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男A「3年ぐらい前のVチューバーだって?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:44:00.92 ID:TZypCsrMo
男A「最近の事なら覚えちゃいるが、3年も前だと覚えてないな」
男A「たくさんのVチューバーがいたからさ」
男A「金髪の子?」
男A「そんなの大勢いたよ。名前もわからないんじゃ話にならない」
男A「悪いが、他をあたってくれ」
男A「ところで、あんた」
男A「今更、その子を調べてどうすんだ」
男A「もう消えてるVチューバーなんだろ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1709343840
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:45:24.01 ID:TZypCsrMo
女A「どの切り抜き動画で見たのさ?」
女A「ああ、この子ね。何となくだけど覚えてるよ」
女A「私の推しじゃなかったけど、他のVとの絡みが面白くてね。結構、好きだったよ」
女A「声が可愛い子だったね」
女A「公式サイトじゃもう消えてるけど、非公式サイトなら残ってるんじゃない」
女A「調べてみたら名前はわかると思うよ」
女A「ところで、あんた」
女A「今更、その子を調べてどうすんの」
女A「もう終わった話だし、蒸し返すような事はしないでよ」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:46:26.12 ID:TZypCsrMo
男B「覚えてるよ。忘れる訳がない」
男B「いきなり契約解除の話を聞かされたからな」
男B「俺もあの時はずいぶんへこんだよ」
男B「仕方ないってわかってるけど、心はそんな風に割り切れなくて」
男B「アーカイブも保存して残してあったけど、迷った末に結局消した」
男B「見る度に辛くなったからさ。もういないんだなって実感させられて」
男B「ところで、あんた」
男B「今更、その子を調べてどうすんだ」
男B「いなくなった子の事はもういいだろ。別の人生を歩んでるんだから放っておいてくれないか」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:47:44.75 ID:TZypCsrMo
女B「アーカイブを探してるんだって?」
女B「残念だけど、どこにもないと思うよ」
女B「まだ残ってるのは、誰かとのコラボ配信ぐらいじゃないかな」
女B「本人のチャンネルはとっくの昔に消されてるからさ」
女B「ただ、消される前に保存してた人は結構いたかもね」
女B「このサイトで聞いてみれば? 古参が多いはずだから」
女B「ところで、あんた」
女B「今更、その子のアーカイブ見てどうすんの」
女B「ずいぶん熱心に探してるみたいだけど」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:48:43.86 ID:TZypCsrMo
名無し1『切り抜きならまだ保存してる奴は多いかもな』
名無し2『俺も切り抜きは残してある。これはずっと消せない』
名無し3『歌と歌枠は全部残ってる。好きだったから』
名無し4『ASMRなら何個かあるな。他にも晩酌配信と、最後の配信のやつ』
名無し5『だけど、流石にアーカイブ全部残してる奴はいないんじゃないか』
名無し6『お気に入りの分だけ残してる奴はまだ結構いるみたいだな』
名無し7『そいつらのを一つ一つ集めれば、全コンプ出来るかもしれないぞ』
名無し8『俺は協力してやってもいいけどな』
名無し9『だけど、その前に一つだけ聞かせてくれ。お前、本当にあの子のファンなのか』
名無し10『もうホロから消えて3年だぞ。なのに、新規がまだいるのか』
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:49:36.34 ID:mwwGRcGQo
母「あんたさあ、いい加減にしてよ」
母「部屋で勉強するって言ったじゃない。確かにそうお母さんに言ったよね」
母「だから、夜食を持ってきてあげたのに、勉強もせずに隠れて動画なんか見て」
母「しかも、何これ? 昔のVチューバーの動画?」
母「こんなの見て、何の役に立つの。消しなさい」
母「わかってるの? あんたは今年受験なのよ。もし大学に受からなかったらどうするつもりなの」
母「昔は声優になるとか馬鹿な事言ってたし、それをようやく諦めたと思ったら、こんなVチューバーの動画なんか見てるし」
母「もっと現実を見なさい。大学行って、まともなところに就職して、きちんと自立して。これはあんたの為に言ってるのよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:50:28.59 ID:LNWqdjfeo
バイト仲間「やっほ。久しぶり」
バイト仲間「まだバイト続けてたんだね、あんた」
バイト仲間「で、書類選考は通ったの? まだ?」
バイト仲間「まあ、そんな甘いもんじゃないだろうね。倍率1000倍以上とかいう話なんでしょ」
バイト仲間「このままいくと大学卒業しちゃう方が先かもね」
バイト仲間「ん? ああ、そういう事。それで東京に引っ越す為のお金を貯めてるんだ。卒業したら向こうで一人暮らしするのね」
バイト仲間「ま、ほどほどに頑張りなよ。向こうに行っても応援だけはしてあげるからさ」
バイト仲間「ところで、あんた」
バイト仲間「何でそんなにVチューバーになりたがってんの? そういえば、理由を聞いた事なかったからさ」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:52:22.93 ID:LNWqdjfeo
女先輩「お疲れ様。今日の演技良かったよ」
女先輩「でも、初めての大役で緊張して疲れたみたいだね、その様子だと」
女先輩「うん、わかる。モブじゃなくてちゃんと名前のあるキャラだと、どうしても力が入っちゃうよね。セリフも結構あるし」
女先輩「でも、誉められてたよ。イメージ通りでピッタリだったって。そうそう、原作者の先生に」
女先輩「あなた、声がすごく可愛いし、感情の入れ方とか上手だからさ。この仕事、向いてると思うよ。You Tubeで見たけど、歌ってみたも再生回数かなり伸びてるんでしょ? そろそろ本格的にこっち系の仕事を考えてみたら?」
女先輩「そう? 今は別の夢があるんだ。それならしょうがないけど……。もったいないと思うんだよね、私は」
女先輩「あ、そうそう。そういえば一つ聞きたかった事があるんだけど」
女先輩「この前、最後の面接を受けに行くとかどうとか電話で言ってなかった? あれって何の面接なの?」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/03/02(土) 10:53:23.49 ID:LNWqdjfeo
15期生の一人「あの人は、めちゃくちゃ憧れてた大先輩だったの」
15期生の一人「昔の切り抜き動画をたまたま見つけて、それを見た時から一瞬でファンになって」
15期生の一人「それからアーカイブを探しまくって、やっとの思いで全部集めて」
15期生の一人「何度も何度も見た」
15期生の一人「私もあの人みたいになりたかったの。天才過ぎて同じようには絶対無理だろうけど、それでも近付きたかった」
15期生の一人「それで私はホロライブに入ろうって思ったんだよ」
15期生の一人「だから、あの人がいなかったら、今の私はいないし、ここで配信してる事もないと思う」
15期生の一人「今の私がいるのは、あの人がここにいたからなの」
お疲れ様でした。ありがとうございました
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/03/02(土) 13:27:36.48 ID:ZbHHMC1Fo
乙
存在した輝きは消えることは無い
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