このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
やる夫が正史を書くようです60
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 16:34:25.84 ID:hkhUJvgq0
- >>1さん乙―。
姚襄は「精強な兵集団を率いた猛将なのに各勢力を転々と流浪する」ってところがなんか呂布みたいな印象があるな(呂布ほど不義理な感じはないけど)
殷浩ももうちょっと姚襄軍団をうまく使いこなすことはできなかったのかと。
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 17:37:15.51 ID:fUidni1X0
- 乙でした
>>598
有能でそれなりに義理堅いのに、身を寄せた相手から全幅の信頼を得られずに
苦労するという立ち回りは、劉備の前半生を想起させるところもありますね>姚襄
- 600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 18:00:20.88 ID:9R369ji20
- 乙です!
新時代到来ですね
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 18:59:57.30 ID:PFg7Z0lQ0
- 乙
竹馬の友の本来の意味は知らなかった
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 19:00:28.55 ID:PFg7Z0lQ0
- 乙
竹馬の友の本来の意味は知らなかった
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 19:07:09.01 ID:tFnCm/pw0
- 乙でした。
検索しても分からなかったけれど、?献之って陳寿の師匠の?周の子孫だったりするんだろうか。
- 604 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/02/25(日) 22:45:54.35 ID:iJwMTp990
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l >>603
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .一門なのは間違いなさそうですが関係性は不明。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | ちなみに譙周の孫も当時存命で、
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 『三国志』『譙周伝』注『晋陽秋』に登場します
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
>>597
成漢討伐と前秦討伐を見た感じ、当初の作戦計画以上の事はしない印象を持ちました。
>>598-599
なまじ後趙に義理立てしたおかげで、椅子取りゲームに負けた感が凄い姚襄さん
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 22:55:58.59 ID:tFnCm/pw0
- >>604
教えていただきありがとうございます。
- 606 :sage :2024/02/25(日) 23:30:31.82 ID:QhDXyhUkO
- 乙
姜維は一直線の執念深い北伐で良くも悪くも歴史に名を残したけど
桓温は色んな所見過ぎて中途半端な失敗した曹操みたいになって
歴史に名が残りにくくなったのがなんともなあ
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 00:07:14.79 ID:DC/u5Is20
- 故事成語製造機さん凄い
- 608 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/02/26(月) 00:16:19.60 ID:J7vF0JCh0
- 【>>547修正】
【親父の遺言を守ろうとする姿勢】
.-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
./!/: : : : : : : : : : : : : \
i⌒ヽ, l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶 ./)、
,ゝ レ、.lj: : : : : : 萇: 从\j )|: : : i..__/^)、 ,i
'‐‐、/ レ! l : i / ∨. ● 从 |、i| l、ヽ、 _/
.ヽ、 /ヽ|.i/ 、_,、._, ⊂⊃ |ノ / > )'´ 兄上!
/ 人ヘ ゝ._) j | ./ /
レ〈ヽ、 >,、 __, イ / /、ヽ これからどうするのさ!!
.|ヽ 7ヽ7、/| / 7 ,イ\ .ヽ ハ
.| | ヽ!、〈ム〉レ' 「>,.ハ \...: : :/
.| | ,イ、__ハ______,ゝ、>_ヽ、, : : :|
. | |く_、__ハ__、__rン ノ--r、. : : :|.
晋 姚襄の弟 姚萇 .-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
./!/: : : : : : : : : : : : : \
i⌒ヽ, l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶 ./)、 ──────
,ゝ レ、.lj: : : : : : 襄: 从\j )|: : : i..__/^)、 ,i
'‐‐、/ レ! l : i / ∨. ● 从 |、i| l、ヽ、 _/
ここには守備隊を残して南下するわ! .ヽ、 /ヽ|.i/ 、_,、._, ⊂⊃ |ノ / > )'´ ──────
/ 人ヘ ゝ._) j | ./ /
朝廷に殷浩の非を訴えよう!! レ〈ヽ、 >,、 __, イ / /、ヽ ──────
.|ヽ 7ヽ7、/| / 7 ,イ\ .ヽ ハ
.| | ヽ!、〈ム〉レ' 「>,.ハ \...: : :/
.| | ,イ、__ハ______,ゝ、>_ヽ、, : : :| ──────
. | |く_、__ハ__、__rン ノ--r、. : : :|.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 姚襄軍は南下を始めたのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 10:26:25.12 ID:iCl8nbLZo
- 乙です
>>599
義理堅いのはお父さんの姚弋仲の影響なんでしょうな
- 610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 13:47:51.76 ID:TJ2E6U820
- 乙です。殷浩さんここまで全く見せ場ないねw
個人的には好きな人物なんだけど。
魚復の諸葛亮の八陣図が登場したり、>>457で何充が桓温を推薦するときに、かつて西晋荊州軍をさんざん悩ませた陸抗を名将と評価するところとか、なんか懐かしさや時代の流れを感じる。
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:03:10.46 ID:LCC7pJSA0
- お疲れ様でした。
桓温、乾坤一擲の勝負を挑まず実績を挙げるという意味では、諸葛亮の上位互換ともいえます。
物足りなく見えるのは気の毒ではあります。
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:56:28.10 ID:b7r+KDc/0
- まあこの時点では諸葛亮より手堅い実績上げてるよね桓温
司馬懿より強い某五男のせいで後に馬謖になっちゃうけど・・・
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 12:21:53.90 ID:uLIrW2n10
- 乙です
清談〜という約束されたフラグ
思えばシオニーちゃんは清談界のなかではようやってた
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 20:41:47.64 ID:OIEcvjJP0
- 中華人民共和国版『清史』、国家清史編纂委員会主任の戴逸氏が死去したという。
お悔やみ申し上げます。
https://www.takungpao.com/news/232108/2024/0125/936766.html
2019年に原稿は完成したはずですが、検閲の都合か上梓を見られなかったのが心残りでしょうか。
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 20:48:41.89 ID:OIEcvjJP0
- >>614
訂正、脱稿は2018年。2019年から上級機関による検閲中。
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 07:54:01.92 ID:aicFs2Nt0
- 乙です。
やる夫五胡十六国で見た名前が増えて来て懐かしい気分になった。
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 08:06:27.94 ID:74hcXZdxO
- 苻健さんも下半身がフリーダムッスなぁ
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/05(火) 10:46:32.51 ID:t93ylf3Q0
- 乙ですー
久々に来たらとっくにやる夫五胡十六国の第一話と時代が繋がってる!
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 12:52:33.31 ID:yCsRXqov0
- 孫盛、陶侃から桓温までずっと西府軍の幕僚だったのか。
陶侃の後継者が、以前陶侃と関係が険悪だった庾亮だったり
庾翼の後継者が、庾氏一門と対立関係にあった何充が推薦した桓温だったりと
トップが変わっても下の幕僚の面々は変わらないって東晋西府軍の不思議なところだと思う。(トップの人脈に依存しない近代的組織みたいというか)
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2024/03/16(土) 13:15:47.54 ID:5vPn9Zd4o
- 配信者ハイパーゲーム大会2 DAY1
With.もこう、釈迦、かせん、ジャスパー
IN Kアリーナ横浜:観衆2万人
SUPER LIVE By Openrec.
■14:00〜20:00(予定)
https://openrec.tv/live/kdr7nqnpjzj
▽タイムテーブル
14:20〜EA Sports FC24(サッカー)
16:20〜アセットコルサ(レースゲーム)
17:50〜もこうの時間
18:30〜PUBG:BATTLE GROUNDS(FPS)
※恭一カが発熱の為両日欠席
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 15:25:12.51 ID:KOb5MQAe0
- 大谷翔平の通訳で有名だった水原さんが解雇とは驚いた。まさに咄咄怪事。
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 06:38:21.21 ID:gJpqyy920
- 中国史だったら追い詰められてやけくその蜂起しそう
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 07:22:23.35 ID:dwdQ8YZ60
- 雇い主が莫大な借金肩代わりしてくれる位に情の人だったら暴発しないよ。
まー世間にバレると庇った雇い主の身も危うくなるから
窃盗扱いを甘んじて受けるしかないようだが。
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 20:43:39.88 ID:N7oG+XwO0
- まあ様は英語出来るだけの他人の金でギャンブルする大馬鹿だし、
いつの時代もこう言うどうしようもないクソはいる
- 625 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/22(金) 23:49:45.40 ID:DNRl2qxE0
- 【前の投下から一ヶ月近く立ってるorz】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .>>621-624
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 今の時点ではっきり言えるのは大谷の財布はガバガバと。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 明日の夜、22:00頃から続き投下します
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 00:25:14.89 ID:QCw2/Gum0
- 契約金のあれこれもそうだけど、どうも大谷のスタッフなにやってんのと
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:34:32.42 ID:s1oq12UcO
- >>1さんキテター
投下楽しみに待ってます。
- 628 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:49:07.57 ID:YMkTV93y0
- 【>>595の続き】
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 一方その頃 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .さて、桓温の北伐中、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 東晋の朝廷ではちょっとした事件が起こっていた
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 629 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:49:49.63 ID:YMkTV93y0
- 【紀元354年5月 晋 揚州 堂邑】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎ 石門○○倉垣 〇 > ←淮水
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
宛○ r-v'γ ○盱眙_
ィ-v○寿春 ●堂邑{_,、
襄陽 芍陂○,、_○r'◎建康 -、
○ `'歴陽 {__'ィ }
,. -――'´`ヽ 江陵 ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ○ ,/○ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 /武昌 `ー-,r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/\Y/ヽ
/ (○) (○)ヽ
/::::⌒` ´⌒::::\
| ,-) ヽ__ノ(-、| .jl //
| l |r┬.l[] .| l || ヽ \/ 反乱だっていう!
\ `ー|| | /""'''ヽ | || ゝ /
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─ 内史の劉仕を捕らえろっていう!!
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /
/´ ゝ ;;::/ {  ̄ソ ヽ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 永和十年(三五四年)五月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 江西の乞活郭敞らが堂邑国内史劉仕を捕らえた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 630 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:51:19.08 ID:YMkTV93y0
- 【紀元354年5月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、- \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ ≧ <
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 -=ニ 都の対岸の堂邑で反乱です!! ≦
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ ≧ ≦
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j ≧ <
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j -=ニ 歴陽に駐屯する謝尚殿を呼び戻せ!!! ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! ≧ ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .京師震駭と『晋書』『穆帝紀』は記している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それもそのはずで、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 堂邑は建康から長江を挟んで対岸にあるためだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 東晋の朝廷は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 歴陽に駐屯させていた謝尚を建康へ呼び戻すなど急遽防衛策を講じた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 631 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:52:10.50 ID:YMkTV93y0
-
γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
{i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
{:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::', ひとまずこれで大丈夫でしょうか。
从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ .桓温の軍勢を呼び戻す必要はないはず
| ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
| 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\ /\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
殿下! \ ヾニノ .::::/"''=-
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
反乱を起こした乞活ですが…… i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、乞活は長江を渡ったりはしなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 632 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:52:46.47 ID:YMkTV93y0
- 【紀元353年5月 晋 徐州 盱眙】
/ニYニヽ /ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\ /::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| | ,-)___(-、|
| l |-┬-| l | | l |-┬-| l | 長江を渡る準備はないし、
\ `ー'´ / \ `ー'´ / .この近隣で一番強い姚襄殿に帰順するっていう。
_, ‐'´ \ / `ー、_ _, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ / ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ .同じ北方の者同士、仲間に入れてくれっていう
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl { 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ 'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉 \ヽ、 ー / ー 〉
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : ハ襄从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
………… |: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『姚襄載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 流人の郭敞ら千余人が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 堂邑国内史劉仕を捕らえて姚襄に降った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 朝廷は大いに震え上がった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 633 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:56:43.40 ID:YMkTV93y0
-
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 萇从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i ちょっと兄上。
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/ 謀反人を匿うとかまずくない?
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : ハ襄从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
………… |: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .事件はこれで終わりである。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、約半年前に騒ぎを起こした姚襄の下に、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 反乱を起こした乞活が合流する図は人々を疑心暗鬼にさせるに充分だ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 実際、東晋の朝廷は長江南岸の守備を固めている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 634 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 22:58:31.70 ID:YMkTV93y0
- 【紀元353年冬 晋 徐州 盱眙】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 我らは皆北方出身。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 北へ帰るべきではないでしょうか?
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : ハ襄从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
………… |: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 姚襄の配下は皆北人だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らは北方への帰還を勧めたため、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .姚襄はその年の間に中原へ向かう決断を下した模様
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 635 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:04:21.93 ID:YMkTV93y0
- 【紀元355年1月 晋 徐州 盱眙】
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从斗j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i .今日から私は大将軍・大単于を名乗る!
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/ 故郷へ帰ろう!!
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
f¨゙!
:┐ n /〉 <ヽ /^〉'
! }”/ ,、 <`ヽ ./:::/.,、
⌒!ィ f¨゚{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}イ { , -ー 、 _ /¨> r-‐,、 <⌒!
::〈人_r-ー- 、_r<}| >:::: ̄:`ヽ__, - 、__r 、r=¨>‐-! /:::::}__Vヘ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くノ ̄! ./;;;;;;;;;}_, ヘ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVイ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ<! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::`ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
\f':!::::::::::::::::::lハ:.:リ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ >イ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,、:::::::::__/_/ ヽ::::::::::::::::/|レVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ハ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ト、: |:.:.:|:./:::::
`Y゚ ̄ _/VレvイW:::::`ー-::__/:::::::::/:::::::| ヽ `!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_|  ̄⌒¨}>ヘ}:.:.:|”::::::::
、 f´ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| >- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 永和十一年(三五五年)一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 姚襄は大将軍・大単于を称したと『十六国春秋』『後秦録』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 636 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:06:38.76 ID:YMkTV93y0
- 【紀元355年4月 晋 兗州 外黄】
○壺関 ト、_ ◎鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 石門○!倉垣 【陳留国】 ,-、
○洛陽 ○ `○、 陳留 ●外黄 / / _,,,_
○ 【河南尹】 中牟 / ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【沛国】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 四月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 姚襄の軍勢は兗州の外黄に侵入したと『晋書』『穆帝紀』にある
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 637 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:08:54.04 ID:YMkTV93y0
-
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
ノし
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 .て
/!/: : : : : : : : : : : : : \ (
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ○ i/: :|、: : i
あれぇ!!? .|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) . " /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、同地にいた晋軍の将に破れた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 638 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:11:00.48 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年3月 晋 豫州 許昌】
/::/\:∧
∧/:|`Y丁:| |
| | | |:::L」 ∧
| | ̄ |/|`'|: : : | |__,|@
∧ |癶_|_ | |===== |A
/,,,∧_| | |⊥_|∧::i|∧__|八
| | | |,| ̄|¨'|─:| ̄ヽ| ゙̄| | |ハ
| | | |:| | | :| |¨ ‐_| | |__|
_ | | |_|,| ∧ l :| |- ,_Y∧_| ∧
癶___∧_,,r|⊥i |/ ̄ヽ| /:: :∨‐:| |ヘVヘ|_|: : :|_|:::| xヘ
癶 | | | |'^i'^i | | | |ニ|_/:::ハ__∨| ̄~| | |VヘVヘ::::::::::|::::| |::::| ̄
| ̄|_ _i! ∧ /:', | | | | | | | ハ ハ¨/::∨ ̄ヽ |∠ヽ [\__[]二::|::::| |::::|
¨¨¨,∧¨¨∧∧ ∧ |[]| | |/二二 |ヘ | |/∧ /::∨_∨¨∧ ̄ | ̄| | |\| |γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
:¨ ̄|¨:| ̄| ̄|丁∧xヘ∧ | ̄  ̄/:::∨ ̄VV_| ̄|_|_| | ̄ ̄xヘ|_|_|/\|| どうにか許昌は取れた |
| | | |::|/ ̄ ̄/__',__」,,...、、、-─| ̄..|「「「「| | | ̄|ヘ::::::∧「 ̄ |_|:::\|xヘ/ .ヽ____________乂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄| |¨|¨|¨|:|| _ ,-く ̄ ̄ ∧ | | | ∧| ̄|_」L ‐<::::\/|〈:::/::::/:::::∧/::/:::|:|:Y:::::
 ̄{─‐ttュ_ リ|i_|i_|i_|」⊥-‐ュ_∠\:::_>:::::::// ̄∧ /:::^〉‐ 丶::\: : \,イヽ|/::::/::::::/::ヘ`|ヘL|_|\
: : }.:.:.:_二 ̄/ ̄ ̄i! ̄ヘ::_ -  ̄:::::寸´ |::::::://:::::/ ∨::::/ヘ::::::::∨::::\_イ_|i...||ヽ/::::::/:::::::/:::::::\
'''"´~ 从 _ム-,:/ ∨__∧::::ニハニハ::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}|¨/_,||\::: ヘ__,.斗匕リ.. || 〈::::::/::::∠_:::::::::::/\
从从;';',∧:::::::∨ |]/ .圦::::[]:::[]:/:癶::::::::癶:::::::::::/ |/_||_Y´ || || |/... ||`'|::://|ヘ^ア /|::|
从;';';';';'ィ' ヤ'"´|-‐ |/ _||_∨::::::::/:::| |i::::::| |i::::: /|i, ::|_||___,|/||⌒|| |...... .| |¨i|:: ¨|_|ア/ ̄|::| ̄
;';';';';';';';'|「┌| |r 「i|==| | |=ヤ=ァ゚::::: ̄:::::::::: ̄:::::∧゚|i,::| ___ | || |レ' |`'| |::::::::/ \、|::|/
;';';';';';';';'|「┌| |‐ ¨|==| | |==| 丁丁丁丁丁丁「「| 「:::| |::::| |「」|| / ヘ | |`Y======| ̄|==
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 翌永和十二年(三五六年)三月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 姚襄は許昌へ入ったと『晋書』『穆帝紀』は記している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『姚襄載記』によると、
`ヘ:ゝ .' 小/ 姚襄は散った兵士を集め、彼らを慰撫する事で勢いを取り戻したという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 639 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:15:08.65 ID:YMkTV93y0
-
.-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
./!/: : : : : : : : : : : : : \
i⌒ヽ, l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶 ./)、
,ゝ レ、.lj: : : : : : 襄从\j )|: : : i..__/^)、 ,i
'‐‐、/ レ! l : i / ∨. ● 从 |、i| l、ヽ、 _/ 苻健が死んだって聞いた。
.ヽ、 /ヽ|.i/ 、_,、._, ⊂⊃ |ノ / > )'´
/ 人ヘ ゝ._) j | ./ / .河東に入って関中を狙うよ。
レ〈ヽ、 >,、 __, イ / /、ヽ
.|ヽ 7ヽ7、/| / 7 ,イ\ .ヽ ハ .そのためにはまず洛陽を落とさなきゃ
.| | ヽ!、〈ム〉レ' 「>,.ハ \...: : :/
.| | ,イ、__ハ______,ゝ、>_ヽ、, : : :|
.| |く_、__ハ__、__rン ノ--r、. : : :|.
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『穆帝紀』の記述通りなら、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 再起に一年近く要した事になってしまう。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .許昌を拠点とした姚襄は、続いて洛陽攻略を目指した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 640 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:20:13.75 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年3月 前秦 首都 長安】
,,、 ,,、r''"r'"~~ ;;;;;イ/|r、i/;;;;;;;;;;;;;;
,ri、,,、(;;;;";;;;;;r''''''""":::/|、/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
,j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r-ーー '''''7j";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
)";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ,,,,、-ーi/;;;;;;;;;;;;、、--ーー―
ミ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;[ ̄ ::::::::/ 〉''"::::: ::r'''::::: ̄
ヽ;rー'''''""";;t''''''""""i、|:::r"~ヽ:: :ヽ;;;ノ
|r''ヽ :t⌒);t _(;i:::::`ー'" ,,,,、、===
|ヽノ,,,__~,__ヽ ̄ :::(,i==ー ''''"ii,,,,,、-'~ヽ
,,、rri-リ'=、;;((、|',''''""(i;{ ii、;;;"''";;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
ヽ;;;〈'i;;;;;;;;;;;;;~'-、ーz'''':::::::::::::-ー''二;;、、""::
};;;;;;;',~'=tー ;;=、;tヽ:::::::::::-'ニ互,,、-ー'゙"":::: 許昌の姚襄が洛陽へ!?
};;;;;/⌒`"'~''":::i' ヽ:::::::ヽ:::::::::::::::::::::::
ヽ;;;| :::::''""::::i | リ ,,、、}:::::''"":::::;;;;;;;;;:::: 来るなら来い!!
〉;;;;i :::::(( )ッ,,、_,ノ"" ::::::::::
ミ;;;t ::::'"~,,,ー '''",,, ::::::: 我が軍の敵ではないわ!!!
|ヽ /:t;;;;;t ri'、- 、;;;;;;,,,,~''-、;; ::::::
|::::ヽ. /:::::''t;;ヽ i(''"ヽ三三~''''')i :::::::
|::::::::ヽ /:::::::::: 〉;;ヽ :i ~~,rー-、~~~~ j ::::::::::
|i:::::::::::ヽ)'ー―ゝi::::::ヽ i| 了::::::::::: ~' 、, ii :::::::从ii
,,|i::::::::/:::;、-フ";;;;t:::::::ヽj'〉 ::::::::::::::::::::: ツ :::::ii|jj|;、-'
/r'~''''"::::/;;(ノ;;;;:::;;;t::::::::tツ,, ::::::::::::::::::: ii|ii|;;、-'",、-'
"/;;;;;;;;;;;;//;;|;;;;;;;;; ;;;t::::::::ヽiiii|||ii||||||||||;;、-''",、-'":::::::
/;;;;;;;;;;;;///::i;r 、;;;;;;; ~' 、 :::::~~~~"""""ー'''"::::::::::
;;;;;;;;;///::::::::tt j;;;;;;;;;;;;; ~''-、;ヽ;;;;;;;;;;;;、-''"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ちなみに、前秦の皇帝は苻健から苻生に変わっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温の北伐以降、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .皇太子苻萇、苻堅の父親の苻雄、皇帝苻健と次々と要人が死んでいた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 641 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:20:55.67 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年4月 晋 司隷 洛陽】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
. _
〃 ^ヽ
J{ ハ从{_,
ノルノー゚ノjし おかしい
/く{ {丈} }つ
l く/_jlム! |
レ-ヘじフ〜l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 四月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 姚襄軍は洛陽を攻撃したが、翌月になっても落とせなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、当時の洛陽は、
`ヘ:ゝ .' 小/ 冉魏から東晋に帰順した周成が謀反を起こして割拠していた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 642 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:24:22.25 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年5月 晋 司隷 洛陽】
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从斗j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ ここまで苦戦するなんて
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
恐れながら。 .ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
将軍の英略は天下を覆い、 l l ´=` l
将兵は尽力していますが、この孤城を落とせていません。 .ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
河北へ帰還し、遠大な計略を練るべきです /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 643 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:24:59.21 ID:YMkTV93y0
-
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从斗j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i 洛陽は小さいけれど、
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ 四方を山河で固めた用武の地だ。
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :| .私は先に洛陽を拠点にして、その後に大業を成し遂げたい
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 姚襄軍団内には、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 河北へ戻ろうという意見も存在した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、姚襄はあくまで洛陽奪取にこだわっていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 644 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:26:15.27 ID:YMkTV93y0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ◎広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 > ←淮水
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
宛○ r-v'γ ○盱眙_
ィ-v○寿春 ○堂邑{_,、
襄陽 芍陂○,、_○r'◎建康 -、
○ `'歴陽 {__'ィ }
,. -――'´`ヽ 江陵 ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ○ ,/○ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 /武昌 `ー-,r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『姚襄載記』を見ると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .姚襄は洛陽を攻略し、一旦河東へ渡河して関中を攻めるつもりだったらしい。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 最終的には東晋の勢力の及ばない地域へ移動するつもりだったのだろう
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 645 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:31:36.97 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年5月 晋 司隷 洛陽】
___
/ / ))))
/ /_ ⊂ノ
/ /|\_/ ̄ ̄\_/| 大変です!
/ / \\_| ▼ ▼ |_/
../ / \ \ 皿/ 荊州の桓温の大軍が北上中!!
ヽ ⌒\
ノ /> > .狙いは我々のようです!!!
/ / 6三ノ
┣¨┣¨┣¨┣¨
ノし
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 .て
/!/: : : : : : : : : : : : : \ (
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ○ i/: :|、: : i
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
なんだって!? /⌒ヽ―|人 ゝ._) . " /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、如何せん洛陽までの道程で時間を浪費し過ぎた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 646 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:32:46.85 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年3月 晋 荊州 江陵】
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ノ ― |
|:::::::〉 ( ●) (●)| ようやく姚襄討伐の許可が下りました。
(@ ::::⌒(__人__)⌒)
| |r┬-| | 十回以上上奏文を送ってやっとです
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
いつもの事だ 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 姚襄が許昌へ入った三月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これを討伐するために、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 太尉桓温が征討大都督になったと『晋書』『穆帝紀』は記している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『桓温伝』には、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 以前から桓温が洛陽の陵墓の修復と同地への遷都を求めていたとある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 647 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:34:33.36 ID:YMkTV93y0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
.::::::::::::::::::::::::: --ミ::::::::::::::::::::::::/:::/:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::::::::::::::::::::/ ⌒ヽ\:::::::::::::: /):/:::::::/:::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
|:::::::::::::::/ /: :/: : :}. }-=- _{ //)/):/⌒>-――-ミ ::::::::::/
|::::::::::::::{ /: : }: : ノ }彡' ~"''-=- _/  ̄\:::. \::/::|
|:::::::::: 八 : : : :( ~"''-=>- \:、 }::::::|
|::::::::::::::::} : : : : ) ::::/ニニニ-\ 从:/
|::::::::::::::::{ ー ‖ニニニニ-_\ /:/
|::::::::: /⌒ヽ {ニニニニニ〉 ‖ まず先鋒を魯陽へ出す。
|::::/. . . . . . 〉 -ニニニニ/ヽ へ{
/. . . . . . .‖ \.ニニ/ |ニニ〉 石門・倉垣の軍勢に
_/ . . . . . . . {  ̄ |二 / \ 舟で黄河を遡上させろ。
{ |_/⌒\}_
. ̄ ̄ \......... 人 ⌒\丶、 {::::...... |......................〕 .徐州・揚州の軍勢にも、
. \...........\ \ \ :::::r' "´ / ̄ ̄ ̄\ 淮水・泗水から黄河へ入らせる
\...........\ `ー.::イ....../ ____ |
\...........\ \__/| ̄/ /|..\ |
\...........\ /.......l//ゝ--<//|.. .. |
\.......... \ /..........|////////.|.. /
', /⌒ |.......... /\__ノ\........\//// /.... /
∧ / |\/ ̄ ̄ ̄\ 人...........\__/......... /
/∧ /ニニ=- _| / / ̄ ̄\\.......ノ............ . /
//∧ /\ -ニニニ- _ /{ {. \\........................ .{\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 桓温の北伐で注目されるのは、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 水運を利用した行軍及び兵站の確保に関する記述が目立つ点だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『桓温伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 譙国・梁国の水道が通じていたため、淮水・泗水から黄河へ入れたとある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、水運の利用は桓温に始まったわけではなく、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ あの祖逖も水運の便を考慮して駐屯地を選んでいたと言われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 648 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:37:09.55 ID:YMkTV93y0
-
○壺関 ト、_ ◎鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 石門○!倉垣 【陳留国】 ,-、
○洛陽 ○ `○、 陳留 ○外黄 / / _,,,_
○ 【河南郡】 中牟 / ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【譙国】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ これから紹介するのは桓温が洛陽へ進軍中にあった逸話だ
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 649 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:39:22.31 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年秋 晋 豫州】
三ヽ:; ;:;: :;'':; : ;;:: ;:: ∨ :ハ:;: ;: ;:;/:; :; :ソ:; :; :! /:;: :;: '':; :; :. : :;;'':;Y:;:;
: :;`ヾ\ :; :: ;ィ、:; __:rゝ ハ:;.: :.: : ; r'´ :''; :j !:. :,イ '' /..;: :' .,;:;':,イ:;: .
; ;:;: ;: `ヾ,、==≧ュ、Ylj .}:;: ;:; ;;rj:; ::.; / j:;ノ:;: ;: :; :: ;:; :;: ::; '' :;: :;j!;;: ;:
X;:: :;: : :;:ハlヽ;:ミ`ー-、ミi! hヾ:;: :ソ;::: :; ,;イ/ゞY:;彡_ノ:;: :;: :;; '' ,;イ-='´
;: : '': :;:; : : :ヾ`ヽ;:; :;:j| li! ト=、\j! :;ィー' ,ノ:; ;イ7j /_:;: :;: :; :: :;: :; :ノ/:;: ;;: ;::
: : : : : :; ; ; : : : \`Y i! l|: ;:ヘ ソ彡 Y ,rf'ノ ̄ ̄: :: :: :;;ィr==': :;:; ::;: :; :
;: ;: ; :., ., : ' '' ;: ;: r'ヾ; !i !,l:;: ノイr'' r ~:;,イ_:;:_,,-―'イ :; :;: ; _ ;:;: :ゞ,、:
;; : ;:; ;:: :; ; ;;:ヽ;.ィ: : :l l iト、´ノ イ/ il, r--、r―'' ̄:;: :;: :: ;:'' :;: :; ~ ソイ
;: :: :;;: :;: :: : : ::.,, : : : ! i! ゞ≧ j ハゝ:;: ;:;'' :;: :; .,. :;: :;;:: ;:;:'':;: :j/:;__
;: ;::;:;: ;:; :;: :: :;:; :;:: : ::,} j! _三ニ イ `Y;:: ;: :; ,ィ´ :; .:;: :,ィ⌒ヽ,:: /rュ_
: : :: ;:;rュ__;: : ;:; : :; :.;;」(イ彡イ彡 r' j/j;: :≧'=-、.,;'' .,:;:' r==\j/ ,:; :;;:
ヽ='イ彡三≧=イ三彡 j!/彡 i!ト ( ̄7イ:;: :; : :;:., '' :_イ;: :; :; イハ .,;:; :
ゞ‐=-‐'´:;:; :; ̄¨ー-!7''イソ´ ミヽ!,, ヾY : : , '':; :;:: :; :; : . .,.: ;; ヾ l.;: :;:
:; :;:;::;: : ;:;: : :; :;; : ; r、j 彡 : :lr'イ !{ ヽ__ :; :;:: :; :; :: : ;:;: :;: :; } l|:;: :;
: ;:; :;;: ;: ;;: :;' :;; ;: : .Y|}ィ ミ{ト'' ヘ `ヾ、_,,ィ'' :; :;: '' _ _三ニノ:: ;:
;: ;; ;:: :; :;; ;:: :: ;:'' :; ::T'' __,,ィ =ュ'' ヾハ ,,ィ´ __ ==--'´:;: :;:; :;: :; : ;:: γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
;;':; :;;' ;: :;:: :;; :; : ; :; ノソvゞ,、 `ヾ` ミ Y/j/ ィ´:;: .;:: ;:; '':;:' :;: :;: ;: ; :: ;:; | ここらは柳の木が生えてるな |
;:; :;; ;: ;::; ;:;;'' :;: :;ィ’ノ!fy彡ヘ_rィY ミ }!j/j/ j:: :; :; ::: ;: ;: ;::: ;: : :; ::;''': ;: ヽ______________乂
;:;; ;::: :;;:; :;: ;: :; {イヾ''tソvゞソxfyヾ  ̄ヾミ!|-':;`´ : ;: ;: ;:::;':; :;::: ;,.,..;:::' . :;;ィヾ
:;; :;; :;: :;;;: ;'' :;:; 〉イ/ソfyゝ=-yソfミ`ヽィ ミl! : ;: :: ;;;: :::';;;:': :: :: :;:; ;:;-''¨´
:; ;; ;:;'' ::;: ::: ;:;: /j/j/ ヾミイj ミl|!:;:;: ;;''.; :.;'';:;.., {'´~
`;: :;; :; :: ;:'': ;::;/1j!/j/'´  ̄`ミ ノ彡 ̄ヾ!|::; ;:'' :;: :;: :;; ''´
ヾ:;:: ;:;: ;;::: ',//j/イ ゝ''  ̄ミl!:;: :;: :;: ;イ´
- 650 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:39:51.53 ID:YMkTV93y0
-
/:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:::'´:.:.:.:.:.::.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.',
/:.:.:.:.:.::.:.:./{|^¨⌒~¨''¨ ̄ヾ.:.:.::.:.\
. ∠:.:.:.|:.:./::/ |! __,..-‐ }.:.:.::.:.:.:.:.ヽ
{:/{:/{:/_,__〈ィ云斥心、___{.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:i
|'Y////ノ¨{///////}7 ̄ ̄ヽ.:.:.::.:.:.:.:.:.:.}
. {/// ヽ///少' }:Y⌒ヽ:.:.:.| 若い頃、琅邪でこれと同じ柳を見た事がある。
`ー{ 〉  ̄ .V ,ハ .}:.:.:|
. r、 { `ー ノ心 /:.:./ ここに生えている柳は、どれも太く育っていやがる
\\ し' /:.:./
. { ⌒¨''ヽ、 r''{¨:.:.:./
. } / |:.:.:/
. | / !:.:{
{ _ -‐′ __|从__
ヽ、 __,,.. .-‐≦ _ ,< 〉 \
_}__ _ ,< ./ |`ー─
/}ハ r、 / | _..ノ:イ::::::/::::::::::::::::::::| `ミ::::::::::∧
/ //{ ̄ ̄} /. | /::::::/ :: :::./::: ::::::| ミ::::::::::::ハ
___,,.. / // | | ./ | /::::::/:::::::::/::: :::::|:::| `Y:::::::::/
/:::/!::::::::廾斥.,_八! 、__,,.. -一 |::.ハ/
. // |:从:{弋うハ 7弋ツフ }/} }
′ iハハ /_,)/
. i .! .ム _, イ
. ∧ ` ´ /{
ヽ ‐ ─ / |>、
> ___ ィ / !
| / ノ .゙i_
/ .{ _/ / \
. , ’/'r_ン< ./ \
, ’ { ./|〈O,r'\ / \
- 651 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:40:49.70 ID:YMkTV93y0
-
/:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:::'´:.:.:.:.:.::.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.',
/:.:.:.:.:.::.:.:./{|^¨⌒~¨''¨ ̄ヾ.:.:.::.:.\
. ∠:.:.:.|:.:./::/ |! __,..-‐ }.:.:.::.:.:.:.:.ヽ
{:/{:/{:/_,__〈ィ云斥心、___{.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:i
|'Y////ノ¨{///////}7 ̄ ̄ヽ.:.:.::.:.:.:.:.:.:.}
. {/// ヽ///少'つ }:Y⌒ヽ:.:.:.|
`ー{ 〉  ̄ .V ,ハ .}:.:.:| 木ですらこうなのに、
. r、 { `ー ノ心 /:.:./ 何故人は堪えられないんだろうな?
\\ し' /:.:./
. { ⌒¨''ヽ、 r''{¨:.:.:./ …………っ
. } / |:.:.:/
. | / !:.:{
{ _ -‐′ __|从__
ヽ、 __,,.. .-‐≦ _ ,< 〉 \
_}__ _ ,< ./ |`ー─
/}ハ r、 / | _..ノ:イ::::::/::::::::::::::::::::| `ミ::::::::::∧
/ //{ ̄ ̄} /. | /::::::/ :: :::./::: ::::::| ミ::::::::::::ハ
___,,.. / // | | ./ | /::::::/:::::::::/::: :::::|:::| `Y:::::::::/
/:::/!::::::::廾斥.,_八! 、__,,.. -一 |::.ハ/
. // |:从:{弋うハ 7弋ツフ }/} }
′ iハハ /_,)/
. i .! .ム _, イ
. ∧ ` ´ /{
ヽ ‐ ─ / |>、
> ___ ィ / !
| / ノ .゙i_
/ .{ _/ / \
. , ’/'r_ン< ./ \
, ’ { ./|〈O,r'\ / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『桓温伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温が金城という地を通過した際、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 柳の木が生い茂っているのを目にした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 柳の生育ぶりと人心の荒廃を比べて嘆き、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 柳の枝を手に取って涙を流して激しく泣いた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 652 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:43:09.37 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年秋 晋 兗州 倉垣】
,.、-‐'´: : ``〜ー-、、 _ ,.、'´ :
´: : : : : : : : : : ``'' <""´ ``ー-、,,...._,.、,,..___,,.、--〜'"´ ̄: : : : : : __: : : : : __,,..、 - ‐=ニ
: : : : __ : : : : : : : : 癶``〜ー-、、..,,. ,.、-'´: : : : : : : :癶 : : ハ癶 : : : :/--‐;;;;''"~,;;:
: : :,ィ会ミs。: : : : : __: |ニ|i__:__:__:__:__:/三三三癶__:__:__:__:__:,,、,、,、xxx H|xxxx, |NN:.;:.;:.;:.;:.;/
. |zzl|zz| : :,.、tt≦癶二二二二二二|____|/────:.;:.;:.;:.;:.;:.;::H|:.;:.;:.;:.;|NN:.;,.、ィ升,;;: ,;;: ,;;: ,;;::
:.:... |lX||V||''"´ ̄ ̄,:",:",:",:",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",ミ──=彡:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.,、,、,、xxx芥芥芥芥芥芥芥介介介介
ハハハハハハハハハx、:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.ミ:.;:.;:.;:ミミ. .:. .:ミミミ:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.,、,、xxハハハ´| |:| | | | | | | | |:|:||::| | | | | | | | | | | | |
_| | | | | | | |:|:| |:|从从ハハxx,、:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;ミミx:.;:.;ミミミ.:::::..ミミミミミ ,、xxハハ| | | | | | | ||:| |:| | | | | | | | |:|:|l::| | | | | | | | | | | | |
_|_|_|_|_|_|_| |:|:| |:| |:| | | l | | | |从ハxミミ彡ミミミ::彡ミミミ:ミミミミハハ''| | | | | | | | | | | | ||:| |:| | | | | |_|_|_|」」LLLLLLLLLLLLLL
,:´,:´,:´彡ミ┴┴┴┴弌|_|_|_|:|:|:|:||ミミミv;;ミミミミ爻ミミミゞミ |:| | | | | | | |_|jI斗rf十廾什ナ''¨ ̄,;",;",;",;",;",
,:´,:´,:´,:彡ミ`:、`:、`:、`:、`:、`:、`' 弌_;;ミ゙'爻爻ミ;;゙ vゞゞ;;,┴┴=ニ¨ ̄,;",;",;",;",;";
,:´,:´,:´,:´彡ミ`:、`:、`:、`:、`:、`:、`:、`:、ミs。.::;;';';';';';';';:::ノ,;",;",;"
,:´,:´,:´,:´,::彡ミ`:、`:、`:、`:、`: `、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
,:´,:´,:´,:´,:´彡ミ`:、`:、`:、`:、:〈〉、| | | | | | | | l| | | | | | | || | | || | | | | | | | | | || | | | | | | |l | | | | | l| | | | | | | | | | | | | | |
────----ミ、`:、`:、`:、`:、Y_|_|_|_|_|_|_|_l|_|_|_|_|_|_|_||_|_|_l|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_l|_|_|_|_|_|_|_|l_|_|_|_|_|_l|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|
、ー─…=彡イ`:、`:、_::彡,:",:",:",:",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;",;" ",;",;",;",;",;
 ̄ ̄""'' ┴=ニ二_/_,:"_,:"_,:"_,:"_,:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 同じく『晋書』『桓温伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 淮泗を過ぎて北の国境を踏み、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .桓温は諸将と共に望楼へ登り、中原を眺めて言った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 653 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:45:53.41 ID:YMkTV93y0
-
/::::::::::::::::::::::::`ヽ
/〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
/:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
.从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
./⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ 神州が陸沈して百年で廃墟になった。
{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
\`ハ ヾ.:.::ノ ハ. / その責任は王夷甫らにあると言わざるを得ない
`ー:. _____ //
/ヽ ´ _,, ` イリ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
_ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
国家の命運には荒廃があり誰のせいでもありません。 .|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
と、袁宏は自分の意見を述べます /⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 神州陸沈とは中国滅亡を意味し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温は中国が滅亡したのは王衍らのせいと断じたわけだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、その場にいた袁宏はあくまで天命の類と異なる意見を述べた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 654 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:46:52.71 ID:YMkTV93y0
-
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : :/:::.:/ ヾ:.:.::./:.:.\
,': : : : : : : : : : , -‐ 、:.:.:./ィ/:.::./:.:.:./ }:.:./::.:.:.:.:.i
. i: : : : : : : : :://⌒ヽ:.:.:.:/:://.:ィ'  ̄三ミ、/:.∧:.:}.:l
{: : : : ::.:.:.:.:.:{ { ,ハ .}三≧二ニニ==─┬┬弌:/ }:/}′
',: : :.:.:.:.:.::.:.:.:', ./ヽj }  ̄|////{j .|′
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.', 〈 ノヽ |////ヽ
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::j、 乂ノ {/// ', 聞けば、劉表は千斤の大牛を飼っていた。
i:.:.:.:.:.::.:.:,<ヽ_| `ー′ V
. }:.:.:.,< | / _ 〉 通常の牛の十倍の豆を食ったそうだが、
/¨¨ | r_、_ r''" .重荷を背負わせると一頭の牝牛にも劣ったそうだ
. _/ i { \ ニ=‐-′
/ >,. i \  ̄)、 \
/ >,. i \ / \. \
/ >, i >,. / ""
\ >, _>, _/
\ >, /
\ >,
\ \
\ \
\ \
- 655 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:48:46.55 ID:YMkTV93y0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i .魏の武帝が荊州に入ると、兵士の御馳走になりましたとさ
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、
/、:::::::ノ/////∧ / ヽ::::::::::iヽ///、::::::ヽ::.‐- , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/u.―:::トl!: : :|
|l:/|/ ○三三○:::::::ト、: :|
|/!:ll⊃u.、_,、_,::::⊂⊃ノ: ::|
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ::::::::::.イ:i : :/⌒i
\ /:ノ从ヽ,、u. __,::::イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 袁宏の意見を聞いた桓温は顔色を変えて周囲に言った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 大牛を袁宏に例えたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 656 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:51:29.01 ID:YMkTV93y0
- 【冗談のセンスは最悪な桓温さん】
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/u.―:::トl!: : :|
|l:/|/ ○三三○:::::::ト、: :|
|/!:ll⊃u.、_,、_,::::⊂⊃ノ: ::|
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ::::::::::.イ:i : :/⌒i
\ /:ノ从ヽ,、u. __,::::イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
_..ノ:イ::::::/::::::::::::::::::::| `ミ::::::::::∧
/::::::/ :: :::./::: ::::::| ミ::::::::::::ハ
/::::::/:::::::::/::: :::::|:::| `Y:::::::::/
/:::/!::::::::廾斥.,_八!、__,,.. -一 |::.ハ/
. // |:从:{ーrッ‐ヘ ミーrッ‐一 }/} }
′ iハハ` ̄  ̄´ /_,)/
. i .! .ム _, イ
. ∧ ` ´ u/{
ヽ ‐ ─ / |>、
> ___ ィ / !
| / ノ .゙i_
/ .{ _/ / \
. , ’/'r_ン< ./ \
, ’ { ./|〈O,r'\ / \
,イ |/.>=‐r/゙i/ ゙i
i ! ル _ - ‐−- _ ゙i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } その場にいた者は全員色を失った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 657 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:52:19.04 ID:YMkTV93y0
-
○平陽
○襄陵
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ 【滎陽郡】 l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ○ 〇偃師 ○ ○ ○倉垣
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 【陳留郡】
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .話を進めよう。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 桓温軍と姚襄軍は洛陽の南を流れる伊水で激突した
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 658 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:54:12.87 ID:YMkTV93y0
- 【紀元356年8月 晋 司隷 洛陽】
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 進めぇッ!! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ //
// ,,;;;;;;'''' ,,,;;;;;;'';;'';;;'''';;; .ィi「
,,,,,,;;;;;,,,, // ,,,,,;;;;;;;'' __ mvvyvymv;;;;,,, ___ .ィi「
,,,,;;;;;;;;;;;;'';;;;;;'''''''' // ,,,;;;;'';;;; __ ( /ヽ vmvy, _」L」_ _ ≪ ` .ィi「`
,,;;;;;;;;;;''';;;;;;;'';;;;'''' // . mvr=x,__√ ∨/ }ヽ _、<ノ /≪ ` .ィi「-
;;;;;'''' '' ''' <\ / -─- (_人_ノV/ { /}// ./ ` __ .ィi「=-
mvm;;;'';;;''';;;;,,,,, mvy />'( } > /=- .-=\\:.:.:.:Y/ィi「 _{_ノ:.:.:.:._、<ヽ< -=>
__ r=xMvVyv _mvyvym./ \ ‘i, /=- -=や~''<:.}\ _ ≪ `.:.:.:/{ヽ ヽヽヽう'´
そr=x mvyvmy ( /r=x乂 / ∧ √ -=ヤ _ ≪ ` ~''<:.ィi「> }ノノノ^ /
}YM ( rx _Vx√ }/=-ハ {=-√}/∧ {=-┐=- 乂__≪ `. <≫ `7 //. //
{ ( Y V/{⌒ソ/.た V /∧ } Y=- _、<⌒;/'>─ 、 // ー '7 //
. _─ ̄ _、<=-_YiIム乂_/=- .∧ヽ {;乂_、<⌒/';';'/';/ // V/ -=}. /
_─ ̄ _、<=-_- ̄ YiIム. }=- / }:.:.:Yノ';';';/';'/';';/た';';/ / / { {\ -=}
_、<=-_- ̄ Y {=-{ YiIム た=-厂:.:.:└ 、'/;';'/'/}';';';{─{─Y Y }=-` /
. _、<=-_- ̄ /_ 寸=-YiIム -=7⌒ニ=- 、:. V/';';ノ'/';';';'}`、乂>''~ー:'~^''ー '′ /
. _、<=-_- ̄ 乂/=- / .YiIム_ノ. /:.:.:V/';';';';';';';'ノ:.:.~''<';';';';/:.:.‘i, //
 ̄ _- ̄. // ~' ノ{ /寸iIム /:.:.:.:.:.:..Y';';';'/;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄.:.:.:.:.:.:\ // /
 ̄ /// {_ノ}ノ 寸iム >- ,,_:.:.Y';/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``〜、、 / //
// / / 寸ム /=-__ノ / } /、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. //.. //
-=ニ厶ィ ノ 寸/=-{ . /─ ~′\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:./:.:./:\
-=ニニ≧=─くニ=- 乂=-〉′_ノ=- / ハ\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}_
-=ニニニ=-  ̄⌒ニ=- _W} \:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ニ\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 桓温軍は伊水を渡河。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 北岸に陣を置く姚襄軍に突撃し、桓温の弟桓沖ら諸将が奮戦
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 659 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:55:13.55 ID:YMkTV93y0
-
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : .萇从斗j )|: : : i 兄上!
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
|: i i/ 、_,、_, ### :.:|ノ : :ヽ ハ ここは私が時間を稼ぐ!!
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :| 先に逃げて!!
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 姚襄がいたぞ! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从斗j )|: : : i
分かった! | : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
|: i i. ,、_, .:|ノ : :ヽ ハ
けれど、関中へ帰る時は皆で一緒にだ!! /⌒ヽ―|人.. ゝ_) /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 姚襄軍は大敗した。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 数千人の死者を出して西へ逃走し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 敗残兵を集めつつ黄河を渡って平陽へ移っている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 敗走当日の夜に五千人以上、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後日四千余戸が集まったため、姚襄という人は評判が良かったのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 660 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:58:14.35 ID:YMkTV93y0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' くっ殺せ!
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':,
';::.:.:.:. . ● × ;' 姚襄様の下へ戻れないなら死んだ方がマシだ!!
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':,
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
そんなに南が嫌か 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温軍が捕らえた姚襄集団の子女も、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 姚襄の下へ帰りたいと望む者が多かったという
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 661 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/23(土) 23:59:53.50 ID:YMkTV93y0
-
/: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:',
//: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.',
/|::!: : : : : : :./: :./}.:rヘ:.} ̄¨''ミ:.:..:}
|八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:| ',:.:斥 .来客だ。
|从: :|斗抃ト、|! /, -‐─X }
! {Y 艾テ / 艾テ ! / 弘農郡の楊亮という奴が面会したいと。
ヽ } i r‐'、
/.|ヘ 」 / .| 乂 .姚襄の所に身を寄せていたらしい
イ | 、 ` ー─ イ | ' ,
, ’ | > _ イ/ ! ' ,
. ,イ | \ / . >、
. -‐.... ̄ ̄...ヽ__
_ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.\
ノ:.:.:.:.:.::.:./}:.:./⌒~¨¨¨ヽ:.:.:.::.ヽ
/:.:.:.:.:.:从{ 从:{, -‐=ニミ、 ',.:.:..::.:i
/ィ:.:.:.:./_,ノ }! _____}:.:.:.::.:|
, - 、 |:.:.:./≦ ___r=ミ///////}¨込-‐、
ちょうどいい。 i ', |/{:{,イ////// V/////ノ V/~} }
| i { }V/////  ̄ ̄ 〉y/
姚襄がどんな奴か聞いてみようぜ。 /⌒} } | i |  ̄ ̄ ヽ ` _ ノ ノ:\
___∠__|_/___.| ヽ r _ -‐ ─''7 }‐{: : : :∨_
会った事がないから興味がある {}___, -‐''¨ ̄}__|.{ /ヽ \____ ,ノ ノ V: : : :∨.:.:.:.:
/ _,. ィ ヽ___/: : : :.\ ─ / /}: : : : :.∨.:.:
. / / i: : : : / : : ::.:.:.:.:.:/ヽ / ノ /: : : : : : ∨.
ヽ 、 ______|_/_: : : ::.:.:.:.:.:/ヽ_ `ー─'' ¨__,. < /: : : /⌒ヽV
} }: : : ::.:.:.:./ >,__rニ_ |: : :./ |.:.:.:.:.
{ , -‐──────': : : ::.:.:./ヽ ///∧ ./.l: :./ i |.:.:.:.:
- 662 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:02:32.43 ID:Hlyndkgg0
-
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| 弘農郡の楊亮ですっていう。
| l ____ l |
\ ` ⌒´ / .桓温将軍におかれましては御機嫌麗しく
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i|
/::::::::::::::::::::::::`ヽ
/〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
/:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂==-、,_ _,、-==ミ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
歓迎する。 /⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
早速だが、姚襄はどんな男なんだ? \`ハ ヾ.:.::ノ ハ. /
`ー:. 、_____ , //
/ヽ _,, イリ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
_ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『姚襄載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 弘農郡の楊亮という人物は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 姚襄の下で客として礼遇され、後に桓温の下へ逃げてきた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 桓温は楊亮へ姚襄について質問した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 663 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:04:04.58 ID:Hlyndkgg0
-
/ニYニヽ /`i
. / (0)(0)ヽ / リ
. /  ̄`´ ̄ ヽ| /
| ,-) (-リ ヒ
| l ____// ,`弋ヽ 気宇は神のように明晰で孫策に等しいですっていう。
_ \ ` ⌒´.′.Y´ , `ヽ`.l
/ : : :介〈 `ー〈::....ノ Vヽ .雄武は孫策より上でしょうっていう
| : : : : ::〈 「`ヽ_ー 、 `ヾ_/ //:|
| : : : : : /: | {::::} フ-、`ー┴‐- │
| : : : 〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
そうかそうか。 、` ヽ `‐-==- i
、ゝλ i
孫策ねぇ ∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、
/、:::::::ノ/////∧ / ヽ::::::::::iヽ///、::::::ヽ::.‐-
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 楊亮は孫策を例えに出し、人々が姚襄を重んしる様子はこのようだった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 例えに出すのは微妙な人物のため、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .後に『晋書』『姚襄載記』の著者が意図的に作った話かもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 664 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:06:32.76 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元356年8月 晋 司隷 洛陽】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) >
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ < 我らは晋軍に降伏する! >
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ < (
il_,└───────┘ , i! /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
. _
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温は姚襄と伊水において戦って大敗させ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 姚襄を平陽へ走らせて、彼の部衆三千余家を長江・漢水の間へ移した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 洛陽に割拠していた周成は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 捕らえられて帰順したと『晋書』『穆帝紀』は記す
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 665 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:09:09.36 ID:Hlyndkgg0
- 【この時代だと拠点として使われる金墉城】
,;-、 ,;-、 ,;-、 , ー、 ;-、 ,;-、
l'i;;l l'i;;l l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'";:;;|
//i;:'';':;'';:;:'';':;'';:;:'';'i/:;'';;i/';:;''i/:':;;''i/ ;:;:;: :; "|
//;:!'';':;'' ';':;'';:;iコ';':;'';: ;:'';[l] ;:' : ;';' ;' :;'';'|
//'' |;':;' ;':;'';:;:;':;'';:;:;':;'';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: :i! | ,,;=‐=,,
`i'' | ;':;''; :;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;;:;;' i!;:;;| |∩;:;:;|
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;'';:; [l];':;'';: ;';:;;':;'';:; ;':; '';;;;: | ,|:! i ':;:;|_
|;':; | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i ,;':; '';i!;: | i'''" ̄~`'i
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;';':;'';:; ;':;'';:; ';:; ;':;'';: ;' | |':;'[];:;[]' ;|
,_,|;:_,,|:__: __; '';':;'';:; [l];':;';':;'';:; ';:;:i! ';:;;: ;| !':;'';:': ;'';:|
|:;'';:;: '';;/| ;:;: ;:;| ; '';:;: ';:;;';'::;'';:; ;':;'';: ;:i!;:;'l !':;'[];:;[]';::|
|:;'';:;:;'/:;'' | ;:;': | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i | ._!':;'';:': ;'';:|
|:;'':/:;'';:; .'|:;'';:;:;:'i,__;:;__;:;:'';:';:; ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';:':'' :'| _|;:|; ;[];:;[]';::|
,.,;:;、, |/:;'';:; ;:;;;.'|:;'';:;:'';:';:;:'';:'|;:;:'';:';:; ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';:':'' :'||;:|;`i,;:';:'';:'';; |
;;:;: ;'''``、;"'"''、; :`;';___,.,._., ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';: ': ',.,;:;、 ;:';:'';:'';;|
。:;;.: ;:;:; ;;;'`、;::;;、;。; ;.:`、, :. ;'';:;:'';:';|__ ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'' ,,;;、;。; ;:
';: i!|''"ii''".;:|i'';:;:;:; ;;;'``、;::;; ;'';:;:'';:' ;`i, "'` Y;:;:
,i!| ;ii''".;:|i|''" i!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『桓温伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温は軍勢を旧太極殿の前に駐屯させ、自らは金墉城へ入った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 666 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:10:56.02 ID:Hlyndkgg0
-
. . : : : : : : : : . .,,_ |_, -┼‐- __| '. .::| |: : : . . | |:::: : : :::| |:::
.:. . . . : : : : : : : . ´´「_, -┼‐‐.:.:.::::__] | :.:|  ̄| : : /⌒Y ‐| |:::: : : :::| |:::
.:.: : . . . . : : : : : .. | . : ::|.:.:.:.:.:.: .:.:| ー'- _|_ | : : | | |.:.: __」:::: -┴=ニ¨
.:.:.:.: : : . . . . : : : : : : . U . :|.:.:.:.:.:.:. :.:| . : : . . ¨ニ=- ⊥_ | |.:.: . . |_,,.、、 -‐ '' "”
´¨"ニ=‐- __ . . : : :. : ⌒i |.:.:.::'⌒i.:.| . : : : . . : .:.:.: ̄二7: | . : : : : .
-ミ::::::::::::::::::::::::´~¨ニ=‐- ..,,_ : : : : i |.:.| . : : : . : :.:.:.:.:.:.:./: : | . : : : : :
|_:::::::::::: i⌒''i:::::::::::::::::::::::::::: : . : : : : : |.:.| . : : : . . . : :.:.:.:./-‐  ̄|: . . : : : :
.  ̄|¨゙| |.:. : |¨゚''T' ┯ー─--- : :. ┘:|¨ニ=…‐- ..__: :.:.:.:.:/: : : . |: : . . : :
:: . |.:.:| |.:. : |.:.:.:.| | :| | : : |"T¬ー--=ニ...___ ̄ フ廴__ |===¬冖 ¨ ̄
: : i . : | |.:. : |.:.:.:.| | :| | : : U | :::| | : : :| |  ̄| |__ ||::( )「「( )( )( )
: : | :|.:. : |.:.:.:.| | :| | | : | :::| | : : :| | : : | |____ ||:i´`ii´ 「 i' }
: : | .. :|.:.:.:.| | :| | | ̄ : | :::| | : : :| | : : | | ||:|j_,jj ノ} }ヘ, {
: : | |::. |.:.:.:.| | :| | |.:.: : : . :::| | : : :| | : : |  ̄] ||::| | | 「ヘ〈::::} }
: : | |.:.:|: . ..::.:| | :| | | : : : : |: . | | :| | : : | } ||===¬冖ニ¨”
: : | |.:.:| |: . . ::| | :| | | : : _:_:|:_:_:.. | . . :| | : : | _} |二ニ==--一
: : | _|/ ̄´ ´´\| :| | |¨¨ ̄: : :|: : : : . : .: :U | / ̄ ̄ ̄\{ .|: : ┌…¬冖ニ
\/ ̄,;;/ / ̄:::.  ̄\ :| | |: : : : : : :|: : : : ::. | i ´ ̄ ̄ ̄/ / ̄\: :|i""¨¨ ̄
;;:;:\/ ̄ ̄;;:;:;::: : . . : :} | | |: : : : : : :|: : : : : : ...i┴く _ ' ´ ::.. / _,,/;;;\|::|: : :/ ̄
;;;:;:;:::};;:;:;::/::::;:;::::: : : . .:「 ̄\""""|.:.:.:/ ̄ ̄ ̄ ̄.:.:::;;;;;ノ ::::...ノ´ . : :::/ ノ::\;:;:;:;;;;\/:::::: : :
::::;:;:::{;;;;;;\_:::::::: : : : : . . : :::}/ ̄ ̄ . . : ::::;;;;;;/:::::::/ :::::::....._ノ : ::::::{ /\:::::\:::::::/\:::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 先帝たちの諸陵に拝謁したが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 陵が破壊されていたため、全て修繕して陵を管理する役人を置いた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『穆帝紀』は修繕を十一月としており、それまで洛陽にいたのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 667 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:11:43.21 ID:Hlyndkgg0
-
/\___/ヽ /\___/ヽ
/ノヽ ヽ、 /ノヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
| ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、 | ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、
| `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl | `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i | . ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i |
/ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l | /ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l |
/ |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄ / |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
/ | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ / | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ
/ | .| | .|人(_(ニ、ノノ / | .| | .|人(_(ニ、ノノ
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ ;
/⌒`´⌒:#;; \
| -)___(-、 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
|#; |!!il|i|!li| l | ヽ
\ ・`⌒´ / / :##;; ヽ
/` .`ijー─‐'"/ / ̄ ̄フ\ ノ
/ / ;/ / / / /
/ / ・. / / /;; / ∠_,-
⊂二⊂ノ / /;; (__/ ∠__,- 丶
⊂二_ノ (________ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一方で、洛陽周辺の蛮賊・妖賊を平定
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 668 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:13:50.13 ID:Hlyndkgg0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′ 戴施よ。
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
込ト-r≧====x _r≦====x〃「 我が軍は荊州へ戻るが、
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j / お前には洛陽の守備を任せたい。
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧ 朝廷は伝国璽を献上したお前の功績を忘れていない
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
あれ、本当に伝国璽なんです? .| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー そして、河南郡太守戴施を洛陽に駐屯させ、江陵へ帰還している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この戴施という人物は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 冉魏滅亡の折に「伝国璽」を東晋へ献上したと『晋書』『穆帝紀』にある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただし、「伝国璽」の印文が過去の史書と異なるため、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 実際は西晋・後趙・冉魏の皇帝が用いた伝国六璽を献上したと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 669 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:16:39.57 ID:Hlyndkgg0
-
\ | └┴┬i::::|==========|: : ://__. rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|
:::...>、 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r、]: :.[_[;;::::.} ]:]:: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::、 /〉
‐く.:〈 ,、 |. : : : :.: :\:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉 //:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐ ,、
.: ::L└i _ .||_ | : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : : :〈〈 rく〈:.;:..::..::.::_|:::/Tl::::;二/ム、| || _r─
::.: :└i:| //\| ::::ト、__ : : :||_'//、п‖::.:l| : : : : 〉〉 | :.|::|..::./rへ/レYL;/:>┘/ト┘.//::::.`L「|-┘/:::トyィ
工エ::「 /〈. ::〈|-、_/::::::..\r':.|.::[,/T>.:/ロ〃乢.: :: :〈〈  ̄└─匚|__| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ir==| |.:::.「.:[]:}il|{´
: :∠7ヘlコ:::|:.:..|-i_::_r√ソ\>へ:| :|:ln| :]:|:П叮  ̄ 。l;_|_|ー|__!」====l|_<>‐┴─|i|l|
: :|ェ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|\.::::》: :::L;:.::r| .L/俚⊥! rュ ´ ' ルヘ:
: :|ェl:∩ トi:.|::::.l\|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~
: :|ェ|_|::|/<>。
: :レ|[:::《 ' 、 /レ:ヘ
_〈l〈V\|コ _,‐| .: : .:.| 7!_
:ト|ェ|:|;;レ' rュ ´ ' / / ゙'ー-‐''´// /| )ァー-L _
: :|ェレ / lニニニニニニl/ // <⌒::::::::::::::ゝ
/ ' 、 ` lニニニニニニニニニl/ イ:::::::::::::::::::::::ハ
从、::::::::::::::::::リ
{ヘ:::::::::::::::ノ
Y二二Y゙
_ノ¬‐‐-ミx
あれほど栄えた帝都洛陽が無惨なもんだ rー'´ `>、
{ / }
j Y 、 / {
仁コ \ ミlニニニ〉
| | | l
| | | |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、孫盛は桓温の入関平洛に従ったと『晋書』『孫盛伝』は記している
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 670 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:19:05.99 ID:Hlyndkgg0
-
)ァー-L _
<⌒::::::::::::::ゝ
イ:::::::::::::::::::::::ハ
从、::::::::::::::::::リ
{ヘ:::::::::::::::ノ
Y二二Y゙ もうこれが見納めかな
_ノ¬‐‐-ミx
. rー'´ `>、
{ / }
j Y 、 / { /::::::::::::::::::::://⌒´ ヾミ::::::::::::::::::::`ヽ、
仁コ \ ミlニニニ〉 /::::/:::::;:イ:// _____ ミ::::::::::::::::::::::::::ヘ
| | | l /:::::::/::::/ /// ∠才´ ̄` ミ::::::::::::::::::::::::::∧
| | | | . /イ::::::/::::/ /´/∠才77777ハr=;,、ミ:::::::::::::::::::::::::::∧
/ /::::::/i:::// 厶//////////} `\:::::::::::::::::::::::::∧
/ !:::::/:::!/≧、_{//////////// \::::::::γ⌒ヽj
|:::/ハ//// V///////// 彡\:/∠`ヽ i
|:/ i {/// ` ー─一 ´ 彡イ { } }l
i′ V´ ..........) )( ノノ
だが、俺たちは帰ってきた。 i`ヽ:::::::::::::ノ ノ ノ イ
', `""´ ム /:::/
諸陵に眠る先帝方に献杯だ ', ー=ニ二ヾ 才 ト ,.イ:::/\
', ...,,,, \\ j ヾ:イ::::::::ヽ
', \\ . イ:.. ∨::::::::::ヘ
...,,,、..-:::――――:::-:..、._.,,..ィハ ヽ;;> ,.イ: : : / ∨::::::::::ヘ
:::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://∧ . <: : : : : / ∨::::::::::ヘ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:::::::::::::ヽ、_____.... <: : : : : : : : : / /lヘ:::::::::::::ヘ
::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::/∧: : : : : : : : : : : : : : / / !: ヘ:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽奪還という偉業を成し遂げ、桓温の第二次北伐は終わった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 671 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:19:48.69 ID:Hlyndkgg0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 一方その頃 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 以後しばらく、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 桓温の動静は史書から途絶える。
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 ひとまず、その後の姚襄について触れておこう
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 672 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:22:13.41 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年5月 晋 司隷 平陽】
●北屈
●鄜城 【平陽郡】
○平陽
○襄陵
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´
【北地郡】 ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ 【滎陽郡】 l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ○ 〇偃師 ○ ○ ○倉垣
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 【陳留郡】
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 襄从斗j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i .関中へ進軍するわよ!
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/ .両雄並び立たず、
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :| .徳を棄てずに民を救えば、私の計で事は決するわ!!
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 年が改まって升平元年(三五七年)五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 姚襄は関中へ侵入したと『晋書』『穆帝紀』は記す。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .北屈から黄河を西へ渡って鄜城を攻略し、
`ヘ:ゝ .' 小/ 北地郡の胡漢五万戸を加えて西進したと『晋書』『姚襄載記』にある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 673 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:24:04.33 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年5月 晋 雍州 三原】
.-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
./!/: : : : : : : : : : : : : \
i⌒ヽ, l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶 ./)、
ゝ.>>─────襄从\j )|: : : i..__/^)、 ,i
'‐‐、/ レ! l : i / ∨. ○ 从 |、i| l、ヽ、 _/
.ヽ、 /ヽ|.i/ 、_,、._, ⊂⊃ |ノ / > )'´
/ 人ヘ ゝ._) j | ./ / あっ!
レ〈ヽ、 >,、 __, イ / /、ヽ
.|ヽ 7ヽ7、/| / 7 ,イ\ .ヽ ハ
.| | ヽ!、〈ム〉レ' 「>,.ハ \...: : :/
.| | ,イ、__ハ______,ゝ、>_ヽ、, : : :|
. | |く_、__ハ__、__rン ノ--r、. : : :|.
\__人_人从_人_人从/ ノし
_) (__ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 .て
) 姚襄だァ! ( /!/: : : : : : : : : : : : : \ (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ .l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ lj: : : : : : .萇 从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ○ i/: :|、: : i
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) . " /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、三原という地で前秦軍と戦になって姚襄は破れ……
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 674 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:26:41.68 ID:Hlyndkgg0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 姚襄を討ち取りましたァ!!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/.::::l:::::::::::::::::::::/.|::::::::::/.::/.:::::;ィ:::::..._l_ '; .l __}::::∧
./.::::::;!::::::::/l::::::/.::;!:::::::/.::;'.:::/.:|:::::::/|:::: ̄::::::::::::::T…ハー‐|…::::::l::::::::::::l }
/.:ィ::;':|l:::::;':::|:::/.::::l::::::/.:::;:::/ .|::::/ !::::::::::::::::::::::リ::::,' ';::::|::::::::::l|::::::::::::l::,′
./'⌒|::l::|l:::::l::::l:/::::::::!::/.:/ >..、 .|:/ .|::::::::::::::::::::/.:::/ __,ミノl::::::::;':!:::;::::::リ,'
.|:ハ::l:::::|:::::'::::::::::::/_>イ示>ミ:.、 .l|:::::::::::::::/ /:/ィ´.ノ }》.!:::::/::l::;'::::::;:′
.l:|._';::::::|ハ:::::::::::ハ:〉《 .:|'人___>ト.メ}::::::::::〃 /イミ=イ / .ノ.::::::/.:|l::::;′
.,.イ:::::i:::〈l} |:::::::::!.:l| 弋///Yリ / ,'::::::/ 乂'ノ /.:::::::/.::ノl::/
.i′::::::::乂:::ヽ〉:: 从 l 、_`−二ノ /.:/ ー‐' ハ:::::;'.:/.:l|リ 殺ったか
.|::..::..::..::..::.\:ハ::::::ハ 〈;/ .; ∨l〈`ヽl|
.ノ〉::..::..::..::..::..::\〉:ハ :::.、 ゞ .从 ∨ .\:.\
〈〈::..::..::..::..::..::..::..::.`l从 丶 .イ:::::| ヽハ
イ/\::..::..::..::..::..::..::..::..::.\ ` 、 .∠二二ア ..イ:::::::::l| ∨'.,
'////,\::..::..::..::..::..::..::..::..::.\ >..、 ...イ.::::::::::::::: リ ';ハ
l//////,\::..::..::..::..::..::..::..::..::.>..、_ >....__ ..<::::::::::::::::::::イ:/ ll:::li
/////////\::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..:>i=<__::::::::::::::::/..:::/ |l:..:|ト、
///////////\::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..:  ̄:¨У.:::::::/ |l::::||:::.\
/////////////\::..::..::..::..::..::..::..::...::..::..::..::..::..::..::〃.:::::イ:| .リ::::リ:::::::::l
前秦 龍驤将軍 苻堅
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ……前秦軍を率いていた苻堅によって殺された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 675 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:27:24.48 ID:Hlyndkgg0
-
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \
| -)___(-、 | 姚萇様!
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.|
/ \ ・`⌒´ / 敵軍に姚弋仲様の棺を奪われました!!
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/
/ _ /
三 / __ ヽ
三 ! /r .)
ヽヽ _/
ノし
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 .て
/!/: : : : : : : : : : : : : \ (
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : .萇 从\j )|: : : i
踏んだり蹴ったりだよもう! .| : l : i / ∨ ○ i/: :|、: : i
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
私たちの降伏を条件に父上の棺を返してもらおう!! /⌒ヽ―|人 ゝ._) . " /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『姚弋仲載記』によれば、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 姚襄軍団は死んだ姚弋仲の棺を運びながら各地を移動していたらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ところが前秦軍に負けた結果、棺を奪われてしまった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 676 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:30:37.11 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 棺は前秦の皇帝苻生の手に落ちた。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .ここで苻生は寛大な対応を見せ、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 王の礼をもって姚弋仲の棺を天水郡の冀県に埋葬させている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_ノ"" ̄ノ二二ノフー――‐
{ __辷 ナZ______ _}
Уo o 辷 ナフ o ̄o ̄o\\
廴__辷 ナフ____ \ミ
冂ミトzz辷フzz彡彳彡 { ̄\_ノ
トノ" rモぅ}「ミしf‐モ五丁 仁二ハ
. ノf ´ ̄〈j / __厂 ̄ { ]ニYヽ]
知らん間柄でもないし、 .ト] (┬nノ l }ニ{ }}}
それで姚氏の集団を味方にできるなら安いものだ }ミ} 、____ノ l }ニ[ノノ[
∧ 圦 ご⌒二´ / }ニ}ノ\}
/ ∧_]八 ノ⌒ / ノミノ |
|\/ ̄〈___〉」 ∧ / ノメ |__
| \ /] ∧ イ{ | (_)| / ̄ ̄ ̄\
人_ノ/ ̄/ | | ト-------< / / ノ ̄/ \
. // ̄{ \|__|______/_____/(_)/ / / /
/ / 乂(_) (__) (__) (__) (_)__/___/ //|/ ̄/ /
- 677 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:32:50.46 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年5月 晋 雍州 三原】
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : :ハ萇从斗j )|: : : i 丁重な対応に感謝を。
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i
|: i i. ||,、_, || :.:|ノ : :ヽ ハ 我ら一同、謹んで降伏します
/⌒ヽ―|人..|| ._) .||. /⌒i : : : :/
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :| /'
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ | /::/-――――‐-...ー―ァ
,..--':::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\´
/‐ァ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
⌒7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::.
.〃::::::::::::!:::::/:::::::|:::::|:::::::ト::::::::ヽ:::::::::::.
/'|:::::::|::::-!::/_{:::::::{:::::i\::i-\::::::!::::::!:::!
共に趙軍で戦った仲だ。 i:::::::|l:::::i/_\:::ヽ::::. _)'__‘::::|i:::::|l::|
{:::::::|l:::::「丐心 \i\{ 丐刃 }i::リ∨:!リ
頼りにしている ヽ:::|i:::::i ヒz少 ヒz少 i/ }:::i′
)八从 , 厶イi::リ
`ヘ __, ..イ:::::リル'
)ト . .ィルリノレ
r―――}` ー‐ {i/---- 、
}: : : : : : :\_. -: : : : : : : :.\
__人: : : : : : i i: : : : : : : : : : : --〈_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『姚萇載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 姚襄が死ぬと、姚萇は諸弟を率いて苻生に降った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 678 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:37:29.17 ID:Hlyndkgg0
- 【苻堅はこの年で二十歳】
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : ハ萇从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i 権翼。
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/ あれが苻堅だけど、どう思った?
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
/ ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
なるほど。 | ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
あの若さで大したものです。 .ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
非常の人、といった所でしょうか ./;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 前秦という国家は冉閔の乱以降、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 相次ぐ君主の交代・桓温と姚襄の攻勢によく持ち堪えていたと言える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 679 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:38:02.33 ID:Hlyndkgg0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ しかし、翌月。
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.`
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 .その前秦で政変が起きた
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 680 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:39:04.45 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年6月 前秦 首都 長安】
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 天誅ッ!!! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
:,: :(::) /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
(:::::::::::::::!' (::::::)
ヽ::::::::';''' ''~~ 。
τ'::/ .;:
)/
。 ' 、 ;: 。
f''`⌒( ,,,, !:(',,,, ::,,,,,、...
,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (:::::::::::::::::: (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒ 、 ;::::::::::::;;.;~~''
,,、.. // ノ' //'''~~ ..,,.. _,,,.、 ,, ...: ..
/;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ;,;;( ):::::;. c::── '^'''::::::::::;'
):::::::::::::::::::::::::::/ ''''' '` ⌒ ; !.:::τ''
!::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, :'~~~:
(::::::::::::::::::::::::::::冫 ~~~ 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ
::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー'''' ''''''''"
ヽ::::::::';''
- 681 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:41:08.72 ID:Hlyndkgg0
-
|r''ヽ :t⌒);t _(;i:::::`ー'" ,,,,、、===
|ヽノ,,,__~,__ヽ ̄ :::(,i==ー ''''"ii,,,,,、-'~ヽ
,,、rri-リ'=、;;((、|',''''""(i;{ ii、;;;"''";;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
ヽ;;;〈'i;;;;;;;;;;;;;~'-、ーz'''':::::::::::::-ー''二;;、、""::
};;;;;;;',~'=tー ;;=、;tヽ:::::::::::-'ニ互,,、-ー'゙""::::
};;;;;/⌒`"'~''":::i' ヽ:::::::ヽ::::::::::::::::::::::: .貴様ァ!
ヽ;;;| :::::''""::::i | リ ,,、、}:::::''"":::::;;;;;;;;;::::
〉;;;;i :::::(( )ッ,,、_,ノ"" :::::::::: 血迷ったか!!
ミ;;;t ::::'"~,,,ー '''",,, :::::::
|ヽ /:t;;;;;t ri'、- 、;;;;;;,,,,~''-、;; ::::::
|::::ヽ. /:::::''t;;ヽ i(''"ヽ三三~''''')i :::::::
|::::::::ヽ /:::::::::: 〉;;ヽ :i ~~,rー-、~~~~ j :::::::::: ト.
|i:::::::::::ヽ)'ー―ゝi::::::ヽ i| 了::::::::::: ~' 、, ii :::::::从ii |:.:.:. _、--.、ト.
,,|i::::::::/:::;、-フ";;;;t:::::::ヽj'〉 ::::::::::::::::::::: ツ :::::ii|jj|;、-' |:.:.:∧ /:::/:::::::l:::\
/r'~''''"::::/;;(ノ;;;;:::;;;t::::::::tツ,, ::::::::::::::::::: ii|ii|;;、-'",、-' ‘.:.:ilii∧ ./:::::l::ハ:::从::::i
‘.:(i∧ ,i/iハi/::l/:::::i:/
‘.:.\il∧ 介ト、___' .イ〉
. \ \∧\: : : : :/`:.
\ \\`¨Υ {.:.
i\ \\,|_|__,i..:.
. ∨:\ \\: :j:_:_:.
血迷ったのはどっちだよ!!! ∨:/\ \}/: : : i
_,}\: : \_iリ-、:.リ
_}: : : :\: :i/_ノ_}/
\: : : : : : 〉: :.入〉
//>=-匕〉///\
////// \/////\
////// \/////!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 六月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 苻堅が苻生を殺して自立したと『晋書』『穆帝紀』は記している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 682 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:41:56.57 ID:Hlyndkgg0
-
_,.._.――_-...、__∧/{/.::::.∨:..:..:..V.::.::.::.::.:',∧
./_:..:..:..:..:..:..:..:..`ヽ:..:.:/.:::'::/.::/.::::::::.∨.:..:..:l.::.::.::.::.::.:';∧
.l::.::.`ヽ、: :..:..:..: :.,.-〈::::::::::::::'ー―_∨:..:..l.::.::.::.:.::.::.:,∧
丶::.::.::.::.丶.:..:..:ノ.:::::;::::::::;、'´::::/ ィテミ∨.::.∨::.::.::.::.::.::.∧
ヽ::.::.::.:: 丶  ̄7/.::::::/ `ヽ;〉/.lリ='' ∨.:..:∨.::.::.::.::.∧.∨ヽ、
丶::.::.::.::.:∨/イ:::::く ._ ‐′ .}.、:..:.∨.::.::.::.::.:∧ ∨:::>、
ヽ::.::.::.::..V.ノ.::::ハ.l ヒリ , ‐ ,-、|、\:.∨.::.::.::.::..∧:l<::::::::>、 覚悟ッ!!!
.ヽ::.::.::ー'-―ヘ:ハ. / /-‐ヘ.ヽ.:..\ヽ::.::.::.::.:∧! ` <::::::>、
\::.::.::.∨.:lヽl、 ィ '´.:..:..:..:..:..:_〉-、 ` >、_::.::.::.::.', `:<:::::>..、
\::.::.:V. :;イ〈.:..:..:..:./.:..:./ `丶、 ` ーヘ ` <:::::`:.、
ヽ::.::.::.乂\ヽ:/.:..:..:,/ `ヽ、∧ ヽ `<::::`:...、
ヽ:://∨/>、:..::/ `∧ ハ `<::::`
,......――......... リ/.乂////>、 ,.-‐::::: ̄ ̄:¨`:〈∨,.:'∧ `<
/...::::::::::::::::::::::::::>.、` 、 .// \'/////\イ:..:..:..:..:..:..:..\::.::.:∨.:.\ハ
/..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`:...、 ` ー'ミ、 >ミ'////,\__:..:..:..:..:..:..\::.:∨.::.::ヽl>、
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...`:..、 `ー<:..:..:..:..`<////>、:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \:∨.::. \::::`::.、
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...:`:..、 ` <:..:..:..:`:'<///>、:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾV::::. :::ヽ:::::::::`:...、
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./.:`:.、 `:..::、:..:..:..:.`.'<//,>.、:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::. _::〉::::::::::::::.`:..、
. .:| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ \ ` .、:..:..:..:..:`::::<//>、:.:.:.:\:. :∧::::::::::::::::::::::`:..、
: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__/ / : \ `:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`</>、:.:.\'/∧:::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 前秦の皇帝となった苻生は凶暴・残虐で、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 外戚・宗族・官吏を次々誅殺する様子が『晋書』『苻生載記』に残っている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 従兄弟に当たる苻法と苻堅の兄弟も誅殺しようとしたが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .苻生の侍婢から事が洩れ、苻堅と前秦の老臣たちの軍勢に殺害された。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 享年二十三で、脂、と諡された
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 683 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:44:05.65 ID:Hlyndkgg0
-
__ _ .//////////////,ィ'//ィ'/////ィ'/∧V///////
:.:.:..:≧x ___ ._∨ノ , イ`ヽ、 .,'//////////////.'//.;'////://.://,イ//////
:.:.:.:.:.∧:\:.:ヽ 丶 ¨∨),ィ'⌒ヽハ .i'/l////////l/,'.l/.:l//.:i//:'::::/.:::::://'.///////
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.ヽ:.:ヘ ヽ ー‐ヽニ〈゙∨ヽ、|l .l'///////ハリ l:::::|/::::´:::::::::::l::::::::/イ ///////
:.:.:.:.:.:.:.:.ー=ミ、:.:.:i :i.... ヾl-、ヽ. l}! ∨|∨///,l::l|:. ′ :::/:イノ///
`ヽ:.:.::..:.:.:.:.:.:.:`.:.|::::::|: ノ.´ ヽ! ヾ//人::::::. ___ ′.l//|'/
..:..:..\:_:.:.:.:.:.:.:.:.:l!.:.:.,ヘ、__,ィ='ヘ r―‐`ー――‐-.......´ ̄ ` .ィ'/ .リ
:..:..:..:..:.ヽ..二ニ=┘:_:l. `¨:l'////≧=ニ二}_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:..:..:..:..:..:.≧‐ <ノイ_
:...:...:...:...:..丶:. :..ヽ_____〉</////.:.:.:.:.:.:.:.:.:...、.:.:.:.:.:.::.丶:..:..:..:..:../ ノ..:..:..:..:..:>..、
.:...:...:...:...:...:...ヽ:...:.丶:...:...:.'∧. ∨//{-zミ_:.:.:.:.:..:.:.:.:>:、.:.:.:.\.:..:.:/ /.:..:..:..:..:..:..:..:..:冫
::.:...:...:...:...:...:...:.ヘ:..:..:..',:..:..:'/∧ ∨/////∧\.:.:.:.:.:..:..:..:....丶、:ヘ//..:..:..:..:..:..:..:..:/
::::::::...、..:..:..:...:..:..:':,..:..:..;.:.:..:./∧:. ヽ'/////ハ 丶:.:.::.、:..:..:..:..:.` ̄∨.:..:‐=ニ=<
:::::::::::...ヽ.:..:..:..:..:..:..';..:..:.;.:..:..://,i ∨/////∧ `..<ト;..:..:..:..:..:..〉〉:..:..:..:.:..<>.、_
:::::::::::::::::::..`:.、.:..:..:.∧:.:.:;.:..:..//,ll ヽ'/////∧ |l|`<:_//>lY´..:
::::::::::::::::::::::::::...\:..:..:..:..:..:..:..//l|l ∨////∧ |l| |l{ l:|
::::::::::::::::::::::::::::::::...\:..:..:..i..:..//l|| ∨////∧ :|l| |l| 〉〉
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ..:.:l:..:.//l|| .∨////∧ |l| ||l 〈〈
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年、苻堅は大秦天王を称したと『晋書』『苻堅載記』は記す
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 684 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:45:08.76 ID:Hlyndkgg0
- 【前秦苻氏略系図】
┌───────────────────────────┐
│ 苻洪 .....│
│ ┌───────┴───────┐ ..│
│ 苻雄 苻健 │
│┌───┼───┐ .┌──┴──┐ .│
│苻融 苻堅 苻法 .苻生 苻萇 │
└───────────────────────────┘
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l .何故天王なのか?
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ 皇帝になれるのに天王になったのは石虎だが、
ヘ!:| ノ!/′ .苻堅も石虎と同様に一族の中では傍流の出自だった。
ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ .本来なら皇帝にはなれる立場ではなく、
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ このまま即位しては簒奪と見られる可能性があった
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 685 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:46:12.66 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 こういう場合、前任者叩きを行うのが世の常で実際そうなった。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .殺された苻生についても
\ヽ、 _ , イ!::/ 果たして『晋書』『苻生載記』通りの人物だったのだろうか?
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .北魏の時代に書かれた『洛陽伽藍記』はこう述べている
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.|
| l ヽ__ ノ l |
苻生は勇を好み酒を嗜んだっていう。 \ ` ⌒´ /
>'1ミ二彡^ヽ、
だけど、仁にして無闇に人を殺さなかったっていう。 ./ 个 ー イ 彡ヽ
/ i ト/ミy@┬ ヘ
統治も凶暴じゃなかったのに、 /| ̄|ヘ / ,h /| ̄ |
史書は天下の悪全てを苻生に帰しているっていう 7|> ' /n `タ._k |
ゝ _ /彡イ `〜 、...,,_}
__ >彡 '_ゞ_ゝニゝ、_
< ミ三三彡彡へ r‐ァニ三彡ハ
〉ーニ二三彡彡1 l キニ三二−ヲ
f⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒ハ
f⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒ 〉
ゝ⌒X⌒ヽ〜‐-<⌒⌒ メ⌒Y / ヘ
- 686 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:50:05.18 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .約半年後の十一月。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 今度は苻堅の庶兄に当たる苻法が殺された。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .これも苻堅あるいは彼の周囲が、
∧\ マ三ソ| \ 自分たちの正統性に自信がなかった良い証拠と言える
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
,..イ〉
r<:::::;' ,...--..、___
_|::::::::::'´::::::::::::::::::::::::: ̄二ア
,.ィ⌒`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く_
ムァ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::ヽ`ヽ、
,!/ 、___:::::::::::/.::::::::::::___;:: _,.',:\ハ:\ハ、
俺じゃない。 .リ:{l、....__./ ___.,l...-l、':::ト、::';::::.\ト-`:'ト、
厶;}l::;::: |::jl:::ハ::::::::::|l∨:lW::';::::::::::::::ハ‐'⌒ヽ〉
あれ母上がやった。 ._./_';ハ::l:バ' V}i::::::'.`卅‐∨::::::::::/`ヽ〉'´ ̄`ヽ
._仁ヽ`ヽ Y弋歹Y:、::',弋歹¨ヽ:l|;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ、
知らない。 ノ‐ 、 V:{. `ー__ .}リ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|∧
,r‐ゝ-、__ ,ィ´.人 / _.〉 イ:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:リ ハ
済んだ事 リ:.:.:´:.:.:;-=−'ミ;__:>..._/ .、_〉イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〃 ',
.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .l __ 〉_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.>' .',
助けた苻法の息子にも謀反された→ |::.>::.::._._:_:.::.::.::.::.::;′,' .,ィ_ノ:.:.:`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;:イ .人、
>ミ、_:_::.::.:::>-::.:_l {ー</ ::.:::.:::.:::.:::.::.:::.:::./ .__..,...<::.:::.::.\
¨ヽ::.:::.:::.::ハ |::.:::.:::>::.:::.:::.:::.:::.>'´ ̄`ヽ、::::::::::::::::::::::::::::
- 687 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:51:13.14 ID:Hlyndkgg0
- 【>>686修正】
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .約半年後の十一月。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 今度は苻堅の庶兄に当たる苻法が殺された。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .これも苻堅あるいは彼の周囲が、
∧\ マ三ソ| \ 自分たちの正統性に自信がなかった良い証拠と言える
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
,..イ〉
r<:::::;' ,...--..、___
_|::::::::::'´::::::::::::::::::::::::: ̄二ア
,.ィ⌒`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く_
ムァ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::ヽ`ヽ、
,!/ 、___:::::::::::/.::::::::::::___;:: _,.',:\ハ:\ハ、
俺じゃない。 .リ:{l、....__./ ___.,l...-l、':::ト、::';::::.\ト-`:'ト、
厶;}l::;::: |::jl:::ハ::::::::::|l∨:lW::';::::::::::::::ハ‐'⌒ヽ〉
あれは母上がやった。 ._./_';ハ::l:バ' V}i::::::'.`卅‐∨::::::::::/`ヽ〉'´ ̄`ヽ
._仁ヽ`ヽ Y弋歹Y:、::',弋歹¨ヽ:l|;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ、
知らない。 ノ‐ 、 V:{. `ー__ .}リ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|∧
,r‐ゝ-、__ ,ィ´.人 / _.〉 イ:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:リ ハ
済んだ事 リ:.:.:´:.:.:;-=−'ミ;__:>..._/ .、_〉イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〃 ',
.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .l __ 〉_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.>' .',
助けた苻法の息子にも謀反された→ |::.>::.::._._:_:.::.::.::.::.::;′,' .,ィ_ノ:.:.:`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;:イ .人、
>ミ、_:_::.::.:::>-::.:_l {ー</ ::.:::.:::.:::.:::.::.:::.:::./ .__..,...<::.:::.::.\
¨ヽ::.:::.:::.::ハ |::.:::.:::>::.:::.:::.:::.:::.>'´ ̄`ヽ、::::::::::::::::::::::::::::
- 688 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:52:11.20 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年11月 前秦 首都 長安】
/>ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
.// /二二二ニ=-_::::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::::::::::::::∧
′ ./イ/|;::::::::::::::::::::::::;イ:::::/|::::::::::::::::i::::::::::=ニ二〉ヘ
/.:::/.::|:|::::::::::;イ:::::/ ,'.::/ .;:::::::/|::::/l:::lハ:::::::::l:::::|ヽ:\
./;イ:::::::::|/|::/.::|:::/―‐メ、.'::::|/.:;:::/┤l:::::i:::::::|!::l| ` ヽ
|::|::::/.l:l:::|':::::::l__..、 ,'.:::::;::::;.イ___!:l|:::::l::::::l|:l|!
l/l:::l |l::::::::/弋:::トイ'./>イ/テトイリ'|:::::l::::;',':/ 俺の意のままに動く奴が少な過ぎる。
,ィ≦从ヽl|::::::; ` ̄´/´ i、`""´lイ::/|:/,'/
〈::.::.::.::.::.:`ーミ::il、 ゝ' .|,、ヽ' .′ .やっぱり、新しく人材を集める必要があるな
,.-.∨::.::.::.::.::.:: レヘ\ ィ..._〉|
.人::.::.::.::.::_.::.::.::.::.::.::...:..>..、 /  ̄`ー ´ヽ l、
/ ` ̄´ :∨.::.::.::.::.:::...:..:..:..:≧ ′ / 丶
../ ∨.::.::.::.::.::\.:..:..:.;ト、 ,..-< l
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
殿下。 | \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
華陰山の王猛が招聘に応じてくれました \ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 苻堅の治世では
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 苻生の諸弟や苻法の諸子による反乱が何度か発生している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 君主が数年足らずで次々亡くなった上、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 苻堅が即位した事情もあり、宗族や豪族に不満を持つ者が多かった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 加えて冉閔の乱以来苻氏に付き従ってきた民は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 豪勇を恃みに地方で好き放題略奪を行っていたのが当時の前秦だった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 689 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:54:18.36 ID:Hlyndkgg0
-
:'゙ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::`,
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/ 抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
大王殿下。 ヽ] ム トう心 トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
l, 沁 ∨)ツ Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
北海郡の王猛、字を景略といいます。 .|i:::i圦゙゙゙゙ 、 ゙゙゙゙゙ |::::::::::::::::::| i:::::::::::i
|i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
お召しにより参上しました .|':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶、
} i \_\__ア ,厶,_ /:::::_厶イiり | _/ \
ノ { ⌒ア 人 ⌒  ̄ ̄ア 厂 ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そこへ王猛がやって来た
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 690 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:58:11.87 ID:Hlyndkgg0
-
,-、',:::イ´:::::::::::::::::::::::::`ヽ、´
/_-,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. /:::,::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::\\
//,::::::::,:::::/!:::::::::l:::::l::::::::::、::::::::', ヽ
/イ:::::::::l:::/ .l::::::::::',:::::l_、',_l:::l::::', よく来てくれた。
. {::::::::::´!/`ヽ':,::::::::',´、!_!:::l:::l::',:l
',::::l::::ィ l´<ヽ ヽ:、::ヾ!´<,lオ!:/::l゙} 桓温の誘いを断わって、
',::lヽ::', 辷ソ ``辷ツ/;:' }::l .俺の所へ来てくれた事に感謝する。
ヾ ヽ、ゝ ' ハ'´l:/
ハ、 ー 一 ,.イ::/ / .お前の名は趙の徐統から聞いていたが、関中に来ていると耳にしてな
_ ',:lュ、 イ:/l/_
<: : `ヽ.l、 `_´, ┴'"´ `丶、
,}: : : : : :ll ´: : : : : : : : :_:,../
,/"´ `丶、: : ll: : : : : :_,..-'" `ヽ、 :::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/:.l ,`-''- ';'"´ /:`ヽ i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/ 抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ] ム トう心 トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
はい、手紙で拝見しました。 .l, 沁 ∨)ツ Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
|i:::i圦゙゙゙゙ 、 ゙゙゙゙゙ |::::::::::::::::::| i:::::::::::i
徐統様には大変お世話になりまして。 |i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
|':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
自死なされたのは残念でした .|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 苻堅は王猛を中書侍郎に任命している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この二人の関係について、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 共に後趙の侍中徐統に見い出された共通点がある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『苻堅載記』は彼らの仲を
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 大事を興そうと誓った様子は玄徳が孔明を遇したようだと評した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 691 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 00:58:41.85 ID:Hlyndkgg0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` そして、王猛の思想信条を示す話を紹介している
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 692 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:00:43.94 ID:Hlyndkgg0
-
∧
.∧ ヽ
, ' ̄ ̄ ̄ ゙̄ヽ / ', ',
,イ / ノ( ヽ ト、 / ! !
i ヽ─、 ^ |ー' i / ││
ヾ_,,;;;》 〉 ヾj j/ 〈;;_ノ / | |
l ヾニアミ fニアl 〈 | .! 新しい県令の命令だ。
i 〈 i } ,' ,'
| イrェェェュ / ./ / / あかねちゃん推さないと死刑
.| \ `ニニ´/ / / /
| ヽ ー '_ / / / .ヒャッハーも勿論死刑
,-ー、 ヽ;;;;;;;;;;;`ー-、 / / /
;;;;;;;;;;\ー、 ,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. / / /
;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ / / /
(~) (~)
γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:}
言論弾圧とか中国みたいじゃないですかヤダー! (・ω・`u) (・ω・` )
(:::::::::::::) (:::::::::::::)
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー そこで王猛。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 法を明らかにして刑を厳しくし、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 善悪を明確にして豪族の勝手な動きを禁じた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .見せしめのためか、鞭で官吏を一人殺すような事もした
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 693 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:03:45.10 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元357年頃 前秦 首都 長安】
,ィニY///////////,ミ、
./._/イ////l//lヘ/////ハヽ
/ ',イ'//l厶|//トミ_V///ト|ヽ
l从⊂⊃Y⊂⊃ハ:i|ノ .あのさぁ。
liト、i ´ ` リ ノリ
r' >、⊂⊃ .ィ从 政治は徳による教化が大切だろう?
rト、 `ーy-< .ム、
/ `ヽ、 }} ./. \ .なんだって着任早々、
/ l`Yl¨ll´ ヽ 殺戮が無数に行われる苛酷な統治になるんだよ?
l∨ |: || :l| .ハ
|∨ ,': |: || :l| l .,.:' i
|l ∨ ;::l |: || :l| ∨ |
ハ! ヽ/. ̄ ̄:||  ̄ ̄ハ : | :::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/ 抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ] ム トう心 トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
宰相は安寧な国は礼で治め、 l, 沁 ∨)ツ Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
乱れた国は法で治めると聞いています。 |i:::i圦 |::::::::::::::::::| i:::::::::::i
|i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
謹んで殿下のために凶猾を除いたまでです |':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .結果、始平の民が上訴したため、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王猛は廷尉によって獄に下されて長安へ送還された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .以下は、その際の苻堅と王猛のやりとりだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 694 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:05:05.39 ID:Hlyndkgg0
-
.イ:::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/―.、
/>ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
.// /二二二ニ=-_::::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::::::::::::::∧
′ ./イ/|;::::::::::::::::::::::::;イ:::::/|::::::::::::::::i::::::::::=ニ二〉ヘ
/.:::/.::|:|::::::::::;イ:::::/ ,'.::/ .;:::::::/|::::/l:::lハ:::::::::l:::::|ヽ:\
./;イ:::::::::|/|::/.::|:::/―‐メ、.'::::|/.:;:::/┤l:::::i:::::::|!::l| ` ヽ
|::|::::/.l:l:::|':::::::lィ=示ミ ,'.:::::;::::::;ィ示l:l|:::::l::::::l|:l|!
l/l:::l |l::::::::/弋:::トイ'./>イ/テトイリ'|:::::l::::;',':/ 続けろ
,ィ≦从ヽl|::::::; ` ̄´/´ i、`""´lイ::/|:/,'/
〈::.::.::.::.::.:`ーミ::il、 ゝ' .|,、ヽ' .′
,.-.∨::.::.::.::.::.:: レヘ\ ィ..._〉|
.人::.::.::.::.::_.::.::.::.::.::.::...:..>..、 /  ̄`ー ´ヽ l、
/ ` ̄´ :∨.::.::.::.::.:::...:..:..:..:≧ ′ / 丶
../ ∨.::.::.::.::.::\.:..:..:.;ト、 ,..-< l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/ 抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
最初に奸吏を一人殺したのは、 ヽ] ム トう心 トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
他の者が勝手な真似をしないよう法に従い粛清しただけ。 l, 沁 ∨)ツ Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
|i:::i圦 |::::::::::::::::::| i:::::::::::i
敢えて彼らの歓心を得なかったのは私の責なので謝ります |i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
|':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶
- 695 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:06:47.96 ID:Hlyndkgg0
-
/
/'
/::/-――――‐-...ー―ァ
,..--':::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\´
/‐ァ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
⌒7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::. | ですが、これが苛酷な統治だとは思いません |
.〃::::::::::::!:::::/:::::::|:::::|:::::::ト::::::::ヽ:::::::::::. ヽ_____________________乂
/'|:::::::|::::-!::/_{:::::::{:::::i\::i-\::::::!::::::!:::!
i:::::::|l:::::i/_\:::ヽ::::. _)'__‘::::|i:::::|l::|
{:::::::|l:::::「丐心 \i\{ 丐刃 }i::リ∨:!リ
ヽ:::|i:::::i ヒz少 ヒz少 i/ }:::i′
)八从 , 厶イi::リ 王猛は管仲・子産の仲間だな
`ヘ __, ..イ:::::リル'
)ト . .ィルリノレ
r―――}` ー‐ {i/---- 、
}: : : : : : :\_. -: : : : : : : :.\
__人: : : : : : i i: : : : : : : : : : : --〈_
〃 \: : : : i i: : : : : : : / ` .
/:i `介: リ:_:i´i:_:/ /⌒丶
,: :.| // // i i| /: : : : : :
i: : :! // // .i i| /: : : : : : :i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王猛の話を聞いた苻堅は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 群臣へそんな感想を漏らして赦免した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 696 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:09:17.87 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 前秦 首都 長安】
ヒャッハーダメ絶対
(~) (~) 農作業っていいよね
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
あかねちゃんマジ才色兼備 .γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ かなちゃん(*´Д`)
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) あかかなマジてぇてぇ
女は重い方がいいぞ (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
/:::::::::::::::::::: ′::::::::::::::::::::::::::::::::::.
′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::: |::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::: |::::::: ∧:::::::::.
::::::::::::::::::::::: |::::::://ノ:::::::/-‐:::::::::.
|:::/ ::::::::::::::: |,ィぅう巧 ─ ´ィI笊〉 ::: |
|/:::::::::::::::::::::|乂∨ソ ∨ソ:::::::::|
/::::::::::::|::::::::: | 、 .:::::::::|
. .:::::::::::::::|::::::::: | /:::::::: |
人:::::::::::::|::::::::: | - - ..::::::::::::::|
._-=ニ二\:::::::И:::::从 )hs。 /::::::::|/:::√
/-=ニ二二- \~人:::::::::ヽ √:::::/:::::::/::::√
_ -=ニ二二二二二⌒^^\「 :{:::ィi〔::::ィi〔:::::ム __
/-=ニ二二二二二二/-=二 \ 乂⌒⌒二二=- 〉
./-=二 >────= /( )-=ニ二 _、x > 二二ニ=-/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 苻堅の信を得た王猛は要職を歴任し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 三十六歳の時には一年で五つの官職を務め、権勢は内外を傾けた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .しかし、これに対する前秦の宗族・旧臣の反発は根強かった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 697 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:10:23.10 ID:Hlyndkgg0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 俺は先帝と共に事業を起こしたが大権には預かっていない!
';:.:.:.:.. \ / ':,
';::.:.:.:. . ● ● ;' お前は汗馬の労がないのに、何故大任を専管しているのか?
';:::.::.:. (__人__) '
'':;,:.:.:.:.:. . 、:' .この樊世、耕作してお前の食を稼ぐつもりはないぞ!!
,;:'':.:.:. '':,
;':: ';,
:::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/::::抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ] ム トう心:::::::::::::::::トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
l, 沁 ∨)ツ::::::::::::::::::Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
あなたが宰相になったら、 .|i:::i圦 、 .|::::::::::::::::::| i:::::::::::i
耕作の成果が上がるのかしら? .|i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
.|':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 前秦の特進だった樊世が王猛を侮辱したのが象徴的だろう。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『苻堅載記』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .樊世は氐の豪族で苻氏に大勲があるために傲慢になっていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 698 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:11:13.89 ID:Hlyndkgg0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 王猛!
';:.:.:.:.. \ / ':,
';::.:.:.:. . ● ● ;' お前の頭を長安の城門に懸けて、この俺が殺してやる!!
';:::.::.:. (__人__) '
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
;':: ';,
|////////////////////////////\//////////\
|//////////l\/////////////////\//////////\
|// ////////| \////////////∧/ヾ:、//////////∧
|/ ,'////////l /ィ´\//\//////∧//////////∧ ヾ:、
∨//////∧ ' lイ `ヾ、\\/.∧/////////// ヽ
∨、/////、\lソ r´ヽ ∧////////
\ \\ ヾ:、 〈ヽ/////// /
この老氐を必ず殺した後で百官を整理する!!! ノ \///./ / /
ヽ __ ヽ/ / l
ゝ、 < / `ヽ / / l
l 丶- ' / l
ヽ , -‐ 、 / /
ー ´/ / /
/l__/ /
/ |丶、 \ /, ====
- 699 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:12:13.11 ID:Hlyndkgg0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
';:.:.:.:.. / \ ':,
';::.:.:.:. . ○ ○ ;'
';:::.::.:. (__人__) '
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
;':: ';,
|////////////////////////////\//////////\
|//////////l\/////////////////\//////////\
|// ////////| \////////////∧/ヾ:、//////////∧
|/ ,'////////l /ィ´\//\//////∧//////////∧ ヾ:、
∨//////∧ ' lイ `ヾ、\\/.∧/////////// ヽ
∨、/////、\lソ r´ヽ ∧////////
\ \\ ヾ:、 〈ヽ/////// /
ノ \///./ / /
連れて行け! ヽ __ ヽ/ / l
ゝ、 < / `ヽ / / l
l 丶- ' / l
ヽ , -‐ 、 / /
ー ´/ / /
/l__/ /
/ |丶、 \ /, ====
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 樊世は斬られた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 700 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:13:00.65 ID:Hlyndkgg0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 陛下は我らを何だと思っている!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 若造が調子に乗るんじゃねぇぞ!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
. /: : :./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ !
/: :, ィ: : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : :.:.l: : : : : : : : : : : : : : : : : : :__ ゝ .l
l/ l: : : : : : : : : : /: :∧.: : : : : : : :ト、: : : :、: : : : : : : : l : : : \ ./
l : : : : : : : : :/ l:.:l ヽ.: : : : : : :l \: :.ト、: : : : : : : :!:.:. : : : :\ /
l: : :/、: : : :.:l/ l:.:ト、 \: : : : :.l. `ィく.\: : : : :.:.ト,:.:_>-< /
l: :/. /\: : l l:.ト、 \ \: : : l ィ::::しl \: :l、: l/´ ./
誰が若造だ! !/ ./ l\!\リ辷フ. \ :l. 辷:ソ / ∨_}/ / \
/. l! l \ / ./ ∧
そこのお前ちょっと来い!! /. ト、.l , / / .∧
. / l∧ヽ / ∠>ヘ、 ト、
/ .l:∧ > 、 r=ニ三フ / / \ ∧:ヽ
/ l:::∧ > 、 , < / \ ',::∧
/l l::::∧ l ` ーニフ ,∠ -< ヽ. ',:::∧
. / .! ∨::∧ L -‐´ / ` < ∧. l:::::∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この時、諸氐が騒ぎを起こしたため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 苻堅が彼らを面罵した挙句、一人を庭に連れ出して鞭打つ一幕もあった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 701 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:15:48.95 ID:Hlyndkgg0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 陛下は漢の高祖の風があります。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ .ですが、先程のような失言はなさらない方が良いですな
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 、‐‐ ''".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:L _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: `''ァ-.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:へ:.:.:.:.:`、
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 ┘
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、.:.:.:.:.:.:' 、
/イ.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|.:.:ハ.:.:.:.i.:.:} ヽ.:.:.:.l .:|
|.:.:.:|:.:.:i.:.:.:.:.:√|:/ | :.:.|.:.ム灯ハ .:.ト、|
|.:. イ:.:.:|:.:.:.i.:{て笊ぅ}/|/ ヒソ |.:リ
|/ }.:.:.|.:.:.ハ从 ヒソ |/、
ちょっと口が過ぎたかもな |.:.∧.:.{ _'__ イ::::::\
レ' }.:.〕iト r''^¨ ノ /:::::::::::::::〉‐─‐ 、
〈::(.........「 > ̄ _、 '゙::::::::::::::::/ ,,/⌒\
x‐ァ‐イ``ヽ廴 __、イ::::::::::::::::::/ {::::::::::::::::::\_
/:::/ ゝ.::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::::::::::::::::\
|::::{ \:::::::::::::::::::::::/ r'── 、::::::::::::::::::\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これ以降、公卿以下で王猛を憚らない者はなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 702 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:17:35.26 ID:Hlyndkgg0
-
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/!/: : : : : : : : : : : : : \
l ',`: : : : : : : : : : : \: : :丶
lj: : : : : : 萇从\j )|: : : i
| : l : i / ∨ ● i/: :|、: : i 王猛殿。
|: i i/ 、_,、_, ⊂⊃:.:|ノ : :ヽ ハ
/⌒ヽ―|人 ゝ._) ./" /⌒i : : : :/ .特進の強徳が酒を飲み過ぎて方々に迷惑かけているそうだ
\ / |: : >,、 __ イ{.: ヘ /! : : :|
. / ノl: : |:::::::Y Y:::::.|: | `´/ヘ: : :|
ヽ//: : ノ:::/Ψ\ノ: ヾ...ノ.:::::\ |
:::::::i::::::::::::::::::::,:::::::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
i:::::|::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::|:::::::::::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::::::::i/:::::/i:::::::::::八:::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
|:::::|::::::::--i::::::/i i:::::/--ミ、:::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::|
人::V」抖弐ミx ノ/::::抖弐ミxL|::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ] ム トう心:::::::::::::::::トう心 メ|::::::::::::::::::|:::::::::::|
死刑で。 .l, 沁 ∨)ツ::::::::::::::::::Vこツ |::::::::::::::::::|::::::::::人
|i:::i圦 、 .|::::::::::::::::::| i:::::::::::i
死体は市で晒しておきましょう .|i::::i爪 |::::::::::::::::::i i:::::::::::|
|':::i 公、 ヽ _ア ィ|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::` /介:.,_ ,. イり::::::::::::::::::::i::::::::::ノ
|:::|,::::::::::::::::≧=--t=≦ ノア::::::::::::::} i ノ/
|:::|i:::::::: i人__ア ア ], /:::::::::::::厶イ ^- ,__
八 ゙'や __孑ア / /::::::/ イ^ | ア⌒丶、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ それからしばらくして、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 今度は特進の強徳が酒による横暴な振舞いがあると捕縛・誅殺された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .死体は市で晒された
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 703 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:18:48.13 ID:Hlyndkgg0
-
/:::::::::::::::::::: ′::::::::::::::::::::::::::::::::::.
′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::: |::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::: |::::::: ∧:::::::::.
::::::::::::::::::::::: |::::::://ノ:::::::/-‐:::::::::.
|:::/ ::::::::::::::: |,ィぅう巧 ─ ´ィI笊〉 ::: |
|/:::::::::::::::::::::|乂∨ソ ∨ソ:::::::::| 御史中丞のケ羌殿に協力を頂いて、
/::::::::::::|::::::::: | 、 .:::::::::| この数十日で貴戚と豪族を二十人ほど誅殺しました
. .:::::::::::::::|::::::::: | /:::::::: |
人:::::::::::::|::::::::: | - - ..::::::::::::::|
._-=ニ二\:::::::И:::::从 )hs。 /::::::::|/:::√
/-=ニ二二- \~人:::::::::ヽ √:::::/:::::::/::::√
_ -=ニ二二二二二⌒^^\「 :{:::ィi〔::::ィi〔:::::ム __ /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :``ヽ
/-=ニ二二二二二二/-=二 \ 乂⌒⌒二二=- 〉 /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 〃: : : : : : :: : : : : : ヽ
``ヽ. : : : : : : : : : : : : : : /〃: : : : :: :/:/: : : : :ト、|
/. : : : : : :/ : : ::/:/ /: : : :/.://.:.:.:.:.:.:.:.| !
/. : /: : : :/: : /:/ /: : / /ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/.:.:.:/.:.:.:.:./.:.イ ー--- /:./ /イハ.:.:.:.ハ.:.l
/.:.:.:/.:.:.:.:./.:.:.:.:l ┯┯z= ┏┯ .:.:./ V
 ̄/.:.:.:.:./.:.:.:.:. | Lりノ りノ レ'.
俺は今初めて .//.:.:.::/⌒ヽ::| u , |
天下に法があって、天子が尊いと知ったよ /.::ハヽ ___ _ , ノ
,r─……┴‐- 、 「 __ノ /
!: : : : : : : : : : : : :\ 、 /
!: : : : : : : : : : : : : : :.\` ー r‐く.
ノ. : : : : : : : : : : : : : : : : .\ _」: : : l
/. :,. -─- 、: : : : : : : : : : : : 7: __」 コワッ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これ以外にも、二十人以上が粛清された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 704 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:19:47.44 ID:Hlyndkgg0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | / 最近暮らしやすくなったよな
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ /ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
司隸校尉の王猛ってのが凄いらしいっていう。 .| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /
あれだけイキッてた氐の連中を黙らせちまったっていう ⊂⌒ヽ ノ < /⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ⌒ ⌒ l :|
|: i: (|. / / 、_,、_, / / l:/ 平和な関中なんて何年ぶりでしょうと民衆Aは感動しています
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 王猛が前秦で行った改革は色々ある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 法律の順守・農耕と養蚕の奨励・賢才の抜擢・
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 兵甲の修理・儒教による教化・無罪不刑・無才不任等々。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ だが、これらは抵抗勢力の排除が不可欠であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 宗族や豪族の力を弱めたかった苻堅が後援したからこその成果と言える
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 01:20:54.89 ID:wTwlkOqu0
- 劉邦と叔孫通のネタに似たセリフだけれど、やってることが殺伐としてるな・・・>今初めて天下に法があって、天子が尊いと知ったよ
- 706 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:22:39.84 ID:Hlyndkgg0
-
,.;'"~⌒'
ノ⌒ヾ`'"~
___ _ _,.,_,人⌒`'"~ (⌒'"~
::::/|`⌒',=- ,_ _,. .、-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ ~"`'ー- 'ヘ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ、.,__ソ^`
 ̄ ̄| :|`'"~ ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ'
: : : : | :|
: : : : | :|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : ____ _: : : : : : : : : : : : : :_.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,._ : :____ : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : :/____/_|: : : : : : : : : : : : :.[二][二][二];| /__________/_ヽ.: : : : : : : : : : : :
: : : : |;|コニ|| ,___||,||ニiニニiニニiニニiニニi|;;;;;=====;;;;|;;| || .|| ||ニニiニニiニニiニニi
 ̄ ̄.: ̄7||'____||,||..ノ囮 ̄ ̄品品7.|;;;;| |;;;|;;|.| ̄ ̄ ̄"| ̄| ノ皿皿 ̄ ̄卅
 ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄./_____/. : ̄7. :―. : ̄7. ̄ ̄ ̄7 ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄/\-. :/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/] ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄7. :―.
 ̄ ̄ ̄ ̄\/| -[|三三三三三|]/| :―. : ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 以後十年。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 前秦は周辺勢力との係争や国内の反乱を鎮圧しつつ内政に力を注ぐ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 707 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:23:13.16 ID:Hlyndkgg0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 閑話休題 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .ところで話は変わるが、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 「書聖」と謳われた王羲之が活躍したのはこの時代だ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 708 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:25:36.40 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元353年頃 晋 揚州 会稽国】
/ / ,-ミ-く``7'⌒\ , -- 、
/ / \ヽ/ \/^\ /::::::::: `ヽ、
/ / ,.:'´,.:'}i \/ ヘ,:",:\ /i:i:i:i::::: \
/ ,.:'´,.:'´ ハ/゙:、\/ ∧,:",: \i:i:i:i:i:::::::.. :i:i:ハ
/ / ,.:'´,.:'´}i/ ゙:、゙:,\/ ヘ,:",:"/\`ヽi:i:'´ ;:i:i:}
/ / ,.:'´,.:'ハ/ ゙:、゙:、 \ / `ヽ/ : : 〉 / }ii:i:i ,;ハ_
/ / / ,.:'´,.∧/ ゙:、゙:、゙:,∨ / バ:、゙:、∨ ハ'゙ i! }i, ヘ ``''ー-、
;';';';';' / ,.:'´,.ヘ / ゙:、゙:、∨ /゙:、゙:、゙:、∨ / : :}i : 爪: : ヘ : : : \ー‐、__
;';';';';';';';';';' / ,.:'´,.\/ ゙:、゙:、:ヽ/ ; ゙:、 ゙:、∨ : ;';';';';';';'/ : : : \ : : : \ `ヽ、__,、‐'^'ー-、、_ _
;';';';' .: .: .: _ / ,.:'´,.:'´\/ ゙:、゙:、\/ ゙:、゙:、゙:、ヘ : : : :\/ ゙:、゙:、゙:、 `ヽ、 : : :\ : :`ヽ、 . . . . ``''ア´ /
¨¨癶.: .: ∠ /\、、、、、、/,., \゙:、゙:、゙:、\,、,、,、,、,、\: : : : \ ,、,、,、゙:、゙:、 `゙ヽ、 : : : : : :``ー…ァ''"~,;" /,;",;"
TT_T__|_| ソ;';';'爻爻爻爻爻∠二癶 ̄\__```゙"~``゙__```゙'''^^^``__`゙"~゙`゙"゙`゙。o≦,;",;",;"/,;",;",;"
`|/__/\(;';'∠_);';';';';癶,.:'´,.:'∧二二二Y、、∠ニニ癶 ̄¨/\``ーー''ーーーーーーーーーーー_--、、、二__─
._|___|_/ ̄ ̄∧(;';';';'(;';';'):_:_:_:| ∠ニニ∧;';';'_|__ |/ ̄癶 |_∠二癶__∠二 /¨癶\___ 、、、、
,:",:",:",:",:"| ̄ ̄ | |∠ア¨¨¨¨¨癶¨|__|/;';';';';|T i| ゙̄| | ̄ | 癶ニイ^ト‐→∠___/ \ ∠_,/ \`i──→;';';';';'
,:",:",:",:",:  ̄ ̄r┴‐イ─^─イ `∠二癶`゙┴ ┴‐┴ |__|_|_|__|tt| t..癶¨ヽ..| | | | | |、-wWWW爻
~`~゙"~`~`"~'``TTTTTTTTTTTTTTTT77__∧ ̄ ̄\,.:'´∠_/^\─「」二|_|__|二ニ|=====爻爻爻´,.:'´,.:'´
... n | l ̄ |~| ̄ ̄ ̄|_|___| ロ ト../ /^\‐┴─=彡彡_,,.、- ==
... .. . 弋ニニニニニフ |``ー::|¨¨¨ i´「」`'r┬r→ |,.イ…‐‐-イ┌ ┌ `ト爻爻爻爻''"~,.:'´,.:'´
.. ... .. . .`¨¨¨¨¨´. . . . . .乂__丁...丁丁丁丁|丁丁 L_└ └| └ └ 癶 ̄¨\,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
.. .. ... ... 弌ニニニア┘|┘┘┴_|¨|¨|¨| ̄ ̄|¨|「」| ̄ ̄|,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
... ... ... ...  ̄ ̄ ... ... .. .. |‐|‐| ̄ ̄|¨| ̄| ̄ ̄|‐‐-------
... .. ... .... ... 弋ニニニフ .. . . . . . ̄ ̄ ー-==二
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 殷浩の北伐を諫めた後の話だろう。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王羲之は服食して養生するのを好み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 都にいるのを楽しまず、初めて浙江を渡ったと『晋書』『王羲之伝』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ とはいえ、王羲之は会稽国内史を兼務しており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 単に自分の任地へ赴いただけのような気もしなくはない
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 709 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:26:52.71 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元353年頃 晋 揚州 山陰】
,. ´ ` 、
/ \
/ / ヽ
/ / /⌒⌒ヽ! | .
/ ∧| /'! ′ | ∧ | ,
′ /,.斗|‐| | -|/─ト、∧ |
- _ | |´ 从 乂 ノ ノ'" | |
ニ=-__ |i | ハ!ィf歹" f歹"ヽ | 从
/.;:;:_,ノニ=- _ 乂从{ `"´ } ""´ |,ム|
|;:;:;:!´ >''"´.;:;:;:;ノ=- __ ハ ! ' ^!} .永和九年、歳は癸丑に在り。
|;:;' |/ .;:;:/´ ̄ ニ=- ノ/
| /'´ ̄`ヽ },ハ -‐ ─- ムiメ 暮春の初め、
{ /⌒Y }ノ込、 ,.イ/ .会稽郡山陰県の蘭亭において禊事を修めた
|ミx ,.ィ } 乂 〕 . . イ |/
|=-爻 /ー'′ | ` -< |__
| _,ノ i} | /´ ̄ ̄| ┌‐┴.;..; ̄`Y
| Y´ | |;..∧;..;..;. | : |∧;..;..;..;..;..;. |
| / |/;..;.|l.;..;..;| : |;.∧;..;..;..;..;.. |
} / _/.;.;..;..|l;..;/ :. /|;..;∧.;..;..;..;∠ _
/ /-‐ ¨ ̄..;..;.´ ̄ ̄`V ' |;..;..∧_/..;..;..;..;.` .
/¨{ / ..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;′─ 、 /´.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.` .
|/∧ / .;..;..;..;..;..;..;..;..;i|i|i..;..;..;..;| |;..;i|i|;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.`
∧/∧ /\..;..;..;..;..;..;..;i|i|i|i|i;..;..;..; | |;.i|i|i.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
/ ∨,ハ /\∧;..;..;..;..;..;..|i|i|i|i''.;..;..;..;|______j;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 東晋の永和九年(三五三年)の春。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 会稽国の山陰の蘭亭に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王羲之と会稽国に居を構える名士が集まり、曲水の宴を催した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 曲水の宴とは三月三日に行われる禊と宴にちなみ、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 水の流れのある庭園で盃が流れて来るまでに詩を読む催しだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 710 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:27:34.53 ID:Hlyndkgg0
- 【詩を作れなかった人】
/\___/ヽ
. / '''''' '''''' \
|:::::: (●), 、(●)|
|:::: ,,ノ(、_, )ヽ、,,..|
|:::: `-=ニ=-' |
. \ `ニニ´ / 詩が思いつかなかったから酒飲むわ
_.. ィ\_ ,_ /
, ─;;-ー=≦} : ヽ : : \ /゙i ゙i、
/ : : : : :ヽ : : : :ノ : : : : : v' l:::::l、 :l>、、 rーーーーー,__
: : : : : : : : : : : : : : \ : : : `、 :::::l, :l : : : : :ヽ. }/ ) .{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :、 : :`、::::::l : : : : :l : :l √ /.. .:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :`、 : `、::,' : : : : :l: : :l _ / }:... ..::{_)
: : : : : : イ´ : : : : : : : : : : : :`、 : V : : : : : :| : :ト、 /:rj イ:... ..;.:}ノ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,/ : : {{ 、 ルニ二ニ=r
: : : : / .V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :/: : : : : ハ ィァー´
: : : : \ .V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :/´ , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
あなたお酒を飲みたいだけですよねと名士Aはツッコミを入れます /⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 詩を一度読んで一杯の酒を飲むのだが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 詩を作れなかった者は罰として三杯の酒を飲まされる。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、参加者四十二人の中で十六人が詩を作れなかったという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 711 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:30:38.52 ID:Hlyndkgg0
- 【詩を二篇作れた人】
_): ,: : : : : : : : : : :/: : ::∧//|: : :\: ヽ
{イ /: : : : : : : : ::人 : /;:;:|/;:;!: : ; ; :Y: :\
{/: :/: :,: : : :/ ヽ{ }: : : : : ! : : : ゝ
{: ヾ(: :/i/人( ̄ヽ '|/|: : : : : ::i: :!
{ヾソ!ヽ|`f ̄二三ミ -―‐!: : /: }: |: :}
__|/ェ:| | `、トi;}_` |―r ニ.ーノ/: :人从!
r' ̄:ー: :ゝ :! `――‐'´ | トi;`ゝ}|-'´
} /: : ::/ : :`} | ー--/' 〜〜♪
_ノ: : : _ノ: : :/ |,;, ; 、 ^ ' /
ノ ̄: :/: : : :_:| ∧,;, , `‐- ._, ,, /
}/}: :/: : : :i/ \ ヽ; ,,;: , - ;, ,/
___{:_:_:_:_/. \ ヽ; , ;,;, ;, , ;, ;/
/ ゝヽ, \} ー ' ´/、
/ \ } i \ / \ /: : : : : : : : ´: : : : : : : : : ヽ
,': : : : ,: :,: : : : : , 、: : ヽ: : : : i、
晋 散騎常待 孫綽 .|:,'/:./:./:./:.∧∧ | l ヾ ヽヽ: : |
| | |: :i: :i i l.:| | | | | |: :| |: :!|
ヾレiヾヾソ弋| |/‐H| |: |/: :リ
`i∧!ゞrテ┐ rテく|/i! Y/
iヽ  ̄ ̄  ̄ ̄i!6/)
絲竹や管弦の音がなくても一杯一詠に風情がある。 ヽ.j i:. ィii
i゙\ ー ‐一 , '|´
COOLだろう? .,.ィ\ ./ :|__
/く__ i! : ̄ ̄´ ,'_,.」__フヽ
__,.-―――‐/;:;:;;;;;// :. /|;;;:,:,:,:,:,:,:/`‐-.,_
i´;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ,.:;:丶/7一: ー| |__/'':.;.;.;.;.;.;.;.; ̄;: ̄
|;:;:;::;;:;:;:;:;:;:;:;'''',,:;:;:;:;:;:;:;:;:/ 、 _|;:;:;:;:;:;:;;:;;::;::,.,.''':;:;:;:;:;: ;;; :;:;:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 参加者は王羲之を筆頭に、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 琅邪王氏・潁川庾氏・陳郡謝氏・王羲之の妻の実家の郗氏の面々がいた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .また、孫盛の同族の孫綽のような著名な文人
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 712 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:31:30.69 ID:Hlyndkgg0
- 【詩を二篇作れた人】
,′:::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::{:::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::}:::.
| ::::/:::::::::::/::::::::::::::::::::/| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
.::::::,′::::://::::::::::::::::/ i| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /:{::::{::::/ `:{|:::::::::::/:/ !| ::::::::::|: |:::::::::::|:::::::::::|::::|
| 無職の謝安君? | _,,.イ::イ乂::《⌒x |:| ::::::::::_,斗-- ::::::::,:::/ :::::::: |:::::::::::|::::|
ヽ___________乂 ⌒ |:::::::} ぅ:ム \::::{ W/:/::::::::::::::|:::::::::::|::::|
|:ハ:::| Vソ \斗=ミx Уイ|::::::::::::::′ :::: |::∧
|{ ,乂 rノj才く´j ::::::::::::′ ::::::,'::| \
乂 {\ / 夂ン '"/ ::::::::::,' }::::::::, :::|
少し黙ってて。 、 /イ:::::::::::}'′ :::::::: |
_},=ゝ、 /r‐:::::::::::,::::::::::::::r‐、
次は私の番なんだから _,,.=‐'"¨´ |丶 ーイ |:::::::::,::::::__,ノ__ノ|
}^!¨´ }i:::::::ー―i 77´丶 .::::::::, ト( ,/ |:ヽ, |
/,/,-、 ノ |::::::::::::::,/,/ } ::::::: ′\ i!:::::}::.
/ {ノ } |:ハ:::::::/ / { |::::::' { 丶 ::::::::.
Y ー‐'、 i|{ ::/ / ', ,::::, ′ \:::.
| ー‐) |{、,У jノ -─ ,::::, {_ }::::.
| ¨¨ ) ∨ . .|) ,:::/. .| |::::::.
| r '′______,|. . ..|ノ、 i:/ ,:::′ i!} / ,′::::::.
| ノ  ̄ ∧. . 丶ト、{ -v⌒j::{. . . ., | .::::::::::::::.
. 乂 :::::|丶 _ iト-‐ ´ ::::|. . . .乂 .::::::::::::::::::.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } まだ仕官する前の謝安も名を連ねている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 713 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:32:12.37 ID:Hlyndkgg0
-
/ / ,-ミ-く``7'⌒\ , -- 、
/ / \ヽ/ \/^\ /::::::::: `ヽ、
/ / ,.:'´,.:'}i \/ ヘ,:",:\ /i:i:i:i::::: \
/ ,.:'´,.:'´ ハ/゙:、\/ ∧,:",: \i:i:i:i:i:::::::.. :i:i:ハ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/ / ,.:'´,.:'´}i/ ゙:、゙:,\/ ヘ,:",:"/\`ヽi:i:'´ ;:i:i:} | よし、できた |
/ / ,.:'´,.:'ハ/ ゙:、゙:、 \ / `ヽ/ : : 〉 / }ii:i:i ,;ハ_ ヽ_________乂
/ / / ,.:'´,.∧/ ゙:、゙:、゙:,∨ / バ:、゙:、∨ ハ'゙ i! }i, ヘ ``''ー-、
;';';';';' / ,.:'´,.ヘ / ゙:、゙:、∨ /゙:、゙:、゙:、∨ / : :}i : 爪: : ヘ : : : \ー‐、__
;';';';';';';';';';' / ,.:'´,.\/ ゙:、゙:、:ヽ/ ; ゙:、 ゙:、∨ : ;';';';';';';'/ : : : \ : : : \ `ヽ、__,、‐'^'ー-、、_ _
;';';';' .: .: .: _ / ,.:'´,.:'´\/ ゙:、゙:、\/ ゙:、゙:、゙:、ヘ : : : :\/ ゙:、゙:、゙:、 `ヽ、 : : :\ : :`ヽ、 . . . . ``''ア´ /
¨¨癶.: .: ∠ /\、、、、、、/,., \゙:、゙:、゙:、\,、,、,、,、,、\: : : : \ ,、,、,、゙:、゙:、 `゙ヽ、 : : : : : :``ー…ァ''"~,;" /,;",;"
TT_T__|_| ソ;';';'爻爻爻爻爻∠二癶 ̄\__```゙"~``゙__```゙'''^^^``__`゙"~゙`゙"゙`゙。o≦,;",;",;"/,;",;",;"
`|/__/\(;';'∠_);';';';';癶,.:'´,.:'∧二二二Y、、∠ニニ癶 ̄¨/\``ーー''ーーーーーーーーーーー_--、、、二__─
._|___|_/ ̄ ̄∧(;';';';'(;';';'):_:_:_:| ∠ニニ∧;';';'_|__ |/ ̄癶 |_∠二癶__∠二 /¨癶\___ 、、、、
,:",:",:",:",:"| ̄ ̄ | |∠ア¨¨¨¨¨癶¨|__|/;';';';';|T i| ゙̄| | ̄ | 癶ニイ^ト‐→∠___/ \ ∠_,/ \`i──→;';';';';'
,:",:",:",:",:  ̄ ̄r┴‐イ─^─イ `∠二癶`゙┴ ┴‐┴ |__|_|_|__|tt| t..癶¨ヽ..| | | | | |、-wWWW爻
~`~゙"~`~`"~'``TTTTTTTTTTTTTTTT77__∧ ̄ ̄\,.:'´∠_/^\─「」二|_|__|二ニ|=====爻爻爻´,.:'´,.:'´
... n | l ̄ |~| ̄ ̄ ̄|_|___| ロ ト../ /^\‐┴─=彡彡_,,.、- ==
... .. . 弋ニニニニニフ |``ー::|¨¨¨ i´「」`'r┬r→ |,.イ…‐‐-イ┌ ┌ `ト爻爻爻爻''"~,.:'´,.:'´
.. ... .. . .`¨¨¨¨¨´. . . . . .乂__丁...丁丁丁丁|丁丁 L_└ └| └ └ 癶 ̄¨\,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
.. .. ... ... 弌ニニニア┘|┘┘┴_|¨|¨|¨| ̄ ̄|¨|「」| ̄ ̄|,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
... ... ... ...  ̄ ̄ ... ... .. .. |‐|‐| ̄ ̄|¨| ̄| ̄ ̄|‐‐-------
... .. ... .... ... 弋ニニニフ .. . . . . . ̄ ̄ ー-==二
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曲水の宴で読まれた詩は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 開催地の名を取った詩集『蘭亭集』に収録された
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 714 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:34:59.01 ID:Hlyndkgg0
-
,. ´ ` 、
/ \
/ / ヽ
/ / /⌒⌒ヽ! | .
/ ∧| /'! ′ | ∧ | ,
′ /,.斗|‐| | -|/─ト、∧ |
- _ | |´ 从 乂 ノ ノ'" | |
ニ=-__ |i | ハ!ィf歹" f歹"ヽ | 从
/.;:;:_,ノニ=- _ 乂从{ `"´ } ""´ |,ム|
|;:;:;:!´ >''"´.;:;:;:;ノ=- __ ハ ! ' ^!} 得意は倦怠に変わり、
|;:;' |/ .;:;:/´ ̄ ニ=- ノ/ 心情も事物に従い移ろいゆく。
| /'´ ̄`ヽ },ハ -‐ ─- ムiメ
{ /⌒Y }ノ込、 ,.イ/ 今の喜びもすぐに過去のものになる。
|ミx ,.ィ } 乂 〕 . . イ |/
|=-爻 /ー'′ | ` -< |__ .人の命は次第に衰え、
| _,ノ i} | /´ ̄ ̄| ┌‐┴.;..; ̄`Y .遂には死ぬ事が定められている
| Y´ | |;..∧;..;..;. | : |∧;..;..;..;..;..;. |
| / |/;..;.|l.;..;..;| : |;.∧;..;..;..;..;.. |
} / _/.;.;..;..|l;..;/ :. /|;..;∧.;..;..;..;∠ _
/ /-‐ ¨ ̄..;..;.´ ̄ ̄`V ' |;..;..∧_/..;..;..;..;.` .
/¨{ / ..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;′─ 、 /´.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.` .
|/∧ / .;..;..;..;..;..;..;..;..;i|i|i..;..;..;..;| |;..;i|i|;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.`
∧/∧ /\..;..;..;..;..;..;..;i|i|i|i|i;..;..;..; | |;.i|i|i.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
/ ∨,ハ /\∧;..;..;..;..;..;..|i|i|i|i''.;..;..;..;|______j;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー その序文として王羲之が書いたのが『蘭亭序』である。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 酒に酔った状態で心の赴くまま書いたとされ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 後で清書を試みたが、最初の草稿以上の出来にはならなかったという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 後代多くの書家に模写されたが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 王羲之が書いた真跡は唐の太宗が自身の陵墓に副葬させたと言われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 715 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:35:54.42 ID:Hlyndkgg0
-
,. ´ ` 、
/ \
/ / ヽ
/ / /⌒⌒ヽ! | .
/ ∧| /'! ′ | ∧ | ,
′ /,.斗|‐| | -|/─ト、∧ |
- _ | |´ 从 乂 ノ ノ'" | |
ニ=-__ |i | ハ!ィf歹" f歹"ヽ | 从
/.;:;:_,ノニ=- _ 乂从{ `"´ } ""´ |,ム| .悲しい事だ。
|;:;:;:!´ >''"´.;:;:;:;ノ=- __ ハ ! ' ^!}
|;:;' |/ .;:;:/´ ̄ ニ=- ノ/ 故にここに集まった者を列挙し、
| /'´ ̄`ヽ },ハ -‐ ─- ムiメ .その述べる所を記録しておきたい。
{ /⌒Y }ノ込、 ,.イ/
|ミx ,.ィ } 乂 〕 . . イ |/ 世が異なっても、人の思う所は同じだろう
|=-爻 /ー'′ | ` -< |__
| _,ノ i} | /´ ̄ ̄| ┌‐┴.;..; ̄`Y
| Y´ | |;..∧;..;..;. | : |∧;..;..;..;..;..;. |
| / |/;..;.|l.;..;..;| : |;.∧;..;..;..;..;.. |
} / _/.;.;..;..|l;..;/ :. /|;..;∧.;..;..;..;∠ _
/ /-‐ ¨ ̄..;..;.´ ̄ ̄`V ' |;..;..∧_/..;..;..;..;.` .
/¨{ / ..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;′─ 、 /´.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.` .
|/∧ / .;..;..;..;..;..;..;..;..;i|i|i..;..;..;..;| |;..;i|i|;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;.`
∧/∧ /\..;..;..;..;..;..;..;i|i|i|i|i;..;..;..; | |;.i|i|i.;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
/ ∨,ハ /\∧;..;..;..;..;..;..|i|i|i|i''.;..;..;..;|______j;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;..;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『蘭亭序』には、王羲之の死生観が述べられている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 生活が快楽に満ちていても、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .人はいずれ老いて死んでしまうと語る様子からは悲痛さが伝わる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 716 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:38:01.08 ID:Hlyndkgg0
-
/: : : : : : : : ´: : : : : : : : : ヽ
,': : : : ,: :,: : : : : , 、: : ヽ: : : : i、
|:,'/:./:./:./:.∧∧ | l ヾ ヽヽ: : |
| | |: :i: :i i l.:| | | | | |: :| |: :!|
ヾレiヾヾソ弋| |/‐H| |: |/: :リ 謝安よ。
`i∧!ゞrテ┐ rテく|/i! Y/
iヽ  ̄ ̄  ̄ ̄i!6/) .うかうかしてると、すぐに老い果てるぞ
ヽ.j i:. ィii
i゙\ ー ‐一 , '|´
,.ィ\ ./ :|__
/く__ i! : ̄ ̄´ ,'_,.」__フヽ
__,.-―――‐/;:;:;;;;;// :. /|;;;:,:,:,:,:,:,:/`‐-.,_ /: : :/: : : : : : : : : : / :.: :. :.|:.: :.:.| : : |: : : : : : .
i´;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ,.:;:丶/7一: ー| |__/'':.;.;.;.;.;.;.;.; ̄ . : : :.|: : : : : : : : : : :{__,,. X: : :|:.: :.:.| : : |: : : : : : :.;
|;:;:;::;;:;:;:;:;:;:;:;'''',,:;:;:;:;:;:;:;:;:/ 、 _|;:;:;:;:;:;:;;:;;::;::,.,.''':;:;:;:;:;: ′:.:.:.|:. :.:. :.| : : 〆´! ∨: :|:.: :.:.| : : |: : : : : : : .
: : : : :|:.: :.: :.|i: : :.∧:| 斗==ミ、 : : : : | : : |: : : : : : : :l
|: : : : :.ヘ:.: :.:.| ; :./ ,〃 rト斥,ハ,》: : : : :|/ |: : : : : : : :|
}: : : : :Y^、: : | ∨ 乂i以イ ∨: : :| |: : : : : : : :|
/: :|: : :∧r=ミ、 .、..、..、. |: : : | |: : : : : : : :|
. /:/: : : 〃 戈ム |: : : | |: : : : : : : :|
四十にして惑わず、五十にして天命を知る。 /'′,′\:.\ `′ |: : : |ーイ.: :. : : : : :.|
: ∧: :\ヘ ' |: : i |: : :| : : : : : : : |
まだ大丈夫よ ,.:/ }: /> , _ |: : i |: : :| : : : : : : : |
,.:/ //、 > , |: : i |: : :| : : : : : : : |
,.// _ノ >, / : : ' {⌒八⌒i: :.: :.|
ノ /´ __ /イ ___i: }---┴ :}: :.|.:. :.:.|
⌒′イ_,. '¨´ノ '--i} 「 |:,′ /: :.∧: : :|
¨´_,.イ´ 〃 | | i} |; /'⌒ヽ、:.:._:.|_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この二年後の永和十一年(三五五年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王羲之は病と称して、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 会稽国内史を辞め同地に隠遁している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 以後数年は会稽国の人士と山水を巡り、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 道士の下で服食を修め、時に都の名士と文通しつつ六十一歳で死んだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 717 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:41:25.61 ID:Hlyndkgg0
-
/:.:/: : : : :./: : : : : : : : :ヽ: : : : : :. : :.: :. :.∧
. /: : :/: : : : :./: : : : :/ヘ: : : : : : : : : : : : : : : : :∧
/: : :/: : : : : : : : : : / :.: :. :.|:.: :.:.| : : |: : : : : : .
. : : :.|: : : : : : : : : : :{__,,. X: : :|:.: :.:.| : : |: : : : : : :.
′:.:.:.|:. :.:. :.| : : 〆´! ∨: :|:.: :.:.| : : |: : : : : : : .
: : : : :|:.: :.: :.|i: : :.∧:| 斗==ミ、 : : : : | : : |: : : : : : : :l
|: : : : :.ヘ:.: :.:.| ; :./ ,〃 rト斥,ハ,》: : : : :|/ |: : : : : : : :|
}: : : : :Y^、: : | ∨ 乂i以イ ∨: : :| |: : : : : : : :|
/: :|: : :∧r=ミ、 .、..、..、. |: : : | |: : : : : : : :|
それにしても相変わらず達筆ね。 /:/: : : 〃 戈ム |: : : | |: : : : : : : :|
/'′,′\:.\ `′ |: : : |ーイ.: :. : : : : :.|
後で私にも写させてもらえるかしら? : ∧: :\ヘ ' |: : i |: : :| : : : : : : : |
,.:/ }: /> , _ |: : i |: : :| : : : : : : : |
,.:/ //、 > , |: : i |: : :| : : : : : : : |
,.// _ノ >, / : : ' {⌒八⌒i: :.: :.|
ノ /´ __ /イ ___i: }---┴ :}: :.|.:. :.:.|
⌒′イ_,. '¨´ノ '--i} 「 |:,′ /: :.∧: : :|
¨´_,.イ´ 〃 | | i} |; /'⌒ヽ、:.:._:.|_
\、 /\ ,ノ.」 _| 孑匕 |´ ヽ
イー─ ≫ ., 〃/ハ// ノ '" / i|
書家であり詩人でもある→ イ√/ ≫〃/_,.r─r───/i =ミー- i| |
/ /r=Y´ ̄ il{ / ':.:| `>、 ` |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 謝安、字を安石。本籍は豫州陳郡陽夏の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖父の謝衡は国子祭酒・散騎常侍などを務め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 伯父の謝鯤は豫章郡太守、父の謝裒は太常まで昇進した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 何度も任官・招聘を断わり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 四十歳まで会稽郡に居住、山水での漁や文章・詩を作る生活をしていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 718 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:42:22.45 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 四歳の時。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .桓温の父親の桓彝にこう評された
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ _____
l; : : : : \\」リ/ / / \
i: : : :::\::\i../ / | / \ |
| |
| /\ |
\ / ̄\ /
ァニニ<//〉、__ __
この子の立派な風采は、後に王東海に劣らない人物になるだろう。 ,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
ああ、王東海とは王承といって、 ./. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
長沙王の属官や東海王の記室を経て元帝に仕えた人でな。 .,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
{ : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
太原王氏の出で、 / : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ\: ヽ:ノ
騎射で山をまっぷたつにした素晴らしき王湛の息子だ 、'ーr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ V: : : : ` :´
/ :./ ̄>< :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
/ : : :ム / : : : : ̄ ̄ ̄ ̄~゙''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
{ : : : : : :\、 : : : : : : : : : : : : : : : :\. : : :∨ : :l
ヽ: : : : : : : : ̄"\ : : : : : : : : : : : : : : : / : : :{
晋 宣城国内史 桓彝
- 719 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:43:19.11 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『謝安伝』には、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .謝安の出仕前の逸話がいくつか載っている。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .当時の感覚から見ても変人奇人だった様子が分かる
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / / \ \
| ,. | ヽ
/ | ′ | ,
/ l |、 | | | ′
.′ :|. | \ │ :l│ | | ;
_,,.. イ :|: │/\ | :|│ | | | l
| |i: / .斗ミ|│ | |\ | |
| ||i N ィr引 「 人| | | ∨| |
ドミ | Lノ |/ | l | |│ |
朝廷が任官に応じない私を僻地へ流すですって? \rイr引 ! ; | ∧| |: U
ソ : トく \ |i |
ここを去れば伯夷も遠くないでしょうね . \ ノイ 八/\ \」| |
人 y .ノ | ′∨/^ \ |
.′|:\ l 仏三\ 「 ̄※ ̄||
|:.. \__. イ \! /′ ヽー:介介ぐl
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l / , .′ / ̄ ̄\}l }| │
/ | ̄| |个‐/ / / / / ̄ ̄^\_! │
/ │ |/l |人/ // / / \ |
' ! |,ノ └个/ /___/ / / ̄ ̄ ̄ \〉 |
│ 个 ミ. ∨ /厂 ̄7 ∧二二二′.′ Y
- 720 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:45:12.89 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元355年頃 晋 首都 建康】
__/ヽ_∠L_
/::::::: ''''\
. |::::::::: (●), |
|:::::::: ,,イ_,`) 謝安の奴には困ったものです。
. |::::::::: ノ.-=ラ
\::::::: `フ .どこへ遊びに行くにも妓女を引き連れているとか
,,.....イ.ヽヽ:: 、 -─'--、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || _{::\::::::ノ {:ゝ/_-=ミ、
γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
{i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
謝安は人と楽しみを同じくしています。 {:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::',
从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
なので、憂いを同じくしない事はないはず。 l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ
| ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
必ず招聘するべきでしょう .| 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 謝安の招聘は上手くいかなかったが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 会稽王はそれでも招聘を続けるよう命じている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .殷浩を口説き落とした経験だろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 721 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:47:36.83 ID:Hlyndkgg0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄ . こういう時代である。
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V すでに西中郎将まで昇進していた弟の謝万より、
,《 ヒ⌒j 》、 会稽郡で悠々自適の暮らしをしていた謝安の方が評価が高かった。
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::| 子弟の教育には力を注いでいたが、その暮らしぶりは妻にすら呆れられていた
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
/:.:.:.:.:.:.:.:/: {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.八:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:./ |:.:\{:.:.:.:|| |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.|:.: |:.: i′|:.:.:.:.:.:.:.: || |:.::.:.::|:.:.:.::.|
|{:.:.:.: |-┼‐ト.|:.:.:.:..:.:.::斗-|--|:.:.:.:.:.: |
.|:.W:.:」r竓斧ミ ⌒\:./ ,ィ斧テミ-:.:.:.:::. |
でも、世俗から免れるのは無理そうね |:.:|W:.:.:"^Vrク Vrク^"7:.:.:.:.:.|
|:.:|i∧:.:.::N""´ } `"" /:.:.:.:.:.:.|
|:.:|i:.:|:\{ /):.:.:.:.:.:.::
|:.:|i:.:|:.:.:|込. _ _ ,:.:.::.:.:.:.:.:.:|
|:.:|i:.:|.:.:.|:.:. ハ> `こ´ ィi( |i:.:.:.:i| .:: |
|:.:|i:.:|:.:.:|:.:八} | 八:.:小::.:.:
. 斗:i爪|:.:.:|〈i \ / iX」!」:.:.:L ______
__ 《__)ソ斗|:.:.:|∧i \ / ]:.:.:/ニニニニニニニ
{ニニニニニニニ|:.:.:|ニニi A--A 八:.|ニニニニニニニニ
- 722 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:48:25.66 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 荊州 江陵】
_.. ‐''广''''―- 、
i'"゙._.. -'|'''''―- ._|
.|''″ .! / 三 l
_,,|∩ ∩.! .l゙三三!
/ l ! l `゙^'''''¬ー っ..,,..,,、
_./ ゛ ! | ゙゙'''〜 ....,,_ ヽ l ゙'(¬ー 、
,./ '″从リj"W゙リw;yノ │ `''、,!三 ヽ \
/ ;ゞゞ; ;ゞ 〉 ,!゛三三ヽ .ヽ,
/ 从リj"W゙リw;yノ ミ彡ミ彡 / 三三三 | WWwjjw、、
./ ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwγ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
._..-" ゞ ;" "ゞゞ WWwjjwv " ヾ| 陳郡の謝安、お召しにより参上したわ .|
ー'''″ |゙'.l ̄ ̄''ー __ ヽ__________________乂
|;;;;Wiwノノ;;::! ll゙'-、三三 | .|____゙“'''―---- / ,/゛ ij从
'",,iiゞ ミ;;;;Wiwノノ;; !'、, ll`'-、,三`'ミー..,´゙゙''''―----'" WWiiiwWゞ
",,iiij从ミWリリWii-''l \ ll `''ー、.゙''-ミ〜 ..,_ ,ii''"`
ろ::::::.... ..k! .`'-、 || `'‐、,`''ー..,,.`゙'''- 、,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;" ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
||`'-、二 ''ー、 `''-、ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "
||\二二`''-、 `'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 升平四年(三六〇年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 前年に謝万が前燕軍との戦から潰走して
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 庶人に落とされたため、謝安は初めて仕える志を持った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ この時、四十歳を過ぎていたと『晋書』『謝安伝』は記している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 723 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:50:08.04 ID:Hlyndkgg0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i .嬉しいねぇ。
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i 兄弟揃って俺の所へ来てくれるとは。
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ .謝万の件は残念だったな
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ /::::::/ :::::::::::::::::::::::: \:::::\
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、 /::::/::/::::::/::::::::::::::/ ::::::::: ト::::::::::.
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、 / :::::::/::::::/:::::::::::/}::::::::::::::|∧:::::::::..
;:::::::::::::::::: |_彡< /::::::::/::/ i:::::::::::\
|::::::|:::|::::;斗=ァミ_ /::::::::/::/‐¬ト:::::|::::::::\
. ,::::::八|:弌 r公リ /∨/}斗ァ=ミ|:::::::|::|¨¨⌒
/i ::::| :::::::::ゝ r公リ 》:::::|::|
. /:::i ::::|:::::i::::| / 7 :::::: |
人の言う事を聞かないからああなる / ::::i ::::|:::人::| / ::::::|リ
. / ::::: i ::::| ::::::仆 . ' ヽ /|:::::::::|
/ ::i ::: |:::::::::::::::|个ト イ´| ::::|::|
. / ::: i:: 八::::/| ::::|::L| ー=≦::::::::i::::| ::::|::|
/:::::::::i::::_V:::| ::::|/ ≧=- ,,_ / ::::: i::::| ::::|::|
.::::::::::: i:i《二》《| ::::|\ └片i ::::i::::| ::i:|::|
:::::::_,,::斗匕\_| ::::| /∨_,丈::ノ::;;| ::i]八_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 征西大将軍桓温に請われて司馬となった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 要するに桓温の属官から、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 官吏としての人生を始めた事になる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ なお、謝安の兄の謝奕も
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 桓温の属官を経て安西将軍・豫州刺史になり、この前年に世を去っている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 724 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:52:20.79 ID:Hlyndkgg0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i 積もる話は沢山あるが、
i |i、`) 'ゝ二二二二7 , .お前には俺の司馬を務めてもらう。
、` ヽ `‐-==- i
、ゝλ i 仕事の内容はこっちの習鑿歯に聞いてくれ
∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、 _____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ⌒ ⌒ i:::::::|
|(●) (● ) 〈::::::|
荊州別駕を務める (⌒(__人__)⌒:::: @)
襄陽郡の習鑿歯、字を彦威といいます。 . | |r┬-| |
\ `ー'´ /
以後お見知りおきを ,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ |
| i |,/(__)ヽ/ |
| | | ハ / <
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 同じ豫州の豪族同士、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓氏と謝氏は関係が深かったようだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .実際、桓温が謝安を重用していた様子が『晋書』『謝安伝』に残っている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 725 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:55:51.68 ID:Hlyndkgg0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) いやあ、都へ行く前に
| |r┬-| | 高名な謝安殿にお会いできるとは思いませんでした
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i _,,..::‐=ミ__
| \/゙(__)\,| i | _/::厶<⌒::::::::::::::`丶、
> ヽ. ハ | || /:/::/:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::\
/::::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::/:::::::::::: | ::::::::::::::::::| :::::::::| ::::::::::::.
.::::::::::| ::::::::::| ::::::::: |::::/\|::: | ::::::::::::::.
|::::::|:::| ::::::::::| ::::::::: |::イ ∨:|::::::::::|::::|
|::::::|:::|:::::::::/|ハ:::::::::|/_x折ハ汁 :::::::|::::|
|:|:: |:::|:::::::: イ∧::: リ Vツ´|:::| ::::|::::|
都へ? |:|:: |:::| ::::::|斗折ト/ |/|::::::|::::|
ノ八:|从|:::弌 Vツ 、 │::::|::∧
お使いかしら? ∨|:::\|\ , /|::::::|∧:|\
|::| :::::个ー_>、 ` / :|::::::|:》≪》
|八 :::::∨::::::: ≧=ァr一 |:::::[_〉::::\
|:::: \:::::≪_》__〈\\ |:::::[∧ト---=ミ
|:::: \:>、::::\ ||\丶 ><|:::::|‐ || `ヽ
.:::::::::: | \::::V|| >=二 |:::::[\| |
/.::::::::::::| ':::::.||/ /|:::::| 〈\____ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、謝安と習鑿歯は手紙のやりとりをするぐらいの仲ではあったらしい
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 726 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:58:31.42 ID:Hlyndkgg0
-
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::( ( ●) (●)|
,...-',,⌒ゞ(@ ::::⌒(__人__)⌒)::::::::.ヽ、
/::/..::::::::::::..ヽl_ |r┬-| /v':::::::::::ノ::_;;:::::j,ト、
/:::::::::::::::::::..`ー-、:l、 `ー'´ .,ヘ:::::;::::::/ ̄ ゙''ヘュ_ノ
/:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:、 /:>:l/:::/ .ええ!
./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..`''ヾ、ー_-イ, 〉<.|/ _ノ⌒ ー - ,,,__ _
}:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..゙ヾ!、!;::|:|,r‐ '゙ // ヽ 襄陽の習鑿歯!!
「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf ヽ l / l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ニ,-'" \___ / 待望の都見学会ですよ!!
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ./ l \X=-、,,__/
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| | ノ ` 、 ヽ ,ヘ./
:::::::::::::::::::::..ヽ、:::::::::::::::::::::::::::| l i´ ` 、 ノ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..`ヽ;::::::::::::::::::::| | | 、 `'rイ ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..\∩:::::::::| l\ `=、..__,ノ  ̄ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i\∩:/ | ヽ、_ ノ | 見学会? |
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| \:!`ー、 ,,=''::::`、'‐-'゙ ヽ_________乂
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l l ヽ_;;ァ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| | i ヽ;::::::::::..\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ さて、この頃になると、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 習鑿歯と桓温の関係に変化が生じ始める。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .発端は習鑿歯が桓温の使者として建康へ赴いた事にあった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 727 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 01:59:03.16 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 728 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:01:45.69 ID:Hlyndkgg0
-
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.| キリッ
|::::::::ゝ \ / |
|::::::( ( ー) (ー)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) かくかくじかじかと桓温将軍は仰せでした
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ _{::\::::::ノ {:ゝ/_-=ミ、
| l \ γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. {i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒)) У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
{:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::',
从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ
| ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
用件は分かりました | 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\
l::'⌒/込_ \、\}::|__ヽ/:, ィ升=^|/|/||/||: :\∧ \:::
|:::l:_{_ニ=-\)≧イア≧/:/_と¨ヽ./|/|/||/||: : : : :∧ .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 恐らく会稽王司馬cへの使いだったのだろう
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 729 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:06:55.14 ID:Hlyndkgg0
-
///:.:,:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:∨ミミ.:.:.:.:.:.:.:.:.: 、:.:\
〃 :.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.::',ミ:.:.ー―:.:.:.i _`ヽ:.:.
{! {:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.i:.:.::} ミ:.:ー=:.:.::| /(__ノ:./
乂_j)|:.:.:.',.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:./:.:./ ミ:.:. -、.:.:. 乂:.:/
|、:.:.:ト、:.:.:.:/:.:./}斗 七_ V ハ Vハ
|:.:.ヽ!-\:.:/ ィ 乏ナ´ r ノ:!:.:.
,:.:.:.:.:ヘ杙_ナ _.rf:.:.:|:.:.',
,:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ' /|:.:.:|:.:.:|:.:.:.',
/:.:./:.:.:.:.:.込 _ イ .ト}:.:!:.:.:!.:.:.:.:, .よく役目を果たしてくれました。
/:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:≧= -=≦ _ノニニ!:.:.:!:.:.:.:.V
/:.:.:.;:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ^Y^Y^ニニニV:.:.:.;.:.:.:.:.:∨ 帰ったら、
/:.:.:_/:.:.:./_-=ニニイニ/ニニニニ/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:∨ .桓温によろしく伝えて下さい
/_-=ニ/:.:/ニニニニ>rニニニニ/:.:.:/ニ=- _:.:.:.',
_ -=ニニ=------ => ´ /ニニ>.:.:.:.:.:.イニニニニ\:',
/ニ>.:::´:::::::::::::::::::::::::::::|__/:ヽ/:.:.:..r≦ニニニニニニY
{ニ,.ィ:::::/:::::::::::::::''´::::::::::>.:::::::::/:.:.イ´ニニニニニニニニノ:.
./ヽ:/::::::::::/:::::::::::::::::´:::::::::::::/:.:.:/:::::ヽニニニニニニニニ/:.:.:.
/ニ/ニ\:::::::::::::::::::/:::/::::::::::/:.:.:.ム-..、::::Vニニニニニニ/:.:.:.:.∨
iニ/ニニニ∨:::::::::::/::::::::::::::/:::::::{:.:.:.:.(_):.:.:}:::::ニニニニニニイ:.:.:.:.:.:.∨
|ニ'ニニニニ∨:::::::/:::/::::::::/::::::::::ゝ-、__.:.:ノ::::::|ニニニニニ \__人_人从_人_人从/
.从{ニニニニニV::::;::::/:::::::::;::::_::{:::::::::/:::::::;:::::::;ニニニニニ _) (__
/:.∧ニニニニニ∨{::::{:::_.≦ニニ/ニニニニ=-_/ニニニニニ ) 仰せのままに! (
/:.:..:.:.:.:へニニニニニ-=≦ニニニ,ニニニニニニ}ニニニニニ ̄ ̄) ( ̄ ̄
./:.:.:.:/ { /≧=━----<ニニニ/ニニニニニニ从\ニニニニ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/:.:.:.:/:.:.ー_{_/ニニニニニニ\ニニ{ニニニニニニ.イ\ Yニニニニニノ:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 簡文(会稽王)は習鑿歯を大変重んじたと『晋書』『習鑿歯伝』にある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 730 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:07:53.74 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 荊州 江陵】
_.. ‐''广''''―- 、
i'"゙._.. -'|'''''―- ._|
.|''″ .! / 三 l
_,,|∩ ∩.! .l゙三三!
/ l ! l `゙^'''''¬ー っ..,,..,,、
_./ ゛ ! | ゙゙'''〜 ....,,_ ヽ l ゙'(¬ー 、
,./ '″从リj"W゙リw;yノ │ `''、,!三 ヽ \
/ ;ゞゞ; ;ゞ 〉 ,!゛三三ヽ .ヽ,
/ 从リj"W゙リw;yノ ミ彡ミ彡 / 三三三 | WWwjjw、、
./ ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwv ミ彡》/ 三三三/ |"ヾ ;ゞ ;"ヾ.`''ー 、
._..-" ゞ ;" "ゞゞ WWwjjwv " ヾ ;ゞ ;"ヾ/ 三三_..‐" ./,!ソ;;;)ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))`-.、
ー'''″ |゙'.l ̄ ̄''ー ___ -'´ 三三,/゛._..-'゛ .l WWwjjwv `''-
|;;;;Wiwノノ;;::! ll゙'-、三三 | .|____゙“'''―---- / ,/゛ ij从
'",,iiゞ ミ;;;;Wiwノノ;; !'、, ll`'-、,三`'ミー..,´゙゙''''―----'" WWiiiwWゞ
",,iiij从ミWリリWii-''l \ ll `''ー、.゙''-ミ〜 ..,_ ,ii''"`
ろ::::::.... ..k! .`'-、 || `'‐、,`''ー..,,.`゙'''- 、,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;" ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
||`'-、二 ''ー、 `''-、ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "
||\二二`''-、 `'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 帰還した習鑿歯に桓温が質問した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 731 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:08:56.90 ID:Hlyndkgg0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i 会稽王は誰に似ている?
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、
______
o * 。◯,r'.::::::::::::::::::::::::::::.゙i * o
+o + * |.::,r'⌒Y⌒γ:::::::::.゙i o *。
+ * .。 |_ノ ' ヽ_ ヽ::::::::| o * *。
+ o |(≡) (≡) <:::::::|◯ + *
*◯ (::⌒(__人__)⌒:::::: @) o
あのような御方は見た事がありませんね o 。+ | ||r┬-| | o+゜
γ⌒〜 \_ `ーlj′ /。* *。
.,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ | i
.| i |,/(__)ヽ/ | l
- 732 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:10:12.30 ID:Hlyndkgg0
- 【会稽王は恵帝の類@(by謝安)】
´:::::/:::::::::::::::::::: `丶、
/::::::/ :::::::::::::::::::::::: \:::::\
/::::/::/::::::/::::::::::::::/ ::::::::: ト::::::::::.
/ :::::::/::::::/:::::::::::/}::::::::::::::|∧:::::::::..
;:::::::::::::::::: |_彡< /::::::::/::/ i:::::::::::\
|::::::|:::|::::;斗=ァミ_ /::::::::/::/‐¬ト:::::|::::::::\
. ,::::::八|:弌 r公リ /∨/}斗ァ=ミ|:::::::|::|¨¨⌒
/i ::::| :::::::::ゝ r公リ 》:::::|::|
. /:::i ::::|:::::i::::| / 7 :::::: |
/ ::::i ::::|:::人::| / ::::::|リ
. / ::::: i ::::| ::::::仆 . ' ヽ /|:::::::::|
/ ::i ::: |:::::::::::::::|个ト イ´| ::::|::|
. / ::: i:: 八::::/| ::::|::L| ー=≦::::::::i::::| ::::|::|
/:::::::::i::::_V:::| ::::|/ ≧=- ,,_ / ::::: i::::| ::::|::|
.::::::::::: i:i《二》《| ::::|\ └片i ::::i::::| ::i:|::|
:::::::_,,::斗匕\_| ::::| /∨_,丈::ノ::;;| ::i]八_
|::: / | ::i:| ∨\∧ }}\《^| ::|ニ二》 _____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| _ノ ヽ i:::::::|
|(○) (○ ) 〈::::::|
えっ? (⌒(__人__)⌒:::: @)
| |r┬-| U |
どうしたんですこの空気? \ `ー'´ /
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ |
| i |,/(__)ヽ/ |
| | | ハ / <
- 733 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:11:10.13 ID:Hlyndkgg0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′ 習鑿歯。
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
込ト-r≧====x _r≦====x〃「 これからは戸曹参軍として働いてくれ。
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′ 別駕はもういい
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
_____
/.::::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
|.::::::::γ⌒ Y ⌒ヽ:::|
|:::::::/ .u_ノ ヽ. |:|
ちょっ!? |:::::〉 ((●)) ((●))|
(@ ⌒(__人__)⌒ )
格下げじゃありませんか!!? | ヽ |!il|!|!| / .|
\.u |ェェェ| /
私、何か悪い事言いました!!? / \
(<<<) (>>>)
|、 i、 ,i /
ヽ_/ ヽ__/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 習鑿歯の返答は
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 質問の趣旨に大いに逆らうものだったため、戸曹参軍に左遷された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、この時点では両者の関係は破綻には至らなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 734 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:11:39.84 ID:Hlyndkgg0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 事件はこの後に起こった
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 735 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:18:36.33 ID:Hlyndkgg0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 習鑿歯の母方は、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .襄陽郡の羅氏という豪族の出だ。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .かつて羅憲や羅尚を輩出した一門である
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ノ \ i:::::::|
ええ。 |(─) (─ ) 〈::::::|
(⌒(__人__)⌒:::: @)
母の弟に羅崇と羅友という者がいるのですが、 | |r┬-| u |
今度桓温将軍の意向で荊州の従事と別駕に任命されるそうで .\ `ー'´ /
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ | i
| i |,/(__)ヽ/ | l
- 736 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:20:49.39 ID:Hlyndkgg0
- 【>>735修正】
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 習鑿歯の妻は、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .襄陽郡の羅氏という豪族の出だ。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .かつて羅憲や羅尚を輩出した一門である
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ノ \ i:::::::|
ええ。 |(─) (─ ) 〈::::::|
(⌒(__人__)⌒:::: @)
妻の弟に羅崇と羅友という者がいるのですが、 | |r┬-| u |
今度桓温将軍の意向で荊州の従事と別駕に任命されるそうで .\ `ー'´ /
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ | i
| i |,/(__)ヽ/ | l
- 737 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:23:06.59 ID:Hlyndkgg0
-
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ \ / |
|::::::( ( ─) (─)| こんなバカな話はありません。
(@ ::::⌒(__人__)⌒)
| |r┬-| | .私の義弟かつ年下の二人が、私より上の官職に就くなどあってはならない
\ `ー'´/
,,.....イ.ヽヽ、___ ーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ
| \/゙(__)\,| i
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
習鑿歯は気難しい人物だったのだろう。 ` ‐lイ::::::::::ヽ
/⌒ヽ、::::ヽ
何度となく手紙を送り、自分の主張を桓温にぶつけた |::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 738 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:24:57.22 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 荊州 江陵】
/ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
. ,:. :.| :. /| :. :. :|\:.:.:.|: :. :.
|:. :.| :∧|:. :. :リ⌒∨:| :. :.|
| : ルf伉|/|/ィ伉 }: ト :. :|
∨ハ Vソ Vソリ: |ノ:. :| また習鑿歯殿から手紙が届いたわ
ト 人'' _ ''厶:.|:. /:|
|/:《|:≧:.ァ‐z:._´:.|:.《X》 |
. ノ:. : |:.|:./ 不 い :|:. |:.|:.│
;. :. :.:|:.i// / ' V|:. |:.|:.│ /::::::::::::::::::::::::`ヽ
. | :. :.人i〈__匕_,,} {.:.人|:.│ /〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
/:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
/⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
これで何度目だ? { {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
\`ハ ヾ.:.::ノ ハ. /
あいつにどうこう言われる筋合いはない。 `ー:. _____ //
/ヽ ´ _,, ` イリ
まずは羅崇を襄陽の都督にしてやれ ./ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
_ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
. . : :.:.:.:::{ / _ `ヽ∧////∧ / ! ::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当然というべきか、桓温は激怒した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 習鑿歯へのあてつけか、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .羅崇と羅友を相次いで襄陽の都督に抜擢
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 739 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:27:00.35 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 司隷 滎陽郡】
‐┬‐┬‐┬ | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|─┴ュ__||_|‐┴┘ ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|┬┬┬┬
. j{ r┬┬┬┬┬ュ_ j{:;:;
j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:::|──────────────j{:;:;:;
 ̄ ̄ ̄ ̄ j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~:|:::::___::::: :: ::| _ j{:;:;:;
. ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ /二二\ ̄ ̄ ̄|ィn ̄ ̄\::::::| ̄ ̄~,ィn~\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄j{;:;:;:
 ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,ィダ;;;;;;;;;;;;;;;マ:, ̄ ̄~゙|:| ̄ヽ;;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙,ィタ´ヾ;;;;;;、\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨j{;:;:;:;
 ̄ ̄ ̄~~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~j{;:;:;:;:
゙ ̄ ̄ ̄~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ j{;:;:;:;:
───‐j{________|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:|ニ二 ┴─-- 。。.」;;;;;|─‐┴───┴──────‐'──
: : : : : : : : : : : : : :`゙''ミぅs。.,  ̄⌒゙''〜‐-=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';' ̄⌒゙゙'''〜ー‐-----
: : : : : : : : : : : : : : : : : :ミぅs。.,  ̄⌒"''〜=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';'
 ゙゙̄"'''〜ー-
_____
.. /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
.. |:::::::γ⌒^Y⌒ヽ :.|
.. |:::::::::/ ._ノ ヽ ..|
|:::::::〉 ( ○) (○)| .……うわぁ。
. (@ ::::⌒(__人__)⌒)
| u |r┬-| | 目に見える所に鮮卑の騎兵がいる。
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. .何かとんでもない所へ飛ばされたぞ
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 習鑿歯を滎陽郡太守へ出した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 要するに左遷なのだが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .左遷先が中原、しかも対前燕の最前線というのが色々考えさせられる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 740 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:28:53.72 ID:Hlyndkgg0
-
‐┬‐┬‐┬ | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|─┴ュ__||_|‐┴┘ ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|┬┬┬┬
. j{ r┬┬┬┬┬ュ_ j{:;:;
j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:::|──────────────j{:;:;:;
 ̄ ̄ ̄ ̄ j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~:|:::::___::::: :: ::| _ j{:;:;:;
. ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ /二二\ ̄ ̄ ̄|ィn ̄ ̄\::::::| ̄ ̄~,ィn~\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄j{;:;:;:
 ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,ィダ;;;;;;;;;;;;;;;マ:, ̄ ̄~゙|:| ̄ヽ;;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙,ィタ´ヾ;;;;;;、\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨j{;:;:;:;
 ̄ ̄ ̄~~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~j{;:;:;:;:
゙ ̄ ̄ ̄~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ j{;:;:;:;:
───‐j{________|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:|ニ二 ┴─-- 。。.」;;;;;|─‐┴───┴──────‐'──
: : : : : : : : : : : : : :`゙''ミぅs。.,  ̄⌒゙''〜‐-=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';' ̄⌒゙゙'''〜ー‐-----
: : : : : : : : : : : : : : : : : :ミぅs。.,  ̄⌒"''〜=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';'
 ゙゙̄"'''〜ー-
_____
; /.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
; |.::::γ⌒ Yノ( ヽ::::::| ;
; |::::/ _ノ三ヽ、 |:::| ; 罷免だと!?
; |:ノ(( 。 )三( ゚ )u::| ;
; (@ ⌒(__人__)⌒ @) ; こちらから願い下げだ!!
; | u |++++| ノ( | ;
; \ ` ⌒´⌒ / ; .郷里へ帰らせてもらう!!
; / \ ;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 程なく罷免された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 741 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:30:44.06 ID:Hlyndkgg0
- 【紀元360年頃 晋 荊州 襄陽】
__ ,。t r‐‐- 。 _
__ ,。-‐ -。. __ !Ll Ll Ll `tュ _.ィzハュ、 x
「 Ll Ll ゙゚¨ i | _.. 。 - ― - 。 .._ 〔」 z杉イハミ八ハヾz
|_.. 。 - ― - 。 .._ | Y> ¨´ ̄ ̄`¨<Yト '了彡ハッγシハハ
V¨´ ̄ ̄ ̄`¨V|「 トュ | fl fl =| | ____rュ ィッ彡森本木辷ハハ
| i^i i^i =|| ≠=| l;l ,ハ. l;l | ̄ ̄ ̄|>≠≦ 川杉ハソ≧森林杉z
| Ll Ll:iニLlニLlニ| Ll ー| 「 ̄ ̄ 彡シイィッ≠彡林森森
|= l |= | | AA〃メソ気シミγ木林森森
|- _ ├―――‐┤‐ =| {田} | AA7シイッハ杉巛人ハ八
火 |,/ヘ /ハ└L「L「L「Lll: ィ代 -l_________|_ ,イ川ヮツノX≦谷辷彡林巛
彡( ||土| |土| |!l V リ |ハ LL| =| |゙____ イソノ彡森林杉ヾレ
ハ彡 ||土| |土| l lLl =l iYi :| | | | | ,ィ彡レ盃幵卅ハYミ辷
林杉 二∠二∠二∠二∠二ヾド┼――‐┼===¬冖 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
木炎彡 TL「lTL「lTL「lTL「lTL「l | ,.へ. |= | 私が去って五十三日で襄陽へ達しました .|
杉火彡゙ィ 二王二三二王二三二l〃 /'ヾ|‐ ヽ___________________乂
非杉彡火ッ゙人 三二王二三二王|l l :l|= ハ ハ | 山 ::| 〃ハvゥハレハハ本盆本木森
くシ杉木ハ辷ミメッt 二王二三二|===== L! Ll :=|__ ,lレ ハくくィヾ癶火っi進≠z辷ミ
火杉彡'バ林ミ巛彡狩 ハパバヘミハミミヾミ、 二ニ======_v/´ イ彡不ミ刈_斗< ,, ' ̄
木パバ彡森杉ミ彡林 ハヾパミYミメ彡彡杉林;;;;皿皿皿皿,,,,;;;>''´. . . イ彡巛 〃` ィハミ二並炎ミ彡
火彡辻彡イハ木杉ミミ狩 ハ彡杉森aッッ ッッ ャャ ッッ_,.>'´. . . . . . ハバヾ杉. イハ杉辷林森森林
森杉ツ爻乂彡イ 爻乂ミッメ、 森a. . . 。o彡ф彡'¨ ̄. . . . . . . . . . . .ィ川く. . . . .彡ハ木杉'フハ本林森
森森爻林爻ミ彡 杉ハミ三仆宀 。o8ミ%8 ゚. . . . . . . . . . . . . . . . . . ¨´. . . . . . . 7ハバ’`¨ '¨¨彡イ¨ヾ
ヾ乂ノハ乂杉森広 ¨. . . . . _ピ‰£ミ彡イ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 襄陽郡へ帰った習鑿歯は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 以前から付き合いがあった桓温の弟の桓秘に手紙を出している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『桓彝伝』によれば、桓秘は桓温に用いられていなかったという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 742 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:33:13.26 ID:Hlyndkgg0
- 【習鑿歯さんのお手紙@『晋書』『習鑿歯伝』(一部抜粋)】
┏──────────────────────────────────────┓
悲しみに触れて歓びの情など無く、痛み悲しむ事は手紙で記せない程です。
家舅に孝養を尽くすために北門へ入り、
西に隆中を望んでは臥龍の吟を想い、
東に白沙を眺めては鳳雛の声を思い、北に樊墟を臨んではケ老の高きを習い、
南に城邑を振り返っては羊公の風を懐かしみ、檀溪を眺めては崔徐の友情を念じています。
┗──────────────────────────────────────┛
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
r⌒ヽ、 |::::::::/ ⌒ ⌒ |
/ \ \ |:::::::〉( ●) ( ●)
_/ / ヽ (@ ::::::⌒(__人__)⌒)
〈__/ . | | ` ⌒´ |
/ . \ _ i⌒\ /
./ / ⌒ヽ, _.ヽ .\
.__ r / |/ー、\ \
."ヽ | i, ノ .\^ i
.| ヽ./ ヽ、_../ / . ヽ、__ノ
.i / // ./
.ヽ、_./ ./ /
./ /
.ノ.^/
|_/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この手紙。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } やたらと三国志の登場人物の名前が見られ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 他にも曹操が酒宴を開いた場所や孫堅が死んだ場所の話が出てくる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 襄陽周辺に三国志絡みの場所が多いのがよく分かる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 743 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:35:53.47 ID:Hlyndkgg0
- ┏─────────────────────────┓
今日の才は往日のようにはいきませんが、
百年の後には足下と並ばぬよう立派に上回りたく思います。
┗─────────────────────────┛
. _____
./.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
.|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
.|::::::::/ ⌒ ⌒ |
.|:::::::〉 ( ●) (●)| そうだ!
. (@ ::::⌒(__人__)⌒)
. | |r┬-| | せっかくだから、
. \ `ー'´ / 私も孫盛殿を見習って著作に励むとするか!!
}、 . ーーノ゙-、....、___、
_ハ,>-ー< ̄/ :/ :: : : : : .7¨. ヽ __
__/ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : \ //
,.-< : : : : :i /::::「 / :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧ ./ /
r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : //: : .ヽ ./ /
} : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :/ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : .l^'; /^V、
f : :i : : : :i ,':::::::/ : : / : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : :|//⌒`↓
/ : :i : : : :i i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : :.(__/ /⌒ 、}
/: : : :i : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : :.|Y'V ヽ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 久々に故郷の空気を吸った習鑿歯は気力を取り戻したようだ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 744 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:36:45.81 ID:Hlyndkgg0
-
____
/ ヽ,
______________________/ }
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ /,イ ̄ミ、 /
/ |l「 ,ィ=ヽ|/
/ 弋ゝ__ノリ
ー―――――――――――――――――――――――ヾ=一"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼は『漢晋春秋』の執筆を始めた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 745 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 02:39:32.12 ID:Hlyndkgg0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 続く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続きは日を改めて。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 746 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/03/24(日) 05:09:06.08 ID:Hlyndkgg0
- 【修正:>>691と>>692の間】
【紀元357年頃 前秦 雍州 始平】
ヒャッハー最高だぜ
(~) (~) 農作業とかやってらんねー
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
推しの子誰推しだよ? .γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ かなちゃん可愛いよね
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) あかねとかないわー
小動物で重いとか最悪だよな (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J 刺されそう
し─J し─J
/:::::::::::::::::::: ′::::::::::::::::::::::::::::::::::.
′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::: |::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::: |::::::: ∧:::::::::.
::::::::::::::::::::::: |::::::://ノ:::::::/-‐:::::::::.
|:::/ ::::::::::::::: |,ィぅう巧 ─ ´ィI笊〉 ::: |
|/:::::::::::::::::::::|乂∨ソ ∨ソ:::::::::|
/::::::::::::|::::::::: | 、 .:::::::::| …………
. .:::::::::::::::|::::::::: | /:::::::: |
人:::::::::::::|::::::::: | - - ..::::::::::::::|
._-=ニ二\:::::::И:::::从 )hs。 /::::::::|/:::√
/-=ニ二二- \~人:::::::::ヽ √:::::/:::::::/::::√
_ -=ニ二二二二二⌒^^\「 :{:::ィi〔::::ィi〔:::::ム __
/-=ニ二二二二二二/-=二 \ 乂⌒⌒二二=- 〉
./-=二 >────= /( )-=ニ二 _、x > 二二ニ=-/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ しばらくして、王猛は始平の県令となった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の始平では前秦領の例に漏れず、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .旧本拠の枋頭から西へ帰ってきた人々による略奪が横行していた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 07:05:27.54 ID:uEPHzPmh0
- 乙
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 11:14:51.75 ID:LzpAl5FL0
- 乙
謝安も出て来て五胡十六国中期の大物はこれで一旦打ち止めかな
そして蜀滅亡から丁度100年後に劉氏のあいつが生まれる
- 749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 12:07:17.82 ID:wTwlkOqu0
- 乙でした。
受け答えのどこが不味くて降格されたんだか。他の人に喩えて会稽王の長所や弱点を示せってことだったのかな。
- 750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 21:18:21.19 ID:ielTI5JT0
- 乙でした
桓温は今後会稽王と色々と交渉する事になるから、相手の為人を知っておきたいのに
「歴史上の誰かに例えるとか出来ません=分かりません」とか答えたらそりゃいい顔はしない
- 751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 23:32:48.63 ID:uEPHzPmh0
- 潜在的な政敵なのに心酔しているような様をみせたらそりゃ危険視されて側にはおいておけないってなるのでは
- 752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 00:43:55.31 ID:cp9dPPbY0
- 乙
宋武帝と劉備って同じ劉性なのもあるけど、
若い頃貧乏で晩年にやらかすとか色々共通点も多いよな
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 11:40:36.22 ID:n99wH76L0
- 乙です
ついに苻堅と王猛がコンビ結成!
- 754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 11:06:56.66 ID:WQv2Qflwo
- 乙でごわす
王猛さん就任早々飛ばしてますなぁ
- 755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 11:22:13.97 ID:mLu4XDRLO
- >>754
おお、もう……
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 16:43:20.13 ID:QHm6OzdE0
- >>1さん乙です。桓温めちゃくちゃ強いんだね。
東晋や南朝っていうと五胡諸国に比べて弱いのかな?というイメージだったけど、
トップが死ぬと大体相続争いで揉める五胡諸国と比べると、東晋の安定感は図抜けている感じがする。
- 757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 20:05:37.06 ID:YrCbta280
- まあ腐っても正統王朝という大義名分的なものがありますからね
王猛はその辺をよくわかってた
- 758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 22:28:02.26 ID:Pj/4j/lW0
- 実際ここまでの桓温は強いんだよ、ここまではね・・・
それが曹操になれなかった男と言われる所以だし
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/12(金) 21:40:28.86 ID:3wnTv1FD0
- 水原一平の件を見ると
古代中国の宦官ムーブを連想してしまう
大谷も野球以外では劉禅と変わらないということか
「純粋無垢だから騙されてもしょうがない」みたいに言われてる部分も含めて
- 760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/12(金) 23:11:46.85 ID:WQ+8r3IN0
- 一方日本の野球は、打球が飛ばなさ過ぎて阿鼻叫喚の地獄と化していた
巨人岡本だけは何故か打ってるけど
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 17:02:29.35 ID:YNypi7qB0
- 乙
>>742
臥龍=諸葛亮、鳳雛=ホウトウ、ケ老=トウガイ、羊公=ヨウコ
崔徐は誰?徐は徐庶?
- 762 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/16(火) 03:55:31.26 ID:2AYC8Ieb0
- 【レスしようとしたら寝落ちしていましたorz】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l >>760
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l とりあえず巨人のビジターユニ阪神と紛らわしいのだ
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .>>761
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 崔徐は崔州平と徐庶だと思われます
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
※次の土日にはやりたいなあ
- 763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/17(水) 14:22:48.79 ID:ASaXRzFj0
- >>759
大谷選手は米国の会計士を雇ったのに、会計士が大谷選手に面会を求めた時は水原被疑者が「大谷選手は病気だ」と
偽って一人で面会して、「大谷選手が口座の非公開を希望しており、利息や贈与はなかった」といって口座を見せなかったとあります。
https://www.yomiuri.co.jp/sports/mlb/20240415-OYT1T50186/
通訳だから、会計士にしろ代理人にしろ大谷選手と仕事の話をするには水原被疑者を通す必要があり、
全ての情報が水原被疑者に集まってくるから、相手が用心したつもりでも全て筒抜けだったことになります。
宦官に限らず、取次が異常な権力を振るえる仕組みがここにあります(孫資・劉放や楊駿を思い出しながら)。
>>762
お待ちしています。
- 764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/17(水) 16:46:40.86 ID:X6W9X0SW0
- 進研ゼミばりに
「あ、これ歴史で見たところだ!」
ってなりましたよww
最近そいうの多いなー
- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 10:01:39.87 ID:uPlm3X450
- >>763
時代が時代で場所がちうごくならば末路は滅三族凌遅三千刀っすね…
- 766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 10:42:08.87 ID:TiAW1UavO
- 意外とムショで書いた一平の回顧録が「紅楼夢」みたいな文学作品になるかも知れないっスね
(紅楼夢の作者曹雪芹も康煕帝のお友達であることを良いことに江南の造幣局の経営を親や祖父の代から数十年もドンブリ勘定でやってきたのがバレて雍正帝に粛清され極貧時代に書いたのが紅楼夢)
- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 14:10:54.25 ID:CKa22MS30
- もう巨人と阪神はユニフォームで見分け付かないので選手の顔で判断するしかない!
- 768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 18:29:50.27 ID:YiFizycbo
- >>767
背中に名前入ってないのが巨人だからすぐわかる
- 769 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/22(月) 00:17:02.68 ID:u9Wf00JA0
- 【お待たせしてすいません】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 4/25(木)22:00頃から続きの投下します 。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ >>767-768
| i ̄i ̄i ̄i """ | 最近は各球団イベ用ユニとかあるけど
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 一目でどこの球団か分からんようなのはちょっとねえ
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 770 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:19:27.02 ID:JR51tEWC0
- 【>>744の続き】
____
/ ヽ,
______________________/ }
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ /,イ ̄ミ、 /
/ |l「 ,ィ=ヽ|/
/ 弋ゝ__ノリ
ー―――――――――――――――――――――――ヾ=一"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『漢晋春秋』
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 習鑿歯の代表作であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .後漢の光武帝から西晋の愍帝までの事績をまとめた史書だ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 771 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:19:56.81 ID:JR51tEWC0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i 会稽王は誰に似ている?
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ | 何故あの時左遷されてしまったのか? |
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、 ヽ___________________乂
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、
______
o * 。◯,r'.::::::::::::::::::::::::::::.゙i * o
+o + * |.::,r'⌒Y⌒γ:::::::::.゙i o *。
+ * .。 |_ノ ' ヽ_ ヽ::::::::| o * *。
+ o |(≡) (≡) <:::::::|◯ + *
*◯ (::⌒(__人__)⌒:::::: @) o
あのような御方は見た事がありませんね o 。+ | ||r┬-| | o+゜
γ⌒〜 \_ `ーlj′ /。* *。
.,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ | i
.| i |,/(__)ヽ/ | l
- 772 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:21:14.92 ID:JR51tEWC0
-
、... .... ...... .... ..... .... .. ... , , .. .. .. .. .. ... ...、. . . . .、_
_)::::.::::.:::.::::.::::.::::.::::.::./ / /:::.::.:::.::.::.:::.:::.::.:::.ヽ、: : : `
. |::::.::::.:::::::.:::::.::.:::.::::/ / 、'、::.::.:::.:::.:::.::::.:::.::::.::::.`、: : :
廴::::.:::.::.:::::.::.:::/ / i `‐-‐、::.::.::.::.::::.::.::.::.:.', : : :
. _)::::.:::::.::::::/ i i | 〉:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::!: : :
L_::::::.:::::.::/ | ,' | | {::.::::::.::::.:::.:::::.:::::} : : :
 ̄l:::::::i l | i | ! ,ィト、:::::::γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
\_| i l | i | l| ノ_,ィ´/ ! メ -| 桓温の官爵は太尉・南郡公と位階人臣を極めている |
| | l | | ! l| ィチ´//_,」_/_ ヽ_______________________乂
| |i i i _」 ト、|| / ,ィZr'チ卞、`7 ト、::::::::::代`
| l| X´i l\l レ' /l {つk_j::::}/ | ト‐-,:::|:.`:
ヽ!ヽ、 ト、 ,rz=、 弋:::::::シ'´ |l| 〈::::}: : :
` \| kイ、Vム  ̄ ! ハ 〉,': : :
ハ `弋ノ l i | |: : : :
| ヽ _ _ // | |: : : :
| `、 ィ_´-‐ツ // /|γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
} ト、 ` ´ ///__|| 古来より、そういった人間は帝位簒奪を狙ってきた .|
/ /| | ` .、 , ィ'//: ̄ : |ヽ_______________________乂
/ / .| | _,>ー _ l´: :.//: : : : :.| |:|. L
/ / /ノ_, -'´: : : : : ;.メ!、//: : : : : :.| |:|::::::ヽ
/ /, ィ:.´: : : : : : : : :ム杯f//: : : : : : / /: :\:::
/ / ヽ: : : : : : : _ : -‐{、辻〈〈: : : : : :./ 〈: : : :/::::
〈 く 〉、: : : : ´: : :/ ゞ-' ヘヽ、: :_;」 /: :〈::::::
\ \ / \: : : : : : : : : : : : : :.> '´ ,ィ´: : :/::::::
漢 魏王 曹操
- 773 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:22:26.66 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
. |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
. |::::::::ゝ \ / |
|::::::( ( ─) (─)|
.(@ ::::⌒(__人__)⌒)
.| u. |r┬-| | - 3 .そりゃ会稽王を称賛すれば左遷されるわけだ。
.\ `ー'´/
__,. <.ム- ..___ ーノ゙.ヽ__ .奴が会稽王を快く思っていないのは、
, 、<¨ : : : : :l : :.ヽ ∧::〈ヽi :、ヽ .やがては帝位を狙う腹積もりなのだろう。
/ : : : : : : : : : : :|_ : :∨ |:Λ | : :、 : >、
丿 : : : : : :i: : : : : : :/ :.∧__|::∨\、: : : : :.`,
i : : : : : : : :| : : : : : :\/ ̄ ∨ /;;ヽ : : : :,i
...i : : : : : : : :! : : : : : : :/ ´ ̄ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
/: : : : : : : : :| : : : : : :/ ´ ̄V /;;/;( ̄\ :|: ハ
,' : : : : : : : : :丿 : : : : / ´ ̄y;/;;;( ̄\ V: :ハ
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)| ,. ‐- .. _
(@ ::::⌒(__人__)⌒) ./ __ `` ー- 、
| |r┬-| | , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- ' しかし!
\ `ー'´ / _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-_ -ァー- 、_ ... -‐ ' ヽヽ、`>、..ノ=┘ そんな暴挙は阻止してやろう!!
/j >-‐ ' ´/ / / / _ノ \ `ー '!
, -‐ 7´/{⌒| / _/ j >‐'
/ / //| 〉‐f/ \' ! , ' ´
/ ,' > .|/ レ ゚ノ | ,.. -‐ '"
/ { ヽ | 〉 /__ t ,. -‐ ' ´
| ヽ| / / ' ` ヽ、 /
| `!// /
- 774 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:23:51.05 ID:JR51tEWC0
-
____
/ ヽ,
______________________/ }
/ / /
/ / /
/ / /
/ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ) >
/ < この『漢晋春秋』で!! >
/ < (
/ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/ / /
/ /,イ ̄ミ、 /
/ |l「 ,ィ=ヽ|/
/ 弋ゝ__ノリ
ー―――――――――――――――――――――――ヾ=一"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『習鑿歯伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 襄陽郡に在った習鑿歯は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温の分不相応な志を望まず『漢晋春秋』を著わした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これによって、桓温の野心を裁き正そうとした
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 775 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:24:32.64 ID:JR51tEWC0
-
_| |
{__ r│
イ─ヽ′
|│ }
|U |___
} /ニニ \:.\
| ,ィ’ !:.:.:.:.:.\}:.:.:.ヽ
K/ /ト {:.:.:.ハ:.|:.「Z:.i
| |イ/=ミ\{斗|:.l介:|
| l八 r 、=ミ |:.:.|:.:.| γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| |:./人.ノ イ|:.:从:| | 三国の時 |
}/i:i: :∧ /人 ソ ヽ_______乂
/ V/^/: : :/゚,
{ 仆イ:_:_:/ .ハ
∧ィ芥ォ /ヽ ∧
ト/:ハ:{__{−┴ }
|:{/: : :ヾ: ∧ ノ
| : : : : : : {__.>一 ’
|: i : : : : :、: :\ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/:/| : : : : :lヽ: : : \ | 蜀は宗室であるが故に正しきを為した |
/:/: |: : : : : |: :\: / ヽ___________________乂
\:_:|:_:_:_:_:_l:_彡 ´__
! ! //i:i:i:i:}
| l /"i:i:/:i:i:i{
| | ハi:/|i:i:i:i:|
! ゝ イ ゞ:シ
蜀 皇帝 劉備
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そして、続けて習鑿歯の主張をまとめている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 776 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:27:23.78 ID:JR51tEWC0
-
z=┐ ,
/”:::::::::::イ \
r‐:::::::::::::::::::::::::::::て
l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}_
l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::]
z/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::z
r:::::::::::::::○::::::::::○::::::r┘
《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,\
ィ<:::::::::::::::::::::::::::::::::::γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
イ>/::::/!:::::::::::::::::::::::::| 魏の武帝は |
才゙::::,::ィ_/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ________乂
, イ::::::::,x /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ト _x::::∧
イ:::::::,,才 !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
才:::::斗‐ ' {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「¨l:::::::rヽ:::::::::::::::::::::)
X::::::/ /:::::::::,,::::::::::::::::::::::::::::::::::i l::::::i i,:ェw≧::::::{
{::::::l /::::::::://:::::::::::::::::::::::::::::::::::i γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
「::::::::ハ /::::::::::::ハl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i | 漢を受けて晋に譲ったと言えどもなお簒逆を為した |
√::::::::::::::ハ t::::::::::,,, .¨i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ヽ________________________乂
∨:::::::::::::::::,- x /:::;/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::”i\::::ヽ ∨:::::∧
《:::::::::::_/ // 〆::::vγ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ハヽ::::ヽ∠ニニ}
i:::l\,l 》::Y::::::::::::/ i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`zi:::::::v':::::::/
',! <'::::::::::::: </:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::¨:::::::::::://i
/ト /:::::::::::::::::>:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i:::: //::::/
i/ >::::::::::::< i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: < 《:::::/《:::V/
- 777 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:28:16.47 ID:JR51tEWC0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 文帝が蜀を平定するに至って |
ヽ________________乂
.γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 漢が滅亡して、晋が勃興した |
ヽ________________乂
, -、 , -――- 、
! ', く ̄`'ー 、 ,rz:yェュヽ
ヽ. ヽ __ /.:ト 、 ー-{{ rャz_}}ハ
ヽ \ /´ } / '} 丶、 ヽ,:クー'ヽ.〉 li
r‐ヽ. ヽノ / l.: / >‐ゝ〃ヽl l|
r | {:. , 九、 l: /- 、 ' ,ィfメ、 \ l :!
. 「', \_}l ノ }' \ ヽ!:y=、 ヘ:りj 、Y´Vl
l ヽ_〕 _ イ _〕\´l\ _ハ:り 、 ´xXx fヽjノ
` ー 't--イ __j´ / _} \ //⌒ヾ _, -'´) ,rー」
フ⌒K´ ' ヽ、| ヽ、__./ ̄ `ヽー 、ニ´ r '´ ̄ ̄¨ヽ
厶ィ l \ / | 、 ヽ `丶 - V 」ト-イ_V´ . 二 _ 」、
/ ハ. 丶、{_ 」 ` ヽ / _}。 Y゙-―‥チ:〉
└ 'イ. ヘ / イ /‐t― ヽ、, イノ l:ト、 , -_」{
/ , l 'ーォ / / \__ , f´ ̄`フ|」 匕.-'‐i|
´} '´\ / { / / ≦三} 。 K≧イ!
¨´ケ ハ フ | / / └=' 、 /ハ l
{.ノ} し'イj' / /`ヽ }'´ :|
魏 晋王 司馬昭
- 778 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:30:53.27 ID:JR51tEWC0
-
n ,.
r、{ v n
ヽ / {
.  ̄ ̄ 〉  ̄ ̄(¨¨¨>‐ _
/ v >. : ¨/ ̄: : :ミ-=ミ \
.: 〕/: /: :/: : : : ヾ : :\:::\
/ / /: : / : : /{:{ : : : ; :|!: : : :”::::::ミx
/ / : : ′-/. {:{|:!: :/j:.|! :}: :j ∧:::::::| /
\ ⌒ヽ!: : :l!:|: ′ :从//}〃/ //: : .≠
\ ,}}: v' _ - ミ、〃 }: :} ∨
. ,癶: :ヽ:{⌒` ' 彡',ノ : ∨
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ` . くミx≫ l⌒^. 〕三 >^/
| 引いては世祖の諱と炎興によって譲り受けた | .} r =彡く 、_ .ノ r=ミ,く / ,
ヽ_____________________乂 ー《⌒ =≧ ― ≫/ 〕 >
У/ >oミ 《” ′
―…・・・━ ミ _){ 〃/} { }∨ :/
/ __ 乂_ノ/, .} レ / /
〃⌒ヽ ...::::::::::::::::::::://::/ / / :/≠彡 /
|!:::::rく ∨::::::::癶::::::::::l」:ノ / // ′
|!〔⌒{ ¨¨  ̄=< {_/ l
|!r' `? / 、 |
 ̄ < ー⌒)⌒ヽ =ミ. |
_) 'ー⌒) |
)_  ̄¨¨ ー)\ |
晋 皇帝 司馬炎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この部分は司馬炎の諱と蜀の最後の元号炎興の事を言っている。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } つまり、炎興の炎は司馬炎の炎だったんだよというキバヤシ理論だ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .本来蜀の炎興は漢の火徳に掛けたもののはずで、
`ヘ:ゝ .' 小/ わざわざ当時の司馬昭の息子に注意して元号を決めないだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 779 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:31:23.31 ID:JR51tEWC0
-
. _____
./.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
.|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
.|::::::::/ ⌒ ⌒ |
.|:::::::〉 ( ●) (●)|
. (@ ::::⌒(__人__)⌒)
. | |r┬-| |
. \ `ー'´ / 従って、天意は勢力の強さでは決まらないと言える
}、 . ーーノ゙-、....、___、
_ハ,>-ー< ̄/ :/ :: : : : : .7¨. ヽ __
__/ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : \ //
,.-< : : : : :i /::::「 / :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧ ./ /
r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : //: : .ヽ ./ /
} : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :/ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : .l^'; /^V、
f : :i : : : :i ,':::::::/ : : / : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : :|//⌒`↓
/ : :i : : : :i i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : :.(__/ /⌒ 、}
/: : : :i : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : :.|Y'V ヽ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これが、「蜀漢正統論」と呼ばれる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 780 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:33:05.47 ID:JR51tEWC0
- 【蜀漢正統論まとめ】
┌───────────────────────────────┐
│@正統王朝は後漢→蜀(季漢)→晋である。 .....│
│ ....│
│A魏は後漢を受けて晋に譲ったとはいえ簒逆を行った。 .│
│ ....│
│B司馬昭が蜀を平定した事で、漢が滅びて晋が勃興した。 .│
│ ....│
│C蜀の最後の元号の炎興は司馬炎の治世の到来を暗示していた。 .│
│ ....│
│D天意は勢力の大きさでは決まらない。 ...│
└───────────────────────────────┘
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
要約すると、このような感じになる。 i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ここで重要になるのは、 ヘ!:| ノ!/′
天意は勢力の大きさでは決まらないという点だ ヾ!>ー- ´`-- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 781 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:35:18.19 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) 王朝の交代は天意によって行われるべき
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ノ^, ^ヽ |
|::::::( ((・) ((・) |
(@ ::::⌒(__人__)⌒) 簒奪など言語道断ですよ桓温君
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ
| \/゙(__)\,| i
> ヽ. ハ | |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .正統王朝が弱体化しても、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王朝交代は簒奪ではなく、天意によって行わなければならない。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .桓温の簒奪を防ぐための理論武装が「蜀漢正統論」といった所だろうか
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 782 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:35:58.64 ID:JR51tEWC0
-
∩___ ∩
/ ヽ |
| ● ● 丶
ミ (_●_ ) |
しかし旦那様。 /´、 |∪| 、彡
( <`丶 ヽノ __\
蜀が正しいなんて書いて大丈夫ですかクマ? .\_) 丶 (___)
丶 |
/ /\ |
( ( 丶 |
/ ) ∪
(_/
_____
/.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ | __ .何。
|::::::( ( ●) (●)| /_} l'':,
(@ ::::⌒(__人__)⌒) /_゙''i゙ノ、ノ 文帝と武帝を持ち上げておけば問題なかろう。
| |r┬-| | ,:'`;:'/ノ゙ノブ
\ `ー'´/ /`/ / ノ-〈/ 大丈夫大丈夫
>'゙:: ‐'"゙./ ヽ.,' ~ /
//::::: ', / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー だが、この「蜀漢正統論」
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 以前から当スレで述べているように、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏晋の士大夫にとっては相当問題のある主張だった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 漢→魏→晋と続いた禅譲の意義を否定し、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼らの先祖が正統王朝に仕えていないと言っているのと同じだからだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 783 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:37:39.01 ID:JR51tEWC0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 大丈夫じゃなかった |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< この問題は、習鑿歯の晩年に表面化する
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< .ただ、「蜀漢正統論」が問題視される程度には、
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 『漢晋春秋』が世間に流布していたと言えるだろう
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 784 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:39:28.91 ID:JR51tEWC0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ .もう少し、『漢晋春秋』の特徴について触れておこう。
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.`
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 以前(第四十二回幕間)取り上げたが、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ もうお忘れの読者諸兄も多いと思われるので
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 785 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:40:15.17 ID:JR51tEWC0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ まず、先に述べた事情により、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 『漢晋春秋』には蜀の人士の事績が多く記載されている。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 結果、『三国志』に立伝されなかった霍弋らの記録が残った
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ⌒ ⌒ i:::::::|
|(●) (● ) 〈::::::|
(⌒(__人__)⌒:::: @)
羅憲殿の事績は『襄陽記』の方にまとめていますよ . | |r┬-| |
\ `ー'´ /
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ |
| i |,/(__)ヽ/ |
| | | ハ / <
- 786 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:43:10.51 ID:JR51tEWC0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 次に、蜀の逸話は『漢晋春秋』由来のものが多い。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .「七擒七縦」「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
\ヽ、 _ , イ!::/ 「郤正の言葉にそっくりですな」といった有名な話は『漢晋春秋』初出だ。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .元々簡潔な記述だった「泣いて馬謖を斬る」を潤色したのも習鑿歯である
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ⌒ ⌒ i:::::::|
|(●) (● ) 〈::::::|
諸葛亮は名誉襄陽民ですからね。 (⌒(__人__)⌒:::: @)
| |r┬-| |
馬謖の件に関しては人を見る目がなかったとしか言えませんが \ `ー'´ /
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ |
| i |,/(__)ヽ/ |
| | | ハ / <
- 787 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:45:06.83 ID:JR51tEWC0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ .ただし、『三国志』本文にない話が大半で、
_,-+ 匸ヘ/V 陳寿の簡潔な文章と対照的な長々とした文章は悪く言えば小説的と言える。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l . .また、習鑿歯と同郷の襄陽郡出身者への贔屓が各所に垣間見える
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
_ |.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ! .| ⌒ ⌒ i:::::::|
| ! .|(●) (● ) 〈::::::|
何を言っているんです! | ! ,.-, (⌒(__人__)⌒:::: @)
.._,ノ ┴、/ ,/ .| |r┬-| |
故国と故郷を顕彰する事の何がいけないのか! r `二ヽ ) i ..\ `ー'´ イ
..| ー、〉 / _,,..ゝーー ../i\,,,,_
私は陳寿がやれなかった事をやっているのです!! .| r_,j j__,,.. r''''"/::;| \`'/ ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
| ) ノ ::::::::;;;;;;;/::;;;;| /\ /::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
. ノニ-、 ,/::;;|:::;;;;;;;;;>::;;|/(::::ノ \/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
. √..:::;;; ヽ、〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;| "::く /:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
/..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;| |:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }
- 788 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:46:14.53 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年頃 晋 荊州 襄陽】
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) 『漢晋春秋』全五十三巻新発売!
| |r┬-| |
\ `ー'´ / これを読んで、皆も考えてみてほしい!!
/ヽ、--ー、__,-‐´
/ > ヽ▼●▼<\ ー、. .王朝の正統性は何に拠るのかを!!!
/ ヽ、 \ i |。| |/ ヽ (ニ、`ヽ.
.l ヽ l |。| | r-、y `ニ ノ \
l | |ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--' / 漢晋春秋 /| γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______ | 私にも一つ下さい |
/ .漢晋春秋/|  ̄|__」/__/漢晋春秋 |". ̄|__,」___ /| .ヽ___________乂
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/漢晋春秋./ ̄ ̄ ̄ ̄|/ 漢晋春秋 /| ./ .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 桓温による晋王朝の簒奪を阻止する目的で書かれた『漢晋春秋』。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ある面において、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 習鑿歯は己の意向に沿って史書を作り直した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただし、『漢晋春秋』が無価値な野史というわけではなく、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『三国志』の注に残る習鑿歯の主張にも見るべき点はあると断わっておく
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 789 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:46:44.34 ID:JR51tEWC0
-
∧`'< , /:::::|::::::}}
∧:l、::`ヽ、 /|-, ,> ''"_ ̄:`:::::、l::::〃
.∧!:ヽ:::::::>'"lレ1´/::::::::::\::::::::::`く':::\
乂_:/{ノ}∠ア, ':::::::::::::V::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ
/入>'ヽ//::::::::::::::l:::::V::::::::V:::::::::::V::::::V
__>オ-イ::/::::::::::::::::ll:::::::V::::::::V:::::::::::V::,:::V γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
ヽ/ .f::::::::,'::::::::::::::::,' l:::::::|ヽ:::::::',::::::::::::l::::!::::, | おや、あなたは? |
7ァ!::::::::l::::::::::::::::/。.!::::::|-―、::l:::::::::::::!:::l::::, ヽ___________乂
.// l:::::::::|:::::::::''ア¨ !:::::,' ,.斗芸:::::::::::::l::::!:::l
`' .|:::::::::',::::::,z=芸 l:::/ 辷:リ ::::l:::::::!::l::::|
l:::::::::ヘ::< 辷リ ノ'′ ,,,, ノ}:::!:::::::!::!:l:|
l::::::__::::ヽ_ ,,,,, 丶  ̄ !::l:::::::l!:l/l!
γ⌒´ `ヽヽヽ , - ┐ ij ,.,':/::::::,'l/ 弥天の釈道安です
/ .rヤ: ハ::}::::\__, ー ' ///::::::/ l!
{ {、 ノ:ヘ:::::厂i>-< ノ「「「「「「l
_ノ ,f` )ノ ,斗┘ ,∠ィ.H l l l l,L __
_/ /{ |li " ,、ノ_ __,,.H l,.+'"--- ...,_``'<
{ ! ,.イ } Y/ ` '´ 〃´ V/////// ̄`}
,zォ,>''" lj / .} :〃 .V///,///////!
,.'.〃 { }!、 u _,,,.〃 .V/7//////,'ム
,'/,{{ ι / 〕 ハ、  ̄ __,,..〃 .VユLL__///
.{//lj__,. イ// .j.}}  ̄<.〃 l‐-- =.ミ'
.\`ー-==-ィ,r{ / }}、 〃 }‐- .,,_,'
`ー―<乂 、、、 ./ }} \.〃 ル_ ,'
ゝ- r <"" j 〃 ./// ̄ 7
ヽ: : . . . : : __l{i}l┐: : . . . . . . . ://\//,f
ヽ: : : :.rゝ、`ヽヽ: : : : : : : :,イ////\ |
晋 常山郡の人 釈道安
- 790 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:47:20.38 ID:JR51tEWC0
-
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
. | ⌒ ⌒ i:::::::|
. |(●) (● ) 〈::::::|
(⌒(__人__)⌒:::: @)
| |r┬-| |
\ `ー'´ /':、
,r.ーー..‐-"-./ ',-、,,,_
四海の習鑿歯です _// | | ',--=/ .', .`',:=‐‐ー-:、
.__,,,.-‐'/ ,:', .i___:::', ,:,:'_ / / .i
,.:' / ,...!'..' .ヽ,_l゙ .!,'__!./ `"> .i |
,:' /. ,' r'r‐:、 |''i,__r:|:/ / l ',
r' .,' l `/、 Y.| ,-l,.|' / | l
/ i i. ,', i-:' ,:'ー';::./ ,' l i
,:' l .| i .i | .// .,' ,' ヽ __|
.,-、 ノ .| | | `i/" ,' / | ./ .)',
.!,__`'''‐:、__ _,..:'" .| | .| |o i. ,' ___,,,,,,r''=‐---、,,!_ ,:',,_.',
,.:-'-、 `i," ヽ | | l .| .|. ,' (-i:':、,_`ー'-::、 、 ./, ',
../ , `‐ .li`i ヽ ,| | | .|o |.,' `゙、'_ `゙-、_ 、`' ` ノ,.l i
/ /、 _,,,_、 ._,l | | /|. ',| .| .|i ヽ':、_ `‐ ノノノ l
..(__,:'i゙ )'r'i',_.)-'r、)' i _,r' | | .|o | ヽ、ニニ,,,-='ニ/--―‐
.`‐゙ .`-:'、_,,r"r''゙ ___,,r:' ! .' .'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 習鑿歯が釈道安と出会ったのはこの頃だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、弥天とは天に満ち渡る事、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j もしくは僧の意を含む言葉と言われている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 四海とは天の下、天下を意味する
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 791 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:48:20.68 ID:JR51tEWC0
-
_| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
|_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\
ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
__
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
当時よくあった言葉遊びである ` ‐lイ::::::::::ヽ
/⌒ヽ、::::ヽ
|::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 792 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:52:14.62 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
|.::::γ⌒ Y ⌒ヽ::::::|
|::::/ ⌒ ⌒ |:::|
|:::〉 (●) (●) 〈:::| .これはこれは。
(@ ⌒(__人__)⌒ @)
| |r┬-| | わざわざこちらに訪ねてもらえるとは。
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ーーノ゙-、. 改めて襄陽へようこそ
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
`ヽ、:::::::::::゙ヽ、_,,,,,,,,,,,,_
ヽ≧:::::::::`:::::::::::::::::::::::::...
/::`:::::::::::::::::::::::::::::::`:::::::ヽ
r 、r-、_,へ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ
ヽ、ンヘ_,ソ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/`7ヾ〉::::::::::::::`:::、::_::::::::ヽ:::::::::::\::::::、::::、:::ヽ
/::::::::≧(〉:::::::::::::ヽ:::::::ヽ `,ゝ、:::::::::::::::::::ヽ::::ヽ::ヾ::} _
/::::‐"(_//|:::::::::::::::::::\:::::X ヽ:::::ヘ::::::、::::ヘ:::::::::::リr=r'7:.:.:ソ ̄ ヽ
本日はお招き頂き光栄に思います −''" { Fキ:::::゙、::::::::::ヾヽ::::} _ノ ヽ::;:::l::::::i、:::::;::::::::;':|、:.:.:j:.:ィK '、
ハ ', l:::::::::ヾ:::::;:'::} ゙i:l };ハ::::::::}ヘ;::;::::::/::|"゙i==={ ヾ、 ,
|lヾヽ|::::::::::::\:::ルー'リヽ _ ノ リ|::::|、 |:i:::::::::::}、 ,ヘ:.:.l ゙:、 l
ヾj `7:::::::::::::::::::::::!::::`:::―::<77}:/∧}::::::::::人 ヘ:.{ ゙:、 l
|:!:::::ト、::::::::::::\::::::::::::::::/ j/イ{ リ:::::/ `( ーヾ、 ゙,\. |
!:::::ハ:;ヽ:::::::::::::ヾー、;;;彡 ノ/.:}i}/:;'" `ーt \,_」レ⌒`
lヘ:{ ヾ; ヾ::::\::ヾー /''ヘリ" 、, _..-'''(__," {
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 釈道安。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 弟子や衆徒を率いて鄴を離れた後、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一旦は洛陽の南西の陸渾に移り、山を住処と定め木食して学問を修めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 前燕の軍勢が黄河を渡るようになると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 今度は荊州の新野を経て襄陽に移っている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 793 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:54:29.58 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ノ ― |
|:::::::〉 ( ●) (●)| ところで、釈道安とは?
(@ ::::⌒(__人__)⌒)
| |r┬-| | .姓を改めたのは耳にしましたが何故?
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || \::::::く /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::\
\〈 //::::/:::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::::::::::::\
/{_,//::::/:::::::::::::::\:::::::::\::::::::::\:::::::::::::::::\
// /::|:::::|::::|:::|::|::::::::::\:::::::::\::::::::::\::::::::::::::::::.
└〈_/|:::|:::::|::::|:::|::|::::::|:::::::::\::::::::\::::::::::\:::::::::|::::.
私の師は竺仏図澄でしたので、 / /:::|:::|:::::|::::|:::|::|::::::|:::::::ー|‐\‐:::::|::::::::::::::|::::::::|:::::|
以前は私も竺道安と名乗っていました。 ∨:/ |:::|:::::|:斗┼|-:/::::::::斗fぅf¬:::|::::::::::::::|::::::::|:::::|
./:∧ |:::|:::::|:::」斗キく::::::::/ 乂ンイ::::|::::::::::::/:::::::∧: |
ですが、私たちは 〈/\〉/:|:::::|::八乂ン⌒)/ |:::::|::::::/::::::::/::::
師の弟子である以上に仏の弟子のはず。 |::|:::|:::人:::::ヘ 、 __彡ィイ::::::|::::::/::::/::|
.|::|:::|::|::::::\込、 -::::フ / /::::::::|/::/|:/
故に釈迦から一字をもらい、 |::|:::い、:::::::::::ノ)>.。, __/ /:::::::::/::/_/
釈氏を名乗るのが筋と思いまして \::::\\:::::::::ノヘ::::/⌒7}/::::::::::/( ̄|/{ ̄ ̄>‐┐
\__>─'/ /⌒V <__/ _)、.|\_「\/ヘ
/ // ,/ /_ノ\ / ̄ ̄ { |:::| \_|
/V/ //) 乂_,|::| |:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 二人の関係は『高僧伝』『釈道安伝』に詳しい。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 習鑿歯は襄陽へ来た道安へ通好を求め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長文の手紙で彼と弟子たちを自分の邸へ招待している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 習鑿歯に限らず、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 東晋でも仏教に関心を持つ士大夫は増えつつあった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 794 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:56:27.89 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ノ ― | .なるほど。
|:::::::〉 ( ●) (●)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) そういえば、道安殿は冀州の出だそうで。
| |r┬-| |
\ `ー'´ / 慣れない地で御苦労されている事でしょう
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /〉 -─‐-
> ヽ. ハ | || / |_/:::::::::::::::_:::::::::::`丶、
/⌒ 厂「 〉:::::::::::/:::ヽ::::::::::::::::\
/::::::::__厂∨:::::::::::/:::::::::/::::::::::::::::::::∧
/:::::::::::/\__/:::::::::::/:::::::::/::::::::::\::::::::::∧
/:::::::::::/^>‐┘::::::/:::::::/:::::::\::::::\:::::::∧
 ̄ ̄ (_,{ |::::::|::::::: ̄ ̄:::::::|::::::::::::|::::::::::::::::::: |
いえ。 / 人_|::::::|::::::::::::/::::::::∧::::::::::|:::::::::::: |:::八
| | |:::::::::|─:/|:::::::/___∨:::::|:::::::::::: |::::::::\
修行中の木食の身ですので、 V | |:::::::::ト‐┐/:::::/、__|:::::::|:::::::::::: |:::/ ̄`丶
木の実や草があれば食の面での苦労はありません。 .|_|:::::::::^i ̄/::/^'ー‐‐|:::::::|:::::::::::: |/ / \__,..
|::::::::::∧.:/ /:::::::|:::::::::::: | | ∨(_,
ウマは道端の雑草でも 人::::::::|::::\ ト‐┐ ^i::::::/:::::::::/人__∧ |二二
食い繋いでいけると大和尚も仰っていましたから \:::|:::::{ \ー'_,/::::/|::: / ( | |:::| |二二
\::::\〈_厂〈/:/ ノイ-- \ | |:::| / ̄}ニ
\ノ^7 / / {\::\_/ {二
{ :{ Y 乂,}  ̄ ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 木食とは、火食・肉食を避けて木の実・草を食べる修行を指す
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 795 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:57:50.52 ID:JR51tEWC0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 道安和尚。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ 我が主郗超は千石の米を寄進したいと申しておりまして。
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i 是非お受け取り頂きたく
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || ヾ''< /{,ィ ,zヽl::::}:`ヽ、::::::\::::::::::::\
\::``rk/,ィ´::::`ヽ、:::::::::\::::::ヽ:::::::::::::ヽ
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ `ア'''ア:::`ヽ、:::::ヽ:::::::::::::ヽ::::::::、:::::::::::ヾ:.、
| 高平郡の郗超様から米千石の寄進もありましたし | .「^ァ7::::l::::ヘ:::ヽ:::::::ヽ:::::::::::::V::::::::::::::、:::::ヘ::ヽ
ヽ_______________________乂 (_アノ,'::l:::V:::ハ、:::ヽ::::::::、::、::::::::V:::::v::::::ヽ::::ヘ:::ヽ
_,./ !::l:::::ヘ::::ハ\:::V::::::、::V:::::::V::::V:::::::ヘ::::ヘ.、::V
 ̄ ./ !:::!::::::::',::,.斗 '"_V:::::V::V::::::V::::V:::::::ハ:::::ヘヾV
{ !::::V:::::::}::::} ,ッ莎^V:,:ハ、::V:::::}::::::}::::::::::!:::::::} .}}
|:!:::ヽ:::::jlノ }::!::::,ヘ::V::|::::::l:::::::::,':::::/ j!
これは随分と過分な御沙汰を .lハ:::::{:ヽ::リ // ',:::::::ヘ:',:!:::/:::::::/::/ "
l! ヽ::V:::ゝ.、 _ " !::::l::::}:i'::/::::/イ
|``::l::::::`"-.、 ,ィ}:::,'::::j::/:/´
!::::::|:::::::::|:::::^:<〉::/:,ィ{/|/ノV __
l:::::|-rァァァヤ-/,ィ' --‐ 'l! ./r:ウ<,__
V::',乂ソ /‐-{/:' ,. ---‐,z:{/,イ_/>-V
_Lゝニア:´ :l!,:´ ∧/ ,廴,.ィ´ V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 高平郡の郗超は遣使して米千石を寄進し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 何度も書を送って深く礼を尽くしたと『高僧伝』『釈道安伝』にある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .一方の道安はこれを仏に仕える身には煩わしいと返書している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 796 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:58:52.32 ID:JR51tEWC0
-
∧
| | /}
t | 「Z=---<__ノ
匕7’ マ
//| ゚,
//i」 - /| |-| {
⌒7 |必 ノノ必 \
| Z ' 八i. } 皆様の御厚意のおかげで、
八 ´ト、` ’イiノ, ノ .私たちは修行に励めています
ノ7> マノ「 x'<´
厂[/|i| ⌒ 二 二 |i| 7\t-t_
「 ⌒゙|i|ノ ⌒ V人 ノ },
/⌒L__ノ ノイ }{ |i| T ノノ\
7二7¨X / {i:L _ル__ノム ¨¨゚く~ \
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
_ |.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ! .| ⌒ ⌒ i:::::::|
| ! .|(●) (● ) 〈::::::|
そうだ。 .| ! ,.-, (⌒(__人__)⌒:::: @)
_,ノ ┴、/ ,/ | |r┬-| |
米千石とはいきませんが、 . r `二ヽ ) i ..\ `ー'´ イ
ウチで収穫した梨を御馳走しましょう。 .| ー、〉 / _,,..ゝーー ../i\,,,,_
| r_,j j__,,.. r''''"/::;| \`'/ ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
お弟子さんたちにも是非 | ) ノ ::::::::;;;;;;;/::;;;;| /\ /::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
. ノニ-、 ,/::;;|:::;;;;;;;;;>::;;|/(::::ノ \/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
. √..:::;;; ヽ、〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;| "::く /:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
/..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;| |:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『高僧伝』『釈道安伝』によれば、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 習鑿歯は食事の後で梨十枚を道安と彼の弟子たちに与えた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .習鑿歯自ら梨を切り分け、道安一行全員に行き渡らせたという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 797 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 22:59:44.76 ID:JR51tEWC0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)l r‐、 今日は良い話が聞けて良かった。
.(@ ::::⌒(__人__)⌒) | )
| |r┬-| | / |____ 何か困った事が起きたら教えて下さい。
\ `ー'´ / , ' (___ノ
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙---、_______/ (_______) 今は在野武将ですが、
: | '; \_____ ノ.| ヽ / // (_____) 襄陽や朝廷のお偉方にも顔が利きますので
| \/゙(__)\,| i l | { <___>
> .l ハ | | ______ !__lヽ ,---‐'´
| l .| | .| i i
`、:::::::`''-、_ . -──- ./:::::::::::::/
\:::::::\厂ア´::::::: ̄\::::::{::::::::::/
\厂{/:/:::::/::::::::::::::\::\::::\
/L/::::/:::::/::::::::::::∧::: |::::::::::::::::::.
/ //:::::|::|::/::::::::::: _|__∨|::::::: i:::::::::i
∨ /:: |斗キ七:::/:::::::| .斗キミ:::::|:::::::::|
はい。 〈_/|:::::|:::|:::斗-k::::/'´ヒソノ:::::|:::::::::|
|::|:::∧:Y゙乂ン/ .:.:.:.:|:::::::::|:::::::::|
これも御仏のお導きでしょう |::|:::::∧乂.:.:.: ' ノ1::::: |:::::::::|
|::|:::::::/\:.、 ` ´ /:::::::/:::::::/
|::|:::::∧::::::个:... //:::::::/::::/
. / |人:::{/⌒¨¨7  ̄ /::::::://
/ ̄\ //>''^'ーーー'′ __/:::::xく_
/ / ̄[ ̄\ `¨¨´ { | |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 習鑿歯は謝安への手紙で道安について述べている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 798 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:02:32.50 ID:JR51tEWC0
- 【習鑿歯さんの御手紙@『高僧伝』『釈道安伝』(一部抜粋)】
┏─────────────────────────────────────────┓
釈道安が来たので会ってみた所、
評判に勝る非常な道士であり、師徒は数百人いて、皆が等しく講義に倦む様子はありませんでした。
技術の変化はなく、
常人の耳目を惑わすような大勢や重威もありませんが、僅かな所作で集団の統率が取れています。
師徒が粛々と互いを尊敬し合う様子は立派であり、このような様子を私は未だ見た事がありません。
┗─────────────────────────────────────────┛
┌..、、 /:{:::::::|
|::::\\rvI_,,...-‐:::::─乂ノ
丶::::r-'フ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
_У/´::::::::::::::::::::::\」\|::::::::::::::\
」 ノ::::/::/V:::::VV:|\:::::::\::::::::::::::(\
爿::::::::|::::::::}:::::/:::::::|ノ-\::::::|:::::::::、::\:ヽ
〈_」::::::::|:::::\::/ | :::::|,ィf笊癶 |::::::::::|:::::} )ノ 今日はありがとうございました
|::::::::|ィf笊癶 |:::::::| 乍rxハ|::/::::|:::/ __
|:、:::::|/乍rxハ|:::::/ 乂rノ ムイ::::ノ|/::::::::::::::〕
|:::\:〉 乂rノ|/ , ┐ ィ::::/:}_]-─-ミ ____,≠´───
::::::::::入"" `_´ ≦ ヽ'´_ノ┘ ___,≠´── /{ニニニニニ
\::::L::≧=‐=≦ I ノノ}「」 } ) __,≠´─‐‐{ニニニニ7:{三三三三三
\:) 「/ 八辷z辷zイ}_ノ ,≠´─‐/ :{ニニニ圦三三三:{:i: l:-:/-:| /|/|/
/{ニニニ7:{三三三{: :_j厶ki/从l: 笊::::::T′
. {三三三{ i|: :」厶:}从: 八::丿 ∨{ `ー'′
i: :i:N厶i从小爪:::ノ i { }人 ー:ァ
|ハ|:兀::ノ }:{ ノ个: ., __`_..ノヘ>i^ア丈ハiフ
从 、ノ个ー;‐r`=ァ|/∨しヘ/ヽ.V. . . ∨. .
´八{ア丈iフフ;/i . Y/ Y }. / } ;}. . . . . . .
/∨. . ./} |./ へL./ /ヘ._/|. . . . . . .
/{ _} //L/ /.{ ̄´ / . . . . . 、|. . . . . . .
_// ( ̄´/(__/i. . . .` ̄ .}. . . . . . . .八. . . . . .
{_/ `¨} . . . . . . . |. . . . . . .〈. . . . . . . .{、.`. . . . .
{. . . . . . . .{_, -──}ィ´厂i ̄i个ー;─;‐
/^'T冖^T^7 ! i | | i l || ! .!
- 799 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:04:12.44 ID:JR51tEWC0
- ┏──────────────────────────┓
釈道安は教えが簡潔かつ中庸を保っており、
多くの事柄を見聞し、内外の群書を見分ける事ができ、
陰陽算数にも通じた上で仏の経典の妙義に取り組んでいます。
例えるならば、法蘭に似ているでしょうか。
┗──────────────────────────┛
__
,.' ";;;;;;;;;;;;;;;;;,\.
. /; ,;;;;;;;;;;;;;_;;_;;_;;_;;_ヽ
/,; ;;;;;;;;;;;;;;/ ヾ
ヾ、`/ ̄ \  ̄` 、
,/ \ ヾ \
l::l ヽ、 ___、_,_\.\
|::::l \ / ヽ ` .、j
こちらこそ .l::::::| ヽ、 / i |
ヾ::::ヽ \ .| /
`::::シ、_ 三} __.ノ、_ ./
、ー-ー'" ./ /
|::| , 〈 , 〈
|::| / l ' l
l::l / /
__ ,l::| __./__/
(ヽ `ー ' ".ii,| ii |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄."
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 法蘭は竺法蘭を指しており、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後漢の明帝の時代に中国へ仏教を最初に伝えて訳経に従事した人物。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .習鑿歯も比較的仏教に造詣があり、道安を高く評価していたのが分かる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 800 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:07:03.25 ID:JR51tEWC0
- ┏──────────────────────────────────────────┓
足下と同じ日に釈道安に会えなかったのを恨むばかりですが、言思共に述べる所は一致するでしょう。
┗──────────────────────────────────────────┛
,ィチイ≧=-}ノ...._
.ィ'...//:::::::/::、゙. \
/:/. / ......../.. ゙.: ヽ.\
/::::/.../::::::....../,:. |: ゙. .
.':::::,':::/::: /:::::/..| : : . . .!ハ:ヽ ゙. l!
/:::::::!::,'::: /::/|: :|: !:::::|:::! ∨:....| |l
,':::::::::|::|:::/,'─‐|:‐!、|::::,':!:| |::::::!.. |゙.
,':::::::::::|: Vzxニ二!| |:/:://|'⌒ヽ!:::::|::..|..|
, ::::::::::::|::::|ヽ赱うヾ〃//二二__,リハ|::::|::ト、
:::::::::::::::!、:::、 ヽ赱ぅヌ':::::!::::!::ハヾ:、__, 何か思っていたのと違うわね。
:::::::::::::::|::l\:、 , /l!:::,'::::ハト::゙.`
:::::::::::::::::!::|ハ、 、 ,.'ィ:::/:./:.,'| ゙::! .もっと不思議な術を使うのかと
ハ::|::::::::::::|:::!::::!  ̄ ..ィ::::::::/../../.:| }ノ
/,'|:::!:::{≧t≦}:_| ` ー ≦::/ ::::::/../.:イ: :.!/
,':,' |:::l|:::::::{:::}::У{ _....-'´ト'! :::::/..//||><ゝi
/::{ V:|ヽ:::::/::/ ∧/ヘ /ニ||:>'...//_,'ハ_|_|::|
!:::|_ゝゝ-/::/.∧!_|/}. /ニ:||///ノニニフニ、
!:ハニニニニ,':::,'|'/|::/<´ヽ./ニニ/!.,イ/ニニ/ニニニ
|!ニニニニ≧| !::::/~!ヽ:ヽ/===,','ニニ/ニニニニニ|
|ニニニr≦|:::|7::/ /|::|>、:>ニニ||:,','ニニ/ニニニニニ:!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 手紙を見る限り、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 習鑿歯と謝安の仲は変わらず続いていたようだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .このまま謝安の時代になったら復職を果たせたのかもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 801 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:07:40.06 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年頃 晋 荊州 襄陽】
∩___∩
| ノ u ヽ
/ ● ● |
| u ( _●_) ミ \__人_人从_人_人从/
彡、 |∪| 、`\ _) (__
/ __ ヽノ /´> ) ) 旦那様ッ!!? (
(___) / (_/  ̄ ̄) ( ̄ ̄
| / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
| /\ \
| / ) )
∪ ( \ _____
\_) /.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
|.::::γ⌒ Y ⌒ヽ::::::|
|::::/.u ヽ ノ .|:::|
|:::〉 ( ○)::(○)〈:::|
(@ ⌒(__人__)⌒@)
| |r┬-| .|
\. `⌒´ u/
/´ ̄ ィヽ
〈  ̄ ‐- 、 i
`ー,‐ -、_ ヽ | l
/ ヽ.て 〉 .| l
l | 、彡イ ヽ_⊥-‐ 、
l _,l  ̄/ l
γ ト、_ / ̄ `l_-‐ ´
(___〉  ̄ヽ --‐
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、そうはならなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 習鑿歯が脚疾、足の病を患ったのは
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .襄陽へ戻り『漢晋春秋』を書いた後の事だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 802 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:10:04.67 ID:JR51tEWC0
-
, -‐‐──────‐‐- 、
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / ‘,
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : i !
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i !
.i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / |
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : _/ |
.|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / @ )
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ゝ /
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / /
‘,::::::::::::::::::::::::::::::::: : ::::::::::::/_ノ
,.-'´ ̄ ̄`''' : : : : : : : : : : : ` ̄  ̄`'ヽ'
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ,
/: : : : : , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,i: : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : : ハ
/´: : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ハ
/: : : : : : : : i': : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : : ヽ、: : : i、
/': : : : : : : i: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : : ヘ: : : : ハ
/ : : : : : : i : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ : : : : ハ
ノ' : : : : : : /i : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ: : : : : : ハ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 容貌が重要視される士大夫社会では、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 体に障害を持つ事は致命的な不利を被る。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『習鑿歯伝』は、次のように記している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 803 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:11:17.42 ID:JR51tEWC0
-
/ : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/  ̄`ヽ: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ / _ : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ ∧ i ―`ヽ : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ∧ |― =/ : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ ∧ |i | ―‐/ : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
../ \ |i | ─/ : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ .\ | : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ \ |i | __| : : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./ \ i ─i : : : : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::/
. / ヽ |i ヽ , ---- ────
/ ` |i― ̄\ /
`ヽヽ――_ゝ、 / /
ー─ ´ /
`ー-- - ´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 遂に村里から廃されたと
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 804 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:13:10.83 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年頃 晋 荊州 江陵】
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : :/:::.:/ ヾ:.:.::./:.:.\
,': : : : : : : : : : , -‐ 、:.:.:./ィ/:.::./:.:.:./ }:.:./::.:.:.:.:.i
. i: : : : : : : : :://⌒ヽ:.:.:.:/:://.:ィ'  ̄三ミ、/:.∧:.:}.:l
{: : : : ::.:.:.:.:.:{ { ,ハ .}三≧二ニニ==─┬┬弌:/ }:/}′
',: : :.:.:.:.:.::.:.:.:', ./ヽj }  ̄|////{j .|′
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.', 〈 ノヽ |////ヽ
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::j、 乂ノ {/// ',
i:.:.:.:.:.::.:.:,<ヽ_| `ー′ V 健全な魂は健全な肉体に宿る。
. }:.:.:.,< | / _ 〉
/¨¨ | r_、_ r''" そう言ったのは誰だったかな?
. _/ i { \ ニ=‐-′
/ >,. i \  ̄)、 \
/ >,. i \ / \. \
/ >, i >,. / """
\ >, _>, _/
\ >, /
\ >,
\ \
\ \
\ \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 果たして、習鑿歯が懸念したように桓温に簒奪の意志はあったのか?
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 805 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:15:07.82 ID:JR51tEWC0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| ふにんき |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´ 軍事的成功によって国家の大権を握る。
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< そんな桓温の姿は、
| | |::::::::| > イ |::::::::| かつての曹操を思い起こさせる。
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 曹操の時を振り返れば、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::! .疑念の声が上がるのも当然かもしれない
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 806 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:17:37.47 ID:JR51tEWC0
- 【紀元361年5月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 -
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' | 陛下千秋万歳です |
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ .ヽ___________乂
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 東晋の升平五年(三六一年)五月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝司馬聃が十九歳で死去し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .穆帝と諡されたと『晋書』『穆帝紀』は記す
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 807 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:20:46.48 ID:JR51tEWC0
- 【東晋司馬氏略系図(中期まで)】
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ @司馬睿(元帝) .│
│ │ │
│ ┌───────────────────┤ │
│ 司馬c(会稽王) A司馬紹(明帝) ....│
│ │ │
│ ┌──────────┴────────┐ │
│ C司馬岳(康帝) B司馬衍(成帝) ....│
│ │ . ┌──────┴───────┐ │
│ D司馬聃(穆帝) 司馬奕(琅邪王) E司馬丕(哀帝) │
└──────────────────────────────────────────────┘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 次の皇帝は成帝の長男司馬丕である。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 父の成帝が死んだ際にまだ二歳だったため、
\ヽ、 _ , イ!::/ 叔父の康帝の方に帝位が移ってしまったが、二十一歳で晴れて即位に至った。
/ ヽ{ ト、ヽ l: .
∧\ マ三ソ| \ .とはいえ、若年の皇帝であり、
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .康帝の妻だった褚太后が引き続き後見する形となった
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 808 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:23:15.45 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 荊州 江陵】
___
/.:.:.::.:.:.:.:.`ー 、
/.:.:./:/./:/}}‐-ミ::.\
/:.:.r====ミ_r====、}::.:.}
/`ヽつ {:.:./`ー─ 〈 〉、___〉::.:}
_/二 \ } .{ Y , }/
/ _ ヽ } | | {二二二二二} ハ おう、遷都だ遷都!
/ / ヽ _j |_〉. ヽ______/ ,'ッ,'
_,、_/¨ヽ、__ / / / Yヽ .}ヽ `ー──‐′/ノ .会稽王へ上奏文出しといてくれよ!!
/ { { /_/ ./ .ノ__j \ ,ィ
/ / | | | | ./イ } | ー‐ ≦_ .どこへって洛陽に決まっているだろう!!
/ | | |__|// 八.| /| /} \ _
| 「」 |ー'' / マムj } __/| (ー‐‐=≦ } `ー 、_,、__
}___|  ̄ ̄マム__/マ7マ7| / | / ./
____/ } Y\WW ヽ'´ { / ./
,' i i YW } ./
/ i i ∧W , -'" }/
_ / i i ∧//ハ , -'" /
‐- _ / i i/////i _,..-'''" /
\ ./ i i |/////| _,..-'''" {
/ i i |/////| , -'" }______
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 翌隆和元年(三六二年)。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 久方ぶりに桓温の動静が史書に伝わる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 809 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:23:56.99 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(○), 、(○)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `トェェェイ ' .::::::| …………
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i _{::\::::::ノ {:ゝ/_-=ミ、
| \/゙(__)\,| i | γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
> ヽ. ハ | || {i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
{:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::',
从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
洛陽へ遷都? .l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ
| ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
正気ですか? | 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\
l::'⌒/込_ \、\}::|__ヽ/:, ィ升=^|/|/||/||: :\∧ \:::\
|:::l:_{_ニ=-\)≧イア≧/:/_と¨ヽ./|/|/||/||: : : : :∧ .\:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『桓温伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 隆和の初め、桓温は洛陽への還都を欲して上奏を行った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 810 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:25:44.21 ID:JR51tEWC0
-
ム从{从j//////// /人从 ヽヽ ヽ\ ヽ
乂从(从(((((( ( ( ( ) } } )) } |}
{ ゝ从从从从从从从j //j从从 | j
、(c.|ヽミ j/ j/j/ゝ,, _ ' |/ j/| } j/
乂 代 } r ` .、j/ィヽ でも、そうはならなかった。
从jjj┤`ヽ __ソ⌒{ }从(j}
从jj从| 人 /'d// .ならなかったんだよ。
、―=ー-、 .小;;.. / / ` - 一ソ, イ
ヽ ゝ__ノ | .、;;;.. _ ´´ ./从(ヽ だから、この話はここでおしまいなんだ
マ .|ハ;;;;.. ゝミ_`' ゝ ;;;;;;;/{从j))) jヽ
} .| 、;;;;;;..ー ̄ ,,,,;;;;,/イハ从(( i((j}
// | 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ./ \ヘjj ) j
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
『資治通鑑』『晋紀』に曰く。 i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
朝廷は憂懼して敢えて諫言する者はなかったが、 ヘ!:| ノ!/′
散騎常待の孫綽が洛陽遷都反対の上奏を行った。 ヾ!>ー- -- <イリ
.(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
遷都は人々を動揺させるため、先に中原を平定すべきという主張だ ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 811 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:26:42.32 ID:JR51tEWC0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 桓温が朝廷の声威を弱くしようとしているのは事実ではない。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 ただ、これに従えば、行き場が無くなるだろう
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
揚州刺史の王述はそんな言葉を残している。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
こういう言葉が出ること自体、 .ヾ!>ー- -- <イリ
朝廷の人々も疑心暗鬼になっていたのかもしれない (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 812 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:27:31.84 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| 申し上げます。
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
\ `ニニ´ .u ::/ 桓温が鐘虡だけでも洛陽へ移せないかと要請してきました
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || _{::\::::::ノ {:ゝ/_-=ミ、
γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
{i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
{:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::',
鐘虡? 从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ
鐘を掛ける台を洛陽へ移せと? | ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
| 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
何故そのような? .| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\
l::'⌒/込_ \、\}::|__ヽ/:, ィ升=^|/|/||/||: :\∧ \:::\
|:::l:_{_ニ=-\)≧イア≧/:/_と¨ヽ./|/|/||/||: : : : :∧ .\:::\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結局、朝廷は桓温の還都要請を退けた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j すると桓温、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .今度は鐘虡を洛陽へ移すよう求めている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 813 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:28:12.37 ID:JR51tEWC0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ 殿下。
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 永嘉の乱で競わずに江左へ移った以上、
ノ ヽ _,、__ノ .四方を平定した後に旧京へ戻るべきでしょう。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ それでもまずは園陵を遷すべきであり、
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 鐘虡のみ先に移すなどという話に応じるべきではありません
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: _{::\::::::ノ {:ゝ/_-=ミ、
γ:i:i乂:_」L二L」ム::::〃::r=ミヾ'
{i:i:>``::::/::::::::::∨{l|:::込イ:)ii}
У'"゚~ ̄"ヽ::::::::::人込,,_ニ彡′
/:/::::::::′::::::∨/:/:}:::}:::l:汽:`'..、
′::::::::::|:::::::}::::} ヽ:'::/::::'::::}:',ヽ:::::\
{:::|:::|::::::|:::l:::}ル| ∨:::/::::/:::} ,:::::::::',
从{xzミ、:ト、リzz|ミ 彡::/‖」_ }::::::::::}
順番がおかしいのは私にも分かります。 l 杙ツ ヒ|ツ √:}::::: 〈(⌒_,ノ::::::: ノ
| ハ" ' ""| .:{-イ:::‖:≧==-‐ ゛
問題は、何故桓温がこんな事を言い始めたのかです | 沁、丶 ノイ:_{/::/::::::::}\
| />‐.rfvYV_Y ::::/:::/::∧、::\
{_/:/ :::://|/|/|∧//::/: ∧\::\
>‐…‐<__////。s≦'/| >``::::´::/、: : ∧ \::\
′::‐:/ \`寸:|マ ̄‖/:::::::_。s≦||/||:、: :∧ \:::\
l::'⌒/込_ \、\}::|__ヽ/:, ィ升=^|/|/||/||: :\∧ \:::\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 鐘虡とは、宮中の鐘を掛けるための台を指す。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この話も揚州刺史王述の反対で実現しなかった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 814 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:30:30.63 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 荊州 江陵】
_.. ‐''广''''―- 、
i'"゙._.. -'|'''''―- ._|
.|''″ .! / 三 l
_,,|∩ ∩.! .l゙三三!
/ l ! l `゙^'''''¬ー っ..,,..,,、
_./ ゛ ! | ゙゙'''〜 ....,,_ ヽ l ゙'(¬ー 、
,./ '″从リj"W゙リw;yノ │ `''、,!三 ヽ \
/ ;ゞゞ; ;ゞ 〉 ,!゛三三ヽ .ヽ,
/ 从リj"W゙リw;yノ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
./ ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjj | 都では還都反対の声が強まっています |
._..-" ゞ ;" "ゞゞ WWwjjwv " ヽ__________________乂
ー'''″ |゙'.l ̄ ̄''ー ___ -'´ 三三,/゛._..-'゛ .l WWwjjwv
|;;;;Wiwノノ;;::! ll゙'-、三三 | .|____゙“'''―---- / ,/゛ ij从
'",,iiゞ ミ;;;;Wiwノノ;; !'、, ll`'-、,三`'ミー..,´゙゙''''―----'" WWiiiwWゞ
",,iiij从ミWリリWii-''l \ ll `''ー、.゙''-ミ〜 ..,_ ,ii''"`
ろ::::::.... ..k! .`'-、 || `'‐、,`''ー..,,.`゙'''- 、,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;" ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
||`'-、二 ''ー、 `''-、ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "
||\二二`''-、 `'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 何故桓温は急に洛陽遷都を言い始めたのか?
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 815 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:31:55.15 ID:JR51tEWC0
-
, '´ ̄ ̄` ー 、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1―‐――‐―.|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二」
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ ― l :} 会稽王殿下は太尉の交州・広州の都督の任を外し、
| :レ | ● ● l :| .代わりに并州・司隷・冀州の都督を加えると仰せでした。
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/
} : :ゝ .ル| .以上で報告を終わりますと使者Aは役目を果たします
,.イ/イ:}从ヽ,、 __, イ从/
,.< ゙i.i:.:\__八__/:i.i>、
{_ ,._;ヒ}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.};__ }
/〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
/:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
却下だ。 乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
./⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
なんだって .{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
ほぼ空手形の都督の座をもらわなきゃならんのだ。 \`ハ ヾ.:.::ノ ハ. /
`ー:. _____ //
交州・広州の兵力もバカにならん /ヽ ´ _,, ` イリ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
_ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
. . : :.:.:.:::{ / _ `ヽ∧////∧ / ! ::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
- 816 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:34:22.12 ID:JR51tEWC0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 , 前線の要望を聞きつつ、
、` ヽ `‐-==- i .朝廷のお歴々を納得させる。
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ .両方やらなくちゃあならないってのが幹部の辛い所だな
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、
/、:::::::ノ/////∧ / ヽ::::::::::iヽ///、::::::ヽ::.‐-
/⌒ :. :. :. :. :. :. :\
/ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
. ,:. :.| :. /| :. :. :|\:.:.:.|: :. :.
|:. :.| :∧|:. :. :リ⌒∨:| :. :.|
だからといって、 | : ルf伉|/|/ィ伉 }: ト :. :|
遷都なんて誰も賛成しないでしょう。 ∨ハ Vソ Vソリ: |ノ:. :|
ト 人'' _ ''厶:.|:. /:|
この五十年間、皆それぞれに江東で私腹を肥やしたのだし |/:《|:≧:.ァ‐z:._´:.|:.《X》 |
. ノ:. : |:.|:./ 不 い :|:. |:.|:.│
;. :. :.:|:.i// / ' V|:. |:.|:.│
. | :. :.人i〈__匕_,,} {.:.人|:.│
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 根本にあったのは前燕対策だろう。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 先の桓温の洛陽入城以降、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 毎年のように前燕軍が黄河を越えて侵入してきていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 司隷・兗州の東晋諸将は降伏・逃亡する者が相次いだが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 長江流域の江陵にいた桓温には容易に手を出せる状況ではなかった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 817 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:36:15.95 ID:JR51tEWC0
-
______
/::::::::::::::::::::::::`ヽ
/〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
/:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
/⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'} 俺だって
\`ハ ヾ.:.::ノ ハ. / あんな上奏が通るなんて思ってねぇよ。
`ー:. _____ //
/ヽ ´ _,, ` イリ .鐘虡の件もそうさ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
_ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
. . : :.:.:.:::{ / _ `ヽ∧////∧ / ! ::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
. . : : :.:.:.::::::::l ////`ヽ丿 ∨/V〃\ / ! :::::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
. . . : : :.:.:.::::::::l `Y/////ヽ }//{ ′ ! ::::::::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
. . . : : :.:.:.::::::::l ノ//// ,///∧ _,彡′!:::::::::::::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 長江流域から河北は遠過ぎる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温の上奏を額面通り受け取るなら、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 洛陽へ遷都した上で河北の前燕に当たりたいといった所だろうか?
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 対して朝廷の士大夫は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 洛陽までの道中が危険であるとして遷都に難色を示している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 818 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:38:39.86 ID:JR51tEWC0
-
____
〃´ . 7ヽ,
/ / .}
/ / . /
/ / . /
/ ,rィ天ヽ ./
/ .〈7<ラ<) . /
/ ''‐r '' /
/ / . /
/ / . /
./ / . /
/ ._ .__/ . /
〃ィ7三ミヾ ./
{l「({{句j刈}}./
ヾ弋沁少ィjリ
ヾ=一"'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| だが、これで交渉事が通りやすくなる |
ヽ_________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温は三度上奏を行った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 819 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:39:43.83 ID:JR51tEWC0
- 【桓温さんの便宜七事(大意)@『晋書』『桓温伝』】
┌─────────────────────────────────────┐
│一.朋党雷同・私議沸騰を抑制する事。 .│
│ ...│
│二.漢代より人口・戸数が減少しているため、それに見合った官職の整備を行う事。 .│
│ ...│
│三.政務の停滞の不可、文書の流通には期限を設ける事。 │
│ ...│
│四.長幼の礼を明らかにして公への忠義を官吏に奨める事。 │
│ ...│
│五.賞罰を明確にして真実を認める事。 .│
│ ...│
│六.前典に従って述べる事で学業の重要さを明らかにする事。 ....│
│ ...│
│七.史官を選び立て、『晋書』を完成させる事。 ...│
└─────────────────────────────────────┘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 『晋書』『桓温伝』が便宜七事と題した上奏だ。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .これを逆にすれば、
\ヽ、 _ , イ!::/ およそ東晋の社会の状況が見えてくる。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 晋王朝の政治腐敗は、八王・永嘉の乱を経てより一層進行していたのだろう
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 820 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:41:52.58 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 首都 建康】
∨:.{:.:.:.:.:|:.:.:} _ --',:.:.:.:.:.:〃 ⌒ イ
ヽ:.!.:.:.:.;.:.:.リ´:.:.:.:.:.:.:.:乂_:.:/ ( (/_
乂:.:/:/:.:.:.:`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ー彡、:.:.\
/:.ゞ:./:.:.:.:.:',:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ\:.:\
///:.:,:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:∨ミミ.:.:.:.:.:.:.:.:.: 、:.:\
〃 :.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.::',ミ:.:.ー―:.:.:.i _`ヽ:.:.
{! {:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.i:.:.::} ミ:.:ー=:.:.::| /(__ノ:./
乂_j)|:.:.:.',.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:./:.:./ ミ:.:. -、.:.:. 乂:.:/
|、:.:.:ト、:.:.:.:/:.:./}斗 七_ V ハ Vハ
|:.:.ヽ!-\:.:/ ィ 乏ナ´ r ノ:!:.:.
,:.:.:.:.:ヘ杙_ナ _.rf:.:.:|:.:.', 耳の痛い話ですね。
,:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ' /|:.:.:|:.:.:|:.:.:.',
/:.:./:.:.:.:.:.込 _ イ .ト}:.:!:.:.:!.:.:.:.:, 上奏の実行には私も不満はありません。
/:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:≧= -=≦ _ノニニ!:.:.:!:.:.:.:.V
/:.:.:.;:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ^Y^Y^ニニニV:.:.:.;.:.:.:.:.:∨ .いっそ桓温に
/:.:.:_/:.:.:./_-=ニニイニ/ニニニニ/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:∨ 都で指揮を取ってほしいぐらい
/_-=ニ/:.:/ニニニニ>rニニニニ/:.:.:/ニ=- _:.:.:.',
_ -=ニニ=------ => ´ /ニニ>.:.:.:.:.:.イニニニニ\:',
/ニ>.:::´:::::::::::::::::::::::::::::|__/:ヽ/:.:.:..r≦ニニニニニニY
{ニ,.ィ:::::/:::::::::::::::''´::::::::::>.:::::::::/:.:.イ´ニニニニニニニニノ:.
./ヽ:/::::::::::/:::::::::::::::::´:::::::::::::/:.:.:/:::::ヽニニニニニニニニ/:.:.:.
/ニ/ニ\:::::::::::::::::::/:::/::::::::::/:.:.:.ム-..、::::Vニニニニニニ/:.:.:.:.∨
iニ/ニニニ∨:::::::::::/::::::::::::::/:::::::{:.:.:.:.(_):.:.:}:::::ニニニニニニイ:.:.:.:.:.:.∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 今度の上奏は実行に移された。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 加えて朝廷では、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .桓温に都へ入って朝政に加わるよう求めている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 821 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:42:34.55 ID:JR51tEWC0
- 【紀元362年頃 晋 荊州 江陵】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 会稽王殿下は、
\ `ニニ´ .:::::/ 太尉に建康へ戻って政務を執る事を望んでおられます
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
だが断わる 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、桓温はこれを拒否し、従来通り江陵に留まり続けている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 822 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:44:03.83 ID:JR51tEWC0
- 【紀元363年5月 晋 荊州 江陵】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 太尉を大司馬・録尚書事に任命するとの事。
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 どうか建康へ戻って政務を……
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
官職は受けるが都へ戻る件はナシだ。 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
代わりと言っちゃなんだが、 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
揚州牧への就任と合肥への駐屯を認めてくれるなら考えよう ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 興寧元年(三六三年)五月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温は大司馬・録尚書事・都督中外諸軍事に任命された
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 823 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:45:48.26 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年4月 晋 揚州 合肥】
l'i;;l l'i;;l l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'";:;;|
//i;:'';':;'';:;:'';':;'';:;:'';'i/:;'';;i/';:;''i/:':;;''i/ ;:;:;: :; "|
//;:!'';':;'' ';':;'';:;iコ';':;'';: ;:'';[l] ;:' : ;';' ;' :;'';'|
//'' |;':;' ;':;'';:;:;':;'';:;:;':;'';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: :i! | ,,;=‐=,,
`i'' | ;':;''; :;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;;:;;' i!;:;;| |∩;:;:;|
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;'';:; [l];':;'';: ;';:;;':;'';:; ;':; '';;;;: | ,|:! i ':;:;|_
|;':; | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i ,;':; '';i!;: | i'''" ̄~`'i
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;';':;'';:; ;':;'';:; ';:; ;':;'';: ;' | |':;'[];:;[]' ;|
,_,|;:_,,|:__: __; '';':;'';:; [l];':;';':;'';:; ';:;:i! ';:;;: ;| !':;'';:': ;'';:|
|:;'';:;: '';;/| ;:;: ;:;| ; '';:;: ';:;;';'::;'';:; ;':;'';: ;:i!;:;'l !':;'[];:;[]';::|
|:;'';:;:;'/:;'' | ;:;': | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i | ._!':;'';:': ;'';:|
|:;'':/:;'';:; .'|:;'';:;:;:'i,__;:;__;:;:'';:';:; ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';:':'' :'| _|;:|; ;[];:;[]';::|
,.,;:;、, |/:;'';:; ;:;;;.'|:;'';:;:'';:';:;:'';:'|;:;:'';:';:; ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';:':'' :'||;:|;`i,;:';:'';:'';; |
;;:;: ;'''``、;"'"''、; :`;';___,.,._., ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';: ': ',.,;:;、 ;:';:'';:'';;|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 興寧二年(三六四年)四月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 前燕軍が許昌を攻略したため、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .桓温は水軍を率いて揚州の合肥へ移った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 824 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:48:20.99 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年5月 晋 揚州 合肥】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 大司馬に揚州牧の位を加えるとの事。
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 今度こそ建康へ戻って政務を……
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
北方の情勢は知っているだろう。 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
すぐというわけにはいかん。 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
近いうちに参上すると殿下に伝えてくれ , `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 五月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 朝廷は桓温に揚州牧の位を加えている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 825 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:50:22.40 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年7月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 -
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ \__人_人从_人_人从/
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ _) (__
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' ) 大司馬御帰還ッ!! (
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/  ̄ ̄) ( ̄ ̄
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 桓温が建康へ戻ったのは七月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荊州へ赴任して以来、十数年ぶりの帰還となる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 826 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:52:13.97 ID:JR51tEWC0
-
∨:i/:i:// ::::::::::::::/::::::::::::::::::::',::::::::::::::::やi:ミh、i:彡'ノ
>o。_:/ /::::::::::::: ::::::::::::::::::::: |''<:::_ノ:/弌≧=-彳
/:/ / ::::::::::::::::::| ::::::::l::::::::::}:| マ::/:::::}:::汽::::::::\
/:::::/ '::::::i::-‐|‐::::|:l ::::::|:::-‐-i|ミ ヤ:::::::':::∨ \:::::::\
/ :::_{ |:i|:::|:::::::| :::::|:l ::::::| ::::/ .i| ヤ:::/:::::l:∨ ァーミ :::::\
. /:{::/::::::::ヽ {八:ト、 ::|\:从::::::|:::/ i| .}彡 :::::|:::∨:::__::ヽ::::::::', 桓温。
{: :\⌒)::::} ,i|,寸犲示 \{/.芹fi|芳ア ア¨ヽ :::|:::::{::〈_ノ_ノ::::::::ノ
\:::::¨゛::ノ ji{ヽ 之タ ヒi|タ ' 〉::)ノ::::'::::::\::::::::::::/ .まずは、これまでの活躍、御苦労でした
 ̄ /圦_', ' i| /-イ:::::/:::::::}∨ ̄ ̄
/::::i|:::圦 __ i| ,ィ灸iiノ::::/:::::::::|:::∨
/ 7:::::i|::|:::个: . _i|イ-v}ii/:/::::::::::::|:::: ∨
./ {::::::i|::|:::::|::::}<≧s。 。r=f 「_i|_rソi/::::::::::::::::: |::::::::∨ ゝ/´/////彡∧i‐-、
{ 人::::i|::|:::::|::::l::7 \イ] r「| lリ〈/::/__:::::::::: ノ::::::::: ∨ /////>≦_フ´゙゙‐-、∧
}/ :::::ヽ乂:::::|::ノ:/ ′`、ヽ |/| |l/::::::/:⌒ヽ¨''<:::::::::::::::::∨ /////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
殿下におかれては御機嫌麗しく。 、` ヽ `‐-==- i
、ゝλ i
ここへ来る道中、 ∨i 、 .<三ヽ ノ
軍を駐屯させるのに良い地があったので今後はそちらに移ります。 .∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
今後何かあれば、そちらへお声掛けを / {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、長居はしなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 827 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:53:54.46 ID:JR51tEWC0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―'●"○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 赭圻
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖城○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ | \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´ ) >
___/ ヽ _/ < ちょッ!!? >
. ̄7 'ー-、___イ < (
-― -―‐_ ○江陵 / /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .八月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 桓温は赭圻へ至り、そこに居城を築いた
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 828 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:54:46.22 ID:JR51tEWC0
- 【紀元364年8月 晋 揚州 赭圻】
i
山
i 〔.〕 !
,.- 冂..冂..冂 、-、
// rl.!=―=!.l、 .〉 ヽ
l \―=-、ー`!'ー'.l-=ー'/ !
l /_!−-!、,. l 、.ィ-−i_ヽ .| γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|/ .lヽ ./〉―‐〈ヽ / l \| | これでは王敦を笑えんな |
'-!\. -=- ./l-' .ヽ_____________乂
二i rーi i二
_/ ハ .i.i ハ ',_
// ,l ', |.| ,' .!, , ' _
,.− _ /// .! ― ! \ , ' _ < \
, ./ > _ / __-/ == ', -_ \ _ < _ '.ヘ
/ ./ /l ,、. > _ / 三三/ 三三 ,三三 \ _ < _ i !.!l , ヘ
. , ./ ./ l.! l.ll .!', > ___. / 三三三/ ___ ,三三三 \ ___ < ,.- /.!./.l.!.!.!. , ヘ
, / /! .!l l ll l !l !', i.',.i、 ./_.三三三 / l .l , 三三三.__\_ ,i. /l//!//! ,' ! l l ,. ヘ
. , ./ /.l |.!l .l.!l .!!| ,l. ,l_',_l二二!-――――‐l _. _ !――――‐ 、-!ニニ!_/ !/.///./..l./ l'_! '-―- _',_
_ - .! ̄ ̄ ―- _-二二二二/ ヽ____.! ! l____/ \二二二二ニ=-‐ ''" l_
l _ ''"''' ―- _/_,,,... -―'" ', V/////,/ V///,/ / ``―-- _、,.. -― '''" ̄ / .7 ‐-
!< ヽ 、 ', ‐-=ニニ二/ //―--‐/ / ; .〉 〉--―/ ',――‐〈-. ', ',――----―、-― ''''''" / / /__/ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長江を初めとする河川の水運で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建康・中原・荊州へ睨みを利かせられる場所に根拠地を移したわけだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 829 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:58:00.85 ID:JR51tEWC0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i / ところで話は変わるが、土断の件はどうなっている?
込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
-――-
/⌒ :. :. :. :. :. :. :\
/ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
. ,:. :.| :. /| :. :. :|\:.:.:.|: :. :.
順調よ。 .|:. :.| :∧|:. :. :リ⌒∨:| :. :.|
| : ルf伉|/|/ィ伉 }: ト :. :|
やはり、こういうのは力が物を言うわね。 ∨ハ Vソ Vソリ: |ノ:. :|
ト 人'' _ ''厶:.|:. /:|
皆大人しくいう事を聞いてくれるわ |/:《|:≧:.ァ‐z:._´:.|:.《X》 |
. ノ:. : |:.|:./ 不 い :|:. |:.|:.│
;. :. :.:|:.i// / ' V|:. |:.|:.│
. | :. :.人i〈__匕_,,} {.:.人|:.│
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } さて、桓温が根拠地を転々とする間に、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 先の便宜七事による国政改革が進行していた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 830 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/25(木) 23:58:30.54 ID:JR51tEWC0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 庚戌土断 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 象徴的なのが土断である
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 831 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:01:01.44 ID:NedEhsxd0
- 【土断に至った経緯の詳細は本編第六十九回参照】
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .土断とは、現住所で戸籍に登録・課税する戸籍制度だ。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .後漢末以来、
\ヽ、 _ , イ!::/ 戸籍に齟齬が生じたために西晋期に考案された。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 八王・永嘉の乱を経て、
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .桓温という強力な指導者の下で初めて実現可能となった
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
′ ∨ニニニi i i!|ニニニ, ',イ ∧
/ ∨ニニ| | i!ニニニ' ∨ ./
, i∨\i | |ニニニハ ∨
,' i |∧ /| |∨ ∨ ', i! ∨
/ | i |< .i! |ヘ / i! i! \
__/ .ィ| | |`'< | |三三ニニ! |
土断を実施すれば、  ̄ .} | | _.ィ弐ミ、 i , -一''´| i |
戸籍人口と税収の大幅な増加が見込めます。 .|,ハ .i! `ヾ _)_. ー/}/´_ィf 弐ミ|、__ | | |\
∧ ト、 \', Vzリ', / ィ" ,_)}刃 У´ | !
有事の際の兵力・労力の確保にも必要でしょう。 }ヾ∧ \\ `" \/ ゞz ソ// / ./}/ i
/>\ 「⌒ , /イ / j/ |
貴人に節度を守らせるためにも必要な施策です ./ / .\{八 /イ }/ |
/ / ノノ i\ _ イ / / ト、 ./
/:. { 〈 :. j } :.. ` イ_..ィ/ ′ i!/ /
/ .{ l Yミ、 ' ノ´ ≧=≦:::::::::::::::{ / /
///, ', V .〈 ミ /彡V /: : /::}::::::::::::::::乂 _彡' /
/ 〃 } } / ⌒ヾr ) }} ,: : :.ハ::':::__:::::-=彡}´ , / /
{{ /// { i i { ,〃 |: : :ト、::::::::::::::::::_ノ-.、 / /
晋 江夏郡の人 李重
- 832 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:04:20.18 ID:NedEhsxd0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 土断において重要になるのは、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ それまで戸籍がないために非課税対象だった流民に戸籍を与えた点だ。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: これは流民に限らず、南へ移って戸籍がなかった士大夫も同様である
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / / \ \
| ,. | ヽ
/ | ′ | ,
/ l |、 | | | ′
.′ :|. | \ │ :l│ | | ;
_,,.. イ :|: │/\ | :|│ | | | l
例え話をしましょう。 | |i: / .斗ミ|│ | |\ | |
| ||i N ィr引 「 人| | | ∨| |
私の一門は豫州陳郡陽夏が本籍で、 ドミ | Lノ |/ | l | |│ |
新たに会稽郡に居を構えて荘園を開いたわ。 \rイr引 ! ; | ∧| |: U
ソ : トく \ |i |
何故かと言えば、 \ ノイ 八/\ \」| |
戸籍がないおかげで税を払わなくて済むから . 人 y .ノ | ′∨/^ \ |
.′|:\ l 仏三\ 「 ̄※ ̄||
|:.. \__. イ \! /′ ヽー:介介ぐl
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l / , .′ / ̄ ̄\}l }| │
/ | ̄| |个‐/ / / / / ̄ ̄^\_! │
/ │ |/l |人/ // / / \ |
' ! |,ノ └个/ /___/ / / ̄ ̄ ̄ \〉 |
│ 个 ミ. ∨ /厂 ̄7 ∧二二二′.′ Y
- 833 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:05:13.62 ID:NedEhsxd0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 土断を行った結果
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / / \ \
| ,. | ヽ
/ | ′ | ,
/ l |、 | | | ′
.′ :|. | \ │ :l│ | | ;
_,,.. イ :|: │/\ | :|│ | | | l
| |i: / .斗ミ|│ | |\ | |
| ||i N ィr引 「 人| | | ∨| |
今後は会稽郡に戸籍を持つ事になるから、 ドミ | Lノ |/ | l | |│ |
諸々の税は会稽郡あるいは揚州に納めないとね。 \rイr引 ! ; | ∧| |: U
ソ : トく \ |i |
ちなみに史書には、 \ ノイ 八/\ \」| |
本籍は陳郡陽夏、家は会稽郡に在りと表記されるようになる 人 y .ノ | ′∨/^ \ |
.′|:\ l 仏三\ 「 ̄※ ̄||
|:.. \__. イ \! /′ ヽー:介介ぐl
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l / , .′ / ̄ ̄\}l }| │
/ | ̄| |个‐/ / / / / ̄ ̄^\_! │
/ │ |/l |人/ // / / \ |
『宋書』にそういう表記が登場する→ ! |,ノ └个/ /___/ / / ̄ ̄ ̄ \〉 |
│ 个 ミ. ∨ /厂 ̄7 ∧二二二′.′ Y
- 834 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:08:14.36 ID:NedEhsxd0
- 【紀元364年3月 晋 首都 建康】
/∨ `⌒^ / / /乂 (_( )⌒ヽ /⌒V
く. V __  ̄ ̄ 乂( ⌒ヽ} V⌒
ハ/ ノ) ./ ./ / ̄ ヽ _ (⌒(
彡ノ | |  ̄ヽ/ _ ノ ノ./ヽ ⌒ X7 ノ∨
 ̄ .|__| / ̄才 /  ̄/ \ 〈 ノ
/ ̄/ <⌒> ./\  ̄ノ_ノ⌒ \ ∨ <> .V
./ / / \ \ / / ̄/
 ̄ /\ / / 彡、 ..ハ/ 乂__乂 ノ ̄ノ
/ 〉 / / ) )  ̄
\. / \ / ⌒
〈( ノ\ \/ <⌒ヽ. \ ./ (_(
\ハ ⌒ヽ} \ ./ ∧ ̄ ̄V .ノ ̄ノ l ̄|
∨ ノノ \/ .∧ V / / /__∧
/ ̄才 /\ ∧__V  ̄ ∨ |∨
/ \____/ ヽ
/ U \ 丶
/ _,,.ノ゙' ~\,_ U .ヽ つ
|U~ ~''' ::: ::::::| ぁわ
| 、_(O )_,: _(O )_, ::::::| あぁ
| ::< :: :::::| あぁ
ヽ /( [三] )ヽ U :::::::::| ぁあ
ヽ :::;;;:::::::/ ぁあ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 土断が決行された様子は『晋書』『哀帝紀』に見える。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 興寧二年(三六四年)三月の記事に、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 戸人を大いに調査し、厳しく法によって禁じて庚戌制と称したと。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 簡単な文章だが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 実態は地獄のような事務作業が展開していたのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 835 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:09:53.97 ID:NedEhsxd0
- 【紀元364年8月 晋 揚州 赭圻】
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
込ト-r≧====x _r≦====x〃「 結構
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l |
申し上げますっていう! |┃ \ `ー'´ /
|┃ / `ヽ.
長沙郡太守孫盛殿を |┃ 三 ./ \
逮捕・連行してきましたっていう!! ,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
- 836 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:11:15.12 ID:NedEhsxd0
-
¨''<:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ_
_,..≦":.:.:.:.:./::./:/レ{:.:/^⌒^¨''ー、:.:.::.:.:ヽ
/::.:/:/.:.:!:!:./:/_,ノ!:| 、 u ヾ:.:.::.ヘ
':.:.//:/: :/|:|/≦ |:! `ー- ...,,__ }:.:.::.:.:ヘ
i:./ |:/|.:.:{ |i-‐ tァ |! -‐─tァ {:.:.::.:.:/
|′|' .{.:.:|  ̄ /  ̄ .}:.:.::./
. Y }: :` Xf ヽ 急に逮捕とか何がどうなっているんだ?
/ヘ| し 〈 ji }
{{:iハ イ ノ いったい俺は何の罪状で捕まったんだよ?
ヽ ハ ヒ 二 つ _/
ヽハ ー /!:/
ヽ / {/
ト、 ィ | γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ` ー─≦ | | 収賄だよ収賄 |
_| |_ ヽ_________乂
/{ _,..-'''" {
/ \ ./ ̄l ヽ
/ ァ、}__/___j /`ー-、_
__ _ ,,.. .-‐ '''/ /ヘ/////三三\ /  ̄ ''‐- ._
. / // }//// \ / / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 孫盛は桓温の第二次北伐後に長沙郡太守になっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 837 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:12:47.95 ID:NedEhsxd0
-
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ .お前が長沙郡で一財産築いているのは知っている。
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i / そればかりか監察の役人が見逃したのに調子こいて、
込ト-r≧====x _r≦====x〃「 そいつを怪鳥呼ばわりする手紙を俺に送ってくるとはどういう了見だ?
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′ .忙しいこの御時世に仕事を増やしてくれるな
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> /// ////////////////////////イ,./////////////////,l
,/ / l////////////!////,/.///,/ .l'!  ̄``マ'///////,l
' .,l//////// '/‐!'//、l'/ .//// リ l////////l
/,l/i///l//__ .l// `l/、l/// / l////////l
' : Vl//l l/'ヽんハl.、 ! l'// / ////////,/
'.i リV/{ ! ``' ヽ !'/ \ l'//////,/
, r ', Vl l'! ` 、 .l//////
事実を書いただけだが? l .l ヽ |l '"> 、 \ /////
、l | `ヾ ヽ ヽ /" l'
件の監察の役人には、 ヽ . /'" ノ '
鳳凰の美しさも鷹のような鋭さもなかった l 、 .:::. ,.' r ' /
,.イ' \ ー /ノ '
/:::::::' ` 、.._ / ´ '"
/ l::::::::' 、 ` ー‐ヽ /::::l´ト、
/´/ l::::::: /::::::::::! .l \ー- _
, / ./ ';::/. ヽ イ/::::::::::::/ ! ‐- _
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ところがこの男。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 県令時代と同様に利殖活動に励むばかりか、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 自身の名声の高さから弾劾を見送った荊州の従事を馬鹿にする始末。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 挙句桓温にその旨を記した手紙を送り付けたため、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 檻車によって捕らえられ、桓温の下へ送られる羽目になった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 838 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:15:57.53 ID:NedEhsxd0
-
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i / お前を地方へ出したのは間違いだった。
込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j / 殷浩の時も思ったが、人には向き不向きがある
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`>
/: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:::.:.:.:',
/: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:',
//: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.',
. /|::!: : : : : : :./: :./}.:rヘ:.} ̄¨''ミ:.:..:}
|八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:| ',:.:斥
|从: :|斗抃ト、|! /, -‐─X }
! {Y 艾テ / 艾テ ! /
何か新しい務めでも? ヽ } i r‐'、
/.|ヘ 」 / .| 乂
イ | 、 ` ー─ イ | ' ,
, ’ | > _ イ/ ! ' ,
,イ | \ / . >、
,ハ ! rそ厶 ′ ,ハ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、孫盛は処罰されなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 839 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:17:36.45 ID:NedEhsxd0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i お前には『晋書』を書いてもらいたい。
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i .近頃は荒唐無稽な史書を書く輩が多過ぎる。
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ ここらで朝廷の立場を明確にする必要がある
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、
. , …ミ≠ミ、
/////////// ',
///////////////,
_,ノ////////////////',
i/////////////////
|ハ/r、////////////
. Yノ \//ッ'''''''''''''{
習鑿歯ですね分かります 、 ,ィ  ̄ ̄ ̄ヽ
ヽ/─────≧、
__ -‐¨ i ¨''‐- 、
/', i
. / ', i
/ ', i
./ ', i
- 840 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:18:50.20 ID:NedEhsxd0
-
', } i .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y {-、
V _{ ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}に{_}}
}、 ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} ヽr
) `〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| `'、
} '; r、}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} .r {
/ヘ_、 、 ト、ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}.〉_∧_j´
,. =====ゞ 二ニ=く "=====、-、::::::::::::::::::::::::「
r ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i::||:|:::::::::::::::::::::::!
|: ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , :i::||:|::::::::::::::::::::::!
|: , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' :i::||:|:::::::::::::::::::::!
|: ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , :i::||:|::::::::::::::::::::!
|: , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' :i::||:|:::::::::::::::::::!
|: ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , :i::||:|::::::::::::::::::i γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|: , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' :i::||:|:::::::::::::::::i | 都で秘書監をやってもらう |
|: ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , : ' : , :i::||:|:::::::::::::::::i ヽ______________乂
`────────────´-´ :::::::::::::::}
i :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
i :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
i :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
i :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
i :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 孫盛は秘書監になった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼の代表作である『魏氏春秋』『晋陽秋』は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 前後の状況や逸話を考えると、正史を想定して編纂された可能性がある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ この話に関しては次回に譲りたい
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 841 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:19:47.87 ID:NedEhsxd0
- 【紀元364年8月 晋 揚州 赭圻】
i
山 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
i 〔.〕 ! ) >
,.- 冂..冂..冂 、-、 < 一大事です!!! >
// rl.!=―=!.l、 .〉 ヽ < (
l \―=-、ー`!'ー'.l-=ー'/ ! /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
l /_!−-!、,. l 、.ィ-−i_ヽ .|
|/ .lヽ ./〉―‐〈ヽ / l \|
'-!\. -=- ./l-'
二i rーi i二
_/ ハ .i.i ハ ',_
// ,l ', |.| ,' .!, , ' _
,.− _ /// .! ― ! \ , ' _ < \
, ./ > _ / __-/ == ', -_ \ _ < _ '.ヘ
/ ./ /l ,、. > _ / 三三/ 三三 ,三三 \ _ < _ i !.!l , ヘ
. , ./ ./ l.! l.ll .!', > ___. / 三三三/ ___ ,三三三 \ ___ < ,.- /.!./.l.!.!.!. , ヘ
, / /! .!l l ll l !l !', i.',.i、 ./_.三三三 / l .l , 三三三.__\_ ,i. /l//!//! ,' ! l l ,. ヘ
. , ./ /.l |.!l .l.!l .!!| ,l. ,l_',_l二二!-――――‐l _. _ !――――‐ 、-!ニニ!_/ !/.///./..l./ l'_! '-―- _',_
_ - .! ̄ ̄ ―- _-二二二二/ ヽ____.! ! l____/ \二二二二ニ=-‐ ''" l_
l _ ''"''' ―- _/_,,,... -―'" ', V/////,/ V///,/ / ``―-- _、,.. -― '''" ̄ / .7 ‐-
!< ヽ 、 ', ‐-=ニニ二/ //―--‐/ / ; .〉 〉--―/ ',――‐〈-. ', ',――----―、-― ''''''" / / /__/ /
- 842 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:22:02.81 ID:NedEhsxd0
-
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 慕容部の軍勢が黄河を渡り、洛陽へ進軍中です!!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
いつもの事じゃねぇか。 込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
司隷と豫州の軍勢で対応させろ , `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
- 843 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:23:00.17 ID:NedEhsxd0
- 【紀元364年8月 晋 司隷 河橋】
}: : :`、
. 〈 ̄~^'': : .. }: : : :`、
: : : : : : \ _ ,,.. }: : : : :`、.,, _
: : : :\: \ ``: : : : :.}: : : : : :`、: : : : : .
∨::::::::}> : : : : : : : : : : : }: : : : : : :`、: : : : : : \
/Λ_/^~ ̄ ̄ ̄~"'〜く::::::::::::::.. }:.`、: : : : : : : 丶
{;;;/^~ ̄ ̄ ̄~^'''〜 \::::::::: }: \__人_人从_人_人从/
// : : : : : : : : : : : : : : :\ |\__,/ _) (__
< / : : : : : : : : : : : : : : :.|: ) そ、それが! (
/: : | Λ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
:|: : :|. | <─┼> /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
||: : :|.: : : : : :.| : : |: : : . . . . . : :| ∨ : : : : | : : : :|: : : : : : : l
||: : ィ´ : : |: : | : : |: : : : : :| |: ;′: : : : : : | : : : :|: : : : : : : l
\八_____|Λ| ⌒ト : : : : | |/ : : : : : : : :.| : : : :|: : : : :
| : :]忖 r-|_ \Λ/.: .: .: : : : : : :| : : : :|:
l: : : :Vj ⌒]忖k,_ / : / : : : : : |:| : 八 .: :l
l: :┌. V_jツ 7/ : / : : |:| /: : : : : : : : l
l: 八 `/ : / . . : : :| : ′ : : : : : : : l
l: : : } ;′/ /. : : : : : :;′: :.|: : : : : : : : ∨l
l: : : :..t _, |:.′/: : : : : : :/.: : \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
l : : |人 | :| :/ : : : : : : : : : :|: ≧ <
l : : |.:八 __ | :|/: : : : : : : : : : : | ≧ 軍を率いているのはあの慕容恪との事!! ニ=-
. : : : | .:.:.: T""|⌒:{Λ| : : : : : : : : /:. :. .:.| ≧ ≦
: : | .:.:.:. | :| : :.{〈 :| : : : : : : : /|: : : : :|/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
: : | .:.:.:. | :|..:./ | : : : : : : / :|: : : : :| |⌒\:::::::.: : : : : : : :::.
: | .:.:.:. |_,/ / | : : : : : / |: : : : :| \:::::.: : : : : : : :.
: :.:.:.:.:. |/ / .| : : : : ∧/|: : : : :| --=二\::. : : : : : : :.
: :.:.:.:.:.:.| / | : : : :_/ |八:_|二=--  ̄⌒>┐ : : : ::.
前燕 太宰 慕容恪
- 844 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:24:03.37 ID:NedEhsxd0
- 【紀元364年8月 晋 揚州 赭圻】
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.ヽ_
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:::.:.:.:.:.:.(_. \
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:./:/:/:.:.:.:.::.:.:.:.:.r‐=j ヽ
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::/:/://:.:.:/ノ.:./:/\ \ i
{:.:./⌒刈:/{:/乂_,ノ.:/_/.:/{:| ;:Y ヽ i
|:.:{ { ツヽ}ノ \77斥ュ二ヽ |! i:.| ', }
|:.:', いr'' {//////7 /ミ、}:.}ヽ. {
i:.:.ヽ i 弋/////ノ⌒!升≧.レ′ |
i:.:./ 〉  ̄ ̄ .!/////} | 勘弁してくれ
}/ { r _ }////ノ !
,ィ ヽ _ `ー‐′/ ヽ }、_
_ _ ,< { \ ',\ '´  ̄`"" ./\_ -‐ '''' }7Tヽ
 ̄ ̄ ̄ / | \} \ `ー ' ./ ヽ ヽ .// .|. ヽ
/ | >._ \ / \ ./ / ! \
. / |、 ¨ニ7`┬'<¨ヽ // / ! \
. / .| \ /ィ777 } \ ___/ / ./ \
/ |. \ /{/////} { \ {\ / / \
. / | \ / V///,{ヽ\ \ ヽ__/ \
/ | \/ }////} Y. \ } \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 興寧二年(三六四年)八月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 慕容暐が洛陽へ侵入したと『晋書』『哀帝紀』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 845 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/04/26(金) 00:25:31.95 ID:NedEhsxd0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 幕間は日を改めて投下予定。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 00:42:01.42 ID:lCv1oluy0
- 乙
むしろ習鑿歯はなんで問題にならないと考えたんだ?ww
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 07:51:53.11 ID:RokPZ5jp0
- 乙です
桓温の簒奪の野望を挫く、という正義感による暴走かねえ…
たまにいるよね、自分の中の正義を貫く為なら罪になる事でも仕方のない事、
的な暴走する人って
- 848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 09:31:59.91 ID:2PeZlEsEo
- 乙でごわす
桓温は軍と離れたがらないのはやはり粛清の恐怖があるんスかね
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 16:52:03.94 ID:wjgiP/5h0
- 乙ですー
軍から離れないのは志があるから、と思いたい
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 18:46:21.55 ID:1EJdjcTM0
- 乙
ここまで割と順調に来てたけど
曹操になれなかった男にはここからが本当の地獄だ・・・
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 11:26:55.93 ID:hWqm/iDQ0
- 乙でごわす
ここまでの桓温さんを見ていると、曹操というよりはちょっと剛腕で朝廷とコミュニケーションがうまく取れていない諸葛亮みたいな感じですね
軍事的には孔明の比じゃないレベルで成功しているし
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 13:21:52.05 ID:l5iPFH4I0
- たしかに、朝廷を掌握して主宰していた曹操や司馬師・昭タイプとは違うよな
- 853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 13:25:00.98 ID:dL2IZHgIO
- 蜀と呉の領地持ってる分、諸葛亮より恵まれてる環境なのに
最後は馬謖になっちゃうのが桓温だし
- 854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 18:27:41.77 ID:KcXEDbSO0
- 後々王導の方が諸葛亮に例えられた様に
当時の人間からしても桓温は曹操と同じ類の人間に見られてたんだろうな
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 22:34:39.39 ID:FtU1DM+WO
- 「私は難民なのだから税金を払う義務はないのだ!」とか言ってる貴族に対して
「お前はもはや難民ではなくここの住民だ、だから税金払え」というのが土断だから
そりゃあ歴史上「税金払いたくない」という人間の不変の価値観からしたら当然敵視されるわなあ桓温
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 07:53:58.93 ID:/6VWpN63o
- >>851
諸葛亮が関中関西(長安から西)の実効支配に成功したら今の桓温みたいな立ち位置になったかも知れないっすね
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 08:07:15.56 ID:/6VWpN63o
- >>855
フランス革命のジャコバン党のポジションに桓温や劉裕がいるんスよね
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 09:33:29.60 ID:vfLzuvPP0
- >>856
雍州荊州揚州の国境にそれぞれ呉蜀と同等以上の戦力が配置されている中での北伐とかいうクソゲー
しかも危なくなると司馬懿が飛んでくる
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 10:01:58.17 ID:9CL7wgpv0
- まあ中原から亡命して半世紀近く経ってるし、2世3世も大きくなってる頃だから
いつまでも亡命してきた可哀そうな被害者は通用せんよな
現代社会でも移民や在日の問題とかあるし
- 860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 10:10:12.93 ID:JGq9UjAI0
- 諸葛亮は漢中に出ていたけど、成都の朝廷は蒋琬、費偉ら与党で固めてたから違うような
陸遜が近いか?
- 861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:12:55.94 ID:9CL7wgpv0
- 諸葛亮は官僚出身で桓温は武官出身だから違うと言えば違う
王導が諸葛亮と同一視されて
桓温が曹操と同一視されてるのはその辺もありそう
- 862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 18:12:32.96 ID:luArhOLq0
- >>859
本来の首都である洛陽に帰ろうという上奏は、却下されたらこういう前提という理解が深まりますね。
- 863 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:01:15.98 ID:jfdkZ2yV0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 幕間 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 東晋の永和十年(三五四年)。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| 殷浩は庶人に落とされ、東陽郡の信安へ移された
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 864 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:01:45.92 ID:jfdkZ2yV0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 `ヽ
○ `´○ `ヽ
合肥 ,-、 ,-‐‐、 `i,
○ /´◎ ~ ヽ,-‐‐-、 _,、`ヽ,
,-,_, 、, /´建康 【晋陵郡】 く,!~`=,-`
`ヽ‐´ i ,~ノ 【義興郡】 ○ ヽ`ヽ,~!
,、,i`~○ ゚o陽羨○(, {,_呉【呉国】ヽ,
皖○ _,| 牛渚 【呉興郡】~ ,--`
_,i‐´ 〇 ,-‐´
i´ ○虎林 武康 ,=,‐-´,--、
【会稽国】
○信安
【東陽郡】
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
東陽郡は呉の孫皓の時代に ∨|:.:.! ノ/i/ノ
会稽国の西部を分割して設置された。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
それ以前は山越が蔓延っていたであろう僻地である (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 865 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:03:14.36 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元354年頃 晋 揚州 信安】
フ´ ________\\l ', l レrl
___/ \ __ ヽ l l ,' ,'
フ ニニ=-ミ ~^''=- _ .l ,' ,' ,'/l
/l ニニ=-丿 Y ̄ \ ノ / /
ノ / > _l:::::: \ニニ=-
イ /ヽ彡 / /⌒ -‐ '' ¨" ヽ
lハ n ', / ‐''"_ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....\
lハ ) l‐''" ̄ ヽ¨苡¨》ヽ ̄ ̄= ̄ / ̄ ̄ ̄
lハ ヽ lヽ 苡フ,'
lVヽ-l l .;
l l l ', ,'
.,' .l ', ‐''" ,.' 〜♪
.,' l ヽ ヽ _ ,.'
__/ l \  ̄ """ ‐ ,.'
/迅、 l \  ̄ ̄ /
/',ニニニs。, l. \ /
/l:::::::',ニニニニニs。, --
_,,. ‐'':::::::::l:::::::::',ニニニニニニニニs。, ,'ニ',
_,,. ‐''::::::::::::::::::::::::l::::::::::',ニニニニニニニニニニニ lニl l',
,,. ‐'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::',ニニニニニニニニニ/ニl__ _lニlニl:::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::',ニニニニニニニ/ニニニl lニ/ニ',::::::::ヽ 、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::',ニニニニニ/\ニニニl l/ /ニ ',::::::::::',:::::::::s。,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 殷浩は流罪扱いを受けながらも、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 恨み言を口にせず、神に命を委ねて談論や詩作を止めなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .家人に対しても憂い悲しむ様子を見せなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 866 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:03:48.14 ID:jfdkZ2yV0
-
{.!
/´´ h
{ ノ
ノ⌒y'
':.:.:.:.i:{ ィiノイ__
':.:.:.:.:|', 从 〜<
,:.:.:.:.: | } 彳ゝ‐-:.:.:.:.ノ
,:.:.:.:.:.人、、__ /ニ=-ヽト、iヽ{⌒{
弋:.:.//:.:.:.:.:.:.⌒ヽ:.:.:.:.〕iト=ニ二二、
≧s。:.:.\ヽ、}:.:.:.:.:.:.:.:.:.} ̄ ̄ノ ≧s。 咄咄怪事
〕h、:.: ノ:.:.:.-=ニヽ!:.:.:./ニニ=-ヽ:.:.:.ヽ
ヽ,∧_ノ-=ニニニ〕ニニニ=-!:.:./:.}
Y-=ニニニニニ!ニニニ=-}ノ{:.:,
Y-=ニニニニ !ニニニ=-!//:.:,
)ノ-=ニニニニ〕ニニニ=-}//:.:.:,
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /
まーたいつものが始まったっていう _, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、終日空へ向かって「咄咄怪事」の四字を書いていたという
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 867 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:06:16.11 ID:jfdkZ2yV0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| どうしてこうなった |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 咄咄怪事とは、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 驚くべき不思議な事というような意味がある
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 868 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:07:05.58 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元355年頃 晋 揚州 信安】
, '´ ̄ ̄` ー 、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1―‐――‐―.|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二」
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ ヽ、 l :} .叔父上の暮らしも落ち着いたようですし、
| :レ | ノ \ l :| そろそろ都へ帰ろうかと思いますと韓伯は決意します
|: i: (|. ● ● l:/
} : :⊂⊃ 、_,、_, ⊂.ル|
,.イ/イ:}从ヽ,、 __, イ从/ Wi/ / ~二ニ=- \
,.< ゙i.i:.:\__八__/:i.i>、 \ :;:;:;:;:;: -=ニ  ̄フ
( ⌒ )}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:( ⌒ ) /i ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ニ=- \\
/ / \ ̄ i"''‐-.._ /
/_,.xr _,,.-‐_,,.-< "''‐-.._\ ミ
/_,,.-‐''" 〉''"ァュフ ヽ \ ミ
,' ,' ノ `"´ |/ l\ /
ヽi \ )ノ/ /
そうか。 ` ,.-┴‐-.、 ト≦\_、rfヽ、
/ _)、 ノ _、rf〔
まあ、仕方ないな / ヽ〉ノ ノ_,,-‐''" _、rf〔;:;:;::/',
/ /┘ _、rf〔;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ:
γ‐-.._ _,,. ‐''"|_、rf〔;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
/-=ニ=-、ヽ| ̄ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\) /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ ノ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 殷浩には韓伯という甥がいた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 常日頃から可愛がられており、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .配流先の信安にも随行していたが、年を経て建康へ帰る事になった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 869 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:08:53.98 ID:jfdkZ2yV0
-
: :.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: : :.::.::.::.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ::.:.:.:.:.:.:.:.
;;;⌒ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
;; :. .);) : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ヾ);ヾ; :. .) : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ヽ;;;;))ノ;;) ; ,.;;:。,.;i;';.,, : : : : : : : : : : : : : : : .;'":;. :.. ;'"'":; ;:,.;i;';.,,,:'':'`::
;;; ;⌒ヽ;;; ,.i,i,i,i,';.,,;:i;i;i;.;i;';.li:、;,.;;:。;:;;::、; ,.;i:、;:;":;";`;:;";`:、;:;":;";`;:;" ;:;..:,.;lili。;:;; (;;:'`) ::;;:
..;;liヾ; :. .) .;,,,,,,;li,i,;,.;lilii,:;;::、;。;:;;lililili.;'":;. :.. ;'"'":;ii:.. ii :、;:i;":、;:;ii`;:;"ii":;" ,.;;:。lili,i,:、;',: (;;:';;: ) :;`::
;;;;(;;;) ))⌒) '"' "'''.'::::''"'"' "'''.':''"'""'''""'"'"' "'''.'''"'"' "'''.''"'"' "'''.':::''"'"' "'''.':::::::::''"'"' "'''.:: (;':(;':i:;:',,, )::
ノソゝヾ⌒:::⌒.)) .:i;i;!;!;!i;;..i;i;...;!;!;!;!i;i;:;;.:.i;i;,, ..i;ii.i. ,,..'.;'":;. :..''"'" "''' '''.' (⌒' ) (;;(;'::(ii;;/;;,,,,ヾ
;;;;;(;li/:;⌒) ⌒;) ;';';';';'~::;';';';'::;';';';';':~::;';';';';';'~:::::~'.',"'`',i;i;i;!;!;!"'''.':::.;'":''" '.'" (;;:'(;;;:' )(;;:'((;(;;:'(;;:;:,,,,, )
;;;⌒,.:;:`:::::::"`"';) ;:':':':':':'::::::':':':':':::::':':'::::::::::::::-::::::::::::::::::::';''"'"'i;i;il;l;";!;!i;i;i;;'"' "'''.'(;;:'(;;i:;:;...):'ヽ;:'(i;;ヾ' );:' ):
;;;;;ヾノソ:;⌒) :;⌒) ) :.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.: ::: : : : ';i;i;i;''"'"' "'''.(;;:(;;:i';:' )::..)'(;;:';:' )';;;;ヾヾ)
ノ:、li":; / " `;:;");) .:.:.::::::::::::::::::::::::::::-:::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:. : : : : : : : : : :-:::;!;!;!;!;i;:;(;;:';(;;;:ii' /....):::|iii:::::::::::::::
:: li⌒) ⌒;) ;;(;;; :⌒;;) ::::::::::::::::::〜:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : ::''"'"(;;:''.';:' );:' ).. ):::|iii' "'''.':::::
ノソゝiliヽノ;/;;;;; :;;(;;; :ノ ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::-::::::::::.::::::::.〜 : : : : : : : : : : : : : : : :::''"'"' "'''.'::|!ii::::::-:::''|!i|' "::::::::::
;;;ヾilili; ;;));ノ;;;; .:.:.:::::::::: 〜::::::::::::::::〜::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._::::::''"'"' "'''.': .....:|i!i:: ' "'''.~~'::::::: ::::
: :|lili;!|;ヾ);;;);;;;;) :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-:::::::''"'"' .;'":;.;'ヾiツィヾiツィ:,,,....、........ツィ''"'"' |!ii::.':::::::::::ヾiツィ ::
:.:.|lii;i|;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::-:::::::::::::''"'"' "'''.'''.;'":ソ''.':,、,、::::::。.. :::ヽシソ ::::::''"'"' "'''.':::ヽシソヽシソ ノノ
'.''|lilili|i;''.'''"'ヽヾiツィ "'''ヽヾiツィ:::ヽヾiツィ ,、 。.. ,、 ... :ヾiツィヾiツィ''.'''"'"' "'''.ヽノシソ ノノノ :::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 殷浩は韓伯を水際まで見送った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 870 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:09:23.63 ID:jfdkZ2yV0
-
_、-‐…<} \
_,,.二ニ=‐ _ 、\
> _\\}\∨}
< _\ ` ‘, リ 〉
∠, / 「"''‐- _ /
{ ,へ_,,..、-‐=ニ二_\
〈 (/V `ぇァ rャ  ̄
. _、-‐ }A} V
/ r‐ニ7 l\ __7 ̄ ̄\ 富貴他人合 貧賤親戚離〜♪
/ A:i:i:ニ‐ L_: \`""/:i:)} >
-‐…く / V:i:i:i:i:i:i:i二ニ=‐=彡'} /
\ / V:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/} ∠
. \ ∨:i/:i:i\_/:i:/ / 、 ニ‐- _
,/\ ∨\_.:i:i:i:i:i:/ / \ ニ‐ _
//. \ }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i},/ ,/ / }
. /\/ / V\:i:i:i:i:i:i// /\ ! / 「
: : :} __\ }:i:i:i: ̄ ̄:i:/ /__ N / ∧
./ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
旦那様。 .| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /
新しい詩ですかっていう? _, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
随分と世知辛いっていう .{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
- 871 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:11:23.04 ID:jfdkZ2yV0
-
| \ ∧ / /, /| {
ト、|. ∧ | \ :′ /, :′ | _ //|
} \ } \ | ∨ | / | / /./ :′
∨\_..\ \} | / ノ/ /__ /
<\  ̄ \__, r-...._ / / /_フ
`ノ`⌒><⌒ヽ..,__} ``ヽ、__ イ,>''"<⌒
⌒7-=ミ ``⌒ / \'"⌒ |ニ=|⌒
}-=ミ / \ |-=|_
/∨彡 __ / / 〈 7∧
/{∧爻>'" _,,.. -‐  ̄_/⌒ヽ ミ/ i }\ .知らんか?
///{>''" _,,..._-‐=≦ヽ /ニ_彳rッ_フ /)i} ′/\
////-‐ニ⌒ ', ′⌒´ /// ////∧ 曹顔遠の詩だ
/// ̄//ハ ヘ | , レ:/ //////∧
//////////i:iぃ l /=彳////////∧_
_ -‐//////////|:i:i:i:ih | /|:i:i:i:|://///////∧ =- _
_ -= ///////////|:i:i:i:i:|ヘ ヽ ' / ,i:i:i:i:i|//////////∧ =- _
_ -= ////////////|:i:i:i:i:i|:込、 _ _ ,.:′i:i:i:i:i:i| //////////∧
_ -= /////////////|:i:i:i:i:i:i:、 \ ´ --- / /:i:i:i:i:i:i|:///////////∧
/ / //////////////|:i:i:i:i:i:i:i}h、 \ / /:i:i:i:i:i:i:i:|/////////////\
./ //////////////:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ >--<) /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|///////////////〉
/ \///////////:i:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ / ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|////////////_/
./ \////////|:i:i:i:}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i\ {: /:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|///////////
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 曹顔遠とは曹攄の事を指す。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 魏の曹休の曾孫に当たり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖父の曹肇は衛将軍まで昇進し、曹攄自身は孝行と文才で有名となった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 八王の乱で斉王司馬冏に仕えて諫言を行い、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 永嘉の乱では襄陽にいた高密王司馬簡配下として賊と交戦し戦死した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 872 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:12:05.81 ID:jfdkZ2yV0
-
o
.;
O
:
i
;
.|
|
|:
。
|
!
:|
:
:!
.;: 。
、 . | .。
゚ ,、人,、'
`^⌒^´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曹顔遠の詩を詠んだ殷浩は泣いたと『晋書』『殷浩伝』は記す
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 873 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:13:15.56 ID:jfdkZ2yV0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 外面は平静を保っているように見えて、
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 .内心は色々と思う所があったのだろうという暮らしぶりだ
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 874 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:16:19.09 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元355年頃 晋 荊州 江陵】
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ 殷浩には徳があって言動も聞かせるものがある。
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i / .尚書令か尚書僕射に起用すれば、百官の模範となるに足りる。
込ト-r≧====x _r≦====x〃「
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j / .朝廷はあいつの才能の使い方を間違えているのさ
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \ ′ 〉 / \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \ l _ ¨ / \. ト、 }\
| _ - ¨._. イ/ \ i| 、___ノ ノ
八¨¨¨¨゚ _ ¨/、 ∧. | }\ \¨´
.′ー―‐ ≦ / ト、|` 、 ∧ |. j ト、
. /. 八 芹竿ミ 、{ | ,ヘ ,へ ’。
. | /. ト、 \ 乂 ノ 八. l.ノ i| |.∧. X
,イ. |. /ヘ 八.  ̄ ̄ ̄ /| 八{ 八{ ∧ X
夂、__」. イ |八` ム , |. / 从. X. ∧ X
`¨¨¨¨´ ̄/へ 八 ハ , - 八 ト _ \ ∧ X
司令官がそう言うのなら、そうなんだろうね .′. \{ __≧o。 __ イ / /ニニニ>- _.\.} |
i | ノ` Y Yr--ニ /_ノ /ニニ。 ’ ___. | \.八
i | /.ヽ-.|. 八lニ/ /ニ 。. ’ ´ X ノ.ハ
从 }.八 / ノイ / 。. ’ /. Xト X
/ ハ、___>-イ ′イ。. ’ | } \ X
晋 征西掾 郗超
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そんな殷浩に救いの手を差し伸べたのが桓温だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼は殷浩の追放後、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .属官の郗超を相手に、殷浩の起用法について言及した事があった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 875 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:17:17.84 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元355年頃 晋 揚州 信安】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ 殷浩殿。
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l .桓温将軍はあなたを尚書令にしたいと仰せでした。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 .詳細はこちらの書状に
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 ィ ノ V , }/ { ト、 、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! / { / / ヽ ト、 V iノ丶
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| , / , / V ヽ ト、 y }_ ,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: トヽ iヽ{ ヽ| : } / }、 /{ ' /
{ 丶 :: / / .: }/ }/ /
ヽ 丶丶 、 _ ...::::' / ..:: .:::ー7
∠:::::Tー──}  ̄\ ̄ ̄}::::::}ゝ
ヽ: :} , '"_ .... - ' \ }::::::|
rヽ}:/ /, .... " _.. -‐,-- ヽ:fニ 、
さすが桓温。 { へレ, '_ -ァ≦´ ,-ィ 苡 7 i/i }
、/イ  ̄ :i  ̄ ir ノ
いい所あるじゃねぇか。 ._/ヘ _ i! | レ' \
/:::'::::::::/i: ,i!、 /i:::::::::::::\
返書を書くからしばらく待っていてくれ /::::::::::::::/ニ |、 、____, / |ニ、::::::::::::::\
::::::::::::::::/ニi三| \ ー‐‐ / |二ニ、:::::::::::::::\
:::::::::::::::{ニニ三| \ ゙゙ / }二二/::::::::::::::::::::
:::::::::::::::ヽ二二 \ 丶__ / /二二/::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::, '∧二二二ヽ、 , ≦二二二{、:::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 桓温は殷浩を尚書令にしようと思い立ち、書面でその意向を告げた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 思わぬ旧友からの申し出に、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .殷浩は喜色満面となって返書を送ろうとした
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 876 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:18:44.95 ID:jfdkZ2yV0
-
/ヽ/ \/レ、
V / |/| /|
|ヽ/ / | |', /', レ |
{|', |V ,' | | ', / | /|
| ', ', ',,' V レ ,'/| /フ
`y ', _ / /⌒
| / / \ ̄| /|
|ヽ/‐-.. / ≧ |/ ) よし、完成だ。
', i|>"_ =≦,-tュチフ ,'ノ
/-‐ | ,' だが、書き間違いがないかもう一度見直すか
/ _,,.', ,'
/ / ', `´ /| |"''‐ .._
_,,. ‐''"/;:;:,' ',\ ´こ ` // |;:;:;:;:;:;:;:;"''‐ .._
_,,. ‐''";:;:;:;:;:;/;:;:;:;:i \ ヽ--- / |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:"''‐ .._
_,,. ‐''";:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;| |ヽ イ |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:"''‐ .._
/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| /', ノ\ |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;\
,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;',/', ', |/ / /\ |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',
,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:', \', // /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',
,';:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:__|__ 二___|__;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
|;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:├──────────‐┤;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
,';:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|i о о.i| ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;|
|;:;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|i i|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: /;:;:;:;:;:;:;|
|;:;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:/⌒ヽ /⌒\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; /;:;:;:;:;:;:;:;:;|
/ -=くヽ | | /ヽ_,,. \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところが殷浩。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 返書に誤字脱字がないかを心配し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .文箱の封緘を数十回繰り返して文面を確認した挙句
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 877 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:19:58.93 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元355年頃 晋 荊州 江陵】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ 桓温将軍。
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 殷浩殿より返書を預かって参りました。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 こちらの文箱に入っているのでご確認を
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! /::::::::::::::::::::::::`ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| /〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: /:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
/⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
おい。 \`ハ ヾ.:.::ノ ハ. /
`ー:. _____ //
この文箱、空じゃねぇか ./ヽ ´ _,, ` イリ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
._ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当の返書を文箱に入れ忘れた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 何やら就職活動の失敗例を見ている気分になる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 878 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:22:28.23 ID:jfdkZ2yV0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 手紙を文箱に入れ忘れたのでしょうか?
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ .話を伝えた時は大変喜んでおられたのですが……
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! /::::::::::::::::::::::::`ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| /〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: /:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
i:::::::::: //// /// ミ:::::::',
i|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
/⌒YV三三三/ ∨三三三jY'^ヽ
{ {⌒j `ー─</ 、`ー─< } し'}
\`ハ ヾ.:.::ノ ハ. /
馬鹿は死ななきゃ治らないって事か . `ー:. _____ //
/ヽ ´ _,, ` イリ
/ ̄ ̄`ヽ /ヘ:\
圭二二ニ=─-、_)、_____/ ∨::\、
/, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八 / ',::::::∧`:::...、、
._ .. ´.::/ , -―- 、__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
. : :.:.::::/ / , -―- 、__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温は大いに気分を害し、この話は立ち消えになった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 879 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:23:04.95 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元356年頃 晋 揚州 信安】
∩
__| |
. / Л
|_ ノ
√ニ|
. √ニ.| /(_ノ(___
√ニニ|. / ヘ
. √ニノ┐ __ 从_ /
{ニニニニニニ\V^^__⊥
`''<ニニニニニニニニ\___
`''<ニニニニニニニニニ\
∨ニニニニニニニニニ| .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|ニニニニニニニニニ | | 咄咄怪事 |
|ニニニニニニニニニ | ヽ_______乂
|ニニニニニニニニニ |
/ニニニニニニニ∧ニニ〉
/ニニニニニニニニニ] |二-|
. /ニニニニニニニニニニΛ|二-|
{ニニニニ/ニニニニニニニΛニ |
. \ニニニ/ニニニニニニニニ|二|
 ̄ ̄\ニニニニニニニノ /⌒ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 永和十二年(三五六年)に殷浩は死んだ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 世は桓温が再度の北伐を行い、洛陽入城を果たした時期である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 880 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:25:38.54 ID:jfdkZ2yV0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .それでも殷浩の改葬を認めたあたり、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 桓温は殷浩を心の底から嫌っていたわけでもないらしい。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 殷浩の故吏だった顧悦之の上奏もあり、生前の官職を追贈されている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
__,. -‐  ̄`ヽ、
_ /: : : : : : : : : : : : : :`⌒\
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./^´´ `<:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:/:.:.:/:/}/ ___,,ヾ:.:.:.:.:.:.';
///:/ /|:,/ イ y≦=ニ二、_}:.:.:.:.:.:.}
|/|:.:/斗≧===>=く::::::::::::::::::}}¨ト、:/⌒'.
|八 {{::::::::::::::j´ ヽニニ二ノ L//⌒) {
どうだ? 代二ニイ、:::::_.ノ ′Y/ ,ノ
ヽ| ` __ _,ヽ ( /
俺は宣帝に似ているだろう? `t彡- 一¬^フ j/
ヽ、//----/ / |
,;;<x'´ `こ二 , ′|
゙/ rト、 ___.... イ / ∧、
__/ ∨ `丶、 / | \_
 ̄ ̄ ̄ ̄〈  ̄¨フ=弋, ∧ \ >―-
/ ∧ ヽ / } 、 ヽ
 ̄ ̄ \ | ∧ \ ∧ |\ ∧ \
- 881 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:27:40.71 ID:jfdkZ2yV0
- 【画家として有名だけど左思と同じ巻で立伝されるぐらいには文人の顧ト之さん】
/: : /: : : : : :/: : /: :/: : : : : /: : : :/}:r:/:l: :\
: : /: : : : : :/: : /: :/: : : : : /: : : :/ミi|:/ ヘ: l: : : :\
/ : : : : : /: : /: : :/: : : : : /: : : :/ヾ::リ゙:/ム:|: : : : 、:\
..:/: : : :/ : /: : : :/| i : : : : |: : : /¨~"' ^ヘ 彡,|: : : : : : : :\
/: : :/: /:/: .: .:_、//|│ : : : | : : ′ ⌒:|: : : : : : .'\: \
: : :/: /: :_,, - //│|: :_ノ: |: : { :|: : : : : : : ',\: ヽ
..、‐''゛_、ィ / ー――|:^" : : │: | : : : : } : : , ヽ}
 ̄: :// -‐‐ 人|: : : : :|∧:\ 乂_ l : : : : | : : :| |
/://_フア""テ弌ミ、、 : : : { ¨⌒ ^ ー-l: / : : |: : : | |
/ィ^|: _)ミ{ / } ヾ\ : { -‐ー 、 /:/: : : |: : : | | やだ父上。
: :|: |: :'^寸 { ・ ; \ _xf竓ミh、 /イ: : : : ∧: : | |
:∧{: :ト( 、 乂__ノ ^/ } マ{ |: : }: :゙ }: : | ′ .カッコいいじゃない。
/(|: 〉、{ :^"゛:、 { ・ ′ }リ /|: :/:/ }: :/ _ノ
ヾハ{ ヽ 乂ノ ノ_:^:/:/:/| }:/ 殷浩×顧悦之の
\__人_, ノ `"~ 、: /::ノィ:/ .| ノ′ .薄い本で一儲けできそう
..^ .', /⌒! 八//: 乂 ,'
_r , ∨丿 , -==、 / / .ノ
/.ノ\ ',\ ` ー-〈////ハ
{ ..l \ 丶、 V///:ハ _,,. .-‐=≡7
' .\ ` ァー-r< V///ハ _,,. .-‐=≡ニ¨´ /
丶、 / | ∨厶斗-‐=≡ニ¨´ /
、 _,.≧ニ=-‐=≡ニ¨´ /
\ /
晋 晋陵郡の人 顧ト之
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ちなみに、この顧悦之の息子が「画聖」顧ト之である
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 882 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:28:28.19 ID:jfdkZ2yV0
- 【紀元371年11月 晋 首都 建康】
, '´ ̄ ̄` ー 、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1―‐――‐―.|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二」
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ ― l :} 郗超様。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/ .著作郎殷涓を捕らえましたと兵士Aは報告します
} : :ゝ .ル|
,.イ/イ:}从ヽ,、 __, イ从/
,.< ゙i.i:.:\__八__/:i.i>、 _ -- 、 ト、
{_ ,._;ヒ}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.};__ } -= - ゝ ) ヽ
/ 〃 ' - く
,イ/ l_ ☆ -)/ 、ヽ
// ゞミミ三三ニヲ´ i 、ハ ム\ __
( ( /  ̄ ∠l_ l __i ト h` ー - 、>、
ー- ´/ ィ l i弋 l=\ム` l ムi )ハ
ー-t イ ir-t―, Vメ ,t―r-ァー ム Z ノ
武陵王の徒党はこれで全員。 //l N 弋_.ノ 弋_.ノリ i トハ
i l N iム ' ,,l lNヽi
残らず廷尉に送って誅殺しようか .V, l iゝ lゝ - ィ l l'i l i
ヾl l il l r`j - 千 、 ji l il
,' ,'l lメ、 i´⌒y `,' ,'_ il
// r', ム ヽム⌒/ l lへ, ム
/イ { V ト ム/ /Vム/ l ム
_ ,/ / /l lヾヽ` -< X l i ヾ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、殷浩の息子殷涓も美名があったが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 咸安元年(三七一年)に武陵王司馬晞の謀反に与したとして誅殺された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この事件については次回で扱うが、殷涓は反桓温派と目されていたようだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 883 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:31:17.74 ID:jfdkZ2yV0
-
/ \:::::::::::::::::::::::::::::::/⌒ } } \
/ --- } } `、
/ / /`、
/ _Λ_ / /Λ \
j ⌒)\> く / // `、 \
{∨ こニ 〉⌒/ // | | \\
Λ \ )/ "´ >'" | | \ヽ
/ \ \__ _ -- 」 「>''~| | | | | \
. / ゙'〜 _ ニ=- ''"´ | | _|_ | | |
/ / ー ''"二,,__|___ | | | \
. / /八 \ ア癶芯fフア .八 A \
ノ / {/ \ \ ^''冖''^「 / 从
\ /八ト\ 、 \ | / / ヽ 全ては司令官のために
`'<_ /八 /|/ .: | \
. /Τ"´ > '' 丶 イ 八 /: : . | \
/ 八 \\ > < / / : : : : |ト \
. / \ \>-} / / Λ:: : : . 八 \ \ }
/ / .|\ ト\ / /ニニ\:: : . ゙、 \\ /
/ / /| | ハ j二ニ=-__ / ‖ニニニ/_:\ . ゙、 \ ./ /
/ / / {=| |ニ/ /二二ニニ- _′ ‖ニニ二{ ヾ::.\ ゙、\ \ /
. / / j Λ:| |/ /Λニニニ/ニニ| |二二/ ∨: :\ ゙、 \ )〉 ゙、
/ / 八 | | //ニV../ニニ=| |二/ }: : : \ \ Λ \
/ \ | /-=二く二二二八 | |: :| : | 〉 `''< _ \
/ \ | |::: ⌒\ ヽ | | |: :| : | Λ \  ̄
{( | ∨::: C } ` | | ,j :八 | `、 \`''〜---
丶 j .|::::::::: / | 八 // } j `、 ゙、
\ / {:: / |∨ :::.. /} / / `、 ゙、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 郗超、字を景興。本籍は兗州高平郡金郷。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖父は東晋の元勲郗鑒であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 父の郗愔と叔父の郗曇は北府軍の将帥として活躍していた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ だが、彼自身は桓温の属官から起家しており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ その才能に惚れ込んだ桓温と深く結び付き、腹心として辣腕を振るった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 884 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:32:01.39 ID:jfdkZ2yV0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 桓温の負の部分を象徴する人物だ
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 885 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/01(水) 10:32:30.51 ID:jfdkZ2yV0
- 【第百九回に続く】
新規CAST
〜晋〜
●司馬c(しばいく) 紫式部(Fate/Grand Order)
●庾翼(ゆよく) アトラ・ミクスタ(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ)
●殷浩(いんこう) オルガ・イツカ(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ)
●孫綽(そんしゃく) ベニー(BLACK LAGOON)
●郗超(ちちょう) ヴェールヌイ(艦隊これくしょん)
●顧ト之(こがいし) 秋雲(艦隊これくしょん)
〜他〜
●苻生(ふせい) フドウ(北斗の拳)
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/01(水) 11:57:48.27 ID:R1ilb3Ft0
- 乙ですー
>>877 これも故事成語にしちゃえそう
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/01(水) 13:07:55.92 ID:z+DqM7GV0
- 乙
そんなことあるー?
とか言えないんだよなあ(入れ忘れ)
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/01(水) 21:59:44.07 ID:mn/+U8FN0
- 顧悦之の息子が顧ト之・・・。どっちも「之」の字が入ってるけれど、中国って父親の名前と同じ字使っていいんだっけ?
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/05/01(水) 22:12:23.50 ID:TKgD0Kib0
- >>888
普通はダメだが
王献之が王羲之の息子であるように「之」の字は例外だと聞いたことがある
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/01(水) 22:26:05.32 ID:mn/+U8FN0
- >>889
そういう例外もあるのですか。ありがとうございます。
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 16:34:54.34 ID:nYrdEnaN0
- >>1さん乙―。
・管仲・諸葛亮に比せられた才人として華々しく政界デビューしながら、北伐を行う前に大コケ。
・庶人に落とされ「お空きれい(咄咄怪事」)」とつぶやく日々。
・復帰に喜び、何度も見返すあまり書簡を入れ忘れる。
東晋屈指のネタキャラ、出オチキャラとしてインパクトあるよね殷浩w
世説新語の逸話をみると結構性格は良さそうな人なんで、個人的に嫌いじゃないんだけど。
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 20:21:27.65 ID:Q5wmtWaD0
- 中身が空で、曹操と荀ケを連想した
あちらとは逆だけど
- 893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 20:43:15.35 ID:tIn6zLF10
- この時期は赫連勃勃の父親みたいに行動も勿論
最早存在自体が意味不明なネタキャラもいるしなあ・・・
- 894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 00:39:16.05 ID://cbP/9h0
- 手紙の入れ忘れ、わざとなら処世術として悪くないと思うんだけど、やっぱり素なんかな
- 895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 05:45:46.84 ID:x0gHFNy6o
- むしろ桓温から借り作ってたらその後の桓温やその後のアレに巻き込まれなくてすんだからラッキーなんじゃ…、
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 12:12:57.12 ID:zGAGvZ4CO
- それまで生きてないやん……
- 897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 22:35:43.12 ID:n2kFmFBH0
- 今は順調な桓温もこっからが大変だしな
司馬懿より強い敵をわんさか相手にせんといかんし
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/08(水) 00:52:06.30 ID:i3L033Cg0
- てか桓温、王衍の事扱き下ろしといて同じタイプの殷浩の事は評価するんか、よく分からんな
- 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/08(水) 06:08:06.11 ID:L58MQX3J0
- シオニーちゃん、ネタキャラ殷浩よりは遥かに頑張ってたのに後世大戦犯扱いで可哀想
- 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/08(水) 12:33:44.28 ID:cVX/tzqfO
- シオニー、最初から武官に就任してたら幸せだったのかなあ
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/09(木) 22:24:26.96 ID:WrJ584su0
- ティーンエージャーで推挙されたときにおとなしく遼東太守に就任していたら永嘉の乱の頃には燕王シオニーが見られた可能性
- 902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/10(金) 19:42:40.94 ID:v+KowIHZ0
- どっちにしろ石勒に生きたままスクラップにされて中華の大地の肥やしになってたと思うが
- 903 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 15:49:48.77 ID:zDzkcsBp0
- 【おまけ】
ゝ/´/////彡∧i‐-、
/////>≦_フ´゙゙‐-、∧
/////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
/////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ \::::::::::ヽ
,//// `  ̄ ̄ 〈⌒´i‐‐、´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i なあ?
i |i、`) 'ゝ二二二二7 ,
、` ヽ `‐-==- i .俺って宣帝や劉琨に似ていると思わねぇか?
、ゝλ i
∨i 、 .<三ヽ ノ
∨ \‐‐ ´/////////
〉 \/////////,i
/ {` 、 \ 、` ヽ////,i "¨~ヽ≠
ゝ´:::::::∧、  ̄ ‐-,-ヽ-‐iヽ / ',
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧、 / ',
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧`....、 . イ }
. |ハ i / W彡≠ /
} ノ!|_/,.|!|、___ .}リト 、
W}‐tッ‐|!| ‐tッ‐ fノ \
/ 从 ! / }\ \
. / / |\==ぅ/ ,’ \ ∧
まーた始まった / {/ |/{`¨ }\/ ; ヽ
}≠{ i ,’ i
; .', { | ', ;
∨ | .! V
. i ', | ! | ',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『桓温伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温は自らの雄姿と気風を司馬懿や劉琨に匹敵するとしていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 904 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 15:50:54.80 ID:zDzkcsBp0
-
/⌒ :. :. :. :. :. :. :\
/ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
. ,:. :.| :. /| :. :. :|\:.:.:.|: :. :.
|:. :.| :∧|:. :. :リ⌒∨:| :. :.|
| : ルf伉|/|/ィ伉 }: ト :. :| でも世の評判は王敦二世
∨ハ Vソ Vソリ: |ノ:. :|
ト 人'' _ ''厶:.|:. /:|
|/:《|:≧:.ァ‐z:._´:.|:.《X》 |
. ノ:. : |:.|:./ 不 い :|:. |:.|:.│ /:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:::'´:.:.:.:.:.::.:.:.:ヽ
;. :. :.:|:.i// / ' V|:. |:.|:.│ /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.',
/:.:.:.:.:.::.:.:./{|^¨⌒~¨''¨ ̄ヾ.:.:.::.:.\
. ∠:.:.:.|:.:./::/ |! __,..-‐ }.:.:.::.:.:.:.:.ヽ
{:/{:/{:/_,__〈ィ云斥心、___{.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:i
|'Y////ノ"{///////}7 ̄ ̄ヽ.:.:.::.:.:.:.:.:.:.}
. {/// ヽ///少' }:Y⌒ヽ:.:.:.|
`ー{ 〉  ̄ .V ,ハ .}:.:.:|
. r、 { `ー ノ心 /:.:./
\\ し' /:.:./
あんな女装野郎と一緒にするなよ { ⌒"''ヽ、 r''{¨:.:.:./
. } / |:.:.:/
. | / !:.:{
{ _ -‐′ __|从__
ヽ、 __,,.. .-‐≦ _ ,< 〉 \
_}__ _ ,< ./ |`ー─
/}ハ r、 / |
/ //{ ̄ ̄} /. |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦と比べる者がいると、大いに不満を示していた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 905 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 15:51:51.26 ID:zDzkcsBp0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:| .申し上げます。
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| .先の北伐で得た老婢が桓温様にお会いしたいと。
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 なんでも、昔劉琨の伎女をしていたらしく、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i 桓温様が劉琨に似ているとの評判を聞いて訪ねてきたと
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
-‐.... ̄ ̄...ヽ__
_ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.\
ノ:.:.:.:.:.::.:./}:.:./⌒~¨¨¨ヽ:.:.:.::.ヽ
/:.:.:.:.:.:从{ 从:{, -‐=ニミ、 ',.:.:..::.:i
/ィ:.:.:.:./_,ノ }! _____}:.:.:.::.:|
, - 、 |:.:.:./≦ ___r=ミ///////}¨込-‐、
i ', |/{:{,イ////// V/////ノ V/~} }
面白そうだ。 | i { }V/////  ̄ ̄ 〉y/
/⌒} } | i |  ̄ ̄ ヽ _ ノ ノ:\
ここへ通せ ___∠__|_/___.| ヽ r _ -‐ ─''7 }‐{: : : :∨_ -‐:
{}___, -‐''¨ ̄}__|.{ /ヽ \____ ,ノ ノ V: : : :∨.:.:.:.:.:: : :
/ _,. ィ ヽ___/: : : :.\ ─ / /}: : : : :.∨.:.:.:.:.::
. / / i: : : : / : : ::.:.:.:.:.:/ヽ / ノ /: : : : : : ∨.:.:.:.:.:
ヽ 、 ______|_/_: : : ::.:.:.:.:.:/ヽ_ `ー─'' ¨__,. < /: : : /⌒ヽV.:.:.:.
} }: : : ::.:.:.:./ >,__rニ_ |: : :./ |.:.:.:.:.\: :
{ , -‐──────': : : ::.:.:./ヽ ///∧ ./.l: :./ i |.:.:.:.:..:.:ヽ
/:.ヽ __,.ノヽ: : : :/ \ .//// ', ./ |:./. i |.:.:.:.:.:.:: : :
/: :/} __,..-''  ̄{: : : / 〉: : | \/ 〉〈 ∨ |∧. i !.:.:.:.:: : : :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ある時、北伐で得た老婢が桓温の下を訪ねた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 906 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 15:52:52.92 ID:zDzkcsBp0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ハ
i::::::::::::::::::::/::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ミ::::ハ
. 八{ハ.V {::/::::::::::://:/ }:/ ′ 桓温だ。
ヽ ーi レ __彡 ' _./ _,,,...=ぇ |i /
込ト-r≧====x _r≦====x〃「 婆さん、あんた劉琨の伎女をしていたんだって?
. ‘, 辷=-/// ̄ヽニ=-///j /
, `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ノ ∧
 ̄ ̄ ̄`7 iヽ _ 二....__ / ⌒ヽ ̄ ̄
. / .\へ こ二ヽ\ 〃 \
/ `ヽ> _, \> 厂 ̄`> \
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 て
r===========r‐、: : \ て
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
!? |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この老婢、若い頃は劉琨の伎女を務めていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 907 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 15:53:27.25 ID:zDzkcsBp0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ヽ、 l :}
| :レ ||::::o゚● ●゚o .l :|
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ __,. -‐  ̄`ヽ、
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ _ /: : : : : : : : : : : : : :`⌒\
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./^´´ `<:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:/:.:.:/:/}/ ___,,ヾ:.:.:.:.:.:.';
///:/ /|:,/ イ y≦=ニ二、_}:.:.:.:.:.:.}
|/|:.:/斗≧===>=く::::::::::::::::::}}`寸¨ヽ: |
|八 {{::::::::::::::j´ ヽニニ二ノ .|: :}
代二ニイ、:::::_.ノ ノ: /
おいおいどうした? `{ _ r‐{:/
', ヽニ´-‐' |_
急に泣き始めて ', - / / }
ヽ / // \
丶 ___ ∠ /// /へ、
r‐}// // / \
〈/⌒Y // / \
/ /´/ / , - 丶.
/⌒}´ /___/ / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼女は桓温を一目見ると泣き始め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 桓温から理由を問われると答えて言った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 908 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:02:22.47 ID:zDzkcsBp0
-
, '´ ̄ ̄` ー 、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1―‐――‐―.|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二」
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/ 桓温様が劉司空に大変似ていたのでと老婢Aは泣いた理由を説明します
} : :ゝ .ル|
,.イ/イ:}从ヽ,、 __, イ从/
,.< ゙i.i:.:\__八__/:i.i>、
{_ ,._;ヒ}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.};__ }
-‐.... ̄ ̄...ヽ__
_ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.\
ノ:.:.:.:.:.::.:./}:.:./⌒~¨¨¨ヽ:.:.:.::.ヽ
/:.:.:.:.:.:从{ 从:{, -‐=ニミ、 ',.:.:..::.:i
/ィ:.:.:.:./_,ノ }! _____}:.:.:.::.:|
, - 、 |:.:.:./≦ ___r=ミ///////}¨込-‐、
i ', |/{:{,イ////// V/////ノ V/~} }
| i { }V/////  ̄ ̄ 〉y/
そうか。 /⌒} } | i |  ̄ ̄ ヽ _ ノ ノ:\
___∠__|_/___.| ヽ r _ -‐ ─''7 }‐{: : : :∨_ -‐:
そいつはいいな。 {}___, -‐''¨ ̄}__|.{ /ヽ \____ ,ノ ノ V: : : :∨.:.:.:.:.:: : :
/ _,. ィ ヽ___/: : : :.\ ─ / /}: : : : :.∨.:.:.:.:.::
せっかくだから、 / / i: : : : / : : ::.:.:.:.:.:/ヽ / ノ /: : : : : : ∨.:.:.:.:.:
ちょっと待っててくれないか ヽ 、 ______|_/_: : : ::.:.:.:.:.:/ヽ_ `ー─'' ¨__,. < /: : : /⌒ヽV.:.:.:.
} }: : : ::.:.:.:./ >,__rニ_ |: : :./ |.:.:.:.:.\: :
{ , -‐──────': : : ::.:.:./ヽ ///∧ ./.l: :./ i |.:.:.:.:..:.:ヽ
/:.ヽ __,.ノヽ: : : :/ \ .//// ', ./ |:./. i |.:.:.:.:.:.:: : :
/: :/} __,..-''  ̄{: : : / 〉: : | \/ 〉〈 ∨ |∧. i !.:.:.:.:: : : :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓温は大いに喜んだ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 909 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:02:57.91 ID:zDzkcsBp0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ハ::::::::::::: : //:::,イ::i::|::::/¨¨¨¨⌒ヾ
ハ::::::::::::::: //:://::::;イ::|::/
∧:::::::::::: /_,> ´7 }::|/
//:::::::/´ _,ノ //
/:::::::::/ /:{//≧/イ、 :| } 厶斗
{イ:/ ∠:从―――- 、 _ -―
/ .f、,f三三三三三ヾ r¬ f三三
待たせたな。 / ∧{ 三三三三三 ヲ-― 、三三
ノ 厶斗七⌒∨三三/{ }\三
どうだ? / ´ __/_∨≧´ ̄ i
i  ̄ } { | } }
やはり俺は劉琨に似ているだろう? .:ィ} ―――‐〈 `ヽ ノ '
. _,. ≦ニニ:′ :} `ヾ三三三三≠
. _,. ≦ニニニニニ′ ≠一 ./\ ー
ニニ|ニニニニニニ { f ノ :\
ニニ{ニニニニ ___」__ ├≦{ ≧ ー― ≦
ニニ|ニ____/__ \ ノ:ニ∧ >= <
ニニ∨ニニニニニニ≧、 ヽ ,. ィ ニニニ∧ / ヽ
ニニ/ニニニニニニニニ\ ∨ニ7:ニニニ ∧ / :}
ニ=/ニニニニニニニニニニ\ヽ={:ニニニニ∧ ∧ /
ニ/ニニニニニニニニニニニ \}|ニニニニニ∨ ヽ___/
=/ニニニニニニニニニニニニニ}:ニニニニニ∧ } {
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そして、外出用の衣冠に着換え、自分と劉琨に似ているかと質問した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 910 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:03:39.13 ID:zDzkcsBp0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 面は大変似ていますが恨むべくは薄く、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ .眼は大変似ていますが恨むべくは小さく……
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 髭は大変似ていますが恨むべくは赤く、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ .形は大変似ていますが恨むべくは短く……
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 老婢曰く
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 911 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:04:13.59 ID:zDzkcsBp0
-
_____
/::::::::::::::::\
. i::::::::::::::::::::::::::::',
{::::::://{:{'⌒ヽ:::i
,.-―:'" ̄{::///_ノ' _≦_}:::|
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:从V//}={///j"フ
/.:.:.:.:,;.:.:.:.:./.:.:ト、. ゝ_ノ //:|.:.`:.:-..,_
{:.:i!.:.:.{.:.:.:.:{:.:.:.:.|. `、゙_.'ノ/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.`}
ゝ:.:、:.:l:.:.:.:>:.:.:!、./{iiii,.ヘ/:.<:.:,:.:.:.:.:./:!
}:.ヽ:.丶!:.:.:.!.:.:.:.:| /iiil' ./.:.:.:/:.{:.:.:/:.:.:.:!
.i:.:ヾ_,;.:.y.!:.:.:ヽ:.:.:.i {iiiii| /:.:.:,:':.:.:|:,:';.'.:.:.:.:.j
.!.:.:.:.:.:.:.:j .〕i!i;,:.\:.i!iiii!/;/:.:.:.:.|.;/.:.:.:.:.:/
.i!:.:.:.:.:.:.:i .fl!|i;゙'、:.:.:.`iー.':.:.:.:..γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
.{ヽ:.、:,;.:.j .{!゙|!; ./7ー―-- | ……声は大変似ていますが恨むべくは高いと老婢Aは思います |
!:.:.:.:,;:.'i'´ .゙ー+、{_,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ____________________________乂
|:.:.:.:.:.:./ ,;i|i|i!i!i!ヾ、._;;;'':.:.:.:.:.:.ヽー゙::::/
i:.:.:.:.:.:,' ./.:i!|!i!:.:.:''';;;;;;; ̄ ゙゙ー-:;_;ノ
ノ:.:.:.:.:.,'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./!'''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
.〈.:.:.:.:.:./_;.--:,;_:.:.:.:.:.:.:.:.:./;,{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
/"'┬/::::.:.:.:.:`:.:.、;.:.:.:/,;,;,!.:.:.:.:_,;.:_,;.:.:.:.:.|
/、 ./::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.`;',;,;,;/`ー;´:、.:.:.:.:.:,;,ヽ.:! ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
. ヽ{_,:'::::::::::::::::::::::.:.,;,;,;,;,;,;,;,;/i .!|\.:::::::::::::::::`:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
!::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.,/;;;|,,,,,,i!i、:::::::::::::::::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::.:.:.:./;;;;;j!;;;;;;;i!i::::::.:.:.:.:.:.:.:.::::::i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::://;;;;/;;;;;;;;;;{i!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'''''''''
.!,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/''''' ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:};;;;;;;;''''''''''''''
 ̄"'' ー―'′ 丶.___.ノ
- 912 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:05:09.86 ID:zDzkcsBp0
-
/⌒ :. :. :. :. :. :. :\
/ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
. ,:. :.| :. /| :. :. :|\:.:.:.|: :. :.
|:. :.| :∧|:. :. :リ⌒∨:| :. :.|
| : ルf伉|/|/ィ伉 }: ト :. :| あら?
∨ハ Vソ Vソリ: |ノ:. :|
ト 人'' _ ''厶:.|:. /:| 桓温殿の姿がないわね?
|/:《|:≧:.ァ‐z:._´:.|:.《X》 |
. ノ:. : |:.|:./ 不 い :|:. |:.|:.│
;. :. :.:|:.i// / ' V|:. |:.|:.│
/\___/ヽ
/,ノ ヽ、,__::::::\
|(●), 、(●)、.:::|
| ,,ノ(、_, ) ヽ、,, U .:|
<二ニヽ.`-=ニ=- ' .:::::::|
ああ、それがですね。 /-‐ `i `ニニ´ .::::::/
.{/´、 ',┐ー--´メ ┴ュ
先日訪ねてきた老婆の話で、 しrヽ V:::Λ / : : :>、_
劉琨に似ていないのが分かったので不貞腐れて寝ていますよ ,.<ハ、_/ ̄ V ∨ : : / : : : : :_>-.、
「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : /: : : : : `、
/. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
/ y : : : : : Λ : : : : : : : \ : : / : : : : : : : : : }
/ : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ノ/ : : : : : : : :j
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 老婢の話を聞いた桓温は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 衣服を解いて昏然と眠り、数日間気分が優れなかったという
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 913 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:06:03.06 ID:zDzkcsBp0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 劉琨→温嶠→桓温の流れ
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 16:17:33.08 ID:UefhFeiE0
- 乙でした。
そっくり同じだったら怖いからなんとなく似てるくらいで満足しておくべきだと思うんだけれどww
- 915 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 16:23:08.22 ID:zDzkcsBp0
- 【>>909修正】
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ハ::::::::::::: : //:::,イ::i::|::::/¨¨¨¨⌒ヾ
ハ::::::::::::::: //:://::::;イ::|::/
∧:::::::::::: /_,> ´7 }::|/
//:::::::/´ _,ノ //
/:::::::::/ /:{//≧/イ、 :| } 厶斗
{イ:/ ∠:从―――- 、 _ -―
/ .f、,f三三三三三ヾ r¬ f三三
待たせたな。 / ∧{ 三三三三三 ヲ-― 、三三
ノ 厶斗七⌒∨三三/{ }\三
どうだ? / ´ __/_∨≧´ ̄ i
i  ̄ } { | } }
やはり俺は劉琨に似ているだろう? .:ィ} ―――‐〈 `ヽ ノ '
. _,. ≦ニニ:′ :} `ヾ三三三三≠
. _,. ≦ニニニニニ′ ≠一 ./\ ー
ニニ|ニニニニニニ { f ノ :\
ニニ{ニニニニ ___」__ ├≦{ ≧ ー― ≦
ニニ|ニ____/__ \ ノ:ニ∧ >= <
ニニ∨ニニニニニニ≧、 ヽ ,. ィ ニニニ∧ / ヽ
ニニ/ニニニニニニニニ\ ∨ニ7:ニニニ ∧ / :}
ニ=/ニニニニニニニニニニ\ヽ={:ニニニニ∧ ∧ /
ニ/ニニニニニニニニニニニ \}|ニニニニニ∨ ヽ___/
=/ニニニニニニニニニニニニニ}:ニニニニニ∧ } {
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そして、外出用の衣冠に着換え、自分と劉琨が似ているかと質問した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 19:13:44.13 ID:tTg3hzsh0
- 乙です
劉琨さん生き様は忠烈だけど
器量才覚的には一流とは言えないし何をそこまでリスペクトしたんだろう
- 917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 21:29:28.92 ID:MFjO2hel0
- こういうのがあるからこやつは面白いww
- 918 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/05/12(日) 23:32:54.17 ID:zDzkcsBp0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l >>916
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .劉琨ガチ勢の温嶠さんが
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 色々吹き込んだんじゃないですかねえ。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .桓温さんちと仲が良かったようですし
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 00:37:26.86 ID:NXNBNmwh0
- >>916
徳より才ってのが現代人的じゃね
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 13:52:40.31 ID:1dewfNol0
- >>1さん乙です。
老婢「あなた様は劉琨様にとても良く似ておられます」
↓
桓温喜んで、衣冠を整え再登場
↓
老婢「よく見るとあまり劉琨様に似ていませんね」
↓
桓温ふて寝
この逸話大好きww世説新語は桓温を小人物に貶めて描いているという説もあるけど、この描き方は結構魅力ある描き方だと思うんだよね。
(「客が酒を飲まなかったら、自分の侍女たちを[ピーーー]」みたいに描かれた石崇や、(世説新語じゃないけど)同時代の五胡君主たちの描かれ方より相当ましなのでは?という感じが)
- 921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 22:58:28.33 ID:YQbgorZS0
- 桓温はやっぱ劉琨より曹操のなりそこないだよなあ
- 922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/14(火) 19:46:22.00 ID:7h0qI2H60
- まあ石勒が桓温を見たらおめえが劉琨な訳が無いだろボケ!
おめえは曹操や司馬懿と同じ類の人間じゃ!って吐き捨てそう
- 923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/14(火) 22:16:38.63 ID:JIftsUoVo
- 恐妻家と言う点ではしばちゅうさんとかぶりますな
- 924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/15(水) 21:47:41.41 ID:e9z6CZOY0
- 実際劉琨の生き様(死に様)は胸を打つものがある
- 925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/16(木) 14:06:19.15 ID:x2uSNwwX0
- 「なんとなく似ているけどよく見ると違う」程度の似具合だったのでしょうか。
- 926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/16(木) 22:18:57.51 ID:j0d3oxC40
- 劉琨さんはいい意味でしぶとい
- 927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 01:11:31.27 ID:C6U+90GrO
- 結局、昔っから名士貴族というのは「古の○○みたいな人だ」と有名人に例えられるのが好きなんだろうなあ
桓温もその例外では無いという事で・・・
- 928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 07:51:16.30 ID:C9zxoQZY0
- 「古の趙高(or王莽)みたいな人だ」とか称えてみたい
- 929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:30:13.16 ID:p+JLoy9eo
- 文才は司馬倫に匹敵し、軍才は陸機に匹敵する
- 930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 17:39:03.67 ID:EPViTUUg0
- 「華北が五胡勢力に席巻されていく中で、華北で最後まで奮闘した西晋勢力」ということで劉琨が特別視されていたんじゃないか。蜀漢でいえば姜維のポジション。
華北の西晋勢力のなかで誰が一番「西晋の忠臣っぽいか?」と考えると、やっぱり劉琨が代表者になるんじゃないかな。
(王浚はあまりにも梟雄感が強くて、あまり忠臣という感じはしないし。苟晞は西晋滅亡前に滅んでしまったし)
- 931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 07:36:23.28 ID:kYDK9nZv0
- >>929
もう全部倫さんで良いんじゃないかなって思わせる人品骨柄から器量才覚まで逆完璧超人な趙庶人
- 932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 12:05:37.39 ID:ayJ0C59j0
- 語源を調べると陸機が出てくることがちょいちょいあるから、詩文に暗い僕にも文才があったことは理解できる
流行語をいち早く取り入れたり、何なら自分で新語を造り出す方向の創作
- 933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 18:22:25.57 ID:wPjirQIt0
- 司馬懿の最大の失敗が司馬倫をこの世に生まれさせた事ってのが
割とマジな事なのが笑えん
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 18:42:18.14 ID:O7+AZhLLo
- 陸機は王羲之と並ぶ天可汗さんの推メンッスからね
- 935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 18:45:20.36 ID:O7+AZhLLo
- >>933
賈南風殺害で政治を混乱させたのと司馬逸の息子を殺害して司馬炎の嫡流を途絶えさせたってのがもうね
- 936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 20:00:18.68 ID:Mi12Jlct0
- 司馬倫は孫秀に騙された無能(と自分でも主張してたけど)というわけでもなくて、
自身も素で邪悪な面が多いのが始末に負えない。
- 937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 20:28:51.44 ID:50Iz07JY0
- 劉琨については徳行にすぐれているというだけでよかったんでしょ
才はあっても徳なんて欠片もないヤツが、この時代もその前後も掃いて捨てるほど
ひしめいている世の中だったし
- 938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 15:53:54.13 ID:7nO1FMRw0
- >>933
流石にそのりくつはおかしい
生まれてからの教育と、適度な待遇を行わなかったのが問題
遅くても斉万年の反乱の失敗で冷や飯食いにしておけばまだマシだった
- 939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 20:33:49.49 ID:lIwHqdQSo
- >>938
ボケ老人やるのに忙しくて教育に手が回らなかった説
司馬肜も含めて
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 23:06:35.22 ID:H/u/3mBzO
- 一夫多妻制の時代の、しかも仕事の多い権力者となると一人一人の子育てに割ける時間が無いから
子供の世話はどうしてもそれぞれの母親側に分散させるしか無いというのはあるよ
だから母方の身分が低くて教育のノウハウが不足してると、時々変なボンボンが現れる
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 23:49:23.83 ID:2Y6xMOi60
- 母方の一族の援助も薄くなるしね
- 942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/24(金) 21:56:29.36 ID:ETqiyrTn0
- >>940
日本とちうごくで違うかもしれないけど
最近読んだ「平安王朝と源平武士」によると、
母方がまともな官人であるか、あるいは母方の祖父や叔父に凶悪な無法者がいるかで、
異母兄弟間で性格や素行が同じ家とは思えないほど違っていたそうで、
母方の実家による養育の影響度の深さを分析していたわね
- 943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/25(土) 13:04:07.03 ID:O94jPMD+O
- 当時の日本は通い婚だし、母系の価値が父系より高かったのでは?
- 944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/25(土) 13:07:14.05 ID:zLU/30Qgo
- 母系の影響力って
君主だと外戚っていう用語になるくらい
- 945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/25(土) 21:13:33.02 ID:d6MZWFLiO
- 平安時代の藤原摂関家の権力が絶大だったのが、当時の天皇の大半が幼少期に
母方(藤原氏)の息のかかった教育を受けていたから、というのは間違いなくあると思う
- 946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 00:42:23.31 ID:PiwkKtOh0
- このスレの恵帝司馬衷さんも、八王でも司馬乂や司馬穎などの弟たちとはなんか交流を持った(仲が悪くなさそう?)描写があるのに
司馬倫には「諸卿の過ちではありません(ただし司馬倫は除く)」だの、司馬威には「殺さずにはいられません」だのと
司馬倫一派をぶっころす意欲満々なところがなんか印象に残ってる。
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/29(水) 03:59:34.11 ID:pdN6KW0j0
- 倫ちゃんは皇后のカタキだし、
司馬威は無理やり土地の権利書を奪う闇金の取り立てみたいなヤツだし
- 948 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/03(月) 00:12:42.46 ID:J8J2RSJh0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .御無沙汰しております。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | 近頃仕事やら私事で多忙でしたが、
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .ひとまず6/4(火)22:00頃から投下したいと思います
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 00:19:12.72 ID:+uKT8SqV0
- はーい
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 06:28:15.86 ID:DwvH2+UH0
- やったぜ
- 951 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:01:31.65 ID:ynnuQ/7i0
-
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 ( ●) (●)|
(@ ::::⌒(__人__)⌒) 「やる夫が正史を書くようです」第百九回です。
| |r┬-| |
\ `ー'´ / 当スレにおける本編の内容、
/ヽ、--ー、__,-‐´ 先の展開のネタバレ行為は禁止になっています。
/ > ヽ▼●▼<\ ー、.
/ ヽ、 \ i |。| |/ ヽ(ニ、`ヽ. そこのあなた、『漢晋春秋』如何ですか?
.l ヽ l |。| | r-、y`ニ ノ \
l | |ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--' /やる夫正史 /|
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______
/ .漢晋春秋/|  ̄|__」/__/漢晋春秋 |". ̄|__,」___ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/漢晋春秋./ ̄ ̄ ̄ ̄|/ 漢晋春秋 /| ./ .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
- 952 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:02:23.63 ID:ynnuQ/7i0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| はじめに .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 冉閔の乱以後の前燕について触れておきたい
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 953 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:03:21.25 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元352年4月 前燕 冀州 中山郡】
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l|
,' .│. リトk八儁.ハイ} 人. 晋朝の使者よ。
. ん | ! ● V ●{ヘl.
. // (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ 私は人々の困窮を受け、中国の民に推されて皇帝になった。
//. i⌒ヽ.\ ノゝ_/⌒)
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/ .そうあなたの天子へ伝えておきなさい
}. }. ∧`´ |.!:::::Y Y::::) / ヘ
//. /:::::ヾ_..ノ八:::::∨:::( 人/
前燕 皇帝 慕容儁
/\___/ヽ /\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\ /'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:| |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|. | ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
| `-=ニ=- ' .:::::::| | `-=ニ=- ' .:::::::|
ええ…… .\ `ニニ´ .:::::/, \ `ニニ´ .:::::/,
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、. ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
. : | '; \_____ ノ.| ヽ i.''~: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | | \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || > ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 慕容儁が帝号を僭称し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 国号を燕と称したのは東晋の永和八年(三五二年)四月。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .東晋では殷浩が北伐に着手しようとしていた頃だ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 954 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:04:07.74 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元352年7月 前燕 首都 薊】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .申し上げます!
,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l 博陵郡の魯口で趙の呂護が反乱を起こしました!!
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
魯口? .|l l /〃 ヽ ヽ} | 、 ヽ
ljハ トkハ儁从斗j. | ',
少し前に反乱鎮圧した場所じゃない! l∧}● V ● ! |、 ハ
ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \
もう一度戦術慕容恪発動よ!! /⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、冉閔を滅ぼしても旧後趙諸将の反乱に頭を悩まされていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 955 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:05:00.23 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元354年3月 前燕 冀州 魯口】
___ /:::∨//」: : : \: ::\
`マ//// 斗――::\: : : :ヽ: : :ヽ
f⌒マ//: : : : : : : :. :.:☆:::|:..|: : : |
乂__j/:..:l: : : \: \_: :∨:..|: : : |
/ |: 八ト、\:`く_jL斗イ| :..|: : : |
\l|::∨X:\У┘代う儿..:|: :|.:.|
八: ::Y代う | :|: :|.:.| もう悪さはしない?
∨::∧ ′ |: |: :|.:.|\
∨:|: l>、 - ' /|: |: :|.:.|\\
∨..:|:| l>--イ /: :|:八: \: : :\
V:|:| |:_l>/j /: : |{ `ー_、:\::\
V::|7/ /{ /|.:.:从 /:::::斗、 \::\
,/.|:.:|/ 厂_У 从{ / /::::/. . . .\ \∧
/. .|从 | / ====' /::::::{. . . . . . . |\〈∧
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ ;
/⌒`´⌒:#;; \
| -)___(-、 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
我々の主呂護は司隷の野王に逃亡しましたっていう! |#; |!!il|i|!li| l | ヽ
\ ・`⌒´ / / :##;; ヽ
残された者一同、 /` .`ijー─‐'"/ / ̄ ̄フ\ ノ
慕容恪将軍の御慈悲にすがるばかりですっていう!! / / ;/ / / / /
/ / ・. / / /;; / ∠_,-
⊂二⊂ノ / /;; (__/ ∠__,- 丶
⊂二_ノ (________ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 始末の悪い事に、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 後趙諸将は東晋・前秦に通じ、時には前燕に帰順しつつ抵抗を続けた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 956 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:05:51.53 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元354年3月 前燕 首都 薊】
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、| 元趙の将軍の呂護でございますっていう。
| l ____ l |
\ `ー'´ / .陛下に帰順するので、
/⌒ヽ ー‐ ィヽ これまでの諸々の罪はどうか御容赦をっていう
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | .,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
|l l /〃 ヽ ヽ} | 、 ヽ
ljハ トkハ儁从斗j. | ',
まあ、いいでしょう。 l∧}● V ● ! |、 ハ
ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \
我が国のために励んで頂戴 /⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 例えば元は後趙の将軍だった呂護。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 冉閔に背き河南・河内・河東三郡の地と共に東晋に帰順後、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 冀州の魯口で割拠した元同僚の王午という人物に帰順している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 王午が配下に殺されると安国王を自称して割拠、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 慕容恪が魯口を攻撃すると司隷の野王に逃げて前燕に謝罪・帰順した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 957 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:06:21.69 ID:ynnuQ/7i0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V 裏では東晋に内通していたのだが
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
|l l /〃 ヽ ヽ} | 、 ヽ
そうは言っても、 ljハ トkハ儁从斗j. | ',
今は敵が多過ぎて、帰順を受け入れるしかないのよ。 l∧}● V ● ! |、 ハ
ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \
いずれ二心を抱くようなら討伐しないとね /⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
- 958 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:07:47.34 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元355年10月 晋 青州 広固】
{/ \ } V
, , / V :、 V
/ / ‖ i V :, '
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨,龕 |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .| 慕容儁め。
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } | .建康へ称藩していたのに
.| . |‘, ./ } j} .| .帝位を称するとは不届千万。
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .|
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ .つまる所、貴様が皇帝になりたいだけだろう
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / `iト .,
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / `':┐
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。s≦` .|
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ |
/}/ / ./ / /|V.∧ ∨ \\{ {∨ ∧ .|
_/:/⌒`iト ./ _/ /_.|_∨∧_ ィi〔⌒\{ ∨ ∧ _.jL
_ -=::::::/ \\∧ / ././ \::\ \_ _。s≦ ∨
-=≦}::::::::::::/ ヽ `∨ ' ' ∨:::`i' { ∨
段部 斉王 段龕
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 旧後趙諸将で特に勢力が強かったのが青州に割拠していた段龕。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼は斉王を称して東晋へ称藩を行い、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 改めて斉公・鎮北将軍に任命されていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 慕容儁へ皇帝即位に抗議する手紙を送り付けている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 959 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:08:24.93 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元355年10月 晋 并州 晋陽】
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 并州の王に! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ ) >
< 俺はなる!! >
< (
| ;`;| /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
| ;'l:| i'`'i 、 ┌个┐| | .:_|___.
!:`l'| ζ\ |;`;| ‖ | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:`L..r─Lム、
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> | └┴┬i::::|==========|: :Lム、ロ.::|
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// / |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r、]: :: . : . : .::|
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.: ,、 |. : : : :.: :\:|:::::::::::::::::::::/. : : . ┌::、 /〉:
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::: _ .||_ | : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : -┘:::L、r‐//┐ ,、:
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::://\| ::::ト、__ : : :||_'//、п‖::.:l| : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ニl.r┴、_|_|_|:>:::::〈. ::〈|-、_/::::::..\r':.|.::[,/T>.:/ロ〃乢.>''「 ̄ ̄|[ ̄ ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄ ̄|「
-TニTニTニTニTニTニTニTニT《┴┐::| .:::|_rェ :::|:.:..|-i_::_r√ソ\>へ:| :|:ln| :]:|:П叮/7_」L_:.」L____.」L ___.」L
~三三三三:.三」L三三三」L三三〉〉┬┴┤ .:|_;!:..|:::..|::::.|\.::::》: :::L;:.::r| .L/俚⊥》> ̄]匚 ̄ ̄]「 ̄ ̄]「 ̄「 ̄ ̄]「 ̄
L l「 ̄ ̄ ̄|「  ̄ ̄|「 ̄ ̄|r'.:| .:|ー:|_ .|::::.l\|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~::::::::::::::::::}「 ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄l[ ̄|「 ̄ ̄l[ ̄
]_」L:___」L____」|__ |》〉 ~゛`┴::-'⊥::.俚⊥!:::::::::::::::::::::::::::::::::::>''「 ̄ ̄|[ ̄ ̄ ̄____」L:._:.」「 」L:._:.」「
]「 ̄ ̄]:[ ̄ ̄ ̄]匚」[ ̄][く《:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/7_」L_:.」L___|「 ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄
 ̄|「 ||  ̄ ̄|「 ̄TニT ,, 》> ̄]匚 ̄ ̄]「 ̄ ̄,,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、并州に割拠していた張平。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j こちらは前秦・前燕・東晋の三国に称藩しつつ、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .并州諸郡を支配下に加えて十万戸余りを従えるまでになっていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 960 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:09:30.18 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元355年11月 前燕 首都 薊】
L \ ___ / }
r ¨ハ_ノ:::::::::::::::::::::L_人
V(_ノ]_] 二二二 [ [_}::::\
_ノ~ア「:::::::::/::::::::::::::::::::<>:::::ヽ
⌒アL 」i:::::::::|::::::::::::|:::::::::::::|:::::::::::
|:::::::L ⌒」L:::::::」L⌒Li |:::::|::::i
|:::::::|xれ笊 笊うx.|:::::|::::|
|:::::::|ト ∨り ∨り ノ|:::::|::::| 青州の段龕を討ってこいと?
|:::::::ト |:::::|::::|
|:::::::|人 ヽ ノ イ|:::::|::::|
ノう「):::::V/> ___ <" |:::::|::::|
{ 二)}:::::::VL ノ L_/\Li__|:::::|::::|
ヽ´ ノ∧:::ヤ こう」三Lこう[ |:::::|::::|
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
|l l /〃 ヽ ヽ} | 、 ヽ
今さらどの面下げて晋に称藩しているのかと? ljハ トkハ儁从斗j. | ',
l∧}● V ● ! |、 ハ
けれど、黄河を渡るのが難しいのなら、 ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \
代わりに野王にいる呂護を討ってきなさい /⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 東晋の永和十一年(三五五年)十一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 慕容儁は慕容恪らに段龕討伐を命じている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 961 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:10:35.01 ID:ynnuQ/7i0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 前燕軍は初めて黄河を渡った。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .これに当たって、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 慕容儁と慕容恪が慎重に事を運んだ様子が史書に見える
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 962 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:11:32.94 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元355年12月 前燕 冀州 平原郡】
//( ̄八 \` < \: : : : : -─/ ./ .|ヽ: : : :}: :.:/ }: : :/ニ Vハ\ |:::::/ '
./( \__.\ \ \}イ : : : : :人.{_彡':寸: : ノ: :/ー/: : :ハニニ.寸 |}l |::/:/
{ >才: : : : \ \ .|>────-\\:≧=ー-=彡:/ ノ ̄ ∨:.}_///: ' \
.//: : : : : : : : :>r≦l{-=ニ二 ̄ ̄二ニ∧: \: ー-=≦ー=彡 | /: :厶イ/ ̄ ̄
{/: : : : : : : :./ ( {/: : : : : : : : : : : : : < >: : : : :二ニ=ー=≦: :/: :/:.| ∧
/: : : :/ ̄ 乂 /: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.∧: :.\: : : : )V/: : :彡イ:/: /∨: :}
,イ: :/{ (二>≦l: : : : : : : : : : : : :\: : : : V: ∧\: \:彡':∨ )V: : : :/}:/}: : '
|:/ 八 \彡イ.|: : : : : :|乂: : : : : : :/, イlV:.∧: :\:.:\_彡ノ:彡' ///: :/
|l く 从: : : :八≧寸寸寸ィ匁ツ ハ: ∧: : : ≧==≦辷ニ艾彡:./) 段部の軍勢は
乂 /: :>ー: :乂:{\{ 艾沁 {::∧: :.\ ≧==}∨: : : : :): : : /く:i:i7 黄河の南にいないみたいね。
/: : :斗≦ 厶|\个ー ' 乂:∧ \:\ 厶イ_ /厶イ .ハ
{ : :/ ./ || |:|: :个::.... -‐ // \≧ニ=彡ー=ニ斗彡イ.__/:i∧ .今のうちに渡河しましょう
.八:.乂 ./ 从 乂: : : :\::::≧彡〈 / >ー--彳 \__人_人从_人_人从/
\( / \ \:/):.:\ 7~ー 厶イ/:i:i:| _) (__
Y´O ̄\ /ニ二ノー=ニ_/_|≧≦彡 /:i:i:i:i|:i ) 殿下ッ! (
/ O \.//二ノ|\ /:i:i:i二ニ=≦:i:i:i:i:i:i/:i: ̄ ̄) ( ̄ ̄
// ̄ ̄\ 厶イ才 |\∨ー---=彡\ 寸:i:i:i:i /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
(/ V.| 彡 / ∨≧寸:i:i:i:i:i|:i:i:i\/\/ /厶:i:i:i/ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ___ 'ム / / |∨:i:i:i:|:i:i:i/', \ .///:i:i:i:i:∧ ) >
./ ./ ///≦ /─-/- | V:i:i:i:/ V‐=ニ\__///:i:i:i:i:i:i:i∧ < せめて舟に乗って!! >
/>─- | | |.| イ:八_/ ≧l≦V/|ニニニ∨斗:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}V ̄ ̄ < (
./ | V∧寸:i| |/l:i:i:i:≧=-=ニ|ニ=斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{寸:i| ̄ ̄ ┣¨┣¨┣¨/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『十六国春秋』『前燕録』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段龕が黄河南岸の守備を固めていた場合は攻撃を断念する予定だった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ところが、段龕が黄河沿いに兵を置かなかったため、
`ヘ:ゝ .' 小/ 慕容恪は諸軍を分遣して黄河の上流から舟で渡河を行った
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 963 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:12:24.85 ID:ynnuQ/7i0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇●広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ そして、淄水の南、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .広固から二百余里の地点で段龕率いる三万の軍勢と交戦。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .これに大勝した
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 964 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:13:19.32 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元356年1月 晋 青州 広固】
(~)
,へ,__ γ´⌒ヽ
_| i `ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:} 広固を包囲しました!
.//| 〇__(`・ω・´)
(/./⌒)___,>、_ ) (´⌒(´⌒;;≡≡ すぐに攻め落として、段龕を討ち取りましょう!!
.|/ //、 ヽ、_ノ (´⌒(´≡≡≡(´⌒
/ //^ヽ、i |≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
(___./ ̄`⌒ヽ、 丿(´⌒(´⌒;;
∨ >、 _
〉// >、: : : : `:..、
___ /:::∨//」: : : \: ::\
`マ//// 斗――::\: : : :ヽ: : :ヽ
f⌒マ//: : : : : : : :. :.:☆:::|:..|: : : |
乂__j/:..:l: : : \: \_: :∨:..|: : : |
/ |: 八ト、\:`く_jL斗イ| :..|: : : |
我が軍が優勢だから、 \l|::∨X:\У┘代う儿..:|: :|.:.|
相手を束縛して守りを固めて疲弊するのを待ちましょう。 八: ::Y代う | :|: :|.:.|
∨::∧ ′ |: |: :|.:.|\
段龕の兵は精強で天険をもって城を固めているわ。 ∨:|: l>、 - ' /|: |: :|.:.|\\
∨..:|:| l>--イ /: :|:八: \: : :\
力攻めでも数十日で攻略できるけれど犠牲が大きくなる V:|:| |:_l>/j /: : |{ `ー_、:\::\
V::|7/ /{ /|.:.:从 /:::::斗、 \::\
,/.|:.:|/ 厂_У 从{ / /::::/. . . .\ \∧
/. .|从 | / ====' /::::::{. . . . . . . |\〈∧
.:'. .|/_>、/,ィ二>、―':::::∨. .... . ..\ト、: Y: l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段龕は広固に逃走して城を固守したため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 慕容恪は青州の郡県を懐柔しつつ広固を包囲
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 965 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:14:02.08 ID:ynnuQ/7i0
-
|////>、 -‐...――- _ ,イ/////|
|//////`く: : : : : : : : : : : :..,.イ //////|
V/////// 〉:,.斗―――-`マ /////∧
∨/////イ -―――- `く////:.∧
/ ̄`く ///: : : : :/ : : : : : :| : :\`く: : : ∧
lし'⌒ヽ Y /. : : :..:| :. : : : :.|.:..:.| : : |: \}\ : :|
`く:::::::::ノl/.: .: :.|: :| |:..|: : :. :.|:..:..| : : |...:.:く厂〉..:|
/::厂|: :/ : :|.:.:.|: :| |:..|: : :. :.|l..-|― ト: :|:l∨:..: |
l/|::| |: :|:| : |:.斗::f千l|: : :. :.|l..:.:| : : | : l|:|: : : : |
└l┘ |:|:ィ|.:..:|: :| |:儿: _儿斗==气儿: |: : .:|
|: l.:从: :|,.斗=f气ヽ ノ八rうク 厶|/ : : :| 中原での戦が始まってから兵は休息できていない。
| :|:{:..:V八 Vしク、 ´"" ` |: : : /l
|: |: : ::∧ ´"´` ′ / :| 人命を軽んじて良いはずがないわ。
\\.:.:∧ ′ /: : /: ∧
∧. : :.:∧ , : : / : :|:.| .広固は持久戦で取りましょう
|:∧ :\/:>、 ` ´ ,.イ: : /: : /|.:|
| |:∧: : \: :> .イ|:/ : : : ::∧|:.|
| | :.∧\::|: |У>、≧=千く ,仆 : /::∧/|.:| \人_人,_从人_人_人,_从,人/
| l: :| ∧ :..|: |{ { l厂 // |: : |:∧//|:.| ) なるほど! (
___j_廴厶イ..: | :| } } {{ { { |: : |:|/\_j_廴___ /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
/ ____ |: : |: |<〔_ j}_jl_jノ|: : |:|`ー――‐- 、 `>、
/ヽ/二二ニニニニ|: : | :|  ̄A ̄ |: : |:|マニニニニニ>/=∧ \人_人,_从人_人_人,_从,人/
/ニ∨ニニニニニニ|.|:..|: | [」 八:..:|:| ∨ニマ〈ニニ/ニニ| ) 御意ッ!! (
|ニニ∨ニニ/7ニ二/l.|.:.|: | {{ { Υ:| マニマニニ/ニニ=| /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
|ニニ=∨ /7ニニ/ 从..|: | {{ |: | _∨ニマニ/二二ニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 攻城に際して持久戦を選択した慕容恪に
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 諸将が感服する話が『晋書』『慕容儁載記』にある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .我々は前燕に戦が強い印象を抱くが、彼らは彼らで苦しい状況にあった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 966 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:16:34.11 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元356年11月 晋 青州 広固】
/ { ',
/ ′/ { | 、\ ,
|ヽ/|/|/小, |\j\l}ヽ∧
|/\斗==ミ 、 |斗=ミ }/^\,
| | (@) \| (@) 狄 .脳筋の慕容部に持久戦という選択肢はない!
| |//// ′////i} i
| | u / ̄ ̄\ 爪 | そう思っていた時期が私にもあった!!
| | {⌒` ⌒ } J/ノ} |
| 圦 U  ̄ こ ̄ /イ] | .さあ、煮るなり焼くなり好きにしろ!!
! | \ /| ̄l|
.r', | || ゛ __ イ |ー| {И ′
「 , | |l__ -=ニニ=-_i|__| { ! ∧ 〉// >、: : : : `:..、
_ | l , | |⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]_jLj / ', ___ /:::∨//」: : : \: ::\
`マ//// 斗――::\: : : :ヽ: : :ヽ
f⌒マ//: : : : : : : :. :.:☆:::|:..|: : : |
乂__j/:..:l: : : \: \_: :∨:..|: : : |
/ |: 八ト、\:`く_jL斗イ| :..|: : : |
\l|::∨X:\У┘代う儿..:|: :|.:.|
八: ::Y代う | :|: :|.:.|
私の一存では決められないのよ。 ∨::∧ ′ |: |: :|.:.|\
∨:|: l>、 - ' /|: |: :|.:.|\\
薊の陛下の下へ護送するわね ∨..:|:| l>--イ /: :|:八: \: : :\
V:|:| |:_l>/j /: : |{ `ー_、:\::\
V::|7/ /{ /|.:.:从 /:::::斗、 \::\
,/.|:.:|/ 厂_У 从{ / /::::/. . . .\ \∧
/. .|从 | / ====' /::::::{. . . . . . . |\〈∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 東晋の永和十二年(三五六年)十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容恪は広固は陥落させ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 降伏した段龕を伏順将軍に任命し、守備隊を残して帰還した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 鮮卑胡羯三千余戸を薊に移したと『晋書』『慕容儁載記』は記す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 967 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:17:50.24 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年6月 前燕 首都 薊】
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l| 好きにしろって?
,' .│. リトk八儁.ハイ} 人.
. ん | ! ● V ●{ヘl. じゃあ坑にしてあげるわ。
. // (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ
//. i⌒ヽ.\ ノゝ_/⌒) ついでに、あなたの目も潰した上で
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/
}. }. ∧`´ |.!:::::Y Y::::) / ヘ
//. /:::::ヾ_..ノ八:::::∨:::( 人/ / { ',
/ ′/ { | 、\ ,
|ヽ/|/|/小, |\j\l}ヽ∧
|/\斗==ミ 、 |斗=ミ }/^\,
| | (@) \| (@) 狄
| |//// ′////i} i
| | u / ̄ ̄\ 爪 |
おおおおおおッ!!! | | {⌒` ⌒ } J/ノ} |
| 圦 U  ̄ こ ̄ /イ] |
! | \ /| ̄l|
r', | || ゛ __ イ |ー| {И ′
「 , | |l__ -=ニニ=-_i|__| { ! ∧ _
_ -  ̄ - _ | l , | |⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]_jLj / ', / \
_ - 、丶`⌒ )< v⌒`ア /∧\ > ̄ ̄_うぅ。、 ' /⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 翌升平元年(三五七年)六月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容儁は段龕とその徒党三千余人を坑殺した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .翌年には段末波の息子の段勤も
`ヘ:ゝ .' 小/ 東晋へ通じた罪で誅殺され、段部の勢力は慕容部に吸収される形となった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 968 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:19:01.40 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年3月 晋 兗州 東郡】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 【東郡】 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ 【泰山郡】 r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 前燕の青州併合は東晋を刺激するには充分だった。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .升平元年(三五七年)三月、
\ヽ、 _ , イ!::/ 安西将軍謝奕・北中郎将荀羨らの軍勢は北伐を開始。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .泰山郡、次いで東郡に軍勢を進出させた
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 969 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:19:50.25 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年10月 晋 兗州 東郡】
//( ̄八 \` < \: : : : : -─/ ./ .|ヽ: : : :}: :.:/ }: : :/ニ Vハ\ |:::::/ '
./( \__.\ \ \}イ : : : : :人.{_彡':寸: : ノ: :/ー/: : :ハニニ.寸 |}l |::/:/
{ >才: : : : \ \ .|>────-\\:≧=ー-=彡:/ ノ ̄ ∨:.}_///: ' \
.//: : : : : : : : :>r≦l{-=ニ二 ̄ ̄二ニ∧: \: ー-=≦ー=彡 | /: :厶イ/ ̄ ̄
{/: : : : : : : :./ ( {/: : : : : : : : : : : : : < >: : : : :二ニ=ー=≦: :/: :/:.| ∧
/: : : :/ ̄ 乂 /: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.∧: :.\: : : : )V/: : :彡イ:/: /∨: :}
,イ: :/{ (二>≦l: : : : : : : : : : : : :\: : : : V: ∧\: \:彡':∨ )V: : : :/}:/}: : '
|:/ 八 \彡イ.|: : : : : :|乂: : : : : : :/, イlV:.∧: :\:.:\_彡ノ:彡' ///: :/
|l く 从: : : :八≧寸寸寸ィ匁ツ ハ: ∧: : : ≧==≦辷ニ艾彡:./)
乂 /: :>ー: :乂:{\{ 艾沁 {::∧: :.\ ≧==}∨: : \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/: : :斗≦ 厶|\个ー ' 乂:∧ \:\ 厶イ_ ) >
{ : :/ ./ || |:|: :个::.... -‐ // \≧ニ=彡ー=ニ斗< 慕容恪だ!! >
.八:.乂 ./ 从 乂: : : :\::::≧彡〈 / >ー--彳 V| < (
\( / \ \:/):.:\ 7~ー 厶イ/:i:i:|二二| /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
Y´O ̄\ /ニ二ノー=ニ_/_|≧≦彡 /:i:i:i:i|:i:i:i:i/ー- V 〉:i:〉
/ O \.//二ノ|\ /:i:i:i二ニ=≦:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:/  ̄/寸/
// ̄ ̄\ 厶イ才 |\∨ー---=彡\ 寸:i:i:i:i:/ ー- .//:i:\ \__人_人从_人_人从/
(/ V.| 彡 / ∨≧寸:i:i:i:i:i|:i:i:i\/\/ /厶:i:i:i/ _) (__
/ ___ 'ム / / |∨:i:i:i:|:i:i:i/', \ .///:i:i:i:i:∧ ) 逃げろッ!!! (
./ ./ ///≦ /─-/- | V:i:i:i:/ V‐=ニ\__///:i:i:i:i:i:i:i∧  ̄ ̄) ( ̄ ̄
/>─- | | |.| イ:八_/ ≧l≦V/|ニニニ∨斗:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}V ̄ ̄ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
./ | V∧寸:i| |/l:i:i:i:≧=-=ニ|ニ=斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{寸:i| ̄ ̄
.人 V∧>' \:i:i:i:/\:i:i:i:i:/\:i:i:/∨\/: : : :.'
乂 _≧=-く/ V/V//\/////|77/: : : : : : : : :/┣¨┣¨┣¨┣¨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容儁は慕容恪に晋軍を防がせ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 晋軍は敗績したと『十六国春秋』『前燕録』は記している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 泰山郡太守諸葛攸は任地へ逃走、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 梁・宋の地を拠点としていた西中郎将謝万も遁走してしまった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 970 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:22:27.64 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年10月 晋 豫州 潁川郡】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :}
| : レ .|:::::::::○三三○ l :| ウマ娘に人間が勝てるわけありませんでしたと郡太守Aは降伏します
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ / } `ヤ \ \
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ _ノ'" ⌒ア / ̄  ̄ ̄] ]「∧ \ ヽ
⌒ヽ~ ¨¨"ア¨ / ̄ ̄  ̄ ̄~や^L
\ ;' / .厶/ . i
/^ア` | . ヽ i | |
{\_「 | i | | ⌒ L 人 | | {
\ァ| | _| j抖斥ぅt] | | | | |
ノ | 「 L イ V)ヅ | | | | |
L八 」抖斥x | 八 | | i
人「八Vツ | 「' | 八
V,ヽ ` | | ∨ ヽ
| 人 、 ノ | | |/ 、
| / 介 ` .イ| | | i \ \
| //| i〕>-t ソ| | 人L >t \
i ' | || | ト,Y ノ| |八 \ ¨¨アア厂 ⌒ヽ
∧ |L L | |i 「 | 「´ \て / // ',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 慕容恪の軍勢は進軍を続けて河南へ侵入し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 汝南・潁川・譙・沛の諸郡を陥落させ、守宰を置いて帰還している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .前燕の勢力は兗州から豫州に拡大し、東晋の国土に楔を打つ形となった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 971 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:23:31.74 ID:ynnuQ/7i0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ なお、慕容恪の軍勢から遁走した西中郎将謝万は謝安の弟だ。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 前回少し話に出たが、
l::\ l /‖::l .庶人に落とされるわけである
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l ´:::::/:::::::::::::::::::: `丶、
/::::::/ :::::::::::::::::::::::: \:::::\
/::::/::/::::::/::::::::::::::/ ::::::::: ト::::::::::.
/ :::::::/::::::/:::::::::::/}::::::::::::::|∧:::::::::..
;:::::::::::::::::: |_彡< /::::::::/::/ i:::::::::::\
|::::::|:::|::::;斗=ァミ_ /::::::::/::/‐¬ト:::::|::::::::\
. ,::::::八|:弌 r公リ /∨/}斗ァ=ミ|:::::::|::|¨¨⌒
謝奕の弟で、謝万の兄です。 /i ::::| :::::::::ゝ r公リ 》:::::|::|
. /:::i ::::|:::::i::::| / 7 :::::: |
おかげで洛陽・許昌が孤立する恐れが出てきたものね / ::::i ::::|:::人::| / ::::::|リ
. / ::::: i ::::| ::::::仆 . ' ヽ /|:::::::::|
/ ::i ::: |:::::::::::::::|个ト イ´| ::::|::|
. / ::: i:: 八::::/| ::::|::L| ー=≦::::::::i::::| ::::|::|
/:::::::::i::::_V:::| ::::|/ ≧=- ,,_ / ::::: i::::| ::::|::|
.::::::::::: i:i《二》《| ::::|\ └片i ::::i::::| ::i:|::|
:::::::_,,::斗匕\_| ::::| /∨_,丈::ノ::;;| ::i]八_
|::: / | ::i:| ∨\∧ }}\《^| ::|ニ二》
|::::|⌒丶 | ::i:| ∨/ 厂[\\| i:|《 ::|::\
晋 太尉司馬 謝安
- 972 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:24:57.47 ID:ynnuQ/7i0
- 【>>971修正】
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ なお、慕容恪の軍勢から遁走した西中郎将謝万は謝安の弟だ。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 前回少し話に出たが、
l::\ l /‖::l .庶人に落とされるわけである
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l ´:::::/:::::::::::::::::::: `丶、
/::::::/ :::::::::::::::::::::::: \:::::\
/::::/::/::::::/::::::::::::::/ ::::::::: ト::::::::::.
/ :::::::/::::::/:::::::::::/}::::::::::::::|∧:::::::::..
;:::::::::::::::::: |_彡< /::::::::/::/ i:::::::::::\
|::::::|:::|::::;斗=ァミ_ /::::::::/::/‐¬ト:::::|::::::::\
. ,::::::八|:弌 r公リ /∨/}斗ァ=ミ|:::::::|::|¨¨⌒
謝奕の弟で、謝万の兄です。 /i ::::| :::::::::ゝ r公リ 》:::::|::|
. /:::i ::::|:::::i::::| / 7 :::::: |
おかげで洛陽・許昌が孤立する恐れが出てきたものね / ::::i ::::|:::人::| / ::::::|リ
. / ::::: i ::::| ::::::仆 . ' ヽ /|:::::::::|
/ ::i ::: |:::::::::::::::|个ト イ´| ::::|::|
. / ::: i:: 八::::/| ::::|::L| ー=≦::::::::i::::| ::::|::|
/:::::::::i::::_V:::| ::::|/ ≧=- ,,_ / ::::: i::::| ::::|::|
.::::::::::: i:i《二》《| ::::|\ └片i ::::i::::| ::i:|::|
:::::::_,,::斗匕\_| ::::| /∨_,丈::ノ::;;| ::i]八_
|::: / | ::i:| ∨\∧ }}\《^| ::|ニ二》
|::::|⌒丶 | ::i:| ∨/ 厂[\\| i:|《 ::|::\
晋 太尉司馬 謝安
- 973 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:25:39.81 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年2月 前燕 幽州 上谷郡】
:::::::::::::::....... ,_
;;;;:,,:::.... _ ィ;:).ヽ ,,
彡(ヽ,:::::::::....... (. | | てヽ),,;彡(ヽ
/ `' ) | /ヾヽー' / `'
|ヽ |ヽ  ̄|へ =ミ≡(. | | /
lソ/ミミミミ;, く|)ヽ_、 ノ ) ノ << ヽ丶
ゝ くi \ ハ / へ ヽヽ ヾ ヽ、ミヾ ヽ、
( \ \ .. .. く|)ヽ_、 ...... : .. ゝ ヽミゝ ヽ
-,,,, \ ソ ...... : .. ハ ー=彡三彡彡彡丿\┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
/ ''''-◎ ll .. : .... -ー=彡三彡彡彡彡丿 ヽ
;;;;;;;;::::::::........ ,. ‐'''' ̄''ー 、 ll ー=彡三彡彡彡彡彡ノ く)\
;;;;;;;;;;;;;,,,,,,.../;;;;/;;l l ヽ`'、 ll ... ..: ー=彡三彡彡彡彡彡彡ヾヽ \
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;/;;;;;;l;;;;,,,, l ヽ `ヽil ー=彡三彡彡彡彡彡彡彡彡 ヾヽ
┏━━━━━━━━━━━━┓
/ニニニニニY
/ニニ>――┴<
. /ニ/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/ニ/:.:.:.:./:.:.:|:. |:.:.:.:.|...l.:.',
{ニ/:.:.:. : |:.:.メ.:.」:.:.:斗:」:.:.l
. /i|:.:.:.:.:.:.| ∩  ̄∩|:.:.:|
. 〉i|:.:.:.:.:.:.| ∪ ∪{:.:.:| なぎはらえー!!!
ヾム:.:.:.:.: | /^ー┐ ):.:|
. , -ヽ:.:.人_(:::::::::::ソ.イ/:./
. /ニ\ニ=‐:\∨ ̄|x/イ
前燕 呉王 慕容垂
┗━━━━━━━━━━━━┛
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同年。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 塞北において、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 慕容垂が歩騎八万を率いて丁零を大破。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ この後に東夷校尉・平州刺史として遼東に駐屯している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 974 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:26:29.23 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元357年11月 前燕 首都 薊】
○________
.|:| .| /イ
|:l .| .///
__ ィ ,. -――- 、 |:| 慕 容 .!// /
/ / \. |:l .|/ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./ / / 儁 l l l lハ |:| .l / そうだ!
ト、 ,.  ̄ ̄Τ 弋tァ― `ー / l从 |メ|_l l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄ |
ヽ \__∠ -――く __ .Z¨¨\ N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\| / / | 鄴へ行こう!!
ヽ ∠____vvV____ヽ < ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ . \ / / \
. \\_____ivvvvvvvv| V. ( ( /Tえハフ{ V ‐一 '´ / __. -―=-`
\! | / 入_.V/| >-ヘ \:::∨::∧ ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /
__ |\ l/V _{_____/x| (_|::::__ノ }ィ介ーヘ / ,.-‐ ' ´ / ____ フ ∧
)-ヘ j ̄} /| /___/xx| _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___ { / `< /
{ V /`7. /___./xXハ ( |:::::::::::::::::ハ >' ____ 二二二二二二> / __ 〈
. \_ |/ /___l XX∧ __≧__::::::::/:∧/ `丶、 / { {____ハ }
| ヽ /____|]]∧ __|__L.∠ ム' <`丶 、 `丶、 / \_____/ /
| ', { |]]]>' __ ∧ l\ \ 丶、 ` 、 ∠ -――- ..____ノ /
ノ } l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/ V' \ ヽ `丶\/ /
/ ∧ { \ | .|>' / // :/ :/ : ', l \ ヽ ,.-――┬ \ /
入ノ. ヽ く ヽ______7 ー―∠__ 〃 l :/ :l l \V ヽ \ ,. '´
`ー′ \ `< | { / | /〃 :|/ __V/ ̄| ̄ ̄{_ \_ ` <
\ `' ┴ヘ { .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' | / ノ`y‐一' >、_/ / ̄ 7丶、_ 丶
\ ヽ /`ー「と_し^´ | | } ム-‐' / / \_/ / / ヘ \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容儁は鄴へ遷都した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .中華の皇帝たらんという意志の表れと、
`ヘ:ゝ .' 小/ 冀州を直接統治する必要性に駆られての事だろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 975 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:27:08.81 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年9月 晋 并州 晋陽】
!:`l'| ζ\ |;`;| ‖ | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:`L..r─Lム、
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> | └┴┬i::::|==========|: :Lム、ロ.::|
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// / |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r、]: :: . : . : .::|
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.: ,、 |. : : : :.: :\:|:::::::::::::::::::::/. : : . ┌::、 /〉:
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::: _ .||_ | : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : -┘:::L、r‐//┐ ,、:
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::://\| ::::ト、__ : : :||_'//、п‖::.:l| : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ニl.r┴、_|_|_|:>:::::〈. ::〈|-、_/::::::..\r':.|.::[,/T>.:/ロ〃乢.>''「 ̄ ̄|[ ̄ ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄ ̄|「
-TニTニTニTニTニTニTニTニT《┴┐::| .:::|_rェ :::|:.:..|-i_::_r√ソ\>へ:| :|:ln| :]:|:П叮/7_」L_:.」L____.」L ___.」L
~三三三三:.三」L三三三」L三三〉〉┬┴┤ .:|_;!:..|:::..|::::.|\.::::》: :::L;:.::r| .L/俚⊥》> ̄]匚 ̄ ̄]「 ̄ ̄]「 ̄「 ̄ ̄]「 ̄
L l「 ̄ ̄ ̄|「  ̄ ̄|「 ̄ ̄|r'.:| .:|ー:|_ .|::::.l\|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~::::::::::::::::::}「 ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄l[ ̄|「 ̄ ̄l[ ̄
]_」L:___」L____」|__ |》〉 ~゛`┴::-'⊥::.俚⊥!:::::::::::::::::::::::::::::::::::>''「 ̄ ̄|[ ̄ ̄ ̄____」L:._:.」「 」L:._:.」「
]「 ̄ ̄]:[ ̄ ̄ ̄]匚」[ ̄][く《:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/7_」L_:.」L___|「 ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄ ̄ ̄|「 ̄ ̄
 ̄|「 ||  ̄ ̄|「 ̄TニT ,, 》> ̄]匚 ̄ ̄]「 ̄ ̄,,
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ \
|l l /〃評ヽ ヽ} | 、. ヽ
\. ljハ トkハ 从斗j │ ',
\ l∧}● V ● ! |、 ハ
. \ ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \ 晋や秦との二股は許さないわよ!
/⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 翌升平二年(三五八年)九月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年の春から慕容評らの軍勢が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 并州の諸勢力に掃討に乗り出し、九月に至って張平を平陽へ追い払った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 張平は以後も前燕と前秦の間を寝返り続け、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 升平五年(三六一年)に苻堅によって討伐されている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 976 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:28:35.35 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年頃 前燕 首都 鄴】
__
∫ι__________/丁了
丿;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::. ,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.ヾ.ヽ.
ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::: ,.,.,.,,.,.,.;; .ヾヽ
.ヘ. ..ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::;:::::::::::::::::::::::::::: ::::,.,.,.,.,.,. ヾ.ゝヘ
ゝ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::: :::::::::,.,:::::::λヘ
ヘ ,,__ノヾ ~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~ゞ,ノヘ
ゞ;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;ノゞゞ
U/⌒ヽU/⌒ヽU/⌒ヽU/⌒...U/⌒ヽU/⌒ヽU/⌒..U三|
U三三,U,,三三U三三,U三三U,三三U,三三U三三U/|
_ ├┼┼┼┼┐___┌┼┼┼┐ ___┌┼┼┼┼┤/|_
‖ミミ│ /,,;;;;;;;; /]ミ;;,, /,,;;;;;;;;;/]ミγ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
┌凹凹凹凹凹凹凹凹凹___.凹凹凹凹凹 ___ 凹 | 銅雀台の修築が終わったわ |
ミミミミミミミミミミミミミミミミミミミ/,,;;;;;;;;;/]ミミミミミミミミミミ/,,;;;;;;;;;/]ミミミミヽ______________乂
┌凹凹凹凹________凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹________ 凹凹凹凹凹┐
. . 彳/三三三三三三彳/.|ミミミミミミミミミミミミミミミミミミ彳/三三三三三三彳./|ミミミミミミミミミミミ
. 彳/三三三三三三彳/.. |ミミミミミミミミミミミミミミミミ彳/三三三三三三彳/ |ミミミミミミミミミミミ
. 彳/三三三三三三彳/ .. |ミミミミミミミミミミミミミミ彳/三三三三三三彳/ . |ミミミミミミミミミミミ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 慕容儁の時代は旧後趙勢力や東晋との戦が続いた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そうした戦争の間に鄴の宮殿を修築したり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 旧都に祖父と父の廟を建造したのが『晋書』『慕容儁載記』に見える。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 率直に言って、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 中原進出後の前燕に内政面で特筆すべき事柄はほとんどない
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 977 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:30:46.71 ID:ynnuQ/7i0
-
//::://:::::{::::∨:\::::::::::\
./::/´/::/:::::: |:::::::∨::∧::::::::::∧
/::/::{´::::::{::::::::::|:::::::::{ヽ:::::∨:::::::∧
|:::i:::::|::::::::|::::::::∧::::::::| \∨:::::::∧
{:::l:::::|::::::::|:::::/_∨:::{ /云ミ}::::::::|i:} けれど、私たちは拡大した領内の統治で手一杯。
∨:::::{::::::::{イ 芹云 \∨じリ 从:::八!
∨:::ゝ:::::∧ じリ `\ }イ∨ 加えて冀州は冉閔の乱で荒廃・疲弊仕切っている状況。
∨∧〉::::≧=- ` 人:从
∨∧:::::::∧_ ,⌒} /:::// 群臣の中には
∨∧:::::::∧ > -イ:::/イ/ 法三章の理念に立ち返り、刑法を明らかにすべきと声が出ているわ
>へ:::::>、:::::\ {.|i∨厂ト⌒}
/ { /`トミ⌒} |i ,厶斗\!
{ \ >、.」:::::\冫jトミ} }、:::\
∨ _ ` ̄´ ∨::::::ト、_ イ/ >x::ヽ
.,Å、
前燕 太尉 封奕 r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
|l l /〃 ヽ ヽ} | 、 ヽ
それも大事だけど、 ljハ トkハ儁从斗j. | ',
少し前に各州郡にどれぐらい壮丁がいるか調べさせたじゃない。 l∧}● V ● ! |、 ハ
ハ.ノ⊃ 、_,、_, ⊂⊃ .|ノ ヽ \
戦乱で人口が分からなくなったからって /⌒ヽ_.リ人 ゝ._) ./". /⌒i ヽ ヽ
\ //" >,、 __ イ{. ヘ /! } }
. / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただし、『晋書』『慕容儁載記』にこんな話がある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 978 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:32:38.32 ID:ynnuQ/7i0
-
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l|
.,' .│. リトk八儁ハイ} 人 あの調査結果を見て思ったけど、
. ん | ! ● V ●{ヘl 一戸当たり一丁残して、後は全員徴発すれば百五十万の兵が集まるわ。
. // (|ミ.⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ ミ
//. i⌒ヽ.\ (_.ノ ノゝ_/⌒) .来年になったら召集して洛陽に進軍、関西を攻略しましょう
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/
}. }. ∧人l||l .!::::Y Y::::) l||l 从
// . /:::{( ⌒ ) :::::::V::::( ( ⌒ ) /:::::::::rー ⌒ー:⌒ー- 、:::`ヽ
/:: r- ''":::::::::::::::::::::::::: |::::::`へノ
. /::::_ノ :::::::::: |::::| ::::::::::::::: |:::::::::::::`イヽ
/::_ノ::::::: |::: /'l::∧::::::::::::: ∧:::::: ',::/, ‘,
/:://:::::::: |::/ |/ l ::::: /l/ ∨ :: |:::::/, }
∨::l :::::::: l/ / l :: /./ .|∧::|::::::::l/
l::::l:::::::::: l ○ l/ ○ l l. /:::|
l::: l:::::::::: | .,/ /:::/ :: |
. l::::::l::::::\:', __,, // :: /:l
l::::::/, :::: |⌒ | l / /|:::/:: l
l:::::::::/,:::::|/, | | ./^|:/ ::: l
|:::::::::::/,:::'/:\ └‐ ''" /:::::/::::::: |
∨::::::::: \'/:::::"' 、 _.、-<::::::::|::::::::::/
\ :::::|::::::::/^~\ _,,」-、:::::::: |::::::::/
_、-ニ=-[_]-- ,,,_ ∧_「:', ‘,:::::|:::/
/ニ〈__/|::\__ノ、./|: : : :|‘,/⌒[,,]‐-=-、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 慕容儁は関西の経略を欲し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 州郡の壮丁を校閲させ、一戸に一丁を留めて残りを全て徴発しようとした。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .百五十万人の歩卒を集め、明年洛陽へ進軍する算段だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 979 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:34:35.20 ID:ynnuQ/7i0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ この徴発。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 実現すれば、
l::\ l /‖::l .記録に残っている石虎の徴発よりひどかったりする
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ノノイl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;/从;;;;)从从之
之三;;彡;;;、l|;;|;;;lイ/从ノ;八;|llYイノイ/;;从从ニ<
/イ/t=;;;;;ミィ;;;;;;;;;;;`ミ;;人ィ''彡二二ミ゙'、j;;jj;;ュ;;;、)
((/;;|lヽ;;|、'''ィ,t;;ッ=、;;;j人;;;ィ:;ミッ;ラニ' イ;;;/ l|;;lト
.゙之;;;'、l|;;゙, ::、` ̄´´":|"ン:::::::::'''イ:.. リ;イ),r';;之ー
俺の時は一戸につき、 {彡;;;ヽ;;;',::::::... ::::|: リ:::: ゙ イ;/ノ;;;;゙l|
五丁から三丁、もしくは四丁から二丁徴発していた。 ゙|/;;;;;;;|゙:',:::::: : : ::; 、j_, -、::: イ;|゙/;;;l从
ノノ;;;;;;|:l|:', :::: : :::`゙'ー '´" ,':::l|/;从`' 、
兵糧輸送のための徴発だったが、約半分強といった所か ,, 、-ーz''"イリ|l|::|l:'、 : ::::::: ,;}、 / :: ゙l、从l|',::ヽ
''" ,、 '":/ /|::}}:::ヽ ::::::r'二゙゙'ヽ , '::: :: ::l|彡 ',从
/イ::/:: ::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""'' , ':::::: :: ::}::l|彡::: ll||
/"://::/ ::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ /::::::::"} }:::|彡 ::: |||
ノ//::/ : ::::ミ/:::::リ :}} ::`---- '´ :::::" } }:::|彡三::|}
/:/::/: :::::/ ,,イ ::::::\:::ー '´ :::" :::|彡三 l}}
- 980 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:36:40.80 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年頃 前燕 首都 鄴】
\  ̄ ̄/ ,イ | ', ゙ / /
`7''ーz" // l l l V /
ー=オ彡ィイ: ∧ | ! l / /
l i| /ヽ}ハ _[メ、 i l . i / 一戸に一丁を留めて残りを全て徴発!?
l l|/ |:i i: / \ト、| .i: |′
| ,ktf≠ミ,从 i|/ィtf≠ミki| :|: | できるかー!!
| 伐 ん':::} `ヾリ {::._沁 刈 :|: |
l i :l,ハ 弋cィj , ヒcイソ l :l l 誰に耕作させるのよ!!
l ! ト{ ,イ :/:/:/:. / / i/ \
从 :|_乂| /´: : :`ヽ /イ i|゙寸'¨´
_ ム :|=イ>, _{: : : : : : :} イ / 从__,ゝ f:::r'⌒: /:::::::/:::::::::::::::: '/::/,:::\::|'⌒ヽ
∠ニミ'ー---∧!_r={: :`ミ≧==七:壬彡:.:厶イ;';';';'`ー― ∨:::::::/::: /:::/l:::::::::::::::::: l :::::/,:::: ∧ |‐
`ヽ\ヾ:, ;';';';\`ー=ニ: : : : :_:_;z=''¨´/;';';';';';';';';';';';. /::::::: l::: /:::/^l::::::::::: /|:::|::l::::::/,:::::∧ |'/
l:::: l::::l::: l :/ ‘ :::::: /^|:∧l\:::/,:::::人ノ
前燕 尚書左僕射 皇甫真 l:::: l::::l: /___,/l :::::/ .|\,,,,__\ |:::::::|: ^\
l:::: l::::|/ 、 ヽ::/ / , '|:::::::l \ \
l::::/,;::| zzzzzzz, ,zzzzzzz /:::::::l \ \
農作業舐めてますよね。 l:::l::/, \.乂ソ 乂ソ ./:/::::::l\|\|'"⌒
. '/,:::::\:_ゝ , _/::::/:::: /|
石虎でももう少しマシだったそうですよ。 〉/,:::::::人 ⌒人/:::: /: |
./:::::/,:::::::: \ r ュ ./: /:::: /|::::|
徴発は五戸当たり三人までが現実的でしょうね |::::: |:::\:::r‐|> <|、::/:::: /: l :/
_\::‘, ::: | `ーァ r‐ '" ∨::::::: /:/
/ニァ'' ̄"''[] ―┐ /.‐‐', r― r‐┬┐ニニ- 、
/二/_、-''"~\,,_l_/|: : : :l',:|_,、-L,_」、ノ二二 ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 公卿が協議した結果、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 徴発は三五占兵に改め、軍備を整えた上で明年冬に鄴へ召集するとした。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 三五占兵は三五発卒とも呼ばれ、十五丁に一卒を徴発する方式だ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これが北朝における村落制度の原型となり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 北魏の三長制・均田制・均賦制に発展していくがそれは別の話
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 981 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:37:21.56 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年12月 前燕 首都 鄴】
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l|
,' .│. リトk八儁.ハイ} 人. しょうがないわね!
. ん | ! ● V ●{ヘl.
. // (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ 洛陽侵攻は
//. i⌒ヽ.\ ノゝ_/⌒) .徴発した連中の訓練が終わる来年冬まで待ちましょう!!
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/
}. }. ∧`´ |.!:::::Y Y::::) / ヘ
//. /:::::ヾ_..ノ八:::::∨:::( 人/
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
大変です! . (´・ω・` ) ≡(""
(mへ◎へm) ("⌒("
晋軍が泰山郡に攻め寄せ、太守の賈堅様が斬られました!! /_,/>ノ、 (⌒("≡
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒
(_/^~ (⌒(("⌒;;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『慕容儁載記』によると、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容儁は文籍を愛好して終生議論に倦まず、著述すらこなしたという。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .しかし、そんな彼でも政務への見識は足りていなかったように感じられる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 982 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:39:32.83 ID:ynnuQ/7i0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` .では、そんな胡人君主に仕える
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 漢人士大夫の心情はどうだったのか?
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 983 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:40:59.29 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元352年頃 前燕 首都 薊】
/  ̄ `' 、
/ ┌-_ヽ、
| /ニ、 / ニミ{ __ __ rュ. __ __
| |:l ノ / `ラ'f ||| |ニ|_|ニ|_|ニ|_|ニ| |||
-<`ー ヾ| | / ||  ̄ ̄_|_|___|_|___  ̄ ̄ 百歩離れた牛を射れるか、だと?
\ └┘´--r ´ __/ = (__└=-┘__)).l、
`'ー─‐、T´──┤ア──── tコ─ |||┬┬ -─.ュ┬┬┬ .若い頃は当たらん事もあったが、
/ ̄ヽ////:|└======tニニニニコ |||ニ/ <ニニニニ 年老いた今は命中させるなど造作もない
/ V///|____|| | ||!/ `ニフ┴┴
/ \ / __,ヽ|((う| |_ / \ヽ──'´
.:|  ̄\ノ/⊂`ア T-| / ||
.人  ̄\イ_彡'´ | ドンッドンッ!!
,.ヘ、 `Y⌒ヽ / ┌─┐
∧ / ̄ ̄|  ̄| ̄|
前燕 渤海郡の人 賈堅 ∧ |:.:.\/\/ ̄\ ̄  ̄\
|:.:.\__/ ̄ ̄|:.:./ |_| / \\/
|:.:.:.:.:.:.}/ ̄ ̄\\/ \\/ \
/(__)\/ ̄ ̄\ \/ | | | |
\/|/ |: : : : ∧: \|\/|_| |_| \/
ちょっと待って。 .|: :|: : ∧:_:/苧ミ、:| : |_| \_/
./ : レiァf芍 ヒrソ |: : |: |_|_|‐┘
一射目と二射目は牛の背と腹を掠めただけよ。 |: |: l∧ゞ┘ / : / :| ヽ \
.|:∧: :圦 r ァ / : /: /\ __\ ヽ
命中させられないかしら? .| ∨: :{\ イ : //―‐' /
| ̄ ̄| ∨ {: : `Tl │: | / , <
匚 ̄| ̄ ̄  ̄|__}: } ̄|「 /|: :| / __, - '~: : : :\
// |_// |__}ノ ||/ |__| / / : \: : \: : \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 賈堅、字を世固。冀州渤海郡の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 元々後趙の将軍で
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 冉閔への仕官を拒否して渤海郡へ帰郷後に数千人と自立。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 前燕軍と交戦後に慕容儁に罪を許され、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 六十歳を過ぎて前燕に仕えて楽陵郡太守・泰山郡太守を歴任している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 984 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:42:10.58 ID:ynnuQ/7i0
-
/  ̄ `' 、
/ ┌-_ヽ、
| /ニ、 / ニミ{ __ __ rュ. __ __
| |:l ノ / `ラ'f ||| |ニ|_|ニ|_|ニ|_|ニ| |||
-<`ー ヾ| | / ||  ̄ ̄_|_|___|_|___  ̄ ̄ よく見ろ。
\ └┘´--r ´ __/ = (__└=-┘__)).l、
`'ー─‐、T´──┤ア──── tコ─ |||┬┬ -─.ュ┬┬┬ .不中こそが奇であって、
/ ̄ヽ////:|└======tニニニニコ |||ニ/ <ニニニニ 命中させるのに困難などない
/ V///|____|| | ||!/ `ニフ┴┴
/ \ / __,ヽ|((う| |_ / \ヽ──'´
.:|  ̄\ノ/⊂`ア T-| / ||
.人  ̄\イ_彡'´ | ドンッ!!
,.ヘ、 `Y⌒ヽ / ┌─┐
∧ / ̄ ̄|  ̄| ̄|
∧ |:.:.\/\/ ̄\ ̄  ̄\
|:.:.\__/ ̄ ̄|:.:./ |_| / \\/
|:.:.:.:.:.:.}/ ̄ ̄\\/ \\/ \
/(__)\/ ̄ ̄\ \/ | | | | >
あら。 \/|/ |: : : : ∧: \|\/|_| |_| \/
.|: :|: : ∧:_:/苧ミ、:| : |_| \_/
一射目は牛の背中の毛、 / : レiァf芍 ヒrソ |: : |: |_|_|‐┘
二射目は牛の腹の毛を射抜いているじゃない。 |: |: l∧ゞ┘ / : / :| ヽ \
|:∧: :圦 r ァ / : /: /\ __\ ヽ
別に外していたわけじゃないのね凄いわ .| ∨: :{\ イ : //―‐' /
| ̄ ̄| ∨ {: : `Tl │: | / , <
匚 ̄| ̄ ̄  ̄|__}: } ̄|「 /|: :| / __, - '~: : : :\
// |_// |__}ノ ||/ |__| / / : \: : \: : \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 気概を有し節操があり、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } かつ弓の名手だったため、慕容儁と慕容恪から高く評価されていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『十六国春秋』『前燕録』に人間離れした弓の腕前を披露する話が残る
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 985 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:43:01.63 ID:ynnuQ/7i0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ◎広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ 【泰山郡】 r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ しかし、升平二年(三五八年)十二月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .東晋の北中郎将荀羨が北伐を行い、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 前燕の泰山郡太守賈堅を斬ったと『晋書』『慕容儁載記』は記す
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 986 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:46:23.98 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年12月 前燕 兗州 泰山郡】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 賈堅といったか。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 君の祖父や父は晋朝に仕えたはず。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ .何故根本に背いて降伏しなかったのだ?
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ', /;/`ー-=====-一''"´ `゙7
,, お ,, こ .| |;;l - 、 '"¨¨゙丶 l
N れ 形 う | |;j ,ィエユ,、_ ,.ィi三ミュ、l : あ
O の '' .い ′ |j '´`ヾミニ} ヤ三ニア´ `ヾ゙V : い
'' .答 で う ,′ |l ーr=tッ=ア, ル ゞ=≦tッ==ァ' l : に
以 は 出 / | `¨¨´イ l ヽ  ̄ ̄ │ : く
外 : せ ,イ | ,ィ | .l \ l. : だ
に : .る ./ | / | l ` V. : が
な : } | 〈 〉二´ ,ノ_,、
い / l `¨__ ''"´ ヽ、_
o ノ ヽ _,..<}‐-゙ニ= ュ /ii゙ ー
ヽ、 _,..<>''"´ , - 、 ,イ , 仁j ∧
/`¨¨´ ,..<>''"´ ,ヽ ´ `゙ / /三ア ∧
----一''"´ `¨~´ / .∧ _,..< _,.イニ三ア ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『十六国春秋』『前燕録』によれば、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賈堅は弓を手に奮戦するも衆寡敵せず捕らえられた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .その際の賈堅と荀羨の応酬が残っている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 987 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:47:08.37 ID:ynnuQ/7i0
-
,.‐´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐、
,‐´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐、
,l";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'i,
,l";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;く ̄` `''=;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙l、
,,,,L;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i, _,,,,、 ゙'''li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i、
.,i",-..,.゙ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l" ` .~ヽ、 ~'=i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i、
゙,l´;;;;;;l l;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ''',,,==二^'''i、 ゙' ,、 ゙゙゙'!i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
`イ;;;;;;| |;;;;;;;;;!" ヽ,,,_ ゙゙i;;;;;;;;゙l,, i、 `゙゙ヽ、;;;;;;|
. ;;;;i´::,l";;;;;;;i" ゙ `'tッ.、ミ;;;;;;;;;`''゙;> ,l゙ ,,,,,,-''"ヾ |;;;!
. ,;;|`::,l;;;;;;;l" `'''─゙''ー--''"ノ /, .ヘ_,,,..-'ヽ,ノ;;l
'';>,l;;;;;;;;l゙ _,,,,-‐ .,,." '.ノ;;;;;;;;;;ッ-、!l;;i´
l, /;;;;;;;;i' _,,r‐‐''"` | l, ゙ミ't,-、_ッ// 晋が中華を棄てたのであって、俺が背いたわけではない。
. "く;;;;;;;;;| ,,,r‐'" .i. ,!:l::::`"''"//"
:',:::',゙ー-" ,,r''" ,、 ,i ,!::|:::::::::::// 民は主がいなくなったから、
、゙l,::' :--、,,,, i::::|::::::::// .強者の側に付いて命を託したのだ。
'゙;;,'、:: `ヽ;;;;;;;;>":::|::::://
゙、;;ヽ、::ヽ jll、,,,,,,,,,,,,,,.:'',、:::::::::::::::,,ソ" 何故容易に節を改める事ができるというのだ?
゙、;;\:::\ `゙゙);;':::::::.,,∠-'
ヽ;;;\:::゙.、 ー-=-'''-、 ``:::::/`
\;;`ヽ;:ヽ、 , "、:::/
\;;;"-、゙'- ,_ ノ レ'"
‐、. \;;;;`ー、;:~''ー、,,,__,,.ノ
`‐、. ヽ;;;;;;;;;゙-、l" `
゙‐、 \;;;;;;;;;;゙゙'-、
- 988 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:48:00.25 ID:ynnuQ/7i0
-
, -‐'''´ ̄ ̄`'''‐- 、
/ ヽ
l. rー--、___,. --‐、 l
. |. {,.、− - 、 ! ,. - −,.、}. |
r'| l,ヘ二__`_爪_~__二.ヘl l、
| l,ノ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ll | 俺は臣下として自立して以来、
|(|l. / | | \ l|)| 趙から燕に至るまで志を変えなかった。
. l ll. / | l ヽ ll l
ヽll. =し= ル' それなのに、何故お前は降伏を口にする?
|ヽ ィニニニュ / !
. | ヽ 个 / │
|\ ヽ ___ ノ /|
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
貴様ッ! l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
賊の肩を持つか!! _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ちなみに、晋軍の大将だった荀羨は永嘉の乱で登場した荀崧の息子。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宛の防衛戦で名を馳せた少女荀灌の弟であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 東晋において北中郎将・徐州刺史として前燕軍と何度も干戈を交えた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ この翌年の升平三年(三五九年)、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 三十八歳で死去しており、驃騎将軍を追贈されている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 989 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:48:31.06 ID:ynnuQ/7i0
-
_ __ __ _ _
,. '"´.:::::::::::::::::::::::::::::::.:``ヽ、
,.. '´..:.:.::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::`ヽ、
/.:::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::.ヽ
/.:::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::',
!::::::.:.:./``丶、::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,. -'"´`ヽ::::::::::::i
!;;:.:.:./ ``゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙´ ',::::::::::l
!;;;:.:.{,. '''´ `ヽ、 ,. '´ ``''' !:::::::::!
_」:::::::::〉 ,.. ー-、、 `゙゙ ,j! ゙゙´ ,. -‐ 、 〈::::::::::j
/ ',::::// ⌒ヽ、 `ヽ., ; .; .,r‐'''´ ,.ィ'⌒\ ';:::::/ハ
l ハ!::'. \ニニ・ニヽ,ノノハ'ヽ_,.ィニ・ニニ/ !::::.レハ ',
l .l .l::!  ̄"" /i.:.::::.l `ヽ"" ̄ i::::! ! 1
l :l :l::! , ´ ! : : ! ` 、 i::::! / ,! 豎子め。
. いぃ:! / i .! \ !:::レ,! /
い!::! / i i \ i::::レ / この俺は児女の言いなりにはならん
ぃ::.! ''' , { ` !:::レ′
゙ミミ `ヽ _ノ'´ j彡′
j!ハ .. __,,......,,_ _ .. .,レ彳
/j! ゙、 '゙゙゙´゙ ̄ ゙̄`゙゙゙'' / ト、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ハ ヽ ,,.. -=- .,, / /ヽ ', ) >
./ /:.:.`、 \ .;.;. ./ /.::::/ ', < 言わせておけば!! >
/ /.:.:.:.:.:.:ヽ、 \;. ,;/ .'´.::.:.:./ ', < (
,. イ ,′.:.:.::::::::::.`ヽ、 `""""""´,. '´.:.:::::::::::/ ト、 /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
´ / ,′.:.:.::::::::::::::::::::::> =<.:.:.:::::::::::::::::::::/ :. ``'''- 、、
/ i.:.:.::\:::::::::::::::/  ̄`ヽ、.:.:::::::::::::::::::/ i:::.
. / !.:.:::::::::\.::/l /`ヽ.:::.:.:::::/ i::::::.
- 990 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:49:42.60 ID:ynnuQ/7i0
- 【紀元358年12月 前燕 首都 鄴】
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l| .泰山郡は青州の我が軍が奪い返したわ。
,' .│. リトk八儁.ハイ} 人.
. ん | ! ● V ●{ヘl. けれど、賈堅は捕らえられて
. // (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ 数日間食を与えられずに死んだそうよ
//. i⌒ヽ.\ ノゝ_/⌒)
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/ V........メ: : : : : : : : `丶、
}. }. ∧`´ |.!:::::Y Y::::) / ヘ ,ィく:l`ー":.v: : : : : : : : : : : :.ヽ
//. /:::::ヾ_..ノ八:::::∨:::( 人/ /: \|: : : : :l: : : : : : : : : : : : :∧
,': i: l:_人_: : : !: : : : : : : : : l: : : :ハ
.l: !:l: 「ヽィ´: : : !: : : : :i: : : : l: : : : :l
|: l:⌒,:.!: : : : : :!: : : : :l: : : : l: : : : :l
L:L」 `l: : : : : :.l: : : : :|: : : : :!: : : : l
{灯',: : : : : :!: : : : |: : : : :l: : : : :l
r' ,: : : : :.|: : : : :!: : : : :l: : : : :l
立派な人物を死なせてしまったわね ム、 ,: : : : :|: : : : :|: : : : :.l: : : : :',
./-ミ,) l: : : : :!: : : : :!: : : : : ',: : : : ',
〈 三}ヾー.|: : : :.|: : : : :|V: : : : :V: : : :.V
ヽ⌒' } !: : :.:l!: : : : 「 \: : : :.V: : : :.V
ヽ__ム ,|: : : ハ: : : :.!-‐''''\: : :V: : : :.V
「三ニ./,.!: : :j,z}: : :ム; ; ; ; ; _≧z、: : : :.:V
./; ; ; ; |/;|: : :l; ;.|:/; ; ; ,.+'" `V: : : :V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結局、賈堅は雨中に晒され、数日間食事を与えられないまま憤死した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 程なく前燕軍が泰山郡を奪回し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .慕容儁は賈堅の息子の賈活を任城郡太守に任命している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 991 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:50:30.26 ID:ynnuQ/7i0
- 【永和七年(三五二年)の話@『三十国春秋』『賈堅伝』】
.,Å、
r-‐i'''''''''''i''-'‐-、
.o| o! .o i o !o
|\___|`‐´ `‐´|___/.|
|_____________|
/ / {/ 〃 ヽ ヽl l|
,' .│. リトk八儁.ハイ} 人. 賈堅。
. ん | ! ● V ●{ヘl.
. // (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂!ハ あなた、今何歳だったかしら?
//. i⌒ヽ.\ ノゝ_/⌒)
{. { ヘ ∧ .} 、 __, イ \ヘ/
}. }. ∧`´ |.!:::::Y Y::::) / ヘ /::::__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
//. /:::::ヾ_..ノ八:::::∨:::( 人/ |:::i ー─ ''' ̄ヽ:::::::::::::',
i::::j-:、_ヽ} --''´ ̄` ):::::::::::::',
|:i´rz_::::j}ハ',::::::彡へ {:::::::::> 、!
';|  ̄::! ,'ヽ气-〒´ ヽ:::7/ハ|
| ,:':i ! \ ~ |::| T:, }
| /::::L_{=、 ヽ |:::|t/ .イ_
新たに命を受けて三年になる ∧:::::::::_|__ 丶 j:::::(/|:::::.: \
,ィ',:::::´_,..、`ーk └yテ ト、:::::::. :\
/: : ∧:::,':;;: ,. < j |∧:::::: : : \
,. -----7: : : ::::::::L__,. < ,′ ,:'. l: ∧:::: : : : : \ー-
x<: :--:::::::/: : : :::': ::/ ヽ、ヽ:::::: / ,ィ |: : :i::/: : : : : : :.Yzz
x<::::::: : : : : : :/: : : : : :: :::::{ >--t-< |: : : : : : : : :>'´: : :
rj: 、: : : : : : : : :<: : : : : : : : : : :| /::::::::\ ,|: : : : : : ∠__: : :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この逸話の興味深い点は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賈堅が「晋が中華を棄てた」と断じている点である。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .士大夫全員がそうでなくとも、そう考える士大夫も現れ始めていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 992 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:51:13.38 ID:ynnuQ/7i0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 変わりゆく時代 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .東晋での洛陽還都反対の動きと合わせて考えると象徴的だ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 993 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:52:03.59 ID:ynnuQ/7i0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .五胡スレでは断じてない
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< やる夫が正史を書くようです61
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717505503/
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 994 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:53:12.07 ID:ynnuQ/7i0
- 【>>961修正】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 前燕軍は初めて黄河を渡った。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .これに当たって、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 慕容儁と慕容恪が慎重に事を運んだ様子が史書に見える
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 995 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:53:40.99 ID:ynnuQ/7i0
- 【>>963修正】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇●広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ そして、淄水の南、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .広固から二百余里の地点で段龕率いる三万の軍勢と交戦。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .これに大勝した
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 996 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:54:11.13 ID:ynnuQ/7i0
- 【>>968修正】
【紀元357年3月 晋 兗州 東郡】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ◎ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 【東郡】 r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ 【泰山郡】 r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 前燕の青州併合は東晋を刺激するには充分だった。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .升平元年(三五七年)三月、
\ヽ、 _ , イ!::/ 安西将軍謝奕・北中郎将荀羨らの軍勢は北伐を開始。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .泰山郡、次いで東郡に軍勢を進出させた
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 997 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/04(火) 22:54:50.19 ID:ynnuQ/7i0
- 【>>985修正】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
龍城○ ○棘城 ○襄平
盛楽 凡城○ 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 平城 薊 令支○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 魯口 ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇○広固 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ◎広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r r'
'´`ー-, ヽ /(河東) 野王○ ノ 【泰山郡】 r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○ 石門○○倉垣 〇 >
○長安 洛陽 ○許昌 下邳,_, ' ヽ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ しかし、升平二年(三五八年)十二月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .東晋の北中郎将荀羨が北伐を行い、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 前燕の泰山郡太守賈堅を斬ったと『晋書』『慕容儁載記』は記す
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
- 998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/08(土) 21:54:16.81 ID:b3f5BXVJ0
- おつ
- 999 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/09(日) 01:02:44.81 ID:ZSwbqsQf0
-
やる夫が正史を書くようです61
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717505503/
, 、
/ / _,,.. ..,,_ _
イ///: : : : : : : : :`''< / /
/////_,;.. ..;,_ : : : : : : ////
┌‐ュ-ォ_」Lニニ廊t 、: Y ////\
y' У..: : : : : : :.l: : : : : ´"' < > ノ: : : \
└ ァ: : : :|: : : : : :| : : : :|: : : :/: : | : : : : : : : . _ /|
/|_: _」_,, 斗 ─ _,,.= | : : |: : : : : : : : :_: :>─ ".: :.|
l: : :l`~"''  ̄ | : : ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : /
l: :/ ≦チ ゙ミi、 | : : : ∨: : : : : : : : : : : : : : : /
ヽ:{ ∨: : : :\: : : : : : : : : : : : :<
込 ヽ / \: : : : : ̄: :フ: : : : : : : :/
ゝ、 _,.ィ升────┐──<
/ト/ ̄∧,イニ///,|////////| ///::ヽ: : : : : : ヽ
///,l ∨_」Li:::\_/// ー───l_/ー"- _: : : : :}
Λ\/j>'´ ヽ/__ ~"''〜、 |─‐〈 ``ヽ l
ー ゙‐"Y Y´  ̄ `゙'〜、 マ─十 |/
‘、 '、 (  ̄` ヽ ヽ Y゙"
\ ` ‐- __,,.ィ リ l
`〜 __ ,. ィ 丿
`゙'〜 __ -‐ ''"
- 1000 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2024/06/09(日) 01:03:15.19 ID:ZSwbqsQf0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 今年のセはレベル低いですよね
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- _,,..i'"':, @ @ @
|\`、: i'、 @ @
.\\`_',..-i @ @ @
.\|_,..-┘ SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
- 1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
- 【青の祓魔師】メフィスト「アンチテーゼ」 @ 2024/06/09(日) 00:49:11.44 ID:5d0tLaIkO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717861751/
5chが飛びました その1 @ 2024/06/08(土) 22:17:57.10 ID:6iy73VO50
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1717852676/
シャルル「ルルーシュに恋人ぉ!?」 @ 2024/06/07(金) 23:22:37.93 ID:AtUk/GfQ0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717770157/
静流的日常 @ 2024/06/06(木) 19:42:17.95 ID:NkgZRP/CO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1717670537/
フォース=センシティブの集い @ 2024/06/05(水) 19:26:26.63 ID:X3XIp7JR0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1717583186/
やる夫が正史を書くようです61 @ 2024/06/04(火) 21:51:44.04 ID:ynnuQ/7i0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717505503/
アサギととがめの健康で文化的な最低限度のA雑 @ 2024/06/03(月) 17:34:17.94 ID:aGMQFtfGo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1717403657/
P「よし、佑芽さんのプロデュースを…」咲季(親愛度lv10)「見つけたわ!!」 @ 2024/06/02(日) 22:17:13.82 ID:R6ULCqrM0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1717334233/
VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/
2549.07 KB Speed:2.7
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)