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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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35 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 18:46:35.60 ID:8bh86uX70
クロシュ「……なんか……鎧、着てた……。白い……」

イリス「白い鎧……。まさか……ね。おや、これは……」

 溶けかけた兜の破片+焦げた布の切れ端「」

イリス「……」

妖精「何? 心当たりでもあるの?」

イリス「……ヤバイかも」

 ガサッ

イリス「!!」

妖精「!!」

クロシュ「?」

 スタスタ……

ミスティ(>>8)「……人と、妖精……? 貴方たちは?」スタスタ

イリス「……こんにちは。犯人を捜しているんです。ここを襲った」

ミスティ「ああ……。あれは……王国の騎士団じゃなかったかしら。部隊は知らないけれど……」

イリス「ああ、やっぱり……。ていうか、あなたも見ていたんですか?」

ミスティ「直接じゃないけれど。昨晩、私も救援に向かおうとしたら、騎士団の馬車が走り去っていくのを見たから。いつもの過激な魔族狩りだと思ってたけれど……」

クロシュ「!! あ、あの……そ、その……ばしゃ……」

イリス「その馬車がどこに向かったかわかりますか!!?」ズイッ

ミスティ「……? わかるけれど……王国騎士よ? 復讐とかは考えない方が……」

クロシュ「あ、あの……とも、友達、が……」

イリス「この子の友達が連れて行かれたかもしれないんです!!」

ミスティ「……そうだとしても、国家権力よ? 下手に楯突いたら……」

イリス「そ、それは……」

妖精「……いいから教えてよ。私もこいつも、こんな国に帰属した覚えはないしどうでもいいから」

ミスティ「……東方面の街道を行ったわ。行き先は……チカーバの街かしら」

イリス「!! い、いいんですか!? いえ、教えてくれるのはありがたいですけど……!」

ミスティ「……まあ、私も別にここの国民ではないからね。旅の途中に寄ったってだけ。それより、追うなら急いだ方が良いんじゃない?」

クロシュ「!! う、うん……! ありがと……お姉さん……!!」タタッ

妖精「……どうも。あなたに、精霊の加護がありますよう」フワッ

イリス「す、すみませんバタバタしちゃって! 大したお礼もできませんが、それじゃあ――」

ミスティ「あ、ちょっと待ちなさい!」

 ◇

―街道

 ソリ「」スイー

クロシュ「ゆ、雪もないのに……ソリが……」

ミスティ「便利でしょ。馬車いらずだし馬車よりずっと早いのよ」

イリス「凄い……! でも、ここまでしてもらっていいんですか? 指名手配されちゃうかも……」

ミスティ「……騎士団の馬車が目視できるところまでは行ってあげる。そこから先はあなたたちでなんとかしなさいよ」

イリス「わかりました! 十分です、ありがとうございます……!!」

 ◆
36 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:04:07.08 ID:8bh86uX70
―夕
 街道

 ソリ「」スイーッ ピタッ

 遠方に見える騎士団の馬車「」パカラッパカラッ


クロシュ「……!」

ミスティ「意外と早く追いつけたわね。それじゃあ……骨くらいは拾っておいてあげるから……」

イリス「ありがとうございます……! お達者で……!!」

妖精「……イリスと言い、あなたと言い……最近はお人好しが流行っているの?」

ミスティ「たまたまでしょう」

 ◇

騎士A「止まれ! 我々は騎士団であるぞ! 無闇な接近は許可しない!!」

イリス「待ってください!! あの、この子の双子のお姉さんがそちらの馬車に乗っていませんか!!?」

クロシュ「……」ペコ

 ・・・

―馬車の中

騎士B「双子だあ? んなもんいるわけ……!!!?!!??」

騎士C「お、おいどういうことだ? なんでこのガキと同じ顔のガキが……!?(小声)」

騎士D「た、隊長どうしますか……?(小声)」

隊長「……あの子供も捕らえるぞ。何らかの関係者である可能性が高い、放置できん」

騎士D「あの魔術師の少女は……?」

隊長「……目撃者は生かしておけん。始末する」

騎士C「……始末する前に『お楽しみ』しても?」

隊長「好きにしろ。ただし子供と言えど魔術師だ。油断はするな」

 ・・・
37 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:04:33.97 ID:8bh86uX70
騎士A「あー……うむ。そちらのお嬢さんの双子の姉と思しき少女は、確かにこの馬車に乗っている」

クロシュ「!!!」

騎士A「ただ、我々が保護した時点で非常に衰弱していてな。今、街の医療施設へ向かっているところなのだ」

イリス「ほ、本当ですか? あの、それなら顔だけでも見せていただくのは――」

騎士A「ああ、もちろんだ。二人とも、こっちへ来たまえ……同乗を許可しよう」

クロシュ「フメイちゃん……!!」ヨタヨタ

イリス「…………」


イリス(筋は通っているけれど……。こいつらが集落を焼き払った犯人だというのはわかっている……)

イリス(明らかに罠だ……)


イリス「クロシュちゃん(小声)」ギュッ

クロシュ「あ……イリス、さん……?」

イリス「まだ、待って……。妖精さんが上手くやってくれるはず……」

クロシュ「……うん」

 ・・・

―馬車の中

騎士たち「」ガヤガヤ


妖精「……」コソコソ

フメイ「」グッタリ

妖精(いた……)

 フメイの首を縛る首輪「」ガチッ

妖精(これは……魔封じの首輪……。魔力を封じられる苦しみは、私もよく知ってる……。本当に、許せない……)

妖精(外側から壊してやる……。腐蝕しろ――)フォン…

 フメイの首を縛る首輪「」ボロボロ

妖精(よし、もう少しで――)


騎士B「――ん? なっ!!?」

妖精「!!!」ビクッ

騎士B「こいつ!! 何をしている!!!」ブンッ

 ベシッ

妖精「ぎゃっ……!」ドカッ

騎士C「なんだなんだ!?」

騎士B「羽虫が入り込みやがった!!」

騎士D「まさか――」

隊長「――外の子供二人を逃がすな!! 絶対に捕らえろ!!」

 ・・・
38 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:05:03.58 ID:8bh86uX70
―街道

 馬車の中から響く声「羽虫が入り込みやがった!!」

イリス「!!!」

クロシュ「あ……!!」

イリス「くっ、妖精さん……!!」タンッ

クロシュ「わ、わたしも……!!」トテトテ

騎士A「どこへ行こうと言うのかね?」シャキン

クロシュ「!!!」

↓1コンマ
01-50 劣勢
51-75 優勢
76-00 優勢+ミスティ参戦
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:05:40.97 ID:9FqS4YGl0
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:20:58.67 ID:Gl6JCW24o
ミスティお姉さん……!!
41 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:22:04.31 ID:8bh86uX70
騎士A「ぬん! せいっ!」ブンッブンッ

クロシュ「わっ、ひゃっ!」ヨロヨロ

騎士E「馬鹿、そいつは無傷で捕らえろって言われてるだろ!! 剣は使うな馬鹿!!」

騎士A「お前、今二度も馬鹿って言ったか!? おい、二度言ったのか!!?」

騎士E「うるせえよ馬鹿!!! おらっ!」ガシッ

クロシュ「……!! や、やだ……!!」ジタバタ

騎士E「へっへっへ……こっちのガキはお楽しみできねえのが残念――グアッ!!!」ザシュッ

騎士A「なにっ!?」

 宙に浮く無数の氷柱「」キラキラ

ミスティ「……」

ミスティ(ああ、やってしまった……。指名手配確定かしら……)

ミスティ(でも、ここで見捨てていたら一生後悔してた……。それだけは間違いないわ……)

ミスティ(だから――もうどうにでもなれ!!)

ミスティ「……その子を離しなさい。さもなくば――」ギラッ

↓1
01-05 ??
06-25 劣勢
26-75 優勢
76-95 勝利
96-00 ??
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:23:43.34 ID:Gl6JCW24o
はい
43 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:44:20.20 ID:8bh86uX70
イリス「水よ――」

 撃ち出される水の弾丸「」バシュンバシュン

騎士C「くっ、なかなか近付けねえが……水だけじゃ決定打にならねえぞォ!!」ビショビショ

騎士B「へへっ、じわじわ追い詰めてやんぜ!!」ビショビショ

騎士D「我々騎士団の連携を見せて差し上げましょう!!」ビショビショ

騎士B~D「ウオオオオオ!!」ビショビショ

イリス「――ここ!! 電気よ――!!」

 地を走る電気「」パリッ

騎士B~D「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

騎士B~D「」プスプス

イリス「……っ、妖精さんっ!」タッ


↓1
01-05 ??
06-95 勝利
96-00 ??
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:45:03.25 ID:bdEHT13+o
ほい
45 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:34:06.03 ID:8bh86uX70
―馬車の中

隊長「……なんと不甲斐ない。所詮は実践経験皆無のボンクラ共か」

妖精「はあ、はあ……ざまあ、みろ……悪辣種共……」

隊長「……」ブンッ

 ベシッ

妖精「はぐっ……」ドカッ

妖精「」グッタリ

隊長「この羽虫は変態貴族の慰み者にしてやるとして……。問題は外にいる者たち……一人増えているな」

隊長「……仕方ない。不出来な部下の尻拭いに赴くとするか」スクッ

 ・・・

―街道

隊長「……」スタスタ

クロシュ「……!」

イリス「……あなたの部下は全員倒した! 降参して!!」ジャキ

ミスティ(今から無関係を装ったら間に合うかしら……)

隊長「……諸君らは優れた才能をお持ちのようだ。それだけに、怒りを覚えざるを得ない……」

イリス「……?」

隊長「……我が剣の錆としなければならぬ、世の不条理にな――」ヴォン…

イリス(な、何あの魔力……!? 闇……!?)

ミスティ(ああ……やっぱり国家権力になんて歯向かうんじゃなかったわ……)

クロシュ「……! だ、だめ――」

隊長「――」

 カッ――
46 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:35:38.24 ID:8bh86uX70

クロシュ(わたしは、とっさに目を瞑った……)

クロシュ(でも……衝撃は、いつまでも、来なかった……)

クロシュ(目を開けてみると――)


黒焦げになった隊長だった物体「」プスプス

イリス「あ……え……?」

ミスティ「な……何、が……?」

クロシュ「あ――」

 ヒュオオオオ…

フメイ?「……」チリチリ


クロシュ(隊長の背後から現れたのは――今のわたしと同じ姿の女の子――フメイちゃんだ!!)


クロシュ「フメイちゃん……フメイちゃん……!!」トテトテ

フメイ「……クロ、シュ……?」

クロシュ「フメイちゃん……良かった……!!」ヨタヨタ

フメイ「……」

クロシュ「心配、したよ……。でも……無事で……」

フメイ「……」スッ

クロシュ「え?」


 カッ


イリス「きゃあああああ!!!」

ミスティ「いやあああああ!!!」



クロシュ(フメイちゃんが手をかざした次の瞬間――巨大な爆発音と共に、イリスさんとミスティさんの悲鳴が響いた……)

クロシュ(どうして……?)
47 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:36:40.24 ID:8bh86uX70
クロシュ「フメイ、ちゃん……?」

フメイ「クロシュ……。人間なんかと……一緒にいちゃ、だめ……」

クロシュ「え……。で、でも……」

フメイ「フメイ……よく、わかった……。人間を……滅ぼさなきゃ……。フメイも、クロシュも……永遠に、安らげない」

クロシュ「そんな、こと……! フメイちゃんだって……人間……」

フメイ「んーん……。フメイ……たぶん、人間じゃない……。人間は……魔法を使っても、髪が赤くなったり、しない……」

クロシュ「あ……」

フメイ「……クロシュ……フメイと、一緒に行こ……?」

 フメイの手「」スッ

クロシュ「――」


イリス「く、クロシュちゃん……!!」グッ

ミスティ「クロシュさん……!!」ググ


クロシュ「!!!」

クロシュ「……」オロオロ


フメイ「……フメイのクロシュを、たぶらかさないで――」チリッ…

クロシュ「ふ、フメイちゃん! やめて……!!」

フメイ「……」スン

クロシュ「わ、わたし、は……」


 ――運命の選択――

↓1〜5
1.フメイと一緒に行く
2.フメイと一緒に行けない
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:26.59 ID:9FqS4YGl0
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:30.04 ID:S0x+L/Q6O
2
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:44.39 ID:aAOY8FKSo
2
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:56.98 ID:Hq1EGc3C0
2
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:42:06.62 ID:C2nijJ72O
2
53 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:56:46.85 ID:8bh86uX70
クロシュ「…………」

クロシュ「行け、ないよ……。フメイちゃんと……一緒でも……」ジワッ

フメイ「……」

クロシュ「ごめん、なさい……」ジワワ…

フメイ「……クロシュは……殺すの、苦手だもんね」

クロシュ「…………」ポタポタ

フメイ「ごめん……」

クロシュ「フメイ、ちゃ……」

フメイ「……フメイ……一人で、やる……」クルッ

クロシュ「……!?」

フメイ「フメイたちが、平和に暮らせる世界……きっと作るから。待ってて」

クロシュ「ま、待っ――」

 ボンッ!


クロシュ(小さな爆発音を残して……フメイちゃんは、姿を消した……)

クロシュ(わたしは……その場に崩れ落ちることしか、できなかった……)

 ◆
54 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:59:15.32 ID:8bh86uX70
これにて、チュートリアルステージ終了となります
見てわかると思いますが、クロシュちゃんは非常によわいです。前に旅をしていた時もほとんどフメイちゃんに頼り切りだったかと思われます
そして運命選択が満場一致の2で、>>1の心の中のフメイちゃが泣きそうでした
ちなみにどちらのルートに進んでも妖精は付いて来ます
それでは本日はここまでです。ありがとうございました
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:10:30.45 ID:Hq1EGc3C0

フメイちゃんも気になるけど選択肢的に2の方を選びたくなっちゃう
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:17:24.40 ID:C2nijJ72O
テレパシーでユッコに救援を・・・
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:19:10.13 ID:Gl6JCW24o
おつでした
フメイちゃんはなんか人間への憎しみがカンストしちゃっててその……
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:19:58.20 ID:C2nijJ72O
>>56
別スレへの送信ミスです、気にしないでください
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:22:41.11 ID:AhnH36Nd0
乙です

1は闇堕ち待ったなしルートっぽいですからね……
戦闘力ない、コミュ力難あり(3歳だから仕方ない)のクロシュちゃんはいろいろとハードになりそう
仲間に頼らざるを得ない面も多そうだけど、だからこそ仲間との交流、協力やクロシュちゃんの成長も見られそうで楽しみです
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:26:57.50 ID:9FqS4YGl0


ミスティさんなし崩し的に最後まで付き合ってくれる系キャラかな
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 23:14:19.64 ID:bdEHT13+o
乙です
今までのスレよりハードな世界観のようでドキドキしますね
果たしてクロシュ一行の運命は…

あと今回男性キャラもOKなんですね
もしキャラ募集の機会がまたあったなら男の娘とか考えようかな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/04(木) 00:08:58.39 ID:4f+CjoCMo
乙続きに期待
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/04(木) 23:08:06.93 ID:4bBKIJXL0
(何人かの募集キャラをフメイちゃんサイドにしてダブル主人公とかも面白そうだなとかちょっと思った)
64 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:23:44.89 ID:rodgA4Rt0
実際、運命選択1の方がハードモードな上にクロシュちゃんのただでさえ弱いメンタルがさらに削れるので、順当に進める場合は2の方が良いのは確かでした。でも1は闇堕ちするフメイちゃんを間近で止められるルートでもあった……のかもしれません
ミスティさんとは一緒に国家権力に喧嘩を売った仲なので、よほどのことがない限りは味方でいてくれると思います(半ばヤケクソになっています)。弱いクロシュちゃんにとって仲間の存在は生命線なので、仲間は大事にしましょう
今回は種族や性別や年齢は自由なのですが、今のところコンマが女性キャラばかり出そうとしてくるため、いただいた男性キャラを登場させられておりません……
ダブル主人公を上手く書くのは>>1には難しいので多分無理なのですが、募集キャラの何名かがフメイちゃんに付くというのはあるかもしれないです
65 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:24:13.89 ID:rodgA4Rt0
―夜
 焼け落ちた集落跡

 雨「」ザァァァァ…

 ボンッ!

フメイ「……」ストッ


大人の焼死体「」

子供の焼死体「」

スライムの焼死骸「」


フメイ「…………」

 ◆
66 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:24:56.08 ID:rodgA4Rt0
―いつかの日
 集落

フメイ「はあ、はあ……」ヨロヨロ

クロシュ「……」グッタリ


老婆「おやまあ……! 酷い怪我じゃないかい……!」

若者「どうした婆さん……これは!?」

老婆「イーシャさんとこに連れてってあげておくれ!」

若者「おう! 悪いが二人まとめて背負うぜ!」ヒョイヒョイ

フメイ「ぁ……」

 *

―集落の診療所

フメイ「クロシュは!? クロシュは治るの!?」ガタッ

魔族の医者「うむ。黒いスライムの子は問題ない。どちらかと言うと君の方が重症なのだが……」

フメイ「良かった……」ホッ

魔族の医者「良くはない。君は集中治療が必要だ」ズイッ

フメイ「むう……」

 ◇

―集落の診療所

フメイ「……ここは、どういうところなの?」

魔族の医者「ここがどういう場所か知らないで辿り着いたのか? だとしたら運が良いな」

クロシュ「?」

魔族の医者「ここは王国から排斥された者たちが集う隠れ里のようなものだ。人であろうと魔であろうと、ここでは等しく文化的に生きる権利を持つ」

クロシュ「ぶんかてき……けんり……?」

フメイ「……」

魔族の医者「ここは君たちのような者が集まり、助け合って築いた共同体ということだ」

クロシュ「……!」

魔族の医者「無論、君たちは傷が治った後もここに居て良い。他者を尊重し、不当に傷付けないと約束できるならな」

クロシュ「………フメイちゃん……」

フメイ「……。クロシュが、嫌じゃなければ」

魔族の医者「うむ。歓迎するぞ」

 ◇
67 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:25:34.05 ID:rodgA4Rt0
―集落の広場

村の子供「――」キャッキャ

スライム「――」キャッキャ

クロシュ「――」キャッキャ


フメイ(……)

フメイ(あの医者の言う通り……この集落は、平和……)

フメイ(誰も……フメイとクロシュを、いじめない……)

フメイ(ここなら……。フメイたちは……平穏に、暮らせる……?)


クロシュ「フメイちゃん……」クイクイ

村の子供「フメイちゃんもいっしょにドロダンゴつくろ!」

スライム「〜〜」モニョモニョ

フメイ「……ん」コク

 ◇

―集落の家

アリシラ(>>7)「――勇者と魔王はお互いを許し合い、長い長い戦いを終わらせて平和を取り戻したのでした。めでたしめでたし……」

クロシュ「わあ……」

スライム「〜〜」モニョモニョ

村の子供「すう、すう……」zzz

フメイ「……」ウツラウツラ

アリシラ「あはは……ちょっと、つまんなかったかな……?」

クロシュ「んーん……。すごく、良かった……」

スライム「〜〜」モニョ

アリシラ「なら良かった……! ふふ、スライムの子たちは眠気に強いのかな?」

 ◇
68 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:26:08.36 ID:rodgA4Rt0
―集落の畑

クロシュ「んしょ、んしょ……」

 大量の雑草が積まれた手押し車「」ガラガラ

若者「おお〜、いっぱい抜いたな! 雑草!」

クロシュ「んへへ……」

若者「運ぶのはオレに任せろ! 焼却炉まではけっこうあるからな!」

クロシュ「うん……」

 *

―集落の焼却炉

若者「フメイちゃん! 頼むぜ!」

フメイ「ん」チリッ

 焼却炉「」ボッ メラメラ

クロシュ「わあ〜」

老婆「フメイちゃんが来てから火起こしが楽になったなあ」

若者「ははっ、本当に大助かりだぜ。薪がなくても風呂が沸かせるし、フメイちゃん様々だ!」

クロシュ「んふふ……」

老婆「フメイちゃんがいれば冬も安泰だねえ」

フメイ「……うん」

 ◇
69 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:27:20.73 ID:rodgA4Rt0
―集落の広場

 焚き火「」メラメラ

アリシラ「焼けたよ〜。はい、クロシュちゃんとフメイちゃんの分!」

 焼き芋「」ホカホカ

クロシュ「わあ……」

フメイ「……ごくっ」

若者「ははっ、君たちが手伝ってくれた畑で採れたやつだぜ。味わって食うんだ!」

村の子供「あたちのは!?」

スライム「〜〜」モニョモニョ

アリシラ「はいはい、ちょっと待っててね。今取り出すから」

 ◇

―集落の共同浴場

フメイ「……」チリッ

 カッ

 浴場「」ホカホカ

魔族の医者「ほう……。湯加減もバッチリだな」

フメイ「まあ」

村の子供「はじめはヤケドしちゃうくらいアツアツだったもんねえ〜」

フメイ「もう覚えた。加減」

魔族の医者「ふむ……。しかし素晴らしい魔力コントロールだ。将来は大成するかもしれんな」

フメイ「興味ない。クロシュがいれば、いい……」

村の子供「あたちは!?」

フメイ「あ、えと……い、いた方が……いい、と思う……」

村の子供「えへへ〜」

フメイ「……ふふ」

 ◇
70 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:27:59.54 ID:rodgA4Rt0
―集落の家

アリシラ「それで、この文字は……」

クロシュ「……」カキカキ

スライム「……」モニョモニョ カキカキ

 *

アリシラ「ふう。二人ともお勉強お疲れさま」

クロシュ「ん……ありがとう、ございました……!」

スライム「〜〜」モニョモニョ

アリシラ「……ど、どう? わかりやすく教えられてるかな?」

クロシュ「うん……!」

スライム「〜〜」モニョ

アリシラ「それなら良いんだけど……。クロシュちゃんだけでなくてスライムちゃんも文字を勉強したいのはびっくりしたなあ」

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「あ、えっと……スライムちゃんも、自分の言葉でみんなとお話したいんだって。でも声は出せないから……」

アリシラ「そうだったんだ……!」

クロシュ「うん……。わたしの通訳も、まちがってるかもしれないし……」

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「あ、うん。えへへ……」

 デロロン…

クロシュ(スライムの姿)「〜〜」モニョモニョ

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ(スライムの姿)「〜〜」キャッキャ

スライム「〜〜」キャッキャ

アリシラ「な、なんて話してるか全然わからない……。私もスライム語を勉強しようかな……」

 ◇
71 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:28:28.14 ID:rodgA4Rt0
―集落の家

アリシラ「クロシュちゃんとフメイちゃんがここに来て一年……」

若者「二人とも――」

村の子供「たんじょーび、おめでとー!!」

スライム「〜〜〜!!」モニョモニョ

 ワーワー パチパチパチ モニョモニョ

クロシュ「わ……」

フメイ「……!」

老婆「ほっほっほ……。誕生日がわからんのなら、この村に初めて来た日を誕生日にすりゃええ」

魔族の医者「という提案をしたのは私だ」

フメイ「……ありがと。みんな……」

クロシュ「あ、ありがと……ござい、ます……」ペコ

若者「堅苦しいのは無しだ! 今夜はいっぱい食おう!!」

スライム「〜〜!」モニョモニョ

クロシュ「えへへ……」


フメイ(……)

フメイ(もう疑う必要、なさそう)

フメイ(ここでなら……フメイとクロシュは、きっと―――……)

 ◆
72 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:29:36.93 ID:rodgA4Rt0
―現在
 焼け落ちた集落跡

 雨「」ザァァァァ…

大人の焼死体「」

子供の焼死体「」

スライムの焼死骸「」


フメイ「……」

フメイ「…………」ジワッ

フメイ「…………あいつらの、せいだ……。あいつらのせいで……みんな……」

フメイ「………みんな………フメイの、炎で…………」

フメイ「う、うぅ……うあああぁぁ…………」ポロポロ

フメイ「ごめんなさい……ごめん、なさい……」ポロポロ

フメイ「……フメイ………作るから……。みんなが……ずっと平和に………暮らせる世界……」ポロポロ

フメイ「だから……だから……っ」ポロポロ


「フメイちゃん……?」


フメイ「!!!?」バッ

アリシラ?「フメイちゃんだあ……」ヨタヨタ

フメイ「アリシ、ラ……?」

 ◆
73 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:30:54.77 ID:rodgA4Rt0
―翌朝
 イリスのテント

 チュンチュン…

クロシュ(スライムの姿)「」グニャァ


クロシュ(村のみんな……死んじゃった……。フメイちゃんも……いなくなっちゃった……)

クロシュ(わたし……もう……どうしたらいいか……わかんないよ……)

クロシュ(あ……イリスさんと、ミスティさんに……謝らなきゃ……)

クロシュ(フメイちゃんを助けるためにがんばってくれたのに……。フメイちゃんに、攻撃されちゃった……)

クロシュ(…………)

クロシュ(……イリスさんも、ミスティさんも……わたしたちのこと……きっと嫌いになってる……)

クロシュ(………きっと……また、追い出される……)

クロシュ(今度は、フメイちゃんもいないから……一人ぼっち………)

クロシュ(……もう、やだ………。一昨日までの村に、帰りたいよぉ………)


クロシュ(スライムの姿)「」グニャァ

イリス「……どう、声をかけてあげたら良いのかな……」

ミスティ「あの姿じゃ、寝ているのか動けないのかも判別付かないわね……」

妖精「ふわあ……。なに、クロシュのやつまだ不貞腐れてるの?」

イリス「不貞腐れてるって……。住んでた場所を失って、ずっと一緒だった友達とも仲違いしちゃったんだよ!?」

妖精「わ、悪かったね……。でも私たちは推定指名手配犯なんだから、いつまでもうずくまってるわけにはいかないでしょ?」

ミスティ「……そうね。クロシュさんには気の毒だけれど、ここに長居しているわけにはいかないわ……。王国領内には無数の間者が潜んでいると言うし、私たちの犯行がバレていないと楽観視するのは自殺行為よ」

妖精「自分の名前を集落の焼け跡に堂々と突っ立てて来た大魔法使いもいるしね」

ミスティ「えっ何それは……」

イリス「わ、私ってもしかして最悪手を踏んでしまったんじゃ……?」

妖精「……最悪はあいつらに捕まったり殺されたりすることでしょ。まだまだ程遠いよ」

イリス「妖精さん……!!」ズイッ

妖精「とにかくクロシュを叩き起こすよ! 起きろクロシュ!」ゲシゲシ

クロシュ(スライムの姿)「〜〜…」モニョモニョ…

イリス「ああ、そんな乱暴な……!」

妖精「こういう奴は優しくしとくと永遠に甘え続けるんだよ! ほらっ起きろ!」ゲシゲシ

ミスティ(乱暴とは言っても、妖精の蹴りじゃ指先でツンツンされるようなものね)

クロシュ(スライムの姿)「……」モニョニョ…

クロシュ(半分スライムの姿)「うぅ……妖精さん……」グニャ…

イリス「クロシュちゃん! その……大丈夫?」

クロシュ(半分スライムの姿)「あ……イリス、さん……」

イリス「その……大丈夫じゃないかもしれないけど……。今だけでも、起きて欲しいの。ここにいたらまずいから……」

ミスティ「……具体的には、私のソリに乗るまでは自力で立って欲しいわ。スライム状態のあなたを持ち上げるのって、凄く難しいから……」

クロシュ(半分スライムの姿)「……う、うん……」

 ◇
74 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:32:52.10 ID:rodgA4Rt0
―ミスティのソリ

クロシュ「……」スト

ミスティ「……お疲れ様。起きているのが辛ければ、また寝ていても良いわ……」

クロシュ「あ、えと……。どう、して……?」

ミスティ「……? 何が……?」

クロシュ「そ、その……。どうして……わたしを………見捨てない、の……?」

イリス「み、見捨てるわけないでしょ! 何を言っているの……!」

クロシュ「だ、だって……わたし……。わたしの、せいで……みんな……」

妖精「ああ……。確かに、あなたに付き合ったお陰で私たち全員お尋ね者になった可能性が高いね。目的のフメイにも結局逃げられちゃうし」

クロシュ「あぅ……」グニャァ

イリス「私は自分の意思でクロシュちゃんに付き合ったんだから、クロシュちゃんが気に病むことじゃないよ……!」

ミスティ「……それは首を突っ込んだ私自身の責任よ。あなたに擦り付ける気はないわ……。それにまあ……この国に永住する気もないしね……」

妖精「だってさ。良かったじゃん、こいつらが筋金入りのお人好しで」

クロシュ「……」

妖精「……それでも納得できないなら、こいつらの逃亡生活に手を貸してやれば良い。あなたの変身能力はいろいろ役に立ちそうだしね」

クロシュ「……わたし……役に、立てる……?」

妖精「多分ね」

イリス「役に立つとか関係なく、クロシュちゃんを見捨てたりなんか絶対にしないから安心してね?」
75 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:33:27.63 ID:rodgA4Rt0
妖精「ところで、このソリはどこへ向かっているの?」

ミスティ「それは――」

↓1〜3選択 最もコンマが高いもの
1.王国領 チカーバの街(道中自由安価×1、ランダム×1)
2.王国領 魔族自治区 (道中自由安価×2、ランダム×2)
3.自由安価(道中安価とランダムイベント数は内容に応じて>>1が決めます。なお、クロシュ用の装備が整っていないため長旅はできません)


◇簡単な解説◇
〈チカーバの街〉
 王国領内にある地方都市の一つ。
 近場にいくつかのダンジョンがあるため、冒険者たちの拠点としてよく利用されている。
 冒険者たちの出入りが盛んなため、市場に珍しい物品が並ぶこともある。
 今回ここに向かう理由は、情報収集と消耗品の補充、クロシュ用の装備の調達などが考えられる。

〈王国領魔族自治区〉
 王国領北西にある、魔族たちによる自治が認められた地域。しかし実際には自治区とは名ばかりの植民地である。
 かつては知性ある魔族たちが固まって暮らす平和的な都市国家の一つだったが、十数年前に王国より派遣された「勇者」なる存在によって蹂躙され、王国に降伏した。
 魔法、手工業、性産業が盛んだが、成果物のほとんどは王国によって搾取されている。
 厳しい検問が敷かれているため、一般人の出入りには煩雑で時間のかかる手続きが必要。当然魔族や魔物は出入り禁止である。
 今回ここに向かう理由は、情報収集と消耗品の補充、クロシュ用の装備(スライムに適したもの)の調達などが考えられる。
 検問や駐屯騎士の存在など、リスクもある。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 19:34:59.46 ID:+eGbvhQMO
2
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 19:35:46.70 ID:/YhRovI+0
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 19:36:43.03 ID:OatqjOOko
1
79 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:56:08.89 ID:rodgA4Rt0

ミスティ「……魔族自治区よ」

妖精「……は? いや……あなたたち、自分の立場がわかってるの?」

イリス「で、でもほら……クロシュちゃん用の装備を整えるには普通の街じゃだめだしさ……」

クロシュ「?」

妖精「いやいや! だからって危なすぎるでしょ! あそこは悪辣騎士の駐屯地もあるし……! お尋ね者の私たちが行ったりしたら……!」

イリス「ううん。指名手配のお触れが出回るのはもう少し時間がかかると思う。ああいうのっていろいろ手続きがあるらしいし……」

ミスティ「……楽観視は危険だけどね……。でも、逆に言えば検問を通れるのはまだ出回っていない今だけかもしれないのよ……」

妖精「そ、それはそうかもしれないけどさあ……」

イリス「それに実は私、小さい頃に師匠のツテで魔族自治区に魔法使いと会ったことがあるんだ。もしかしたら力になってくれるかも……」

ミスティ「それは……人? それとも魔族?」

イリス「……あ、あはは……それが、その……覚えてなくて……」

妖精「人だったら危険だし、魔族だったらそもそも生きているかわかんないじゃん……」

イリス「凄い魔法使いだって師匠が言ってたから、もし魔族でも殺されずに生きてると思う……!」

ミスティ「……はあ……。他者を頼りにするのは危険ね……」


 ソリ「」スイーッ


↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いものがあった(自由安価)
81-95 良いことがあった(自由安価)
96-00 旅の仲間
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 19:58:00.20 ID:+eGbvhQMO
81 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 20:18:59.18 ID:rodgA4Rt0

 ソリ「」スイーッ

ミスティ「……ん? あれは……」


街道を塞いで騒ぐ野盗の群れ「ヒャッハー!!!」


イリス「げ……。思いっきり塞いでる……」

ミスティ「……迂回すると物凄く遠回りになるのよね……」

クロシュ「…………」

妖精「めんどくさ……。悪辣屑騎士団はああいうのを取り締まれよ……」

ミスティ「本当にね……。面倒だし強行突破するわ……」

クロシュ「あ……だ、大丈夫……?」

ミスティ「襲ってきたら返り討ちにしてやれば良いのよ……って、今更正当防衛とか気にする必要もないわね……」

イリス「じゃあ先手必勝だね! どうせ未来はお尋ね者なんだからこっちから仕掛けちゃおう!!」

ミスティ「……そうね。そうしましょう……その方がローリスクだわ……」

妖精「……あなたたち、なんか自棄になってきてない?」

 *

野盗A「へっへっへ、なんかソリが来たぜ!」

野盗B「見ろよ、女だ!」

野盗C「ガキばっかじゃねーか! 俺ァでっけえ姉ちゃんがいいぞ!!」

野盗D「いいや、おれは妖精さんだね! おれ専用の飯炊き係にしてやんぜ……!!」

野盗E「おい、なんかあのソリめっちゃ加速してねーか?」

野盗F「ああん――」


 ソリ「」シュゴオオオオ――!!


↓1
01-05 ??
06-15 劣勢
16-55 優勢
56-95 勝利
96-00 ??
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 20:19:32.59 ID:XMJBf+w8o
83 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 20:50:33.61 ID:rodgA4Rt0

 ソリ「」ドッギャアアアアアン

野盗の群れ「ぐああああああ!!!」

 *

イリス「これに懲りたらもう盗賊なんてやめてください! いいですか!!」

野盗の群れ「はい……」

妖精「甘いんじゃない? 野放しにすればまた盗みも殺しも働くよ、こういう奴らは」

イリス「えっ……」

野盗の群れ「えっ……」

ミスティ「……」

妖精「私は人間社会のことなんてどうでもいいけどさ。被害を最小限に抑えたいならここで始末した方が良いよ」

イリス「そ、それは……でも……!」

ミスティ(……正直……妖精の言う通りだと思う。一度罪を犯すと……『次』の心理的ハードルは、劇的に下がる……。彼らは、きっと更生しないし……もし奇跡的に更生したとしても……機会さえあれば、容易くまた暗黒面へ堕ちる……)

ミスティ(そして……少し事情が違うとは言え……騎士団を攻撃し、開き直って彼らをソリで強襲した私自身も……また……)

ミスティ(……心を、強く持つべきね……)

イリス「でも私、信じたいよ……。たとえ間違えても……罪を犯しても、人は反省できるって。やり直せるって、信じたい……。信じちゃ、だめかな……」

妖精「……クロシュはどう思う?」

クロシュ「……」


↓1〜3多数決
1.野盗を許した方が良いと思う
2.野盗を殺した方が良いと思う
3.自由安価
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 20:51:40.98 ID:/YhRovI+0
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 20:55:15.28 ID:o5IzcO0Oo
3 逆に何回向かってきても良いよと言う
何回でも酷い目に遭わせるからと忠告
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 20:57:02.52 ID:+eGbvhQMO
3自分たちに襲って来なければ好きにしろと言う
87 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 21:03:32.20 ID:rodgA4Rt0
バラけてしまったので決選投票。どれも絶妙に属性が異なっていて良いですね。クロシュちゃんはどういう方向に成長するのでしょうか

↓1〜5
1.野盗を許した方が良いと思う
2.何回でも返り討ちにすれば良いと思う
3.自分たちを襲わなければどうでも良いと思う
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 21:05:01.33 ID:o5IzcO0Oo
2
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 21:05:13.54 ID:An8XiKqio
1
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 21:09:09.24 ID:JWa+MtrJ0
1
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 21:10:09.12 ID:P1UtrKxDO
1
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 21:17:34.69 ID:V1HmKl/00
一応1

まあ野盗返り討ちにしただけだし、クロシュちゃんやらイリスさんやらミスティさんがあえてここで命奪う責任と傷を追う必要ないとも言える
兵士とかならともかく一般人だしね
93 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:15:01.29 ID:rodgA4Rt0
混沌クロシュ『来るなら何度でも返り討ちにしちゃえ。悪いやつは何度でも懲らしめてやる』

秩序クロシュ『返り討ちにできない人は殺されちゃうよ……』

混沌クロシュ『殺られるような弱い奴が悪いんだよ。弱肉強食だよ』

秩序クロシュ『村のみんなも……弱くて殺されたから、悪いって言うの……?』

混沌クロシュ『…………ちがうもん』

秩序クロシュ『そうだよね。弱いからって、殺されて良い理由にはならないよ。それに、一番弱いのはわたしだよ……。今回はイリスさんとミスティさんのお陰で返り討ちにできただけだよ……』

混沌クロシュ『…………むう』

中庸クロシュ『わたしたちをいじめないなら……誰が何をしようと、どうでもいい……』

秩序クロシュ『それは……』

中庸クロシュ『イーシャさんも言ってたでしょ、他者を尊重しろって。野盗の生き方も尊重すべきだよ』

秩序クロシュ『で、でもイーシャさんは、不当に他者を傷付けるなとも言ったよ……。野盗の生き方は、不当に誰かを傷付けるよ……』

中庸クロシュ『それは、そうだけど……』

秩序クロシュ『だから、やっぱりだめだよ……。野盗の人たちには……ちゃんと、反省してもらうのが一番だよ……』

混沌クロシュ『反省するの?』

中庸クロシュ『しないと思う』

秩序クロシュ『……するの!! してもらうの!!!』

 *

クロシュ「……反省、してもらうの!!!」

妖精「うわっびっくりした! な、何いきなり……」

クロシュ「あっ……ご、ごめんなさい……」

イリス「……クロシュちゃん、反省してもらうって言った? ねえ、言ったよね?」ズイッ

クロシュ「う、うん……。言った……」

イリス「ほらー!! クロシュちゃんもこう言ってるし、野盗の皆さんには反省してもらうのが一番だよ!! 命まで取る必要ないって!」

ミスティ(……それで良いと思うわ。命を奪うとなれば、その罪を私たちが背負うことになるし……何より、『命を奪う』ことに慣れてしまう危険性がある……。私はともかく、イリスとクロシュが道を踏み外したら気分が悪いしね……。妖精は……もう慣れてそうだけど……)

妖精「……はあ、まあいいけどさ。反省してもらうってんなら、何か考えはあるんでしょうね?」

 *
94 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:15:59.14 ID:rodgA4Rt0

拘束されて木にくくりつけ野盗の群れ「」

イリス「これにて一件落着! 毎日誰かしらは通るだろうし、見つけた人がチカーバの騎士か領主様に引き渡してくれるでしょ!」

ミスティ「た、他力本願ね……。まあ、私たちにこいつらを街まで連れて行く余裕はないから仕方ないけど……」

クロシュ「……反省……して、ください……。もう、誰も……傷付けないって……」

野盗F「……それを言うなら、約束だろ?」

クロシュ「あっ……」

野盗F「……まあ、反省はする。だが約束はできねえ。俺たちだって今日のメシを食うのに必死なのさ。刑期が終わって牢から出た時に、まともな仕事にありつけなけりゃあ……俺たちは、また野盗に戻るだろうぜ。そんで次は、慈悲もクソもねえ騎士様にその場でぶち殺されて終わりかもな」

クロシュ「……」

野盗A「へっへっへ、なんか生きてるぜ俺たち!」

野盗B「命まで取らないでくれてありがとな、嬢ちゃんたち!」

野盗C「俺ァどうせならでっけえ姉ちゃんにシバかれたかったなァ」

野盗D「妖精さんが人間に厳しすぎて心臓がバクバクすんぜ……!」

野盗E「おれにも魔法って使えんのかなあ。シャバに出たら勉強してみてえなあ」

野盗F「ま、そんときゃそんときだ。生きてる間は死ぬまで生きる。それが俺たちの信念さ」

 ◇
95 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:17:08.01 ID:rodgA4Rt0

 ソリ「」スイーッ

クロシュ「……」

イリス「……考えてるの? さっきの人たちのこと」

クロシュ「あっ……イリスさん」

イリス「……いくら苦しくても、それは誰かから物を奪ったり、傷付けたりして良い理由にはならないよ。わかっているとは思うけれど」

クロシュ「……うん」

イリス「なんて……恵まれてる私が、知ったような口で言うのは傲慢かもしれないけどね……。でもこれは、曲げちゃいけないことだと思うんだ」

クロシュ「……イーシャさん……あ、村にいた魔族のお医者さんなんだけど……。その人も、そんなようなこと、言ってた……」

イリス「そうなんだ……。やっぱり、魔族の人も私たち人間と変わらないんだよね」

クロシュ「うん……。きっと……変わらない、と思う……」


↓1
自由安価 移動中何をするか、または何が起きるか
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 22:17:51.74 ID:/YhRovI+0
帽子を被った少女と遭遇
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 22:19:02.77 ID:/e8n8exco
こういう時って募集した特定のキャラと遭遇するような安価OKなの?
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 22:20:36.43 ID:8vvoTBik0
自分が応募したキャラ出るかどうかは運次第だと思ってたけどそういうのアリなのか…
99 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:55:18.21 ID:rodgA4Rt0
自由安価で遭遇するのは可能ですが、その場合は仲間にはなりません。情報交換や交流程度に留まります。また、特定の非同行キャラと連続で交流することはできません
なお、ランダムイベントでクリティカル〈旅の仲間〉を引いた場合、誰かが確定で仲間入りします
100 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:56:38.08 ID:rodgA4Rt0
―夕
 街道

 ソリ「」スイーッ

ミスティ「……?」

イリス「どうしたの、ミスティさん」

ミスティ「いえ……ソリが、少し重いような……」


妖精「……そこ!」ゲシッ

??「あいたっ!」ベシッ

クロシュ「!?」

イリス「えっ!?」

ミスティ「……なるほど」

妖精「隠れても無駄だよ。妖精の目からは逃れられない」

帽子を被った少女「ひえ〜……流石は妖精、目ざといなあ〜」スゥー

イリス「えっ誰!?」

 *

メルル「ってわけでちょっと乗り合わせてもらってただけだからさ〜。許してよ〜」

ミスティ「油断も隙もない……」

イリス「い、いつの間に乗り込んだんだろう……」

妖精「……何が目的? 密航なら他を当たって欲しいんだけど」

メルル「だからただの乗り合いだって〜。馬を買うお金なんてないからさァ。馬車より早いソリなんて乗らない理由がないじゃん?」

ミスティ「……」


妖精「……どう思う? 王国の間者の可能性は?(小声)」コソコソ

イリス「十分にあり得るよね……。どうししよう……(小声)」コソコソ

ミスティ(……口封じ……いえ、いたずらに罪を重ねるべきではないわね……)


クロシュ「えと……メルルさんは……どこに行く、の……?」

メルル「お、話の通じそうな子だね〜。まァ実は目的地とかはないんだけど。雪もないのにソリが走ってたからつい飛び乗っちゃっただけでさ」

クロシュ「そうなんだ……」

メルル「てか、このソリこそどこに向かってんの? まさか魔族自治区じゃないよね?」

クロシュ「え、魔族自治区、だよ……?」

メルル「へ……? ま、マジ?」サーッ

クロシュ(なんか、顔が青くなった)

メルル「ご、ごめーん!! お腹痛くなってきたから降りるね〜!! ばいばーい!!」パッ

イリス「へ?」

ミスティ「あ、ちょっと……!」

妖精「……逃げられたね」

 *
101 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 22:57:18.33 ID:rodgA4Rt0
―街道沿い

メルル「はあ〜……。魔族自治区行きとか、危ない危ない……。半人半魔のあたしがそんなとこ行ったら問答無用で打首確定じゃんね」

メルル「まあでも、雪でもない道を走るソリに乗れたし良しとしますか!」

メルル「さ〜って今日は野宿野宿♪」

 ◆

↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 何もなし
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いものがあった(自由安価)
81-95 良いことがあった(自由安価)
96-00 旅の仲間
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 22:58:47.72 ID:MT7wijopo
はい
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 22:59:08.97 ID:nMRsxDAXo
自由安価で
「募集したキャラ遭遇(ランダム)」
って特定のキャラを選ばない場合でも仲間にはならない?
104 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 23:07:12.34 ID:rodgA4Rt0
はい、自由安価でランダム遭遇とした場合でも仲間にはなりません。それをアリにしてしまうと、毎回それをすれば簡単に全員仲間にできてしまいますし、同行キャラが増えすぎると>>1の頭がパンクするので……

↓1 クロシュたちが見つけたいいもの
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 23:08:35.15 ID:IzbN7+hWo
お鍋
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 23:09:04.30 ID:+eGbvhQMO
何でも防ぐ魔法?傘
107 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 23:43:59.27 ID:rodgA4Rt0
 ソリ「」スイーッ

ミスティ「……あら?」

 打ち捨てられた馬車「」

イリス「廃馬車だね……」

ミスティ「せっかくだし中を見ていきましょうか」

妖精「目ぼしいものは野盗とかがもう持ってっちゃってると思うけどねえ」

 *

―廃馬車

イリス「う〜……もう誰のものでもないとは言え、気が引けるなあ……」ガサゴソ

ミスティ「……大事な感覚だとは思うけれど、旅に不要な価値観の一つでもあるわ……。誰かが困るわけでもないのだから、貰えるものは遠慮なく貰ってしまいましょう……」ガサゴソ

クロシュ「……あ!」ガサ

妖精「何かあった?」

クロシュ「これ……!」スッ

 状態の良い鉄鍋「」キラキラ

イリス「わお! 綺麗な鉄鍋……!」

ミスティ「状態が良いわね……」

クロシュ「木箱に入ってた……!」

妖精「へえ……お風呂に使えそうね」

イリス「えっ」

妖精「冗談。それとも、私の出汁でも取ってみる?」

ミスティ「妖精の出汁……ちょっと需要がありそうなのがまた……」

 ◇
108 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 23:44:43.47 ID:rodgA4Rt0

 鍋「」グツグツ

クロシュ「わあ……」

イリス「ふふふ、ちゃんとしたお鍋を使うのなんて久し振りだなあ〜」

ミスティ「……良い香り……胸が高鳴るわね……」

妖精「そういえば、初めて会った日に飲まされたスープはどうやって作ったの?」

イリス「ああ、あれは地魔法で作った即席土鍋で作ったの。あ、一応言っておくけど衛生管理はちゃんとしてるからね! 火魔法で殺菌、加熱ってわけ」

ミスティ「複数属性……ずるいわ……」

イリス「でもやっぱり、ちゃんとした鍋の方が火の通りも良いし美味しく作れるんだよね……!」

 *

 食べられる野草のスープ「」ホカホカ

イリス「……」ゴクン

イリス「……うん! 街に付いたら、まずは食料調達だね!!」

ミスティ「………」ズズ

ミスティ「…………そうね。食は……生命活動の要よ……」

妖精「……」ゴクゴク

妖精「ぷあ……。けっこういけるね。やるじゃん、イリス」

クロシュ「……」ゴクゴク

クロシュ「……おかわり、いい……?」

イリス「お、美味しいならいいけど……」

ミスティ(……やっぱり、人間とは味覚が異なるのかしら……)


↓1 自由安価 移動中何をするか、または何が起きるか
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 23:45:28.09 ID:/YhRovI+0
雨が降って近くの廃屋で雨宿り
110 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 23:56:23.21 ID:rodgA4Rt0
本日はここまでとなります
上の方にもありましたが、クロシュの人格形成に関わる選択が今後また出てくることもあるかと思います。今回は秩序クロシュが勝利を収めました。なお今のところ、秩序属性にはイリス、中庸属性にはミスティと妖精が該当しています。クロシュちゃんの人格がどのようなものになるかは皆さんの安価にかかっています。よろしくお願いいたします
それでは本日もありがとうございました
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 00:01:36.62 ID:vp2bWUZ+o
乙でした
混沌でも内なるクロシュの隠せない良い子感

設定だと現パーティで1番年上は(妖精を除いて)イリス……けどお姉さん筆頭はミスティさんに見える見える
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 00:10:19.95 ID:qQ1Q/8MFO
おつおつ

戦力的にも頼もしいけど、料理できて複数属性(仮)で土鍋作ったり殺菌も加熱もできて水も用意できる、旅のお供に重宝しそうなイリスさん

秩序側のイリスさんと中庸なミスティさんの二人がいるのは、いろんな意見を聞けることでクロシュちゃんの成長に良いかもしれない
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 00:36:20.50 ID:jNxHCCry0

フメイサイドで気になるのは>>72でアリシラに?がついている事かな
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 11:16:02.87 ID:4f7Y33hCo
投稿された設定そのままなら、一度死にかけてから両親を含めた周囲の人の魔翌力を奪って蘇生した際なにか変なものが混ざってしまったとか
結果的に大量殺人を犯してしまったことで人格に変調を来してしまった…とかかな?
重いな…
115 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 21:48:57.49 ID:pBF5sxvE0
ミスティよりもイリスの方が年上なのですが、人生経験という意味では、幼い頃にいろいろあって旅立たざるを得なかったミスティの方がいろいろあるのかもしれません。実際、ミスティの方がお姉さんに見えます
しかしイリスは扱いの難しい複数属性(仮)の修練に人生の多くを費やしているので、その分魔法でできることが多いです。複数属性は少人数での旅においては圧倒的な利点と言えるでしょう

秩序の視点と中庸の視点があるのは人間らしく成長するには良い環境と言えるかもしれません。でもクロシュはスライムなので、もし魔物として生きる場合は混沌の視点が必要不可欠です

フメイちゃんが遭遇したアリシラさんが一体何なのか、今後の展開で明らかになったりならなかったりするかもしれません
116 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 21:49:38.73 ID:pBF5sxvE0
―街道

 ソリ「」スイーッ

 雨「」ポツ ポツ…

クロシュ「!」

妖精「雨ね」

 雨「」サァァァァ

イリス「うわ、本当だ!」

ミスティ「丁度良く廃屋があるわね……。雨宿りしましょう」

 *

―廃屋

 キィ……

イリス「お邪魔しまーす……」

ミスティ「カウンターに捨て置かれた台帳があるわね……。宿屋かしら……」


妖精「げえ、埃っぽい……。私は外にいようかな……」

クロシュ「妖精さん……雨、大丈夫……?」

妖精「なに、気遣ってくれるの? 雨は平気だから気にしなくて良いよ」パタパタ

クロシュ「でも……一人じゃ危ない、よ……?」トコトコ

 *
117 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 21:50:10.95 ID:pBF5sxvE0
―廃屋

 ボロボロのソファ「」ボフッ

ミスティ「当たり前だけど、目ぼしいものは何も残ってないわね」

イリス「……そういえば、ミスティって16歳なんだよね」

ミスティ「そういうイリスは17歳だっけ?」

イリス「うん。でもなんか、全然年下って感じがしない」

ミスティ「最初なんて敬語使ってたくらいだしね……私に……」

イリス「あ、あはは……年上だと思ってたから……」

ミスティ「……旅をしている期間で言えば、私の方があなたより先輩かもね……」

イリス「あ、やっぱりそうかな?」

ミスティ「ええ……。あなた……育ちの良さが、出すぎているから……」

イリス「……褒められているのか、馬鹿にされているのか……」

ミスティ「ふふ……どこにも辿り着けないまま、善意も道徳も見失って彷徨い続ける私みたい旅人になるよりずっと良いわ……」

イリス「……ミスティは善意も道徳も見失ってないよ。見失ってたら、あの場でクロシュちゃんを助けなかったはずだもの」

ミスティ「……魔が差したのよ。本当は、助ける気なんてなかったわ……」

イリス「でも助けた。魔が差して、善なる決意をしてくれたんだよ。ミスティは」

ミスティ「ふふ………。後輩の癖に、生意気ね……」

イリス「後輩だけど、年上だからね……!」

 ◇
118 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 21:50:39.06 ID:pBF5sxvE0
―廃屋 玄関

 雨「」サァァァ

妖精「平気だって言ったのに」

クロシュ「でも、危ない生き物が潜んでるかも……」

妖精「はあ、私がどれだけの時間を一人で生きてきたと思っているの? あなたみたいな赤ちゃんに心配される謂れはないんだけど」

クロシュ「赤ちゃん……」

妖精「あなたの方がよっぽど危なっかしくて心配されるべき生き物なの。前に旅をしてたなんて言ってたけど、その様子じゃ戦いも探索も何もかもフメイに頼り切りだったんでしょ」

クロシュ「う……そ、そうかも……」

妖精「そこそこちゃんと自己認識できてることだけは及第点ね。イリスもミスティも底なしのお人好しみたいだし、赤ちゃんらしく遠慮なく頼るんだよ?」

クロシュ「う、うん……。でも……嫌われない……?」

妖精「あんまりにも我儘が酷すぎたら流石のお人好しも愛想を尽かす可能性はあると思うけど、あなたはそういうタイプでもないし大丈夫でしょ」

クロシュ「そうなの……?」

妖精「そうなの」

クロシュ「……そうなんだ」

 雨「」サァァァァ

妖精「……良い雨ね」

クロシュ「……好きなの? 雨」

妖精「まあね。綺麗な水と風と植物は大体好き」

クロシュ「……わたしも、好き。そういうの」

妖精「なかなか見所のあるスライムだね、あなた」

クロシュ「そ、そう?」

妖精「そう。ふふ、まあ私もあなたを軽率に見捨てたりはしないから安心していいよ」

クロシュ「……! う、うん……。ありがと……」

 ◆
119 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 21:52:50.60 ID:pBF5sxvE0
―魔族自治区 検問所

兵士A「そこの……ソリ? とにかく止まりなさい!」

 ソリ「」キキッ

ミスティ「どうも……」スト

兵士B「入区を希望する者は身分証明書を提示しろ。大人も子供も例外なくだ」

ミスティ「これで良いですか……?」スッ

イリス「私も……」ガサゴソ

 ミスティの冒険者証「ランク3」

 イリスの冒険者証「ランク2」

兵士B「よし! それでは受付で手続きを――ん?」

イリスの後ろを歩く黒い犬「……」ヒョコヒョコ

兵士B「ほう。黒い毛並みの犬か……。よく躾されていると見える」

ミスティ「はい……。この子も……私たちの、旅の仲間なのです……」

兵士A「かわいいですね! 犬はとても良い動物です! 薄汚い魔物共はクソです! 奴らも犬のかわいさ、気高さを見習うべきです!! お手!!」スッ

黒い犬「……」


↓1コンマ
01-05 混沌クロシュ「噛みついちゃえ!」
06-50 無視する
51-95 心を無にしてお手に応じる
96-00 ??
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 21:53:26.67 ID:jNxHCCry0
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 21:53:29.29 ID:AKuruyE+0
122 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 22:01:54.74 ID:pBF5sxvE0
黒い犬「……」ギギギ

 お手「」スッ

兵士A「わああ!! やっぱり犬は素晴らしいです!!!」キャッキャ

兵士B「いや、なんかすっげェぎこちなかったぞ……。お前嫌われてんじゃねえか」

兵士A「そんなことはありません! 犬は人類の友、私は犬の友です!!!」

兵士B「そうか……」

 *

黒い犬「……」グッタリ

イリス「クロシュちゃん……よくがんばったよ……!」

ミスティ「ええ……とても偉かったわ……」ナデナデ

ミスティの懐から顔を出した妖精「やるじゃん、クロシュ」

黒い犬「……」グッタリ

黒い犬(……頭がおかしくなりそうだった……。でも、我慢できて良かった……)

 ☆クロシュの我慢強さが向上しました

 ◇
123 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 22:05:55.48 ID:pBF5sxvE0
―魔族自治区

 ワイワイ ヘラヘラ ギャハハハ…

クロシュ(ミスティさんたちの長い手続きが終わり、門を抜けて魔族自治区に入ると……)

クロシュ(この、魔族自治区がどういう場所なのか……一目で、理解できた……)



路上に座り込む魔族の老人「……」

やせ細った魔族の子供「……」フラフラ

高貴な身なりの女性「んま〜、小汚いところ! アテクシの美貌がバイ菌で汚れてしまいますわ!!」

高貴な身なりの男性「フッ……君の美しさはこの程度じゃビクともしないさ。おいガキ、誰の許可を得てその小汚ェ面を人間様の視界に入れてんだ? ああ!?」ゲシッ

やせ細った魔族の子供「ぎゃっ……」ドサッ

高貴な身なりの男性「ペッ! 王国の寄生虫が!」



豊満な淫魔の女性「……」ヨロヨロ

ガラの悪い冒険者A「淫魔の癖に白昼堂々と出歩きやがって! こっち来い!!」ガシッ

ガラの悪い冒険者B「公然猥褻の取締だオラッ!!」グイグイ

豊満な淫魔の女性「………」



クロシュ(人間の男性に蹴られた魔族の子供は……何も言い返さず、フラフラとどこかへ去っていった……)

クロシュ(淫魔の人は、がっくりと項垂れて……何もかもを、諦めた目で……路地裏へ引っ張られていった……)

クロシュ(わたしには……どうすることも、できなかった……)


イリス「………っ」

ミスティ「…………」

妖精「……チッ」

 ◇
124 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 22:06:56.42 ID:pBF5sxvE0
―魔族自治区 宿

受付の女性「人間様が三名でお間違いはありませんか?」

ミスティ「ええ、合っているわ……」

受付の女性「部屋分けは如何なさいますか?」

ミスティ「三人部屋で良いわ……。一番安いのでお願い」

受付の女性「かしこまりました。食事は付属しておりませんので、各自でご用意をお願い致します。また、夜伽をご希望される場合は別途料金が――」

ミスティ「結構よ……」

受付の女性「失礼致しました。それでは、こちらが客室の鍵となります。ごゆっくりお過ごしくださいませ……」スッ

 *

―客室

妖精「はあああ〜〜〜……。だから来たくなかったんだよ、こんなとこ……」

イリス「……予想はしてたけど……予想以上だった……」ガックリ

ミスティ「……人間の私にとっても、あまり気分の良いところではないわね……。長居はしたくないわ……」

クロシュ「…………」

イリス「クロシュちゃん……大丈夫……?」

クロシュ「あ……うん……」

ミスティ「無理はしないで。ここは……想像以上に、あなたに毒があるように思えるわ……」

クロシュ「……」

妖精「……でも、この甘ちゃんな赤ちゃんに王国の悪性を教えるには丁度良いかもね」

イリス「刺激が強すぎるよお……!」


魔族自治区で何をする?
↓1〜3 自由安価
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 22:08:37.22 ID:AKuruyE+0
とりあえずみんなでお風呂
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 22:09:38.77 ID:F6Z1CmdIO
飯屋に行く
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 22:11:30.15 ID:KvXax6pz0
外に出てお散歩
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 22:12:09.60 ID:YpKgrbO8O
路銀は足りているだろうか?
金稼ぎ、またはそのためのネタ探し
129 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 22:40:53.30 ID:pBF5sxvE0
イリス「……ひとまず、お風呂に入ろう!」

ミスティ「そうね……。浴場へ向かうとしましょう……」

 ◇

―魔族自治区 公衆浴場 脱衣所

 ヌギヌギ

妖精「ねえ、スライムって入浴が必要なの?」ヌギヌギ

クロシュ「あ、えっと……。ぽかぽかになるから……いる、と思う……」

イリス「入浴には体を洗う以外にも、血行を良くしたり筋肉をほぐして疲労回復させたりする効果があるんだって。スライムもきっと例外じゃないよ!」ヌギヌギ

妖精「いや、スライムの血行とか筋肉って人とは作りが全然違くない!?」

ミスティ「……まあ、良いじゃない……。ぽかぽかになるのは、気持ちが良いもの……」ヌギヌギ

 *

―浴場

 カポーン
 ワイワイ キャッキャ

クロシュ「ふにゃあ……」デロデロ

妖精「溶けてる溶けてる」ツンツン

ミスティ「ふう……良いお湯……」チャプン

イリス「……ミスティ、ちょっと痩せ気味じゃない? もうちょっとお肉を付けた方が……」チャプン

ミスティ「脂肪があった方が、いざという時に死ににくいのは知っているわ……。でも私、少食なのよね……」

イリス「……そ、そっか……。確かに、あんまりたくさんは食べてなかったもんね」

ミスティ「ええ……。でも、まあ、その……」

イリス「?」ポヨン

ミスティ「…………」

ミスティ「いえ……詮無きことね……」

イリス「え、もしかして私、太い……!?」

ミスティ「ふふ……適度な脂肪は生存率を上げるわ……」


妖精「……それにしても」


淫魔の幼女「――」キャッキャ

淫魔の女性「――」ニコニコ

ハーピィの少女「――」バシャバシャ

竜人の女性「――」ゴシゴシ


妖精「……ここは平和みたいね。まあ、こんなところで不快なものを見せられても困るけどさ」

クロシュ「うん……。ここは……良いところ、だね……」


↓1コンマ
01-90 良い湯でした
91-00 旅の仲間
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 22:42:19.51 ID:LmfhQGEGo
なかーま
131 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/07(日) 23:16:22.12 ID:pBF5sxvE0
―魔族自治区

ミスティ「ふう……良いお湯でした……」ツヤツヤ

イリス「さっぱりしたね……! それじゃあ次はご飯いこ、ご飯!」

クロシュ「ごはん……!」

妖精「魔族食か……」

 *

―魔族自治区 大衆酒場

 ワイワイ ゲラゲラ

クロシュ「わ……」

妖精「……もうちょっと、他になかったの?」

イリス「……なかったの! 私だってできればもっと落ち着いたとこで食べたかったよ……!」

ミスティ「まあ……私たちは人間だし、クロシュも人間の姿だし……妖精は妖精だし、大丈夫でしょう……」

ウェイトレス「食材をお決めになりましたら、お手元のベルを鳴らしてくださいね」

イリス「……えっ!? 食材なの!?」

ウェイトレス「はい。当店では、お客様にお選びいただいた食材をシェフの独断で調理するシステムとなっております」

ミスティ「な、なんて店なの……」


↓1〜2選択
1.オーク肉
2.マンドラ大根
3.食べられる野草
4.カニ
5.オリハルガニ
6.ザリガニ
7.ウルティ米
8.海竜の大トロ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 23:17:10.49 ID:emVkqbj40
7
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 23:17:12.06 ID:jNxHCCry0
7
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 23:18:24.90 ID:T6NH3vSDO
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