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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/02(金) 00:50:32.80 ID:53IQCQFbo
了解報告おつー
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:07:35.65 ID:3BZznijO0
 ◆

―数日前 夜
 新生魔族国 宿 ロビー

ローガン「魔族国を出たらこのパーティはどこへ行く予定なのだ?」

イリス「あー、ええと……実はまだ、決まっていないというか……」

ミスティ「……このパーティ、明確な目的地はないのよね。強いて言うなら、捜し人のいるクロシュだけど……」

妖精「クロシュの捜し人もどこにいるかわかってるわけじゃないしねえ。まあ、適当に近辺を巡って聞き込みでもすれば良いんじゃない?」

クロシュ「……えと……ごめんなさい……」

イリス「いやいやクロシュちゃんが謝ることなんて何もないって! 元からそういうつもりのパーティだもん! ね?」

ミスティ「ええ……。私も目下の目的があるわけじゃないから、付き合ってあげるわ……」

ローガン「うむ……。私も行く宛のない流浪の身だ。正式にパーティ入りした今、異論などあるはずもない」

妖精「だってさ。良かったねクロシュ」

クロシュ「……ありがと、ございます……」ペコ

ミスティ「いいのよ……」ナデナデ

ローガン「うむ……」

 *

イリス「……とは言っても、聞き込みだけじゃ埒が明かないんじゃないかなあ……」

ミスティ「地道にやっていたら何年もかかってしまうかもしれないわね……。フメイ自身も恐らく定住はしないでしょうし……」

ローガン「そのフメイ殿が人間の絶滅を望む炎魔法の使い手だというのなら、この先何らかの過激な行動を起こすかもしれぬ。その後を追うというのはどうか」

イリス「で、できれば何かを起こす前にお話したいです、私は……」

妖精「それなら占い師とかを頼ってみるのはどう?」

ミスティ「占い……。妖精はアテがあるの?」

妖精「ないわけじゃないけど……私の知ってる奴は屑だからやめといた方が良いよ。あなたたちは?」

イリス「うーん……運命に関わる属性は希少中の希少らしいし……」

ミスティ「私も知らないわ……。ローガンさんは?」

ローガン「私もわからぬ……」

イリス「ううーん……あ!! 大魔女とか、どうかな!?」

妖精「ええ……」

ミスティ「だ、大魔女って……」

ローガン「もしや、大魔女帝国の……」

イリス「そ、そう! 大魔女はあらゆる属性に精通してるって話だし、占術魔法も使えるんじゃないかな……!?」

ミスティ「……入国する為に各国の大使館を巡るの? 今から?」

イリス「あっ」

ローガン「トウゲン帝国やオノゴロ諸島といった大陸外の国の大使館まで巡らねばならんとなると……今から目指すのは現実的ではないな……」

妖精「……占いの線は厳しそうだね、こりゃ」
390 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:08:03.28 ID:3BZznijO0

 窓「」ガラッ
ハーピィ記者「どうもこんばんは!!」ヌッ

妖精「うわああ!!」コテッ

クロシュ「!」ビクッ

ミスティ「い、いきなり何!?」

イリス「あ、あなたは……私を勝手にダークヒーロー扱いしてる悪徳記者!!」

ハーピィ記者「心外だなあ、人と魔族の架け橋となる記事を書いてるだけなんですから大目に見てください」

イリス「ま、まあ嫌われてるわけじゃないから別に良いですけど……」

ローガン「……それで、ハーピィの記者殿がなぜここに? 号外というわけでもなさそうだが」

ハーピィ記者「そこのクロシュちゃんの探し人の目撃情報と、ついでに次の目的地を盗聴して来たのでそのご報告を」

クロシュ「!!」

ハーピィ記者「ふっふっふ、それはですね――」


↓1〜 先に2票入ったもの 道中イベントはどれも自由安価×1、ランダム×2で統一します
1.宗教国家セクリエ・ロイエ(>>374
2.ユーシリア帝国(>>383
3.緑の国フォレスティナ(>>386
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:10:16.68 ID:TioO6gXI0
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:14:22.82 ID:tYqeAADd0
3
393 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:41:54.44 ID:3BZznijO0
ハーピィ記者「――フォレスティナです!」

妖精「えええええ!!!!?」ドテッ

イリス「フォレスティナ……! 世界樹があるっていう……!」

ハーピィ記者「ええ、そのフォレスティナです。今現在、彼女らはそこを目指しているようです」

ローガン「……不可解だな。人を滅ぼすつもりなら他に人間が繁栄している国などいくらでもありそうなものだが……なぜよりにもよって人の多くない緑の国を……?」

ミスティ「……まさか、世界樹を焼き滅ぼそうなんてつもりじゃ……」

妖精「……フメイの火は強力だけど、世界樹を死に至らせるのは到底無理だよ……。だからその心配はいらないと思う……」

ハーピィ記者「それじゃあ私は伝えましたので! 皆さんの旅路が良いものであることを祈ってますよ!」バサッバサッ


クロシュ「……フォレスティナ……」

ミスティ「まあ何にせよ、次の行き先は決まったわね……」

ローガン「うむ。森歩き用の装備を整えねばな」

イリス「いざ、緑の国フォレスティナ!」


妖精「うげぇ……フォレスティナかぁ……」ドンヨリ

 ◆
394 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:46:58.46 ID:3BZznijO0
―とある夜
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ…

フメイ「……」

アリシラ?「もー、落ち込むくらいなら無理矢理にでもクロシュちゃんを引っ張って来たら良かったのに」

フメイ「……落ち込んでなんか、ない」

アリシラ?「いやいや、どう見ても落ち込んでるよ〜。それにクロシュちゃんなら、フメイちゃんがもっと食い下がって無理を言えば一緒に来てくれたかもよ?」

フメイ「……クロシュの優しさにつけ込むのは、嫌。それに……優しいクロシュが、フメイたちと一緒に来たら……きっと、いっぱい傷付く……」

アリシラ?「頑固だねえ。フメイちゃんがクロシュちゃんを大事にしたいのはわかるけどさ……。人類殲滅もクロシュちゃんのためなんでしょ?」

フメイ「……別に、クロシュのためだけじゃない。フメイだって人間が嫌いだし、フメイたち以外にも人間に苦しめられている種はいっぱいいる。人間がいなくなれば……」

アリシラ?「人間がいなくなっただけで、本当に世界が平和になると思う?」

フメイ「……」

アリシラ?「うふふ……見たよね? 憎さのあまりに子供や赤ん坊ですら串刺しにしてげらげら笑っていた魔族たちの姿を……」

フメイ「………」

アリシラ?「あの残虐性が、はぐれ者のクロシュちゃんやフメイちゃんに向けられることはないって断言できる?」

フメイ「…………」

アリシラ?「フメイちゃんの敵はねえ……人間だけじゃないんだよぉ。フメイちゃんは、クロシュちゃんに害をなそうとする全てを焼き滅ぼさなきゃいけないの……」

フメイ「………わかってる」

アリシラ?「自分の力だけじゃ、敵を全て滅ぼすのが難しいのもわかってるでしょ?」

フメイ「…………」

アリシラ?「下劣で狡猾で残虐な輩は、どこにでも、いくらでも、この世界に潜んでるの。そいつら全てを焼き滅ぼさなきゃ、クロシュちゃんが本当に安心して生きられる日なんて永遠に来ないんだよ……」

フメイ「…………」

アリシラ?「うふふ……焼き殺したいよね? でも、それが難しいのもわかるよね? じゃあ……どうしたら良いと思う……?」

フメイ「…………わかん、ないよ……」

アリシラ?「ふふ……。じゃあ、教えてあげる。フメイちゃんがどうしたら、クロシュちゃんが平和に暮らせる世界を作れるか」

フメイ「……?」

アリシラ?「というわけで、次の行き先はフォレスティナに決まり!」

フメイ「……なんで?」

アリシラ?「うふふふ……その時が来たら教えてあげる……」

フメイ「…………」

フメイ「あなた……誰?」

 ◆
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:56:49.59 ID:3BZznijO0
―緑の国への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[2/3]
……………………………………………………………………………………
―街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「緑の国へは……常闇の樹海沿いの街道をずっと行くと、緑の大森林の入口に着くんだよね」

ミスティ「森林に入ったらソリはどうしようかしら……」

妖精「フォレスティナまでは森林内でも街道が整備されてるから普通にソリで走れるよ。前と変わってなければね」

イリス「妖精さんは行ったことがあるの? ていうかもしかして出身だったり?」

妖精「黙秘」

 *
396 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:57:17.09 ID:3BZznijO0
イリス「それにしても色々貰っちゃったなあ……。反魂丹まで……」

ミスティ「私たちが使うためのものだったのにマリーさんに使わせちゃったから、って言ってたわね」

ローガン「律儀な方だ。そういうところが人望に繋がっているのだろうな」

クロシュ「……この、赤いのは……?」

 赤い液体が入った瓶「」チャプ

イリス「これは……マジカルブラッドワインっていう吸血鬼用のお酒、なんだって……」

ミスティ「……まさか、血が入ってるんじゃ……」

イリス「あ、そこは大丈夫みたい! これは非吸血種の子供でも飲めるように血を使わないで度数もかなり低くしたものみたいだから」

ローガン「ふむ……。私は度数が高い方が好みだが、名前からするとこれは君たち魔法使いに適したものなのだろう?」

イリス「そうみたいです。飲むと一時的に魔力の生産量と出力量が大きく上がるんだとか。人間が使う場合は体への負担もあって多用は厳禁みたいなんですけど」

ミスティ「一本しかないのなら多用する心配はないわね。ここぞって時に使いましょう」

イリス「うん。フラナ師匠がくれた餞別の品、大事に使わなきゃね」


妖精「……ん? 餞別袋の底の方にまだ何かある」ゴソゴソ

 石の賽「」コロン

クロシュ「……? いし……?」

ミスティ「石の……立方体ね」

ローガン「面には何も描かれていないが、大きさからするとサイコロのようにも見えるな」

イリス「なんだか、不思議な魔力を感じる……。何だろう、これはフラナ師匠からも聞いてないけど……」

妖精「……何かの加護がかけられてるけど……何だったかな、この感じは……」

イリス「う〜ん……わかんないや! でも悪い感じはしないし、大事にとっとこう!」

ミスティ「そうね。フラナさんたちが悪いものを渡すとも思えないし、次に会った時にでも聞いてみましょう」


 強化ソリ「」シャーッ


↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いもの発見(自由安価。道具限定)
81-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 19:58:33.64 ID:7m/pgekFO
398 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 20:58:06.59 ID:3BZznijO0
 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ふう……」

イリス「お疲れ様!」

ミスティ「あなたも。風魔法で移動を補助してくれてたでしょ?」

イリス「えへへ、まあ……。できることないかなって思って」

ミスティ「氷魔法は使えないの?」

イリス「だめみたい。氷と闇はどうにも……」

ミスティ「……言っては何だけど、あなたが氷まで使えなくて良かったと今思ってしまったわ」

イリス「あ、あはは……もし使えたとしてもミスティには敵わないよ。所詮は器用貧乏だからね」

ミスティ「平均レベルより上だと思うわ。何にせよ、とりあえず今は休憩にしましょう」

妖精「はーい」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「私は周辺を警戒していよう」

 *

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ん? なあに?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あっち? ああ、あれのこと?」

 森林木苺「」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「おお、これは……!」

イリス「わあ、綺麗な木苺!」

ミスティ「美味しそうだけど……これは本当に木苺なの? 良く似た毒苺ってことはない?」

妖精「これは緑の大森林で採れるやつだね。人間が食べても大丈夫なやつだったと思う。多分」

ミスティ「多分……」

スライムクロシュ「〜〜」モグモグ

妖精「ほら、クロシュも平気で食べてるでしょ」

ローガン「クロシュくんはスライムだと思うのだが……」

イリス「……よし! 妖精さんが大丈夫って言ってるんだから大丈夫だよ!」プチッ

 モグモグ

イリス「あ……」

ミスティ「あ……?」

イリス「あま〜い!!」

 ☆森林木苺を食べて元気になりました
  この道中の次の戦闘時、コンマ+15

 ◆
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:11:24.71 ID:MsVjwJcEO
氷や闇は星と相性悪い? それともイリスの性質かな?
400 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:20:57.99 ID:3BZznijO0
―夕方
 関所 王国領側

 ワイワイ ガヤガヤ

露店A「安いよ安いよ〜」

露店B「今なら森歩きの靴がなんと銀貨一枚!!!」

露店C「マナポーションはいらんかね?」


 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ここが……関所みたいね」

イリス「けっこう賑わってるなあ。観光地だからかな?」

ローガン「今年は四年に一度のフォレスティナ首長選挙があるらしい。それで人が多いのかもしれんな」

妖精「とりあえず王国領を出ようよ。私もクロシュも王国領にいると息が詰まる」

ミスティ「そうね……。それじゃあ妖精は隠れて、クロシュは犬か何かに擬態していて」

クロシュ「ん」コク

 *

―夕方
 関所 森林側

 木々「」サワサワ

イリス「わあ……こっち側はもうかなり森って感じだねえ」

ミスティ「地図によると、ここから緑の大森林……つまりフォレスティナ領ということみたいよ」

ローガン「ふむ。フォレスティナの首都までこの森林地帯が続くというわけか」

ミスティ「そういうことみたいね……。それにしても……」

 ワイワイ キャッキャ

森妖精A「フォレスティナにようこそ、旅人さん!」ヒラヒラ

森妖精B「えっへへ〜楽しんでいってね〜」ヒラヒラ

森妖精C「ねえねえ旅人さん、フェアリーシロップ欲しくない? ねえ欲しくない?」ヒラヒラ

森妖精D「妖精のお宿ですよ〜。妖精さんのせいいっぱいのご奉仕付きですよ〜」ヒラヒラ

 ワイワイ キャッキャ

ミスティ「……こっちもこっちで、賑やかね……」

イリス「そ、そうだね……。森の妖精さんは、積極的というか……」チラ

妖精「はあ……王国領にいるよりはマシだけどさ……」

ローガン「妖精殿は森の妖精が苦手なのか?」

妖精「別に……。ただ、相容れないってだけ……」

犬クロシュ「……」ペロペロ

妖精「うひゃあ! 急に舐めるな!!」


森の関所で一晩過ごします
↓1 どこに泊まる?
1.妖精のお宿(お金が減りますが、お元気になります)
2.野営(お金が減りません)
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:22:08.07 ID:65n6n0fxo
1
402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:42:20.25 ID:3BZznijO0
イリス「今夜は妖精さんのお宿に泊まろうよ! 竜人姐さんも美味しいもんいっぱい食べろって言ってたし……!」

ミスティ「私も同意するわ。せっかく頂いたお金だもの、有意義に使いましょう」

ローガン「私も異論はない。心地良い環境での休息は良き活力となろう」

妖精「まあ……良い寝床なのは確かだと思うよ、うん……」

犬クロシュ「ハッハッハ」

ミスティ「……もう人やスライムの姿に戻って良いわよ、クロシュ……」

 *

―妖精のお宿

お宿の妖精たち「せっせせっせ」パタパタパタパタ


イリス「わぁ〜、小さい妖精さんたちが一生懸命働いてる……! かわいいなあ」

妖精「そういう視覚効果を狙った宿だからね。かわいく見せてるんだよ」

イリス「そ、そういうこと言うのやめてよぉ〜」

妖精「事実だもん。これでお金を落とす妖精性愛者が後を絶たないんだから。下品な商売だよ」

ミスティ「妖精はもうちょっとこう……言葉を選べないのかしら……」

妖精「これでも選んでる方なんだけど……」

ローガン「ううむ……。かわいいと思ってしまうが……それが意図されたものだと聞かされると、なんとも言い難い痒さがあるな……」

イリス「あれ? そういえばクロシュちゃんは?」

ミスティ「……あそこでお宿の妖精たちに囲まれているわね……」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

お宿の妖精A「わぁ〜黒いスライムさんだあ〜」

お宿の妖精B「黒くて綺麗でかっこいいです、お客様……」

お宿の妖精C「スライムさん向けのマッサージしてあげるね」フニフニ

スライムクロシュ「///」モニョニョ


妖精「何をやっているのあの馬鹿スライムは……」

妖精のお宿に一泊します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:43:39.13 ID:TioO6gXI0
女性陣、温泉タイム
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:29.37 ID:07D4fN/So
クロシュ変身能力を戦闘用に磨く
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:57.54 ID:7m/pgekFO
冒険者ギルドで依頼探し
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:28.59 ID:7cH0PawQ0
星の魔翌力を読んでみる
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:33.14 ID:kpzElX0qo
お宿の妖精とうちの妖精さんとの会話
(あくまでお客様対応なのか、同族ぶっちゃけトークとなるのか)
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:26:58.29 ID:3BZznijO0
―妖精のお宿 温泉

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜」デロデロ

妖精「だから溶けてるってば」ペチペチ

イリス「あはは、クロシュちゃんってお風呂でいつも溶けそうになってるよね」

ミスティ「ふふ、気持ち良さそうよね。私もお風呂で溶けちゃいたいって思うことが時々あるわ……」

イリス「えっ」

ミスティ「え……」

妖精「……」

ミスティ「……な、ない? そういうの」

イリス「……ど、どう、かな……。私は……ない、かも……」

ミスティ「……よ、妖精は……?」

妖精「大気に溶けちゃいたいって思うことはあるけど……お風呂はないかな」

ミスティ「そ、それは私もわからないわね……」

半スライムクロシュ「……えと……わたしも……溶けちゃいたいとき……ある、よ……」モニョ

ミスティ「クロシュ……! クロシュならわかってくれると思ったわ……!!」

半スライムクロシュ「え、えへへ……」モニョニョ

 *
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:27:40.61 ID:3BZznijO0
―同刻 男湯

 カポーン

ローガン「ふう……。若い女性ばかりのパーティの唯一の男というのは、誉れ高い立場ではあるが……しかし、気疲れするな……」

ローガン「考えても見れば、あの子らは皆未だ20にも満たない子供たちか……。私の責任は重いな……」

ローガン「……フッ。どうせ生きる価値などない身だ。命を賭して、あの子たちの盾となれれば本望……」

 ガラッ

お宿の妖精「お客様ぁ、熱燗をお持ちいたしましたぁ〜」パタパタ

ローガン「む、ありがたい……」

お宿の妖精「お注ぎいたしますねぇ」

 熱燗「」トクトク

ローガン「感謝する……。いただこう」グビッ

お宿の妖精「わぁ、良い飲みっぷりですぅ」

ローガン「はっはっは、温泉でやる一杯はやはり格別だ!」

お宿の妖精「うふふ……お客様ぁ……追加サービスに、お夜伽はいかがですかぁ……?///」ピラ

ローガン「…………」

ローガン「」グビッ

ローガン「君はとても可愛らしく美しい妖精だが……私が愛するのは、亡き妻ただ一人……。丁重に断らせて頂こう……」グビグビ

お宿の妖精「わぁ……素敵な旦那様ですぅ……///」

ローガン「フッ。私は鋼属性ゆえ、誘惑には強いのだ」グビグビ

 ◆

―夜
 お宿の庭

スライムクロシュ「……」モニョモニョ

 小盾「」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ


妖精「温泉を出てから見かけないと思ったら、こんなとこにいたの」パタパタ

スライムクロシュ「!」モニョ

妖精「ああ、前に武器屋で教わったやつね。できそうなの?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あと少しなの? じゃあ見ててあげるから、やってみて」

スライムクロシュ「〜」モニョ


↓1
01-95 成功
96-00 ??
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 22:29:29.76 ID:7cH0PawQ0
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:01:49.94 ID:3BZznijO0
スライムクロシュ「……」モニョニョ…

スライムクロシュ「!!」

 カッ!

盾を背負ったスライムクロシュ「!」ジャキンッ!


妖精「へっ?」

盾を背負ったスライムクロシュ「?」

妖精「……なんか、かたつむりみたいになってるよ?」

盾つむりスライムクロシュ「??」モニョニョ


風呂上がりローガン「何やら鋼の気配を感じて来てみれば……素晴らしい姿ではないか、クロシュくん!!」ホカホカ

妖精「うわっ! なんかちょっと酒臭いんだけどローガン!」

風呂上がりローガン「はっはっは、気にするな! どれ、私が今のクロシュくんの鋼度を測ってあげよう!」

妖精「なんかテンションおかしいし……」

盾つむりスライムクロシュ「?」モニョ

風呂上がりローガン「ふむ……かたつむりのような見た目だが、実のところ全身が鉄の堅さを獲得している! 試しに私の拳をコンコンしてみると――」

盾つむりスライムクロシュ「?」コンコン

風呂上がりローガン「うむ、堅い!! これで君は、見た目だけでなく能力の擬態までできるようになったというわけだ!!!」

盾つむりスライムクロシュ「!」

風呂上がりローガン「その盾の堅さを保ったまま他の姿に擬態できたりはするかね?」

盾つむりスライムクロシュ「〜」デロデロ


盾士クロシュ「!」ジャキーン!

妖精「……!」

風呂上がりローガン「素晴らしい……!! まるで小盾を構える為に生まれてきた聖騎士のようだ……!! しかも頑丈さは継続している……!」

盾士クロシュ「……!」

妖精(く、悔しいけど……ちょっとかっこいいって思っちゃった……)

風呂上がりローガン「これが、スライムの潜在能力と反映魔法を組み合わせた、クロシュくんの新しい力というわけだ!!!!」

盾士クロシュ「わたしの……ちから……!!」ジャキーン!

風呂上がりローガン「うむ!! 近接戦闘の心得なら私がいつでも教えてあげよう!! よくやったぞ、クロシュくん!!!」

盾士クロシュ「うん……!!」

妖精「……慣れるまでは無理しちゃだめだよ。新しい力なんだから」

盾士クロシュ「う、うん……!」

風呂上がりローガン「はっはっは! 妖精くんの言う通りだぞクロシュくん! 体が慣れるまで禁物だ! 無理はな!!」

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:03:18.19 ID:3BZznijO0
―お宿 ロビー

 冒険者ギルド出張所「」
 出張所受付嬢「……」コックリコックリ

ミスティ「こんなところに冒険者ギルドの出張所……?」

イリス「せっかくだし見ていってみようよ」

ミスティ「お金にはまだまだ余裕があるわよ。それにフォレスティナの首都に向かっている最中なのだから、ここで依頼を受けている暇はないんじゃないかしら」

イリス「ま、まあそう言わずに。納品依頼とかなら手持ちでできるものもあるかもしれないし」

ミスティ「まあ、イリスリーダーがそう言うなら……」


イリス「すみません」

出張所受付嬢「はっ! こ、こんばんは! 冒険者ギルド、フォレスティナ関所出張所です! 寝ていません!」ビシッ

ミスティ「……まあ、夜も遅いしね」

イリス「あはは……。ええと、ちょっとした簡単な依頼とかってありますか? 明日の朝には出発したいので、納品とかここの掃除とか……」

出張所受付嬢「むむ……そうですね」


↓1
01-70 都合の良い依頼はなかった
71-90 納品:蜘蛛絹
91-00 納品:ザリガニのお守り
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:03:37.34 ID:tYqeAADd0
414 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:10.15 ID:3BZznijO0
イリス「……まあ、流石になかったね」

ミスティ「さっきも言ったけど、餞別をたくさんもらってるからしばらくは大丈夫よ」

イリス「そだね。部屋に戻ろっか」

ミスティ「ええ」

 ◆
415 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:36.09 ID:3BZznijO0
というわけで本日はここまでです。次回、フォレスティナ旅程後半から開始です

これはネタバレですが、氷と闇は他の属性とは実は若干成り立ちが異なります。星属性に含まれるのは火や光などの正の属性であり、負の属性である氷と闇は含まれていないのです
そしてクロシュちゃんの能力解放おめでとうございます。これで多分ちゃんと戦えるようになりました。あとは装備次第です。温かく見守ってあげましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:36:12.15 ID:TioO6gXI0

そういやフラナ氏他人からの吸血は控えてるクチかな
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:37:28.23 ID:NlvUPGaRO
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:38:33.26 ID:07D4fN/So
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 04:20:34.61 ID:akCfMb1to
おつー
クロシュちゃんこれで前線も張れるな!
妖精さん達のサイズ感はどのくらいなんだろう
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:02:51.00 ID:0AXMpM8i0
フラナさんは吸血鬼なので血液はちゃんと接種しています。血を吸わずとも直ちに死ぬことはありませんが、長期間接種しないと人間で言うところの栄養失調のような状態に陥り弱っていきます。そのため、よほど特殊な事情があったり変わった思想の持ち主でもない限り、血を吸わない吸血鬼はいないと考えられます

小盾を取り込んだクロシュ氏は軽量さを保ちつつ防御能力が向上しており、一般的な兵士や冒険者や下級騎士より少し強いくらいの戦闘力があるかと思われます。鉄の小盾を取り込んだため、属性が鉄属性に変化しています(鉄属性や鋼属性は地属性の派生です。ローガン氏が鋼の気配と誤認したのはこのためです)

妖精さんたちの大きさは、平均身長がだいたい20センチメートルくらいです。人間やその他の大きな種族を相手に宿泊業を営むのは大変そうに見えますが、実はそれほどの労力はかかっていません。お客様の前ではせっせせっせと一生懸命手作業で働いているように見せていますが、お客様の見ていないところでは高度に洗練された生活魔法を駆使して効率的に作業を行っています。意外としたたかな商売なのです

そして妖精性愛者とはそんな小さい妖精さんたちを性的に愛する変わった方々です
緑の国では妖精や他の知性ある種族の捕獲や略取は禁じられていますが、密猟の被害は少なからず出ています。緑の国の治安組織は捜査を行っていますが、末端の密猟者を捕まえることはできてもその大元を特定して根絶するには至っていないようです
緑の国住民の多くは、自国民以外を奴隷化するのが大好きな隣国の王国の仕業ではないかと疑っています。しかし決定的証拠はなく、また緑の国と王国は相互不可侵条約を締結しているため、治安組織は思い切った捜査に踏み切れないようです
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:03:38.17 ID:0AXMpM8i0
―朝
 妖精のお宿 玄関

 チュンチュン

妖精女将「またお越しくださいませ、旅人の皆様……」ペコリ

お宿の妖精A「また気てね〜」

お宿の妖精B「どうかお達者で……」

お宿の妖精C「体に気をつけてね、黒いスライムさん」

お宿の妖精D「またいらっしゃってくださいねぇ、鋼の旦那様ぁ」

 *

―緑の大森林 街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「良いとこだったねえ」

ミスティ「また来ても良いかもね。ちょっとお高かったけど」

クロシュ「うん」

ローガン「うむ。良き宿であった」

妖精「すっかり酔っ払ってたもんね、ローガン」

ローガン「はは、昨晩はすまんな。可愛らしい妖精さんにお酌されてしまってな。つい酒が進んでしまったのだ」

妖精「……」タジ

ローガン「……安心していただきたい。やましいことは何もしていないし、私が愛するのは亡き妻ただ一人」

イリス「え……亡き……?」

ローガン「……過ぎた話だ」

ミスティ「…………。ローガンさんも、なのね……」

ローガン「私も、とは?」

ミスティ「……私も……家族はもうないわ。家族っていうか……故郷も、ね」

イリス「え………」

妖精「クロシュもだね。まあ、クロシュにはまだフメイがいるけど」

クロシュ「……」コク

イリス「……」

↓1コンマ
01-50 イリスの師匠、既に他界
51-95 イリスの師匠、存命
96-00 イリスの師匠大魔女説
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:04:29.15 ID:i5hN0SVl0
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:39:36.48 ID:0AXMpM8i0
イリス「……私も……地の繋がった家族も、師匠も……もう、いないんだ」

ミスティ「イリスも……」

イリス「でもね……。師匠は私に、家を遺していってくれたから……。私には……帰る場所が、ある……」

ローガン「……そうなのだな」

イリス「はい……。だから……その……」

ミスティ「……ふふ。大切にしなさいよ。あなたの……帰るべき場所を……」

イリス「あ……」

ローガン「私にはもう望めぬが……イリスくんには、それをすることができる」

イリス「……!」

妖精「まあでも、天涯孤独って点じゃみんな同じみたいだね?」

クロシュ「……フメイちゃん……」

妖精「冗談だよ。クロシュにはまだ……家族と呼べる人が残ってるんだよね」

クロシュ「うん……」

イリス「……なら! 絶対、連れ戻そう! フメイちゃんをクロシュちゃんのもとへ……!」

ミスティ「ええ……。失ってからでは、遅いもの……。クロシュは、フメイを取り戻さなきゃ」

ローガン「うむ……! まだ間に合うのなら、クロシュくんはこれ以上我々と同じ苦しみを味わうべきではない」

クロシュ「……!」

妖精「ふふ。良かったねクロシュ。みんなお人好しで」

イリス「妖精さんもね」

妖精「私はただの暇つぶしだもん」


 強化ソリ「」シャーッ


 ☆妖精のお宿に宿泊したことにより、今回の道中戦闘時にコンマ+20の効果を得ます
  おいしい果実の効果と累積し、コンマ+35となります

↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-75 良いもの発見(自由安価。道具限定)
76-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:40:36.65 ID:hTXBPt1mO
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:47:25.53 ID:0AXMpM8i0
見つけたもの(アイテム限定)
↓1 自由安価
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:48:56.77 ID:i5hN0SVl0
開くと雨が降る確率が上がる魔法の傘
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:42:50.89 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」シャーッ

妖精「……ん? ちょっと止まれる?」

 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「何かあった?」

妖精「面白い気配がある」パタパタ

 *

―街道 道端

 打ち捨てられた傘「」

クロシュ「……?」

ローガン「……傘、だな」

妖精「何か感じない? イリス」

イリス「これ……微かだけど……雨の魔力……?」

妖精「うん。多分、これに込められているのは雨乞いの魔法。気休め程度のものだけど、これを開けば雨雲を呼び寄せやすくなるはずだよ」

ミスティ「傘なのに雨を呼んでしまうなんて……。なんだか本末転倒ね……」

イリス「じゃあ、雨が降っている時に開いたら?」

妖精「周囲の雨雲をさらに呼び寄せて、傘の周辺が集中豪雨になるだろうね」

ミスティ「ますます本末転倒じゃない……」

妖精「多分、イタズラ好きな妖精が作ったものだろうね。何も知らない旅人に拾わせて、雨の中でこれを差させるのが目的なんだと思う」

ローガン「な、なんと回りくどいイタズラか……」

イリス「……でも、使いようによっては凄い道具になるんじゃない? これ」

ミスティ「そうね……。任意に雨雲を呼べるっていうのは、かなり便利に思えるわ……」

妖精「肝心の雨雲が近くになければ意味ないけどね。使いようはあるって意見には同意」

イリス「じゃあ……拾わせる目的で置かれたものなら、遠慮なくもらっちゃおう!」

ミスティ「妖精の推測だけどね」

 ☆雨乞い傘を拾得しました

 ◆
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:44:59.70 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」スイー


クロシュ(森のトンネルを抜けて、一気に視界が開けると――)


 天を衝いて聳える世界樹「」キラキラ


 ワイワイ ガヤガヤ

妖精の露店「フェアリーシロップあるよ〜! 採れたてホヤホヤの新鮮なフェアリーシロップだよ〜」ヒラヒラ

馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。オ前、楽ニナル。オデ、儲カル。皆、シアワセ」

アルラウネの八百屋「野草、野菜、果物、なんでも揃ってるよ。私たちが丹精込めて育てた野菜、買ってかない?」

エルフの吟遊詩人「それでは聞いて下さい。魔族大革命の裏で暗躍した闇の英雄……ダークヒーローイリスの物語を……」ポロロン


クロシュ「――!」

イリス「――――わああ……!!」

ミスティ「これは……圧巻ね……!」

ローガン「なんと……森の中に、これほど美しく自然と調和した街並みが広がっているとは……!」

妖精「……変わってないか。良くも悪くも」


クロシュ(わたしたちは――緑の国フォレスティナの首都へ、到着した)

 ◆
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:46:10.99 ID:0AXMpM8i0
―緑の国 大樹の宿

イリス「わああ……! 大きな木の中に空洞があって、その中が宿になってるの……!?」

ミスティ「凄いわね……。でも、木の方は大丈夫なのかしら……」

妖精「ああ、うん……。中はくりぬかれてるけど、一応木の生命に影響は出ないようにやってるんだよ。木の方にも同意は得てるし、健康管理とかにも気を遣ってるからその辺の心配はいらないと思う」

ローガン「木の同意とは……。全く考えもしなかった世界だな……」


受付のアルラウネ「お客さん詳しいね。ここ出身の妖精?」

妖精「違います」

受付のアルラウネ「そう。まあ詮索はしないけど。部屋割りはどうするの?」

イリス「一人部屋と、三人部屋と、三人部屋にオプションの妖精付きをお願いします!」

受付のアルラウネ「はいはい。おじさんのハーレムかと思ったら違うのね」

ローガン「……私はそのような者に見えるのだろうか……」

 *

―大樹の宿 客室

 完全木造ベッド「」
 綿花のクッション「」
 光るキノコのランプ「」

イリス「おおお……! 内装も木! 植物! キノコ!」

ミスティ「徹底しているわね……。とりあえず、フメイ捜しは明日からにしましょう……少し疲れたわ……」

クロシュ「ん……」コク

妖精「クロシュがフメイの姿に擬態してれば聞き込みもしやすいし、意外と簡単に見つけられるかもね」

ミスティ「どちらかと言うと、見つけた後どう説得するかの方が難しそうだわ……」

イリス「た、確かに……。何か良い方法を考えなきゃね……」


……………………………………………………………………………………
―緑の国フォレスティナ
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません


フォレスティナ滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:49:57.19 ID:hTXBPt1mO
宿のマッサージサービスを受ける
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:52:20.62 ID:lWQQQJT5O
フメイちゃんの迷子ビラチラシをばら蒔くように大量に用意する
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:38.34 ID:2hazS27NO
星の魔翌力を読んでみる
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:46.37 ID:m2mpVXVlo
精霊の泉へ行く
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:53.52 ID:xleULxLA0
露店通りで買い物と散歩がてらフメイとアリシアの手がかりを探す
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 19:37:05.19 ID:0AXMpM8i0
イリス「とりあえず今夜はここでくつろごうよ。私、この宿の雰囲気を満喫したい……!」

ミスティ「そうね。きっとこんな宿はここ緑の国にしかないでしょうし、しっかり味わっていきましょう」

妖精「悔しいけど、妖精である私にとってもやっぱり心地良い環境なんだよね……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

イリス「あはは、クロシュちゃんも疲れちゃった? スライムの姿に戻ってる」

 コンコン

ミスティ「あら? ローガンさんかしら……」

イリス「ちょっと見てくるね」スクッ


イリス「はあい、どちら様?」

ドアの向こう「初日限定のマッサージサービスにお伺い致しております」

イリス「あ、そういえば受付の時に……」

ドアの向こう「はい。お時間の変更やキャンセルも受け付けておりますが、いかが致しますか?」

イリス「あ、いえいえ! せっかくなのでお願いします!」ガチャッ


マッサージ担当アルラウネ「かしこまりました。それでは、誠心誠意マッサージさせていただきます」スッ

 *

イリス「うう……服を脱ぐ必要があったなんて……///」

ミスティ「もう……タダだからって軽率に頼むからよ……///」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

妖精「ねえ、スライムも受けられるの?」

マッサージ担当アルラウネ「もちろんです。私共のマッサージはスライムの方にも対応しております」

妖精「そうなんだ……」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは始めさせていただきたいと思います。まずはアルラウネオイルを全身にお塗り致します……」

 ヌリヌリ

イリス「ひゃっ……!///」ヌリヌリ

ミスティ「ひ、ひんやりするわね……///」ヌリヌリ

妖精「んっ……」ヌリヌリ

スライムクロシュ「!」モニョニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは、ここからが本番です。施術を始めます……」

 *

↓1 マッサージの効果
01-60 疲れが取れました
61-90 クロシュがアルラウネに擬態できるようになった
91-00 能力も含めて擬態できるようになった
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 19:38:46.58 ID:i5hN0SVl0
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 19:38:51.28 ID:m2mpVXVlo
ほい
438 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 20:27:55.14 ID:0AXMpM8i0
 *

イリス「ほわああ……な、なんか……すごかった……///」

ミスティ「え、ええ……。でも、なんだか体が軽くなったような気がするわ……」


妖精「」ビクンビクン

スライムクロシュ「〜〜?」モニョモニョ

妖精「は、はひっ……ひまは……さわら……ないで……くろしゅ……///」ビクンビクン

スライムクロシュ「〜」モニョ

 ☆疲れが取れました

 *

―同刻 ローガンの部屋

マッサージ担当アルラウネ「随分、こっていますね……」

ローガン「ぬ、ぬう……」

マッサージ担当アルラウネ「ふふ……。お夜伽も追加致しますか……?」

ローガン「ここ緑の国では、そうするのが流行っているのかね……?」

マッサージ担当アルラウネ「さあ……。でも、そういうサービスがお好きなお客様は少なくありませんから……」

ローガン「そ、そうか……」

マッサージ担当アルラウネ「でも、お客様のように身持ちが固い殿方もお好きですよ……? 私……」

ローガン「それは光栄だ……。しかし私は、愛する者は一人と決めているのでな……」

マッサージ担当アルラウネ「ふふ……それは残念です……。せめて体の疲れは、しっかり解して差し上げますね……」

ローガン「う、うむ……」

 ◇
439 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 20:28:44.29 ID:0AXMpM8i0
―大樹の宿 客室

妖精「ああもう……! 酷い目にあった……!」プンスコ

イリス「あ、あはは……。妖精さん、けっこうすごい声出してたよね……」

妖精「う、うるさい……! くそお、何が『アルラウネオイルは妖精には刺激が強すぎるかもしれません』だよ!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

ミスティ「クロシュも気持ち良かったみたいね……。妖精にだけ刺激が強かったのかしら……」

イリス「で、でも疲れは取れたんじゃない? 妖精さんも!」

妖精「うぐぐ……確かに、体は解れてるけど……」

ミスティ「ならまあ、良しとしましょうよ……」

イリス「ねえ、疲れた取れたからついでに明日からどうするか考えてみない? 聞き込みの他に、何か良いやり方がないかさ」

スライムクロシュ「!」モニョッ

ミスティ「そうね……。就寝まで時間はあるし、少し考えてみましょう……」

 *

イリス「……ビラ配り!」

ミスティ「なるほど……その手があったわね……!」

スライムクロシュ「!」モニョモニョ

妖精「……紙はどこから調達するの? 絵は誰が書くの?」

イリス「あ」

↓1コンマ
01-30 宿泊中の暗黒行商人が大量の紙と画材を持っていた(とても高い)
31-60 宿泊中の行商人が大量の紙と画材を持っていた
61-90 宿泊中の優良行商人が大量の紙と画材を持っていた(安い)
91-00 ハーピィ記者「話は聽かせて貰いましたよ」ガラッ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:29:50.81 ID:xleULxLA0
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:29:57.63 ID:hTXBPt1mO
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:40:18.24 ID:m2mpVXVlo
ルフさんかなり好きだから再登場の目あるみたいなの嬉しい
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 21:07:36.10 ID:0AXMpM8i0

イリス「も、もしかしたらこの宿に紙と画材を売っている行商人の人が泊まってるかもしれない!!」

妖精「いやいや、そんな都合の良いことがあるわけ……」

 *

―大樹の宿 ロビー

ターバンの褐色少女「いかにも、あたしは行商人だけど」

ミスティ「本当にいた……」

イリス「ターバンは行商人の証って昔から決まってますもんね!」

ターバンの褐色少女「実際ターバンは行商人組合で定められた行商人の正装だかんね。あんたの認識は正しい。巻いてない奴も多いけど」

イリス「それでですね、行商人さん。紙と画材はありますか?」

妖精「まあ、いくら行商人がいたとしてもそこまでピンポイントな偶然は……」

ターバンの褐色少女「あるよ。どれくらい欲しい?」

妖精「嘘でしょ」

ミスティ「こんなことが……」

 *

ターバンの褐色少女「王国の芸術都市で仕入れた質の良い紙と画材だよ。まさか旅人に売れるとは思ってなかったけどね。まいど!」

イリス「ありがとう!」

ターバンの褐色少女「こちらこそ。今後ともご贔屓に」

 ☆紙と画材を買いました
  お金が少し減りました

 ◇

―客室

イリス「というわけで、作りましょう! ビラを!」

スライムクロシュ「!」モニョモニョ

ローガン「い、いつの間にそんなことになっていたのか……。だが安く仕入れられたのは幸いだな」

ミスティ「偶然って凄いわ……」

妖精「……それで、この中で一番絵が上手いのは誰?」

全員「……」

コンマ数値が大きいほど絵が上手い(0が最大)
↓1 1桁目クロシュ 2桁目妖精

↓2 1桁目イリス 2桁目ミスティ

↓3 1桁目ローガン
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:23.40 ID:i5hN0SVl0
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:53.32 ID:3o1UX2IDO
はい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:54.82 ID:57XNqXpkO
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:10:41.69 ID:m2mpVXVlo
やるやんクロシュちゃん
448 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 21:28:06.87 ID:0AXMpM8i0
イリス(絵心2)「うう〜……絵って苦手なんだよなあ……」

ミスティ(絵心3)「……絵の描き方なんて学んだことないわ……」

ローガン(絵心2)「私もだ……。生まれてこの方、絵筆など取った記憶がない……」

妖精(絵心4)「私でもマシな方だなんて……。このパーティ、絵心なさすぎるんじゃ……」

イリス「いや、待って! まだ、クロシュちゃんの絵を見ていない……!」

妖精「ええ? あのぼんやり赤ちゃんスライムがちゃんとした絵を描けるわけ……」


スライムクロシュ(絵心10)「……」モニョモニョ カキカキ

 写実的なフメイちゃんの似顔絵「」ピラッ

妖精「なっ……」

ミスティ「なんですって……!!?」

ローガン「これは、まさか……!」

イリス「すごい……すごいよ、クロシュちゃん!!」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ カキカキ

 ◇

 フメイちゃんの迷子ビラ束「」ドサッ

イリス「あ、あっと言う間に描き終えちゃった……」

ローガン「途中から版画板に擬態してバンバン刷っていたな……」

妖精「まさか、クロシュにこんな才能があったなんて……。擬態とか反映魔法の応用……?」

スライムクロシュ「〜」モニャァ

ミスティ「ふふ……スライム語はわからないけど、今クロシュがドヤ顔をしているのはなんとなくわかったわ……」

 ☆クロシュの天才的な描画能力が判明しました
 ☆擬態による活版印刷が可能となりました
 ☆フメイちゃんの迷子ビラを大量に作成しました

 ◆
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 22:04:25.29 ID:0AXMpM8i0
―大樹の宿 夜更け

スライムクロシュ「……」zzz

妖精「すう、すう……」zzz


 キノコランプ「」ボウ…

 ペラッ カキカキ

イリス「……」

 魔術書「星の魔力」ペラッ
 イリスの研究ノート「」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「……」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「…………ふわあ……」ググ


ミスティ「お疲れ様、イリス……。はい」

 コトン…
 カモミールティー「」ホカホカ

イリス「あ、ミスティ。ありがと……」ゴクゴク

イリス「……あったまる……。美味しいや」

ミスティ「この国で採れたカモミールで淹れたお茶よ。ロビーのアルラウネが用意してくれたの。疲れに効いて、睡眠に良いって」

イリス「そうなんだ……。後でお礼を言わないとね……。あ、そういえば起こしちゃった? ごめん」

ミスティ「気にしないで……。それより、根を詰めすぎじゃない? まだここに来たばかりなのだから、そんなに慌てて読み解かなくても」

イリス「……でも私、ミスティがソリを動かしてる間……ちょっと風を吹かせるくらいしかできないんだよ」

ミスティ「適材適所よ、それは」

イリス「でも……クロシュちゃんは、この前持っている道具の力を自分に取り込む能力を身に付けたし……絵も上手で、活版印刷もできるんだよ。それに比べたら……」

ミスティ「いや、あなただって土鍋を作ったり火も起こしたり即席温泉も湧かせたりできるじゃない……。ソリの運行とかき氷作りくらいしかできない私よりずっと多才だと思うのだけれど……」

イリス「そ、そうかな……」

ミスティ「そうよ。自分にできることに自信を持ちなさいよ……」

イリス「……えへへ、ありがと」

ミスティ「全くもう……。後ろ向きは私の役でしょう……」

イリス「それはそれでどうかと思う……。ふわ……」

ミスティ「もう寝ましょう。明日からフメイ捜しよ」

イリス「だね。クロシュちゃんに悲しい思いをさせないよう、頑張らなきゃ」

ミスティ「ええ」

 ◆

イリスの勉強成果
↓1
01-30 読解1/4
31-60 読解2/4
61-90 読解3/4
91-00 イリス「あれ? 私の属性って……」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 22:05:00.43 ID:i5hN0SVl0
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 22:16:37.64 ID:0AXMpM8i0
というわけで、イリスさんの魔術書読解が2/4まで進んだところで本日はここまでです。次回から緑の国で本格的な活動開始です

風雪のルフことハーピィ記者さんはかなり自由に動ける上に空も飛べるので、もしかすると今後の登場機会が魔族国住民の中で最も多いかもしれません。今回のようにコンマ表に紛れ込むこともあれば、記事のネタを探すために火事場に突っ込んできたりすることもあるでしょう。もちろんルフ氏に限らず、今までに登場したキャラクターが再登場することはあると思います

そして今回クロシュ氏の隠れた才能が発掘されました。擬態や反映魔法を応用した結果なのか、クロシュ自身の内なる才能なのかはわかりませんが、非常に優れた描画能力を持っていることだけは確かなようです。もう穀潰しなどとは呼べないかもしれません。おめでとうございます

それでは本日もありがとうございました。次回も恐らく土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 22:19:13.08 ID:cIDZZwTvo

迷子チラシって犬猫かな
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 23:35:55.11 ID:xleULxLA0
乙です
ぼんやり赤ちゃんスライム脱却?おめでとう
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 00:21:37.74 ID:WhagOvCCO

国境を越えて広がるダークヒーローイリス伝説
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 01:02:25.76 ID:RxyZTYASo
おつおつ
フォレスティナで妖精さんの過去が明らかになりそう
456 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 21:41:49.75 ID:foosXCaP0
迷子ビラも行方不明者ビラも意味するものと目的は同じかと思います。なおクロシュ氏は犬猫などの動物と人や魔族などの知性を持つ種族をあまりはっきりとは区別していないようです

ここ最近急にクロシュ氏のできることが増えました。お絵描きに関してははお金を取っても良い出来かもしれません。赤ちゃんから一気にプロフェッショナルです。これはとてもすごいです。でも中身はぼんやり赤ちゃんスライムのままなのでごあんしんください

実のところ風雪新聞は魔族国以外にも出回っているので、魔族国ほどではないと思いますがダークヒーローイリスの威名はそこそこ知れ渡り始めているのかもしれません

妖精の過去が緑の国編で明らかになるかどうかは今後の展開次第であります。気になる場合は自由行動で交流してみても良いでしょう
妖精に限らず仲間や他の特定の人物を指定して交流を図ると、クロシュの中でその人への理解が深まったり、擬態や能力のレパートリーが増えたり等、いろいろな良いことがあるかもしれません
457 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 21:42:49.91 ID:foosXCaP0
本日は本編の更新はできませんが、近日開催予定の緑の国首長選挙における候補者をニ名募集したいと思います
一人は現首長であり今回の選挙でも最有力と目される伝統派、もう一人は近年台頭してきた親王国路線の改革派です
よろしくお願いします

↓2伝統派(現首長・最有力)
【名前】
【種族】(森っぽい種族であると良いです)
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】

↓4革新派(親王国・対抗)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:04:52.48 ID:mgkUIQhs0
【名前】ティセリア
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】1500才
【容姿】外見では二十歳前後
緑髪のポニーテール
スタイル抜群の爽やかな雰囲気の美少女
【性格】明るく快活ながらも、慈愛と威厳も併せ持った女性
【魔法】精霊との親和性が非常に高い
様々な属性の精霊の力を借り、千年以上の研鑽を積んだ武術に上乗せする
【備考】
他種族との平和な暮らしを望む、冷静で大局的な判断もできる首相
多忙ではあるが、他の国の文化も興味を持って知ろうとしている
お菓子作りが得意で身近な人におすそ分けしたりしている
彼女の魔翌力が籠もったお菓子は食べると心身ともに元気になる
精霊や子供に懐かれやすいが、懐かれやすすぎてちょくちょくじゃれつかれまくってあわあわ言ってる
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:26:57.14 ID:/ZEjezBSO
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:28:55.02 ID:asZrKp7/0
【名前】サリー
【種族】エルフ
【性別】女
【年齢】1000歳
【容姿】見た目は紫ショートの幼女
【性格】冷静沈着だが時折腹黒な一面も
【魔法】基本地属性魔法が得意だが、幻術も使える。
【備考】毎日業務に追われるもそれが使命だとして日々励んでいる。その経験からか人の心を見透かすこともできる。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:29:02.54 ID:6Urb/6UHO
【名前】マーベル・クライス
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】600
【容姿】フォレスティナの伝統衣装の上に今国際的に流行りのブランドマントを着けている。笑顔が特徴的な薄金髪のお兄さん。
【性格】脱田舎思考のシティボーイ。新しい物好き。気さくな時とシリアスの時のギャップがある。
【魔法】金属を生み出し操る
【備考】世界を渡り歩いた国際通として革新派から出馬。人当たりがよく選挙活動の一環で街に出没して色んな人に握手を求める。
森しかない祖国に多少のコンテンツを増やす目的で一部森林の開拓を主張する。レジャーやスポーツ、その他娯楽施設を開業することで国民の幸福度は上がるわ、業者から裏金が入ってくるわとWin-Win。彼の事務所には王国やその他の外国の者たちが出入りしてるが、いったい何なのだろうね。
祖国は歴史的に伝統派が強く、そのため進歩が止まっている事実に悲観し、森>進歩の現状を変えようと心から思っている。それはそれとして汚職はする。
462 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 23:01:39.34 ID:foosXCaP0
皆さんありがとうございます。伝統派の現首長は>>458のティセリア氏、革新派は>>461のマーベル氏に決定いたしました。スタイル抜群伝統派エルフとイケメン汚職エルフです
惜しくも安価から外れてしまった>>460の幼女エルフのサリー氏も、ちょっとした役柄で登場することがあるかもしれません。よろしくお願いします


それでは本日はありがとうございました。土日(+祝日?)に本編更新をしたいと思いますので、よろしくお願いします
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:02:35.50 ID:6Urb/6UHO
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:27:20.42 ID:6es3rq5Do
おつおつ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:29:37.70 ID:mgkUIQhs0
乙でした
466 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:17:42.74 ID:au/cfXdQ0
―緑の国フォレスティナ 滞在2日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・フメイちゃんの迷子ビラ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
―翌朝
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「朝からもう賑わっているわね……。流石は観光地といったところかしら……」

ローガン「しかももうすぐ首長選挙だ。国内外問わず見物客が首都に集まってきているのだろう」

妖精「うんざりするね。毎日毎日頭空っぽの奴らがお祭り騒ぎしててさ」

ミスティ「タイミング的に、私たちもお祭り騒ぎしに来た観光客と思われてるでしょうね……」

イリス「でも、人目が多い時期ならフメイちゃんの目撃情報もきっとあるはずだよ!」

妖精「言われてみればそうか。クロシュ、ビラ配りの準備は良い?」

クロシュ「ん」コク

 *
467 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:18:43.53 ID:au/cfXdQ0

イリス「人を捜しています!」ピラッ

金髪爆乳エルフ「あら、迷子? 見かけたら連絡するわね」


ミスティ「この子を見たら、大樹の宿に連絡を……」ピラッ

エルフの吟遊詩人「ふむ……覚えておきましょう……」ポロロン


ローガン「失礼。この子に見覚えはないだろうか」ピラッ

馬頭の飛脚「オデ、見覚エナイ。見タラ教エル」


妖精「迷子を捜してま〜す。お見かけの方は大樹の宿まで〜」ピラッ

森妖精「わあ、かわいい絵! あなたが描いたの?」キャッキャ



クロシュ「え、えと……と、友達を……さがして……」オロオロ

 ガッ(つまづく音)

クロシュ「ひゃっ……」

 ドテッ
 バッサァ…(ビラが散らばる音)

クロシュ「あ、あ……」ジワワ

 ザワザワ ナンダァ?

クロシュ「ご、ごめ、なさ……」オロオロ


「――風の精霊よ、ビラを集めて―――」

 フワッ
 バササササッ!(ビラが綺麗に集まる音)

 フメイちゃんのビラ束「」ビシッ!

緑髪エルフの少女「……はい、どうぞ!」ニコッ

クロシュ「あ……ありがと、ございます……」スッ

緑髪エルフの少女「転んだところは……あら、もう治ってる。ふふ、流石はスライムの子です」

クロシュ「え……?」

緑髪エルフの少女「ああ、申し遅れちゃいましたね。私はティセリア。この緑の国の――」


「一枚忘れてますよ? ティセリア首長殿?」ヌッ

 フメイちゃんのビラ「」ピラッ

クロシュ「あ……」

薄金髪エルフの青年「もう落としちゃダメだぜ?」ニコッ
468 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:20:07.20 ID:au/cfXdQ0
ティセリア(緑髪エルフの少女)「……マーベル」

マーベル(薄金髪エルフの青年)「おっと、そう睨まないでくださいよ。ビラを拾ってこの子に渡しただけでしょ?」

ティセリア「睨んでなどいませんが。ご協力、感謝致します」ペコ

マーベル「どういたしまして。ところで君……この子、迷子なのかい?」

クロシュ「あ、うん……」

マーベル「じゃあお兄さんも一枚もらっていいかな? 手伝うよ」

ティセリア「……! 私も手伝います、一枚もらっても良いですか?」

クロシュ「うん……」

 ピラッピラッ

マーベル「……フメイちゃんて言うのか。君にそっくりだけど、双子とか?」

クロシュ「あ、えと……わたし、フメイちゃんの姿に、化けてて……」

 デロデロ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

マーベル「なるほど」

ティセリア「状況はわかりました」

 デロデロ

クロシュ「……よろしく、お願いします……」ペコリ


紫髪のエルフ幼女「……こんなところで何をしているんですか、ティセリア」スタスタ

ティセリア「あっ、ごめんなさい! それでは失礼します、お探ししますからね!」タタッ


マーベル「おー、流石首長殿はお忙しいねえ」

「……マーベル」スタスタ

マーベル「っと、俺にもお迎えか」


クロシュ「…………!!?」バッ

勇者サイン?「……? お前……あの時の……」スタスタ

マーベル「ん? 知り合いか? セイン」

セイン「……」

マーベル「なんだ、気になるな。もしかしてお前、こういう子が好みなのか?」ニヤニヤ

セイン「いや」

マーベル「はあ、相変わらず遊びのねえやつ。まあいい、行くぞ」ザッ

セイン「……ああ」

マーベル「んじゃまたな。俺も捜しとくけど見つかると良いな」ヒラヒラ スタスタ

セイン「……」ジッ

クロシュ「……」

セイン「……」クルッ スタスタ…


クロシュ「……」

 *
469 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:22:20.86 ID:au/cfXdQ0
―緑の国
 郊外 農道

 ヒュオオオ…
 ヒラヒラ パシッ

 フメイちゃんの迷子ビラ「」パタパタ…

アリシラ?「わお、フメイちゃんフメイちゃん、これ見て!」

フメイ「……? え、クロシュ!?」バッ

アリシラ?「ううん、この紙に描かれてるのはフメイちゃんのことみたいだよ。捜しています、だって」

フメイ「捜し、て……?」

アリシラ?「クロシュちゃんだよぉ! このインク、クロシュちゃんの粘液がちょっとだけ混じってるもん!」

フメイ「あ……クロシュ……」

アリシラ?「うふふ……フメイちゃんも愛されてるんだねえ……」

フメイ「……」グッ

アリシラ?「どうする? 会ってあげる?」

フメイ「……だめ。今はまだ……クロシュに、会えない……」

アリシラ?「も〜、強情なんだからぁ」

フメイ「……」

アリシラ?「そうは言ってもねえ、実のところ選挙の日までやることないんだよねぇ」

フメイ「じゃあ……その辺で寝てれば良い……」

アリシラ?「寝てるだけじゃ暇で死んじゃうよぉ」

フメイ「……アリシラの顔してるなら、もっとアリシラらしく振る舞って」

アリシラ?「うふふ……私はアリシラだよ?」

 *
470 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:23:06.99 ID:au/cfXdQ0

妖精「え、ええ!? あの勇者っぽいやつを見たって!?」

クロシュ「うん……」

ローガン「なんと……。この国に来ているのか……」

イリス「で、でもそれならクロシュちゃんが無事で良かったよ……!」

ミスティ「……流石に、この平和な国で事を起こそうなんて気はないってことかしら……」

ローガン「何にせよ、警戒は必要だな……。単独で人目の少ない場所に行くのはやめておいた方が良いかもしれん」

妖精「うへぇ……とんだ災難だよ全く……」


フォレスティナ滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:25:03.28 ID:X0Zzvddk0
精霊の泉に行ってみる
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:25:37.35 ID:tYfygy3t0
冒険者ギルドを覗いてみる
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:26:00.81 ID:64t3KZmJo
聖域侵入
474 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:55:11.65 ID:au/cfXdQ0
―精霊の泉

 サラサラ…(水の流れる音)

イリス「おお〜、ここが精霊の泉……」

 泉「」サラサラ…

イリス「……」

妖精「……」

クロシュ「……」

イリス「……精霊、見えない」

妖精「精霊が物理的に目視できる姿を見せることなんて滅多にないもん。ほとんどは自然の中に同化してるだけだから、いないわけじゃない」

イリス「ここでならもしかしたら、って思ったんだけどなあ……」

クロシュ「えと……どうして、精霊に……会いたかったの……?」

イリス「私、いつも木の杖を使ってるでしょ? この木、精霊樹って言って精霊の力を授かりやすい性質があるの。だから日頃のお礼を言おうかなあって思って」

妖精「あー、何か親しみやすい杖だなあって思ってたけど、それ精霊樹だったんだ」

イリス「うん。なんでか知らないけど私の属性とも相性が良いみたいで、師匠から頂いた大事なものなんだあ」

妖精「自然の属性を感じ取ったりとか、なんかイリスの属性ってただの複数属性じゃないっぽいよね。もしかして私たち妖精の仲間なんじゃない?」

イリス「そ、そうなのかな? でも妖精さんの魔法は原理も術式も全然わかんないよ、私」

妖精「……じゃあ妖精じゃないか。……あそうだ、自然の属性を感知する感じで精霊の気配でも探ってみれば?」

イリス「……ど、どうかなあ。精霊は感じ取れたことさえないし……」

妖精「自然の属性を感じ取れるイリスなら、自然と同化してる精霊を見つけられるかもよ」

イリス「わ、わかったよ。やれるだけやってみる……!」


↓1
01-70 わかりませんでした
71-90 気配がある?
91-00 見つけた!
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:55:40.09 ID:tYfygy3t0
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:56:16.68 ID:X0Zzvddk0
見つけた!
477 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 22:19:21.88 ID:au/cfXdQ0
イリス「むむむ……むむむむ……!」ムムム

イリス「…………だめだぁ!」バタッ

妖精「お疲れさま。まあそもそも普通の人間は精霊を感じ取れるようにできてないからね。自然を感じられるだけでも人間にしては十分凄いと思うよ」

イリス「うぐうう……『人間にしては』って枕詞が逆にすっごく悔しい……!!」

妖精「あっはは、褒めたつもりなんだけどなあ。まあ悔しさをバネに頑張りなよ」

イリス「うん……! ところでクロシュちゃんは?」

妖精「泉の……水の精霊と遊んでる」

イリス「え゛」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ キャッキャ

水の精霊『〜〜』キャッキャ


イリス「うぐううう!!! 私には見えないよおお!!」ジダンダ

 ◆
478 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 22:21:47.15 ID:au/cfXdQ0
急用が入ってしまったため一旦休止いたします。本日中に再開できるかは未定です。あまり進んでいないのに申し訳ありません
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 22:26:41.62 ID:64t3KZmJo
乙まってる
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 22:29:30.97 ID:rBtjtE1lo
一旦乙
481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 16:41:00.35 ID:lCHmayLY0
昨日はすみませんでした。再開します
482 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 16:41:28.79 ID:lCHmayLY0
―冒険者ギルド 緑の国支部

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「流石にここは賑わっているわね……酒場も併設されているし……」

ローガン「すまないな。わざわざ付き合ってもらって」

ミスティ「気にしないで。私もここのギルドの雰囲気を見ておきたかったし」

ローガン「では冒険者証の更新をしてくる。待っていてくれ」スタスタ

ミスティ「ええ……」


ミスティ「……」

ミスティ「……路銀にはまだまだ全然余裕があるけれど、せっかくだしどんな依頼があるか見ていきましょうか」スタスタ


 依頼書「常闇の樹海調査員募集 報酬:極高」
 依頼書「マンドラ大根の収穫手伝い募集 報酬:中」
 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」
 依頼書「選挙祭でのバックダンサー募集!! 報酬:中」
 依頼書「畑の害獣駆除 報酬:中」


ミスティ「……いろいろあるわね。常闇の樹海調査員とバックダンサー以外なら、やれないこともなさそうだけど……」

↓1選択
1.マンドラ大根の収穫を手伝う
2.おうちの木を助ける
3.害獣駆除をする
4.今回はやめておく
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 16:42:39.00 ID:eFmSDMSH0
2
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:50:08.30 ID:lCHmayLY0

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」

ミスティ「……」

ミスティ(拙い字……。書き手の不安と、藁にも縋りたい想いが伝わってくるかのよう……)

ミスティ(どう見ても、ロクな報酬は望めない……。時価というのも、ギルドがお情けで付けてあげた表記ということくらい私にもわかる……)

ミスティ(他の冒険者たちも、見向きもしない……。確実に、時間と労力の無駄だもの……)

ミスティ(……当然、私も………)



――
――――
485 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:51:15.89 ID:lCHmayLY0
―ある日
 雪の降る街

 キャハハハハ!!  ウワアアア!!!
   イヤアアアア!!! タスケテクダサイ!!
  シンジャエー!!!   キャハハハハ!!!
    キャハハハハハハ!!!  アバーッ!!

幼ミスティ「あ、あ……」ガクガク

ミスティ母「ごほっ……。ごめん、ね……。ミスティ……」

幼ミスティ「……マ、マ……」

ミスティ母「このソリに乗ったら……そのまま、じっとしていて……。それで……人のいるところに、着いたら…………助けてって……ごほっごほっ!」

幼ミスティ「やだ……やだ……! パパとママも、いっしょじゃなきゃ……!!」

ミスティ母「ごめんね……。ママは、もう……。パパも……」

 近くで斃れているミスティ父「」

幼ミスティ「やだあ……!!」

ミスティ母「わがまま……言わない、の……。ミスティは……強い子、なんだから……」キラキラ…

幼ミスティ「ふ、え……」

 トサッ…

ミスティ母「はあ、はあ……。ごめんね、ミスティ……。許してね……」グイッ


 ポフッ(幼ミスティがソリに乗せられる音)

 輝きと共に走り出すソリ「」キラキラ… スイーッ…


ミスティ母「……さようなら……ミスティ……」

ミスティ母「氷の精霊よ――どうかミスティを、お守りください――」

――――
――
486 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:52:04.78 ID:lCHmayLY0

ミスティ「……」

ミスティ「……」パシッ

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」ベリッ

ミスティ「……」スタスタ


ミスティ(馬鹿ね、私……。こんな依頼……受けたところで何の足しにもならないのに……)スタスタ

ミスティ(でも……この依頼主の不安が、恐怖が……私には、痛いほどにわかってしまうから……)スタスタ

ミスティ(ふふ……もう、イリスのことを馬鹿にできないわね……)スタスタ

 *

ローガン「おお、ミスティくん。丁度冒険者証の更新が終わったところだ……む? それは依頼書かね?」

ミスティ「……ええ。ひとまず、先に謝っておくわ……」

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」ピラッ

ローガン「……ふむ。相わかった。君の意思でこの依頼書を持ってきたというのなら、謝る必要などない。同じパーティの一員として全力で取り組むのみだ」

ミスティ「ありがとう……」

 *
487 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:52:35.23 ID:lCHmayLY0
―緑の国 露店通り

ミスティ「……というわけで突然で悪いのだけど……みんなにも手伝って欲しいわ……」

イリス「もちろん!! 改まって何事かと思ったら、まさかミスティがこんな依頼を持ってくるなんて……!」

妖精「確かに意外だなあ。ミスティってこういうのはけっこうドライだと思ってた」

ミスティ「……ガラじゃないのはわかってるわ……」

ローガン「フッ……私としては安心したがな。ミスティくんくらいの歳で感性を冷え切らせてしまうのはあまりに哀しいことだ」

ミスティ「そ、そういうものかしら……」


クロシュ「……」

ミスティ「ごめんね、クロシュ……。フメイ捜しも進んでないのに……」

クロシュ「ううん……。わたしも……この人の、つらさ……わかる、から……」フルフル

ミスティ「クロシュ……」

クロシュ「わたしも……助けて、あげたい……」

ミスティ「……ええ。助けてあげましょう……!」

 *
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