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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】
- 157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/08(月) 20:13:45.05 ID:h1qZtFKYo
- 工芸品店を見て回る
- 158 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 20:58:39.77 ID:kY6YhsSH0
- ――魔族自治区 表通り
イリス「……はっ!」
クロシュ「?」
ミスティ「どうしたの?」
イリス「……手持ちが、あんまりないかも」
ミスティ「……そういえば、私も三人分の宿代を払ったからけっこう厳しいわね」
ローガン「……足りない分は私が……いや、私は仮加入中の身か。余計な貸し借りはなしにしておいた方が良いだろう」
妖精「はあ、仕方ないなあ。私がその辺のバカから盗って――」
イリス「そ、それはだめだよ! 窃盗は犯罪だよ!」
妖精「いや、今さら気にすることでもなくない……?」
イリス「そ、そうかもしれないけど……これは、私が私であるために必要なことなの!」
ローガン「……ほう。芯の通った人物であるようだ、君は」
イリス「え、えへへ……そんな、大層なものじゃないですけどね」
ミスティ「とりあえず、路銀を稼ぎに冒険者ギルドへいきましょう……」
イリス「単発かつ短時間で終わるものがあれば良いなあ……」
◇
- 159 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 20:59:36.47 ID:kY6YhsSH0
- ――冒険者ギルド 魔族自治区支部
閑古鳥「カンコーン」
クロシュ「……?」
イリス「なんかすっごい閑散としてる……」
ローガン「魔族自治区の冒険者ギルドにはあまり仕事が入って来ないそうだ」
イリス「え、それはまたどうして……?」
ローガン「自治区を訪れる冒険者がどのようなものかは君たちも知っているだろう? あれに仕事を依頼したがる魔族住民などいると思うかね?」
イリス「な、なるほど」
ミスティ「騎士団も駐屯してるしね。荒事は騎士団、困りごとは住民の互助、ってところなのかしら」
イリス「ってことは、ここに気てる冒険者は魔族に嫌がらせしに来てるだけってこと!? う〜ん……腹が立ってきた」
ローガン「いや……それもあるかもしれんが、魔族の技術ゆえかここは人間の街よりも質の良い武具や道具が多い。魔法の品などは特に。それらを買い求めに来る冒険者が多いのだろう」
受付嬢「……はっ!? い、いらっしゃいませ! 当ギルドのご利用は初めてですか!?」
イリス「あ、はい。一応冒険者証はあります」スッ
受付嬢「ありがとうございます!」
ミスティ「それで……できれば、単発でかつ短時間で終わりそうなものが良いのだけれど……」
受付嬢「かしこまりました。その条件で本日ご案内できる依頼は――」
↓1
01-30 駐屯地の便所掃除(報酬:低)
31-60 旧市街の廃屋解体(報酬:中)
61-90 菜園の草むしり (報酬:高)
96-00 実験の助手募集 (報酬:超)
- 160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/08(月) 21:04:01.48 ID:ttV4Xj9/0
- あ
- 161 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 23:10:10.37 ID:kY6YhsSH0
- ――魔族自治区 旧市街
入植者の男性「おお! こんなに若くてかわいい冒険者の方々が来てくれるなんて予想外だ!」
イリス(なるほど。数少ない依頼も、ここに入植した人からのものってことかあ)
ミスティ「解体する建物は?」
入植者の男性「こっちだ!」
*
朽ちた石造りの廃屋「」
入植者の男性「ここに入植者用の集合住宅を建てたくてね。更地にして欲しいんだ」
ミスティ「なるほど……。瓦礫はどこに?」
入植者の男性「んー、貧民街の辺りに捨ててくれば良いんじゃないかな? あそこなら魔族と魔物しか住んでないし」
クロシュ「……」
イリス「……」ギリ
クロシュの懐に隠れた妖精「……」イライラ
ミスティ「いえ……ここでは形骸化しているとしても、王国法違反となりますので……」
入植者の男性「はは、お嬢さん方は真面目だなあ。それじゃあ少し遠いけど、騎士団の駐屯地に瓦礫の廃棄場があるからそこまで持っていってもらってもいいかな?」
ミスティ「承知致しました……。それでは作業に取り掛かります……」
入植者の男性「ああ! 終わったら呼んでくれ!」
*
イリス「うがあああ!!! 何なのあれはあああ!!!!」バリバリ
ミスティ「仕方ないでしょう。ここはそういうところなのよ……」
妖精「解体はあなたたちでやってよね。私はあんな下衆共の集合住宅作りに関わる気はないから」プイッ
クロシュ「…………」
ローガン「君たちは魔族や魔物に対して……いや、クロシュくんを見れば明らかなことだったな」
妖精「そういうあなたこそどうなの? 仮とは言え、私やクロシュと一緒にやっていける?」
ローガン「……魔物に対して、何も思うところがないと言えば大嘘になるだろう。だが……個別に当てるべき感情を安易に全体化するのが愚かなことだというのはわかっているつもりだ」
妖精「……そう」
◇
ゴオン…ガギイン…ゴゴオン…
イリス「はあ。地属性も使えて良かったなあ、私……」
ミスティ「こういう作業では頼りになるわね」
ローガン「鉄材があれば私に言ってくれ。適切な大きさに解体する」
クロシュ「わ、わたしは……」キョロキョロ
妖精「クロシュは私と見学。どうせできることもないし」
*
- 162 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 23:12:01.04 ID:kY6YhsSH0
- ゴオン…ガギイン…ゴゴオン…
ダダダダダッ
魔族の子供「やめろーっ!!!」ダダダッ
ミスティ「……? 魔族の子、かしら」
イリス「ど、どうしたの……!? そこにいると危ないよ!?」
魔族の子供「そ、その家は……!! ジョンと、ジョンのママが住んでた家なんだぞ!!!」
ミスティ「……!」
イリス「!!!!」
魔族の子供「勝手に……勝手に壊すなよお……!!」ポロポロ
イリス「……あ……あぁ……」グニャァ
ミスティ「…………っ」
ローガン「……ジョン君と、そのお母様は……今どこに?」
魔族の子供「死んだよ!! お前たち人間の、勇者とかいうバケモノに殺されたんだ!!」
ローガン「……そうか。なら今は、誰も住んでいない……誰のものでもない住居ということだな」
魔族の子供「え……?」
ローガン「我々は、この土地の現所有者から委託を受けて建造物の解体を行っている。権利者でもない赤の他人である君に、我々の行動を止める権限はない」
魔族の子供「ふざ、けるなよ……。なんで……なんでだよお……!!」ポロポロ
ローガン「ちなみに、彼女らは私がこき使っている奴隷だ。恨むなら私一人を恨め、少年」
魔族の子供「うわああ!!! ばかやろー! ばかやろー! 奴隷使いのクソジジイ!! 地獄に堕ちろーッ!!!」ダダッ
イリス「あ……」
ミスティ「…………ローガンさん……ごめんなさい……。あなた一人に……嫌われ役を……」
ローガン「気にしないで頂きたい。私はかつて、何人もの魔族と魔物を殺した男だ。既に地獄行きは決まっている」
ミスティ「……あなたが、そう言うなら」
◇
- 163 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 23:13:21.04 ID:kY6YhsSH0
- 更地「」
入植者の男性「おおー、綺麗にしてくれたね! これは約束の報酬だよ!」スッ
硬貨の入った袋「」ジャラ…
ミスティ「確認しました……。どうも……」
入植者の男性「入植者が増えればこの街はもっと綺麗で住みやすくなるはずだ! 君たちには是非その一助となれたことの栄誉を感じて欲しい!!」
イリス「……」
クロシュ「……」
入植者の男性「さて、次は建築業者に連絡しないと! 今回はありがとう! さようなら!」ダダッ
更地「」
イリス「…………」
イリス「ぐすっ……。私……魔族の人たちが……住んでたおうちを……」グスグス
クロシュ「……」サスサス
妖精「……」ナデナデ
ミスティ「お疲れ様、イリス……。あなた一人の責任ではないわ……。私たち全員が背負うべきものよ、それは……」
ローガン「…………ままならぬ。優しきゆえに……苦しまなければならぬなど……」
◆
- 164 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/08(月) 23:14:54.11 ID:kY6YhsSH0
- 本日はここまでです。次回は下着編と道具調達編です
ローガン氏の加入によってパーティの平均年齢が一気に上がりました(妖精は見た目年齢が幼女なので幼女です)。若いおなごばかりだったパーティにおじさんが入ったことで、いろいろとやれることの幅が広がったような気もします。頼りになりそうです
魔族自治区にいる限り今後も胸糞の悪い描写がけっこうあると思いますが、実際そういう環境なので何卒ご容赦ください。多分、きっと、滞在の最後の方に何らかの変化が起きると思うので……
それでは本日もありがとうございました。平日の更新は厳しいかもしれません。今後ともよろしくお願いします
- 165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/09(火) 00:27:25.26 ID:+eK5R67tO
- 乙
風雪のルフは草
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/09(火) 01:21:57.51 ID:Tb6Xs8pTo
- おつおつ
魔物として生きる場合に必要な混沌視点ってこういうことかぁ……
クロシュ氏は実はもう一つ魅了的な得意魔法あるでしょ?フメイちゃんもやられてそう
- 167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/09(火) 12:14:08.73 ID:F0RDXFrdO
- 乙
ローガンさんはCV大塚明夫で脳内再生した。
どの依頼でも胸糞展開だったんだろうな・・・
- 168 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:53:08.65 ID:/TIgNr4d0
- 突然ですがエラッタです。>>75で「十数年前」と書かれている箇所がありますが、正しくは「数年前」でした。脳内で訂正をお願いいたします
ハーピィ記者こと風雪のルフは、魔族自治区で活躍する反王国活動家記者です。事実と憶測と捏造を織り交ぜた飛ばし記事を乱発し、王国や騎士団のネガティブキャンペーンを繰り返しています。魔族自治区では彼女の書くネガキャン記事を楽しみにしている住民が多く、彼らの数少ない娯楽となっているようです。また、彼女の新聞を読んで反王国思想に目覚める入植者もおり、その影響力は意外とバカにできません。逃げ足も早く、騎士団の目の上のたんこぶとなっているようです
言われてみれば、何の力も技能も持たないかわいいだけの穀潰しであるクロシュちゃんが、何の疑問もなく守ってもらえているのは少し不思議かもしれませんね……。まあ、幼い生き物を愛らしく感じるのは人間の本能なので、クロシュは自己防衛として無意識に人間に好かれやすい振る舞いをしているのかもしれません。愛嬌がなければ殺される、そんな環境もあるのでしょう
ローガン氏の声は実際渋いかもしれません。ともあれおじさんキャラをちゃんと書けていたようで何よりです
どの依頼もまあ大概ろくでもないものでしたが、クリティカルのやつだけはまあまあ悪くないものだったかもしれません
- 169 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:53:35.93 ID:/TIgNr4d0
- ―魔族自治区 表通り
イリス「……」トボトボ
ミスティ「……」スタスタ
ローガン「……」スタスタ
クロシュ「……」トコトコ
妖精「……」フヨフヨ
妖精(空気が重い……)
妖精(お金のためとは言え王国の悪逆に手を貸したも同然のことをしたのだから、人情派のイリスが落ち込むのは仕方がないと思う。割り切るの苦手そうだし)
妖精(でもミスティは流石にドライね。長年女一人で旅をしてきただけのことはある。いちいち心を乱されていたら身が持たないことを理解してるのかも)
妖精(ローガンはまだよくわからない。割り切っているのか、ハナから何も感じていないのか)
妖精(クロシュは……何やら考えている様子。落ち込んだり嘆いたりしてる様子はないけど、何考えてるんだろう。赤ちゃんスライムなりに思うところがあったのかな)
妖精(ともかく、空気が重い……)
妖精「……ねえ。稼いだお金、どう使うの?」
ミスティ「消耗品の補充・交換に、クロシュの旅支度ね。これだけあれば、高級品を求めない限りは足りるはずよ」
クロシュ「わたしのは……安物で、いいと思う」
ミスティ「だめよ。あなたは弱いのだから、流れ弾に当たっても死なないようにちゃんとしたものを装備する必要があるの」
妖精「こいつ、周囲が燃え盛っていてもそこそこ平気でいられる程度には頑丈だよ」
ミスティ「えっ、スライムなのに……? いや、でもだめよ。自身の耐久力にあぐらをかいた結果呆気なく死んでいった愚か者を何人も見たわ」
妖精「一理ある。まあお言葉に甘えて良いの買ってもらいなよ、クロシュ」
クロシュ「うん……」
妖精「そうと決まれば……いや、そういえばクロシュって人型になると服を着てるけど、スライムに戻ると服着てないよね? どうなってるの?」
ミスティ「……私も、それは少し気になっていたわ」
クロシュ「えっと……服も、作ったり、戻したり……」
妖精「ええ!? 作れるの!?」
クロシュ「うん……。形と肌触りを覚えれば、見た目と質感は大体再現できるよ……。わたしから離れると、黒いデロデロに戻っちゃうけど……」
ミスティ「犬になった時はフサフサモフモフだったわね、そういえば……。普通のスライムにあそこまで高度な擬態はできない気がするわ……」
妖精「反映魔法ってやつのなせるワザなの?」
クロシュ「え、えと……わかんない……。気がついたら、できたから……」
ミスティ「……気にはなるけど、今はとりあえず服屋を探しましょう。私もいろいろ買い替えたいし」
◇
- 170 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:54:17.74 ID:/TIgNr4d0
- ―魔族自治区 表通り
アラクネの服屋
ワイワイ キャッキャ
旅行者の少女A「てかこのセンスめっちゃヤバくない!?」
旅行者の少女B「めっちゃわかる〜! 最先進って感じ〜!」
キャピキャピ
アラクネ店主「ど、どうして人間がこんな寂れた店に……」ビクビク
カランカラン
ミスティ「どうも」スタスタ
イリス「こ、こんにちは……」
クロシュ「……」ペコリ
ローガン「失礼する」スタスタ
アラクネ店主「また来た……。今日は厄日かしら……」
- 171 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:54:50.79 ID:/TIgNr4d0
- *
蜘蛛絹のハンカチ「」サラサラ
クロシュ「わあ……」
イリス「これ、肌触りがすっごい良い……!」
ミスティ「蜘蛛絹って書いてあるわね……。見た目は普通の絹にそっくりだけど……」
ローガン「蜘蛛絹とは、蜘蛛の糸を編んで作られた繊維のことだ。絹のように心地よい肌触りでありながら非常に高い靭性を持つ。特にアラクネのものは魔法に強い耐性があるらしく、ここ魔族自治区で人気の特産品の一つなのだが……」
妖精「王国に搾取されてるんでしょ、知ってる」
ローガン「御名答。ここで生産される蜘蛛絹製品のほとんどは王国に捨て値で輸出させられる。そしてそれらを低価格で仕入れた王国の業者は、自社ブランド品としてそれを高値で売り捌くというわけだ」
イリス「……」ギリリ
旅行者の少女A「それ聞いたことある! めっちゃナメてるよね!!」ズイッ
旅行者の少女B「王国のブティックで売ってる服めっちゃ高いもん! しかもセンスないし!!」ズズイッ
イリス「――」ポカーン
ミスティ「あ、あなたたちは……?」
旅行者の少女A「あ、ごめんね名乗りもせず! うちら、王国から旅行で来たただの学生!」
旅行者の少女B「王国民の癖に何言ってんだこいつって思うかもしんないけど、けっこういるんだよ。王国のやり方が良くないって思ってる人もさ。学生運動とかもけっこうやってるし」
イリス「……!」
ミスティ(学生か……。懐かしい響きね……)
旅行者の少女A「あたしたちも、あたしたちなりに何かできることはないかなって思ってね」
旅行者の少女B「直接買いに来たってわけ!」
旅行者の少女A「売りたい価格で売って欲しいよね〜、やっぱ」
ミスティ「なるほどね……」
妖精「……」
イリス「……ねえ、私たちも買おうよ!」
妖精「そのために来たんでしょ」
イリス「そ、そうだけど……下着とかもいろいろ! 蜘蛛絹のものなら、丈夫で旅にも向いてるだろうし……!!」
ミスティ「そうね……。一応言っておくけれど……ローガンさんもいるのよ……」
イリス「あっ……///」
ローガン「……私は外で待っていよう」スタスタ
旅行者の少女A「おじさんめっちゃ紳士〜!」
*
- 172 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:55:20.54 ID:/TIgNr4d0
-
カランカラン
アラクネ店主「毎度ありがとうございました……」ペコリ
アラクネ店主「……」
アラクネ店主「…………」
アラクネ店主「………………」
アラクネ店主「……なによ……同情のつもりなの……」
アラクネ店主「………ふざけないでよ……」
売上金「」ガッ
アラクネ店主「こんな金……人間なんかの、金なんて……!」グッ
売上金「」プルプル
アラクネ店主「…………」グググ
アラクネ店主「……」ガクッ
売上金「」カシャン…
アラクネ店主「う、ううぅ……うぐううぅぅ……」ポロポロ
アラクネ店主「これがなきゃ………あの子たちを食わせてやれない……」ポロポロ
アラクネ店主「……なんて……惨めなの………」ポロポロ
売上金「」ポタッポタッ…
☆蜘蛛絹の下着・肌着を買いました
☆クロシュが蜘蛛絹繊維を覚えました
◆
- 173 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:55:51.38 ID:/TIgNr4d0
- ―魔族自治区 表通り
雑貨店
イリス「わあ! ここも良い品揃え……!」
ローガン「先程も言ったが、ここの道具は質が良い。良いものを揃えられるだろう」
ミスティ「不足しているのは緊急用のマナポーションと、日持ちする保存食と……。テントも大人数用のが欲しいわね……」ブツブツ
イリス「あ、それなら複数人キャンプ用に調理器具を買い足しても良い? 軽くて丈夫な鉄鍋が手に入っちゃったから、なんか欲が出てきちゃって」
ミスティ「良いんじゃないかしら……。ああ、でも貨物手段と移動手段は考えておいた方が良いかも……」
イリス「えっ」
ミスティ「私のソリ、そもそも二人用なのよ……。クロシュが小さいからなんとかなったけど、ここから人数が増えたり荷物が増えたりすれば多分限界を超えるわ……」
イリス「あっ……!」
ローガン「ふむ……。私が加入した場合のことであれば心配には及ばぬ。馬ほどの速さは出ないが、重装備での長距離走行は心得ている」
ミスティ「えっ……!?」
イリス「いやローガンさん一人だけ走らせるなんてできないですよ!?」
ローガン「だが、他に代案があるのか?」
クロシュ「えと……わたしも……犬になれば、走れるかも……」
イリス「どうして自分で走る方向に行くの!?」
☆旅の準備を整えました
☆クロシュ用の道具を揃えました。長距離移動が可能となります
◇
- 174 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 19:56:38.17 ID:/TIgNr4d0
-
ミスティ「これで良し、と……。あとは……」
イリス「クロシュちゃん用の武器でも買っていく? ここ、武具店も併設されてるみたいだし」
ミスティ「……そうね。移動手段は一旦保留にして、クロシュ用の装備を整えましょうか」
イリス「うん……! 店員さん、すみません!」
人型スライム店員「はあ〜い。何かご入用かしらあ?」
イリス「あの、スライムの子に適した装備ってありますか?」
人型スライム店員「スライムの子に……? でも、あなたたちは人間の旅人さんじゃ――」
クロシュ「……」ペコリ
人型スライム店員「――なるほどねえ。そういうことならご案内するわあ〜」
*
人型スライム店員「ふむふむ……反映魔法を使う擬態に秀でた黒いスライム……初めて聞くわねえ……」
妖精「擬態するスライムは他にもいるでしょ?」
人型スライム店員「反映魔法のことよお。擬態はあくまでスライムの生得能力だもの。う〜ん……まあ、とりあえずこれを持ってみて」ヒョイ
鉄の小盾「」ポン
クロシュ「ん……」カチャ
人型スライム店員「スライム種全般が共通して秘める能力の一つに、体内に何らかの物質を取り込んで自己強化するっていうものがあるのお。例えばその子盾なら、体が少し頑丈になる、みたいなねえ。クロシュちゃんはできそお?」
クロシュ「……?」
人型スライム店員「食べて消化するんじゃなくて、自分自身の一部として体全体に行き渡らせるイメージよお。ちょっと難しいかしらあ……?」
クロシュ「んん……」
↓1コンマ
01-70 わかんない(経験1/3)
71-90 あと少し (経験2/3)
91-00 できた (経験3/3)
- 175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 19:57:17.29 ID:P0mZsPq10
- あ
- 176 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 20:08:30.08 ID:/TIgNr4d0
- クロシュ「んん〜……」ムム
人型スライム店員「うふふ、難しいわよねえ。これ、優しい子ほど苦手なのよお」
妖精「そうなの? ていうか性格って関係あるの?」
人型スライム店員「そうねえ。性格っていうかあ、気性が荒くて闘争心の強い子ほど、力への渇望も強いでしょお? そういう子は、教えなくても勝手に覚えちゃったりするのよお」
妖精「なるほどね……。確かにクロシュは苦手そう」
クロシュ「む〜……」
イリス「あはは……クロシュちゃんはそれだけ優しくて良い子ってことなんですね!」
人型スライム店員「ええ。こういう子にこそ、平和で優しい世界を生きて欲しいのだけれどねえ……。そういうわけだから、その小盾はあげるわあ」
クロシュ「!」
イリス「い、いいんですか!?」
人型スライム店員「ええ。同じスライムのよしみよお。いろいろ世知辛いけれど、なんとか生き延びてねえ……」
クロシュ「……うん。ありがと、ございます……」ペコリ
☆小盾を手に入れました
☆今後、自由行動などで自己強化の練習を行うことができます
◆
- 177 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 20:09:20.85 ID:/TIgNr4d0
- ―昼
魔族自治区 裏通り
魔族の浮浪者「……」ジッ
魔族のストリートチルドレン「……」ジー
スタスタ…
ミスティ「ねえ、本当にこっちなの……?」
イリス「う、うん。多分合ってるはず……。あの頃と同じなら……あ!」
妖しい商店「」ゴゴゴゴゴ…
イリス「こ、ここ! 記憶にある店と同じだもん!」
クロシュ「……?」
ローガン「……何の店なのだ、これは?」
イリス「え、ええと……魔法に関係する店、だと思います……」
妖精「ろくでもない気配がぷんぷんするんだけど……」
ミスティ「……イリスを信じて入ってみるしかないわ……」
*
―妖しい商店 店内
カランカラン…
爬虫類の干物「」
壁にかけられた謎の布袋「」
謎の液体が詰まった小瓶「」
何かの骨「」
妖しい宝玉「」
クロシュ「わ……」
ローガン「こ、これは……」
ミスティ「……なるほど。魔法の店というのは間違いないわね……」
妖精「……」
イリス「ごめんください……! あの、誰かいますか……!?」
店の奥「」ガタ…
スタスタ…
クロシュ(あ……誰か、来た……)
- 178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 20:09:53.04 ID:/TIgNr4d0
- イリスの師匠の知り合いの魔法使い
↓1
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】
- 179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 20:12:47.59 ID:P0mZsPq10
- 【名前】フラナ=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】439歳
【容姿】金髪ロングの幼女
【性格】ややわがままだが知識・経験は豊富
【魔法】血を操る魔法が得意だが闇魔法も使える
【備考】日の光はある程度平気なのでよく外に出て魔法役の材料を探している
- 180 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:11:53.72 ID:/TIgNr4d0
- フラナ「その声は……イリス?」スタスタ
イリス「フラナさん!」
ローガン(この娘……吸血鬼か……!)
ミスティ(小さい……でもこのプレッシャー……! 只者じゃない……!)
フラナ「大きくなったわね。あいつは一緒じゃないの?」
イリス「はい。私、修行の旅をしているんです……!」
フラナ「へえ。それでわざわざ、この腐った国へ物見遊山に来たってわけね」
イリス「ち、違います……! その、ここに来たのには理由があって――」
*
フラナ「……なるほどね。王国に喧嘩を売っちゃったから、逃避行の支度をするついでにスライムの装備を整えにきた、と」
イリス「は、はい……! それで、その、あわよくばフラナさんにお力を貸していただければ、なんて……」
フラナ「……クックック。じゃあお前たちは、既に王国を敵に回した反逆者ってわけだ」ニヤァ
イリス「えっ……い、いやまあ、一応、そういうことになる……のかな……?」
フラナ「……逃げ回るより、もっと良い方法があると言ったら……どうする?」
イリス「えっ……?」
ミスティ「……先に言っておくわ。私たちは王国に投降する気はない。もしあなたが密告しようというのなら、全力で抵抗――」
フラナ「ああ、勘違いしないで。私はそんな冷たい提案をしようとしているわけじゃない」
ミスティ「では……?」
フラナ「――革命軍に加わりなさい。イリスとその朋友たちよ」
全員「――!!?」
- 181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:14:25.91 ID:/TIgNr4d0
- フラナ「ここに来たなら既に見ていると思うが――私たち魔族は、完全に王国の奴隷だ」
フラナ「奴らに虐げられ、奉仕を強いられ、血と涙と魂を踏み躙られ続けている……」
フラナ「見たでしょう? 腐った貴族に蹴り飛ばされる魔族の子を」
妖精「……」
フラナ「見たでしょう? 腐った冒険者に拐かされる淫魔の女を」
ミスティ「……」
フラナ「見たでしょう? 友の家を壊され、慟哭を上げる少年の姿を」
イリス「……っ」
フラナ「――もう、道は二つしかないのよ。このまま奴らに、永久に殺され続けるか……」
フラナ「自由を勝ち取る為に、武器を手に立ち上がるか――」
イリス「……!!!」
フラナ「……それに、あなたたちにとっても悪い話ではないでしょう? 王国に追われるくらいなら、逆に奴らを追い出してしまえば良い。それで事足りるわ。そして平穏な時間は帰って来る」
クロシュ「…………」
フラナ「スライムの子よ。お前が受けた苦痛を私たちは知っている。お前が我々と共にあると言うのであれば、王国に勝利した暁には悠久の平和を約束するわ」
フラナ「そして……お前の友だというフメイという子の捜索も、全面的に協力する用意がある」
クロシュ「!!!」
フラナ「さあ、手を取りなさい。私たちと共に――」
ローガン「待たれよ!」ズイッ
フラナ「何。聞けば、あなたは王国の反逆者でもない部外者らしいじゃない。密告されても困るからここで闇に葬ってあげても良いのよ?」
ローガン「……話し合いの時間をいただいても良いだろうか。私たちは全員で一つのパーティだ、意思は統一しておきたい」
フラナ「仕方ないわね……。もし断る場合、申し訳ないけど忘却の魔法を受けてもらうからそのつもりで」
ローガン「……承知した」
フラナ「あと、全員一緒である必要はないわ。一人でも戦う意思のある者がいれば、私は歓迎する。それだけ覚えておいて」
*
ローガン「……先に言っておく。私は断る」
ミスティ「……私も断るわ。この国の為に命を賭ける気はない」
妖精「私はどっちでもいい。どっちに転んでも死なない自信あるもん」
イリス「わ、私は……っ」
ミスティ「……イリス。気持ちはわかるけれど、やめておきましょう。あなたが深入りすべき問題ではないわ、これは……」
ローガン「うむ……。薄情かもしれんが……これは、魔族自治区と王国の問題だ。外様の我々に関与しなければならぬ理由はない」
クロシュ「……」
妖精「クロシュはどうしたいの? クロシュが行きたい方に付いてってあげるよ、私」
クロシュ「…………」
↓1〜5
1.断る
2.革命に加わる
- 182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:15:59.94 ID:vZW0b/0AO
- 2
- 183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:22:59.23 ID:R+uIJB5cO
- 1
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:25:43.74 ID:tcPfQskko
- 2
- 185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:30:08.07 ID:/TIgNr4d0
- 21:44:59に締め切ります。同数だった場合、クロシュは決断できなかったという選択を取ります。このレスは安価に含まれません
- 186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:30:39.18 ID:ib0YRf5O0
- 2
- 187 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:51:14.98 ID:/TIgNr4d0
- クロシュ「わたし……革命、したい」
イリス「……!!!!」
クロシュ「……王国のせいで……みんな……苦しんでる……。もう……わたしの村みたいなのは……もう、嫌だもん……」
ミスティ「………そう……。そう、よね……。あなたは……見過ごせない、わよね……」
クロシュ「ミスティさん……。ごめんなさい……装備……返し――」
ミスティ「いいわ……。その旅の装備はもうあなたのものよ。返す必要はないわ……」
クロシュ「…………」
イリス「……ミスティ、ごめん……。私も……やっぱり、見過ごせない……」
ミスティ「……………そう……。イリスは……優しすぎる、のよ………」
イリス「そんなんじゃ……」
ミスティ判定 仲良し度大
↓1
01-20 ミスティ離脱
21-00 ミスティ残留
ローガン判定 仲良し度小
↓2
01-80 ローガン離脱
81-00 ローガン残留
- 188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:51:50.73 ID:P0mZsPq10
- たのむ
- 189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:52:49.93 ID:ib0YRf5O0
- あ
- 190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:52:54.22 ID:/TIgNr4d0
- あ、訂正です。ローガン氏は死に場所求めたがりおじさんなのでここでミスティさんが成功したら自動成功でした
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:53:07.29 ID:vZW0b/0AO
- いけるか
- 192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 21:54:28.12 ID:/TIgNr4d0
- 言うまでもなかった。仲良しパーティでした。おめでとうございます
- 193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 21:59:58.55 ID:tcPfQskko
- ミスティお姉さん……!
ナイスぅ!
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 22:26:09.66 ID:a4QLrRcz0
- 正義感と優しさを持つけど向こう見ずじゃないイリス
中立の冷静な視線を持つ、なんだかんだイリス並にお人好しなミスティと妖精
年長者として落ち着きのあるローガン
安定感のあるパーティーになりそうな感じある
ネックはローガン氏の死に場所求めか
でも今の所は周りの人を巻き込みそうな感じはしないから、パーティーなら大丈夫かな?
クロシュちゃんはこれからの成長に期待
- 195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 22:26:55.54 ID:/TIgNr4d0
- ミスティ「…………っ」
ミスティ(放っておけるわけ……ないじゃない……!!)
ミスティ「私も……参加するわ……!!」
イリス「え……?」
ミスティ「あなたたち、放っておくと死んじゃいそうだもの……。べ、別に……良いでしょ……?」
イリス「ミスティ……! ミスティ……!!」ダキッ
ミスティ「わっ、く、くっつかないで……!!」
ローガン「……ふう。それもまた良し、か」
妖精「おじさんは一人寂しくパーティ離脱ってこと?」
ローガン「いや。正直に言って他国の事情に首を突っ込むのはやはり気が進まないが……さりとて、君たちをこのまま死地に行かせるのはもっと気が進まぬというか……」
クロシュ「えっと……?」
ローガン「……ああ、そうとも。私も参加させてもらおう。ただし、革命戦士ではなく君たちを守る盾としてな」
クロシュ「……!!」
イリス「ローガンさん……!」
ミスティ「何よ……結局全員参加じゃない……」
クロシュ「えへへ……」ニヘラ
妖精「……ふふ。まあ、こういうのも悪くないかも」
*
- 196 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 22:30:12.69 ID:/TIgNr4d0
- フラナ「……話はまとまったようね?」
イリス「はい……! 私たちは、魔族の解放に力添えします……!」
ミスティ「……参加はするけど、自分たちの生存を優先させてもらうわよ。それでもいい?」
フラナ「ええ、もちろん。生きて未来を掴むことこそが、真の勝利よ」
クロシュ「よろしく、お願いします……!」
妖精「私とクロシュは戦闘能力皆無だから後方支援でお願い」
フラナ「擬態スライムと妖精……ククク、素晴らしいわ。あなたたちを前線で使い潰すほど無能ではないわよ、私は」
ローガン「……私は人間だが、ここのやり方に思うところがないわけではない。参加させてもらおう」
フラナ「まあ、戦力になってくれるのならなんでもいいわ」
ローガン「ところで聞いておきたいのだが、もし勇者≠ェ投入された場合はどうする? 打つ手はあるのか?」
フラナ「ああ、それなら問題ないわ。だって勇者は――」
フラナ「もう、死んでいるもの」
◆
- 197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/13(土) 22:46:35.16 ID:/TIgNr4d0
- 本日はここまでとなります
全員揃って革命ルート進出おめでとうございます。実をいうと>>1は不参加ルートに進むだろうと思っていたので、少々びっくりしています。まあでもクロシュちゃんとイリスさん的には王国殺すべし!が正道な気もします。お人好しのミスティさんと死にたがりのローガン氏も離脱せず、結果的にパーティの結束が高まった一件となりました。ちなみに妖精はクロシュの保護者気取りなので多分どんなルートでも付いてきます
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 22:54:26.54 ID:a4QLrRcz0
- 乙です
勇者(出番が来る前に)死す!
- 199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 22:58:27.45 ID:ib0YRf5O0
- 乙
- 200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 23:07:50.15 ID:vZW0b/0AO
- 乙
フラナ師匠魔王軍残党的な感じかな
- 201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/13(土) 23:44:34.36 ID:CnSN057DO
- 乙
勇者キャラ募集するのかなと思ったけどもう勇者死んでた
- 202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 00:12:42.36 ID:j0X65tw20
- 勇者ェ…
- 203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 03:49:58.88 ID:GEDhXpvZo
- おつおつ
>なんの力も能力も持たないかわいいだけの穀潰し
暴言のキレ味が鋭すぎて草
懐かしのABコンビだぁぁぁああ!こういうの好き!
☆のシステムメッセージ?でも言及されたけどクロシュちゃん色々見たり触ったりして蓄積していくとやっぱり大化けするぞこれ
- 204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 20:47:37.56 ID:8kf/9q6s0
- 勇者についてはまあいろいろあるのですが、詳しいことはおいおい明かされていくかもしれません
フラナ氏自身はかつての魔族国においては軍人だったわけでも幹部だったわけでもないようです(逃亡せず最期まで戦った魔族の軍人や幹部は全員戦死または処刑されています)
しかし実力は当時の魔族軍幹部クラスを凌ぐものがあり、他に適任もいないので革命軍の指導者を務めています
戦火に身を投じる選択をした今のクロシュ氏なら、才能を開花させる日もそう遠くはないかもしれません
ところで、勇者の死を惜しむ声をたくさんいただいたので、勇者(故人)のキャラクター案を募集します
故人ですが今後の展開に影響を与える可能性があります。よろしくお願いします
↓1
【名前】
【種族】人間
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】(故人。生前は単騎で魔族国を一方的に蹂躙できる強さがありました)
- 205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 20:58:58.02 ID:GEDhXpvZo
- 【名前】サイン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】22
【容姿】金髪碧眼。襟足長め。全体的に華奢で小柄。
【性格】何事にも揺れない(様に見えた)、冷静沈着で口数が極端に少ない
【魔法】光魔法。出力がおかしい。地形に影響があるくらいは朝飯前
【備考】故人。魔族自治区が成立したあたりで突然血を吐いて斃れた、寿命であったと大きく喧伝されている
- 206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 20:59:54.89 ID:KvjG/yFH0
- 【名前】レイ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】享年18歳
【容姿】黒髪の青年。身長は普通
【性格】前向き
【魔法】光魔法が得意
【備考】(故人。生前は単騎で魔族国を一方的に蹂躙できる強さがありました)
- 207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:01:02.00 ID:ZK7JQzgz0
- 【名前】フレア・コールソン
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】黒髪ポニテ。平均的な身長、あどけなさを残した少女
【性格】穏やかで優しくも芯が強い、『普通の女の子』
【魔法】攻防一体の光の魔翌力を扱う。ただそれだけだが出力も持続力も尋常じゃない
【備考】(故人。生前は単騎で魔族国を一方的に蹂躙できる強さがありました)
普通の村人でありながら、聖剣に選ばれた女の子
彼女自身は人間でありながら、魔族や他の種族に特に敵意も隔意もない、聡明で強い心を持ちつつもごく普通の優しい一人の少女であった
- 208 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 21:04:23.95 ID:8kf/9q6s0
- >>205
ありがとうございます。ところで備考欄の記述について、王国はそれを喧伝せず隠蔽しているという内容に変更させていただいてもよろしいでしょうか?
- 209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:08:37.22 ID:GEDhXpvZo
- すみません変更をお願いします
- 210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 21:17:32.46 ID:8kf/9q6s0
- ありがとうございます、変更させていただきます。惜しくも間に合わなかった方も、ありがとうございました。それでは本編に移らせていただきたいと思います
- 211 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 21:21:10.25 ID:8kf/9q6s0
- ―妖しい商店
ローガン「死んだ、だと……? そんな話は初めて聞いたが……」
フラナ「自国の最強戦力が失われたことを知られたくはないのでしょう。彼の情報についてはあの日から徹底的に隠蔽されているわ」
ローガン「……それならなぜ、貴女はそのことを知っている?」
フラナ「……これも公には知られていないことなのだけれど……。勇者に大勢の魔族が殺されたあの日……魔王≠ェ生まれたわ」
ミスティ「!?」
イリス「えっ……!?」
ローガン「なっ……!!」
妖精「……」
クロシュ「……?」
妖精「……クロシュ、魔王≠チて何かわかる?」
クロシュ「えっと……魔族の、王様……?」
妖精「字面はそうだね。けど、意味は全然違うんだよ」
フラナ「……歴史に疎い子が勘違いするのも無理はないわ。私たちが使わされているこの公用語って王国発祥のものなんだけれど、あいつら自分たちが嫌いなものは全部魔≠ナ一括りにするんだもの。だからこういう誤解が生まれるのよ」
イリス「えっとね、クロシュちゃん。魔王っていうのは……なんて言えば良いかな……。生きる災害っていうか……」
ミスティ「種として……いえ、生命体としての殻を破り、破滅的な力を得てしまった存在のことよ……。尋常な生命だった頃の性質は失われ……ひたすら破壊と殺戮をもたらすだけの災害と化す……と言われているわ……。合っている、かしら……?」
フラナ「ええ、説明ありがとう。もう少し付け加えると、強烈な感情が引金になることが多いらしいわ。多分あの魔王も……勇者に何もかもを壊された魔族たちの怒りか……あるいは、哀しみか……。とにかく、凄まじい感情が魔王を顕現させたのでしょうね。私も魔王を見たのはあれが初めてだったから、想像の域は出ないのだけれど……」
ローガン「魔王……歴史上に語られるのみの存在だと思っていたが……」
フラナ「話を戻すわね。顕れた魔王は、周囲に甚大な破壊を齎しながら明確な殺意を持って勇者を襲ったわ。そして激しい死闘の末、勇者は辛くも魔王を撃破したのだけれど……勇者自身もまた、致命的な呪いを受けていたわ……。勇者がいかに規格外の超人だったとしても、あれで長く生きていられるわけがない。実際、あの日以来勇者は公の場に姿を現していないのよ」
イリス「そ、そんなことが……」
ミスティ「……解呪される可能性は?」
フラナ「絶対に不可能。術式の問題じゃなくて、量の問題でね。海の水を干上がらせるようなものだもの」
ミスティ「……理解できたわ」
フラナ「まあ、そういうわけだから。王国は隠蔽しているけれど、私たちは既に勇者の死を知っているのよ。だから後は、烏合の騎士団をどう追い出すかってだけ」
ローガン「最大の懸念点は既にないというわけか。それを聞けて安心した」
フラナ「勝ち目のない戦だったら挑まないわ。私たち革命軍には、魔族国の罪なき国民全ての命がかかっているのだもの」
ローガン「うむ……。それでは、現在の戦力や作戦について把握しておきたいのだが――」
フラナ「ええ、今現在の革命軍は――」
*
- 212 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 21:22:05.57 ID:8kf/9q6s0
- クロシュ(それから、フラナさんとローガンさんを中心になんだかよくわからない話し合いがしばらく続いた)
クロシュ(とりあえず、わたしと妖精さんは、決行の日に後方支援……。余裕があれば騎士に擬態して、王国の人を誘き出したり、嘘の情報を流したりすれば良い、らしい……)
クロシュ(よくわかんないけど……みんなで生き残って……王国を追い出して……この国の平和を取り戻して……)
クロシュ(そしたら……。フメイちゃんを、捜しに行きたいな……)
◆
↓革命決行まで
01-40 あと二日(残り2ターン)
41-80 あと三日(残り3ターン)
81-00 あと四日(残り4ターン)
- 213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:22:48.17 ID:KvjG/yFH0
- あ
- 214 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 21:46:15.41 ID:8kf/9q6s0
- ―翌朝
魔族自治区 宿
チュンチュン
クロシュ(スライムの姿)「…モニョ……」zzz
妖精「……すう、すう……」zzz
ミスティ「……朝ね」
イリス「……ど、どうしよう。あんまり眠れなかった……」
ミスティ「ちゃんと睡眠は取っておかないとまずいわよ。決行は明後日なんだから」
イリス「わ、わかってるけど……でもちょっと急すぎない……!? もう今日と明日しかないなんて……!」
ミスティ「……フラナさん……革命軍からすれば、私たちの加入の方こそ急だったんじゃないかしら……」
イリス「そ、それはそうだけどお……」
ミスティ「……絶対、生き残りましょう。全員で」
―革命決行日まであと[2日]
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人のローブ(擬)
◇妖精 武:なし 防:妖精のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[1/3]
・革命の準備
今日は何をする?
↓1〜3 自由安価
- 215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:47:32.66 ID:Bz8PBpBIO
- フラナ、イリスとミスティ相手に模擬戦
- 216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:53:22.02 ID:ZK7JQzgz0
- 騎士への擬態の練習
- 217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 21:54:02.42 ID:KvjG/yFH0
- 近くの森で魔法薬の材料のキノコ採集
- 218 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 22:17:41.63 ID:8kf/9q6s0
- ―妖しい商店 地下
ガギンッ! シュバッ!
ゴウッ!
ミスティ「はっ!」バッ
氷柱「」ヒュンヒュン
フラナ「あはっ、遅い遅い!」ガキンガキン!
イリス「光よ!」カッ
フラナ「その程度の薄明かりが効くか!」ゴウッ
闇「」グオオッ
イリス「あっ――」
ミスティ「イリス!!」
闇「」ピタッ
闇「」フッ
イリス「―――はあっ、はあっ……!」
フラナ「……まあ、大体わかったかな。そこらの雑兵には負けないだろうけど、隊長格が相手だとちょっと怪しいわね」
ミスティ「……そうね。実際、隊長格っぽいやつには負けかけたわ……」
フラナ「やっぱり。私の審美眼もなかなかね」
イリス「くう……も、もう一回お願いしますっ!」
フラナ「いいわ。でも次は寸止めできないかもよ?」ニヤァ
↓1
01-30 根性は認める
31-60 もう一息
61-90 一発入れた
91-00 連携◯
- 219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 22:18:22.55 ID:jwfVs27b0
- あ
- 220 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 22:44:46.38 ID:8kf/9q6s0
- キンキンッ シャキンッ
ガガガッ
カッ ゴウッ
イリス「う、うぐうう……」バタッ
ミスティ「も、もう……私……無理……」ガクッ
フラナ「お疲れ様。初めよりも連携が取れるようになってたわ。隊長格が相手でも、相手が一人ならやり込められるかもね」
ミスティ「……有利な状況を想定しても仕方ないわ。常に最悪の状況を考えて……」
フラナ「最悪を想定するのは大事だけど、そればかりじゃ歩みが鈍るわ。人も魔族もね」
ミスティ「……」
イリス「だ、大丈夫です! ミスティは確かにちょっと後ろ向きなところがあるけど、その分私は前向きだから……!」
フラナ「ふふ、そうね。昨日も言ったけれど、当日あなたたちはなるべく離れないようにするのよ? 戦闘面よりも、心理的な面で補い合える部分が多いわ」
イリス「はいっ……!」
ミスティ「……ふふ。そうかも、しれないわ……」
◆
- 221 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/14(日) 22:45:23.09 ID:8kf/9q6s0
- 本日はここまでです。次回は騎士擬態練習編とキノコ採集編になります
魔王化はこの世界においては誰にでも起こり得る現象だったりします。人でも魔族でも魔物でも動物でも植物でも、命を持つ者は魔王化する可能性を秘めています。また、魔王となった存在が元に戻った例は歴史上一度も確認されていないため、魔王化は不可逆の変質であると考えられているようです
それでは本日もありがとうございました。平日の更新は厳しいかもしれませんが、よろしくお願いいたします
- 222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 22:53:58.68 ID:vcL57i27O
- おつ。
戦力的にパーティメンバー増やしたいな。
傭兵キャラ投げたけど出番あるといいな。
- 223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 23:13:29.51 ID:KvjG/yFH0
- 乙
この革命もまだステージ1なのかな。
ギルドの受付嬢さんも魔族だったのかな。
- 224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/15(月) 01:09:25.50 ID:ONZjCVtVo
- おつ
魔王の情報開示たすかる
イリミスのベストコンビてぇてぇ
- 225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/15(月) 12:41:02.78 ID:VrIZfjGuO
- 乙
移動中ランダムイベントにあった野生の魔王って…
- 226 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 17:34:16.31 ID:mVRR9VNt0
- 現状だと戦える人がイリス、ミスティ、ローガンの三人だけなので確かに少し心許ないかもしれません。一応クロシュも頑張れば戦えるようになり、妖精もやろうと思えば補助的な魔法が使えます
主人公候補として投下していただいたキャラクター案は今後も機会があれば加入する可能性はあります。また、仲間にはなりませんが自由安価で情報交換や交流することもできます。ただ、今は魔族自治区での革命前なので、仲間になっていない人間のキャラクターが登場すると良くない方向に向かうかもしれません
一応、魔族自治区での活動はステージ1に該当します
冒険者ギルド魔族自治区支部の受付嬢さんは人間です。冒険者ギルドの受付嬢は現地の人を雇用する場合と本部から出向してくる場合があり、魔族自治区支部は本部からの出向のようです。基本的には現地の人を雇うパターンが多いのですが、魔族自治区の現地人にとっては冒険者の存在自体がかなり不評のため、やはりここで働きたがる魔族はあまりいなかったようです
ちなみに本部から出向してくるタイプの受付嬢は特殊な訓練を受けているため、平均的な兵士や冒険者よりも強いです
イリスとミスティは同年代の魔法使いの旅の仲間ということもあり、お互いの存在が良い刺激になっているようです
一応歴史的な事実として残ってはいますが、歴史の影で人知れず発生していた魔王もけっこういるのかもしれません
- 227 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 17:35:07.02 ID:mVRR9VNt0
- ―魔族自治区 大通り
騎士A「――」スタスタ
騎士B「――」スタスタ
妖精「いたいた。クロシュ、覚えられそう?」
クロシュ「ん〜……」
ローガン「難しいか?」
クロシュ「……触ったりしないと……わかりにくい……」
妖精「難しいこと言うなあ。変な真似して目を付けられたら面倒だし」
ローガン「ふむ……。ならば私の鋼魔法で彼らの鎧の模造品を作ってみるのはどうだろうか。外見を模すだけであれば私の鋼魔法でも十分なはずだ」
妖精「へえ、そういうこともできるんだ。見るだけで模倣できるの?」
ローガン「しっかり見て記憶すれば理論上は可能だ」
妖精「理論上は……。まあ、やるだけやってみても良いんじゃない? クロシュもそれで大丈夫そう?」
クロシュ「う、うん……多分……」
ローガン「よし。それでは早速観察して来よう」スタスタ
↓1 ローガンの造形技術
01-10 なんか違う……
11-30 よく見なければバレない
31-70 割と大丈夫そう
71-90 違和感に気付けたら鎧マニア
91-00 鋼の造形術師
↓2 クロシュの即席擬態
01-10 スライム騎士
11-30 幼女騎士
31-70 とりあえず外見は擬態できた
71-90 声色や口調まで似せてきた(演技力UP)
91-00 ???
↓3 ついでにクロシュの自己強化練習(主題ではないため成功率低)
01-60 変わらず(経験1/3)
61-85 あと少し(経験2/3)
86-00 できた (経験3/3)
- 228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 17:41:14.69 ID:ModJwc59O
- た
- 229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 17:48:07.07 ID:uMm3NP1m0
- あ
- 230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 17:48:43.16 ID:D3RAru1DO
- はい
- 231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 18:03:01.05 ID:phJbYLOjO
- かわいいだけの穀潰しの面目躍如だなぁ……
- 232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 18:07:45.76 ID:mVRR9VNt0
- ―宿 客室
ローガン「むんッ」
王国騎士鎧の模造品「」ガチャンッ
クロシュ「わ……!」
妖精「おお〜、やるじゃん!」
ローガン「うむ……まあまあな出来だが、騎士や鎧マニアでもなければバレまい」
妖精「十分でしょ。クロシュ、これを着た騎士に擬態できる?」
クロシュ「や、やってみる……!」
クロシュ(スライムの姿)「――」デロデロ
グニョニョ
スライム騎士「――」モニョモニョガシャガシャ
ローガン「こ、これは……」
妖精「だめだこりゃ……」
☆クロシュがスライム騎士の姿を覚えました
*
妖精「もう一回! ちゃんと鎧を見て!」
クロシュ「うゆぅ……」モニョモニョ
ローガン「頑張れ……! あと一息だ……!」
クロシュ「んん……っ」
クロシュ(スライムの姿)「」デロデロ
グニョグニョ
黒髪女騎士「……で、できた……?」ガシャン
ローガン「少し鎧の中身と声が可愛すぎるが……まあ良しとしよう!」
妖精「まあ及第点かな? 兜まで被れば大丈夫でしょ」
☆とりあえず最低限の擬態はできるようになりました(苦手な擬態なので疲れます)
◆
- 233 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 18:09:46.17 ID:mVRR9VNt0
- ―怪しい商店
フラナ「訓練も一段落着いたところで、あなたたちに革命軍としての初任務を与えるわ」
イリス「は、初任務……!」ゴクッ
フラナ「これは人間であるあなたたちにしかできないことよ」
ミスティ「……先に言っておくけど、密偵とかはできないわよ」
フラナ「そんな難しいものじゃないわ。ちょっとしたお使いよ、お使い」
イリス「お使い……?」
フラナ「北の森の樹海でこれとこれとこれを採って来て」スッ
魔法薬の材料が書かれた紙「」ペラッ
イリス「これは……魔法薬の材料ですか?」
フラナ「ええ。私たち魔族は出入り禁止だから。監視をすり抜けて外に出られるのもいるけど、今手が空いてるのは新人のあなたたちだけなのよ」
ミスティ「なるほど……」
イリス「……あの、これがどういう効能の薬か聞いても良いですか?」
フラナ「これは――」
↓1
01-05 ???
06-20 人間だけを殺す毒薬
21-50 特製マナポーション
51-80 ウィッチパウダー
81-95 マジカルブラッドワイン
96-00 反魂丹
- 234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 18:15:37.96 ID:uMm3NP1m0
- あ
- 235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 19:33:55.45 ID:mVRR9VNt0
- ラナ「――反魂丹よ」
イリス「……え?」
ミスティ「……言葉の綾、ってやつかしら……」
フラナ「文字通りだけど?」
イリス「え、えええええ!!!?」
ミスティ「……信じられない」
フラナ「そんなに万能なものでもないけどね。黄泉還りにはある程度以上に壊れていない死体が必要だし、もし腐敗や劣化が進行していたらロクなことにならないわ」
ミスティ「……そんなものが、近くの森で採れる素材から作れるの?」
フラナ「いいえ。素材の殆どはここの在庫から出すわ。あなたたちに採ってきてもらいたいのは足りないほんの一部だけ」
ミスティ「……そう。でも、それを作ってどうしようって言うの?」
フラナ「あなたたちにあげるわ」
イリス「!!?」
ミスティ「……ますますわけがわからないわ」
フラナ「まあ、私も責任を感じていないでもないのよ。既に反逆者だったとは言え、情に訴えて人間であるあなたたちを巻き込んでしまったことにね」
ミスティ「……」
フラナ「戦いはきっと苛烈を極めるでしょう。だから、もしもの時の為にね」
イリス「フラナさん……ううん、フラナ師匠……!!!」ウルウル
フラナ「お前の師匠になった覚えはないが」
◆
- 236 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 19:34:48.03 ID:mVRR9VNt0
- >>235 誤字
ラナ→フラナ
- 237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 19:35:37.12 ID:mVRR9VNt0
- ―魔族自治区近郊
常闇の樹海 南部 浅層
ホーホケキョ ポッポポーホー
イリス「こ、ここが……あの常闇の樹海……!!」
木漏れ日「」キラキラ
イリス「全然暗くない!」
妖精「そりゃ浅層だもの。奥に行けばご期待に添えるんじゃない?」
ミスティ「妖精は知っているの?」
妖精「少しだけね。でも目的のキノコは浅層にあるんでしょ? さっさと見つけて帰ろうよ」
ローガン「……それにしても、反魂丹とは。魔王のこともそうだが、世には私の知らぬものごとで溢れているな……」
クロシュ「…………」
妖精「どうしたの、クロシュ」
クロシュ「あ、えと……。その……それって……燃えて、死んじゃった、生き物には……」
イリス「あ……」
ミスティ「……使用には、腐敗や劣化のしていない遺体が必要だそうよ。火に焼かれて炭化してしまった遺体には……」
クロシュ「…………」
ミスティ「……ごめんなさい」
クロシュ「……ううん……! 教えてくれて……ありがと……。わたしこそ……ごめんなさい……」ペコリ
イリス「……ミスティもクロシュちゃんも何も悪くないよ。もちろん、焼かれちゃった人たちも……。悪いのは、そうやって人も魔族も踏みにじる王国騎士の奴らなんだよ……!!」
妖精「うんうん。あいつらが全部悪いんだよね」ウンウン
イリス「だから、革命を成功させてあいつらを追い出そう! みんなで平和を勝ち取るんだ!」
妖精「おー!」
クロシュ「おー!」
ミスティ「……おー」
ローガン「……うむ」
↓1 探索判定
01-05 なんか暗くなってきてない……?
06-35 樹海オオカミだ!
36-65 普通に見つけた
66-95 森スライムの群生地
96-00 旅の仲間
- 238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 19:36:54.39 ID:xxxIQRQq0
- んお
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 19:44:46.40 ID:fmYUx3TnO
- 旅の仲間って何人まで増えるの? 見逃してたらごめん
- 240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:55:15.46 ID:mVRR9VNt0
- あと一人くらいまでは増える余地がありますが、それ以上は難しいかもしれません(>>1の限界)
- 241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:55:43.10 ID:mVRR9VNt0
- マジカルマッシュルーム「」
イリス「あった! ねえ、あったよみんな!」
ミスティ「ふむ……紙に書かれているものと一致しているわね。妖精はどう思う?」
妖精「間違いなくマジカルマッシュルームだね」
イリス「よし! これで全種揃った!」
クロシュ「わあ〜」パチパチ
ローガン「常闇の樹海に行くと聞いた時は肝を冷やしたが、なんてことはなかったな」
妖精「浅いとこはこんなもんだよ。時々常闇領域からハグレ者が出てくることもあるけどね」
ミスティ「……出くわさなくて良かったわ」
◆
- 242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:56:15.11 ID:mVRR9VNt0
- ―妖しい商店
グツグツ…
ポン!
反魂丹「」ポン!
反魂丹「」ポン!
フラナ「できたわ。はい、二つしかないから誰が持つかは慎重に決めなさいよね」
イリス「ふ、二つも……!!? フラナ師匠、本当にありがとうございます……!」
ミスティ「……本当に良いの? これほどの貴重品を」
フラナ「ええ。出費は痛いけど、平和になれば材料なんていつでも集められるもの」
ローガン「かたじけない……」
クロシュ「ありがと、ございます……」ペコリ
*
ローガン「それで、反魂丹を誰が持つかだが……」
ミスティ「前線と後方支援で分けるのが良いんじゃないかしら」
イリス「そうだね。それが一番安心できるかも」
妖精「じゃあ一個はクロシュが持って」
クロシュ「ん」
ミスティ「それじゃあ前線の分は……ローガンさんが良いかしら」
ローガン「いや、盾役の私は自由に動けん。イリスくんかミスティくんにお願いしたい」
ミスティ「なら、イリスに持ってもらおうかしら」
イリス「……え!?」
ミスティ「複数属性なら対応力もあるでしょ? 私よりは自由に動けるはずよ」
イリス「そ、そうかな……」
ミスティ「ええ。だから頼むわね」
ローガン「それではイリスくんに任せよう。何かあった時は頼む」
妖精「使わないで済むのが一番だけどね」
☆クロシュとイリスが「反魂丹」を携行します
◆
- 243 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:57:35.28 ID:mVRR9VNt0
- ―魔族自治区 朝
宿 客室
チュンチュン
バサッ
風雪新聞「種さえ撒ければ誰でもいいのか!!?国王のふしだらな異性関係に迫る!!!!」ペラ
風雪新聞「正義の炎!!!!悪徳冒険者が無様な消し炭となって発見される!!!!」ペラ
風雪新聞「明日は季節外れの大吹雪が発生する予報が出ています。善良なる市民や旅人の方々に置かれましては、戸締まりをしっかりしていただくのが良いでしょう」ペラ
ミスティ「……相変わらずね、この新聞」
イリス「でも、明日戸締まりするように書いてある。あの風雪のルフって記者……」
ミスティ「……そういうことなんでしょうね」
クロシュ「むむ……」デロデロ
黒髪女騎士クロシュ「む……」ガシャン
妖精「よしよし、だいぶ慣れてきたね」
イリス「おおー、良い感じだね! でもちょっとかわいすぎるかな?」
ミスティ「……まあ、騙せれば良いのよ。この新聞みたいに、あることないこと言ってね」
イリス「正直、その作戦にはあんまり賛成できないんだけど……四の五の言ってられないもんね」
妖精「クロシュ、嘘はつけそう?」
クロシュ「が、がんばる……」
―革命決行日まであと[1日]
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人のローブ(擬)
◇妖精 武:なし 防:妖精のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[1/3]
・革命の準備
□魔族自治区主要施設
表通り:宿、武具店、雑貨店、装飾品店、魔法店、工芸品店、大衆酒場、公衆浴場、他
裏通り:妖しい商店、娼館、薄暗い路地裏、他
旧市街:廃図書館、廃神殿、貧民街、他
今日は何をする?
↓1〜3 自由安価 行動終了後、革命に移ります
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 20:58:38.64 ID:8RtjJDL90
- フラナ、力をつけるため特製人工血液を飲み干す
- 245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:08:34.49 ID:quEnBUubO
- 皆で廃図書館で使えそうな物を探す
- 246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:08:54.23 ID:mVRR9VNt0
- >>244
申し訳ありませんが、パーティメンバーが関与しない内容のものは流石に最安価とさせていただきます。ご了承ください
なおこのレスも安価には含まれません
- 247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:10:58.98 ID:D3RAru1DO
- 廃神殿を探索してみる
- 248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:14:20.75 ID:fUHKYapUo
- 工芸品店を覗いてみる
- 249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:15:21.58 ID:8RtjJDL90
- >>244
それは失礼、では「イリス達が貧民街の子供たち(フラナの知り合い)と遊ぶ」でお願いします
- 250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:24:35.24 ID:mVRR9VNt0
- パーティメンバーが関与しないものはダメというルールを事前に通知していなかった>>1も悪いと思うので、今回は特例として>>249も採用させていただきたいと思います。申し訳ありませんでした
次回から、自由安価を書く際はご考慮くださいませ
- 251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:59:45.60 ID:mVRR9VNt0
- ―旧市街 廃図書館
図書館だった建物の瓦礫「」
イリス「ここが、魔族国立大図書館……だった場所……」
ミスティ「……見る影もないわね」
ローガン「魔族たちの文化、歴史を抹消する為に入念に破壊されたのだろう。これを掘り返すのはかなり骨が折れそうだが……」
イリス「仕方ないかあ……。墓荒らしみたいなことをするのも気が引けるし、ここは退散――」
妖精「イリスの地魔法なら掘り返せるんじゃない?」
イリス「え、ええ……」
ミスティ「……それは流石に、やめた方が……」
ローガン「大きな音を立てれば騎士が来るかもしれんぞ」
妖精「でも明日は命を賭けた戦いなんだよ? 遵法精神はご立派だけどそんなんで生き残れると思ってるの?」パタパタ
イリス「で、でも……」
妖精「ここを掘り返せば魔族国のすごい魔導書とかが出てくるかもしれないんだよ。生き残りたくないの?」
ミスティ「……それは、そうかもしれないけど……」
妖精「それに、もしここに埋まっている魔族の遺物があったとしたら、革命に役立たせてあげるのが正しさじゃない?」
ローガン「むう、確かに一理あるか……」
妖精「クロシュだって生き残りたいでしょ?」
クロシュ「う、うん」
妖精「なら決まり! 騎士の奴が来そうになったら私が撹乱しといてあげるから」パタパタ
ローガン「……仕方ない。イリスくん、頼めるか?」
イリス「わ、わかりました……。だ、大地よ……」
ゴゴゴゴゴ…
↓1コンマ
01-50 瓦礫しかない
51-80 「正の魔法と負の魔法」
81-95 「星の魔力」
96-00 「影の魔王」
- 252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 22:02:00.81 ID:quEnBUubO
- あ
- 253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 22:04:52.29 ID:cphb1nap0
- これはイリスさんパワーアップフラグ?
- 254 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:09:44.47 ID:mVRR9VNt0
- ゴゴゴゴ
本『星の魔力』パサッ
イリス「!」
ミスティ「これは……なんとか読めそうね。タイトルは……星の魔力?」
イリス「星の魔力かあ……星自身が内容する魔力についての本かな?」
ミスティ「……そうみたいね。目次は……星に流れる魔力……龍脈……」
イリス「おお、もしかしてけっこう実用的!?」
ミスティ「……これは星の魔力を利用する方法というよりは……星属性っていう希少属性の持ち主の為に書かれた本みたい」
イリス「なんだあ……じゃあ私たちには関係ないね……」
ミスティ「でも星の魔力なんて誰もがその恩恵を受けているのだから、知っておいて損はないと思うわ」
イリス「それもそうだね! もしかしたら私たちにも応用できるとこがあるかもしれないし……!」
ミスティ「ええ。とりあえず持ち帰るだけ持ち帰ってみましょう」
イリス「うん! 図書館を建てた魔族さん、そしてこの本を書いた魔族さん、ごめんなさい。ちょっとお借りしていきますね……!」
◇
- 255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:10:18.03 ID:mVRR9VNt0
- ―旧市街 廃神殿
神殿の廃墟「」ガラン
ミスティ「ここは原型を保っているのね」
ローガン「これほどの規模の建物だと、破壊を断念したのかもしれんな。邪教のシンボルとしてあえて残したということも考えられる」
イリス「……王国のやり方、聞けば聞くほどハラワタが煮えくり返りそうになる……」
クロシュ「……」サスサス
イリス「クロシュちゃん……ありがとう。怒りに囚われちゃだめだよね」
妖精「いつの間にかクロシュの方がお姉ちゃんになっちゃったの?」
クロシュ「?」
イリス「ど、どっちがお姉ちゃんでも妹でもないでしょ」
*
―廃神殿 内部
破壊された像「」ガレキ
ローガン「流石に像などは壊されているな……」
イリス「……ねえ、流石にここから物を持っていったりとかは……」
妖精「まあ、ここには流石に役に立ちそうなものもなさそうだしねえ」
ミスティ「……魔族の神々の力を借りる、とか言うと思っていたわ……」
妖精「そりゃ借りられるものがあれば借りたいけど、ないでしょここ」
ローガン「うむ……。図書館と違って、ここは知識の倉ではないし、戦いに向いた物品があるとも思えん」
イリス「そ、そうですよね。良かった」
クロシュ「……」
↓1
01-05 邪神
06-95 何もなし
96-00 魔神
- 256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 23:12:25.74 ID:8RtjJDL90
- あ
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