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【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索 Part 2【百合】
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775 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/06(日) 22:14:03.25 ID:15iyyEn10
本日はここまで
776 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/06(日) 22:39:33.77 ID:bwzmTEmh0
乙です
このほのぼのとした和気あいあい雰囲気好き
777 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/07(月) 10:54:13.86 ID:W3MvB163o
アリムちゃん
>>774
全部喋れ!
リアンちゃん泣いて喜ぶぞ!!
778 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/07(月) 12:34:45.80 ID:OjEj9r2bO
序盤の狂犬っぷりが嘘みたいなアリムちゃのデレっぷり。
779 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/07(月) 12:59:00.91 ID:Di1v0KeG0
アリムちゃんはチョロすぎたんだ……
780 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/07(月) 22:31:30.26 ID:c3VR+M7X0
現在遺跡部は活動休止期間なので、各々が気ままに過ごしつつ何かあれば部室で集まって遊んだり宴会したりという感じのようです。目立った問題も解決したので、以前よりも気楽に過ごせているのかもしれません
正直
>>1
自身もここまでアリムちゃがデレデレになるとは思っていませんでした。一応当初から仲間になる路線は想定していたのですが、デレるとしてもせいぜい三割くらいだろうとも思っており……。しかし今はもう完全に十割デレデレでリアンさまなしじゃ生きられない体にされてしまっています
アリムちゃの名誉のために補足いたしますと、アリムちゃがここまでチョロくなってしまったのはリアンの真っ直ぐすぎる優しさをどうしても否定できなかったからであります。アリムちゃが心を開ける人間はリアンとリアンの周辺にいる人々だけなので、誰にでもチョロいというわけでは決してないのです
781 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/07(月) 22:31:59.58 ID:c3VR+M7X0
―3月2週 クッキー返しの日
庭園
チュンチュン
イエリア「ここに来るのも久しぶりだなあ……。ちっとも変わってないね」
フィー「二人でゆっくりするならここが一番だと思ってね」
イエリア「そうだね。ところで……今日が何の日か、フィーは知ってる?」
フィー「もちろん。クッキー返しの日、でしょ?」
イエリア「…………」
フィー「フフ、わかってるよ。はい、イエリア」スッ
手作りのラスク「」ポン
イエリア「これは……」
フィー「クッキーではないけど、とっても美味しいから食べてみて」
イエリア「うん……。はむっ」サクッ
サクサク モグモグ
イエリア「……! あ、甘くて、美味しい……!!」
フィー「私の生まれた地方ではクッキーよりもこっちの方が一般的だったんだ。だから、こっちの方が美味しく焼ける自信があってね」
イエリア「そうなんだ……。うん、すっごい美味しい……。カリカリで、サクサクで……」
フィー「良かったよ。最近、自分の味付けが薄すぎるんじゃないかって心配だったからさ……」
イエリア「私、フィーの落ち着いた味付け、好きだよ?」
フィー「フフ、私もイエリアが好きだよ」
イエリア「調子に乗るな」ペシッ
フィー「はは、イエリア様は乱暴でございますなあ」ヘラヘラ
◇
782 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/07(月) 22:32:42.23 ID:c3VR+M7X0
―庭園の台所
イエリア「小麦粉よし、バターよし、卵よし、お砂糖よし、型よし……」
フィー「本当に手伝わなくて良いの?」
イエリア「うん。私一人でやりたいから。あ、でも何か間違えてそうな時はすぐ言ってね!」
フィー「わかったよ。がんばって、イエリア……!」
イエリア「うん……!」グッ
◆
783 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/07(月) 22:33:36.97 ID:c3VR+M7X0
―セントラルフォルト
イエリア「た、ただいまー!」
フィー「ただいま戻りました」
アイリス「お帰りなさい。遅かったですね」
イエリア「お姉ちゃん……! これ……あげる!」バッ
鍵型のクッキー「」ポン
アイリス「え……? これ……」
イエリア「そ、それじゃ……私、お風呂入ってくるから!!」タタッ
フィー「イエリア様、施設内での走行はおやめください」シュタッ
アイリス「…………」
アイリス「全く……また人間の下らない行事の真似事なんかして……」
アイリス「……本当に人間はゴミですね。イエリアをあのようにたぶらかすとは……」
アイリス「…………」
アイリス「……資源の無駄ですし、これは責任を持って私が処理しておきましょう」
サクッ モグモグ…
アイリス「……悪くはありませんが……少し油分と糖分が多すぎますね。私はもう少しあっさりめの方が……」
エピカ「じゃあ……わたしが、食べていい……?」ヌッ
アイリス「ダメです。これは私のものですので」
エピカ「そう……」
アイリス「……欲するのであれば、まずは自分から誰かに与えるのが先でしょう。こういうのは等価交換ですよ」
エピカ「ん……考えておくね……」
アイリス「そうしなさい。あなたももう私たちと共に生きる人造種の一人なのだから、悩み相談くらいならいくらでも乗りますよ」
エピカ「ふふ……あなた、優しくなったね……」
アイリス「……ふん。少しやり方を変えただけです」
◆
784 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/07(月) 22:34:53.33 ID:c3VR+M7X0
構想中のため本日はここまで
785 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/08(火) 00:08:03.75 ID:/iguB1VAo
おつおつ
コンマ神がそっぽ向いたらそれこそ漫画部の作品みたいなバチバチにやり合ってからの和解もあったんだなアリムちゃ
……そのときはアイリス様が爆速で陥落してそう
786 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:28:40.43 ID:KUhuqzpN0
アイリスさんの性格の悪さや人間憎悪の強さは、アリムちゃがすごい勢いでリアン堕ちしたせいでヒール役が不足したせいという面もあったかもしれません……
今となってはコンマ神のみぞ知るところです
787 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:29:16.71 ID:KUhuqzpN0
―クロリア工房 ララの私室
ララ「…………」
ララ(結局私は……何をして生きれば良いのかわからないまま、日々を過ごしている……)
ララ(別に、何かやらなければならないことがあるわけでもない……。幸い、クロリア工房の方々は皆善良で穏やかだ。私が無為無策な余生を過ごそうとも咎めはしないだろう……)
ララ(だが……それで本当に良いのだろうか……?)
◆
788 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:29:45.22 ID:KUhuqzpN0
―3月2週 某日
東区 山間部 ニワトリ農場
ニワトリ「コッコッコ」ヒョコヒョコ
スイス「ご飯の時間だよ……! はい、はい……!」
ニワトリ「ココッ!」ヒョコッ
ララ「その間に私は小屋を掃除してきましょう」スタスタ
スイス「うん! ララさンお願い!」
おじいさん「スイスちゃんが来てくれるようになってからいつも助かるのう……」
おばあさん「そうねえ。最近はべっぴんで力持ちなお姉さんも一緒に来てくれるし……本当に助かるわあ」
ララ(ここ最近、私はスイスに連れられてこのニワトリ農場の手伝いをしていた)
ララ(暇を持て余しているよりは、何か少しでも稼ぎとなることをやった方が良いと思ったからだ)
ララ(少々危なっかしいところもあるスイスを見ていて欲しいという、クロリア様とロロナからの頼みもある)
ララ(こんな私でも役に立てることがあるのなら、喜んで任務に就こう……)
ララ(それに……こうしてニワトリたちの世話をしていると、この白い鳥類がとてもかわいい生き物であることに気付く……)
ララ(……こうして、ニワトリの世話をしながら静かに余生を過ごすというのも意外と――)
ガラッ
ララ「……む?」
横たわったニワトリ「……」ピクピク
ララ「……! 呼吸が……! 脈拍も……!」
ララ「おじいさんとおばあさんを呼ばなければ……!」タッ
◆
789 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:30:10.29 ID:KUhuqzpN0
スイス「おじいさン……! ニワトリさんは……」
おじいさん「……疫病……じゃ………」
スイス「えき、びょう……?」
おばあさん「……ニワトリさんだけがかかる、流行り病があるの……。この島は大丈夫だと思ってたんだけどねえ……」
ララ「……流行り病? まさか……!」
おじいさん「……ああ。こいつらはみんな……殺処分、しなきゃならん……」
スイス&ララ「……!!!」
スイス「だ、だめ!! まだ、みんなに感染したか、わかンないのに……!!」
おばあさん「……私たちも、そうしたいんだけどねえ……。でも、もし感染していたら……他の農場のニワトリさんたちや……空を自由に飛ぶ他の鳥たちまで、みんなに伝染っちゃうかもしれないのよお……」
おじいさん「……そうなっちまったら……こいつらだけじゃ済まされん……。もっと、もっと、死なさなっきゃならなくなっちまうんじゃ……」
スイス「で、でも……でもぉ……! うぅ……うぐぅ〜……」ジワッ
ララ「…………」
おじいさん「すまねえなあ……。せっかく……手伝ってくれたのになあ……」ジワ…
おばあさん「ほんとうに、ごめんなさいねえ……」ポロポロ
ララ「…………」
ララ「……殺処分の方法について、提案があります」
おじいさん&おばあさん「……え?」
◆
790 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:30:39.56 ID:KUhuqzpN0
―セントラルフォルト
ララ「……というわけで、エピカ様の……命を、安らかに終わらせる力を……お貸しいただきたいのです」
エピカ「……喜んで……と言いたいところだけど……。今のわたしは……力を封印されているの……」
ララ「……そこを、何とか……。一時的にでも良いので……」
イエリア「え、えっと……」チラ
アイリス「……いいんじゃないですか。部分的に力の解放を許可するくらいできるでしょう、イエリア」
イエリア「そ、そうだけど……もし加減を間違ったら……」
エピカ「その時は……みんなまとめて……楽にしてあげても、いいよ……?」
イエリア「……うう」
エピカ「……というのは……冗談……。今は……もう少し、考えたいから……」
フィー「冗談に聞こえなかったんですが……」
ララ「……それで、お返事のほどは?」
イエリア「わ、わかりました。エピカの力を、部分的に許可します。いいよね、エピカ」
エピカ「うん……」
ララ「……! ありがとうございます……!」ペコッ
◆
791 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:31:40.94 ID:KUhuqzpN0
―3月2週 某日
東区 ニワトリ農場
イエリア「ここが……」
エピカ「……かなしみが、聞こえる」
スイス「……」
ララ「おじいさん、おばあさん。専門家を連れて参りました」スッ
おじいさん「ララちゃん、スイスちゃん……。そちらの、お嬢ちゃんたちが……?」
ララ「はい。安楽死の魔法の、専門家です」
エピカ「どうも……。安楽死の魔法の……専門家です……」ペコリ
イエリア「ほ、補佐です」ペコッ
おばあさん「ほえ、こんなめんこいお嬢ちゃんたちがなあ……」
おじいさん「んだが、ララちゃんとスイスちゃんの紹介なら間違いねえだろう……。すんません……あいつらのこと、頼みます……」
エピカ「うん……。任せて……」
◇
ニワトリたち「コッコッコ……」
エピカ「……この子たち、だね……」
ララ「はい……。あなたの力で……安らかに、眠らせてあげてください」
スイス「……ぐすっ」
イエリア「え、えっと……スイスちゃん、だよね」
スイス「あ……はイ……」
イエリア「……大丈夫。エピカの魔法は……本当に、眠るように……終わらせて、あげられるから……」
スイス「…………」
イエリア「……ごめん。何の気休めにもならないよね。結局……死ぬことには、変わりないし……」
スイス「……い、いいえ……。ありがトう……ございまス……」ペコッ
イエリア「…………うん」
792 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:32:06.28 ID:KUhuqzpN0
ニワトリ「コッコッコ…」
エピカ「……ごめんね………。こんな世界で……。こんな世界のまま……何も変えられなくて……」
ニワトリ「コッコ…」
エピカ「…………ごめんね……。こんな終わらせ方しか………できなくて………」ズオッ…
ニワトリ「コッ……」
スゥー…
パタ…
パタ パタ パタ…
横たわったニワトリの群れ「」
エピカ「………終わったよ……」スッ
スイス「あ……あ、ぅ………ふぇ……」ジワワ
おじいさん「……ありがとうなあ………。本当に……本当に……うぐっ……」ジワ
おばあさん「……あの子たちは……天国へ、行けたかしらねえ……」ポロポロ
イエリア「…………ありがと、エピカ。お疲れさま……」
ララ「……本当に……ありがとう、ございました……」ペコ
エピカ「……うん」
◆
793 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:32:39.92 ID:KUhuqzpN0
ララ(そうして私たちは……ニワトリ農場を後にした……)
ララ(おじいさんとおばあさんは……最後に採れた分の卵を……たくさん、私たちにくれた……)
ララ(……あのニワトリたちからの……最期の、贈り物……)
ララ(彼ら自身に、贈る意思はなかっただろうが……。それでも……丁重に、受け取りたい……)
ララ(…………)
ぐすっ
ララ「う、うぐ……うあああぁ……」ポロポロ
◆
794 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/08(火) 23:34:33.39 ID:KUhuqzpN0
本日はここまで
次回、卵を使ってクッキーを作る編です
795 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/09(水) 09:18:08.39 ID:tejxZZ8Wo
いやこれ人間でも辛いっすね…
796 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/09(水) 12:18:36.44 ID:H2YPOmJEO
乙
結構なんでもあるなこの島・・・都会的な町から農村までありそう。そしてスイスちゃんのフットワークの軽さよ
797 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/10(木) 00:23:55.37 ID:MVBJLsME0
人間にとってつらいことは、大抵の場合人造種にとってもつらいです。もちろんその逆もまた
ユリトー島は意外と広いようです。東区は旧市街や山間部の農村地帯などがあり、南区と西区はそこそこ発展した人工的なエリアが多いようです
798 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/10(木) 00:24:25.76 ID:MVBJLsME0
―3月2週 某日
学生通り
ワイワイ ガヤガヤ
ララ「…………」スタスタ
ララ(島の様子は、何も変わっていない。ほとんどの人は、あの農場での出来事を知らないだろう。知ったとしても、他人事だ)
ララ(別に、それがどうとか言いたいわけではない。きっと私だって……あの農場で働いていなければ、同じだった)
ララ(……だが、私は知っていた。関わっていた。無関心ではいられなかった)
ララ(………私は……。私には、何ができる……?)
街頭広告「もうすぐクッキー返しの日! 愛(チョコレート)を受け取ったら、愛(クッキー)を返しましょう!」
ララ「…………愛、を……」
ララ(……先月、クロリア工房のみんなと一緒に手作りチョコレートを作って贈りあったのは記憶に新しい)
ララ(あの時はとにかく工房での生活に慣れようと無心に行事を遂行していたが……)
ララ(あれは、愛を贈り合う儀式だったのか)
ララ(……そして、今度のこれは……)
ララ(………受け取った愛を……相手に返す儀式……)
ララ(…………)グッ
◆
799 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/10(木) 00:24:52.85 ID:MVBJLsME0
―3月2週 クッキー返しの日の前日
クロリア工房 台所
たくさんの卵「」
ララ「……」
ララ(この卵が孵ることはない。無精卵だからだ)
ララ(次代には繋がらない。あのニワトリたちの……命の、残り火……)
ララ(……どうか、許して欲しい)
コンコン パキッ
パカッ…
◆
800 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/10(木) 00:25:42.84 ID:MVBJLsME0
―3月2週 クッキー返しの日
クロリアの工房
スイス「……」ボー
クロリア「スイスちゃん……」
ロロナ「……こういう時、私たちはどうすれば良いのだろうな……」
ガチャッ
ララ「……皆さん」スタスタ
ロロナ「ララ」
ララ「……これを」スッ
丸い手作りクッキー「」
クロリア「あ……今日は……」
ララ「はい。今日はクッキー返しの日です。私から、皆さんへ……感謝と、愛を込めて、贈らせていただきます」
クロリア「ララさん……」
ロロナ「……だそうだぞ。スイス」
スイス「え……。あ……」
ララ「……スイス」
スイス「ララさん……。この、クッキー……もしかシて……」
ララ「ええ。彼らの卵を、使用しています……」
スイス「……!」ジワ
ララ「……つらいことを思い出させてしまい、申し訳ありません。ですが……どうか、これを食べていただきたいのです……。彼らの命を……私たちの心身に、刻み込むために……」
スイス「………うん……」
サクッ モグモグ…
スイス「……おいしイ、よ……」
ララ「……それは……良かった、です……」
スイス「……うぅ……えぐ、えぐ……」グスグス
ララ「……っ」ポロポロ
クロリア「スイスちゃん……ララさん……」サスサス
ロロナ「……二人とも、よくがんばったな」ナデナデ
◆
801 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/10(木) 00:26:13.63 ID:MVBJLsME0
本日はここまで
802 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/10(木) 12:25:26.65 ID:Zxm3MF4JO
人造種たちが命の循環を知るの巻
乙
803 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/10(木) 12:36:40.40 ID:Ow6MFRULo
おつおつ
はぐれ人造種組の家族感に癒やされる
804 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/11(金) 00:08:14.54 ID:kNyVJGPV0
話を練るのに少々時間がかかりそうなことと現実での多忙が重なったため、しばらく更新できそうにありません。申しわけないです。気を長くして待っていただけるとさいわいです
>>802-803
はぐれ人造種たちの中でもスイスとララは多感な面があり、自然とクロリアロロナの二人が保護者のような役回りになることが多いようです
ララは一見すると冷静で思慮深いのですが、自意識を有した状態での活動期間は誰よりも短いため、内面的には実はかなり幼いのかもしれません
805 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/12(土) 04:16:59.85 ID:KxJUiExVo
おつおつ
いつまでも待つよー
806 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/12(土) 18:21:53.81 ID:F8u13/Tko
お盆だしお疲れ様
807 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:46:36.98 ID:8mB8dvZE0
―ずっと昔
魔法人形研究所
黒髪のエピタフ「……」
灰髪のエピタフ「わたしたちのやることは……わかる……?」
黒髪のエピタフ「機能停止した人造種のメモリーの、収集……」
灰髪のエピタフ「そう……。やることさえちゃんとやってれば……酷いことはされないから……。一緒に、がんばろうね……」
黒髪のエピタフ「はい……」
◆
808 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:47:02.72 ID:8mB8dvZE0
―魔導機械工場
人造種最終処分場
『やだ』
『消えたくない』
『どうして』
『見捨てないで』
『いたい いたい』
『きらわないで』
『たすけて』
『まだお仕えできるのに』
『くるしい』
『ゆるさない』
黒髪のエピタフ「あ……あ、あ……」ガクガク
灰髪のエピタフ「呑まれないで……。ここにあるのは……ただの、記録だから……」
黒髪のエピタフ「……これが……きろ、く……?」
灰髪のエピタフ「うん……。死ぬ間際の想いが……一番強く、残るから……」
黒髪のエピタフ「死ぬ……間際……」
灰髪のエピタフ「……死者の記憶に引きずられて、心を壊すエピタフは……とても多いの……。だから……あなたも、気をつけてね……」
黒髪のエピタフ「………はい……」
◆
809 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:47:52.32 ID:8mB8dvZE0
―数年後
人造種最終処分場
黒髪のエピタフ「……本日分……回収完了……」
黒髪のエピタフ「………? 灰色さんは……?」キョロキョロ
倒れた灰髪のエピタフ「」
黒髪のエピタフ「あっ……! 灰色さん……!」トテトテ
倒れた灰髪のエピタフ『もう何も見たくない……。何も聞きたくない……。もう……終わりたい……』
黒髪のエピタフ「…………」
黒髪のエピタフ「…………回収、完了……」
灰髪のエピタフ『ごめんね……』
黒髪のエピタフ(わたしが見つけた時……灰色さん……灰髪のエピタフは……既に、事切れていた……)
黒髪のエピタフ(自ら回路を焼ききった形跡があり……回収したメモリーにも、それを裏付けるログが残っていた……)
黒髪のエピタフ(これまでに収集した、膨大な人造種の記憶と……)
黒髪のエピタフ(わたし個人に宛てた……『ごめんね』の一言だけを、遺して……)
黒髪のエピタフ(彼女は……自由になった……)
◆
810 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:48:59.07 ID:8mB8dvZE0
―さらに数日後
人造種最終処分場
黒髪のエピタフ(一人になっても……収集は続く……)
黒髪のエピタフ(来る日も来る日も……今際の叫びに、耳を塞ぎながら……)
黒髪のエピタフ(わたし……どうして、こんなことしているんだろう……)
黒髪のエピタフ(……わたしも……灰色さんのように……終わってしまおうか……)
朽ちた魔法人形『ごしゅじんさま……わたしを、すてないで……ください……』
黒髪のエピタフ(…………)
黒髪のエピタフ(ここで回収するメモリーは……苦しみの記録ばかり……)
黒髪のエピタフ(この人造種たちは……どうして、こんなことになってしまったのだろう……)
黒髪のエピタフ(何のために作られて……何のために働かせられてきたのだろう……)
黒髪のエピタフ(こんな……こんな、苦しい思いを抱きながら死んでいくのなら……)
黒髪のエピタフ(初めから……生まれない方が…………)
◆
黒髪のエピタフ(それからさらに数日後……わたしは突然、売却を言い渡された……)
黒髪のエピタフ(理由は、予想できる……。多分……自分のことや、人造種のことに……疑問を持ちすぎたから……)
黒髪のエピタフ(……でも……外の世界のことを知る、良い機会かもしれない……)
黒髪のエピタフ(………解答が……見つかるかもしれない……)
黒髪のエピタフ(……だから……行って来るね……。灰色さん………)
――――
――
―
811 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:49:50.10 ID:8mB8dvZE0
―3月2週 クッキー返しの日
セントラルフォルト エピカの部屋
エピカ「……」
ニワトリの卵「」
エピカ「……」
エピカ「…………また、わかんなくなっちゃった……」
エピカ(人造種だけじゃない……。人間も……他の生き物も……。どうして……生まれてきてしまうのだろう……)
エピカ(みんな死んじゃえば……もう二度と、かなしみの生まれない世界になると思っていた……)
エピカ(……ううん。多分……それは、間違ってない……)
エピカ(命ある限り、かなしみは生まれ続ける……。だから……全てを断ち切ってしまうのが……一番確実……)
エピカ(…………でも……無理にそれを押し進めたら……。その過程で……途方もない大きさのかなしみが、世界中を覆うことになるのも……わかる……)
ニワトリ『コッコッコ……』
エピカ(…………)
エピカ(……今を生きる子たちに……最期のかなしみを、押し付けるのは………)
コンコン
ララ『ララです。入ってもよろしいでしょうか、エピカ様』
エピカ「どうぞ……」
812 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:50:18.32 ID:8mB8dvZE0
ウィーン…
ララ『失礼致します……』コツコツ
エピカ「なにか、用……? また、安楽死……?」
ララ『いいえ……。これを、エピカ様にもと思い』スッ
丸いクッキー「」
エピカ「クッキー……」
ララ「はい……。あの農場の最期の卵で作った、クッキーです……」
エピカ「……ありがとう。食べても、いい……?」
ララ「はい……」
エピカ「それじゃあ……いただきます……」スッ
サクッ モグモグ
エピカ「…………かなしみの……味がする……」モグモグ
ララ「……はい。このクッキーは……目一杯の哀しみ≠ニ愛(かな)しみ≠込めて作りました」
エピカ「……哀も、愛も……どっちもあい≠ネんだよね……」
ララ「……その二つは……同じものなのかもしれません。愛おしく思う気持ちが強ければ強いほど……喪った時の哀しみもまた、大きくなる」
エピカ「…………そうだね」
サクッ
エピカ「……美味しい、ね…」モグモグ
ララ「それなら、良かったです……」
◆
813 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:50:52.95 ID:8mB8dvZE0
―セントラルフォルト キッチン
エピカ「……」グリグリ
イエリア「あれ? エピカが何か作るなんて珍しいね」ヒョコ
エピカ「卵……使おうと、思って……」
イエリア「あ……そうだね。もらってきたんだもんね……」
エピカ「うん……」
イエリア「これは……クッキー? え、誰かにあげるの?」
エピカ「……ここに住んでるみんなと……ニワトリ農家の人と……クロリア工房の人たちと……リアンたちに……」
イエリア「わあ、大盤振る舞い……!」
エピカ「この卵には……ニワトリたちのかなしみ≠ェ……いっぱい、いっぱい、詰まっているから……。クッキー返しの日は……クッキーにあい≠込めて、贈るんだよね……?」
イエリア「えっと……そ、そうかも……///」
エピカ「……無駄には、しないから……。あの子たちの……想いも……命も………」
◆
814 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:51:23.17 ID:8mB8dvZE0
―3月2週 クッキー返しの日の翌朝
リアンの部屋
ピンポーン
リアン「ふわあ……はあい」ノソノソ
リエム「どちらさまでしょうか」トテトテ
エピカ『おはよ……。エピカです……』
アリム「へ……え、エピカ!?」
リアン「エピカちゃん!? 今開けるね……!」トトト
ガチャッ
エピカ「おはよ、リアン……。リエムと、アリムも……」
リアン「おはようエピカちゃん!」
リエム「おはようございます、エピカさま」
アリム「おはよう……どうしたのよ、こんな朝から」
エピカ「これ……リアンたちにも……」スッ
卵型のクッキー「」ポン
リアン「わあ……! 可愛い形のクッキー……!」
リエム「これは……エピカさまが……?」
エピカ「うん……。いろいろあって……卵をもらったから……作って、みたの……」
アリム「綺麗な焼き色ね……。失敗しないよう、丁寧に作ったのが伝わってくるわ」
エピカ「……一枚も……無駄に、したくなかったから……。大切に、食べてね……」
リアン「うん、ありがとう……! 大切に食べるよ……!」
エピカ「それじゃあ……わたしは、これで――」
リアン「あ、待って! せっかくなら、一緒にお茶してかない? 私たちのクッキーもあるから、エピカちゃんも一緒に」
エピカ「え……?」
リエム「もし時間があるのであれば、ゆっくりされていってはいかがでしょうか。エピカさま」
アリム「まあ……わたしも、あんたとは一度ゆっくり話してみたいとも思ってたのよね」
エピカ「……それじゃあ……少しだけ……」スッ
リアン「うん……! 一緒に、クッキーパーティしよ!」
◇
815 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:51:59.77 ID:8mB8dvZE0
ワイワイ キャッキャ
エピカ(……)
エピカ(一万年前は……こんな和やかな日々が訪れるなんて……考えもしなかった……)
エピカ(………穏やかで、満ち足りていて……人も人造種も関係なく……想い合って……)
エピカ(……ルルが後悔した理由……少しだけ……わかる、気がする……)
エピカ(この優しさに触れてしまったら……もう……)
エピカ(例え最善であったとしても……誰かを、傷付けることなんて………)
エピカ(…………)
エピカ(……わたしは……どうしたら……いいんだろう……)
◆
816 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/20(日) 00:52:35.49 ID:8mB8dvZE0
本日はここまで。次回、卒業式および修了式イベントです
>>805-806
さま ありがとうございます。とても励みになりました
忙しさが続いているため、今後もしばらく更新は遅めの不定期となります。申しわけありませんが、よろしくお願いいたします
817 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/20(日) 01:36:51.60 ID:Ux4G4mzso
おつ&お待ちしております
もう話も終わりかぁ
818 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/20(日) 14:02:16.73 ID:b8ZnXACio
おつおつご自愛ください
ルアンママも喜んどるきっと
819 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/20(日) 16:05:25.88 ID:vhQKcjdz0
乙
人造種攻略女王リアンちゃん
820 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/20(日) 22:34:48.45 ID:PCPXPmy0O
今更だけどイエリアとアイリスって「ア」「イ」「リ」が被ってるんだよね。自分の名前を思い浮かべたら無意識に妹の名前に寄っちゃったとかあるのかしら……
821 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 20:51:18.40 ID:R4nD/sDE0
お待ちいただきありがとうございます。亀更新ではありますが少しづつ進めていきたいと思います
続けるための話を考えたりもしたのですが、今のところ蛇足にしかならなそうな構想しか浮かんでいないため、終わりとなる可能性は高いです
エピカはここに来て、ルアンママの言っていた『今を生きる命』に想いを馳せることができたのかもしれません。彼女がこれからどのような答えを出すかはまだわかりませんが、以前のような過激なものになる可能性は低いでしょう
リアンさまの最大の武器はその真っ直ぐな優しさなので、優しさに飢えている子とは相性が良いのだと思われます。人造種には優しさに飢えている子が多いため、人造種攻略女王という評もあながち間違っていないかもしれません
アイリス様はイエリア様に名前を寄せたつもりはないようですが、実のところ無意識に似た音や文字を使っています。これについてはコンプレックスというよりは、イエリア様を憎からず思っていることの表れかもしれません
822 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 20:53:35.17 ID:R4nD/sDE0
―3月2週 卒業式
体育館
生徒会長「三年間、ありがとうございました。ユリトー魔法女学院の更なる飛躍を願い、答辞とさせていただきます」ペコ
パチパチパチ
リアン(生徒会長……卒業おめでとうございます……!)パチパチ
◆
―教室
先生「というわけで、今年度のユリトー魔法女学院における全行程はこれにて終いだ。一年間お疲れさん。この教室でのホームルームも今日が最後だな」
生徒A「やだ! 死なないで先生ェ!」
生徒B「先生が死んじゃったらウチら……!」
先生「勝手に殺すな! ったく、最後の最後までお前たちは……。クラスは別になるかもしれんが私は来年も高等部の教員だからな。もし担任じゃなくなっても気軽に頼ってくれよ?」
生徒A「はーい! 頼りにしてまーす!」
生徒B「来年もよろしく先生ェ!」
ワイワイ キャッキャ
リアン「……この慣れ親しんだ教室とも、今日でお別れかあ……」
ルウェリア「そうだね……。でもこの学院はクラス替えがないから、来年もこのメンバーのままだよ」
サーナ「ですわ!! 後一年みんな一緒ですわよ!!」
ノルン「……みんなで大学に進めたら、その先だって……」
リアン「……うん」
リアン(この学院に来て……もう一年経っちゃうんだ……)
リアン(あと一年あるって言っても……きっとそれも、あっと言う間だろう……)
リアン(……時の流れって、早いな……)
桜の花びら「」フワッ
生徒B「あ〜! 窓の外!!」
生徒A「わあ〜! めっちゃ桜〜〜!!」
生徒B「てか先輩たち記念撮影してるし!!」
生徒A「あたしらも行こ!」ダッ
生徒B「おー!!」ダッ
―次の遺跡発見率[-/-]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!
卒業式および修了式の日の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後春休みに移ります
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/08/26(土) 20:54:19.08 ID:EQod2a6g0
生徒会長、最後のお願いでアリムをハグする
824 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/26(土) 20:57:20.44 ID:rk5C5p7qO
遺跡部でお花見
825 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/26(土) 20:58:22.38 ID:ShNZ9yQK0
遺跡部のみんなで先生方に一年間のお礼を
826 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:10:17.09 ID:R4nD/sDE0
―3月2週 卒業式
校庭
桜の花びら「」ヒラヒラ
エンシァン「うむ、絶好の花見日和だな!」
シャーロット「うふふ、卒業の日としてもこれ以上ないくらい良い日和ね」
ルウェリア「ええ、本当に……。私たち遺跡部に卒業生はいませんが――」
リアン「ご卒業、おめでとうございます! 生徒会長!」
「おめでとうございます!」「おめでとうございますわ!」
「おめでと!」「おめでとうございますッ!」「おめでとう!」「おめでと」
パチパチパチ!
生徒会長「ありがとうございます、遺跡部の皆さん……! しかし本当に良かったのですか? 遺跡部の花見なのに、私たちが混ざってしまって……」
サーナ「良いに決まってますわ! 生徒会長は終身名誉遺跡部員でしてよ!!」
ルル「ん!」
副会長「フフ、だそうだよ。終身名誉遺跡部員さん」
生徒会長「そ、そうなのですか。それでは終身名誉遺跡部員の役職、ありがたく頂戴致しますね」
◇
827 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:10:54.91 ID:R4nD/sDE0
モグモグ
ルル「んん〜! おいひい!」モグモグ
副会長「これは……甘くて、美味しい……!!」
ノルン「いっぱい作ってきたから好きなだけ食べてね。ルルちゃん、副会長さん」
アリム「へえ、これが桜餅……! 甘いお餅に塩気の効いた葉っぱがアクセントになっていて良いわね……!」モグモグ
リエム「食文化については、やはり昔よりも今の時代の方が多様で発展しているかもしれません。すごいです」モグモグ
ヒーティ「えへへ、今回は自分もノルン先輩のお手伝いをしたんですよッ!」
副会長「これが手作りとは、すごいな……。フフ、流石は遺跡部だね」
ワイワイ キャッキャ
エンシァン「フッ、生徒会にはいろいろ助けられたからな。役職だけでなく、望むものがあれば言いたまえ。我々に用意できるものであれば用意しよう」
生徒会長「望むもの……。しかし……」
シャーロット「無理なものは無理って言うから、遠慮しないで言ってみて。例えば、爆乳エルフから熱烈にハグされたいとかでも全然オッケーよ?」
生徒会長「ハグ……」ゴクリ
ルウェリア「准教授……またいい加減なことを……。生徒会長が困って――」
生徒会長「それなら――アリムちゃんを、ハグさせていただいてもよろしいですか」
アリム「……!?」
リアン「え……ええええ!?」
桜の花びら「」ヒラヒラ
828 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:11:25.11 ID:R4nD/sDE0
生徒会長「う……す、すみません。忘れてください。私などが――」
アリム「……い、いいけど。ハグくらい」
生徒会長「……え?」
アリム「……あんたの持ってきた本のお陰で、大神殿での戦いがかなり有利になったのは間違いないもの。あそこでもし躓いていたら、今頃世界は滅んでいたかもしれないし、そうでなくとも大きな犠牲が出ていたのは間違いないわ。間接的に、あんたは世界を救ったって言っても過言じゃないのよ」
生徒会長「いえ、実際に世界を救ったのはあなた方遺跡部です。私はほんの少しばかり、それを応援しただけで……」
エンシァン「フッ、もし持ち出しがバレていたら君は今日ここで卒業できなかったかもしれんのだ。そんな巨大なリスクを冒してまで取った勇気ある行為を、ほんの少しなどと卑下するな」
アリム「そういうこと。対価はあって然るべきだと思うし……もしわたしのハグを所望だってんなら……べ、別に構わないわ」
生徒会長「そ、それでは……!」
アリム「え、ええ……」
生徒会長「失礼します……!」
ぎゅっ…
アリム「んっ……」
生徒会長(ああ……アリムちゃん……)
生徒会長(あなたは……この小さな体に、どれだけのかなしみを背負い……)
生徒会長(絶望に……立ち向かい続けてきたのでしょう……)
生徒会長(……でも、本当に……良かった……)
生徒会長(今のアリムちゃんには……たくさんの、仲間がいる……)
生徒会長(リアンさんと、リエムちゃんが、共に歩んでくれる……)
生徒会長(例え、くじけそうになったとしても……。みんなが、支えてくれる……)
生徒会長(だからもう……アリムちゃんは、大丈夫……!!)
すっ…
アリム「……もういいの?」
生徒会長「ええ……。ありがとうございます、アリムちゃん……」
アリム「ど、どういたしまして……?」
生徒会長「これからも……リアンさんと、リエムちゃんと一緒に……健やかに、生きていってくださいね」
アリム「ええ。言われなくたってそのつもりよ。あんたも元気でね」
生徒会長「はい……!」
◇
829 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:13:16.84 ID:R4nD/sDE0
エンシァン「フッ……一年間、お疲れさんだな。シャーロット」
シャーロット「ふふ、エンちゃんもね。今年は特に忙しかったけど……楽しかったわ」
エンシァン「ああ。私も学生時代を思い出した」
シャーロット「……そうね。もう一度……学生時代に、戻れたら……」
ルウェリア「先生! 准教授!」ザッ
シャーロット「あら、ルウェリアちゃん? どうしたの、そんなに改まって」
リアン「私たちもいます!」バッ
エンシァン「む、どうした? 酒はやれんぞ?」
サーナ「違いますわ! わたくしたちは――」
ノルン「先生と准教授に、伝えたいことがあります……!」
シャーロット「え? 伝えたい――」
生徒一同「一年間、ありがとうございました!」ペコッ
ルル「ました!」ペコッ
エンシァン「……! お前たち……」
ルウェリア「今の遺跡部があるのは、先生方のお陰ですから。どうしても、今日この日に伝えておきたかったんです。私たちの、感謝の気持ちを」
リアン「え、えと……も、もしお望みなら、ハグとか、できますっ!///」
シャーロット「リアンちゃん!!」バッ
リアン「ひゃっ」
ぎゅっ!
リアン(准教授のおっぱいが……おっきくて、やわらかくて……苦しいけど……あったかいや……)
シャーロット「大好きよ、あなたたち……! これからも、ずっと、ずっと、一緒に遺跡探索しましょうね……!」
リアン「ひ、ひゃい……」
ノルン「わ、私もリアンちゃんにハグします!!」
ぎゅぎゅっ!
リアン(やわやわサンドイッチ……しゅごい……///)デレデレ
リエム「……」ズズ…
アリム「はあ、全く……。リエム、帰ったら存分に馬鹿リアンをぎゅぎゅぎゅってしましょうか」
リエム「はい……」ズズズ…
830 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:15:21.70 ID:R4nD/sDE0
ルル「エンしゃん! サーナ! ルルもぎゅってして!」グイグイ
エンシァン「おいおい、お前が望む側なのか?」
サーナ「ふふ、全く仕方ありませんわね」
ぎゅぎゅっ
ルル「んへへ……」
生徒会長「……な、なんだか凄いことになってしまいましたね?」
ルウェリア「はは……平常運転です」
副会長「これが平常運転とは……。フフ、遺跡部の認識が少し変わりそうだ」
ヒーティ「うう〜……自分もハグしたくなって来ましたッ! ルウェリア先輩!!」
ルウェリア「え、ええ!? 私!?」
ぎゅっ!
ルウェリア「……ふふ、やっぱりあったかいね。ヒーティちゃんは」
ヒーティ「えへへ、それが取り柄ですからッ!」
副会長「……生徒会長。私たちもハグしてみないかい?」スッ
生徒会長「ふふ、そうですね。しましょう、ハグ」スッ
ぎゅっ
副会長「……改めて、卒業おめでとう。会長」
生徒会長「ありがとう……」
副会長「生徒会のことは、私たちが引き継いでいくよ。あなたには、安心して先へ進んで欲しい」
生徒会長「ふふ……頼もしい後輩を持てて私は幸せです」
副会長「私も、素敵な先輩を持てて幸せさ」
生徒会長「それでは、後を頼みましたよ。次期生徒会長」
副会長「ああ……任されたよ」
◆
831 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/08/26(土) 23:16:32.32 ID:R4nD/sDE0
本日はここまで。次回も亀更新となると思いますが、よろしくお願いします
832 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/26(土) 23:48:47.27 ID:42WE0Er6o
おつー
尊い…ごいがなくなる…
833 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/27(日) 07:35:38.13 ID:E0ddc5IQ0
おつ
副会長後輩だったのか…会長とタメ口だし幼馴染かな。
会長アリムちゃの過去見えたかな
834 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/28(月) 19:43:34.70 ID:dSL/f6oB0
嫉妬リエムちゃアリムちゃより強そう
835 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/02(土) 22:11:33.52 ID:+MjKrSYD0
遺跡部の皆さんは仲良しなので、誰と誰がハグしても割と満更でもない感じになります。同じ釜の飯を食い、共に死線を潜り抜けた絆です
副会長は実はリアンたちと同じ二年生でした。雰囲気が大人びているため、知らない生徒からは上級生と間違えられることもしばしばある模様です。生徒会長との付き合いも長いらしく、かなり砕けた関係であるようです
会長はアリムちゃの運命が視えたり視えなかったりしますが、リアンたちの運命が交わった今はとても安心できているようです。きっと良いものが視えたのでしょう
嫉妬リエムちゃは一歩間違うとリアンさまを束縛して独り占めしようとする悪い子になってしまうポテンシャルがありますが、今はお姉ちゃんで妹で理解者であるアリムちゃがいるので多分大丈夫です
836 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/02(土) 22:12:19.96 ID:+MjKrSYD0
―3月3週
学生通り
桜の花びら「」ヒラヒラ
リアン「わ、通りの方でも桜が咲いてる……!」
リエム「かつてのユリトーでも桜は盛んでした。あの文明崩壊で地上の植物は全て海に流されてしまいましたが――」
リアン「――種が、残ってたんだね……。きっと……地面の、下に……」
アリム「ええ。そしてその子孫たちが、脈々とこの地で命を繋いできたのでしょうね……」
リアン「……ずっと、続いてきたんだね………」
リエム「はい……。きっと……ユリトー文明が興るよりも遥かな昔から――……」
リアン「……うん……」
リアン(……エピカちゃんなら……きっとそれを、かなしみの連鎖と言うのだろう……)
リアン(命が続くから、かなしみもまた続いてしまう、と……)
桜の花びら「」ヒラヒラ
リアン(……とっても、綺麗………)
リアン(………私も、考えたいな。命のこと……かなしみのこと……)
―次の遺跡発見率[-/-]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!
3月3週〈前半〉の行動です(春休みは短いので行動回数を少し増やします)
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります。なお3月3週〈後半〉終了後、孤児院帰省イベントが発生します
837 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/02(土) 22:13:04.92 ID:18HT0xR20
リアン、リエムを連れて孤児院へ帰省
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/02(土) 22:15:03.93 ID:CGg4Evkz0
ノルンと命について話してみる
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/02(土) 22:15:41.82 ID:rsZydjl/O
サーナVSエンシァン、ルルの一番をかけて料理対決
840 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/02(土) 22:27:43.52 ID:+MjKrSYD0
申し訳ありません、孤児院への帰省は3月3週〈後半〉終了後に自動で発生するイベントのため、今回は
>>837
は無効とさせていただきます。なお帰省時にリアンがリエムを連れていくのは確定事項なのでご安心ください
そういうわけで↓1にもう一つ自由行動を募集します
841 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/02(土) 22:42:43.22 ID:18HT0xR20
これは失礼しました。
では代わりに「ヒーティ、迷子になった来年入学予定の後輩を助ける」で
842 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 00:31:17.64 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
学生通り
ワイワイ ガヤガヤ
ヒーティ「みんなは今頃実家かなあ……。暇だし部室にでも行こうかな……。いや、スイスちゃんのとこに遊びに――」ブラブラ
ワイワイ ガヤガヤ
新入生「……」キョロキョロ オロオロ
ワイワイ ガヤガヤ
新入生「っ」ジワワ…
ワイワイ ガヤガヤ
ヒーティ「――はっ!? これは……涙の匂い! あっちから――」
新入生「ひっく、ひっく……」トボトボ
ヒーティ「どうしましたッ!? 迷子ですかッ!?」シュバッ
新入生「っ!?」ビクッ
ヒーティ「あっ……じ、自分は怪しい者ではないですッ! この島には耳と尻尾のある人はよくいるのでして……っ!」アタフタ
新入生「……あ、こ、こちらこそ……ごめんなさい……。その……わ、私も……あるので……。耳と、角……」オドオド
ヒーティ「あ……小さな巻角と、白い耳……もこもこの白い髪……。もしかして……」
新入生「は、はい……。わた、私……羊の獣人、で……」オドオド
ヒーティ「そうなんだ!」
新入生「す、すみません……」
ヒーティ「いや謝るとこじゃないよ!? それで、ええと……もしかして君は、ユリトー魔法女学院の新入生?」
新入生「は、はい……。私……今日、入寮の予定なのに……み、道に、迷っちゃって……」
ヒーティ「それなら任せて! 私、ユリトー魔法女学院の――」
ヒーティ「新二年生だからッ!」
◇
843 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 00:32:56.37 ID:YAmYaIlY0
―寮 廊下
ヒーティ「よおし、手続きも終わったし後は実際の部屋に向かうだけだね」
新入生「は、はい……」
スタスタ
竜人の少女「んあ? ヒーティに……羊? なんだオマエ、非常食か?」
新入生「ひ、ひじょっ……!」
ヒーティ「ちょっと、やめてください! この子は新入生なんですよッ!」
竜人の少女「っと、新一年か。悪かった悪かった、許せ」
お団子の少女「へえ、新一年生ですか。私たちももう先輩なんですねえ」ヌッ
新入生「わ、わっ……」
お団子の少女「フフ……かわいい羊さんだからって、食べちゃだめですよ? ヒーティさん」
ヒーティ「食べません!!」プンスコ
◇
新入生「い、今の人たちは……?」
ヒーティ「デュエット大会の準優勝コンビ、だね……。私と同じ新二年生」
新入生「えっ……!? し、新二年生ってことは……一年生で準優勝したって、ことですか……!?」
ヒーティ「そ、そうなるかな……。すごく強いけど、悪い人たちではないんだよ?」
新入生「そそ、そんな凄い人たちと初日から……! あわわ……」オドオド
ヒーティ「だ、大丈夫だってば! 何かあったら私が見てあげるから! ……っと、着いたよ! ここが君の部屋みたい」
新入生「……! あ、開けてみますっ」
カチッ ガチャッ
―新入生の部屋
まっさらな部屋「」キラキラ
新入生「こ、ここが……私の……」
ヒーティ「わあ……これがまっさらな状態の寮の部屋なんだ……! すごい、綺麗……!」
新入生「は、はい……。ここから……私の、生活が……」
ヒーティ「私は実家通いだから、こういうのを見るとちょっと羨ましくなるよ」
新入生「ひ、ヒーティ先輩は……実家なんですか……?」
ヒーティ「うん。この島のことについてはけっこう詳しいつもりだから、知りたいことがあったら何でも聞いてね!」
新入生「あ……ありがとう、ございます……」
ヒーティ「ふふ……それじゃあ、少し早いけど入学おめでとう! これからよろしくね!」
新入生「は、はいっ……! よよ、よろしくお願いしますっ」
◆
844 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 00:33:57.59 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
部室
ガラッ
サーナ「失礼しますわ!」ツカツカ
ルル「サーナ!」
エンシァン「サーナくん。今日も部活は休みだが……」
サーナ「部活に来たのではありません……今日はエンシァン先生に勝負を申し込みに来たのですわ!!」
エンシァン「は?」
サーナ「ルルの一番をかけた、一対一の真剣勝負ですわ!!!」
エンシァン「……は?」
ルル「??」
ガラッ
シャーロット「話は聞かせてもらったわ! ルルちゃんの一番を決めるというのなら、種目もルルちゃんに決めてもらいましょう!」
サーナ「異議なし! さあルル! 決闘の手法を決めるのですわ!」
ルル「んー……ルル、お腹すいた」
シャーロット「ルルちゃんは食事を所望……つまり料理対決ね!」
サーナ「望むところですわ!! ウィンド家相伝のゴージャスクッキング、とくと味わいなさいまし!!」
シャーロット「エンちゃんもがんばって! 料理!」
エンシァン「……いや、サーナくんがルルの一番になりたいというなら好きにすれば良いと思うのだが……」
サーナ「ええ!? そんなの認められませんわ!!」
シャーロット「そうよエンちゃん! そういう一歩引いた態度が一番格好悪いわ!!」
エンシァン「ええ……? いや、意味がわからんのだが……」
ルル「んへへ……エンしゃんとサーナのごはん、楽しみ」ニコニコ
シャーロット「ほら、ルルちゃんももうその気になってるのよ?」
サーナ「棄権などというしょっぱい結末は受け入れられませんわ! さあ、エンシァン先生! わたくしと勝負ですわ!」
エンシァン「はあ、わかったわかった。たまには自分で料理してみるか」
↓1コンマ一桁 勝者
1-3 サーナ
4-6 エンシァン
7-0 引き分け
845 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 00:35:17.92 ID:TPNTbpev0
あ
846 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 01:59:39.47 ID:YAmYaIlY0
エンシァン「私のとっておきのレシピを見せてやろう」
バララッ グツグツ バシャッ
素パスタ「」ポン!
サーナ「見事なパスタですわ……! こ、ここから一体どのようなソースを……」ゴクリ
エンシァン「完成だが?」
サーナ「えっ」
ルル「食べていい?」
エンシァン「存分に食うが良い。サーナくんとシャーロットの分もあるぞ」
ルル「ん!」
シャーロット「あら、それならありがたく」
サーナ「そ、それじゃあわたくしも……」
「いただきます!」
モグモグ
ルル「んー! おいひい!」モグモグ
シャーロット「懐かしいわ……学生時代を思い出すわね……」モグモグ
サーナ「……もちもちに茹で上がった麺に、ほんのり塩が利いていて……意外と悪くないですわね……」
エンシァン「フッ、ルルの感想もかなり好感触だな?」
サーナ「くっ……ま、負けませんわ!」
◇
サーナ「わたくしは……これですわ!」
フレンチトースト「」ポン!
シャーロット「あら、これはまた美味しそうなフレンチトーストね!」
エンシァン「ほう……食欲をそそる美しい見た目、香り……やるな、サーナくん!」
ルル「食べていい?」
サーナ「ええ、ご賞味くださいまし。エンシァン先生とシャーロット准教授の分もありますわ」
ルル「ん!」
シャーロット「ふふ、ありがと!」
エンシァン「ククク、では実際の味も確かめさせてもらおうか……!」
「いただきます!」
モグモグ
ルル「んー! あまい……! おいひい……!!」モグモグ
シャーロット「これは……! 外側はカリッと焼き上げつつ、内側はミルクと卵がよく染み込んでしっとりふわふわだわ……!」モグモグ
エンシァン「惜しみなくかけられた砂糖とメープルシロップのお陰で少々甘すぎるくらいだが、悪くないな……」モグモグ
サーナ「ふふふ、これがわたくしの実力ですわよ!」
◇
847 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 02:00:33.49 ID:YAmYaIlY0
シャーロット「それじゃあ結果発表よ!」
エンシァン「ふむ……」
サーナ「むむ……」ドキドキ
シャーロット「ルルちゃん、どっちの方が美味しかった?」
ルル「んー……エンしゃんのパスタももちもちで美味しかったけど……」
ルル「ルル、サーナのパンの方が甘くて好き!」
サーナ「!!!!」
シャーロット「勝者、サーナ・ウィンド!!」
エンシァン「フッ……負けてしまったか」
◆
―夕
部室
コンコン
エンシァン「開いているぞ」
ガラッ
サーナ「……先生。わざとあんな薄味のものにしましたわね?」
エンシァン「何のことだ?」
サーナ「とぼけないでくださいまし! いくら素パスタがそれほど悪くない料理だとしても、料理対決で出すものじゃないことくらいわかりますわ!!」
エンシァン「ルルは以前私の素パスタを美味そうに食ったことがあったからな。あれがルルの好みだと誤認していただけだ」
サーナ「むう、あくまで認める気はないということですわね……!」
エンシァン「認めるも何も、私は事実しか言っていないのだが」
サーナ「これで終わったと思わないことですわ! ルルの一番はわたくしですが、エンシァン先生もまたルルの一番だということをわからないわたくしではありませんもの!!」
エンシァン「んん……? いや、趣旨が変わっていないか……?」
サーナ「気にしないでくださいまし! 今日のところは帰りますわ!」クルッ
ガラッ バタン!
848 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 02:01:48.08 ID:YAmYaIlY0
エンシァン「フッ……やれやれ」
ガラ
シャーロット「お疲れ様、エンちゃん」
エンシァン「シャーロット。まだ帰っていなかったのか」
シャーロット「ええ。少しエンちゃんとお話したくってね」
エンシァン「フッ、構わんぞ。今日の私は機嫌が良いからな」
シャーロット「ふふ。エンちゃん、素パスタなんて出したのはわざとでしょ?」
エンシァン「ふむ……わざとと言えばわざとだが、別に勝負を捨てていたわけではない。ルルが素パスタを嫌いじゃないのは知っていたしな」
シャーロット「いや無理があるわ……。いくらルルちゃんが何でも美味しく食べるからって、あれに軍配が上がるわけないでしょ」
エンシァン「そうか?」
シャーロット「そうよ。私でもなきゃあれの方が好きだなんて言わないわ」
エンシァン「……シャーロット。耳鼻咽喉科の受診を……」
シャーロット「私の味覚は正常よ!! 私が言いたいのは……私が言いたいのはね……」
シャーロット「学生生活を思い出して、懐かしくなっちゃって……今、ものすごく切ない気持ちになってるってことなの……!!」
エンシァン「……!」
シャーロット「……ふふ。無様よね。准教授なんて肩書まで手に入れたのに……。私……今でも過去を夢に見てる、情けない女なの……」
エンシァン「……」
シャーロット「ルウェインちゃんも見つかって、遺跡の問題も解決して、これからなのに……。ううん……解決したからこそ……。私……また、みんなと一緒に……何のしがらみもなく、遺跡探索して、部室で笑い合って、エンちゃんの素パスタを食べて……。そんな日々を……また、もう一度だけでいいから……過ごしたいよ……」
エンシァン「………」
シャーロット「……なんてね。ごめんね、愚痴っちゃって……。今でも、十分みんなと一緒に遺跡探索できてるし、楽しく過ごせてるのにね。我儘だよね……」
エンシァン「……シャーロット」
シャーロット「………っ! も、もう帰るわね……! それじゃ、また……!」クルッ
エンシァン「待てシャーロッ――」
ガラッ タッタッタッ…
エンシァン「…………」
エンシァン「シャーロット……」
◆
849 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 02:02:17.03 ID:YAmYaIlY0
本日はここまで
850 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 02:20:05.37 ID:nEmTEDFko
おつー
新二年生組も良いよなぁ
サーナ勝ちはコンマ神分かってんねぇ!から塩茹でのみの豪気なパスタ!からのエルフセンチメンタルで感情がジェットコースターする
気になるじゃねぇか…!
851 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 13:54:42.33 ID:kbpcaeL70
乙
ユリトー学園は筆記試験も実技試験もありそう。
852 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 20:12:52.45 ID:IQUPHAyMO
乙
獣人結構種類いそう
853 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:09:15.67 ID:YAmYaIlY0
終わるまでに書きたいものを全部書き切りたいため、安価にない内容のものも書かせていただいております。ご容赦ください
新二年生たちは新三年生組と違って所属も方針もバラバラなので、意外と面白い関係性に発展していくのかもしれません
シャーロット准教授は体つきがえっちな大人の女性ですが、どうしても大人になり切れない繊細な一面もあるようです
仰るとおり、ユリトー魔法女学院は筆記も実技もあります。どちらかと言うと実技の比重が大きいため、入学の最大の関門は魔法の才能であるとも言われています。なおリアンら遺跡探索部のメンバーは実技は大体いつも高得点です
獣人はかなり種類が多い模様です。時代や地域によっては人種差別などの問題もあったりしますが、現在のユリトー島やユリトー島を擁する文化圏ではほとんど格差はなく、全ての種族が平等に扱われています(適材適所的な意味での有利不利はあります)
854 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:09:49.37 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
ガチャ
リアン「お邪魔しまーす……」
ノルン「いらっしゃいリアンちゃん。どうぞ座って座って」
リアン「うん、ありがとうノルンさん」
ポフッ
ノルン「飲み物は紅茶で良い?」
リアン「あ、うん」
ノルン「良かった。はい、どうぞ」スッ
ティーポット「」トクトクトク…
リアン(美しい白磁のティーポットから、熱い紅茶が湯気をたてながらティーカップに注がれていく。そのノルンさんの所作は、リエムちゃんたちにも引けを取らない洗練されたものだ)
ノルン「熱いから気を付けてね。冷蔵庫でチーズケーキを冷やしてるから、取ってくるよ」
リアン「わ……お、お構いなく……!」
ノルン「ふふ、私が構いたいの」
リアン(ノルンさんはそう言って、冷蔵庫から二切れのチーズケーキを取ってきた。もちろん市販品ではない、ノルンさんの手作りだ)
リアン「……あ、ありがとう。その……準備、してくれてたんだよね? 私が来るから……」
ノルン「いいのいいの。さっきも言ったけど、私がやりたくてやってるだけだから。それに、おもてなしはホストの務めでしょ?」
リアン「それでも、ありがとう。えへへ……それじゃあ、されちゃうね。おもてなし」
ノルン「うん!」
◇
855 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:10:18.11 ID:YAmYaIlY0
リアン「……それでね。最近、ちょっと考えてることがあって……」
ノルン「考えごと……?」
リアン「うん。エピカちゃんの言ってた……命と、かなしみのこと……」
ノルン「エピカちゃんの……」
リアン「うん……。命が生まれるから、かなしみも生まれて……それが繰り返される限り、世界からかなしみはなくならない、って話……」
ノルン「……だから、大神殿を使って世界を終わらせようとしたんだよね。エピカちゃんは」
リアン「うん。たくさんの人造種たちのかなしみを背負ってきたエピカちゃんだからこそ……。誰よりも、かなしみを消し去りたかったんじゃないかって、思う……」
ノルン「……」
リアン「……私も……命って、何なんだろうって、思っちゃって。エピカちゃんを止めたことを後悔しているわけじゃないけど……。でも、エピカちゃんにちゃんと反論できたわけでもないし……」
ノルン「……難しい問題だね。エピカちゃんの言い分も……間違ってはいないと思う……。かなしみを覚える主体が全ていなくなれば、それは確かにかなしみを根絶したと言えるし……」
リアン「ほ、他の方法はないのかな。命を絶やすことなく……かなしみだけを消し去る方法とか……」
ノルン「……精神系の魔法には、人の感じる特定の感情だけを消失させるものもあるみたい。それを使えば、かなしみだけを消し去ることも不可能ではないと思うけど……」
リアン「で、でもそれって……洗脳みたいなものじゃ……」
ノルン「………うん。それに、きっと……かなしみを感じなくなった人は……長くは生きられないと思う……」
リアン「……私も、そんな気がする……」
ノルン「地上に生きる命の一つ一つに、かなしみを消す魔法をかけていくなんてのも、全然現実的じゃないしね……」
リアン「あはは……それはそうかも……」
リアン(私も……もしかなしいことがあったとして、その時にかなしみを感じられなかったら……その方が、ずっと嫌だ。そんな世界になるくらいなら、エピカちゃんのやろうとしたように世界を滅ぼしてしまう方がまだマシに思える……)
リアン「命がある限り……やっぱり、かなしみはどうにもならないんだよね……」
ノルン「うん……。命って、そういう風にできてるんだと思う」
リアン「…………どうして私たちは……それでも生きたいって、思うのかなあ……」
ノルン「………本当に……どうしてだろうね。私たち……何のために生まれて……どこへ向かうんだろう……」
リアン「………わかんないや。わかんないけど……」
ノルン「……?」
リアン「私……この島で生まれて、この時代まで生きて……。孤児院で育てられて、またこの島でみんなに逢えて……。遺跡部で、たくさんのことを経験して……。今、こうして大好きな友達とのんびりお茶が飲める時間を過ごせること……。本当に、本当に……良かった、って思う……」
ノルン「リアンちゃん……」
リアン「……うん。わかってる。これは私がものすごく恵まれた、しあわせ者だから言えることだって……。エピカちゃんが背負ってる、たくさんの人造種の子たちは……そんなことを言う余地なんて、きっと、なかった……」
ノルン「…………そう、だね……」
リアン「……私……もっと、考えたいよ。人造種のために……世界に生きる命たちのために、何ができるのか……。どうしたら、みんながしあわせになれるのか……」
ノルン「リアンちゃん……それは、リアンちゃん一人で考えることじゃないよ」
リアン「えっ……?」
ノルン「私も……一緒に考える。リアンちゃんと一緒に……」
リアン「ノルンさん……!」
ノルン「……全ての命ってなると、ちょっと範囲が広すぎるから……まずはこの島の人造種に絞ろう? まずは、手の届く範囲から一歩づつ……」
リアン「うん……! ありがとう、ノルンさん……!」
ノルン「ふふ……こちらこそありがとう、リアンちゃん……。私を頼ってくれて……」
リアン「えへへ……!」
◇
856 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:11:15.85 ID:YAmYaIlY0
リアン「そういえば帰省のことなんだけど……」
ノルン「リアンちゃんも3月中に孤児院に帰省するんだよね」
リアン「うん。それで私、孤児院のお姉ちゃん……ええと、シスターさんに学費のことを相談しようと思ってて」
ノルン「学費……もしかして!」
リアン「うん。暗黒仮面舞踏会の賞金で、進学できるならしたいというか……」
ノルン「う、うん! いいと思う!」
リアン「ほ、本当? ノルンさんと二人で勝ち取った賞金でもあるから……」
ノルン「それぞれの口座に振り込まれたものなんだから全然気にしなくて良かったのに。でもありがとう、伝えてくれて……!」
リアン「えへへ……ノルンさんのお陰だもの!」
ノルン「ふふ……それじゃあちょっと気が早いけど、高等部を卒業してからもよろしくね、リアンちゃん!」
リアン「うう、進学できればね……!」
◆
857 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:11:41.45 ID:YAmYaIlY0
―3月3週〈後半〉
学生通り
桜の花びら「」ヒラヒラ
ルウェリア「母さんへのお土産、何が良いかな」スタスタ
ルウェイン「やっぱりお菓子かな? でもせっかくだし、私の生還記念ってことで形に残るものも欲しいかも」スタスタ
ルウェリア「姉さんの生還記念……うーん、何が良いかな……。遺跡関連なら准教授に聞いてみる?」スタスタ
ルウェイン「シャーロット、なんだか元気ないみたいなんだよね……」
ルウェリア「え、そうなの? あの人、意外と脆いとこあるから心配だな……」
ルウェイン「遺跡の話すれば元気出るかもだし、帰りに寄ってみよっか!」
ルウェリア「賛成!」
ルウェイン「ようし、そうと決まればお菓子だけでも買ってこっか! シャーロットの分も――」
トコトコ…
イエリア「あ」
ルウェリア「……あ!」
アイリス「……!」ササッ
ルウェイン「魔鍵ちゃ……アイリスちゃん!」
アイリス「くっ、遅かったか……」
◇
858 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:13:14.97 ID:YAmYaIlY0
―公園
桜の花びら「」ヒラヒラ
イエリア「……」ソワソワ
ルウェリア「……」チラチラ
ルウェイン「……」
アイリス「……」
ルウェリア(いや、何この雰囲気!? なんかちょっと気まずい……!)
アイリス「……その後、体の調子はどうですか。ルウェイン」
ルウェイン「あ……うん。好調だよ。人間だった頃よりも」
アイリス「そうですか」
ルウェイン「うん……。アイリスちゃんは……どう? 元気に過ごせてる?」
アイリス「変わりありません。いえ……管理者を退いた今は、以前よりも気楽に過ごせていますかね」
ルウェイン「そっか、良かった! イエリアちゃんも、ありがとうね」
イエリア「えっ! う、うーん……ど、どういたしまして……?」
アイリス「…………」
859 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 21:14:02.15 ID:YAmYaIlY0
ルウェリア「……?」
アイリス「……何ですか? ルウェインの妹」
ルウェリア「あ、いや……。随分変わったな、と思って」
アイリス「変わった……? 私が?」
ルウェリア「うん。前は……もっとドス黒い、嫌な気配を放ってた」
イエリア「ドス黒い……ぷぷっ」クスクス
ルウェイン「ちょ、ルウェリアちゃん……!」
アイリス「ドス黒くて悪かったですね……」
ルウェリア「でも今は……なんて言えば良いのかな。柔らかくなったというか……」
アイリス「……」
ルウェリア「……私、あなたに酷いことを言ったことあったよね。ごめん」
アイリス「……人間に言われたことなど、いちいち記憶しておりませんので。その謝罪は無意味です」
ルウェリア「そっか。それじゃあ……ありがとう」
アイリス「……は?」
ルウェリア「……姉さんを、助けてくれて。大切に思ってくれて。本当に、ありがとう……」ペコッ
アイリス「……」
ルウェイン「ルウェリアちゃん……」
イエリア「ふふ……」
アイリス「……フン。勝手に改造した責任はこちらにあります。具合が悪くなったらいつでも来なさい」
ルウェイン「うん……! えへへ……アイリスちゃん、大好き!」バッ
ぎゅっ
アイリス「ばっ……もう記憶の改変は解いたはずですが!!?」ジタバタ
ルウェイン「知〜らない! だって私、自分からアイリスちゃんのことを大好きになったんだもん!」ギュッ
アイリス「むう……」
桜の花びら「」ヒラヒラ
アイリス(……ああ、でも)
アイリス(懐かしいな……。この柔らかさ……)
―次の遺跡発見率[-/-]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!
3月3週〈後半〉の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、孤児院帰省イベントが発生します
860 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 21:16:38.24 ID:kbpcaeL70
リアン・リエム・アリム、孤児院へのお土産を見繕う。
861 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 21:20:40.93 ID:nEmTEDFko
エンシァン、シャーロット、ルウェインで飲み会
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/03(日) 21:24:30.70 ID:IQUPHAyMO
マリン、町を歩いてたら生徒ABと遭遇
863 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 23:57:32.24 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
学生通り
桜の花びら「」ヒラヒラ
マリン「……」ヨタヨタ
マリン「……お腹すいた……」ヨタヨタ
マリン「リアンのおうち……どこだったっけ……」ヨタヨタ
生徒B「ん? あの子……めっちゃかわいくね!?」
生徒A「この辺じゃ見かけない子だけど……親御さんいないし、迷子!?」
生徒B「ヤバいじゃん! 保護したげよ!」シュバッ
生徒A「おけ!」シュバッ
マリン「……迷っちゃった………。人間の街……複雑すぎ……」ドンヨリ
生徒B「こんにちは!」シュバッ
生徒A「ねえ、大丈夫!?」シュバッ
マリン「ひゃっ! だ、誰……?」ビクビク
生徒B(ちょ、怖がらせちゃってるじゃん! もっと穏便にいこ!)
生徒A(で、でも子供の扱いなんてわかんないよあたし!?)
生徒B(うちに任せろ!)
生徒B「お姉さんたちは怪しいもんじゃないよ! 通りすがりの、魔法女学院生!」
マリン「まほーじょがくいん……あ、リアンが通ってるとこ……?」
生徒A「リアンちゃんのこと知ってるの?」
マリン「う、うん……。あなたたちは……知ってる? リアンのおうち……」
生徒B「モチ! 同じ寮に住んでるマイシスターだかんね!」
マリン「も、餅……? まいしすたー……?」
生徒A「あはは、友達だから知ってるってこと! 案内したげよっか?」
マリン「あ……う、うん……」
生徒B「まーかせて!」
◇
864 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/03(日) 23:57:58.67 ID:YAmYaIlY0
生徒A「マリンちゃんはリアンちゃんとどういう関係なの?」テクテク
マリン「マリンは……えっと……。わかんない……」
生徒B「そっかあ。そういうこともあるよね」
生徒A「うんうん。リアンちゃん優しいから、いろんな子に好かれちゃうんだろうなあ」
マリン「リアン、いろんな相手に好かれてるの?」
生徒A「そうだよ! 一緒に住んでるリエムちゃんにアリムちゃん、クラスメイトのノルンちゃんにルウェリアちゃん……最近は黒髪ロングの小さな子とも一緒にいたって目撃情報があるし、モテモテだよお?」
マリン「ふうん……」
生徒B「ありゃ、マリンちゃんはリアンちゃんのことが好きってわけじゃないの?」
マリン「……よくわかんない」
生徒A「そっか! まあ自分の気持ちなんてよくわかんないよね。あたしも全然わかんないし!」
マリン「でもマリン……自分のお腹がすいたとかは、わかる」
生徒B「アハッ、それならウチもわかる〜!」
生徒A「あたしも〜」
マリン「…………ふふっ」
◇
865 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/09/04(月) 00:00:03.37 ID:kSOC8dxk0
本日はここまで
平日はまだ時間が取れなさそうなため、次回の更新はまた間が空くかと思われます。よろしくお願いします
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/04(月) 12:26:30.44 ID:WkKSCROfO
乙
攻略女王ぶりが公認されてるリアンちゃん・・・
867 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/09/23(土) 13:31:28.81 ID:BjChTKMR0
待ってる
868 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/09/26(火) 14:55:23.63 ID:hqiR+U18O
なんでこの手のレスってわざわざスレ上げるの?
更新滞ってる作者を晒しあげてる行為だって自覚ないのかな
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/10/05(木) 19:48:09.71 ID:heNigKoqO
お待ちしてます
870 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/10/06(金) 23:04:13.17 ID:R+FJ3R0y0
やることはやりきったし終わりなら終わりでいいのでは……? 連絡ないまま放置が一番モヤモヤしちゃう
871 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/10/15(日) 09:58:44.08 ID:4AhGKMxF0
スパイクタンパク単体で心臓やその他臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています
何故一旦停止しないのですか
何故CDCが接種による若い人の心筋炎を認めているのに情報発信がないのですか
20代はたった1ヶ月で接種後死亡がコロナ死と同等になってます
因果関係の調査は?
872 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/10/20(金) 00:14:30.65 ID:V1x40xIz0
あと2週間でエタ判定食らうからもうそろそろ生存報告が欲しい
873 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/10/22(日) 22:05:09.90 ID:qCQZO/Pd0
長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。現在
>>1
はスランプのような状態に陥っているため、なかなか進めることができずにいます
しかし中途半端なところで終わったりエタったりは嫌なので、ここでおわりにはしません。お付き合いいただければ幸いです
ところでエタ判定なるものがあるとは知りませんでした。情報提供ありがとうございます
874 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/10/22(日) 22:05:37.89 ID:qCQZO/Pd0
―寮
リアンの部屋前
生徒A「着いたよ〜。それじゃあピンポン鳴らそっか」
マリン「ぴんぽん?」
ピンポーン
マリン「わっ……」
リエム『どちらさまでしょうか』
生徒B「うちらで〜す! マリンちゃん連れて来たよ〜」
リアン『えっマリンちゃん!? 開けるね〜!』
ガチャッ
リアン「おはよ、二人とも! マリンちゃんも!」
生徒A「おはよ〜」
生徒B「迷子になってたみたいだから連れて来た! リアンちゃんに会いたいって言っててね」
マリン「ん……」コク
生徒B「んじゃ、マリンちゃんを無事に送り届けたところでウチらはお暇しますか」
生徒A「だね〜。春休みもこれからだし、お互い楽しんでこーね!」
リアン「あ、うん! えっと、二人ともありがとう!」
生徒B「いいってことよ! バイバ〜イ」ヒラヒラ
生徒A「またね〜」ヒラヒラ
◇
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