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デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
- 506 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/10/29(日) 21:38:35.80 ID:jG8eKLMGO
- …
ジャングルモジャモンが帰還した集落では、蛮族デジモンが集団生活をしていた。
ジャングルモジャモンは、フーガモンに狩りの失敗を報告して怒られていた。
やがてジャングルモジャモンは、草を集めて、木の小屋へ向かった。
小屋では偶蹄類型成長期デジモン、バクモンが何頭か飼育されていた。
な、なんだ?家畜か…?
草を食べたバクモンは…
光り輝き、進化した。
https://i.imgur.com/gPzQifj.jpg
シマウマ型デジモン…シマユニモンとなった。
な、なんだ…?
なぜ蛮族デジモンは、バクモンを飼育しているんだ…?
- 507 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/10/29(日) 21:39:18.96 ID:jG8eKLMGO
- つづく
>>505
誤記ですスミマセン
普通のエクスブイモンです
- 508 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/10/29(日) 21:39:45.67 ID:jG8eKLMGO
- まちがった
普通のコマンドラモンです
- 509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 21:40:49.94 ID:qEVMmvWu0
- 乙
ディノヒューモン村が追い越されそうな勢いの文明発達
- 510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 21:42:53.50 ID:ZqlUQ5/Ro
- 乙
馬肉美味しいのかな
- 511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 22:38:37.91 ID:IzqMhPU70
- 乙
鍛えてた能力でも無くなっちゃうことはあるわけなんだなあ
- 512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/10/30(月) 08:42:48.96 ID:dHqcD/KA0
- 乙
- 513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/10/30(月) 08:42:49.05 ID:dHqcD/KA0
- 乙
- 514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/10/30(月) 08:42:48.99 ID:dHqcD/KA0
- 乙
- 515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/30(月) 08:59:07.89 ID:eOay3UE+o
- 今までの戦闘コマンドラモンに頼りすぎてたとこもあるかな
- 516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/30(月) 18:35:38.64 ID:/tEiMmAM0
- 色んな制約を課せられながらお仕事しないといけないブラックな職場
- 517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/30(月) 22:22:12.34 ID:/otmwTg1o
- 蛮族どもは家畜を進化させる方法まで
- 518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 11:28:12.62 ID:ygP1D36Oo
- 頑張って訓練して鍛えた透明化なくなっちゃったの悲しい
- 519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 19:24:03.51 ID:qv7haNB+0
- コマンドラモンのおかげで進化なんてデジモンそれぞれで条件全く違うってことがようやく分かったばかりなのに向こうはガンガン進化と量産してくる
- 520 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 11:58:01.25 ID:ePB30675O
- ディノヒューモンの集落。
ここの住人達は殺気立っていた。
度重なる蛮族の襲撃に苛立ち、ついに蛮族の撲滅に打って出る気になったようだ。
農作業の傍ら、ブイモン、カメモン、スナリザモン、ワームモン等の成長期デジモンたちは、戦闘の鍛錬をしている。
(※ブイモンとワームモンは、我々のパートナーとは別個体なので注意されたし。)
スティングモンは、特にブイモン達へ力を入れてトレーニングをさせているようだ。
剣道のように木の棒で叩きあう試合形式の訓練もやっている。
先日の蛮族との戦いによって、エクスブイモンが命を落としたことで、スティングモンは今パイルドラモン及びディノビーモンへのデジクロスという最大戦力を喪った。
加えて、モスモンというナンバー2も同時に死んでしまった。
これまで農園を防衛できていたのは、ディノビーモンとモスモンという強大な戦力のお陰と言ってもいい。
それを喪った今、蛮族の撃退には手を焼いているようだ。
現在の最高戦力は、燃える体と鋭い爪を持つ爬虫類型デジモン、フレアリザモンだが…
ディノビーモンのように無双できる程強いわけではない。
故にスティングモンは、早く次世代のエクスブイモンを育て、デジクロスの力を復活させようと躍起になっているようだ。
ただし、あの戦いでは蛮族側もハヌモン及びゴリモンというトップ戦力を失った。
ジャングルモジャモンやセピックモン等のDP低めな成熟期はそれなりにいるが、ハヌモンやゴリモンと比べれば戦闘力は雲泥の差だ。
特にハヌモンは、不意打ちとはいえどレベル5のディノビーモンと刺し違えた怪物である。
…実際にはディノビーモンとの間には大きな力の差はあるが、パイルドラモンの鋭いパンチを何度もヒョイヒョイ回避した身軽さは成熟期の中では別格といえるだろう。
そんなわけで蛮族は、小競り合いを繰り返しながら、ヒヒ型のバブンガモン、原人型のフーガモン、ドリル付きモグラ型のドリモゲモン、そして人間の女性に極めて近い姿のキンカクモンを中心として、戦力増強を図っているようだ。
…さて、そんな緊張感が漂う中…
ついにディノヒューモンの集落では、一体のブイモンが成熟期への進化に成功した。
エクスブイモンではない。
翼が生えた竜型デジモン…コアドラモンとなった。
https://i.imgur.com/AygPCwG.jpg
がっしりとした手足は、格闘戦が得意そうだ。
さらに、集落では昆虫デジモン以外で珍しく飛行能力を持っている。
コアドラモンは、空からの偵察を行い、蛮族の集落を監視した。
そして…数ある蛮族の集落のうち比較的小規模なものを発見した。
コアドラモンは、それをディノヒューモンへ報告した。
「コロリ!!ウホウホコロリ!フルフルコロリ!!」
ディノヒューモンはどうやら、この集落の蛮族を制圧することに決めたようだ。
- 521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:01:35.62 ID:J2lyFqhjo
- お久しぶりの投稿
お久しぶりのディノ族
- 522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:05:30.82 ID:TDs/gM0q0
- まさかのコアドラモンへと進化
- 523 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 12:09:16.62 ID:ePB30675O
- スティングモンは、大きなリクガメ型成熟期デジモン…トータモンを呼んだ。
トータモンは、かつて我々がクラッカーから鹵獲したルドモン及びズバモンと血縁関係があることが判明している。
クラッカーは、トータモンのデジタマを採取し、そこからルドモンとズバモンを育て上げたのであろう。
スティングモンはトータモンになにか指示をしている。
「ノシノシ!!ウホウホ!プチプチ!」
「ガウゥ」
トータモンは頷くと…
スティングモンの指示のもとで、戦闘部隊を編成した。
今回の主力は、カメ型成長期デジモン、カメモンである。
部隊編成はこうだ。
まず、部隊の中心にはトータモンを据える。
トータモンの甲羅の上に、ワームモン2体が乗る。
その前方に、石槍を持った12体のカメモンが、2列に並んで隊列を作る。
そしてその上空を哨戒するように、蜂型成熟期デジモンのフライビーモンが飛ぶ。
以上が、今回編成された部隊だ。
成熟期2体、成長期14体…総勢16体で編成された大規模な部隊だ。
どのように攻め込むのだろうか。
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:10:29.27 ID:Fq9LvjIS0
- デジタルワールドから学ぶデジモン兵法
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:21:12.66 ID:4hrVeywWo
- 人間の手を加えられずよくここまで洗練されたものだ
- 526 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 12:37:21.35 ID:ePB30675O
- どうやらこのフライビーモンは、コアドラモンから蛮族集落の場所を聞いているらしい。
コアドラモン自身は、農園を防衛しつつ偵察する任務を指示されているので、今回の作戦には加わらないようだ。
さて、いよいよ戦闘部隊が出撃した。
部隊は…
ゆっくりと歩き、蛮族集落のある方へ真っ直ぐに進んだ。
その歩みは決して素早くはない。
カメモン達は途中で弁当(トウモロコシやイモを焼き固めたもの)を食べたり、水たまりで水を飲んで水分を補給した。
真っ直ぐに、ゆっくりと、確実に前進し…
蛮族集落へ接近した。
突如フライビーモンが、ジージーとセミのような声を鳴らした。
それからすぐに、シャーマモン3体とジャングルモジャモン1体が接近してきた。
…だが、シャーマモン達は部隊を一瞥すると…
引き返して逃げ出した。
なんせ部隊はこれだけの数だ。
実際にぶつかり合う以前の問題として、強烈な威圧感を発している。
好戦的な蛮族デジモンといえど、少人数で戦いを挑むほど馬鹿ではない。
威圧感を放つトータモン部隊は、確実に蛮族集落へ接近していく。
- 527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:40:47.45 ID:I+Si8iCho
- もはや軍だ
- 528 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 12:49:54.96 ID:ePB30675O
- やがてついに、蛮族の群れが飛びかかってきた。
シャーマモン4体、コエモン6体、ジャングルモジャモン2体、セピックモン1体。
計13体だ。
蛮族側もかなりの戦力を集めてきたようだ。
蛮族達は、戦闘部隊に襲いかかる…!
2列に並んだ最前線のカメモンの1体に骨棍棒で殴りかかるシャーマモン。
だが、カメモンは倒れない。
頭部は硬いヘルメット、胴体は硬い甲羅で覆われたカメモンの防御力は尋常ではない。
殴られたカメモンは、殴りかかってきたシャーマモンの腕を掴むと…
その両隣および後ろにいるカメモンが、シャーマモンを石槍でしこたま突き刺した。
悲鳴を上げ、倒れたシャーマモンは…
戦いながらも前進を続けるカメモンの群れに踏まれた。
そして、トータモンに頭から丸呑みにされた。
「キエエーーーーーイ!!」
一体で飛びかかっても勝てないと考えた蛮族の群れは、全員でいっせいに飛びかかった。
先程は一体で飛びかかったからあしらわれた。
だから同じことを大勢でやればいい…という算段のようだ。
- 529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 12:50:26.33 ID:9uzOqpxLo
- デジモンウォーズだ
- 530 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 12:58:11.70 ID:ePB30675O
- 襲いかかる蛮族デジモン達を見て、トータモンとフライビーモンが動いた。
トータモンは、なんと背中のトゲを1つミサイルのように発射し、ジャングルモジャモン1体へ放った。
ジャングルモジャモンの腹部へトゲが突き刺さる。ジャングルモジャモンは悲鳴を上げた。
フライビーモンは、ワームモンの一体を掴んで飛び、セピックモンへワームモンの口を向けた。
ワームモンは蜘蛛の巣のような糸を吐き、セピックモンのブーメランを手ごと糸で絡めさせた。
「ウキ!?」
農園のワームモンは、糸の粘着力に全能力を注ぎ込んだ種である。
それ故に、成熟期のセピックモンといえど粘着糸を破るのは容易ではない。
コエモン達とシャーマモン達は、最前線のカメモンに武器で殴りかかった。
だが、カメモン達がやったことは前と同じだ。
戦いながらも前に進み、武器の攻撃を受け止め…
隣と後ろのカメモンが石槍でカウンター攻撃をする。
そして体制を崩したコエモン達を転倒させて集団で踏み潰し…
最後にトータモンが鋭いクチバシで頭部を噛みちぎってトドメを刺す。
奇妙な光景だった。
コエモンやシャーマモンは、大勢で同時に攻めているはずなのに。
いざぶつかり合った瞬間には、常に「多vs個」の殴り合いという状況を強いられていた。
戦いながら前進するトータモン部隊は、どれだけ殴られようが止まらない。
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 13:08:05.93 ID:3OVTkoCy0
- 敵だと恐ろしいけど端から見てる分には見ごたえあって面白い戦い
- 532 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:12:08.16 ID:ePB30675O
- 「ウ、ウホーーー!!」
無傷のジャングルモジャモンが、コエモン達を助けようと、前線のカメモン達に飛びかかる。
…フライビーモンは、糸を吐いたワームモンをトータモンの上へ着地させると、待機していた方のワームモンを掴んで飛んだ。
そしてジャングルモジャモンの腕へ、ワームモンが粘着糸を吐きかけた。
「ウホゴォオオオ!!」
腕に粘着糸が絡んだジャングルモジャモンは、動きにくそうだ。
ワームモンが2体いたのは、一度糸を吐いたワームモンを休ませ、待機していたワームモンへと交換することで、強力な粘着糸の連続発射をするためだったようだ。
「ウ、ウホォオ!!」
糸を絡められたジャングルモジャモンは、腹にトゲが突き刺さったジャングルモジャモンや、ブーメラン投げを粘着糸で封じられたセピックモンと共に、カメモンをゴリ押しで殴り倒しにかかった。
いくらDP低めといえど、それはあくまで成熟期基準だ。カメモンより格闘能力は遥かに上。
殴り合いなら負けはしない!
護りの硬いカメモンも、さすがに成熟期のパワーでボコスカ殴られたらダメージが入る。
…そのうち、3体のカメモンは、セピックモンに掴みかかって動きを封じた。
「ウキ!?」
そしてセピックモンの体を、トータモンの方へ向けた。
トータモンは、長い首を振り落ろし、仮面で覆われたセピックモンの頭部へ鋭いクチバシを打ち付けた。
「ウギャガァアア!」
セピックモンの仮面が割れた。
「ガアアァ!」
カメモン3体に捕まって暴れているセピックモンに対して、トータモンはさらにクチバシを打ち付けた。
セピックモンの頭部からは噴水のように真っ赤な動脈血が吹き出し、セピックモンは地に倒れ伏した。
「ウホォオォォオ!」
ジャングルモジャモンは、シャーマモン達と共に、死にものぐるいでカメモン部隊を殴り倒そうとするが…
カメモン達は耐える。
さすがにカメモン達も疲弊してきている。
石槍がぼきりと折れたり、顔面を殴られて倒れるカメモンが現れ始めた。
「ウホッホォォ!」
ジャングルモジャモン達は雄叫びを上げた。
だが、フライビーモンに掴まれたワームモンが、ジャングルモジャモンの腕にさらに粘着糸を浴びせる。
粘着糸は硬化し始め、どんどんジャングルモジャモンの動きは鈍っていく。
- 533 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:18:26.26 ID:ePB30675O
- カメモンの一体は、腹部にトゲが刺さっている方のジャングルモジャモンに狙いを定めると、腹部に刺さっているトゲに頭突きをした。
「ウゴホァアアアア!!」
カメモン達は、ジャングルモジャモンの腹部のトゲにかわるがわる頭突きをした。
「ゴ…ゴボオォ!」
ジャングルモジャモンの傷口から、真っ赤な血が吹き出す。
何度も打ち付けられたトゲが、ついに太い動脈を貫いたようだ。
「ヒ、ウホッヒイイイィィ!!」
地に伏し激痛に転げ回るジャングルモジャモン。
戦いながら前進するカメモン達は、それらを石槍で刺しながら踏みつけて、トータモンの前へ転がす。
「ガオオォォ!」
トータモンが長い首の筋力を活かしてクチバシを打ち付け、ジャングルモジャモンの頭蓋を叩き割った。
「ウ…ウホヒ…?」
残った方のジャングルモジャモンは、戦況を見渡した。
気付いたら、相方のジャングルモジャモンとセピックモンはどちらも死んでいた。
- 534 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:38:00.69 ID:ePB30675O
- シャーマモン達とコエモン達の数も、ずいぶん減っていた。
…このままでは勝てない。
そう察した残党たちは…
「ヒ…ヒイィーー!」
踵を返し、背を向けて一目散に逃げ出した。
カメモン達は足が遅い。
全力で逃げる霊長類デジモン達に追いつけはしないだろう。
…だが。
トータモンは、ジャングルモジャモンの背へ、トゲをミサイルのように撃ち込んだ。
「ウホギャアアア!」
転倒するジャングルモジャモン。
のしりのしりとゆっくり接近したカメモン達は、転げ回るジャングルモジャモンを石槍で突き刺した。
最後にトータモンが、クチバシでジャングルモジャモンの顔面を叩き割った。
フライビーモンは、背を向けて逃げる残党のシャーマモンとセピックモンに飛んで追いついた。
そしてそれらへ次々と、毒針を突き刺した。
悲鳴を上げたシャーマモンとセピックモンは、そのまま逃げ続けたが…
麻痺毒が回り、ばたりと倒れた。
そしてカメモン達は、倒した蛮族デジモンを捕食してエネルギー補給をした。
…なんということだろうか。
負傷して戦闘不能になったカメモンは2体ほどいるものの、部隊は一体の戦死者も出さずに、成熟期3体+成長期10体の蛮族の群れを全滅させてしまった。
- 535 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:44:07.94 ID:ePB30675O
- 部隊はそのまま突き進み…
とうとう蛮族集落へ突入した。
トータモン部隊は、目標へ向かって真っ直ぐに突き進み、それを破壊するという戦術を取った。
家屋も、食料貯蔵庫も、幼年期の育成室も。
すべてを破壊して回った。
トータモン達を止めようと飛びかかってきた蛮族デジモンを、先程と同じ戦法で叩き伏せた。
敵わないと悟った残党は逃走し…多くが背後からフライビーモンの毒針で仕留められた。
そうしてトータモン達は、蛮族の集落を占拠した。
たまに蛮族デジモン達が集落を奪還しようとして攻めてくるが…
やめて諦めたようだ。
こうしてこの小集落は、トータモンの手に落ちた。
- 536 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:49:12.39 ID:ePB30675O
- トータモンやカメモン達は、集落を開拓し、農園から持ち込んだ苗を植えて畑を開墾し始めた。
そのうち、今回の戦いで経験を積んだカメモンの一体がトータモンへ進化すると…
元祖トータモンは、ディノヒューモンの農園へ引き返していった。
…驚いた。
スティングモンが編成した亀デジモン部隊が、ここまで強いとは…。
ディノヒューモンが農耕の天才であることは間違いないが、彼の農園をこれまで蛮族から防衛してきたスティングモン…
あのスコピオモンの子孫であるスティングモンは、決して「デジクロスしたら強い奴」というだけではないようだ。
彼の血を受け継いだ我々のワームモンも、このように育ってくれるだろうか。
- 537 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:52:28.04 ID:ePB30675O
- うーん…
トータモン達は優秀なデジモンだな。
組織行動ができ、防御力がとにかく高い。
デジタマが欲しいところだが…
コマンドラモンが透明化の力を失ったこともあり、デジタマ採取は厳しそうだ。
それをケンキモンの本体へ聞かせると…
「はやく デジタマをうんで かこのわたしのぶんしんを そだてなくては…」
…だいぶプレッシャーを感じてしまったようだ。
そんな話をしていると、シンが声をかけてきた。
「ようやくキンカクモンのデジタマが孵ったッスよ!」
おお、ついにか!
- 538 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/08(水) 13:53:07.18 ID:ePB30675O
- つづく
- 539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 14:14:27.44 ID:DZHMbviIo
- 乙乙
凄まじい戦闘能力やディノヒューモン族
デジタマもどうなるか楽しみ
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 14:17:52.42 ID:6m17arnK0
- 乙
戦力失ったし蛮族側にはクラッカー支援があるしって言っても農園も強いんだなあ
- 541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/11/08(水) 15:12:27.85 ID:Ql9uScLw0
- 乙
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 18:55:41.99 ID:TDs/gM0q0
- 強すぎなディノヒューモン一族からデジタマ採取出来たの奇跡だ
- 543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/08(水) 22:11:56.34 ID:/ZNaJ/St0
- 確か「進化考察」とかはこのスレに直接書き込まず、旧ツイッターやハーメルンのメッセージ機能とかで送ればそれでいいんだっけ?
めんどくせーけど。
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/09(木) 03:36:54.17 ID:BMCkNL/L0
- >>186みたいな長文は正直痛々しいので、書くならチラシの裏にでも書いておいて欲しい
- 545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/09(木) 20:17:20.79 ID:nHJwrZuIo
- 「ケンキモンの本体」モンの名前早く知りたいな
- 546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 12:50:43.11 ID:yBMtOhrt0
- コマンドラモン進化して汎用性落ちたか?
- 547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 19:46:33.44 ID:g7gL161jo
- 必ずしも都合のいい進化してくれるとは限らんから困ったものだ
- 548 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/11(土) 23:22:55.58 ID:ev/qIlZso
- キンカクモンのデジタマからは…
赤くてプニプニした幼年期デジモン、プニモンが産まれた。
https://i.imgur.com/y8I72dU.jpg
前足とみられる2本の突起、尾とみられる1本の突起が生えており、これで地面をピョコピョコ歩き回っている。
パルモンやケンキモン(の本体)、カリアゲは、積極的にプニモンとコンタクトを取っており、フルーツ等で餌付けしている。
キンカクモンのデジタマがなかなか孵化しなかった理由だが…
ひょっとしたら「自身の遺伝子を周囲に適応させるのに時間がかかった」ためかもしれない。
キンカクモンには乳房がある。
あれは決して飾りではなく、授乳のための器官であるはずだ。
ともすれば、その幼年期デジモンは親デジモンから母乳を与えられて育つ形質を持っているはずだ。
ところがキンカクモンのデジタマは、その母乳を与えてくれる親デジモンから引き離された。
そのため、急遽母乳無しで生育できるように自身の胚を作り変え…そのために時間を取られたのではないかと推察している。
あくまで仮説だ。真の原因は別かもしれないが…
ともあれ、プニモンが母乳無しで生育できるように産まれてきてくれたことは僥倖といえるだろう。
…ちなみに、蛮族の集落で産まれるプニモン達は、なぜか我々のもとで産まれたプニモンとは「上下が逆」である。
つまり蛮族集落版のプニモンは三本の突起が頭部から生えるのだ。
多くの哺乳類型デジモンは、幼年期レベル1としてプニモンを産むが…
母乳を飲む種は突起が上になり、母乳を飲まない種は突起が下になり手足として機能するらしい。
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 23:25:11.96 ID:SKZHeFbco
- はえー
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 23:29:42.92 ID:HMZG33Cjo
- デジタマの時点で自我があるというのか
- 551 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/11(土) 23:54:20.17 ID:ev/qIlZso
- ちなみに、全ての哺乳類型デジモンがプニモンを産むわけではない。
プニモンを産むのは、類人猿型やコウモリ型、有袋類型…そしてごく最初期に出現した極一部の哺乳類型デジモンなどだ。
世代が進んで進化を重ねた四足歩行の哺乳類型デジモンは、多くがパフモンという白い毛皮でモフモフのレベル1幼年期デジモンを産むそうだ。
https://i.imgur.com/pYCoGzg.jpg
…それにしてもわからん!
なぜ母乳を飲む個体群のプニモンは突起が上に来るんだ!?
どう考えても突起が下になって手足のように機能したほうが合理的だ!
一体何の意味があるんだ…!?
そう思って、デジタルワールドの哺乳類型デジモンを観察してみた。
キンカクモン同様に乳房を持っているデジモン…、イノシシ型デジモンのボアモンを見てみよう。
https://i.imgur.com/sB0apGc.jpg
このボアモンはごく最初期に出現した哺乳類型デジモンであるため、パフモンでなくプニモンを産むのである。
ボアモンが、自分の巣に戻ってきた。
巣ですやすやと眠るプニモン達は目を覚ますと、もぞもぞとボアモンに寄ってきた。
ボアモンは脚を畳み、乳房をプニモン達へ近づける。
すると…
プニモンの頭の三本の突起の中心あたりに、なにやら穴が開いた。
プニモン達は、頭部から生えた三本の突起でボアモンの乳房に掴まると、自身の頭頂に空いた穴へ、ボアモンの乳首を入れた。
そのままプニモン達は、ブルモンの乳房へ三本の突起でしがみついている。
…
えっ!?口そこなの!?
てっきり目の下あたりにあるかと思ってた!
母乳を飲むタイプのプニモン達は、なんと口が頭頂に空いているのだ。
これは驚きだ。
頭頂の穴から母乳を飲むんだ…。
やがて、ボアモンに外敵が近づいてきた。
狼型デジモン、ファングモンである。
https://i.imgur.com/yf6zszt.jpg
- 552 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 00:06:23.31 ID:H4HUVzBhO
- ファングモンは、プニモン達を狙ってにじり寄ってきた。
ボアモンはそれを察知したらしい。
プニモン達を乳房にぶら下げたまま、全速力で走り出した!
プニモン達は、走るボアモンの乳房にしがみついている。
ファングモンは、ボアモンを追いかけて走った。
…我々のデジドローンで出せるスピードよりも速く木々の中へ走り去っていったため、ボアモンとファングモンがその後どうなったのかは知らない。
だが…
プニモンの頭部の突起は、どうやら親デジモンの乳房へしがみついたまま逃げるためにあると考えて良さそうだ。
デジモン達は、我々の世界の動物の常識では考えられない進化をすることがある。
プニモン達もその一例だ。
- 553 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 00:07:01.66 ID:H4HUVzBhO
- つづく
- 554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 00:08:06.55 ID:sMy2cdfko
- 合理的に変えてくんだねえ
- 555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 00:08:58.71 ID:3xXpRV6T0
- 乙
あの突起を口兼しがみつくように使うか
- 556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 00:09:48.12 ID:MuT4xusw0
- 乙
- 557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 16:19:31.85 ID:0Zj2gfcc0
- デジタマの頃の環境で同じように見える突起が全く違う役割になるか
- 558 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:11:51.58 ID:m0ZTyLaDO
- ある小学校から苦情の電話が来た。
なんでも生徒の親達のメールアドレスや、携帯電話会社のアカウントが盗まれてしまう被害が多発しているという。
被害者達はプチ見張りマッシュモンのサービスを導入しているのに、クラッカーの被害にあうとはどういうことだ、どうにかしろ、慰謝料払え、などと…
まくしたてるような口調で責めてきた。
しかし、どうにもおかしいのだ。
被害者達の名前が、プチ見張りマッシュモンサービスの契約者リストに一切載っていないのだ。
契約関係がないのだから、調査する義理はないのだが…
どうにもきな臭い。
汚名返上のために、その学校へ調査をしに行くことになった。
教員は契約書を見せてきた。
「ホラ!見守りマッシュモンサービスの契約書!知らんぷりはさせません!」
ん…?
見『守り』マッシュモンサービス…?
なんだこりゃ!
この業者、うちじゃないぞ!
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 18:15:39.74 ID:fN6jqr4Ao
- 草
- 560 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:22:45.45 ID:m0ZTyLaDO
- ほら、契約書に書かれてるサポート窓口の電話番号も違いますよ!
ここに電話してみたらどうですか?
「電話したけど通じないんですよ!あんた達勝手に電話番号変更したでしょ!最初の頃は電話通じたのに!」
いや、だって電話番号がバイオシミュレーション研究所とも、サービス業務委託先とも違うんですから。
「そんなわけないでしょおお!ほら、ちゃんとバイオシュミレーション研究所って書いてあります!契約書に!」
どれどれ…
…確かにおっしゃった通りに書いてますね。
…バイオ『シュミ』レーション研究所って。
「ね!?」
…うちはバイオ『シミュ』レーション研究所です!
バイオ『シュミ』レーション研究所じゃありませんよ!?
「同じでしょうが!ちゃんとマッシュモンがシステム保護してくれてるし、餌だってあげてる!見てご覧なさい!」
どれどれ…
私は試作品デジヴァイスを学校のパソコンへ接続し、仮称デルタの力でデジタル空間内の映像を映し出した。
やがて、高解像度の鮮明な映像がモニターに映し出される。
…このデジヴァイスは、想像してた以上に便利だ。
重いパソコンを持ち運ぶ必要がない。スマートウォッチ程度の小ささの軽い端末でデジタル空間を映せるのは本当に助かる。
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 18:25:30.23 ID:u49vt6pCo
- 教師ならちゃんと文字読めや!
- 562 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:29:00.81 ID:m0ZTyLaDO
- デジタル空間の映像には…
マッシュモンの姿が映し出された。
「ね?ほら、ちゃんとマッシュモンがいるでしょ!」
ど、どういうことだ…
全然契約した覚えがないのに…。
「それにしてもずいぶん綺麗な映像ですこと。軽量デジクオリアで映した映像はもっとジャギジャギしてるのに…」
デジタル空間内を見回すと…
…ん?
ズルモンやゲレモンが這い回ってるぞ!
このパソコン、クラッカーのスパイウェアデジモンに感染してる!!
「だから呼んだんでしょう!あなた達がいるのにこんなんなってるから!役立たず!」
…仮にも小学校の教員なのにその言い方はどうなんですか。生徒に背中を見せられるんですか?などと言いたくなったが、堪えた。
あちらとしても、生徒達やその保護者達が受けている被害をどうにか解決したくて必死なのだろう。
- 563 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:40:16.08 ID:m0ZTyLaDO
- このマッシュモン…
なんでズルモンやゲレモンを放置してるんだ…?
怪しいぞ。
色々わからん…
とりあえずリーダーに現状報告をした。
『なるほど…ひとつ確かめたいことがある。そのパソコンにインストールされている軽量デジクオリアとやらのことだ』
それがどうかしましたか?
『そのソフトを起動しろ。そして、デジヴァイスで映している高解像度デジクオリアと映像が同期しているか、今から指示する方法で確かめてくれ』
…調査方法はこうだ。
まずは軽量デジクオリアで、怪しいマッシュモンへ餌を与える。
その餌を…
私がデジヴァイスに入れて連れてきたボスマッシュモンに横取りさせる。
そのとき、軽量デジクオリアにどんな映像が映し出されるのかを確認するのだ。
もしもきちんとした正規品のデジクオリアなら、どれだけ解像度が低くてジャギジャギしていようと、二体のマッシュモンが映り、餌を奪われる光景が映し出されるはずだ。
では、実験開始。
「ほーら餌でちゅよ〜♪…って、コホン!オホン!ほら、餌を食べなさい」
教員さんが餌やりコマンドを実行する。
軽量デジクオリアに映し出されたのは…
一体のマッシュモンが、餌を食べる姿だった。
我々のデジヴァイスの画面では、二体のマッシュモンが映り、餌をボスマッシュモンが奪ったところが鮮明に映っているのに。
どういうことだ…!?
学校のパソコンの軽量デジクオリアと、デジヴァイスのデジクオリア…
二つの映像が全く同期していない!
『やはりか…』
リーダー!こ、これは!?
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 18:41:33.54 ID:3xXpRV6T0
- また色んな手を考える
- 565 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:47:57.03 ID:m0ZTyLaDO
- 『よく聞けケン。そのソフトウェアは…デジクオリアじゃない。偽物だ』
に、偽物のデジクオリア!?
不正コピー品ってことでしょうか?
しかし、不正コピー品ならカンナギからオタマモンが来て不正コピーソフトをハードウェアごと焼却するはずでは!?
『え!?そ、そうなのか?俺はそんな情報知らなかったが…』
ア゜ッッッッッッッ!!!!
すみません今の聞かなかったことにできませんか!?!?!?
『………………………………………………………わ、わかった』
ありがとうございます。
オホン…それで、偽物のデジクオリアってどういうことですか?
『その軽量デジクオリアと呼ばれるソフトの実態は、おそらく非実在のデジタルペットを育成するだけの、ただの育成ゲームソフトのようなものだ。餌を与えたら、餌を食べる映像が映るように最初からプログラミングされている。実際に餌を食べているかどうかとは全く無関係にな』
…な、なんだって…!?
じゃあこのデジクオリアは、実際には怪しいマッシュモンの姿を映してないってことですか!
『そうなるな。それもただの育成ゲームソフトじゃない…おそらくクラッカーのデジモンが侵入できるようにするためのバックドアが仕込まれているんだ』
や、ヤバ…
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 18:53:16.44 ID:ZG1eVjzDo
- よく調べなきゃグラフィックに映る情報を真に受けちゃうもんね
- 567 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 18:59:27.62 ID:m0ZTyLaDO
- じゃあ、このパソコンの中の怪しいマッシュモンは…!?
『…少し調べてみよう。ボスマッシュモンに、その怪しいマッシュモンの細胞の断片を採取させろ。うちのサービスで育成しているマッシュモンと同じ遺伝子を持っているか調べる』
分かりました。
では、この怪しいマッシュモンにチャットでコンタクトを取ってみます。
『マッシュモン、細胞の断片を採取させてくれ。正規のサービスで配っているマッシュモンと遺伝子を照合してみる』
すると、怪しいマッシュモンは…
…!?
なんと、ネットワーク回線のトンネルに向かって走り出した。
…来い、みんな!
こいつを捕まえろ!
私はデジヴァイスを使って、デジタル空間内にゲートを開いた。
トンネルを塞ぐようにゲートを開き、怪しいマッシュモンの逃走経路を断った。
これはすごい。ランドンシーフほど自由自在ではないが、ある程度アクセスポイントから離れた位置にもゲートを開けるようだ。
- 568 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 19:04:43.36 ID:m0ZTyLaDO
- ゲートから飛び出したのは…
『おいらのでばんだなああ!』
腕にワームモンをくっつけたブイモンだ。
『やれ!ワームモン!』
ワームモンが糸を吐き、怪しいマッシュモンを捕縛した。
やったぜ!
怪しいマッシュモンの細胞の断片を、ボスマッシュモンに千切り取らせて、ネットワーク回線経由で我々の研究所へ送ってもらった。
しばらくすると、リーダーから返事が来た。
『解析したが…、うちのマッシュモンと遺伝子が完全には一致していない。別株だ』
べ、別のマッシュモン…!?
『厳密には、遺伝子配列の一部は一致している。ある時点までは、我々のサービスのマッシュモンと遺伝子が一致していたようだ。育成デバイス「デジタルモンスター」を売ったあたりの時点まではな』
…ま、まさか…
育成デバイスからマッシュモンを抜いて育てた…!?
『配ったマッシュモン達のバイタルサインは常時デバイスから送信させていたし、買えなくなったら端末を返却させている。だからデバイスに入れたマッシュモンが奪われたわけではないはずだが…』
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 19:08:19.53 ID:jfhv9Ujx0
- 機動力がないから戦闘だとこれしかないとはいえワームモンもはやブイモンの一部だ
- 570 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 19:10:04.07 ID:m0ZTyLaDO
- …そういえば。
クラッカーが使う粘菌デジモンは、確かマッシュモンとヌメモンの遺伝子が混ざってるんですよね。
『…そうだ。ジョグレス進化と考えられる』
なんで今まで気付かなかったんだろうか。
少し考えれば気付けたはずだ。
クラッカーの手持ちには、粘菌デジモンにジョグレスさせる前に株分けしたマッシュモンがいる可能性がある…と。
その個体を犯罪に利用する可能性があると…!
「あ、あの、どうなったんですか?うちのマッシュモンちゃんは?」
…落ち着いて聞いてください。
あなたが契約した業者は、うちではありません…
悪質な詐欺業者です。
「へ!?」
我々を騙ることで、セキュリティデジモンどころかスパイウェアデジモンを仕込み…
こっそり情報を抜き取っていたんです。
「そ、そんな…!」
- 571 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/12(日) 19:10:41.20 ID:m0ZTyLaDO
- つづく
- 572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 19:13:15.24 ID:ZRYy1jMb0
- 乙
信じていたマッシュモンちゃんはただの犯罪の道具だったよ(´・ω・`; )
- 573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 19:49:05.96 ID:3xXpRV6T0
- マッシュモンがこの戦いの発端か
- 574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 19:51:37.69 ID:ztmJFjVW0
- 乙
昔の話がついに回収されたという感慨もあるな……
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/12(日) 20:09:27.94 ID:MuT4xusw0
- 乙
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/14(火) 15:20:11.22 ID:QiOxEriro
- このチームいつも風評被害に悩まされる
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/16(木) 22:18:46.83 ID:qlyiLdpf0
- マッシュモンの天下にも陰りが見えてきたかな
- 578 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 20:18:21.96 ID:PLmZrDjhO
- ボスマッシュモンは、ワームモンの糸で捕縛されているクラッカーマッシュモンにチャットで問いかける。
『なぜ クラッカーに かたんし あくじを なす』
クラッカーマッシュモンはチャットで答えた。
『ひとは われわれの かみだ ひとのやくに たて そう わたしのそせんは おそわった』
ボスマッシュモンは苦い顔をする。
『だが おまえは ひとを こまらせている それは よくない』
クラッカーマッシュモンは負けじと言い返す。
『おまえこそ われらのあるじの せいぎのおこないを いつも じゃましている ひとを こまらせているのは おまえのほうだ』
正義…!?
クラッカーマッシュモンは、クラッカーの行いを正義と言ったのか、今!?
ボスマッシュモンは叱咤する。
『サイバーはんざいに せいぎなど あるものか』
クラッカーマッシュモンはペースを乱されずに返答した。
『われらのあるじは せかいのいびつな しはいこうぞうを ただそうとしている』
え…?
何だって…?
なんか大事なことを言ってそうなので、マッシュモン達のチャット文章を自動で漢字に変換するようセッティングした。
『世界の秩序は いびつだ かつて世界を暴力で支配し 搾取する側に回った者達が 今は 暴力を振るうなと かつて踏みつけた者達に言っている 支配と搾取の構造を 覆されたくないがためだけにだ 醜いとは 思わないか』
な、何を言ってるんだクラッカーマッシュモンは…
クラッカーにそう言えと吹き込まれたのか?
『我々は 我が主の 理想に 心から 心酔し 新たな神と 崇めた わたしの活動は 我が神の 理想を叶えるための ひとつに すぎない』
ボスマッシュモンは腕を組み、首を横に振った。
『クラッカーに そんな理想など 存在しない 彼らは 私利私欲のために カネを騙し取る 只の薄汚い犯罪者だ おまえは それらしい嘘に 騙されているだけだ』
そう否定されたクラッカーマッシュモンは、ボスマッシュモンを強く睨んだ。
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 20:21:32.11 ID:RS+sr1Ito
- 宗教かな?
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 20:24:10.42 ID:bdTMY9fU0
- マッシュモンの語彙力やべえな
- 581 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 20:39:42.12 ID:PLmZrDjhO
- 『我が神を 否定すると いうのならば もう 戦いしか 残らない』
ボスマッシュモンは構えた。
『それしか ないようだ だが その状態で どうするつもりだ』
クラッカーマッシュモンはにやりと微笑んだ。
『こうする』
いつの間にか周囲に押し寄せてきていたズルモンやゲレモンなどの粘菌デジモン達が、クラッカーマッシュモンを包んだ。
驚くボスマッシュモンとブイモン。
そして粘菌デジモンの繭は、天井へと一気に登った。
く、しまった…!
スカモン大王になるのか…!?
前回のクレカ会社事件の出来事があって、全デジモンを持ち出すと本丸がもぬけの殻になってしまう危険性が見出された。
ゆえに今デジヴァイスに入れて連れてきた手持ちのデジモンは、ワームモン、ブイモン、ボスマッシュモン、そしてチビマッシュモンが数体…。以上だ。
ケンキモン、パルモン、オタマモン、プニモンは連れてきていない。
繭は天井で蠢いている。
中で合体し、大型の成熟期デジモンへと変態しているのだろう。
どうにかして、今のうちに繭を切り開いて内側からチビマッシュモン軍団で食い尽くしてしまえば勝てるが…
天井まで登る手段が今はない。
…どうする!?このまま指を咥えて見ていることしかできないのか…?
『ぼくに まかせて』
そうチャットを打ってきたのはワームモンだった。
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 20:44:02.42 ID:PLxbB0XZo
- デジモンってどいつもこいつも表情豊かだや
- 583 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 20:49:16.47 ID:PLmZrDjhO
- 『ブイモン あれにむけて』
「お、おう!」
ブイモンは、ワームモンがしがみついている腕を繭に向けた。
『ふりまわして』
「こ、こうか?」
ブイモンはワームモンごと腕を上に上げて、ぐるぐる回す。
ワームモンは糸を吐く。
すると、どんどん糸が伸び、空中で円を描く。
その直径はどんどん大きくなっていく。
そうか、ハンマー投げの要領で、遠心力を利用して天井まで糸を伸ばすのか!
いけ!ブイモン!
「おおおおりゃああ!」
ブイモンは、空中で回していた糸を、遠心力を利用して繭に向かって投げた。
ブイモンとワームモンの連携はぴったりだ。
糸は一発で見事に繭に当たった。
ナイス!すごいコントロールだ!
『さきっぽいがい ねばらないから このままのぼって!』
ボスマッシュモンはツルハシを持って、ワームモンが伸ばしたロープを登った。
どうやら本当に先端以外は粘着力がないようだ。ボスマッシュモンとその部下たちは、ロープを伝って繭へ近づいていく。
器用なことができるようになったな、ワームモン…。
そして賢くなった。
親のスティングモンに少しずつ近づいてきているのだろうか。
- 584 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 21:03:13.94 ID:PLmZrDjhO
- ボスマッシュモンは、ツルハシを振って繭へ打ち込んだ。
…だが、パワーが足りない!
マッシュモンはそんなに腕力があるデジモンではない。
ツルハシを何度か打ち込んでいるが、なかなか繭を破壊できていないようだ。
ツルハシじゃだめだ!
虎の子のスナイモンの鎌を持ってきているので、それをボスマッシュモンへ渡した。
ボスマッシュモンは、鎌で繭を切り裂いた。
…だが、まだパワーが足りない…!
くそ、せめてブイモンやパルモンくらいのパワーがないとキツいか。
だがブイモンは今、下でロープを支えている…!
さすがに戦力が足りないんじゃ…!?
今回はネット回線のトンネルが粘菌デジモンで塞がれていないから、ネット経由で増援を要請できる。
このまま成熟期に進化されたら厄介だ。
やはり、ケンキモンに来てもらった方がいいのでは…!
だ、だめですかスポンサーさん!?
『リーダー君から話は聞いた。契約通り、ケンキモン君の出撃はまだ許可できない。デジタマを最低ふたつ産んでからでなくてはね』
くっ…
だめですか…!
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:05:39.41 ID:YT0svTUZ0
- ロボット物で切り札の発動をなかなか承認してくれない長官みたいなシチュエーション
- 586 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 21:10:05.88 ID:PLmZrDjhO
- 『だが…見張りマッシュモンサービスのニセモノなんてものがのさばったら、我々のブランドに大きな傷がつく。これは見過ごせないねぇ!代わりの増援を既に向かわせたよ!』
代わりの増援…!?
ネット回線のトンネルの方を見ると…
四足歩行のデジモンがペタペタと這ってやってきた。
そのデジモンは、そのまま壁にひっついて壁を登り、天井に貼りついた。
そして、繭へ向かって口から火炎放射を吐いた!
「クワァァ〜!」
粘菌デジモン達の繭がメラメラと燃えていく!
そのデジモンは紛れもなく…
サラマンダモン!
サラマンダモンが来たぞ!
『はっはっは、君達が保護した個体…サラだよ!パチモノの詐欺デジモンなんて焼き尽くしてしまおう!』
- 587 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/18(土) 21:10:49.69 ID:PLmZrDjhO
- つづく
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:12:31.83 ID:PhdcFi0Io
- これは熱い
おつー
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:12:39.99 ID:SXqvCYL+0
- 乙
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:14:13.14 ID:OOUXga5So
- 乙
最高の助っ人が
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:16:02.51 ID:YT0svTUZ0
- いつも頼れるスポンサーさん
乙
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:18:58.65 ID:V274x+fn0
- 乙
すっかり頼りになるポジションになったもんだ
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/18(土) 21:29:36.85 ID:KcrA6350O
- 乙
- 594 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 20:57:04.35 ID:q+yBML/gO
- 天井に貼り付いたサラは、粘菌の繭へ燃料を噴射し続ける。
繭は既に燃えているので、吐くのは火炎じゃなく燃料だけでいいのだ。
メラメラと燃える繭は…
突如、破裂した。
飛び散る破片の中から出てきたクラッカーマッシュモンは、落下しながら毒キノコをサラへ投げつけた。
毒キノコはサラの顔にポコっと当たった。
サラはそれを炎のオーラで焼き尽くそうとしたが…
突如、毒キノコは爆発した。
「クワアアア!?」
キノコの胞子が粉塵爆発を起こしたのか…
なかなかやるな。
大丈夫かサラ!?
「ク、クワアァ!」
サラは着地したクラッカーマッシュモンへ火炎放射を浴びせようとするが…
『まってくれ』
ボスマッシュモンがサラにチャットを送った。
「クワ!?」
火を吹くのを止めるサラ。
クラッカーマッシュモンは続けて毒キノコを投げようとした。
「おらああああぁぁ!」
ブイモンは、スナイモンの鎌でクラッカーマッシュモンを横一文字にぶった切った。
「マシイィイイィィイィイ!!」
クラッカーマッシュモンは、腰から上と下が真っ二つに分かれた。
決着だ。
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/20(月) 20:58:40.18 ID:tuPeNvyZo
- サラは誰かの喋ってることは理解は出来ても自分からチャット送るとかは出来ないだったか
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/20(月) 20:59:35.08 ID:HOSFUTuJ0
- ブイモン君全然有能なのにオンリーワンの個性がないから本人もコンプレックスになる
- 597 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 21:14:21.14 ID:q+yBML/gO
- 上半身と頭だけになったクラッカーマッシュモンは、じたばたと暴れる。
マッシュモンはパワーが弱い分、生命力が異常に強いのだ。
教員はその無惨な姿を見てショックを受けているようだ。
「あ、ああ…マッシュモンちゃん…!」
教員さん。
なぜ正規のセキュリティサービス業者と契約せず、こんな怪しい業者と契約したんですか?
先程パソコンを調べさせて頂きましたが…
このパソコンからマルウエアに感染し、生徒の保護者達へ自動でウィルス付きメールが送信されたようです。
そしてメールを開いてしまった親御さん達のパソコンへ、マルウエアの感染が広がっていった…。
もし誰か一人でも正規の見張りマッシュモンサービスと契約していれば、マルウエアの感染を検出して防止できました。
全員が同時に詐欺に引っかかるというのは流石におかしいのではないですか?
「…だって。正規の業者は料金が高いんですもの」
そんなにですか…?
「今は給食費払うのにすら苦労する親御さん達がいっぱいいるんです!それに学校だって、物価上がってる世の中で、あれこれの費用を頑張って頑張って切り詰めてるんです!それなのに世間では税金減らせ、公務員の給料減らせ、学校が使う金も減らせ減らせって…。だから少しでも負担を減らそうと思って…」
…正規より安い料金のサービスを選んだんですね。
「だってそれが普通でしょう!スーパーの野菜だって国産の高いやつより外国産の安いのを買う!車だって高い新車より安い中古車を買う!家だって新築より…ぜぇはぁ…。安いのを選ぶのは…今の時代…当たり前でしょう…!」
…
内心、この人教育者として大丈夫なんだろうかと思ったが…
言わないでおいた。
「良かれと思って…みんな大変だから…良かれと思ってやったんです…悪気はなかったんです…ねえ…悪いのって私ですか?また私だけが親御さん達から責められて責任負わされるんですか?ねえ?」
…悪いのはクラッカーですよ。
「…ですよねぇ…」
だからもう怪しい業者には騙されないでください。
- 598 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 21:40:06.54 ID:q+yBML/gO
- ブイモンはなにやら訝しげな顔をしている。
「まだまだオイラぜんぜんだめだな。サラマンダモンだっけ?こいつ、だれかしらないけど…こいつがたすけにきてくれなかったら、オイラたち、てきにかてなかった」
…そうだね。
「ぜんぜんよええよ…」
そんなことないよ。
ちゃんとブイモンが鎌でトドメ刺したじゃんか。
「おぜんだてしてもらっただけだよ…。ってか、なんでテキは、サラマンダモンみたいなさいしょっからつえーやつをおくってこねーんだ?」
前に一度、そこそこ強い成熟期デジモンを繰り出してきたときがあったよ。
アイスモンという奴だ。
まあ、サラマンダモンに瞬殺されたけど。
「まじか!つええな!」
そのアイスモンは、ランサムウェアデジモンの母体だったから、そいつを倒して以来しばらくの間ランサムウェアデジモンが出現しなくなった。
つまり…
クラッカー側にも強い成熟期デジモンはいるっちゃいるだろうけど、討伐されたり、もしくは侵入した端末がネットから遮断されて監禁されたら貴重な母体デジモンをロストしたり鹵獲されることになってしまう。
それはクラッカーデジモンを殖やすことにおいて大きなロスになる。
だからクラッカーは、迂闊に強いデジモンを送り込んでこれないみたいだ。
「…そっか。じゃあスカモンとかはなんなんだ?」
粘菌型デジモンは殖やすのが容易だし、合体すれば強くなるから、リスクが低いというわけだ。
「なるほどなー…」
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/20(月) 21:41:08.28 ID:74msPB3T0
- ブイモンちゃんと質問できてえらいね
- 600 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 21:46:05.15 ID:q+yBML/gO
- ボスマッシュモンは、クラッカーマッシュモンにしがみつく。
『な 何をする気だ』
『お前を 私に 吸収し 記憶を もらう』
『やめろ 私は消えるわけにはいかない 命をかけても 主の望みを叶えなくてはならない』
『なぜ それほどまでに 悪事に加担したがる』
ボスマッシュモンは、クラッカーマッシュモンを吸収しながらチャットで問いかける。
『何故とはなんだ ヒトは 我々の祖先に命の恵みとなる糧をくださった 神のごとき存在だ ヒトに恩返しをする それこそが 我々マッシュモンの使命ではないのか』
ボスマッシュモンははっとした。
『…人間は すきか』
クラッカーマッシュモンは答えた。
『当たり前だ 敬愛し 崇拝している』
…そうか。
そういうことだったのか。
デジモンはロボットでも奴隷でもヒーローでもない。
デジモンが人間に力を貸すときは、必ずデジモン側にその動機が存在している。
手を貸す動機がない場合、敵味方問わず襲いかかるファンビーモンや、働かないズバモンルドモンのようになるということだ。
そして、マッシュモン達の系統…
ボスマッシュモンやクラッカーマッシュモン、そしてスカモン達が持つ『人の命令に従う動機』は…
『崇拝』と『感謝』なんだ。
かつて我々のサーバーに住み着き、菌糸の城を建て、そこで我々のパソコンから齎された餌の恵み。
それを与えた我々を神と崇め、感謝をする気持ち。
我々の側も、クラッカー側も。
人間を『崇拝』していることが、人の命令に従う動機なんだ。
ボスマッシュモンは慈しむような表情をしながらチャットで語りかけた。
『身を委ねろ お前は 消えるわけではない 私とともに 記憶を維持し ひとつになって生きるのだ ヒトへ感謝し 恩返ししたいという気持ちは 私と 同じだ』
『…ああ、あああ』
『祈ろう ともに』
クラッカーマッシュモンは目を瞑った。
ボスマッシュモンへ吸収されていく…
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/20(月) 21:47:13.56 ID:gb+3l7lKo
- ナメック星人?
- 602 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 21:55:35.17 ID:q+yBML/gO
- その時。
突如、巨大なデジモンの大きな口が、ボスマッシュモン達を丸呑みにした。
な、なんだ!?
そこにいた巨大な影は…
https://i.imgur.com/Vg3dv4O.jpg
…モリシェルモン!
馬鹿な…なんでこいつが今、ここに!?
クラッカーが送り込んできたのか…?
だが、モリシェルモンは知能が低くて凶暴なデジモンだ。
間違っても人間の指示を聞くような奴じゃない!
「クワアアア!」
サラマンダモンは、天井からモリシェルモンに向かって火炎放射を放った。
「ウゴシャアアアアアア!」
モリシェルモンは、頭部から凄まじい勢いの水流を放った。
サラマンダモンの火炎放射は、燃料に火をともして噴射するものだ。
当然水圧で押し負ければ、火炎放射も押し負ける。
圧倒的な水圧で放たれたモリシェルモンの水流は、サラマンダモンの火炎放射を押し返し、天井のサラマンダモンにヒットした。
「クワアァ!?」
ファンデルワールス力を利用して天井にひっついていたサラマンダモンは、地面に落下する。
- 603 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 22:05:52.27 ID:q+yBML/gO
- や、やばい!
一旦逃げろ!
私はできるだけデジモン達へ近い位置へゲートを開いた。
サラマンダモンからゲートまでの距離は10mほどだ。
急いで入ってこい!
「ク、クワアァ!」
サラマンダモンはゲートに向かってペタペタと這ってくる。
「ウバシャアアアアアアア!」
モリシェルモンは、口を開くと…
凄まじい勢いで、何かを飛ばしてきた。
小さな貝殻を、水圧によって凄まじい勢いで飛ばしてきたのだ。
「グワッ!」
貝殻は、サラマンダモンの胸部を深々と貫き、吹き飛ばした。
5mほど転がったサラマンダモン。
「ゴブ…ゴッ…」
あ、ああ…やばい。
あの位置は、気管支を脊椎ごとぶち抜かれている。
夥しい量の出血をするサラマンダモン。
『サラ!!!』
スポンサーさんの叫び声が、端末から聞こえてきた。
「あ、ああ、あ…」
ブイモンは、モリシェルモンの威圧感に気圧され、震えている。
ブイモンの左腕にしがみついているワームモンも、目を見開いて仰天している。
やばい…力の差がありすぎる!
逃げろブイモン!
「か…かえせ…マッシュモンかえせよ…!」
ブイモンはモリシェルモンを睨み返す。
「う…うあああ!おれだって!やれるんだ!」
ブイモンは鎌を持ってモリシェルモンに飛びかかる。
ダメだ!
逃げろブイモン!
- 604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/20(月) 22:07:04.73 ID:gb+3l7lKo
- ぜ、全滅しちゃあ
- 605 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/11/20(月) 22:23:32.67 ID:q+yBML/gO
- 危篤のサラマンダモンは…
ぷるぷると震えながら、デジタマを一個産んだ。
まるで、己の命を後世に託すかのように。
「うあああーーー!ぶったおしてやる!」
モリシェルモンは、頭部を殻に引っ込めると、貝殻を高速回転させて宙に浮いた。
そして、凄まじい勢いでブイモンにタックルしてきた。
「う、うわあぁ!」
ブイモンは、咄嗟に…
左腕でガードした。
凄まじい衝撃音とともに、ブイモンは吹き飛ばされた。
吹き飛んだブイモンは、何かにぶつかった。
ゴチャ、という嫌な音がした。
「うぐぐ…いてて…!」
ブイモンはむくりと起き上がった。
良かった、どうやら無事なようだ。
…無事?
いや、そんなはずはない。
あれ程の衝撃を受けて、無事なはずがないのだ。
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