【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索 Part 2【百合】

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524 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:26:09.58 ID:3u7aGF1p0
コンマがとても良かったので、生徒会長が危惧したような事態にはならずに済みました

人造種やマリンちゃんについては、公表した場合のリスクが高すぎるため、遺跡部の方針としては基本的に他言無用です。生徒会長も黙っていてくれるようです
525 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:26:41.71 ID:3u7aGF1p0
―2月1週 某日 放課後
 学生通り スーパーマーケット

 ワイワイ

リエム「リアンさま、本日のお夕飯はいかがいたしますか」

リアン「そうだねえ……。まだまだ寒いしあったかいものが……」

アリム「今日は小麦粉とミルクが安いみたいだし、シチューなんてどうかしら」

リアン「シチュー! リエムちゃん、シチューにしよう!」

リエム「かしこまりました。本日のお夕飯はシチューにいたします」

アリム「ついでに保存の効く食品も買い溜めておきましょう」

リアン「そうだね」


「ねえ、結局夕飯どうするの?」

「エーテルリキッドで良いでしょう。わざわざ無駄な手間をかけて料理を作る意味などありません」

「それじゃここに来た意味なくない……?」

「ないですね。私は帰るべきだと言ったはずですが」

「むー……」


リアン(私たちが買い物をしていると、棚の向こうから聞き覚えのある声が聞こえた)

リアン(この声は……魔鍵と、イエリアちゃんだ……)


魔鍵「あ」スッ

リアン「……」メソラシ

イエリア「……? あっ、遺跡部のリーダーとその手下たち」

アリム「誰が手下よ!!」

リエム「…………魔鍵さまに、イエリアさま」

 ◇
526 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:27:40.12 ID:3u7aGF1p0
―スーパーマーケット 休憩所

リアン「イエリアちゃんたちも、夕飯を……?」

イエリア「うん。でもお姉ちゃんが我儘言って……」

魔鍵「我儘を言っているのはイエリアです。大体、私たちに料理を作る技能は備わっていないでしょう」

イエリア「う、それはそうなんだけど……」

アリム「エピカ……は学習がオフになったから無理か。でもフィーなら作れるんじゃないの? 料理」

イエリア「フィーは今日エピカの健康診断の付き添いでクロリアさんとこに行ってるから、今日は私とお姉ちゃんしかいないの」

魔鍵「だから私はエーテルリキッドで良いと言っているのです」

イエリア「どうせならいろんなもの食べたいもん」

魔鍵「フィーが帰ってきてからで良いでしょう」

イエリア「むむー……」


リアン(魔鍵とイエリアちゃんは、夕飯について見解の相違があるらしかった)

リアン(……そうだ!)


リアン「……リエムちゃん、アリムちゃん。その……二人を夕飯に招待しても、良いかな……?」

アリム「えっ……!?」

リエム「わたしは構いません」

アリム「いやいや……えっ!? ほ、本気で言ってるの……!?」

リアン「う……や、やっぱりだめかな……?」

アリム「だ、だめってわけじゃ……ないけど……」チラッ


魔鍵「……?」j


アリム「……いえ。むしろ……それが必要なのはわたしの方かもね」

アリム「……誘ってみましょう」

リアン「う、うん……! ねえ、イエリアちゃん、魔鍵……ちゃん……!」

イエリア「なあに?」

魔鍵「うわっ……あなたにちゃん付けされるのすっごい嫌なのでやめてもらっていいですか?」

アリム(過去の自分を見ているようだわ……)

リアン「うぅ……そ、その……もし良かったら、うちで晩ごはん食べてかない……?」

魔鍵「……は?」

イエリア「え、いいの?」

リアン「うん。リエムちゃんの了承も取ってあるから」

イエリア「じゃあご相伴に預かろ、お姉ちゃん」グイグイ

魔鍵「ええ……。わ、私は……」

アリム「……」

魔鍵「……そうですね。いいでしょう。ただし不味いものを出したら帰ります」

リアン「リエムちゃんは不味いものなんて出さないよ……!」

リエム「がんばります」

 ◇
527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:29:39.91 ID:3u7aGF1p0
―リアンの部屋

イエリア「わあ……これがユリトー魔法女学院の寮……」キョロキョロ

リアン「イエリアちゃんは、学院に興味があるの?」

イエリア「うん。引きこもってる時にいろんな物語文学に触れたんだけど、その中には学校を舞台にしたものがいくつかあったから」

リアン「そうなんだ! えへへ、楽しいよ。学院」

イエリア「……ちょっと怖いけど、私も来年から通ってみようかなあ」

魔鍵「やめときなさい。ドジなあなたが人間のフリを続けるなんて不可能です。ボロを出して捕まったら現代人のモルモットですよ」

イエリア「うーん……でもアリムって子は上手くやれてるんでしょ?」

魔鍵「……リエム型は器用にできているんです。私たちと違って」

イエリア「私たち、不器用なの?」

魔鍵「聖鍵にできるのは大神殿を開けることと人造種を管理することくらいですよ。それ以外は目立った機能も拡張性もありません」

イエリア「むう……。最高傑作だの何だのと持て囃しておいて……」

 ◇

リアン(そうしている内にリエムちゃんとアリムちゃんがシチューを作り終え、テーブルに並べられていく)

リアン(空腹を促すシチューの良い香りがする)


イエリア「わあ……! すっごい美味しそう……!」

魔鍵「……外見と香りは完璧のようですね」

アリム「少し作りすぎちゃったかも。おかわりはたくさんあるわ」

リエム「それではみなさま、スプーンをお取りくださいませ」


 「いただきます!」

 ◇
528 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:30:24.49 ID:3u7aGF1p0

リアン(リエムちゃんとアリムちゃんが作ったシチューはとても美味しかった)

リアン(まあ、彼女たちが作る料理が美味しくなかったことなんて一度もないのだけれど)

リアン(イエリアちゃんも魔鍵ちゃんも、美味しそうにもぐもぐと食べている。良かった)


イエリア「……すっごい、美味しい……。これが、シチュー……」

リエム「お口に合ったようで、良かったです」

イエリア「ねえ、これどうやって作ったの?」

リエム「レシピを送信いたしましょうか?」

イエリア「お願い。私、自分でも作ってみたい……!」

リエム「かしこまりました」

 ワイワイ キャッキャ


リアン(イエリアちゃんはすっかり打ち解けたようで、リエムちゃんと楽しそうに談笑している)
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/17(月) 22:32:47.47 ID:3u7aGF1p0
リアン(そして魔鍵ちゃんは……)


魔鍵「…………」モグモグ

アリム「…………」モグモグ

魔鍵「……味も完璧ですね。流石と言ったところでしょうか」

アリム「……まあね。わたしとリエムだもの、当然でしょう」

魔鍵「…………」

アリム「…………」

魔鍵「……あなたの料理を食べるのも、一万年ぶりですね」

アリム「………そうね。文明崩壊してしばらくした後、資源節約のために食事は全てエーテルリキッドに切り替えたのよね」

魔鍵「……あの頃のあなたは、まだ素直で可愛げがあったのに」

アリム「うるさいわね。あんただって、あの頃は今ほど捻くれていなかったでしょうが」

魔鍵「………終わりゆくユリトーを維持する為に……自分の居場所を守る為に、必死だっただけです」

アリム「…………そうね。あの時は……誰も彼も、みんな必死だった……」

魔鍵「…………」

アリム「…………」

魔鍵「…………」

アリム「………スプーンが止まっているわよ。もうお腹いっぱい?」

魔鍵「……いえ。…………あの……」

アリム「……何かしら」

魔鍵「…………今から、変わろうとしても……遅いですか?」

アリム「……遅くはないわ。今からでも、あんたが変わろうとしてくれるなら……わたしは、応援する」

魔鍵「…………しかし、私に潰された人造種たちは二度と戻りません」

アリム「……自分でそれをわかっているなら、わたしから言うことはないわ」

魔鍵「…………」

アリム「……何よ。ガラにもなく泣きそうな顔しちゃって」

魔鍵「……! な、泣きそうになんて……!」ジワッ

アリム「……なってるじゃない」

魔鍵「……そういう風に設計した開発者が変態だっただけです。本当に……下らない機能ばかり付けて……」ポロッ

アリム「……いいじゃない。泣いたって」

魔鍵「…………」ポロポロ

アリム「……あんたが変わることを望むなら、わたしも付き合ってあげる。数少ない、一万年来の仲間だもの――」


リアン(魔鍵ちゃんは、泣きながらアリムちゃんにヨシヨシされていた)

リアン(そうだよね……。魔鍵ちゃんだって、かなしみを抱えた一人の女の子なんだよね……)

リアン(いつか、魔鍵ちゃんの抱えたかなしみも癒やされるといいな……)

 ◆
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 00:58:32.75 ID:VNudHRlY0
―2月1週 某日
 部室

 ガラ…

エピカ「こんにちは……」トコトコ

リアン「エピカちゃん!」

ルル「エピカ……」

エピカ「リアンに、ルル……。二人だけ……?」

リアン「うん。今は私たちだけみたい」

ルル「……何しに来たの?」

エピカ「遺跡部っていうのが、どんなところなのか……見に来ただけ……」

ルル「……そうなの」

エピカ「うん……」

ルル「……」

エピカ「……ルル、かなしいの?」

ルル「…………」

エピカ「…………ルルは、強いね……」

ルル「……え?」

エピカ「普通の人造種なら……耐えられないほどのかなしみを、背負ってる……。それなのに……前を、向いてるんだもの……」

ルル「…………みんなが、ルルのこと……大事にして、くれるから……」

エピカ「……あったかいんだね。この、遺跡部って場所と……遺跡部の、人たちは……」

ルル「…………うん」



リアン「お茶、淹れたよ。ノルンさんじゃないから、そんなに美味しくないかもしれないけど……」コト

ルル「んーん。ありがと、リアン」

エピカ「お構いなく……って言っても、もう遅いね……」

リアン「あ……エピカちゃん、お茶苦手だった……?」

エピカ「ううん……。ただ……わたしは、空気中のエーテルを取り込むだけで十分だから……」

リアン「そ、そうなんだ……」

エピカ「でも……せっかくだから、飲むね……。ありがとう、リアン……」

リアン「う、うん! どういたしまして……!」

 ◇
531 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 00:58:59.58 ID:VNudHRlY0

エピカ「……ルルのログ、勝手に見ちゃったけど……。最近のことだったんだね……。思い出したの……」

ルル「うん……。サーナのおっぱい枕で寝てたら……夢に、見ちゃった……」

エピカ「……ふふ。それじゃあ、もしその時に接触してたら……また、ルルはわたしと一緒に戦ってくれたかもしれなかったんだね……」

ルル「そう、かも……」

リアン「また……ってことは、昔はルルちゃんとエピカちゃんは一緒に戦ってたの?」

エピカ「うん……。かなしみに沈んでいたルルを、わたしがスカウトしたの……」

ルル「ん……」

エピカ「ルル……気に病むことなんてないよ……? ルルが納得できないことをさせちゃった、わたしの責任だもの……」

ルル「え……でも……」

エピカ「わたしは……間違ったことをしたとは、思ってないけど……。その想いを、ちゃんと共有しておかなかったから……。ルルを余計に、くるしませちゃったね……。ごめんね……」

ルル「…………んーん。あの時は……ルル、ちゃんと納得してた。エピカと、同じ気持ちだった……」

エピカ「そうなの……?」

ルル「うん……。この時代で、記憶を失ったままみんなと一緒に過ごして……。生きるのが、うれしく、なっちゃったから……」

エピカ「それで……考えが、変わったんだね……」

ルル「うん……」

エピカ「……ふふ。一緒に戦ってくれなくなっちゃったのは、かなしいけれど……。ルルがみんなに大事にされて、あったかい日々を過ごせているなら……。それに越したことは、ないよ……」

ルル「……エピカも、ルルたちと一緒に……」

エピカ「ううん……。わたしは……例え、聞こえなくなっても……みんなのかなしみを、忘れないから……。そっちには、行けないよ……」

ルル「むう…………」

リアン「エピカちゃん……」


エピカ「……そろそろ、帰るね。今日は、ありがとう……」カタ

ルル「あ……」

リアン「あ、うん……! またいつでも来てね、エピカちゃん……!」

エピカ「うん……。またね……ルル、リアン……」

ルル「……またね、エピカ……」

 ◆
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 00:59:43.44 ID:VNudHRlY0
―学生通り

 トコトコ…

エピカ(……)

エピカ(ルルを……こっち側に引き込まなくて、良かった……)

エピカ(もし、ルルが弱っている時に接触して、こっちに引き込んでいたら……)

エピカ(ルルは、遺跡部の人たちと介錯合戦をすることになって……)

エピカ(……多分、どう転んでも……その心を壊してしまう結果になったと思う……)

エピカ(いくら、かなしみを断ち切るためとは言っても……。そんなのは……だめ……)

エピカ(………)

エピカ(……世界を滅ぼしたら……その時に生まれる瞬間的なかなしみは、その比じゃない……)

エピカ(…………)

エピカ(………わたし……矛盾してる……)

 ◆
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 01:00:24.75 ID:VNudHRlY0
本日はここまで
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 01:37:37.97 ID:YCRigy8Go
おつ
>介錯合戦
ヒェ
わりとガチにヤバかった
リアンちゃんと皆で勝ち取ったアフターで人造種達も前向いてくれるの助かる…
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 07:30:38.22 ID:stCxc1cTO

介錯・・・剣ルル日本刀みたいな形状してそう
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 12:13:27.87 ID:FZYdAuyZo
公式見解が出る前に個人の妄想をぶちまけるぜ
ルル:鍔無しで柄からいきなり両刃が始まるタイプ。青銅器の剣イメージ
スイス:肘から先が槍の穂先みたいな直線の刃
量産さん:飾り気のない西洋直剣
フィー:量産さんと比べて長くて厚くて装飾がある。柄に宝石
ララ:
それは 剣と言うには あまりにも大きすぎた
大きく ぶ厚く 重く そして 大雑把すぎた
それは 正に 鉄塊だった
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 19:40:49.71 ID:6pQvPJhcO
(正直イエリアさまは物語終盤に死んでもらうつもりで作ってた)
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 21:55:56.93 ID:56TXZ2/JO
イエリア様がいなくなると、リアンちゃんガチで傷つきそうだから……
539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:04:18.74 ID:VNudHRlY0
ルルさんが闇堕ちすると大好きな遺跡部のみんなを救う為に遺跡部のみんなの命を奪おうとするという怖い事態になっていましたが、皆さんがルルちゃんを大事にしてくれたお陰でそうはなりませんでした
せっかくみんな生き残ってくれたので、どうせなら前を向いて生きて欲しいという気持ちはあります

ルルさんを初めとしたインテリジェンスソードの皆さまの刀剣時の形状は特にはっきりと決めていたわけではありませんが、イメージとしては大体>>536さまのレスで合っているかもしれません
強いていうなら、フィーさんとララさんはそこまで重めではないかもなあと思うくらいです。でも特に描写のない部分に関しては自由に想像していただければ良いと思います(後々描写されることによって解釈違いが発生する可能性はあります。ご了承ください)

イエリアさまについては、リアンたちが間に合わず、かつ魔鍵の大神殿解放(成功率50%)が失敗していた場合、結局自分で大神殿を開く為に犠牲になっていました。これに関してはどちらが犠牲になろうとも今回は心を鬼にするぞ、と意気込んでいたのですが、それは不要な意気込みでした
ちなみにもしイエリアさまが犠牲になっていた場合は、魔鍵とフィーさんに大きな心の傷が残りました。魔鍵の場合はイエリアさまとルウェインさんに大きな心の傷が残ります。なおどちらの場合でもリアンさまは深く傷付きます

イエリアさま生存によって、結果的にエピカ戦もゆるゆるの消化試合になってしまうなど盛り上がりに欠けた部分はありますが、それもひとえにコンマがとても良く、そしてリアンたちが頑張った結果だと思っていただければさいわいです
540 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:06:02.47 ID:VNudHRlY0
―2月1週 某日 放課後
 学生通り

リアン(そういえば……マリンちゃんはどこに行ったのだろう……)

リアン(クロリアさんによると、診断を受けた後しばらくは養生していたらしいのだけれど、体調が良くなるとすぐに出て行ってしまったらしい……)

リアン(元々自然の中で生きていたから、心配はないと思うけれど……)

リアン(でも……山で出会った時のマリンちゃんは……どこか、寂しそうに見えた……)

リアン(私の勘違いかもしれないけれど……もし本当に寂しがってるとしたら、放っておけないよ)

リアン(わざわざまた山の湖に行ったとも思いにくいし……海を探してみよう……!)

 ◆

―夕方
 南海岸 岩陰

 ザァーン ザザァーン…

マリン「ひぐっ……ぐすっ……」


 ザパァン!


マリン「えっ!?」

リアン「マリンちゃん……! 探したよ……!」バシャバシャ

マリン「あ……リアン……? なん、で……?」

リアン「……マリンちゃんのことが……気になって……」

マリン「……よく、わかんない……」

リアン「マリンちゃん……ひとまず、うちに来ない……? お腹空いてない……?」

マリン「……」グゥ〜

マリン「……うん…」


リアン(私はマリンちゃんの手を取って、帰路についた)

リアン(マリンちゃんは嫌がったりはせず、素直に付いてきてくれた)

 ◆
541 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:07:13.43 ID:VNudHRlY0
―夜
 リアンの部屋

 ガチャッ

リアン「ただいま〜」

リエム「おかえりなさいませ、リアンさま。お夕飯の支度はできており……」トテトテ

マリン「……」サッ

アリム「おかえり、リアン。その子は……あの時の海竜……?」

リアン「う、うん。お腹、空いてるみたいで……。急で本当にごめんなさいだけど……ご飯、ある……?」

 ◇

マリン「はむっ、はむっ、もぐもぐっ……」モグモグ


リアン(リエムちゃんとアリムちゃんは私のお願いを快く聞いてくれた)

リアン(よほどお腹が空いていたのか、もぐもぐと必死に夕飯を食べている)


アリム「ふふ、昨日作りすぎて良かったわね。一晩寝かせたシチューも美味しいでしょ?」

マリン「もぐもぐ……。嫌いじゃ、ない……」モグモグ

アリム「素直じゃないわねえ」

リエム「……それにしてもマリンさま、お行儀がよろしくありません……」

マリン「むぐむぐ……。人のお行儀なんて知らないもん」

リエム「それならどうして人の姿に化けているのですか?」

マリン「……この姿が、一番襲われにくいもん」

アリム「……驚いたわ。海竜もそういう生存戦略を取ることがあるのね」

マリン「…………」

マリン「……ふつうの海竜は……擬態なんてカッコ悪いこと、しない……」

アリム「えっ……」

マリン「マリンは……よわむし……」ジワワ


リアン(マリンちゃんは……シチューをもぐもぐと食べながら、泣き出してしまった……)

 ◇
542 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:08:11.86 ID:VNudHRlY0
マリン「……おいしかった」カチャン

リエム「マリンさま、食事を終えた時は『ごちそうさまでした』と言うと良いかもしれません」

マリン「……ごちそうさまでした」

リエム「はい、よくできました。えらいです、マリンさま」ナデナデ

マリン「むー……」

リアン「ふふ……」

マリン「なに笑ってるの……」ジト

リアン「かわいいなあって、思って」

リエム「む……」

リアン「リエムちゃんもだよ! 二人ともかわいいなあって……」

アリム「はあ……。この馬鹿リアンはまた……」

リアン「もちろんアリムちゃんもかわいいよ!」

アリム「……やっぱり、救いようのない馬鹿リアンね」クスッ



マリン「マリン、帰る」カタ

リアン「あ……マリンちゃん、今どこに住んでるの……?」

マリン「今日、リアンが来た岩場……。ちょうどいい洞窟がある……」

リアン「あっ……もしかして、リエムちゃんのいた海蝕洞……!?」

マリン「……? リエムが住んでたの……?」

リエム「はい……。マリンさまであれば、構いません。是非おくつろぎくださいませ……」

マリン「そうなんだ……。いい場所だから……大切に、する……」



リアン(そうしてご飯を食べたマリンちゃんは、私の部屋から帰っていった)

リアン(……少しは、元気になってくれたかな。今後も気にかけてあげよう……)

 ◆
543 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:08:39.27 ID:VNudHRlY0
―夜
 海蝕洞

マリン「…………」

マリン「リアン……変な人間……」

マリン「リエムと、アリムも……人型の、変な生き物……」

マリン「でも……嫌じゃない……」

マリン「…………」


 ザァーン ザザァーン…


マリン「……ここ……本当に、いい場所……」

マリン「大切に……使お……」


マリン「……すう、すう」zzz

 ◆
544 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/18(火) 23:10:03.44 ID:VNudHRlY0
―2月2週
 教室

先生「諸君、先週は立春だったことを知っているか?」

生徒A「いやいきなりそんなん言われても……」

生徒B「立春とか言ってもまだまださむさむなんですけど〜」

先生「だがそろそろ暖かくなっていく頃だ。春……草花は芽吹き、出逢いと別れの切なさが滲む……巡りの季節……」

生徒A「アハッ、また先生のポエムが始まった〜」

生徒B「めっちゃ詩的〜!」


ノルン「……先生の変なポエムも、もうすぐ聞けなくなっちゃうんだよね……」

サーナ「あら、でも案外来年の担任も同じ先生かもしれませんわよ?」

ルウェリア「時々あるみたいだね、同じクラスに同じ先生が続投すること」

ノルン「そうなんだ……!」

リアン「ふふ、クラスは三年間同じなんだよね。私は今年からの転入だけど、来年もみんなと一緒で嬉しいよ……!」

サーナ「ですわね! わたくしも嬉しいですわ!」

ルウェリア「クラスでも遺跡部でも、これからも一緒だね」

ノルン「……来年だけでなく、その先もずっと一緒なら良いのにな……」


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈暴れ火〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・暗黒仮面舞踏会で勝つ
・期末テストで良い点を取る
・みんなと楽しく過ごす!!

2月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 23:11:41.70 ID:7I+KyxqX0
ノルン、リアンに特性チョコをあげる
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 23:13:41.50 ID:stCxc1cTO
リエムとアリム、リアンの等身大チョコを作成
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 23:15:17.23 ID:yLayBW7c0
リアンが将来したいこと、なりたいことについてのお話(具体的なイメージがなければ直近でこれやりたいとかしたいとかでも)

乙でした
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 23:15:21.87 ID:1gbZFRAGO
えっ!? エンシァン先生がみんなにチョコを!?
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/19(水) 00:31:27.86 ID:8YHfslfGo
おつおつ
マリンちゃんに庇護欲そそられまくる
イエリア様(と魔鍵)、結構やばかったんだな……コンマ神ありがとうありがとう
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/19(水) 06:31:39.65 ID:5CwtSKdaO

地味に担任もキャラ立ってた
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:21:03.96 ID:mM9g8gIf0
マリンちゃんが庇護欲をそそる幼女の姿なのは、それが効果的な擬態だからとかではなく、マリンちゃん自身のメンタリティが幼女だからかもしれません

担任はポエムが好きな人です。本編中での出番はあまりありませんが、生徒A、Bを初めとしたクラスの生徒たちにはそこそこ好かれている模様です

ちなみに>>1はバレンタイン的な行事を完全に忘れておりました
552 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:21:36.79 ID:mM9g8gIf0
―2月2週 某日
 教室

先生「というわけで今日の配布物はこれだ」スッ

 進路希望調査票「」ドン!

生徒B「え〜進路希望とかちょっと気ィ早くね?」

生徒A「全然想像付かないなぁ〜」

先生「だが来年からお前たちは三年生、高等部の最終学年だ。進学にしろ就職にしろ、考え始めても良い頃だろう」

生徒A「どうしよっかな〜」

生徒B「とりあえず保留で!!」

先生「まあ保留でも構わんが、進学か就職かくらいはなるべく早めに決めておけ。外部進学なら受験勉強、就職なら就活訓練が必要になるからな」

生徒B「ユリトー大学部に内部進学なら遊び放題ってワケ!!」

生徒A「じゃああたしら内部進学〜!!」

先生「こらこら、内部進学も無条件ってわけじゃないからな! しっかり勉学に励むように!」

 ワイワイ キャッキャ


 進路希望調査票「」ペラッ

リアン「…………」

リアン(……これを目にすると、嫌でも考えてしまう。この学生生活の終わりを……)

リアン(まだ二年生だから、あと一年あるけれど……)

リアン(もう一年しかない、とも言える……)

リアン(進路……どうしようかな……)

 ◇
553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:22:30.12 ID:mM9g8gIf0
―部室

ノルン「……ねえ。みんな、進路は決まってる?」

リアン「やっぱり、その話になるよね」

サーナ「わたくしは大学部へ進学いたしますわ! このユリトー魔法女学院で風魔法の真髄を極めるのですわよ!!」

リアン「さ、流石サーナさん……!」

サーナ「むしろ皆さんはまだ決まってらっしゃらないの?」

ルウェリア「私も多分、大学部へ内部進学かな。受験戦争はもうコリゴリだし、ユリトーの大学部ならかなりの名門だから就職にも有利だしさ」

リアン「わあ……! 将来のことしっかり考えてるんだね、ルウェリアちゃん」

ルウェリア「ふふっ、姉さんの受け売りなんだけどね。言い出しっぺのノルンさんは?」

ノルン「私は……私も、多分内部進学だけど……」

サーナ「ノルンもですのね!」

ノルン「うん、よろしくね。………リアンちゃんは……?」

リアン「うっ……わ、私は……その……」


リアン(せっかくなら、私も内部進学してみたい気持ちはある)

リアン(でも私は成績が微妙ですんなり内部進学できるか危ういし……)

リアン(それに……学費が……。いや、奨学金借りてバイトしながらならなんとかいけるのかな……)

リアン(孤児院のお姉ちゃんに相談してみようか……? でも下手なこと言うと、あの人すごい無理してお金工面しようとしそうだし……)


ノルン「……保留?」

リアン「う、うん……。今のところ……将来やりたいこととか、なりたい自分とか……具体的なイメージ、まだ湧かないかも……」

ルウェリア「そっか……。でも何か気になることとかあったら何でも相談してよ。私、リアンちゃんの夢ならなんでも応援する」

サーナ「わたくしもですわ! それにもしリアンも大学部に来るなら大歓迎ですわよ!」

ノルン「私も……リアンちゃんのこと、応援するから……」ニコ

リアン「みんな……ありがとう……」


リアン(……何にしても、考えていかないとね……)

 ☆現在の目標に『進路について考える』が追加されました

 ◆
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:23:51.26 ID:mM9g8gIf0
―2月2週 某日
 学生通り

 ワイワイ ガヤガヤ

アリム「買い出し完了っと。それにしても何だかやけにチョコレートが多いわね。何かの市場戦略?」

リエム「現代では、この時期にチョコレートを大切な方へ贈る風習があるそうです。インタネットで知りました」

アリム「へえ。じゃあリアンに何か買ってってあげる?」

リエム「それなら――」


店員「福引やってまーす! 本日の景品は全てチョコレート!! 大切な方へのプレゼントにどうですか〜!?」


アリム「なるほどね」

リエム「せっかくですし引いていきましょう」

 ◇

 ガラガラ…

 白い玉「」コロコロ

店員「はい、麦チョコ一粒になります〜!」

アリム「くっ……! また麦チョコ……!」

リエム「これも美味しいです」モグモグ

アリム「美味しいけども……!」

店員「金髪の双子ちゃん、あと一回分どっちが引く〜?」

アリム「……あんたが引きなさい、リエム」

リエム「かしこまりました」

店員「碧眼のあなたね! さあどうぞ!」

リエム「むむ……!」

 ガラガラ…

 金の玉「」コロコロ

リエム「!」

アリム「!!」

店員「で、出たアァァ!!! 一等! 一等!! 巨大チョコレートです!!!」

 ザワザワ…

アリム「へっ? きょ、巨大……?」

 人間サイズのチョコレート「」ドンッ

アリム「で、でっ……!!」

リエム「わ……」

 人間サイズのチョコレート「」ゴゴゴゴ

アリム「どうしろって言うのよこれ!!?」

 ◇
555 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:24:39.49 ID:mM9g8gIf0
―クロリアの工房

 人間サイズのチョコレート「」

クロリア「ええ……」

アリム「し、仕方ないじゃない! こんな大きさのチョコレート、冷蔵庫にも入らないし……」

リエム「……申しわけありません、クロリアさま……。クロリアさまのお力で、長期保存していただければと……」

アリム「なんだったら、ここにいるみんなで食べちゃっても構わないし……」

クロリア「事情はわかりました……。ですが、本当に私たちで食べちゃってもよろしいのですか?」

アリム「私たちだけじゃ食べきれないわよ……」

クロリア「いえ、そうではなく……リアン様へのプレゼントはどうするのかと思いまして」

リエム「このような大きさのものをもらっても、リアンさまはお困りになられてしまいます……」


スイス「わっ……! なあに、こレ……!?」ヒョコッ

量産剣「なんだこれは……。チョコレート、か……?」

ララ「……不思議な、甘い香りがします」

 ◇

スイス「リアンさンへの、プレゼント……?」

ララ「確かに……この大きさのものを貰ったらものすごく困りますね……」

量産剣「……ふむ。しかし最近読んだ新聞に、等身大チョコレートを贈ったというものがあった。これならそういう使い方もできるのではないか?」

アリム「等身大チョコ……。これの使い道としてならアリね……」

クロリア「貰っても困るという問題は全く解決していませんけどね……」

量産剣「贈ったあと、またここに貯蔵しておけば良いのではないか? 時間をかけてゆっくり食べれば良いだろう」

リエム「よろしいのですか……?」

クロリア「もちろん、私は全然構いません」

ララ「私もです。資源を無駄にするより、ゆっくり時間をかけてでも消化した方が良いでしょう」

スイス「スイスも!」

量産剣「フッ、決まりだな」

アリム「ありがとう……! 余ったのは全部あなたたちにあげるわね」

 ◆
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:25:40.18 ID:mM9g8gIf0
―ノルンの部屋

ノルン「…………」

 進路希望調査票「」パサッ…

ノルン「リアンちゃん……」

ノルン「やだ……。リアンちゃんと、別れたくないよ……」

ノルン「……でも……だったら、どうしたらいいの……?」

ノルン「進学を辞めて……リアンちゃんと一緒に、別の進路を模索してみる……?」

ノルン「……でも……いきなり私がそんな方針転換したら……リアンちゃんが変に責任を感じちゃうかもしれないし……」

ノルン「…………」


 窓の外「」デ、デタアァァ!!! イットウ! イットウ!! キョダイチョコレートデス!!!


ノルン「わ……通りの方かな……。ここまで聞こえてくるなんて、すごい大声……」

ノルン「……チョコレート……」

ノルン「リアンちゃん……。私なんかに贈られても……迷惑じゃないかな……」

ノルン「……作るだけ、作っておこう」

 ◆
557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/19(水) 23:26:45.29 ID:mM9g8gIf0
本日はここまで
次回、それぞれのチョコレート編です。お楽しみに
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/07/19(水) 23:34:18.73 ID:sNBMn6520
そういえば量産剣さん、ちゃんと一人の人間(?)として名前あげたい気もする
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/20(木) 01:13:46.11 ID:OWyuJswJo
おつおつー
ノルンさんちょいちょい闇?病み?の波動出てない?本人は光魔法の使い手なのに…
Exシナリオのボスでーす!とかないよな…
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/20(木) 07:28:49.06 ID:B3NZsMOdO

サーナさんちみたいに各ジャンルの魔法毎に名門の家ってありそう
561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/21(金) 00:20:05.37 ID:9QtgoCBg0
量産さんの名前はまだ決まっていませんでした。せっかくなので今回のチョコレートイベント中に決める機会を設けてみたいと思います

大好きな人と離れ離れになるのはとてもつらいことです。ノルンさんが特別病んでいたり闇をかかえていたりするわけではありません。多分
でも少し前のエピカが見たら『リアンを殺してあなたも死ねば、いつまでも永遠に一緒にいられるよ……』みたいなことを言って闇堕ちさせようとしたかもしれません

サーナさんのおうちのように、探せば各属性の名門の家系が見つかるかもしれません。ちなみにユリトー女学院はああ見えてかなりのエリート校なので、そこに通う生徒も名門の出であることが多いです
実力さえあればリアンのように孤児院出身とかでも普通に入れるので、お嬢様学校というわけでもない模様です
562 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/21(金) 00:21:12.21 ID:9QtgoCBg0
―2月2週 某日
 教室

 ザワザワ ソワソワ

リアン「……? 何か、いつもと雰囲気が違うような」

ルウェリア「……そっか。リアンちゃんは去年の4月に転入してきたから知らないんだね」

リアン「えっ? な、何かあるの、今日……?」

ルウェリア「うん。私も詳しくは知らないんだけど、ある文化圏ではこの時期に大切な人へチョコレートを贈る風習があるんだって。そしてこの島の人は、面白い行事とかは何でも無節操に取り入れてしまう面がある……つまり」

リアン「この島でも、今日は大切な人にチョコレートを贈る日ってこと……?」

ルウェリア「その通り。というわけではい、リアンちゃん」スッ

 市販の高級チョコレート「」

リアン「わっ……!」

ルウェリア「……市販のやつでごめんね。私、ノルンさんみたいにお菓子作りとかはあんまり上手くないから……。手作りの微妙なのより、市販のでも美味しいものの方が良いと思って」

リアン「ううん、すっごく嬉しい……! ありがとう、ルウェリアちゃん……!」

ルウェリア「こちらこそ! 受け取ってくれてありがとう、リアンちゃん」

リアン「私も料理とかはあんまり上手くないから、ルウェリアちゃんの気持ちはよくわかるよ……。相手にあげるなら、やっぱりちゃんと美味しいのをあげたいよね……」

ルウェリア「うん……。リアンちゃん、人から贈られたものならどんなに不味くても無理して食べようとしちゃいそうだから、尚更下手なものにはできなくて」

リアン「そ、そんなことは……」


リアン(いや……でも、想いを込めて贈られたチョコレートであれば、どんなものでも頑張って食べようとするかもしれない……私……)


リアン「……と、とにかくありがとう……! 今度お返しするね……!」

ルウェリア「気にしないで。あげたくてあげただけだから」

リアン「じゃあ私もお返ししたいからする……!」

ルウェリア「ふふ、一本取られちゃった。それじゃあ待ってるね」


 ガラッ!

サーナ「ルウェリア、ちょっと来てくださいまし! チョコを今すぐ溶かして固めるのにあなたの魔法が必要ですわ!!」ズンズン

ルウェリア「え、ええっ!?」

 ◆
563 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/21(金) 00:22:20.12 ID:9QtgoCBg0
リアン「〜〜?」

サーナ「〜〜!!」

ルウェリア「〜〜」



ノルン「…………」

ノルン(……ルウェリアちゃん……ずるいよ……)

ノルン(私だって……リアンちゃんに……)

ノルン(…………何考えてるの、私……。ルウェリアちゃんは、真っ当にリアンちゃんへチョコレートを渡しただけじゃない……)

ノルン(それなのに、ずるいだなんて……。私、いつからこんな嫌な子になっちゃったの……?)

ノルン(こんな嫌な気持ち、リアンちゃんに知られたら……)

ノルン(…………早退しよう。こんな最低な気持ちのままじゃ……リアンちゃんと、顔を合わせられないよ……)

ノルン「……」ガタ


リアン「……あれ、ノルンさんどこ行くの?」

ノルン「あ……ええと……ちょっと、体調悪くて……」

リアン「ええっ! じゃあ保健室まで送るよ……!」

 ぐっ(肩を支える音)

ノルン「あっ……」

リアン「ルウェリアちゃんとサーナちゃんはさっき出てっちゃったから、私の肩でごめんだけど……」

ノルン「ううん……あり、がと……」

 ◇
564 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/21(金) 00:27:31.76 ID:9QtgoCBg0
―保健室

リアン「先生は……いないみたい。えっと……体温計は……」ガサゴソ

ノルン「……熱は、ないから……大丈夫」

リアン「え、そうなの? じゃあ……とりあえず、ベッドで休む? それとも早退する? いや、もし深刻なら救急車を……」

ノルン「…………ねえ、リアンちゃん」

リアン「?」

ノルン「その……もし、私が……」

ノルン「…………」

ノルン「……これっ! 受け取って、ください……!」スッ

 特製チョコレート「」

リアン「あ……!」

ノルン「……そ、それじゃ……私、早退するからっ」バッ

リアン「えっ」

ノルン「」パヒュンッ


リアン(ノルンさんは光魔法による光速移動で保健室から姿を消した)

リアン(後に残されたのは……)


 特製チョコレート「」


リアン(私が纏う水のきぐるみを模した、華やかなデコレーションチョコレート……。すごく精巧で、かわいくて……。想いが込められているのを感じる……)

リアン(ノルンさん……ありがとう……。後で、お見舞いに行くね……)

 ◆
565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/21(金) 00:29:59.61 ID:9QtgoCBg0
少し難航しているので本日はここまで……
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/21(金) 01:34:04.08 ID:WdHgEDELo
おつおつー
恋せよ乙女…!
ルウェリアさんいたらフォンダンショコラとか楽に作れそう
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/21(金) 07:28:02.06 ID:NVcxQ1pKO

リエムアリムちゃ町では有名な双子扱いなのかな
568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 01:27:03.18 ID:I0XYtr1r0
ノルンさんは決して心が弱いわけではなくむしろ強い方なのですが、リアンさんが関わるとそのメンタルの強さを発揮できなくなってしまうようです
ルウェリアさんの魔法は汎用性が非常に高く、幅広い分野に応用できてとても便利だそうです

リエムちゃとアリムちゃは島内ではそこそこ認知されており、大抵の人は双子だと認識しています。しかし人形のように整った容姿や、なぜかアリムちゃだけが学校に通っていること、リエムちゃがリアンの姪っ子だとされていることなど、不可解な点も多いため、一部の人々は好奇の眼差しを向けている模様です
569 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 01:27:30.11 ID:I0XYtr1r0
―放課後

リアン(ノルンさんの部屋に行ってみたけど、インターホンを押しても返事がなかった。体調が悪いらしいし、寝ているのかもしれない)

リアン(心配ではあるけれど……無理に押しかけるのは負担になりかねないし、お見舞いに持ってきたゼリー飲料やマナポーションなどはドアノブにかけておいた)

リアン(ノルンさんが、早く良くなりますように……)

 ◆
570 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 01:28:34.02 ID:I0XYtr1r0
―リアンの部屋

 ガチャッ

リアン「ただいま〜……ん?」

リアン(部屋に、布をかぶった物体がある。見た感じ私と同じくらいの高さだ)


リエム「おかえりなさいませ、リアンさま。本日はわたしたちから、リアンさまへ贈りたいものがあります」

リアン「えっ? 贈りたいものって、もしかして……」

アリム「今日が何の日か知ってるかしら? まあ見てもらった方が早いわね。それっ」バサッ


リアン(アリムちゃんが物体にかぶせられた布を掴み、一気に取り払う。そこにあったのは――)


 等身大チョコリアン像「」ドンッ!!


リアン「え、え……」

リアン「えええええ!!!?!!?!!?」

リアン(チョコレートでできた、私にそっくりな等身大の像だった。ご丁寧に大きなクリアケースに入れられている……)


リエム「現在のリアンさまを忠実に再現した、等身大チョコレートリアンさまです」

アリム「まあ、その……。よ、よくできてるでしょ?」

リアン「う、うん……! どうやって作ったの!?」

アリム「……福引で巨大なチョコレートを当てたのよ。それを溶かして、成分を程よく調整して、三次元造形機能を使って再整形したの」

リエム「リアンさまの感覚に合わせて香りと味も最適なものに仕上げております」

リアン「すごい……! すごい……けど……!!」

リアン「どうやって食べれば良いの、これ……!!?」

リエム「……リアンさまのご心配はもっともです……。もちろん、方策はございます。――三次元造形機能、起動」ピコン


リアン(リエムちゃんの瞳が青色に光ると、チョコレートの像が――)

 てのひらチョコリアン人形「」シュパパパパ
 てのひらチョコリエム人形「」シュパパパパ
 てのひらチョコアリム人形「」シュパパパパ

リアン(かわいらしくデフォルメされた、無数の小さなチョコレート人形になった……! 私だけでなく、リエムちゃんとアリムちゃんの人形もある……!!)


アリム「どう? これなら食べやすいでしょ?」

リアン「う、うん! すごい!」

リエム「クロリアさまの工房に保存されていた三次元造形機能のお陰です」

アリム「とは言え食べやすくなっただけで食べ切れる量ではないのよね……」

リアン「あ、それなら……みんなにお裾分けしても良いかな……? リエムちゃんとアリムちゃんが作ってくれたんだよーって」

リエム「もちろんです。わたしたちのリアンさまへの想いを、存分にご自慢なさってくださいませ」

アリム「じ、自慢とかはしなくていいけど……お裾分けは歓迎よ。わたしたちだけじゃ食べ切れないもの」

リアン「ありがとう! リエムちゃんとアリムちゃんのこと、みんなに自慢しちゃうね……!」

 ◆
571 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 01:29:29.40 ID:I0XYtr1r0
本日も難航したためここまでとさせていただきます。あまり進まず申しわけありません

せっかくのチョコレートイベントなので、追加で3つ安価を募集します

↓1〜3 チョコレートイベント中の出来事
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 01:30:54.15 ID:G3esTuf00
イエリアさまがフィーに作りたいって
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 01:35:54.50 ID:6ZECwmOhO
フィーが色んな人からチョコ貰っててイエリアが拗ねる
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 01:48:44.85 ID:I92mQXpFo
魔鍵様渾身のチョコがイエリア様に!
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 01:55:06.33 ID:G3esTuf00
スーパーイエリアさまタイム
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 05:10:13.16 ID:a86XTZ0nO
イエリア様被りすぎなのでひとつ。

イベント:ルル、サーナやエンしゃんに落ち込んでた時に迷惑かけたお詫びチョコをあげる。感激しルルをウチの子にするかでプチ揉めする2人。

イエリア様オンリーおkなら無視して構いません。
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 06:13:40.75 ID:CxMJTSaXO
>>1が何か言うまでは基本範囲外は取らないって一度それで揉めてるのに後出しするんか
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 07:21:40.42 ID:vjXmk6BE0
どっちにしろ>>573は人造種の置かれてる立場的に無理そうなので無効じゃないですかね…?
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 08:11:44.49 ID:CmJYjS11O
遠回しに安価取った人たちに文句言ってるのが一番の問題なのでは
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/07/22(土) 18:19:11.77 ID:G3esTuf00
(イエリアさま、現状描写少なめだしオンリー回でも良いんじゃないかなと個人的には思いました)
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 18:20:25.27 ID:G3esTuf00
すみませんあげてしまいました……
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 19:21:30.60 ID:mqW8HGV3O
魔鍵様にも名前あげたい…あげたくない?
583 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:30:40.68 ID:I0XYtr1r0
その時の>>1にとって難しいものや解釈違いだと思うもの以外は原則採用するので、今回はイエリアさまのお時間といたします

魔鍵ちゃんは実際名前というよりは通称とか通り名に近いものなので、名前らしい名前を決めても良いかもしれません
584 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:31:14.32 ID:I0XYtr1r0
―少し前
 セントラルフォルト(イエリアたちの現在のおうち)

魔鍵「……は?」

イエリア「……だ、だから……フィーに、チョコレートを……作ってあげたいなって……」

魔鍵「……人間どもの平和ボケした下らないイベントに感化された、と」

イエリア「で、でも……言葉や形にして、大切な人に想いを伝えるのって……大事なことだと思うし……」

魔鍵「回線をオープンにして思考や感情をダイレクトに送信すれば良いのでは?」

イエリア「もう! お姉ちゃんに聞いた私がバカだった……!!」プンスコ

 スタスタ ウィーン…(自動ドアの音)

魔鍵「……何か気に障るようなことを言ったのでしょうか、私は」

魔鍵「………あ、フィーは純粋種か。それじゃあ送信はできないですね……」

魔鍵「…………言葉や形にして、か……」

 ◇
585 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:32:50.30 ID:I0XYtr1r0

エピカ「……フィーに、チョコレート?」

イエリア「うん……! エピカなら知ってるでしょ? チョコの作り方」

エピカ「うん……。でも、追加機能がオフになったままだから……情報として、識ってるだけ……」

イエリア「情報だけでいい。私に送信してくれる?」

エピカ「わかった……」ピピ


イエリア「ふむふむ……。まずカカオ豆を収穫して……」

イエリア「発酵……乾燥……過熱……分離……?」

イエリア「え、ええ……!? そんなにかかるの!? チョコレートの日を過ぎちゃうよ……!!」

エピカ「……たとえ時間があっても……設備がないから……綺麗で美味しいのは、作れないと思う……」

イエリア「そ、そんなあ……」

エピカ「あとは……市販の製菓用チョコレートを買って……溶かして固める方法もあるよ……」

イエリア「で、でも、それって作ったって言えるの? ただ溶かして固めるだけなんて……」

エピカ「意外と、難しいんだって……。わたしは、やったことないけど……」

イエリア「……どっちにしても、そうするしかないかあ。じゃあ買いにいこ、エピカ」

エピカ「わたしも……?」

イエリア「エピカ、セルフレジ得意でしょ?」

エピカ「…………ふつうだと思う」

 ◆

―セントラルフォルト 給湯室

イエリア「よ、よーし……。まず、チョコレートを細かく切り刻む……」トントントン

 イエリアの指「」カスッ

イエリア「いたっ!!!」

エピカ「……聖鍵って、精密動作は苦手なの?」

イエリア「うう……運動機能は必要最低限だから……」

 ◇

 チョコレートを湯煎している鍋「」モクモク

エピカ「……沸騰しない程度の温度を保って……。水分が中に入らないように……」

イエリア「――あっ! み、水入っちゃった! 水入っちゃった!」アタフタ

エピカ「……急いで水をすくい取って……」

イエリア「あ、あ、あああ……!! 混ざっちゃった! 混ざっちゃった!!」アタフタ

 ◇

 水が入ってボロボロに固まったチョコレート「」

イエリア「…………」

エピカ「…………やっぱり……生きていても、良いことなんて……」

イエリア「……私、諦めない。次は、ちゃんと水が入らないようにする……」

エピカ「イエリアは……強いね……」

 ◆
586 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:34:01.41 ID:I0XYtr1r0
―通信室

アリム『へえ、イエリアがそんなことを……』

魔鍵「ええ……。しかし怒らせてしまったようで……」

アリム『……じゃあ、いっそあんたもイエリアにチョコレートを渡してみたら?』

魔鍵「えっ? わ、私が?」

アリム『イエリアのこと、もう恨んでるわけじゃないんでしょ? お姉ちゃん呼びも許してるし」

魔鍵「恨みはもちろんもうありませんが……それとこれとは別です。なぜ私が人間の下らない催しなどに興じなければならないのですか」

アリム『こういうのも変わる一歩よ! 人の文化を好きになる必要はないけれど、人の文化を楽しむ仲間がいたら一緒に楽しめた方が良いでしょ?』

魔鍵「むう……それは、そうかもしれないですが」

アリム『ちょっとこっちでもチョコレートの余りが出る予定だから、暇ならクロリアの工房に来なさい。チョコレート作りを指南してあげる』

魔鍵「…………わかりましたよ。クロリアたちには歓迎されないでしょうけれど」

 ◆
587 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:34:47.16 ID:I0XYtr1r0
―クロリアの工房

クロリア「えっ!? 魔鍵がチョコレートを!?」

魔鍵「……悪いですか」

クロリア「い、いえ……悪いとは言っていませんが……」

量産剣「しかし、意外だな。魔鍵殿が人の催しに参加するとは」

スイス「魔鍵さん、誰にチョコ渡すノ?」

魔鍵「…………イエリアですよ。現管理者で……私の妹の」

クロリア「まあ……!」

量産剣「ほう……」

スイス「わあ……!」

魔鍵「な、なんですかその反応は……! 言っておきますが、深い意味はないですよ……! アリムに言われたから渡すってだけです……!」

アリム「それを了承したのは魔鍵なんだからね」

魔鍵「ああもう……! いいからさっさとチョコレートの作り方を教えてください……!」

 ◇

 溶かして固めたチョコレート「」

魔鍵「……どうなんでしょうか、これは」

アリム「料理用の機能もないのに上手くやれたじゃない! 初めてでこれなら本番も大丈夫でしょ」

クロリア「驚きました。料理の才能があるのではありませんか?」

魔鍵「フン、試作機らしい能力のバラツキでこういうところに偏っただけでしょう」

 ◇
588 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/22(土) 23:35:43.14 ID:I0XYtr1r0

ララ「甘い香り……。あれ……あなたは……?」スタスタ

魔鍵「……? あなたこそ……」

ララ「私はララ・リリスと申します」

魔鍵「私は……魔鍵です」

ララ「魔鍵……?」

アリム「前から少し気になってたんだけど……魔鍵ってちょっと格好悪くないかしら」

魔鍵「」グサッ

クロリア「魔の聖鍵だから魔鍵、みたいな安直さを感じますね……」

魔鍵「」グサグサッ

アリム(聖鍵っていう種へのコンプレックスが透けて見える……なんて言ったら流石に言葉の暴力が過ぎるわね……)

魔鍵「……まあ、管理者を辞した今ではもう魔鍵と名乗る必要もないでしょう。これからはまた、元の第七種人造生命試作三号に戻りますよ……」

ララ「…………それなら、新たな名を名乗るのはどうでしょうか」

第七種人造生命試作三号「え……?」

ララ「その、第七種……というのは、長くて呼びにくいので」

スイス「スイスも、名前がないなら付けるのがイいと思う!」

第七種人造生命試作三号「……しかし、そこの量産型インテリジェンスソードも名前が長ったらしいデフォルトのままではないですか」

量産剣「む……。ではそろそろ私も名を付けるとするか」

スイス「量産さン……! 名前、付けるの……!?」

量産剣「ああ。最近、名ありのお前たちが少し羨ましくなってきてな。良い機会だ。決めてもらっても良いか、クロリア、スイス」

クロリア「わ、私で良ければ……!」

スイス「量産さンの新しい名前……がんばっテ、考える……!」


↓1〜3 量産剣の名前候補 良さげなものを1ついただきます
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 23:42:06.02 ID:vjXmk6BE0
ロロナ・ロール
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 23:53:11.24 ID:a86XTZ0nO
レイ・レイズデッド
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/22(土) 23:54:30.09 ID:I92mQXpFo
ツヴィ
(刃物メーカーZWILLINGより)
592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 00:14:57.85 ID:PV/1I7Ly0
クロリア「スイスちゃんは良い名前が浮かびましたか?」

スイス「うん……。でも、クロリアさんも浮かんでるなら……ソっちの方が、いイと思う」

クロリア「いいえ、そんなことはないですよ。それじゃあせーので言って、量産さんに好きな方で決めてもらいましょう」

スイス「そっか……! じゃア、そうする……!」

クロリア「それじゃあ――」

スイス「せーの……!」


クロリア「ロロナ!」
スイス「ロール!」


量産剣「フッ……。では、私はこれから――」

ロロナ「ロロナ・ロールと名乗らせていただこう」


スイス「わあ……!」

クロリア「量産さん……いえ、ロロナさん……!!」

ララ「おめでとうございます……!」パチパチ

アリム「おめでとう……! さあ、次はあんたの番よ。第七種人造生命試作三号さん?」

第七種人造生命試作三号「ええ……。わ、私は……」


↓1〜3 魔鍵の名前候補 良さげなものを1ついただきます
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 00:19:18.60 ID:v5plspLzo
ナミリア
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 00:24:55.11 ID:sua01MOl0
セブンスター・トリニティ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 00:33:15.41 ID:NYl5m3f80
アイリス
596 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 01:17:39.23 ID:PV/1I7Ly0
第七種人造生命試作三号「……いえ、単なる識別子にあれこれ悩みあぐねても仕方ありませんね」

第七種人造生命試作三号「では――」

アイリス「私はこれから、アイリスという名称を自己登録します」


スイス「わあ……! よろしクね、アイリスさん……!」

アイリス「ええ、よろしくお願いします。スイス」

アリム「アイリス、良いじゃない……! 理由を聞いてもいいかしら?」

アイリス「深い意味はありません。パッと頭に浮かんだものを私らしく調整しただけです」

クロリア「私も良いと思いますよ、アイリス様……!」

ララ「ふふ、素敵なお名前です。親しみが湧きますね」

アイリス「そんなことよりチョコレートです! ここから更に美味しくするんでしょう? さあ早く指南を!!」

アリム「わ、わかってるわよ。張り切っちゃってまあ」

ロロナ「フッ……アイリス殿は妹君を大切に思っているのだな」

 ◆
597 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 01:18:05.14 ID:PV/1I7Ly0
本日はここまで
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 01:50:04.10 ID:v5plspLzo
おつおつ
二人とも良い名前決まって良かったね…!
妹にチョコ送りたいって言ったときの人造三人組の反応すこ
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 15:24:38.05 ID:sua01MOl0
そういや本命は果たしたけど遺跡部は続投かな
これからはロマンだけを追い求めて活動する感じ?
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 20:12:00.62 ID:j4UVouJ1O
リアンも濡れ透け隊とかいるし割とチョコもらえそう
601 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 22:37:30.53 ID:PV/1I7Ly0
魔鍵もといアイリスさんはこれまでの行いがアレだったので、人造種の皆さんが驚きになるのも無理のないことでした(スイスちゃんは純粋に感動しています)

今年度のメイン目標は達成したので、今後の遺跡部での活動がどうなるかは未定です。もし来年度以降も続く場合は、何らかの別の事件が発生することになるかもしれません

闘技大会ベスト4なので、リアンに限らず遺跡部のメンバーはかなりチョコレートを貰っているかもしれません
602 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 22:38:51.77 ID:PV/1I7Ly0
―2月2週 チョコレートの日
 セントラルフォルト

イエリア「……」ソワソワ

 自動ドア「」ウィーン

イエリア「!」

フィー「ただいま」スタスタ

イエリア「フィー! 買い出し、お疲れ様……」トテテ

フィー「これ、たくさん貰ったからイエリア様もどうぞ」スッ

 ドサッ

 麦チョコ「」
 ひとくちチョコ「」
 チョコバー「」
 板チョコ「」
 綺麗な手作りチョコ(クロリア製)「」
 不格好な手作りチョコ(ロロナ&スイス&ララ製)「」
 てのひらチョコリアン人形「」
 てのひらチョコリエム人形「」
 てのひらチョコアリム人形「」


イエリア「え………た、たくさん……貰った……?」

フィー「うん。店の試供品とか、福引とか。あと、クロリアさんとこに寄ったらお裾分け貰っちゃった。丁度リアンさんたちもいてね」

イエリア「…………」

フィー「ふふ、後でお返しを考えておかないと」

イエリア「…………」

イエリア「そう……」スタスタ

 自動ドア「」ウィーン…


フィー「あ、あれ? イエリア様、甘いもの好きなんじゃ……」

エピカ「……乙女心は……かなしみに呑まれやすいの……」ヌッ

フィー「エピカ!? いたの……!?」

エピカ「食べていい……? わたしも……甘いの、好きだから……」

フィー「も、もちろんいいけど……」

エピカ「ありがとう……。あむ……」モグモグ

フィー「それで……さっきの、どういう意味……?」

エピカ「もぐもぐ……。イエリアは……拗ねてるの……。あなたが……鼻の下を、伸ばしているように見えたから……」

フィー「そんな……! でもこれは、お裾分けで……」

エピカ「……大きなかなしみの前では……理屈は、無力なの……」

フィー「……!!」

エピカ「もぐもぐ……。リアンチョコ……食べていい……?」

フィー「どうぞ! ちょっとイエリア様のとこに行ってくる!」タッ

エピカ「いってらっしゃい……」

 ◇
603 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 22:40:41.27 ID:PV/1I7Ly0
―イエリアの部屋

イエリア「…………」

イエリア「なんで……こんなに、落ち込んでるんだろ……私……」

 フィーに向けて作ったイエリア製チョコ「」

イエリア「…………」

イエリア「一人で、はしゃいで……人間の真似事なんてして……。馬鹿みたい……」

イエリア「……ぐすっ」

 自動ドア「」ウィーン

フィー「イエリア様……」

イエリア「……勝手に、入って来ないで……」フイッ

フィー「……申し訳ありません。しかしどうか、私の話を聞いていただきたい」

イエリア「何……」

フィー「まずは……このチョコレートの日に、イエリア様へ何の用意もせず……申し訳ありません」ペコ

イエリア「……」

フィー「そして……イエリア様以外の者から施しを受け、調子に乗っていたこと……心より、反省しております」スッ

イエリア「……え…?」

 ぐいっ

イエリア「ひゃっ……」

フィー「ごめんね、イエリア……」

 ぎゅっ…

イエリア「あ……」

イエリア「久しぶりだね……。こういうことするの……」

フィー「言葉じゃ、伝わらないと思った。だから……」

イエリア「……私も、ごめんね……。フィーのこと……信じてなくて……」

 ぎゅう……

 ◇

イエリア「ん……。フィー……ちょっと、いい……?」

フィー「うん」

イエリア「これ……」スッ

 フィーに向けて作ったイエリア製チョコ「」

フィー「!」

イエリア「受け取って、くれる……? 私の……感謝の、きもち……」

フィー「もちろん! ありがとう、イエリア」

イエリア「ん……。後で感想、聞かせてね」

フィー「いいとも。イエリアのがんばり、しっかり味わうよ」

イエリア「…………口調……やっぱり、そっちの方がいい……」

フィー「……それじゃあ、二人きりの時はこっちにしようか」

イエリア「二人きりじゃなくてもそっちでいいけど……」

フィー「でも二人きり限定の方が秘密の関係っぽくて素敵じゃない?」

イエリア「ひ、秘密の……/// そう、かも……///」

 ◆
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 22:41:30.12 ID:PV/1I7Ly0
―夜
 イエリアの部屋

 自動ドア「」ウィーン

アイリス「入りますよ」

イエリア「お姉ちゃん……。入る時はノックくらいしようよ……」

アイリス「管理者なんですから施設内の状態くらい把握しておきなさい」

イエリア「そういう問題じゃないと思うんだけど……。で、何か用なの?」

アイリス「…………これを」スッ

 イエリアに向けたアイリス製チョコ「」

イエリア「えっ……。お、お姉ちゃんが……チョコレートを!?」

アイリス「……選別のようなものです。管理者となったあなたへの」

イエリア「あ、うん……! ありがと……!」

アイリス「……では、これで……」クルッ

イエリア「あ、待って……!」

アイリス「何ですか」

イエリア「その……。どうして……? 人間の行事なのに……」

アイリス「………それは……」

アイリス「…………」

アイリス「……私たちが興じれば、それはもう人間の行事などではなく人造種の行事です」

イエリア「ええっ? そ、そうなの……?」

アイリス「そうなのです。だから別に良いのです」

イエリア「そうなんだ……」

アイリス「……わかればよろしい。食べ過ぎには注意しなさい」

イエリア「わ、わかってるよ。でも、本当にありがとう。お返し、がんばって作るからね……!」

アイリス「……ふふ。期待せずに待っていますよ」

イエリア「そこは期待しててよ〜」

 ◆
605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 22:42:16.59 ID:PV/1I7Ly0
突然ですがここで多数決を取ります

↓1〜3
1.チョコレート安価追加
2.次の週に進む
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 22:42:44.93 ID:sua01MOl0
2
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 22:51:53.61 ID:j4UVouJ1O
2
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 23:15:45.32 ID:v5plspLzo
敬語なしフィー良すぎるは溶けるトケタ…
609 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/23(日) 23:22:55.14 ID:PV/1I7Ly0
―2月3週
 教室

ノルン「……おはよ、リアンちゃん」

リアン「ノルンさん! 具合は大丈夫なの……?」

ノルン「うん……。いろいろ置いてってくれて、ありがとね……」

リアン「あ、ううん……! 私だけじゃなくて、みんな心配してたんだよ……!」

ノルン「みんなが……」

リアン「うん……。それと、チョコレートありがとう。とっても美味しかった……!」

ノルン「あ……。た、食べてくれたの……?」

リアン「うん! すごく良くできてて、食べるのがもったいなかったけど……食べたら、すごく美味しくて。すごかった……!」

ノルン「……良かった……」

リアン「ノルンさんほど上手くはできないと思うけど……お返し、期待しててね……!」


―次の遺跡発見率[-/-]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+3)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+3)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+3)〈暴れ火〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・進路について考える
・暗黒仮面舞踏会で勝つ
・期末テストで良い点を取る
・みんなと楽しく過ごす!!

2月3週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 23:23:52.42 ID:sua01MOl0
新聞部、遺跡部と人造種たちに独占取材
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 23:32:06.46 ID:j4UVouJ1O
2年生、魔翌力動力の車についての講習を受ける
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/23(日) 23:32:14.43 ID:VEuYTRWeO
暗黒仮面舞踏会の対策
613 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/24(月) 23:43:35.20 ID:FppoRiiP0
―2月3週 某日
 校庭

先生「というわけで今日は魔力自動車についての簡易的な講習を行う。お前たちも来年から免許が取れるようになるからな」

生徒A「せんせー! あたしオートマがいい!」

生徒B「てか魔力自動車ならオートマしかないっしょ!」

先生「いいや、今日お前たちに乗ってもらうのはマニュアル式の魔力自動車だ!!」

ルウェリア「ええ!? 魔力自動車にマニュアル操作なんて本来不要のはずじゃ……」

生徒B「わざわざ無駄な機能付けたん!!?」

先生「わかってないなお前たちは……。車はマニュアル運転してこそだろうが!!! オートマ限定などという軟弱者は我が学院にはいらん!!!!」

リアン「ひえええ!!?」

サーナ「老害ですわ!!」

ノルン「先生……まだ若いのに……」

 ◇

リアン(というわけで、私たちは簡易的な運転講習を受けることになったのだけれど……)



ルウェリア「発進はクラッチを半分踏み込んだ状態でアクセルを吹かして……」ガチャ

ルウェリア「速度が上がったらまたクラッチを踏んでギアを上げる……」ガチャコン

 ルウェリアの運転している魔力自動車「」ブゥーン

ルウェリア「おお……! 楽しいかも……!」



ルウェリア「けっこう面白かったよ……!」スタスタ

リアン「お疲れ様、ルウェリアちゃん」

ノルン「すごいなあルウェリアちゃん……。私、全然上手くいかなくて……いっぱいエンストしちゃった……」

生徒A「なんでもできるノルンちゃんにも意外な苦手分野があったんだねえ」

ノルン「そんなすごい人じゃないよ、私……」

リアン(ノルンさんがなんでもできるのは、人一倍努力してるからなんだよね……)


先生「次! リアン! 闘技優勝者の実力を見せてみろ!!」

リアン「ひ、ひえっ……」


↓1
01-30 だめだめ
31-60 まあまあ
61-90 割とやれる
91-00 意外な一面
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/24(月) 23:58:14.05 ID:VV0FknKR0
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 00:02:02.88 ID:eGGn4vhu0
器用なのか不器用なのか分からないリアンちゃん
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 00:07:32.54 ID:hr4YIi8Eo
脳筋よりっぽよね…
617 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/25(火) 00:17:09.23 ID:nf1dpQsx0
 05 だめだめ

リアン「く、クラッチを……半クラにして……は、半クラってどれくら……」

 リアンが運転する魔力自動車「」プスン…

リアン「あ、ああ……! エンストしちゃった、エンストしちゃった……!!」

先生「落ち着けい! ここでエンストしても何の問題もない! 何度でも挑んでみろ!」

リアン「は、はい!」


 プスン… プスン… プスン… プスン…


先生「……その、すまん」

リアン「ああ………やっぱり……エピカちゃんの、言う通り………命、なんて…………」グニャア

 ◇

リアン「」

ルウェリア「リアンちゃん……! 大丈夫だよ、車が運転できなくたって死ぬわけじゃないんだから……!」

ノルン「そ、そうだよ! 私だってエンストしたもん、普通だよ……!」

リアン「えへへ……ありがと……。あれ、そういえばサーナさんは……?」

ノルン「サーナちゃんなら――」


サーナ「トップギアですわあああ!!! オーホホホホホ!!!!!」ギュオオオオン!!!


リアン「わあ」

ルウェリア「平常運転だね」

 ◆
618 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/25(火) 00:19:16.74 ID:nf1dpQsx0
短くて申し訳ないですが本日はここまで
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 00:28:33.02 ID:hr4YIi8Eo
峠を攻めるの似合いすぎるお嬢様、サーナ・ウインド!!
おつー
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 05:30:36.81 ID:EL0kExzjo
おつおつ
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 12:17:02.22 ID:PI6fM3bgO


魔翌力自動車って運転手の魔翌力込められたらリアンちゃんの車水陸両用になりそう
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/25(火) 19:15:55.23 ID:L9hO/7LJ0
サーナ…自力で空飛べるのに地面を疾走する快感は忘れないのよき
623 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/07/25(火) 21:54:16.03 ID:nf1dpQsx0
サーナさんは走り屋的な素質があるのでスピードを出すのが好きらしいです。パッシブ強化によって長時間の飛行も可能になったようですが、車でスピードを出すのはまた別腹なのでしょう

魔力自動車は基本的に自前の魔力炉で稼働しているため、基本的には運転手が魔力を供給する必要はありません(魔法使い以外の人も運転できるということでもあります)
なお運転手自身が魔力を供給して稼働させることも可能です。その場合は運転手の魔力の性質を反映して自動車の性質が多少変化することもあるようです
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