プリキュア作るぞ part3【安価有】

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340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/13(水) 23:20:39.06 ID:eMGtnKSq0
えらい高性能な結界だ
341 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/13(水) 23:20:46.31 ID:gjCpmcQso
ここまで
以上、クリアvsライガ終了
続きましてvsもう1人の自分、です。桜野さんには特攻です。
こういうのってプリキュア恒例な気がしてたけどイメージの7割はプリキュア5でした。というかダークドリームでした。

シャドウサクラだと長いので次回からシャドウに統一します
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/13(水) 23:21:18.19 ID:O686q7Kko
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/13(水) 23:22:44.79 ID:eMGtnKSq0

脱出も破壊も不可能で内部にコピー作り出すってずいぶん贅沢な合体技だ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/13(水) 23:50:37.40 ID:RVnQgnXYo
おつおつ
シャドウクリア/ブーケ/クリスタルの幻覚が発生するやーつ!
345 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/15(金) 01:19:53.28 ID:fcSS7p2Fo
透「じゃあ桜野は今……!」

シキ「たぶん桜野自身と戦ってるのです……」

透「勝てない、の……?」

シキ「……」

透「……と、とにかく急いで桜野のところに!」

シキ「う、うん!」

透「シアも!」

シア「はい……あら?」

シキ「シア?」

シア「2人とも、ちょっとこっちに」

透「?」テテテッ

シア「これを見て……」

シキ「んー? なんか赤いの落ちてるのです」

透「なにこれ? 半透明な……石?」

シキ「きれーな石なのです。宝石です?」

シア「それは分かりませんが、問題は……」

透「ここ、ライガが消えた場所だよね?」

シア「ええ」

シキ「……」ジ-

透「そこに宝石みたいな石……ライガが持ってたのかな?」

シア「少し気になりますわね。なにか意味があるものなのでしょうか……」

透「うーん……」

シキ「……」スッ

透「シキ!? 不用意に触っちゃ……!」

シキ「多分だいじょぶなのです」
346 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/15(金) 01:30:08.95 ID:fcSS7p2Fo
シキ「……」カタッ

シア「……何も起こりませんわね。どうですか、なにか分かりそうですか?」

シキ「……うん。やっぱりなにか感じるのです」

透「なにかって? 危ないもの……?」

シキ「ううん。確かに激しさはあるけど、悪い感じはしないのです」

シア「では一体……」

シキ「なにか、強い……感情? 意志? みたいな……」

透「強い意志……? なんでそんなものが……」





雪菜「こんなところに?」

雪菜「うーん、きれない琥珀色だけど……あれ?」

雪菜「この面だけなんか……割れてる?」

雪菜「あ、もしかして、ひびが入ったってこれのことなんじゃ……!」

雪菜「もしそうなら近くに欠片が……!」キョロキョロ





朱「……あった」

朱「エメラルドみたいな石の欠片がふたつ……」

朱「断面の感じからすると……」

朱「ぴったり」カチャッ

朱「この形……これがあの時言ってた……」





「「「はーと……?」」」
347 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/15(金) 01:43:11.11 ID:fcSS7p2Fo
タンッ

サクラ「!」

シャドウ「たぁぁ!!」ヒュンッ

ドカァンッ!

サクラ「くっ……!」

シャドウ「ふふっ」ニヤッ

何も無い、からっぽの世界。
そこでサクラは今も、自分と全く同じ姿、同じ顔をした存在と戦っていた。

サクラ「どういうことっ……!? なんでわたしがもう1人……!」

シャドウ「ここはそういう場所だから」

サクラ「場所……!?」

シャドウ「ここはあなたの心の中。ここはあなたの夢の世界」

サクラ「なにっ……言って……!」

シャドウ「あなたは今ね、眠ってるの。そして……勝った方が目を覚ます」

サクラ「!!」

シャドウ「わたしはあなたになる。わたしになる」ヒュッ

サクラ「あぐっ……!」

動揺するサクラに、シャドウは躊躇いなく攻撃を繰り出す。

サクラ「あなたっ……! いったい何者なのっ……!!」

シャドウ「見ての通り、あなただよ。あなたが目を逸らし続けていた、あなた自身だよ!」

サクラ「っ!? わたし自身……?」

シャドウ「はぁ!!」

サクラ「!」

ダァァンッ!

サクラ「げふっ……うくっ……!」ズサッ

シャドウ「あははっ♪」

サクラ「あなたが……わたし……?」ヨロッ

シャドウ「うん、そうだよ」

シャドウ「わたしはあなた。あなたはわたし」

シャドウ「見て見ぬふりはもうおわり」ニコッ
348 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/15(金) 01:57:47.01 ID:fcSS7p2Fo
シュパァァンッ

雪菜「はぁはぁ……やっぱりダメですね……」

朱「ほんの少しの手応えすら感じない……これじゃあ透ちゃんと合流できても壊すのは難しそうね……」

雪菜「はい……」

サクラ(in結界)「」

雪菜「桜野さん、ちっとも目を覚ましません……」

朱「そうね……」

雪菜「中で何が起こっているんでしょう……」

朱「はやく干渉する方法を探さなきゃね……」



透「朱、雪菜!!」タタタッ



雪菜「あ!」パッ

朱「透ちゃん!!」

透「よかった! 2人とも無事で!」

雪菜「はい、なんとか」

朱「透ちゃんたちも無事でよかったわ……!」

透「ツナミとカサイは……」

雪菜「……」コクッ

透「……そっか」

雪菜「じゃあライガも……?」

透「うん」グッ

朱「やったのね……!」

透「うん。でも……」チラッ

サクラ(in結界)「」

透「……」

朱「……いったん情報交換しましょうか」
349 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/15(金) 02:11:18.71 ID:fcSS7p2Fo
シア「とにかく、あの3人は倒せたということですわね」

透「うん」

シア「ですが桜野は……」

サクラ(in結界)「」

朱「目も覚まさないし、結界も変化なしね」

雪菜「壊せないか色々試したんですけど、ダメそうでした……」

シキ「桜野ぉ……」

透「そうなると結界を壊すには、サイカを倒すか桜野が目を覚ますかのどっちか……」

シア「それはカサイが言っていたんですのよね? 信じて良いのでしょうか……」

雪菜「私は……信じます」

透「……まあ、わざわざそんな嘘をつくタイプでもないか」

朱「でも桜野ちゃんが次に目を覚ました時は、もうあたしたちの知ってる桜野ちゃんじゃないって」

雪菜「それは私も言われました」

シア「桜野を手駒にする計画なんですわよね」

朱「それでそのために、あの中では桜野ちゃんが自分自身と戦ってる……」

透「うん。シキの予想が正しければだけど」

シキ「それが最悪のパターンなのです。もし予想が正しかったら、桜野はきっと本当に勝てない……」

朱「……」

雪菜「どうにもならないんでしょうか……」

シア「現状では難しそうですわね……」

透「やっぱりサイカをなんとかするしかないのかな……」

朱「それも桜野ちゃんが目を覚ます前に……」

雪菜「簡単じゃ……ないですよね……」

シア「そもそもサイカがどこにいるのかすら掴めません。むやみに探して見つかるものでもないでしょうし……」

シキ「あぅぅ……」

透「桜野……」

サクラ(in結界)「」

透「……」

透「ねぇ、桜野……私の声、本当に聞こえないの……?」

透「私、ここまで来たよ……桜野のこと、迎えに来たんだよ……?」

透「それ、なのに……」

透「こんなに近くにいるのに届かないなんて……!」

透「桜野ぉ……!!」ギュッ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/15(金) 03:51:12.08 ID:290FsLOoo
ペルソナ4?
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/15(金) 07:32:48.81 ID:LgNNe7ZV0
桜野ちゃんが2人もいるなんて朱さんよだれ垂らして2人ともお持ち帰りしたくならない?
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/15(金) 07:53:55.74 ID:R5Kpjw430
この結界をお持ち帰りしてちょっと弄れば霰ちゃんも雪菜ちゃんも透ちゃんもみんな無限に増やせる?
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/15(金) 08:44:00.13 ID:eaZFd80z0
おうなんで朱さんだけいないのか説明してもらおうか
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/15(金) 20:11:06.89 ID:fEREzZiDo
朱さんは増えると全ての少女を独り占めしようとして戦争が起こります
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/16(土) 00:20:32.05 ID:+J/HUEPG0
結界の中でも酸欠で死なないってことは外から酸素が入るだけの僅かな隙間はあるのかしら?
356 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 00:15:08.62 ID:3a/Q+oRzo
さ、酸素とかはほら……ファンタジーだから……
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 00:30:31.82 ID:SoT4cvMd0
くっ!例え目に見えないくらい小さくても穴があるのなら超小さくしたセパレートマント侵入させて中でユナイトさせてロケーションムーブで侵入できるのにな
358 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 00:36:22.78 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「はぁっはぁっ……!」ボロッ

シャドウ「あっはは♪ がんばるねぇ。でもわたしに勝つのは難しいと思うなぁ」

サクラ「絶対……勝つ……! 勝って目を覚ます……!」

サクラ「いつまでも眠っているわけにはいかないの……倒さなきゃいけない相手がいるの……!」

サクラ「これ以上、誰も傷つかないようにする……! そのためならわたしはっ……!!」

シャドウ「うそつき」

サクラ「っ!! あなたなんかに何がわかるって言うの!? 知った口聞かないで!!」

シャドウ「また見て見ぬふりするんだ」

サクラ「うるさいっ!」ダンッ

サクラが全力で踏み込み、一気にシャドウへ肉薄する。

サクラ「はぁぁああ!!」ドガガガッ

シャドウ「これでもまだ向き合ってくれないんだ」

しかしその猛攻も、シャドウは涼しい顔で受け流す。

シャドウ「ダメだよ、ダメ。そんなの許さない……」

シャドウ「わたしはあなた。あなたがひた隠しにしてきた痛み。あなたが零さなかった涙」

シャドウ「押し込められて、ひたすら募って……ほら見てわたし、こんなに大きくなったよ」ニコッ

サクラ「っ……!」

シャドウ「だからぜんぶ分かる。あなたの悲しみも苦しみも、ぜーんぶ知ってるよ」

サクラ「うるっ……さいっ……!!」

シャドウ「ねぇ、覚えてる? 覚えてるよね?」

サクラ「うるさいって言ってるの!!!」ギュオッ

シャドウ「8さいの誕生日だったよね」

サクラ「っ!」ピタッ

シャドウ「たあっ!」ブンッ

サクラ「!?」

バキィッ!

一瞬の動揺を突かれたサクラが宙を舞った。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 00:38:26.74 ID:RMjSbHMIo
大きくなった?
おっぱい?
360 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 00:55:37.59 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「あぐっ!」ドサッ

シャドウ「あの日……パパが帰ってくることになってたんだよね」

サクラ「はぁ、うくっ……!」ズキズキ

シャドウ「ほとんど帰ってこないパパ……誕生日に家族3人そろうなんて初めてで、とっても楽しみだったよね」

サクラ「や、め……!」

シャドウ「道草もしないでまっすぐおうちに帰って、わくわく気分のそのままにドアを開けて……」

サクラ「やめて……!」

シャドウ「ただいまって言おうとしたんだよね?」

サクラ「っ……!」

桜野(そう。あの日のわたしは、ただいまって言おうとした。でも言えなかった)

シャドウ「だってドアを開けたらさ、急に聞こえてきたんだもんね」

サクラ「だまれぇ……!」

桜野(わたしのただいまを遮ったのは、ママの叫び声だった)

シャドウ「『捨てないで』、『ひとりにしないで』」

桜野(必死に懇願するように泣き叫んでいた)

シャドウ「なにがなんだか分からなかったよね」

桜野(わたしは玄関で立ち尽くしたまま動けなかった)

シャドウ「何が起きてるか分からずにいたら、リビングのドアが開いてパパが出てきたよね」

桜野(久しぶりにパパに会えた。それなのに、震えが止まらなかった)

シャドウ「パパの足元にはママもいて……縋りつくママを、パパは鬱陶しそうに蹴っ飛ばしてたね」

桜野(それでもママは、何度もパパに縋りついた。足を掴んで、服を掴んで、その度に突き飛ばされた)

シャドウ「震えながら立ち尽くしていたら、パパがこっちに気づいたね」

桜野(パパと目が合った。いつも優しくてあったかいパパからは想像もつかない、氷みたいに冷たい目だった)

シャドウ「パパはあなたに気づいた途端、呆れた声でこう言ったよね……」

サクラ「やめっ……」



パパ『だから産まなきゃよかったんだ』



サクラ「うぅぅ……っ!」ギリッ

シャドウ「ふふっ」ニコッ
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 00:57:31.20 ID:Syc+WkxBo
なぜ桜野さんの周囲の人間だけ民度最悪なのか
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 01:10:53.09 ID:n0ifzAFQ0
生まれた時から不幸すぎる
精神からねじ曲げられてるし人生に関しては帝国とか全く関係ないんだから救いようがないというか分岐点どこにもないというか
363 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 01:16:31.12 ID:3a/Q+oRzo
シャドウ「何を言ってるの? どうしてそんなことを言うの? なんにも分からなかったよね」

サクラ「はあっはあっ……!」

シャドウ「でもそれだけで終わりじゃなかった」

サクラ「っ! もうなにもしゃべるなっ……!」

シャドウ「止めてみれば?」ニヤッ

サクラ「っ……!!」ピキッ

サクラは力任せにシャドウを攻撃した。
しかしシャドウは、そんな攻撃をあっさりいなして話を続ける。

シャドウ「ふぅ……さっきの、ママも聞いてたんだよね」

サクラ「う、けふっ……!」

桜野(『産まなきゃよかった』。その言葉を聞いたのは、わたしだけじゃなかった)

シャドウ「ママもあなたに気づいた」

桜野(わたしを見つけた時、ママはハッとした表情を浮かべた)

シャドウ「それですぐまたパパに縋りついて言った。覚えてる? 忘れるわけないよね? ママ、こう言ってた……」

サクラ「も……やめ……」



ママ『捨てる、捨てるからっ! その子捨てるから!! 孤児院でも養護施設でもゴミ箱でも!! どこにだって捨ててくるからっ!! だからわたしを……!!』



シャドウ「置いてかないで……って」

サクラ「う、ぅぅあ……!」

シャドウ「ママにとって、あなたはただの鎖みたいなものだもんね」

桜野(そう。わたしが産まれたのはママのワガママのため)

シャドウ「子供を産めば、パパは自分から離れていかない。ずっと繋ぎとめておける」

桜野(そう考えたから、無理やりにでもわたしを産んだ)

シャドウ「ママのもとからパパがいなくならないようにする。あなたの存在理由はそれだけなの」

桜野(わたし自身は望まれたわけでも、愛されたわけでもない)

シャドウ「そしてママにとって、パパを繋ぎとめておけないあなたには何の価値も無いの」

桜野(だからママは、わたしを捨てるって言ったんだ。無価値なゴミを捨てれば、パパと一緒にいられるって思ったんだ)

サクラ「っ……!」ギュウウッ
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 01:19:37.53 ID:e9WD8a5d0
こんなプリキュア放送したらスタッフ人の心ないと思われちゃう
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 01:22:50.78 ID:n0ifzAFQ0
玩具売る気一切ないプリキュア
366 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 01:36:47.48 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「ふぅっ……ふぅっ……!」

シャドウ「でもパパにとってはママにも価値なんてなかった」

桜野(パパがママを強く突き飛ばした。壁にぶつかって大きい音がした。糸が切れたみたいにママが倒れて、そのまま動かなくなった)

シャドウ「それからパパがあなたのところまでゆっくり歩いてきた」テクテク

サクラ「!」ビクッ

桜野(パパが近づいてくるのが恐ろしかったのは初めてだった)

シャドウ「目の前でしゃがんで頭を撫でてくれたよね」ポンッ

サクラ「やっ……!」カタカタ

桜野(その手から温もりを感じなかったのは初めてだった)

シャドウ「それで、状況がさっぱり理解できなかったあなたに、丁寧に説明してくれたよね」

桜野(パパはママのこと、好きじゃなかったんだって。ママが一方的にパパのことが好きで、パパはそれをずっと鬱陶しいって思ってたんだって)

桜野(突き放そうとするとヒステリックを起こして暴れるから、面倒くさいけど仕方なくかまってたんだって)

桜野(それなのに、ママは嘘をついて子供を……わたしを産んだんだって)

桜野(パパ、すごく嫌だったんだって。わたしのこと、嫌いだったんだって。ずっとずっと嫌いで嫌いで嫌いで、大っ嫌いだったんだって)

サクラ「……っ」ガタガタ

シャドウ「それにパパ、こうも言ってたよね……本物の家族がいるって。あなたやママとは違うって。ちゃんと結婚して、ちゃんと家族なんだって」

シャドウ「それに娘もいるんだって。あなたとは違う、本当に愛する、本物の娘なんだって」

シャドウ「だからパパ、最後に笑顔でこう言った……」

桜野(何度も見たことあるはずなのに、見たことない笑顔で言った)

シャドウ「お前はね……」ニコッ

サクラ「……っっっ!」



パパ『いらない子なんだよ』



桜野(その日、わたしはパパに捨てられた)
367 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 01:55:29.89 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「ふぅーっ、ふぅーっ……!」

シャドウ「どおどお? 分かってくれた??」

サクラ「っっ! うるっ、さいっ……! わたしは……!!」

シャドウ「うん、分かるよ。これで全部じゃないもんね?」

サクラ「っ……!」

シャドウ「でもまあその後どうなったかは、正直あんまり覚えてないよね」

桜野(そう……気づいたら、ママとの2人暮らしに戻っていた)

シャドウ「でもまるっきり前と同じってわけでもなかったよね」

桜野(毎日、知らない男の人が家にいた。毎日違う人だった)

シャドウ「ママのお客さんなんだってね」

サクラ「っは……っは……」カタカタ

桜野(わたしはその人たちが怖くて怖くてたまらなかった。だから朝は誰より早く学校に行って、誰より遅く帰るようになった。休みの日もできるだけ外で過ごして、家にいる時は部屋に籠って布団を被って小さく丸まっていた)

シャドウ「その間、あなたはずっと現実逃避を続けてた」

サクラ「そ、そんなことっ……!」

シャドウ「あれ以来、ママはどこかおかしくなってた。でもそれはパパがママを突き飛ばした時、頭を強くぶつけたからだ。そうに違いない。きっとそうに違いないんだ。パパだって、ちょっと機嫌が悪かっただけだ。自分にだってそういう日はある。たまたまだ。偶然だ。これは何かの間違いだ……って」

サクラ「っ……っっ……!」

シャドウ「そんな生活が1年くらい続いたね」

サクラ「……!」

シャドウ「あの日のこと、覚えてるよね?」

サクラ「ぁ……」

桜野(9さいの誕生日だった)
368 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 02:01:14.70 ID:3a/Q+oRzo
余談でもなんでもないんですけど
非公式というか、>>1が勝手に言ってるだけというか、>>1の脳内設定みたいな話なんで本当に聞き流してもらって構わないんですけど
桜野さん処女喪失はこのくらいの時期(8さい)、出入りしてた男につまみ食い感覚で……
みたいな感じだと思ってる
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:03:50.92 ID:n5Y8oHeNo
スナック感覚で悲劇が盛られていく
370 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 02:14:50.44 ID:3a/Q+oRzo
桜野(学校からの帰路、わたしの足取りは1年前のように軽くはなかった)

シャドウ「それでもあなたはまっすぐおうちに帰った。それまでは出来るだけ遅くなるように帰ってたのに、あの日だけはそうしなかった」

サクラ「……っ」

シャドウ「もしかしたら何か起きるんじゃないかって思ってたんだよね。あの日の出来事はぜんぶ夢で幻で、帰ったら幸せな誕生日をお祝いできるんじゃないか、なんて……そう思わずにはいられなかったんだよね」

サクラ「ち、が……っ!」

シャドウ「でもその期待はちょっとだけ叶った」

サクラ「っ……」

桜野(そう。ちょっとだけ叶った。あの日、意を決して家に帰ったら、玄関にママがいた)

シャドウ「ママが、おかえりって言ってくれたんだよね」

桜野(ママの顔をまっすぐ見るのは久しぶりだった。本当に、本当に久しぶりだった)

サクラ「……」

桜野(久しぶりのママはすごく疲れていて、やつれていて、ボロボロで……でも穏やかに笑ってた)

シャドウ「ママ、いっぱい謝ってくれたね。今までごめんね、ほったらかしてごめんね、ちゃんとお母さんできなくてごめんねって何度も……」

サクラ「………………やめて」

シャドウ「誕生日もちゃんと覚えててくれたね。バースデーケーキも用意してくれて、ナイフで切り分けてあなたの前に飾り付けてくれたね」

サクラ「…………やめてよ」

シャドウ「それでママ、あなたに聞いたよね」

サクラ「やめてって言ってるでしょ……!」

シャドウ「誕生日プレゼントは何がいい?」

サクラ「やめろっ!!!」ダッ
371 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 02:30:17.20 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「うああっ!」ガバッ

シャドウ「ふふっ」クルッ

サクラ「あぅっ……」ドサッ

シャドウは余裕の笑みを浮かべながら、飛びかかったサクラを易々と躱す。

シャドウ「ねぇ、あなたはなんて答えたんだっけ?」ドカッ

サクラ「あぐっ……!?」

そして倒れたサクラの脇腹を容赦なく蹴り飛ばす。

シャドウ「ねぇっ……てばっ……!」ドガガッ

サクラ「はっ……げふっ……!」

シャドウ「忘れちゃったの? ねぇ、ねぇ??」ドガッドガガッ

サクラ「うがっ、ぁ……がっ……!」

シャドウ「ほら、覚えてるでしょ? わたしが言ってあげよっか? ねぇ??」ゲシゲシッ

サクラ「う、ぐ……!」

シャドウ「ほら言ってみてよ! あなたはママに! 何をお願いしたんだっけ!!」ドガッ!

サクラ「う、ぁ……!」ゴロゴロッ

サクラ「っ……」グタッ

サクラ「ふー……ふー……」



『誕生日プレゼントは何がいい?』

『ぷれぜんと?』



桜野(とっても嬉しかった。プレゼントなんて初めてだったし、何よりママが優しかった)



『うん。今までいっぱい酷いことしてきちゃったから、どんなものでもいいよ』

『ほんとに? どんなものでも?』



桜野(大好きなママが戻ってきてくれたって思った。また前みたいに、家族になれるんじゃないかって思った)

サクラ「ふっ、ふっ……うくっ……」

桜野(だから……わたしは……)

サクラ「………………っ」ギュウウウッ

『じゃあね……』



サクラ「………………ぱ……ぱ」



シャドウ「あは♪」
372 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/17(日) 02:31:29.66 ID:3a/Q+oRzo
なんかしんどくなってきたのでここまで


実は>>363のママのセリフは本作でも五指に入るくらいには気に入ってます
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:32:00.91 ID:n5Y8oHeNo
親に愛情なんて全然向けられてなくても親のこと好きになっちゃうんだな子供って
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:33:12.90 ID:n5Y8oHeNo

次作のプリキュアもエグい境遇枠いそう
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:35:17.02 ID:n0ifzAFQ0

よくもまあ残酷なことを容易く思い付く…
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:36:08.17 ID:b/6LDhDho

もう手遅れだろ桜野さん
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 02:42:19.50 ID:l1DmV1U5o

身内系ラスボスじゃん……
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 07:50:53.69 ID:+hdtjjv80

うーんこの吐き気を催す邪悪
こんな場所に桜野を連れ戻そうとしてる3人ももう桜野に○ねって言ってるようなものだろ
全員悪の蟲毒の世界にしか見えん
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 10:14:27.20 ID:3jPK7YJE0
「パパ」はコスモスに殺されてまあよかったけどコスモスの方のママはとばっちりでかわいそ
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 16:35:50.46 ID:FyiDfEtio
パパが闇そのものなドクズとはいえ両親ともに一般人なはずのコスモスさんはどうやってカラミティ帝国に就職したのか
まさか書類選考筆記試験面接があるわけでもないし
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 16:42:12.59 ID:FyiDfEtio
>>378
このまま戦い続けたら寿命で死ぬんですが…

未だにプリキュアがなんなのか分からない
伝説の戦士と言われても「ふーん伝説って?」と問い返すレベル
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/17(日) 17:25:24.57 ID:+hdtjjv80
>>378
連れ戻しても親に○されるんだよなぁ…
プリキュアというファンタジーで戦って死ぬか、親という現実で無惨に○されるかの違いでしかない
何が酷いって、プリキュアという本来あり得ないもう一つの道すらも死につながってるということよ、桜野視点に立った時の絶望感ヤバいで
383 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 01:40:03.63 ID:OkKiMh/No
コスモスさんの就職に関してはちゃんと決めてるわけではありませんが、コスモスさんが両親殺害した直後にスカウトされた感じかなと思ってます
そして闇の力で死体処理てきな コスモスさん死亡によるリセットで死体出てきたりするかもてきな



プリキュアの根幹設定は正直そんなに詰めてないです むしろそこをフワッとするために「プリキュア」ってタイトルを借りてると言っても過言ではない
考えるならウィッシュスターとどう関連するかが重要になりそうです
そもそもどっちが先か分かりませんが、例えばウィッシュスターの防衛機能として同時に作られたとか、過去にウィッシュスターに戦う力を願った奴がいてその結果生まれたとか
384 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 02:06:04.18 ID:OkKiMh/No
サクラ「…………」

シャドウ「そう、そうだったよね。せっかくママ、忘れようとしてたのに、乗り越えようとしてたのに……」

桜野(わたしのせいで思い出してしまった)

シャドウ「だからママがあんなことをしたのも……」

桜野(ぜんぶわたしが悪いんだ)

サクラ「…………」

シャドウ「あなたの言葉を聞いた途端、ママの顔から血の気が引いたのが分かったよね」

桜野(青くなって、白くなって……)

シャドウ「それで……」

桜野(赤くなった)

シャドウ「たっ!」バキッ

サクラ「あぐっ!??」ドサッ

桜野(ママはわたしを殴り飛ばした)

サクラ「う、く……げふ……!」ズキズキ

シャドウ「ふふふっ」ノシッ

サクラ「っ……!?」

桜野(そして倒れたわたしに馬乗りになって……)

シャドウ「♪」スッ

サクラ「っ!!!」

桜野(わたしの首に両手をかけた)

サクラ「あ、が……!? はっ、ああ゛っ……っ!!?」ビクンッ

シャドウ「ほらほら! 覚えてるでしょ!?」ギリギリ

サクラ「かひゅ、ひゅー……う゛あ゛っ……!!」

シャドウ「ママはこうやって! 思いっきり体重かけてさ!!」ギギギギッ

サクラ「っっ! あ゛……が、ひゅっ! え゛ぁ……!!」ジタバタッ

桜野(ママの顔が近くにあった。見たこともないくらい怖い顔だった)

シャドウ「力いっぱいあなたの首を絞めた!!!」ギギギギッ

サクラ「っえ゛……ぅぇあ゛……あ゛……!」

桜野(それでその顔のまま……)

シャドウ「それでっ……! あなたに向かって!!」

桜野(ママは叫んだ)

シャドウ「あんたさえっ!」



ママ『あんたさえ産まれてこなければっ!!!』



サクラ「っっ……っう、ぅぅぅあああああ!!!!!」ドガッ

シャドウ「う? うぁったっ!?」ゴロンッ
385 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 02:34:00.89 ID:OkKiMh/No
サクラが無理やり腰を浮かせ、バランスを崩したシャドウの背中に蹴りを入れた。

サクラ「はぁっはぁっ……!」

シャドウ「あっはははははっ♪」

サクラ「っ!?」

サクラはすぐさま立ち上がったが、シャドウは仰向けに転げたまま笑い声を上げる。

シャドウ「あの時も、そんな感じでいっぱい暴れたよねぇ」

桜野(そう。ママに首を絞められている時もたくさん暴れた)

サクラ「……」

桜野(あの時のわたしじゃ、どれだけ暴れても無意味だったけど……それでも怖くて、苦しくて、必死に抵抗した)

シャドウがゆっくりと立ち上がる。

シャドウ「あなたがあんまり大きい音をたてるものだから、お隣さんとかが気づいてさぁ……」

サクラ「…………やめろ」

桜野(ドアがドンドンって鳴って、声が聞こえて、警察にって……)

シャドウ「そしたらママ、あなたの上から退いてくれたね」

サクラ「言うなっ!!!」ギュンッ

シャドウ「やぁだっ♪」

サクラはシャドウにそれ以上しゃべらせまいと、矢継ぎ早に攻撃する。
しかしシャドウはものともせず話し続ける。

サクラ「うあああっ!」ガガガガッ

シャドウ「ねぇねぇ! ママ、あの時どんなこと考えてたのかなぁ!」

サクラ「うるさいっ……!」

桜野(ママは立ち上がるとゆっくり歩いて、テーブルにあるナイフに手を伸ばした)

シャドウ「聞きたいねぇ、知りたいねぇ! でももう分かんないねぇ!」

サクラ「だまれっ……!!」ドガガッ

桜野(わたしのバースデーケーキを切り分けたナイフ。まだクリームがついていた。ママはそのナイフを……)

シャドウ「だってママは、あなたの目の前で……」

サクラ「だまれぇっ!!!」ギュオッ

シャドウ「死んじゃったもんね」ニコッ

桜野(自分の喉に突き刺した)

ドガァァァンッ!!!
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 02:39:26.33 ID:f6LjMYvso
どんな形であれ一度は警察の目が届いてもなお結局環境が変わってもなお虐待され続けるのか
387 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 02:43:20.62 ID:OkKiMh/No
サクラ「う、が……っ! かふっ……」

シャドウ「ねぇねぇ」

サクラ「……っ」

シャドウは、倒れるサクラのすぐそばでしゃがみこみ、サクラの顔を覗きながら煽るように笑む。

シャドウ「その色、とってもよく似合ってるよ」

サクラ「っ!!」

シャドウ「ママの血とケーキのクリームが混ざりあった色……」

サクラ「……っ!」

シャドウ「あなたの大っ嫌いなピンク色♪」ニコッ
388 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 02:44:09.10 ID:OkKiMh/No
桜野さんの怖いもの:1スレ目>>353
389 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 03:04:12.03 ID:OkKiMh/No
サクラ「……っはぁ……っはぁ……!」カタカタ

シャドウ「そうやってパパもママも失ったあなたは、叔母さんたちに引き取られた」

桜野(9さいになってすぐ……誕生日からほんの数日後だった)

シャドウ「叔母さんたちにいっぱいひどいことされたね」

サクラ「……っ」

桜野(そんな中で、考えるのはパパとママのことだった)

シャドウ「パパ言ってたね、お前はいらない子だって」

シャドウ「ママ言ってたね、産まれてこなければって」

シャドウ「なんで生きてるのか分からなかったよね」

サクラ「………………」

シャドウ「でもあの子との出会いがあなたを救ってくれた……」

桜野(まいごのおんなのこ)

シャドウ「あの日のコスモスが」

サクラ「……っ」

シャドウ「あなたはついに、生きる意味を見つけた」

桜野(誰かの役に立つこと、それがわたしの存在理由になった)

シャドウ「プリキュアにこだわったのだって、それが極致だと思ったからだもんね」

桜野(迷う理由はなかった)

シャドウ「それにコスモスとも再会できた」

シャドウ「コスモスと仲良くなって、あの子が両親を亡くしていることを知って、その境遇を自分に重ねて……」

シャドウ「ほっとけなくなって、もっと仲良くなって、あなたの中であの子の存在がどんどん大きくなって……」

桜野(そしてわたしは知ることになる)

シャドウ「そんな時だったね、あのロケットの中身を見たのは」

サクラ「……」

シャドウ「なにが入ってたんだっけ?」

桜野(ロケットには1枚の写真が収められていた。家族の写真だ。中睦まじそうな3人家族)

サクラ「……左側には母親らしき女性。右にはパパ。そして真ん中には今よりもほんの少しだけ幼いコスモスがいた」

シャドウ「ふふふっ、そう。コスモスと一緒にパパが写ってた」

サクラ「……」

シャドウ「あなたのパパが」

サクラ「…………っ」

シャドウ「あなたとコスモスは異母姉妹だった」
390 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 03:05:46.86 ID:OkKiMh/No
桜野さんとコスモスさん、どっちが姉でどっちが妹かは設定上は決まってないです
がしかし、桜野さんは誕生日聞いてる(2スレ目>>83)ので知ってます
391 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 03:22:21.22 ID:OkKiMh/No
シャドウ「それってつまりさ、コスモスこそパパが言ってた『本物の娘』なわけだよね?」

サクラ「……」

シャドウ「恨むことだってできたはず。でもあなたはそうしなかった」

サクラ「…………だって、あの子はなんにも悪くないから」

シャドウ「わたしには分かるよ。あなたは本当に、あの子を大切に想ってた。本気であの子を幸せにしようとしてた」

サクラ「…………だって、あの子は幸せじゃなきゃいけないから」

シャドウ「どうして?」

サクラ「だってあの子は『本物』だから……わたしがなれなかった『本物』だから……!」

サクラ「わたしが手に入れられなかった幸せをぜんぶ持ってるはずだからっ……!!」

サクラ「わたしが不幸であればあるだけっ、あの子は幸せじゃなきゃいけなかったのっ!!!」

シャドウ「……」

サクラ「はぁっはぁっ……! でもっ……!」

サクラ「でもあの子は不幸だった……家族を、両親を失ってひとりぼっちだった……」

サクラ「そんなのダメなの……あの子は幸せにならなきゃいけない……!」

シャドウ「だから『わたしが幸せにする』なんて言ったんだぁ」

サクラ「あの子はわたしが助けてあげなきゃ! 迷子のままひとりぼっちで泣いていることしか出来ない可哀想な女の子だった!!!」

シャドウ「そう思ってたのにねぇ」

サクラ「……っ!」
392 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 03:42:55.71 ID:OkKiMh/No
シャドウ「あの子が自分で両親を手にかけたって知った時、どう思った?」

サクラ「………………」

サクラ「……バチが当たったんだって思った」

サクラ「コスモスと再会してからのわたしは、きっと人生で1番悪い子だった」

サクラ「ワガママで、欲張りで……だからバチが当たったんだ」

サクラ「きっとどこかで神様が見てて……悪い子のわたしから、ぜんぶ奪っていくんだって思った」

サクラ「だからわたしは、良い子に戻ることにした」

シャドウ「だから殺したんだ」

サクラ「……っっっ!!!」ギュウウウッ

サクラ「みんながあの子の死を望んでたっ!!! きっとあの子自身でさえそうだった……!!」

シャドウ「あなたは?」

サクラ「わたしのことなんかどうでもいい!!」

シャドウ「そうやって目を逸らすから、わたしが生まれたんだよ?」

サクラ「うるさいっ!!」

シャドウ「コスモスが死んでも、あなたは1度も泣かなかった。どうしてあんなに必死にこらえたの?」

サクラ「こらえてなんかない!! わたしは良いことをしたんだ……! みんなが喜ぶことをして……役に立てたんだもん……!! こらえてなんか……」

シャドウ「うそつき」

サクラ「うそじゃない!!!」

シャドウ「ううん、うそだよ。わたしには分かる。あなたが泣けなかったのは……」

サクラ「もうだまって……!」

シャドウ「あの妖精のせいでしょ?」

サクラ「………………え?」
393 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 04:12:02.88 ID:OkKiMh/No
サクラ「え、え……?」

サクラ「よう……せい……?」

サクラ「ちが……う。シキは……ちがうよ……」

シャドウ「違わない。あの妖精がいたから泣けなかった」

サクラ「ち、がう……ちがう……ちがう、違う違う違うっ!! シキは関係ないっ!!」

シャドウ「関係あるよ。だってあの妖精、ずっとあなたのそばにいた」

サクラ「たしかにずっと一緒だったけど……! でもそんなの……!」

シャドウ「外ではいつもニコニコ笑ってなきゃいけないあなたにとって、あの小さなクッションは唯一あなたがあなたのままでいられる場所だった」

サクラ「っ……違うっ……!」フルフル

シャドウ「なのにあの妖精は、そんな場所にまで踏み込んだ」

サクラ「わたしが受け入れたのっ!!」

シャドウ「でもそのせいであなたは、隠れて泣くことすら出来なくなった!!!」

サクラ「っ!」

シャドウ「ほんの少し気を抜くことすら許されなくなって! ずっと笑顔のままいるしかなくて! そうやって抑え続けなきゃいけなくなった!!」

サクラ「ち、がうっ……!!」

シャドウ「あの妖精のせいで、わたしはここまで大きくなったんだ!!」

サクラ「!」

サクラ「……っ!」ギリッ

サクラ「あの子はわたしより苦しんでた!!!」

サクラ「故郷も家族も友だちも喪って! 行くあても無くなって!!」

サクラ「わたしがなんだって言うの!? あの子に比べればわたしの痛みなんてなんでもない!! あの子の方がわたしなんかよりずっと大きな悲しみを抱えてたの!!!」

シャドウ「他の誰かがあなたより悲しんでることが、あなたが泣いちゃいけない理由になるのっ!!?」

サクラ「なるよっ!!!!!」

シャドウ「!」

サクラ「はぁっはぁっ……! だって、わたし……約束したもん……」

サクラ「戦うって……ぜんぶ取り戻すって……絶対助けるって言ったんだもん……!」

サクラ「それなのに、助ける方が泣いてたら……助けられる方は不安になっちゃう……」

サクラ「……それじゃダメなの」

サクラ「大丈夫って言わなくちゃ……いつでも笑顔でいなくちゃ……ちゃんと約束守らなくちゃ……」

サクラ「泣いたって……なんにもならない……」

シャドウ「……っ」ゾワッ

サクラ「そう、そうだよ。なんにもならないんだよ……」

サクラ「わたしが泣いたからなんだっていうの? それで誰かを助けられるの? わたしの涙で誰を救えるの?」

サクラ「なんにもならない……」

サクラ「なんの意味も……価値もない……」

サクラ「そんな、なんの役にも立たないもの」

サクラ「はじめから」

サクラ「枯らしてしまえばよかったんだ」
394 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/18(月) 04:12:45.31 ID:OkKiMh/No
ここまで
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 05:15:57.63 ID:Rsbr/UdOo

なんでシャドウにまでドン引きされてるんだ…
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 05:21:27.46 ID:zl+xI/Ni0

その顔は何だ!?その目は何だ!?その涙は何だ!?
お前がやらずに誰がやる!?お前の涙で、奴が倒せるか!?この地球が救えるか!?
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 05:38:37.03 ID:DQ1jw2uy0
コスモスよりサイコパス?
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 05:54:27.89 ID:xklnbBX0o
人の心の闇的なかすかに残された人間性なシャドウですらもはや入り込む余地もないモンスターかロボットか
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 08:34:02.33 ID:v2iQ2o+u0
思考回路がショート寸前♪じゃなくてめちゃくちゃな繋ぎ方されてるんだから救い出して家庭環境変えても死にますってそりゃ言われるわ
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 11:46:16.61 ID:gv6iffgI0
シャドウ「他の誰かがあなたより悲しんでることが、あなたが泣いちゃいけない理由になるのっ!!?」
それ気に掛けてくれてる味方ポジションの台詞…
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/18(月) 23:09:46.81 ID:km+Kwu+4o
結構はじめっから桜野さんのこの設定考えてたの…こっわ…
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 00:01:46.25 ID:vpmuVaMyo
次の主人公も桜野さんみたいな二郎系ラーメンの100倍中身こってりどろっどろの濃厚な女の子になるんかな?
403 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/19(火) 04:04:09.97 ID:u/vT7Vrio
さすがに時間ズレすぎてヤバいのでこれだけ



本編開始までの桜野さんの年表

0歳     ママの既成事実のために誕生
〜8歳まで  育児放棄期 死なない程度の世話で育てられる
8歳(誕生日)  パパに捨てられる
〜9歳まで  完全家庭崩壊期 ママがとっかえひっかえ男を連れ込む
9歳(誕生日)  ママに殺されかける 同日、ママが自殺
9歳     ママの妹夫婦に引き取られる 虐待開始
10歳     まいごのコスモスに出会う
〜14歳まで  求められるまま応える
14歳     本編開始 プリキュアになる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 07:54:18.58 ID:iknyC2Hs0
生まれた瞬間から酷い仕打ち
ここまでされるほどなんか悪いことしました?
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 09:04:37.64 ID:XqL6NmRv0
もはやシーズンランドとかどうでもいいまである、こっちの邪悪が潰されず放置されてることへのヘイトの方が強い
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 15:41:43.44 ID:bDHg6heCo
どう見ても闇の力に支配されて闇落ちするシチュエーションだったのに初めから闇じゃねえか!
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/20(水) 21:57:39.88 ID:1gcRJjUw0
セキュリティ証明書の期限切れで書き込めなくなってたら
mateのような専ブラを使うか
外部サイト経由して書き込むか
(例)
https://www.kyodemo.net/sdemo/b/v_news4ssnip/
https://n2ch.net/t/-/vip2ch_news4ssnip/?s=3&guid=ON

ブラウザをシークレットモードにすれば書き込める
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/21(木) 08:40:38.78 ID:GQUZ0xiEo
採用不採用は置いといて次作のキャラ案早めに募集しといた方が次作の話の構成練りやすいとは思うんだけど作者的にはどうなんだろ?
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/21(木) 14:33:08.58 ID:YN/VglBy0
ギャルゲーだったら一見攻略難度普通そうに見えて超激ムズ難易度ヒロインだ桜野さん
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/21(木) 23:33:56.45 ID:KSEsZyO+0
最終章まだまだ終わり見えないな
411 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:07:21.05 ID:35YHzLpxo
年末特有の理由なき忙しさが押し寄せてくる……年内完結は正直無理そうです……

次作は次作で完全に独立させます 今作中で次作のキャラ募集することはないです そもそもいつ始められるかすら分かりませんので なんならプリキュアじゃないの挟むかもしれませんので 長編連続すると病みそうだし

あと次作のプリキュアやる時は今作ほど重たくはならない予定 安価で進行するとどうしてもギャグテイストになるのでもう全編ギャグでやったろかって感じです ただ安価で色々決めるつもりな都合上、今作ほどキャラを大事にできないかもしれないのが懸念点
今回の更新遅れたのも、桜野さんが思いのほか深めに堕ちちゃって戻ってこなくなったので悩んでたんですが、この辺も安価にぶん投げることになるのかなあと
412 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:17:57.66 ID:35YHzLpxo
シュパァァンッ

シア「……やはり厳しいですわね」

朱「ふぅぅ……サイカの居場所が分からない以上、桜野ちゃんをなんとかしたいんだけど……」

雪菜「はぁはぁ……3人でやっても全然ダメそうですね……」

シア「ライガたちとの戦いから、ずっと力を使いっぱなしですわ。少し休憩しましょう」

雪菜「はいぃ……」ヘタッ

透「……」

シキ「透も……」

透「……」ジッ

サクラ(in結界)「」

透「……」ギュ

シキ「透……」

シキ「………………もし、もしもなのです」

シキ「もしも桜野が目を覚まして、その時本当にシキたちが知らない桜野になってたら……どうするです……?」

朱「そ、そうならないために……」

シキ「……だからもしもの話なのです」

シキ「桜野が戦ってるのが本当に桜野の偽物だとしたら、そうなる可能性はすごく高いと思うのです。もしそうなったら……」

朱「……」

雪菜「……」

透「……戦うよ」

シキ「……!」

透「戦って、本物の桜野を叩き起こす。諦めないよ、絶対」

シキ「……うんっ」

雪菜「でもシキちゃん、なんで桜野さん勝てないって思うんですか? もしかしたら勝てる可能性だって……」

シキ「それは……」

シキ「……」

シキ「これはシキの……願望、みたいなものかもしれないのです」

雪菜「願望?」

シキ「桜野に負けてほしいって思ってるんじゃないよ。でも……」

透「……」

シキ「桜野は……勝っちゃいけない気がするのです」
413 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:22:17.44 ID:35YHzLpxo
ドガァァァンッ!!!
ドガッガッ
ドサッ

シャドウ「かはっ……!」

ヒュンッ

シャドウ「!」ピクッ

ドガァンッ!

シャドウ「うっ、くぅ……!」ズザザッ

サクラ「……」ギロッ

シャドウ「っ!」ゾッ

シャドウ「ほんとにわたしを殺す気なんだ……後悔すると思うけど?」タラ-

サクラ「命乞いのつもりなら、もっと練習した方がいいんじゃない?」

シャドウ「っ……ご忠告どうもっ!」ダッ

サクラ「……」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 01:23:19.27 ID:J+9RiJy8o
根本的に壊れてるというか人生のルートはじめから間違ってて闇でも人の手でも桜野さんを変えるのもう無理な気が…
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 01:29:45.75 ID:49Xl99u80
桜の花は もう とっくに枯れていたんですね
416 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:32:06.75 ID:35YHzLpxo
雪菜「勝っちゃいけないって……」

シキ「う、うまく言えないのですけど、独りで勝っちゃいけないというか……」

朱「独りで?」

シキ「あ、ぅぅ……」

透「……今の桜野、間違ってる」

雪菜「え?」

朱「た、確かに全部一人で抱え込もうとしてるけど……」

透「そんな桜野を桜野自身が否定するとしたら、桜野が1番言ってほしくない言葉を言えるとしたら……それって桜野の本心みたいなものなんだと思う」

雪菜「本心……?」

透「闇の力で象られている以上、性質そのものは闇だと思うんだけど……元になってるのは多分……」

シキ「そ、そうなのです! 桜野はずっと本心を隠してるみたいだったのです!」

朱「じゃああの時桜野ちゃんに見た影は……」

雪菜「で、でももしそうだとしたら、それだって桜野さんの一部なんじゃ……」

透「うん。もし本当に桜野の本心なら、それだけは消しちゃいけない。シキが言いたいことって……」

シキ「そうなのです! シキより説明上手なのです!」

透「今の桜野は……どこか昔の私に似てるんだと思う」

朱「そうかもしれないわね……」

透「桜野にも伝えてあげなきゃ……私が変われたのは……」

雪菜「……んぇ?」

朱「どうしたの?」

雪菜「いやなんか……透さん……?」

透「? なにかついてる?」

雪菜「ついてるっていうか……それ……」

透「??」
417 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:42:32.69 ID:35YHzLpxo
サクラ「……はぁ」

シャドウ「うっ……がふっ! げほげほっ……!」ガクッ

サクラ「いい加減しぶといなぁ。まだ消えないの?」

シャドウ「へ、へへっ……あなた次第じゃない……?」ニヤッ

サクラ「……あっそ」シャッ

シャドウ「!」

ドガガガガァンッ!

シャドウ「うぁっ、くぅ……!」グタッ

サクラ「じゃあ終わらせよっか」ノシッ

シャドウ「っ!?」

サクラ「あんまり暴れないでよ。左腕しか使えないんだか……らっ!!」ギュッ

シャドウ「あぎゅっ!??!?」ビクンッ

サクラ「……」グググッ

シャドウ「う゛ぁ……はっ……かはっ……!」

サクラ「……」ギギギギッ

シャドウ「かひゅっ……はへ、へ……へはははっ♪」

サクラ「なに笑ってるの……」ギギギッ

シャドウ「おんっ、なじ……だねっ……あ゛ぅ゛っ……!」

サクラ「……」ググッ

シャドウ「ママとっ、おんなじだねっ……ぁ゛……コスモスのときとっ……おんなじ、だねぇっ……!」

サクラ「もういい……」ギギギッ

シャドウ「あがっ……ぁ゛あ……ぞ、それ、に゛……ぞれにぎっどっ……あ゛ぁだっ……」

サクラ「黙って消えて」ギリギリッ

シャドウ「あなだはっ……ごれがらっ……ごやっ、でっ……えぅ゛っ……!」

サクラ「……」ギギギギッ

シャドウ「みんなのこともころすんだぁ……」

サクラ「!」ピタッ
418 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:52:55.49 ID:35YHzLpxo
サクラ「………………は?」

シャドウ「げふっ、げほげほっ……げほっ、げほっ……! あ、はは……」

サクラ「みんな……? みんなって……なに……?」

シャドウ「みんなはみんなだよぉ……透ちゃんに、朱さんに、雪菜ちゃん……」

サクラ「みんなを……殺す? わたしが?」

シャドウ「うんっ……」

サクラ「なっ……ば、バカ言わないでっ! そんなことするわけないっ!!」

シャドウ「するんだよ……あなたはね、今わたしの首に手をかけているように……」

サクラ「……っ」

シャドウ「みんなを殺すの♪」

サクラ「ありえない!!!」グッ

シャドウ「あきゅっ……!!?」

サクラ「惑わそうったってそうはいかないから! 第一、殺す理由も戦う理由も何一つない!!」

シャドウ「そうっ……かなあ……ぁが……」

サクラ「今ここであなたを倒す! そうすればわたしが目覚める! それでぜんぶ元通り! そうでしょ!?」

シャドウ「きっとみんな気づかないよ……」

サクラ「え……?」

シャドウ「ふふっ……」

サクラ「き、気づかない? 気づかないってなに? どういうこと??」

シャドウ「そのまんまぁ……」

サクラ「そ、そんなわけない……そんなわけないでしょ!? だって!!」

シャドウ「だってぇ」

サクラ「っ」ビクッ

シャドウ「今のあなた……」

サクラ「……っ!!!」

シャドウ「闇そのものだもん」ニタッ
419 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/22(金) 01:53:24.48 ID:35YHzLpxo
ここまで
このルートならきっと桜野さんをぶっ倒せる
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 01:56:03.86 ID:9+zL9a1yo

もうサイカ様影薄いというか桜野さん案件のが難易度的にほぼラスボスでは
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 02:04:05.35 ID:h1WQXVEY0

もう少し軽い作風にしてたらクリスマスパーティー回とかやれたかな
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 02:12:15.57 ID:1YhczJ1P0

サンタさんがちっちゃい頃の桜野ちゃんに透ちゃん達並みの友達をプレゼント出来てたら人生の分岐点出来てたかもしれない
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 08:23:01.26 ID:WiVSs3o3o
奇跡的に悪党に拳向けられてるだけで育ち方的には根本的なところで善悪の区別ついてなさそうだしな
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 23:34:40.45 ID:7Y4D9cv20
もうサイカ様はサクッと済ませちゃって良いんじゃね?ってくらい桜野さん問題のが深刻というかクライマックス的な雰囲気がある
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/23(土) 21:55:06.57 ID:ijctuFAg0
オトナプリキュア始まるまでに完結が当初の目標だったのに完結する前にオトナプリキュア終わっちゃったぜ
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 19:29:29.87 ID:3HeTIHQ6o
もっと平和な状況なら誰がサンタさん信じてるとかクリスマスっぽい話をしてたかもしれない
427 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/24(日) 23:06:44.51 ID:NucLLHPEo
ジカンナイヨ-
これが年内最後の更新になるかもしれません……
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 23:07:29.77 ID:Fg/RE2Omo
転職したくなるようなブラックな職場だ
429 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/24(日) 23:20:21.08 ID:NucLLHPEo
サクラ「やみ……闇? そのもの? わ、わたしが???」

サクラ「な、なに言ってるの……? 意味わかんない……そんな、闇なんてそんな……あるわけ……」

シャドウ「それがあるんだよ……」

サクラ「ウソだ!!!」

シャドウ「ウソじゃないよぉ……人聞き悪いなぁ……」

シャドウ「目覚めたあなたを見たら、みんなどう思うかな……? きっとこう思うよ……」

シャドウ「桜野、負けちゃったんだ……でもきっとまだ間に合う……早く助けてあげなきゃ……」

サクラ「っ……!」

シャドウ「それでね……あなたを攻撃するの……」

サクラ「そ、そんな……」

シャドウ「どれだけ言っても分かってくれなくてね……みんなの攻撃、なんとか躱しながら……違うの、待って、みんな聞いてーって……」

サクラ「……っ……!」

シャドウ「でも伝わらなくて、どんどん追い詰められて……躱しきれなくなって、つい反撃しちゃってね……」

サクラ「はっ……はっ……!」

シャドウ「しまったって思って、謝ろうとするんだけど……みんな、やっぱりって顔をするの……」

サクラ「はぁっはぁっ……!」

シャドウ「みんながね、あなたを見るの。怒りと恨みのこもった瞳をあなたに向けるの」

サクラ「はっ、はっ……そ、そんなっ……!」

シャドウ「それで、それでね、みんなが言うの……本物の桜野を返せ、って」

サクラ「!!!」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 23:22:26.41 ID:5tnb5OWdo
これでダメならお手上げだぜ
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 23:30:39.86 ID:sAg7zYzw0
これでもダメならもう無敵の人
432 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/24(日) 23:32:36.68 ID:NucLLHPEo
サクラ「ほん、もの……?」

シャドウ「意味わかんないねぇ……だってあなたは、自分が本物のつもりなんだもんねぇ……」

サクラ「そ、そんっ……! そんなの当然でしょ!? だ、だってわたしは……! わたしがっ……!!」

シャドウ「ふふっ……」ニヤッ

サクラ「っ……!!」ギリッ

サクラ「だったらあなたはなんだっていうの!? あなたこそカラミティ帝国が作り出した偽物でしょ!?」

シャドウ「違うよ……わたしはあなた。最初からそう言ってるでしょ……?」

サクラ「っ……ちがう! あなたはわたしじゃない! 姿かたちをそっくりにしたからって、そんなのただの紛い物でしかない!」

シャドウ「そうかなぁ……」ニヤニヤ

サクラ「わたしはわたしだ! わたしだけがわたしだっ!! だからあなたを倒して、わたしが目を覚ます!!」

シャドウ「へぇぇ……そんなに目覚めたいんだぁ……」

サクラ「当たり前でしょ!? こんなところはやく抜け出して……」

シャドウ「あなたのことなんて誰も必要としていないのに……?」

サクラ「え……」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 23:35:28.48 ID:hzokYQQO0
またサクラに攻撃させたらもう二度とチャンスは来ないぞ
呼吸する暇すら与えず休まずジャブを叩き込めシャドウ
434 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/24(日) 23:47:11.62 ID:NucLLHPEo
サクラ「だ……誰も……? でも……でもわたし……」

シャドウ「はじめからそうだったでしょ……?」

サクラ「はじ、め……?」

シャドウ「あなたはパパの本物の娘じゃなかったでしょ……?」

サクラ「……っ! そ、それはっ……!」

シャドウ「ママにとってもそうだったでしょ……? 子供だったら何でもよかったんだもん。あなたが必要だったわけじゃない……」

サクラ「で、でもっ……!」

シャドウ「叔母さんたちが欲しがったのだって単なるサンドバッグだったもん……別にあなたじゃなくてもいいよね……?」

サクラ「でもっ、でも学校とかっ、街の人とかっ……色んな人が頼ってくれてっ……!!」

シャドウ「それだって、面倒ごとを都合よく引き受けてくれるなら誰でもよかったでしょ……?」

サクラ「……!」

シャドウ「だからコスモスが大事だったんだよね……唯一、本当に、心から、あなたを必要としてくれたもんね……」

サクラ「はぁっはぁっ……!」

シャドウ「でもそのコスモスは、あなたが殺しちゃったよ……?」

サクラ「ぅぅぅ……っ!」ギリッ
435 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/25(月) 00:00:17.09 ID:6O7arnIao
サクラ「で、でもっ……それでも透ちゃんたちならっ……! みんなだったらわたしのこと……!!」

シャドウ「そのみんなが、あなたを殺そうとするんだよ?」

サクラ「!」

シャドウ「あなたを殺して、『本物の桜野』を取り戻そうとするの」

サクラ「そん、ぁ……はっ、はぐっ……!」

シャドウ「本物のあなたってなんだろうねぇ、どこにいるんだろうねぇ……今ここにいるあなたは、一体なんなんだろうねぇ」

サクラ「はぁーっ……ぁくっ、はぁーっ……!!」

シャドウ「分かることは一つだけ。あなたじゃないんだよ。みんなが取り戻そうとするのは、みんなが会いたがっているのは、あなたじゃない」

サクラ「そんっ……なの……!」フルフル

シャドウ「うん、そんなの間違ってるよね。だってあなたはあなただもんね。きっとみんなの方が、世界の方が間違ってる。そうだよね?」

サクラ「はっはっ……っ……ぁ……!」

シャドウ「だからこう思うの……これは夢だ。きっとまだ目覚めていないんだ。目の前にいるみんなは、透ちゃんは朱さんは雪菜ちゃんは、みんな偽物だ」

サクラ「っ……!」

シャドウ「みんなきっとどこかで戦ってるんだ。だったら助けなきゃ、わたしが助けに行かなきゃ。だからはやく、こんな偽物やっつけなきゃ……」

サクラ「はっはっ……ち……が……!」

シャドウ「そうやって、みんなを殺すの」ニコッ

サクラ「っ!!」
436 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/25(月) 00:13:56.74 ID:6O7arnIao
サクラ「ちがっ、ぅ……っ! はぁーはぁーっ!!」

シャドウ「……ほら、力入れてよ」ソッ

サクラ「っ!」ビクッ

シャドウ「さっきはできたでしょ? さっきみたいに目いっぱい力を込めて、わたしの首を絞めてみてよ」

サクラ「っ……ぁ……うぁ……!」フルフル

シャドウ「そしたらみんなに会えるよ?」

サクラ「はぁっはぁっ……ぅく……ぇ……はっはっ……!」カタカタ

シャドウ「楽しみだねぇ。みんなに会うの楽しみだねぇ……みんなを殺すの楽しみだねぇ」

サクラ「はぁっはぁっ! やっ……いやっ……!」

シャドウ「こうやって馬乗りになってね、首に手をかけて、力を込めて……最後の最後、みんなどんな顔するかなぁ……!」

サクラ「や、だっ……! やだっ、やだっ……!! やめっ……!」

シャドウ「『桜野さん』」

サクラ「っ!!?」ビクッ

シャドウ「『私の声、きっと届いてますよね……お願いです。私の大好きな桜野さんに戻ってください……』」

サクラ「っはー、っはー! や、だっ……!!」ガタガタ

シャドウ「『桜野ちゃん……本当の自分を思い出して……』」

サクラ「やめてっ……! やめてぇっ……!!」ブルブル

シャドウ「『本物の桜野ちゃんは、そんな偽物なんかに負けるはずないわ……』」

サクラ「やだやだやだやだっ!!」ガクガク

シャドウ「『桜野……』」

サクラ「っ……!!!」ゾワッ

シャドウ「『私、桜野のこと……ずっとずっとずぅっと……』」

サクラ「いやっ……」



透『信じてるから』ニコッ



サクラ「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!!!!!!!!」
437 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/25(月) 00:27:42.01 ID:6O7arnIao
サクラ「はっ……! はっ……! うくっ、えぅっ……!」フラフラ

サクラ「や、だっ……やだや、だっ……ぁ……!」フラッ

ドサッ

サクラ「あうっ……はーっ、はーっ! いやっ、ぁ……!!」ガクガク

シャドウ「……」ムクッ

サクラ「やだっ……やだやだや、あ゛……うぷっ……! おえ゛っぇ゛……!!」ビチャッ

シャドウ「……」

サクラ「え゛……っっえ゛ぇ……んっ、ぶ……!!」ビチャビチャッ

シャドウ「……終わりかな」

サクラ「っう゛……! うえ゛っえ゛ぅっ……!」

シャッ

サクラ「あぇ……?」

ドガァンッ!

立ち上がれないサクラをシャドウが蹴り飛ばした。

サクラ「は、が……あ゛あ゛っ、ぁ゛……」ビクッビクッ

シャドウ「……もう」グイッ

サクラ「う゛ぁ……」ダランッ

シャドウがサクラの胸ぐらを掴んで持ち上げる。

シャドウ「抵抗する気力もないんでしょ?」

サクラ「……ひゅー……っ、ひゅー」

シャドウ「諦めて消えちゃいなよ……」グググッ

サクラ「うああ゛っ……」

シャドウ「ねっ!」ズムッ

サクラ「ぉご……!」

ドッガガァンッ!!!

シャドウ「はぁ……」

シャドウ「あんまり頑張っても苦しい時間が伸びるだけだよ?」

サクラ「っう゛……」グタッ

シャドウ「でもまあ、そんなに嬲られたいなら……」パキパキ

サクラ「っ……」

シャドウ「望み通りにしてあげる!」ダッ
438 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/25(月) 00:44:28.25 ID:6O7arnIao
ドガガンッ
ドコッ
ドカァァァンッ!

シャドウ「はぁぁ!!」ドゴッ

サクラ「うぎっ、っ……!」グラッ

シャドウ「たっ!」ドカッ

サクラ「ぉぶ……っ……!」ズシャッ

シャドウ「ふぃ……」パンパンッ

サクラ「ぁ゛……は……」グタッ

シュパァァンッ

シャドウ「あ」

桜野「っ……は……」

シャドウ「……これで本当に最後にしよっか」テクテク

桜野「………………」ボヤ-

桜野(体が……動かない……)

桜野(視界が霞む……焦点が合わない……)

桜野(目を瞑ってしまったら、もう二度と目を覚まさないだろう……)

桜野(いいのかな……それで……)

桜野「……」ボ-

桜野(ダメだ……そんなの……しっかりしなきゃ……)

桜野(勝たなきゃ……こんな偽物、はやくやっつけなきゃ……)

桜野(わたしにはやらなきゃいけないことがある……倒さなきゃいけない敵がいる……)

桜野(守らなきゃいけない人が……救わなきゃいけない世界が……果たさなきゃいけない約束があるんだ……)

桜野(こんな……ところで……)ギュッ

桜野「………………?」

桜野「…………!」

桜野(なん、で……? なんでここに……?)
439 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/12/25(月) 00:55:50.75 ID:6O7arnIao
透「それって……どれ?」

雪菜「それですよそこ! なんか……透さん光ってる!」

透「え?」ポワ-

シキ「ほんとなのです! マジックです?」

透「今やるわけないでしょ……」

シア「ではなぜ……ま、まさか攻撃!?」

朱「お、落ち着いて! 透ちゃんはいつも輝いてるしそこまでおかしくないんじゃ!?」

透「いやおかしいから……って2人も光ってる!?」

雪菜「うわわっ、ほんとです!?」ポワ-

朱「みんな光ってない!?」ポワ-

シア「あらワタクシも?」ポワ-

シキ「シキも! シキもなのです!」ポワ-

透「いったいなにが…………あ!」

朱「ってことは……?」

シア「なるほど、この光……」

雪菜「え? あ、これってつまり……」

シキ「うんっ、うんっ……!」

透「みんな……行くよ!」バッ

朱「ええ!」バッ

雪菜「はいっ!」バッ

「「「プリキュア!!!」」」
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