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安価とコンマで異世界転生!その9
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/19(火) 21:16:36.83 ID:VVzlwjp40
- 運試しの種
何が生まれるのかは種によって違う
- 754 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/20(水) 01:22:21.86 ID:HibmJWF60
- そこに記されていたのは一つの種子についてだった
一見すればなんの変哲もないただの種だが、
運試しの種という名前で通っており、
ランダムに何かが生まれるそうだ
怪盗「いきなりすごいもんが出てきましたね」
狙撃少女「……この種、どこから採れてるんでしょう?」
男「カタログによれば……ある世界樹の近くに落ちてるらしいな」
- 755 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/20(水) 03:05:44.38 ID:HibmJWF60
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 756 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/20(水) 19:37:54.81 ID:HibmJWF60
- 中華「へぇ、じゃあその種ってことだ」
氷魔「……具体的に……なにが芽吹くのでしょうか……」
やる気「それなら過去の例がカタログに書いてあるっすよ」
彼はページのある一面を指す
これまで観測された飼育結果のうち、
特に特徴的なものが記されている
ぶりっ子「おおっ、金銀財宝が生ることもあるんですねぇ!」
怪盗「でも、運試しというだけあって……妙なものが出る確率が高いですね
- 757 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/20(水) 20:34:20.27 ID:HibmJWF60
- 狙撃少女「なぜか身元不明の人間の死体が形作られることもあるそうですよ、恐ろしいですね」
男「……見えない毒物が生成され、周辺の人々がみな死んだということもあるそうだな」
中華「……ちゃんとした人に、きちんと安全管理をしながら育ててもらいたいものだね?」
氷魔「……凶悪な魔物が現れることもあるようですし……どうやっても無理なときは無理でしょうけれど……」
やる気「……なんか、不発のこともあるみたいっすね」
男「……俺が思うに、それは不発じゃないな」
ぶりっ子「えぇ?」
男「見えないものが出たんじゃないか?」
- 758 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/21(木) 00:41:52.38 ID:ulaUkYao0
- ぶりっ子「毒物の話ですかぁ?」
男「まぁ、それもあるが……」
怪盗「?」
男「視覚では表せないもの……つまり、概念が産み落とされた可能性があるんじゃないかと思ったんだ」
狙撃少女「確かめようがないですが、ありうる話ですね」
男「俺たちが新たに見つけた何か、あるいは新たに名付けられた何か……その誕生なのかもしれんな」
- 759 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/21(木) 01:35:12.07 ID:ulaUkYao0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 760 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/21(木) 19:53:01.73 ID:ulaUkYao0
- 中華「よく分からないな」
男「まぁ、閃きのようなものだ。あれも生まれる感じがあるだろ」
中華「うーん、そう言われてみればそうかもね」
男「……考えても真実の分かることじゃないな。次を見てみよう、寝るにはちょっとだけ早い」
彼はカタログの次のページを開いた
そこに記されていたのは、>>下1だった
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/21(木) 20:05:34.36 ID:U2HjOgGZ0
- ある兄弟の話
- 762 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/21(木) 21:37:28.36 ID:ulaUkYao0
- 氷魔「……これは……書物……?」
次に記されていた競売品は、
『ある兄弟の話』という記録だった
やる気「なんだってこんな、御伽噺みたいなタイトルのもんが出品されてるんすかね?」
ぶりっ子「カタログを読む限り……やはり、内容が特別らしいですねぇ」
怪盗「おお、大まかな概要は書いてありますね」
- 763 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/21(木) 21:44:49.53 ID:ulaUkYao0
- カタログによれば、ある二人の兄弟冒険者が奇妙な場所を探索し、そしてその奥まで迫り、帰還した______その記録である
狙撃少女「この妙な場所の描写……」
男「ああ、これは恐らく、『禁域』だな」
中華「確かに、荒唐無稽とも言えるような化物がわんさかいるみたいだしね」
氷魔「……とすれば……確かに価値のある資料です……あそこについては情報がなさすぎますし……無知のまま挑むには危険すぎますからね……」
やる気「しかし、この兄弟は相当タフっすね。あんな領域の奥まで進めるなんて」
- 764 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/22(金) 01:21:23.01 ID:ELEBraAt0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 765 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/22(金) 19:50:06.64 ID:ELEBraAt0
- カタログを読んでその内容を話しているうちに、
寝るべき時間が訪れた
ぶりっ子「……宿代、いくらになっちゃうんでしょうかぁ?」
その問いかけには誰も答えることはなかった
恐ろしいことをわざわざ寝る前に口に出そうとは誰も思わなかったのだ
みな、せめてまどろみの中では幸せでいたかったのだ
- 766 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/22(金) 19:53:29.23 ID:ELEBraAt0
- 〜翌日・陰週日曜日〜
怪盗「あぁ、よく寝ました」
快適そのものと言える高級ベッドで眠った一行は、
誰もがスマートな目覚めを体験した
狙撃少女「……確か、オークションは夜でしたね?どうやって時間を潰しましょうか」
男「>>下1」
- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 20:20:25.84 ID:rsiAu4TlO
- カタログに載ってる商品を調べて見るか?
- 768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/22(金) 23:11:59.86 ID:FoZFUdPsO
- どうしよ
- 769 : ◆cUhskXlNTw :2023/12/23(土) 03:50:33.55 ID:RnHvZ7Yfo
- 男「カタログに載ってる商品を調べて見るか?」
中華「ふむ、昨日の続きかな?」
男「ああ、狙いは魔獣の肉。それは変わらないが……」
氷魔「……あれを買いつけておけば……と後悔しないためですね……?」
男「その通りだ」
やる気「冒険がぐっと楽になるようなブツが比較的安く手に入ればいいっすね」
- 770 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/23(土) 03:51:01.89 ID:RnHvZ7Yf0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 771 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/23(土) 19:18:33.62 ID:pZtcZ5JdO
- 男は再びカタログを取り出し、広げる
ページは前回の続き、ある兄弟の話の続きだ
ぶりっ子「これは?」
そこに描かれていたのは、
材質不明の埴輪のような物体だった
本当に埴輪であれば粘土製であることは間違いない
男(この世界に埴輪なんてあるのか……?)
>>下1……埴輪のような物体がどういうアイテムか
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/23(土) 19:28:15.86 ID:ZYJyDUaWO
- マジックアイテム:身代わりの人形
一般に流通している身代わりのお守りと違い、永続的に肩代わりしてくれるマジックアイテム。
噂では、ある探検隊の呪術師が製作した人形だとか
- 773 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/23(土) 21:58:45.95 ID:RnHvZ7Yf0
- そこには、身代わりの人形と書かれていた
怪盗「身代わり?」
狙撃少女「呪いなどの間接的な攻撃から身を守ってくれる、身代わりのお守り……のようなものですね」
男「なにか違うのか?」
狙撃少女「カタログによれば、人型であることによって繰り返しそういった攻撃から身を守ってくれるとありますね」
- 774 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/24(日) 04:01:29.12 ID:xB2poSzB0
- 果たしている作用は悪影響から身代わりとなることで装備者を保護するという点で、お守りと同じである
しかし、お守りはあくまで無理やり対象を反らし、
もろとも焼け落ちるのに対し、
人形は人型なので実際に呪いを受けてくれるのである
中華「呪いなどをものともしない存在が、それらの害を肩代わりする。一見地味だが、非常によくできたアイテムじゃないか?」
氷魔「……カタログに書いてある通り……理論的にはお守りの比にならない性能ですね……」
- 775 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/24(日) 04:20:17.44 ID:xB2poSzB0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 776 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/24(日) 19:26:23.19 ID:xB2poSzB0
- やる気「これの価値を実感できる人がどれだけいるかが、値段の付き方を決めそうっすね」
ぶりっ子「金持ちの道楽で異常な値段になってしまうかもしれませんしぃ、冒険者向きの道具屋なんかより遥かに安くなる可能性もありますねぇ」
怪盗「値段次第で入札も視野に入れましょうか」
話がひとまとまりしたため、
一行はカタログの次のページを開く
そこは以前見た魔獣の肉についてだったため、
さらにその次のページを開いた
>>下1……そのページの内容
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 19:36:02.42 ID:WWYyCNwW0
- 偉大な司祭様の揮毫
- 778 : ◆cUhskXlNTw :2023/12/25(月) 03:54:44.69 ID:tmAU8Ymro
- 次のページを開くと、大きく『偉大な司祭様の揮毫』と書いてあった
狙撃少女「……誰ですか?この司祭は」
中華「名前くらいは聞いたことあるよ。相当大規模な教団の司祭だね」
男「で、そいつの書いた文章が商品ってことか」
そこには教典の写しや、魔除けの文が書かれている
- 779 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/25(月) 03:55:19.24 ID:tmAU8Ymr0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 780 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/25(月) 19:14:41.32 ID:tmAU8Ymr0
- 氷魔「……実用性は……ほぼなさそうですね……?」
やる気「でも、魔除けの文が書かれているところだけ切り取って使えば最低限使えそうっすね」
ぶりっ子「高位の司祭が書いたものと、雑貨店やギルドで買えるのって違うんでしょうか?」
怪盗「分かりませんね……比較した例を聞いたことがないです」
狙撃少女「……しかし、この教会に対して何らかの働きかけを起こすとき、誠意を示すファクターには使えそうですよ」
- 781 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/25(月) 19:20:01.38 ID:tmAU8Ymr0
- 男「熱心な信者が高額の入札をしてしまった場合、そういった機会を含めても割に合わない品になってしまうな」
中華「……………………」
男「どうした?欲しいのか?」
中華「……いや、なんでもない。ちょっと考え事をしていたけど……気にする必要はない」
氷魔「……でしたらよいのですが……」
中華「ああ、大丈夫さ。それより、次の商品を見よう」
カタログの次のページを開くと、
そこには人が描かれていた
やる気「奴隷か!?」
>>下1……商品の説明
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/25(月) 19:27:12.36 ID:Mywpv2qJo
- 伝説の彫刻士が彫った「とある少女」という題名の像
今にも動き出しそうな生々しさが魅力
持ち主に巨万の富をもたらしてきたらしい
- 783 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/25(月) 21:13:47.44 ID:tmAU8Ymr0
- ぶりっ子「……いえ、見てください。彫像ですよぉ」
やる気「なんだ……びっくりさせないで欲しいっすね」
怪盗「しかし、本当にリアルですね……」
題名は『とある少女』であると書かれている
狙撃少女「ええ、一体こんなものをどうやって彫ったのでしょうか」
- 784 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/26(火) 01:26:42.75 ID:GXlSNgTB0
- 男「果たして本当かは分からないが……俺の知ってる彫刻家は、予め決まった形が石に刻まれていて、それを掘り出してるだけに過ぎない、みたいなことを言っていた」
中華「それらしく説明するなら、人並み外れたイメージ力……特に、三次元的なものを持っていることになるね」
氷魔「……それにしても……異常なほどの生気を感じますね……どのような情念が……ここまでの作品を作らせたのでしょう……」
と、作品そのものについての考察をしていると、
怪盗が声を上げる
怪盗「そんなことより、見てくださいこれ!所有者に巨万の富をもたらすそうですよ!?」
- 785 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/26(火) 01:50:14.24 ID:GXlSNgTB0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 786 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/26(火) 19:45:21.04 ID:GXlSNgTB0
- やる気「なんすか、無粋っすね」
怪盗「だって、富ですよ!?富!」
ぶりっ子「確かに、興味はありますが」
怪盗「はぁ、こういうのを華麗に盗みたいのよ、私は」
男「駄目だぞ」
狙撃少女「少なくとも、普通に落札できるような品ではなさそうですしね
- 787 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/26(火) 21:17:20.49 ID:GXlSNgTB0
- カタログを見て騒いでいると、
部屋のドアをノックする音がした
中華「?」
男「ちょっと見てくる」
一体誰がなぜノックしたのか
男はそれを確かめるため、
そろりそろりとドアに近づき、
ドアスコープを覗き込んだ
>>下1……ドアスコープに映ったもの
- 788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/26(火) 21:41:37.27 ID:aQHGinASO
- カタログの像と瓜二つの少女
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/26(火) 23:59:45.72 ID:P1XYDzZsO
- うむむ
- 790 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/27(水) 19:38:35.33 ID:klu6d9AU0
- すみません寝落ちしました
少女「………………」
男「嘘だろ……?」
氷魔「……どうしたのですか……」
その顔には見覚えがあった
ついさっきまで見ていた顔なので当然である
そう、そこにいたのは彫像の少女と瓜二つの少女だった
男「……あの彫像の子がいる。今ドアを開けるが、みんな、気をつけてくれ」
- 791 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/27(水) 20:46:07.83 ID:klu6d9AU0
- やる気「ええっ、本当っすか!?」
先ほど男が驚いたように、他のメンバーも驚いている
それをよそに扉を開く
男「どうもお嬢さん」
少女「………………」
男「……あー、なんでここに?見ての通り、少なくともここは君の部屋じゃないけれど」
少女「>>下1」
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/27(水) 20:48:17.77 ID:WQsK7Xp6O
- 後退りながら
「覚えてませんか? ある宿屋で出逢った事」
- 793 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/28(木) 03:50:57.28 ID:vrInLmHk0
- 少女「覚えてませんか?ある宿屋で出逢った事」
彼女は男を見つめ、僅かに後退りしながら聞く
ここは爽やかに覚えていることを伝えるべきだが、
彼には覚えのない話だった
男「……すまないが、忘れてしまっているようだ」
少女「そうですか……」
- 794 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/28(木) 03:51:41.58 ID:vrInLmHk0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 795 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/28(木) 19:43:39.29 ID:vrInLmHk0
- 男「……いいかな?」
振り返って少し申し訳なさそうに言う
ぶりっ子「いいと思いますけどぉ……」
男「よし、じゃあ上がってくれ」
とにかく、話を聞くために彼女を入れることにした
怪盗「まさか、この子に唾付けてたんですか?」
- 796 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/28(木) 19:46:41.49 ID:vrInLmHk0
- 男「そんなことせんわ!仮にしてたら覚えてるだろ」
狙撃少女「ふふ……」
男「ほら、座りな」
少女「あ、はい」
男は自分の目の前に少女を座らせた
まだどこか怯えが感じ取れる
男「……じゃあ、用件を聞こう」
少女「>>下1」
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/28(木) 19:59:55.14 ID:tUG8kT1HO
- 私はガーゴイル、あのオークションに出てる姉を取り戻して欲しい
- 798 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 04:21:51.22 ID:5O4jppTk0
- 少女「私はガーゴイル、あのオークションに出てる姉を取り戻して欲しい 」
狙撃少女「……まさか、本当に生きていたとは」
男「どうしてオークションに?」
少女「私たちは……このような見た目ですので、人間に紛れて暮らしているのですが……姉の正体が露呈してしまいまして」
中華「それで捕まっちゃったってことか」
少女「はい、魔物であることは知られているので警備もされており……一人で逃げ出すのは難しいと思います」
- 799 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 04:29:03.54 ID:5O4jppTk0
- 男「……では、巨万の富を得るという触れ込みだが、あれはどういうことなんだ?」
ガーゴイル妹「ガーゴイルといえば、門番をする存在なのですが……私たちは違います」
氷魔「……なにをするのですか……?」
ガーゴイル妹「特に決まった仕事はありません。家事手伝いに従事するようなこともありますが、一番富に結び付くのは、錬金術の助手でしょう」
やる気「知識があるんすか?」
ガーゴイル妹「はい。それに……この身体自体が、かつて失われた強大な錬金技術の産物でもあります。錬金術の心得がある人間にとって、私たちは様々な禁断への鍵なのです」
- 800 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 04:38:34.89 ID:5O4jppTk0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 801 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 18:59:06.47 ID:5O4jppTk0
- 男「事情は分かった。だが……」
ガーゴイル妹「やはり、無理でしょうか……」
男「俺たちはそもそも、そのオークションに参加するつもりでいるからな。君の姉を助け出したことでそれがおじゃんになるのは厳しいな」
ガーゴイル妹「そう、ですか……」
男「だが、頼まれた仕事はなんだってやる。それが人のためなら尚更だ。今、作戦を考える」
ガーゴイル妹「いいんですか!?」
男「ああ。よし、みんな!作戦会議だ!」
- 802 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 20:26:07.24 ID:5O4jppTk0
- そうして一行は一つのテーブルを囲んだ
ぶりっ子「……で、どうするんですぅ?」
男「目標は、彼女の姉を救出すること、そしてオークションを妨害しないこと、さらに、俺たちが指名手配されないことだな」
怪盗「盗みなら任せて下さい!」
男「……仕事だからな。今回ばかりは止めない」
狙撃少女「まずは、オークションに出品される商品がどこにあるかを調べる必要がありますね」
- 803 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/29(金) 20:33:51.18 ID:5O4jppTk0
- 中華「順当に行けば、オークション会場の裏とかじゃない?もう、今日やるんだし」
ガーゴイル妹「はい、確かそうです」
氷魔「……会場は……」
彼女はカタログを確認する
裏表紙に会場の位置情報が記されている
やる気「どうすか?」
氷魔「……意外と、街の外れですね……」
ぶりっ子「好都合ですねぇ。カジノの辺りは、警備が厳重すぎますから」
- 804 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/30(土) 03:52:14.97 ID:1y55d1af0
- 男「では、どうやってオークションを阻害せず、ガーゴイルを盗み出すかだな」
怪盗「超メジャーな芸術品ならレプリカが出回ってますから、本番直前にすり替えて盗めたりするんですが……」
ガーゴイル妹「さすがにありませんね……」
狙撃少女「……それですね」
男「え?」
狙撃少女「私たちが必ず手に入れなければならないのは、魔獣の肉ですよね?」
男「ああ」
- 805 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/30(土) 04:10:55.37 ID:1y55d1af0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 806 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/30(土) 19:58:36.10 ID:1y55d1af0
- 狙撃少女「あらかじめ舞台裏に潜入しておいて、魔獣の肉の競売が終了してから、彫像の番になる前……わずかな間ですが、そのうちに盗み出せばいいのではないでしょうか」
中華「……リスクが高いね」
狙撃少女「はい。ですが……現状できる手はこれだけかと思われます。より優位になれる手段を手にすれば、こんな危ない計画は不要です」
氷魔「……では……チームを分けましょう……潜入を行うチームと……他の手段を模索するチームで……」
- 807 : ◆cUhskXlNTw :2023/12/30(土) 20:48:10.55 ID:1y55d1afo
- やる気「チーム間の連絡は『巻物』を通じて行うっす。アラートは鳴らせないんで、適宜確認するか、巻物を監視する役を用意するといいっすね」
氷魔「……その通りです……」
ぶりっ子「じゃあ、チーム分けしましょう!」
それから一行は話し合いを行い、
チームの内容を決定した
>>下1……潜入チームと捜査チームの内訳
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/30(土) 21:17:00.58 ID:v0JXPbqN0
- 潜入:中華、スナイパー、ぶりっ子、怪盗、図書員
調査:男、やる気、氷、妹
- 809 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/30(土) 22:51:48.40 ID:1y55d1af0
- 男「潜入チームは必ず成功してもらなくちゃならないから、人数は多めにするぞ」
怪盗「私は潜入チームですよね!?」
男「ああ、それと……中華、狙撃少女、ぶりっ子、司書コピーだ」
ガーゴイル妹「ということは私と、男さん、やる気さん、氷魔さんが調査チームということですね」
狙撃少女「なるほど、分かりました。では早速行動を開始しましょう」
- 810 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/31(日) 03:04:45.90 ID:liTIvdL40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 811 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/12/31(日) 19:34:27.86 ID:liTIvdL40
- 潜入チームの五人は、
早速郊外にあるオークション会場へやってきた
大きなサーカステントのような建物がある
中華「裏手に回ってみよう」
そこには、関係者とおぼしき人物が数人と、
裏口があった
そして、そのうちの一人が話しかけてくる
男性「ん?なんだお前たちは」
ぶりっ子「えっと、私たちは競売品の警備を頼まれたギルドの者なんですけどぉ……」
男性「>>下1」
- 812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/31(日) 19:39:27.44 ID:tupI81HQ0
- 海岸地方の神官じゃないのかい?
- 813 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/01(月) 00:30:39.89 ID:sMaAQm6C0
- 男性「海岸地方の神官じゃないのかい?」
ぶりっ子「えっ」
怪盗「……それは私ですね」
困っているぶりっ子を助けるため、怪盗が声を上げた
男性「おお、あなたが」
怪盗「他の皆様は私が雇った警備員です」
- 814 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/01(月) 04:40:10.76 ID:sMaAQm6C0
- 男性「そうでしたか、ではこちらへ」
彼の誘導で無事に裏口から入場することはできたが、
なぜそれができたのかが分からない
狙撃少女「……はて、海岸地方の神官……何の理由があって裏口に呼んだのでしょうか?」
司書コピー「品物と関係があるのか、それとも……?」
- 815 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/01(月) 04:42:45.74 ID:sMaAQm6C0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/01(月) 13:48:10.05 ID:UDlbxNM7o
- あけおめ
- 817 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/01(月) 19:25:22.46 ID:sMaAQm6C0
- 今年もよろしくお願いします
中華「ともかく、これ以上詰められるとボロを出すリスクが高まる。隠れて行動すべきだろうね」
ぶりっ子「ええ、そうですねぇ……」
周りを眺めると、どうやらこの部屋はある種の待合室のような雰囲気で、いくつかの椅子やテーブルがある
しかし、高級な調度品などではなく、
現実世界におけるパイプ椅子程度の物品だ
怪盗「じゃあ、こっそり進みましょう」
部屋の出口は入っていた裏口を含めずに二つあり、
そのうちの一つのドアに聞き耳を立てることにした
>>下1……聞こえてきた内容
- 818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/01(月) 19:49:00.79 ID:THajvuZ3O
- テーブルを持ち込んでトランプに興じる警備員達の声
- 819 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 03:33:30.76 ID:wZDySB5l0
- 狙撃少女「……どうやら、トランプで遊んでいるようですね。多分……七並べでしょうか」
司書コピー「えっ、誰がですか?」
狙撃少女「人数が多いですし……警備員だと思います」
中華「こっちに行くと人目は避けられなさそうだね。逆の方から行ったほうがいいかな」
狙撃少女「ふふっ……」
- 820 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 03:42:25.31 ID:wZDySB5l0
- ぶりっ子「どうしたんですぅ?」
狙撃少女「どうも、この部屋のテーブルを向こうに持ち込んでトランプをやっているようですよ?ほら、そこ……」
彼女が指を指した場所には、
不自然に椅子のみがあり、机のない空間があった
怪盗「そこから持っていった、ということですね」
司書コピー「ということは、出てくることはほぼなさそうですね。安心して向こうに行けます」
- 821 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 04:29:26.16 ID:wZDySB5l0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 822 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 18:27:05.36 ID:qvpgcJtnO
- 中華「じゃあ、こっちの部屋に行こうか」
もう一方のドアは金属製だった
しかし、鍵はかかっていないようで、
問題なく開くことができそうだ
ぶりっ子「はい、そうですねぇ」
少し立て付けの悪いそのドアを開き、
五人は部屋に押し入った
>>下1……部屋の中の状態
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 18:33:00.68 ID:wJ+WpM3f0
- 誰かが一杯やっていたらしく
お酒とグラスが残されている
- 824 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 18:40:20.45 ID:qvpgcJtnO
- その部屋には、幸運なことに誰もいなかった
隣の部屋は質素な家具が置かれていたのに対し、
こちらの部屋は値の張るテーブルと椅子が1セットだけあり、応接間のような役割を果たしていることが伺える
怪盗「おっ、酒ありますよ」
彼女は机上の酒に興味を示し、
空のグラスとともに確認する
狙撃少女「お酒ですか」
怪盗「結構いい酒ですね。開いてますし、一杯やってたんじゃないでしょうか?」
- 825 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 18:44:02.52 ID:qvpgcJtnO
- 司書コピー「グラスは一対……二人いたんですね」
中華「ということは、少なくとも向こうの警備員たちじゃないね」
ぶりっ子「なんか、浮かれてますねぇ……みなさん」
怪盗「好都合じゃないですか。開いてなければ、これも貰っていったんですけどねぇ……」
狙撃少女「……む」
彼女がなにかを発見したようだ
その視線はテーブルの下に向けられている
- 826 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/02(火) 18:53:00.67 ID:qvpgcJtnO
- 司書コピー「どうしました?」
狙撃少女「床下収納がありますね」
テーブルの下には、四角い縁取りがあったついている窪みを引き開けることによって、
床下収納を確認することができそうだ
中華「よし、開けてみよう。多分お酒を保存してると思うんだけど……」
彼は周囲を一瞥し、収納の入り口を開いた
>>下1……その中身
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/02(火) 19:00:20.20 ID:anWqTGwJ0
- 予想通りお酒が収納されていたが、船で出会った時の道化の仮面が転がっていた
- 828 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/03(水) 04:49:37.39 ID:Bi+anwoa0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 829 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/03(水) 19:42:41.64 ID:G9FzzQuJO
- ぶりっ子「どうですかぁ?」
中華「うん、やっぱりお酒だね」
そう言うと二本の酒を取り出した
テーブルにあるものと同じ銘柄である
怪盗「盗みたいですね?」
狙撃少女「……聞かないで下さいよ。バレたら終わりなんですからね」
中華「……おや?」
- 830 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/04(木) 04:30:23.73 ID:hX3RQZXj0
- 司書コピー「どうしました?」
中華「嫌なもの見ちゃった」
次に取り出したのは酒瓶ではなく、仮面だった
それは道化の仮面であり、
みなが見覚えのあるデザインをしていた
ぶりっ子「ああっ、それは」
中華「ああ、船で会ったあいつの仮面だね。まぁ、恐らく仲間のものだろう」
- 831 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/04(木) 04:56:49.58 ID:hX3RQZXj0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 832 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/04(木) 19:55:44.80 ID:hX3RQZXj0
- 怪盗「道化師連中が関わっているということみたいですね?」
狙撃少女「言われてみれば、この建前もテントのような形をしていましたね」
司書コピー「非常に興味深い……」
中華「あいつらは危険そのものだ。より気を引き締めて探索をしなきゃいけないね」
床下収納の扉を閉め、
シックな雰囲気の部屋に似つかわしくない赤い扉を見やる
ぶりっ子「この先に進むんですねぇ?」
怪盗「道はここしかありませんからね」
>>下1……扉の先
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/04(木) 21:24:58.59 ID:JO3uaad4O
- オークションに出品予定の商品がズラリと鎮座していた。
中には生物の気配も感じる
- 834 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 04:09:27.95 ID:ckMtXY8G0
- ゆっくりと扉を開く
薄暗いその部屋には、
カタログで見た商品たちが整然と並べられていた
狙撃少女「!」
司書コピー「見つけましたね……」
中華「あぁ、だが焦ってはいけない。巻物を使って連絡をするんだ」
ぶりっ子「はい、商品たちの場所を見つけたことを書き込みましたよぉ」
- 835 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 04:12:02.00 ID:ckMtXY8G0
- 怪盗「ナイスです。あとは指示を待ちましょう……!?」
扉の隙間からだけ見える部屋の中から、物音がした
よく聞けば、生き物の息遣いのようなものも聞こえる
狙撃少女「なにかいそうですね?」
司書コピー「事を荒立てるべきではありませんが……」
- 836 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 05:03:38.45 ID:ckMtXY8G0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 837 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 19:50:00.76 ID:ckMtXY8G0
- 時は少々遡り、調査チーム
男「……では、あのオークションについて調べることとしよう」
氷魔「……なにから……調べましょう……?」
男「もっとも理想的なのは、なにか奴らに後ろめたいものを発見することだ」
やる気「そうっすか?」
男「ああ、特に彼女の姉を連れ去った行為など……非人道的な行為の証拠をいくつか見つけることができれば、告発ができる」
- 838 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 19:53:01.25 ID:ckMtXY8G0
- ガーゴイル妹「いいんですか?オークションはなくなっちゃいそうですけど……」
男「いや、オークションはやってもらう。潜入チームの計画では、オークション中に盗み出すことになっているから、オークションの後が大切だ」
氷魔「……捕まっても……後ろ楯のある状況ですね……」
男「ああ、あくまであいつらの目的はガーゴイル姉の奪還。それを正当化できるよう、あいつらの汚点を見つけることが大切だ。……もちろん、余裕があれば潜入チームの支援も行うが」
- 839 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 21:51:55.20 ID:ckMtXY8G0
- やる気「で、どうやって探すんすか?」
男「心当たりはある」
彼は立ち上がり部屋を出る
三人もそれについていき、チェックアウトする
【ギルドの資金】80090795
男性「……ん?」
氷魔「……先日ぶりですね……」
- 840 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/05(金) 21:54:49.96 ID:ckMtXY8G0
- 四人はカジノの近くで張っていた
すると、先日オークションについて教えてくれた男性が現れたので、話しかけたのだ
男性「ああ……どうしたんだ、今日は?」
話しかけられる理由が思いつかず、
少し不安げな様子だ
ガーゴイル妹「質問がありまして」
男性「はぁ」
男「例の競売……そのバックについている団体について教えて欲しいんだ。迷惑はかけないし、望むなら礼だってしよう」
男性「>>下1」
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/05(金) 21:59:06.54 ID:iFqDZh6U0
- バックは基本的には居ないな。
月毎に決まったカジノやギルドで催すから、どの場所でやるか決まってない。
今日のオークションならその場所で聞いた方がいいぞ
- 842 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/06(土) 05:32:09.98 ID:gmU01bBE0
- 男性「バックは基本的には居ないな」
氷魔「……そうなんですか……?」
男性「ああ、なんせ月毎に決まったカジノやギルドで催すから、どの場所でやるか決まってない」
やる気「イベントとしては定例だけど、運営母体がいないときもあるし毎回違うんすね」
男性「そういうわけで、今日のオークションならその場所で聞いた方がいいぞ」
ガーゴイル妹「なるほど……分かりました。ありがとうございます」
男性「いいってことよ。別にこれ話しても俺は損しないからな!」
- 843 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/06(土) 05:32:38.04 ID:gmU01bBE0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 844 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/06(土) 19:23:23.09 ID:gmU01bBE0
- 四人は男性と別れたが、
特に進展はなかったと言えるだろう
男「俺たちも、あっちへ行くべきなのだろうか?」
氷魔「……どうでしょう……もし失敗すれば……関与が疑われて……芋づる式に捕まる可能性もありますよ……」
やる気「どうしたもんっすかね」
>>下1……どうする?
1.オークション会場を見に行く
2.この街の本部ギルドで話を聞いてみる
3.自由安価
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/06(土) 19:47:50.68 ID:RmcuwUHeo
- 1
- 846 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/07(日) 03:20:34.08 ID:CyS6+IDY0
- 男「行くしかないな、オークション会場に」
ガーゴイル妹「やはり、行くのですね」
男「ああ、あいつらは裏口から……まぁ裏口があればなんだが、侵入しているはずだ」
氷魔「……私たちは……異なるアプローチをする……ということですね……」
やる気「よし、そうと決まればオークション会場まで急ぐっすよ!」
- 847 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/07(日) 04:38:23.12 ID:CyS6+IDY0
- そうして四人もまた、オークション会場を訪れた
開始まではかなり時間的余裕があるため、
流石に人はまばらであるが、
表の入口自体は開いていた
ガーゴイル妹「これ、入場券なんですよね?」
男「ああ、入場時にはカタログを見せなきゃならん」
一切待つことがなく、受付にカタログを提示して場内に入った
- 848 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/07(日) 04:59:15.93 ID:CyS6+IDY0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 849 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/07(日) 18:15:37.03 ID:2u1qYbZ5O
- 氷魔「……さて……」
会場は円形の建物であり、
ちょうどサーカスのように中央がステージ、
それを囲むようにして全方位に座席が設置されている
しかし、入札を見落とすリスクを懸念してか、
片側180°分の座席は使用不可能の張り紙がされている
やる気「なんかサーカスっぽいっすね。嫌な感じっす」
ガーゴイル妹「ええ、見世物にされるのはあまり好みません……」
男「……まぁ、ちょっと理由は違うが、俺たちもサーカスはなんとなく嫌だ」
- 850 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/07(日) 20:19:10.23 ID:2u1qYbZ5O
- そう話していると、鼻を特有の香りが突く
僅かに霞んだ空気に振り返ると、
葉巻を吸っている女性が席に座っていた
氷魔「……変わった方ですね……」
やる気「どうするっす?」
男「話を聞くべきだろう」
ガーゴイル妹「すみませーん……お聞きしたいことがあるんですどー……」
女性「>>下1」
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/07(日) 20:24:18.72 ID:Ly1phML+O
- ? 貴女人ではなさそうだけど、何か用かしら?
- 852 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/08(月) 05:02:05.42 ID:7Kh/g8+i0
- 女性「? 貴女人ではなさそうだけど、何か用かしら?」
と、雰囲気からは想像しがたいほどフランクな対応をされた
ガーゴイル妹「あぁ、えっと……訳アリなんですよ。あ、決して人間の皆さんに危害を加えようとか、そういうのではないので……」
女性「そんなに慌てなくてもいいのよ?私は用を聞いているのだけれど……」
- 853 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/08(月) 05:17:01.40 ID:7Kh/g8+i0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 854 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/08(月) 19:07:17.98 ID:28a3bxqsO
- ガーゴイル妹「えっと……このオークションって、どんな団体が主宰なのか分かりますか?」
女性「うーん、この街じゃあまり聞かない人たちだったと思うけれど」
ガーゴイル妹「オークションにはよく来られるんですか?」
女性「ええ、現状生き甲斐と言ってもいいわ……ああ」
ガーゴイル妹「どうしました?」
女性「思い出してきたわ、今回の主宰は>>下1」
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/08(月) 19:21:13.03 ID:CaVTD+9Q0
- カジノのオーナーに提携を申し出た道化師野郎よ
- 856 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/08(月) 20:44:35.55 ID:28a3bxqsO
- 女性「カジノのオーナーに提携を申し出た道化師野郎よ」
男「……はぁ、マジか」
女性「あら、お連れさん?」
ガーゴイル妹「そんなところです」
女性「なにか知っているの?」
男「色々と。話すと長くなるので、ロクな奴らじゃないってことだけは伝えておきます」
- 857 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/08(月) 22:06:37.92 ID:7Kh/g8+i0
- 女性「ふぅん、そう。それならいいニュースがあるわよ」
氷魔「……?……」
女性「結局、カジノのオーナーはその交渉に応じていないわ」
やる気「ま、怪しいっすもんね」
女性「それもあるでしょうけど、資金力が足りているのかどうかを疑問視されていたの」
男「と、いうことは……」
女性「このオークションはそれを誇示し、カジノのオーナーに認めてもらうためのものってことね」
- 858 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/09(火) 00:57:36.88 ID:DaXUOs0l0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 859 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/09(火) 20:08:00.90 ID:DaXUOs0l0
- すみません遅れました
男「……なるほど」
女性「だから、出品内容もいつもと傾向が違う」
ガーゴイル妹「彫刻とか、肉とか、変な種とかですか?」
女性「うーん、彫刻はよくあるわよ?富豪がどうとか、みたいな曰くはつかない、純粋な嗜好品だけれど」
- 860 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/09(火) 20:30:09.80 ID:DaXUOs0l0
- 氷魔「……情報……ありがとうございました……」
女性「どうも」
四人が離れると、また葉巻を吸い始めた
やる気「これは、なかなかいい情報が手に入ったんじゃないっすか?」
ガーゴイル妹「?」
やる気「カジノのオーナーが、あいつらに今は協力的じゃないって話っすよ。こんな街っすから、相当の権力者であることは間違いないっす。こちらが協力してもらえらば、かなり動きやすくなりそうっす」
- 861 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 00:58:13.17 ID:66uI/QYA0
- ガーゴイル妹「えっと……コンタクトしますか?」
男「おう、オークションに参加したい気持ちもあったが……あいつらが元締めとなると、流石にまずい」
氷魔「……じゃあ……会いに行きましょう……カジノで情報を探すべきです……」
そうして一行がテントを退出しようとしたとき、
やる気が反応した
やる気「……巻物に連絡が来たっす」
- 862 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 01:32:48.85 ID:66uI/QYA0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 863 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 18:51:20.80 ID:66uI/QYA0
- 男「よし、確認だ!」
そこには、ガーゴイル姉が居るであろう場所の近くまで来たことが記されていた
ガーゴイル妹「姉さん……!」
氷魔「……!?……」
ガーゴイル妹が感慨に浸っている最中、
巻物にさらなる文字が書き込まれていく
- 864 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 18:54:04.07 ID:66uI/QYA0
- やる気「まだなんかあるんすか……?」
そこに追加で書き込まれたのは、
商品が置かれている部屋に何かがいること、
そしてそれがゆっくりと近付いてきていることだった
男「まずい!」
男はすぐさま逃げるよう書き込んだが、
どうやらその姿だけでも捉えるつもりらしく、
数秒後にその存在の姿について書き込まれた
>>下1……商品の置かれた部屋にいた存在
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/10(水) 18:59:23.92 ID:kksDevoYo
- コカトリス
- 866 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 21:18:51.56 ID:66uI/QYA0
- 巻物に浮かんだのは、『コカトリス』の五文字、
不吉な名である
氷魔「……どうします……?」
男「……あいつらが危険だ」
やる気「コカトリスって、どんなモンスターなんすか?」
ガーゴイル妹「基本的には、毒です。かなり強い毒を全身から放出できます」
男「つまり、物理的な攻撃を行うのは危険ということだな」
- 867 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 21:45:05.67 ID:66uI/QYA0
- 男はとりあえずその旨を書き込んだ
氷魔「……助けに行きたそうですが……確実に大騒ぎになりますよ……」
男「だが……」
氷魔「……彼らを信じましょう……そんなにやわじゃありませんよ……」
やる気「俺っちも同感っすね」
男「……分かった」
- 868 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/10(水) 22:57:02.44 ID:66uI/QYA0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 869 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/11(木) 19:18:25.22 ID:Lb1xLbYH0
- そうして四人は、少なからず不安を抱きながらも、
またカジノへと戻っていった
そして、迷うことなく本部ギルドへと入っていった
ガーゴイル妹「あのー……」
受付嬢「どうなさいました?」
男「実は、カジノのオーナーに伝えなきゃいけないことがあるんだけど……どこにいるのか教えてくれたりしない?」
受付嬢「>>下1」
- 870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/11(木) 19:34:12.22 ID:Pw8EpibS0
- すいません。彼は本業で
忙しいためここから遠く
離れたところにおります
- 871 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/12(金) 03:28:56.56 ID:pyfEd6pf0
- 受付嬢「すいません。彼は本業で忙しいためここから遠く離れたところにおります 」
男「そ……そうか」
受付嬢「伝言でしたら、お伝えできますが」
男「……どうする?」
氷魔「……やらないよりは……ましでしょうね……」
- 872 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/12(金) 03:31:11.01 ID:pyfEd6pf0
- それから男は、メモ用紙を受付嬢から貰い、
そこにピエロたちについて記した
受付嬢「……ちなみに、中身を拝見しても?」
やる気「うーん……正直嫌っすけど、別に俺っちらはなんも損しないっすね」
受付嬢「そうですか、では必要になれば拝読させていただきます」
- 873 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/12(金) 03:34:08.25 ID:pyfEd6pf0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 874 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/12(金) 19:21:27.21 ID:pyfEd6pf0
- 彼らはしぶしぶギルドからは出た
ガーゴイル妹「どうしましょう?」
男「堂々とオークションを妨害する術をなくしてしまったな」
氷魔「……このままだと……最初の作戦でいくしかなさそうですね……」
やる気「そっすね……」
話しつつも、連絡用の巻物に無事逃げ切れたかどうか問う内容の質問を書き込んでいる
- 875 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/13(土) 04:21:41.09 ID:zoyQHHqo0
- 精神的閉塞感を覚えながらも、
一行は再びテントへと向かうこととなる
ガーゴイル妹「みなさん、無事だとよいのですが……」
男「なにもできないのが歯痒いな」
氷魔「……向こうの方が……数が多いです……どうにかなるでしょう……」
やる気「俺っちも氷魔もいないっすけどね」
氷魔「……やる気さんはともかく……私が魔法を使えば……まず隠密行動は無理ですから……」
- 876 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/13(土) 04:31:41.63 ID:zoyQHHqo0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 877 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/13(土) 19:30:15.88 ID:gywqb6DcO
- 一方、コカトリスを発見した潜入チーム
中華「……どうやら、まだこちらに気づいてはいないようだね」
ぶりっ子「えぇ、助かりましたぁ」
どうやら、コカトリスは商品が収容された部屋をひたすら巡回しているようである
気を付ければ発見されることもないが、
一方で対象を保護する際にはほぼ確実に見つかるだろう
- 878 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/13(土) 23:20:13.12 ID:zoyQHHqo0
- 怪盗「……でも、おかしいですね」
狙撃少女「え?」
怪盗「だって、少なくとも競売のときには商品を出さなきゃいけないんですよ。どうにかしてあのコカトリスをどかすか、あるいは無力化する方法が主宰にはあると思いませんか?」
司書コピー「確かに、そうですね。なにかしらありそうです」
中華「しばらく潜伏を続け、その正体を把握できれば……安全に事を運べるかもしれないね」
- 879 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/14(日) 04:34:44.61 ID:yA27tatV0
- そして、連絡のために中華はその方針を書き込んだ
男「……どうやら、まだ大丈夫そうだ」
ガーゴイル妹「コカトリスはどうなったんですか?」
男「気付かれてなかったようだ、待機し続ければ解決策が見える可能性があるとも」
氷魔「……強行して助けにいく必要はなさそうですね……」
- 880 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/14(日) 04:41:00.44 ID:yA27tatV0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 881 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/14(日) 18:29:16.07 ID:yA27tatV0
- 四人は会場に戻ったが、まだあまり他の参加者は到着していないようだ
着席者はまばらである
やる気「すみません」
女性「……ん?ええ、どうなさったの?」
例の葉巻を吸っていた女性に再び話しかける
やる気「うち、オークションは初めてなんすよ。気を付けたほうがいいこととか、注意したほうがいい参加者っているっすか?」
女性「>>下1」
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/14(日) 18:33:40.57 ID:+LpPAoOV0
- 他の買い手との意地比べにならないように
- 883 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/14(日) 20:37:54.59 ID:yA27tatV0
- 女性「他の買い手との意地比べにならないように」
男「はい」
女性「これだけの街の、これだけの規模のオークション。当然、陰謀だってよくあることよ」
氷魔「……そうなんですね……」
女性「金銭的な問題もあるけれど、異常な入札と争うのはやめておくべき。金だけでなく、命まで失くすことになりかねないわ」
ガーゴイル妹「説得力がありますね……」
- 884 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/15(月) 00:38:28.78 ID:56kmpAOl0
- 女性「当然よ、あなたたちのような人が消えていくのは何度も見たわ」
男「やっぱり、実体験なんですね」
女性「ええ、嫌な思い出よ……そろそろ、人が揃い出すわ。あなたたちも、席に着いたほうがよいでしょう」
氷魔「……そうさせていただきます……ありがとうございました……」
四人は、近くの適当な席に座った
人が入り初めなので、四つ隣接する空席を探すのは難しくなかった
やる気「……下手は打てないっすね」
- 885 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/15(月) 00:45:29.75 ID:56kmpAOl0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 886 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/15(月) 19:15:13.01 ID:56kmpAOl0
- オークションが始まる頃、潜入チームは客間に潜み、
商品保管室を挟んで向こう側から、
人が近づくのを足音で感じ取った
ぶりっ子「おっ、誰か来ますよぉ」
狙撃少女「見せてもらいましょう、コカトリスをどうするのか……」
陰になってよく見えないその人物が部屋に入ると同時に、コカトリスは奇妙な叫び声を上げて威嚇した
それに対し、その人物は>>下1
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/15(月) 19:22:32.83 ID:dUiGQ5H70
- 構わずモフモフナデナデした
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/15(月) 19:25:09.14 ID:WmSUyzU+0
- 棍棒を蛇の頭に容赦なく振い落とした。 棍棒を振った人物は、女性の神官に見える
- 889 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/15(月) 21:28:28.21 ID:56kmpAOl0
- ???「おーよしよし」
その人物は、威嚇するコカトリスに一切警戒することなく近付き、特有の体毛を揉むように撫でている
扱いは完全にペットだ
司書コピー「え……」
???「ここで待てて偉い。後でおやつあげるからね」
一見コカトリスに噛まれているように見えるが、
どうやら甘噛みらしい
毒の分泌はコカトリスの意志でコントロールできるようだ
- 890 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 01:35:57.38 ID:LPaJlQkT0
- そして、その人物は運試しの種を持ってステージの方へ向かっていってしまった
中華「なんてことだ、魔獣を飼い慣らしている」
ぶりっ子「どうするんですかぁ……!?」
怪盗「かくなる上は、不意討ちで倒しきるしかないんでしょうか」
中華「心配ない、まだ手はある。出し惜しみして見つかるのが一番の問題だからね」
そう勇気づけるように微笑み、
巻物にコカトリスはどうにかできそうだという旨と、心配しないで欲しいと書き込んだ
- 891 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 01:55:14.15 ID:LPaJlQkT0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 892 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 19:42:38.33 ID:LPaJlQkT0
- 道化師「さぁみなさん!大オークションの開幕です!」
四人は舞台で饒舌に話す道化師を見ている
男「ついに始まったな」
ガーゴイル妹「不安が募ってきます……」
道化師「それでは最初の品からいきましょう〜!運試しの種だーっ!!」
- 893 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 21:13:06.03 ID:LPaJlQkT0
- すると、見栄えのいい台車のような物体に乗った種が運ばれてくる
魔法で作られた透明なケースに保管されている
道化師「さぁ、この摩訶不思議な種は一体いくらの値が付くのか!?」
男「これ、入札するか?」
道化師「それでは30万から!」
男「さ、30万!?……どうする?」
氷魔「……>>下1……」
- 894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/16(火) 21:22:24.75 ID:qnhtd09XO
- …出来れば…欲しい、です!
- 895 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 21:53:40.95 ID:LPaJlQkT0
- 氷魔「…出来れば…欲しい、です!」
やる気「じゃ、やるっすか?」
男「ああ」
そう決めた所、どこからか声が上がる
「40万!」
道化師「40万!これは高い!いきなり30%の上乗せだっ!」
- 896 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/16(火) 22:08:36.66 ID:LPaJlQkT0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 897 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/17(水) 19:26:52.83 ID:km8iCFIf0
- ガーゴイル妹「すごい値段が……」
男「42万!」
道化師「42万!42万です!」
「45万!」
道化師「さぁ45万!」
ガーゴイル妹「すごい値段が飛び交ってます……」
男「50万っ!」
流石にこれ以上出すのは厳しいと思いながら、男は叫んだ
>>下1……会場の反応
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/17(水) 19:33:05.11 ID:dUQPFGVEo
- 「100万だ」という声が聞こえてどよめきが生まれる
- 899 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/17(水) 21:10:42.84 ID:km8iCFIf0
- 「100万だ」
道化師「さァ100万!……100万!?」
道化師すら驚くその金銭感覚
当然、会場もどよめき出す
氷魔「……ああ……流石に降りて下さい……100万はないですね……」
やる気「それより、ここで100万を出すような奴は何者なんすかね」
- 900 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/17(水) 21:13:36.27 ID:km8iCFIf0
- 会場の誰もが声のした方を振り返る
そこに座っていたのは、
浅黒い肌をした長身の男性だった
道化師「そこのあなたが落札者ですね!?」
長身「ああ、101万でも出すやつがいなければ」
悔しさなど忘れてしまうほど、
その異様さに誰もが気圧されていた
道化師「どうやら、いないようです!それでは落札ッ!」
- 901 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/18(木) 01:56:04.72 ID:DqkITomc0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 902 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/18(木) 19:35:58.70 ID:DqkITomc0
- 多くの人々が動揺を続けていることから、
恐らく先ほど会話した女性のような、
常連の客ではないことが伺える
係員が、落札したことを示すチケットを彼に渡した
道化師「それでは、次の商品です!」
運ばれてきたのは、一冊の手記
この手のアイテムにありがちな特徴として、
使い込まれてボロボロだ
- 903 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/19(金) 01:49:09.90 ID:gfYM7Tw30
- 男「あれは欲しいかも」
中華「うん、なにか情報になるかもしれないし……」
道化師はケースから手記を取り出すと、
丁寧にあるページを広げる
そこには、世にも奇妙な姿の生き物が描かれていた
道化師「これは、ある兄弟が訪れた奇妙なる世界の話!描写や絵があまりに真に迫っているので、真実なのではないかと言われています!」
- 904 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/19(金) 01:58:12.00 ID:gfYM7Tw30
- 一応カタログに目を通してきているだろう参加者の面々は、ほとんどがその内容を信じていなかった
実際、禁域で起こりうることはほとんどか悪い冗談のようなものだ
やる気「見せやがったっすね」
しかし、その名状しがたい怪物の姿は、
その話に信憑性を上乗せし、
半信半疑だった多くの参加者の興味を惹いた
ガーゴイル妹「あんな化け物、いるんでしょうか?」
男「いるかも」
- 905 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/19(金) 03:33:55.16 ID:gfYM7Tw30
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 906 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/19(金) 19:49:12.09 ID:gfYM7Tw30
- 魔「……流石に……種よりは安くなりそうですが……」
やる気「だといいっすね」
道化師「それでは5万から!」
「6万!」
「6万5000!」
「7万5000!」
と声が上がり出す
以前より値は安く動きも鈍いため、
頑張れば競り落とせそうだ
男「よし……>>下1!」
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/19(金) 19:55:48.44 ID:drALiv/Mo
- 8万5000!
- 908 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/19(金) 20:21:04.88 ID:gfYM7Tw30
- 男「8万5000!」
一旦参加者のざわめきが沈静化する
多くの人が『ライン』として設ける10万の輪郭がはっきりとしてきたため、及び腰になるものが出始めたのだ
道化師「さぁ8万5000!8万5000を超える者はいないのか!?」
氷魔「……いないといいのですが……」
- 909 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/20(土) 02:30:49.21 ID:O+1UdQSU0
- 彼女はちらりと先ほど落札した男性を見るが、
わずか数分のうちに居眠りを始めており、
この商品に興味はないのだと伝わる
やる気「どうしたっすか?」
氷魔「……いえ……落札できそうなのは嬉しいのですが……無価値だと思われているのも少し腹立たしいですね……」
ガーゴイル妹「なんの話ですか?」
- 910 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/20(土) 02:39:28.79 ID:O+1UdQSU0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 911 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/20(土) 18:50:53.96 ID:UB7gfr74O
- 男は非常に堂々とした雰囲気で未だ立っている
近付く10万のラインの中で、
まだ戦えることを示しているのだ
道化師「どうやらいないようですね?では落札です!」
すぐに係員がやってきて、
商品と引き換えるためのチケットを渡される
目当ての品がもうないならば、
この場で交換して帰ってもよいと言われたが、
当然魔獣の肉は手に入れていないため、
残ることとなる
- 912 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/20(土) 21:12:36.60 ID:iTUaMwtIO
- 道化師「さぁ、次の素敵な商品はこちら!」
道化師は台車で運ばれてきた身代わりの人形を見せつける
その異様な造形に参加者は視線を集める
ガーゴイル妹「あれは……?」
道化師「これは身代わりの人形!呪いを無尽蔵に吸収するアイテムです!」
氷魔「……冒険でも使えそうですが……落札を狙いますか……?」
男「>>下1」
- 913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:30:09.36 ID:TVN2ZpDZ0
- …もしかしたら、身代わりとしての機能がありそうだよな
- 914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:33:03.23 ID:TVN2ZpDZ0
- ↑のレス が説明不足でもうし訳ない
意味的に生き写しや成り替わり出来るよねって言う意味です
- 915 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/21(日) 03:11:28.60 ID:mj88lt5a0
- 男「…もしかしたら、身代わりとしての機能がありそうだよな」
やる気「え?まぁ、そっすね」
男「いや、ほら……依代みたいな?司書コピーいるじゃん」
氷魔「……いますね……」
男「今はどうか分からないけど、少なくとも最初は魂とかなくて、ただの人形だったはずだろ?」
やる気「そのはずっすね」
男「呪いを肩代わりできるほど、人に近い性質があるのなら……魂を入れることもできそうだ」
- 916 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/21(日) 03:23:18.37 ID:mj88lt5a0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 917 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/21(日) 19:45:52.60 ID:mj88lt5a0
- ガーゴイル妹「……え、魂って、なんの」
男「うーんそうだな、もし仲間が死んだら入れるか?」
氷魔「……え……正気ですか……」
男「変なこと言ったか?」
氷魔「……あの……奇妙な人形の姿でまで生き永らえたいとは思いませんよ……それに……多分呪いが貯まってますから……相当な苦痛を味わいますよ……」
男「それはそうだろうな。だから仮置きみたいなものだ。どうにかして、もっとしっかりした魂の入れ先を探すか、作るまでの」
- 918 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/21(日) 20:32:03.56 ID:mj88lt5a0
- やる気「まぁ、俺っちはそれでもいいっすけど、予め同意は取っておいたほうがいいっすよ」
男「そうだな」
そうこうしている間に競売品についての説明が終わり、オークションが始まる
道化師「それでは参りましょう!こちらは10万から!」
「>>下1」
(発言者も指定していいです)
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 20:40:35.39 ID:09wAiblD0
- 中華「12万!」
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 21:05:45.30 ID:OHkyoaGE0
- 居ない奴持って来んなw
- 921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 23:23:04.27 ID:WKb3F8Kpo
- 念のため
再安価だったら>>919を男で
- 922 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/22(月) 01:52:43.68 ID:JzeE4M3f0
- 折角なのでこのまま行ってみます
中華「12万!」
男「……え!?」
四人がいる隣の席に座りかかるとともに、
入札を宣言したのは中華だった
中華「来ちゃった」
ガーゴイル妹「な、なんで……!?」
中華「よくよく考えれば、簡単なことだった」
- 923 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/22(月) 02:08:26.85 ID:JzeE4M3f0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 924 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/22(月) 19:57:54.94 ID:JzeE4M3f0
- 男「簡単?なにがだ」
中華「僕たちはもうすでに毒の血清を持っていたじゃないか」
やる気「……あ!龍毒の!」
氷魔「……確かに……コカトリスの毒は……龍のものに近いとも聞きますね……」
中華「それで、近接戦闘主体の僕は毒使いとの相性が悪いってことで、退路を確保しつつその報告を、ということで」
- 925 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/22(月) 20:45:07.05 ID:JzeE4M3f0
- それからオークションは続き、値段は18万にまで膨れ上がっていた
ガーゴイル妹「気付けば結構な値段ですね」
男「だが、まだ戦えるな」
氷魔「……無理はいけませんが……大丈夫ですか……?」
男「とりあえず宣言しておこう、20万!」
>>下1……さらに入札する人はいたか
- 926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/22(月) 20:49:21.69 ID:aazp7Txs0
- ぼたん色の髪をシニヨンに結った
貴婦人が意地になって競ってきた
- 927 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/23(火) 02:45:50.76 ID:XZX+rC6t0
- 貴婦人「くっ……25万よ!」
男「なっ」
氷魔「……な……なんですかあの人は……」
雰囲気に余裕こそないものの、
服装や化粧から貴族であることがうかがえる女性だ
髪はぼたん色で、それをシニヨンにしている
やる気「2、26万!」
貴婦人「35万!!」
ガーゴイル妹「正気じゃないですよ……!」
- 928 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/23(火) 02:48:28.41 ID:XZX+rC6t0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 929 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/23(火) 19:59:21.33 ID:XZX+rC6t0
- 道化師「35万!なんと35万だーっ!さぁ、ここからさらに争う人はいるのか!?」
貴婦人「はぁっ……はぁ……」
その態度からして、
なにか特別な理由があることは容易に想像できる
しかし、無慈悲にも低音が響く
長身「50万」
- 930 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/23(火) 20:56:05.42 ID:XZX+rC6t0
- 貴婦人「……っ!」
男「なんか、可哀想になってきたな」
もはや手を出すべきでないその争いを、
先ほどまで自分も競っていたことも忘れて傍観する
貴婦人「60万!」
長身「……65万」
貴婦人「70万!」
長身「80万」
- 931 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/24(水) 19:43:43.50 ID:ZbGGcVs10
- すみません寝落ちしました
結局それからしばらく二人の争いは続き、
長身の男性が150万で落札した
道化師「なんと150万!最高額です!」
道化師は持ち前のテンションで盛り上げようとしているが、貴婦人の必死さに誰もが引いているか、あるいは同情しており、あまり会場の熱気は高まらない
まさに道化であった
中華「空気が重いね……」
- 932 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/24(水) 20:49:58.23 ID:ZbGGcVs10
- 氷魔「……ですが……我々にとってはここからが本番です……」
彼女がそう言っている中で、
ついに魔獣の肉が氷漬けのまま運ばれてくる
とても巨大な肉である
道化師「さぁ、お次は魔獣の肉だぁーっ!味わってよし、触媒にしてよし、魔力の足しにしてもよし!まずはベヒーモスの解体肉、5万から!」
>>下1……いくらで入札する?
- 933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/24(水) 20:53:54.93 ID:BJhSwoiDO
- 手堅く10万5千
- 934 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/25(木) 01:27:12.44 ID:6JCJGCzb0
- 男「まずは手堅く……10万5千!」
その発言と入札に会場はどよめく
道化師「なんといきなり10万5千だぁーっ!」
やる気「初期値の二倍以上で手堅いってなんすか!?」
男「……しまった、金銭感覚がおかしくなっていたかもしれない」
ガーゴイル妹「あの争いを見た後ですしね」
- 935 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/25(木) 02:54:37.16 ID:6JCJGCzb0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 936 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/25(木) 19:57:58.87 ID:6JCJGCzb0
- 男「……誰も入札してこないな」
道化師「……では、10万5千で打ち止めだぁーっ!」
会場はムードとしては、
高額の入札を非常に警戒しているようで、
一気に値段を吊り上げるような客と争いたくはないと考える人が多かった
係員「それでは、こちら引換券です。もうお帰りになるのでしたら、この場で引き換えますが」
男「いや、まだ大丈夫だ。ただ、他の魔獣の肉の競売が終わったら帰るよ」
- 937 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/25(木) 20:32:37.79 ID:6JCJGCzb0
- そうこうしているうちに、
道化師は次の肉を持ってきた
中華「手違いでは?あれ、肉じゃなくない?」
運ばれてきま物体は、どう見ても肉ではなかった
明らかにそれは葡萄の一房だった
道化師「これは植物系魔獣、葡萄龍の希少部位です!本来はそのサイズから、あまり味や栄養がないのですが……ここは違います!」
- 938 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/26(金) 02:02:18.50 ID:3HM9Glfq0
- 氷魔「……そういえば……果物のような魔獣がいると聞いたことがありますね……」
やる気「なんでそんなもんがいるんすかね?」
氷魔「……詳しいことは分かりませんが……果物が好きだった神や……魔神の類が生み出し繁栄させた……という説があります……」
やる気「へぇ〜」
道化師「なんとこちらの部位は、葡萄龍の逆鱗となっております!逆鱗だけは通常の葡萄と同じサイズの葡萄が一房生っているのです!」
- 939 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/26(金) 02:34:22.90 ID:3HM9Glfq0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 940 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/26(金) 19:16:59.51 ID:3HM9Glfq0
- ガーゴイル妹「確かに希少……」
道化師「それではこちら、10万から!」
道化師は肉の解説を終えると、
いつものように競売へと客を駆り立てた
氷魔「……一つ……魔獣の肉は確保しています……これ以上は……必ずしも必要ではありませんが……」
男「そうだな、うーん……」
>>下1……葡萄龍の逆鱗の落札に挑戦する?
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/26(金) 19:23:03.95 ID:l+1DwDB/o
- せっかくの機会だからやるだけやってみよう
- 942 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/26(金) 22:14:19.82 ID:3HM9Glfq0
- 男「せっかくの機会だからやるだけやってみよう」
そんなことを話しているうちに、
次々に入札されていく
「18万!」
「23万!」
「30万!」
中華「魔獣の肉の中でも、さらに希少となればこれだけ値段が付いてもおかしくはないね」
- 943 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/27(土) 03:54:05.26 ID:8waMuUJ70
- やる気「お高く止まってる奴らにも、いかにも肉!って感じのものよりはフルーツっぽい方がウケがいいっすからね」
ガーゴイル妹「そういう傾向はありそうですね……男さん、でしたっけ?」
男「おう、どうかしたかな?」
ガーゴイル妹「いえ、その……入札しないんですか?」
男「もうちょっと落ち着いてからでいいかな。まだまだ値上がるぞ!」
実際、集まった多くの富豪や貴族たちは値段をじりじりと吊り上げている
- 944 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/27(土) 03:59:36.25 ID:8waMuUJ70
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 945 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/27(土) 19:07:18.34 ID:8waMuUJ70
- 「35万!」
「36万!」
「38万!」
緩やかではあるが、まだ値段は上がり続けている
中華「そろそろ入札する?」
男「そうだな、そろそろ入札するか」
氷魔「……先ほどのように……一気に突き放せば……心理的に有利ですが……」
男「ああ、50万だ!」
彼は声高らかに入札した
>>下1……さらに入札してくる者はいたか
- 946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 19:11:48.25 ID:Qji/fBI/o
- 完全に食材関連のやべー奴だと思われて、一斉に沈黙した
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/01/27(土) 19:22:08.66 ID:bnVBzfXfO
- >945
安価だったら俺も50万入れてたわw
- 948 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/27(土) 21:20:24.39 ID:8waMuUJ70
- その入札の声によって、
水を打ったように入札者たちは静かになった
やる気「やけに静かになったっすね」
ガーゴイル妹「私の優れた聴覚から集められた情報によれば、みなさん私たちと競り合うべきではないと考えていますね」
男「好都合だが、俺はあまり無茶な値段を提示してはいないはずだ」
ガーゴイル妹「魔獣の肉……というか、食べ物で競り合いたくないみたいですよ?」
- 949 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/28(日) 03:08:19.77 ID:zr8M89mz0
- 道化師「それでは落札となります!葡萄龍の逆鱗、50万だぁーっ!」
男「よしっ」
彼は再び係員から引換券を受けとる
中華「いやぁ、ありがたいね。僕としても、ぜひ希少な食材は調理してみたいからさ」
氷魔「……私も楽しみです……」
- 950 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/28(日) 03:55:44.45 ID:zr8M89mz0
- 道化師「さて、お次はこちら!」
道化師の指示で、舞台袖から食材が運ばれる
氷の中にあるそれは、一見すると蛸のようであった
しかし、脚は明らかに多く、また色が不定だった
やる気「色が……なんなんすか?あれは」
道化師「さぁこちらは、海の魔術師と呼ばれる海洋魔獣、刺客蛸だぁーっ!」
- 951 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/28(日) 04:17:23.25 ID:zr8M89mz0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 952 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/28(日) 19:30:10.33 ID:0FMBuI1KO
- ガーゴイル妹「ああ、あれ知ってますよ」
男「へぇ、どんな魔獣なんだ?」
ガーゴイル妹「まず、透明化することができます。なので見つけづらいですね」
男「蛸の中には、擬態する種類もいると聞いたことはあるが」
ガーゴイル妹「あの蛸は完全に透明になれますね。そして、あの大量の脚には細かな毒針と、それぞれの脚ごとに異なる属性の魔力が備わっています」
中華「透明で潜み、有効な属性と毒で攻撃を仕掛けてくる、ということか。よく捕まえられたね」
- 953 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/28(日) 20:38:58.86 ID:0FMBuI1KO
- ガーゴイル妹「えぇ、かなり優秀な冒険者でなければ捕まえられないでしょう。一応、昔は専門の漁師もいましたが」
やる気「しかし、毒っすか」
ガーゴイル妹「はい、食べるなら毒抜きだけはしっかりしないといけません」
中華「それは任せて!」
五人が蛸の特性について十分理解した所で、
オークションは始められた
しかし、周囲は男たちと競り合うことを望んでいないので、結果的には落札できる
>>下1……いくらで落札できた?(最低10万以上)
- 954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 20:44:46.66 ID:aMtGZ9fI0
- 15万…位でいいか
- 955 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/29(月) 00:31:27.11 ID:g/xMo+M10
- スタートは10万だったが、
ほとんど入札するものはいなかった
11万、12万と値段が動き始めた所に、
男が15万を入札した後にはもう誰も入札しなかった
係員「こちら、引換券となっております」
男「ああ、いただくよ」
男は長い息を吐きながら、
背もたれのある自分の座席に強くよりかかる
- 956 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/29(月) 02:39:07.14 ID:g/xMo+M10
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 957 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/29(月) 19:50:47.99 ID:g/xMo+M10
- いまいち盛り上がりを見せないオークション会場だが、道化師の有するカンフル剤がここで登場することとなる
道化師「それでは次の競売品です!今回の目玉商品!」
運ばれてきたのは、
燃え盛り曙光のごとき光を放つ物体だ
明らかに今までの肉とは違うものがあった
中華「あれは!」
道化師「なんとこちらが、フェニックスの稚児の肉だぁーっ!」
- 958 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/29(月) 20:36:03.89 ID:g/xMo+M10
- 肉が放つ異様なオーラと、
そのネームバリューに会場は沸き立つ
氷魔「……本命ですが……やはり厳しい闘いになりそうですね……」
道化師「それではフェニックスの稚児の肉!50万から!」
「55万!」
「60万!」
「62万!」
男「>>下1」
- 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/29(月) 21:15:58.14 ID:Siu4YmjX0
- やっぱり食い付きが良いな。落ち着いた頃に値を上げるか
いいながら、長身の男を見る
- 960 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/30(火) 02:16:11.27 ID:wjIS0SlK0
- 男「やっぱり食い付きが良いな。落ち着いた頃に値を上げるか」
やる気「いかにも目玉って感じだし、こうもなるっすね」
男「あぁ……」
男は視線を長身の男性のほうに向ける
ガーゴイル妹「やはり、彼ですか?」
男「うん。俺のような素人が言うのもなんだが、あいつは物の良し悪しが分かっているような気がする……他の品が悪い訳じゃないが、特に優れたものを見ているような」
- 961 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/30(火) 02:53:10.51 ID:wjIS0SlK0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 962 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/30(火) 19:48:40.53 ID:wjIS0SlK0
- そうしてゆっくりと値動きを待っていると、
やはり長身の男が動いた
長身「100万」
そう宣言されれば、流石に他の人々は尻込みし始める
ちまちまと100万から上げようとする者もいるが、
長身の男性はまだまだ入札するつもりでいることが顔色から伺える
- 963 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/30(火) 20:22:07.60 ID:wjIS0SlK0
- 中華「どうする?」
男「まだやるつもりだ」
長身「110万」
さらに値段を吊り上げ、他の参加者を牽制する
未だに余裕の表情だ
男「そろそろ入札するぞ」
氷魔「……勝てそうですか……?」
男「分からない……150万だ!」
長身「>>下1」
- 964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/30(火) 20:32:06.92 ID:7HEB6HgX0
- 300万
- 965 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/31(水) 02:47:43.93 ID:8Wcxc4ql0
- 長身「300万」
ガーゴイル妹「……100万刻みが最小単位の方なのでしょうか?」
男「め……めちゃくちゃだ」
資金的に闘えない訳ではないが、
当然浪費はするべきでない
フェニックスの稚児の肉が、自分たちにとってどれだけの価値があるものなのかということを考えさせられる
中華「流石にまだ張ってくるよね……」
- 966 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/31(水) 02:53:29.69 ID:8Wcxc4ql0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 967 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/01/31(水) 19:46:39.88 ID:8Wcxc4ql0
- 道化師「な、なんと300万!!本日最高値です!!」
氷魔「……やりましょう……まだやれますよね……?」
男「ああ、だが……」
ガーゴイル妹「300万程度に怯えないで下さい。私の姉なら、その百倍は価値がありますよ」
男「……分かったよ!やってやらぁ!」
長身「…………」
男「500万だ!!500万!」
長身「>>下1」
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/31(水) 19:58:49.85 ID:m8uuqfQk0
- 510万
- 969 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/01(木) 02:23:59.72 ID:giDz+QX70
- 長身「510万」
突如彼は刻んできた
果たして追い詰められているのか、
先程のように細かく競り合うつもりなのかは分からないが、絶望感はマシになった
男「520万だ」
長身「530万」
男「550万!」
中華「お、なんかいい感じだね?」
- 970 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/01(木) 02:24:30.18 ID:giDz+QX70
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 971 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/01(木) 18:56:31.30 ID:giDz+QX70
- 道化師「激しいデッドヒート!」
氷魔「……これで……大した肉じゃなかったら……恨みますよ……フェニックスを……」
ガーゴイル妹「あ、そっちなんですね」
周囲もにわかに盛り上がる中、
さらに値段は上がっていく
長身「560万!」
男「570万!」
長身「580万!」
男「600……いや、700万だ!!」
>>下1……さらなる入札はあったか
- 972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:04:35.24 ID:wdYLlnxV0
- ガーゴイル姉「750万!!」
- 973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:10:48.86 ID:wdYLlnxV0
- >>972
もうそろそろ潜入組の進展があっても良いと思ったので…
- 974 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/01(木) 20:37:32.96 ID:giDz+QX70
- ガーゴイル姉「750万!!」
突然の乱入者に騒然とする
男「ぇぁ?」
ガーゴイル妹「いや、私じゃないです」
男「……じゃあ、あいつお前の姉じゃないのか?」
ガーゴイル妹「え?……あっ!!」
そこにいたのは、間違いなく探し人だった
- 975 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/02(金) 02:00:17.88 ID:+aw9wusf0
- 中華「どうなってるんだ?」
男「この中で一番事情分かってそうなの中華なんだけど」
中華「いや、分からない」
困惑していると、次いで潜入していたはずのメンバーも入ってきた
ぶりっ子「なにやってるんですかぁ!?」
ガーゴイル姉「オークションだが?」
怪盗「ダメですよ、彼女に常識は通用しません」
- 976 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/02(金) 02:02:29.60 ID:+aw9wusf0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 977 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/02(金) 19:48:55.47 ID:+aw9wusf0
- 道化師「さぁ、750万!……?」
司会の道化師も、事前に知らされていた競売品がなぜかオークションに参加していることに気付いた
ガーゴイル姉「………………」
道化師「………………」
ガーゴイル姉「………………」
道化師「……誰か、競売品を捕まえてくれ!」
オークションの進行と、競売品の確保を天秤にかけ、選ばれたのは確保だった
- 978 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/02(金) 21:06:01.14 ID:+aw9wusf0
- 数人の道化師がどこからか飛び出し、
ガーゴイル姉に襲いかかる
司書コピー「ど、どうしましょう」
ぶりっ子「ほらガーゴイル!逃げますよぉ!?」
ガーゴイル姉「ちぇっ」
三人は無理やりガーゴイル姉を引きずって逃走していった
- 979 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/03(土) 03:07:11.53 ID:8gfRZfZb0
- 男「……流石にオークションしてる場合じゃなさそうだな?」
中華「そうだね、追いかけようか」
男「じゃ、そこの長身の方!フェニックスの稚児はあなたに譲……あれ?」
やる気「いないっすね?」
先ほどまで競り合っていた彼も忽然と姿を消していた
氷魔「……ガーゴイル姉さんの入札はは当然無効……長身の人にも競り勝った状態なので……受け取れるのではないでしょうか……肉……」
- 980 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/03(土) 03:10:20.19 ID:8gfRZfZb0
- ガーゴイル妹「どうします?」
男「じゃあ、俺と中華で肉は受け取っておく。当事者である君と、主戦力の氷魔とやる気は姉を追いかけてくれ」
ガーゴイル妹「分かりました」
やる気「よし、行くっすよ!」
氷魔「……任せて下さい……」
やる気はガーゴイル妹を背負い、
氷魔はそれに並んでまさしく神速で会場を出ていった
- 981 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/03(土) 03:11:24.54 ID:8gfRZfZb0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 982 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/03(土) 19:41:28.97 ID:96+2OLncO
- 三人が会場を出たときには、
もう近くに誰もいなかったが、
騒がしい方角に仲間や道化師がいることは分かった
やる気「多分あっちっすね」
氷魔「……無事だとよいのですが……」
ガーゴイル妹「どうして姉さんはいつもああなの……」
三人はひた走り、仲間と道化師たちを視界に捉えることができた
>>下1……仲間と道化師たちの状況
1.仲間とガーゴイル姉が追われている
2.仲間たちが捕まっている
3.自由安価
- 983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 19:45:17.57 ID:hvCMQ8bq0
- 2
- 984 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/03(土) 22:41:08.07 ID:8gfRZfZb0
- ガーゴイル姉「離せっ、この無法者どもめ!」
ぶりっ子「もう無理そうですねぇ」
怪盗「ふふ……この私に縄をかけようなんて百年早いですよ」
三人は道化師たちに取り囲まれ、拘束されている
やる気「うわ、もう捕まってるっすね」
氷魔「……問題ありません……全員倒します……」
- 985 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/04(日) 02:22:45.25 ID:G69hdtUw0
- 狙撃少女「いや、逃げたほうがいいですよ、私たちは動けませんし……数が多すぎます」
やる気「ここで諦めたらなにも残らない……」
そう言って魔王の力を解放したやる気と、魔力を迸らせる氷魔は道化師六人に向き合う
流石に多勢に無勢、厳しい戦闘が予想されたが______
???「アッシュメイカー!」
- 986 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/04(日) 02:26:36.57 ID:G69hdtUw0
- どこからか聞こえた宣言とともに、
一人の道化師に火炎を纏った銃弾が命中する
炎は一瞬にして周囲の酸素を奪い尽くすほどの火力になり、その名の通り道化師を灰にしてしまった
長身「間に合ったようだな」
なんと現れたのは、オークション会場にいた長身の男性だった
氷魔「……もしやとは思いましたが……なぜここに……」
長身「クライアントの命令だ。じゃなけりゃ、こんな胡散臭い奇術師どもに関わる趣味はねぇ」
- 987 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/04(日) 02:35:20.44 ID:G69hdtUw0
- 道化師たちはまだ戦うつもりのようだったが、
通りの路地からわらわらと冒険者崩れのような人々が現れて客に道化師たちを包囲してしまった
冒険者崩れよりは道化師たちの方が身体能力は高いため、彼らはそれを生かして逃げ去った
ぶりっ子「助かったんですかねぇ?」
長身「そうだ。貸しにしてやりたいぐらいだ」
やる気「先程からやたら縁があるようだが、何者だ?見ての通り我々はただの冒険者だが」
長身「それなら俺もただの冒険者だ。海岸地方の神官サマが、護衛を募集してるって話でな。護衛は下っ端どもに任せて、俺はオークションと洒落込むつもりだったが……」
- 988 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/04(日) 03:02:48.02 ID:G69hdtUw0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 989 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/04(日) 19:49:37.65 ID:G69hdtUw0
- 男「どうしたどうした」
今度は男が一人で駆けつけた
狙撃少女「あれ、中華さんは?」
男「今食材を運んで貰ってる。みんなが無事そうなら合流させたくてな」
長身「助けておいてやった。感謝しな」
男「ああ、助かった……見たところ、どこかのギルドのお偉いさんか?」
長身「俺は>>下1」
- 990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:22:38.81 ID:HWF1kXNz0
- この一帯に投資
している人間だ
- 991 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/05(月) 03:12:40.36 ID:KPSOkjvW0
- 長身「この一帯に投資している人間だ」
男「投資?」
長身「……ここは、世界でも有数の栄えた都市だ。市場は大きくないが、金だけならある」
男「ああ、まさかあんたがプールしたのか?」
長身「無理に決まっているだろう。……ここは、二十年前はただの野原だったんだ」
ぶりっ子「へぇ〜」
長身「そして、今のカジノのオーナーが……数人の投資家にカジノ都市を作る話を持ちかけた」
- 992 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/05(月) 03:16:31.01 ID:KPSOkjvW0
- 男「その中にあなたも?」
長身「いや、俺の父だ。……業務は引き継いだがな。そうして、数人の金持ちがこの街を作った」
男「支配していてもおかしくなさそうなものだが」
長身「そういったことをしているのは、カジノのオーナーだけだ。俺たち投資家は、いつだって金になる新しいことを探している」
男「それでギルドをやっているのか」
長身「そうだ」
- 993 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/05(月) 03:17:52.99 ID:KPSOkjvW0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 13:31:19.79 ID:uLfmOhIFO
- はい
- 995 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/05(月) 19:54:12.05 ID:KPSOkjvW0
- やる気「しかし、これだけの人を揃えるとなると相当金がかかりそうっすけどね」
長身「その点は問題ない。先代のギルド長からその座を買い取ったので、安く済んだ」
男「それでと従ってくれるものなんだな。相当カリスマ性があるらしい」
長身「いや、取り決めだ。この刻印のバッジを持つ者が、絶対のリーダーであるとこのギルドでは定められているからな」
そう言って彼はバッジを見せる
しかし、その紋様に一行は見覚えがあった
- 996 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/05(月) 19:57:33.42 ID:KPSOkjvW0
- 氷魔「……ドラゴンクロウ……!」
長身「なんだ、知っているのか」
男「因縁がある。かつてギルドハウスを襲われたこともあったし、先代のギルド長にも会ったことがあるぞ」
長身「ほう、因縁か。決闘でもするか?」
彼がそう言うと、割って入る者がいた
その護衛対象、海岸地方の神官である
神官「こら。私の前で争うことは許しませんよ」
>>下1……神官の見た目
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 20:12:55.47 ID:AT6yiPtw0
- 幼女。 (でも30代前半)
- 998 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 03:04:10.05 ID:aT2Wc+nu0
- そこにいたのは、どう見ても幼女だった
怪盗「あ、あなたは!」
男「……子供?ここは危ない。帰ったほうがいいよ」
神官「誰が子供ですか!私はこれでもアラサーですよ!」
男「嘘だろ?」
長身「残念ながら真実だ」
狙撃少女「私たちは、そこの神官さんに助けてもらってガーゴイル姉さんを奪還したんですよ」
- 999 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 03:07:25.99 ID:aT2Wc+nu0
- ガーゴイル姉「あぁ、お前か。助かったぞ」
ガーゴイル妹「あの、恩人なんですから……もっと丁寧に言えないんですか?」
ガーゴイル姉「最悪、ステージで大暴れしてやったさ。私に怖いものはない」
話が脱線しようとしていると、
神官は小さな手を叩いて音頭を取る
神官「とにかく!この件はここで終わりです!みなさん、宿に帰るように!」
長身「……調子狂うぜ」
- 1000 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 03:09:01.20 ID:aT2Wc+nu0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- ___, - 、
/_____)
. | | / ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
|_| ┃ ┃ ||
(/ ⊂⊃ ヽ) /  ̄ ̄ ̄ \
\僕はSS!/ \_/ ! ( ( (ヽ ヽ
,\ _____ /、 | −、ヽ\ ! <私は二次創作
ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ /. \/ ̄\/ .\ | ・ |─ |__ /
/ _____ヽ | | _┌l⊂⊃l | | ┌ - ′ ) /
| | / ─ 、−、! | | / ∋ |__| | | ヽ / ヽ <
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( ` ─ o−i ヽ / \ .ノ_ .j ̄ ̄ |
ヽ、 ┬─┬ノ / ̄ ./ ヽ- 、\ /  ̄ ヽ\
// /ヽ─| | ♯| / i ぼくオリジナル | ..) ) \ i ./ |\\
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