【艦これ】龍田「私とあの人と……高雄と愛宕、とその他」

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22 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:44:08.30 ID:4wLewLWE0

< でも激変といえば激変 >







飛龍「えーと、え? 何か訊きたい感じしてたから。
昨日の夜は特に話したわけでもないし」

雲龍「どう切り出せばいいのか探ってたんです」

飛龍「あ、そう……何か不思議ちゃん度はあんまり変わってないんだね」

雲龍「おお……おお……」

飛龍「? 何? その反応」

雲龍「ねぇ聞いた? あんまり変わってないですって」

飛龍「は? 」

天城「一言二言話せば意見も変わると思いますよ」

葛城「まぁ、パッと見どこか劇的に変わったってわけでもないし」

雲龍「まったく……つまらない妹たちね」

飛龍「ん、んんっ……? 」
23 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:47:11.60 ID:4wLewLWE0

< 挨拶は大体それなりにいっつも大事なので >







飛龍「えーと……えぇ、いきなりアホみたいに飲まされた挙句?
ホストになるべき? 三人出てこなかったけど? 改めてちょっとの間よろしく? 」

天城「よろしくお願いします? 」

葛城「よろしくお願いします? 」

雲龍「飛龍さんのベッドでよろしくすればいいんですか? それとも私の部屋? 」

飛龍「は? 」

天城「よろしくお願いします」

葛城「よろしくお願いします」

瑞穂「これが今の雲龍さんです」

飛龍「ん、うぅん……? うん? 」
24 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:49:20.93 ID:4wLewLWE0

<見境無いともちょっと違う >







雲龍「で、どっちが、いい、ですか……? 」

飛龍「雲龍とはよろしくしないことにするからどっちもいいや」

雲龍「ふふ……つれないヒト」

天城「はぁ。…………そうやって突っ返される度に楽しそうなのって別にあの人とか天城限定でもないんですね」
25 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:53:26.10 ID:4wLewLWE0

< 全部投げた方が楽だったので() >







高雄「愛宕たちはそろそろ着いたでしょうか」

提督「まぁ、遅れててもそろそろなんじゃない」

高雄「ですかね。……よくよく考えなくても」

提督「うん? 」

高雄「こうなることを半ば予想していたわけですよね?
だから蒼龍さんが迎えってことも分かっていたし飛龍さんを用意できた」

提督「まぁ……割と賭けではあったんだぜ?
失う賭け金の少ない賭けではあったけども」

高雄「はぁ」

提督「土曜か日曜だろうなーとは思ってたけど、
土曜にやられてたら飛龍は間に合わなかったし」

高雄「ふぅん……でも別にそれでもよかった、と」

提督「横須賀所属の飛龍を演習の為に女川要港部に派遣、っていう情報を偶々知っちゃって、つい? 」

高雄「どこまでが偶然なのかなんてくだらないことは訊きませんけど飛龍さんはどういう理由でここまで呼んだんです」

提督「空母組多めだしこっちでも演習やっていいですか? って色々なトコにお願いしただけ。
そういうわけだから一応ちゃんと演習はやらないと駄目だぞ」

高雄「それは別に構いませんけど」

提督「うん。……飛龍には殆ど説明してないんだよなぁ。
蒼龍が飛龍に対してどういう理由で横須賀空けるって伝えてたのか、
それとも飛龍が女川行くからって自分はその間横須賀いるように見させてたのかも知らん」

高雄「そうですか。……控えめに言って、最低では? 」
26 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:54:50.65 ID:4wLewLWE0

< オブラートは勝手に破けました >







提督「そう? 俺がテキトーに演習計画上申してたってことにでもすればいいんじゃない」

高雄「蒼龍さんは別ルートから先に到着していて、
あくまで時間があったので街にでも行っていたと? 」

提督「うん。俺が飛龍に言ったのはね、
“ 蒼龍はお前の為にちょっとだけ後ろ暗いことしてるっぽいよ? ”だけだから」

高雄「“ ちょっとだけ ”」

提督「“ ちょっとだけ ”、“ お前の為に ”」

高雄「そうですか。…………控えめに言わないとなるともう本当に最低の極みでは? 」
27 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:57:08.21 ID:4wLewLWE0

< 本気で上手くいってほしいとき程反対に >







提督「つってもなぁ……赤城は良いビジネスパートナーだし、
赤城の同志であるところの蒼龍も間接的にはパートナーではあるけど」

高雄「ええ」

提督「常に味方ってわけでもなかったわけだよ。
お互いがお互いを意識していないところで妨害し合ってたこともあるし」

高雄「それはまぁ……そうでしょうね」

提督「だからさ、蒼龍には頑張って誤魔化してほしいなって思うよ。
蒼龍に直接的なダメージが無くて一番嫌がりそうなのが、
飛龍に嘘吐かなくちゃならなくなることっぽいからこうしたんだし」

高雄「はぁ……」

提督「ん? 幻滅した? 」

高雄「実は特には。飛龍さんがあなたの駒だったって言われても今更幻滅する理由が無いです」

提督「そんなわけ無いから安心して。
……久々に凄い自己嫌悪するくらい上手い流れだった気は、するけど」
28 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:57:56.39 ID:4wLewLWE0

< 詰め >








高雄「まぁ……そんなことはどうでもいいんです。予想、してたんですよね?
佐世保隷下での蜂起とそれに連動して蜂起する厳島」

提督「なんならそれ以外の打診受けた拠点がどこもかしこも風見鶏やったり帝都に報告したりしてるのも幾つかは」

高雄「たぶんそんな雑に言うものではなくて殿下だとかあきつ丸だとか数人しか知らないことなんでしょうけど……」

提督「いや? 別に俺、殿下にもあきつちゃんにも直接は聞いてないよ」

高雄「信じさせてほしいものね。……知って、いたん、ですよね? 」

提督「え? うん」

高雄「つまり、私の誕生日がこうなることも知っていた上に、
なんなら蜂起日の関係上結末がこうなることがベストだったわけですよね?
キレていい? とか訊いてきたのもほぼ演技だったわけですよね? ね? ねぇ? 」

提督「え、いや、いやいやいや、ちが……そうじゃなく……うーん…………あー……えぇ……………………いやぁ……どうしよ」
29 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/15(月) 22:59:49.79 ID:4wLewLWE0

< 寝っ転がってれば良いわけでもないのが困る >







愛宕「ふぅ……ヘリってどうも好きになれないのよね、特に快適ってわけじゃないし」

叢雲「まぁ、五時間も六時間もずっと乗ってて楽しい乗り物ではないわね」

漣「腰が痛みますなぁ……これはふかふかベッド直行コースで間違い無い」

叢雲「んなわけ無いでしょうが。一応名目上は大湊からの増援なんだから」

漣「増援っつってもあれじゃん。このお船から遠巻きに厳島眺めてるだけでしょ? 」

叢雲「まぁ、抵抗の自壊と同時に呉の主戦が突入して終わりね」

漣「じゃあ折角三人いるんだし一人くらい寝ててもいいじゃん」

叢雲「責任者に挨拶はしないとあいつの面子的に問題でしょうが。私はそれでもいいけど」

漣「漣もそれでいいっす」

愛宕「私もそれでいいかなぁ」







あきつ丸「……あれに話しかけるのでありますか」

時雨「これ見よがしにチラ見してきてるんだから早く行きなよ。
…………久々に真っ当でも真っ暗でもない半端な理由で横須賀外にいる気がする」
30 : ◆5z7C0EoTrg [saga ]:2023/05/15(月) 23:01:53.82 ID:4wLewLWE0

また誰か忘れているような気が今更……

ありがとうございました
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 23:05:55.81 ID:31PXoCun0
32 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:16:41.12 ID:4AJdgVQR0

< なんか取り敢えずそーいう日なんです >







飛龍「あのー、一応これ報告書の類いガッツリ用意しなきゃいけない演習なんですよね? 」

提督「え? まぁ……そうかな」

飛龍「そうかな、じゃないんだけど……やる気無いの? 」

提督「あるある、超やる気あるわ。もう今すぐ報告書書けるくらいやる気ある」

雲龍「つまり結果は頭にあるので所定の弾薬を消費すればあとはなぁなぁでいい、ということね」

飛龍「別に今更真面目にやれとは言わないですけど……うん? 」

蒼龍「楽できるんならそれでいいじゃん。なんか夏でもないのに無駄に暑くなってきたし」

飛龍「まぁ、模擬戦とか言われたのに実弾バカスカ使ってるし普段横須賀いるときより実戦仕様な気はするけど」

提督「そう? あぁ、うん……よかったね……」

飛龍「……なんでこれこんなにやる気無いの? 」

雲龍「五月病? それとも賢者タイム? 」

提督「なんでかな……なんでだろう…………うーん……? 」
33 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:18:11.76 ID:4AJdgVQR0

< ちなみに演習は終わりました >







雲龍「じゃあ賢者タイムということにしておきましょうか。
いつも通りここでその時間消費してくれてベッドで出さないなら私はそれでいいから」

飛龍「ふーん……? 」

提督「……なに? 」

飛龍「いーえー? 女と寝るときは結構頑張ってるんだなって」

蒼龍「そだね。いい年してるくせに」

提督「どうかな……そう? 」

高雄「私はあなたしか知りませんので比較ができません」

提督「だそうですけど」

蒼龍「女の欲って本当は比較対象なんか無くても比べられるからね。やるじゃん」

飛龍「これで複数御せるとか凄いね」

提督「あ、そう。…………何で露骨に上げ始めたの? 何のお願いも聞かないよ? 」
34 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:19:26.02 ID:4AJdgVQR0

< 私じゃない私ならあなたは私のどんなところを…… >







雲龍「ふふ……ケダモノはご奉仕好きなんです」

飛龍「あなたたちがあなたたちじゃなかったらそうじゃなかった気がするけど」

雲龍「? …………ん……うん……? 」

提督「おい……余計なこと言うなよ。なんか納得して考え始めたぞこいつ……」
35 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:21:35.18 ID:4AJdgVQR0

< ツッコミ待ちとまでは言わないが >






加賀「蒼龍たちも中々やるものね」

瑞穂「まぁ……江風さん蜂の巣どころじゃないですもんね」

加賀「ええ。あなた、もう少し見ないで動けないの? 」

江風「見ないで動くってなンだよ……というかさ、あの、痛いンですけど。
もう少し優しく引き揚げてくれませン? 」

加賀「? いい加減慣れないの? 」

江風「痛みに慣れることは無いかなー、って」

加賀「おかしいわね。私はもう全身傷だらけなのに特に痛むところも無いわ」

海風「不感症? 」

初月「あいつにそういう暴力性は無かった筈だが」

龍田「メンタルのことじゃないの? 」

加賀「…………」

瑞穂「……さすがに今のは加賀さんの所為では? 隙が大き過ぎたかと」
36 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:25:17.39 ID:aIA5t9Yv0

< そこさえ諦めて膝を突かないのならば >






瑞穂「はぁ……で、どういう意味なんです」

加賀「? あなたもじゃなくて? どうでもいい他人の為に戦わされて、
ただ身体が直るという利点を活かして海にいるじゃない」

瑞穂「まぁ」

加賀「この身に傷を受けていないところなんてきっと無いわ。単に直るだけで」

瑞穂「……」

加賀「だからそう、ある意味一番傷が浅いのは心の柔らかいところかもしれない」

瑞穂「…………」






江風「ま、心の柔らかいところに傷が無いとは言ってないンですけどね」

海風「そうだね。…………まぁ、きっと皆加賀さんと同じなんだけど」
37 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:27:16.95 ID:aIA5t9Yv0

< 最近はわざわざ探すまでもなく会費だけで観られる >







蒼龍「ま、一言申し上げればですね、提督閣下」

提督「なんだね蒼龍くん」

蒼龍「場末の娼婦であろうと公爵夫人であろうと擬態できるのが真なる役者である、そう考えますね」

提督「そうかも? 」

蒼龍「かもじゃなくて確定です。……で、ですよ」

提督「はい」

蒼龍「傲慢とか言われたら困るくらいなんですけどね、
この映画の役者はなんなんですか。私が演じた方がたぶん何万倍もマシですよ」

提督「だろうね。でもだからいいんじゃないか」

蒼龍「はぁ……? 」
38 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:28:27.97 ID:aIA5t9Yv0

< テレビの尺稼ぎなんて甘いものだよね >







提督「適度にグロくて過度に汚い。
監督の頭空っぽでついでに脚本も演出も空っぽの虚無映画にまともな演者出したら失礼だろ」

蒼龍「ごめん本当に何言ってるのか分からないんだけど」

提督「なんで? 」

天城「何故でしょうね……なんで? なんて疑問を持つことに対してですけれど」
39 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:30:00.38 ID:aIA5t9Yv0

< クソ映画を観るときクソ映画もまたこちらを >







提督「うーん……説明するものでもできるものでもないんだけど」

蒼龍「はぁ」

提督「例えばお前が百点満点のテストをつくったとして」

蒼龍「ええ」

提督「0点の答案出してくるアホが二人いるとするじゃんか」

蒼龍「そんなやつさすがにいないと思いたいね」

提督「それがいるんですよ。……何も分からんから名前だけ書いて空白で突っ返してくるやつと」

天城「トンチキで訳の分からない単語の羅列かも怪しい解答で埋めてくるのがいる、ということですね」

蒼龍「つまりこーいう映画はそのトンチキ答案であなたたちはそれを観て嫌な笑い方してるんだ」

天城「たち、なんて言い方しないでほしいです」

提督「君はもうこっち側だぞ」

蒼龍「だよね。私とあなたたちの間にある溝はあなたたち二人の間にある溝より、広いよ」

天城「…………」
40 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:36:05.21 ID:aIA5t9Yv0

< 裸の王様とはちょっと違うかな >







漣「くっそだるかった……こんな美少女は高貴で壊れやすいお姫様レベルには扱ってくれなきゃ困るね」

時雨「ただの喋るガラクタでしょ」

漣「その二つを兼任してるだけなんだよなぁ」

時雨「ブリキのお姫様? 」

漣「川本真琴なんてよく知ってるね」

時雨「『ブリキの姫』は兎も角曲の方は普通に有名じゃないか」

漣「っても結構前のが多いと思うけど」

時雨「まぁ、ほら、それこそ僕らって暇を持て余したブリキのガラクタだからさ」

漣「美少女プリンセスだけどね」

時雨「はいはい。……そう扱ってくれる人がいなきゃ、お姫様はお姫様足り得ないけど」
41 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:41:30.01 ID:aIA5t9Yv0

< 今日はホテルでゆっくりと >







愛宕「高級将校だとか政治家の皆さんっていうのは会議が好きねぇ……」

あきつ丸「会議を開くことで安心できるといえばまぁ、素晴らしいことであります」

愛宕「巻き込まれる下々にはたまったものじゃない気もするけど。
ま、今回はあの人の名代でも無言でいいから楽できていいかな」

あきつ丸「そうだな。結論が決まった会議では発言権なぞ最初から無い方が良い」

愛宕「そうよね? ……明日と明後日くらいは観光していってもいいのかしら」

あきつ丸「自分と時雨が監視になる上でここのまともな軍人には秘匿されるが」

愛宕「ふふ、ちゃんと早く寝て明日はしっかり御粧ししなくちゃ」

あきつ丸「そうか。……大湊の女衒もよく不安にならないな。こんなものを野放しにして」
42 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:46:09.95 ID:xvzC73OG0

< 好き、ということ >







愛宕「んー? どうして? 私、擬態も得意だし今日みたいに壁のシミ? 椅子の埃?
みたいなのやるのも得意なんだけど」

あきつ丸「不穏な行動などしまいがどこで遊び歩くのか分かったものではないだろう」

愛宕「私、あの人のこと、好きだから」

あきつ丸「はぁ、それくらい分かるが愛宕殿も一応は女の端くれでありましょう? で、女衒殿もあれはあれで男だ」

愛宕「だからね、私、あの人のこと、好きなの。それくらいちゃんと伝えられるのよ」

あきつ丸「そうか。いや、いい、その先は聞きたくない。
信じるから嬉々としてどう安心させているのかなど聞かせないでほしいですあります……」
43 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 22:54:36.75 ID:NdmfPWvt0

< 半身 >







叢雲「では、頼まれていたものはしっかり渡しましたので」

「あぁ、確かに。……ところで叢雲殿」

叢雲「何でしょう」

「あいつは、息災か? 」

叢雲「まぁ、たぶんあなたが想像している通りに想像の何倍も元気だと思います」

「ふふん、であろうな。そうでなくては困るが」

叢雲「あ、そう……あなたと海軍省の銀縁眼鏡の人とあいつ、よく仲良くいられますね」

「気が合うんだ。趣味は全く合わないが」

叢雲「女の趣味も? 」

「あぁ、合わない。私も銀縁の馬鹿も人間の女しか愛せないよ」

叢雲「健全でよろしいことですね。……お酒は飲みます? 」

「今夜のお誘いかな? 会議は終わったし残りの書類も喜んで投げ捨てるが生憎少女と入れる店など

叢雲「ここ、あいつが予約入れてるみたいなのでよろしくお願いしますね。
銀縁の人も後から来るみたいですよ」

「なるほど。…………あぁ、そこまで信頼しているのか。これでは名代どころか……いやいや」
44 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 23:03:30.09 ID:NdmfPWvt0

< 横須賀の明けない夜 >






鈴谷「ところで今日は時雨ちゃんの誕生日なんだけど」

春雨「どっか消えましたね」

浜風「あきつ丸さんもいない以上つまりそういうことです」

大井「厳島か竹敷か知らないけどご苦労なこと」

鹿島「勤労感謝の日は休めない、みたいな? 」

速吸「全然違うと思いますけど」

那珂「あのー……えーと……もう一人の主役に誰か構ってあげて? 」

大淀「人気者だし別にいいじゃないですか」

霧島「はぁ……せめて時雨さんがいれば適度に毒突いてくれたりして平静でいられるのに」







金剛「へーい! プレゼントに孫の手なんて入れたの誰デース!
一緒に入ってるペディキュアは嬉しいケド! ありがとー!
……って誰デース! 青汁セットなんてもう三セット目デース! 」
45 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/18(木) 23:03:57.13 ID:NdmfPWvt0

ありがとうございました
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/18(木) 23:07:21.76 ID:wykknXLC0
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/19(金) 02:20:05.71 ID:WRBCj8dXo
落ちで草
48 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:24:58.82 ID:Xsc6Jl7F0

< 全て素直な本音である、とは言わないけれど >








漣「あれ? 朝帰りじゃなかったんだおはよー」

叢雲「おはよ。……そんな相手じゃないし殆ど仕事みたいなものよ。
なんならサービス残業甚だしいわ」

漣「漣たちって個人事業主みたいなものだからどの道残業代なんて出ないんじゃない? 」

叢雲「個人事業主でも残業代が出る場合は往々にしてあるけど……まぁ、出ても精々修繕費みたいな感じか」

漣「どうかな。……どうだった? 」

叢雲「今回の顛末と反省会みたいなものね。
あいつの信頼する化け物、っていう評価は凄く便利だなって思ったわ」

漣「ふぅん……まぁ、どうでもいいといえばどうでもいいんだけど」

叢雲「ええ。…………ただ」

漣「ただ? 」

叢雲「やっぱり牡蠣は生かシンプルに蒸したやつが美味しいな、って」

漣「あ、そう……結論が物凄くどうでもいいね。むーちゃんらしいけど」
49 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:27:19.98 ID:Xsc6Jl7F0

< 普通に頭脳労働の域 >







提督「どういう流れだよ……俺に剣術指南させるってあんま意味無ぇと思うぞ」

江風「加賀さンに言われたンだよ。私のはあくまで超反応と膂力がある前提の撃剣擬きだから、って」

提督「俺ができるのは兵学校レベルの剣道とそっから派生して同期と遊んだ剣術擬き未満なんだけど」

江風「それを理解する、というか体感するのにも意味があるンだろたぶん。
いきなり化け物基準でぶっ叩いたりしないし感覚野弄って超反応しないから本気でやって」

提督「はぁ……打たれると思ったらそこだけはガードか硬化させろよ。眠過ぎてそこまで気回らない」

江風「ン……」






雲龍「おお……様になるものね」

天城「何故お互い防具を着けずに木刀なんて振り回しているんでしょう」

加賀「私のやる気が無かったからよ。今日は寝起きであの人が元気そうだったから頼んでみたの」

扶桑「…………正直が美徳になるとは限らないってこういうことなのね」
50 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:28:25.62 ID:Xsc6Jl7F0

< 北辰一刀流とか普通に結構現存してはいる >







加賀「とはいってもこれはこれで意味があるわ。
まともな人間レベルの反応さえ今の江風には覚束無いって理解できるじゃない」

扶桑「まぁ……そうでしょうか」

雲龍「江田島って今でもあんな剣術擬きおしえているんでしょうか」

天城「たぶんというか絶対おしえてないでしょう。
あれ、剣道というより本当に剣術の類いに見えますけど」

加賀「まぁ、現代でも一応命脈が続いてはいるもの。
……私でも反応を同じレベルに抑えると勝ち負けするくらいには強いし」
51 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:30:09.04 ID:Xsc6Jl7F0

< 打ち合った時点でそれは >







提督「ん……こう、なんていうかな、両手を離して握るのにも意味はあるんだぜ」

江風「一応それ加賀さンにおしえてもらったけど軽くて柄が長い竹刀前提の話じゃねーの?
バットでもゴルフクラブでも両手くっつけて握るもンだろ? 力込めたいンだから」

提督「木刀持ってる同士で手離したり着けたりしてる俺にさえ着いてこれないやつの言うことではないな。
……たぶん加賀も言ってたと思うけど」

江風「うン」

提督「バインドとか握りはあくまで補助でしかないの。
握って、回転運動考えて、振り抜く。それをどこまで突き詰められるかが重要で」

江風「ン」

提督「先手を取り切るか、相手の先手を殺す。それができるならもう勝ってるわけ。分かれ? 」

江風「ン、ンン……理屈は、分かるけど」

提督「そりゃ常に両手くっつけたまま相手に着いていくか相手を引き離せるならそれでいいよ。
でもまぁお前が勝ちたいやつはお前より上だろ?
小手先を覚えろって言ってんじゃなくて自分の幅を広げろって言ってんの」

江風「ン……じゃあ江風も両手離してやってみた方がいいわけ? 」

提督「そんなわけ無いだろ。お前は俺より力強いんだから」

江風「はぁ? 」

提督「これだから自分でも自信無いものおしえんのは嫌なんだよ……あのね」

江風「ン」

提督「早く振るには両手をくっつけて握った方が良い。けど早く振るのが大事なのは何のため? 」

江風「先手を取るため? 」

提督「そう。…………次、一本やったら終わりな。普通に腹減った」

江風「舐め腐りやがる……っても全然見えないし見えても手首回らないしなぁ……」
52 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:31:21.16 ID:Xsc6Jl7F0

< どこに勝ちのラインを引くのか >







扶桑「あ、普通に終わった」

天城「終わりましたね。……結局一本も勝てませんでしたけど意味あるんですか? 」

加賀「色々とあるのだけれど……実は多少卑怯というかズルではあるの」

天城「? 」

加賀「あの人は気付いていて匂わせるくらいしかしていなかったけれど、
現代剣道において手首の、所謂ところの“ 回し ”が重要視されているのは本当」

天城「ええ」

加賀「で、筋力も上背も軍人の平均以上あるあの人と精々成人男性くらいに抑えている江風、
しかも一方はどこの何の流派か知らないけれど剣術擬きの経験がある」

天城「はい」

加賀「こういう状況では勝ち目なんてあるわけないもの。
ようはスケールをちいさくした対雲龍、対私のような何かでしかない」

天城「なるほど? 」

加賀「回しに心得があって剣術の方にも理解がある。
おまけにプライドなんて全く無くて勝てればいい、そんな人に勝てるならそれは……何? 」

雲龍「いえ、あの人の振りを見てるとこう、単純に格好良いなって。濡れそう」

加賀「…………」

扶桑「…………」

天城「…………なんだかもう全部どうでもよくなってきました。朝食、食べに行きましょうか」
53 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:31:53.87 ID:Xsc6Jl7F0

< 身から出た鯖() >







松風「僕お魚に美味しく食べる以上の興味は無いんだけどさ、
八戸沖がそれの特産地なのくらいは知ってるんだよ」

伊14「脂の量がどうとか言って毎年やたら食卓に載るもんね」

松風「うん。…………何でまともな演習の筈なのに水着に鯖が入っているんだい? 」

伊13「さ、さぁ……? 」
54 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:32:55.65 ID:Xsc6Jl7F0

< カワイイ is ジャスティス >






高雄「はぁ……猫」

加賀「そう、猫」

高雄「……猫」

加賀「ええ」

高雄「…………」

加賀「…………」

高雄「…………まぁ、あの人が許可を出したんなら私は何も言いませんけれど、増やす意味あります? 猫部屋」
55 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:33:55.15 ID:Xsc6Jl7F0

< 体裁というものの重要性 >







加賀「増やす、というよりはお引越しね。親子七匹で住まわせるにはちょっと狭いと思うの」

高雄「運動不足とかそういう話ですか? 」

加賀「それもあるし、単純に可哀想じゃない。鳥籠の鳥とまでは言わないけれど」

高雄「まぁ、サンとエリザベスは割と頻繁に脱走しますものね」

加賀「ええ。場所はもう決めてもらったので何人か適当に連れて行くから」

高雄「分かりました。……一応報告書をつくるのは真面目なのかなんなのか。
どうせ書類上は資料室だとか研究室の類いになるんでしょうけど」
56 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:37:20.39 ID:Xsc6Jl7F0

< 飲む、飲まれる、飲まされる >







天城「金曜日って憂鬱といえば憂鬱ですよね」

山城「どうして? 私たちにとっては曜日なんて有って無いようなものじゃない」

天城「まぁ、今更月月火水木金金なんて言いませんけれど……」

龍田「曜日感覚は大事なのよ、なんて言いながら金曜日の夜は盛り上がるじゃない? 」

天城「そう、それです。精々カレーでも食べればいいじゃありませんか」

山城「そこはまぁ……緩い当番制にしている以上どの曜日もメインを張る女の好みと気分だから」

龍田「と、言いつつ今日はカレーみたいだけど」

天城「飛龍さんが食べたいと言ったそうですよ」

山城「ふぅん……雲龍って割と希望は通してくれる方よね。
私や龍田は当日に言われたって基本叶えてやらないけど」

龍田「だって面倒じゃない? 当番だなぁ、って思ったら何日か前から食材確認して何となく副菜とかも考えるんだし」

山城「そうね」






飛龍「いや、本当これ……何か悪いことしたみたいじゃない……パスタの予定だったんでしょ? 」

雲龍「? 別に困るのは私じゃないので」

飛龍「んん???? 」
57 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:40:01.44 ID:Xsc6Jl7F0

< 手癖と慣れとそれからちょっとした冒険と >








龍田「それで? 今日の夜天城ちゃんなの? 」

天城「いえ。明日も特に当番は無かった筈です」

山城「今日の夜は姉さま、明日の朝は高雄、お昼は馬鹿男ね」

龍田「ふぅん……パスタからカレーになったとすると」

山城「何のパスタにするつもりだったのかは知らないけど、
たぶん野菜の類いを減らしてほしい食材の減りなんでしょうね」

龍田「逆よりは楽? 」

天城「扶桑さんなら煮物類だとかで対応してくれそうですね」

山城「明日の高雄もまぁどうということもないと思うわ」

龍田「となると問題は少将閣下かぁ」

天城「その頃には消費されてバランス良くはなってそうですけれどね」

山城「そのバランスをすぐに破壊する男、というのが問題なのよ」

龍田「カレーを続けてきたりはしないでしょうけど大量に炒飯つくったりいきなり中華祭りを始めたり」

山城「嬉々として出された分だけ食べる層が多いのもまた……」

天城「ええ。…………書類なんて見たくないからお料理、というのも理解できない話ではありますけれど」
58 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/05/19(金) 23:40:38.03 ID:Xsc6Jl7F0

ありがとうございました


59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/19(金) 23:47:18.59 ID:ojlY42P30
60 : ◆5z7C0EoTrg [sage]:2023/07/06(木) 23:38:18.31 ID:jRx6tVtk0

< 認めない、と言いたい気もするのだけれど、でも >







漣『や、人としてどうなんですそれは。
いくら化け物の女沢山囲って好き勝手税金使ってね、
その上それで地位維持しながら色んな方面の人間謀略で叩き落としててもやっちゃいけないことって有るんすよ』

提督『無いと言いたいところだね。……それ認めたとしてそこまでやっててこれ以上遠慮することある? 』

漣『あのですねぇ……』






漣「あれから早三年と思うと……まったく、クズは際限無いですね」

提督「あん? 」

漣「なんでもないです。…………ちゃんと結婚したい、とかいう願いだけは崇高なのがやってらんね」
61 : ◆5z7C0EoTrg [sage]:2023/07/06(木) 23:39:22.34 ID:jRx6tVtk0

< 決め打ち(外れない) >







提督「んん……うぅん……」

高翌雄「朝からなんですか。また頭のおかしい深淵な問いとやらにでも悩まされていると? 」

提督「…………」

高翌雄「…………」

提督「…………脚が綺麗でスタイルが良いとさ、
タイトスカートって時々すっごい品が無く見えるんだなって」

高翌雄「はぁ。…………惑わせるだけ惑わせてフラフラしているなんて罪深いにも程がありますよ、雲龍さん」
62 : ◆5z7C0EoTrg [sage]:2023/07/06(木) 23:40:21.35 ID:jRx6tVtk0

< あなたの欲しい私が欲しい >







提督「え、いや、あの」

高翌雄「まさか雲龍さんではないとでも? 確かに最近の傾向だと誰であっても可能性はありますが」

提督「や、雲龍だよ。……そうじゃなくてね」

高翌雄「はぁ……? 」

提督「ロンスカが好きなのは変わらないから、それが好きなの、好き、大好き。
忌々しげにスカート握るのは違うと思う。ね? 」
63 : ◆5z7C0EoTrg [sage]:2023/07/06(木) 23:41:17.07 ID:jRx6tVtk0

< 或いは無意識の行動であったからこその >








高翌雄「あら、気付きませんでした。折角あなたに選んでもらったスカートなのに」

提督「なんならブラウスもベルトも凄い見覚えあるよ……そうじゃないでしょ高翌雄ちゃん」

高翌雄「はぁ」

提督「…………」

高翌雄「…………」

提督「…………」

高翌雄「…………」

提督「…………分かった、分かったから。真面目に仕事する。
ちゃんと午前中に一段落付けて弁解の時間つくるから取り敢えず許して」

高翌雄「…………」

提督「えーと……ほら…………うん、それ、そのレジュメ、くれ」






高翌雄「…………特に意図したわけでも無いけれど……チョロ過ぎて心配になりますね」
64 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:42:33.00 ID:jRx6tVtk0

< 私の欲しい私が一番好きで嫌い、なのが好きなあなたか好き >







天城「姉様? あの……たぶんサイズが合っていないと思うのですけれど」

雲龍「そうよね。取り敢えず朝履いてみてあの人に見せて遊んだから着替えてくる。
このブランドって初めて買ったけれど思ったより安っぽいのも気に入らないわ」

天城「は、はぁ」





葛城「……それで着替えてくるのがより短い丈のキャミワンピ擬きって頭沸いてるのかな? 」
65 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/06(木) 23:44:53.13 ID:jRx6tVtk0

< 昨日と殆ど変わらない今日 >







雲龍「? たぶんこの後あの人まともに出てこないし」

葛城「はぁ? 」

天城「葛城のそれはあの人が出てこないという予想に?
それとも女社会で昼間から品の無い薄着で平然とすることに? 」

葛城「両方とあと雲龍姉ぇに対して殆ど疑問覚えない天樹姉ぇに対してだよ」

天城「? あの人にイカれた女に今更良識を? 」

雲龍「馬鹿な女」

天城「そうですね。早く死ねばいいのに」

葛城「そうだね。…………私ってまともなんだろうか、みたいな疑問覚えたくなかったなぁ……」
66 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:45:49.56 ID:jRx6tVtk0

< 姉妹愛って素晴らしいなぁ……! >







葛城「や、でもこれ……このキャミワンピってカーディガンと合わせると可愛いね」

雲龍「気の所為よ。私が可愛いだけ」

葛城「はいはい。……ブランド、おしえて? 」

雲龍「適当に合わせただけだからカーディガンの方は……あぁ、いえ、注文履歴を見れば、分かる」

天城「天城は寧ろ先程のスカートに合わせていたボウタイのブラウスの方が……」






江風「???? 」

海風「あの姉妹の中ではスムーズに完結してるんだよ。
……他人には分からないくらいシームレスに色んなもの無視してるけど」
67 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:47:03.77 ID:jRx6tVtk0

< 嫌がらせプレゼントという親愛 >







葛城「ん、と……あれ、こんなレギンス買ったっけ? 」

雲龍「……さすがに自分の注文履歴を管理できないのはどうかと思うわ」

葛城「そうだけど……え、でもこんなの……何に合わせようとしたのか何か合わせる物を買おうとしたのかも分からない」

雲龍「はぁ……」





天城「……泥酔して天城に着させようとしていた、というのはおしえませんよ。
あんなセンスの無いヨガウェア擬き誰が着るものですか」
68 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:49:31.18 ID:jRx6tVtk0

< 自分の嫌いなものはさすがにつくらないけれど >







加賀「あなたってこれ、好きよね」

提督「嫌いではないよ。…………君が凄い良い笑顔で食べるから好きなんだろうと思って面倒でも時々つくってるんだけど? 」

加賀「……? 」






扶桑「あのよく分からないって顔、賤しい女の演技よね」

山城「そうですね。…………あぁいう可愛い女の擬態を忌々しく見る姉さま、大好き」






涼風「ドン引きだよもう……」
69 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:50:56.28 ID:jRx6tVtk0

< や、まぁ、手頃でかつ手間かけた感は演出し易いのですか >







赤城「ふふ……肉寿司なんて中々難しい位置にいますよね。
伝統なんて欠片も無いようで割に前から支持があって、
雑なようでいてそれなりに手の加えようはある。
際限無く素材の品質を高められそうでジャンクな方が丁度良いことさえ」

提督「レンチンした米用意したらフライパン見ながらタレとか混ぜてフライパン見ながら握って引っくり返して乗っけるだけだぞ」

加賀「なんと言われようと私は好きですけれどね。
…………同じ値段の高級品よりは鼻について、同じ値段の低級品より、パフォーマンスは良いと思うし」
70 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:53:46.82 ID:jRx6tVtk0

< つまり、そういうこと >







加賀「もっと言うとこう、最高級店では出なさそうだけれどたぶん最低級店でも出ないのだろうな、という感想? 」

提督「絶妙なレベルで金だけはあって悪かったな。
同じ値段で鼻につかないものでも自分で用意したら? 」

加賀「ばか。……あなたの手になるものなら別にその辺の泥でも構わない

提督「なんて言うなよ。お前の品位が下がる」

加賀「品の無い女ですけどね。……その辺の泥よりは美味しいもの、いただける? 」

提督「喜んで」






海風「中二病って開き直って続ければある程度はカッコいいよね」

江風「え、えぇ……? 」

能代「……あの人じゃないあの人なんて見下げ果てるとか言ってたくせに」
71 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:54:39.81 ID:jRx6tVtk0

< サピオセクシュアル >







叢雲「知性と知識と人格が全くイコールではなくて一つが終わってるだけで全部台無しになる見本ね」

提督「俺が? 」

叢雲「あんたが」

提督「そうかな。寧ろよっぽど終わってる部分があっても他でなんとかできる見本だと思うけど」

叢雲「たかが知識で? 」

提督「そんな烏滸がましいこと言わないよ。知性のこと」

叢雲「自分に知性があると宣う男にまともな知性は宿っていないと思うけど」

雲龍「知性ってつまり性格を形成する重要な構成要素でしょう? 」

提督「な? 」

叢雲「……なるほど」
72 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:58:39.28 ID:jRx6tVtk0

< 歴史ネタって便利ぃ…… >







雲龍「まぁ、でも……な? とか言うのはおかしいと思うけれど」

提督「そう? 」

雲龍「大切な要素とは言ったけど決定的条件ではないし」

提督「でも、でもでも、俺に知性も知識も足りてないとは言えないじゃん?
あくまで君らの思う常識において」

叢雲「…………」

雲龍「…………」

Roma「だからなんだって言うのよ。下見させて強制的に沈黙させるって品の無い知性だわ。蛮人の知恵」

提督「…………」

阿賀野「さっすがRomaさん。ランゴバルドとかノルマンみたいなのは許せないもんね」

Roma「???? 」
73 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/06(木) 23:59:23.29 ID:jRx6tVtk0

< 演習終わりに頭を使う >







Pola「どうぞ〜。適当にあった素材でつくりました〜」

時雨「さすが料理だけは信頼できるね。ありがとう」

Pola「あの、一々罵倒語を挟まないと感謝もできないんですかぁ〜? 」

時雨「つい一言付け加えたくなるヒトが悪いんだよ。……シーフードリゾット? 」

Pola「いいえ〜? おじや」

時雨「……おじや? 」

Pola「はい〜。BismarckとRichelieuに覚えさせられまして〜」

時雨「???? 」
74 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/07(金) 00:00:26.19 ID:OxLHe+mn0

< 演習終わりに哀れみを >








Pola「何人かで飲んでいたんですよ〜。“ 害人会議 ”っていうんですけど」

時雨「はぁ? 」

Pola「害のあるヒトたちの集まりじゃなくて害されてるヒトたちの集団って意味で」

時雨「……自称なんだろうねそれ。他称だとさすがに問題になる」

Pola「ええ。異国の地で心細いヒトビトのゆるーいサークルみたいなものですよ〜?
単にささやかな悪意があるだけで」

時雨「そうかい。……うん、美味しいよ」

Pola「それはそれは〜。……二日酔いになる予感があるから朝までに覚えておいて、
と言われたときはさすがに頭にきましたけどねぇ〜……」

時雨「えぇ……」
75 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/07(金) 00:00:59.96 ID:OxLHe+mn0

ありがとうございました





76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/07(金) 08:09:23.05 ID:iLF9DP5r0
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/07(金) 12:16:49.43 ID:WG+0FvIAo
お疲れ様です
78 : ◆5z7C0EoTrg [sage saga]:2023/07/30(日) 20:21:30.65 ID:CdxusNb60

< 脳破壊亜種(事故) >







明石「はぁ……そのどう考えてもサイズの合っていないシャツ着て、どうしたんです」

愛宕「んー? えっと……単純に、間違えた? 」

明石「はい? 」

愛宕「忌憚無く言うとこの部屋って私が女の子を連れ込む部屋なんだけど」

明石「探してきて、忌憚」

愛宕「捨てちゃった。……自分のシャツを用意しておいたつもりがあの人のを間違って持ってきてたみたい」

明石「ふぅん。…………“ サイズの合っていないシャツ ”って普通小さめってことよね。
なんで彼シャツみたいなアレを女と起きた朝に見せられてるんだろう」
79 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:22:32.04 ID:CdxusNb60

< 絶対に嘘は吐かない >







秋雲「いやぁ、夏はいいですなぁ……薄着の女子ばっかで」

時雨「もう慣れたけどある意味で君が一番女を活用してるよね」

春雨「同じことを男の人が言うとアレだもんね」

秋雲「まぁ、だらしない方向に行くと女へのふわふわした幻想に盛大なヒビが入るから丁度良く目瞑らないといけないけど」

浜風「ふぅ……演習、終わりました」

秋雲「ささ、クーラーの下へどうぞ」

浜風「? どうも」

秋雲「身体動かしてホットなままシャワー浴びた後の女の子って独特な爽快感あるからね。見たいの」

浜風「…………」
80 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:24:54.43 ID:CdxusNb60

< 次の日を考えてクソ映画を撮れる? >







春雨「でも訓練終わりとかで身体冷えてない状態だと時々お風呂でフラフラするよね」

時雨「それが好きなヒトもいるんじゃない」

春雨「サウナと水風呂みたいなものかな」

時雨「たぶんそう」

速吸「む、クールタイムはしっかりつくらないと後々

秋雲「そんなの気にして化け物なんてやってられませんよ。
速吸さんの好きな映画で次の日のことなんて考えます? 」

速吸「確かに……」

鹿島「あの……これでも“ 艦娘 ”の運用に口を挟めるヒトなんですけど……あの……」
81 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:25:59.35 ID:CdxusNb60

< ノストラダムスは予言を間違えたんだろうなって >








提督「上から見るか、下から見るか……」

愛宕「うん? 」

提督「僕基本的には谷間が好きなんで上から見たい人なんですけどね」

愛宕「あ、そう……」

提督「よくよく考えると身長的に普通にしてると上から見ることになるんです。
や、別に問題は全く無いんですけど」

愛宕「そうね」

提督「でもこう、翻ってじゃあ下から見るときってどんなとき?
ってことを考えるとそれは大体全部特殊な状況だよなって思ったんです」

愛宕「たぶんあなたじゃなくても普通そうだと思うけど」

提督「だとしたらばですね、下乳見るときの方が概して背徳的なものを纏っているであろうことに気付いてしまいまして。
これは下から見なければならないな、と感じた次第なのです」

愛宕「ふぅん……ねぇ、別にそれはいいんだけど」

提督「ええ」

愛宕「目線全く寄越さず巫山戯たこと言ってきてね、何?
あなたに跨ればいいわけ? 」

提督「え、いやいいよ別に。暑い」

愛宕「あのね……」
82 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:28:10.34 ID:CdxusNb60

< 子供の頃の爛漫を失っただけならいいんですけど…… >







提督「まぁ、ソファに深く座ってるときの騎乗位好きだから是非乗りたいって言うならいいけど」

愛宕「え、いや、暑いし……」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………もうソファからして不快感あるな。氷枕でも持ってくる? 」

愛宕「持ってきてくれるなら貰うけど……あっついなぁ……」
83 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:29:51.81 ID:CdxusNb60

< プランクしてるだけで汗だくはちょっとどうかと思うなって >








愛宕「大体ね、この夏場胸の周りって本っっっっ当に面倒なのよ」

提督「綺麗なおっぱいを維持してくれてる努力には頭が上がらないね」

愛宕「だからこのアホ程暑いときに世迷言垂れ流して疲れさせないでくれる? 」

提督「おっぱいの為に沈黙せよと言われたのならばその指示に従うのに吝かではない」

愛宕「あ、そう……」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………ロックアイス、追加で。別に氷枕は要らないから、早く」

提督「はい」
84 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:30:46.72 ID:CdxusNb60

< こう、暑過ぎると快楽物質が足りてこなくて >







提督「はい。……酒にしようか? 」

愛宕「別に、いい。この昼間から飲み始めたら早朝辛いのよ。
怠いし暑いのに無駄に目冴えてくるから」

提督「そう」

愛宕「ええ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………ロックアイス口に入れて谷間周り舐めようか? 」

愛宕「要らない。……あなた黙っていようと思えば幾らでも黙っていられるのに暑いときだけ無駄に構ってくるわね」
85 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:31:26.92 ID:CdxusNb60

< いざゆかーん…… >







提督「婚約者が構ってくれなくて、寂しい? 」

愛宕「はぁ…………仕事は? 」

提督「必要なのは終わらせた。一昨日まで出張だったから溜まってたやつも昨日気合いでなんとかしておいたし」

愛宕「ふぅん……」

提督「うん」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………西瓜、食べたい」

提督「よし、溶けてる奴ら全員叩き起こして浜行くかぁ……! 」

愛宕「はいはい。…………構ってちゃんオーラに負けちゃった。皆ごめんなさいねぇ……」
86 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:32:59.61 ID:CdxusNb60

< 冬の方が万倍マシなのは確か >







雲龍「常識人、という言葉は置いておいて」

葛城「なんで初っ端から大事なもの置き去りにするかな」

雲龍「常識というものを理解している度、って考えると私って割とここでは上位よね」

葛城「……」

雲龍「……」

葛城「…………」

雲龍「…………違う? 」

葛城「そうだね。…………いやいやいや、え、いや、そう、なの……? そうかも……」

天城「…………酷暑って、怖いですね」
87 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:34:44.28 ID:CdxusNb60

< こんな状況下で強いということはつまり >







雲龍「頭がロックに支配されてて“ 艦娘 ”は幾ら飲んでもアル中にはならないと思ってる女とか」

葛城「天城姉ぇはまぁ雲龍姉ぇの妹だし」

雲龍「献身と真心と愛情さえあれば幾ら縋ってもいいと思ってる女とか」

葛城「んん……高雄さん? はまぁあの男と婚約するようなヒトだし」

雲龍「重婚者以外に沢山愛人のいる男のオンリーワン目指してる女とか」

葛城「龍田もまぁ……えーと、初期メンみたいなヤバいヒトらの中心だし」

雲龍「…………」

葛城「…………」

雲龍「…………分かった? 別に常識人なんて気取らないけど、私、割と、まだ、まとも、ね? 」

葛城「んんんんっっっっ…………? 」
88 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:36:01.57 ID:CdxusNb60

< 折角ノったのに…… >







漣「クソ怠い……おい二等兵……なんだこれは」

江風「はい! 西瓜であります! 海であります! 」

漣「んなもん見りゃ分かるボケ。……何個あるんだ、何個割らされるんだ」

江風「そンなものは知らないのであります! もうヤケであります! 」

漣「まぁ、どうせワンシーズンに一回は最低でもやりやがるから覚悟はしてたけども……江風」

江風「うン? 」

漣「うるせぇ! 耳に響く声出すなボケぇ! 」

江風「…………」
89 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:37:24.54 ID:CdxusNb60

< 暑いからこそ涼しい顔で >







雲龍「…………Zzz」

葛城「到着してパラソルとチェア用意した瞬間寝おったですぞこの姉」

天城「起こせば起きますよ。ちゃんと水着を着てきて日焼け止めを塗ってからTシャツを着直して万端整えて寝てるだけなので」

葛城「普通逆じゃん。遊んでからこうじゃん」

天城「普通を求めないで、これに」

葛城「まぁね。……あ! 加賀さーん! 最初の西瓜は加賀さんが割ってくださーい! そこにセットしたんで」

加賀「? まぁ、いいけれど……」





松風「ほえ……西瓜割りって極めれば凄いんだなぁ」

旗風「…………普通棒で叩いた西瓜は真っ直ぐ綺麗には割れないと思うんだけど」
90 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:39:30.08 ID:CdxusNb60

< しかも! 水着! >







赤城「あれくらい私もできるのに」

山城「そんなところで張り合わないでください」

扶桑「あ、つ……結局殆ど普通に切ってるじゃない」

龍田「じゃあ扶桑が割る? 」

扶桑「結構。…………どうせこの西瓜も全部消費されるんでしょうね。笑っちゃうわ」

山城「ぁ、今の……今のもう一度」

扶桑「は? 」

赤城「まぁ、変にやさぐれた扶桑さんって変な魅力はありますよね」

龍田「わざわざ写真に収めようとする意味は分かりたくありませんけどねぇ……」
91 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:42:30.63 ID:CdxusNb60

< 水着って本当奥が深いと思うのです >







初月「別に悪い意味では無くてLittorioさんって割と可愛いめの水着なんだね」

Littorio「まぁ、シンプルなのも味気無いような気がして。
身内しかいないからこそ変に露出過多なのも着たくありませんし」

初月「ふぅん。……姉さんのあれは、どう思う? 」







涼月「え、と……どう、ですか? ココ、背中のココ、ただのホックじゃなくて……可愛くありませんか? 」

Roma「ああ^〜……」

涼月「ふふ……」






Littorio「…………似合っているのなら、もうなんでも良いのでは? 」

初月「…………まぁ、ね」
92 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:43:52.30 ID:CdxusNb60

< アッパーテンションの為せる技 >







加賀「ふふ……砂浜で素麺、新鮮ね」

高雄「去年も言ってませんでしたっけそれ」

加賀「忘れたわ、そんなの」

江風「つーかよく素麺なンんて持ってきたな。昼食べて西瓜まで食べて江風は暫く何も食べたくない」

加賀「? 西瓜割りをして多少だけど泳いでもきたし……この後たぶんバレーもするし」

江風「それでよく戻さねーなって言ってンの」

加賀「そんな軟弱な腹筋は

叢雲「はいはいつよつよ腹筋。……腹筋というより内臓だと思うけど」
93 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:44:45.27 ID:CdxusNb60

< 焼きそばとかやり始めるよりはまぁ…… >







江風「つーかそれ、薬味は? 」

加賀「素麺は確かに薬味で楽しむお料理だけれど……つるつるの喉越しが至上でもあるの」

江風「はぁ」

加賀「シンプルに突き詰めたものを楽しむというのも大切よ」

江風「ふーン……」







赤城「ふぅ……このアホ程暑い中焼肉でもなんでもなくただ素麺を茹でる、というのも不思議と良いものですねぇ」

葛城「あっっっっつ……砂浜でカセットコンロ使って素麺とかアホかよ……なんなのこれ」
94 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:45:14.68 ID:CdxusNb60

< こう、今すぐ、この瞬間に、食べたいのです >








加賀「私たちはかなりの食料品を通販だとか業者との契約で購入しているわけだけれど」

叢雲「? まぁ、そうね」

加賀「田舎住みは辛いものね。時々近くのスーパーだとかに行くと思うわ」

叢雲「そう? 無いものは無い、でいいじゃない」

加賀「我儘を言ったりはしないけれどあるじゃない。
真冬に冷やし中華が食べたくなったり」

叢雲「無いとは言わないけど」

加賀「季節物ではなくなると店頭から消える、っていうのは恐ろしいものよ」

叢雲「まぁ……」

高雄「そんなに力説するものでしょうか。どうせ全国的に通販で買えるんですから」

加賀「そうじゃなくて……どうして伝わらないのかしら」

高雄「はぁ……」
95 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:45:42.48 ID:CdxusNb60

< 何もやりたくない考えたくない >







阿賀野「ふぇ……暑い」

能代「そんな当然の、しかも毎日言ってることを言われても」

阿賀野「でも暑いものは暑いよ。出撃中は身体機能異常励起してる上に諸々の艤装とよく分からない化け物体質のお陰で何ともないけど」

能代「じゃあ今もそれしたら」

阿賀野「疲れる……」

能代「そうだね」

阿賀野「……」

能代「……」

阿賀野「…………このまま浮き輪に乗って外海まで流されていかないかなぁ……」

能代「…………そうだね」
96 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:46:21.29 ID:CdxusNb60

< 長くなりそうでした >








伊14「クソがぁ! 何で勝たないと飲めないんだ! 」

赤城「ちょっと口調。あなたもう少しちゃんとした言葉遣いできる子だったでしょう」

伊14「こんな口調にもなりますよもう! ビーチバレーなんてする身長じゃないでしょイヨはぁ! 」

初月「って言っても一応両チームほぼ姉妹分けだから公平ではあるだろ」

Littorio「えーと……まぁ、 Romaと比べた場合のLittorioの運動能力は……」

伊14「あぁ、いや、別にLittorioさんに文句があるわけじゃなくてですね」

赤城「普通に遊びましょうよ、ってやってもいつの間にかムキになるヒトばかりっていう辺り子供っぽいヒトしかいませんね」

山城「赤城さん、初月、イヨ、Littorio、私と加賀さん、涼月、ヒトミ、 Roma、姉さま、か。
まぁ、公平と言えなくはないラインでしょうよ」

提督「へーいそろそろ始めるぞー。不浄負けは無いから皆本気でやるように」







瑞穂「これ、瑞穂や明石さんって割といつもハブですよね。
無理矢理振り分けられたりするときもありますけれど」

明石「まぁ……でも別にいいじゃないですかそれで。
イベントごとに一々役割当たってたら死んじゃいますよ私。
ただでさえ大規模作戦だと毎回毎回……」

瑞穂「どうぞ」

明石「はい。…………ラムネって見てるとなんかこう、うん……存在しない過去を掘り起こされるような……」
97 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:47:36.23 ID:CdxusNb60

< 馬乗り、って言い方の方が何より宜しい気がするので >







雲龍「うーん……なんだか腰が痛いわ」

葛城「チェアなんて寝る場所でもないとこでテキトーに寝てるからでしょ」

雲龍「ん……マッサージ……」

葛城「はいはい。上から揉んであげればいいの? 」

雲龍「あぁ……躊躇いも無く馬乗りに……はしたない……」

葛城「何言ってんだこの姉。……俯せの相手に乗るのも馬乗りでいいの? 」

天城「さ、さぁ……」
98 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:48:32.03 ID:CdxusNb60

< 業務用アイスもあれはあれでいいけどね >








加賀「ふぅ、やりました」

赤城「やられました。……ビーチバレーの悪いところって汗かくのに砂に倒れ込んで砂塗れになるところですよね」

加賀「すぐ海に入れば別に」

能代「どうぞ。このクーラーボックスの中身全部アイスだそうです」

山城「随分と頭のおかしくなる買い方ね」

能代「少将閣下と愛宕さんがスーパーとコンビニ三つ回って種類重点で集めたそうですよ」

山城「…………随分と頭のおかしくなる買い方ね」
99 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:49:20.37 ID:CdxusNb60

< そこはほら、複雑な乙女心とかなんとか >








加賀「そういえばこの前テレビで」

赤城「ふぁい? 」

加賀「アイスを食べると身体が体温を上げようとして発熱するので結果的に高カロリーではなくなる、みたいなことを言っていました」

赤城「なるほど。それはいいことを聞きました」

加賀「そうですよね」

扶桑「…………お二人がカロリーなんて気にしてるところ見たことありませんけど」
100 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:50:35.72 ID:CdxusNb60

< だけ、と言いつつそれでいい気が >







提督「ラッシュガードのロングカーディガンってなに……なに……」

龍田「ふふ……これ、薄手で冷感なんだけど触り心地良いのよ」

提督「おおう……おう……おう……」

愛宕「脳溶けてるんじゃないのこれ」

龍田「ん? 」

提督「溶けそう……現代服飾業界の叡智に溶かされそう」

龍田「大袈裟な。……バレーは? 」

愛宕「いつの間にか本気になる初月くんとか付き合いの良い山城とかが勝手に楽しみ始めてむーちゃんが嫌々って体で楽しく審判し始めたから」

提督「十分楽しんだよ僕は」

龍田「体力の無さまでおっさん化してるじゃないあなた」

提督「うん……」

愛宕「まぁ、最初のテンション引き摺られるよりは私もこの方がいいわ」

龍田「そうねぇ……」







海風「あ、蟹さん……」

涼月「蟹さんですね……」

旗風「蟹さんですね。……波消しブロックで水棲生物眺めてるだけって物凄く風情だけはありますね」
101 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:51:20.35 ID:CdxusNb60

< まぁ、ステープラーはもう普通名称化してるんですけどね >








海風「知ってる? テトラポッドは商標だから波消しブロックがステープラーなんだって」

涼月「まぁ、ニュースとかを見ていればなんとなく。
でも波消しブロックがステープラーって会話の流れ知らないと意味分かりませんね」

涼風「ほーい、西瓜とラムネどぞー」

旗風「わぁ、ありがと。……お酒が絡まないイベントってこんなに穏やかにいられるんだ」

涼風「酒が無い方が楽しい? 」

旗風「そうは言わないけど……楽しみが違いません? 」

涼風「ん、まぁ……まぁ、あたいはどっちでもいいかな」

海風「あ、さっきのとは違う蟹さん……」

涼月「蟹さんですね……」

旗風「蟹さんですね……」

涼風「蟹だな。…………何、これ? 何かのネタなの? 」

102 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:52:53.03 ID:CdxusNb60

< 一夏の過ち() >







Roma「危ないじゃない。波消しブロックの上に座って西瓜なんて」

涼月「まぁ、普通の人間の女の子なら……」

海風「万が一落ちてもブロックごと破砕して抜け出せますし」

旗風「よくよく考えると蟹さんの安住の地を破壊するのはいただけませんね」

漣「確蟹」

涼風「え? うん、まぁ……今のはさすがに何かのネタだろ? な? 」

漣「うん? 」
103 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:54:32.43 ID:CdxusNb60

< 泊まりが一番良いよ本当イヤマジで >








江風「はれ? 無くなった? 」

龍田「結構前にそのサーバーは売り切れ」

江風「ンでだよ……江風二杯しか飲ンでない」

龍田「持ち運びのビールサーバー使うより瓶から直接注いでるヒトばっかりだから」

江風「なーンにも分かってない、分かってない」

龍田「そうねぇ〜」

山城「じゃんけんで負けた不幸な女に何か言うことは無いの? ん? 」

江風「え、いや、えーと……」

扶桑「バレーで負けた方から運転手を出すっていっても、
赤城さんは免許が無いし見た目で初月とイヨを外すと山城かLittorioしかいないのよね、実質」

Littorio「Littorioは別に運転してもよかったのですけれどね」

赤城「超法規的措置で取得している免許証なんですし今更私を外す必要も無いですし」

高雄「その辺りあの人うるさいので。……殆ど業務用みたいな4ℓウイスキー飲み干しておいてビールサーバーがどうとか冗談でしかありませんね」
104 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:55:35.22 ID:CdxusNb60

< 全く視線は向けずに淡々と >








高雄「全部載せました? 」

明石「たぶん。あとはあの二人を回収すれば終わりですかね」

高雄「あぁ……まぁ、夕日を見ながら語りたいことでもあるんじゃないですか」

明石「取り敢えず私はトラック出しますけど高雄さんは? 」

高雄「私も帰ります。どうせあの人と愛宕はあの人の車で帰るでしょうし」

明石「ですか。…………婚約の余裕、欠片も見えませんね。当然っちゃ当然ですけど」
105 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:56:38.34 ID:CdxusNb60

< 昨今の国産花火はマジヤバい、手持ちのやつですよ >







江風「あ、そーいや花火してねーな」

海風「帰りに買ってく? 」

江風「ン、まぁ……」

山城「他がいいなら寄ってもいいけれど」

扶桑「いいんじゃない。明石、は運転中だから瑞穂には連絡しておく」

江風「じゃあ、それでお願いします」

山城「ん……」






明石「いやはや……私が諸々積んだトラックってのはいいとして、
マイクロバスを運転する山城さんはさすがに笑っちゃいますねぇ」

瑞穂「そうですね。……そもそもトラックもおかしいと思いますけど」
106 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:57:56.49 ID:CdxusNb60

< テトラにいる蟹って何かこう……こう…… >








江風「つーかかき氷も食べてないな今日」

旗風「アイス沢山あったし……回す気あった? 」

江風「や、手動で回さないと物足りないとかいうアホのテートクに反逆して自動のやつ買ったンだよこの前」

松風「それはそれは。じゃあ帰ったらかな」

海風「花火をしてかき氷を食べて……どうせその後また飲んで騒いで」

叢雲「愉快なものね」

漣「クソガキ度半端無いけどね。クソガキばんざーい! 」

初月「まったく、ヤケも程々にな」

涼月「蟹さん……」

涼風「蟹さんだね。…………何がそこまで涼月の琴線に触れたわけ?
いっそ写真じゃなくて連れてくればよかったのに」
107 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/07/30(日) 20:59:18.29 ID:CdxusNb60

< 手を繋いで、夕日を見て、想いを馳せて >







提督「やー……でも僕本当満足。凄い満足した」

愛宕「それはそれは」

提督「水着の女の子が遊んでるのを眺めているだけの仕事どっかに無いかな」

愛宕「ライフセーバーとか? 」

提督「他人の生命背負う仕事はもうしたくないなぁ」

愛宕「じゃあ、ほら、海の家のおにーさん? 」

提督「接客業か……うーん……」

愛宕「夏休みの高校生とか大学生がバイトに来るんなら目も楽しいんじゃない? 」

提督「あぁ……あぁ、いいかも」

愛宕「問題は私たち全員雇った後に枠が余っているかどうかね」

提督「寧ろ過剰だよな、シフト制にしても一店舗に何人いるんだよって感じ」

愛宕「そうねぇ……ほら、皆帰っちゃったし、そろそろ帰りましょう? 」

提督「もうちょっと。……………………ぁ」

愛宕「はい? 」

提督「あーちゃん基本ずっとパーカー着てたよな。まともに水着見てない。見せて? 」

愛宕「すっごい今更……ねぇ」

提督「うん? 」

愛宕「今夜あなたの部屋でなら見せてあげる。私、結構疲れちゃった」

提督「じゃあ帰るか。…………なんか海に来た意味を根底から覆した気がする。楽しかったけど」
108 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2023/07/30(日) 20:59:53.03 ID:CdxusNb60

本気で生命に関してはお気を付けください

ありがとうございました


109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/30(日) 23:12:04.91 ID:xNGH6pLy0
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/31(月) 22:31:45.56 ID:iZyd/xa9o
お疲れさまです
111 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:03:58.05 ID:WmisLAwx0

< バナメイとかじゃないんだから…… >








提督「今日の夕食は? 」

高雄「伊勢海老だそうですよ。丸焼きを試してみたかったとかなんとか」

提督「加賀と赤城か」

高雄「ええ。あの二人って素材一つで完成したものだとか一人一つだとかそういうの好きですよね」

提督「うん。……伊勢海老一人一尾ってマジ? 」

高雄「エンゲル係数とかそういうのなんて知らないんじゃないですか」

提督「まぁ、今日日そんなもん考えてる人間の方が少ないとは思うけども」

高雄「はぁ」

提督「取り敢えずもう美味ければそれでいいんだけどさ。
……高雄も量がおかしいとか食べられないとかそういうのは一欠片も考えてねぇんだよな」
112 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:05:13.15 ID:WmisLAwx0

< トレ中メンタルの最適解は常に初心と言える >








Roma「私はこれからプールで泳いでくるけど……あなたも来る? 」

阿賀野「まぁ、この暑さだし泳ぐのは中々惹かれるけど……やっぱいいや、疲れる」

Roma「……化け物の体質的に急激に太ったりしないとはいえあなた割と……」

阿賀野「阿賀野は精神が肥満体質なだけで今のところ別に太ってはないから」

能代「なんか物凄い屁理屈みたいなこと言い出したね」

阿賀野「事実でーす」

Roma「あ、そう……張り合い無いのよね、ずっと一人で泳いでいると」
113 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:07:12.72 ID:WmisLAwx0

< 損得で考えるモノではないとはいえ >







山城「まともに遠泳できて大体どんなときでも断らないって言ったら雲龍しかいないじゃない」

Roma「まぁ……でも……」

阿賀野「阿賀野の方がマシだと思うよ。雲龍さん意味不明な水着着てきたりしそうだし」

Roma「えーと、いえ、あの子そういうところの気遣いができない子では……そうじゃなくて」

阿賀野「? 」

Roma「あの子、気分が乗ってくるとこっちのこと考えないのよ。
プライドなんて余裕で圧し折られそうで、その、怖いわ」

阿賀野「えぇ……? 」

能代「また意外なことを」

Roma「あのね、普段の雲龍を見ているからこそあれに負けると堪えるのよ。
しかもその可能性が割とあるのが……」

山城「…………まぁ、分からなくはない、かしら」
114 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:09:09.44 ID:WmisLAwx0

< それは誰にも分からない >







提督「最近のキッズたちってさ、戦国三英傑は確実に小学校でもやるとして坂本龍馬とか卑弥呼とかはどれくらい知ってるんだろうな」

阿賀野「さぁ……阿賀野って正直大陸の方専門だし」

提督「や、昔は夏休み中に忠臣蔵とか幕末系のドラマとかやってた気がするんだよな。
新撰組とか飽きる程やってた気がする」

阿賀野「今はまぁ……そもそもテレビってあんまり見ないんじゃない。
サブスクなり配信なりで好きなの探して見てるでしょ」

提督「あぁ。だからこう、この先の時代歴史にハマる子ってどんな業を背負った感じになるのかなって」

阿賀野「って言ってもソシャゲとかで知って元ネタ調べてー……とか結構ありそうだけど」

提督「そうなのかな。や、何も分からんけど」






能代「真っ新な状態から気持ち悪いくらい歴史好きになった阿賀野姉ぇってなんなんだろう……」

漣「えー、と……うーん…………憑座として英霊の誰かの強い念でも受け取ったんじゃないです? 」
115 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:11:55.44 ID:WmisLAwx0

< …………………… >







天城「つまり天城は時代の先を行き過ぎていた過去の特殊嗜好者を恨めばいいと? 」

海風「“ 江風 ”の乗組員ってお酒弱かったのかな」

松風「“ 旗風 ”には舌が合金か何かでできてる人が乗ってたんだな、つまり」

能代「う、うーん……」

漣「…………なんかあんまり掘り下げない方がいいですよね、これ」
116 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:13:27.88 ID:WmisLAwx0

< 到底ステテコに見えないデザインも多々 >







提督「ステテコ……ステテコ、凄い……快適……」

雲龍「そうね……これ、凄くいいわ……」







葛城「あそこに色々ぶん投げて氷バケツに足突っ込んでるのが二人もいるんだけど」

天城「…………」

叢雲「でもステテコって今日日レディースも普通に売ってるのよねぇ……」

能代「雲龍さんくらい脚が長ければまぁ……うーん……」
117 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:17:33.50 ID:WmisLAwx0

< ステテコ×氷バケツ×駄弁り >







雲龍「加賀さんって演技下手そうだけどどうなの? 」

提督「あん? 」

雲龍「ほら、プレイ中に微妙に萎えたりしないの、って」

提督「しないよそんなの。……別に下手ってこともないと思うけどな。
そんなに入り込まないとできない雰囲気とかにしないし」

雲龍「半ば無理矢理押さえ込むプレイとかしないの? 」

提督「それはどっちがどっちをだよ」

雲龍「あなたが加賀さんを。汗の臭いが……とか、そういう軽い嫌がりでも」

提督「あんま無いな。あいつ割とその辺の位置取り完璧だし」

雲龍「自分のペースで進めたいのね。どうせ誘い受けなのに」

提督「言い方。あと俺がそこまで嫌がられるとそれこそ萎えるタイプだから」

雲龍「事実じゃない。…………私が誘うと割とイヤイヤする素振りだけは楽しませてくれる辺り、あのヒト……? 」
118 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:19:51.87 ID:lSk9mY5K0

< 喋り倒す >







雲龍「清楚カラーってたぶん水色よね」

提督「そう? 清楚カラーってのがまず意味分からんけど」

雲龍「白はなんだか逆に品が無い気がしてきたし水色って堕ち易そうじゃない」

提督「うん? 」

雲龍「汚されやすいし汚しやすいけれどそれでも凛と、っていうのが清楚だと思うの」

提督「人間の言葉使ってくんねぇかな……」

雲龍「どうも先入観で淡い色にしがちなのはちょっとつまらないけれど……難しい話ね」

提督「……何を一人で完結してるんだ君は」

雲龍「だってあなた割と濃い色っていうかはっきりした色の方が好きでしょう? 赤とか黒とか」

提督「まぁね。……淡い色ならピンクとかは? 」

雲龍「明石って清楚? 」

提督「うーん……」

雲龍「あぁ、でも海風も特に清楚ではないわね」

提督「お前……あぁ、白が特に清楚じゃないってお前のこと? 」

雲龍「そういうつもりは全く無かったけれど確かにそうね。ええ、白は、清楚カラーでは、あり得ない」

提督「はぁ……」
119 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:21:00.53 ID:9+jXOsUb0

< お気に入りの服を敢えて真似るのにも似た >








雲龍「そういえばこの前 Romaにコス衣装製作を依頼したの」

提督「あんま変なもん頼んで迷惑掛けんなよ」

雲龍「最近は彼女の趣味の材料費とかも出して媚びるようにしているわ」

提督「えぇ……」

雲龍「で、こう、物凄く愕然とした顔をされたの、この前」

提督「なんだ、痴女っぽい衣装でも頼んだのか」

雲龍「いえ、私の戦闘衣をつくってほしい、って。
普通にしているときに着てみたかったから」

提督「ん、んん……? 」

雲龍「足元が崩れたような顔をされたわね。よく分からないけれど」

提督「虚数空間から現れる本人の原風景に近いと思われる何かを衣装としてつくる……うぅん……? 」
120 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:21:34.96 ID:9+jXOsUb0

< ある種お約束といえる >








雲龍「まぁ、何か目覚めたような顔で涼月の戦闘衣分の材料費も出す条件で作ってくれてるけれど」

提督「あ、そう……」

雲龍「次はあれね、私の体型に合わせた島風の戦闘衣でも作ってもらうわ」

提督「ちょっと興味はある。…………イメクラの類いになる未来しか見えないけど」
121 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2023/08/03(木) 23:23:35.28 ID:JclJZCgf0

< 壊れた話を聞かない年が無い >







伊14「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! 」

提督「……五月蝿いぞ」

雲龍「……体重でも増えてたの? 」

伊14「エ゛ア゛コ゛ン゛壊゛れ゛た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! !
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! ! 」

提督「あ、そう……明石くーん……」

明石「直りそうだといいですけど……いっそ買い替えたらどうです。
去年も何部屋か直しましたよ私」

提督「有能な自分を恨むんだな。直せてしまったのなら新しいものは買わぬ」

明石「はいはい。……家主は私のサポートをすること」

伊14「えー……エアコン止まった部屋で工具とか持ちたくなーい」

明石「あのね」

伊14「…………あ! 姉貴ー」

伊13「ん……なに……? 」

伊14「家主です。どぞー」

伊13「? 」

明石「私は別にどっちでもいいですけどね……」
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