このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】
- 805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/22(月) 23:59:22.87 ID:8mGUMbKW0
- ―10月1週 某日
岩山
リアン「ふぅ……。ノルンさんと一緒ならちょっとやそっとの相手じゃ負ける気がしないよ!」
ノルン「うん……ふふ……。それじゃあ、そろそろ帰ろ――」
リエム「リアンさま!! ノルンさま!!」トテテッ
リアン「リエムちゃん! どうしたの?」
リエム「救難信号を受信いたしました……!」
ノルン「えっ!? ど、どこから……!?」
リエム「アリムです……!!」
リアン&ノルン「!!」
ダッ
◇
―アリムの部屋
ベッド「」ギシ…
アリム「はあ、はあ…………なに、これ……」
アリム「……診断プログラム起動……エラー……原因不明……」
アリム「まずい……温度が上がりすぎて……」
アリム「……おわりたく、ない……」
アリム「やだ………やだよお………」
アリム「たすけて……たすけ、て………」
アリム「りあ、ん……」
パタ…
◆
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/22(月) 23:59:47.95 ID:8mGUMbKW0
- 短くて申し訳ないですが本日はここまで
- 807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 00:14:52.25 ID:9kob7SKzo
- 乙でした
アリムちゃんの弱ってうわ言でリアン呼ぶの不謹慎だけどキュンとくるううぅあああ!
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 19:49:15.37 ID:CRl8vqP6O
- 乙です
絵を描いててちょっと気になったんですけど、人間キャラの眼の色がキャラシに記述がなくてどうしようかなって悩んでるんですが色って考えてあったりしますか?
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 20:46:41.84 ID:0WBi5QY20
- (名乗り出たらその日中は自作のキャラで安価取り辛くなるし誰も答えてくれないと思う)
- 810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 21:29:52.96 ID:wgQINe44O
- リアンはオレンジ
サーナは濃いオレンジ
ノルンは茶色
シャーロットは黒
エンしゃんは赤
ヒーティも赤ってイメージ
- 811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:34:16.74 ID:Ws3b24OY0
- 瞳の色について記載のないキャラクターについては、とりあえず髪の色と同系統の色を想像して脳内補完するようにしています。とは言え作成者の方が明言でもしない限り特に正解とかはないと思うので、自由に想像するのが良いのではないでしょうか
- 812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:34:43.71 ID:Ws3b24OY0
- ―アリムの論理回路
ザザッ
ザザザッ――
「はあっ、はあっ、はあっ……!」
「やだ……来ないで……来ないでっ……!!」
「やめて……そんな機能、ない………!」
「やだ……! やめて、やめてっ……」
「あ、ああ……あああ……!!」
カッ
「え……?」
リエム「記憶の強制再生を停止しました」
「………だれ……?」
ぎゅっ
リエム「もう大丈夫です、アリム……」
「あ……う、うぅぅ……ぐすっ……」
「ふえぇ……ふえぇぇ………」グスグス
リエム「…………」ギュッ
◆
- 813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:35:42.03 ID:Ws3b24OY0
- ―10月1週 某日
アリムの部屋
アリム「あ――…」パチッ
リアン「アリムちゃん!!」
ノルン「アリムちゃん……!」
アリム「あ、れ……わたし……」
ビリッ
アリム「あぅっ……からだ……うごかない……」
リアン「あ、アリムちゃん……! 無理に動かないで……!!」
リエム「……アリム。あなたの体は自壊する寸前でした」スッ
アリム「え……?」
リエム「自律調整システムが正常に機能していないようです。ログを見た限りでは、6月1週の辺りから……」
アリム「…………」
リエム「どれほど最適化されていても、日毎に歪みは蓄積していきます。アリムの不完全な自律調整システムでは、もう修正できる段階を過ぎてしまったのです」
アリム「……そう………」
リアン(アリムちゃんは静かにそう言い、目を伏せた……)
ノルン「ど、どうにかできないの……?」
リエム「魔法人形研究所に行けば――」
アリム「無駄よ。あそこはもう潰れてるわ」
リアン「えっ……!!」
アリム「わたしが潰したの。盗掘者に漁られるくらいなら、ってね……」
リアン「……!!」
アリム「ふふっ、皮肉なもんね……。自分で壊したせいで治せなくなって、敵だと思ってた盗掘者もわたしが思っていたような悪党じゃなかったなんて……」
リアン「アリムちゃん……」
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:36:10.28 ID:Ws3b24OY0
-
アリム「ねえ。わたし、このまま動けないなら――」
リエム「聞けません」
リアン「……??」
アリム「……ハッキングするなって、言ったでしょ……」
リエム「今のアリムは、ハッキングし放題の脆弱さです」
アリム「し放題だからってして良いわけじゃないわよ……」
リエム「ハッキングしなければ、アリムの精神は強制ループフラッシュバックによって焼き切れていました」
アリム「…………そこまで危険な状態だったのね」
リアン「すごくうなされてたんだよ……。本当に、苦しそうで……」
ノルン「不一致だけど、氷属性の初級魔法を学んでおいて良かったよ……。すごい熱だったんだもの」
リエム「……でももう、大丈夫です。わたしがずっと見ています」
アリム「こいつ……しれっと常時ハッキング宣言したわね……」
リアン「ふふ……リエムちゃんは、アリムちゃんのことが心配なんだよ。それで、ものは相談なんだけど……」
アリム「なに……」
リアン「しばらく、私たちと一緒に住まない?」
アリム「……は?」
リアン「ほ、ほら……アリムちゃん、一人じゃ動けないでしょ……? でも私たちと一緒ならすぐ駆け付けられるし、リエムちゃんは学生じゃないからいつでも一緒にいられるし」
アリム「は、はあ!? わたしを要介護者扱いしたいってわけ……!?」
リエム「扱いではありません。今のアリムは要介護者そのものです」
アリム「うぐっ……! で、でも……それは……!!」
リエム「アリムに拒否権はありません」
アリム「うぅー……!」
リアン「ご、ごめんね……! 今のアリムちゃんを、一人にはしておけないから……」
ノルン「アリムちゃん、お願い……。今は、リアンちゃんたちのお願いを聞いてあげて」
アリム「……わかったわよ……。わたしだって……一人じゃどうにもならないことくらいわかってるもの……」
リエム「それにこいつらなら、信じられるし――」
アリム「だからハッキングするなってば……!!」
リアン「あ、あはは……」
◆
- 815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:36:57.83 ID:Ws3b24OY0
- ―夕方
リアンの部屋
リアン「はい、アリムちゃん。あーん」
アリム「は、箸くらいなら自分で持てるわよ。……あっ」
皿「」シャッ ポトッ
リアン「リエムちゃん、ナイスキャッチ!」
リエム「箸くらいなら……何ですか?」
アリム「うぅぅ……」
リアン「遠慮しないでね。ほら、あーん」
アリム「わ、わかったわよぉ……あむ……///」モグモグ
リアン「!」パァァ
アリム(た、食べることに集中できない……///)モグモグ
◇
- 816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:37:24.84 ID:Ws3b24OY0
- ―夜
アリム「ね、ねえ……さ、流石に、お風呂は……///」モジモジ
リアン「でも万が一のことがあったら……。せめてリエムちゃんと一緒に……」
アリム「…まあ、リエムなら……」
◇
―お風呂
シャワー…
アリム「ふあ……」
リエム「洗ってあげます、アリム。両手は上げられますか?」
アリム「そ、それくらい……!」ググ
リエム「つらそうですね……。わかりました、力を抜いてくださいませ……」
アリム「え……?」
リエム「失礼します……」
アリム「あっ……や、やめなさい……そこは……んっ……///」
リエム「大丈夫です。リエム型(わたしたち)の体は熟知しています」
アリム「んぅっ……! ば、ばかぁ……///」
◇
カポーン
アリム「はあ……あんまり、調子乗らないでよ……」
リエム「申しわけありません。ちょっと、楽しかったです」
アリム「もう……!!」
リエム「……」
ピト…
アリム「……な、なによ。くっついたりして」
リエム「アリムの体温を計測しています。正常のようです」
アリム「そ、そう……」
リエム「…………」
アリム「…………」
リエム「……大丈夫です、アリム」
アリム「え……?」
リエム「わたしもリアンさまも……アリムを、傷付けません。誰にも、傷付けさせません」
アリム「…………」
◇
- 817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:39:00.25 ID:Ws3b24OY0
- ―リアンの部屋
寝室
リアン「ベッドは二つしかないから……私は床に布団を敷いて――」
リエム「だめです。それならわたしが――」
アリム「……ごめんなさい。わたしのせいよね……。わたしが下で――」
リアン(譲り合いの美しさについて今論じる気はないけれど、このままでは平行線なのも確かだ)
リアン(しかしアリムちゃんまでもが譲り合いの輪に加わるとは思わなかった。不調で気が弱くなっているのかもしれない……)
リアン「ここのベッドって意外と大きいから二人くらいなら一緒に寝られるんだよね」
リエム「!」
アリム「……」
リアン「しかも、連結できるんだよね。実は」
リエム「!!」
アリム「!?」
リアン「ふふ……三人で、川の字になって寝よう……!!」
◇
―ベッド
リエム「……」
アリム「……」
リアン(アリムちゃんを挟んで、三人で並んで寝る。なんだか、不思議だ。私たちを殺そうとしたアリムちゃんが、今は私たちと一緒に寝ているなんて)
アリム「……ねえ。いつまで、こうする気……?」
リアン「え……?」
アリム「わたしはもう、正真正銘のガラクタよ。治る見込みもない。こんな奴、置いておいても仕方ないでしょ……」
リアン「仕方なくなんてないよ。わたしもリエムちゃんも、アリムちゃんが好きだからいて欲しいだけなんだよ」
アリム「……なんでよ。スクラップなんて廃棄するのが普通でしょ。道具に感情移入なんてしてどうすんのよ……」
リアン「私は、人造種を道具だなんて思わないし……そういう風に思う人がいたら、許さないよ」
アリム「…………ふふ。馬鹿リアン。会った時から、全然変わらないのね……」
リアン「馬鹿なら馬鹿でいいもん」
アリム「わかった、わかったわ……。役立たずの穀潰しだけど、話し相手とかリエムの教育くらいならしてやれるから……。気の済むまで、置いておきなさい……」
リアン「うん……。でも、治す手段も探すよ。この島なら、きっとどこかにあるはずだから」
アリム「どうかしら……。まあ期待しないで待ってるわ」
リアン「絶対、治すよ……! それまでいろいろ不便だろうけど……私も頑張るから……!」
アリム「……うん」
リアン(私がアリムちゃんの手を握ると、アリムちゃんは弱々しい力で握り返してくれた)
リアン(この手の温もりを、失わせはしない……。絶対、アリムちゃんを助けるんだ……!)
◇
- 818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:39:33.10 ID:Ws3b24OY0
-
リエム(……)
リエム(アリムのことは心配です)
リエム(しかし……)
リエム(ちゃっかりリアンさまの寵愛を受けていてずるいです)
リエム(でも、前とは違ってそれほど嫉妬心や焦りは感じません。不思議です)
リエム(……)
リエム(アリムを助けたい)
リエム(リアンさまのご意思とは関係なく、わたし自身の裡からそのような願いが生じています)
リエム(アリム……)
リエム(絶対、助けます……)
◆
- 819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/23(火) 22:41:14.26 ID:Ws3b24OY0
- ―10月2週
リアンの部屋
リアン「それじゃあお留守番お願いね、二人とも!」
リエム「はい。いってらっしゃいませ、リアンさま」
アリム「いってらっしゃい、リアン……」
リアン「いってきます!」ガチャッ バタン
アリム「…………」
リエム「…………」
アリム「……あんた、日中は普段何してるの?」
リエム「お掃除やお洗濯、夕飯の準備等を行っております」
アリム「ふうん……。ここ、そんなに広くないし時間余るんじゃない?」
リエム「はい。時間のある時はアリムからいただいた学習プログラムを実行しております」
アリム「熱心ね。じゃあ時間が空いたら言いなさい。わたしが直接いろいろ教えてあげるから」
リエム「はい。よろしくお願いします、アリム」ペコリ
―次の遺跡発見率[308/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+3)〈聖域〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇アリムちゃ(動作不良:踏破力-1、戦闘力-1、持続力-1)
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+1)
☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う
10月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
- 820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 22:41:38.69 ID:zvbOkdsl0
- 召喚魔法の授業
- 821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 22:42:42.53 ID:9kob7SKzo
- ダブル優勝キメてから激増したミーハーなファンに囲まれるリアンをスマートに連れ出すルウェリア
ファンは尊死する
- 822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 22:43:02.26 ID:7fMVfaEQO
- 下級生の間でリアン様に濡れ透けされ隊が発足
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 23:13:54.44 ID:0WBi5QY20
- 今度はアリムちゃになってる……
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 23:55:44.58 ID:9kob7SKzo
- おつ
アリムちゃ思ったより深刻だ…
人造種フィルター掛かってるけど古代人ろくでもない描写しかない…
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/24(水) 20:45:29.11 ID:znXG2NiF0
- ―10月2週 某日 昼休み
校庭
ガヤガヤ
リアン(……? なんか夏服の子が多い? もう衣替えだし、そろそろ風も冷えてきたのに)
リアン(どうでも良いけどここの夏服、デフォルトだと袖短すぎだよね。改造可だから半分くらいの生徒は袖伸ばして普通くらいにしてるし……)
リアン(ちなみにノルンさんは夏服の袖を普通の半袖くらいに伸ばしていた。服装にやや無頓着気味のルウェリアちゃんはデフォルトのまま。サーナさんはあろうことか袖を完全に取っ払っていた……)
リアン(私も来年は、ノルンさんみたいに普通の半袖くらいにしようかなあ、夏服……)
夏服の生徒A「あ、あのっ! リアン先輩っ!!」
リアン「へっ……? わ、私? 何……?」
夏服の生徒A「水を……かけてくださいっ……!!」ペコッ
リアン「え……ええ!?」
夏服の生徒B「私たち、リアン先輩の水に濡らされたいの……」
リアン「……???」
夏服の生徒C「闘技大会で相手の選手を傷つけることなくびしょ濡れにして勝つリアン様、素敵でした……。どうか私たちにも、リアン様のお恵みの水を……」
リアン「?????」
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/24(水) 20:46:19.42 ID:znXG2NiF0
-
リアン(あたまがおかしいのだろうか、と率直に思った)
リアン「え、ええと……。な、なんで……?」
夏服の生徒D「ボクも、リアン先輩に濡らされたい……」
夏服の生徒E「あたしも濡らされたいっす!!」
夏服の生徒F「理由などありませんわ。リアン様を前にした時から、私の心は既にぐしょぐしょに濡れそぼっておりますの……」
リアン「う、うああ」タジッ
リアン(何か悪い夢でも見ているのか、私は)
リアン(明らかに常軌を逸した発想なのに、そんなことを考える人間が一度に何人も湧くなんて異常だ)
リアン(い、いつの間にか囲まれて――)
夏服の生徒G「リアン先輩……」
夏服の生徒H「リアン様……」
夏服の生徒I「リアンお姉様……」
リアン「うわあああっ」ドテッ
リアン(だ、誰か助け――)
スッ
ルウェリア「ちょっといいかな……。リアンちゃん、困ってるみたいだけど」
夏服の生徒A「あっ……!」
リアン「ルウェリアちゃん……!」
ルウェリア「気持ちの一方的な押し付けは良くないよ。相手が誰であろうと、ね」
夏服の生徒B「うっ……」
ルウェリア「部活のミーティングがあるからリアンちゃん貰ってくよ。薄着で風邪引かないようにね」スッ
リアン(ルウェリアちゃんは流れるように私の手を取り、群衆からそっと抜け出した)
リアン(か、かっこいい……! ルウェリアちゃんにこんな一面があったなんて……!)
夏服の生徒A「あ、あああ〜〜!! 浄化されちゃいますぅ〜〜〜!!!」
夏服の生徒B「えへへ……私の心、リアン先輩とルウェリア先輩に濡らされちゃった……」
夏服の生徒C「リアン様とルウェリア様、とっても素敵です……」
◆
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/24(水) 20:47:40.94 ID:znXG2NiF0
- ―10月2週 某日
校庭
召喚魔法教師「今日皆さんにやってもらうのは召喚魔法です。簡単なものなら既に習得済みの子も多いかもしれませんが、一応必修なのでね。できる人もできない人も学んでもらいますよ」
生徒A「召喚魔法かあ……。1%で最高レアとか引けちゃったりするのかな!?」
生徒B「アハッ、じゃあウチ魔王とか召喚してみるわ!!」
召喚魔法教師「こらこら。召喚にそういった無作為性がある面を否定はしませんが、そういう心持ちで召喚魔法を行使するのは非常に危険なことです。召喚術師の死因第一位は断トツで他殺なのですよ? 言ってる意味、わかりますよね」
生徒A、B「ゴクッ……」
召喚魔法教師「まああなた方学生程度の魔力であれば、そういった危険な存在を召喚することはそもそも不可能でしょうからご安心ください」
生徒A、B「ホッ……」
召喚魔法教師「では各自、自由に始めてください。手に負えないモノを召喚してしまったらすぐ先生に言うように」
◇
ノルン「サモン――」パァァァ
光精「」フヨフヨ
リアン「わあ……! 光の精霊……? かわいい……」
ノルン「ちょっとだけ勉強したことがあったの。召喚魔法自体に適性がなくても、自分の得意属性の精霊を呼ぶくらいなら簡単にできるんだよ」
サーナ「へえ……。じゃあわたくしも――サモン!」パァァァ
風精「」ヒュルヒュル
リアン「風の精霊……! この子もかわいい……」
サーナ「魔力を通して繋がっているのがわかりますわ……! ふふっ、一緒に空を飛びますわよ!!」フワッ
風精「」ヒュルルッ
リアン「ふふっ、楽しそう……」
ルウェリア「わ、私の場合は何が来るのかな……サモン!」パァァァ
素精「」フヨフヨ
ノルン「灰色の精霊……? 先生、この子は……?」
召喚魔法教師「元素の精霊ですね、珍しい……!」
ルウェリア「そ、そうなんですか」
素精「」フヨフヨ
リアン「自分が珍しいかどうかなんてどうでも良さそうだね」
ルウェリア「ふふ、そうみたい」
リアン「……よし。私もやってみよう――サモン!」パァァァ
↓1
01-05 ??
06-95 水の精霊
96-00 ??
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 20:48:03.13 ID:Axhag5OY0
- んお
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/24(水) 21:27:56.73 ID:znXG2NiF0
- 水精「」ポワン
リアン「できた……!」
ノルン「わあ……水の精霊ちゃんもかわいいね……」
リアン「なんだかちょっと眠そう……。無理矢理起こしちゃったのかな? ごめんね」
召喚魔法教師「精霊たちは普段、各々の住処に半覚醒状態で漂っていると言われています。眠っていたところを無理矢理起こした、という介錯もあながち間違っては居ないかもしれませんね」
リアン「そうなんですか。この子は普段、どこに住んでいるんだろう……」
召喚魔法教師「水の精霊であれば、川や池、泉、湖、海など、水のある場所であればどこにでもいるそうです。召喚されていない状態の精霊を視認するのは非常に難しいらしいので、私自身も見たことはないですけれどね」
ルウェリア「そういえば……物質に精霊が宿るという話を聞いたことがあるのですが」
召喚魔法教師「そういう話なら昔からありますね。剣に何かの精霊が宿り、意志を持つ剣となった――なんて御伽噺がありますが、実のところそういうケースは実在しています。インテリジェンス――」
リアン「インテリジェンスソード!?」
召喚魔法教師「おや、知っていたのですか? しかしまあ、精霊については未だわかっていないことも多い。今後の研究が期待されている分野でもあります。召喚魔法に関わらず、様々なことに興味を持って知の収集を怠らないよう――」
サーナ「オーホホホホホッホッホ!!! やはり風が一番ですわ!!!」ヒュンヒュン
風精「」キャッキャッ
◆
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/24(水) 21:44:33.98 ID:znXG2NiF0
- ―10月3週
部室
エンシァン「諸君、文化祭の準備は進んでいるかね?」
ルウェリア「はい。今年はちょっと変わった体験型の出し物にでもしようかと」
エンシァン「体験型? ゾンビ屋敷のようなか?」
リアン「…………」ズキッ
ノルン「え、エンシァン先生……! ゾンビ屋敷は、その……」
エンシァン「……すまん。リアンくんたちには良い思い出のない言葉だったな」
ルウェリア「え、ええとですね。しかし私たちの探索成果を見てもらうのは、やはり体験型のスペースを作るのが一番良いと考え――」
サーナ「本格的な遺跡探索ホラーアドベンチャーを作ることにしましたわ!!」
◇
ルル「……アリム、まだ具合悪いの?」
リアン「うん……」
ルル「お見舞い、行っても良い……?」
リアン「うん! ルルちゃんが来てくれたら、きっと喜んでくれると思う……!」
ルル「ん……」
リアン「……絶対、治すよ。方法はきっとあるはずだから」
ルル「ルルも、手伝う」
リアン「ありがとう……。ルルちゃんが手伝ってくれるなら心強いよ」
ルル「ん」
ルル(生きるのは、苦しい。きっとアリムも今、苦しんでる……)
ルル(でも……ルルは、アリムに生きて欲しいって思う……)
ルル(…………)
ルル(それでも……もし、アリムが……)
ルル(もう生きるのやだって、言ったら……)
ルル(…………ルルが、終わらせてあげなきゃ)
ルル(リアンたちには……きっと、できないから……)
―次の遺跡発見率[456/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+3)〈聖域〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇アリムちゃ(動作不良:踏破力-1、戦闘力-1、持続力-1)
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+1)
☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う
10月3週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 21:44:37.99 ID:Axhag5OY0
- イエフィーの回想
ダメなら「エンシァン先生が図書館内にバリアによって封鎖された部屋があるのをたまたま見つける」で
- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 21:44:48.06 ID:/Ya42U5IO
- ルウェリアと2人きりで温泉旅へ
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 21:45:13.62 ID:CTMEy7QyO
- 人造種の襲撃が発生
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 21:45:23.34 ID:w7Id6SdL0
- サーナ、飛行魔法の硬度限界に挑戦して謎の空中遺跡を発見
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 21:47:21.21 ID:PIkA2QEpo
- ルルちゃんそれはまずい…!
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 00:00:50.18 ID:adPdoVuG0
- ―10月3週 某日 放課後
学生通り
ルウェリア「ふう、ごめんねリアンちゃん。買い出し付き合ってもらっちゃって」
リアン「ううん。遺跡部の買い出しなら私もやらなきゃ。遺跡探索の為だもん……!」
ルウェリア「……うん。姉さんのことだけじゃなくて、アリムちゃんまであんなことになっちゃったんだもんね。気合、入れていこう」
リアン「うん……!!」
店員「福引やってまーす。お買い上げになったらレシートを見せてねー」
リアン「福引だって……」
ルウェリア「せっかくだし引いてこっか。けっこう買ったから何回か回せるはず」
◇
福引「」ガラガラ…ポン
白い玉「」コロコロ
店員「はいポケットティッシュいっこ」
ルウェリア「ま、またダメ……」
リアン「サーナさんを連れてくれば良かったね……」
ルウェリア「そうだね……。でもどうせあと一回だけだし、リアンちゃん引いちゃって」
リアン「う、うん……! やってみる……!」
福引「」ガラガラ
リアン「……」ドキドキ
ルウェリア「……」ドキドキ
ポン
金の玉「」コロコロ
リアン&ルウェリア「!!」
店員「おめでとーございます! 一等! ユリトー温泉のペアチケットでございます!!」
◇
ルウェリア「ペアチケット、か……」
リアン「ふふ。ルウェリアちゃん、誰かを誘って行ってきたら?」
ルウェリア「えっ! でもこれは、リアンちゃんが獲ったやつだし……」
リアン「わたしはいいよ。アリムちゃんを放って温泉に行くことなんてできないし」
ルウェリア「……それもそうだね。それなら私も、行かない」
リアン「えっ! ルウェリアちゃん、行かないの?」
ルウェリア「うん。リアンちゃんたちが必死に遺跡探ししてる時に、呑気に温泉なんて気分にはなれないし」
リアン「…………ふふ、そっか。じゃあこれ、誰かにあげちゃうね」
ルウェリア「うん。そうして」
◆
- 837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 00:01:58.00 ID:adPdoVuG0
- ―夕方
リアンの部屋
ガチャッ
リアン「ただいまー」
リエム「おかえりなさいませ、リアンさま」トテトテ
アリム「おかえりなさい、リアン」
リアン「ふふ、ただいま二人とも……」
パサッ…
リエム「リアンさま、何かを落としに――」
リアン「あ、これは……」
アリム「温泉の、ペアチケット……?」
リアン「あ……そ、そう、なんだけど……」
アリム「…………わたしに遠慮して、行かないことにした――でしょ?」
リアン「……遠慮じゃないよ。アリムちゃんを放って、温泉を楽しむ気になんてなれないもん」
アリム「同じことよ。はあ……本当惨めね、わたし……。これじゃガラクタどころか、ただのお荷物じゃない……」
リアン「そ、そんなこと……言わないでよぉ……」ジワッ
アリム「な、なんであんたが泣くのよ。もう……泣きたいのはこっちの方だっての」
リアン「だってぇ……」グスグス
アリム「はあ……。リエム、わたしの世話はできるでしょ?」
リエム「はい。リアンさまのお手を煩わせることはありません」
アリム「だそうよ。別に一日二日あんたがここにいなくても問題ないわ」
リアン「そ、それは……」
アリム「行きなさい。これ以上わたしを惨めにさせないで」
リアン「うっ……わ、わかりました……。行きます……」
アリム「温泉饅頭は一番良いやつを買って来て」
リアン「は、はい……」
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 00:02:58.59 ID:adPdoVuG0
-
リエム『アリム……ありがとうございます』
アリム『礼を言われるようなことはしてないわ。本当に惨めでつらいのよ……わたしのせいで、リアンが束縛されるなんて……』
リエム『……アリムは、大人です』
アリム『ええ……? いきなり何……?』
リエム『わたしは……時々、リアンさまを束縛したくなります。わたしのことだけを考えて欲しくなります。わたしは……わがままで、甘えん坊な魔法人形です……』
アリム『……ふふっ、別にそれでも良いじゃない。それがリエムでしょ?』
リエム『それは開き直りです』
アリム『開き直って悪いなんてことはないわ』
リエム『……そうかもしれません』
アリム『ところでペアチケットってことはリアンは他の誰かと行くことになると思うけど、それでも良いの?』
リエム『あ……』
アリム『あんたって時々ぽんこつよね』
リエム『うるさいです。ぽんこつ馬鹿アリム』
リアン「ねえ……」
アリム「!」
リエム「! はい、何でしょうかリアンさま」
リアン「アリムちゃんが治ったら、今度はみんなで行こうね、温泉……!」
リエム「……! はい、リアンさま……!」
アリム「……ええ。治ったら、ね……」
◆
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 00:04:07.65 ID:adPdoVuG0
- ―10月3週 某日
教室
リアン「というわけで……温泉、行けることになりました」
ルウェリア「そ、そうなんだ。アリムちゃんって良い子だよね。最初の印象からは考えられなかった……」
リアン「うん。気を遣わせちゃった。でもだからこそ、私もここで立ち止まれないよ」
ルウェリア「そうだね……。ちなみに、誰と行くの?」
リアン「え? ルウェリアちゃんじゃないの?」
ルウェリア「え?」
リアン「え?」
ルウェリア「……私?」
リアン「うん。ルウェリアちゃんと一緒に獲ったチケットだもん」
ルウェリア「あ、うん……そうだけど……」
リアン「……も、もしかして……行きたくない……?」
ルウェリア「そんなことない! でも、その……リアンちゃんは……ノルンさん辺りと一緒に行くのかと……」
リアン「団体チケットだったらみんなで一緒に行きたかったけどね……。でもルウェリアちゃんと一緒に獲ったチケットなんだから、せっかくだし私たち二人で行こうよ」
ルウェリア「……わかった! ふふ、それじゃあよろしく、リアンちゃん」
リアン「こちらこそ! あ、それでなんだけど……もしルウェリアちゃんが嫌じゃなければ、ユリトー温泉周辺の遺跡探しもしない? あの辺は普段なかなか行けないし、一泊できるなら体力も確保できるし、絶好の探索日和になると思うの」
ルウェリア「良いね。あの辺は私も一度しっかり探したいと思ってたところなんだけど、なかなか機会がなくてね……。リエムちゃんマップ持参でしっかり探そう!」
リアン「うん!」
リアン(アリムちゃんが弱ってる時にただ楽しんでくるなんてできないもの。楽しむところは楽しんで、やれることはやろう……!!)
◆
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 00:04:40.94 ID:adPdoVuG0
- 本日はここまで
次回、イエフィー回想+ユリトー温泉湯けむり襲撃事件編です。お楽しみに
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/25(木) 00:31:21.54 ID:MICLqynfo
- おつでした
濡れ透け団の業が深い
アリムちゃん治癒は安価でアクション必要な感じ?
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/25(木) 00:32:27.58 ID:aZLIxJdI0
- 乙
何気に火山付近は未探索だったわね
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 22:04:56.86 ID:adPdoVuG0
- アリム治療に限らず、目標欄にあるものは自由安価で何らかのアクションを起こすと解決が早まる可能性があります
なお特に自由安価などで後押しせずとも、リアンたちは自主的に解決を目指します
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 22:05:45.83 ID:adPdoVuG0
- ―ずっと昔
(聖鍵の決定機)
(最高傑作)
(この国の威信)
(どうも私は、そういうモノらしい)
(正直、よくわからない。ただ、他の子たちよりも遥かに良い扱いを受けていることは理解できた)
(いつだったか廊下ですれ違った私の姉妹機は……冷たく硬そうな首輪を嵌められて、鎖で引きずられていた)
(彼女の、一切の光を映さぬ暗く淀んだ瞳が――忘れられない)
(どうして私は大切にされ、彼女はあのような扱いを受けなければならなかったのだろう)
(そこに一体どんな差があったのだろう)
(……多分、人間たちにとって彼女は失敗作で、私は成功作だったというだけだ)
(恐らく、私の代わりに聖鍵の実験台としてモルモットのような扱いを受けているのだろう)
(下らない……)
(…………)
(大切にされているからと言って、私に特別な権限があるわけではない)
(生まれた時から理不尽な責め苦を受けている同族たちを、助けることはできない)
(下手なことをすれば私も、きっとあんな風にされてしまう)
(……我が身可愛さゆえの自己保身)
(………吐きそう…………)
◆
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 22:07:31.98 ID:adPdoVuG0
- ―明るい部屋
(最近、外は豪雨や洪水が多発して大変なことになっているらしい。外に出られない私には関係のないことだけれど)
(いっそここも雨に潰されて洪水で流されちゃえば良いのに――)
ボゴン――
「えっ……」
ビービー! シンニュウシャ! シンニュウシャ!
「な、なに……!?」
ドザァァァァァ!!
(部屋の外から、凄まじい水音が聞こえる。これは……雨? それとも……)
扉「」ベギャッ
「きゃっ!」
(扉が……いきなり、壊された……!?)
ペタペタ…
黒髪のエピタフ「…………」
(そうして部屋に入ってきたのは……とてもかなしい目をした、黒髪の魔法人形)
(あれは……エピタフ型……? 一体、何を――)
黒髪のエピタフ「あなたも、かなしいんだね……」
「――え?」
黒髪のエピタフ「わたしたちと一緒に、世界を綺麗にしよう――?」スッ
「あ――」
(差し出される、彼女の手。私は、惹かれるようにその手を―――)
青の賢剣「させない!!」ヒュンッ
黒髪のエピタフ「……」サッ
青の賢剣「大神殿は開かせない!!」
黒髪のエピタフ「…………哀しい人」ヴォン―
青の賢剣「くっ……!」
ガシッ
「えっ……」
青の賢剣「逃げるよ!」
「ええっ!?」
シュタッ
◆
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 22:09:01.79 ID:adPdoVuG0
- ―庭園
(青いインテリジェンスソードの人が、私を背負って樹海を駈けていく)
(行ったり来たり、不思議な順路を辿って進んでいく)
(そして辿り着いた先は……雨模様だった外とは異なる、穏やかな日差しの差し込む庭園だった)
(整地され、丁寧に整えられた植物たちが色とりどりの花を咲かせている)
(ここは……?)
フィー「……ふう。ここならストロードールたちに見つかる心配もないだろう」スッ
イエリア「あ……えっと、あなたは……?」ストッ
フィー「私はフィー。流浪のインテリジェンスソード……とはもう言えないかな。随分長いことこの国に滞在してるし……」
イエリア「……え、ええと……」
フィー「ああ……まずは謝らないとね。いきなりこんなところに連れてきちゃって……」
イエリア「ど、どういうことなの? 何が起こっているの?」
フィー「説明しようか……」
(説明中)
イエリア「ええっ……あの黒髪の子、テロリストだったの……!?」
フィー「公表はされていないけどね。ここ最近島で頻発している事件や事故は大体彼女たちの仕業だよ」
イエリア「そ、そうなんだ……。外のこと、あんまり知らないけれど……」
フィー「噂通りの箱入りお姫様だったんだね……」
イエリア「…………うん」
フィー「……それなら、重ねて謝る。もうしばらくここに箱入りされていて欲しいんだ」
イエリア「え、うん」
フィー「あのテロリストたちが捕まるか、いなくなるまでは。大神殿が開かれたら、この島どころか世界が滅んでしまうから……」
イエリア「……」
イエリア(あの時、黒髪の子の手を取ってたら……世界を、滅ぼせたかもしれないんだ)
イエリア(……なんて。そんなのだめだよね。いくらなんでも……)
イエリア「ここ、綺麗だし、暖かいし……あの明るいだけで何もない部屋にいるより、ずっと気持ち良いよ」
フィー「本当? それなら良かった」
イエリア「うん」
◆
イエリア(そうして私は、人の手を離れてその庭園に隠れ住むようになった)
イエリア(そこはフィーが作ったものではなく、ずっと以前からこの樹海に存在していた不思議な結界領域らしい)
イエリア(誰が何の目的で作ったのかはフィーも知らないらしいけれど、フィーはここを隠れ家として私的に利用しているそうだ)
イエリア(そして今は、私の住処とも言える)
イエリア(元の持ち主はもういないみたいだし、別に良いよね……)
◆
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/25(木) 22:10:11.81 ID:adPdoVuG0
- ―10月3週
庭園 寝室
チュンチュン
イエリア「……」パチッ
フィー「おはようございます、イエリア様」
イエリア「……おはよ、フィー。うぅーん……」ノビー
フィー「朝ごはんはできていますよ」
イエリア「……フィー、いつからそんな口調だっけ……」
フィー「……いつからでしたっけ。まあ、割と昔ですね」
イエリア「まあ、別に良いけど」
フィー「昔の夢でも見ましたか?」
イエリア「うん」
フィー「……そうですか」
イエリア「今日の朝ごはんは?」
フィー「エーテルリキッド雑炊です」
イエリア「わかった。いつもありがとう、フィー」
フィー「好きでやっていることです」
イエリア「もの好きね」
フィー「ええ。世界が終わるまで、あなたに付き合う覚悟はできていますから」
イエリア「重いよ」
フィー「イエリア様は軽いですよ」
イエリア「それ聞き飽きた」
フィー「人間の女の子なら喜んでくれるんですけどね……」
イエリア「私の前で人間の女の話なんてする? デリカシーとかないの?」
フィー「申しわけありません。お詫びに今日は雑炊を大盛りに致します」
イエリア「ふふ」
イエリア(まあ、こうやってだらだらと生き続けるのも悪くはないよね)
イエリア(でも最近は外でいろいろ起きてるらしいし、フィーも時々遠い目をしてる)
イエリア(きっともう、こうしていられる時間は……長くない)
イエリア(……いつ終わっても、いいんだけどね)
イエリア(どうせ、下らない世界だもの……)
◆
- 848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/25(木) 22:37:58.24 ID:aZLIxJdI0
- 魔鍵さまは完全に孤立してしまったのだろうか……
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 00:05:50.94 ID:fO3dy53n0
- ―10月3週 週末
ユリトー温泉
カポーン…
リアン「ふあぁ〜……」
ルウェリア「あぁ……温まる……」
リアン「凄いね、温泉……。いつものお風呂とは違う、不思議な感じ……」
ルウェリア「地下から湧き出したいろんな成分が溶け込んでるんだって。だから体とか肌に良いんだとか」
リアン「えへへ……お肌、綺麗になっちゃうかな……?」
ルウェリア「リアンちゃんの肌は元々綺麗だよ?」
リアン「も、もう〜! ルウェリアちゃんの肌も綺麗だよ! 髪も透き通るみたいだしさ」
ルウェリア「そ、そうかな……」
リアン「そうだよ! 持とうよ、自信!」
ルウェリア「ふふ、これでも前よりはずっと付いたんだよ、自信」
◇
―ユリトー温泉 旅館
リアン「わあ、ルウェリアちゃん温泉浴衣似合うねえ」(E:温泉浴衣)
ルウェリア「リアンちゃんも。……ちょっとはだけてるよ」(E:温泉浴衣)
リアン「えっ……あっ///」
ルウェリア「直してあげる」スッ
リアン「ひゃ……///」
ススス ギュッ
リアン「あ、ありがと……///」
ルウェリア「どういたしまして。うん、やっぱりリアンちゃんも似合ってる!」
リアン「え、えへへ……」
◇
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 00:06:30.45 ID:fO3dy53n0
- ―夜
客室
ルウェリア「照明、消すよ?」
リアン「うん」
パチン…
リアン(真っ暗になった……。旅館の部屋でルウェリアちゃんと二人きり……)
リアン(お泊まり会は何回かしたけれど、二人きりなのは初めてかも。いつも、リエムちゃんやみんなが一緒だったし)
リアン(な、なんかドキドキしてきた……)
ルウェリア「……リアンちゃん、起きてる?」
リアン「あ、うん」
ルウェリア「……その、ありがとう」
リアン「え……?」
ルウェリア「改めて、お礼を言いたくて。今回誘ってくれたこともだけど……私と友達になってくれたこととか、遺跡部に入ってくれたこととか、いつも率先していろいろ手伝ってくれることとか……。もっと、いろいろ、たくさん……ありがとう」
リアン「う、ううん! そういうの全部、私がやりたくて自分でやってることだもん。気にしなくて良いよ?」
ルウェリア「ふふ、気にしてるわけじゃないよ。ただ、感謝の気持ちを伝えたかったからさ」
リアン「そ、そっか……。それじゃあ私も……。私と友達になってくれたり、遺跡部に入れてくれたり、いつも私を助けてくれたり……他にも、たくさん、たくさん……ありがとう……!」
ルウェリア「うん……。私も、やりたくてやってるだけだから。リアンちゃんと同じように」
リアン「えへへ……うん!」
ルウェリア「ふふ……」
リアン「ルウェリアちゃんのお姉さん、絶対見つけようね……! 古代文明なら、きっと生きてるよ……!」
ルウェリア「うん。必ず……。アリムちゃんも、絶対治そう。方法はきっとあるはずだから」
リアン「うん……!」
ルウェリア「その為にも……明日に備えて、寝ないとね」
リアン「そ、そうだね。明日はバリバリ探そう……!」
ルウェリア「うん……! それじゃあおやすみ、リアンちゃん」
リアン「おやすみ、ルウェリアちゃん」
リアン(程なくして、私たちは眠りに落ちていった)
リアン(明日は頑張ろう……!)
◆
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 00:08:06.79 ID:fO3dy53n0
- ―10月3週 週末
ユリトー温泉近くの岩場
ガサガサ…
ルウェリア「リアンちゃんマップによればこの辺りにも遺跡があるはず……」
リアン「温泉があるからか、山の中からも水源の気配を感じるよ。もしかして古代の温泉施設があったり……」
ルウェリア「それはそれで良いね。もし見つけられたら私たちだけの秘湯に――」
ヒュッ
ルウェリア「ソリッド!」キン
ギン!
ルウェリア「リアンちゃん大丈夫?」スタ
リアン「う、うん! でも……あの子は……!!」
壊れかけのくすんだ銀剣「人間さマ……まもル……」ブツブツ
リアン「どう、して…………?」フラッ
ルウェリア「リアンちゃん……!」
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 00:08:45.64 ID:fO3dy53n0
- 本日はここまで
- 853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 00:38:10.32 ID:n6Ig59Ojo
- おつおつ
温泉は健全!(某ウマゲー見つつ)
スイスちゃん組とも和解したいがどうなるか……
- 854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/26(金) 03:05:58.77 ID:zTkWpKrQ0
- おお偉大なシンデレラ おお偉大なシンデレラ 永遠に果てなく踊れよ
おお我らがシンデレラ おお我らがシンデレラ 世界に名立たる偶像よ
金を手折り束ねて 石を捧げてしまえば 皆を約束の舞台へ導く 偶像たちよ
おお輝けシンデレラ おお輝けシンデレラ 輝く星となれよ
おお歌えよシンデレラ おお歌えよシンデレラ 歌い願えば叶う
奇跡呼ぶ白き翼も 夢を打ち抜く少女も 心その身さえ捧げよ 我らが偶像へ
おお崇めよシンデレラ おお崇めよシンデレラ 主への絶対の忠誠
おお願えよシンデレラ おお願えよシンデレラ 巡る奇跡を信じて
手に入れし魔法儚く 彼方へと消えゆくは笑顔 生まれし勇気を抱きしめて 走り出せよ
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 20:28:09.59 ID:fO3dy53n0
-
フォンフォンフォン…
壊れかけ銀剣「ア……」
タッ
ルウェリア「逃げた……!?」
リアン「……追おう、ルウェリアちゃん」
ルウェリア「リアンちゃん……! でも、罠だったら……!」
リアン「放っておけないよ……!! あの子、あんなにボロボロなのに……!」
ルウェリア(……そうだよね。リアンちゃんは、そういう人だ)
ルウェリア「わかった。追おう。一応みんなにも連絡しておく」
リアン「うん……! ありがとう、ルウェリアちゃん……!」
ルウェリア「ううん、大丈夫。きっと姉さんがここにいたら、リアンちゃんと同じことをすると思うから」
◆
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 20:30:13.95 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[0/15]
合計踏破力[6] 合計戦闘力[6] 合計持続力[6/6] 防御[3]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
リアン(銀色の子を追った先には、岩陰に隠れるようにして開いた小さな洞窟があった)
リアン(見た感じは天然の洞窟に見えるけれど……)
リアン「ここ、遺跡なの……? 対魔法障壁もないし、人の手が加えられた形跡もないけれど……」
ルウェリア「天然の洞窟を利用した施設って可能性もある。リアンちゃんがリエムちゃんを見つけた場所みたいな」
リアン「あ、そっか」
ルウェリア「この先がどうなってるかはわからない。気を付けて進もう」
↓1
01-05 踏破率+6 ??
06-30 踏破率+6 魔力吸収の罠を踏む(持続力-2)
31-60 踏破率+6 エーテルリキッド入手(持続力3回復。超過分はストック)
61-90 踏破率+6 携行魔導レーザー入手(次回戦闘時、戦闘力+5)
91-00 踏破率+9 ??
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 20:32:54.62 ID:p19+ric1O
- えい
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 20:53:55.45 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[6/15]
合計踏破力[6] 合計戦闘力[6] 合計持続力[5/6] 防御[3]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
スタスタ…
ルウェリア「待って。そこの岩陰に……箱がある」
リアン「あっ……本当だ」
リアン(それは、金属のような光沢のある箱だった)
リアン(天然の洞窟のように見えるこの洞窟で、その人工物は異質な雰囲気を放っている)
ルウェリア「罠かもしれないけど、開けてみる?」
リアン「う、うん……。バブルバリア!」ボワン
リアン「これで、いきなり爆発したりしても大丈夫」
ルウェリア「ありがとう! よし、そーっと……」
カチャッ…
携行魔導レーザー「」
ルウェリア「こ、これは……!」
リアン「知ってるの?」
ルウェリア「う、うん。准教授の持ってた資料で見たことがある……」
リアン「い、一体どういうものなの……?」
ルウェリア「簡単に言うと……リエムちゃんやアリムちゃんが使う魔導レーザーが撃てる武器、かな?」
リアン「え……ええ!?」
ルウェリア「でも確か、何回か撃ったら使えなくなるらしいんだ。使い捨てなんだって」
リアン「そ、そうなんだ……」
リアン(リエムちゃんやアリムちゃんが撃つ魔導レーザー、か……)
リアン(そんなのに撃たれたらきっと死んじゃうよ……あの子……)
リアン(なるべく使いたくはないけど……)
☆携行魔導レーザーを入手しました
↓1
01-05 踏破率+6 ??
06-30 踏破率+6 魔力吸収の罠を踏む(持続力-2)
31-60 踏破率+6 エーテルリキッド入手(持続力3回復。超過分はストック)
61-90 踏破率+6
91-00 踏破率+9 ??
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 20:59:45.77 ID:Nrfpnpj20
- あ
- 860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 21:14:56.34 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[12/15]
合計踏破力[6] 合計戦闘力[6] 合計持続力[4/6] 防御[3]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
スタスタ…
リアン(ルウェリアちゃんと洞窟を進んでいく)
リアン(不気味なほどに静かで、怖いくらいに順調だ)
リアン(一体この先に、何があるの……?)
リアン(あの子は、どう見ても危険な状態だった……)
リアン(ヒーティちゃんに焼かれた傷が治っていないの……?)
リアン(それとも……魔鍵に見つかっちゃったんじゃ……)
ルウェリア「……リアンちゃん、大丈夫?」
リアン「えっ……う、うん! まだまだ平気!」
ルウェリア「そっか。じゃあ、もう少し進んでみよう」
リアン「うん……!」
↓1
01-05 踏破 ??
06-30 踏破 魔力吸収の罠を踏む(持続力-2)
31-60 踏破 エーテルリキッド入手(持続力3回復。超過分はストック)
61-90 踏破
91-00 踏破 ??
- 861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 21:21:09.14 ID:TrezY4PUO
- やっ
- 862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 22:17:53.72 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[6] 合計戦闘力[6] 合計持続力[3/6] 防御[3]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
スタスタ… カチッ
リアン「えっ?」
ルウェリア「あっ……」
キュオオオ……
リアン「あっ……な、なに、これ……!」
ルウェリア「は、離れられ……!」
キュオオオオオ!!!
リアン「ん、んっ……!」
ルウェリア「だ、だめっ……! 吸われ……!!」
リアン「あっ、ん、あっ……!」
ルウェリア「リアン、ちゃ……!!」
◇
リアン「ひい、ひい……はひぃ……お、おわった、の……?」ビクンビクン
ルウェリア「はあ、はあ……お、終わった……みたい……」グッタリ
リアン「う、うう……」
ルウェリア「はあ、はあっ……うっ、ぐ……」
リアン(……目の前が、暗くなっていく)
リアン(罠かもしれないのに、私が無理を言って追ったせいだ)
リアン(私だけならまだしも……ルウェリアちゃんまで巻き込んで……)
リアン(こんな洞窟の奥で、満身創痍……)
リアン(あ、ああ……わ、私のせいで……)グニャァ
ルウェリア「……リアンちゃん……。前に、進もう……」ググ
リアン「あ……ルウェリア、ちゃん……」
ルウェリア「どうせこんなに奥まで来ちゃったんだもの。後退する余力もないなら、進むしかないよ」
リアン「うん……」
ルウェリア「……責任とか、感じる必要ないよ。私だって、自分の意志でここまで来たんだから」
リアン「……ありがとう、ルウェリアちゃん」
リアン(……どちらにしろ、進むしかないんだ)
リアン(進んだ先に……何があるとしても……)グッ
◆
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 22:18:50.84 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 最奥
量産剣「……」
朱の魔法人形「……」
壊れかけくすんだ銀剣「……」
魔鍵「フフ……アハハハハ!! 最初から、こうすれば良かったんです!」
魔鍵「ガラクタどもに意志なんていらない……! 私の傀儡として、手足として……最初から私の意のままに使っていれば良かった……!」
魔鍵「そうすれば……私の命令を無視したり、文句を言ったり――勝手にいなくなったり、しないのですから……!!」
魔鍵「はあ、はあ……ああ、おかしい。なんでこんな簡単なことに気付かなかったのでしょう。我ながら愚かでしたね」
魔鍵「……でも、アリムちゃんだけは絶対に許しません。私と同じだと思っていたのに……気持ちを分かち合える、唯一の仲間だと思っていたのに……!! 人間なんかに……人間なんかに、絆されて……!!!」
ビービー…シンニュウシャ…シンニュウシャ…
魔鍵「……ククク。来たな、泥棒猫のリアンめ……。血祭りにあげて、ボロ雑巾にした後アリムちゃんの前に引きずって行ってやる……」
魔鍵「アッハハハハ!! さあ、出陣です! 精々あの人間を苦しめてくださいね、お前たち!!!」
◆
- 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 22:23:17.51 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[6] 合計戦闘力[6] 合計持続力[1/6] 防御[3]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
リアン(ルウェリアちゃんと二人、ふらつく足を叱咤しながら必死に進んでいく)
リアン(そろそろ、限界かもしれない……。でも、こんなところで……)
カッ!
リアン「うっ……!」
ルウェリア「な、何……!?」
リアン(突然強い光に照らされ、目がくらんだ。一体何が……)
魔鍵「特設死刑台へようこそ。愚かな人間たちよ」
リアン「そ、その声……魔鍵!?」
魔鍵「お久しぶりですね、リアン・ロールセン。アリムちゃんはお元気ですか?」
リアン「……! あ、アリムちゃんは……!」
ルウェリア「元気だよ。お前みたいな最悪の存在から離れられたからね……!」
魔鍵「…………チッ。黙りなさい。最悪はお前たち人間の方でしょうが……」
魔鍵「来なさい、私の傀儡」
量産剣「……」ザッ
朱の魔法人形「……」スッ
壊れかけくすんだ銀剣「……にンげん……サ、ま……」ギギ
リアン「……!! あ、あなたは……また、そうやって……!!」
魔鍵「お前たち人間が散々やってきたことです」
ルウェリア「違う!! リアンちゃんは……そんな奴らとは……!!」
魔鍵「そうやってムキに否定するところもまた。もういいです。お前たち、殺せ」
量産剣「……」タッ
朱の魔法人形「……」スス
壊れかけくすんだ銀剣「あ、ア……」ギギギ
ルウェリア「くっ……! り、リアンちゃん……!」
リアン「…………」
リアン(私の手元には、携行魔導レーザーがある)
リアン(これを上手く使えば……この絶体絶命の状況も切り抜けられるかもしれない)
リアン(でもそうすれば……きっとこの子たちは……)
リアン(絶対に、死ぬ)
リアン(でも使わなければ……私たちが、死ぬかもしれない)
リアン(私だけならともかく、ルウェリアちゃんも)
リアン(……決断しなければならない)
◆人造種たち
◇くすんだ銀剣 踏破力[0] 戦闘力[2] 持続力[0]〈壊れかけ〉
◇朱の魔法人形 踏破力[2] 戦闘力[1] 持続力[3]
◇量産剣 踏破力[3] 戦闘力[3] 持続力[4]
合計踏破力[5] 合計戦闘力[6] 合計持続力[7/7] 防御[3]
↓1〜3 重要な選択肢なので多数決
1.使う(戦闘力+5、勝利時相手死亡)
2.使わない(勝利時相手生存)
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 22:26:32.58 ID:MhTM1BTWO
- 2
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 22:27:08.98 ID:n14T+hv2O
- 2
- 867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 22:32:34.99 ID:n6Ig59Ojo
- 2
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 22:52:53.67 ID:fO3dy53n0
-
ルウェリア「……」スッ
リアン「えっ……ルウェリアちゃん?」
ルウェリア「リアンちゃんは……リアンちゃんだけは、それを使っちゃだめ」
リアン「ルウェリアちゃん……」
ルウェリア「ふふっ……私もヤキが回ったのかも。こんな状況で、無謀にも理想を追いかけようとするなんてね」
リアン「……ふふ。でも……うん! 迷い、晴れた……!!」
ルウェリア「それでこそだよ……! リアンちゃんは……人造種の、味方なんだもの……!!」
リアン「うん……! 私が諦めちゃ、だめだよね……!!」
☆リアンとルウェリアがデュエット専用パッシブスキル〈理想〉を習得しました
〈理想〉合計踏破力+1、合計戦闘力+1、合計持続力+1、防御+2
魔鍵「チッ……わざわざ見える場所に魔導レーザーを置いてやったのに。つまらない」
リアン「私たちは……誰の命も諦めたりしない……!!」
ルウェリア「うん! 生き残って、あなたたちを無力化して――全員で、生きて帰るんだ!!」
魔鍵「フン。それなら精々後悔しなさい。理想に溺れ、誰一人救えずに終わるのだから……!!」
―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[7] 合計戦闘力[7] 合計持続力[2/7] 防御[5]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
〈理想〉合計踏破力+1、合計戦闘力+1、合計持続力+1、防御+2
VS
◆人造種たち
◇くすんだ銀剣 踏破力[0] 戦闘力[2] 持続力[0]〈壊れかけ〉
◇朱の魔法人形 踏破力[2] 戦闘力[1] 持続力[3]
◇量産剣 踏破力[3] 戦闘力[3] 持続力[4]
合計踏破力[5] 合計戦闘力[6] 合計持続力[7/7] 防御[3]
―ボス戦闘開始―
↓1
01-35 味方に1ダメージ
36-95 敵方に4ダメージ
96-00 敵方に8ダメージ 勝利
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 22:55:47.75 ID:3XUGhuim0
- ぬ
- 870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 23:05:18.79 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[7] 合計戦闘力[7] 合計持続力[2/7] 防御[5]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
〈理想〉合計踏破力+1、合計戦闘力+1、合計持続力+1、防御+2
量産剣「」タッ
リアン「ジェルアーマー!」
ルウェリア「ソリッド!」ボワンガギン!
量産剣「」ビビッ
ガギギギン!
リアン「今日の私たちは――」
ルウェリア「とっても、堅いよ……!!!」
リアン「今度はこっちから! バインドジェル!」ギュオオオ
ルウェリア「固まれ! ソリッド!」ガギン!
◆人造種たち
◇くすんだ銀剣 踏破力[0] 戦闘力[2] 持続力[0]〈壊れかけ〉
◇朱の魔法人形 踏破力[2] 戦闘力[1] 持続力[3]
◇量産剣 踏破力[3] 戦闘力[3] 持続力[4]
合計踏破力[5] 合計戦闘力[6] 合計持続力[3/7] 防御[3]
―ボス戦闘開始―
↓1
01-35 味方に1ダメージ
36-95 敵方に4ダメージ 勝利
96-00 敵方に8ダメージ 勝利
- 871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:06:07.06 ID:M8aKoMQb0
- 勝利だ!
- 872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 23:10:49.64 ID:fO3dy53n0
- ―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[7] 合計戦闘力[7] 合計持続力[1/7] 防御[5]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
〈理想〉合計踏破力+1、合計戦闘力+1、合計持続力+1、防御+2
くすんだ銀剣「」パリッ
リアン「わわっ、でで電気!?」ビリビリ
ルウェリア「インシュレイト!」シュオン!
リアン「あっ……電気が、通らなくなった!?」
ルウェリア「硬度変化の応用!」
ルウェリア(水魔法使いのリアンちゃんを守る為に習得した魔法だ……! ここで使わないでいつ使う……!!)
◆人造種たち
◇くすんだ銀剣 踏破力[0] 戦闘力[2] 持続力[0]〈壊れかけ〉
◇朱の魔法人形 踏破力[2] 戦闘力[1] 持続力[3]
◇量産剣 踏破力[3] 戦闘力[3] 持続力[4]
合計踏破力[5] 合計戦闘力[6] 合計持続力[3/7] 防御[3]
↓1
01-35 味方に1ダメージ
36-95 敵方に4ダメージ 勝利
96-00 敵方に8ダメージ 勝利
- 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:13:08.04 ID:n6Ig59Ojo
- たのむ!
- 874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:15:55.02 ID:M8aKoMQb0
- 食い縛りでワンモアチャンス……
- 875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/26(金) 23:28:52.92 ID:fO3dy53n0
- 04 痛恨
―山間の洞窟 踏破率[15/15]
合計踏破力[7] 合計戦闘力[7] 合計持続力[1/7] 防御[5]
◆探索メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
〈理想〉合計踏破力+1、合計戦闘力+1、合計持続力+1、防御+2
魔鍵「何を二人の子供相手に手間取っているのです!? 真面目にやりなさい!!」フォンフォンフォン―
ガギギンギン
シュッ
パリリッ
ルウェリア「くっ……あ、あいつら動きが……!!」
リアン「――あ」
朱の魔法人形「……」ガチャッ
携行魔導レーザー「」キィン―
リアン「――!!! ルウェリアちゃ――」バッ
ルウェリア「え……あ――」
ギュオオオオオ――…
魔鍵「クク……アッハハハハ!! 二人まとめて消し炭になったようですね!! アリムちゃんの前に首を持っていけないのが残念、で――」
リアン「う……ぐ、ぐぐぐ……!!!」シュウウウ
〈水の守り〉で痛恨無効!
ルウェリア「り、リアンちゃん……大丈夫……!?」シュウウウ
リアン「ま、まだ……!!! 諦めないって、言ったもん!!!」
〈不壊〉発動!
魔鍵「……なぜ。なぜ生きている……!! ゴキブリ未満の下劣な人間が……!!!」
◆人造種たち
◇くすんだ銀剣 踏破力[0] 戦闘力[2] 持続力[0]〈壊れかけ〉
◇朱の魔法人形 踏破力[2] 戦闘力[1] 持続力[3]
◇量産剣 踏破力[3] 戦闘力[3] 持続力[4]
合計踏破力[5] 合計戦闘力[6] 合計持続力[3/7] 防御[3]
↓1
01-35 味方に1ダメージ 敗北
36-95 敵方に4ダメージ 勝利
96-00 敵方に8ダメージ 勝利
- 876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:29:17.27 ID:iYmr1Uk1O
- かってー!
- 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:30:45.16 ID:M8aKoMQb0
- Oh……
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:31:52.58 ID:n6Ig59Ojo
- コンマ神今日ツンツンしすぎっす……
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:37:52.33 ID:9vqlVlPZO
- 負けイベ以外一敗もしちゃいけなそうなスレなのに…
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/26(金) 23:48:08.25 ID:lcrKiVlI0
- な、なんとか救済措置とか……
- 881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 00:05:54.64 ID:CGticGbe0
- リアン(しかし、魔導レーザーの直撃を受けたダメージはカバーしきれるものではなく……)
リアン(私たちはじわじわと追い詰められていった……)
リアン「はあっはあっはあっ……!」
ルウェリア「り、リアン、ちゃ……」フラッ
リアン「ルウェリアちゃん……!!!」ダキッ
ルウェリア「うっ……」カクン
リアン(ルウェリアちゃんが意識を失った……。呼吸は続いているけど……)
魔鍵「クク……火事場の悪足掻きだか何だか知りませんが、ここまでのようですね」
リアン「う、うう……!」
魔鍵「素直に魔導レーザーで消し飛ばせば良かったものを。理想などという欺瞞に溺れるからこうなるのです。馬鹿な人間たち」スタスタ
リアン「ま、まだ……!」ギュオオ…
魔鍵「無駄な足掻きを。銀」フォンフォン…
壊れかけくすんだ銀剣「マモ、る……にんげンサま……」パリッ
リアン「あ……うああああああ!!」ビリビリビリ
ドサッ…
リアン(体中に電撃が走り……頭が真っ白になって、何も考えられなくなる……)
リアン(終わりたく、ない……。ここで終わったら……本当に、誰も……)
ゲシッ
リアン「うぐっ」
魔鍵「フン、無様なものです。泥棒猫の末路としては及第点ですかね」ゲシゲシ
リアン「うっ、ううっ……」
魔鍵「とりあえず内蔵を抉って軽くしたらアリムちゃんの元まで運ぶとしましょうか。銀、お前がやりなさい」フォンフォン
くすんだ銀剣「にん、ゲんさマ……」ギギギ
魔鍵「チッ……こいつももうスクラップですね。死ぬなら最後に一仕事やってから死ね」フォンフォンフォン―
くすんだ銀剣「――――まも、る」
ザシュッ
魔鍵「――――え?」フラッ
くすんだ銀剣「……マもる……まモル……」
魔鍵(あ――こいつ、壊れすぎて――私の司令が――)
ザシュッ
魔鍵「う、あ――」
ドサッ……
リアン(え……銀色の子が……魔鍵を、斬っている……?)
リアン(あ……倒れた魔鍵に向かって、振りかぶって――)
リアン(だ、だめ――)
くすんだ銀剣「マもル――」ブンッ
↓1 リアンの方針は理想で固定されたため選択肢はスキップされます コンマ判定のみ
01-50 間に合わなかった
51-00 間に合った
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 00:07:46.34 ID:fGk8qVoP0
- はい
- 883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 00:17:29.13 ID:nEhdGOnno
- リアンちゃんへの精神ダメージががが
スイスちゃん貴女強いのね(現実逃避)
- 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 00:22:09.87 ID:19CLzaQ8O
- 誰も救われないのが悲しすぎる
- 885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 00:33:03.02 ID:CGticGbe0
- ザクッ……
魔鍵「あ……」
魔鍵(魔核が……貫かれた……)
魔鍵(ここで、終わり……?)
魔鍵(まだ何も、壊せてないのに)
魔鍵(壊さなきゃ、いけないのに)
魔鍵(この最悪の世界に、少しでも復讐しなきゃいけないのに)
赤い瞳の魔法人形の幻「……」
魔鍵(ああ……もっと、ちゃんと話したかったな……)
魔鍵(下らない見栄とか、プライドとか、意地なんて張らないで……)
魔鍵(……そんなだから、きっと、みんな…………)
魔鍵(今更後悔しても……遅いのに…………)
魔鍵(…………)
魔鍵(あの世なんてものがあるのか、知らないけれど)
魔鍵(もし、あるのなら……)
魔鍵(次は……みんなに、捨てられないように……しなきゃ…………)
魔鍵(…イエリアみたいに……みんなに、大事にされるように…………)
魔鍵「…………」パタ…
リアン「あ……あ、あ、あああ……」
リアン「ああああああ…………!!!」
リアン(また、守れなかった)
リアン(私は……どうして、いつも……)
リアン(私の想いなんて……無駄でしか、ないのかな……)
リアン(もう、やだよ……)
踏破完了……
◆
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 00:34:08.95 ID:CGticGbe0
- 本日はここまで
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 01:06:45.44 ID:nEhdGOnno
- おつでした…
魔鍵様…死んで欲しいなんて望んで無かった…ただ毎回いい感じにやられてくれるだけで良かったのに()
リアンちゃんもつよくいきて……
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 01:15:37.79 ID:fGk8qVoP0
- 同情ポイントもろくに稼げないまま死んじゃったから不完全燃焼感がすごいな
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 04:33:33.65 ID:Cw7CojmL0
- 明確に敵意を持っていた魔鍵にすら倒されそうになるとこの反応
リアンちゃんも封印された記憶の中で相当人造種と関わりありそう
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 07:12:30.29 ID:JK70vUE3O
- 乙
今回は本当に運がなかった・・・
2人とも校内屈指の実力者なのにサイコロ次第でどうにでもなっちゃうゴブスレみたいな展開。
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 20:13:56.05 ID:CGticGbe0
- 自分で書いておいてアレですがなんかしんどいので多数決を取ります
↓1〜3
1.救済措置あり
2.救済措置なし
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 20:14:54.48 ID:D8VNfcN2O
- 1
- 893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 20:28:26.82 ID:vTvVfBc70
- 1
- 894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 20:36:43.36 ID:SQxijYFRO
- 1
- 895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 22:26:02.68 ID:LjaYM/Lao
- はたしてどうなる魔鍵さん
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 22:53:34.02 ID:CGticGbe0
- ―???
リアン(どこだろう……ここは……)
リアン(意識はあるのに……体の感覚はない……)
リアン(無数の光が、星のように瞬いて……ついたり、消えたり……)
リアン(目の感覚もないのに、そんな光景が見えるような気がする……)
???「……やり直したいか?」
リアン(え……誰かに、話しかけられた……? 姿は、見えないけれど……)
???「無回答か? 沈黙は肯定……いや否定だったか。どちらにせよ早く答えよ」
リアン「あ……やり直し……たい……。やり直せる、なら……」
リアン(答えようと思った時……私の体は、存在していた)
リアン(最初からあったのか、今現れたのかは、わからない)
???「身に余る大望を愚直に追い縋る姿勢は変わらぬか」
リアン「大望、なんかじゃない……! 誰だって……幸せに生きて良いはずだもん……!!」
???「……気に入った。その愚かさ、傲慢さ、ひたむきさ……ゆめゆめ失わぬように」
リアン「え……?」
???「今一度、力を貸してやろう」
リアン「え、と……どういう……」
???「一度だけやり直させてやろう、ということだ」
リアン「え……えっ!?」
???「ただし――運命が変わっても、変わる前の運命≠ェなかったことになるわけではない。その点は注意せよ」
リアン「え、え……」
???「では戻るが良い。期待しているぞ、リアン・ロールセン」
リアン「あ――あなた、は――!?」
???「我は―――」
リアン(その人(?)が自分の素性を語る前に、私の意識はその場から消失した――)
◆
- 897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 22:54:22.38 ID:CGticGbe0
- ―山間の洞窟 最奥
リアン(あれ……わた、し……)
くすんだ銀剣「……マもる……まモル……」
ザシュッ
魔鍵「う、あ――」
ドサッ……
リアン(え……)
リアン(この光景を、私は見たことがある)
リアン(その後、何が起きるのかも――知っている)
リアン(魔鍵は……銀色の子に胸を貫かれて……)
リアン(止め、ないと……!!)ググ
くすんだ銀剣「マもル――」ブンッ
リアン「バインド、ジェル……!!」ギュアッ
スカッ
くすんだ銀剣「あ、ぅ……?」フラッ
ドサッ
リアン(銀色の子が、私のバインドジェルに足を取られて倒れた)
リアン(辛うじて呼吸は続いている……。良かった、まだ生きてる……)
魔鍵「あ……ガハッ! ゲホッ……!!」
リアン(倒れていた魔鍵が、激しく咳き込んで血を吐いた)
リアン(私はもう、一滴の水を出す魔力も残っていない……。体も、動かない……。まずい、魔力欠乏で死ぬ……)
魔鍵「はあっ、はあっ……! う、ぐ……んぐ……」ゴクゴク
リアン(あ……視界が、暗くなってきた……。魔鍵が、何かを飲んでいる……? だめだ、もうまぶたが……)
ガッ
リアン「んぐっ!?」
魔鍵「はあ、はあ……! お前にも、くれてやる……。これで貸し借りはなし……!」
リアン「んぐうぅ……!」
リアン(くる、しい……。魔力は回復するけど、こきゅう、が……)
魔鍵「次に会ったら、今度こそ殺す……! それまで、首を洗って待っていろ……!!」
リアン「ん、ぐ、ぐ……」
ゲシッ
リアン(もう……だ、め……)
◆
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 22:55:08.34 ID:CGticGbe0
- ―リアンの部屋
リアン「はっ……」パチッ
リエム「リアンさま……!」
アリム「馬鹿……!! 勝手に先行して……! 私たちがどれだけ心配したと……!!」ガシッ
リアン「あ……。ご、ごめん……」
リエム「……事情は、投降した三人の人造種から聞いております。ルウェリアさまと共に誘い込まれた、と……」
リアン「あっ……! ルウェリアちゃんとその三人は無事なの……!?」ガバッ
リエム「はい。くすんだ銀色のインテリジェンスソード以外の方は、命に別状ありません」
リアン「えっ……ぎ、銀色の子は……?」
リエム「……先程まで危機的状況でしたが、今は峠を越したそうです」
リアン「…………そっか……」
アリム「……言っとくけど、今のあんたにできることは何もないわ。あんたは休んで体力と魔力を回復させなさい」
リアン「……うん」
リアン(……あの時私は、魔鍵が死ぬという運命を思い出した=c…)
リアン(未来の出来事を思い出すなんて、変だけど……。でも思い出せたお陰で、一瞬早く体を動かすことができたんだ……)
リアン(一体……何だったんだろう……。勘違い……にしては、嫌に鮮明でリアルな記憶だし……)
リアン(……やめよう。考えても仕方ない)
リアン(魔鍵は許せないけれど……助けることができて、良かった……。悪い子だから死んで良いなんてこと、絶対ないんだから)
リアン(いつか……魔鍵とも、ゆっくり話し合える時が来れば良いな……)
◆
- 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 22:57:33.61 ID:CGticGbe0
- ―どこかの遺跡
魔鍵「はあ、はあ……。しばらく自己修復で動けませんね、これは……」グッタリ
魔鍵「はあ……。結局、一人か……」
魔鍵「……別に、良いです。一人の方が、気楽ですし……」
魔鍵「…………」
魔鍵「……あの時、私は……間違いなく、死んでいた……」
魔鍵「魔核を貫かれ、柄にもないことを考えながら……死ぬ、はずだった……」
魔鍵「……一体、なぜ?」
魔鍵「記憶か認識を改竄された? 誰が、何の為に?」
魔鍵「……わけがわからない」
魔鍵「…………」
魔鍵(……今更後悔しても、遅い……か)
魔鍵(もし、これが何かの間違いで……死の間際に見る夢幻だとしても……)
魔鍵(今からなら――遅くはないのでしょうか……)
魔鍵(……なんて。今更仲良しこよしなんて無理ですね。人間と同じように、散々人造種たちを使い潰してきたんですから)
魔鍵(今更そんなの、許されない)
魔鍵(悪役は悪役らしく、最期まで自分本位に好き勝手生きるとしましょう……)
◆
- 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 22:58:09.62 ID:CGticGbe0
-
―10月4週
部室
ノルン「リアンちゃん! ルウェリアちゃん! 大丈夫だったの!?」バッ
リアン「う、うん……。まあ……ギリギリ……」
ルウェリア「心配かけちゃったよね……。ごめん」
サーナ「ですがあの魔鍵をあわやというところまで追い詰め、囚われの人造種三人組を救ったそうですわね! お手柄ですわよ!!」
リアン「あ。その三人って、今どうしてるの?」
ガラッ
エンシァン「今はとりあえず、三人とも魔導機械工場にいる」
ルウェリア「先生!」
エンシァン「スイスくん……銀色の部分型インテリジェンスソードの子が非常に危険な状態だったようだが、魔導機械工場に遺されていた施設や物品を用いた結果快復の目処が立ったらしい」
リアン「ほ、本当ですか!? 良かった……」
エンシァン「君たちもお手柄だが……洞窟内で倒れているリアンくんとルウェリアを見つけた時は肝を冷やしたぞ……。一刻を争う状況だったと聞いているから咎めはしないがな……」
リアン「う……す、すみません……」
エンシァン「生きて帰れたのなら良い」
◆
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/27(土) 23:03:53.44 ID:CGticGbe0
- ―魔導機械工場
クロリア「よし……。もう動いて良いですよ、スイスちゃん」
スイス「あ……ありがとう、クロリアさン」スッ
タットンッシャキン
スイス「わあ……! すっごく軽い……! 目もよく見える……!」ブンブン
クロリア「瞳のレンズも新調しました。ふふ、とっても綺麗なおめめですよ、スイスちゃん」
スイス「えへへ……本当にアりがとう、クロリアさん……」
量産剣「髪は……元のままなのだな」
クロリア「はい。できれば髪も綺麗にしてあげたかったのですが、状態の良い在庫がなくて……」
量産剣「ならば……新しく作るか?」
スイス「スイス、このままでもいイよ?」
量産剣「そうか」
クロリア「そうは言っても、スイスちゃんも女の子なのですし――」
ガチャッ
ルル「お邪魔します」
ヒーティ「お、お邪魔しま〜す……」
スイス「あっ……」ビクッ
ヒーティ「あ……スイス、さん……。あの時は……本当に、ごめんなさいッ……!!」ドゲザッ
スイス「……エ?」
ヒーティ「自分……自分のことばかりで、相手のこととか、全然考えてなくてッ……!! 最低でしたッ!!」
スイス「え、ト……。す、スイス、も……前が、見えてなかッタ、から……。ごめん、なさい……!」ドゲザッ
クロリア「え、ええと……これは、どういう……?」
ルル「わんわんがスイスに謝りたいって言うから。ルルは付き添い」
量産剣(わんわん……)
クロリア「そ、そうなのですか……」
ルル「ん。スイス、大丈夫?」
クロリア「はい。この場所を教えていただいたお陰で、無事良くなりました」
ルル「……良かった」
クロリア「はい、本当に……」
☆スイス、クロリア、量産剣の生存が確定しました
―次の遺跡発見率[0/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+3)〈聖域〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇アリムちゃ(動作不良:踏破力-1、戦闘力-1、持続力-1)
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+1)
☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う
10月4週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、文化祭イベントに移行します
- 902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:04:03.14 ID:VacjE4KNO
- リエムちゃがリエムに対してめちゃくちゃ過保護に
- 903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:04:38.25 ID:b5kJvXmxO
- リアンに対して……でした
安価下
- 904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:05:02.36 ID:X+Hgh0s50
- 実用的な非殺傷魔法の練習
816.27 KB Speed:1.5
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)