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狼魔王とチビ勇者
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202 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/19(火) 18:11:35.28 ID:ATK37TK/0
──
─
勇者「……っ!」ガバッ
勇者(なんだここ。白い霧でなにも見えない。俺は……死んだのか?)スッ
勇者『炎弾』
シーン
勇者「魔法も使えない。ちょっと移動してみるか」スクッ
スタスタ
勇者「おーい、誰かいないか?」
……ザワッ
勇者「!」バッ
勇者(なんだこの気配。さっきまでなにも感じなかったのに、急に……!)
ズズズズ……
勇者(すさまじい怒りを感じる。強大な力を持った誰かが近づいてくる)
ザッ ザッ ザッ
勇者(霧の向こうから大きな影が、……!)
203 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/19(火) 18:12:20.23 ID:ATK37TK/0
ヌッ
狼牙の魔王「……」ギロッ
ゴゴゴゴ……
勇者「……ま、おー……」
勇者(そうか。ここはたぶん魂の世界。俺が魔王に倒されることで魔王は現世に蘇るんだ)
狼牙の魔王「……」ガチッ ガチッ
ズズズズ……
勇者(すげえ殺気……当然だよな。秘書に直接刺されるためとはいえ、すげー侮辱しちまったし)スッ
スタスタ……ピタッ
狼牙の魔王「……」ジッ
勇者「秘書に俺が謝ってたって伝えてよ、魔王。そんで2人で末永く、幸せに暮らして……」
狼牙の魔王「グルルル……グオオオッ!」グッ
ギュオオッ
勇者(さよなら、父ちゃん)
204 :
◆AhbsYJYbSg
[saga]:2023/09/20(水) 17:16:09.19 ID:mtpvlUs60
ゴチン!
勇者「……いっ……てええええ!」シュウウ…
ギュッ
勇者「!」
狼牙の魔王「自らを生贄に吾を蘇らせようなどと……この愚か者が」
勇者「……」
狼牙の魔王「伝えたではないか。秘書を救うには自らの正体を明かせと。それだけで彼女は全てを思い出すだろうと」スッ
205 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:16:48.93 ID:mtpvlUs60
勇者「……それじゃダメなんだ。魔王のいない世界に秘書はきっと耐えられない。だから……」
狼牙の魔王「秘書がそういったのか?」
勇者「えっ。いや、でも……」
狼牙の魔王「お前は思い違いをしている。彼女は吾の死を乗り越える強さを持っている。だが一方で……」ジッ
勇者「?」
狼牙の魔王「……いや。それより……成長したな勇者」
勇者「そうかな。俺はなにも変わってない気がする。魔王の命を救えなかったあの日から」
狼牙の魔王「救えなかった? なんのことだ」
206 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:17:38.22 ID:mtpvlUs60
勇者「えっ。だって」
ポン
狼牙の魔王「お前に出会ったあの日から、吾はずっと救われていた。
お前と過ごした幸せな4年間に比べれば、それまでの千年間はないのと同じだ」
勇者「……っ」
狼牙の魔王「自分に幸せになる資格がない、などと考えるな。お前は幸せになっていい。それだけが吾の望みだ」
スウッ……
狼牙の魔王「……そろそろ時が来たか」
勇者「! 待って、まだ消えないで」
狼牙の魔王「生きろ。吾の最愛の息子よ。お前の人生に、数え切れぬほどの喜びがあらんことを……」スウッ
サアッ……
207 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:18:15.19 ID:mtpvlUs60
──
─
──しゃ──ゆ──
ポタッ
勇者(……? なんだろう、雨……?)
「勇者っ!」
勇者「!」ハッ
秘書(真紅の魔王)「バカ! あんたは本当に……大馬鹿だよっ!」ポロポロ
勇者「秘書……記憶が戻ったんだ。よかった」
秘書「よくないっ!」
スッ
勇者(! 胸の傷が塞がってる)
208 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:18:41.75 ID:mtpvlUs60
秘書「……魔王様の死は、あなたのせいじゃない」
勇者「!」
秘書「あたしにとって魔王様は初恋で、憧れで……大切な方だった」
勇者「……うん」
秘書「でもね、あなたも同じくらい大切なんだよ。分かってた、でしょう?」
勇者「……家族だと思ってくれてるのは知ってた。でも……」
ギュッ
209 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:19:40.97 ID:mtpvlUs60
勇者「!」
秘書「もう命を粗末にするのはやめなさい。あなたを愛してる。魔王様が愛した勇者を。あたしを初めて抱きしめてくれた、あなたを」
勇者「……秘書。魔王が、死んだ」
秘書「うん」
勇者「死んじゃったんだ。おれの……父ちゃんが」ポロッ
秘書「……うん」ギュッ
勇者「う……あ……っ」ポロポロ
うわああぁあ……ん……!
210 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:20:23.94 ID:mtpvlUs60
10年後
魔界と人間界の境界 死の荒野
タタッ
人狼の子供「もうすぐだよ。荒野を抜ければ人間界に入る」
ゴブリンの子供「でも、本当……なのかな。この先の村に、人間も魔族も分け隔てなく診てくれるドクターがいるなんて」ゲホッ
ゴホッ ゲホゲホッ
人狼の子供「大丈夫? 少し休もう」スッ
ゴブリンの子供「だめ、だよ……この場所は危険だから、早く通り抜けなくちゃ──」
『必中の矢』
ヒュンッ……ドスッ!
211 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:21:21.71 ID:mtpvlUs60
ゴブリンの子供「うわああっ!」ブシュ
人狼の子供「!」バッ
ザッ
隊長「……ふん。我らの目を欺いて人間界に侵入しようなど、やはり魔族は害虫だな。虫酸が走るわ」
弓兵「あなた方の墓はここです。大人しく駆除されなさい」
ゴブリンの子供「うぅ……っ」ドクドク
人狼の子供「ま、待って! 私達は悪い魔族じゃないよ。人間を傷つけたり悪さをしたりしない。どうか通して、お願い!」
槍兵「ぶっ」
ぶひゃひゃひゃ!
212 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:21:59.04 ID:mtpvlUs60
人狼の子供「!?」
弓兵「あんまり笑うとかわいそうですよ」フッ
槍兵「わりーわりー、だっておかしくってよ。こいつら、自分たちが駆除される理由が『悪い魔族だから』だと思ってやがる。
こんなん笑わずにいられるかよ」ギャハハ
隊長「勘違いするな害虫ども。貴様らの内面になど興味はない。人間界への侵入を企む魔族は全て殺す。それだけだ」
人狼の子供「どうして……っ」
弓兵「決まっているでしょう。あなた方の見た目が不快だからですよ」
213 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:22:24.51 ID:mtpvlUs60
人狼の子供「!」
槍兵「そういうこった。ま、人間と違う見た目に生まれたのが運の尽きってやつだな」
隊長「我が国の王は現在、軍を招集している。魔王が倒されて十年、魔族が弱体化した今こそ魔界侵略の好機。
いずれ不快な魔族は全員殺される運命なのだ。それが少し早まっただけのこと。……矢を」
214 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:22:59.13 ID:mtpvlUs60
弓兵「はい」キリリッ
人狼の子供「そんな……っ」
ゴブリンの子供「……僕を囮にして、逃げて」ハアハア
人狼の子供「! できないよ、そんなこと!」
ゴブリンの子供「僕はもう、ダメだ。種族の違う僕と友達になってくれて、ありがとう」ニコッ
隊長「放て!」
ビュオオオッ!
『爆雷雨』
ビシャアアアアン!
215 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:23:32.07 ID:mtpvlUs60
ゴブリンの子供・人狼の子供「わあああっ!」バッ
隊長「な、なんだ一体……!」
弓兵「! 見てください、上空に!」
バサッ バサッ
放浪者「うーん。やっぱいつまで経っても秘書の威力には敵わないな」
グリフォン「グルル、ガウ」
放浪者「はは、慰めてくれてありがと」バッ
シュタン
人狼の子供(誰? 分からないけど、私が友達を守らなくちゃ)バッ
216 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:24:45.50 ID:mtpvlUs60
放浪者「よっ、頑張ったなお前ら」
ゴブリンの子供「お兄さんは、誰……?」ドクドク
スッ
放浪者「大丈夫。お前はすぐに良くなるよ」
ゴブリンの子供(! ケガが……治ってく)パアッ
人狼の子供(魔法? でも魔法を使う素振りなんてなかったのに……)
隊長「マントに描かれた狼の紋章……手配書で見たことがあるぞ。貴様『放浪者』だな。
どこからともなくグリフォンと共に現れ、人と魔族の区別なく弱い者に味方する不届き者。邪魔するなら貴様から駆除してやる……『炎鎧』」ボウッ
弓兵「私達は魔法と武芸を修めた最強兵団。一人ひとりの強さはかつて存在した勇者に匹敵します……『雷神の矢』」バリバリッ
槍兵「逃げるなら今だぜえ? ま、逃がさねえけどな……『氷雪槍』」パキンッ
人狼の子供「早く逃げなきゃ! あの兵士たちは魔法を使うんだよ。絶対に殺されちゃう!」
217 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:25:26.97 ID:mtpvlUs60
放浪者「魔法? あいつら魔法なんて使えないだろ」
ボシュウ……
隊長「!? なっ……」
弓兵「魔法が、消えた?」
槍兵「な、なんだあいつ……化け物があっ!」ダダッ
隊長「待て!」
放浪者「そうだよ。少し落ち着けって」
ピタッ
槍兵(……か、体が……動かねえ……!)
218 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:26:01.39 ID:mtpvlUs60
隊長「貴様あっ! なぜ魔族どもを庇う! どうせもうすぐ魔族は全滅するのだ。意味のない行為はやめて即刻ここから立ち去」
ビー、ビー
隊長「! 念話か……こんなときに」
弓兵「無視しますか?」
隊長「いや、緊急時以外は連絡するなといってある……繋げ」
ブゥウン
兵士『し、至急応援を求む! このままでは国王軍が壊滅する!』
219 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:26:31.91 ID:mtpvlUs60
隊長「なに!? どういうことだ。我ら国王軍には五万を超える精鋭が集まっている。一体どれだけの軍勢が攻めてきたというのだ!」
兵士『たった1人だ』
隊長「……なに?」
兵士『たった1人に国王軍は為すすべもなかった。彼女はもうすぐこの場所に』
バゴオオン!
兵士『! ああ……なんと、美』
ザザッ……ザーッ
隊長(……なんなのだ。一体なにが起こっている?)
220 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:27:40.19 ID:mtpvlUs60
人狼の子供「どうしてあなたは人間なのに、私達を助けてくれるの?」
放浪者「……もしここに父ちゃんがいたら、同じことをしたと思うんだ」ポン
ゴブリンの子供「お父さん?」
放浪者「ああ。強くて優しい、最高の父ちゃんだった」
弓兵「た、隊長……っ」カタカタ
隊長「お前は……お前は一体、なんなのだあっ!」
放浪者「俺か? 俺はな。
最強魔王の、息子だよ」
『狼魔王とチビ勇者』 おわり
221 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:28:38.62 ID:mtpvlUs60
おまけ1『いたいのいたいの、とんでけ』
魔王城 勇者の部屋
勇者「う……しょ」フラフラ
秘書(もう壁につかまりながら歩けるのか)
秘書「ほら、こっちおいで。ゆっくりでいいよ」
勇者「あーう」スッ
ヨチ……ヨチ
秘書「そうそう、うまいうまい!」
ハッ
秘書(つい、忘れてた。あたしはこの子を生贄にしようとしてるんだった。
あまり心を動かされたらダメだ。もっと事務的に……)
勇者「……」グラッ
ゴチン
222 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:29:19.84 ID:mtpvlUs60
秘書「!?」
タタッ
秘書「だ、大丈夫か? おでこ打ったでしょう、見せてごらん」スッ
勇者「……ふ」ジワッ
ふええぇ〜ん!
秘書(……よかった。少し赤くなってるだけだ。
あたしも昔、こんな風に泣いてたっけ)
──
幼い秘書『うえーん! うえぇーん!』ポロポロ
吸血族長「不思議だな」
幼い秘書『う……?』
吸血族長『なぜそんな無駄なことをする? 醜い顔で汚い水をまき散らして、恥ずかしくないのか?』ビシッ
秘書『!』ビクッ
吸血族長『もう一度。この初歩魔法が成功するまで食事は抜きだ』
──
223 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:30:05.49 ID:mtpvlUs60
秘書(……あの日からあたしは泣かなくなった。泣いても無駄だと思い知ったから)
勇者「うああ〜ん」ポロポロ
秘書(……ああ、そっか)スッ
ナデ……ナデ
勇者「!」
秘書「いたいのいたいの、とんでけ」パッ
秘書(本当はあたし、ただこうして慰めてほしかったんだ。……それだけで、よかったんだ)
勇者「……」スッ
ギュッ
秘書「!」
勇者「ひしょ、すきー」ギュー
秘書(あなたに抱きしめられる資格、あたしにはない。……ないのに)
ギュッ
秘書「あなたはどうして……こんなにあったかいの、勇者」
おわり
224 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:31:03.53 ID:mtpvlUs60
おまけ2『魔王の手料理』
魔王城 執務室
カリカリ……
魔王(終わらんな。仕事を溜め込みすぎたか。もっと効率的に処理できればいいのだが)
ギイッ……
魔王「! 勇者か」
トコトコ
魔王「どうした? 秘書と一緒に寝ていたのではないのか?」
勇者「秘書、先に寝ちゃった」
魔王「ふむ?」
225 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:31:50.45 ID:mtpvlUs60
勇者の部屋
ギィ……
秘書「……」スースー
勇者「ね?」
魔王「本当だ」
魔王(めずらしいな。よほど疲れが溜まっていたのだろう)
秘書「ん……」ブルッ
魔王(少し寒いか)シュル
フワッ
226 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:32:22.03 ID:mtpvlUs60
魔王「……いつも苦労をかける」ボソッ
秘書「うーん……魔王様の上腕三頭筋……」ムニャムニャ
魔王(個性的な夢だ……)
クイクイ
魔王「ん?」
勇者「おれねー、おなかペコペコ」
魔王「そうか。なら夜食でも作ろう」スッ
勇者「ん」ギュッ
スタ……スタ……ギィッ……パタン
227 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:32:53.24 ID:mtpvlUs60
大厨房
ズズ……
魔王「……ふむ、悪くない出来だ」
勇者「おれも味見するー!」
魔王「そうか。しばし待て」スッ
フー、フー、フー、フー、フー、
フー、フー、フー、フー、フー、
フー、フー、フー、フー、フー……
魔王「よし。どうだ?」スッ
コクッ
勇者「おいしー」ニコッ
228 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:33:27.31 ID:mtpvlUs60
魔王「では食べよう」カタン
勇者「はーい」ピョン
魔王(大厨房の粗末なテーブルで吾が食事しているのを見たら、料理長は腰を抜かすであろうな)フッ
勇者「まえのポトフよりおいしい!」
魔王「そうか。お前のおかげですっかり料理がうまくなった。ありがとう」
──
コトン
魔王「どうした、もういいのか」
勇者「ねえ魔王。おれの親って、どんなだった?」
魔王「……!」
229 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:34:05.81 ID:mtpvlUs60
グッ……
魔王「……素晴らしい人たちだった。お前を心から愛し、命がけで守り抜いた。あれほど強い人間たちを吾はほかに知らぬ」
勇者「……そっか。おれ、愛されてたんだ」
魔王「……」
魔王(いつかお前も知るだろう。両親が死んだのは、元をたどれば吾の侵攻のせいだと……)
勇者「親のことはほとんど覚えてないけど、一つだけ覚えてるんだ」
魔王「なんだ」
勇者「おれのほっぺたを、両手で包んでくれたこと。あったかくて大きかった」
230 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:34:41.58 ID:mtpvlUs60
魔王「そうか。決して忘れるな。その記憶はお前の芯になるかもしれぬ」
勇者「しん?」
魔王「生きる上での指針。お前の人生を根底から支えてくれるもの。それさえあればつらいときでも自分を保っていられるはずだ」
勇者「魔王にも、しんはあるの?」
魔王「……かつてはなかった。いまは……」
勇者「?」
魔王「……そろそろ寝るか。洗い物をするからしばし待て。綺麗にしないと料理長に悪いからな」スクッ
勇者「おれも手伝うー!」ピョン
231 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:35:18.66 ID:mtpvlUs60
勇者の部屋
秘書「……」スースー
ポンポン
魔王「これでよし。いい夢を見るがいい」スッ
勇者「まおー」
魔王「む?」
勇者「魔王は、死なない?」
魔王「! ……」スッ
ナデナデ
魔王「吾は……生きたいと思っている。お前が成長した姿を見たい、と」
勇者「そっか。……まおー」スッ
魔王「ん」スッ
ギュッ
勇者(ずっとそばにいて、魔王)
おわり
232 :
◆AhbsYJYbSg
[sage saga]:2023/09/20(水) 17:35:44.86 ID:mtpvlUs60
ありがとうございました。
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/20(水) 19:22:26.20 ID:9T961UoBo
おつ
よかったわ…
玉座システムとか想像の余地残ってるのも良い
またなんか書いてほしい
ありがとう
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/10/12(木) 05:28:29.18 ID:oC5ugcAX0
めっちゃ良かった
面白くて好き
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