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プリキュア作るぞ part2【安価有】
- 775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/10(火) 09:22:12.30 ID:n3m7X0gN0
- Aなんで私達以外プリキュアいないの?なんで初めは透ちゃんしか選ばれなかったの?って誰かが疑問投げかけた
- 776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/10(火) 10:46:03.83 ID:E3R6yprm0
- @は透ちゃんがみんなの教室に突撃して1人ずつ別々の口説き文句で誘惑してくことにすれば3つまで選べるのではないか?
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/10(火) 11:00:06.00 ID:L/a9InJNo
- A透ちゃんのちっちゃい頃のアルバムみんなで見る
色んな女の子のお友達と腕組まれてたり抱きつかれてたり(透ちゃんはキョトン?としてたりポヤーとしてる表情ばっかり)
劇の写真全部王子様役だったり
昔は「透ちゃんのお嫁さんになる〜!」と言われてたことがよくあったり(本人は急におままごと始まったのかと思ってた)
男の子だと思われてた疑惑が生まれる
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/10(火) 16:14:28.85 ID:q/lpi8E10
- Gが出たのでプリキュアに変身して倒そうとしたらクリアのマントの中に入ってきた
- 779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/10(火) 23:48:51.10 ID:6TUehs8Yo
- A透ちゃんの家に自分も行きたかった霰ちゃんがこっそり後をつけてきた
という名目で姉の面目を保つために忘れ物をこっそり誰にも姉本人にさえ気づかれないように鞄に入れにきた
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/11(水) 02:31:52.16 ID:v08xusDgo
- Aシアさんが本当にスピリットピースお吸い物にしてすすってた
と思ったら具をスピリットピースの形に切って透が作ってくれたお吸い物だった
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/12(木) 01:23:06.40 ID:xigk1KG5o
- @私と初夜過ごさない?
A透ちゃんああ見えて実は家事スキル高かったこと発覚(親がそういうことはちゃんと教えてくれた)
が効率化のため身体の一部を変身させてプリキュアの力使ってセコいことたまにやる(リモートコネクト使って届かない隙間掃除したり邪魔なもの全部マントのなかにいれたりロケーションムーブ使って全てのスーパーの特売ゲットしたり大量の荷物マントの中入れたり料理しながらリモートコネクト使って冷蔵庫とか遠くから物取ったり等々)
- 782 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/13(金) 06:30:24.47 ID:/Pml3to4o
- >>776
採☆用
- 783 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/13(金) 06:39:51.48 ID:/Pml3to4o
- 桜野「……」
桜野(…………話そう)
桜野(やつらがどういうつもりなのかは分からないけれど、わたしはここで戦いを終わらせたい)
桜野(絶対負けられないけど、それだけじゃない。ここで勝たなきゃいけない)
桜野(きっと最後のチャンスになる。だから確実に倒し切りたい。そのためにはみんなの力も借りなきゃいけない)
桜野(タイミングを見つけて、ちゃんと話さなきゃ……)
桜野「……」
桜野(……わたしにはもうあまり時間がない)
透「桜野ってばー」
桜野「!」ビクッ
透「やっと反応した」
桜野「えあ、あ、透ちゃん……」
透「無視は傷つく」ムスッ
桜野「ご、ごめ……」
透「大丈夫? なにかあった?」
桜野「……ううん、なんでもない。透ちゃんこそどうしたの? なにかおはなし?」
透「あ、うん。あのね……」
安価下1
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- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/13(金) 07:24:13.36 ID:rcAJBjv7o
- >>752
- 785 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/15(日) 00:16:10.53 ID:OEHoJt71o
- 透「今度私ん家のお布団でマグロになりなよ」
桜野「………………は?」
透「?」
桜野「い、今なんと……?」
透「だからうちのお布団でマグ……」
桜野「OK分かったもういいぜ……まさか聞き間違いじゃないとはな……」
透「変な桜野」
桜野「いやいや変なのは……」
ザワザワ
桜野「はっ……!」
透「?」
「ねえねえ今の聞いた……?」コソコソ
「仲いいなとは思ってたけどまさかそこまで……」ヒソヒソ
「マグロってー?」
「あんたは知らんでよろしい」
「……おれぁやっと居場所を見つけたわけだが」
「……どうやら死にてぇらしいな」
透「あれ? なんかざわざわ?」
桜野「透ちゃーんちょっとあっちでおはなししよーねー?」ニコ-
透「?……??」
「うわ呼び出した……!」
「2人きり!? ってことわてことわ……!」
「でも待って……なんでマグロ……?」
「シミ数えてるだけでいいって意味なんじゃ……」
「シミってー?」
「あんたはそのまま大きくなりなさい」
「……退いちゃあくれねぇかい」
「……そいつぁ聞けねぇ相談だなぁ」
桜野「はやくおいでー」グイ-
透「おおおー?」サレルガママ-
- 786 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/15(日) 00:28:08.36 ID:OEHoJt71o
- 桜野「お泊まり?」
透「うん」
桜野「お泊まりのお誘い?」
透「うん」
桜野「お泊まりのお誘いだったのあれ……」
透「? うん」キョトン
桜野「そかそか……」
透「うんうん」
桜野「……いつ?」
透「今週末。どうしても今週末がいい」
桜野「今週末か……」
桜野(ドンピシャだな……それに泊まりってなると……)
桜野「……」ギュ
透「……だ、だめ?」オズオズ
桜野「……!」
桜野(……いや、チャンスか……ライガに言われたこと、みんなに話すチャンス)
桜野「………………」
桜野(それに……)
桜野「…………うん、わかった。しよっか、お泊まり」
透「ほんとに!?」パアッ
桜野「うん」ニコッ
- 787 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/15(日) 00:39:10.12 ID:OEHoJt71o
- 透「へへ、やった……!」
桜野「あ、ところで」
透「んぅ?」
桜野「誘ってくれた時なんて言ってましたっけ?」
透「今度私ん家のお布団でマグロになりなよ」
桜野「なんでそうなった……」
透「変だった?」
桜野「変というかなんというか……誤解が……」
透「うちのお布団で寝ていいよって意味じゃないの?」
桜野「だったらそう言ってくれれば……」
透「だってなんかあれだし……恥ずかしいし……」
桜野「え、恥ずかしい……?」
透「う、うん……」
桜野「……するってえとなにかい? 照れ隠しだったってことかい?」
透「むぅ……ちょっとイジワル」
桜野「いやイジワルっていうか……そういうこと、わたし以外に言ったらダメだからね?」
透「え、ダメなの? 朱と雪菜も誘おうと思ってたのに……」
桜野「あ、そういう意味じゃ……」
透「ま、まあでも……桜野が2人きりがいいって言うなら私は……」
桜野「いやいやみんなも誘おう! 大勢の方がきっと楽しいよ!」
透「桜野がそう言うなら」コクコク
桜野「それじゃあさっそくれつご!」
透「れつごー」
- 788 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/15(日) 00:50:20.00 ID:OEHoJt71o
- 3年教室
ガヤガヤ
クラスメイト「それでさー」
朱「はっ!」ピクッ
クラスメイト「え、なに急に……こわ……」
朱「かわいいの気配……!」
クラスメイト「は?」
朱「来るッ……!」
透「朱ぇ……?」ヒョコッ
朱「透ちゃあーん!!!」バッ
クラスメイト「うわ」ビクッ
透「あ、いたいた」トテトテ
朱「どしたのこんなとこまでー!」
透「ちょっと」
クラスメイト「ああ、いつかのまだ彼女じゃない子」
透「まだ?」
朱「気にしないで気にしないで。それよりなあに? 会いに来てくれたの?」
透「ちょっと聞いてほしいことが」
朱「うんうん、なんでも言って!」
透「あのね……」
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- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 00:52:40.15 ID:Ue65NP3Uo
- >>748
- 790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 10:20:18.64 ID:W0RvnzFCo
- 仕事忙しいのか
どっかで悩んでるのか
- 791 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 22:13:30.67 ID:+gfMEwJio
- イソガシイヨ-
- 792 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 22:24:08.04 ID:+gfMEwJio
- 桜野「さてさて、透ちゃんうまくやってるかな……」ソロ-
透「今度私に夜這いしにこない?」クイッ
桜野「ぶふぉっ!?」
朱「ぶふぉっ!?!!?」
クラスメイト「朱あんた……」
朱「ちがっ、誤解よ! まだなにもしてないわ!」
クラスメイト「まだ?」
朱「言葉の綾!」
透「ふんふん!」ドヤドヤ
朱「と、透ちゃん……なにか勘違いとかしてない……?」
透「勘違い?」
朱「その……夜這いとかって……」
透「一緒に寝るってことじゃないの?」
朱「勘違いじゃない!?」
透「だめ?」コテン
朱「うぐっ……!! だ、ダメよ! だってあたしたちまだ……!」
透「どうしてもダメなの?」
朱「き、きっと親御さんがびっくりするわよ……!」
透「そこは大丈夫。ちゃんと許可とった」
朱「親公認!?」
透「朱も一緒がいいな……」
朱「うううっ、そんな目で見ないで……すっごく魅力的だけど…………ん? も? も、ってことは……?」
透「桜野はいいよって」
朱「いきなり複数!?」
透「私は2人でもいいかなって思ったんだけど、大勢の方が楽しいって桜野が」
朱「桜野ちゃんの希望なの!?」
透「私も賛成」
朱「透ちゃんも!?」
朱「え、え、なに……じゃあなに……それはあれ? あれなの? つまりその……挟まっていいってこと? あいだに? 公認で?」ブツブツ
朱「な、なんていうことなの……千載一遇? それとも罠? あたしそんなに徳積んだっけ……?」
朱「お、おおお落ち着くのよ秋葉朱……冷静に……ああ、ああ……透ちゃんも桜野ちゃんも……あたしの知らないうちになんて遠いところに……」
桜野「ふふくくくっ……ぷくっくくくっ……!」クスクス
朱「あ」
- 793 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 22:41:51.29 ID:+gfMEwJio
- 桜野「いやぁ、面白くてつい」
朱「ついじゃないわよもう……」
透「で、で? 来れる?」キラキラ
朱「そんな目で見られて断る選択肢なんてあるだろうか。いやない。週末ね?」
透「うん!」パァッ
クラスメイト「朱、そっちの子岸波さん?」
朱「あれ、知ってるの?」
クラスメイト「なんか走り回ってるのを見かける」
朱「あー」
桜野「改めまして岸波桜野です。お困り事があればご贔屓に」ペコリ
クラスメイト「万事屋?」
桜野「ボランティ屋で」
クラスメイト「なるほどそれで……いやでも近くで見るとかわいいな……2人はどういう関係?」
朱「桜野ちゃんとは……」チラッ
桜野「?」ニコッ
クラスメイト「え、なにそのいい仲の2人が交わすアイコンタクトみたいなやつ……出来上がっちゃってる感じ?」
朱「ゆくゆくは……!」
桜野「永久未完です」
朱「そんなぁ……」
透「永久みかん? みかんいっぱい?」
桜野「またベタな勘違いを……違うよ透ちゃん」
透「1個だけ?」
桜野「ではなく」
透「?」
朱「勘違いといえばさっきの。聞いてたんなら止めてよ……」
桜野「あはは、透ちゃん1人の方が朱さん喜ぶかなって」
朱「バカね。2人なら2倍嬉しいわよ。いえもっとかしら……?」
桜野「ほんとですか?」
朱「忘れたのかしら? あたしはね、桜野ちゃんを誘拐するために日夜計画を練っているのよ?」
クラスメイト「なにやってんの?」
桜野「まだ諦めてなかったんですか……」
朱「そのうち攫いに行くからね!」
桜野「……期待しないで待ってます」
朱「え……ゴーサイン……?」
クラスメイト「いや冗談だよ」
透「だめ。桜野は渡さない」キュ
クラスメイト「あれ冗談だよね?」
- 794 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 22:48:30.26 ID:+gfMEwJio
- 桜野「それじゃあわたしたちは雪菜ちゃんを誘いに行くので!」
透「いってきます」
朱「はーい」フリフリ
クラスメイト「……本当に誘拐とかしないよね?」
朱「うーん……ちょっと本気かも?」
クラスメイト「警察屋さんに追いかけられるようなことやめてよね?」
朱「そうなったら逃げるわよ。走って逃げる」
クラスメイト「今のうちに練習しとこうかな……朱さんはとても優しい子でした」ウルウル
朱「でもきっと……それじゃダメなのよね……」
クラスメイト「……?」
朱「……」
クラスメイト「……ところで朱」
朱「……なあに?」
ザワザワ
クラスメイト「さっきまでの話めちゃめちゃ聞かれてるけど」
朱「oh...」
- 795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:50:09.20 ID:jY9E/nDRo
- クラスメイト先輩もキャラ濃いな
- 796 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 22:55:24.08 ID:+gfMEwJio
- 2年教室
クラスメイト「雪菜ちゃーお客さー」
雪菜「はーい。誰かな……?」
クラスメイト「せんぱーい」
雪菜「先輩ってことは……」
クラスメイト「ちょーかっこいー」
雪菜「え……か、かっこいい……? おおお男の人っ……!??」
クラスメイト「おー? 告白かー?」
クラスメイト「大人しそうに見えて意外と隅に置けんなー」ニヤニヤ
雪菜「ちがっ! そんなんじゃ……!」
クラスメイト「女の人つれてるー」
クラスメイト「サンカクカンケー?」
クラスメイト「修羅場か!」
雪菜「だ、だから違うってっ……!」ワタワタ
透「雪菜ー?」ヒョコッ
雪菜「あ、あれ? 透さん……?」
桜野「わたしもいます!」ヒョコッ
雪菜「あ……桜野さん……」
- 797 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:03:06.39 ID:+gfMEwJio
- 雪菜「びっくりしましたよ。かっこいい先輩っていうから何事かと……」
透「かっこいい?」
雪菜「クラスの子が言ってたんです」
透「私かっこいいの?」
桜野「イカすぜ!」
透「イカ?」
雪菜「かわいい先輩って言われたら気づけたと思うんですけど」
透「私かわいいの?」
桜野「それはもう」
雪菜「とてつもなく」
透「ふ、ふーん……」フイッ
桜野「かわいい……」
雪菜「かわいい……」
透「そ、それより! 話があって来たの!」
雪菜「あ、そうですよね。なんですか?」
透「あのね……」
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- 798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:03:39.90 ID:j8UA3dQcO
- >>774
- 799 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:10:32.12 ID:+gfMEwJio
- 透「みんなで私ん家に一晩中強姦しない?」ニコッ
雪菜「……」パチクリ
透「……」
雪菜「…………?」
透「…………?」
雪菜「……強姦?」
透「強姦」
雪菜「……」
透「……」
雪菜「?」
透「?」
桜野「?」
- 800 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:20:47.05 ID:+gfMEwJio
- 雪菜「お泊まりならお泊まりってちゃんと言ってくださいよぉぉぉ……!」ガクッ
透「間違ってた?」
雪菜「大いに……!」
桜野「なぜ強姦……」
透「あの漢字、強いに女がいっぱいでしょ? みんなで集まって私たちさいきょーみたいな感じじゃないの?」
雪菜「じゃないです……!」
桜野「勘違いでもそこそこ物騒だねぇ」
透「それでそれで、どう? 来れる?」
雪菜「あ、えと、あー……あの、桜野さんも……来ますか?」
桜野「うん」
雪菜「そう、ですか……うん、なら私も行きます」
透「ほんと?」パァッ
雪菜「おはなし、したいので……もっとたくさん……そうしなきゃいけないと思うので……」
透「?」
雪菜「今週末ですよね?」
透「うん。どうしてもそこがいい」
雪菜「じゃあ霰にバレないように準備しなきゃです」
透「霰ちゃん? 一緒でもいいよ。ね?」
桜野「うんうん」コクコク
雪菜「ダメです。せっかくのお泊まりなのに、皆さんに妹の面倒を見てもらうなんてできません。特に朱さんにはたくさん迷惑かけちゃいそうですし」
桜野「むしろ喜ぶんじゃない?」
雪菜「……と、とにかく霰はお留守番です!」
透「喜びすぎて壊れてもめんどくさいか」
雪菜「はい、めんどくさいです」
桜野「辛辣ぅ……」
- 801 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:26:12.63 ID:+gfMEwJio
- 透「♪」トテトテ
桜野「……」テクテク
透「2人とも来てくれるって」ニコニコ
桜野「よかったねぇ」
透「うん! 張り切って準備しなくちゃ!」
桜野「うん」テクテク
透「桜野桜野」
桜野「……なあに?」
透「楽しみだね!」ニコッ
桜野「……うん」ニコッ
- 802 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:27:02.37 ID:+gfMEwJio
- ここまで
- 803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:28:38.67 ID:mGni8yUn0
- 乙
女子中学生達は割と耳年増
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:28:41.92 ID:P0BpYb6Go
- おつおつ
- 805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:53:00.24 ID:+QchJE7To
- 久しぶりの乙
- 806 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/20(金) 00:48:34.43 ID:/eqOIwGXo
- 週末 透宅
「「「お世話になります!!!」」」
透母「遠慮せずにくつろいでいってね」
朱「お義母さまお若い!」
透「なにか違和感……?」
透母「あら、ありがと。朱ちゃんにそう言ってもらえるなんてうれしいわ」
朱「え、あたしのこと……」
透母「もちろん知ってるわよ。でもまさかモデルの子が透と仲良くしてくれるなんてね」
朱「もっと仲良くしたいと考えております!」
透「私はおなかいっぱい」
朱「そんなぁ……」
透母「あなたが雪菜ちゃんね」
雪菜「あ、は、はい、はじめまして。透さんにはいつも仲良くしていただいて……」ペコ
透母「丁寧にありがとね。これからも仲良くしてもらえたらうれしいわ」
雪菜「こちらこそ、です」
透母「それであなたが……」
桜野「あ、岸波桜野です」ペコ
透母「あなたが桜野ちゃんね。あなたとは一度ちゃんとおはなししたいと思っていたの」
桜野「ほぇ? おはなし?」
透母「ええ、透がいろいろ話してくれるから気になることがいっぱいあって」
桜野「そなの?」
透「そ、そんなにいっぱいは話してない……」
透母「毎日すごく楽しそうに話してくれるの。特に『今日の桜野ちゃん』は我が家の食卓の人気コーナーよ」
桜野「人気コーナー!?」
透「お母さんっ!」
透母「ふふふっ」
- 807 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/20(金) 00:59:29.83 ID:/eqOIwGXo
- 桜野「あ、そういえばお父さんは?」
雪菜「そうですね。お世話になりますし、いらっしゃるならご挨拶を……」
朱「お義父さまに挨拶!? それはちょっと心の準備が……」
透「お父さん、か……」
雪菜「……?」
透「お父さん……いないんだ……」
桜野「!」
朱「え……?」
透母「ちょっと透、それじゃお父さん死んじゃったみたいでしょ。たまたま居ないだけだから」
雪菜「な、なんだ……びっくりしました……」ホッ
透母「ごめんなさいね。いつもなら今日はお休みなんだけど偶然出張で。帰りは夜遅くに……ううん、朝になるかな」
朱「偶然……透ちゃんまさか……」
雪菜「どうしても今日がいいって言ってたのって……」
透「うん、お父さんいないから」
桜野「?? なんでお父さんいない日が良かったの?」
透「だってなんか……お父さん見せたくない」
桜野「え?」
朱「ああ、うん……ちょっとわかる……」
桜野「え??」
透「せめて友だちがお父さんと同じ屋根の下で寝ることだけは避けたい」
桜野「え???」
雪菜「ごめんねお父さん……気持ち分かっちゃう……」
桜野「お、お父さん嫌いなの……?」
透「嫌いとまでは言わないけど」
桜野「えぇぇ……ならなぜ……」
透母「年頃だし仕方ないのかもね」
桜野「そ、そういうものですか……」
透母「でも桜野ちゃんは嫌がらないのね。親子仲がいいのかしら?」
桜野「……!」
桜野「…………はい、とっても」ニコッ
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 01:06:43.42 ID:kca27qBp0
- お父さん達…(´;ω;`)
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 12:15:50.88 ID:+2JNseLe0
- 何気ない日常会話ですら桜野さんにキラーパスが飛んでくる
- 810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 13:34:05.20 ID:1yXFzn8i0
- もういい加減解決してくれ…こういう不穏なの一体何度目で、いつまで引っ張り続けるんだ
何やってても不穏さ不快さだけは常にふりまき続けて、そのくせ周りもいつも何もできず落ち込むばかりで全く進展しないし暗くなる一方
いっそ桜野が消えた方がもっとプリキュアらしく全体的に明るくなりそうとか思っちゃう始末だわ
- 811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 13:58:10.17 ID:ieeQnSU8o
- プリキュアって初代から今まで大抵けっこう重くてドロドロしてたような…
男女関係とかも濃かったり明確な解決方法がない悩みは大体とにかく頑張ろうだったり
- 812 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:03:22.77 ID:ieevBYqbo
- 亀更新なのもあいまって確かにかなりくどいですね すいません調整します でもどうしてもそうなっちゃう部分はあるといいますか……
いつまで続くかとと言われると最後までになっちゃうんですよね…… 前にバッドエンド√で示した通り、このお話は敵倒したらゴールじゃないので 桜野の問題が解決する時はお話が完結するときなので
ぼちぼち桜野が置かれている環境の話もしていきますが、それをするためにはあとほんの少し足りないパーツがあります それを回収するためのお泊まりパートです もう少々お待ちを
余談ですが、上手くやって桜野が今いる環境を変える√はあります ただしその場合、桜野自身の問題が解決しないため強制バッドエンド√に入ります
- 813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:04:49.96 ID:WI4MxM4oo
- やはり誘拐は良くないか
- 814 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:16:15.08 ID:ieevBYqbo
- 透の部屋
朱「こ、ここが……透ちゃんのお部屋……!」キラキラ
雪菜「なんとなくものが少ないイメージでしたけど色々あります……! 意外と多趣味さんです……!」
透「お母さんは出てって」
透母「えー」
透「いいから」グイ-
桜野「……」
桜野(例の件、どこかのタイミングで話さなきゃ。明日の夜明け前だし出来るだけ早く……でもなんて切り出せば……)
シキ「桜野」ヒョコッ
桜野「……ううん」
雪菜「透さん透さん! これ釣り竿です!?」
透「あ、うん」
朱「釣りもするのね」
透「お父さんの影響で。最近はあんまりやってないけど」
朱「そうなの? ちょっともったいないわね」
透「前はよくやってた。シアに手伝ってもらって」
桜野「シアさんに?」
シア「ワタクシが細長くなって釣り竿と合体するんですのよ」
透「シアがいい感じに動いてくれる。入れ食い爆釣」
雪菜「な、なんかちょっとずるい気がしますけど……」
朱「待つのも釣りの醍醐味なんじゃ……」
透「なんにもない時間が続くとね……いろいろ考えちゃって体調悪くなるんだ……」トオイメ-
朱「あー……ごめん」
透「ううん……」トオイメ-
雪菜「で、でも今なら! みんなでやれば待ってる時間もきっと楽しいです!」
透「ふふっ、そうかも。じゃあ今度みんなで釣りしに行こっか」
雪菜「はい!」
朱「いいわね」
透「桜野もね」
桜野「……うん」ニコッ
- 815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:18:20.51 ID:RIuUWMAUo
- \ルゥナァ!/\メェタァル!/
- 816 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:24:48.23 ID:ieevBYqbo
- 朱「ねぇねぇ透ちゃん、これ……」
透「これ? アコギだけど?」
朱「弾けるの!?」
透「ちょっとだけ」
桜野「ほんとに多趣味だねぇ」
透「ギターもまあ、お父さんの影響かな」
雪菜「と、透さんのヴィジュアルでギターって……!」
朱「やばかっこいい……!」
透「弾く?」
朱「いいの!?」
透「声出るかな……あ、あー」トントン
雪菜「もしかして弾き語りですか!?」
透「そういうもんじゃない?」
雪菜「透さんのおうた……もともと声がきれいだからきっと素敵です……」
桜野「透ちゃんのおうたねぇ、すごいんだよ」
朱「聴いたことあるの?」ズイッ
雪菜「すごいってどれくらいすごいんですか?」ズイッ
桜野「音楽の授業がソロライブになります」
透「ならないから」
朱「やっぱりそうなのね……噂では聞いてたけど……」
雪菜「え、噂にまでなってるんですか……?」
朱「界隈ではちょっと有名よ」
透「どこの界隈なの……準備できたよ」
朱「雪菜ちゃん!」
雪菜「はいさ!」●REC
透「撮らなくていいから」
- 817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:28:22.96 ID:RIuUWMAUo
- そういや普段の授業風景とかあまり語られなかったな
- 818 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:32:49.60 ID:ieevBYqbo
- 透「♪♪♪」ジャカジャカ
雪菜「すてき……すてきですぅ……」
桜野「ねー……」
朱「ちょっと失礼……」パシャ
雪菜「でも初めて聞く歌です」
朱「そうね。どこの歌なのかしら」
シキ「シキたちの故郷の歌なのです」
桜野「え、シキたちの?」
シア「一所懸命覚えて、みんなと一緒に歌ってくれたんですのよ」
透「♪♪♪」ジャカジャカ
桜野「そうだったんだ……」
透「ふぃ……おしまい」ジャ-ン
桜野「……っ」パチパチパチパチ
雪菜「とってもとってもすてきでずぅぅぅ……!!!」パチパチ
透「ちょっと照れる……」ポリポリ
朱「メジャーデビューも夢じゃないわね!」
透「飛躍しすぎ」
ピコピコピコピコンッ!
桜野「え、なんかすごい鳴ってる……朱さんのスマホ?」
朱「気にしないで」ニコッ
桜野「?」
- 819 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:39:31.55 ID:ieevBYqbo
- 透「久しぶりに弾いた」
雪菜「こうして見ると、透さん本当にかっこいいです。クラスの子が言ってたのも納得です」
朱「透ちゃん人気だものね。王子様みたいで」
透「そんなんじゃ……」
桜野「あ、知ってる? 透ちゃんね、秘密のファンクラブがあるんだって」
朱「」ギクッ
透「なにそれ、初耳なんだけど」
朱「……」フイ-
雪菜「すごいじゃないですかファンクラブなんて!」
朱「……」ヨソヨソ
桜野「そういえば朱さんもありますよね、ファンクラブ」
朱「え、あ、ああ……そうね……」
雪菜「どうしたんです?」
朱「い、いやあ……」
桜野「朱さん知ってました? 透ちゃんの秘密ファンクラブ」
朱「ぜ、全然知らなかったわぁ……」
桜野「あはは、ですよね。知ってたら入ってそうですもんね」
朱「……!」ギクッ
雪菜「それどころか会長さんだったりして」
朱「……!!」ギククッ
朱「そ、そんなわけないじゃない……」ダラダラ
透「そうだよね。そんなわけないよね」
朱「……」メソラシ-
透「朱?」
- 820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:42:32.33 ID:KrvnMlWC0
- 学園のマドンナの姿かこれが…
- 821 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:45:25.57 ID:ieevBYqbo
- 朱「そ! それより! それより、あー……あ、クローゼット! 見てもいい!?」
透「え、なんで……」
桜野「まさか下着を……」
雪菜「さすがにどうかと思います……」
朱「ちょっと待ってあたしのことなんだと思ってるの?」
透「聞きたい?」
朱「やっぱりいいわ。再起不能になりそう」
桜野「なんでクローゼットです?」
朱「透ちゃんの私服って中性的なのが多いじゃない? だからクローゼットはどんな感じかなって」
桜野「言われてみれば」
雪菜「モデルさんの本領発揮ですね!」
透「そういえば人気モデルだったっけ」
朱「そう何度も忘れないで……」
透「だって普段の朱がその……あまりにも……」
朱「わかったから言わないで……」
- 822 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:52:25.47 ID:ieevBYqbo
- 朱「うーんやっぱり中性的なのが多いわね」
雪菜「似合うしいいんじゃないですか?」
朱「透ちゃんならもっと冒険してもいいと思うのよ」
桜野「透ちゃんこういう服が好きなの?」
透「好きっていうか動きやすいから」
雪菜「だ、男子小学生みたいな理由です……」
朱「むしろそれをナチュラルに着こなせる透ちゃんのスペックがすごいわね……」
桜野「おー透ちゃんすごーい」パチパチ
シキ「すごいのですー」パチパチ
透「え、ありがと?」
朱「でも! それじゃもったいないわ!! というわけで!!!」ダンッ
桜野「でっかい荷物?」
朱「いろいろ用意してみました!!!」ガバッ
雪菜「ふああ! すごいです!! かわいいお洋服いっぱいです!!」
朱「お仕事の関係でもらったものなんだけど、あたしと透ちゃんなら背丈も同じくらいだし着られると思うの!」
透「うーん」
朱「着て! みないっ!?」ズイズイ
透「近い怖い」
雪菜「私からもお願いします! いっそ私が着たいくらいなんですから!」
透「さ、桜野……」
桜野「着てみたら? きっと似合うよ」ニコッ
透「う……」
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:54:24.81 ID:WNiY42P80
- 透ちゃんの部屋って広そう
- 824 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:00:29.94 ID:L3KxCFTuO
- 朱「せっかくだからがっつり振り切ってみたんだけど……」
雪菜「こ、これは……」
透「……///」モジモジ←がっつり甘めのふりふりガーリー
桜野「ほぁ……」
朱「か゛わ゛い゛い゛!!!!!」
透「う、うるさい……///」
雪菜「ほんとにほんとにすっごくかわいいです!」
透「ううう……制服以外じゃスカートはかないから変な感じするぅ……///」
シア「変身してる時の方がふりふりしてますわよ」
透「これは違うもん……///」
シキ「とってもかわいーのです。ね、桜野」
桜野「う、うん……えっと……」
透「さ、桜野……///」
桜野「うん……」
透「私その……かわいい?///」コテン
桜野「」ッタ-ン
朱「」ッタ-ン
雪菜「」ッタ-ン
透「ぇあ!? え!?」ワタワタ
シキ「これは仕方ないのです……」
透「ど、どうしよ……」
シア「大丈夫。幸せそうですわ」
透「えぇ……」
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:06:39.84 ID:y9TO5Uxko
- 霰ちゃんも生で見たかったろうなあ
- 826 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:07:10.93 ID:ieevBYqbo
- 朱「危ない危ない。三途の川が見えたわ、まだ1着目だというのに」
透「ま、まだ着せる気!?」
雪菜「せっかくいっぱいあるんですから他のも試してみましょうよ。ね?」
透「もういい……脱ぐ……」
朱「待って待って、写真撮らせて!」
透「……1枚だけだから」
朱「っしゃあ!」
シア「あら、もう少し嫌がるかと……」
透「ごねられる方が面倒」
シア「ああ……」
朱「」パシャパシャパシャパシャ
透「撮りすぎ!」
雪菜「見てください、こんなのもありますよ」ガサガサ
桜野「ほんとだかわいいねぇ」
シキ「ほー……う? あっちのバッグはなにが入ってるです?」フヨフヨ-
桜野「どれー?」
朱「へっへっへ、これで……ん? あ、それは!」
桜野「メイドチャイナナーススク水……これは……」ガサガサ
朱「あー……」
透「朱ぇ……?」ゴゴゴゴ
朱「……なし?」
透「絶対なし!」
朱「ふぇぇ……」
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:11:04.90 ID:37CMs2W4o
- イヤらしいお店かな?
- 828 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:17:01.64 ID:ieevBYqbo
- ピコピコピコピコンッ!!!
桜野「朱さん、またもやスマホが鳴りまくってます」
朱「予想以上ね……」
雪菜「なにしたんです?」
朱「さっき透ちゃんがギター弾いてる時の写真で『彼氏とお泊まりデートなう』したの」
透「は?」
朱「それで今着てる服の写真で『残念女の子でした』したの」
透「朱?」
朱「それがとんでもないことに……」
桜野「なるほどそれで……」
雪菜「どっちの透さんも素敵ですからね……」
透「聞いてないんだけど???」ゴゴゴゴ
朱「ご、ごめんなさい! 顔は映してないから許して!」
透「次からはちゃんと言って」
朱「はい! すみませんでした!」
透「言ってくれたら丁重に断るから」
朱「あ、断るんですね!」
透「もうこれ脱ぐから」
朱「も、もうちょっと……」
透「あ?」ギロッ
桜野「うぉぉ……出会った頃の眼ぇ……!」
朱「お手伝いします!」
透「まったく……」
ガチャ
透母「お飲み物いりませんかー?」
透「あ……」
透母「え……?」
透「あ……///」
透母「あ……!」
透「あああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!///」バッ
透母「きゃあああぁぁぁぁあああああ!!!」キュゥゥゥンッ
透「出てって出てって出てってぇぇぇええええ!!!///」グイ-
透母「待って待って待って! 写真! 写真撮らせてお願い!!!」
透「やぁぁぁだああああああ!! 出てけえええええええ!!!///」
透母「お父さん喜ぶからぁ! 死ぬほど喜ぶからぁあああ!!!」
透「絶対いやあああああああああああ!!!!!!!!///」
- 829 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:17:34.31 ID:ieevBYqbo
- ここまで
もっと!早い時間に!やりたい!
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:21:29.80 ID:XBHYtEFc0
- 乙 え、炎上商法…
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:22:34.14 ID:WI4MxM4oo
- 乙
うーん思春期!
- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:25:07.34 ID:YRTgrd120
- 乙
これでは透ちゃんが芸能界にスカウトされてしまう
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 02:01:11.48 ID:23riBY2Oo
- おつー
透ママも朱さんタイプかwww
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 08:08:59.34 ID:Ngo2aInF0
- 乙
久々にただただ楽しい回だった
そして朱さんその写真お母さんに送った後俺にもください
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 22:35:05.62 ID:nh8q05ng0
- オトナプリキュア始まるまでに終わらせたいと言ってたがもうとっくにはじまっちゃってるしいっそのことかなりじっくりこってりやってもらっても良い
- 836 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 09:45:37.26 ID:NPdcfMavO
- >>835
ありがとうございます じっくりやります
とはいえ間伸びしてもしゃーないんで一応年内の完結を目標に こってりするところは思いっきりドロドロにしていきたい所存
今ちょっと忙しめで書いてるところも難しめなのでちまちま更新になります ご容赦
- 837 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 09:54:11.59 ID:NPdcfMavO
- 透「やだ……もうやだぁ……」シクシク
雪菜「げ、元気だしてください……」
朱「ぐへへ、写真送ることを口実にお義母さまの連絡先げっと……!」
透母「ほんとにかわいいなぁ。お父さんにも見せてあげなきゃ」ニコニコ
透「やめろぉぉぉ……!」
透母「せっかくだしそのまま着てればよかったのに」
透「やだもん……似合わないもん……」
桜野「そんなことないよ。すっごく似合ってた」
朱「うんうんうんうん」コクコクコクコク
雪菜「首取れますよ」
透「……で、でもやだもん」
透母「残念ねぇ」
透「むぅ……もういいでしょ。ほんと何しに来たの」
透母「あ、そうそう。これ」
桜野「? なんですかこれ?」
透母「透のアルバム」
朱「!?!?!」バッ
透「また余計なことを……!」
雪菜「見てもいいんですか!?」
透母「そのために持ってきたんだもん」
桜野「ちっちゃい頃の透ちゃんかぁ。どんなかなぁ」
透「はぁ、もう好きにして……あ、お母さんは出てって」
透母「えー」
透「出 て っ て」
透母「はーい……」シブシブ
- 838 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 10:06:40.59 ID:NPdcfMavO
- 透「……」
朱「かわいい……! ちっちゃくてぎゃわいい……!」
雪菜「なんかポヤーっとしてるのとかキョトンってしてるのが多いですね。あ、こっちの表情もかわいいですよ」
桜野「ほんとだぁ。ポヤポヤでかわいいねぇ」
シア「ワタクシたちも初めて見ますわね。本当に可愛らしい……」
シキ「よーちえんです? かわいーのです」
透「かわいいしか言ってない……」
雪菜「だってすっごくかわいいんですもん」
朱「こんなの誘拐されてもおかしくないわよ」
シキ「発想が容疑者なのです」
シア「あら、これはなにかの劇ですわね。透はなんの役かしら」
桜野「見たところ王子様みたいですね」
シア「お姫様ではないんですのね」
雪菜「あ、こっちにも劇の写真ありました……けどこっちでも王子様です」
透「そういえば昔から、なぜか王子様役が多かった」
雪菜「男の子を差し置いてですか」
桜野「かっこいいのも似合ってるもんね」
朱「お姫様も見たかったなぁ。透ちゃんもやりたかったんじゃない?」
透「え、うーん……」
シア「少なくとも写真の表情を見る限り……」
シキ「なぁーんにも考えてないのです」
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/23(月) 10:09:34.82 ID:GiQ4emtro
- とおるちゃんこっちだよってよく友達にお手々引っ張られてそう
- 840 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 07:17:10.18 ID:mTknkx8No
- 朱「ねぇねぇちょっと気になったんだけど」
透「なに?」
朱「なんか女の子と写ってるの多くない?」
桜野「確かに多いですけど……なにかおかしいですか?」
雪菜「お友だちと写ってるだけに見えますけど」
朱「でもよく見て。なんだかやたら距離近くない?」
雪菜「言われてみれば腕組まれたり抱きつかれたりしてるのばっかですね」
桜野「そして透ちゃんは相変わらずのポヤポヤ顔」
シキ「はてなマーク描きたいのです」
シア「透、これ撮った時のこと覚えてます?」
透「ん? んー……あ、そういえば突然おままごとが始まってた」
朱「おままごと?」
透「うん。急にお嫁さんになるって言われて」
朱「お嫁さん、というと……桜野ちゃん」
桜野「がってん。透ちゃん、ちょっとこっち向いて」
透「うん……?」
桜野「すー……はー……よし」
透「なにす……」
桜野「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー!」ニコ-
透「」ッタ-ン
桜野「みたいな?」
朱「カンペキよ」グッ☆
透「」
桜野「あれ透ちゃん?」
透「」ガシッ
桜野「へ?」
透「よく分かんなかったからもう1回!」ズイッ
桜野「へ???」
朱「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー」ニコ-
透「あ、結構です」
朱「がっでむ!」
- 841 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 07:32:36.08 ID:mTknkx8No
- 雪菜「それにしても王子様役に何度も選ばれたり、女の子にくっつかれたり、お嫁さんになるって言われたり……」
シア「もしかして……」
シキ「透、男の子だと思われてたです?」
透「え、そういうこと?」
朱「この頃から女の子キラーだったのね」
桜野「遊園地でも女の人にナンパされてたもんね」
透「そういえばそうだった。なんでそんな男の子に間違えられ……」
透「!」ハッ
朱「どうしたの?」
雪菜「なにか思い当たる節が?」
透「っ……!」ピピピピッ
朱「?」
雪菜「?」
透「!?」ボンッ
透「ア……」フラッ
透「カテナイ……ゼッタイカテナイ……」ズ-ン
桜野「透ちゃん?」
透「!」バッ
透「っ……!」ピピピピッ
透「………………」
桜野「だいじょぶ?」
透「アアアア……!!!」ガク-
桜野「???」
透「世界はッ! 不平等だッ!!!」
桜野「急にどうしたの!?」
シア「大丈夫ですわ透。そんなに悲観するほどのものではありませんわよ」
透「ほんとに? あまりの断崖絶壁ぶりに思わず飛び降りたくなったりしない? ありもしない罪を自白しそうになったりしない?」
シキ「この話題の時はほんととことん卑屈なのです……」
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 08:16:48.59 ID:aBTQT3X+o
- ぺったんぺったんつるぺったん
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 09:19:13.29 ID:9Q6xbhgHO
- そもそも幼稚園なんてみんなぺったんだろっていう
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 09:49:49.01 ID:ga2U4heq0
- アニメや漫画における男に見える系キャラって例え巨乳でも何故かそこ完璧に隠せて周りから男に見えるんだよね
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 19:02:20.58 ID:3sxeC/kHo
- 朱さんがお嫁さんになってもすぐ可愛い女の子に目移りして浮気しそう
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 19:53:46.55 ID:2etu7v2Ro
- 切れたナイフ人格は過大なストレスの結果生まれてしまったものでさては透ちゃん元来はフシギちゃん系だな?(今更)
- 847 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 22:41:58.68 ID:mTknkx8No
- 雪菜「ちっちゃい透さんかわいかったですねぇ」
朱「堪能したわぁ」
透「むぅ、私ばっかりでなんか不公平。みんなのちっちゃい頃も教えて」
雪菜「そうですねー、んー……私は絵本ばっかり読んでました」
朱「あたしは昔からお洋服大好きだったわね」
桜野「三つ子の魂って感じだねぇ」
透「桜野は桜野は??」
桜野「わたし? うーん、普通だと思うよ。特に特徴らしい特徴もないような感じ」
透「あれが好きだったとかこういうので遊んでたとかは? なんでもいいから」
桜野「と言われてもよく覚えてないし……」
透「なんにもない?」
桜野「これといって。ごめんね?」
透「うー……」シュン
雪菜「……私も聞きたいです」
桜野「え?」
透「!」パッ
雪菜「桜野さんの昔の話、私も聞きたいです」
桜野「い、いやでも……」
朱「あたしも聞きたいなぁ」
桜野「あ、朱さんもですか……」
朱「話してくれたら嬉しいわ。とっても」
透「!」コクコク
桜野「えー、えっとぉ……」
雪菜「……」ジッ
朱「……」ジッ
透「……!」キラキラワクワク
桜野「そ、そんなに……」
桜野(すっごい見られてる……なんか緊張……)
桜野「あ、の……」
桜野(でも、もしかしたら……チャンスなのかな……)
桜野「ぁ……」
桜野(今なら話せるのかな……例の件も……)
桜野「……」
桜野(それ以外も……)
桜野「…………」
桜野(……話すべきなのかな)
桜野「………………」
桜野(話したら……どうなるのかな……)
- 848 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 22:54:49.84 ID:mTknkx8No
- 桜野「はぁ……」
桜野(あの後結局、中途半端に誤魔化してしまった。透ちゃんには悪いことしちゃったな)
桜野(それからも話すチャンスはあったのに、いまだ話せずじまいだ)
桜野(もう時間が無い。何はなくとも、例の件だけは早く話さなきゃいけない。それは分かってるんだけど……)
桜野(迷ってしまうのはやっぱり、いざって時にみんなを守れる自信がないからかな)
桜野(決めたはずなのに、話すって。わたし一人じゃ約束守れないのに……)
桜野(迷って、言葉が出なくて、時間ばっかり過ぎて、そして……)
透母「透ーお皿出してー」
透「うん」カチャカチャ
桜野(あっという間にお夕飯の時間に……!)
透母「あら朱ちゃん、お料理も上手なのねぇ。このお鍋は任せちゃっても大丈夫?」
朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ
透母「ほんと透にも見習ってほしいわ。あの子ったらお父さんにそっくりだから、将来はお料理できる人見つけないと大変なのよね」
朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ
透母「?」
桜野(どちらにしても透ちゃんのお母さんに聞かせるわけにはいかないな……)
雪菜「さ、サラダを盛りつけるくらいなら私にも……!」モサモサ
透「お客さんなんだから座ってていいのに」
雪菜「そういうわけにはいきません!」フンスッ
桜野「透ちゃん、わたしもなにか手伝う」
透「桜野も座ってていいんだよ?」
桜野「そういうわけにはいきません!」フンスッ
透「……じゃあお皿出すの手伝って」
桜野「まかせて」ニコッ
- 849 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:08:17.27 ID:mTknkx8No
- 「「「いただきまぁす!!!」」」
透母「どんどん食べてねー」
桜野「ほぁ……」
雪菜「むぐむぐ、これとってもおいひいれす!」モグモグ
透母「あとでレシピ教えてあげるわね」ニコニコ
桜野「……」
朱「透ちゃんこれ食べてみて! あたしが作ったの!」
透「わかったから……近い……」
桜野「……」
透母「桜野ちゃん、どうかした?」
桜野「あ、いえ、あの……なんかいつもの食事とのギャップが……」
透母「うちだっていつもはこんなに豪勢じゃないわよ。今日はみんなが来てくれたから特別」
桜野「こ、こんなに賑やかなのも……」
透母「それもみんながいるからね」
桜野「みんなが……いる……」
透母「ほら、冷めちゃうから食べて食べて」
桜野「あ、はい。いただきます」パチ
桜野「」ズズッ
桜野「……!」
透母「どお?」
桜野「……っ」フルフル
透母「桜野ちゃん?」
桜野「…………あったかいです……すごく……」
透母「おかわりもあるからいっぱい食べてね」ニコッ
桜野「……はい」
- 850 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:21:55.30 ID:mTknkx8No
- 朱「さぁーてさてさてさてさてさてっ!!!」
透「え、なに……」
雪菜「急にテンション高いです……」
桜野(はやく話さなきゃな……)
朱「ふっふっふ。だってぇ……今からぁ……」ニヤッ
桜野(でもどのタイミングで……)
朱「お待ちかねのお風呂たーいむ!!!」
透「あー」
雪菜「う……」
桜野「……!」
朱「一緒に入るわよね!? お泊まり会だもね!? ね!?」
透「いっしょ……いっしょ? はだか……? つまり……?」カタカタ
雪菜「透さん?」
透「ア」
シキ「透っ! 気をしっかり持つですっ!!!」ペタ-ンッ
雪菜「あ、あの……変なことしませんよね……?」
朱「前向きに検討します!」
桜野(お風呂……)
シア「さて、ワタクシも準備しませんと」
朱「え、シアさんもですか?」
シア「前にぼーっとしてた透が溺れかけてから気が気じゃありませんの」
透「もう大丈夫だって……」
雪菜「ていうか入れるんですか……?」
透「釣りもできるから平気。あと水吸わせると増えて面白い。わかめみたい」
シア「あら、失礼しちゃいますわ」
桜野(一緒にってなると……その後はきっとそれどころじゃ……)ギュ
透「……?」
- 851 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:28:33.20 ID:mTknkx8No
- 透「桜野?」
桜野「……!」ビクッ
透「どうしたの大丈夫? あ、食べ過ぎちゃった?」
桜野(話さなきゃ……話さなきゃ……チャンスはもう、今しかない……)
透「桜野?」
桜野「…………あのねみんな」
透「なになに?」
シア「なんですの?」
桜野「話したいことが……あって……」
朱「話したいこと……」
雪菜「……はい」
桜野「わたし……」
透「???」
朱「……」
雪菜「……」
桜野「わたし……!」
シキ「……」
桜野「……」
桜野「…………」
桜野「………………お風呂、あとで入るね」ニヘッ
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:32:23.36 ID:3sxeC/kHo
- うーむ戦闘のときは暴の化身なのにメンタルが
- 853 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:40:06.51 ID:mTknkx8No
- ガプッ
シキ「……」
カプカプ
シキ「……」
ガププッ
シキ「……桜野」
桜野「…………なに」
シキ「……手首噛むの、もうやめるです」
桜野「…………やめたら……消えちゃう」カプッ
シキ「っ……! でもあの子はっ……!」
桜野「わかってるよ」
シキ「……っ」
桜野「コスモスを殺したのはわたしだもん」
シキ「……」
桜野「…………はぷ」ガプッ
シキ「……」
桜野「…………んちゅ、ん」ガプガプ
シキ「……桜野」
桜野「…………なに」
シキ「……よかったの?」
桜野「…………なにが」
シキ「……お風呂」
桜野「…………」
シキ「……」
桜野「…………無理だよ。わかってるでしょ」
シキ「……」
桜野「みんなには見せられない。見せられるわけないよ」
シキ「……」
桜野「こんな……」ギュ
シキ「……っ」
桜野「………………痣だらけのカラダ」
- 854 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:40:39.49 ID:mTknkx8No
- ここまで
こってりします
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:43:26.48 ID:3sxeC/kHo
- 乙
リスカどころじゃねえな
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:57:27.61 ID:D/QcfBUP0
- 乙
こってりに加えて野菜もアブラもましましで!
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 00:04:33.69 ID:VWhfNdK4o
- 麺半分で……
おつ
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 00:08:17.69 ID:lwLA7HKlo
- 乙
替え玉も一丁!
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 20:02:13.31 ID:GS4Bubzuo
- ───実はあるんだろう?
朱さんが仕掛けた盗撮用の隠しカメラが──
- 860 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 22:35:02.40 ID:h/pand+io
- 桜野「…………そうでしょ?」
シキ「でもっ……!」
桜野「…………みんなびっくりしちゃうもん」
シキ「それでもシキは……! みんなに話すべきだと思うのですっ……!」
桜野「…………どうして?」
シキ「どうしてって……! だって……!」
桜野「話したからってどうなるの? いたずらにみんなを不安にさせるだけだよ」
シキ「きっとみんな寄り添ってくれるのです……! 桜野の力になってくれるのです……!」
桜野「…………わたしのことなんかどうてもいいんだよ」
シキ「桜野っ……!」
桜野「そんなことより」
シキ「そんなことなんかじゃ……!」
桜野「そんなことより」ズイッ
シキ「……!」ビクッ
桜野「大事なことは別にあるの」
シキ「べつ……?」
桜野「遅かれ早かれだから、シキには先に話しておくね」
シキ「な、なにを……」
桜野「あのね……」
透母「桜野ちゃん?」
桜野「!」ピクッ
シキ「!」サッ
桜野「あ、透ちゃんのお母さん……」
透母「おばさんでいいわよ。お風呂は?」
桜野「あ、わたし……あとでいただきます……」
透母「そう? んー、それじゃあちょっといい?」パタパタ
桜野「?」
透母「おばさんの話、聞いてもらえる?」
桜野「は、はい……?」
- 861 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 22:47:16.39 ID:h/pand+io
- 透母「……」
桜野「あの、話って……?」
透母「桜野ちゃん」
桜野「はい……?」
透母「ありがとね、透のこと」
桜野「え? えっと……どういう……?」
透母「ねぇ桜野ちゃん、透と初めて会った時どんな感じだったか覚えてる?」
桜野「え、はじめて? えっとぉ……」
透母「感じた通り素直に言ってくれていいわよ。気を悪くしたりしないから」
桜野「じゃあ、えっと……透ちゃんが転校してきた時だから……最初はその、ちょっと怖い人なのかなって思いました。目つきがこう……鋭い感じで」
透母「うん」
桜野「それで、あの……ちょっと厳しい人なのかな、みたいな印象も……」
透母「ふふっ、そうね」
桜野「あ、す、すいません……」
透母「ううん、あの頃は確かにそんな感じだった。鋭くて、近づいたらこっちが怪我しちゃうくらい」
桜野「はい……」
透母「でもね、昔からそうだったわけじゃないのよ」
桜野「あ、あのアルバム見ました」
透母「あ、そうだったそうだった。アルバムは小さい頃のしかないけど、あのまま大きくなったイメージね」
桜野「なんていうか、ポヤポヤな……?」
透母「ふふふっ、そう、ポヤポヤ。天然っていうか、親としてはちょっと危なっかしいかなって感じの子」
桜野「ふふっ、たしかにちょっと不安かもです」
透母「……それと、よく笑う子」
桜野「笑う……」
透母「些細なことでもね、本当に楽しそうに笑う子だったの」
桜野「透ちゃんが……」
透母「それがね……変わってしまった……」
桜野「……」
透母「前にあの子ね、行方不明になったの」
桜野「……!」
- 862 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:12:06.31 ID:h/pand+io
- 桜野「ゆくえ、ふめい……」
桜野(それって……シーズンランドにいた時の……)
透母「うん。まるで消えたみたいに、本当に突然いなくなっちゃってね」
桜野「……」
透母「いろいろ手を尽くして探し回ったけど、小さな手がかりすら見つけられなかった。なにも進展がないまま時間だけが過ぎていって……あの時は本当に、生きた心地がしなかった」
桜野「……」
透母「でもね、もう見つからないんじゃないかって心が折れかけていた時に、あの子帰ってきたの。いなくなったときと同じで突然」
透母「嬉しかったわ。お父さんと2人で泣いて喜んだ。抱きしめて、もう絶対離さないって誓った。だってもう二度と会えないかもしれないって思った娘に会えたんだもん」
透母「でも、それで解決じゃなかった」
桜野「……」
透母「戻ってきたあの子は前みたいに笑わなくなっていた。それどころか、戻ってからしばらくは話すことすら」
透母「ずっとなにかに怯えてるみたいな、ずっとなにかを恨んでるみたいな顔してた。一日中部屋にこもってる日もあれば、いつの間にかいなくなって夜遅くに帰ってくる日もあった。ほとんどなにも食べてくれなかったし、話しかけてもまともな反応はなかった」
透母「行方不明のあいだに何かあったのは間違いない。でも何があったのか、どれだけ聞いても教えてはくれなかった。せっかくあの子が帰ってきて元の日常が戻ってきたって思ったのに、透は日に日にやつれていってずっと苦しそうにしてた」
透母「それなのに私たちはなんにもできなくて。情けない親よね。娘がなんで悩んでいるのか、ほんの少しだって理解してあげられなかった」
桜野「そ、そんなこと……!」
透母「……でもね、お父さんと決めたの、あの子のためならなんでもしようって。きっとまた前みたいに笑えるようになるからって」
透母「だからあの子が転校したいって言い出した時も、すぐに引越しの準備を始めた。理由は聞けなかったけど、それでもよかった。環境が変われば、あの子にもいい変化があるかもしれないって思った」
透母「それになにより、戻ってきてから初めて、あの子がしたいって言ったことなの。そんなお願い、叶えないわけにはいかないもんね」
桜野「……はい」
透母「すぐに転入の手続きをして、お父さんはお仕事の引き継ぎとかあったから先に2人で引っ越してきて……それで転校初日、帰ってきたあの子ね、なんだかすごく落ち込んでるみたいな、怒ってるみたいな、そんな感じだった」
桜野「あ……」
透母「転校なんて初めてだし、上手くいかなかったんじゃないかとか悪いことでもあったんじゃないかとかって不安になって透に聞いたの、学校どうだったって」
透母「そしたらあの子、うるさい、話しかけないで、ひとりにして……って」
桜野「そ、それは……」
透母「チャンスだって思った」
桜野「チャンス……?」
透母「だってそれまで話しかけても心が失くなっちゃったみたいな反応しか返ってこなかったのよ? それがあんなに感情むき出しにして」
桜野「……」
透母「それからは毎日学校のこと聞いた。今日はどうだった今日どうだったって毎日。最初はなんにも話してくれなかったけどね、だんだん我慢できなくなってったみたいで、少しづつ話してくれるようになった」
透母「その時話してくれたのが、桜野ちゃんのことだった」
桜野「わたしの……」
- 863 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:31:30.80 ID:h/pand+io
- 透母「行方不明になってからこっち、なにを聞いても黙って俯いていたあの子がね、あなたの話をするの。口を開けば岸波さんがって」
透母「なんだかとってもイライラしているみたいで、誰かに感情をぶつけなきゃ気が済まないって感じだったなぁ」
桜野「え、あ、ああ……確かにあの頃はすっごい怒らせちゃってて……」
透母「でもね……本人は気づいてなかったと思うけど、あの時の透、なんだか楽しそうだった」
桜野「た、楽しそう……ですか?」
透母「うん。イライラはしてるんだけど、なんていうのかな……やんちゃな友だちの行動に呆れてるみたいな……」
桜野「あー……」
透母「思い当たる節ある?」
桜野「えーっと……へへ……」ポリポリ
透母「ふふっ……ともあれ、それからは毎日あなたのことを聞いた。その度にどこに腹が立ったか教えてくれた」
桜野「あは、は……」
透母「ずっと浮かない顔のあの子だったけど、あなたの話をしている時だけは元気だった。あなたを話をする度に、あの子が元気になっていくみたいだった」
透母「相変わらずイライラしてたみたいだけど、少しづつ口数も増えていってね、朱ちゃんや雪菜ちゃんの話もするようになって、ゆっくりだけど元気になっていって、それで……」
桜野「……」
透母「あの日……あの子、笑った。笑ったの」
桜野「…………はい」
透母「前みたいにひたすらのんきでやわらかい笑顔ってわけじゃなかったけど、それでも確かに笑ったの」
透母「笑って、笑いながら、桜野がねって言うの。嬉しそうにあなたの話をするの」
透母「今日は何があったって、今日の桜野ちゃんはこんなんだったよって。些細な、本当に小さなことを、これでもかってくらい幸せそうに話してくれるの……!」
桜野「……はい」
透母「……」
桜野「……」
透母「…………あなたが助けてくれたのよね」
桜野「え……?」
透母「透がまた笑えるようになったのは、あなたのおかげなのよね。私たちじゃどうしようもなかった傷を癒してくれたのは桜野ちゃんなのよね」
桜野「そ、そんな……わたしまだなにも……」
透母「ううん……桜野ちゃん、改めてお礼を言わせて」
桜野「ぁ……」
透母「娘を、透を助けてくれてありがとう。本当に本当に、本当に……ありがとうっ……!!!」
桜野「……!」
- 864 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:39:54.68 ID:h/pand+io
- 桜野「あたま……あげて、ください……」
透母「……うん。でもこれだけら分かってね、あなたには本当に感謝してるの」
桜野「………………はい」
透母「……ごめんね、長々付き合わせちゃって。おばさんもう行くわね」
桜野「………………」
透母「お風呂、遠慮しないでゆっくり浸かってね。今夜は冷えるから」
桜野「…………」
透母「それから、なにかあったらなんでも言ってね。あなたは透にとっても、私たちにとっても恩人だもん」
桜野「……」
透母「それじゃあ……」
桜野「………………透ちゃんを愛してますか」
透母「え?」
桜野「あ……あ! い、いやあのなんでもなくて……! す、すみませっ……なんでこんなこと聞いて……」
透母「愛してるわよ」
桜野「……!」
透母「当たり前でしょ? 家族だもん!」ニコッ
桜野「!!!」
桜野「……か、ぞく…………」
桜野(………………そ、っか)
桜野「………………」
透母「桜野ちゃん?」
桜野「……大丈夫です」
透母「え?」
桜野「透ちゃんはもう大丈夫です。ずっと大丈夫だったんです」
透母「桜野ちゃん……」
桜野「……」
透母「……ありがとう」
桜野「…………いえ」
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:43:00.00 ID:3xrLA/BJo
- あーいってなんだ♪
- 866 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:47:17.35 ID:h/pand+io
- 桜野「……」
桜野「ふぅぅぅ……」
桜野「……そっか」
シキ「桜野……?」
桜野「ううん」
桜野(わたしは……なにを迷っていたんだろう)
桜野「ん……」ググッ
桜野(本当ははじめから、迷う必要なんてなかった)
桜野「ふぅ……」パッ
桜野(透ちゃんは大丈夫だった。ずっと大丈夫だったんだ)
桜野「………………」
桜野(わたしがいなくても)
- 867 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:47:50.32 ID:h/pand+io
- ここまで
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:50:55.21 ID:3xrLA/BJo
- 乙
愛する我が子のためとはいえなんも事情説明しない娘のために即転校出来るのすごいフットワークの軽さだ
前の学校のお友達は急に透ちゃんいなくなって泣かなかったかな?
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:53:11.41 ID:iSz8fe36o
- 乙
悲しいかな…大抵の人類は桜野さんが無理に助けてやらなくても大丈夫なんだ…
- 870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 01:09:41.15 ID:J5EJ2b4C0
- 透母何かを察してるか
- 871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:08:07.57 ID:qiJpeTMT0
- 岸波家 弓知夏家のご両親も出たなら秋葉家 久木家のご両親も出るかな?
- 872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:36:00.15 ID:c88D2ZWl0
- いいよ別に出なくても
あのキャラの○○はやったからこのキャラも、とかいちいちやってたらくどくなる一方だし
- 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:44:33.23 ID:m4Br13m8o
- 展開だいぶ駆け足だし掘り下げはくどいくらいがちょうど良い
- 874 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/27(金) 23:55:53.75 ID:vw1MMxydo
- 両親関連の掘り下げ予定は現状ありません 余裕がない
駆け足気味なのはお泊まりイベスキップしたからかな?それに関しては、じっくりやっても桜野がひたすらウジウジするだけなのでやらん方がいいかなと思いまして
- 875 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/27(金) 23:59:50.42 ID:vw1MMxydo
- 夜
朱「」スヤスヤ
雪菜「」スヤスヤ
桜野「……」
桜野(……心は決まった)
桜野(そうなったらあとはシンプルだ。ひとりで行く。それでぜんぶ終わらせる)
桜野「……」ゴロ
桜野(でもそのために足りないものが……)
桜野「……」
桜野(みんなもう寝たよね……?)
桜野「……」モゾッ
透「桜野、起きてる……?」コソッ
桜野「!」ビクッ
透「……あ、ごめ。起こしちゃった?」ヒソヒソ
桜野「……う、ううん……どうしたの?」ヒソヒソ
透「……ちょっと来て」
桜野「……?」
- 876 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:09:02.81 ID:k2mxwA5/o
- ベランダ
桜野「ふぅぅ……夜風が気持ちいねぇ」
透「うん。でもちょっと冷えるかも」
桜野「じゃあはやく済ませて戻ろっか」
透「うん」
桜野「それで、話したいことって?」
透「あの……シキは?」
桜野「シキ? 向こうで寝てるけど……連れてくる?」
透「あ、ううん、いい。寝てるならいいの」
桜野「まあ起こすのも悪いもんね」
透「そうだけどそうじゃなくて……」
桜野「?」
透「……」
桜野「透ちゃん?」
透「桜野、お願い……聞いて……」
桜野「いいけど……なにを?」
透「持っててほしいものがあるの……」ガサゴソ
桜野「持ってて……?」
ポワッ
桜野「!」
透「これ……」
桜野「そ、れは……!」
透「うん……」
パァァァ
透「……ウィッシュスター」
- 877 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:23:41.07 ID:k2mxwA5/o
- 桜野「これ……わたしに……?」
透「うん……」
桜野「で、でもっ、なん、で……?」
透「…………私じゃ……守りきれないから……」
桜野「……!」
透「この前の戦いだってすごく危なかった。もしかしたら奪われてたかもしれない。そうなっちゃったのは、これを持ってたのが私だったから……」
桜野「そ、そんなこと……」
透「ううん、あの時、桜野が来る前に私は敗けてた。向こうが本気で奪う気だったら、多分守りきれてなかったと思う」
桜野「それは……」
透「あの時だけじゃない、これまでずっとそうだった。私が弱いせいで、いつも桜野やみんなの足でまといになって……」
桜野「そんなこと……ないよ……!」
透「……桜野」
桜野「違うよ……透ちゃんはなんにも悪くなんかないよ……」
透「桜野」
桜野「……っ」
透「……これはいろんな人の願いがこもった大切なものなの。絶対守りきらなきゃいけないの」
桜野「……うん」
透「それを、弱い私が持ってちゃダメなの」
桜野「……」
透「だから……」
桜野「……」
透「……」
桜野「……みんなに話さなくていいの?」
透「言えないよ。こんなこと桜野にしか話せない」
桜野「……」
透「桜野、お願い……」
桜野「……」
透「みんなの願いを守って」
桜野「……」
桜野「…………」
桜野「………………わかった」
透「……ありがと」
桜野「………………ごめんね」
透「どうして桜野が謝るの」
桜野「………………ううん」
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:29:41.55 ID:b/acpvi8o
- そんな大切なものみすみす敵の前に持っていくのか…
- 879 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:37:00.15 ID:k2mxwA5/o
- パァァァ
桜野「……」ギュ
透「ねぇ桜野」
桜野「……なあに?」
透「……明日だよね」
桜野「え……?」
透「帰っちゃうの」
桜野「あ、ああ……うん……」
透「楽しかったなぁ」
桜野「うん、楽しかった。ほんとのほんとに楽しかった」
透「でも心残りがある」
桜野「……なに?」
透「枕投げできなかった」
桜野「あ、あー……それはほら、しょうがないよ。ご近所迷惑になっちゃうしホコリ舞っちゃうし……」
透「やってみたかったのになぁ」
桜野「……そうだよね」
透「次は絶対やろう」
桜野「……次?」
透「うん。次はうち以外の誰かのおうちでお泊まり会するの」
桜野「……!」
透「あ、その時こそはお風呂いっしょね? 桜野がいなくて、その……あー、うん……なんていうか、ね……」トオイメ-
桜野「?」
透「そ、そうだ釣りもしよ。みんなでやるって言ったし」
桜野「……釣りか。朝早いんだっけ?」
透「釣り堀だったらあんまり気にしなくても大丈夫」
桜野「……そっか」
透「ニジマスとか釣ってね、大きさ比べっこして、焼いてもらってみんなで食べるの」
桜野「……うん」
透「あ、それならキャンプとかもいいかも。おっきいテント張ってね、バーベキューとかして、美味しいものいっぱい食べるの。あとね、近くの川で遊んだりしてね」
桜野「……うん」
透「夜になったらお待ちかねの枕投げ。テントでもできるよね?」
桜野「…………うん」
透「それで疲れたらね、朱が持ってきてくれたアロマでリラックスしながら星空見るの。雪菜が星にまつわるちょっとロマンチックなおはなしとかしてくれるんだ」
桜野「…………うん」
透「それで、寝ないで朝までおしゃべりしよって意気込むんだけど結局みんな寝ちゃってね、朝になって、いつのまにか寝ちゃったねって笑うの」
桜野「………………うん」
透「どうかな? そういうのも楽しそうじゃない?」
桜野「…………夢みたいだね」
透「叶えようよ」ニコッ
桜野「っ……」
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:39:31.95 ID:A0hD3jHno
- 死亡フラグみたいな会話
- 881 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:42:01.83 ID:k2mxwA5/o
- 透「桜野?」
桜野「……っ」
桜野「…………」
桜野「………………ううん、なんでもない」
透「? ほんとに? なにか……くしゅっ」
桜野「あ」
透「へぅ……」
桜野「寒いよね。戻らないと」
透「ん、桜野も」
桜野「あ……」
透「ん?」
桜野「わたしは、その……」
透「?」
桜野「…………もう少し、風を浴びてく」
透「んー……」
桜野「……」
透「……ん、わかった」
桜野「……」
透「あんまり長居して風邪ひかないようにね」
桜野「……うん」
透「じゃあ……」
桜野「透ちゃん」
透「ん?」
桜野「……おやすみ」
透「ん、おやすみ」ニコッ
- 882 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:51:23.26 ID:k2mxwA5/o
- 桜野「……」ボ-
桜野「…………はー」
桜野「……」
桜野「………………いくか」
桜野「……っよ」ピョンッ
桜野「っとと……おぉ、2階でも結構高い……」スタ
桜野「……」
桜野「すぅぅぅ……」
桜野「はぁぁぁ……」
桜野「……」ボ-
桜野「……空が近いや」
桜野「……」
桜野(ウィッシュスターは手に入った)
桜野(時間ももうすぐ)
桜野(迷いは……ない)
桜野「……」
桜野(目標は、ぜんぶやっつけること。もう二度と、誰も戦わなくていいようにすること)
桜野「……」
桜野(できる限り自分の力で戦う。でももし……もしもダメだったらその時は……)
桜野「……」ギュ
桜野(ウィッシュスターの力で無理やり解決する)
桜野「……そうならないのが1番だけど」
桜野(だってこれは、その先にある願いを叶えるためのもの……)
桜野「……」
桜野(……そうだ)
桜野「……」ガサゴソ
チャリッ
桜野(ロケット……つけてこっかな……)チャリリッパチッ
桜野「……よし」チャリッ
桜野「すー……はー……」
桜野「……待っててね、コスモス。ぜんぶ終わらせてくるから」ギュ
桜野「ふー……」
桜野(どうせなら……)
桜野「せーのっ……」ググッ
桜野(くつ、ちゃんと揃えてくればよかったな……)
タンッ
- 883 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:51:52.79 ID:k2mxwA5/o
- ここまで
- 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:54:31.65 ID:A0hD3jHno
- 乙
ベジータ並みの戦犯にならないことを願う
- 885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 01:00:22.79 ID:bu0bQfm30
- 乙
桜野さんのマインドはここまでやっても変化なくてぶっちゃけ一人の方が強くて
無敵の人かな?
- 886 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 00:41:58.37 ID:P9O2tPu4o
- 「……て……きて……!」
透「……ん……んぅう……?」
シア「起きて! 透!!!」グイ
透「……んっ、んむぅ……」ムクッ
透「くぁ、ぁぁぁふ……んぇう……?」ボ-
透「……まだよるだよぉ?」ポケポケ
雪菜「透さん! ぼーっとしてないで起きてください! 大変なんです!」ユサユサ
透「う、ぁぁ……なにぃ……? なにがあっ。ふああ……」
朱「桜野ちゃんがいないの!!!」
透「えぅ……さくの……? さくのなら……」
透「……」
透「………………え?」
ガタッ
透「え、いない!? いないってなに!? どういうこと!?」
朱「どうもこうもそのままなの! どこにもいないのよ!!」
透「え、え、でも! なんで!?」
雪菜「わ、分かんないですよ! シキちゃんが気づいた時にはもういなくなっちゃったあとで!」
透「こ、この部屋にいないってだけじゃ!? と、トイレとか!」
シア「ワタクシが感じ取れる範囲に桜野の気配がありません! 少なくとも家の中には……!」
透「こ、コンビニとか行ったんじゃ……!」
シア「こんな時間に!? 断りも書き置きもなく!?」
透「で、でもじゃあなんで! ど、どこに! なにかの間違いなんじゃ……!」
雪菜「わかんないですけど現にどこにもいないんです!」
透「な、なんで……! さくの……!」
朱「お、落ち着いて心当たりを整理しましょ! みんな何かない!?」
透「心当たりなんて……! なんて…………ぁ」
シア「なにかありますの!?」
透「あ、あの、えっと……」
シア「透?」
透「あの……私……」
シキ「……」
透「ウィッシュスター…………桜野に……渡した……」
- 887 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 00:52:46.82 ID:P9O2tPu4o
- シキ「……!」
雪菜「……え」
朱「桜野ちゃんに……?」
シア「どうして!?」
透「だ、だって私……私じゃ……!」
シキ「それなのです」
透「え……?」
シキ「……みんな、聞いてほしいのです」
朱「なにかわかるの!?」
シキ「まず最初に、多分シキなら桜野が今どこにいるか見つけられるのです」
透「ほんとに!?」
シア「確かに、ずっと桜野の近くにいたシキなら可能かもしれませんわね」
透「だったら早く探しに行こうよ!」
シキ「……」フルフル
透「え……なん、で……??」
シキ「……」
透「なんでよ! 桜野の居場所わかるんでしょ!? なのになんで!!」
シキ「ただ追いかけるだけじゃ、桜野は戻ってきてくれないのです」
雪菜「……!」
透「え……なに……? どういう……?」
シキ「それで戻ってきてくれるなら、朱も雪菜も苦しい思いをしなくて済んだのです」
朱「……」
透「なに、それ……」
シキ「……順番に話すのです」
- 888 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:02:00.68 ID:P9O2tPu4o
- シキ「……みんな覚えてるです? 前に学校でツナミが襲ってきた時、桜野はライガと戦ってたのです」
雪菜「そ、そういえばそうです……あの時なにか……」
シキ「桜野、ライガになにか言われてたのです。話の中身までは聞こえなかったけど、なにか……」
透「なにかって……?」
シキ「分からないのです。でもはっきりしてるのは、敵の目的がウィッシュスターだってこと……」
朱「も、もしかしてウィッシュスターを持ってこいって脅されたんじゃ……!」
透「!」
シキ「……かもしれないのです」
シア「しかし桜野に限って言われた通り渡すなんて思えませんわ……」
雪菜「確かにそうです。だとしたら、桜野さんなら……あ、桜野さんもしかして……!」
シキ「……うん」
透「なに、なに!?」
シキ「………………ひとりで戦いに行ったのです」
透「え……」
シア「そ、そんな……!」
透「なんで……? なんでなんで……! だって桜野っ、そんなこと一言も言わなかったっ!!」
シキ「朱と雪菜なら、なんとなく分かると思うのです。桜野の暗い部分に少しでも触れた2人なら」
雪菜「はい……桜野さんならそれが1番って……」
朱「考えるでしょうね……」
透「……!」
- 889 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:15:54.35 ID:P9O2tPu4o
- 透「な、なに…………なんなの……なんで……?」
透「朱も雪菜も……なに言ってるの……?」
透「暗い部分ってなに……! そんな桜野……私知らない……!」
シキ「透……」
透「わ、わたし……? わたしのせい、なの……?」
透「わたしがウィッシュスターあげちゃったから……? だからさくのいなくなっちゃったの……??」
シキ「……ちがうのです」
透「じゃあなんで! なんでよっ! なんで桜野いないのっ!!!」
シキ「……」
透「なんっ、ぅ、けふっ……! なんでっ……はぁっはぁっ……さくのっ、なんで……なんでよぉ……!」ガクガク
シア「透!」バッ
透「んくっ、はっ、はっ……! うぅぅ……!」
透「ふーっ、ふーっ……ちが、うもんっ……!」
透「さくの……いなくならないもん……なんにも言わずにかってにいなくなったりしないもん……!!!」
シキ「……透、聞いて」
透「やだ!」
シキ「ダメなのです。ちゃんと聞いて。桜野にはね……」
透「うぅぅううう……!!!」
シキ「……桜野には……多分もう、戦いしか残ってないのです」
透「………………ぇ」
シア「ど、どういうことですの……?」
雪菜「それって……!」
朱「シキちゃん……」
シキ「うん……」
シキ「話すのです、ぜんぶ。桜野のこと、桜野が話してくれたこと、シキが知ってること、ぜんぶ」
シキ「みんな、透、絶対耳を塞がないで……」
- 890 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:16:25.95 ID:P9O2tPu4o
- ここまで
ドロドロにします
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 01:18:54.11 ID:gBurVn2To
- 乙
ついに秘密が明かされるか
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 02:00:22.05 ID:pKAcGazHo
- 乙
食後に甘いものもください!
- 893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 02:15:23.58 ID:X7ux8oMo0
- 乙
超濃厚ドロドロスープニンニクもりもり…
- 894 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/30(月) 23:43:58.57 ID:2/GKEhvRo
- 夜の街
タッタッタッタッ
桜野「……っ」タタタッ
桜野(……いわゆる虐待がはじまったのは、わたしがママの妹夫婦に引き取られたその日からだった。9さいになったばかりだった)
桜野(毎日殴られたし、毎日蹴られた)
桜野(叔父さんは、わたしのおなかを蹴り飛ばすのがお気に入りだった)
桜野(叔母さんは叔父さんほど力がないからか、灰皿で殴ったり、ベルトをムチみたいにしならせて体を叩いた)
桜野(2人ともタバコを吸うから、灰皿代わりにその火を体に押し当てられた)
桜野(全身が痣と火傷とミミズ腫れで埋め尽くされるまで、3日とかからなかった)
桜野(痛みから逃げるように気を失うようになった。それがわたしとっての睡眠だった)
- 895 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/30(月) 23:56:18.40 ID:2/GKEhvRo
- 桜野(当たり前だけど、わたしの分の食事が用意されることなんてなかった。だからわたしはいつも腹ぺこだ)
桜野(かといってなにか勝手につまみ食いしようものなら、せっかく薄くなって痛みが引いてきた痣がまた新しくなってしまう)
桜野(わたしはおなかが空かないように、できる限り動かずじっと耐えた)
桜野(それでもやがて限界はやってきて、意識が朦朧としてくる。平衡感覚が無くなって、気づいた時には床に倒れていたなんてことも珍しくなかった)
桜野(時おり叔母さんたちの気まぐれで目の前に残飯がぶちまけられる。手を使わずに食べろと言われた。言われたとおりにした)
桜野(叔母さんたちの機嫌を損ねるとせっかくの食べ物を吐き出すことになってしまうから、汁の一滴すら残さないように丁寧に床を舐めた。叔母さんたちは、そんなわたしの後頭部を踏んづけてゲラゲラ笑った)
桜野(口の中でぐちゃぐちゃの食べ物と床の苦さが混ざって酷い味だった。噛むたびに小さな砂粒が歯をこすった。機嫌を損ねずとも結局蹴られた)
桜野(それでも、なにも食べられないよりはマシだった)
桜野(どうしてこんなことをするんだろう。その答えは聞かずとも教えてくれた)
桜野(わたしが痛みに悶えたり、苦しそうに咳き込んだり嘔吐いたり、空っぽのおなかから胃液を吐き戻す姿が痛快なんだという)
桜野(じゃあしょうがないやって思った)
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/30(月) 23:58:07.66 ID:7D99fAlN0
- これでなぜプリキュアになれるほどの光が
- 897 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:10:25.44 ID:fERDBuF/o
- 桜野(幸いだったのは、叔母さんたちがとにかく世間体を気にする人たちだということだった)
桜野(どれだけ痣を作っても、硬い瓶や刃物が振り下ろされても、服で隠せない場所は怪我もなくきれいだった。だから学校には行けた)
桜野(年中長袖しか着れなかったとしても、せっかく終わらせた宿題のノートが登校直前にぐしゃぐしゃになったとしても、学校に行くことはできた)
桜野(わたしは学校が大好きだ)
桜野(だって学校に行けばごはんが食べられる。それに誰もわたしをぶたない)
桜野(できるだけ長く居られるように、毎日誰より早く登校して、誰より遅く下校した)
桜野(わたしはいつも家に入る前に深呼吸をする)
桜野(今日もまた気絶するまで嬲られ続ける、そう考えると体が震えてしまう。わたしが怯えると叔母さんたちはもっと面白がるから、そうならないように呼吸を整える)
桜野(気絶するまで嬲られるからといっても、すぐに眠ってはいけない。早くに気を失うと、殴り足りない叔母さんたちがものすごく痛いところを狙うかもしれないからだ)
桜野(起きている時も狙われるし同じくらい痛いけれど、身構えられる方がずっといい)
桜野(家の中でわたしが自由にできるのは、ゴミ箱の隣に置かれたぺちゃんこのクッションだけだ。そこに座ってぼーっとしたり、宿題をやったり、体を丸めて泣いたりした)
桜野(そんな生活は中学生になっても続いた。毎日が傷だらけで、痛みに怯える日々だった)
- 898 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:20:09.90 ID:fERDBuF/o
- シキ「……」
雪菜「っ……!」カタカタ
朱「うそ……でしょ……!」
シキ「……ぜんぶ本当のことなのです」
雪菜「そんっ……なのっ……!」カタカタ
シキ「……桜野はそんな状態でも、シキのことを一番に考えてくれたのです」
朱「うぅ……」
シキ「……食べ物を分ける時も、シキにはできるだけきれいなところをくれたのです」
シキ「……きれいなところがない時は、少ないお金でシキの分だけ何か買ってくれたのです」
シキ「遠慮すると、桜野の目が真っ黒になるのです。怖いくらい真っ黒に……」
透「………………」
シキ「みんな覚えてるです? 前に桜野が学校おやすみした時のこと……」
雪菜「……おみっ、お見舞いっ……みんなで行った……」
シキ「風邪ってことになってたけど……あれ本当は全然違う理由だったのです……」
朱「じゃあやっぱり……!」
シキ「あの時ね……」
- 899 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:22:17.63 ID:fERDBuF/o
- ここまで
実はコスモスさんは「1番幸せな世界線の岸波桜野」です
桜野が出会ったのがたまたまシキだったからプリキュアになってますが、余裕で逆だったかもしれねェです
余談ですが光と闇どちらの勢力も介入しなかった場合、桜野もコスモスもほぼ同時期に自殺します
- 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 00:24:53.65 ID:NSH0ke4ko
- 乙
ど、どういうことだってばよ…
プリキュアにならなきゃ死んでたしプリキュアになるのが早すぎてもバッドエンドらしいし
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 00:32:06.36 ID:yM+MhsDp0
- 乙
一番弱い透ちゃんは突然何かの力か存在にドラフト指名されて一番強い桜野さんは偶然がなきゃプリキュアになれなかったかもしれないのは何か意味が
- 902 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:48:17.77 ID:fERDBuF/o
- >>900
早すぎ√は桜野さんが1人で戦い続けて闇落ちする√です この場合透ちゃんと仲良くならないので闇落ちからの救済がない
プリキュアにならなくても初手闇堕ちすると光堕ち→追加キュアで生存√爆誕します
何気にコスモスさん主役、桜野さん追加キュアの並びがポジション的には一番本家感出る ただしコスモスさんの性格に目を瞑る
>>901
そのうち書きます 多分書くと思う 書くんじゃないかな?
- 903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 01:18:02.52 ID:q5VoaUzbo
- おつおつ
土曜深夜36:30かな?
コスモス主役はチームがバラバラじゃねえか!になるの見える見える
- 904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 01:49:59.65 ID:PAyFgtPPo
- 世間体は気にしてる叔母さんをヤバいやつと見抜けた雪菜ちゃんは洞察力通り越してニュータイプだ
- 905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 09:19:50.84 ID:587UR+IB0
- おつ
食べ物は気まぐれでしか与えられない割に学校で倒れたりして気づかれたりはしてないみたいだし
身体測定とか夏服・体操服とか色々どうしてたんだ…?
- 906 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 09:59:44.22 ID:6D8Hd3fZO
- >>905
以下、没台詞です あくまで没台詞です
─────
だから中学校の校長先生と紹介された人がいつもわたしを乱暴に虐めるお客さんだと気づいた時は、もうどこにも逃げ場はないんだなって思った
─────
再三申し上げますが没台詞です
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 10:32:43.80 ID:vL44l2cWo
- 透ちゃんみたいに異世界へ誘拐された方がまだマシそうな
- 908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 10:48:13.57 ID:3QSE8O9f0
- 環境変えても心はもうダメらしいし
おいおい詰んだわ
- 909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/31(火) 11:34:12.11 ID:j4OLrcN90
- ラストバトル最終回がもうすぐっぽくて悲しい
いつもの50話近くあるプリキュアなら園児時代の透ちゃんの友達が未だに透ちゃんを男子だと思い込んでて恋してるとかみんなの両親出てくるとか季節イベントとかゲストキャラ絡む単発回的な話かありそう
- 910 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/01(水) 23:36:15.30 ID:REWyui95o
- 桜野(不定期だが、叔母さんの機嫌がものすごく悪くなる日がある)
桜野(理由はわからない。もしかしたらそんなものないのかもしれない)
桜野(それでもたったひとつ明らかなことがあるとすれば、数時間後には全身の傷痕が真新しくなっているということだけだ)
桜野(帰ってくるなり叔母さんは苛立ちを隠そうともせず、いろんなものに手当たり次第に当たり散らす)
桜野(その中で一番殴り心地が良くて面白い音が出るのがわたしだ。わたしは、叔母さんが鬱憤を晴らすのにうってつけのサンドバッグなのだ)
桜野(気を失うまで殴られ続ける。硬いもの、鋭いもの、いろんなもので殴られる。普段よりも容赦がない)
桜野(どれだけ痛くても、苦しくても、止めてほしくても、少しでも反抗しようものなら火に油を注ぐ結果になる。だからひたすら黙って耐える)
桜野(痛みで思考が鈍化すると、1秒が恐ろしいくらいに長く感じる。永遠に終わらないんじゃないかとさえ思う。そんな思考も、背中に振り下ろされたガラス瓶と一緒にはじけ飛ぶ)
桜野(そして大抵は叔母さんのイライラが収まるよりも先に、わたしの方が力尽きる)
桜野(意識は完全に飛び、目は虚ろになり焦点が合わず、『あ』と『う』以外なにも喋れなくなる)
桜野(そうなってしまえば、わたしにサンドバッグとしての価値は無い。どれだけ痛めつけても、小さなうめき声を上げるのが精一杯な退屈なおもちゃじゃストレス発散にはならない)
桜野(だから標的が移る)
桜野(近くにあって目につくもの、わたしのスクールバッグをひっくり返すのだ)
- 911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/01(水) 23:39:54.21 ID:LV9Gz7jL0
- よく生きてんな桜野さん
- 912 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/01(水) 23:44:29.22 ID:REWyui95o
- 桜野(そもそもわたしは持ち物が少ない)
桜野(教科書や制服など学校関連のもの以外は、せいぜい着替えが数着あるくらいだ)
桜野(叔母さんたちの目につく場所にあると気まぐれに破られたり汚されたりしてしまうから、視界に入らないように物置のすみっこに押し込めている)
桜野(それでもたまに癇癪を起こした叔母さんが、腹いせに物置をめちゃめちゃにすることがある)
桜野(だからわたしは、本当に大事なものだけはスクールバッグに入れて常に持ち歩いている。例えばそれは、ほんの少しのお金とか食べ物とかだ)
桜野(でも叔母さんの機嫌が悪い日は、そういうものにまで被害が及ぶ)
桜野(取られたり捨てられたりして、ただでさえ少ない持ち物がすっからかんになる。さながらリセットだ)
桜野(運が悪かったと割り切るしかない。今までだってそうしてきた)
桜野(でもあの日は……)
- 913 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/01(水) 23:58:50.64 ID:REWyui95o
- 桜野(あの日はたまたまそういう日だった。帰った途端、叔母さんに突き飛ばされた)
桜野(咳き込んでいるところ髪を掴まれ引っ張り上げられて、そのまま何度もおなかを蹴られた)
桜野(迂闊だった。もっと気をつけなければいけなかった。考えるにはもう遅かった。あっという間に意識が飛んだ)
桜野(そして気がついた時、ぼやける視界の先で、叔母さんがスクールバッグをひっくり返していた)
桜野(中身が床に散乱した。教科書、筆記用具、ぺちゃんこのお財布、半分に欠けた飴玉……)
桜野(叔母さんはその中から、ふたつのぬいぐるみを鷲掴みにした)
桜野(ひとつは前に透ちゃんがUFOキャッチャーでとってくれたもの。そしてもうひとつは、シキだった)
桜野(シキにはあらかじめ、見つかってしまったらぬいぐるみのフリをするように言っておいた。そうすれば大丈夫だからと。シキはわたしの言った通りにした)
桜野(叔母さんはぬいぐるみをわたしに突きつけ、どこで盗んできたと怒鳴った。答えなんて何でも良かったんだと思う。ストレス発散ができればそれで)
桜野(わたしはひたすらごめんなさいだけを続けた。下手に言い訳するよりただ謝り続けた方がいいことは、これまでの経験でわかっていた)
桜野(どうにかしてシキを離してもらわなきゃいけない。なんとかチャンスを作ろうと必死だった)
桜野(でもあの日の叔母さんは、本当に機嫌が悪かった)
桜野(叔母さんはハサミを持ち出してきて、透ちゃんがくれたぬいぐるみに刃先を向けた)
桜野(あちこちから綿が飛び出た。腕も足も、目玉も千切れた)
桜野(あの日からずっと肌身離さず持っていたもの。大切にするって透ちゃんに約束したもの。わたしの宝物)
桜野(それはあまりにもあっけなく、無惨な姿に成り果てた)
桜野(次はシキの番だった)
桜野(わたしはその日、人生で初めて、叔母さんに反抗した)
- 914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/02(木) 00:01:47.16 ID:8djY/Coyo
- おいおいまさか
- 915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/02(木) 10:34:16.53 ID:TVbcBb5L0
- なぜこの子がプリキュアになれたのか
なぜ今まで隠し通せていたのか
なぜ生きていられたのか ←NEW!
桜野さんの謎は深まるばかりだな…
- 916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/03(金) 19:57:59.10 ID:Oo0q9vcPo
- 生まれた瞬間から人生詰んでるかのような人生
- 917 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/03(金) 23:05:45.21 ID:HsgaOwuKo
- 桜野(それからのことはあまり覚えていない)
桜野(ただ、叔母さんがすごく驚いてて、すごく怒ってて……それから今までで一番痛かったのは覚えてる)
桜野(気絶するまで殴れたし、気絶してからも殴られた。もはやどこが痛いのかすらわからなかった)
桜野(痛みで気を失い、痛みで目が覚める。何度も繰り返した)
桜野(気づいた時には、いつも使っているクッションが胃液や血を吸って酷い臭いになっていた。それでも体は動かなかった)
桜野(力の入れ方すら分からなかったし、世界がなに色ともつかない変な色をしていた)
桜野(それなのにいやに頭がスッキリしていて、こういう風に終わるのかなぁって思った。その感覚に体を預けて、少し眠ろうと思った)
桜野(でも、シキがいた)
桜野(今眠ったら、シキとの約束が果たせなくなる)
桜野(それはダメだ。約束は守らなきゃだめなんだ。絶対)
桜野(シキだけじゃない。透ちゃんとの約束も守れなくなってしまう)
桜野(わたしはもう少し頑張らなきゃいけない)
桜野(約束も守れないわたしに生きる価値なんてない)
桜野(頼まれたら最後までやり遂げなきゃいけない)
桜野(役に立たなきゃ)
桜野(またいらない子になっちゃう)
桜野(役に立たなきゃ)
桜野(それだけがわたしの存在理由なんだから)
桜野(役に立たなきゃ)
桜野(わたしにあるのはそれだけだった)
- 918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/03(金) 23:08:07.97 ID:Lkkf6SKMo
- プリキュアの力で遂にやっちまったかと思った…
ここまでされても命に別状はない生命力…
- 919 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/03(金) 23:20:43.73 ID:HsgaOwuKo
- シキ「……桜野はシキを必死で守ってくれたのです。シキを抱きしめて、体を丸めて、何をされても絶対動かなかったのです」
シキ「シキが今ここにいられるのは、間違いなく桜野のおかげなのです。でもそのせいで桜野が……」
シキ「……酷かったのです、本当に」
シキ「ずっとうめき声を上げていたのです。気を失ったままずっと。殴られるのが終わってからもずっと」
シキ「一瞬意識が戻って、痛みから逃げるみたいに体が跳ねたかと思うと、すぐに糸が切れたみたいに倒れるのです。またそれを繰り返すのです」
シキ「何度も繰り返すうち、ついにピクリとも動かなくなったのです」
シキ「声をかけてもゆすっても、なんの反応も無かったのです」
シキ「叔父さんも叔母さんも気絶してる桜野にはあんまり興味を示さなかったのです。でも学校の日が近づくと、無理やり叩き起こそうとするのです」
シキ「蹴っ飛ばされた桜野が気絶したままもどして、汚いってまた蹴られたのです」
シキ「結局その週はお休みになったけど、その間シキは何度も見たのです」
シキ「気を失った桜野の口から黄色い液体が溢れるのを何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も」
シキ「そこに赤色が混じり始めた時は本当にもうダメかと思ったのです」
シキ「怖くて、なにかしなきゃって思って。とにかくなにか食べさせなきゃって、無くなっても気づかれないようなものを持ってきて桜野の口にねじ込んで、でもすぐにもどしちゃって……」
シキ「水だけでもって思って、台所を往復して水を運んで飲ませて……」
シキ「不安で不安でたまらなかったのです。もうダメだって何度も思ったのです。なにをしていいか、なにをしちゃいけないか分からなかったのです。あの時ほど、人間に生まれなかったことを呪ったことはないのです」
シキ「それでも、いつか目を覚ますって信じたのです。そうするしかなかったのです」
シキ「それで、それでね、桜野、目を覚ましたのです。完全に気を失ってから、まる1週間経ってたのです」
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/03(金) 23:22:37.49 ID:Lkkf6SKMo
- そら雪菜ちゃんも一目見ただけで今までで一番怖かったと感じるわ
- 921 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/03(金) 23:26:53.00 ID:HsgaOwuKo
- >>918
一応そのルートは考えたんですけど、それができる子ならこんなにこじれてない気がして
いざやっちまったとしたら闇落ち直行しちゃうし
余談ですが、お泊まりイベの募集で透ちゃんが日常的にプリキュアの力使ってるみたいなのを採用しなかったのは、それ許容すると桜野さんがやっちまう可能性が出てきちゃって闇落ち直行どころか闇落ち済みになりそうだったので
- 922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/03(金) 23:29:17.20 ID:gtqTi8TZ0
- 敵勢力についてないとはいえこれでまだ闇じゃないんだ…
- 923 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/03(金) 23:41:27.52 ID:HsgaOwuKo
- シキ「桜野の目がふらふらって泳いで、シキを見つけて。そしたら桜野、なにか言おうとして、でも声が枯れてなにもしゃべれなくて」
シキ「何も言わなくていいのですって言ったけど、それでも何かしゃべろうとして。桜野が伝えたがってること、聞き逃しちゃダメだと思って」
シキ「それで桜野、なんて言ったと思う?」
シキ「桜野ね……」
『………………ごめんね』
シキ「桜野が一番辛いはずなのです。苦しいはずなのです。なのにごめんねごめんねって何度も……」
シキ「なんで桜野が謝らなきゃいけないのです……桜野はいったいなにを謝っているのです……」
シキ「シキにはもう、何も分からなかったのです。だからその時は、とにかく桜野が起きてくれたことを喜ぼうと思ったのです」
シキ「シキね、できるだけ楽しい話をすることにしたのです。その方が桜野も元気になってくれると思ったのです」
シキ「みんながお見舞いに来てくれた話をしたらね、すっごい動揺してたのです。でも結果的に門前払いになっちゃったことを話したら少し落ち着いたのです」
シキ「持ってきてくれたゼリーの話もしたのです。桜野が起きた時にはもう食べられちゃった後だったけど、気持ちは本物だって話したのです」
シキ「シキの話を聞くあいだ、桜野はうんうんって相槌を打っていたのです。でもその声も、だんだん小さくなっていったのです」
シキ「また眠るのかなって思ったのです。休めるなら休んだ方がいいのです。でももしかしたら、次眠ったら今度はほんとに目を覚まさないんじゃないかって思っちゃって……」
シキ「桜野の声が聞きたくて、相槌を打ってほしくて、くだらない話をいつまでも続けていたのです。いつまでもいつまでも……」
シキ「…………気づいた時には、1人でしゃべってたのです」
- 924 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/03(金) 23:54:24.25 ID:HsgaOwuKo
- シキ「不安だったけど、少し眠ったらちゃんと起きてくれたのです。ひとまずほっとしたのです」
シキ「それから桜野は短い睡眠を何度も繰り返すようになったのです」
シキ「いくらか落ち着いたけど、それでも元気とは程遠かったのです」
シキ「それでも叔母さんたちはお構い無しで、週明けには学校に行けって言うのです。そろそろ友だちに会いたいだろって……」
シキ「そんなの無理に決まってるって思ったのです。休めてもせいぜいあと1日だけ。それだけで回復するわけないのです」
シキ「それどころか、シキが話しかけても返事すらままならない状態なのです。シキはもう少し休んでいてほしかったのです」
シキ「でもね、桜野ね、叔母さんの言葉に『はい』って返事したのです。短いけど、確かにはっきり」
シキ「悔しいのか、悲しいのか、腹が立つのか、もうなんだかぐちゃぐちゃだったのです」
シキ「だって死んでしまうところだったのです。もしかしたら本当にダメだったかもしれないのです」
シキ「それなのに、それだけのことがあったのに、桜野はなにも……変わらなかった……」
- 925 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/04(土) 00:04:33.80 ID:rVbSwJEoo
- 透「……」
朱「……」
雪菜「ひくっ……ひぅ……!」ポロポロ
朱「じゃああたしたちがお見舞いに行った時に会ったのが……」
シキ「うん……叔母さんなのです……」
朱「もしあの時、雪菜ちゃんが止めてくれなかったら……」
シキ「きっと……酷いことになってたのです……」
雪菜「うぐっ……ぅぅ……!」
朱「休み明け、桜野ちゃんが透ちゃんにたくさん謝ってたのは……」
シキ「ぬいぐるみのことなのです……」
透「……」
朱「あの日の桜野ちゃん……いつも通りとはいかないけど、明らかにおかしいとまでは思えなかった……」
シキ「すごく無理してたのです。本当は立つのもやっとだったのです……」
朱「そんな状態だったのに気づけなかったなんて……」
シキ「無理もないのです……桜野は強い。強すぎるのです。だから大丈夫なフリして、ボロボロの体でもまっすぐ歩いて……」
雪菜「ひぐ……」
シキ「それでもごはんはもう、まともに食べれなくなってるのです……」
朱「ごはん……? でも……」
シキ「食べたあとこっそり吐いてるのです……」
朱「え……」
シキ「学校でも、この前の遊園地でも、昨日みんなで食べたお夕飯だって……」
朱「そん、な……」
シキ「桜野はもう限界なのです。それは桜野自身も気づいてる……それにあれ以来、叔母さんたちがピリピリしてていつまた……」
雪菜「うぅぅ……」
シキ「桜野にはもう選択肢がない。だからひとりで……」
透「……」
- 926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 00:09:42.51 ID:XaT4znkeo
- 詰んだ…
- 927 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/04(土) 00:14:33.11 ID:rVbSwJEoo
- 透「……」
シキ「……」
朱「……っ」
雪菜「うっ……ぅ……」
透「……シキ」
シキ「……うん」
透「……それでぜんぶ?」
シキ「……シキの知ってることは」
透「……なんで」
シキ「……」
透「なんで今まで黙ってたの……!!!」
シキ「それは……」
透「ずっと一緒にいたんでしょ……! ずっと見てきたんでしょ……!」
シキ「で、でも……!」
透「なんでなにも言ってくれなかったの……! 教えてくれたらできることがあったかもしれないのに……! こうなる前になにかできたかもしれないのに……!!」
シキ「だって……だって!」
透「なのになんでっ……!!!」
シキ「約束なのですっ……!!!」
透「!」
シキ「……っ」
- 928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 00:17:04.73 ID:KX3uZJ9X0
- 桜野さん殺しかけてるの敵勢力じゃなくてただの人間って
- 929 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/04(土) 00:28:11.36 ID:rVbSwJEoo
- 透「……やく、そく?」
シキ「……桜野はシキの、いろんなお願いを聞いてくれたのです」
シキ「プリキュアになって戦うこと、透を助けること、シーズンランドを元通りにすること、他にもいろんなわがままを言ったのです。桜野はそれぜんぶ、嫌な顔ひとつしないで『まかせて』って言ってくれた」
シキ「そんな桜野が、シキにお願いした唯一のことなのです……!」
『あのねシキ、ひとつだけ約束してほしいことがあるの』
シキ「絶対に守ってほしい約束だって!」
『うちでのこと、絶対誰にも言わないでね』
シキ「言えなかった……! 言ったら桜野を裏切ることになるんじゃないかって……!」
透「で、でも! そんな領域とっくに超えてる! だったら……」
シキ「誰かに話して、それを桜野や叔母さんたちに気づかれたらどうなってたです!!?」
透「!」
シキ「ねえ透! 透ならどうしてた!? 桜野のこと知ったらなにしてた!? 何もしないでいられた!?」
透「そ、そんなこと……」
シキ「できるわけないのです! ほっとくなんてありえないのです! でもそれじゃ誰かが気づくに決まってるのです!!」
透「き、気づいたなら……!」
シキ「もしそうなったら桜野どうなると思う!?」
透「それは……」
シキ「叔母さんたちに殺されるか、ひとりで無茶な戦いをして死ぬか!! どっちにしても桜野はいなくなってた!!!」
透「っ!!!」
シキ「はぁっはぁっ……ひくっ、うぅ……!」
シキ「だからっ……だか、らっ……ずっと……話せなかったのです……!」ポロポロ
シキ「ごめん……ごめんなさいなのです……ごめんなさい……!」ボロボロ
透「……! で、でも、でもっ……!」
シア「透、シキを責めるのは筋違いですわよ」
透「分かってるけど!! でもっ、だったら……! どう、すればっ……私っ、どうすればいいのっ……!!」カタカタ
シア「……」ギュ
- 930 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/04(土) 00:28:42.27 ID:rVbSwJEoo
- ここまで
ムズカシイヨ-
- 931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 00:30:04.76 ID:7+1uNKdMo
- 乙
もうだめだぁ…おしまいだぁ…
- 932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 01:19:00.33 ID:TpE5+5Ez0
- 戦いの結末関係なく主人公どのみち死ぬ…
- 933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 20:56:23.23 ID:BNUhmMq90
- 前世で悪行重ねたってこんな詰み人生にはならんぞ…
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/04(土) 23:09:47.79 ID:DAlMZf6go
- プリキュアSSの姿か、これが…?
子供泣くでこんなん
まぁ桜野はスピリットピース取り上げて病院送りなりで緊急避難が妥当かな?
全身の傷や跡を見れば誰でも保護が必要とわかるだろうから、叔母と引き離すのは難しくなさそう
- 935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/09(木) 23:50:25.45 ID:SFx0dI1Po
- まだまだ忙しい?
- 936 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/09(木) 23:52:21.67 ID:YZkuxC4Vo
- 町はずれの森
桜野「ふぅ、着いたけど……」
桜野「んー……」キョロキョロ
桜野「とりあえず歩いてみるか……」
ザワザワザワッ
桜野「っ!!!」ゾクッ
桜野「コスモスっ!?」バッ
桜野「っ……!」
桜野「……」
桜野「………………じゃない」
桜野「一瞬似てる気がしたけど全然違う……」
桜野「これがサイカか……」
桜野「……」
桜野「…………ムカつくなぁ」ザッ
- 937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/09(木) 23:53:19.13 ID:SFx0dI1Po
- きたか
- 938 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 00:10:30.21 ID:N3BJJsRVo
- 雪菜「……っ」
透「はーっ……うぅぅ……!」カタカタ
シア「透……」
雪菜「透さん……シアさん……」
シキ「ひっ、うっ……ひぐ……!」ポロポロ
朱「シキちゃんも辛かったわよね……」ギュ
シキ「あがね゛ぇ……!」
朱「気づいてあげられなくてごめんね……シキちゃんにばかり背負わせちゃってごめんね……」ナデナデ
シキ「う゛んっ……」
雪菜「朱さん……シキちゃん……」
雪菜「………………」
雪菜「…………これからどうしたらいいんでしょう」
朱「…………そうね。シキちゃんの話で桜野ちゃんの状況は分かったけど……」
雪菜「桜野さんを追いかけて、追いついたとして、なんて声をかければいいんでしょう……なんて言えば連れ戻せるんでしょう……」
透「さくのぉ……」
シキ「すん、ぅ……今の、桜野は……自分ひとりの犠牲で戦いが終わるなら、それが一番だって考えてるのです……それが桜野が考えた、一番誰かの役に立てること……」
透「なんでそんなっ……」
雪菜「『なんの役にも立たないわたしに生きてる価値なんてないもん』」
透「え……」
雪菜「ですね……」
シキ「うん……」
透「なに、それ……!」
雪菜「……前に私、桜野さんの本心が知りたくて強引に聞き出そうとしたんです……その時に桜野さんが……」
透「そんなことを……」
朱「それが、いつ壊れてもおかしくない環境で桜野ちゃんの支えになっていたものなのね……」
雪菜「歪んだ環境に歪んだ希望……桜野さんを取り巻くすべてが桜野さんを歪曲させている……」
シキ「誰かの役に立つことが桜野の生きる意味になってるのです……」
透「そんな……そんなの……!」
雪菜「そして、それを見出すきっかけになったのが……」
透「え……」
朱「10さいごろって言ってたわね……」
透「……!」
- 939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 00:12:39.91 ID:fiY5DLHT0
- 心から何とかしないとどのみち自殺か
- 940 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 00:27:10.52 ID:N3BJJsRVo
- 町はずれの森
桜野「……っ」ザッザッ
桜野(叔母さんたちに引き取られてすぐの頃のわたしは、自分がなぜ生きているのか分からずにいた)
桜野(目が覚めるたび、ここは天国かな地獄かなって考えた。どれだけ考えても答えは出なかった)
桜野(生きていることと死んでいること、どちらが天国でどちらが地獄か分からなかった)
桜野(分からないままにわたしは生きた。図々しくも生き続けた)
桜野(どうしても生きていたかったわけじゃない。死にたいと思ったことは何度もある)
桜野(今日も思った。昨日も思った。きっと明日も思うだろう。そんな毎日だった)
桜野(でもわたしは、生と死の境界に立ちながら自分の足元すらままならないわたしには、どちらに転べば死ねるかなんて分かりようもなかった)
桜野(逃げ出すこともできず、踏み切ることもできず、醜く生き続けるしかなかった)
桜野(生きる意味も、生きてる価値も、存在理由すらない)
桜野(ママもいない。パパもいない。からっぽ。わたしはなんのために生きているんだろう)
桜野(ずっと答えを探していた。あの子に出会ったのはそんな時だった)
桜野(まいごのおんなのこ。あの日のコスモスに)
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 00:29:24.17 ID:33TJgxFMo
- コスモスとのエピソードはちゃんと真実だったのね
妄想か記憶違いの類いかと
- 942 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 00:37:06.95 ID:N3BJJsRVo
- 桜野(コスモスにあげたいちごみるくの飴は、あの日のわたしが口にできる唯一の食べ物だった)
桜野(それを手放したとき、わたしは生きる意味を見つけた)
桜野(コスモスが喜んでくれた。コスモスのお母さんも、たくさんのありがとうをくれた。それだけで十分だった)
桜野(わたしにもできることがあった。こんなわたしでも誰かの力になれた。生きてていいんだって言われた気がした)
桜野(その瞬間から、コスモスはわたしの生きる意味そのものになった)
桜野(誰かの役に立つ。それだけがわたしの存在理由だった)
桜野(求められるままに応えた。なんでもやった。本当に、なんでもやった)
- 943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 00:37:45.55 ID:fiY5DLHT0
- アンパンマン?
- 944 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 00:52:35.49 ID:N3BJJsRVo
- 雪菜「それが……桜井コスモスさんが生きる意味そのものの理由……」
シキ「そしてあの子は、今も桜野の中で生きてるのです……」
透「そんなのっ……どうしようも……!」
透「どうしようも、ない……」
透「っ……」ギュ
シア「……」
朱「……」
雪菜「……」
シキ「……」
朱「………………本当はどう思ってるのかしらね」
透「……!」
シキ「……どうって?」
朱「桜野ちゃん、自分ひとりで戦いを終わらせられるならそれでいいって、自分はどうなってもいいって、本気で思ってるのかな……」
透「……っ」
雪菜「それは……」
朱「誰かの役に立つってだけならそう考えちゃうかもしれないけど……それって桜野ちゃんの本心なのかしら……」
雪菜「それ、は……」
シキ「……」
透「わかんないよっ……!」
朱「……」
透「だってずっとなにも言ってくれなかったんだよ!? ずっと隠してたんだよ!? そんな酷い状況なんてぜんぜんわかんなくてっ、だっていっつものん気でおめでたい顔して笑ってて! 私っ、ずっと気づかなくて! 急にいなくなっちゃって……! 本当の気持ちなんてわかんないよっ! 朱だってそうでしょ!? みんなそう! 桜野の本心なんてっ、そんなの誰にもわかるわけないっ!!」
朱「……うん」
- 945 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 01:05:36.20 ID:N3BJJsRVo
- 朱「……」
透「はぁっはぁっ……うぅぅ……!」
シア「透……」
朱「…………そうよね……うん、やっぱりそうよね」スクッ
シキ「朱……?」
朱「桜野ちゃんの気持ちだものね……桜野ちゃん以外に分かるわけないわよね……」
雪菜「朱さん……? なにを……」
朱「だったらここで話してたって仕方ないわよね」
シキ「そ、それは……そうかもですけど……」
朱「分かんないなら直接聞くしかないわよね」
シキ「!」
雪菜「直接って……!」
朱「大丈夫、この時のためにいっぱい準備してきたんだもの。シミュレーションはバッチリよ」
雪菜「し、シミュレーション……」
シキ「なにする気なのです……?」
朱「なにって、決まってるでしょ?」クルッ
透「!」
朱「誘拐っ」ニコッ
- 946 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/10(金) 01:06:18.47 ID:N3BJJsRVo
- ここまで
おてんばなお姫様を攫いに行こう
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 01:07:49.07 ID:HBRZKZ16o
- 乙
ずっと言い続けてきたことを遂に…
- 948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 01:10:46.15 ID:fiY5DLHT0
- 乙
台詞だけだと犯罪者だ
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 11:26:57.55 ID:eFEAcg4i0
- 乙
いやそれより叔母という脅威の排除の方が確じ(ry
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 11:52:39.16 ID:14JchaDco
- 上手くやって環境変えるルートは強制バッドエンドと言ってたが桜野自身の問題は解決できるのか
- 951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/10(金) 15:52:10.25 ID:dYblx+xpo
- お姫様(戦闘ではゴリラ)
- 952 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 00:19:33.57 ID:KlTU4nzSo
- シキ「え……」
雪菜「あ……」
シキ「こ、こんな時になに言ってるのです……」
朱「あら、あたしは本気よ?」
シキ「本気って……」
朱「だってここでどれだけ考えても、結局なにも分からないでしょ? 本人がいないんだもの」
シキ「そ、そうだけど……!」
朱「だから聞きに行くの」
シキ「でも……」
朱「シキちゃんは反対?」
シキ「そうじゃ……ないけど……」
朱「うん」
シキ「でも……でもね、話聞いてくれるか分かんないのです……」
朱「分かってる。素直に聞いてくれるなら、こんなことになってないもんね」
シキ「……シキはね、桜野が泣いているところ、見たことないのです」
シキ「少しくらい弱さを見せてほしかったのです。でもいつだって、大丈夫って言われるのです。たまには泣いてもいいのですって言っても、実はこっそり泣いてるんだって笑ってごまかされたのです」
シキ「あんな環境にいても桜野はずっと強かった。不安すら通り越して、もしかしたら本当に大丈夫なんじゃないかって思っちゃうくらい……」
シキ「だからシキは分からなくなった」
シキ「何をしたらいいか、桜野が本心でなにを望んでるのか、本当に助けを必要としてるのか……シキにはもうなにも分からないのです」
シキ「もしかしたら、もしかしたらだよ? 桜野に追いついたとしても、助けなんかいらないって拒まれるかもしれないのです」
朱「……そうね」
シキ「それでも行くの?」
- 953 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 00:34:40.71 ID:KlTU4nzSo
- 朱「……」
シキ「……」
朱「それだって聞いてみなきゃ分からない」
シキ「……!」
朱「なんて言われるかは分からないけど、それは言われてから考える。今はとにかく近くにいなきゃ」
シキ「……」
朱「もし本当に助けを必要としているなら、いつでも助けられるくらい近くに。本当は何か話したいことがあるなら、声が聞こえるように近くに」
シキ「……」
朱「もし何も聞いてもらえなかったらその時は、こっちだって何も聞いてあげない。無理やりにでも一旦こっち側に連れ戻す。だって誘拐だもの」
シキ「うん……」
朱「桜野ちゃんは今、とっても暗くて息苦しい場所にいる。そんなところじゃ、まともな話なんてできないもの」
シキ「うん……」
朱「だから攫いに行くの。攫って、桜野ちゃんの顔がよく見えるくらい明るいところまで連れ出す」
シキ「うん……」
朱「おはなしはそれから。いっぱいいっぱいおはなしするわ。聞きたいことが山ほどあるもの」
シキ「うん……!」
朱「シキちゃんもあるんじゃない? 聞きたいこと」
シキ「うんっ……!!」
朱「桜野ちゃんを追いかけるのに、あなたの力は必要不可欠なの」
シキ「うん!」
朱「だからお願いシキちゃん、共犯になって?」
シキ「きょう、はん……ふふっ、ふふふっ……いどい誘い方なのですっ」
朱「でも魅力的でしょ?」
シキ「報酬は山分けなのです」ニコッ
朱「うん」ニコッ
- 954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 00:35:49.16 ID:G+cFlIbKo
- お姫様をさらいにいく王子様か怪盗か
- 955 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 00:54:57.82 ID:KlTU4nzSo
- 雪菜「あのっ……私も……!」
シキ「雪菜……!」
朱「共犯志望ね。歓迎よ!」
雪菜「いやあの、言い方がちょっとアレですけど……」
朱「そうかしら」
シキ「弁解の余地は無いのです」
雪菜「でも、でも……私、ずっと後悔してるんです。あの時、遊園地でのこと……」
シキ「雪菜……」
雪菜「私は桜野さんに救われました。怖がりで泣き虫な私の初めての勇気は、桜野さんがいたからです。今の私があるのは桜野さんのおかげです」
雪菜「だからあの時、今度は私が桜野さんの力になろうって焦ってしまいました……」
雪菜「ずっと何かあるとは思っていました。それがどんなものだったとしても、受け止めるつもりでいました……」
雪菜「でも桜野さんの言葉を聞くたび、真っ暗で、ぜんぜん底が見えなくて……どうしようもないくらい怖くなっちゃって……」
シキ「うん……」
雪菜「今でも思うんです。あの時、桜野さんの背中を追いかけられていたら、何か変わったのかなって」
雪菜「私、もう後悔したくありません。桜野さんがいなくなるなんて嫌です。その想いは、初めて変身した時から変わりません」
雪菜「今度こそ追いかけて、追いついて、桜野さんの手を取ります。そしたらきっと怖いものなんてありません」
シキ「うん……!」
雪菜「だから私も……!」
朱「共犯ね!」
雪菜「あー……もうそれでいいです」
シキ「朱ぇ……」
雪菜「大丈夫! 報酬は山分けよ!」
雪菜「報酬ってなんなんです……」
朱「えーっと……何が欲しい?」
雪菜「なにって……あ、じゃあじゃあ私、桜野さんの笑顔が見たいです。本当の、心の底からの笑顔」
朱「あ、いいわね!」
シキ「シキも見たいのです!」
朱「あたしたちでめいっぱい笑わせちゃいましょ!」
シキ「うん!」
雪菜「はい!」ニコッ
- 956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 01:01:43.50 ID:cIxbY25x0
- どんな犯行の手口か
- 957 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 01:04:11.07 ID:KlTU4nzSo
- 雪菜「そうと決まれば、どうやったら笑ってくれるか考えなきゃです」
シキ「シキも考えるのです!」
朱「2人は大丈夫そうね……」
雪菜「どういうのがいいでしょう……」
シキ「桜野は手強いのです。シキ渾身の一発ギャグはことごとく愛想笑いされたのです」
雪菜「え、一発ギャグ……?」
シキ「しかも愛想笑いが完璧すぎて、ほんとに笑ってるみたいなのです。しばらくは、少しでも笑顔にできたってぬか喜びしてたのです」
雪菜「う、うん……」
シキ「愛想笑いだって気づいた時はおなか痛くなって寝込んだのです……そのせいで心配かけちゃって罪悪感でまたおなかが……」
雪菜「えーっと、ずっと気づけなくてごめんね……いやあの本当にごめんなさい……」
シキ「過ぎたことなのです……桜野が喜んでくれること、一緒に考えるのです」
雪菜「はい……」
朱「大丈夫……よね?」
- 958 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 01:14:20.80 ID:KlTU4nzSo
- 朱「と、とにかく大丈夫ってことにして。あとは……」チラッ
透「!」ビクッ
透「……っ……!」
透「……っ」フイッ
朱「……透ちゃん」
透「……!」
朱「あたしたちは桜野ちゃんを追いかける」
透「……っ」
朱「透ちゃんも一緒に行こ?」
透「……っ!」
透「……っ……ぁ、わた、し……!」
透「わたしっ……! 私、は……!」カタカタ
朱「うん……」
透「……ぅ……!」ギュ
透「………………っ」
透「……」
透「…………」
透「………………無理だよ」
- 959 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/11(土) 01:15:09.88 ID:KlTU4nzSo
- ここまで
お姫様の前にへなちょこメン弱王子様なんとかせにゃならんかった
- 960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 01:17:55.78 ID:cIxbY25x0
- 乙
誰だよこんなか弱き生き物プリキュアにドラフト指名したの
- 961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 01:21:41.95 ID:iE1+UXaH0
- 乙
- 962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/11(土) 22:16:31.67 ID:mEjWzNS3o
- 乙
覚醒とか成長イベント的なのあんまなかったなこの子
- 963 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 00:17:38.02 ID:7yOM5Tlto
- 透「……っ」
朱「透ちゃん……」
透「だ、って……桜野がいないんだよ……?」
透「私が今まで頑張ってこれたのは桜野のおかげ……桜野がいたから進んでこれた……!」
透「でもっ……いないんだよ……! いなくなっちゃったんだよ……!!」
朱「だから追いかけるの。透ちゃんだって桜野ちゃんに会いたいでしょ……?」
透「会いたいよっ!! 会いたいに決まってるっ……!!!」
透「でも……無理なの……!」
透「もうずっと……震えが止まらないの……!」カタカタ
シア「透……」ギュ
透「こんなんじゃ無理だよ……私じゃ無理だよ……桜野がいなきゃ戦えないよ……!!!」
- 964 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 00:29:18.39 ID:7yOM5Tlto
- 朱「……」
シキ「透……」
透「ふーっ……ふーっ……」カタカタ
雪菜「……」スクッ
シキ「雪菜……?」
雪菜「……透さん」
透「ゆ、きな……」
雪菜「……怖いですか?」
透「っ……!」
透「怖いよ……!」
透「怖いよ! 怖いに決まってる!! だってずっと一緒だって思ってたのに……なのに……!!」
雪菜「……私も前に戦えなくなったことがありました」
透「!」
雪菜「怖くなってしまったんです。失うことが怖くて、傷つくことが怖くて、初めて変身したときの気持ちも忘れて、戦う理由も分からなくなって……」
透「……」
雪菜「でも霰が思い出させてくれました。私には、守りたい人がいたんです」
透「守りたい……」
雪菜「みんなです。本当にみんな。桜野さんのことも、もちろん透さんも。欲張りですけど、守りたいんです。その気持ちが勇気になったんです」
透「でも……私は……っ」
朱「あたしは初めて変身したときね」
透「朱……」
朱「あの時は覚悟が足りなくて、そのせいで透ちゃんに怪我させちゃって……あたしには戦う資格なんて無いって思った」
透「……」
朱「でも桜野ちゃんと透ちゃんのおかげで覚悟が決まった。戦う覚悟と、守る覚悟」
透「守る……」
朱「あたしの大切なものを守ろうとしてくれた桜野ちゃんを守りたかった。それにあなたのことも放っておけなかったもの」
透「私……私は……」
- 965 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 00:37:49.55 ID:7yOM5Tlto
- 透「……」
シア「……透」
透「……」
シア「透にもあるでしょう? 戦う理由が」
透「……違うよ……私は……違う……!」
シア「そんなことありませんわ。透だって……!」
透「ぜんぜん違うよ! だって私は! 私はただシーズンランドのみんなにまた会いたかっただけだもん! 守りたかったのに守れなかったから! ぜんぶ取り戻したかっただけだもん!!」
シア「それだけじゃありませんわ。確かに過去のあなたは本当にそれだけで、失うことを恐れて孤独に戦っていました。でも今は違うじゃありませんか!」
透「……そう、だけど……桜野に出会ったから変われたんだよ……! 失うのが怖かった……! あんな思い、もう二度としたくなかったし、誰にもさせたくなかったから……!」
シア「そうですわよね。もうなにも失わないことも、あなたの戦う理由だったはずでしょ? 今まさに桜野がいなくなろうとしているんですのよ? だったら追いかけなきゃ……!」
透「そんなこと分かってるよ……!! でも私は朱とは違う! 雪菜とも違う! だって私は! 私は……! 桜野がいないと頑張れないもん……! 桜野がいなきゃダメなんだもん……!!」ウルッ
シア「それはみんな同じですわ! だから助けに行くんですのよ!! みんなで桜野を迎えに行くんですのよ!!」
透「分かってるけど……でも……!!」ポロポロ
シア「ここで泣いてたって桜野は帰ってこないんですのよ!? もしかしたらもう二度と会えなくなってしまうかもしれないんですのよ!? それでも……」
透「でも、だって……桜野は……」
シア「……!」
- 966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 00:38:53.93 ID:3fyAs5+eo
- これは弱くなったと言われても
- 967 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 00:46:10.24 ID:7yOM5Tlto
- シア「透!」ガシッ
透「っ……!」
雪菜「シアさ……!」
朱「雪菜ちゃん……」ソッ
雪菜「っ……」
シア「透……あなた……!」
透「……!」
シア「この期に及んでまだ! 桜野なら大丈夫かもしれないなんて思っているんじゃありませんわよね!?」
透「!!!」
シア「心のどこかで! 桜野だったらひょっこり帰ってくるって! それでいつもみたいに笑っていられるなんて! そんなこと考えてるんじゃありませんわよね!?」
透「ち、ちが……!」
シア「あなただって分かっているはずでしょ!? 本当に大丈夫ならこんなことになっていないんですのよ!?」
透「わか、ってるよ……! けど……!!」
シア「ずっと大丈夫そうに見えていたのは、桜野がそれだけ無理をしてきたからなんですのよ!?」
透「分かってるけど分かんないっ!! だって私知らないもんっ!! 強い桜野しか見たことないもんっ!!」
透「朱や雪菜みたいに桜野を守るために変身したわけじゃないもん!! そんな必要無かったもんっ!!」
透「私は今まで! たったの一度だって! 桜野のために戦ったことないもんっ!!!」
シア「!」
透「はあっはあっ……! うっ、ぅぅぅ……!!」
シア「透……」
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 00:48:25.54 ID:ZZL6rsvb0
- 確かに…
- 969 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 00:54:15.98 ID:7yOM5Tlto
- シア「……」
透「うっ……うぅ……!」
シア「確かにそうかもしれません……あなたはいつも桜野に頼って、縋って、支えてもらってきました。自分の足では立てなくなってしまうくらい、寄りかかっていました」
透「……っ」
シア「でも、だったらこれから変わればいいじゃありませんか。今から桜野のために戦えばいいじゃありませんか」
透「これ、から……っ」
シア「ええ」
透「…………っ」
透「……やっぱり……無理だよ……っ!」
透「だって……強い桜野しか知らないもん……急に言われたって分かんないもん……桜野を守ろうと思ったことなんて……一度も……ないもん……!」
シア「あら、それは違いますわ」
透「え……」
シア「あの頃は確かに、桜野のために戦っていたとは違うかもしれません。でもあなたは確かに、桜野のことを守ろうとしていたじゃありませんか」
透「あの頃って……」
シア「ワタクシ、散々愚痴を聞かされましたわよ?」
透「!」
シキ「あー……そういえばシキもよく怒られてたのです……」ポリポリ
透「ぇ……あ……」
朱「あたしも結構キツイこと言われたわね……」
透「いや、あの……」
雪菜「私泣かされました!」ハイ
透「うっ……」
- 970 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:02:56.18 ID:7yOM5Tlto
- シア「ふふっ、桜野だけじゃありませんでしたわね」
透「あ、あの頃は余裕なくて……」
シア「でもそれはみんなを危険なことに巻き込まないためでしょう? 少し乱暴だったかもしれませんが、みんなを守るためにやったことですわ」
透「……んぅ」
シア「桜野のことも、そうやって守ろうとしていたでしょう?」
透「……!」
シア「ね?」
透「……そうだ……そうだった……私いつの間にか、桜野は強くて傷つかなくて負けなくて、絶対大丈夫だって思い込んでた……」
シア「あなたの中で桜野の存在が大きくなりすぎてしまったんですのね」
透「でも違ったんだよね。本当は桜野が誰より苦しんでた」
シア「はい。しかもそれをずっと隠していた。それは今も同じ」
透「うん」
シア「桜野は出会った頃からちっとも変わっていません。いい意味でも、悪い意味でも」
透「放っておいたらすぐに危ないことするよね」
シア「はい」
透「誰かが助けてあげなきゃだよね」
シア「はい」
透「すぐに無茶するから、誰かが止めてあげなきゃだよね」
シア「はい」
透「行き過ぎたら誰かが手を引いてあげなきゃだよね」
シア「はい」
透「ずっと隣にいて支え合う誰かが必要だよね」
シア「はい」
透「……その誰かが……私だったらいいな」
シア「はい」ニコッ
- 971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 01:06:23.91 ID:1g9Jr9I5o
- 守るために戦えてた「出会った頃の眼ぇ」してた頃の方が本当にまだ強かったのか
- 972 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:08:01.64 ID:7yOM5Tlto
- シア「思い出しました? 桜野に出会った頃、どんなことを思っていたか」
透「うん。毎日気が気じゃなかった」
シア「あの子のこと、どんな風に思ってました?」
透「え……えっと……」
透「なんにも出来ないくせになんにでも首突っ込んでくるし危ないって忠告も全く聞かないしわざわざ変身できないようにしたのにそれでも平然と敵に立ち向かっていこうとする無茶で無謀で無鉄砲な…………」
透「ばか」
シア「……」
朱「……」
雪菜「……」
シキ「……ぷふっ」
朱「ふふふっ……あははっ……!」
雪菜「ちょ、ちょっと朱さっ、ふふっ……笑っちゃダメですっ……!」
シキ「雪菜もっ……笑ってるのですっ……!」
雪菜「だってその通りなんですもんっ……!」
朱「ふふっ、そうよねっ……桜野ちゃん、ほんとに大ばかだわっ……!」
シア「そうなってしまうだけの環境ではあったと思いますけれど……」
透「でもなにも話してくれなかったのは、やっぱりちょっとショック。秘密が多すぎる。1人で抱え込みすぎ」
シア「ですわね」
- 973 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:16:52.80 ID:7yOM5Tlto
- 透「思い出したら腹立ってきた。最近の桜野、危ないことしすぎ」
雪菜「確かにそうです。ちょっとは相談してほしいです」
シア「では、どうします?」
透「文句言いに行く」
朱「文句……! ふふふっ、そうよね。聞きたいことだけじゃなくて、言いたいことも山ほどあるわよね!」
透「うん。お家のこともそうだし、ひとりで戦いに行ったこともそう。あ、それにあの約束のこと」
雪菜「約束?」
シキ「あ、桜野が初めてプリキュアになった時のやつです?」
透「うん。桜野ね、約束してくれたの。死なないよって、突然いなくなったりしないって、ずっとそばにいるって……」
雪菜「な、なんかプロポーズみたいですね……」
シア「あら? でもいなくなっちゃってますわよね?」
シキ「約束破ってるのです」
透「怒ってもいいかな?」
シキ「もちろんなのです!」
透「私、桜野とちゃんと話したい。私の気持ちぜんぶ聞いてほしいし、桜野の気持ちもぜんぶ聞きたい」
シキ「うん」
透「もしかしたら気持ちがぶつかって、ケンカになっちゃうかもしれない。でもそれでいいの。ちゃんとケンカして、ちゃんと仲直りするの」
シキ「うんっ!」
- 974 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:26:18.92 ID:7yOM5Tlto
- 朱「ケンカか……」
雪菜「そういえばしたことなかったですね」
朱「ただ仲が良かったからってだけじゃないわよね」
朱「あたしたちは桜野ちゃんがいたから友だちになれた。この絆は桜野ちゃんが繋いだ絆」
朱「なのに肝心の桜野ちゃんが全然心を開いてくれてなかったんだもの。まともなケンカなんてできないわよね」
透「うん。だから本当の桜野に会いに行く。でも私ひとりじゃ辿り着けない」
シキ「じゃあ……!」
透「私も共犯」
雪菜「透さん!」
朱「歓迎よ!」
シア「決心がついたみたいですわね」
透「うん。ありがと、シア。もう迷わないよ」
シア「ええ」ニコッ
シキ「そうと決まればすぐに出発なのです!」
「「「おー!!!」」」
透「……」グッ
透(ねぇ桜野……私ね、あなたの笑顔を見る度、ほんの少し不思議に思ってたよ)
透(ほんとはもっと、はやく聞いてあげられればよかった)
透(どうしていつも笑顔なの? なんでそんなに笑っていられるの?)
透(あなたの心はどこにあるの?)
透(ちゃんと見つけるから……)
透「……待ってて、桜野」
- 975 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:36:04.58 ID:7yOM5Tlto
- 町はずれの森
ザッザッ
桜野「……ん? なにあれ……」
桜野「空間に……裂け目? あれか……」ザッ
桜野「……」
桜野(わたしはなんのために、この瞬間を生きているのだろう)
桜野(答えは明白。シキやみんなの願いを叶えるためだ)
桜野(そのためだけに生きている。もしシキに出会っていなければ、わたしはとっくに死んでいる)
桜野(だったらやることはひとつだ。それがわたしの存在理由)
桜野(それにわたしにはもう時間が無い)
桜野(叔母さんに反抗したことで、ただでさえ短いわたしの寿命はさらに縮まった)
桜野(あれ以来、暴力がさらに酷くなった。わたしがまだ生きているのは、無抵抗にぶたれ続けているからだろう)
桜野(多分、あと一回だ。あと一回でもシキが叔母さんの視界に入れば、その時はいよいよ殺されてしまう)
桜野(いやもしかしたら、わたしが話しかけるだけで、目が合うだけで、ほんの些細なきっかけでそれは起こるかもしれない。だからもう、あの家には戻れない)
桜野(そもそもこのお泊まりだって無断外泊だ。ただじゃすまないのは間違いない。今この瞬間も、わたしのことを血眼で探しているかもしれない)
桜野(でも透ちゃんの誘いに頷いた時点で覚悟はできている)
桜野(どうせ死ぬんだ。それならせめて約束だけは果たしたい。誰の役にも立てずに死ぬくらいなら、せめて世界くらいは救いたい)
桜野(きっとこの先には敵が待ち構えている)
桜野(罠なのは間違いない。苦しい戦いになるだろう。もしかしたら約束を果たせず殺されてしまうかもしれない。一寸先は闇だ)
桜野(それでも、もしそうだったとしても、振り返ればそこにある帰り道に比べれば、ずっと明るく輝いて見える)
桜野(この道程はわたしにとって)
桜野「……」ザッ
桜野(希望そのものだ)
- 976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 01:38:51.26 ID:c5PH0plN0
- もう死んでるはずなのに精神が肉体を凌駕しておる
- 977 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:41:11.11 ID:7yOM5Tlto
- 透母「ごめんね、残り物で」
透父「いや……」モグモグ
透母「あ、それおいしいでしょ? 朱ちゃんが作ってくれたのよ」
透父「おお……」モグモグ
透母「ねえ」
透父「ん……?」モグモグ
透母「透のお友だち、やっぱり気になる?」
透父「……」
透母「……」
透父「別に……」モグモグ
透母「またそんなこと言って」ニコニコ
透父「……」モグモグ
透母「桜野ちゃんも来てるわよ?」
透父「そうか……」モグモグ
透母「桜野ちゃんと話す時は、ちょっとでも愛想良くしてよね?」
透父「むぅ……」
透母「おかわりいる?」
透父「ん……」コク
ガタガタッ
透父「……?」
透母「なにかしら……」
- 978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 01:43:21.91 ID:CWk7UVZgo
- あぁ…お父さん似か…
- 979 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:49:39.45 ID:7yOM5Tlto
- ドタドタッ
雪菜「も、もうちょっと静かに……!」
朱「あ、お義母さま……お義父さまっ!?」
雪菜「え!? あ、えと! 初めまして! あのそのいまそのあのあれで!!?」ワタワタ
朱「ご、ご挨拶はまたのちほどっ……!」ワタワタ
透母「どうしたの? こんな朝はやくに……」
朱「え、えっとこれには退っ引きならねえ事情ってもんが……!」
雪菜「テンパりすぎて江戸っ子みたいになっです!」
透「2人ともなにしてるの! はやく……!」トタタッ
透母「あ、透! なんの騒ぎ……ってあれ? 桜野ちゃんは……?」
透「ごめん! 詳しく話してる時間ない! 行くよ!」
朱「う、うん!」
雪菜「はい!」
透母「え、ちょ……! 透、待ちなさ……! 待って、お願い待って! 透!!」
透「ごめん……後でちゃんと話すから……!」
透母「と、透……!」
透「……っ、はやく……!」
透父「透」
透「ああもうなに! お父さんと話してる時間は……!」
透父「桜野ちゃん来てるんだろ?」
透「だから今……!」
透父「俺にも挨拶させてくれ」
透「!!!」
透父「頼むよ」ニコッ
透「…………うん」コク
透「絶対連れてくる!」タタッ
朱「あ……し、失礼します!」タタッ
雪菜「しますっ!」タタッ
透母「あ……き、気をつけ、て…………行っちゃった……」
- 980 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:55:06.67 ID:7yOM5Tlto
- 透父「……」モグモグ
透母「だ、大丈夫かしらあの子たち……」
透父「なあ……」
透母「……ん?」
透父「おかわり」
透母「……うん」
透父「……」
透母「……」ヨソイヨソイ
透父「なあ……」
透母「……」
透父「大丈夫だよ」
透母「!」
透父「……」モグモグ
透母「うん……!」
- 981 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 01:59:39.59 ID:7yOM5Tlto
- 勝ったッ!第3部完!(勝ってない)
長くなりましたが、以上で第3部おしまいです 次が最終章になると思います
このスレちょっとだけ残ってますが、キリがいいので続きは次スレ行こうかなと思います このスレの残りは本編中に書けなかったことの補完とかできたらいいかな?
ともあれ2スレ目終了ありがとうございました
埋めもかねてご質問等あればお気軽にどうぞ
それと次の更新は最速でも水曜日だ思います ご容赦
お疲れ様でした
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 02:00:44.23 ID:3+RiDRhho
- 乙
- 983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 02:03:10.36 ID:ZZL6rsvb0
- 乙
もうすぐ終わりか
次回作でも新しいプリキュアssやる?
- 984 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 02:08:29.06 ID:7yOM5Tlto
- 次スレたてました
スレタイは、プリキュア作るぞ オールスターズF……
冗談です
プリキュア作るぞ part3【安価有】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1699808651/
- 985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 08:21:51.90 ID:PJdb44qjo
- 20:30投下開始出来なくなったのはなんか仕事内容変わったからとか?
- 986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 10:02:39.39 ID:gQj4gIwHo
- おつおつたておつ
- 987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 11:09:40.46 ID:9g/XTziV0
- 乙
あまり人のプライベートを詮索しすぎないようにしような
仕事じゃないんだから投稿時間くらいズレても何もおかしくないんだし
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 12:15:21.13 ID:1A/fYVWK0
- 今更だけどシキは誰かをプリキュアにする力あるのにシアは何が出来るの?
- 989 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 19:57:34.28 ID:7yOM5Tlto
- >>983
一応もう1個やろうと思ってたプリキュアあるんですがどうなるかは分からん
安価出すのが下手くそだったからリベンジするか、いっそ非安価で書きたいように書くか、そこも分からん
ただプリキュアでもそれ以外でも、次やるならどこも痛くならないやつがいいなぁ
なんにしてももうちょっと落ち着いてからになりますね
あと今使ってる酉はこのスレでしか使わないので、次会うときは初めましてからになると思います
なんなら息抜きに別酉でこっそり単発超短編書いてたり
>>985 ごめんねっ!!!
>>987 ありがとっ!!!
まあ環境がいろいろ変わったりはありますが、一番の原因は単純な息切れですね 3スレまたがるほどの長編は初めてなので
終盤になるにつれキャラが固まってきて、下手なことできないアドリブ効かないみたいなことが増えました そして安価の出し方が分かんなくなると
他のスレはどうしてるんだろ 終盤までちゃんと安価出せるのバケモンすぎるだろ……
- 990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/13(月) 20:02:29.31 ID:iW1Lq2xmo
- ほとんどをライブ感に任せるのでもしっかり構成していくのでもとりあえず楽なやり方してけばいいさ
安価出しまくって無理な安価は全部不採用でもいいんだし
- 991 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/13(月) 20:21:10.75 ID:7yOM5Tlto
- >>988
良いところに気がつくなぁ……
実はシアさんは立ち位置がちょっと特殊で、本来いなくてもいいキャラなんです
じゃあなんでいんのかというと、初期の透ちゃんがあまりにも会話できなかったため、ちゃんと事情を知っていて説明ができるキャラが透ちゃんサイドに必要だったんです そこで透ちゃんの冷静な部分とか大人な部分を分離してキャラクターにしたのがシアさんです
作中の設定上は妖精で、最低限の役割としてレーダー機能はついてますが、それはオマケみたいなもんです
シアさんは言わば、他者からも見える透ちゃんのイマジナリーフレンドです なので透ちゃんを大きく逸脱することはできませんし、透ちゃんとシアさんの会話は自問自答です
……というつもりで作ったキャラなんですが、ここまで書いてみた感じ、どうやら透ちゃんをプリキュアたらしめているのはシアさんで間違いないっぽいので
「シアさんって何ができるの?」
の答えは
「透ちゃんをプリキュアにできる」
になります
1スレ目で聞かれてたら「なーんもできんよ」って答えてたと思います
- 992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/14(火) 00:36:23.70 ID:XsTaNVdE0
- 「もう1個やろうと思ってたプリキュア」って設定とか構想とかある程度決まってるの?
- 993 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/14(火) 15:42:47.24 ID:TkHWL1qPO
- >>992
大きな枠とか目的みたいな部分はざっくり でも今はまだ妄想の域を出ませんね そもそも本当にやるかどうかも分からんのでなんとも
でもやるとしたら安価盛り盛りでやりたいかなあ あとはこのスレがシリアスとギャグどっちの方が人気だったかでもバランス変わるかなあ
- 994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/14(火) 16:55:18.57 ID:hRTm7RaUo
- もうちょっぴり重い成分をギャグか王道に割り振って良いかも
誘拐された挙げ句友達皆殺しにされた透ちゃんや生まれた瞬間人生詰んでる桜野さんクラスのクソ重設定が連続したら親御さん困惑どころか泣いちゃうよ
- 995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/15(水) 19:47:18.79 ID:iUvZpIm7o
- 戦闘描写の時1、2行程度でも良いから軽い地の文欲しいかも
掛け声と擬音だけだと何やってるのかちょっと分かりにくい
- 996 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/15(水) 22:15:15.37 ID:G9yJgd7Wo
- >>994
正直ここの年齢層なら大丈夫でしょみたいなのはある でもやっぱりこっちとしても書いててしんどくなるので、次はもっと緩めなのがいいなって思ってます でも親御さんが安心してお子様に見せられるレベルだと悲しいかな本家が一番おもしれーんだ 今回はやりすぎたかもしれないけど
>>995
これ実は2回目の戦闘描写くらいから思ってました……最悪どっちが勝ったかだけ分かればいいでしょ!みたいな感じで書いてましたすいません 1回挫折したのでこのスレはこのままで行かせてください 次やる時はなんか考えます……
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/15(水) 22:57:26.69 ID:IoSr2mhno
- 何で霰ちゃんはプリキュアの素質なかったんだろう?
- 998 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/15(水) 23:20:44.64 ID:G9yJgd7Wo
- >>997
めちゃくちゃメタい理由になってしまいますが、あの子はすでに完成しちゃってるんですよね。そもそもキャラ安価の時点で出来上がってる子を選びましたし。
もし霰ちゃんがプリキュアになるといよいよゆきにゃが戦う理由を見つけられずプリキュアやめちゃいますので、メンタル最強は伊達じゃないってことでひとつ。
次やるならこういうのをくどくど考えなくていいくらい緩いのの方がいいんだろうなあ
- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/16(木) 00:48:20.07 ID:fl5CNHGx0
- 次あるとしたらプリキュア何人くらいを想定してる?
- 1000 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/11/16(木) 23:06:50.30 ID:F7xH++mro
- >>999
まっっっっったく決めてない!今見えてるキャラがメインプリキュアの子1人と妖精一匹だけなんで!
なんならそこも安価でいいかなって思ってます。とはいえ多くても5人くらいかなと。
おかげさまで2スレ目埋まりました。ありがとうございました。質問、ご意見等は常時受け付けておりますので、3スレ目もよろしくお願いいたします。
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1700041401/
安価・コンマダンジョンでモンスターバトル? @ 2023/11/14(火) 14:16:27.12 ID:dN7ZApmn0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1699938986/
プリキュア作るぞ part3【安価有】 @ 2023/11/13(月) 02:04:12.05 ID:7yOM5Tlto
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1699808651/
無 @ 2023/11/12(日) 20:29:22.62 ID:vIFXOuOTO
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暇人の集い @ 2023/11/12(日) 11:20:10.04 ID:fZgR6F/I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1699755609/
It's PIKACHU!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! @ 2023/11/11(土) 21:21:55.98 ID:eYHoGpRfo
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