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デジタルモンスター研究報告会 season2
- 763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/21(月) 19:45:21.10 ID:mfxzyYYf0
- デジモン達の助けになる装備とかはまだ開発できないかな
- 764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 22:05:00.98 ID:xZsg6yaco
- 最近来ないな
- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/08/23(水) 23:34:11.33 ID:7kUmptK7O
- すまない。
続きがうまくまとまらないので、更新できずにいる。
いつかは再開したいと思っているので、きながに待って欲しい。
- 766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 23:35:48.71 ID:f283c4VM0
- 生きてるならヨシ
- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 23:55:23.09 ID:4tbKKp7bo
- しかたない
- 768 : ◆VLsOpQtFCs [sage]:2023/08/24(木) 00:08:38.67 ID:gdlx1BBWO
- 酉テスト
- 769 : ◆VLsOpQtFCs [sage]:2023/08/24(木) 00:09:17.25 ID:gdlx1BBWO
- 作者です
成りすましが湧いたので、そろそろ酉付けます
余裕ができたら再開していきます
- 770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 00:13:51.20 ID:6eRuwVaGo
- やっぱ仕事忙しいのか
- 771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 00:13:51.63 ID:pAN0elB00
- 無事ならよかった
登場人物大体頭が良いしで大変だろなあと思う 待ち続けるさ
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 00:22:53.76 ID:KX3nLc/p0
- 何日も放っておくと変な奴が湧いて出てくる。
>>765はブロックしといた方がいいよ。
- 773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 00:36:52.11 ID:pAN0elB00
- 断定は出来るもんじゃないが
どのみち並の人間が真似して書ける話じゃないし、本人確認の方法はあるから待つだけだわ
- 774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 19:13:20.99 ID:A2+QTjNno
- ちゃんと生まれてからずっとデジクロス出来るようになりたいと望んできたブイモンワームモンが出来るように進化出来ないの不思議だ
- 775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 00:39:26.93 ID:mZPDHL6l0
- デジモンの死体食うデジモンはいるのにデジタマを食うデジモンいないな
- 776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 21:13:29.45 ID:yktD8hw20
- デジモンは気候合わないなら移動すれば良いけど人間は気候合わなくても耐えなきゃならんところは不便だなと今年の夏の暑さで思った
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 17:37:45.05 ID:A7fkLeono
- 土曜日でも余裕できないくらい忙しい職場なのかね
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 17:52:43.06 ID:1kT36eDd0
- 一度途切れると不安になるのはわかるがあんまり急かさず待ってようぜ
- 779 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 22:13:53.47 ID:2OY9r3nTo
-
私とリーダー、カリアゲの3人は、指定されたビルの屋上へ行った。
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:18:27.33 ID:o0zevCLZo
- キター!!!!
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:19:32.37 ID:G+wlsCrS0
- ケンとリーダーとカリアゲが研究チームのテイマーというかデジモンのパートナーみたいなもんなのかね?
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:20:20.07 ID:BQg34Y7q0
- 選ばれしおっさん達!
- 783 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 22:23:37.86 ID:2OY9r3nTo
- そのヘリポートには、クレカ会社がチャーターしたヘリコプターが既に停まっていた。
クレカ決済処理の停止は、一分一秒長引くだけで、莫大な人数へ損害が広がっていく。
ゆえに、電車や飛行機、車でノンビリ移動するわけにはいかないのだ。
我々はヘリコプターへランドンシーフを積み込み、ひとっ飛びした。
ランドンシーフに積んだデジモンは…
コマンドラモン、パルモン、ボスマッシュモン、ブイモン、ワームモン…
…そして、かつての戦いで鹵獲した粘菌型デジモン、ゲレモンだ。
ゲレモンは我々の命令を聞かないし、我々の方から命令する気もない。
ボスマッシュモンが手駒を殖やすための餌として運用しているのだ。
現に、ボスマッシュモンは今既に電源を落としているランドンシーフの中で、ゲレモンを食べて配下を殖やしている。
…ゲレモンは多少食っても、断片のズルモンが成長してまたゲレモンになるので、いい餌なのだ。
尚、ファンビーモンは連れてきていない。
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:25:17.68 ID:BQg34Y7q0
- デジモン版の家畜だゲレモン
- 785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 22:35:18.29 ID:1kT36eDd0
- 本当に来るだと!?
デジモンを殖やして食糧にするのは実質的にはもう行ってるんだなあ
- 786 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 22:56:11.84 ID:2OY9r3nTo
- そうしてクレカ会社へ到着した。
社内のネットワークへ、ランドンシーフを接続する。
そして、オフラインライセンスでデジクオリアを起動し、サーバー内のデジタル空間を観察した。
我々のパートナーデジモン達は待機だ。
…うわぁ、ひどいな。
ズルモンやゲレモンがたくさんいる。
顧客情報を盗んでいるようだ。
だが…
そこへチビマッシュモンが数体来て、ズルモンをデータから引っ剥がした。
そしてズルモンを食べた。
どうやらクレカ会社で粘菌デジモンの侵入を発見した見張りマッシュモンが、既に戦ってくれているらしい。
我々が到着するまでの間に、できるだけ敵戦力の増強を抑えてくれていたようだ。
だが、そこへ…
何者かが素早いスピードで近付いてきた。
「ホワーッハッハッハッハ!!」
…スカモンだ!
かつて我々が戦ったスカモンとは別個体のようだ。
スカモンは、かつてのように地面の粘菌デジモン達を使って、滑るように接近してきた。
スカモンは右手に、黄金に輝く剣を持っている。
…なんだあのゴツくてでかい剣!?
我々も一応ブイモンに使わせるための武器をデジタルワールドから調達し、用意してはいるが…
あんなでかい剣は持っていない。
「時代遅れのキノコ共!淘汰してやります!ズェァアアア!」
スカモンはそう叫び、剣をチビマッシュモン達へ振りかざした。
刃からは熱と光のエネルギーが発せられている。
チビマッシュモン達は、熱く鋭い刃によって溶断された。
そして、逆にズルモン達に飲み込まれていった。
…なんだあの武器!?
とんでもない…成長期デジモンがあんなのくらったら一撃で死んでしまう。
- 787 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 23:12:53.41 ID:2OY9r3nTo
- https://i.imgur.com/noi6tOI.png
クラッカーは、スカモン自体を改良して強化するのでなく、強力な武器を持たせることで白兵戦力の増強を図ったようだ。
クッソ…狡猾だな!
そんな武器があったら我々も欲しいぞ!
物陰に隠れていた一体のマッシュモンが、スカモンに向かって爆弾を投げた。
あれはいざというときのために、預けておいた、コマンドラモン製の爆弾だ。
その威力は、成熟期のスカモンにだってダメージを与えることが期待できる。
しかし…
地面の粘菌デジモン達の上をスライドするように、盾が運ばれてきた。
https://i.imgur.com/tAKdMIJ.png
スカモンは盾に身を隠し…
爆弾から身を守った。
やがて爆弾が爆発し、轟音と爆炎が放たれた。
「うおおぉお!熱ぎゃああああ!!」
スカモンの叫び声が聞こえた。
やがて煙が晴れた。
スカモンは…
「貴様…よくもワタクシの完璧なボディに…!ゆるさん!」
…盾越しに、熱と衝撃のダメージを若干負ったようだが…
大したダメージがない。
盾まであるのかよ…!
くそ、ふざけんな…!
- 788 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 23:17:30.03 ID:2OY9r3nTo
- さて…
今回の敵は、前回と同じスカモンだが…
強力な武器と頑丈な盾を持っている。
まともな格闘戦を仕掛けたら、あの剣で溶断されてしまうだろう。
我々がデジタルワールドから調達した武器で打ち勝てるかというと…
分が悪い気がする。
どう攻略する…!?
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 23:17:33.99 ID:aCGA+Uj/0
- クラッカーの進化スピードに追い付けねえ!
- 790 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/26(土) 23:18:41.27 ID:2OY9r3nTo
- つづく
- 791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 23:20:00.44 ID:A7fkLeono
- 乙
その武器寄越せー!
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 23:27:00.30 ID:aCGA+Uj/0
- 乙
武器を作るって概念まで出てきたか
- 793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 23:36:56.22 ID:1kT36eDd0
- 乙
機動力と小回りと知能はあるから攻撃と防御は外付けしてやればいい、うーん正しい
- 794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 07:35:22.13 ID:tMVlQaEP0
- 乙
盾はガーベモンのか。剣の方は分からんが、OPとはいえ盾は少なくとも完全体由来かぁ……
- 795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 10:52:32.86 ID:qgvT3WaZ0
- 剣術とかまともな訓練してないだろうに圧倒的な力で上に立ってくる理不尽
- 796 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 11:57:48.44 ID:dwDmrePDo
- スカモンは、爆弾を投げてきた見張りマッシュモンに向かって粘菌移動で一気に接近した。
「汚物は!!消毒DEAーーーーTH!!」
見張りマッシュモンは、胞子を吹きかけた。
煙幕で身を隠そうとしているようだ。
「その辺ですなァァーー!ホワァーッハァ!」
煙ごと剣で切り裂いた。
「マシマァーーーッ!」
どうやら剣から出ている熱と光のエネルギーによって、有効射程が長くなっているらしい。
ビームソードを食らった見張りマッシュモンは、傷口がジュージューと焼けているようだ。
「とどめ喰らえやァーッ!DEATH!」
そう叫んだスカモンは、見張りマッシュモンを縦一文字に切り裂いた。
溶断されパカッと真っ二つに割れた見張りマッシュモン。
体内の菌糸は生きてそうだが、思考中枢はおだぶつのようだ。
うぅ…。
同族がやられる光景を見たボスマッシュモンは、心が痛むだろうか。
『やはり あのけんは つよい』
…ボスマッシュモンが送信してきたチャットには、特に動揺した様子はなかった。
へ、平気なのか?
『あれは わたしのいちぶだ それをつかって てきの じょうほうが えられた なにが かなしいのだ かみよ』
…ううん、気にしないでくれ。
見張りマッシュモンは戦力分析のために立派に役に立ってくれた。
『そういってくれると うれしい』
しかし…厄介だな。
近距離戦を挑んだら、あの剣で溶断される。
遠距離からの攻撃は盾で防いでくる。
…マジでなんだあの剣!?どうやって作ったんだ!?
- 797 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 12:11:54.14 ID:dwDmrePDo
- リーダーが呟いた。
「あの剣…あれ自体がデジモンのようだな。鍔に顔や手足がついている」
んん…?
おお、たしかにそうみたいだ。生体反応がある。
カリアゲは驚いた。
「マジかよ…。まさか盾の方もデジモンじゃねーだろうな?」
…盾にも生体反応があるぞ。
「とんでもねーな。武器と防具のデジモンなんて、一体どうやって育てたんだ…。俺はワームモンをそういうふうには育てられなかったのに…」
カリアゲはちょっと落ち込んでいる。
クラッカーに先を行かれたからだろう。無理もない。
厄介な敵だ…奴らをどうやって攻略する…?
「…だが我々にも、奴の剣や盾に負けない武器がある。ランドンシーフと、自在に開けるデジタルゲートだ」
確かに。
こっちの手札を有効活用していきましょう。
「それだけじゃないぜ、こっちの武器は!」
ああ、そうだなカリアゲ。
ブイモン用に作った、例の…
「俺達とデジモン達の…!絆の力だ!」
…
「…カリアゲ。遊びのつもりなら帰ってくれ」
「ああっすんませんリーダー!ちょっと空気読めてませんでした!わりッス!」
「次ふざけたら以降シンに代わってもらうからな」
辛辣だなぁリーダー…。
士気は戦いにおいて大事な要素だと思いますよ。
- 798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 12:15:34.18 ID:2Ur4NzA30
- ズパモンとルドモン、ただの武器じゃなくてちゃんとデジモンか
生きてる装備、奪ったりしても使えなさそうだなあ
- 799 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 12:50:07.89 ID:dwDmrePDo
- どう攻めるかを相談し…
そして作戦を実行に移した。
まずはデジタルゲートから、コマンドラモンが飛び出して、スカモンの背後に向かって爆弾を投げた。
「お無駄ですッ!不意打ちできると思ったかッ!」
すぐに粘菌デジモン達が盾デジモンを運び、爆弾からスカモンを保護した。
だが、盾デジモンに当たった爆弾は爆発しなかった。
ピンを抜かずに投げたためだ。
「あり?爆発しませんね?」
きょとんとするスカモン。
「いまだー!」
そう言って叫んだパルモンが、ボスマッシュモン及び部下マッシュモン2体と共にゲートから飛び出してきた。
パルモンは、ツタを伸ばして盾デジモンを絡め取った。
そうして動きを封じたルドモンを、部下マッシュモン2体が組み伏せて、押さえつけた。
「てめぇら!ルドモンを離しやがりませ!粘菌の餌になれ!」
スカモンがそう言うと、ゲレモン達がパルモンとマッシュモンにへばりついた。溶かして消化する気だ!
ゲレモン達には消化液だけでなく、マッシュモンと同じ毒がある。それをパルモンへ浴びせている。
「ホワァーッハッハッハ!!そこの草小僧は粘菌の毒に耐えられまいでしょう!」
だが…
「うおぉーくるしい!」
そう叫ぶパルモンの悲鳴は、どこか演技臭い。
…スカモンは気付いていまい。
パルモンは幼年期の頃に、自ら望んで地獄の特訓をこなし、マッシュモン由来の毒の解毒剤を体内で合成するできるように進化したことを。
- 800 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:01:45.76 ID:dwDmrePDo
- 「ええい!さっさとルドモンを離せ!まどるっこしいですね打ち首にしてくれますゥァ!」
スカモンは剣を握り、パルモン達へ飛びかかってきた。
…今だ!行け!
「よしきたー!いくぞ!ワームモン!」
そう流暢な人語を叫んでデジタルゲートから出てきたのは、ブイモンだ。
ブイモンの左腕にはワームモンがしがみついている。
ブイモンの右手には、我々特性の鎌が握られている。
ブイモンは、左腕をスカモンへ向けた。
「ギチチッ!」
ワームモンはそう喉を鳴らすと、蜘蛛の巣のような糸をスカモンの腕へ吐きつけた。
「グゲ!?な、なんですかこりゃ!」
作戦開始までの数分間、ワームモンが頬袋へ溜めに溜めまくった大量の粘着糸を腕にくらったスカモン。
パルモンとマッシュモン達は、盾デジモン…ルドモンを粘菌からひったくり、距離を取る。
「こ、こんなものでワタクシの動きを封じられると思うなァァ!」
スカモンは構わずにブイモン達へ斬りかかろうとする。
そんなスカモンの背後にいるボスマッシュモンは、先程コマンドラモンがピンをつけたまま投げた爆弾を拾い…
ピンを抜いて、スカモンの後頭部へ投げた。
ルドモンはパルモンが押さえているし、そのルドモンを運ぼうとする粘菌デジモンは部下マッシュモン達が食うなり蹴るなりして攻撃している。
スカモンを護る盾はない!
爆音が鳴り響く。
「ギャアアアアッ!!」
今度は直撃だ!
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 13:13:34.75 ID:2Ur4NzA30
- メチャクチャ順調な作戦成功だ
こうしてみると粘着って強い
- 802 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:16:01.76 ID:dwDmrePDo
- 「く…こ、この、クソ共がァァァ!いい加減にルドモンを離せ!」
スカモンはパルモン達へ襲い掛かる。
さっさと防御手段を確保したいのだろう。
「切り裂けズバモン!ホワァーッハァァーー!」
そんなスカモンの斬撃へ…
パルモンは、なんとルドモンを向けた!
大きな金属音が鳴り響く。
何でも防ぐ盾と、何でも貫く矛がある。
その矛でその盾を突いたらどうなるか?
…今回の答えは。
「防げるがタダでは済まない」だったようだ。
「リュギイイィイイィィ!!」
パルモンは無傷だが、斬撃を防いだルドモンにはダメージが入ったようだ。
「なぁッ!き、きさまッ!ルドモンをよくもォーーッ!!」
斬撃のパワーがよほど凄かったのだろう。
ルドモンが吹き飛び、パルモンは無防備になる。
「今度こそ真っ二つにしてやるゥァァァー!」
スカモンは再び剣を振りかざそうとする。
- 803 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:24:57.56 ID:dwDmrePDo
- だが…
「ん?な、なんだ…動きが…鈍い…!剣が…振れない…!」
スカモンは剣を振れなくなっている。
ワームモンの粘菌糸が硬化したためだ。
パルモンは両腕のツタをスカモンへ絡ませて、さらに動きを拘束した。
「今だ!うおおおお!」
ワームモンはブイモンの左腕から離れた。
ブイモンが両手で持つ鎌は、かつて山岳地帯でコカトリモンに敗れたスナイモンの死骸から回収した鎌である。
「くらえー!」
そう言い突撃するブイモン。
「ひ、ひいえええーーーッ!」
スカモンがそう叫ぶと、あちこちの粘菌が素早くスカモンのもとへ集まってくる。
繭を作ってスカモン大王になる気だ!
「させるかー!」
ブイモンはスカモンの脳天へ、鎌を振り下ろす。
「ひいいいいィィイーーーーッ!!」
盾を失い、身動きを封じられたスカモンの眉間へ、ブイモンの鎌が突き刺さった。
「ぐびゅ!」
スカモンは白目を剥いて、力無くへたりこんだ。
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 13:32:32.33 ID:gp0rBdoCo
- 「させるかー!」ってブイモン喋れるの!?
- 805 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:36:33.82 ID:dwDmrePDo
- 「る、ルドモン…ズバ…モン……肝心な…時に…役に、たた…な…」
「うるせえしねぇー!」
ブイモンはスカモンの頭部の中を鎌でグチャグチャに搔き回し、念入りに思考中枢を破壊した。
「げうっ!…き…キイィィィーーー!!」
だが、粘菌デジモン達はスカモンを包み込んだ。
そして壁をずるずると登り、天井で繭になった。
繭を呆然と見つめるブイモン。
「…な、なんだよ…たおしきれてなかったのか…?」
このまま繭を放置すれば、やがてスカモン大王になるだろう。
だが…
突然、繭にしがみつくデジモンの姿が現れた。
光学迷彩で透明になっていたコマンドラモンである。
この戦いで、コマンドラモンは最初に爆弾を投げた時以来、何もしていなかった。
何故ならコマンドラモンは、スカモンが繭を作るタイミングを見計らってずっと潜伏していたからだ。
コマンドラモンは、ナイフで繭と天井の接合部をギコギコと切り裂いていく。
やがて繭は天井から剥がれ、地面に落下した。
- 806 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:42:14.90 ID:dwDmrePDo
- 唖然とするブイモンに向かって、パルモンが叫んだ。
「きりさいて!」
「お、おう!」
そう返事をしたブイモンは、スカモンの繭を鎌で切り裂いた。
さすがはスナイモンの鎌。
切れ味がいい。
そうして、繭の裂け目から形成中のスカモン大王が見えてきた。
「マシシシイーー!」
マッシュモン達が、繭へ潜り込んだ。
いったい何をする気だろうか…?
やがて繭を引き裂いて、右手にズバモンを構えたスカモン大王が姿を現した。
「ホワアアアアアアア!死!死死死死死死死死死死死!!!!」
どうやら思考中枢の回復が間に合っていないようだ。
- 807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 13:44:40.51 ID:gp0rBdoCo
- ううむ、賢い!
- 808 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:46:59.73 ID:dwDmrePDo
- 「死ィィーーー!!」
そう叫んだスカモン大王が、ズバモンを振りかざそうとした…
その時。
スカモン大王の腕は、付け根からボロリと千切れた。
「死ィィ!?」
ぎょっとするスカモン大王。
腕の付け根は…
「マシー!マシマシー!マシシシイー!」
…大量のチビマッシュモンに食い破られていた。
そう。
マッシュモン達はスカモン大王の繭へ『寄生』し、スカモン大王の体内へ大量のチビマッシュモンを産み付けたのだ。
「ギヒィイイイ!死!死ィイーーー!」
スカモン大王の全身が、内側から崩れ、チビマッシュモン達に食い荒らされていく。
やがて、内部のスカモンが姿を現した。
眉間の傷はまだ完全には塞がっていない。
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 13:47:08.44 ID:2Ur4NzA30
- 人数増えたのが活かされてる 優秀なコンビネーションだ……
- 810 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 13:53:47.68 ID:dwDmrePDo
- 「死ィ!死死ィ死ィ死ーー!」
スカモンはルドモンとズバモンの方を向いて何かを叫んでいる。
だが…
https://i.imgur.com/6hiaIdk.jpg
https://i.imgur.com/rIVXcS6.jpg
武器の姿をやめ、二足歩行型デジモンとなったズバモンとルドモンは、ノーリアクションでスカモンを見ている。
自分からは何も動こうとしない。
おそらく指示を待っているのだ。
そしてスカモンは鎌で頭部を破壊されて喋れないため、ズバモンとルドモンは何も動かないのだ。
そんなスカモンの両腕に、ワームモンが再び粘菌糸を絡ませた。
「死ィ!?」
鎌を持ったブイモンが、スカモンへ躙り寄る。
「みたか!これが!きずなの!ちからだあああーーーーー!」
ブイモンは鎌を振り下ろして、スカモンの頭部を両断した。
「死ッ…」
…スカモンは今度こそ動かなくなった。
やがてスカモン大王の中から出てきたボスマッシュモンが、スカモンを解体した。
- 811 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 14:02:23.28 ID:dwDmrePDo
- 決着を見守っていたクレカ会社の社員さん達は、大喜びして歓声を上げた。
やがてチビマッシュモン達とパルモンが、粘菌デジモンをすべて片付けると…
クレカ会社のサーバーは再びオンラインとなり、決済処理の再開を告知した。
パートナーデジモン達も勝利を喜んでいるようだ。
「やったな!みんな!すごいぞお前ら!」
カリアゲはデジモン達を褒めている。
リーダーは、そんなカリアゲの肩をぽんと叩く。
「先程はすまなかったカリアゲ。お前が正しかった。今回の戦いは、まさしく絆の力の勝利だ。…そして、優秀なデジモンを武器としての運用しかしなかったヤツの敗北だ」
「…ああ!」
…我々のパートナーデジモンは、ただ指示通りに動いただけではない。
時にアドリブを挟みながら、それぞれが状況に合わせて的確に動き、連携した。
作戦通りにいったが…
『作戦を失敗させなかった』のは、まさしく彼らデジモン達自身の実力のおかげだ。
「…それにしても」
どうしましたリーダー?
「…どこかおかしくないか?今回の敵はどこか…杜撰すぎる、気がする」
杜撰?どこがですか?
- 812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 14:06:37.62 ID:BSpzVwMTo
- こんだけ強く進化したのにデジクロス出来ないのはブイモン達はそもそもやりたくないのか
- 813 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 14:09:49.43 ID:dwDmrePDo
- 「こんなに優秀な剣と盾のデジモンを育て上げたクラッカーが…こんな杜撰な戦いをするだろうか?」
も、もうちょっと詳しく教えてください。
「このクレカ会社が見張りマッシュモンのサービスを利用していることは、会社のホームページを少し調べればでかでかと載っていることだ。そんなところへ粘菌デジモンを侵入させたところで、侵入を察知されてネットワークを遮断され、社内サーバーへ粘菌デジモン達を監禁されるだけだ。今回のようにな。…十分想定できたことだろう」
そ、それはまあ…。
「それなのに、優秀な武器と盾のデジモンをスカモンへ持たせ、立て籠もらせる…。意味がわからない。クレカ決済処理をいたずらに止めただけで、クラッカー側の恩恵が何もない」
我々がうまく立ち回って、クラッカーが得しないようにできたってことじゃないんですか?
「おかしい…我々が戦ってきたクラッカーは、こんな杜撰なヤツだったか…?奴はチューモンにスカモンの頭脳を回収させたり、使い捨ての幼年期をランサムウェアにしたり…『自身の敗北すら織り込んで作戦を立てる』ヤツだったぞ」
…一枚岩じゃないのかもしれませんね、クラッカー側の勢力も。
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 14:09:53.49 ID:2Ur4NzA30
- 指示されたことだけやるんじゃなくそれ以上を目指そうとするのは絆のある心由来だもんなあ
- 815 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 14:12:12.90 ID:dwDmrePDo
- その時。
リーダーに電話がかかってきた。
「こちらリーダー。…シンか?どうした」
どうやら我々の研究所からの通話のようだ。どうしたんだろう。
『や、やべーっすよリーダー!うちらのサーバーに敵デジモンが来て破壊活動をしてますゥゥウ!』
「なに!?」
- 816 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 14:12:59.02 ID:dwDmrePDo
- つづく
- 817 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 14:28:08.64 ID:dwDmrePDo
- ※誤字すみません
ワームモンが吐いたのは「粘菌糸」でなく「粘着糸」です
- 818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 14:30:53.34 ID:2Ur4NzA30
- 乙
相手はデジモンの死を織り込んで放棄出来るがこっちは共に移動せざるを得ない 弱点突かれてるなあ
- 819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 15:09:45.78 ID:M9pAg6q3o
- こっちは頼りにならないファンビーモンしかいないのに!
- 820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 16:03:04.14 ID:5U0nintG0
- 残された戦力はサトシのリザードン並みに言うこと聞かなくてろくに訓練してない成長期だから大して強くないフライビーモンのみ
終 わ り だ
- 821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 16:23:24.85 ID:i4bABwRto
- 頑張ってスカモン大王対策完璧に出来てたのに無尽蔵の戦力でこちらのキャパを上回ってくる無理ゲー
- 822 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 20:39:30.64 ID:dwDmrePDo
- …数分前、メガ視点…
クレカ会社への出撃は、リーダー、ケン、カリアゲが担当した。
その間…僕が担当するのは、僕のチーム独自のデジモン研究だ。
今の世間におけるデジモンの立ち位置は…
ペットや、テレビ番組のネタなどの娯楽の対象。
そして、クラッカーが操るサイバー犯罪の道具や、それから人間を護るセキュリティなどだ。
世間の人々の思考は驚くほど単純だ。
「自分にとって快いか、不快か」というくだらない線引で「善悪」を決め付けてしまう。
今はまだ、世間に好意的に受け取られているが…
クレカ決済処理が止まった原因として報道されれば、世間は掌を返し、デジモンを悪魔化するだろう。
そんなことがあっちゃいけない。
デジモンは、戦いの道具や娯楽なんかより、遥に有用な役割を持てる存在になれる可能性があるんだ。
人々の生活の利便性の次元を上げるだけのポテンシャルがデジモンにはある。
僕はそれを探求することを自分の使命と受け取った。
そうして人々にとってプラスの存在になることこそが、デジモンを護ることになるんだ。
だから、今僕がやるべきことは…
僕自身の研究だ。
僕は今、研究所内で独自のチームを編成して、カンナギ・エンタープライズやギーク仲間たちと独自路線のデジモン研究開発を進めている。
僕がその研究に取り組めるのは、リーダーやスポンサーさん達がセキュリティデジモン開発のために予算確保してくれたおかげでもある。
それぞれに、それぞれの役割がある。
だから僕は僕の…
『メガのかみよ たいへんだ』
ん!?
このチャットはボスマッシュモン…?
出撃したはずじゃ?
『あれは わたしを きおくごとふくせいした ぶんしんだ わたしの ほんたいは ビオトープの じめんに ねをはっている』
ああ、そういえば君は菌糸が本体のデジモンだったね。
キノコ型のあれは子実体というか端末みたいなもんか。
キミのことは真・ボスマッシュモンと呼ぼう。
『かっこよさを かんじる』
それでどうしたの?
『たいへんだ ネットワークかいせんの かべが やぶられそうだ』
なんだって…ファイヤウォールが!?
サイバー攻撃を受けているのか!?
僕はデジクオリアの映像と、セキュリティソフトの情報を確認した。
な…何者かが侵入しようとしている!
一体なぜ!?何かにバックドアでも仕込まれていたのか!?
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 20:40:34.71 ID:i4bABwRto
- メガの神って強そうだな
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 20:42:36.40 ID:bO8Zj5Ml0
- 神にも悪魔にもなりそうで怖いなあメガ
他のメンバーはそこまで大きな仕事はしてないのかしら?
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 20:51:45.36 ID:9W+FSuBx0
- NARUTOかよってくらいの多重影分身っぷりだなマッシュモンよ
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 20:56:49.77 ID:2Ur4NzA30
- そう言えば本拠地には見張りマッシュモンいるんだっけと思ったらもっと優秀なのがいた
- 827 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:03:58.11 ID:dwDmrePDo
- とにかく…侵入を阻止しなくては!
僕は一般的でないソフトを起動し、外部からの不正アクセスを遮断しようと試みた。
デジクオリアの映像では、ひび割れた壁を上塗りするように新たな壁が出現した。
よし、バックドアを開いてるマルウェアらしきものを発見したぞ。
侵入経路は…
初めて見た経路だ。
端的に言うと『この侵入者自身が自ら発見した、一般的なソフトの脆弱性』を突いたものだといえる。
いずれ修正されるだろうが、まだ修正されていない脆弱性だ。
クソ!
そんな腕があるなら、クラッカーなんかやめてもっと真っ当に稼げよ!
なんて説得をしてやめてくれる相手じゃなさそうだ。
…マッシュモン!マルウェアを排除できるか!?
『おおいそぎで ぶんしんを つくっているが まだじかんがかかる』
つ、土に餌たくさん撒いとくよ!
『たすかる』
最近気付いたが、デジモンはコンピュータのデータを肉眼で見て意味付けすることができるため、一般的なソフトやマルウェアも肉眼で観測しの必要とあれば破壊できるのだ。
故に、未修正の脆弱性を補う存在になり得る。
…解説してる場合じゃない!
マッシュモンの分身が終わるまでの間、僕自身の力で対処しなくては!
と、とにかく!
まずはネットワーク回線を切断して、これ以上何も入ってこないようにしなきゃ!
僕はパソコンから物理的にLANを引っこ抜こうとしたが…
その時。
デジクオリアから、何かが破壊される音がした。
画面を見ると…
https://i.imgur.com/jMpPMPD.jpg
…火が灯った蝋燭のような姿のデジモンが、5体ほど侵入しているのが確認できた。
https://i.imgur.com/LlmO9mH.png
さらに…
茶色い肌の、小さな人型デジモンも1体いる。
ま…まずい!
クラッカーのデジモンが来てしまった!
くっ…このパソコンにはまだオフラインライセンスのデジクオリアを入れてない!
だから回線を切断すると、こいつらを僕自身が見れなくなる…!
止むを得ない!
真ボスマッシュモン!そいつらを見張っててくれ!必要に応じてチャットで連絡して!
『わかった』
僕は大至急、オフラインライセンスの使用承認の申請をカンナギへ送った。
…返事が来て、ライセンスキーが届くまでは、僕自身がどうにかしなくちゃ…!
というかこいつら、何をする気だ…?
- 828 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:16:21.38 ID:dwDmrePDo
- 「ウワーオゥ!」
骨棍棒を持った茶色い肌の小鬼型デジモンが叫んだ。
そして小鬼型デジモンは、デジタル空間内のデータや壁を骨棍棒で叩き始めた。
ある程度叩いて損傷させると、蝋燭型デジモン…仮称キャンドモンは、火を吐いてその損傷箇所に火を灯し始めた。
火を灯された箇所には、蝋燭のロウらしきものが貼り付いており、それが燃えているようだ。
…炎が炎として存在し続けるには、『燃料』が必要不可欠だ。
それがサラマンダモンの場合は、エタノールに飽和脂肪酸を添加した粘着質の液体燃料であり、このキャンドモンの場合はロウがそれにあたるらしい。
なんて陰湿な…!
小鬼型デジモンがデータを損傷させ、キャンドモンがそれを炎でさらに破壊している…!
やめろ!やめてくれ!
くそ、僕じゃどうしようもない!
僕のチームで育成中のデジモン達は、お世辞にも戦闘向きじゃない。そもそも戦闘行為というものを教えていない。
このクラッカーデジモン達へ差し向けても倒されてしまうだろう…。
マッシュモン…
分身ができたら、あいつら倒せる?
『かくじつとは いえない』
そうだよな…
炎を吐けるのはやばそうだ。
- 829 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:24:53.22 ID:dwDmrePDo
- どうする…
ファンビーモンは僕らの指示を聞かないから、差し向けても意味がない。
詰んだのでは…?
「まずはリーダー達にホウ・レン・ソウじゃないですかねー?さっきニュースで速報入りましたよ、クレカ会社の決済処理再開したって」
クルエ!?
よかった…リーダー達は粘菌デジモンを倒せたんだ。
シン!電話おねがい!
「はいッス!」
リーダーに電話したからといって、どうにかなるとは思えないけど…やらないよりマシか?
「や、やべーっすよリーダー!うちらのサーバーに敵デジモンが来て破壊活動をしてますゥゥウ!」
『何だと…!?状況を教えてくれ!』
「ロウソク型デジモンが5体と、小鬼型デジモンが1体!小鬼がデータを叩いてから、ロウソクが火を灯して焼いてるッス!」
その報告の後、ケンの声が聞こえてきた。
『ロウソク…蝋。ワックスか。ワックスを使うデジモンはバブモン、ランサムウェア事件のバブモンだ!その進化系がそいつだ!そして小鬼型デジモンは…蛮族デジモンのコエモンに近い可能性がある!』
うわ。
一瞬でそんな分析をするなんて…。
こういうところはケンには敵わない。
- 830 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:29:41.87 ID:dwDmrePDo
- 「な、なんで蛮族デジモンが!?」
『前にスカモンと一緒にいたチューモン…あいつが怪しい。蛮族と繋がりがあるのかも』
け…ケン!どうすればいい!?
何か今の僕たちにできることはあるのか!?
『対処法はあります。ファンビーモンを放ってください』
ファンビーモン!?
あいつは僕たちの指示を聞かないからアテにならないよ!
『大丈夫です。ファンビーモンはやれます』
く…くそ!もうどうにでもなれ!
僕はファンビーモンをデジタル空間内へ放った。
ファンビーモンは、キャンドモン達のいる方へ飛んでいき…
傍観した。
ほらあああやっぱりアテにならない!
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:32:00.24 ID:i4bABwRto
- 捨て駒にすらできねえ!
- 832 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:36:34.07 ID:dwDmrePDo
- すると…
ファンビーモンは突如、体を曲げて…
毒針を発射した。
毒針は小鬼型デジモンの眼球を貫いた。
「グワギャアアアアアアアアア!!!」
絶叫する小鬼型デジモン。
な、なんだ!?
僕はファンビーモンに指示をしていないし、この状況の説明もしていないぞ!
なんで戦ってくれるんだ!?
小鬼型デジモンはあまりの痛みに苦しみ悶えている。
「ウゴ…ボ…」
やがて小鬼型デジモンは、泡を吹いて、びくびくと痙攣した。
画面を見ていたクルエがひょいと頭を出した。
「あー、眼球は直接脳みそに繋がってますからねー。脳に毒を流し込まれたらああなりますよね」
キャンドモン達は、ファンビーモンへ炎を放った。
ファンビーモンは円を描くように飛んで、炎を回避した。
そして再び毒針を放った。
「ギャッ!」
キャンドモンの一体が、毒針で眼球を貫かれた。
つ…強い…!
ファンビーモンは、二体を仕留めると、その場から遠く離れた。
あ、あれ、もう戦線離脱…?
ねえケン、ファンビーモンが戦うのをやめたよ。
- 833 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:42:06.10 ID:dwDmrePDo
- 『…前にコマンドラモンが仕留めたバクモンの干し肉がビオトープの地下室にあります。それを一切れだけ与えてください。一切れ以上はダメです。』
わ、わかった!
干し肉をファンビーモンへ与えると、ファンビーモンはそれをガジガジと食べ始めた。
その頃…
キャンドモン達は、周囲を警戒しているようだ。
火を吐くのは一旦やめている。
襲撃に備えているのだろう。
やがて、ファンビーモンは羽を休めた。
ね、ねえ、休み出したんだけど。
『一切れだけあげましたか?』
う、うん。
『じゃあそれは毒針を再生してるとこです。そのまま放置してください』
大丈夫なの…?
やがてキャンドモン達が、適当にその辺を燃やし始めると…
再びファンビーモンが来て、キャンドモンの眼球へ毒針を放った。
「ギャオッ!」
…
そのまま僕は、黙ってみていた。
十数分後。
そこには…
全滅したクラッカーデジモン達と。
小鬼型デジモンを貪り食うファンビーモンの姿があった。
つ…強い。
意味分からないくらい強い。
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:42:07.60 ID:2Ur4NzA30
- 戦闘訓練とか一切無しで眼球という小さなターゲットを狙えるの、遺伝子の時点で強すぎる
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:44:27.42 ID:i4bABwRto
- 生物兵器かなにかで?
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:45:35.14 ID:YPobvO/Z0
- お肉をエネルギー源にして動く殺戮ロボットかな?
- 837 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 21:52:16.69 ID:dwDmrePDo
- その時。
ファンビーモンが急に小鬼型デジモンから離れた。
直後、ファンビーモンのいたところへ、銀色のドリル状の物体が飛んできた。
な、なんだ!?
まだなにかいるのか!?
ドリルが飛んできた方を見ると…
「シィーット!外したか!」
そこにいたのは、銀色のスカモン。
鉱山で見たプラチナスカモンだ。
「クソぉ!このまま敗けてなるものか!せめてあの憎きセキュリティデジモンを倒して戦果を挙げねば…!」
今までは潜んでたのか…!
く、来るならこいよ!ファンビーモンが相手だ!
ファンビーモンは、プラチナスカモンの眼球へ毒針を飛ばした。
「回転ガード!」
くるっと横を向いたプラチナスカモン。
毒針はその側頭部に当たり、弾かれた。
さ、刺さらない…毒針が!
「げひゃひゃひゃひゃ!以前のワガハイのままだと思うなよ!パワーアップして生まれ変わったのだ!」
ど、どうする…
毒針が急所に当たるのが先か。
バテてジリ貧になるのが先か…?
ファンビーモンは…
プラチナスカモンのところから飛び去った。
あ、あれ!?
逃げてったよ!?
「ぎひひひひ!このままワガハイが暴れてやる!」
くっ…
ボスマッシュモン一人で勝てるか…?
その時。
『そこまでだ、プラチナスカモン。退却しろ』
…我々のものではないデジドローンが、プラチナスカモンの頭上を飛びながらそう言った。
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:55:15.42 ID:i4bABwRto
- プラチナスカモンという未知の敵に対して「ファンビーモンの毒針は刺さらない」というデータしか取れないか…
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 21:58:55.12 ID:J/lzEMXg0
- やはり前回のスカモンと同じ個体か
- 840 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 22:06:03.77 ID:dwDmrePDo
- 「ま、マスター!?何故っスカ!?」
『いちいち説明する必要があるのか?私が去れと言ったら去れ』
「は、ハハーッ!」
そう言い、プラチナスカモンは螺旋状のボディを回転させ、一輪車の車両のように走行してデジタルゲートから逃げていった。
『では研究者諸君。さらばだ』
待て!
『何かね?なにか私に尋ねたところで、君達に有益な情報をくれてやるつもりはないが?』
…確かにこのクラッカーと今対話しても、有益な情報は引き出せそうにない。
ならせめて…一言言ってやる…!
『時間稼ぎをして私のデジドローンの通信元を逆探知しようとでもしているのか?くっくっく…やってみるといい』
そんなことはいい…(本当はしてやりたいが)。
お前はデジモンのことを何だと思ってるんだ。
『デジモンは道具だ。お前達もそうだろう?違うとでもいうのか?』
道具…ふふ…はっはっは!
お前ぇ!道具の使い方が下手くそなんだよ!
『なんだと…』
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:13:46.38 ID:v6KE0nVho
- 「○○は道具じゃない!」ってお馴染みの外交儀礼は使わないのね
- 842 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 22:20:39.12 ID:dwDmrePDo
- リーダー達からのショートメールで聞いたぞ。
強力な剣デジモンと盾デジモンを鹵獲したってね!
そんな優秀なデジモンを使い捨てるなんて…
道具として見るにしても、道具の使い方がド下手くそだ!
ぼくたち人間は、大事な道具は大事に使う。
工場の加工装置なんて、人間一人の生涯年収より高いものだってザラだ。
そういう道具は、道具だからこそ大事に扱う!
お前は!道具を大事に使うことすらできない、ヘボエンジニアだ!
『…お前おもしろいな。くっくっく…いまの私の怒りに共感してくれる者がいるとは…。お前優秀だよ。こっちに来ないか?』
来るわけあるか!
お前みたいなヘボクラッカーの仲間になんてなりたくもないね!
『…あの女に作戦の一部を任せたんだが…奴はあろうことか欲をかいて、ターゲットとは全く別物の企業にハッキングを仕掛けた。こともあろうにマッシュモンが見張っていると堂々アピールしているところに…』
あっちの実行犯とは別人なんだ。
『おかげでこちらは私の傑作であるエクスカリモンとシールドラモンを意味もなく失った。おまけに世間のデジモンサイバー攻撃への警戒度は高まるだろう…。無能な味方が最大の敵だ』
はは!
クラッカーの結束なんてそんなもんだろうね。
烏合の衆でしかないんだ!
『耳が痛いね。できればあの女を即刻ブタ箱へ入れてやりたいが…私にも立場があってね。道具以下の無能な味方といえど情報を売り渡すわけにはいかないのだよ』
こっそり情報ちょうだいよ。
『はは。…しかしお前、本当に面白いやつだ。てっきり私に、デジモンは大切なパートナーだ、などと説教をしてくると思ったが…。お前がこっち側にいないのが残念だ』
こっちの台詞だ。
君がクラッカーなんかでいることが残念だ。
『私の名はAAA(トリプルエー)だ。おまえは?』
…メガだ。
『メガ、また会おう』
二度と来るな!
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:23:30.91 ID:i3cr/jWmo
- カップ申告か?
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:23:42.56 ID:07FnTaJs0
- どれだけAを重ねてもしょせんはSランクやメジャーリーグには上がれない半端者だ
- 845 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 22:25:02.90 ID:dwDmrePDo
- あ、そうだ。
ひとつ教えてやるよ。
『何かね?』
なんだっけ…エクスカリモンとシールドラモン?
そいつらには、仲間が既にズバモンとルドモンって名前を付けたよ!
『ッ…クソがッ…私の最高傑作たちによくもまた…しょぼい名前を付けたな!スライモンにゲレモンと名付けたこと含めて許さんぞッ…!』
勝手に名付けられたくないなら、真っ当な研究者にでもなれよ!
『…一応言っておく。ロウソクの方はキャンドモン。小鬼型はシャーマモンだ。では、今度こそさらばだ』
そう言うと、デジドローンはネットワーク回線から去っていた。
…やがてファンビーモンが戻ってきて、再びシャーマモンを食べた。
- 846 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/27(日) 22:27:30.72 ID:dwDmrePDo
- つづく
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:28:27.25 ID:i4bABwRto
- レスバは勝てたか
- 848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:32:48.83 ID:KRjIjfdT0
- >>エクスカリモンとシールドラモン
たかが成長期のデジモンにそんな御大層な名前付けんなよ。
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:36:49.60 ID:h6sfRwSw0
- ズバモンルドモンのが可愛いよね
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 22:41:51.88 ID:2Ur4NzA30
- 乙
敵もマジで一枚岩じゃなかったんだなあ
本来の対象にハッキングしつつ、意思疎通出来ないなんて理由でお留守番してる蜂がやたら強くなければ……
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 23:24:43.67 ID:m4w64l2Wo
- ズバモンルドモンは誰が育ててあげるんだろう?
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 00:36:01.37 ID:Njbal2C9o
- いくら成長期とはいえこれ以上育てられるのかな…
デジモン達にセルフレジとかでアルバイトさせてお金稼がせなきゃいけないときが来るかもしれない
- 853 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/28(月) 00:39:35.29 ID:PTwAjIwpo
- ※ルドモンとズバモンの名前のくだりですが、改稿前の設定とごっちゃになってますね。ケン達が先に呼ぶより、スカモンがルドモンズバモンと呼んでしまっています
※ケン達が先に名付け、スカモンはエクスカリモン云々と呼んだことに脳内修正しておいてくださいスミマセン
- 854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 01:16:12.10 ID:omFFbYnb0
- クレカ会社での戦闘映像も上手い感じにアフレコやナレーション音楽諸々付けて編集すればデジモンは害悪って部分隠してヒーローデジモンの戦いとして誤魔化せるだろうか
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 10:30:33.26 ID:0T4MZSbvo
- ハーメルンの方もぼちぼち投下始まったな
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 15:08:25.19 ID:qqac3/O90
- 自分で考えることをしてこなかったズバモンルドモンに自我を持たせる教育は大変そう
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 21:38:16.76 ID:N4vDIx+50
- チューモンはオポッサモンから生まれた個体なら蛮族との繋がりってどの辺なんだろな
- 858 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/28(月) 21:43:54.00 ID:vYGiz8xqO
- 〜ケン視点〜
私達は無事に研究所へ帰還した。
研究所のサーバーへやってきた敵デジモン達は、うまくメガとファンビーモンが倒してくれたようだ。
ファンビーモンは、我々の命令を聞かない。
だからセキュリティデジモンとして作戦を遂行するのには向かない。
しかしそれは、決してファンビーモンが劣ったデジモンだからではない。
我々の世界にいるスズメバチの女王は、親から何を教わるでもなく、ハニカム構造の巣の作り方を知っている。
コマユバチ等の狩り蜂は、誰から教わるでもなく、卵を寄生させるターゲットを特定する術を知っている。
イチジクコバチは、誰から教わるでもなく、自らの卵がイチジクの花へ産み付けるものだと知っている。
後天的な学習を必要とせずに、持って生まれてくる知識。
進化によって洗練され、生まれるときに脳へあらかじめ書き込まれた、優れた生命活動のプログラム。
…それが本能だ。
モスモンから受け継いだ、生まれついてのハンターとしての完成された狩猟本能が、このファンビーモンには備わっている。
…ファンビーモンは命令を聞かないし、トレーニングもしない。
だがそれでいいのだ。
縄張りへの侵入者を攻撃し、活きのいい餌を仕留めるだけでいいのなら、ファンビーモンには命令もトレーニングも要らず、それを本能で行えるのだ。
デジモンは道具じゃない。
我々の仲間…
いや、仲間であるとすら断言し得ない。
デジモンは生物だ。
己の生存のために、全力を尽くす命だ。
道具扱いできなくても、仲間扱いできなくても。
その生物としての在り方そのものを、活かすことはできるのだ。
我々デジモンテイマーに問われるのは、その手腕と言えるだろう。
…とはいえ。
デジタルワールドで見かけるファンビーモンはもっと大人しい。
親のモスモン譲りの凶暴性と戦闘力を兼ね備えたこの個体は、特殊な存在のファンビーモンといえるだろう。
…いま困っていることがあるとするなら…
ファンビーモンはサーバーに居座って勝手に巣を作り、キャンドモンとシャーマモンの死骸を肉団子にして貯蔵していることだ。
…まあ、食い終わった頃に、餌の匂いで誘導して第二ビオトープへ戻すとしよう。
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 21:45:59.71 ID:Njbal2C9o
- 無理に作り替えたり従わせる必要もなくてそいつが輝けるステージを用意してやれば良いのね
- 860 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2023/08/28(月) 21:52:04.26 ID:vYGiz8xqO
- さて。
我々は一時的に、第3ビオトープを増設した。
ルドモンとズバモンを保護するためだ。
…あの戦いの後、ルドモンとズバモンの捕獲を試みた。
餌で釣って隔離チェンバーへおびき寄せようとしたのだが…どちらも餌に寄ってこない。
スカモンを見殺しにはしても、自衛をするつもりはあるようで、無理矢理捕まえようとしたら抵抗してきた。
ルドモンは割と楽に捕獲できたが、ズバモンが強敵だった。
頭部の剣は、武器へ変形したときほどではないとはいえ、並の成熟期デジモンにすら小さくないダメージを与えられそうな破壊力を持っていたのだ。
どうやって捕獲したかというと…
まずパルモンがフローラモン譲りの花粉をズバモンへ浴びせて、アレルギー症状を起こさせる。
そして、コマンドラモンからガスマスクを借りたブイモンが、ワームモンを抱えて、ルドモンを粘着糸で捕縛したのである。
ワームモンはおやつに花粉を食べる昆虫デジモンであるため、パルモンの花粉を浴びても平気なのだ。
…ズバモンという武器は凄まじい性能だが。
こっちのワームモンも負けてないな。
…そんなわけで、無理矢理鹵獲したズバモンとルドモンは我々のデジモンへ敵対心を向けているため、同じビオトープに入れたら戦いが始まるだろう。
そのため隔離しているのだ。
- 861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 21:57:27.65 ID:k5xsOCTuo
- 仲良くしてもらわないと武器になる能力も宝の持ち腐れだな
- 862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 22:55:46.50 ID:GuERkN7z0
- ワームモンを武器として使うデジモン初めて見た
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