテイさんはアカン子の頃からぱかプチ出てるけどオグリやルドルフと同期の1度だけ何とかG3G2勝てたくらいの娘のぱかプチは無い

あとウララのぱかプチは公式からは出てないのに公式グッズ同然の扱いで出回ってる
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 20:21:17.12 ID:IrTPpq23O
パピヨンは若干世間から嫌われよりっぽいからぱかプチもまだまだ遠そう

世間から人気になるのは本人の狙いから外れそうだけど、やっぱ人気出そうだよね
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 15:07:42.98 ID:pohnaxaoO
パピヨンちゃんのパンツの色教えてください
388 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 03:19:02.31 ID:nWgsCrME0
ワンコイン、チャレンジできる回数は三回。そしてその結果――。

『おおお取れた!』

一つ、取れた。少し緩いアームだったが、ビギナーズラックというのだろうか。

……思わず声が出てしまった。はっ、となってパピヨンの方を振り向く。

パピヨン「…………ぷっ。よかったね、おにーさん?」

『くっ……い、いいだろう別に。ほら、キミにあげるよパピヨン』

なんだか、顔がちょっと熱くなる。ニヤニヤ笑う彼女にゲームで取ったぱかプチを手渡す。

パピヨン「顔真っ赤じゃーんお兄さん。あ〜、ほんとおもしろ〜……でも、うーん」

受け取ったぱかプチの顔を、何回かふにふに。そして、パピヨンはほんの少しだけ考えて――受け取ったそれを【貴方】に戻した。

『え』

パピヨン「このぬいぐるみは、お兄さんの部屋に置くことにしまーす!ほらほら、お兄さんが持って持って〜」

お兄さんの部屋にあったら、お兄さんも触れるし、アタシも触れるでしょ?なんて提案、パピヨンにしては珍しいと感じる。

パピヨン「お兄さんさっきからぬいぐるみのパンツ気になってそうだし〜……アタシがいないときに、こーっそり確認してね?」

『キミなぁ。いや、本当にキミなぁ……」

パピヨン「あ、もしかして……ぬいぐるみじゃなくて、アタシのおパンツの方が気になっちゃったりして――ひゃぁん!?」

流石に止めておいた方が良いと思ったので、少し手加減をして額にデコピン。

『ほら、他のも見に行こう。まだまだありそうだぞ』

パピヨン「うわーん虐待虐待!担当トレーナーに暴力されました〜!」

『あ!こら大きな声で言わない!ああ、もう分かったから!あとで何か奢ってあげるから、な!?』

パピヨン「それそれ〜!お兄さんはそれでいいの〜!ほんとお兄さんって弱すぎ〜!」

――ゲーセンのゲーム代。お昼代、その後のショッピング代。

…………暫くは、節約しないといけないな、と【貴方】は空っぽになった財布を見て思う。
389 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 03:38:34.81 ID:nWgsCrME0
すみませんこれだけです。次、G3ユニコーンステークスでリベンジステラライムやります。

おやすみなさい。

>>385-386
人気がしこたまあれば重賞勝っていなくてもぱかプチ発売されたりしそうですよね。分かります。

>>387
キミが思う色がきっとそうだよ!
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 09:42:58.59 ID:xqYfDOLFo
流れる様な私物?のトレ部屋設置
コイツ……やはり"強者"側だな?
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 09:45:03.45 ID:mnHAZXTRo
見てるかファル子
こうやるんだ
392 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 21:45:18.91 ID:nWgsCrME0
流れるように殴られてるファル子かわいそ……

パピヨンは攻め攻めだけど攻められるとくっそ弱いと思ってます。弱い。

すみません、ユニコーンステークス延期します。やりたいことあったので。



パピヨン「バレンタイン?」

――二月。なんだかクラスが浮足立っているのが気になったからスカーレットに訊く。

ダスカ「そ、アンタもトレーナーにあげたりしないの?明後日にはバレンタインだけど」

パピヨン「え〜?誰が誰にチョコあげるって〜?まあ、お兄さん女の子からチョコとかもらった事無さそうだし〜?」

バレンタインとかにはあんま興味ないけど、お兄さんをからかう材料に出来るのは面白いかも?

ダスカ「……そうかしら?アタシ、アンタの「お兄さん」は結構貰ったりしてそうだと思うけど?」

パピヨン「は?」

――目の前のおせっかい同級生は何を言って?ははーん、お兄さん知ったかぶりだな?

ダスカ「アタシが言うのもあれだけど――トレーナーってモテるのよ?結婚したい職業ランキングとかでも結構上位だし……」

結構モテそうな顔してると思うわよ?アンタのお兄さん。ちょっと老け顔な気がしなくもないけど。

パピヨン「…………」
393 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 21:46:16.30 ID:nWgsCrME0
ウオッカ「よう!何の話してんだよ、パピヨンにスカーレット!」

パピヨン「……別に何の話もしてないけど〜?」

空いていた隣の席に勢いよく座るのはウオッカ。スカーレットの同室で、分かりやすいくらいのライバル。

……あんまり話したことはないけど、結構良い子。うん、雰囲気というかなんというか。

ダスカ「バレンタインの話よ、バレンタイン。ウオッカもトレーナーとか出来たらバレンタインチョコ渡すでしょ?」

ウオッカ「なっ……!?な、ななな!?おま、スカーレット!俺はそんな……!」

ダスカ「……まあ、トレーナーがまだいないアタシらが考えても仕方ないけど」

パピヨン「…………」

チョコ。チョコ?え、お兄さんモテるの?いや、いやいやそんなそんなバカでしょ?だってお兄さんとかキモいし変態だし――顔とか、いや。顔は……いやいやいや。

ウオッカ「うぅ……ま、まあ感謝の気持ちで、とかで渡すことはあるかもな!パピヨンも渡したいなら渡せばいいんじゃねーか?」

パピヨン「感謝……」

…………感謝の気持ち。

ま、それなら、別に変じゃないかも?仮にもトレーナー、なんだし。そう、そうだよね。チョコとか、別に普通……。

パピヨン「ま、まあ〜?それなら、全然、チョコとか……いや!お兄さんってばきっと寂しい思いしてるから、しょうがなく!」

――そうと決まれば材料を買ってこなくちゃ!ぷぷ、お兄さんってば、美味しいチョコ食べて気持ち悪い笑顔浮かべちゃったりして〜?

ダスカ「……別に手作りじゃなくてもいいと思うけど」

ウオッカ「そうか?感謝の気持ちって言うなら、やっぱ手作りだろ!」

ダスカ「アンタ、そういうところ律儀よね〜……あいつもだけど」
394 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 21:48:48.21 ID:nWgsCrME0
パピヨン、お菓子作り腕前:コンマ直下
01に近いほどダークマター、00に近いほどめちゃうま
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 21:49:31.08 ID:+EhXIajDo
どーだ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 21:50:53.89 ID:+EhXIajDo
芝生える

ごめん
397 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 21:54:30.16 ID:nWgsCrMEo
スマホテスト

お前何でも出来る器用っぽい感じ出してたじゃん!
398 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 22:00:18.38 ID:nWgsCrMEo
何でこうなっちゃうの:安価直下

1 単純にへたくっそ
2 アレンジしちゃいまくる
3 自由安価
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 22:04:02.63 ID:FVdsuRCt0
3 背伸びして上級者向けのレシピに挑戦してしまった
400 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 23:04:59.75 ID:nWgsCrME0
材料とレシピ本を買って、早速キッチンへ。アタシ以外にも何人かウマ娘がいて……チョコの甘い匂いが広がっている。

ああ、皆チョコとか手作りするんだ。なんて思った。まあ、アタシもそうだけど。

パピヨン「さーてと」

――ま、アタシにかかればチョコくらい余裕だし?料理とかあんましたことないけど、まあやればそこそこできちゃうタイプだし?
401 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 23:05:54.96 ID:nWgsCrME0
パピヨン「…………」

出来たのはなんだかぐちゃぐちゃとした泥っぽいチョコ。なんか焦げ臭いし、なんか……ダメなやつ。

パピヨン「チョコ難しくない!?」

本だとさも簡単にやってるけど全然出来ないんだけど!?無理して結構色んな材料買ってきたんですけどこっちは!?

パピヨン「う"〜……」

まずい、まずいまずい!このままだと――お兄さんにチョコ渡せない!

確かにちょっと上級者向けっぽいレシピを買ってきちゃったけど……だって出来ると思ったんだもん!出来る気がしたし!


どうするパピヨン:安価直下

1 助けを呼ぼう
2 アタシに出来ないことはな!自力で!
3 自由安価
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 23:08:27.94 ID:hq3LDdz10
2
403 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 23:20:15.41 ID:nWgsCrME0
パピヨン「…………」

スカーレットとかウオッカ、あとライムとかシルフィーとか……うん。アタシの周り結構料理上手そうな子多い。

誰かに頼めば、きっと上手くいくんだろうけど……。

パピヨン「……なんかやだ」

そう、なんかやだ。からかわれそうだし、なんか笑われそうだし。

アタシに出来ないことはない!今は始めたばかりだから、ちょっと上手くいってないだけ!

パピヨン「よ〜し……」

ほっぺたをパシっと叩いて気合いを入れる。どれもこれも全部お兄さんのせいだ、だから後で色々して貰わなくちゃ。

――レシピと向き合う。ネットの力も使って、どうにか形にして――いや、完璧なものを!

結果は?:コンマ直下

コンマが高いほど上手に出来ました!低いと当日に完成させられて無さそう。
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 23:29:55.18 ID:FVdsuRCt0
高く
405 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/14(日) 23:35:57.64 ID:nWgsCrME0
そう言えば、作ろうとしてた上級者向けレシピのチョコって……:安価下1〜2



チョコの形とか、どういうチョコかとか。

チョコケーキとか、クッキーとか生チョコとか。分かれば大丈夫です。
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 23:40:37.11 ID:yDUPPkk+o
背伸びということでウイスキーボンボン
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 23:48:06.75 ID:mnHAZXTRo
ザッハトルテ
408 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/15(月) 00:19:56.60 ID:N9CdD/Zv0
パピヨン、お酒飲んでどうなるか:安価1〜2



決めてないけど一応やっておきます。また暫く出来なさそうです。

それじゃあ今日はこれで、おやすみなさい。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 00:43:45.90 ID:VbJgFWnho
おねむになるタイプ
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 00:47:20.43 ID:odpBughN0
理性が吹っ飛んでその場の感情で行動するようになる

暑い→即脱ぐ
眠い→即寝る

って感じ
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 01:09:00.93 ID:o517aRKyo
おつ
>>399で今回はヤバいもんできる?けど通常時の望みはまだあるようになったの上手いなあ
412 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/16(火) 00:23:47.06 ID:pg5HTNuj0
バレンタイン当日。パピヨンのトレーニングはお休みということで、【貴方】は溜まりに溜まっていた仕事を黙々と片していた。

『…………』

いつもは騒がしいトレーナー室も静かで、この日は絶好の仕事日和だった。が、しかし……。

『……そういえばバレンタインか。今日は』

ふと思い出す、昨日先輩トレーナーがそんなことを言っていたのを。

何でもバレンタインの日は担当ウマ娘からチョコが貰えるのだとか。義理なのは分かるが、それでもやっぱり嬉しいと。ウキウキな様子だったのを。

……バレンタイン。学生時代から縁のないイベントだった、貰えるのは大抵親からだけで……いや、しかし。今ウマ娘のトレーナーとなった今、【貴方】はパピヨンからのチョコを――。

『いや、貰えてないな』

時刻はもう夜遅い、もうパピヨンは部屋でごろごろしている頃だろう。チョコを渡すならもうとっくに渡しているだろうし、そもそも……義理だとしてもチョコを渡してくれるか?

『貰えたとしても、なんか凄い奴だろうな。凄い辛いとか、酸っぱいとか……』

まあ、貰えないものを考えても仕方がない。そろそろ終わりそうな仕事を茶っちゃかと片付けて、着替えて眠ろう――と、その時。

こんこんこん、と。なんだか小さなノック。

『……?はーい』

こんな時間に一体誰が、と思いながら【貴方】は扉を開けると――。

パピヨン「ふぁぁあ……」
413 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/16(火) 00:24:19.58 ID:pg5HTNuj0
『パ、パピヨン……?』

パピヨン「んぅ……おにーさん、ふぁぁ。入れてー……」

眠そうな目を擦っている担当ウマ娘がそこにいた。門限の時間はもう過ぎているだろうに――。

『い、いや。パピヨン、もう門限の時間過ぎてるだろう?早く戻らないと』

パピヨン「なんでぇ……?んむ……ほら、おにーさん、ちょこ……ちょこ作ったから」

……パピヨンの手には、小さな包み袋。ちょこ、チョコを、作ってくれたのか?

…………いや、いやいや。それは嬉しいが、それでも今は。

『チョコ作ってくれたのか?こんな時間まで……その気持ちは嬉しいけど、パピヨン。今日はもう帰って――パピヨン!?』

チョコの入った袋を【貴方】に手渡すと。彼女はふらふら〜っと、トレーナー室に入り。よたよたと、【貴方】がよく仮眠に使うソファに向かって行き……。

パピヨン「ぐぅ………」

そのまま、横になって。一瞬で眠ってしまった。

『ぱ、パピヨン!?パピヨン!?!?』

急いで駆け寄って名前を呼ぶ。しかし、彼女は一向に起きる気配はない、あまりにもぐっすりと眠ってしまっている………。

………そして、気づいた。アルコールの匂い。

『……ウイスキーボンボンか?』
414 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/16(火) 00:25:40.30 ID:pg5HTNuj0
おやすみなさい。



まさか、味見をし過ぎてこんなになってしまったのか?ウイスキーボンボン自体、子供でも食べれるものではあるが、どれだけの量を摂取して――。

………いや、それだけ【貴方】に美味しいチョコを渡したかった。そう考えるととても嬉しいのだが、それがウイスキーボンボンでなければの話。

パピヨン「むにゃむにゃ………んむぅ、んぇ………」

『……はあ』

……まあ、今回だけ許してあげよう。気まぐれでワガママな彼女の、好意を。素直に受け取ろう。

しかし。そんな彼女をどうしたものか。

パピヨン「えへ………おにー………しゃん………むにゃ」

どうしようか。:安価直下
1 ………寮長には後で自分から言っておいて、ここで寝かせてあげよう
2 いや流石に駄目か、寮まで運ぼう
3 自由安価
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 00:33:23.03 ID:KFFLZjEDO
2
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 20:18:24.87 ID:LQvNto/E0
デコに肉、頬にヒゲ、太腿に正の字とかのイタズラしてやればいいものを
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 20:25:54.31 ID:MiURZLkRo
二人の関係知れ渡ってて寮長にも無警戒でパピヨン受け取ってもらえそう
418 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/17(水) 01:07:44.40 ID:qm5uoAoRo
こんばんは、すみませんこんな時間に安価です

おやすみなさい



パピヨンの寮:安価直下
1栗東
2美浦
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/17(水) 01:14:42.13 ID:1+F9kdFNo
2
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/17(水) 20:42:25.96 ID:YYxxc47g0
421 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/18(木) 23:50:14.00 ID:E2mbfavJ0
この部屋で気持ちよく寝かせてあげよう――と、そう思ったが流石に不味いと思い寮まで運ぶことにする。

だが起こすのも申し訳ない、こんなになってしまうまで頑張っていたんだ。しっかり休ませてあげるのが、【貴方】の役目だろう。

『さて』

………どうやって運んだものか。

パピヨン「すぴー………んえぇ」

こうやって寝ている姿は年相応なんだがなぁ、ああ涎なんて垂らして。

口周りの涎をティッシュで拭う。さて、どうしたものか………。
422 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/18(木) 23:51:14.73 ID:E2mbfavJ0
ヒシアマ「おいおいそこのアンタ!トレーナーはこの先立ち入り禁止――っとぉ?」

『すみません、この子をお願いしたいんですけど……』

美浦寮。そこは学園の向かいに存在する二つある寮のうちの一つ。そこの寮長であるヒシアマゾンに引き留められ、【貴方】は止まる。

まあ、もとより寮長を頼る予定だったので都合が良かった。と、【貴方】は暢気に考える。

『確かこの寮ですよね、シルヴァーパピヨンは』

ヒシアマ「……ははーん、なるほどね。事情は大体理解したよ」

彼女は【貴方】とパピヨンを見て、にやりと笑い。小さな声でそう言った。

ヒシアマ「それにしてもまあ、とんだお姫様だねぇパピヨンは。随分と幸せそうじゃないかい」

『……そうですかね』

トレーナー室から、その小さな身体をひょいっと持ち上げ、出来るだけ起こさないように運ぼうとした結果――【貴方】はお姫様抱っこでパピヨンを持ったまま、寮まで向かった。

持ち上げたときにあまりにも軽すぎて「軽っ!?」と声が出てしまうくらい、パピヨンは軽かった。まだまだ中学生の彼女なのだから、それも当然と言えば当然だが……なんだか心配になってしまう軽さだった。

この身体でよくあの速さを出せるものだ……もう少し食事に気を使った方が良いのかもしれない。

ヒシアマ「おおっと、ほらほら部屋に戻りな!それじゃ、パピヨンのトレーナーもお疲れさま、このお姫様は貰い受けるよ」

ざわざわと様子を見に来た寮のウマ娘たちが、ヒシアマゾンの一声で散っていく。【貴方】はお姫様抱っこですやすや眠っているパピヨンを、彼女に渡す。

『すみません、それじゃあよろしくお願いします』

――そして、【貴方】はトレーナー室に戻る。

机に置いていた、その包み袋を開ける。中には不揃いの形をしたウイスキーボンボン、触れてみるとなんだか妙にざらざらしていたり、ちょっと溶けかかっていたり……。

『……強いなぁ、アルコール』

そのウイスキーボンボンは、とても強い大人の味わいだった。
423 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/19(金) 00:04:45.54 ID:EVZNfKtO0
次やるイベント。これ終わったらレースで。

今日はこれで終わり、おやすみなさい。



次のイベントは――:安価直下
1 パピヨンのお腹がぷにっとする話
2 パピヨンが【貴方】にちょっと色仕掛けする話
3 【貴方】がパピヨンにホワイトデーお返しする話
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 00:10:34.43 ID:VVDSTHkT0
1
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 00:21:35.41 ID:obGABNKho
トレーナーさんの手も早かった!?
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 17:35:36.18 ID:wwl5qcxEO
色仕掛けってもしかしてイメ損?
オリウマだしセーフか?
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 18:43:52.88 ID:ffh4xHJWo
お茶の間で見れる程度ならええんでね
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 19:55:04.26 ID:wwl5qcxEO
パピヨンのデカチチを背中に押し当てたりとかは見たいけど厳しそうか
トレーナー童貞だろうしイチコロで
429 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/23(火) 00:23:23.35 ID:9fDlIuE/0
いつも通りの平日。【貴方】の担当ウマ娘シルヴァーパピヨンはトレーニングを終え、トレーナー室のソファでぐでーんとだらけている。

パピヨン「ぷはは!なにこれおもしろ〜!んむっ……もぐもぐ……ぷ、ぷぷっ!」

『……』

スマホを片手にショート動画。もう片方ではスナック菓子をむしゃむしゃと。まるで自宅かのようにだらけ、緩み切った担当ウマ娘。

いや、別に怒るつもりはない。これだけだらけた姿を見せてくれるというのは、信頼されている……信頼されているのか?トレーナーという立場でありながら、ちょっと舐められているのではないか?

『…………』

パピヨン「……ちょっとおにーさーん。何アタシのこと見てるの〜?ぷぷ、アタシはさっきのトレーニングで疲れてるんだから、足のマッサージくらいしてもいいんじゃないの〜?」

脚をバタバタさせながら、彼女は自分にそんな要求。マッサージならさっきうんとやってあげたんだが……というか、さっきからその姿を見ていると……思う。

『キミ、ちょっと……ふっくらしてないか?』

パピヨン「…………は?」
430 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/23(火) 00:23:49.26 ID:9fDlIuE/0
パピヨン「うわ、うわうわうわうわ!うーわー!それセクハラ!?お兄さんそういうことする人!?」

『いや、前々から思ってたが……全体的に肉付きが』

パピヨン「きも!お兄さんきも〜い!そんなんだから彼女も出来ないんだよ〜!?」

――なんで自分はここまで言われなくちゃいけないんだ。

『なあパピヨン、前のバレンタインの時に味見で沢山チョコを食べたりしてたよな?それ以外にも今みたいに寝っ転がりながらお菓子を食べたり……』

ちょくちょくお菓子を補充はしているが、最近はその消費量もどんどん増えていっているように思える。

パピヨン「むぐっ……べ、別にーじゃん。ちゃんと走ってるし、体重とかも――」

『増えてないのか?』

パピヨン「…………変わってないですけど〜?」

……ちょっとかまをかけてみるか。

『――トレーニング中に見えるお腹と結構ぷにっとしてるよな。キミ』

パピヨン「――はぁ!?!?!??!?」

さっきまで寝そべっていたパピヨンが、大きな声と共に起き上がる。

パピヨン「は、いや!お腹って――なんでバレ……!?この、変態!担当のお腹見るとかキモ!キモキモキモ!変態変態変態!」

『………ダイエットするか』


パピヨン「やだやだやだ!ダイエットとかやりたくない!別に脚が遅くなったりしてないでしょ!?それにアタシちょっと痩せ気味だったし!」

『確かにキミは軽い方だが――太り気味はトレーニングにもレースにも支障が出るからなぁ』

パピヨン「う"〜……じゃあちょっとお菓子食べるの我慢するから!もうそれで良いでしょ!?」

『……それだけで痩せれるとは思わないがなぁ』

――次のレースまでもうそろそろ。これは早急に対応をしなくては。
431 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/23(火) 00:26:43.04 ID:9fDlIuE/0
お久しぶりです、そしてこれだけです。おやすみなさい。

色仕掛けはちょっと腕に胸を押し当てたりとかそれくらいです。あとハグとか。まあ程々くらいの気持ちで。

まあ多分童貞だろうなとは思います。



どうしよう:安価直下
1 とりあえず練習量増やそうか
2 友情トレーニングで脂肪を燃焼
3 ……痩せたらご褒美あげるよ
4 自由安価
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 00:33:07.32 ID:KYnOJluDO
2
433 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/23(火) 00:36:39.61 ID:9fDlIuE/o
ごめんなさいもう1安価します

一緒にトレーニングしたいウマ娘を2人まで募集します。安価下3までで

まだあってない子でも行けそうなら行きます。
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 00:44:35.41 ID:/q6Qj74e0
ライムとダスカ
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 00:48:01.03 ID:KYnOJluDO
シルフィーとライム
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 01:30:50.76 ID:F5jvLtAQo
ライムとマンティス
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 06:37:30.49 ID:HE0/QH6H0
何て事だ出遅れた

保健室連れ込んで痩せる様な事すればいいじゃん










不審者の生け贄にしてブスッと大成功するまで笹針フルコース
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/25(木) 00:59:34.24 ID:YZLf9pKvo
全部にライムいて草
やっぱライバルに見られることで練習にも力が入るんすね
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/04/27(土) 10:38:54.51 ID:8x2nbSD20
テスト
440 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/28(日) 01:44:42.33 ID:X4VoLRJT0
パピヨン「――――うっ」

ダイエットの話をしたその翌日。【貴方】はパピヨンをダートコースに連れていくと、パピヨンはあからさまに――嫌そうな顔をした。

ライム「あ、パピヨンさーん!こっちですこっち!」

マンティ「きょ、今日は、よろしく、お願いします……!」

――まさか連絡を入れた次の日には付き合ってくれるとは思わなかった。二人のトレーナーの懐の広さには感謝しかない。

(……まあ。敵情視察とか、そういうのだろうな)

同じダートを走る同期のウマ娘。マンティスは勿論、次のレースで戦うことになるライムも合同練習に付き合ってくれたというのは……きっとそういうことだろう。

これを機会に改めてパピヨンには根性を、そして肉体を手に入れて欲しいという意図が殆どだったが。こちらもライバルの走りを今一度確認しておくべきだろう。

パピヨン「帰る」

マンティ「え……えぇ〜!?」

ライム「あー!パピヨンさんが帰っちゃう!ちょっとパピ……パピヨンさーん!」

『こらこら』

パピヨン「うぁ〜!併走トレーニングとか聞いてないんですけど!しかもこの二人!はず〜!」

首根っこを掴んで、むりむりパピヨンを二人の元に連れて行く。

――思いっきり脚を蹴られた!痛い!
441 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/28(日) 01:45:44.17 ID:X4VoLRJT0
――――という訳で。マンティスとライムに手伝ってもらい一緒にトレーニングをすることになった。

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ〜……!」

ライム「ほらほらパピヨンさん!まだまだ走りますよ!」

マンティ「ほっ、ほっ……だ、ダイエットだもんね。沢山走って、燃焼、しよ〜……」

パピヨン「マンティが美味しいお菓子持って来たのも原因だと思うけど〜!?」

マンティ「え、えぇえぇ!?ご、ごめっ……ごめんなさいぃ……!」

ライム「あー!人のせいにして!パピヨンさんそういうところよくありませんよ!」

……結構な時間走り込んでいるというのにまだまだ息を切らしていないライム。マンティスも少し息を切らしているが、ここから一気に最高速で突っ込んでくるだろう。

パピヨンも普段ならそろそろ休憩を始めそうだが、まだ走り続けている。……うん、普段からそうしてほしいがこれを言うと逆効果だろう。

ライム「それにしても、この時期に私と練習だなんて……パピヨンさんのトレーナーさん、度胸ありますよね」

私としてはとても嬉しいんですけど、トレーナーさんは渋い顔していましたよ!

ライム「……シルヴァーパピヨンの走りを今一度確認してきて欲しい。なんて言われましたけど――どんな走りをしようが、私が勝ちますから」

パピヨン「――は?」

ライム「おっと、ちょっと本音が」
442 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/28(日) 01:48:38.61 ID:X4VoLRJT0
パピヨン「――――へー、上手いじゃん、敵を煽るのが。そんなやっすい挑発、アタシは買わないけど?」

マンティ「あ、あの……!もしかしてそれ、私も……ですか?」

ライム「ふふっ、どうかなー?言っておきますけど、私は誰にも負けませんよ?」

強いライバル、強い相手、全身全霊で戦って――最後は私が勝つ。

……そうだ。ライムって温厚な性格だけど……実は結構、こういうところがある。

思えば初めて会った時もライムから併走トレーニングを申し込んできたし。ライバル宣言だって、あれはアタシを認めて、戦いたかったから――。

パピヨン「はっ……!」

ついでみたいにマンティも殴ったし。あーあー、この同世代ダートナンバーワン候補め。敬語で調子に乗ってる。

マンティ「――――私も、貴女と戦います、から……刈り取って見せます。ライム、さん……」

ライム「へぇ、マンティさんも結構言うんですね!ふふ、貴女のレース映像は沢山見ていますから、早く実際に体験させてくださいね!」

パピヨン「――とりあえず、その伸びに伸びまくった天狗の鼻、アタシがぶち折ってやるから。覚悟しておきなよ」

ライム「そのお腹でですか?」

パピヨン「うぐぅ!?」

――あ、あー!ライムが言った!言った言った!

マンティ「な、なんて、酷い事を……!」

ライム「今の私はこれくらい言っちゃいますよ〜?さあさあ!どんどんペース上げていきましょう!」

パピヨン「や、痩せたらライムも追いつけないくらい早くなって――!次のレース覚悟してよほんと!」

ライム「あはは!じゃあ早く痩せないとですね!」

――――こうやって、アタシたちは陽が暮れるまで走った。お兄さんが止めなかったら、多分ずっと走ってたかも。
443 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/28(日) 01:49:18.30 ID:X4VoLRJT0
ライム「じゃーん!見てみてこの引き締まったお腹〜!見惚れちゃう美しさ!」

『ぶっ!?』

暫くしたある日、ライムは体操服を捲り、そのお腹を露出した。

『……パピヨン!いきなりそんなはしたない――!』

ライム「ぷぷっ!でもぉ?おにーさんがアタシのお腹ぷにぷにとか言ったんだよ?じゃあ確認するべきじゃな〜い?」

『だとしてもだなぁ……!』

ライム「は〜これだからお兄さんは……キモ変態なんだよね。んま、それがお兄さんなんだけど」

――ダイエットには成功した!さらに前の練習のおかげか、最近の練習にもやる気を見せている。

さあ、本番まであと少し。ユニコーンステークスが――始まる!
444 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/28(日) 01:55:14.68 ID:X4VoLRJT0
こんな時間にお久しぶりです。そしてお休みなさい。

ブラックマンティスのトレーナー安価をします。そろそろ登場しそうな気がするので。

ライムやシルフィーの時のように送って貰えると嬉しいです。


ブラックマンティスのトレーナー:安価下1~3
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 07:59:38.73 ID:IE0c13JPo
車椅子を使う芦毛のウマ娘のトレーナー
現役時代は将来を期待されていたが、レース中の怪我で夢を諦めざるをえない事になる
厳しいときには厳しく、優しい時には優しい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 08:17:02.51 ID:w1/nwXQro
ウマ娘と体力勝負できるフィジカルエリートの奇行種♂

やりたいことをはやりたいようにやっていいと背中で語る為に1割増しではっちゃけてると職歴が長いトレーナー達は知ってる
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 08:23:21.70 ID:mEzkS7jDO
いつも和服を来ている小柄で華奢な合法ショタ
おっとりと物腰柔らかで性格は老成している
年齢不明
448 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 03:34:55.99 ID:6qNrfZSx0
ユニコーンステークス。G1ジャパンダートダービーの前哨戦の位置づけとなるレースであり、同世代の有力なダートウマ娘が出走するレース。

『……と、いう訳で。キミのリベンジ相手であるステラライム以外にも沢山の強敵が集まることになる。今から同じレース相手の走りを見て貰うが――』

パピヨン「それ、意味ある?結局のところ、アタシが常に前を走って勝ち!これだけじゃない?」

――と、ソファにもたれ掛かりながらぶーぶー文句を言う、【貴方】の担当ウマ娘。

まあ、言いたいことは理解できる。常に全力で走り、それで勝てるのなら他のウマ娘の走りや作戦なんて考える必要がない。

『けど、それでキミは前負けただろう?』

パピヨン「むっ」

あのG1の舞台で、キミは最後ステラライムに差されて負けた。負けて、キミは悔しいと言って、次は負けないと心に決めた。

『軽く頭に入れておくだけでもいいよ。このウマ娘はこのタイミングでそろそろ仕掛けてきそうだ、とか。そういうのを覚えておくだけでも、キミは十分走れるだろう?』

――パピヨンは基本、序盤の段階からトップスピードを維持してスタミナが切れてもなお粘り続ける。そんな逃げの走りをするウマ娘だ。

途中で息を入れたりはあまりしない――だからこそ、そろそろ相手が来そうな時に、根性を入れる必要がある。

パピヨン「……ま、アタシそこそこ出来るし?ちょっと見てすぐ覚えて、早くトレーニングに行っちゃうもんね」

『その意気だパピヨン!それじゃあ、まずはこの――』

競争相手一人一人の走りと説明をし、一緒にレースの解説も入れながら。事前の情報共有を終えておく。【貴方】の話を聞くパピヨンの姿勢は、存外真面目だった。
449 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 03:36:31.67 ID:6qNrfZSx0
――――レース当日。東京レース場。梅雨の時期だというのに雨は降っておらず、快晴の青空だった。

『……どうだ?調子の方は』

パピヨン「ん、別にいつも通り……いや、ごめん嘘ついた。ちょっと緊張してる」

控室。体操服に着替えたパピヨンは、【貴方】の問いに対して少し間が空いた後そう答える。

パピヨン「リベンジのつもりで今日負けたら、なんだか格付け完了されちゃうみたいでなんか嫌でしょ?ライム相手にそれはなんか悔しいし、ムカつく」

『はは……じゃあ絶対に勝たないとな。大丈夫、キミが頑張ったことは自分が良く知っているよ』

いやサボったりもしてたし、ダイエットとかもあったけど――それで、あの敗北の日から彼女のトレーニングに対する向き合い方はうんと変わっている。やるときはしっかりとやる、そんな子だ。

『……じゃあ、行ってこい。キミが――ステラライムの「ライバル」になってこい』

パピヨン「――うん。行ってくるよ、お兄さん」
450 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 03:37:40.98 ID:6qNrfZSx0
ゲート前。軽く準備運動をするアタシに、一番人気が話しかける。

ライム「――前のダイエット以来ですね!パピヨンさん!」

パピヨン「ダイエット言うな!併走トレーニングって言え、併走トレーニングって!」

ライム「ふふっ、ごめんなさい。どうです?あれからきちんとトレーニングはしましたか?」

なんて余裕の表情。これが一番人気の余裕って奴?

……いや、ライムはそういう油断とか慢心はしない。この表情だって、アタシにはそう見えるだけで……。

パピヨン「……ふん。今から戦う相手の心配?言っとくけど――今日は勝つよ」

ライム「いいえ、今日も私が勝ちますよ!では、後の話はレース後に!」

そう言い残して、ライムはゲートに向かって行く。その後ろ姿には、なんだかオーラのようなものが見える。

……いいや、負けない。きっと、勝つ。

――ライムの期待に、お兄さんの期待に。あんなに嫌いだった期待に――応える番だ。
451 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 03:46:22.67 ID:6qNrfZSx0
こんな時間にしか更新出来てなくて申し訳ないです。おやすみなさい。


ユニコーンステークス、結果は――:コンマ直下

1 これが「ライバル」だ――!
2〜5 ギリギリの勝利!
6 ギリギリの負け……
7 2着
8 3着
9 掲示板
0 おおっと
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 06:04:55.49 ID:8OM1+03DO
乙です
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 11:19:51.83 ID:08mggUUNo
おつおつ
くっ…流石に中々相手もお強い
454 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 12:13:37.59 ID:6qNrfZSxo
うーん中々勝てないですねぇ、しかもガッツリ負けてる……



メンタルダメージ!:コンマ直下

1〜2 ちょっと泣きそう…
3〜6 ボロボロ
7〜9 ごめっ…やぁ…
0 お兄さんに相談があります
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 12:15:25.35 ID:o3rdANIq0
なんとか軽く
456 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/29(月) 12:39:31.07 ID:6qNrfZSxo
まだ、大丈夫?

次のレース決めていないので近いうちにレース安価とかやったりします。暫く休んだり、沢山レースしたり、パピヨンを勝たせてあげてください。
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 13:13:48.03 ID:08mggUUNo
まかせろー!
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 19:53:02.01 ID:O4sCIf6l0
エロい人が言ってました、まだ大丈夫はもう危ないって

お出かけしてカップケーキ投与しつつアンクル着けてブートキャンプしなきゃ
459 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:04:05.12 ID:dsRGtLN30
――梅雨の時期に燦燦と輝く太陽の下、東京レース場。砂塵が舞う中で15人のウマ娘がゲートに入ります。

――一番人気は勿論このウマ娘、ステラライム。全日本ジュニア優駿優勝ウマ娘としての実力を見せつけることはできるか。

――二番人気、シルヴァーパピヨン。前走ではステラライムに敗れ、このレースでリベンジなるか。

大丈夫、大丈夫。アタシなら――勝てる、今のアタシなら、強くなったアタシなら――。

――各ウマ娘、ゲートイン完了。出走準備が整いました。

――さあ、今まさにゲートが開く!G3ユニコーンステークス、スタートいたしました!
460 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:05:29.72 ID:dsRGtLN30
パピヨン「――っ!」

――ほぼ揃った出だし、その中からスーッと前に出て行くのは7番シルヴァーパピヨン。やはりのこのウマ娘が先頭を走ります。

スタートダッシュは完璧。後ろからは、事前に知っていた3番と11番、そして12番のステラライム。

うん、分かる。大丈夫、アタシはちゃんと走れてる、なんなら今までで一番――調子が良い!

――7番シルヴァーパピヨン、どんどん前へ行く。その後を追うように、3番と11番、そして一番人気12番ステラライム。

――しかしどうでしょうか、少しかかり気味かもしれません。

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ……!」

コーナーを曲がり、向こう正面。まだ全然余裕!もっと、もっと走って!どんどんどんどん前に進んで――!

このまま逃げ切る!そして、今度こそ、アタシは、アタシは――!

パピヨン「はっ、ははっ、ははははっ――!」

――シルヴァーパピヨン独走!これはこのまま逃げ切るか!?四バ身、五バ身離れて、11番、8番、3番……中断には……。
461 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:06:31.12 ID:dsRGtLN30


『…………パピヨン?』

真っ先にパピヨンの走りの違和感に気づいたのは【貴方】だった。

いつもと変わらないパピヨンの逃げ。掛かり気味、とは思わない。今のパピヨンだったらあれくらい前に出たとしても十分走り切れるスタミナがある、そう確信がある。

――しかし、どこか妙な走りだった。まるで、何かに追われているような、後方のウマ娘からとか、ステラライムから追われているとか、そういう話ではなく――もっと、精神的な。

『…………』

何か焦っている、何か縛られているような――今までの自由に楽しく走るパピヨンの逃げとは正反対の、そんな逃げ。

――しかし、もうレースは後半戦。【貴方】はもう見届けることしか出来ない。

462 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:07:38.17 ID:dsRGtLN30


パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!もっと、もっと先――!」

――第3コーナーを曲がり、最終コーナー。他のウマ娘がそろそろ仕掛けてくる。勿論、あのステラライムも。

気合いを入れろアタシ!スタミナの最後の最後まで使い切って、後は気合いと根性で!

スタミナはまだある!だから、この瞬間!もっと腕を振れ!脚を動かせ!それで、それで――!アタシは勝てる!

心臓がバクンバクンうるさい!今にも肺がはち切れそう!だけど、それでも!

今まで裏切ってた期待に、ようやく初めて応えられて――!


パピヨン「――――ぁ、れ?」


――――最終コーナーから最終直線。脚に力を入れ、踏み出した瞬間。

――――ガクン、と。全身から力が抜ける。


――さあ、最終コーナー!先頭のシルヴァーパピヨン、このまま逃げ切れるか!後ろのウマ娘との差は縮まってきている!

463 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:10:26.78 ID:dsRGtLN30

腕が動かない、脚が動かない。心臓だけがうるさくて、周りの音が、何も聞こえない。

パピヨン(なんで――なんでなんでなんで!?動くでしょ、いつもなら動くじゃん!?意味分かんない、分かんない分かんない分かんない!)

ライム「っ!やぁあああああああ!!!!!」

――さあ後方から一気に12番ステラライム!そしてそれに並ぶように11番と8番のウマ娘が迫る!

パピヨン(ライムが、来る。早く走らないと、逃げないといけないのに――なんで、どうして――)

力が入らない。まるでもうスタミナを全部使いきっちゃったみたいな、そんなはずないのに、だって。今日、アタシはライバルになるんだって、ライムがあんなにアタシに――!

パピヨン「ぁ……」

ライム「――――!」

――アタシの視界に、ライムの背中が、映った。

それに続くように一人、また一人とアタシを追い抜いて行って……。

それで、アタシは――。

――ステラライムゴールイン!無敗の連勝記録は未だに継続!2着は11番、そして3着は8番の――。

464 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/04/30(火) 01:16:44.05 ID:dsRGtLN30
とりあえずこれだけです。おやすみなさい。
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 01:19:28.04 ID:ndTKmKGro
おつ
掛かっちゃたかー
これパピヨン元来はすげー頑張り屋っぽいのでは?
466 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/05/01(水) 01:38:22.51 ID:TLTvYtE00
「――君の走りは凄いなシルヴァーパピヨン!今の年でその速さなら、きっとダート重賞……いやG1勝利だって夢じゃないな!」

――小学生の頃の記憶。誰かが言ったこんな言葉を、アタシはずっと覚えていた。

走ることがずっと好きだった。思うがままに走って、大地を蹴って、風を感じて……それが何だか楽しくて、気持ちよくて。だからずっと走っていた。

フラワー「パピヨンちゃん凄いね!私はあんな力強くダートは走れないから……でも、私ももっともっと早くなって――」

幼馴染のフラワーからも凄いと言われた。アタシからしてみればフラワーの方が断然凄いと思うけど。それでもやっぱり。褒められることは嬉しかった。

――だから、沢山走った。早く走るための練習も沢山やって、小学生ウマ娘が出るレースにも出て、それで一着になって。周りから褒められて。

アタシが走ると笑顔になって、喜んでくれて――だから沢山走って、走って、走って、走って――。


――――あるレースで、私はびりっけつになった。

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