【安価スレ】ダンジョンに眠る遺物を求めて

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/18(木) 01:40:32.28 ID:b6QmBWVeO
アリシアの先導を受けるクロウが向かったのは、バベル下層階を構成するスラム街、通称ゴミ捨て場だ。
貧民と浮浪者が犇めき、日夜怒号が飛び交う物騒な街に、二人はいた。

バベル下層階には、不貞の子が遺棄されたり、政争に敗れた富裕層が落ち延びたり、税金を支払えなくなった人が追放されたり、といったことが日常茶飯事である。
それが、バベル下層階がゴミ捨て場と呼ばれる所以だ。

そんな場所にも人が集う以上経済というものがあり、経済がある以上産業というものが存在する。
湯水の如く資金と材料が費やされる上層階、至って普通の技術と資金で賄われる中層階と比べれば数段劣る性能はしているが、ここで購入できる装備は非常に安価である。

尤も、そのような装備に命を預けるのは大変リスキーな行為ではあるのだが、クロウらに選択権は無いも同然だった。なぜなら。

「…一応置き手紙はしてきたけど、帰ったら絶対怒られるわよね」

「で、でも仕方ないだろ…。ダンジョンに行くなんて言ったら母さんにぶん殴られるに決まってるよ。せっかく貯めたお金も没収される」

「…はあ。こんなことなら、荷物整理でもしてお金を増やしておくべきだったわ」

大通りを移動する二人の周りには、物乞いをする子供たちが大勢いる。
この通りはバベルと外界を繋ぐ唯一の通路であり、そのためダンジョン攻略や魔物の狩猟を生業とする探索者らの往来が激しいのだ。

切った張ったを繰り返す、明日の知れない毎日を過ごす探索者は大半が懐に余裕があり、そんな彼らに恵んでもらおうと必死な子供が好機を伺っている。

当然、探索者でもないクロウとアリシアの懐に余裕などあるはずがないので、適当にあしらいつつ移動を続ける。
クロウたちもクロウたちで、命を預けるに足る武器を手に入れるために、このお金を失うわけにはいかないのだ。
29.47 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)