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やる夫が正史を書くようです６０
- 381 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/25(木) 19:59:17.30 ID:dJHTHNFr0
- 乙でした。
ここのスレで王導の印象がかなり変わりました。
これまでは完璧超人みたいな印象でしたが、かなり苦労してたんだなあ、と。
- 382 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/26(金) 08:39:57.50 ID:ZCnnWoyLO
- 乙でごわす
今の時点ではまだ漢人士大夫に頼らざるをえないから彼らの意向も無視できないんスよね
胡人政権が漢人士大夫に頼らなくても（所謂漢族化）政権維持できるようになるにはまだまだ時間が必要ですし
- 383 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/01/27(土) 01:39:04.69 ID:ZNbupSzy0
- 【>>373再修正】
【第百八回に続く】
新規CAST
～晋～
●何充（かじゅう） ジャービス（艦隊これくしょん）
～他～
●石祗（せきぎ） バット（北斗の拳）
●李農（りのう） 女神官（ゴブリンスレイヤー）
●麻秋（ましゅう） キノピオ（スーパーマリオ）
●冉閔（ぜんびん） ゴブリンスレイヤー（ゴブリンスレイヤー）
●苻洪（ふこう） ユダ（北斗の拳）
●道安（どうあん） エイシンフラッシュ（ウマ娘プリティダービー）
●鳩摩羅什（くまらじゅう） スマートファルコン（ウマ娘プリティダービー）
●王猛（おうもう） 黒川あかね（推しの子）
●慕容恪（ぼようかく） サイレンススズカ（ウマ娘プリティダービー）
●慕容垂（ぼようすい） 有馬かな（推しの子）
- 384 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/01/27(土) 02:11:18.18 ID:ZNbupSzy0
- 【「やる夫が正史を書くようです」反省会会場】
- - ──ー - -､
／i ,.-‐''"´ ＼ i＼
l ＼＿／ ＿,, ,,＿ ヽ､＿／ l 今回の話は長かった上にグダグダですいませんでした。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ＿,;;;l , , , l;;;__ジ >>377-378
| i￣i￣i￣i """ | >>34-35で出てるんだよなあ。
l .￣￣￣￣￣ .l
` ､ /⌒⌒i /⌒ヽ / それはそうと、王安君が意外と評判良さそうで
`/ | | ＼ ／
>>376>>382
五胡十六国時代は胡漢の対立の時代と見られがちですが、実際はもっと複雑に絡み合っている次第。
例えば、北魏の漢化も南朝から亡命してきた士大夫が噛んでたりするので。
>>379
百年も住んでいれば、さもありなんでしょうか。
南朝＝中国みたいな考えをする人は東晋末に現れ始め、宋の後半頃からより顕著になっていきます。
>>380
敵の敵は味方と言いますが、遼東⇔建康や涼州⇔蜀⇔建康の経路は三国時代以来のものと言えるかも？
>>381
王導は面白い人なのでもう少しちゃんと書きたかった所、
本編だとぽっと出の庾亮君のやらかしの数々が目立ってたので
- 385 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/28(日) 19:12:05.52 ID:/LgC8XLA0
- 庾亮君は色んな意味で面白人物でキャラ濃かったからしゃーないねｗｗ
- 386 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/28(日) 22:16:05.58 ID:RoBcKs6q0
- 私心がない清廉な外戚というだけでもレアキャラなのに
判断ほとんど間違えるけど異様にしぶとい残念なイケメンとかキャラが濃すぎる
- 387 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/30(火) 16:02:31.61 ID:inQtFUoZ0
- とにかく殺伐としてイカレたリアル世紀末な五胡十六国時代で
庾亮の残念なポンコツイケメンっぷりは癒しやなあ
- 388 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/30(火) 21:03:27.10 ID:go4vUJ+50
- このスレで見たくらいしか知らないけれど、何かやることなすことぜんぶ無駄にトラブル起こしてた印象＞庾亮
- 389 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/30(火) 21:51:58.19 ID:Lik1Hzfx0
- 永嘉の乱以降の登場キャラでは劉琨に次いで好きかもしれん＞庾亮
有能な痴漢さんも捨てがたいけど
- 390 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/31(水) 13:26:41.77 ID:f/tBgRbro
- まだ桓温が控えてるからな
- 391 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/01/31(水) 21:48:53.37 ID:F+qMhVCn0
- 曹操になれなかった男桓温、そうなってしまった原因の奴も一杯控えてるしな
- 392 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/02(金) 00:13:20.81 ID:KvK0/HMy0
- 五胡十六国時代も何やかんやで面白い時代だわ、特にこれからの中期時代は
- 393 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/03(土) 18:18:20.78 ID:ANqa4+A00
- 本編だとさらっと滅んじゃったけど、成漢の李雄以後の歴史もおまけとかで取り上げてくれれば見たいな。
父のみならず伯父たちやいとこたちが羅尚との戦いで続々と死んでいきながらも、親戚一同で力を合わせて勝利した李雄一家が、李雄の死後は逆に一家内で殺し合って滅びていく様がなんともやるせない。
- 394 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/03(土) 20:48:53.68 ID:myHKbar/o
- 李壽が長生きしてれば漢（元は成）は桓温に対抗できたのかな
即位してからの李壽はあかん人になっちゃってる気もするけど
解思明がいればなんとか
ところで解思明とセットで出てくる羅恆は羅尚の一族なんだろうか？
- 395 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:15:23.71 ID:FS+r53pu0
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| | ヾN ゞｿ ゞｿ// 「やる夫が正史を書くようです」 おまけ
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| | ＞-､＼! !／::,-＜
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､ ＡＡで語る世説新語
| | ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|
| ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
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- 396 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:16:22.19 ID:FS+r53pu0
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, ---ミ─--＜ ＼
, ‐/ ＿ ｀丶､ ｀ヽ: : . . ._ 丶
/ ／ 〕ト ＼ jﾊ: : : : : : : . . . ,
/ / / | | | | ＼ ヽ/ ﾊ: : : ｀ヽ､ : : . . ′
/ / / | | | | | ﾊ ハ/ ;} : : : : : ::＼ ｀ ,
| | | | 八 _ﾉﾉ_二_‐| / ﾄ. ﾘ : : : : : : : : ＼ ′
Ⅵ ＼／､ '´乂ツ j .:| }i/: : : : : : : : : : : : ヽ ,
＼__ﾍ,f笊} / / |ハ: : : : : : : i, : : : : : : :.. ′
/ ハ｀´､ _ / / | '. : : : : : : ﾞi, : : : : : : ::.
/ /. .ﾍ '´ 〈 / l } : : : : : : |: : : : : : : : :. | 庾亮の弟です。
/ /: : :个s｡ ／ヽ ﾄ､ } : : : : : : :|: : : : : : : :..::. |
⌒Y: :: : | ｀´ } ヽ | ｀`ーァー--ミ: : : : : |: : : :. | 蘇峻の乱では、
＼: ::广ーァ‐ｲ ∨_ ／ ／ ∨ : : :| : : : : 兄が大変御迷惑をおかけしました
ハ〈 ／‐ ､ ,､-‐''" ／ / } : : : | : : : : |
r/,ィ´／ , / /: : : : |: : : :
⌒＞ ´「| |ヽ ／ , ﾞ ／〉: : : : ′: : /
__／ ′ ヽ ヽ/__ ／ V ／ ／: : : /: : : /
Y { ／¨ア´／ ＞ ´ ∨ ／／/ : : : , ﾞ : : : /
'. ＼ V / ∠_'ー-- } ／ ′: :／: : : :
∧ ハ,/ ─､〉｀ヽ､ ゝ , /: :／: : : : : ／
/ ゝ: ._／ ∧ ／⌒ヽ: : . ＼ . ::/ /／: : : :: ／
／ ／´ / ∨: : . ゝ: : . . __, イ / : : : : ／
/ ／ ｡o≦＾＼: : . . ＼ 〉 ,. 'ﾞ
{ ｡o≦⌒／-､ ＼: : : . . ＼ /_,.｡o≦⌒
晋 呉国内史 庾冰
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 庾冰、字を季堅。庾亮の三弟に当たる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 庾亮は名声と徳義で人々を教え導き、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾冰は平素からその気風を伝えていた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 他の弟たちは礼を好まなかったため、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 世論は庾冰を重んじ、庾亮は彼を庾氏の宝と見なしていた
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 397 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:17:56.79 ID:FS+r53pu0
- 【王導と庾冰＠『世説新語』『政事篇』】
｛::::.＼::::::::::_;. -‐' ／ -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.＼::::::ハ
＼:::::::ヽ::::ｱ /／.:::: ‐-ミ Ｖ ｊう トミ:::Y:::::{／
｝::::::::∨ -‐ ￢く::::::イ =＝ｒく ｱ }::::::.｀ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ﾞＹ人〃 ﾉ ﾚ /::::＼::::/.:.:.:.: 今日は暑い。
（:::::::ミ=＼ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } ｒ《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ｰ-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.: 少しは手を抜いてみてはどうです？
∧ ﾞト-‐ヘ:::::.、>‐-》 ｜ ﾉ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.＼､ Ｖ , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ｀ _ -‐ ￣ / ｜:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ / ,......::::７ / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ / |_ -‐… 〃 Ｘ⌒ ヽ
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ／ |::::::::::::::::: ψ j{// ヽ ハ
{l l{/ / ハ l}
晋 司徒 王導 /{ｌ ｷ＿彡'__彡'乂} l}
. 《 {l ﾔ《げ` { げ》} l}
くヤ ＼ 〉 ｿ l}
＿ /､ - ﾍ √
i{￣ / |｀ イ ∥
あなたのように物事を投げやりにするのも、 》 ／V／l ＼／l＼ }/
世間では良い事とは思われていないようですよ _,,. ´}ｌ { /＼}l {` .,,_
{l }l l{/》ｰ《}ｌ { l{
{l ＼ }l キ √ j{ l{
/ }ｌ ＼l{ } ﾔ ∥ l{ ヘ/Ｖ {
}l l{ ＼ 7 ／￣￣} l{
∥ }ｌ l{ < ＼∨ ／ > } l{
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 生来潔白で慎み深く、倹約を常としたと『晋書』『庾亮伝』は記す。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 兄庾亮と同じように真面目な堅物だったのだろう。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .秘書郎から起家し、
`ﾍ:ゝ .' 小/ 王導に請われて司徒右長史となり、呉国内史に赴任した
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 398 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:18:41.56 ID:FS+r53pu0
- 【庾冰の恩返し＠『世説新語』『任誕篇』】】
|::::人 ／ ::／／:i ／:i:i／ /＼_ノ il∨' | {
|:::::::: | /ｉ| ...::::/:i:ｉ／:i:i／:i:i:i:i: ／_ ――i| ､ { ／V /
|::::::::::/:i:i|:::: ／:／:i:i／:i/:i/:／:（_ ノ､`丶､| Y' / ' / ／ |
|:､::::/:i:i:/／:／:i:i／:i:i:/:i:／:i: ／ 从＼ ＼ | // ／ '
|:i:iV:i:／:i／:ｉ:|／':i:i:_/／:i: ／ ノi:i| ,,７二二二ミ／＿_／
ノ:i:i/:i/:i:i/:i:i:／:i/:i:i:／:i:i:／＿ ／:i:i:i:i| ' / // ｀`丶､＿ ＞
＼/:i/:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i／:i:i:i:i/: ＼_:i:i:i:i:i:i ノ＼＿＿ 〉 ＼ﾉ
:i:i:i＼:i/:i: |:i:i:i:i: /:i:i∠:i:i:i:i＞ ＼￣ ニ=―― ｀`丶､ ＼
┐:i／:i:i:i人:i:i:i/:i/:i:i＼―――=ニニ ／ ￣ ＞ -ミ
/＜'＼:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i: | }＞ ／ ／ ／ ／ ＼ ｉ
＼⌒ヽ＼ミ:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ| / ／ / ＿ 彡' ／ ／' } i ヽ
⌒ヽ } __} / ￣ ／７'¨¨７ ／/／ { ﾒ＼/ ／ / / } ､
＼人ノ ／ ／ /' /／人i 乂ソ ＼ ／ __/_ ,/ /|⌒ヽ いざ建康！！！
'￣￣ Ｙ￣} |／ ／{ / /| _ ― x=＝ミ/／ / ,
-‐…････…‐- 〈 ￣￣､＼／ :. 〈::::＼ , ゞ ' ／' ／ｲ /
＼ ｒ‐ ／＜＼ / ＼ ／ム ヽ;;ノ> ⌒ﾌ彡イ /'_j/ /
＼＿_ Y ｀`丶､ ＞ ／ ＼＜个‐ -----=≦ iﾘ ﾉ / ￣ |＿＿ ' /
r ､{i ￣ | ＼ ヽ ／＜ ＼ 7 /￣／＿＿彡イ ／＿ ￣￣ ／
＼>―― ＿ / ＼ ＼{ _ {/ ／ ／／ ／ ｲ￣＼ ／
＼ /＼ _ ＼ | 〈＼＿／､ ,／ ／＿彡⌒ ／: | ￣{ ￣
∧ ＼> ―┘ ＿'/|＼＿|/ ／ ――=彡＜ |:.＼ ＼
/ ､ { ＼ ＼ |/:. :. :.|:. ＼-＜:. |￣￣} ＼ ＼:.＼ ＼
,/ |＼_∧ ＼ r‐.―┘ : : : |:. /:ハ ＼＼ ＼,,＿＼ ＼:.＼ ＼
|＿,/∧ /＼:. :. :. :. :. :. :/:. :. :ｉ r ':. : ＼ ＼ ＼＼￣｀`丶､:. :.||
晋 冠軍将軍 蘇峻
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .『世説新語』『任誕篇』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 蘇峻の乱が起こった際の事だ
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 399 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:19:11.11 ID:FS+r53pu0
- 【紀元３２８年２月 晋 首都 建康】
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::| 尚書令卞壼様と廬江郡太守陶瞻様が討死！
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
＼ ヾﾆノ .::::/"''=- 火の勢いが強く、
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、 .都での防戦は困難かと！！
. i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ _,,,.. ..,,,_ ／｛／二二/
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 '"´::::::::::::::::::::::::｀`'＜,ﾆ／ﾆニニ/／/_.. -‐…ｧ
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::） ／／ :::::::::::..＼:::::::..＼ :::::::..＼二二二二/´ﾆﾆニ二/
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/ ´::/.:: |:::::::::}ｉ:::::::｀,::::::::: ｀ :::::::::: ｀ 二二二二二二二/ ／
. /.:::::| :::::|::::::::八＼:::| : :::::::::::,:::::::::::::::,ﾆﾆ＿ニニ二二/ .／/
| :: /| :::::| :: / ＼＼ :::::::::::::| _..､+・''"´ ／-ニニ二/／-/
| ://| :::::| :/ .／ ＼＼:::::::: |/// ／ﾆﾆニニニ二二/
. -|/∧トミ,|/／ｘ云‐ァ|＼＼／// ／..::::,ﾆニニ二二二/_... -‐ｧ
蘇峻め！ .｛｛::::丈ﾏ〉 ゞ'' |:::..＼＼/／ .::::::::: :,ﾆ二二二二/´ﾆニ／
. ｀|::: ‘, / :|::::::::::￣|:::::::::::::::::::::::,ニニニ二二二／
だが、奴の狙いはこの私！！ |::::: ‘, | :::::::::::: | :::::::::::::::::::::::,ﾆニニニ二∠＿＿＿
| ::::::.‘:, ﾏ＾ヽ | :::::::::::: | : ::::::::::::::::::::::,ﾆﾆニニ二二二二／
私が都を脱出すれば、 |:::::::::::: ＼｀"´ _...-| :::::::::::: |::::::::::::: ／ :／二二二二二二／
陛下や民はこれ以上惨禍に巻き込まれないはず！！ |::::::::::::::|::::^'''"´ｌﾆﾆ| :::::::::::: | ::::: ／/／ﾆニニニニニニニ⌒＼
|::::::::::::::|::::::::::::::::ｌ二| :::::::::::: |::／ニニ二二二二二二二二∠⌒
|::::::::::::::|∧ ,,.+''’//| :::::::::::: |ﾆ二二二ニ=-‐=ニニニニニ／
|::::::::::::::|二∨|∨//| :::::::::::: |ﾆ=-=ﾆ二二二二二ﾆニニ／
晋 中書令 庾亮
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 建康にいた庾氏の人々は逃げ散った
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 400 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:21:35.13 ID:FS+r53pu0
- 【紀元３２８年２月 晋 揚州 呉郡】
. /ﾆＹﾆヽ
./（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
. ／::::⌒｀´⌒:::: ＼
. | ,-）＿＿＿（-、| jl ／/
. | l |-┬l［］. l | l || ヽ ＼／ 庾亮の徒党を捕えろっていう！
. ＼ `ー|| |＿／ ／"'''ヽ | || ゝ /┣¨┣¨┣¨
,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─
_,-| r'" 二 =＝i ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ ） ヽ
<､、ﾞl -￣￣C＝] ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
,lﾞﾞ'l、 」ﾆﾆ二二〈ｰ;; ＼/二L＿」 j ) ＞
／ l /;:: /{￣`)ﾉ ーーｰ ＼ / ＜ 蘇峻軍は呉郡に接近！ ＞
/´ ゝ ;;::/ { ￣ｿ ヽ / < (
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
. /ﾆＹﾆヽ
./（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
. ／::::⌒｀´⌒:::: ＼
. | ,-）＿＿＿（-、| jl ／/
＼＿_人＿人从＿人＿人从／ | l |-┬l［］. l | l || ヽ ＼／
＿） （＿＿ ＼ `ー|| |＿／ ／"'''ヽ | || ゝ /
） 逃亡者が続出！！ （ .,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─
￣￣） (￣￣ _,-| r'" 二 =＝i ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ ） ヽ
／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼ <､、ﾞl -￣￣C＝] ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼
,lﾞﾞ'l、 」ﾆﾆ二二〈ｰ;; ＼/二L＿」 j┣¨┣¨┣¨
／ l /;:: /{￣`)ﾉ ーーｰ ＼ /
/´ ゝ ;;::/ { ￣ｿ ヽ /
- 401 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:23:21.32 ID:FS+r53pu0
-
／ / / / V ∨ ﾊ ＼
/ / / / / ∨ | ノ｝ ＼
/ / / / / / / | ﾉ} } ＼
{ r=ミ ／ / ーー｜/ l イ | ∨
／ 八V沁 ｘ==＝ミ|/ | / 八 ∨
/ ／ ﾊ ~^ 込ｿﾉ| 八 /
∨/ / 从 〈 ノ/ / / もはやこれまで、ね
/ / /込 ､., _ Г / /Λ / ＿_
ヽ / / | : : ＼ ﾊ ／ / /ニ/／ﾆ=ｰ_ ／ニニ
∨ /: : : : : う爪::::: | / /ﾆ／ニニニニニﾆ／
/⌒＼∨|: : : :／{::::}:::: /|／ /／ニニニニニﾆ／ニ
__ノニニニ ∨: : /:::ﾉ:::ﾉ::／ | ／ニニニニニニ／ニニ
ノ￣ニニニ=---- ｧ ― ''"￣ `ｰ┐ニニニニ__-ニニニニ
_／ﾆﾆ=- =ニニニニ/ ｀＼ﾉニニニ__-ニﾆﾆ＞'^´ /: : :/: : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ﾊ
..=‐ ''"´ニニニニニニ{::T=--‐ヘ ｣_ﾉニニニニニニ／ ／ / |: : /: : : : : : : /: ¨ヽ/.|: : : : : |: : : : : : :
|: :.|: : : : : |: :/: : : :/ |: : : : /¨ヽ: : : : |
/: : |: : : : : |r七卞ミ /: : : / |: /: : : :.:.|
/: : : |: : : : 八 Vツ ／: : ／卞ミ: : : : : :{
／: : : :八: ＼: : ｀､ぃ 〈(⌒´ Vツ )〉: /: 八〉
てーとくぅ。 ／: : : : :/ : ﾍ: : :＼: ｀、 ､ぃ厶イ／ r= ニ⊃
_／: : : : :／ : : : ﾍ : : : 〕I=- ー ｲ: : :八 | ',
この小舟の中に隠れていて下さい～。 ／⌒ : : -=彡: : : : : / ＼: : 〈 )ト __,,、イ: :|: : :{＼: . | ′
/: :／: : :γ´ ; ﾆ=- ´＼ }ﾄ: : 〉彳 { ｀ヽ: : :∨ Vﾊ |__,,.. -=≦}
竹の筵で覆い隠しておくので動かずに～ ./: /: : : : :/: ／ У : / ∨￣￣〉 |: : : :＼}: :| ＼ﾆﾆﾆﾆﾘ
/:∨: : : :∨:./ ／_彡冖(⌒) 〈 r込: : : : : : :＼ ｀ヽY´┐
|:/|: : : : : |:八 _rｸ(: 〈 刀＼＿｣＼[八〉: :丿: : :〈 丿〉L,厶
∨⌒ﾏ: :八 : } __rｸ´ 〉ﾉ＼__／ / ∨__／ ＼:∠: イ : : ∨{ || ／ 〕
厂ヽ_厂{: {: : ＼〉rｸ´ヽ | 廴_/¨¨¨＼/ﾆﾆﾆﾆ＼: : |＼ : |/ ∠..＞く
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 庾冰は呉国内史として呉県にいたが、単身で逃げ出した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 官民皆が逃げ去ったが、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .呉国の兵卒の一人が庾冰を小さな舟に乗せて匿った
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 402 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:24:36.09 ID:FS+r53pu0
-
冫＠ ´: :⌒: : : : : : ｀`丶､＼
｀7: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :＼｀、
/: : / : : |: : : : :〉: : : : : : : : : ｀、,
,: : :/ : : : 〉: : : : 〈＼: : : : : : : : ﾊ:.,
|: : | : : : : ∧_: : : :|´ ＼: : :.ﾊ : : |: :,
|: : | : : : : |´ﾍ: : :八 ＼: :|: : :|: : 、 酒！
|: 八: : : :N ＼: :ﾍ 4式Tｻ: :.:|: : ｀、
. 八: :∧: : :|4式ｻ ⌒ヽ弋ﾟン/ : 八: : : ＼ _,..............,_ .飲まずにはいられませ～ん！！
〉: : :＼代ﾟン 、 ::::厶: :|＼ : : : : :＼ |｀"""""´|
/: :＼: : :＞-::: r -ヽ /}:八: :}〉: : : { .): 〉 |-=====-|
／: : : : :} : : : ト _ノﾞ〉ー'’ ｲ八: : :＼: : : :∨/ .人::::::::::::: 人
/: : / : : 丿: : : :|:/´ ⌒ヽ-彳 |⌒＼: : : ヽ: : : : ＼ ,. 斗-ク::fつ
.../:/}:/: : :/: :／}: /￣ =- 〉 .乂 ﾊ∨: :人: : : : : ∨ ./ ,, イr'' 〉
八:[八: : :{: / 〈ｱ＾` У__ ,,.Υ}/}／ )〉＼: : 丿 j ノ匕__ﾉ
＼: ): :∨ 〈| Υ-{ ｀ 込、 -=ﾆ,,∨{ /` __,,.斗人_
): : 八 ∨ ∨{ ｀ヽ/ ⌒＼ ＼ / / ￣￣
/ﾆＹﾆヽ
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
／::::⌒｀´⌒::::＼
| ,-）＿＿＿（-、|
そこの兵士！ .| l |-┬-| l |
＼ `ー'´ ／
俺たちは蘇峻将軍の配下の者だっていう！！ _, ‐'´ ＼ / `ｰ､_
/ '￣｀Y´￣｀Y´￣｀レ⌒ヽ
こっちへ呉国内史の庾冰が逃げてこなかったかっていう？ .{ ､ ﾉ､ | _,,ﾑ,_ ﾉl
'い ヾ`ー～'´￣__っ八 ﾉ
＼ヽ､ ー ／ ー 〉
＼｀ヽ-‐'´￣｀冖ｰ-く
- 403 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:26:30.75 ID:FS+r53pu0
- 【小舟の中】
γ￣￣￣￣￣￣ヽ
| ああ～ |
ヽ＿＿＿＿＿＿乂
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| てーとくなら、この小舟の中に隠れていますよ～ .|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
/ 、
/ / -‐……‐- ＼
-――- ､---′., / -=====-- ､ ＼
γ⌒¨¨ ＼ ｀ヾ／: : : : : : : : : : : ＼ 、
/乂 '⌒` 、 ＼ :. -‐===ミ:.、 : : :. 丶 :.
′ ＼ ､--彡: : : : : : ヾ＼: : :.
ｉ ｉ | | j ＼j| :,___,ﾊ: : : : : : : ,: :.＼ :.
| | | | /|│ | :| ｉ }､ : : : :..:..| : : : 丶 i
| | | |__,/｀レ‐ｔ斗--| |‐ y′:, : : : : | : : : : : :, |
| |_,,|ｰ'^斗_、 ^"筏"Ｙ .:| }: : : :, : : :..| ｉ: : : : ::, |
. ＼:} :.:Y^筏 } ⌒"＾} :| ﾉ: : : : , :.:...:| | : : : : ::, │
. j :.:.j^"＾く u| :｢ }: : : : : ｉ: : : | | : : : : : ｉ :!
＼(＾o＾)／ / : :: / : :|: }: : : : : |: : :.; .| : : : : : | j
/ : :入 '＾⌒ 〈 / : :八}: : : : : |: : :′ : : : :..:.:l ′
〈 / : :'⌒ヽ ∨ / ｉ ＼: : : :|: / / : : : : : :|/
∨ / : :| --ﾍ ∨: :| ーｧ^ー―- ､.: : : : :′
∨ : :|___＿,,.. '⌒ヽ v | / ヽ: :..:{
. ∨ :| { リ -‐' / v::{
i ＼;{ { と'⌒ヽ 厂 ／ ./ Ⅵ
| ⊂ニ⌒ヽ＼__＿,／ / }
| 、} ⊂ニ⌒' ‘, .′ }
| } と⌒¨ ﾊ { / /}
- 404 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:28:12.21 ID:FS+r53pu0
-
/ﾆＹﾆヽ
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
／::::⌒｀´⌒::::＼
| ,-）＿＿＿（-、| .こんな小舟にかっていう？
| l |-┬-| l |
＼ `ー'´ ／ 見た所、物を載せる場所も狭いし、庾冰がいるとは思えねえっていう。
_, ‐'´ ＼ / `ｰ､_
/ '￣｀Y´￣｀Y´￣｀レ⌒ヽ .さてはお前、酔っ払っているなっていう
{ ､ ﾉ､ | _,,ﾑ,_ ﾉl
'い ヾ`ー～'´￣__っ八 ﾉ
＼ヽ､ ー ／ ー 〉
＼｀ヽ-‐'´￣｀冖ｰ-く
冫＠ ´: :⌒: : : : : : ｀`丶､＼
｀7: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :＼｀、
/: : / : : |: : : : :〉: : : : : : : : : ｀、,
,: : :/ : : : 〉: : : : 〈＼: : : : : : : : ﾊ:.,
|: : | : : : : ∧_: : : :|´ ＼: : :.ﾊ : : |: :,
|: : | : : : : |´ﾍ: : :八 ＼: :|: : :|: : 、
|: 八: : : :N ＼: :ﾍ 4式Tｻ: :.:|: : ｀、
あはは～ . 八: :∧: : :|4式ｻ ⌒ヽ弋ﾟン/ : 八: : : ＼ _,..............,_
〉: : :＼代ﾟン 、 ::::厶: :|＼ : : : : :＼ |｀"""""´|
そうかもしれませんね～ /: :＼: : :＞-::: r -ヽ /}:八: :}〉: : : { .): 〉 |-=====-|
／: : : : :} : : : ト _ノﾞ〉ー'’ ｲ八: : :＼: : : :∨/ .人::::::::::::: 人
/: : / : : 丿: : : :|:/´ ⌒ヽ-彳 |⌒＼: : : ヽ: : : : ＼ ,. 斗-ク::fつ
.../:/}:/: : :/: :／}: /￣ =- 〉 .乂 ﾊ∨: :人: : : : : ∨ ./ ,, イr'' 〉
八:[八: : :{: / 〈ｱ＾` У__ ,,.Υ}/}／ )〉＼: : 丿 j ノ匕__ﾉ
＼: ): :∨ 〈| Υ-{ ｀ 込、 -=ﾆ,,∨{ /` __,,.斗人_
): : 八 ∨ ∨{ ｀ヽ/ ⌒＼ ＼ / /
- 405 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:29:26.72 ID:FS+r53pu0
- 【小舟の中】
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
) ＞
＜ 程々になっていう！ ＞
< (
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| お役人様も御苦労様です～ | -───- ､
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂 ／ヽ⌒ヽ⌒丶 ／ ＼
/ ハ ｉ ', ⌒＼/ -──‐- ､ 丶
{ｖＬLﾙ丿 }＞─ )):::::::::::::::::.... ＼ ',
乂歹:::/ ,':::::........ハ⌒丶::::::::::::.. ', !
ゝ / /）:::::::／ V:::::::',:::::::::::: ! !
ﾊ` 〈 ∧r‐''´ ',::::::::}:::::::::: ,' ｉ
ヽ厂ﾊ / | |::::::::ｉ:::::: / /
∨ V ', |::::::/::: , ′ , ′
た、助かったのかしら？ r'／￣｀ヽ |／ ／ ／
, イ ヽ | ／.: ／ ／
ノ ! ! , '::::: / ／ ／￣｀丶
／ { /,' /::::: / ／ /⌒ヽ:::: ヽ
,' .::ヽ ｉ/ /:::::: ,' / ) }
弋 .......::::::::| | ,::::::: | ( ／ ハ
∨:: | | {::::::: ', ＞──‐'' / !
', l/ ! ',:::::::. ＼:::::: ／ /
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 兵卒は酒を飲んで酔っ払い、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 道中で役人に会うと、棹を振り回して自分の船に庾冰がいると叫んだ。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .役人は兵士が悪酔いしていると思い、疑わずに見逃した
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 406 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:30:10.75 ID:FS+r53pu0
- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 ｀ヽ
○ ｀´○ ｀ヽ
合肥 ,-､ ,-‐‐､ ｀i,
○ /´◎ ~ ヽ,-‐‐-､ _,､｀ヽ,
,-,_, ､, /´建康 【晋陵郡】 く,!~｀=,-｀
｀ヽ‐´ i ,~ﾉ 【義興郡】 ○ ヽ｀ヽ,~!
,､,i｀~○ ﾟo陽羨○（, {,_呉【呉国】ヽ,
皖○ _,| 牛渚 【呉興郡】~ ,--｀
_,i‐´ 〇 ,-‐´
i´ ○虎林 武康 ,=,‐-´,--､
【会稽郡】
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／ ＞-┴┐＿＿__
∨ ／ ＞: : : : : : : : : ｀`丶、
冫薔ア´: : : : : : : : : : ＼: : : : ＼i⌒v‐-
＼／ : : : : : : : : : : : : : : 丶 : : : 冫",, ｀～､
. : : : : : : : : : ＼: : : : : : : :ﾊ: : : { / ＼
/: : : : : : 人: : : : ＼: : : : : : :|: : └ﾍ ／ ＿__ ＼
| : : : : : / ＼: : : :|⌒ Y: : :ﾘ: : : : : :L∧ `'ー‐-､ 、
てーとくぅ。 | : : : : :.|⌒ ｀Y /＿__И:/: : : : :|: : : : :〉 ∨ ｀、
И: : : :.ﾊ＿ 〈/⌒ヒﾝ^ }ﾊ: : : : :|: : : : ∨/ /'⌒ ∨ ｀、
道中お気をつけて～。 .|八: : :⌒ﾋﾊ ////〈{ |: : : :.jI斗-‐ ∨ ∨ ∨ .〉
＠ 冫: :∧/// _＿__,、 ∨: : : / ∨ ∨ ∨／
ういっひっひっひ .／: : :/:.个ｘ マ ノ /: : : / 〃 ∨ ∨ ∨
／: :イ: :|:_;厶: : :≧=-ｫ＜/: : : / / ,.∨ ∨ ∨
/:／ 丿:/ }: : : : :厂} ./: : : / / イ : |∨ ／⌒ ∨
{:｛ /: /| /: : : :./ : : : / j{ - /: :|: : | ∨ }
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 庾冰は兵卒に送られて
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 会稽郡に逃れ、会稽国内史王舒の下に身を寄せた。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .そして、三呉方面で反蘇峻に立ち上がったのは以前の本編で触れた
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 407 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:31:47.51 ID:FS+r53pu0
- 【紀元３２９年頃 晋 揚州 呉】
（⌒ヽ、 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
（ ⌒ ≦＿_ ＿＿＿＿ | 今日、私が生きていられるのもあなたのおかげです |
￣￣￣￣ ＿≧ ⌒） ） ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
￣￣￣ ―
＿_ ＿
＿ ―＝ ） ）
（ （⌒ ＝― ￣ ￣
￣￣
==lｭ、 rl========lｭ、
rl=========ｭ ヽrl==========lｭ ､＿＿_ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lｭ rl=======lｭ rl=========lｭ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lｭ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lｭ、/
/＿＿＿＿＿/＿_/ ∧＿＿rl====================lｭ rl========================lｭ＿
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/＿＿＿＿＿＿＿＿__/＿＿, / / ', /＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/＿＿,|三三三三三三三三三三三三三三|
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 蘇峻の乱終結後。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾冰は兵卒の恩に報いようとした
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 408 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:33:45.03 ID:FS+r53pu0
-
.ィ=s。 _
／≧≦´ ＿ ｀ヽ
ィ≧/'´-≧ ､ ｀ ､￣｀ヽ ム
'ｲ ／' ', ｀ ､ ＼ ﾏ∧
// , / ∧ ∨ ' ､ ﾏ∧
/ ' / /| _ 」 ヽ!＿∨ ! ∨ '. ∧
.' !'i |､/⌒ ,xzzx｀ヽ| Ⅷ j!
j!':,| Y ィf笊 } んﾊ》 j! j! ! j!
j! ',∧ゝtソ ヽ ｰ '' / ,j! | j! 何か望みがあれば聞きましょう
j! ヽﾑ / /,'j! | '
', ｀> ´ ｀ く '/ j! | /
∧＼/介s。 イ |＼/ / ,' ,' /
/ ∧ { j! /|≧´ | /ｲ /イ , '
/ / ヽ{ / , | ∨ j! ／ _厂￣ ＼
' / _ ＿ ノ ＿ ≧ ´ｱ´ｱ ｀ヽ j __,.斗┴―-
／ > ´¨i{ ￣ ｀ '´ _／´/ f袍ア´ : : : : : : : : : ｀丶、
, ' ／ /':, _ゝ ＿ _､ ィ´-=≦ ､{ '. ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
／: : : : :jI斗 : : : : : : : : : ヽ: : : : ﾊ
/: : : : :／ ./: : : : :人: : : : : ﾊ: : | : :
И : : /⌒' /: : : : / ＼ : : : |: : | : |
| : : 灯か{ : : : / ⌒ヽ }: : : :|: : | : |
八: : |弋::ﾝ : : :/灯か、/: : : :ﾘ: :/ : ;
自分は卑しい出自の者です。 |＼〉､､､ , ＼| 弋::ﾝ 〉: : /:/: :/: : ′
j: :八 ､､／: ／:/: :/: : ,′
別に立身出世しようとは思いません。 ./ /} : ＼ ‘' ≧z,,／ : /: : :,′
/／´| : : : ≧┬ /: : : :／: : : :′
若い頃から雑役に駆り出され、 ∥ /: : ／ j ／|: : : /: : : : : |
心ゆくまでお酒を飲めない事のみが不満でした |i ／: ／〈/⌒V ／ .|: : /:八 : : 八
/: : :／/￣7⌒ヽ＼ |: : ﾚ′＼: : :ﾊ
／⌒´ ｀ア弋＿ノ￣＼/: : :| ｀Y : |
/ﾆﾆﾆニ／ ／| ＼ __/|: : :/ 厂ﾘ
仁ﾆﾆﾆﾆ＼_∧_｣ 厂 ｊ／ ｲ／
- 409 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:34:42.24 ID:FS+r53pu0
-
_厂￣ ＼
j __,.斗┴―-
f袍ア´ : : : : : : : : : ｀丶、
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
／: : : : :jI斗 : : : : : : : : : ヽ: : : : ﾊ
/: : : : :／ ./: : : : :人: : : : : ﾊ: : | : :
И : : /⌒' /: : : : / ＼ : : : |: : | : |
| : : 灯か{ : : : / ⌒ヽ }: : : :|: : | : |
八: : |弋::ﾝ : : :/灯か、/: : : :ﾘ: :/ : ;
|＼〉､､､ , ＼| 弋::ﾝ 〉: : /:/: :/: : ′
j: :八 ､､／: ／:/: :/: : ,′
/ /} : ＼ ‘' ≧z,,／ : /: : :,′
/／´| : : : ≧┬ /: : : :／: : : :′ もし、酒が充分にあって、
∥ /: : ／ j ／|: : : /: : : : : | .余生を終えさせてもらえるのなら……
|i ／: ／〈/⌒V ／ .|: : /:八 : : 八
/: : :／/￣7⌒ヽ＼ |: : ﾚ′＼: : :ﾊ .……それ以上、望む事はありません
／⌒´ ｀ア弋＿ノ￣＼/: : :| ｀Y : |
/ﾆﾆﾆニ／ ／| ＼ __/|: : :/ 厂ﾘ
仁ﾆﾆﾆﾆ＼_∧_｣ 厂 ｊ／ ｲ／
ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- └=彳 ﾚ/ ／ }〉
＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- _ |/ _∠｢ γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
〈｀¨¨`ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ∨辷辷ｸ⌒ | ……本当にお酒が好きなのね |
_,.＼＿j ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ 仆〉 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
j斗ｧ''⌒ヽ ﾏ/]＼｀マﾆ=彡 '’ ／八〉＼
／／ ∨∨ ≧z,,,_ ／///// ∧
〃／ ∨| |///T爪///////// ﾊ
/ У 人////////////////|
{ 人＿／ ―=ミｰ=ミ//////// 八
＼＿__ -=ﾆ⌒〈_／}/ ＼ ＼//////rｸ⌒L_
／ ＼ ＞-=彡 ⌒＼
- 410 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:36:20.46 ID:FS+r53pu0
-
.ィ=s。 _
／≧≦´ ＿ ｀ヽ
ィ≧/'´-≧ ､ ｀ ､￣｀ヽ ム
'ｲ ／' ', ｀ ､ ＼ ﾏ∧
// , / ∧ ∨ ' ､ ﾏ∧
/ ' / /| _ 」 ヽ!＿∨ ! ∨ '. ∧
.' !'i |､/⌒ ,xzzx｀ヽ| Ⅷ j!
j!':,| Y ィf笊 } んﾊ》 j! j! ! j!
j! ',∧ゝtソ ヽ ｰ '' / ,j! | j!
j! ヽﾑ / /,'j! | '
', ｀> ´ ｀ く '/ j! | /
∧＼/介s。 イ |＼/ / ,' ,' / 分かりました。
/ ∧ { j! /|≧´ | /ｲ /イ , '
/ / ヽ{ / , | ∨ j! ／ .私の名に懸けて、あなたの望みを叶えましょう
' / _ ＿ ノ ＿ ≧ ´ｱ´ｱ ｀ヽ
／ > ´¨i{ ￣ ｀ '´ _／´/
, ' ／ /':, _ゝ ＿ _､ ィ´-=≦ ､{ '.
/ , ' ｉ／ ＞s。 ＞ ´ _ ∨ , |
/ / / ／:. ／, ´ ヽ /
' / / ｀ ､ _ィ´_ ∨ |
/ ,' ' .: :! :. } ;' |ヽ
; j! { :, 八 ' ﾊ ＼
| j! ヽ ／ヽ ｲ / j! },:' ':,
| j! j!>s。_ -=≦ ｀ ､≧=- イ j! ' j!ノ j!
| j! j!〈 イ ｀ヽ イ ﾊ ∨ j!
Ⅶ', 〈 | r - _ ,.: ´ ,' ﾑ ,.' 〉 ' /
Ⅶヽ / ヽ〕 ≧=― ｀ - ≦ { 〈 !/ '
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 兵卒の話を聞いた庾冰は、彼のために大きな邸を建ててやっった
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 411 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:38:19.26 ID:FS+r53pu0
-
＼＿_人＿人从＿人＿人从／
＿） （＿＿
） お酒がいっぱい～！ （ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
￣￣） (￣￣ ) ＞
／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼ ＜ かんぱ～い！！ ＞
< (
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
(二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
//＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
//＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
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／＼／＼／＼／＼／＼／| |││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼／＼
"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""""""
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ 奴婢を買ってやり、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 邸の中に百石の酒を蓄えさせ、兵卒の生涯を終わらせてやった。
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ .倹約に励んでいた庾冰がである
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:′
∧＼ ﾏ三ｿ| .＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
- 412 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:39:27.97 ID:FS+r53pu0
-
／／ ┴┐
＼ . -=ﾆ￣￣ﾆ=-
冫＠ ´: :⌒: : : : : : ｀`丶､＼
｀7: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :＼｀、
/: : / : : |: : : : :〉: : : : : : : : : ｀、,
,: : :/ : : : 〉: : : : 〈＼: : : : : : : : ﾊ:.,
|: : | : : : : ∧_: : : :|´ ＼: : :.ﾊ : : |: :,
|: : | : : : : |´ﾍ: : :八 ＼: :|: : :|: : 、
|: 八: : : :N ＼: :ﾍ 4式Tｻ: :.:|: : ｀、
. 八: :∧: : :|4式ｻ ⌒ヽ弋ﾟン/ : 八: : : ＼ _,..............,_
〉: : :＼代ﾟン 、 ::::厶: :|＼ : : : : :＼ |｀"""""´|
/: :＼: : :＞-::: r -ヽ /}:八: :}〉: : : { .): 〉 |-=====-|
／: : : : :} : : : ト _ノﾞ〉ー'' ｲ八: : :＼: : : :∨/ .人::::::::::::: 人
/: : / : : 丿: : : :|:/´ ⌒ヽ-彳 |⌒＼: : : ヽ: : : : ＼ ,. 斗-ク::fつ 美味し～い！！
. /:/}:/: : :/: :／}: /￣ =- 〉 .乂 ﾊ∨: :人: : : : : ∨ ./ ,, イr'' 〉
八:[八: : :{: / 〈ｱ＾` У__ ,,.Υ}/}／ )〉＼: : 丿 j ノ匕__ﾉ
＼: ): :∨ 〈| Υ-{ ｀ 込、 -=ﾆ,,∨{ /` __,,.斗人_
): : 八 ∨ ∨{ ｀ヽ/ ⌒＼ ＼ / / ￣￣
〈 : : {: :ﾍ rｸﾍ ∨＼ ＼. ∨ ＼ /
＼: ＼〈网〉∧ ∨⌒ﾆ=- ヽ 丿 ∨ /
＼: [八] ﾔ ∨ ⌒ﾆ=-彳 } /
}八: :ﾍ ｷ ∨ ]o| √
): :ﾍ ｷ ∨ ] | //
. 人: : ﾔ| ] | ,.ｲ/
)＼八 } ]o| 厶/
⌒ゝ ＿_／ ] | 厂
}/＼/ ] | ,′
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 当時の人々は言い合った。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } この兵卒は、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 智があるばかりでなく、生を達観していると。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ なお、彼の名前は伝わっていない
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 413 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/17(土) 15:40:14.66 ID:i+CZIT4U0
- アル重のストッパーが外れてしまう。
- 414 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:40:50.81 ID:FS+r53pu0
-
／ ＼
＿⌒＼-＜ ＼
-＜ ｀` ＼ ＼
／／ /⌒＼ ＼ ＼ ＼ ＼
/／ ＼ ∨ Λ ＼ ＼ ＼
／ / / / V ∨ ﾊ ＼ ＼ ＼
/ / / / / ∨ | ノ｝ ＼ ＼
/ / / / / / / | ﾉ} } ＼
{ r=ミ ／ / ーー｜/ l イ | ∨ ＼
／ 八V沁 ｘ==＝ミ|/ | / 八 ∨ |
/ ／ ﾊ ~^ 込ｿﾉ| 八 / ∨ | ＿
∨/ / 从 〈 ノ/ / / | ＿--ニニニ
/ / /込 ､., _ Г / /Λ / ＿__} ＿＿--ニニニニニニニニ
ヽ / / | : : ＼ ﾊ ／ / /ニ/／ﾆ=ｰ_ ／ニニ／ニニニニニニニニニニニニ
∨ /: : : : : う爪::::: | / /ﾆ／ニニニニニﾆ／ニニニニニニニニニニニニニ
/⌒＼∨|: : : :／{::::}:::: /|／ /／ニニニニニﾆ／ニニニニニニニニニニ=‐ ￣
__ノニニニ ∨: : /:::ﾉ:::ﾉ::／ | ／ニニニニニニ／ニニニニニニニ‐￣
ノ￣ニニニ=---- ｧ ― ''"￣ `ｰ┐ニニニニ__-ニニニニニ=‐ ￣
_／ﾆﾆ=- =ニニニニ/ ｀＼ﾉニニニ__-ニﾆﾆ＞'^´ / /
／=‐ ''"´ニニニニニニ{::T=--‐ヘ ｣_ﾉニニニニニニ／ ／ / / ／
/ニニニニニニニ二二二Lﾉ::/::::/::::∨ニ-__ニニニﾆ／) / / ／ ／
ニニニニニﾆﾆ＞''":::/::::/::::/::::/:::::::/∨ニニ=-__ニニく / / ／ ＿
ニニニニ＞''´::::/:::::/::::/:::::::::::/:::::::/ニ∨ニニニニ-__ﾆ} ／ ／ / ／ ＿ ヽ
｀¨¨¨¨´ {::{::::{::::::{::::::::::::{::::::l::::::::{::{ﾆ(_＼ニニニニニ∨ / ／/ / {/´ ヽ }
∨::::ヽ::::::::{:::::::､::::l::::::::l::::＼ニﾆ＼ニニニニ} ／ / / } /ﾊ
ﾞ''～--:::::l::::::::::｀`～--:::::::＼ニニニニニノ_{ ／ { {＼ ／ |
| |:::{:l::::l:::::l:::::::::{:::l:::::::l:::::l:::::l::＼ニニニニﾆﾆ＼ ＼ .,＿＿ ノ／ |
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 以下余談。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 庾冰は王導と庾亮の死後、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 中書監・仮節・都督揚豫兗州三州諸軍事・征虜将軍となり国政を掌握。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 咸康八年（三四二年）成帝が死ぬと弟の康帝を擁立し、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 以降武昌に駐屯して北伐の機を狙うも建元二年（三四四年）に病死した
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 415 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:41:22.09 ID:FS+r53pu0
-
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::＼
| |:::::::::::::::::::::::::＼
| |:::::::::::::f ＼::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:､::::::::::ﾍ
| |::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
＼::::| |:::::::::ィ !{ ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞｿ ゞｿ//
| | ＞:´|､ - ,|`:＜ 粋な士大夫のお話
| | |::::::::| ＞ イ |::::::::|
| | ＞-､＼! !／::,-＜
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
| | ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|
| ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽﾆj } ＼:／ ＼ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |Ｖ }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:＼ ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::／ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 416 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:42:44.30 ID:FS+r53pu0
- 【第百八回に続く】
新規CAST
～晋～
●庾冰（ゆひょう） クーデリア・藍那・バーンスタイン（機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ）
●酒好きの兵士 ポーラ（艦隊これくしょん）
- 417 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 15:46:38.97 ID:FS+r53pu0
-
- - ──ー - -､
／i ,.-‐''"´ ＼ i＼
l ＼＿／ ＿,, ,,＿ ヽ､＿／ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 『世説新語』で素晴らしき王湛と同じくらい好きな話。
ヾ＿,;;;l , , , l;;;__ジ
| i￣i￣i￣i """ | .次回で庾冰さんの出番がなさそうなので話を作ってみました
l .￣￣￣￣￣ .l
` ､ /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | ＼ ／
※次回は来週前半には投下したいと思います
- 418 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/17(土) 16:15:43.79 ID:dcZf0iUz0
- 乙
- 419 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/17(土) 16:34:49.08 ID:i+CZIT4U0
- 乙でした。
- 420 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/17(土) 18:21:39.13 ID:FS+r53pu0
- 【>>410修正】
.ィ=s。 _
／≧≦´ ＿ ｀ヽ
ィ≧/'´-≧ ､ ｀ ､￣｀ヽ ム
'ｲ ／' ', ｀ ､ ＼ ﾏ∧
// , / ∧ ∨ ' ､ ﾏ∧
/ ' / /| _ 」 ヽ!＿∨ ! ∨ '. ∧
.' !'i |､/⌒ ,xzzx｀ヽ| Ⅷ j!
j!':,| Y ィf笊 } んﾊ》 j! j! ! j!
j! ',∧ゝtソ ヽ ｰ '' / ,j! | j!
j! ヽﾑ / /,'j! | '
', ｀> ´ ｀ く '/ j! | /
∧＼/介s。 イ |＼/ / ,' ,' / 分かりました。
/ ∧ { j! /|≧´ | /ｲ /イ , '
/ / ヽ{ / , | ∨ j! ／ .私の名に懸けて、あなたの望みを叶えましょう
' / _ ＿ ノ ＿ ≧ ´ｱ´ｱ ｀ヽ
／ > ´¨i{ ￣ ｀ '´ _／´/
, ' ／ /':, _ゝ ＿ _､ ィ´-=≦ ､{ '.
/ , ' ｉ／ ＞s。 ＞ ´ _ ∨ , |
/ / / ／:. ／, ´ ヽ /
' / / ｀ ､ _ィ´_ ∨ |
/ ,' ' .: :! :. } ;' |ヽ
; j! { :, 八 ' ﾊ ＼
| j! ヽ ／ヽ ｲ / j! },:' ':,
| j! j!>s。_ -=≦ ｀ ､≧=- イ j! ' j!ノ j!
| j! j!〈 イ ｀ヽ イ ﾊ ∨ j!
Ⅶ', 〈 | r - _ ,.: ´ ,' ﾑ ,.' 〉 ' /
Ⅶヽ / ヽ〕 ≧=― ｀ - ≦ { 〈 !/ '
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 兵卒の話を聞いた庾冰は、彼のために大きな邸を建ててやった
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 421 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/17(土) 23:41:58.50 ID:JC359lQM0
- お疲れ様でした。
素で庾冰を売ろうとしたのか、悪酔いなら真実を口にしても信用されないと計算したのか？
今となってはわかりませんが、どちらにしろ、酒飲みにあたたかい結末でした。
- 422 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/18(日) 09:49:12.18 ID:nK8rPUmU0
- 乙
兄が色々濃過ぎる庾亮のせいでイマイチ影が薄いけど
皇帝の代替わりでも一騒動起こしてる庾冰
- 423 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/18(日) 10:20:43.98 ID:p5vLMCix0
- >>422
なんでそんなダメ兄弟が権勢持っててまだ無事なんでしょうかねこの国・・・
- 424 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/18(日) 11:04:12.38 ID:yU4ChHc20
- やらかしはしても私心はないから…
- 425 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/18(日) 15:00:32.89 ID:wyRDnfkW0
- 乙です
敗残兵狩りでも現場は割と適当ですな
戦乱の時代は実力以上に運が良くなきゃ生き残れないなー
- 426 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/19(月) 00:00:04.98 ID:i6UGcweyo
- 乙でごわす
>>425
李衛公問対「運のないやつは何やっても駄目ってはっきりわかんだね」
- 427 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/19(月) 11:14:48.20 ID:/kC14Wdy0
- >>1さん乙です。
名門の出の庾冰にこんな逸話があったのか。
なんか世説新語だと、下人や寒人、胡人に冷淡な描写が目立つ西晋人士に比べて、東晋人士は彼らとも結構親身に交流するような逸話が多い感じがする。
胡人に胡人の言葉で話しかける王導とか、召使の母親が病気になったときに親身に治療する殷浩(桓温のライバル)とか。
- 428 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/22(木) 14:49:14.32 ID:wpEPpJDQ0
- SEED劇場版の話題見ててふと思ったんだけど、このスレでシンとアスランって出演してたっけ？
（キラが孫策、カガリが孫権なのは覚えてたんだけど。）
- 429 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/22(木) 15:36:53.98 ID:u75RJ7jGo
- シンは確か呂蒙
- 430 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/23(金) 00:18:16.96 ID:cvdtIjX90
-
- - ──ー - -､
／i ,.-‐''"´ ＼ i＼
l ＼＿／ ＿,, ,,＿ ヽ､＿／ l .お待たせしてすいません。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ＿,;;;l , , , l;;;__ジ 今週残業長くて平日時間確保できませんでした。
| i￣i￣i￣i """ |
l .￣￣￣￣￣ .l なので、２/２４（土）の２１：３０から投下したいと思います
` ､ /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | ＼ ／
- 431 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/23(金) 00:56:16.63 ID:RPA0cbm30
- わーい
- 432 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/23(金) 08:56:13.62 ID:tjv6ImW20
- 乙です
>>428
アスランは周瑜だったような気がする あとラクスが張昭
- 433 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:34:02.61 ID:ZMptsCtt0
-
､__＿＞ ￣￣￣￣￣￣｀ヽ
_..:::彡⌒.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ __
ー ≦､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ.
＜:::::::::__: ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ.
＞ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/彡イ气:::::::::::::::ﾍ.
／:／:::::::::::::::::::///;ｲ:／／//:/´ ｀ミ::::::::::ﾍ
／__＿::ノ:::::::://77ﾒく_/ //:/ ＿ ﾐ:::::::::::::l
／クハ::://///_,,/≧/´/ ..,≦´ ｀ヽﾐ::::::::::::!
. ／ 〉!/ﾊ! ｲ'ひゾ /: / / ｲろ心、 ﾊ::::::::/
//ﾙ ! ｀￣'/ ゞｰ"ノ ハ:::::/
ヾ に! };. ﾑわ/
ヽい ´:ｿ /ノ:/′ 「やる夫が正史を書くようです」第百八回だ。
ｰ', __＿__ んソ
ヽ ´ ` :/´ 当スレにおける本編の内容、
_＿|＼ ｀" ／ 先の展開のネタバレ行為は禁止になっている。
. / | :ヽ .イ:!｀ヽ
. , イ .:.j : : : :ー: ´:.:.:.:.:.:! / | よくここまで来たよお前ら
／ _＿ ..:/ｲ ／ |
/_／ /⌒)/:.:.l __/: L___,､_＿
,..＜ｲ⌒/:.:.:.:l / :/:| /ー:、 ￣￣
., ＜ ＞イ :/:.:.:.:.:.l:_＿ / :/ .:i / /￣｀ヽ、
＜::＞"´ .,.:/_ :.:.:.:.l ヽ .:./ :/ .:/| :/ /:.:.:. . . ｀ ー
"´ .:/ !＼ :.:.ｌ ／ ／／ :|/ /:.:.:. . . . .
..:/ :!:.:.:!＼ヽ ／ ／／ /
.:/ !／!__ :/:／／ /
. .:/ . ィ´ ∨:.:／ :/
.:/ ノ ヽーく_:.／ :/ r――＜＿＿＿
/ ､_＿＿ｊ:.:.:.. . ├─＜__＿＿＿|
- 434 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:34:55.79 ID:ZMptsCtt0
-
／ :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.＼
ィ:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ
/ィ:.:.:.:.:.:/:./:/i:|'´￣￣ヾ.:.:.:.:}
|:.:.:.:.:/ﾚ.{:/ |:| ＿_ .}.:.:/
＼:.:.|. "|'ヽ.|! ‐''" |ヽ′
(,ﾍ! `ｰ‐ ' `ｰ‐ ' ﾄﾘ
ヽﾞヽ ｉ|_ ｼ′
`| ､ ＿ _ /;
,|＼ ／ {
,八 `ｰ─''ﾞ /＼
_＿_イ .ﾍ ／ ./.‐- ．_
_,..-ｰ''''ﾞﾞ_,.．-' | / ﾍ /´ヽ. ./ ｀ー-､｀ー-､
._r'ヽ_,..-ｰ''''ﾞﾞ .ﾚ' ﾍ/ ∨ ｀ヽ,_ ヽ
＿＿＿＿＿＿/ ヽ / ｀Y ＼
´.""""""""""""""'''- ．.ﾊ_ !O / ＿⊥＿＿＿＿＿_
ヽ, ｀ﾞﾞ‐- ．.., ! ___,,,,,,．-‐‐'''"""ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ.｀7
! "'''- ．._ !O _,-'" /
.| ~ﾞ'∨" /
| ! /
.| ! /
,人＿ ! _＿,λ
〔_,＿ｔ_） ! (_ｊ＿,_〕
〔__,＿i_｝ ! ｛_ｊ＿,__〕
.〈＿＿i_} ! {_ｊ＿__〉
晋 太原郡の人 孫盛
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 孫盛、字を安国。本籍は并州太原郡中都の人。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 『三国志』の注釈を語る上で外せない
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .『晋陽秋』『魏氏春秋』の著者で、他にも詩賦・論難等著作が数十篇ある
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 435 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:36:23.11 ID:ZMptsCtt0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 高祖父に魏の中書令孫資
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ / ＿＿
.x＜ ￣ >ユ 、
,ィ ／ / / | | ∧ ＼
/ /〃 / / / / .| | l ﾊ '. ＼
{ハl l / ／| / / | | | U | ＼
}从|/ ｀∨ / Ll ゝ‐'', ﾊ
＿ ノfﾐx |从/ / ,′ } ﾊ
{ ﾙ' ゞ }イ / /ハ |
あら？ '. / / ／ ハ. |
} /イ , イ イ '.. |
まだこのスレ続いていたの？ 〈 ∠ ィ Vl ! '. |
l {＿_ ／ | '.. |
｀ ￣ ヽ 厂V´l | '. |
＿＿,.r‐／￣￣｀ ー‐ ┴―― 、 '.. !
r/ ７´{¨７´ _.ニ/ ＼ '.. |
/ " { __厂 ヽ.ノ } '.. |
_,． - ――┴――― ' 、 ＼ ,′ '.. |
｀丶、 ＼ / '.. |
＿＿＿＿＿ ,∧ ∧
.＞に´ r' ∨ ｀丶、 ､＿＿＿＿／∧ ヽ ∧
￢ ¨´￣ { ￣￣l ∨ ∨∧ヽ、 .′ヽ ＼ ヽ
魏 中書令 孫資
- 436 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:37:17.81 ID:ZMptsCtt0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
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: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 祖父に馮翊郡太守孫楚がいる。
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: ちなみに、孫盛が生まれたのは孫楚の死後だ
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
, -‐;ｚ..__ ＿丿
／￣ﾞヽ′ ﾆ‐- 、＼ ＼ ところがどっこい
Ｚ´// ,ﾍ.∧ ヽ ＼ヽ ゝ ヽ ‥‥‥‥
/, / ,ﾘ vﾍ ｌヽ＼ヽヽ.| ノ 夢じゃありません
/ｲﾙ_-､ij~ ﾊにヽ,,＼`| ＜ ‥‥‥‥！
. N⌒ヽヽ /／￣ﾘ:| l l | ｀)
ﾄ､_e.〉u ' ｅ_ ノﾉ |.l l | ∠. 現実です
|､＜ ､ ij _,"､イ||ト､| ヽ ‥‥‥！
. |ドｴｴエ「-┴''´|.|L八 ﾉ -､ これが現実‥！
l.ﾋ_ー-r-ー'スｿ | l トゝ､.__ | ,. - ､
_,,. -‐ ''"ﾄヽｴｴｴエ!ゝ'´.ｲ i l;;;;:::::::::::`::ｰ/
ﾊ:::::::::::::::::::::| l＼ｰ一_v~'´ j ,1;;;;;;:::::::::::::::::::
. /:::;l::::::::::::::::::::;W1;;;下、 ／lﾙ' !;;;;;;;;;::::::::::::::::
/:::::;;;ｌ:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;|: :Ｘ: : : : : |;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::
/:::::;;;;;;|:::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;|/: : >､: : :|;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::
晋 馮翊郡太守 孫楚
- 437 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:37:59.27 ID:ZMptsCtt0
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／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
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::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 父の孫恂は潁川郡太守を務めたが、
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 在郡中に賊に遭遇して死んだと『晋書』『孫盛伝』にある。
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: 孫盛の生没年から推測すると、永嘉の乱で命を落としたと思われる
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
. ／: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:::.:.:.:'，
/: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:'，
/／: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.'，
／|::!: : : : : : :./: :./}.:rﾍ:.}￣¨''ミ:.:..:}
|八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:| ',:.:斥
|从: :|斗抃ト､|! /, -‐─Ⅴ }
! {Ⅵ 艾テ / 艾テ ! /
ヽ } i ｒ‐'､
俺が十歳の時の事さ。 ／.|ﾍ 」 / .| 乂
イ ｜ ､ ` ｰ─ ｲ | ' ，
難を避けて長江を渡ったんだ , ’ | ＞ ＿ イ/ ! ' ，
. ,イ | ＼ ／ . ＞､
. ,ハ ! rそ厶 ′ ,ハ
. / . ' ／ ∨// ＼ / .
/ '. V }//{ Ｖ ,
. / .' |//| | ./ '，
/ '， |//| i|/ .
. / .'， |//| }| '，
- 438 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:40:09.96 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３０年頃 晋 首都 建康】
ヾ叉7
＿ⅲL_,, ,. _
,,､､-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :｀`ヾ､､､
,,． '"´. .:.: .:.: : .:r＝=.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.｀ゞｰ-､､
,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
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￣｀¨`ヾr＝=.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r＝z,;,;,;::／
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ﾞi:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r＝:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:｀`;:ｰ-..､,,_
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .成長した孫盛は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 博学かつ名家の論理を得意とした。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .名家とは、是非を明らかにし、法術・権勢を重んじた諸子百家の一つだ
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 439 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:41:41.52 ID:ZMptsCtt0
-
λλi ﾚ / ／ﾆ=- ノ
㍉ヽξ- 、-‐''"iﾆ=-＼＞
; ／ ;:;:＞___くミ;:;:;ミ
／ ィ彳／tッ ;;:;: ﾐ
／ ／｀",' ￣ / /
,'／ ヽ ﾄイ、
∧ ──'´ /;:;:|、 ヽ
_,, ‐''" ', ￣ ／／ i;:;:,' ヽ
官の根本は腐った臭いを発しているから、 ／ ／;:;;:二≦／,;;:;:;:;;:∧ ヽ
官を得ても無駄に一生を過ごす事になってしまう。 ヽ ／i;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,' ヽ ／i＿
/￣ ヽ ）;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,' ／ |: : : : : :￣ ヽ
銭の根本は腐っているから、 /: : : : : : : 〉、ヽ、;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;,'／: : : :|: : : : : :/: : : :ヽ
銭を得ても汚れたままで終わってしまう ./: : : : : : :／::::::ヽi;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,'::::＼: : : : : : : :/: : : : : : ',
,': : : : i: : : ',:::::::::::::|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;,:::::::::::〉: : : : : : : : : : : : : : ',
i: : : : :|: : : :',:::::::::|;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;,:::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : :
⊂ﾆ、 'ヽ、 」＼: : |: :＿ ',::::::::|;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:/::::／＿＿: : : : : : : : : : : : :
ノ ヽ i: : : : : |: ヽ、_/:::::|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ,'／: :＼＿ノ: : : : : : : : : : : : :
_,,. ‐'" 、 ／ ﾄ 、 ＿ |￣＼: |: : : : : :',::::|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾋﾆ-‐''"_,, ヽ ／ ＼、＼／: : : : : :|: : : : : : :',::|;:;:;:;:;:;／: : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
｀¨三─‐''"￣ ＼ | ヽ:: : : : : :|: : : : : : : ,i、;:;;:i: : : : : : : : : : : : : : : : : : :,' ＼: : : : : :
|＼ / /: : : : : : |: : : : : : : : :ヽ┤: : : : : : : : : : : : : : : : : ,' ヽ: : : : :
＼ ￣ /: : : : : :／i: : : : : : ::;:;:;:;:;:|: : : : : : : : : : : : : : : : : ,' /: : : : :
＼_,,.‐''": : : :／ |: : : : : : ::;:;:;:;:;|: : : : : : : : : : : : : : : : / 「￣￣￣
晋 陳郡の人 殷浩
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 当時、陳郡の殷浩は『老子』『易経』を好み、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 人々から風流な談論の中心人物と見なされていた。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .所謂清談の士である
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 440 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:42:21.77 ID:ZMptsCtt0
-
/:::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
. /;イ::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::/"ヾj`'!::::::::::::::::,′
/ /::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::/ ﾘ ｌ:::ｲ:::::::/
/::/!::::::::::::::::／:::／:::::::::/!/ // !:::::ム
|/ |::/!:::::::/ /::/ !:;ｲ::::j! | /__.!:::/ヽ｝
| .|//:/::/｀!:/ート,|:::ハ.!≦二￣ /::/,ﾉノ
ﾘ !:|:::ﾍ !'ニヱ>!:l i ニヱゝ/イﾑノ｀_ｰ ､
_ , .-!ﾍ/A ￤ ﾘ l /.:.! ／ゝ: ｀ - ､_
_ - ´ _,､ ヾ|ﾍ 〈､, /.:.:.|/ ／X:.ヽ ｀
.,イ´ _ - ‐ ´ ＼ヽ.| ﾍ ,r=_‐-､ ｲ.:.:.:.:! ／ ｀ - ､
/! ｨ ´ | ヽ／>ゞｰ‐‐′ ／/ :.:| :／
. / ﾚ′ | <／ヽ、 ｀ﾞ´ ／ / .::!／
i l | ／ﾍ ￣ ´ /ﾍ .:.| Ⅳ ﾚ ,｡ｬ'''/,｡ｬ── フ
Ⅳヽ,' ,' / ＿,｡ｬ'´r＿ ＜
', ,｡ｬ -ﾌ ／ 二ﾆフ ﾆフ
Ⅳ ／ ／ ', ≧s｡,≧s｡,
|__／ ,｡ｬ'´─‐ ', ＼ ≧s｡,
／ ,ｬ'´ィ'´ ,ｨ f符ﾌ ',ｨﾆヽ ≧s｡,
ヽ＿,｡ｬ '´｀"/ ￣ ）Z /ｨ f¨
', ヽ ,'____ノ、
', ヽ==＝ﾌ ,' ミ/.::.）
.', ,｡ '´,｡.::.::.:λ
r.::.:ﾆﾆﾆ└‐rf:'''´,｡ｬ'´.::::.:／）ﾆ',
ヽ.::.::..::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:/〈ﾆﾆ
,｡sﾆﾆﾆ）.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::,'ﾆﾆﾆﾆ
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ ある時、孫盛は殷浩と談論を行った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 何について議論したかは不明だが、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .食事をとらずに議論に熱中した末、夜になっても結論が出なかったという
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 441 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:44:06.19 ID:ZMptsCtt0
-
／:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:..`､ ::::.
/ .:.:.:.:.::.:.:::.:....:.::::.:.:.ヽ :::::.
/:.:.:.:.:/::/./!:.}￣¨!.: :::| .:::::
/ｲ:.::./::/メ､|/-一^|:::/ .:::: この『易象妙於見形論』という書物。
/ィ从!ｨｆッ. ｨｆォ .|/ .::::
い i } :::: 俺なりに医と卜についてまとめてみた。
`ヽ _＿, / 癶
|ヽ ＿_ イ、 γ^ヽ. ／／ .反論があれば聞こう
ノ> | Ｙ | l／／、
/ / ! <⌒ヽ｜ !／ ',
．イ::/ ,'ー--一/___`ヽ, 人ツ / ｊヽ / ｙ ／ ィ / ', |
/ /'" 7￣￣￣,'~ .ヽ | / ,' ! |ヽ / く ''゛､ ''゛ i ￣￣ フ
,' .i ,' .`ｒミソ / ノ | ＜,｡s‐‐s｡,ｚｚｚ ノ ,'≧s｡, ／ｧ__
, ﾍ | / ', `≠イ ﾐ_､ ''＼ ＞ ﾊs｡, ／ ／
/ .| .| ,' .':,`‐-ノ ∨ ／ ,｡s=＝ゝ く ＼ ／
ｋ／_､ '' K¨苡ξ ミ s｡ ミ｡,
イ ﾂ ￣＝ 約 イヽl /¨｀
／ ｙ' ｿ ｋノ/ /
ヽ u .仁 ∨
', ─ ´ ,｡仁 V＿
よ、よくできていると思うぜ ヽ ∠,-;: : : : : : : : : ヽ
＼_.､-'': : : : : : : : : : : : : : : : :/
l⌒', _.､-'': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
', ', |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／￣ ヽ i ／ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : :二ﾆ=-
丿＿ ヽ/ﾆﾆﾆ=-: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
（ く人＼ﾆﾆﾆ=-: : : : : : : : :／￣ ＼: : : : : : :
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ また、別の機会に『易象妙於見形論』を著わした。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 殷浩らはこれを論破できなかったため、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .孫盛の名は世に知られるようになっていった
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 442 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:45:47.71 ID:ZMptsCtt0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ その後、起家して佐著作郎となったのだが……
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__ ¨''＜:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ_
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ / _,.．≦":.:.:.:.:./::./:/ﾚ{:.:/^⌒^¨''ｰ､:.:.::.:.:ヽ
i: : : :::＼::＼i../ / ／::.:/:/.:.:!:!:./:/_,ノ!:| ､ u ヾ:.:.::.ﾍ
':.:.//:/: :/|:|/≦ |:! `ｰ- ．..,,__ }:.:.::.:.:ﾍ
i:./ |:/|.:.:{ |i-‐ tｧ |! -‐─tｧ {:.:.::.:.:/
|′|' .{.:.:| ￣ / ￣ .}:.:.::./
. Ⅵ }: :` Ⅴf ヽ
/ﾍ| し 〈 ji }
俺の家は先の事情もあって、 {{:iﾊ ｲ ノ
貧しい上に老いた親族ばかりでな。 ヽ ﾊ ヒ 二 つ ＿／
ヽﾊ ｰ /!:/
実入りのいい県令に転任してぇ ヽ ／ {/
ﾄ､ ィ |
| ｀ ｰ─≦ |
_| |＿
/{ _,.．-'''" {
/ ＼ ./￣l ヽ
/ ｧ､}＿_/＿__j ／`ｰ-､＿
＿＿ _ ,,.. ．-‐ '''/ ／ﾍ/////三三＼ ／ ￣ ''‐- ．_
. / /／ }//// ＼ / /
- 443 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:47:32.82 ID:ZMptsCtt0
-
lﾞヽ 、 /ﾞi
! ､ヽ )＼.＿____ / , i , ｨ
. l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
／冫';:::::::::, , :::::＼/＼ｼ′
. ／三'::,::'::, イ:: ::/＼::: ::::ヽ三＼
. f三〃:::／ノ |:;::/ ｀ヽヾ::::弋!l三三ゝ .ですよねー。
,.ｨ＼{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
／:::::::::∧::l⊃ ､_,､_, ⊂⊃::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼ 中央の佐著作郎なんかより、
ﾌ:::/⌒ヾ./:;ﾊ ゝ._） ｨ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶 .地方の県令の方が儲かりますから
ヾ;:'＼ /￣ ７,＞,､ __, イ!;:;ﾍ､__∧ ゞ ヾ::ﾉ
. / .//｀､ l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ﾊ 私も貧乏が理由で、県令や郡太守を務めた経験があります
｀ヽ､//、 {⌒｀y´⌒}'ヽ, / ﾉ∨ ｀ヽ.
｀ ‐｀lﾆﾆﾆﾆl´‐ ' ヽ/ｨ´:.:..,,:.:.:.:ｿ
晋 散騎常侍 干宝 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
この時代。 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノ ﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
土地を持たないために ∨|:.:.! ﾉ/i/ﾉ
暮らしに困る寒門の士大夫は多かったらしい。 ﾍ!:| ﾉ!/′
ヾ!＞ｰ- ´｀-- ＜ｲﾘ
孫盛も地方官となり、私腹を肥やそうと考えたのだろう （;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i､__,,/ !､__,,!
`ｰ'′ `ｰ'′
- 444 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:48:16.30 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３０年頃 晋 荊州 長沙郡】
／::.::::.::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::/:::::/::::M〃''''ミ::::::::::＼
,ノィ:::::/:::::/: ::::| ミ::::::::::ﾍ
/:::/:::::升!八ｉ -‐,二_ .ミ::::::::::i
./:::::{::::/ｰ‐- '´ｔツ Y''刈
/／ .|从ﾞ､iｔツ } おっ、山吹色のお菓子とか初めて見たぜ。
iハ .ﾉ ノ
! .!ﾞ､ ｧ ∧ この礼は必ずしよう
ﾞ､ ｀ ― ｲ ヽ
＼ , , -‐ ´ !､
＞-‐ ´ |￣| 〉
__／ | | >､ |
_, -‐'／＼ ,イ＼/／ ／＼. /―- ＿
／_, -‐'´,＜´）/ | ／ ／ ｀
´￣_, -‐ ´＼ / ／ ／ ／ , -‐ '´￣￣｀ヽ､
ｒ===========r‐、: : ＼
|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
{/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ― ﾄl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
何かと御入用でしょうと官吏Aは誠意をお見せします |/!:ll⊃ ､_,､_, ⊂⊃ﾉ: : ｜
/⌒ヽ__|ﾍ 丶_ノ ..ｲ:i : :/⌒i
. ＼ /:ノ从ヽ,､ __, イﾄ:}ﾉ/ /
/ //ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 結局、孫盛は長沙郡の瀏陽の県令となった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j ちなみにこの男、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .晩年近くまで金に困っていた様子が『晋書』『孫盛伝』に見える
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 445 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:50:07.96 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３０年頃 晋 江州 武昌】
⌒7i:i/i:i:i/:i:/i:i:ｉ:ｉ:{i:i:wi:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:i:iviVi:i<⌒
/i:i/i:i:i:'i:i:i:i:i:i:i:,ｨ{i:i{ }i:i:}i:i:i:i:}i:i:i:i:i}i:i}i:i:i:＼
/ｨi:'i:i:i:i:i{ｉ:ｉ:{ｉ:ｉ:/i:| ViVi:i/}i:|ｉ:ｉ:}i:i:i:i:i:i:ｉ}i:i:i:i「^ヽ
. }i{i:{i:i:i:{ｉ:ｉ:{-ｫi:┼ vi:ｉ:/ }┼-}i:i:i:/i:i:i}､i:i:i|
. }iⅥi:i:i:Vi:Ⅳ}i:八 /ｉ:〈 ﾉ八i:ｉ}i:i/i:i:i:ﾊ Ⅵ おお、よう来てくれたな。
. }i:i:i|i:i:i:i:V{ =＝ノ／^＼＝=ﾉｨi:i:i:i/}∧ ‘，
. }i:i:八i:i:i:八_' ' ' ' /i:i:/i/i:i:ﾊ 〉 .近頃都で評判の男が荊州に来とると聞いてな。
. }i:i:i:i∧:i:i:i:i⌒ r ‐─┐ ノィi:i:/i:i:i:i:i{¨´
. }i:i:i:i:i:∧i:i:ﾄ 乂::::::::ノ ｨi:i:i:i/i:i:i:i:i:ｉ{ .私の配下として働くつもりはないか？
;i:i:i:i:/ ∨i{ ＞ _ ＜ｨi:i:ｉ:∧i:i:i:i:i:i{
/i:i:i:/ Ⅵ_ﾉﾆ{ /ニL}i:/、 vi:i:ｉ:∧
./i:i:i:/ ／ﾆニ>､∧ /ﾆﾆ／ﾆﾆ>､Vi:i:i:i∧
/i:i:i:/ /ﾆ>､-=ﾆﾆ>､Vﾆ／ﾆ=-／ニv>､i:i:i:i:>､
_..ノ:ｲ:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
/::::::/ :::::: /:i::::M〃'''''''''''''ミ:::::::::::::::|
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/:::／!::!.:::.:升Ⅵﾍ| ﾚｰ─-- ミ:.::.::.:|
. /／ |:从:{ -─rｯ ─-rｯ ト､:/
′ iハハ} ￣ ￣ ﾘ }
i ! ヾ! 〈 _ j,.ィ
U 从{
` 、 -- , '/| ＼
,., 个ｭ､ _,. ´ / .| ｀丶ｰ-､
／ .!ヽ、＿_,ノ | ヽ、
／ .| /::::::ヽ 丿 ＼
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } その後しばらくして、武昌に駐屯していた陶侃の要請で彼の参軍となる
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 446 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:51:57.40 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３４年６月 晋 江州 武昌】
. ／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:＼
. ／:.:.:.:.:.::.,.k≦¨¨彡:.:.:.::.:.:.:.:.:i
i:.:.:.:.:.::√ ミ:.:.:.::.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:|!| ､_厶-‐''¨ Ⅵ⌒j:|
. 八:.:.:.:.rﾍ イ ア' ,ノ:.| こちらが陶太尉が遺された帳簿一式となります
/ }:.:.:.|ヒｧi ｉ刈:|
. |ﾊ!:ﾄ､ | } V_
､` , -‐－ , ′／ 乂_
＼ ／ .／ /＼
. `ｰ─ ,≦. / ＼
／| } } / .::':::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ ／/
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.':::::::::::::::ｲ:::::::::;::::::::::::::::::::::::::::;////////
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{:､:::::7_._,_.,':::::::i:::::::j:::_.. -‐ｩ::l//(/////
:､;::' .ﾘノ´ヾ:::､:::::/ｩ ﾌ イ:::::j///////
軍資・器仗・牛馬・舟船。 / ⌒ ＼ ノ j:::::::::j＿ノ::i::::::::://///////
,. イ´￣￣｀ヽ ヽ ヽ __ i:::イ::i:::::::::j::::::::://///////
全て帳簿に記されている。 '- ≧ ､ ヽ ヽ {/i｀一' j::::::::i::::::::／ｲ／////////
｀ ヾﾐ ､ ＼ ヽ .ﾍ/!:::､ _ ィ:i:::::::i::／////////////r,‐
陶侃殿は ｀iトﾐ､､ ヽ ノ ﾍi::::::////i:::::::i/////////// ｲ ヽ i
最高の仕事をしてくれた ヽ ｀ミ:､ Y ,ィｉ:::'////ﾊ:::::::i/////////⌒'´ ／
ヽ≦ﾆ ヽj / ,:::::{///ノﾊ:::::::i///＞-´/ ／
､ﾆﾆ､ (⌒iこ''" ｀ｨ´ -,:::::::: /≧.ｲ
晋 征西将軍 庾亮
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 陶侃の死後は、後任として武昌に来た庾亮
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 447 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:52:42.54 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４０年頃 晋 江州 武昌】
/: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:'，
/／: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.'，
／|::!: : : : : : :./: :./}.:rﾍ:.}￣¨''ミ:.:..:}
|八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:| ',:.:斥 .庾翼殿。
|从: :|斗抃ト､|! /, -‐─Ⅴ }
! {Ⅵ 艾テ / 艾テ ! / 御到着をお待ちしていました
ヽ } i ｒ‐'､
／.|ﾍ 」 / .| 乂
イ ｜ ､ ` ｰ─ ｲ | ' ，
, ’ | ＞ ＿ イ/ ! ' ，
,イ | ＼ ／ . ＞､
.,ハ ! rそ厶 ′ ', ': : /: : :/ /: ,': : : ':; : l : : : : ∨: : :ﾊ
ノ:/ : : {: : :ｲ:/: : : : : : :} : | : :'; : : ∨ : : }
r ≦: :/ : : 从:/ !ﾊ: : : : : : ｲ:/{ : : }: : : }: : : :.
､: :.:/: {: : ::ｲ笊㍉ '; : : ィ芹ｘ'/: : / :/ :{ﾊ: : : ':,
｀ {: : ':, :{ﾊ ｖり ヽ( ん豸 ／: /: : }: ',＼ : ＼
孫盛殿。 八: : :}: : l ､ vtソｲィ: ': : : :}: :}: : : : : :＼
ヽ: }: 人 ｒ 、 ／/: : : : : :ｲ :/ : : :。s≦´
北伐のために力を貸してね ._ ノ: : .个.、 ゝ ノ {: : { : : ／: : '´:ア ´
≧ー イj!ィ :ヽ _ イゝ: ヽ （: : :/､(
'⌒´ ﾊ。s≦ ≧ x{｀`｀Y
／ ＿ 。s― ≧､
r' 。s≦ ￣ ＿ Y
晋 安西将軍 庾翼
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .庾亮の死後は、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ その弟の庾翼の参軍を務めている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾翼が西府軍の駐屯地を襄陽・夏口へ移すのにも同行したのだろう。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ このあたり、西府軍の幕僚となった感がある
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 448 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:54:16.29 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４５年頃 晋 荊州 夏口】
／:::::::::::::::::¨:''ﾍ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::=-‐
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｒ''ミ:::メ、
V::::::::::::::::::::::::::／/::/ }:ﾄ､
厶ミ!|.::/:/:/／ ./::/／/!| あれから五年。
＿＿＿_,.．, イ {ｔｯ|:/:/斗zｫｰ''/ ﾋﾔi┐
. , '' ¨ / { 弋.| `"" ､ ! ﾄ､ 庾翼殿も北伐を果たせず亡くなられた。
／ ヽ, ─── ‐‐| ､ ｉ ' ' ! ;
/ i | ﾍ ＼ -‐ ‐ ｲ } ! .後任は庾翼殿の御子息だろうが……
./ i | | /¨''{ ＞ __ ／ / j
i | | /| | } ｒ'' { ／/ / /
. i .| |/ l .{ 乂 j ノⅣ. / /
i | ＼＼ ﾍ,ノ/ /. / /
! | ＼＼__/./ / / /＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
孫盛殿、大変だ！ ＼ ヾﾆノ .::::/"''=-
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
庾翼様の後任は……！！ i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } そして、庾翼の死後
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 449 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:54:57.35 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４５年頃 晋 首都 建康】
/ ／>'´ j 丶＼ ﾞ'<.､ ﾏ
Ｙ ,j〉' ／ /| ヽ ﾞ〈 ‘,
. { ｙ'' / / ｌ ヽ ', ', _
∨ '_､/‐-丶 ‘, 丶 ∨::{
/ / l.ｘ=､、 ＼＼ヽ⌒ヽ ‘,::」
/ .i ｨんハ ｀ ,ｘ=ﾐ､| ｌ ﾄ、 あたしが生きている間に、君を荊州へ赴任させたい
/ .l {弋ﾟソ んハ 》/ .| ∨
/ l ヽ、 ' ゝ-' /ｨ ｌ ∨ ＼＿_人＿人从＿人＿人从／
/ ∧ ‘, ｒ ‐ ､ /' /. ∨ ＿） （＿＿
/ / ∧ ＼ 乂 ノ ｨ/ ／、 ∨ ） あの桓温だ！！ （
. / / ノ ＼. ｀ｈ､ _,.｡s升/_／:＼ ＼. ￣￣） (￣￣::::ミi::::::::::::::::::::::::::::.
. / ／ Ｙ´: : : : :｀: ｰｔヽ ｲ : : : : : : : : : 〉, ヽ. ／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼:::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
./ｨ / {＼: : : : : : : l､ |: : : : : : : :／ﾆ} ' i i::::::::::::::::::::／::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
晋 中書監 何充 /r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ﾐ::::ハ
. 八{ﾊ.V {::/:::::::::::／/:/ }:/ ′
ヽ ｰi ﾚ __彡 ' _.／ _,,,...=ぇ |i /
込ト-r≧====x ＿r≦====x〃「
. ‘， 辷=-///￣ヽﾆ=-///j /
お骨折り頂き、感謝しています ， `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ﾉ ∧
￣￣￣｀7 iヽ ＿ 二....＿_ / ⌒ヽ￣￣
. / .＼へ こ二ヽ＼ 〃 ＼
/ ｀ヽ＞ ＿, ＼> 厂￣｀＞ ＼
晋 安西将軍 桓温
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 今度は桓温の参軍となる
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 450 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:56:15.84 ID:ZMptsCtt0
-
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾊ::::::::::::: : //:::,イ::i::|::::/¨¨¨¨⌒ヾ
ﾊ::::::::::::::: //:://::::;ｲ::|::/
∧:::::::::::: /_,＞ ´７ }::|/
/／:::::::／´ _,ノ //
/:::::::::／ ／:{//≧/ｲ､ :| } 厶斗
{ｲ:／ ∠:从―――- ､ ＿ -―
/ .ｆ､,f三三三三三ヾ ｒ￢ ｆ三三
/ ∧{ 三三三三三 ｦ-― ､三三
北伐は成し遂げなければなりません ノ 厶斗七⌒∨三三／{ }＼三
／ ´ ＿_/＿∨≧´￣ i
i ￣ } { | } }
:ィ} ―――‐〈 ｀ヽ ノ '
. _,． ≦ニニ:′ :} ｀ヾ三三三三≠
. _,． ≦ニニニニﾆ′ ≠一 ./＼ ー
ニニ|ニニニニニニ { f ノ :＼
ニニ{ニニニニ ＿__」＿_ ├≦{ ≧ ー― ≦
ニニ|ニ＿＿__/＿＿ ＼ ノ:ニ∧ ＞= ＜
ニニ∨ニニニニニﾆ≧､ ヽ ,. ィ ニニﾆ∧ / ヽ
ニニ/ニニニニニニニニ＼ ∨ﾆ7:ニニニ ∧ / :}
ニ=/ニニニニニニニニニﾆ＼ヽ={:ニニニニ∧ ∧ /
ニ/ニニニニニニニニニニニ ＼}|ニニニニニ∨ ヽ＿＿＿/
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .桓温、字を元子。豫州譙国龍亢の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 蘇峻の乱で戦死した宣城国内史桓彝の長男で、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 豪壮な人柄かつ立派な容貌をしており、明帝の娘南康公主を妻に迎えた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 皇帝の娘婿という立場もあってか、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ この時点までに駙馬都尉、琅邪国内史、徐州刺史を歴任している
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 451 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:56:46.18 ID:ZMptsCtt0
-
_...._
_,.-':::::::::::::｀ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＿＿ ／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､ ';::::::|
,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼ ';:::|
/ | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーｲ l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ ､ lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー-- :::＿:ﾉ
ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀ 彼は清談に興じる東晋の士大夫とは一線を画していた
,ﾚ-'⌒:､ ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐､ ヽﾆ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ﾍ
,r'::::.,.-' ｒ'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
/:::::/ | l::: ｀ ヽ､_ ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ､__,. ､ ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | ｜ | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ．__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
｀ ｰ- 一 ﾍ |::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀
- 452 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:58:49.14 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３１年頃 晋 首都 建康】
ゝ/´/////彡∧i‐-､
／////＞≦_フ´ﾞﾞ‐-､∧
／///／{::::::::::::::::ヽ=γ￣＞､
////／ゝ､ヽ:::::::::::::::ﾉ ＼::::::::::ヽ
,//／／ ｀ ￣￣ 〈⌒´i‐‐､´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i 江播殿が亡くなられたと聞いて弔問に来た。
i |i､｀) 'ゝ二二二二７ ,
､` ヽ ｀‐-==- i .生前は俺の親父が大変世話になったと耳にしていてね。
､ゝλ i
∨i ､ ．＜三ヽ ノ 謹んでお悔やみを申し上げる
∨ ＼‐‐ ´////////／
〉 ＼/////////,i
／ {｀ ､ ＼ ､｀ ヽ////,i
ゝ´:::::::∧､ ￣ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧､ , -‐ '´￣￣｀ヽ､
ｒ===========r‐、: : ＼
|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
{/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ― ﾄl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
御丁寧にどうもと江彪は応対します |/!:ll⊃ ､_,､_, ⊂⊃ﾉ: : ｜
.|ﾍ ..ｲ:i : : :{
. ノ从ヽ,､ __, イﾄ:}从{: ﾄ、
. ,.＜ //ヾゝ八__／:.:.// ＞、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .桓温が十五歳の時の話だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 涇県令の江播は父桓彝の死に関与しており、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j それを知った桓温は父の仇討ちを果たそうと考えた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ ところが三年後に江播は死んでしまい、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 息子の江彪と二人の弟が父の喪に服していた
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 453 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 21:59:52.54 ID:ZMptsCtt0
-
. /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.ヽ
|:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.{~""ヽ:.:.:}
__{:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.／/.://:{{ }:.::|
／ ./⌒Y.:.／乂＿ // ___,.．-}/ }
{ {ツ }/ ｒ=====ミ＿ｒ====ミ}j !‐-= _ 親父さんも一人では寂しいだろうよ
ヽ弋 ＼{////// {///＞‐┐ ヽ
＼ _. `ｰ─‐ _,ｘ≪ {Ο} ／ ＼
| ヽ {. /￣ }＿| -‐ ヽ＿ /二`ｰ──冖
＿ ヾ_! ＿|ヽ { {{{{＿ ｒ¨ V ミ＿＿ _ l {{{{〕〕〕 |C|
￣ヽ ／￣¨'' } / V { {/ ／ ヽ.＿__{ ∩}──‐┴┤
. /,{ ‐-ﾉ /ﾉ .V i i { ヽ | |ヽ {￣￣
// ￣￣}| V / }＼ノ.| |ノﾉ ヽ
{ | ￣￣}| ／ / / /.{ （＿ _ ／ }
, -‐ '´￣￣｀ヽ､
ｒ===========r‐、: : ＼
|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
{/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ― ﾄl!: : :|
|l:/|/ ○三三○:::::::ト、: :|
|/!:ll⊃ ､_,､_,:::⊂⊃ﾉ: : ｜
.|ﾍ 丶_ノ::::::::::.ｲ:i : : :{
. ノ从ヽ,､ __, イﾄ:}从{: ﾄ、
. ,.＜ //ヾゝ八__／:.:.// ＞、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ そこで桓温。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 弔問客を装って、まず江彪を殺害
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 454 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:01:32.32 ID:ZMptsCtt0
-
, . : : :──ｨf三≧x
,. : : : : :＿,.ｨr==ﾐ三三〉＼
, : : : : ∠三//三{ ○ }三ｱ＼ ＼
. : : : : :∠三=- ￣|ﾆ7ｰ三７＼ ＼
. ／: :／ ／´ : :/: /: : : V三三く ＼ ＼
. ／: : :/:／{: : : : /: /: :/圭＼三三＼ ＼ ＼＿_人＿人从＿人＿人从／
／/: :／:/ 1 |: : : : : : |: ;佳圭/ ＼三三＼ ＼ ＿） （＿＿
. ／: :/／ : ∧/ |: : : : : : |,佳圭/: : : ::＼三三＼ ） 桓温ッ！？ （
／: : : ::|: : : : : ∧ ｊ:: : : : : ::|｀}圭/: :ﾊ : : / ＼三三＼ ￣￣） (￣￣
: : : : : : :|i : : : ///V:/! : : : ﾊ| 圭} / / : / l: :＼三三 ／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
: :／: ／|i : : ////,'ｲ | : : / 佳/ / : / / : : : :＼三
: : :／ : 八: ハ////l V / ,佳Y {:／ /:/ｌ/ｌ : :|: :｀
─ﾐ､＿／ヽ{ ∨/八 V ,佳, - 、 /}// /: :∧: :
. ﾉ／ '//∧ l! く ヽヽ ////:／/∧:
|￣二=- ＿＿＿ ∧ i! ヽ ／ ///////////
/ ／｀ｰ─ﾐi! ＿ , イ: : :＼: :ヽ: : ｰ‐ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
／ -‐＼: : :＼: : : : : : :＼ﾉハ} ) ＞
＿＿＿＿／ ／ ＼: : :＼}圭圭ヽ}圭圭 ＜ 何をするやめろォ！！ ＞
／圭圭{ ／ ＼ヽ圭圭圭圭圭圭 < (
＿／圭圭圭7／ }Ｋ,.ィ ￣＼圭圭圭圭圭 ／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
圭圭圭圭圭{ | / ,佳Ⅳ ／ ＼圭圭圭圭
圭圭圭圭圭ﾊ |,ム ,佳Ⅳ／ , ───ミ圭圭圭
圭圭圭圭圭圭i!圭圭Ⅳ ／ ヽ圭圭
圭圭圭圭圭圭{ｔﾐ圭Ⅳ ／ ／￣￣￣ヽ圭
圭圭圭圭圭圭圭ヾⅥi ／ ／ ￣
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 残る二人の弟も追いかけて殺してしまった
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 455 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:02:31.38 ID:ZMptsCtt0
-
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : :／:::.:／ ヾ:.:.::./:.:.＼
,': : : : : : : : : : , -‐ ､:.:.:./ィ/:.::.／:.:.:.／ }:.:./::.:.:.:.:.i
. i: : : : : : : : ::／／⌒ヽ:.:.:.:/::／/.:ィ' ￣三ミ､/:.∧:.:}.:l
{: : : : ::.:.:.:.:.:{ { ,ハ .}三≧二ﾆﾆ==─┬┬弌:/ }:/}′
',: : :.:.:.:.:.::.:.:.:', ./ヽj } ￣|////{j .|′
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.', 〈 ノヽ |////ヽ
',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::j､ 乂ﾉ {/// ',
i:.:.:.:.:.::.:.:，＜ヽ_| `ｰ′ V
. }:.:.:.，＜ | / _ 〉
/¨¨ | ｒ_､_ ｒ''" 仇は討ったぞ親父
. ＿/ i { ＼ ﾆ=‐-′
／ ＞，. i ＼ ￣)､ ＼
／ ＞，. i ＼ / ＼. ＼
／ ＞， i ＞，. / """
＼ ＞， ＿＞， ＿/
＼ ＞， ／
＼ ＞，
＼ ＼
＼ ＼
＼ ＼
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『桓温伝』を見る限り、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 南康公主と結婚する前の事らしいが、何とも無法な話に映ってしまう。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .ただ、この仇討ちは当時の人々から称賛された
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 456 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:04:08.39 ID:ZMptsCtt0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .桓温は西府軍を率いていた庾翼と仲が良く、
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 明帝司馬紹に彼を娘婿にするよう推薦したのも庾翼だったりする。
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: 共に北伐論者でもあった
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
/.／ ／ / ｀ ヽ ヽ
, ｲ/ ／ .::{ ｆ:. .::}:. ＼ '､
／ ｉ / { ::::',:. '､:. .:::ﾉ:::. ', ＼
く { ::'､:. ::斗＼:ハ::..:::∠ヽ::..;ｲ:.ハ / ヽ
冫､ '､ :::|＼{ ____｀ヽ)／ ____ﾉへ!:::::ﾉ!/ ／ ／
桓温に任を託せば .(｀ｰ' ＞--r＼{ イFﾊヽ ノ７心､ )イ::ｊ ／─‐''ー‐７
私たちを艱難から救う勲功を立ててくれるよ。 丶.,＿（ ::::::::{ ﾑ ､乂ﾂ 乂ﾂ ﾚ^ヽ:::::::}:::.......::ﾉ
ヽ :::弋∧ ｉ､ 〈ヽ ﾉ:::::ハ─''´
だけど、私の死後の西府軍は息子に任せてほしい r､__） ::::｀ｰ'､ ､ , γ ／::::ノ:::(＿
乂＿＿ノ:::::丶., ´ ,.ィ:｀´::乂＿＿_ノ
＞‐ー‐'´ト .,__,. ＜ー‐ゝ─‐へ
γ⌒{ ￣￣ヽ ／￣￣￣ _＿＿}⌒}
/´ ｀ー──､ ／⌒ ー─＜ }､
〉､ ノ､＿ノ )
- 457 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:06:15.76 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４５年頃 晋 首都 建康】
／￣￣￣￣￣｀`丶､
( _､+ーーーー../⌒)＿＼
_､‐''゛ し～く )＼
／ ｀寸 、 .絶対にノー。
,:′ -‐- ＼ (-‐- V }
| Ⅳ ＼ﾄ､｣＼＿| ' } 呉は荊州に陸抗がいて存続したのに、
|人{ ┃ ┃ | レ' 年少の庾翼殿の息子に任せるなんて論外なんだよ。
,ﾊ{: :〕 ┃ ┃ 从 ﾉ {
ぃw(⊂⊃ ⊂⊃ﾉ:ﾚ: ﾉ ＼ .桓温は文武に見識があるから、
＼込n ﾏ ) ﾚレ': : ＼ ＼ 西方を任せるのにこれ以上の人材はいないでしょ
ﾉ ｢I~ヽ≧=┬─=≦: : (: : : : {＼ }
／ } ､ﾉ‐く:::｢У::::::::::入 : : : : : . ＼り
,:' /:.ｱ^ﾚ｣ﾆﾊ‐‐～‐=アニニ7: : : : :､ ‘，
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ ／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| |（●）, ､（●）､.:|
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|. | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
庾氏一門が反対しないといいが | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／, ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／,
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､. ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
でも、あそこの一門やらかし過ぎだし : | '; ＼_____ ノ.| ヽ i.''~: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i | | ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜ ＞ ヽ. ハ | |｜
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 中書監何充は周囲の反対を押し切って桓温を庾翼の後任に据えた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾氏一門と対立関係にあった何充が、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .庾翼の仲の良い桓温を推した所に彼の才の評価の高さがうかがえる
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 458 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:10:10.00 ID:ZMptsCtt0
-
／ ,ィ＞''"i ⌒｀丶、 ヽ
/ ／>'´ j 丶＼ ﾞ'<.､ ﾏ
Ｙ ,j〉' ／ /| ヽ ﾞ〈 ‘,
. { ｙ'' / / ｌ ヽ ', ', _
∨ '_､/‐-丶 ‘, 丶 ∨::{ 後、褚太后の父親褚裒殿を録尚書事にするよ。
/ / l.ｘ=､、 ＼＼ヽ⌒ヽ ‘,::」
/ .i ｨんハ ｀ ,ｘ=ﾐ､| ｌ ﾄ、 桓温と褚裒殿を方伯にして、
/ .l {弋ﾟソ んハ 》/ .| ∨ 殷浩を門下に加えられればあたしの苦労がなくなるのに。
/ l ヽ、 ' ゝ-' /ｨ ｌ ∨
/ ∧ ‘, ｒ ‐ ､ /' /. ∨ というわけで、中継ぎのあたしの出番はおしまいだよ
/ / ∧ ＼ 乂 ノ ｨ/ ／、 ∨
. / / ノ ＼. ｀ｈ､ _,.｡s升/_／:＼ ＼. ∨
. / ／ Ｙ´: : : : :｀: ｰｔヽ ｲ : : : : : : : : : 〉, ヽ. ‘,
./ｨ / {＼: : : : : : : l､ |: : : : : : : :／ﾆ} ' i
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ ／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| |（●）, ､（●）､.:|
殷浩殿か .| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|. | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
.| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／, ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／,
清談の士がいると華やかになるよな .,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､. ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i.''~: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i | | ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜ ＞ ヽ. ハ | |｜
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 以下余談。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 何充は東晋の成帝の死後、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 成帝の弟の康帝擁立を巡り庾冰・庾翼と対立、一時左遷されている。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 康帝の息子の穆帝司馬聃の擁立に力があり、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 東晋中期の要人褚裒・桓温を抜擢し、永和二年（三四六年）に病死した
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 459 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:11:04.87 ID:ZMptsCtt0
-
_...._
_,.-':::::::::::::｀ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＿＿ ／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､ ';::::::|
,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼ ';:::|
/ | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーｲ l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ ､ lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー-- :::＿:ﾉ 永和二年（三四六年）。
ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀
,ﾚ-'⌒:､ ヽ:::::::::::ヽ- 、 桓温は早くも動き始めた
,. -‐､ ヽﾆ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ﾍ
,r'::::.,.-' ｒ'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
/:::::/ | l::: ｀ ヽ､_ ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ､__,. ､ ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | ｜ | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ．__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
｀ ｰ- 一 ﾍ |::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀
- 460 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:12:58.48 ID:ZMptsCtt0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ この頃、蜀を支配していたのは略陽郡の李氏である。
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ 彼らは英主李雄を失った後、
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: 一門内で帝位を巡って争いを重ね国力を損耗していた
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ / ／(__ノ,ﾆﾆミヽ---､
／⌒ Y (___) }{ .ｎ ﾊ＿_
（_／==彡人 八 ｛ﾘノ｝ fｌ|
／／／ ___ノ｀¨¨¨⌒ ｰ一ｲ ﾘ}
{ ／ ＼／≧ ､ ,. =「￣
{ｲ ／ ／ 戈ﾜiIフ {ﾁｲ
{lイ/⌒ヽﾉ ｀>|
おかしい。 人 { {ﾘ( _ }
/ ＼_o∧ ∠コ /
出来の良い甥を後継者にしただけなのに ＿{___ノ=== ＼ 丁 ,' } }
＿人／_/ニ＼ニミ≧ ＿___/ ノノ
/ （ノ /}／}ニﾆﾆ≧ミ(__)ニ{＿＿_
{ﾐ }／ニニニニニニ／ニニﾆ＼／￣￣）
｀¨¨¨¨´}ニニニニニﾆ／ニニニﾆﾆ∧⌒)＼(⌒)＼
／ニニニニニ./ニニニニニﾆﾆ}=彡'ﾉ八=彡 ＼
〈ニニニニニﾆﾆ{ニニニニニニﾆV´￣￣)l＼＿ノ
∨ニニニニニﾆ＼ニニニニニニ∨⌒￣
∨ニニニニニニ∧ニニニニニﾆ｝
成 皇帝 李雄
- 461 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2024/02/24(土) 22:14:58.87 ID:VWhSQSgw0
- 仇討ちならまだしも、仇の子供虐[ﾋﾟｰｰｰ]るのが称賛されるって何でもありになっちゃわないか？？
- 462 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:15:17.21 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３３８年頃 成漢 益州 成都】
＼＿_人＿人从＿人＿人从／
＿） （＿＿
） 俺が漢の皇帝だ！！ （
￣￣） (￣￣
／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
) ＞
＜ 元号は漢興とする！！！ ＞
< (
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
＿＿ ＿＿__ __ ＿＿_
| | | | | !+|ｉ | | ＿＿＿ i|￣ i ┌‐┐、 .l￣|￣! .┌┬
___ ,.ｨ! !_┴―――――| ii |―----------------.| | i⌒i| fﾆﾆﾆﾆﾆｉi| | !ﾆ.｜| |n. ! | .! ｜
-,;-､||／ | |i | ii | ｉ .i| |￣￣￣￣￣￣￣i| |￣￣￣￣￣i | |---┴.,|
;.ｉ:； i!|,.,.,.,.,|；';:!i.,,｡;,.;；:｡;:,、,,.,.,.,.;,!,.,ｉｉ _ _| ｎ ,:：､;:；i;:;:；:;:；:;:；:;:；;i|：､;ｉ_;;|:｡;:；;:：､;,.;ｉ::｡;:,.;；,;,;:i|_,, |;:：_､,_.;_；:_｡;_:ｉ _| |,,,., ,.,.. .|!
,.;；,.;iヾ';.,,､；;:：､;,.;；:｡;:；;:：､;,.;；:｡;:；;:：）i |= (;:；;:：､;,ヽ.:;:；:;:；:;:；:,.;i；';.,,｡;:；;:：､,.;；:｡;:;人;;从;;；;::;:；:;:；:;:；;;；:｡;:；;:：;:;..,"'`',:'':'`::､;
,；';.,,;ヾ:｡;:,.;；:｡;:；ヾ;:：､;；;:：､ヾ;,.,.;i；,.;,;:⌒ヽ ヽ｡;:；;:：､;,;.,) ﾉ｡;:;:;..,"'`',:'':';;:;..,"'`',:'::.;;'' ;;:;: :::''':'`:::;..,"'`',:'':'`::`;:;..,";:;..,"'`',:'':'`::'`
,,.;;i；';.,,｡：、ヾ;:;";`;:;";:ヾ；;:：､;.;,.;；:ヾ｡;:：,.;:：｀ー､ ｀ヽ｡;:；)ﾉ､,.;i；';.,,;;;:;..,::.;;'' ;;:':';;:;..,"'`',:'::.;;'' ;;:;: :::''':'`:::;..,"'`',:'':'`::`;:;..,";:;.
,.;i；';.,,,.;,.;：、;:ヾ;":;";`;:;"；ヾ:｡;:；;:：､;ヾ；:｡;:；：、: ヽ ヽ;:；;:：､,.;i；';.,,;:：､;:;..,"'':';;:;..,"' `',:'::.;;'' ;;:;: :::''':'`:::;..,"'`',:'':'`::`;:;..,";:;.
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .東晋の咸康四年（三三八年）。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } .後継者争いに勝利した漢王李寿は皇帝に即位し、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 国号を漢に改称したと『晋書』『成帝紀』は記している。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 歴史上、この国が成漢と呼ばれるのはこれに由来する
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 463 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:16:12.55 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４６年頃 晋 荊州 江陵】
_.. ‐''广''''―- ､
i'"ﾞ._.. -'|'''''―- .＿|
.|''″ .! / 三 l
_,,|∩ ∩.! .lﾞ三三!
/ l ! l ｀ﾞ^'''''￢ｰ っ..,,..,,、
_./ ゛ ! | ﾞﾞ'''～ ....,,_ ヽ ｌ ﾞ'(￢ｰ 、
,./ '″从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ │ ｀''､,!三 ヽ ＼
／ ;ゞゞ; ;ゞ 〉 ,!゛三三ヽ .ヽ,
／ 从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ ミ彡ミ彡 / 三三三 | WWwjjw､、
.／ ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwγ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
._..-" ゞ ;" "ゞゞ WWwjjwv " ヾ| 近頃、蜀は内乱続きと聞いている .|
ｰ'''″ |ﾞ'.ｌ￣￣''ｰ ＿＿ ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
|;;;;Wiwノノ;;::! llﾞ'-、三三 | .|____ﾞ“'''―---- ／ ,／゛ ij从
'",,iiゞ ミ;;;;Wiwノノ;; !'､, ll｀'-､,三`'ミｰ..,´ﾞﾞ''''―----'" WWiiiwWゞ
",,iiij从ミWﾘﾘWii-''l ＼ ll ｀''ｰ､.ﾞ''-ﾐ～ ..,_ ,ii''"`
ろ::::::.... ..k! .｀'-､ || ｀'‐､,｀''ｰ..,,.｀ﾞ'''- ､,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;" ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
||｀'-､二 ''ｰ､ ｀''-､ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "
||＼二二｀''-､ ｀'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 桓温が荊州に赴任した時点で、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 成漢の皇帝は李寿の息子の李勢が継いでいた。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .しかし、再び内訌に明け暮れる日々に逆戻りする有様だった
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 464 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:17:04.84 ID:ZMptsCtt0
-
. ′::::::::::::::::::::::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
i::::::::::::::::::::／::::::::::r=ぅ:::::::::::::_:::::::::::::i
_|:::::::::::::::::::::::::::_彡:/^7::::彡' ミ:::::::::
/r V::/:::::::::::::::::::::/j::j "" ﾐ::::ハ
. 八{ﾊ.V {::/:::::::::::／/:/ }:/ ′
ヽ ｰi ﾚ __彡 ' _.／ _,,,...=ぇ |i / 蜀を攻めるぞ。
込ト-r≧====x ＿r≦====x〃「
. ‘， 辷=-///￣ヽﾆ=-///j / 皇太后にも上奏済みだ
， `ー一' i `ー一' ′
. ∧ :.. ﾉ ∧
￣￣￣｀7 iヽ ＿ 二....＿_ / ⌒ヽ￣￣
. / .＼へ こ二ヽ＼ 〃 ＼
/ ｀ヽ＞ ＿, ＼> 厂￣｀＞ ＼ _..ノ:ｲ::::::/::::::::::::::::::::| ｀ミ::::::::::∧
/::::::/ :: :::./::: ::::::| ﾐ::::::::::::ハ
/::::::/:::::::::/::: :::::|:::| ｀Ｙ:::::::::/
/:::／!::::::::廾斥.,_八! ､__,,.. -一 |::.ﾊ/
. /／ |:从:{弋うハ ７弋ツﾌ }/} ｝
′ iハハ /_,)/
. i .! .ﾑ _, イ
しかし、そう簡単に攻め落とせるとは思えない ∧ ｀ ´ /{
ヽ ‐ ─ ／ |＞､
＞ ＿__ ィ ／ !
| ／ ﾉ .ﾞｉ_
／ .{ ＿／ ／ ＼
. , ’/'ｒ＿ﾝ< .／ ＼
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .『晋書』『桓温伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 当時蜀の李勢は微弱であり、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 桓温は蜀で勲功を立てようと考え、褚太后に蜀討伐について上奏した。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 穆帝司馬聃が幼少のためだが、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 朝廷では桓温の兵の少なさ・遠い敵地への侵入を憂慮する声が相次いだ
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 465 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:19:43.21 ID:ZMptsCtt0
-
, '´￣￣｀ ｰ-､
／: : : r‐r==========、
/: : /├l‐１ ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣ .蜀は堅固といえども同地の胡は弱く、容易な相手から除くべきでしょう。
{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲ ﾉ l/ ― ｌ :}
| :ﾚ | ● ● ｌ :| 蜀人は門を閉ざす一方で、
|: i: （|.⊂⊃ ､_,､_, ⊂ l:/ .堅固さを恃みに攻戦の武具を修めておらず、 .
i⌒ヽ: :ゝ ﾙ|_／⌒) 精鋭一万の軽軍で速進すれば、李勢以下の君臣を一戦で捕虜にできます。
ヽ ヽ 从ヽ,､ __, イ从/ ヽ／
∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ ﾊ .……と、江夏国相の袁喬が意見を述べます
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ｿ
／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::＼
／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.:.::.:.::.',
`≦:.:.:.:./:.:/.:/.:.／¨''ヽ:.:.::.:.:.:.}
|:./:.:/:./l:./ }:.:.::_:./
|' |:/ｌ斥|/ _,.≦二ヽ:/ ヽ
|' } ｔｧ ィｔｧ ツﾉ
i j _／
:. ー ‐ ,ｲi
内に入れば脆いと見るのか .ハ,_＿_,. ´/ {､
＜ヽ ＼___､__ノﾄ､
, . ＜ ハ 伐;;;;;;;ﾄ, }｀、
／ ∨´゛〉;;;〈 ﾊ{ ＞.､_
r ＼ r;;;;;;i ヽ
ﾉ ヽ. i;;;;;;;i ｀,
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 江夏国相の袁喬のみが
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 蜀討伐を勧めた様子が『晋書』『袁瑰伝』に見える
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 466 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:20:31.53 ID:ZMptsCtt0
-
, '´￣￣｀ ｰ-､
／: : : r‐r==========、
/: : /├l‐１ ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣ .蜀の国土は富貴で天府と称されますが、
{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲ ﾉ l/ ― ｌ :} .昔は諸葛武侯が中国と対抗しようと欲し、
| :ﾚ | ● ● ｌ :| 今は寇盗が上流に拠って害を為しており、忠誠を貫けずにいます。
|: i: （|.⊂⊃ ､_,､_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ﾙ|_／⌒) これを攻略して蜀の人々を得れば、我が国の大きな利益となるでしょう。
ヽ ヽ 从ヽ,､ __, イ从/ ヽ／
∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ ﾊ ……と、江夏国相の袁喬が意見を続けます
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ｿ
-‐....￣￣...ヽ__
＿ ／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.＼
ﾉ:.:.:.:.:.::.:./}:.:./⌒~¨¨¨ヽ:.:.:.::.ヽ
／:.:.:.:.:.:从{ 从:{, -‐=ﾆミ､ ',.:.:..::.:i
／ィ:.:.:.:.／_,ノ }! ＿_＿__}:.:.:.::.:|
, - ､ |:.:.:./≦ _＿_ｒ=ミ///////}¨込-‐､
i ', |/{:{,ｲ////// V/////ﾉ V/~} }
よし袁喬。 | i { }V///// ￣￣ 〉y/
/⌒} } | ｉ | ￣￣ ヽ ` _ ﾉ ノ:＼
お前が先鋒な。 ＿＿＿∠＿_|_/＿__.｜ ヽ ｒ _ -‐ ─''７ }‐{: : : :∨＿ -‐
{}＿＿＿, -‐''¨￣}＿_|.{ ／ヽ ＼＿___ ,ノ ﾉ V: : : :∨.:.:.:.:.:: :
江夏国の兵二千を率いて ／ _,. ィ ヽ＿＿＿／: : : :.＼ ─ ／ /}: : : : :.∨.:.:.:.:.::
. ／ ／ i: : : : ／ : : ::.:.:.:.:.:/ヽ ／ ノ /: : : : : : ∨.:.:.:.:.
ヽ ､ ＿＿＿＿＿_|＿／_: : : ::.:.:.:.:.:/ヽ_ `ｰ─'' ¨__,. ＜ /: : : ／⌒ヽV.:.:.:
} }: : : ::.:.:.:./ ＞，__ｒﾆ_ |: : :./ |.:.:.:.:.＼:
{ , -‐──────': : : ::.:.:./ヽ ///∧ ./.l: :./ i ｜.:.:.:.:..:.:ヽ
/:.ヽ ＿_,.ﾉヽ: : : :/ ＼ .//// ', ./ |:./. i |.:.:.:.:.:.:: :
- 467 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:21:05.43 ID:ZMptsCtt0
-
／ ::::::::::::/: : :/::|::::::::/: : : : : : : ＿＿＿ ミx::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／:::::::::::::::::/: : :/ :::| :: /: : : : : :／::::::::::::::: ＿ ＿_ ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. ／ ::::::::::::::::: /: : :/ :::: |: /: : : :.:／:::::::_ -ニニﾆﾆ(／⌒' -=- _ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／::::::::::::::::::::::::/: : :/:::／ |/: : : ／::_ -ﾆニニニニニﾆ-_ ＼⌒ -=-::::／⌒＼
. /:::／::::|:::::::|:::::/: : :/／: : 人: : 〈:／ニニニニニニニニ-.} ＼::::::::::7 /::::＼ ＼
/／ .:::::::|:::::::|::::|: : ／: : : : : : : : :/ニニニニニニニニニニ} ヽ::::::{ .:＼:::::＼
. / .:::| :: |:::::::|:八＿＿＿_: : : : : :{ニニニニニニニニニニﾉ 彡' {::::::::ヽ::::::
/ ::: |∧|:::::::|／￣::-=ﾆﾆ＼／⌒ ニニニニニニニニ-'" ＼::::∧::::
|::::| |:::::::|: ／ニニニニ { ＼ニニニニﾆ- '" )/ ):::
＼ 人:::／ニニニニﾆ / -- ''" /〈 /::/
|ニニニニニ / {::::::/ /
|ニニニニﾆ./ ￣ /
|ニニニニ / ＿＿＿):::. ＿_/＼
出るぞ ＼ニニ- 人_:／:::::::::::::::::::/ /
￣{:::::::::::::::＼:::::::::::::::::::/ |
八:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ＿＿＿＼ ｜
､:::::::::::::::::::::::::::::/__／::／ ||
∧:::::::::::::::::::／ ): : :／ ＿ 八
/ ∧::::::::: ／)／ ''"＿／:::::::＼ .::::::/_ -=
/ ／ ／::::-----＜:::::::::::::〉 ／:::::/ ニニニ
／ ／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／::::::::::|ニニニニ
(:i:／ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ ／:::::::::: / |ニニニニ
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .永和二年（三四六年）十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 安西将軍桓温が大将となり、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 征虜将軍周撫、輔国将軍の譙王司馬無忌、建武将軍袁喬が蜀を討伐。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 上奏した上で討伐を行ったと『晋書』『穆帝紀』は記す
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 468 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:22:30.76 ID:ZMptsCtt0
- ┏────────────────────┓
樊城
○
○
襄陽
魚復 丹楊
● ○ 信陵 ○長坂
´ ~´ ｀~ヽ-○西陵 ○当陽 夏口
ヽ○ 江陵 ○,/ヽ‐i,_
【宜都郡】 !---_,○ ,､/ ○ ~!,_
夷道○ ○´‐i _,,-｀ 武昌 ヽ,
楽郷 ○!‐‐-ｯ／"○陸口
,､公安/‐´|○巴丘
/ """ 丿
ヽ, ﾉ" ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
荊 "ヽ‐i,_/ 州 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
┗────────────────────┛ ｒ…―- ..,,_／ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: イ
＼ :::::::::::''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
_＞､_::::::ヽ､ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
￣i ｀丶､:::｀丶､_: :::::::::::::::::::::::: ﾄ､
| ! iﾊト､ i､丶､___` ー--::::::::::::::::＼
lﾊﾉ!ｲ仄ゝヽ ﾅアi`ー-=....,,,___＿,,.ゝ
|'、`┘ '^i下心!ﾊj ,ﾊ!
|/＼ ､ ゞ-イ /／
桓温の蜀討伐には、 . ☆ ' ｒ‐ｉ＞ ‐ｒｧ='7.イ´
三国志にまつわる話がいくつか登場する .＼ ⌒ヽ､,.ヘ.::´:::ﾊ
＼ｒイ ,.ｨﾍ.:::::ハー- ､
└攵ｱﾄ=ヘ、::::ヽ ::::::＼
／ 〈::::::::::::＼:::::::::::::::::l
〉―ｧi'´ ＼ :::::::: |
. /_ア^'┘ ｀ヽ､::j
└ ′ ｀
- 469 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:24:14.92 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４６年１１月 成漢 梁州 魚復】
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::| 桓温将軍！
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
＼ ヾﾆノ .::::/"''=- この先に奇妙な塁石が積まれています！！
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
. i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 /::::::::::::::::::::://⌒´ ヾミ::::::::::::::::｀ヽ、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::） ／::::／:::::;:イ// __＿__ ﾐ::::::::::::::::::ﾍ
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/ . ／:::::::/::::.／ // ∠才´￣｀ ﾐ:::::::::::::::.∧
/イ::::::/::::/ ／/∠才777ﾊｒ=;,､ ﾐ:::::::::::::::::∧
/ /::::::/i:::/／ 厶////////} ｀＼:::::::::::::::::∧
. / !:::::/!/≧､＿｛////////// ｼ⌒ヽ::::::j
|:::/ﾊ/// V//////／ ハ ,!::::::|
|:/ i{// ｀ ｰ一 ´ ).:/ /::::::.,'
塁石？ i′ V´ -､ ノ::::::/
! ノ ''"´ ￣ ￣`ヽ
ちょっと見に行ってみるか ゝ‐'´ _ ,．'"´ ヽ_
'､ 'ﾆ二 ｀ ∠_ -─ ── ￣￣二二ﾆ ヽ_
', ∠´ . :.: .: .: .:. :. :. :. :. :. :.
_⊥ '"´ . :. :. :.: .: .: .:. :. :.: .::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
_ '"´ . :. :. :.: .: .: .:. :. :.: .::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
'"´ . :. :. :.: .: .: .:. :. :.: .::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
, .:.:´ .:. :. :. :. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::
- 470 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:24:52.33 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿,,,-─‐-─＝ニニヽ __ｨ､
r─/￣/ | l l /:::::ｉ ヽ
. ＿＿-=ﾆ二￣￣￣￣￣l｀丶､ | / / | ＿＿＿ --─ lﾉ i:::::::::i i
. / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l : : : l ゝ───＜_ﾆﾆ=-‐＞─''￣￣￣ヽ i::::::::::i i＿＿
. i＿＿＿＿＿二ニ＝‐,,─┴─-､ / : : : :::;;l / ＿＿ ／ ￣l l ／ ￣i:::::::::::i i |
＿-=ニ二三/ / ヾ─ヽ l / : : : : : : :;;;l /..::: ::::::l |i |＿＿l::::::::::::i i─‐┘
/: : : : : : : l: ／/ ／ l::::|i l : : : : : : : : l::l l 丶､ ＿ -‐::::l::l::l /￣.l::::::::::::i i : : ヽ
: : : : : : : : : l: : l /. .l:::::|i l : : : : : : : : :l;;l l::::: : : :::::l:l::l / l::::::::::::i i : : |i
: : : : : : : : : l: : l l: : . . : : l::::::|i / : : : : : : : :lノ l γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
: : : ::: : : : : l: : lヽ l:::: : : : : : l::::::::|i i : : : : : : ／ヽ 〈 | これは恐らく諸葛亮の八陣図でしょう |
: : :: : : : : :l: : l: ｉ l:::::: : : : : :l:::::::::|i 'i : : : : : : : / : : :l| ヽ ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
: ::: : : : : :l: : l: i l: : : :::: : : l:::::::::ﾉ l : : : : : : :l : : : :l 〉 ｡ ﾟ : : ::::::l ﾏﾑ l .l :::i i : :|i
: :: : : : l ヽ l l : : : : l :::::l l : : : : :, イ : : :ﾉ l ｡ ｡ ／::::l＿＿ﾏﾑ＿ / l :::i i i
::::: : : :l / .l / l :::l l : : : ⌒／ : : :ヽ l : : :::::::l: : : : : ﾏﾑ: : 丶､ l :ｉ .i i
: : l l＿_l-.l 〉 :l ───‐i : : : : l: : : : : : lﾑ─l| : : :::::l: : : : : : ﾏﾑ: : : : ヽ/l i .i＿＿i──
: : l . l } l :l i: : : : : : : : : ::::l ﾑ .} : ::::l二ﾆ=-: :ﾏﾑ:─‐"ヽl ＿＿l_ノ
: : l l ~~ l l l ^^^ i ＿＿＿＿＿_ |i /＿＿-=ﾆ二二ヽl ww -=-
: : l l www l . . . : : : : l l -=- -=- -=- www -=ﾆ三三三三ﾆ=-
── '''' ￣ ゝ─ ＿＿_l＿＿ﾉ ^^^^ -=- ^^^^ -=-
-=- -=-
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .『晋書』『桓温伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 魚復には諸葛亮が建造させた八陣図があった。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .塁石が八列存在し、
`ﾍ:ゝ .' 小/ 各列二丈（約４．８ｍ）の間隔で配置されていたという
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 471 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:25:26.57 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）| 『国志』に名前は出ていましたが、
（@ ::::⌒（__人__）⌒) .まさか実物を見られるとは感動ですね。
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ .蜀にはまだまだ往時の遺物が残っていそうです
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜ ／::::::::::::::::::::::::｀ヽ
.／〃〃:::::::::::::::::::::::::::｀ ､
晋 荊州主簿 習鑿歯 ／:::::::::::::::／.ｨ//:／"´｀`ヾ｀ヽ
i:::::::::: ///／ /// ﾐ:::::::',
ｉ|::::::, /// / ハ ミ:::::::',
从:j// 乂､､,,,,,,ノ _,,,,,､彡⌒ Ｙ:::/
乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::｛
/⌒ＹV三三三/ ∨三三三ｊＹ'＾ヽ
｛ {⌒j `ー─＜/ ､`ー─＜ } し'｝
＼｀ﾊ ヾ.:.::ノ ﾊ. /
これは常山の蛇というやつだ `ｰ:. __＿__ /／
／ヽ ´ ＿,, ｀ ｲﾘ
／￣￣｀ヽ ／ﾍ:＼
圭二二ニ＝─-､_）､_＿＿__／ ∨::＼、
／, ′／´￣￣｀ヽ 八 / ',::::::∧｀:::...､、
_ .． ´.::/ , -―- ､__ソ /二∧ j!:::::: ∧:::::.:.:.:｀ . . 、
. : :.:.::::/ ／ , -―- ､__ソ'///∧ ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
. . : :.:.:.:::{ ／ ＿ ｀ヽ∧////∧ / ! ::::::: ∧:::::.:.:.:. . . .
- 472 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:27:02.08 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）|
（@ ::::⌒（__人__）⌒) 常山の？
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜ _..ノ:ｲ::::::/::::::::::::::::::::| ｀ミ::::::::::∧
/::::::/ :: :::./::: ::::::| ﾐ::::::::::::ハ
/::::::/:::::::::/::: :::::|:::| ｀Ｙ:::::::::/
/:::／!::::::::廾斥.,_八!､__,,.. -一 |::.ﾊ/
. /／ |:从:{ーrｯ‐ﾍ ミｰrｯ‐一 }/} ｝
′ iハハ｀￣ ￣´ /_,)/
. i .! .ﾑ _, イ
. ∧ ｀ ´ /{
蛇？ ヽ ‐ ─ ／ |＞､
＞ ＿__ ィ ／ !
| ／ ﾉ .ﾞｉ_
／ .{ ＿／ ／ ＼
. , ’/'ｒ＿ﾝ< .／ ＼
, ’ { ./|〈O,r'＼ ／ ＼
,イ |/.>＝‐r／ﾞｉ／ ﾞｉ
i ! ﾙ _ - ‐－- _ ﾞｉ
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓温が発した「常山の蛇」の言葉を文武諸官は誰も知らなかった
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 473 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:28:29.34 ID:ZMptsCtt0
-
ゝ/´/////彡∧i‐-､
／////＞≦_フ´ﾞﾞ‐-､∧
／///／{::::::::::::::::ヽ=γ￣＞､
////／ゝ､ヽ:::::::::::::::ﾉ ＼::::::::::ヽ
,//／／ ｀ ￣￣ 〈⌒´i‐‐､´
γ⌒ヽ' ,, ヽ ノ i
i |i､｀) 'ゝ二二二二７ ,
､` ヽ ｀‐-==- i 今の士大夫は『孫子』を読まんか
､ゝλ i
∨i ､ ．＜三ヽ ノ
∨ ＼‐‐ ´////////／
〉 ＼/////////,i
／ {｀ ､ ＼ ､｀ ヽ////,i
ゝ´:::::::∧､ ￣ ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:. /‐-‐∨ i∧､
::/:::::::::::////∧ ∧:::::::::::∨i/∧｀....､
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
桓温将軍！ .|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
＼ ヾﾆノ .::::/"''=-
近くで牝猿が死んでおり、 ／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
腹を割いてみたら腸がねじ切れておりました！！ .i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/
- 474 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:29:10.96 ID:ZMptsCtt0
- 【断腸＠『世説新語』『黜免篇』】
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| 少し前に子猿を捕らえた兵士がいただろう |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| 死んだ牝猿は母猿だろうから、その兵士は罷免しちまえ |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
) ＞ /: :.／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
＜ 御意ッ！！ ＞ . /ィ./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ : |〃~￣￣￣￣ヾ: : : : : : :＼
< ( /: :／ : : : : : : : : : /: : /!: : / }: ! }: : : : : : : , '
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ . / ィ: : : : : : : : : : : / : :/ .!: / ./:/ {: : : : : :./
_,ノ ｜:./ : : : : : : : ー=ミ.,,_|/ /:/ ＿__,,.. ．-‐ ､ ヽ: : : /
. |:/ |: : : : : : :/ |:/二≧ /ｲ. `¨￣,≦二二 }/⌒ヽ
. |′|: ./|: :ﾊ:.{ ｲ弋ｒ'':.:} ヽ }! 〈 弋ｒ':ﾉ 〉 /ソij }
. |:/ .{:/ {| ￣￣ ! ￣￣ 〉（/ .|
. |′ ﾍヾz! ; し' ／
ﾍ. | / __／
あんたは確か…… ヽ! ヽ /
. ､ /
＼ ｒ─ ─ ､ , ' !
＼ ￣二￣ ／ |
|＼ ／＿＿j＿＿＿
| ＼ ＿_ _ イハ |
＿＿＿＿＿| { ∨ {
ハ | |. ∨ ヽ
- 475 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:32:24.92 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）| ああ、孫盛殿。
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | .私は最近荊州の別駕に任命された
＼ `ー'´ ／ 襄陽郡の習鑿歯、字を彦威という者です。
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i 先祖は蜀に仕えていました
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:＼
／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::..:/.:.:.:..:|'´￣ ヾ.:.:.::.:.',
／ｲ:.:.:.:.:.::.:.:./.:.::./|.:.:.:..:.:| ',.:.:.::.:}
/:/|:.:}.:.|:.:./j:.:./__|.:.:.从{ ｉ.:..:./
/ｲ !:ﾊ:.:|:/ .|:/ |.:/ ´￣ ¨'' }.:./
ﾘ .从＜弋戈.|/ ｨ弋ア＞ ﾑ′
并州太原郡の出の孫盛、字を安国という。 ﾊ : 从
ﾍ :､_ 小
先祖は魏の中書令を務めた孫資だ。 ヽ _＿ /ﾘ
.|＼ ´ こ ｀ ／.:|
お前さんの名前は桓温殿や袁喬殿から聞いているよ .ﾊ ＼_ _／. :.:ハ
/ ∨ . : : :.:/ ',__
,r<77ﾊ-イ | ＼ . : ／ | ＼
/77ﾊ_ｊ777ﾊ////,＼ | _Ｙ::Ｙ_ | ｀ ．
//////////∧/////＼| ／} / 八 ＼ | ｀ ．
//⌒ヽ'//////∧//////j_／ﾏﾑ ＼／/ﾏ7ヽ._| ｀
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 孫盛と習鑿歯。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 二人は同じ時期に桓温に仕えている
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 476 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:34:14.30 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）|
,...-',,⌒ゞ（@ ::::⌒（__人__）⌒)::::::::.ヽ､
/::／..::::::::::::..ヽl_ |r┬-| /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ `ー'´ .,ﾍ:::::;::::::/￣ ﾞ''ﾍｭ_ﾉ 以後お見知りおきを。
/:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､ ／:>:l/:::／
./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／ _ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿ ＿ 楽しみですね蜀の見学会！！
}:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐ 'ﾞ ／/ ヽ
「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf ヽ l / l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'" ＼___ /
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／ l ＼X=-､,,＿_／
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| | ﾉ ` ､ ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::| l i´ ` ､ ﾉ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::| | | ､ `'rイ ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::| l＼ `=､.._＿,ノ ￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/ | ヽ､＿ ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| ＼:!`ｰ､ ,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l ｌ ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| | i ヽ;::::::::::..＼
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .習鑿歯、字を彦威。荊州襄陽郡の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 宗族は代々襄陽郡の豪族として栄えており、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 先祖の習禎は蜀臣で、『季漢輔臣賛』において名前を確認できる。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 若い頃から物事を為そうとする志があり、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 博学かつ見聞が広く、文筆によって名を知られていた
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 477 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:35:53.75 ID:ZMptsCtt0
-
. ,ｲ///////////////////////∧
. /,イ'////////////////////////!
/ l///////////////／'' "l'lヽ///!
l///////////,ｲ'" ﾘ ヾ//l
.l/ｌ////l'/// !/ l l//、
/'.l/l//‐l//'-|' ! --――‐- .l/; ! 袁喬殿。
! l'{.' l{-ｔｰﾃヽ ' ｰtｰﾃ !ﾉ/
`ヽ! ` ´i ｀ ,'､ .大丈夫なのあいつ？
. 、 .! ,:::.. ヽ
/ i 、 ＿´ /l:::::} !
-‐ ￣ } ./ヽ .!_!―｀ .／ .!:ノ !￣ヽ- _
. ヽ / / .ﾉ､| | ／ !./
l,.' ／ ￣｀ヽ´ /- ､ l
/ . ‐ '"￣ ‐-ｒ‐､ //ﾊ .! ／
/ ' -‐＝―‐--.ｊ. ヽ/ ヽ!
, _,.. -‐T ￣｀ヽ', , -‐ '´￣￣｀ヽ､
i ､. -f'"￣￣ 、 ｒ===========r‐、: : ＼
|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
{/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ― ﾄl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
文才は確かですよと袁喬は習鑿歯殿を評価します |/!:ll⊃ ､_,､_, ⊂⊃ﾉ: : ｜
/⌒ヽ__|ﾍ 丶_ノ ..ｲ:i : :/⌒i
. ＼ /:ノ从ヽ,､ __, イﾄ:}ﾉ/ /
/ //ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼ 荊州刺史となった桓温に従事として招聘され、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 江夏国相の袁喬が彼の才能を何度も称賛したために主簿へ転任。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓温の征伐に従軍、あるいは留守を預かり、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 機要を得た仕事ぶりと得意とした書簡の論議で桓温に厚遇されていった。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 実際に蜀討伐に従軍したかは不明だが、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ この時期に桓温の部下を務めていたのは間違いない
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 478 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:36:44.13 ID:ZMptsCtt0
- 【紀元３４６年１２月 成漢 益州 蜀郡】
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::| 大変です！
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
＼ ヾﾆノ .::::/"''=- .成都から大軍が出てきました！！
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
. i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 ﾊ::::::::::::: : //:::,イ::i::|::::/¨¨¨¨⌒ヾ
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::） ﾊ::::::::::::::: //:://::::;ｲ::|::/
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/ ∧:::::::::::: /_,＞ ´７ }::|/
/／:::::::／´ _,ノ //
/:::::::::／ ／:{//≧/ｲ､ :| } 厶斗
{ｲ:／ ∠:从―――- ､ ＿ -―
/ .ｆ､,f三三三三三ヾ ｒ￢ ｆ三三
こういうのはな。 / ∧{ 三三三三三 ｦ-― ､三三
ノ 厶斗七⌒∨三三／{ }＼三
ビビったら負けだ ／ ´ ＿_/＿∨≧´￣ i
i ￣ } { | } }
:ィ} ―――‐〈 ｀ヽ ノ '
. _,． ≦ニニ:′ :} ｀ヾ三三三三≠
. _,． ≦ニニニニﾆ′ ≠一 ./＼ ー
ニニ|ニニニニニニ { f ノ :＼
ニニ{ニニニニ ＿__」＿_ ├≦{ ≧ ー― ≦
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『桓温伝』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 蜀に入った桓温軍は成漢軍に三戦三勝して成都へ進軍。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .笮橋という地で成漢軍と決戦に及んだ
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 479 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:38:10.04 ID:ZMptsCtt0
-
＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
≧ ＜
-=ニ 参軍の龔護殿が戦死しました！！ ≦
≧ ≦
／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
__
┌┐.┌i ┌┐ __ ┌┐ | | [][]
｜└[][]L.ﾛﾛ | [][] | | ﾛﾛ |.[][] l└─┐
｜┌┤.r‐┘│┌┘ | └┐└─┐l￣￣
└┘..凵 └┘ | l￣__l￣￣.┘
└┘
／ ＼
＿＿ _＿,ノ⌒ /ヽ
ｒ'',ィ:.:.:.:.:.::ヽ ／ { ／ゞー､＿_/ / ヽ＿_
`≦:.:ﾉ￣ヽ:.::.∨ ヽ／ ヽ ／ ∧/ }三i!
/ {:.:{ ｲⅧ¨Y''}ﾊ ＼ ｒ'' ///} }j＿＿
} Ⅷ{ ､ ｒ' } ∨ >､ ヽ ＿＿///,〈ﾉ┴' ヽ
誰だ！？ | ヽﾋつ / ./ } ／ ＼ ＼ |__／ //// ＼
ヽ＿__〉ー'´ノ＼/ { ヽ ヽ | _,ノ //// ',
進軍の鼓を鳴らした奴は！！？ .{ / ,'八＼乂ﾉ ＼ } '， ￣¨ 丶
/ ; / ﾉ ヽヽ ＼ | } ／ ＼
こうなりゃ総攻撃だ！！！ .i {＜ '，＼. ＼| ! | / ヽ
| | )＼ } } ﾉ ! /＿ _,ノﾊ ;
| | /＿__)ノ } / i ﾉ/ ﾊ i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 桓温軍は参軍の龔護が戦死、諸将が撤退を望むなど苦戦した。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } しかし、軍吏が誤って
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 進軍の鼓を鳴らしたのを機に攻勢に転じ、成漢軍を大いに潰走させた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 『晋書』『李勢載記』には、成漢軍が自潰した旨が記されている
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 480 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2024/02/24(土) 22:38:48.94 ID:ZMptsCtt0
-
＿＿＿＿＿
/:::::::::::::::::::::::::::.＼
|.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
| ノ ＼ ｉ:::::::| 一時はどうなるかと思いましたが、
|（─） （─ ） 〈::::::| 我が軍の奮戦もあって、李勢の軍勢は逃げていきましたよ。
(⌒（__人__）⌒:::: @）
| |r┬-| u | .桓温将軍は成都に進軍するそうですが、こちらの状況はどうでしょうか？
＼ `ー'´ ／
,-- ゝーー ___／ /ゝ--、
ｲ / |.!､ _____ ／ ノ | i ...:::::::::::::::::::::::::::::::....
| i |,／(__）ヽ／ | l ／::.::::.::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::/:::::/::::M〃''''ミ::::::::::＼
,ノィ:::::/:::::/: ::::| ミ::::::::::ﾍ
/:::/:::::升!八ｉ -‐,二_ .ミ::::::::::i
/:::::{::::/ｰ‐- '´ｔツ Y''刈
/／ .|从ﾞ､iｔツ }
. iハ .ﾉ ノ
賊に襲撃されたが問題はない。 ! .!ﾞ､ ―-， ∧
ﾞ､ ｀ ― ｲ ヽ
だが、まだ戦は終わっていないぞ ＼ , , -‐ ´ !､
＞-‐ ´ |￣| 〉
__／ | | >､ |
_, -‐'／＼ ,イ＼/／ ／＼. /―- ＿
／_, -‐'´,＜´）/ | ／ ／ ｀
´￣_, -‐ ´＼ / ／ ／ ／
／| __|/／_／ |
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 孫盛は後方で輜重を守っており、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 賊が襲来した際、諸将と共にこれを防いだと『晋書』『孫盛伝』にある。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .ただの文弱の徒ではなかった模様
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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