やる夫が正史を書くようです５９

Check Tweet

56 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:07:04.53 ID:9kJKVzmJ0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　檄文の内容自体は、
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　祖約と蘇峻の悪業を非難し、陶侃の下で国の恥を雪ごうというものだ。
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　興味深いのは、温嶠が檄文で挙げた故事である
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-=-　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -,へ─‐-　 .　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : : :/: :,: ヾ : : : : : :〈{ ‐-x=- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -=≦: : : /: : :/: : /: : : : , : : : : : :ヽ: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,.　イ: : :/: : :/: : /: : /: /:ｨ,,ﾍ:ﾟ｡: : :}: : : :ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　　　ｰ=≦ : :/: : :/＼/ : :/: /:/:|"ﾞﾞ}i:}ﾆﾆ}: : 「ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ≠: :/ : : ｨ＝ミヽ/: /:/: :|　_}l:}ﾆﾆ}: : :}
　　　董卓が乱を起こして　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /ｲ: /.: :〃んハ 厶ｲ:/ィ斗､从: : :': : :ｲ
　　　忠良を虐殺した時、関東の州郡は互いに同盟を結びました　　　　./ｲ: :ｨ⌒ 乂rｿ　　ﾉ' んﾊ �Y: : ｨ j{: :{.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 　 　.}イj '〈　　　　　 ,　乂:ｿ ｲ: :/ }八: ゝ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 ﾉｲ`杁 　 　 ,....,　　_ ムイ==-　､.:.:.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉｲ丶　 ‘　′　　ィ=- . . . . . .}.:.:　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //. . . .}=≧=-＜ﾆ{　 　 　 ヾ≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ {　 :.　

57 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:07:59.52 ID:9kJKVzmJ0

【なつかしのあの人】






　　　　／ | : : : : |: : : |: : : :‘。: : : : ::::::::::::} 　 　 　 ＼: : : : ::::j|: : : : : ::::::l:::::: : :|::::::＼::::::::::::
　　 ／　　| : : : : |: : : |Ｖ: : : ‘｡.: : : ::::::::::::|　　　　　,.　＼: :..:::j|: : : : : ::::::|::::::::.:.|::::::::::::＼::::::
　　　　 　 | :|..: : :|: : : | ∨: : : ‘。: : :::::::::::　　　　／ 　 __,＼ :j|＼: : : ::::::|:::::::::::|:::::::::::::i::::＼
　　　　 　 | :|..: : :|: : : |　 Ｖ : : : ‘。: ::::::::::|　　／　,，芹芋｢}｝j|　 ∨ :::::::|:::::::::::|--.､ :::|:::::::::
　　　　 　 | :| : :.∧:.:..:|　　∨: : : :‘。 ::::::::|_／　／ r彳；}/| ﾊj| 　 ‘: ::::::ﾊ::ﾊ :::l 　 ‘,:::|:::::::::
.　　 　 　 ,:..:| : : : ‘: : |　 　 Ｖ: : : : ‘｡ ::::::|´　./　　∨乂/ﾉ,　ﾘ 　　|::::::::| ||　�Y＼　|:::|:::::::::
　　　　　/: :.| : : : ::‘,:ﾊ.≧=-.＼{＼: : ＼ | 　　　− ´￣￣　　　　│::::::| ||　 }:|　 ｝.|:::|:::::::::
　 　 　 /∧: : : : : ::::|�E{レ示苅＼ ＼:.: {＼　　 　 　 　 　 　 　 　 l:::::: 　||　 |:|　　 }:::|:::::::::
.　　　 //　‘｡: : : : :::|　リ、　寸i| 　 　 ＼｝　＼　　　　　　　　　 　 |::::, ’ ﾘ∠|ﾘノ／::::::::::::::
　　　/ｲ　 　 ＼: : : ::＼ 　　¨¨´　　　　　　　　　　　　　＿__________|::/　　　　 ／::::::::::::::::::::
　　　　　　　 　 | ﾄ : :::::ﾊ　　　　 /　　　　　　　　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-￣:::::::::::::::::::/.l:::/
　　　　　　　 　 | | ‘｡: :| :. 　　　 `　　 　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- ::::/　|/
　　　　　　　 　 リ　 ∨|　:. 　　　　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　　　　　　　 　　 :. 　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　　　　　　　　　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 |　　 広陵郡功曹の臧洪は郡の小吏でありながら、その怒りと嘆きで群衆を励ましました　　|
　　　　 　 　 　 　 　 く ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　 　 　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　広陵郡功曹　臧洪

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　申包胥・藺相如と並べて、あの臧洪の名前を出しているのだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

58 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:09:24.65 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　　　　　　三公に居て地方の州に拠り、
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　　.爵位を授かって国家から恩を受けた私たちが！
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　　　　　一堂に会さず、謀を同じくしない事が有り得るのでしょうか！！
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 , ＜´::::::::ヽ- ‐-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 --=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 /:: ,': : ／i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /i::: {:: /.　 '::::::::{::::ﾊ_|ゝ::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 {: : i..,' ￣ ':::::::i!::,'. ヾ￣ヽ::::::',::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 |',:: ',{====＼ {｀=====. i::::::::}/
　　　　　　　　当時の方が臧洪の知名度はあったと思われる　　　　　　 　 　. �Y　|;;;;;;|　 ｀ 　|;;;;;;|　 |::: : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 　 　 i　｀"´　 　 　｀"´　 i:: : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 　 　 ｀i＞　　＿＿　　＜|:: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ｌ/／: :ヽ＝/: :＼/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 ﾍ｀ﾞ＜ヽ/＞彳/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 ﾍ. ⊂只⊃　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 }　〃 ヾ　 {

59 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:10:45.43 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年春　晋　荊州　江陵】

　　　　　 , '´￣￣｀ ｰ ､
　　　 ／: : : r‐r==========、
　　 /: : /├l‐１―‐――‐―.|
　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二｣
　 　{ :/:/ /ゝﾉｲ ﾉ　l/ ―　ｌ :}
　　| :ﾚ　|　　 ● 　　　● ｌ :|　　　　　　 先頃温嶠様は檄文を出しましたが、
　　|: i: （|.⊂⊃　､_,､_,　⊂l:/　　　　　　 .遠近の人々は陶侃将軍の出陣に半信半疑ですと使者Aは伝えます
　　} 　: :ゝ　　　 　　 　　.ﾙ|
　,.ｲ/ｲ:}从ヽ,､　　__,　イ从/
　　 ,.＜ ﾞｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ＞、　
　　｛_ ,._;ﾋ}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.};__ ｝　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 /i:i:i/i:i:/i:i:i:i:ｉ:ｉ{i:i:i:{ﾊW}i:i:i}i:i:i:i:i:Vi:i:i:ヽi:i:i:Vi:i:i:i:>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 　 'i:i:i/i:i:i:'i:i:i:i:i:i:i:{i:i:i:{　　}i:i:i}i:i:i:i:i:ｉ:Vi:i:i:i:Vi:i:iVi:i:i:i:i}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |i:i/i:i:i:ｉ{i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉVi:i:'， /i:ｉ/i:i:i:i:ｨi:i:}i:i:i:i:i:ivi:i:i:Vi:i:ｉ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚ'|i:i:i:i:i{i:i:i:i:i:ｉ/i:i|Vi:i:Vi:i:/}i:ｉ:ｉ/ }i:i:}i:i:i:i:i:i:ivi:ｉ:ｉ}i:�W
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i/i:i:Vi:i:i:厶斗 Vi:i:ｉ:/`ﾄi:/- }i:i:}i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:}i:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 �Wi:i:i:i:Vi:/　�Y　 〉i:〈　 }/ 　 �W}i:i:i:i:i:i:i:}i:i:∧{
　　　　　　　それでこの手紙か。　　　　　　　　　　　　　　　　　　}vi:i:i:i:iVT:::::::::T/∧i:〉T::::::::::Ｔ }i:i:i:i:i:i:/i:∧　'，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}i:Vi:i:ｉ:i{ 乂__.ノ　　 　 乂___ノ ﾉｨi:i:i:i:/i/i:i∧ ∧
　　　　　　　温嶠殿は用心深い御方やな　　　　　　　　　　　　　}i:i:Vi:i:i:ゝ　 　 　 　 　 　 　 　 /i:i:i:i/Yi:i:i:i:i∧__〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}i:i:i:Vi圦　　 　 　 　 　 　 　 ノｨi:i:i/ノi:i:i:i:i:ｉ:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ε- }i:i:i:i:�Y介: .　 　 　 t:::::ｧ　ｨ /i:i:/∧i:i:i:i:i:i:i:i:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i{ ≧=-　　　＜{ 厶ｨi/　 Vi:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,:i:i:i:i:i:∧i:i:i| 　 _,「ﾆﾊ　　 ／ﾆj/>､　 Vi:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i:i:i:i:i:/　 vi:|ィｉ〔ﾆﾆ{ ﾉ　／ﾆ／ニニ>､∨i:i:i:i:i:ｉ∧

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 一方で、温嶠は再度陶侃へ手紙を送っている。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　直近の状況を伝えると共に、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　人々が陶侃の出陣を望んでいるとして激励する内容だ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　召集させた兵を帰還させないよう念押ししていたりもするが
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

60 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:11:57.65 ID:9kJKVzmJ0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　　その時歴史が動いた　　　　　.|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　 　　 ＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　 　 　 　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　 ヾN ゞｿ 　　 ゞｿ//　　　　　　　　　　　　　　　そして、本日のその時がやってくる
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　 イ |::::::::|　
　　　　　　　　　　　 | |　 　　 ＞-､＼!　 !／::,-＜　
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　 ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　 　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 ヽﾆj　} 　＼:／ ＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 〈:| |Ｖ　 　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　 ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　 　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　 　 |::::::::::::::::::/　 /　 　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　 　 　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

61 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:13:39.74 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年５月　晋　江州　盧江郡】


　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　　　〜〜〜
　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　〜〜〜〜
　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　〜〜〜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　 長江上流より大軍が！！　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜〜〜〜　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　　　　　　　　　　　　　　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　
　　　　　　　　　　　　　　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜

62 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:14:51.69 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年５月　晋　江州　尋陽】

　　　　　　　　　　,..::::⌒ヽ:::Y'r､::::∧:::::::::::ヽ:::､:.､_〉:::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 ／::,..::::::::∧::::::{::::M:::|::|::}:::::|:|::::ヽ::}/､-､:::::::::::::＼
　　　　　　　 /イ:/:/:::::/:::: ,|:::|:::::､　}::|ム斗}::::::::∨_}::::｀ヽ､､:::::::::＼＿＿＿＿＿,..イ
　　　　 　 　 ／/:/:::::/:::'::/:|:::ﾄ､:::∨::}从ｨtｫﾐ�Y:::�Y'.::::::::::::｀＼::.. ｀ ¨¨　 ―　¨¨´
　　　　　　イ:::::{/:':::::,|::::|::|-{-ﾄ､'､:::∨,ｲ_)刈 }l:::,::::l:|　 、:::::::::::::::::＼､　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　／,::::/::::|:::/:{::::{::| ｨ_ﾌ芹 〉､::､弋zｿ /:::::,::}'　　＼::::::::::::::::::::::＼　　 　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　 ／イ::::::{::::::{/{∧从::､弋zﾘ/:ｲ ｀＼　 /ｲ:::::}:l　　　　 ､:::::::::::::::::|/|:.､　 　　）　　　申し上げます！ 　　（
　　　　／:::::::::::::::从 |/|＼}｀＼ ´　｀　__　 　 /:::::从　　　 　 ＼:::::::::::|/|::::＼￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　 ／:::::::::::::::::／　 |/八::::込､ 　　´　　　 ｲ{:::/　　　　　　　　　､::::j/,'::::::::::　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　／:::::::::::::::::／　　 //　 ＼::从＞　　_,..イ-､l:/　 　 　 　 　 　 　 ∨/::::::::::::::::::＼
´:::::::::::::::::::,: 　　　 //　　　 }＼}//{⌒∨ //() 〉　　　　　 　 　 　 //::::､::::::::::::::::::::　　　　　　私が庾亮殿を殺すて？
:::::::::::::::::::/　　 　,ｲ/　　　 　｢ }/() 〉〉/　{ {//＼　　　　 　 　 　 // }::::::＼:::::::::::::::
:::::::::::::, 　 　 　 / /　 ,. -―ﾏ､()／ｲ: :､:|/＼/()/}ー--､　　 　 r　}　l:::::| 　＼:::::::::
::::::::::/　　　　 / /　 /　　 　 } }イ: : :／＿｀ヽ､: : :､}}　　 :.　　　{ /　 !::::{　　 　 ､:::　 ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
:::::::/　　　　　{ 〈 　 {　　　　 |/イ__/(_)＿＿_()__＞､ヾ. 　}　 　 /　 /:::ｲ 　 　 　 　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
::::, 　 　 　 　 |　〉　∧ 　 　 ｢イ: {__ノ: : : 〉==〈､: :.　}: ::.　ﾄ、　　 ／　　　　　　　　　＜　　陶侃将軍御到着ッ！！　 ＞
::/　　　　　　 ∨　 { /----､:人: |　{: : : :{{ 　 ､}}: |　| : 八-〉　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
'　　　　　　　　　 〈イ---､/∧: :＼　､: イ:ヽ　 ｢l:＞ {イ//∧　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　 }:/ノ/ �Y　 ,: : : ｀T　}: : ||　 ﾏ,::.　}ﾊ:.:.:､∧
　　　　　　　　　　 j'//／:.,　　 ､: : : :|　,: : ,'j　　ﾏ: :. ﾏ:|､:.:.､∧
　　　　　　　　　　 |//:.:.,.ｲ　　　}: : : j　{: //　　　ﾏ､　}r､//＼:
　　　　　　　　　　 |/:.:// |　　　|￣ol} )://　　 　　ﾏ､ (_ }///∧
　　　　 　 　 　 　 ,':.:ｲ//l{　　__j＿,..ノ://、　　{!　　ヽ､:}-〈///∧
　　　　　　　　　 ////// |　///　// ／} }-, ￣￣｀ヽ ＼､}////∧

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 五月。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃の軍勢が尋陽へ到着。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .以下しばらくの間、
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　尋陽に会した陶侃・庾亮・温嶠の様子を紹介する
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

63 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/08/16(水) 22:16:20.03 ID:v1qmuwKh0

子供に対しての喪って期間はどれくらいなんだろう。

64 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:16:28.18 ID:9kJKVzmJ0

. 　　∩_＿＿_∩゜.:+＿＿_∩:　:.+
ﾜｸ.　| ノ 　　 　　ヽノ　　 　　ヽ+.:
:.ﾜｸ/　　●　　 ● | ●　　 ● | ｸﾏ　　　　　　　 .どうもそういう噂が流れているクマ。
　　ミ 　''　( _●_)''ミ''　( _●_)''ミ　ｸﾏ
.　/ 　.＿　 |_/__ノヽ__　 |_/__ノヽ　　　　　　　　　 読者の皆様も期待してそうですし、ここは一思いにザクッと
　-(＿＿_.)─(＿＿)__.)─(＿＿)─




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　,..::::⌒ヽ:::Y'r､::::∧:::::::::::ヽ:::､:.､_〉:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 ／::,..::::::::∧::::::{::::M:::|::|::}:::::|:|::::ヽ::}/､-､:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 /イ:/:/:::::/:::: ,|:::|:::::､　}::|ム斗}::::::::∨_}::::｀ヽ､､:::::::::＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 ／/:/:::::/:::'::/:|:::ﾄ､:::∨::}从ｨtｫﾐ�Y:::�Y'.::::::::::::｀＼::.. ｀ ¨¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　イ:::::{/:':::::,|::::|::|-{-ﾄ､'､:::∨,ｲ_)刈 }l:::,::::l:|　 、:::::::::::::::::＼､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　／,::::/::::|:::/:{::::{::| ｨ_ﾌ芹 〉､::､弋zｿ /:::::,::}'　　＼::::::::::::::::::::::＼
　　　そんなん言われても、　　　　　　　　　　　　　　 .／イ::::::{::::::{/{∧从::､弋zﾘ/:ｲ ｀＼　 /ｲ:::::}:l　　　　 ､:::::::::::::::::|/|
　　　今まで面識なかった相手やしな。　　　　　　　　 .／:::::::::::::::从 |/|＼}｀＼ ´　｀　__　 　 /:::::从　　　 　 ＼:::::::::::|/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:::::::::::::::::／　 |/八::::込､ 　　´　　　 ｲ{:::/　　　　　　　　　､::::j/,':
　　　会ってみて決めよか　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::／　　 //　 ＼::从＞　　_,..イ-､l:/　 　 　 　 　 　 　 ∨/:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::,: 　　　 //　　　 }＼}//{⌒∨ //() 〉　　　　　 　 　 　 //::::､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::/　　 　,ｲ/　　　 　｢ }/() 〉〉/　{ {//＼　　　　 　 　 　 // }::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::, 　 　 　 / /　 ,. -―ﾏ､()／ｲ: :､:|/＼/()/}ー--､　　 　 r　}　l:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::/　　　　 / /　 /　　 　 } }イ: : :／＿｀ヽ､: : :､}}　　 :.　　　{ /　 !::::

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .『晋書』『庾亮伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.陶侃が尋陽へ到ると、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　　人々は彼が天下に謝罪するため、庾亮の誅殺を欲していると言い合った
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

65 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:19:03.63 ID:9kJKVzmJ0

　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.　 ''"~￣￣~"''〜 .._
　　　　　　　　　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
　　　　　|＼. 　 　 ＿　 ´::::::::::::::::::::::::: ,.　'´::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　|二＼　 〈＼｀ヽ､ ::::::::::::::::: ／:::::::::::::::::::::: ／ :::::::: ＼
‐- ..._|＼|二二＼∧　＼. ＼:::::::::::::´::::::::::::::::::::::／..::::::::::::/.::: ｀
ﾆﾆニ｀ニ＼二二二l:,　　＼〈＼ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ﾆニニニニニ二二ｌ:::::,　　　 ∨＼:::::::::::::::::::/.: ／..::::／|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::,　　　 ∨/＼:::::::::::/／..::::∠._　|::|::::::::: /
ニニニニニ二二ｌ::::::::::::::.　　　|∨'‐--‐''"´:::::／　　 ｀'ト|::::::::/|
ﾆニニニニ二二ｌ:::::::::::::::..＼　 |: ＼:::::::::::,,.　'´＼＼　 八| :: /: |
ﾆﾆニニニ二二ｌ::::::::::::::::::::::::｀¨|::::::::｀¨¨´|　　　　＼>'′ﾉ／..:: |　　　　　　陶侃将軍、お初にお目にかかる。
ニニニニ二二ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　 　 　 ｛／..:::: |
ﾆニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ＼ ::::: |　　　　　 .中書令・護軍将軍の庾亮、字を元規という。
-=ﾆ.._|＼ﾆニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ／ ::::: |
.ﾆニニ二＼|＼ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　 ‐ -　／..::::::::::::|　　　　　 .私が引き起こした乱の鎮圧に
ﾆﾆニニニ二二＼|＼::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 　 　 　 ／:::::::::::::::::: |　　　　　 .荊州より御足労頂き、誠に申し訳なく思う
ニニニニニニニニニ＼|＼::::::|::::::::::::::::: |｀'　.,,_／|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二＼|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ﾆ｀`〜､、ﾆﾆニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ﾆニニニニ二二｀`〜､、ﾆﾆニ.|::::::::::::::::: | :::::::: ､ﾆ二,　 /|::::::::::|
‐-=ﾆ..._ﾆﾆニニ二二二｀ヽ､二|::::::::::::::::: | :: ／-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,＞-=ニニニ二二二＼|::::::::::::::::: |二＼ニニ二二|::::::::::|
二二 /　 　 ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |＼　 ＼ニニ二|::::::::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 庾亮はこれを非常に恐れていたため、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃に会うなり、咎を引き起こしたのは自分に責任があると切り出した。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .容姿が美しいと評された彼の事、堂々とした立居振舞いであったらしい
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

66 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:19:52.46 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼
　　　 ...::i:¨¨i:ヽ　__　　 ----　　>〉へ
　__／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:「」:i:i:ｉ:⌒:i/^i:i:iﾍ⌒＼i:i:＼
⌒^7:i:i:i:i:i:i:i:i://i:ｉ:ｉ/:ｉ:/i:':i:i:iﾊi:i:ｉ:i:i:i:i:丶i:ｉ:＼
__,ノi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ〈/:ｉ:ｉ:/ｉ:/{i:i{:i:i:{　}i:i}i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼
⌒7:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ':i:ｉ:ｉ:'ｉ:/`ﾒ､{i:i:i{　}/}斗}i:i:i:i}i:i:i}i:i:i:i:i:､
　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{i:i:i:i{笊示�_:i:i:Vｨぅ示}/:i:i:i:i:i:i:i个⌒＼
/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/{ｉ:i:i八乂ツ　乂:〉ﾋﾂﾒ/:i:i:i:i:i/i:i:八　　
:i:i:i:i:i:/i:i:ｉ:/八i:i:i:ｉ乂　　 　 '　 ⌒7:i:i:/}/i:i:i:i:i:i/,
i:i:i:ｉ:/i:i:ｉ:/ ⌒ハ:ｉ:込、　 - -　　ｲ:i:i/i人i:i:i:i:i:i:i:/,
:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/　　/i:∧{⌒ }iト　_　ィ_ /イi/　 '，:i:i:i:i:i:i/,
:i:i:i:i:i:iｲ　　 {i/⌒ 「￣ﾆ「ﾊV^{ﾆﾊ }/　 /∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:i:i/i{　 　 }　_rく　/ﾆﾉ<ニ>Vﾆ{/　　　/∧i:i:i:i:i:i:i:/,　 　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
i:i:i:ｉ'{i八,　¨¨¨⌒}ﾆ>､_{ﾆ=-=ﾆ＼>ヘ -ミ /∧i:i:i:i:i:i:i/, 　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
i:i:/八ｉ:7　　　　 ﾘ/-=ﾆﾆ乂_＿ﾉニ=-ヽ　V/∧i:i:i:i:i:i:/,　 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

67 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:22:10.03 ID:9kJKVzmJ0

　　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i/i:i:/i:i:/i/i:i:i:/ﾊi:i:}i:i:i:i:i:i:i:Vi:i:i:i:<i:i:i:＼
　　/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ィ⌒ 7i:i:i:/i:i:i'i:i:i/iｌi{:i:ｉ:ｉ{　 }i:i}i:i:i:i:i:i:i:i:V:i:i:i:i:iVi:i:i:i＼
　 'i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ 　 　 {i:i:i:ｉ:i:i:i{i:ｉ/{i:|iV:i:i:'， }i:i}ｨﾊi:i:i:i:i:i:}:i:i:i:i:i:i}^ ⌒ )}　　　　　　.征西将軍の陶侃や。
　{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{　　　　i:i:i:i{i:i:i:�Wハﾄ､Vi:i:iVi:/斗<Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i,i:i:i:i:i:i:i≧s｡
　i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>､　 　 vi:i{i:i:i:i{ｲ灯た�_i:i:i/ｨ示ﾐ }i:i:i:i:'i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　　　　何か思ってたのと違うな。
　 vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　Vi:i:i:八乂ツ　　X､ ﾋﾂ　ﾒi:i:i/i:/i/}/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
　　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧s｡Vi:i:i:<⌒　　 / i^ヽ　ノｨi:i:/i:/i/⌒≧s｡i:i:i:i:i:i:i:i:i:　　　 .今まで庾亮殿の事は、
　　　 丶i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:r<Vi:i:丶　　、　,　 　 ｲi:/i:/}/　　　　⌒≧s｡､i:i　　　 .石頭の老子もどきやと思っとった
　　　　　　≧s｡i:i:i:i:i:i:i:i:i:ノ　 >､i:i:i:i＞ 　_　＜_　}/j/　 　
　　　　　　 ⌒>､i:／￣丶　　 ＼≧s｡ﾆ{: :__ 斗/　　　　
　　　　　　　　｡o≦　　　　 V　　 } }:::::{^Y^}::､ {_　　　　 　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　　　　 o≦＜//>､　　　　　v､∠::::::::::}/{/{:::::＼ ｱ>､　 　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃は不覚にも釈然として庾亮へ言った
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

68 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:24:43.80 ID:9kJKVzmJ0

.　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.　 ''"~￣￣~"''〜 .._
　　　　　　　　　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
　　　　　|＼. 　 　 ＿　 ´::::::::::::::::::::::::: ,.　'´::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　|二＼　 〈＼｀ヽ､ ::::::::::::::::: ／:::::::::::::::::::::: γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
‐- ..._|＼|二二＼∧　＼. ＼:::::::::::::´::::::::::::::::::::::／.|　 　平南将軍の温嶠です　　 |
ﾆﾆニ｀ニ＼二二二l:,　　＼〈＼ /:::::::::::::::::::::::::´::::::ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
ﾆニニニニニ二二ｌ:::::,　　　 ∨＼:::::::::::::::::::/.: ／..::::／|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::,　　　 ∨/＼:::::::::::/／..::::∠._　|::|::::::::: /
ニニニニニ二二ｌ::::::::::::::.　　　|∨'‐--‐''"´:::::／　　 ｀'ト|::::::::/|
ﾆニニニニ二二ｌ:::::::::::::::..＼　 |: ＼:::::::::::,,.　'´＼＼　 八| :: /: |
ﾆﾆニニニ二二ｌ::::::::::::::::::::::::｀¨|::::::::｀¨¨´|　　　　＼>'′ﾉ／..:: |
ニニニニ二二ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　 　 　 ｛／..:::: |
ﾆニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ＼ ::::: |　　　　　　　　　　　光栄だ
-=ﾆ.._|＼ﾆニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　 ､_　 　 　 ／ ::::: |
.ﾆニニ二＼|＼ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　＼_,> ／..::::::::::::|
ﾆﾆニニニ二二＼|＼::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 　 　 　 ／:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ＼|＼::::::|::::::::::::::::: |｀'　.,,_／|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二＼|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
二二二ﾆ｀`〜､、ﾆﾆニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |　　|　 宴の席を用意したので、話の続きはそちらで　　|
ﾆニニニニ二二｀`〜､、ﾆﾆニ.|::::::::::::::::: | :::::::: ､ﾆ二,　 /|::::::::::|　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
‐-=ﾆ..._ﾆﾆニニ二二二｀ヽ､二|::::::::::::::::: | :: ／-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,＞-=ニニニ二二二＼|::::::::::::::::: |二＼ニニ二二|::::::::::|
二二 /　 　 ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |＼　 ＼ニニ二|::::::::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .何事も掴みが肝心というが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　庾亮はその容姿と振舞いで陶侃.へ良い印象を植え付けた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　　何故これを蘇峻にできなかったのかと思わなくもない
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

69 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:26:03.64 ID:9kJKVzmJ0

【>>68修正】

.　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.　 ''"~￣￣~"''〜 .._
　　　　　　　　　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
　　　　　|＼. 　 　 ＿　 ´::::::::::::::::::::::::: ,.　'´::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　|二＼　 〈＼｀ヽ､ ::::::::::::::::: ／:::::::::::::::::::::: γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
‐- ..._|＼|二二＼∧　＼. ＼:::::::::::::´::::::::::::::::::::::／.|　 　平南将軍の温嶠です　　 |
ﾆﾆニ｀ニ＼二二二l:,　　＼〈＼ /:::::::::::::::::::::::::´::::::ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
ﾆニニニニニ二二ｌ:::::,　　　 ∨＼:::::::::::::::::::/.: ／..::::／|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::,　　　 ∨/＼:::::::::::/／..::::∠._　|::|::::::::: /
ニニニニニ二二ｌ::::::::::::::.　　　|∨'‐--‐''"´:::::／　　 ｀'ト|::::::::/|
ﾆニニニニ二二ｌ:::::::::::::::..＼　 |: ＼:::::::::::,,.　'´＼＼　 八| :: /: |
ﾆﾆニニニ二二ｌ::::::::::::::::::::::::｀¨|::::::::｀¨¨´|　　　　＼>'′ﾉ／..:: |
ニニニニ二二ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　 　 　 ｛／..:::: |
ﾆニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ＼ ::::: |　　　　　　　　　　　光栄だ
-=ﾆ.._|＼ﾆニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　 ､_　 　 　 ／ ::::: |
.ﾆニニ二＼|＼ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　＼_,> ／..::::::::::::|
ﾆﾆニニニ二二＼|＼::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 　 　 　 ／:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ＼|＼::::::|::::::::::::::::: |｀'　.,,_／|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二＼|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
二二二ﾆ｀`〜､、ﾆﾆニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |　　|　　宴の席を用意したので、話の続きはそちらで　　|
ﾆニニニニ二二｀`〜､、ﾆﾆニ.|::::::::::::::::: | :::::::: ､ﾆ二,　 /|::::::::::|　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
‐-=ﾆ..._ﾆﾆニニ二二二｀ヽ､二|::::::::::::::::: | :: ／-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,＞-=ニニニ二二二＼|::::::::::::::::: |二＼ニニ二二|::::::::::|
二二 /　 　 ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |＼　 ＼ニニ二|::::::::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .何事も掴みが肝心というが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　庾亮はその容姿と振舞いで陶侃.へ良い印象を植え付けた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　　何故これを蘇峻にできなかったのかと思わなくもない
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

70 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/08/16(水) 22:27:51.78 ID:RgMNCz1p0

陶侃「ウホッ！いい男・・・」

71 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:28:01.63 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ﾊハ: :､: : ∨: :､:｀ヽ}
　 　 　 /: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:|　　 ﾏ: {／ﾊ: : |: : :'，
　　　　;: :/＿_/: : :/: : |: : : : i: |　 　 |: :∨ﾆ:!: :|:'，: '，
　　　 i: :'-≠j!_: :/---!､: : :/: |　⌒ |: : |:{:.:.|ﾏ:!: !ヽ:|
　　　 {/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /}　＿_|: /: |: :|_}:|: |　 |
　　 ,ィ : |: : :.j!:/zｨテ斥{: /{:// ｲｨﾊ }/: : |: :|: ＼_,
　／:/:./|: : /|圦 ら::刈 /　'　　 ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´　　　　　　　　陶侃将軍の到着を祝して！
　￣{:ｲ/}:.:/: |: ト弋こｿ　　　 　 ﾋzｿ /:ｨ/|:./
　　/ //:./{: :|:乂　　　　　 ＿｀　　　 八i |/
　　　 /:ｲ　�Y:}:/:込、　　｢　∨　　 ｲ:ｲ//
　　　　 　 　 /'{://�Y＞　｀ ´　＜:.:.|/
　　　　　　　　ｨ:.＼二ミヽ､￣{/!:.:.:.:.|
　　　　　　／-- ､:.:.:.:.:.＼/＼|iﾉ:.:.:.:.{　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐＝=､､
　　　 　 / //∧//ヽ:,:.:.:.:｀￣ヽ:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ,. =＝=､､　ｏ 　 ○o. 　i 　　 　　 :::ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,/ 　 　 　｀ヾ´´`ヽ、　ﾟ　.ｌ 　 　　 　:::ﾄ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // 　　　　 .::::/　　:::::!=＝=l　　　　　 :::|ｽ.　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 　 /./ 　 　 　 .::::/　　 ::::l　　　 |　 __ ..... _::::|} ヽ l-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 　 ,ｨｸ ,'..__ 　　　.::::/ 　　 ::::l　　　 :l '´　　　　｀)'｀ヽ ヾ;＼
　　　　　　　　　カンパーイ！　　　　　　　　　　　　 .／::{ﾞ　ヽ、 ｀`丶､;/‐‐- ､::::l　　 　 `'::┬‐--＜_ 　 } ./;:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::!　　 ,＞---‐'ﾞｰ- ...__)ｲ　,.　-‐‐-､ﾄ､　　 |l::ヽ ／;';';';';::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 ／|::::::;';';'＼／｝　（ヽ、　　_/| 　 (´　　　 _,.ｨ!::ヽ. 　ヾｰ'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ ,ﾉ:::;';';';';';';';';'/　 /ヽ､二ﾆ-ｲ　　 ヾT　¨´ ,/;';';::`、.　＼';';';';';';';';';';〈::...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　 i::;';';';';';';';';';'/　,ｲ.:::::::::::::::::: !　　 　ヽ`ｰ‐'";';';';';';';ヽ　　 ＼';';';';';';';';';!:::::

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　その日は終日談宴となった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

72 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:31:16.11 ID:9kJKVzmJ0

　　　 /:i:i:i:i:i:'i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:{i:i:i:i:ﾊvi:i:i:i:}i:}i:i:ｉ:}i:i:i:i:i:vi:i:i:i:i:>､
　　／ 7i:i:i:i:|i:i:i:i:i:i:i:i:ｨi:i:i:iVi:i::{　}i:i:i/i:i:}i:i:ｉ:}i:i:i:i:i:i}i:i:i:i:i:i{⌒
.　　　 /i/i:ｉ:ｉ|i:i:i:i:i:i:i:斗ｉ-r‐vi:i{　}i:ｉﾊ‐ｉｫ-:/}i:i:i:i:i:i}i:i:i:i:i:i{
　　　/ｲi:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:i:ﾊi:i:{/ Vi:iVi:/　V }/　}i:i:i:i:i:ﾊi:i:i:i:i:{
　　 　 }i:i:i:ｉ:从{i:i:i:i:iv　�Y　　〉i:i〈　　 /　　}i:i:i:i:i}　Vi:i;i;{　　　　　　　　　庾亮殿。
　　 　 }i:i:i:i:i:i:i:{i:i�Yi{ =＝＝/∧i:〉 ＝＝=/i:i:i:i:iﾊ　 vi:ｉ{
　　 　 }i:i:i:i:i:i:i:{i:i:i:乂_, ,　　　　　　　　 , ,/ィi:i:ｉ:/ｉ:'， }i:ｉ{　　　　　　　　　ニラの白い所が残っとるけど
　　 　 }i:i:i:i:i:i:i八i:i圦⌒　　　　　 　 　 　 /i:i:i:/i:i:i:}　}i:ｉ{
　　 　 }i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊi:i:i＞ ─ゝ --- 'ー ＜i:i:i:ｲi:i:i:i:iL/i:ｉ{
　　 　 }i:i:i:i:i:i:i:i:＞.:.:.:.､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ vi:i:i:i:i:i:iｧr-､__
　_＿ /＿____<.:.:.:o:.:.:.:}､.:.:.:.:─＝＝＝─.:.:.:.:.:.>o｡__/ / / /¨i_＿
　￣ 7ｉ:￣￣i<_.:.:.:.:.:.:.:}/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ//////>〈_/ / ,ｲ_￣
　　 /i:i:i:i:i:i:i:/ﾆ≧s｡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｡o≦ﾆV///>'}ゝ'_¨^´ﾉﾆ}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::: ', ﾑ`:::､::.､　　,ｲ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 //:::|:::{::::::::}::| vﾑ ::::ヽ:ヽ '=ｌ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::|:{: |:::{:::: /:/　 vﾑ ::::: V:'.,ﾆ',　 ,ｨ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 {//ﾞ{VＶ{／}/'"　 i:vﾑ:::::::| :::',=},ｲ/______／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　//::{-､ヾ{　 ,ｨ'示ｱ|:: vﾑ::::|'''７7'''''〜 ､、二
　　　　　　　ああ、失礼。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　//::八rtｯ}　 ′~´　|::::::＼ﾞ＜ /_ ..｡s≦~二/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈〈ｉ::::::::{　く　　 　 　 |:::::::::: ｀¨´:::lニﾆ／ニﾆ
　　　　　　　これは種として残しておくつもりで　　　　　　　　　　.　　 　._　 　 ',|:::::从　　 　 ,　　 .|::::::::::::::|/{ :/{／ニニニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V≧ｓ｡| :::::: !＼　"´　 　 |::::::::::::::|={/二二ニニニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　V-二|:::::::::|:::|::＼_ ..｡s'"|::::::::::::::|ニニニﾆ∠L｣_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 V二|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ニニニﾆ＞''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　､--=≦ﾆﾆ|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ﾆﾆ＞'" v二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `＜ニﾆﾆ|:::::::::|k､ :|:::l:;ｲﾆﾆ,|::::::::::::::|'"　 　 　 Wﾆ.＞

73 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:31:54.22 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　 　 ':i:i:／／:i:i:i:i:/:i:i:i:/:i:ｉ{:i:V''V:i:ｉ}:i:i:i:i:i:iV:i:iV:i:i:i:i:i:i:/,
　　　　 　 /:i:i/イ:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:/i/i:ｉ{i:i:{　}:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:}:i:i:i:v:i:i:i:i:i:i:i/,
.　　　 　 /:i:i:i:i:i:|:i{:i:i:{:V:i:ｉ:ｉ{:i{/ }/{:i:i{　}:i:i八:i:i:i:i:i:}:i:i:i:ｉ}:i:i:i:i:i:i:i:i/,
　　　 　 ':i:i/:i:i:i:|:i{:i:i:{:ｉ|:i{:i:i{八⌒八i:V:i:i/⌒＼:i:/:i:i:i:i:}:i:i:i:i:i:i:i:i:i/,
　　　　/:i:/〉:i:i:i:|八:i:{:ｉ|:i{:i:i{　　　　∨:i/　　 　 V:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/,　　　　　庾亮殿はただ風流なだけやなくて、
　　 _ノ:i:/ ':i:i:i:i:i|:i:i:)八|:i{:i:i{ x＝ミ /i人 x＝ミ 八:i:i:八:i:i:i:i:i:i:i:i{＼/,_　　　　為政者の本質を兼ね備えてるんやな。
　　⌒¨´/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|八i:i乂, ,　 　 ,　　　, ,ノ :i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ{　 ｀⌒
　　　　 ':i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|⌒i:i从　　　　 　　　⌒7:i:i:i/}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:八　　　　　　まさに百聞は一見に如かず、や
　　　 /:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|　 }:i:i:个: .　)〜　　. :个/}/ ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/,
　　 ノ:i／ }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:|　八i:i{rへ}＞ ＜:{-- }/__　 {:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/,
　⌒¨´ 　 }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:八ﾆﾆ〈/八ﾉ　　　　V///ﾆ＼{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{＼/, _
　 　 　 　 }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 人／二>ﾍ⌒　 ⌒///-=ﾆﾆ}ﾍ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ´:/ ::::: |::::: ｀, ::::::::::::::: ｀ ::::::: ｀ /-|／ﾆﾆ二二二|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 /.::/.::::::::::|:::::::: }::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ニニニニ二二/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 | : {:::::::::::::| ::::: 八＼::::::::::::::::::::::::::::::,ニニニニ二／ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 |＼　 l :八:::::::::::|:::: /|/ ＼＼ :::::::::: ,::::::::::::,ﾆﾆニニ二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 |二＼l// |＼＼|／ ／　_..斗＼::::::::|_..､=-‐=ァ'´ニニ二／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼､、　 　 　 　 l＼　＼ﾆ./// |_..二.._　　 ／ゝ-ﾟｌ:＼｀'＜／ 　 ／ニニニニニニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ﾆ- .._　　　 ｌニ‐=ﾆ/// : |＼ゝ-ﾟ'　 　 　 　 ｌ::::::::￣|‐･''"´:::::,ニニニ二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ニニ=‐--lﾆﾆ-/／:::::::| :|'_　　〈　　　　　 l:::::::::::ｘ┴｀>'⌒＞.._ニ二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼二二二二ニニl :/.::| :|人　 　 __,ノ　　,.l::::::_厶-‐/￣:／￣｀`'＜(_..ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆ二二二二二二二二ｌ:/.::: | :|:::::::::...._　　　／ :| :/ ｘ─/ ::: /＼ ::::: l:: l: ∨//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 _..ﾆ=-─‐-=l/ ::::: |/| :::::::::::::｀ｉｰ'´::::::::|└':::::ｌ ｌ:::::: |Τ|｀､ :::: l:: l |'∠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 ＜//////////.::::::: //|..,,____,,../|∧ ::::::::l:::::::::::l'/ｌ::::: |│|/∧ ::::::l:: l'//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 ＞////＼/.::::::: //八　　　 |::|〈〉〉:／l:::::::::::ｌ//l:::: |-Ｖ//∧ :::::::l:: l

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　宴の席中、庾亮の心掛けを陶侃が称賛する一幕があった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

74 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:33:38.40 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　 　 　 　 '´ :::::::::::::::::::::::::..＼　　　∧/|
　　 　 　 　 　 　 ／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀,∧/-/-|／|
　　　　　　　 　 /.:::/.:: |::::::::|::|＼ :::::::::::::::::::.∨-/ﾆﾆ二|／|
　 　 　 　 　 　 ｌ :/{ :::::|::::::::|::|＼:＼:::::::::::::::::.∨二二二二|／|
　　　　　　　＿｣/八 :: | :: /|/ ／＼:＼:: _..　 -‐ァ 二二二二|
　　　　　 　 ＼〈/::::|＼|／ ／ｘfﾓ丈＼｀¨´／／ﾆ／(／/-二| ／　　　　陶侃将軍。
　 　 　 　 　 　 | :::::|丈心, 　 ´￣| :::::|::Τ‐''´ :／ ／ﾆ/／/／/
　 　 　 　 ＿＿| :::::|:::. 　 }　　 　 | :::::|::::|::::::／ﾆﾆニニニ/二/　　　　　 将軍は建康の戦で御子息を亡くされたとか。
　 　 ＿＿＼二| :::::|::::|＼　 -‐ 　| :::::|::::|／ニニニニニ/二/
　 　 ＼二二二| :::::|::::|::::|｀ト..._／| :::::|::::|ニニニニニニニﾆﾆ- ..._　　　 実は私も長男を蘇峻の兵に殺されてな
　 　 　 ＼二二| :::::|::::|::::|: |::::ﾉ==| :::::|::::|ニ二二二／l二二ﾆ-''"⌒
　 　 　 ／二二| :::::|::::|＼￣｀>ｰr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l＼|
　 　 　 ￣／二| :::::|::::|二＼∧ノ | :::::|::::|ニﾆ＜, 　｀,::::::::l
　 　 　 ∠二／| :::::|::::|二＜　 ＞| :::::|::::|＞''"~￣　 ｝ :::::::l　　　　　　 　 　 /i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:,ﾍi:,ﾍi:i:i:iVi:i:i:i:i:i:iVi:i:Vi:i:i:i<⌒
　 　 　 　 ／⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|'　　　　　 / :::::::::: l　　 　　　　　　':i:i:i:i:i/i:i:/i:i:i:i/:i:wvi:iVi:i:ｉvi:iVi:i:i:i:Vi:iVi:i:i:i:'，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ｉ:i:i:i:i:i:{i:i:i:{i:i:i:i:{i:ｉ:{　}i:ｉ:}i:i:i:i|i:i:i:Vi:i:i:i:Vi:}i:i:i:i:ｉ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 |i:i:i:i:i:i|i:i:i:{vi:i:i�Wi:Vi:i:i:}i:i:i:i|i:i:i:i:V:i:i:i:i}i:}i:i:i:ｉ:ｉ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ﾚ'|i:i:i:i|i:i:i:{ V斗 Vi:i:i:iハi:i:ｫ-ﾊi:i}i:i:ｉ:ｉ:}∧i:i:ｉ:ｉ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 　 　 　 |i:i:i:八i:i{　�Y 　Vi:〈　 }/ }/　vi:i:i:i:/Y　Vi:ｉ:|
　　　　　　　　　なんやて？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 Иi:i:i:i:i乂c=== ﾉ∧〉 ===ぅ /i:i:i:ｉ/ノﾊ　Vｉ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 �Wﾊi:i:i{　　　　　　　　　 ノｨi:i:i:/i:i:i:i∧　v|
　　　　　　　　　蘇峻ってのは本当に悪い奴やな　　　　　　　　　　　　　　 }ｉ:ｉ:∧人　　　r　〜'⌒ヽ　ﾉｨi:ﾊi:i:i:i:i:i∧__〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 }i:i:i:i:i:∨i≧s｡ゝ--_ ‐＜ ﾄ /}/ﾆ>､:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　,:i:i:i:i:i:i:i:ﾊi:i:ﾚ'ﾆニﾆハ 　／ﾆﾆ/ﾆﾆ'，i:i:i:i:i∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i/　�Yﾆニニ{　／ﾆﾆ／ﾆニﾆ∧i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i/　/ニ>､ﾆニﾚ'ﾆニ／ﾆニ7ﾆニ∧i:i:i:i:i:∧

75 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:34:38.75 ID:9kJKVzmJ0

: ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
: : : 丶-----　、　　 　 　 　 　 　 __ /`Y´ }＿　　　　　　　　　　　 　,　＜
::::::::::::::::: : : : : : :ヽ-‐ ､＿＿,　 ヘ　_,＞ >〃　 ｀丶、　　　　　 _　＜
--‐=ﾆ"´: : : : :／: : : : : ;　-―-.／　 rく　|　　　　　＼/＾＼'´￣`
: : : : :::::::::: : :::/::::::::::::::::/　,.-―/　 　 ��、|　　　　　　 ヽ＼ ＼
:::::::::::::::::::: : :/::::::::::::::::/ 〃, -､,' 　　/ーr'八　　　　 　 　 　 ヽ　　/
:::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::{　{./. .::/ ´} /ﾊ　ゝ-､＼　　　　/　　 / 　 /　　　　　　　＞
:::::::::::::::::::::､::',:::::::::::; -'　 ',　 〈_,ノｲ/ ∧　V! 〉ﾉ｀二T”　　　　l　/　　　 ＞ 　´
￣｀　ｰ-､:::ヾ＼::::/ 〃⌒　　　　/:　　ﾊ　i:|ヽ／::::::::>､　　　/ / ＞　´
　　　　　 ＼:::＼::{　{ 、　.:/　　　　　 | i! j:|　|:::＼:/　 ｀! ∠_/´
　 　 　 　 　 ￣｀Y⌒ヽ,　-‐-､∠、 ノノ.／　|::::::::i＼　 |／
　　　　　　　　　　ヽ-ｲ　 （ ／'⌒!,∠´＿_／:＼ノ　/-‐'
　　　　　　　　　　　　` ｰr'´　　/ｲ　ﾉ::::::＼::／ >‐'　　　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ` ーく ＿/-=ﾆ二ﾉ￣　　　　　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　
　　　　　　　　　　ところで陶侃将軍。　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　　　　　　　　結局荊州勢の兵力はどれくらいに？　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .陶侃の息子が蘇峻軍に殺害されたと前述したが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　庾亮も建康脱出の際に長男の庾彬を蘇峻軍に殺されている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .この二人、案外共闘しやすい要素が揃っていた
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

76 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:35:35.68 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　｡o≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s｡　　　___
　　　　　　　　 -== ｧ＜i:i:i:i:i:i:i:i:,ﾍi:i:i:i:,ﾍi:i:i:i:i:i>vi:i:i:i:i:丶
　　 　 　 　 /i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:{i:i:vwi:i:i}ｉ:|i:i:i:iVi:iVi:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　/ｨi:i:i:i:i:i'i:i:i:i:i:i:i:ｨi:i:i/i{i:i:{　}i:i:i}i:|i:i:i:i:i:Vi:iVi:i:i:i:i<^)i
　　　　　 　 |i:i:i:i:i:i{i:i:i:i/i:斗-ｫi:iVi:iVi:i:/}┼ｉ:ｉ/i:i}i:i:i:vi:i:i:ｉ:ｉ|
　　　　　 　 |i:i/i:i:ｉ{i:i:i:i:i:i:i:i}/ �Y Vi:i:i:/ﾉ∧ｉ:ハｉ:}i:i:i:i}i:i:i:i:i:|
　　　　　 　 ﾚ'}i:i:i:i{i:i:i:i:i:i:ｨぅ笊�_ 〉i:〈 ^笊ぅミi:i:}i:i:i:i}Vi:ｉ:ｉ:|
　　　　　　　　}i:i:i:i{八ｉ:i�W ん:ﾊ /∧i:i:>ん:ﾊ　�Yi:i:ｉ:} Vi:i:i|
　　　　　　　　}i:i:i:i:Vi:>､{　乂ツ　 　 　 乂ツ　/i:i:ｉ:ｉ:}　Vi:i|
　　　　　　　　}i:i:i:i:i:Vi:i:i:＼, ,　　　 '　　 　 , ,/i:i:i:i:i:iﾊ　 �Y
　　　　　　　　}i:i:i:i:i:i:Vi:i:{^⌒　 r ‐─ ┐　 /ィi:i:i:i/i:∧　 '，　　　　　　　　　　　　五万はおるよ
　　　　　　　　}i:i:i:i:i:i:i:V込、　　乂:::::::ノ　　 /i:i:i:i/i:i:i:i:i:iｰr'
　　　　　　　　}i:i:i:i:i:ii:i:ﾊi:i:i|≧s｡　　 　 ｡o≦ﾉｨi:iハi:i:i:i:i:i:∧
　　　 　 　 　 ':i:i:i:i:/j/　Vi:|　_,r} 　￣　ﾄ､_　　}/　 ∨i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　/i:i:ｉ:ｉ/　　 .｡�Yニ{ﾉ　　　　Vﾆ≧s｡　　 Vi:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　 Y^{i:i/　ィi〔ﾆニニ∧　　　　/ﾆニニニ>､ Vi:i:i:i:i:i:i∧
　 　 　 　 /{　{/　/ﾆニ>､ニニ∧　　 /ﾆニﾆﾆ／ﾆ∧ vi:i:i:i:i:i:i:i:'，
.　　　 　 /i:ﾊ　V¨{ﾆニ7ニ>､ﾆﾆ∧__/ﾆニﾆ／ﾆニﾆ∧ 〉:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　 /i:_r‐v {　{ﾆﾆ/ﾆニﾆ≧=-----=≦ﾆニニニﾆVi:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
.　　　 /ir{ {　{ ﾉ 　V/ﾆニニニ=-(⌒)-=ﾆニVﾆニニﾆ∧i:i:i:i:i:/　　　　　　 　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　）　　　　 ッ！！？　　　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼


───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　尋陽に集まった官軍の兵力については『晋書』『温嶠伝』に記述がある
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

77 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:37:19.45 ID:9kJKVzmJ0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　それによると、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　 .温嶠が檄文を発した時点で尋陽には七千の兵がいたらしい
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　私が武昌から連れて来た軍勢と　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　
　　　建康から逃げてきた庾亮殿他の軍勢ですね。　　　　　　　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　守備を考慮した場合、私の管轄で万単位の軍勢はなかなか　　　 �Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

78 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:38:34.01 ID:9kJKVzmJ0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　これが、陶侃・庾亮・温嶠が
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　建康へ進軍し始めた時点で六万まで膨れ上がっている。
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　近隣の郡県からも集まったにせよ、
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　.官軍の大半は陶侃配下の荊州勢で占められていたはずだ
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ':i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:iVi:i:i:i:Vi:i:〈i:i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 　 /i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:iVi:i:i:i:Vi:i:i:Vi:i:i:i:i<ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:'i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:{i:i:i:i:ﾊvi:i:i:i:}i:}i:i:ｉ:}i:i:i:i:i:vi:i:i:i:i:>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　／ 7i:i:i:i:|i:i:i:i:i:i:i:i:ｨi:i:i:iVi:i::{　}i:i:i/i:i:}i:i:ｉ:}i:i:i:i:i:i}i:i:i:i:i:i{⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 　 　 　 　 /i/i:ｉ:ｉ|i:i:i:i:i:i:i:斗ｉ-r‐vi:i{　}i:ｉﾊ‐ｉｫ-:/}i:i:i:i:i:i}i:i:i:i:i:i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 /ｲi:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:i:ﾊi:i:{/ Vi:iVi:/　V }/　}i:i:i:i:i:ﾊi:i:i:i:i:{
　　　私が都督しとる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　}i:i:i:ｉ:从{i:i:i:i:iv　�Y　　〉i:i〈　　 /　　}i:i:i:i:i}　Vi:i;i;{
　　　荊州・雍州・益州・梁州から集めてきたんよ。　　　　　　 }i:i:i:i:i:i:i:{i:i�Yi{ =＝＝/∧i:〉 ＝＝=/i:i:i:i:iﾊ　 vi:ｉ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 }i:i:i:i:i:i:i:{i:i:i:乂_, ,　　　　　　　　 , ,/ィi:i:ｉ:/ｉ:'， }i:ｉ{
　　　昔と州の区分が違うけど、　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:i:i:i:ix.:---圦⌒　　　　　 　 　 　 /.---:.､i:}　}i:ｉ{
　　　長江以北の荊州って考えればええと思う　　　　　　　　　}i:iγ: : : : : : : :＞ ─ゝ --- 'ー ＜: : : : : : ヽ /i:ｉ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 }i:i:i{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}:i:iｧr-､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 (⌒ー─┤: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ├/ / / /¨i⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 (__ｨ──┤: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.├>〈_/ / ,ｲ､_,)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 /i:i:i:i:i:{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}ゝ'_¨^´ﾉﾆ}

79 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:41:51.91 ID:9kJKVzmJ0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　　 陶侃は西晋時代の荊州の人口密度が高い地域を抑えていた。
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　.『晋書』『魏浚伝』を見ると、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　荊州の新野で石勒軍に備えていた魏該の軍勢まで駆り出されている。
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　 .結果として、荊州の防衛体制は相当薄くなっていたのではないだろうか？
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __《ﾊ}ﾉ)): : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀:＜: : :/｀:＜＼｀:.､ﾍ: : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「￣|: :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧￣|＼:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /:/: : : : /⌒ヽ '´￣　V: : ∧:.:.i: : :＼|::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/: : : : /(::.　　　　.:´:ﾉ∨: : i∨!: : : :/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　/:/: : : |: :i r=ﾐ　　　 r===ｧ:ｉ:.:.|)i:八: : :＼/:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 {/i: : : :i|: :圦ﾋｿ　　　 ヒｿﾉ: |:.:.|∧ノ: : : :/＼
　　　　　もうくたばりかかっておるのじゃが。　　　　　　　　　　　　　　　＼从|:込、　　′　　　 |:.:|:.:.|　 V : : : ＼/:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 从|i　＞　.^　　 ィﾉ:ｲ／　　∨: : : : : : :.
　　　　　最後の御奉公と参ろうかの　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィ:´:::ノ＜＞'／/7 ／＞＜ニ＼　 V: : : ｉ : : i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::-＜＞ィ〈＞'/《/＜=＞ ´　 　ハ　 V: : | : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 /::::::::::ﾆﾉ:::リ　 ｲﾉ= ｘ== ､　　　 ./ニi 　 :. :.:| : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 八::::::::＼:::::::＼〈/　/､ ＜ﾆ〉　　 /＼/　　 : : | : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::ﾉ ＼:::::::＞- ' ＼ /／=Ｖ　　　　　 i: /:. :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　六月に病死→　　.ー i/.＼　　　　　ﾊ　}ニﾉ　　　　 　 /.: :. :.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ///　｀¨¨¨¨´　　/¨´　　　　　　/: : :. :./

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　順陽郡太守　魏該

80 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:42:58.84 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年５月　晋　江州　盧江郡】


　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　　　〜〜〜
　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　〜〜〜〜
　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜
　　　　　　〜〜〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〜〜〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜〜〜〜　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　　　　　　　　　　　　　　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　
　　　　　　　　　　　　　　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃は庾亮と温嶠及び六万の軍勢を連れ、建康目指して進軍を開始
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

81 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:44:06.22 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年５月　晋　首都　建康】


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ叉7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿�BL_,, ,. _
　　　　　　　　　　　　　　 ,,､､-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :｀`ヾ､､､
　　　　　　　　　　,,． '"´. .:.: .:.: : .:r＝=.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.｀ゞｰ-､､
　　　　　　,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
　　　,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:＞
　　　｀`ヾ､;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r＝=;:;:;r＝=､;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r＝=;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´　.
　　　　　　｀`ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;=＝=;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
　　　　　　　　　　￣｀¨`ヾr＝=.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r＝z,;,;,;::／
　　　　　　　　　　　　　　　｀¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:､､-‐''"´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＞;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :＜´　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　,､r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ､　　　　
　　　　　　　　　　　　,､r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::｀'ヽ､　
　　　　　　　　　　　　｀`ヾr＝=;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´　　
　　　　　　　　　　　　　　 `ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'　
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､:;:;;;;;;;;:;:.:.:::＝=.:.::::::.:.:.:.:／　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヾ.:;;;;;;;＝=.::.::.:.:..:.::r'´　　　　　　　　　 |　 　皇帝陛下には石頭城へ移って頂く　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j　　　　　　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヾ;:;:; :;::;;: ;r＝=.:.j　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1;:;:;:;:r＝:.::{　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:｀`;:ｰ-..､,,_

82 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:45:01.21 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　 　 　 ', {　＿__
.　 　 　 　 　 , -く＿＞―､`'＜
　　　　 　 ／　,､ ☆ ｧ- ､　ヽ　＼
　　 　 ｢iｱ　／〈（┼）〉　| ヽ {:i心只七i}
　　 　 V　/イﾊ,＼／~ﾌ'ﾄ､ﾊ 辷:i八:ii:iﾘ
　　 　 ｌ|　{/ｨ==＼／===x〈　 / |:i||i|.',
　　 　 ﾊnv' U ｧ.― ､　Uﾉｲﾞn' . |:i||:i| ',
　　　　l´圦 　 {: : : : :}　　/l´ ｀l |:i|.|:i|. ',
　　 　 ゞ=彳ｈ｡. ― 　r‐'^ ゞ=ツ|:i| |:i|ヘ
　 　 　 |:i|∨Vzミ｀¨'ｨzz　へ/＼|:i|/|:i|
　 　 　 |:i| |:i|辷/只//ﾂヽ ',　　 |:i|　|:i|
　 　 　 |:i| |:i/ // |:i:|　　　Ｖ,　　|:i|　|:i|
　 　 　 |:i| |/__^ｌ l ^{＿＿__V 　 |:i|　|:i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _, 　 ―┴ >､ ,／ ⌒ｰ=彡／
　 　 　 |:i| (＿__人＿＿＿＿）　|:i|　|:i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ ￣　ノ｀ ⌒ ヽ＼}ｰァヽ⌒ー-　＿
　 　 　 |:i| |:|::|＼　 ／ |::::::| | 　 |:i|　|:　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､ー=彡　　　 　 / 　 　 　 　 ＼}　 ＼　､ ／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ ７　 　 i　　/　　　　　　＼　} 、 ./　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ‖/ 　 从 /i{　 ﾄ､　　|　 ＿ヽ ﾘ/ ヽ　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＿_r ､　　　ノ ｲ　　＼　{八　| ／　|.　�Y､ }ﾉ'　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ::｀乂ゝ {>､rー‐ｧ 人 lx=ミ 　 ｨｘ=≠ﾐ　　�Y/　)　　　　 }./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l ::::::l:::::::::::::ﾚ'ゝ.}ーく_{/__ ＼　 '　　 　 " / /　/ﾉ／ ノ　 ／./'
　　　おら、クソガキ。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　乂::ﾉ::::::::::::::::::::／}:::::::::::）) } " rー　ヽ　 'イ　 (__⌒ {　／/}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人￣｀ヽ￣i７ ./-'⌒￣| ,＞.乂＿ノ　 ィﾘ　/／⌒／:::/ (
　　　さっさと歩けよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ / ＼i:i:i}i:i:i〈／=ﾆ三ミfﾚ /　( ＞＜＿__} ./::::::::::::__／{＼}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣〕/ }､_￣_ｲ´ 　 　 }i/::::/{'.／￣＼　 |　_,ﾚ::::::::／／　　＞ｰ- ､
　　　おっと、郡臣も一緒に移ってもらうぜ　　　　　　／/ /. 　 　 |＿_ 　 ﾍ{:::/／＿/　　 `ｰ┐ {::: ／／　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 フ' /　 　 　 |、｀ヽ/ / 7(ﾉ | ､／＼　/}　V.ﾚ´／ヽ　　　　　 ＜￣｀ヽ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶./　　　　　|_i ｰ┤ﾉ./　　.|./　 ／　じY⌒７ ./＼}ィー＜ 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／＼＿__八}i:i: | |/／⌒.}_,／＼　　 |　/　/　 //}__／＼＿＿/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 同じく五月。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　建康の蘇峻は皇帝司馬衍を石頭城へ移した。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .皇帝は哀しみのあまり
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　泣いて車に乗ったと『晋書』『成帝紀』は記す
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

83 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:45:59.51 ID:9kJKVzmJ0

　　　 　 　 lﾞヽ　 、　　　　　　　/ﾞi
　　　　　　 ! ､ヽ )＼.＿____ 　 / , i 　, ｨ
.　　　　　　l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
　　　　　 ／冫';:::::::::, 　, 　 :::::＼/＼ｼ′
.　　　 ／三'::,::'::, イ:: ::/＼:::　::::ヽ三＼　　　　　　　　　　私たちも強制移動ですか。
.　　　f三〃:::／　 |:;::/　　.ヾ::::弋!l三三ゝ
　 　 ,.ｨ＼{イ::!　ノ j;ノ　｀ヽ .l::::人::!;三/ヽ、　　　　　　　 それにしても
　 ／:::::::::∧::l　●　　　● ｲ:::::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼　　　　　　 .何故石頭城なのでしょう？
　ﾌ:::::/!::/ /::;ﾊ⊃ ､_,､_,⊂⊃:;:'::::/　　|::iゝ::: 丶
　ヾ;:'　l/ /;ノ ,/⌒l､ __,　イ!;:;::':;ｿ　　 .ゞ 　ヾ::ﾉ　　　　　 そもそも建康自体が
.　 　 　 　 　 /　 /.l l(_)// |;i⌒ヽ 　,.　ﾊ　　　　　　　　　長江の天険に守られた王者の地ですよ？
　 　 　 　 　「￣"|⌒｀y´⌒}|　　.|　ﾉ∨ ｀ヽ.　
　　　　　 　 |　 　|ﾞlﾆﾆﾆﾆl'/￣￣ヾ:.:..,,:.:.:.:ｿ　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ´＞く　 　 ｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　 ／ ＼　　　 ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ' /＾＾⌒^!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　|│ 　 　 |　/|　　│j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 │　| 八|＼　　 |／八　八:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨小|　∩ 　 　 ∩　|/ 　 |
　　　　だけど待ってほしい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .| :::.　∪ 　 　 ∪　|　:| ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | ::｛　"　　 -┐"　| .::| ::|
　　　　蘇峻が攻めてきた時の事を思い出そう。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　| ::个:.　_ゝ _ノ . イ| ::::: ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 ｎ　∨八ﾊﾄ_刀　 {_八|乂/
　　　　長江を渡った蘇峻軍があっさり建康を陥落させた事実を　　　　　　　　　__|｣　　　r＜　　{¨¨7　｀>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fJJ))　　/人 ＼/∨ﾍ／,ﾉ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 人__∧　/ 〉　 ￣＞＜￣∨　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨_,／∨ ｛　　／ ∧　＼. ｝　｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨ 　 ｀ヽﾘ く＿/　|__／ ｛　　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝　　　　　　　 ｲ　　 !

84 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:52:20.42 ID:9kJKVzmJ0

　　　　 i::::::::　l 　.i　l　　 , 　 /l　|　　　　　　　　 |　　　　　 　 ',
　 　 　 i::::::::　|::　| /l　 ./l　.,'.｜|　 　 　 　 　 　 |　 ,　　 　 　 .',
　　　　.|::::::::.. |:　.|,'. |　/. ',. i.　',.|_,　　　　　　 　 |　ﾉ　　　　 ﾄ、i
　　 　 .|:::::::::: |:　 '　.l‐ト-‐'ﾌ￣',| 　 　 　 　 、　.| /|　　 /　 | ', i
　　　　|::::::::::::|:　　　∨ 　 ´　　 '　　 　 　 　 ｀ｰト､.|_　∧　.ﾉ. l/　　　実は建康、長江の内側からの攻撃には脆いのだ。
　　　　|:::::: ::: |: 　　　|ヽ￣ﾋツ ヾ　　　 　 　 　 /　. |　/| |　ﾉ
　　　　i::|::::::::::',:　　　|　　`ー　 '　 　 　 　 rﾋツｰｧ /|/　|.| /　　　　　何故なら建康を囲む城壁は竹垣で、
　　 　 .',:',::::::::::',::　　 |　　　　　　 　 　 　　 ` ー´./　　 i　'　　　　　　洛陽みたく全部が全部煉瓦製の高い城壁じゃない
　　　　 .',ヽ::t､::',::: 　 |_　　　　__　　 　 　 　 　 ./ 　 　 |　
　　　　　.' ヾ|.ヾト、::. |_＞、 （　 ￣ ﾌ　　 　　_ノ::.　 　 |　　　　　　　 .一応、四方を水路で囲まれてはいるけどね
　　　　　　　　 _, -､:ﾚ|::::|　 ｰt 二ﾆ　- ― '´　 |　　　/
　　　　　　／＼、:::ヾ:|:::::',　　｀ 〉::::｀ｰ､ ／|　.ﾙ':,　 .:/
　　　　　./　| ＼_＼::::::::::::',ー-/::::::::::／＼|ノ .|/ ..::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 lﾞヽ　 、　　　　　　　/ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ! ､ヽ )＼.＿____ 　 / , i 　, ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　.　　　　　　　　　l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／冫';:::::::::, 　, 　 :::::＼/＼ｼ′　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　.　　　　　　 ／三'::,::'::, イ:: ::/＼:::　::::ヽ三＼　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　.　　　　　　f三〃:::／ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ　　 ＼
　　　　　　ええっ！？　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 　 　　,.ｨ＼{イ::! ◯ j;ノ　 ◯ .l::::人::!;三/ヽ、 ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::∧::l⊃　､_,､_,　⊂⊃::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼
　　　　　　洛陽は街の外も煉瓦の城壁なんですか！！？　　　　　　　 ﾌ:::/⌒ヾ./:;ﾊ　　　　 　uｨ'::;:'/⌒i 　|::iゝ::: 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　ヾ;:'＼ /￣ ７,＞,､ __,　イ!;:;ﾍ､__∧　ゞ 　ヾ::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　.　　 　 　 　 /　　.//｀､ l l(_)// |;/ゝ__彡/,.　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ､//、 {⌒｀y´⌒}'ヽ, 　 / ﾉ∨ ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀　 ‐｀lﾆﾆﾆﾆl´‐ ' ヽ/ｨ´:.:..,,:.:.:.:ｿ

85 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:55:09.16 ID:9kJKVzmJ0

　　　　 i::::::::　l 　.i　l　　 , 　 /l　|　　　　　　　　 |　　　　　 　 ',
　 　 　 i::::::::　|::　| /l　 ./l　.,'.｜|　 　 　 　 　 　 |　 ,　　 　 　 .',
　　　　.|::::::::.. |:　.|,'. |　/. ',. i.　',.|_,　　　　　　 　 |　ﾉ　　　　 ﾄ、i
　　 　 .|:::::::::: |:　 '　.l‐ト-‐'ﾌ￣',| 　 　 　 　 、　.| /|　　 /　 | ', i
　　　　|::::::::::::|:　　　∨ 　 ´　　 '　　 　 　 　 ｀ｰト､.|_　∧　.ﾉ. l/　　　.そりゃ初手放火がハマるよね。
　　　　|:::::: ::: |: 　　　|　　 　 ＿　　　　 　 　 　 /　.|　/| |　ﾉ
　　　　i::|::::::::::',:　　　|　━━━　 　 　 　 ＿　　　/|/　|.| /　　　　　　風に乗れば建康は火の海だし、
　　 　 .',:',::::::::::',::　　 |　　　　　　 　 　 　 ━━　./　　 i　'　　　　　　 .蘇峻もこんな欠陥物件で防戦しようとは思うまい。
　　　　 .',ヽ::t､::',::: 　 |_　　　　__　　 　 　 　 　 ./ 　 　 |
　　　　　.' ヾ|.ヾト、::. |_＞、 （　 ￣ ﾌ　　 　　_ノ::.　 　 |　　　　　　　　ただ、逆に長江の外への備えはしっかりしてる
　　　　　　　　 _, -､:ﾚ|::::|　 ｰt 二ﾆ　- ― '´　 |　　　/
　　　　　　／＼、:::ヾ:|:::::',　　｀ 〉::::｀ｰ､ ／|　.ﾙ':,　 .:/
　　　　　./　| ＼_＼::::::::::::',ー-/::::::::::／＼|ノ .|/ ..::/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 lﾞヽ　 、　　　　　　　/ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ! ､ヽ )＼.＿____ 　 / , i 　, ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／冫';:::::::::, 　, 　 :::::＼/＼ｼ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ／三'::,::'::, イ:: ::/＼:::　::::ヽ三＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　f三〃:::／　 |:;::/　　.ヾ::::弋!l三三ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.ｨ＼{イ::!　ノ j;ノ　｀ヽ .l::::人::!;三/ヽ、　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::::::∧::l　●　　　● ｲ:::::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼　　
　　　　　　　　　　それが石頭城というわけですか　　　　　　　　　　　　 ﾌ:::::/!::/ /::;ﾊ⊃ ､_,､_,⊂⊃:;:'::::/　　|::iゝ::: 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヾ;:'　l/ /;ノ ,/⌒l､ __,　イ!;:;::':;ｿ　　 .ゞ 　ヾ::ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 　 　 　 　 /　 /.l l(_)// |;i⌒ヽ 　,.　ﾊ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　「￣"|⌒｀y´⌒}|　　.|　ﾉ∨ ｀ヽ.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 |　 　|ﾞlﾆﾆﾆﾆl'/￣￣ヾ:.:..,,:.:.:.:ｿ　

86 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 22:59:38.72 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:ﾞ､　　　　：　　　　_ 　_ _ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　：　　_ _ _ 　　　　_ _
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _/.:.:.:.:.:.:.:.:.｀L,,
　　　　　_　_　_　_　：_　：_　　 ,/.:.:.:.:==r.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　.γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　_　_　_　　_　_　_　_　：_　：_ ,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:L_　 |　 　石頭城は建康の西方を守る城砦であり港でもある　　 |
　　　　　　　　　　　 ,,,,､､r;:;:ｲ　==r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞi, .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　,r'ﾞ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`''ｰ､　　　
　　　　　 　　　,r'ﾞ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､
　　　　　 ,､ィ''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, '´::::::::;;:;:;:;:;::::;:;;:::` ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`'''ー-､ _　　　　　　　　_　_　_　_
　 ,,､､ィ''´;;::;r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;::;:;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
　 ｀`ヾ:;:;;;;;:;:;:;:;:;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＝r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
　　　　￣｀¨`ヾ;;;;;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:;:;:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,r''"´
　　　　　　　　　￣｀`ヾ;:;:;;.:.:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　ヾ.:.:.:.:::;:;:;;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:|　　 建康に攻めてくる水軍はここにしか停泊できない　　 |
　　　　　　　　　　　　　　i.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　‥‥‥‥　∵　　　　ﾞヾ､.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:＝.:.:.:,／　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞj ＝.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ′　　　　∵∴
　　　　　　　_　_　　　　　　　　 　 ＼.:.:.:.:.:.:,'′　：　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 　 _　_ 　 　 　　 ヾ:;;:/　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　V　 　　　　　　　　　　|　 　水軍主体の荊州勢を迎え撃つには最適でしょ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

87 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:00:22.76 ID:9kJKVzmJ0

　　　 　 　 lﾞヽ　 、　　　　　　　/ﾞi
　　　　　　 ! ､ヽ )＼.＿____ 　 / , i 　, ｨ
.　　　　　　l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
　　　　　 ／冫';:::::::::, 　, 　 :::::＼/＼ｼ′
.　　　 ／三'::,::'::, イ:: ::/＼:::　::::ヽ三＼　　　　　　　 あれ？
.　　　f三〃:::／　 |:;::/　　.ヾ::::弋!l三三ゝ　
　 　 ,.ｨ＼{イ::!　ノ j;ノ　｀ヽ .l::::人::!;三/ヽ、　　　　　でも、蘇峻みたいに
　 ／:::::::::∧::l　●　　　● ｲ:::::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼　　　　.石頭城を無視して陸路から建康を攻めたら終わりでは？
　ﾌ:::::/!::/ /::;ﾊ⊃ ､_,､_,⊂⊃:;:'::::/　　|::iゝ::: 丶
　ヾ;:'　l/ /;ノ ,/⌒l､ __,　イ!;:;::':;ｿ　　 .ゞ 　ヾ::ﾉ　　　 とはいえ、だいぶ前の地点で水軍を停泊させないといけませんか
.　 　 　 　 　 /　 /.l l(_)// |;i⌒ヽ 　,.　ﾊ　
　 　 　 　 　「￣"|⌒｀y´⌒}|　　.|　ﾉ∨ ｀ヽ.　
　　　　　 　 |　 　|ﾞlﾆﾆﾆﾆl'/￣￣ヾ:.:..,,:.:.:.:ｿ　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ´＞く　 　 ｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　 ／ ＼　　　 ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ' /＾＾⌒^!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　|│ 　 　 |　/|　　│j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 │　| 八|＼　　 |／八　八:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨小|　∩ 　 　 ∩　|/ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | :::.　∪ 　 　 ∪　|　:| ::|
　　　それをさせないために、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::｛　"　　 -┐"　| .::| ::|
　　　陛下を石頭城へ連れて行くんだろうね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　| ::个:.　_ゝ _ノ . イ| ::::: ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 ｎ　∨八ﾊﾄ_刀　 {_八|乂/
　　　そうなると、官軍は嫌でも石頭城を攻めないといけなくなる　　　　　　　　 .__|｣　　　r＜　　{¨¨7　｀>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fJJ))　　/人 ＼/∨ﾍ／,ﾉ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 人__∧　/ 〉　 ￣＞＜￣∨　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨_,／∨ ｛　　／ ∧　＼. ｝　｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨ 　 ｀ヽﾘ く＿/　|__／ ｛　　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝　　　　　　　 ｲ　　 !

88 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:03:22.42 ID:9kJKVzmJ0

　　　　 　 　 　 ´＞く　 　 ｀丶
　　 　 　 ／　　 ／ ＼　　　 ヽ＼
　　　　 /　　 ' /＾＾⌒^!
　　　　 　　　|│ 　 　 |　/|　　│j
.　　 　│　| 八|＼　　 |／八　八:|
　　　　∨小|　∩ 　 　 ∩　|/ 　 |
　　 　 　 | :::.　∪ 　 　 ∪　|　:| ::|　　　　　　　　　.しかもこの石頭城。
　　 　 　 | ::｛　"　　 -┐"　| .::| ::|
　　 　 　 | ::个:.　_ゝ _ノ . イ| ::::: ﾘ　　　　　　　　　少し前に庾亮殿が修築させたばかりでーす。
.　　 　ｎ　∨八ﾊﾄ_刀　 {_八|乂/
.　　 __|｣　　　r＜　　{¨¨7　｀>､　　　　　　　　　　 .以上、陸玩ちゃんの歴史探偵のコーナーでした
　　fJJ))　　/人 ＼/∨ﾍ／,ﾉ∧
. 　人__∧　/ 〉　 ￣＞＜￣∨　'.
　 .∨_,／∨ ｛　　／ ∧　＼. ｝　｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 lﾞヽ　 、　　　　　　　/ﾞi
　 　∨ 　 ｀ヽﾘ く＿/　|__／ ｛　　'.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ､ヽ )＼.＿____ 　 / , i 　, ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　l l ､ヾ,ｼ'´::::::::::::｀ヾ /l i／::;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／冫';:::::::::, 　, 　 :::::＼/＼ｼ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ／三'::,::'::, イ:: ::/＼:::　::::ヽ三＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　f三〃:::／　 |:;::/　　.ヾ::::弋!l三三ゝ　　　
　　　　　本当あの人ロクな事しませんね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ＼{イ::!　ノ j;ノ　｀ヽ .l::::人::!;三/ヽ、　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::::::∧::l　●　　　● ｲ:::::ｿ::::ﾊ/!::.丶＼　
　　　　　やる事なす事全部裏目に出ているじゃありませんか　　　　　　.ﾌ:::::/!::/ /::;ﾊ⊃ ､_,､_,⊂⊃:;:'::::/　　|::iゝ::: 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヾ;:'　l/ /;ノ ,/⌒l､ __,　イ!;:;::':;ｿ　　 .ゞ 　ヾ::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 　 　 　 　 /　 /.l l(_)// |;i⌒ヽ 　,.　ﾊ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　「￣"|⌒｀y´⌒}|　　.|　ﾉ∨ ｀ヽ.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 |　 　|ﾞlﾆﾆﾆﾆl'/￣￣ヾ:.:..,,:.:.:.:ｿ　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 庾亮が石頭城を修築させた話は『晋書』『庾亮伝』にある。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　本来、祖約・陶侃の反乱に備える目的だったが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それを実際に反乱を起こした蘇峻に逆用されるのだからたまらない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　ちなみに、建康の外を囲む城壁が
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 煉瓦製になるのは南朝斉の建元二年（四八〇年）の事である
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

89 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:04:24.35 ID:9kJKVzmJ0

　　　＿_＿　　 _____　　 ______.　
　　 ネ　　_,, '-´￣￣｀-ゝ、_''.　　
　　、ﾝ 'r ´　　　　　　　　　　ヽ、 　　　　　　将軍。
　　 i ,'＝=─-　　　 　 -─=＝',.
　 |　i./ｲル_＼ｲ人レﾝ／i　ｲ　i.　　　　　　　温嶠・陶侃の軍勢を迎え撃つには、
　 ||. i、|. | . (ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ).iｲﾘj　　　　　　　石頭城でゆっくりした方がよろしいのでは？
　 |　iヽ「 ! ""　　,＿__,　"" !Y!.
　 .| |ヽ L」　　 　ヽ _ﾝ　　　,.'」　 　　　　　　 勿論皇帝も連れて
　 ヽ |ｲ|| |ヽ、　　　　　　 ,ｲ|| |　　　
　 　ﾚ　ﾚル.　｀.ー--一 ´ルレ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}i ﾉ|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､_ ﾉiﾉ　ノイ{ｨ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞''""""''＜_､ノヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　｀ヽ｀ヽヽﾉ })ヽヽ.}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　{∨､.ヽ, ヽミﾆ=‐:::≧sゞ'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ｲ从ヾv也ｱ､iﾉ.)､:::..............≧s。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　.圦 从匁,　｀ノ.i　.ｿ　 ヾﾐﾆ=ｰ´￣｀)　
　　　　そうだな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　�Zヾ..､.ｰ ' .人ﾄ､ヽ,　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨::ﾄ､ T≦彡乂iﾉ　
　　　　それと並行して、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾ}≦∧=‐'''""｀＜　
　　　　兵を分けて近隣の平定を急がせろ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .ノ　iｿｲ　　　　　　∨ ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾘ{/´＞＜￣≧s,ｲ,　/∧◎},　
　　　　温嶠たちの下へ馳せ参じるような連中は討ち果たせ　　　　　　　　 .‖ヾ､-ｰイ､ｰ-＜;;;;;＞':.:.:.｀'''´∨　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .ﾉ:.:.:.:.}　 ,'　 ｀ ´　　)〔:.:.:.:.:.＿_／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ｰi!　　　　　　 /　　ヽ:.:.ヽｲ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾄ{　　　丿。s≦　　ア､:.:.:.i!

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 『晋書』『蘇峻伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　蘇峻は温嶠・陶侃の挙兵を聞くと、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .参軍の賈寧の計を用い、さらに兵を分けて義軍の諸軍を防がせた
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

90 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:05:47.13 ID:9kJKVzmJ0

　 |┃　　　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　 |┃　　　　　　　　　 ./（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
　 |┃　三　　　　　 ／::::⌒｀´⌒::::＼　　　
　 |┃　　　　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　　　申し上げますっていう！
　 |┃　. 　 　 　 　 | l　　 |-┬-|　　l |　　　
　 |┃　　　　 　　　 ＼ 　 `ー'´ 　 ／　　　　　　　　呉郡太守庾冰、呉興郡太守虞潭、
　 |┃　　　 　 　 　 ／　　　 　 　 ｀ヽ.　　　　　　　　会稽国内史王舒が反乱を起こしましたっていう！！
　 |┃　三 　　　.／　　　　　　　　　　＼　
,⊆ﾆ´⌒￣￣ "　　y　　　　　　　 r､ 　 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´　|　 　 　　　　| l"　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}i ﾉ|
　 |┠ '　　　　　　　　|　 　 　　 　 l/'⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､_ ﾉiﾉ　ノイ{ｨ
　 |┃三　　 　 　 　　|　 　　 　 　 |ヾ___ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞''""""''＜_､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　｀ヽ｀ヽヽﾉ })ヽヽ.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　{∨､.ヽ, ヽミﾆ=‐:::≧sゞ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ｲ从ヾv也ｱ､iﾉ.)､:::..............≧s。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　.圦 从匁,　｀ノ.i　.ｿ　 ヾﾐﾆ=ｰ´￣｀)
　　　　　　　　　　庾亮の弟か。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　�Zヾ..､.ｰ ' .人ﾄ､ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨::ﾄ､ T≦彡乂iﾉ
　　　　　　　　　　腐れ儒者など恐れるに足らん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ}≦∧=‐'''""｀＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ .ノ　iｿｲ　　　　　　∨ ､
　　　　　　　　　　叩き潰せ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾘ{/´＞＜￣≧s,ｲ,　/∧◎},
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‖ヾ､-ｰイ､ｰ-＜;;;;;＞':.:.:.｀'''´∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .ﾉ:.:.:.:.}　 ,'　 ｀ ´　　)〔:.:.:.:.:.＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ｰi!　　　　　　 /　　ヽ:.:.ヽｲ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 『晋書』『成帝紀』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　呉興郡太守虞潭と
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　呉郡太守庾冰・会稽国内史王舒が三呉で義兵を起こした。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　三呉とは、呉郡・呉興郡・会稽国を指す地域
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

91 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:07:09.94 ID:9kJKVzmJ0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　　　挙兵を主導していたのは会稽国内史王舒である。
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　王敦の乱の時に荊州の都督だった人物だが、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　 .その後、紆余曲折を経て会稽国内史に任命されていた。
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　 彼は自身の下へ逃げてきた庾冰、
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　　　　　 .呉興郡を固守していた虞潭、広陵に駐屯する郗鑒らと協同で義挙に及んだ
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　
　　　　　陶侃殿が挙兵したと聞く。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　l　l　　´＝｀　l　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　
　　　　　三呉にいる我々も東から建康に進軍すべし　　　　　　　 　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

92 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:09:09.90 ID:9kJKVzmJ0

【>>91修正】

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　　　挙兵を主導していたのは会稽国内史王舒である。
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　王敦の乱の時に荊州の都督だった人物だが、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　 .その後、紆余曲折を経て会稽国内史に任命されていた。
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　 彼は自身の下へ逃げてきた庾冰、
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　　　　　 .呉興郡を固守していた虞潭、広陵に駐屯する郗鑒らと協同で義挙に及んだ
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　
　　　　　陶侃殿が挙兵したと聞く。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　l　l　　´＝｀　l　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　
　　　　　三呉にいる我々も東から建康に進軍すべし　　　　　　　 　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

93 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:09:56.87 ID:9kJKVzmJ0

　　／ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
　ｲ:.:.:.:/-|/|∧:;､:.:.〈
　ﾘ:.:./ ● 　 　く!:,:.:..、
　 l:.:.l　　　　●/:./￣
　　vﾍ　 - 　 ノ:./　　　　　　.ネタばらしをしておくと、
　　_,-+　匸ﾍ/V　　　　　　　王舒を会稽国に赴任させたのは従兄に当たる王導だ。
　,《　ﾋ⌒j　》、　　
　l::＼ l　/‖::l　　　　　　　　在郡二年で蘇峻の乱が勃発したとあるので、皇帝司馬衍の治世当初からの赴任となる
　|:::::::ﾄ,Ｖイ:::::|
　 |:::::::l介l:::::::|　
　 l::::::|人|:::::::l　




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｛::::.＼::::::::::_;. -‐'　　　 ／　-‐:::::::: 　∧::::/　∧::.＼::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　＼:::::::ヽ::::ｱ　　　　　/／.::::　 ‐-ミ　　 Ｖ　 ｊう トミ:::Y:::::{／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ｝::::::::∨　-‐　¬く::::::イ　　 =＝ｒく　　　 ｱ　}::::::.｀ヽ:/.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　人:::::::/ _ ,......::::く`　ﾞＹ人〃　　 ﾉ　　　　 ﾚ /::::＼::::/.:.:.:.:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　（:::::::ミ=＼　,ィ　 __ヽ　∨　ト-‐　　　 　 }　 ｒ《∧::} ∨.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ｰ-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ.　　 　 　 /　 |　ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　外援が必要と思いまして　　　　　　　　　　　　　　　　∧ ﾞト-‐ヘ:::::.、>‐-》　　　 　 　 ｜　ﾉ　,′.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 /.:.:.＼､　　　Ｖ , _ア　 　 　　_,　　,′　　'.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.`丶、　｀　 _　 -‐　 ￣ 　 /　　　｜:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　/　,......::::７　　　/　　　　.|:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ 　　　　　　　/　　　　　|_ 　-‐…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　 　 　 ／　 　 　 　 |:::::::::::::::::

94 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:11:37.08 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣○ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　項　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葛陂　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　涂中
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○ 新蔡　　　　　　　 ｀ｰr‐'￣　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　○ ,.--
　　　　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　○安城　　○【新蔡国】　　r―'´○寿春　　　　　　　　　　　　　　　 　 　,「◎建康
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　,.----'´￣　　　　　　　　　　　　　　○東城　　　　　 .／　　　　
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○新息 　 _/　【安豊郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　歴陽　 ／○蔡洲
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣　　　○安豊　　　　　　　 ○合肥　　　　　　　○＿_{　
　　　　　　○新野　　　　　　　　　　　　　　　　○弋陽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○六安　　　　　　　　　　横江○.|○牛渚
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【弋陽郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}￣ｰ'￣}　　　　　|
ヽ　　○樊城　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　 ∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ｰv'○東興　.／○于湖
　￣○}　　　　　　　　　i　　　　　　　　∧∧　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ーr―'￣　○蕪湖
　襄陽｀}　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　 濡須口○}　　【宣城国】
　 　 　 　}　　 　 　　　 　 　'ｰ,　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　r'　　　　　●宣城
　 　 　 　 }　　　　　　南新市ヽ_,_【江夏郡】　　　　　　　 ∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　_ノ　
　 　 　　　|○石城　　　 .○ 　 　 ヽ○安陸　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　r―'
　 　　　　 .|＿_　　　　　　　石陽○ ｀ー-,　　　　　　　　　　　∧∧∧　皖城○　　 _,.-‐'
.長坂○　　　　|　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　∧∧∧∧　　　　 　 |
　　　　○当陽 ヽ_　　　　　　|　　　　　 ○| 　　　○＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　夏口|　　　武昌　.￣|　　　　○尋陽　　＿r‐'´　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵　　　　　　　　 ／
. ○楽郷__）　　_,.__　　　　　＿r‐'○陸口
　　　 ○'ー'´￣　 |　　　 ／　　　　　　
　　　公安　　　 　 ｀ヽ　r'　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ＞'○巴丘　　　

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　 義軍と蘇峻軍の攻防は、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　建康周辺の拠点の奪い合いから始まった
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/

95 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:12:34.60 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２６年８月　晋　揚州　宣城】

　　　　　　　　/＼Ｙ／ヽ
　　　　　　　/ （○) (○）ヽ
　　　　　／::::⌒｀　 ´⌒::::＼
　　　　　|　,-)　ヽ＿＿ノ（-、|　　　　 　 　 .jl　　　　　　　　　　　桓彝殿！
　　　 　 | 　l　 　|r┬.l［］　　.|　 　 　 　 　 l ||　
　　　　　＼ 　　 `ー|| |　 ／""'''ヽ　 　 　 | ||　　　　　　　　　　 .ここまでよく戦ったっていう！！
　　　　,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ
　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ　）　　　　　我が蘇峻軍に降るのなら礼遇させてもらうっていう！！
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ
　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」
　 ／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ ＼　　/
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　´￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 /　　 ／　　　＼ 　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　.│　　 　　／＼　　　　 .|
　　　　　　　　俺は国から厚い恩を受けた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　／￣￣＼　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　 　　 　　　　　　／
　　　　　　　　義によって死ぬだけだバカヤロー　　　　　　　　　　　　　　　 　. ／　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 |￣￣￣￣￣￣￣￣|　　ﾄﾝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　_（,,)　　　断固拒否　　(,,）_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ 　|　　　　　　　　　　　　|　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　 　 |_＿＿＿＿＿＿＿__」　　　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .六月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　宣城国内史桓彝が力戦して死亡したと『晋書』『成帝紀』は記す
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

96 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:13:45.97 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　/＼Ｙ／ヽ
　　　　　　　/ （○) (○）ヽ
　　　　　／::::⌒｀　 ´⌒::::＼
　　　　　|　,-)　ヽ＿＿ノ（-、|　　　　 　 　 .jl　　　　　　　／/
　　　 　 | 　l　 　|r┬.l［］　　.|　 　 　 　 　 l ||　　ヽ　＼／
　　　　　＼ 　　 `ー|| |　 ／""'''ヽ　 　 　 | ||　　　ゝ　　　/
　　　　,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─　　　　　　　　　いざ！
　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ　）　　　ヽ
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼
　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」┣¨┣¨┣¨┣¨
　 ／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ ＼　　/
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　/



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {､　　　　　　　　　　　　 ´￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y{､旡己ﾐ､　　　　 　　/　　 ／　　　＼　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　ｲ{旡己ﾐ､　　| 　　　　／＼　　　　 .|＿,〔ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　ｒｲ'旡己l　　　／￣￣＼　　　 |〔｛幵仆i !〕l　────
　　　　　　　　　　　来い！　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ＼　 　　 　　　　　　／￣〔lヾｌ　 i ＿＿＿　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　,┌､-､,◇､/ ￣￣ﾍ　 　　　⌒＼　　ｌ 　 ｌ　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　| |　|　|二||　(（◎）) 〉＞　　　 　 ＼ﾉ 　 i ────　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　ﾚレ'､ﾉヽ_/ﾍ__＿＿/　　　　　　ヽ 　 　ノ　￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ｀ｰ---‐一'´_　　＿＿　　＿＿＿　　　　　＿＿＿＿＿


───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 桓彝の力戦ぶりは『晋書』『桓彝伝』に詳しい。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　宣城国を固守し続けて勢力が孤立しようとも、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　配下が一時的な降伏を進言しても、賊が降伏を求めても怯まなかった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　享年五十三
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

97 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:14:22.10 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年６月　晋　揚州　蔡洲】

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ　　　　　桓彝殿が宣城国で蘇峻軍に討たれたそうです。
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　　 賊を相手に力戦した末の最期だったと
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /　　　
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/　　　　　　　 　　　　　Y爻爻爻爻爻爻爻Xx　　　　　　-―‐- ミ
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://　　　　　　　　　　　　_ノ爻爻爻爻爻爻爻爻Xx　 ／::／:: :: ::_＼::_＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 )爻爻爻爻爻爻爻爻爻X７:: ::':: :: ::／:: :: :: :: ::.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　＞爻爻爻爻爻爻爻爻爻/: /:: :: ::/:: ::.|:: :: :: |:: :: :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　⌒>爻爻爻爻爻爻爻Xr―v:: :: :: ':: :: ::|:: :: ::/:: :ｉ::.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ^7爻爻爻爻爻爻(⌒＼(ｉ:: :: : T赱�__::／:.::/:|::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒)爻爻爻爻爻爻∨:: :|:: :: :: |　　　　 迩/＼_:|__
　　　　　　おかげで再起の時間を稼げた。　　　　　　　　　 ）ｲ爻爻爻爻爻Xx::|:: :: :: |　　_　'　 人＼ｧ⌒ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ⌒V爻爻爻爻爻:|:: :: :: |＼　_´イ:: ::ｉ__合 ヽハ/＼
　　　　　　報いてやらねばな　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　 ﾊ 　 `⌒Vﾍ爻xx|:: :: :: |二二i:: |:: :└―r--- Vﾊ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　r--ミ ｉ　i |　　　　 ／⌒ヽ|:: :: :: ﾄミM ﾍ_|:: ::.|:: :: | |//i　V|二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 〉＼', ∨ |ミ ､ 　 '　　　 八 : : : |从<>／^ 从:: ::.| |//|　 ｉﾊ二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　／ノー＼_{___>ハ　ｉ　　 　 i　:: :: ::|　｀`丶､,;)'⌒｀`〜､/|　 |/| =-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　`　/∨ 　 　 iハ ∨:〜〜７　∨:: :|,x=/￣　＼　　　　　＼ |/|ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　/∨　　　　|V∧)ハ_∨⌒)　∨: !ﾆoﾆY二二',　　 ／二 YV 二ﾆ

98 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:15:46.56 ID:9kJKVzmJ0

　　 ∩＿＿＿∩ 　　　.∩＿＿＿∩
　　 | ノ　　　　　 ヽ 　　| ノ　　　　　 ヽ
　　/　　●　　　● |　 /　　●　　　● |
　 |　　　　( _●_)　 ミ |　　　　( _●_)　 ミ　　　　　　　　陶侃将軍。
　彡､　　　|∪|　　　､｀＼､　　　|∪|　　､｀＼
/　＿＿　 ヽノ　//´>＿ )　　　.ヽノ　/´> 　 )　　　　　 この蔡洲が建康までに
(＿＿＿）　　　/(＿＿＿） 　 　 　 /　(_／　　　　　　　水軍が停泊できる最後の地と思われますクマ
　|　　　　　　 / 　　　 |　　　　　　 /
　|　　／＼　＼..　　　.|　　／＼　＼
　|　/　　　 )　 ) 　　　.|　/　　　 )　 )
　∪　　　 （　 ＼　 　 ∪　　　 （　 ＼
　　　　　　 ＼＿)　　 　 　　　　 ＼＿)　　　　　　　　　　　　　　　　　__　　 __　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　　　　　なら、ここに本隊は駐屯　　　　　　　　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　r_ ， 　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　 　 　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 義軍は軍勢を大きく二つに分けていた。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『成帝紀』によると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　一つは陶侃・庾亮・温嶠が率いる四万の軍勢が建康南西の蔡洲に駐屯。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　これが桓彝戦死の直後の事と推測される
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

99 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:17:19.61 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年６月　晋　揚州　合肥】

　　　　　　　l'i;;l　l'i;;ｌ　l'i;;l 　i!;l⌒i|　l'i;;l　l'i;;l　　　　__
　　　　　　/l三三三三三三三三三三三三l`ー'";:;;|
　　　　　 //i;:'';':;'';:;:'';':;'';:;:'';'i/:;'';;i/';:;''i/:':;;''i/ ;:;:;: :; "|
　　　　　//;:!'';':;'' 　　';':;'';:;iコ';':;'';:　;:'';[l] ;:' : ;';' ;' :;'';'|
　　　　 //'' |;':;'　;':;'';:;:;':;'';:;:;':;'';:;:　';:;;':;'';:;　　;':;'';: :i!　|　　　 ,,;=‐=,,　　
　　　　 `i''　|　　　;':;'';　　:;:　';:;;':;'';:;　　;':;'';: ;;:;;' 　i!;:;;| 　　　|∩;:;:;|　　
　　　　　|;':; |;':;'';:;:　';:;;':;'';:;　[l];':;'';: ;';:;;':;'';:;　　;':; '';;;;: |　　　,|:! i ':;:;|_　　
　　　　　|;':; |　;':;　　'';:;:　';:;;':;'';:;　　;':;'';: ;:i!i　 ,;':; '';i!;: | 　　i'''"￣~`'i　
　　　　　|;':; |;':;'';:;:　';:;;':;';':;'';:;　　;':;'';:;　　';:;　　;':;'';: ;'　|　　|':;'[];:;[]' ;|　
　　　,＿,|;:_,,|:__: ＿＿;　'';':;'';:;　[l];':;';':;'';:;　　';:;:i!　';:;;: ;|　　!':;'';:':　;'';:|　
　　　|:;'';:;:　'';;／| ;:;: ;:;|　;　　'';:;:　';:;;';'::;'';:;　　;':;'';: ;:i!;:;'l　　!':;'[];:;[]';::|　
　　　|:;'';:;:;'／:;'' | ;:;':　|　;':;　　'';:;:　';:;;':;'';:;　　;':;'';: ;:i!i　|　._!':;'';:':　;'';:|　
　　　|:;'':／:;'';:; .'|:;'';:;:;:'i,__;:;__;:;:'';:';:;　;:;:'';:'　;:;:'';:;:'';:';:':'' :'| _|;:|; ;[];:;[]';::|　　　　　　　　　　　　　　　ζ
,.,;:;､, |／:;'';:; ;:;;;.'|:;'';:;:'';:';:;:'';:'|;:;:'';:';:;　;:;:'';:'　;:;:'';:;:'';:';:':'' :'||;:|;`i,;:';:'';:'';; |　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣￣＼
；;:;:　；'''``､;"'"''､; 　　　　　:`;';___,.,._.,　;:;:'';:'　;:;:'';:;:'';:';: ': ',.,;:;､ ;:';:'';:'';;|　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　/＼ 　　＼　　　／ ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　|||||||　　　(･)　　(･) ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　(6-------◯⌒○‐.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　｜　　　　＿||||||||| ｜
　　　　　　　　　まさか、別動隊の将に任命されるとはのう　　　　　　　　　　　 　　　＼　／　＼＿/ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 :　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .もう一つは、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　盧江郡太守毛宝の軍勢が賊側の拠点合肥を陥落させている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .寿春にいる祖約の討伐も視野に入れていたのだろう
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

100 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:20:17.92 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　';:::|
　　　 　 　 　 / | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　　
　　　　　　　　　　 ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　 　　　　　ここで、蘇峻の乱に第三勢力が参戦する
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､ 　 ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　
　　　　 ,. -‐､　　　 ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　
　　　,r'::::.,.-'　　 ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　　
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　 　 　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　 　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　 　 ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ ｰ-　一 ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　 ／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　 　 　 　 　 ／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

101 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:20:55.75 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年７月　晋　揚州　寿春】


　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼＿／|
　　　　　　 　　 /＼ ／＼＼_| ▼　▼　 |＿／
　　　　 　　 　 /　／＼　 ＼ ＼ 皿　 ／　
　　　　　　 　（）)ノ__　○二○二⌒/../　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また出番だ。
　　　　　　 ／ ／||(二ニ) （＿＿_/../　几l　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　　
　　　γ ⌒ ／|�V||彡Ｖミ/⌒＿ノ二二ノl0　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .今度は何なのさ
　　　l|　(◎).|l　|((||（(ﾟ )/⌒/||三三三・） ||　　(´⌒(´
＿＿ ゝ_＿ノ　 　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣(´⌒(´⌒;;





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼＿／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 /＼ ／＼＼_| ▼　▼　 |＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 /　／＼　 ＼ ＼ 皿　 ／　
　　　　祖約の手下が今なら寿春落とせるって。　　　　　　　　　　 （）)ノ__　○二○二⌒/../　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ ／||(二ニ) （＿＿_/../　几l　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　
　　　　あの祖逖軍団が仲間割れとかgrass　　　　　　　　.γ ⌒ ／|�V||彡Ｖミ/⌒＿ノ二二ノl0　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|　(◎).|l　|((||（(ﾟ )/⌒/||三三三・） ||　　(´⌒(´　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ ゝ_＿ノ　 　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣(´⌒(´⌒;;

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .七月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　寿春の祖約が石勒軍の将軍石聡に攻められ、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .兵が潰走したため歴陽へ逃げたと『晋書』『成帝紀』にある
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

102 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:23:52.72 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　|（○）,　　　､（○）､ :|
　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
　　　　　|u　{,｀ﾄ===ｲ ,} 　::::::|　　　　　　　　　　　　石勒軍が攻めて来ました！
　　　　　＼　　 ヾﾆノ　 　.::::/"''=-
　　 ／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　 ﾞヾノヽ
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、 　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:|｢＼/＼／＼/＼
　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　 _________________　 、
　　　 （::::ヽへ、: : : i　　　 i/　 ﾞ''ヽ,/　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　　/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |／:.: /:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼|＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:. /　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:. i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.: /　 :| |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:. |:./　＼|_|:.|:.:.:.: |＼:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:i ⌒Y{¨¨ん　iトV＼:ト|__ノ⌒ .:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.: 从　:|::r刈　　　 ≠ミ ∨:.i: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:　⌒""　　 　 i:r刈 ∧/:.:|
　　　　　陳光め！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　＼:|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:|/:/:/:/:/　　 〉/:/:/:.:.|:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ＼|:.:.:|:.:.:.:.:.:|ｕ　 　 ___　　　　/ .:.:.|:.:.:|
　　　　　あいつがこちらの内情を知らせたに違いない！！　　　　　　 .|:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　`⌒ぅ　　 ｲ:.:.:.:.:|:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　 　 　　_____＼|:.:.:.:.:.:|　＼＿____　イ:.:| .:.:.:.:|:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　 /⌒¨＼:{_＼:.:.:.|＼__ ∧　Ｖ:/|.:∧ .:.i:.|:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　 　 　 　 /　　　　 ヾ 　＼|　　 |{/|______:|/　 W:.:|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 ./　 　 　 　 } }　 ___ ィ⌒7＼__}__} ＼　 /:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　 　 　 /　　　 　 ___:}_}／: : {/＼_ス_}: : : 〉＿∨:ｲ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 寿春ではこの直前に
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .穎川郡の陳光という人物が反乱起こして石勒の下へ逃亡。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　また、祖約配下の諸将に石勒軍に内応する者が続出していた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　戦える状態ではなかったようで、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 祖約は寿春すら放棄してしまっている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

103 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:25:59.79 ID:9kJKVzmJ0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　祖約将軍配下の将兵は
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　　歴陽目指して逃げるつもりのようです。
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　　　　　　　　　 我々だけ残っても犬死にですよ？
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.'　 　 　.x彡-‐‐―― - .ミx　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　,.'"　　　　　　.ﾊ　 .ヽ ＼　V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ./　　　　/　　　　　 l 　 　.',　　 ﾏ .ヽ V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .,'　　　 メ!　　/　　　 |　　　.|　　　ﾏ ..ﾍ.V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 .ノ　l　 ./　　　.ｿ!　 　 ﾘv　 　 \　 ﾍ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .い　/!　|　./　　 シ .l 　 　/__V　　 l 　', ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V / l　 | .,'　.／"" ,' 　 ｼ,zｪミ`.s._>!､ .|　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾒ .|　 .l l ﾒ,ｨf;心'ﾒ .／ ".辷ﾘｿ　fxﾍ\.!　 .V
　　祖約があくまで蘇峻と心中するつもりなら、　　　　　　　　　 ,'　 l　　Vﾍ.` _~,.ｨ'"　 　 　　・　 ./ ,ｨ j　.l　\
　　私たちは尋陽へ集結している義軍に合流しましょう　　　　 ,j 　 .い　x示 '" 　 　 !　　　　　./-"j j　ﾘ　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'.l　　 .V　 ﾍ ﾍ、. 　 ,　　、　 　,.' 　 ,'.,' ./　　|V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.f!　　　ﾍx　ﾊ　.|ﾐv　　　　’, イ_　 .//ソ　 　 |vV
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ., .l l　　　　ﾍ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ﾊ-/.イ　　 　 l.iVヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,　! lv　　　　 ＼x'ﾍ.|_ 　 ￣　_.　"／　　　　　.ﾘ ﾍ.V.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　l .| V 　 　 ,..ｲ＼ ﾍs._￣~ ~_,.ｨ/　　　 　 　 .ｿV ﾍ ﾏ 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　.,　.| .l,...V　　/x::.~l.. KY、~ '' ~　/　　　　　　.ｼ＞乂 ＼\　V

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　同じく寿春にいた桓宣は、数千家を率いて尋陽を目指し南へ移動
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

104 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:27:08.27 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年７月　晋　揚州　寿春】


　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼＿／|
　　　　　　 　　 /＼ ／＼＼_| ▼　▼　 |＿／
　　　　 　　 　 /　／＼　 ＼ ＼ 皿　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　寿春の民を譙に連行しちゃうぞ！
　　　　　　 　（）)ノ__　○二○二⌒/../　　　
　　　　　　 ／ ／||(二ニ) （＿＿_/../　几l　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　　　淮水一帯を空白地帯にして、
　　　γ ⌒ ／|�V||彡Ｖミ/⌒＿ノ二二ノl0　　　　　　　　　　　　　　　 建康の連中に石勒軍の力を思い知らせてやる！！
　　　l|　(◎).|l　|((||（(ﾟ )/⌒/||三三三・） ||　　(´⌒(´
＿＿ ゝ_＿ノ　 　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣(´⌒(´⌒;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　.＼ |（＞）,　　　､（＜）､.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .::::::: /⌒|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　＿/　 /　　=====
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　 　_ノ　　====
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　＼＿　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿__） 　 　 　 ＼　　　======　　　(´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 ＿＿_ ＼＿＿　　(´⌒;;(´⌒;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＿＿＿）＿＿＿）(´;;⌒　 (´⌒

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .『晋書』『石勒載記』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　寿春の二万余戸が石聡に降ったという。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .石聡が根拠地としていた譙に連行されたと思われる
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

105 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:28:10.33 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年７月　晋　揚州　歴陽】

　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　|::::::;ノ´￣＼:::::::::::＼_,. -‐ｧ
　　　　|::::ﾉ　　　ヽ､ヽr-r'"´　　（.__
　　　_,.!イ_　　_,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7
_..,,-":::::rｰ''7ｺ-‐'"´　 　 ;　 ',　｀ヽ/｀7　　　　　いやあ、大変でしたね。
"-..,,_r-'ｧ'"´/　 /!　ﾊ 　ハ　 !　　iヾ_ﾉ
　　`!イ´ ,' |　/__,.!/　V　､!__ﾊ　 ,'　,ゝ　　　　　急な事で兵を送れなかったが、
　　　`! 　!/ﾚi'　(ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ﾚ'i　ﾉ　　　　　 .代わりにこの歴陽を拠点としてゆっくりするようにと蘇峻将軍が
　　　,'　 ﾉ 　 !'"　 　 ,＿__,　 "' i .ﾚ'
　　ノﾉ （　　,ﾊ　　　　ヽ _ﾝ　 　人!　
　（ ,.ﾍ ,）､　　）＞,､ _____,　,.イ　 ハ　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |｢＼________＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l____V/___l|　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.: ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:.:.:.:.:.:.: ﾄ:.:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｉ:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾚ|:.:.:.:.:-l── |:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
　　　　　　　　　　かたじけない。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧＼:{____＼|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l:.:.:.　 灯⌒ｱ|:i:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:∧|
　　　　　　　　　　こちらの状況はどうか？　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　.|:.:.:ﾉ　　　　 从.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:..､　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:.:...　 __ 　 　 |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:厂'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:.: i:.:.＼__　　ィ|:.:.:.／V:/|／{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼{＼{　ＶW⌒|／ 　 　 　 人_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 厂{＼}_________／　,ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （{:／／}:　　　 　 ／　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ⌒|　 |／¨¨¨¨＼_____{

106 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:29:42.88 ID:9kJKVzmJ0

　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　|::::::;ノ´￣＼:::::::::::＼_,. -‐ｧ
　　　　|::::ﾉ　　　ヽ､ヽr-r'"´　　（.__
　　　_,.!イ_　　_,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7
_..,,-":::::rｰ''7ｺ-‐'"´　 　 ;　 ',　｀ヽ/｀7　
"-..,,_r-'ｧ'"´/　 /!　ﾊ 　ハ　 !　　iヾ_ﾉ　
　　`!イ´ ,' |　/__,.!/　V　､!__ﾊ　 ,'　,ゝ　　　　　　　 現在、温嶠たちの軍勢の勢いが盛んなので、
　　　`! 　!/ﾚi'　(ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ﾚ'i　ﾉ　　　　　　　　戦の折は祖約将軍の御力も借りる事になるのではないかと
　　　,'　 ﾉ 　 !'"　 　 ,＿__,　 "' i .ﾚ'
　　ノﾉ （　　,ﾊ　　　　ヽ _ﾝ　 　人!　
　（ ,.ﾍ ,）､　　）＞,､ _____,　,.イ　 ハ　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／:.r_________＼ :.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾑ／:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:. ＼|:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ:.ﾄ :.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:.|:.l　＼:(＼Χ⌒＼|:.:.:.ｉ:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　　／:.:.:.∧{/⌒　　　 代_チ|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　温嶠か。　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:./:.∧ィチ　　　　' ' ' |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:._______厶' ' 丶　　　 　 |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　私は以前からあの男が　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　:ｉ:/⌒¨¨|:::::::::人 　 r .ぅ　 　 |:.:.:.|:.:.:.|:.:. ﾉ
　　　　四公子の事業を為せると知っていた。　　　　　　　　　　　　　 ／________「￣rノﾉ＼　　　　／|:.:.:.|:.:.:.|／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 {／　　／ :.:.:.:.:|ＶＷ 〕ト　イ　 |:.:.:.|:／
　　　　今、それが果たされたのかもしれないな　　　　　　　　　　　／ 　 ／V:. {＼ト{________}　 /　　|:. /_{__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　 ／ 　 ／_ﾆ=- ⌒}￣　　r{ｨ元}＼　 |:/　 -ヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　 　 　 　 ／　　　　　 　 　 　 ＼　　 7介く__/　　　　　　　＼_____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　 　 　 Υ　 　 ィ　:|　　　　　 . -=V/＾'　ﾚﾍ　 　 　 　 ／¨¨¨¨¨¨¨|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　 　 　 人＿____|　 |-=ﾆ⌒¨／　／　　　 　 ＼i｢＼／　　　　　　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 :| 　 ＼___／　／ 　 　 　 　 　 〈¨¨¨{　　　　　　　│

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 『晋書』『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　当時祖約は歴陽を拠点として蘇峻の首尾となり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　温嶠らの軍の強盛ぶりを見て、味方へ感想を漏らしている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　四公子とは、戦国四君の孟嘗君・平原君・信陵君・春申君を指す
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

107 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:31:56.86 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　 　 　 ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　　 　 　 　 　 .／:.:.:.:.:.:.:.:.:|｢＼/＼／＼/＼
　　　　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　 _________________　 、
　　　 　 　 　 ./ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |／:.: /:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼|＼
　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:. /　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V
　 　 　 　 　 |:.:. i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.: /　 :| |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:. |:./　＼|_|:.|:.:.:.: |＼:.:.:.:.:.: |
　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:i ⌒Y{¨¨ん　iトV＼:ト|__ノ⌒ .:.:|
　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.: 从　:|::r刈　　　 ≠ミ ∨:.i: |
　 　 　 　 　 |:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:　⌒¨¨　　 　 i:r刈 ∧/:.:|　　　　　　　　　　何？
　　　　　　　 ＼:|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:|/:/:/:/:/　　 〉/:/:/:.:.|:.:.:|
　　　　　　　　　 ＼|:.:.:|:.:.:.:.:.:|ｕ　 　 ___　　　　/ .:.:.|:.:.:|　　　　　　　　　　桓宣の軍が皖城にいる？
　　　　　　　　　 　 |:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　`⌒ぅ　　 ｲ:.:.:.:.:|:.:.:|
　　　　　 　 　　_____＼|:.:.:.:.:.:|　＼＿____　イ:.:| .:.:.:.:|:.:.:|　　　　　　　　　　温嶠たちに味方するなら、
　　　　　　　 /⌒¨＼:{_＼:.:.:.|＼__ ∧　Ｖ:/|.:∧ .:.i:.|:.:.:|　　　　　　　　　　軍勢を出して討ち取ってしまおう
　　 　 　 　 /　　　　 ヾ 　＼|　　 |{/|______:|/　 W:.:|:.:/
　 　 　 　 ./　 　 　 　 } }　 ___ ィ⌒7＼__}__} ＼　 /:/
　　 　 　 /　　　 　 ___:}_}／: : {/＼_ス_}: : : 〉＿∨:ｲ
　　　　 .∧　　　／　　｢|＼ : : ＼_/__ノ: : rへ ___／＼
　　　 　 　 〉 ／　　___:|」..ノ＼:_:_:/∧／⌒＼_):.:.:＼r )
　　　　 　 ／　 ／　 　 } 　 く:_:_//⌒＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:厂│
　　　　.／ 　 イ　 　 　 }／ 　 ／　　 　 ＼_________/＼ﾉ
　 　 　 V{_____:|　 　 　 :}:　 ／　　　　　　 ﾉ＼:.:.:.:ﾉ_ノ |
　　　 　 ＼____| 　 　 　 V7¨⌒＼　 　 ／ Υ　ﾏ 　 　 ＼
　
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これ以後、長江北岸では歴陽の祖約の軍勢
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

108 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:32:27.29 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年７月　晋　揚州　皖城】

　　　　　　 , '´￣￣｀ ｰ-､
　　　　 ／: : : r‐r==========、
　　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣
　　　{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲ ﾉ　l/　―　ｌ :}　　　　　　　　　　人質は受け取ったので、
　 　 | :ﾚ　| 　　●　　　●　 ｌ :|　　　　　　　　　　毛宝殿の命で援軍に来ましたと将軍Aは挨拶します
　　　|: i: （|.⊂⊃　､_,､_,　⊂ l:/
　　i⌒ヽ: :ゝ　　　　　　 　　 ﾙ|_／⌒)
　　 ヽ 　ヽ 从ヽ,､　 __,　イ从/ ヽ／
　　　∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'　　　　＿｀ヽ､　　　　 ` k!
　 　 ヾ　 　 .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}　　ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f　　x '彡-‐三ミV　　　　　　` s、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　. |　/／　　.i 　 　 .＼　　　　　　　.V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　.{ j'" i　　 ﾘ_　　　　　＞s._　　　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 \ 　.i　　ﾘ-‐ミs,　　　　　 ￣"'x-=.V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'!　 ﾘ,　 ﾘ x笊ミ_` ＜,.ィx 　　　`K'"....,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii　..ﾘ \ /´ 弋少　　　 y‖　 / .ﾊ .＼::::::::~~V
　　　　　　　ありがとう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {.V 杙ﾘ,'　　　 ’　　　　彡　./　　 ﾊ､ .＼::::::::.i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | ..Vﾍｿヽ 　 　 　 　　 ﾘ!v., '　／ .i ﾊ.ﾐx .ﾍﾐ::::}:＼
　　　　　　　誠意は言葉ではなく人質よね　　　　　　　　　　　　　　iﾘ, .iソj 　､.-ァ．　 　.,.' .ﾚ"／　　 .i　}::ﾊ.\ ﾍ.V::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j,' V.ゞ'.` s._　　　 ,.イ ./／　　　　.ﾘ .i::::.ﾊ}　 }　＞､::\
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ii　 N　 　 ﾍ＞＜''::彡'"　　 .／ .ノ　 i乂::j　.ﾘ　　　 ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .ii　/ii.ヾ　　..ﾊ _》:::∧　　x''''' ‐＜ V　!v ./ ./`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .ii .f .iV ヾ 　 .ﾊ.V┤ 　 f　　　 　 Vヾ、ソ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i! i f.i.'V.ﾊ 　 .ﾊ､.f　　 i　　　　　,.斗孑ミ≧‐-= ....,,

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　対する南進中の桓宣軍と援軍に来た毛宝軍が交戦している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

109 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:33:51.01 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年６月　晋　揚州　蔡洲】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣○ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　項　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葛陂　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　涂中
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○ 新蔡　　　　　　　 ｀ｰr‐'￣　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　○ ,.--
　　　　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　○安城　　○【新蔡国】　　r―'´○寿春　　　　　　　　　　　　　　　 　 　,「◎建康
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　,.----'´￣　　　　　　　　　　　　　　○東城　　　　　 .／　　　　
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○新息 　 _/　【安豊郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　歴陽　 ／●蔡洲
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣　　　○安豊　　　　　　　 ○合肥　　　　　　　○＿_{　
　　　　　　○新野　　　　　　　　　　　　　　　　○弋陽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○六安　　　　　　　　　　横江○.|○牛渚
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【弋陽郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}￣ｰ'￣}　　　　　|
ヽ　　○樊城　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　 ∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ｰv'○東興　.／○于湖
　￣○}　　　　　　　　　i　　　　　　　　∧∧　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ーr―'￣　○蕪湖
　襄陽｀}　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　 濡須口○}　　【宣城国】
　 　 　 　}　　 　 　　　 　 　'ｰ,　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　r'　　　　　○宣城
　 　 　 　 }　　　　　　南新市ヽ_,_【江夏郡】　　　　　　　 ∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　_ノ　
　 　 　　　|○石城　　　 .○ 　 　 ヽ○安陸　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　r―'
　 　　　　 .|＿_　　　　　　　石陽○ ｀ー-,　　　　　　　　　　　∧∧∧　皖城○　　 _,.-‐'
.長坂○　　　　|　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　∧∧∧∧　　　　 　 |
　　　　○当陽 ヽ_　　　　　　|　　　　　 ○| 　　　○＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　夏口|　　　武昌　.￣|　　　　○尋陽　　＿r‐'´　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵　　　　　　　　 ／
. ○楽郷__）　　_,.__　　　　　＿r‐'○陸口
　　　 ○'ー'´￣　 |　　　 ／　　　　　　
　　　公安　　　 　 ｀ヽ　r'　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ＞'○巴丘　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　皖城に押し寄せた祖約配下の軍勢を撃破したぞ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

110 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:34:55.98 ID:9kJKVzmJ0

　　　..::i:i:¨¨i:⌒i:ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:⌒i:i:i:i:i:i:i:ｉ:＼
__ ／i:i:i:i:i:i:i:i:／i:i:i:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶i:i:i:ｉ:ｉ:＼
⌒7:i:i:i:i:i:/i:i'i:i:i:/i:/i:i:i:i:ｉ:ヘ:i:i:ﾍi:i:i:i:i:i:i:i:i:＼ <⌒ ヽ
. /i:i:i:i:i:i/i:i:/i:i/i:i:'i:i:i:i/i:{i:i:i:ハi:i'，i:}i:i:i:i:ｉ:Vﾊ ＼
/:i:i:i:i:i:/i:i:ｲi:i:i:ｉ:ｉ:{i:i:ｉ/i:/{i:i:i{　}i:i:}i:斗i:i:i:i:i:}i:i:} ⌒
:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/ {i:i:i:i:i:�W/メ八i:i:iVi:i:/ｨぅ}i:i:i:i:i:i}i:i:ﾊ
i:i:i:i:i:i:i:ｉ/　{i:i:{i:i:i:{ 芹笊�_i人/ 以ﾒi:i:i:i:i:i:i:/i:i}　　　　　　　　　 これなら私は帰ってもよさそうやな。
i:i:i:i:i:i:i:′八人i:i:乂乂ツ　〈/　　⌒7i:i:ｉ:/}/i:i:,
i:i:i:i:i:i:八　 ⌒＼i:ｉ込⌒　　　 i　　 ':i:i:i/i:i:i:i:/　　　　　　　　　　毛宝殿だけでええんやないか？
i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　 ∧: .个:..　ー　'　ｨ . :ｨ
i:i:i:i:i{⌒＼ｉ:ｉ丶//∧.:乂 ≧=r＜ ﾉ八ﾊ
:i:i:ｉ:八　　 ＞<　 /∧{ﾆニ}/^77　个i:i:ｉ
i:i:i:i:i:ｉ:ｉУ⌒＼＼　　〉ニ「 {/{ﾆ＼_{､:i:ｉ}└ﾍ
:i:i:i:i:ｉ:ｉ:,　　　　 V∧/ﾆニ}ﾆ}ﾆ〕iト _{ﾆVﾆﾆ} }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　 -　─‐-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｆ´　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r_‐┴─- ､ ＿　ｒ,. ＝＝＝ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..｀７＞- ､ ＿_ ＞- ､ _　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/､_r‐^,　　,､ 　 ヽ　 l:｀:ヽ　　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　f⌒ヽf'⌒ヽ　　　　ｌ:::::::｀Ｙ´
　　　　　　陶侃将軍がここで睨みを効かせておるからじゃ。　　　　　　　　　 l　 ヽ＿ ィー '｀ ー─┴ ,-､j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　〃/ 川　 ヽ　、　　　 ､_ﾉ
　　　　　　油断されぬよう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ_　　　　　 ＼ヽ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　＼ ￣￣ 　 　 ｀　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ｀ ーｧュ ＿r＜_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ,ィ´/／ ＼_,ノ　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/ 〈/[匸} ／/　／　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾊ｢´| ﾊ／　/　 ＼　　　 l

111 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:35:49.53 ID:9kJKVzmJ0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　 　 ､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|　　　　　　　　陶侃将軍。
. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／　　　　　　　　先鋒を務める庾亮殿配下の軍勢が蘇峻軍に敗北しました
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　,..::::⌒ヽ:::Y'r､::::∧:::::::::::ヽ:::､:.､_〉:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 ／::,..::::::::∧::::::{::::M:::|::|::}:::::|:|::::ヽ::}/､-､:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 /イ:/:/:::::/:::: ,|:::|:::::､　}::|ム斗}::::::::∨_}::::｀ヽ､､:::::::::＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 ／/:/:::::/:::'::/:|:::ﾄ､:::∨::}从ｨtｫﾐ�Y:::�Y'.::::::::::::｀＼::.. ｀ ¨¨　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　イ:::::{/:':::::,|::::|::|-{-ﾄ､'､:::∨,ｲ_)刈 }l:::,::::l:|　 、:::::::::::::::::＼､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　／,::::/::::|:::/:{::::{::| ｨ_ﾌ芹 〉､::､弋zｿ /:::::,::}'　　＼::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ／イ::::::{::::::{/{∧从::､弋zﾘ/:ｲ ｀＼　 /ｲ:::::}:l　　　　 ､:::::::::::::::::|/|:.
　　　　　　　　　なんやて？　　　　　　　　　　　　　　 .／:::::::::::::::从 |/|＼}｀＼ ´　｀　__　 　 /:::::从　　　 　 ＼:::::::::::|/|:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:::::::::::::::::／　 |/八::::込､ 　　´　　　 ｲ{:::/　　　　　　　　　､::::j/,':::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／:::::::::::::::::／　　 //　 ＼::从＞　　_,..イ-､l:/　 　 　 　 　 　 　 ∨/::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::,: 　　　 //　　　 }＼}//{⌒∨ //() 〉　　　　　 　 　 　 //::::､::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::/　　 　,ｲ/　　　 　｢ }/() 〉〉/　{ {//＼　　　　 　 　 　 // }::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::, 　 　 　 / /　 ,. -―ﾏ､()／ｲ: :､:|/＼/()/}ー--､　　 　 r　}　l:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::/　　　　 / /　 /　　 　 } }イ: : :／＿｀ヽ､: : :､}}　　 :.

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .一見、陶侃を盟主とする義軍が優勢に感じられる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　だが、『晋書』『温嶠伝』や『庾亮伝』には、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .義軍側も四苦八苦していた様子が垣間見える
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

112 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:37:48.94 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '"´::::::::::::::::::::::｀丶､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::／:::::::::::::::::: ＼:::::::::::::::::::｀
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /.::: /::::::::::::::::::::::::::::::｀, :::::::::::::::::::,／(_...　-‐=ﾆ|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二二二|　 ＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::ｌ:::::::::::::::: lニニニ二二|／/⌒
　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:::／_..ニﾆつ∨∧l ::::::::::::ｌ:::_..　-‐‥ｧﾆニニ／ﾆ/
.　　　　　　　 　 　 　 　 ／ )＼〉‐-ミ＼. ∨∧::::::::: ／ :/　　／ニニニニニニ=-　.._
　 　 　 　 　 　 　 　 　 (_／.ﾆ二, ヽ､∨二∨/＼／ :: /　／ :lﾆﾆニニ二二二二／⌒
　　 　 　 　 　 　 　 /⌒＼ 二二|こノ ゞ==''＼//｀¨´/／| ::::: l二二ニニニニニ- .._
　　　　　　　　　　 /ﾆﾆニl｀ニ二|ﾉ 　 　 　 u |｀¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二二二二二二ニ- .._　　　 .面目ない。
　　 　 　 　 　 　 / 二二lニ|ﾆ二|｀ ､　　　 　 | :::::::::: |::::: |:::::::: lﾆﾆ=-‐=ニ二二二二二二,＞
　　　　　　　 　 /ﾆニニｌﾆﾆ|ﾆ二|‐＼￣_.. -ﾆ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニニニニニニ=-‐'''"´　　　　先鋒として、
　　　　　　　　/.ﾆニ二ｌﾆ二|ﾆ二|　　|二｝===|:::::::::::: l-二二二二二二二二二二- .._　　　　　　良い所を見せたかったが。
.　　 　 　 　 /二二二ｌ二二|ﾆ二|l 　 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二二二二二二二,＞
.　　　　 　 /ﾆﾆ二二ｌ-ニニ|ﾆ二| l　／ﾆr'''''"| :::::::::::: ｌﾆ二二二二二二二ニ=-‐'''"´　　　　　　処分は受け入れる
.　　　　　/ﾆニニ二lニニニ|ﾆ二|ﾆl｛｛,ﾉﾉ／ﾆ| ::::::::::::: ｌ_..二二二ニニニニニ- .._
　 　 　 /ニニニニｌﾆﾆニニ|ﾆ二|∨厶∠二ﾆ| :::::::::::::: l　　　 　 lﾆニニニニニ二,＞
.　　 　 二二二二l:|ﾆﾆニニ|ﾆ二|　 ／_...､､､､| ::::::::::::::: l　　　 　 l ＼二ﾆ=-‐'''"´
.　　　 |ﾆニニニ二| γ^ヽﾆ|ﾆ二|∨／_ -ｧ'" | :::::::::::::::: l　　　 　 l二_＼
.　　　 |ﾆニニニ／|ﾆ|　　|ﾆ|ﾆ二|∨／ﾆ/ /.ﾆl::::::::::::::::::::l　　　　 _ｌ__ﾉ|⌒
　　　　 ｰ─'''"´　 |ﾆ|　　|ﾆ|ﾆﾆ│{｛二/ /ﾆニl:::::::::::::::::: l　　　　)|　| |
.　　　 　　 　 　 　 |ﾆゝ__ﾉﾆ|ﾆ二|∧二{ ｛ 二二l::::::::::::::::: ｌ￣￣´ |　|ﾉ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 『晋書』『庾亮伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　義軍が石頭に至ると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　庾亮配下の軍勢が蘇峻軍を討とうとするも敗戦を喫した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　庾亮は自身の節を陶侃へ送って謝罪した
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

113 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:39:05.76 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -へ__　　　 ....:::‐‐‐:::::......　 ___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:>.:´:i:i:i:i:ｉｨ:i:_i:i:i:i:i:i:ｉ＜⌒
　　　　　　　　　　　　 　 __　　／i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:〃i:i:i:/i:i/i:i/ｉ:ｉ}/^}:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　　　　___⌒>.:i:i:i:i:i:ｉ:／i:i:ｉｲ:i:i:i:i:i:i:ｉ:ﾒ､:i{i:ｉﾊ:i:i/:i:i:}:i:ｉ:〈⌒
　　　　　　　　　　　 ⌒ア.:'i:i:i:i:i:／i:i:i:// {:i:i:i:i:i:{笊ミﾊ/ }i:/}:i:i:,i:i:i:i:i}
　　　　　　　　　　 __／／i:i:i:i／i:i:i:i:i/i:{　{i:{i:i:i:i�WVﾂ八/ｲ斗/i:i:i:':i:}
　　　　　　　　　 '⌒アi:i:i:i:／／i:i:ｉ:ｲ.:乂八乂ｉ:ｉ乂　　 /, 以ﾒi:i:i:/i:人
.　　　　　　　 ／ ／i:i:i:i／i:i:i:i:i:i:ｉ:' 八{⌒　�Yi:{､⌒　_ 　　 /i:i:i:i'i:/{⌒　　　　　　古人は三度敗北したけど、
　　　　　　／ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　___ヽ __r八{-ト .　_｀　ｲi:i:／}/i:{　　　　　　　 庾亮殿は二度敗北しただけや。
　　　　 ／ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ/ 　 ´　 　 Y､.: .:ヽ　/Vﾊ ノイi:i:i:i:i:i:ｉ{
　　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,　　 {　　　　 }ﾆ＼__,ィﾆｱ､〉　 i:i:i:i:i:i:i:ｉ{　　　　　　　 今は事態が差し迫っとるから、
　　　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:ｉ:/ 　　, 　 　 /^7-=ﾆ7//＼ﾆ〉ヘL:i:i:i:i:i:i:ｉv/　　　　　　いちいち数えて指摘するのもよろしくない
.　 　/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i/　　 /　　　人/-=Vﾆﾆ>､/ノﾆﾆ}:_:}:i:i:i:i:i:i:ｉV/
　　 ′/i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　′ 　　,　{ﾆ／ﾆニアﾆ=-=ニニV:i:i:i:i:i:iV/
　 /:i:i/i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:′　　 , 　　_厶<ﾆニニ／-={ノ⌒Yﾆニ}:i:i:i:i:i:i__V/
. /:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{　　　/i:i／{ﾆ＼ﾆニ／--＜乂　ノﾆﾆｲ:i:i:ｉr { r‐ﾍ
/:i:,i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:乂　 .:i:i:i:i:i:i:＼ﾆ}_／-=ﾆニニ/ {｀¨¨ｱ:i:i:i:i:ﾄJﾉノ¨i:}
⌒{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:{⌒　{i:i:i:i:i:i:i／}ﾆ「}-=ﾆニﾆ／　 �Yﾆ{_＿ ｨﾆﾆゝｧi人
　八:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:乂 　 ー‐ ´　　 「￣}ﾆﾆ／　　　　�Y「i:i:i:i:i:＼ﾆﾆﾉ:i:i:＼
　⌒'，:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{⌒　 　 　 　 　 ﾉ⌒ﾆ／^}　 　.:{ 　 �Yi:i:i:i:i:i:i:i:V/i:i:i:i:i:i:i:＼
　　 ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i八　　　　　　　 '-=ニ人ﾆニ=-　_＿ 「�Yﾆ=-:i￣:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　 /∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i､　　　 ／-=ﾆﾆ/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾆ=-�Yﾆ=-＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
　　　　　､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼ ／-=ニニ/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i�Yﾆﾆ=-＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃が答えて曰く
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

114 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:40:11.03 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼
　　　 ...::i:¨¨i:ヽ　__　　 ----　　>〉へ
　__／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:「」:i:i:ｉ:⌒:i/^i:i:iﾍ⌒＼i:i:＼
⌒^7:i:i:i:i:i:i:i:i://i:ｉ:ｉ/:ｉ:/i:':i:i:iﾊi:i:ｉ:i:i:i:i:丶i:ｉ:＼
__,ノi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ〈/:ｉ:ｉ:/ｉ:/{i:i{:i:i:{　}i:i}i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼
⌒7:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ':i:ｉ:ｉ:'ｉ:/`ﾒ､{i:i:i{　}/}斗}i:i:i:i}i:i:i}i:i:i:i:i:､
　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{i:i:i:i{笊示�_:i:i:Vｨぅ示}/:i:i:i:i:i:i:i个⌒＼
/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/{ｉ:i:i八乂ツ　乂:〉ﾋﾂﾒ/:i:i:i:i:i/i:i:八
:i:i:i:i:i:/i:i:ｉ:/八i:i:i:ｉ乂　　 　 '　 ⌒7:i:i:/}/i:i:i:i:i:i/,
i:i:i:ｉ:/i:i:ｉ:/ ⌒ハ:ｉ:込、　 - -　　ｲ:i:i/i人i:i:i:i:i:i:i:/,　　　　　　　　　　　朝廷に門閥が多いから、
:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/　　/i:∧{⌒ }iト　_　ィ_ /イi/　 '，:i:i:i:i:i:i/,　　　　　　　　　　.国に禍いを生んだんやと思う。
:i:i:i:i:i:iｲ　　 {i/⌒ 「￣ﾆ「ﾊV^{ﾆﾊ }/　 /∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:i:i/i{　 　 }　_rく　/ﾆﾉ<ニ>Vﾆ{/　　　/∧i:i:i:i:i:i:i:/,　　　　　　　　 .喪乱を招いたんは蘇峻一人のせいやない
i:i:i:ｉ'{i八,　¨¨¨⌒}ﾆ>､_{ﾆ=-=ﾆ＼>ヘ -ミ /∧i:i:i:i:i:i:i/,
i:i:/八ｉ:7　　　　 ﾘ/-=ﾆﾆ乂_＿ﾉニ=-ヽ　V/∧i:i:i:i:i:i:/,
i/ 　⌒{　　　　.:/{-=ﾆﾆ=-(　:.　)-=ﾆニ}　v /∧i:i:i:i:i:i:i:i､
　　　_ﾉ〉　 　 ｲﾆ乂ﾆ=-イﾆ7 〈ﾆ＼-=ﾉ　_j_　/∧i:i:i:i:i:i:i:i＼
　　<ﾆニニニ〉V-=ﾆニニニ{　�Yﾆニ{-=ﾆﾆ}　/∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　 　 }ﾆ7⌒∨ 　 ､ﾆ/-=ﾆニj　　�Yニ{ﾆ=-^「　 /∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　 　 }/i:i:i:／}　 　 }/-=ﾆニ/　 　 �YﾆVi:i:i:i:iV/　　}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　i:i:／／i　　 /￣Yﾆﾆ/　　　　 ＼ﾆVi:i:i:i:V/　'i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:､
　　　|/ /:i:i:i:　　 {　__ﾉニ/=- __{___ -=�Y∨i:i:i:V/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}⌒＼(＼
　 　 j /i:i:i:i:{　　 乂ﾆ=-/ﾆﾆ/　 　　Yニ�Y∨i:i:iV/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,　　　 ＼
　　 「〈i:i:i:i:i:}　　'-=ﾆﾆ/ﾆ=-乂 _＿ノ-=ﾆ�YﾆVi:i:iV/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/
　　 i　Vi:i:i/　/-=ﾆﾆ//7i:i:i:i:iﾆﾆ=-:i:i:-=ニVﾆ∨i:i:V/i:i:i:i:i:i:i:i:/
.
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .寛大な対応である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　昨今の騒乱に対する陶侃なりの見解とでも言おうか
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

115 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:41:22.53 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　|（○）,　　　､（○）､ :|
　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
　　　　　|u　{,｀ﾄ===ｲ ,} 　::::::|　　　　　　　　　　　　　.大変です！
　　　　　＼　　 ヾﾆノ　 　.::::/"''=-
　　 ／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、　　　　　　　 三呉で挙兵した
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　 ﾞヾノヽ　　　　　　王舒殿らの軍勢が蘇峻軍に撃破されました！！
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、 　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　 （::::ヽへ、: : : i　　　 i/　 ﾞ''ヽ,/

　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|

116 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:43:11.51 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年秋　晋　揚州　無錫】

　　　　　　　　/＼Ｙ／ヽ
　　　　　　　/ （○) (○）ヽ
　　　　　／::::⌒｀　 ´⌒::::＼
　　　　　|　,-)　ヽ＿＿ノ（-、|　　　　 　 　 .jl　　　　　　　／/
　　　 　 | 　l　 　|r┬.l［］　　.|　 　 　 　 　 l ||　　ヽ　＼／
　　　　　＼ 　　 `ー|| |　 ／""'''ヽ　 　 　 | ||　　　ゝ　　　/　　　　　　　　駆逐艦なんざ敵じゃねぇっていう！
　　　　,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─
　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ　）　　　ヽ
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　r"`ヽ､
　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::　＼
　 ／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ ＼　　/　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　 .＼:::　＼
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　　）:　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　　 _,／￣￣`〈::　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　／/ 　 ,　 /＼　.i i Ｖ〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　 / /　 ∠ﾑ/ ー-V l　「ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　 j v､!○　　○ i　'　├'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　／　 〈　　 ワ　 /　.i y'
　　　　　　　　　　出るたびにやられてばかりなのです　　　　　　　　　 　　　　 ./ _ ,.イ , `ｰｩ　 ｔ-!,､_У
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　´　'　.ﾚ^V´　Ｖ_,ィtｰ〈　　｢| ｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　　　 /　`央ー'j　　＼_|:| |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　　 ,/ー､{,_ﾉ　/ー､! 　＼::::]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　呉興郡太守　虞潭

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この頃、王舒らの義軍は建康東方の無錫で蘇峻軍に大敗
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

117 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:44:23.32 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年秋　晋　揚州　呉郡】






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,　'. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :;:, .:. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. .:', .:.　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.':::;:, .:.　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 ':;:.　:::. .　..:.:λ:: :: .;;.'; ::,)､::.:;　 　　 　,: ´　⌒＾ ヾヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　 ..':;ヾ::.:ｿ)人ノ　从:. ｿ）ノ　）:.:　 　　(,, ""⌒　'' .. " ヾ　）
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .::V　　　　　　(ソ 　ﾍ （､'　,, . :::::::（　ﾉ( ソ( ､ﾉノ..:::.　　　　 　 ,　'.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',:; .::）　　　　　　　　　　　　 . . ,, :::::::'''(, イ")ﾉ::..:::::,,::　　　　 　 :;:, .:.
　　　　　　　人;;从;;；;:　　 .:.（ノ　　　　　　　　　　　　　　. . .,,, :::::（’''....ノソ),,:::　　　　　　 . .:', .:.　
==lｭ、 　　rl´⌒;:⌒`〜ｭ、 ::::）　　　　　　　　　　　　,ゞ.:　 .ノ(~〜ノ（’''''ソ､' :::: .　　　　　 .':::;:, .:.
　　rl=========ｭ　　　　ヽ .:::: .:ｿ　　　　　　　　　 （: :.　　 ,,（、、...,,,Y),,,ノ:.:）,, ,ﾂ..　⌒;:⌒`〜;;从;;人;;;⌒｀;:(´⌒;:⌒`〜;;
　 /　 　 　 　 　 ∧　　 　/ ::..:（　　　　　　　　　　　　）:::==lｭ　 rl=======lｭ　　　r（´⌒;;:⌒∵⌒｀);（´∴人;;ﾉ`;;`;:;:;:;:;:;::;:;:;
. /　　　　 　 　 /　 ',rl===============lｭ　/　　　　　　　 ヽ/　　　　　　 ヽ　 /　　　　 　 　 　 ヽ人;;从;;；;:´⌒;:⌒`〜　
/＿＿＿＿＿/＿_/　　　　　　　　　　　　 ∧＿＿rl====================lｭ　(´⌒;:⌒`〜;;从;;人;;人;;从;从;
三三　三三三|三/　　　　　　 　 　 　 　 / 　', 三/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∧ 　 ;;人;;; 　 　,: ´　⌒＾ ヾヽ　 人;;从;
三三　三三三|::/＿＿＿＿＿＿＿＿__/＿＿, /　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 ', /:(´⌒;:⌒(,, ""⌒　'' .. " ヾ　）`〜;;
三三　三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/＿＿,|::::::::::::::::::::（　ﾉ( ソ( ､ﾉノ..:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, :::::::'''(, イ")ﾉ::..:::::,,::　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 そして、会稽郡の銭唐まで退いた。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　勝った蘇峻軍は呉郡まで侵入し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　役所は焼かれ、諸県は略奪されたと『晋書』『王舒伝』にある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　『晋書』『蘇峻伝』は、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 蘇峻軍が通過した場所で滅ぼされないものはなかったと記している
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

118 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:45:22.44 ID:9kJKVzmJ0

【紀元３２８年秋　晋　揚州　蔡洲】

　　 ∩＿＿＿∩ 　　　.∩＿＿＿∩
　　 | ノ　　　　　 ヽ 　　| ノ　　　　　 ヽ
　　/　　●　　　● |　 /　　●　　　● |
　 |　　　　( _●_)　 ミ |　　　　( _●_)　 ミ　　　　　　　　陶侃将軍。
　彡､　　　|∪|　　　､｀＼､　　　|∪|　　､｀＼
/　＿＿　 ヽノ　//´>＿ )　　　.ヽノ　/´> 　 )　　　　　 荊州の将兵を代表してお話がありますクマ
(＿＿＿）　　　/(＿＿＿） 　 　 　 /　(_／
　|　　　　　　 / 　　　 |　　　　　　 /
　|　　／＼　＼..　　　.|　　／＼　＼
　|　/　　　 )　 ) 　　　.|　/　　　 )　 )
　∪　　　 （　 ＼　 　 ∪　　　 （　 ＼　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　 ＼＿)　　 　 　　　　 ＼＿) 　　　　　　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　.　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:i
　　　　　　　　　どうしたん？　　　　　　　　　　　　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　r_ ， 　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　　　　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　 　 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『温嶠伝』は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当時義軍は数戦して利を失っていたとし、次のような事件を紹介する
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

119 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:46:16.97 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　 ∩＿＿＿∩
　　　　　　　 | ノ 　　　　　ヽ
　　　　　　　/　　●　　　● |
　　　　　　 |　　　　( _●_)　 ミ
　　　　　　彡､ 　,､､|∪|　,,,ノ　　　　　　　　　　　　　 お前らどこのもんクマ？
　　　　　　/　　　.　ヽノ 　ヽ　
　　　　　　|　　＿r'ﾟlﾆﾆﾆl]_ _＿＿＿/l　　　　　　　　他人様の兵糧奪おうとはいい度胸クマ
fﾆﾆﾆﾆllﾆﾆ|　 ＼[ l===ﾆﾆl]}||||||||ll]}ｺl|====iﾆｺ
|l_,,=-'''~　 | ＼...　ヽ'''ニ「_,,,l⌒l｡__｡_]三i三三iＦ
　　　　　　|　〈,,/ヽ__＿）|ll [`ー'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　実は温嶠軍の連中がクマたちの兵糧を持ち出していますクマ　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　同じ義軍だぞ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧､.ノヽヽ、ﾆ__ ーノﾞ--､..
　　　　　　　　兵糧を独占せずに俺たちにも融通しろや　　　　　　　　　　　　　　./⌒ヽ＼　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|(●) | i ＼　　/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿ノ ^i　| 　　　ハ　　| 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. |＿|,-''iつ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__|_|／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ニニ〉

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　温嶠の軍が食を欲しいままにしていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

120 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:47:54.87 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼
　　　 ...::i:¨¨i:ヽ　__　　 ----　　>〉へ
　__／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:「」:i:i:ｉ:⌒:i/^i:i:iﾍ⌒＼i:i:＼
⌒^7:i:i:i:i:i:i:i:i://i:ｉ:ｉ/:ｉ:/i:':i:i:iﾊi:i:ｉ:i:i:i:i:丶i:ｉ:＼
__,ノi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ〈/:ｉ:ｉ:/ｉ:/{i:i{:i:i:{　}i:i}i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼
⌒7:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ':i:ｉ:ｉ:'ｉ:/`ﾒ､{i:i:i{　}/}斗}i:i:i:i}i:i:i}i:i:i:i:i:､
　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{i:i:i:i{笊示�_:i:i:Vｨぅ示}/:i:i:i:i:i:i:i个⌒＼　　　　温嶠殿は前に将士の憂いはないから、
/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/{ｉ:i:i八乂ツ　乂:〉ﾋﾂﾒ/:i:i:i:i:i/i:i:八　　　　　　　年寄りの私はただ盟主になるだけでいいと言っとった。
:i:i:i:i:i:/i:i:ｉ:/八i:i:i:ｉ乂　　 　 '　 ⌒7:i:i:/}/i:i:i:i:i:i/,
i:i:i:ｉ:/i:i:ｉ:/ ⌒ハ:ｉ:込、　 - -　　ｲ:i:i/i人i:i:i:i:i:i:i:/,　　　　　 でも、今、数戦敗北して良将はどこにおるんや？
:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/　　/i:∧{⌒ }iト　_　ィ_ /イi/　 '，:i:i:i:i:i:i/,
:i:i:i:i:i:iｲ　　 {i/⌒ 「￣ﾆ「ﾊV^{ﾆﾊ }/　 /∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:i:i/i{　 　 }　_rく　/ﾆﾉ<ニ>Vﾆ{/　　　/∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:ｉ'{i八,　¨¨¨⌒}ﾆ>､_{ﾆ=-=ﾆ＼>ヘ -ミ /∧i:i:i:i:i:i:i/,　 　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
i:i:/八ｉ:7　　　　 ﾘ/-=ﾆﾆ乂_＿ﾉニ=-ヽ　V/∧i:i:i:i:i:i:/,　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
i/ 　⌒{　　　　.:/{-=ﾆﾆ=-(　:.　)-=ﾆニ}　v /∧i:i:i:i:i:i:i:i､ 　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .事件の記述と陶侃の発言を見る限り、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　温嶠軍の兵士たちが陶侃軍の兵糧を奪っていたらしい。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .陶侃は怒って温嶠へ言った
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

121 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:49:14.57 ID:9kJKVzmJ0

　　　 ...::i:¨¨i:ヽ　__　　 ----　　>〉へ
　__／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:「」:i:i:ｉ:⌒:i/^i:i:iﾍ⌒＼i:i:＼
⌒^7:i:i:i:i:i:i:i:i://i:ｉ:ｉ/:ｉ:/i:':i:i:iﾊi:i:ｉ:i:i:i:i:丶i:ｉ:＼
__,ノi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ〈/:ｉ:ｉ:/ｉ:/{i:i{:i:i:{　}i:i}i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼
⌒7:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ':i:ｉ:ｉ:'ｉ:/`ﾒ､{i:i:i{　}/}斗}i:i:i:i}i:i:i}i:i:i:i:i:､
　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{i:i:i:i{笊示�_:i:i:Vｨぅ示}/:i:i:i:i:i:i:i个⌒＼　　　荊州は胡と蜀に接してるし、
/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/{ｉ:i:i八乂ツ　乂:〉ﾋﾂﾒ/:i:i:i:i:i/i:i:八　　　　　　兵糧が無くなったら、私は西へ帰って良策を考えんとあかん。
:i:i:i:i:i:/i:i:ｉ:/八i:i:i:ｉ乂　　 　 '　 ⌒7:i:i:/}/i:i:i:i:i:i/,
i:i:i:ｉ:/i:i:ｉ:/ ⌒ハ:ｉ:込、　 - -　　ｲ:i:i/i人i:i:i:i:i:i:i:/,　　　　 ただ、今見積もった感じやと、
:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/　　/i:∧{⌒ }iト　_　ィ_ /イi/　 '，:i:i:i:i:i:i/,　　　 .賊を討ち滅ぼすのは遅くならざるを得んと思うんよ
:i:i:i:i:i:iｲ　　 {i/⌒ 「￣ﾆ「ﾊV^{ﾆﾊ }/　 /∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:i:i/i{　 　 }　_rく　/ﾆﾉ<ニ>Vﾆ{/　　　/∧i:i:i:i:i:i:i:/,
i:i:i:ｉ'{i八,　¨¨¨⌒}ﾆ>､_{ﾆ=-=ﾆ＼>ヘ -ミ /∧i:i:i:i:i:i:i/,　
i:i:/八ｉ:7　　　　 ﾘ/-=ﾆﾆ乂_＿ﾉニ=-ヽ　V/∧i:i:i:i:i:i:/,　　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
i/ 　⌒{　　　　.:/{-=ﾆﾆ=-(　:.　)-=ﾆニ}　v /∧i:i:i:i:i:i:i:i､　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧　
　　　　そうではありません。　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　　　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　昔から軍勢が勝つ時には和がありました。　　　　　　　　　　　 .-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　光武帝の昆陽や曹公の官渡が　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　寡兵で敵勢に当たれたのは義を杖にしていたため　 　　　　　　　　　　 ＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　　
　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　対して温嶠曰く
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

122 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:51:35.27 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|　　　　　蘇峻と祖約は小豎であり、
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ　　　　　今日の挙兵によって一戦で決着をつけられます！
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　　 蘇峻は勇将ですが勝ちに驕っていて、
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /　　　　　　　.今挑戦すれば、一鼓の間に虜にできるはず！！
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/ 　　　　　　　　　 どうして進退の計を考える必要があるんです！！！
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　- -　　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .小豎とは子供の事。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　人を馬鹿にする時に用いられる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

123 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:52:35.36 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|　
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ　　　　　.天子は幽閉され社稷は危うく、
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　　　　　　.四海の群臣の肝脳は地に塗れ、
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　　 .国から恩を受けた私たちにとってはまさに死命の日！
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　　　　　.勝てずに身が滅びれば、不足を先帝に謝罪するだけ！！
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　- -　　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　

124 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:53:59.04 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|　
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ　　　　　 今の情勢で陶侃将軍が
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　　　　　　 義心なく帰るのなら、人心は必ずそれを阻むでしょう！
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /　　　　　　　 .人臣に阻まれて失敗してもよければ、
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　　　　　 将軍は義軍の旗の向きを変えてもらって結構です！！
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　- -　　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:／}i:/　 　 　 　 　 j　　 '-=ﾆﾆY ￣ Yﾆニ=-＼〉'，_＿ ∧　

125 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:55:00.22 ID:9kJKVzmJ0

　　 ∩＿＿＿∩ 　　　.∩＿＿＿∩
　　 | ノ　　　　　 ヽ 　　| ノ　　　　　 ヽ
　　/　　●　　　● |　 /　　●　　　● |
　 |　　　　( _●_)　 ミ |　　　　( _●_)　 ミ　　　　　　　　兵糧の件の謝罪がなかったクマ
　彡､　　　|∪|　　　､｀＼､　　　|∪|　　､｀＼
/　＿＿　 ヽノ　//´>＿ )　　　.ヽノ　/´> 　 )
(＿＿＿）　　　/(＿＿＿） 　 　 　 /　(_／　　　　　　　　　　　　これだから中原の奴らは嫌だクマ―
　|　　　　　　 / 　　　 |　　　　　　 /
　|　　／＼　＼..　　　.|　　／＼　＼
　|　/　　　 )　 ) 　　　.|　/　　　 )　 )
　∪　　　 （　 ＼　 　 ∪　　　 （　 ＼　ﾋｿﾋｿ
　　　　　　 ＼＿)　　 　 　　　　 ＼＿) 　　　　　 　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .__／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ 　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　|　 　　 お取込み中失礼するぜ　　　　.|　　　　　　_ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　- -　　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :i:i:i:i:i:／}i:/　 　 　 　 　 j　　 '-=ﾆﾆY ￣ Yﾆニ=-＼〉'，_＿ ∧　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陶侃は何も言わず、結局軍を留めて去る事はなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

126 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:56:04.44 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　 _ ,,､rェ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::!　　　　　 |:::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 i;:::::::::::::::::::::::::::::!､
　　　　　　　　 ／;::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::／　　　　　　 .i;:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､_
　　　　　　　 /,イ'::::;::::::::::::::::::::i:::::/::::/　　　　　　 　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::､;ヽ￣
　　　　　　　'　/:/::i::::::::::i::::::::_:l::::ﾊ::i　　　　　　　　　 　 i::::::;:::i:::::::::::::::::::ヽ.ヾ:､
　　　　　　　　i:ｨ::::i::::::::::i::::::/ .|::::| !:!　　　　　　　　　　　|:::/|::!::::::::;::::::::::i!::i　 ｀
　　　　　　　　i!{:::ﾍ::::::::ﾊ::::!＿.W!_.i!＿＿.　i>o<!　　 　 !;/ И::::;r､:::i;::::i !::|
.　　　　　　　　 ∨ﾊ::::::|　キﾆこ''''ヽ　＼　￣｀¨¨''' ー／､,,_i!.i::/　|/ヽ:::! .}!
　　　　　　 　 　 V.,r-､|　　　,､r＼__｀ヽ､ヽ　 i,r '　,､r''´ ._,,r､｀'''‐ ､_/:/　'
　　　　　　　　　　!./＼| ヽ　-={::)ﾃ-ﾐヽ､ﾐｖ　.'　､,r-ー''´,､rーヾ､/ミ/
　　　　　 　 　 　 .i　,r〈!　.ヽ 　｀ー＝ゝ＞j　 i　├=ｪ::イこ_ヽ 　 .iー､　　　　　　　　　　　揉めているようだが、
　　　　　　　, ､i´¨|　 ./.　　　｀ー-''¨´　''　三て',＼ ｀´ー '´¨_　|V　h　　　　　　　　　　　気さくにいこうぜ気さくに。
　　　　_,r' ´　/　　!ヽﾍ､　　　　　　　　　　i　 .i　ゝ　｀' ' ¨´　　　.! i .| .|｀ヽ
_,､r ' ´/　　 /　　　∧ヽﾄ　-,,,__,,,､､r r-　 i　 .i　 ｨ､　　　　　　 ,ﾉ丿ﾉ　.|　ﾄ､　　　　　　　.気さくな郗鑒の登場だ
　　　./　　./　　　 i　|ヽj ﾍ 　 !,r'´　 ヽ､　 　 i　,r'-ヽ､　　　 ,イ´ /　　 .|　 ! 'i
　　 /　　 /　　　　|　|/ .|　∨┌､　　　 ｀､＿／　　　 ＼　 / /,ｨ'　　　　.! i　 .i＼
　 ./　　 '　　　　　.!ｒﾆ‐､|　 ! i 　ヾニ＝=ｪ､､,,,＿　_,､ァ i ./ /´,,|_　　　　　.|　　i:::＼
　/　　　　　　　　 .!ヽ.ヽ.ヽ　　　 ',｀ー-==ニ二_フ'´　'　/　i'´／｀i　　　　　|　　i:::::::
./　　　　　　　　　 !　K 　 ヽ　　　ヽ､__　　　　　 ,r'　　　 /　.｀i／　　　　　 !　　i:::::
'　　　　　　　　　　|　.! i,　　ヽ　　　r'´｀¨¨¨'''i,'´　　　　／　／i!　　　　　　　　　|::::
　　　　　　　　　　.|　 ', 'i　　　ヽ　　　　　　　｀　　　／　　,i'　/|　　　　　　　　　.|:::
　　　　　　　　　　.|　　｀|　　　　ヽ､_　　　　　　　／　　,r'/　/::|　　　　　　　　　 |:::

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この頃、郗鑒が兵を率いて長江を渡り、陶侃と会見している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

127 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:58:04.66 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　　　　　　　　__　　 __　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　 　 　 ⌒＞:i:i⌒＼ __　　 -─‐‐-　＜i:⌒＼
　　　　　　　　　　　 __／:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ア´:i:i:ｉ:/:i:i:i:ﾍ:i:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i＼ __
　　　　　　　　　　 ⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:':i:ｉ:/:i:ｉ:i:i:iﾊVｉ:}:i:i:i:'，:ｉ:ｉ:＼⌒<
　　　　　　　　　__ ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:'i:i:/i:{i:i{　}i:i}i:}:i:i:}:i:ｉ}:i:i:i:iVi:i:i＼
　　　　　　　　⌒ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｲ:i:i:i:i:i:/}/八i:Vi:/}ハ�Y:i:':i:ｉV八i:i:i:i:i＼
　　　 　 　 　 ／:i:i:i:i:i:i:i／i:i:／ {:i:i:ｉ:{:笊示�_i:/ｨ示笊}/i:i:i:i:}<⌒i:i:i:i:i:i:i:i::..
　　.　　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ:／　　ｉ:i:i:八乂ツ /∧ 乂ツﾒ:i:i:i:}i/　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶
　　　　 ／:i:i:i:i:i:i:i:／i:ｉ／　　　八:i:ｉ:从 　 　 i　　 ⌒7i:i:ｉ:/}'　　　丶i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.　　　　　　　じゃあ気を取り直して。
　　　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:／:ｉ:ｉ:,　　　　　 ⌒'，ｉ込、 　r_ ， 　 ':ｉ:/i/　 　 　 　 ＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
　　　':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:/　　　　　 　 ∧ｉ:ｉ{__}:ト　_　イ:}i:i/}/　　 　 　 　 　 '，i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.　　　　 .蘇峻軍にどう当たるか、
　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 　 　 　 　 　 /∧「¨「ﾆﾍ/ﾆニ}/¨{　　　　　　　　 /∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　　　　.ここにいる皆の意見を聞こか
　　i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　　　　　　　_ﾉ　}ﾆニ}ﾆﾆ〈　 /7　-- ミ､　　　　　 '，:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V/
　　i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/　　　　 　 　 　 -=fﾍ,ノ＿／＼＿>'ﾆ{ 　　　　 i　　 　 　 ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:v/
　　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　 　 　 ´　　ノ-=「二二二」ﾆニ∧　　　　 :.　　　　　/∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i'，
　　:i:i:i:i:i:／}i:/　 　 　 　 　 j　　 '-=ﾆﾆY ￣ Yﾆニ=-＼〉'，_＿ ∧　　　　　/ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
　　:i:i:i:i:'　八(_　　　 　 　 /{___/-=ニニ＞-＜ニニニ=-V////〈ﾆ〉　　　　　　}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
　　i:i:ｉ/　 　 ｀⌒　 　　　〈///{-=ニニ人　:.ノﾆニニﾆ=-}/「i:i:i:「ﾆ{　　　　　　 i:i八:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
　　ｉ:ｉ'　　　　　　　　　　　}/i:ｉ:乂-=ニニ7　{ﾆニニニ=-/　|i:i:i:i:＼〉　　　　　ノ/⌒ '，:i:i:i:i:i:i:i:i:i:､
　　/　 　 　 　 　 　 　 　 i:i:i/ /{≧=-</ 　 V≧=--　ｲ{　 i:i:i:i:i:i:i:iV/　　　⌒´　　 ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .蘇峻の乱を通じて目立つのは、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　戦に強い蘇峻軍・庾亮のやらかし・荊州勢の戦意の低さである。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .これらの対処に当たった温嶠の気苦労は絶えなかっただろう
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

128 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:59:10.35 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　_＿　　　_ ....::‐‐‐ ＜ﾆﾆ＞-- 、
　　　..::i:i:¨¨i:⌒i:ア:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:⌒i:i:i:i:i:i:i:ｉ:＼
__ ／i:i:i:i:i:i:i:i:／i:i:i:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶i:i:i:ｉ:ｉ:＼
⌒7:i:i:i:i:i:/i:i'i:i:i:/i:/i:i:i:i:ｉ:ヘ:i:i:ﾍi:i:i:i:i:i:i:i:i:＼ <⌒ ヽ
. /i:i:i:i:i:i/i:i:/i:i/i:i:'i:i:i:i/i:{i:i:i:ハi:i'，i:}i:i:i:i:ｉ:Vﾊ ＼
/:i:i:i:i:i:/i:i:ｲi:i:i:ｉ:ｉ:{i:i:ｉ/i:/{i:i:i{　}i:i:}i:斗i:i:i:i:i:}i:i:} ⌒
:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/ {i:i:i:i:i:�W/メ八i:i:iVi:i:/ｨぅ}i:i:i:i:i:i}i:i:ﾊ
i:i:i:i:i:i:i:ｉ/　{i:i:{i:i:i:{ 芹笊�_i人/ 以ﾒi:i:i:i:i:i:i:/i:i}　
i:i:i:i:i:i:i:′八人i:i:乂乂ツ　〈/　　⌒7i:i:ｉ:/}/i:i:,　　　　　　と、その前に、郗鑒殿には三呉の義軍を救援して欲しいんよ
i:i:i:i:i:i:八　 ⌒＼i:ｉ込⌒　　　 i　　 ':i:i:i/i:i:i:i:/　
i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　 ∧: .个:..　ー　'　ｨ . :ｨ
i:i:i:i:i{⌒＼ｉ:ｉ丶//∧.:乂 ≧=r＜ ﾉ八ﾊ
:i:i:ｉ:八　　 ＞<　 /∧{ﾆニ}/^77　个i:i:ｉVﾆ
i:i:i:i:i:ｉ:ｉУ⌒＼＼　　〉ニ「 {/{ﾆ＼_{､:i:ｉ}└ﾍ/
:i:i:i:i:ｉ:ｉ:,　　　　 V∧/ﾆニ}ﾆ}ﾆ〕iト _{ﾆVﾆﾆ} }　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ﾊ::!::!:::!:::::::::ヽ
i:i:i:i:ｉ:ｉ:′　　　　}//}ニ／_-=ﾆニﾆ「Vﾊ-=ﾊ}　　　　　　　　　　　　　　　 :::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::.　｀´　ﾉ::}:::|::!::::::ヾ::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :/　　Vﾐ　ゞ| '´⌒!ト:: !|::.　　ｰ彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ノ ミ　　,　'≦ミトｚｚｲ}:: {::　彡:::j!/|:::::/j!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ_ _}　..　ﾐ　-t::ｯ-ｩ�cノ::ノミｚｚｘ}::/::j:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ、)　::.ゝ　ー-~~ノ:: ﾐ　 (:夂ｭ:i'´／ノ'"
　　　　　　　分かった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ~}, ,乂　　　　　　...　　 ﾊ::ィ::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 \, , ,::} ー-::彡.. と、　 {:: 　 ﾉ
　　　　　　　蘇峻の逃げ道は潰しておくに限る。　　　　　　　　　　　　 キ;:;{´　　( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　ヾ; ; ; , , ヽ｀ー--ζ/　ハﾆヽ
　　　　　　　これが奇策ってやつだ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾒ; ; ; ; ￣｀ｰｲ;.ﾉ　　 ∧ﾆﾆト、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´　　　　∧ﾆj}ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　{'"　　 |ﾆ--イ　　　　 　 ∧ﾉﾆﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　|ﾆﾆﾆﾍ　　　　　 　 Yﾆニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　|ﾆﾆﾆﾆ:.　　　　　　　}ﾆﾆﾆ

129 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/16(水) 23:59:51.94 ID:9kJKVzmJ0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|　　　　蘇峻軍は騎兵が多く、私たちは舟と舵を杖としています。
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　　　　　石頭城に至るまでの道中、
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　.塁壁を築いて賊の疲労を待った後で制圧すべきです。
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　　　　この先にある白石を拠点にし、塁壁を築いて守備を固めましょう
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|二＼　 〈＼｀ヽ､ ::::::::::::::::: ／:::::::::::::::::::::: ／ :::::::: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐- ..._|＼|二二＼∧　＼. ＼:::::::::::::´::::::::::::::::::::::／..::::::::::::/.::: ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆﾆニ｀ニ＼二二二l:,　　＼〈＼ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆニニニニニ二二ｌ:::::,　　　 ∨＼:::::::::::::::::::/.: ／..::::／|::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二二二二二二二l ::::::::,　　　 ∨/＼:::::::::::/／..::::∠._　|::|::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニニニニニ二二ｌ::::::::::::::.　　　|∨'‐--‐''"´:::::／　　 ｀'ト|::::::::/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆニニニニ二二ｌ:::::::::::::::..＼　 |: ＼:::::::::::,,.　'´＼＼　 八| :: /: |
　　では、塁壁の軍勢の指揮は私が執ろう。　　　　　 ﾆﾆニニニ二二ｌ::::::::::::::::::::::::｀¨|::::::::｀¨¨´|　　　　＼>'′ﾉ／..:: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニニニニ二二ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　 　 　 ｛／..:::: |
　　汚名は返上しなければな　　　　　　　　　　　　　　 .ﾆニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ＼ ::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ.._|＼ﾆニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　 ､_　 　 　 ／ ::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾆニニ二＼|＼ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　＼_,> ／..::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆﾆニニニ二二＼|＼::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 　 　 　 ／:::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニニニニニニニニニ＼|＼::::::|::::::::::::::::: |｀'　.,,_／|│::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニニニ二二二二二二二二＼|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .戦場において、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　温嶠と庾亮は積極的に動いていた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .後がない上、彼らが戦う顔をしていないと誰もついてこないからだ
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

130 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:01:52.01 ID:W/DURSEK0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　 　 ､（●）､.:|　　　　　　　　　恐れながら。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|
. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|　　　　　　　　　蘇峻は狡猾な知力を有し、
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／　　　　　　　　　徒党は驍勇を誇っており、向かう所敵なしと言えるでしょう。
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　　　　これを誅滅するのは困難ではないでしょうか
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 ,. :'／:/:,: : : : : : }!: : : : : : : : : :､: :'._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 /ｲ: :.:/:/: : :./: : : /: : : :.:.|: : :.､: ﾊ__',:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 / /: :./:.': : : /:/: :/: : : : :|:.ト､,ﾊ|: !:|三!､:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　/: :/|:|: :i: :.': :!: :.!: :.:/: :.}: |｀　´!:.|:{＿}: :ﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 |: /: |:|: :|: :|:_:|:_:.|: :.:|: :/: ﾘ ＿ |_:!:|:.T: :.{＿:_＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　{/|: :|:|: :|: :|: :|{从:ヽ|:ｲ: /　＿_}/|ﾘ:.:|: :.:ﾄ､__:､
　　　皆さんは怯懦に過ぎます！　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ:|:|: :|:{:.!:圦笊ら､ }/ ,斥笊ら}: : |、:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　⌒{:|: :|:从: { 弋し' 　 　弋こｿ ;: :/:ﾄ从_ィﾊ
　　　賊を褒めるなんて！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ�Y＼: 人　　　 _'_　　　　/: /: |_ノ　 / 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　＿,.._/＼}＼:} ､､..　V_） 　 イ:_/-≧´r- ∨
　　　白石の塁壁が完成するまで私が防戦します！！　　　 / //:::/_ヽ､_　 }!｝:.�Y＞-≦::r |/{:::,:-:Y⌒ヽ＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 / ｲ/:::/-､_Y /　_/:.:.:/_ﾉ::::::::::::} 〈´＼':::| （⌒/}＼:.＼::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 イ{　〈:::{_｀ヽノ-'　/ }:.,ｲ:::::::::☆::::::T:�W{__ﾏヽ　/ j! __}｀ヽｰ┴-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 〈:::{／＼　T´/:::＞-'／:.:|ﾊ;;;:::::::::::::::::::{:.:.:.:.:.〉イ／ / ＼_｣＼:.:./::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 7＼＿＿／／　　{:i:.:.:.:|　`:::::::::::::::::::::ﾏ:.:.:.ヽ､__／＼　＼__｣/::::/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .『晋書』『蘇峻伝』にこんな話がある。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　朝廷の士大夫で義軍に加わった者は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .蘇峻軍の強さを恐れており、この様子を見た温嶠は激怒した
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

131 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:03:35.42 ID:W/DURSEK0

　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　　　 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼ノ　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼ノ
　　（ ;:;:;:;:;ﾉ 　　 ､（ ;:;:;:;:;）　　　　　（ ;:;:;:;:;ﾉ 　　 ､（ ;:;:;:;:;）
　　|.　　　 )､_, )ヽ､,,　.::::|　　　 　　|.　　　 )､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　 . 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　何か言いたい事があればどうぞ
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´|||.::::::／　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´|||.::::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　　 　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ,.ｨ7/. :／. :／ : : : : : : : : : : |^'^l: |i: ﾍ: :V´ ￣ l､l
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　 ー=＝彡イ- './／. :／. : :,.ｨｉ> '´: : : :ｉ|: |　 ｌ :|i, : ｌ : :l : : : :l : ﾆフ
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / /ｨ7／.:/. /. : ,.ｉ「>'´ : : : xX,.ｉ|: |　 !:/i; : l; : :l￣￣l :｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ー=ﾆ彡l.::/. : ,.ｉ「〉' : : : :,. -:/,.ｉ|:/　j/,.l ' /l; :/二二l ミ=-┴ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'´. : :〃l::::l : /,.ｉ/..:/. .／イ/:/ｉ|/_,／斗z=x /. : : : : ! r ─ '´
　蘇峻軍が段部や拓跋部より強いはずがない。　　　 ／ /彡': 〃.::l::::l:./ｉ|/l.::/｀丶、 /ｲ j/　 ィ「iﾊ_);i j' ｌ彡,: : :l :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,.ｨ/彡': 〃／ﾊ:从i^ヽl/ xfF宏弌t ,,　' 'ﾞ t戈ク　/l彡': : / :l
　そんな風に思っていた時期が私にもありました　　l/ / : ::::: ｌｌ　　　 Y八 ( 〉l ヾ't戈ク,,.　　　 ''｀"´　//i'′: / ヽﾐ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　l: : .:::/ ｌｌ　　　 / Yl＼｀ヽ孑=- ﾐx　　､〉　　_,.ノ/. : : : / ﾊ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l: :::::/　N　　　 l _,.l:l:「,.i｀ﾍ″'　　沁i __ ,.._､ ,／.: : : : /j/　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l: :::/　　　　　／.ノｲ N l:::/l:>｡.-)ﾉ'兮ｰ.. ''~/.::::::::/／-‐ ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ^ ー─ｧ- 、　　　 l:::::!　 ,..　'⌒ |　　　:i:i ﾉｲN,.へ个is｡,　　_,./.::::／　　/三　V^i〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾟ.ﾉ^丶､;;/ ..:::::l　　 　 ヽl　/ァ､::/´ |　　　:i:i 　,.-{:.... /￣/＾Vﾆ, l:／ﾆｌ,.、/ ￣　,ｨi〉′
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 /ﾟ ) ;;;;;;;;/ ＼ ::::::! へ⌒'' r く....＼ヽ ∧　 　 i:i / /￣/´(⌒　ﾟ Vﾆﾆﾆﾍ_)／ 　 ,.ｨi〉'

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところが、連戦して勝てなかったため、温嶠は蘇峻を憚ったという
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

132 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:04:54.03 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年秋　晋　揚州　白石】

__　,.::-ーｭ_,､_rv:..､　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,-─-::_,,　_::.　`　.:::., ..:::ｰy　
::.｀`　-､.::...　.:、:...-iー..__,、_　　___ﾉ:.ー､＿　　　　　　　　　　　　　　　,,--‐'´::.......　:i　.::::::::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,
_::.　`　.:::., ..:::ｰy　....:..　:... .:::.｀'".::　::i..　　 ﾍ'￣`::r､─ ､＿, ､_,､--''`'´.:::::::::... .::..　:::.　.:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,_ -　､::..... ::　　　::..v　:....::"　　..:;''.:'"　`　::.　　　:.:....　.::::::::.:.:.:..　:...　 _,..- '':::::::::... .::..　:::.　.:::::...
::. ::..:::.......,;,..　　./:: .:.::　丶　..　..:......､　　:.､　　ノ-",::~_-　､:::::::::::.::...-､　 `-　 :::.　.., '":::::::::::::::


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　　大変ですッ！　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　晋　.|　　　　┌─┐　　|　庾　 |　　　　　　　 .|　晋　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵


／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　『晋書』『庾亮伝』に曰く。
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　当時庾亮は二千人を率いて白石の塁壁を守っていた
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　 ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

133 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:06:35.41 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　(　/　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ ----| __∨＿ 　 /￣￣￣／
　　　　　　　　　　　　　|',　　　　　　　　　　＿＼＞'"ﾟ~￣￣~ﾟ"'' ､　　　(
　　　　　　　　　　　　　|∧　　　　　　　 ／　.:／_／＼_:／￣￣＼＼＿.:＼
　　　　　　　　　　　　　|/∧.　　 　 　￣￣／／ 　 　 : /　　 　 　 ＼＼ :〈￣
　　　　　　　　　　　　　|//∧ 　　　　 　 /／　　　 .:/　{　　　　 　 　 ＼)　＼　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　|///∧　　　 　 /　 /　　　:/ :ﾊ∧　 　 :|　　　　 ＼　 ＼_　　　　　　　　/｜
　　　　　　　　　　　　　|////∧__　　／ '.:/　　　:/ :/＾⌒ヽ　　:|　　＼　 ＼＞＜⌒　 　 　　　/ﾆ.|
　　　　　　　　　　　 　 〈///／⌒.／ :/ :/　　　:/ ‖　　　|∧ .:|､＿　 ＼　 ＼　 ｀`〜､、　 _-ニ./
　　　　　　　　　　　　　 ∨/ニﾆ|＼∨ . :　 |　 /|＼{　　　 |　 ／ ＼.:|　　〈￣￣　　　 _　 -ニニ/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨ニﾆ|:i:i:i:|:/ | :/:| 斗ぅうミk　 　　斗ャか�_＼　V ￣＞'"ニニニニ/
　　　　　　　　　　　　　　　　-ニ |:i:|∧ |/　| 八 乂ツ　　 　 　Vツノ ／ |＼　／:i:i:_|ニニニ／ ＼
　　　　　＿＿＿＿＿＿＿　∨ﾆ|ｉ:ｉV∧/|八(　＼　　　､　　　　 ⌒7　　|　 /:i:i:i:/ニ.／￣￣￣￣　　庾亮が白石に？
　 　 　 /￣￣＼／:i:i:i:i:i:＼＼∨.|:i:i:ｉV∧| 　 圦⌒　　　　　　　　　ｉ　　 |. /:i:i:i:/ニ./
.　　　 /　　　　/:＼:i／＼:i:i＼:.∨＼:i:|ﾆ.:|　　|＿:.､　 ､　　　ァ　 / |　　 |/:i:i:i:/ニ./　　　　　　　　　　懲りない奴だな本当
. 　 　 |　　　　 |:i:i:i:|＼　　＼:i:i＼_､ニ二小　从　/:＼ 　　　　 イ　:|　　 ||:i:／ニ./＿＿／￣￣￣＼
. 　 　 |　　　　 ＼:i:|　 ＼　　＼:i:i:| ＼=/ |　/＼.:〕＼__＞-＜＿{/ 从　 :|ニニ／ 〉　　　＿＿＿　　 ＼　　
. 　 　 |_ 　 　 　 　 　 　　＼　　￣＼_.＼.|‖＿_〕／￣￣￣＼/＿／|　:|ﾆ.／ | /＿_／:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼＿__＼
　　 ／￣＼￣￣|　　/￣￣／￣|　　　 八{ }ﾆ／　 　:/　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　
　　|＿　 　 ＼ 　　 ‖ 　 /　　／|.　　 /　　 /　　　__/＿ 　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　
　 /:i:i:i:i＼　　 ＼　‖　 /　／　　' ＼/　　 //∧／ニニﾆ≧　　　　　蘇峻が大軍で攻めて来ました！！　　　　ニ=-
. /:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼. 　 　 |. 　　 /　　 ,/　　 ＼_ /／∨＼ニニ. 　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
￣＼:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　| 　　/　 　 　 　 ／　　 　 　　　〕_／　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　 　 ∨:i:i:i:i:i:i:i:i| 　 |. 　/　　　　　／　　　 ／￣￣￣￣￣＼　　　∧　　　　｜　　　,　　　／　　　 ＿＿|　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そこへ蘇峻が一万余の歩兵を率いて、塁壁の四面に押し寄せてきた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

134 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:07:41.61 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　 ／　''''''　　　　 ::::＼
.　　　 　 |　　　（●）,　　､（●|
　　　　　|　u　　 　.,,ﾉ(､_, )ヽ､|　　　　　　　　　　　　　よりによって蘇峻本人とは……
.　　　 　 |　　　　 ｀ -=ﾆ=- ' :|
　　　　　 ＼　　U　 ｀ﾆﾆ´_／　　　　　　　　　　　　　 反乱を起こして以来負け知らずですよ。
　　　　　　/　　　　　 　 ヽ
　　　　　　|　　＿r'ﾟlﾆﾆﾆl]_ _＿＿＿/l　　　　　　　　.勝てる気がしません
fﾆﾆﾆﾆllﾆﾆ|　 ＼[ l===ﾆﾆl]}||||||||ll]}ｺl|====iﾆｺ
|l_,,=-'''~　 | ＼...　ヽ'''ニ「_,,,l⌒l｡__｡_]三i三三iＦ
　　　　　　|　〈,,/ヽ__＿）|ll [`ー'￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :: | :::: |::::::::::| :::| :::|　 ＼＼ ::::::::::::: l::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌﾆﾆ_.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :: | :::: |::::::::::| :::| :/　　　l＼＼:::::::::: l::::::::ｌ:::::::::::::::::::＿,,..､ +・''"´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :: | :::: |::::::::/ :/|/　　 ''"´ｌ:..＼ ヽ､ : l::::::::l:::::::::::／..::/　　／　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::| :: /／　／_.､　-‐ァ'⌒＼: ｀''･‐--‐･''´ :::::/　／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ::::::|＼|／ / ／／乂ｼ ／⌒::::::::..＼ :::::::::::::::::::::: /／　　　／::l二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼|:::..ﾆ＼｀　　''"ﾟ~￣　 　 ｌ::::::::::::::..＼ :::::::::::::::/　／　／ :::::: l二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::l:::::: ＾ﾏ　　　　　　　　 　 ｌ::::::::::::::::::::｀''･‐･''´／　／::::::::::::::: l二
　　　　狼狽えるな。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .|:l::::: ／　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::::::::l::::::::l _,,.　'´:::|::::::::::::::::: lﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l| : `、　　　　 　 　 　 　 　 l:::::::::::::::::::::l::::::::ｌ:::::::::::::::|::::::::::::::::::／
　　　　各々の務めを果たせば道は開ける。　　　　　　 l| ::::::`、　　 　 　 　 　 　 　 l:::::::::::::::::::::l::::::::l::::::::::::::|::::::::::::／ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::`、 _... -- .._　　　　　 l:::::::::::::::::::::l::::::::l:::::::::::::|::::::／ニニ
　　　　我々は義によって立っているのだから　　　　　　| ::::::::::: `、ー･''"´　　　　 　 l:::::::::::::::::::::l::::::::l::::::::::::|／二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::::::::::::::::`、-‐ 　 　 　 　 　 l:::::::::::::::::::::l::::::::l::::: ／二二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::`、　　　　　　　 _..l:::::::::::::::::::::l::::::::l／二二二二二,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::::::::::::::::::::: `、 　 _..　 ''"´::: l:::::::::::::::::::::l::::::::l二二二二,,.+''’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::::::::::::::::::::::::: ｉ￣/:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::| :::: |二ニ,,.+''’二二

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　将兵は皆震え上がったものの、庾亮は彼らを激励し続けた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

135 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:08:55.72 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　/ﾌＹ　ヽ
　　　 　　　　　/(>)(◎) ヽ
　　　 ＿　　／⌒｀´⌒:#;; ＼　　　　　　　　　.蘇峻将軍！
　　　 　　　| -）＿＿＿（-、 |
　　　　　.__ |#；　|!!il|i|!li| 　ｌu.|　　　　　　　　 .敵の抵抗が激しく、
　　　　 ／　＼　･｀⌒´ 　 ／　　　　　　　　　我が軍の犠牲が増えていますっていう！！
　　　　〈_／＼ .`ijｰ─‐'"　＼／゛〉
　　　　　　　 ） 　　　　　／＼__／
　　　　　　　/ 　＿　／　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ( (／　 ノ⌒'＜ ＼
　　　三　／ __　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)⌒＼＿_　　　＞＼⌒＼
三　　　!　/r .）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 　 ''"~~~"''＜ ノ)⌒て(　 　＼‐-ミ
　　　　　ヽヽ _／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／＿＿／　　／　} ＼)＼)　)　　 ヽ⌒＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　　 　 　 　 　 __／　　　＼　 ＼⌒＼人 （い　)　　　)　ﾉ　／ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ⌒7　　　　＼　＼　 ＼＿＼＼) )＿＿__／ ／　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ((|　　 ＼　　＼　) 　 ―＜ン／ ／￣￣`<　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 /xャ(⌒　　＼　 ＼／　 ／￣＼＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 八＼　､/代ﾘ |　　　 　 ＼(⌒　 /⌒¨¨¨¨¨´
　　　　　　　　　　　潮時か。　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ./⌒)ヽ＼)　　　|人 ＼-ミ　 ）　／＼＿／￣￣＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 ＿＿彡　 〈　　／〉　＼( ７ ∨／＼／／＼＿＿　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　退くぞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／／⌒7　　 个s｡..,,＿／／|　／ |_／／＼:i:i:i:i:i:i:i:i:＼＿＿＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 |＼ ／八 /V从∨ 心へ|　| |/|　／　/　　　￣￣／:i:i:i|　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 |　|:＼___∧ ∧　／|￣＼_／　|/___／　　　　　／　/:i:i/　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣＼　　　　　　　 　､　＼／ 　 ＼__|＿|＿　 ＼＿_／＼／|￣| ∨　　 ￣　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈:i〉　〉　　　　　 　 　 ＼ |　　／ /_ノ/_／∨＼_|　 |　|　 |／　/ /　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ____ ∧　　　　　　 　 　 　|　 '　 /　__l___／ 　 )八　　 |　 |l　 / /＿＿＿＿＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨∧　　　　　 　 　 　 |　|_／／＿＿_＼　　　 ､　 |　 |l／ /￣￣￣￣￣/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　激しい戦いの末に蘇峻軍は撤退
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

136 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:10:37.68 ID:W/DURSEK0

. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.:::
:::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .:::::........　.　.::::::... .... ..:::::::::　.　.::::::... ....:::::::::
,_:::....::::::........ （　　　　　... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .... ..:::::::｀⌒ :::::::::....::::::........　.　.::::::... ....:::::::::
　: ﾞﾞ"'ｰ-､,, ..::::）　　　ﾉ::::::........　.　.::::::... .... ..:::::::｀⌒ :::::::::....::::::........　（　　　　　::::::::
　: : : : : : : ｀（（　　 ,,,;）..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::（;;､(,,,　　　、::::::....::::::..）　　　ﾉ:::::... ....:::::::::
: : : : : : : : 　　　）　 ﾉ　　､.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　,,）　　　　(　::::　::　（（　　 ,,,;）　:...　.　.::::　..　.
　: : : : : : : : （ _　⌒) 　　`ｰ（　　　　　 .. .. . ...　..（　(　　　　,;;.　..　｀⌒）　 ﾉ　　.. .. . ...　...　..::. .. .　.
　　　　 : : : : : 、:（ 　(　　　　: :）　　　ﾉ　... .. .. .　　ヽヽ　 ,,ﾉ　..　..::. .（ _　⌒) .　..　.:　:::..　... .. .. . ...　.
　　~~^^;:;:'',,,,.....=)　ﾉ-;;;;;~~^（（　　 ,,,;）^^~~~~~^^"'''~）　）)　　^^'',,~~~~~（ 　(　''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
　　　　　　　"^　 )ﾉ　　　　　　）　 ﾉ　　.,"'`',（　　　（,, （　　　　　''.,,.....=)　ﾉ-':
. ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::
....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .:::::........　.　.::::::... .... ..:::::::::　.　.::::::... ....::::::::: ::::::::　.　.::::::... ....:::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　 」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,.
　　　　　　　　　　　　　　 ＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽ ヾ ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　 ヽ 「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣


───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 これを追撃して数百人を斬ったという。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『温嶠伝』には、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼らが斬った敵兵は二百人だったとある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　とはいえ、蘇峻の乱勃発以来、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 何気に初めて蘇峻軍を打ち負かした戦となった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

137 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:11:14.68 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣○ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　項　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葛陂　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　涂中
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○ 新蔡　　　　　　　 ｀ｰr‐'￣　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　○ ,.--
　　　　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　○安城　　○【新蔡国】　　r―'´○寿春　　　　　　　　　　　　　　　 　 　,「◎建康
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　,.----'´￣　　　　　　　　　　　　　　○東城　　　　　 .／○白石　　　　
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○新息 　 _/　【安豊郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　歴陽　 ／●蔡洲
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣　　　○安豊　　　　　　　 ○合肥　　　　　　　○＿_{　
　　　　　　○新野　　　　　　　　　　　　　　　　○弋陽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○六安　　　　　　　　　　横江○.|○牛渚
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【弋陽郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}￣ｰ'￣}　　　　　|
ヽ　　○樊城　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　 ∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ｰv'○東興　.／○于湖
　￣○}　　　　　　　　　i　　　　　　　　∧∧　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　｀ーr―'￣　○蕪湖
　襄陽｀}　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　 濡須口○}　　【宣城国】
　 　 　 　}　　 　 　　　 　 　'ｰ,　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　r'　　　　　○宣城
　 　 　 　 }　　　　　　南新市ヽ_,_【江夏郡】　　　　　　　 ∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　_ノ　
　 　 　　　|○石城　　　 .○ 　 　 ヽ○安陸　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　r―'
　 　　　　 .|＿_　　　　　　　石陽○ ｀ー-,　　　　　　　　　　　∧∧∧　皖城○　　 _,.-‐'
.長坂○　　　　|　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　∧∧∧∧　　　　 　 |
　　　　○当陽 ヽ_　　　　　　|　　　　　 ○| 　　　○＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　夏口|　　　武昌　.￣|　　　　○尋陽　　＿r‐'´　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵　　　　　　　　 ／
. ○楽郷__）　　_,.__　　　　　＿r‐'○陸口
　　　 ○'ー'´￣　 |　　　 ／　　　　　　
　　　公安　　　 　 ｀ヽ　r'　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ＞'○巴丘　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　石頭城攻撃の態勢が整う頃には九月に入っていた
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/

138 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:12:16.57 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　揚州　蔡洲】

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　 　 　| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'　　　　　　　　天の神、地の神、祖宗の諸霊に申し上げます！
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /　　　　　　　　　逆賊を成敗する我々に御加護を！！
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､　　　　 　　　　　 　 　 　 　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｒ===========r‐、: : ＼　　　　　 　 　 　 　 ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.―‐――‐―�h‐l┤、 :ヽ　　　　 　 　 　 　 |.―‐――‐―�h‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |　　　　 　 　 　 　 Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ―　 ﾄl!: : :|　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ―　 ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜　 　　　　 　 　 　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　 丶_ノ　　 ..ｲ:i : : /⌒i 　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　 丶_ノ　　 ..ｲ:i : : /⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ /　 /　　 　 　 　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ /　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　从 l||l　 //ヾゝ八__／:.:.//l||l从. .　　　　　 　从 l||l　 //ヾゝ八__／:.:.//l||l从.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{　( ⌒ )　　　　　　　( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{　( ⌒ )

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 石頭城へ進軍するに当たり、
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .温嶠は臨時の宗廟を建設させ、皇天后土祖宗の霊へ祝文を読み上げた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　声は激情を帯び、流れる涙は顔を覆い、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .三軍で仰ぎ見ない者はいなかったと『晋書』『温嶠伝』は記している。
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 決戦を前に士気の発揚を狙ったのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

139 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:13:34.19 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　 　 　 ___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　　　　　_ノ 　　 ___＿ノ:i:i:i:＼ __　--　__　 )}　　　　　　　　　　　　　　 　　）　　　　出航ッ！！　 　　（
　　　　　　　{(　 __ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/⌒7{:i/i:/}ﾍノ乂 __　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　 　 　 ｀¨⌒アi:i:i:i:i:i:i／:i/i/i/i:i:{ﾒ/{i:i:/}i:i:i:<⌒　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　　　　　／:i:i:i:i:i:／⌒7ｨi:i/�W芯ﾐ{i//}/i:':i}
　　　　　　　 ／i:i:i:i:i:i／　　 　 }ｲ:i乂⌒ﾉ乂/i:i/}/
　　　　 　 ／:i:i:i:i:i:／　　　　　　__}込、　　ｨi:/
　 　 　 ／i:i:i:i:i:i:iｲ 　 　 　 , ‐＜⌒7ﾆ≧f/}八
. 　　／i:i:'i:i:ｉ:ｉ:八乂　　 　_i　 　 }＼{／{_}ﾆ{:i:ｉ:V/　　 rvﾍ　　　　　　　　次は私らの番やな
　　':i:i／:i:i:i:i:/　 ⌒　　__ﾉ{＿ ｨﾉﾆfﾆニt‐‐'，:i:i:ｉ:､tﾍﾍV}::〉
　/.:iｲi:i:i:i:i:i:'　　　　 　 {ﾆニﾆ}ﾊﾆ人ﾆニ>‐<ヽ:i:i:i:i:i:〉V:::〉{
. ':i{　}i:i:i:i:i/　　　 　 　 V/:i:ｉ「/∧ﾆ=-¨´〉 〈ニ}＼_ﾉﾆ=-ｧ'ﾆ=-　__
.{:i:i:Vi:i:i:i:i:{　　　　 　 　 }:i:i:ｉ:}　/∧--ﾍ/ 　 Vﾆ「ﾆﾆ=ヘ{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾆﾆ=--- __
.乂:':i:i:i:ｉ:八　　　 　 　 .:i:i:i:iｲ　　　}‐‐vヘ__, _＼>､-=ﾆ/⌒ﾆ=-:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i<⌒
⌒'i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:＼ 　 　 　 i:i:i:i:i:}　　_ノﾆ/ﾆﾆ「￣ 」ﾆ>､¨¨´　　　⌒ﾆ=-:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i⌒ﾆ=- __
./:i:i:i:i:i:i:i:、i:i:i:丶 　 　 ﾄ--ｲ／-=ﾆ//／i:i:i:i:i:i:「/∨＼__　　　　　　⌒ﾆ=-:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾆ=- _
':i:i:i:i:i:i:i:i:i{＼i:i:i:ｉ:＼ }Vニニ〉-=ﾆｲ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼_V/::ﾆﾆ=-　 __　　　　⌒＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.
{:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉV/丶i:i:i:ｉ└rﾍニ{-=イi:i:i:i:＼i:i:i:i:i:i:／i:i:i:i:}-=ﾆニニニニ=-　__　　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
:.:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV/　 ¨⌒「////}「:::ﾘi:i:i:i:i:i:i:i:=-:i:i:i:i:i:i:i:i:i|-=ﾆニニニニニニニ=- __　＼:i:i:､i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
∧i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:∨/　／/V⌒VﾊV⌒ ー‐‐r‐ r ‐─=ﾆ」-=ﾆニニニニニニニニニ=-　＼(＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶
/∧:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉV／ﾆ/ﾆ{:{:{:{ﾊ::}∧　 　. :/ﾆV　 　 　 「-=ﾆニ＼￣ -=ﾆニニニニニﾆ=-　　丶:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.
　/∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:､ニ{ニ|:|:|:|:ﾄ､〉ﾆ〉　 . :ﾆニi　　　　 ,-=ﾆニニﾆ＼ _＿__￣-=ﾆニニニ=-＼　 ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
_＿_∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼iニiJJj:jﾆﾆ/　. : /ﾆニ{　　　　ﾊ ￣ -=ﾆニニニニニニニニニニニ=-丶 　 '，:i:i:i:i:i:i:i:i:}

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .同日。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　陶侃を都督とする水軍が石頭城へ向けて進軍開始
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

140 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:14:39.93 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　揚州　白石】

‐- ..._|＼|二二＼∧　＼. ＼:::::::::::::´::::::::::::::::::::::／..::::::::::::/.::: ｀
ﾆﾆニ｀ニ＼二二二l:,　　＼〈＼ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ﾆニニニニニ二二ｌ:::::,　　　 ∨＼:::::::::::::::::::/.: ／..::::／|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::,　　　 ∨/＼:::::::::::/／..::::∠._　|::|::::::::: /
ニニニニニ二二ｌ::::::::::::::.　　　|∨'‐--‐''"´:::::／　　 ｀'ト|::::::::/|
ﾆニニニニ二二ｌ:::::::::::::::..＼　 |: ＼:::::::::::,,.　'´＼＼　 八| :: /: |　　　　　　　どうだ。
ﾆﾆニニニ二二ｌ::::::::::::::::::::::::｀¨|::::::::｀¨¨´|　　　　＼>'′ﾉ／..:: |
ニニニニ二二ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　 　 　 ｛／..:::: |　　　　　　　私にだってこれぐらいはできる
ﾆニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |　　　　　　 　 ＼ ::::: |
-=ﾆ.._|＼ﾆニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　 ､_　 　 　 ／ ::::: |
.ﾆニニ二＼|＼ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: |　　　＼_,> ／..::::::::::::|
ﾆﾆニニニ二二＼|＼::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 　 　 　 ／:::::::::::::::::: |　　　 　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
ニニニニニニニニニ＼|＼::::::|::::::::::::::::: |｀'　.,,_／|│::::::::::::::::: |　　　 　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
ニニニ二二二二二二二二＼|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |　　　 　　　 　': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 /: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 |: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 {: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 .＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 -ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　
　　　　　　　　　　戦った将兵を貸したのは私ですよ　　　　　　　　　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　＼: ﾊ　　 　 ＿ __　　 ｨ: /r≦―-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 /＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　/{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　庾亮と温嶠は、精鋭一万を従えて陸路白石から石頭城へ向かった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

141 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:16:23.54 ID:W/DURSEK0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　 　 ､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|　　　　　　　　　あの、お取込み中の所を失礼します。
. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／　　　　　　　　　司徒の王導様が訪ねてこられ、お二方への面会を求めておられます
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jI斗‐…‐　､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::: ', ﾑ`:::､::.､　　,ｲ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 　 //:::|:::{::::::::}::| vﾑ ::::ヽ:ヽ '=ｌ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::|:{: |:::{:::: /:/　 vﾑ ::::: V:'.,ﾆ',　 ,ｨ　　　　,ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 {//ﾞ{VＶ{／}/'"　 i:vﾑ:::::::| :::',=},ｲ/______／=,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　//::{-､ヾ{　 ,ｨ'示ｱ|:: vﾑ::::|'''７7'''''〜 ､、二/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 　 　 //::八rtｯ}　 ′~´　|::::::＼ﾞ＜ /_ ..｡s≦~二/____
　　　　　　　　何？　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈〈ｉ::::::::{　く　　 　 　 |:::::::::: ｀¨´:::lニﾆ／ニﾆ＞'"＿____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　 _　 　 ',|:::::从　　 　 ,　　 .|::::::::::::::|/{ :/{／ニニニニニニ／
　　　　　　　　すぐに通せ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　.V≧ｓ｡| :::::: !＼　"´　 　 |::::::::::::::|={/二二ニニニニ￣~≧s｡、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　V-二|:::::::::|:::|::＼_ ..｡s'"|::::::::::::::|ニニニﾆ∠L｣_ニニニ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 V二|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ニニニﾆ＞''"´ニニﾆ`＜≧ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　､--=≦ﾆﾆ|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ﾆﾆ＞'" v二二ニニニニﾆ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 `＜ニﾆﾆ|:::::::::|k､ :|:::l:;ｲﾆﾆ,|::::::::::::::|'"　 　 　 Wﾆ.＞､=ﾍ¨¨~´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,｡s≦二二|:::::::::|ニ＼ﾄ､ﾆﾆ/l|::::::::::::::|　　　　　｜二二 ＼ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 　 　 /ニﾆﾆ|:::::::::|ﾆニ二∧ｲﾆ|::::::::::::::|　 　 jI斗､__二二∧ ＼

142 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:16:58.66 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞:::::::::::::::‐-　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　-──‐… ∠ニ==-::::＼::::::::::vヘ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∠.. ＿＿ 　 ／::::::-=ﾆ＞⌒丶＼:::::}::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　∠/:::::::::::::｛　 _ﾉ　　 ｀＼ﾉヘ::::/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿/　　　　　　　 ／:::/:::::::::::ﾉ 〔,. -‐ ､　∨ /　}/
　　　　　　 　-‐==ニニ二＿ ＼ /　 　 .　-──⌒}/::::{⌒}′ 八 (;;) }廴{_人__〕
　　　　　 　 　 　 　 _..　 -─ ￣ ′ ／ 　　　　　　∨:::::Ｖ　 ',　　 ー　 / |　{（;;}
　　　　　　_　　　 ´　　　　 　 　 |／　　　　　　　 　 ∨:::ﾉ| 　 }　　　　｛　｣__｣ ｢
　 _.　　 ´　　　＿＿＿ ..　　-─|　　　　　 　 　／⌒ ∨八　 　 　fニ=== ､　′　　　　　　やあやあ御両人。
.　￣￣￣￣　　　　 　 ／ 　 ／|　　　　　　　/　　　　 ', 　 ＼　　 ＼⌒ヽ/∧
.　　　　　　　　　 　 ／　　／　 :| 　 　 　 　 /　 　 　 　 '. 　　 ＼　　　￣ /　 '.　　　　　　 司徒王導、
　　　　　　　　　 ／ 　 ／ 　 　 :|　　　　　 /　　　　　　　＼　　 / 丶 __／　　 :}＼　　　　 .これより義軍に参加させて頂く
　　　 　 　 　 ／　　　　￣￣￣ﾉ＼ 　 　 .′　　　　　／⌒ ＼:{　/　　　 　 　 :}＼＼
.　　　　 　 ／　　　_..　　　 ￣　　／＼ 　:l 　 　 　 ／　　 　 　 ∨￣￣￣｀ヽ /￣ 　 ＼
　 　 　 ／_..　　 ´　　 　 　 　 ／ 　,/　＼|　　　　/ 　　　　　　　|　　　 　 　 ∧ ＼ 　 　 ,
.　　 ／´　　　/　　　　　　 ／　　　,'＿＿ ＼　　 ′　　　　　　　|　 　 　 　 ∧ ',　 ＼　　 ,
.　　　　　 　 /　　　　　 ／　　　 　 　 　／ 　＼,'　　　　 　 　 　 |　　　　　/　|　,　 　|＼　′
　　　　　　 /　　 　 　 / 　 　 　 　 　／　　　 / ＼　　　 　 　 　 l　 　 　 /＼｣　′　:|　 丶|
.　　　　　 /　　 　 　 /　　　 　 　 ／　 　 　 /　|＿＼ ＿＿______,l＿___／＼γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　/　　 　 　 /　　　　　 ／　　 　 　 .′　　 /　　{ニニ7￣ﾆ=-　 ..._　|　　　　　…………　　　　　 |
.　　　　/　　 　 　 /　 　 　 ／ 　 　 　 　 　 　 　 /　　｛ニニ7　　　　　　＿ ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　 　 ;　　　　　 / 　 　 ／　　　　　　　　　|:　　/　　 {ニニ7　　-=ﾆ⌒　＜⌒＼} 　　 ｝
　　　　 　 　 　 /　　 ／　　　 　 　 　 　 　 |　 /　　　-=r─-　　∠ｨ 　　　ミ､　 }　　´￣＼
　　 /　　　 　 /　 ／　　　　　　　　　　　　 |　′　　 {ﾆ└‐ ､　 ＼/ / }}{ {八} 　}　 ／　　 :|
.　 /　　　 　 / ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/　　〔￣￣{[[{｀ヽ　　 ∨ /八{　 　 }／　　　　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .同じく九月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司徒の王導が白石へ逃げたと『晋書』『成帝紀』は記す
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

143 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:18:02.28 ID:W/DURSEK0

　 )爻爻爻爻爻爻爻爻爻X７:: ::':: :: ::／:: :: :: :: ::.ヽ
　＞爻爻爻爻爻爻爻爻爻/: /:: :: ::/:: ::.|:: :: :: |:: :: :.
　⌒>爻爻爻爻爻爻爻Xr―v:: :: :: ':: :: ::|:: :: ::/:: :ｉ::.ｉ
　　 ^7爻爻爻爻爻爻(⌒＼(ｉ:: :: : T赱�__::／:.::/:|::.|
　　　⌒)爻爻爻爻爻爻∨:: :|:: :: :: |　　　　 迩/＼_:|__
　　　　　 ）ｲ爻爻爻爻爻Xx::|:: :: :: |　　_　'　 人＼ｧ⌒ヽ_　　　　　　　　　　ここに至った経緯を聞こう
　　　　　　 ⌒V爻爻爻爻爻:|:: :: :: |＼　_´イ:: ::ｉ__合 ヽハ/＼
　　　　　_　 ﾊ 　 `⌒Vﾍ爻xx|:: :: :: |二二i:: |:: :└―r--- Vﾊ∧
　　r--ミ ｉ　i |　　　　 ／⌒ヽ|:: :: :: ﾄミM ﾍ_|:: ::.|:: :: | |//i　V|二
　　 〉＼', ∨ |ミ ､ 　 '　　　 八 : : : |从<>／^ 从:: ::.| |//|　 ｉﾊ二
　／ノー＼_{___>ハ　ｉ　　 　 i　:: :: ::|　｀`丶､,;)'⌒｀`〜､/|　 |/| =-
　`　/∨ 　 　 iハ ∨:〜〜７　∨:: :|,x=/￣　＼　　　　　＼ |/|ﾆ=- 　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧　
　　/∨　　　　|V∧)ハ_∨⌒)　∨: !ﾆoﾆY二二',　　 ／二 YV 二ﾆ 　　 　〃/´::（:::::::／__:::::::::／:::::::＿:::::::::::::::::::::::::＜／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　{乂 :::::::::／´　 ，￣ミx ／::::::::｀ヽ::::::::::::::::／｀ ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ. ＿／　 　 　 ’　）　 ＼::::::::::::::::Ｙ:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　{　　─ｒ‐‐＜　　　　｀Ｙ⌒ヽﾉ::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　　　 ｀Ｙ　 {　　　Ｙ　　　　　　ﾉ）}::/
　　　　　　何。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　}　 　≠ミﾉ　　　丿　　 ノ/´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　/................ ＼
　　　　　　単純に身の危険を感じまして。　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　{＿＿　　　　　　　　　　/..........................
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　L ＿__ノ　　　　　 /..............................
　　　　　　義軍が近くまで来ていると聞いて馳せ参じた次第　　　　　　　　　　　　　└ｒ　　　　 　 /................................/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 }__　　ノ⌒/＼..........................Ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　丶...............／　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′　　　 ＼..／　 　 i|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　王敦の乱に続いて、傍目にはよく分からない王導の動き
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

144 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:20:22.29 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　首都　建康】

　 　　　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼　　　　　　　　　蘇峻将軍！
　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|
　　　 　| l　　 |-┬-|　　l |　　　　　　　　 .王導を殺すべきですっていう！！
　　　 　 ＼ 　 `ー'´ 　 ／l!| !
　　　 　／　　　　　 　　＼ |i　　　　　　　 同族の王敦を裏切った男など、
　　　／　　　　　　　ヽ !l　ヽi　　　　　　　.赤の他人の我々も裏切るに決まっていますっていう！！
　　 （　　 丶- 、　　　 しＥ　|そ
　　　　`ー､＿ﾉ 　 �煤@l､Ｅ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＜⌒ヽ ,　-――-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '⌒ ／ ／　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　, 　　 　 　 }ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７　 (ﾍ /}　　/ 　　 |　', 从/⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　八)Yl　 ,v--从ﾉ　ィ不､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 v |∨iｨｆ 示 　　じ V ＼
　　　　　　　　　　　待て待て。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|人　　 ):|　八乂ソ　_ 　 人 　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼/八　　ヽ＿(:::::イ　　)／
　　　　　　　　　　　王導殿を殺すのは俺が許さん　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼{＼}:.7oV:7 　 ,､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:. _/:. |￣ }i:.ヽ人_〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼:.ヽ:|:|￣ |:vY:,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )- 〉===へ¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 └ｲニｒrニｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 l |　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .事の経緯は『晋書』『王導伝』に残っているが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　要約すると、蘇峻の配下の者たちが王導の殺害を狙ったためである。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .興味深いのは、蘇峻が王導を敬っていたために殺害を承知しなかった点だ
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

145 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:21:05.61 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　揚州　白石】

　　　　　　　　_,､､､､､､､斗==ミs｡,,,,_
　　　 　 　 ／:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
　　　}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’￣｀`ﾘ　　　　
　　　￣ア:::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　ヽ
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::{　　_,､　　__,,,､}　　　　　　　　　　.いやはや難儀しました。
　　 　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::}.　 {__,ィぅ　}"＼
　 {　　｝:::::::::::::::::::::::rミ:::|　　　｀ー く.　　ヽ　　　　　　　　.蘇峻の手の者の警備ぶりは謹厳そのもの。
　 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ ､,｀　　､_ 　 　 　 -ィ′
｡s≦￣￣￣ ≧s｡_:ヽ__　　　｀`､　　_..._ﾉ　　　　　　　　　結局、息子二人を引き連れるのが精々でしたよ
　　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆ=-　_　　 　 　 ￣}
　　 　 　 　 .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _　　　　 ヽ
　　　　　 　 j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _r―-イ　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 '´ :::::::::::::::::::::::::..＼　　　∧/|
. . . . . . . . . .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- ＼　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 ／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀,∧/-/-|／|
: : : : : : : : : :}｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　 `､　　　　　　　　　　　　　　　 　 /.:::/.:: |::::::::|::|＼ :::::::::::::::::::.∨-/ﾆﾆ二|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ :/{ :::::|::::::::|::|＼:＼:::::::::::::::::.∨二二二二|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　＿｣/八 :: | :: /|/ ／＼:＼:: _..　 -‐ァ 二二二二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 ＼〈/::::|＼|／ ／ｘfﾓ丈＼｀¨´／／ﾆ／(／/-二| ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | :::::|丈心, 　 ´￣| :::::|::Τ‐''´ :／ ／ﾆ/／/／/
　　ちょっと待て。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＿＿| :::::|:::. 　 }　　 　 | :::::|::::|::::::／ﾆﾆニニニ/二/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＼二| :::::|::::|＼　 -‐ 　| :::::|::::|／ニニニニニ/二/
　　陛下はどうしている？　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼二二二| :::::|::::|::::|｀ト..._／| :::::|::::|ニニニニニニニﾆﾆ- ..._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼二二| :::::|::::|::::|: |::::ﾉ==| :::::|::::|ニ二二二／l二二ﾆ-''"⌒
　　まさか、みすみす見捨てたのではないだろうな？　　　 ／二二| :::::|::::|＼￣｀>ｰr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ￣／二| :::::|::::|二＼∧ノ | :::::|::::|ニﾆ＜, 　｀,::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∠二／| :::::|::::|二＜　 ＞| :::::|::::|＞''"~￣　 ｝ :::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|'　　　　　 / :::::::::: l

146 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:23:13.66 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　首都　建康】

　　　　 　 ／　,､ ☆ ｧ- ､　ヽ　＼
　　 　 ｢iｱ　／〈（┼）〉　| ヽ {:i心只七i}
　　 　 V　/イﾊ,＼／~ﾌ'ﾄ､ﾊ 辷:i八:ii:iﾘ
　　 　 ｌ|　{V ◯＼／ ◯V〈　 / |:i||i|.',
　　 　 ﾊnv'　　　　　　　 ﾉｲﾞn' . |:i||:i| ',　　　　　　　　　　　　　　　　王導は？
　　　　l´圦　　 ⊂⊃　u. /l´ ｀l |:i|.|:i|. ',
　　 　 ゞ=彳ｈ｡. 　 　 r‐'^ ゞ=ツ|:i| |:i|ヘ
　 　 　 |:i|∨Vzミ｀¨'ｨzz　へ/＼|:i|/|:i|
　 　 　 |:i| |:i|辷/只//ﾂヽ ',　　 |:i|　|:i|
　 　 　 |:i| |:i/ // |:i:|　　　Ｖ,　　|:i|　|:i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　斗≦才ニ=ｰ-- ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／イ￣　　￣＼　 ＼厶
　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ 　　　　　　.／/イ寸}}}寸　寸＼　＼＼ミ辷_
　　　　|　 　不本意ながら荀崧殿にお願いしてきました　　　|　　　　.　艾ミ寸/厶＼￣＼. }　　＼＿寸 寸´
　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　 　　 ｀才 .ｱ　　　　 )　　 乂＼＿＼　 　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./／/　　　　 斗≦`　寸: : :.／Vハ 个'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厶从{ｧ==､　 /　斗ｫｧ　　V// ﾑ: }V乂{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八{:斗ｫｧ}　　￣　　　　 }:/　(ﾉ∧V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{:￣　ﾉ　　　　　　　　　 |__/VV
　　　　　　陛下をお救いする者を集めに城外へ出ました。　　　　　　　∨　 ＼　　　　　　　　 八　ﾏ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.∨　　 ,　-─　　　　 ..:::　　 V
　　　　　　後の事は我々にお任せを　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .' 　　　 -‐　　　 ／:/ 　 　 ∨　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.'　　　　　 ／:::/　　　 ＿V　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::....＜::::::::/ 斗≦斗≦∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∨≦ ／ニ二ﾆ=-‐∨__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／ﾆﾆ／ニニニニニ,

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 『晋書』『荀崧伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　蘇峻の役において、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　荀崧は王導・陸曄と共に御床に登って皇帝を抱えて護衛した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　皇帝が石頭城への行幸を強要された際も、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 荀崧は侍従として皇帝の側から離れる事はなかった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

147 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:24:13.65 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　揚州　白石】

　 ｛::::.＼::::::::::_;. -‐'　　　 ／　-‐:::::::: 　∧::::/　∧::.＼::::::ハ
　　＼:::::::ヽ::::ｱ　　　　　/／.::::　 ‐-ミ　　 Ｖ　 ｊう トミ:::Y:::::{／
　　　 ｝::::::::∨　-‐　¬く::::::イ　　 =＝ｒく　　　 ｱ　}::::::.｀ヽ:/.:.:.:
　　　人:::::::/ _ ,......::::く`　ﾞＹ人〃　　 ﾉ　　　　 ﾚ /::::＼::::/.:.:.:.:　　　　　蘇峻はあれで名士への敬意は持っている様子。
　　（:::::::ミ=＼　,ィ　 __ヽ　∨　ト-‐　　　 　 }　 ｒ《∧::} ∨.:.:.:.:.:
　　　　ｰ-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ.　　 　 　 /　 |　ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:　　　　　まあ、考えもなしに
　　　　　　　 ∧ ﾞト-‐ヘ:::::.、>‐-》　　　 　 　 ｜　ﾉ　,′.:.:.:.:.:　　　　　.陛下の側を離れるような真似はしませんよ。
　　 　 　 　 /.:.:.＼､　　　Ｖ , _ア　 　 　　_,　　,′　　'.:.:.:.:.:.:.:.:
.　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.`丶、　｀　 _　 -‐　 ￣ 　 /　　　｜:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　あなたもそうでしょう？
　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　/　,......::::７　　　/　　　　.|:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ 　　　　　　　/　　　　　|_ 　-‐…
　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　 　 　 ／　 　 　 　 |::::::::::::::::　　　　　　　　 　 　 　 '´ :::::::::::::::::::::::::..＼　　　∧/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀,∧/-/-|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /.:::/.:: |::::::::|::|＼ :::::::::::::::::::.∨-/ﾆﾆ二|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ :/{ :::::|::::::::|::|＼:＼:::::::::::::::::.∨二二二二|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿｣/八 :: | :: /|/ ／＼:＼:: _..　 -‐ァ 二二二二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼〈/::::|＼|／ ／ｘfﾓ丈＼｀¨´／／ﾆ／(／/-二| ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | :::::|丈心, 　 ´￣| :::::|::Τ‐''´ :／ ／ﾆ/／/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿| :::::|:::. 　 }　　 　 | :::::|::::|::::::／ﾆﾆニニニ/二/
　　　　　　　　　　　　　　　そうだな　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＼二| :::::|::::|＼　 -‐ 　| :::::|::::|／ニニニニニ/二/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼二二二| :::::|::::|::::|｀ト..._／| :::::|::::|ニニニニニニニﾆﾆ- ..._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼二二| :::::|::::|::::|: |::::ﾉ==| :::::|::::|ニ二二二／l二二ﾆ-''"⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／二二| :::::|::::|＼￣｀>ｰr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ￣／二| :::::|::::|二＼∧ノ | :::::|::::|ニﾆ＜, 　｀,::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∠二／| :::::|::::|二＜　 ＞| :::::|::::|＞''"~￣　 ｝ :::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|'　　　　　 / :::::::::: l

148 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:26:55.40 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　_,､､､､､､､斗==ミs｡,,,,_
　　　 　 　 ／:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
　　　}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’￣｀`ﾘ　　　
　　　￣ア:::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　ヽ
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::{　　_,､　　__,,,､}　　　　　　　　　温嶠殿。
　　 　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::}.　 {__,ィぅ　}"＼　
　 {　　｝:::::::::::::::::::::::rミ:::|　　　｀ー く.　　ヽ　　　　　　　義軍を束ねし働き実にお見事。
　 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ ､,｀　　､_ 　 　 　 -ィ　
｡s≦￣￣￣ ≧s｡_:ヽ__　　　｀`､　　_..._ﾉ　　　　　　　 .盟主に推した陶侃殿と共に録尚書事を名乗られては？
　　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆ=-　_　　 　 　 ￣}　　
　　 　 　 　 .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _　　　　 ヽ
　　　　　 　 j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
: : : : : : : : : :}｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　 `､　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　 .／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　
　　遠慮しておきます。　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　 イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　
　　陶侃殿じゃありませんが、門閥が多いのは混乱の原因なので　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 『晋書』『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　司徒の王導は上奏によって、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　温嶠・陶侃を録尚書事とする宣旨を出させようとしたが、両名は固辞した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　蘇峻の手にある皇帝へ上奏できるはずもないので、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 司徒と中書監を兼任する王導が勝手に行った人事と思われる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

149 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:27:48.05 ID:W/DURSEK0

【紀元３２８年９月　晋　首都　建康】



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:ﾞ､　　　　：　　　　_ 　_ _ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　：　　_ _ _ 　　　　_ _
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _/.:.:.:.:.:.:.:.:.｀L,,
　　　　　_　_　_　_　：_　：_　　 ,/.:.:.:.:==r.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　　　 ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　_　_　_　　_　_　_　_　：_　：_ ,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:L_　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　 ,,,,､､r;:;:ｲ　==r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞi,　　　　　　 ＜　　　　 陶侃将軍ッ！　　　　 ＞
　　　　　　　　　　,r'ﾞ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`''ｰ､　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　 　　　,r'ﾞ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　 ,､ィ''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, '´::::::::;;:;:;:;:;::::;:;;:::` ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`'''ー-､ _　　　　　　　　_　_　_　_
　 ,,､､ィ''´;;::;r＝.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;::;:;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
　 ｀`ヾ:;:;;;;;:;:;:;:;:;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＝r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
　　　　￣｀¨`ヾ;;;;;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:;:;:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,r''"´
　　　　　　　　　￣｀`ヾ;:;:;;.:.:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;,'.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;:;:;;:r'''"´
　　　　　　　　　　　　　ヾ.:.:.:.:::;:;:;;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;, '.:.:r==.:.:,r'''"´　　　_　_　_　_　：_　：_　　　　_　_
　　　　　　　　　　　　　　i.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　‥‥‥‥　∵　　　　ﾞヾ､.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:＝.:.:.:,／　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　≧　　　　　石頭城が見えてきました！！　　　　　　　ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞj ＝.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ′　　　　∵∴ ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　_　_　　　　　　　　 　 ＼.:.:.:.:.:.:,'′　：　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　　　　　　 　 _　_ 　 　 　　 ヾ:;;:/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　V

150 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:28:22.66 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_＼iV　　___
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　｡o≦i:i:i:i:i:i:i:i:iV}＜^⌒＼
　　　　　　　　<(　　 　 　 __＿＿＿＿__　,ｨi:i:i:i:i:i,ﾍi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s｡
　　　　　 _＿__　＞ --＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i:i:i/:i:/i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:∧i:i:i:i:i:ヽi:i:i:i＼
　　　　 ⌒ ￣＞--i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〈i:i/i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:wﾊi:i:Vi:i:i:i:i:i:V ⌒ヽ
　　　　｡o≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iVi:i:i/i:i:i:i:i:i:iｨi:i:i:i:i/　/i:i:i:}i:ｨi:i:Vi:iVﾊi:i:i:i:≧s｡
｡o≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧=-　　　￣ ￣　¨ }i:i/i:/i--i/ }i:i:/i:{　/i:i:i:/}∧:i:iV:i:}Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s｡
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＞ '’　　　　　　　　---==ィi:/i:/i:i:i:ｉ:/　}メ､{i:Vi:i:i,ｲ竓v}i:i:i:}i:,　} ⌒ ≧s｡i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:.　'’　　　　　　　　　　　　 __ ／ｨi:i:/iY^}/ｨ灯た�_/i:i/ ん} }i:i:i:iﾊi{　　 　 　 ⌒≧s｡
i:i:i:／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒´　}iｨi:i:i:V从 乂ツ ノ／丶ゞ'ィi:i:i/　}i
／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ从i:i:{ヾ圦　 　 　 　 i 　 ノィ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)八/::>:::..　　 r::::ｱ　 ｲi/ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　--＜ヽ{ﾆ>､≧s｡　ィi从(∧ }　　　　　　　　　　　　　　　　　突撃や！
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ' _＿ r‐､-- ､ﾆニﾆｱ ,ﾍ/'∧/V
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {/ニニ|　 Vﾆﾆ>､{//{^Y }///}i{
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 厶ィf:::::{　 　v､ﾆﾆV//〉/∨///X^>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,{:::,:::::}⌒>､ __ ﾉﾆﾆ}//ﾑ斗 ￣ィ//＼ﾆ≧s｡ _
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {⌒「 〈　　{::::ｱ≧=<⌒ ｡o≦^V/∨/ﾊﾆニニﾆ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　|　 '， V　^,< ＿,.ィ __〈乂__､__ﾉ/////}ﾆニニﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__>‐^r ' ≠≦/〈__////>⌒V///,ｲ ￣￣ ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V/人////Vﾊ/ｨ{　　ﾉ//Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V//≧=- ＜//'〉　{///}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＿ ／{/////　/////　　V//
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __ ｡o≦ﾆニﾆ{　 V///　///// 　 　 }/
　　　　　　　　　　_ .｡o≦ﾆニニニニニﾆ∧　　ｱ ／//／　　　 /}
　　　　　 _ ｡o≦ﾆニニニニニニニニニニ≧=<///／　,　 　 /ノ､
　_ ｡o≦ﾆニニニニニニニニニニニニニニニ＞ ´　　ﾉ _ ｨﾆ{ﾆニ≧s｡ _

151 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:29:51.25 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　　　〜〜〜
　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　　　　〜〜〜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　進めェ！！　　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〜〜〜　　 ￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜〜〜〜　　　　　　　　 　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　〜〜　 　　　　}晋（　}晋（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　 　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　 　　 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　 　　~~~~~~~~~~~　~}晋（　}晋（　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　}晋（　}晋（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　　　　　　　　　　　　　　 　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　
　　　　　　　　　　　　　　 　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　 　　　　〜〜〜

152 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:30:26.21 ID:W/DURSEK0

　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　）　　　荊州勢だァッ！！ 　（
￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　,,;;;;;;'''' ,,,;;;;;;'';;'';;;'''';;;　　　　　 　 　 　 　 　 　 .ィi「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,,,,;;;;;,,,,　　　　／／　　,,,,,;;;;;;;'' __ mvvyvymv;;;;,,, 　 　 ___　　　　　　 .ィi「
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,,,,;;;;;;;;;;;;'';;;;;;''''''''　　　 ／／　 ,,,;;;;'';;;; __ ( ／ヽ vmvy, _｣L｣_　_ ≪ ｀　　　　 .ィi「｀
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,,;;;;;;;;;;''';;;;;;;'';;;;''''　 　 　 ／／ . mvr=x,__√ ∨／ }ヽ　_､＜ノ　/≪ ｀　 　 　 .ィi「-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;''''　 ''　　'''　　 <＼ ／　 　-─-　(_人_ノV/　{ ／}／/ .／ ｀　　__　 .ィi「=-
　　　　　　　　　　　　　　　mvm;;;'';;;''';;;;,,,,, mvy />'( } >　／=-　.-=＼＼:.:.:.:�Y／ィi「 _{_ノ:.:.:.:._､＜ヽ<　-=>
　　　　　　　　　 　 __　r=xMvVyv _mvyvym.／ ＼ ‘i,　/=-　　　　-=や~''＜:.}＼ _ ≪ ｀.:.:.:/{ヽ ヽヽヽう'´
　　　　　　　　　 そr=x mvyvmy ( /r=x乂 /　 　 ∧　 √　 　 　 　 -=ﾔ　　　_ ≪ ｀ ~''＜:.ィi「> }ノノノ^　／
　　　　　　　　　　　}YM ( rx _Vx√ }/=-ﾊ {=-√}/∧　{=-┐=-　　　　乂__≪ ｀.　　　　<≫ ｀7　 //.　／／
　　　　　　　　　　　　　　　{ ( �Y V/{⌒ｿ/.た　V ／∧ } 　 �Y=-　　 _､＜⌒;／'＞─　 、 // ー '7 ／／
.　　　　 　 　 　 　 ＿─￣　 _､＜=-＿�YiIﾑ乂_/=- .∧ヽ　 {;乂_､＜⌒/';';'/';／ ／／　 V/ 　 -=}. ／
　　　　　　　＿─￣　　_､＜=-＿-￣　 �YiIﾑ.　}=- /　}:.:.:Yﾉ';';';/';'/';';/た';';/　/　/　{ 　 {＼　 -=}
　　　　　　　　　　 _､＜=-＿-￣ �Y {=-{ �YiIﾑ た=-厂:.:.:└　､'／;';'/'/}';';';{─{─ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
.　 　 　 　 　 _､＜=-＿-￣　　　　/_ 寸=-�YiIﾑ -=7⌒ﾆ=- ､:. V/';';ノ'/';';';'}`､乂＞　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
.　　　　 _､＜=-＿-￣　　　　　　 乂/=- / .�YiIﾑ_ノ.　　 　 ／:.:.:V/';';';';';';';'ﾉ:.:.~''＜＜　　　上陸させるなッ！！！　　＞
　　　　￣ ＿-￣.　　　　　 　 ／／　~' ノ{　/寸iIﾑ　　 　 /:.:.:.:.:.:..�Y';';';'/;/.:.:.:.:.:.:.:.:　<　　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　 　　　￣　 　 　 　 　 　／／／ 　 {_ノ}ﾉ 　 寸iﾑ　 　 >-　 ,,_:.:.�Y';/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　/　/　　　　寸ﾑ　/=-__ノ ／ } /、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. ／／.. ／／
　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ厶ィ　ノ　　　　　　寸/=-{ . ／─ ~′＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.／:.:.／:＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 -=ﾆﾆ≧=─くﾆ=-　　　　　 乂=-〉′_ノ=- / ハ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}_
　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆニﾆ=-　　　　　　　　 ￣⌒ﾆ=- 　 _�W}　 ＼:.:.:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ﾆ＼

153 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:32:46.52 ID:W/DURSEK0

　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 (( (: :　∨:/. . ／￣￣￣￣ノ
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　ー――＼__(/＿/. : : :￣￣￣:＼＿＿
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞''"ﾟ~￣￣~ﾟ"'' ＜)へ:＿＿＿＿＿_:／
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. . ＜￣￣￣. . . . . . .＼__). . . . ＼. . .＼
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／⌒＼___／. . . . . . ＼. . . . . ＼＼)＿＿. ＞:. . . .
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／ ／. ／..:￣￣￣＼. .＼. . . . . . .:{/⌒)..:＼ . . . . 〉
　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　　 　 ／.::/　:/　:＼/＼. . 　 ＼ . ＼. .＼. . . .ノ⌒7( . 　 ＼. ./
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　／ ./:/.　.:{. . { . {. . . ＼　　　＼ . ＼　)'⌒＼_/.:（. .　　　＼
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　＿／. ..:/:/ : {/:{. . { : {. . .　　＼. . .　　　　＼＿_／}ノ人. . .:＼　 ＼
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 ￣￣/. 　 : {. .{. . { : {:､ . ＼. 　＼. ＼. . . 　 ＼ﾉノ. . }. ..＼ . . ＼　 ＼
　　　　さて、と。　　　　　　　 　　　　　　　　　 /. .:{. .　{. .{＼{､.:{　＼: (＼. . .＼. ＼. ＿＿＿／( . . . .＼. . (＼　 ＼
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 {. . .{. .　{. . :f=ミ＼ 　 ＼斗===ミ /. ＼ . . ／. . .:＞-――-ミ . ＼
　　　　お手並み拝見させてもらうぜ。　　　　{. .:人. . . ..:人乂〉　　 ノ'' 乂 'ツ./. /. (.＼(. . ／／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 {.:/. . ＼ : ＼{｀ノ 　 　 　 ー＝７:. 　 . .＼_／／⌒＼ _＿＿　　 ＼
　　　　陶侃さんよぉ　　　　　　　　　　　　　 _／. . . . . ＼ 八 ヽ　　 　　　⌒／. . . .／⌒/⌒＼　 ／-=ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ／ ￣￣|. . . /. . . ./　､ -　　_　　 /. . . . ./／／⌒＼　 /:i:i:i:i:i:i:i:＼ニ=- _
　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 ／　 ／￣八. . {∧. . {/／＼　　 　 /. . . :／/ 〈⌒＼　　 /:i:i:i／＼:i:i: ＼ニﾆ
　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 ／＿／:i:／/　 ＼{⌒＼{／/{　＞―./. . .／__/:i／　　　＿/:i:／　　　〉:i:i:i:i:i＼
　　　　　　　　　　　 　　∧￣￣)　 V'/∧:i /／ 　 　　／￣￣ |／￣＼ {. ／￣:/ '　_ -=ﾆﾆﾆ:／　　　／｀`〜､、:i:＼
　　　　　　　　　　　 　 /　〉-＜ 　　 V//∨　 　 　 ／　　　 ／／　　　 ＼∧__/_ -ニニニﾆ./　　　／　　　　　　｀`〜
　　　　　　　　　　　 〈＼_∧_/_,.＞┐ V//: 　 　 ／　　＿／／＼＼　　　 ∨:/￣〉ニニニﾆ∧__.／
　　　　　　　　　　　 /〉 /　 V 　 _./ 　//:　　 ／　　／|'/／＿＿_＼＼　　_|/　 /_ニ=- ／/:i∧
　　　　　　　　　　　 ヽ/ 　 __〉＜,　　// 　 ／＿ -=ﾆ／ {＿＿_二=-＼￣| |　 /￣　　/　　＼:i:i＼＿＿_
　　　　　　　　　　　 '∧　/____／厂￣ 〉---=ニニ//　　￣￣＼　　/￣／｜　 　　__/　 　 　 ＼:i:i::i:i:i:i:i:＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 『晋書』『成帝紀』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　陶侃は督護の楊謙を派遣し、石頭城の蘇峻を攻めさせた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

154 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:33:29.34 ID:W/DURSEK0

　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::: ', ﾑ`:::､::.､　　,ｲ{
　　　　　 　 　 //:::|:::{::::::::}::| vﾑ ::::ヽ:ヽ '=ｌ{
　　　 　 　 　 /::|:{: |:::{:::: /:/　 vﾑ ::::: V:'.,ﾆ',　 ,ｨ　　　　,ｲ}
　　　　 　 　 {//ﾞ{VＶ{／}/'"　 i:vﾑ:::::::| :::',=},ｲ/______／=,'
　　　　　　　//::{-､ヾ{　 ,ｨ'示ｱ|:: vﾑ::::|'''７7'''''〜 ､、二/
　　　 　 　 //::八rtｯ}　 ′~´　|::::::＼ﾞ＜ /_ ..｡s≦~二/____　　　　　　　　　　始まったか。
　 　 　 　 〈〈ｉ::::::::{　く　　 　 　 |:::::::::: ｀¨´:::lニﾆ／ニﾆ＞'"＿____
　　　 _　 　 ',|:::::从　　 　 ,　　 .|::::::::::::::|/{ :/{／ニニニニニニ／　　　　　　.蘇峻はこちらにも兵を向けて来るだろうな
　　　 V≧ｓ｡| :::::: !＼　¨´　 　 |::::::::::::::|={/二二ニニニニ￣~≧s｡、
　　　　V-二|:::::::::|:::|::＼_ ..｡s'"|::::::::::::::|ニニニﾆ∠L｣_ニニニ＼
　　　 　 V二|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ニニニﾆ＞''"´ニニﾆ`＜≧ｧ
　､--=≦ﾆﾆ|:::::::::|:::|:::|:::ｌ::::}二 |::::::::::::::|ﾆﾆ＞'" v二二ニニニニﾆ＞
　　`＜ニﾆﾆ|:::::::::|k､ :|:::l:;ｲﾆﾆ,|::::::::::::::|'"　 　 　 Wﾆ.＞､=ﾍ¨¨~´　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　 ,｡s≦二二|:::::::::|ニ＼ﾄ､ﾆﾆ/l|::::::::::::::|　　　　　｜二二 ＼ﾍ　　　　　　　　　 ／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　　 /ニﾆﾆ|:::::::::|ﾆニ二∧ｲﾆ|::::::::::::::|　 　 jI斗､__二二∧ ＼　　　 　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　
　　　　先程こちらに到着した　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　竟陵郡太守の李陽殿の軍勢が防ぐ手筈になっています。　　　　　.-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　�Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　さすがに私たちだけでは厳しいので　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　＼: ﾊ　　 　 ＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .温嶠・庾亮は白石に陣を置き、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　竟陵郡太守李陽が南へ押し寄せた賊を防いでいた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .この李陽という人物は、陶侃配下の将の一人である
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

155 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/08/17(木) 00:34:01.07 ID:W/DURSEK0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　『晋書』『成帝紀』に曰く　　　　　.|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　 　　 ＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　 　 　 　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　 ヾN ゞｿ 　　 ゞｿ//　
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、こう続ける
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　 イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　 | |　 　　 ＞-､＼!　 !／::,-＜　
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　 ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　 　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 ヽﾆj　} 　＼:／ ＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 〈:| |Ｖ　 　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　 ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　 　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　 　 |::::::::::::::::::/　 /　 　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　 　 　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!