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安価とコンマで異世界転生!その9

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1 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/07/27(木) 19:10:09.24 ID:OBKHdnwUo
〜前回までのあらすじ〜
異世界に転生した男は仲間を募り、
世界を救うことを目標に行動する
仲間が突如救世主や魔王の力に目覚めたり、
彼も多くの神を奉ずる教団を創立したりしているが、実際に神の奇跡を代行することができる
現在は極北の地にいるとされるフェニックスの素材を手に入れるため、出発の準備をしている段階だ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1690452608
2 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/27(木) 19:14:30.58 ID:OBKHdnwUo
中華「という訳で、バナナが余ったのさ」

男「理解したぜ」


男はそう言いながら、
スライムを容器に入れたまま並べる


中華「この前見たときは変わりはないね」

男「そうだな。このうちのどれにバナナを与えるか……考えよう」


>>下1……どのスライムに与える?
1.回復スライム
2.レインボースライム
3.氷スライム
4.牛スライム
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/27(木) 19:33:13.35 ID:J0STBQIx0
3
4 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/27(木) 20:47:51.95 ID:OBKHdnwUo
中華「前回はどの子に与えたんだい?」

男「氷スライムだな」

中華「じゃ、今回も氷スライムにしよう」

男「よし、分かった」


男は蓋を回し開け、
専用の容器から氷スライムを出した


氷スライム「ヒュー……」
5 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 00:09:56.06 ID:wGdoAaDdo
中華「ほら、バナナだよー」


彼は早速持っていたバナナをスライムの前に置く
しかし、スライムはその場から動かない


氷スライム「……?」

男「皮剥いてみるか」


男が皮を剥くと、豊潤なフルーツの香りが漂い、
氷スライムもそれに反応を示す


氷スライム「コーッ……」
6 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 00:14:18.14 ID:wGdoAaDdo
のそっとした動きでバナナに近付き、
ゆっくりと体内にバナナを取り込んでいく
最初はいつもの氷スライムだったが、
バナナを取り込みきる頃には全身黄色になっていた


中華「すごい!バナナスライムだ!」

男「ちゃんと、触ると冷たいな」

中華「じゃあ、バナナシャーベットスライムだね!」

男「そうかもな。切り取ってみるか」

ぶりっ子「バナナシャーベットですかぁ!?」

怪盗「食べたいです!」

男「ど……どっから来たし」
7 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 01:37:17.76 ID:wGdoAaDdo
本日はここまでです
ありがとうございました
8 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 19:02:49.37 ID:wGdoAaDdo
どこからか現れた女性陣に困惑しつつも、
男は中華に調理器具を借りてスライムの端を切断した


氷スライム「ヒョ!」

男「悪いな」

中華「どんな味なんだろう?」

ぶりっ子「食べていいですかぁ?」

男「え……勇気あるな。どうぞ」


切断されたスライムのさらに切れ端を取って、
ぶりっ子に渡した
そしてそのまま彼女は冷えたゼリー状のそれを口に運んだ


怪盗「どんな味ですか?」

ぶりっ子「>>下1」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/28(金) 19:20:45.19 ID:UZ/a9GsDO
バナナ味のグミを食べてるようで歯ごたえが凄い…と言うよりこの切れ端まだ生きてる?!
10 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 00:47:59.50 ID:+KWACSgKo
ぶりっ子「バナナ味のグミを食べてるようで歯ごたえが凄い…と言うよりこの切れ端まだ生きてる?!」

中華「なんだって!?今すぐ吐き出したほうがいい!」

男「ほら、ここだ」


男は空になったスライムの容器をぶりっ子に差し出す


ぶりっ子「い……嫌ですぅ……なんか吐き出す所なんて見られたくありませぇん……」

怪盗「分かりますけど……」
11 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 02:08:02.50 ID:+KWACSgKo
それから三人は固唾を飲んでぶりっ子を見守り、
一分ほどかけてぶりっ子はスライムを嚥下した


ぶりっ子「はぁーっ……はぁ……」

男「こりゃダメだな。うまいこと使えるかと思ったんだが」

ぶりっ子「いえ……でも味自体は悪くなかったですよぉ。ちゃんとほぐしたり、生気がなくなるように処理すればいいと思いますぅ」

中華「そうかい?参考にしよう」
12 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 02:08:54.54 ID:+KWACSgKo
本日はここまでです
ありがとうございました
13 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 19:15:07.96 ID:+KWACSgKo
中華はなにやらメモをつけている
男はスライムを容器にしまった
その頃にはもうバナナの色は抜け落ちていた


男「そろそろ寝るかな……」

ぶりっ子「そうですねぇ。あー焦りましたぁ」

怪盗「そうですか?では、おやすみなさい!」


その場は解散し、みな部屋に戻って寝た
14 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 19:32:27.79 ID:+KWACSgKo
?翌日・陰週金曜日?


男「あーよく寝た」

中華「疲れも大体取れたね」

氷魔「……今日も頑張っていきましょう……」

やる気「なんかみんな、やたら活力に満ちてるっすね……」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・朝)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.北の果てを目指す
11.大魔王ベリアルについて調べる
12.自由安価
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/29(土) 19:39:53.50 ID:Rtt1lzjX0
11
16 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 02:01:01.52 ID:l6bKYI0Xo
ぶりっ子「北を目指す前に、ベリアルとやらについて調べてみませんかぁ?」

怪盗「なにかあるんですか?」

ぶりっ子「フェニックスの骨から作られた武器は、魔王に特効です。その手がかりを得た途端、男さんに妨害を仕掛けてきたということは……」

狙撃少女「明確な悪意を向けている可能性が高いですね。対策……とまではいかなくても、最低限情報は欲しいところです」

男「そうだな。幸い、この城下町には巨大な図書館がある」
17 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 02:29:42.07 ID:l6bKYI0Xo
本日はここまでです
ありがとうございました
18 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 19:42:12.50 ID:l6bKYI0Xo
一行のひとまずの目的は決まり、
図書館に向かうこととなった
いつものように聳え立つ図書館の入り口を抜け、
一階の書庫へとやってくる


中華「でも、大魔王に関する文献なんてあるのかなぁ?」

氷魔「……どうでしょうか……」

やる気「各地の伝承を集めたコーナーはあるらしいんすけど、そういうのは難しいかもしれないっすね」
19 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 20:24:24.83 ID:l6bKYI0Xo
ぶりっ子「そもそも、一階の書庫にあるんでしょうかぁ?」

怪盗「流石に魔導書コーナーにはないでしょうけど……ああいう胡散臭い本の中にあるような気もしますね」


そう話しあっていると、
一行の近くを司書が横切った


狙撃少女「お……丁度いいですね、聞きましょう」

司書「はい?いかがなさいました?」

男「ベリアル……大魔王について調べたいのですが、そういった本の置いてある場所を知りませんか?」

司書「>>下1」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/30(日) 20:35:39.48 ID:G6LFs/j80
ベリアルのことは、過去の
どういう文献にもいっさい
記載されていないんですよ
21 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:43:45.06 ID:vcd2ReUdo
司書「ベリアルのことは、過去のどういう文献にもいっさい記載されていないんですよ」

中華「へぇ、そうなんですね」


と、行き詰まったかに思える状況
しかし、そこには不自然な点があった


男「……じゃあ、あなたはなぜそれを知っている?」

司書「おっと……ふふ、どうしてでしょうね」
22 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:48:21.74 ID:vcd2ReUdo
そう言い捨てると、彼女は逃げ出した


氷魔「……待ちなさい……!」

やる気「逃げてもろくなことにならないっすよー」


複雑怪奇に入り組んだ図書館だが、
人数と速度で負けていては、
逃げることは不可能だった


司書「……!」

狙撃少女「私の射線に入りましたね」


彼女はスリングショットから殺傷能力の低い鉄球を射出するとともに、司書の脚に当てた
23 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:49:19.94 ID:vcd2ReUdo
本日はここまでです
ありがとうございました
24 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 18:42:41.69 ID:vcd2ReUdo
ぶりっ子「捕まえましたぁ」


倒れた彼女をぶりっ子が組み敷いて捕えた


怪盗「……では、喋ってもらうとしましょうか?」

男「妙な真似をすれば、お互い苦しむだけだ……大人しく質問には答えてもらうぞ」

中華「そうだね……なぜあなたは、ベリアルについて知っているんだい?」

司書「>>下1」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/31(月) 19:21:12.66 ID:f2q5orq50
ベリアルによって作られたオリジナルの司書のコピーなのですよ
26 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 19:29:16.22 ID:vcd2ReUdo
司書「ベリアルによって作られたオリジナルの司書のコピーなのですよ」

氷魔「……え……じゃあ……元の方は……?」

司書「さぁ……そこまでは存じ上げておりません。知る必要もないかと思ったので」

やる気「他の司書もコピーになってるんすか?」


信じたくはないが、その可能性もあると思い、
やる気は彼女に質問を投げ掛けた


司書「いいえ。私の知る限りでは……」
27 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 19:39:22.98 ID:vcd2ReUdo
ぶりっ子「ということは、元の方はベリアルにとって利用価値があったか……あるいは、殺害しなければならない人だったってことですよねぇ」

怪盗「司書ですから、その知識に理由を求めることは簡単でしょう。しかし……他の司書が無事なのは、一体?」

狙撃少女「とにかく、この司書モドキの身元を洗って……オリジナルの行方を探ることはできるかもしれませんね」

男「そうだな。じゃあこいつをギルドハウスまで持っていくか」


方針は決まったが、問題はあった


中華「でも、端から見れば犯罪だよ?どうするの?」

氷魔「……氷空魔法……」

司書「っ!」
28 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 01:57:21.08 ID:hZwEjxf8o
司書はなにか言おうとしたが、
固まって動かなくなった


やる気「なんすか、それ」

氷魔「……空間ごと凍らせました……これで……一見すれば凍らされたようには見えません……」

ぶりっ子「不思議ですよねぇ、空間ごと凍らせると氷が見えなくなるの」

怪盗「ともかく、これで堂々と背負ってればぐったりした人を介抱してるだけに見えそうです」
29 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 02:40:04.05 ID:hZwEjxf8o
本日はここまでです
ありがとうございました
30 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 19:40:16.87 ID:hZwEjxf8o
それから一行はダクトを通って図書館を脱出し、
司書のコピーをギルドハウスに連れて帰った


狙撃少女「まだ気絶してますね」

男「前回と同じように、地下にでもぶちこむか」


一行は彼女をロープでぐるぐる巻きにして、
地下空間に置いた
もし目覚めても、かつて紅い鬼神がいた空間へと繋がる場所以外には行けないはずであり、そこからは微妙に屍臭のようなものがするので、通常の神経なら向かうのを断念するはずだ
31 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 19:44:27.46 ID:hZwEjxf8o
中華「彼女は……人間なのだろうか?魔物なのだろうか?」

氷魔「……そのどちらとも言い難い存在……の可能性もあります……」

やる気「確かめてみるっすか」

ぶりっ子「へ?」


やる気はドアノブ型の生命体を取り出すと、
司書のコピーの腹部に装着した


やる気「これで開いて内臓を見れば、なんか分かるかもしれないっすよ」

怪盗「なっ……なな……わっ、私は見ませんからね!」

狙撃少女「そうですか?私は見ますが」

やる気「じゃ、確認してみるっすよ」


彼はドアノブを捻り、引き開けた


>>下1……司書のコピーの内臓がある場所の様子
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/01(火) 19:52:10.07 ID:C0ynERjDO
人形やぬいぐるみみたいに綿が詰められている
よく見たら綿のような魔翌力の塊だった
33 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 20:22:32.61 ID:hZwEjxf8o
そこには、真っ白な綿が詰まっていた


男「ほぉ……どうやら、生物学的に人間ではないようだな」

中華「そうだね……人形?」

氷魔「……ふむ……一見すれば綿ですが……これは綿ではありませんね……」

やる気「そうなんすか?」

氷魔「……これは……魔翌力の塊ですね……これを動力としているのか……内臓の仕事をさせているのか……」
34 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 19:19:08.05 ID:rJfsH7lLo
すみません寝落ちしました


やる気「よく分かんないもん見ちゃったっすねー」

司書コピー「っ!」


彼がそのドアノブを捻り、
開いたそれを閉めると同時に、
司書のコピーである女性は縛られたまま飛び退いた


ぶりっ子「もしかして……起きてましたぁ?」

司書「……起きてましたよ」
35 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 19:38:39.81 ID:rJfsH7lLo
怪盗「辱しめちゃいましたかね」

司書コピー「……ただただ、辛いです」

狙撃少女「あなたは、自分がなんなのか知らなかったのですか?」

司書コピー「そうです。私は……作られた存在であっても、人間ではあると信じていました」

男「………………」

司書コピー「だが、実際は……魔翌力が詰まっただけの木偶人形。畜生にも及ばぬ存在だったのです。……笑いなさい」

男「その苦しみこそが、お前が人間の心を持つことの証明じゃないか?」

司書コピー「心があるからなんなのだと言うのですか!?心で私の体は人間のものになるのですか!?否、ありえないことだ!」
36 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 20:48:28.62 ID:rJfsH7lLo
男「幸いにして、それを知るのは俺たちとお前だけだ。お前に人の心があるなら、社会がお前を人間として受け入れる。……人間にしてくれるんだ」

中華「そうは言うけれど、人の心があるから、理屈じゃ納得できない辛さを感じるんだよ」

男「……そうだな」

司書コピー「大体、こんな情けかけてなんになるんですかね」

氷魔「……いや……[ピーーー]のも憚られますし……あわよくば穏便に社会に帰したいので……」

司書コピー「もし本人が生きていたら、どうすればいいんですか?どちらかといえば……私はもう死にたい」
37 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 00:47:51.72 ID:kGQsxyw5o
本日はここまでです
ありがとうございました
38 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 19:08:03.38 ID:kGQsxyw5o
やる気「もう拘束解いてもよくないっすか?」

ぶりっ子「敵対してくる可能性は低いですが……自殺とかしかねませんよぉ」

男「俺たちの言うことなど、とても信じられないだろうが……君がよりよい精神状態に戻れるよう、尽力するつもりだ」

司書コピー「…………」

男「だから、まずは君のコピー元の名前や、住んでいた場所について教えてくれ」

司書コピー「>>下1」

1.分かりました
2.嫌です
3.自由安価
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 19:26:17.58 ID:bWH4crubO
2.…嫌です…
40 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 20:35:43.76 ID:kGQsxyw5o
司書コピー「…嫌です…」

怪盗「うーん……やっぱり、そうですよね」

狙撃少女「どうしましょうか……」

男「なんとしてでも、今から君には生きる希望を持ってもらう!あらゆる手を尽くすぞ!」

司書コピー「………………」

男「まず第一に言っておくが、生まれつき存在を許されないような生命は存在しない!いいな!」
41 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 20:57:47.77 ID:kGQsxyw5o
中華「じゃあ僕、ご飯作ってくるね」

男「いいのか?ありがとう」

中華「こういうのは僕の仕事だから、さ」


そう言って彼は厨房へと向かっていった


氷魔「……私たちで見張っているのであれば……拘束を解いてもよさそうですね……」

やる気「なら、縄も外すっすよ」

司書コピー「………………」
42 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 03:06:13.96 ID:2rmEyRENo
本日はここまでです
ありがとうございました
43 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 18:54:43.15 ID:2rmEyRENo
それからしばらく重たい空気が場を覆ったが、
ぶりっ子が突如話を切り出した


ぶりっ子「あの、趣味とかないんです?」

司書コピー「生後何ヵ月だと思ってるんですか?あるわけないですよ」

ぶりっ子「ああいえ、そんな大それたものじゃなくて……なんか、これをやってると楽しい!とか、これをしてると落ち着くとか……ないですか?」

司書コピー「>>下1」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 19:32:49.59 ID:OfMaG6xw0
…本、特に神話系の書物とかは読んでた、と思う
45 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 20:08:23.01 ID:2rmEyRENo
司書コピー「…本、特に神話系の書物とかは読んでた、と思う」

怪盗「なるほど……」


そう言って氷魔の方を笑顔で向く


氷魔「……なんでこっち見るんですか……」

狙撃少女「そういう本も持ってそうじゃないですか」

氷魔「……ないこともないですが……探してきます……」
46 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 04:49:25.92 ID:4Q8LLmAno
男「……俺にも、なにかできることは……」

やる気「焦っても始まらないっすよ。俺っちもなんか用意できる訳じゃないから、説得力ないっすが」

男「そうかもな。ありがとう」

ぶりっ子「いろいろと娯楽を教え込むのもいいですが、居場所をあげるのが大事だと思います」

怪盗「そうなんですか?」

ぶりっ子「断言します。この子のような子に、とても心当たりがあるので」
47 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 04:50:45.67 ID:4Q8LLmAno
本日はここまでです
ありがとうございました
48 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 18:51:30.00 ID:4Q8LLmAno
そうはっきりと彼女は言いきる
精神が成熟し始めていれば、
つらい現実から目をそらすこともできるが、
不幸にも司書のコピーは生まれたての存在だった


氷魔「……持ってきましたよ……神話にも……関係しています……」


一冊の本を携えて氷魔は帰ってきた
そのタイトルは>>下1と書いてあった
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 19:39:47.78 ID:6CJQ0UvJo
天地創造紀
50 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 20:11:17.99 ID:4Q8LLmAno
天地創造紀と書いてあった


怪盗「おお、がっつり神話系ですね!」

氷魔「……はい……他にも神話関係の本はありましたが……一番神話らしいのがこれでした……」


氷魔は司書のコピーにその本を手渡す
彼女は少し躊躇って、その後に本を受け取った
そして、読み始めた
そうすれば、辛い現実や取り囲んでいる得体の知れない人間たちから意識だけは逃れられるためだ
51 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 03:45:05.80 ID:a/iIQTcmo
それから、中華もまた戻ってきた
両手に皿を持ち、
特有の食欲をそそる匂いを漂わせながら、
地下空間へと降りてきた


中華「急ぎだけど、出来は悪くないはずさ」


その皿に乗せられていたのは、
狐色が美しい餃子たちだった


狙撃少女「おお……美味しそうですね」
52 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 03:48:25.67 ID:a/iIQTcmo
本日はここまでです
ありがとうございました
53 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 19:04:24.34 ID:a/iIQTcmo
司書コピー「お腹は空いています。しかし……」

中華「もしかして、中華料理は苦手?」

司書コピー「……いえ、なぜ私が空腹を感じるのか、不思議なだけです」

男「なぜ、と言われてもな。生き物ならみんなそうだろ?」

司書コピー「もういいです……熱っ!」


箸が出ていたにもかかわらず、
彼女はなんと素手で餃子を食べようとした
出来立てのそれはかなりの高温だったため、
それなりの衝撃があった


中華「大丈夫!?えーっと……箸は使える?」

司書コピー「箸は苦手です……」

やる気「じゃあフォーク持ってくるっすよ」
54 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 20:37:22.13 ID:a/iIQTcmo
やる気は慌ただしく地上への階段を上っていった


氷魔「……大丈夫ですか……氷あげますよ……」

司書コピー「え……?どこから出したの……?」


あわや火傷となりかねないその手を冷やす
恐らく、その場で魔法を使って出したのだろう
55 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 20:41:16.94 ID:a/iIQTcmo
やる気「持ってきたっすよ」


階段を滑るように降りて戻ってきた
そして、そのままフォークを手渡す


司書コピー「では……」


彼女は恐る恐るといった様子で、
フォークで餃子を挟んで口に運んだ


ぶりっ子「どうですか?」

司書コピー「>>下1」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 21:17:11.48 ID:vMvwMIj2O
…味が、感じられないみたいです…
57 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 23:19:04.25 ID:a/iIQTcmo
司書コピー「…味が、感じられないみたいです…」

中華「なっ、なんだって!?」

司書コピー「腹を満たすことはできるのですが……」

怪盗「こりゃ困りましたね。欲求をトリガーにするのが一番丸いと思っていましたが……」

狙撃少女「できるなら、私の舌をあげたいくらいです……」


絶望的な空気が場を覆った
しかし、それは大声にかき消される


男「それだ!」

狙撃少女「え?」

男「舌をくれてやればいい……いや、内臓をくれてやればいいんだ!」
58 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 23:22:44.53 ID:a/iIQTcmo
氷魔「……なにを……言っているのですか……?」

やる気「そりゃあそんなことできたらまるっと解決っすけど……できるんすか?」

男「分からん」

ぶりっ子「なんなんですかぁ、もう……」

男「とにかく、まだ夜じゃない。……いや、夜だって構わないが……君を連れていきたい場所がある」

司書コピー「……好きにすればいいじゃないですか。どうせ抵抗なんてできないんですし」
59 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 03:14:02.13 ID:O3+m1V4Co
本日はここまでです
ありがとうございました
60 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 19:54:20.65 ID:O3+m1V4Co
夕暮れの頃、一行は司書コピーを連れて、
先日訪れたばかりの錬金術師の家に来ていた


錬金術師「なにさ、随分深刻そうな顔をして……なんか知らない人いるし」

怪盗「実は、頼みごとがあってきたのですよ」

錬金術師「頼み?ふぅん、言ってみてよ」

狙撃少女「ここにいる彼女の内臓……舌などを、作れるだけ作って欲しいのです」


と、司書のコピーを指して頼んだ
61 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 19:59:26.94 ID:O3+m1V4Co
錬金術師「私は医者じゃないぞ?」

中華「存じています」

錬金術師「……はぁ、なるほどね」


彼女は司書のコピーの肉体を観察し、
触って確信に至った


氷魔「……少なくとも……体の作りは人間のものではありません……しかし……命はあります……そして……野生の魔物や動物とも違います……」

男「なので、錬金術師の専門分野かと思い……こうして訪ねた。どうか、彼女を救ってはくれないだろうか?」

錬金術師「>>下1」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/07(月) 20:59:58.93 ID:ZfVUgF680
例え味がしなくても魔翌力を持った生物の血肉を食べ続ければあるいは
63 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 01:24:59.13 ID:SpYOYWcio
錬金術師「例え味がしなくても魔翌力を持った生物の血肉を食べ続ければあるいは」

やる気「どうにかなるんすか!?」

錬金術師「まぁ、そういう事例もあるとだけ言っておこう。君たちのようなことを試みた人間は非常に少ないからね」

ぶりっ子「ありがとうございます!」

錬金術師「感謝なんてしなくてもいいさ。私は聞かれたから答えただけで、なんか行動したわけじゃない」
64 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 02:10:23.52 ID:SpYOYWcio
本日はここまでです
ありがとうございました
65 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 18:31:57.58 ID:SpYOYWcio
司書コピー「私も、人間の体になれるんですか?」

錬金術師「や、やめてよ。そんな目でこっちを見ても別に保証できないよ?」

司書コピー「…………」


何を思ったか、じっと錬金術師を見つめている
夕陽の破片が眼に写り込んで、
不思議な雰囲気を放っている


錬金術師「わ……話題を変えようか。先日から錬金に取り組んでいた薬品がついに完成したのだよ」

怪盗「おお!どんなやつですか!?」

錬金術師「いろいろと作れるのだがね、手始めに>>下1を作った」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/08(火) 19:43:10.40 ID:F3vw6u+q0
塗り薬タイプの薬を三種作ってみた!
67 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 20:35:25.30 ID:SpYOYWcio
錬金術師「塗り薬タイプの薬を三種作ってみた!」

狙撃少女「三種も!?」

錬金術師「薬師の類ではないが、錬金術でもやはり薬の製作は基礎にして王道だ。ノウハウは相応にあるのでね」


そう行って彼女は三つの瓶をテーブルに置いた
それぞれ赤、青、緑色である


男「それで、どのように違うんだ?」
68 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 20:41:20.35 ID:SpYOYWcio
錬金術師「まず、この青いやつだが……即効性が高い。応急処置に向いているが、大怪我には少々効き目が薄いな、まぁクイックポーションとでも名付けよう」


そうして瓶の蓋を開ける
小気味の良い音と共に、爽やかな香りがする


中華「へぇー」


みんなで暫く眺めたのちに、蓋を閉めた


錬金術師「で、次はこれ。緑色のやつだな」
69 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/09(水) 18:57:41.85 ID:G5GejK1uo
すみません寝落ちしました


彼女は緑色の瓶を置く
先ほどのものとは違い、
蓋とコルクで厳重に閉じられている


氷魔「……危険な薬品ですか……?」

錬金術師「漏れたら困るからね。さっきのは戦闘中にでも使いやすいように蓋は簡単に外せるようにしてあるだけさ」

やる気「そりゃそうっすね」

錬金術師「こっちも治療目的で使う薬だ。飲み薬で、効きは遅い。ただ、薬効の広さ、治癒力共にクイックポーションの比ではない」

ぶりっ子「万能薬ですかぁ?」

錬金術師「そんな大それたもんじゃない。まぁ……妙な病気でもちょっと進行を遅らせるくらいは期待してもいいけどね」
70 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/09(水) 19:02:17.03 ID:G5GejK1uo
怪盗「いや、すごくないですか?」

錬金術師「すごいのはドラゴンの糞だ。キミはこれについて言及すると嫌そうな顔をするが……」

怪盗「触れないで下さい」

錬金術師「はっはっは。誰にでも触れて欲しくない事情はあるものだな。これは超回復ポーションとでも呼ぼうか。さて、最後にこれだ」


先ほどまでと同じように、
一度瓶を持ち上げて、再びテーブルに置く


狙撃少女「軽傷に対する回復、そして重傷でも回復できるポーション……最後がそれですね」

錬金術師「ああ、こいつはなんと>>下1だ」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/09(水) 19:20:05.76 ID:GuT0L4n40
全ての身体機能を一時的に停止させて仮死状態にする薬
仮死状態であるうちは完全に死ぬことはない
口内接種だけでなく粘膜接種でも効果があるから厄介な敵を封じるのにも、怪我や病気で死にかけの味方の急場を凌ぐのにもここぞというときに使うといい
72 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 03:32:03.16 ID:EpLppwK2o
錬金術師「全ての身体機能を一時的に停止させて仮死状態にする薬だ」

男「え?」

錬金術師「言った通りだ。仮死状態であるうちは完全に死ぬことはない」

中華「死んだふりに使えばいいのかな?」

錬金術師「口内接種だけでなく粘膜接種でも効果があるから厄介な敵を封じるのにも、怪我や病気で死にかけの味方の急場を凌ぐのにもここぞというときに使うといい
ぞ」

氷魔「……すごいですね……」

錬金術師「こいつだけはなかなか頑張ったぞ。ま……前二つに比べればあまり量が用意できなかったから、慎重に使ってくれたまえ」
73 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 03:32:36.27 ID:EpLppwK2o
本日はここまでです
ありがとうございました
74 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 20:34:45.55 ID:EpLppwK2o
すみません遅れました


やる気「そっすね、大事にするっすよ」

錬金術師「正直前者二つはあっという間にできたが、こいつはさっきまで作業していたよ」


それから一行は錬金術師に感謝を述べ、
ギルドハウスに帰ることにした


中華「魔翌力を持った生物の肉を食わせなきゃいけないんだよね?僕、買ってくるよ」

ぶりっ子「みんなでいかないんですかぁ?」

中華「普通の店じゃなくて問屋だから。大所帯で行っても迷惑だからね」
75 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 20:45:33.59 ID:EpLppwK2o
一行は中華と別れ、ギルドハウスに帰ってきた


ぶりっ子「という訳で、私があなたの部屋まで案内しますよ!」

司書コピー「……あ、はい」


ぶりっ子はぐいぐいと手を引き、
屋敷の奥へと彼女を連れていった


怪盗「気合入ってますねー」

狙撃少女「なにかあるんですかね?」


>>下1……何しよう?
1.氷魔の部屋を訪ねる
2.やる気の部屋を訪ねる
3.ぶりっ子の部屋を訪ねる
4.酪農少女の部屋を訪ねる
5.怪盗の部屋を訪ねる
6.狙撃少女の部屋を訪ねる
7.司書コピーの部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/10(木) 21:11:56.81 ID:hWG6oQaDO
7
77 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 01:13:59.41 ID:o8jIdc8Do
男「ぶりっ子ー?」


屋敷の奥に進みながら呼び掛ける
すると、なぜか後ろから彼女は現れた


ぶりっ子「なんですかぁ?」

男「うわっ!どっから来た!?」

ぶりっ子「ここ、入り組んでるんでぇ、多分男さんが迷ってたんだと思いますよぉ」

男「そうか?……でさ、司書のコピーはどこの部屋にいるんだ?」

ぶりっ子「あー、一つ前の曲がれるとこ曲がって三番目の右側ですぅ」

男「分かった。ありがとう」
78 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 02:41:13.23 ID:o8jIdc8Do
それから男は司書コピーがいる部屋までやってきた
どうやらドアは開けっ放しのようだ


司書コピー「……なんですか」

男「いや……様子見に来ただけだけど」

司書コピー「そうですか」


彼女は最低限の家具が置かれた部屋の、
ベッドの上で体育座りをしている


男「しかし、ドアが開いていて助かったよ」
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