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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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1 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/02(火) 20:49:36.36 ID:Qx+l7VEo0
ー燃える集落

 ゴオオオ……
 メラメラ… パチパチ…

燃える大人の死体「」メラメラ

燃える子供の死体「」メラメラ

燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…


犬「クゥン……クゥン……」ウロウロ


妖精「……」フヨフヨ

妖精「誰も彼も……苦しんで、苦しめ合って、死んでいく……」

妖精「……ここももう、終わりね」

妖精「………」


 ガサッ


妖精「!」ビクッ


妖精(生き残り? それとも……)

妖精(………まあ、何でもいいか)


妖精「……誰?」クルッ


「ーー」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1704196175
2 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/02(火) 20:50:29.95 ID:Qx+l7VEo0
◇インフォメーション◇

・概要
 タイトルの通り、魔法の存在するファンタジー世界で生きるスレです。
 主人公がどのような道を歩むかは安価とコンマ次第です。

・世界観
 ファンタジーです。文明レベルは国や地域によって様々ですが、現存文明のほとんどは魔力や魔法を主軸としたものです。
 なお話の都合により設定が一部変更されたり新しく生えたりする可能性はあります。ご了承ください。

・安価について
 安価の連取りは原則禁止です。また内容によっては再安価する場合があります。コンマの連取りは可です。
 なおシステムやルールは途中で変更する可能性があります。ご了承ください。

・注意
 更新頻度と筆は遅めです。そして見切り発車です。展開にガバがあります。
 また、物語の展開や安価コンマの結果によっては、最悪の場合キャラクターが死んだり消えたり闇堕ちしたりすることがあります。
 苦手な方はお気を付けください。


◇用語◇

〈魔法〉
 この世界で生きるための必需技術。
 ほとんどの国や地域に広く普及しており、人々の生活を支えている。

〈魔力〉
 習得した魔法を行使するためのリソース。
 この世界のほとんどの生命は生まれながらにこれを保有・生産・出力する能力を持つ。
 魔力の保有量・生産量・瞬間出力量は生まれつきの才能によって決まるが、多少は訓練などで伸ばすこともできる。
 魔力は一晩熟睡する程度の休息で概ね全回復する。ポーションなどの薬物で即時に回復させることもできる。
 魔力を全て失った生命体は死亡する。ただし普通の人間はある程度まで魔力が欠乏すると意識を失うため、日常生活において魔力枯渇死を心配する必要はない。

〈魔法の属性〉
 大抵の魔法は、火や水などと言った特定の属性を有する。
 属性を持たない魔法は無属性として扱われる。
 属性間に有利不利はほとんどないが、光と闇のように相克し合う関係はいくつかある。
 既存の属性に当てはまらない新属性が発見されることもある。

〈得意属性〉
 ほとんどの生命体は、得意とする魔法の属性を一種類持つ。
 得意属性の魔法は習得コストが低く、行使における燃費が良く、発動する効果・威力も高い。
 そのため、基本的には得意属性の魔法を中心に習得していくのが普通である。
 研究の進んでいない希少属性やユニーク属性の持ち主は独学にならざるを得ない。

 その他質問等あればいつでもお気軽にどうぞ。
3 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/02(火) 20:51:05.13 ID:Qx+l7VEo0
まず主人公(妖精が振り向いた先の人)の人物像を決めます
燃える集落にいてもおかしくない人物である必要はあります(集落の生き残り、通りすがりの旅人、集落の襲撃者など)
よろしくお願いします

↓から23:59:59まで募集
・テンプレ
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)

※主人公に採用されなかった場合、設定を一部変更するなどして別の場面で登場する可能性があります。設定変更を許可しない場合はその旨をご記述ください
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 21:03:08.09 ID:q9WDYQ8J0
・テンプレ
【名前】メルル・マインドストーン
【種族】魔族と人間のハーフ
【性別】女
【年齢】14歳
【容姿】見た目はほぼ人間の女の子だが、額に第3の目があり、帽子で隠している。緑髪のセミショートへア。体格は年相応
【性格】好奇心旺盛だが、夢中になると回りが見えなくなる。
【魔法】地属性が得意だが、周囲の景色に溶け込める迷彩魔法も使用できる。
【備考】世界のあらゆるものを見たいとあてのない旅をしている
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 21:55:07.21 ID:ZlxDGhbto
【名前】クロシュ
【種族】シャドースライム
【性別】女
【年齢】3
【容姿】羊羹くらいの透明度の粘体に真紅の核。容姿は自由自在だが普段は仲の良かった村の少女(黒髪赤目セミロングヘアーロリ)の型で動く
【性格】臆病でコミュ能力に難あり。恩は忘れない
【魔法】反映魔法。自分の見え方と質感を知ってるものに変換可能
【備考】比較的差別されなかったこの村に流れ着いてひっそり暮らしていた。普段の型のもとの少女は襲撃後行方不明になっている
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 22:00:37.39 ID:ExBIJr1Uo
【名前】ガイ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【容姿】黒髪 整ってはいる 清潔感がないわけでないけど爽やかとは無縁
【性格】無骨で無愛想 自分が思ってるよりはお人好し
【魔法】速度強化
【備考】物心付いたときから身寄りはなく一般教養は孤児院で学んだ 15歳辺りから孤児院に世話をかけるわけには行かないと出て宛もない旅をする風来坊となった
極端に苦手なものはなくて武器や魔法も幅広く扱えるが一流とは言い難い器用貧乏
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2024/01/02(火) 22:21:05.23 ID:EGEFvJxg0
【名前】アリシラ
【種族】人間(半死人?)
【性別】女性
【年齢】15
【容姿】薄茶色の髪をした青白い肌の小柄な少女
【性格】気弱で臆病で周りの人物を気にして常にビクビクオドオドしている
【魔法】吸収魔法(無属性)周囲の生命から魔力を(強制的に)吸収する 自身の魔力に変えて別の魔法として利用することもでき、各属性の魔法の勉強をすれば全属性の魔法を使うことも可能だが加工した分燃費や効果・威力が通常より劣ってしまい、使用した分の魔力はその分周囲から無差別に吸収してしまう
【備考】生まれた時は死産だったが両親の魔力を吸収して蘇生したが、自身の魔法で無理やり生き残った反動なのか常に魔力が少しずつ消耗し、それを補うように自動的に周囲の生物の魔力を少しずつ吸収しながら生きていく必要があった
普段であれば怪我や病気、魔法の使用等で無駄に体力や魔力を消費しなければ日常生活に支障がない程度の吸収量だったため、周囲に気を遣いながら割と平穏に暮らしていた
しかし襲撃者によって殺されかけた時に吸収魔法が暴走し、襲撃者や同じく殺されかけていた両親の魔力を限界まで吸収し殺害。罪悪感を抱えたまま生き残ってしまった
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 22:23:26.76 ID:E/Ug7jn6o
【名前】ミスティ・クローバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】16
【容姿】黒を基調とした衣服に身を包んだ、儚い雰囲気の女性。長い黒髪で痩せ気味
【性格】根は心優しいがやや悲観的で冷めている
【魔法】氷
【備考】通りすがりの旅人。故郷を襲撃されて天涯孤独の身になって以来、自分にとっての安息の地を求めて旅をしている。動物が好き
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 22:44:22.98 ID:XAOildVDO
【名前】フメイ
【種族】 人間?
【性別】 女?
【年齢】 10歳前後?
【容姿】 背が低く、肩までの長さの黒髪の子供
【性格】 物静かで感情を表に出さない
【魔法】炎属性の魔法が得意 魔法を使う時には髪が赤くなる
【備考】気がついたらここにいたらしく、記憶喪失らしい。 名前は妖精が適当につけた。

来歴や嗜好や長所短所等は後に必要な場面で安価やコンマでランダムに決まる方が面白そうかなとあえて不明で
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/01/02(火) 23:23:59.22 ID:WYHjnkNV0
【名前】デュア・シャスタ
【種族】人間
【性別】女
【年齢】18歳
【容姿】気の強そうな目の美人。胸は小ぶりだが太腿はムチムチ。垢神のロングヘアをポニーテールにしている。真っ赤な道着を着ている。
【性格】熱血で思い込みが激しく猪突猛進。
【魔法】火属性。得物の刀にエンチャントさせて燃える斬撃を繰り出すのが現状唯一にして当人最強の魔法。
【備考】ソロ冒険者。ここへは火の気配、争いの気配を感じて救助しようとやってきたという(本人談)。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/01/02(火) 23:25:22.60 ID:WYHjnkNV0
垢神→赤髪
なにこの誤字…
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 23:26:06.18 ID:zhdTn85E0
【名前】リュアン
【種族】人間
【性別】女
【年齢】17
【容姿】銀のウェーブのかかったセミロングにキラキラとした青の瞳。身長は130cm前半と小柄。胸は平坦(大分気にしている)
【性格】大人しいが自分の中の信念は絶対に曲げない頑固者。メンタルは年齢相応
【魔法】光魔法(?)。眩い光を放つ。現時点では目眩しとしてしか使えないが……?
【備考】従者と共に追手から逃げているお嬢様(今ははぐれてしまっている)。自身の魔法が何やら特別なものであるらしく、その存在を知られてからというもの、行く先々で襲撃に遭うように

何気に足が速い
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 23:30:55.36 ID:3WKRKmMBO
【名前】エバンス・ブレイカー
【種族】 人間
【性別】 男
【年齢】 23
【容姿】
長身で細身ながらも筋肉質な体つき。日に焼けた肌。ボサボサの黒髪、黒い瞳。鋭い目付きだが端正な顔立ち。
長剣が武器で、防具は急所を守る程度と比較的軽装。
【性格】 普段は冷静だが、情に厚く仲間思い。
【魔法】大地の属性の魔法が得意。使い捨ての品物を作成したり、地面に穴をあける魔法を使う。
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
孤児の生まれで傭兵団に拾われて傭兵になった人物。
口下手な傾向があり、一言足りていなかったり言い方が悪かったりするのが玉にキズ。
傭兵団では家事を担当しており家事全般が得意で、特に料理はそんじょそこらの飯屋よりも美味しいくらいに得意。
全年齢板で出番はないだろうがR的な能力が非常に高い。

本来は集落を守る依頼で訪れるはずだったが、集落へ向かう馬車が途中で破損し遅れてこの場に現れた。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 23:35:46.28 ID:Y0ZXPA770
若者ばっかりなのでおじさん主人公がいてもいいんじゃないかと

【名前】ローガン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】37
【容姿】ボサボサの金髪で無精髭を生やした長身の男性。身なりを整えればなかなかのイケオジ
【性格】元は真面目で正義感の強い性格だったが、今は後述の事件がきっかけで自暴自棄ぎみになっている
【魔法】鋼魔法。魔翌力を使って鋼の武器や防具を作り出したり、その他様々な攻撃が出来る
【備考】かつて、とある魔法騎士団に所属していた男で当時はそれなりに名の知れた存在だった
しかし妻と息子が魔物に襲われて命を落とし、騎士でありながら大切な者たちを守れなかった自分に絶望
その後は騎士を辞めて、まるで死に場所を探すかのように放浪の旅を始める
集落に来たのも襲撃の噂を聞きつけ、どうせ死ぬなら今度こそ誰かを守って死んでやろうと思っての事だった
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/01/02(火) 23:41:40.02 ID:ufGoGj1S0
【名前】イリス・プラネット
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】17
【容姿】髪は少し橙が入った赤のポニーテール
身長は女性の平均くらい、やや童顔気味だけどスタイルは良い美少女
旅に適した魔術師のローブを着て、魔術師用の杖を持っている
【性格】明るく元気いっぱい、前向き
基本的に温厚で礼儀正しいが、やや負けず嫌いなところも
善人だが理知的でもあり、考えなしに人助けに走るわけじゃない。けど周りの人に危機が迫ったときはやっぱり体が勝手に動いちゃうときもある
今回も燃え盛る集落を見つけて気配を消しつつ、救助に駆けつけてきた
【魔法】属性:星。自分たちが住むこの星の根源の魔力にアクセスする
この星の様々な自然の力を扱うため、火、水、土、風、光など、一見多数の属性の魔法を使うように見える
現在は自分でも正確な属性(星属性)を把握しておらず、複数属性だと思い込んでおり、結果的に完全には扱いきれていない
【備考】お師匠様のような立派な魔法使い目指して修行の旅の途中
その中で自分の謎な魔法属性も把握できればと思っている
既に魔法使いとしての腕前はかなりのものだが、お師匠様にはまだ届かないと思っており、邁進中
旅の日記をつけているが、その中でその地域の料理や料理法も書き留めている
彼女自身料理するのも食べるのも好きで、かなり料理上手
元々知的好奇心が強く、結構な知識通
女性の一人旅なので、魔法の他に護身術、杖での格闘術も使えるが、一流の戦士にはさすがに魔法抜きの近接戦は分が悪い
いろんな人とすぐ打ち解けちゃう良く分からない魅力がある
16 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 00:41:26.43 ID:8bh86uX70
皆さま、たくさんのキャラクター案をありがとうございます
ありがたいことにたくさんの案を頂き、考えることもたくさん出てきてしまったので、本編の更新は明日とさせていただきます
よろしくお願いします。本日はありがとうございました
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 01:15:06.54 ID:Gl6JCW24o
おつ
きたい
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/01/03(水) 01:43:48.74 ID:JNNaRhL+0
新年明けまして、おめでとう御座います。
調子良い事言う前に、キチンと誤解を解いて頂けないと困ります。


https://drive.google.com/file/d/1HdBwNjF3Uv1V73UxS6BqYYC0nU8krUki/view?usp=share_linkのコメントに付いて(PDFへ保存を失敗したので、私か書き込んだ内容の書き出し)そんな事より私に謝ってくれない。嘘の内容の通報を受理するカクヨムも有かしいけど、アンタの友達が人がやってもいない二次創作をやったと、カクヨム内で嫌がらせに拡散した時、当人にがコメント禁止にしていたから、知り合いのアンタ等に頼んだら、馬鹿やらかしたぴ〜とるいじにその事を注意するんじゃ無く、私を通報しか上に( 私も通報して良いとは言ったけど) 、私が小説が似てる似てないで文句を言って来たと、近況ノートに嘘を書き込んで拡散しようとするのは、ただの犯罪の助長だからね。と、書いたところ下記のコメントを頂きました。https://drive.google.com/file/d/10J8PuzrixTucNqa6wp3cSgjym8oIwVRC/view?usp=sharingどう考えても、私を嫌がらせや冗談で通報したとしか捉えられない文章で有った為、連絡致します。“ドンマイ(笑)”みたいな感じで嫌がらせ目的で嘘を通報されるのは、私が二次創作をしたと誤解され(https://twitter.com/ncvlxknvfgdl975/status/1584378740678995968みたいな事をされたので)大変迷惑しています。また、その“ドンマイ(笑)”で私にカクヨムから送られて来たメールはhttps://drive.google.com/file/d/1eqU0hWp92MfkN67D6nh8EMnMyjGwRwEf/view?usp=share_linkになりますが、これに付いはhttps://drive.google.com/file/d/18jPK_vUPRgaXBpS0fFintZsCHXkE9-uB/view?usp=share_link ※1と言う嘘を、元カクヨムユーザーのぴ〜とるいじが近況ノートに嘘を書き(https://drive.google.com/file/d/1WlUuHkZgvMWwS-HLIU2kQVKkP4ejb8NX/view?usp=share_linkにおいて、ぴ〜とるいじ自身が、※1は間違いだったと書いてる、またコレに書いてあるカクヨムの対応は、日本の著作権法の違反である)、コメントを禁止した上にカクヨムが対応しなかったので仕方なく、ぴ〜とるいじの知り合いに嘘を止める様頼んだだけで、@lagerの言っている様な事は全くありません。因みに@lagerは(https://drive.google.com/file/d/17OVOXeyAYeM52JML5Qf32BL4UsqJGtsN/view?usp=share_link みたいな事をするレベルの)ぴ〜とるいじのお友達なので、問題は有りません。著作権の侵害を行ったと言う嘘の情報を訂正してくれと言う、至極当然のお願いを無視した上に嘘を拡散する行為に付いて、カクヨム内できちんと謝って頂けませんか?だって迷惑を受けたのは此方で有って、ぴ〜とるいじのお友達では有りませんからね。カクヨムが対処しなかったのが原因で、私の行動は日本の法律に基づいた真っ当な物ですし。
19 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 14:35:29.88 ID:8bh86uX70
黒いスライム「……」ズズ


妖精(……黒いスライム? スライム種に黒いやつなんていたっけ?)

妖精(まあ私も物知りってわけじゃないし、知らない種くらいあるか)


妖精「……スライムのあなたにこの熱さは厳しいでしょ。早く逃げなよ」

黒いスライム「……」

妖精「熱くて動けないの?」

黒いスライム「……」フルフル

妖精「じゃあ、どうして――」

 ニュルン

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「え、と……」

妖精(人に化けた。高い知性と技能を持ったスライムは擬態能力を持つと言うけれど……質感までそっくりだ)

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「今の、わたしと……おんなじ顔の、女の子……知ら、ない……?」

妖精(そういうことか)

妖精「ごめん。見てない」

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「……」

妖精「……言いにくいけど……この火災じゃ、既に焼け死んでるか、逃げてるかのどっちかだと思う」

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「……。フメイちゃんは……炎に強い、から……」

妖精「そうなんだ……。じゃあ待ってる? その前にあなたが焼け死にそうだけど」

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「……」

妖精「伝言か何かだけ残して、今はここを離れるのが賢明だよ。そのフメイって子が火に強いとしても、この火災の中で平気でいられるとは限らな――」


「――! ――――!!」


妖精(人間の声! まずい、火の手に気付いてこっちに来た……!?)

妖精(私もこいつも、人間に捕まったらロクなことにならない……! 逃げないと……!)


妖精「逃げるよ! 火の手よりも厄介な悪辣種が来た……!」

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「え……?」

妖精「グズグズしてないで!」

黒いスライム(黒髪幼女の姿)「あ、え、えと……」オロオロ

 タッタッタッ!

妖精(うわああ!! 思ったより早い!!)

↓1コンマ 来た人
01-11 帽子をかぶった緑髪の少女
12-22 黒髪の無愛想な青年
23-33 半狂乱の薄茶髪の少女
34-44 長い黒髪の儚げな女性
45-55 赤髪ロングポニテの冒険者女性
56-66 銀髪ウェーブセミロングお嬢様
67-77 ボサボサ黒髪の若い傭兵
78-88 ボサボサ金髪の壮年放浪者
89-99 赤橙ポニテの魔術師少女
00-00 黒髪幼女
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 14:38:40.89 ID:mWIl2QSao
応募されたキャラ全員は多分出ないよな
21 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 16:21:11.45 ID:8bh86uX70
全員出るかどうかはわかりませんが、後々自由安価での行動を設ける予定なので、もし登場させたいキャラクターがいる場合は登場する方向に展開を誘導すると良いかもしれません
22 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 16:21:38.26 ID:8bh86uX70
赤橙ポニテ少女「誰かあー! 生きている人がいたら返事を――あ!!」タッタッ


妖精「……」

黒いスライム「……」オロオロ


赤橙ポニテ少女「よ、良かった……生きてる人、いた……!! それ!」

 泡「」ポワン

妖精「!?」ポワン

黒いスライム「??」ポワン

妖精(しまった! これは泡の魔法! 泡に包まれて……身動きが……!)


赤橙ポニテ少女「ごめんね! 風魔法で安全なとこまで運んであげるから!!」

 泡「」フワァー

妖精「う、うわああ!!」ジタバタ

黒いスライム「???」オロオロ

 ◆
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 16:22:28.45 ID:bdEHT13+o
ウワッ新スレ立ってることに今気付いた!スレ立て乙です
またどこかで募集のタイミングがあるといいな…キャラ考えておこう
24 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 16:23:07.88 ID:8bh86uX70
―夜
 森の川辺

 焚き火「」パチパチ…

妖精(私たちは赤橙の魔術師イリス・プラネットに捕まり、この川辺へと連行された……)

妖精(そして今は、彼女の用意したスープを飲まされている……。とりあえず毒は入っていないみたい)

妖精(ちなみに黒いスライムはクロシュと言うらしい)


イリス「そっか……。クロシュちゃんの友達の、フメイちゃんが……」

クロシュ「うん……」

イリス「……風魔法を応用した探知をしてみたけれど、もうあの集落に生きてる人はいなかったんだ」

クロシュ「……」

イリス「……でも大丈夫! フメイちゃんが火に強かったのなら、きっとどこかに逃げてるよ!」

クロシュ「うん……」

イリス「その……いろいろ、つらいとは思うけど……。明日、フメイちゃんに向けて伝言を残したら森を出よう? それで、安全なところへ……」

妖精「……安全なところ? ついさっき焼け落ちた村くらいだよ、私とこいつみたいなはぐれ者が安全に暮らせる場所なんて」

イリス「うっ……妖精さん」

妖精「ま、私は元々放浪の途中だから別に良いけどね」

クロシュ「…………わたし、も……。前は……フメイちゃんと、一緒に……旅、してた……」

妖精「あなたも流れ者だったの?」

クロシュ「うん……。だから……フメイちゃんさえ、いれば……」

妖精「……」

イリス「……」


イリス(助けてあげたい、けど……。そこまでしてあげる義理はないと言えばない……)

イリス(それに……ここ王国領じゃ、魔族や魔物に対する風当たりがとても強い)

イリス(妖精はなんとも言えないけれど、もしスライムと一緒にいるところを目撃されれば……)

イリス(実際、火事からは助けてあげたわけだし……これ以上はこの子自身の問題で……)

イリス(……いや、でも! 本当にそれで良いの、イリス・プラネット!?)

イリス(お師匠様なら、こんな時――)

イリス「ううう〜〜〜……」


妖精「なんか唸り始めた……。人間、こわ……」

クロシュ「……おなか、痛いのかな……?」

妖精「さあ。人間って消化器官が弱いらしいし、そうなのかも」

クロシュ「……」


↓1〜3 多数決
1.そっとしておく
2.背中をさすってあげる
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 16:23:48.03 ID:9FqS4YGl0
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 16:25:39.12 ID:Gl6JCW24o
2
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 16:26:06.85 ID:bdEHT13+o
一応2
28 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 17:45:47.48 ID:8bh86uX70

イリス「はうぅ……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「え、と……。フメイの具合、悪い時……こうすると、少し……良かった、から……」

クロシュ「あの……。泡で……助けてくれて……ありが、と……」

イリス「……!!」


イリス(……何を迷うことがあったのだろう。困っている誰かがいたら助ける。当たり前のことじゃない)

イリス(こんなんじゃ師匠に怒られちゃうな……。しっかりしろ、私!)

イリス(王国が何だ、差別が何だ! 私は未来の大魔法使い、イリス・プラネットだぞ!)

イリス(よし!!)


イリス「ありがとう、良くなったよ!」スクッ

クロシュ「あ、うん」

イリス「それで……あなたの友達のフメイちゃんのことだけど、私も探すのを手伝うよ!」

クロシュ「え……?」

妖精「ええ……?」

イリス「人手は多い方が良いでしょ? それに私、自慢じゃないけどいろんな属性の魔法が使えるから役に立てると思う!」

クロシュ「わ……」

イリス「これからよろしくね!!」

 ☆修行中の魔法使いイリス・プラネットが仲間になりました

 ◇

妖精「……そういえばいろんな属性が使えるって言ってたけど、得意属性は何なの?」

イリス「……複数属性、だと思う。多分……」

妖精「なんか随分歯切れが悪いけど……」

イリス「じ、実はまだはっきりとはわかってないんだよね……アハハ……」

妖精「自分の属性を把握できてない魔法使いなんて初めて見たよ!」

イリス「だ、大丈夫! 本職には及ばないけど、実際にいろんな属性で得意属性に迫るくらいの効果は出せてるから!」

妖精「器用貧乏ってことね……」

クロシュ「わたし……反映魔法しか、使えないから……うらやましい……」

イリス「ふっふっふ、大抵のことはできるからどんどん頼ってね!」

 ◆
29 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 17:46:59.40 ID:8bh86uX70
―夜
 どこかを走る馬車

 ガタンガタン…

黒髪幼女「」グッタリ

「けっ、手間かけさせやがって! クソガキが!!」

 ブンッ
 パシッ

「……やめておけ。下手に傷付ければ俺達全員の首が飛ぶ。文字通りな」

「ざけんな! こいつのせいでタゴサクとヨタローは火傷の苦痛にのたうち回りながら死んだんだぞ!!」

「落ち着け! 俺達全員を殺す気かお前は!」

「チッ……。大体なんなんだこのガキは。ガキの癖に意味不明な火力出しやがって……!」

「……詮索も厳禁だ。俺達は、ただ命じられた任務を遂行していれば良い」

「くそっ!」

「なあ、この任務が終わったら魔族自治区に行って憂さ晴らししねえか? へへっ……」

「へっ、いいな。タゴサクとヨタローの分も発散してやらねえとなあ……!!」

「…………」

 ギャハハハ… ゲラゲラゲラ…
 ガタンガタン…

黒髪幼女「……」グッタリ

黒髪幼女「くろ、しゅ……」

 ◆
30 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 17:47:50.24 ID:8bh86uX70
―早朝
 焼け落ちた集落跡

 トンカントンカン… ザンッ!

 看板『クロシュちゃんは大魔法使いイリス・プラネットが保護しています。御用の方は大魔法使いイリス・プラネットまで――(イリスの師匠の住所)』

イリス「よし。これならすれ違いになったりしないでしょ」

クロシュ「ありがと……。でも……イリスさんの、お師匠様の住所……いいの……?」

イリス「いいのいいの。知られて困るものでもないから」

妖精「……これでフメイ捜しは終わり?」

イリス「ううん。話を聞いた限りだと、フメイちゃんは強い火属性魔力の持ち主みたいだし、火災で焼け死んだ可能性は低いと思うの」

クロシュ「……うん」

イリス「でも本人は見当たらないし、こうして日が昇ってもここに戻ってくる様子もない。旅慣れてるって話から、逃げた先で事故ったり動物や魔物にやられたっていう線も薄い……」

妖精「ということは――」

イリス「――うん。拉致された可能性が一番高い」

クロシュ「……」

妖精「……」ギリ

イリス「だからまずは、ここに遺留品がないか調べよう。襲撃犯たちの」

妖精「なるほどね……。そういえばクロシュ、あなたは襲撃犯のこと見てないの?」

クロシュ「……」


↓1コンマ 見つけたもの
01-40 焦げた布の切れ端
41-80 ↑+溶けかけた兜の破片
81-00 ↑+目撃者

↓2コンマ クロシュが見たもの
01-40 白い鎧を着た人たち
41-80 白い鎧に描かれた紋章まで
81-00 変身できました
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 17:48:27.90 ID:9FqS4YGl0
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 17:51:34.29 ID:Hq1EGc3C0
33 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 17:57:42.60 ID:8bh86uX70
↓1目撃者コンマ
01-12 帽子をかぶった緑髪の少女
13-24 黒髪の無愛想な青年
25-36 薄茶髪の少女
37-48 長い黒髪の儚げな女性
49-60 赤髪ロングポニテの冒険者女性
61-72 銀髪ウェーブセミロングお嬢様
73-84 ボサボサ黒髪の若い傭兵
85-96 ボサボサ金髪の壮年放浪者
97-00 ??
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 17:59:44.46 ID:VAdyuvPDO
はい
35 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 18:46:35.60 ID:8bh86uX70
クロシュ「……なんか……鎧、着てた……。白い……」

イリス「白い鎧……。まさか……ね。おや、これは……」

 溶けかけた兜の破片+焦げた布の切れ端「」

イリス「……」

妖精「何? 心当たりでもあるの?」

イリス「……ヤバイかも」

 ガサッ

イリス「!!」

妖精「!!」

クロシュ「?」

 スタスタ……

ミスティ(>>8)「……人と、妖精……? 貴方たちは?」スタスタ

イリス「……こんにちは。犯人を捜しているんです。ここを襲った」

ミスティ「ああ……。あれは……王国の騎士団じゃなかったかしら。部隊は知らないけれど……」

イリス「ああ、やっぱり……。ていうか、あなたも見ていたんですか?」

ミスティ「直接じゃないけれど。昨晩、私も救援に向かおうとしたら、騎士団の馬車が走り去っていくのを見たから。いつもの過激な魔族狩りだと思ってたけれど……」

クロシュ「!! あ、あの……そ、その……ばしゃ……」

イリス「その馬車がどこに向かったかわかりますか!!?」ズイッ

ミスティ「……? わかるけれど……王国騎士よ? 復讐とかは考えない方が……」

クロシュ「あ、あの……とも、友達、が……」

イリス「この子の友達が連れて行かれたかもしれないんです!!」

ミスティ「……そうだとしても、国家権力よ? 下手に楯突いたら……」

イリス「そ、それは……」

妖精「……いいから教えてよ。私もこいつも、こんな国に帰属した覚えはないしどうでもいいから」

ミスティ「……東方面の街道を行ったわ。行き先は……チカーバの街かしら」

イリス「!! い、いいんですか!? いえ、教えてくれるのはありがたいですけど……!」

ミスティ「……まあ、私も別にここの国民ではないからね。旅の途中に寄ったってだけ。それより、追うなら急いだ方が良いんじゃない?」

クロシュ「!! う、うん……! ありがと……お姉さん……!!」タタッ

妖精「……どうも。あなたに、精霊の加護がありますよう」フワッ

イリス「す、すみませんバタバタしちゃって! 大したお礼もできませんが、それじゃあ――」

ミスティ「あ、ちょっと待ちなさい!」

 ◇

―街道

 ソリ「」スイー

クロシュ「ゆ、雪もないのに……ソリが……」

ミスティ「便利でしょ。馬車いらずだし馬車よりずっと早いのよ」

イリス「凄い……! でも、ここまでしてもらっていいんですか? 指名手配されちゃうかも……」

ミスティ「……騎士団の馬車が目視できるところまでは行ってあげる。そこから先はあなたたちでなんとかしなさいよ」

イリス「わかりました! 十分です、ありがとうございます……!!」

 ◆
36 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:04:07.08 ID:8bh86uX70
―夕
 街道

 ソリ「」スイーッ ピタッ

 遠方に見える騎士団の馬車「」パカラッパカラッ


クロシュ「……!」

ミスティ「意外と早く追いつけたわね。それじゃあ……骨くらいは拾っておいてあげるから……」

イリス「ありがとうございます……! お達者で……!!」

妖精「……イリスと言い、あなたと言い……最近はお人好しが流行っているの?」

ミスティ「たまたまでしょう」

 ◇

騎士A「止まれ! 我々は騎士団であるぞ! 無闇な接近は許可しない!!」

イリス「待ってください!! あの、この子の双子のお姉さんがそちらの馬車に乗っていませんか!!?」

クロシュ「……」ペコ

 ・・・

―馬車の中

騎士B「双子だあ? んなもんいるわけ……!!!?!!??」

騎士C「お、おいどういうことだ? なんでこのガキと同じ顔のガキが……!?(小声)」

騎士D「た、隊長どうしますか……?(小声)」

隊長「……あの子供も捕らえるぞ。何らかの関係者である可能性が高い、放置できん」

騎士D「あの魔術師の少女は……?」

隊長「……目撃者は生かしておけん。始末する」

騎士C「……始末する前に『お楽しみ』しても?」

隊長「好きにしろ。ただし子供と言えど魔術師だ。油断はするな」

 ・・・
37 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:04:33.97 ID:8bh86uX70
騎士A「あー……うむ。そちらのお嬢さんの双子の姉と思しき少女は、確かにこの馬車に乗っている」

クロシュ「!!!」

騎士A「ただ、我々が保護した時点で非常に衰弱していてな。今、街の医療施設へ向かっているところなのだ」

イリス「ほ、本当ですか? あの、それなら顔だけでも見せていただくのは――」

騎士A「ああ、もちろんだ。二人とも、こっちへ来たまえ……同乗を許可しよう」

クロシュ「フメイちゃん……!!」ヨタヨタ

イリス「…………」


イリス(筋は通っているけれど……。こいつらが集落を焼き払った犯人だというのはわかっている……)

イリス(明らかに罠だ……)


イリス「クロシュちゃん(小声)」ギュッ

クロシュ「あ……イリス、さん……?」

イリス「まだ、待って……。妖精さんが上手くやってくれるはず……」

クロシュ「……うん」

 ・・・

―馬車の中

騎士たち「」ガヤガヤ


妖精「……」コソコソ

フメイ「」グッタリ

妖精(いた……)

 フメイの首を縛る首輪「」ガチッ

妖精(これは……魔封じの首輪……。魔力を封じられる苦しみは、私もよく知ってる……。本当に、許せない……)

妖精(外側から壊してやる……。腐蝕しろ――)フォン…

 フメイの首を縛る首輪「」ボロボロ

妖精(よし、もう少しで――)


騎士B「――ん? なっ!!?」

妖精「!!!」ビクッ

騎士B「こいつ!! 何をしている!!!」ブンッ

 ベシッ

妖精「ぎゃっ……!」ドカッ

騎士C「なんだなんだ!?」

騎士B「羽虫が入り込みやがった!!」

騎士D「まさか――」

隊長「――外の子供二人を逃がすな!! 絶対に捕らえろ!!」

 ・・・
38 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:05:03.58 ID:8bh86uX70
―街道

 馬車の中から響く声「羽虫が入り込みやがった!!」

イリス「!!!」

クロシュ「あ……!!」

イリス「くっ、妖精さん……!!」タンッ

クロシュ「わ、わたしも……!!」トテトテ

騎士A「どこへ行こうと言うのかね?」シャキン

クロシュ「!!!」

↓1コンマ
01-50 劣勢
51-75 優勢
76-00 優勢+ミスティ参戦
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:05:40.97 ID:9FqS4YGl0
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:20:58.67 ID:Gl6JCW24o
ミスティお姉さん……!!
41 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:22:04.31 ID:8bh86uX70
騎士A「ぬん! せいっ!」ブンッブンッ

クロシュ「わっ、ひゃっ!」ヨロヨロ

騎士E「馬鹿、そいつは無傷で捕らえろって言われてるだろ!! 剣は使うな馬鹿!!」

騎士A「お前、今二度も馬鹿って言ったか!? おい、二度言ったのか!!?」

騎士E「うるせえよ馬鹿!!! おらっ!」ガシッ

クロシュ「……!! や、やだ……!!」ジタバタ

騎士E「へっへっへ……こっちのガキはお楽しみできねえのが残念――グアッ!!!」ザシュッ

騎士A「なにっ!?」

 宙に浮く無数の氷柱「」キラキラ

ミスティ「……」

ミスティ(ああ、やってしまった……。指名手配確定かしら……)

ミスティ(でも、ここで見捨てていたら一生後悔してた……。それだけは間違いないわ……)

ミスティ(だから――もうどうにでもなれ!!)

ミスティ「……その子を離しなさい。さもなくば――」ギラッ

↓1
01-05 ??
06-25 劣勢
26-75 優勢
76-95 勝利
96-00 ??
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:23:43.34 ID:Gl6JCW24o
はい
43 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 20:44:20.20 ID:8bh86uX70
イリス「水よ――」

 撃ち出される水の弾丸「」バシュンバシュン

騎士C「くっ、なかなか近付けねえが……水だけじゃ決定打にならねえぞォ!!」ビショビショ

騎士B「へへっ、じわじわ追い詰めてやんぜ!!」ビショビショ

騎士D「我々騎士団の連携を見せて差し上げましょう!!」ビショビショ

騎士B~D「ウオオオオオ!!」ビショビショ

イリス「――ここ!! 電気よ――!!」

 地を走る電気「」パリッ

騎士B~D「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

騎士B~D「」プスプス

イリス「……っ、妖精さんっ!」タッ


↓1
01-05 ??
06-95 勝利
96-00 ??
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 20:45:03.25 ID:bdEHT13+o
ほい
45 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:34:06.03 ID:8bh86uX70
―馬車の中

隊長「……なんと不甲斐ない。所詮は実践経験皆無のボンクラ共か」

妖精「はあ、はあ……ざまあ、みろ……悪辣種共……」

隊長「……」ブンッ

 ベシッ

妖精「はぐっ……」ドカッ

妖精「」グッタリ

隊長「この羽虫は変態貴族の慰み者にしてやるとして……。問題は外にいる者たち……一人増えているな」

隊長「……仕方ない。不出来な部下の尻拭いに赴くとするか」スクッ

 ・・・

―街道

隊長「……」スタスタ

クロシュ「……!」

イリス「……あなたの部下は全員倒した! 降参して!!」ジャキ

ミスティ(今から無関係を装ったら間に合うかしら……)

隊長「……諸君らは優れた才能をお持ちのようだ。それだけに、怒りを覚えざるを得ない……」

イリス「……?」

隊長「……我が剣の錆としなければならぬ、世の不条理にな――」ヴォン…

イリス(な、何あの魔力……!? 闇……!?)

ミスティ(ああ……やっぱり国家権力になんて歯向かうんじゃなかったわ……)

クロシュ「……! だ、だめ――」

隊長「――」

 カッ――
46 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:35:38.24 ID:8bh86uX70

クロシュ(わたしは、とっさに目を瞑った……)

クロシュ(でも……衝撃は、いつまでも、来なかった……)

クロシュ(目を開けてみると――)


黒焦げになった隊長だった物体「」プスプス

イリス「あ……え……?」

ミスティ「な……何、が……?」

クロシュ「あ――」

 ヒュオオオオ…

フメイ?「……」チリチリ


クロシュ(隊長の背後から現れたのは――今のわたしと同じ姿の女の子――フメイちゃんだ!!)


クロシュ「フメイちゃん……フメイちゃん……!!」トテトテ

フメイ「……クロ、シュ……?」

クロシュ「フメイちゃん……良かった……!!」ヨタヨタ

フメイ「……」

クロシュ「心配、したよ……。でも……無事で……」

フメイ「……」スッ

クロシュ「え?」


 カッ


イリス「きゃあああああ!!!」

ミスティ「いやあああああ!!!」



クロシュ(フメイちゃんが手をかざした次の瞬間――巨大な爆発音と共に、イリスさんとミスティさんの悲鳴が響いた……)

クロシュ(どうして……?)
47 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:36:40.24 ID:8bh86uX70
クロシュ「フメイ、ちゃん……?」

フメイ「クロシュ……。人間なんかと……一緒にいちゃ、だめ……」

クロシュ「え……。で、でも……」

フメイ「フメイ……よく、わかった……。人間を……滅ぼさなきゃ……。フメイも、クロシュも……永遠に、安らげない」

クロシュ「そんな、こと……! フメイちゃんだって……人間……」

フメイ「んーん……。フメイ……たぶん、人間じゃない……。人間は……魔法を使っても、髪が赤くなったり、しない……」

クロシュ「あ……」

フメイ「……クロシュ……フメイと、一緒に行こ……?」

 フメイの手「」スッ

クロシュ「――」


イリス「く、クロシュちゃん……!!」グッ

ミスティ「クロシュさん……!!」ググ


クロシュ「!!!」

クロシュ「……」オロオロ


フメイ「……フメイのクロシュを、たぶらかさないで――」チリッ…

クロシュ「ふ、フメイちゃん! やめて……!!」

フメイ「……」スン

クロシュ「わ、わたし、は……」


 ――運命の選択――

↓1〜5
1.フメイと一緒に行く
2.フメイと一緒に行けない
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:26.59 ID:9FqS4YGl0
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:30.04 ID:S0x+L/Q6O
2
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:44.39 ID:aAOY8FKSo
2
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:41:56.98 ID:Hq1EGc3C0
2
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 21:42:06.62 ID:C2nijJ72O
2
53 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:56:46.85 ID:8bh86uX70
クロシュ「…………」

クロシュ「行け、ないよ……。フメイちゃんと……一緒でも……」ジワッ

フメイ「……」

クロシュ「ごめん、なさい……」ジワワ…

フメイ「……クロシュは……殺すの、苦手だもんね」

クロシュ「…………」ポタポタ

フメイ「ごめん……」

クロシュ「フメイ、ちゃ……」

フメイ「……フメイ……一人で、やる……」クルッ

クロシュ「……!?」

フメイ「フメイたちが、平和に暮らせる世界……きっと作るから。待ってて」

クロシュ「ま、待っ――」

 ボンッ!


クロシュ(小さな爆発音を残して……フメイちゃんは、姿を消した……)

クロシュ(わたしは……その場に崩れ落ちることしか、できなかった……)

 ◆
54 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/03(水) 21:59:15.32 ID:8bh86uX70
これにて、チュートリアルステージ終了となります
見てわかると思いますが、クロシュちゃんは非常によわいです。前に旅をしていた時もほとんどフメイちゃんに頼り切りだったかと思われます
そして運命選択が満場一致の2で、>>1の心の中のフメイちゃが泣きそうでした
ちなみにどちらのルートに進んでも妖精は付いて来ます
それでは本日はここまでです。ありがとうございました
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:10:30.45 ID:Hq1EGc3C0

フメイちゃんも気になるけど選択肢的に2の方を選びたくなっちゃう
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:17:24.40 ID:C2nijJ72O
テレパシーでユッコに救援を・・・
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:19:10.13 ID:Gl6JCW24o
おつでした
フメイちゃんはなんか人間への憎しみがカンストしちゃっててその……
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:19:58.20 ID:C2nijJ72O
>>56
別スレへの送信ミスです、気にしないでください
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:22:41.11 ID:AhnH36Nd0
乙です

1は闇堕ち待ったなしルートっぽいですからね……
戦闘力ない、コミュ力難あり(3歳だから仕方ない)のクロシュちゃんはいろいろとハードになりそう
仲間に頼らざるを得ない面も多そうだけど、だからこそ仲間との交流、協力やクロシュちゃんの成長も見られそうで楽しみです
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 22:26:57.50 ID:9FqS4YGl0


ミスティさんなし崩し的に最後まで付き合ってくれる系キャラかな
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/03(水) 23:14:19.64 ID:bdEHT13+o
乙です
今までのスレよりハードな世界観のようでドキドキしますね
果たしてクロシュ一行の運命は…

あと今回男性キャラもOKなんですね
もしキャラ募集の機会がまたあったなら男の娘とか考えようかな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/04(木) 00:08:58.39 ID:4f+CjoCMo
乙続きに期待
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/04(木) 23:08:06.93 ID:4bBKIJXL0
(何人かの募集キャラをフメイちゃんサイドにしてダブル主人公とかも面白そうだなとかちょっと思った)
64 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:23:44.89 ID:rodgA4Rt0
実際、運命選択1の方がハードモードな上にクロシュちゃんのただでさえ弱いメンタルがさらに削れるので、順当に進める場合は2の方が良いのは確かでした。でも1は闇堕ちするフメイちゃんを間近で止められるルートでもあった……のかもしれません
ミスティさんとは一緒に国家権力に喧嘩を売った仲なので、よほどのことがない限りは味方でいてくれると思います(半ばヤケクソになっています)。弱いクロシュちゃんにとって仲間の存在は生命線なので、仲間は大事にしましょう
今回は種族や性別や年齢は自由なのですが、今のところコンマが女性キャラばかり出そうとしてくるため、いただいた男性キャラを登場させられておりません……
ダブル主人公を上手く書くのは>>1には難しいので多分無理なのですが、募集キャラの何名かがフメイちゃんに付くというのはあるかもしれないです
65 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:24:13.89 ID:rodgA4Rt0
―夜
 焼け落ちた集落跡

 雨「」ザァァァァ…

 ボンッ!

フメイ「……」ストッ


大人の焼死体「」

子供の焼死体「」

スライムの焼死骸「」


フメイ「…………」

 ◆
66 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:24:56.08 ID:rodgA4Rt0
―いつかの日
 集落

フメイ「はあ、はあ……」ヨロヨロ

クロシュ「……」グッタリ


老婆「おやまあ……! 酷い怪我じゃないかい……!」

若者「どうした婆さん……これは!?」

老婆「イーシャさんとこに連れてってあげておくれ!」

若者「おう! 悪いが二人まとめて背負うぜ!」ヒョイヒョイ

フメイ「ぁ……」

 *

―集落の診療所

フメイ「クロシュは!? クロシュは治るの!?」ガタッ

魔族の医者「うむ。黒いスライムの子は問題ない。どちらかと言うと君の方が重症なのだが……」

フメイ「良かった……」ホッ

魔族の医者「良くはない。君は集中治療が必要だ」ズイッ

フメイ「むう……」

 ◇

―集落の診療所

フメイ「……ここは、どういうところなの?」

魔族の医者「ここがどういう場所か知らないで辿り着いたのか? だとしたら運が良いな」

クロシュ「?」

魔族の医者「ここは王国から排斥された者たちが集う隠れ里のようなものだ。人であろうと魔であろうと、ここでは等しく文化的に生きる権利を持つ」

クロシュ「ぶんかてき……けんり……?」

フメイ「……」

魔族の医者「ここは君たちのような者が集まり、助け合って築いた共同体ということだ」

クロシュ「……!」

魔族の医者「無論、君たちは傷が治った後もここに居て良い。他者を尊重し、不当に傷付けないと約束できるならな」

クロシュ「………フメイちゃん……」

フメイ「……。クロシュが、嫌じゃなければ」

魔族の医者「うむ。歓迎するぞ」

 ◇
67 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:25:34.05 ID:rodgA4Rt0
―集落の広場

村の子供「――」キャッキャ

スライム「――」キャッキャ

クロシュ「――」キャッキャ


フメイ(……)

フメイ(あの医者の言う通り……この集落は、平和……)

フメイ(誰も……フメイとクロシュを、いじめない……)

フメイ(ここなら……。フメイたちは……平穏に、暮らせる……?)


クロシュ「フメイちゃん……」クイクイ

村の子供「フメイちゃんもいっしょにドロダンゴつくろ!」

スライム「〜〜」モニョモニョ

フメイ「……ん」コク

 ◇

―集落の家

アリシラ(>>7)「――勇者と魔王はお互いを許し合い、長い長い戦いを終わらせて平和を取り戻したのでした。めでたしめでたし……」

クロシュ「わあ……」

スライム「〜〜」モニョモニョ

村の子供「すう、すう……」zzz

フメイ「……」ウツラウツラ

アリシラ「あはは……ちょっと、つまんなかったかな……?」

クロシュ「んーん……。すごく、良かった……」

スライム「〜〜」モニョ

アリシラ「なら良かった……! ふふ、スライムの子たちは眠気に強いのかな?」

 ◇
68 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:26:08.36 ID:rodgA4Rt0
―集落の畑

クロシュ「んしょ、んしょ……」

 大量の雑草が積まれた手押し車「」ガラガラ

若者「おお〜、いっぱい抜いたな! 雑草!」

クロシュ「んへへ……」

若者「運ぶのはオレに任せろ! 焼却炉まではけっこうあるからな!」

クロシュ「うん……」

 *

―集落の焼却炉

若者「フメイちゃん! 頼むぜ!」

フメイ「ん」チリッ

 焼却炉「」ボッ メラメラ

クロシュ「わあ〜」

老婆「フメイちゃんが来てから火起こしが楽になったなあ」

若者「ははっ、本当に大助かりだぜ。薪がなくても風呂が沸かせるし、フメイちゃん様々だ!」

クロシュ「んふふ……」

老婆「フメイちゃんがいれば冬も安泰だねえ」

フメイ「……うん」

 ◇
69 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:27:20.73 ID:rodgA4Rt0
―集落の広場

 焚き火「」メラメラ

アリシラ「焼けたよ〜。はい、クロシュちゃんとフメイちゃんの分!」

 焼き芋「」ホカホカ

クロシュ「わあ……」

フメイ「……ごくっ」

若者「ははっ、君たちが手伝ってくれた畑で採れたやつだぜ。味わって食うんだ!」

村の子供「あたちのは!?」

スライム「〜〜」モニョモニョ

アリシラ「はいはい、ちょっと待っててね。今取り出すから」

 ◇

―集落の共同浴場

フメイ「……」チリッ

 カッ

 浴場「」ホカホカ

魔族の医者「ほう……。湯加減もバッチリだな」

フメイ「まあ」

村の子供「はじめはヤケドしちゃうくらいアツアツだったもんねえ〜」

フメイ「もう覚えた。加減」

魔族の医者「ふむ……。しかし素晴らしい魔力コントロールだ。将来は大成するかもしれんな」

フメイ「興味ない。クロシュがいれば、いい……」

村の子供「あたちは!?」

フメイ「あ、えと……い、いた方が……いい、と思う……」

村の子供「えへへ〜」

フメイ「……ふふ」

 ◇
70 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:27:59.54 ID:rodgA4Rt0
―集落の家

アリシラ「それで、この文字は……」

クロシュ「……」カキカキ

スライム「……」モニョモニョ カキカキ

 *

アリシラ「ふう。二人ともお勉強お疲れさま」

クロシュ「ん……ありがとう、ございました……!」

スライム「〜〜」モニョモニョ

アリシラ「……ど、どう? わかりやすく教えられてるかな?」

クロシュ「うん……!」

スライム「〜〜」モニョ

アリシラ「それなら良いんだけど……。クロシュちゃんだけでなくてスライムちゃんも文字を勉強したいのはびっくりしたなあ」

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「あ、えっと……スライムちゃんも、自分の言葉でみんなとお話したいんだって。でも声は出せないから……」

アリシラ「そうだったんだ……!」

クロシュ「うん……。わたしの通訳も、まちがってるかもしれないし……」

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「あ、うん。えへへ……」

 デロロン…

クロシュ(スライムの姿)「〜〜」モニョモニョ

スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ(スライムの姿)「〜〜」キャッキャ

スライム「〜〜」キャッキャ

アリシラ「な、なんて話してるか全然わからない……。私もスライム語を勉強しようかな……」

 ◇
71 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:28:28.14 ID:rodgA4Rt0
―集落の家

アリシラ「クロシュちゃんとフメイちゃんがここに来て一年……」

若者「二人とも――」

村の子供「たんじょーび、おめでとー!!」

スライム「〜〜〜!!」モニョモニョ

 ワーワー パチパチパチ モニョモニョ

クロシュ「わ……」

フメイ「……!」

老婆「ほっほっほ……。誕生日がわからんのなら、この村に初めて来た日を誕生日にすりゃええ」

魔族の医者「という提案をしたのは私だ」

フメイ「……ありがと。みんな……」

クロシュ「あ、ありがと……ござい、ます……」ペコ

若者「堅苦しいのは無しだ! 今夜はいっぱい食おう!!」

スライム「〜〜!」モニョモニョ

クロシュ「えへへ……」


フメイ(……)

フメイ(もう疑う必要、なさそう)

フメイ(ここでなら……フメイとクロシュは、きっと―――……)

 ◆
72 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:29:36.93 ID:rodgA4Rt0
―現在
 焼け落ちた集落跡

 雨「」ザァァァァ…

大人の焼死体「」

子供の焼死体「」

スライムの焼死骸「」


フメイ「……」

フメイ「…………」ジワッ

フメイ「…………あいつらの、せいだ……。あいつらのせいで……みんな……」

フメイ「………みんな………フメイの、炎で…………」

フメイ「う、うぅ……うあああぁぁ…………」ポロポロ

フメイ「ごめんなさい……ごめん、なさい……」ポロポロ

フメイ「……フメイ………作るから……。みんなが……ずっと平和に………暮らせる世界……」ポロポロ

フメイ「だから……だから……っ」ポロポロ


「フメイちゃん……?」


フメイ「!!!?」バッ

アリシラ?「フメイちゃんだあ……」ヨタヨタ

フメイ「アリシ、ラ……?」

 ◆
73 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:30:54.77 ID:rodgA4Rt0
―翌朝
 イリスのテント

 チュンチュン…

クロシュ(スライムの姿)「」グニャァ


クロシュ(村のみんな……死んじゃった……。フメイちゃんも……いなくなっちゃった……)

クロシュ(わたし……もう……どうしたらいいか……わかんないよ……)

クロシュ(あ……イリスさんと、ミスティさんに……謝らなきゃ……)

クロシュ(フメイちゃんを助けるためにがんばってくれたのに……。フメイちゃんに、攻撃されちゃった……)

クロシュ(…………)

クロシュ(……イリスさんも、ミスティさんも……わたしたちのこと……きっと嫌いになってる……)

クロシュ(………きっと……また、追い出される……)

クロシュ(今度は、フメイちゃんもいないから……一人ぼっち………)

クロシュ(……もう、やだ………。一昨日までの村に、帰りたいよぉ………)


クロシュ(スライムの姿)「」グニャァ

イリス「……どう、声をかけてあげたら良いのかな……」

ミスティ「あの姿じゃ、寝ているのか動けないのかも判別付かないわね……」

妖精「ふわあ……。なに、クロシュのやつまだ不貞腐れてるの?」

イリス「不貞腐れてるって……。住んでた場所を失って、ずっと一緒だった友達とも仲違いしちゃったんだよ!?」

妖精「わ、悪かったね……。でも私たちは推定指名手配犯なんだから、いつまでもうずくまってるわけにはいかないでしょ?」

ミスティ「……そうね。クロシュさんには気の毒だけれど、ここに長居しているわけにはいかないわ……。王国領内には無数の間者が潜んでいると言うし、私たちの犯行がバレていないと楽観視するのは自殺行為よ」

妖精「自分の名前を集落の焼け跡に堂々と突っ立てて来た大魔法使いもいるしね」

ミスティ「えっ何それは……」

イリス「わ、私ってもしかして最悪手を踏んでしまったんじゃ……?」

妖精「……最悪はあいつらに捕まったり殺されたりすることでしょ。まだまだ程遠いよ」

イリス「妖精さん……!!」ズイッ

妖精「とにかくクロシュを叩き起こすよ! 起きろクロシュ!」ゲシゲシ

クロシュ(スライムの姿)「〜〜…」モニョモニョ…

イリス「ああ、そんな乱暴な……!」

妖精「こういう奴は優しくしとくと永遠に甘え続けるんだよ! ほらっ起きろ!」ゲシゲシ

ミスティ(乱暴とは言っても、妖精の蹴りじゃ指先でツンツンされるようなものね)

クロシュ(スライムの姿)「……」モニョニョ…

クロシュ(半分スライムの姿)「うぅ……妖精さん……」グニャ…

イリス「クロシュちゃん! その……大丈夫?」

クロシュ(半分スライムの姿)「あ……イリス、さん……」

イリス「その……大丈夫じゃないかもしれないけど……。今だけでも、起きて欲しいの。ここにいたらまずいから……」

ミスティ「……具体的には、私のソリに乗るまでは自力で立って欲しいわ。スライム状態のあなたを持ち上げるのって、凄く難しいから……」

クロシュ(半分スライムの姿)「……う、うん……」

 ◇
74 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/06(土) 19:32:52.10 ID:rodgA4Rt0
―ミスティのソリ

クロシュ「……」スト

ミスティ「……お疲れ様。起きているのが辛ければ、また寝ていても良いわ……」

クロシュ「あ、えと……。どう、して……?」

ミスティ「……? 何が……?」

クロシュ「そ、その……。どうして……わたしを………見捨てない、の……?」

イリス「み、見捨てるわけないでしょ! 何を言っているの……!」

クロシュ「だ、だって……わたし……。わたしの、せいで……みんな……」

妖精「ああ……。確かに、あなたに付き合ったお陰で私たち全員お尋ね者になった可能性が高いね。目的のフメイにも結局逃げられちゃうし」

クロシュ「あぅ……」グニャァ

イリス「私は自分の意思でクロシュちゃんに付き合ったんだから、クロシュちゃんが気に病むことじゃないよ……!」

ミスティ「……それは首を突っ込んだ私自身の責任よ。あなたに擦り付ける気はないわ……。それにまあ……この国に永住する気もないしね……」

妖精「だってさ。良かったじゃん、こいつらが筋金入りのお人好しで」

クロシュ「……」

妖精「……それでも納得できないなら、こいつらの逃亡生活に手を貸してやれば良い。あなたの変身能力はいろいろ役に立ちそうだしね」

クロシュ「……わたし……役に、立てる……?」

妖精「多分ね」

イリス「役に立つとか関係なく、クロシュちゃんを見捨てたりなんか絶対にしないから安心してね?」
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