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やる夫が正史を書くようです59
- 296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/21(月) 20:48:07.87 ID:0QwwiZlm0
- 歴史の人物を見ていると「運も実力のうち」という言葉を実感する事、割とある
- 297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/08/22(火) 02:31:30.47 ID:xo5ry+9a0
- 石勒は諜報能力がずば抜けている印象。
ここぞという所で敵の情報を手に入れたり、敵の使者を捕まえている。
どうしていたのだろう。
- 298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 10:51:54.92 ID:tv6HQmem0
- 石勒も安易に奴隷で一儲けしようとしたら、逆に自分が奴隷にされて
虐待おじさんに虐待された苦い経験が教訓になってるのかもな
- 299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 14:51:37.04 ID:k5lcck3KO
- 仏図澄が自前の仏教ネットワークを使っていろいろ情報を得ていたのではないかという話を聞いた
- 300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 15:13:00.94 ID:i/lDsuT4o
- この時代、仏図澄(ブッダチンガ)に限らず坊さんがブレーンやってるのたまに見かけるッスけど仏教ネットワークで情報得てるんでしょうね
陳舜臣先生の「諸葛孔明」だと孔明先生が仏教徒と交友があってその伝手で最新情報をいちはやく入手してたりしてたけど、仏図澄もたぶんそんな感じで最新情報を入手して予言の形で石勒に助言してたんじゃないんスね
- 301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/08/22(火) 20:16:25.08 ID:XxnaSfHzO
- 虐待された石勒の後に漢族虐待おじさん出て
次に胡族虐待おじさんが出て来る地獄よ
- 302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 22:45:12.91 ID:lBSHLhle0
- >>297
あとは騎兵指揮官としての才幹かなあ
魏の征蜀戦の時の姜維の転戦ぶりの鮮やかさもそうだけど、
騎兵の使い方の上手い将は斥候による情報収集や分析も上手いと思う
- 303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 15:37:46.70 ID:ftAyUjao0
- >>1さん乙ー。
石勒はじめ五胡国家は中原人を圧倒的な武力で支配、抑圧、虐殺だのの印象が強いけど、川勝義雄「魏晋南北朝」なんかだと逆に
「漢民族が圧倒的多数な中原で、圧倒的少数に加え民族的団結もできていない我々はどう生き延びればいいのだ」みたいな「苦悩する五胡諸国」の側面も描かれていて興味深かった。
- 304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 18:30:24.76 ID:S498c53Y0
- 曹操と違って完全なマイナスからのスタートだった石勒が、曹魏とほぼ同じ領地支配して
曹操や司馬懿みたいな権力の笠を着て成り上がった小物になるなと批判する何とも皮肉な展開
- 305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 18:51:24.40 ID:N8qAHp0wo
- もう石勒しか言えんよそのセリフ
あとは朱全忠と明の乞食皇帝くらい
- 306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 15:01:37.95 ID:EKaDGWen0
- 事故を装って謀殺。
予想されていたとはいえ、プーチンは司馬師や司馬越や毛沢東と同じ世界に生きている
- 307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 19:46:38.65 ID:WeCewN6a0
- >>305
朱全忠は曹操や司馬懿が数代かけてやった事を一人でやろうとして
李克用の息子の李存勗に力で全部ぶっ壊されたわ
曹操が赤壁で負けた後に項羽が出てきて全てが崩壊した様なもん
- 308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 13:34:01.51 ID:8508GK/9o
- その李天下さんもあっけないからなぁ
- 309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 14:48:56.11 ID:2wvq+zXt0
- 貧民からのしあがり、気を見るに敏さと政治力陰謀力、開封を拠点とした経済力を武器として覇を唱えた朱全忠と、
軍事のエキスパートで部下からの信頼も抜群のカリスマ将軍だが政治力には劣る李克用って、なんかキャラが対照的で面白いなと思う。
項羽と劉邦みたいな対照的ライバルキャラ関係だよな。
- 310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 20:11:18.04 ID:HfpEm0Je0
- 朱全忠の全ての誤算は李克用の息子の李存勗が父親以上の怪物だった事
李存勗が戦術で朱全忠の戦略を木っ端微塵に粉砕した稀有な例
政治力の無さも父親以上だったけど
- 311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 21:55:02.54 ID:txjYZPMF0
- そんなにも凄い人だったのか、朱全忠と李存勗。
- 312 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/08/25(金) 23:23:14.46 ID:LUmharH80
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- 313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 23:24:22.55 ID:4F2vSK6+0
- バウアーがフォローコメントを会見冒頭に入れてましたね
- 314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/08/26(土) 03:34:57.36 ID:y7C7a8bs0
- 敗戦処理だから代えなかったのは理解できなくは無いですが……
何とかならなかったのでしょうか。
- 315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 14:13:07.12 ID:C2qAp/Hc0
- 敗戦処理って選手の疲労とか戦力温存の為にするものだから、
今の中日にその必要があるかというと…
逆に1人の投手を潰してしまった感もある
- 316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 19:29:26.17 ID:kQWlmXGX0
- 速攻で晒し投げさせた投手含めた3〜4人入れ替え。
そして二軍も12失点…おお、もう
- 317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 19:33:57.35 ID:nkQpDd2H0
- 米を食うなくらいなら、まだ「肉を食えば」と司馬衷なみのネタにする余地もあったが
今回のは…うーん
- 318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/08/26(土) 21:52:41.51 ID:y7C7a8bs0
- 今、一つの球団が暗黒時代に突入するとばくちを見せられている気分
- 319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:22:09.60 ID:1N+W1sjw0
- 素晴らしい監督ちうごく史のプチ暴君みたいだと思いました(小声)
- 320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 09:23:14.37 ID:so93PjKbo
- 中日暗黒時代なんて言ってるけど、リアルで阪神暗黒時代見てる人間から見たらへそが茶を沸かすレベル
バンデリンが閑古鳥になってからが本番だぞ、しかもそれでも完全中継してくれるサンテレビがいない状態で
- 321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 11:18:18.90 ID:A3FK+xNt0
- もう1001みたいな北魏の拓跋珪型暴君&名君が受ける時代じゃないのが諸行無常
- 322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 12:16:37.93 ID:kWiKWSVmo
- ゼロに抑えた岡野まで二軍に追放して
その代わりに一軍に上げた祖父江が打たれて負けとか
もうどこかの主君の亡国例になりそう
- 323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 14:52:23.22 ID:so93PjKbo
- >>317
1番岡林 アワを食え 2番龍空はキビを食え
3番細川 ヒエを食え 4番宇佐見はイモを食え
5番木下 ムギを食え 6番カリステ バナナ食え
7番鵜飼は マメを食え 8番村松 ゴマを食え
ライマル特別米を食え
と言うことらしい
- 324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/08/27(日) 21:34:54.67 ID:PFhoM32w0
- やっとドラゴンズが勝った
>>321
星野氏は飴もちゃんと用意していたから
金を使わずに締め付けだけ厳しくしてもうまく行かない
- 325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/06(水) 17:01:09.07 ID:enJ4c4TO0
- タイガースは今度こそA.R.E.するのか
そして、(旧近鉄含め)ありそうで一度も無かったバファローズとの日本シリーズは実現するのか
- 326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/11(月) 22:07:24.02 ID:GCcJpGQC0
- 蘇峻の乱の詳細って初めて知ったけど、三呉地域も戦場になって、呉郡も蘇峻軍に破壊されたのか。
江東政治の中心地建康は台城まで破壊されて(孫呉時代の建業宮はこの時破壊されたという)、経済・生産の中心地三呉地域も戦火で荒廃したってことは、蘇峻の乱の被害って、後の侯景の乱ぐらい被害甚大だったのかな?
- 327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/14(木) 21:11:13.65 ID:BKIRDH7f0
- 取り敢えず、猛虎のA.R.E.おめでとうございます。
あれだけネタにされていたのに、決める時はあっさりでした。
- 328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/14(木) 21:12:34.41 ID:gY8HH+i/0
- めでてぇめでてぇ
さあ次は苦手のCSだ
- 329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/14(木) 21:14:21.89 ID:GIGp7Zsfo
- 洛陽スポーツ一面トップ待ったなしやで
- 330 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/14(木) 22:07:37.67 ID:pw0V0e3/0
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A.R.E.って日本一の事じゃなかったんだ。 ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
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これはCSと日シリ期待していいんですね l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
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>>326
梁代の建康の方が人口は多いはずなので、侯景の乱の方が被害は大きいと思います
※次回(前半分)の投下は次の土日のどこかを予定しています
- 331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/14(木) 23:46:33.56 ID:DAOr8XdV0
- Xのほうで後漢から劉宋までの正史にある人口比の地図上げてる人いたけど
いろいろ考えられて面白い
- 332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/16(土) 19:14:49.25 ID:D50RTLl00
- そもそもアレって使いだしたのはオリ監督時代からなんだよな…
まったくアレに絡む戦績でも無かった事と、マスコミ注目度の圧倒的差でスルーされてたが。
- 333 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:32:46.29 ID:+KE5xtOQ0
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人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
「やる夫が正史を書くようです」第百七回よ。 | 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
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当スレにおける本編の内容、 | |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
先の展開のネタバレ行為は禁止らしいわ。 .| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
私たちの旅はもうすぐ終わるけれど、 | |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
このスレはもうちょっと続くから頑張って頂戴 .| :/ .ィ }/ \ /∧
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ハ ://>―‐「笊ミ、 <>∧
レーァ:::::::::::::::::乂〉ルノ `ヽ <> | ∨ :`ヽ
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- 334 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:33:29.09 ID:+KE5xtOQ0
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'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l 『晋書』『明帝紀』に曰く。
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 太寧三年(三二五年)三月、
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 段末波が死に、弟の段牙が後を継いだ
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
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l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
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- 335 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:34:47.29 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元325年頃 晋 幽州 令支】
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 牙 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨, |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .| 諸君。
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } | .私は都を薊へ遷都しようと考えている。
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .| 令支は幽州全体から見て東寄り過ぎるからな
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / /
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' /
段部 幽州刺史 段牙
(~) (~) あんな奴の言う事聞くとかさ
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
なんで? γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:} あのジジイまだ生きてんだ?
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
慕容廆に言われたらしいぜ (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J 晋の武帝の頃からいるよな
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『資治通鑑』『晋紀』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段牙は慕容廆と和睦し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼の勧めに従って令支から遷都を行った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 遷都先は薊と思われるが、国人はこれを楽しまなかったという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 336 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:36:21.20 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元325年12月 晋 幽州 薊】
_>―‐、 __
// / , \_
_ ,イ. /ハ l .ハ l ヽ }
. _ >''´/ /><,ィzzz. | 遼 ', .l l ヽヽ
{::::>''´ / // /.マ ヒリ∧{、、_Y. l. l ',
. / `丶、./、 |∨' ./ 「 ,ィzzx`''. }. l l
/ 。s≦:::::::ソ \ |/ / / ̄ヽ ヒツ》 ハ l\} .段牙は遷都によって
. /。s≦ \.: : : :./ /l ./‐‐‐、::} ∨ } l ヽ ___ いたずらに人心を不安にさせた!
 ̄. ヽ/ /二ヘ V: : : / ノ-、 ハ ハィ::::::::`Y
-=彡イ | | /::/ ̄ニ>―< ,ィ⌒) |/:::::::::::::::::}! よってこれを討つ!!
ニ=--≪ニニニ只/ /./ __ ヽ¨¨´|/::::::::::::::::::::ア
. ァ''´ /// //::/∨´/∠__ ̄`ヽ /::::::::::::::::::::::,イ
{ ///_//::/ ∨/:::::::::::::ヽ /::::::::::::::::::>'i´
. l >''´ ̄ ̄ ̄`ヽ/./::::::>‐‐‐‐/:::::::::::::::/| | _,,,、-=:::::::::ヽ
ハ ,ィ===‐-、、、、、,,_ └{::::/>''´::::::::::::::::::::::∠___,,,,、、-‐''::::::::::::::::::::::::::::}!
l{:::::::::::::::::::::::::::::::::≧=-≦::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ア
. \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \__人_人从_人_人从/
. /  ̄{: :`''<::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、:: ̄ ̄ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ _) (__
. / ./ ̄{: : \ `¨¨¨¨⌒¨¨¨^'<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``〜、、 ) 貴様ァッ!!! (
. ∨ /{ヽ: : ≧s。zzz彡------彳`''<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``〜、  ̄ ̄) ( ̄ ̄
. ヘ /l:i:{: :\ | |、.: : : :.____/ `ヽ::::::::::::::::::::::::ヘ`''<:::::::::::::::::: /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
//∨/マム: : : :| | \: : : :/ム}}\_____二二`ヽ:::::::::ヽ `''<:::::::::::::::::::::::::Y ←出自に諸説あり
/: :/ /: : : :.寸h、 | |: : :., イ. ,イ:i:リ } ヽ ヽ::::::::\ `''ー‐‐‐‐‐''
段部 東部鮮卑の人 段遼
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段部の一門の段遼は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段牙の地位を狙い、遷都は段牙の罪であると国人を扇動。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 十二月になって、国人が段牙を攻撃して殺害し、段遼は自立している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 337 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:37:01.00 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年頃 晋 幽州 令支】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. ''' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
_,,.-‐''" _,,.. ' | 今日盧ェ殿を呼んだのは他でもない |
┌─┴┴─┐ ヽ__________________乂
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
││ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
"''゙"''゙" r…―- ..,,_/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: イ
\ :::::::::::''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
_>、_::::::ヽ、 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
 ̄i `丶、:::`丶、_: :::::::::::::::::::::::: ト、
| ! iハト、 i、丶、___` ー--::::::::::::::::\
以上の政変を『晋書』『段匹磾伝』は、 lハノ!イ仄ゝヽ ナアi`ー-=....,,,____,,.ゝ
段末波の弟の段牙が立ち、段牙が死ぬと段遼が立ったとのみ記す。 |'、`┘ '^i下心!ハj ,ハ!
|/\ 、 ゞ-イ //
この頃になると、石勒軍の青州・徐州への進出、 ☆ ' r‐i> ‐rァ='7.イ´
蘇峻の乱の影響などで使者の往来が絶えていた可能性がある \ ⌒ヽ、,.ヘ.::´:::ハ
\rイ ,.ィヘ.:::::ハー- 、
└攵アト=ヘ、::::ヽ ::::::\
/ 〈::::::::::::\:::::::::::::::::l
〉―ァi'´ \ :::::::: |
. /_ア^'┘ `ヽ、::j
└ ′ `
- 338 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:37:46.77 ID:+KE5xtOQ0
-
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 遼 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨, |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .| 建康へ使節を送りたい。
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .|
| .| .辷リ 辷リ /} } ! .近頃の慕容廆の狼藉を訴えると共に、
| .| i| /ノ} } | .私への官位の任官を実現させたく思うのだ。
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .| 上奏文他諸々の手筈を頼みたくてな
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / /
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' /
∧ ___
<>''´―――-ミ,''ヽ
. / /. l | _∨
/ ,' | | ハ | | 〇∨
.. l ! |l | |. /― | |、|xxxl
では、翌年の年賀に合わせて使節を送りましょう。 从 lト、|、|∨ <} l 从ヽxl
. _.从// 、_,、_, /ノイ ツ `l
慕容部が晋王朝の威光を騙り戦禍を招いたとして、 (__)=== ) .) .).. ,イ ',
段部の長年に渡る晋王朝への忠義に対する褒賞をという流れで ./<>|. l>( ( ( イァ.ト V
.... 从l||ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ从 V
 ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ、____ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
└───┘
晋 幽州長史 盧ェ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この間、盧ェたちの境遇が変わった様子は見られない
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 339 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:39:11.57 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元331年2月 晋 首都 建康】
/ゝ、__ ´ -´ ヽ‐ \__ / {
./,-、 ,ィヽ‐, ,―‐、 {_/. ┘\
./ヽ/ ‐ < _ヽ./l j,.iヽ ∧ \ヽ. \
{_| ,―ヽ' ゝzセ==、 ∨ ∧ l i.\\
.| {ヽiヽ{ ) / 込ソ/l ∨__} l l __ \
.|_,-l l /灯_ / "" | .l 〉ヽ/;;;;} ヽ ヽ 段末波と段牙の弟である
/{ /ヽ` ゞシ ` _ } ィ λ 〉_i;;;;;;;;;;;| `vハ .幽州刺史・大単于の段遼を驃騎将軍に任命します
./ `][l |ヽ l " < / / /l / l iヽ|;;;;;;;;;/,-. ∨ハ
.//l// `:、|从\ゝ /l/ lレ ̄ヽ/;;;;;;;;;;;l;;;;;;;} ∨ハ
// l/}ー‐/l、ヽ { ゝヽ`≧‐´/ / /,―´;;;;;;;;;;/;;;;/;;;;;l ∨ハ
// // l {´ ヽl\l,‐ 、  ̄ /⌒} (;;;;;;;;;\;;;;(;;;;/;;;/;) ∨ハ
// / l // l ヽ_/ { ヽ -ヽ;;;;;);;;;ヽ-;;;/ ∨ハ
晋 皇帝 司馬衍
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i!
(細かい事を言い出すと話がややこしくなるって盧ェ殿が言ってた) i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .咸和六年(三三一年)二月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 幽州刺史・大単于の段遼が驃騎将軍に任命された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、『晋書』『劉琨伝』を見ると、
`ヘ:ゝ .' 小/ 東晋の朝廷は段遼を段末波・段牙の弟と見なしていた節がある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 340 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:39:54.97 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元331年頃 晋 幽州 令支】
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! 温嶠様は蘇峻の乱鎮圧で御活躍の後に亡くなったそうで
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ \_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i! . /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
そんな! `>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
晋 幽州司馬 崔悦
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 余談になるが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 驃騎将軍職は温嶠死後空席になっていた所へ段遼が任命された模様
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 341 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:40:35.24 ID:+KE5xtOQ0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 前回少し触れた
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 慕容廆による燕王任命の働きかけはこの一件が発端だろう。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 格下と見ていた段遼が自身より上の官職をもらうなど面白いはずがない
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/::::::::::::::/::::::::::::::::::|/ V::::V::::::|::::::::::::::::::V :::::::::::∧
. ..:::::::::::::|::::::l:::|:::::::: |:::::| V:::{V:::|::::::::::::::::::: V :::::::::::∧
/::: /:::::::::|::::::l:::|:::::::: |:::::l / V{. ヾ|::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::.
/:::::::|::::::::: l:: /|/|:::::::: |::/jI斗=≠=ァ.|::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::
.:::/:::::|::::::::/レ\ V>" /, -、 / |::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::|
i:::|:::::::|:::: ,′≫=` {{}} ./ ::::::::::::::::::: |::::::::::::::::::::|
私が車騎将軍をもらうのにどれだけ苦労したと。 |::;|:::::::|:: ,':. 《 ∩ ,.ゝ'"´i l ./:::::::::::::::::::::::::| V ::::::::::::::',
|;'.|:::::: V{::∧ ,ゝ'"、 l l | // ::::::::::::::::::: l }::::::::::::::::::',
こうなったら、 { W::::: ゙{::::::| / } :::::::::::::::::: / /:::::::::::::::::}、::.
東北辺境の主を示す「燕王」の爵位を頂戴しましょう W::::::::::::::| -- 、 し } :::::: /}ニ- _イ :::::::::::',:::::} \
V:::::::::::::| 〈 、ヽヽ J ,' ::::::/-}ニニニ- _::::/}: /
V:::::: 八 ゝ'""""""´ /:::::::/二}ニニニニニ- _
V:{:::::::::`s。, ./:::::::/二-}ニニニニニニニ- _
,< ゙{V ::::::: / \ ..。s≦// /二二}二二ニニニニニニ}
/ ∧=}::::::::/:::::::::;`¨´} ./:::::/ニニニ}二二ニニニニニニ}
慕容部 車騎将軍 慕容廆
- 342 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:42:27.92 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年頃の勢力図】
宇文部 慕容廆
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 /´ /
r'´  ̄ヽ, 段遼 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 /ヽ_r' _r'´
{ r-'´ r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ >
,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v (郗鑒)ゝ、 `{_,、 【】()は晋王朝系
,、_ r' `,=-、
`'r'【東晋】 {__'ィ }
李雄 ,. -――'´`ヽ , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z、 /(陶侃)ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ }
'ー'`" `ー' r、}
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 段部と慕容部の外交を見ると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 王敦・蘇峻の乱以後も東晋の権威が失われていなかったのが分かる。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 天下の中心は、東晋ひいては建康へ移った感さえある
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 343 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:43:08.72 ID:+KE5xtOQ0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ .だが、咸和五年(三三〇年)。
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.`
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 このような状況に一石を投じる事態が起こった
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 344 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:45:08.31 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年2月 晋 冀州 襄国】
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨| 趙王殿下におかれましては尊号を称して頂きたく |
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :ヽ_______________________乂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 咸和五年(三三〇年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 群臣の固い要請により、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が趙天王・行皇帝事を僭称したと『晋書』『石勒載記』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『資治通鑑』『晋紀』は、これを咸和五年二月の事としている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 345 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:46:03.50 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年8月 後趙 首都 襄国】
ノヽ)) ヽ,,rーrヽ,, ,,ノi
,ノ~'tiii"(t i}}|j " "ツヽ|t
iヽ/ツii|}}从、}iii)''ijリリ} 、 ノツリ、 \__人_人从_人_人从/
ii}}y"}!、iii、'';/r"t}}}(iij,yiiヽ-リヽii}j、,, "リ _) (__
t,`、i、}ヽ''ii);;|iMtヽ''" `" ノ ""ノノノjjり ''フ ) 皇帝陛下万歳ッ!! (
、)" ミ;;,,t、ti;i、 t;;、、))リiノツノ/""''彡"彡 ョ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
i、`''i ;;;;:::ijj}、`';;;;;;'"":::;;;'" ,,,, 廴r''ツ r' /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
't、 ;;;、 t;; ::;;;`;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii" 、迄 彡ノツ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
ヽ, ;) (|;;ヽ;;、;;;;;;;;;ノ':::i:::;'":::';;" ::'≡ " ノ ) >
'i ,;i,,、;;、、,;; ;;;;、;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___ :::ミ≡:r'i < 大趙万歳ッ!!! >
t ;t;;iitーミゥテ;;、刈シ='r'-ミュォヲヲ ')'''/'|:| < (
'',、,i'"` ̄"::::了 j''"` ̄:::::" ;;リ/)リ/i /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ ,,
. t、i':::: :::::::| ,' j"" :::リ'、/イ'(,, 、、 -ー '",、 ~ヽ
ヽt::::::: :::::t,,ハ ,、) ;;;;:::i-ー'"t))::::: ..;、-'",, " ヽ
i;t :::::::::::~'- '":" 了 ,i;;;;::: t:::;、-'" '" /
,,, 、 - ーt;ヽ ::::::::;;、、、:::,,, ;;'" /;;;;::: ,、'":::::彡
,,、- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::`' / , ';;;;;;;r''":::::::...
,,、-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;::::::::: "/;;;;/::::::::::
,,、- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ :::::::::::: 、';;;;;r'"::::::::
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'、;;;;;;;;;,、-';、-'":::::
/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:::;;;、 - ーー'''"::::::::::: ....::''"
./ ;;;;;;;;;;、 -ーー ''''' """ '''' ー,-ー''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
""" ー ニ"、,,,,,,,,_:::,,,,,,,,,:::__,,,、 -ー'"
後趙 皇帝 石勒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同年八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 再び群臣の固い要請により、石勒は皇帝を僭称した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『成帝紀』は八月、
`ヘ:ゝ .' 小/ 『資治通鑑』『晋紀』は九月の事と記している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 346 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:47:46.38 ID:+KE5xtOQ0
-
_,. ィ==x、
圧///////∧
ノ//////////∧、
{///////≧、///∧
}///マ }/ぇ `寸{ }}{
`寸>ェl| ´ ヾノ八、 _ クi
`¨マiL _ |l`ゞ}l,イ/ ̄>//_>‐''"~二ア、
\ ゞ /}l ` l/:::://:::::::::::::::::::::/ `ヾ、
`ゞ /| lリ 《:::≦:::::::::||:::::::::≦ ヾ、 }l、 ……太尉に尚書令、か
_ 」'、ソ レ´ |/::::::::::~゚"o>:::::≦ ミ }l
 ̄\''<>''"≧〉>´ r 、|:::::::::::::::/::、::::≦ ゞ }l リl、
≧ェェ、《`¨7 ゞ |:::::::>´::::::::∨そ r= ̄ Y〉´ ヾ、
/////::::|) }{ r::, |:::://:::::::/、} ち//´ `〉〉、 }l
//// /::::::::: |l: }{ ゞ リ/:::::::::::::::::`¨>Y{l \ \
///////::::::::::::::l} 〉ゞ、ェイ|:::::::::ー=ニニニ|l: : : : . }l{ ',
|//// Lo_、:::::::|l / ̄フ/:::::::::::__γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|//////// \::::\アゞ,/:::::::::::::::::::::::_:| 太子の次に中山王という順番か |
∨><//::::./>=\/|:::::::^―==:::: ヽ_________________乂
」 '"~`寸///::::::::><::::::rー=、::::::::::::::::::::∨// l|/><三三>、\ l} ヒソヒソ
/::: ::`マ _//:::::>__、-‐‐‐===x、\:::Y/ ノ, __ Y ヾ>、|}l |}l
|::: ::::::} { // /a「r´¨| |三三≧≦≧ェァ / ,リ /〉 ゞ lL_リ {リ
l|::: / ミ}l/ヒa三L=:」」a ̄二二>《 l{ 」l // / ∨/
||l ミ 人リ 三a二二|二< ̄>::::::::::::::::::} 〉 〈_/´ // /「
後趙 中山王 石虎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 石勒が天王を称した時点で、石氏一門及び重臣たちの任官も行われた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇太子・大単于の石弘を筆頭に、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒の庶子と養子、中山王の石虎及び彼の息子たちが封建されている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『石勒載記』を見ると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この時に封建された石氏一門は九人しかいなかった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 347 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:48:33.74 ID:+KE5xtOQ0
-
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ ) 裴憲よ。
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ お前がいなければ、
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ .皇帝即位の段取りは整わなかった。
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈 尚書に任命する
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i | 〔___´"^' ‐- .,,_ . : . : . : . : . : . : . : . : . : /
|∧ 〈 ィ´ / ト、_ /ニニニニニニニ=- _´" ' - _ . : . : . : . : /
| 廴 」 イ } { ; /ニニニニニニニニニニニニ=-冖┘ _ : . : . : /
/l \ | / j ノ '⌒ └‐━━━━━━━‐‐ ニこ⌒\|ト. | ¨ - _/
/ | ヽ,ノ / / │小 √芯 '^芹丐ミ:、 |l | ,: |
八 l| l l以 |/「j | }/ ' / |
',| |: ヒZソ / / l |
i |i ′ / / .| l |
l八 / / | | |
どういたしまして | \ ` / /l | l |
│ _\ _ .. - ' , 1l | l l |
|:{/////厂.-─/ /. :| | , ':l
| ∨///lT | .イ /. : . : { | ′ ,
l ∨//|/ /_ . -=. : \ , ′
後趙 尚書 裴憲
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 裴憲は石勒の天王即位の時点で尚書になっている。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒が尊号を称するに当たって制度が整っていなかったが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 裴憲は王波という人物と共に朝廷の儀式を定めて石勒を王者に擬した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 石勒は大いに喜び、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 裴憲を太中大夫、次いで司徒に任命したと『晋書』『裴秀伝』は記す
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 348 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:49:16.06 ID:+KE5xtOQ0
-
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ . 荀綽と傅暢もこの場にいればな
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i | 〔___´"^' ‐- .,,_ . : . : . : . : . : . : . : . : . : /
|∧ 〈 ィ´ / ト、_ /ニニニニニニニ=- _´" ' - _ . : . : . : . : /
| 廴 」 イ } { ; /ニニニニニニニニニニニニ=-冖┘ _ : . : . : /
/l \ | / j ノ '⌒ └‐━━━━━━━‐‐ ニこ⌒\|ト. | ¨ - _/
/ | ヽ,ノ / / │小 √芯 '^芹丐ミ:、 |l | ,: |
八 l| l l以 |/「j | }/ ' / |
',| |: ヒZソ / / l |
i |i ′ / / .| l |
l八 / / | | |
| \ ` / /l | l |
│ _\ _ .. - ' , 1l | l l |
|:{/////厂.-─/ /. :| | , ':l
| ∨///lT | .イ /. : . : { | ′ ,
l ∨//|/ /_ . -=. : \ , ′
l 〉/ , . : . : . : . : . : . :\ ′ 、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、裴憲と共に石勒を支えた荀綽と傅暢は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒の皇帝即位時に名前がなく、恐らくこの年までに亡くなったのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 349 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:50:40.99 ID:+KE5xtOQ0
- 【石勒に大変重用されたと記録のある傅暢さん】
, /:::/ // L>`トミ_}
/ /:::/ // ://ヽ \_>
/ /:::/ /' ,. // ', ',
′ |:: ′ / // :i | i
′ |:;′ | ‐/-ミl/ |ハ. |
′ 寸 l /x==ミ ` 斗┤ |
,′ | l ∨《ん::リ xf竹 | '
/ |: 人{ `ー ヒ.ソ /|/
/ /| |\ , ,' /| / ./ ハ .V .V
/ | |、 __ ハ /| // i / / /i ./ .ヘ .} ', i i
./ _,_ /| \ :| > . イ ' | ./ | ./ムイ.| / // ´~.ヘ ハ.j } .|
/ /: : `'く| ト、 />≦L⊥∠ ⊥____ , .l / .| / ./ .V.. } .i ..|
./ / : : : : : :| ト、 Y {_ // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨¨¨¨7 i i .iィTアルイ、 ./ イアjリ ii リ i
八 ,: : : : : : :.:∧:.L,__ l' へ\ // / | ハ {{{弋シ .弋シ .リ ハ ハ
ハ ./::rヽゞ ムイ:::::N
石勒軍 趙王参軍 荀綽 ヘ::ハ ヘ ' .リノ::::リ
.Yハ ヘ 、 _ ., ノィ:リV
`~ヽ イ レ
>x _ <l
,ィニi iァヽ、
>/ 〈 ./ ヽ ィヽィヽ ィヽ-x
、 >"ニ .{ ヘ ./ ‖ ̄シ ̄シ ̄シ .7
、\/ニニニニ{ .ヽ / ‖ '
‐゙-ヽ.ニニニ {i ,..>- <ィへ ‖ __.'
...._ `ヽニハ /ヘニニ リ ‖ ./ _ .\
石勒軍 趙王右司馬 傅暢
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .彼らは石勒配下に加わってからいくつかの著作を残した。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀綽は『晋後書』『晋百官表注』『九州記』、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 傅暢は『晋諸公賛』『公卿故事』といった具合である。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 西晋の士大夫が残した貴重な記録といえ、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『九州記』や『晋諸公賛』は裴松之が『三国志』の注釈に用いている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 350 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:51:35.58 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年8月 晋 冀州 襄国】
,.ィ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
/ ...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
| ,rrェヒミ〈;;;:リナナク,;:l!
!斥y'r。xツヘ '・`,,,シミ;:;;:| おい徐光!
|トニ斗テi"| :;フハコ=7-i;;|
:|::ll::::l!:|l|ハ::;;| | ! !| li ,l、 なんで俺には官職も爵位もなくて?なんだよ!!
.|ト|!:::l!:||kキ;|干!,!,!ノノ:,!;l
!|ヽヾヾト'^"~'' ,'' "//;;;;'、 こちとら旗揚げ以来の古参だぞ!!!
| ,r'-:ゝ ,ィ;' ,.-...,,;:,,' /l::::;;;`
-'ミ ,:':;/ヾ、 .,,. ,,_;:' l!
ミ::`:'";;,' `:;、 :;;: ,;' .,! ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.`ヽ::.ヽ
〃〃.::::::〃〃⌒ヾVx≦、::.`ヽ:::::::ハ
後趙 ? 郭黒略 〃〃:〃.::::::{::{ }:::::ノ:}:::::::::}
{{={{::::{{:::{:::八{二二二ニニミ/:ノ}.:::::::ハ
{{:::{{ 〃八(__,ノ__ , 〃:::X/.::ノ:} } }
― -- =ミ 八八{:::{.::::::て 。ユノ八≧=‐-v'.::〃ノノノ
旦那! . `Y:: ハハ:Y:::::::厂 ̄ ̄{ {`ニ゚ニ:::::::::::〃/
. ノ.: } :}:从::::/ .:::::r_、_}〉::.. `Y::::八{
このスレは史書に基づいた歴史スレだ!! ./.::: ノ ノ.::::}}::{ 、___ヽノ___, ,::::::{ { ハ-,‐―――
〃.::: 〃〃.:::八{ トーーー-一' /.:::::}} }::::} l
記録がない以上、官爵を授けられないのさ!! .. {{::〃〃.::::::::/.:::ハ K´ }/ /.::::::ノノノ:::{ l
i 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧ `=‐--=′/{:::::〃〃.:ノ l
li _从::从八{:::::从 { ヽ.::::( ̄ .イ }::::} } 八
⌒Y´ ' }ハ |i ヽ(ヽ ヽ! ヽ=--=彳 ノ从八ノ'
後趙 中書令 徐光
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 石勒に付き従ってきた者たちも、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それぞれ官職・爵位を授かった様子が『晋書』『石勒載記』に見える。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .実際には、古参の郭黒略も官職なり爵位なりもらっていただろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 351 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:52:25.00 ID:+KE5xtOQ0
-
/,;:;:;;;;;:;:;:;:;:`ヽ
,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr、:.:.:ヽ
l::;ィ'´;;;;' `ヽ。-、ヽ.::!
{ミレ'"´. ,.. ""`,ィ;;彡
{ミ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡
iト、i i:::iノ:::l/::l/::!ノ:::| /l /l しかし、薄汚い盗賊だった兄者が今や皇帝陛下とはな
ト、 ヽ入:::::::::::::::::::`VY _../ レ' ..!
ト、. ! Vl ,..ィノ::`1 ミヽニニ彡'´ L:爪Y´./l `` ヽ
| ヽ| 〃/./:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄:rl / .l.:.:.:.:. /ト、
ィ´ヽ ノ/ / :::.人::::::::::::::::::::::::::::::::!!::! ゝ ' /.ィ´ `ヽ
ト、, ´/ ./:::'' ::::`Y::::::::::::::::::::::.人::::::// .i! / ´ ;; .゙、
r V.:.:.i / ,:: |:::::::::::::::::::::::::::::::`Y:: !' ノイ i :;:;:;;:;゙゙゙´: .
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
これからは陛下と呼べ Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 世に言う後趙の成立である
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 352 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:53:24.94 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年12月 後趙 首都 襄国】
__
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | | 涼州を治める張駿の使者が参りました |
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | ヽ___________________乂
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 十二月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 張駿が石勒に臣と称したと『晋書』『成帝紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 353 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:55:21.13 ID:+KE5xtOQ0
-
∩___∩
| ノ ヽ
/⌒) ● ● | 我が主張駿はかねてより陛下の威徳を慕っていましたクマ。
/ / ( _●_) ミ
.( ヽ |∪| 、\ そこで、先の九月に
\ ヽノ /´> ) 陛下が派遣された使者の護衛を兼ね御挨拶に参上しましたクマ
| )(_/
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
それにしては随分遅かったな Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 張駿は涼州の張氏の四代目で張軌の孫に当たる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 前趙滅亡後に河南と呼ばれた狄道周辺を占領し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒の使者を抑留したりしたが、後に石勒の強盛を懼れて臣と称した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼らは東晋を奉じる姿勢を見せる一方で、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 蜀を支配する李雄に称藩したり、拓跋部にも外交使節を派遣している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 354 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:57:07.09 ID:+KE5xtOQ0
-
∩___∩
| ノ ヽ.
/ ,, ノ U ヽ ヽ
| |||||● ● ) 申し訳ありませんクマ。
彡、 ( _●_) ミ
/__U |∪| ヽ 西域諸国の使者を帯同するのに時間がかかりましたクマ
《 ( ___.) ヽノ( ̄ ̄ 丿》
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
まあ、よかろう Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 翌年の年始の朝賀に合わせてか、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒の下に各地から使節が訪れた様子が『晋書』『石勒載記』に見える。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .まず、張駿の使節は西域の高昌・于闐・鄯善・大宛と共に方物を献上
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 355 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:57:55.67 ID:+KE5xtOQ0
-
_| |_へ. ヽ
/ '‐‐‐‐‐へ. | |
//| 高 |/ /
.へ.// | ‐- -‐ |/
{_/厂|| _,__,_、 |
/∧/ | / - | | 皇帝陛下に粛慎の矢を献上したい
_ --:、 X / |
_// ,-、_} .へ._ | _.イ
: : : / /: : :\┘ ゝ ./└‐| ̄|V ̄ ̄`ヽ
‐:イ |: : : : : :} ̄`‐ / /| | |
:::: |___ノ: : : : : / / / | | |ニl lニ| :|
/ ゝ:_:_:_:/ / / | | |豆寸| \
高句麗人 /бヽ/бヽ
./ / /二ミヘ
人_ _入_ _ノ ヾミミミミ
___/ ミミミミミ
ほな、うちらは名馬を献上させてもらうで。 ヘ、 ヾミミミミ
 ̄ヽ─〜〜-〜-ヽ ヾミミミミ
代わりに慕容部のキ●ガイどもを何とかしてもらえへんか ___ノ´ ヾミリミミミ
< ̄ ̄ __ ヾミミッミミ
 ̄ ̄ \ ヾミミミミミ
宇文部
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 高句麗は粛慎製の矢、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宇文部は名馬を石勒に献上している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .両勢力は慕容部へ対抗するために後趙へ接近した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 356 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 21:59:43.31 ID:+KE5xtOQ0
-
/бヽ/бヽ
./ / /二ミヘ
人_ _入_ _ノ ヾミミミミ
___/ ミミミミミ .慕容部を野球に例えるんか?
ヘ、 ヾミミミミ
 ̄ヽ─〜〜-〜-ヽ ヾミミミミ 燕だけに死球上等の●さんかな
___ノ´ ヾミリミミミ
< ̄ ̄ __ ヾミミッミミ
 ̄ ̄ \ ヾミミミミミ ←慕容部に本拠地襲撃された
/. : : : : : : : : : 八: : : : : : : : : : : | : : : ヽ : : : : : : : : ヽ : :
. / :/. : : : : : : : : : /\: : : : : : : : : lヽ: : : ハ : : : : : : : : : : : :
': /:.: : : : : : : :{ ; :'i⌒ ヽ: : : : : : :´厂}: メ、}: : : : : : : :} : } : :
i/ l : : | : : : { イ八|二 Y: 什: :/‐=ミ } i : i: : : :八八: :
{ | : : ト、 : 八:{〃,⌒ヾ }: : :/ , - 、ヽ刈: ノ: /. : : : : :
八 : ト、:`ト : ゝ i::..ハ ノ " i::..イ} 厶イ/. : : : : : : :
ヽ| 刈ハ 込:リ 込リ ∠. : : : : : : : : :
(ウチも馬を献上した方が良いのかしら?) //. :.i ´, , , , , /. : : : : : : : : : :
. // : 八 u/. : : : : : : : : : : :
/ : : : : : ヽ、 v-┐ /. : : : : : : : : : : : :
. /. :i : : : : : : :丶、 ー' .イ〃: : : :.:/. : : : : : :
/. : :| : : : : : : : : : :> _ . ´ |:i : : : : /. : : : : 人(
慕容部と婚姻関係→ {八八 : : : : : : :トトゝrく 」. -‐=从: : : :厶ィイ<
\: : : : :.l:{/:|0 ∩ ∩ ヽ: : : {::::::::::::::::::`::...、
代 拓跋鬱律の子 拓跋什翼犍
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .この頃には、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋部も代替わりして石勒と和を通じている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .つまり、慕容部以外の北方の主要勢力は後趙と外交関係を持っていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 357 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:01:05.75 ID:+KE5xtOQ0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 過日の馮鉄の件の返礼がまだだったと太尉は仰せでして。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ 年賀の挨拶を兼ね、
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 陛下へ江南の珍しい品々を贈りたいとの事でした
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
陶侃へよろしく伝えてくれ Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、東晋の陶侃の使者が、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 江南の珍宝・奇獣を石勒に贈っている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 秦州からは白獣・白鹿、荊州からは白雉・白兎が送られてきた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 他にも甘露が降ったとか、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 白気が天を覆ったといった瑞祥が発生し、石勒は上機嫌だったらしい
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 358 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:02:38.92 ID:+KE5xtOQ0
-
/;;';ミツ/;;;';'ヾ,':`'、
/; ;:__、,__,:; ;:;':i
i:; ;:i ゙|:';_;‐;; これで北方で俺たちに従わないのは慕容部ぐらいか。
/;;,::{二二二二二{; ヽ´ヽ
i;' ,;:|__,、__゙l;_:. :; :i゙ 何年か前に出した使者は斬られ、
/,;:';l;`‐゜';i ;;;`‐゜' ;| `; ;:`:゙i .宇文部に攻撃させても慕容廆の前に大敗した。
'Y;::゙i ::l :{;;_゙'゙::,'::゙-,
`'i;';゙i └ ゙ ,|; ;;`'':;':`:;;ゞ、_ .攻めるか?
,‐´゙:::i, ‘ニニ' ,‐'{:::';'::::',,,'''';;;;'  ̄
/ //::;゙ゝーイ:: /`'';;:. ;;:ヾ '''' __,ノY∨ ノノ}
/ | ゙ ソ;' ::::: i゙::::' .::''ヾ _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
いや。 ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
段部と宇文部にやらせておけ。 .ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
建康の方が与しやすい |i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝になった石勒の目は南へ向いていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 359 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:04:01.86 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元331年1月 晋 揚州 呉郡】
┌┐ 〜〜〜
7''~゙i| ;;7'~゙i
) | ̄)趙) 〜〜 ┌┐ 〜〜〜
i-ゝトー'-t´___、 7''~゙i| ;;7'~゙i
7二二二 ̄[,r' ) | ̄)趙) 〜
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜゛゛ i-ゝトー'-t´___、 〜〜〜〜゛゛
┌┐ 7二二二 ̄[,r'
7''~゙i| ;;7'~゙i 〜〜〜〜 〜〜〜〜゛゛
.) | ̄)趙) ┌┐ 〜〜〜〜゛゛
〜〜 i-ゝトー'-t´___ 〜〜〜 7''~゙i| ;;7'~゙i
7二二二 ̄[,r' ) | ̄)趙)
〜〜〜 〜 〜〜〜〜〜 〜〜 〜〜 i-ゝトー'-t´___、
7二二二 ̄[,r'
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
〜〜〜 〜 ) >
〜〜〜 < 海賊だァッ!!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 咸和六年(三三一年)一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後趙の劉徴が呉郡の婁へ侵入し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 晋陵郡の武進で略奪を働いた旨が『晋書』『成帝紀』に記されている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉徴は青州を統治していた人物で、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 青州から海路で建康に程近い呉郡周辺へ攻め込んだのである
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 360 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:04:44.06 ID:+KE5xtOQ0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 実はこれ。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 前年の五月に引き続いて二度目の襲撃だったりする
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
最初は呉郡の南沙と海虞という県を攻撃してね。 .l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
都尉の許儒という男を討ち取る戦果を挙げたのさ _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 361 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:05:31.27 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元332年3月 晋 揚州 呉郡】
┌┐ 〜〜〜
7''~゙i| ;;7'~゙i
) | ̄)趙) 〜〜 ┌┐ 〜〜〜
i-ゝトー'-t´___、 7''~゙i| ;;7'~゙i
7二二二 ̄[,r' ) | ̄)趙) 〜
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜゛゛ i-ゝトー'-t´___、 〜〜〜〜゛゛
┌┐ 7二二二 ̄[,r'
7''~゙i| ;;7'~゙i 〜〜〜〜 〜〜〜〜゛゛
.) | ̄)趙) ┌┐ 〜〜〜〜゛゛
〜〜 i-ゝトー'-t´___ 〜〜〜 7''~゙i| ;;7'~゙i
7二二二 ̄[,r' ) | ̄)趙)
〜〜〜 〜 〜〜〜〜〜 〜〜 〜〜 i-ゝトー'-t´___、
7二二二 ̄[,r'
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
〜〜〜 〜 ) >
〜〜〜 < また海賊だァッ!!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 翌咸和七年(三三二年)三月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒の将の韓雍が
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .呉郡の南沙及び海虞を侵略したと『晋書』『成帝紀』は記す
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 362 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:06:42.00 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元330年8月 後趙 荊州 襄陽】
__ ,。t r‐‐- 。 _
__ ,。-‐ -。. __ !Ll Ll Ll `tュ _.ィzハュ、 x
「 Ll Ll ゙゚¨ i | _.. 。 - ― - 。 .._ 〔」 z杉イハミ八ハヾz
|_.. 。 - ― - 。 .._ | Y> ¨´ ̄ ̄`¨<Yト '了彡ハッγシハハ
V¨´ ̄ ̄ ̄`¨V|「 トュ | fl fl =| | ____rュ ィッ彡森本木辷ハハ
| i^i i^i =|| ≠=| l;l ,ハ. l;l | ̄ ̄ ̄|>≠≦ 川杉ハソ≧森林杉z
| Ll Ll:iニLlニLlニ| Ll ー| 「 ̄ ̄ 彡シイィッ≠彡林森森
|= l |= | | AA〃メソ気シミγ木林森森
|- _ ├―――‐┤‐ =| {田} | AA7シイッハ杉巛人ハ八
火 |,/ヘ /ハ└L「L「L「Lll: ィ代 -l_________|_ ,イ川ヮツノX≦谷辷彡林巛
彡( ||土| |土| |!l V リ |ハ LL| =| |゙____ イソノ彡森林杉ヾレ
ハ彡 ||土| |土| l lLl =l iYi :| | | | | ,ィ彡レ盃幵卅ハYミ辷
林杉 二∠二∠二∠二∠二ヾド┼――‐┼===¬冖¬==┤ 山 ::| |_|_l ,.イシ彡ッィハ八ハハv林杉
木炎彡 TL「lTL「lTL「lTL「lTL「l | ,.へ. |= ー| | 〃ソジ彡木ミ木ハうY林杉
杉火彡゙ィ 二王二三二王二三二l〃 /'ヾ|‐ | _. :| (川ハ人ツ林ハ八ッハ林ミ
非杉彡火ッ゙人 三二王二三二王|l l :l|= ハ ハ | 山 ::| 〃ハvゥハレハハ本盆本木森
くシ杉木ハ辷ミメッt 二王二三二|===== L! Ll :=|__ ,lレ ハくくィヾ癶火っi進≠z辷ミ
火杉彡'バ林ミ巛彡狩 ハパバヘミハミミヾミ、 二ニ======_v/´ イ彡不ミ刈_斗< ,, ' ̄
木パバ彡森杉ミ彡林 ハヾパミYミメ彡彡杉林;;;;皿皿皿皿,,,,;;;>''´. . . イ彡巛 〃` ィハミ二並炎ミ彡
火彡辻彡イハ木杉ミミ狩 ハ彡杉森aッッ ッッ ャャ ッッ_,.>'´. . . . . . ハバヾ杉. イハ杉辷林森森林
森杉ツ爻乂彡イ 爻乂ミッメ、 森a. . . 。o彡ф彡'¨ ̄. . . . . . . . . . . .ィ川く. . . . .彡ハ木杉'フハ本林森
森森爻林爻ミ彡 杉ハミ三仆宀 。o8ミ%8 ゚. . . . . . . . . . . . . . . . . . ¨´. . . . . . . 7ハバ’`¨ '¨¨彡イ¨ヾ
ヾ乂ノハ乂杉森広 ¨. . . . . _ピ‰£ミ彡イ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 一方で後趙軍は荊州の襄陽を攻略。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 咸和五年(三三〇年)八月に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 後趙の郭敬の軍勢が侵入し、東晋の南中郎将周撫が武昌へ退いた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 襄陽周辺の流民は石勒に降ったと『晋書』『成帝紀』にある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 363 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:07:57.87 ID:+KE5xtOQ0
-
| | |
| | | |\_/ ̄ ̄\_/|
| | | \_| ▼ ▼ |_/ ∧
| | | \ 皿 / 彡 ゞ
=== / \ .彡 ・\
(___ \/ _,,, . ) 彡 ヽ お前たちの家財を略奪しないと約束する。
'U\_/| | |__彡 _ c〉
| | 彡 / `─ .代わりに漢水の北へ
| | ̄彡 / 移住してもらうとの郭敬将軍の御命令だ
_,.-─--|ヽ\_ \ |- |
彡/ .|:::::::::::::::\ ヽ |
彡/ .\;;;;;;;;;;;;;;;) ) |
彡 | / ./ |
/ニYニヽ/ニYニヽ /ニYニ /ニYニヽ
./ニYニヽ0)(0) (0)(0)/ニYニヽ / /ニYニヽ
/ニYニヽ / (0)(0/ニYニヽ / (0)(. /ニYニヽ/ (0)(0)ヽ
/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ/ (0)(0 ) /ニYニヽ \
そこまで言うなら移住するっていう / (0)(0)ヽ .⌒`´ / (0)(0)ヽ ⌒`´ / (0)(0)ヽ⌒`´⌒/ (0)(0)ヽ 、|
/ ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.| | ,-) (-、|| ,-) (-、.| | ,-) (-、|
| l ヽ__ ノ l | | l ヽ__ ノ l || l ヽ__ ノ l | | l ヽ__ ノ .l |
\ ` ⌒´ / .\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ /
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 襄陽へ入った郭敬の軍勢は略奪をせず百姓は安堵したが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 郭敬は襄陽を破壊して百姓を漢水の北へ移し、自身は樊城を守った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 百年ほど前に同じような光景を見た気がする
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 364 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:09:20.79 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元332年7月 晋 荊州 襄陽】
,> '" ,>'" ./ ,.斗- ≦ ,.> '' "  ̄...==||==  ̄``" ./
,.+'" ,.+'" ./ / 、ヽ` || z=======x /)
./ ,.+'" .f ./ _LLL_<'''''x / .rz - ==ニlL__.!!ヽzzzzzzzY ー彡___
{ ,.+'" { .{'"~ 、 ``ヽ) .OZ_''' === -- = 二_''ry--==≦_........_
.! .,:く_ .八 V ,zz斥 .マ  ̄アZZ =z 穹二二,_ニニ = -- 二}...|.
V_  ̄ ̄ ̄ "" ''''''' < >"./ i``ヾ、 l / /「///.:.:.}\---也"  ̄.TU.....U....|.
 ̄ ̄ ̄ ̄_三≧< f fV {\\\__ .} メ / / ,z'.ィ".:.:._,./.:.:.:.ミh、---_,.斗セ≦~三三
_,z斧≦---.ヽ! l 苡ヽ''乏ォ y- 二~__./< ,.+'".:,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:}.≦三三三三三
,zヘW,-------,.ィヽ \丶_ヽ /イ .ハl \ /.,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:.,>'" 三三三三三三
._0二二二二二二コZZv _,.斗く---/\ `.ー≦},..}.V ハ ``(ニ弁".:.:.:._,.斗 ≦三三三三三 _,.斗 セ "
.rゞ三三三三三アZネ,>'"-- r.v---ゝ, {l\ ヽ\\x ` <,...z'"./  ̄''マ三三三三三_,.斗 セ≦~ //////
0~ニニニニニニニニ了>'"-- <二ヘ:::V_ ,,./ヽ;;;\ }" \\⌒ヾ `'''''"< `'<z,_,.>ァ,.ィ//////////////
,>'"--j--マ三:ゝ:::V_{f .`" ヾ .f;リ\\三三三三.``〜、、/ , ,ニ.<//////////////
,zf"------o-jz` '''"⌒/o.ゞ-r :‐-==:くz彡\廴,.斗 ――-= .ミ ``ヽ, { /////////////////
,zヘ.マムv≧<",>'"三三三_,.>、 o ,マニニT_マ_,.斗-v `゛¨ '' ‐- .,_ `ヽ、ゞ /////////////////
_O二二二二二二ニ{ZZZW./y 三三 ,z≦f ̄.Vヽ>"..ア ̄ マx.......................`ヽ、 .\ ///////////_,,...斗rセ
rゞ三三三三三三ネ;;ア彡 '" .V!,>'"-.Y__.V.....V-ヽ//} :.. ,..:: }ニ\.........................ミh、 .Y_,,. -‐ ' "´
O~ニニニニニニニニニニ了:<三三三.V ,><zzz,V.....V--.Y :. :.. ,..:: lニニニ\......_,z ===.ヽ〃
>f三三三三三/z彡"....,>''...,V.....l--/ :: ::..v:::: ,z!ニニ,>彡イ: : : : : : : :// _,,.. -‐ '' "´{
晋 南中郎将 桓宣
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 以後しばらく襄陽周辺は後趙と東晋の係争地となった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 結果、咸和七年(三三二年)七月に、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .陶侃配下の桓宣らの軍勢に襄陽・新野を奪還されている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 365 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:10:03.27 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元332年1月 後趙 首都 襄国】
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┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
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;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
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_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
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: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ とはいえ、皇帝となった石勒の意気は盛んだった
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 366 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:11:01.17 ID:+KE5xtOQ0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y 宇文部と高句麗の使者よ。
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / .去年に引き続いて御苦労だった。
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }//// 饗応にて労に報いよう
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
/ ヽ
/бヽ/бヽ /二二\ |
./ / /二ミヘ / 高 ', /
人_ _入_ _ノ ヾミミミミ l _ _ l |
___/ ミミミミミ | __ | |
ヘ、 ヾミミミミ | / | .| ',
 ̄ヽ─〜〜-〜-ヽ ヾミミミミ |/ ', / ヽ ハ
___ノ´ ヾミリミミミ /', | ハ | ̄ ノ
< ̄ ̄ __ ヾミミッミミ / |ヽ._ |_/ L  ̄ヽ|
 ̄ ̄ \ ヾミミミミミ /.┴――v'´ ̄ ̄ \
- 367 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:12:38.44 ID:+KE5xtOQ0
-
/⌒ヽ Y:: \ _,,、、、 、゙:}i
′. . `、 :|_、‐⌒\~"'+、ノ^'《 /八
/ハ. . `/. . ./⌒"''+、⌒V:/:/
/小 . }. . .、゙ ̄~"''〜 ::',. V\
: / . . .}. ./´"//..|. . . / }. . .∨/
| /. . .} / /__ //. ..|. /メ、..}. . . .〈\ \__人_人从_人_人从/
|{ . . . . . ; {:{^冖ミ八. .|/ } `}. . . . }| :. _) (__
,: . . . . . ./ /:.{{ ⌒^'xぅぃ∨. . . . }| } ) かんぱーいッ!!! (
/|. . 、 . .__彡八rv ′ ゞ’ノ^. . ./.ノ八 }  ̄ ̄) ( ̄ ̄
/ :| . . . _- /八.乂__冫 _彡. . ././/ハ\ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/{.:.:|. _-V _,//ノ兮 -=≦/...__彡くノ : :} . \
, ^ゝ彡ヘ_、‐''ア⌒-_ {_彡冖x { -_.\ : }: :\\__ノ)
,:゙ _、‐''~_≫`` ´ア¨゛ . : ∨⌒-_ \}: : : \( ̄ ̄
,. -‐==、、
晋 左衛将軍 王安 ,. ===、、 o ○o. i :::ト、
_,/ `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l :::ト、\
// .::::/ :::::!===l :::|ス. ',
/./ .::::/ ::::l | __ ..... _::::|} ヽ l-、
. ,ィク ,'..__ .::::/ ::::l :l '´ `)'`ヽ ヾ;\
/::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l `'::┬‐--<_ } ./;:::::\
/::::::::! ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、 |l::ヽ /;';';';';::::\
. /|::::::;';';'\/} (ヽ、 _/| (´ _,.ィ!::ヽ. ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
/ ,ノ:::;';';';';';';';';'/ /ヽ、二ニ-イ ヾT ¨´ ,/;';';::`、. \';';';';';';';';';';〈::...
. / i::;';';';';';';';';';'/ ,イ.:::::::::::::::::: ! ヽ`ー‐'";';';';';';';ヽ \';';';';';';';';';!:::::
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が高句麗と宇文部の使者を饗応した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 368 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:13:19.47 ID:+KE5xtOQ0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y 徐光よ。
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / 俺は開基の君主と比べてどうだ?
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// /;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
.',Y//////////////イ /:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i
i::; ;;::i ゙|::'::. ;__;,-',‐;
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i
i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i
'Y ;:::::゙i ::::::l {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-,
んー、そうだなー / ,;; ';:゙i ::::::l |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
. _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'  ̄ ̄
. / /`i; ;::゙、 ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙
/ / / `i;:::゙;,_ ,,/::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
/ | ゙ ソ;;''' ̄::::::::::: i゙::::::' .::::'''ヾ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宴の途中、石勒が徐光へ言った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 369 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:14:16.77 ID:+KE5xtOQ0
-
;..;;;.;; ,/;:;;;;../;;;//;;:;;;;rnヾヾi:l:|/;/;;,;;:;:;;;:;;;.;;;;ヾ;;;.;ヽハ;;; :ヽ
.;;;;;.../;; ;;;; /;;,'/;//;;' ゙ヾ;;;;;;ヾ;;;;;;l |;;; ;;;ハ
;;;; ,/;;; ;;; ,';;;;..i.!;| |;;! ヾ;;;l ;;;;.i::l;;;i、;;;.;}
;;; ,';;;;; ;;;;;l;;;;;;..l.l;| l;;| _____ リノ!;;;;;i!.,!;; i、; {
;;; l_,,ェ=-キ;;;;;..l'||¨|;| ̄ _____  ̄"7/,';;;;;;リ,l.;;; ハ .:ヽ
;;; !_,,,ェ=-f;;;;;; l;|l|¨リ ̄  ̄"7〃;;〃;;.l、i;:.::ヾ;;;i
;;; l;;; ;;;;;; !;;;;;;;l,';' ,i' . |l{;;;;〃l:: :l、!: :.ヾ!
;; {;;.;;;;;.. ,';;;;;;//,/ _....,,,;;; ;,..._ {l l;;;l;l l;;; i| ゙!.;.;.: ;.ハ
;; .!;;;;;;;;;;;/;;;;//:_:::::;;;;;;;;;:::;;;;;,,, ,;;;;:::_:::`:ヾヾ{;;l l!; ;.:.;;;;. ; ;l
;.; };;;;;;;;;:::::;;〃¨ー'' ̄ヽ;;;;;;;;;ゞ 〈;〃¨ー'' ̄ヽ::;;;;l;;;, :: ::.:;;; ;.; ,!
; /;;;;: ::;;;;;/;;;;; ̄ ̄ ̄;;;;;;;::.. ;: l::;;;;;;; ̄ ̄:;;;;;;;;;!;;;;;,.; ,.:;.' ;.;,' 陛下の神武策略は漢の高祖より上。
.;.;';;;;;;;;;;;/'''''''""""´´ ::... l :::l;;;;;;;;,;.:;.; .;.,'
;;'.,;;;;;;〃 i l. :l;;;;;;;;.;.;.;.. ;.| 雄芸の卓越ぶりは魏の太祖を超越している。
;; ;;;;;;;l , , ヘ ノヽ l;;;;;;;.; ;.;.; 八
; ;;;;;;;;;!,,;;: ,,,... ゝ 〃 / ソ ,!;;;;'',',;.;;,:,;' .ハ .三王以来比肩できる奴はいないが、
;;;;;;; ;;;l;;:::::' '' ,, ''::;;;;;;;;:'' ,!;;;;, ';''':.: ; ; ;! 軒轅の次ぐらいには来るんじゃないか
;;;;;; ;;;;;!;;:' ゝ、,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,, , ,!;;;;;;;,.: ;;.; ;.: ; ;!
;;;; ;;;;;;;l;;  ̄ ̄ ̄¨ ̄ ̄"" /;;;;;;;;;; ,;;.; ;: ; ,'
;; ;;.;;;;;;;l:: :::::;リリリ77リリリ: /;;;;;;;;;;.; ;; ;.;;.;./
;.;;.;;;;;;;;ハ: :. .:.::::::::::;;;リ''' :.:.:.:.:.. /;;;;;;;;;; ;;; ; ;; ;/ _| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
.;.;;;;;;;;;l:.:ハ: :.:... :.:.:.: .: :.:. ,';;;;;;;;;;;.: : :.;;;.イ |_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
;;;;;;;;;;;;;!:.:.:ヽ、:.:.:.. : ,';;;;;;;; ,,;,;,; ,;;; .! r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
;; ;;;;;;;;;l:.:.:.:::::`ヾ、:.. ...... ,';;;;;; ;;;;;; : : :: .::l .〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\
;.;;;;;;;;;ノ:.:.:.:.:::::.:.:.:.:`ヽ、 ....:::::::::::::::::::::.../;;;;;;;;,;;;;;: ::; ; :.: : | ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
.;;;;;;;ノ:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.`ー-=≡三≡=‐':ノ;;;;;;;;;;;; : :; :: : :.;;.|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 軒轅とは黄帝の事。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 徐光の言葉を聞いた石勒は笑い出した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 370 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:14:52.17 ID:+KE5xtOQ0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ 俺が自分を知らぬと思ったか。
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ / お前の言葉は大仰に過ぎる。
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´ もし、俺が漢の高祖に出会っていれば、
', 壬//≧=- } }//// .北面して仕えて韓信・彭越と鞭を競い先を争っただろう
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ /;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
/:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i
i::; ;;::i ゙|::'::. ;__;,-',‐;
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i
i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i
'Y ;:::::゙i ::::::l {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-,
. / ,;; ';:゙i ::::::l |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
. _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'  ̄ ̄
. / /`i; ;::゙、 ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙
/ / / `i;:::゙;,_ ,,/::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
/ | ゙ ソ;;''' ̄::::::::::: i゙::::::' .::::'''ヾ
- 371 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:15:27.00 ID:+KE5xtOQ0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y 光武帝と出会っていれば、並んで中原を駆けるだろう。
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / 死んだ鹿が誰の手に入るかは分からぬ
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ /;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
/:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i
i::; ;;::i ゙|::'::. ;__;,-',‐;
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i
i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i
'Y ;:::::゙i ::::::l {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-,
. / ,;; ';:゙i ::::::l |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
. _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'  ̄ ̄
. / /`i; ;::゙、 ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙
/ / / `i;:::゙;,_ ,,/::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
/ | ゙ ソ;;''' ̄::::::::::: i゙::::::' .::::'''ヾ
- 372 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:18:06.46 ID:+KE5xtOQ0
-
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ .大丈夫が事を行う時は、
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ 小事にこだわらず、日月が皎然たるように行うべきだ。
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈 曹孟徳・司馬仲達父子のように、
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ 孤児や寡婦を欺き、狐のように媚びて天下を取るなどできぬ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / / /;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
/:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i
i::; ;;::i ゙|::'::. ;__;,-',‐;
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i
i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i
'Y ;:::::゙i ::::::l {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-,
. / ,;; ';:゙i ::::::l |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
. _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'  ̄ ̄
. / /`i; ;::゙、 ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙
/ / / `i;:::゙;,_ ,,/::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
/ | ゙ ソ;;''' ̄::::::::::: i゙::::::' .::::'''ヾ
- 373 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:18:43.24 ID:+KE5xtOQ0
-
┌‐ ┌ 、
,ィレ'\ノ jノ ノ )ノ}
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ 俺は二劉の間にいるに過ぎん。
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈 軒轅に例えるほどではあるまい
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、__
| 廴 」 イ } { ;  ̄` :.
/l \ | / j ノ '⌒ヽ__ \
/ | ヽ,ノ / / _____\
. __ / ノ) i } / / ´ ̄ --── 、 ̄ ̄` 、
´  ̄ ̄_____ _ --――一' / / \ \
`ノ´ / \ ヽ 丶
/ / r' i ー― \ \
. / / ノ i ヽ
/ / / | | \ ヽ
- 374 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:19:21.68 ID:+KE5xtOQ0
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 皇帝陛下万歳ッ!! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 大趙万歳ッ!!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
jI斗 ──<
////////ノ}/}ミh、
//)\/_」LL」_/]ノ心
}h、ィi }ニニニニノ ≧=‐/ハ
|i/ニノ⌒  ̄ ̄``〜、、> ≫/,
|{/r {i:i:} {i:i} ィi{ ./≫/,
よく言うぜ |〉 |〉 |i| |i:i:| |i:i| ‖i:} /////}
|∧ .∧〉 !i| |i:i:| |i:i|‖i|\/^7\'/}
|/∧ .//∧ !i| |i斗f七Iてj{ /\/\
|//∧ .///ヽ∨'" `'<' \/\
l\ jI斗|///∧,'////,\_ / / ∨/ハ
∧'/\/////|////jI斗fセニ二}j{{⌒≧=‐' / / }//)
/ ∧'//,\////≧≦\_=_=_=_=!从 ' {i //(
∧////\//////=}=_=_=./ }〉 j{ //_=_=≧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 石勒の言葉に群臣は万歳を称した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 後世よく知られる逸話だが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .酒の席でのやりとりなのは意外と知られていない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 375 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:20:17.02 ID:+KE5xtOQ0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ / 話は変わるが、
Y、 ', ゝ-=__, ', V / 堂陽に大量の流木が流れ着いたそうだな
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.`ヽ::.ヽ
〃〃.::::::〃〃⌒ヾVx≦、::.`ヽ:::::::ハ
〃〃:〃.::::::{::{ }:::::ノ:}:::::::::}
{{={{::::{{:::{:::八{二二二ニニミ/:ノ}.:::::::ハ
{{:::{{ 〃八(__,ノ__ , 〃:::X/.::ノ:} } }
ああ。 ― -- =ミ 八八{:::{.::::::て 。ユノ八≧=‐-v'.::〃ノノノ
. `Y:: ハハ:Y:::::::厂 ̄ ̄{ {`ニ゚ニ:::::::::::〃/
中山郡の洪水のせいで . ノ.: } :}:从::::/ .:::::r_、_}〉::.. `Y::::八{
下流の堂陽へ流れちまったらしい。 /.::: ノ ノ.::::}}::{u ヽノ ,::::::{ { ハ-,‐―――
〃.::: 〃〃.:::八{ /.:::::}} }::::} l
現地からの報告で .`ヽ. {{::〃〃.::::::::/.:::ハ { ⊂=ー....´⊃:./.::::::ノノノ:::{ l
百万本以上とあったから大量だろうな .i 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧ ー− /{:::::〃〃.:ノ l
li _从::从八{:::::从 { ヽ.: イ }::::} } 八
⌒Y´ ' }ハ |i ヽ(ヽ ヽ! ヽ=--=彳 ノ从八ノ' |
、_丿 |i \\______/ /
- 376 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:21:01.36 ID:+KE5xtOQ0
-
.,、
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 〇 /´ /
r'´  ̄ヽ, .○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ ○ 【中山郡】 ヽ
' { 晋陽 ●堂陽 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ◎襄国 /ヽ_r' _r'´
{ 鄴 r-'´ r'´
`ヽ } .○ ノ }'ー'
{ { r r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' ゝ,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○洛陽 >
○長安 ○許昌 ,ヘ' ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『石勒載記』によると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ この頃、長く大雨が続いて中山郡で洪水が発生。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 巨木百万余根が同地の川の下流に当たる堂陽へ漂着した
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 377 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:21:53.96 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元332年1月 後趙 首都 襄国】
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y .これは災害ではない。
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / 天意は俺に鄴を再建させようと欲しているのだ
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.`ヽ::.ヽ
.',Y//////////////イ 〃〃.::::::〃〃⌒ヾVx≦、::.`ヽ:::::::ハ
〃〃:〃.::::::{::{ }:::::ノ:}:::::::::}
{{={{::::{{:::{:::八{二二二ニニミ/:ノ}.:::::::ハ っ
{{:::{{ 〃八(__,ノ__ , 〃:::X/.::ノ:} } } ゚
― -- =ミ 八八{:::{.::::::て 。ユノ八≧=‐-v'.::〃ノノノ
おいおい。 . `Y:: ハハ:Y:::::::厂 ̄ ̄{ {`ニ゚ニ:::::::::::〃/
. ノ.: } :}:从::::/ .:::::r_、_}〉::.. `Y::::八{
諫言があったのに、まだ諦めてなかったのかよ。 /.::: ノ ノ.::::}}::{. __ヽノ___ ,::::::{ { ハ-,‐―――
〃.::: 〃〃.:::八{ /ーーー-一'i /.:::::}} }::::} l
確かに流木は `ヽ. {{::〃〃.::::::::/.:::ハ K´ }/ /.::::::ノノノ:::{ l
鄴の建物の造営に使えるかもしれんが i 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧ `=‐--=′/{:::::〃〃.:ノ l
li _从::从八{:::::从 { ヽ.::::( ̄ .イ }::::} } 八_
⌒Y´ ' }ハ |i ヽ(ヽ ヽ! ヽ=--=彳 ノ从八ノ'
、_丿 |i \\______/ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 話を聞いた石勒は大いに喜んだ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } どうも近い将来、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 鄴を都にする考えを持っていたらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 一度は諫言によって取り止めたものの、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 結局鄴の造営を再開して、所管の役人に造営規模を自ら指示したという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 378 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:23:00.47 ID:+KE5xtOQ0
-
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ 洛陽は周代以来、漢と晋が都とした。
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈 いずれは俺の都も置きたいものだ。
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{ .当面は南都として扱って行台も設置しよう
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒ , --──-、
/ | ヽ,ノ / / , イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
.l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一方で、洛陽が成周が土中にあり、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 漢晋の旧都であったとして南都とするよう命じている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .行台と治書侍御史を置いた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 379 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:23:49.13 ID:+KE5xtOQ0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 陛下は鄴と洛陽を都にするつもりらしい |
ヽ____________________乂 ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒iγ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | || 襄国を都にするのではなかったのか |
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王 ヽ__________________乂
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===.γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ 二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
| ここの造営はまだ続いているのだぞ |
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 .ヽ_________________乂
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 当時、後趙の都だった襄国では、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .明堂・辟雍・霊台といった施設の建設が始まっていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .それにも関わらず、新たに別の都の造営を始めるという
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 380 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:25:13.04 ID:+KE5xtOQ0
-
,∠/ /.:.:// ̄\
/|__/ ̄ヽ/--x:::::::::|
/ //|\.:.::| \ | ̄``ヽ、
/ _/V_∧_√ | 寸ニつ''⌒
/_/⌒\\__|___八 | ‘, ̄ なあなあ陛下ー。
/__| | | r┬k \|_| | ウマ
/ 人_____// └リ^ ⌒|V 鄴と洛陽にも仏の教えを説く寺を建ててくれよ。
/ / :| ̄| f]V |
/ / 人:圦 ___ `|__/ 課金しとけば御利益あると思うぜ
/,.-‐  ̄`'< ̄´|\ `ー xく
// \_|__,/\_. イ } | __,ノY∨ ノノ}
/ __V7⌒i人 ̄∨ .| _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
/.:.:.:_<'\|/', 〈 | 冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
後趙 大和尚 仏図澄 ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
考えておこう |i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 加えて、石虎の時代には長安にも宮殿を建造している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j とはいえ、遷都の意向があったにせよ、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .永嘉の乱で鄴・洛陽・長安は荒廃しており、復興の必要自体はあった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 381 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:25:56.01 ID:+KE5xtOQ0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 土木工事は悪であるという風潮 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 主要都市の復興や宮殿の造営によって、
| | >:´|、 - ,|`:< .後趙の権威を示そうとした施策なのかもしれない。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< ただ、これは石勒時代からすでに評判が悪かった
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 382 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:27:18.27 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元333年1月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ \__人_人从_人_人从/
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 _) (__
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、 ) 一大事ですッ!! (
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´  ̄ ̄) ( ̄ ̄
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j ≧ <
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j -=ニ 石勒の使節がやって来ました!!! ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! ≧ ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 再び外交の話題
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 383 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:27:58.47 ID:+KE5xtOQ0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 我が皇帝陛下は貴国との和を望んでおられます。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ .挨拶代わりにつまらない物ではございますが
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! ', { ___
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| . , -く_>―、`'<
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: / ,、 ☆ ァ- 、 ヽ \
「iア /〈(┼)〉 | ヽ {:i心只七i}
V /イハ,\/~フ'ト、ハ 辷:i八:ii:iリ
l| {V ◯\/ ◯V〈 / |:i||i|.',
ハnv' .ノイ゙n' . |:i||:i| ',
l´圦 ⊂⊃ u. /l´ `l |:i|.|:i|. ',
ゞ=彳h。. r‐'^ ゞ=ツ|:i| |:i|ヘ
……私たちは敵同士ですよ? .|:i|∨Vzミ`¨'ィzz へ/\|:i|/|:i|
|:i| |:i|辷/只//ツヽ ', |:i| |:i|
|:i| |:i/ // |:i:| V, |:i| |:i|
|:i| |/__^l l ^{____V |:i| |:i|
|:i| (___人____) |:i| |:i|
|:i| |:|::|\ / |::::::| | |:i| |:i|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 咸和八年(三三三年)一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が使者を派遣して金品を贈ってきたと『晋書』『成帝紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 384 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:28:57.10 ID:+KE5xtOQ0
-
', { ___
, -く_>―、`'<
/ ,、 ☆ ァ- 、 ヽ \
「iア /〈(┼)〉 | ヽ {:i心只七i}
V /イハ,\/~フ'ト、ハ 辷:i八:ii:iリ
l| {V ◯\/ ◯V〈 / |:i||i|.', 使者は帰っていきましたが、
ハnv' .ノイ゙n' . |:i||:i| ', .置いていった品々はどうすれば良いのでしょう?
l´圦 ⊂⊃ u. /l´ `l |:i|.|:i|. ',
ゞ=彳h。. r‐'^ ゞ=ツ|:i| |:i|ヘ
|:i|∨Vzミ`¨'ィzz へ/\|:i|/|:i|
|:i| |:i|辷/只//ツヽ ', |:i| |:i|
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
つまらない物は燃やしてしまいましょう .∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ただの贈答だったのか、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 帰順を促したのか、外交を名目にした敵情視察なのかはよく分からない。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『成帝紀』は続ける
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 385 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:29:52.72 ID:+KE5xtOQ0
-
:::::::::::::::::::::::........ . . . (:. ,:. . . . .......:::::::::
:::::::::::::::::::::........ . . . .:从,)ノ':.:, . . . .......:::::::::
::::::::::::::::::........ . . . ,;;'人,,ノ;ノヾ;,., . . . .......:::::::::
:::::::::::::::....... . . . ,;,、 ,;ノノ .:;.(. ,.( , . . . .......:::::::
:::::::::::::....... . . . ,、 ,.:;(゙: ,.:.人:. ヾ,、 (. . . . .......:::::
::::::::::::....... . . . ,ノ (,.ノ,、ヾ , .,;ノ (;. (:, ,):. . . . .......:::
:::::::::::::....... . . .( ,;. ,:ノヾ; . ,;) ,、 ヽ;,:.;):.从;., . . . ......::::
:::::::::::::::....... . . .,):. , 从ヾ;. '',人ヾ,´:. . . .::::: l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ |:;::/ .ヾ::::弋!l三三ゝ
,.ィ\{イ::! ノ j;ノ `ヽ .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l ● ● イ:::::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::::/!::/ /::;ハ⊃ 、_,、_,⊂⊃:;:'::::/ |::iゝ::: 丶
ヾ;:' l/ /;ノ ,/⌒l、 __, イ!;:;::':;ソ .ゞ ヾ::ノ
. / /.l l(_)// |;i⌒ヽ ,. ハ
「 ̄"|⌒`y´⌒}| .| ノ∨ `ヽ.
| |゙lニニニニl'/ ̄ ̄ヾ:.:..,,:.:.:.:ソ
晋 散騎常侍 干宝
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 詔勅によって、これを燃やした。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 晋王朝の賊である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .石勒の贈物は受け取らないというわけだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 386 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:30:39.67 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元333年春 後趙 首都 襄国】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l そんな次第で、応対はしてもらえたのですが……
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 __,ノY∨ ノノ}
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: 乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
仕方あるまい。 lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
.|i __ , / レ人{
慕容部のように使者を斬らないだけマシだ ‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ちなみに、南北間を使節が往来し始めるのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これから百年近く経った北魏と宋の時代に入ってからとなる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 387 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:31:40.86 ID:+KE5xtOQ0
-
┌‐ ┌ 、
,ィレ'\ノ jノ ノ )ノ}
__,ノY∨ ノノ}
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ 呉と蜀は未だ平定できず、
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ 書軌を一つにできず、司馬家はなお絶えていない。
ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ .後世の者たちは、
|i __ , / レ人{ .俺が符録に応じた者ではないと恐れるのだろうな
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、__
| 廴 」 イ } { ;  ̄` :.
/l \ | / j ノ '⌒ヽ__ \
/ | ヽ,ノ / / _____\
__ / ノ) i } / / ´ ̄ --── 、 ̄ ̄` 、
´  ̄ ̄_____ _ --――一' / / \ \
`ノ´ / \ ヽ 丶
./ r' i ー― \ \
/ ノ i ヽ
/ / | | \ ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そんな石勒の愚痴が『晋書』『石勒載記』に残っている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 388 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:32:59.83 ID:+KE5xtOQ0
-
__
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | | 陛下 | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | ヽ_____乂 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王| 今日は折り入って話がある |
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨““.ヽ______________乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ ここまで色々と紹介してきたが、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 皇帝となった石勒は意欲的に内政・外交・軍事に取り組んでいる。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: だが、彼を悩ませていた問題があった
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 389 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:34:16.33 ID:+KE5xtOQ0
-
/:::;;;;;ミミ; / `゙';;:::::::::::ヽ
/;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
/:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i .太子の石弘殿は温和な御方だが、
i::; ;;::i ゙|::'::. ;__;,-',‐; .中山王は粗暴かつ偽りの多い野郎だ。
/;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
/:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i 陛下の死後、社稷が危うくなるのが気になってな。
i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙
/,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i .徐々に中山王の威権を奪い、
'Y ;:::::゙i ::::::l {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-, .太子を朝政に参加させちゃどうかなって
. / ,;; ';:゙i ::::::l |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
`'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ , ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
. _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄ ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'  ̄ ̄ __,ノY∨ ノノ}
. / /`i; ;::゙、 ''' _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙ _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
/ / / `i;:::゙;,_ ,,/::::::: /`'';;:. ;;;;:ヾ '''' 冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
/ | ゙ ソ;;''' ̄::::::::::: i゙::::::' . 乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ‘, 、___ ノ i |
| 恐れながら申し上げます | |∧ 〈 ィ´ / ト、_
.ヽ_____________乂 | 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後継者問題である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j いや、後継者を補佐するであろう石虎の措置といった方が正確だろうか?
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 390 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:35:24.68 ID:+KE5xtOQ0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i 中山王の武勇と智謀は群臣に及ぶ者がいません。
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ ですが、陛下以外を見下しており、、
l l ´=` l 長年征伐に従事し威は内外に振るえど、性格は不仁かつ残忍です。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 .太子を補佐するとは思えず、早急に排斥するべきではないかと
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: 乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
程遐よ。 ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
天下は未だ平定されておらず、 .lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
太子は幼いから強力な者に補佐させるのが良いだろう。 |i __ , / レ人{
.‘, 、___ ノ i |
中山王は功臣かつ |∧ 〈 ィ´ / ト、_
魯や衛のような者だから伊尹や霍光の任を与えようと思っている .| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒
/ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 事の詳細は『晋書』『石勒載記』にある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石弘が皇太子になると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 徐光と程遐は中山王石虎の人柄を問題視し、彼を処分するよう進言した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが、石勒はこれを取り合わなかった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 391 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:37:02.43 ID:+KE5xtOQ0
-
_,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ お前は何を言っているのだ?
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ まさか、太子の代になったら
ヽ | { 人__/ 〈 舅のお前が権勢を振るえなくなるのが心配か?
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{ .俺はお前にも後事を託すつもりだから安心しろ
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、_
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '⌒ , --──-、
/ | ヽ,ノ / / , イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
中山王は皇太后に養育されましたが、 ノ ヽ _,、__ノ
陛下の天属ではなく、親族の義は期待できません。 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
魏を任された司馬懿親子がどうなったかは御存知のはず 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 程遐の妹は石勒の側室となり石弘を生んでいる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 所謂外戚の程遐と石勒の腹心の徐光が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒死後に権力を失うのを恐れて石虎の排斥を謀る構図。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ どうやら石勒はそう見ていたらしいが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 程遐と徐光は命がかかっているだけに必死に石虎排除を主張している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 392 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:38:48.82 ID:+KE5xtOQ0
-
.{::::::::::::::::`::::',ッ'';;'';'';';';;;`、彡彡;';;;;;;i
i';::::::::::::; .:::;:,_____、,__,::; ;::i
;‐,'-,;__;..::'::|゙ i::;; ;::i
/::::`'‐,r':; ,::;;;}‐──────‐}: :, ;;゙i
.i゙;::::` .::;´:::: ::::} ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}:';; .:゙i
.゙i::::: ,::: .::::: _,;;l゙____,..、____|:;, '' ,;;i. 司馬氏や李氏なんざ手足の軽い病気でしかない。
.i゙:::`::::;;;`..;` ::|;;;;;`‐゜ー';;;;; i;`‐゜‐';l:;'::';,,゙i
,-゙:: ::;',:::::゙゙'゙ _;;;} l:::::: i:::::; Y' 中山王の問題は腹心の重い病気なんだぞ
.∠;;:`.::;`::::: ;;;;''゙::| l:::::: i:;' ;;, ゙i
._、゙ィ;;::::`:::';::''`;;;;:: ,;|,. 、 ゙ィ,,,__}::: i:::;' ;;i'`
 ̄ ̄ ';;;;'''',,,'::::::::'::::;':::}:`、  ̄ニニ¨ /; ノー'´\ __,ノY∨ ノノ}
゙,,_ッ;;:::::::::.::;`:;;;;}::::::`、 ''' /:; ;i`、 \ _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
'''' ッ:;;;; .:;;''`:i :::::::\,, _/:::;i` i .`、 \ 冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
ッ'''::::. ':::::::i ::::::::::: ̄''';;ト' ゙ | `、 乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒は黙然とし、二人の意見に従わなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 393 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:39:55.81 ID:+KE5xtOQ0
- 【紀元333年春 後趙 冀州 鄴】
,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ 程遐に徐光め!
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠ 下女の子供に
イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ 鄴の宮殿を譲ってやったのにまだ不満があるのか!!
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー、 ,,、- ''
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´ ゙'> ''"
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、 '´
`゙゙゙''', ゙'' ー '''" ::::/ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 問題は当の石虎が後継者問題をどう考えていたのかだ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 394 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:41:44.56 ID:+KE5xtOQ0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .この数年前。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 石勒は後継者の石弘を鄴に駐屯させようと、
\ヽ、 _ , イ!::/ .程遐と共謀して以前から鄴に駐屯していた石虎へ三台から立ち退くよう求めた。 .
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 三台は鄴にあった三つの宮殿で、鄴占領以来石虎が自身の住処にしていた
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
j:(()(;|、i|;;|i|;;从//从
|ii::从;;;;;ヽ;|::|;;;;;;|リ从;|
;i ::r-、、;;;;;t t;;;|从i|;;|
;;{::::t~' 、ミ;;;;ヽ〉(i|、,,,,|i
';;|::"`' ミ~-' 、|"'、i;;;;;;;;;;
:: i :: :::::::: ̄ト ≧>;;''";;
主上の言葉であるなら従う以外ない。 : ', ::::::::::::::::リ 'ア;;;;、-''"
:::::', :::::::::::::/ , '"'i彡::::::::
三台を修築させた上で、住処を鄴にある邸宅へ移したのだ。 :::::::i ::::::::/ /:" :レ" ::::::::
::::::::i :::y" '、:::....,、 '":::::::
だが、おかしな入れ知恵をした程遐は絶対に許さん :::::::::', t ノ::::'' " )ノ:::
:::::::', :~''''""~~"" `''
:::::::::', '' 、,,,:::...
::::::::::i :ヽ、`" '' - 、::、
::::::::::i :::::::~''ー::::::::`'〉
::::::::::', 从" ~'' 、::::::::'"
:::::::::i :::... '''':::"
:::::::::ヽ;:::::..... ::::,、-':
- 395 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/09/17(日) 22:43:16.20 ID:+KE5xtOQ0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄ 石虎は程遐を深く恨み、
vヘ - ノ:./ 左右の数十人に命じて夜中に程遐の邸を侵入させた。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 .賊に扮した石虎の手の者は、程遐の妻女を犯して衣類を略奪して去っていった。
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::| こんな真似をしでかしたのなら、程遐が反石虎に凝り固まるのは当然だろう
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
∧
, ' ̄ ̄ ̄ ゙̄ヽ .∧ ヽ
,イ / ヽ ト、 / ', ',
i ヽ─、 |ー' i / ! !
ヾ_,,;;;》 〉 ヾj j/ 〈;;_ノ ./ ││
l ヾニア fニアl / | |
久々のヒャッハーッ! i 〈 i 〈 | .!
| トェェェェイ / .} ,' ,'
最近はこういう機会がトンと減って困る | \ `ニニ´/ ./ / /
| ヽ ー '_ / / /
,-ー、 ヽ;;;;;;;;;;;`ー-、 / / /
;;;;;;;;;;\ー、 ,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. . / / /
;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ / / /
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;丶__ / / /
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