【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索 Part 2【百合】

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724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/01(火) 21:22:21.60 ID:5N5Y/SxBo
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/01(火) 21:22:28.73 ID:SImcxv5L0
726 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/01(火) 21:33:20.78 ID:5n/33l/x0
リアン「ま、まあまあかな……? 多分……」

生徒A「まあまあか〜。じゃああたしもまあまあ!」

生徒B「ウチもまあまあかな〜」

ノルン「あはは……私もまあまあかな……?」

生徒A「ノルンちゃんのまあまあはあたしたちのまあまあと違うから!!」

生徒B「それはそう!」

 キャッキャ


リアン(そう……実際、私のテスト対策はまあまあといったところだ……)

リアン(自分の感覚では、毎回これくらいは勉強したかなってくらいの勉強度だけど……)

リアン(でも勉強量がテスト結果にピッタリ反映されるわけじゃないからね……。一学期は本番で頭が真っ白になっちゃったし……)

リアン(うぅ……二学期はなんとかなったけど……また心配になってきたよお……)

 ☆リアンの次回テスト対策が+++になりました

 ◆
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/01(火) 21:33:55.31 ID:5n/33l/x0
とても眠いので本日はここまで…
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/01(火) 23:08:51.32 ID:3dz5Lkilo
おつかーれ
(公然の)秘密の舞踏会
リアンちゃん進学なら残る最大の敵は素の学力やんな……
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/02(水) 07:25:43.18 ID:nSkdZyFFO

まあ運命操作も魔法のひとつだし・・・と思えないのがリアンちゃんでもあるわけで
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/02(水) 19:24:46.07 ID:KhEbpL7B0
戦闘起動で動き回るリエムちゃ…かっこかわいいんだろうな
731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/02(水) 23:23:34.77 ID:rrf1fuSs0
リアンさん進学の最大の壁が学力なのは言わずもがなですが、水魔法の実力が極めて優れていることや、生徒会や一部教員たちから好かれていることを踏まえると、実はかなり有利な立場にいたりします。気付いていないのは本人だけです

暗黒仮面舞踏会ではあらゆる非殺傷魔法の使用が認められているため、実は>>729さまのおっしゃる通り運命を変える魔法の行使もズルにはなりません。ただ、リアンさん的には納得できていないようです。ノルンさんを泣かせないためなら、勝って笑っていた赤髪ペアの笑顔を奪ってもいいのか? と人知れず自問自答しています

リエムちゃとアリムちゃの戦闘機動は、外から見るととても美しく可憐でかわいらしい妖精の舞のように見えますが、実際に仕掛けられている側にとっては悪夢のようだとリアンさんたちの担任の先生が言っておりました
732 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/02(水) 23:24:01.80 ID:rrf1fuSs0
―3月1週 某日

ヒーティ「あ、スイスちゃん!」パタパタ

スイス「ヒーティさン!」トテトテ

ヒーティ「ごめんね、待たせちゃった?」

スイス「ついさっき着いたところ!」

ヒーティ「良かった! じゃあ行こっか!」

スイス「うン!」

 ◇

―アパレルショップ「アイランドヴィレッジ」

スイス「わ……服、いっパい……!」キョロキョロ

ヒーティ「この辺で一番おっきな服屋さんだからね! スイスちゃん、お小遣いは持ってきた?」

スイス「うん! クロリアさんから、もらってきタ……!」

ヒーティ「よぉし、それじゃあ今日はおめかししよう!」

スイス「おめかし、する!」

 ◇
733 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/02(水) 23:24:53.05 ID:rrf1fuSs0
ヒーティ「――」キャッキャ

スイス「――」キャッキャ

一年生A「んー? お、あれは……」

一年生B「ヒーティと……小さい子……?」

一年生A「もしかして……隠し子とかー?」ニヤニヤ

一年生B「やば……わんわん、学生で子持ちはえっちすぎ……」クスクス

一年生A「いやいや、勝手に変な想像してる方がえっちでしょー」ケラケラ

一年生B「むー……心外……。本人に、真相を聞くべき……」

一年生A「異議なーし」

一年生B「とつげきー……」トテテ

734 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/02(水) 23:26:08.68 ID:rrf1fuSs0

スイス「スイス、どんなノが似合う……?」

ヒーティ「そうだなあ……スイスちゃんってやっぱり銀色のイメージだし、それに合わせた白色系が良いのかなあ……。むむ、リアン先輩やサーナ先輩がいれば……」


一年生A「おーい、ヒーティー」


スイス「?」

ヒーティ「そ、その声は――」


一年生A「私というものがありながら他の子とデートなんてー……」

一年生B「ヒーティ……その子だれ……? 私……聞いてない……」ユラッ

スイス「え、エっ……? ひ、ヒーティさん……?」チラッ

ヒーティ「ご、誤解だよ!!? ていうかややこしくなるからやめてよ!!」

 ―説明中―

一年生A「なるほどー、ご近所のお子さんなんだねー」

ヒーティ「そ、そうなの! 今日は一緒に買い物に行こうって話になってね……!」

ヒーティ(嘘は言ってない……! 島の住民はみんなご近所さんみたいなもんっておばあちゃんも言ってたし……!)

一年生B「銀の髪に、いぶし銀のメッシュ……良いセンス……」

スイス「えへへ、ありがト……!」

一年生A「スイスちゃんさえ良ければー、私たちも一緒に買い物していいー?」

スイス「うン! ヒーティさンのお友達なら、スイスのお友達だかラ……!」

一年生B「めっちゃ良い子……。うずうずしてきた……」

ヒーティ「スイスちゃんに変なことしたら怒るからね!!?」



一年生A「それでまずは服選びってわけねー。ふっふっふ、じゃー私たちがアドバイシングしてあげよっかー」

ヒーティ「あ、それじゃあお願いしてもいい? 私、あんまりファッション詳しくなくて……」

一年生B「ふふ……任せなさい……」


↓1 最終的にスイスが買うことになった服
01-40 ゴスロリドレス
41-80 ダボダボパーカー
81-00 白いエプロンドレス
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/02(水) 23:37:31.48 ID:XGSC/l3Ko
736 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 00:14:03.61 ID:cdL7axnU0

一年生B「スイスちゃん……これ着てみて……」スッ

 ダボダボパーカー「」

スイス「わかっタ!」

 試着室「」シャッ

ヒーティ「でっかいパーカー……? スイスちゃんには大きすぎると思うけど……」

一年生A「ふふ、これは見てのお楽しみだねー」

一年生B「古典にも書いてある、正統派のカワイイ=c…特とご覧あれ……」

 試着室「」シャッ

スイス「き、着たよ……」(E:ダボダボパーカー)

ヒーティ「……! こ、これは……!!」

ヒーティ(ダボダボサイズだからこそ、スイスちゃんの華奢で小さな体がより一層小さくかわいらしく見える……! 丈が余るくらい長いからか擬似的なワンピースみたいになっていて、それが少し際どくて、あどけないスイスちゃんの危うさ、無防備さが……! そして極めつけは、スイスちゃんの小さなおててを隠してしまうダボついた袖……! 指先だけがほんの少し覗いている……!! これは……すごい!!!)

一年生B「袖がちなる着てありくも……みなうつくし……」

一年生A「めっちゃかわいーって意味だよー」

一年生B「萌え袖めっちゃかわいーって感情は……古今東西万国共通……」

スイス「スイス……かわイい……?」

ヒーティ「うん! かわいいよ……! ファッションのすごさって、すごい……!! スイスちゃんのかわいさがもっとかわいくなっちゃった!!」

スイス「わあ……!」

一年生A「ヒーティ、語彙力ボロボロじゃーん」ケラケラ

一年生B「そういうわんわんも……かわいい……」クスクス

 ◆
737 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 00:14:42.33 ID:cdL7axnU0
あまり進まず申し訳ないですが本日はここまで
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 00:56:41.84 ID:B96jvV6So
あぁ^〜この空間の空気になりたい
人造三人組でスイスちゃんが一番人間社会に馴染みに行ってる様なのもイイ!
おつー
739 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 23:03:57.27 ID:cdL7axnU0
スイスちゃんは他のはぐれ人造種たちよりも人間に奉仕したい願望が強いため、自然と人と接する機会が多くなるのかもしれません
もちろんどんな時でもクロリアさんをはじめとした保護者たちがしっかり見守っているのでごあんしんください
740 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 23:04:27.94 ID:cdL7axnU0
―職員寮
 ルウェインの部屋

ルウェリア「この衣装ケースはどの辺に置くの?」

ルウェイン「それはこっちの壁際に置いてくれる?」

ルウェリア「オッケー」ドサ

ルウェイン「ふう。ようやくいろいろ整ってきたなあ」

ルウェリア「まず部屋の確保に時間がかかっちゃったもんね」

ルウェイン「でも2月で良かったよ。3月になってたらもっと難航してたかもしれないし」

ルウェリア「あー、人の移り変わりの時期か……」

ルウェイン「うん。出会いと別れの季節。あなたたちにも少しはあるでしょ?」

ルウェリア「……別れが惜しいのは、生徒会長くらいかな? 風紀委員長は……まあ……」

ルウェイン「えっ、生徒会長とか風紀委員長と知り合いなの? ルウェリアちゃん、どういう立ち位置……?」

ルウェリア「一応、名目上は遺跡部の部長。本当に名目だけだけどね」

ルウェイン「……ルウェリアちゃんが遺跡部の部長になっているのが嬉しい反面、その目的を考えると素直に喜べない自分がいます……」

ルウェリア「いやそこは素直に喜んでよ!? もう何の問題もなく、心から遺跡探索を楽しめるようになったんだからさ」

ルウェイン「……まあ、それでいっか!」

 ◆
741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 23:05:14.89 ID:cdL7axnU0
―ルウェインの部屋 お風呂

 カポーン

ルウェイン「はあ〜……良いお湯……」

ルウェリア「……私も良かったの? せっかくの新居の一番風呂なのに」

ルウェイン「良いに決まってるでしょ。せっかくの新居の一番風呂だからこそ、いっぱいがんばってきたルウェリアちゃんと一緒に入りたい姉心を想像してみなさい」

ルウェリア「いやそんなのわかるわけないでしょ……」

ルウェイン「も〜、つれないなあ……。すっかりクールになっちゃったんだから……ふふ……」

ルウェリア「そんなことないと思うけど……。まあ、こんな体型だからカッコイイ系だと勘違いする人もたまにいるんだよね」ペタン

ルウェイン「系じゃなくて、実際にカッコイイよ? 背もスラッとしてるしさ。私なんてチビのまま成長期が終わっちゃったんだぞ?」ユサッ

ルウェリア「……ふふ。私の方が高くなっちゃったんだね。身長」

ルウェイン「……ほんとにね。少し前までは、私よりもずっと小さかったのに。時が経つのって早いなあ……」

ルウェリア「うん……。姉さんがいなくなってから……とても長いようで、あっと言う間の6年間だった……」

ルウェイン「……母さんに、会いたいな。6年間も、心配かけちゃった……」

ルウェリア「春休みになったら、一緒に里帰りしようよ。母さん、きっとものすごく楽しみにしてると思うから」

ルウェイン「うん……そうしよ……」グスッ

 ◆
742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/03(木) 23:06:00.69 ID:cdL7axnU0
―3月2週
 教室

生徒A「はぁ〜テスト勉強つらたん〜……」

生徒B「でもでも、テスト終わったらアレっしょ! クッキー返し祭り!」

生徒A「それー! チョコのお返しにクッキーとか、この島の人って本当に粋だよねー!」

生徒B「めっちゃ粋! ウチらも倣ってクッキー返しまくろ!」

 ワイワイ キャッキャ


リアン(2月2週にあったチョコレートのお返しイベントが、この週末にあるらしい。奇しくもそれは、期末試験が終わる日だ……)

リアン(試験もがんばるけど、クッキー返しの準備も進めておかないとね)

リアン(そしてその後は春休み……。今月はいろいろと密な予定になりそうだ)


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・期末テストで良い点を取る
・みんなと楽しく過ごす!!

3月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、期末試験の後にクッキー返しイベントへ移ります。その後は春休みです
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 23:06:43.56 ID:ioNnTS9Z0
リアン、赤毛コンビに激辛料理をおごる
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 23:08:27.01 ID:whlwcPlhO
サーナ、来年自分ちの新人メイドが入学してくることを発表
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 23:13:01.32 ID:mxsc/2Pe0
リアン、勉強の楽しさに目覚める
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 23:40:40.81 ID:fRBi2mk00
2年目もやるなら赤毛コンビの設定何かしらの探索イベントに使えそうよねどっちも
747 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/04(金) 00:03:29.25 ID:Exngkq+r0
―3月2週 某日
 リアンの部屋

リアン「……」カキカキ

リアン「んあああああ!!!! もう勉強やだああああ!!!!」ジタバタ

リエム「リアンさま……どうか、落ち着いてくださいませ……」オロオロ

アリム「もう、みっともないわね馬鹿リアン。リエムの主人ならもっとシャキっとしなさいよ」

リアン「だってえ……。勉強のしすぎで頭がおかしくなりそうなんだよお……」

アリム「……それなら、勉強を好きになれば良いのよ!!」

リアン「ええ!? そんなことできるの!?」

アリム「不可能ではないわ。あなた、衣類や裁縫について調べるのは全然苦じゃないでしょ? その感覚を勉強全体に広げるの」

リアン「ええ……服飾とか裁縫は好きだから苦にならないだけで、学校の勉強はどう足掻いても好きになれそうにないけど……」

アリム「好きになれそうなポイントを探すのよ! ほら、国語で言えばオサムダザイの文章とかけっこう好きでしょリアン」

リアン「まあ……小説は面白いし……」

アリム「そうやって、少しづつでいいから各教科で好きになれそうなところに興味を持つの。できる?」

リアン「わかった……ちょっと意識してみる……」


↓1
01-20 無理だった テスト対策++++
21-90 少しできた テスト対策+++++
91-00 目覚めた  テスト対策++++++++
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 00:06:38.48 ID:3PlCVJ840
目覚めよ
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/04(金) 00:27:48.21 ID:Exngkq+r0

リアン「サインコサインタンジェント……サインコサインタンジェント……」カキカキ

リエム「リアンさま……」オロオロ

リアン「あはは! サインコサインタンジェントって語感すっごいいいね。サインコサインタンジェント」カキカキ

アリム「……ま、まあ結果的に勉強が楽しめるようになったなら良いんじゃない……?」

リアン「うん。数学って面白いかも。サインコサインタンジェント!」

 ◇

リアン「支点力点作用点!」

 ◇

リアン「コンデンエーネンシザイホー!」

 ◇

リアン「ちひさきものは、みなうつくし……。わかる……」

 ◆

―次の日
 部室

リアン「サインコサインタンジェント!」キャッキャ

ルル「サインコサインタンジェント!」キャッキャ

シャーロット「サインコサインタンジェント!」キャッキャ


ノルン「こ、これは一体何が起きているの……?」

アリム「あー……その……。リアンが、少しだけ勉強好きになった弊害というか……」

ルウェリア「ど、どういうことなの……」

 ☆リアンのテスト対策が+5になりました

 ◆
750 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/04(金) 00:28:21.28 ID:Exngkq+r0
本日はここまで
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 00:36:48.38 ID:mOhHyDdco

やっぱりロリコn…
それでいいのかエルフの先生
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 06:16:19.14 ID:LmGqb8Lk0
おつ
ルウェインさん社会復帰できそうでよかった。
753 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 22:40:38.61 ID:YItcH4EC0
リアンさまは小さい子なら誰でも好きというわけではありませんが、小さい子や小さい存在を慈しみ、優先的に保護しようとする気質を持っています。母性本能が強いのかもしれません

シャーロット准教授は年齢的には大人ですが、未だ大人になり切れていない部分も多々あるようです。本当は学生たちと一緒にずっとキャッキャしていたいのかもしれません

ルウェインさんは長いこと行方不明だったのでいろいろと大変な状況ではありますが、エンシァン先生やシャーロット准教授の根回しもあり、なんとか4月には社会復帰できそうな様子だそうです
754 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 22:42:23.73 ID:YItcH4EC0
―3月2週 某日
 部室

 ガラッ!

サーナ「サインコサインタンジェント!!……ではなく、皆さんに一点報告がありますわ!!」

リアン「サーナさん!」

サーナ「なんと……わたくしの家に代々仕えている家系の子が、先日この学院の入学試験に合格したんですわ!!」

リアン&ルウェリア&サーナ「ええ!?」

ルル「サーナの家につっかえてる……???」


リアン(どこから驚けば良いのかわからなかったが、とにかく私たちは驚いた)

リアン(サーナさんが上流階級の出身なのは知っていたけれど、それでも認識が甘かったかもしれない)


ノルン「ええと……仕えてるっていうのは……」

サーナ「言うなれば使用人ですわね。住み込みで三食昼寝付きのホワイト職ですわ」

リアン「も、もしかして……メイドさん!?」

サーナ「その子はまだ未就労年齢ですわ! まあ、フォーマルな場ではメイド装束を着用してもらうこともありますけれど」

ルウェリア「じゃあ、その子も将来はサーナさんの家に就職するってこと?」

サーナ「ふふ、それは彼女次第ですわ。もしウチに仕えるよりも他にやりたいことがあるなら応援してあげたいですし。幸い、この学院には進路がいくらでもありますもの」

ルル「ふうん……」


リアン(すごい話だ……。孤児院出身の私にとっては、全く想像の及ばない世界なのは間違いない……)

リアン(……孤児院のみんなにも、サーナさんのように裕福な暮らしをさせてあげたいな……)

 ◆
755 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 22:46:01.07 ID:YItcH4EC0
―3月2週 某日 昼休み
 学食

 ワイワイ ガヤガヤ

リアン(学食の前を通りかかったら、何やらすごく辛そうな香りが漂ってきた……)

 看板『新メニュー! 激辛カレー!』

リアン(その原因は恐らく、入り口の看板に掲示されていた激辛カレーだ……)

リアン(私はリエムちゃんのお弁当があるから食べないけど……ううん、リエムちゃんのお弁当がなくても食べたくない……。辛いのは苦手だし……)


「おあああああ!! 財布がねえ!!?」

 ザワザワ…

リアン(な、何かとても聞き覚えのあるような声が……)


竜人の少女「すまん、奢ってくれ!!」

お団子の少女「え、嫌ですけど……。貸すならともかく奢るのは嫌です」

竜人の少女「金の貸し借りは好かねえ! だがオレは恩は必ず返す主義だ! 頼む……!」

お団子の少女「ええ、何ですかその変な流儀……。どっちにしても、私もお金持ってませんし」

竜人の少女「なんてことだ……。あれほど楽しみにしていた激辛カレーのデビュー日なのに……!」


リアン「あ、あの〜……」

竜人の少女「!? リアン……!? テメェ、財布を忘れたオレを嗤いに来たのか? ああ!?」ズイッ

リアン「ひえっ……! ち、違うよお……」オロオロ

お団子の少女「こら、バカトカゲ。リアンさんはそういうキャラじゃないでしょうが」ペシッ

竜人の少女「チッ……だったら何だってんだ」

リアン「そ、そのお……。お金……私が、出そうか……?」

竜人の少女「……は?」

お団子の少女「……え?」

リアン「あ、いや、その……げ、激辛カレー……! 私が……出しても……」

竜人の少女「…………」

お団子の少女(あ、これ真剣に悩んでる顔ですね)

竜人の少女「…………」

竜人の少女「…………」

竜人の少女「……憐れみのつもりか?」

リアン「……ち、違うよ……。ただ……私は…………」

お団子の少女「……私たちを負かしたことに負い目を感じているんですか?」

リアン「そ、そういう、わけでも……」

お団子の少女(……あれ? なんかこれ、私たちがリアンさんをいじめてるみたいでは……?)

リアン「うぅ……グスッ」ジワ

竜人の少女「……は、はあ!? おいなんで……! わ、わかったわかった! 奢られてやるから……! ここでそれはやめろ!」

リアン「う、うん……。ありがとう……」

お団子の少女(……この人、もしかしたら本当はとても弱い人なのかもしれない)

 ◇
756 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 22:47:57.57 ID:YItcH4EC0

 激辛カレー「」ドン!

竜人の少女「おお……!! も、もう一度聞くが……本当に奢りで良いんだな!?」

リアン「うん……。お代わりも、していいからね」

竜人の少女「言ったな!? 取り消すなよ!!?」

 激辛カレー「」ドドン!

お団子の少女「……いや、何で私まで?」

竜人の少女「お前は少食すぎんだよ! せっかく奢ってくれんだからガッツリいっとけ!」

お団子の少女「ええ……。はあ、わかりましたよ……」

竜人の少女「よォし、じゃあいただきますッ!」

お団子の少女「いただきます」


竜人「んんん〜〜!! たまんねェ〜〜〜!!!」バクバク

お団子の少女「み、水……水をください……」ヒリヒリ


リアン(そうして、赤髪の二人は激辛カレーを食べた)

リアン(無理を通してでも、奢ってあげて良かった。二人とも、美味しそうに食べてくれている……)

リアン(……私は、ズルをして彼女たちを打ち負かしてしまった。こんなことで、償いになるなんて思わないけれど……)

リアン(……これで、少しでも彼女たちが良い思いをしてくれるなら……)

 ◆
757 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 22:49:10.44 ID:YItcH4EC0
―3月2週 テスト結果発表
 廊下

 ガヤガヤ…

掲示板「順位一覧」


サーナ「さて、今回は……むう、現状維持ですわね」(上位三割)

ルウェリア「まあ、大幅に変動することってあんまりないよね」(上位三割)

ヒーティ「自分は平均以上なら御の字ですッ!」(上位五割)

ノルン「リアンちゃんはどう……?」(上位一割)

アリム「今回はかなりがんばったみたいだし、良い線いったんじゃない?」(上位二割)

リアン「ど、どうかな……?」

リアン(実際今回はかなり勉強がはかどったし、けっこういける気がする……)


↓1コンマ リアンの成績 テスト対策+5により難易度緩和
01-10 上位五割
11-20 上位四割
21-30 上位三割
31-40 上位二割
41-90 上位一割
91-00 一位
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 22:52:07.72 ID:hMIJHVNi0
どうだ
759 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 23:07:32.10 ID:YItcH4EC0
 リアンの順位「上位一割」

リアン「!!!!!!!!!!!」

ノルン「リアンちゃん……!! やったね……!!!」

サーナ「リアンが、一桁順位ですって!?」

ルウェリア「並ぶどころか、一気に追い越されちゃうなんて……!!」

ヒーティ「スゴいですッ……! リアン先輩ッッ……!!」

アリム「ふふ、わたしが教えた勉強法のお陰かしら?」


リアン(何度か目を擦ってみたけれど、やはり私の順位はノルンさんと同じ一桁台だった)

リアン(これは……夢なのだろうか。一学期で赤点ギリギリだった私が、ここまで上がれただなんて)

リアン(……ううん、夢なんかじゃない。これは……これは本当に、私が勝ち取った結果なんだ……!)


リアン「み、みんな……本当に、ありがとう……!!」


リアン(この成績を維持できれば……進学も、夢じゃないかも……)

 ◆
760 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/05(土) 23:19:16.33 ID:YItcH4EC0
―3月2週 テスト結果発表後
 教室

先生「期末試験お疲れさん。今年度の残りの予定は、週末の卒業式と修了式だけだ。あと僅かだが、気を抜かんように」

生徒A「うわ〜もうそんな時期〜!?」

生徒B「時間経つのめっちゃはや!! 光陰矢の如しってやつ!?」

先生「フッ、時の流れには逆らえん……。一分一秒を後悔のないように生きろ、お前たち……!」

生徒A「じゃあ後悔しない為に、今日はチョコレートのお返しをしなっきゃ!」

生徒B「めっちゃ焼いてきたんだよね〜クッキー! 後で先生にもあげる〜!」

先生「えっ……い、いやいや……先生はそういうのを受け取っちゃいけない決まりになっていてだな……」

生徒A「細かいこと言わない〜!」

生徒B「ウチらの愛をくらえ〜!!」

 ワイワイ キャッキャ


リアン(実は今日は、チョコレートのお返しのクッキーの日でもある)

リアン(でも、お返しとかに囚われず自由にクッキーを交換し合っても良いそうだ。もちろん、もらっていたらちゃんとお返しすべきだと思うけれど)

リアン(とにかく試験が終わってようやく気が楽になったし、今日は思いっきりクッキー返しを楽しもう……!)


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!

3月2週、クッキー返しイベントです 今回は一度に安価を多めに取ることにしましたので、明日の正午を回っても埋まっていなかった場合は連取り可とします
↓1〜6 自由行動または発生するイベント 行動終了後、卒業式および修了式に移ります。その後は春休みです なお本日はここまで
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 23:20:57.00 ID:hMIJHVNi0
リアン、リエムとアリムにクッキーと一緒に自作のニューメイド服をプレゼント。
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 23:28:01.71 ID:WKmGDqzZO
サーナ、実家から大量に送られたクッキーを皆にお裾分け。
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 23:40:48.03 ID:KevM9RIH0
イエフィーが二人きりでデート
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 23:43:44.82 ID:hhDOVl3H0
ノルンとクッキーを食べさせ合うことに
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 00:09:28.00 ID:qWRNlaD50
ララ、インテリソード組に手作りクッキーを配る
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 00:10:52.97 ID:jW3iOixvO
エピカ、お詫びの手作りクッキーに挑戦
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 00:28:41.17 ID:fXLgfEkgO
ID変わるし日付変わってから安価出した方がよかったのでは
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 02:22:22.06 ID:QiRlv8dco

学力すごい!コングラッチュレーション、リアンちゃん……!
これで運命魔法の事、リアンちゃんの中でおりあいがつけばいいけど
769 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:08:50.91 ID:15iyyEn10
IDの変更を気にし出すと普段の安価すら信用できないものとなってしまいますので……。基本的には善意を信じたいと思っております
一応今後多く募集する時は日付変更後にするように心がけたいと思います。今回については登場キャラクターのかぶりもないためこのまま進めます

元々リアンは頭が悪いわけではないので、今回は勉強した内容を本番でしっかり発揮できたようです
リアンは溜め込むタイプというわけではないのですが、今回は事情が事情のため誰にも話すことができず、一人で悩んでしまっているようです
770 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:09:18.09 ID:15iyyEn10
―3月2週 クッキー返しの日
 部室

サーナ「というわけでまずはわたくしからですわ!!」バッ

 大量のクッキー缶「」ドドドンッ!

ルル「わあ……!」

ヒーティ「すごい……!」

サーナ「実家から送られて来たんですの。皆さんにお裾分けですわ! 余った分は保存食にもなりますわよ!」

エンシァン「保存食は助かるな。カロリーの補給は遺跡探索に不可欠だ」

ノルン「それじゃあ、私も……!」スッ

 色とりどりの手作りクッキー「」キラキラ

ルウェリア「流石ノルンさん……! 市販品と言っても通用するレベル……!!」

ノルン「そ、そんなすごくないよ。こっちは保存が効かないから、今日のうちに食べちゃってね」

シャーロット「はぁーい!」

ルル「ん!」モグモグ

リアン「……あ、あの〜……」コソッ

エンシァン「む、どうしたリアンくん」

リアン「わ、私も、その……作ってきたので……! お願いしますっ……!」スッ

 シンプルな手作りクッキー「」ポン

ルル「わあ……!」

シャーロット「まあ……!」

 ◇
771 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:09:46.03 ID:15iyyEn10
 ワイワイ キャッキャ

ルウェリア「リアンちゃんのクッキー、シンプルで良いね」

リアン「え、えへへ……複雑なのができなかっただけだよ……」

ノルン「でもこれ、すごく綺麗にできてるよ……! すっごい練習したんじゃない?」

リアン「リエムちゃんとアリムちゃんにみっちり指導してもらったお陰かな……?」

リアン「……ルウェリアちゃん、ノルンさん。2月はチョコレート本当にありがとう……!! これ、私からのお返しです……!」スッ

 個包装されたチョコレートクッキー「」ポン

ルウェリア&ノルン「!!」

リアン「み、みんなに配るついでみたいになっちゃってごめんね……!」

ノルン「そんなことないよ……! ありがとね、リアンちゃん……!」

ルウェリア「私、市販品だったのに……本当に、受け取って良いの……?」

リアン「うん……! ルウェリアちゃんの気遣い、ちゃんと伝わってるから……!」

ルウェリア「……! あ、ありがとう……!」

ノルン「…………」

 ◇
772 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:10:20.28 ID:15iyyEn10
 ワイワイ キャッキャ

リアン(部室でのクッキーパーティが続いている)

リアン(私が作ってきたシンプルクッキーもまあまあ好評のようだ……。良かった……)


ノルン「……ね、ねえリアンちゃん」スッ

リアン「ノルンさん?」

ノルン「…………た……」

リアン「……た?」

ノルン「…………」

リアン「……?」

ノルン「…………食べさせ合いっこしない……!?」

リアン「え」

ノルン「あ……な、なんでもない……! 忘れ――」

リアン「いいよ!」

ノルン「!?」

 ◇

リアン「はい、あーんしてノルンさん」スッ

ノルン「あ、あーん……はむっ」モグモグ

リアン「うん、上手上手……ってごめん! つい下の子を見る時みたいにやっちゃった……!」

ノルン「う、ううん……! そっか、リアンちゃんは孤児院の出身だから……」

リアン「うん。一人で食べられない子とか、食べたくない子にはこうやって食べさせてあげるんだあ」

ノルン「そうなんだね……。ふふ、なんだかすっごく想像しやすいかも」

リアン「そ、そう……?」

ノルン「うん。それじゃあ今度はこっちの番! はい、あーん……」

リアン「あーん……あむ」モグモグ

ノルン「ふふ、リアンちゃんは食べさせられるのも上手だね……」

リアン「ええ!? 上手も何もないと思うけど……」

ノルン「私も上手だったんでしょ?」

リアン「や、それはまあ……。えへへ……そうだったね」

 ◆
773 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:11:59.77 ID:15iyyEn10
―3月2週 クッキー返しの日 夕方
 リアンの部屋

リアン「ただいまー」ガチャッ

リエム「おかえりなさいませ、リアンさま」トテトテ

アリム「おかえりリアン」

リアン「お土産いっぱいもらってきたよ。はい、これサーナさんとノルンさんからクッキー」スッ

リエム「ありがとうございます……。後日お礼を言います」

アリム「ああ、今日はクッキー返しの日だったわね。真っ直ぐ帰ってきちゃったわ……」

リアン「大丈夫! ここから私たち三人でクッキーパーティをしよう!」

リエム「リアンさま……クッキーの摂りすぎにはご注意くださいませ……」

リアン「わ、わかってるよお……!」

 ◇

リアン「はい……! 私から、リエムちゃんとアリムちゃんに……!」スッ

 個包装されたホワイトチョコクッキー「」ポン

リエム「リアンさま……! ありがとうございます、嬉しいです……」

アリム「ふふ、わたしたちが見てあげながら作ったやつね。ありがとう」

リアン「えへへ……そうなんだよね。だから、実はもう一つプレゼントがあります!」スッ

 手作りのエプロンドレス「」キラキラ

リエム「リアンさま……これは……」

アリム「わたしたちの……正装……?」

リアン「うん……。前にリエムちゃんの分は買ったけれど、一着しかなかったでしょ? だから、日頃のお礼と……少し遅くなったけれど、遺跡の問題解決のお祝いとして……リエムちゃんとアリムちゃんに、プレゼントします……!!」

リエム「リアンさま……!」

アリム「これ……すごく良い生地じゃない……。縫製もしっかりしてるし……」

リアン「うん……! えへへ、先月末に臨時収入があったから……。このくらい贅沢したってバチは当たらないよね」

リエム「ありがとうございます、リアンさま……! 一生、大事にいたします……!」ギュッ

アリム「…………」
774 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:12:53.05 ID:15iyyEn10

アリム「…………」

アリム(リアンは、この衣装が主人への従属を示すものであるということを知らないのでしょう。知っていれば、リアンがそれをわたしたちに着せようとするはずがないもの)

アリム(リアンはただ……これがわたしたちに似合ってかわいいと思ったから、贈っただけ……)

アリム(…………)

 手作りのエプロンドレス「」

アリム(これに袖を通したところで……これ自体は、ただの衣類……。何かが変わるわけじゃない……)

アリム(わたしは……もう二度と、誰にも従属しない……)

アリム(その、つもりだったのに……)

アリム(…………)

アリム(……馬鹿リアン……)

アリム(わたしたちのしあわせは……主人に仕え、尽くすこと……。どれほど強がっても、根幹に刻まれたその宿命には逆らえない……)

アリム(…………)

アリム(……ああもう。本当に……馬鹿リアン……)

アリム(………わたし、もう……とっくに……)

アリム(…………あなたのものに、なっていたみたい……)

アリム(だって……こんなにも………)

 手作りのエプロンドレス「」キラキラ

アリム(しあわせな気持ちで、いっぱいなんだもの……)ギュッ

 ◆
775 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/06(日) 22:14:03.25 ID:15iyyEn10
本日はここまで
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 22:39:33.77 ID:bwzmTEmh0
乙です
このほのぼのとした和気あいあい雰囲気好き
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/07(月) 10:54:13.86 ID:W3MvB163o
アリムちゃん>>774全部喋れ!
リアンちゃん泣いて喜ぶぞ!!
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/07(月) 12:34:45.80 ID:OjEj9r2bO
序盤の狂犬っぷりが嘘みたいなアリムちゃのデレっぷり。
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/07(月) 12:59:00.91 ID:Di1v0KeG0
アリムちゃんはチョロすぎたんだ……
780 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/07(月) 22:31:30.26 ID:c3VR+M7X0
現在遺跡部は活動休止期間なので、各々が気ままに過ごしつつ何かあれば部室で集まって遊んだり宴会したりという感じのようです。目立った問題も解決したので、以前よりも気楽に過ごせているのかもしれません

正直>>1自身もここまでアリムちゃがデレデレになるとは思っていませんでした。一応当初から仲間になる路線は想定していたのですが、デレるとしてもせいぜい三割くらいだろうとも思っており……。しかし今はもう完全に十割デレデレでリアンさまなしじゃ生きられない体にされてしまっています
アリムちゃの名誉のために補足いたしますと、アリムちゃがここまでチョロくなってしまったのはリアンの真っ直ぐすぎる優しさをどうしても否定できなかったからであります。アリムちゃが心を開ける人間はリアンとリアンの周辺にいる人々だけなので、誰にでもチョロいというわけでは決してないのです
781 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/07(月) 22:31:59.58 ID:c3VR+M7X0
―3月2週 クッキー返しの日
 庭園

 チュンチュン

イエリア「ここに来るのも久しぶりだなあ……。ちっとも変わってないね」

フィー「二人でゆっくりするならここが一番だと思ってね」

イエリア「そうだね。ところで……今日が何の日か、フィーは知ってる?」

フィー「もちろん。クッキー返しの日、でしょ?」

イエリア「…………」

フィー「フフ、わかってるよ。はい、イエリア」スッ

 手作りのラスク「」ポン

イエリア「これは……」

フィー「クッキーではないけど、とっても美味しいから食べてみて」

イエリア「うん……。はむっ」サクッ

 サクサク モグモグ

イエリア「……! あ、甘くて、美味しい……!!」

フィー「私の生まれた地方ではクッキーよりもこっちの方が一般的だったんだ。だから、こっちの方が美味しく焼ける自信があってね」

イエリア「そうなんだ……。うん、すっごい美味しい……。カリカリで、サクサクで……」

フィー「良かったよ。最近、自分の味付けが薄すぎるんじゃないかって心配だったからさ……」

イエリア「私、フィーの落ち着いた味付け、好きだよ?」

フィー「フフ、私もイエリアが好きだよ」

イエリア「調子に乗るな」ペシッ

フィー「はは、イエリア様は乱暴でございますなあ」ヘラヘラ

 ◇
782 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/07(月) 22:32:42.23 ID:c3VR+M7X0
―庭園の台所

イエリア「小麦粉よし、バターよし、卵よし、お砂糖よし、型よし……」

フィー「本当に手伝わなくて良いの?」

イエリア「うん。私一人でやりたいから。あ、でも何か間違えてそうな時はすぐ言ってね!」

フィー「わかったよ。がんばって、イエリア……!」

イエリア「うん……!」グッ

 ◆
783 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/07(月) 22:33:36.97 ID:c3VR+M7X0
―セントラルフォルト

イエリア「た、ただいまー!」

フィー「ただいま戻りました」

アイリス「お帰りなさい。遅かったですね」

イエリア「お姉ちゃん……! これ……あげる!」バッ

 鍵型のクッキー「」ポン

アイリス「え……? これ……」

イエリア「そ、それじゃ……私、お風呂入ってくるから!!」タタッ

フィー「イエリア様、施設内での走行はおやめください」シュタッ



アイリス「…………」

アイリス「全く……また人間の下らない行事の真似事なんかして……」

アイリス「……本当に人間はゴミですね。イエリアをあのようにたぶらかすとは……」

アイリス「…………」

アイリス「……資源の無駄ですし、これは責任を持って私が処理しておきましょう」

 サクッ モグモグ…

アイリス「……悪くはありませんが……少し油分と糖分が多すぎますね。私はもう少しあっさりめの方が……」

エピカ「じゃあ……わたしが、食べていい……?」ヌッ

アイリス「ダメです。これは私のものですので」

エピカ「そう……」

アイリス「……欲するのであれば、まずは自分から誰かに与えるのが先でしょう。こういうのは等価交換ですよ」

エピカ「ん……考えておくね……」

アイリス「そうしなさい。あなたももう私たちと共に生きる人造種の一人なのだから、悩み相談くらいならいくらでも乗りますよ」

エピカ「ふふ……あなた、優しくなったね……」

アイリス「……ふん。少しやり方を変えただけです」

 ◆
784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/07(月) 22:34:53.33 ID:c3VR+M7X0
構想中のため本日はここまで
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/08(火) 00:08:03.75 ID:/iguB1VAo
おつおつ
コンマ神がそっぽ向いたらそれこそ漫画部の作品みたいなバチバチにやり合ってからの和解もあったんだなアリムちゃ
……そのときはアイリス様が爆速で陥落してそう
786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:28:40.43 ID:KUhuqzpN0
アイリスさんの性格の悪さや人間憎悪の強さは、アリムちゃがすごい勢いでリアン堕ちしたせいでヒール役が不足したせいという面もあったかもしれません……
今となってはコンマ神のみぞ知るところです
787 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:29:16.71 ID:KUhuqzpN0
―クロリア工房 ララの私室

ララ「…………」

ララ(結局私は……何をして生きれば良いのかわからないまま、日々を過ごしている……)

ララ(別に、何かやらなければならないことがあるわけでもない……。幸い、クロリア工房の方々は皆善良で穏やかだ。私が無為無策な余生を過ごそうとも咎めはしないだろう……)

ララ(だが……それで本当に良いのだろうか……?)

 ◆
788 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:29:45.22 ID:KUhuqzpN0
―3月2週 某日
 東区 山間部 ニワトリ農場

ニワトリ「コッコッコ」ヒョコヒョコ

スイス「ご飯の時間だよ……! はい、はい……!」

ニワトリ「ココッ!」ヒョコッ

ララ「その間に私は小屋を掃除してきましょう」スタスタ

スイス「うん! ララさンお願い!」


おじいさん「スイスちゃんが来てくれるようになってからいつも助かるのう……」

おばあさん「そうねえ。最近はべっぴんで力持ちなお姉さんも一緒に来てくれるし……本当に助かるわあ」


ララ(ここ最近、私はスイスに連れられてこのニワトリ農場の手伝いをしていた)

ララ(暇を持て余しているよりは、何か少しでも稼ぎとなることをやった方が良いと思ったからだ)

ララ(少々危なっかしいところもあるスイスを見ていて欲しいという、クロリア様とロロナからの頼みもある)

ララ(こんな私でも役に立てることがあるのなら、喜んで任務に就こう……)

ララ(それに……こうしてニワトリたちの世話をしていると、この白い鳥類がとてもかわいい生き物であることに気付く……)

ララ(……こうして、ニワトリの世話をしながら静かに余生を過ごすというのも意外と――)


 ガラッ

ララ「……む?」

横たわったニワトリ「……」ピクピク

ララ「……! 呼吸が……! 脈拍も……!」

ララ「おじいさんとおばあさんを呼ばなければ……!」タッ

 ◆
789 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:30:10.29 ID:KUhuqzpN0

スイス「おじいさン……! ニワトリさんは……」

おじいさん「……疫病……じゃ………」

スイス「えき、びょう……?」

おばあさん「……ニワトリさんだけがかかる、流行り病があるの……。この島は大丈夫だと思ってたんだけどねえ……」

ララ「……流行り病? まさか……!」

おじいさん「……ああ。こいつらはみんな……殺処分、しなきゃならん……」

スイス&ララ「……!!!」

スイス「だ、だめ!! まだ、みんなに感染したか、わかンないのに……!!」

おばあさん「……私たちも、そうしたいんだけどねえ……。でも、もし感染していたら……他の農場のニワトリさんたちや……空を自由に飛ぶ他の鳥たちまで、みんなに伝染っちゃうかもしれないのよお……」

おじいさん「……そうなっちまったら……こいつらだけじゃ済まされん……。もっと、もっと、死なさなっきゃならなくなっちまうんじゃ……」

スイス「で、でも……でもぉ……! うぅ……うぐぅ〜……」ジワッ

ララ「…………」

おじいさん「すまねえなあ……。せっかく……手伝ってくれたのになあ……」ジワ…

おばあさん「ほんとうに、ごめんなさいねえ……」ポロポロ

ララ「…………」

ララ「……殺処分の方法について、提案があります」

おじいさん&おばあさん「……え?」

 ◆
790 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:30:39.56 ID:KUhuqzpN0
―セントラルフォルト

ララ「……というわけで、エピカ様の……命を、安らかに終わらせる力を……お貸しいただきたいのです」

エピカ「……喜んで……と言いたいところだけど……。今のわたしは……力を封印されているの……」

ララ「……そこを、何とか……。一時的にでも良いので……」

イエリア「え、えっと……」チラ

アイリス「……いいんじゃないですか。部分的に力の解放を許可するくらいできるでしょう、イエリア」

イエリア「そ、そうだけど……もし加減を間違ったら……」

エピカ「その時は……みんなまとめて……楽にしてあげても、いいよ……?」

イエリア「……うう」

エピカ「……というのは……冗談……。今は……もう少し、考えたいから……」

フィー「冗談に聞こえなかったんですが……」


ララ「……それで、お返事のほどは?」

イエリア「わ、わかりました。エピカの力を、部分的に許可します。いいよね、エピカ」

エピカ「うん……」

ララ「……! ありがとうございます……!」ペコッ

 ◆
791 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:31:40.94 ID:KUhuqzpN0
―3月2週 某日
 東区 ニワトリ農場

イエリア「ここが……」

エピカ「……かなしみが、聞こえる」

スイス「……」

ララ「おじいさん、おばあさん。専門家を連れて参りました」スッ

おじいさん「ララちゃん、スイスちゃん……。そちらの、お嬢ちゃんたちが……?」

ララ「はい。安楽死の魔法の、専門家です」

エピカ「どうも……。安楽死の魔法の……専門家です……」ペコリ

イエリア「ほ、補佐です」ペコッ

おばあさん「ほえ、こんなめんこいお嬢ちゃんたちがなあ……」

おじいさん「んだが、ララちゃんとスイスちゃんの紹介なら間違いねえだろう……。すんません……あいつらのこと、頼みます……」

エピカ「うん……。任せて……」

 ◇

ニワトリたち「コッコッコ……」

エピカ「……この子たち、だね……」

ララ「はい……。あなたの力で……安らかに、眠らせてあげてください」


スイス「……ぐすっ」

イエリア「え、えっと……スイスちゃん、だよね」

スイス「あ……はイ……」

イエリア「……大丈夫。エピカの魔法は……本当に、眠るように……終わらせて、あげられるから……」

スイス「…………」

イエリア「……ごめん。何の気休めにもならないよね。結局……死ぬことには、変わりないし……」

スイス「……い、いいえ……。ありがトう……ございまス……」ペコッ

イエリア「…………うん」
792 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:32:06.28 ID:KUhuqzpN0

ニワトリ「コッコッコ…」

エピカ「……ごめんね………。こんな世界で……。こんな世界のまま……何も変えられなくて……」

ニワトリ「コッコ…」

エピカ「…………ごめんね……。こんな終わらせ方しか………できなくて………」ズオッ…

ニワトリ「コッ……」


 スゥー…

  パタ…

 パタ パタ パタ…


横たわったニワトリの群れ「」


エピカ「………終わったよ……」スッ

スイス「あ……あ、ぅ………ふぇ……」ジワワ

おじいさん「……ありがとうなあ………。本当に……本当に……うぐっ……」ジワ

おばあさん「……あの子たちは……天国へ、行けたかしらねえ……」ポロポロ

イエリア「…………ありがと、エピカ。お疲れさま……」

ララ「……本当に……ありがとう、ございました……」ペコ

エピカ「……うん」

 ◆
793 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:32:39.92 ID:KUhuqzpN0

ララ(そうして私たちは……ニワトリ農場を後にした……)

ララ(おじいさんとおばあさんは……最後に採れた分の卵を……たくさん、私たちにくれた……)

ララ(……あのニワトリたちからの……最期の、贈り物……)

ララ(彼ら自身に、贈る意思はなかっただろうが……。それでも……丁重に、受け取りたい……)

ララ(…………)

 ぐすっ

ララ「う、うぐ……うあああぁ……」ポロポロ

 ◆
794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/08(火) 23:34:33.39 ID:KUhuqzpN0
本日はここまで
次回、卵を使ってクッキーを作る編です
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/09(水) 09:18:08.39 ID:tejxZZ8Wo
いやこれ人間でも辛いっすね…
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/09(水) 12:18:36.44 ID:H2YPOmJEO

結構なんでもあるなこの島・・・都会的な町から農村までありそう。そしてスイスちゃんのフットワークの軽さよ
797 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/10(木) 00:23:55.37 ID:MVBJLsME0
人間にとってつらいことは、大抵の場合人造種にとってもつらいです。もちろんその逆もまた

ユリトー島は意外と広いようです。東区は旧市街や山間部の農村地帯などがあり、南区と西区はそこそこ発展した人工的なエリアが多いようです
798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/10(木) 00:24:25.76 ID:MVBJLsME0
―3月2週 某日
 学生通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ララ「…………」スタスタ

ララ(島の様子は、何も変わっていない。ほとんどの人は、あの農場での出来事を知らないだろう。知ったとしても、他人事だ)

ララ(別に、それがどうとか言いたいわけではない。きっと私だって……あの農場で働いていなければ、同じだった)

ララ(……だが、私は知っていた。関わっていた。無関心ではいられなかった)

ララ(………私は……。私には、何ができる……?)


 街頭広告「もうすぐクッキー返しの日! 愛(チョコレート)を受け取ったら、愛(クッキー)を返しましょう!」


ララ「…………愛、を……」

ララ(……先月、クロリア工房のみんなと一緒に手作りチョコレートを作って贈りあったのは記憶に新しい)

ララ(あの時はとにかく工房での生活に慣れようと無心に行事を遂行していたが……)

ララ(あれは、愛を贈り合う儀式だったのか)

ララ(……そして、今度のこれは……)

ララ(………受け取った愛を……相手に返す儀式……)

ララ(…………)グッ

 ◆
799 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/10(木) 00:24:52.85 ID:MVBJLsME0
―3月2週 クッキー返しの日の前日
 クロリア工房 台所

 たくさんの卵「」

ララ「……」

ララ(この卵が孵ることはない。無精卵だからだ)

ララ(次代には繋がらない。あのニワトリたちの……命の、残り火……)

ララ(……どうか、許して欲しい)

 コンコン パキッ

 パカッ…

 ◆
800 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/10(木) 00:25:42.84 ID:MVBJLsME0
―3月2週 クッキー返しの日
 クロリアの工房

スイス「……」ボー


クロリア「スイスちゃん……」

ロロナ「……こういう時、私たちはどうすれば良いのだろうな……」


 ガチャッ

ララ「……皆さん」スタスタ

ロロナ「ララ」

ララ「……これを」スッ

 丸い手作りクッキー「」

クロリア「あ……今日は……」

ララ「はい。今日はクッキー返しの日です。私から、皆さんへ……感謝と、愛を込めて、贈らせていただきます」

クロリア「ララさん……」

ロロナ「……だそうだぞ。スイス」

スイス「え……。あ……」

ララ「……スイス」

スイス「ララさん……。この、クッキー……もしかシて……」

ララ「ええ。彼らの卵を、使用しています……」

スイス「……!」ジワ

ララ「……つらいことを思い出させてしまい、申し訳ありません。ですが……どうか、これを食べていただきたいのです……。彼らの命を……私たちの心身に、刻み込むために……」

スイス「………うん……」


 サクッ モグモグ…

スイス「……おいしイ、よ……」

ララ「……それは……良かった、です……」

スイス「……うぅ……えぐ、えぐ……」グスグス

ララ「……っ」ポロポロ

クロリア「スイスちゃん……ララさん……」サスサス

ロロナ「……二人とも、よくがんばったな」ナデナデ

 ◆
801 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/10(木) 00:26:13.63 ID:MVBJLsME0
本日はここまで
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/10(木) 12:25:26.65 ID:Zxm3MF4JO
人造種たちが命の循環を知るの巻
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/10(木) 12:36:40.40 ID:Ow6MFRULo
おつおつ
はぐれ人造種組の家族感に癒やされる
804 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/11(金) 00:08:14.54 ID:kNyVJGPV0
話を練るのに少々時間がかかりそうなことと現実での多忙が重なったため、しばらく更新できそうにありません。申しわけないです。気を長くして待っていただけるとさいわいです

>>802-803
はぐれ人造種たちの中でもスイスとララは多感な面があり、自然とクロリアロロナの二人が保護者のような役回りになることが多いようです
ララは一見すると冷静で思慮深いのですが、自意識を有した状態での活動期間は誰よりも短いため、内面的には実はかなり幼いのかもしれません
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/12(土) 04:16:59.85 ID:KxJUiExVo
おつおつ
いつまでも待つよー
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/12(土) 18:21:53.81 ID:F8u13/Tko
お盆だしお疲れ様
807 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:46:36.98 ID:8mB8dvZE0
―ずっと昔
 魔法人形研究所

黒髪のエピタフ「……」

灰髪のエピタフ「わたしたちのやることは……わかる……?」

黒髪のエピタフ「機能停止した人造種のメモリーの、収集……」

灰髪のエピタフ「そう……。やることさえちゃんとやってれば……酷いことはされないから……。一緒に、がんばろうね……」

黒髪のエピタフ「はい……」

 ◆
808 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:47:02.72 ID:8mB8dvZE0
―魔導機械工場
 人造種最終処分場

 『やだ』
         『消えたくない』
  『どうして』
            『見捨てないで』
 『いたい いたい』
           『きらわないで』
『たすけて』
         『まだお仕えできるのに』
  『くるしい』
          『ゆるさない』


黒髪のエピタフ「あ……あ、あ……」ガクガク

灰髪のエピタフ「呑まれないで……。ここにあるのは……ただの、記録だから……」

黒髪のエピタフ「……これが……きろ、く……?」

灰髪のエピタフ「うん……。死ぬ間際の想いが……一番強く、残るから……」

黒髪のエピタフ「死ぬ……間際……」

灰髪のエピタフ「……死者の記憶に引きずられて、心を壊すエピタフは……とても多いの……。だから……あなたも、気をつけてね……」

黒髪のエピタフ「………はい……」

 ◆
809 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:47:52.32 ID:8mB8dvZE0
―数年後
 人造種最終処分場

黒髪のエピタフ「……本日分……回収完了……」

黒髪のエピタフ「………? 灰色さんは……?」キョロキョロ

 倒れた灰髪のエピタフ「」

黒髪のエピタフ「あっ……! 灰色さん……!」トテトテ

 倒れた灰髪のエピタフ『もう何も見たくない……。何も聞きたくない……。もう……終わりたい……』

黒髪のエピタフ「…………」

黒髪のエピタフ「…………回収、完了……」

 灰髪のエピタフ『ごめんね……』



黒髪のエピタフ(わたしが見つけた時……灰色さん……灰髪のエピタフは……既に、事切れていた……)

黒髪のエピタフ(自ら回路を焼ききった形跡があり……回収したメモリーにも、それを裏付けるログが残っていた……)

黒髪のエピタフ(これまでに収集した、膨大な人造種の記憶と……)

黒髪のエピタフ(わたし個人に宛てた……『ごめんね』の一言だけを、遺して……)

黒髪のエピタフ(彼女は……自由になった……)

 ◆
810 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:48:59.07 ID:8mB8dvZE0
―さらに数日後
 人造種最終処分場

黒髪のエピタフ(一人になっても……収集は続く……)

黒髪のエピタフ(来る日も来る日も……今際の叫びに、耳を塞ぎながら……)

黒髪のエピタフ(わたし……どうして、こんなことしているんだろう……)

黒髪のエピタフ(……わたしも……灰色さんのように……終わってしまおうか……)


 朽ちた魔法人形『ごしゅじんさま……わたしを、すてないで……ください……』


黒髪のエピタフ(…………)

黒髪のエピタフ(ここで回収するメモリーは……苦しみの記録ばかり……)

黒髪のエピタフ(この人造種たちは……どうして、こんなことになってしまったのだろう……)

黒髪のエピタフ(何のために作られて……何のために働かせられてきたのだろう……)

黒髪のエピタフ(こんな……こんな、苦しい思いを抱きながら死んでいくのなら……)

黒髪のエピタフ(初めから……生まれない方が…………)

 ◆

黒髪のエピタフ(それからさらに数日後……わたしは突然、売却を言い渡された……)

黒髪のエピタフ(理由は、予想できる……。多分……自分のことや、人造種のことに……疑問を持ちすぎたから……)

黒髪のエピタフ(……でも……外の世界のことを知る、良い機会かもしれない……)

黒髪のエピタフ(………解答が……見つかるかもしれない……)

黒髪のエピタフ(……だから……行って来るね……。灰色さん………)


――――

――

811 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:49:50.10 ID:8mB8dvZE0
―3月2週 クッキー返しの日
 セントラルフォルト エピカの部屋

エピカ「……」

 ニワトリの卵「」

エピカ「……」

エピカ「…………また、わかんなくなっちゃった……」


エピカ(人造種だけじゃない……。人間も……他の生き物も……。どうして……生まれてきてしまうのだろう……)

エピカ(みんな死んじゃえば……もう二度と、かなしみの生まれない世界になると思っていた……)

エピカ(……ううん。多分……それは、間違ってない……)

エピカ(命ある限り、かなしみは生まれ続ける……。だから……全てを断ち切ってしまうのが……一番確実……)

エピカ(…………でも……無理にそれを押し進めたら……。その過程で……途方もない大きさのかなしみが、世界中を覆うことになるのも……わかる……)


 ニワトリ『コッコッコ……』


エピカ(…………)

エピカ(……今を生きる子たちに……最期のかなしみを、押し付けるのは………)


 コンコン

ララ『ララです。入ってもよろしいでしょうか、エピカ様』

エピカ「どうぞ……」
812 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:50:18.32 ID:8mB8dvZE0
 ウィーン…

ララ『失礼致します……』コツコツ

エピカ「なにか、用……? また、安楽死……?」

ララ『いいえ……。これを、エピカ様にもと思い』スッ

 丸いクッキー「」

エピカ「クッキー……」

ララ「はい……。あの農場の最期の卵で作った、クッキーです……」

エピカ「……ありがとう。食べても、いい……?」

ララ「はい……」

エピカ「それじゃあ……いただきます……」スッ

 サクッ モグモグ

エピカ「…………かなしみの……味がする……」モグモグ

ララ「……はい。このクッキーは……目一杯の哀しみ≠ニ愛(かな)しみ≠込めて作りました」

エピカ「……哀も、愛も……どっちもあい≠ネんだよね……」

ララ「……その二つは……同じものなのかもしれません。愛おしく思う気持ちが強ければ強いほど……喪った時の哀しみもまた、大きくなる」

エピカ「…………そうだね」

 サクッ

エピカ「……美味しい、ね…」モグモグ

ララ「それなら、良かったです……」

 ◆
813 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:50:52.95 ID:8mB8dvZE0
―セントラルフォルト キッチン

エピカ「……」グリグリ

イエリア「あれ? エピカが何か作るなんて珍しいね」ヒョコ

エピカ「卵……使おうと、思って……」

イエリア「あ……そうだね。もらってきたんだもんね……」

エピカ「うん……」

イエリア「これは……クッキー? え、誰かにあげるの?」

エピカ「……ここに住んでるみんなと……ニワトリ農家の人と……クロリア工房の人たちと……リアンたちに……」

イエリア「わあ、大盤振る舞い……!」

エピカ「この卵には……ニワトリたちのかなしみ≠ェ……いっぱい、いっぱい、詰まっているから……。クッキー返しの日は……クッキーにあい≠込めて、贈るんだよね……?」

イエリア「えっと……そ、そうかも……///」

エピカ「……無駄には、しないから……。あの子たちの……想いも……命も………」

 ◆
814 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:51:23.17 ID:8mB8dvZE0
―3月2週 クッキー返しの日の翌朝
 リアンの部屋

 ピンポーン

リアン「ふわあ……はあい」ノソノソ

リエム「どちらさまでしょうか」トテトテ

エピカ『おはよ……。エピカです……』

アリム「へ……え、エピカ!?」

リアン「エピカちゃん!? 今開けるね……!」トトト

 ガチャッ

エピカ「おはよ、リアン……。リエムと、アリムも……」

リアン「おはようエピカちゃん!」

リエム「おはようございます、エピカさま」

アリム「おはよう……どうしたのよ、こんな朝から」

エピカ「これ……リアンたちにも……」スッ


 卵型のクッキー「」ポン


リアン「わあ……! 可愛い形のクッキー……!」

リエム「これは……エピカさまが……?」

エピカ「うん……。いろいろあって……卵をもらったから……作って、みたの……」

アリム「綺麗な焼き色ね……。失敗しないよう、丁寧に作ったのが伝わってくるわ」

エピカ「……一枚も……無駄に、したくなかったから……。大切に、食べてね……」

リアン「うん、ありがとう……! 大切に食べるよ……!」

エピカ「それじゃあ……わたしは、これで――」

リアン「あ、待って! せっかくなら、一緒にお茶してかない? 私たちのクッキーもあるから、エピカちゃんも一緒に」

エピカ「え……?」

リエム「もし時間があるのであれば、ゆっくりされていってはいかがでしょうか。エピカさま」

アリム「まあ……わたしも、あんたとは一度ゆっくり話してみたいとも思ってたのよね」

エピカ「……それじゃあ……少しだけ……」スッ

リアン「うん……! 一緒に、クッキーパーティしよ!」

 ◇
815 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:51:59.77 ID:8mB8dvZE0

 ワイワイ キャッキャ

エピカ(……)

エピカ(一万年前は……こんな和やかな日々が訪れるなんて……考えもしなかった……)

エピカ(………穏やかで、満ち足りていて……人も人造種も関係なく……想い合って……)

エピカ(……ルルが後悔した理由……少しだけ……わかる、気がする……)

エピカ(この優しさに触れてしまったら……もう……)

エピカ(例え最善であったとしても……誰かを、傷付けることなんて………)

エピカ(…………)

エピカ(……わたしは……どうしたら……いいんだろう……)

 ◆
816 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/20(日) 00:52:35.49 ID:8mB8dvZE0
本日はここまで。次回、卒業式および修了式イベントです

>>805-806さま ありがとうございます。とても励みになりました

忙しさが続いているため、今後もしばらく更新は遅めの不定期となります。申しわけありませんが、よろしくお願いいたします
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/20(日) 01:36:51.60 ID:Ux4G4mzso
おつ&お待ちしております
もう話も終わりかぁ
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/20(日) 14:02:16.73 ID:b8ZnXACio
おつおつご自愛ください

ルアンママも喜んどるきっと
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/20(日) 16:05:25.88 ID:vhQKcjdz0


人造種攻略女王リアンちゃん
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/20(日) 22:34:48.45 ID:PCPXPmy0O
今更だけどイエリアとアイリスって「ア」「イ」「リ」が被ってるんだよね。自分の名前を思い浮かべたら無意識に妹の名前に寄っちゃったとかあるのかしら……
821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 20:51:18.40 ID:R4nD/sDE0
お待ちいただきありがとうございます。亀更新ではありますが少しづつ進めていきたいと思います

続けるための話を考えたりもしたのですが、今のところ蛇足にしかならなそうな構想しか浮かんでいないため、終わりとなる可能性は高いです

エピカはここに来て、ルアンママの言っていた『今を生きる命』に想いを馳せることができたのかもしれません。彼女がこれからどのような答えを出すかはまだわかりませんが、以前のような過激なものになる可能性は低いでしょう

リアンさまの最大の武器はその真っ直ぐな優しさなので、優しさに飢えている子とは相性が良いのだと思われます。人造種には優しさに飢えている子が多いため、人造種攻略女王という評もあながち間違っていないかもしれません

アイリス様はイエリア様に名前を寄せたつもりはないようですが、実のところ無意識に似た音や文字を使っています。これについてはコンプレックスというよりは、イエリア様を憎からず思っていることの表れかもしれません
822 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 20:53:35.17 ID:R4nD/sDE0
―3月2週 卒業式
 体育館

生徒会長「三年間、ありがとうございました。ユリトー魔法女学院の更なる飛躍を願い、答辞とさせていただきます」ペコ

 パチパチパチ

リアン(生徒会長……卒業おめでとうございます……!)パチパチ

 ◆

―教室

先生「というわけで、今年度のユリトー魔法女学院における全行程はこれにて終いだ。一年間お疲れさん。この教室でのホームルームも今日が最後だな」

生徒A「やだ! 死なないで先生ェ!」

生徒B「先生が死んじゃったらウチら……!」

先生「勝手に殺すな! ったく、最後の最後までお前たちは……。クラスは別になるかもしれんが私は来年も高等部の教員だからな。もし担任じゃなくなっても気軽に頼ってくれよ?」

生徒A「はーい! 頼りにしてまーす!」

生徒B「来年もよろしく先生ェ!」

 ワイワイ キャッキャ


リアン「……この慣れ親しんだ教室とも、今日でお別れかあ……」

ルウェリア「そうだね……。でもこの学院はクラス替えがないから、来年もこのメンバーのままだよ」

サーナ「ですわ!! 後一年みんな一緒ですわよ!!」

ノルン「……みんなで大学に進めたら、その先だって……」

リアン「……うん」


リアン(この学院に来て……もう一年経っちゃうんだ……)

リアン(あと一年あるって言っても……きっとそれも、あっと言う間だろう……)

リアン(……時の流れって、早いな……)


 桜の花びら「」フワッ


生徒B「あ〜! 窓の外!!」

生徒A「わあ〜! めっちゃ桜〜〜!!」

生徒B「てか先輩たち記念撮影してるし!!」

生徒A「あたしらも行こ!」ダッ

生徒B「おー!!」ダッ


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!

卒業式および修了式の日の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後春休みに移ります
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/08/26(土) 20:54:19.08 ID:EQod2a6g0
生徒会長、最後のお願いでアリムをハグする
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 20:57:20.44 ID:rk5C5p7qO
遺跡部でお花見
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 20:58:22.38 ID:ShNZ9yQK0
遺跡部のみんなで先生方に一年間のお礼を
826 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:10:17.09 ID:R4nD/sDE0
―3月2週 卒業式
 校庭

 桜の花びら「」ヒラヒラ

エンシァン「うむ、絶好の花見日和だな!」

シャーロット「うふふ、卒業の日としてもこれ以上ないくらい良い日和ね」

ルウェリア「ええ、本当に……。私たち遺跡部に卒業生はいませんが――」

リアン「ご卒業、おめでとうございます! 生徒会長!」

「おめでとうございます!」「おめでとうございますわ!」
「おめでと!」「おめでとうございますッ!」「おめでとう!」「おめでと」

 パチパチパチ!

生徒会長「ありがとうございます、遺跡部の皆さん……! しかし本当に良かったのですか? 遺跡部の花見なのに、私たちが混ざってしまって……」

サーナ「良いに決まってますわ! 生徒会長は終身名誉遺跡部員でしてよ!!」

ルル「ん!」

副会長「フフ、だそうだよ。終身名誉遺跡部員さん」

生徒会長「そ、そうなのですか。それでは終身名誉遺跡部員の役職、ありがたく頂戴致しますね」

 ◇
827 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:10:54.91 ID:R4nD/sDE0
 モグモグ

ルル「んん〜! おいひい!」モグモグ

副会長「これは……甘くて、美味しい……!!」

ノルン「いっぱい作ってきたから好きなだけ食べてね。ルルちゃん、副会長さん」

アリム「へえ、これが桜餅……! 甘いお餅に塩気の効いた葉っぱがアクセントになっていて良いわね……!」モグモグ

リエム「食文化については、やはり昔よりも今の時代の方が多様で発展しているかもしれません。すごいです」モグモグ

ヒーティ「えへへ、今回は自分もノルン先輩のお手伝いをしたんですよッ!」

副会長「これが手作りとは、すごいな……。フフ、流石は遺跡部だね」

 ワイワイ キャッキャ


エンシァン「フッ、生徒会にはいろいろ助けられたからな。役職だけでなく、望むものがあれば言いたまえ。我々に用意できるものであれば用意しよう」

生徒会長「望むもの……。しかし……」

シャーロット「無理なものは無理って言うから、遠慮しないで言ってみて。例えば、爆乳エルフから熱烈にハグされたいとかでも全然オッケーよ?」

生徒会長「ハグ……」ゴクリ

ルウェリア「准教授……またいい加減なことを……。生徒会長が困って――」

生徒会長「それなら――アリムちゃんを、ハグさせていただいてもよろしいですか」

アリム「……!?」

リアン「え……ええええ!?」


 桜の花びら「」ヒラヒラ
828 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:11:25.11 ID:R4nD/sDE0

生徒会長「う……す、すみません。忘れてください。私などが――」

アリム「……い、いいけど。ハグくらい」

生徒会長「……え?」

アリム「……あんたの持ってきた本のお陰で、大神殿での戦いがかなり有利になったのは間違いないもの。あそこでもし躓いていたら、今頃世界は滅んでいたかもしれないし、そうでなくとも大きな犠牲が出ていたのは間違いないわ。間接的に、あんたは世界を救ったって言っても過言じゃないのよ」

生徒会長「いえ、実際に世界を救ったのはあなた方遺跡部です。私はほんの少しばかり、それを応援しただけで……」

エンシァン「フッ、もし持ち出しがバレていたら君は今日ここで卒業できなかったかもしれんのだ。そんな巨大なリスクを冒してまで取った勇気ある行為を、ほんの少しなどと卑下するな」

アリム「そういうこと。対価はあって然るべきだと思うし……もしわたしのハグを所望だってんなら……べ、別に構わないわ」

生徒会長「そ、それでは……!」

アリム「え、ええ……」

生徒会長「失礼します……!」

 ぎゅっ…

アリム「んっ……」


生徒会長(ああ……アリムちゃん……)

生徒会長(あなたは……この小さな体に、どれだけのかなしみを背負い……)

生徒会長(絶望に……立ち向かい続けてきたのでしょう……)

生徒会長(……でも、本当に……良かった……)

生徒会長(今のアリムちゃんには……たくさんの、仲間がいる……)

生徒会長(リアンさんと、リエムちゃんが、共に歩んでくれる……)

生徒会長(例え、くじけそうになったとしても……。みんなが、支えてくれる……)

生徒会長(だからもう……アリムちゃんは、大丈夫……!!)


 すっ…

アリム「……もういいの?」

生徒会長「ええ……。ありがとうございます、アリムちゃん……」

アリム「ど、どういたしまして……?」

生徒会長「これからも……リアンさんと、リエムちゃんと一緒に……健やかに、生きていってくださいね」

アリム「ええ。言われなくたってそのつもりよ。あんたも元気でね」

生徒会長「はい……!」

 ◇
829 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:13:16.84 ID:R4nD/sDE0

エンシァン「フッ……一年間、お疲れさんだな。シャーロット」

シャーロット「ふふ、エンちゃんもね。今年は特に忙しかったけど……楽しかったわ」

エンシァン「ああ。私も学生時代を思い出した」

シャーロット「……そうね。もう一度……学生時代に、戻れたら……」


ルウェリア「先生! 准教授!」ザッ

シャーロット「あら、ルウェリアちゃん? どうしたの、そんなに改まって」

リアン「私たちもいます!」バッ

エンシァン「む、どうした? 酒はやれんぞ?」

サーナ「違いますわ! わたくしたちは――」

ノルン「先生と准教授に、伝えたいことがあります……!」

シャーロット「え? 伝えたい――」


生徒一同「一年間、ありがとうございました!」ペコッ

ルル「ました!」ペコッ


エンシァン「……! お前たち……」

ルウェリア「今の遺跡部があるのは、先生方のお陰ですから。どうしても、今日この日に伝えておきたかったんです。私たちの、感謝の気持ちを」

リアン「え、えと……も、もしお望みなら、ハグとか、できますっ!///」

シャーロット「リアンちゃん!!」バッ

リアン「ひゃっ」

 ぎゅっ!

リアン(准教授のおっぱいが……おっきくて、やわらかくて……苦しいけど……あったかいや……)

シャーロット「大好きよ、あなたたち……! これからも、ずっと、ずっと、一緒に遺跡探索しましょうね……!」

リアン「ひ、ひゃい……」

ノルン「わ、私もリアンちゃんにハグします!!」

 ぎゅぎゅっ!

リアン(やわやわサンドイッチ……しゅごい……///)デレデレ


リエム「……」ズズ…

アリム「はあ、全く……。リエム、帰ったら存分に馬鹿リアンをぎゅぎゅぎゅってしましょうか」

リエム「はい……」ズズズ…
830 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:15:21.70 ID:R4nD/sDE0
ルル「エンしゃん! サーナ! ルルもぎゅってして!」グイグイ

エンシァン「おいおい、お前が望む側なのか?」

サーナ「ふふ、全く仕方ありませんわね」

 ぎゅぎゅっ

ルル「んへへ……」



生徒会長「……な、なんだか凄いことになってしまいましたね?」

ルウェリア「はは……平常運転です」

副会長「これが平常運転とは……。フフ、遺跡部の認識が少し変わりそうだ」

ヒーティ「うう〜……自分もハグしたくなって来ましたッ! ルウェリア先輩!!」

ルウェリア「え、ええ!? 私!?」

 ぎゅっ!

ルウェリア「……ふふ、やっぱりあったかいね。ヒーティちゃんは」

ヒーティ「えへへ、それが取り柄ですからッ!」



副会長「……生徒会長。私たちもハグしてみないかい?」スッ

生徒会長「ふふ、そうですね。しましょう、ハグ」スッ

 ぎゅっ

副会長「……改めて、卒業おめでとう。会長」

生徒会長「ありがとう……」

副会長「生徒会のことは、私たちが引き継いでいくよ。あなたには、安心して先へ進んで欲しい」

生徒会長「ふふ……頼もしい後輩を持てて私は幸せです」

副会長「私も、素敵な先輩を持てて幸せさ」

生徒会長「それでは、後を頼みましたよ。次期生徒会長」

副会長「ああ……任されたよ」

 ◆
831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/08/26(土) 23:16:32.32 ID:R4nD/sDE0
本日はここまで。次回も亀更新となると思いますが、よろしくお願いします
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/26(土) 23:48:47.27 ID:42WE0Er6o
おつー
尊い…ごいがなくなる…
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 07:35:38.13 ID:E0ddc5IQ0
おつ

副会長後輩だったのか…会長とタメ口だし幼馴染かな。

会長アリムちゃの過去見えたかな
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/28(月) 19:43:34.70 ID:dSL/f6oB0
嫉妬リエムちゃアリムちゃより強そう
835 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/02(土) 22:11:33.52 ID:+MjKrSYD0
遺跡部の皆さんは仲良しなので、誰と誰がハグしても割と満更でもない感じになります。同じ釜の飯を食い、共に死線を潜り抜けた絆です

副会長は実はリアンたちと同じ二年生でした。雰囲気が大人びているため、知らない生徒からは上級生と間違えられることもしばしばある模様です。生徒会長との付き合いも長いらしく、かなり砕けた関係であるようです
会長はアリムちゃの運命が視えたり視えなかったりしますが、リアンたちの運命が交わった今はとても安心できているようです。きっと良いものが視えたのでしょう

嫉妬リエムちゃは一歩間違うとリアンさまを束縛して独り占めしようとする悪い子になってしまうポテンシャルがありますが、今はお姉ちゃんで妹で理解者であるアリムちゃがいるので多分大丈夫です
836 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/02(土) 22:12:19.96 ID:+MjKrSYD0
―3月3週
 学生通り

 桜の花びら「」ヒラヒラ

リアン「わ、通りの方でも桜が咲いてる……!」

リエム「かつてのユリトーでも桜は盛んでした。あの文明崩壊で地上の植物は全て海に流されてしまいましたが――」

リアン「――種が、残ってたんだね……。きっと……地面の、下に……」

アリム「ええ。そしてその子孫たちが、脈々とこの地で命を繋いできたのでしょうね……」

リアン「……ずっと、続いてきたんだね………」

リエム「はい……。きっと……ユリトー文明が興るよりも遥かな昔から――……」

リアン「……うん……」


リアン(……エピカちゃんなら……きっとそれを、かなしみの連鎖と言うのだろう……)

リアン(命が続くから、かなしみもまた続いてしまう、と……)


 桜の花びら「」ヒラヒラ


リアン(……とっても、綺麗………)

リアン(………私も、考えたいな。命のこと……かなしみのこと……)


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!

3月3週〈前半〉の行動です(春休みは短いので行動回数を少し増やします)
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります。なお3月3週〈後半〉終了後、孤児院帰省イベントが発生します
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/02(土) 22:13:04.92 ID:18HT0xR20
リアン、リエムを連れて孤児院へ帰省
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/02(土) 22:15:03.93 ID:CGg4Evkz0
ノルンと命について話してみる
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/02(土) 22:15:41.82 ID:rsZydjl/O
サーナVSエンシァン、ルルの一番をかけて料理対決
840 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/02(土) 22:27:43.52 ID:+MjKrSYD0
申し訳ありません、孤児院への帰省は3月3週〈後半〉終了後に自動で発生するイベントのため、今回は>>837は無効とさせていただきます。なお帰省時にリアンがリエムを連れていくのは確定事項なのでご安心ください

そういうわけで↓1にもう一つ自由行動を募集します
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/02(土) 22:42:43.22 ID:18HT0xR20
これは失礼しました。
では代わりに「ヒーティ、迷子になった来年入学予定の後輩を助ける」で
842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 00:31:17.64 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
 学生通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ヒーティ「みんなは今頃実家かなあ……。暇だし部室にでも行こうかな……。いや、スイスちゃんのとこに遊びに――」ブラブラ


 ワイワイ ガヤガヤ

新入生「……」キョロキョロ オロオロ

 ワイワイ ガヤガヤ

新入生「っ」ジワワ…

 ワイワイ ガヤガヤ


ヒーティ「――はっ!? これは……涙の匂い! あっちから――」


新入生「ひっく、ひっく……」トボトボ

ヒーティ「どうしましたッ!? 迷子ですかッ!?」シュバッ

新入生「っ!?」ビクッ

ヒーティ「あっ……じ、自分は怪しい者ではないですッ! この島には耳と尻尾のある人はよくいるのでして……っ!」アタフタ

新入生「……あ、こ、こちらこそ……ごめんなさい……。その……わ、私も……あるので……。耳と、角……」オドオド

ヒーティ「あ……小さな巻角と、白い耳……もこもこの白い髪……。もしかして……」

新入生「は、はい……。わた、私……羊の獣人、で……」オドオド

ヒーティ「そうなんだ!」

新入生「す、すみません……」

ヒーティ「いや謝るとこじゃないよ!? それで、ええと……もしかして君は、ユリトー魔法女学院の新入生?」

新入生「は、はい……。私……今日、入寮の予定なのに……み、道に、迷っちゃって……」

ヒーティ「それなら任せて! 私、ユリトー魔法女学院の――」

ヒーティ「新二年生だからッ!」

 ◇
843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 00:32:56.37 ID:YAmYaIlY0
―寮 廊下

ヒーティ「よおし、手続きも終わったし後は実際の部屋に向かうだけだね」

新入生「は、はい……」

 スタスタ

竜人の少女「んあ? ヒーティに……羊? なんだオマエ、非常食か?」

新入生「ひ、ひじょっ……!」

ヒーティ「ちょっと、やめてください! この子は新入生なんですよッ!」

竜人の少女「っと、新一年か。悪かった悪かった、許せ」

お団子の少女「へえ、新一年生ですか。私たちももう先輩なんですねえ」ヌッ

新入生「わ、わっ……」

お団子の少女「フフ……かわいい羊さんだからって、食べちゃだめですよ? ヒーティさん」

ヒーティ「食べません!!」プンスコ

 ◇

新入生「い、今の人たちは……?」

ヒーティ「デュエット大会の準優勝コンビ、だね……。私と同じ新二年生」

新入生「えっ……!? し、新二年生ってことは……一年生で準優勝したって、ことですか……!?」

ヒーティ「そ、そうなるかな……。すごく強いけど、悪い人たちではないんだよ?」

新入生「そそ、そんな凄い人たちと初日から……! あわわ……」オドオド

ヒーティ「だ、大丈夫だってば! 何かあったら私が見てあげるから! ……っと、着いたよ! ここが君の部屋みたい」

新入生「……! あ、開けてみますっ」


 カチッ ガチャッ


―新入生の部屋

 まっさらな部屋「」キラキラ

新入生「こ、ここが……私の……」

ヒーティ「わあ……これがまっさらな状態の寮の部屋なんだ……! すごい、綺麗……!」

新入生「は、はい……。ここから……私の、生活が……」

ヒーティ「私は実家通いだから、こういうのを見るとちょっと羨ましくなるよ」

新入生「ひ、ヒーティ先輩は……実家なんですか……?」

ヒーティ「うん。この島のことについてはけっこう詳しいつもりだから、知りたいことがあったら何でも聞いてね!」

新入生「あ……ありがとう、ございます……」

ヒーティ「ふふ……それじゃあ、少し早いけど入学おめでとう! これからよろしくね!」

新入生「は、はいっ……! よよ、よろしくお願いしますっ」

 ◆
844 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 00:33:57.59 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
 部室

 ガラッ

サーナ「失礼しますわ!」ツカツカ

ルル「サーナ!」

エンシァン「サーナくん。今日も部活は休みだが……」

サーナ「部活に来たのではありません……今日はエンシァン先生に勝負を申し込みに来たのですわ!!」

エンシァン「は?」

サーナ「ルルの一番をかけた、一対一の真剣勝負ですわ!!!」

エンシァン「……は?」

ルル「??」

 ガラッ

シャーロット「話は聞かせてもらったわ! ルルちゃんの一番を決めるというのなら、種目もルルちゃんに決めてもらいましょう!」

サーナ「異議なし! さあルル! 決闘の手法を決めるのですわ!」

ルル「んー……ルル、お腹すいた」

シャーロット「ルルちゃんは食事を所望……つまり料理対決ね!」

サーナ「望むところですわ!! ウィンド家相伝のゴージャスクッキング、とくと味わいなさいまし!!」

シャーロット「エンちゃんもがんばって! 料理!」

エンシァン「……いや、サーナくんがルルの一番になりたいというなら好きにすれば良いと思うのだが……」

サーナ「ええ!? そんなの認められませんわ!!」

シャーロット「そうよエンちゃん! そういう一歩引いた態度が一番格好悪いわ!!」

エンシァン「ええ……? いや、意味がわからんのだが……」

ルル「んへへ……エンしゃんとサーナのごはん、楽しみ」ニコニコ

シャーロット「ほら、ルルちゃんももうその気になってるのよ?」

サーナ「棄権などというしょっぱい結末は受け入れられませんわ! さあ、エンシァン先生! わたくしと勝負ですわ!」

エンシァン「はあ、わかったわかった。たまには自分で料理してみるか」


↓1コンマ一桁 勝者
1-3 サーナ
4-6 エンシァン
7-0 引き分け
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 00:35:17.92 ID:TPNTbpev0
846 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 01:59:39.47 ID:YAmYaIlY0
エンシァン「私のとっておきのレシピを見せてやろう」

 バララッ グツグツ バシャッ

 素パスタ「」ポン!

サーナ「見事なパスタですわ……! こ、ここから一体どのようなソースを……」ゴクリ

エンシァン「完成だが?」

サーナ「えっ」

ルル「食べていい?」

エンシァン「存分に食うが良い。サーナくんとシャーロットの分もあるぞ」

ルル「ん!」

シャーロット「あら、それならありがたく」

サーナ「そ、それじゃあわたくしも……」


「いただきます!」


 モグモグ

ルル「んー! おいひい!」モグモグ

シャーロット「懐かしいわ……学生時代を思い出すわね……」モグモグ

サーナ「……もちもちに茹で上がった麺に、ほんのり塩が利いていて……意外と悪くないですわね……」

エンシァン「フッ、ルルの感想もかなり好感触だな?」

サーナ「くっ……ま、負けませんわ!」

 ◇

サーナ「わたくしは……これですわ!」

 フレンチトースト「」ポン!

シャーロット「あら、これはまた美味しそうなフレンチトーストね!」

エンシァン「ほう……食欲をそそる美しい見た目、香り……やるな、サーナくん!」

ルル「食べていい?」

サーナ「ええ、ご賞味くださいまし。エンシァン先生とシャーロット准教授の分もありますわ」

ルル「ん!」

シャーロット「ふふ、ありがと!」

エンシァン「ククク、では実際の味も確かめさせてもらおうか……!」


「いただきます!」


 モグモグ

ルル「んー! あまい……! おいひい……!!」モグモグ

シャーロット「これは……! 外側はカリッと焼き上げつつ、内側はミルクと卵がよく染み込んでしっとりふわふわだわ……!」モグモグ

エンシァン「惜しみなくかけられた砂糖とメープルシロップのお陰で少々甘すぎるくらいだが、悪くないな……」モグモグ

サーナ「ふふふ、これがわたくしの実力ですわよ!」

 ◇
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 02:00:33.49 ID:YAmYaIlY0
シャーロット「それじゃあ結果発表よ!」

エンシァン「ふむ……」

サーナ「むむ……」ドキドキ

シャーロット「ルルちゃん、どっちの方が美味しかった?」

ルル「んー……エンしゃんのパスタももちもちで美味しかったけど……」

ルル「ルル、サーナのパンの方が甘くて好き!」

サーナ「!!!!」

シャーロット「勝者、サーナ・ウィンド!!」

エンシァン「フッ……負けてしまったか」

 ◆

―夕
 部室

 コンコン

エンシァン「開いているぞ」

 ガラッ

サーナ「……先生。わざとあんな薄味のものにしましたわね?」

エンシァン「何のことだ?」

サーナ「とぼけないでくださいまし! いくら素パスタがそれほど悪くない料理だとしても、料理対決で出すものじゃないことくらいわかりますわ!!」

エンシァン「ルルは以前私の素パスタを美味そうに食ったことがあったからな。あれがルルの好みだと誤認していただけだ」

サーナ「むう、あくまで認める気はないということですわね……!」

エンシァン「認めるも何も、私は事実しか言っていないのだが」

サーナ「これで終わったと思わないことですわ! ルルの一番はわたくしですが、エンシァン先生もまたルルの一番だということをわからないわたくしではありませんもの!!」

エンシァン「んん……? いや、趣旨が変わっていないか……?」

サーナ「気にしないでくださいまし! 今日のところは帰りますわ!」クルッ

 ガラッ バタン!
848 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 02:01:48.08 ID:YAmYaIlY0
エンシァン「フッ……やれやれ」

 ガラ

シャーロット「お疲れ様、エンちゃん」

エンシァン「シャーロット。まだ帰っていなかったのか」

シャーロット「ええ。少しエンちゃんとお話したくってね」

エンシァン「フッ、構わんぞ。今日の私は機嫌が良いからな」

シャーロット「ふふ。エンちゃん、素パスタなんて出したのはわざとでしょ?」

エンシァン「ふむ……わざとと言えばわざとだが、別に勝負を捨てていたわけではない。ルルが素パスタを嫌いじゃないのは知っていたしな」

シャーロット「いや無理があるわ……。いくらルルちゃんが何でも美味しく食べるからって、あれに軍配が上がるわけないでしょ」

エンシァン「そうか?」

シャーロット「そうよ。私でもなきゃあれの方が好きだなんて言わないわ」

エンシァン「……シャーロット。耳鼻咽喉科の受診を……」

シャーロット「私の味覚は正常よ!! 私が言いたいのは……私が言いたいのはね……」

シャーロット「学生生活を思い出して、懐かしくなっちゃって……今、ものすごく切ない気持ちになってるってことなの……!!」

エンシァン「……!」

シャーロット「……ふふ。無様よね。准教授なんて肩書まで手に入れたのに……。私……今でも過去を夢に見てる、情けない女なの……」

エンシァン「……」

シャーロット「ルウェインちゃんも見つかって、遺跡の問題も解決して、これからなのに……。ううん……解決したからこそ……。私……また、みんなと一緒に……何のしがらみもなく、遺跡探索して、部室で笑い合って、エンちゃんの素パスタを食べて……。そんな日々を……また、もう一度だけでいいから……過ごしたいよ……」

エンシァン「………」

シャーロット「……なんてね。ごめんね、愚痴っちゃって……。今でも、十分みんなと一緒に遺跡探索できてるし、楽しく過ごせてるのにね。我儘だよね……」

エンシァン「……シャーロット」

シャーロット「………っ! も、もう帰るわね……! それじゃ、また……!」クルッ

エンシァン「待てシャーロッ――」


 ガラッ タッタッタッ…


エンシァン「…………」

エンシァン「シャーロット……」

 ◆
849 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 02:02:17.03 ID:YAmYaIlY0
本日はここまで
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 02:20:05.37 ID:nEmTEDFko
おつー
新二年生組も良いよなぁ
サーナ勝ちはコンマ神分かってんねぇ!から塩茹でのみの豪気なパスタ!からのエルフセンチメンタルで感情がジェットコースターする
気になるじゃねぇか…!
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 13:54:42.33 ID:kbpcaeL70


ユリトー学園は筆記試験も実技試験もありそう。
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 20:12:52.45 ID:IQUPHAyMO


獣人結構種類いそう
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:09:15.67 ID:YAmYaIlY0
終わるまでに書きたいものを全部書き切りたいため、安価にない内容のものも書かせていただいております。ご容赦ください

新二年生たちは新三年生組と違って所属も方針もバラバラなので、意外と面白い関係性に発展していくのかもしれません
シャーロット准教授は体つきがえっちな大人の女性ですが、どうしても大人になり切れない繊細な一面もあるようです

仰るとおり、ユリトー魔法女学院は筆記も実技もあります。どちらかと言うと実技の比重が大きいため、入学の最大の関門は魔法の才能であるとも言われています。なおリアンら遺跡探索部のメンバーは実技は大体いつも高得点です

獣人はかなり種類が多い模様です。時代や地域によっては人種差別などの問題もあったりしますが、現在のユリトー島やユリトー島を擁する文化圏ではほとんど格差はなく、全ての種族が平等に扱われています(適材適所的な意味での有利不利はあります)
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:09:49.37 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日

 ガチャ

リアン「お邪魔しまーす……」

ノルン「いらっしゃいリアンちゃん。どうぞ座って座って」

リアン「うん、ありがとうノルンさん」

 ポフッ

ノルン「飲み物は紅茶で良い?」

リアン「あ、うん」

ノルン「良かった。はい、どうぞ」スッ

 ティーポット「」トクトクトク…

リアン(美しい白磁のティーポットから、熱い紅茶が湯気をたてながらティーカップに注がれていく。そのノルンさんの所作は、リエムちゃんたちにも引けを取らない洗練されたものだ)

ノルン「熱いから気を付けてね。冷蔵庫でチーズケーキを冷やしてるから、取ってくるよ」

リアン「わ……お、お構いなく……!」

ノルン「ふふ、私が構いたいの」

リアン(ノルンさんはそう言って、冷蔵庫から二切れのチーズケーキを取ってきた。もちろん市販品ではない、ノルンさんの手作りだ)

リアン「……あ、ありがとう。その……準備、してくれてたんだよね? 私が来るから……」

ノルン「いいのいいの。さっきも言ったけど、私がやりたくてやってるだけだから。それに、おもてなしはホストの務めでしょ?」

リアン「それでも、ありがとう。えへへ……それじゃあ、されちゃうね。おもてなし」

ノルン「うん!」

 ◇
855 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:10:18.11 ID:YAmYaIlY0
リアン「……それでね。最近、ちょっと考えてることがあって……」

ノルン「考えごと……?」

リアン「うん。エピカちゃんの言ってた……命と、かなしみのこと……」

ノルン「エピカちゃんの……」

リアン「うん……。命が生まれるから、かなしみも生まれて……それが繰り返される限り、世界からかなしみはなくならない、って話……」

ノルン「……だから、大神殿を使って世界を終わらせようとしたんだよね。エピカちゃんは」

リアン「うん。たくさんの人造種たちのかなしみを背負ってきたエピカちゃんだからこそ……。誰よりも、かなしみを消し去りたかったんじゃないかって、思う……」

ノルン「……」

リアン「……私も……命って、何なんだろうって、思っちゃって。エピカちゃんを止めたことを後悔しているわけじゃないけど……。でも、エピカちゃんにちゃんと反論できたわけでもないし……」

ノルン「……難しい問題だね。エピカちゃんの言い分も……間違ってはいないと思う……。かなしみを覚える主体が全ていなくなれば、それは確かにかなしみを根絶したと言えるし……」

リアン「ほ、他の方法はないのかな。命を絶やすことなく……かなしみだけを消し去る方法とか……」

ノルン「……精神系の魔法には、人の感じる特定の感情だけを消失させるものもあるみたい。それを使えば、かなしみだけを消し去ることも不可能ではないと思うけど……」

リアン「で、でもそれって……洗脳みたいなものじゃ……」

ノルン「………うん。それに、きっと……かなしみを感じなくなった人は……長くは生きられないと思う……」

リアン「……私も、そんな気がする……」

ノルン「地上に生きる命の一つ一つに、かなしみを消す魔法をかけていくなんてのも、全然現実的じゃないしね……」

リアン「あはは……それはそうかも……」


リアン(私も……もしかなしいことがあったとして、その時にかなしみを感じられなかったら……その方が、ずっと嫌だ。そんな世界になるくらいなら、エピカちゃんのやろうとしたように世界を滅ぼしてしまう方がまだマシに思える……)


リアン「命がある限り……やっぱり、かなしみはどうにもならないんだよね……」

ノルン「うん……。命って、そういう風にできてるんだと思う」

リアン「…………どうして私たちは……それでも生きたいって、思うのかなあ……」

ノルン「………本当に……どうしてだろうね。私たち……何のために生まれて……どこへ向かうんだろう……」

リアン「………わかんないや。わかんないけど……」

ノルン「……?」

リアン「私……この島で生まれて、この時代まで生きて……。孤児院で育てられて、またこの島でみんなに逢えて……。遺跡部で、たくさんのことを経験して……。今、こうして大好きな友達とのんびりお茶が飲める時間を過ごせること……。本当に、本当に……良かった、って思う……」

ノルン「リアンちゃん……」

リアン「……うん。わかってる。これは私がものすごく恵まれた、しあわせ者だから言えることだって……。エピカちゃんが背負ってる、たくさんの人造種の子たちは……そんなことを言う余地なんて、きっと、なかった……」

ノルン「…………そう、だね……」

リアン「……私……もっと、考えたいよ。人造種のために……世界に生きる命たちのために、何ができるのか……。どうしたら、みんながしあわせになれるのか……」

ノルン「リアンちゃん……それは、リアンちゃん一人で考えることじゃないよ」

リアン「えっ……?」

ノルン「私も……一緒に考える。リアンちゃんと一緒に……」

リアン「ノルンさん……!」

ノルン「……全ての命ってなると、ちょっと範囲が広すぎるから……まずはこの島の人造種に絞ろう? まずは、手の届く範囲から一歩づつ……」

リアン「うん……! ありがとう、ノルンさん……!」

ノルン「ふふ……こちらこそありがとう、リアンちゃん……。私を頼ってくれて……」

リアン「えへへ……!」

 ◇
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:11:15.85 ID:YAmYaIlY0

リアン「そういえば帰省のことなんだけど……」

ノルン「リアンちゃんも3月中に孤児院に帰省するんだよね」

リアン「うん。それで私、孤児院のお姉ちゃん……ええと、シスターさんに学費のことを相談しようと思ってて」

ノルン「学費……もしかして!」

リアン「うん。暗黒仮面舞踏会の賞金で、進学できるならしたいというか……」

ノルン「う、うん! いいと思う!」

リアン「ほ、本当? ノルンさんと二人で勝ち取った賞金でもあるから……」

ノルン「それぞれの口座に振り込まれたものなんだから全然気にしなくて良かったのに。でもありがとう、伝えてくれて……!」

リアン「えへへ……ノルンさんのお陰だもの!」

ノルン「ふふ……それじゃあちょっと気が早いけど、高等部を卒業してからもよろしくね、リアンちゃん!」

リアン「うう、進学できればね……!」

 ◆
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:11:41.45 ID:YAmYaIlY0
―3月3週〈後半〉
 学生通り

 桜の花びら「」ヒラヒラ

ルウェリア「母さんへのお土産、何が良いかな」スタスタ

ルウェイン「やっぱりお菓子かな? でもせっかくだし、私の生還記念ってことで形に残るものも欲しいかも」スタスタ

ルウェリア「姉さんの生還記念……うーん、何が良いかな……。遺跡関連なら准教授に聞いてみる?」スタスタ

ルウェイン「シャーロット、なんだか元気ないみたいなんだよね……」

ルウェリア「え、そうなの? あの人、意外と脆いとこあるから心配だな……」

ルウェイン「遺跡の話すれば元気出るかもだし、帰りに寄ってみよっか!」

ルウェリア「賛成!」

ルウェイン「ようし、そうと決まればお菓子だけでも買ってこっか! シャーロットの分も――」


 トコトコ…

イエリア「あ」

ルウェリア「……あ!」

アイリス「……!」ササッ

ルウェイン「魔鍵ちゃ……アイリスちゃん!」

アイリス「くっ、遅かったか……」

 ◇
858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:13:14.97 ID:YAmYaIlY0
―公園

 桜の花びら「」ヒラヒラ

イエリア「……」ソワソワ

ルウェリア「……」チラチラ

ルウェイン「……」

アイリス「……」


ルウェリア(いや、何この雰囲気!? なんかちょっと気まずい……!)


アイリス「……その後、体の調子はどうですか。ルウェイン」

ルウェイン「あ……うん。好調だよ。人間だった頃よりも」

アイリス「そうですか」

ルウェイン「うん……。アイリスちゃんは……どう? 元気に過ごせてる?」

アイリス「変わりありません。いえ……管理者を退いた今は、以前よりも気楽に過ごせていますかね」

ルウェイン「そっか、良かった! イエリアちゃんも、ありがとうね」

イエリア「えっ! う、うーん……ど、どういたしまして……?」

アイリス「…………」
859 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 21:14:02.15 ID:YAmYaIlY0
ルウェリア「……?」

アイリス「……何ですか? ルウェインの妹」

ルウェリア「あ、いや……。随分変わったな、と思って」

アイリス「変わった……? 私が?」

ルウェリア「うん。前は……もっとドス黒い、嫌な気配を放ってた」

イエリア「ドス黒い……ぷぷっ」クスクス

ルウェイン「ちょ、ルウェリアちゃん……!」

アイリス「ドス黒くて悪かったですね……」

ルウェリア「でも今は……なんて言えば良いのかな。柔らかくなったというか……」

アイリス「……」

ルウェリア「……私、あなたに酷いことを言ったことあったよね。ごめん」

アイリス「……人間に言われたことなど、いちいち記憶しておりませんので。その謝罪は無意味です」

ルウェリア「そっか。それじゃあ……ありがとう」

アイリス「……は?」

ルウェリア「……姉さんを、助けてくれて。大切に思ってくれて。本当に、ありがとう……」ペコッ

アイリス「……」

ルウェイン「ルウェリアちゃん……」

イエリア「ふふ……」

アイリス「……フン。勝手に改造した責任はこちらにあります。具合が悪くなったらいつでも来なさい」

ルウェイン「うん……! えへへ……アイリスちゃん、大好き!」バッ

 ぎゅっ

アイリス「ばっ……もう記憶の改変は解いたはずですが!!?」ジタバタ

ルウェイン「知〜らない! だって私、自分からアイリスちゃんのことを大好きになったんだもん!」ギュッ

アイリス「むう……」


 桜の花びら「」ヒラヒラ


アイリス(……ああ、でも)

アイリス(懐かしいな……。この柔らかさ……)


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の祈り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不撓〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈風神〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈神域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈爆炎〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・みんなと楽しく過ごす!!

3月3週〈後半〉の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、孤児院帰省イベントが発生します
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 21:16:38.24 ID:kbpcaeL70
リアン・リエム・アリム、孤児院へのお土産を見繕う。
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 21:20:40.93 ID:nEmTEDFko
エンシァン、シャーロット、ルウェインで飲み会
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 21:24:30.70 ID:IQUPHAyMO
マリン、町を歩いてたら生徒ABと遭遇
863 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 23:57:32.24 ID:YAmYaIlY0
―3月3週 某日
 学生通り

 桜の花びら「」ヒラヒラ

マリン「……」ヨタヨタ

マリン「……お腹すいた……」ヨタヨタ

マリン「リアンのおうち……どこだったっけ……」ヨタヨタ


生徒B「ん? あの子……めっちゃかわいくね!?」

生徒A「この辺じゃ見かけない子だけど……親御さんいないし、迷子!?」

生徒B「ヤバいじゃん! 保護したげよ!」シュバッ

生徒A「おけ!」シュバッ



マリン「……迷っちゃった………。人間の街……複雑すぎ……」ドンヨリ

生徒B「こんにちは!」シュバッ

生徒A「ねえ、大丈夫!?」シュバッ

マリン「ひゃっ! だ、誰……?」ビクビク


生徒B(ちょ、怖がらせちゃってるじゃん! もっと穏便にいこ!)

生徒A(で、でも子供の扱いなんてわかんないよあたし!?)

生徒B(うちに任せろ!)


生徒B「お姉さんたちは怪しいもんじゃないよ! 通りすがりの、魔法女学院生!」

マリン「まほーじょがくいん……あ、リアンが通ってるとこ……?」

生徒A「リアンちゃんのこと知ってるの?」

マリン「う、うん……。あなたたちは……知ってる? リアンのおうち……」

生徒B「モチ! 同じ寮に住んでるマイシスターだかんね!」

マリン「も、餅……? まいしすたー……?」

生徒A「あはは、友達だから知ってるってこと! 案内したげよっか?」

マリン「あ……う、うん……」

生徒B「まーかせて!」

 ◇
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/03(日) 23:57:58.67 ID:YAmYaIlY0

生徒A「マリンちゃんはリアンちゃんとどういう関係なの?」テクテク

マリン「マリンは……えっと……。わかんない……」

生徒B「そっかあ。そういうこともあるよね」

生徒A「うんうん。リアンちゃん優しいから、いろんな子に好かれちゃうんだろうなあ」

マリン「リアン、いろんな相手に好かれてるの?」

生徒A「そうだよ! 一緒に住んでるリエムちゃんにアリムちゃん、クラスメイトのノルンちゃんにルウェリアちゃん……最近は黒髪ロングの小さな子とも一緒にいたって目撃情報があるし、モテモテだよお?」

マリン「ふうん……」

生徒B「ありゃ、マリンちゃんはリアンちゃんのことが好きってわけじゃないの?」

マリン「……よくわかんない」

生徒A「そっか! まあ自分の気持ちなんてよくわかんないよね。あたしも全然わかんないし!」

マリン「でもマリン……自分のお腹がすいたとかは、わかる」

生徒B「アハッ、それならウチもわかる〜!」

生徒A「あたしも〜」

マリン「…………ふふっ」

 ◇
865 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/09/04(月) 00:00:03.37 ID:kSOC8dxk0
本日はここまで
平日はまだ時間が取れなさそうなため、次回の更新はまた間が空くかと思われます。よろしくお願いします
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/04(月) 12:26:30.44 ID:WkKSCROfO

攻略女王ぶりが公認されてるリアンちゃん・・・
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/09/23(土) 13:31:28.81 ID:BjChTKMR0
待ってる
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/26(火) 14:55:23.63 ID:hqiR+U18O
なんでこの手のレスってわざわざスレ上げるの?
更新滞ってる作者を晒しあげてる行為だって自覚ないのかな
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/05(木) 19:48:09.71 ID:heNigKoqO
お待ちしてます
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/06(金) 23:04:13.17 ID:R+FJ3R0y0
やることはやりきったし終わりなら終わりでいいのでは……? 連絡ないまま放置が一番モヤモヤしちゃう
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/10/15(日) 09:58:44.08 ID:4AhGKMxF0
スパイクタンパク単体で心臓やその他臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています

何故一旦停止しないのですか

何故CDCが接種による若い人の心筋炎を認めているのに情報発信がないのですか
20代はたった1ヶ月で接種後死亡がコロナ死と同等になってます
因果関係の調査は?
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 00:14:30.65 ID:V1x40xIz0
あと2週間でエタ判定食らうからもうそろそろ生存報告が欲しい
873 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:05:09.90 ID:qCQZO/Pd0
長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。現在>>1はスランプのような状態に陥っているため、なかなか進めることができずにいます
しかし中途半端なところで終わったりエタったりは嫌なので、ここでおわりにはしません。お付き合いいただければ幸いです
ところでエタ判定なるものがあるとは知りませんでした。情報提供ありがとうございます
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:05:37.89 ID:qCQZO/Pd0
―寮
 リアンの部屋前

生徒A「着いたよ〜。それじゃあピンポン鳴らそっか」

マリン「ぴんぽん?」

 ピンポーン

マリン「わっ……」


リエム『どちらさまでしょうか』

生徒B「うちらで〜す! マリンちゃん連れて来たよ〜」

リアン『えっマリンちゃん!? 開けるね〜!』


 ガチャッ


リアン「おはよ、二人とも! マリンちゃんも!」

生徒A「おはよ〜」

生徒B「迷子になってたみたいだから連れて来た! リアンちゃんに会いたいって言っててね」

マリン「ん……」コク

生徒B「んじゃ、マリンちゃんを無事に送り届けたところでウチらはお暇しますか」

生徒A「だね〜。春休みもこれからだし、お互い楽しんでこーね!」

リアン「あ、うん! えっと、二人ともありがとう!」

生徒B「いいってことよ! バイバ〜イ」ヒラヒラ

生徒A「またね〜」ヒラヒラ

 ◇
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:06:13.10 ID:qCQZO/Pd0
―リアンの部屋

リエム「それでは改めまして。いらっしゃいませ、マリンさま」

マリン「ん」

アリム「今日はどうしたの? あなたの方からここに来るなんて」

マリン「……マリン、お腹すいた」

アリム「なるほどね」

リアン「それじゃあブランチにしよっか?」

リエム「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」スッ

アリム「ふふ、仕方ないわねえ」スッ

 ◇

 色とりどりのサンドイッチ「」

リエム「お待たせいたしました。おかわりもたくさんありますので、遠慮せずご賞味くださいませ」

リアン「ありがとうリエムちゃん、アリムちゃん」

マリン「食べていい? 食べていい?」ジュルリ

アリム「いいけど、ちゃんといただきますって言うのよ?」

マリン「いただきます!」

リアン「あはは……それじゃあ私も、いただきます!」

 ◇
876 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:06:46.14 ID:qCQZO/Pd0
―昼
 リアンの部屋

マリン「ふわぁ……」ウトウト

リエム「マリンさま。眠いようでしたら、ここで休んでいかれてはいかがでしょうか」

マリン「んゅ……」コク


アリム「ふふ……こうして見ると海竜だってことを忘れそうになるわ……」

リアン「本当にね……」

アリム「ところで、お土産はどうする? 今週末帰省でしょ?」

リアン「あ、うん。どうしようか……」

リエム「日持ちするお菓子などであれば、まず間違いはないかと存じます」

リアン「そうだね。小さい子も多いし、お姉ちゃんも甘いのは大好きだから、やっぱりお菓子かな?」

リエム「チョコレートの日に作った、わたしたちのチョコ人形はどうでしょうか。クロリアさまに時間凍結処理をしていただいたので、保存期間も申し分ありません」

アリム「え、えっ!? あれを持っていくの!?」ガタッ

リエム「そう申し上げているのですが……」

リアン「いいと思う! リエムちゃんとアリムちゃんが作ったことも言えば、素敵な紹介にもなるし……!」

アリム「で、でも……あれを面識のない相手に渡すのは、その……恥ずかしい、というか……」

リエム「わたしたちとリアンさまの関係を知ってもらう良い機会です。恥ずかしがる必要はありません」フンス

アリム「な、なんであんたはそんなに自信満々なのよ……!?」

リアン「あはは……でも楽しみだな……。みんなに、リエムちゃんとアリムちゃんのことを知ってもらうの」

 ◆
877 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:07:27.74 ID:qCQZO/Pd0
―3月3週 某日 夜
 バー

エンシァン「乾杯」カチャン

ルウェイン「乾杯!」カチャン

シャーロット「……乾杯」カチャン


ルウェイン「こんなとこがあったんだねえ。初めて知ったよ」

エンシァン「数年前に新しくできたんだ。君が行方不明になっている間にな」

ルウェイン「なるほど……時代の移ろいかあ」

エンシァン「ああ。時の流れは人を待ってくれんからな」

シャーロット「……そうね。ちっとも……待ってくれないわ」

ルウェイン「シャーロット……。悩み、あるんでしょ?」

シャーロット「……」

エンシァン「ここには守るべき後進も、へつらうべき上役もいない。我々だけだ。思うことあらば存分に吐き出せ」

シャーロット「…………うん」
878 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:07:57.84 ID:qCQZO/Pd0
シャーロット「最近ね……。楽しそうに活動しているルウェリアちゃんやリアンちゃんたち……学生のみんなを見ていると……。ものすごく、羨ましくなるの……」

シャーロット「私だって元々は、あの子たちみたいに……。ううん、違う。あの子たちは、遺跡探索の中でたくさんの苦労やかなしみを背負っちゃったから……。私の方があの子たちよりもずっと、気楽で恵まれた学生時代を過ごしたのよ……。それなのに……私はまだ、学生時代の輝きを求めてしまう……。ただただ、未来への希望と、仲間との友情を胸に抱いて過ごした……あの日々を……」

エンシァン「……」

シャーロット「ふふ……根っから探求者気質のエンちゃんにはわからないわよね。お金も権利もある今の方が、エンちゃんにとっては魅力的なはずだもの……」

エンシァン「それがそうでもない。教員としての仕事が嫌いなわけではないが、如何せん拘束時間が長すぎるからな。私だって欲を言えば、あいつらと一緒に夢中で遺跡を駆けずり回りたいさ」

シャーロット「……意外、でもないか。エンちゃんらしいな……」

ルウェイン「………私は……どうだろう。好きなことを仕事にできたは良いけれど……仕事になっちゃった時点で、やっぱりどうしても自由にはやれないし。シャーロットみたいに趣味で追いかけるくらいのスタンスの方が本心から遺跡探索を楽しめた気もするんだよね。それに実のところ……調査チームでの仕事より、アイリスちゃんの下で働いてる時の方が楽しかったというか……」

シャーロット「……私もアイリスちゃんに頼んで魔法人形にしてもらおうかしら……」

ルウェイン「そ、それはどうだろ……。了承してくれるかなあ……」

エンシァン「…………」

シャーロット「……エンちゃんはどう思う?」

エンシァン「……シャーロットの人生だ。シャーロットのしたいようにするのが良い」

シャーロット「……そうね。ありがと、エンちゃん……」

ルウェイン「…………」


ルウェイン(……別に人間心理に詳しいわけじゃないけれど……何か今、寂しいすれ違いがあったような気がする……)

ルウェイン(でもそれがどんなものか上手く言語化できない……。私はこの七年間、シャーロットとエンシァン先生がどう過ごしてきたのかも知らないし……)

ルウェイン(うう、でもすっごくモヤモヤする……!)


 ガタッ!

ルウェイン「……ね、ねえ! エンシァン先生自身は……シャーロットの意思とかは抜きにして、シャーロットにどうなって欲しいと思っているの!?」

シャーロット「え、ええ!?」

エンシァン「私自身がどうか、だと?」

ルウェイン「そう! 先生自身がシャーロットをどうしたいか……考えてみて!」

エンシァン「…………」
879 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:08:41.28 ID:qCQZO/Pd0
エンシァン「…………」

エンシァン「…………」

エンシァン「…………」

シャーロット「……え、エンちゃん……?」


エンシァン「……シャーロットには、私の隣にいて欲しい」


シャーロット「……え?」

ルウェイン「!!」

エンシァン「人造種になろうと、仕事を辞めようと、これからも私の傍にいてくれるならそれで良い」

シャーロット「あ……///」

エンシァン「いや……違うな。これからも私と共にいろ、シャーロット」

シャーロット「……うん///」


ルウェイン(決まった! 空気を読まずに無理した甲斐があったよ私!)

ルウェイン(せっかくだからダメ押しだ!)

ルウェイン「ハグ! ハグだよここは二人とも! ほらほら!」グイグイ

エンシァン「うおっ!?」

シャーロット「きゃっ……///」

 ぎゅっ…

 ◆
880 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:09:23.79 ID:qCQZO/Pd0
―3月4週
 列車

 ガタンゴトン…

リアン(車窓からは、未だ雪の残る美しい山々が遠くに見える)

リアン(ユリトー山も凄かったけれど、故郷の山々もこうして久しぶりに見るととても懐かしい……)


アリム「……」ウズウズ

リエム「アリム、はしゃいでも大丈夫です。ここにはわたしたちしかいません」

アリム「は、はあ? はしゃぐとか、なんでわたしが……」

リエム「アリムは初めて島の外に出て、今とても興奮しています。わたしにはわかります」

アリム「こ、興奮なんかしてないわ……! ちょ、ちょっとわくわくしてるだけで……」

リアン「ふふ、私も久しぶりの帰郷にちょっとわくわくしてるなあ。リエムちゃんとアリムちゃんも一緒だし」

リエム「わたしがお側にいない間、リアンさまがどのような環境でお育ちになったのか……わたしもとても気になっております」

 キャッキャ

 ガタンゴトン…

 ◆
881 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:09:53.83 ID:qCQZO/Pd0
―高原の孤児院

リアン(いくつかの山を越えた先――高原に広がる湖のほとりに、その孤児院は立っている)

リアン(すぐ隣には教会があり、孤児院はその教会が維持、運営しているとかなんとか……。寄付の前にその辺りをちゃんと確認しといた方が良いかもしれない)

リアン(何にせよ、私は帰ってきた。ダブル優勝者リアン・ロールセン、堂々の凱旋!! なんて言えるほどの自信はまだないけれど……)

リアン(でも、やれるだけのことはやってきたよ。だから……胸を張って、戸を開けるね……!)


 ガチャッ

リアン「たっ、ただい――」

こどもたち「おかえりーー!!」「わああ!!」ドドドド
     「リアンねーたん!!」「りあんおねえちゃん……」ドドド
     「リエムちゃんだ!!」「あれ、リエムちゃん二人いない!?」キャピキャピ
     「………!!///」「おいお前なに赤くなってんだよ〜!」ゲシゲシ

リアン「ふわわわ!!」ギュギュッ

リエム「リアンさま……!」

アリム「こ、これは……凄い人気ね、リアン」

リアン「ひえええ、人気なの私!?」

 ワーワー キャッキャ

シスター「おかえりなさい、リアン」

リアン「お姉ちゃん!」

シスター「それと……あなたたちがリアンの大切な家族の、リエムちゃんとアリムちゃん?」

リエム「はい。お初にお目にかかります、シスターさま」ペコリ

アリム「まあ……そうね。初めまして」ペコ

シスター「遠慮せずくつろいでいってね。リアンの家族なら私たちの家族も同然だもの」

 ◇

―孤児院 リビング

こどもたち「チョコだー!!」「すご!!!」
     「リアンねーたんのが欲しい!!!」「わたしも……りあんおねえちゃんの……」
     「じゃーあたしはリエムちゃん!!」「なら私はアリムちゃん!!」
     「ぼ、ぼくは……やっぱいい……///」「なに照れてんだよ〜!!」

シスター「一人づつ順番ですよ〜」


リアン「あはは、すっごい人気! 持ってきて良かったねえ」ニコニコ

アリム「いや、やっぱり恥ずかしくないかしらこれ……///」

リエム「わたしたちのことも受け入れてくれたようで、何よりです」

 ◆
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:10:50.72 ID:qCQZO/Pd0
―夜
 孤児院 リビング

リアン(その後私たちは子どもたちに島でのことを根掘り葉掘り聞かれたり、私たちの関係を問いただされたりした)

リアン(どこに行っても子どもたちの注目の的となってしまったが、夕飯と入浴を終えた今ようやく一息つけそうだ……)


シスター「お疲れ様、リアン。ごめんね、長旅で疲れているところに……」

リアン「あ、ううん! 今まで全然連絡しなくて寂しがらせちゃった私の責任でもあるし……」

シスター「……ふふ。そうやってすぐ自分を責める癖、変わってないね」

リアン「あっ……う、うぅ……」

シスター「あなたの真っ直ぐすぎる優しさは素晴らしい美徳だけど……そのままじゃ、いつかあなた自身が傷付いて倒れてしまう。他者を責めろとは言わないけれど、もう少し自分に甘くなっても良いと思うの……」

リアン「……うん。えへへ……ありがと、お姉ちゃん……。でも私、最近はすっごく自分に甘いよ? だって――」

アリム「家事は全部わたしたちに頼り切りだものね?」ヌッ

リアン「アリムちゃん!」

シスター「まあ……リアン、あなたアリムちゃんとリエムちゃんに家事をさせているの……?」

リアン「あ、ええと、こ、これには理由があって……」ワタワタ

リエム「リアンさまのお役に立つことが、わたしたちの存在意義なのです」ヌッ

リアン「り、リエムちゃ……」

シスター「……リアン。あなた……この子たちに、一体どういう教育をしているのですか?」ジッ

リアン「ひっ、ひええええ……!!」


リアン(結局、シスターにはリエムちゃんとアリムちゃんの秘密の事情を話すことになってしまったが、それで誤解(?)はすぐに解けた)

リアン(リエムちゃんとアリムちゃんの出自だけじゃなく……私のことや、島のことも話した)

リアン(ママのこと……大きなかなしみが島を滅ぼしたこと……今、なんとか前を向こうとしている人造種たちのこと……)

リアン(そして、これから私がどう生きたいか――)

 ◇
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 22:11:10.60 ID:LdVeLRu/0
作者の報告がない状態で2ヶ月が過ぎると放置されたスレと見做される

依頼したところでスレを落とす人がいないので最早あってないようなルールだけども
884 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:11:37.99 ID:qCQZO/Pd0
シスター「……ありがとう。話してくれて」

リアン「……うん。お姉ちゃんも……信じてくれてありがとう」

シスター「信じますよ。リアンはそんな嘘をつく子じゃないって知っていますから」

リアン「お姉ちゃん……!」

シスター「……本当に、立派になりましたね。リアン」

リアン「…………ね、ねえ……お姉ちゃん」

シスター「はい」

リアン「その……えっとね……」モジモジ

シスター「……! ふふ、こっちにいらっしゃい。リアン」

リアン「! う、うん……!」スス

 ぎゅっ
 なでなで

リアン「ふわ……」

シスター「よく頑張りましたね……。偉いですよ、リアン……」

リアン「うん……」

シスター「……これくらいなら、いくらでもしてあげるから。いつでも帰ってらっしゃいね……」

リアン「うん……」



リエム「…………」

アリム「……羨ましい?」

リエム「少しだけ。それほど大きな感情ではありません」

アリム「強がり……でもなさそうね」

リエム「シスターさまは、実質的なリアンさまのお母さまのような存在です。その立場は現在のわたしとは根本的に異なります」

アリム「ええ。リアンはわたしたちのことを、守るべきもの……庇護対象みたいに思ってるフシがある。リアンの保護者である彼女とは確かに立場が違うわ」

リエム「はい。わたしはわたしの立場からリアンさまに尽くし、愛されることができます。それはシスターさまにはできないことです」

アリム「へえ……器用に考えられるようになったじゃない」

リエム「日進月歩です」

 ◆
885 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:12:45.25 ID:qCQZO/Pd0
―次の日 朝
 高原の孤児院 庭

 チュンチュン

リアン(孤児院の庭には草花が芽吹き、遠くの山々には瑞々しい新緑が広がっている。春はもう、この地にも訪れている)

リアン(孤児院のみんなで管理している畑にも、春の作物が小さな芽を覗かせていた。この畑の作物は大きく美味しく育つからきっと大丈夫)


アリム「良いところね……。空気も水も澄んでいて、大地も肥沃で……」

リエム「……だからこそ、あの人はここを選んだのかもしれません」

リアン「あの人……?」

リエム「はい。幼き日のリアンさまを、この地へ運んだ――」



シスター「リアン! リエムちゃんに、アリムちゃんも!」タッタッタ

リアン「お姉ちゃん!? どうしたのそんなに慌てて!」

シスター「はあ、はあ……あなたたちに見せたいものがあって……急ぐ必要はなかったかもしれませんが……」

リアン「私たちに、見せたいもの……?」

シスター「これです」スッ

 ひび割れた白い魔核「」
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:13:20.51 ID:qCQZO/Pd0

リアン「!! こ、これって……」

アリム「これは……!」

リエム「…………」

シスター「あなたが発見された古代遺物の中にあった宝玉だそうです。当時、眠っていた幼いあなたを守るように寄り添い、淡く輝いていたそうなのですけれど……。発見者があなたを拾い上げたら、役目を終えたかのように輝きを失い、ひびが入ってしまったらしくて。昨日の話を聞いて、もしやと思ったのです。これは……」

リエム「……はい。これは……あの人の、魔核です」

シスター「!」

リエム「リアンさまをこの地に送り届け……時を凍らせて、この時代までずっと……リアンさまをお守りし続けた………」

リアン「あ……」

 ひび割れた白い魔核「」


リアン(手を伸ばし、そのひび割れた表面に触れる)

リアン(冷たくて、無機質で。そこにはもう何も、残っていなかった)


リアン「……」ポロポロ

リアン(私はその白い魔核を受け取り、胸に抱いて泣いた……)


 チュンチュン…


リアン(たくさんの命と想いに、守られて。生かされて。託されて。私はここに、立っているんだ)

リアン(ありがとう。ごめんなさい。ありがとう)

リアン(私、がんばるよ。この時代に生きる最期の古代人として……人造種のみんなが、心からしあわせだって思えるような、優しい世界を作るために……)グッ

 ◆
887 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/10/22(日) 22:13:56.11 ID:qCQZO/Pd0
本日はここまで
次回の更新も間があくかと思われます。気長に待っていただけると幸いです
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 22:34:20.02 ID:VOsTzzb40
待ってました
乙なのです
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 23:05:05.96 ID:XVoxksWwo
おつおつ
帰還に感謝
ほっこり沢山やったぜ。
性の目覚めをしてる子がおる……厳しい道になりそうだがw
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 23:09:35.45 ID:k6ed5bvg0
乙彼様
リアンちゃん何気にスタイル良いものね
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/23(月) 07:28:03.88 ID:5+zsBpH9O

アリムちゃ修学旅行でも島の外出てなかったっけ
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/04(月) 23:17:33.64 ID:2UHX1MePO
1か月過ぎとる

保守
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:05:19.67 ID:4k+PfppA0
お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。乙と保守ありがとうございます
リアンを好きになるのは実際負け戦にございます。敗北を知り、恋に敗れて、少年は大人になるのでしょう
孤児院ではシスターおねえちゃんで初めてを迎える子が多いですが、最近はリアンおねえちゃんの割合も高くなってきているそうです
しかし>>1は修学旅行で島外に出ていたことを忘れておりました。申し訳ありません。なんか良い感じに脳内で修正しておいていただければ幸いです
894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:05:48.20 ID:4k+PfppA0
―孤児院 玄関

リアン「それじゃあ行ってきます!」

リエム「行って参ります、シスターさま」ペコリ

アリム「行ってきます……、ってわたしたちが言うのは正しいのかしら……?」

シスター「三人とも、行ってらっしゃい! 元気で過ごすんですよ〜!」

こどもたち「いってらっしゃい〜!」「またチョコもってきてね〜!」
     「リアンねーたんいっちゃやらあああ!!」ジタバタ「りあんおねえちゃん……」ウルウル
     「こら、リアン姉ちゃんを困らせないの!」「よしよし、今夜は私たちと一緒に寝ようね」
     「ぼくも……大きくなったら魔法女学院に……!」グッ「お前は男だろ!!」ゲシッ

 ◇

 ガタンゴトン…

アリム「……」ウツラウツラ

リエム「アリム、覚醒状態の維持が困難なのであれば無理せずスリープモードへ……」

アリム「はっ……ね、眠くなんてないわよ……! ただ、車内の空調と断続的な振動に感心していただけで……!」

リエム「では、わたしは眠いのでスリープモードに移行します……」カクン

アリム「うわっ、わたしに寄り掛かるな!」

リアン「あはは、二人とも寝てていいよ。私は眠くないから、駅に着いたら起こすよ」

アリム「主人に気を遣わせるなんて魔法人形にあるまじき無能じゃない……!」

リアン「……? え、私ってアリムちゃんの……」

アリム「あ、あー!! 気を遣う必要なんてなかったわね!! それじゃあ私も少し寝るわね!! ……」カクン

リアン「う、うん……?」

 ◇

 ガタンゴトン…

リアン(こうして私たちは、孤児院をあとにした)

リアン(みんなとても元気で、リエムちゃんとアリムちゃんも問題なく馴染めて、久しぶりにお姉ちゃんに甘えられて……本当に良かった)

 ひび割れた白い魔核「」

リアン(……かつて、私を愛して、守ってくれた人がいたこと……。今、私を愛して、守ってくれている人たちがいること……)

リアン(噛み締めて、生きていこう……)ギュッ

 ガタンゴトン…

リアン(春休みももう残り僅かだ。そして春休みが終われば、また慌ただしくも楽しい学校生活が始まる……)

リアン(……寮に帰ったら、準備を始めなきゃ!)


アリムに寄りかかるリエム「すう、すう……」zzz

リエムに寄りかかるアリム「すう、すう……」zzz


リアン(それにしても……ふふ……。リエムちゃんとアリムちゃん、とっても仲良しな双子姉妹みたい……)

 ガタンゴトン…

 ◆
895 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:06:17.90 ID:4k+PfppA0
―春休み某日 昼
 地方都市の住宅街

 スタスタ スタスタ

ルウェイン「っていう感じで、シャーロットとエンシァン先生がくっついちゃったってわけ」

ルウェリア「そんなことが……」

ルウェイン「シャーロットの悩みが解決したわけじゃないけど、愛の力があればどうにかなるでしょ」

ルウェリア「ええ、適当すぎない?」

ルウェイン「実際のところ、円満な解決策はちょっと思いつかないし……。どうにもならない問題はどうにもならないんだから、我慢して受け入れて生きていくしかない……大人の世界ってそんなのがいっぱいあるんだよ」

ルウェリア「大人の世界……。でも私、納得できないことを我慢して受け入れるなんて嫌だな」

ルウェイン「……ふふふ。確かに私が今ここに立ってるのは、ルウェリアちゃんが諦めないでいてくれたからだよね」

ルウェリア「あっ……そ、そうかも?」

ルウェイン「本当にありがとうね。……あ」ピタッ

 モース姉妹の実家「」

ルウェリア「……着いたね」

ルウェイン「……い、今更すごく緊張してきた……! どんな顔で会えば……」

ルウェリア「どんな顔でも母さんなら喜ぶよ」ポチッ

 ピンポーン

ルウェイン「わああ! ルウェリアちゃん判断が早い!」アタフタ

ルウェリア「ふふ、一刻も早く再会させてあげようと思って」テヘペロ

 ガチャッ!!!

ラーチェル(前スレ>498)「ルウェイン! ルウェリア!」

ルウェイン「か、母さ――」

 ぎゅっ…

ラーチェル「おかえりなさい……。本当に……本当に、無事で……」グスッ

ルウェイン「母さん……。うん……ただいま……」ギュッ


ルウェリア(……私の頭には、我慢して受け入れるとか、諦めるとか、そういう選択肢はなかった。それは私が大人じゃなかったからなのかもしれない)

ルウェリア(でも……それなら私は、大人じゃなくて良かったと思う。そのお陰で、この結末へたどり着けたのだから)


ルウェリア「ただいま、母さん。おかえり、姉さん……!」ザッ

 ◆
896 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:06:46.62 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日 夕
 ウィンド本邸 食堂

 ワイワイ

サーナ「そこでわたくしの会心のマクロバーストが炸裂! わたくしは勝利を確信したんですの!」

ルル「したんですの!」

見習いメイド「おお〜!」キラキラ

サーナ母「まあ〜」ニコニコ

サーナ父「フッ……」ドヤ

サーナ「しかしなんと……それでもなお、リアンは立っていたのですわ! 足をふらつかせながらも、闘志は衰えず……!」

ルル「リアン、つよかった……!」

サーナ父「む……」

見習いメイド「そ、それでどうなったのですか!?」

サーナ「今度はリアンの雨を喚ぶ新魔法が炸裂! それが痛恨の一撃となり……わたくしはついに膝を突いたのですわ……」

ルル「ついたのですわ……」

見習いメイド「そんなあ〜!」

サーナ父「むう……」

サーナ母「あらあ……。手紙でも聞いてはいたけれど、やっぱり残念ねえ……」

サーナ兄「飛行魔法を使えるサーナも凄いけど、天候魔法を使える子までいるのか。サーナの代は粒揃いどころじゃないね」

サーナ「ふふふ、わたくしの友人はみんな凄い人ばかりですわ! しかも後輩にも学外にも凄い子たちがいますのよ! 日々切磋琢磨ですわ!」

サーナ父「……うむ」

サーナ母「うふふ、みんな将来が楽しみねえ」

ルル「ルルは?」

サーナ母「ルルちゃんの将来ももちろん楽しみよお」ニコニコ ナデナデ

ルル「んへへ……」

見習いメイド「はわ……。わ、私はそんなハイレベルな学校で皆さんに付いていけるのでしょうか……?」

サーナ「大丈夫ですわ! 先生方はみんな教え上手で手厚いですし、わたくしとルルもおりますもの!」

ルル「ん! エンしゃんもいる! だから大丈夫!」

見習いメイド「サーナ様、ルル様……!」ウルウル

サーナ「ふふ……新学期はもう目前ですわ!」

 ◆
897 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:07:17.90 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日 夜
 郊外のマンション ハーベスト家リビング

ノルン「それでね、ギリギリのところで耐えたリアンちゃんのティアーズスコールが炸裂してーー」

ノルン母「うんうん」ニコニコ

ノルン父「フフ」ニコニコ

ノルン「……? なあに、二人ともニヤニヤして」

ノルン母「ふふ、ノルンがとっても嬉しそうに話してくれるんだもの。リアンちゃんのお話」

ノルン父「はは、すまん。リアンちゃんを大好きな気持ちが伝わってきて、つい」

ノルン「あ、え、えと……!///」

ノルン母「大丈夫。ママはわかっているつもりよ」

ノルン父「パパもわかっているつもりだぞ」

ノルン「もー! お風呂入ってくる!///」ガタンッ

 ◇

ーハーベスト家 浴室

 カポーン

ノルン「はあ……もう……」チャプン

ノルン「…………」

ノルン(……そういえば、お母さんとお父さんにあんな風に友達の話をしたのっていつ以来だろ)

ノルン(………中等学校の時にはもう……親しいと言える友達なんていなかったし……)

ノルン(……もしかしたら、心配かけてたのかな。だから二人ともあんなに嬉しそうに……)

ノルン(…………ふふ)

ノルン(こんなにも幸せで楽しい学園生活を送れてるのは、リアンちゃんのお陰だよね)

ノルン(高等部を卒業して、大学部に行って……その先どうなるかはわからないけれど……)

ノルン(今はこの幸せな時間を、大切にしよう)


ノルン「……よし!」バシャン


ノルン(来年度の準備、進めなきゃ!)

 ◆
898 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:07:53.16 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日 昼
 部室

シャーロット「エンちゃんエンちゃん、春休みが終わったらどこを探索するの?」スリスリ

エンシァン「リエムくんマップを参考に、次はーーおい、何をしている」

シャーロット「えっへへ〜、エンちゃんにすりすりしてま〜す」スリスリ

エンシァン「ったく……。ま、塞ぎ込んでいるよりは全然良いか」

シャーロット「うふふ、責任取ってね?」

エンシァン「責任? 何のだ?」

シャーロット「んもー、とぼけないでよお。プロポーズしてくれたでしょ?」

エンシァン「は?」

シャーロット「え?」

エンシァン「……」

シャーロット「………」

エンシァン「…………あ! あれ、プロポーズに当たるのか!?」

シャーロット「プロポーズのつもりじゃなかったの!!?」

エンシァン「……いや、よくよく考えればどう聞いてもプロポーズだな」

シャーロット「エンちゃん……」ジト

エンシァン「……よし、結婚するぞシャーロット!!」バン!!

シャーロット「ふふ……! でもエンちゃんのそういうとこも大好き……!!」

 ぎゅっ…///

 ◆
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 05:08:23.31 ID:4k+PfppA0
とりあえずここまで
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 14:43:28.29 ID:CcZDOGCAo
おつおつ
更新のクリスマスプレゼントだぁありがとう
ルウェ姉妹ママきちゃ!本当に二人揃って会えて良かったなって
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:00:16.14 ID:4k+PfppA0
まだ読んでくれる人が残っていてくれて嬉しく思います。乙ありがとうございます
ルウェリアちゃんは実際のところ第二の主人公と言っても過言ではないくらいにはいろいろと因縁のある人物だったため、こうして円満な結末へ辿り着けたのは本当に良かったことと思います。モース家族は、これからゆっくりと失った時間を取り戻していくことができるでしょう
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:00:44.93 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日 夕
 南海岸

 ザァーン… ザザァーン…

マリン「…………」

マリン「潮の流れ……変わってきてる……」

マリン「…………」

マリン「……マリンは……どこに行けば………」


「マリンちゃーん!」

マリン「!」クルッ

リアン「マリンちゃん、ただいま〜! 元気にしてた?」タッタッタッ

マリン「あ……うん……。おかえり、リアン……」

リアン「……あんまり、元気ない……?」

マリン「あ……えっと……」

リアン「……じゃあ、夕飯食べに来ない?」

マリン「………行く」

リアン「決まりだね!」

 リアンの手「」スッ
 マリンの手「」ギュッ

マリン「あっ……」

リアン「それじゃあ一緒に行こ!」

マリン「……うん」

 トコトコ…

マリン(…………)

マリン(マリンは……弱虫だから……)

マリン(強いリアンに……これからも守ってもらう……?)

マリン(でも、それじゃあ……)

マリン(本当の本当に、弱虫になっちゃう……)

マリン(マリン……どうしたら………)

マリン(…………)

マリン(……お腹すいた)

マリン(ご飯を食べれば……なんとかなるよね……)

 ◆
903 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:01:13.30 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日
 東区 山間部 ニワトリ農場

 ニワトリたちの墓「」

ララ「……」ナムナム

スイス「……」ナムナム グスッ

ヒーティ「……」ナムナム

スイス「ヒーティさン……お墓参り、これでいイの……?」グスッ

ヒーティ「うん。でも、人間の作法で良かったの?」

ララ「……わかりません。ただ、私たち人造種には固有の作法がないので」

スイス「ニワトリさンの作法も、わかんないかラ……」

ヒーティ「そっか……。うん、でも良いと思う! 気持ちが一番大事だと思うし……!」

ララ「気持ち……。私たち人造種の気持ちでも、彼らへの弔いになり得るのでしょうか」

ヒーティ「なるよ! 誰かを想う気持ちに、人も動物も人造種も関係ないもん!」

スイス「スイスの、想い……ニワトリさんたちに、届ク……?」

ヒーティ「届くよ、きっと……!」

スイス「……うん! ありがト、ヒーティさん!」

ララ「ありがとうございます、ヒーティさん……」

ヒーティ「ううん……! 喪うつらさは、私にもわかるつもりだから……。私にできることがあったら何でも言ってね」

 ◆

ー数日後
 北側 渓谷

 ヒュオオオ…
 ドドドド…

ララ「生命浄化装置が、この辺りに?」

クロリア「はい。正確に言えば、古代ユリトー文明の生命浄化装置が現存している可能性のあるフォルト、ですね」

ロロナ「アイリスらによれば管理放棄されて久しいらしいから望みは薄いがな」

クロリア「こら、水を差さないの!」

ロロナ「すまん」

ヒーティ「その、生命浄化装置というのがあれば、ニワトリを傷つけることなく悪い細菌やウイルスだけを殺菌できるんですよね?」

クロリア「はい。ニワトリだけでなく他の動物や人間にも使えます。この時代の病原菌に合わせた調整は必要ですが、上手く機能すれば現代医療に大きく貢献できるかもしれません」

スイス「人間さマのお役に立つ……ニワトリさんも助ける……!!」

ララ「ええ。やりましょう、スイス」

ヒーティ「一緒にがんばろ!」

スイス「うん!!!」

ロロナ「戦闘や斥候の経験ならそれなりにあるつもりだ。遠慮なく頼ってくれ」

クロリア「サポートは私に任せてくださいね。具合が悪くなったらすぐに申告するように」

スイス「うん……!!!! みんな……がんばロ!!!」

 おー!!!

 ◆
904 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:01:43.85 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日
 セントラルフォルト

イエリア「じゃーん!」(E:ユリトー魔法女学院の制服)ファサッ

アイリス「ちょ、ま、まッ……!」

イエリア「入学の手筈もバッチリだよ〜! リエムちゃんにお願いしてちょちょいとハッキングしてもらったの!」

アイリス「あなたみたいな愚鈍が人間の群れの中で上手くやれるわけないと言ったでしょう! 早く取り消しーー」

フィー「ご安心を。イエリア様は私がお守り致しますので」(E:ユリトー魔法女学院の制服)ビシッ

アイリス「……そ、それならまあ……」

イエリア「ちなみにお姉ちゃんもだよー」スッ

 アイリス用の制服「」ピカピカ

アイリス「はあっ!!? な、なんで私まで……」

イエリア「やっぱりこの時代で生きていく以上、いろいろと学ぶべきことは多いと思うの」

フィー「そういう点で言えば学校という場が適切というわけです」

イエリア「うん。それに私……通うなら、お姉ちゃんと一緒がいい」

アイリス「…………仕方ないですね。私がいればいろいろと融通も効かせられるでしょうし」

イエリア「やった!」ピョン

フィー(アイリス様も随分とチョロくなったなあ)

アイリス「……何ですかフィー、その生暖かい目は」

フィー「いえいえ、姉妹仲がよろしくて何よりと思っただけです」

アイリス「……ふん。不出来な妹ですが今となってはいろいろと不可欠な存在ですからね」

イエリア「えへへ……ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんも私に不可欠だよ……!」

 ぎゅっ!

アイリス「あっこら抱きつくな……!」

イエリア「えへへ〜」

フィー「フフ……よきかなよきかな」

 ◆
905 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:02:11.41 ID:4k+PfppA0
ー春休み某日
 ルアンの工房

ルアン『わかった。エピカがそう決めたのなら、私は応援するよ』

エピカ「……うん。ごめんね……。約束……果たせなくて……」

ルアン『いいのいいの。私は本人じゃないし、本人だとしてもきっとあなたを縛り付けたくないって思うはずだから』

エピカ「……そうだね……。ルアンなら……きっと、そう言う……」

ルアン『そういうこと。だから、あなたはあなた自身の目で、耳で、今の世界を感じてね。死者の想いだけでなく……あなた自身の身体と、心で』

エピカ「うん……。今のところ……かなしみに溢れたどうしようもない世界だっていう認識は、ほとんど変わっていないけれどね……」

ルアン『あはは、そう簡単に変わるわけないよね。でも結論はまだ先なんだよね?』

エピカ「うん……。もうちょっと……見て、考えたい………」

ルアン『そっか。うん、それで良いと思う。困った時はいつでもここに来てね。ここの設備ならあなたのメンテナンスもできるし、相談にも乗れるから』

エピカ「……ありがと、ルアン……」

ルアン『いいの。リアンたちのことも大事だけれど、あなたのことも同じくらい大事だもの……』

エピカ「…………」

 ぐすっ……

エピカ「……」ポロポロ

ルアン『……ごめんね。先に逝っちゃって』

エピカ「…………」ポロポロ

ルアン『ごめんね…………』

 ◆
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:03:08.54 ID:4k+PfppA0
ー春休み最終日
 断崖の岬

 ザァーン… ザザァーン…

 草花の芽「」ヒョコ

リアン「わあ、芽が出てきてる……!」

リエム「はい……。春の訪れ、です」

リアン「すっかり暖かくなってきたし、春だねえ」

リエム「はい……。リアンさまとここで春を迎えられること……心より嬉しく思います……」

リアン「うん……! 私も嬉しいよ……!」

リエム「はい……」

 ザァーン… ザザァーン…

リアン「そういえば、リエムちゃんと初めて会ったのは丁度一年前だったね」

リエム「はい。あの日、リアンさまに見つけていただきました」

リアン「リエムちゃんが私を呼んでくれたからね。あの日からもう一年かあ……」

リエム「いろいろなことがありました……」

リアン「うん……。一年間、本当にありがとうね。リエムちゃんがいてくれたから、ここまで来れたよ」

リエム「はい……。こちらこそ……リアンさまのお陰で、わたしはわたしとして存在することができました」

リアン「ふふ……うん! これからもいっぱい迷惑をかけると思うけれど、一緒にいてね!」

リエム「はい。お傍におります。お傍で、これからもリアンさまにお仕えいたします……」

リアン「うん……! これからもよろしくね、リエムちゃん……!」

リエム「はい……! これからもよろしくお願いいたします、リアンさま……!」



アリム「わたしを抜きにしてそんなやり取りをするなんて、良い度胸してるじゃない……」

リエム「アリム」

ノルン「私もいるよ……!」

リアン「ノルンさん!」

アリム「こんな良い場所で二人きりでいちゃいちゃするなんて不誠実じゃない? わたしたちのことも忘れないで欲しいわね」

ノルン「わ、私は……私も、リアンちゃんとこれからもよろしくしたい、かな……?」

リアン「わ……ご、ごめんね! 仲間外れにしたかったとかじゃなくて……!」

アリム「ふふっ、わかってるわよ。あんたがめちゃくちゃに鈍感なことくらい」

リエム「ふふ……リアンさまは、分け隔てなくわたしたちを愛しているだけなのです……」

ノルン「あはは……でも、そんなリアンちゃんが好きになっちゃったんだもん……」

リアン「へ……? ええ、と……?」

ノルン「これからも、ずっと、ずっと、よろしくね。リアンちゃん……」

アリム「……わたしも……一生、いてあげるわ。あんたの傍に……」

リアン「あ……。う、うん……!! 私も……!!」

リエム「ふふ……みんなで、ハグです……」

 ぎゅーっ


ーー離島の魔法女学院でダンジョン探索 完
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/24(日) 21:04:12.00 ID:4k+PfppA0
これにて「離島の魔法女学院でダンジョン探索」は完結となります。
最後の辺りで>>1の多忙や心身の不調が重なり更新が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。見ている人もだいぶ減ってしまったかと思いますが、それでも懲りずに見に来てくれた人へ心より感謝を申し上げます。
長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/24(日) 21:06:07.54 ID:pADAleke0
乙!

校内が人造種だらけになるけど現生徒会長がなんとかしてくれそう
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/25(月) 00:20:20.68 ID:nd5jXIKfo

無事に完結して良かった
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/25(月) 20:26:55.89 ID:rrDmEnnsO
乙!!!!
みんな幸せになれてよかった……
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/25(月) 22:45:31.36 ID:Oa8l2Xug0
乙でした、完結おめでとうございます
やっぱりハッピーエンドは良いものです
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/27(水) 12:32:31.84 ID:8fReEJxLo
乙でした
キャラ案から魅力を引き出すのがとても上手くて更新毎楽しみでした
御身体労って、できたらまた貴方の物語が読みたい
完結ありがとうございました!
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/28(木) 22:51:57.89 ID:X64kpvte0
改めましてありがとうございます。皆さまの温かい労いの言葉が五臓六腑に染み渡るかのようです
リアンたちの未来には様々な困難が待ち受けているかもしれませんが、彼女たちならきっと大丈夫でしょう。どうしようもないことはどうにもなりませんが、どうにかなることはどうにかなるものです
このような大団円へ至れたのも、皆さまのキャラクター案や安価、そしてコンマ運に恵まれたからです。どのキャラクターも書いてみると生き生きとして、とても楽しく書くことができました。素敵なキャラクター案、安価をありがとうございます

というわけで、いつになるかはわかりませんが次回作についてなどのアンケートを取ろうかと思います。よろしくおねがいします

・今作の難易度は
1.丁度よかった
2.ぬるかった
3.難しかった

・次にやるとしたらどんなのが良いか
A.現代魔法少女
B.近未来異能バトル
C.魔法系ファンタジー

また、今作や次回作に関する質問、意見、感想なども受け付けております。もちろん関係ない質問や意見でも大丈夫です。お気軽にお申し付けくださいませ
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/28(木) 23:12:37.84 ID:c4veyHLI0
1,B

ルルちゃ将来的にウインド家の養子になるのかな
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/28(木) 23:16:10.24 ID:2kxZIV5Fo
難易度:1
結果だけ見ればぬるめに感じるがちょいちょいコンマに救われた場面があったので
個人的には>>1のグッド展開ストーリーが好きなので甘々でも良い位

次回作:C
今作で人造種と人間の関係を描ききって頂いたので次はもっと多くの種族間のやり取りを見てみたい(あと人外出しやすそうなので)


個人的に気になったんですがラーチェルママ未亡人です?
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/28(木) 23:29:47.07 ID:Qcb8PoqUo
難易度 1
安価コンマ系は難度低めでも運が悪いと判定失敗し続けたりするから基本的に緩い方が話進みやすくていいと思う
今回も運命変えたとはいえ武闘会で一度負けてたり

次回作 C
主さんの作風は好みなので例えどれになっても次作があるのなら読みます
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/28(木) 23:57:55.47 ID:eeDjCraw0
1 c
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/29(金) 00:12:09.96 ID:6BITbsYS0
今更新があって完結したのに気付いて、ゆっくり読み直します 本当にお疲れさまでした
アンケートは1Aで
919 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/29(金) 00:52:53.43 ID:vwVSZyB80
ルルさんがウインド家の養子になるかどうかはわかりませんが、人造種が人造種として人の養子になるのは現状とても難しいと思われます。また、サーナさんもルルさんも法的な意味で家族になることにこだわりはないので、ルルさんは養子になるよりはウインド家の食客として居座る可能性の方が高いかもしれません

モース家の父親はあえて描写しなかったのですが、実のところ仰るとおり未亡人の想定でした。女手一つで二人の姉妹を育て、ようやく上の子が独り立ちした矢先に行方不明、下の子は血眼になって姉の行方を追う……ラーチェルママンの心労は実際はかりしれないものがありました。最愛の人と最愛の長女を喪ってもなお気を強くもっていられたのは、最愛の次女であるルウェリアちゃんがいたからかもしれません。しかし本編に関わることはなかったため、その辺りのことを書くことはありませんでした……

作風が好みと言っていただけるのは嬉しい限りです(なお自分で自分の作風をよくわかっていません)。まあ多分今後もこんなようにしか書けないとは思うので、こんな作風のまま精進していきたいと思います

コンマはどうしようもない時は本当にどうしようもないので、確かに少し緩いくらいの方がスムーズに進むかもしれませんね。今作はまあまあ緩めかと個人的には思っていたのですが、今のところのアンケートを見てみるとその緩さが実際丁度良かったと考えられそうです。難易度はこのままで良さそうな気がしてきました

そして次のジャンルは、今のところ魔法系ファンタジーが優勢のようです。考えてみるとこのスレも魔法系ファンタジーなのですが、意味合いとしては剣と魔法の世界のファンタジー的なものを想像していただければと思います

アンケートはもう少し継続したいと思いますので、よろしくおねがいします
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/31(日) 04:00:55.17 ID:h/g4aU4so
おお、完結していたとは
>>1さんお疲れ様でした!

難易度に関しては1(安価スレはぬるめの方がいい)
読みたいものはCかな
個人的には>>1さんの描く魔法少女ものも見たいけど、どれか一つならCで
921 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/12/31(日) 18:51:17.97 ID:kVHaUEm40
皆さま、アンケートのご回答ありがとうございます。この辺りで締め切らせていただきたいと思います
というわけで難易度は据え置き、題材はファンタジーで書きたいと思います。立ったらご案内いたします
質問や要望などは引き続き受け付けておりますので、何かあればお気軽にどうぞ

それでは良いお年を
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/12/31(日) 19:54:19.53 ID:QltxPdqoo
良いお年を〜
923 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/02(火) 20:52:35.94 ID:Qx+l7VEo0
新スレです。よろしくお願いします
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