【FGO/SS】本当はあったFGOハロウィン2023

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68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/19(火) 09:51:09.52 ID:p8TzXEPk0
ハロウィン聖杯戦線3:渡る世間は虞美人ばかり


勝利条件:指定ポイントへのマスターの到達

敗北条件:特級呪霊・徐福真人がマスターの元へと到達。(その際にマスターが徐福真人の“無為虞転変”でアイコンが虞美人にされる演出がある。)

領域内効果:特定の陣地に止まるとサーヴァントのHPが20%(マスターの場合はライフ1個分)を失う。(サーヴァントのHPが0になると即退去、マスターのライフが0になると敗北)


登場エネミー

特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1


呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞

呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/19(火) 11:09:17.23 ID:p8TzXEPk0
>>68 追記:所定のポイントから呪霊サーヴァント(虞美人)及び呪霊サーヴァント(水着虞美人)がランダムに出現する。
――――――――――――――――――――――――――――――――
第6廻戦:吹きあれる神風の領域
――――――――――――――――――――――――――――――――
ふと眼を瞑れば脳裏に浮かぶ、英霊としての記録。英霊・播磨局が生きて戦場をかけ、天草大夫大蔵太子として戦って来た英霊の記憶。

しかしてそれでも脳裏に嫌でも浮かんでくる記憶がある。それは英霊・播磨局の生涯にはいっさい存在せず、ただ今のサーヴァント・播磨局の脳裏にしか浮かばない‥

――“英霊・播磨局には存在しない依代の記憶”――

―――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:禪院家


とある名家に生まれた私には生まれつき、殆ど呪力を持たず、術式が扱えない上に呪霊を視認する事すらできなかった。

それ故に私は幼少期に家の人々から「落ちこぼれ」と称され、殆どの全てを雑用係に向けさせるなど徹底的に虐げられてきた。


禪院真希の母「貴方なんか、産まなきゃよかった。禪院家の恥めッ!」


仕舞いには自分を産んだ肉親の母にもこう罵倒の声を言われる始末だった。私はこのままこの家にいれば、自分ではいられないと悟っていた。

しかしそれでも私は呪術師として名を上げ、家の連中に見返すために家を出る道を選んだ。

まあそのおかげで自分の妹(禪院真依)には憎まれる立場となったのは今も心痛い。私にとって、妹は私のたった1人の妹なのだからな。

妹の居場所を作る。家の連中を見返す。――それが私(禪院真希)の生きる目標でもあった。

――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:呪術師としての生活


家の政治的妨害もあって、呪術師としても4級ぐらいに留められ、呪術師としてあまり名を上げる機会に恵まれぬ日々が続いていた。

しかし私はその中で多くの仲間と出会い、彼らとは良き仲間として共に呪術師としての学びと経験を積み、

私もまた、私の為に与えてくれた呪具をうまく扱い、多くの呪霊を祓って祓って、祓いまくって・・・


そうしていけば、必ずしもあの家の連中に吠え面をかかせられる程の名声を得られると思っていた・・・
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/19(火) 21:00:40.21 ID:p8TzXEPk0
ある世界:渋谷駅内にて・・・・


特級呪霊(漏瑚)「1人目」

呪術師1「――!?」

シュッ、ジュボォォォーー!!


禪院真希「七・・・・」

特級呪霊(漏瑚)「2人目」

禪院真希「―――!?」


ジュボォォォーー!!
――――――――――――――――――
10月31日のハロウィン。特異点と同じ場所である渋谷で起こった呪術テロ。私の呪術の先生であった■■■が封印されたあの頃・・・

その時の私たちは実に不運だった。とある魚の式神と水の呪術を使う未登録の特級呪霊を辛くも祓った直後、それらの戦いで疲弊していた私たちの前に、

その特級呪霊の仲間というべき炎を使う特級呪霊の報復ともいえる襲撃にあった。


戦いで疲弊していた私の目の前で■■■■さんと、そして私がその特級呪霊による攻撃を受け、目の前が赤く燃えさかった。

突然の呪いに打つ手がなかった私は何も出来ずに呪いの炎に焼かれた。ほんの一瞬の出来事だった。

私はその呪いの炎によって、私の人生と共に全てが焼かれていく・・・・そう私は覚悟をしていた・・・
―――――――――――――――――――
???:何処かの空間


ギュウァァ〜〜ン・・・・

一つの光「真希よ。天与の呪縛を持って生まれし呪術師よ。我が声が聞こえるか?」

禪院真希「・・・・誰だ?私の事を呼んでいるのか・・・?」

一つの光「真希よ、お主の天性の才能と力を見込んで頼みがある。お主にしか出来ぬ事を・・・」

禪院真希「・・・私にしか出来ない事だと?」


一つの光「とある世界・・・お主がいた世界とは異なる世界で今、人類と英霊の存亡が掛かった戦いが起こっている。」

一つの光「頬っておけば、その世界は■■■によって崩壊を迎える。なんとしてでも止めなければならない・・・」

一つの光「しかしてその世界にはお主の世界と同じような強力が呪いが充満しており、英霊の力のみでは太刀打ちが出来ぬ。」

一つの光「加えて我は自身のみでは仮の身体が作れぬ身であり、それ故にお主にしか出来ぬ事とはそれなのだ。」

禪院真希「!」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/19(火) 21:53:08.09 ID:p8TzXEPk0
一つの光「今よりお主には特異点と呼ばれる世界ではぐれサーヴァントとして現界してもらう。」

一つの光「しかしその世界に記されたルール上、お主をそのまま現界すれば、確実に世界から存在ごと弾かれる。それだけは避けたい。」

一つの光「故に我はお主のその身体に我の霊基を移し、お主を我の依代としてその世界に現界をしてもらう。」

一つの光「お主の名をその世界で名乗る事はいっさい禁じるが、代わりに我の力と真の名をお主に与える。」

一つの光「その世界に現界したならば、我の名を思う存分名乗るがいい。それがお主と我との繋がりでもあるからな。」


禪院真希「・・・成る程。要はその世界の危機を救うために私をその世界に異世界召喚する為にも、私とあんたとで“縛り”を結びたいと言いたいのか?」

一つの光「そうだ。ただお主の肉体を借りるというても、本来のお主とは別存在となる事であり、元の世界のお主には何も影響などない。」

一つの光「それに元の世界のお主は死んではおらぬ。少々今のお主とは印象が異なる部分はあるからのぉ。」

禪院真希「!。そうか‥つまりあの方曰く、私がその世界の宿儺のような人物の器となってその世界を救って欲しいと言うことだな?」


禪院真希「わかった。私を必要としているのなら、その縛り、受けてやろうじゃないか!」

禪院真希「で、あんたの名前はなんだ?その世界であんたの名前を使ってくれと言うなら、名前ぐらいは教えてくれよな?」

一つの光「理解してくれて感謝する。しかして存分に使うが良い・・・・我の真名は・・・・」


ギュゥゥゥ〜〜ン!ピカァァーーン!
――――――――――――――――――――――――
呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■:渋谷ヒカリエ周辺


ギュゥゥゥ〜〜ン・・・キィィン、ギュォォォ〜〜ン!!

播磨局(禪院真希)「・・・・・・・・・・・・」

―――――――――――――――――――――――――
あの時、死んだと思われていた私はまだ死んではおらず、逆に私は別の世界からの声に私の存在を必要としていると呼ばれ、

私は私を必要として呼んだ英霊・『播磨局』の疑似サーヴァントとして、この私のいた世界と同じ渋谷と同じ特異点に召喚された。

疑似サーヴァントとして少々体格(特に胸の所が大きい)の事で気になる所はあったものの、サーヴァントとしては問題ないと言ってもいい。


私はこの渋谷に満ちる呪いを祓うために、私はランサーのサーヴァント・播磨局として、呪術師としてこの渋谷の特異点に君臨している。

全てはあの時、渋谷で何も出来ずに終わった呪術師としての私の無力さを自身の今の行いによって払いのける為に・・・・
――――――――――――――――――――――――――
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/19(火) 23:56:22.70 ID:p8TzXEPk0
いま現在、徐福真人の呪術領域・自変虞美人化内では・・・‥



ガキンガキンッ!ジャキンジャキンッ!


呪霊虞美人1「―――――」

望月千代女「ツゥゥッ!」


呪霊虞美人2・3「―――――」

吉備真備「チッ、邪魔だぁぁーー!!」

キンキンッ、ガシュゥゥーン!シュゥゥゥ〜ン・・・


【キリがないわ!】←

徐福真人「ふん。ぐっさまがやられるのはシャクですが、領域内には数多くのぐっさまを招いておりまして、」

徐福真人「そして私のぐっさまの攻撃は、私の呪術と同様に領域内ではぐっさまの繰り出す攻撃は全て必中となっており、ぐっさまの攻撃は全て当たる!」

徐福真人「いくら私の攻撃を防ごうとも、領域内での私とぐっさまは無敵。誰にも私とぐっさまを止める事など出来ないので〜〜す!」

吉備真備「クソッ・・・あの特級呪霊め、自分の術式で作り上げた虞美人にも必中効果を付与させるなんて、まったくチートを使うにも程があるだろ!」

吉備真備「マスターと播磨局は僕と合流できたのは幸いだが、他の連中は呪霊の虞美人との戦闘で足止めされてとても合流なんて・・・」


ガキンッ、ガキンッ、ガキンッ!ガシャァァン!!

マシュ「クッ!前方に多数の呪霊虞美人が合流進路を遮断してて、とてもマスターと合流など・・・・」

呪霊水着虞美人・大人数「――――――!!」


タタタタァァ〜、ドサドサドサッ!

マシュ「きゃぁぁ〜〜!?」

【マシュ!?】←

バーヴァン・シー「マズいわ!あの妖精騎士がヒナケシ女呪霊軍団に取り囲まれて押し倒されたわよ!」

吉備真備「ああ・・・あのままあの特級呪霊がマシュの身体に触れる事があれば、彼女の魂は操作され、特級呪霊の思いのままに改造させられるぞ!」

【そんな・・・・】
【マシュが虞美人にされちゃうよ〜!】←


播磨局「・・・・・・・・・」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/20(水) 23:50:20.13 ID:0Ti+l2Fg0
播磨局の疑似サーヴァントとなり、私はこの別世界の渋谷に充満する呪いを祓うため、私は多くの呪霊サーヴァントを祓いながら渋谷の周辺を探っていた。

その道中、花御と名乗る特級呪霊のサーヴァントに領域を展開され、苦戦を強いられていた最中、私はカルデアのマスターたちと出会った。

彼女はエリザベートと名乗るサーヴァントに取り憑いたこの世界の宿儺を祓い、この特異点を解決するために時空を超えてやって来ており、

私はサーヴァントとしての霊基とコンディションの維持と、同じ特異点の解決する目的の一致から、私はカルデアのマスターと仮契約を結んだ。


カルデアのマスターは呪力もない非術士並の非力の存在にも関わらず、サーヴァントである私たちを大事に思い、共に戦う仲間として、

彼女は初対面でもある私にも親しみを見せ、私を心から信用するかのように魔翌力を与えてくれている。

それは元の私の世界の高専で親しくなり、共に呪術師を目指す仲間たちといるように・・・・
―――――――――――――――――――――――――――

徐福真人「・・・・なんだ?お前、見かけないクラスをした呪霊のような・・・人間のような・・・・?」

徐福真人「クラスはシールダー・・・だったか。あれ?・・・そんなクラスってあったっけ・・・?」

徐福真人「でもシールダーっとなると、私の無為虞転変を使えば、とても良いぐっさまが作れそうな気がするんだ。」

徐福真人「もしうまく君を素体に作れるとすれば、完成予定とするのならぁ〜〜・・・・」


ポワワワァ〜ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
徐福真人が考える――シールダーの虞美人(ぐっさま)の完成予想図


シールダー・呪霊虞美人(元マシュ)〔身体がマシュ・キリエライトで、頭が虞美人〕

シールダー・呪霊虞美人「真人様の為に私が盾になります。」

――――――――――――――――――――――――――――

マシュ「!?。駄目です!私はそんな頭が虞美人さんのような私にはなりません!私なんかが虞美人さんになんか・・・」

徐福真人「いいやお前にはちゃんとぐっさまになってもらうよ!お前、見た目からして頑丈そうなイメージはするのだけど。」

徐福真人「魂の形を自在に変えられる私にとって、お前は無防備の魂の粘度でしかないから、お前は大人しくぐっさまになれ!」

徐福真人「そして私の為にそのデッカい盾で私を守ってくれると嬉しいんだよねぇ〜〜!(ニコニコ)」

マシュ「クゥゥ・・・・」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/26(火) 23:44:28.69 ID:VUwpGtts0
私の目の前で真人と名乗る特級呪霊サーヴァントがカルデアのマスターの仲間の1人であるマシュを捕まえ、自身の術式でそのマシュを殺そうとしている

それはまるで私がいた世界、私の目の前で呪霊の攻撃を受けた■■■■のように・・・。いま目の前であの時の悲劇が起ころうとしている。


マシュがいま目の前で殺される所をカルデアのマスターはとても嘆くように見ている。おそらく彼女にとってマシュは他のサーヴァントとは違う意味でマシュの事を大事に思っているのだろう。

そのマシュがいま、あのふざけた特級呪霊の呪いによって殺されようとしている。私の世界で経験したあの呪いの悲劇がいま、カルデアのマスターにも降りかかろうとしている‥。


そんなことなどさせない。あの頃は不覚をとり、私も含めてあの攻撃を受けたが、いまの私は違う。

私は私の事を必要としてくれた者として、共に戦う者として、私は私の今ある全力を持ってその勤めを果たさなければ・・・!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

播磨局「おいマスター。あの彼女とはなんの関係だか知らないけど、あの彼女を助けたいのか?」

【当たり前だよ!】
【彼女は私の一番大事なカルデアの仲間だから!】←

播磨局「そうか・・・お前とあの彼女との関係は聞かないが、あの彼女をそのぐっさまとやらにさせられるのは絶対に嫌なんだよな?顔に書いてあるぞ!」

播磨局「私も同感だ。あんなふざけた呪いで仲間がやられるなんて、私はまっぴらゴメンだからな!」

【播磨さん・・・・】←


播磨局「マスター。前に吉備真備の奴から、領域内での戦いには3つの対処法があり、その一つとして・・・」

播磨局「“こちらも領域、もしくは固有結界を発動し、こちらの優位権を取得する。”事が手っ取り早いと聞いているだろ?」

【そうだけど・・・】←

吉備真備「確かにそう言ったさ。だが僕たちには固有結界を展開する宝具を持っていない。ましてや固有結界を都合良く展開できるサーヴァントなんて・・・!?」


播磨局「ああ、ここは私に任せろ。仮契約とはいえ、私もマスターと契約したサーヴァントとして勤めを果たさないとな!」

【播磨さん、もしかしてあなたは・・・・】←
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/27(水) 23:40:38.69 ID:MbfkUjhU0
カッカッカッカッ、ガコンッ!


播磨局「おいそこの特級変態呪霊!そこのシールダーの彼女を今すぐ離すんだな?でないとお前、この私に痛い目に遭うことになるぞ?」

播磨局「それともなんだ?自分の領域を展開出来ているから勝った気になっているのか?そうだったらそうでほんとおめでたい呪霊だな、そこにるぐっさま共々な?www」

徐福真人「――!?。お前、私や私のぐっさまをバカにしてるのか!どこの馬の骨だか知らぬサーヴァントのくせに!」

徐福真人「もーー頭にきた!お前たちなんか今すぐみんなまとめてぐっさまの餌食にしてやる!」

播磨局「あ〜そうかい。だったらやってみやがれこの変態呪霊が!」

【ちょ、ちょっと播磨さん!?】←

播磨局「少し黙ってろ。すぐにこの場の戦況を変えるぞ!」



フンッ、クルクルクルクルクルゥゥゥ〜〜〜!!


播磨局「(全く・・・ろくに呪霊も見えず呪力もなかった私が、あのような呪術を使うなんか夢にも思わなかったな・・・)」

播磨局「(私の思うモノとは違うが、この力、使わせてもらうぞ、播磨局!)」


クルクルクルゥゥゥ〜〜〜!キィィ〜〜ン!

播磨局「海は揺れ轟き、風が荒れ吹きゆき、戦の流れは激流の如く!建御名方神(たけみなかたのかみ)よ、この私にお力添えよ・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「計器の魔力数値が上昇していく・・・これはもしや!」

徐福真人「そんなの知るもんか!――行け!術式解放‥『虞美人大軍進(ぐっさまだいぐんしん)!』」

ジャキンッ、ズドドドドォォォーーー!


【!?。虞美人の大群が・・・】
【播磨さん!】←

播磨局「問題ない。構えていろマスター!」


キィィーーン、グルグルグルゥゥゥ〜〜ガキンッ!

播磨局「―――領域展開!」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/28(木) 23:14:56.43 ID:CBRAyxZZ0
ズゴゴゴゴォォォ〜〜〜!ブシュゥゥ〜〜バシャバシャァァ〜〜〜!!


【!?】
【播磨局から波が!】←

徐福真人「えっ、ちょっとま――うわぁぁぁぁ〜〜〜!?」バシャァァ〜〜ン!

マシュ「キャァァァ〜〜!?」

【マシュ!】

吉備真備「!。みんな、とにかく僕に掴まれぇぇ〜〜!!」

バーヴァン・シーたち「―――――!」

シュッ、シュタシュタシュタッ!


バシャァァ〜〜ン!バシャァァ〜〜ン!ジャバァァ〜〜ン!
――――――――――――――――――――――――――――
サーヴァント・徐福の姿をした特級呪霊である徐福真人の呪術領域、自変虞美人化(じへんぐっさまか)に閉じ込められたカルデアのマスターたち

徐福真人の領域によって徐福真人が生み出した呪霊虞美人の攻撃が必中となり、徐福真人の呪術『無為虞転変』の必中による呪撃の恐れも加え、

呪霊虞美人たちによってマシュが捕まってしまうなどと、徐々に徐福真人の呪術によって追い詰められようとしていた・・・。


しかし徐福真人が捕まったマシュを無為虞転変で自身の都合に良い虞美人に変えようとしていたところを見たカルデアのマスターとみていた播磨局はその光景をヨシとせず、

この不利な戦況を打開するべく播磨局は自身の持つ宝具の力を解放するかのように自身の薙刀を振り回していき・・・

播磨局の“領域展開”という言葉と共に播磨局の周りから洪水のように水がなだれ込み、敵味方も関係なく、領域内全てに広がっていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――――

ザザァァ〜〜ン!バシャァァ〜〜ン!ザザザァァァ〜〜!!


【ツゥゥ・・・・!?】
【これはいったい!?】←

望月千代女「はい、なんでしょうか。播磨局殿の周りから水があふれ出したと思えば、瞬く間に周りが海に・・・・それにこの場所は・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「こちらも今の状況を観測しているのだけど、この荒れた荒海にマスター達が立っている戦艦型のような船・・・これはもしかしたら・・・」


ザザァァ〜〜ン!ザッパァァァ〜〜ン!

吉備真備「よっと!」

バーヴァン・シー「ゴフッ!?ゲホゲホゲホッ!・・・・」

マシュ「ツゥゥ・・・・ゲホゲホゲホッ!」

【マシュ!!】
【大丈夫!?】←
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/30(土) 00:11:42.69 ID:HPYB3nyb0
マシュ「はい。先ほど流れてきた波に呑まれるも、吉備真備さんが助けてくれたおかげで助かりました。」

マシュ「ですがこの播磨局さんの周りから出た大量の水・・・・というよりこの海水は一体・・・・」

吉備真備「ああ。播磨局の周りから洪水のように海水が噴き出し、そして辺りが荒れ狂う荒海と化した・・・コレはつまり・・・」


ザバァァ〜〜ン!ザブゥゥゥ〜〜ン!

呪霊虞美人たち「アァァァァ〜〜〜〜!?」

ザブゥゥゥ〜〜ン!ザバァァ〜〜ン!ゴボボボボォォ〜〜〜・・・


徐福真人「ギャァァァ〜〜!?ぐっさまがぁぁぁ〜〜!私のぐっさま軍団が流されていくぅぅ〜〜〜!!」

徐福真人「なんなんだよこれは!なんで私の領域にこんな荒れた海が出てくるんだよ!一体誰がこんな酷い事を〜〜!」


ザッパァァァ〜〜ン、スタッ!


播磨局「そうさ。この滝のように荒れ降る雨、吹き付ける風、私らを飲み込まんとする荒れ狂う荒波。その全てが私の宝具なのさ!」

【播磨さん!】←
【なんか姿が変わっている!】

播磨局「マスターか!急な宝具展開だったとはいえ、荒波に呑まれなくて本当に良かった。」

【播磨さん、これはいったい・・・】←
【もしかしてコレって・・・】

播磨局「ああそうさ。この荒海の固有結界こそ今の私の領域、私の領域展開、この播磨局の持つ宝具の力。これを呪術に例えるとすれば・・・・」



播磨局「領域展開―――宝具『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/30(土) 23:39:30.85 ID:HPYB3nyb0
ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて
――――――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内


ザバァァ〜〜ン!ザブゥゥゥ〜〜ン!

徐福真人「(あわわわぁぁ〜〜私のぐっさまたちがどんどん荒波に呑まれて沈んでいく!どうしよう〜!)」

徐福真人「(なんだよも〜!私の呪術領域なのにわたしのぐっさまたちがこんなどこから出た荒海に呑まれて沈んでいくなんて〜!)」

徐福真人「(それになんだよ、さっきから私の呪術領域なのに無為虞転変をしても何も起こらない・・・私の領域内ならば、私の術式は絶対に当たるというのに・・・)」

徐福真人「(まさか!?この状況は私の事をバカにしてきたあのクソ眼鏡のランサーが領域展開した事で私の領域が押し流されてるって事!?)」

徐福真人「(だとしたらこれは今、私とアイツ(播磨局)との領域の綱引きをしているって事だよね!?だったらこうしてられないわ!)」

ガシッ!グググゥゥゥ〜〜!!


【あれはさっきの構え!】←
【いったい何をしているんだ?】

吉備真備「やはりか、どうやら播磨局の固有結界宝具が展開された事で真人と名乗る呪霊の術式が必中ではなくなったと気づいたんだ。」

吉備真備「いま真人は自身の領域内の必中効果を得る為に、同じく領域を展開させてる播磨局と領域の綱引きをしている状態なんだ。」

【領域の綱引き?】←

吉備真備「ああ。相性とかもあるけど、領域を制すればどちらか一方が攻撃の必中効果を得ることができる。必中効果さえ得られれば、こちらの勝機は確実だ。」

吉備真備「それにあの呪霊の様子だと、播磨局との領域の綱引きに集中しているあまり、自身への防御が甘くなっている可能性がある。それこそこちらの好機だ。」

吉備真備「このまま一気に奴を攻め、奴を完全に祓うぞ!」

【はい!】←
【みんな行くよ!】

マシュ「了解しました、マスター!」


ググググゥゥゥ〜〜!

播磨局「(ツゥゥ、こっちの領域の展開を押し戻していくような感触・・・つまりこれが領域の綱引きって奴ってか。)」

播磨局「(この感覚をアイツも感じていたのか?こんな思いをしてまで、あの時、あの特級呪霊の領域から私たちを・・・)」


ツタタタタタッ!

【このまま綱引きを続けて播磨さん!】
【呪霊の方は任せて!】←

播磨局「ああ、こっちも領域の綱引きに手間取ってて、こっちもまともに動くことさえできねえ。」

播磨局「私があの呪霊の領域の必中効果を抑えている間にお前たちがあの呪霊を祓えれば私たちはあの呪霊に勝てる。」

【うん!】←

播磨局「それともう一つ気をつけて欲しい事がある。確かにこの荒れ狂う荒海は私の宝具によって引き起こしたモノなのだが・・・」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/31(日) 00:12:30.38 ID:VtDZUqQz0
ザブゥゥゥ〜〜ン!グルグルグルゥゥ〜〜〜!


播磨局「あの陣地に出現する渦巻きに近づけば忽ち渦巻きの中に自身が呑まれることになる。渦巻きに巻き込まれれば、いったい何が起きるのかはわからない。」

播磨局「とにかく私の固有結界とはいえ、油断すればさっき流された呪霊サーヴァントと同じ末路を迎えるぞ。そこだけは気をつけろよ!」

【わかった!】←

播磨局「ああ。特級呪霊の方は頼んだぞマスター!」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて


勝利条件:特級呪霊・徐福真人の撃破

領域内効果:1ターンごとに一度、特定の陣地にランダムに渦巻きが発生する。(渦巻きが発生している陣地に止まりターンが終了すると、ランダムに違う陣地に移動してしまう。)


登場エネミー

特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1


呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(アサシン)x2(増援あり)

呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(ランサー)x2(増援あり)

呪霊サーヴァント(蘭陵王):クラス(セイバー)x1

呪霊サーヴァント(項羽):クラス(バーサーカー)x1

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/12/31(日) 22:31:47.36 ID:VtDZUqQz0
第7廻戦:吹きあれる神風の領域〜大詰め〜
――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内
 

バーヴァン・シー「アハハハハッ!くらえぇぇ〜!」

キィィン、シュバババァァ〜〜!

残りの呪霊虞美人たち「〜〜〜〜〜〜」ガシュガシュン!シュゥゥ〜〜ン・・・・


徐福真人「いやぁぁ〜〜最後のぐっさまたちもやられたぁぁ〜〜!よくもわたしのぐっさまをぉぉ〜〜!!」

徐福真人「領域だ!私の領域さえ展開さえ出来ればこんな事にならずに済んだのに、お前たちハァァ〜〜〜!」

望月千代女「そこッ!はぁぁッ!!」


グァァ〜ン、ジャキィン!ガシュンッ!

徐福真人「!?。ギャァァァ〜〜!?」

吉備真備「よし、これでもう術式を組めない。播磨!」

播磨局「ああ、トドメは私がやる。この荒れ狂いし荒波と嵐風、この神風の如く荒れ狂う海を超えられるのは私なのだからな!」


ジャキンッ、クルクルゥゥ〜〜ガキィン!
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の持つ領域展開とも呼べる固有結界――『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』が展開され、徐福真人が展開した領域が荒海に包まれていき、

その荒海の波や渦巻きによって徐福真人が作り出した呪霊虞美人たちは波に呑まれて沈んでいき、徐福真人もまた、この状況に対しての困惑と動揺が重なり、

それを好機にカルデアのマスターたちは徐福真人を攻めていき、いくつかの攻撃によって彼女の術式を使用不能とした後、

徐福真人への最後のトドメとして播磨局が出陣し、荒れ狂う海に浮かぶ戦艦の上を軽々と飛びながら徐福真人の元へと近づいていく。


播磨局の今の姿は先ほどの女子高生の制服のような服装ではなく、生前の播磨局を思わせるような和装の戦鎧を纏っており、その姿は生前の播磨局の武勇を思わせる姿であった。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/01(月) 23:27:34.57 ID:SRQqXrQZ0
シュンッ、シュンッ、シュンッ!


播磨局「我、荒海の船上の戦場を掛け、敵をいっさい全て、建御名方神の加護の元になぎ払わん!」

播磨局「ハァァァァ〜〜〜〜!!」


シュンシュンッ!ガシッ、ブルゥゥン!

徐福真人「うわぁぁぁ〜〜!?」

播磨局「フンッ、ハァッ!」


ギュォォォ〜〜ン、ザッバァァ〜〜ン!ザバァァ〜〜ン!

徐福真人「アブブブッ、ゴボボボォォォ〜〜〜!?」

播磨局「真人と名乗る特級呪霊よ、お前がなんの呪いだが知らぬが、お前はここで祓わせてもらう!」


ギュゥゥ〜〜ジャバジャバァァ〜〜〜!!

播磨局「これで最後だ!『神風荒海・天草二十八斬首』(かみかぜこうかい・あまくさにじゅうはっしゅ)!!」


ザバァァァ〜〜ジャキィィーーーン!

徐福真人「ガ、ガハァァァッ!?」

ジャキンッ、スパァァーン!


徐福真人「そんな・・・‥この真人が・・・負けるなんて・・・・」

徐福真人「せめて本物のぐっさまの手によってやられたかった・・・・」


バジュンッ、シュゥゥ〜ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒れ狂う海に揺れる船の甲板の上を掛けていき、播磨局は徐福真人を一度荒海へと投げ飛ばし、

播磨局の固有結界によって展開された荒波が徐福真人を攻撃するように海の水が動いていき、徐福真人はその攻撃によって反撃の隙も与えられずに蹂躙されていき、

そして最後の一撃として、播磨局の薙刀に海流が包み込まれ、それを持って荒波によって投げ出された徐福真人を播磨局が横に真っ二つに斬り倒し、

斬り倒された徐福真人は自身の未練を吐きながらそのまま消滅し、徐福真人は祓われるのであった。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/02(火) 08:58:43.17 ID:MGz3ZnZu0
徐福真人の領域が解除された渋谷駅:山手線ホーム内


バリバリバリィィ〜〜ン!シュゥゥ〜〜ン・・・

播磨局「・・・・・・・フン。」

【やった!】
【どうにか倒せた】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。何はともあれ、あの特級呪霊を倒せた。それと同時に他の呪霊の虞美人の反応も全て消えた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それもこれも播磨局、あなたのおかげだ。まさかあのような宝具を隠し持っていたとはね?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おかげであの真人の領域展開による窮地から助かった。マシュもまた、彼女のおかげで助けられたからね。」

マシュ「はい。少し荒海にのまれましたが、播磨局さんがいなかったら私はあの呪霊に虞美人にされるところでした。本当にありがとうございます。」

マシュ「それに皆さんも一人も欠けずにあの領域から脱出できて・・・・!」

【どうしたの?】←

マシュ「マスター、あそこに何か光るモノが・・・・あれはもしかして・・・」


タッタッタッタッタッ、キラァァ〜ン☆

吉備真備「どうやら“帳”は2つそこにあったのか。さっきの虞美人の呪霊が持っていたのと、ここに設置してたのがね。」

吉備真備「おそらくこの帳はあの真人と名乗る特級呪霊が元から守っていた帳だな。まさか同じ所に帳を設置していたとはねぇ・・・」

播磨局「ああ。だとしても帳を見つけたからには、私たちがやることは一つしかないな。」

【うん】
【帳を破壊しよう!】←

播磨局「―――(頷く)」



コロンッ・・・フゥゥン、ジャキン!ジャクンッ!

ゴォォォ〜〜・・・トロトロトロロォォォ〜〜


吉備真備「よし、これで両面宿儺が居城としているというチェイテ渋谷神社城にようやく近づけるって所かな。」

吉備真備「ここから先、とてつもないほど危険な戦いになるかもしれないけど、そこの所、覚悟は出来ているんだよね?」

【うん・・・‥】←


【待っててねエリちゃん・・・・】
【必ず謝りに行くから・・・・】←
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/02(火) 09:42:58.78 ID:MGz3ZnZu0
吉備真備「(フゥ・・・播磨局の宝具のおかげでどうにかあの真人と名乗るパチモン呪霊サーヴァントの領域展開から窮地を脱したのは幸いだった。)」

吉備真備「(ともあれ、しばらく領域展開の対策は彼女(播磨局)の宝具に任せるとしよう。あの荒海の固有結界でならば、敵の領域との綱引きに持ち越せるというか‥)」

吉備真備「(あの真人と名乗る呪霊サーヴァントが何かと虞美人とか言う英霊が好きすぎるだけのバカで助かったとも言えるが、)」

吉備真備「(俺の考えが正しければ、この渋谷に存在していると思われる特級呪霊は4体。“漏瑚”“花御”“陀艮”そして“真人”)」

吉備真備「(中国の軍師太公望の姿をした“陀艮”の方は俺が俺のいま使える宝具である『入唐絵巻・鬼来隠光』で速攻で祓ってやっており、)」

吉備真備「(フォーリナークラスのジャック・ド・モレ―の姿をした“花御”と太公望と同じ中国の賢人である徐福の姿をした“真人”もまた、藤丸立香たちと一緒に祓ってやった。)」

吉備真備「(となるとまだ姿を見せていない残りの特級呪霊は“漏瑚”ただ一体なのだが、あの真人モドキが言ってた事が本当だとすれば・・・・)」

吉備真備「(・・・・・・まさかだと思うのだが・・・‥)」

――――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・徐福真人を倒し、そこに存在していた2つの帳を見つけたカルデアのマスター達

その2つの帳を破壊し、残るは帳の先にあるチェイテ渋谷神社城を居城とし、この渋谷の特異点の原因とされるという両面宿儺(エリザベート)を祓う事だと認識し、

カルデアのマスターはその事について彼女と戦い、そしてあの時謝れなかった事への思いと共に自身の覚悟を強めるのであった。


それとは別に吉備真備(■■■)はカルデアのマスターたちの前に現れた特級呪霊の事について何かと違和感を感じていており、

吉備真備が存在を認知しているという最後の特級呪霊サーヴァントである“漏瑚”が誰かに既に祓われていた事について、彼には一つ心当たりがあったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――


84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/04(木) 23:55:37.14 ID:n9kEF8WM0
カルデアのマスターたちが来る数分前―――渋谷駅:銀座線ホーム内にて―――


両面宿儺(エリザベート)「手短に問え、呪霊。お前はここでいったい何をしていた?なんの目的でこの渋谷の地に4つの帳を降ろしたのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それもこれら4つの帳、その全てがこの俺(両面宿儺(エリザベート)と他の呪霊以外の侵入を拒む帳とは、この俺を舐めているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「俺はお前に守ってもらう程ヤワではない。ましてやお前のようなサーヴァントの姿の呪霊なんかになぁ〜?」



両面宿儺(エリザベート)が尋問している呪霊サーヴァント
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/245506.png?date=1611134669


特級呪霊・平漏瑚(たいらのじょうご)「クゥゥ・・・・・。知らぬ、儂は本当に知らぬ。儂にも何もわからぬのだ。」

平漏瑚「儂はただそこにある4つある帳の内の一つを守れという“縛り”を元にここにある帳を守護していただけなのだ。」

両面宿儺(エリザベート)「ほお?で、その帳の守護の縛りを交した者は誰なのだ?お前たちにその帳の守護の縛りを掛け、4つの帳を降ろさせた者は誰なのか?」

平漏瑚「だからそんなことなど儂は知らん!儂らはただ、儂らに掛けられた“縛り”がいつ掛けられたものか、いったい誰と縛りを交した事もいっさいわからぬのだ。」


平漏瑚「それに儂らは本来、このような人間のような姿をしてなどいない。儂を含めた4人の特級呪霊・・・・“漏瑚(儂)”と“花御”と“陀艮”、そして“真人”・・・」

平漏瑚「儂らはただ、嘘偽りのない負の感情から生まれた呪いこそ真に純粋な本物の“人間”であり、偽物は消えて然るべく行動していた。」

平漏瑚「儂ら4人はあの時、■■■の仲間の呪術師に・・・儂に至ってはお主によって祓われたはずだった。儂らの望みは、あの時あの瞬間で終わったはずだった・・・」

平漏瑚「しかしそうはならなかった。気がついたときにはあの時と同じこの渋谷の地に立っており、儂らの姿は儂らの本来の姿とはかけ離れた存在・・・」

平漏瑚「この今の儂のような“偽物”と蔑んだ人間と同じ姿となっており、そしてそんな儂ら4人にある“異変”が生じた――」


平漏瑚「花御は元から独特だった喋り方がさらに酷くなり、陀艮は儂らの事の記憶や言葉を失い、」

平漏瑚「真人に至っては、『虞美人』とかいう存在に取り憑かれたようにその存在に心髄するようになり、儂らの本来の目的を蔑ろにするようになってしまった。」

平漏瑚「そして儂らの脳内から、手分けをするようにあの4つの帳の発信源を守れという縛りの言葉が流れ込み、儂らはその縛りに従うように儂らは行動した。」

両面宿儺(エリザベート)「!。なんだと?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/05(金) 01:47:33.69 ID:A4QF/U/IO
どうでもいいけどハロウィンに関する内容を
年明けても未だに書いてるのってバカにしか見えんぞ
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/05(金) 23:16:37.74 ID:zWkLa0Cy0
>>85
話の都合上仕方がないこと。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/05(金) 23:18:06.62 ID:zWkLa0Cy0
両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。つまりお前たち呪霊は、何かの原因でその本来の呪霊の姿とは違う人の姿・・・即ちサーヴァントという人間のような肉体となっており、」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちの魂がその肉体の性質に適用出来ず、お前たちの魂がその肉体に喰われ、自分自身を維持することが出来ないと?」

平漏瑚「フッ、察しが良いではないか。そうだ、儂らの今の身体には、何か特殊な呪いが組み込まれており、真人や花御、陀艮もまた、肉体に魂を喰われ、自身の正気を失ってしまった。」

平漏瑚「儂もそうだ。儂も時が立つにつれ、儂の頭には源氏を殺すという使命感が儂の魂を喰らうかのように浸蝕していき、時期に儂も儂ではなくなってしまう・・・」

平漏瑚「だからそうなる前に宿儺・・・・今すぐ儂にトドメをさしてくれ。儂の魂がこの偽りの肉体にくわれるその前に!」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・」


両面宿儺(エリザベート)「―――はぁ‥・・・よかろう。この俺が呪霊ごときの願いを聞き入れるなど癪に障るが、お前とは前にあの世界で殺し合った仲だ。」

両面宿儺(エリザベート)「姿は違えど、あの時のお前は強かった。1000年やった中で、お前はマシな方だった。」

両面宿儺(エリザベート)「お前はお前のままでいろ。お前は確かに強かった・・・・お前もそうだっただろ?」

平漏瑚「――!?。確かにそうだったな・・・。ありがとう・・・・儂の意思が喰われる前に宿儺・・・お前とまた出会えたことを―――」


シュン、スパァァーーン!!

真っ二つにされた平漏瑚(特級呪霊・漏瑚)「―――――――」

シュパァーン、ギュゥゥゥン・・・・


両面宿儺(エリザベート)「――いったいどうなっている?この俺が知らぬ間にこの俺以外の侵入を許さぬ帳を4つも貼ってたとはなぁ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「これら4つの帳・・・俺以外の侵入を許さず、まるでこの俺を追っているカルデアの者から、この俺を守るかのように・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ツゥ・・・この俺の今の身体といい、あの特級呪霊といい、いったいこの渋谷で何が起こっているというのだ?」

両面宿儺(エリザベート)「だがいずれにしてもアイツらは必ず俺の所へと来る。その時こそ、俺とこの身体との縛りは終わる‥‥」

両面宿儺(エリザベート)「俺があいつを・・・・“カルデアのマスターを呪い殺す”事でな・・・。」

――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちが渋谷駅の山手線ホームに向かっている中、別の所で両面宿儺(エリザベート)が花御モレ―と徐福真人と同じ特級呪霊の1体・・・

平景清の姿をした特級呪霊:平漏瑚(たいらのじょうご)と戦闘をしており、その戦いに勝利した両面宿儺(エリザベート)は平漏瑚に4つの帳の事についてを尋問しており、

その事について何も知らないと断言していた平漏瑚は自身の身体が本来の自身の身体では無い偽りの肉体であり、その偽りの肉体のせいで自分自身の意思が肉体に乗っ取られる事を恐れ、

自分自身の意思が偽りの肉体に乗っ取られる前に両面宿儺の手によってトドメを刺される事を望み、宿儺自身はその彼女の望み通りに平漏瑚を葬るのであった。


そして宿儺自身はこの渋谷で起こっている事について疑問を抱き始めるが、宿儺自身はそれよりも先にカルデアのマスターを呪い殺し、

自身に設けられたとある“縛り”を完遂しようと意気込みをいれるのであった。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/06(土) 09:32:31.92 ID:63de8Sw50
第8廻戦:両面宿儺と渋谷の異変
――――――――――――――――
???


???「魔力と呪いが徐々に溜まり始めている・・・そろそろ“コレ”も使えるようになる頃合いだな。」

???「あとは彼女をどうするかだ・・・・いずれにしてもこれらを済ませれば、あの者の“願い”は叶えられる・・・」

???「フッ、宿儺の奴め・・・俺に利用されているとも知らずにのうのうと・・・・」

???「だがいずれにしても宿儺には最後にとても大事な仕事をさせてもらう。君や、私にとっても大事な仕事をな・・・」


スタッ、スタッ、スタッ、スタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
渋谷の特異点のどこか、どこかのトンネルの内にて・・・・

一つの何かを確認しつつ、一人のお坊さんの恰好をした一人の男性がその中を一人歩いていた。

そしてその男は着々と、とある人物が待つある場所へと向かっていくのであった。
―――――――――――――――――――――――
渋谷駅での戦いから数分が立ち・・・渋谷:チェイテ渋谷神社城前


播磨局「ここがチェイテ渋谷神社城か。近くで見ると随分と悪趣味な風景をしている。」

マシュ「はい。渋谷の事はカルデアのデータ資料で関連はしているのですが、このチェイテ渋谷神社城はその・・・」

マシュ「渋谷のとあるアパレルショップの造形と怪しげな神社の造形がごちゃ混ぜになってまして、例えるとすれば・・・その・・・」


【・・・・・・・・・・】
【チェイテピラミット姫路城】←

https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/caa6ce2e17adf78fbfe440662e774370a6c4eb82.62.2.9.2.png


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん・・・だがそれでもこの場所の造形としては藤丸ちゃんが言ったモノよりはマシとも言えるのだけどね。」

望月千代女「はい。しかし4つの帳を破壊し、ようやくこの場所へと辿り着いたのですが、やはりこの場所には誰1人もおりません。」

吉備真備「ああ。この渋谷全体を見るにあたり、この渋谷にはマスターや呪霊、俺たちのようなサーヴァント以外の人物がいないことから、おそらくは・・・」

吉備真備「・・・だとしても、この城のような場所に両面宿儺がいることは間違いないようだな。そうだろ?」

【とにかく行こう!】
【両面宿儺を祓わないと】←

マシュ「はい。エリザベートさんに取り憑いている両面宿儺の呪いを祓い、エリザベートさんをカルデアへと連れ戻しましょう。」


スタスタスタスタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――
同じ頃、渋谷駅山手線ホームでの戦いから数分後、4つの帳を超え、ようやく両面宿儺(エリザベート)が居城としているチェイテ渋谷神社城へと辿り着き、

カルデアのマスターたちは改めてそのチェイテ渋谷神社城の独特な建物の造形に気が引けるほどに動揺するも、

そこに待つ両面宿儺(エリザベート)を祓い、エリザベート・バートリーを連れ戻す為に、彼女たちは城の中へと入るのであった。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/06(土) 10:26:19.05 ID:63de8Sw50
チェイテ渋谷神社城・城内:1F コスメ売り場


バーヴァン・シー「ここは普通のコスメ売り場ね。店員が1人もいないのは当たり前なのだけど。」

吉備真備「だな。だとしてもチェイテ城って、あのエリザベート・バートリーが居城としていた城なんだよね?なんで彼女はそのチェイテにこだわるのだろうねぇ?」

【真備さん・・・・】
【実はそのぉ・・・・】←

吉備真備「わかってる。エリザベート・バートリーの逸話の事は僕も事前に認知はしている。彼女がそのチェイテ城でいったい何をしたのか、何があってこの城に幽閉されていたのか‥」

吉備真備「言わずとしても、チェイテ城はエリザベート・バートリーにとっての監獄であると言う事も・・・・」

播磨局「!。監獄って・・・・」

マシュたち「・・・・・・‥」

【・・・・・・・】←

吉備真備「まあ今はそんなことはナシにして!とりあえずみんなで両面宿儺の所へ行こう!ね?」

【う、うん・・・・】
【なんか間が悪いと言うか・・・】←

吉備真備「――――(メンゴ!)」


シオン(通信)「――では改めまして、皆さま方は今いる場所から前に進みまして、そこに階段がありますよね?」

シオン(通信)「皆さま方にはその階段を降りて、地下へと向かってください。」

【地下?】
【上へ上がるんじゃなくて?】←

シオン(通信)「はい。こちらの方でチェイテ渋谷神社城の内部をスキャンし、両面宿儺の現在地や聖杯のある場所を探査したのですが・・・」

シオン(通信)「スキャンした結果、このチェイテ渋谷神社城には大層な広間のような場所はなく、ある意味このチェイテ渋谷神社城というのは・・・」

シオン(通信)「外部の風景は異質なのですが、内部は普通にただの渋谷のファッションショップの構造であり、私が思う結論からして・・・」

シオン(通信)「このチェイテ渋谷神社城というのは、ただ外部の見た目を派手に彩っただけの、言わば“ハリボテ”ですね。」

マシュたち「――――!?」


【――ズゴッ!?】
【ハリボテかよ!?】←
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/06(土) 10:54:35.54 ID:63de8Sw50
シオン(通信)「ですがこのチェイテ渋谷神社城の下・・・つまり城の地下には何かしらの異様な空間が形成されていましてね。」

シオン(通信)「その地下空間だけはこちらのスキャンを受け付けず、その地下空間から聖杯の反応をキャッチしまして、おそらくは・・・」

【つまりそこに聖杯があるって事?】
【それと両面宿儺もそこに・・・】←

シオン(通信)「おそらくは・・・ですので皆さんはそこから地下へと向かってください。おそらくそこには例の両面宿儺もそこにいるかと・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。前にも言ったように両面宿儺はエリザベート・バートリーに寄生しての現界といってもいい、最悪の場合、エリザベートの事は・・・」


【わかってる。】
【必ずエリちゃんを取り戻すから】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「――――(頷く)」
――――――――――――――――――――――――――――
無事にチェイテ渋谷神社城の内部へと侵入したカルデアのマスター。

しかしそこで知った事はチェイテ渋谷神社城とはただ外部の風景が風変わりなだけで、内部はごく普通の女子モノファッションショップというハリボテじみた建物だという事実であった。

しかしその中でその城の地下には異様な地下空間が形成されており、その地下空間から聖杯の反応があったとシオンの口から明かされており、

カルデアのマスターたちはそのまま城の階段を降りていき、チェイテ渋谷神社城の地下空間へと足を踏み入れるのであった
――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城 地下:東京メトロ 副都心線ホーム内

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/9/7/971a851d.jpg


タッタッタッタッタッタッ・・・・・・


【ここって・・・】
【地下鉄のホーム?】←

吉備真備「(この場所・・・・俺たちは確かあの渋谷109の地下に足を踏み入れたはずなのだが・・・この場所の風景や内部の造形・・・)」

吉備真備「(明らかにここは渋谷ヒカリエの地下にある地下鉄のホーム・・・どうしてこの場所がチェイテ渋谷神社城の地下に?)」

吉備真備「(それにこの感じ・・・どこかで見覚えがあるような・・・・)」


???「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ、カルデアのマスターよ。」

吉備真備「!?」

【その声はまさか・・・!】←
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 11:46:22.51 ID:HaD3vl7F0
話の都合上仕方ないなら別にペースも上げる必要無いのに
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/06(土) 23:48:46.17 ID:63de8Sw50
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・


両面宿儺(エリザベート)「わざわざこの場所まで来るとは、わざわざ俺に殺されに自ら来たというのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それともあれか、俺に殺される覚悟があるからわざわざ向こうから来たというのか、カルデアのマスター?」

【両面宿儺・・・・】←


ゴルドルフ(通信)「ヌヌヌ・・・あやつが藤丸の言ってた両面宿儺という奴か、見たところやはりその姿はあの鮮血魔嬢(エリザベート)の姿と同じにしか見えん。」

カドック(通信)「そのエリザベートの霊基に両面宿儺が混ざっているから今の両面宿儺がいるんだろ!いま目の前に!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。信じられない事だがこれは事実だ。今の彼女の身体には両面宿儺の霊基が取り憑いている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかもこの霊基、今までの別霊基のエリザベートよりも強力で繋がりもかなり強度だ。こんなの、とてもじゃない程なのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ほお‥俺を分析するか。画面越しではあるがよほどの観察力の優れた者と見て間違いはないようだな?」

両面宿儺(エリザベート)「だが‥俺を分析したところで俺は倒せぬ。お前たち如きが俺の呪いに勝てるとでも・・・?」


【エリちゃんの身体を返して!】←

両面宿儺(エリザベート)「返せだと?お前、何度も言っても俺の話を理解しないというのか?」

両面宿儺(エリザベート)「今の俺こそ、お前たちが探しているという英霊・エリザベート・バートリーであり、この呪いに満ちあふれた渋谷を支配する呪いの王・・・」

両面宿儺(エリザベート)「故に今の俺は呪いの王“両面宿儺”であり、“エリザベート・バートリー”でもあるのだからなぁ〜‥。」


吉備真備「その“エリザベート・バートリー”という霊基もまた、あんたが何らかの形で乗っ取ったんだろ?その身体の持ち主の意思とは関係なく‥」

吉備真備「エリザベート本人の身体を乗っ取り、あわや自分自身の事をエリザベート・バートリーであると語るあんたが一番かっこ悪いと思うんだよねぇ〜‥。」

両面宿儺(エリザベート)「!?。貴様、見たところ貴様もまた、何らかの形でサーヴァントとして現界していると見て間違いはないようだな。」

両面宿儺(エリザベート)「いわゆる疑似サーヴァントって奴か?にしては貴様の姿、何かと見覚えのある顔のようなのだがなぁ〜?」

吉備真備「そうかな?僕に至って、あんたとは会ったばかりの初対面であり、見覚えのある顔っと言ってもそれはあり得ないと思うけどなぁ〜‥」

吉備真備「僕はただ、この姿で召喚されただけのキャスタークラスの吉備真備だ。アンタのいう疑似サーヴァントなんかじゃないよ〜だ!」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・(チッ、このふざけた呪術師風情が!いったい何の口を言っているんだ?)」


吉備真備「・・・・・・‥」

【凄い緊迫感だ・・・】←
【(ちょっとまではふざけた感じはしてたけど‥)】
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/07(日) 10:47:00.54 ID:ZE+Mne8V0
ピピィィ〜!


ムニエル(通信)「聖杯の反応をキャッチした。ここからすぐ近くに・・・‥って、ちょっとまさかこれって〜!?」

両面宿儺(エリザベート)「聖杯?あぁ〜そうか、お前たちは俺のことを探している他にこれらも探していたというのか。」


シュルッ、キラァァ〜ン☆


【あれは聖杯の雫!?】←
【どうして貴方がそれを・・・】

両面宿儺(エリザベート)「ああこれか?こいつは俺がこの渋谷に現界した直後に拾ったものだ。何に使うモノなのかサッパリだったが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちが近くに来たことで、この雫とやらの反応が強まっていくことを感じた。お前たちも少しは感じているのだろ?」

マシュたち「!?」


キラァァ〜ン☆

【コレって・・・】
【聖杯の雫が共鳴している・・・】←

吉備真備「そういう事だったのか・・・この聖杯の雫はあの4つの帳を降ろす発生源だけではなく、何らかの形で5つに分かれた聖杯の破片でもあったのか!」

シオン(通信)「はい。最初にこの聖杯の雫を見た時、私も吉備真備と同じ事を考えていたさ。この今の状況も踏まえて・・・」

シオン(通信)「(だとしても、聖杯の雫が両面宿儺と4体の特級呪霊のサーヴァントの手に渡っていた事になるのは確かの事なのですが・・・)」

シオン(通信)「(残る大きな問題として、一体、誰が聖杯を使って、この渋谷の特異点をつくったということを・・・)」

シオン(通信)「(そして特級呪霊サーヴァントとの戦いの際に起こる領域展開時の聖杯戦線。これはもしかすると・・・・)」


両面宿儺(エリザベート)「さて、余興は終わりだカルデアの者よ。お前たちはここでこの俺の手で全て呪い殺されるであろう。」

両面宿儺(エリザベート)「逃げるのなら今の内に逃げたまえ。今なら逃げるお前たちの背を攻撃する事はせず、そのまま見逃してやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「と言っても、お前たちは逃げずとも俺に挑む理由やその覚悟があってこそ、お前たちはここにいるんだろ?」

【そうだよ】←

【あなたの持つ聖杯の雫を回収し、エリザベート・バートリーを取り返すまでは・・・】←

【私は逃げたりしない!】←


両面宿儺(エリザベート)「フッ、よく言った。良いだろう、お前のその覚悟に対し、お前たちに相応しい場を設けてやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「そして瞬きせず見ておくがよい。本物の呪術というモノとその真髄を――――」


スッ、ピトッ・・・

吉備真備、播磨局「――――!?」

【あの構え・・・まさか!?】←
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/01/07(日) 14:10:02.77 ID:FtVTIYVY0
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95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/07(日) 22:08:21.23 ID:ZE+Mne8V0
両面宿儺(エリザベート)「ほお‥構えだけで俺が領域を展開する事を察したか。だがあまりにも遅すぎる。」

両面宿儺(エリザベート)「というよりは、一度だけ俺の領域内での攻撃を見ていたから察しがついたのか?お前の目の前で誰かが斬り倒された時のように・・・」

【!?】←

―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・


ガシュンッ!バリバリッ!

プトレマイオス(老)「ガッ――――」


バリバリバリィィ〜〜ガシャァァ〜〜ン!!

プトレマイオス(老)「パァァァ〜〜〜〜〜!?」


バシュゥゥ!パカァァン!!
―――――――――――――――――――――――
【ツゥゥ・・・・】←


両面宿儺(エリザベート)「思い出したか?お前の目の前で何もわからず切り裂かれた‥プトレマイオスと言うジジイの死に様を!」

両面宿儺(エリザベート)「そうとも、これこそお前の目の前でプトレマイオスという奴を切り裂いた、俺の持つ最大の呪いの力だ。」



両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・」


キィィン、ゴォォォォ〜〜!ギュォォォォ〜〜〜〜〜〜!!



カルデアのマスターたちの目の前に現れた一つのオブジェ(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/0/6/060c8682.jpg


両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』」

――――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城の地下奥深くに到達したカルデアのマスターたちの前に、彼女たちを待ちかねたかのようにその姿を現した両面宿儺(エリザベート)

彼女の手には4つの帳の発生の源である聖杯の雫が握られており、カルデアのマスターはそれらに対し、

聖杯の雫を手に入れる事と、エリザベート・バートリーをカルデアへ連れ戻す事への意気込みを宿儺に見せ、彼女と戦う意思と覚悟を見せた。


そんなカルデアのマスターの覚悟を見た両面宿儺(エリザベート)はそれに対し、カルデアのマスターに相応しい場を設ける一環とするかのように、

両面宿儺(エリザベート)は自身の領域展開である『伏魔御廚子』を発動し、地下鉄ホーム内の中央に様々な生物の頭骨に象られた寺のお堂が出現するのであった。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/07(日) 23:58:34.34 ID:ZE+Mne8V0
ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子
――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)


マシュ「これが、あの両面宿儺の領域展開・・・ですがこの場所は・・・・」

【風景が変わっていない・・・】
【地下鉄のホームのままだ】←

両面宿儺(エリザベート)「そうだ。俺の領域展開はそんじゃそこらの呪霊の生得領域とは訳が違う。」

両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』は誰も閉じ込めない。閉じ込めない事で出入りが自由であり、領域内から逃げ出すことも可能だ。」

両面宿儺(エリザベート)「しかし逃げたところで俺の攻撃からは逃げる事など出来やしない。領域内での俺の攻撃は必中かつ無限に攻撃が放たれるからな。」

【!?】
【それって何をしても逃げられないってことなの‥?】←

両面宿儺(エリザベート)「そうだ、無限に俺の攻撃が必ず当たるように襲いかかる。より早く、より鋭く、より残虐的に・・・」

両面宿儺(エリザベート)「故に俺の領域内には他の呪霊サーヴァントなど存在しない。お前たちの相手など、この俺1人で充分だからな。」


両面宿儺(エリザベート)「(と言っても、それこそ本来の領域展開時の戦い方であり、領域内では基本、兵隊を招いて戦争をするモノではない。)」

両面宿儺(エリザベート)「(全く、いったい誰が何を考えてなのか‥呪霊を含めた他者の術式の領域展開に手を加え、その中で軍隊戦をやる方式を確立させたというのか・・・)」

両面宿儺(エリザベート)「(まあそんなことなど、俺の領域も含めて関係のないことなのだからな。)」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/08(月) 23:56:50.02 ID:OH5/Ness0
キィィン、キィィン・・・・


両面宿儺(エリザベート)「話を続けよう。この領域内で放たれる無限の攻撃は二つ・・・魔力のないモノには解(カイ)という普通の斬撃を、サーヴァントの様な魔力のある者たちには、捌(ハチ)という特殊な斬撃を‥」

両面宿儺(エリザベート)「これらの2つの斬撃をお前たちが進む陣地のどこかに用意し、止まった時点でその場所に斬撃を加える。それも必ずだ。」

両面宿儺(エリザベート)「カルデアのマスターはせいぜい解(カイ)の斬撃に耐えられるように防御をする事だ。間違ってお前が捌(ハチ)を受ければ、それこそ一撃で終わりだからなぁ?」

【何故そんなことを私に教えるの?】←

両面宿儺(エリザベート)「何故だと?お前が俺の呪術で傷ついていく様を少しでも長く見物する為だ。そうでもしないとお前はすぐ死ぬからな?」

両面宿儺(エリザベート)「それともう一つ、俺の領域展開を止めたいのであればこの中央のお堂を壊して見るがよい。そこが俺の術式の無限攻撃の要だからなぁ。」


両面宿儺(エリザベート)「ではカルデアのマスターよ、サーヴァントの配置と編成が終わるまで待ってやろう。無意味なことだが、お前のベストなコンディションの戦法の上で、この俺がお前を呪い殺してやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「せいぜい仲間のサーヴァントによる領域の綱引きをするか、自力で俺の領域を止めるか、お前たちの中で考えていくんだな?」


ゴルドルフ(通信)「な・・・なんだねあやつは!?あやつめ、我々を確実に殺められるからってあやつ自身の手口を明かすとは、我々をコケにしているのか!?」

シオン(通信)「敵を目の前にしておいて自らの攻撃手段を明かし、しかもこちらに有意義な策を与えるなど、いったいあの両面宿儺は何を・・・」

バーヴァン・シー「ふん。そんなのどうでもいいわ。わざわざこっちの有利な戦い方を教えてくれるなんて、あいつバカじゃないのかしらwww」

【いやそんなはずはないと思う・・・】
【『罠』という可能性もある】←


吉備真備「(宿儺自身の攻撃手段と領域内の攻略の開示・・・あの両面宿儺が術式の開示する“縛り”で呪力の底上げをするとは、確かに俺も同化と‥)」

吉備真備「(それと宿儺はこちらが領域の綱引きをするのかの選択も進言していた事もあり、なぜこちらが領域の綱引きを・・・‥まさか‥!?)」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/09(火) 22:35:52.10 ID:X0824Fs80
播磨局「フッ、手の内を明かした他に私と領域の綱引きをしたいというか。良いぜ、その誘い、乗ってやろうじゃないか!」

播磨局「マスター。私がこのまま領域展開をして、あの宿儺の攻撃の必中を止めてやる。マスターは精々あの中央にあるふざけた感じお堂を壊してやれ! 」

【わかった!】←


吉備真備「播磨局。ちょっと君の耳をすぐに貸してくれない?すぐに終わる話なんだけどさぁ〜〜。」

播磨局「はぁ?私の耳を貸せって・・・って、イタタタタッ!おい、勝手に私の耳を引っ張るんじゃ―――」

吉備真備「ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・・」

播磨局「・・・・・・えっ・・・!?」

――――――――――――――――――――――――
数分後、カルデアのマスターたちの聖杯戦線の戦闘編成を終えて・・・


両面宿儺(エリザベート)「準備が出来たようだな?さぁ来るがいい、お前たちにこの俺を祓う事など出来るか、カルデアのマスター!」

【望むところよ!】
【みんな、行くよ!】←

マシュたち「―――――(頷く)」


吉備真備「(俺の勘が間違ってれば、それこそ藤丸たちは宿儺の術式によって切り刻まれ、こちらの敗北が決定する。)」

吉備真備「(しかしもし俺の勘が間違っていなければ、もしかしてだとすると・・・・)」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子


勝利条件:両面宿儺(エリザベート)の撃破と伏魔御廚子の破壊

敗北条件:マスターのライフがゼロとなる、及び味方サーヴァントの全滅


領域内効果:特定の陣地に止まると陣地にある色付きの斬撃マークに合せた攻撃により、サーヴァントとマスターのライフに大ダメージを受ける。

青い斬撃のマーク(解(カイ)):味方サーヴァントに30%のダメージ(マスターの場合はライフが一つ減る)

赤い斬撃のマーク(捌(ハチ)):味方サーヴァントに50%のダメージ(マスターの場合はライフが全て減り、ゲームオーバー)



登場エネミー

両面宿儺(エリザベート宿儺):クラス・バーサーカーx1

伏魔御廚子:クラス・バーサーカーx1
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/11(木) 08:24:21.00 ID:xCCpQ01F0
第9廻戦:渋谷ハロウィン 閉幕

第9廻戦:渋谷獄門疆 開門
―――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)


シュシュシュシュシュシュンッ!!

望月千代女「――――――!!」シュンシュンシュンッ!


ジャクンジャクンッ!

バーヴァン・シー「ハッ、よっと!」シュッ、シュンッ!


【(攻撃が避けきれる・・・)】←
【(もしかしてこれ、行けるかも!)】

両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥ・・・なかなかやるではないか。契約したサーヴァントとの連携、マスターの指示、サーヴァント特有の能力。これら全てをうまく活かしている。」

両面宿儺(エリザベート)「加えてこちらの領域内の必中を無くす為の領域の綱引き。こちらとしては見事というべきか?」

両面宿儺(エリザベート)「なにせお前たち側の呪力の消費を感じ慣れないほどに、領域の綱引きを成立させて・・・」

吉備真備「そうか?それ、本当に僕らの誰かがお前と領域の綱引きをしているんじゃないかと本気で思っているのか?それとしては宿儺、お前らしくない事を言ってるじゃないかのか?」

両面宿儺(エリザベート)「なに?貴様、この俺に向かって何を――――」



ギュォォ〜ン、ドスゥゥ〜〜ン!

鬼の仲麻呂「グォォォォ〜〜!!」

両面宿儺(エリザベート)「!?。チィィ、ハ――――」

吉備真備「今だ、突っ込め!」

播磨局「ハァァァ〜〜〜!!」

バーヴァン・シー「ハァァッ!!」

両面宿儺(エリザベート)「―――――!?」


シュッ、グサッ!バババババッ、バシュバシュッ!

両面宿儺(エリザベート)「―――ガハッ!?」


鬼の仲麻呂「オォォォォォォ〜〜〜〜!」

吉備真備「『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」


ゴロゴロゴロォォ〜〜、バリバリバリィィィ〜〜!!ドゴォォォ〜〜ン!
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/11(木) 11:18:22.20 ID:xCCpQ01F0
ビキビキッ、バリィィィ〜〜ン!シュゥゥ〜〜ン・・・


【領域が解除された!】
【真備さん!】←

吉備真備「おう!」


両面宿儺(エリザベート)「バ、バカな!?おいそこの女、お前はさっきまで俺との領域の綱引きをしていたはず・・・なぜお前がすぐに・・・」

両面宿儺(エリザベート)「領域の綱引きをやめれば、すぐにでも俺の術式の必中によって、お前たちは瞬く間に俺の術式で粉みじんに・・・」

吉備真備「・・・そうはならない。いや、むしろ初めから今の宿儺では俺たちを領域展開で切り刻むことなど出来ないと言った方が正しいかな?」

両面宿儺(エリザベート)「・・・なに?」

【真備さん?】
【それってどういう事なの?】←


吉備真備「マスター。戦いが始まる前、宿儺が君たちに自身の領域内での術式効果とその攻撃手段を明かしたのは知ってるよね?」

吉備真備「あれはその自身の攻撃手段をあえて公開する事で、その者の攻撃手段の効果と能力を底上げをする事が出来て、そのような能力の底上げの手段を僕たちは“縛り”と呼んでいる。」

吉備真備「何らかのリスクと制限を掛ける代わりに、それと引き替えに術式の底上げと能力の増加などのメリットを得ることができる。ある程度に強い呪術師のテクニックってヤツだ。」

吉備真備「まあ、その縛りを破ればそのメリットを失う事は絶対であり、最悪、何らかのペナルティが発生する事は確実なんだけどね。」


【縛りって・・・】
【その為に私たちにあのような事を・・・】←
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/13(土) 00:09:00.94 ID:B+plaUV50
吉備真備「宿儺。僕の知る限り、あんたは領域展開した後に自身の術式を開示して自身の能力を上げるようなやつじゃねえはずだ。」

吉備真備「領域展開をすれば、あんたもさっき言ったようにあんたの術式は必ず当たるようになり、術式の弱強関係なく開示する必要など無いに等しいはず。」

吉備真備「にもかかわらずあんたは領域の展開後に術式の開示をし、命中率を含めた自身の能力を試みた事から、僕はあんたに対して疑問を抱いた。」

吉備真備「故に僕はマスター達の戦闘編成の際、僕は秘密裏に播磨局に宿儺との領域の綱引きをする“フリ”をさせ、あわや宿儺と領域の綱引きをしているように、」

吉備真備「僕の術で播磨局と宿儺とで領域の綱引きをしているかのように感じ取るように細工をし、僕と播磨は宿儺の様子を伺い、そしてその中で一つの確信を得た。」


吉備真備「両面宿儺。あんたは領域展開したにも関わらずわざわざ術式の開示をし、あえてこちらの領域との綱引きに持ち込もうとさせた。」

吉備真備「その理由があるとすれば・・・宿儺、あんたは領域展開をしたにも関わらず、その術式に必中効果を得られないって事を知っていたって事じゃないのか?」

両面宿儺(エリザベート)「――!?」

【必中効果を得られないって――】
【それっていったいどういう事!?】←

吉備真備「僕も正直、領域展開でこのような事が起こるのはあり得ないと思っていた。実際にこのような事態を目の辺りにするまではね?」

吉備真備「宿儺の術式に不具合があるのか、はたまた領域展開自体が必中効果を得られないほどに弱体化しているのか?」

【いや、今はそれよりも・・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。播磨局の本体への直接攻撃、吉備真備の宝具による『伏魔御廚子』の破壊によって、宿儺の霊基に深刻なダメージを与えられたはず・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このまま宿儺を祓いたいところだが、今の宿儺にはエリザベート・バートリーが取り憑いている事もある。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「彼女をカルデアに連れて帰る為にも、宿儺をこのまま生け捕りにし、何としてでも宿儺とエリザベートを引き剥がすんだ。」

【わかった!】←


両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・・」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/13(土) 23:52:55.42 ID:B+plaUV50
タッタッタッタッタッ・・・・


【両面宿儺!】
【エリちゃんの身体、返して貰うよ!】←

望月千代女「はい。このような形とはいえ、この戦い、我々が勝利した以上、今のあなたにもう後はありません。」

望月千代女「我々はあなたの持つ聖杯の雫とあなたに憑依しているエリザベート殿の身体を取り返し、あなたを排除します。」

バーヴァン・シー「そうよ。大人しくエリザベートの身体を返せばあまり痛いようにしないで祓ってあげるから、マスターの話は聞いた方がいいわ?」

バーヴァン・シー「いやそれとも、前にマスターを真っ二つに斬ったように、貴方の身体を真っ二つにして中から取り出さないといけないのかしらねぇ〜?」

マシュ「バーヴァン・シーさん、それでは宿儺と一緒にエリザベートさんの身体も真っ二つになってしまい、エリザベートさんを救う事など・・・」


両面宿儺(エリザベート)「・・・クッ、クククククク!クッハハハハハハハハハーーーー!!」

【!?】
【何かがおかしいというの!】←

両面宿儺(エリザベート)「ハハハハハ!全くだ、呪術専門のサーヴァントを仕えていながら、お前たちは呪術の何たるかを全然わかっていないようだな?」

両面宿儺(エリザベート)「身体を返せだと?この今の俺を構築しているこの器の身体など、とっくの昔に返せるものなら返してやるものだ。」

両面宿儺(エリザベート)「正直に俺は、このような女の身体を器にするつもりなどなかった。ましてやこのエリザベート・バートリーとかいう女の身体にはな。」


両面宿儺(エリザベート)「お前の言う通りだ吉備真備と名乗る呪術士よ。お前の言うように、この女(エリザベート・バートリー)の身体を器としたことで俺の術式に異変が起きた。」

両面宿儺(エリザベート)「まあ異変というよりか、自身の術式がこの器とした身体の体質によって変質したというべきか。術式の発動については問題はないのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・・つまり俺の“術式領域”の展開する行為は、お前たちサーヴァントで言う“宝具”の発動と同じような形となっており、」

両面宿儺(エリザベート)「どうもその宝具の発動条件である呼称が俺の本来呼称とする名ではないらしく、俺が領域展開をしたとしても、」

両面宿儺(エリザベート)「正しくその名を呼ばぬ限り、その宝具が拗ねてしまい、領域展開特有である必中効果を得られず、術式もまた、思うように発動が出来ぬようになっているのだ・・・・」


マシュたち「―――――(ドン引き)」

吉備真備「ハァ〜〜!?何だそれ?」

【術式って、拗ねることがあるの!?】
【(なんかいかにエリちゃんらしいというか・・・)】←
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/14(日) 23:48:07.81 ID:rzBzK3lT0
播磨局「ああそうかい。前にマスターとプトレマイオスというファラオが、アンタの領域で一瞬のうちに切り裂かれたとは聞いていたが・・・・」

播磨局「それさえもアンタにとっては不十分な術式だったという訳とはなぁ?アンタのジョークにしてはお笑いだぜwww」

両面宿儺(エリザベート)「チィィッ!、んなのあのジジイの結界術が弱かっただけだ!お前たちに笑われるに超したことなどない!」

両面宿儺(エリザベート)「まあ、お前たちがそう笑っていられるのも今の内だ。お前たちにこの女の身体から俺を引き剥がすことなど出来ぬ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・・俺とこの身体の持ち主であるエリザベートとの“縛り”がこの身体を構築しているようにな?」

【!?】
【それってどういう事!?】←


両面宿儺(エリザベート)「吉備真備から聞いているだろ、何らかのリスクと制限を掛けるなどの“縛り”を持つ事で能力の底上げが出来ると‥」

両面宿儺(エリザベート)「俺はこの渋谷にサーヴァントとやらとして召喚された際、この女(エリザベート)の身体を触媒にしていたらしく、」

両面宿儺(エリザベート)「俺の意識が目覚めた時には俺の本来の姿ではない、この今の身体(エリザベート)の姿となっている事に気がついた。」

両面宿儺(エリザベート)「そしてこの俺の頭の中から、この身体の元の持ち主・・・つまりお前たちが言うエリザベート・バートリーとかいう女はこう俺に告げたのだ。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)が召喚された直後‥


エリザベート・バートリーの声「貴方を召喚させる為に私の身体を使ったなんて良い度胸ね?私の身体を使ったからには相当のバチが当たるわ。」

エリザベート・バートリーの声「貴方のせいで私の霊基は毒され、今にも貴方を巻き添えに消滅する一歩手前の状態よ。」

両面宿儺(エリザベート)「何・・・?」

エリザベート・バートリーの声「消えたくなければ私と“縛り”を結びなさい。縛りといっても、ただ私の頼み事を聞き入れればそれで十分よ。」

エリザベート・バートリーの声「貴方もここで消えたくなければその“縛り”を受け入れなさい。それが貴方の為よ?」

両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥゥ・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――

【!?】
【その頼みが・・・“私を呪い殺して欲しい”って事なの?】←


両面宿儺(エリザベート)「そうだ。あの女はお前が呪い殺される事を望んでいる・・・この呪いの王たる俺を脅してでもだ。」

両面宿儺(エリザベート)「それが俺とエリザベートを結ぶ“縛り”であり、藤丸立香・・・お前が招いた事なのだからなぁ〜?」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/15(月) 10:24:16.85 ID:DuvAZPGX0
マシュ「そんな・・・つまりエリザベートさんは本当にマスターの事を呪い殺そうとしているのですか!?」

両面宿儺(エリザベート)「事実だ。あの女と俺とは、術式も何もかも相性は最悪であり、肉体の主導権は縛りを除いてあの女に握られている。」

両面宿儺(エリザベート)「俺があの女の思い通りになっているのは不快だが、俺もただ消滅するのはもっと不快だ。故にあの“縛り”を受け入れざるおえなかった・・・」


両面宿儺(エリザベート)「だが、この縛りを終わらせる事が出来た時・・・つまりそこにいるカルデアのマスターを呪い殺す事が出来れば、俺は自由となる。」

両面宿儺(エリザベート)「あの時は不完全の召喚ゆえにあの女を依代にサーヴァントとなったが、この縛りが終わればそうはいかない。」

両面宿儺(エリザベート)「俺はこの女の身体を食い破り、俺は完全なるサーヴァントとしてこの渋谷に現界する事が出来る。俺の術式も完全な状態に戻るのだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「なんだって!?それじゃあ、マスターが呪い殺されれば宿儺は完全に召喚されてしまい、逆にマスターが呪い殺されなかったとしても・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ああ。今はあの女との縛りの影響で霊基を保っている状態ではあるが、それはあくまで能力の底上げによる応急処置でしかない。」

両面宿儺(エリザベート)「いずれにしても俺とこの女の霊基は俺の不完全な召喚による呪いによって朽ち果て、俺も含めてこの女もまた、この身体と共に消滅する。」

両面宿儺(エリザベート)「いや‥仮にこの女を救えたとしても、それをすれば俺とこの女との縛りを破ることになり、俺たちはそれ相応のペナルティーを受ける。あの呪術師も言ってただろ?」


ゴルドルフ(通信)「おいおいおい‥そんなあくどい冗談も大概にしたまえ!なんだね、このあまりにも度が過ぎる理不尽は!?」

ゴルドルフ(通信)「藤丸氏が呪死すれば宿儺が完全体となり、それを阻止すれば宿儺諸共鮮血魔嬢が消滅するなんて・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「冗談ではないぞ画面越しの豚よ。このような縛りを結んだ時点でお前たちの望みなど叶わぬ。この女の身体を取り返す事も、この女に謝罪することも・・・」


バスッ、グググゥゥゥ〜〜〜!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65dddae9.jpg


両面宿儺(エリザベート)「お前のせいだ藤丸立香!お前とあの女との事情についてはこの身体から記録を得ている。」

両面宿儺(エリザベート)「お前はあの日・・・あの女の“ハロウィン”を裏切り、よりにもプトレマイオスと名乗るジジイと共に“聖杯戦線”に向かったと聞くじゃないか。」

両面宿儺(エリザベート)「お前があの女を裏切ったことであの女はお前を呪った。その女の呪いがこの俺をこの世界に呼び出した。」

両面宿儺(エリザベート)「この俺という呪いの呼び出し、この渋谷の特異点を生み出した元凶があるとすれば、それはお前だ藤丸立香!」

両面宿儺(エリザベート)「だからお前を呪い殺す。お前こそ、俺にとっての祓うべき‥“呪い”なのだからなぁ〜〜!クハハハハハハハハハーー!!」


【わたしのせいで・・・‥エリちゃんが・・・・】←
【・・・・・・・・・‥】
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/15(月) 23:21:51.64 ID:DuvAZPGX0
両面宿儺(エリザベート)とカルデアのマスターたちとの聖杯戦線。宿儺の領域展開である『伏魔御廚子』中での戦いの中でカルデアのマスターたちは奮闘し、

吉備真備の機転によって、両面宿儺(エリザベート)に大幅なダメージと共に宿儺の『伏魔御廚子』を破壊することで戦いに終止符をあげた。


しかしその先に待っていたのはあまりにどうしようもないほどの残酷な真実であった。

両面宿儺(エリザベート)の存在は何らかの形で不完全な召喚され、宿儺とエリザベート・バートリーとの間に交した“縛り”によって彼女は疑似サーヴァントとして成り立っており、

いずれ両面宿儺の不完全な召喚によって消滅する霊基を宿儺とエリザベートとの“縛り”によって現界を保っている状態である両面宿儺(エリザベート)は、

縛りが終われば両面宿儺は完全なサーヴァントとして召喚され、縛りが破られればそれ相当の罰(ペナルティー)を宿儺とエリザベートの2人は受ける事となるという理不尽な状況であり、

その縛りを結んだ元凶はカルデアのマスターである藤丸立香のせいだと両面宿儺(エリザベート)は語り、カルデアのマスターはその事実に失意のどん底に突きつけられるのであった。
―――――――――――――――――――――――――
通信越しのダ・ヴィンチちゃんたち「・・・・・・・・・‥」

マシュ「マスター・・・‥」

バーヴァン・シーたち「・・・・・・・・・‥」


吉備真備「おい宿儺・・・お前、藤丸立香を呪い殺せなかったからって口が達者になって藤丸に呪ってるんじゃねぇぞ・・・。」

吉備真備「ほんと、自身が本調子じゃないからってこんな小細工まで用意するとは、やはりアンタらしくないというか・・・」

吉備真備「むしろ自身がワケありであり、その原因がカルデアにあるから自身は悪くないんだとか、そんなことでその場を凌げるのかと思っているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「ほぉ?カルデアのこいつ等を止められたとしても、お前は容赦なく俺からあの女の身体を引き剥がすつもりなのか?」

両面宿儺(エリザベート)「そんなことをすれば、この女と俺との縛りを破った罰を受ける・・・そうなったらカルデアのマスターは黙ってられはいられないぞ?」

吉備真備「ふん、どう言われようと構わないさ。この僕がそんな脅しで引くような奴ではないのはお前もちょっとは感じているんだろ?」

吉備真備「縛りを破った際の罰(ペナルティー)だと?そんなの最強の陰陽師である吉備真備の陰陽術で罰(ペナルティー)なんかちょちょいと神回避で―――」



ピンポンパンポーーン♪


吉備真備「――んっ?」

両面宿儺(エリザベート)「んっ?」


駅内アナウンス『まもなく○番線に電車が8両編成で参ります。黄色い線のブロックの内側でお待ちください。』

播磨局「!」


【電車が来る・・・】
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/16(火) 23:24:47.04 ID:3jfpcST40
ガダンゴトン、ガタンゴトン、キィィ〜〜〜!!


マシュ「マスター、本当に電車が来ました。ですがどうして・・・・」

バーヴァン・シー「ふん、そんなのどうでも良いわ。ほんと、こんなタイミングの悪い時に電車が来るなんて・・・・!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・確かにタイミングは最悪と言ってもいいさ。だってその電車には・・・‥」


電車の中にいる呪霊サーヴァントたち「―――――――――――」ギュゥゥ〜〜ギュゥゥ〜〜!!


【―――!?】
【呪霊サーヴァント!?】←

吉備真備「!?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。なに・・・・」


ピポーンピポーンピポーン!ギィィィーーー!

呪霊サーヴァントたち「――――――――!!」



ズドドドドドォォォォ〜〜〜!!


播磨局「マズい!?電車に乗ってた呪霊サーヴァントが一斉に出てきやがった!!」

播磨局「おい宿儺、これもお前の仕業か!あんたが私たちに追い詰められた時に大勢の呪霊サーヴァントを呼び出す策を取っていたのか!」

両面宿儺(エリザベート)「知るか!俺はこのゴミ屑の呪霊共の事など知らん!俺は呪霊共なんかに頼るようなモノじゃ・・・・」

呪霊サーヴァントたち「―――――!!」

両面宿儺(エリザベート)「!?」


ズドドドォォォ〜〜〜!!

両面宿儺(エリザベート)「チィィ、ハァァッ!」

吉備真備「フンッ!」


シュンシュンッ、スパーン!ジャクジャクン!
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/17(水) 09:02:08.81 ID:HQ2URsRp0
両面宿儺(エリザベート)「(チィッ、領域展開を使ったことで俺の術式が焼き切れてる。これでは更に俺の思うように戦えぬではないか!)」

両面宿儺(エリザベート)「(いったいこいつ等はどこの特級呪霊の回し者か?俺の弱体化を狙ってこんな雑魚共を引き連れてきたというのだ!)」

吉備真備「(宿儺の表情に焦りが見えている。おそらく領域展開を破られたことで宿儺の術式が焼き切れているに違いないな。)」

吉備真備「(おそらく宿儺との戦いで疲弊した俺たちに追い打ちをし、用済みとなった宿儺もまとめて処分する・・・つまりこの呪霊サーヴァント達は黒幕の差し金。)」

吉備真備「(だとしてもこのままでは藤丸たちが危ない!ここは俺が殿をしてでも彼女たちを――――)」

吉備真備「―――――!?」



キラァァーーン☆

【あれは・・・‥】
【聖杯の・・・雫・・・?】←


???「――獄門疆、開門。」


キィィーーン!シュッ、シュシュシュシュン!

吉備真備「!?」

両面宿儺(エリザベート)「!?」

播磨局たち「!?」

マシュ「!。聖杯の雫が一カ所に集まって・・・・」


シュシュシュシュン!キィィィーーーーン、パァァァ〜〜ン!

――――――――――――――――――――――――――――――――
近くにあったモノを含む、7つの聖杯の雫が合わさって現れたモノ
https://bandai-a.akamaihd.net/bc/img/model/b/1000199510_1.jpg


【えっ・・・‥?】←

マシュ「聖杯・・・・じゃない・・・」


グジュグジュッ、バカンッ!
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiaFN751JQaSYXOlkJbTxPyrFu9mLQH6uyW6oNslacbukG1GgNUr4utdq5KrvcUrBuBAADPSl63QYKzN50_kYKX3lWdwhgo9SU0ZYdDHkrVVTpubb4IPlITBttytcm2nUbuTJlKfDJSXO9cYmh5UM-MBL9AbbxK9taHIXUa7-5etXKI_Cv1B3QtX2RxZxTg/s700/Hello%20Anime%20!%20%20(149).jpg


【!?】←

吉備真備「!?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/17(水) 10:13:42.15 ID:HQ2URsRp0
シュンッ、スタッ!


吉備真備「あの目を見るんじゃない!マスター、今すぐ全速力で――――」

???「そんなに慌ててどうしたんだい、吉備真備?」

吉備真備「――!!?。はあ?」


カッカッカッカッカッ・・・・・・・

謎の物体の後ろから現れた男性
https://img2.animatetimes.com/2021/10/6163987967ec2_d83813ad1b469f3dddc5160415162bfd.jpg


僧衣姿の男「やあ。君にまた会えて嬉しいよ。」

吉備真備「――――ッ!?」

―――――――――――――――――――――――――――――
突如、カルデアのマスターたちがいる駅構内に到着した地下鉄の車両から多数の集団で襲いかかってきた呪霊サーヴァントたち。

突然の呪霊サーヴァントたちの襲撃に望月千代女、バーヴァン・シー、播磨局、マシュ・キリエライトの4人は多数の呪霊サーヴァントの討伐に足を取られ、

カルデアのマスター・藤丸立香の周りには術式が焼き切れてしまっている両面宿儺(エリザベート)と吉備真備の2人しかおらず、その2人もまた、即座の対応に追われていた。


そして極めつけは藤丸立香の目の前にいつの間にか置いてあった聖杯の雫を中心に、藤丸立香たちが集めた5つの聖杯の雫と宿儺が持ってた聖杯の雫が飛び出し、それらが一つに合わさり、

そして聖杯の雫が7つ合わさった事で出現した聖杯ではない謎の物体が変形し、そのモノが見つめる目の先にはカルデアのマスターと吉備真備の2人。

吉備真備はそのモノの存在を前から知ってた。いや、そのモノの存在を知っていたのはその吉備真備の魂の器とする■■■が知っていたのだ。

故に彼は立ち止まらずにいられなかった。彼の知る謎の物体の後ろから現れ、彼に声をかけてきた1人の僧衣姿の男の存在を確認するために‥。


吉備真備「(偽物?変身の術?・・・・いや、まさか・・・!)」


吉備真備は悟った。この渋谷の特異点で起きている全ての出来事を、渋谷に出現する呪霊サーヴァントの存在を、今おかれている全ての状況、・

彼らの前に現れた■■■と瓜二つの存在、聖杯の雫が合わさって出現した謎の物体が、吉備真備(■■■)が考察していたある考えが正しい答えであると突きつけられた。

彼らに突きつけられたこの状況・・・それは正に■■■が経験した彼の人生で最も記憶に刻みつけられたあの戦いの記憶、彼が経験した胸くその悪くなる悲劇の記憶・・・

この渋谷の特異点は両面宿儺(エリザベート・バートリー)が生み出した“ハロウィン”ではなく、■■■が経験したあの戦いの再現である事を・・・


吉備真備「(ああそうか・・・俺はやはり、こうなるのか・・・)」


吉備真備(■■■)は覚悟した。目の前にいる僧衣姿の■■■を見た瞬間から、彼は全てを受け入れるつもりだった。

目の前にいたのは吉備真備の依代となった■■■が元の世界で自らの手で葬ったただ1人の親友、全ての可能性は既に吉備真備の中から否定されている

そして吉備真備(■■■)の脳内には吉備真備自身の依代となった彼の『3年間の青い春』。彼の脳内では1分以上も経過している。

故に彼はあの物体によって封印される事を覚悟した。彼が封印される事で、せめてカルデアのマスターだけでも救えるとなるのならば‥


だが―――――
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/17(水) 11:01:55.28 ID:HQ2URsRp0
フゥゥン、バスッ!


吉備真備(■■■)「―――ハァッ!?」

カルデアのマスター・藤丸立香(女)「――――――!!」


彼(吉備真備(■■■))の一番の誤算は彼女(藤丸立香)だった。彼女は彼の受け入れる覚悟を真っ向から否定した。

彼女は彼をあの物体から守る為、自らの身を犠牲に彼の身体を押し出し、あの物体の目の視線から遠ざけた。

その結果、あの物体の目線は既に彼女の存在を捉えており、そして―――――

―――――――――――――――――――――――――――

ザフッ、ドキュドキュドキュッ!!


【――――】
【うぐっ!?】←

吉備真備「ツゥッ・・・!?。しまった!?」

マシュ「マスター!?」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったい何が起こったんだ!?いったい藤丸ちゃんの身に何が起きたんだい!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「バイタルが確認できない。身体も神経も魔力も、あらゆる藤丸ちゃんの観測全てが観測不能になっている!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「でもモニターに映っているマスターは見えている。意味消失も起こっていない、いったい何がどうなって・・・」


【魔力も感じない。体に力が入らない。】
【でも私はなんともない】←

僧衣姿の男「ダメじゃないか。自身のマスターを最後まで守れないんじゃあ、それでもマスターに仕えるサーヴァントたちなのか、君たちは?」

僧衣姿の男「特に君だよ吉備真備。君がしっかりマスターの事も見ていないからこうなったんだ。こうなったのは君のせいだからね?」

吉備真備「クッ・・・‥」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・‥」


ガシュン、ガシュンッ、スタタタタッ!

マシュ「マスター!待っててください、今からこれを引き剥がします!」

【うん!】
【マシュ、お願い!】

マシュ「はい。やぁぁぁ〜〜!!」


フゥゥン、ガコンッ!バキィィン!

マシュ「キャァァァ!?」


【マシュ!?】←
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/17(水) 23:17:23.42 ID:HQ2URsRp0
僧衣姿の男「無駄だよ。その獄門彊は聖杯の欠片を元に強化改造されたシロモノでね。その程度の攻撃では壊せない。」

僧衣姿の男「まあ壊せるとしたら、ギリシャの大魔女メディアぐらいの魔術師ならいけそうかもしれないけど、彼女が都合よく来るかどうか・・・」

僧衣姿の男「だがともあれ、君たちにその獄門彊は壊せない。君たちのマスターの身は、この私が預かることになるからね。」

マシュ「クッ、クゥゥ・・・・」


吉備真備「おいお前・・・お前はいったいなに勘違いをしているんだ?僕たちのマスターをそんなキモいので動きを止めたぐらいで勝ったつもりでいるのか?」

吉備真備「さっきは油断はしてたが、マスターが余計なお節介をしてくれてこっちはどうにか助かった。マスターにこんな思いをさせたのは心許ないが・・・」

吉備真備「マスターは必ず助ける。お前をその胡散臭い呪いごと祓って、マスターを助けてやるからな!」

【真備さん・・・・】←


僧衣姿の男「・・・・・・・・・・」

【あなたはいったい誰なの?】←

僧衣姿の男「私が誰だかって?まあ君たちとは初対面ゆえに私の名前を聞きたい理由はあるといっても過言はない。」

僧衣姿の男「だからってそう簡単にわたしの真名を明かすと思うか。真名を明かしたところでお前たちはそれ元に対策を練るのだろ?」

僧衣姿の男「まあそんなことよりも、君たちの置かれている状況をどう切り抜けるかを優先した方が私は思うのだがな?」


呪霊サーヴァントたち「オォォォォォォ〜〜〜〜!」

呪霊サーヴァントたち「ぐぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに藤丸ちゃんはともかく電車の中から出てきた呪霊サーヴァントの数が多い。今の状況からして、こちら側が数と魔力の方で負けている‥」

バーヴァン・シー「それがどうなのよ!ザコが多かろうとザコはザコ。こいつらが何体いようと関係ないわ!」

バーヴァン・シー「それにザコ共を連れてきたのがお前なら、お前を倒せばザコはみんな祓えちゃうからねぇ〜?」


キュゥゥン、シュパパパパァァァ〜〜!!

僧衣姿の男「フンッ・・・」


キィィン、バシャバシャバシャン!

バーヴァン・シー「なっ・・・・!?」

僧衣姿の男「私を甘く見ない方が良いぞ。私はお前たちのような英霊とは天と地ほどの差があるのだからな?」


ギュゥゥゥ〜ン、ビュンビュゥゥ〜ン!バシュバシュンッ!

バーヴァン・シー「キャァァァッ!?」

マシュ「バーヴァン・シーさん!?」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/19(金) 23:04:33.39 ID:cHQwYFMc0
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「今の攻撃・・・あの水の量でバーヴァン・シーの攻撃を止めて反撃するとは、おそらく水の魔術に特化したサーヴァントか?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにこの魔力数値・・・彼は天と地ほどの差があると言ったのなら、彼はおそらく・・・・」

僧衣姿の男「私を分析するか・・・・自身らのマスターが囚われているというのに意味の無い事を・・・いやむしろそれ以外に手はないというのか?」

僧衣姿の男「私を倒す事が出来れば、彼女を獄門彊から救えると思っての事なのか?実におめでたい連中なことだ・・・。」

僧衣姿の男「だが私を分析したところで何も変わらぬ。君たちのマスターはここで封印されてもらうよ?」


ギュゥゥ〜ン、バシャバシャァァ〜〜〜!!

水のワイバーンたち「グォォォォ〜〜〜!」

播磨局「チィィッ!!水の飛龍の群れか!」

ジャクンジャクンジャクンッ!バシャバシャン!!


吉備真備「(天と地ほどの差のある能力とその魔力、水とそれで出来たワイバーンによる攻撃・・・確かにダ・ヴィンチちゃんの行動は正しいといってもいい。)」

吉備真備「(獄門彊はあいつの言う通り、並大抵の呪術や魔術を使ったとしても壊せるものじゃない。ましてやあの聖杯で強化したモノなど・・・)」

吉備真備「(それにあいつを依代としたあのサーヴァント、おそらく奴は俺と彼女のような英霊とは違う上位の存在、奴は神霊クラスの霊基を器としているのなら・・・)」


僧衣姿の男「さて、私もこうしてはいられぬ立場だ。何も出来ず、彼女のサーヴァントたちが苦しみ倒れていく姿をもう少し彼女に見せて上げたかったのだが・・・」

僧衣姿の男「そろそろお休みの時間だよ。君にはこの箱の中で新しい世界が出来ていく様を待っているがいい。」

【その前に一つだけ聞かせて!】
【私をいったい、どうしたいというの?】←

僧衣姿の男「君をどうしたい?それはこの獄門彊が再び開くまで君が事の真相を知ることなど出来ない。開くまでの楽しみと言ってもいい。」

僧衣姿の男「もっとも・・・獄門彊が開いた際に君が自害せずに生きていればの話だけどね?」

僧衣姿の男「では約束の刻まで・・・・閉門。」


ドギュッ、ギュゥゥゥ〜〜〜〜!!


【―――!?】
【視線が閉まっていく・・・】

マシュ「マスタァァァ〜〜〜〜!!」

吉備真備「藤丸!」

【マシュ!!】
【後は頼む、真備さん!】←

【みんなを助けてあげて!】←

吉備真備「ああ!必ず君たちを守る、それまで待って――――」


ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!

封印されてしまった藤丸立香
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/20(土) 23:47:54.02 ID:+fJ6AOr10
マシュ「そんな・・・・マスターが・・・・糸も簡単にあの箱の中に・・・」

望月千代女「くぅぅ・・・マスター・・・・」

吉備真備「くぅぅ・・・・・・」

僧衣姿の男「フフフフッ、封印完了・・・‥」


フワァァ〜・・・バシュッ!

僧衣姿の男「!?」

両面宿儺(エリザベート)「フン。貴様、カルデアのマスターを封印するあまり、俺のことを忘れていなかったか?」

僧衣姿の男「なんのつもりだ宿儺?仮初め且つ不完全な召喚で現界した身とはいえ、君がその獄門疆を私の手元から盗るとはな。」

両面宿儺(エリザベート)「なんとでも言え。こいつにはまだ、俺のためにやってもらわなければならんことがある。俺のあの女との“縛り”の為にも‥」

両面宿儺(エリザベート)「それに貴様に1つ聞きたい事がある。貴様、あの女とはどのような関係を持っているというのか?俺がこの世界に召喚された際・・・」

両面宿儺(エリザベート)「あの女の記憶から、お前があの女のそばにいた光景を見ていてな‥‥あの女に俺の指を喰わせたのは貴様なのか?」

両面宿儺(エリザベート)「貴様があのエリザベート・バートリーとかいう女に俺の指を15本も喰わせ、俺をサーヴァントとやらとして召喚させたのは貴様なのか?」

吉備真備、播磨局「!?」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「召喚させたって・・・今、エリザベート・バートリーの霊基を依代に両面宿儺を召喚させたみたいに言ってたが、それはいったいどういう事なんだ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにそれをするのに指を喰わせたって・・・君たちはいったい何を言っているんだ?」

僧衣姿の男「何を言っているかって?―――そうか、お前たちはこの宿儺の事について、君たちは何も知らされていないのだな?」

僧衣姿の男「しかしそれを聞いたところで何になる?お前など、私が求めている宿儺ではない・・・ましてやこのような事故物件な姿で召喚されるとはなぁ‥」

僧衣姿の男「エリザベート・バートリーとかいうサーヴァントを器にしたのが悪かったか、あるいは喰わせたその指とやらに問題があったか・・・」

僧衣姿の男「まあ何にせよ、両面宿儺・・・・お前は私にとってはある意味、私が呼びたかった宿儺とは全然違う‥いわゆる失敗と言ってもいい。」

僧衣姿の男「呪いの王だと?そんな宿儺など存在しない・・・元よりお前が両面宿儺と呼んでいいのか分からぬほどと言うべきかな?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。なんだと・・・・?」

僧衣姿の男「どこで吹きこまれたか知らんが、お前のようなサーヴァントなど私はいらない。ただそれだけだ。」

両面宿儺(エリザベート)「―――!?」


キリキリキリィィィ〜〜〜!!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/21(日) 08:27:38.45 ID:reAyaSuW0
両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。やはり貴様があの女を使って俺をこの特異点とやらに呼び出したか。そしてこの俺を失敗と称するか‥」

僧衣姿の男「そうだ。召喚に失敗した君に私を倒す事など出来ん。死にたくないなら大人しくその獄門疆を渡してもらおうか?」

僧衣姿の男「今のままじゃ術式も焼き切れててまともに組むことも出来ぬだろ?今の君など、私の力で・・・・」


シュンッ、スタッ!

僧衣姿の男「!?」

両面宿儺(エリザベート)「渡す訳がなかろう。こいつにはまだ、俺とあの女との縛りがある。まあ、この箱の中身を開けられればの話だがな‥」



両面宿儺(エリザベート)「ここから逃げるぞカルデア!こいつに殺されたくなければ俺に従え!」

吉備真備「!。君に指図はされたくなかったけど、今はそれどころではないよな?みんな!」

マシュ「はい。ここは宿儺の言う通り、今はこの場からの戦線離脱を優先しましょう!」

シオン(通信)「ええ、逃走経路は計測済みです。皆さんはそこを便りにこの場から離脱を!」

僧衣姿の男「逃がすと思うか?お前たちの持ってるその獄門疆は返してもらうぞ!」


ズドドドドォォォ〜〜!バサバサバサッ!

呪霊サーヴァントたち「ヌォォォォォ〜〜〜〜!!」

ワイバーンたち「ギュォォォォ〜〜〜!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「マズい!向こう側にも敵性反応が、このままじゃこちらが挟み撃ちに―――」


ギュォォォ〜ン!ジュドォォォ〜〜ン!

大蛇「グシャァァァ〜〜!!」

呪霊サーヴァントたち、ワイバーンたち「――――!?」


望月千代女「ここは拙者が殿を!皆はマスターと宿儺を連れて撤退を!」

マシュ「千代女さん、しかし・・・・」

播磨局「千代女殿・・・わかった、頼む!」

吉備真備「ああ。後のことは任せろ!」

望月千代女「はい!」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/21(日) 11:44:02.99 ID:reAyaSuW0
スタタタタタタッ、シュタッ!


播磨局「バーヴァン・シー、私に掴まっていろ!」

バーヴァン・シー「えっ、えぇぇ・・・‥」

吉備真備「――来い、仲麻呂!」


ギュォォ〜ン、ズドォォォン!

吉備真備「みんな、仲麻呂に掴まるんだ!」

マシュたち「――――――!」


鬼の仲麻呂「ヌォォォォォ〜〜〜!!」

ドスンッ、ドスドスドスドスッ!
―――――――――――――――――――――――
吉備真備を庇い、獄門疆と名乗るモノの力によってカルデアのマスターは捕まり、そしてそのままその箱の中へと封印された。

しかしその箱は僧衣姿の男の手には渡らず、恰も両面宿儺(エリザベート)がその箱を奪う形で手に取り、宿儺は僧衣姿の男に自身を召喚した者なのかと問いかけた。

僧衣姿の男は宿儺の質問に答えると共に、宿儺は自身が召喚しようとした存在とは違う存在として、宿儺自身については不要の存在であると語り、それを聞いた宿儺自身は激情しつつも、

彼女たちの今の状況を把握し、宿儺はマシュたちに即時撤退を呼びかけ、マシュや吉備真備たちもそれに応じ、地下鉄の駅ホームから脱出を計る出会った。

そして数多くいる敵からマシュたちを逃がす為、望月千代女は自身を囮に殿を務め、多数の敵に向けて自身のあるだけの攻撃で敵の進行を抑えていき、

マシュ、吉備真備、播磨局、両面宿儺(エリザベート)の4人は獄門疆に封印されたカルデアのマスターと負傷したバーヴァン・シーを連れ、

鬼の仲麻呂の身体にしがみつつ、駅の天井に開いている所から敵の包囲網から脱出するのであった。
―――――――――――――――――――――――

僧衣姿の男「ほう・・・殿を務めると言いつつ、あのマスターと同じく自らを犠牲に彼らを逃がすか・・・。それほど君たちに打つ手はなかったのかな?」

僧衣姿の男「それにその身に湧き出る大蛇の呪い・・・この呪いはおそらくヤマタノオロチのモノだと見受けられる。とすると君は・・・」

望月千代女「ああ・・・拙者は甲賀上忍、アサシン・望月千代女。それ以外にお前のような畜生に名乗る事はない。」

僧衣姿の男「甲賀の忍・・・・成る程、つまり君はあの甲賀三郎の子孫なのかぁ〜。それは会えて光栄だね。」

望月千代女「・・・お主の装い、お主は拙者と同じ日の本の僧侶と思われると思われるのだが、お主はいったい何者だ?」

僧衣姿の男「何者ねぇ〜・・・私に殺されるかもしれないというのにそんな事を聞いてくるとはねェ・・・」

僧衣姿の男「いや・・・死してもなお、マスターたちの安全を確保し、反撃の手を作る為に敢えてこの場所に残ったって言えばいいのかな?」

望月千代女「ツゥゥッ・・・‥」


スタッ、シュッ・・・
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/21(日) 23:39:05.48 ID:reAyaSuW0
望月千代女「お主がどうしても真名を名乗らないならそれでいい。お主の言う通り、拙者がここに残ったのは我が親方様である藤丸立香殿たちを逃がすため‥」

望月千代女「お主、あのような奇怪な術で藤丸殿を封印したようだがそうはいかん。不覚を取られたとはいえ、あの程度の封印でやられる親方様ではない!」

望月千代女「親方様は必ずお主を倒しに戻ってくる!拙者はそれを信じてこの殿を自らの意思で受けたのだ!」

望月千代女「拙者1人ではお主を倒すには叶わぬが、せめてお主の攻撃の手を封じるまで!たとえ、この身が魔性の呪いと成り果てようとも!」


シュッ、ジュボォォ〜〜!ギュォォォ〜〜!

呪霊サーヴァントたち「オォォォォ〜〜〜!?」ゴォォォ〜〜!シュゥゥ〜ン・・・

僧衣姿の男「このおびただしい呪力・・・正に伊吹大明神の呪いを持つモノに等しき力と見た。敵ながら見事だ!」

僧衣姿の男「だが―――――」

望月千代女「!。(あやつめ、何かを仕掛けるつもりか!だったらここまま押し切らせてもらう)」


キィィーーン!ギュオォォォ〜〜ン!

望月千代女「呪え、我が血を。祟れ、我が罪を。甲賀三郎より幾星霜、雪げぬ物が此処にはあろう。」

望月千代女「『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』!!」


ギュゥゥゥ〜〜ドギュゥゥゥ〜〜ン!グシャァァァ〜〜!

望月千代女「いけぇぇぇぇ〜〜〜!!」

僧衣姿の男「・・・・・・・‥」


シュッ、ドキュッ!ドキュドキュンッ!

僧衣姿の男「・・・・・・・フッ。」

望月千代女「何!?拙者の宝具を止めた・・・・いったい何が起きて――――」


ぐぎゅぐぎゅっ、ズルズルゥゥゥ〜〜〜!!

望月千代女「なっ―――あぁぁぁ・・・何が起きて・・・・あぁぁ・・・あぁぁぁぁ〜〜〜!?」

望月千代女「あぁぁぁぁ〜〜あぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」

グシャァァァ〜〜〜!?ズルズルズルゥゥゥ〜〜〜ギュゥゥゥ〜〜ン!!


僧衣姿の男「全く‥先祖から継いだ『呪』を身に宿し、それらをうまく活用して戦うとは、愚かなことを・・・・」


ギュゥゥゥ〜〜ン・・・。キラァァ〜ン!

何かの術によって変えられた望月千代女の現在(何かの玉のようなモノ(イメージ))
https://booth.pximg.net/c42a9e1e-f015-4fb1-9c5d-f1edf3736940/i/2874981/0e5bedb9-8e9f-4e53-a5f7-fcf3da6d6442_base_resized.jpg
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/22(月) 23:36:09.67 ID:qfnCmuSL0
僧衣姿の男「宿儺とカルデアは逃げ切ったあとか・・・奴らめ、余計な手間をかけさせやがって・・・!」

僧衣姿の男「しかし不完全な召喚且つあの“別の世界”の宿儺が彼女たちと行動するとは、よほど自身に後がなかったというか・・・」

僧衣姿の男「ともあれ聖杯の雫で作った紛い物とはいえ、彼らに獄門疆を開けることなど不可能だ。獄門疆の術式を攻略しない限りはな・・・」

僧衣姿の男「だがおそらく彼女たちはこの特異点の解決と私の行動を止めるために再び私の元へと来るだろう。それはそれで良いのだが、」

僧衣姿の男「念には念を入れて、あのカルデアのサーヴァントたちの戦力を削ぎつつ、獄門疆を取り返す必要がある。その為には・・・・」


ギュォォォ〜〜ン・・・‥

僧衣姿の男「仕方がない。既にやられた身ではあるが、こいつら2人を彼女たちにぶつけるとするか・・・・。」

2体の呪霊サーヴァント「・・・・・・・・・・」


僧衣姿の男「もうすぐだ。あのカルデアのマスターの持つ召喚の術式を手にさえ出来れば、私の“願い”は叶えられる・・・私の望む、“あの方”との再会が・・・・」

僧衣姿の男「それまで心して待っててください。あなたの身に宿してしまった、あの忌まわしき『呪い』を祓う為に・・・。」


ハムッ、ゴクッ・・・・・・
――――――――――――――――――――――――
獄門疆に封印されたカルデアのマスターとそれを持って逃げる宿儺とマシュたちを逃がす為、自らの身を囮に殿を務めた望月千代女

彼女はその身を瀕しようとカルデアのマスターたちを守る為‥せめて敵である僧衣姿の男の攻撃手段を封じる為、望月千代女は自身の宝具、

『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』のよって辺りの呪霊サーヴァントたちをなぎ祓い、その呪いの大蛇が僧衣姿の男に差し掛かったその時、

望月千代女は僧衣姿の男の何らかの術により、彼女の宝具である大蛇諸共に僧衣姿の男の手にある黒い玉のようなモノへと変えられてしまい、

僧衣姿の男はカルデアのマスターたちの戦力を削ぎつつ、カルデアのマスターが封印された獄門疆を取り戻すべく、

彼もまた、何らかの術を使い、新たにどこかで見覚えのある2体の呪霊サーヴァントを召喚し、その2体の呪霊サーヴァントにマシュたちの後を追わせるのであった。


そして僧衣姿の男はその手に持つ黒い玉のようなモノとなった望月千代女を自身の口に入れ、それを飲み込んで取り込むのであった。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/23(火) 00:34:00.48 ID:jHWofz9R0
第10廻戦:私の・・・ハロウィンの行方は?
―――――――――――――――――――――――――――
呪いたい。あの人を呪って思い知らせたい。あの人が私の心を傷つけたその報いを・・・・

なんのため?なんの理由があってあの人を呪う?なんの理由があってあの人を呪いたい?


理由ならある。あの人は私の大事な予定を踏みにじった・・・あの人は私との予定よりも他の予定を選び、私との予定を台無しにした。

私の大事な予定・・・・あのカボチャにまみれ、私の歌が響くあの美しく楽しいあの“ハロウィンの夜”を・・・‥
―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:数日前―――渋谷区:どこかの神社のお堂にて・・・


エリザベート・バートリー「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・」

エリザベート「もうなによ聖杯戦線ってぇ〜!子ジカの奴、そんなに“私のハロウィン”よりも、あんな“昼と夜の聖杯戦線”の方が良いの!」

エリザベート「あとあの画面越しにいたイケメンのようなおじいちゃん‥確か子ジカはプトレマイオスと言ってたわね・・・?」


エリちゃんが画面越しで見た人物(プトレマイオス)
https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1249646.jpg

エリザベート「あんなイケメンともおじいちゃんとも分からないサーヴァントに私よりも目移しするなんて、ほんと子ジカは最低よ!!」

エリザベート「ハァ・・・子ジカにあんな事を言われて、ショックのあまり、あーだこーだでこの渋谷の街に家出しに来ちゃったみたいなようなのだけど‥」

エリザベート「確か渋谷って、ハロウィンの時期になると決まって仮装とかで大いに街中盛り上がるって聞くじゃない。そんな街の中に家出とするなら・・・」


エリザベート「良いわよ!だったら私、子ジカが私にハロウィンの事で謝りに来るまでこの渋谷の街で家出を大いに楽しんでやるのだから!」

エリザベート「魔力?リソース?そんなの私が自力で補ってやるわよ!子ジカが私の事を謝りに来るまで帰らない。カルデアに帰ってくるモノか!」

エリザベート「これは私と子ジカとの耐久デスマッチ。例え私の魔力が尽き欠けようと、私はカルデアに戻るようなことなどしないのだから〜!」

エリザベート「だからもう私は知らない!子ジカのことなんか‥子ジカの事なんかぁぁぁ〜〜〜!!」


フンッ、ガキキィィン・・・スタッ・・・・

エリザベート「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・‥もう子ジカなんか知らない‥子ジカなんか・・・・」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/23(火) 23:51:06.84 ID:jHWofz9R0
タッタッタッタッタッタッ・・・・・・


僧衣姿の男「おやおや?こんな所で1人泣いているなんて、いったいどうしたんだい君は?」

エリザベート「・・・誰?私、今は誰とも話したくはないわ・・・あっちに行って!」

僧衣姿の男「そういう訳にはいかないよ。目の前に泣いている子がいるなら、助けてあげることが私の生きがいなんだ。見捨てることなど出来ない。」

僧衣姿の男「隣に座って良いかい?話ぐらいは聞いてあげるからさ。」

エリザベート「・・・うん‥・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――
昼と夜の聖杯戦線とかいう特異点のせいで私のハロウィンは適当な形で潰され、子ジカにハロウィンは終わったと言われ、私はカルデアから家出をした。

その際、ドサクサに紛れて渋谷の街へとレイシフトした私は何処かの神社がある公園で、子ジカの事で1人泣いていた時、

■■■とかいうお坊さん姿の人が私がなぜそこで泣いているのかを何かとしつこく問いかけてくるから、私は■■■に事の話をしてあげた。
――――――――――――――――――――――――――――――
カクカクシカジカ・・・・・・


僧衣姿の男「―――そうか・・・・それはとても悲しい事だ。君のような娘の願いをこのような形で裏切られるという結果をもたらしてしまうとは・・・」

僧衣姿の男「ハロウィンよりも昼と夜の聖杯戦線・・・君のようなアイドル娘よりもプトレマイオスとかいうファラオを選ぶその人でなしのマスター‥」

僧衣姿の男「そのマスターにハロウィンの事で罵声を上げられ、ハロウィンを潰され、嫌気をさした君は1人でこの渋谷の街へと逃げこんだ。」

僧衣姿の男「正に悲劇と言ってもいい・・・君が準備を重ね、共にハロウィンを楽しもうとしていた彼女に裏切られ、そのハロウィンをもみ消されテしまうとは・・・」

エリザベート「えぇ〜ほんとそうよ!一ヶ月前なんかハロウィンの準備期間中に子ジカたちが来る程楽しみにしてたというのに、こんなのあんまりよ!」

エリザベート「なにが聖杯戦線よ!なにがカルデアよ!あんなに楽しみにしていたハロウィンを、優先度が高い特異点1つでコロコロと心変わりするなんてぇーー!」

僧衣姿の男「もっともだ。でも君は絶対に悪くはない・・・君があんなに皆を喜ばせる為に懸命にハロウィンの準備をしてきた君を、私はとても評価するよ。」

僧衣姿の男「その懸命なハロウィンの準備をした君を否定し、“昼と夜の聖杯戦線”優先の為にハロウィンを潰されたことは、実に不幸なことだ。」

僧衣姿の男「そんな君が何故、このような不幸を味わっている君の心を、その君を裏切った者(マスター)にも知って欲しいと思うかね?」

エリザベート「えっ・・・・?」


僧衣姿の男「君は、呪術と言う言葉を知っているかい?呪術とは問わず、呪いとか言う言葉をいくつかは聞いたことがあるはずさ。」

エリザベート「呪い・・・・?」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/24(水) 10:01:10.40 ID:0kHuVHfR0
僧衣姿の男「呪い――それは人の不幸を願う心であり、その願いは誰しも心の内にあるものだ。君にも心の内にあるはずだ。」

僧衣姿の男「君は君と君が楽しみにしていたハロウィンを裏切ったそのマスターの不幸を願い、それを叶えたいとは思わないか?」

エリザベート「そ、それは・・・・その・・・‥」

僧衣姿の男「別に強制しているわけじゃない。君の内にある呪いの力でなら、これを扱えるんじゃないかなって思ってね?」


キラーン☆

エリザベート「!?。それ聖杯!?貴方、どうしてその聖杯を持っているのよ!」

僧衣姿の男「聖杯?ああこれか・・・これは私がこの渋谷で拾ったモノだ。しかも正真正銘、この聖杯を使えば微少特異点だって作れるシロモノさ。」

僧衣姿の男「だが私にはこれを使って叶える願いがそれ程ない。なにせ私のクラスはルーラーだ。叶えたい願いなど無いのは当然だろ?」

エリザベート「ルーラー・・・貴方、もしかして何処かのはぐれサーヴァント?しかもルーラーとは大したものね。まあそんなことは私には関係ないけど・・・」

僧衣姿の男「そうかもね。もし君が良ければこの聖杯を譲ってやろう。君が経験した不幸とその内なる呪いを見込んでね?」

エリザベート「!。う〜んそうねぇ〜・・・内なる呪いとかよくわからないのだけど、聖杯を譲ってくれるというのなら・・・‥」


エリザベート「良いわよ!貴方がその聖杯を譲ってくれるなら喜んで貰い受けるわ。それに私の内なる呪いでならその聖杯を扱えるって言ってたわね?」

エリザベート「私も、あんな季節感無視でサーヴァント垂らしのマスターを呪いたかったところよ。私の呪いでマスターが不幸になるなら願ったり叶ったりよ!」

エリザベート「決めたわ・・・今年のハロウィンのテーマは『呪い』よ。この聖杯でこの渋谷の街に再び私のハロウィン特異点を築き上げるのよ!」

エリザベート「そして私のその内なる呪いで私の事を傷つけたマスターを・・・カルデアの全てを呪い、私のハロウィンの偉大さを解らせてやるのだから!」

僧衣姿の男「ほお・・・なんと素晴らしい事だ。ならばその君のハロウィンを永遠のモノとし、永遠のハロウィンで大いにカルデアを呪おうじゃないか!」

エリザベート「永遠のハロウィン・・・それも悪くないわね。私のハロウィンが永遠に続くのなら、マスターも黙って見過ごす訳にはいかないわね?」

僧衣姿の男「ああ。ではそんな内なる呪いで君の事が嫌いになったマスターを呪い、新たに永遠の渋谷のハロウィンを築き上げる事を望む君に、私から特別なプレゼントを送ろう。」


シュルッ、パァァ〜。

僧衣姿の男に渡されたモノ
https://lh3.googleusercontent.com/BbwYfShGmgi1aHgdnJjVC8CAO2DV5fptSRCfdfK4q1CY3hiuuLxIH7Zt0naR1rN4ele3mB44Bg30N6e38b3Fy8_-rhwa61lYXZDipt0NBKBA
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/gyakuyoga/article/00092161/internal_1614630447403.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800


エリザベート「なにこれ?聖杯はともかく、その紫色の不気味なモノは何?なんか誰かの指のような形をしているのだけど・・・」

僧衣姿の男「それは君の内なる呪いの力を増幅させる一種のアイテムさ。それを君の体内に取り込めば、君に呪いの力が手に入る。」

僧衣姿の男「その力でなら君はカルデアのマスターに勝てる。君の力で君の事を裏切ったマスターにお灸を添えることが出来るのだ。」

エリザベート「呪いを増幅させるアイテムねぇ〜・・・この紫色の指が・・・」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/24(水) 23:58:35.66 ID:0kHuVHfR0
シュルッ、コトン・・・‥


僧衣姿の男「さぁ受け取るがいい。君の願いはいま、この瞬間を持って叶えられる。君のその『想い』と内なる『呪い』によって・・・」

僧衣姿の男「そして君のその『呪い』の力を持って、今一度この私に協力してはくれないか?」

エリザベート「協力ねぇ・・・貴方が私に何を考えてこの聖杯とこの不気味な指を渡したのか知らないけど、私のハロウィンが復活するのだったら大歓迎よ。」

エリザベート「そして永遠のハロウィンでカルデアにいる子ジカたちにハロウィンがどんなに偉大で凄く大事な行事である事を解らせてやるのだから!」

エリザベート「待ってなさい子ジカ!私のこの呪いの力でカルデアのみんなや子ジカにギャフンと言わせ、そして解らせてやるのだから!」

―――――――――――――――――――――――――
■■■に事の話を聞いて数分・・・■■■は私には“内なる呪い”があると教え、その呪いの力で子ジカたちを呪い、私のハロウィンを復活させる事が出来ると言い出した。

しかもその復活させた渋谷のハロウィンを永遠の特異点に仕立て上げる事が出来ると知り、私はあの僧衣姿のルーラーである■■■の提案を受け入れました。


ただ私に■■■から貰い受けたものは聖杯だけでなく、何か紫色に変色した‥何かと不気味なオーラを持つ指を15本も貰い受けまして・・・

■■■の話には“ソレ”を取り込めれば、私の内なる呪いの力が増幅し、呪いの力が使えるようになると聞いて、

私は私の事を裏切ったマスターをギャフンと言わせる為に、私は■■■から聖杯と不気味な指を貰い、私はあの不気味な指を15本も取り込んだ・・・。


カコンッ、シュッ・・・・ゴクッ、ゴクゴクッ・・・‥

エリザベート「う〜ん・・・・この不気味な色をした指、飲み込んでみてなんか気持ち悪いような感じがするのだけど・・・」


指を体内に取り込む自体は問題なかった。指は聖杯をコップ代わりにジュースを注ぎ、指をハロウィンのお菓子の代わりとして添え、

まるで普通におやつを食べるように、私は聖杯でジュースを飲みながらあの不気味な色の指15本を口から飲み込むように体内に取り込んでいった。

すると・・・・・・


ドクンッ!ジュゴォォォォーーーーーーー!!

エリザベート「――――――!?」

僧衣姿の男「・・・‥フッ。」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/25(木) 23:35:56.49 ID:D0rXAeh10
ジュゴォォォーーーーーぐじゅぐじゅぐじゅ!!


エリザベート「■■■■■■――――――――――!!」

僧衣姿の男「フハハハハハ!やはり君は単純な奴だったなエリザベート・バートリー。ハロウィンの事になるこんな戯れ言まで信じてしまうとは・・・」

僧衣姿の男「光栄に思うがいい。君は私が呼び出す伝説の怪物の礎として、その霊基を燃やし尽くすがいい!!」


ジュゴゴォォォーーーーーー!!
――――――――――――――――――――――――
私の中で今までの別霊基の私が出来る事とはかなり違う・・・・とてつもない程の異変が起きた。

取り込んだあの不気味な指を中心に私の中で何かが食い破って出てくるように、私の霊基がその“何か”の召喚する為の魔力となっていき、

その目の前で僧衣姿の僧衣姿の男は笑みを浮かべながら、私がその“何か”の召喚の為の触媒となっている様を眺めていただけであった。


このままじゃ私はその“何か”を召喚の為にその霊基を分解され、私は何も出来ずに消滅してしまう。

私は何とかしようと抗ったのだけど、時既に遅し。私の身体も、魔力も、その全てが私の身体を食い破って召喚される存在・・・

■■■の言う“両面宿儺”の召喚の為の生贄として、私は私の全てを奪われ、跡形もなく消滅するだけであった・・・

その時だった・・・・


キィィィ〜〜ン!

僧衣姿の男「―――!?。なんだ、あの光は・・・・?」

■■■■■■「――――――――――」


キィィィーーン、パァァァーーン!
――――――――――――――――――――――
突如として、私の中にもう一つの何かが私の中に入り込み、そして私の中から出ようとした両面宿儺は再び私の中へと入っていって・・・


ガガガ――ガァァ―――プツンッ!
―――――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト


パチパチパチッ・・・

【今のはエリちゃんの――――】
【―――!?】←


ガバッ!!

【ここはもしかして・・・】
【でも確か私は・・・・】←

―――――――――――――
回想シーン:獄門疆に封印される藤丸立香(女)


ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/26(金) 00:18:41.01 ID:HaMBJabX0
???「やっと起きましたね。私を探していた割にはあまりにも寝坊が過ぎますわね、子ジカ。」

【この声・・・・】←
【それに今、子ジカって・・・】


タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・


男装姿のエリザベート・バートリー「・・・・・・・・・‥」

男装姿のエリザベート・バートリーの姿(イメージ)
https://images.goodsmile.info/cgm/images/product/20230418/14280/114466/large/01431b1901fd075ebcccf51dbc0aa0f8.jpg


【エリちゃん・・・・?】←
【それに宿儺じゃない・・・。】

男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・(ジロッ!)」

【!】
【な、なに・・・・?】←

―――――――――――――――――――――――――――――
数分前―――チェイテ渋谷神社城・地下の駅ホームにて、突如として現れた僧衣姿の男の罠にはまり、獄門疆と名乗る物体に封印されてしまったカルデアのマスター

しかし彼女が目覚めた先には、以前、吉備真備によって助けられ、介抱目的で連れて来られた 渋谷クロスタワー内部の吉備真備のアジトの寝室であった。


彼女が目覚めた直後、彼女の前に現れたのは両面宿儺に取り憑かれ、その名を名乗っていたエリザベート・バートリーの姿があり、

そのエリザベート・バートリーの姿は両面宿儺に取り憑かれた状態とは違う、サラリーマン姿で独特な眼鏡をかけた、

雰囲気が大人しそうな感じがする男装姿のエリザベート・バートリーの姿がそこにあり、そしてその彼女はカルデアのマスターである彼女に・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【えっ・・・?】←

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」


【―――!?】
【これってもしかして・・・・】←

【私に対して怒ってるって事?】←

男装姿のエリザベート「・・・・・・(頷く)」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/27(土) 08:57:35.86 ID:2IOaTakq0
タッタッタッタッタッタッ・・・‥


男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【(これ絶対かなり怒っているよね・・・)】
【(なんて答えれば良いのだろう・・・)】←

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【そ、それは・・・・・・】←

男装姿のエリザベート「・・・・・・‥」

【ごめんエリちゃん・・・】←
【ハロウィンはもう終わって・・・・】


フゥゥン、バシィィン!!

【――――!?】
【ガハッ―――!?】←

ドサッ・・・‥


【(いま私に攻撃を・・・・)】
【(凄く痛かった・・・)】←


ガシッ、グググゥゥ〜〜!

【うぐぅぅ・・・・】←


藤丸立香(女)の今の状況(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/8/3/83086a1b.jpg


男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ!」

【エリちゃん・・・】
【本当に私が悪かったって――】←


フゥゥン、バシッ!バスゥゥン!!

【ぐはっ!?】←


ドサッ!ゲホゲホッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
「“私の、ハロウィンはどこ?”」。その男装姿のエリザベートの問いかけと共に、彼女はカルデアのマスターに近づいてきており、

カルデアのマスターはその問いかけに答えようとするも、エリザベートは何も躊躇なくカルデアのマスターに攻撃し、

1回目は顔正面、2回目はカルデアのマスターの頭を引っ張り上げ、そのまま彼女の腹部に一撃を喰らわせ、彼女は空しく床に倒れ込んでいく‥

そのあまりにも無慈悲な状況にカルデアのマスターは、エリザベートの心を傷つけた事でこの状況を作ってしまったことに深く懺悔したい気持ちでいっぱいであり・・・
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/27(土) 23:50:14.10 ID:2IOaTakq0
ガシッ、ズググググゥゥゥ〜〜〜!!


【ウゥゥゥ・・・】
【エリちゃん・・・‥】←

男装姿のエリザベート「貴方のせいでハロウィンは潰され、カルデアはこの渋谷の地で破滅の道を辿ることになるのよ。」

男装姿のエリザベート「それだけは解っているよね?」

【・・・・・・・・・・・・】←

【ごめんなさい・・・・エリちゃん・・・・】←



スタタタタタッ!バタンッ!キキィィー―!


吉備真備「ストップ!ストォォォーープ!!もうそれ以上の暴力はダメだぞぉぉ〜〜!!」ピッピィィィ〜〜〜!!

男装姿のエリザベート「!?」

【ま・・・真備・・・さん・・・・?】←


マシュ「先輩!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うわぁぁ‥これは随分な打撃を受けたようだね・・・すぐに回復の礼装を施さなきゃね!」

マシュ「はい。先輩、今どこか痛いところとかありますか?痛いところがありましたらすぐに治療を・・・・」

【マシュ・・・】
【いったいこれはどういう・・・・】←


ぐじゅぐじゅっ!バカッ!

宿儺(エリザベートの口元)「混乱しているようだな〜藤丸立香?お前が今この場で置かれている数々の状況を理解しきれていない・・・」

宿儺(エリザベートの口元)「お前がなぜ、あの獄門疆の封印から抜け出せたのか?なぜ封印から抜け出せたお前がこの女に殴られるハメになっているのか?」

【宿儺!?】←

男装姿のエリザベート「あまりでしゃばらないでくれるかしら宿儺。私が表に出ている時は貴方は大人しくしているとそういう“縛り”を交したんじゃないのかしら?」

宿儺(エリザベートの口元)「チィッ、ちょっとぐらいはよかろう・・・。縛りの関係とはいえ、俺にただ頼りでお前はあまり前線には出ることなど全然ないだろ?」

男装姿のエリザベート「・・・・・・‥(ギリッ!)」

宿儺(エリザベートの口元)「チィッ・・・‥」


【なんだこれ・・・・】
【この状況はいったい何なの・・・?】←

マシュ「それは・・・かなり話が長くなる事なのですが・・・‥」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/28(日) 23:57:19.30 ID:iyGVzA950
数時間前、渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト近くにて・・・


ドスドスドスドスッ、ドスンッ・・・・

吉備真備「フゥゥ・・・。どうにか逃げ切れたようだな・・・・みんなは大丈夫か?」

播磨局「ああ・・・こっちはどうにか大丈夫だ。マシュ、バーヴァン・シー、お前たちは大丈夫か?」

マシュ「はい。私たちの方は敵の攻撃を受けましたが、私はそれ程のダメージはなく、バーヴァン・シーさんはいま気絶していますが、霊基に別状はないかと・・・」

マシュ「しかし先の戦いで望月さんは私たちを逃がすために命を省みずに殿を務め、未だに戻っていないとなると・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、こちらから千代女との連絡は取れていない。こちらに帰還していない他にカルデアの霊基情報にも揺らぎがないことから、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おそらく彼女はあの戦いの殿の後、あの僧衣姿の敵の軍勢に捕まった可能性が高いが、それについてはまだ断定は出来ない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが我々が一番に問題視しているのは・・・・」


シュルッ・・・・・・

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このあまりにデザインが不気味で悪趣味な謎の箱に藤丸ちゃんがスッポリと閉じ込められちゃっていることだ。封印されたと言ってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱自体の力なのか、あるいはこの箱の存在を知っているあの僧衣姿のサーヴァントの能力なのか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱の中に封印された藤丸ちゃんのあらゆる全ての観測が出来なくなっているし、中にいる彼女が今どうなっているのかも解らない状態だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったいこの箱は何なんだい?この箱の中身の藤丸ちゃんを助け出すにはいったいどうやって・・・」


両面宿儺(エリザベート)「それは獄門疆という特級呪物と言ってなぁ〜。俺も噂で聞いただけで実物を見るのは初めてなのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「その箱には定員1名だけであるが、条件さえあえばあらゆるもの全てをその獄門疆の中に封印できるシロモノだ。」

両面宿儺(エリザベート)「その獄門疆を開けるにはそうだなぁ〜・・・中にいる藤丸立香が自死するか、獄門疆を開門させたあの男にもう一度開門をさせてもらうか・・・」

両面宿儺(エリザベート)「それ以外にあるとすれば、その獄門疆の能力を壊すか打ち消すかのどちらかしかない。だがしかしそれをお前たちは持っているのか?」

マシュ「そ‥それは・・・・」


吉備真備「だとしてもその獄門疆の封印がとても強力とはいえ、それが絶対に開けられないモノっていう事はないんだろ?」

吉備真備「だったらその獄門疆が開けられるまでやってやるさ。なんたってマスターにみんなの事を任せてと頼まれた身だからね。」

吉備真備「マスターは必ず助け出す。それがマスターに頼まれた者としての責務といってもいいからね。」

マシュ「真備さん・・・・。」

播磨局「吉備真備、あんたは・・・‥」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/29(月) 23:59:11.71 ID:avjnxUnN0
両面宿儺(エリザベート)「成る程・・・まあお前たちがそうでなければ面白くない。お前たちがこの獄門疆からカルデアのマスターである藤丸立香を助け出さなければならない。」

両面宿儺(エリザベート)「でなければ俺は彼女を呪い殺す事が出来ん。弱体化した身とはいえ、いくら俺でもこの獄門疆を開けることなど出来ぬからなぁ〜‥」

播磨局「チィッ・・・言わせてみれば貴様、まだ彼女の事を呪い殺そうとしているのか!藤丸はただエリザベート・バートリーに謝りたかっただけで・・・」

両面宿儺(エリザベート)「そのエリザベートと俺は藤丸立香を呪い殺す“縛り”を交している事を忘れているのか?いくらあの女に謝りたいと願おうと・・・」


内側からの声「そうね・・・私と縛りを交している貴方ならば、ちゃんと縛りの内容は覚えているはずだよね?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。おい待て、まだこいつ等とは話が・・・」

内側からの声「宿儺。キリが悪いのは承知の上だけど、交代の時間はとっくに過ぎているわよ。」

両面宿儺(エリザベート)「――あぁ〜クソッ!わかったわかった、交代の時間だろ?すぐに変わってやる。」

マシュ「!。交代・・・宿儺さん、いったいそれはどういう事なのですか!?貴方はいったい・・・」

両面宿儺(エリザベート)「聞くな。それ以上の事はあの女に聞け。もっとも‥あの女の事など、お前たちカルデアがよく知っているはずだ。」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちが俺から引き剥がし、助け、お前たちがやらかした事への謝罪をしようと探した・・・あの女がな・・・。」

吉備真備「あの女・・・・それってもしや・・・・」


キィィ〜〜ン!ピカァァーーン!

両面宿儺(エリザベート)→男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・」

マシュ「!?。あなたは・・・・まさか・・・‥」

男装姿のエリザベート「・・・・・・・・(ギロッ!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターが獄門疆に封印された直後、両面宿儺(エリザベート)の起点と望月千代女の命がけの殿により、獄門疆を持って僧衣姿の男たちから撤退したマシュたち

彼らから逃げ切り、どうすれば獄門疆に封印されているカルデアのマスターを助け出せるのかをマシュたちで話している中、

突如として、両面宿儺(エリザベート)は自身の“縛りによる交代の時間”だと言いだし、宿儺の姿が光と共に男装姿のエリザベートのへと変わり、

その瞬間を目撃したマシュはその男装姿のエリザベートに対し、見覚えのある表情で彼女の事を視認し、男装姿のエリザベートもまた、マシュに対して厳しい睨みを見せていた。


そして・・・
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/30(火) 09:54:34.88 ID:mh7jFOw60
吉備真備「そう。僕たちは両面宿儺がエリザベートの霊基と身体を乗っ取り、彼女を依代にサーヴァントとして現界した者だと思われていた。」

吉備真備「しかしそれは間違いだった。宿儺は何らかの形で不完全な状態で現界し、その霊基は宿儺と依り代としている彼女との縛りによってその身体を維持し、」

吉備真備「1つの身体を共有することで宿儺と彼女は一騎のサーヴァントとしてこの渋谷の特異点に召喚された。その彼女こそ・・・‥」

吉備真備「2023年のハロウィンの目玉になるはずだった新規クラスのエリザベート・バートリー・・・・」


パッパラパ〜〜〜!

吉備真備「脱ドル脱サラ系呪詛師サーヴァント、『エリザベート宿儺』だったのでーーす!」

呪詛師エリザベート&口元の宿儺「「その呼び方はやめて(ろ)!」」


【あっ、ハァ・・・・】←
【でも1つの身体を共有って・・・・】

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。我々の知るワルキューレたちがその例だ。1つの霊基に3騎の個体がいて、それらが1つの霊基を共有しつつサーヴァントとして現界をしている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基再臨に合わせて代替召喚されるように今のエリザベートと宿儺は時間の縛りでその姿を変えていると言ってもいい。」

吉備真備「うんうん。いやぁ〜まさか宿儺とエリザベートが縛りで時間交代制で1つの身体を共有していたとは驚きだったよねぇ〜?」

吉備真備「しかもちょうどその時間こそ宿儺からエリザベートと交代する時間であって、いま僕たちはそのエリザベートと会話をしている。」

吉備真備「それこそ今のカルデアにとってまたとないチャンスなんかじゃないかと思うんだよねぇ〜。」

【!】
【(今ならエリちゃんに直接あやまることが出来る!)】←

呪詛師エリザベート「ふん。交代の時間帯が被ったとはいえ、まさか絶縁したはずの貴方たちと再び再会するとは思わなかったわ。」

呪詛師エリザベート「正直のところ、私はカルデアの貴方たちとはもう二度と会いたくはなかったわ。それなのにこんな所まで追いかけてくるなんてねぇ‥。」

マシュ「絶縁って・・・・エリザベートさん、私たちは貴方に謝りたいことがあって・・・」

呪詛師エリザベート「結構。まず挨拶ぐらいはするのが道理よ、カルデアの貴方たち。」


呪詛師エリザベート「どうも、『宿儺』モードの私が世話になったわね。私の知らないところでこんな事が起きているなんて思わなかったわ。」

呪詛師エリザベート「私は貴方たちカルデアの身勝手のせいで私の大事なハロウィンを潰され、貴方たちへの失望によって真面目に呪詛師をやることになったエリザベート・バートリーよ。」

呪詛師エリザベート「まあ宿儺モードの私と別に呼んで欲しいのはあるから、この『呪詛師』モードの私の事は、『呪詛師エリザベート』と呼んでも構わないわよ。」


【は、はぁ・・・・】
【でも今、脱ドル脱サラ系呪詛師って・・・】←
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/30(火) 23:48:28.50 ID:mh7jFOw60
マシュ「はい。脱ドルと脱サラ・・・この言葉から明らかにエリザベートさんはアイドルとサラリーマンを辞め、呪詛師になったとそう言っているようですが・・・」

マシュ「それ以前にエリザベートさんは私たちを・・・カルデアとの縁を切ったと言いましたが、それは本当の事なのでしょうか!?」

呪詛師エリザベート「そうよ!私は貴方たちカルデアが私にやらかした罪業によって、貴方たちは私を裏切り、私との信頼と信用、そして縁を失いました。」

呪詛師エリザベート「私が懸命に準備をし、カルデアのみんなに喜んでもらおうと準備をしてきたカルデアの伝統行事である私のチェイテ特異点でのハロウィンを、」

呪詛師エリザベート「突如として割り込みで来た特異点での戦い・・・即ち昼と夜の聖杯戦線の攻略を優先させる為に、カルデアは強引な手段でチェイテ特異点ごとハロウィンを潰した。」

呪詛師エリザベート「そしてあのとき子ジカは・・・藤丸立香という女は恰も私に対して、“ハロウィンはもう終わり”と心もなき言葉で話の話題を強引に終わらせ、」

呪詛師エリザベート「その心無い言葉にショックを受け、貴方たちへの失意と失望と共に私はカルデアに愛想をつかし、レイシフトを通してこの渋谷へと家出を決行したのよ。」

【エリちゃん・・・】
【・・・・・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(とまぁエリザベート・バートリーはそう被害者ヅラで言っているけど、元々カルデアのハロウィンはそのエリザベート本人の身勝手で始まった事なのだが・・・)」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(2017年までのハロウィンは決まって藤丸ちゃんを彼女の歌ライブを誘わせてやってるというか・・・)」

シオン(通信)「(あのそれ、いま聞かれたらマズいので黙っててくださいね?)」


呪詛師エリザベート「そして私はこの渋谷で出会った私の中に秘めた呪いの力に眼をつけ、その力を持って私のハロウィンを復活させようとあの僧侶みたいな男に騙され、」

呪詛師エリザベート「その彼に手渡された15本の宿儺の指を飲み込み、不完全な召喚で私の中で両面宿儺が現界し、それによる呪いが私たちの霊基を蝕んでいき、」

呪詛師エリザベート「いずれにしてもこのままでは私は英霊の座にも帰れず消滅する運命であると悟り、私は宿儺との縛りを結んだって事なのよ。」

口元の宿儺「・・・フッ。」

呪詛師エリザベート「そして私は彼に私の身体を預けている間、私は今回の事でじっくりと考え、そして私はカルデアに対して確信したことは・・・」



呪詛師エリザベート「“カルデアはクソ”ってということよ!」ドドンッ!

マシュたち「!!?」


【カルデアはクソって・・・】←
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/01/31(水) 23:57:28.81 ID:MpvNBjSp0
ゴルドルフ(通信)「オイオイ貴様!急なことがあったとはいえ、ハロウィンの予定が潰れたぐらいでカルデアがクソであると軽く確信を言っちゃうのかね!?」

ゴルドルフ(通信)「少なくても我々は異星の神によって白紙化された汎人類史を救う為に戦っているだけであって・・・」

呪詛師エリザベート「ええ知っているわ。そんな貴方たちが言う汎人類史に対して、貴方たちの行動や状況をじっくりと考えてみて‥・」


呪詛師エリザベート「“汎人類史はクソ”っていう事よ!」ドドンッ!

【!?】
【汎人類史はクソだって‥・】←

呪詛師エリザベート「まあ今となって、私があの僧侶の男に渡された聖杯で私のハロウィンを復活させようとしようとしたのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「結局のところ、出来上がったのは私の意に反する特異点・・・・この呪霊サーヴァントとかいう敵との聖杯戦線、それを裏で操ってたあの僧侶の男が暗躍する特異点に対して・・・」


呪詛師エリザベート「“この特異点はクソ”だったって事よ!」ドドンッ!

【・・・・・・‥】
【特異点もクソというの・・・】←

呪詛師エリザベート「それと関係ない話ですが私が元々思っている事は・・・‥」


呪詛師エリザベート「“労働こそ一番のクソ”という事よ!」ドドンッ!

【・・・・・・】←
【(それ、いま言うことなの・・・・?)】


吉備真備「おいおいさっきから君が考えているこれらの事に価値に対してクソだ!クソだ!と言いまくっているけど、他に言葉とか無いのか?」

呪詛師エリザベート「無いわ。同じクソならクソであり、より適性で効率の良いのを選ぶ。それが私の考え方よ。」

マシュ「そんな!ではエリザベートさんは貴方のハロウィンイベントを否定され、カルデアや汎人類史があなたの言うクソである考えになった理由でカルデアと絶縁を・・・」

マシュ「そのような理由でカルデアを・・・マスターである先輩を呪い殺すって言うことなのですか!?」


口元の宿儺「確かにお前の言う通りかもな、マシュ・キリエライト。だが人という者は自身が経験した絶望や悲劇によって、善人だった者が悪にはしるように人が変わることがある。」

口元の宿儺「彼女もそうだ。サーヴァントの身とはいえ、元は人間である以上は心変わりは一つや二つはあってもおかしくはないだろ?」

呪詛師エリザベート「ええそうね、貴方の言う通りよ宿儺。私はカルデアに裏切られ、私のマスターだった子ジカに裏切られ、あんな酷い事を言われた事で私は変わった。」

呪詛師エリザベート「私は私と私のハロウィンを裏切った子ジカの事が許せない。私よりもプトレマイオスとかいうクソ野郎を選んだ子ジカを今すぐ呪ってやりたいところなのよ。」


【―――!?】←
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/02(金) 00:17:51.27 ID:47ZcNYqS0
呪詛師エリザベート「宿儺、貴方がプトレマイオスを貴方の呪術領域・伏魔御廚子で八つ裂きにしたって聞いているわよ。」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンを潰した張本人を私の代わりに呪い、そして身体を5枚にスライスされての彼の断末魔をあげさせてくれた。」

呪詛師エリザベート「本来なら私がこの手でプトレマイオスを呪い殺してやりたかったのだけど、あのクソ野郎の断末魔を聞けたまでは良いとしておくわ。」

口元の宿儺「フッ、当然だ。この俺があんなジジイのファラオに負ける訳がなかろう・・・この呪いの王たるこの俺がな・・・。」

呪詛師エリザベート「ふんっ、貴方がそう自信を持って言うのならば、私は貴方に反論する事なんかはないわよ?」

口元の宿儺「フッ・・・‥」


呪詛師エリザベート「でも貴方の術式が拗ねて術式能力が弱体化しているっていう事実だけは気にくわないわよ!!」ドドンッ!

口元の宿儺「何だとぉぉ!!(キレ)」


呪詛師エリザベート「しかし騙されたとはいえ、あの僧侶姿の男に特異点を取られたことはとても不愉快極まりない自体だわ!」

呪詛師エリザベート「あの聖杯は元々あの男が私に譲ってくれた聖杯であり、あの聖杯を元に私のハロウィンを復活させようと目論んでいたというのに!」

呪詛師エリザベート「それをあの男は私のこのようにした後、私の聖杯を取り上げてはそれを砕いて“聖杯の雫”とやらに変換させたと思えば・・・」

呪詛師エリザベート「その聖杯の雫が一つになったと思えば、この獄門疆に子ジカが封印されてしまうなど、なんて情けないのかしらね子ジカ?」

【確かにそうだけど・・・・】←
【それよりもどうして私は獄門疆の外に・・・・】←


呪詛師エリザベート「決まっているわ。子ジカのことは私の術式で何とかしたと言いたいのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「この獄門疆、聖杯の雫とやらで模倣して作られたモノなのか・・・私の術式でも子ジカをそのまま獄門疆の外に出すことは不可能だったわ。」

呪詛師エリザベート「子ジカが獄門疆の外に出れたのは子ジカの魂を半分に切り分け、別の身体の器に取り替えてもらったって訳よ。」


【はい?】
【魂を半分に・・・?】←
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/02(金) 23:51:12.60 ID:47ZcNYqS0
呪詛師エリザベート「子ジカ。前にシンデレラの時の私とのハロウィンで、子ジカの身体が肉体と魂に分離した事を覚えているかしら?」


【うん。覚えているよ】←
【え〜と確かにあったような・・・・】

―――――――――――――――――――――――――――
回想場面:ハロウィン・ライジング 暗黒の仔山羊との戦いにて・・・

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―――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「貴方はあの時、女モレ―の罠にはまり、彼女の力で肉体と魂を分離され、聖杯を埋め込まれていた貴方の肉体の方は山羊の怪物に変えられ、」

呪詛師エリザベート「魂の方は霧散するのを防ぐためにカボチャの人形に入れられた。あの人形を用意した人の名前は敢えて言わないとして・・・」

呪詛師エリザベート「私はそれを元に獄門疆の中にいる子ジカの魂をトレースし、その魂を半分にして中にいる子ジカと私が用意した子ジカの仮の身体に半分にした子ジカの魂を入れ、」

呪詛師エリザベート「あとは私の持っている術式で子ジカの身体と仮の身体の位置を入れ替え、外にいる方に子ジカの意識が目覚める形としたのよ。」


【そうなんだ・・・‥!?】
【もしかしてその、仮の身体って・・・】←

呪詛師エリザベート「気づいたかしら?貴方を仮に獄門疆の外に出した仮の身体が人の姿をしているなんて思ったら大間違いよ!」

呪詛師エリザベート「私を裏切った子ジカの仮の身体なんか、これで十分かと思って用意したのだからね?」



スッ、パンッ!ポンッ!


呪詛師エリザベートの術式によって藤丸立香(女)が変わった姿
https://fgonovum.com/wp-content/uploads/2021/10/109CB39F-3425-43D9-9ABB-A90DA6E54ED3.jpg

【!?】←

マシュたち「!?」

吉備真備「うわぁ〜これは酷い・・・」

播磨局「ああ・・・・」

呪詛師エリザベート&口元の宿儺「〜〜〜〜〜〜!(クスクスクス!)」


【この姿は・・・】

【ああやっぱり・・・・】
【結局こうなるのね‥。】←
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/04(日) 10:01:22.95 ID:XzVj8mea0
エリザベート・バートリーに取り憑き、カルデアのマスターたちに襲いかかった両面宿儺(エリザベート)。ハロウィンの有無を聞かされ、質問と一緒にカルデアのマスターに暴力を振るった男装姿のエリザベート・バートリー。

その正体は両面宿儺の不完全な召喚により、互いに交した縛りによって呪いによって朽ちていく身体を維持し、1つの身体に2つの霊基を共有して厳戒したサーヴァント『呪詛師エリザベート宿儺であり、

その霊基の1つである呪詛師モードのエリザベート(別名:呪詛師エリザベート)は声も人格も普段のエリザベート・バートリーと全く同じであり、

自身と自身の楽しみにしていたハロウィンを裏切ったカルデアのマスター、そして更にカルデアと汎人類史、労働といったモノゴトはクソであるという認識を見せていた。


しかしその彼女もまた、仮ではあるが獄門疆に封印されたカルデアのマスターを自身の持つ術式によって魂を半分にするようにトレースし、

それを半分にして自身の用意した人形(パンプキンヘッド・マスター)にカルデアのマスターの魂を入れ、同じく彼女の持つ術式効果によって、

獄門疆の中にあるカルデアのマスターの身体と獄門疆の外にある人形を入れ替えるようにカルデアのマスターの意識を外に出すように入れ替えており、

いきなりであるが自身の身体をパンプキンヘッド・マスターに入れ替えられたカルデアのマスターは自身の経験の上で落ち着いた対応をしていくのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「ふ〜ん・・・いきなり自分の身体を入れ替えられたというのに反応が薄いわね。てっきり驚きのあまり大声で悲鳴を上げるんじゃないかと思ってたわ。」

【まあ一度や二度、経験しているというか・・・】
【嫌、今はそれよりも・・・】←


シオン(通信)「はい。確かに呪詛師のエリザベート氏のよくわからない術式によって藤丸氏の無事と再観測が可能になった事で一先ずこちらも安心はしました。」

シオン(通信)「しかし藤丸氏の今の状況からして、藤丸氏は未だにその獄門疆に封印されているのは変わりありません。」

シオン(通信)「このままではエリザベート氏を元に戻し、カルデアに連れ戻すどころか・・・藤丸氏をカルデアに戻す事もままならないと思われまして‥」

シオン(通信「それ故にその獄門疆に封印した僧衣姿の男性を見つけ出し、藤丸氏の封印解除の方法を見つけ出す必要があると私は思っています。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。その為にも我々にはあの僧衣姿の男の攻略の為にこちらの戦力を立て直す必要がある。特に目の前にある問題の解決も含めてね。」


シオン(通信)「エリザベート氏、それと彼女に未だに憑依する宿儺はあの僧衣姿の男に対し、何らかの敵対をしているようだと我々は見ており、」

シオン(通信)「特にエリザベート氏は先ほど、この渋谷の特異点の事を自身は“クソ”と呼んでいた事から、貴方はこの特異点をどうしたいと思っているのですか?」

呪詛師エリザベート「そうね。無論、私のハロウィンを復活させると見せかけて、私のこんなにして特異点まで乗っ取ったあの僧侶のあいつをとっちめてやりたいところよ!」

呪詛師エリザベート「この渋谷の特異点が私の思うハロウィンに相応しくない以上、このクソな特異点はすぐにでも消滅させた方が道理というべきね。」


マシュ「!。それではエリザベートさん、もしあなたがこの渋谷の特異点を解決するであれば、私たちもそれを手伝わせてはいただいても宜しいでしょうか?」

マシュ「エリザベートさんも含め宿儺さんもまた、もし我々とエリザベートさん同じ考えをしているのであれば、いっそのこと私たちと共に行動した補遺がよろしいかと・・・」

口元の宿儺「・・・だそうだ。俺はこの身体から解放されるのなら別に良いのだが、今の時間上、俺の主導権を握るお前はどうするつもりなのだ?」

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【お願いだよ、エリちゃん‥】
【あなたやみんなの為なんだ・・・】←


呪詛師エリザベート「――嫌よ!」ドドンッ!

【―――!?】←
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/05(月) 00:02:49.14 ID:d81D8VkY0
呪詛師エリザベート「忘れたのかしら子ジカ。私が宿儺と身体の共有し、その霊基を維持するために2つの“縛り”を結んだって事を。」


呪詛師エリザベート「1つは例外を除いての一定時間帯での私と宿儺との主導権の交換。一定の時間帯を過ぎると残業時間も含めて次の霊基に交代しなければならない事。」

呪詛師エリザベート「例えば、24時間体制で12時間は宿儺で残りの12時間をこの私の活動時間として、この決められた時間帯の経過で交代する形で設定しており、」

呪詛師エリザベート「宿儺の活動時間を過ぎれば私が、私の活動時間が過ぎれば宿儺と、この一定の時間帯をローテーションで交代する形を取っているのですが・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺が活動時間12時間を過ぎて行動していた場合、交代した時に私の活動時間はその過ぎた時間分の足して行動する事が許されるって事よ。」

口元の宿儺「フンッ。まあ俺の場合はこのような形で時間外でのお前たちとの会話ぐらいは出来る事は縛りには入っていないのだがなwww」


呪詛師エリザベート「もう一つはカルデアの貴方たちの知っての通り、私と宿儺はあの僧侶の男が起こした不完全な召喚によって霊基がガタガタになっていて、」

呪詛師エリザベート「このまま縛りを結ばずいけば、私は宿儺を巻き添えにあの宿儺の指の呪いによって消滅する事になる。」

呪詛師エリザベート「それを防ぐために宿儺と私は協力して1つの身体を共有し、目的を遂行したら宿儺を自由にさせる。―――その目的こそ・・・」

呪詛師エリザベート「子ジカ・・・もとい、カルデアのマスターを私たちの手で呪い殺す。その目的の遂行こそ、私と宿儺との間で結んだ“縛り”というものよ。」


【・・・・・・・・・】←
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/05(月) 23:36:07.63 ID:d81D8VkY0
ゴルドルフ(通信)「ふ、ふざけるな!ハロウィンの予定とハロウィンの微少特異点を潰されたぐらいで自身のマスターを呪殺しようとするなど!」

ゴルドルフ(通信)「貴様と宿儺との縛りだと?貴様はいったい、自身が何をしようとしてるのがわかっているのか!!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。敵に騙され、飲み込んだ宿儺の指とやらの呪いによって霊基が壊れかけていて、それを宿儺との縛りを結んで現界を維持していることはわかる・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが君が宿儺と共に結んだ縛りとはいえ、ハロウィンの予定を潰されたぐらいで藤丸ちゃんを呪い殺す事なんて、我々には到底理解できない事だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに人理最後のマスターである藤丸ちゃんを呪い殺せば、人理を救う事など出来なくなる。君だってマスターを失えばそれこそ現界が保てなくなるというのに・・・」

マシュ「はい。それにエリザベートさんと宿儺と交わした縛りを遂行すれば、どっちにしても貴方の霊基は宿儺の完全限界の礎として消滅するのは確実と言えます。」

マシュ「それなのに貴方のようなサーヴァントが先輩を・・・・一度はマスターの召喚に応じたエリザベートさんがマスターを呪い殺すなんて・・・」

【確かにそうだよ!】
【それ以外に他に方法はなかったというの?】←


呪詛師エリザベート「そうよ!それが私のハロウィンを裏切り、あの昼と夜の聖杯戦線に行った子ジカに対する私からの呪い、私の事を傷つけた当然の報いよ!」

呪詛師エリザベート「ほんと・・・カルデアはクソ!人理もクソ!渋谷特異点もクソ!私の関わっている事全てがクソだらけで嫌になっちゃうわ!」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンの予定を潰した事で謝る為にわざわざこの特異点に来たのは褒めてあげるけど、謝ったぐらいで私が貴方たちを許すと思ったら大間違いよ!」

呪詛師エリザベート「貴方たちは私や宿儺と交わした縛りを終わらせるために、子ジカ、貴方は私たちに呪い殺されなきゃならないのよ!」

【・・・・・・‥】←


【本当に、謝っても許してはくれないというの‥?】←

呪詛師エリザベート「ええ。私とこのような話をしたところで私が活動する時間の無駄でしかない・・・故に・・・」



キュッ、シュルゥゥ〜・・・クルクルクルクルッ、ギュッ!

ガキンッ、ジュボォォォ〜〜!


呪詛師エリザベート「表に出なさい子ジカ。貴方はこの私の手で呪い殺してあげるわよ!」

呪詛師エリザベート「呪い殺されたくなけば戦いなさい!そうじゃないと貴方たちはただ殺されるだけで終わってしまうわよ!」

口元の宿儺「・・・・・・・・・・・・・・・‥」


マシュ「エリザベートさんの魔力が急上昇!やはりエリザベートさんはカルデアやマスターの事を・・・」

播磨局「ああ。そっちがマスターを呪い殺す気満々ならやってやるよ。その減らず口を黙らせるためにもさぁ〜!」

吉備真備「そうそう!エリザベートがマスターの事を呪い殺すのをやめないのなら、力ずくでもエリザベートのことを止めるしか方法はないようだしね?」

吉備真備「掛かって来いよ。こっちがマスターの事を呪いたいというのなら、こちらもそれ相応の対応をしないといけないからね?」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/06(火) 22:58:30.39 ID:mScV0Vfj0
【真備さんと播磨さんは手を出さないで!】
【ここは私とマシュで行かせて!】←

播磨局「!?。――おい待て!いくら今のエリザベートの中にいる宿儺の奴が引っ込んでいるとはいえ、私と真備さん抜きで戦うというのか!?」

播磨局「それに今のあいつは宿儺と同じ呪いの力が使える呪詛師のサーヴァントなんだぞ!万が一、あいつの言う通りにマスターが呪い殺されたりしたら・・・」

【それでもエリちゃんとちゃんと向き合わなきゃならないの!】←

【だってエリちゃんはこれでも――】←

【私の召喚に応じてくれたサーヴァントだから!】←


マシュ「はい。元はと言えば、我々カルデアとエリザベートさんとは今年のハロウィンの有無の事で揉め事になり、それが今の渋谷のような特異点へと拡大したのが始まりであり、」

マシュ「事情があったとはいえ、エリザベートさんとちゃんと向き合わずにあの聖杯戦線を優先した事がエリザベートさんをこのような呪詛師へと変えてしまった要因であるならば、」

マシュ「例えエリザベートさんに呪詛を受けようと私たちは心から向き合い、それを止める事こそが私たちカルデアが出来るエリザベートさんへの償いかと思っています。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。少々かなり危ない橋を渡るつもりかもしれないが、今のエリザベートを大人しくさせるにはこうする以外に方法はなさそうだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ここはエリザベートと戦い、彼女と再び話し合えるように武力を無力化させるんだ!」

【はい!】←


吉備真備「フッ・・・肉体言語を使ってでもエリザベートと和解したい気持ちはあると見て間違いないようだね。良いよ、そこのところは僕もマスターの事を信じるよ。」

吉備真備「ただし僕らもマスターと仮契約している身として、かなり危ないと感じたら容赦なくこちらも戦いに乱入させてもらう。そこはわかってくれるかな?」

【うん】
【ありがとうございます】←


タタッ、ガキンッ!

呪詛師エリザベート「呪い殺される覚悟は出来たようね子ジカ?そうでもしないとこっちも後味が悪くなるってものよ。」

呪詛師エリザベート「掛かってらっしゃいカルデア!貴方たちが何体サーヴァントを召喚しようとも、私の呪術で全て呪ってやるのだからね!」

【行くよエリちゃん!】
【必ず貴方をカルデアに連れて帰る!】←

マシュ「はい!マシュ・キリエライト、戦闘を開始します!」


シュタッ、ビュゥゥーン!
――――――――――――――――――――――――――
エリザベートとの喧嘩の事で彼女と謝ろうと決心している藤丸立香(女)とマシュたち。

ハロウィンを潰されたことを恨み、カルデアとそのマスターを呪い殺そうとしている呪詛師エリザベート・バートリー


今、お互いの信念を貫くために互いはアジトの外へと戦いを開始していくのであった。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/06(火) 23:13:46.04 ID:mScV0Vfj0
FATAL BATTLE 1/1


敵編成 

呪詛師エリザベート宿儺(クラス:バーサーカー)


バトル開始時:『■■呪法』【全攻撃クリティカルヒット化、宝具封印】
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/07(水) 08:26:38.86 ID:M5/kKPrT0
吉備真備のアジトの外:渋谷 クロスタワー付近


フゥゥン、ガキンッ!ガキンガキンガキンッ!

マシュ「ヤァァァァッ!」

呪詛師エリザベート「ハァァッ!」


ガキガキンッ、ジャキンッ!ガキンッ!ガキンッ!

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

マシュ「はぁ‥はぁ‥はぁ・・・」


呪詛師エリザベート「フンッ、貴方にしてはなかなかやるじゃないのマシュ・キリエライト。盾による攻撃、瞬時の防御と危機感知にその判断力‥」

呪詛師エリザベート「加えて子ジカと召喚した複数のサーヴァントとの連携、実に悪くない戦い方と思うわね。だけど・・・」

呪詛師エリザベート「私の使う特異の呪術には絶対に勝てる見込みなんてないわよ!」

マシュ「!。ハァァァァ〜〜〜!!」

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥!」

―――――――――――――――――――――
グワァァ〜ン・・・・


呪詛師エリザベート(■■■■)「(見える。貴方とあなたの持つその盾の線分を・・‥ここだ!)」

―――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「行くわよ!クリティカルヒッーート!」

マシュ「!。――防御体勢!」


ガキンッ、バシンッ!

マシュ「クッ‥、ですがこのかすり傷―――」


ギュゥゥン、ブチンッ!!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65e246d7.jpg


マシュ「――ガハッ!?」ブチンッ、バシュゥゥ〜〜!!

【マシュ!?】←


吉備真備、播磨局「!?」

呪詛師エリザベート「・・・フッ。」

口元の宿儺「ほぉ〜・・・」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/07(水) 22:05:25.14 ID:M5/kKPrT0
吉備真備「(あの術は対象の長さを線分した時に7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す『十劃呪法(とおかくじゅほう)』!?)」

吉備真備「(どういう事だ・・・あの術式はあっちの世界で術式の使用者が死んだ後、彼の持ってた武器が呪具として昇華されたと聞いてはいたのだが・・・」

吉備真備「(その術式が何故、あっちの世界とは関係ないサーヴァントの鮮血魔嬢(エリザベート)がその術式を・・・・まさかだと思うが・・・)」


マシュ「ガハッ・・・・ウゥゥ・・・・」

【マシュ、しっかりして!】
【いったい何が起こったの!?】←

マシュ「はい。確かに私は先ほど、エリザベートさんの攻撃を片方の腕にかすり傷程度で受けたのですが・・・・」

マシュ「まるでその片腕に急所があり、それを突かれたかのような感覚と激痛がして、今でもその痛みが残っているというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「何だって!?確かに腕の神経が切れてしまえば、その腕が使えなくなる恐れがあるからソコが急所と成り得るかもしれないが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だからってあのエリザベートの打撃をかすっただけで急所を突かれた程のダメージを負うなんて・・・‥」


呪詛師エリザベート「そうよ。それが私の得意としている術式の1つであり、文字通りに私は貴方にクリティカルヒットを当ててやったのよマシュ!」

呪詛師エリザベート「私の術式は宿儺とそれと違い、攻撃対象の弱点強制的に作り出して叩きつける能力なのよ。」

呪詛師エリザベート「7対3。対象の長さを線分した時にある比率の点を当てる事が出来れば、どのような攻撃も私にとってのクリティカルヒットに早変わり。」

呪詛師エリザベート「しかも線分する対象は全長やウイングスパンだけでなく、頭部や上腕・胴部や前腕などのパーツも対象であり、その他にも・・・」

呪詛師エリザベート「人間以外の生物や無機物にも対象にでき、同様に7対3の線分した部分に攻撃を当てれば、その全てが貴方たちにとっての弱点になるのよ。」

マシュたち「―――!?」

【何ですって!?】←


カドック(通信)「おいおい冗談だろ!?つまりあのエリザベートの呪いによる攻撃全てが、藤丸たちにとっての致命傷になりかねないと言うのか!?」

呪詛師エリザベート「ええそうよ。私の攻撃が線分した通りの攻撃であるならば、その貴方たちにぶつける全ての攻撃は貴方たちにとっての弱点となるのよ。」

呪詛師エリザベート「ただ、マシュ・キリエライトや子ジカに攻撃した際、急所を突いた時とは違う何かに触れた感覚を感じのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「貴方たち2人には呪いとは違う別の何かが貴方たちの背後に取り憑いているような気がするのだけど、そんなことはどうでも良いわ。」


【?】
【(いったい何を言っているんだ‥?)】←
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/07(水) 22:51:18.77 ID:M5/kKPrT0
呪詛師エリザベート「術式の開示は済んだわ。能力の底上げで、ここから続きで貴方たちを確実に呪い殺してやるわよ!」


シャキン、シュンッ!

【!?】
【避けるんだマシュ!?】←

マシュ「はい!ここは一旦、エリザベートさんから距離を―――」

呪詛師エリザベート「いいえ、もう遅いわ!」


シュパンッ!ギュゥゥン、ガキンッ!

マシュ「キャアァァッ!?」

呪詛師エリザベート「フフッ、クリティカルヒッ〜〜トッ!!」


バシッ!ギュゥゥン、ブチンッ!!

マシュ「ガフッ!?グゥゥゥ〜〜・・・」

呪詛師エリザベート「まだまだぁぁ〜〜!!」


シュゥゥ〜ン!ジャキジャキジャキン!ブチブチブチンッ!

マシュ「ガァァァァ〜〜!?」バシュバシュバシュッ!

――――――――――――――――――――――――――――――――
呪詛師エリザベートはカルデアのマスターを呪い殺す為、カルデアのマスターとマシュは呪詛師となったエリザベート・バートリーと和解する為・・・

それぞれの思考が相対し、壮絶な戦いとなっているカルデアのマスターとエリザベートとの熾烈な戦い。


しかしその戦いは呪詛師エリザベートの持つ強力な呪いの力(『十劃呪法(とおかくじゅほう)』)による強制的な弱点生成による攻撃の連続により、

それらを為す術なく受け続けたマシュは強制的に作り出された急所に当てられ続けた事で窮地に立たされてしまっていき・・・

それらの戦いを見守っていた吉備真備(■■■)は、自身が知るとある人物の術式が呪詛師エリザベートにも使えることに驚きを隠せず困惑しており、

カルデアのマスターと呪詛師エリザベートの戦いはだんだんとカルデアのマスターたちの劣勢になっていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
タッタッタッタッタッ・・・・・・


バーヴァン・シー「!?。おいおい何よ・・・目が覚めて来てみれば、マスターとマシュの奴かなりのリンチをくらっているじゃないか!」

バーヴァン・シー「おい、これはいったいどうなっているの!?なんであなたたちはそこで呑気に2人のリンチを見ているっていうのよ!」

播磨局「!。起きたかバーヴァン・シー。実はな・・・・」

吉備真備「・・・・藤丸・・・マシュ・・・」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/09(金) 23:17:06.69 ID:sZVUVGJ60
ズズズゥゥ〜、ドサッ・・・・


マシュ「ガフッ・・・・ウゥゥゥ・・・‥」

呪詛師エリザベート「たわいもないわ。私の呪いの前に手も足も出ずにズタボロになるとはねぇ〜?それでもカルデアのサーヴァントだと言うのかしらね?」

呪詛師エリザベート「私の術式で急所を突かれ続けられても、にここまで耐え抜いた事は褒めてあげるけど、それもここまでのようね・・・」

呪詛師エリザベート「さぁ・・・貴方を呪い殺した後、マスターを呪い殺して全て終わらせてあげるわよ!」

マシュ「クゥゥゥ・・・・」


【もうやめてエリちゃん!】
【マシュだけは呪い殺さないで!】←

呪詛師エリザベート「何よ!今さら命乞いをしても無駄よ。あの女は私のハロウィンの事を忘れろと言って、私のハロウィンの事をなかった事にしようとしてたのよ。」

呪詛師エリザベート「あの女は私のハロウィンを潰した1人であり、あの女も呪い殺すに他ならないわよ!」

ゴルドルフ(通信)「呪い殺すって・・・あんた、カルデアでマシュやシオンの2人に暴力を振るって怪我させたのを忘れたというのか!」

ゴルドルフ(通信)「マシュに至っては怒り散らかすあんたを止めようとしてたんだぞ!それをあんたというサーヴァントは!」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンを潰したのがカルデアであるならば、その関係者も同罪の報いを受けるべきよ!」

呪詛師エリザベート「私は私のハロウィンを潰した貴方たちカルデアを呪う。呪って呪って、貴方たちが死ぬまで呪い続ける!」

呪詛師エリザベート「それが今の私(アタシ)、呪詛師エリザベート・バートリーの呪いってやつよね!アッハハハハハハハハハハハ!!」

【・・・・・・・・・】←


【・・・・そんなに呪うのが楽しいの?】←

呪詛師エリザベート「・・・・は?」

【私とカルデアを呪い殺す事って、エリちゃんに取って、】←

【その潰されたハロウィンよりも楽しい事なの?】←

呪詛師エリザベート「――!?。い、いったい何を言っているのかしら・・・私が子ジカを呪い殺す事が、ハロウィンよりも楽しい事って・・・?」

呪詛師エリザベート「そんなの楽しいわけないじゃない!子ジカのせいで私のハロウィンとその予定を潰されて、こんな‥宿儺の呪いによって朽ち果てる思いをして・・・」

呪詛師エリザベート「子ジカが・・・マスターのせいでハロウィンを潰されたからその復讐として宿儺と一緒に貴方を呪い殺そうと・・・・」


【それってあなたの言い分けだと思うよエリちゃん】←

呪詛師エリザベート「――!?」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/12(月) 00:18:44.64 ID:UuFTpQoS0
マシュ「はい・・・エリザベートさんはいつもハロウィンの時期になると決まってマスターや他のサーヴァントたちをチェイテ微少特異点に招待する形で招き入れ、」

マシュ「自分勝手な部分もありますが、エリザベートさんはエリザベートさんらしく皆さんにハロウィンを楽しんでもらおうとしていました。」

マシュ「他のサーヴァントによる妨害や想定外の事態もありますが、エリザベートさんはマスターと共にハロウィンを楽しみながらその微少特異点の攻略を共にし、」

マシュ「マスターと共に微少特異点を攻略するエリザベートさんの姿はハロウィンの時期でならばの輝きでとても輝いていました‥」


マシュ「しかし今のエリザベートさんはとてもじゃないほどに私たちの知ってるエリザベートさんではありません。今年巡のハロウィンの予定がなくなってしまった事を理由に、」

マシュ「あれだけ親しく構ってくれていたマスターを予定がなくなった理由で恨み、宿儺と縛りを結んで呪い殺す事に全力を注ぐエリザベートさんのその姿‥」

マシュ「オルタのような別側面ゆえの凶行を思えましたが、エリザベートさんのその行動にはとてもじゃないほどに私たちはドン引きしているのです。」

呪詛師エリザベート「なによそれ!そんなの貴方たちが私と私のハロウィンを裏切ったからに決まっているじゃない!貴方たちが私よりも聖杯戦線なんかを優先させるから・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いや、確かにタイミングが悪かったとはいえ、君が一生懸命に準備していたハロウィンをあのような終わり方をさせたのは我々カルデアの責任といってもいい‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかしいくら微少といえど『特異点』は『特異点』・・・下手をすれば人理を崩壊しかねない事態を招く恐れがある事には変わらない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「人理が崩壊すれば君はおろか君の大好きなハロウィンだって永遠に出来なくなる可能性もあるのは、同じ抑止力の使いの英霊でもある君もまた、少しはわかる事のはず・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし予定が潰れてしまったハロウィンの仕返しの為にわざわざ人理を崩壊しかねない特異点に逃げこみ、そこで藤丸ちゃんを呪い殺す為に呪いの力を会得したとするならば、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それは君に宿儺の霊基を植え付けたあの僧衣姿のサーヴァントに協力しているとしか我々は君を疑っているに他ならないんだ。」

呪詛師エリザベート「!?・・・何ですって・・・・」


マシュたち「・・・・・・・・・・」ジィィ〜〜‥

吉備真備、播磨局「・・・・・・」

【・・・・・・・・・・】←

呪詛師エリザベート「ウッ・・・・・・」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/13(火) 00:02:42.98 ID:TTTwFdx50
口元の宿儺「クククククッ・・・良いように追い詰められているようだなエリザベート・バートリー?お前のその調子ではあのカルデアのマスターを呪い殺すことなど難しかろう‥」

口元の宿儺「なんなら俺と変わってあげてもいいんだぞ?俺ならここにいるヤツらを1人残らず残虐に殺してやってもいいのだが・・・」

呪詛師エリザベート「あなたの協力など要らないわよ宿儺。あなたは黙ってそこで大人しく見てなさい!」

口元の宿儺「へいへい・・・クフフフフフ・・・」


呪詛師エリザベート「貴方たち、私がそれくらいの正論でビビる相手だと思ったら大間違いよ!誰があんな僧侶の男に協力なんかするモノですか!」

呪詛師エリザベート「さっきも私が貴方たちに言ったように、カルデアも人類史も今の私にとって“クソ”であり、それに今の私には・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺と共にカルデアのマスター・・・つまり子ジカを呪い殺す“縛り”を結んでいる以上、私は子ジカ‥貴方を呪い殺さなきゃならないのよ!」

呪詛師エリザベート「私は子ジカが私の事を裏切ったせいでこんなクソのような思いをたくさんし、私の霊基も呪いによって消滅に至り、このままでは私も呪いによって殺される。」

呪詛師エリザベート「だからその前に子ジカを呪う。子ジカを呪い殺して私も貴方たちカルデアに潰されたハロウィンと共に死ぬ事が、私子ジカに対する呪いなのよ!」

呪詛師エリザベート「だから子ジカ、貴方は私と貴方たちによって忘れ去られたハロウィンと共に死になさいよ!!」

マシュたち「・・・・・・・・・」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん、今のエリザベートのあの様子では彼女の言っていることはハッタリでない。彼女は本気で君と呪い殺される覚悟を持っている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「君も相当ショックを受けているようだけど、我々には人理修正という大義名分がある。それだけは譲れない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん、ここは彼女を・・・エリザベート・バートリーを我々カルデアの脅威として・・・」


【わかった】←

【私がエリちゃんに呪い殺されればいいんだよね?】←

マシュ「―――!?」

呪詛師エリザベート「!?」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/17(土) 00:05:10.63 ID:AdrMFfs30
カドック(通信)「ちょっと待て!!お前それ本気で言ってるのか!?自分と契約したサーヴァントに呪い殺されるだぞ!」

マシュ「はい!マスター、こればかりは私もマスターのその言葉には異議を求めます!マスターがここで呪い殺されれば今までの事が全て無駄になります!」

マシュ「そうならないためにもマスター、ここはエリザベートさんの事は・・・・・・」


【大丈夫だよ】←
【エリちゃんの事を誰より知ってるからわかるの‥】

【エリちゃんに私を呪う事なんて出来ない】←

マシュ「!」


吉備真備「マスター。いくらエリザベートとは今までのハロウィンも含めた長い付き合いであるのはわかるのだが、いくらなんでも無謀が過ぎる!」

吉備真備「最悪の場合、マシュが言ってたように君はエリザベートの呪詛によって呪い殺され、僕たちはおろか君が守ろうとした汎人類史はいっかんの終わりなんだぞ!」

吉備真備「君はどうしてそこまで彼女にこだわる気なんだ?エリザベート・バートリーは裏切られた君の事を宿儺と組んでまで必死に呪おうとしているというのに、どうして・・・・」


【信じているからだよ】←

吉備真備「!。信じるって・・・あんた・・・」

【私はエリちゃんの事を信じている・・・】
【本当のエリちゃんはこんな誰かを呪う事なんてしたくないはず・・・】←

吉備真備「マスター・・・君ってやつは・・・」


呪詛師エリザベート「何よ・・・この呪詛師である私が子ジカの事を呪い殺せないって本気で思っているのかしら?」

呪詛師エリザベート「子ジカが死ねば私も一緒に人理も泡となって消える。それをわかってて子ジカは私に呪い殺されようとしているのかしら?」

呪詛師エリザベート「私は本気よ。私は貴方を本気で呪い殺すわ!貴方を殺して私も宿儺を解放して死ぬ・・・そうすれば私は私のハロウィンが報われるのよ・・・」


【そしてもう二度と、エリちゃんのハロウィンは行なわれないって事になる・・・】←

呪詛師エリザベート「――――!?」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/17(土) 23:37:07.88 ID:AdrMFfs30
理解できなかった。今にも本気でカルデアのマスターである子ジカが、この呪詛師となった私に呪い殺されるというのに・・・

それでもなお子ジカ(藤丸立香)は私(呪詛師エリザベート)が子ジカの事を呪い殺すことなど出来ないと言い、それを子ジカは信じていると言ってきた。


あの時、カルデアで私のハロウィンは終わったと酷い事を言って私の事を突き放したというのに、あの時の事を心から謝りたい一心でこの渋谷の特異点に乗り込んできた。

私の中に宿った宿儺や■■■■の呪術によってサーヴァント達がやられて、自身もまた、あの2人の呪術によって呪い殺されるというのに‥

子ジカは子ジカ自身の立場と今自身がおかれている状況を全てひっくるめ、私と私のハロウィンの事で全力全霊で謝ろうとしている・・・

一番悪いのは2023年のハロウィンの事でワガママになった自身であるにも関わらず、子ジカはこの事態を招いたのが子ジカ自身であるかのように、

子ジカは子ジカ自身が私によって呪い殺されようとも、それが私を許す事であるのだと信じて前に立っている・・・


そんな子ジカの事を、私は――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「――そ、そうよ!貴方が私に呪い殺されれば、私のハロウィンは完全に終わる、貴方が救いたかった人理と共に泡沫と終わる・・・」

呪詛師エリザベート「それをわかってて貴方は私に呪い殺されてもいいって言うの!?貴方は自分が死ねば私が貴方の事を許してくれると本気で思って―――」

【許されなくても構わない!】
【ただエリちゃんを傷つけてしまった私が悪かったの!】←

呪詛師エリザベート「!?」

【私だって、エリちゃんと普通にハロウィンを楽しみたかったから・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【だからもうみんなの事を巻き込まないで欲しい・・・】
【エリちゃんがハロウィンの事で呪っていいのは・・・】←

【この私だけで十分だから・・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」


呪詛師エリザベート「そう。じゃあ私も遠慮なく貴方の事を呪うわ。貴方が私に許しをこうのならば、死んで私に詫びなさい・・・」

【うん】
【エリちゃんがそう言うのならいいよ】←

【だってエリちゃんは私の召喚に応じてくれた―――】←

【私のサーヴァントだから・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・ええ、貴方の覚悟・・・・・・ちっともクソじゃなかったわ‥。」


ガシッ、ジュボォォォォ〜〜〜!!
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 00:01:13.42 ID:5RhJzU5K0
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベート・バートリーの両手に魔力が集中してる・・・まさか彼女は本気で藤丸ちゃんを・・・」

マシュ「!?。ダメ・・・ダメですマスター!いますぐにここから逃げて―――」

呪詛師エリザベート「いいえ、貴方はここで私の呪いで死ぬ・・・・私との最後のハロウィンと一緒にね!子ジカァァァァ〜〜〜〜!!」


ジュボォォォ〜〜!ビュゥゥゥ〜〜ン!



呪詛師エリザベート「喰らいなさい!クリティカルヒッーーート!!」

マシュ「マスターーーーーー!!」

吉備真備「マスター!?」

【――――――――――】←

呪詛師エリザベート「――――――――!!!」


フゥゥゥン!バシィィン!!

ギュゥゥン、ブチンッ!!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65e246d7.jpg



ダ・ヴィンチちゃんたち(通信側)「―――――――!?」

吉備真備、播磨局「―――――!?」

マシュ、バーヴァン・シー「――――――!?」



ブチンッ!バシュゥゥゥゥ〜〜〜!!

【・・・・・・・・・・】
【(そっと目を開ける)】←


バシュゥゥ〜〜・・・ポタポタポタァァ〜〜・・・‥

呪詛師エリザベート(左腕負傷)「・・・・・・・・・・」


【――――!?】
【(自分で自分の左腕を・・・・)】←
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 10:36:45.33 ID:5RhJzU5K0
マシュ「エリザベートさんの攻撃が・・・マスターに向けて振るった拳がエリザベートさんの左腕に・・・。これはいったいどういう・・・・」

口元の宿儺「おい!お前いったいなんのつもりだというのだ!せっかくお前が望んだことが目の前にあった。」

口元の宿儺「それをみすみす逃すかのように自分の腕にお前の呪術を向けるとは、お前は本気でカルデアのマスターを呪い殺す気など―――」

呪詛師エリザベート?「うるさい!いいわけないじゃない・・・私の呪いの力で子ジカが死んじゃうなんて・・・・いいわけないじゃない・・・」

呪詛師エリザベート?「だって私が子ジカの事を呪い殺しちゃったら、もう二度と・・・・もう二度と・・・‥」


ガタァァン、ドサッ・・・・・・

呪詛師エリザベート?→エリザベート・バートリー(呪詛師エリザベート)「子ジカのために歌を聞かせてあげられないじゃない!!」


マシュたち「!?」

吉備真備、播磨局「!?」

―――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターを呪い殺そうと自身の呪いの力を込めた拳の一撃を振るう呪詛師エリザベートとその攻撃を受けるはずだったカルデアのマスター

彼女(藤丸立香)は今回の事で深く心が傷ついたエリザベートに許してもらうため、呪詛師エリザベートに呪い殺される事を覚悟し、彼女自身を犠牲とし、

自身が呪い殺される覚悟で呪詛師エリザベートの呪いの一撃に対し、無抵抗でその攻撃を受け入れようとしていた・・・


しかし呪詛師エリザベートのその一撃がカルデアのマスターに向けて振るうことなく、呪詛師エリザベート自身の左腕にその一撃をくらっていき、

その攻撃によって呪詛師エリザベートの左腕に多量の血が流れるほどの負傷をし、そしてその彼女(呪詛師エリザベート)の顔には・・・

自分が行なおうとしていた事を後悔し、大粒の涙を流して泣いていた・・・カルデアのマスターたちがよく知るエリザベート・バートリーの表情があったのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――――

【(この調子のエリちゃんって、もしかして!)】
【エリちゃん!】←


エリザベート(呪詛師エリザベート)「!。子ジカ!なんで私(アタシ)の呪いの一撃を避けようとしなかったのよ!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「おかげで危うく私の手で貴方を殺すところだったのよ!ほんと貴方はどうかしているわよ!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「それに何よ貴方、なんで貴方がこの渋谷の街に来ているのよ!そんなに私がカルデアから家出したのがショックだったのかしら?」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「私とのハロウィンの予定を潰しておいて、今度はその事で謝罪がしたいって事なのかしら?それで私が許されるというのなら大間違いだよ!」

【まあまあちょっと待って!】
【コレには深い訳があって・・・・】←


マシュ「あの表情のエリザベートさん・・・やはり彼女はカルデアでのいつものエリザベートさんと同じのようなのですが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。こっちも彼女(エリザベート)の事で彼女の霊基を調べて見たところ、あれはまさしくカルデアのエリザベート・バートリーその者だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ただちょっとばかしこちらもかなりの思い違いをしていた部分があって、今のエリザベート・バートリーの霊基が‥その・・・」

マシュ「???」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:10:11.05 ID:5RhJzU5K0
口元の宿儺「おい・・・貴様はいったい何者だ?あの女はどうした?俺はあの女と縛りを結んでいたはずなどだが・・・」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「!?。――なによこれ!?私のほっぺたにさらに口が・・・なんかすっごく気持ち悪いんだけど!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「せっかくこのアイドルである私の美しい肌にこんな気持ち悪いのがついてるなんて、もう溜まったモンじゃないわ!」

口元の宿儺「なんだと!俺だって好きでお前とこのふざけた身体と共有するつもりなど1ミリも思っていない。お前の身体など不愉快極まりない!」

口元の宿儺「お前が俺を巻き込んで消滅するから、仕方がなくお前と縛りを結んでやったというのに、不敬極まりないぞエリザベート・バートリー!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「はぁ?縛り・・・いったいなんの事かしら?貴方のような口だけの奴と約束を結んだ覚えなどないわよ!」

吉備真備「!?」


吉備真備「(宿儺と結んだ縛りを覚えていないだと?さっきまでといい、マシュと戦っていた時とは大違いにエリザベートの人格がかなり変わっている・・・)」

吉備真備「(それにあのエリザベートを見てて安心したかのような藤丸ちゃんのあの様子から、おそらく今のエリザベートの様子がカルデアの知るエリザベートと見て間違いないようだな。)」

吉備真備「(いったいどういう事なんだコレは・・・?カルデアでの事情があったとはいえ、ハロウィンの事で闇落ち呪詛師化していたエリザベート・バートリーがこうも易々と・・・)」

吉備真備「(マスターの決死の呼びかけが聞いたのか‥或いはあのエリザベートが彼女を騙すためにあえていつものエリザベートの演技をしているのか・・・)」

吉備真備「(いや演技というのはあり得ない‥本来のカルデアにいるエリザベートであるならば、あそこまであの『十劃呪法(とおかくじゅほう)』を使いこなせる訳がない‥)」

吉備真備「(まさかだと思うが、あの呪詛師エリザベート宿儺の霊基には宿儺の他にも俺の世界に関する者が彼女の霊基に寄生して――――)」


エリザベート(呪詛師エリザベート)「とにかく私はこの口元にいる宿儺の事なんか知らないわよ!私が覚えているのはねぇ―――」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「―――――!?」

【どうしたのエリちゃん?】←

エリザベート(呪詛師エリザベート)「い、いやなによ・・・なんだか・・・身体がねじ曲がるような感じがして・・・」



ジジジ、ジジジジィィィィ〜〜!


エリザベート(呪詛師エリザベート)「い、いやぁぁぁ〜〜痛い痛い痛い痛い、イタイィィィ〜〜〜!?」

【エリちゃん!?】←

ぐぎゅぐぎゅっ、ズズズゥゥゥ〜〜〜!!


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「な、なんだこれは!?エリザベートの霊基が何らかの力によって引っ張られて霊基が変質しだしてる!?これはいったい・・・」

マシュ「いや、いまはそれよりもエリザベートさんが!?」


エリザベート(呪詛師エリザベート)「あぁぁ、アァァァ〜〜〜!?嫌だよ・・・子ジカ・・・子ジカぁぁぁ〜〜!!」

【エリちゃん!!クゥゥ・・・・】
【令呪を持って命じ――――】←
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 23:07:43.43 ID:5RhJzU5K0
バシッ、ジュゴォォォォォ〜〜〜!!

【!?】←

マシュたち「!?」


ジュゴォォ〜〜!ズズズゥゥ〜〜・・・

エリザベート(呪詛師エリザベート)→呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」カチャッ・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――
何らかの形でいつものエリザベートの人格に戻ったエリザベートは、彼女自身の口元で困惑している宿儺に喧嘩腰で言いあいになっていたのだが、

その直後に突如、エリザベートの身体が何らかの渦のようにねじ曲がっていき、エリザベートはそれによる激痛で苦しみながらカルデアのマスターに助けを求めるように叫んでいたのだが・・・


その直後にエリザベートの右手が自身の胴体に触れ、そこから何かの力が注がれていくようにエリザベート・バートリーの身体を何かの力によるオーラが包んでいき、

そのオーラと共にエリザベート・バートリーの姿が元に戻っていき、そして彼女は先ほどの独特な眼鏡を自身の顔に付け直していき・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート(■■■■)「危なかった・・・あと少し領域展延が遅れていれば、私(アタシ)もあの者の術式に取り込まれるところだったわ・・・」

呪詛師エリザベート「全く・・・カルデアのマスターに裏切られたというのにまさかマスターを守るために無理やり私の術式を自分自身に当てるなんてね・・・。」

口元の宿儺「何?お前、いったい何を言って・・・‥」

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・・・・‥」


タッタッタッタッタッタッ・・・‥

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」

【エ、エリちゃん・・・?】
【これはいったいどういう・・・・】←


呪詛師エリザベート「カルデアのマスター:藤丸立香。先ほどは私の嘘で騙してしまい、真に申し訳ありません。心から謝罪させてもらうわ。」ペコリッ!

【あ、はぁ・・はい・・・】
【(なんか敬語で喋っているンですけど・・・)】←

マシュ「エリザベートさん、いま貴方が仰られている意味がとても理解に追いつけていかないと言いますが・・・」

呪詛師エリザベート「ええ。先ほどこの私が貴方たちに対して、私と宿儺と協力して子ジカと貴方たちカルデアを呪い殺す‥そのような縛りを宿儺と結んだと発言はしていましたが――」



呪詛師エリザベート「――あれは『嘘』よ!」ドドンッ!

マシュたち「―――!?」

吉備真備、播磨局、口元の宿儺「――!?」


【―――はぁ?】←
【―――なんて?】
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 23:06:26.81 ID:1fcEptan0
口元の宿儺「はぁ!?俺との“縛り”が『嘘』だと!?貴様、自分がいま言っている事をわかって言ってるのか?貴様は今、貴様にとって重大な過ちを犯した!」

口元の宿儺「貴様は貴様のこのサーヴァントの身体が俺の指を取り込んだ事による呪いで英霊の座にも帰れず消滅し、その消滅はこの身体に縛られている俺も同様であると‥」

口元の宿儺「それを防ぐ為に俺との間に“俺が完全なるサーヴァントとして現界させる代わりに、カルデアのマスター:藤丸立香を呪い殺す”という“縛り”を設けた。」

口元の宿儺「それにより同じく各一定時間、交代交代で自由に行動する“縛り”も含め、俺と貴様はカルデアのマスターを呪い殺すために今日ここまで共に行動してきた。」

口元の宿儺「そのカルデアのマスターを呪い殺す“縛り”が嘘だと?貴様、俺がこのまま貴様と消滅する事をヨシとしないの良いことに俺を騙しやがったのか!!」

呪詛師エリザベート「ええ。しょうじき危険な賭けだったけど、そうでもしない限り、貴方は私に協力しないと思ってたからね。その嘘に乗ってくれた貴方もバカだったけどね?」

口元の宿儺「チィィ・・・だが貴様もわかっているはずだ!嘘であれど縛りを破れば、俺も貴様の霊基は呪いによってタダでは・・・」


シオン(通信)「その事なのですけど、あなた方『呪詛師エリザベート宿儺』がこちらの近くにいる事であなた方の霊基をこちらで分析してみたところ・・・」

シオン(通信)「こちらで保管されているエリザベート・バートリーの霊基も含め、あなた方の霊基がその呪いとかの影響を受けておらず、むしろ健康と言ってもいいほどに霊基が確立してまして・・・」

シオン(通信)「あなた方が飲み込んだという宿儺の指は気になりますが・・・今の所、あなた方の霊基がその宿儺の指による呪いによる霊基消滅は起こってはおらず、」

シオン(通信)「その藤丸氏を呪い殺す“縛り”を結んでいなくてもあなた方が呪いによって霊基が消滅する事など、まずナイナイというか・・・」


マシュたち「・・・・・・・・・」

口元の宿儺「・・・・・・」ポカーン・・・

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【つまりそれって・・・・】
【エリちゃんが宿儺を騙していたって事・・・?】←


呪詛師エリザベート「ええ・・・正確には宿儺とはちゃんとした縛りによる契約の元、カルデアのマスターである藤丸立香を私と宿儺と協力し、貴方を呪い殺す事が出来れば、」

呪詛師エリザベート「両面宿儺を完全な自立サーヴァントとして、私を触媒に英霊召喚をするという縛りを結んでいたのですが・・・・」

呪詛師エリザベート「“私(エリザベート・バートリー)が貴方(藤丸立香)を呪い殺す事を望んでいない場合、その縛りは破棄される”という条件で宿儺との“縛り”を結びました。」

呪詛師エリザベート「そしてその“縛り”は紛れもなく、貴方に私(呪詛師エリザベート)の呪術を込めた拳の一撃を・・・彼女(エリザベート・バートリー)はそれを止めました。」

呪詛師エリザベート「そして貴方を呪い殺すという“縛り”もまた、彼女(エリザベート・バートリー)がそれを望んでいない事で“縛り”自体がなかった事になったのです。」

口元の宿儺「!?」


【エリちゃんがそれを望んでいないって・・・・】←
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/20(火) 00:10:59.97 ID:YOsIeos80
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そう・・・我々は『エリザベート宿儺』に対して1つ思い違いをしていた。今のエリザベートにはマスターちの獄門疆に封印したあの僧侶の姿の男の手引きにより、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベート自身が口にした両面宿儺の指15本分とそれによって発生した呪いを触媒に両面宿儺を召喚させようとしていた・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし召喚の際に何らかの不具合があり、両面宿儺はエリザベート・バートリーの霊基と共生する形で現界することになり、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「“両面宿儺としてのエリザベート”の側面と“呪詛師としてのエリザベート”の側面が時間交代で表に出ていると思われていた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし先ほど藤丸ちゃんを呪い殺そうとした彼女の攻撃を自身の左腕に当てて止めたのが我々の知る“エリザベート・バートリー”であった事でそれが間違いであったと確信がついた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「今、エリザベート・バートリーには元の人格である“エリザベート・バートリー”の他に、2つの異なる霊基が共生する形で現界を保っており、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その異なる霊基を2つこそが・・・・」


呪詛師エリザベート(■■■■)「・・・・・・・・・‥」

口元の宿儺「・・・・・・・・・」

【両面宿儺と・・・・】
【自身を呪詛師と呼ぶエリちゃんって事?】←


呪詛師エリザベート「ええそうよ。エリザベート・バートリーが宿儺の指を飲み込み、両面宿儺が召喚される触媒にされていたところをこの呪詛師の私が乱入することで、」

呪詛師エリザベート「宿儺の召喚によって消滅する本体のエリザベートの霊基をこちらの術式で留め、宿儺をこのサーヴァントの身体に繋ぎ止める形で私たちは現界しました。」

呪詛師エリザベート「そして触媒にされた影響で衰弱していた彼女(エリザベート・バートリー)の霊基をこの私の持つ反転術式によって少しずつ治療をしていき、」

呪詛師エリザベート「私は彼女の名を借りる事で宿儺と縛りを結びつつ、貴方たちカルデアとそのマスターを呪い殺す事を前提に貴方たちの前に立ち塞がりました。」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアが彼女(エリザベート・バートリー)の事を裏切り、その心を傷つけたクソ野郎であるのかないかを見定める為に・・・」


【(つまりそれって・・・・)】
【(エリちゃんの事を守っていたって事?)】←
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/22(木) 00:14:23.38 ID:gvyuvNuv0
吉備真備「(成る程そういうことか・・・。今のエリザベートの霊基にはオリジナルのエリザベート・バートリーと両面宿儺、それと呪詛師エリザベートと自称するもう一基のサーヴァントの3騎‥)」

吉備真備「(その3騎の霊基が1つのサーヴァントの身体を共有し、宿儺の霊基と呪詛師の霊基の2騎が表で交代ずつ行動しつつも、呪詛師エリザベートに至っては・・・)」

吉備真備「(宿儺の召喚の際に触媒にされ、霊基が衰弱していたオリジナルのエリザベートを裏で反転術式を使って修復を行なっていたとはなぁ・・・)」

吉備真備「(要は3つの魂に1つのサーヴァントの身体を宿した『サーヴァント版突然変異呪骸』って奴かな?まあ“アイツ”と比べるとしても何かしらの差があるというか・・・)」

――――――――――――――――――――――――――
吉備真備(■■■)の思うアイツ
https://collabo-cafe.com/wp-content/uploads/ae796aa452dbafd3d39066121e4a80ac.jpg
――――――――――――――――――――――――――
吉備真備「(にしてもあの呪詛師エリザベートと名乗るあの霊基・・・まさか反転術式も使える程の実力はあるとは驚きだったのだが・・・)」

吉備真備「(『反転術式』といい『十劃呪法』といい、いったいあのエリザベート・バートリーに取り憑いている呪詛師と名乗るエリザベートとはいったい・・・)」

吉備真備「(本来、呪詛師は呪術を持って人に仇なす者らとして存在しているはずなのに、あの呪詛師を自称するエリザベートの魂は遠回りながらもそれらの真逆の行いをしている・・・)」

吉備真備「(もしかしては思うが、お前はどうしてそのエリザベートの姿を間借りし、自身を呪詛師のエリザベートと名乗っているというのか・・・。)」

播磨局「・・・・・・・・・・・・・」


吉備真備「――成る程。つまりアンタはエリザベート・バートリーを生贄に両面宿儺を召喚させる儀式にあんた自身が割り込んで憑依することで、」

吉備真備「元人格のエリザベート・バートリーの消滅を防ぎ、アンタと宿儺の霊基をそのエリザベート・バートリーの身体に結び留めることで元人格のエリザベートの消滅を阻止した。」

吉備真備「そして衰弱したエリザベート・バートリーの霊基を修復しつつ、彼女の目が覚ますまでアンタは自身の事を呪詛師エリザベートと名乗り、」

吉備真備「ありもしない呪いでエリザベートの身体に魂が結びつけられた状態の宿儺を巻き添えに消滅する‥それを阻止するには自身と縛りを結んで手を組もうとする事で宿儺を欺き、」

吉備真備「あんたは衰弱してて目覚めないオリジナルのエリザベートの代わり、カルデアのマスターとそのサーヴァントに襲いかかった。」

吉備真備「それは宿儺の事を完全な形で召喚させようとしていた僧侶みたいな男を欺くことも含まれているということなのかな?」


口元の宿儺「・・・・・・・・・」

呪詛師エリザベート「・・・そうよ。」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/22(木) 23:23:43.42 ID:gvyuvNuv0
呪詛師エリザベート「確かに私は貴方たちが特異点に来る前、抑止力の養成の元にこの渋谷の特異点に現界したサーヴァントなのですが‥」

呪詛師エリザベート「貴方たちのようなサーヴァントとは違い、私は単独でサーヴァントとしての身体を作る事が出来ず、たまたま近くにその僧侶の男ともう1人・・・」

呪詛師エリザベート「いま私のこの身体の元となっているエリザベート・バートリーとその彼女を触媒に現界されようとしていた両面宿儺を目撃しまして・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺を完全な形で召喚させれば私の勝機はないと確信し、一か八かではありますが、私はその召喚に割り込む形でエリザベート・バートリーに憑依し、今の姿になりました。」

呪詛師エリザベート「そして宿儺とは先ほど貴方の言うありもしない呪いで消滅するというハッタリに乗せることでうまく宿儺と“縛り”を結んで利用し、」

呪詛師エリザベート「僧侶の男とは貴方たちカルデアの勢力を削る形で利用させられる裏で、私はその自身の活動時間内でこの特異点の全てを調べていきました。」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「成る程・・・つまり君は抑止力によって召喚されるも君自体は通常の英霊のランク下である『幻霊』であって、それ故に君はサーヴァントとしての身体を得る為に、

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「宿儺の召喚の触媒として消えそうになっていた彼女(エリザベート・バートリー)に憑依する事で宿儺を完全なる召喚を妨げ、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベートの霊基に君と宿儺の霊基を結びつけることで君はサーヴァントと化し、上記の時間の“縛り”という限られた時間の中で独自で特異点の調査をしていたと。」

呪詛師エリザベート「ええそうよ。彼女に憑依した事によって口調が憑依した彼女と同じようになりましたが、人格と性格は元の私と変わっていないわ。」

呪詛師エリザベート「特異点の独自調査もそうよ。宿儺には彼の活動時間内は好きに暴れてもらっている中で、私の活動時間内ではこっちで特異点の調査をしていた。」


呪詛師エリザベート「貴方たちの事もそうです。彼女(エリザベート・バートリー)に憑依した事により、彼女の記録から貴方たちカルデアの事を知りました。」

呪詛師エリザベート「私はその記録から貴方たちが彼女とハロウィンの事で喧嘩となり、その喧嘩が元で彼女が僧侶の男に唆され、この渋谷の特異点の事件に巻き込まれた。」

呪詛師エリザベート「つまり私と宿儺がこの渋谷の特異点の発端の半分は貴方たちカルデアのせいであり、彼女を危険にさらした事もまた、貴方たちの責任でもあるのよ。」

マシュたち「・・・・・・・・・‥」

【確かにそれは本当に悪かったと思ってる。けど・・・・】←

【エリちゃんに謝りたい気持ちはこちらもあるのも確かだよ】←

呪詛師エリザベート「ええ・・・それについては先ほどの戦いにおいて子ジカが彼女への行いに対しての責任感と罪悪感を感じたわ。」

呪詛師エリザベート「自身の身を危険にさらしてまでも、彼女の心を傷つけた責任から逃げずに向き合い、彼女の許しを貰うために行動をした。」

呪詛師エリザベート「子ジカのその行動が衰弱していたエリザベート・バートリーの心を目覚めさせ、私のあの一撃から貴方を守った事に他ならないわ。」

呪詛師エリザベート「もし子ジカが彼女に謝る事などなければ、私は本気で子ジカの事を呪い殺すつもりで戦っていたわよ。」

【エリちゃん・・・・】←


呪詛師エリザベート「ですが子ジカがそれでそうであった方が私はそれで楽でしたけどね!」ドドンッ!

【ウゥ・・・・】
【(本気で呪い殺す気だったんだ・・・)】←

マシュ「・・・・・・・(反省)」シュン・・・
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/23(金) 22:58:16.71 ID:BoT0bB400
口元の宿儺「チィィ・・・俺に貴様との縛りを結ばせ、まんまと貴様に良いように利用されたと言う訳か。まんまと乗せられたとはいえ、とても頭の効く術士の幻霊なことだ。」

口元の宿儺「おそらく貴様との縛りを完遂したとしても、俺はこのエリザベート・バートリーという女を触媒に俺の完全な姿での現界は不可能と見て間違いないようだな・・・」

呪詛師エリザベート「そうね。それに例え、両面宿儺が完全な形で召喚されたとしても、その両面宿儺は“こちら側の宿儺”の宿儺であって、“貴方のような宿儺”ではないわ。」

呪詛師エリザベート「それこそあの僧侶の男が望んでいた宿儺であり、貴方のような宿儺は私と同じ幻霊でしかないわよ?」

口元の宿儺「・・・・・・・・・・」

【(こちら側の宿儺?)】
【(いったいあの人たちは何を言って・・・)】←


口元の宿儺「ハァ・・・。して、貴様はこれからどうするつもりだ?さんざん俺を貴様との縛りで利用してきた以上、貴様は俺にどう落とし前をつけるつもりなのだ?」

口元の宿儺「カルデアのマスターを呪い殺す『縛り』がなくなった以上、俺をこのまま放置するつもりだというのか?」

呪詛師エリザベート「いいえ。先ほど、このエリザベート・バートリーの身体が何かによってねじ曲がるような感覚を感じたはずだよね?」

呪詛師エリザベート「あれはおそらくこの渋谷を覆う奴の領域が元人格のエリザベートに反応し、エリザベートを奴の術式で押しつぶそうとしていた。」

呪詛師エリザベート「元人格のエリザベートが出たことで領域への耐性が弱まり、私たちごと奴の術式によって取り込まれようとしていたのよ。」

【奴の領域・・・?】←
【それってこの渋谷特異点を覆っている呪いって事?】←


呪詛師エリザベート「そう。今この渋谷の特異点を覆っている呪いは全て奴の術式領域によるモノであり、呪霊サーヴァントのまた、奴の術式の1つといってもいいわ。」

呪詛師エリザベート「奴の術式領域はサーヴァントにとって致死相当のな毒であり、それを浴びれば即座にそのサーヴァントは消滅に至ってしまう。」

呪詛師エリザベート「この呪詛師の私やそこの吉備真備のような呪いに詳しい者の術式への処置を施すか、或いはその呪いに耐性のあるサーヴァントがいるかどうかね・・・」

マシュ「耐性のあるサーヴァント・・・吉備真備さんや播磨局さん、それと私たちと同行していたバーヴァン・シーさんや望月千代女さんがそれに相当していると?」

呪詛師エリザベート「ええ。そしてこの術式領域は一種の領域展開であり、その性質は宿儺と同じ閉じない領域と同じと言っても過言はない。」

呪詛師エリザベート「そしてこの術式領域を展開している術者は奴ただ1人、貴方たちも一度は顔を合せているはずだよね?」


【!】
【まさかその術者って・・・】←
――――――――――――――――――――――
渋谷特異点の呪い(領域展開)した奴1人
https://img2.animatetimes.com/2021/10/6163987967ec2_d83813ad1b469f3dddc5160415162bfd.jpg
――――――――――――――――――――――

【私を獄門疆に封印した・・・】
【あの僧衣姿の男性・・・】←
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/25(日) 20:07:10.65 ID:6oskV9qH0
カドック(通信)「成る程。つまりその僧侶の男こそがこの大規模特異点と化した渋谷の特異点の黒幕であり、この渋谷に展開されたという“閉じない術式領域”もまた、その男の仕業だと?」

カドック(通信)「だとすればあの時の呪霊サーヴァントの数の多さはあの男の能力によるモノだったと見て間違いはないみたいだな。」

シオン(通信)「ええ・・・聖杯の欠片となる聖杯の雫から獄門疆を生み出し、それを使っての藤丸氏の封印・・・欠片とはいえど、あそこまで使いこなす事が出来るとは・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。だがそれでもその獄門疆に封印された藤丸ちゃんを解放させ、この特異点を修正させるにはその僧衣姿の男性との戦いは避けられないのは確実だね。」

呪詛師エリザベート「ええそうね。アイツとは私や宿儺も含め、エリザベート・バートリーが復活させようとしたハロウィンの邪魔をし、特異点さえも乗っ取った落とし前をつける必要があるわ。」

呪詛師エリザベート「ですが先ほど貴方たちが戦ってたようにあのままではあの僧侶の男にオチであるのは確かであり、こっちもあの僧侶の男に落とし前をつけたいのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺の術式領域があそこまで弱体化しては私の術式だけでは勝てないと判断したわ。故に―――」


呪詛師エリザベート「カルデアのマスター・藤丸立香。貴方とは条件付きであれば、貴方とは仮契約を結んであげてもいいわよ。」

【!】←


マシュ「それってあの僧侶男性の打倒の為に、条件付きであれば我々カルデアと共闘する形で力を貸してあげるということでしょうか?」

マシュ「もしそうだとすれば、その条件をマスターが飲めば貴方たちはマスターと仮契約を結んでくれると・・・」

呪詛師エリザベート「そう言って結構よ。私と仮契約を結べば、私の他に宿儺や元人格のエリザベート・バートリーとも仮契約を結ぶって事になるからね。」

呪詛師エリザベート「ただしさっきも言ったように私と仮契約を結ぶにはまず私が出す条件をのめばの話であり、のまなければ私は貴方たちと仮契約など結びはしないわ。」

呪詛師エリザベート「とはいっても、貴方たちカルデアがこの元人格のエリザベート・バートリーに用がある以上、条件付きであろうと私と仮契約を結ばなきゃならない理由があるのでしょ?」

【うん】
【エリちゃんをカルデアに連れ戻す為だからね】←

【それで、その条件というのは・・・?】←


呪詛師エリザベート「藤丸立香、貴方は己自身の罪の過ちを悔い改め、元人格のエリザベート・バートリーと和解する為なら命を賭ける覚悟がある事を先ほどの戦いでそれらを証明しました。」

呪詛師エリザベート「貴方のその覚悟の思いによって元人格のエリザベートが蘇り、貴方の事を助けた事に他はないと思いますが、」

呪詛師エリザベート「しかしそれでも、そのエリザベート・バートリー本人が貴方たちカルデアを許した訳ではありません。微かではありますが、いま私の中にいる元人格のエリザベートの霊基から、」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアに対する怒りの感情が立ち込めている事から、元人格の彼女は未だにハロウィンのことで怒っていると・・・」

呪詛師エリザベート「ですからこの渋谷の特異点の解決が済んだ後、藤丸立香を含む全カルデアの関係者総出で元人格のエリザベートに対して深い謝罪と損害賠償を支払ってもらいます。」

呪詛師エリザベート「元はといえば、これら全ては貴方たちが元人格のエリザベートとのハロウィンの予定を否定し、彼女の心を深く傷つけた貴方たちカルデアの『咎』であり、」

呪詛師エリザベート「貴方が元人格のエリザベートに対してあげられる罪滅ぼしが貴方たちに出来る唯一の懺悔となる・・・それだけはわかるよね?」


【わかった。それで良いよ】
【皆もそれで良いよね?】←
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/25(日) 23:31:03.02 ID:6oskV9qH0
ゴルドルフ(通信)「まあ確かに・・・元はといえば、あの鮮血魔嬢がハロウィンの事で彼女の癇癪のままに我々に対して怒りちらしていたのだが・・・」

ゴルドルフ(通信)「事はどうであれ、我々カルデア内での揉め事がここまで大きくなるとは思っていなかったし、しかもそれらが原因でここまで大規模な特異点になるとは・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・こちらの諸事情でチェイテ特異点を彼女(エリザベート)の無許可での修正かつ彼女への配慮不足とそれによる暴走を止める事が出来なかった・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「故に最初の頃に会った吉備真備や呪詛師側面のエリザベートの言う通り、この渋谷特異点の被害を拡大させたのは他でもなく我々『カルデア』の監督不行届が原因だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「もしこれらの特異点修正が我々『カルデア』への贖罪且つ刑罰であるならば、我々はその罰を快く受け入れよう。」

マシュ「はい。私たちがエリザベートさんに対しての配慮が足りなかったせいでこのよう特異点が発生したとすれば、それは私たちがやらかしてしまった事のしての罰として受け入れるしかありません。」

マシュ「ですからもしそれらが全て許される事が今回の特異点修正であるのならば、私たちは全力全霊を持ってやり遂げるしかありませんね、先輩。」

【うん】
【要は『オーディール・コール』のエリザベート版だよね】←


口元の宿儺「おい貴様ら。貴様らは本当にこの女の事を信用する気なのか?この女は俺らが呪いのよって消滅すると偽り、俺と協力させる為の“縛り”を結ばせた嘘つきだぞ!」

口元の宿儺「そのような呪詛師の女を信用すれば、いずれにしてもこの女は貴様らを裏切る。その女を信用したところで貴様らの罪が許されることなど・・・」

吉備真備「それ、術式の必中効果が得られないから術式の開示で恰も必中効果を得ているとハッタリをかましたお前が言える立場じゃねえだろアンタは!」

吉備真備「君たちの事については僕も1ミリも逃さず君たちを監視するさ。さっきまでこちらの敵だった君たちと仮契約を結ぶからね。」

吉備真備「なんなら僕と君たちでマスターが元人格のエリザベートが心からカルデア全員に謝罪するまでマスターに手出しをしない“縛り”を結んでも構わないよ。僕は結ぶ気満々だけどね?」

呪詛師エリザベート「結構よ。貴方たちと“縛り”を結ぶのはロクな事はないし、“縛り”なんてこっちはもう間に合っていますので。」

呪詛師エリザベート「カルデアのマスターとの仮契約はあくまで元人格のエリザベートに許しを請うまでのいわば“執行猶予”・・・子ジカたちに私が与えた懺悔の猶予と言ってもいいわ。」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアはこの特異点解決を元に貴方たちが元人格のエリザベート・バートリーにしでかした事への反省とその結果をこの行動で示しなさいって事よ。」

【確かにそうだね】←


【私たちはエリちゃんにとても酷い事をした】←
【エリちゃんの思いを棚上げにしてその心を踏みにじってしまった・・・】

マシュ「はい。我々カルデアはエリザベートさんの気持ちも考える暇もなく、特異点の重大さを言い分けにエリザベートさんの『ハロウィン』への思いを『昼と夜の聖杯戦線』という形で踏みにじりました。」

マシュ「理由がどうであれ、この行いは我々カルデアがしでかした大きな過ちとして残り、その過ちの代償が今回の特異点として返ってきたとすれば・・・」

マシュ「我々カルデアはそれをオーディール・コールと同じ扱いとして心から向き合い、それがエリザベートさんに許される行為であるならば・・・」


呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・・」

【必ず私は皆と一緒にエリちゃんに心から謝りにいくよ!】←

【だからもう少しだけ待っててね・・・エリザベート・バートリー。】←
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/26(月) 00:11:50.78 ID:quXy2kul0
呪詛師エリザベート「貴方たちが元人格のエリザベート・バートリーに対して心からの謝罪を行なおうとする気持ちはよくわかりました。」

呪詛師エリザベート「ですがそれは元人格のエリザベートに対してのことであり、呪詛師の私には貴方たちに対して何も感じる事などありません。」


呪詛師エリザベート「ぶっちゃけ言うと、私は貴方たちの事などどうでもいいから!」ドドンッ!バィィィ〜〜ン!

【は、はいわかりました!】←

吉備真備「・・・・フッ・・・。」

―――――――――――――――――――――――――――――
呪詛師『エリザベート宿儺』と化したエリザベート・バートリーはカルデアのマスターを呪い殺す為に、カルデアのマスターはエリザベート・バートリーと和解する為に、

それぞれの想いと憎悪が交差する中で互いの存亡をかけたカルデアのマスターとエリザベート宿儺の戦いは熾烈を極めていき・・・

その最後は彼女(呪詛師エリザベート)の中で眠りについていた本物のエリザベート・バートリーの心を呼び覚ました事でその戦いは終わりを告げた。


そして彼女たちはこの渋谷の特異点の黒幕がチェイテ渋谷神社城の地下で会った僧衣姿の男性であると確信を持ち、事態の解決の為の一環として、

呪詛師エリザベートはカルデアのマスターたちに執行猶予を含めた条件付きの仮契約を申しつけ、カルデアのマスターはそれを受理する形で彼女と仮契約を結ぶのであった。


かくしてカルデアのマスターたちが本物のエリザベート・バートリーに心からの謝罪と損害賠償を支払う条件の下にエリザベート・バートリー(エリザベート宿儺)と仮契約を交わし、

渋谷特異点の解決するという執行猶予を与えられたカルデアのマスターは本物のエリザベート・バートリーに必ず謝罪をすると進言をするのであった。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/26(月) 22:33:11.91 ID:quXy2kul0
オマケ:『呪詛師エリザベート宿儺』の仮加入


エリザベート宿儺(両面宿儺)「言っておくがこれは仮そめの契約であり、俺は貴様をマスターとは認めておらん。」

エリザベート宿儺(両面宿儺)「しかし事情がどうであれ、貴様とサーヴァントとしての契約をした以上、俺は貴様の指示に従おう。」

エリザベート宿儺(両面宿儺)「まあ、せいぜい俺の術式の巻き添えを食らって死ぬんじゃないぞマスター・・・?」

――――――――――――――――――――――――
星4バーサーカー:呪詛師エリザベート宿儺、イベント内での注意点


エリザベート宿儺(元人格のエリザベート・バートリー)はマスターがハロウィンの予定を潰した事に対してとても怒っているようだ。

それ故に仮契約しているエリザベート宿儺はマスターとの絆レベルが上がらない他、バトル中での宝具発動もしてくれない。

ストーリーを進めて彼女(エリザベート宿儺)との信頼を取り戻し、彼女と仲直りをしよう。
――――――――――――――――――――――――
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/26(月) 23:55:43.74 ID:quXy2kul0
第11廻戦:否定するは白天の城、黒夜の城
――――――――――――――――――――――――
エリザベート宿儺(両面宿儺)の記憶:ある時代にて・・・


生前の両面宿儺「クッハハハハハハハハ!!」

ある1人の呪詛師(裏梅)「・・・・・・・・・‥」


千年前――呪術全盛の時代のあの頃、俺はその時代に生きる全ての人間たちから恐れられる呪いの王として君臨していた。

弱者を一方的に痛めつけ殺す事を快楽とし、その人間の肉を喰らう事を自身の喜びとしてその時代の人生を謳歌してきた。

それ故にこの俺を倒そうと当時の呪術師たちが数多く俺に挑み、俺はそいつらを死という結末で返り討ちにしてきた。

誰も俺を祓う事など出来なかった。誰も俺を殺す事など出来もしなかった。故に俺は俺で好きなように生きてきた。


誰も俺の『自由』を止める事など出来なかった。あの時まではな・・・‥
――――――――――――――――――――――――――――――
エリザベート宿儺(両面宿儺)の記憶:とある時代、とある高校の校舎にて・・・・


ガシュッ、バシュゥゥン!!

宿儺(虎杖悠仁)「フッフッフッフッフ…アハハハハハッ!アハハハハッ!あぁ!やはり光は生で感じるに限るなぁ!」

宿儺「いい時代になったものだなぁ。女も子どもも蛆のように湧いている。素晴らしい!鏖殺だ!」


そんな俺であれど、必ず訪れる『死』という名の呪いに屈服した。『生きる』うえで『死』は必ず起きるものだ。

俺が平安の余で死んだ後、骸と化した俺の指20本は特級呪物として残り、その時代に生きる呪術師たちによって良いように利用されてきた。

俺の死後、当時の呪術師共はその20本の指を消滅させることなど出来ず、それらを封印し散逸させることで俺の力を利用しようと考えていたのだろう‥

自身の骸の一部が呪物と化しても尚、器となる者に呪物を喰わせる事で俺はそれを糧に受肉し、俺は現世に蘇る術を自身にかけていた。

受肉してしまえばあとは俺の自由・・・器となった者の意思など俺の魂の前にはひれ伏すに超したことはない。そう思っていたはずだった・・・


ガシッ!

宿儺(虎杖悠仁)「あぁ?」


虎杖悠仁(宿儺)「人の身体で何してんだよ。返せ。」

宿儺「・・・・?。お前、なんで動ける?」

虎杖悠仁「いや俺の身体だし・・・」


宿儺「(どういう事だ・・・抑え込まれる・・・・)」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/27(火) 23:57:32.46 ID:0hKkLHBq0
呪物として自身の魂を分ける事で次の時代で生きる事が出来た俺は、呪物である俺の指を喰らい、そいつを俺の依り代として復活を遂げたはずだった・・・。

しかし俺が呪物から受肉して蘇る際に器とした少年が俺をその身体に閉じ込め、尚且つその自我を失う事のない・・・ある意味、俺を束縛する為の『器』としての適性がその少年にはあった。


虎杖悠仁―――あの小僧の『器』としての圧倒的な適性に俺は初めて不自由で不快な気持ちとなった。そいつをとても疎ましいと思った。

俺の指一本分だったとはいえ、俺がこの世にこのような屈辱を受けたのは初めてだった。まさかこのような思いをするとは俺も初めはそう思ってはいなかった・・・

故にあの小僧に受肉している間、俺は俺であの小僧には暇つぶし程度で精神的にあの小僧をいたぶってやっていた。

俺という呪いを取り込んだことで起こった惨劇を小僧のせいとしてその死に様を腹の底から嗤いてやった。小僧の心が折れるまで彼のその様を腹の底から笑ってやった。

しかしあの小僧はしぶとかった。何度もあの小僧の心が折れようとも再び立ち上がり、小僧は自身にかっせられた試練を乗り越えてきた。

『千年生まれてこなかった逸材』にして『百折不撓の理想』を持つあの『虎杖悠仁』という男という者は、俺にとって一番記憶に残る存在でもあったのだ。


それともう1人・・・俺の記憶に一番残る呪術師との記憶があるのだが・・・・

■■■(回想)「人の心配をしてる場合じゃないよ虎杖悠仁君。君の秘匿死刑が――――」


ガガ、ガァ〜〜ガァ〜〜ガァァ〜〜〜〜・・・‥
――――――――――――――――――――――――――――――
渋谷 金王八幡宮付近


パチパチパチッ・・・‥

【今の夢って、】
【宿儺の記憶・・・?】←


タッタッタッタッ・・・・・・

両面宿儺(エリザベート)「ようやく起きたかカルデアのマスター。睡眠としては少し長い方か?」

【宿儺・・・】
【呪詛師の方のエリザベートは?】←

両面宿儺(エリザベート)「あの女なら貴様が寝ている間に時間が来たから俺に交代して生得領域に戻ったところだ。」

両面宿儺(エリザベート)「生得領域っといっても、わかりやすく言えばこのエリザベート・バートリーの心の中であり、あの女は定時に帰ったというか‥」

両面宿儺(エリザベート)「あの女、自身が本物のエリザベート・バートリーではないと身バレはしているというのにシラをきりやがって・・・」

両面宿儺(エリザベート)「“企業秘密上、私の真名は言いません!”って、アイツは真面目すぎるバカなのか?」


【う〜んどうだろう・・・】
【人それぞれかと思うのだけど・・・】←
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/29(木) 00:10:14.20 ID:bETAOgQ/0
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに自身を呪詛師と名乗るエリザベート・バートリーは明らかに元のエリザベートとは違う存在であり、元のエリザベートに取り憑くことでサーヴァントと化した『幻霊』だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だとしてもあの呪詛師の彼女が幻霊だろうとサーヴァントとなってる以上、彼女のその存在を示すちゃんとした真名があるはず・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし彼女と仮契約しているとはいえ、彼女は我々のことを信用していないのか、未だに自身の真名を明かそうとはしていない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「あるいはその彼女の真名を明かせば彼女にとって都合の悪い事が起きるのか、今の所その点についてはまだ言えない橘のだが・・・」

【確かにそうだね】←
【けど今はそれよりも・・・・】


マシュ「はい。とりあえず今はマスターを獄門疆に封印した僧衣姿のサーヴァントを見つけ出し、獄門疆に封印されているマスターを完全に解放させる必要があります。」

マシュ「それにあの僧衣姿のサーヴァントがこの渋谷特異点の黒幕としても、そのサーヴァントが今どこにいるかと・・・」

【まだチェイテ渋谷神社城の地下じゃないのかな?】
【もしかしたら既に移動しているのか・・・】←

吉備真備「いや、あんな不意打ちをしてくる奴があのような目立つ所の地下に一カ所に留まるはずがない。おそらく今、あの場所に戻っても既にもぬけのカラだ。」

吉備真備「もしくはまた、駅の地下鉄を使って呪霊サーヴァントを多数使役して奇襲をし、またあのような事を繰り返す事になるかもしれないしね?」

【・・・・・・・・・】←

―――――――――――――――――――――――――
回想シーン:チェイテ渋谷神社城地下 東京メトロ 副都心線ホーム内


望月千代女「ここは拙者が殿を!皆はマスターと宿儺を連れて撤退を!」

―――――――――――――――――――――――――

両面宿儺(エリザベート)「あの望月千代女というアサシンのサーヴァントの事か、彼女は呪いとしてはまあまあの強さと言ったところか・・・」

両面宿儺(エリザベート)「彼女の内に宿る呪い・・・あれはおそらく伊吹大明神のモノと感じたが、どうも俺を満足に至らぬシロモノだ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「千代女の奴、せいぜいあともう少し人としての心を捨て、相手を呪い殺すだけに集中していれば、あの僧侶の男に勝てたモノを・・・」

【千代女さんは人間だよ!】
【千代女さんはそんなことをする人じゃない!】←


両面宿儺(エリザベート)「ほお?お前はその千代女が人の姿をしても、あの僧侶を倒す事が出来たんじゃないかと思っているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それについては皆無だ。実際に彼女はあの殿から戻ってくる事はなかった。それが事実と言ってもいい。」

両面宿儺(エリザベート)「呪いというのはそう言うモノだ。誰かを呪いたいが故に術士は存在すると言うからなぁ〜・・・」


【な、なにを・・・・!】←
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/29(木) 23:33:28.53 ID:bETAOgQ/0
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「宿儺!それに藤丸ちゃん!今は互いに言い争っている場合ではない。望月千代女の安否が気になる事はこちらも承知なのだが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃんたちを逃がしてくれた彼女のためにも藤丸ちゃんを獄門疆から解放させないといけないからね。」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・チィィ・・・。」

【うん、そうだね・・・】
【ゴメン・・・私がどうかしてたわ・・・】←


シオン(通信)「ハァ・・・・。話を元に戻しますが確かに吉備真備殿の言う通り、あのチェイテ渋谷神社城の地下に僧衣姿のサーヴァントが留まっている事はまずないとこちらは思っており、」

シオン(通信)「地下空間による地形と建物の不自然さや空間の狭さから、例えそこにその僧侶のサーヴァントが留まっていたとしても、そこの空間の狭さや彼の戦力の多さからして、」

シオン(通信)「藤丸氏が獄門疆とやらの特殊な箱に封印したように再び不意打ちを仕掛けられる可能性は大かと・・・」

マシュ「・・・・・・・・・」

【確かにあの人の様子からあり得るかも・・・】

シオン(通信)「・・・ですが、先ほど藤丸氏が先の戦いの疲れで就寝していた頃に呪詛師エリザベートから興味深い情報を開示してくれましてね・・・」

シオン(通信)「具体的な説明をしてくれる前に呪詛師のエリザベート氏は時間の“縛り”故に定時交代されてしまいましたのですが・・・」

シオン(通信)「彼女によると“その場所は宿儺も知っている場所だから宿儺に案内させてもらえ。”と言われまして、とりあえず宿儺の案内の元でその場所へと向かってといたのでしたが・・・・」

シオン(通信)「その向かっている場所がこうも吉備真備氏のアジトから数メートルも離れてもいないすぐ近くでして・・・・」

【すぐ近くって・・・・】
【もしかしてアジトの隣にあの僧侶のサーヴァントの根城が?】←


両面宿儺(エリザベート)「そのまさかだ。俺とあの女はあの僧侶姿の奴が拠点としている場所に心当たりがあってなぁ・・・その場所というのがまさかだと思っていたのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「よもや貴様らが隠れ家としている場所のすぐ横近くにあったとは、俺もここに来るまで思いもしなかった‥。」

両面宿儺(エリザベート)「吉備真備。貴様、黒幕がいるかも知れない場所に自身のアジトを構えていたとは、貴様の緊張感の感覚は鈍感だというのか?」

マシュたち、播磨局「――!?。(ジロッ!)」

吉備真備「・・・・・・・・・」


【真備さん・・・・】
【もしかして最初から黒幕のことを知ってたりするの?】←

吉備真備「あぁ〜〜いやいやいや!それについてはただ偶然にもそこに自分のアジトを用意しただけで、すぐ歩いた近くに黒幕のアジトがあるなんて知らなかったというか・・・・」

吉備真備「ほんとこれだけは僕も知らなかったよ!まさかこんな間近にマスターの事を封印したサーヴァントの拠点があったとはねぇ〜〜・・・アハハハハハハ・・・・」


【・・・・・・・・・】
【(だとしても本当に偶然なのかな・・・?)】←
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/01(金) 22:41:10.13 ID:qAb+ICUl0
両面宿儺(エリザベート)「・・・・まあアイツの事はそれとして‥。カルデア、貴様らの知る渋谷の地域でこの付近に何かあるのかぐらいはわかるはずだよなぁ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「地域?ああ確かにデータ通りであれば、いま藤丸ちゃんたちがいる所のすぐ近くには『金王八幡宮』という神社があるはずだ。」

マシュ「金王八幡宮といえば平安時代の寛治6年、もとい1092年に渋谷氏の祖である渋谷重家の元に城である渋谷城と共に建てられており、当初は渋谷八幡と呼ばれていた記録があるのですが、」

マシュ「その重家の婿男の常光がその神社に子宝祈願をしたところ、後に金剛夜叉明王の化身と称する『金王丸』が生まれた事により、神社の名を今の金王八幡宮と改名したという伝承があります。」
  
マシュ「その他にもその神社には応神天皇を祭神として奉っており、2016年前の現代でも渋谷の観光地の1つして残っているのですが・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「その場所こそ俺がサーヴァントとして目覚めた場所であり、元人格のエリザベートもあの場所であの僧侶のサーヴァントと会ったと見ている。」

両面宿儺(エリザベート)「おそらくあの場所にはこの特異点を要となるモノが隠されているのかもしれん。その要となるモノとすれば・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。おそらくその神社にはこの特異点の元凶たる聖杯、もしくはそれに類するモノがこの特異点の要石として置いてあると推測できる。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そしてソレらがこの特異点の要である以上、あの僧侶のサーヴァントもいると宿儺は見ていると・・・・」


キョロキョロキョロ・・・・・・

【でも周りは普通に街と林の風景しかない】
【もしかしてだけど、コレって・・・・】←

両面宿儺(エリザベート)「気づいたか。そう、いま目の前の辺りに見えるのはこの渋谷にもある街と木群の風景にしか見えないが、あれらは偽物の風景だ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺たちがいま目の前に見てるのは、俺たちを神社に入れないための“帳”・・・それも術式がとても高度なモノだ。」

両面宿儺(エリザベート)「真備の目や術式にも視覚できていないとなると、それ程までに他者に見られたくないモノがそこにあるのは間違いないかと・・・」

吉備真備「ああ・・・しょうじき言って、特異点の元凶がすぐ近くに会ったというのにすぐに見つけられなかった事が凄く悔しいというか・・・」

吉備真備「それ程までに見つける事が出来なかった以上、このような帳を降ろすほどに他の者たちに見つかって欲しくない理由があるとすれば・・・・」

【そうと決まれば行くしかないね?】
【あの帳の内側に“彼”がいる・・・・】←


播磨局「ああ、あの帳の中に藤丸立香を獄門疆に封印したあの男がいるとすればそれはそれで間違いないのは確実だな。」

播磨局「だが問題はその帳の内側にどうやって入るかだ。この特殊な帳を降ろしてまで重要なモノを隠したい以上、この帳は外から入れないような術式も入っているんじゃないのか?」

吉備真備「らしいな・・・となるといま僕らが出来る事があるとすれば、この帳の発生源となっている基を見つけて壊せばいいのだが、その基を見つけられるか・・・・」


???「おや?君たち、どこかお困りのようだがそこでなにをしているんだ?」

吉備真備、播磨局「!」

マシュ「――!?」


【この若々しく逞しい声は・・・】
【この還暦のある勇ましい声は・・・】←
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/02(土) 00:06:30.86 ID:81z586W90
スタッ、スタッ、スタッ、スタッ・・・・・・‥


カルデアのマスターたちの前に現れた者
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/423180.png?date=1698234953


???→プトレマイオス(老)「もちろん吾だ。待たせたな、我がマスターよ。」

【えっ・・・・?】
【プトレマイオス?】←
――――――――――――――――――――――――
獄門疆に封印されたカルデアのマスターを救う為、そして事件の黒幕である僧衣姿の男を見つけるために新たに両面宿儺(他、呪詛師エリザベート)と仮契約を結んだカルデアのマスター

彼女たちは黒幕である僧衣姿の男の重要拠点となる『金王八幡宮』に向かっていたが、その場所の前にはそこを隠しながら守るかのように特殊な“帳”が降ろされており、

どうにかその“帳”の発生源となる『基』を探し、帳を上げて先へと進もうと意気込んでいた最中、カルデアのマスターたちの前に現れた1人のサーヴァント


そのサーヴァントは最初期に渋谷特異点に到達した直後、両面宿儺(エリザベート)の手により、身体を5枚おろしに斬られて消滅したはずのファラオとしてのプトレマイオスがそこにおり、

そのプトレマイオスの額には何処で負傷したかもわからない縫い目の傷が付いていたのであった。
―――――――――――――――――――――――――

マシュ「プトレマイオスさん!?どうしてあなたがここに・・・・あなたは確か宿儺によって身体を切り刻まれて・・・」

プトレマイオス(老)「うむ‥確かに吾はそこの両面宿儺の手により、我が身は5枚に切り刻まれ、一度はこの特異点から退去させられた。」

プトレマイオス(老)「しかし吾はどうにか自力で回復処置を行ない、ダ・ヴィンチたちの眼が届かぬ隙に再びこの特異点に舞い戻ってきたのだ。」

プトレマイオス(老)「回復には少々時間は掛かったが、吾はこの通り霊基も含めて無事と言ってもいい。」


バーヴァン・シー「え、うっそ!?自分で自分で受けた重傷を治して戻って来たって事かしら!そんなのいくらお母様でもとてもじゃないほど難しいというのに・・・」

バーヴァン・シー「・・・ってか、なにその額の傷はどうしたっていうの?自分で傷を治したわりには傷が残っているんじゃそれを回復したって事になんないんじゃないのかしら?www」

プトレマイオス(老)「ああこの額の傷か?それは少し前に吾の前に現れた敵性サーヴァントとの戦いで負った傷だ。」

プトレマイオス(老)「よほどの軽傷であったゆえに魔力消費を抑える為にこの傷は軽い処置で済ませた結果、このような傷が残ってしまったというか・・・」


両面宿儺(エリザベート)「貴様・・・・俺の領域展開をモロに喰らって消滅したと思っていたのだが、まさか生きていたとはなぁ・・・」

プトレマイオス(老)「ああ。あの時は不意を突かれたとはいえ、貴様のような呪詛のような奴にやられる吾ではないぞ。」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/02(土) 23:31:22.24 ID:81z586W90
プトレマイオス(老)「それにしてもマスター。そしてマシュ。お前たちのような2人が、なぜそこの両面宿儺の奴と一緒にいるのだ!」

プトレマイオス(老)「奴はお前たちの知っているエリザベート・バートリーではない。お前たち、気は確かなのか!?」

マシュ「待ってくださいプトレマイオスさん!これには深い理由がありまして、今の宿儺はカルデアの敵ではありません。むしろ宿儺は・・・」

プトレマイオス(老)「いや、今のお前たちの言う事など信じられん。お前たちは宿儺に騙されている!マスター、すぐに奴の側から離れ、すぐにでも吾の元へ行くのだ!」

【ちょっと待って!】
【プトレマイオス、なにかおかしいよ】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、確かに藤丸ちゃんの言う通りだ。いくらあのプトレマイオスであっても、瀕死寸前のサーヴァント単騎での回復など無理がある。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに特異点退去からの再度の特異点でのレイシフトの反応は確認もされてもいないし、そして何よりも・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「プトレマイオスも含めて、他の3騎のサーヴァントの霊基が特異点から帰ってきていないんだ!」

マシュ「えっ・・・・?」

【退去したのに帰ってきていないって・・・】
【じゃあ、そこにいるプトレマイオスって・・・・】←


プトレマイオス(老)「何を言ってる!今の吾はれっきとしたカルデアのマスターのサーヴァントだ!」

プトレマイオス(老)「吾はマスターの呼びかけに応じて召喚され、彼女との契約もし、カルデアからの魔力供給もされている。それはお前もわかるはずだ!」

シオン(通信)「確かにこちらからの観測からしても、彼は正真正銘のカルデアのプトレマイオスの霊基で間違いないのですが、ダ・ヴィンチ女史の言う通り・・・」

シオン(通信)「今のプトレマイオス氏の発言には多くの矛盾があり、なにより一度は宿儺に破れ、その霊基は特異点から退去したにも関わらず、」

シオン(通信)「サーヴァントの霊基が特異点から戻って来ていないとなると、今そこにいるプトレマイオスが言ってた事は全て嘘の証明でしか聞き捨てなりません。」

シオン(通信)「あなたは本当にカルデアのプトレマイオスなのですか?本物のプトレマイオスであれば、このような嘘をつくはずなど・・・」

【それに疑わしい事が1つある】
【信じたくない話なんだけど・・・】←

プトレマイオス(老)「・・・・・・・?」


【私の令呪を通してわかる・・・】
【今、私とプトレマイオスは近くにいるのに・・・】←

【令呪によるプトレマイオスとの繋がりを感じない‥】←

プトレマイオス(老)「!?」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 00:13:07.66 ID:1bH6thvx0
マシュ「令呪によるサーヴァントとの繋がりを感じない・・・それってつまり、目の前のプトレマイオスさんとは令呪で繋がっていないって事なのですか!?」

マシュ「それが本当であれば、いま目の前にいるプトレマイオスさんは一体・・・」

吉備真備「ああ・・・おそらくあのプトレマイオスのおじいちゃんは外見も中身も本物なのだが、あのプトレマイオスは別の者によって召喚された別人だ。」

吉備真備「でなければマスターの持つ令呪で彼との繋がりを感じていない訳がない。とすれば、目の前にいる彼は・・・・」


プトレマイオス?「デタラメを言うなマスター。召喚されて間もない身であるが、吾とマスターとの繋がりを感じないなど、あるはずがなかろう!」

【そうかもしれないけど、本当の事だよ】←

【目の前にいるのにプトレマイオスと私との繋がりが感じられない・・・】←

プトレマイオス「――――!?」

【あなたは誰なの?】←
【カルデアのプトレマイオスではないのなら、いったい・・・・】

プトレマイオス?「・・・・・・・・・・・・」


プトレマイオス?「・・・・誰だと?まったくお前たちは吾よりもとても“賢い”そうではないか―――」

マシュたち「!?」

プツッ、シュルシュルシュルゥゥ〜〜・・・



プトレマイオス?「―――キッショ」



シュルシュゥゥ・・・‥プツンッ!―――パカッ!


プトレマイオスの今の表情(イメージ)
https://img.gamewith.jp/img/2605ec8457a73cc59b8211bbf7d6e5d0.png

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/7/a/7acec129.jpg


プトレマイオス?「なんで分かるのだよ」ビチャビチャァァ〜〜‥
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 23:31:10.12 ID:1bH6thvx0
突如としてカルデアのマスターたちに現れた、両面宿儺(エリザベート)との戦いで斬り刻まれて倒れたはずのカルデアのサーヴァント・プトレマイオス(老)

しかしその彼はカルデアのマスターの令呪のパスはないかのように彼とマスターとの繋がりがない事がわかり、その彼がカルデアのマスターたちが知るプトレマイオスではないと確信した。

その事を指摘され、自身がニセモノであるとバレたプトレマイオス?は自身の正体を明かすかのように豹変し、

彼の額の傷を縫っていた糸を取り、その頭の中にある緑色の脳みそを見せるかのように頭を開き、プトレマイオスと名乗る偽物は満遍な笑顔でそれを見せびらかすであった。
――――――――――――――――――――――――――――――

マシュ「これは!?プトレマイオスさんの脳みそが露出して、しかも色も通常の脳みそとはあまりにも色が違います!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。こちらもプトレマイオスの姿を確認しているのだが、あの偽物のプトレマイオスの霊基と魔力なのだが‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基が呪霊サーヴァントの奴とも違う、まるで本物のカルデアのプトレマイオスのように計測しているのだが・・・」


偽プトレマイオス(老)「そういう能力を付与させてもらったのだ。この姿にしたのは吾を召喚した者がどうもそのプトレマイオスという者を嫌っていてな。」

偽プトレマイオス(老)「もしお前たちと会い、自身の正体がバレた際に先ほどの演出で嫌がらせをしろと、その者にリクエストでお願いされたのだ。」

【(お願いされたって・・・・)】
【(もしかしてその召喚した者って・・・)】←


偽プトレマイオス(老)「この能力は自分自身を脳みそと化し、対象の人間の脳みそと入れ替えることで入れ替えた者の身体能力や魔術式、記憶まで手に入れることが出来る。」

偽プトレマイオス(老)「もちろんこのプトレマイオスやその他の英霊の脳みそも入れ替えることが可能で、その彼の特有の魔術をまた、今の吾も使用可能であると言う事だ。」



キラァァ〜ン!

偽プトレマイオス(老)が変身した姿(頭には緑色の脳みそ)
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2023/10/9eadb71d18468eebd17e6e5b35e2a2dd.webp


偽プトレマイオス(老)→偽プトレマイオス(若)「・・・どうだ。」ドヤァァ〜‥

マシュ「そんな・・・・おじいさんの方から青年の方への霊殻の入れ替えさえも可能だというのですか!?」

偽プトレマイオス(若)「そういうことサ!吾はこの姿を得てとても賢くなったから、このような戦法は使っていくのが当然だよネ!」


カポッ!キュッ、キュッ、キュッ、キュッ!

偽プトレマイオス(若)「さて――吾の脳みそを閉まった所で、お前たちが持ってるその獄門疆を渡してもらおうか!」

偽プトレマイオス(若)「っというか、なんでカルデアのマスターが獄門疆の外にいるんだ?話によれば、お前はまだ獄門疆の中に封印されているって・・・」


【!】
【(狙いは私と獄門疆・・・)】←
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/05(火) 00:05:58.45 ID:4StdxJU20
両面宿儺(エリザベート)「おい貴様。獄門疆を渡せと言うからには、貴様はそのプトレマイオスの身体にした奴に獄門疆を奪えと命令されたのか?」

両面宿儺(エリザベート)「そいつの姿は僧侶みたいな服を着た、水のような力を操る奴だったか?貴様はそのような奴の術によってその姿で召喚されたのだろうが。」

偽プトレマイオス(若)「僧侶?ああ確かに吾がこの姿となって最初に見た奴がそいつだったな?獄門疆を奪ってこいと命令したのもそいつだった。」

偽プトレマイオス(若)「あっ、でもだからとて吾はそいつの真名を言わぬゾ。吾はとても賢いからサーヴァントの真名が明かされるとマズいことは大体わかる。」

偽プトレマイオス(若)「お前たちが吾からその召喚者の名を聞き出そうとしても無駄だ。吾は賢いからその程度の罠には引っかからないゾ!」

【クッ・・そうなのね・・・】
【(真名を明かさないとなると、やはり彼は・・・・)】←


偽プトレマイオス(若)「お前たちは知ってるか?この特異点という世界は呪いに賢くない奴から死ぬ。吾はこの姿でも呪いの事については賢いから先に死ぬことなどない。」

偽プトレマイオス(若)「聞いたところじゃ、お前たちカルデアのサーヴァントはもう既に5人もこの世界の呪いによってやられているようじゃないか。」

偽プトレマイオス(若)「故に呪いの事などよく知らぬお前たちは今の吾に勝てぬ。ましてや吾がどのような呪いなのかも分からぬお前たちなんかに――」

両面宿儺(エリザベート)「確かにカルデアのこいつらは俺たちのような呪いなど赤子の如く無知で無策な者たちばかりと言っても良いぐらいだ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺が斬り刻んだ方のプトレマイオスもそうだ。奴は俺の術式を知らぬが故に糸も簡単に身体を5枚に斬り刻まれてやられたからなぁ〜?」

マシュ「ツゥゥ・・・・」

【(確かにそうかもしれないけど・・・)】←

両面宿儺(エリザベート)「しかしそれでもこいつらは己の望みの為なら例え誰であろうと立ち向かい、そしてそこから勝利をつかみ取ってきた奴らだ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺はそんなカルデアのマスターとサーヴァントとしての仮契約を交わしている以上、俺は貴様が誰であろうと倒さなければならない・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・っというか貴様・・・プトレマイオスのジジイの姿を被ってはいるが、俺は貴様がどのような呪霊であるのかを知っている・・・」


両面宿儺(エリザベート)「貴様、『バッタの呪い』の雑魚呪霊だろ?」

――――――――――――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)が指摘する偽プトレマイオスの正体
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/5/3/5301643d.jpg
――――――――――――――――――――――――――――

偽プトレマイオス(若)「―――ンナァ!?」

両面宿儺(エリザベート)「人の姿をして隠したようだが、貴様の性格と虫のような匂いがダダ漏れだぞ?」

両面宿儺(エリザベート)「貴様が賢い賢いとうるさく言うから、俺はすぐに貴様があの時の『バッタの呪い』の器だとすぐにわかった。」


【バッタの呪い?】
【宿儺、いったいそれってどういう‥】←
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