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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 20:29:05.96 ID:YjytK3sl0
746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:16:10.17 ID:R0Lzpolx0
セイン「……僕は……守るべきものを、守りたいだけだ」

クロシュ「え……?」

セイン「その結果、王国の悪しき陰謀の走狗となり――罪のない者たちを手にかける、悪そのものに堕ちるとしても――構わない」

イリス「……!」

ローガン「セインくん、君は――」

セイン「僕の邪魔をする者は、誰であろうと――」クルッ

クロシュ「――」

セイン「……!」ズキッ

セイン「う、ぐ……」グラッ

クロシュ「あっ……! せ、セインさん……!」トテトテ

 ポフッ(クロシュがセインを支える音)

セイン「はあ、はあ……! まさか……お前は……お前、たちは……!!」

クロシュ「??」

セイン「う、ぐ、ああああっ……!!」


「はいそこまで」フォン


クロシュ&イリス&ローガン「!?」

僧侶「困るんですよね。私たちのセインくんに勝手なことされると」スタスタ

イリス「あ、あなたは……?」

僧侶「私ですか? セインくんの仕事仲間……ってとこですかね」

ローガン「では、あなたも革新派の護衛を?」

僧侶「革新派の護衛ィ?? ぷっ……あっはははは!! なんで神の僕たるこの私が、こんな土臭い国の泥臭い奴らの護衛なんかしなきゃならないんです??」

イリス「……セインくんは、その土臭くて泥臭い革新派の護衛やってるみたいですけど」イラッ

僧侶「あーはいはいそういえばそういうことになってましたね。私としたことが、ロールをすっかり忘れていました。反省反省」

ローガン「……貴様、何者だ」

僧侶「……まあ、いいでしょう。教えて差し上げます。私は――」

僧侶「ロイエ教原理派幹部――名前は、神に捧げたのでもうありません。ただの僧侶とお呼びくださいませ」カーテシー
747 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:16.50 ID:R0Lzpolx0
イリス「ろっ……ロイエ教原理派幹部!!? な、なんでそんな人がここに――」

僧侶「さあ、なんでだと思います?」

ローガン「明日の選挙へ向けた内政干渉……いや、工作か?」

イリス「そ、それって条約違反じゃ――」

僧侶「神の代行者である私たちが、人間同士の取り決めに従う必要なんてあります?」

イリス「滅茶苦茶だ……!」

ローガン「……何を企んでいる? セインくんの仕事仲間とはどういう意味だ?」

僧侶「いきなり質問攻めとかやめてくれません? デリカシーのないおじさんとか最悪なんですけど」


クロシュ「……」ギュッ

セイン「…うっ……」

クロシュ「セインさん……。あの人は……だめ……」

セイン「………やはり……お前、は……」


僧侶「うわっ、よく見たらそれスライムじゃないですか。穢いなあ、セインくんから離れてよ」シッシッ

クロシュ「……」キッ

僧侶「は? 何ですかその目つき。スライムの分際で生意気ですね」

クロシュ「……」

僧侶「うざ……。もういいです、浄化して差し上げます。来世では馬頭くらいになれると良いですね」コオオ…


イリス「あ、ああっ! だめっ!!」

ローガン「クロシュくん!!」


セイン「や……めろ……!」ザッ


クロシュ「セインさん……!」

僧侶「んん? ちょっとセインくん、何のつもりですか?」

セイン「……こいつを殺したら……僕は、お前たちと手を切る……」

僧侶「は?」

セイン「……」

僧侶「あなた自分が何を言っているかわかっているのですか? あなたが手を切ったら、あの子たちは――」

セイン「だが、お前たちは……僕という戦力を失う……」

僧侶「……チッ。交渉ごっこですか? 悪知恵を付けましたね」

セイン「……」

僧侶「はあ、わかりましたよ。セインくんに機嫌を損ねられると困るのは私たちですからね」

セイン「……」

僧侶「そういうわけですから、本日は見逃して差し上げます。帰りますよ、セインくん」

セイン「いや……僕は、マーベルを探さなければ……」

僧侶「それはもういいです!!」

 *
748 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:59.49 ID:R0Lzpolx0
イリス「……何だったんでしょうか。あの人」

ローガン「……いろいろ、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がするな」

イリス「正直、生きた心地がしませんでした。消されなかったのは奇跡じゃないですか、これ……」

ローガン「うむ……。恐らくセインくんのお陰だろうが……。しかしロイエ教原理派、か……。王国と言い、良からぬ企みが渦巻いているな。この大陸には……」

イリス「明日の選挙……心配ですね……」

ローガン「妖精くんには報告しておいた方が良いだろうな」


クロシュ「セインさん……」

イリス「セインくんも……心配だね……」

ローガン「彼は……不本意に利用されているのかもしれんな」

 ◆
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:50:10.72 ID:R0Lzpolx0
―首相官邸 応接室

ティセリア「今日は一人なのですね」

妖精「あの子たちがこの場にいても仕方ないからね。フメイ捜しとか他にもいろいろやりたいことがあるだろうから、今日は選挙活動はお休みだよ」

紫髪のエルフ幼女「前日だというのに余裕ですね。建国の太母だからって甘く見ていると足元を掬われますよ」

妖精「その時はその時だよ。大体、不正を働くあなたたちには正攻法じゃ勝ちようがないでしょ?」

紫髪のエルフ幼女「……」

ティセリア「……では、正攻法ではないやり方があるのですか?」

妖精「そういうこと。今日は交渉に来たの。不正をやめさせるためのね」

紫髪のエルフ幼女「交渉……? この国の未来を天秤にかけるほどの交渉材料があるとは思えませんが」

妖精「それがあるんだよね。それも、王国の干渉を完全に遮断することのできる名案が――」

ティセリア&紫髪のエルフ幼女「!?」

妖精「簡単に言うと――聖域で、フォレスティナを鎖国するの」

 *

ティセリア「た、確かにそれは、王国の干渉を完全に遮断することができますが……」

紫髪のエルフ幼女「しかし他のあらゆる国や地域との国交もほとんど断絶してしまいます! この国がこれまでに築き上げ、諸外国からも人気を博してきた数多の観光産業はどうなるんです!! 鎖国なんて簡単に言いますが、妖精のお宿のように外貨で生計を立てている者たちもいるんですよ!? 国外資源の輸入もできなくなれば、生活水準も……!!」

妖精「でも、王国を排除できる」

ティセリア&紫髪のエルフ幼女「……!!!」

妖精「鎖国によって収入が減ったり失業したりした事業者や労働者には手厚い補償を与える。衣食住に関する自給率はどれも余裕で十割を越えてるんだから、みんなが生きるのに困らない程度に資源を分配しても問題はないでしょ?」

ティセリア「それは、まあその通りですが……。国外へ輸出する分を国内へ回せば、むしろ供給過多なくらいですし……」

妖精「国外資源についてはまあ……私たち妖精とか認められた者は聖域を自由に通行できるから、国外との交流が完全に絶たれるわけじゃないし、なんとかできるでしょ。完全に信頼できる相手としか取引はできないから難しくはなるけれど、不可能ってわけじゃない。まあ私としては、王国以外とも完全に国交を絶って昔ながらの森と共に生きる生活に戻っても良いと思うんだけど……これは流石に老害意見すぎるかな……」

ティセリア「…………」

妖精「……どう? 王国の奴隷になるのと、多少の痛みを我慢してこの国の秩序と尊厳を守るのは……どっちが良い?」


 ☆太母の威光、復権派の名声、伝統派との親交により判定は自動成功となります
750 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:51:53.20 ID:R0Lzpolx0

紫髪のエルフ幼女「……例え、手厚い補償を与えられても……これまでに築き上げてきたものが崩れ去る苦しみは、簡単には癒えません……」

妖精「……わかってるよ。でも……あったかいご飯と、あったかい寝床と……家族や友達と穏やかに過ごせる時間があれば……それもいつか、癒やされると思う……」

紫髪のエルフ幼女「そんなの……ただの、根拠のない楽観でしょう……。そうやって楽観視した結果が、あの魔王樹だったのではありませんか」

妖精「……でも、今度は……誰にもお腹を空かさせないし、寂しい思いもさせない」

紫髪のエルフ幼女「口だけなら、なんとでも……」

ティセリア「サリー。もう良いでしょう……」

紫髪のエルフ幼女「……!」

ティセリア「あなただって……わかっているはずです。王国に隷属すれば……鎖国するどころではない痛みと苦しみが、この国に吹き荒れることを……」

紫髪のエルフ幼女「……」

ティセリア「滅亡でも、降伏でもない……私たちが夢にまで見た、第三の選択肢なのです……。それが完全に理想的なものではなかったとしても……十分すぎるではありませんか」

紫髪のエルフ幼女「…………はい……。私も……わかって、いるのです……。申し訳、ありません……」


ティセリア「……妖精。私たち伝統派はあなたの提案を支持し、公正公平な選挙を執り行うことを約束します」

妖精「ありがとう。当日は正々堂々戦おう」

ティセリア「はい。もし私たち伝統派が勝った時は、鎖国の施行を手伝ってもらいますからね」

妖精「当然。あなたたちこそ、もし私たちが勝ったらいろいろ手伝ってもらうからね」

ティセリア「ええ、もちろんです」

 ◆
751 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:54:30.15 ID:R0Lzpolx0
―森林開拓現場

マーベル「よし、もう十分だな。地質良し、星脈良し、リスク無し! ドワーフたちを呼び戻して開発再開を――」

妖精「やっぱりここにいたね、マーベル」フヨフヨ

マーベル「復権派の妖精に――伝統派のおばさんたちか。なんだ、また食事のお誘いか? 若いイケメンが恋しいのか?」

ティセリア「……この国の未来を左右する、大事なお話をしに来たのです」

マーベル「なんだ? 明日の選挙のことか? それならもうやることは決まってるだろ、王国を敵に回さないように――」

妖精「私から提案がある。その王国に降伏も隷属もしないで済む方法を、伝えに来たの」

マーベル「なんだと……?」

 *

マーベル「さ……鎖国だと!!?」

妖精「うん。この国を守るためには、もうそれ以外の選択肢はない。先んじて王国の靴を舐めるという革新派の路線は、国家滅亡という最悪こそ避けられるかもしれないけれど……結局その先は、かつての魔族自治区のような、王国からの苛烈な差別と搾取がまかり通る生き地獄にしかならないよ」

マーベル「ぐっ……それは、そうかもしれねえが……。しかし、鎖国なんてしちまったら――」

妖精「……革新派が目指していた、外貨を獲得して国全体を豊かにしていく方針は……多分、達成できなくなるね」

マーベル「そうだよ! 鎖国なんてしちまったら、この国は今より更に土いじりしか脳のない土人国家になっちまう!! 俺たちの森林開発だけじゃねえ、他の連中の観光業もようやく軌道に乗ってきたとこなんだぞ!? それをお前……お前!! 鎖国なんて……!!!」

紫髪のエルフ幼女「……しかし王国を受け入れれば……この国の観光業は、破壊と搾取の限りを尽くされます。私たちが大切に育て上げた観光業を……王国に踏み躙られるか、私たち自身の手で終わらせるか……そのどちらかなのです……」

ティセリア「マーベル……どうか、賢明な判断を……」

マーベル「……」


↓1コンマ(復権派の名声、革新派との親交により+40)
01-50 認めねえ!!!
51-90 仕方ねえか……
91-00 待てよ?
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:55:24.21 ID:xAbX2HRfo
マーベルわかってくれ
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:56:26.94 ID:W+ELYYdDo
待てよ?
754 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:04:44.47 ID:U5ZzJzPU0
マーベル「……チクショウ。わかってんだよ……。王国なんぞの軍門に下るくらいなら、鎖国しちまった方が遥かにマシだってことくらい……」

ティセリア「マーベル……!」

マーベル「俺一人の我儘で、王国のカス共をこの国に入れさしたら……国民も、産業も、何もかもが王国の慰み者になっちまう……。んなことくらい……わかってんだよ……」

紫髪のエルフ幼女「マーベル……」

マーベル「俺はさ……。この国をもっと、盛り上げたかったんだ。諸外国の新しい文化を取り入れたり、開発や観光で外貨をもっと稼いだりして……この国をより豊かに、より楽しい国にしたかったんだ。いつも元気に飛び回る妖精たちも、意外と順応性の高いアルラウネの奴らも、言葉足らずながら気の優しい馬頭の連中も、頭の固い老害ばかりのエルフも……誰もが豊かに楽しく暮らせるようにしてえって、本気で思ってたんだぜ」

妖精「うん……」

マーベル「だがまあ……潮時だったのかもな。目先の開発に固執して、聞こえているはずの声を、見えていたはずの涙を無視しちまった……。上に立つ者として、やっちゃいけないことをしちまったんだ。しかもそれで魔王樹っつー脅威を見落としていたんだぜ? 笑い話にもならねえよ」

ティセリア「……」

マーベル「……まあ、そういうわけだ。革新派は……復権派の提案を受け入れる」

妖精「……ありがとう」

マーベル「この国のことを考えりゃ当然の判断だろ。しかしこうなると……選挙は普通にやるってことか?」

ティセリア「はい。どうやら、私たちの誰が勝っても鎖国する方針は確定のようですから」

紫髪のエルフ幼女「私たち以外の候補者が勝った場合は……どうしますか」

ティセリア「その時は改めて、新首長へこの提案をしましょう。私の知る限り、どの候補者もこの国の現状をしっかり理解している方々ですから、きっと受け入れてくれるかと……」

マーベル「俺が受け入れたんだから大丈夫だろ。はっきり言って俺以外は全員伝統派よりの考え方だしな」

紫髪のエルフ幼女「それもそうですね……。革新派はそういう意味では貴重な存在です」

マーベル「フッ……。さっきは潮時と言ったが、革新を求める支持者がいる限り革新派は不滅だ。まあ、今後の活動は少々慎重になるかもしれんが……」

妖精「鎖国って言っても、完全に国交を断絶するわけじゃないからさ。妖精と精霊と、認められた者には通行の許可を与えることができる。だから、規模は縮小しちゃうかもしれないけど……」

マーベル「おう。やれることを模索していくぜ」

 ☆伝統派と革新派の説得に成功しました

 ◆
755 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:19:19.49 ID:U5ZzJzPU0
三派閥の合意を得られたところで、本日はここまでです。次回はついに、フォレスティナ首長選挙編開始です

ついに姿を現した、セインくんを裏で操る巨悪の影――ロイエ教原理派。セクリエ・ロイエで急進派と呼ばれているのは何を隠そうこの原理派のことでもあり、その実態は闇に包まれています。大陸の闇に蠢くその悪意を前に、クロシュちゃんはどうすれば良いのでしょう。一介の赤ちゃんスライムにできることなどあるのでしょうか
そして今回は三派閥がついに手を取り合いました。これで選挙は、誰が勝っても鎖国する方向で統一されることでしょう。しかし暗躍する王国や原理派、そしてアリシラ?さんの世界樹に近づくなという不可解な発言など、不確定要素も少なくないようです。選挙は無事に始まり、そして無事に終わることができるのか――

それでは本日はありがとうございました。次回も恐らく土日です。よろしくお願いたします
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 00:47:31.87 ID:t7DOiXMDO
乙です
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 18:06:17.33 ID:HN+yNsOmO

三派閥団結できたけど不穏だな
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 20:28:28.57 ID:5Sy/Dn7a0

中々の胸糞野郎出てきましたね・・・
セイン君上司への忠誠心は一応本物なのかな。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 22:14:32.51 ID:V7bwC0nPo
おつ
セインくんも色々抱えてるなぁ
760 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:55:58.50 ID:gsRHWqSF0
候補者たちの思惑は異なれど、国への想いは皆本物なのかもしれません。団結できたのは良いことと思います
しかしこの選挙の行方がどうなるかは誰にもわかりません。クロシュちゃんは、真なる敵の姿を見極めることができるでしょうか

僧侶氏は、少なくともクロシュちゃんにとってはかなり嫌な存在だったようです。クロシュちゃんはできればあまり関わりたくないと思っているようですが、それだけにセインくんのことが心配でもあるようです
彼女がセインくんの上司にあたる関係なのかはわかりませんが、僧侶氏の行動をセインくんが邪魔した辺りを見ると明確な上下関係があるわけではないようです。しかしはっきりしたことはまだわかりません

セインくんにも彼自身の考えや目的があるようです。その事情は明らかになっていませんが、やはりクロシュちゃんのことが気になるようです。好みのタイプというわけではないらしいですが、真相は闇に包まれています
761 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:56:31.73 ID:gsRHWqSF0
―緑の国フォレスティナ 滞在9日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:57:32.68 ID:gsRHWqSF0
―フォレスティナ首長選挙投票日
 露店通り 広場

 ワイワイ ガヤガヤ

森妖精の屋台「太母まんじゅうだよ〜! フェアリーシロップたっぷりでとっても甘いよ〜!」

エルフの屋台「こっちはティセリア様のお手製クッキーですよ〜! エルフミルクたっぷりでとっても濃厚ですよ〜!」

観光客の男性「太母のシロップとティセリア様のミルクだと!? おれはどっちを選べば良いんだ……!!!」

エルフの男性「私は当然、ティセリア様の濃厚ミルクですね」

 *

エルフの吟遊詩人「無数の触手に捕まり、四肢を拘束されて絶体絶命の太母――。万事休す、運命はここで潰えてしまうのか――」ポロロン

エルフの子供「たいぼさま……しんじゃやだ……」ウルウル
観光客の女性「無数の触手に四肢を拘束された伝説の妖精……ゴクッ……」
宿屋アルラウネ「そ、それでどうなっちゃうの……!?」

エルフの吟遊詩人「しかしそこへ業火一閃! 無数の触手を炎の刃で切り払って現れたのは――我らがダークヒーローイリス!!!」ポロロン

エルフの子供「わあああ!! だーくひーろーいりす!!」
観光客の女性「うおおお!! ダークヒーローイリス!!」
宿屋アルラウネ「来たあああ!! ダークヒーローイリス!!!」

 *

マーベル「富国強兵文明開化! 革新革命近代化! イエーッ!」シュババッ
森妖精の踊り子「イエーッ!」シュババッ
エルフの踊り子「イエーッ!」シュババッ
アルラウネの踊り子「イエーッ!」シュババッ
馬頭の踊り手「イエーッ!」シュババッ
革新派支持者たち「イエーッ!」

観光客のマーベルファンA「キャーマーベル様ー!」
観光客のマーベルファンB「こっち向いて〜!」
観光客のマーベルファンC「素敵です、マーベル様……」

 *

イリス「わあ……! すっごい盛り上がってる……! 流石は四年に一度の特大イベント……!!」

ミスティ「あのダンサーの募集、革新派だったのね……」

ローガン「伝統派もお菓子の屋台を出しているようだな。しかし太母まんじゅうはいつ手配したのだ?」

妖精「あの妖精たちが勝手に私を使って商売してるだけだと思う……。私は何もしてないし許可も出してないし……」

イリス「あ、あはは……妖精って自由な種族だよね」

 *

―郊外の投票所

紫髪のエルフ幼女「投票用紙をお書きになりましたらこちらの箱へお入れください」

森妖精の子「えと……ここ……?」

紫髪のエルフ幼女「はい」

森妖精の子「ありがと……」ヒョイ

紫髪のエルフ幼女「……ところで、あなたはお祭り会場には行かないのですか?」

森妖精の子「」「……うん。今は……木さんといっしょに……いたいから……」ニッコリ

紫髪のエルフ幼女「……ふふ。そうですか」

 *
763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:58:16.31 ID:gsRHWqSF0
―夕方
 露店通り 広場

ティセリア「フォレスティナ国民の皆さん、投票ありがとうございました。観光に来た方々も、お越しいただきありがとうございます。現首長のティセリアです」ペコリ

 ワーワー ティセリアチャン!!

ティセリア「皆さんに支えられ、私はここまで首長として歩んでくることができました。今回の結果がどうなろうとも、皆さんへの感謝と、緑の国への想いが変わることはありません」

ティセリア「本当に、本当に……ありがとうございました」

公務員エルフ「……」ススッ

ティセリア「……ありがとう。それでは――たった今開票結果が届きましたので、読み上げさせていただきます」

ティセリア「今回のフォレスティナ首長選挙は――」


↓1コンマ
01-05 ??
06-15 革新派
16-55 伝統派
56-00 復権派
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:04:51.83 ID:l9Il6YJGo
はい
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:05:41.82 ID:yrqqU8o00
どうなる
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 18:58:40.35 ID:gsRHWqSF0
ティセリア「――復権派の妖精――建国の太母、堂々の再当選です!!」

 ワアアアア!! タイボ! ヨウセイ!! ソンナァー! マーベルサマァァ!!!

妖精「えええええ!!!? いや、もう私が当選する必要は――」

ティセリア「新首長!! 当選のお言葉をお願い致します!!」

妖精「……あー、こほん。みんな、ありがとう――。前と同じように――私は、みんなが平和で幸せに生きていけるよう、最善を尽くすから――。よろしくね――」

 ワアアアアア!! オメデトオオオ!! パチパチパチ!!


ティセリア「それでは、続けて新首長就任式を聖域にて行います。本日は、厳正な審査を受けて頂ければ一般の方も聖域に入ることができます。参加をご希望で未だ審査を受けていない方は、こちらで審査を行っておりますので――」

 *

妖精「なんてことだ……こんなことになるなら直前に棄権すれば良かった……。もう鎖国の合意が取れている今、私が当選する必要なんて全くなかったのに……」

イリス「ま、まあまあ……! この国のみんな、妖精さんのことをちゃんと覚えてくれてて、今でも好きでいてくれたってことだよ!」

クロシュ「うん……! 妖精さん……大人気……!」

妖精「う〜ん……まあ、確かに悪い気はしないけれど……。でもまあ、この国の運営についてあそこまで口出ししちゃったんだから仕方ないか……」

ミスティ「そうね……。四年間の任期、頑張りましょう……」

ローガン「フッ……思っていたよりも長い間この国に滞在することになりそうだな」


妖精「……それにしても……昨日イリスが言っていた奴ら、影も形も見せないね」

イリス「そうだね……。もう工作とかをするタイミングは過ぎたように思えるけれど……はっ!? まさか暗殺――」

ローガン「一応、私も細心の注意を払っている。今のところ厄介な気配は感じないが……」

ミスティ「聖域に侵入して何かするつもりなんじゃ……? 審査があるとは言え、今日は聖域が一般公開されるわけだし……」

妖精「まあ、流石に聖域に入り込んで不届きを働くなんて狂った真似をする輩がいるとは思いたくないね……」

クロシュ「……」


ティセリア「復権派の皆さん、ここにいらしたんですね」スタスタ

妖精「ティセリア……」

ティセリア「ふふ、首長就任おめでとうございます、妖精」

妖精「あー、うん……ありがと……」

ティセリア「先ほども話しましたが、就任式を聖域で執り行いますので、妖精だけでなく復権派の皆さんにもご出席をお願いしたいのです」

イリス「えっ! いいんですか!?」

ティセリア「良いに決まっているじゃありませんか。あなたがたが世界樹に狼藉を働くような輩でないことはとっくにわかっておりますし」

ミスティ「それはありがたいけれど……。一般の人に対しては、審査はちゃんとやるのよね……?」

ティセリア「もちろんです。世界樹はこの国の象徴というだけでなく、世界そのものを維持する存在なのですから。不届き者の侵入を許すことは決してありません」

ローガン「うむ……。それなら安心だが……」

ティセリア「そういうわけですから、ご都合がよろしければ是非ともご参加くださいね」

 ◆
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 19:00:23.37 ID:gsRHWqSF0
―聖域

 世界樹「」キラキラ


イリス「ここが……世界樹の聖域……!!」

ミスティ「清浄な……それでいて力強い魔力に満ちているわ……!」

ローガン「不思議だ……。鋼の力すら感じられる……」


イリス「……」

イリス(鋼だけじゃない……ものすごく多様な魔力が……ここに集まってきてる……)

イリス(これが……星の魔力……?)

イリス(……でも……それならどうして……)

イリス(私……この魔力が、こんなにも体に馴染むんだろ……?)


↓1コンマ
01-30 まあそういうこともあるか!
31-60 私の複数属性って、もしかして星属性にも適性がある!?
61-90 私の本当の属性って――
91-00 ??
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 19:06:35.21 ID:4zjXfLimo
なじむ実に! なじむぞ
769 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:32:28.81 ID:gsRHWqSF0
イリス(まあそういうこともあるか!)

イリス(……そういえば最近あの本読めてないなあ。選挙が終われば、読む時間も取れるかな……?)

 *

―聖域
 首長就任式

紫髪のエルフ幼女「それでは、伝統派ティセリアより復権派妖精へ、首長交代の儀を行います。ティセリア、妖精、お願い致します」

ティセリア「はい」

妖精「はい」

ティセリア「……妖精。あなたが、またこの国の首長になってくれて……私は、とても嬉しいです。どうか、この国の未来と、民の幸せを――よろしく、お願い致します――」

妖精「ええ――。後は、私が――」



クロシュ(世界樹の前で、ティセリアさんと妖精さんが言葉を交わしてる……)

クロシュ(わたしたち復権派も、伝統派も、革新派も、他の参加者も……みんな、静かにそれを見守ってる……)

クロシュ(これから、きっといろいろ大変だけど……みんなで協力してがんばれば、きっとこの国は大丈夫……)

クロシュ(だから、どうか――変なことは、起こらないで――)


クロシュ(でも――そんな、わたしの祈りは――)

クロシュ(どこにも、届かなかったみたい――)


 カッ
 ドガアアアアアン!!!!

 キャアアアア!!! ナ、ナンナンダ!? ナニガオキタ!!!?


イリス「な、何が起きたの!?」

ローガン「くっ……!! 煙で何も見えん……!! 皆無事か!?」

ミスティ「わ、私は無事よ!! クロシュと妖精は!!?」


クロシュ(これは……フメイちゃんの炎だ……)

クロシュ(フメイちゃんたちの気配が、世界樹の上の方へ向かっていってるのがわかる……)

クロシュ(わたしも……行かなきゃ……!)


クロシュ「わたし……世界樹の上に、行く……!!!」シュバッ


イリス「え、えええ!!? なんで!?」

ミスティ「説明不足よクロシュ!!!!」

ローガン「くっ……! 我々もクロシュくんを追うぞ……!!」

 *
770 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:35:18.82 ID:gsRHWqSF0
―世界樹

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ヨジヨジ

妖精「クロシュ!! 何してるの!?」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ ヨジヨジ

妖精「フメイが……! なら早く追うよ!! 上昇気流の魔法を使って上げるから凧か何かに化けて!」

スライムクロシュ「!」デロデロ


綿毛クロシュ「!」フワッ

妖精「いくよ!!」

 ビュオオオオオッ

 *
771 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:36:42.04 ID:gsRHWqSF0
―世界樹 中腹

アリシラ?「うふふ……面白いくらい簡単に来れちゃった……!」

フメイ「……本当に、ここにあるの? 世界を覆すほどの……力が……」

アリシラ?「あるよ。その力があれば、嫌な奴らをみんなまとめて焼き払える。フメイちゃんの理想の世界が実現するんだよ」

フメイ「……」

アリシラ?「まだ半信半疑だね。でも力さえ手に入れば、全てはフメイちゃんの思うがまま……。フメイちゃんが今まで奪われてきたものを、存分に奪い返して――」


「その力って――これのことですかぁ?」スタスタ


フメイ「!」バッ

アリシラ?「……誰?」

僧侶「下賎な者どもに名乗る名なんてありませんけど? それで……その力って、これのことですよね?」スッ

 僧侶の手に抱えられた大きな果実「」キラキラ

アリシラ?「……!」

僧侶「図星みたいですねえ? うふふ……あなたたちのような下賎なる者共が手にして良いものではありませんよ? これは」

アリシラ?「……フメイちゃん。あいつ、焼いていいよ」

フメイ「ん」チリッ


 爆炎「」ゴウッ!
 ブンッ
 切り払われた爆炎「」シュウウ…


セイン「……」シャキン

僧侶「危ないなあ。セインくんがいなかったら火傷しちゃってましたね」


アリシラ?「へえ……また会ったねえ」

セイン「……」

フメイ「お前……クロシュを殺そうとした……」

セイン「…………」


僧侶「セインくん、こんな奴らとも知り合いなんですか? 友達は選べと言ったはずですが?」

セイン「言われた記憶はないが」

僧侶「もう、冗談の通じない子ですねえ。でも、やることはわかってますよね?」

セイン「ああ」

僧侶「そうです。神に仇なす下賎の者どもを、救済して差し上げなさい」

セイン「……」シャキン

 *
772 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:37:33.51 ID:gsRHWqSF0

 ビュオオオオッ

綿毛クロシュ「」フワフワ

妖精「見えてきたよ……! でも、あれは……」

 キンキンキンッ!!
        ゴオオオッ!!
   ギュオオオン!!

妖精「え、枝の上で戦ってる!! フメイたちと……セインと、変な女!」

綿毛クロシュ「!」フワフワ

妖精「ど、どうする!? 下手に突っ込んだら巻き添えで死ぬよアレ!?」


↓1〜3多数決
1.制止を呼びかける
2.戦いに割って入る
3.様子を見る
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:38:14.15 ID:yrqqU8o00
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:41:08.22 ID:ODWz7FtHO
3
775 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:34:42.83 ID:gsRHWqSF0
セイン「……」ビビビッ

フメイ「ううっ!」ササッ

アリシラ?「吸収!」バッ

セイン「同じ手は食わない」ヒョイ


アリシラ?「勇者モドキ、やるなあ……!!」

フメイ「やるどころじゃない、強すぎる……! どうするの……!?」

僧侶「当然です。お前たち如き虫けらなど、セインくんの敵ではありません。しかし――」

セイン「……」

僧侶「さっきから何を遊んでいるのですか!! さっさと救済しろと言ったはずです!!」

セイン「僕は全力だ。奴らが想定以上に強い」

僧侶「くっ……! あの薄穢いスライムのせいですね……セインくんに下らない感傷を植え付けて……!!」

フメイ「……スライム?」

僧侶「……丁度お前にそっくりな容姿の小穢いスライムでしたね。ああ、思い出すだけでイライラしてきます……早く殺してしまいなさい!!」

フメイ「お前……クロシュに何をした」ゴオオオオッ

 *
776 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:35:18.85 ID:gsRHWqSF0
綿毛クロシュ「」フワフワ

妖精「あいつらが何を喋っているかまでは聞き取れないけど、あの変な女が手に持ってるアレ世界樹の果実だ……!!」パタパタ

綿毛クロシュ「?」フワフワ

妖精「詳しく説明してる暇はないけど、簡単に言うと世界を内包する卵みたいなものなんだよ! アレは誰かの手に渡って良いものじゃない!! 下手に扱えば世界が滅びる!!」パタパタ

綿毛クロシュ「!」フワフワ

妖精「なんとかアレだけでも奪い返さないと……!」


世界樹の精霊「……」ジーッ


妖精「……!? あなたは……世界樹の精霊!」

世界樹の精霊「……森の脅威を……解決してくれて、ありがとう……」

妖精「あ、うん……いや、今はそれどころじゃなくて……!」

世界樹の精霊「うん……。果実を……取られちゃって……今……とても、困っている……」

妖精「だろうね!」

世界樹の精霊「だから……度々申し訳ないけれど……取り返して欲しい……」

妖精「言われなくてもそうするよ! でも今回はあなたも手伝って!」

世界樹の精霊「えっと……何をすれば、いいの……?」

妖精「ええと、そうだな……じゃあ囮になってあいつらの目を引き付けて! その間に私たちが果実を奪い返すから!」

世界樹の精霊「ええ……痛いのは、やだ……」

妖精「精霊なら殴られても物理的なダメージは受けないでしょ!!」

世界樹の精霊「ダメージはないけど……気分は、悪い……」

妖精「ああもうつべこべ言うな!! あなた自身の果実が危ないんでしょうが!!!」

世界樹の精霊「……そうだった。じゃあ……やるだけ、やってみる……」フヨフヨ

妖精「全くもう、これだから精霊ってやつは……! 私たちもこっそり行くよ、クロシュ……!」

綿毛クロシュ「!」フワフワ

 *
777 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:36:01.23 ID:gsRHWqSF0
フメイ「……」ゴオオオオッ

セイン「っ……!」

アリシラ?「フメイちゃん……凄い、凄いよ! あの勇者モドキを圧倒する炎……!! それでこそ――」

僧侶「な、なんだと言うのです、薄穢いガキどもめ……!! セインくん、早く殺ってしまえと言っているで――」

世界樹の精霊「ばあ」ヌッ

僧侶「ひゃあああああ!!!」ドテッ



妖精「今だよクロシュ!」

クロシュ「!」シュバッ


↓1コンマ
01-20 転ぶ
21-80 果実を奪うが……
81-00 果実を奪う
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:48.85 ID:2QotgElDO
はい
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:59.14 ID:yrqqU8o00
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 22:16:48.95 ID:Ab2zNFwho
おや……僧侶(ちゃん?)の様子が……?
781 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:41:41.46 ID:gsRHWqSF0
 シュバッ ガッ

僧侶「あっ……!!」


クロシュ「!」タタッ
 クロシュの手に収まった果実「」キラキラ


僧侶「こ、この劣等種がァァァ!!! セインこいつを殺せェェェェ!!!」

フメイ「クロシュ……!! させない……!!!」ゴウッ

セイン「!!」ササッ


妖精「でかしたクロシュ! さあ、世界樹の果実はクロシュの手の中だぞ!! 異邦の者共よ、矛を納めなさい!!」

僧侶「劣等種の分際で……!! 私たちの聖務を妨害するなどと……!!!」

セイン「……」
782 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:42:22.14 ID:gsRHWqSF0
アリシラ?「……ねえ、クロシュちゃん……その果実、私たちにくれない?」

クロシュ「……」

妖精「あげないよ。これは誰のものでもない。世界樹に還さなきゃならないものだ」

アリシラ?「クロシュちゃんに聞いてるの。ねえ……それがあれば、この世界をとっても綺麗にできるんだよ? そうしたら、クロシュちゃんはまたフメイちゃんと一緒に暮らすことができるの……。あの頃、あの村で過ごしたみたいに……みんなで、ずうっと、平和に、幸せに……。だから――それ、私たちに頂戴?」

クロシュ「……」

妖精「クロシュ、耳を貸さないで! これはそんな都合の良いものじゃ――」


 光の残像「」パヒュンッ


フメイ「はっ! クロシュ――」

クロシュ「え――」

アリシラ?「させるか!!」バッ

セイン「!!」キキッ

アリシラ?「全く、こっちが丁寧にクロシュちゃんを説得しようとしてる時にさあ……」

セイン「……」



妖精(……まずい。果実を奪い返せたは良いけど、こいつらを相手に逃げ回り続けるのは不可能だ……)

妖精(いっそクロシュに果実を食べてもらう? いや……それはだめだ。一番だめ)

妖精(ああもう、どうすれば良い……!?)



アリシラ?「クロシュちゃん、わかったでしょ? こんな暴力的な奴らにその果実を渡したら大変なことになるんだよ。でも私たちなら、それを有効に活用できるの。さあ、早くそれをこっちへ渡して?」

セイン「……」

フメイ「クロシュ……」

僧侶「くそっ……!!」ギリギリ


クロシュ「……」
783 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:44:25.84 ID:gsRHWqSF0

世界樹の精霊「……」

世界樹の精霊「クロシュちゃん」

クロシュ「?」

世界樹の精霊「もうどうしようもないみたい。だから……それ、壊しちゃって」

全員「!!!?」

世界樹の精霊「それでも、世界には戻るから――。少し、歪になるかもしれないけれど――」

クロシュ「……本当に……いいの?」

世界樹の精霊「いいの。多分……それが、一番まし」

クロシュ「……わかった」コク

 スッ……

僧侶「だめええええええ!!」

 グシャッ――
784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:46:41.53 ID:gsRHWqSF0
―聖域

 世界樹上空「」パァァァァァ


紫髪のエルフ幼女「あ、あれは……? 世界樹上空から――夜空に、色とりどりの光が、広がって――」

マーベル「一体何が起きてやがんだ……?」

ティセリア「とっても、綺麗だけれど――なんだか――」

 *

―世界樹下層

 世界樹上空「」パァァァァァ


ローガン「くっ、この歳になって木登りは……む? あの光は――」

ミスティ「……オーロラ……? いえ……この地方でオーロラが見えるはずが……」

イリス「……!! 体の奥底が……震えるような……。これは……何? 何なの……?」

 *

―露店通り

 世界樹上空「」パァァァァァ


 ザワザワ…

観光客の男性「なんだあ、あれは……?」

観光客の女性「すっごく綺麗……。これ、選挙祭の演出……?」

エルフの男性「長年生きてきたが、こんな演出は初めてだ……」

エルフの吟遊詩人「世界樹の空から放たれる、命の光――。それは、愛の輝き――あるいは、哀の叫び――」ポロロン

宿屋アルラウネ「……世界樹に、何かあったのかしら……」

マーベルファン「マーベル様……」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「こんな時こそヤマイモ餅だよ!」

ハーピィ記者「こりゃ面白い現象ですねえ……。ヤマイモ餅一つお願いします」

 *

―郊外

 世界樹上空「」パァァァァァ


森妖精の子「わあ……きれい……。でも……」

元気になったおうちの木「」サワサワ

森妖精の子「どうして……こんなに……むねが、くるしいの……?」ジワワ

元気になったおうちの木「」サワサワ…

森妖精の子「木さんも……かなしいの……? えへへ……いっしょだね……」ポロポロ

 *
785 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:47:52.09 ID:gsRHWqSF0
―魔族国
 旧市街 広場

 フォレスティナ方面の夜空「」パァァァァァ


フラナ「あれは……星属性の光? 世界樹に何かあったのかしら……」

竜人の女性「あいつら大丈夫か……? 今はフォレスティナにいるんだろ?」

ムチムチラミア「なんだか政治活動をしているらしいわよお……。変なことに巻き込まれてなきゃ良いけどお……」

ムキムキオーク「ははっ、あいつらなら変なことに巻き込まれていても大丈夫だろう!」

フラナ「もしあの光の近くにいるのなら、何か掴めると良いわね。星属性の申し子、イリス・プラネットよ――」



聖女「美しい光……ですが、どこか胸騒ぎがします……。クロシュさん……妖精さん……皆さん……どうか、ご無事で……」

淫魔の幼女「あの光の下に、いるのかな……クロシュちゃん……」

魔族国スライム「〜〜…」モニョモニョ…

魔族の子供「きっと元気でやってるよ! もう友達とも会えたかもしれないし!」

聖女「ええ……。きっと元気でやっています。待ちましょう、あの子たちが再び、ここに来る日を――」

 *
786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:48:28.12 ID:gsRHWqSF0
―世界樹中層

クロシュ(わたしが壊した世界樹の果実から、五色の光が放たれていった)

クロシュ(世界樹が永い年月をかけて実らせた、世界を形作る命の光――)

クロシュ(それが、こうして不意に放たれてしまったことの意味は――――)
787 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:49:14.56 ID:gsRHWqSF0
本日はここまでとなります。次回は、選挙祭の後始末編です

今回は復権派の妖精さんが首長に返り咲き、聖域で行われたテロに対してクロシュちゃんが独自のアプローチを仕掛けるお話と相成りました
今回、イリスさんが何やらアホの子のような感じになってしまいましたが、星の魔力についての本を読むことによって今回自分の身で感じたことを整理することができるかもしれません。今回の出来事が自身の属性について考える切っ掛けとなれば良いねえとフラナ氏も考えているようです
そして、果実を壊したことによって世界に放たれた五色の光。それの意味するものが何なのかは現時点ではわかりませんが、もしかしたら世界に何かしらの影響があるかもしれません。状況を注視していただければと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:06:55.79 ID:KdKCKk/2o

世界樹の果実を巡る旅になりそう
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:42:17.53 ID:2803l+dDO
乙です
五色の光ということは少なくとも五つの国は巡るのかな
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 03:30:30.97 ID:rlWpE2XBo
おつ
やっぱり僧侶とアリシラ?は別勢力か
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 06:40:13.15 ID:2krOjXts0

今までの活動次第では選挙のコンマ範囲も決まってたのかな。
それと僧侶さんずっと嫌味な男キャラだと思ってましたすみません。
妖精さんこの国は2人に任せて旅は続けるのかな。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 08:27:59.60 ID:wH6pCqpM0
乙です
これ僧侶がいるロイエ教原理派のキャラは何人か登場するのかな?もし登場するなら久しぶりのキャラクター案での募集はあるのかな。
793 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:17:58.15 ID:CDFR2Oyl0
クロシュたちの次の旅がどのような目的になるかはわかりませんが、もし光を追うとすれば最低でも5つの国を巡ることになるのは恐らくその通りだと思われます

僧侶とアリシラ?さんは面識はないようで、その目的も異なるものと考えられます。彼女たちはとても相性が悪そうです

妖精の知名度や復権派のこれまでの活動により、選挙結果のコンマ範囲が決まりました。最終的には伝統派よりも僅かに優位と言えるほどには名声を獲得できていたようです

僧侶氏はどうやら女性のようです。そして今気付きましたが、主要キャラクターの女性率が高いように見えます。男性キャラクターも少し意識して登場させた方がバランスが良いかもしれません……

復権派メンバーは首長の任期である四年間をフォレスティナでの活動にあてるつもりでいたようですが……未曾有の世界樹テロが発生した今は状況が変わったかもしれません

原理派の人物は、僧侶氏以外にも何人か登場するかと思います。募集するかどうかは未定です(原理派のイメージは既に>>1の中である程度固まってしまっているため、自由度の高い募集をすることは難しいかもしれません)
穏健派の人物については、穏健な人格の持ち主でさえあれば問題ないので、然るべき時が来たら募集するかと思います(魔族国編で登場した聖女さんは穏健な性格ですが、穏健派の所属ではないようです)
794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:18:52.81 ID:CDFR2Oyl0
世界樹の精霊『――ありがとう』スゥゥ―

クロシュ(世界樹の精霊さんは、そう言って消えていった……)


僧侶「あ、ああ……!! 果実が……!! 私たちの、希望が……!!!」ガクッ

アリシラ?「ざぁんねん……。計画はおじゃんだねえ、フメイちゃん……」

フメイ「……おじゃんになったの?」

アリシラ?「うふふ……実際どうだろうね? あの光を追いかければ、ひょっとしたらまだ取り返せるかも?」

フメイ「……まだやれる?」

アリシラ?「お、フメイちゃんやる気だねえ。多分だけど、まだやれるよ。私たちの目指す世界は――まだ潰えてない」

フメイ「じゃあ――」


クロシュ「フメイちゃん……!」

フメイ「クロシュ……。無事で、良かった」

クロシュ「うん……。えと……ごめんね……。果実……壊しちゃった……」

フメイ「……いいよ。クロシュなら……」

アリシラ?「良くないよ! も〜!」

クロシュ「う、うん……」

フメイ「……でも、フメイたち……諦めないから」

クロシュ「……うん」

フメイ「……安全なとこで待ってて、とはもう言わない。だから……クロシュは、生きて」

クロシュ「……!」

フメイ「クロシュが生きていてくれれば……フメイは……それで、十分だから」

クロシュ「…………わたしも……フメイちゃんに、生きてて欲しい……」

フメイ「……クロシュがそう言うなら……」

クロシュ「うん……」

フメイ「それじゃあ、フメイたち、もう行く……。クロシュ……本当に、生きてね」スッ

 ボンッ!

アリシラ?「ほんとにも〜、次は邪魔しないでよ〜?」ピョンッ

 *
795 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:20:33.40 ID:CDFR2Oyl0
―世界樹 麓

妖精「はあ……結局、フメイは連れ戻せず……。あの僧侶とかいう変な女とセインの姿もいつの間にか消えてるし……。世界樹の果実は割れて飛散しちゃったし……」パタパタ

綿毛クロシュ「……」フワフワ

妖精「首長の就任式がこんなことになっちゃったし……ああ〜首長に就任した途端にこれとか最悪だあ〜……」

綿毛クロシュ「……」フワフワ



ティセリア「妖精! クロシュちゃん!」

妖精「ティセリア……。一般参加者たちは帰してくれたんだ……」

ティセリア「はい。しかし一体上で何があったのですか!?」

マーベル「セインの奴もいつの間にかいなくなってるし、一体何が起きてんだよ!?」

妖精「あ〜……話すとちょっと長くなるんだけど……」

 *

ティセリア「そんな、世界樹の果実が……」

妖精「下手人たちも取り逃がした……というか私たちの手に負える相手じゃなかったんだもん」

ティセリア「いえ……犯人たちを目撃して来て頂いただけでもありがたいです……! しかし……クロシュちゃんのお友達のフメイちゃんと……同郷のアリシラさんが……」

クロシュ「ごめんなさい……」

ティセリア「いえ、クロシュちゃんが謝ることではありません。しかし……うう、どうしたものでしょう……」


マーベル「……しかしセインの奴……やはり王国の手の者だったのか」

紫髪のエルフ幼女「気付いていたのですか……?」

マーベル「勇者サインにそっくりだからな。何らかの関係者であることはわかっていた。だからこそ俺の目が届くところに置いておこうと思っていたんだが……」

紫髪のエルフ幼女「しょっちゅう別行動してたではありませんか……」

マーベル「いやまあ……それは本当に悪かった。だが奴も勇者だとすると、王国は二人の勇者を抱えてるってことなのか……!?」

妖精「ううん。勇者サインは死亡してるみたい。だから、セインが勇者だとしても勇者は依然として一人だよ。まあ、一人だけでも十分脅威なんだけどね」

マーベル「なにィ!?」

ティセリア「勇者サインが既に死んでいる、ですって……!?」

紫髪のエルフ幼女「初耳です……!!」

妖精「まあ、王国自身も秘匿してるみたいだからね……。でもこれは魔族国で得た確かな筋からの情報だから、信用して良い」

ティセリア「し、しかしそうだとするとまだ彼はこの国にいるということでしょう……!?」

妖精「そうだけど……目的は世界樹の果実だったみたいだし、今すぐこの国に侵攻してくるってことはないじゃないかな……。殺ろうと思えば、私たちなんていつでも殺れただろうし」

マーベル「チッ……癪だが、実際その通りだろうな。この国を侵略する目的なら、わざわざ俺の護衛を志願するなんてまどろっこしい真似をする必要はねえ」

妖精「うん。だからまだ猶予はある。それと――聖域を拡張するなら、多分今が絶好のタイミングだよ」

ティセリア「……そうですね。この混乱に乗じて聖域を拡張すれば――」

マーベル「テロに対する世界樹の防衛反応ってことにすりゃ丁度良いってことか」

紫髪のエルフ幼女「嘘も方便というわけですね」

妖精「そういうこと」

 ◆
796 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:22:19.95 ID:CDFR2Oyl0
クロシュ(その後……世界樹から降りてきたイリスさんたちも合流して……妖精さんたちは、世界樹の聖域を元の大きさに戻す施術をした)

クロシュ(でも今は観光客の人がいっぱいいるから、一気に元の大きさに戻すわけじゃなくて、ゆっくり少しづつ大きくしていくそう)

クロシュ(最初こそ混乱が広がったけれど……緑の国の人たちは、大らかにそれを受け入れてくれる声が多数だったみたい……)

クロシュ(……)

クロシュ(でも……受け入れられない声も……なかったわけじゃないみたい……。その声も……ちゃんと、聞かなきゃだめなんだって……)

クロシュ(……政治って……難しい……)

 ◆
797 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:03.86 ID:CDFR2Oyl0
日後
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

観光客の男性「あと数日でフォレスティナ観光も見納めかあ……」

観光客の女性「世界樹がテロを怖がって聖域を広げ始めちゃったんだよね」

観光客の男性「でも仕方ねえよなあ……。ま、あと数日楽しむとするか!」

ヤマイモ餅屋台の妖精「そーそー! あと数日、うちのヤマイモ餅を楽しんでいってよ!」

エルフの吟遊詩人「世界樹の涙は――やがて世界を潤す命の雫となって――大地へ染み渡るだろう――」ポロロン

 *
798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:42.00 ID:CDFR2Oyl0
>>797訂正
日後 → ―数日後
799 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:24:09.22 ID:CDFR2Oyl0
―首長官邸

妖精「ふう……。とりあえず聖域関連はこれで一段落かな……」

ティセリア「お疲れ様です、妖精」

妖精「本当に疲れたよ……。でも……まだ、重大な問題が残ってるんだよね……」

ティセリア「飛散した果実の光、ですね……」

妖精「うん……。あの場では、世界樹自身が自らの意思でああすることを選んだけど……実際、あれがあの場では最善だったとは思う。でも――」

ティセリア「……はい。あの光が落ちた国々で異変が起きている――そのような話が既に伝わってきています」

妖精「世界樹の果実を危険に晒して、こういった事態を引き起こしてしまったのは私の責任だ。放置するわけにはいかない……。でも……」

ティセリア「……大丈夫です。この国のことは」

妖精「ティセリア……」

ティセリア「今回の選挙で、妖精が戻ってきてくれて……本当に、良かった……。もし妖精が戻ってきてくれなかったら……きっと、今よりもずっと悲惨な状況に陥ってたと思います」

妖精「……」

ティセリア「だから……この国の中のことは……私たちに任せてください。妖精は、妖精が成すべきことを――」

妖精「……ごめん。建国の太母として、みんなに期待されて首長に返り咲いたのに……」

ティセリア「いいのです。それに、世界樹の果実のこともこの国の問題には違いないのですから」

妖精「……ふふ、それもそうだね。じゃあ……この国の中のことは、任せて良い?」

ティセリア「はい……!」

 ◆
800 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:25:34.21 ID:CDFR2Oyl0
―緑の国フォレスティナ 滞在最終日
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 ロビー

妖精「というわけであの光を追うよ。出立は明日。みんな、準備は良い?」

イリス「妖精さん……! 首長としての仕事は……!?」

妖精「ティセリアたちに任せる。今のこの国を熟知してるのはあの子たちの方だもの。私にできることなんてないし」

ミスティ「……そ、そうなのね……。でもわかったわ……。明日、出立ね……」

ローガン「フッ……恐らくこういうことになるだろうと予想はしていた。準備はできている」

クロシュ「……」コク

妖精「……あの光を追えば、きっとその先にフメイたちもいるよ。何度でも……諦めずに、説得し続けよう」

クロシュ「うん……!」


フォレスティナ滞在最終日です。この行動終了後、フォレスティナを出ます
↓1〜3 自由安価 何をする?
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:26:57.47 ID:2krOjXts0
セインに関してのことをフラナに連絡する
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:32:07.30 ID:Nsm5/tF1O
魔族自治区に送る名産品を見繕う
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:34:30.94 ID:wH6pCqpM0
次に行く国(もしくは島、街)はどこにするか話し合う
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:35:35.63 ID:6rKnT0/z0
星の魔翌力を読む
805 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:54:50.35 ID:CDFR2Oyl0
―大樹の宿 ロビー

宿屋アルラウネ「イリス・プラネットさん宛にお手紙が来てるわ」スタスタ

イリス「! 師匠からだ!」

妖精「マメだねえ。今回も魔法の授業?」

イリス「それもあるけど、今回はセインくんのことについても報告したの。師匠の意見を聞いておきたくて」

ローガン「ふむ……確かに、フラナ氏の見解は気になるな」

ミスティ「どんなことが書かれてるか、私たちにも見せてもらっても良いかしら……?」

イリス「うん……! 読んでみる……!」


↓1コンマ
01-30 全然わからないわ
31-60 勇者サインの血縁者かしら
61-90 王国とロイエ教について調べてみるわ
91-00 ??
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:57:26.51 ID:6rKnT0/z0
えいや
807 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:20:30.79 ID:CDFR2Oyl0
手紙『勇者サイン本人は、もし仮に生きていたとしたら二十代半ばほど。しかしあの勇者モドキはまだ十代前半くらいにしか見えない』

手紙『安直に考えるなら、奴は勇者サインの血縁者ね。人間にしては年の離れた弟と考えるのが最も自然でしょう』

手紙『ただ――勇者サインの家族関係については、一切の情報がないのよ。だから軽率に断定することはできないわ』


イリス「ううーん……本人は、前に勇者サインは赤の他人だって言ってたけど……」

妖精「口先では何とでも言えるよ。隠してるだけかもしれないし」

ミスティ「でも……もし本当に弟なら、そう名乗った方が勇者として活動しやすいんじゃなかしら……?」

ローガン「ううむ……しかし彼が王国の勇者だとすると、ロイエ教原理派幹部とも共同で動いているのも不可解だ。一体どういう関わりがあるのだろうか……」

クロシュ「……セインさん……守りたいものがあるって……」

イリス「……セインくんは、やっぱり悪い人じゃなさそうに思えるんだよね。何か……王国とかロイエ教原理派に、人質を取られたりしてるのかも……」

妖精「でもあの勇者に人質なんて通用する? 瞬間的には光の速さで動けるんだから、人質なんて意味がない気がする」

ローガン「人質が複数人いて、それぞれ別の場所に捕らえられているなどの場合はそうも言えないかもしれん」

ミスティ「……可能性を考え出すとキリがないわね……」

イリス「そ、そうだね……。今はっきりしてるのは、セインくんが王国とロイエ教原理派に従ってるってことくらいかな……」

妖精「……まあ、実際そんなに悪い奴ではなさそうだよね。セイン」

クロシュ「うん……」

 *

イリス「とりあえず師匠に返事を書いて……」

宿屋アルラウネ「ちゃんとこの国を出る旨も書くのよ? ここにお師匠さんからの返事が来たら、あなたには届けられないからね」

イリス「はい、大丈夫です! いつもありがとうございます!」

宿屋アルラウネ「どういたしまして。ねえ、せっかくならお土産とかも送ってあげれば? この国を出る前に」

イリス「あ、それ良いですね……! 師匠だけじゃなくて聖女さんやあの子たちにもいろいろ送ってあげたいかも……!」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「何が良いかしら……」

ローガン「ここの名産品であれば――」



宿屋アルラウネ「それにしても、あなたたちとも明日でお別れなのねえ。ふふ、初日はまさか建国の太母が率いるパーティだなんて思いもしなかったわ」

妖精「こっちも名乗るつもりなんてなかったんだけどね……」

宿屋アルラウネ「世界樹を癒やす旅、頑張ってね。私も陰ながら応援してる」

妖精「ありがと」

 *
808 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:21:28.95 ID:CDFR2Oyl0
というわけで本日はここまでです。次回は魔族国へ送るお土産編、次に向かう場所決め編となります

ついに選挙が終わりました。鎖国を選んだ緑の国にも、ひとまずの安らぎが訪れることでしょう
そして首長となった妖精はその座をティセリアに譲り渡し、クロシュたちは世界樹の光を巡る新たな旅へ――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば祝日などもやろうかと思います。よろしくお願いいたします
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:44:56.48 ID:KdKCKk/2o

次の国も楽しみ
採用されてる国は幾つあるんかな
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 01:08:45.89 ID:pEMRhEObo

つなぎが上手い
妖精さん離脱覚悟していたがついてきてくれてありがとう……
フメイちゃんが今回の件でクロシュちゃんのこと守るべきか弱い存在から見直した気配感じて良き
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 14:16:29.72 ID:CPjmhmj60

確かに主要キャラクターは女性が多いから男性のキャラクターを増やした方がいいと思った。
812 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:10.30 ID:bATUIh+T0
採用されている国について、全ての場所を実際に登場させるのは難しいですが、いちおう頂いた案の国・都市・地域は全てこの世界内に存在するものとして考えています(世界観や設定の整合性を取るために、内容を一部変更させていただいている場合もあります)

今まではクロシュのフメイ捜しに付き合ってくれている形の妖精でしたが、世界樹の光を追うという能動的な目的を持ったため、今後は以前よりも積極的にいろいろ参加してくれるようになるかもしれません

フメイ氏にとって、クロシュちゃんは一人では生きていけないか弱い妹分スライムだったのかもしれません。しかしクロシュちゃんのがんばりが功を奏したのか、その認識は改まりつつあるようです

気を抜くとつい女性キャラクターを登場させてしまうので、意識的に男性キャラクターを登場させるよう気をつけようと思います
813 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:39.48 ID:bATUIh+T0
―露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

森妖精の露店「フェアリーシロップだよ〜! 鎖国間際の大感謝特売中だよ〜!」ヒラヒラ

馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。デモ、森ノ外ニハ、運ベナイ。ゴメン」

アルラウネの八百屋「フォレスティナの野菜が食べられるのも今週が最後よ。買っていきなさい」

エルフの露店「森エルフ印の乳製品、買っていきませんか〜? 今を逃すとこの先一生味わえないかもしれませんよ〜?」

森妖精の装飾品露店「ふわあ……。安いよ〜……人間用のもあるよ〜……」

エルフの吟遊詩人「この国を訪れし全ての旅人に、精霊の加護がありますよう――」ポロロン



クロシュ「わあ……」

ミスティ「前よりも、さらに賑わっているかしら……?」

妖精「鎖国が解かれるのがいつになるかもわからないからねえ」

ローガン「買う方も売る方も、今しかないというわけだ」

イリス「慎重に選ばないと……!」


↓1〜3自由安価 魔族国へ送る特産品(特定の誰かに贈りたい場合はその旨も)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:01:49.83 ID:9MXNK8wP0
フラナ氏に純潔エルフの血のような色のワイン。
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:13:57.40 ID:qJ+qaNaiO
子供達に世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ。
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:15:05.08 ID:vFgImliTo
なんか拾った世界樹の枝
817 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:49:38.41 ID:bATUIh+T0
 看板『鎖国直前超特価! エルフ酒造』

ローガン「む……!」

クロシュ「おさけ……?」

妖精「酒だね」

イリス「お酒と言えば――フラナ師匠はワインが好きだったはず!」

ミスティ「でもワインはあるのかしら……」

紫髪のエルフ幼女「もちろん。大抵のお酒は取り扱っています」ヌッ

イリス「ティセリアさんの秘書の――サリーさん!」

紫髪のエルフ幼女「どうも。旅立ちの前にお土産探しですか?」

ミスティ「実は――」

 *

紫髪のエルフ幼女「なるほど……魔族国への贈り物を選んでいるのですね。もうすぐ鎖国を迎えるこの国の特産品は今後希少価値が高まるでしょうから、良い考えだと思います」

イリス「あ、あはは……そこまで考えたわけじゃないですけど」

紫髪のエルフ幼女「よろしければ私がご案内致しましょうか」

妖精「えっ、でも今忙しいんじゃないの? あなたもティセリアも」

紫髪のエルフ幼女「あなたが建国の太母としての威光と手腕でいろいろ調整してくれたお陰で、今は余裕があります。この国の為に影に日向に尽力してくれた復権派の皆さんに、せめてもの恩返しをさせてください」

ミスティ「そういうことなら……お言葉に甘えさせていただこうかしら……」

 *
818 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:04.24 ID:bATUIh+T0

紫髪のエルフ幼女「聞けば、あなたのお師匠様は吸血鬼だそうですね」

イリス「はい、そうなんです! いやまあ、師匠というのは私が勝手にそう呼んでるだけで、実際は師匠ではないんですけど……」

紫髪のエルフ幼女「そ、そうですか……。いえ、吸血鬼の方でしたらピッタリのお酒があると思いまして」

イリス「ピッタリの……?」

紫髪のエルフ幼女「こちらです」スッ

 ヴァージンエルフワイン「」

イリス「ま、真っ赤……!!」

ミスティ「マジカルブラッドワインよりさらに鮮やかな赤色ね……」

ローガン「これは、まさか――」

紫髪のエルフ幼女「ご安心ください。本物の血は使用しておりません。これはエルフ酒造の方々が長年の研究を積み重ねて開発した、純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液――を用いて造られたワインなのです」

イリス「純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液……」

ミスティ「を用いて造られたワイン……?」

ローガン「う、うむ……。つまり……美味いのか?」

紫髪のエルフ幼女「吸血種の方々からは非常に高い評価を頂いておりますが、それ以外の方からの評価はあまり芳しくありませんね……。まあ、元々吸血種の方向けに開発されたワインですので当然と言えば当然なのですが」

イリス「そうなんですね……! それなら確かに師匠にピッタリかも……!」

妖精「じゃあお土産の一つはこれに決定?」

イリス「うん!」

 ◇
819 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:38.56 ID:bATUIh+T0
―露店通り

イリス「師匠に宛てたお土産はこれで良さそうだけど……これで喜ぶのは多分師匠だけだし、他のお土産もいるよね」

ミスティ「そうね。他のみんなには、何が良いかしら……」

クロシュ「……えと……魔族国には……甘いもの……あんまり、なかったから……」

ローガン「甘味だな。サリー殿、お土産に適したスイーツなどがあればご教示頂きたい」

紫髪のエルフ幼女「お土産スイーツですね。それならば――」

 *

―甘味処 木苺堂

 カランカラン

ティセリア「いらっしゃいませ――えっ!?」

紫髪のエルフ幼女「こんにちは、ティセリア」スタスタ

妖精「ティセリア……ここでも働いてるんだ」

ティセリア「いえ、まあ、軽い手伝い程度で……本業に差し支えはありませんので……」

妖精「あいや、そういうことを言いたいんじゃなくて。ティセリア、今でもお菓子作り好きだったんだなあって思ってさ」

ティセリア「あ……はい! ふふ、ずっと好きですよ」


森妖精の子「いらっしゃいませ……ミスティさん!」パタパタ

ミスティ「わっ……あなたもここで働いていたの……!?」

森妖精の子「うん。まだみならいだけど……」

ティセリア「選挙祭が終わって少し後くらいに、ここでかけていた募集に応募してきてくれたんです」

森妖精の子「おかね……あった方が、いいと思って……。ミスティさんたちにも……あんまり、おかね、だせなかったから……」

ミスティ「いいのよ。あなたとあなたのおうちの木が助かったことが、一番の報酬だもの……」

森妖精の子「……??」

イリス「ミスティ、すっかりその子に甘々だねえ」

ミスティ「そ、そういうのじゃないわ……」

 *
820 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:08.31 ID:bATUIh+T0

ティセリア「なるほど。魔族国の方々へのお土産ですね」

クロシュ「うん……。どれが……良い……?」

ティセリア「それでしたら、これはどうでしょう?」

 色とりどりの世界樹の果実風ゼリー「」キラキラ

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「綺麗ね……」

妖精「世界樹の果実風? なかなか洒落てるじゃん」

ティセリア「ふふ、そうでしょう。味はリンゴやブドウなど既存の果物を模したものになっていますが、とても美味しいと好評を頂いているんですよ」

妖精「まあ、世界樹の果実の味を知ってる奴なんてどこにもいないからね……」

森妖精の子「えっとね……フェアリーシロップと、スライムさんのゼラチンも、使ってるんだよ……」

クロシュ「!」

ティセリア「魔力にも健康にも美容にも良いスイーツとなっております。せっかくですから試食品をどうぞ、クロシュちゃん」スッ

クロシュ「う、うん……。あむ……」モグモグ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

ミスティ「クロシュ、溶けているわ……」

妖精「ふふ、溶けるほど美味しいってさ」

ティセリア「それほどまでに美味しく感じて頂けたのでしたら良かったです」

ミスティ「それじゃあ、もう一つのお土産は世界樹の果実風ゼリーにしましょう……」

妖精「そうだね。きっとあの子たちも喜ぶよ」

 ◆
821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:38.16 ID:bATUIh+T0
ものすごく眠いので本日はここまでとなります。全然進まず申し訳ありません

ワインとお菓子、お土産はやはり消え物が良いのかもしれません。そして次のお土産は世界樹の枝編です。よろしくお願いします

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:05:03.38 ID:mrvFCogIo
乙乙
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:58:50.72 ID:L70PP43Qo

商魂逞しい住民が多い
824 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:08:50.63 ID:MsQneFxu0
緑の国はここ最近観光産業に力を入れていたこともあり、観光客向けの商売に積極的な住民も多い模様です
鎖国はそういった住民たちに大きな影響を及ぼすものですが、ほとんどの国民は元から自給自足で暮らしていたため、鎖国を言い渡されても切羽詰まることなく商売を続けられるようです
825 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:09:42.65 ID:MsQneFxu0
本編更新の前に今後の進め方について多数決を取りたいと思います
クロシュたちは世界樹の光を追うことになったわけですが、その旅程について少々決めたいことがございます。よろしくお願いします

↓1〜5
1.光が遠くに落ちたので、途中にある他の国や地域を経由する必要がある
2.光は近くに落ちたので、目的の場所へは意外とすぐに到着する


◇簡単な解説◇
〈1.他の国や地域を経由する〉
他の国や地域を経由することになるので長旅になります。メインシナリオに加えて多くのサブシナリオが発生する可能性があります。出会いと別れもあるでしょう
世界観や登場人物の描写は増量されますが、全体的なお話のテンポは悪くなってしまうかもしれません

〈2.経由せずすぐ到着〉
サブシナリオはあまり発生せず、メインシナリオ(王国や原理派との戦い、勇者の謎、フメイちゃんとアリシラ?さんの行方)を主に追う形式となります
全体的なお話のテンポは早くなりますが、世界観や登場人物の描写は薄くなってしまうかもしれません
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:10:34.42 ID:sl8eDkbq0
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:08.65 ID:+sz04aaIO
1
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:49.14 ID:+4puIc1EO
1
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:20:52.64 ID:PmZecKPDO
一応1
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:41:35.16 ID:eQjF9W320
他の登場人物にもスポットを当ててほしいから
1
831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:09.00 ID:MsQneFxu0
皆さんありがとうございます。それでは、光は遠くに落ちたので他の国や地域を経由していくこととなりました
832 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:42.92 ID:MsQneFxu0
―大樹の宿 ロビー

イリス「それじゃあ、魔族国へ送るお土産はこの二つで良いかな?」

 ヴァージンエルフワイン「」
 世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」

クロシュ「うん」

妖精「異議なし」

ミスティ「ええ、良いと思うわ」

ローガン「うむ。私も異論はない」

イリス「みんなありがとう! それじゃあお土産はこの二つ――」


世界樹の精霊「……」ジーッ


ローガン「む……? 妖精の子だろうか……?」

ミスティ「世界樹の果実風ゼリーが気になるのかしら……?」

イリス「あー……ごめんね、これはお土産として送るためのもので――」

妖精「そいつ世界樹の精霊だよ」

イリス「えっ……ええええええええ!!!?!??!?」ガタンッ

ミスティ「せ、世界樹の精霊……!?」

ローガン「そんな方が、どうしてこんなところに……」

妖精「それは私が聞きたい。あなた、聖域の外に出て大丈夫なの?」

世界樹の精霊「うん。ここも聖域に包まれる予定だから。クロシュちゃん、お久しぶり」

クロシュ「あ、うん。世界樹の精霊さん、お久しぶりです」ペコ

イリス「な、なんかクロシュちゃんと知り合いになってる……!?」

妖精「ま、まあいろいろあってね……。それで、今日はどうしてこんなところに?」

世界樹の精霊「今日は……これを渡そうと思って、来た……」スッ

 世界樹の枝「」

妖精「こ、これ……世界樹の枝!?」

イリス「え、ええ!? 世界樹の枝!!!?!?!?」

世界樹の精霊「うん。あなたたちに、あげる」

妖精「いやいやいや……この前葉っぱ一枚くれるのすら渋ってたじゃん!」

世界樹の精霊「もうこの枝に循環すべき命は残っていないから、大丈夫」

妖精「そ、そう……」

世界樹の精霊「でも、とても良い触媒になる……ってティセリアが言ってた」

イリス「触媒って……魔法の触媒のこと?」

世界樹の精霊「わからない」

ローガン「わからないのか……」

世界樹の精霊「そういうわけだから、今回のお礼に、あげる。ありがとう……」

妖精「わかったよ……。ありがたくもらっとく」

世界樹の精霊「どういたしまして」

 *
833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:03:55.23 ID:MsQneFxu0

イリス「世界樹の枝かあ……。素材としては最高級の逸品なのは間違いないけど……」

ミスティ「少し手に余るわね……。何か良い活用法はないかしら、妖精」

妖精「魔法の触媒としてなら、一般的な補助具より遥かに強力な効果を期待できると思う。でも未加工で使うのは危ないし消耗も早まるだろうからやめといた方が良いよ」

ローガン「ならば杖などに加工すれば――いや、明日出立するのに加工している暇はないな……」

クロシュ「……えと……それじゃあ……一緒に、魔族国に送るのは……?」

イリス「そっか! 魔族国なら魔法技術も緑の国と遜色ないし、師匠なら世界樹の枝の使い方もなんか知ってそうだもんね……!」

ミスティ「なんか知ってそう……。まあ、確かになんか知ってそうではあるわね……」

ローガン「そうだな。我々は持て余してしまうが、魔族国の者たちなら有効活用できるかもしれん」

妖精「じゃあこれも魔族国に送っちゃおうか」

イリス「うん!」

 ☆ヴァージンエルフワイン、世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ、世界樹の枝を魔族国に送ります

 ◆
834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 22:18:21.99 ID:MsQneFxu0
―大樹の宿 ロビー

妖精「さて、お土産の発送も完了したところで次の目的地についての話をしよう」

イリス「うん! あの日の夜、世界樹から飛び散っていった光の行き先だよね」

妖精「そう。あの光が落ちた場所で被害が出てるから、私は緑の国の妖精としてそれを解決したい。……よく考えたら、首長ではないあなたたちにまで強要することはできないんだけど……」

ミスティ「今更水臭いわね……。私たちは共に選挙で勝利を治めた復権派の仲間じゃない……」

ローガン「うむ。首長のサポートを行うのは復権派構成員として当然の務めだ」

イリス「そうだよ! 妖精さん一人につらい思いなんてさせないんだから!」

クロシュ「うん……! それに……フメイちゃんたちも、そこにいるから……」

妖精「みんな……ありがとう。それじゃあ早速本題に入らせてもらうよ。まず次の目的地は――」


↓1〜 先取3票
1.ユーシリア帝国[>>383](チカーバの街[>>75]を経由)
2.テラヌス・ウルス[>>385](芸術都市ミュージア[>>380]、砂漠[危険地帯]を経由)
3.トコナツ火山島[熱帯](機械都市テンペスター[>>378]および港湾都市ウォーターポート[>>375]を経由)
※4.オノゴロ諸島[>>373](ユーシリア帝国[>>383]、???を経由)
※5.大陸西部上空(港湾都市ウォーターポート[>>375]、国際商業都市イスファハーン[384]、大魔女帝国[>>381]を経由)
※6.トウゲン帝国(オリシン王国[>>382]、大山脈[超危険地帯]、北部地方[超危険地帯]、リテン・ヘイヴン[>>377]を経由)
※7.常闇の樹海[超危険地帯]

(※が付いているものはまだ選べません)
(※4はユーシリア帝国編クリアで解放されます)
(※5〜7は特定の条件を満たすと解放されます)
(温泉町トウゲン[>>379]はオノゴロ諸島にあるようです)
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:19:48.32 ID:DswJh/3vo
2
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:20:11.63 ID:nWLHZMcCo
3
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:21:27.41 ID:sl8eDkbq0
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:22:17.11 ID:MuZ841l8o
2
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:23:57.50 ID:+sz04aaIO
3
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:24:09.25 ID:PmZecKPDO
3
841 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:01:47.50 ID:MsQneFxu0
妖精「――トコナツ火山島。聞いたことはある?」

イリス「えっ、トコナツ火山島!? それってあのトコナツ火山島!?」

妖精「トコナツ火山島って地名は多分一つしかないと思う」

ミスティ「聞いたことあるわ。確か、一年中熱い季節が続く熱帯の島だとか……」

ローガン「しかも活火山があって溶岩も頻繁に出る、と聞いたことがあるな」

クロシュ「ようがん……」

妖精「とっても熱い、燃えて溶けてる岩のことだよ」

クロシュ「???」

ミスティ「私も実物を見たことがないから、溶岩という物体の知識はあるけれど、気持ちはクロシュと似たようなものよ……。燃えて溶ける岩なんて全く想像が付かないわ……」

ローガン「精錬で溶けた金属なら見たことはあるが、あんな感じなのだろうか……」

イリス「私、昔魔法の大会をお師匠様と見に行ったときに一度だけ見たことある。なんていうか……メラメラでデロデロで、すごかった」

クロシュ「メラメラで、デロデロ……。わたしも……デロデロなら、できる」

妖精「絶対触っちゃだめだからね!?」

ミスティ「とりあえずトコナツ火山島が目的地となったのはわかったわ。でもそれだと……海に出る必要があるけれど、どうするの?」

イリス「トコナツ火山島は大陸の南の海だよね。それなら最も近い港は――」

ローガン「……港湾都市ウォーターポートだな。王国の」

イリス「げげっ」

妖精「……まあ、こればかりは仕方ない。王国内ではまたクロシュの服の中とかに隠れるから、その時は入れさせてよね」

クロシュ「ん」コク


ミスティ「ところで……ウォーターポートと隣接している、このテンペスターという街は?」

ローガン「テンペスターは王国の武器庫と呼ばれる工業都市だな。通常の武器だけでなく、機械式の武器や兵器も開発・生産しているらしい」

妖精「げえ、機械兵器は私たち妖精の天敵だ……! 自然の力が通じにくい上に、自然の守りを容易く壊してくるんだよ!」

イリス「そ、そういえばマーベルさんが振り回してた機械式の回転ノコギリ、魔王樹に効果抜群だったね……」

妖精「そういうこと……! 魔王樹も元は精霊樹だったことを考えると、機械がいかに私たち妖精や精霊の天敵かわかるでしょ? はあ……。そんな街が港の近くにあるなんて……」

クロシュ「えと……妖精さんが、危なくなったら……わたしの中に……隠れて、いいよ……?」

妖精「ふふ、ありがとクロシュ。でも私が危ない時はクロシュも危ないだろうから、一緒に隠れよう」

クロシュ「うん」

 ☆次の目的地がトコナツ火山島になりました
  港湾都市ウォーターポート&工業都市テンペスターを経由して向かいます

 ◆
842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:04:38.11 ID:MsQneFxu0
―魔族国
 妖しい魔法店

 カランカラン

馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。イリス・プラネット様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ

フラナ「ありがとう、ご苦労様。……あなた、緑の国の飛脚よね? もうすぐ鎖国するそうだけれど、帰りは大丈夫なの?」

馬頭の飛脚「アッ! ヤバイカモシレマセン」

フラナ「……。まあ、今この国は働き手がいくらでも欲しいから、もし緑の国に帰れなかったら魔族国に来なさい。寝床と仕事を用意してあげるから」

馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」

フラナ「いやまずは帰れるかどうか確認しなさいよ」

 *

フラナ「はあ、全く……。緑の国の住民ってちょっとのんきすぎる気があるのよね。そこが良いところでもあるのだろうけれど……」

フラナ「それより今はイリスからの届け物ね。何かしら……」ワクワク

 ヴァージンエルフワイン「」ポン!

フラナ「こ、これは……生娘エルフの血――に限りなく近い味と成分の人工血液を用いて造られたヴァージンエルフワイン……!!!」

フラナ「鎖国すると聞いた時はもう飲めないかと諦めていたけれど……まさかイリスがこれを送ってきてくれるなんて……!!」

フラナ「ふふふふ、持つべきものは優秀な教え子ね……。後で飲みましょ」

フラナ「……ん? 他にも入ってるわね。何かしら――」

 世界樹の枝「」ポン

フラナ「世界樹の――枝!?」

 ◆
843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:05:13.94 ID:MsQneFxu0
―魔族国旧市街
 ロイエ魔族国教会

 ガチャッ

馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。クロシュ様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ

聖女「はい、こんにちは……えっクロシュさんから!?」

馬頭の飛脚「ハイ」

聖女「あ、あの……クロシュさんたちは、お元気でしたか?」

馬頭の飛脚「ハイ。ミナサン、息災デアッタト記憶シテオリマス」

聖女「そうですか、良かった……。あれ、でも確か今は緑の国にいっていて、緑の国はもうすぐ鎖国で……あっ! あなたは大丈夫なのですか!?」

馬頭の飛脚「同ジコトヲ別ノオ客様ニモ言ワレマシタ。ヤバイカモシレマセン」

聖女「そ、そうですか……。あの、もしお国に帰れなかったら、ロイエ教の教会をお尋ねください。簡易的な宿泊施設と、炊き出しも行っておりますので……」

馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」

聖女「まずは帰れるかどうかご確認くださいね!」

 *

聖女「ふう……お布団もご飯も無限にあれば良いのですが……」

 ガチャッ

魔族の子供「こんにちは、お姉さん! 遊びに来たよ!」ヒョコッ

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

淫魔の幼女「こんにちは、おねーさん!」ヒョコッ

聖女「あら、いらっしゃい! なんと今ですね――クロシュちゃんから、緑の国のお土産が届いたんです!」

魔族の子供「えっ、本当!?」

魔族国スライム「!」モニョモニョ

淫魔の幼女「……言われてみれば、クロシュちゃんの匂いがする……」

聖女「に、匂いがするかは私にはわかりませんが……こちらを、みんなで食べて欲しいと」スッ

 世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」ポン!

淫魔の幼女「わああ……! きらきら……!!」

魔族の子供「これ、何!?」

聖女「これはゼリー≠ニいうおやつです。緑の国で人気のお菓子なのだそうですよ」

魔族国スライム「〜」モニョモニョ

魔族の子供「ゼリー……!」

淫魔の幼女「ええ、食べていい? 食べていい?」

聖女「ふふ、もちろんです。ゼリーは逃げませんから、ゆっくりね……」

 ◆
844 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:07:57.70 ID:MsQneFxu0
―???

アリシラ(……)

アリシラ(真っ暗で……何も、見えない……)

アリシラ(ここは……どこ、なのかな……)

アリシラ(帰らなきゃ……)

アリシラ(……? 帰るって……どこに……?)

アリシラ(あれ……? 私は……私って、誰……?)


アリシラ?「帰る場所なんて、もうないよ」

アリシラ(え――)

アリシラ?「忘れたの? 私の大好きなお父さんも、お母さんも――私が殺したんじゃない」

アリシラ(あ――あ、ああ―――!!)

アリシラ?「思い出した? あの日の夜のこと」

アリシラ(わ、私……私は……!!!)

アリシラ?「でも仕方ないよ。だって、私が吸収しなくたってお父さんもお母さんもあのままなら死んでたんだもの)

アリシラ(だからって……だからって……!)

アリシラ?「うふふ……一緒に死ねていたら良かったのにね。生存欲なんてものがあったばかりにね……。大好きな人たちと一緒に死ねず、後を追うこともできず、現世を彷徨い続けるしかない……」

アリシラ(どう、して……。私、だけ…………)

アリシラ?「それは私が、他者の命を奪って生き延びる力を持っていたから。ただ、それだけ。単なる必然」

アリシラ(…………あなたは……誰、なの……?)

アリシラ?「私は私だよ。アリシラ」

アリシラ(……)

アリシラ?「うふふ……本当だよ? だって私も≠ィ父さんとお母さんからその名前を授かったんだもの」

アリシラ(それは……どういう……)

アリシラ?「私はね――あなたが死産した時に生まれて、蘇生と引き換えに消滅した――」

魔王アリシラ「――魔王の、断片だよ」

 ◆
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