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やる夫が正史を書くようです58
- 686 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/05/21(日) 17:23:25.13 ID:5Ch4As+l0
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Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ ただ、このような胡人の有力者が、
\ヽ、 _ , イ!::/ 晋王朝の官職を欲するのは胡漢の時代を考える上で重要な要素だ。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ それでいて、劉琨を殺したのは胡漢の融合の難しさを物語っている
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
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ですが、彼にいかなる野心があれど、 .|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
石勒討伐に立ち上がったのは事実です。 |: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
.|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
私はその心意気をよしとします |: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
.У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
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/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i
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- 687 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/05/21(日) 17:24:06.56 ID:5Ch4As+l0
- 【劉琨を殺した後なんですよねこれ】
\-=ニニニニニニニニ}/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:辷=-イ
\-=ニニニニニニ=-/プ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:i:i:}!.:.:.ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ',
`` -=ニニニ=-ィ7゙ l.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /i:i:i:i:i:i:i:i:}!.:.:.}:iヤ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′__
 ̄ /.:/ /.:| |.:.:.:.:.:.:.:.: /:i:i:i:i:i:i:i:i:√.:.:}i:i:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:「.:.:.``〜、、
_.. -::{.:.l_/.:. | |.:.:.:.:.:.:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i/.:.:. ム:7 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/.:.:./!.:.:.:.:.:.:.|_|.:.:.:.:.:.:/i:i:i:i:i:i:i:i:i イ.:.:. /:i/.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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.:.:.:.:.:/ .:.:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:/i:i:i:i:i:i:i: イ.:.:.:.:.:. '".:.:.:./ V/.:.:.:.:.:√.:.:.: '/.:.:.:.:.:.:.:./∧
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{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}人.:.:.:.:{ ,ァぅ笊ぅぃ.、 ィ辷rソ つ ┐:.r 、 、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. } 泣いた
!.:.:.{ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ┐、 :.:.、 乂rソ /////// _/ ./.:.:.| | !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:φ
. ゚ .:.:.!: {:.:.:.:.:.:.:.:.:. // /.:.^Y\ /////// _ ..-=≦.:| l.:.:.:.| | |く \.:.:.:.:.:.:.:.:/
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` V/.:.:.:.:.:〈 ', ', !.:| 辷_.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:. '´ ノ '" ノ l/.:.:.:.:.:.:.:.、`
. \.:.:.:.:._ヽ ′′` ``ヽ、.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:/ . イ.:.:.:.:.:.:.:.:/ ヽ
〈  ̄ ` .,,_ ',::ト.:.: !.:.:.:.:.:./ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
',  ̄ ‐- }ノ }:人.:.:. /. | 年が明けたら幽州へ兵を出しましょう |
′ }\ } ノニニ\:{ ! .ヽ__________________乂
ヽ r‐=ニ } ヽ へ へ '、 ィ'ニ_ト、 へ、ヘ /{-、 |
,\ {ニ≧=- _ __ 」ニ}_} _ ..、-‐ニ7 |
{ ` 〜{-=ニニニ二二二ニ=-√二二二ニニニ√ |
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 邵続は石勒討伐に立ち上がった段匹磾の心意気を買った。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾の方も自分の誘いに応じた上、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波に敗北した後に兵を貸してくれた邵続に感化されたのではないか?
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼らの最期に至る様子を見ると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 「士は己を知る者のために死す」は胡人と漢人の間でも成り立つと分かる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 688 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/05/21(日) 17:26:19.92 ID:5Ch4As+l0
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∧ ___
<>''´―――-ミ,''ヽ
. / /. l | _∨
/ ,' | | ハ | | 〇∨
.. l ! |l | |. /― | |、|xxxl
. 从 lト、|、|∨ <} l 从ヽxl こんなのを忠臣と言っているようでは、
. _.从// 、_,、_, /ノイ ツ `l 建康の朝廷の未来は暗いと言わざるを得ないわね
. (__)=== ) .) .).. ,イ ',
/<>|. l>( ( ( イァ.ト V
.... 从l||ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ从 V
 ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ、____ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
└───┘
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
どこも暗いんだよなあ。 l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
ちなみに「隕身全節」は | i ̄i ̄i ̄i """ |
『晋書』の段匹磾評で、死んで節義を全うするなんて意味です .l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 689 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/05/21(日) 17:27:00.08 ID:5Ch4As+l0
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- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l さて、長々と石勒やら劉琨やら取り扱いましたが、
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 次回からはかなりすっ飛ばし気味の内容になる予定です。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l まあ、別に五胡スレでも東晋スレでもありませんし
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
∧ ___
<>''´―――-ミ,''ヽ
. / /. l | _∨
/ ,' | | ハ | | 〇∨
.. l ! |l | |. /― | |、|xxxl
. 从 lト、|、|∨ <} l 从ヽxl
それでは御機嫌よう ._.从// 、_,、_, /ノイ ツ `l
. (__)=== ) .) .).. ,イ ',
/<>|. l>( ( ( イァ.ト V
.... 从l||ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ从 V
 ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ、____ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
└───┘
- 690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/21(日) 17:52:14.98 ID:RainxSVV0
- 乙でした。
そこでラーメン食ってる人メインの話になるのかな。>かなりすっ飛ばし気味の内容
- 691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/21(日) 17:56:04.91 ID:cfUqDt8O0
- 乙
いろいろと時代を反映する人たちだったな
- 692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/21(日) 18:13:10.67 ID:QkGsD5pi0
- お疲れ様でした。
晋の宗主権に服することで、相応の自治権と地盤を得ることが目的とすれば、段匹磾の理想は張寔だったといえましょうか。
打算だけで無く、「世界の支配者である皇帝を頂点とした秩序」の崩壊を何より恐れたというのもあるのでしょうけれど。
ふざけた時代、先の見えないカオスへの恐れといいましょうか。
- 693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/21(日) 22:06:59.28 ID:OUr52YwM0
- 乙でした
このスレは「正史を書くようです」だけあって歴史家視点で語るのが自然ですからね>すっ飛ばし気味
- 694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/21(日) 22:22:03.32 ID:U+QFY8oY0
- 乙です!
盧志は言動は正しいのに使えるべき主の選定を完全にミスっているんだよなー
- 695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/22(月) 11:56:50.42 ID:60aSfDTV0
- >>1さん乙です。
劉淵さん、王衍さんも長年スレの常連(初登場、劉淵が孫皓即位あたりで、王衍が西陵の戦いあたりだっけ?)だったから退場はさみしい。
シオニーちゃんもポンコツエリートの土下座キャラで王衍にぴったりと思っていたら、スレが進むごとに琅邪王氏や朝廷のトップとして逃げずに奮闘して、ついには「石勒へ土下座の逸話も、実はなかったのでは?」との解釈に至ったことは結構驚きだった。
王衍を改めて見直すと同時に、シオニーちゃんこういう奮闘キャラも似合うのかと新鮮な気持ちに。
- 696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 00:34:48.67 ID:Q5aqAGFC0
- >>694
冀州で立場あるの司馬穎くらいだししょうがない
- 697 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/05/31(水) 20:38:21.24 ID:LY4El7if0
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/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l バウアーの動画面白かった。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .あの人、笑いが分かってますよね
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / 中日戦の動画が楽しみです
`/ | | \ /
>>694
成都王が盧志を選んで補佐役にしてるんで、盧志は求められて応じてる恰好なのです。
こうなると当時の慣例的に最後まで付き合った方が評価されるというね。
- 698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 20:58:19.80 ID:w+XNhU5W0
- バウアーってぐう聖なのかアカン子なのか扱いに躊躇しております
- 699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 08:39:36.02 ID:O8EWYCTkO
- なお招いても言う事は聞かない模様
- 700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 19:56:18.43 ID:8viJk9OK0
- 2018年、将棋の八大タイトルを八人で分け合っていた
そして2023年の今日、八人全員がタイトルを失い、
八つ中七つのタイトルが一人藤井聡太のものに
これをうけて「八王の乱が終結」と評していたのが笑ったww
- 701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 21:37:24.18 ID:5XcuPvjK0
- 藤井さんは劉淵か石勒のポジションぢゃないかww
- 702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 22:30:31.44 ID:nWC9DZCc0
- 全冠独占達成すれば羽生九段以来ですが、藤井聡太竜王・名人は全盛期の羽生さんと比較しても勝率が頭抜けています。
これは南北朝統一クラスかも
- 703 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/04(日) 19:16:05.35 ID:XyqB69di0
- 【修正:>>102と>>103の間】
-―――- _
/ > ¨  ̄ ̄ ̄¨ )h、
/ // \ \
/ ./ / ./ \ \ \
/ / / .: ヽ ∨ ∨
/ .{ { | | | ∨ ∨
./「\.{ { | | | 〉
.' ∧ ヽ:{ | ∧ |/ Y } 段末波殿。
./ >ー{`ヽ |―/-∧ /.,ィ斧| } 八
/ / 人 \ 斗劣示ァ∧人∧ツ |/ ./ 私たちを受け入れてくれた事に感謝するわ
' フ¨¨ |{ニ=-ゝ:{: 乂rソ 丶 八∧
/ / | |`7ヽ { , ,.: / ∧
/ / / | | / 八>.. ´ / / / ∧
/ / / レ/ ̄( ̄ ト、 ≧s-くー< / / ∧
./ / / =- }{ニニ}{::::::`ヽ \ / ∧
/ , ' <> <> =-<`¨¨ } } \ ∧
晋 太尉従事中郎 盧ェ 八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
.乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
いえいえ。 .八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::
賊に追われた者たちを保護するのは当然の事。 .八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
今回の一件は必ず建康へ伝えなければなりません l.:)/个、(.:: /
「__//::::/:::::|八\ l
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
八: : : 0: : : : :|//, ___|
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 21:46:36.51 ID:PfmsbWZ60
- 劉琨と王浚の不仲は張賓に見透かされてたな
どうせこいつら連形は取れないですって
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 22:46:55.58 ID:ZKULOF7C0
- 野次飛ばす前にsageようねお馬鹿さん
- 706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 16:21:49.52 ID:mWRrQKaP0
- >>661
>崔悦ったら、あの闇遊戯さんにデュエルを挑まれたのよ
そういえばこのスレだと遊戯は前漢武帝だったっけ。
- 707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:15:25.51 ID:fjmR3Yce0
- 段匹磾や劉琨さんみたいに色々足りないところもあるけど最期は志節を貫いた敗者たちが味わい深くて好きです
- 708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2023/06/18(日) 17:31:27.65 ID:tgic/bx+o
- 『雑談』
▽うめき失踪騒動の件など
(16:30〜)
https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
- 709 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/20(火) 00:29:28.72 ID:f4dX98RV0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 中日がクソみたいなトレードしましたが、
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ .ぼちぼちスレの投下を始めていきたいなと思います。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .6/22(木)の21:30頃を予定しています
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 21:27:09.00 ID:/OGHsqWY0
- わーい
- 711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 21:11:37.52 ID:vh2THjWT0
- 巨人時代の宇佐見は日ハム鍵谷とトレードになった時は理想のwinwinトレードになったのにねえ
- 712 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:34:48.53 ID:FVciUNca0
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ト、、 ∨///∧__
∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
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V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
. r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
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`'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::| 「やる夫が正史を書くようです」第百六回よ。
.::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
.:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\ .当スレにおける本編の内容、
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_ 先の展開のネタバレ行為は禁止になっているわ。
):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ こんなへっぽこなスレを
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ここまで読んでくれるあなたたちは一流の読者よ
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧
 ̄¨7:::::::::|_-_彡'゙ ' ∧:::::::::l-\-_-/ //∨-_-_-_-∧
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人(:::::/ / :::::/_-_-_-_/:\/-_-∨-_-_-_-/,
/\( {{ 人(_-_-_-_/:/::::::\-_-_∨_-_-_-_-
. /.-_-_个=- {{ /-_-_-_-_/:/}::::::/ \-_-_-_-_-_/
. /_━‐ミ_-_/| {{ /-_-_-_-_/'゙ ノ:/ \_-_-_-/
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- 713 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:37:43.15 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年冬 晋 幽州 令支】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. ''' ≧ <
_,,.-‐''" _,,.. ' -=ニ やっぱり納得いかないわ! ≦
┌─┴┴─┐ ≧ ≦
│ .段 部 .│ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
- 714 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:39:38.85 ID:FVciUNca0
-
l \ _ / .:八
八 Y´:::/:: ̄:::`:く /
,ゝ、_メ:::::: __::::::::ヽ::::: ヽ..人
/ヾレ'''7::::::::://A:::::!::::丶::、ム::::∨
|,ィ介y'::/:/~~~~',: !::::::∧::! ムヽ∨
/:::ィ !:::: !/_ |::ト、;::斗:!:::::l::!: ∨
./イ:::| |:::: |´_ ヽ l/´__≧|::!::::::!:l:::::∨
イ !:::ケl::::::!《 l::心 ′ l::心ア}:::: Y:::::: } 例の上奏文は盧ェさんと私の連名のはず!
{::! l:::У:!:: l `"´ 、 `"´ ':|:::::::!:::: /
.V:、 V:::::ム:::! /:::|:::::::}:::/ それなのに、官職を与えられたのは盧ェさんだけ!!
.ヽ:〉l::::::::ム::ト ' ヽ /::::ソ:::::リ:::{ (
.ト、リλ::::::::从:l}i:.、 .イ{:::/::::::/::::::`ー') 私には何もないなんて!!
乂::_::_〉::::::::::|:リ/ト.`¨.´,.ィl V: /:/::::::lト::::く
./:::イ::::ム:::::: V、 ∧∧ .l/::::{/_::::::: | ヽ::}
{:: {/={トV:::::}`~~~~~~~´l:::: /=kく\! }/
f≦´ }::::人,、,、,、,、,、,.从:::V ヾ=メュ、_
/ニく__ }-イ'、/// .o l | |__ム::: V ./ /ニV
晋 清河郡の人 崔悦 ,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
ところがどっこい、 ,i゙ / \ ゙i!
官職の話があったのは盧ェ殿だけでして i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
- 715 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:41:27.36 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年2月 晋 揚州 建康】
_,. ´ --/ =ミ、\ `ヽ、
⌒> , ´ /「ノ=- \_∧
___/ / , / 〈ーノ , -- 、 {r、 r、ハ
> _/ / |__/|/ / |\ l|| ∧
⌒>⌒/ / ∧ __>ィ -、|/ |〈 〉「Yハ
/ /イ/イ / / \/,ィ斧ミ、`V{し ハ |《」
/⌒- く / j/|/| /|/| / vツ ハ ー' 〈/ | この上奏文は見事な出来ですね。
/ /イ /|/ <\/| ' }∧ /,|∧
/ /イ , ---、 /,ー'从 〉'/イ/ .いったい誰がこれほどの文章を書いたのです?
{ / /:::::::::::::`ヽ|/\\ ` _ 人∧{
人/::::::::::::::::::::::::::V::::::\ 、 イ /-|\
----<:::::/|:::::::::::::::::::::}::、::::::::〉' T ∧ |iii「γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
∧:::::::::::> ´ |:::::::::::::::::::/イ>---=く} イ }/ | こう申し上げたら、盧ェ殿を散騎中書侍郎に任じると .|
../⌒\/ |:::::::::::::::V:::::::::::::://`ヽ〈_ .ヽ________________________乂
晋 皇帝 司馬睿 ,;'':.:. ; ; ; ; '';,
.,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', っ
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
,:'ノ \ ::::::::', っ
:' ● ● :::::i
我が段部に滞在されている盧ェ殿の作でして i ///(_人_) ////* :::::i
,i. し' :::::i
.`:,、 ::::: /
,:' `:、
- 716 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:43:02.88 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年冬 晋 幽州 令支】
|-_-_-Y ./-_-_|
|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i ちょっと待ちなさい!
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::| .どうしてそこで私の名前を出さないの!!
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::; あの上奏文の制作をどれだけ手伝ったと思っているのよ!!
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
/:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::|
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
なら全部自分で書けばよかったのでは? ,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
- 717 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:44:55.10 ID:FVciUNca0
-
∨ニニニニ=- _ /:.:.:.,≫-:.:.∨ニニニニ.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
\ニニニニニニ=- _/:.:/:.:.:.:.:.:.:..∨ニニニ二j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
\ニニニニニニニ∨:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.`¨¨¨\/:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
\ニニニ/⌒ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.r=ミ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
j^7┐:.:./:.',:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.
〔√}//:/:.:.:.:.:'厶ヘ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:|
|/√:/:.:.:/⌒ `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
. j/||.:.:.:.:.:.| `、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.:.:.:.:|
/|/|∨:.:.:.:| 、 |:|\__:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:| いつもそうだわ!
. /:.:|'∧∨:.. | \ j:| /丶、:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:| ノ〉
. /:.:.:.|_〉}:.:.:.:|灯_ ∨j/ jI斗ォ≠ミ_:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.\_// 褒められるのは盧ェさんばかり!!
/:.:.:.:人 ./:.:.:.:|ヽ 弋ぅ 〈/ ィ弋Jリっ a:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.\:.::.:.:.:.:.:.:.:く
. 人:.:.:.:.:.:.∨∧:.:.|::::ハ`` 、、、、 |:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.\ .私だって一流の士大夫なのに!!
`¨¨ヽ:|:.:.:.:.:八:::圦 、 |:.:.:.:.:.:.:.八__/ ̄ ̄\:.:.:.:.:.:.ハ
ノ八:.:.:.{:.:.:\込、 、 _,.、 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \:.:.:.:.|
//⌒\}:.:.:.:.:.∨ 丶 `⌒” ィ /:.:.:.:.:.:.:.:.}〉:.〉 ∨八
人廴 丿人:.:.:.∨ 〕ト-<`ヽ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \ ∨]\_ノ〉
⌒/:.:/ \_r一'⌒`` ̄``' 人:.:.:.:.:.:.:.:.く \\ ∨/:.::/
人:.:.{ r一'ンi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:乂:.:.:.:.:.:.:.:}\ \\_____//:イ
\〉厶イi:i_i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧゚oi:i` ̄\:.:/ >――ミ----彡¬┐
〈i:i:i:∠つ `¨¨¨7⌒`V,\o/ ̄∨〉/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`¨¨¨¨¨¨´八
\__え ∨ ∨,∧ ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 東晋の朝廷は河北にいた名士の中で盧ェを別格扱いしていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 慕容部の裴嶷には官職を授けなかったのに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段部の盧ェには散騎中書侍郎を授けているためだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 散騎中書侍郎とは定員外の中書侍郎であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 言ってみれば定員外の詔勅制作担当に相当する
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 718 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:45:54.78 ID:FVciUNca0
-
___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
.///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\ いやあ。
八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\ .盧ェ殿が書いた諸々の文書、
.八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \::::::\ .建康の朝廷で出来が良いと評判だとか。
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ \::::::::.
.l.:)/个、(.:: / \:::::. .私も鼻が高いというものです
「__//::::/:::::|八\ l \::.
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕 :::
.八: : : 0: : : : :|//, ___| |::.
∧ ___
段部 大人 段末波 <>''´―――-ミ,''ヽ
/ /. l | _∨
. / ,' | | ハ | | 〇∨
. l ! |l | |. /\ | |、|xxxl
从 lト、|、|∨ ●} l 从ヽxl
そういうつもりで書いたわけではないのだけどね ヽ从⊃ ,ノイ ツ `l
/⌒ヽ__|ヘ ⌒ ,イ/⌒i ',
. \ /<>| l>,、 __, イァ/ / V
. /<> | |丶<>| / ヘ、__∧ V
. `ヽ }从 ヽ. V ,/<><>} 从
晋 范陽郡の人 盧ェ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 中書侍郎は文章が達者でなければ務まらない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 陳寿や陸機といった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 史書や詩賦で名を馳せた人物が務めていた事からもそれが分かる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 盧ェは幽州の秀才に選ばれる多才な人物だが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼を特に有名にしたのは卓越した能書家としてだった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 719 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:46:37.12 ID:FVciUNca0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 北魏の時代に崔玄伯という人物がいた。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .『魏書』『崔玄伯伝』に曰く
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / /| /:|
i: : : :::\::\i../ / /::|.:|/\ /;' :::|
∩ /:::::|.:|V⌒{.:| ::::|
∪ __\/ ̄ ̄\_/、
( ロ ) 《/./.:.:/.: .|.: .: .: .: .:.\
\「 /.:.|\|.: .:ハ/.: |.: |.: .:|
/.: .:|z=x.: | z==x|.: |.: .:|
八(|.: | (:i:).:\(:i:) }|.: |.: .:|
).公" v フ "ノ.:.ノ.:乂
御紹介に預かった崔玄伯だ。 ⌒)人/\≦.:/.:.(
/ ゚/ \ニミ}⌒
ここでは一応書家という扱いにしてくれたまえ {\゚/__ト、 } /
\[_| {\__ハ
/ ̄|八.......\| \
/ ├ハ .........\ \/⌒\ ___
/|___| | |................} \.: .: .: \_).: .:) __
\.......| | |.................\ |⌒}.: .: .:__/_ノ.: .)
 ̄ / [\__/.|o {朋}ヽ \.: .: .: .: .: .: ./
/ 〈\|_|_|_|_∠\ \  ̄ ̄ ̄ ̄
北魏 清河郡の人 崔玄伯
- 720 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:47:21.91 ID:FVciUNca0
-
_. - .
. イ:/:.:./:}:.ヽ
/!:.//:.:.:,:./イ:|:.ハ
|:レ'イ:.:ィ;左,}A:./}
乂_斗イ ,.}イ
}ハ从 、ァ/
太ト{ > ._/ 力が欲しいか?
ィ' {、 `ー┐ハ>;-、
_. イ :| { \ A.ィハ > ! rァ
fー 、 |__ハ. ゝ' 'V{ハ`!|>、 _f´弋_
ハ / ' 芯. ! |{ }^ー-< ヽ, --’
r' /} \. 丶. マハ.',i:| /
r┘ ィ |. \ ヽ. マハ’トー---- ´
r ' \ヘ. マム:{ ∧ ___
_ -く、 リ oヘ. }/ム、 . <>''´―――-ミ,''ヽ
/ /. l | _∨
. / ,' | | ハ | | 〇∨
. l ! |l | |. /― | |、|xxxl
从 lト、|、|∨ ●} l 从ヽxl
用があるのはあなたの父親なのだけど ヽ从⊃ 、_,、_, ノイ ツ `l
/⌒ヽ__|ヘ ゝ._) ,イ/⌒i ',
. \ /<>| l>,、 __, イァ/ / V
. 从l||l| |丶<>| / ll||人从 V
. ( ⌒ )从 ヽ. V ,/( ⌒ ) ,从
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 范陽郡の盧ェは諸芸に通じ、鍾繇の法を学んだ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ここでいう鍾繇の法とは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .隷書と楷書の中間のような書体とされた鍾繇体を指すと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 721 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:47:53.14 ID:FVciUNca0
-
,v'{,ィノ{
__メ ヾ、 ト/:::::::::::::|.イイ
ー '二=-::::::::::^”:::\):}:、.イ::::::::::::/
xイ:::::::::::::::::::::::::::::r' ̄「.トo:::::::::}メ
〃//フイ:::::::::::::::::}\_|!}、_,.:::‘’ム=、 力が欲しいか?
.// .〃 /:::::::/:::::::X:::::::L二フ:::X::::ヾ=、
j/ r'{::::/{:::::::::::::::::><vvv_メ:::::::::::::ヾ=-
/::::V 〉 ..::::::::::::::::^^^::::::::::::::::::::::::メ
.ム::/ / ::....::::::::::::::::::::::::::::ィ::::::::::::∧|
「:::::/ .} .:::::::::::::::>' }ハ::::::ハ{ |!
メ::::/ 「 .:::::::::::::::::::::::ノ / }:::::| \_/:.:./:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 〈
┌'7:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:丶:.:.:.ハ:.ヽ
/_7:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:.|.:.:.:.
// ]:.:.:.:. / 八:.(\_:.|:.:.:.:.⌒:.:.:.∨.:.:.:.:.
// |:.:.:.:.:|⌒ \><人(\_:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:
// ,:.:.:.:.:.j抖岑 __jI斗岑ミァ|:.:.:.:.:.:.:.:
// /:.:.:.:.く{ 弋ツァ ⌒\弋ツ 〃:.:.:.:.:.:.:.|
{廴 |:.:./:.:.八ー‐'′ ` ̄ /:.:.:.:.:.:./:八
盧ェさんに勝てる力を ⌒ ∨:.:.:.:.从> 、 _,, |:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.}
_/:.:.:.:./人 └¬`丶人:.:.:.:.:. ∨:人_ノ〉
⌒7:.:.:.:./:.:.:.:.:. 〕ト くr‐\i:|{:.:.\:.:.:.:.:\:.<_
. /:.:.:.:.(:.:.:.:.:.:.:.:.ノ:.:.:} / ̄i:i:i:i||:.:.:.:.:.):.:.:.:.:.:.:)Y⌒
⌒⌒マ:.:ハ:.:.:.:./:.:.:/ └1i:i:i:i:i八:.:/:.:.:.:.:./人
ノ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:./ /∧i:i:i:i√ \:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:〉
〈/ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ |i:i:i:i:| ̄∨`¨¨¨`丶、(_ノ〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 清河郡の崔悦もまた諸芸に通じ、こちらは衛瓘の法を学んだ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 衛瓘の法は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .衛瓘・衛恒の親子が得意とした隷書・草書が主と思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 722 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:48:53.83 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年冬 晋 幽州 令支】
. 八-_-_-_ヽ -,──‐-ミ{_-_-.∨
_\-_/:.:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\-_-}
/ >r'"/:.:.:.:.:.:.:r:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.ヽ/,
/7~7''゙:.:./~~~i:.i\:.:.:.:.:.∨:.:.:'/,
/:/ ,:゙:.:.:./ l:.l \:.:.:.|.:.:.:.:.'/, .そう!
. ,:/,゙ i:.:.:.:;゙ \ |/ /\:l:.:.:.:.:.i:.i
l:l_|__|:.:.:.{ ∩ ∩ }:.:.:.:.:.|:.| .盧ェさんが鍾繇の法なら、
. 八:ヽ |:.:.:.{ ∪ ∪ }:.:.:.:.:.l:.l 私は衛瓘の法を学んでいるわ!!
):.:.)|:.:.:.{ ┌─┐ /:.:.:.:./:/
/ '"八:.:人 、__ノ /:.:.:.:./:.:l .盧ェさんにできて私にできない事はないわ!!
∧:.:.:.:ニ=‐-r---r=ニ(:.:.:イ:.:.:.{
∠二ニ7--‐''"~~)¨ア'// ):.:.:):.:.:.\
{二二ニ{--,-‐ァ''"-/>'゙ i(:./\:.:.:「`
` 7¨~:.:.:.:.:i .ol i l o {ヽ. \!_ソウショモトクイヨ
.|\ /|
.V/>'^~ ̄~^'く:ノ
只 |.:.:.:|〈〉:.:.:.:.:. (~)
厶ノ┘|/|从|ヽ|:.:| γ´⌒`ヽ
. └|: |__忙 忙|:.」 {i:i:i:i:i:i:i:i:} ああ、劉群殿。
/: : :>―< : | (・ω・` )
どうしました? / : : / |__U__|:): | (:::::::::::::) .実はですね
/ : : /:: :.:〔只〕| ::| し─J
{Λ:〈,_____|:N
. /V-/-/-|-|-|
(__( 匸厂匸厂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、二人は共に索靖の草書を習った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皆いずれも精妙であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .二人とも子孫にそれらを伝え、代を経ても変わる事はなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 723 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:49:45.17 ID:FVciUNca0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ そして、北魏の初め頃には「崔盧之書」として重んじられた。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .前燕の頃に清河崔氏の人が書いた誄の下書きが
/ ヽ{ ト、ヽ l: 北魏の末期に市で取引され、東魏の時代に人々に書写されたのだから恐れ入る
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
. __ /:::::::\/|
V::::\ _|:::/⌒∨::::::|、_ノ
\__/::::::⌒::::::::::\ノ  ̄
<ロ/::::::/ :::: |:::::::::::::::::::\
. /::::::/::::::::::|::::::::\:::\:::|
|:|:::::|::::::::::::|:⌒:::::::|:::: |::::\
|:|:::::|:从::: T亡フ|::::::::::|:::|⌒
自慢じゃないけれど、 |八:::ハ \|_ |/::: /:::八
私も隷書と草書を最も得意としていてね。 )::込、ー ' 厶::ΛN
 ̄V::::><-|/\|__
勿論、楷書も人並み以上に上手いよ。 / ̄/只_/ /\
. /:://〈:i:i:〉-| /:::::::: |
世の人は私の楷書を真似しているらしい /::Λ/ ∨ | |:::::::::::|
/ ̄ / / | |::::/ |
. ┌/ / | | ∨ |_______
/ ̄ ̄ ̄/ | | | | / \
| | | | \
. / ̄ ̄ ̄| | | |\ \ |
\__/ | | | >  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |___/ |
- 724 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:50:33.09 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年冬 晋 幽州 令支】
\ //.: : : : : : : : : :.\: :く,_,/
. ___<,/|: : : : : Λ.: : : : : : : :. :.\
|::::::::::::::::::: : |: : : : 〈 〉: : : : : : : : : : : :.
. 乂_:::::::/:: ノ: : : /| ∨: :|.: : : : : :.|.: : : :.|
/∨ ̄ |/⌒|: : : : | ⌒|\ :| : : | :| 崔悦殿。
. < ̄ |: : : :|/ -|: : : : | \| : : :| : : |〈|
/\ |: : : xf笊う|八_|^笊うぅ/: : :.|〈:) 私、崔悦殿に書を教わりたいです
く / \__|: : : :|、V^り ヒ^ツ/: : : Λ:〉
|⌒/_ノ ̄|: : : :|'' ' ''/.: : :./: : |
\( |Λ_人 r , ⌒∨/: : : |
\ / |: : : : : : .. イ.: : : :.|: : :.| ト、、 ∨///∧__
) / : |: : : : : : : :>r< |:|.: : :. :.|: : :.| ∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
/ / | : :/ ̄ ̄ /┘ )\__: : | . ∨//`、/r‐ミ:::::::::::\:::::::::::\::::::::::::..
.  ̄ ̄ /´ ̄/ Λ / /⌒\ V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
. r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
\ /::/:{::::| ゚:::l `''〜::|:::::::::::::∨:::::::::::
`'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::|
私に師事するなんて ..::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
劉群殿は見る目があるわね。 .:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_
この一流の士大夫に任せておきなさい . ):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、 ノ
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ:::::::::::/
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ̄
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ある意味において、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 盧ェと崔悦は後の北朝士大夫の祖といえるのかもしれない
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 725 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:51:10.13 ID:FVciUNca0
-
,;:''""'':;,
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! (驚きのちょろさ)
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/ .(これがウマ娘か)
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< おーっほっほっほ! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} . _____
ここで馬商人が大切な情報を持って参上 (・ω・` ) | . |
O┬O:::)□∽[ ̄ ̄ ̄ ̄]
キッ ◎┴し'-◎ ◎───◎
- 726 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:51:45.82 ID:FVciUNca0
-
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
│ .段 部 .│ | 晋の鎮西将軍の祖逖が死んだそうだ |
└─┬┬─┘ ヽ__________________乂
││
"''゙"''゙"
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 太興四年(三二一年)九月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .鎮西将軍の祖逖が卒したと『晋書』『元帝紀』は記している
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 727 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:52:39.09 ID:FVciUNca0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l 祖逖の死に先立つ七月。
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 東晋の皇帝司馬睿は、
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 地方の人事に手を加えている
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 728 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:53:51.62 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年7月 晋 揚州 合肥】
/ ⌒ 、
____ /♂ \‐=ミ
乂___ ^ 二二二ニ==ミ 、 \
>.‐┬‐=ニ: : : : : : :〕>、\ }
/: :/ : { : : : : : : :} : : : :}: : :‘V=ミ
く \ /:/: {: : {{: : : : : : :i{: : : : }: : : ‘, \
. \ \ {/ /: :{: : {i{ : : : : : ハ : : /: : } : ‘, 、
く\\ \ /: : :{\{_.\: : :/ T笊 } : : ;、 : :{` ̄ ̄/_
\\\ \ i{: |: :{/´笊 \{ 弋り.j: : / }: :!\ ./ 」)
\\\ \ 乂}:从 り, }: /_ ノ: :{//∨ /
\\\ \ V: :\ ./:/: /ハ: ∨ }./ 中原各州の都督になった戴淵よ!
\\\ \ V : 个.. ⌒ イ:/: /´「∧: :V/,′
/ \\\ \V : }: : :〕T /:/⌒\{ ∧: :V 祖逖将軍や李矩将軍も、
/ [二二二二]∧: :}/{ ̄ ア: :{ / >{_∧: } 戴淵の言う事を聞かないとダメなんだから!!
/_.[二二二二]/ ∨ .i{♂/{: : :{_/ / { ∨
/\/ /\ ̄ ̄/ / i{\.l{ア.八: : {_/ / ∨,′
/ \ / >./ / ハ i{イ⌒ \{/ i_/ .∨
く\ .//\./ , { : V⌒{ ̄ ̄ ハ ∨
/ \ > / ./ /{ V\>^i{ //∧ \ ̄ ̄ \
// / ./ 厶ィ_人 / |{ | ̄lV/\ 、 \
.. //{ / ./\\_/ / ̄{/ \../ / { ℃二二]\__} .\ \
_//\{/\./{ }℃二二二){ 厶イ } ℃二二}にこ\ /\ .}
_/ /Y i{ 乂__℃二二二)/{ \ノ ℃二二}i{ } |^Y_/ i} /
晋 征西将軍 戴淵
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 尚書の戴淵を
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 征西将軍・都督司兗豫并冀雍六州諸軍事・司州刺史に任命。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .合肥に駐屯させた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 729 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:54:46.96 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年7月 晋 徐州 淮陰】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} これからは曹嶷だろうが蘇峻だろうが言う事を聞いてもらいます。
| :レ | ● ● .l :|
ミ |: i: (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/ 〃 .と、鎮北将軍・都督青徐幽平四州諸軍事の劉隗は主張します
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽl|lllヽ 从ヽ,、 __, イ从/l|lll/
∧|l||l,ヘi.i:.:\__八__/i.i.|l||lハ バンバン
. ( ⌒ ) .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}. ( ⌒ )
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::|
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
連中が言う事を聞きますかね? \ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 丹陽尹の劉隗を
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 鎮北将軍・都督青徐幽平四州諸軍事・青州刺史に任命。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .こちらは淮陰に駐屯させている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 730 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:55:30.11 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年7月 晋 首都 建康】
ー‐ャ≦ ー‐</ / /i V }
、 ___,. ィ / `ヽ、/i ! vリ
- '{≧sz < 气ミ、}/ヽ.ノ i `寸
ノ ,{ 、 {ーャ≦{ {' 心、/ /、 }!
{!ヽ {/ V { {vi / / /} /
i! ゝV{ }ヽ{ ゞ/イ_ノ}/ }/
、 { v} } { 王導殿には司空になってもらう
,}ヾ、 リノ ヽ
;! _ , '´
>.、 ´′
/i/i/ヽ 、 /
`ヽ,i/i/i> ` ー'
三ニヽ< {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
三三三≧s。,_ \:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
晋 尚書令 刁協 人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
それが陛下の御命令なら仕方ありませんな /.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
晋 驃騎将軍 王導
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー また後日。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 驃騎将軍王導が司空に任命された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .これは驃騎将軍から司空への転任で、
`ヘ:ゝ .' 小/ .王導が有する軍権を削ぐ目的で行われたのだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 731 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:56:24.92 ID:FVciUNca0
-
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\ これで、各地の将軍たちに私の命令が行き届くと
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
|:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=- /( __
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐- __∨/.: .: .: : .
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ ../ /: :⌒ \: : : ..
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ /.: ./人.:∧: : : : : : : : : .
/.: .: ∧.: .: | |人.: .:ヽ: : \
//.:‖斗-\.: :. -≦ヽ.: : : : :| 丶
/: /| ‖: /ィf苳丶} 苳フ l/:l: : :|
.乂(.从|.: ∧  ̄ 、 イ:.:| : /\
/ |/.:⌒ __ .∧.: / ⌒
問題は、これを聞いた王敦がどう動くかだ .}.圦 ´ ̄` /: :∨
从: :|` .__/}: : : |
_____/ ̄ヽ ---、
/ |ニ|/ l / 、\
‖ '. |ニニニ \ ∧ / / \〉
‖ '. :|ニニニ | ' 7=- _
. _‖ \'. ニニニニニ 、_/ /ニニ  ̄ ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この一連の人事は司馬睿の側近劉隗・刁協の発案だった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 各地で半ば軍閥と化した諸将を
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝側近の統制下に置くと共に琅邪王氏の力を弱める目的で行われた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 以前懐帝と東海王で見たような
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 君主が側近の言を聞き、自らの支持基盤の力を削ぎにかかる構図だ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 732 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:58:25.91 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 江州 武昌】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
_ -=ニ 昔、陛下は僕らとの関係を管鮑之交と言った! ≦
, . : : : : : : : :>‐…‐- ≧ ≦
,. -く: : : : /: /\: : : : : : : : : : /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\\
/: : : ニ=‐-: : : : : : : :\: : : : : : : : : :\_/:i:i:i:}
/: : : /: : : : : : ⌒`、\ ┛┗ <i:i:i:i:i[i;〕:i:‐<_
/: : : : / : : |: : : : : : : : `、 \┓┏ : \i:i小:i:i:)、:i:i:i:i:i:丶、
_/:i/ : : : /: : : :|: : : : : : : : : :`、 \ : : : : : |:i:i:(: :\¨⌒\(
⌒\/ : : : /: : : : : : : : : :\: : : : `、 \ \: : 八:i:i:\: :.\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/: : : : : : : :..|: Λ : : : : :|\.: .:/、 \ \: : \i:i:i ≧ <
. /: : : : : : : : : |/丶 : : : : :|::::_Χ、斗 、 \ \: :-=ニ なのに、劉隗なんて費無忌の徒を重用してる! ≦
. ___ /: :/: : : : : :芥うぅミ\: : vィ灯Jハ^\{\l\(\⌒ : : : ≧ ≦
\ //: |: : : : : Λ:|::乂ツ:::::\: \ゝツ:::::::|\: : : : : : : : :\:/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\/ |: :|: /Λ/: :Λ ̄ ̄ ,::. `⌒  ̄ ̄从: : : : : : : : : : : :\⌒ ̄ /
\ |/:|/: : : :.∨ Λ _,. ., ,:i|: : : : : : : : :|/"'<⌒\ / /(
_ノ⌒ | |: : : : : : : : : :゙:..、 V ^ノ / |Λ : : :..|\|: : : :..`、 //
⌒\ |: : : : : : |\: : : 〕iト ., イ _,、rニニ}Λ : \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/ |: : Λ: : |\ ト、/ {ニ=ニ二\ ̄ ̄ 〈: ≧ <
|: / 〈: | )| ∨ニニ二二二\ 〈-=ニ 一刻も早く劉隗を斬首するよう願いたい!! ≦
|/ 〈| ∨/  ̄´"''<ニ< ≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『王敦伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時劉隗が用いられた事で
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿と琅邪王氏が疎遠になり、王導らはこれを大いに不満に思った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .武昌にいた王敦は事情を伝え聞いたのか、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 再三に渡って劉隗・刁協の排除・斬首を求めている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 733 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 21:59:31.71 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 王敦様からの上奏文を持参しました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || _,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、}
いやいや。 {:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
{ }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ
このような上奏文を通せば戦に発展しかねません。 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′
。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
上奏文は差し返すので、再考するよう伝えて下さい j{ニニニニ=- _  ̄}
.j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ただし、琅邪王氏内でも王敦と王導では温度差があった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 実力行使も辞さない構えの王敦に対し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王導は人事に不満こそあれど、実力行使までは考えていなかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .実際に王敦の上奏文を
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ .中書監も兼ねていた王導が差し返す事態も起きている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 734 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:01:30.25 ID:FVciUNca0
-
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | 王導様。
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | .祖逖将軍配下の軍勢が汝南郡のあたりで塁壁を建設しています
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
有事の際は、祖逖殿を恃みとするしかなさそうですね ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
- 735 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:02:08.51 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 揚州 寿春】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 陛下は王含殿を光禄勳に任命すると仰せでした。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ 急ぎ建康へ戻られますよう
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
{\/⌒∨_>───‐-// \__/
\__/⌒> | ',\
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ _____/_./ {───<⌒ヽ | ‘, \
| 寿春の王含殿が建康へ召喚されたそうよ | ────イ /ハ | \{⌒|: ‘, `、
ヽ____________________乂 ./ | |:| /, ∨ ‘, `、
′ ..|ー{⌒ /, ∨ ‘,\ \
| | ∨ | l\ /,r‐、. \ :|
| |⌒ \} }ィ笊^\ } }∨ ‘, Y
|八 | r=ミ, } / Vソ } ′/ ∨ ‘, } |
| .∧ :| ソ/ j/ ィ |: ∨ ‘, :| |
戴淵が来たから、私は必要ないという事ですか .}:\', ヽ / / { ∨ ‘,| |
| ゝ、 ‐- /=ニニニ=- _ ∨ l| |
| |)h、_γ ̄ ̄ ̄¨ヽニニニニ}.∨ |
| | / 寸ニニ{ ∨ l
| | ./| 寸八. ∨ l
| | ' :l \}∨ ∨ /,
晋 南中郎将 王含
- 736 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:04:13.69 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 兗州 雍丘】
.,' メ! / | .| マ ..ヘ.V
l .ノ l ./ .ソ! リv \ ヘ!
.い /! | ./ シ .l /__V l ', ヘ
V / l | .,' ./"" ,' シ,zェミ`.s._>!、 .| ヘ どうもおかしな流れになってきたわね。
メ .| .l l メ,ィf;心'メ ./ ".辷リソ fxヘ\.! .V
,' l Vヘ.` _~,.ィ'" ・ ./ ,ィ j .l \ . まだ石勒も劉曜もいるのに、
,j .い x示 '" ! ./-"j j リ l, 彼らは内輪揉めがしたいようで
,'.l .V ヘ ヘ、. , 、 ,.' ,'.,' ./ |V
,'.f! ヘx ハ .|ミv ’, イ_ .//ソ |vV
., .l l ヘ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ハ-/.イ l.iVヽ
., ! lv \x'ヘ.|_  ̄ _. "/ .リ ヘ.V.ヽ . /: : : : : : : : : : \: : : : \: : : : : : : :.\
, l .| V ,..イ\ ヘs._ ̄~ ~_,.ィ/ .ソV ヘ マ . /: : : : : : : : :_:_: : : : :\: : : : ヽ: : : : : : : : \
., .| .l,...V /x::.~l.. KY、~ '' ~ / .シ>乂 \\ . イ : : : : : : :./: : : :∧ : :.:.:.:|: : : :.:.:.|:\: : : : : : : :\
/..|:.|: : : :|: : ′: :./. ^ト、: : |∨ _: : |: : :》、: : : : : : : :.\
晋 譙国内史 桓宣 .|:.|: : : :|: : |: : : { | \{ }^: : :|{⌒, \: : : : : : : : \
|:.|: : : :|: : |∨: { jI斗 ^ _xz}: : :イ 〉 / > : : : : : : : :∨
|:.ト: : : |: : |― :{: 斗匕ン¨}: / 〈ノ ><: : : :.|!
人{: 〉: :{: 才刃ト, }イ /:(⌒~ ヽ: :.八
今、汝南郡一帯で塁壁を築かせているわ /: :/ \{\{ `¨ }:| / ∨_ }:/\\
,.: : / \ \ ′ r_ ァ 乂 ∨:.:∨ j´ \
:./{ .>。 _ / /:.:.:.:.≧s。 .
/: :.{. /二二ニニ=‐‐¨入 /:.:.:./ /:.:.>〜y
}: : :| //ニニニニニニ/:.:./} /:.:/ /:.:.:./../ト、
晋 鎮西将軍 祖逖
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一触即発の状況下で、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 天下の耳目は祖逖の動向に注がれていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、この頃祖逖は王敦と劉隗の対立を憂慮し、病を発していたという
`ヘ:ゝ .' 小/ .
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 737 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:04:51.35 ID:FVciUNca0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 __{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 祖逖は南に堅塁がない事を恐れ、
/ ヽ{ ト、ヽ l: .汝南郡太守祖済・汝陽郡太守張敞・新蔡国内史周閎の兵に塁壁を築かせた
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 738 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:08:41.67 ID:FVciUNca0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V 必ず賊が襲来すると考えていたらしい
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::| rへ_/.:.:.:.:><⌒\〈i:i\/i:i∨/
l::::::|人|:::::::l 〈i:i:i/.:.:.:/⌒7:.:〈\.:.:.:Vハi:〈〉i:i:iV/__
ノi:V.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.',:丶.:Vハ:i:i:へi:i}i:i/
<i:i:i:/.:.:':/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:Vハ ∨i:i:i:i:iV
⌒7:/.:.'.:.:.:.:.イ.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.}.:.:',\(⌒
//.:.:i.:.:i.:/ {.:.:.:.:.:.:i /∨:}.:.:.乂 \ __
//:.:.: l.:.:{‐-八.:.:.:. { TT Y.:.:.:..:.:\⌒ヽ〉_
おかしいなー。 ..':/.:.:.:.:'{.:.ハ TT_:.:.、∪ }.:.:.:.'.: i.:.:.<\<⌒
. /.:.'.:./.:八.:.Y∪ , ⌒ ノ.:./.:.:.:}.:.:.:.:\⌒\ __
豫州の南は僕の任地なんだけどなー。 /.:./ィ.:.:.:.'.:.:.:\乂 _ ⌒7:.:.:.八.:.:.<⌒. . . . .<⌒
//⌒}/}.:.:.:./.:.个: .. ′ ィ/.:.:../.:.:.V.:.ハ. . .、 . .\
どこに賊がいるんだろうねー? _{. . . . . . ..八.:.:{ィ. .}.:r‐:}≧<_人.:.:.人.:.:.:.i.:.:.∧. .ハ '}. . \__
ノ/. . ''. . . .: .: .⌒乂彡}i:i:i:i:i:i/i:i:八}.⌒ア.:{.:./.:.:V. .}/八. .: 「⌒
⌒7. . {. . . . . .: .: .: .: 彡:i:i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:ノ. . .{.:.:.:.y.:.:.:.ノ. . .: .: 人
ノ.:i. . .',. . ゙. . ⌒).: .:(ニ=- -=ニニニ{ィ:_人.:./.:./. . . . ./. .(⌒
⌒人. . .}. . . . ヽ.:(.: .: .:〉=--=ニニニノ.: {.:.:.:.Y´.:}. . ノ:(.: .人-=ニニ
ノ⌒ヽ:ハ. . . .: .: .: .: .ノ〕iト __ -=ニ ̄^7:i.:./.:.:人. . /⌒ V......}.: .: .: .:
__ /.............ノ.: .: .: .:ハ.:.:人}////////r‐‐/.:.}:'.:.:/.: .:/---- ___〈.:--=ニ.
/ /.... ⌒\(⌒<ニ>彡八///////{.:.〈/.:⌒}/)/..........ニ=--- \=-.:
⌒´/ ...}............V..7ニ=----=ニニi.:':.:.--r‐┘.............. ⌒\ニ
- 739 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:09:19.56 ID:FVciUNca0
-
rへ_/.:.:.:.:><⌒\〈i:i\/i:i∨/
〈i:i:i/.:.:.:/⌒7:.:〈\.:.:.:Vハi:〈〉i:i:iV/__
ノi:V.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.',:丶.:Vハ:i:i:へi:i}i:i/
<i:i:i:/.:.:':/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:Vハ ∨i:i:i:i:iV
⌒7:/.:.'.:.:.:.:.イ.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.}.:.:',\(⌒
//.:.:i.:.:i.:/ {.:.:.:.:.:.:i /∨:}.:.:.乂 \ __
//:.:.: l.:.:{‐-八.:.:.:. { TT Y.:.:.:..:.:\⌒ヽ〉_ 待てよ?
':/.:.:.:.:'{.:.ハ TT_:.:.、∪ }.:.:.:.'.: i.:.:.<\<⌒
. /.:.'.:./.:八.:.Y∪ , ⌒ ノ.:./.:.:.:}.:.:.:.:\⌒\ __ 仮に僕が建康を攻めたとして、
/.:./ィ.:.:.:.'.:.:.:\乂 ⌒7:.:.:.八.:.:.<⌒. . . . .<⌒ 祖逖殿に背後を突かれたら詰むのでは?
//⌒}/}.:.:.:./.:.个: . ゚ ィ/.:.:../.:.:.V.:.ハ. . .、 . .\
_{. . . . . . ..八.:.:{ィ. .}.:r‐:}≧<_人.:.:.人.:.:.:.i.:.:.∧. .ハ '}. . \__ 戦って勝てるとは思えないよねえ
ノ/. . ''. . . .: .: .⌒乂彡}i:i:i:i:i:i/i:i:八}.⌒ア.:{.:./.:.:V. .}/八. .: 「⌒
⌒7. . {. . . . . .: .: .: .: 彡:i:i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:ノ. . .{.:.:.:.y.:.:.:.ノ. . .: .: 人
ノ.:i. . .',. . ゙. . ⌒).: .:(ニ=- -=ニニニ{ィ:_人.:./.:./. . . . ./. .(⌒
⌒人. . .}. . . . ヽ.:(.: .: .:〉=--=ニニニノ.: {.:.:.:.Y´.:}. . ノ:(.: .人-=ニニ二 ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
ノ⌒ヽ:ハ. . . .: .: .: .: .ノ〕iト __ -=ニ ̄^7:i.:./.:.:人. . /⌒ V......}.: .: .: .: .: ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
塁壁の件は王敦への牽制だったのかもしれない。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
『晋書』『祖逖伝』によると、 ヾ!>ー- ´`-- <イリ
王敦は久しく反逆を目論んでいたが、祖逖を畏れて挙兵しなかったという (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 740 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:12:05.60 ID:FVciUNca0
- 【『世説新語』『豪爽篇』より】
「了ア>.::´::::::::::::::::::::::`丶 「`ヽ
>::´;:::::;::i:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! /、
/:::::/::::/-|::::::::::::i、:::::::::::::∨::∧-.<
. /::/::'::::/ l::::::::::::|‘,:::::::::::∨::::';::::‘,
. /:::'::::|:::;'、 ';::::::::::| }:ト、:´:::::i:::::::}:::::::i
/ィ::|:::::|::i ヽ、丶::::::lイリ V::::::!::::::'::::::::| 王敦に伝えておきなさい。
. j:|::|:::::|:ィ芹抃 \!ィf芹示k:l::::/:::::::::|
. |:|::|、小{ Vり V:ンl|:::|:/ l:::::::::| 不遜な事なんて考えずに兵を収めなさいとね。
. | !ノ:::|.l∧ ′ ||:::| |:::::::::
|:::::::::| |:込 ` ‐ ´ イ||::; |::::::::: そうしないと、
|:::::::::|人::| ,> ,_ ィ^i、 .ル′ |::::::::: 私が三千の兵を率いて西へ追い返すわよ
. |:::::::::|jI斗f´: : ∧ { {: :`i=-. . ,_|::::::::
. |:::::::/:i: : :|.|: : : : _ヽ/} '´Y: : : : : : `ヽ::
. !::::/: :|: :r゙└、: :(___ `ー | | )ヽ:/: :__: :
|::/: : :|: :| i|:ヽ://:ヽ.,_ゝシイ: :/: ミヽ
: ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、:
: 'r ´ ..::::::::::::::.、ン、:
: ,'==─- -─==', i :
:i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | :
ゆっくりしてろって事ですね分かります : レリイi (◯), 、(◯)::::| .|、i .|| :
: !Y!"" ,rェェェ、 ".::::「 !ノ i | :
: L.',. |,r-r-| .::::L」 ノ| | :
: | ||ヽ、 `ニニ´ .:::::,イ| ||イ| / :
: レ ル` ー--─ ´ルレ レ´:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ こうした当時の世相を反映したのか、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『世説新語』『豪爽篇』には祖逖が王敦の使者を叱責する逸話がある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .後世の願望とでも言おうか?
`ヘ:ゝ .' 小/ .
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 741 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:13:10.35 ID:FVciUNca0
-
○壺関 ト、_ 〇鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-'´●虎牢 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ ○ 〇滎陽 !浚儀 ,-、
◎洛陽 成皋 ○ `○、 陳留 【陳留国】 / / _,,,_
○ 【河南尹】 中牟○ ○ ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ○密 ,,開封 蓬陂 ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【譙郡】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ また、祖逖は黄河に近い虎牢城を修繕させている
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 742 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:15:54.27 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 司隷 虎牢】
‐┬‐┬‐┬ | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|─┴ュ__||_|‐┴┘ ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|┬┬┬┬
. j{ r┬┬┬┬┬ュ_ j{:;:;
j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:::|──────────────j{:;:;:;
 ̄ ̄ ̄ ̄ j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~:|:::::___::::: :: ::| _ j{:;:;:;
. ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ /二二\ ̄ ̄ ̄|ィn ̄ ̄\::::::| ̄ ̄~,ィn~\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄j{;:;:;:
 ̄ ̄ ̄ ̄j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,ィダ;;;;;;;;;;;;;;;マ:, ̄ ̄~゙|:| ̄ヽ;;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙,ィタ´ヾ;;;;;;、\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨j{;:;:;:;
 ̄ ̄ ̄~~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~j{;:;:;:;:
゙ ̄ ̄ ̄~j{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:| ̄ ̄~゙|:| |;;;;;;;;; |:::::| ̄~゙:|:|///|;;;;;;;゙|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ j{;:;:;:;:
───‐j{________|:|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:|ニ二 ┴─-- 。。.」;;;;;|─‐┴───┴──────‐'──
: : : : : : : : : : : : : :`゙''ミぅs。.,  ̄⌒゙''〜‐-=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';' ̄⌒゙゙'''〜ー‐-----
: : : : : : : : : : : : : : : : : :ミぅs。.,  ̄⌒"''〜=ニ二_;';';';';';';';';';';';';';';';';'
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ミぅs。.,  ゙゙̄"'''〜ー-
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ミぅs。.,
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ..γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 祖逖将軍は何をお考えなのか |
ヽ_______________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 虎牢城。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『祖逖伝』によれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 北に黄河を臨み、西は成皋に接し、四方を遠望できたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 洛陽東方の要衝であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『晋書』では唐の高祖李淵の祖父李虎の名を避けて武牢と記している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 743 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:16:36.90 ID:FVciUNca0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| ここを修繕するとなると、
. | `-=ニ=- ' .:::::::| .次の狙いはいよいよ洛陽なのか?
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 下手に黄河を渡るよりは洛陽・長安を狙う方が現実的ではあるが……
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
では、次の相手は劉曜ですねと兵士Aは予想します .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、同地が「虎牢関」と呼ばれるようになったのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 唐の後期武宗時代以降であり、三国時代にそう呼ばれた事はない
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 744 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:18:01.10 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年秋 晋 兗州 雍丘】
.,' メ! / | .| マ ..ヘ.V
l .ノ l ./ .ソ! リv \ ヘ!
.い /! | ./ シ .l /__V l ', ヘ
V / l | .,' ./"" ,' シ,zェミ`.s._>!、 .| ヘ あなたの次の狙いはどこなのか?
メ .| .l l メ,ィf;心'メ ./ ".辷リソ fxヘ\.! .V
,' l Vヘ.` _~,.ィ'" ・ ./ ,ィ j .l \ 天下の耳目が集まっていると言って良いでしょう
,j .い x示 '" ! ./-"j j リ l,
,'.l .V ヘ ヘ、. , 、 ,.' ,'.,' ./ |V
,'.f! ヘx ハ .|ミv ’, イ_ .//ソ |vV
., .l l ヘ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ハ-/.イ l.iVヽ
., ! lv \x'ヘ.|_  ̄ _. "/ .リ ヘ.V.ヽ . /: : : : : : : : : : \: : : : \: : : : : : : :.\
, l .| V ,..イ\ ヘs._ ̄~ ~_,.ィ/ .ソV ヘ マ . /: : : : : : : : :_:_: : : : :\: : : : ヽ: : : : : : : : \
., .| .l,...V /x::.~l.. KY、~ '' ~ / .シ>乂 \\ . イ : : : : : : :./: : : :∧ : :.:.:.:|: : : :.:.:.|:\: : : : : : : :\
/..|:.|: : : :|: : ′: :./. ^ト、: : |∨ _: : |: : :》、: : : : : : : :.\
|:.|: : : :|: : |: : : { | \{ }^: : :|{⌒, \: : : : : : : : \
|:.|: : : :|: : |∨: { jI斗 ^ _xz}: : :イ 〉 / > : : : : : : : :∨
|:.ト: : : |: : |― :{: 斗匕ン¨}: / 〈ノ ><: : : :.|!
桓宣殿。 人{: 〉: :{: 才刃ト, }イ /:(⌒~ ヽ: :.八
/: :/ \{\{ `¨ }:| / ∨_ }:/\\
私が言いたいのはね ,.: : / \ \ ′ r_ ァ 乂 ∨:.:∨ j´ \
:./{ .>。 _ / /:.:.:.:.≧s。 .
/: :.{. /二二ニニ=‐‐¨入 /:.:.:./ /:.:.>〜y
}: : :| //ニニニニニニ/:.:./} /:.:/ /:.:.:./../ト、
}: :./ //ニニニニ斗匕:.:.:.:./ /:.:.:./ /:.:.:.:.:/Y{,/ }厂>
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 祖逖の狙いがどこにあったのかは判然としない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一応、『晋書』『祖逖伝』は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 黄河を渡河して冀州を平定するつもりだったとしている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただ、彼が戴淵の征西将軍就任に対し、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 朝廷へ不満を持っていた事ははっきりと書いてある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 745 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:18:52.66 ID:FVciUNca0
-
┌― /: : : '´: : : : : : : : ‐-{{: : : : : : : : :\
,,-r¬_} l/: : : : : : : : : : --:、: : : :ゞ : : : : : : : : : \
{{∧ {:/: : : r―― <: : : : : \: : :/:`、 : : : : : : : : : \
/: :ヽ/_: : :.:|: : : : : : : ヽ : : : : : : /: /: `、: : : : : : : : : : :\
. : : :/ : : : :`ヽ| : : : : : : : : ',: : : : : ∨ / : \ : : : : : : : : : : : .
, : : : |: : : :i:.:.ト、|i; : : : : : : : : :、: : : : : ∨: : : : }\ : : : : : : : : : :`、
′: : :|: : : :|:.:.|^~^',:.:i: : : : i :}\:_: : : :.∨: : :,′ ヽ: : : : : : : : : : `、
, : : : : :|: : : :|:.:.| ',ト : : : |jノ´__ヽ: : : i 「ヽ/ ',: : : : : : : : :.:`
′ : : :.:|: : : :l:ー|-ミ i:| l: : :ノィf:心 }} : : ハ|.ノ} ',: : : : : : : : :
なんで呉人の戴淵が ,: : : : : : :|: : : :|:.:.|ィ灯ぅxlノ |/ 乂ソ !: :/{ /ノ ',: : : : : : : :
偉そうに中原六州の都督様なのよ! ′ : : : : 从: : :|:.:.ト Vり ノイヾf/__ ',: : : : : : :
. : : : : : : : :/|\|ヽ| ∧ 、 〈ヾ)_` ',: : : : : :
呉人が中原で戦えるわけないでしょ!! : : : : : : : :/ :|: i:込、 v ∋ / 》 ̄` ー--ミ ',: : !:: :
i: : : : : : :.,'|: :|: |:| ≧s。.,_ / ‖ ./ \ ', |: : :
連中御自慢の陸機があのザマじゃない!! |: : : : : : :i |: :| ヾ ア 7~::::/¨´:}i ‖ / , ヽ '; ト、: :
|: : : : : : :| |: :| / _l ::::::|| ||__-< / / -- ',}ノ :
|: : : : : : :| |: :|: //__>┐|| / /― ヽ / ′ / i:
|: : : : : : :| |: :| l´ ---Tヽl| 7 ̄ i |! / l |:
|: : : : : : :| |: :| / ', -ー‐} }!Y7( ̄ ト ., | l/ / ノ ヽ |:
小 : : : : : l人 | 「、 ∧ -zノ、ノ|_|i| ヽ |ニニヽ | / :
|: i`、 : : : \ / `、,∧ }、|_|i乂ノ| ノ、ニニ∧ / / l |:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 朝廷が戴淵を都督にしたが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は彼が呉人であり、才望はあれど広い遠識はないと見ていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 加えて自身が切り開いて手中にした河南の地を
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後からやってきた戴淵が統べるのを大変不満に思っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 746 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:19:41.31 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年9月 晋 兗州 雍丘】
>: ./
/:. / __ ノ)_
. { :七_: : : : : : :{ {>/: : : :\
. /: : {_: : : : : : : : :.\ヘ: : : : : : :\
. /: : : : : : : : : : \: : : : \: : : : : : : :.\
. /: : : : : : : : :_:_: : : : :\: : : : ヽ: : : : : : : : \
. イ : : : : : : :./: : : :∧ : :.:.:.:|: : : :.:.:.|:\: : : : : : : :\
/..|:.|: : : :|: : ′: :./. ^ト、: : |∨ _: : |: : :》、: : : : : : : :.\
|:.|: : : :|: : |: : : { | \{ }^: : :|{⌒, \: : : : : : : : \
|:.|: : : :|: : |∨: { jI斗 ^ _xz}: : :イ 〉 / > : : : : : : : :∨
|:.ト: : : |: : |― :{: 斗匕ン¨}: / 〈ノ ><: : : :.|!
人{: 〉: :{: 才刃ト, }イ /:(⌒~ ヽ: :.八 まだ河北の平定が残っているのに。
/: :/ \{\{ `¨ }:| / ∨_ }:/\\
,.: : / \ \ ′ r_ ァ 乂 ∨:.:∨ j´ \∨ 天は私を殺すつもりらしい。
:./{ .>。 _ / /:.:.:.:.≧s。 .乂
/: :.{. /二二ニニ=‐‐¨入 /:.:.:./ /:.:.>〜y これじゃ国家を助けられないじゃない
}: : :| //ニニニニニニ/:.:./} /:.:/ /:.:.:./../ト、
}: :./ //ニニニニ斗匕:.:.:.:./ /:.:.:./ /:.:.:.:.:/Y{,/ }厂>
}: / _//ニニニ/:.:.:.:.:./:_/´s≦:i:r、Yト、:.{:.:.:.:.:.:.:. ̄:.:ノ
}/=ニ二二二二/jI斗 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:r、{..ヘヽヘ:./{:.:.:.:.:.:厂:.:.} /
ニニニニニニ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/}:} ||.....}:i}..ヘ\.:.:/:.:.:.:.:| /(__ノ
-=二二二ニ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: } | | ||.....∨....ヘ \ー‐<へ____
7/ニ〈:i:i:i} /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| ヽ/.............../>ー<:,:,|
//ニニ}:i//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i} ∨................../:.:.:.:.:.:.:{¨}:.∧
. //ニニj{ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ ∨........... /\:.:.: ζ ∨:.:∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 汝南郡方面の塁壁が完成する前に
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖の病状は悪化、程なく雍丘で病死している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .享年五十六
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 747 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:21:58.34 ID:FVciUNca0
-
//\\
/∠^ん^\\
//;;;:: :::;;;\\
//;;;;::____::;;;;\\
_,,.-''゙//__________ヘヾ-..,,_
_,,..-‐''"んんんんんんんんんんんんんんん "''‐-..,,_
戒んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん
\| |丗卍丗卍丗卍丗卍丗卍丗卍丗| |/
| |;;;;;;;;;;;;;::::::::::::'''''''''''''''''':::::::::::::;;;;;;;;;;;;;| |
_,Å、 | |;;;:::::::::::::;; :::::::::::::::::::;;;;;;| | ,Å、
_]立[ | |;;:;;;;;::::: ;::::::;;;;;| | _]立[
〉-〈 | |;;::;;;;;;;;::: ;:::::::::::;;:| | 〉-〈
〈 ,〉 | |;;:: ::::::;;| | 〈 ,〉
.| ̄ ̄| l二l ;;;;;;;;;;;;;;;:::: :::::;;;;;;;;;;;;; l二l .| ̄ ̄|
.| ̄ ̄ ̄| | | ;;;;;;;;;;;;::::: :::,::::;;;;;;;;; | | | ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄lヘ ̄ ̄ヘ, ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ /「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄" ̄lヘ, ヘ,
/ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄lヘ, ヘ,
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| まさかこのような事態になろうとは。
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
\ `ニニ´ .u ::/ 誰が後任に来ようと、
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 .今までのようにいかないだろうな
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 豫州の老若男女は亡母へ孝行するように喪に服し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 譙と梁の百姓は祖逖の祠を建てて祭ったと『晋書』『祖逖伝』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 748 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:22:38.31 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年10月 晋 首都 建康】
/ 、 ア
/ ハ v: / < _ __
{ : \ ハ ∨ /≧=‐- ァ‐ ''"⌒ `
{ i: .\ ハ ∨ / ‐-----< \ 祖逖には何か官職を追贈するとして、
{ } ! :./\ , : ∨ \ (≧=‐‐ ‐ ⇒ 後任は誰を送り込むべきなのでしょうか?
∨../ ∧ィ }{ヽ |: Y⌒ \: : \: : \
. ∨ / ⌒リ } : !\ |≧=‐-⇒≧⇒≧⇒ 下手な人材を送り込んで
∨/ :!/! ' ノ:\!: : : :\ \(:\ .祖逖の軍勢まで敵に回したくありません
. 〈 :/ :! /} :>、: : : ハ }⌒ヽ 、
\ -‐ :! / ィI:i:i:iハ{⌒⌒iト、{ { ∨ 〕iト
.. \ ィi{}〃ィI:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ `ヽ } \} |:. r/.:} __,
` :{/ ∨:i:i:i:i:iィi〔:i:i:i:ム \人: \ 乂V/~/.: .: .: .<
}ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム ヽ} 人 }ヽ .: :/.: .: - .、.: .: .:ヽ\ _
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム { / ∨:ハ __/./ :.‖:.l.: : ヽ\.: .: 丶⌒
⌒7.:‖..:/.l.: .{.: l.: :.}.: '..: .: .:_\
/ィ l |: :.|l大、丶Vナ、.:}.: .:\⌒)
乂 |∧ 从篏 ヽ( 篏ア从: ト、| /
{∧「 7ノ∧}
:込 ー‐ .イV ⌒
祖約に統率させるのが無難だろう / 7/l ‐< .} l_
_ イ /l / l{ -=
/l ⌒>.l /f⌒l >┐
r '" ..:i:i:i{ .|、 , .//:i:i:i:i| / l_
/ | .:i:i:i:i:i| l i //:i:i:i:i:i:i| / }
/ /:i:i:i:i:i:i| ∨/:i:i:i:i:i:i:i| 〈 ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 朝廷は祖逖へ車騎将軍を追贈し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建康にいた弟の祖約を平西将軍・豫州刺史として赴任させている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 749 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:24:37.41 ID:FVciUNca0
-
/;',:ヘ: ;、: : : : : : :ヽ; : :`: : : ヽ
/;'ヘン:マ;ベ≧ッャヘ; : : ;ヽ: : : : ; : ヽ
/:{:V-;宀:冖;宀':ー:ォ}: : : ; ゙i : : :゙i : :ヘ
,': :|': :/l: : : : ト; :、: :'、:゙i : : | :| : : :゙i : : ヘ
| : :|:/ ヘ: : ;ッキ弋:‐:-:|: : : |: |: : : :゙i: : ; ヘ
|: : :リ''''"ヘー-ー`,ャシ=ッ止: : |: :|: : : :゙i: : :、ヘ
|: : |ヘ,シテッ ''"ヾヅ|i: :|: :|: :|: : : :゙i : ハヘ
|: : |: ヘ`゙冫 ´ リ:,': : :|: :|: : : :゙i:/ ヾ:、
|: : |: : :l '、 ,':ィ : : |: :|: : : ; | ゙ヽ
兄の配下の主な者とは北にいた頃からの付き合いだ。 .i|;' :ハ : ヘ. 、 , / | : : :|: | : : /リ
ハ :{ ト、:|: \ ,. ''1 : : |:リ : イ
きっと陛下のお役に立てるだろう ノ ヘ:ぃ: :|:リ' ヽ_ , ィ /| : : |:/'"
`ヘ:|リ _,ィ込,、kf゙ | :/ソ' {_
,f7フ=‐Fヤマタ'ソ7'廴,.j:/7"´ l、
/‖ Kヘ `ヽf ノン'リ `‐、_
/ / {{_,,..z=ッ' ン、ニゝケ仗_{ _>-、
〈 ムf彡' ンi ,..ィ'" ノノ | ヘ,r=ャ、 _. ‐≦´ l
ノ,ヘY,. ''´ レ∠=-宀广{ト='ム'" /´ /
;クKj/}} , ,ィへ、 l {二ニ}/ ,'
/ ヾ'‖ , ' ,ィ≦ゞマ゙ヘ | ゙i ゙i /
! ゙込 / /´ ``ヘ,ヘ. | ,゙i ゙i /
晋 平西将軍 祖約
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 祖約、字を士少。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖の同母弟で互いに親しい間柄であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 兄に従って長江を渡り、彼の活躍に伴って侍中にまで昇進している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 恐らく人質的な意味合いも兼ねて建康にいたはずで、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 祖逖の軍勢を掌握するのに最適な人材と思われたのかもしれない
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 750 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:26:25.61 ID:FVciUNca0
- 【紀元321年9月 晋 冀州 襄国】
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
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い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニ | 祖逖が死んだと? |
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニ ヽ____________乂
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ しかし、この状況下で祖逖の後釜は誰にとっても荷が重過ぎた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 751 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:27:42.54 ID:FVciUNca0
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y もう何も怖くない。
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / .我が軍の将兵に黄河を渡らせろ
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// _.,. -‐- ....、
.',Y//////////////イ x≦〃〃/ミミミミミ、
/ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
/ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
. {ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/:::::
. ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
御意 . `ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ :::::::::::::::
沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵幵幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵幵幵
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖が病死すると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒は国境への侵略を始めたと『晋書』『石勒載記』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 752 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:28:39.03 ID:FVciUNca0
-
____
__,ィ7ア´ ̄ ≧、
rf⌒/{/ // _r'⌒ト==彡⌒ヽ
}ト ミwー┴‐一'´ ミ==≦ │
. } } __,r―一 }二 ミー--|
. {´厂 }'"´ ミ==― ___|
V j八==r‐tチァ  ̄ト--- 、{
`モtッ } ト ̄` } ミリハ |
厂} ー {_ ,ィ'⌒}ミク ノ} リ
八 >ーへ__ |(し'| l |
. Y_,rーーミ、} | ハ从{
| -=ニT } |
} \ j_ イ ̄ ̄ ̄
| / /
. __|___/ /
/ / { / | / ̄ ̄
. / /\__}____| /
.. __/ /{ | /
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. / / / {/ ̄ ̄ / \
/ { ∧ /ー― ニ二/ (_) \
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー なお、長年石勒の覇業を補佐した張賓はこの翌年に世を去っている。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 晩年は参謀的な役割以外にも
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 官品の選定も担当して石勒軍の人事をも握っていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ その活躍ぶりから石勒から寵愛されたが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 本人は謙虚かつ慎み深く、下士にも胸襟を開いたため人々は心を寄せた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 753 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:29:25.98 ID:FVciUNca0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ .ちなみに、張賓の死後に
_,-+ 匸ヘ/V 石勒が配下への不満をぶちまけたのがこちら。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l 右侯は張賓の事
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
}\} / ::{ V / ::} .::: .::: {_ |
ノ /{ } ,/ / /::: {_ }
{_\{ ̄「 (/从从((/{/{_( (/从从从(/((/{ ム .:|
{_ | | j | -=≦ニ(炒)≧= ≦二(沙)ニニ≧ 〃
.ム:| | {{ V .:.:::| / . :/_! !/ :::::: :::::/ ) / /
右侯は俺を捨てて去ってしまった! .イ 乂 ヾ :| .::| /{ ( .: :: ′| |/ :::::::....′ ( ′ / /
ム{ \ :| .:ノ ノ ) ) . .::} | ...::::.. { ) ノ /
こんな輩どもと事を共にせねばならんとは!! ./ }_{ ( ( ( (.::::::〈 :{ ...:)) } { // }
{/ 从∧ ) ) .:)/.: \{ __ 彡 } /{/ ′/{/! 从
何と残酷なのだ!! .{// } : :‘, ( ( ::(.::: ;:;:;:;:;; } } /.::: | | V
{/从| : : ハ .} } .::}:: V--=-==─v ,} } .::::: .::| |/
| .::::::八l}/ {  ̄二二二丁 }/ }し′ .:| |
| .: ::::::::::\ し .::::::::::::::::::::::: し/.:::::: |
\ .::::::::::. /
- 754 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:31:46.34 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年1月 晋 江州 武昌】
kij
‖iik \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
i;::;;:;:;l! ≧ <
,/:;:;:;:;:;:;l! -=ニ 陛下は劉隗と戴淵の軍勢を呼び寄せ ≦
,/;:;:;:;:;:;:;:"|!/ ≧ ≦
,/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
_,,.-一'''";:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`ー、_// ,'
ヽ丶\;:ヽ;:;:;:,'/;:;:/;:;:;',/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`ー-、// // ,'
ヽ ヽ_,,..\-─i!i─ ─i|-i-─-!|i、,,,/..,,.//;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`:、//. |i!,|i!_
ヽ.,,,、'.‐''"´ γ⌒ヽ γ ⌒ヽ ``‐/、;:,'/;:;:/;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;``''=ー─、..,,_
.,,,、'' γ⌒ヽ .i i i i, γ⌒ヽ. ゙゙'''''-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`ー-、_
”\.,,,,,, ゝ __ノ ヽ ___,ノ ヽ ___,ノ ゝ __ノ ,,,_ 、-''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/ i /.゙゙'/''-/--‐-i-l !─ --─--l─-i-‐-''i"ーl';:;:ヽ;:ヽ;:;:\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:-−''"´
| i| |! i |;:;:;:;:;:i!i;:;:;:;:;:|i! i;:;:i|i|;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;_,,..-一='''"~´
~``''=lー-、_i|!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,:':、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i!
ii!;;;;;;;i|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.l;;;;`:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/!
i|;;;;;;;i|!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/,,;;;;;;;;i|;:;:;:;:;:;:;:;:;≧ <
i|;;;;;;;i!;:;:;:;:;:;:;:;:,:'l i|;;;;;;;;ii!;:;:-=ニ 何の咎もない我が兄王含を都に召還した!! ≦
':;;;;;;i|;:;:;:;:;:;: i|! `:、;;;;;i|;:;:;:;:l! ≧ ≦
ヽ;;!;:;:;:;:;l" ゙l;;;;:‖l !/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
jlk'" klTi
l‖"
- 755 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:32:20.64 ID:FVciUNca0
-
ニニニニ=‐ -‐‐‐‐ ミ ‐_ ィi}ア⌒⌒
ニニニニ==‐ ___≫''"~~゚"'≪ ____ _ -- ‐‐=ニ\_ ィi{ニア
ニニニニニ=‐ 三ア : : i/}: :八,: :Vi{mm}r━━‐ニニニニニニニニ>''゛
ニニニニニニ=‐ ⌒7イi: : {うi/ いV∧\__} 7ニニニニニニニニニ<_ _ -‐- ミ
ニニニ=‐ミニ=‐ i: :!:!: : ',r:ァ 人'厂__j /ニニニニニニニニニニニニ>''" `
ニニ)iト<竺ニ厂>彳i八厂〕トイ^^^{ア} }/ニニニニニニニニニニ(_)ニ`、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
ニ八_r<〕iト ̄`'<j八 \ ){__>、,ノ ノァ{ニニニニニニニニニニニニニ\ ) >
ニニ}h、‐- '<〕iト ⌒i} ]i>i{:i:i:i:i:)<:.:.{ニニニニニニニ/`、ニ厂 ̄`ヽ、`、 < 奸臣の増長は許さない! >
ニニニ=}h、 `'<〕iト -‐=≦ =彡{r‐=ミ>ニニニニニニ{ }ニ{ ヽ} < (
ニニニニニ}h、‐----{ニニ{ニi/ ̄`、ニ{| (ニニニニニニニニ`、 \{\ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
ニニニニニニ}h、:i:i:i:iY´( { r‐、 -`八\\ニニニニニニニ`、 r‐‐‐ 、
ニニニニニニニ}h、⌒⌒7 j ` \i} `、ニニニニニニニ`、 >ニ(⌒`
ニニニニニニニニニ}h、:i7三≧s。.,_ \ . \ニニニニニ{⌒⌒ {ニニニ}
ニニニニニニニニニニ7 r‐‐‐:、.,_ 〕iト_ `'<〕iト,ニニニ`、 _ `、ニj7/
ニニニニニニニニニニYニニニニ≧s。 〕iト `'<〕iト,ニニ\_/竺i、 ノニニ〈
ニニニニニニニニニニニニニニニニ{.:.:〕iト 〕iト `'<〕iト,ニニニニニ\/ニアニ\
ニニニニニニニニニニニニニニニニY⌒{ニ〕iト 〕iト `'<〕iト,ニニニニニア⌒⌒⌒
ニア⌒アニアニ=‐ ニニニニニニニニニY ニニニ〕iト 〕iト `'\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
ア .イニアニニニニニニニニニニニニY iニニニニニ〕iト 〕i ..≧ <
/ニニニニニニニニニニニニニニニニ} />‐‐‐、ニニ -=ニ 君側の奸、劉隗と刁協を討伐し誅殺する!! ≦
/ニニニニニニニニニニニニニニニニニ {i(______,ノニニニニニ≧ ≦
ニニニニニニニニニニニニニニニニニ\_/三三ニニニ/i7/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≧=- _/ニニニ∨ `'<〕iト
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニア⌒⌒V∨ rァ `'<〕iト
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 翌永昌元年(三二二年)一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 大将軍王敦が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉隗の誅殺を名目に武昌において挙兵したと『晋書』『元帝紀』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 祖逖の死から四ヶ月後の事である
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 756 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:33:25.14 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年1月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ ≧ <
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:-=ニ 王敦が武昌で挙兵!! ≦
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ≧ ≦
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:. /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ <
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! -=ニ 呉興郡で龍驤将軍沈充が王敦に呼応!! ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! ≧ ≦
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 757 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:34:29.98 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年1月 晋 揚州 呉興郡】
>我気
.vァ"f彡 ''"~ア" ̄~"''*、
,zェf ト // ./ -\
,.イ ̄{ {./ ,.' ,.' ./ / ヽ
v:セ彡" .l./ィ / ./ -=ミ/! j } ハ
f斥\ _,./:/ ≦ィ .メ.f ! .f 川ヾ.!\ .ム ル...}
,..斗≧\\/:/ /.彳チ '",|ハ .|f斧沁v } /_ /./ .l!
__ >''" `f::fミ < __ ∠j ..Vヽ 〈! N弋;炒 / /./Y .ハ
Yr -/ _ ,,,, .../:/=≧‐-<" .ヾl` { .{ /沁.}// ム ゞ
.{:ヽ/ ,.イ"/,〈气ェ_シ ___ ノ ヘ.! ゝ' ィ //
介 ミ< / { /.ハ.乂 _ メz≦ ̄~~V j <ァ _,.ィ.|ゞ、{ てー!
\ >`==-ァ'∧''''マi Y , ィ"/ /ニニニニニ\ ./ヾ ー ≦ 八.ヽ ``
`:.、 .// ヽヽ \! ,.イ::::, ' !f /ニニニニニニ}-.ミ}ヽ\ `'' ミ' <
`'(/ .ヽヽ \\:::fニVニニニニニニVi::::/:::::::Yヾ 、 .`: 、\
ゞ>s、 ヾ 、 \Y!ニム斗セ='xニ!::V::::::/ハ ヘ ヽ ハ Y
>s。._`''<ノlニ }:::::::::::::::::::::::Yミ:!,ィVニ,ル .} Y } }
.,zヘ_ ゞz≦クニ!ニム..r ''""'x:::::f `斥 Ο./__ } .} ///
., イ/:::: ̄三V __,,.{ニjニ.ゞ,ム ∧j| \ヘxマハ V/ / ""
../;/:::::` '' ミ::::\:マ=-、 _x≦-/..lニニニ.V /'''ケ .ル,》 \ ハ V ,>''Z=.、
/;;/::::::::::::::::::::::::`:..、\v_,斥~i:i:f:f..fニニvニニ.V :. ./''" .メ「 ..ム..斗セ,.ィ"~ .`ヽ、
};;;} ̄~"''〜、、::::::::::::アニfi:i:i:i:i:i:i{:{..lニニニニz7 ,'==-.<川,.ィ"`'''斥!.! \
{;;;{:::::::::::::::::::::::: ̄ ̄fニニ!i:i:i:i:i:i:i:j、ニ./.>! .jz.//  ̄ .乂 x ヽ
晋 龍驤将軍 沈充
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 王敦に呼応して龍驤将軍沈充も呉興郡で挙兵。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 沈充は王敦の参軍を務めていた人物で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 同郷の銭鳳と共に王敦に邪説を勧めたと『晋書』『王敦伝』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 実際の所、故主の側に立って行動を起こしたらしく、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 父の喪に服するために地元の呉興郡へ戻った後に王敦に呼応したようだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 758 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:35:58.88 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年春 晋 揚州 呉国】
,>セニァ '''' ≦。, _ _
,. '" , ' i .ヽ ヽ...\マ|llll|'" ヽ
\__人_人从_人_人从/ ,.' / , ハ ム .\lll| ム
_) (__ ./ ./ , ハ ハN v ハ
) 沈充が攻めてきた! ( f f{ j ハ ハ \ V .ハ
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ l.!ィ笊` ハ-‐‐<.i } l..l 入 .ハ
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ | \,ィミヾ f. }_/j .メ! .l .j !.|、ィ/!.V l
j .リf;リ "て沁vj/li ム j jzj } \ .}
/''f.r 込少メ' ム {、 .{/ j! .} ム
` ,,,,, メ_,.ィ.从ル .l 》′j/
ハ ゝ -  ̄ ./ }イ .ゝ.,_ヽ ./ ノ
ハ __ ./ /リ/ |  ̄ /./
`FT " ~ヽ メ./ jj{ | .f
j | ォ/_,,斗└-ミ .|V ,!
f ハ| /,z≦== <:::::::::l ト、jイ!
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/ { { }} .〃ニニニニニY\:::ヘ F'^ヾ{
≧ < 八 \} ./ニニニニニニニ\ニム::::ヽ {
-=ニ 急ぎ朝廷に知らせるのだ!! ≦ ハ j/ユユL_ニニニニニ.lニニハ::::::ヽ V
≧ ≦ /"/////\ニニニjニニニ',::::::::ヽ .V
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ ∠ィ''''' <///∧ニニムニニニ.!:::::::::ム \
/メ .ヽ//.ハニ/ニニニニ.}:::::::::::ハ≧ミ\
/ v\//j./ニニニニニj::::::::::::::}// j.Y
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー その後、軍勢を率いて呉国を攻略し、呉国内史張茂を殺害している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦配下で活躍した人物は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荊州平定に奔走した周訪・陶侃に代表される旧呉の下級士大夫だ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 沈充もそうした一人である
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 759 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:38:27.69 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年3月 晋 首都 建康】
. ‖ : : /: : 八: : : : : : : : : : :\: : : : : : :.:\ : : : \: : : : : <
‖: : /: : /:.:|:ヽ: : : : : :..:|:.:: :.:|:丶: : : : : : : :\: : : : ー―――
i|.: .:/: : /: :.:|.: .:\: :ヽ: :ト、 : :|: : : \: : : :、: : :.\: : : : : : :\
i|/: :イ: : |:.ト、: : : : : :.∨ :.:|ヽ: : : :|\: : \: : : \: : : : : : ヽ
乂.: .: :|: :.:|:.| \.: .: .: :.| ∨ : : |.: .:.|: : :.|\: : : \ : : : : :| 西の王敦に東の沈充。
 ̄ : .:∧|:.fx- ∧.: :/  ̄ ̄ ̄ ∨: : /.: .:.:|ノ/:ヽ:\: \ ⌒
V.: . 从 /⌒)/ 冖=一 |.: /: : ∧|/: : : |\): : l 王敦も手を拱いていたわけではないらしい。
|八.:圦 / / イ: : / |: :.|: :.|:ノ: : :/
\| 、 |/ :|: ∧: : ̄ ̄ .劉隗と戴淵を呼び戻し、
\ 、 __ / .:|/ ヽ: 〉 建康の防衛に当たらせよう
_ /ニニニヽ ./ |_
/ /ニニ/ r-< ' ニ=_
′ 'ニニ/ l / } / 'ニニ=- _
 ̄ _ ゝ 火
人. . : ―_: :- :_. `ヘ/
_,ノ ./: :/ Oゝノ oヽ .(
`ヘ( . : / o_ 从 _0丶 ∨(
_) 〃 (C/\)} 大(,/ヽ}、 从
⌒ヽ . : : 只 ●\/● 只! ノ_イ
_人ノ ′./: |⊂⊃ 、_,、_, ⊂!: | く
絶対ピンクなんかに負けたりしません! ヽ ムi⌒ヽ!、 (_ノ 人./⌒) 'ヘ,
,火_)i_从 ヽ ヽ > _ イ ̄ヽ / .火/(_
._ノLノl .∧__,ヘ}rf〈 `Y´〉ヵヽ:::::/ ヾ.,_从
_火` ヾ_:::ッ&∞∞∞% >' ゞ_人_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 三月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿は戴淵・劉隗を建康防衛のために呼び戻している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .また、広州の平南将軍陶侃・梁州の安南将軍甘卓に
`ヘ:ゝ .' 小/ .王敦の勢力圏の江州・荊州の州刺史とし、王敦の背後を突くよう求めた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 760 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:39:36.09 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年4月 晋 首都 建康】
/.:.:.:゙、 : _ _ _ _
,/.:.:.:.:.:.:ヽ : _ _ _ _ _
_/.:.:.:.:.:.:.:.:.`L,,
_ _ _ _ :_ :_ ,/.:.:.:.:==r.:.:.:.:.:.:.:.ヽ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
_ _ _ _ _ _ _ :_ :_ ,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:L_ ) >
,,,,、、r;:;:イ ==r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙i, < 申し上げます! >
,r'゙.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``''ー、 < (
,r'゙.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``ヽ、 /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
,、ィ''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, '´::::::::;;:;:;:;:;::::;:;;:::` 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``'''ー-、 _ _ _ _ _
,,、、ィ''´;;::;r=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;::;:;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
``ヾ:;:;;;;;:;:;:;:;:;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;=.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:=r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾ;;;;;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:;:;:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,r''"´
 ̄``ヾ;:;:;;.:.:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;,'.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;:;:;;:r'''"´
ヾ.:.:.:.:::;:;:;;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;, '.:.:r==.:.:,r'''"´ _ _ _ _ :_ :_ _ _
i.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
‥‥‥‥ ∵ ゙ヾ、.:.:.:.:r==.:.:.:.:.:.:.:.:=.:.:.:,/ ≧ <
`ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ≧ 王敦の軍勢が石頭城を攻略しました!! ニ=-
゙j =.:.:.:.:.:.:.:,r'゙′ ∵∴ ≧ ≦
_ _ \.:.:.:.:.:.:,'′ : /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
_ _ ヾ:;;:/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
V ≧ <
≧ 守将の散騎常侍周札が王敦に寝返り!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 四月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦軍の前鋒が建康の港に当たる石頭城を攻撃。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .守将の内応もあり、
`ヘ:ゝ .' 小/ 石頭城は王敦軍の手に落ちた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 761 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:41:58.41 ID:FVciUNca0
-
〈i:i:i/.:.:.:/⌒7:.:〈\.:.:.:Vハi:〈〉i:i:iV/__
ノi:V.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.',:丶.:Vハ:i:i:へi:i}i:i/
<i:i:i:/.:.:':/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:Vハ ∨i:i:i:i:iV
⌒7:/.:.'.:.:.:.:.イ.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.}.:.:',\(⌒
//.:.:i.:.:i.:/ {.:.:.:.:.:.:i ⌒∨:}.:.:.乂 \ __
//:.:.: l.:.:{⌒八.:.:.:. {ィぅ示V.:.:.:..:.:\⌒ヽ〉_ よく応じてくれた。
':/.:.:.:.:'{.:. ィチ笊_.:.:.、乂ツ}.:.:.:.'.: i.:.:.<\<⌒
. /.:.'.:./.:八.:.:Yvツ , ⌒ ''ノ.:./.:.:.:}.:.:.:.:\⌒\ __ .歓迎する
/.:./ィ.:.:.:.'.:.:.:\乂'' _, ⌒7.:.:.:八.:.:.<⌒. . . . .<⌒
//⌒}/}.:.:.:./.:.个: . ` ィ/:.:.:./.:.:.V.:.ハ. . .、 . .\
_{. . . . . . ..八.:.:{ィ. .}.:r‐:}≧<_人.:.:.人.:.:.:.i.:.:.∧. .ハ '}. . \__
ノ/. . ''. . . .: .: .⌒乂彡}i:i:i:i:i:i/i:i:八}.⌒ア.:{.:./.:.:V. .}/八. .: 「⌒ /: : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : :\
⌒7. . {. . . . . .: .: .: .: 彡:i:i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:ノ. . .{.:.:.:.y.:.:.:.ノ. . .: .: 人 . /: : : : :,イ: : {: : : : : : : : : : \: : : : : : : :ヽ
ノ.:i. . .',. . ゙. . ⌒).: .:(ニ=- -=ニニニ{ィ:_人.:./.:./. . . . ./. .(⌒ ∧: : : :/ |:∧ト、: : : : : : : : : : :ヽ: : : : l: : : }
⌒人. . .}. . . . ヽ.:(.: .: .:〉=--=ニニニノ.: {.:.:.:.Y´.:}. . ノ:(.: .人-= |:|: : : :{ |:| ヘ. \: : : :\: : }: : :}: : : :}: : : :|
. {:|: :|: ::|‐-弌 ヽ、,,_ヽ、: : ヽ:|: l: |: : : |: : : :|
ヽ、:l: :|rf示\ 行テ_ァ|:|:|: |: : :∧: : :}
ヽヘ{::ハ込}_ ヽ 弋抄ノム:j: l: :/ }: /
刈、 ン  ̄ ルイ .//
l ヽ rt-彳|:|
よろしくお願いします .ヽ r‐-、 / |: :|: :|:.l
. \  ̄ , イ |: :|: :从
ヽ _ -‐´ ,.ヘ :ト、:\__
〉 _ -‐ ヘ\ ̄
_,,/ィ-‐ ' ´ / `ヽ、
晋 散騎常侍 周札
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ちなみに、石頭城を守っていた周札は周処の三男である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼が王敦に呼応した理由は分からないが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .兄や甥の末路を見て、司馬睿に対して何か考える所があったのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 762 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:45:13.04 ID:FVciUNca0
-
/ ̄: : : : : : : : : : : : \_. -‐ ¨¨ ̄ ∨ヽ
/: : -―――=ミ、: : : : \ ∨∧
( {/ィ¨¨¨¨¨¨弌ー___ノ∧ ∨:|
\_,/ /:.:.:.:.:.:.:.:. ト、/\:.:.ヾ´: : :∧. }〉 ∨ /
__ __ ¨ア:/:.:.:ト、:.:.:.:.:.:K芋ミ:.:.:> ∨__/ ノ ∨ / 周札は何を考えてるのよ!
{__{___}≧s。. ^i:.:.:.:k=ミヽK:| tzタY:.Y^〉≧===彡"___ ∨
`¨弌≧s。. ≧s。. Y:.|tzソ , Y:レ: : : : : : : : :ア: ィ⌒ヽ i
`¨弌≧s。. ≧s。. .∧:ゝ _ |:./: : : : : : : :_/: (_ |
`¨弌≧s。. ≧s。{:.:.Ys。. ′ . イ l/: : : / ̄ ̄∨___ ア | /
「 ̄ ̄ ̄≧s。.s。.:.:〕i爪: 〈∨{: / | }.__ ∨ /
r―┤∧:i:i:∨:i:i:i:i:i:Y:i≧s、\_}W{ ______ y/:.:.:.:.:.:.}
/:i:「≧r‐ヘ:i:i:|∨:i:i:i:i:i[:i:i:i:i:iヽ__ア_ lニニ>''" ̄:.:.\ ̄``ヽ:.:.:.:.:.:レァ_
./:i:i:i|:iW ヽ:|. ∨:i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:i}i lニ/:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:\:.\:.:.:.:.:.:.::.:>
〈:i:i:i:i|W 、 _.。z≦:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i}| |/:.:.:.:.:.λ:.:.:.:.ト;.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.Y:.:.:.<´
l:イ:. |:./ ';.:.:.:.:.| ヽ;.:.:.:l:.:.:.:.:l:.:.「i:l´
_ ノl:.ト:.:|:,≧x:.:.:.:.| x≦ミハ:.:.:.:.!:.:.}:i:|
( )l ̄二ニ=- ,_ l:.|:. /l { l Yl:./ { l Y゙!:.:.: L:.:|:リ
⌒' ‐- ニ三_ 三二))二ニl:.l:.:ハ r りl/ r Jノ |:.:.:.:} ,)ハ
(_,.)三三(`` <二= 三_ハ:.:.!'' `" ' `" ''/:.:.:.:爪':.ハ
石頭城奪還作戦なのです!  ̄个s。.,_ `` ーfiハ'</i从 i_ヽ /:.:.:.:/ |:.:/:.:}
Y_/ Yll ``V:.≧=‐r i'_;.:.:./:.:.:ヽ:.:/
(_(_,. }/} V:.:} ヾ:::ヽ__{:.:./フハ-イ
ヽ-へ-<//__,.ィ:.:/__ ヾ::::Vヽ>lニニニ|
晋 右衛将軍 虞潭
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 戴淵・劉隗は石頭城を奪回するべく、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王導・周・郭逸・虞潭らと共に三道から攻撃を行った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 763 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:45:50.22 ID:FVciUNca0
-
rf/ ./ \ \_
rマV{ く/ / 刈 ',_> }V77
E__ >、 :′ ト{∧ /{/斗i|: ' ,xく ___ヨ
`'く >{、 i{ .≫ ≪. }l }xく__,/
`'く__/i:}八' ' r‐‐ヘ ' 八 |iト/
八i:i∧{≧= -r:'≦ }/i:iノ _,.rノ,ノ 正義は勝つ!
/: i{〉 ,{ニニニ} _,}i'"\フフフ^’
/: : :.八^7:::::::::::::7^八: : :.\
/ : : : : : : :~|≧zz≦{~: : : : : : : \
<:_:_: : : : : : _rfニニI Iニニi_: : : : : : : : : >
): : : : : :{〈..|^〉X〈^|..〉}: : : : :r '"
‐--- /八|\__/|八V--‐'’
/` 、ー-、
ヽ.,ー-<:♀::::::ヽ:::::〉
>'―-‐ ''´:::::ヽ、 _,/ ̄ ̄` ̄\、/レ
_,.rイ'::::::::l::::,、::::::::::::;:::::, // , /\ .i i V〈
.. o ○ o:::レヘjV -―Vo ○ o / / ∠ム/ ー-V l 「ヽ
...。゚ .j::o゚!> < ゚o:l::::::| ゚ 。 j v、!┃ ┃ i ' ├' やっぱり、
どうしてよ! ... ,'0j〈 △ /::0::∧',, / 〈" ヮ "/ .i y 奴隷兵では無理なのです
ノ;:イ::ヘ`ーゥ t〈::::l:::/ ヾ、. / _ ,.イ , `ーゥ t-!,、_У
´ レ' V´ V_,ィ V 〈 「| 「| ´ ' .レ^V´ V_,ィtー〈 「| 「|
/ `央ー'j \_|:| |:| / `央ー'j \_|:| |:|
,/ー、{,_ノ /ー、! \::::]. ,/ー、{,_ノ /ー、! \::::]
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところが、六軍は敗績した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ちなみに、司馬睿側の軍勢は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .奴隷を兵にしていた旨が『晋書』『刁協伝』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 764 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:46:46.65 ID:FVciUNca0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :} 刁協殿。
| : レ .|:::::::::○三三○ l :|
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/ .陛下より賜わった馬で
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒) .石勒の下へ逃げましょうと劉隗は亡命を提案します
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
_/.: : : :. :./: : : : : : >''´ : : : : | : : |: : | : : : : |: : |.:. :. .:.\.: : : :.\
`''ー-----‐'''/: : : : >''´: : : : : /.:: ::.| : : |: : | : : : : |: : |.: : : : :: :.\.: : : :.\
. /: : >''´/ : : : : |: /: : : /|:.|: :|: : | : : : : |: : |Λ: : : : : : :.`''<.: : \
/>''´.: :./: : : : :._|/:.|: :/ |:.|: :|.: : : : : : :.|Λ| ∨.: .:.|.: :. :. :.| \:. :.ヽ
//: : : :./ . |.: :. :. :._「:`|\, |:.| Λ : \: : / / |_: :|.: :. :. :.| }ヽ:/
//. /.../.: :. .:.|: : / : `〈⌒庁=ミーミ \ : :_厶ィ灯⌒「⌒:..|.: :. :. :.| . /: :/
{.: :.{ // /: : : : :|: Λ: : : : : 乂;ノソ ヽ ノヘ: :| {;;ノノ ノ.:. :.:.ノ. |:Λ :| //
先に行け。 \/ /.: .:./|:|/^Λ: : :人|  ̄ ⌒ /:./|:.| ⌒ ,;/: :/: : | }/
)} /: :/ 八 Λ: :.| \ /⌒ {:|/ ;:i;i//: /: /ノ /
俺がいては足手まといになる __/. |: : \_Λ: | ,. ノ:: ;:/ : : /: /
. ノ/|.: :.ノ \ ;' ;;:;;i;; ノ : /: /{
/ | : : Λ \;;i:i _ - /: :|//\
ノ//〈:} \ :::: .. : : :Λ:|
/ / Λ /Λ: : { ノ
/ Λ >ーく :: {
_〈 /\ {/ ∨- _
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 騒動の発端となった劉隗と刁協は石勒の下へ亡命を決断。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j しかし、劉隗は一家郎党と共に亡命に成功したが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .刁協は馬の騎乗に耐えられず、従者もいなかったために道中で殺された
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 765 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:47:39.08 ID:FVciUNca0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 王敦の乱一回目 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 以上が王敦の挙兵の顛末となる。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| ここで注目したいのは、
| | >-、\! !/::,-< 騒動の当事者となった司馬睿と王敦の態度である
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 766 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:48:27.77 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年4月 晋 首都 建康】
,ハ :
/.:.:.:゙、 : _ _ _ _
,/.:.:.:.:.:.:ヽ : _ _ _ _ _
_/.:.:.:.:.:.:.:.:.`L,,
_ _ _ _ :_ :_ ,/.:.:.:.:==r.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
_ _ _ _ _ _ _ :_ :_ ,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:L_
,,,,、、r;:;:イ ==r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙i,
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,、ィ''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, '´::::::::;;:;:;:;:;::::;:;;:::` 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``'''ー-、 _ _ _ _ _
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゙j =.:.:.:.:.:.:.:,r'゙′ ∵∴ ∵∴
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_ _ ヾ:;;:/
V
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉隗と刁協が建康を脱出した段階で
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿は王敦へ使者を送って次のように伝えたとされる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 767 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:51:01.05 ID:FVciUNca0
- 【陛下のお言葉@『晋書』『元帝紀』】
┏─────────────────────────┓
公がもし本朝を忘れておらず、
ここで兵を休息させるのなら、共に天下の安定を取り戻せる。
そうならないのなら、私は琅邪へ帰って路の賢者を避けよう。
┗─────────────────────────┛
. : ―_: :- :_.
/: :/ Oゝノ oヽ
. : / o_ 从 _0丶
〃 (C/ノ )} 大( ヾヽ}、
. : : 只 ○\/○ 只rr=================、
′/: :|⊂⊃ 、_,、_, ⊂!// / ピンクには勝てませんでした
ム乂从!、 (_ノ .// /
. ノ > _ イ./ /
/ __}_rへ))`Y´〉.// /
, f´ ( uJ∞∞// /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー―──────────‐′ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 自分が喧嘩を売った支持者に向かって、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 自分を担げば天下の安定が戻ると説く皇帝。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .恥も外聞もない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 768 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:52:09.49 ID:FVciUNca0
-
/{:/: : : : : : : : : : :.\
ノクハ=: : : : : : : : : : : :}: : \
_/ニ//}ニ: : : }: :.:.:/|: :}: :/}: : ハヾ
ヾニシ:/=}ニ: : : l:.,示ミ:./:./⊥ミ: ノム
_/./:.〈ニ/り: :.:.爪辷} l从{.以{: /:ヽ
.〈:/{: /_/: : : : : :.∧ ____'`´V 从:.\ .刁協は酒好きで素行に問題もあったけど、
{:≦{: {: : : : : :从 ヽ_/ ィ:}:.小:) ` .陛下への忠誠心は並ぶ者なく、かつ陛下から信任されていた。
. _{从:|: {ヽ: : : : : ≧ _./:.}:}:.:.}´(
__l: :.__:{: { \: : : :寸ニ≧.}:从:.リ 弋 墓の一つでも立ててあげようと思う
{: :{メ.>ヽ{ ヾ{\:\ ̄ ./へ/ 弋“''''不 _
. r‐{: :{: < ` ^从;-=彡:i:i:iハ 7. / |¨>ヽ
. {: :ゞ: :ァ 廴 __ Y:i:i:i:i:iム (./ ./ 入___
. 人:.:/  ̄ゞ _ ヾ:i:i:i:i:i:ハ,,]´ __, s彡イニ
〉: : {二=- _ 'イ ゝ-=7ィ⌒Y_,彡':i:i/彡'\ニニニニ
{: :∨二=- _____,彡]/zzzz彡イ{ニニ= ゞ_ム {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
それがよろしいかと。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
気落ちした陛下をお慰めする必要もあります ./.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 対する王敦。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼は司馬睿の命を狙ったり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 退位を要求したりする事はなく、敵対した刁協の墓を立てる余裕を見せた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 王導に説得されたのかもしれないが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ ここで司馬睿を殺害、あるいは退位させては代わりがいなくなるからだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 769 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 22:57:07.48 ID:FVciUNca0
-
_ _/Λ⌒/⌒\: : :ン、 __
. ___ {二- ∨/ / : ′: :.\ \ : _`:rくニニニ}
[ニニニニニニ7/ /::i :|: : : :\:\ {ニニ/:\ ノ
>‐ニア´//: : : :|八 : : : |ィ⌒\\Λ:\ニ- _
/ / / : ;″: : i: '⌒ 、: :|:jI斗=_: : : ト: \ -ニ-_
/ニ/ /: : √: : : |:ィ忙リ \|└┘:|::|ト: : | \ト-\二_ 戴淵と周は南北の声望を集めている。
. {ニニ{ ./:イ: i i: :.i: : :ト'''' ′ ''ノノ::| | |: : : : :\ )ニノ
\ノ |:八い:i : ; 人 ' ` イ: :ノiハ |ト: : :|: K イ . 三公にするのか、
. ハ:|八:i : ト≧=- -=|ィ゙::jン:八いノ:..|ミ冰、 尚書僕射にするのか、それとも殺しちゃう?
__爻x \|⌒Σ二二|ノレ′ |: :ノ j{: :ヽ
⌒ア´ _ ミ __) ノイ__,メ: : : :}:、
___彡 ! ミ.,__ _,.ア゙ ! k从i「Τ辷‐-{: :}
. ⌒7冰 j ンニニニjiァ j从ノ厂ニニ! 7: :ノイ}
/ニト从イ从九(ニニニア从ン厂ニニニニj:彡'´: : :リ
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
./.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
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|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .結局、犠牲になるのは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 君側の奸扱いされた司馬睿の側近たちだった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .これまた懐帝と東海王の争いの時と同じである
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 770 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:00:32.25 ID:FVciUNca0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 「なのです!」って言えたら許してやらんでもないぞ
\ `ニニ´ .:::::/
∧、.ノヽヽ、ニ__ ーノ゙--、.. 聞きたいな暁ちゃんの「なのです!」
/⌒ヽ\ '; \_____ ノ.| ヽ i
|(●) | i \ /゙(__)\,| i |
ゝ_ノ ^i | ハ | ||
. |_|,-''iつ _(⌒ヽ'⌒ヽ プンスカ
[__|_|/ ( ノ (⌒'´ ̄`ヽ
[ニニ〉 ` ー\ `く ( )
`ー/ /ー
/` 、ー-、
ヽ.,ー-<:♀::::::ヽ:::::〉
>'―-‐ ''´:::::ヽ、
_,.rイ'::::::::l::::,、::::::::::::;:::::,
 ̄ /:::レヘjV -―V:::l:::::|
戴淵は一人前の士大夫よ! j::::::!> < j::::l::::::|
,':::j〈 へ /::/::∧',
そんな子供みたいな事言わないわよ!! ノ;:イ::ヘ`ーゥ t〈::::l:::/ ヾ、
´ レ' V´ V_,ィ V 〈 「| 「|
/ `央ー'j \_|:| |:|
,/ー、{,_ノ /ー、! \::::]
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 驃騎将軍・秣陵侯の戴若思
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 771 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:01:24.94 ID:FVciUNca0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| お覚悟を
\ `ニニ´ .:::::/
∧、.ノヽヽ、ニ__ ーノ゙--、..
/⌒ヽ\ '; \_____ ノ.| ヽ i
|(●) | i \ /゙(__)\,| i |
ゝ_ノ ^i | ハ | ||
. |_|,-''iつ ./: : ,: : : :-―-- 、: : ヽ: : ヽ}: : : :i: : : : : : :.
[__|_|/ /: : /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : /: ,イ: : : : :}
[ニニ〉 : : / : ム: : : : ,.ィ≦三≧、: : : }: : : : : : : : : : :〉
,':::/: : ム : :-=≧ `ヽ/,ィ'^¨≧: : : : /〉
.{::/: : :ム : : 〃´ ヽ: : ::(
./: : :/: : : : {  ̄¨ -- __ /  ̄ }: : ::∨
天地先帝の霊よ! //: : :/ : : : : :ゝ、气笊示ヽ ,ィf示ァ /: : : ::}
.从: ::/: : : : : :{⌒ 乂ツ ヒリ ノ:/: : ::/
賊臣王敦が忠臣を殺し、天下を凌虐しておりますわ! /: : :〈: : : :{ : : \__ 、 ≦= ´jハ人
.{:{:!: : :`ヽ: \__/ ___ 人: : :{: : : : :\
天神地祇の霊がおられるのなら、 ゞi: : : :ノ,: : :ヽ: : : `ヽ ∨_ノ ィi{: /: : :ヽ: : : `ヽ)
速やかに王敦を殺し、勝手に王室を傾ける事のないよう!! {:i: : (/):/: : i: : : : :/__ ` 7: :≦: : :{: :{ : : : ::}: : : :)
.从 : : (/(: : :}: ::i/ニニ`ヽ(ノニ}==): :}i : /}八{ヽ(
)' 〉´、 `)ハノ、ニニ/ |o\} jハハ/
/ ヽ \/ .| }/ `ヽ
晋 尚書左僕射 周
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 尚書左僕射・護軍将軍・武城侯の周が
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦によって殺害されたと『晋書』『元帝紀』は記す。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、周の死に関しては『晋書』『周伝』にちょっとした裏話がある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 772 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:04:43.25 ID:FVciUNca0
-
iヾヽ,, /'∧___
廴゙\ゝンー―'メ/''/"ム;;;/
_辷 ゞ'´¨⌒ ̄`、`ヽメ,,゙_ゞ
\;;;;/ , / .i 、 `ヽ\;;;;;;;;>
</ │ | , | ト、_ ,ヽi/ .御主人様。
ヽ_メ ー┼‐ヘ´从\ヽ  ̄/ |、\
/.| | 三三 三三≠ |、丶.ヽ, 先日誅殺された周様、
ー' ,| ゝ| || | i /;;;;ヘ } .陛下に御主人様の助命を掛け合っていたそうですよ?
ゝ_,.イ| ,ヘ 厂 ̄} イ ,ヘ;;;;;;>_)丿
レ ヽ、 __ ̄ ̄__/|./ ´¨__, ¨ それなのに、どうしてあんな真似をなさったのです?
ゝトO7|`ヽ, ' ,,:'´: :и
/、ゝ...y',...、゙イ ノ: : : : : ゙イ
_,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、}
そんな馬鹿な。 .{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
{ }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ
彼は陛下の御前から下がる途中で私に会った時、 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′
酒に酔った風情で今年は諸賊を殺すと叫んでいましたよ? 。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
それに、私は殺せなんて一言も言っていませんが? j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、
7ニニニニニ=-_≧s。_ニニニニニニ=- .`、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 周は王敦が挙兵した際、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬睿へ王導の助命を願い出ていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .詳細は省略するが、彼は王敦が逆賊、王導は忠臣という見方をしていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 773 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:05:47.43 ID:FVciUNca0
-
iヾヽ,, /'∧___
廴゙\ゝンー―'メ/''/"ム;;;/
_辷 ゞ'´¨⌒ ̄`、`ヽメ,,゙_ゞ
\;;;;/ , / .i 、 `ヽ\;;;;;;;;> .ああ……。
</ │ | , | ト、_ ,ヽi/
ヽ_メ ー┼‐ヘ´从\ヽ  ̄/ |、\ その酒に酔ったっていうの、
/.| | 三三 三三≠ |、丶.ヽ, 御主人様の助命を果たせた喜びの余り、御前で酒を飲んだせいだとか。
ー' ,| ゝ| || | i /;;;;ヘ }
ゝ_,.イ| ,ヘ 厂 ̄} イ ,ヘ;;;;;;>_)丿 こちらがその際に周様が書いた助命歎願の上奏文です
レ ヽ、 __ ̄ ̄__/|./ ´¨__, ¨
ゝトO7|`ヽ, ' ,,:'´: :и
/、ゝ...y',...、゙イ ノ: : : : : ゙イ
三三三三三三三三三/ニニ{ \ ヾV//ル'
三三三三三三三三/ニニニ込ー======‐-- 、 \ ∨ん'⌒
三三三三三三三/ニニニ≧三二ニ=-─=ニ三込 ). V≦⌒
三三三三三三三`Zニニニニ=====イ  ̄ ¨ヾ ミ辷イ 〈 寸_
三三三三三三三アニニニニニ====∩ 0 ( \ )\
三三三三三三ニ.イニニニニニ====ノ人ヽ 从 Y/ハヾイ从
私が周殿を殺さなかったと言えども、 三三三三三三三{ニニニニ====={ {弋三≧=彡/ ', V⌒Y从
周殿は私のせいで死んでしまったようで。 三三三三三三ニミ|ニニニニ===. | l  ̄/ { ', ', 0 l
圭寸三三三三三込ニニニ== |.l / ', ',..ノ
あの世へ行ったら、 圭圭ヽ三三三三三込ニニ==. |.l / r -==-く|
この良き友への責を負わなければ 圭圭圭\三三三三ニニニ== || 辷ニニニニ/l
圭圭圭圭\三三三ニニニ== || >==イ l|
圭圭圭圭圭\三三ニニニ== || __ 从
圭圭圭圭圭圭\三ニニニ== || 'ー=ニ辷===ミY
圭圭圭圭圭圭圭\ニニ===. || ` ̄ ´ / |
圭圭圭圭圭圭圭圭\====. || ニ三三≧ ' |j
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 司馬睿は周の意見を聞き入れた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これに喜んだ周は酒を飲んで酔ったまま退出、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 帰路王導と会った際、琅邪王氏を討つと受け取られる趣旨の発言をした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 酒によるやらかしなのだが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後日真相を聞いた王導は大いに悲しみ、息子たちに後悔の念を述べた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 774 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:06:38.12 ID:FVciUNca0
-
iヾヽ,, /'∧___
廴゙\ゝンー―'メ/''/"ム;;;/
_辷 ゞ'´¨⌒ ̄`、`ヽメ,,゙_ゞ
\;;;;/ , / .i 、 `ヽ\;;;;;;;;>
</ │ | , | ト、_ ,ヽi/
ヽ_メ ー┼‐ヘ´从\ヽ  ̄/ |、\
/.| | 三三 三三≠ |、丶.ヽ, 御主人様って、いったい誰の味方なんです?
ー' ,| ゝ| || | i /;;;;ヘ }
ゝ_,.イ| ,ヘ 厂 ̄} イ ,ヘ;;;;;;>_)丿
レ ヽ、 __ ̄ ̄__/|./ ´¨__, ¨
ゝトO7|`ヽ, ' ,,:'´: :и
/、ゝ...y',...、゙イ ノ: : : : : ゙イ /::::::::::::::::::::::::::::\:::::ヽ:::::::::/:::::::/:::/:::::::::/::::::::::::::::::::i
r:':::::::::::::::::::::;;;;;::::::::::::::ヾ、:::',:::://:::::::::::::;;;:::::/::::::::::::::ミ、::::::::!
{:::::::::>::'':::::::::::;;;>`゙ー- ミ:V/,kィ''"´ ヾミ、:::::::ヾ、::::::::::::{
|:::::;:'::::::::::::::<__ >::::::::::ミ、::::::::',
|:::/:::::::::/:::/´ `゙ヾ:::::::::::::ヽ:::::ゝ..__
V::::::/:::::::;' 、 / ミ:::::::::::::::',::::〈´
}:::/:::::::::::; ヽ / }::::::::::::::::::::{ヾ
j:/:::::::::::::{ ,>- .、 、___ ) (__,,.. ,. --< !::::::::::::::ヽ:::',
リ:::/:::r-、! /,rfニニミ、 { } ,ィfニニミ、 }:-、:::::::::∧:::,
{:/:::::リ ィ ヽ ゝ ノ / } .{ハ ゝ. ノ ハ. } :::::::∧:',
我らは共に王室と力を合わせ、神州を克復するのみ V:::八 { ハ  ̄ { | | } ,' } 八::::::/ }:::!
リ!:::::::ヾーヘ.',. | | / ツ/::::::::::{ ,j:リ
/ |:::::::::::ゝ..__) ヘ. | | r (.__ノ:::::::::::/ /:/
' |::ハ:::::/:::::::ハ ヽ!.___.!ノ ,ハ::::::::::::::/
,リ }:::{::::::/::∧ ゙ー ------ ― ' ,イ:::}:::::::::,イ
ノ:ハ::/!::::::::ヽ ニ二ニ / |:::ハ::::::/:::|
/´ ノ::{ ヽ:::ハ::}. \ / i:/ .}::从:人
// }/ リ \ / / /´
ヽ ` ---- ´ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ ただ、逆に言えば、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 真相を知らなかった王導は周殺害を是としていた事になる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そのくせ、王敦挙兵時には
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 子弟を連れて司馬睿の下へ謝罪に出向いていたりする。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ どちらが勝っても良いようにした保身か、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ もっと高い次元で今回の騒動を見ていたのかは今となっては分からない
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 775 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:13:51.99 ID:FVciUNca0
-
ニニニニ==‐ ___≫''"~~゚"'≪ ____ _ -- ‐‐=ニ\_ ィi{ニア
ニニニニニ=‐ 三ア : : i/}: :八,: :Vi{mm}r━━‐ニニニニニニニニ>''゛
ニニニニニニ=‐ ⌒7イi: : {うi/ いV∧\__} 7ニニニニニニニニニ<_ _ -‐-
ニニニ=‐ミニ=‐ i: :!:!: : ',r:ァ 人'厂__j /ニニニニニニニニニニニニ>''"
ニニ)iト<竺ニ厂>彳i八厂〕トイ^^^{ア} }/ニニニニニニニニニニ(_)ニ`、 僕の言葉に従わなければ、
ニ八_r<〕iト ̄`'<j八 \ ){__>、,ノ ノァ{ニニニニニニニニニニニニニ\ .ほとんど一門滅亡だったでしょ。
ニニ}h、‐- '<〕iト ⌒i} ]i>i{:i:i:i:i:)<:.:.{ニニニニニニニ/`、ニ厂 ̄`ヽ、`、
ニニニ=}h、 `'<〕iト -‐=≦ =彡{r‐=ミ>ニニニニニニ{ }ニ{ ヽ} それじゃ僕は武昌に戻る。
ニニニニニ}h、‐----{ニニ{ニi/ ̄`、ニ{| (ニニニニニニニニ`、 \{\
ニニニニニニ}h、:i:i:i:iY´( { r‐、 -`八\\ニニニニニニニ`、 .後はよろしく
ニニニニニニニ}h、⌒⌒7 j ` \i} `、ニニニニニニニ`、
ニニニニニニニニニ}h、:i7三≧s。.,_ \ . \ニニニニニ{⌒⌒
ニニニニニニニニニニ7 r‐‐‐:、.,_ 〕iト_ `'<〕iト,ニニニ`、
ニニニニニニニニニニYニニニニ≧s。 〕iト `'<〕iト,ニニ\ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /.....
〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ........
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X __
/ 丶.............../ |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 王敦は自らを丞相・都督中外諸軍事・録尚書事・武昌郡公と称した。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 五月に入ると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王導を司空・尚書令に任命し、自身は武昌に戻っている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 地方の要地に駐屯し、帝都に留まらないのも東海王に似ている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 776 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:14:25.29 ID:FVciUNca0
-
/>、__ ノ///////////ヽ \
///////// /  ̄ 寸,//∧ \
////ミ//// { | }_| |/// | \
,l{//{ V///八/j,ム| j ///| \ ヽ
/ l//| |///// 〉赱ノ| L///| \ \ 本当父上は情けない!
/ | V∧ノ_く///// |/ | | Vヘ 、 ト--
/ | V// 赱ノヽ/ | | V/ヽ } 私が王敦を討ってやるわ!!
: | V/ 八 ' /⌒) | i| V/ |ヽ|ヽノ
{ | /||ヘ .> ゝ- ' |ヘ ハ从 |、|
, /, / | |∧ |>__ _...イ:::::::::::::..レ.、|
| |/ Lノ-.:::::::::::/ニニ(_ノ|:::) 、
):::::/ニ> --===ミニニ\ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
-=ニニニニ=-  ̄ \ニニニニニ |::::..、 /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/ニニニニ /ニニニニ \_}ニニニニ |:::::::..、 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
./: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
晋 皇太子 司馬紹 |: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
よく戦う者は怒らず、よく勝つ者は武を用いません。 -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
如何に万乗の身の跡目とはいえ、天下を軽んじられないよう \: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
晋 太子中庶子 温嶠
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 詰めが甘かったのも東海王に似ていたのだが
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 777 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:14:56.30 ID:FVciUNca0
-
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:\_人_人∧从_人_∧_人_从_//´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ ) >
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:` < 申し上げます! >
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`< (
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ≧ <
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j -=ニ 石勒軍が黄河を渡ってきました!!! ≦
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 778 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:15:44.44 ID:FVciUNca0
-
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 河南の各地で略奪を働いています!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/
_,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、}
{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
{ }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ
これも、祖逖殿の死が招いた結果でしょうか ≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′
。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
.j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同じ五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒が騎兵に河南を侵略させたと『晋書』『元帝紀』にある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .結果として、
`ヘ:ゝ .' 小/ 王敦の乱は石勒を大いに利した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 779 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:16:33.02 ID:FVciUNca0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 晋陽 行 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○ ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r 【泰山郡】 r'
'´`ー-, ヽ / ノ ○鄒山r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 〇 >
○長安 ○許昌 下邳,ヘ' ヽ ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
r-v'γ ヽ ハ_ ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
七月。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
石季龍の軍勢が泰山郡を陥落させた ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 780 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:18:19.61 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年7月 晋 兗州 泰山郡】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 将軍。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 泰山郡太守徐龕を捕らえました
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、
Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ
}ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ,
ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ'
ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´
徐龕は襄国へ送れ。 };lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′
r‐、 7;;;;|', =、j,. /仆、
配下の兵どもは生き埋めにしてしまえ。 .} ,! _ ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄::
j _,!ノ )" ̄>.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,,
見せしめだ .フ ,、'-‐'l" ̄リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
‐' 冫‐i '"フ:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'" ,、_,
. '",.ィ/ ̄_:;/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-'
石勒軍 単于元輔 石虎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 以下余談。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の泰山郡太守徐龕は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 何度も東晋と石勒軍の間を寝返り続け、両勢力の頭痛の種となっていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 石虎によって捕らえられて襄国へ送られ、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒の命令で袋詰めにされた上で楼上から落とされて殺害された
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 781 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:20:27.85 ID:FVciUNca0
-
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ そして彼が殺した
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′ 石勒軍の王歩都らの妻子に遺骸を割いて食するよう命じたという。
` ‐lイ::::::::::ヽ
/⌒ヽ、::::ヽ 『晋書』『石勒載記』や『十六国春秋』『後趙録』にあるお話
|::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ /{ /}
ヽ::::::::;、::::l´ {:::::L_____,-、/::::::}
|:::::| |::::| /: -===-く: :.\:::::ノ -=つ
|:::::| |::::| /: : :./: : :∧: : :\: :.ヾ、ー、
` ´ ` ´ /: : :.∧/ソ \: :.∧: : : ト、: \ -=つ
{: : :/ ,, \: :ト、: : }:.} : : \
∧: :l > < `Y: :}: :l∧: : : : 彡う) -=つ
ヽ:l: : ,- -、 : : : l: :.l: :} `ー'´ /'
あ、焼肉してる! ヽ ヽ ノ iー┴.l:/ー、
__> t-===l:: !' 〉
わたしもまぜてもーらおっと!! ,( ):::} :l :: ::l:: ーく::ス
ヾ::ノー、 ::l :: ::l:: ::〉:::}
} ::l__::__::\__/ ̄
\}\:::::::::::::/ /
\Y>´ ∧
|ー---/:ヨ
|三ニ/
く::::::::::〉
石勒軍 左衛将軍 王安
- 782 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:21:08.61 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年7月 晋 豫州 鄒山】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 将軍。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ 王敦は将軍を安北将軍に任じ、合肥への駐屯を認めるとの事
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || ー=≠´ ヽ
,イ/ ∠__ ヽヽヽ`ヽ三ミヾ!
/{ /{{-- jナナノ 川三ミミj
{({二{ ≠、_jノノハア^Y
に・(_`ー=・ァー jノ|ノj|__
(..:| 、`='´ / Lノ\}ヽへ、
南もややこしい事になっているが、 ヽfrr┘`'ー ': : } 、 } ` \__
受け入れてくれるだけマシと思わねぇとな {にニ> : : }/ ∨! ∨^}‐- .._
//ノ「: : : : // ノ/ | / >、
/ // `77{´\ /{ | |} / \
. / / 〃 ト、 ∠厶 } |/ /ハ
. } / {{ | `¬//∨ { /{ }
/ / ハ |、{ 〃 { ミ{ l }/{
晋 兗州刺史 郗鑒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 泰山郡の陥落で、兗州・徐州の塁壁では石勒に降伏する者が相次いだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .兗州刺史だった郗鑒が南へ移ったのはこの頃の事で、
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼が駐屯していた鄒山から退いて合肥を守ったと『晋書』『元帝紀』にある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 783 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:23:16.03 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年10月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 琅邪国内史孫黙が石勒に降伏! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 豫州の襄城が陥落!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 城父陥落ッ!! ( \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ ) >
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ < 石勒軍が譙を包囲!! >
< ( \__人_人从_人_人从/
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ _) (__
/ __ ヽ ) 申し上げます! (
. ' .ィ゚ ゝ..l  ̄ ̄) ( ̄ ̄
_/ / >'´ ゚̄) 〉 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
Ζ_ i ̄]ィミ、V /
/ にニl `{/ 琅邪国は私の元々の封地ではありませんか!
_/⌒Zィ , └r'⌒! >
〃  ̄ ,_>イ辷ト、>-' ´ 祖約は祖約で何をしているのです!
. -j{ __.. イ::::::::::::;:::::::::::: \
./ )7ィY゚~゚~゚'*。_i::::::::::i\:::ヽ 豫州から良い知らせが何一つ届きません!!
/′┬イー、_ンィ三ミー |:::::::: |、Λ_ノ
,.」 ___ノ / .∠.._ ヾ/Ti ¨´ ノ
- 784 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:24:07.41 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年10月 晋 揚州 寿春】
|「\________\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
|l____V/___l| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨ /
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.: ∨
|:.:.:.:.:.:.: ト:.:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.| 桓宣殿。
レ|:.:.:.:.:-l── |:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
|∧\:{____\|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.| あなたは譙を捨てるなというが、
l:.:.:. 灯⌒ア|:i:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:∧| 私は淮水の線で石勒軍を防ぐべきと考える
|:.:.:ノ 从.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|: /
|:..、 |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
|:.:.:... __ |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:厂'′ ≧ <
|:.: i:.:.\__ ィ|:.:.:./V:/|/{ ≧ 祖約将軍が寿春へ撤退してきました!! ニ=-
\{\{ VW⌒|/ 人_ ≧ ≦
厂{\}_________/ ,ハ , ' /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
({://}: / { ./ | j∧ .i ヽ ヘ
ノ⌒| |/¨¨¨¨\_____{ f /| /‐‐气 ! | .ヘ ハ
\_/| {⌒}i Y { {)/ 、_,, |/- 、 .ム l
.V .r " ・ j' fy } .l V
|ヽ..ヘ ' ,zチ j ヽ
| 个:、 ー. ,.ィ./ / \
人 .l` .ミ≦k/ /、 .> 。..,,_
おかげで滎陽の李矩殿が孤立するのだけど ミh、 .V .「;;;;/ /.: .ヽ\ ~"''〜、、
ミh、 };;;;f ./! / .\`''< 、 `ヽ、
).云.{ /.l;;;;!〈 i |ニニ.\ ヽ< ヽ
,.イ } ./l |;;;;!~ヽ__ ,,ノ.j i \ ヘ .\` ミ < ハ
/ f {.|.|;;;;| .|.|_" ム 、V.} ヘ;;`''ミ < .}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 平西将軍・豫州刺史の祖約が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寿春へ退去したと『晋書』『元帝紀』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『祖約伝』に王敦挙兵から建康を守るための移動とあるが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『晋書』『桓宣伝』には祖約が桓宣の諫言に従わず譙を放棄したとある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 785 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:26:25.57 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年10月 晋 兗州 陳留郡】
,ィ彡
,.,、 /;イ'二x
ィ;fr二x ,、 ,ハ ' イ、廴ハ ,ハ
彡{_i、_メ .| ヽィ=xl ,ィ:べ-;ュハー、 _,.ト、、込ヘ_,. -┐
,. -ヘ┘ート、 ∧i;//,.斗、/: : /‐┴‐トヾ, _≧斗''"ヽ\ _/ 大将が変わるだけで、
|:ヽ: /T二ヾ:、 ィ;∧ ハヾ' /: イv_,、_ 」_iハ,.,.,. 、_ヾミ`゙` ヽ.Xヘ .こうも変わっちまうのか!
i : : 「 !L:斗'ソ { !\、 ー-廴_/_,ソ、エ7゙ ィ彡゙' .: //'ヽヽ',
.!: : :┬-,-'-L,.,.イ; ,. --=-、/;|-‐┤ーヘ\ィィ .:.: /' マ| ',
, -=、.>-廴ィ-/ / _{__,.ノ゙`/: :a:´;、:o: Y\\_ .:.: / `¬ _,イ 〉
_{ ノ_/i二才:o: :i_/,. ´ /イ ./:/; :/: : ヽ:{ ノ\ー ̄ 二 ┴--‐'"<_/
/ 人 ゞ: : :fニ>/ ,/ //ミ \ : ´:/}: : :_:_:」゙:´ \\  ̄i ̄フ´
/ //} ヽ ヘニ//.,ィ/ // 廴 ヽ' L:/ニ/ :.:. 、 \\i_.ノ"゙´ ィ、 、 ,.
./// {ヾ┬r -!ニ i/;';f//i `t‐ ┬f'' /ニ/ ゙ ヽ ヽ-/ ,]:i:i、 ,ノ:i:i:〈
/ / \_! l .У/;';'イ''" ! ヽ 、 、 \_| !こУム 、 ', .:/ イ /:i:i:i:iУ:i:i:i:i:i:ハ
i´ ! i¨ヾ''{;';';λ \ ヽヽ ` ‘,', `¨¨´ ヽ、 i/'" ! ,.、_,.]:i:i:i/:i:i:.:...7ニi:i}
|. ヽ\ ノ;';';八 ` 、_ ヽ\ _\ ヽ | / У:i:〈:i:i:∨:i:i:i:if/~
.} ./´ ̄ ̄./イ/ ,〉 /イ:i:i:i:i:「 ̄ ¨¨  ̄ `ヽ、゙ レ' __/:i:i:i:i:i:iヘ:i:i:〉i:i:i:i:i!
i ハ / r─'" /ヾ;i:i:i:i:i/ /:i:iヘ. | /:i:i:ヤ:i:i:i:i:i:...ヘ〈 :.:.;iリ
ノ _,./ / / ハ 辰¨ ̄ 〈. /:i:i:i/ /:i:i/‘, Y /イ/´ マ:i:i:i:i:}-- 、 ト、\
ノ ノ ヽ { `ヘ. ‘,\ r':i:i:i∧ }:i:/ .i:.:.:i′ jli! ノ !、i / /
.i | ‘, ヽ ハ ヽ { :i:i:i:{ ヽ /:i:i! f:.:.ノ ilil'\ヽ | !ヘ/
i .! ' } .ノ /'┘ :i:i:i:\ 〉 ./`:i:i:' _,ノ:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー これによって、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 石勒が遂に陳留郡を領有したとも『晋書』『桓宣伝』は記している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一方、『晋書』『石勒載記』は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .石勒軍の戦勝を恐れた祖約が寿春へ退いたとする。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ いずれにせよ、祖約の無策・弱腰ぶりが垣間見える記述が目立つ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 786 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:29:19.64 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年10月 晋 江州 武昌】
__r/ / ∧ \r=ミ、_,.ィ!
,.ィi{:i:i/ / / l ∧ 寸ノムイ__
寸j〉/ / { l| ∧ ∨ヾー-'
/ , ___ノ 乂___ ∧ |、∨_〉
rく′ {!/ ∧ l| \`ト、 {`ヽ ゙ 、 とりあえず下邳国内史王邃を
|/ , {! // \ヽ l|-\___|\{ `ヽ、 征北将軍・青徐幽平四州諸軍事にして淮陰に駐屯させて。
/オ ャ===ミ )ノ }イ ̄}ヾ \ !⌒
/ |l | l| 乂__j }ノノ .乂ノイ | l ヽ} |\ヽ それと、北から移ってきた
八 | 八"""" ' """"} | | }ヽ ! )ノ 諸将の駐屯地を決めて監視役を送らないと。
〈 \|∨ | \ r____y u/| ! | } )'
八 |\{个s。 イ jノ| 乂{ノイ 対応を間違えたら炎上確定だぞこれ
/ )八{  ̄>ニニニニニニ/ j/乂_乂
r' < ) Wヘ{ ̄ ̄ ̄ ̄イl 乂_乂`ヽ
Y ムイ | } 从 ノ( / ノ 〉
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『元帝紀』によれば、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 下邳国内史王邃が征北将軍・青徐幽平四州諸軍事として淮陰に駐屯。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この王邃は王敦・王導の従兄弟に当たる人物だ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 政治の実権が王敦へ移ったのがよく分かる人事である
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 787 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:30:04.91 ID:FVciUNca0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 晋陽 行 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○ ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r 【泰山郡】 r'
'´`ー-, ヽ / ノ ○鄒山r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 〇 >
○長安 ○許昌 下邳,ヘ' ヽ
r-v'γ●淮陰ハ_
●盱眙
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 以上より北方から移ってきた
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 諸将の駐屯地を『晋書』を参考にまとめてみた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: まず、淮陰に征北将軍となった王邃、そこから程近い盱眙に蘇峻
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 788 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:31:13.40 ID:FVciUNca0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´●寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ●合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 寿春に祖約と桓宣、合肥に郗鑒が駐屯。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 事実上、淮水が東晋の国境線になった感がある
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 789 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:34:54.76 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年10月 晋 司隷 滎陽】
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\ .祖約め!
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l | 我々を見捨てて南へ逃げ帰るとは!!
\ `ー'´ /l!| !
/ \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ / / ,\/ ヽ
`ー、_ノ 煤@l、E ノ / / /ハ }レi ∧
/ / / / /⌒゙⌒|/{ l∧
│/ / / / |八 l ∧
|/ /| /‐ナ一 /___{ |
| ̄// j/ /_ /` ̄∨ l| l
レ'レ /⌒T `《__辷::ハ / ______ ∨j /
. 〈 V{ {⌒l | / 弌::ノソY´
この調子だと許昌も危険そうね \_人ヽ_」 | / ヽ / i{
| l | | / l|
| |│| ト、 ‐ - ノ l|
| |│| | ` イ | | l|
/ リ│ | 「 / /| l l|
/ / ノ } 人 { ̄\_/__| \|
/ ̄ ̄\ノ\ ヽ_ /| \ \
晋 安西将軍 李矩
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結果、滎陽に駐屯する李矩の軍勢は孤立。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 淮水以北に点在する
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .東晋側の拠点は順次石勒軍に攻略されていく
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 790 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:35:51.16 ID:FVciUNca0
-
○壺関 ト、_ 〇鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-'´○虎牢 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ ○ ●滎陽 !浚儀 ,-、
○洛陽 成皋 ○ `○、 陳留 【陳留国】 / / _,,,_
○ 【河南尹】 中牟○ ○ ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ○密 ,,開封 蓬陂 ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) ●陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【譙郡】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄ 始末の悪い事に、
vヘ - ノ:./ 石勒軍は滎陽の李矩を避けて各地の攻略を行っていたようだ。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 ある時など、
l::\ l /‖::l .河内郡から黄河を渡った石勒軍が洛陽近辺を経由して潁川郡の陽翟を攻めている
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
- 791 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:38:01.55 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年閏11月 晋 首都 建康】
/ / / \
/ \
/ / ,
/ / | ′
/ |
/ / | | | | \
/ イ / | | | | \
/ / | | | | \⌒
/彡} ノ ノ | |\ \⌒
ノ/ | | / ノ人 八 \{
j__ノ}/ j/ ノ\ \ これが私が招いた結果なのですか?
_// ̄ ̄/ ノ{ ノ\{ ̄
__ / / // ―<___/ニ\_
. / / _/  ̄ ̄\ ノニjニニニ\
/ {/ \ __>――‐<ニニjニニニニニ\
{ ノ\ ノ二二二二二二二二二jニニニニニニ∨
/⌒\/ 厂/ ̄ ̄二二二二二\ニニニニ{ニニニニニニ }
{ {__/ √二二二二二二二二\二二{ニニニニ√ニ√_
{ \ }_√ニニニニニニニニニニ.|ニニ{ニニニニ√ニ√ /
. \ ∨ \ニニニ/ ̄ ̄ ̄ ̄\|ニニ{ニニニニ√ニ√ \
 ̄{ ̄  ̄\ }――く_/\ \ニ{ニニニ√ニ/ / ̄
\___ />ー― \  ̄\/\| ̄ ̄ニニニニ厂 \|
{ /  ̄\  ̄\/ ̄\__{ /ニ} )\
\__/\ _/⌒  ̄ >'⌒ \ \ /二二}/(_ノ }
{二二二二\__/\__/\ }二二二}__ ノ
厂 ̄ ̄ ̄ | ̄\ニニニニニニニ厂\二二ノ ∠/}
- 792 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:38:34.18 ID:FVciUNca0
-
\ ヾ、ヽ、 |
\ーゞ `゙ー==-- _ ヘ、 ,、
_ -=ニニ=- _ `゙ミ=- _ | ! ヾ
三二ー―- _ \ `` l| | \
`ミ彡三ニニ三- 、 \ !\ il ` 、
/ "⌒ ミx、 ヾミx、 \,l \ {
i! 拶奚 i} )l|)> |l \、
l| 爬琴 l! ィfア |,;
_ ヾ、___ノ ''" |,;;
~ 三三( ⌒゙⌒) |;
い´^=ィf'゙´ j! /
}{ ゚ij ̄ / /
| ο / / .::
し j! / ク'⌒ / l!
}}i ノ-‐'i X !
|il | / )ノ
ハ | /
}il |冫
/ | /′
ャ'ノリ
ー"
゚ o
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 閏十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬睿は死んだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .享年四十七、
`ヘ:ゝ .' 小/ 諡号は元帝とされている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 793 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:41:58.79 ID:FVciUNca0
- 【司馬睿への評価@『晋書』『元帝紀』】
┏────────────────────────────────────────┓
晋室は紛争に遭い、皇輿は本地を離れて流離し、天命は未だ改まらず、人謀が協力して助けた。
元戎が幾度も動いても江畿を出る事はなく、
計略が各々異なっていたために、僅かに呉楚の地を全うするのみだった。
下に陵がれて上が辱められて終わり、憂憤して謝罪を告げた。
恭倹の徳は充ちていたが、雄武の量は不足していた。
┗────────────────────────────────────────┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ! .『晋書』『元帝紀』は司馬睿への評価に当たり、
∨|:.:.! ノ/i/ノ まず、彼が浪費を好まず、他者の親孝行に感涙できる人物と紹介する。
ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- -- <イリ それに続いて上記の評価を下している
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 794 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:42:52.13 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年閏11月 晋 江州 武昌】
kij
‖iik
i;::;;:;:;l!
,/:;:;:;:;:;:;l!
,/;:;:;:;:;:;:;:"|!//
,/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ / ! ,
_,,.-一'''";:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`ー、_// ,'
ヽ丶\;:ヽ;:;:;:,'/;:;:/;:;:;',/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`ー-、// // ,'
ヽ ヽ_,,..\-─i!i─ ─i|-i-─-!|i、,,,/..,,.//;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`:、//. |i!,|i!_
ヽ.,,,、'.‐''"´ γ⌒ヽ γ ⌒ヽ ``‐/、;:,'/;:;:/;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;``''=ー─、..,,_
.,,,、'' γ⌒ヽ .i i i i, γ⌒ヽ. ゙゙'''''-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`ー-、_
”\.,,,,,, ゝ __ノ ヽ ___,ノ ヽ ___,ノ ゝ __ノ ,,,_ 、-''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/ i /.゙゙'/''-/--‐-i-l !─ --─--l─-i-‐-''i"ーl';:;:ヽ;:ヽ;:;:\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:-−''"´
| i| |! i |;:;:;:;:;:i!i;:;:;:;:;:|i! i;:;:i|i|;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;_,,..-一='''"~´
~``''=lー-、_i|!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,:':、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i!
ii!;;;;;;;i|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.l;;;;`:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i|!
i|;;;;;;;i|!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/,,;;;;;;;;i|;:;:;:;:;:;:;:;:;:,:'
i|;;;;;;;i!;:;:;:;:;:;:;:;:,:'l i|;;;;;;;;ii!;:;:;:;:;:;:,:'li
':;;;;;;i|;:;:;:;:;:;: i|! `:、;;;;;i|;:;:;:;:l!
ヽ;;!;:;:;:;:;l" ゙l;;;;:‖l !
jlk'" klTi
l‖"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 善人ではあるが、英雄としては器量不足といった所だろうか?
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖の活躍で前線を黄河流域まで押し上げたのに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 変に口出しした結果、多くの臣下が死に、北伐の成果をほぼ無駄にした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 以前の懐帝もそうだったが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 側近の言葉のみを信じると国を傾ける例と言えるだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 795 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:45:18.61 ID:FVciUNca0
-
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ; 、 丞相。
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj 皇帝陛下千秋万歳です
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.!
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| | 〈i:i:i/.:.:.:/⌒7:.:〈\.:.:.:Vハi:〈〉i:i:iV/__
レ レル. `.ー--一 ´ル レ ノi:V.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.',:丶.:Vハ:i:i:へi:i}i:i/
<i:i:i:/.:.:':/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:Vハ ∨i:i:i:i:iV
⌒7:/.:.'.:.:.:.:.イ.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.}.:.:',\(⌒
//.:.:i.:.:i.:/ {.:.:.:.:.:.:i /∨:}.:.:.乂 \ __
//:.:.: l.:.:{‐-八.:.:.:. { TT Y.:.:.:..:.:\⌒ヽ〉_
':/.:.:.:.:'{.:.ハ TT_:.:.、∪ }.:.:.:.'.: i.:.:.<\<⌒
. /.:.'.:./.:八.:.Y∪ , ⌒ ノ.:./.:.:.:}.:.:.:.:\⌒\ __
えーっ。 /.:./ィ.:.:.:.'.:.:.:\乂 _ ⌒7:.:.:.八.:.:.<⌒. . . . .<⌒
//⌒}/}.:.:.:./.:.个: .. ′ ィ/.:.:../.:.:.V.:.ハ. . .、 . .\
後を継ぐのって、黄髭の鮮卑ちゃんでしょ? _{. . . . . . ..八.:.:{ィ. .}.:r‐:}≧<_人.:.:.人.:.:.:.i.:.:.∧. .ハ '}. . \__
ノ/. . ''. . . .: .: .⌒乂彡}i:i:i:i:i:i/i:i:八}.⌒ア.:{.:./.:.:V. .}/八. .: 「⌒
⌒7. . {. . . . . .: .: .: .: 彡:i:i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:ノ. . .{.:.:.:.y.:.:.:.ノ. . .: .: 人
ノ.:i. . .',. . ゙. . ⌒).: .:(ニ=- -=ニニニ{ィ:_人.:./.:./. . . . ./. .(⌒
⌒人. . .}. . . . ヽ.:(.: .: .:〉=--=ニニニノ.: {.:.:.:.Y´.:}. . ノ:(.: .人-=ニニ二.
ノ⌒ヽ:ハ. . . .: .: .: .: .ノ〕iト __ -=ニ ̄^7:i.:./.:.:人. . /⌒ V......}.: .: .: .: .:
__ /.............ノ.: .: .: .:ハ.:.:人}////////r‐‐/.:.}:'.:.:/.: .:/---- ___〈.:--=ニ.: .
/ /.... ⌒\(⌒<ニ>彡八///////{.:.〈/.:⌒}/)/..........ニ=--- \=-.: /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ただ、王敦にとっては司馬睿の死は誤算だったと思われる。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 恵帝が生きていた方が良かったであろう東海王と同じく、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .もう言いなりにならざるを得ない元帝の方が王敦には都合が良いからだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 796 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:48:10.39 ID:FVciUNca0
- 【紀元322年閏11月 晋 首都 建康】
,x'" ,z≦!、 ," `` x .|
/ ./////傘s。,_ノ _, sft' 、 / |
,.' ////>'"''マ////////ヘ.V ./ |
,/ /////‐i-/, i}///jメ"''マ/|i.V |
.∠/ .WfY.ix斧ミ ノ///j{ i i ゙V:|i .', .|
/ .,' ,'`マfY.i弋/ソYj//},|__|,i |.!/} ! |
i ,イ ! !.マiリ.| マ/弋/ツ !,i/| | .|
リii| .}! ! .V ! ' //:メ .! .|
____メi:i|_ハ ! |', .| `マ:t:.、 /t{/! /ヾ! .| 私は先帝のように甘くないわよ
Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iリiV:i|V\  ̄ ,.イi.//i:iV i:i:i;i;Σ .|
フi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:├zzz>==<!ヲi:リ:从:i:i:i:i:i:i:iE |
_>i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\-=ニニ-ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ \ |
./=`メi:i:i:i:i:i:i:ニi:i:i:i:i:i:i:i:iフf‐--.{i:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ="-=ニ.ニ\ |
../-=ニニ ~~~~~~ `‘‘‘‘¨´=ノ' `ヽ~=~¨´=ニニ`マ-ニニ\|
´-=ニニニニニニニニニ=-/ - , ./ ~¨¨‘` x..、ニ= ヽニニニ\ , -‐‐- ,
-=ニニニニニニニニ=-/:::|.:ヽ __..ヽ r-、i::ヾ:::::::t:ヘ.ニニ/:..:..:..:..:..:..ヘ
=ニニニニニニニ=-/:::::::::|:.:.:.:.:.: :.`-ヘ r::':.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::',::ヘf/:..:..:::::::::.:..:..:..:..:..ヽ
ニニニニニニニ=-/ {::::::::::::|:.: :.:.:.:.:.: :.:.:.}-'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ:::}:/..:..:..::::::::::::::::.:..:..:..:..:..:ヘ~~~ ⌒ ` ‐
>s。ニニニ=-///| ';::::::::::|::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ.`.<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>':..:..:..:.:::::::::::::::::::::::.:.:..:..:..:..:.ヽ_-_-_-_-_
_-_-_=_~~⌒_`_ー--┴‐‐┐:!::::::.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.`ヮ-=./:..:..:..::::::::::::::::::::::::::::::::.:..:..:..:..:..:..ヽ──┐
_-_-_-_-_-_-_-_-_-_/~ ̄.V:::::::._.x.":.:.:.:.:.:./^マ:.:./..:..:.:.:.::::::::::::;;;;;;:xf" ̄ ̄`s。:..:..:..:..:..:ヽ┐ .|
_-_-_-_-_-_-_-_-_ /i:i:i:i:i:i:i:i:ヘ =":.:.:.:.:.:.:.:.x' ', >'..:..:..:.:.:.:::::::::::;;;;;;/:..:..:..:..:..:..:..:..:.:\..:..:..:..:..:ヽ !
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|'i|i:i:i:i:i:i:i:i:i゙ヘヽ:.:.:.:.:.:.:.{ .,x'..:..:..:..:..:..:::::::::;;;;;;;;;':.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : ヽ:..:..:..:..:..:ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |..i|i:i:r!i:i:i,i:i:,i::ヘ.ヽ:.:.:.:.:.ヘ.,x'..:..:..:..:..:..:.::::::::;;;;;;;;;;;':.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : : ';..:..:..:..:..:..
.| |: :|:i:{.Vi:V ト、i:V ヽ:.:.:.:;イ..:..:..:..:..:..:..::::::::;;;;;;;;;;;;:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : .:.:.:',..:..:..:..:..:.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 新たに即位した皇帝司馬紹は優秀な人物だった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 生母の荀氏は燕代出身の身分の低い女性で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 母方に鮮卑の血が混ざっていたのか、黄色の髭を生やしていたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .彼が皇帝になれたのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ .本人の聡明さは当然として、司馬睿の他の子が幼かったのも大きい
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 797 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:49:12.78 ID:FVciUNca0
- 【紀元323年1月 晋 首都 建康】
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ; 、 .王丞相の使者として、
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i 皇帝用の信璽を献上しますのでお使い下さい。
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.! .ところで王丞相は、
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」 .危急存亡の秋につき、許可を頂ければ入朝したいと仰せでした
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| |
レ レル. `.ー--一 ´ル レ
ィi〔ィi〔 { ィi〔=ミ \
/ :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
丞相殿はお忙しいでしょう? ⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
都の事など手を煩わすまでもないと伝えて頂戴 ':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:i:i\
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i:i:i\
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ
- 798 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:52:30.55 ID:FVciUNca0
- 【紀元323年4月 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(●), 、(●)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 皇帝陛下、一大事です!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- .丞相が配下の軍勢を率いて、于湖に駐屯してしまいました!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::) ゝ __ / ///////> 、 \
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ />、__ ノ///////////ヽ \
///////// /  ̄ 寸,//∧ \
////ミ//// { | }_| |/// | \
,l{//{ V///八/j,ム| j ///| \ ヽ
/ l//| |///// 〉赱ノ| L///| \ \
/ | V∧ノ_く///// |/ | | Vヘ 、 ト--
/ | V// 赱ノヽ/ | | V/ヽ }
なんですって!? : | V/ 八 ' /⌒) | i| V/ |ヽ|ヽノ
{ | /||ヘ .> ゝ- ' |ヘ ハ从 |、|
, /, / | |∧ |>__ _...イ:::::::::::::..レ.、|
| |/ Lノ-.:::::::::::/ニニ(_ノ|:::) 、
):::::/ニ> --===ミニニ\
-=ニニニニ=-  ̄ \ニニニニニ |::::..、
/ニニニニ /ニニニニ \_}ニニニニ |:::::::..
- 799 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:53:09.47 ID:FVciUNca0
- 【紀元323年4月 晋 江州 武昌】
`z__\ヘ{ヘ/ f‐\ ,... _ } />― 、
〃´ . 。zァr{ヘ {. {-― ´ <ミ..`` <ヤf / =- .
// / /ヽ', ', ヽ ヽヽォ\{ ヤ⌒ヽ `
{. ', ,' ア 、.ィヘ∨ i ', ',ヽ} ‐', ィ∨ ヘ
ヘ ∨ :// / ´l i\ . ヘ : l`ノ /ヽ'.}
\\,' ,' ,'-、 .l/ ∧ヘ ヘl l`X ;l : 何故皇太子の即位を止めなかったのです?
f イ { {i_ニ、/ 7 ̄ヘ{ヽ`:} i }.)< } l
{l l ∧',lf{:リ/ .ァfぅ芯x, :,'_Y) ,' ,'l l 今のあなたなら、
|',∧ {:l ` , 乂;ツ´ /7 } / / l | 即位前に太子廃立もできたでしょうに
| ヽ{l _ / / イ / : ,
l ,' ヘ ヤ ) / TXヤ/ l , /
. - l , rヽヘ_ 。s ´ _lゝ ' l , ノ: : : __: : : : >一┓
// . , rゝイ.}_ノ {:::::: ̄::::::::} l / /: :-=ミ:.\\:/=Y=ミイ
,' f i ,,{ lノ/ `''<zzz:::z」, l ´} /:/: : : : : : :\:ヽ 辷リi: :ヽ ヽ
{ l ,: /Y´f `マ`Y\ : ,: /:/i: : : : : : \: : :ハ Y{: : : Vノ
ノ:イ: |: :{、: :.{ヽ:/斗ミ: : 弋}: : :\ _
|: :|i八_\ヽ 伐zソ: : : :ゞイ: ハ⌒
兄上。 |: :|l: : :x=ミ⌒ }ハ : : |:从: :乂
_ |:八: : : :ゞ' 、 _ ' / }: 从/ ーァ:.、_
そしたら誰を皇帝にするのさ? / 7⌒ゝ{ 〉: \个=--- '≦:/< >:i廴_
/ vr{ \: {≧=ー{ニノイ< 弌 ⌒〉:}ミ、
武帝の血筋は絶えちゃったし、 ./ | }八 \ Y/´ > > /⌒: :人
元帝の子供たちは陛下を除いて皆幼いのに , | |\ r'V{/\__彳 < / Y: : : /
/ ; √ ≧=彡く: :rvYr: : :|}へ从{´ /イ }: : ∧
, ; |:i:i:i:i:i:i:iヘ\≧=--=<大> ,/ { ヘソ: :}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 太寧元年(三二三年)四月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦が下って于湖に駐屯したと『晋書』『明帝紀』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 800 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/22(木) 23:57:30.18 ID:FVciUNca0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./●于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | / γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
公安 `ヽ r' | 陛下に僕らの言う事を聞いてもらうのが一番いいのさ |
>'○巴丘 ヽ________________________乂
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .于湖は武昌の下流、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .建康に近い場所に位置している。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .王敦は新皇帝を警戒すると共に、挑発行為を繰り返していた
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 801 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:00:10.18 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年4月 晋 首都 建康】
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ 陛下。
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,'
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/ くれぐれも御自重を
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ /
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/ l{ _ ----
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/ _ zL∠_,へ =- _
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// /二二二二二ヽ \
∨∧_ノ:.:.:.:.:.:\_}:::::☆::::Y' { /二二ニ=-=ニ二二,
,'二二/ ! ヽニニ,
. lニニニ{ l l、 _.}ニニニ, ‘,
}ニニ弋''"l~V ,lニニニ, '
.lマニニ/勹示F''〈ニニニl| | !
, ` イ) 弋ノ" \ニニ| ' l
/l / / \ノ , l l
分かってる分かってる / l ヽ / ' ‖' / 人 _ _ _
l |└ニ=- イ / /' / _ /::l〈::l/://:)
l | ヽ / /レ′ /, /' /:ノ{:::| }/:7':/
|Λ |V ゝ イ /ニ/ //ニl /l_ ノ::::/ノ:::レ'::/'’
ヽl| V|-==≦ニニ//レ /二lノ::::_:::::::::、:::::::::/
∠ニリニニニニニニ|,/二_|:::::::::::::::::::::::::ノ>
_>ニ7ニニニニニニニニト:;__ ,. 斗/>
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、司馬紹は待つ事を知っていた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 以後一年半ほど、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司馬紹と王敦は水面下で暗闘を繰り広げる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 802 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:00:50.96 ID:6brogjYy0
-
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ; 、 丞相は王導様を司空から司徒にしたいと仰せでして。
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj .加えて王導様の揚州牧の職は、今後丞相御自身が預かるとの事
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.!
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| |
レ レル. `.ー--一 ´ル レ
///イ..:..:..:..:..\/..:..:..:..:.`i//∧
/////.:..:..:ミ´ ̄  ̄`彡.:..:..∨/∧
|´ ̄:{:/.:.7´ `V.:..:..}: ̄`|
| |′.:} ` ´ { :..: | |
| _|:..:..:| ^ー┴一^ |:..:..:|_ |
まあ、いいでしょう。 ∨//イ(^} (0 ) | | ( 0) {^):トV/∨
V//}:抓 ┘ 爪:{'///
私が持っていてもあまり意味がありませんし /`寸,ハj≧=-`⌒´-=≦ハノ_,厶
|/ / |/Ti=┬ミ彡r=iTマム \|
|/ .:|.レ ハV∧寸|:..\|
`(>:レ'..:..:∨.:..\j:<)′
\|:.`¨¨干¨¨´.:|/
┌| : :: : ! : ::: :|┐
┌'′`ー‐小─‐'′`┐
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 北来の将兵の帰属を巡って
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 803 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:01:26.91 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年夏 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 交州刺史の王諒様が賊に殺されました! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 広州刺史の陶侃様が賊を平定!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 今年は春先の霜の影響で凶作確定です!! ≦
≧ ≦ l゙ヽ 、 /゙i
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ ! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
. f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
あれ!? ,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
なんだか時が加速していませんか!!? フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
- 804 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:04:00.48 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年8月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 丞相が郗鑒様を尚書令に任命したそうな! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 石勒軍が青州を陥落させたと報告が!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
. f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
もう数ヶ月経ってしまいました! ./:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 太寧元年(三二三年)八月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒の将軍石季龍が青州を攻めて陥落させ、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .青州刺史曹嶷を殺害したと『晋書』『明帝紀』は記している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 805 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:06:27.57 ID:6brogjYy0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 晋陽 行 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 r-'´ 〇●広固 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○ ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r r'
'´`ー-, ヽ / ノ ○鄒山r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ○洛陽 〇 >
○長安 ○許昌 下邳,ヘ' ヽ ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
r-v'γ ヽ ハ_ ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
『晋書』『石勒載記』には、 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
石季龍が中外の歩騎四万で曹嶷を討ったとある。 .ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
広固を包囲して曹嶷を降伏に追い込んでいる (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 806 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:07:08.91 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年8月 晋 冀州 襄国】
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ / 悪党には悪党の報いがある
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// . / >!、; \. > ┼"./ \ , イll|/  ̄/ ! l
.',Y//////////////イ ‐ュ- / / ヽ. \ | ./. / Y// .∧ ! ト 、/\
Zハ/´ ヽ、/ / \ Y/ \ / 从 /::::|/ l. /
Zハ `'< /. > | ./ ,.ィレ-‐!::::/ /ミ/
. Yヘx、 ’ < ∧ /,.fリ) ≪圭| レ' /ミ/
 ̄ ̄Y圭≧x、 ,fzi)_,.-‐<ミ/ l\;;;;;,, 佳l i /ミ/
|圭ミa´ ̄ ,,;;;;;;;;;;ヽ | ;; _ W ̄`〉/ミ./
|圭l} ,. ィ ;;;;;;;;;;,,/ ´ ) \. ̄!ヽ /|\ヾ/
ならば貴様も報いを受けるだろうよ!!! / 寸l}/ / ヽ ..,__ / \| ∨ |. \___x
/ /| / ,.. -− ´ iヽ ≧´ | ./
\ ./ | / イ´ _ , v-‐ } l寸 |\/____
\\L., | イ ∧ {┼ヽ / ´ l レ l \ | /
∧ 寸圭x,/ ’ ヽ、_|__,.. -‐ '' "´ / :/ :| 〉 /
/ ∨ ヾ辻,′ ‘, ,,,.... - / / :! /
./ ∨ { , "´ ∧_/ | / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曹嶷は襄国へ送られ、石勒に斬られた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 807 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:10:28.55 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年8月 晋 青州 広固】
彡:.:.:./:/:.:.:ヘ: !:./:./;,'i^リ:.〃ハミヽ
(::'⌒:.〃:.,:.:i:.::!:./:,:':::::::ト、:!:.:ハ: 彡
彡'⌒'::::, '人从{リ:;{:::::,'/)ノソ:.:.人ハ
く</ハ:.::/ ¨モェ,ミミ;ト^'´く::/:.::/::.:ノノ
{⌒ヽ ハ:、「!;' ^' ; 人ミミ ji:.:,、'’
\ \__ .{:./:ゝ ,:' ^ヾ' ノ:イ/
、 ,..⌒>.、 ノノ::,’:i _ `"ラ^ /:;':ノ 曹嶷の兵は生き埋めにしてしまえ。
> ' 入 {;i!:.:} i:、 "-=:,':、 ,.::,.:.’
_,ィ' ./ ,:⌒ミV:.:.:! i イ/{ .青州の郡県への見せしめだ
_,...ィ' ィ'´ / \| \ イ .ィヘ
,. '" 人 __,.-==ヘ_/ _,. \__}:::::.""´ .ij iト-- 、
/:::: 'ー=/ハ人_¨'⌒,ノ、 }\:.:/ ィ' /ハ. \__
;:::: -=< ̄::'^¨¨:'-‐ミ__ __ノ ノ }-v' ´ // 、
⌒"""""""ゝ \ _, ' / ハ\ /.::.:.:.:. \
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
はいはい。 .| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
いつものやついつものやつ \ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曹嶷配下の兵三万は坑に処された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 808 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:12:24.80 ID:6brogjYy0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 待てやコラ。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ .俺は青州刺史として赴任してきたが、
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 .ここで民を皆殺しにするなら、俺は帰らせてもらうぞ
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ノノイl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;/从;;;;)从从之
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: 之三;;彡;;;、l|;;|;;;lイ/从ノ;八;|llYイノイ/;;从从ニ<
/イ/t=;;;;;ミィ;;;;;;;;;;;`ミ;;人ィ''彡二二ミ゙'、j;;jj;;ュ;;;、)
((/;;|lヽ;;|、'''ィ,t;;ッ=、;;;j人;;;ィ:;ミッ;ラニ' イ;;;/ l|;;lト
゙之;;;'、l|;;゙, ::、` ̄´´":|"ン:::::::::'''イ:.. リ;イ),r';;之ー
{彡;;;ヽ;;;',::::::... ::::|: リ:::: ゙ イ;/ノ;;;;゙l|
誰かと思えば劉徴か。 ゙|/;;;;;;;|゙:',:::::: : : ::; 、j_, -、::: イ;|゙/;;;l从
ノノ;;;;;;|:l|:', :::: : :::`゙'ー '´" ,':::l|/;从`' 、
だったら、いくらか民を残しておいてやろう。 ,, 、-ーz''"イリ|l|::|l:'、 : ::::::: ,;}、 / :: ゙l、从l|',::ヽ
''" ,、 '":/ /|::}}:::ヽ ::::::r'二゙゙'ヽ , '::: :: ::l|彡 ',从
ここに留まって青州を統治しろ /イ::/:: ::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""'' , ':::::: :: ::}::l|彡::: ll||
/"://::/ ::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ /::::::::"} }:::|彡 ::: |||
ノ//::/ : ::::ミ/:::::リ :}} ::`---- '´ :::::" } }:::|彡三::|}
/:/::/: :::::/ ,,イ ::::::\:::ー '´ :::" :::|彡三 l}}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石季龍が曹嶷配下を殺し尽くした際、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 新たに青州刺史に任命された劉徴が異を唱えた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ そこで、石季龍は男女七百人を留めて劉徴に与え、広固に駐屯させた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 809 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:14:52.90 ID:6brogjYy0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l いつまでも流賊気分の抜けぬ御方だ
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| | 俺は他の郡県を巡ってくる |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ヽ_______________乂
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
劉徴の旦那も大変っスね。 .| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
昔なら率先してヒャッハーしてたのに .\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ツッコミ所しかない逸話だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、曲がりなりにも劉徴の言い分が通ったのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼が石勒が挙兵して以来の古参だったからと思われる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『石勒載記』には、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒の「十八騎」の一人として彼の名前が見える
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 810 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:16:11.62 ID:6brogjYy0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ | それはそうと、
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | / こんな所に城があったなんて初めて知りました。
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄ .広固なんて地名聞いた事ありません
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
なんでも曹嶷が築城させたらしい。 | ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
「大きな谷の広がりを固めと為す」として広固と名付けたとか。 ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
要害かつ海にも近い交通の要衝なのに目を付けたのだろう /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 以下余談。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この逸話の舞台となった広固という地は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 曹嶷が割拠した後に臨淄の東方に築かせた拠点である。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 臨淄に代わって青州の中心地となり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 五胡十六国時代に何度か争奪の対象となった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 811 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:18:16.35 ID:6brogjYy0
- 【紀元323年冬 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 丞相の兄の王含が征東大将軍に任命されたと ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 都督揚州江西諸軍事も兼ねるそうだ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 案の定今年は飢饉になったぞ!!! ≦
≧ ≦ l゙ヽ 、 /゙i
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ ! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
. f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
また時が加速し始めました! /:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
- 812 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:18:59.70 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年1月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 丞相が会稽郡太守周札を討伐するらしい! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ すでに周氏一族の多くが殺害されたそうだ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
ええっ!? . f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
周処様の御一族じゃありませんか!? ./:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この頃、王敦は右将軍・会稽郡太守周札の討伐に乗り出した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 813 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:20:29.39 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年1月 晋 揚州 于湖】
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ; 、 丞相。
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj 周札の勢力が強過ぎてゆっくりできません
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.!
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| | _ /:_:_: : : : : : : :''゛ : : : /ヘ : :>、
レ レル. `.ー--一 ´ル レ {i:i:i:ヽ_:/i:i:i:) : :''゛ : : : : : :/⌒ :∨ : : :\
>i:i:iJi:i:i:i:/: : : : : : : : /: :/: : : : : : : ',.:|
//: : {i:i:⌒/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i '. 、
{i:/: : : |i:i:i:/: : : : : : : : /: .,:__,: : : : : :/ : : :|: :', 、
{/: : : : |i:i/..: : : : :/: : ,,:.,;_:/|/ | :/: : :/ト、 : | : :', \
/: : : : : l/: : : : : :/: :.^兀ぅ_ミ:/ : : / |/: :| : : ' \
/ : | : : :.//: : : :/: :/ ゝ八ツ |/笊示ミ: : : : :', 「 ⌒
. __ /..: :.|: : : : : : |/:// : :| .じ几: : : : : : ', |
殺すか . \ // |: /: i : :/ |: : : : : : :|. ` Λ: /: :/Λ',| ___
. \/ .|/ |.:/ .|: : : : :../| ャー ,ァ ノ: ∨.|/ : :.「 ̄ /
―- 、\ l/ |Λ :/ / \ ― ,. <: /: : : : :|Λ| /く
/ /| / /..:_:.:> < |/ |: /| : | | <⌒
/ / /イ「ニニ]> |/ .|: / >
⌒ _ /|'''"´ ̄ ̄ ̄ } .|/ <
> ⌒\ ノ|/{_ } \``〜、、
⌒\ <⌒___}_ \ ⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 先に王敦側へ寝返った呉興郡の周氏は、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一門から五人の侯を輩出し、呉の人士の中にあって貴盛を誇った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ところが、強くなり過ぎたためか、王敦は彼らを深く忌み嫌った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、王敦の側近である
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 呉興郡出身の銭鳳・沈充は周氏一門を滅ぼすよう主に説いている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 814 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:23:18.59 ID:6brogjYy0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 実際に討伐に当たった沈充も
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 周氏討伐に乗り気だった様子が『晋書』『周処伝』に見える。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 加害者と被害者双方が
∧\ マ三ソ| \ 呉興郡の豪族なあたり、土地の利権争いも絡んでいたのだろうか?
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
,.,-‐‐-、fニト、
/ 、 ヽ 寸Y、
. / ,'」_ j__l 八Vヘ',
ノ! {くV、__ノKレ! ノ K}ヘ!
ーハ`┃ ┃イ 「フ~フノ
今、江東の豪族で強大なのは周氏と沈氏で、 八 、__, ,|リiヘXヘ
後世、双方の一族が静かにしていられるとは思えません。 `!i=ァrァ<リ┘゙<__|!、
ノj/V7//ハ ヽl| 》、
周氏は強い上に俊才が多く、先々国家を保つ事を考えれば…… {, { !|只! /{ 〉 jハXi
77| ! ゙ヘ「‘, {{ Yノ!
ノ7_ト、ィ__」二!_ {{ .Kj
〈7」_|_|__|___|__|」j、_〉 l>Vく
- 815 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:24:42.82 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年1月 晋 揚州 呉興郡】
>我気 \__人_人从_人_人从/
.vァ"f彡 ''"~ア" ̄~"''*、 _) (__
,zェf ト // ./ -\ ) 沈充ッ!? (
,.イ ̄{ {./ ,.' ,.' ./ / ヽ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
v:セ彡" .l./ィ / ./ -=ミ/! j } ハ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
f斥\ _,./:/ ≦ィ .メ.f ! .f 川ヾ.!\ .ム ル...}
,..斗≧\\/:/ /.彳チ '",|ハ .|f斧沁v } /_ /./ .l!
__ >''" `f::fミ < __ ∠j ..Vヽ 〈! N弋;炒 / /./Y .ハ
Yr -/ _ ,,,, .../:/=≧‐-<" .ヾl` { .{ /沁.}// ム ゞ あれが周氏の邸です!
.{:ヽ/ ,.イ"/,〈气ェ_シ ___ ノ ヘ.! ゝ' ィ //
介 ミ< / { /.ハ.乂 _ メz≦ ̄~~V j <ァ _,.ィ.|ゞ、{ .てー!!
\ >`==-ァ'∧''''マi Y , ィ"/ /ニニニニニ\ ./ヾ ー ≦ 八.ヽ ``
`:.、 .// ヽヽ \! ,.イ::::, ' !f /ニニニニニニ}-.ミ}ヽ\ `'' ミ' <
`'(/ .ヽヽ \\:::fニVニニニニニニVi::::/:::::::Yヾ 、 .`: 、\
ゞ>s、 ヾ 、 \Y!ニム斗セ='xニ!::V::::::/ハ ヘ ヽ ハ Y \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
>s。._`''<ノlニ }:::::::::::::::::::::::Yミ:!,ィVニ,ル .} Y } } ) >
.,zヘ_ ゞz≦クニ!ニム..r ''""'x:::::f `斥 Ο./__ } .} /// < 血迷ったか!!? >
., イ/:::: ̄三V __,,.{ニjニ.ゞ,ム ∧j| \ヘxマハ V/ / "" < (
../;/:::::` '' ミ::::\:マ=-、 _x≦-/..lニニニ.V /'''ケ .ル,》 \ ハ V ,>''Z=.、 /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/;;/::::::::::::::::::::::::`:..、\v_,斥~i:i:f:f..fニニvニニ.V :. ./''" .メ「 ..ム..斗セ,.ィ"~ .`ヽ、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦がいた于湖と周氏の本拠呉興郡で周氏の面々が次々と誅殺された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 816 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:27:15.19 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年1月 晋 揚州 会稽郡】
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
, ゙: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : 、:≧ <
/: : : : : : : : :r: : : : : : : : : : : : : :≧ 沈充の軍勢が攻めて来ました!!! ニ=-
// : : : /: :/:/|: !: !: : : ヽ\ : : : : ≧ ≦
ノィ: : : : ,': :/:/ {: !: ! : : : : \\: : :/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/ _! l | : i: /l: l 、:、:ヽ: : : : : :ヽ ヽ: : : :l: : : :!
´ ! l |: :ハ:! !| ヽ: ヽ、丶、: : 、: :、: :、: i: i: :,'
/|l ハ: トl{弍ト 、 い \ _>ミ、:ヽ: ! ! ム/`ー 、
,  ̄\/ ! l′ハ:l`トゞ=癶ミ=〈゙\く弌ィぅかミl: i i/ ! ヽ_
/ ヽ ! ゞト  ̄ ! ニ=='- i/i/) 丿 ヽ\
/ ' ‘ vハ i /, /| i ヽ
j,ヘ Vハ vヘ /} ,r 1 | | | 結局こうなるのか
ノハ ’ vハ v:ヘ ヽ{ ' , ':i ! | | |
/´ Vハ vハ V/>、 ⌒ ー==ョ /:::::! ム ‘ | '
, Vハ vハ  ̄V//:>、  ̄` イ:::::::::// / / /
. / Vハ vハ l////ゝ--‐ ´::::::::::::::〃 /l / /
f⌒ヽ Vハ { ム  ̄ ̄ ̄丁丁丁¨ ̄ / ! / , ヘ
| \ vヘ , ヘ {>、 `ー―――} ナナ ニニィヽ // ̄[//「 ̄〉
! 、 vヘ l ヘ } 「 ̄ ̄ ̄ ̄{ ̄「「 ̄ /厂 /「 厂/
‘ 、 \ ! Vー┴―――‐十 ナナ  ̄ ̄ j_// / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 続いて沈充は周札が郡太守を務める会稽郡へ進軍。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 沈充来襲を知った周札は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 配下の兵数百を率いて防戦を目論むも、兵が逃走した末に殺された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 後年、彼の名誉は故吏によって名誉回復されるが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この一件で呉興郡の周氏の事績は史書から途絶えた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 817 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:29:29.55 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年5月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 丞相が養子の王応を武衛将軍に任命したぞ! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 王含は驃騎大将軍に昇進らしい!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
. f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
官職が王敦派で占められていきます! /:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
- 818 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:30:00.17 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年6月 晋 首都 建康】
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 大変だ!! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 陛下が于湖の丞相の軍営へ偵察に行った!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 無事逃げおおせて戻ってきたそうだ!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ __
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ /
. f三〃:::/ノ |:;::/ Uヽヾ::::弋!l三三ゝ \
,.ィ\{イ::! ◯ j;ノ ◯ .l::::人::!;三/ヽ、  ̄ ̄
はァッ!!? /:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::/⌒ヾ./:;ハ uィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
- 819 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:32:09.02 ID:6brogjYy0
-
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,' だからお止めしたのです。
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ / 王敦側の兵に捕まったら全てが終わりでしたよ
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// __/:.:.:.:.:.:.///≧s。、 ~''<
∨∧_ノ:.:.:.:.:.:\_}:::::☆::::Y' { ‐=ニ彡〕、__ノ//><//)h、 .∨、、
,‖.////∧//i{ Y/∧ .∨))
/‖/ゞ''''ヾ,∧/i{ 从、 Y/∧ .∨
ノ:.:i{/i{:.:i! i i.∨ v乂リィ≦カ弋__i}、 .\イi〔
从:.i{/i{、 i 从_|/∧//杙ツ i 从、i\__≧_
馬糞に水をかけておいたら、 __リi、从:.从:.{ィ≦カ<ノ ノリi } ∧v:i:i:i:i:i:i:iフ
敵の追撃は止まったから問題ないでしょ。 ∨~~~~ヽ)ミh弋ツ 、 /从ノ~~´ヾ,:i:i:i:i:i:i:iヽ,
ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYヽ, ィ ア ノ从ノリ从:i:i:i:i:i:i:iイ廴
それはさておき、収穫はあったわ フ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、__/ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂
≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、、_ノ',:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:リ
フ~~~~~~""'''<:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}__ノ{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iア´
/-=ニニ二二二二~''<:i:i:i:i:i:i}、ニニ`~ヾ))_~~~~´{
/-=ニ二二二>''~~ヾh、 ~''<リ ニヽ,ニニニ《、_》 ニih
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 太寧二年(三二四年)六月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦が挙兵して建康へ向かうと
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 密かに知った皇帝司馬紹は自ら駿馬に乗り、于胡の王敦の軍営を偵察。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 王敦が五騎の騎兵に皇帝を追わせたが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 馬糞に水をかける事で追手の目を誤魔化して逃走に成功している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 820 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:33:27.49 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年6月 晋 揚州 于湖】
、*≦/:i:/:i:i:i:iヽi:、ミ、
_ ._,彡/{弐:i:{:i:i/}:i:i:}:i:iヽ= 、
ixX _丶 /:i:/:{:i:il:iメ,_}从}:i:i}:i}⌒
 ̄〃 `,ゝ───../:i:/:从:i:{芍 }'伝:i:ノ:i} 陛下は僕を討つつもりだ。
‖ i: : : : : : :..__r'∧从:i:i:i{ _' 从:i}:i:}
i: : : : : : :{:<' ´ }从:{>≦ゝ'l从:} どうも温嶠が色々と知恵をつけているらしい。
i: : : : : : :.ヽ´⌒) 〈.ヽ‐t┐ 豸 7
i: : : : : : : : :.}-、 ≧_ ゞ=彡{ 〈 / こんな時に動けないとはね
i≡≡≡≡≡--O/ニ-{彡< ’, ≡ニ==、、
il__  ̄ ̄`,`,: :.彡''_っ:i{≧s。._、.─ ‐‐ _i i
il ─ ‐ _i i: :._}.{<{:iー<彡ハ.: : : : : : : i i _」L廊」{: : l/ ∨ ヘ ∨
il l: :.ニ {彡ヘへ:i{\ ,.*ヘ.: : : : : i i r ニ >  ̄ マxヽ :l ', ∧ ∨
il l: ==≦<⌒><k ゝ. ヽ. : : : i ャ. ', i/ ヽヽY ' :, ii
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ .\_< rハ.{ ヘヽ:, :, ll
| 王敦は重病よ | >., / ∧ } > ∨: , j
ヽ__________乂 .// ,。′ X\,' 匕lヾ`_ヘ: ',j: , '
,' /// l {∧ : '斧⌒' l :ヘ}l
{,' .// .l ∨ ヽ{ /'ヒ;リ ,, }.i :l>l ',
これはお家の一大事。 f/:l l ',f笊ヽf ,'/l ,:l/ | ,
{ :, {', ヘ',ゞ',,` j /,リ .l ,
私が行ってきましょう \∨ ヘ ∧ ‐ ^ , ゝf .l ,
\ i \ャ。ヘ s。. / { _. .- ァ ,
l } |  ̄ } /: : :/ \
| : :| /:7へ/: : : :/ ', ,
i :: i/: : :,': : /: : :/ }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『王敦伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦は病が篤くなって兵の指揮ができなくなり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 兄王含を元帥とする三万の軍勢を建康へ向かわせる事にした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 間の悪い話である
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 821 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:35:01.28 ID:6brogjYy0
-
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ; 、
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj 勝った暁には天子はどうされるので?
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.!
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| |
レ レル. `.ー--一 ´ル レ _r─-.、__
「> \ \ ``ヽ
/ ヽ.トv'´.:.:Yi⌒ヽ _
/ / ハ .|| }.:.:.:.f{:\:.:∠
レi .{ /⌒, }| └=ァ:| 'ー=ミ:.:.\
lハ リィ=、',|| .∧〈.:{ ヤ⌒
ヽ{┃ |j/ | ハ.:\ ヽ
まだ南郊の祭祀も終わっていないのに Y | / 丁 ゝ、ゝ
天子なんて称するのがそもそもおかしいんだ。 . 人 ワ | ./∨ヽ八.| ̄[[[[l
r‐┬ー-|/x‐、-! │ |
戦が終わったら、東海王と裴妃を保護しよう 弋廴__/ >! │ |
┌‐┴─┴'─┘ |
r| / ̄ ̄\ |
_|_| ./ V.|
(_| .l l.|
/ ___.ハ / |
◎′  ̄\__/ ̄
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この際、王敦は配下の銭鳳に東海王と裴妃を保護するよう命じている。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ここで登場する東海王は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿の三男で東海王司馬越の家を継いだ司馬沖の事を指す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 司馬紹を廃立する覚悟を固めたのだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 822 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:35:47.34 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年6月 晋 首都 建康】
r‐‐ __
人 _ -=アニ≧s、
∧_/=≧=‐ハ ` 、
/r‐{ニ( / ニ}i、 \
i{=i {ニニ ィ匁>Y \ \
八i〉<iト、7 }__}{\_,厂(⌒
i{ V^\ -ァ ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i(___ 王導を大都督に任命するわ!
八_ノ}\__jぅ彡':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:(__
⌒(:i:i:i:i:i:i)厂ア^~~゚^ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:iミ) .王邃・祖約・劉遐・蘇峻・陶瞻は、
_Y⌒Y=/-‐=ニニ〉iハ:i:i:i:‐=≦、 / .建康の防衛に帰還するように命じる!!
/‐=|‐=r‐━━v^Y}__,厂____ ‐ニV ./
___{‐=/⌒i{爪爪爪j≡≡≡)厂)ニニ∨ /
__-- ‐─━━(_(~~) 爿爿爿_厂ノ~~~~゚゚^ ‐ニニニ∨ /
-- ‐‐─━━‐ ̄ ̄ _‐=ニニ厂 ̄ ~~~~~~´/‐=‐∨ /ニニニニ∨,
_‐=ニニニ}‐‐‐‐‐‐(____,/‐====‐∨ /ニニニ==‐_
/‐=ニニニニ}‐‐‐‐ -‐=‐ \‐===‐ V ./ニニニニニニ==‐ _
i{‐=ニニニニ人_/ ‐/⌒⌒j }h、‐=‐ ∨ニニニニニニニニニ==‐ _
l{‐=ニニニア゚ (厂~ア゚ ‐ ⌒⌒}ニニ}h、‐‐ /ニニニニニニニニニニニ==‐ _
八‐=ニア゚ ‐=ノ\/‐/\ ‐‐/!ニニニ}h、‐!ニニニニニニニニニニニニニニ==‐ _
}‐ア゚ ‐==/⌒Y\ ‐‐ ヽ,/‐}ニニニハ|ニニニニニニニニニニニニニニニニ=‐ _
}7 ‐===7 Y‐\ ‐‐}h、}ニニニ==|ニニニニニニニニニニニニニニニニニ==‐ _
_7‐=r‐=7 Y‐‐i}h、‐‐(\ニニニ=|ニニニニニニニニニニニニニニニニニ=‐: : : :\
_7 ‐7゚"'+、 ∧L‐‐‐‐}h、Yぃニ===.|ニニニニニニニニニニニニニニニニ=‐: : : : :. :.\
_7‐ 7:i:i:i:i:i:i`:、 /‐=Y‐‐‐‐‐‐ Yぃニニ!ニニニニニニニニニニニニニニニニ=‐: :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 一方の司馬紹。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 平北将軍王邃、平西将軍祖約、北中郎将劉遐、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 臨淮郡太守蘇峻、広陵郡太守陶瞻に建康への帰還を命じている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 都の防衛のための帰還命令と『晋書』『明帝紀』は記す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 823 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:36:51.82 ID:6brogjYy0
-
__/:.:.:.:.:.:.///≧s。、 ~''<
‐=ニ彡〕、__ノ//><//)h、 .∨、、
,‖.////∧//i{ Y/∧ .∨))
/‖/ゞ''''ヾ,∧/i{ 从、 Y/∧ .∨
ノ:.:i{/i{:.:i! i i.∨ v乂リィ≦カ弋__i}、 .\イi〔
从:.i{/i{、 i 从_|/∧//杙ツ i 从、i\__≧_ いつまでも愚かだと殺すわよ。
__リi、从:.从:.{ィ≦カ<ノ ノリi } ∧v:i:i:i:i:i:i:iフ
∨~~~~ヽ)ミh弋ツ 、 /从ノ~~´ヾ,:i:i:i:i:i:i:iヽ, .王導
ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYヽ, ィ ア ノ从ノリ从:i:i:i:i:i:i:iイ廴
フ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、__/ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂
≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、、_ノ',:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:リ
フ~~~~~~""'''<:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}__ノ{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iア´
/-=ニニ二二二二~''<:i:i:i:i:i:i}、ニニ`~ヾ))_~~~~´{ , ´:::::::`ーァ
/-=ニ二二二>''~~ヾh、 ~''<リ ニヽ,ニニニ《、_》 ニih __/´:: ̄::~::::::::::::::::::::: ̄ ̄乙 ―
| ̄::::::,-、:::::_ - ―‐-- 、:::::::::ミヾ.、//
ヤーソ::_/ ヽ`´ , -― ´ ゙ヾ、:::::::::::\/
ノリ゙,!:::/ _. _ 〉〈 ,z-―‐ - 、 ~ミ ヾ:::::::::
/;:;:;:;:;〉:::Y,´‐ 、` iヽ/ / ァ. ⌒゙ 、 }::::::\::::
/;:;:;:;:;:;:;:;~|ζ ● ゙i / ソ ヾ ! ● i ヽ_|:::::::::::::
ジャンヌ . /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!λ_ _ ノリ,_,/ ,〉.ゞ__ zシ |:::::::::::::::
全ては陛下のために! /リ//////////'゙i  ̄/え_N゙7 ゙\ |::_::::::::::::
. /リ/////////// | ´ ___ ` 刎:::::::::::
. ,リ/////////////ヾ、 圷ニニニニ`ァ / _) ,!:::::メ从
. i////::;:;:;:;:;::;:;:;:;:///ハ マ::::ァ´ ̄`丶ソ ´ ._ム_ツ´/、|リ
. |//;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ノリネ ルー―‐zシ´ / W ノリ |/ ;:;:
. |;:;::;:;:;;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;;:| .弐 ` ̄ ̄ ´ xク´ / ゙ミ| ;:;:;:;:;:;
ヤ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| 爪 / /_/ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
- 824 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:37:48.83 ID:6brogjYy0
-
/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| /
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ/////
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/ あれは信じて良いのか?
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
晋 中書監 庾亮 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
王導殿が大都督になった方が揉めずに済むというか -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建康防衛の責任者、大都督には王導が任じられている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ただ、実際にあれこれ動いていたのは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .皇帝司馬紹の側近となった温嶠なのは『晋書』の各所から読み取れる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 825 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:40:19.33 ID:6brogjYy0
-
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,' 郗鑒殿。
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ / あなたの協力がなければ、ここまで来られたかどうか
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// _.。s≦::::::::::::::::::::::::::::::::::≧s。.__
∨∧_ノ:.:.:.:.:.:\_}:::::☆::::Y' { イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::--ュ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::/::::::/}
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::/::/:/:::/:::/::::ヾヘ
/彡彡彡彡彡彡彡ノ::{::::::/::::/ク::::/::ィ:::ヘ::/:::::::i
ノ彡彡彡彡彡彡彡彡::|::::/|::/ |::/|/_|:/ .マ:i::::i!:::|
く彡彡彡彡彡 '⌒ヾ彡∧/ .レ ,, i!.´刈{、 :.|::i!:::j!::|
何。 ヾ彡彡彡ノ{ ζ 彡 ::} :.ィェァ-ミ>.j ハ/ j/
}彡彡彡ノ{、 ) レ ,. _...:: ごシ:::(
王敦とはそりが合わん .}彡彡彡ノ:入 , , , , ト _,,.ィ , }
}彡彡彡''" `ヽ} ; ; ; ; j!; .イミー, ,と .|
/''"___ メ; ; ; ; ;::{:; { ゝ、_`ゝ '′
{~ ` ー- -―'''′ ⌒ ヾ; ; ; ;{::j{ ; ; ⌒ヾニ'′
r'´ !、 ≧s。; ; ; ;`ー _ノ
イ} `ヽ、; ; ;キ
{ ` く_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『蘇峻伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 尚書令の郗鑒が建康防衛に蘇峻・劉遐を召す事を提案した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『郗鑒伝』には、
`ヘ:ゝ .' 小/ 皇帝と共に王敦を滅ぼそうと謀ったとある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 826 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:41:38.97 ID:6brogjYy0
-
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::|::::::|::|:::!
::::::::::::::::::::::::///:/::/j/ハ:イ:::::i!:|゙!|
:::::::::::::::::::::/:::ム:::彡 イ / _,,/イj/:リ .!
::::::::::::::::::::::::/ }Y ::. ヾミノ /
::::::::::::::::::::::/ _ノ :::! :.シ.-rッ }
:::::::::::::::::::/| { ハ :. ヾ:`i ところで、広陵郡太守陶瞻ってのはどこの出だ?
:::::::::::::/ ハ ゝ ::{ .}. |
:::::::::/ ゝィ λ ノこ } .生憎、呉の士大夫には詳しくないんでね
≦'" /; ; ;/; ; ;i!_;_;( ´
`≧s。. { ; ; i!; ; ;人 Y′
ヽ ヽ; ; {; ; ; ; {-'′
__,,.. -‐'''"三ニ=-、; ; }
三三三三三三ニニニ.く / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
三三三三三_ -=≦三∨ /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
三-‐=≦三三三三三ニ≧s。. ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
陶瞻殿は交州刺史の陶侃殿の御子息です。 イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
私も陶侃殿と面識はありませんが Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
_ /{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ちなみに、広陵郡太守陶瞻は陶侃の嫡男だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 父が広州に赴任する際に王敦の属官となり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦挙兵後に広陵郡太守に任命されたと思われる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 王敦が建康の監視役として送ったのだろうが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 結果を見る限り、物の見事に寝返ってしまっている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 827 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:42:17.41 ID:6brogjYy0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 敢えて王敦の名や丞相と呼ぶ者がいれば! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 軍法に従ってもらうわよ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ |:;::/ .ヾ::::弋!l三三ゝ
,.ィ\{イ::! ノ j;ノ `ヽ .l::::人::!;三/ヽ、
(御主人様的には陛下が正しいって事なのでしょうか?) ./:::::::::∧::l ● ● イ:::::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::::/!::/ /::;ハ⊃ 、_,、_,⊂⊃:;:'::::/ |::iゝ::: 丶
ヾ;:' l/ /;ノ ,/⌒l、 __, イ!;:;::':;ソ .ゞ ヾ::ノ
. / /.l l(_)// |;i⌒ヽ ,. ハ
「 ̄"|⌒`y´⌒}| .| ノ∨ `ヽ.
| |゙lニニニニl'/ ̄ ̄ヾ:.:..,,:.:.:.:ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康の朝廷では、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦は名前を言ってはいけないあの人状態になっていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 828 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:44:02.78 ID:6brogjYy0
-
ゝ __ / ///////> 、 \
/>、__ ノ///////////ヽ \
///////// /  ̄ 寸,//∧ \
////ミ//// { | }、| |////| \
,l{//{ V///八/_x-= j////| \ ヽ
/ l//| |///// 〉f_ 炒ノ L///| \ \ そういえば、呉興郡の沈充を寝返らせる件は?
/ | V∧,-_く///// |/| | Vヘ 、 ト--
/ | V//人ヅヽ/ l i| V/ヽ } .あれがいると、
: | V/ 八 ' , -ァ | i| V/ |ヽ|ヽノ .西の王敦に集中できなくなるわよ?
{ | /||ヘ .> ` ̄ |ヘ ハ从 |、|
, /, / | |∧ |>__ _...イ:::::::::::::..レ.、|
| |/ Lノ-.:::::::::::/ニニ(_ノ|:::) 、
):::::/ニ> --===ミニニ\
-=ニニニニ=-  ̄ \ニニニニニ |::::..、 / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
それがですね -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 829 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:45:38.95 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年6月 晋 揚州 呉興郡】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 陛下はあなたが味方するなら、司空に任命したいと仰せだ
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 断わられました |
ヽ_________乂 ,.,-‐‐-、fニト、
/ 、 ヽ 寸Y、
. / ,'」_ j__l 八Vヘ',
ノ! {くV、__ノKレ! ノ K}ヘ!
ーハ`┃ ┃イ 「フ~フノ
. 八 、__, ,|リiヘXヘ
`!i=ァrァ<リ┘゙<__|!、
ノj/V7//ハ ヽl| 》、
{, { !|只! /{ 〉 jハXi
77| ! ゙ヘ「‘, {{ Yノ!
ノ7_ト、ィ__」二!_ {{ .Kj
〈7」_|_|__|___|__|」j、_〉 l>Vく
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『王敦伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬紹は王敦討伐に当たり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 沈充と同郷の沈禎という人物に彼を説得させた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 味方になれば司空に任じるという条件を出している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 830 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:49:51.02 ID:6brogjYy0
-
_、+'"~ ``〜、 ム
.,.+'" / v .`ヽ ハ
/ / / ', ヽ..マ=<
, ' ./ / ., ヘ ヘ:::::マユL_
/ .,.' / / l v ヘ ヘ::::l`` -ミ≦s..,_
./ / / / f ..l V ヘ ヘ::l≧.<,_`` ー'
./ / / / l .i i .l! ..V ハ .ヘl `` -ミ_ォ
/ .,' .f ‖ .l! .! .! ll .l ハ ヘ
,.' .f .!.,'f _,L斗イ .l `'<_.リ !.i .l } .ヘ
,イ l .l.l .l''"~ .l L_lヽ .lv √"'ト ミ.l .! ! ヽ
/ l l! _,z==斥 `` ヾ /_,,,,_ L... l.l j j .ヽ
/ /.∠l ー-k'" ,な心 ヽ ア ,z-ミ < .ケ ハ.个、 \
 ̄ ̄ "" ヘ,VN l ` ''" ̄`` ..:j ーゞ 之 ,,ィケ ./!f ! ヾ_ \ 三公は皆が仰ぎ見る重任。
f rV!\ l {:. / //''l!y .l  ̄
.ハ .|N 个ヾ ./.イメ! -.ム_,.斗、 私が任命されるわけないでしょう
.`l .ハ 、 __,,, __ .,| .| メ'" .,zr Y
.! f。.ヘ ` ー .こ .斗≧''´ ,イl ..|" ,.z≦.ミl j
| | .~.ヘ ‐- ,.イ'''| ..|'" ~``ヽ、Y
| .l l\ / /ム j V
| | .}从ミh、 ,.。< / ム j .,>''''x
| | |:... >。....。r≦ ...::f.〃 /1 .l`` ァ" ,z ⌒N
l | ._」:::::... .....:::: l/ /'.ム j「ア ,z"..,_~"''.マ
l |LLイ...../:!:::::::::. ..::: .{マ.<_./ リ// ``〜、Y
,.斗---‐=V .l............./ー--、:::::. .\......../ /‐-------ミ .V
γz-、..................V |............{_,,.斗 ‐‐-.ミ,'"  ̄ア......../ ./.....................,ィヘ .V
/ ヽ................V |.............l..........................``/........./ ./................../ ヽ .V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 沈充は誘いを断わった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼の言葉を見ると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .決して利のみを求めて生きていたわけではないらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 831 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:51:43.98 ID:6brogjYy0
-
___ n xァ
, '´ `く>fニl
/ 、 寸<ニl
/./ ハ、 i厶 | 、 \ヽ 賄賂と甘言は古人が畏れたものです。
/./レ┼Vヽ、 ト、」` j |_ \‐`',
_/ { | イぅ` ´ じぅミ~j ト、フ\ノハ 丈夫たる者は事を共にすれば、
>‐ァ{ i〈弋リ ゞ' 厶レ/j/\|i} .終始同じくするものであって、途中で道を変えるなど許されません。
 ̄ V ハ "" _,ィ "" ,| |´ |\/lリ
} ト-`ニニ 。イ_ノノ {ノ\l 私がそうしたら、誰が受け入れてくれるものですか
} } /l--/ { |、 {ヽノj
マム/、:::|:/::/ !ハ∨∨ヽ!
マハ `o" jヾ、>、V¨]
/\___/`-、_
/_,ノ ヽ、_/ / ,〉、
|(=), (=/ ´/ /)
| ,ノ(、_,)ヽ./ , ' ´,/
| `-=ニ= 'V __, <´
そうは言うがな。 \ `ニニ´ 〈´/::::Λ
ヽ ー--.ヤ::::::::::::::Λ
王敦に二心があるのは子供でも知っている。 /ム _ , -./V:::::::::::::Λ、
_,. -/:/:::ハ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vヘ
諸将も建康に集まりつつあると聞くし…… //./.:::/:::l y .::::::/::::i::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::i::::::::::::::::::::レ;
i :::r :〈 ::::i::::::::レ .::::::::::::::::::::〉、:::::::::::::::::ノ
i :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
| :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 沈禎はなおも説得を試みたが、沈充は最後まで首を振らなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ただ、沈充は再び王敦に加勢するに当たり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .自身の妻子へ次のような言葉を残したとされている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 832 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:53:03.43 ID:6brogjYy0
-
,. '" , ' i .ヽ ヽ...\マ|llll|'" ヽ
,.' / , ハ ム .\lll| ム
./ ./ , ハ ハN v ハ
f f{ j ハ ハ \ V .ハ
.l.!ィ笊` ハ-‐‐<.i } l..l 入 .ハ
.| \,ィミヾ f. }_/j .メ! .l .j !.|、ィ/!.V l
j .リf;リ "て沁vj/li ム j jzj } \ .} 男子として豹尾の旗を立てられなかった。
/''f.r.:: 込少メ' ム {、 .{/ j! .} ム
` ,,,,, メ_,.ィ.从ル .l 》′j/ .ここへ帰る事はないでしょう
ハ ゝ -  ̄ ./ }イ .ゝ.,_ヽ ./ ノ
ハ __ ./ /リ/ |  ̄ /./
`FT " ~ヽ メ./ jj{ | .f
j | ォ/_,,斗└-ミ .|V ,! ..:<: : : : : : : :`ヽ
f ハ| /,z≦== <:::::::::l ト、jイ! /: : : :_- ⌒: : : ヽ: :∨
{ { }} .〃ニニニニニY\:::ヘ F'^ヾ{ /: : : :{: : : : : : ,: : : ヽ:l
j : ゝzf : : : : : ,ヘ: : : : l}
t__,.ィ: : ィf斧ミ: : :ィ笊うx : : l}
`ー‐T: :| 弋リイ ヒrソ〉: :人
/l:_心 '_ ノ: :个: :〉
父上! l: √l;;l:个., マ__) ィi: :l: : : {
┌l: f l;;l:::l;;/ > < !l: :f´⌒Y
r-l:_‖ l;;l:/;;{ ヽ ‐゛/;l:/ |V
/: :,ィ/ }ト、;;;;;{ , ノ;;;;/ l:人
 ̄ ,' / ゞ==≠≦;;;,イ イ:Y: l
晋 沈充の子 沈勁
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 豹尾の旗云々は
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 戦功を立てられなかったという意味合いだろう。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .つまり、沈充は王敦に義理立てしたが、彼が勝つとは思っていなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 833 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:53:40.05 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 揚州 于湖】
i ,' へ< , /} /
{∨ {∨ , _ /<-l }_ /} / ノ > ´/
ヘ \ ヘ ', f{∨ . ア< ‐/ } ハヽ⌒マイz- ニ> ´ /
\ ` =-ヽ{ヘ\/ / ,. ム ,'/ } ', ∨s。_― <
/´ . ̄ ‐ ヘヽ:}f,,' lヾY心/ : } \ ヽ `` s。∨
〃 / / ` yf : { {´ ´ ∨ ,' .,' `''< ,' }
/ // jf ィ{ : ',、 y , ,'i ィノ } ヘ ー: ̄ ,' .j
,' ( ./ ,'Y 7 i ', X`''_<_./ ///}ヘ ,' ヘ\j //,,,。z<‐-..
. ヘ \ / / Ll:. ヘ{ィ斧心`,'/ ヘ}ぅ芯ァ .j } s。\ />:::::/ `\:',` ‐、 ,.。zァ: :‐: :
. ,\ \ / ',ヽ f :l ヘ '{ 乂ツ 乂リ / .イ ,: } ̄ /:::::::::/ ,.:}i:} /ム≠-: : >
, ` s。<.f ヽヘ( ', \\ ' ムイ:,'/ }>::::::::::::::::::,' /:::リニニニ=ア´
/ :} T`` \ヘ ヘ`` /:マォ ,'..ィ:::::::::::::::::::> .イ::/ ''´ ̄ ̄ 温嶠の罪は許し難し!
| | /fヘ \ ゝ: : ィニァ::::::::::::::::::::,: ´ /''´
,: :l {/ , >. >ニ fエ:::::::::::::::::> ´ / 建康へ進軍します!!
/l | >: . . j:::::::>ゞト/::::::lヤ:::::>''´ .
, li l /: : >s。> l:::::::::::::ヤf 。s ´
/ リl l: : : :/ / ::::::::::::::ヘム ィ=≠~ ̄ ミs。, .
,' ./:´l l:/ -ニ:,' ∨::::::::::::寸ニツ _z=≠{ヽ´ ̄ ヽ
fィ: : :z:l l:=:≠: : { ヽ:::::::z -‐フ 7 ̄ ∠, 、´7 ',
:l: : :z―j l―――:, / : /:::::::::`ヾ \{ j
l ̄ , : X f ∨:::::::::::::::::::::ヘ , /
l , ,: / \ /::\:::::::::::::::::::}l / ',
| ./ , / ` . /:::::::::::::::≧::s。::::::リ ∨
/ , / ヽf:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 七月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦が派遣した王含らの軍勢が建康へ進軍。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『王敦伝』によれば、
`ヘ:ゝ .' 小/ 温嶠の罪状を挙げて奸臣を誅殺すると称していたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 834 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:54:16.28 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ ≧ <
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:-=ニ 王含の軍勢は建康へ進軍中! ≦
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ≧ ≦
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:. /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ <
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! -=ニ 兵力は五万との事!!! ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! ≧ ≦
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王含の軍勢の兵力は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『明帝紀』では五万、『晋書』『王敦伝』では三万となっている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 835 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:55:33.74 ID:6brogjYy0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::|
. | u `-=ニ=- ' .::::::| この調子では、明日にでも王含の軍勢が建康に姿を見せるでしょうな
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
私が書いた手紙を彼に届けて下さい ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『王敦伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王含が建康へ至ると、王導は彼へ手紙を出している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 836 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:58:23.23 ID:6brogjYy0
- 【王導さんのお手紙(要約)@『晋書』『王敦伝』】
┏─────────────────────────────────────────────┓
●大将軍(王敦)が危篤であり、朝廷で王敦の名を出してはいけない状況は悲しく克服し難い。
●悪いのは王敦の腹心の銭鳳であり、彼の奸逆ぶりに朝臣が怒りを募らせている。
●六月の時点で劉遐・陶瞻・蘇峻が事態を憂慮し、王敦の謀に加わらないと決めた。
●聖主(司馬紹)は兄(王含)が不逞の心を抑えて武昌へ帰還し、藩屏として尽力するのを望んでいる。
●大将軍が于湖に駐屯して以来、徐々に人心を失い、君子は恐怖し、百姓は疲弊してしまった。
●王導は国から厚恩を受けたので、武人ではないが恐れずに六軍の大将を務め、忠臣として死ぬ覚悟である。
●恨むのは大将軍が桓文の勲功を遂げず、兄が逆臣となった事で、死後先祖や先帝にどう顔向けするのか。
●銭鳳一人差し出せば、天下は安定を得られ、家と国も幸福を得られるだろう。
●王導が率いる六軍は、既に到着した劉遐の軍勢も含めて五万六千人が駐屯している。
┗─────────────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .内容を要約すると上記のようになる。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ これが書かれた状況を踏まえれば、最後通告だったのだろう
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 837 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:59:01.75 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::|
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || \ \ {. l ,... l } / /
`z__\ヘ{ヘ/ f‐\ ,... _ } />― 、
〃´ . 。zァr{ヘ {. {-― ´ <ミ..`` <ヤf / =- .
// / /ヽ', ', ヽ ヽヽォ\{ ヤ⌒ヽ `
{. ', ,' ア 、.ィヘ∨ i ', ',ヽ} ‐', ィ∨ ヘ
ヘ ∨ :// / ´l i\ . ヘ : l`ノ /ヽ'.}
\\,' ,' 乂_ .l/ ∧ヘノヘl l`X ;l :
使者殿。 f イ { {i__ / 7 ̄ヘ{ \:} i }.)< } l
{l l ∧',lf(サ/ ,,..ニzx、 :,'_Y) ,' ,'l l
お引き取り願えますか? |',∧ {:l ` , ´ 乂;ツ´ /7 } / / l |
| ヽ{l / / イ / : ,
l ,' ヘ ヽ / TXヤ/ l , /
. - l , rヽヘ_ 。s ´ _lゝ ' l ,ア ,
// . , rゝイ.}_ノ {:::::: ̄::::::::} l /イ
,' f i ,,{ lノ/ `''<zzz:::z」, l ´}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 王含は何も答えなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 開戦である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 838 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 00:59:40.36 ID:6brogjYy0
-
__ _
_ ―= ) )
( (⌒ =―  ̄  ̄
 ̄ ̄
1! | i
i|l__il___i! | i | | l|
l| ___ l|i |!__il_l!_|i l|__i!_l|i l! ! |
|l i|l ̄ ̄l|! i|! l|____ i|l li___ li! i|l__il_l!
i|_l|! i|l |l  ̄ ̄ ̄ ̄l| l|  ̄ ̄ ̄`i|_li ー====, /
/' /' /'^7' l|__i! il^i! i^l! </
/ / / /  ̄ /' / /_/
 ̄  ̄  ̄
==lュ、 rl========lュ、
rl=========ュ ヽrl==========lュ 、___ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lュ rl=======lュ rl=========lュ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 申し上げます! >
< ( \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ ≧ <
-=ニ 王敦軍は南の朱雀橋を目指しています!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
- 839 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:01:01.10 ID:6brogjYy0
-
_ ,,、rェ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::! |:::::::::::::::::::::`ヽ、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ i;:::::::::::::::::::::::::::::!、
/;::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/ .i;:::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、_
/,イ'::::;::::::::::::::::::::i:::::/::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::、;ヽ ̄
' /:/::i::::::::::i::::::::_:l::::ハ::i i::::::;:::i:::::::::::::::::::ヽ.ヾ:、
i:ィ::::i::::::::::i::::::/ .|::::| !:! |:::/|::!::::::::;::::::::::i!::i `
i!{:::ヘ::::::::ハ::::!_.W!_.i!__. i>o<! !;/ И::::;r、:::i;::::i !::|
. ∨ハ::::::| キニこ''''ヽ \  ̄`¨¨''' ー/、,,_i!.i::/ |/ヽ:::! .}!
V.,r-、| ,、r\__`ヽ、ヽ i,r ' ,、r''´ ._,,r、`'''‐ 、_/:/ '
!./\| ヽ -={::)テ-ミヽ、ミv .' 、,r-ー''´,、rーヾ、/ミ/
.i ,r〈! .ヽ `ー=ゝ>j i ├=ェ::イこ_ヽ .iー、 朱雀橋を焼き落とせ!
, 、i´¨| ./. `ー-''¨´ '' 三て',\ `´ー '´¨_ |V h
_,r' ´ / !ヽヘ、 i .i ゝ `' ' ¨´ .! i .| .|`ヽ .相手の勢いが百倍だろうが、
_,、r ' ´/ / ∧ヽト -,,,__,,,、、r r- i .i ィ、 ,ノ丿ノ .| ト、 .ここで退けば民が苦しむ事になる!!
./ ./ i |ヽj ヘ !,r'´ ヽ、 i ,r'-ヽ、 ,イ´ / .| ! 'i
/ / | |/ .| ∨┌、 `、_/ \ / /,ィ' .! i .i\
./ ' .!rニ‐、| ! i ヾニ==ェ、、,,,_ _,、ァ i ./ /´,,|_ .| i:::\
/ .!ヽ.ヽ.ヽ ',`ー-==ニ二_フ'´ ' / i'´/`i | i::::::: \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
./ ! K ヽ ヽ、__ ,r' / .`i/ ! i::::: ) >
' | .! i, ヽ r'´`¨¨¨'''i,'´ / /i! |:::: < すぐにッ!! >
.| ', 'i ヽ ` / ,i' /| .|::: < (
.| `| ヽ、_ / ,r'/ /::| |::: /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 戦闘は建康城の南の城外で行われた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康城を背に秦淮河の北に温嶠らの軍勢が布陣し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王含率いる王敦軍が秦淮河の南から攻めかかっていったようだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 皇帝側は秦淮河に架かる朱雀橋を焼き払い、王敦軍の先鋒を挫いた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 840 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:01:39.82 ID:6brogjYy0
-
/ / / /
lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、
∠,,、 -z ,r――― ''" ∠,,、 -z ,r――― ''"
、 '"´,、ィ / 、 '"´,、ィ /
、 '" ,、 '":ツ / |^l 、 '" ,、 '":ツ / |^l
、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡
| ,、 '´ / / `゙^ _,| │ | ,、 '´ / / `゙^ _,| │ |^l
'´ / /l/ .,/,_ | '´ / /l/ .,/,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
// .l_,'" | .| lニ ニ// l_,'" | .| lニ ニl ;‐i `゙^ _,| │
{_,l゙ .〈/!_| lニ ニl {_,l゙ .〈/!_| lニ ニl .,/,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l_,'" | .|
{_,l゙
./ / ./ / .〃 ./.i′ ./ .l゙ i│ │.l ,..‐'ンソ
./ / / ./ .// /./ ./ ,! ./ ! ! .l゙ _/゙,/./
./ ,if゛ ./ ./ / / ./ / .},, ! / .| ! .l゙ ,/゛ / /
ヾ ,ノ/ / ./ .| │ l / .l ,! / l ! .,! .,..‐″,/ /
,./ / ./ / 〃 l./゛ ./ / ! ! ,!./ | ! .,/゛ / ,./
,ノ/ ./ / ./ ノ/ /./,il / / .! ! // .!.,,ト'" ./゛ /
/./ ./ ./ ./ l゙ .! . !.// l / / ! ! !/ ._/゛ _/ /
/ / ./ ./ / // ././ l | / / l│ | !'" _,.. -ク゛ ,ノ〕 .,i
./ / ./ / ./ l/ /./ .| ! / /., / ! /.‐''゙´ ./ .,ノ/ .| .l゙!
/ ./ ./ / ./ .// /./ l ! l ! !| .,! ! l ./ / . | ./ l ,!
/ ./ / / ./ .// i"i′.!.! ./ / ! | | l゙ ! / .,i'" l l゙ .,!i″
″ ./ / / ./ // ././ l ! ./ ./ | / / ! / .ヽ / ,イl゙ \__人_人从_人_人从/
/ / ./ / // ./ / /.! / ./ l ! ! l-'゛ . ゙l″ / | ! .l _) (__
./ / ./ ./ // l / !.l / ./ l ! ,,ノ゛.'、 .,.ィ'Λ.l ,,/ .l゙,! .| ) かかれェッ!! (
,/ ./ / ./ // ./ l !/ / ./ !,!,/ ン゛.l ,! ゙'レ゙ | !.l l  ̄ ̄) ( ̄
/ / / .i′// .i"/ / .!/ / ./ .,ソ’ .,/ l゙.| l .! !.! ! /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
. / / / ./ // l / l゙ l゙.! ./ ./ ,/ ._-l゙ .! ! ! l l l ,! l l .l .!.! l.| .i]
/ / ./ ./ // ././ / .!.l ./ .iシ" .// ! .l゙.l ││ l | .! ! !│ l゙,! .|.l /.| l! /
- 841 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:02:13.26 ID:6brogjYy0
-
__ _____ ______ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
: ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、: ) >
: 'r ´ ..::::::::::::::.、ン、: < 奇襲です! >
: ,'==─- -─==', i : < (
:i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | : /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
: レリイi (◯), 、(◯)::::| .|、i .|| :
: !Y!"" ,rェェェ、 ".::::「 !ノ i | : 朝っぱらから!?
: L.',. |,r-r-| .::::L」 ノ| | :
: | ||ヽ、 `ニニ´ .:::::,イ| ||イ| / :
: レ ル` ー--─ ´ルレ レ´:
\__人_人从_人_人从/ _」L廊」{: : l/ ∨ ヘ ∨
_) (__ r ニ >  ̄ マxヽ :l ', ∧ ∨
) 何康殿討死!! ( ャ. ', i/ ヽヽY ' :, i
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ \_< rハ.{ ヘヽ:, :, ll
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ >., / ∧ } > ∨: , j
// ,。′ X\,' 匕lヾ`_ヘ: ',j: , '
,' /// l {∧ : '斧⌒' l :ヘ}l
{,' .// .l ∨ ヽ{ /'ヒ;リ ,, }.i :l>l ',
f/:l l ',f笊ヽf ,'/l ,:l/ | ,
{ :, {', ヘ',ゞ',,` j /,リ .l ,
思っていた以上に建康の軍勢は強いですね .\∨ ヘ ∧ ‐ ^ , ゝf .l ,
\ i \ャ。ヘ s。. / { _. .- ァ ,
l } |  ̄ } /: : :/ \
| : :| /:7へ/: : : :/ ', ,
i :: i/: : :,': : /: : :/ } ,
l : /{: : : f: :/: : イ ,′ ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 続いて皇帝側は決死隊千人に秦淮河を渡河させ王敦軍を襲撃。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 明け方の奇襲だった事もあり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これを大破して王敦軍の前鋒何康を斬った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 戦局は緒戦から皇帝側有利に展開していた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 842 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:04:19.13 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 揚州 于湖】
、*≦/:i:/:i:i:i:iヽi:、ミ、
_ ._,彡/{弐:i:{:i:i/}:i:i:}:i:iヽ= 、 \__人_人从_人_人从/
ixX _丶 /:i:/:{:i:il:iメ,_}从}:i:i}:i}⌒ _) (__
 ̄〃 `,ゝ───../:i:/:从:i:{芍 }'伝:i:ノ:i} ) 建康攻撃は失敗! (
‖ i: : : : : : :..__r'∧从:i:i:i{ _' 从:i}:i:}  ̄ ̄) ( ̄ ̄
i: : : : : : :{:<' ´ }从:{>≦ゝ'l从:} /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
i: : : : : : :.ヽ´⌒) 〈.ヽ‐t┐ 豸 7
i: : : : : : : : :.}-、 ≧_ ゞ=彡{ 〈 /
i≡≡≡≡≡--O/ニ-{彡< ’, ≡ニ==、、 何をやっているのさ!
il__  ̄ ̄`,`,: :.彡''_っ:i{≧s。._、.─ ‐‐ _i i
il ─ ‐ _i i: :._}.{<{:iー<彡ハ.: : : : : : : i i
il l: :.ニ {彡ヘへ:i{\ ,.*ヘ.: : : : : i i
il l: ==≦<⌒><k ゝ. ヽ. : : : i i
il ::: :.-./}' ハ_ヽ \彡-_┐.ー‐i i
vメメx iーー‐ _ l...≧≦}ノ =辷{ ゞ┴ゝ') ヽ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
xメ キメ  ̄ ̄ ヽ / メ/ メx i i i i ≧ <
v メx . /l l i i\/ll メx i i .i i ≧ お味方は態勢を立て直しています!! ニ=-
キ メx / l l .i i \ ◎ メメ i i i i ≧ ≦
キ メx / l l i i キ \ メメ . ::::::┃/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
キ ◎ メx /ニ l i i. . . .キ . : : : : : :: : : : : : : : : : :┃
キ メx - ‐/_l l.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : :i
キ メメ ̄─‐‐‐l l.| |: ::::' ' 'キメxメx yxメiiii i i
キ メメ !iiiii!==i i ll ‖ メx_i i  ̄ ̄i
キメメ メ xメ‖llli i iーーーィ_ ‐一  ̄‐ー 一 一┘
ilィiilイメ |___i‐ 一一 ̄ xxメ
ゝ!ii!メメ
`xメメ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 緒戦の敗北を聞いた王敦は怒った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 843 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:05:06.10 ID:6brogjYy0
-
、*≦/:i:/:i:i:i:iヽi:、ミ、
_ ._,彡/{弐:i:{:i:i/}:i:i:}:i:iヽ= 、
ixX _丶 /:i:/:{:i:il:iメ,_}从}:i:i}:i}⌒
 ̄〃 `,ゝ───../:i:/:从:i:{芍 }'伝:i:ノ:i}
‖ i: : : : : : :..__r'∧从:i:i:i{ _' 从:i}:i:}
i: : : : : : :{:<' ´ }从:{>≦ゝ'l从:}
i: : : : : : :.ヽ´⌒) 〈.ヽ‐t┐ 豸 7
i: : : : : : : : :.}-、 ≧_ ゞ=彡{ 〈 /
i≡≡≡≡≡--O/ニ-{彡< ’, ≡ニ==、、 .兄上は老婢のように役立たずで一族は衰えちゃった。
il__  ̄ ̄`,`,: :.彡''_っ:i{≧s。._、.─ ‐‐ _i i
il ─ ‐ _i i: :._}.{<{:iー<彡ハ.: : : : : : : i i 兄弟で文武兼備の者は皆早死にしたのに、
il l: :.ニ {彡ヘへ:i{\ ,.*ヘ.: : : : : i i .今、僕まで世を去らなければならないなんてね
il l: ==≦<⌒><k ゝ. ヽ. : : : i i
il ::: :.-./}' ハ_ヽ \彡-_┐.ー‐i i
vメメx iーー‐ _ l...≧≦}ノ =辷{ ゞ┴ゝ') ヽ
xメ キメ  ̄ ̄ ヽ / メ/ メx i i i i
v メx . /l l i i\/ll メx i i .i i
キ メx / l l .i i \ ◎ メメ i i i i
キ メx / l l i i キ \ メメ . ::::::
キ ◎ メx /ニ l i i. . . .キ . : : : : : :: : : : : : : : : :
キ メx - ‐/_l l.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : :i
キ メメ ̄─‐‐‐l l.| |: ::::' ' 'キメxメx yxメiiii i i
キ メメ !iiiii!==i i ll ‖ メx_i i  ̄ ̄i
キメメ メ xメ‖llli i iーーーィ_ ‐一  ̄‐ー 一 一┘
ilィiilイメ |___i‐ 一一 ̄ xxメ
ゝ!ii!メメ
`xメメ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 王敦は自身が出陣しようとしたが、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 既に病状は起き上がれない所まで悪化していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 養子の王応に後を継がせ、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .戦を優先して葬儀を後回しにするよう遺言して死んだ。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 享年五十九
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 844 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:05:43.30 ID:6brogjYy0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 遺体は袋に入れ、外側を蝋で塗って埋めておけ |
ヽ______________________乂
.ィ゙ ̄:::≧s
..z≦ 7 ─ ‐ ァ :、 /::::::::::::::::::::::::::::≧s _,.x=ュ、 __
.ィ'゙ r<_..r≦}《==ァ ヽ=:、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ≧=‐ ≦ ̄ ̄V 丿
ーァ7 /'゙─── <r≦ニ/ r=:ァ _/:::::__ />=───‐{ >'゙
/ `ヽ.ー―=ニ>、,.、,.、_,. - 、_i::/=-x./::、./ /: : : : : : : : : : : ゝ- _ /:/
/  ̄ ̄>ヽii! `ヽ<:::::i! 〉 >_,.、ノ:::}、>'7_》::ヽ. /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄ `ー</: : :i
l -=ニ_ヽ. / 、. Vヽ:::}V`ー' ,.z≦ ̄ _/》′::::∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ゝ . __
j `'< ii! i,_〉/:r=ュ==ュ≦ _ / ` 、=、:∧: : : : : : : : : : : : : z==─ - ..._ : : : : : : : : /
:, /7 >、,ィ゙ヽ= 《/ / 〉=-:::: ̄:ゝ=-√::/::::∧─── ,.z≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=-i{ ̄ ≧
_.z=s、__ z≦ ̄λ=-イλ=< __,.x≦二 》_/:::::::::::::::::::r=z≦7 :::::::∧== -≪:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j!
ャ 三/ `i! 《::::゙k,:::::::::::::::::::::::::ヽ.::::::::::マム:::__:::::__::::i!/ニニj!=ュ、-、∧ `'≪::::>'゙ ̄ ̄ ¨¨ '''' ― i{
`ー── - = ニ _ }!===≪ゝ.::゙k,::::::::::::::::::::_ >=──' '─' '─{二二! ヽ. }ノ=一 ''  ̄ ゝ──
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後を継いだ王応は義父の喪を発さなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦の死は伏せられたまま、戦闘は続行されたわけである
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 845 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:06:19.34 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | : . :.:.:. : . : . : . 、: . : . :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヾ≡=-: . : . : . : . : . : .
> ヽ. ハ | || \ : .:.:. `¨/ ̄`ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\≡=-: . : . : . : . : .
\ :.:. :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.: -―'/:.:.:.:.:ミ=-: . :_: . : . :
Y:.:.:.j.:.:.:、:.:.:.:.l:.:j:.:.:.:./:.:.: ´ ̄ .:.:.:.:.:.:.:.:.ミ: . :/ ハ ヽ: . ,
/: . ;ノ:.:.:.:.:\:.:∨:./:.: ,. -=====、:.:.:.:.:.:.:.:.:.ミ: .:|/:.:.:.:.:.}/:
\: .<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾj/:.:.: // γニヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.j.:.j:.:.:/:i:i:i:
\ハ.,__ ハ /:.:.,′ ゞニノ 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r//:i:i:i:i:i:i
/: . r:、`ヾイ:.:.:.:`¨´:.:.:.:.:.ゝ.,__,.ィ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
|.:ト、ゞツ 〉!.:.:.:/⌒ヽ:.:.j j:.:.:.:.:.:.:.:.:い.:'´ .:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/
∨ /\_,イ:.i:.:.:.:! ! { {:.:.:.:.:.:.:./ ぃ .:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:.::.
. /:.:.:.:ハ } }:.:|.:.:.:.! .! } } } } ,イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:.:.:.:.:.:
′:.:.小.{ { !:.:.:.:! ぃ. { {/:i:i:i:i:i:i:i:i/., :.:.:.:.:.:.:
| :.:.:.:.:.|:∧ヽ.!:.:.:.:! .:.:.:.:.:.. ぃ /:i:i:i:i:i:i:/: : : :`ヽ:.:.:.
|:.:./.:乂jj\ー=ニ − ぃ ,.イ:i:i:i:i:i:i:i/: : : : : : : : : \
|:/: : : : : : : :リヽヽ____,. -} }‐/:i:i:i:i:i:i:i:/ : : : : : : : : : : : :
|: : : : : : : : : : : : \ ---- { {./:i:i:i:i:i:i:i:/: : : : : : : : : : : : : :
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ しかし、『晋書』『王導伝』によれば、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王導は王敦の下にいた同族から彼の死を伝えられた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .そこで、子弟を率いて哀悼したのだが……
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 846 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:06:49.19 ID:6brogjYy0
-
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/⌒|:;::/ ⌒ヾ::::弋!l三三ゝ .どうやら王敦は死んだようですよ!
,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\ うちの御主人様が、
フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶 .御一門を集めて哀悼の礼を示すなんて王敦以外にないはず
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. l||l l||l//`、l l(_)// |;/l||l__l||l/,. ハ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
从 l||l/、 {⌒`y´⌒}'l||l人.∧ノ∨ `ヽ. ) >
( ⌒ )` ‐`lニニニニl´‐ ( ⌒ )´:.:..,,:.:.:.:ソ < 申し上げます! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
全軍の士気が上がりますねと武官Aは王敦の死に歓喜します |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / /
. 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从.
( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ……ここから王敦死亡情報が拡散。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝側の士気が上がったのは言うまでもないだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 847 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:20:51.33 ID:6brogjYy0
-
/
/ / (___
(( /{ /__ =- _ ――一
-=ア '"  ̄``丶、ー ``丶、
{( / \. . . . \ -=/
∨ \メ ∨. . . . . .\ -==/
' | | :| :| .:| :| \ハ. . .\. . . /===/ _ =-‐
___ / | | :| :| / :| \. . . . ./===/ _ =-‐ ¨ <
// / |_ ,: _|_|_八 从斗ミ| |: \/===/ \
// /_ ::::::: i | | 抖宍ミ∨ 乂ツ 》 八:/===/ \  ̄ ̄ _ -‐==ニ ¨
, -v-ミ| | { ≧s。_| | | ∧乂ツ , 八//===/ _ \\ -‐==ニ ¨
. へ⌒i⌒Y Y\ -====| | | \込 _ ノ ' イ===イ-‐= ) )
へ __ 八 }-=7 7へ< |====l八 | | 个s。., __ /〉 /==/ >―― ミ /
/ <>{ 〕 ニ=-‐ ==¬ ( ̄ ~〈トヘ 八:.n : : 斗 ハ i | :|ililiト== / /==/ / \ 奮武将軍蘇峻!
\ / / \::::::::>< \\\:/ | //j从人へilililililil/==// -―――- \
`¨´ / | `¨¨¨´ |< \\_> |__彡⌒\ 7 ̄ ̄/ \__ |:::| | 詔勅により参上!!
7¨¨´|\___,/|< _/ |八.....\/ |/..../ ∨ | | / i |:/ /
7  ̄ |\___,/|< / .: .: |八:. \/ ―< | | / / /
―― |__ /:. |i:. :. :. \ \//  ̄ ̄\\ \__,/\ /
〕ト--- 彡:八:. :. :. :. \ハ /{ Y \\ ヽ:. :.| \___/|
、:. :. :. :/:. :. :. :. __:./ | i \_/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
\:. :. :. :. :. :/ |\ | ≧ <
`¨¨¨¨¨´ l | ≧ 蘇峻将軍の軍勢が到着しました!! ニ=-
|〉 | ≧ ≦
/ Y/ | /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/ / | | }/ //∧∨\i:. /:/:. :.:∧
':::/∧ | / / / ////∧∨/∨:. :. :. /|∧
/:::// \::\ { / ― / //////∧∨_{__//|/∧_∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 加えて、皇帝側優位の流れを決定的にしたのが蘇峻の参戦だ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 848 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:21:23.74 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 揚州 寿春】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| 手筈通り、
. | u `-=ニ=- ' .::::::| 王敦の監視役の任台を追い払いましたが……
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 .あなたは援軍に出向かないので?
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || -─……─-ミ
/:.r_________\ :.:.:.:.: \
ム/:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:. \|:.:.:.:.:.:\
ノ:.ト :.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.|:.l \:(\Χ⌒\|:.:.:.i:.:.:.|:.:.:.:|
/:.:.:.∧{/⌒ 代_チ|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
/:.:.:.:.:./:.∧ィチ ' ' ' |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
そうしたら誰が寿春を守るのだ? /:.:.:.:._______厶' ' 丶 |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
:i:/⌒¨¨|:::::::::人 r .ぅ |:.:.:.|:.:.:.|:.:. ノ
陛下へは断わりは入れてある /________「 ̄rノノ\ /|:.:.:.|:.:.:.|/
{/ / :.:.:.:.:|VW 〕ト イ |:.:.:.|:/
./ /V:. {\ト{________} / |:. /_{__
/ /_ニ=- ⌒} ̄ r{ィ元}\ |:/ -ヘ、
/ \ 7介く__/ \_____
Υ ィ :| . -=V/^' レヘ /¨¨¨¨¨¨¨|
人_____| |-=ニ⌒¨/ / \i「\/ :|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、寿春に駐屯していた祖約は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦が任命した淮南郡太守任台を放逐して旗色を鮮明にした。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .こちらは寿春に留まっていた模様
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 849 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:22:38.78 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 首都 建康】
,.,-‐‐-、fニト、
/ 、 ヽ 寸Y、
. / ,'」_ j__l 八Vヘ',
ノ! {くV、__ノKレ! ノ K}ヘ! 助太刀に来ました。
ーハ`┃ ┃イ 「フ~フノ
. 八 、__, ,|リiヘXヘ ここで負けたら、私たち全員皆殺しにされますよ?
`!i=ァrァ<リ┘゙<__|!、
ノj/V7//ハ ヽl| 》、 .覚悟を決めて戦いましょう
{, { !|只! /{ 〉 jハXi
77| ! ゙ヘ「‘, {{ Yノ!
`z__\ヘ{ヘ/ f‐\ ,... _ } />― 、
〃´ . 。zァr{ヘ {. {-― ´ <ミ..`` <ヤf / =- .
// / /ヽ', ', ヽ ヽヽォ\{ ヤ⌒ヽ `
{. ', ,' ア 、.ィヘ∨ i ', ',ヽ} ‐', ィ∨ ヘ
ヘ ∨ :// / ´l i\ . ヘ : l`ノ /ヽ'.}
沈充殿。 \\,' ,' 乂_ .l/ ∧ヘノヘl l`X ;l :
f イ { {i__ / 7 ̄ヘ{ \:} i }.)< } l
仰る通りです。 {l l ∧',lf(サ/ ,,..ニzx、 :,'_Y) ,' ,'l l
|',∧ {:l ` , ´ 乂;ツ´ /7 } / / l |
決戦に打って出ましょう | ヽ{l / / イ / : ,
l ,' ヘ ヽ / TXヤ/ l , /
. - l , rヽヘ_ 。s ´ _lゝ ' l ,ア ,
// . , rゝイ.}_ノ {:::::: ̄::::::::} l /イ
,' f i ,,{ lノ/ `''<zzz:::z」, l ´}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一方の王敦軍。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 呉興郡方面にいた沈充の軍も合流し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .今一度秦淮河を渡って官軍へ攻撃を仕掛けた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 850 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:23:15.58 ID:6brogjYy0
-
|
| \ / __
| |,/ \/ / / -‐…・・・・・・…‐-)
∧ | ( / / / /
| \ | \{ ___ /
| 、___ __人 __/:i:i:>---< ̄ ̄ ̄~"''〜、、
人  ̄ ̄ ̄ ̄\ \ |:i:i/  ̄  ̄ ̄ \⌒
王敦の手下ども! \ \/ \__// /  ̄ ̄\ \
 ̄\\ \ /〉' / /  ̄ ̄\\ ̄ ̄ ̄\
お前たちの親玉は、 〉==========--∨)/ | | :\ \\ r_ >―z
とっくの昔に病で死んだぞ!! | ̄ ̄ ̄ ̄\ ∨ | ノ| | \ヽ \ | Y:i:i〈_/ 〉
| \___ハ | 冬ミト | /ハ∧ ∧ 八\|:i:i:i:L /〉>
今更許す気もないけどな!!! .| /:i:i:i:i∧ /, |乂リ八从vシ イ / | ∨⌒ 乂_:i〈ノ>
..___ \_ 〈:i ∧|:i:i|_| 八`""´ 〉 ハ: :∨ | (_/
..| 〈 \ _ _r―┐ ___/ ̄ ̄\ \ ∨' |  ̄ 人 V ̄ ァ イ:::::| |>
..\{< ∧ __ / /__/― く_r<:i:i:i〈_ /⌒ヽ ∧ ∧ | / || \ \ ´ イ |/|:::: | ノ
'/ \ / / ∧ > /〈:i:i:i:i:i:i:\:i:\ \ /∧∧ \∧|| \ \__∧/\ /(
'// \ _/ / -=ニ し /{_____\:i:i:i:i:i:i:\:i:\:iヽ /∧∧ 〉 ∧ |从ヘ ) / |(¨¨⌒
'/=--< 〈 〕_\_r<:i:i:i:i:i:i:i:i|:i:i:i:i\:ハ | | / 〉----从(// |
/く ̄ ̄\ニ=- _____\ ̄ ̄/:i:i:i:i:i:i:i:ii|:i:i:i:i:i:i:|:i| | | ̄\/ __/ / / 人 〉 |
〈/,/ ) \__〕_______/:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i/i/ | / / | | / / \ /
∨/>'" ̄_/ ̄ ̄ ̄\ 二ニ=-―――<――< 人 | \__人_人从_人_人从/
/ / 二 r\ { ̄ ̄|_〉 | \ \ _) (__
) ッ!!? (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、蘇峻らの活躍によって撃退された。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 恐らくこのあたりで、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .王敦軍の将兵にも王敦の死が伝わったと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 851 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:24:35.66 ID:6brogjYy0
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
{ |、 ', ', | \ 、 // }.j// ' / / / ) 銭鳳討ち取ったり! (
| | '、 , \ ', \ \ヽ { { ,/'/ / ' /  ̄ ̄) ( ̄ ̄
ヘ. ',. \ \ \\ `〜、\\ ゞ{', __ /}、 / / _ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\\ `丶 `〜、 ` 〜 、 ̄ `` ー ヽ〈 '、, ''´`ヽ `ヽ'ノ} _,. イ__ / /´´ ヽ{/ { {`¨¨´〕 \
\`  ̄ ̄ `〜、 _ ̄ _ 二 フ〈 ノニミ ' /ヽ  ̄ヽ}: : :{、 \_\ー‐ ' ´  ̄ゝ,_\ r'' / ,
`  ̄ ̄ ̄ ̄ ` 〜 、 ___ ,. イッヾヽ ノ }、 /'., : : \_/ \'__ /
\\ .' 、rッ、 ___ ノ } _,/ \: : : / 〔 ゝ_/
\\ __ {ゝ}〉¨ゞ'ゞ'/__rニァ ´ ヽ´ ̄ \>イ
` ー― {,/´ ̄ ´ } } r/´ ̄ ̄ 二フ < ̄ 〔、、
もはやこれまで! rィ7 r/´ ̄: : : : : : : :¨¨{´ ,. -‐‐‐- 、、 ノ ̄ ̄二`: :〜. .、
ノィj\_,.ィ-、/: : :, .ィニニニニニニ,、丶´  ̄ ` \ ヽ、 ̄ ¨ ''ァ 、、 : ̄ ̄
荊州へ逃れましょう!! , ィ: //: : : /ゝ{: 、丶/: : : :/_ / \ ', ' `ヽ: : : : :
ミf''ァ'´ 〈`〉r‐ァ ̄ ,、丶,/:|: : : : :|// ヽ / ヽ: :
='‐-ゝ‐〈__ノ、ノ / /: : : :|: : : : |´ ', / ` ー
/ ./ゝ|: : : : |: : : / 〉 ', ' /´
/ / ゝ:_: :│/ イ } .{' /: : :/´
\ { ./ヽ://: 〔 / ' /: : : : '
\_人_人∧从_人_∧_人_从_// \ゝ _/_//{、}: : { , ' / /: : : /
) > `/ /  ̄\: {` ̄ __,. イ ノ .': : : .'
< 火を放てッ!! > / / , 丶´ _  ̄ ´` ヽ {: : : :{
< ( {. { ゝ __ ,. 、, ´イ//: : : :\ \ ',: : : {
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ .ー―\`〜、 ¨¨ r、´ / / : : {: : : :/´`ヽ \ ', : : ',
{ .{`〜、` 〜 、 ヘ\ { { : : : ',: : :{: : : : :} `〜、 :',
,. -‐=ニ ¨  ̄ ̄ ̄ ̄ ¨ - 、ヽ `ヽ ヽ ', ', : : : ',: : ', : :r'' `〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 戦に大敗した王含らは自軍の軍営を焼き払って逃走
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 852 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:25:11.70 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 揚州 呉興郡】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 三千戸侯だ
\ `ニニ´ .:::::/
∧、.ノヽヽ、ニ__ ーノ゙--、..
/⌒ヽ\ '; \_____ ノ.| ヽ i
|(●) | i \ /゙(__)\,| i |
ゝ_ノ ^i | ハ | ||
. |_|,-''iつ
[__|_|/
[ニニ〉 v∧
/ ̄ ̄` ̄\キ=
/ 人 lヽ| ヽ)V|
∠/(_(- (__/|__)|___\|
|| !● ● || ノX| | |
あなた、私の故吏だった人よね? .|| 〈 ワ ||ノ X|___廿
j `ーゥ t--'j__ |X|┐|
義によって立つ私を殺しちゃうと、族滅されちゃうけれど大丈夫? ./^、∀ , ^ー〈_|X| | |
/ 〈 ・ j \」 |┌┬┬┐
―/ー、 { ・ /┴、 \| ̄ ̄ ̄| ̄|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王含・銭鳳・沈充ら王敦軍の諸将は相次いで追手に誅殺された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 853 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:25:49.74 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 荊州刺史の王舒様からの報告です! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 荊州へ逃れてきた王含を長江に沈めたと!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 連中の首を市に晒せ!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/⌒|:;::/ ⌒ヾ::::弋!l三三ゝ
,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
王敦軍の面々は /:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
暴虐の輩として青史に刻んであげますよwww フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. l||l l||l//`、l l(_)// |;/l||l__l||l/,. ハ
从 l||l/、 {⌒`y´⌒}'l||l人.∧ノ∨ `ヽ.
( ⌒ )` ‐`lニニニニl´‐ ( ⌒ )´:.:..,,:.:.:.:ソ
- 854 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:27:56.25 ID:6brogjYy0
-
__/ヽ_∠L_
/::::::: ''''\
. |::::::::: (●), | 陛下。
|:::::::: ,,イ_,`)
. |::::::::: ノ.-=ラ 王敦は大いに反逆し、君主などいない心持ちでありました。
\::::::: `フ
,,.....イ.ヽヽ:: 、 -─'--、 崔杼・王淩の故事に倣い、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i 屍を辱めて悪の首魁だった事を明らかにすべきです
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
ィi〔ィi〔 { ィi〔=ミ \
/ :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
当然 ':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:i:i\
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i:i:i\
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ
W:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:::}ハ:i:i:i{:::::::::::::::::::::::`'<:i:i:i:iヽ
- 855 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:28:28.09 ID:6brogjYy0
- 【紀元324年7月 晋 揚州 于湖】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 王敦の首は都へ持ち帰れ!!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
.ィ゙ ̄:::≧s
./::::::::::::::::::::::::::::≧s _,.x=ュ、 __
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ≧=‐ ≦ ̄ ̄V 丿
r=:ァ _/:::::__ />=───‐{ >'゙
,.、,.、_,. - 、_i::/=-x./::、./ /: : : : : : : : : : : ゝ- _ /:/
! 〉 >_,.、ノ:::}、>'7_》::ヽ. /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄ `ー</: : :i
}V`ー' ,.z≦ ̄ _/》′::::∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ゝ . __ /i!
==ュ≦ _ / ` 、=、:∧: : : : : : : : : : : : : z==─ - ..._ : : : : : : : : / /_i!
〉=-:::: ̄:ゝ=-√::/::::∧─── ,.z≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=-i{ ̄ ≧s。.._/ j!
_/:::::::::::::::::::r=z≦7 :::::::∧== -≪:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j! j!
::マム:::__:::::__::::i!/ニニj!=ュ、-、∧ `'≪::::>'゙ ̄ ̄ ¨¨ '''' ― i{ ィ!
──' '─' '─{二二! ヽ. }ノ=一 ''  ̄ ゝ────<._j!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『王敦伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 埋められていた王敦の屍は掘り起こされ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 衣冠を燃やした上で跪かされて首を斬られた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 後日、沈充の首と共に建康の南の橋で晒されている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 856 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:28:59.42 ID:6brogjYy0
-
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 皇帝陛下万歳! >
< ( \__人_人从_人_人从/
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ _) (__
) 男の娘は異常性癖! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
f¨゙!
:┐ n /〉 <ヽ /^〉'
! }”/ ,、 <`ヽ ./:::/.,、
⌒!ィ f¨゚{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}イ { , -ー 、 _ /¨> r-‐,、 <⌒!
::〈人_r-ー- 、_r<}| >:::: ̄:`ヽ__, - 、__r 、r=¨>‐-! /:::::}__Vヘ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くノ ̄! ./;;;;;;;;;}_, ヘ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVイ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ<! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::`ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
\f':!::::::::::::::::::lハ:.:リ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ >イ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,、:::::::::__/_/ ヽ::::::::::::::::/|レVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ハ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ト、: |:.:.:|:./:::::
`Y゚ ̄ _/VレvイW:::::`ー-::__/:::::::::/:::::::| ヽ `!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_|  ̄⌒¨}>ヘ}:.:.:|”::::::::
、 f´ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| >- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ これを見た者で喜ばない者はおらず、
\ヽ、 _ , イ!::/ 敢えて王敦を埋葬しようとする者もいなかった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 857 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:30:21.25 ID:6brogjYy0
-
、_x ≦ ̄ ̄ `ヽ
ー=≠´ ヽ
,イ/ ∠__ ヽヽヽ`ヽ三ミヾ!
/{ /{{-- jナナノ 川三ミミj
{({二{ ≠、_jノノハア^Y
に・(_`ー=・ァー jノ|ノj|__
(..:| 、`='´ / Lノ\}ヽへ、
ヽfrr┘`'ー ': : } 、 } ` \__
{にニ> : : }/ ∨! ∨^}‐- .._
//ノ「: : : : // ノ/ | / >、
/ // `77{´\ /{ | |} / \
. / / 〃 ト、 ∠厶 } |/ /ハ
. } / {{ | `¬//∨ { /{ }
/ / ハ |、{ 〃 { ミ{ l }/{
{ { { { ヽ.|ハ}_// /} }j ハ ヽ
ノ 〉 l| j j| ∨// l l |{{ ヽ
/ヘ{ヘ l | ! ‖ハ/ |/´ l | !\ \
/^ { ヽ } l { l| l l{ l | | ヽ、\ ヽ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
{ ,ゝ‐ ┴‐ 、ヘヽ j|ヽ} l| | | l\\\ ヽ } | 王敦の葬儀を行いたいですって? |
jア{ 、_ 〉} l| { V l | i |_>ミ、ヽハ ヽ________________乂
. //,〈 、 }J l| ハ V〈{__j | __」==-¬ } }!
く/ { {_ `¬ ´}ヘ l{ ヽ ゙ ¬! ̄ / ,小
{ ヽ_゙ァー-‐イ } {{ ', ヽ | _O/ / ハ
\  ̄¨7T爪 ノ ノハ } l |  ̄ / / }
- 858 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:32:17.13 ID:6brogjYy0
-
::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ハ::!::!:::!:::::::::ヽ
:::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::. `´ ノ::}:::|::!::::::ヾ::}
:/ Vミ ゞ| '´⌒!ト:: !|::. ー彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
ノ ミ , '≦ミトzzイ}:: {:: 彡:::j!/|:::::/j! おうよ。
ヾ_ _} .. ミ -t::ッ-ゥcノ::ノミzzx}::/::j:::/
ゝ、) ::.ゝ ー-~~ノ:: ミ (:夂ュ:i'´/ノ'" 王莽の黒く塗られた頭は車の軛に掛けられ、
~}, ,乂 ... ハ::ィ::} .董卓の腹は燃やされて市を照らし、王淩は土に塗れちまった。
\, , ,::} ー-::彡.. と、 {:: ノ
キ;:;{´ ( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、 だが、前朝の楊駿たちは
ヾ; ; ; , , ヽ`ー--ζ/ ハニヽ .先に極官として刑を受け、後から私的に埋葬する事を許された
`メ; ; ; ;  ̄`ーイ;.ノ ∧ニニト、
_ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´ ∧ニj}ニ
{'" |ニ--イ ∧ノニニ
|ニニニヘ Yニニ
ゝ __ / ///////> 、 \
/>、__ ノ///////////ヽ \
///////// /  ̄ 寸,//∧ \
////ミ//// { | }、| |////| \
,l{//{ V///八/_x-= j////| \ ヽ
/ l//| |///// 〉f_ 炒ノ L///| \ \
/ | V∧,-_く///// |/| | Vヘ 、 ト--
/ | V//人ヅヽ/ l i| V/ヽ }
そうね .: | V/ 八 ' , -ァ | i| V/ |ヽ|ヽノ
{ | /||ヘ .> ` ̄ |ヘ ハ从 |、|
, /, / | |∧ |>__ _...イ:::::::::::::..レ.、|
| |/ Lノ-.:::::::::::/ニニ(_ノ|:::) 、
):::::/ニ> --===ミニニ\
-=ニニニニ=-  ̄ \ニニニニニ |::::..、
/ニニニニ /ニニニニ \_}ニニニニ |:::::::..、
- 859 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:35:06.93 ID:6brogjYy0
-
::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ハ::!::!:::!:::::::::ヽ
:::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::. `´ ノ::}:::|::!::::::ヾ::}
:/ Vミ ゞ| '´⌒!ト:: !|::. ー彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
ノ ミ , '≦ミトzzイ}:: {:: 彡:::j!/|:::::/j!
ヾ_ _} .. ミ -t::ッ-ゥcノ::ノミzzx}::/::j:::/ 魏の王修が袁譚のために哭したように、
ゝ、) ::.ゝ ー-~~ノ:: ミ (:夂ュ:i'´/ノ'" 上においては王が誅を加え、下においては私的に義を行う。
~}, ,乂 ... ハ::ィ::}
\, , ,::} ー-::彡.. と、 {:: ノ 俺に王敦の葬儀を任せてもらえれば、天下に義を広められるだろう
キ;:;{´ ( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、
ヾ; ; ; , , ヽ`ー--ζ/ ハニヽ
`メ; ; ; ;  ̄`ーイ;.ノ ∧ニニト、
_ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´ ∧ニj}ニ
{'" |ニ--イ ∧ノニニ
|ニニニヘ Yニニ
ゝ __ / ///////> 、 \
/>、__ ノ///////////ヽ \
///////// /  ̄ 寸,//∧ \
////ミ//// { | }、| |////| \
,l{//{ V///八/_x-= j////| \ ヽ
/ l//| |///// 〉f_ 炒ノ L///| \ \
いいでしょう。 ./ | V∧,-_く///// |/| | Vヘ 、 ト--
/ | V//人ヅヽ/ l i| V/ヽ }
あなたに任せるわ : | V/ 八 ' , -ァ | i| V/ |ヽ|ヽノ
{ | /||ヘ .> ` ̄ |ヘ ハ从 |、|
, /, / | |∧ |>__ _...イ:::::::::::::..レ.、|
| |/ Lノ-.:::::::::::/ニニ(_ノ|:::) 、
):::::/ニ> --===ミニニ\
-=ニニニニ=-  ̄ \ニニニニニ |::::..、
/ニニニニ /ニニニニ \_}ニニニニ |:::::::..、
- 860 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:35:53.68 ID:6brogjYy0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 礼を言わねばなりませんね |
ヽ_______________乂
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽ
○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| .||===○===○===○===○===
| |││││││││││││││││|| 王 ||
| |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| .||
| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| .||
___________| |││││││││││││││││||.敦..||____________
\/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││|| .||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
""" ̄ ̄ ̄'''''''''''''''""""" ̄""" ̄ ̄''''''''''""""""""""""""""""""""""""" ̄ ̄'''''''''"""" ̄ ̄ ̄ ̄"""""""""
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 尚書令の郗鑒は皇帝司馬紹の許可を得て、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 首を収容して王敦邸で王敦の葬儀を行っている。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ 断わっておくが、郗鑒は生前の王敦と仲が良かったわけではない
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 861 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:36:56.95 ID:6brogjYy0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: 逆賊にされたとはいえ、
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.: 何とか同族を弔う方法を考えていたもので
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐… `ー=, / / ヽ
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |::::::::::::::::: ,/ f \ `l、
l/'i / /´rヾMFヾ \ ヽ 、 .1
! | l l ヾ(::::: ヽ〉ヽ)ヽ `l ミ ー .、 |
| {レヽ〈:::~``'' ´ ソ |! l } ミ. ミ ト
レヽ,;:::''''`':;|;il~,. -‐' ル )ノl / ミ ノr^,ヾ !
ゝ l;ュ=≡{., (;;,(ニ===、-.l! li /ソ ;;)|./
よく言うぜ。 `!;ェ‐・オ ""'''< `・ーz'ー'~ |/ フ;;i |!
|:'""`')' ^ヽ;` ̄,. -‐'^ i|;;;;ノ/\ー-、-.,_
それはさておき、 !;:.. .:;i| ;, ~、´ ,/ |,..ノ; \ ゝ ヽ
最近俺の娘の嫁ぎ先を探しているんだが良い相手がいなくてな。 ``ヽ(__,,,,...) \_,,..-' |;;; |〉
|::::::::J..,,_ ^ヽ, : 1, ;!;: /l、
年の釣り合う相手を紹介してもらえませんかねえ? .ヽ::r,―--一' . , il/::: :: / !
.//'i`ー-'´; ' ;. ',/;;;::::: .:::::∧ }
/ / L.;_';_._,`.ノ;;;;;;:::::::...::::::::::/ ヽ l
/ |/::::::::::/;;;;/;;|;;;;;:::::::::::::::::::::::( 〉{
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ただ、郗鑒にとって王敦の葬儀挙行は損のない話ではあった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これがきっかけとなったのか、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .郗鑒と王導は接近し、後に郗鑒の娘が琅邪王氏に嫁いでいる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 862 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:37:58.00 ID:6brogjYy0
-
::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ハ::!::!:::!:::::::::ヽ
:::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::. `´ ノ::}:::|::!::::::ヾ::}
:/ Vミ ゞ| '´⌒!ト:: !|::. ー彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
ノ ミ , '≦ミトzzイ}:: {:: 彡:::j!/|:::::/j!
ヾ_ _} .. ミ -t::ッ-ゥcノ::ノミzzx}::/::j:::/
ゝ、) ::.ゝ ー-~~ノ:: ミ (:夂ュ:i'´/ノ'"
~}, ,乂 ... ハ::ィ::} これは良い婿殿だ
\, , ,::} ー-::彡.. と、 {:: ノ
キ;:;{´ ( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、
ヾ; ; ; , , ヽ`ー--ζ/ ハニ
`メ; ; ; ;  ̄`ーイ;.ノ ∧ニニト、 / / ヽ
_ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´ ∧ニj}ニ / / /⌒⌒ヽ! | .
{'" |ニ--イ ∧ノニニ / ∧| /'! ′ | ∧ | ,
|ニニニヘ Yニニ ′ /,.斗|‐| | -|/─ト、∧ |
|ニニニニ:. }ニニニ - _ | |´ 从 乂 ノ ノ'" | |
-、 ィー''" |ニニニニヘ |ニVニ} ニ=-__ |i | ハ!ィf歹¨ f歹¨ヽ | 从
/.;:;:_,ノニ=- _ 乂从{ `¨´ } ¨¨´ |,ム|
|;:;:;:!´ >''"´.;:;:;:;ノ=- __ ハ ! ' ^!}
|;:;' |/ .;:;:/´ ̄ ニ=- ノ/
| /'´ ̄`ヽ },ハ -‐ ─- ムiメ
{ /⌒Y }ノ込、 ,.イ/
|ミx ,.ィ } 乂 〕 . . イ |/
|=-爻 /ー'′ | ` -< |__
| _,ノ i} | /´ ̄ ̄| ┌‐┴.;..; ̄`Y
| Y´ | |;..∧;..;..;. | : |∧;..;..;..;..;..;. |
晋 王導の従子 王羲之
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } その相手が王羲之である
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 863 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:38:36.96 ID:6brogjYy0
-
, -‐- _
,x'" ,z≦!、 ," `` x
/ ./////傘s。,_ノ _, sft' 、 /
,.' ////>'"''マ////////ヘ.V ./
,/ /////‐i-/, i}///jメ"''マ/|i.V
.∠/ .WfY.ix斧ミ ノ///j{ i i ゙V:|i .',
/ .,' ,'`マfY.i弋/ソYj//},|__|,i |.!/} ! 王敦の後釜だけど、
i ,イ ! !.マiリ.| マ/弋/ツ !,i/| | 今荊州を治めている王舒は別の州に移ってもらいましょう。
リii| .}! ! .V ! ' //:メ .!
____メi:i|_ハ ! |', .| `マ:t:.、 /t{/! /ヾ! .こっちに味方してくれたけれど、
Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iリiV:i|V\  ̄ ,.イi.//i:iV i:i:i;i;Σ .琅邪王氏を荊州に置くわけにはいかない
フi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:├zzz>==<!ヲi:リ:从:i:i:i:i:i:i:iE
_>i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\-=ニニ-ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ \
./=`メi:i:i:i:i:i:i:ニi:i:i:i:i:i:i:i:iフf‐--.{i:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ="-=ニ.ニ\
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
誰を代わりに? \}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
荊州の抑えとなると、相当の人物を派遣しなければ -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } さて、王敦の乱の後、皇帝司馬紹は軍事と人事を大きく動かしている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 864 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:40:25.47 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年5月 晋 交州 龍編】
ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
_..,,-":::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 征西大将軍・都督荊湘雍梁四州諸軍事・荊州刺史。
"-..,,_r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
`!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ .南方でゆっくりしてないで、早く江陵に移れとのお達しでさあ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
ノノ ( ,ハ ヽ _ン 人! . - ァ'’i:i:i:i:i:i:i,ヘi:i:i:i:,ヘi:i:i:i:i:i:i:i:i:i<i:i:i:i:i:i:i>、
( ,.ヘ ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ 'i:i:i:i/:i/i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:}i:i:i:i:V:i:i\i:i:i:i:i:i\
. /i:i:i:i/i:i/i:i:i:i:/i:{i:i:iハvi:i:i:i}:i:i:i}i:i:i:i:i:Vi:iVi:iVi:i:i:i:i<\
/i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:ィi:i:'{i:i:i{ }i:i:i/i:i:i:ハi:i:i:i:i:|i:i:i:vi:i:Vi:i:i:i:}
. /ィi:i:i:'i:i:il:i:i:i:i斗-{ Vi:iVi:i:ハi:i‐ォ-}i:i:i:i:i}i:i:i:i:vi:i}i:i:i:i/
. {i:i:i|i:i:i|i:i:i:i:i:∧i{ Vi:i:i:/ }/ }:∧i:i:i:i}i:i:i:i:i}i:i:}i:i:/
Yi{i:i:i{i:i:i:i:iY⌒Y 〉i〈 Y⌒Y Vi:i:i}i:i:i:i:i}i:/i:i:{
本当か!? }i{i:iィ{i:i:iW{ }ノ∧i:〉 { } }i:i/i:i:i:i/i/i:i:i:i{
':iVi从i:i{ 乂_ノ 乂ノ ノィi:i:i:i://i:i:i:i:∧
これで煉瓦を運ぶお仕事ともさよならや! /i:i:i:i:i:|i:i:iト、 ' ' ' ' ⌒7i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:∧
. /i:i:i:i:i:i:|i:i:i{⌒ _ 〜'⌒ヽ /i:/i:/}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
/i:i:i:i:i:i:i:i{i:i:人 V:::::::::::::::::::::}/ィi:i:/ノィi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
暇なので毎日煉瓦を運んで鍛錬していた人→ ./i:i:i:i:i:i:i:i:i八i:i:ハ:≧s。 乂 _ 。o≦/i:i:i:/ j∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V V:i{ィi〔ニア} /ニ7i:i:'ニ>、 ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
晋 交州刺史 陶侃
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 太寧三年(三二五年)五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 陶侃を征西大将軍・都督荊湘雍梁四州諸軍事・荊州刺史に任命。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .南方の賊討伐に赴いていた彼が
`ヘ:ゝ .' 小/ かつて戦場としていた荊州に復帰し、楚地で喜ばない者はなかったという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 865 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:41:04.76 ID:6brogjYy0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´ 広陵
項 `}_ } __/ ○
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ●江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 江陵に駐屯した陶侃の軍勢が後の西府軍の中核となる
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 866 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:41:47.40 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年7月 晋 首都 建康】
__/:.:.:.:.:.:.///≧s。、 ~''<
‐=ニ彡〕、__ノ//><//)h、 .∨、、
,‖.////∧//i{ Y/∧ .∨))
/‖/ゞ''''ヾ,∧/i{ 从、 Y/∧ .∨
ノ:.:i{/i{:.:i! i i.∨ v乂リィ≦カ弋__i}、 .\イi〔
从:.i{/i{、 i 从_|/∧//杙ツ i 从、i\__≧_ 先の戦では都が戦場になった。
__リi、从:.从:.{ィ≦カ<ノ ノリi } ∧v:i:i:i:i:i:i:iフ
∨~~~~ヽ)ミh弋ツ 、 /从ノ~~´ヾ,:i:i:i:i:i:i:iヽ, 今後はそうならないよう、
ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYヽ, ィ ア ノ从ノリ从:i:i:i:i:i:i:iイ廴 都を守るために軍勢を近くに配置しましょう。
フ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、__/ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂
≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ih、、_ノ',:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:リ 広陵と歴陽でどうかしら?
フ~~~~~~""'''<:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}__ノ{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iア´
/-=ニニ二二二二~''<:i:i:i:i:i:i}、ニニ`~ヾ))_~~~~´{
/-=ニ二二二>''~~ヾh、 ~''<リ ニヽ,ニニニ《、_》 ニih
/-=ニ二二ニ/: : : : : : : : `''< ニニニノiム ニニ`~ヾ} i} | /: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
では、郗鑒殿と蘇峻殿にお願いしましょう  ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
- 867 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:42:40.78 ID:6brogjYy0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´ 広陵
項 `}_ } __/ ●
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ●__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ●江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .七月。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .広陵に車騎将軍となった郗鑒、.
\ヽ、 _ , イ!::/ 歴陽に蘇峻の軍勢をそれぞれ駐屯させた。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 東晋の命運を左右する北府と西府は、
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .皇帝司馬紹の時代にその基礎ができたと言って良いだろう
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 868 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:44:19.88 ID:6brogjYy0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ .東晋は旧呉の地に腰を落ちつけた。
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.`
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 反面、二度に渡る王敦の乱の結果、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ 中原における拠点を次々と失っていた
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 869 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:44:49.78 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年春 晋 豫州 許昌】
/::/\:∧
∧/:|`Y丁:| |
| | | |:::L」 ∧
| | ̄ |/|`'|: : : | |__,|@
∧ |癶_|_ | |===== |A
/,,,∧_| | |⊥_|∧::i|∧__|八
| | | |,| ̄|¨'|─:| ̄ヽ| ゙̄| | |ハ
| | | |:| | | :| |¨ ‐_| | |__|
_ | | |_|,| ∧ l :| |- ,_Y∧_| ∧
癶___∧_,,r|⊥i |/ ̄ヽ| /:: :∨‐:| |ヘVヘ|_|: : :|_|:::| xヘ
癶 | | | |'^i'^i | | | |ニ|_/:::ハ__∨| ̄~| | |VヘVヘ::::::::::|::::| |::::| ̄
| ̄|_ _i! ∧ /:', | | | | | | | ハ ハ¨/::∨ ̄ヽ |∠ヽ [\__[]二::|::::| |::::|
¨¨¨,∧¨¨∧∧ ∧ |[]| | |/二二 |ヘ | |/∧ /::∨_∨¨∧ ̄ | ̄| | |\| |ヘ二二| ̄_A : |
:¨ ̄|¨:| ̄| ̄|丁∧xヘ∧ | ̄  ̄/:::∨ ̄VV_| ̄|_|_| | ̄ ̄xヘ|_|_|/\| |_∧∠_j{i, ̄\
| | | |::|/ ̄ ̄/__',__」,,...、、、-─| ̄..|「「「「| | | ̄|ヘ::::::∧「 ̄ |_|:::\|xヘ/\へ/_:∨:/:||i¨¨/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄| |¨|¨|¨|:|| _ ,-く ̄ ̄ ∧ | | | ∧| ̄|_」L ‐<::::\/|〈:::/::::/ \__人_人从_人_人从/
 ̄{─‐ttュ_ リ|i_|i_|i_|」⊥-‐ュ_∠\:::_>:::::::// ̄∧ /:::^〉‐ 丶::\: : \,イヽ|/::::/: _) (__
: : }.:.:.:_二 ̄/ ̄ ̄i! ̄ヘ::_ -  ̄:::::寸´ |::::::://:::::/ ∨::::/ヘ::::::::∨::::\_イ_|i...||ヽ/:::: ) ヒャッハーッ!! (
'''"´~ 从 _ム-,:/ ∨__∧::::ニハニハ::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}|¨/_,||\::: ヘ__,.斗匕リ.. || 〈:::::: ̄ ̄) ( ̄ ̄
从从;';',∧:::::::∨ |]/ .圦::::[]:::[]:/:癶::::::::癶:::::::::::/ |/_||_Y´ || || |/... ||`'|:::/. /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
从;';';';';'ィ' ヤ'"´|-‐ |/ _||_∨::::::::/:::| |i::::::| |i::::: /|i, ::|_||___,|/||⌒|| |...... .| |¨i|:: ¨|_|ア/ ̄|::| ̄
;';';';';';';';'|「┌| |r 「i|==| | |=ヤ=ァ゚::::: ̄:::::::::: ̄:::::∧゚|i,::| ___ | || |レ' |`'| |::::::::/ \、|::|/
;';';';';';';';'|「┌| |‐ ¨|==| | |==| 丁丁丁丁丁丁「「| 「:::| |::::| |「」|| / ヘ | |`Y======| ̄|==
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年に入ってすぐ、石勒軍によって許昌が陥落した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 870 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:47:04.40 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年4月 晋 司隷 滎陽】
/ニYニヽ
/(>#;(0 ) ヽ
/⌒`´⌒ u. \
| (- 、 | 李矩将軍。
ト-―――-` l !
ヽ `⌒´ / /、 .石虎の軍勢の前に降伏・逃亡する者が続出していますっていう
`コー /,ノ:::ゝ、
i 、\ ;
| ! /__} ; --- ‐‐ ─ヘ、‐‐┐
,-| . |ー-、/ ゞノヽ /::::::::::::::::::::::::::::::∠⌒i::::|
{_ i、___,l | | ; //::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄`¨「:::|
)ソ(___i)---| | ::::::::::::/::::::::___/ |::::|
ゝ-i--i´ ; | |::::::/:::::::::::‐┐` ,、___|::::|
`-゙ U |:::┌‐=牝從汢 ,____ |::::|
U |:::| |:::::| ""` ,紘れ小::|
U |:::人_|:::::| ′""7:::八
:::::::::::|:::::| / ̄) 厶イ
もはやこれまでね。 (\__ /::::::::::::|:::::ト、 /|:::::|
. \__ ` 、 /::::::::::::八 个ヶ┐ ┬=く:::::|:::::|
つくづく兵力の少なさが悔やまれる。 ┌v=‐…‐┘ V:::::-=イ :::::: |_,Λ| ↓∨|::::|\\____
¬弌ニニニ ___ ∨\__彡'^\:\|┬v ‐┤::| ` ::::::: \
ひとまず荊州へ移りましょうか └‐‐‐━ __ ├ ┐‘,___/`:::|| |::人__  ̄\:::\
/|` | | ‘ |::| Ю Ю ` 、 `:::::::\
〃 | 勹 ├‐‐‐‐ |::|┘ └‐‐=ミ |__ |:::::::: |
/{{L...|__,彡くく{{ | |::| 〇 〇 ∨ニニ` |:::::::: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 四月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 将軍李矩らの軍勢が潰走したため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が司隷・兗州・豫州をほぼ陥落させたと『晋書』『明帝紀』にある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『李矩伝』によると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 滎陽の李矩軍は裏切者や逃亡者が相次ぎ、最後は百人程度になっていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 871 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:47:44.74 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年4月 晋 荊州 魯陽】
::::'''''ヘ-..
冫:::::::::::::::::`ー_
冫_::::::::上,,⌒
/VニニニニニVl \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
ゝニニニニニニノ_ ) >
|ニニニニニニニ/ < 李矩将軍ッ!!? >
ヽ_ニニニニニニ\__ < (
ノニニニニニニニニニ`'ャ。,__ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
,。ャ'´ニニニニニニニニニニニニニニく
_. _上,,,,,,..-‐ノ' 〉ニニニニニニニニニニニニニニニニニ', ..l1
l 、 」'、ノ`-'"ニニニニニニニニ`゙''゙亡ー-L , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', .l| l1
_..ノ宀'’ニニニニニニニニニニニニニニニ~~''‐ニ , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ'., │'‐‐ .l|
./=ァニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l/l \,,,,,,. │'‐‐
-/レ彡ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ-┘ l..| / l/l \,,,,,,.
\ニニlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ_ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l:lj''ー----‐'´ .| /
 ̄.',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ┌ナニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.', l.│ :lj''ー----‐'´
',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l 彳 │
,-'''''゙゙ニニニニニニニニニl┐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ',.│ 彳
lニニニニ',ニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ .│
lニニニニハニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\,。ャ------、
',ニニニ≧',ニニニニニニlミlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
,。sニニニニニs。,ニニニノ ',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ -、
/ニニニニニニニニヽ´,。ャ'',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 永嘉の乱以降、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 十数年に渡って滎陽郡を保持した李矩。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼は配下と共に南へ向かう道中、荊州の魯陽で落馬によって死んだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 襄陽の峴山に葬られている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 872 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:48:31.04 ID:6brogjYy0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 訃報 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 皇帝司馬紹は英主だった。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| しかし、残念ながら彼には時間がなかった
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 873 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:49:31.63 ID:6brogjYy0
- 【紀元325年閏8月 晋 首都 建康】
. / / __ 丶
/ / /ニニニ≧s。 ,
′ _ /ニニニニニ\ ,
| /ニニ≧=─=≦ニニ>‐<ニニニム ,
| /ニニニニニニニニニ/ ヽニニニム 、
| /ニニニ><ニニニニ{ | ∨ニニム ヽ
|.iニニニ/ \ニニニ、 .! |ニニニ! 、',
|.{ニニニ| 寸ニニ、 斗 < }ニニニ| ', 、',
|.{ニニニ| .从 }ニニニ、ハ/ __,, ̄`YW ∧ ',\
. ハニニニ{ | \斗《ニニニ/ rz云苅 n 'ニ.V.∧、 ヽ 西陽王司馬羕・司徒王導・
. | Vニニ∧ ̄ ̄__z、`ー‐ '" ゞ''´ .| 'ニ| ∨∧\', 尚書令卞壼・車騎将軍郗鑒・
. | ∨ニニ》 ≪ 芒ッハ /|. Lニ」 、 .! .護軍将軍庾亮・領軍将軍陸曄・丹陽尹温嶠。
. | ー ヘ"\从 "´ 、 / .! | W |ヽ|
. | /::| .∧ ヽ ,- ァ イ / | |`ト、/ 以上の七名で太子を補佐するように。
从 'ニ、 |∧ \ー  ̄ ,ィi{:i:i}ニニ! /ニニ\
| Yニニ .!ニ ゝ ___! )、:i:i:i:i爪:i:i:i:/ニニ|/ニニニニ 、 ここで死ぬなんて持ってないわねぇ
/ニニニ/-_-_-_-_-〉ニ≧=≦ニニニ\ニニニニニ
|ニニニ'-_-_-_-_-./ニニニ/::::∨ニニニ\ニニニニ_
/!ニニニ/-_-_-_-_-/ニニニ/::::::::::∨ニニニニヽニニニニ=- _
. /ニニニ'-_-_-_-_-_'ニニ=─  ̄ ≧s。ニニ∨ニニニニニニ_
/ニニニ/-_-_-_-_-_′ニニ{ =────= ミh。、Vニニニニニニ}
. /ニニニ/_-_-_-_-_-_'ニニ/ ̄:::::::::ヽ:::r'"::::::::寸ニ=-、Vニニニニニ=-
/ニニニ/-_->へ_-_/ニニ/:::::::::::::::::::::、!:::::::::::::::∨ニニヽニニニ/_-}-、
. /ニニニニヽ/:::::::::::::Yニニ/::.:.:.:.:.:.:.:::::::::ハ::::.:.:.:.:.:.:.:}ニニニ}!ニ/_-_-,、/、/ > 、
/ニニニニ人:::::::::::::::::∨ニニ{:::::...:.:.:.:.:::::::::::::}!:::.:.:.:.:.:.:.|ニニニ}/-_-/ヽ /⌒/ヽr、_」
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 太寧三年(三二五年)閏八月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝司馬紹は享年二十七で崩じたと『晋書』『明帝紀』は記す
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 874 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/23(金) 01:50:05.09 ID:6brogjYy0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 続く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続きは日を改めて。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 875 :sage :2023/06/23(金) 02:10:40.35 ID:e1br4n/gO
- >>1さん乙。王敦の乱に触れてくれてうれしいよ。
あなたが倦まず弛まず長年に渡ってこのスレを続けてくれたからこそ、怠惰な自分も勇気を貰って奮い立ち、念願だった王敦伝の日本語訳を完成させることができた。
いつか感謝を伝えたいと思っていたけれど、いい折だから言っておきたい。本当にありがとう。これからも頑張ってね。
- 876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 03:25:13.24 ID:WbG+JoJi0
- まぁ名将を失いこんだけ内輪揉めやってりゃ
中原保持は無理よな
- 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 06:46:28.37 ID:LKH4+Tga0
- 乙でした
書道のお手本に、この時代の人物が大量に出てくるんですよね
書いてるより人物を調べてる時間の方が長くなるという罠
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 07:09:51.00 ID:UEfzNlEJ0
- 乙
李矩の死がなんだそれはで
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 10:18:47.53 ID:dn92rHVHo
- 乙でごわす
石勒の持ってる感半端ない
ライバル祖逖が死んで、王敦の乱起きて元帝よりやり手そうな明帝が即位するも早死、
この辺の持ってる感も高祖リスペクトなんだ
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 14:27:45.81 ID:RoOePBxP0
- >>1乙ー。
王敦の乱って東晋の中原失陥にも大きくかかわっているのか。
反徒と忠臣と対照的に扱われがちの王敦と王導の、実は裏で手を握っていそうな一面とか
同じ旧呉人士同志の呉興周氏と呉興沈氏の勢力争いとかがダイナミズムさがあって面白いな。
三国〜西晋時代は呉興郡の勢族といえば周氏だったけど、東晋〜南朝期は呉興郡の勢族といえば沈氏になっちゃったもんね。
- 881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 14:57:52.56 ID:4t4f1Hcr0
- お疲れ様でした。
王敦を悪者にできるから、呉興周氏は史書ではそれほど貶められていないからくりでしたか。
祖逖が(石勒と停戦していたとはいえ)北伐に熱心だった理由も、呉人への態度を見るとそういうことかという構成になります。
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 20:29:43.22 ID:GYQjJAzJ0
- 乙でした。
王敦の活躍、今回乱起こした話の前は何があったっけ?
- 883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 20:58:09.72 ID:ZHdpv7bv0
- 乙、ついに書聖登場も、名君だった明帝が3年でぽっくり逝くとか
ホント何かと持ってない東晋ェ・・・
- 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 21:10:43.72 ID:GM9erabso
- さすが東晋の孔明、王導だぜ
- 885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 22:21:07.40 ID:iYn2aSpk0
- 乙です
明帝が短命って言われるけど東晋の皇帝って即位してから数年で死んでる人多いよね
ストレスやばかったんだろうな
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 22:44:48.99 ID:ZHdpv7bv0
- 中国の歴史でお馴染みの陳舜臣氏があまりにも東晋の皇帝が若くして死にまくるから
変な薬持ち込んだり、自然死に装った暗殺があったんじゃないかと疑ってたな
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 22:58:54.70 ID:VE3GuaXV0
- 乙です
今まで顔出しゲストくらいの出番しかなかった痴漢さん、一流感がひしひし出てますね
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 23:48:20.16 ID:6p4dyCDh0
- 乙でした
琅邪王氏の鬼子というべき王敦もここで退場ですね、時代も流れるものだなあ
>>885-886
気候の全然異なる地方に引っ越すと身体を壊す事があるとは聞きますが
あるいは、中原の生まれの人達には免疫の無い風土病の類(例えばマラリアとか)が南方にはあったのかも
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/24(土) 01:20:06.79 ID:BoZGOB9z0
- https://twitter.com/magireco/status/1672168015985782784
『マギアレコード』で邪馬台国ネタが来ました。
「トヨ」の扱い含め、恐い物見たさという感じです。
イベントアイテムがタケノコなので、孟宗の出演があったら喜びます。
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/24(土) 02:05:31.10 ID:aNXqfxU80
- 乙、この後建康は敵より味方に攻められるパターンが南北朝時代なっても
幾度も繰り返されるその先駆け作った王敦であった
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/24(土) 02:14:59.84 ID:upENmzU90
- 乙ー
良くも悪くも南北分かれて来ましたね
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/24(土) 02:38:33.87 ID:WNh5UF3o0
- >>1さん乙です。
>>864
>暇なので毎日煉瓦を運んで鍛錬していた
この逸話で陶侃には「筋トレマッチョ老将」ってイメージあるw
- 893 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/24(土) 22:26:21.85 ID:VhFLbcrk0
- 【>>809修正】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l いつまでも流賊気分の抜けぬ御方だ
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| | 俺は他の郡県を巡ってくる |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: .ヽ_______________乂
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
劉徴の旦那も大変っスね。 .| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
昔なら率先してヒャッハーしてたのに .\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ツッコミ所しかない逸話だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、曲がりなりにも劉徴の言い分が通ったのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼が石勒が挙兵して以来の古参だったからと思われる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『石勒載記』には、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒の「十八騎」の一人として彼の名前が見える
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 894 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/06/24(土) 22:28:52.40 ID:VhFLbcrk0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ ……ガチ勢がおる
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
>>875
恐縮ですー。
でも>>1は倦んではいないけど弛みきってると思うんだ。
>>878
悲しいけどこれ史実なのよね。
>>880
このあたりは調べていて、士大夫社会の闇が見えてくる気がしましたよ。
王導さんは王敦の死を確信して旗幟を鮮明にしたようにしか見えなくてですね。
>>881
祖逖は幽州→司隷の人ですし、
配下の軍勢も同郷出身者が主体なのでしょうがない部分もあります。
本来、晋王朝にとって旧呉の地は一時的な亡命地に過ぎなかったはずなのですが……
>>882
本編じゃあまり紹介できませんでしたが、荊州方面の晋軍の元締めみたいなポジでござい。
>>887
一流の痴漢は保身も一流と聞きます。
>>888
最近の話だと荊州入りした石勒盗賊団が疫病で多数死亡といった例もありますね
- 895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 00:30:33.62 ID:aFw4SL4To
- >>886
廃位された場合は(劉裕がいなければ)それなりに長生きしてるのが余計怪しい
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 04:01:11.95 ID:/vlwUmNT0
- 軍勢率いて首都に迫って皇帝に人事・体制変更を要求するって
なんかタイムリーなネタになってしまったなぁ
- 897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 08:21:01.28 ID:4MmIQJlOo
- 日本で言うところの「御所巻き」っすからね
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 10:39:25.57 ID:W9auzhxg0
- 劉氏を簒奪した王朝を簒奪して劉氏の王朝滅ばしたら、その後
2回も劉氏に国滅ぼされたお笑い王朝やからしゃーない
- 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 16:41:00.78 ID:ybwxHi5L0
- 高平陵の変に派生する可能性もありや
今はとにかく矛を収めさせるの優先
- 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/26(月) 09:46:59.03 ID:WhL198HGO
- 孔明といえば我が諸葛孔明よの人が生まれたのもこの頃かしら
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/26(月) 20:41:14.53 ID:ihDCc5Wo0
- 国外追放を条件に帰順を受け入れる→やっぱ今のなし
なんだこのどこかで見た展開は
しかし、これが現在進行形で起きている事件というのがわけがわからないよ
- 902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/30(金) 23:07:18.54 ID:9AiXs1IU0
- 慕容儁、挌、垂、徳の慕容4兄弟(本当はもっといるけど)が生まれたのもこの頃だな
- 903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/11(火) 08:06:01.12 ID:QhkuAJeUO
- てす
- 904 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/16(日) 22:03:48.80 ID:u7KKEjnS0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 暑さに負け、残業に負けていますが>>1は元気です。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .スレの作成投下に
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .時間を割けないのが近頃の悩みでござい
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
※続きの投下は7/19(水)の22:00頃を予定しています
- 905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/16(日) 22:33:34.55 ID:haUxvosi0
- お疲れ様です。てかこの暑さ続きは勝てまいて・・・。
- 906 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:03:48.74 ID:f9EkJNKM0
- 【>>873の続き】
【紀元325年9月 晋 首都 建康】
| { _
> ´ヽl ` 、
, '/` < _ > ´⌒\\
// ノ' _∧_
「ヽイ} /⌒':, >,、< /⌒ ヽ 「_ヽィY
{イヽノ { ハ _j!_ { i } }_イゝ」
/:;イj! { `ハ } }! {ィハ´ l マ;ミh、
/:;イ/j!_ノ{xf笊〈( Y )〉笊アj!`ー!マ; ミh、
//イア从/、{ vり ヽj/ vり }_\ノ マ; ミh、 亡くなった先帝に代わり、
//イア Y⌒Y人 ' 人Y⌒Y マ; ミh、 新たに皇帝になった司馬衍、字を世根といいます。
// イア j!_ { 介s。‘ ' イ/ j! _{ マ; ミh、
// イア }ハl\∨ _ ≧≦ _/イ<⌒^ マ; ミh、 五歳です
// イア / 〉ニニYニYニニ〈 `ヽ マ; ミh、
// イア .:' ≧=ァ ⌒ 、-< ∨ マ; ミ:、
// イア / /イニ/ \ニ\ `ヽ マ; ミ:、
// イア / ,:/ニ_/:::ヽノ_ 、/::::\ニ\ ≧s。 ミ:、
:'/ イア イ //ニニ{:_::::ィ ⌒ヽ:::::::::::}ニ rヽ ̄ ̄ ̄ ⌒ ヽ `:,
'/ イア /// アイ、 `¨イ∨>―、― ― rs。 Y `:,
/:' j!イイ≦´ /__,{、\ : / j. . .\::::::::\. . . .} ; `:,
,:/ j!;{ 。s≦i::::::::/} \\ _.;_/ ィi〔| . . . ム::::::::::ヽ.ノ / }!
!' 〈j!;{ィi〔 . . . . j::::::::Y、 l Y Y | イi! . . . . .ム:::: .::::∨ イム }!
晋 皇帝 司馬衍
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 新たに皇帝となったのは司馬紹の長男司馬衍である
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 907 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:06:02.93 ID:f9EkJNKM0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.: よくできました。
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.: .爺は感服致しましたぞ。
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.: 後の事は、こちらの庾亮殿が差配してくれるでしょう
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.: '´ :::::::::::::::::::::::::..\ ∧/|
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐… /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |::::::::::::::::: /.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| /
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ/////
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ まだ幼少だったため、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 生母庾太后が臨朝称制し、司徒・録尚書事王導、中書令庾亮が補佐。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .庾太后は庾亮の妹なため、必然的に庾亮の影響力が強くなった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 908 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:08:41.33 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年4月 晋 首都 建康】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 石勒軍が汝南国に侵入ッ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 汝南国の民が呼応して反乱を起こしました!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ |:;::/ .ヾ::::弋!l三三ゝ
,.ィ\{イ::! ノ j;ノ `ヽ .l::::人::!;三/ヽ、
祖逖将軍の北伐の成果が無に帰している件 /:::::::::∧::l ● ● イ:::::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::::/!::/ /::;ハ⊃ 、_,、_,⊂⊃:;:'::::/ |::iゝ::: 丶
ヾ;:' l/ /;ノ ,/⌒l、 __, イ!;:;::':;ソ .ゞ ヾ::ノ
. / /.l l(_)// |;i⌒ヽ ,. ハ
「 ̄"|⌒`y´⌒}| .| ノ∨ `ヽ.
| |゙lニニニニl'/ ̄ ̄ヾ:.:..,,:.:.:.:ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ それから一年余り
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康では大した事件もなく時間が過ぎている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .北方国境では石勒軍が侵入してきたが
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 909 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:11:09.81 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年8月 晋 首都 建康】
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,' 江州刺史、ですか?
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ /
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/ _ノ爻爻爻爻爻爻爻爻Xx /::/:: :: ::_\::_\
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// )爻爻爻爻爻爻爻爻爻X7:: ::':: :: ::/:: :: :: :: ::.ヽ
∨∧_ノ:.:.:.:.:.:\_}:::::☆::::Y' { >爻爻爻爻爻爻爻爻爻/: /:: :: ::/:: ::.|:: :: :: |:: :: :.
⌒>爻爻爻爻爻爻爻Xr―v:: :: :: ':: :: ::|:: :: ::/:: :i::.i
^7爻爻爻爻爻爻(⌒\(i:: :: : T赱__::/:.::/:|::.|
⌒)爻爻爻爻爻爻∨:: :|:: :: :: | 迩/\_:|__
)イ爻爻爻爻爻Xx::|:: :: :: | _ ' 人\ァ⌒ヽ_
うむ。 ⌒V爻爻爻爻爻:|:: :: :: |\ _´イ:: ::i__合 ヽハ/\
_ ハ `⌒Vヘ爻xx|:: :: :: |二二i:: |:: :└―r--- Vハ∧
平南将軍・都督江州諸軍事もな。 r--ミ i i | /⌒ヽ|:: :: :: トミM ヘ_|:: ::.|:: :: | |//i V|二
〉\', ∨ |ミ 、 ' 八 : : : |从<>/^ 从:: ::.| |//| iハ二
荊州と淮南への備えになるから、 /ノー\_{___>ハ i i :: :: ::| ``丶、,;)'⌒``〜、/| |/| =-
こればかりは信のおける者に任せたい .` /∨ iハ ∨:〜〜7 ∨:: :|,x=/ ̄ \ \ |/|ニ=-
/∨ |V∧)ハ_∨⌒) ∨: !ニoニY二二', /二 YV 二ニ
,':// |::V∧=====i人 i:: |二二|二二::}_,/二二ニi∧:二ニ
i∨ |ニ )八二ニ |::.::ヽ |:: |、 ニ |二二人二二二 , }二Vニニi
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 咸和元年(三二六年)八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 丹陽尹の温嶠が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 平南将軍・都督江州諸軍事・江州刺史に任命されて武昌に駐屯した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ この少し前に郗鑒も徐州刺史を兼任しており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 王敦の乱平定した面々が要職を占めていたのが分かる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 910 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:12:22.73 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年8月 晋 揚州 宣城】
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ●宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | / γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
公安 `ヽ r' | そんなわけで武昌へ赴任する事になりまして .|
>'○巴丘 ヽ____________________乂
- 911 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:14:39.87 ID:f9EkJNKM0
-
´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ / \ 丶
│ /\ .| おお!
| / ̄ ̄\ |
\ / .わざわざこんな片田舎に立ち寄って頂けるとは!!
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ 温嶠殿の名声は五大陸に響き渡りますよ!!
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ | オンキョウダケニ
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
晋 宣城国内史 桓彝 ./: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
ありがとうございます。 ./:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./
桓彝殿を宣城国内史に推挙したのは私なので様子を見に。 / //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
ところで息子さんはお元気で? /'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 桓彝、字を茂倫。豫州譙国龍亢の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後漢の五更桓栄の九世の孫で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 若い頃から貧しかったが、沈着かつ明るい人柄で名声を得た。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 中原にいた頃から庾亮・周と交流を持ち、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 元帝と共に江東へ移り王敦の乱で活躍、温嶠の推挙で宣城国内史となる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 912 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:18:13.58 ID:f9EkJNKM0
-
_____
/ ( ;;;;(
/ / \ ) ;;;;) .ええ。
| /ヽ /;;/
| / ̄丶 l;;,´.| 最近じゃ侠客の真似事に凝っていましてね。
/ ∩ノ ⊃━・'/
( \ / _ノ | | .親としてはもう少し学問に励んでほしいかなと
.\ “ /__| |
\ /___ /
r‐‐、__ ⌒^\: : :\ -- /: :\ _
t_>(__r‐‐、 __ _ > ´: : : : : : ,ヘ: : : :V:、
ノ////{^Y_⌒>: : :, : : : : : : : : : : V : : ハ: \
,{///-=≦: : ´: :/: : : : : : : : : ハ: V : : :i : : ', /
rく {////⌒ア: :/: : :/: :i: : : :/:斗{⌒}: :}: : : :}: : : :V /
乂 >--- /: : ' /: :': :斗-: /}: 八{ 八jニニハ: : : :V
若い頃はそういう感じの方が後々大成しますよ。 }> -- W : i {: : { : /}: :/ノ' x≠ミ个: : : :': : 〕iト :}
| И: |八 乂 ィ笊 ん(_,/: : : 人: : : <⌒
私の家は姓を変えないといけないかもしれません。 ,乂 八{ i: ヽW vリ 乂ツ: : : '^Y: : i : :\
`ト-- ´ ノ {: : 从 ' _ 、 /: : ∠ イ:_:_从:「⌒
それでは失礼しますね ∧ ⌒7: :ハ : :込、 V_ノ /イ´/////>、 \ /
/ 〕iト 八(⌒ヽ{ ≧rf. .rく 乂/////ア⌒7 V /
⌒{ __ /^ア. . . . .}/  ̄ _j//// V /
_ 。o≦. . . . . . 、. . . / //////ハ V
<∧. . . . /. . . . . . \. 乂 {//>´⌒V __ノ
\\. .{. . . ._______. . . .ト --Vト、 ___ --\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 桓彝と温嶠は親しい間柄だったらしい。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓彝の長男が生まれた際、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 温嶠は彼に奇骨があるとし、泣き声を聞いて真の英物であると評した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 桓彝はその言葉に感謝したのか、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 長男の名前を温嶠の姓からもらって桓温としたと『晋書』『桓温伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 913 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:19:10.96 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年10月 晋 首都 建康】
> ´ヽl ` 、
, '/` < _ > ´⌒\\
// ノ' _∧_
「ヽイ} /⌒':, >,、< /⌒ ヽ 「_ヽィY
{イヽノ { ハ _j!_ { i } }_イゝ」
/:;イj! { `ハ } }! {ィハ´ l マ;ミh、
/:;イ/j!_ノ{xf笊〈( Y )〉笊アj!`ー!マ; ミh、 魏の武帝の玄孫を陳留王に?
//イア从/、{ vり ヽj/ vり }_\ノ マ; ミh、
//イア Y⌒Y人 ' 人Y⌒Y マ; ミh、
// イア j!_ { 介s。‘ ' イ/ j! _{ マ; ミh、
// イア }ハl\∨ _ ≧≦ _/イ<⌒^ マ; ミh、
// イア / 〉ニニYニYニニ〈 `ヽ マ;
// イア .:' ≧=ァ ⌒ 、-< ∨ マ;
// イア / /イニ/ \ニ\ `ヽ マ; {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
はい。 (:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
晋王朝は魏の曹氏の禅譲を受けましたので。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
これは決してお忘れになりませんよう /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 魏の武帝の玄孫に当たる曹勵が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 陳留王に封じられ、これをもって魏を受け継いだと『晋書』『成帝紀』にある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 曹氏の陳留王は永嘉の乱で一度断絶したようだが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 再び曹操の子孫を封じる事で東晋の正統性を主張した形だ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 914 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:21:24.23 ID:f9EkJNKM0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 申し上げます。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ 南頓王殿下が謀反を画策しているようです
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/∧
-―‐- ∧///{人ノ /
/.:: .: ヽ.:: :ヽ.:: :\///////{//{
/.:: .:: .:: .::ハ.:: .::',.:: .:: V'/////////
,.::|.:: |.:: .:/ _.:: .::V-‐ フ ///人 /( ___
.:: |_从.::/ ィ莎'.::.::/こ_,.イ'///////////// /
南頓王は先帝御存命の頃よりおかしな動きをしていた。 .i.:: :ィ莎 V.:: :V.:/.::V/// ////////(_
|.:: .:ハ ` ァ .:: .: ∨7.:∨////////////// >
宗族諸王への見せしめも兼ねて、 /|.::/.:个 ` /i.:: .:: .:V(////////////////
これを機会に断固たる措置をとらなければ。 .⌒ |.:: .::.:|.:: .:: ≧::'::|.:: .:i.:: i////////////// /
)\_)/|.:: .::.:|.:: .|.:: .:|.:/|.:: .:|.:: |//////////// <
直ちに兵を差し向けるように .<//////,.:: .::.::|ヽ_.:/从ノ.:: .ハ.: |ミメY<  ̄ ̄ ̄ ̄
__彡//////.:: .::.::八ハ__rヘ_/へi< :l |i::::::.
</////////.:: .::.:>― }/ ノ-ミ辷彡 八.::::::.
_ ―― /.:: /=- _/ -=二二 :} ノ-‐/.::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南頓王司馬宗が謀反を企てたとして誅殺され、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 妻子及び外戚の馬氏一族が南方の晋安郡へ流罪となった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 南頓王司馬宗は汝南王司馬亮の四男に当たり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 東晋建国時に建康へ逃れた「五馬渡江」の一人でもある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 915 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:22:38.10 ID:f9EkJNKM0
-
_ノ爻爻爻爻爻爻爻爻Xx /::/:: :: ::_\::_\
)爻爻爻爻爻爻爻爻爻X7:: ::':: :: ::/:: :: :: :: ::.ヽ
>爻爻爻爻爻爻爻爻爻/: /:: :: ::/:: ::.|:: :: :: |:: :: :.
⌒>爻爻爻爻爻爻爻Xr―v:: :: :: ':: :: ::|:: :: ::/:: :i::.i 南頓王の度重なる問題行動は、
^7爻爻爻爻爻爻(⌒\(i:: :: : T赱__::/:.::/:|::.| 兄である西陽王殿下の監督不行き届きにも責がある。
⌒)爻爻爻爻爻爻∨:: :|:: :: :: | 迩/\_:|__
)イ爻爻爻爻爻Xx::|:: :: :: | _ ' 人\ァ⌒ヽ_ .よって殿下の官職を免じ、爵位を降格させて頂く
⌒V爻爻爻爻爻:|:: :: :: |\ _´イ:: ::i__合 ヽハ/\
_ ハ `⌒Vヘ爻xx|:: :: :: |二二i:: |:: :└―r--- Vハ∧
r--ミ i i | /⌒ヽ|:: :: :: トミM ヘ_|:: ::.|:: :: | |//i V|二 \ヽ、 .__ __.. ,,,...、
〉\', ∨ |ミ 、 ' 八 : : : |从<>/^ 从:: ::.| |//| iハ二 \.` 、ュ (r薔ソr廻>薔と、
/ノー\_{___>ハ i i :: :: ::| ``丶、,;)'⌒``〜、/| |/| =- ヽ_)ハ≧、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ)、/ハ
` /∨ iハ ∨:〜〜7 ∨:: :|,x=/ ̄ \ \ |/|ニ=- ./、ノ ヽ_j:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ)//\
/:.:.:ヽ ハ:.:.:.、:.:.:.:.:.:.::.:.:.:}//_.≧、
.ハ:.:.:.:.:.:{ヽ_ノ l:ヽ..:.:.:.:.:.:.:.:.:V7´//ィ.;⌒、
{:.:.:.':.:.:.:l l:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:{ {l:l:l{:l:l:{ }、
':.:.:ト:.:.:ト、 斥:.:.:.:.:.:.:..:.}、ヘヘヽミヽ_ノハ
!:.ヾ!:、!炒 l,:弋:イ:.:.:.:.:.}!:.ヽ≧><.ノ }
ひどすぎる {ヘ ヘ:{:.:.l 〈 ,:ソ/:イ:}:.:.:!:トヘ:.ハ ヽ !
ヾ、ヽ ド:!ヽ ー( ./:ノ从/////ノ/ハ {ハ
l .ヘ{゙///ヽ ,.イ .{///////ノ ハ vハ
〈 ト <///.j _.j////< ノ./ハ Vハ
ヽ !'/\/<ノ≧≠´二、///ハ //l//ノ }//ハ
/}!> ̄}! /´ /´  ̄ヽ//ハ、///// }////\
晋 西陽王 司馬羕
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 処罰は他の宗族諸王にも及んだ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南頓王の兄の西陽王司馬羕は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 免官の上、西陽郡王から弋陽県王への降格処分となっている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 元帝・明帝は宗族諸王に対し遠慮があったが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 庾亮は打って変わって彼らに厳しい態度で臨んでいた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 916 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:26:12.77 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年11月 晋 首都 建康】
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ |:;::/ .ヾ::::弋!l三三ゝ 御主人様が濁流なら、
,.ィ\{イ::! ノ j;ノ `ヽ .l::::人::!;三/ヽ、 .庾亮様は清流といった感じでしょうか?
/:::::::::∧::l ● ● イ:::::ソ::::ハ/!::.丶\
フ:::::/!::/ /::;ハ⊃ 、_,、_,⊂⊃:;:'::::/ |::iゝ::: 丶 .さすがに厳し過ぎるのでは?
ヾ;:' l/ /;ノ ,/⌒l、 __, イ!;:;::':;ソ .ゞ ヾ::ノ
. / /.l l(_)// |;i⌒ヽ ,. ハ
「 ̄"|⌒`y´⌒}| .| ノ∨ `ヽ. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
| |゙lニニニニl'/ ̄ ̄ヾ:.:..,,:.:.:.:ソ 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
そんな事より怪談でもしましょう {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
\_人_人∧从_人_∧_人_从_// }__ ノ⌒/\..........................X ___
) > ./ 丶.............../ |\
< 申し上げます! > ′ \../ i|......\
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
- 917 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:27:34.06 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年11月 晋 揚州 寿春】
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 /
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 今年の略奪今年のうちに!
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 石勒軍が寿春を攻撃ッ!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 /
())ノ__ ○二○二⌒/../
揚州の皆さん、大掃除の時間ですよ!! ./ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
- 918 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:29:53.24 ID:f9EkJNKM0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| この寿春から南下した石勒軍は、
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 蘇峻将軍配下の軍勢が打ち破ったとの事。
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 石勒軍は撤収を開始した模様です
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || . /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
|「\________\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
|l____V/___l| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨ /
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.: ∨
|:.:.:.:.:.:.: ト:.:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
レ|:.:.:.:.:-l── |:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
|∧\:{____\|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.|
l:.:.:. 灯⌒ア|:i:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:∧|
蘇峻殿には頭が上がらないな。 . |:.:.:ノ 从.:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|: /
|:..、 |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|/
今後を考えれば、昵懇にしておいた方がよさそうだ。 .|:.:.:... __ |:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:厂'′
|:.: i:.:.\__ ィ|:.:.:./V:/|/{
それに引き換え、何故朝廷は寿春へ助けを寄越さないのだ? \{\{ VW⌒|/ 人_
厂{\}_________/ ,ハ
({://}: / {
ノ⌒| |/¨¨¨¨\_____{
\_/| {⌒}i Y
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒軍が寿春を攻撃し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一時は長江流域の阜陵にまで迫るも、蘇峻が派遣した援軍に撃破された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 一時は王導が大都督に任命されるなど、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 国家挙げての迎撃態勢が取られたが、どうにか事なきを得た格好だ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 919 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:31:24.83 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年冬 晋 揚州 歴陽】
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ●__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 王敦の乱以降、蘇峻の武名は高まるばかりだった
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 920 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:33:41.68 ID:f9EkJNKM0
-
/ (:i:/ー ⌒ \
/ '" >, / ヽ ヽ
/ /7/ i `
}/ / { {: i i / / | | ',
/ ' 人_ | | ' /'| | | | }
. /''| { {⌒>-| l /--' | l , 斗―从,
/' | 人 ('⌒|人ィ不ハ_ヽ,/l /ィf灯i |/ うちに入りたいんだって?
// | \{ i| 乂 ソ i/ ノ vソ | |
/'| | /|人l ハ ' | 何をしでかしたんだ?
ノ | /'l' || 八 i _ , イ' |
| :i l 八 ∧ 个 / l j
| 从 j / _ V从 rー' 人 ,
人 , >'" \∨ {_ V
\i/ '《 ハ ヽー
/ '《\ー -〈 \、 ヽ
, '《 ――ミ ヽ{ ', __ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
大谷はDHとベンチの二刀流ってコメしたらアク禁されたんでさあ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『蘇峻伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 蘇峻の軍勢は精鋭一万人を有し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .器械の扱いに精通していたため、朝廷は彼らの拠点を長江の外に定めた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 921 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:36:06.99 ID:f9EkJNKM0
-
}
ノ}
ト、 / ノ
} `⌒ ム-ミx
-=ニニ二ニ=-_ `
ー=≦  ̄ ≧- _ マ \
/ ` 寸 マ⌒
/ \ 爪 ト、
ト、{ \ l} マ⌒
/ 「 ∨ ト、 }、 | トー一
⌒´|| 斗`ヽ∨ ト ィぅ笊〉 ト マ乂 :| 皮肉の一つも言えない嫌な世の中だ。
{∧ {芋_`\〉 V 沙ハ | ヾ | |
. -=| マv シ ⌒ァ :|ノ |∨| 面倒見てやるから、槍働きで返してくれ
-=ニ ト、 八 ′ / l/} :| ∨
-= 人个 ハ 、 ノ / ァ | ノ |: ∧ ィチニニ=ー
.ィチ ⌒ | ト、 イ| 爪i:i:i| /|: ∧⌒´、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ト
∠. l ,: 个ー=≦ |: / wi:il /i |/i:i:i:i:i:i:i:i:\i:i:i:i:i:i/ ̄ ̄ア
彡  ̄ ̄ ニニ=- |: ム-=≦ ハ | ノ Vノ′/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i \i:i:′ /
.  ̄ ̄ |:ノ /` ァ } 乂i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ii:个ー彡i:i:i:i:
, : ノ -=ニニニ_i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
≧=- -=ニニ / /´ -=ニ/⌒´ ヽト、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i, ´ ̄ \__人_人从_人_人从/
. > ´ニニ=-<彡X) / マ `トi:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i: _) (__
/ {乂 ノニニ-<く }i:i:i:i:i:i:トュ /i:i:i:i:i:i:i:i:i: ) 勿論さぁッ!! (
′ ⌒´ _x ハ 爪ト、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ̄ ̄) ( ̄ ̄
{l \\ '. { \i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
八 ` .: | ヾi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 蘇峻は驕溢な心を抱いており、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 配下の兵力を自負して異志を有し、亡命者・犯罪者を受け入れて匿った。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .兵力は日々多くなっていった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 922 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:37:45.40 ID:f9EkJNKM0
- 【>>921修正】
}
ノ}
ト、 / ノ
} `⌒ ム-ミx
-=ニニ二ニ=-_ `
ー=≦  ̄ ≧- _ マ \
/ ` 寸 マ⌒
/ \ 爪 ト、
ト、{ \ l} マ⌒
/ 「 ∨ ト、 }、 | トー一
⌒´|| 斗`ヽ∨ ト ィぅ笊〉 ト マ乂 :| 皮肉の一つも言えない嫌な世の中だ。
{∧ {芋_`\〉 V 沙ハ | ヾ | |
. -=| マv シ ⌒ァ :|ノ |∨| 面倒見てやるから、槍働きで返してくれ
-=ニ ト、 八 ′ / l/} :| ∨
-= 人个 ハ 、 ノ / ァ | ノ |: ∧ ィチニニ=ー
.ィチ ⌒ | ト、 イ| 爪i:i:i| /|: ∧⌒´、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ト
∠. l ,: 个ー=≦ |: / wi:il /i |/i:i:i:i:i:i:i:i:\i:i:i:i:i:i/ ̄ ̄ア
彡  ̄ ̄ ニニ=- |: ム-=≦ ハ | ノ Vノ′/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i \i:i:′ /
.  ̄ ̄ |:ノ /` ァ } 乂i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ii:个ー彡i:i:i:i:
, : ノ -=ニニニ_i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
≧=- -=ニニ / /´ -=ニ/⌒´ ヽト、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i, ´ ̄ \__人_人从_人_人从/
. > ´ニニ=-<彡X) / マ `トi:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i: _) (__
/ {乂 ノニニ-<く }i:i:i:i:i:i:トュ /i:i:i:i:i:i:i:i:i: ) 勿論さぁッ!! (
′ ⌒´ _x ハ 爪ト、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ̄ ̄) ( ̄ ̄
{l \\ '. { \i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
八 ` .: | ヾi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 蘇峻は驕溢な心を抱いており、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 配下の兵力を自負して異志を有し、亡命者・犯罪者を受け入れて匿った。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .兵力は日々多くなっていった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 923 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:39:29.90 ID:f9EkJNKM0
-
/(_
<⌒ヽ , -――-
'⌒ / / \
/ / , }ヽ \
7 (ヘ /} / | ', 从/⌒
; 八)Yl ,v--从ノ ィ不、 ショイグ!
| v |∨iィf 示 じ V \
|人 ):| 八乂ソ _ 人 ) ゲラシモフ!!
\/八 ヽ_(:::::イ )/
\{\}:.7oV:7 ,、__ .兵糧はどこにある!!
/:. _/:. | ̄ }i:.ヽ人_〈
\:.ヽ:|:| ̄ |:vY:,/
)- 〉===へ¨´
└イニrrニi /\___/`-、_
| l | | /_,ノ ヽ、_/ / ,〉、
|(=), (=/ ´/ /)
| ,ノ(、_,)ヽ./ , ' ´,/
| `-=ニ= 'V __, <´
\ `ニニ´ 〈´/::::Λ
ヽ ー--.ヤ::::::::::::::Λ
今年も不作ですので、もう少し切り詰めて頂けませんかね /ム _ , -./V:::::::::::::Λ、
_,. -/:/:::ハ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vヘ
//./.:::/:::l y .::::::/::::i::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::i::::::::::::::::::::レ;
i :::r :〈 ::::i::::::::レ .::::::::::::::::::::〉、:::::::::::::::::ノ
i :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼らは県の官吏に食糧を仰いでおり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 兵糧を運漕する者に不手際があると、好き勝手に怒声を浴びせた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 924 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:41:06.56 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元326年冬 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| 蘇峻軍の兵力は増える一方で、
. | u `-=ニ=- ' .::::::| 歴陽県のみでは彼らの兵糧を賄いきれません。
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 蘇峻将軍は謀反を起こすつもりなのではないでしょうか
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
\ニニニニ/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::,ニ二二二
\二二|:::: | :::: |::::::::: │∧ :::::::: l:::::::::::::::::::,_... -‐ァニ
\二|:::: | :::: |::::::::: /∨∧ :::::::: l:,,. ''"´/ /ニ
_____\|:::: | :::: |::::::::/ ∨∧::::::::: l /.:::::::/ /ニニ
. \ニニニ__|:: 八 :: | :: /_.. -‐∨∧::::::::/.::::::://| ::,ニ二
\ニ二\V/V//|\|/´ ,x弋ゾノ/\/.:::::::/´ :: | : ::,ニニ
都の近くで不平分子を集められても困る。 \ニニ`V/ :|丈}  ̄´ \//`¨´/| :::::: |:::::::::,ニ
_..ニ=-‐|::::::::|_∨ :l::`¨¨¨´l | :::::: | ::::::::::,ニ
官職の昇進を名目に都へ呼び寄せようか ⌒\ニニ|::::::::| :..`、 l:::::::::::::: l| :::::: | : ::::::::::,
>|::::::::| :::::: \ ─- ,xl:::::::::::::: l ::::::::|:::::::::::::_..
_... -ニニ|::::::::| ::::::::: x─‐┐/..: l:::::::::::::: l::::::::|:::::::/ニ
⌒''〜ニニ|::::::::|::::::::::/ / ̄::::::::l‐'^`l:::::::::::::: l:::::::|/ニニ
. <ニニ|::::::::| ::::::/^i二二| :: l‐'^`l:::::::::::::: l/ニニニニ
\|::::::::|:_,,. | :::|──|'´/l:::::::::l:::::::::::::: l二二二二
| :::/ | :::| こ_ノ─ァ:: / l:::::::::::::: lニ=-‐=ニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 明帝死後、朝政を委ねられた庾亮は蘇峻を制御しようと欲した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『庾亮伝』によれば、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .先日誅殺された南頓王の徒党が蘇峻の下へ逃げ込んでいたという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 925 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:43:41.92 ID:f9EkJNKM0
-
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| .賊を討つ外任であれば遠近関係なく命令に従うが、
| l ____ l | 内で朝廷を補佐するのは堪えられないので、話があっても辞退させてもらう。
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \ .そう蘇峻将軍は仰せでしたっていう
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i|
/.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_... -
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニニ
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニニ
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニニニ
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二二ニ
こちらの話を聞く気はないと ./ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二
/ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ=-
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二二
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二
. /ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二二
. /ニニニ二lニニニ|ニ二|ニl{{,ノノ/ニ| ::::::::::::: l_..二二二ニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 庾亮の意向を聞き知った蘇峻は使者を送り、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 自分は朝廷で政治に携わるのは向かないと主張させた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 926 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:45:18.95 ID:f9EkJNKM0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´●寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ●__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ こうした状態が続く翌咸和二年(三二七年)五月。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 寿春に駐屯していた祖約が鎮西将軍に任命されている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 927 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:46:32.17 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年5月 晋 揚州 寿春】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 朝廷は祖約殿を鎮西将軍に任命すると決めました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || /:.r_________\ :.:.:.:.: \
ム/:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:. \|:.:.:.:.:.:\
ノ:.ト :.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.|:.l \:(\Χ⌒\|:.:.:.i:.:.:.|:.:.:.:|
/:.:.:.∧{/⌒ 代_チ|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
官職で私を釣れると思われるのは心外だ。 /:.:.:.:.:./:.∧ィチ ' ' ' |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
./:.:.:.:._______厶' ' 丶 |:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:|
近頃の朝廷は、 :i:/⌒¨¨|:::::::::人 r .ぅ |:.:.:.|:.:.:.|:.:. ノ
北来の将兵を軽く見過ぎではないのか? ./________「 ̄rノノ\ /|:.:.:.|:.:.:.|/
{/ / :.:.:.:.:|VW 〕ト イ |:.:.:.|:/
./ /V:. {\ト{________} / |:. /_{__
/ /_ニ=- ⌒} ̄ r{ィ元}\ |:/ -ヘ、
/ \ 7介く__/ \_____
Υ ィ :| . -=V/^' レヘ /¨¨¨¨¨¨¨|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 祖約は特に功を立てたわけではない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ここまで述べてきた状況を踏まえると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖約を鎮西将軍にする事で、蘇峻への牽制としたのかもしれない。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが、ここでも問題が起きてしまう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 928 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:51:13.61 ID:f9EkJNKM0
-
./:.:.:.:.:.:.:.:.:|「\/\/\/\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ _________________ 、
./ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |/:.: /:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\|\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:. / |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V
|:.:. i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.: / :| |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:. |:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:. |:./ \|_|:.|:.:.:.: |\:.:.:.:.:.: |
|:.:. |:.:.:|:.:.:i ⌒Y{""ん iトV\:ト|__ノ⌒ .:.:| そもそも何故、
|:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.: 从 :|::r刈 ≠ミ ∨:.i: | 郗鑒や卞壼などが先帝の遺命を受けたのか!
|:.:. |:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.: ⌒"" i:r刈 ∧/:.:|
\:|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:|/:/:/:/:/ 〉/:/:/:.:.|:.:.:| .近頃石勒軍が襲来した時、朝廷は援軍を出さなかった!!
\|:.:.:|:.:.:.:.:.:|u ___ / .:.:.|:.:.:|
|:.:.:|:.:.:.:.:.:| `⌒ぅ イ:.:.:.:.:|:.:.:| 長江南岸の守備を固めていると聞くが、
_____\|:.:.:.:.:.:| \_____ イ:.:| .:.:.:.:|:.:.:| 有事の際に寿春まで捨てろと言うのではないだろうな!!
/⌒¨\:{_\:.:.:.|\__ ∧ V:/|.:∧ .:.i:.|:.:.:|
/ ヾ \| |{/|______:|/ W:.:|:.:/
./ } } ___ ィ⌒7\__}__} \ /:/
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(○), 、(○)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `‐=ニ=‐ ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『祖約伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖約は日頃から格下と見なしていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 郗鑒・卞壼が明帝の顧命を受けた事を不快に思っていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、以前から朝廷の措置に不満を募らせており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ ある時、庾太后からの使者相手に朝政を誹謗中傷した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 929 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:53:07.52 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年5月 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| 挙句先帝の遺詔は
. | u `-=ニ=- ' .::::::| 偽物ではないかと暴言を吐いていました。
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 鎮西将軍任命は藪蛇だったかもしれませんね
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_... -
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニニ
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニニ
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニニニ
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二二ニ
どいつもこいつも ./ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二
/ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ=-
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二二
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二
. /ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二二
. /ニニニ二lニニニ|ニ二|ニl{{,ノノ/ニ| ::::::::::::: l_..二二二ニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 当時の庾亮の政策方針は劉隗・刁協に近かった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王敦の乱の経験を踏まえ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 首都建康及び長江流域の守備態勢を強化する。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 一見筋は通っているのだが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 地方の諸将からは、外戚の庾亮が好き放題していると捉えられがちだった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 930 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:55:11.25 ID:f9EkJNKM0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 後年、慕容部の慕容皝にすら上奏文でこう指摘された
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
. l / \
三 | ミ|l l /〃皝 ヽ} | 、. ヽ
庾亮が舅になって執政を始めると、 .\. |ミ.ljハ トkハ 从斗j │ ',
辺境の諸将を軽侮した命令に蘇峻と祖約は怒って国を破ったわ。 /. X 三 | l∧}● V ● ! |、 ハ
,′ , \ | .ハ.ノ@ ┌‐┐ @. |ノ ヽ \
別に燕王になりたいわけじゃないけど、藩屏は大切にしないとね .{ __, ___/⌒ヽ__リ人 | ! /". /⌒i ヽ ヽ
\ //" > ー┴イ{. ヘ /! } }
` / / \ (::::::::Y Y:::::.!| `´/ヘ { {
. ヽ / ミ. ヽ/ノ ):::::::∨:::::ノ. ヾ..ノ.::::::\\丶
慕容部 慕容廆の子 慕容皝
- 931 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:55:52.54 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年秋 晋 首都 建康】
_ノ爻爻爻爻爻爻爻爻Xx /::/:: :: ::_\::_\
)爻爻爻爻爻爻爻爻爻X7:: ::':: :: ::/:: :: :: :: ::.ヽ
>爻爻爻爻爻爻爻爻爻/: /:: :: ::/:: ::.|:: :: :: |:: :: :.
⌒>爻爻爻爻爻爻爻Xr―v:: :: :: ':: :: ::|:: :: ::/:: :i::.i
^7爻爻爻爻爻爻(⌒\(i:: :: : T赱__::/:.::/:|::.| 詔勅で蘇峻を大司農に任命するとして、
⌒)爻爻爻爻爻爻∨:: :|:: :: :: | 迩/\_:|__ 配下の将兵を歴陽に残して建康へ来るように命じよう。
)イ爻爻爻爻爻Xx::|:: :: :: | _ ' 人\ァ⌒ヽ_
⌒V爻爻爻爻爻:|:: :: :: |\ _´イ:: ::i__合 ヽハ/\ .蘇峻さえ兵と切り離せば、祖約など物の数ではない
_ ハ `⌒Vヘ爻xx|:: :: :: |二二i:: |:: :└―r--- Vハ∧
r--ミ i i | /⌒ヽ|:: :: :: トミM ヘ_|:: ::.|:: :: | |//i V|二
〉\', ∨ |ミ 、 ' 八 : : : |从<>/^ 从:: ::.| |//| iハ二
/ノー\_{___>ハ i i :: :: ::| ``丶、,;)'⌒``〜、/| |/| =-
` /∨ iハ ∨:〜〜7 ∨:: :|,x=/ ̄ \ \ |/|ニ=- /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧
/∨ |V∧)ハ_∨⌒) ∨: !ニoニY二二', /二 YV 二ニ 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::<
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
蘇峻殿は疑り深い男です。 } ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
絶対に詔勅を奉じないでしょう。 . {__ /.......................
. L ___ノ /..........................
寛容の心を見せた方がよろしい .└r /.............................
}__ ノ⌒/\..........................
/ 丶.............../
′ \../
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 庾亮には地方の諸将への理解が不足していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『王導伝』に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .蘇峻の処置を巡って王導と争った事からもそれがうかがえる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 932 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:58:18.85 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年秋 晋 揚州 歴陽】
. ――≧―< _ ー-ィ  ̄ ̄ ̄´<
/ \ \ >
≠ 三 ̄`≧ ―- \ }、 、< |
/ / i\ \ ,/ /,、7i '\
/ /i ' \ ∨ / ,/_ハ | \
/ | / | ヽ ハ,/ 彡三'} |
. / 、 | ,/ .| ヽ ∨彡三j/} ハ
. ー イ | .//メ、 {ハ /i__} } ∨彡 // ,ハ
. | ,| /tヤ゙笊ミ、 ヾ斗去==ミ、} \// I
. l/t| .∧ ト、t_'ノ イ ( : ) ケ' ;ト、_ \ |\}
|/{ィハ| "" / '}冫'j≧' | ……大司農だって?
な |' | } / / / }/_;∨ ,ハ /
| ム 'J } |'〈 ` ∨ ,′'
ん | ./ \ ' =- ィ | ム '∨ {
| / ,> 、 <"| /}/ / \ ∨ ,{
. |,/ / ` <"\. | ,/ ,} / ×\ {
: { // | } |/ ,/ / ,_\ '
| ゙{| :| / / / __ > 、
だ | :{| :| / ,′/ ` 、
V {| I,/ , / ュ
と \_|| 「≧ . i
|'N、 }><| | | .
!? |丶、>x″ :| | \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『蘇峻伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 蘇峻を大司農・散騎常侍・特進とし、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .弟の蘇逸に部曲を率いさせるよう詔勅が下った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 933 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 22:59:28.93 ID:f9EkJNKM0
-
..斗fヒ´ /N レ'´ / \
`7 7ア j7人 / . i ト、ハ ヽ
/ / 从 )ト./ / / i! lトヘ li V\
. イ / V7イ / / /i! i| i ト. V⌒
ノイリ ' ∨´ i!i! ' /从 i il| レリ ハ }从
. / _ノ , i|ルイ_ _)ヌメリ ´ .ィイ .ハ 人
i 斗<斗f匕1 | 芹芋芋ミ 芹テノ /リ
从 ト . 人! 从 匕..ソ し'ノ}!iイ デカい釣り針だなオイ
人 人 / リ ト , ""/从j
)ト=孑く{! /イ从 | u _ _, . イ !
.> '⌒ヾ 人 从 i! 〕ト . ` ´/ ト人
/ Vハ \ )ル i! >rく i
. Vハ ヽ. i}- ´ } リ |
/ニYニヽ /`i
. / (0)(0)ヽ / リ
. /  ̄`´ ̄ ヽ| /
| ,-) (-リ ヒ
即断するのは危険ですっていう。 | l ____// ,`弋ヽ
._ \ ` ⌒´.′.Y´ , `ヽ`.l
まずは適当に理由をつけて朝廷の出方を見てはどうかっていう ./ : : :介〈 `ー〈::....ノ Vヽ
.| : : : : ::〈 「`ヽ_ー 、 `ヾ_/ //:|
| : : : : : /: | {::::} フ-、`ー┴‐- │
| : : : 〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 確かに蘇峻は王導が述べたように疑り深い人物だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 朝廷の殺意を疑い、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .真意を探るために上奏文を送っている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 934 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:01:58.52 ID:f9EkJNKM0
- 【蘇峻さんの上奏文@『晋書』『蘇峻伝』】
┏──────────────────────────────────┓
昔、明皇帝は臣の手を親しく執り、臣を使って北の胡寇を討とうとしておられました。
今、中原は未だ安泰ではなく家は無用となっており、
青州の荒廃した諸郡を補う事を以て、鷹や犬として用いて頂きたく。
┗──────────────────────────────────┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ! 上奏文を見ると、
∨|:.:.! ノ/i/ノ 蘇峻の目的が北伐にあった事が分かる。
ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- -- <イリ 結果として謀反を起こしたとはいえ、
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ .心情的には王敦より祖逖の方に近いのかもしれない
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 935 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:02:49.86 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年秋 晋 首都 建康】
,. ''"~ ̄ ̄~"''〜 .._
/ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: | 却下
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: |
.ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,>-=ニニニ二二二\|::::::::::::::::: |二\ニニ二二|::::::::::|
二二 / ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |\ \ニニ二|::::::::::|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 庾亮は蘇峻の申し出を許さなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦の乱を鎮圧に活躍した勇将相手に強気なものである
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 936 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:04:37.45 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年秋 晋 揚州 歴陽】
..斗fヒ´ /N レ'´ / \
`7 7ア j7人 / . i ト、ハ ヽ
/ / 从 )ト./ / / i! lトヘ li V\
. イ / V7イ / / /i! i| i ト. V⌒
ノイリ ' ∨´ i!i! ' /从 i il| レリ ハ }从 カメムシ野郎が。
. / _ノ , i|ルイ_ _)ヌメリ ´ .ィイ .ハ 人
i 斗<斗f匕1 | 芹芋芋ミ 芹テノ /リ 先の戦じゃ俺たちの後に続くだけだったのに。
从 ト . 人! 从 匕..ソ し'ノ}!iイ
人 人 / リ ト , ""/从j 外戚だからって調子に乗ってやがるな
)ト=孑く{! /イ从 | u _ _, . イ !
.> '⌒ヾ 人 从 i! 〕ト . ` ´/ ト人
/ Vハ \ )ル i! >rく i
. Vハ ヽ. i}- ´ } リ |
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
将軍の求めは許されず、 | ,-) (-、.|
このような状況になった以上、恐らく生きる道はありませんっていう。 | l ____ l |
\ `ー'´ /
兵を指揮して自衛する以外ないかと /⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
- 937 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:05:53.85 ID:f9EkJNKM0
-
/ }/l / / | |∨^\ `、 l \
. //,l / ,:´ | | | ` | | l l¨¨⌒
{//l / / | | | | | | l l
. /〉/l/ l |: /| | | | /| | | | l
{/ | | _」 / :| | | |: / :|/| | |\l
. ^マ777 | | /|``'〜、、|\ | _|/∠=-─ァ|\ |
| \l /| |: 厶|/==‐-ミ'ー\| ´/'つ::}:}/ / /\| .腹を括るか。
l |: /| |: /|∧\( つ{:::}::}`' 戈ン゙ / / l
l |∧| |/\ '、 戈こン / / l l .寿春の祖約にも声をかけておけ。
l │ \`、 // │l
. l | ^ト\ / /│ |│ あちらさんも
. | | | :| __ /l | │| 庾亮憎しで凝り固まってるだろうしな
. | /∧ |〉 |\ \v-----‐=ァ .イ/ l | │|\
. |////∧: |∧ :|//|丶、 ‐--‐''´ /////l| 八|'//\
///////∧|/∧ |//| . /'//////,|: / ////// \
. <\//////////∧ :|'/ノ ^''ー‐'^ | ///////|/ /////// />
//\\/////////∧|{ |\/////////////// \__人_人从_人_人从/
////\\///////八゙、 }}\'////////// _) (__
) 御意ッ!! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 最初蘇峻は建康へ赴くべきか迷っていたが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 配下の進言に従って朝廷の命に応じないと決めた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .そして、謀反を前に、同じく庾亮へ不満を持つ祖約に誘いをかけている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 938 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:06:41.05 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年秋 晋 揚州 寿春】
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| そういう次第でして、
| l ____ l | .祖約将軍のお力添えを頂きたく参上しましたっていう
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i|
/:.:.:.:________________:.:.:.\
./:.:.:.:.:/_//__\/_|l___i:.:.:.:.:. \
/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:. \|:.:.:.:.\:.:.\
/:.:.:.:.:.:./⌒:.:.::.:.:.:.|⌒ :.:.:.| :.:.:.:.: |:.:.:.:.|
|:.:.:.|:. イ V\_____|_\:.:.:.| :.:.:.:.: |:.:.:.:.|
話は承知した。 .|:.:.:.|/:.| \| :.:.:.:.: |:.:.:.:.|
|:.:.:.|:.Y == === |: /:.:.:.:|:.:.:.:.|
私ばかりか蘇峻殿まで粗略に扱うとは言語道断。 |:.:.i:|:人' ' ' ' ' |/ .:.:.:.:|:.:.:.i:|
|:.:从 「f{ ̄ ̄}___________ イ:.:.:.:.:.:|:.:.:从
庾亮討伐の兵を出そう V _|.人____ノ V¨¨¨廴 |.:.:.:.:.:.:|/
|_____| |_r(_込_)┐ V:/}/
| | / 〈_/|__|:┘\__|_
│ 〈____X________}\___]
人_}=ニ二二ニrく ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┴く ̄ ̄ ̄ ̄
- 939 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:09:26.53 ID:f9EkJNKM0
-
ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 祖約将軍が
_..,,-":::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i .蘇峻将軍と組んで庾亮を討つってさ
"-..,,_r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
`!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| こりゃゆっくりしちゃいられねぇ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' .L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 今までの朝廷への恨みを晴らさないとな
ノノ ( ,ハ. ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
( ,.ヘ ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
, ' i l ` .、 ヽ
./ | j∧ .i ヽ ヘ
f /| /‐‐气 ! | .ヘ ハ
{ {)/ 、_,, |/- 、 .ム l
.V .r " ・ j' fy } .l V
|ヽ..ヘ ' ,zチ j ヽ
| 个:、 ー. ,.ィ./ / \
人 .l` .ミ≦k/ /、 .> 。..,,_
ミh、 .V .「;;;;/ /.: .ヽ\ ~"''〜、、
ミh、 };;;;f ./! / .\`''< 、 `ヽ、
).云.{ /.l;;;;!〈 i |ニニ.\ ヽ< ヽ
,.イ } ./l |;;;;!~ヽ__ ,,ノ.j i \ ヘ .\` ミ < ハ
/ f {.|.|;;;;| .|.|_" ム 、V.} ヘ;;`''ミ < .}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 蘇峻と祖約は手を結び、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 庾亮討伐を名目にして乱を謀ったと『晋書』『蘇峻伝』は記す。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 意外な事に、祖約軍団では蘇峻に同調する声が大きかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 祖逖の晩年から
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 朝廷との関係が悪化していた影響だろうか?
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 940 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:11:28.03 ID:f9EkJNKM0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『桓宣伝』に曰く。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 祖逖の盟友ともいうべき桓宣は、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 祖約の甥に当たる祖智という人物に忠告を行っている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/ . :/ニ>' ´ `丶ミミ、 ヽ
, ′ . :// l \ミ '.
/ . :/,′ ./ / /.| i ヽ}: . |
/ . . :/ :/ / / / | | ヽ '. : . : . :
〈 . : . : . : ., ' / / / /__ | 八 ヽ ∨: . : . . :|
今、強胡は未だ滅びず、 ヽ : . : . : /l / ,' / ./´ ̄` i / __ヽ '. ',: . : . : .|
これを戮力して討たなければならないわ。 '. : . : ./ .| i l ..斗孑苧斥ミ. j /´ ̄ \. | ∨: . : . !
∨: / | l i ヒぅ ツ ′ / ャ斥芍ミ `ヽj ハ: . : .ノ fi:Y
それなのに ∨|:. ∨ | , , ,´´, ,.. / / 弋ぅ::ツ `ヾ / rf三≧:、 |il |
何故蘇峻と共に謀反して安寧を得ようとするのか。 ./ |:. ', i / /i , ,´´,...’/ .i rf壬三ミト、!|il |
j |:. ∨ハ /'"´ ′ /j.ノと'ノ⌒>ニ/〉il |
祖約殿が雄覇したいのなら、 .∧ |:. '. 圦 __ /' _..斗匕´ニ才´: : j_ノ
何故蘇峻を討って名を挙げないのかしら / } .八:.. ∨ ,>、 ` '. ' .f´=≡==f'´: : :_/
/ :八 ',:. ∨: > イ .ノ==≠==く : / :|
/ :/ ∧ ∧:. V==‐-....__...-‐─=/ニニニニニニY i .:|
/ ..:/ // ヽ ハ: : ',三二三二三}___..{ニニニニニニ| ,' : l
/ .:// / i \}:. l:. ∨三「二~>':::::::/弋ミ} ̄  ̄  ̄iヲ / .:人
- 941 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:13:20.68 ID:f9EkJNKM0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V なお、祖約も諫めようとしたが面会謝絶された模様
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
/ / / i : `ヽ /ll
. j l i | lヽ ∨ \
rf≦´l { l ,'l }ノ\ i ,レ┼、
ヽiiiヽj l | ./ | ,' <.} | (乂ノC!ヽ
:::::}iii∧ l |/フi ///// l | ,レ┼、
ここまで考えがないとは思わなかったわ! L::レ' \ | i ノ/t、_.イ ノ .ノ (乂ノC!ヽ
八 /'´~{ 乂_斗ー、
絶交よ!! r' .込 ∨. j 丶、 とヽ_:\
. | jミiハ V{っ ヽ、 {三 }、 、ヽ
. l {ii>ヘ´三) `rく: :\ j
. {f≦´: .:ヾ)ノ´⌒ヽノ壬介、 .ノ
ハ___ ..ィ≦三二∨三二ニ}.~´
- 942 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:14:08.42 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年11月 晋 揚州 歴陽】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 台下は俺が謀反を起こすとして ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 生かしてはおけぬと言っている!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
r'ニ;v'ニ;、
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
台下? . i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
たぶん庾亮の事だっていう /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
- 943 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:15:14.21 ID:f9EkJNKM0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 俺は安寧に墓地へ行けるよう廷尉に望むが ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 廷尉が墓地を望む事はないだろう!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
r'ニ;v'ニ;、
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
- 944 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:16:46.02 ID:f9EkJNKM0
-
\. . . _. . . . . . . . . . ⌒\ . . . )\. . . . |/. . (_
 ̄\ \. . . . ̄三二ニ=-. . . \. . . . } . /./. . . ./. .\
 ̄ ̄| (. . . . . . ----------ミ . . . /./. . .// ).}
|( \ . . . \ . . . . . . . ). ././. . . . >__彡'
∨ 、  ̄三二ニ=--- ⌒\/---<__ /⌒
. ∨_\_ ̄ ̄三二=--へ====-=ニ _
_____ /∧\\ ニ=- .//⌒'く. .`丶、. . . . . ``丶、
|: : : : : : : \ /∧ \. ̄/. /. (. .{ . )、. . . .\. . . . .\. . \ \
|: ::| ̄ ̄\:.\_∧ ∨. . /. . (.ン/. . ). . . . ..\. . . . .\. . \_):\ \
|: ::| \: : : :.:| | ./. . . . ./⌒\. . . . . . \=- _. \. ----..\)\
|: :.| \ |'//| |/⌒>''"゚~~゚"'' . . . ../(. . ). . . . . . \. . . . . ..\ \
|: / | // .| /___. . . . . . . .\. . . \. .__. . . . . . . \_). .ノ
|/ | / | (. ( (>''"゚~ ̄~゚"'' )\. . . -=ニ二三 ̄. ./( ノ
./ \ .|. )\. <.. . . . . . . . ../ ̄~¨¨二ニ==‐- . . . . ./. 〈_
.\ | /|/. /. . . . . . ./. . ./ )\,,__|__彡イ./. . ..|⌒ .連中は国家が累卵の危機にある中!
.| | _三二=- . ./:/ . . . / Y'⌒ヽ | / ./. . . 人
.|__ | 〈::::>- /)/ )八( /;;〉| / . . ./}⌒ 俺の役目が済んでいないのに、
../ \ /|. /. ./.:/ ( {/ 〈/. . . ./ )/ .狡兎は死んだとして猟犬を煮る気だ!!
/|_| //// . . . . ./ ∨ 〈. . ./) /
/ / 〈 /../)/∧ . . . . . /:i| ∨./ 謀を企てた奴は、
/ /__,,V (/i///∧. . . ..../::八 > .死をもって報いるのみ!!
../ /\ / ∧ /| /∧. . .:/::/:::::::. ―┐ _r '´
. / \_ ∧ |_/⌒> '⌒\::::::::. /::/::::x<
 ̄ | |\ | / / | | ニ: \:::::. {/. . . .(⌒
_____,,|_|_|_\ | | |/ / / \___/. . ) ̄ ̄
_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | / / 〈 ). ../
//\ \/ / | ̄ ̄ ̄
////\__ ∧____ / / | |
. ̄ ̄\ / ∨\ \ / / \ |
| / | \' ∨ |. |
- 945 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:18:32.88 ID:f9EkJNKM0
-
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 長江を渡るぞ! >
< ( r'ニ;v'ニ;、
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ . _,!゚ ) i゚ ) .iヽ
r=、r=、 / `ヽ,. ┘ ヽ
,、 ,、 .__{゚ _{゚ _} i ′′ }
, - (゚(゚ ))> /´l r `'、_,ノi、 l、 、 ,!
r-=、( '' ,r'⌒゙i>_{ ) ヽ.____,ノ` 、 !
`゙ゝヽ、ヽー´ ,,ノ::``、 _.r(_ ノ゙`ー. ヽ,.┬/ | /7
にー `ヽ、_ /::::::::ィ"^゙リ-r _,,ノ ,. lー' /ニY二ヽ
,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ `ァ-‐ /( ゚ )( ゚ )ヽ
ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/ / /⌒`´⌒ \
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i | (-、 |
 ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl , ヽ___ノ | ト- :、
lミ、 / f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:イ`ヽ | |r┬ー| l ,/;;;;;;;;;;;;`゙
! ヾ .il l l;;;ト、つノ,ノ / /:ト-"∧ l | / //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / / ,レ''";;;;;ヾ二,-;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
人 ヾニ゙i ヽ.l yt,;ヽ ゙v'′ ,:ィ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ、_ノ ゙i_,/ l ヽ ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
` ̄´ / l ヽ ヾ"/ `゙''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/ l ゙t `' /^t;\ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 十一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州刺史祖約・歴陽郡太守蘇峻らが
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .反乱を起こしたと『晋書』『成帝紀』は記している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 946 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:20:08.51 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年11月 晋 首都 建康】
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 大変です!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 歴陽の蘇峻将軍が挙兵に及んだとの事!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ .寿春の祖約将軍も同心した模様!!
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ jI斗‐…‐ 、、
/:::::::::::::: ', ム`:::、::.、 ,イ{
//:::|:::{::::::::}::| vム ::::ヽ:ヽ '=l{
/::|:{: |:::{:::: /:/ vム ::::: V:'.,ニ', ,ィ ,イ}
{//゙{VV{/}/'" i:vム:::::::| :::',=},イ/______/=,'
//::{-、ヾ{ ,ィ'示ア|:: vム::::|'''77'''''〜 、、二/
ついに来たか。 //::八rtッ} ′~´ |::::::\゙< /_ ..。s≦~二/____
〈〈i::::::::{ く |:::::::::: `¨´:::lニニ/ニニ>'"_____
だが、長江を渡った所で防げば問題ない ',|:::::从 , .|::::::::::::::|/{ :/{/ニニニニニニ/
V≧s。| :::::: !\ "´ |::::::::::::::|={/二二ニニニニ ̄~≧s。、
V-二|:::::::::|:::|::\_ ..。s'"|::::::::::::::|ニニニニ∠L」_ニニニ\
V二|:::::::::|:::|:::|:::l::::}二 |::::::::::::::|ニニニニ>''"´ニニニ`<≧ァ
、--=≦ニニ|:::::::::|:::|:::|:::l::::}二 |::::::::::::::|ニニ>'" v二二ニニニニニ>
`<ニニニ|:::::::::|k、 :|:::l:;イニニ,|::::::::::::::|'" Wニ.>、=ヘ¨¨~´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 蘇峻の乱の始まりである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 947 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:22:09.75 ID:f9EkJNKM0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./●于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 十二月。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 蘇峻軍の先鋒が于湖を屠ったと『晋書』『成帝紀』にある
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 948 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:22:46.60 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年12月 晋 揚州 于湖】
/\Y/ヽ
/ (○) (○)ヽ
/::::⌒` ´⌒::::\
| ,-) ヽ__ノ(-、| .jl //
| l |r┬.l[] .| l || ヽ \/ 左将軍司馬流!
\ `ー|| | /""'''ヽ | || ゝ /┣¨┣¨┣¨
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ \__人_人从_人_人从/
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\ _) (__
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 ) 退けッ!! (
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /  ̄ ̄) ( ̄ ̄
/´ ゝ ;;::/ {  ̄ソ ヽ / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/\Y/ヽ
/ (○) (○)ヽ
/::::⌒` ´⌒::::\
| ,-) ヽ__ノ(-、| .jl //
| l |r┬.l[] .| l || ヽ \/
\ `ー|| | /""'''ヽ | || ゝ /
討ち取ったりっていう! ,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」┣¨┣¨┣¨
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /
/´ ゝ ;;::/ {  ̄ソ ヽ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、討伐にやって来た
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 冠軍将軍趙胤・左将軍司馬流の軍勢と交戦。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司馬流は敗死し、趙胤はかろうじて蘇峻軍を防いでいた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 949 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:24:40.78 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年12月 晋 揚州 蕪湖】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} 蘇峻軍の前にお味方は形勢不利ですので、
| :レ | ● ● l :| 宣城まで退いて守りを固めては如何ですかと兵士Aは進言します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ (ヽ,,.
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| __,,,,,,,))))ヽ,i彡,
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ (・ │ fェ 彡ミ
>イ| 彡|´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
 ̄| ̄ヽ_ 彡彡ミ / \ |
| / 彡ミ /ヽ |
ヽ∠__彡ミ./ ´  ̄ヽ /
仕方あるまい。 .彡彡彡彡彡\ミ ソ / )
/ 彡彡彡|____// ./
だが、ちょっと待て。 /彡彡彡彡彡彡{!!!__//
| ___y /
蘇峻の姿が見えなかったが / \ ヽ ( ノ
//\ \| \ \ ̄ ̄\
丶◇| ̄ ̄ ̄ ノ と__ヽ \
| | ̄ ̄ ̄""\ .|
| | ヽ |ノ⌒ミ
丶◇ \__| | )))ミ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 続いて蕪湖に進軍してきた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 宣城国内史桓彝の軍と交戦し、これを大敗させている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 950 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:28:04.22 ID:f9EkJNKM0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 蘇峻の姿は確認していませんと兵士Aは報告します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ (ヽ,,.
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| __,,,,,,,))))ヽ,i彡,
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ (・ │ fェ 彡ミ
>イ| 彡|´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
 ̄| ̄ヽ_ 彡彡ミ / \ |
| / 彡ミ /ヽ |
ヽ∠__彡ミ./ ´  ̄ヽ /
彡彡彡彡彡\ミ ソ / )
妙だな。 ./ 彡彡彡|____// ./
/彡彡彡彡彡彡{!!!__//
あの手の将軍が戦場に出て来ないとは .| ___y /
/ \ ヽ ( ノ
//\ \| \ \ ̄ ̄\
丶◇| ̄ ̄ ̄ ノ と__ヽ \
| | ̄ ̄ ̄""\ .|
| | ヽ |ノ⌒ミ
丶◇ \__| | )))ミ
ヽ / ((((
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 桓彝の軍勢は宣城国に撤退し、蘇峻軍へ抵抗する構えを見せた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 951 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:28:55.10 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元327年12月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ ) >
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:` < 左将軍司馬流様戦死! >
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`< (
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ≧ <
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j -=ニ 宣城国内史桓彝様の軍勢が大敗!! ≦
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 952 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:30:29.36 ID:f9EkJNKM0
-
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 一大事です!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- .彭城王と章武王が蘇峻の下へ逃げたと報告が!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 ≧ <
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::) ≧ 我が軍は于湖で蘇峻軍を防いでいます! ニ=-
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ ≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ .
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二二二| _
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニニ二二|//⌒
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニニニ/ニ/
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニニニニニニ=- .._
すまぬ。 (_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニニニ二二二二/⌒
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二二ニニニニニ- .._
誰が誰だか分からない。 /ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二二二二二二ニ- .._
/ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ=-‐=ニ二二二二二二,>
簡単でいいから解説を ./ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニニニニニニ=-‐'''"´
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二二二二二二二- .._
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二二二二二二二,>
. /ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二二二二ニ=-‐'''"´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康では彭城王司馬雄・章武王司馬休が叛き、蘇峻の下へ逃走した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .彭城王は「五馬渡江」の一人で「八達」司馬馗の玄孫、
`ヘ:ゝ .' 小/ 章武王は司馬孚の六世の孫で永嘉の乱後に父親が建康へ逃れてきた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 953 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:33:52.17 ID:f9EkJNKM0
-
|\|二二\|ニニ´ l:::::::::::/ :/ |:::::::::::::::::::::l |:::::|::| ::l::l二二ニ/
\ |二\二ニニ\/ : l::::::::::/ :/ :| :::::::::::::::: // l :|::| :::l::l二ニ/ /
二\|二ニニニニ/ .: l:::::::::/_,厶ニ-.._ ::::::::::::// l|::| ::::l::lニニ/ //
ニ- ._ ̄ ̄ ̄~"∨∧ l::::::::/ :\Vソ\ \/_.ニ.._ ̄|::| ::: l::lニ/_,,,..、 -=二/
二ニ``〜、、 ∨/\/ :/ ´ ̄ ´ Vソ>|∧ :::|::|二二二二ニニ/
二二ニニニ^i〜 \::::::::/l |  ̄` |/∧::|⊥_二二ニニ/ .だが、じきに迎撃態勢が整う。
\二二二二 | :::::|:l::`¨´ /l ′ /|\/\/~"''〜ニ.._二ニ=‐-
二\\二二 | :::: l::::::::: /.:l'、 _......_ 厶| :: `"´、、 -‐・''''""´_ _ノ) そうなれば、
\二\\二 | ::::l:::::::::/.:::l:::`、 `'ー' .イ :: |::::::::::|::|:::::://ニニニニ=‐---‐=ニ/ 蘇峻は袋の鼠だ
二\二\\ |::::l::::::::/.:::::l::::::::l\ _.. -‐ーーー‐- .._|::|/ニ/_ニ=-─-=ニ_ニニニ/
二二\二\\l :::::/.:::::::l::::::::l二-/ |ニニニ二|ニニニニ二, 二/´ニニニ_ニ=-─-二`ヽ、
ニニ\ニニニニl:::::/.:::::::::l::::::::lニニ| |ニニニ二|二/ニニ二lニ二/ニニ=-─-ミ,二二二ニ\
二二ニ- .._ニl::::/.:::::::::::l : /\ニ| |ニニニ二|`くニニ二二l /ニニニニ<⌒\-‐……‐-
二二二ニニ`l :/.:::::::::::::l`く\二.\┤ニニニニ|ニ|二二二 \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
二ニニニニl:/.:::::::::::::::lニニ, `''-二|ニニニ二|ニ|lニニニ ≧ <
二ニニニニl/.:::::::::::::::::l\ 二, /│ニニニニ|ニ| lニニニ≧ 広陵の郗鑒将軍より三千の援軍が! ニ=-
"~~~~~~~"/ ::::::::::::::: /ニニ\ニ, ∨│ニニニニ|ニl lニニ ≧ ≦
l /.:::::::::::::::/  ̄``ヽ、{\{(│ニニニニ|ニ|l lニニ/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l/.::::::::::::/ \ │ニニニニ|`、| l lニニニニニl二二二二ニニニニ- .._
/.:::::::::/ \ | :|ニニニ二| `、.l lニニニニニl二ニニニニニニニニ>
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 庾亮の政策が宗族諸王からも不評だったのが分かる事件だ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ただし、最初の王敦の乱の時と異なり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .前線で蘇峻軍の攻撃を耐えられたのも庾亮の政策の成果だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 954 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:34:31.53 ID:f9EkJNKM0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ●尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 年が明けた咸和三年(三二八年)一月。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 武昌に駐屯していた温嶠の軍勢が尋陽まで進軍
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 955 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:35:16.66 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 江州 尋陽】
,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :\: :/∧: : ヽ
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,' .まさか、こんなに早く建康の守りが試されるなんて。
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ / .于湖や蕪湖の周辺で
{! i从: :.| _' /: :/{/:/ 蘇峻軍を食い止めているなら問題ないと思いたいのですが
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /://
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
温嶠様。 .| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
.| `-=ニ=- ' .:::::::|
江陵の陶侃将軍が援軍派遣の求めに応じてくれました。 \ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
近日中に配下の軍勢を出発させると | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荊州から来る陶侃配下の軍勢の到着を待っていたようだ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 956 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:37:09.46 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 徐州 広陵】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ 本当に大丈夫でしょうか?
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 戦になれば、
ノ ヽ _,、__ノ .蘇峻に勝てる者など都にはいないのでは?
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::|::::::|::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| ::::::::::::::::::::::::///:/::/j/ハ:イ:::::i!:|゙!|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: :::::::::::::::::::::/:::ム:::彡 イ / _,,/イj/:リ .!
::::::::::::::::::::::::/ }Y ::. ヾミノ /
::::::::::::::::::::::/ _ノ :::! :.シ.-rッ }
:::::::::::::::::::/| { ハ :. ヾ:`i
:::::::::::::/ ハ ゝ ::{ .}. |
:::::::::/ ゝィ λ ノこ }
詔勅に逆らうわけにもいかん。 ≦'" /; ; ;/; ; ;i!_;_;( ´
`≧s。. { ; ; i!; ; ;人 Y′
可能な範囲で手を貸すしかないだろうよ ヽ ヽ; ; {; ; ; ; {-'′
__,,.. -‐'''"三ニ=-、; ; }
三三三三三三ニニニ.く
三三三三三_ -=≦三∨
三-‐=≦三三三三三ニ≧s。.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一方、建康の近くで兵力を有していた郗鑒は広陵から動かなかった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 北方の賊を防ぐよう詔勅が出ていたためで、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .配下の兵三千を建康防衛へ派遣するに留めている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 957 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:38:39.06 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 揚州 歴陽】
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ●__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ●蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
○'ー'´ ̄ | / | 我が軍は蕪湖のあたりで戦闘を続けていますっていう |
公安 `ヽ r' ヽ_________________________乂
>'○巴丘
- 958 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:39:20.17 ID:f9EkJNKM0
-
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. | 温嶠の軍勢が尋陽に集まっていますっていう。
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ .恐らく、こちらに攻めて来るつもりでしょうっていう
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l |
今の所、郗鑒本人は広陵から動いていませんっていう \ `ー'´ /
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
/ニYニヽ 'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
/ (0)(0)ヽ \ヽ、 ー / ー 〉
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l |
\ `ー'´ / 祖約将軍からの援軍はすでに準備万端ですっていう
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
- 959 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:41:00.53 ID:f9EkJNKM0
-
寸ニニr'´ ̄`ヾミもr'⌒ヽ、
}ニニ{ _,) ̄j_ }
リニ弐_,ィ≦ニ三三Ξ≦%ュ.,_ ,辷ー-<ニー''"´ ̄ ̄``ミく ̄~汲
. _, -'=ニ≠三元云允云允云云三≧、 γ´ 丶乃' 蘇峻将軍。
∠三三アん〜'~ ,イ ∧ Λ ゙マ三z)/==─- ヾ -=彡゙、
`¬≡ん' / /__{/_, } /、_},ハ、 j,)彡ベ! ノノ_\∧ハノ/_Vj j あたしらが言うのもアレだが
. { ゝ'i ( ヒ_] レ' ヒ_〉)У)ん、_,j! ャ彳( ヒ_] ヒ_〉) j,ハノ .さすがにゆっくりしすぎていないか?
|(} ハ''' ,__, '''iメ) Υ' iY `ГI ''' ,__, '''「Ι
,/ / 丿 丶_ン′ }[I]コ |, !ゝ_| | 丶_ン′ } i| ゆっくりしすぎると腐っちゃうぜ
( ( ゝ、 ,イlN ヤ И . |__j イ_j!
ゝ_jレヘ,ノ)_)リ≧=‐-- --‐''´jリjr゙ ヤwИ|Nj{≧=‐-- --‐''.´ N{
_ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
/ /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | {
頃合だ。 >―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ
出るぞ ∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、
ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
/ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『成帝紀』を見るに、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 意外にも蘇峻本人は一月下旬まで歴陽に留まったままだったらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .寿春の祖約からの援軍が合流するのを待っていたのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 960 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:44:34.12 ID:f9EkJNKM0
-
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l | どちらへ?
\ `ー'´ /
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ _ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
\ヽ、 ー / ー 〉 ⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く / /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | {
>―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ
横江から、なるべく長江の下流へ渡りたい ∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、
ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
/ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
/ ヽ_//ノ'./|/ヽ// l ヽイ 〉ヘ├ 、
- 961 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:46:53.79 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 揚州 横江】
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 風が出てきたぞ!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
〜〜
〜〜
〜〜
i i i i
}祖( }祖( 〜〜 }晋( }蘇(
_ }二二(}二二( rー―ァ _ }二二(}二二( rー―ァ
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
i i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~ ~}蘇( }蘇( 〜〜〜
}蘇( }蘇( _ }二二(}二二( rー―ァ
_ }二二(}二二( rー―ァ 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〜〜〜〜
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〜〜〜
〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 蘇峻は沛国内史祖渙・淮南郡太守許柳ら
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一万人の兵を率いて横江から長江を渡っている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .祖渙・許柳は祖約軍の将で、祖逖の息子と娘婿に当たる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 962 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:48:36.64 ID:f9EkJNKM0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 ○__{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江●.|●牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./○于湖
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄ ○蕪湖
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ー, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 彼らは風に乗った事もあり牛渚に到着。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 牛渚は戦場となっていた于湖・蕪湖より下流に位置する
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 963 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:49:16.86 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 揚州 牛渚】
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| 全軍無事に渡河完了しましたっていう。
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ / 風が吹いたおかげで、
_, ‐'´ \ / `ー、_ 上手く敵軍の背後に出られましたっていう
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ / ∠ ―――<⌒ _
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl ((// { { / ̄ ̄ ̄ ー=彡 (⌒
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ / >∝∝ ミ<  ̄ ̄``丶、 ̄
\ヽ、 ー / ー 〉 ( / \\ ニ=−
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く / / / ヽニ=-‐  ̄
V ' ,/ | \
|\ |/} ノメ{ | | i \\
、 \_____ | 弋ソ、人代テハ∧ `¨⌒
>―‐ 、 \ 从 , / V}
/ |:.| ̄ \',//∧ 个` _ .'イハ 〈
よし! .r 、i/  ̄/ \'/∧ 人7777ハ 从ノ――
__ r 、|\/ / /人\ _|__ 〉/ ̄ ̄ ̄ ∨ } | ― \
|ゞソ | ∨ / 、 / }i\\| | | V < ̄| v' |ニ / ̄\∨
― <=- _r<人{ } } \/ 、 | }¨´ \| \j_/\/ ̄/
-/ / /ヘ_\ _____,/: : ∧ / /\| /ニニ\| | i__/
ゝ{_/ / /―_ノ__\ ニ=- ∨/ /|i " M∨\| | /_ノ
( V__(_r⌒> ___ 〕 \__/{ \ / /\ /: : /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ つまり、蘇峻は戦闘が行われていた地域より建康に近い場所へ出た。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これが何をもたらすかは察せられよう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 964 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:51:15.34 ID:f9EkJNKM0
-
|::::::::::/:i:i|:::: /:/:i:i/:i/:i/:/:(_ ノ、`丶、| Y' / ' / / |
|:、::::/:i:i://:/:i:i/:i:i:/:i:/:i: / 从\ \ | // / '
|:i:iV:i:/:i/:i:|/':i:i:_//:i: / ノi:i| ,,7二二二ミ/__/
ノ:i:i/:i/:i:i/:i:i:/:i/:i:i:/:i:i:/_ /:i:i:i:i| ' / // ``丶、_ >
\/:i/:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i/: \_:i:i:i:i:i:i ノ\__ 〉 \ノ
:i:i:i\:i/:i: |:i:i:i:i: /:i:i∠:i:i:i:i> \ ̄ ニ=―― ``丶、 \
┐:i/:i:i:i人:i:i:i/:i/:i:i\―――=ニニ /  ̄ > -ミ
/<'\:i:i\:i:i:i:i:i:i:i: | }> / / / / \ i
\⌒ヽ\ミ:i:i:i:i:i:i:i:i| / / / _ 彡' / /' } i ヽ
⌒ヽ } __} /  ̄ /7'¨¨7 /// { メ\/ / / / } 、 \__人_人从_人_人从/
\人ノ / / /' //人i 乂ソ \ / __/_ ,/ /|⌒ヽ _) (__
' ̄ ̄ Y ̄} |/ /{ / /| _ ― x==ミ// / , ) いざ建康ッ!! (
-‐…・・・・…‐- 〈  ̄ ̄、\/ :. 〈::::\ , ゞ ' /' /イ /  ̄ ̄) ( ̄ ̄
\ r‐ /<\ / \ /ム ヽ;;ノ> ⌒フ彡イ /'_j/ / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\__ Y ``丶、 > / \<个‐ -----=≦ iリ ノ /  ̄ |__ ' /
r 、{i  ̄ | \ ヽ /< \ 7 / ̄/__彡イ /_  ̄ ̄ /
\>―― _ / \ \{ _ {/ / // / イ ̄\ /
\ /\ _ \ | 〈\_/、 ,/ /_彡⌒ /: |  ̄{  ̄
∧ \> ―┘ _'/|\_|/ / ――=彡< |:.\ \
/ 、 { \ \ |/:. :. :.|:. \-<:. | ̄ ̄} \ \:.\ \
,/ |\_∧ \ r‐.―┘ : : : |:. /:ハ \\ \,,_\ \:.\ \
|_,/∧ /\:. :. :. :. :. :. :/:. :. :i r ':. : \ \ \\ ̄``丶、:. :.||
/ / / /
lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、
∠,,、 -z ,r――― ''" ∠,,、 -z ,r――― ''"
、 '"´,、ィ / 、 '"´,、ィ /
、 '" ,、 '":ツ / |^l 、 '" ,、 '":ツ / |^l
、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡
| ,、 '´ / / `゙^ _,| │ | ,、 '´ / / `゙^ _,| │ |^l
'´ / /l/ .,/,_ | '´ / /l/ .,/,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
// .l_,'" | .| lニ ニ// l_,'" | .| lニ ニl ;‐i `゙^ _,| │
{_,l゙ .〈/!_| lニ ニl {_,l゙ .〈/!_| lニ ニl .,/,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l_,'" | .|
{_,l゙ .
- 965 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:53:12.67 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年1月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
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``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
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`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ ) >
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:` < 一大事です!! >
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`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ≧ <
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j -=ニ 蘇峻の軍勢が建康に向けて進軍中!!! ≦
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 966 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:53:42.68 ID:f9EkJNKM0
-
/\___/ヽ
ヽ/'''''' '''''':::::\ノ
( ;:;:;:;:;:;:;ノ 、( ;:;:;:;)
| )、_, )ヽ、,,.::::|
_(;:;:;:;;;:; `-=ニ=- ' .:::::)
/ ||\_ `--'|||_:/ 道中で次々と官軍を打ち破っています!
/ / |\/ / /l |
/ /__| \/ / | |
ヽ、//////)/ | |
/  ̄ ̄ / | |
.____,/ )--- ヽ ヽ つ _,,,.. ..,,,_ /{/二二/
⊂---― 'ー----' '"´::::::::::::::::::::::::``'<,ニ/ニニニ///_.. -‐…ァ
// :::::::::::..\:::::::..\ :::::::..\二二二二/´ニニニ二/
´::/.:: |:::::::::}i:::::::`,::::::::: ` :::::::::: ` 二二二二二二二/ /
. /.:::::| :::::|::::::::八\:::| : :::::::::::,:::::::::::::::,ニニ_ニニ二二/ .//
| :: /| :::::| :: / \\ :::::::::::::| _..、+・''"´ /-ニニ二//-/
| ://| :::::| :/ ./ \\:::::::: |/// /ニニニニニ二二/
. -|/∧トミ,|//x云‐ァ|\\/// /..::::,ニニニ二二二/_... -‐ァ
馬鹿な! .{{::::丈マ〉 ゞ'' |:::..\\// .::::::::: :,ニ二二二二/´ニニ/
. `|::: ‘, / :|:::::::::: ̄|:::::::::::::::::::::::,ニニニ二二二/
蘇峻の軍は |::::: ‘, | :::::::::::: | :::::::::::::::::::::::,ニニニニ二∠___
蕪湖で防いでいると報告があったではないか!! | ::::::.‘:, マ^ヽ | :::::::::::: | : ::::::::::::::::::::::,ニニニニ二二二二/
|:::::::::::: \`¨´ _...-| :::::::::::: |::::::::::::: / :/二二二二二二/
|::::::::::::::|::::^'''"´lニニ| :::::::::::: | ::::: ///ニニニニニニニニ⌒\
|::::::::::::::|::::::::::::::::l二| :::::::::::: |::/ニニ二二二二二二二二∠⌒
|::::::::::::::|∧ ,,.+''’//| :::::::::::: |ニ二二二ニ=-‐=ニニニニニ/
|::::::::::::::|二∨|∨//| :::::::::::: |ニ=-=ニ二二二二二ニニニ/
- 967 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:56:52.71 ID:f9EkJNKM0
- 【紀元328年2月 晋 首都 建康】
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 申し上げます! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
ニニニニニニニニl:::::::::::l:::::::::::: l::|::::::::::::::::::::: `, : ` \ :::::::::::::::::: l二二二ニニニ⊥
ニニニニニ二二二l:::::::::::l::::::::::::: l ::|:::::::::::::::::::::::: | :::::|\\ :::::::::::::::::lニニニニ-''"´/
ニニニニ二二二l:::::::::::l:::::::::::::::l ::::', ::::::::::::::::::::: | :::::| \\::::::::::::::::l‐i''"´`_ //
ニニニニニニニl:::::::::::l::::::::::::: l:::::l `、:..\::::::::: | :: / / \\ :::::::::: l l:::::::::|'´-/___
ニニニ二二二二|:::::::::::| :::::::::: l:::::l \:::..\ :: | :/ / /⌒▽:.\::::::::: l:::::::::|二ニニニニ/
ニニニ二二二二|:::::::::::|::::::::::::l:::::l ─- .._‐-\|/ / / 洵 ノ l\`' ‐--‐/ニニニニニ/
ニニニ二二二二|:::::::::::|::::::::: l:::::l _>─-ミ'ー { -‐''´ l::: `' ─ '´lニニニニニ/__
ニ二二二二_.ニ=-‐''''"| :::::: l:::::l<( 洵 l\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
ニニ=-‐''''"´\ :::::::..\| :::::/:::::l::::l ^'ー‐''"´ , l ≧ <
二ニ=‐- .._\ :::::::..\/.::::/.:::::l } l≧ 蘇峻軍が蒋山に布陣しています!! ニ=-
-=ニ二二ニ|\二\ :: /..:::/.::::::: l _ / ≧ ≦
ニニ`ヽ、二|二\二`¨「¨¨´ :::::::::: l.._ u /^\} / /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
ニニ二二\|二二\二| :::::::::::::::::::: lニ-..._ 〈 _,ノ / |l :::::::::::::::::::::::l ∨|>
ニニニ二二二二二\| ::::::::::::::::::::: l-ニニニ- .._  ̄ /l / |-l:::::::::::::::::::::::l二 :|
ニニニ二二二二二二| :::::::::::::::::::::: l -ニ二ニニ=‐--'゙ l / |\|二l::::::::::::::::::::::l,∧|-
ニニニ二二\二二二| ::::::::::::::::::::::: l -ニニニ二l/ :|二ニニ/l :::::::::::::::::::l_,ノ二
ニニニ二二二\二二| :::::::::::::::::::::::: l ─── \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
>ニニニ二二二\二| ::::::::::::::::::::::::: l ≧ <
≧ 卞壼将軍が迎え撃つも大敗しました!!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
- 968 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:57:41.86 ID:f9EkJNKM0
-
( (/ ノ⌒'< \
)⌒\__ >\⌒\
''"~~~"''< ノ)⌒て( \‐-ミ
_/__/ / } \)\) ) ヽ⌒\_
__/ \ \⌒\人 (い ) ) ノ / |
⌒7 \ \ \_\\) )____/ / |
((| \ \ ) ―<ン/ / ̄ ̄`< /
| /xャ(⌒ \ \/ / ̄\\/
八\ 、/代リ | \(⌒ /⌒¨¨¨¨¨´
/⌒)ヽ\) |人 \-ミ ) /\_/ ̄ ̄\__
__彡 〈 /〉 \( 7 ∨/\//\__ \
//⌒7 个s。..,,_//| / |_//\:i:i:i:i:i:i:i:i:\___| 卞壼?
|\ /八 /V从∨ 心へ| | |/| / /  ̄ ̄/:i:i:i| |
| |:\___∧ ∧ /| ̄\_/ |/___/ / /:i:i/ | 昨日今日戦場に出た奴が、
 ̄\ 、 \/ \__|_|_ \__/\/| ̄| ∨  ̄ / この俺に勝てるわけないだろう
〈:i〉 〉 \ | / /_ノ/_/∨\_| | | |/ / / /
____ ∧ | ' / __l___/ )八 | |l / /______/
∨∧ | |_//___\ 、 | |l/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
. ∨∧ |/ //\/ \ \ / /\___\/|
∨∧  ̄〈|八 | / 〈,\ /|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
. ∨∧ | \/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
∨∧ /|/ | | / .≧ <
∨∧へ__/____|___| | / -=ニ 率いているのは蘇峻本人です!! ≦
く∨∧__/>__/\// 〉 | ≧ ≦
∧ | ̄ / /:/ ∧ノ / 、 /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
<〈\\_| ̄:i:/:/ / |\ , \/__ ∨ / ̄ ̄ ̄ ̄/ 人
\) 、),ノ ̄∨/_∧ 〕:i:\ |____________/__\_],/ / |_/ \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 恐らく二月の初め。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 蘇峻は蒋山へ至ったと『晋書』『成帝紀』は記す。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .蒋山は建康の北東にある山で、
`ヘ:ゝ .' 小/ かの蒋子文が祀られており、孫権の墓もあったために蒋陵とも呼ばれた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 969 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:59:25.86 ID:f9EkJNKM0
-
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| 素晴らしい用兵ですっていう。
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ / 後は建康をどう攻めるかですっていう
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉 ( (/ ノ⌒'< \
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く )⌒\__ >\⌒\
''"~~~"''< ノ)⌒て( \‐-ミ
_/__/ / } \)\) ) ヽ⌒\_
__/ \ \⌒\人 (い ) ) ノ / |
⌒7 \ \ \_\\) )____/ / |
((| \ \ ) ―<ン/ / ̄ ̄`< /
| /xャ(⌒ \ \/ / ̄\\/
八\ 、/代リ | \(⌒ /⌒¨¨¨¨¨´
鼠を炙り出すには焼くに限る ./⌒)ヽ\) |人 \-ミ ) /\_/ ̄ ̄\__
__彡 〈 /〉 \( 7 ∨/\//\__ \
//⌒7 个s。..,,_//| / |_//\:i:i:i:i:i:i:i:i:\___|
|\ /八 /V从∨ 心へ| | |/| / /  ̄ ̄/:i:i:i| |
| |:\___∧ ∧ /| ̄\_/ |/___/ / /:i:i/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 領軍将軍卞壼が六軍を率いて蘇峻と戦うも敗績している
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 970 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/19(水) 23:59:56.21 ID:f9EkJNKM0
-
/ |
/ / |
| ( / |
\ ----| __∨_ / ̄ ̄ ̄/
|', _\>'"゚~ ̄ ̄~゚"'' 、 (
|∧ / .:/_/\_:/ ̄ ̄\\_.:\
|/∧.  ̄ ̄// : / \\ :〈 ̄
|//∧ // .:/ { \) \ /
|///∧ / / :/ :ハ∧ :| \ \_ /|
|////∧__ / '.:/ :/ :/^⌒ヽ :| \ \><⌒ /ニ.|
〈////⌒./ :/ :/ :/ ‖ |∧ .:|、_ \ \ ``〜、、 _-ニ./
∨/ニニ|\∨ . : | /|\{ | / \.:| 〈 ̄ ̄ _ -ニニ/
∨ニニ|:i:i:i:|:/ | :/:| 斗ぅうミk 斗ャか_\ V  ̄>'"ニニニニ/
-ニ |:i:|∧ |/ | 八 乂ツ Vツノ / |\ /:i:i:_|ニニニ/ \
_______ ∨ニ|i:iV∧/|八( \ 、 ⌒7 | /:i:i:i:/ニ./ ̄ ̄ ̄ ̄ 火を放て
/ ̄ ̄\/:i:i:i:i:i:\\∨.|:i:i:iV∧| 圦⌒ i |. /:i:i:i:/ニ./
. / /:\:i/\:i:i\:.∨\:i:|ニ.:| |_:.、 、 ァ / | |/:i:i:i:/ニ./
. | |:i:i:i:|\ \:i:i\_、ニ二小 从 /:\ イ :| ||:i:/ニ./__/ ̄ ̄ ̄\
. | \:i:| \ \:i:i:| \=/ | /\.:〕\__>-<_{/ 从 :|ニニ/ 〉 ___ \
. |_ \  ̄\_.\.|‖__〕/ ̄ ̄ ̄\/_/| :|ニ./ | /__/:i:i:i:i:i:i:i:i:i\___\
/ ̄\ ̄ ̄| / ̄ ̄/ ̄| 八{ }ニ/ :/ \ 从/./ニ= |:i:i:i:i::i:i:i: \__人_人从_人_人从/
|_ \ ‖ / /|. / / __/_ ∨// |/  ̄ / ̄ ̄ ̄ _) (__
/:i:i:i:i\ \ ‖ / / ' \/ //∧/ニニニ\∧ ∨ /|\. / ) 直ちにッ!! (
. /:i:i:i:i:i:i:i:i\. |. / ,/ \_ //∨\ニニ./ ∨\__〔__/ | \__ ̄ ̄) ( ̄ ̄
 ̄\:i:i:i:i:i:i:i:i:\ | / / 〕_/ 〈 | | | / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
∨:i:i:i:i:i:i:i:i| |. / / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧ | , / __|
', ∨:i:i:i:i:i:i:|__|____/ |. /| (⌒ _/⌒) \ /.∧ | /_/ /:i:i:i:i:〔
- 971 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:01:49.03 ID:/XLASoFw0
-
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ ) >
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 < 火事だァッ! >
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、 < (
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ≧ <
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j -=ニ 城外で蘇峻軍の奴らが放火してやがる!! ≦
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ ≦
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 972 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:02:37.26 ID:/XLASoFw0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 火が城内へ燃え移ったぞ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
, '. \__人_人从_人_人从/
:;:, .:. _) (__
. .:', .:. ) 逃げろッ!!! (
.':::;:, .:.  ̄ ̄) ( ̄ ̄
':;:. :::. . ..:.:λ:: :: .;;.'; ::,)、::.:; ,: ´ ⌒^ ヾヽ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
..':;ヾ::.:ソ)人ノ 从:. ソ)ノ ):.: (,, ""⌒ '' .. " ヾ )
.::V (ソ ヘ (、' ,, . :::::::( ノ( ソ( 、ノノ..:::. , '.
',:; .::) . . ,, :::::::'''(, イ")ノ::..:::::,,:: :;:, .:.
人;;从;;;;: .:.(ノ . . .,,, :::::(’''....ノソ),,::: . .:', .:.
==lュ、 rl´⌒;:⌒`〜ュ、 ::::) ,ゞ.: .ノ(~〜ノ(’''''ソ、' :::: . .':::;:, .:.
rl=========ュ ヽ .:::: .:ソ (: :. ,,(、、...,,,Y),,,ノ:.:),, ,ツ.. ⌒;:⌒`〜;;从;;人;;;⌒`;:(´⌒;:⌒`〜;;
/ ∧ / ::..:( ):::==lュ rl=======lュ r(´⌒;;:⌒∵⌒`);(´∴人;;ノ`;;`;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『蘇峻伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 蘇峻軍の兵士たちが放った火は、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .風に乗って建康の尚書台及び中書省、軍営・官署を焼き尽くした
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 973 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:04:48.61 ID:/XLASoFw0
-
/
)\/ ( /
__)\| ∨(__
_)\_\八___)―┐`>
\___\/i:i>'" ̄ ̄ ̄``丶、
. / イ/ /⌒/i/( \ \ \
``〜、、/ 人/ (i/ \ / ̄ ̄\ヘ
\---\ 〈L( \ / /⌒Y\ /
(:i:( \∨ ̄\〈L(_/ / / ハ ∨(___
V///∧|⌒Y /\.ノ / 〉 ∨ /⌒ 城内へ突入しろ!
.\ )\ V///∧〉,人 /「式_/ イ | |/
 ̄ ̄〉 ̄ ̄|\/V///∧ ) 乂 >| 八/ .陛下の身柄の確保を優先!
/> / ̄ ̄\//|\∧ 「 r v┘\ | \__
_/⌒\ / ̄) \| ニニ∧ 八.二/:i:i:i:i:i:) | |\____ \ それ以外は好きにしていい!!
___/ ̄ ̄\_____\ニニ) _\:i:i:i:i:i:i/ 人|_\_\ \
. ____ _/_/ ̄ ̄>く i>'⌒'<|>'"/_ -=ニ=-. _\________
\〔( ̄ ̄ ̄ )〕圭人\/(\__,〉~ 7'|⌒7\::/ /ニニニニニ=--------------------``~二二ニ==----------------
\ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ \| \\,,/| / |\| |:| 〈ニニニニニ=- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.......................:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ̄| ̄ |∨/ ̄ ̄\_|, | 人 \._\=-‐=ニ~ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\ / (^Y⌒) :/ :| \_/ ̄/\ /
\_/\ | :/ |\__∧〉 ̄\ |/
. 〈/::::::::::\ | /i /\_| / / ̄\:i\_| \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
'/:::::::::::::  ̄ |./ ̄ ̄∨ / |____|:i/ ) >
'/:::::::::::::::::. | / 〈 l\/| \ < さすが大将ッ! >
i::::::::::::::::::::. |/|/ ̄|// \ 〔 i:、 < (
/\|::::::::::::::::::::::. / |/ \ / ̄\i\ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/ /\::::::::::::::::::::. | __| |,/ | / ̄ ̄ ̄\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『成帝紀』は、王師がまた大敗したと記している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 尚書令・領軍将軍卞壼、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 丹陽尹羊曼、黄門侍郎周導、廬江郡太守陶瞻が殺害された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 死者は数千人に達したという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 974 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:05:35.56 ID:/XLASoFw0
-
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 尚書令卞壼様と廬江郡太守陶瞻様が討死!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 火の勢いが強く、
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、 .都での防戦は困難かと!!
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ _,,,.. ..,,,_ /{/二二/
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 '"´::::::::::::::::::::::::``'<,ニ/ニニニ///_.. -‐…ァ
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::) // :::::::::::..\:::::::..\ :::::::..\二二二二/´ニニニ二/
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ ´::/.:: |:::::::::}i:::::::`,::::::::: ` :::::::::: ` 二二二二二二二/ /
. /.:::::| :::::|::::::::八\:::| : :::::::::::,:::::::::::::::,ニニ_ニニ二二/ .//
| :: /| :::::| :: / \\ :::::::::::::| _..、+・''"´ /-ニニ二//-/
| ://| :::::| :/ ./ \\:::::::: |/// /ニニニニニ二二/
. -|/∧トミ,|//x云‐ァ|\\/// /..::::,ニニニ二二二/_... -‐ァ
蘇峻め! .{{::::丈マ〉 ゞ'' |:::..\\// .::::::::: :,ニ二二二二/´ニニ/
. `|::: ‘, / :|:::::::::: ̄|:::::::::::::::::::::::,ニニニ二二二/
だが、奴の狙いはこの私!! |::::: ‘, | :::::::::::: | :::::::::::::::::::::::,ニニニニ二∠___
| ::::::.‘:, マ^ヽ | :::::::::::: | : ::::::::::::::::::::::,ニニニニ二二二二/
私が都を脱出すれば、 |:::::::::::: \`¨´ _...-| :::::::::::: |::::::::::::: / :/二二二二二二/
陛下や民はこれ以上惨禍に巻き込まれないはず!! |::::::::::::::|::::^'''"´lニニ| :::::::::::: | ::::: ///ニニニニニニニニ⌒\
|::::::::::::::|::::::::::::::::l二| :::::::::::: |::/ニニ二二二二二二二二∠⌒
|::::::::::::::|∧ ,,.+''’//| :::::::::::: |ニ二二二ニ=-‐=ニニニニニ/
|::::::::::::::|二∨|∨//| :::::::::::: |ニ=-=ニ二二二二二ニニニ/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 廬江郡太守陶瞻は殺害された。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 大事な事なので、もう一度言っておく
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 975 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:07:33.23 ID:/XLASoFw0
-
_几__[[] \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
└l r┐| ) >
Ll .Ll. _几__[[] < 私は再起を期す! >
└l r┐| /\___/\ < (
Ll .Ll _几__[[] /ヽ、 、__,ノ ::\ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
└l r┐|. | (○), 、(○) ノL | \__人_人从_人_人从/
|\. Ll .Ll | ,,ノ(、_, )ヽ、, ⌒ :| _) (__
l \ イ | / r=‐、 ヾ ::| ) ここは任せた!! (
l \ _// . | l| |,r- r-| |l :::|  ̄ ̄) ( ̄ ̄
___」 ` ̄ し / .\. ヽ`ニニ´ノノ.::::/ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
ヽ 、 _, , /イ//__ `ー‐--‐‐一''ヽ-辷辷、
} >廴)〈 厶、/∧ /ニニ7 _`≧、
/ 'Y^ヽ 、 ,v、 ⌒ し'^ヽ __人 /ニニ厶イ⌒ ̄}
´ ̄ ヽ ) じ(_ 、_八_, 、 __,\/\入_ ,′ 御武運を!
/ ' ⌒ `じ「 }廴){ (__)〈 < ′
/ , -、 , -= 、 rく`''⌒^ヽ '⌒ヽ ⌒__r…一ヽ / _几__[[]
/ / ∨ に二 \} \ ∨了ミヽ、F ̄/' /└l r┐|
,/ ハー− `フ`¬┴=--l |、 / / , Ll .Ll._几__[[]
' 《 〈 弋____,.. --く_ /ー |l `ヽ. / 〃 └l r┐|
V /}ヨ , く> 、. ' / 〃 Ll .Ll _几__[[]
ヾ `ー一' }ヨ , く\ \>' ` ー- .,__ノ └l r┐|
二 l _rく\ \>′ / Ll .Ll
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 庾亮もまた建康城内で敗れたため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 弟の庾懌・庾條・庾翼と一部の将軍たちを連れて建康から離れた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 976 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:08:20.81 ID:/XLASoFw0
-
iヾヽ,, /'∧___
廴゙\ゝンー―'メ/''/"ム;;;/
_辷 ゞ'´¨⌒ ̄`、`ヽメ,,゙_ゞ
\;;;;/ , / .i 、 `ヽ\;;;;;;;;>
</ │ | , | ト、_ ,ヽi/ 御主人様。
ヽ_メ ー┼‐ヘ´从\ヽ  ̄/ |、\
/.| | 三三 三三≠ |、丶.ヽ, 庾亮様が出撃したきり戻ってきません。
ー' ,| ゝ| || | i /;;;;ヘ }
ゝ_,.イ| ,ヘ 厂 ̄} イ ,ヘ;;;;;;>_)丿 これはいよいよまずいのでは?
レ ヽ、 __ ̄ ̄__/|./ ´¨__, ¨
ゝトO7|`ヽ, ' ,,:'´: :и
/、ゝ...y',...、゙イ ノ: : : : : ゙イ
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
人の言う事を聞かないからこうなるのですよ ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 甥の皇帝司馬衍、妹の庾太后を見捨てて
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 977 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:08:55.18 ID:/XLASoFw0
-
i′:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l、:::::::::::::|:::::::::::.:::l::l::l
|:::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::ハ:::::、::::::|,iイヽ::::::l::N
l::::::::::::|:::::::::|:::::_/!:/__ \!ヽイ_リ-ァ::::ハl
ヽ:::::::::l:::::::::l::::/ l/--_ u 'イ:::l '∧/ ′ 逃げようとしてももう遅いよね
丶::::r、:::::::l,r T::::丁` ヒソ !:::|
ヽ::!、ヽ::::ヽ弋Zリ ' イ:/ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
ヽN`\::ヽ〃u . ィ"!'l/ /:.`ヽ ) >
,>、仁` T、ニ´l ト、 く:.:.:.:.:.:.:.ヽ < 皇帝陛下ァッ!!! >
/: : :`: ヽ-‐i: : //:.:.ヽ 丶:.:.:.:.:.:.:i /イ ̄ < (
/二__ ‐- _〉、|ヾイ:.:!:.:.:.ヽ }:.:.:.:.:.:.:.| //イ寸}}}寸 /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
l:.:.:.\:::`..‐'-->'く:ノ:.:|:.:.:.:.:.\/:.:.:.:.:.:.:.,! 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
晋 左光禄大夫 陸曄 /// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
∨ , -─ ..::: V
蘇峻が来たようです ' -‐ /:/ ∨
' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
晋 右光禄大夫 荀崧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この時、司徒の王導は太極殿において
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 光禄大夫の陸曄・荀崧と共に皇帝を護衛していた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .庾亮との合意があったのかは謎である
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 978 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:10:36.61 ID:/XLASoFw0
-
\ } \
____)\}.:\ \_
\__ノ>''"~ ̄~"''<)__ ノ)
/ ̄\_ _/_/ ''"゚~ ̄~゚"'⌒'く\<_
/ / ____/:| _/\ :/ /:/ ノИ :\\(⌒
_ / / /:i:i‖::| > .:/ / / / /''ー| : } \\_
ニニ-く⌒Y^ト┐_ / / ∨:‖ |  ̄ / / ―//}--/、 |/ } \(
-=ニ/ / /^/_/_/\:{ / ̄\ | :| / / .:斗f庁_ 斗‐/}‐/ }: \ /|
/ ̄ ̄\_{ノ- ノ:/_) __:{_{:i:i:i:i:i:i:| :|\__//}人 { Vツ 斗ャミ/} }:. (⌒ / .|
{:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ:i:i:i:iY / / ̄ ̄ ̄ ̄\/\ ∨:| .::\ , ヒツ 〉 / :{: \ / | 御無事なようで何よりだ!
〈/ ̄\:i:i:i:i:i:i:/__/ \--\/∧ |/ :| :{ _ / ∨|\{ --ミ |
_〕 \//i:i/ /i:i\--\:| |:i:i:| :圦 ∨ 、 ⌒7 | //| 〉 / .火に巻き込まれてたら、
/ / / | i/ /:i:i:i/ \ .:| |:i:i:| :|: : 、 ^ イ / | 〈:i:/ / / どうしようかと思ったぜ!!
_/ ∧ |:i:| |:i:i:/ \ 〈:i从 |_} \ イ{ / /∨ /i:i| /_∨
{__〉 |:i:|  ̄ \. ∨ ∨ /ニ=- う爪__{_从.:./∨ /:i:i/ /\___
{〈 |/ ̄ ̄\_ ___/\ \/|\ / ̄ ̄ ̄\〕 .:/ / |: / / \
{∧ // ̄:i\ \::| |:::::| |\ :|:/ ∧__| ∨ ∧ |/ /\__/\ \
〈__〉 {:i:i:i:i:i:i:i:i/:\ | |:::::| | 〉、__|___/∨\ | \∧:/| ∧_,/\i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ \
〕/ ̄ ̄\{:i:i:i:i:\ :::::| | ::::/\ \:\|.//∨ | __/  ̄ ̄ ̄\:i:i:i|/ /=- _
/:i:i:i:i:i:i\ ∨:i:i:i:i∧ ::| | :/ / \___/ |_/_〈_/\ _:|:i:i:i|. / =- _
{:\';:i:i:i:i:∧ '/:i:i:i:i∧ | // / _____ | .::| |\/ |:i:i:i| /_
/:i:i:i:i〉:i:i:i:i:i:i} }:i:i:i:i:i:i∧ .::/ / / 〈 /⌒Y⌒ \/, ::::| | |:〉 : : :  ̄ / -=_
----<:i:i:i/:i:i/:i:i:i:i:i:i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:∧ / /.: / \ ノ ∧/,. : : | | /|/\__/ -=_
{:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i/ ̄\:i:i:i:i/ \/|.:_/ 〈 \ / ∧/, | |.//'  ̄ ̄|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賊は勝ちに乗じて旗と戈を帝座に接したと『晋書』『成帝紀』は記す
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 979 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:11:13.78 ID:/XLASoFw0
-
 ̄∧.: .: .: .: .: .:「 ̄`ヽ、.: .: .:`、
∧.:/^ヽ __ ノ 」^ヽ __ h、、`、
. ∧.:/ __ /ト、 _k 戈ハ_〉`、
∧.:/ j (⌒ 〉-く /. .: .: ∧ }!.: .:`、
. jI斗ヘ ∨ ̄`ヽ」L j!.:i{ イ|.:」 }!.: .: .: \
」{k仆_〉〕.: \.: 〕 乂i{笊心ト、。}!.: .:ヘ⌒`
}|.:∧ハ ∨笊心 / Vrツレ^^Y.: .: .:>‐
}|∧》.:ヘ 。〉 Vrツ`ヽ/ `"´j j》 .:、.:\_
∧》.: Y^^ヽ `" ' ト─rヘ》.: 「 ̄
∧》.:i.:_|__,|)h、 ' ^ 、イ7.:/∨}rヘ
. {...|.:/|.:.ハ}.:乂__/}「^ー‐ぅ爪.:.:/:/:}.....}_ ゝソゝヽ:::::::::::|/::::::::::::::::::::::::::`\::::`ヽ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. {...|{ レ',、 \「i:i八.:.:.:.__.:.:.:.:.:.イ:.:.}.....}i:i:i:`ヽ ..|/ へ、ゞ;;;;;;;/;;;;;;;;;;;r""""`--、、丶、::::::::::::::::::::::/⌒ヾ)
.{...|| /i:i:i:i:i:i:ノ.:.:「 ̄〕〔 ̄ ̄ 〕:.:}.....}i:i:i:i:i:i:i∨ .\/ ヾ"' """""ヾ::::``ゝ:::::::::::::::ヽ:::::|
.{...|{⌒^i:i:i:i:厂.:.:.心イiハ``〜、」.:リ....八i:i:i:i:i:i:i∨ / 彡::::```ミ:::::::::::::::ヾ:::::|
| ┐「 `ヾ、、、;;;::::、:::::::::::::::ヽι、
ゝ___),,,,,====、,,,,,/ `、ミミ;;;;--、:::::::::::ヾ::::ヽ
( ヽ、./バ;. ●) `´彳ミ |:::::::::::;;:::::::::|
.ヾ ソ//:.:.:ヾ、___ノノ / ノノ /"ヽ::::::::| /
蘇峻殿。 | //.:.:.:.:.:.:.\ ´ rー'ノ | `|;;;| /
ノノ ) /ー'| | ソ /
陛下の御前ですぞ 丶‐―一´ | /\
ヾー―--- / / /:::::::::::\
ヽ`ー ,イ´ / /::::::::::::::::::::::|
) ,,,,,-".:.:\ / /:::::::::::::::::::::::::::::|
`ー‐−´ ヽ:.:.:.:.:.:.:`ゝ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::|
ゞ.:.:.:.:_/ ,イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
- 980 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:12:42.64 ID:/XLASoFw0
-
_ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
/ /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄ 失礼した。
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | { 敵はあくまで庾亮とその兄弟のみ。
>―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ 陛下や王導殿をどうこうする気はないし、
∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、 何なら王導殿には今後も司徒を務めてもらいたい
ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
/ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
. {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
話の分かる方で助かります ./.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『王導伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 蘇峻は王導に徳望があるとして、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .敢えて危害を加えず、なお司徒のまま己の右に置いた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 981 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:15:03.67 ID:/XLASoFw0
-
iヾヽ,, /'∧___
廴゙\ゝンー―'メ/''/"ム;;;/
_辷 ゞ'´¨⌒ ̄`、`ヽメ,,゙_ゞ
\;;;;/ , / .i 、 `ヽ\;;;;;;;;>
</ │ | , | ト、_ ,ヽi/
ヽ_メ ー┼‐ヘ´从\ヽ  ̄/ |、\ 最近思うんですよ。
/.| | 三三 三三≠ |、丶.ヽ,
ー' ,| ゝ| || | i /;;;;ヘ } 御主人様の都合が悪くなると、反乱騒ぎが起きてるような……
ゝ_,.イ| ,ヘ 厂 ̄} イ ,ヘ;;;;;;>_)丿
レ ヽ、 __ ̄ ̄__/|./ ´¨__, ¨
ゝトO7|`ヽ, ' ,,:'´: :и _)__
/、ゝ...y',...、゙イ ノ: : : : : ゙イ ´>く `丶
/ / \ ヽ\
/ ' /^^⌒^!
|│ | /| │j
. │ | 八|\ |/八 八:|
∨小| ∩ ∩ |/ |
干宝ちゃん。 .| :::. ∪ ∪ | :| ::|
| ::{ " -┐" | .::| ::|
それ以上いけない | ::个:. _ゝ _ノ . イ| ::::: リ
. n ∨八ハト_刀 {_八|乂/
. __|」 r< {¨¨7 `>、
fJJ)) /人 \/∨ヘ/,ノ∧
. 人__∧ / 〉  ̄>< ̄∨ '.
∨_,/∨ { / ∧ \. } {
晋 尚書左僕射 陸玩
- 982 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:16:08.91 ID:/XLASoFw0
-
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,`ト===イ ,} ::::::| 大変です!
\ ヾニノ .::::/"''=-
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、 蘇峻軍の兵士たちが後宮に乱入し、狼藉の限りを尽くしております!!
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ , , 、 、 、i:i、 =- 、 、
/ ,/`! :W ∨ ハ ヽi}__,.入 ハ
/ ‖ ‘, ハ__ l : ハ、,_ ,}ヽ、 ∨
,′ ___ Y/´_ハ ! : }ニミィ_} ‘, Y
厶ィ' ハ}_`! ー=='}/i |\\彡{ | ‘,\__
. _,ィi |∧ト=イ " ' / ,、.| {ミ}ノ,/:l|' ‘, リ.:
. ∧ lノ__/} ' |:八 ,. _ /ィ ∧| レ'メ、
/_// }``ラ | 圦 ヽ、__ノ / ' /-'升
あ |:_|__lヽ/}ヽ | |'/\ _,.イ //}i;ア-'
... / \\`/、/. |/`//,ィ`ー≦ :| //イ/
. | |i:i| l:| __人 {/ {/ィ=ミ_;|/イ / /,
. ∨-、|i:i|‖ __/ ,../ ./-‐'"/ `ー='〈 ,//彡イ
/ ∨彡、 :}、 ィ=='イ/ / _,./ =、.,_,、 ∨
. /l ,' ヽ ゝ、i:i`,、 ヽ イ〈フ:::::::::::::::;/ィ`ー-∨ _,/
.. /. l ,' ∨、 } / ー} / ノ::::::_,. ィ" / / '"//´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 皇帝が殺されるという
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 最悪の事態はどうにか避けられた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .しかし、東晋の朝廷が被った犠牲は大きかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 983 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:16:47.25 ID:/XLASoFw0
-
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
───── , ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ;
──── | i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i おう姉ちゃん!
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj
──── | iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.! .私と性的にゆっくりしないかい?
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
──── ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| |
レ レル. `.ー--一 ´ル レ
, '´ ̄ ̄` ー-、
ピュー /: : : r‐r==========、
───── /: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
──── {: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :}
| : レ .|:::::::::○三三○ l :|
あんなクリーチャーに異種姦されるのは嫌ですと女官Aは…… .|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/
──── i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
───── ∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
- 984 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:17:47.42 ID:/XLASoFw0
-
___ _____ ______.
ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
, ン 'r ´ ヽ、
i ,' ==─- -─== ;
| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ i
||. i、|. | (ヒ_] ヒ_ン) i リイj
| iヽ「 ! "" ,___, "" !Y.!
.| |ヽ.L.」 ヽ _ン ,'._.」
ヽ |イ|| |ヽ、 イ|| |
レ レル. `.ー--一 ´ル レ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
, '´ ̄ ̄` ー-、 r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
/: : : r‐r==========、 __.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
/: : /├l‐1 ―――――| ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」 、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,,
{: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :} ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
| : レ .|:::::::::○三三○ l :| <、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/ ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒) V i '" ,___, "' '! ヽ (
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/ i,.人. ヽ _ソ ,.ハ ) 、 `、
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ ノ从 .> ,、 ._____,. ,,. イ/^ヾ ( '` .) )
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ ノ ヽ_ィ> <r ´ ヽゝ,、
- 985 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:19:19.11 ID:/XLASoFw0
-
―――━━―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━
______――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――
――――― ̄ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄____ ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―
______―――━━――― ̄ ̄ ̄ ̄ ....|丶 __ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―――━━―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . ! |ヽ | |....―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━
______――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ /| | | ヽ.....━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――
――――― ̄ ̄ ....i..  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . / .| ヽ. ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―
______― ...|\. / / _____ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―――━━―― ....\\ , __ _,,,,... ー ニ −..... ―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━
____ _ ,,,,...ー− _‐ − / / ̄...._ ―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――
――――― ̄ .. ̄ ̄ ̄\ | / / __ ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―
______―――━ .! / / ┌ー‐‐‐'''''''''''''''''ーー-- ,.,,..,.、.゙ __ ―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―――━━―――― ̄ ./ / ー‐ー‐ー‐ ̄・'''''''''''ー‐‐‐--二= 「 / rー; .  ̄ ̄ ̄ ̄―━
______――― ̄ ̄ .// ____― ______ |/ |/ /\ __――
――――― ̄ ̄___ ̄ ./ _____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ .゙/.. -''". ____―
______―――━ ./ ― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄___ ..../'"... ― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―――━━―――― ̄  ̄ ̄ ̄______―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━
______――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――
――――― ̄ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―
______―――━━――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄___ ̄ ̄ _人人人人人人人人人人人人人人人_
―――━━―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______―――――___> ゆっくりしてイッてね!!! <
______――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
――――― ̄ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―
______―――━━――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『成帝紀』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 賊は太后の後宮に突入し、左右の侍人を全て略奪した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 986 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:20:07.50 ID:/XLASoFw0
-
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l | 皇太后っていうから、
\ `ー'´ / どんなBBAかと思いきや全然イケたっていうwww
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ .先帝陛下、御馳走様でしたっていうwwwwww
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉 __
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く ,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
『晋書』『后妃伝』に曰く。 ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
` ‐lイ::::::::::ヽ
蘇峻が反逆して京都が傾覆すると、 /⌒ヽ、::::ヽ
庾太后は迫られて辱められ、憂悶の末に享年三十二で崩じた。 |::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
『晋書』『成帝紀』は彼女の死を翌三月の事としている |::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 987 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:21:21.50 ID:/XLASoFw0
- 【紀元328年2月 晋 首都 建康】
, '´ ̄ ̄` ー 、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1―‐――‐―.|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二」
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ ヽ、 l :}
| :レ | ノ \ l :| 例の火事で食糧が焼けたので、
|: i: (|. ● ● l:/ .今後の御飯は切り詰めていきますと太官Aは報告します
} : :⊂⊃ 、_,、_, ⊂.ル|
,.イ/イ:}从ヽ,、 __, イ从/
,.< ゙i.i:.:\__八__/:i.i>、
( ⌒ )}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:( ⌒ ) ', { ___
. , -く_>―、`'<
/ ,、 ☆ ァ- 、 ヽ \
「iア /〈(┼)〉 | ヽ {:i心只七i}
V /イハ,\/~フ'ト、ハ 辷:i八:ii:iリ
l| {V ◯\/ ◯V〈 / |:i||i|.',
ハnv'/////ノイ゙n' . |:i||:i| ',
l´圦 ⊂⊃ u. /l´ `l |:i|.|:i|. ',
民が我慢しているのですから私も我慢します ゞ=彳h。. r‐'^ ゞ=ツ|:i| |:i|ヘ
|:i|∨Vzミ`¨'ィzz へ/\|:i|/|:i|
|:i| |:i|辷/只//ツヽ ', |:i| |:i|
|:i| |:i/ // |:i:| V, |:i| |:i|
|:i| |/__^l l ^{____V |:i| |:i|
|:i| (___人____) |:i| |:i|
ギュルルル .|:i| |:|::|\ / |::::::| | |:i| |:i|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 同じく『晋書』『成帝紀』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝の食膳を担当する太官が焼け残った数石の米を御膳に供した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 988 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:22:00.22 ID:/XLASoFw0
-
, '.
:;:, .:.
. .:', .:.
.':::;:, .:.
':;:. :::. . ..:.:λ:: :: .;;.'; ::,)、::.:; ,: ´ ⌒^ ヾヽ
..':;ヾ::.:ソ)人ノ 从:. ソ)ノ ):.: (,, ""⌒ '' .. " ヾ )
.::V (ソ ヘ (、' ,, . :::::::( ノ( ソ( 、ノノ..:::. , '.
',:; .::) . . ,, :::::::'''(, イ")ノ::..:::::,,:: :;:, .:.
人;;从;;;;: .:.(ノ . . .,,, :::::(’''....ノソ),,::: . .:', .:.
==lュ、 rl´⌒;:⌒`〜ュ、 ::::) ,ゞ.: .ノ(~〜ノ(’''''ソ、' :::: . .':::;:, .:.
rl=========ュ ヽ .:::: .:ソ (: :. ,,(、、...,,,Y),,,ノ:.:),, ,ツ.. ⌒;:⌒`〜;;从;;人;;;⌒`;:(´⌒;:⌒`〜;;
/ ∧ / ::..:( ):::==lュ rl=======lュ r(´⌒;;:⌒∵⌒`);(´∴人;;ノ`;;`;:;:;:;:;:;::;:;:;
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ人;;从;;;;:´⌒;:⌒`〜
/_____/__/ ∧__rl====================lュ (´⌒;:⌒`〜;;从;;人;;人;;从;从;
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ ;;人;;; ,: ´ ⌒^ ヾヽ 人;;从;
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /:(´⌒;:⌒(,, ""⌒ '' .. " ヾ )`〜;;
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|::::::::::::::::::::( ノ( ソ( 、ノノ..:::.
, :::::::'''(, イ")ノ::..:::::,,::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 百姓は号泣し、都邑は僅かな物音を聞いても震え上がったという
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 989 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:23:13.05 ID:/XLASoFw0
-
※休憩がてら次スレ立ててきます
- 990 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:31:57.28 ID:/XLASoFw0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< やる夫が正史を書くようです59
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1689780411/
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 991 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/20(木) 00:32:39.26 ID:/XLASoFw0
-
※続きは次スレで
- 992 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:12:24.96 ID:Gc/xdvT00
- 【埋め】
,. '"´::::::::`丶、: `丶、 ./二|
/..::::::: \ :::::::::::::..\:::::: \ ./| /|/二二|
´:/ ::::: |::::: `, ::::::::::::::: ` ::::::: ` /-|/ニニ二二二| //
/.::/.::::::::::|:::::::: }::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ニニニニ二二//ニ/
| : {:::::::::::::| ::::: 八\::::::::::::::::::::::::::::::,ニニニニ二/ニニ/
|\ l :八:::::::::::|:::: /|/ \\ :::::::::: ,::::::::::::,ニニニニ二二二/___
|二\l// |\\|/ / _..斗\::::::::|_..、=-‐=ァ'´ニニ二/´二二/
\、、 l\ \ニ./// |_..二.._ /ゝ-゚l:\`'</ /ニニニニニニ二/ // /〉
\ニ- .._ lニ‐=ニ/// : |\ゝ-゚' l:::::::: ̄|‐・''"´:::::,ニニニ二二二 ´ /{/ニ/ .//-/
\ニニ=‐--lニニ-//:::::::| :|'_ 〈 l:::::::::::x┴`>'⌒>.._ニ二二二//-ニニ二///二/
\二二二二ニニl :/.::| :|人 _..._ ,.l::::::_厶-‐/ ̄:/ ̄``'<(_..ニ=-‐ァニニニニ/-二/
-=ニ二二二二二二二二l:/.::: | :|:::::::::...._ / :| :/ x─/ ::: /\ ::::: l:: l: ∨///ニニニニニニ
. _..ニ=-─‐-=l/ ::::: |/| :::::::::::::`iー'´::::::::|└':::::l l:::::: |Τ|`、 :::: l:: l |'∠二__ニニニニニ/
. <//////////.::::::: //|..,,____,,../|∧ ::::::::l:::::::::::l'/l::::: |│|/∧ ::::::l:: l'//<⌒ニ二二/
. >////\/.::::::: //八 |::|〈〉〉:/l:::::::::::l//l:::: |-V//∧ :::::::l:: l<⌒ニニニ/
. /////////.::::::: ///∧ /..:::::///l:::::::::::l///l:: |//__//∧ ::::::::l:: lニニ二二-‐=ァ
.  ̄ ̄ ̄ ̄/.:::::: /l\//∧│:: /////l:::::::::::l////l |⌒\} /∧ :::::::::l:: lニニ_..ニ-'''"´
/:,,. i´\\l┌冂ァ''"ア// >l:::::::::::l ̄7ニl|\/><'_ ::::::::::l:: lニ\
/:::::: \ \,>‐・''"゚゚~ ̄ ̄ l:::::::::::l {二/l^7//.:::::::::::.'_ :::::::::::l:::l¨⌒
/⌒〉::::::::::`, / ''"~ ̄) l:::::::::::l 、∨.: l{{{ :::::::::::::∧ ::::::::::::l:l
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. /.:::::: \ :::::::::: /∨'、::::::::::::::: |::::::::::l:::::::::::l:::::|└''"::|::::::::::/:::::::::::/ ::::::,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 庾亮を名士たらしめていたのは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 風姿神貌と称された外見と物事に動じない立居振舞いだった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .最初はそれだけの人物と思われていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 993 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:13:53.11 ID:Gc/xdvT00
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 庾亮と付き合いのあった仏僧竺法深は彼を評して曰く
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
庾亮殿は名士と言われていますが、 .ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
胸の中に三斗ばかりの棘があるんですよねえ | i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
※三斗:魏晋時代では6リットル相当
- 994 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:14:57.72 ID:Gc/xdvT00
- 【『世説新語』『任誕篇』より】
t_>(__r‐‐、 __ _ > ´: : : : : : ,ヘ: : : :V:、
ノ////{^Y_⌒>: : :, : : : : : : : : : : V : : ハ: \
,{///-=≦: : ´: :/: : : : : : : : : ハ: V : : :i : : ', /
rく {////⌒ア: :/: : :/: :i: : : :/:斗{⌒}: :}: : : :}: : : :V /
乂 >--- /: : ' /: :': :斗-: /}: 八{ 八jニニハ: : : :V
}> -- W : i {: : { : /}: :/ノ' x≠ミ个: : : :': : 〕iト :}
| И: |八 乂 ィ笊 ん(_,/: : : 人: : : <⌒ 卿は我を贖うべし
,乂 八{ i: ヽW vリ 乂ツ: : : '^Y: : i : :\
`ト-- ´ ノ {: : 从 ' _ 、 /: : ∠ イ:_:_从:「⌒
∧ ⌒7: :ハ : :込、 V_ノ /イ´/////>、 \ /
/ 〕iト 八(⌒ヽ{ ≧rf. .rく 乂/////ア⌒7 V / /∧
⌒{ __ /^ア. . . . .}/  ̄ _j//// V / -―‐- ∧///{人ノ /
_ 。o≦. . . . . . 、. . . / //////ハ V /.:: .: ヽ.:: :ヽ.:: :\///////{//{
<∧. . . . /. . . . . . \. 乂 {//>´⌒V __ノ /.:: .:: .:: .::ハ.:: .::',.:: .:: V'/////////
,.::|.:: |.:: .:/ _.:: .::V-‐ フ ///人 /( ___
.:: |_从.::/ ィ莎'.::.::/こ_,.イ'///////////// /
i.:: :ィ莎 V.:: :V.:/.::V/// ////////(_
また博打で負けたのか。 |.:: .:ハ ` ァ .:: .: ∨7.:∨////////////// >
/|.::/.:个 ` /i.:: .:: .:V(////////////////
商人よ。 .⌒ |.:: .::.:|.:: .:: ≧::'::|.:: .:i.:: i////////////// /
)\_)/|.:: .::.:|.:: .|.:: .:|.:/|.:: .:|.:: |//////////// <
すぐに金は用意しよう <//////,.:: .::.::|ヽ_.:/从ノ.:: .ハ.: |ミメY<  ̄ ̄ ̄ ̄
__彡//////.:: .::.::八ハ__rヘ_/へi< :l |i::::::.
</////////.:: .::.:>― }/ ノ-ミ辷彡 八.::::::.
_ ―― /.:: /=- _/ -=二二 :} ノ-‐/.:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .割と煙たがられる人物だったようだが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 共に明帝に仕えた温嶠は、庾亮の本質を理解していたのか仲が良かった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .温嶠が商人と賭博して負けた際、庾亮が何度か金を出したという話がある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 995 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:15:55.84 ID:Gc/xdvT00
-
,. ''"~ ̄ ̄~"''〜 .._
/ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: | 温嶠殿は放達だが、
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: | その言葉に下品さは感じられない
.ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,>-=ニニニ二二二\|::::::::::::::::: |二\ニニ二二|::::::::::|
二二 / ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |\ \ニニ二|::::::::::|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一廉の人物ではあった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『世説新語』で庾亮が絡む逸話は非常に多い
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 996 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:16:59.07 ID:Gc/xdvT00
- 【『世説新語』『徳行篇』より】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 庾亮殿は的盧の馬をお持ちだとか。
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ .お売りになられた方が良いのでは?
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/:::::::::::::: ', ム`:::、::.、 ,イ{
//:::|:::{::::::::}::| vム ::::ヽ:ヽ '=l{
/::|:{: |:::{:::: /:/ vム ::::: V:'.,ニ', ,ィ ,イ}
{//゙{VV{/}/'" i:vム:::::::| :::',=},イ/______/=,'
あれを売れば、必ず買う者がいるだろう。 .//::{-、ヾ{ ,ィ'示ア|:: vム::::|'''77'''''〜 、、二/
//::八rtッ} ′~´ |::::::\゙< /_ ..。s≦~二/____
すると、次の持ち主に危害を加える事になる。 〈〈i::::::::{ く |:::::::::: `¨´:::lニニ/ニニ>'"_____
_ ',|:::::从 , .|::::::::::::::|/{ :/{/ニニニニニニ/
自分にとって危ないからといって、 .V≧s。| :::::: !\ "´ |::::::::::::::|={/二二ニニニニ ̄~≧s。、
それを他人に押し付けるのはどうかと思うが .V-二|:::::::::|:::|::\_ ..。s'"|::::::::::::::|ニニニニ∠L」_ニニニ\
V二|:::::::::|:::|:::|:::l::::}二 |::::::::::::::|ニニニニ>''"´ニニニ`<≧ァ
、--=≦ニニ|:::::::::|:::|:::|:::l::::}二 |::::::::::::::|ニニ>'" v二二ニニニニニ>
`<ニニニ|:::::::::|k、 :|:::l:;イニニ,|::::::::::::::|'" Wニ.>、=ヘ¨¨~´
,。s≦二二|:::::::::|ニ\ト、ニニ/l|::::::::::::::| |二二 \ヘ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 例えば、主が乗れば棄市の刑に遭うとされていた凶馬的盧について
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 997 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:18:14.99 ID:Gc/xdvT00
- 【『世説新語』『言語篇』より】
____
/ _ノ 、\
/ .(釈) (迦)\
| (__人_) |⌒ヽ/⌒\
(''ヽ `ー' / 〉 〉 ,、 )
/ / (__ノ └‐ー<
〈_/\_________ノ
'´ :::::::::::::::::::::::::..\ ∧/|
/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| /
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ/////
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/
釈迦は衆生済度に疲れたのだな __\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、仏寺に足を運んだ際、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 釈迦の臥像を見た庾亮の言葉を人々は名言としたという話がある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この時代にありがちな清談的な話題には事欠かない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 998 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:18:54.02 ID:Gc/xdvT00
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .ところで、このスレでお馴染みの孫盛は、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 著書『晋陽秋』で庾亮が建康を脱出した時の様子をこう述べている。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ ちなみにこの男、庾亮の部下だった時期もあったりする
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ / _..ノ:イ:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
i: : : :::\::\i../ / /::::::/ :::::: /:::i:i:::M〃'''''ミ::::::::::::
. /::::::/::::::::!/ ::::||: :! V:::::::i
. /:::/!::!::::W-j从:::| −─ .',::::::|
. /′ |:从:{,代:::テヘ! 弌:::テァ.r、/
iハハ i !/
i ! ; /
ヽ ― イ
庾亮は戦に大敗して温嶠の下へ逃げた > ._ <ト、
rく i |ノ}
〈ハ _〉 ヽ r '" /ト.、
. _〉 ∨ ヽ ハ i / } ハ≧‐- .,
. ,ィ≦´ ./.:〉⌒'vっr i^Y^f^!=n-‐―┐ アヽ
{ /.:rーヽ―=ヘ V !:::::::::::| ./ ',
ハ ':/ |::::::::::::::::::i } 〉::::::::::| / / i
. / ', i.:{ |::::::::::::::::∧ /.::::::::::::!イ / |
- 999 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:19:34.24 ID:Gc/xdvT00
- 【孫盛君は基本忖度しない人】
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 人々は皆、彼を咎めて軽蔑した |
ヽ________________乂
ニニニニニニニニl:::::::::::l:::::::::::: l::|::::::::::::::::::::: `, : ` \ :::::::::::::::::: l二二二ニニニ⊥
ニニニニニ二二二l:::::::::::l::::::::::::: l ::|:::::::::::::::::::::::: | :::::|\\ :::::::::::::::::lニニニニ-''"´/
ニニニニ二二二l:::::::::::l:::::::::::::::l ::::', ::::::::::::::::::::: | :::::| \\::::::::::::::::l‐i''"´`_ //
ニニニニニニニl:::::::::::l::::::::::::: l:::::l `、:..\::::::::: | :: / / \\ :::::::::: l l:::::::::|'´-/___
ニニニ二二二二|:::::::::::| :::::::::: l:::::l \:::..\ :: | :/ / /⌒▽:.\::::::::: l:::::::::|二ニニニニ/
ニニニ二二二二|:::::::::::|::::::::::::l:::::l ─- .._‐-\|/ / / 洵 ノ l\`' ‐--‐/ニニニニニ/
ニニニ二二二二|:::::::::::|::::::::: l:::::l _>─-ミ'ー { -‐''´ l::: `' ─ '´lニニニニニ/__
ニ二二二二_.ニ=-‐''''"| :::::: l:::::l<( 洵 ll :::::::::::::::::::::l二二/ニニ二/
ニニ=-‐''''"´\ :::::::..\| :::::/:::::l::::l ^'ー‐''"´ , l l :::::::::::::::::::::::l二/ニニ二/
二ニ=‐- .._\ :::::::..\/.::::/.:::::l } l l::::::::::::::::::::::::::l/ニ二∠___
-=ニ二二ニ|\二\ :: /..:::/.::::::: l _ / .l::::::::::::::::::::::::::lニ/`,ニニ/
ニニ`ヽ、二|二\二`¨「¨¨´ :::::::::: l.._ u /^\} / .l:::::::::::::::::::::::::l><ニ/
ニニ二二\|二二\二| :::::::::::::::::::: lニ-..._ 〈 _,ノ / |l :::::::::::::::::::::::l ∨|>
ニニニ二二二二二\| ::::::::::::::::::::: l-ニニニ- .._  ̄ /l / |-l:::::::::::::::::::::::l二 :|
ニニニ二二二二二二| :::::::::::::::::::::: l -ニ二ニニ=‐--'゙ l / |\|二l::::::::::::::::::::::l,∧|-
ニニニ二二\二二二| ::::::::::::::::::::::: l -ニニニ二l/ :|二ニニ/l :::::::::::::::::::l_,ノ二
ニニニ二二二\二二| :::::::::::::::::::::::: l ───-´^'i-l\\ l\|ニニ./二l :::::::::::::::::lニニニ
>ニニニ二二二\二| ::::::::::::::::::::::::: l l-l 〉‐〉l二二 /二/l :::::::::::::::lニニニ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } さすがに擁護不可だった模様
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 1000 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/07/22(土) 09:20:04.37 ID:Gc/xdvT00
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .庾亮氏の汚名返上に御期待下さい
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< やる夫が正史を書くようです59
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1689780411/
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
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