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クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/11/16(木) 23:40:55.57 ID:rJmZ2Gm4O
フハッ
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:01:57.93 ID:nqLkrj2GO
「佐竹のすっぴんがあんなもんだとは……」
「もう俺、女子を信じられない……」
「邪魔」
朝登校すると、自分の顔を鏡で見たことのない馬鹿どもが教室の入り口にたむろしていて邪魔だったので蹴りを入れやった。失せろ。
「うわっ! な、なんだ山田かよ」
「小さすぎて気づかなかった……」
「あ?」
「ひぃっ!?」
「お、おっかねー……」
おっかないのはてめーらの脳みそだ。佐竹のすっぴんでガッカリするようなら、今後一生彼女なんかできねーよ。あの日、佐竹は明らかに寝不足だったし、髪も自分で切ったせいか輪郭も変わって見えた。てめーらも丸坊主にすりゃわかるだろうよ。佐竹はかわいい。
それにしても、馬鹿男子共の香水の臭いが不快だ。無意識にあたしは良い香りを探した。
「おはよ、山田。もう気にしなくていいよ」
「佐竹……本当にもう大丈夫なの?」
「うん! もう大丈夫だから……ありがとね」
佐竹はあれから立ち直った。今は有栖川家の使用人のお目付け役として日々励んでいる。
あの時の佐竹に必要だったのは新しい役目でそれをあたしは用意出来なかった。無力だ。
佐竹に役目を与えて立ち直らせたのは有栖川の使用人。あいつが全て解決した。悔しい。
「それより聞いてよ。カヤさん、思ったよりヤバくてさ。あとちょっとで田中が妊娠するところだったよ。紙一重とはこのことだよ」
「へーそりゃ惜しかったな。めっちゃ残念」
「あはは。山田は相変わらず田中嫌いだね」
どうだろう。あたしは今でもあいつが嫌いなのだろうか。目を向けると、田中は有栖川と仲良く喋っている。だけどあたしの目に映るのは有栖川だけ。田中なんかどうでもいい。
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:05:39.52 ID:PzBWx7gTO
「カヤさんが早く山田を連れてこいってさ」
「ふん。あいつの言いなりなんて癪だし」
「やれやれ。山田もそろそろ変わりなよ」
そう言い残して、佐竹は席に戻っていった。
佐竹は変わったと思う。もう学校いちの美少女ではない。それでも以前のような腹黒さがなくなった今の佐竹のほうがかわいい。
素直に本音を言えるほうが、自然だからだ。
「あたしも、そうなれるのかな……?」
佐竹は佐竹。あたしはあたしだ。だからその法則があたしに適応されるかはわからない。ただ最近、目を背けている事実に、気づいているのに気づかないふりをしている真実に、そろそろ、向き合うべきなのかもしれない。
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:07:39.70 ID:7O3upq/LO
「田中。ちょっと話がある」
「え? なんだ山田か。なに? 僕は今、有栖川と楽しくお喋りするのに忙しいんだけど?」
なんだとはなんだ。イラつくけどぐっと堪える。有栖川がキョトンと首を傾げて見てる。
肩に流れる髪から漂う香りが、さっきの馬鹿男子どもの下品な香水の臭いを消していた。
「あの日……あたしは、間違っていた」
「あの日っていつのこと?」
「おとこおんなって言って……ごめん」
敗北の屈辱。屈服の恥辱。今日を忘れない。
「あの日、あんたが言った言葉の意味がようやくわかった。大事なのは対象なんでしょ」
「ふふふ。気づくの遅いけど、よかったね」
目を背けていた。気づかないふりをしてた。
『どっちでもいいとかきしょいですねって』
あの日、田中はそう言った。たしかに、きしょいと思う。対象を指定していないからだ。
その意味がようやくわかる。大きな一歩だ。
「田中、なんの話?」
「僕は有栖川のことが好きで、有栖川は僕のことが好きってこと。ただそれだけの話さ」
「なんだ。そんなの当たり前のことじゃん」
当たり前の事実に、ようやく気づけたのだ。
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:10:17.70 ID:2ef1Kz6WO
「言いたいことはそれだけだから……じゃ」
「あ、山田。今日の放課後って予定ある?」
敗北を乗り越えて立ち去ろうとしたあたしに有栖川が声をかけた。思わず期待してしまう自分に嫌気が差す。でも今日だけは。いや、これからは素直になろう。だってあたしは。
「田中たちが勉強してる間、暇でしょうがないから山田にもうちに来て欲しいんだけど」
「うん……わかった。行く」
「ほんと!? あのさ、出来ればなんだけど」
素直に頷いたあたしに有栖川はこう囁いた。
「明日学校休みだし、泊まっていかない?」
「……ふぇ」
「え? なに? よく聞こえないんだけど?」
「わ、わかったって言ってんの! バカ!」
「そ、そんなに怒ること……? まあ、いいけと。それじゃあ、放課後、カヤを迎えに行かせるから、荷物とかを用意して待っててね」
「……待ってる」
有栖川とお泊まり。どうしよう。顔が熱い。心臓が張り裂けそう。なんなら、吐きそう。
たまらずトイレに駆け込んで溜息を吐く。
「はあー……しんどいなぁ」
わかってる。何もかも。この感情には覚えがある。前の対象は高橋先輩だった。そして今の対象は有栖川。その相手と、お泊まりだ。
「個室……誰も入ってないよな?」
トイレの個室をチェックして中に入りかけて我に返る。今、あたしナニしようとしてた?
ダメダメそんなの。ポッケに入れてるブルートパーズのネックレスを取り出して握りしめる。石言葉は"誠実"と"友情"。だからダメ。
「あたし、マジで有栖川のこと……もぉ〜」
認めよう。あたしは有栖川のことが好きだ。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:12:01.68 ID:TEJOaJJ6O
「あ、お風呂上がった? じゃあ次はあたしが入ってくる。ちゃんと寝ないで待っててね」
「ご、ごゆっくり……」
「はあ? なに山田。まだ緊張してんの? あ、喉乾いたでしょ。はい、お水。じゃあね」
「あ、ありがと……行ってらっしゃい」
ダメだ。全然ダメだ。わけわかんない。高橋先輩にきゃあきゃあ言ってた時とおんなじ。
こんなのあたしじゃない。あたまおかしい。
「ぷはぁー……あー……あたし寝れんのかな」
ごくごくペットボトルの水を飲みまくり、ひと息つくと、そこは有栖川の部屋。夢かな?
ほっぺをつねってみると、痛い。泣きそう。
田中たちはもう帰った。あとは寝るだけだ。
「あれが、有栖川のベッド……ごくり」
部屋中が有栖川の良い匂いがするけど、その大元は、クイーンサイズの大きなベッドだ。
このいけない香りがあたしを狂わせるんだ。
元凶がわかっているなら、対策をしないと。
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:14:00.84 ID:vB2Ygv4uO
「よ、よーし……今にみてろよ、とぅっ!」
覚悟を決めて元凶にダイブ。弾む弾む。転がる転がる。匂いを上書きしつつも、自分に有栖川の匂いを擦り付ける。めっちゃ幸せだ。
くんかくんかしてると、突然ドアが開いた。
「なーにやってんだよ、山田ちゃん」
「うひゃあっ!?」
ニヤニヤと優雅に嘲笑う使用人。見られた。
「発情したメスガキの匂いを嗅ぎつけてみればとんだ醜態晒しやがって。現行犯逮捕だ」
「み、見んなよ! あっちいけ! 消えろ!」
「やだね。ほーら捕まえた。こちょこちょ」
「さ、触んな! やっ! 手、入れんなよ!?」
「え? 山田ちゃんってそっちじゃないの?」
「違うし! 勘違いすんな! あたしは違う!」
誰でもはよくないし。有栖川だけしかヤダ。
「ひゅー青春してんねー」
「そう言うあんたこそ、どうなんだよ?」
「あん? なんのことかさっぱりわからん」
「田中が好きなんだろ? 早く寝取れば?」
「それが出来ない理由、知ってんだろ?」
「チッ……あー……まじめんどくさいなぁ」
そしたら有栖川が悲しむ。だから出来ない。
「そんなに好きならうちで一緒に働けば?」
「はあ? なにそれ、どゆこと?」
「あたしの部下として、こき使ってやんよ」
「……考えとく」
「んじゃあな。夜更かしすんなよ、青少女」
有栖川家で働く。その未来は魅力的だった。
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:15:31.42 ID:eVpe/ejwO
「え? 何この惨状。ベッドがぐしゃぐしゃ」
「……お前んとこの使用人がやった」
「まったく、カヤのやつめ。怪我はない?」
「紙一重だった」
大怪我はしたけどまだ生きてるから大丈夫。
「あー喉乾いた。山田、水貰うね」
「え? あ、ちょっと! それはあたしの……」
「ちょっとくらいいいでしょ?」
「別に、いいけどさ……」
「ありがと。あーお水美味しい」
あ、間接キス。ベタすぎるけどそれがいい。
「んじゃ、そろそろ寝よっか」
「よ、よし……大丈夫。覚悟は出来てるぞ」
「電気消すよー」
電気を消して布団に潜り込むと、囁かれた。
「あたし、友達と一緒に寝るの初めて」
「……有栖川は友達少ないからな」
「山田くらいしかいないのは間違いない」
山田くらいでよかった。良かった、山田で。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/17(金) 00:16:29.03 ID:yEPY/mq1O
「じゃ、おやすみー」
「お、おやすみ……」
何も起きない。そりゃそうだ。友達だしな。
「……また誘ったら泊まりに来てくれる?」
「まあ……飯は美味いし、風呂も部屋も広いし、断る理由がないから来てやってもいい」
「偉そうだな……まあ……山田らしい、けど」
そう呟いて、有栖川は寝た。え? 早すぎる。
「……お母、さん」
寝言だろうか。寝ながら泣いてる。可哀想。
「母親には、なれないけど……傍にいるぞ」
そう囁いて、涙を拭うと、すやすや眠った。
あたしは当分寝れそうにはないけど。少なくとも、一晩中、悶々としなくて済みそうだ。
「好きだよ……有栖川。ほんとうに大好き」
どうかこの想いが永遠に続くことを願った。
【結局、あたしは寝所で御名を囁けない】
FIN
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/18(土) 00:01:41.13 ID:9ug+XFUyO
「坊ちゃま! 速く走ると転びますよ!」
「ふふふ! 僕を捕まえてみろ、ヤマ!」
あれから暫くの時が過ぎた。あたしは卒業後、有栖川家に就職して、今は坊ちゃまのお世話係だ。両親である奥様とその他1名は、カヤ先輩を連れて、お仕事に出掛けている。
「おー! 大きくなったね!」
「こんにちは!」
「はい、こんにちは」
あんよもお上手となって走り回る坊ちゃまは来客の佐竹にご挨拶している。外見的特徴は全て有栖川から受け継いでるが、この礼儀正しさだけは、その他1名から受け継いでいた。
「うわーほんとに有栖川さんそっくりだね」
「だろ? あたしはもう可愛くてたまらない」
「山田は今でも有栖川さん大好きだもんね」
「う、うっせ! 佐竹のバーカバーカ!」
「あーそんな言葉遣いしちゃいけないんだ」
「いけないんだー」
「むぅ……申し訳ございません、坊ちゃま」
坊ちゃまに咎められて謝ると佐竹は微笑み。
「変われて良かったね、山田」
「……ありがとな、佐竹」
「ちょっとやめてよ。感謝なんて」
「あんたは別に感謝を望んでないだろうけど、今のあたしがいるのはあんたのおかげ」
「今の私がいるのも山田のおかげだよ」
そうだろうか。それならあたしは嬉しいな。
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/18(土) 00:02:41.31 ID:9ug+XFUyO
「山田は今、幸せ?」
「あたしは……」
わかりきった答えを遮って坊ちゃまが仰る。
「ヤマのことは、僕が幸せにするの!」
「はぅ……坊ちゃま、ヤマは感無量です」
「ヤマはお歌も上手いし可愛いから大好き」
なんて良い子なんだろう。さすが有栖川の子供。その他1名の悪影響なんて一切跳ね除けて、これからも天使のまま成長して欲しい。
思わず涙ぐむと坊ちゃまは爆弾発言をした。
「ヤマはね、僕のお嫁さんになるんだよ」
「ふぇ!? あ、あたしが坊ちゃまの……?」
「うーん。でもその時に山田は40代で……」
「佐竹。お前さ……そういうところだぞ」
「あははは。そのくだり、懐かしいなー」
学生時代のように釘を刺すと佐竹は笑った。
あたしも笑うと、お坊ちゃまはキョトンと首を傾げた。その仕草がまた有栖川そっくりで愛おしい。学生時代は佐竹からメスガキ大将と呼ばれたあたしだ。40代でも若くいよう。
「ヤマ。僕が大きくなったら結婚しよーね」
「はい。その時を、心待ちにしております」
有栖川に対する想いを帝国少年に捧げよう。
【結局、その御名は40過ぎまで呼べない】
FIN
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/11/24(金) 13:18:58.19 ID:b/CwMGfH0
>>65
彷彿も何も同一人物だからな
HTML化依頼スレで「終わりました」なんて
ふざけた表現使ってるのこいつだけだし
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/04(月) 05:22:00.80 ID:p2Fw/FM40
末尾0がわざわざ安価つけてまでマウントとってると自演を疑うわ
証拠もないのによく誹謗中傷できるよな
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/05(火) 20:31:07.44 ID:ww2lpPwlo
いや冤罪だとしたらここまでガン無視するの無理だろ
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2023/12/06(水) 16:13:53.95 ID:XI36fWEvO
むしろこれを証拠がないから別人とか言えるのって
うんこ本人以外に有り得んわな
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/06(水) 16:57:18.44 ID:jCgm1I0bo
内容読んでないけど、散々板のローカルルール無視しといて今更「スカトロ要素無い一次創作書いたので、正当に評価して下さい!」は虫が良すぎだろ
反省とかしなさそうだし「謝罪とかどうでもいいから他所行って書けウンコ野郎」としか思わんわ
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