やる夫が正史を書くようです５８

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437 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:19:49.28 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　 　 　 　 　 __くヽ, -―‐ -､尸ー ､
　　　　　　　　　 /{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!ﾞ::i
　 　 　 　 　 　 /::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
　　 　 　 　 　 ,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ﾊ:::::::::';::::ﾘ
　　　 　 　 　 ,'::ﾉ:::::::;'__　 l::::::::ム !:::::::::}:::::i　　　　　　　　　　あら、上官巳じゃない。
　 　 　 　 　 ,'/7:::::::::l,.__｀ ﾚﾚｲ,.__l:::::;:ｲ:::::::',
　　　 　 　 /:::/イ:':;:::',￣　 .　´￣|:ｲノi:::::::::i　　　　　　　　　.洛陽の戦以来だったかしら？
　　　　　 /ｲ::::::八:{ﾞi::!｀　＿＿　 ノ! 　i::::::::::',
　　　 　 /　!::::/　 ﾞ |::|丶 `　 ´ィ" !| 　 ';:::::_i';._　　　　　　　.また私と一緒に戦わない？
　　　　/　,:'::/　　　_ﾞ_/=> ｀´　トヽ’　　_｣　/ヽ!、
　　　 i::! ﾉ:/　 　_!　　i　i!　　　// ｀- _└i ,'　・　ｺ
　　　 |::ﾚ/　/、　 ', 　 l　i!ヽ r//　 /　 ￣|　i:::::ト',
　 　 /!:::{＿i　 ヽ　',　 _l__il!､//　 ./ 　 /　lイ'ゞ"　',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 |.―‐――‐―�h‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ―:::::ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 |l:/|/:○三三○::::::::ト、: :|
　　　　祖逖パイセンちぃーっすと上官巳は恐る恐る旧交を温めます　　　　　.|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　 丶_ノ　　uｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 祖逖は攻勢に出るばかりではなく、地盤固めにも腐心している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当時司隷から豫州にかけての有力者だった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .趙固・上官巳・李矩・郭黙らを和解させ、自身の節度を受けさせた
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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438 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:20:37.29 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　司隷　滎陽】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　洛陽からの撤収は
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　見事な判断だったと祖逖将軍は仰せでした
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／⌒ヽ￣／⌒ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __／　　 /ミ∨／j} 　 } ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　 /⌒ﾞ┴‐く{　　 l 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 //　/　 /　　　　　 {　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 //　/ __厶ノ　　　{廴{ 　 l　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈/　/ ´/　　　　　　　 {｀ヽ＼　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈　/__,厶二　　　　 =ｰ＼　　{　｀ヽ |
　　　　洛陽は劉曜や石勒の軍勢が攻めて来るから　　　　　　　 　　　　　 }/ 癶,_以ぅ　　 　 ‐ﾃ忘ﾐ 　 ＼ 　 ＼
　　　　私の手勢ではとてもじゃないけれど守り切れないのよ。　　　　　　 .〈｢ ||　　　　 ノ 　 　 ｀ ┴勹ｖ―ﾐ ＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ ||　　　　　　　 　 　 　 |　|'＾ﾉ },ノ
　　　　だから、洛陽の民は滎陽へ移ってもらったわ　　　　　　　　　　　　 　|/圦　　 ､_r‐ ､__,　　　　|　|/／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 //|　ﾄ､　　 ｀こﾟ´ 　 　 ノ|　|　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //│ l　|＼　　 　 　 イ　 |　|　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　|　|　| 　|ﾄ‐　 　 　 |　 |　|　 |　　！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 //＿|Ｌ　.⊥8ﾉ　　　　 　8 .|　|＿_|　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／／　/ / /ー8- 　 ＿,｡ｃ*ﾟ |　|　　 ＞､　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 ／　/ 　 / /　|＼__ﾟ*()+･ﾟ¨　／ |　| 　 /　　ヽ　 l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　安西将軍　李矩

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 ただ、洛陽にいた趙固はこの時点で死んでいた模様。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　洛陽の百姓は李矩に帰順したため、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .洛中は遂に空となったと『晋書』『李矩伝』にある
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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439 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:21:39.06 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　 　 　 ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,人　　 ﾉ　) }}　　　　　 ＿ 　 ,ﾉｨ　　　
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 冫　､　 《巛 《　jﾘﾚ ﾉﾉノ⌒　　 人　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　 彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾄ-{ ﾉ　 　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ 彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾐ ﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　 彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ミ ｉ r‐榮ぅ {ﾝ ｒ‐ｔ笋ラ　 ｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ 　 　 |　　　　　　　{　人__／ 〈　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　 　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |ｉ　 　 ＿＿ ,　 　 　 /　　 ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　 　 ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　 ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 廴 ｣　 イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ｌ　　 ＼　　|　/ 　 j　　　　 ﾉ　　'⌒ヽ__　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　 　 ＿＿＿＿_＼
.　　　　　　 　 　 　 ＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´￣　　--── ､￣￣｀　､
　　　　　　　　 　 ´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　 ／　　　　/　　 　 　 　 ＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ノ´　　　　　 　 　 　 　 /　　＼　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 丶
　　　 　 ／　　　　　　　 ／　　　　　　　　　ｒ'　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　ー―　　　　　　　　　 　 ＼　　 ＼
.　　　／　　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　
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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 黄河以南は悉く晋の領土となったと『晋書』『祖逖伝』は記す。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　一方、『晋書』『石勒載記』は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .祖逖が中原を平定し、撫納によって黄河以南の多くを帰順させたとする
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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440 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:23:04.17 ID:rs3FrmGi0

　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　 　 　 ﾉノ}
　 　 _,人　　 ﾉ　) }}　　　　　 ＿ 　 ,ﾉｨ　　
　　 冫　､　 《巛 《　jﾘﾚ ﾉﾉノ⌒　　 人　　
　　 乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　 彡'ノ　　）
　 　 ﾄ-{ ﾉ　 　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ 彡'）　}　
　　　 ﾐ ﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　 彡ﾄ､ヽ
　 　　 ミ ｉ r‐榮ぅ {ﾝ ｒ‐ｔ笋ラ　 ｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　　徐光。
　 　 　 ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　 　 ヽ 　 　 |　　　　　　　{　人__／ 〈　　　　　　　　　今から俺の言葉を書き記して布告しろ
　　　 　 　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　 　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　
　　　 　 　 |ｉ　 　 ＿＿ ,　 　 　 /　　 ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　 　 ノ　　　　i　 |
　　　　　 　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　 ﾄ､＿
　　　　　 　 |　 廴 ｣　 イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　 　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　 ｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　 ／ｌ　　 ＼　　|　/ 　 j　　　　 ﾉ　　'⌒　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
　 　 　／ 　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　i::; ;;::i　　　　　　　　　　ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,　
　　　　　　　　　　　この天才に任せとけ　　　　　　　　　　　 .　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　 　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　 ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /　 |　 ﾞ ｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒はこれを憚り、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　敢えて攻勢に出ずに文書を下して次のように言った
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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441 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:24:50.04 ID:rs3FrmGi0

【趙王殿下の布告＠『晋書』『石勒載記』】
┏─────────────────────────────┓
　祖逖は幾度も辺境の患いとなっている。

　祖逖は北州の名士で声望があり、故郷への思いがあるかもしれない。
┗─────────────────────────────┛

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　　祖逖は辺境の患いだ。
　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　　だが、幽州の名士である以上、
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　　　 望郷の念を持ち合わせているはず
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;;;;;:::::;;, /';'　　　　 ,ﾞﾞ'::::::::＼
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　 ｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　i::; ;;::i　　　　　　　　　　ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ...　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　
　　　　　　幽州は北州って書いた方が見栄えがいいか　　　　　　.'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　 　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　 ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /　 |　 ﾞ ｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ

442 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:25:40.16 ID:rs3FrmGi0

┏───────────────────────────┓
　故に幽州へ命令を下し、
　祖氏の墳墓を修復して墓守を二家設置する。

　祖逖が趙佗の如く恩を感じ、寇暴を止める事を願うばかりである。
┗───────────────────────────┛

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　幽州へ使者を出し、
　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　 祖逖の家の墓を修復して墓守を置け。
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　　.それを恩義に感じて、侵略を止めれば儲け物だ
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.｀ヽ::.ヽ
　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〃〃.::::::〃〃⌒ヾVｘ≦､::.｀ヽ:::::::ﾊ
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〃〃:〃.::::::{::{　　　　　　　}:::::ﾉ:}:::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {{={{::::{{:::{:::八{二二二ﾆﾆミ／:ﾉ}.:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {{:::{{ 〃八(__,ﾉ＿_ ,　 　 〃:::X/.::ﾉ:} } }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ― -- =ミ　　 八八{:::{.::::::て ｡ユﾉ八≧=‐-ｖ'.::〃ﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 ｀Y::　ﾊﾊ:Ｙ:::::::厂￣￣{　{｀ﾆﾟﾆ:::::::::::〃/
　　　　　書くには書けたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾉ.:　} :}:从::::/　　.:::::ｒ_､_}〉::..　 ｀Y::::八{
　　　　　また随分と弱気に出たもんだな　　　　　　　　　　　　　／.:::　ﾉ ﾉ.::::}}::{ｕ 　　　ヽノ 　　　,::::::{ { ﾊ-,‐―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.:::　〃〃.:::八{　　　　　　　　　 /.:::::}} }::::} l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ. 　 　 {{::〃〃.::::::::/.:::ﾊ { ⊂=ー....´⊃:./.::::::ﾉﾉﾉ:::{ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧　 　 ー−　 /{:::::〃〃.:ﾉ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　li　 _从::从八{:::::从　{　 ヽ.:　　　　　ｲ　}::::}　}　八
　
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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 石勒らしくない物言いに感じられる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それだけ祖逖に手を焼いていたとも言える
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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443 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:26:20.84 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】









　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　|　　 石勒が布告した文書を手に入れました　　|
　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂






　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　晋　.|　　　　┌─┐　　|　祖　 |　　　　　　　 .|　晋　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

444 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:27:15.91 ID:rs3FrmGi0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　いやはや、石勒という男。
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　　なかなか殊勝な振舞いをするものですな
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 ＿_∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、／:.:.:.: /|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.i :.:.:.:.ﾄ､:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:.／:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.|:.:.:.ｉ:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |／:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.|:.:.:.|:.|'__Vｌ:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
　　　本当にそう思う？　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　　|:.:.|:.:.:.:ｨ'ﾊ } |:.:.:.:.:ﾄ::〈ヽﾉ }:.:.:.:／:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　人:.ﾄ､:.:.| ｔﾘ　|:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:／:／ :.`､:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `､
　　　これで私が石勒を攻めたら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　>ゝ 　 |:.:./lﾉ|:|_〉Ｖ:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　父祖の墓を直してくれた恩人に手を上げるのと同じ。　　　　 　く　　 　 ／　 :|:|　ヾ、｀'〜､;./ﾍ:::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 　 　 ヽ、__　 　 　 ::! 　 　 　 　 ∨))､:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　素敵な祖逖さんはそういう真似はできないのよ　　　　　　　　　　　心　　　　 ,l:|　　　　　　　∨__＼:::::: ＼:.:.:.:.:.:.i:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 ゝ-‐≦{ ヾ:、　　　　 　 У/＼ ､::::::::ヽ:.:.:.:|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヾ /ﾊ　　　　 .／／　　 ヽ､ ＿_}__:.|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 jＩ斗:r''　|:i}　 　 ／／　　　　／　　　　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 /´ / : : l　　Vk　　 ／　　 　 ／　　　　 /　　

445 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:27:58.98 ID:rs3FrmGi0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　　,ｒｴｴｪ､　　.::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　あっ！
　　 ＼　　ヽｒ-ｒｦ　.:::::／　
,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　 ｢｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /::/::'::::/　 ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 　 　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /ｨ::|:::::|::i　 ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃 　 ＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|
　　　　　とはいえ、戦を止める格好の口実ではある。　　　　　　　　　　　.|:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 　 　 | !ﾉ:::|.l∧　 　 　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::
　　　　　使者に贈物を持たせて、石勒の所へ送りなさい　　　　　　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 l/: : ヽ/￣￣ 　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 /:.: : : :{≧=-　　 ＿＿＿＼　　　 　 }: :

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『石勒載記』によると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒が父祖の墓を修復させたと聞いた祖逖は大変喜んだ
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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446 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:30:46.30 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　　祖逖将軍は
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　　　　趙王殿下の振舞いに深く感謝しておりました。
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　　　　　　　　　　感謝の証として、私めにこちらの贈物を届けるようにと
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　よく来たな。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　　　　　　　　歓迎しよう　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そこで、参軍王愉を石勒への使者とし、方物を贈って友好関係を結んだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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447 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:33:16.72 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　 祖逖将軍。
　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　 趙王殿下が先日頂いた贈物の返礼をしたいと……
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　 ゝ-‐/:::::/:/:::::::::::::::/::!:::::::::|:::丶:::::::::::!::::::::|ヽ:::::::::::ヽ:.... _　　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　 　 　 　 /:::::::!/:::::::::::::::/::/!:::::::::|ヽ:::::,:丶:::!::::!:::!　 丶:::::::::::ヽ::::ヽ　　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　 . 　 　 //::::/ .!::::::::!:::/:::/ !::!::::::| ,ｘｆ´＼!::::!:::l:::}　　　丶:::::::::!::::::::ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /::!::::/ /!:::::::!::_|:_ﾑ-|,.!::::/　　　__,_ヽ!:::l:/ﾆ=-_＜ .丶::::!:::::::::::ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 . /:::::!:::ｌ./ .!:::::::!::::ﾊ::,　　|:/　 　 〃　　|::::| 　 ｀ 、ﾏﾑ　ヽ:!::::::::::::::｝　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::::::!:::|　 |:::::::!::/　ﾒ,＿ ´　 　 　 "" /／ヽ、　　ヽﾏ:ﾑ　.｝:::::::::::::!　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . //::::::::!:::ｉ　 ヽ:::::!:|　〃　　　　、　 　　/ ハﾄ:.:|　　　ｙ｀ﾏ:ﾑ/ヽ:::::::/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::!::::::::::!:::|　　 ヽ::!ｉ ヽ　""　 　 _　-‐ｧ　/川∧|　　 ´ 　 ｀, .∨:::::/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::|::::::::::ヽ:ヽ　　 ｀ｉ! l:.:.ヽ　　　 ゝ _　′　｝/　 ｌl-　　　　　/ ｀ﾊ:/ヽ　　
　　　　　これはこれは御丁寧に　　　　　　　　　::∧::::::::::|丶:ヽ　// .|:.:.:.:.| ≧ｓ　　　ｲ:.:.:〃　　 ｝　 　_-‐/　/ 、ニﾑ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::|　丶::::::!　　ヽ___　 !:.:.:.:.!　 ゞ:.:.、:.:.:.:.:.//　　　>‐ｒ´-‐´　丶、ﾆ、ﾆﾑ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::!　　 ヽ:::.., /´　　　|:.:.:.:.!　　丶丶.　 //　　／ニ{iﾆ _-　　 　 ‐- −‐-- 、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::.,　　　)/::.,　　　　ヽ:.:.:丶　　　 ヽii／　 _.ニニﾆ{i,´　　　　 , ＝=-　-　´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　,ゝ　　　　　ｒ- 、＝= ‐- _ 　-‐ニニニニ/　　　　　',ﾆﾆ/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 〉、 ヽ　　　∨ニニニニニニニニニﾆ／　,　　,.ヽ 　',／　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　/　丶 　 　 　.〉ニニニニニニニニﾆ, ′, ´ ,'　,':.:.:.:.、 ',　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は王愉を賓客として厚遇し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　左常侍董樹に馬百頭・金五十斤を持たせて祖逖への返礼とした
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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448 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:34:06.78 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　: ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　: : : 丶-----　、　　 　 　 　 　 　 __ /`Y´ }＿　　　　　　　　　　　 　,　＜
　　　　　　　　　　　::::::::::::::::: : : : : : :ヽ-‐ ､＿＿,　 ヘ　_,＞ >〃　 ｀丶、　　　　　 _　＜
　　　　　　　　　　　--‐=ﾆ"´: : : : :／: : : : : ;　-―-.／　 rく　|　　　　　＼/＾＼'´￣`
　　　　　　　　　　　: : : : :::::::::: : :::/::::::::::::::::/　,.-―/　 　 ��、|　　　　　　 ヽ＼ ＼
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::: : :/::::::::::::::::/ 〃, -､,' 　　/ーr'八　　　　 　 　 　 ヽ　　/
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::{　{./. .::/ ´} /ﾊ　ゝ-､＼　　　　/　　 / 　 /　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::､::',:::::::::::; -'　 ',　 〈_,ノｲ/ ∧　V! 〉ﾉ｀二T”　　　　l　/　　　 ＞ 　´
　　　　　　　　　　　￣｀　ｰ-､:::ヾ＼::::/ 〃⌒　　　　/:　　ﾊ　i:|ヽ／::::::::>､　　　/ / ＞　´
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼::{　{ 、　.:/　　　　　 | i! j:|　|:::＼:/　 ｀! ∠_/´
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣｀Y⌒ヽ,　-‐-､∠、 ノノ.／　|::::::::i＼　 |／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-ｲ　 （ ／'⌒!,∠´＿_／:＼ノ　/-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ｰr'´　　/ｲ　ﾉ::::::＼::／ >‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ` ーく ＿/-=ﾆ二ﾉ￣




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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これによって兗州・豫州はよく治まり、人々は休息を得られたという
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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449 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:35:24.44 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　まさか本当に和睦が成立するなんて　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　晋　.|　　　　┌─┐　　|　祖　 |　　　　　　　 .|　晋　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵


／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　一見、不可解な話である。
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　官軍の将が賊、しかも夷狄と和睦するのは極めて外聞が悪いからだ
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　 ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

450 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:38:56.33 ID:rs3FrmGi0

　　 　 ./　　　　/　　　　　 l 　 　.',　　 ﾏ .ヽ V
　　　 .,'　　　 メ!　　/　　　 |　　　.|　　　ﾏ ..ﾍ.V
　　　 l　　 .ノ　l　 ./　　　.ｿ!　 　 ﾘv　 　 \　 ﾍ!
　　　 .い　/!　|　./　　 シ .l 　 　/__V　　 l 　', ﾍ
　　　　V / l　 | .,'　.／"" ,' 　 ｼ,zｪミ`.s._>!､ .|　ﾍ　　　　　　　　　勅使は何か言っていなかったのかしら？
　　　 　 ﾒ .|　 .l l ﾒ,ｨf;心'ﾒ .／ ".辷ﾘｿ　fxﾍ\.!　 .V
　　　　 ,'　 l　　Vﾍ.` _~,.ｨ'"　 　 　　・　 ./ ,ｨ j　.l　\　　　　　　　 .そもそも朝廷へどう報告したのよ鎮西将軍殿？
　　　　,j 　 .い　x示 '" 　 　 !　　　　　./-"j j　ﾘ　 l,
　　　 ,'.l　　 .V　 ﾍ ﾍ、. 　 ,　　、　 　,.' 　 ,'.,' ./　　|V
　　　,'.f!　　　ﾍx　ﾊ　.|ﾐv　　　　’, イ_　 .//ソ　 　 |vV
　 　 ., .l l　　　　ﾍ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ﾊ-/.イ　　 　 l.iVヽ
　　.,　! lv　　　　 ＼x'ﾍ.|_ 　 ￣　_.　"／　　　　　.ﾘ ﾍ.V.ヽ　　　　　/　./|::::／::::::::::::-−‐....、::::::::::-...、::,
　　,　l .| V 　 　 ,..ｲ＼ ﾍs._￣~ ~_,.ｨ/　　　 　 　 .ｿV ﾍ ﾏ 　　＿_ /　./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, 　 .ｒ‐.、
　 .,　.| .l,...V　　/x::.~l.. KY、~ '' ~　/　　　　　　.ｼ＞乂 ___ -‐:::::::::::|　 ｉ::::/:::::::::::::::ｌ~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::!　.ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::_ -::::::::::::{　 | /:::::::::::::::/　　 |:::::::::!:::::::ﾊ:::::::::::::::::::ヽ| ｝　|::::..、
　　　　　　　　　晋　譙国内史　桓宣　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、　 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i/／::::::::::..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::ﾉ／/:::/::!:::ﾄ:/　　｀　.|ﾊ!::::|:/ ,ｚ 、ヽ:::ｉ::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::／　　.|::://:i::::! .ｚ≠　 　　ｉﾉ/ﾟ/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::／　 　 　.〉:/::::i:::|ｌiｆ ん心　　}/ 　 乂ソ ﾈ::::|:::::}::/　＼:::::〉::!:ｉ:/
　　　祖逖さんは正直者だから、　　　　　　　　　　　 :／　　 　 　 /:ﾊ::::::|::| ! 乂ソ　　 、　　　　　ﾊ::/::ﾊ!/　 　 .∨:::|:::,
　　　石勒の兵が黄河を渡らなくなったって　　　　　　　　　　　 // .|::::::!::ヽ　　　　　 　 　 　 　 ／|´::::/　　 　　 }:::l:::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　/　　〉:从ハ::ゝ 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ::::/　　　 　 /:::::!:::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 　 /´　 |::! ＼　　　　ｒ ,　　　　　´ |:/　　　 　 /::::::/::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　,−- _ .ヽ　 .个　 　 　 　 　 < 　 .ｉ´　 　 　 ./::::::/ .ヽ::.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 /　　　　ｰ−-.|::::::::≧s　イ/　 　 　 　 　 　./::::::/　 　｝::.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /　　　　　　 ヽ .ヽ:::::::: ´　 / 　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 実際、東晋側の記録は和睦について記さず、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『祖逖伝』は事実のみ述べる姿勢に終始している。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .祖逖が鎮西将軍に任命され、石勒軍が河南へ侵入しなくなったと
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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451 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:39:33.26 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　 　 　 ｨf≦三二ﾐﾄ､
　　 　 　 　 　 　 f三二三.斗‐┴───‐-- ､＿_＿_
.　　　　　　 　 　 j＞'´￣: : : : : : : : : : : : : :　　　　　　　｀ヽ
.　　 　 　 　 　 ノ　　　　　　　　　　　　 　 　 ..:'´: : : : . 　　}
　　　　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／､__: : : : : : :.　 |
　　 　 　 ／: : : : : : : : : :　　　 　 　 　 ／三二三ミト､: : : :.|
　　　　 /: : : : : : : : : : :　　　　　　　／.'´￣￣~｀｀寸ミﾊ ｉ: :|
.　　　 :′: : : : : : : :　　　　 　 ＞'´　/ / 　 /　 /　 ＼ﾐﾊ!: :|
..　　/: : : : 　　　　　　　 _..ィ'"　　　/ / 　 /　 ｲ　:| 　 ﾞ寸: :}
..　ノ＿__ 　 　_＿___...ィ´　 ｌ　　　 / /　　/ ／ |　 |　　 | }:ノ
..〈´: : : : ｀７'´　 ./ 　 :|:　　:　 　 /=ー-..／ 　 .|　 |　　 | :|
..　＼: : : / /　 /,'　 :/|:..　 ｌ　　/ / ..:／ ｀`ヽ　|　 ﾊ 　 | :|
.　　　ヽ/ /　 /.:′.:/r|:..　 l 　 i斗ｬ斥芹ミ 　 :i　.′}_　| :i
　　　 / /　 /.:/　　{(j'|:..　 l 　 l　弋ぅ::ﾂ　　　ﾉ /　j⌒/:/
.　　 / /　 / ,:′　.:|ﾍj:..　 :　　|, , , ,.｀~　　／ノｨ拆ﾄ .' /
....　/..:' 　.'/　　 　 :|　|:..　 l 　 |　　　　 ／"´　ﾋｼ' ﾞﾑ.ｲ　　　　　　まあ、とにかく、
..　:′ ／/　 l:　 　 |　|:..　 l 　 |　　　　　　　　　〉'’:ｉ　:|　　　　　　内政に力を注げる時間ができたのはありがたいわ
....　　'　.:′　|:　　　',八:..　: 　 |....　,､ 'ﾞ￣ ´"'ﾐ､八.:ｌ　:|
.ﾞ／ 　 ,'|　 　|:..　 　 ∨ﾊ:..　　 |.＞f/〈 〈 (％) x ＼:|　:|
....　　:/ |:. 　 |:... 　 　 ∨ﾊ:　　 | 　.!/Λ ＼(⌒)　 _)＿_
..　　:/　ｌ:. 　 乂:... 　 　ヽ:∧: 　'...　ヽ//＼ ｀¨¨　r―- ､＼　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣ヽ
....　:'　 八:..　　 ｀..r-…ミ.＼',:.　∨....|＼//｀7777｀7ァ 、＼＼ ､　　　　　　 |　　 　 でしょ？　　　|
...:/ 　/ 　.＼:ﾞγ￣￣＼ ＼.　､:. ∨..!　Lﾞ''―‐ r――― ､ ＼ ',　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿乂
ﾞ/ 　/　 　 　 /　　　　　 ＼ ＼ﾞ＼ V ＼＼0 　 ｀て,＿¨＼＼　 ',
...　,′...　　／　　　 　 　 　 ヽヽ　｀ー‐...＼＼　　 ＼　＼.:| 　 |::l
..../　 　 ／　　　　　　　　　　　｝}.　　　　　 ﾞ:,　 　 　 ﾞ,　　＼　　 　',

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 石勒も祖逖も実を取ったと言うべきか。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　興味深いのは、両者が和睦を遵守し続けた点だ
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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452 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:42:37.12 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　 　 　 　 　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒¬爻爻爻⌒　　＿_　　　　　 　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　 　 　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　 　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ 　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ 　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ 　|_ :|　　: : : |: : : : :|　 　 　|￣L|￣| 　 　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　 　 　 　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
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￣￣￣￣＿＿　　　　‐……¬冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　 ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　 　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　 ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　 三 　 ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　 三　 二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　申し上げます　　 |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　.今から紹介するのは、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　和睦中に繰り広げられた石勒と祖逖の逸話の数々である
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　 ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

453 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:43:40.78 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　祖逖の配下の童建なる者が使者を寄越して参りました。
　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　　　.使者が言うには、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　　　　　　　.新蔡国内史の周密を殺害したために趙王殿下へ帰順したいと
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　 　 　 ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,人　　 ﾉ　) }}　　　　　 ＿ 　 ,ﾉｨ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 冫　､　 《巛 《　jﾘﾚ ﾉﾉノ⌒　　 人　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　 彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾄ-{ ﾉ　 　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ 彡'）　}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ﾐ ﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　 彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 ミ ｉ r‐榮ぅ {ﾝ ｒ‐ｔ笋ラ　 ｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　使者の首を斬って祖逖に送り、俺がこう言っていたと伝えておけ　　　　ヽ 　 　 |　　　　　　　{　人__／ 〈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　 　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 |ｉ　 　 ＿＿ ,　 　 　 /　　 ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　‘,　　､＿__　　 　 ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　 ﾄ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 |　 廴 ｣　 イ　 }　 {　　　　　;　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／ｌ　　 ＼　　|　/ 　 j　　　　 ﾉ　　'⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　／ 　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /

454 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:45:52.06 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　「天下の悪は一つ」
　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　「叛臣・逃吏は俺にとって深い仇であり、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　　　　　　　　　　　将軍が憎む所は俺にとっても憎む所である」
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　　　　　　 そう趙王殿下は仰せでした
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 　 　 __くヽ, -―‐ -､尸ー ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 /{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!ﾞ::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 /::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 ,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ﾊ:::::::::';::::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 ,'::ﾉ:::::::;'__　 l::::::::ム !:::::::::}:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 ,'/7:::::::::l,.__｀ ﾚﾚｲ,.__l:::::;:ｲ:::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 /:::/イ:':;:::',￣　 .　´￣|:ｲノi:::::::::i
　　　　　　　　　　　　これは思わぬ心遣いね　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ｲ::::::八:{ﾞi::!｀　＿＿　 ノ! 　i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 /　!::::/　 ﾞ |::|丶 `　 ´ィ" !| 　 ';:::::_i';._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　/　,:'::/　　　_ﾞ_/=> ｀´　トヽ’　　_｣　/ヽ!、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 i::! ﾉ:/　 　_!　　i　i!　　　// ｀- _└i ,'　・　ｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 |::ﾚ/　/、　 ', 　 l　i!ヽ r//　 /　 ￣|　i:::::ト',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 /!:::{＿i　 ヽ　',　 _l__il!､//　 ./ 　 /　lイ'ゞ"　',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖の牙門童建が
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　新蔡国内史周密を殺害し、使者を介して石勒に帰順を申し出た。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　石勒は使者の首を斬って祖逖へ送っている
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

455 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:48:28.25 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　祖逖将軍は趙王殿下の振舞いに大変感謝しておりまして。
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　　　今後、兗州・豫州で殿下に背く者が出ても、
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　　　　　　　　　これをこちらで受け入れる事はないと仰せでした
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　　　　感謝せねばならんのはこちらの方だな。　　　　　　　　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　
　　　　　　それはさておき、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　少々物を尋ねたいのだが……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 .一方の祖逖。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒の行動に感謝すると共に、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　兗州・豫州の塁壁で石勒に背く者が出ても、一切受け入れなかった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　ただ、これには裏があり、
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 同地域の塢主と内通していたため、石勒軍の動きは筒抜けだったらしい
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

456 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:50:28.20 ID:rs3FrmGi0

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ
　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　祖逖の母親の墓はどこにあるのだ？
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　 .先日、范陽郡の祖氏の墓を修復させたが、
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　　　　　 .祖逖の母親の墓だけ存在しないと報告を受けてな
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　確か、折からの戦乱で司隷の成皋に埋葬したと聞いています　　　　　　　 　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

457 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:51:14.19 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　そんな次第で趙王殿下は、
　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　成皋にある祖逖将軍のお母上の墓を修復を命じられまして。　
　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　修復が終わりましたので御報告に参上しました
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　　　　　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　　　 　 　 　 　 　 　 ／{　　|｀Y　　　　　　　　　　∧　.ﾄ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　〈　 |＾ヽ」丿────　、　 /　 〉 |　}
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　 　 　 ∧_ ／´: : : : : : : : : : : : :＼{　 /／⌒∨
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　 　 　 　 　 　 /:|⌒: : :＼.: : : : : : : ::＼: : : :＼/...　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :|: : : : : : :.ヽ. ∧.: : : :. :.＼: : : :ヽ.: : : :. :.∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:. :.:.|i 　 ∨: : :.}／∨∧.: : :: ::|: : : /|.: : :. :. :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:. :.:.||￣｀ }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.i{: : {ｒ芹示　　 　 ゞツ.: :. :./ .|. /　 |.: : :. :. :. :.|
　　　石勒将軍には何度も世話になっているわね。　　　　 .|八:.∧　ゞ' ,　　　　　 } : : /　 |/ 　 .|.: : :. :. :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　}∨∧　　　　　　　厶イﾉ　イ　 　 |.: : :. :. :. :.|
　　　こちらに何かできる事はあるかしら？　　　　　　　　　　　|: ∨丶　　r─ ､　　 ／ {ん　　　 ｊ: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : ∨.}＼　ー　'　／　　|　│￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : : :|.　 ＼_, ＜　 　 .人　|　　　　　　　　　 　 ＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : : :|　　　　」　　 ／／￣}　　　　　　　　　　　　　　　 」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : : :|　＞ｙ'７　／／{￣￣　　　　　　　＿＿＿／￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＞　イ　 /　/／／　 ｀￣￣}￣￣￣￣´　　　　∧

458 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:53:06.54 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　 　 　 　 　　 ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　恐れ入ります。
　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　.こちらの趙王殿下からの手紙を御覧下さい
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　 　 ＿_∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ／
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　 　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、／:.:.:.: /|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.i :.:.:.:.ﾄ､:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:.／:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.|:.:.:.ｉ:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |／:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.|:.:.:.|:.|'__Vｌ:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 |:.:.|:.:.:.:ｨ'ﾊ } |:.:.:.:.:ﾄ::〈ヽﾉ }:.:.:.:／:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　人:.ﾄ､:.:.| ｔﾘ　|:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:／:／ :.`､:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　ヽ　>ゝ 　 |:.:./lﾉ|:|_〉Ｖ:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　何々、使者の往来はいいとして、互市の設置かぁ　　.　　　 く　　 　 ／　 :|:|　ヾ、｀'〜､;./ﾍ:::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 　 　 ヽ、__　 　 　 ::! 　 　 　 　 ∨))､:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　 心　　　　 ,l:|　　　　　　　∨__＼:::::: ＼:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 ゝ-‐≦{ ヾ:、　　　　 　 У/＼ ､::::::::ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヾ /ﾊ　　　　 .／／　　 ヽ､ ＿_}__:.|:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 jＩ斗:r''　|:i}　 　 ／／　　　　／　　　　 ｀丶:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 /´ / : : l　　Vk　　 ／　　 　 ／　　　　 /　　　

459 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:55:00.87 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　 ｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　 ｢｀ヽ
　　　　 　 　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
.　　　　　 /::/::'::::/　 ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
. 　 　 　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　 　 　 /ｨ::|:::::|::i　 ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
.　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃 　 ＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|　　　　　　　.私は晋の鎮西将軍よ。
.　　　　 |:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
.　 　 　 | !ﾉ:::|.l∧　 　 　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::　　　　　　　 返事は書かないけど、
　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::　　　　　　　.話自体は承知したと石勒将軍に伝えて頂戴。
　 　 　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::
.　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::　　　　　　　 こんな世の中、助け合いの精神が大事よね
.　　 　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
.　　 　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　 　 l/: : ヽ/￣￣ 　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　 ﾄ ､
　　　 /:.: : : :{≧=-　　 ＿＿＿＼　　　 　 }: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　 ヽ ＿,､__ノ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ 　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ありがとうございます 　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『祖逖伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は成皋にある祖逖の母親の墓も修復し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　祖逖に書面で通使の往来と互市の設置を求めた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　祖逖は返書こそしなかったが、互市の設置を許している
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

460 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:55:43.92 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,,.,..,......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .ｒ‐'''"~ 　 |.|
~|¨|¨"i　|　　o　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ　　　　ヽ　　  ,. ．r'"　　　　'"''''''''''''''''''i――┐.　.|　　　 　 |.|
. ! .!　 ! , ﾐく_）ттттr .h．.,_ｕ !!! |_|i` ､　(　　　　　　 .　 -'"._,Ｌ ‐''"＝＝'''Ｔ "Ｔ　|＿| 　 　 |..　..|　r.1. 　 .!.!
. ! ｰ!┌.. 卵}}.―‐r.-　　 .|. i⌒j―~┤ｒ-　_ ｭｮ"'　　　 　 　.レ"~ r.1 ｢~.|-.ｎ-|｢Γｌ |　.|,．､ 　 　 |　　|　|^|　,...､ |
_ﾚさ/.|　. こﾊﾂ　 |　.|　　.|,<ゝ'＿ｲｨ_＿_.i⌒Ｌ　 ､．,．　　　 (.ｦ,-､,.､ /¨)ﾉ.)-､ｭ ! .|〈ｆ ),ﾄ､ﾉヽ,r>',.!　.,ｆ ζ.ヽﾄ._,ｨ.| ,､ヽ
.　 ',ｉ .| ノﾆﾆﾊ、 ..|　.|　　.|l,.,_.|　　__　　　　　 |〉-.r '''''''ヽ='ィ `､ぅ`,'.} Y{ ''ｒ'.Yヽiﾆ./'｝f''｛ ｝ｆ,.)､><ﾆェェ f_,.-'-亠,､(ノ
┌─r''1.i__.| ノ}.　|　.|_,...._,Ｌヽ.,'´　　 ヽ‐_.ｉ1_┘､_i二二っ_ヾi¨¨i　},'/..l　l.ﾋi　 .l'f､)ィ' i'"1 i ｌ. i `i i.',ヽ~,.' .ｨ 　 　 i.i-
｜　 |_,.|ｺっ,,１i_　|　.|￣ Ｔ,､mi　 　 　 i_ ,.7A.fヽ_―――．< ~ヽi.゛1　l　l ｌl,.､ i.iｰ'ヽﾆ、､i.l .l_.l　lll.',ヽ'<_/j　　　 ﾄi′
⊥．⊥L．‐ ''" l　|　.|　 /皿皿` ．_,ィ(,,,,､)_., ､|ｽ.｢｢￣「￣|__}ｆ"ヽ_ .i　^ﾄ|ｲﾄ､|./. <ﾉ､ﾂくヽﾞ､.i i.ﾉﾘ "lﾖ.ﾉ〈_　　　,' .|￣
- ．_　　　_,.．-'''ｰ-‐Ｌ」口 , -'"_ﾌζ(`ｰ'―`-'"~| l　 .|　 .| |ニニｺ¨　 Ц~i ii.Ｔтl只´ l.l　_〉J',l ll　l　~ l　､￣.ﾄ､|ニ
．_ _,.｀＞´　| .}_ｔ_　　　|,ｨ'＿＿｀'＿`´_`ー_―_''_'ﾄ.ト_''_''"¨_┐ィ=.l　　 　 └｀.}_ﾉ ｉ.Y_ _j `i´.,'　}i l'./| 　 l　 l',　.',
‐'"　 　 |　._j　　　 ｢￣|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|┘<ヽl―.､.　　 　 Ｊl.l　ｌ. ｉ. l"''~l　 i｀ﾄi　ﾄ.､　ｉ　l ',　.ｉ---
　 　 　 .|'　,．．．_,r''>-､　　　.| ｆ.Y iYﾞ､ヽ〉Ｖ.>ヽi i ﾉ┌.────┐　ﾞ､　 　 　 　 Ｌj､ﾉ　└､_)　　　　｀ l　l .i　.l"""
　 　 　 .レ rﾉヽr,>＜.ヽ,-ﾞ､ ､..|, 〉‐ﾝt ｿヽr">､ノ7-Y７　,.､　 _.,.､　 !""".|　　　　　 しU　　　　　　　　　 ､_ .l ト┤
　　　／､,>｀ﾄ､ﾉ_, ノ､( ヽ_ヽ‐/j　 ｎ　.|l ,.-L__l ,r-__,..､l',(　__,<　),.>ｸ､-.､,..`､　　　　　　　　　　　　　　　　　~ ｀"´
　 ／,,r''ヽ-'ヽ｛,r-_ノ.Ｙ　　|./,ｨ<ﾍ,ｲ< ﾞ､,'　|ノf　Y. Ｙ.¨)'i-( ヽ>-<~ヽr-.<)､)`､
／,,.､ ｀>''"''"ヽ,r' .〉- l,.r＝|.ﾉ　 i i　　i ',　.ll .ﾚ'-'ｉ.i `‐'ｨ|`rY 口　',ｺ ﾄ､´ ', } }`､
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |￣￣￣￣￣￣￣￣　|
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |＿＿＿＿＿＿＿＿　ﾄ､
ｰ‐―――――――――――――――――――――――――――――┤
ー―――┬―――――‐ｰ┬―――――ｰ‐┬──────ー┬───┘

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　互市とは、貿易を行うために国境近くに置かれた市場を指す。
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　三国時代には、
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　　　魏晋と呉の国境地帯に設置された例がある
　∧＼　 ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

461 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:57:14.40 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　おっ、ひょっとして祖逖軍の方ですかい？
　　 ,iﾞ 　／　　　　　　　 ＼　 ﾞi!　
　 　i!　　　●　 　 　　●　　　,l　　　　　　　　.漠北産のいい馬揃っていますよ。
　　 ﾞi,,＊　 　（__人__）　　 ＊,/
　　　 ヾ､,,　　　　　　　 　 ,／　　　　　　　　　.大きな声じゃ言えませんが、石勒軍の連中の馬より上質でさあ
　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　ふむ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　　　相応の絹と交換という事でどうだろう？　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 互市が祖逖軍の利益になった様子が『晋書』『祖逖伝』に見える。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　収入は十倍となって
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .公私共に満ち足り、兵士と馬は日に日に潤ったという
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

462 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:02:24.07 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　　　毎度あり。
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　
　　 ,iﾞ 　／　　　　　　　 ＼　 ﾞi!　　　　　　　　　　特別にこの奴隷も付けましょう。
　 　i!　　　●　 　 　　●　　　,l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺｼﾞﾝ
　　 ﾞi,,＊　 　（__人__）　　 ＊,/　　　　　　　　　　.巷で大人気のウマ娘の奴隷がなんとタダ
　　　 ヾ､,,　　　　　　　 　 ,／　　
　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　':.:´:.￣:.｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _ﾄ､　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._ﾊ._:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /ﾆﾆ＼ .､:/｀/ヽ､へ:._:.　 ∠ﾆ∧ . :.:ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛ﾆﾆニハ.l:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.｀:＼:..ミﾆニ｝;;;＼:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;/:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.l:l_＼;;;;;＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;//:.l:.:.:.:l:.:.l:.l:.:.:.:.:.:.:l:.l:.:ヽ:.ヽ:.:.ヽ-､l´:lヽ;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;/:/l:.|l:.:.:.l:.:ｌｌ:.l:.:l:.:.:.:.:.l:.l:.:.:l:.:..l､::.lヽ ,l:./:.ヽ;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;l:.l l:.:l l:.:.:|l:l;;;l:lヽl:.:.l:.:.:l､l:.:.:l:.:.:lヽ:l ﾘ.l/／ ヽ;;;<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;; l:l　l:.l　l:.:.N;;;;l:lハﾄ､l:.:l lヽ:.ｌｌ:.:lノl:l´-.､ﾌ　 l､r'′
　　　　　　　へーい、らっしゃいらっしゃい。　　　　　　　　　　 /ﾍ/〉,.弋;;ヽl ;;ヽl ;;;ハ　ヽ＼:l`l リ.l:l };;ﾘ 二ミ　 l;lヽ´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;;;;〉,､l_r-､_,.イ;;;;; __{､　　　　 ﾘ　　 ﾉ ｀　 - 、 　 ﾄ､_｀
　　　　　　　とってもお買い得な奴隷だよぉ　　　　　　　　　 .l;;;;｀;;;; l　　 　 ￣　　　 ＞､　　　　　　 　 　 ヽ　 l l:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l_,. イﾊ　　　　　 _. - ´　l　 ｀ヽ、　　　　　　　　 l l::::l　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l l:.:l｀ー‐ ''"　　　　 l　　　　 ｀ ー-　.. ＿＿//::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l l:.:l ll／l 　 　 　 　 l　　 　 　 　 　 l　　 l　／:::::/
　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│ｌ:.l |l　 l 　 　 　 　 !　　　　　　　　l　／/l'::::::／:.}
　 |　　 　事故物件かな？　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V l　 〈l　　　　 　 l 　 　 　 　 　 l／:::/.l:V´_:.:.:.,l
　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/二ﾆl　　　　　 l　　　　　　　 l _.／ ,l: :l＼:￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　／ l　　　　　 l __　　　＿__ l＿ ／l : l　 ﾄ ､:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ／/ r‐┐　r‐‐ l´:::::l.＿_l::::::::::::ヽ 　 l: : l　 l　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 /: :/　l:::::::l￣l:::::: l::::::::l　　l::::::::::::::::l 　l: : :＼

463 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:03:45.28 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　＿　　　 ＞:::::::::::::::::::::::::::::::::.....,
　　　　　　　/　./|::::／::::::::::::-−‐....、::::::::::-...、::,
　　　　＿_ /　./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, 　 .ｒ‐.、
___ -‐:::::::::::|　 ｉ::::/:::::::::::::::ｌ~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::!　.ﾄ、
:::::_ -::::::::::::{　 | /:::::::::::::::/　　 |:::::::::!:::::::ﾊ:::::::::::::::::::ヽ| ｝　|:::..、
／:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、　 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i/／::::::::::..、
:::::::::::::::::::ﾉ／/:::/::!:::ﾄ:/　　｀　.|ﾊ!::::|:/ ,ｚ 、ヽ:::ｉ::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
:::::::::::::／　　.|::://:i::::! .ｚ≠　 　　ｉﾉ/ﾟ/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
:::::::／　 　 　.〉:/::::i:::|ｌiｆ ん心　　}/ 　 乂ソ ﾈ::::|:::::}::/　＼:::::〉::!:ｉ:/
:／　　 　 　 /:ﾊ::::::|::| ! 乂ソ　　 、　　　　　ﾊ::/::ﾊ!/　 　 .∨:::|:::,　　　　　　　　　　奴隷ですって？
　　　　　　 // .|::::::!::ヽ　　　　　 　 　 　 　 ／|´::::/　　 　　 }:::l:::::,
　　　　　　/　　〉:从ハ::ゝ 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ::::/　　　 　 /:::::!:::::,
.　　　 　 　 　 /´　 |::! ＼　　　　ｒ ,　　　　　´ |:/ 　 　 　 /::::::/::::::,
　　　　　　　,−- _ .ヽ　 .个　 　 　 　 　 < 　 .ｉ´________ ./::::::/ .ヽ::.,
　　　 　 　 /　　　　ｰ−-.|::::::::≧s　イ/　ｒ==|三三三ﾐ/::::::/　 　｝::.,
.　　　　　 /　　　　　　 ヽ .ヽ:::::::: ´　 / 　|三三三三／:::／三|　/:::/::,
. 　 　 　 /　　__　　　　　ヽ .丶　 　 /｀　.￣/三三／ ＾´三ﾐ| ／:::/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　どうも売れ残りを押し付けられたようですが、断わるのも悪いと思いまして。　　　.＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　おい、祖逖将軍の目の前だから頭を上げろ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

464 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:04:42.62 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　l:::::::＼　 　 _＿＿/::::::::}
　　　　　　　{::::::;へ｀: : : : : :／;へ:::/⌒ヽ
　 　 　 　 　 ヽ/: :, --――､: : : : ヽ:＼: :∨
　 　 　 　 　 /: : ﾚ―――∧: : : : :ﾄ､_ヽ: ∨
　　　　　　　 l: : : /{: : : : /{: :∧: : : :.lーｦ: :.∨
　 　 　 　 　 l: : :/　＼／　＼_∧: : : l: : l: : : ∨
　 　 　 　 　 l: : :l　u　　　　　　 ∧: : l: :.l＼: : ∨　　
　 　 　 　 　 l: : :l　⌒　　　⌒　 ∧: :ｌ: :ﾄ､. ヽ: :ゝ-､　　　　　　　　　　　　　　　うっらら〜
　　　　 　 　 '; : :}: : : 　 　 　 ∪: :.}: :l: :l　＼　ゝ-､:∨
　 　 　 　 　 ヽ: ﾄ､ 　⊂ つ　　 /::l::ﾉ:ノ　　 ＼　　ヽ}
　　　　　　　　　ヾ　＞-t---tイ:::::ﾚ　　　　 　 ∨　 ﾘ
　　　　　　　　　　　 L::＿_ 　 l ::　:ｌ　　　 /　 　 ∨
　　　　　　　　　 　 　 　 |＿__l ::　:l＿＿/　 　 　 ∨
　　　 　 　 　 　 　 　 　 [::::::::]ー‐[:::::::::]　　　　,,..._〉
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l＿l ￣ヽ:}　 l´￣￣ヾ:::::}ヽ、　　　ヽ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 「:::::]　　　l＿l　　　　　ヽ;l: : :｀ー--‐'ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　(:::::::}＿__〈:::::::}　　＿＿_ノヾ､ー-―''’
　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ｰ'　　　 ヽノー―――''￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　((_,／￣￣`￣＼))ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　／/／ ﾊ,　 ヾ ､　ヽ ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ﾉ /　ル'　〉ﾘﾊ , 〉　 〉　i　ﾊ
　　　　　　　　　ちょうど人手が足りないみたいだし、　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ j ,ﾙ､!●　　● i　' i'　 j　i )
　　　　　　　　　あなたたちで仕事を教えてやって頂戴。　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ,ﾉ ﾘ〈　　ワ 　 ﾘ) i i'　ﾉ j i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　ﾉ し　　`ｰｩ　 ｔ-!ﾘ""　　＿ j
　　　　　　　　　名前がないと不便だし、漢人風に王安って呼びましょう　　　　　　　　　 ./´l ly ,ィ ヽ､　/」」」.iｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 / `.ｌスl==j 　 ＼| l | l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼ｺ .|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『祖約伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖の下に王安という胡人の奴隷がいた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .主に恵まれたのか、
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　手厚い待遇を受け、雍丘にも随行していた
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

465 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:05:21.06 ID:rs3FrmGi0

【はじめてのおつかい（やらせなし）】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　王安よ。
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　このにんじんを厩舎の馬に食わせてきてくれ
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／{　　　　　　　／｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {:::::L＿____,-､／::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 ／: -=＝=-く: :.＼:::::ﾉ　　　　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 /: : :./: : :∧: : :＼: :.ヾ､ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : :.∧/ソ　＼: :.∧: : : ﾄ､: ＼　　　　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 {: : :/　 　 ,,　　 ＼: :ﾄ､: : }:.} : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　∧: :l　＞　 　＜　 ｀Y: :}: :l∧: : : : 彡う)　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　ヽ:l: :　,-　-､ : : :　 l: :.l: :}　｀ー'´ ／'
　　　　　　　　いってきまーす！　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　ヽ　 ノ　 iー┴.l:/ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 ＿_＞ t-=＝=l::　　 !'　 　 〉
　　　　　　　　あっ、チョウチョだ！！　　　　　　　　　　,( ):::}　　 :l　::　 ::l::　　　 ーく::ス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 ヾ::ノー､ ::l　::　 ::l::　　　　　::〉:::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 } ::l__::＿_::＼＿＿／￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼}＼:::::::::::::／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼Y＞´　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ｰ---/:ヨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |三ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 ﾏｯﾃ-! く::::::::::〉

466 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:06:36.02 ID:rs3FrmGi0

【現実は厳しい】

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　王安の奴、馬のにんじん全部自分で食ったってよ　　.|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　|　　仕事中にチョウチョ追いかけて仕事の内容忘れたって？　　|
　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　仕事サボって互市で遊んでるのは見た　 |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　 　　　l:::::::＼　 　 _＿＿/::::::::}
　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　{::::::;へ｀: : : : : :／;へ:::/⌒ヽ
　　|　　　そのくせ戦場に出たいとか抜かしやがる　　　 | 　 　　　　　 ヽ/: :, --――､: : : : ヽ:＼: :∨
　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂 　 　　 　　　 /: : ﾚ―――∧: : : : :ﾄ､_ヽ: ∨
　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 l: : : /{: : : : /{: :∧: : : :.lーｦ: :.∨
　　　　|　　身の程を知れよ　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　l: : :/u ＼／　＼_∧: : : l: : l: : : ∨
　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 l: : :l　 ノ　　　 ヽ、 ∧: : l: :.l＼: : ∨
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　 　　　 l: : :l　＞　　　＜ 　 ∧: ｌ: :ﾄ､　ヽ: :ゝ-､
|　　　　罰として三食ピクルス山盛りな　　　　|　　　うぅっ！　　　　　　 ﾚ'⌒了u ,-ー､uと⌒ヽY: :l　＼　ゝ-､:∨
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　 　　 .{ヽ::::::ﾄ､u ヽ　ﾉ　 ゝ:::::::〉ノ　 　 ＼ 　 ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんなぁ！！　　.〈｀ミｲ}　＞--- t--ｰ 〕ﾆl￣} 　 　 ∨　 ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　 ヽ::∠＿＿ 　 ::l ::　 :[:::::::::ﾉ　/　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 |　 ::l ::　 ::lﾆ二__ノ　　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 }　 ::l ::＿::}::　　　　　　,,..._〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　／￣￣ヾ::::::＞'￣￣￣ヽ::::}＼ ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 /　 　 　　　Y　 　 　 　 　 };イ､: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　ゝ、 　 　 　 {　　 　 　 ＿ノ::::ヽ、｀ー―― ､}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 ｀ｰ――'´｀ー―――''￣￣　　　　　　　ﾘ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところが、どうもいまいち祖逖軍に馴染めなかったらしい
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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467 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:07:43.61 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　 　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　 　 　 ／_ノ　　ヽ､_::::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 |（●）, 　　､（●）､.:::|
　　　　　　　　 　 |　　,,ﾉ(､_, ) ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　王安の奴には参りました。
　 　 　 　 　 　 　 |　　｀-=ﾆ=- '　U.:::::|
　　　　　　　 　 　 ＼. 　｀ﾆﾆ´　 .::::::／　　　　　　　　　よくあの頭の出来で、レースだのライブだのできるものです。
　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-ー--´_,／ヽ__
　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、　　　　　　 このスレで生きていくには絶望的に知力が足りません
　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　((_,／￣￣`￣＼))ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　／/／ ﾊ,　 ヾ ､　ヽ ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ﾉ /　ル'　〉ﾘﾊ , 〉　 〉　i　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ j ,ﾙ､!●　　● i　' i'　 j　i )
　　　　　　　　　　　　　　　　そこで賢い私は考えた　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ,ﾉ ﾘ〈　　ワ 　 ﾘ) i i'　ﾉ j i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　ﾉ し　　`ｰｩ　 ｔ-!ﾘ""　　＿ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./´l ly ,ィ ヽ､　/」」」.iｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 / `.ｌスl==j 　 ＼| l | l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼ｺ .|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ある時、祖逖は王安へ告げた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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468 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:08:32.35 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　 ｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　 ｢｀ヽ
　　　　 　 　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
.　　　　　 /::/::'::::/　 ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
. 　 　 　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　 　 　 /ｨ::|:::::|::i　 ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
.　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃 　 ＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|　　　　　　　王安。
.　　　　 |:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
.　 　 　 | !ﾉ:::|.l∧　 　 　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::　　　　　　　石勒はあなたと同じ人種よ。
　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::
　 　 　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::　　　　　　　私はあなたを一人だけにするつもりはないわ
.　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::
.　　 　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
.　　 　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ
　　 　 l/: : ヽ/￣￣ 　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ
　　　 /:.: : : :{≧=-　　 ＿＿＿＼　　　 　 }: :　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /＼＿＿_／ヽ
.　　 /: : : : : :V　 　 　 ￣￣￣　 .〕jｘ.,＿ ｨ}: :　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／,ノ　　 ヽ､,__::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |（●）, 　　､（●）､.:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, U .:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 <二ニヽ.｀-=ﾆ=- ' 　.:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　／-‐ 　 ｀i　｀ﾆﾆ´　 .::::::／
　　　　　　王安を石勒の下へ送るのですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　{/´､　　 　 ',┐ー--´ﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　敵の間者と思われて殺されるのが関の山では？　　　　　　　　　　,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j

469 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:10:32.58 ID:rs3FrmGi0

　　　 　 　 　 ／{　　　　　　　／｝
　　　 　 　 　 {:::::L＿____,-､／::::::}
　　　 　 　 ／: -=＝=-く: :.＼:::::ﾉ　　　　　-=つ
　　 　 　 /: : :./: : :∧: : :＼: :.ヾ､ー､
　　　 　 /: : :.∧/ソ　＼: :.∧: : : ﾄ､: ＼　　　　　-=つ
　　　　 {: : :/　 　 ,,　　 ＼: :ﾄ､: : }:.} : : ＼　　　　　　　　　　　　　　　石勒って胡人の王様だよね！？
　　　　∧: :l　＞　 　＜　 ｀Y: :}: :l∧: : : : 彡う)　　-=つ
　　　　　ヽ:l: :　,-　-､ : : :　 l: :.l: :}　｀ー'´ ／'　　　　　　　　　　　　　祖逖将軍ありがとー！
　　　　　　 ヽ　ヽ　 ノ　 iー┴.l:/ー､
　　　　　 ＿_＞ t-=＝=l::　　 !'　 　 〉　　　　　　　　　　　　　　　　　この御恩は忘れるまで忘れないよ！
　 　 　 ,( ):::}　　 :l　::　 ::l::　　　 ーく::ス
　 　 　 ヾ::ノー､ ::l　::　 ::l::　　　　　::〉:::}
　 　 　 　 　 　 } ::l__::＿_::＼＿＿／￣
　 　 　 　 　 　 ＼}＼:::::::::::::／ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＿　　　 　 　 　 |`‐-、
　　　　　　 　 　 　 ＼Y＞´　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /（　　／ヽ: : : : : : : : : : : : : :｀丶} _、ノ
　　　 　 　 　 　 　 　 |ｰ---/:ヨ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L_ , ´: : : :-‐‐:､: : : : : : : :{⌒〜（冖ヽ‐‐-
　　　 　 　 　 　 　 　 |三ﾆ/　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: :､: : : : : : : : : :＼: : : : :{__,-‐人: : : :`､__: : : :ﾞ:.
　　　　　　　 　 　 　 く::::::::::〉　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´: : : : ＼: : : : : : : ヽ : `､: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`､　　｀`'ヾ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 //'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ＼´: : : : !: : i: ＼: :`､　　　 },ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 //　{:::`、: ､__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、＼　　 }: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　.ﾞ,　 {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::＼、!: : : i: : : }i :i、､: :`､　}: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ丿!::::i　 ､: :i!ﾕ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八;　ヽ: : :∨: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　　　从::::! i_t, ､}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i　〉ヽ} ):/: : : :i　 i:i　　`､: : ヽv
　　　　　　　大丈夫大丈夫。　 　　　　　　　　　　　　　　　 .丿 i::::!::丐ノ /　　　 　;ｿ､i: : : ∧、)ソ/: : : : :,　　 i:i　　 `: : ､: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､!:::ヽ　'　　　　　;　　i: : :i　 ＾　ノ: : : : :/　　　 i:i　　/､: : ﾞ,ヽ
　　　　　　　石勒に王安は殺せないから　　　　　　　　　　　 　　｀､:::i　　　　　__,　　i: :ﾊ!ノ′'!: : :／丿　　　　i:i／: : :!: : :iヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　): :、　-=ﾆ‐″　 i: i ﾘ　　　!／≪　　　　　／: : ／ !: : :i ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.j/ヾ　　　　　 ／i: i　　　　 !; iヾ、 　　-==‐‐彡ヽ　i: : : i　〉〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: i/ iヽイ　　| i: i　　,＿ !__ヾノ　　　　　　　　 ヾ､i: : : :i :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: i/ i: : :!　ｿ|‐i: iﾆﾆﾆﾆﾆﾆ__＼ヽ　　　　　　　　ヾi: : : i! i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~￣￣￣′ヽヽ　　　　　　　　 i: : :i!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 .,‐------､/　／／´; ; ; ; ; ; ;`¨¨⌒; ; ; ; i　　ヾ　　 　 　 　 　 i: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　/　　‐‐---'､/　/; ; ; ; ; ,ｲ; ; ;ヶ￣￣`ヽ; ; ;ヽ　 i! 　 　 　 　 　 i: : /ゝ

470 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:11:15.69 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年冬　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　 　 　 　 　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒¬爻爻爻⌒　　＿_　　　　　 　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　 　 　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
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い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　 　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ 　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ 　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ 　|_ :|　　: : : |: : : : :|　 　 　|￣L|￣| 　 　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　 　 　 　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　 冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　 　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　 　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　 ＿jjjjＬ　　---──……¬冖'''　¨¨￣___二二¬三三二ﾆ|ｨシ´　 ｀':,　γ⌒ヽ |　 　 　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……¬冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　 ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　 　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　 ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　 三 　 ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　 三　 二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　話は分かった　　　　|
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　王安は手厚く財貨を与えられた上で石勒の下へ遣わされた
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　 ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

471 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:12:48.88 ID:rs3FrmGi0

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉ ハ ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　 圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　 　 ＼ﾐ下千f=-仆
　　　 ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　 乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　 圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　この王安という男は、こちらで用いるとしよう
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　 　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　 ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　 　 ､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|
　　　　　　　　　　　　　　　　あ、ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

472 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:13:39.19 ID:rs3FrmGi0

【左衛将軍は四品官相当なので割と偉い】

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／////|　 ＿_　　 ／/ﾊ
　　 　 　 　 　 　 - 、　　　　////＞''"　　___＼//＼/|
　　　　　　　 ／　　 ＼　　 〈/／　　　 ／: : : ヾミ|i／⌒∨
　 　 　 　 ／　　　 　 　 ／／　 　 　 /三三三三≧=- 　',
　　　　　.: 　　　　 . . .／ /　　 　 　 /　/　　ｲ　 　 `�_ハ ',
　　　　/　　　　. : : : /　/　　　　　 /ｲ/＞x　И 　 /　 ∨　',
.　　　/　　 　 : : : ／|:‖　 　 　 　 : ,xァ=ミ ＼|　 /| 八 ∨　,
　　 .: 　/　 . : :／/　ﾚ｛　: 　 　 　 i《 / Y ﾘ　 /／≦_'Ｔ　|　│
　　 i　/　 . : /: :/' 　�Y　|　　 　 |│ 乂_ソ　　　 んﾘ》ﾚ:/　: |
　　 | :　 : : :/: :/　　 iＮ　l: :　　 │|::::::::::.　　　　､Vｿ |:|/ 　�C
　　 |│　. : : :/　　　|∧: | : : 　 │|　　　　　　 　 :::::::|: :　　|
　　 |│　　: :｛　　　 |i:| | ﾄ: : : 　 |八　　 ー‐　､,　 　八:　　|　　　　　　　　　石勒様って、かっくいーね
　　 、!　 　 : ::、　　 |i:| |八　:　　|、　　　　　 　 　 ノ: :　　 ‘
. 　 　 丶　　 : :＼　 |i:|　　 ヽ:　　',＞　　　　 　 イ |: : 　 //
.　　　　　 ＼　　: :＼Vﾊ　　　＼　 ,　 　 ＞＜ ∨/: :　 /|/
　　　　 　 　 ＼ 　　: :Vﾊ　/＞‐＼|Т￣|￣|￣|/: : ／､､,,_
　　　　　　　　　）　　: :）ﾉ　|　|　│ │　 |ｨi〔ニ/ イ__,､丶⌒ヽ
　　　 　 　＿_／　　 彡 ／＼|__,ﾉ__/ ィi〔::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::∨
　　　　　/厂/ ／￣　　　　　 //　　　＿ '/:::::::::::::/:::::::::::::::::::＼}
　　　 　 乂/ /:::::::／　 　 　 // 　 　 J】　 '/::::::::::|:::::::::::::::/　／＼
　　 　 　 　 .:::::}:/ 　　　　　//　　　　　　　 '/::::::: |::::::::::::/　//　 ￣＼
　　 　 　 　 |‐ / 　 　 　 　 /　　　　　 　 　 }::::::::::|:::::::::,'＼//.　 ／::::: ＼
　　 　 　 　 |-√::::::....　 　 ||　　 　 ...::::::::...../:::::::::::＼::::{ //＼ /:::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 |__{:::::::::::::::.. 　 || 　 ..:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::/＞Ｖ　 ∧:::::::::::::::::::::::::＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 王安は石勒の将となった。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『十六国春秋』『後趙録』によると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒に仕えて左衛将軍にされたとある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　王安と似た境遇だった石勒にすれば、他人事ではなかったのかもしれない
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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473 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:14:48.28 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年冬　晋　兗州　雍丘】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　恐れ入りました。
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　祖逖将軍の見立て通りでした
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/:./＿　 ......---＼　＼ ＼:.:.:.:.:.:.:.: ＼　
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜ 　　　 　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:./　)／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣＼:. ＼:.:.:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:{_／:.:.:.:.:.￣＼:.:.:.:.:.:.／:.:.|＼:.: ＼:.:.:.:.:.:.:＼　 　
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／＼Λ: ＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼￣:.:.:.:.: |:.: |＼:.:.: ＼:.:.:.:.: ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ⌒∨ :.:.:.:.:.:｀＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.: |:.: |:.:.|〉　:.:.:. ＼:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.: |:.:.＼:.:.:|:.: |:.:.|Λ ＼:.:.:.:. ＼:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:＼:.:.:/⌒＼:.:.:.:|:.:.:.:. ∨ :. |:.:/:.:.|　　＼:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　殺せるわけがない。　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /|:.:ﾄ､:.:.:.:.:∨_,ﾉ笊 |:.:.:.|:.:.:.:.:.:| ＼:.:.:.:.: /　　　 ＼:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: |:.:|　＼ :.:|ィﾟKr|　|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|　| |:.:.:.:/　　　　　 ∨:.／
　　　　　　　　王安を殺せば、　　　　　　　　　　　　　 　 　　　./:.:ｨ|:.: ィ⌒ :.:ﾄ、V┘ |:.:.:.:.:.:.:ハ| ﾉ 八:/　　　　 　 /／:.:.
　　　　　　　　石勒は胡人の信を失うんだから　　　　　　　　／ 八:.: |ｱ笊:.|⌒　　ノイ:|:ィ|　人イ/:/　　　　 　 ／:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:.:Λ|:. ヽ人|　　　　　|人|:|　　 ∨Λ　　　　 ／:.:.:／:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／/:.:.／ |:.: ﾉヽ　　　 ｧ　　　 |:|　　 ＿|　　＿ ／:.:.:／:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 .　　　　　　 　 　 ＿＿／:. /:／ :.:.ﾉイ:.:.八 ゝ　　　　　 リ ／:.:.／￣:.:／:.:.:／／:／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　／￣￣ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:.:. ／:.ﾉ ＼　　 イ ／／:.:.／:.:.:.:.／:.:.:／／￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:. ／:.／　 　 ｀　　　／:.:.／:.:.:.:.／:.:.:／￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.／￣￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.／　　　　　＿　/ :.:.:/ :.:. ／￣￣　 ＿

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒も狡猾だが、祖逖もとんだ喰わせ者である
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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474 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:16:12.43 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２０年冬　晋　冀州　襄国】

　　　 　 rｆ⌒/{/ ／／　_r'⌒ト==彡⌒ヽ
　　　 　 }ﾄ ﾐwｰ┴‐一'´　 　 ﾐ==≦　　│
.　 　 　 ｝ }　　__,r―一　　　}二　 ミｰ--|
.　　　　 {´厂　}'"´　　　　　　ﾐ==―　 ___|　　　　　　　　 しかし、何と言いますか。
　　　 　 Ｖ　 j八==r‐tチｧ　 　￣ト--- ､{
　　　　　｀ﾓｔｯ　}　 ﾄ￣｀　　　　　} ﾐﾘﾊ　|　　　　　　　　 殿下は時に思いもよらぬ策をお立てになられますな。
　　　　 　 厂}　 ｰ {＿ 　 　 ,ィ'⌒}ﾐｸ ﾉ} ﾘ
　　　　　八　＞ｰへ__　　　　　　 |(し'|　l |　　　　　　　　もう私のような者はお役御免な様子
.　　　 　 　 Y_,rｰｰミ､} 　 　 　 　 |　 ﾊ从{
　　　　　 　 |　-=ﾆT　　　　 　 　 }　　　 |　　　
　　　　 　 　 }　　　 ＼　 　 j＿　ｲ￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　 　 　 ﾉノ}
　　　　　　　 |　　　　　　／　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,人　　 ﾉ　) }}　　　　　 ＿ 　 ,ﾉｨ　
.　　　　　　 __|＿＿＿／ 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 冫　､　 《巛 《　jﾘﾚ ﾉﾉノ⌒　　 人
　　　　　／　/　　　 {　　 　 / |　 　 ／￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　 乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　 彡'ノ　　）
.　　　／　　/＼＿＿}＿＿＿_| 　 /　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 ﾄ-{ ﾉ　 　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ 彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 ﾐ ﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　 彡ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 ミ ｉ r‐榮ぅ {ﾝ ｒ‐ｔ笋ラ　 ｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 ヽ 　 　 |　　　　　　　{　人__／ 〈
　　　　　　　　妙な冗談はよせ。　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　 　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |ｉ　 　 ＿＿ ,　 　 　 /　　 ﾚ人{
　　　　　　　　だが、これで南は当面心配あるまい　　　　　　　　　　　　　　　.‘,　　､＿__　　 　 ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 |　 廴 ｣　 イ　 }　 {　　　　　;　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 ／ｌ　　 ＼　　|　/ 　 j　　　　 ﾉ　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 .／ 　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 .以上の逸話を見ると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒と祖逖は互いの足元を見る一方、通すべき仁義は通している。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .相手の隙を狙う、名将同士の知恵比べの側面もあったのかもしれない
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

475 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:17:23.83 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　 　 　 　 　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒¬爻爻爻⌒　　＿_　　　　　 　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　 　 　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　 　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ 　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ 　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ 　|_ :|　　: : : |: : : : :|　 　 　|￣L|￣| 　 　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　 　 　 　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}
　|￣| 　 冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　 　 :|: : |　|王 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7|　　 年が明けたら、今度こそ厭次を落とす　 |
　　　　　 ＿jjjjＬ　　---──……¬冖'''　¨¨￣___二二¬三三 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……¬冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　 ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　 　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　 ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　 三 　 ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
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476 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:18:11.47 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２１年２月　晋　首都　建康】



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ叉7
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477 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:20:47.14 ID:rs3FrmGi0

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　　そうですか　　　　 |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　盧�ｪ殿と崔悦殿は御無事で　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○===
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|││││││││││││││││||.温 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴||　　.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬||　　.||
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││||.嶠..||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　.||＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""""""

478 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:21:34.49 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　はい。
　　　　 ,iﾞ 　／　　　　　　　 ＼　 ﾞi!　
　　　 　i!　　　●　 　 　　●　　　,l　　　　　　　.我々が建康へ来たのは、
　　　　 ﾞi,,＊　 　（__人__）　　 ＊,/　　　　　　　 段匹磾の悪行を弾劾し、段末波様の幽州刺史任命を実現するため。
　　　　　 ヾ､,,　　　　　　　 　 ,／
　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　 .お二方より、劉琨殿殺害の件に関する上奏文を預かってきました
　　　　 　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 ＼: : :＼　 --　／: :＼ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ ´: : : : : : ,ヘ: : : :V:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 >: : :, : : : : : : : : : : V : : ﾊ: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 -=≦: : ´: :／: : : : : : : : : ハ: V : : :i : : '， /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ⌒ｱ: :/: : :/: :ｉ: : : :/:斗{⌒}: :}: : : :}: : : :V /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　/: : ' /: :': :斗-: /}: 八{　八jﾆニハ: : : :V
　　　　　　　　話は分かりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　�W : i {: : { : /}: :/ノ' x≠ミ个: : : :': : 〕iト :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　И: |八 乂 ｨ笊　　　ん(_,/: : : 人: : : <⌒
　　　　　　　　私の方で朝廷に働きかけるので、　　　　　　　　　　　　　　 .八{ i: ヽ�W vﾘ　　　乂ツ: : : '^Y: : i : :＼
　　　　　　　　まずは上奏文を拝見させてもらいますね　　　　　　　　　　　　ﾉ {: : 从　 '　_　 ､　/: : ∠ イ:_:_从:「⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　7: :ﾊ : :込、　 V_ノ /イ´/////>､ ＼　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　八(⌒ヽ{　　 ≧rf. .rく 乂/////ｱ⌒7 V　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 ⌒{　　 __ /^ｱ. . . . .}/　 　 ￣ _j//// 　V /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 _　｡o≦. . . . . . ､. . . /　　　　／/////ﾊ　 V

479 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:22:13.45 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　＿,.　´　　 --／ =ﾐ､＼ ｀ヽ､
　　　　　　　　 　 　 ⌒＞ ,　 ´　／｢ノ=-　　 ＼＿∧
　　　　　　　　＿＿_／ ／　　, / 〈ｰノ　, -- ､ {r､ r､ﾊ
　　　　　　 　 ＞　　_／　　／ |＿＿／|/ /　|＼ l||　∧
　　　　　　　 ⌒＞⌒／ ／　 ∧　　　__>ｨ -､|/ |〈 〉｢Yﾊ
　　　　　　　／　　／イ/ｲ / /　＼／,ｨ斧ミ､｀V{し ﾊ |《｣
　　　　　 ／⌒- く　 / 　j/|/| ／|/| / vツ 　ﾊ　ｰ' 〈/ |
　　　　　 　 　 ／ ／イ /|/ <＼/|　' 　 　 　 }∧　／,|∧
　　　　　　　 /　/イ , ---､ /,ｰ'从　　　　　　　 〉'/ｲ/
　　　　 　 　 {　/ ／:::::::::::::｀ヽ|/＼＼　　｀　 _　 人∧{
　　　　　 　 人／::::::::::::::::::::::::::V::::::＼　､　　　イ　/-|＼
　　 　 ----＜:::::／|:::::::::::::::::::::}::､::::::::〉'　 T　 ∧ |iii｢
　　∧:::::::::::＞ ´　　|:::::::::::::::::::/イ＞---=く} イ　}/
..／⌒＼／ 　 　 　 |:::::::::::::::V::::::::::::::／／｀ヽ〈_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　,:'ノ　 　 　　　＼　　　 ::::::::', 　　っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 :'　 ●　　　　 ●　　 　 　 :::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 i　///(_人＿) ////＊　　 :::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　,i.　 　 　し'　 　 　　　　　　:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 .`:,､　　　　　　　　　　　　::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　　,:'　　　　　　　　　　　　　　　｀:､

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 太興四年（三二一年）二月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　鮮卑段末波が皇帝の信璽を奉送したと『晋書』『元帝紀』は記す
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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480 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:23:24.54 ID:rs3FrmGi0

　　 　 　 /　／r┐`ー'＾ ゝ'　 o ＼
　　　 　 　 /ｏ ｀¨ （｀Y´) r‐==ミヾ `､
　 　 　 : 　 r‐'ｒ‐ヘ 〈 〉　|⌒ト　∨ ハ
　　　　 |　|〈　|{7´　�YＬﾉ|＼|_厶 }|oﾟ | 　`､
　　　　 |　|く( |{∧___{⌒´ 〉/○　i:}|_,ノ 　　`､
　　　　 | ∧ﾟ oﾄ　○　　　　　　　 .〔　〕　 |＼
　　　　 |　∧__/i 　 　 　 　 __ 　 |　{f}f}、 |
　 　 　 | ｉ　〔　〕人　 　＜　ノ　.ｲ: / 　 |＼
　　　 ノ^|　/f}f}＼〈＼ 　 __ ／ :|/..┐ :|
.　　　 　 |:∧　 |＼∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
　　　　　/　 ＼|＼__,f‐|「∨ 　//´|=|ﾆ=-
　　　　　　 -‐=ﾆニr'⌒ー┐ .厶斗ir｡ﾆﾆﾆﾆﾆ=‐-
　　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆｒｆ ＼ ｀二V´｝ﾆﾆﾆﾟir｡ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ　 　　　　 　 /　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
　　　　 /ﾆﾆ＼ﾆｒｆ∧ 　 ｀マ,ﾉ_,.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ%ﾆ/ﾆ/ニﾆ　　　　　　　　　 ／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
.　　　 //}ﾆﾆﾆﾆ%｡o 〉　　}::/____)｡o％¬冖'＾∨ﾆﾆﾆ|　　　　　　　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 �Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 この際に、盧�ｪ・崔悦らの上奏文が提出されたのではないかと前述した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　『晋書』『盧欽伝』には、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .段末波が江左へ通使を送った際、使者に抗表を持たせたとある
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

481 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:25:32.50 ID:rs3FrmGi0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　　『晋書』『劉琨伝』に曰く　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　 　　 ＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　 　 　 　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´　　　上奏文の内容は劉琨に関する道理。
　　　　　　　　　　　 | |　　　 ヾN ゞｿ 　　 ゞｿ//
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　　　　 分かりやすく言えば、
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　 イ |::::::::|　　　　　　　　　　　　 劉琨が殺害されるに至った経緯と、
　　　　　　　　　　　 | |　 　　 ＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　　　　　　　　.それに対する朝廷の動きへの意見が主となる
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　 ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　 　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 ヽﾆj　} 　＼:／ ＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 〈:| |Ｖ　 　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　 ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
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　　　　　　　 　 　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

482 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:26:19.17 ID:rs3FrmGi0

【>>481修正】

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
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|　　　　　『晋書』『劉琨伝』に曰く　　　　.|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
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　　　　　　 　　 ＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　 　 　 　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´　　　上奏文の内容は劉琨に関する道理。
　　　　　　　　　　　 | |　　　 ヾN ゞｿ 　　 ゞｿ//
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　　　　 分かりやすく言えば、
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　 イ |::::::::|　　　　　　　　　　　　 劉琨が殺害されるに至った経緯と、
　　　　　　　　　　　 | |　 　　 ＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　　　　　　　　.それに対する朝廷の動きへの意見が主となる
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　 ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
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483 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:27:12.63 ID:rs3FrmGi0

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　　　　　長い上奏文のため、要点をまとめて紹介したい
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦――=-＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|＞゛¨¨¨¨¨¨＞ｓ。　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >' ., ´　　.　　　 　 ＞ｓ､ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　./　/　　　.:i　　　　　　　〈＼　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　/　 　 .:　|　　|　　　　　∨::＼　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:.　 　 .:|　|　　　 　 .:　.:　∨乂＼∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　{　　　∧八__::|　　.:　.:　　ル乂X<ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 人 {　:.　∧ｬｔｆ=ｧ:|　 /　/　/レ ＼乂X{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｎ＼人　り　　レ'| ,ｲ　/}　∨　 ｀ ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　〈　　 　 　 　 ノ'　ﾚイ}　:::∨　　/∧
　　　　　　　　　　書きたい事は書いたわ　　　　　　　　　　　　　　　　　|　∧　_　,　　　　 ／　∨　 ::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　＼　　　　イ　 ／¨∨　:::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　　へ..::＜〉¨¨¨///＞‐､　:∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　　　,'　／}}///∨　　　 ＼::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:/　 /／∨⌒／　　　<>　　＼v　　 /∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :/　　.ｨ　　 }／　　　　　 　 　 　 ＼　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾊ　　/:}　　/　　<>　　　　　　　　　 ＼　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　.:　　 /＼　　　　　　　<>　　　　　 ＼

484 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:30:28.36 ID:rs3FrmGi0

【盧�ｪさんと崔悦さんの上奏文＠『晋書』『劉琨伝』（一部抜粋）】
┏──────────────────────────────────────┓
　故司空・広武侯劉琨は恵帝の騒乱の際に在り、
　群臣が鼎沸の難に遭うも皇家に戮力して義と誠に励み、
　自ら華夷を統べて親しく矢石を受け、石超は首を授け、呂朗は面縛され、
　社稷の安寧を勝ち得て、帰還する天子の車駕を奉迎した勲功は実に高いものがありました。

　これは劉琨の尽忠を示す証の一つです。
┗──────────────────────────────────────┛

　　　　　　 　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　 　 　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　 　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　 　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　 　 　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノ ﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　 　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!　　　　　 .上奏文は、八王の乱末期の劉琨の活躍から述べている。
　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　 ﾉ/i/ﾉ
　　　　　 　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′　　　　　　 文中で劉琨の官職は「司空」となっており、
　　　　　　 　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ　　　　　　　　.東晋の朝廷が与えた「太尉」ではない点に注意を要する
　　 　 　 　 （;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　 　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　 〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　 　 　 ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　 　　（_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧　_＿＿
　　　　　　　 ｀￣￣￣´｀￣￣￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　＜＞''´―――-ミ,''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ／ /.　 l　　 |　　　 �_∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ,'　|　|　　ハ |　|　〇∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　l !　 |l　|　|.　/― |　|、|xxxl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　从　 lﾄ､|、|∨　＜}　l 从ヽxl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 _.从// ､_,､_, /ﾉイ ツ　 `l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 (__)===　) .) .)..　,ｲ　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /<>|.　l＞(　( ( イァ.ﾄ　　　　V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....　　从l||ヾ￣￣￣￣￣￣ﾌ从　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　ヽ､＿＿＿＿ノ￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └───┘

485 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:32:52.06 ID:rs3FrmGi0

┏────────────────────────────────────────┓
　その後、并州刺史・東贏公司馬騰が
　晋川の荒涼を以て臨漳に鎮を移したため、太原郡・西河郡の民はほぼ三魏へ移ってしまいました。

　劉琨は并州刺史の任を受けると、その弊害を受け継ぎ、
　着任の日には遺された戸数は数少なく、危険な情勢で困難な地を統治しましたが、
　傷痍の者を集めて戎狄を慰撫して和合させ、数年の間に公私共に徐々に盛んになりました。
┗────────────────────────────────────────┛

　　　　　　 　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　 　 　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　 　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　 　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　 　 　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノ ﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　 　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!　　　　　　　　続いて并州赴任時の話。
　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　 ﾉ/i/ﾉ　
　　　　　 　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′　　　　　　　　 .劉琨の全盛期
　　　　　　 　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ　　　　
　　 　 　 　 （;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　 　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　 〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨/＼　 　 ,､..:::'"~~"''〜ミ/,::｀`〜､
　　　　 　 　 ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、　　　　　　　 .　　　 　 　 　 ∨//`､／r‐ﾐ:::::::::::＼:::::::::::＼::::::::::::..
　　　　 　　（_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）　　　　　　　　　　　　　　　　V/..:ﾞ/::::j＼:＼::::::::::`､::::::::::::∨::/:::::::.
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　　　私たちが合流する前だけれど、　　　　　　　　　　　.:/ ﾉ �W',＼(::::.　　丶　　　 /::::::__,r_'⌒ヽヽ＼
　　　一流の士大夫はこうでないといけないわ　　　　　::(　}　{ ∨V::::::/,　　 ｰ　´　.::::::└‐ -ミ　　 　 `､＿
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486 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:34:34.94 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────────┓
　屠各が虚に乗じて晋陽が潰乱し、劉琨の父母と一族は皆殺しの災いに遭いました。

　先に劉琨が并州の人々の心に従って自守の計を用いていれば、
　聖朝は誅罰を加えられなかったでしょうが、族党は死ななかったでしょう。
┗──────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':::;:, .:.　　　　　　　.::... .　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :,)､::.:;.　':;:.　:::. .　..:.:λ:: :: .;;);ﾉ::,)､::.:;.:,:;.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）:.: ..':;ヾ::.:ｿ)人ノ　从:. ｿ）ノ　）:.: .;,.'　　ﾎﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::）　　　::V　ﾊﾟﾁ　　　(ソ 　ﾍ （::.:.:'.,; :. .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:; .::）　　　　　　　　,　　 ヾ､　て:;;':　.ﾊﾟﾁ　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　　　　　　　　　ﾎﾞｵｵｵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　　　　　　　　　）::,::,;,::,;,;;;,;;;,;,）.:;.:,:;.:
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　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||);ﾉ::,)|￣￣|i　　　|￣￣||
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487 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:36:32.45 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────────┓
　及び拓跋猗盧が敗乱し、
　晋人が逃げて帰属した際、劉琨は平城において帰属した彼らを受け入れました。

　将軍箕澹はこれらの晋人が久しく僻遠の地に在り、
　法によって整えるのは難しいために用いるべきではないとしました。

　しかし、劉琨はこれを責め、忠義が顔に出ていました。

　仮に箕澹の議に従って生を貪れば、
　并州で落ち着いていたはずであり、燕薊で身を亡ぼす事は絶対になかったでしょう。
┗──────────────────────────────────┛

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　 并州失陥と対石勒戦の敗北の記述を見るに、
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　 .劉琨のやらかしは彼の忠誠心のためと弁護されている。
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　 忠臣劉琨を印象付ける意図があったのだろう
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＼: :￣ﾆ- _　　 _　-―━:.:.┴　 　: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :　 ⌒ア´:.:.:.｀、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼: :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼_／:.:./:.:.:.:.:.:｀、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌'7:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:丶:.:.:.ﾊ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／_7:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.|.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /／ ]:.:.:.:. / 八:.(＼_:.|:.:.:.:.⌒:.:.:.∨.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 //　　|:.:.:.:.:|⌒　＼><人(＼_:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　 /:.:.:.:.く{　弋ﾂｧ ⌒＼弋ﾂ 〃:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　別に嘘はついていないわ　　　　　　　　　　　　　{廴　 　 |:.:./:.:.八ー‐'′　　　｀￣ /:.:.:.:.:.:./:八
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿／:.:.:.:.／人　　 └¬｀丶人:.:.:.:.:. ∨:人_ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒7:.:.:.:.／:.:.:.:.:. 〕ト　 くr‐＼i:|{:.:.＼:.:.:.:.:＼:.＜_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.(:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ:.:.:}　/￣i:i:i:ｉ||:.:.:.:.:.):.:.:.:.:.:.:)Y⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒⌒ﾏ:.:ﾊ:.:.:.:.／:.:.:/ └1i:i:i:i:i八:.:／:.:.:.:.:.／人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.／　 /∧i:i:i:i√ ＼:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈／￣￣￣/￣￣￣ |i:i:i:i:|￣∨｀¨¨¨`丶、(_ノ〉

488 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:38:17.71 ID:rs3FrmGi0

┏────────────────────────────────────┓
　段匹磾は劉琨が王室の大臣であるのを理由に、
　己の威重を奪われるのを怖れ、劉琨を忌む様子が外へ明らかになるようになりました。

　劉琨はこれを知ると、段匹磾の下に久しく留まれないと考慮し、
　妻と大小の息子を揃って京城へ詣でさせ、一門を陛下に委ねようとしていました。

　征伐の機会があれば自身は一兵卒となり、
　段匹磾が悪事をほしいままにすれば、妻と息子を免れさせる事ができるためです。
┗────────────────────────────────────┛

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　このあたりの文章は、
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　『晋書』『劉琨伝』の記述とは様子が異なっている。
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　劉琨と段匹磾の二人に限れば、
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　　 段部の内戦勃発後まで関係は良好だったのだから
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　＜＞''´―――-ミ,''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ／ /.　 l　　 |　　　 �_∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ,'　|　|　　ハ |　|　〇∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　l !　 |l　|　|.　/― |　|、|xxxl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　从　 lﾄ､|、|∨　＜}　l 从ヽxl
　　　　　　　　　　　　　　　当人同士はね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　_.从// ､_,､_, /ﾉイ ツ　 `l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 (__)===　) .) .)..　,ｲ　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /<>|.　l＞(　( ( イァ.ﾄ　　　　V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....　　从l||ヾ￣￣￣￣￣￣ﾌ从　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　ヽ､＿＿＿＿ノ￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └───┘

489 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:39:24.63 ID:rs3FrmGi0

┏────────────────────────────────────────────┓
　段匹磾は兄の段疾陸眷が亡くなり、嗣子が幼弱であったために、喪に参じて兄の国を奪おうと欲しました。

　また、自身が国を欺き家を凌ぎ、
　邪心を抱いて禍を楽しむのを父母や宗族が許さないと考えました。

　これをもって鎧を巻いて弓を納め、
　密かに謀って乱をなして、従叔段羽��・従弟段末波らを殺害し、彼らの国をも奪おうとしたのです。

　段匹磾の親信の者が段羽��・段末波に密告し、
　段羽��・段末波は人を遣ってこれを防がせたため、段匹磾は僅かに身一つで免れました。
┗────────────────────────────────────────────┛

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
�Yﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　忠臣として書かれる劉琨に対し、
　　 ＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　 .彼を殺した段匹磾は邪悪な人物として描写されている
　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　
　∧＼　 ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 　 ___　､〜'´. ..{＼＼
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　八込^　 　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 |:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::＼
　　　　　　　　　身内を騙し討ちしようとしたんだから当然　　　　　　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　 　 ＼::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　　　　　 ＼::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 .l.:)／个､(.:: ／　　　　　 　 　 　 ＼:::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ｢__//::::/:::::|八＼　　　l　　　　　　　　＼::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕　 　 　 　 　 　 :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　.八: : : 0: : : : :|//, 　　___|　　　　　　　 　 |::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 :}//l　 .///|///,　　　.|　 　 　 　 　 　 |:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　:::::///|X////|///,　　><　　　　　　　 　 |::::l

490 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:40:09.35 ID:rs3FrmGi0

┏─────────────────────────────┓
　百姓は段匹磾が死んだと言い、皆が劉琨に味方しようとしました。

　もし、劉琨に段匹磾を殺害する心があれば、
　容易に擒にできたはずで、再び人の力を借りる事はなかったでしょう。
┗─────────────────────────────┛

　　　　　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　　 　／　￣｀´￣　＼
　　　　　|　,-）　　　　（-、.|　　　　　　　　　段匹磾は必ず薊へ逃れて来るはずですっていう。
　　　　　| l　＿＿＿＿　l |
　　　　　 ＼ 　 `ー'´ 　／　　　　　　　　　.これを捕えて殺してしまうべきなのでは？
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､丶` ￣￣￣　｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　_　　-‐＼　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 , -=二ニニニ=-＼　　　＼　　ヽ 　　 　　　　 _ -=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ﾆ=-　　 ＼　　　　 ＼　　　ヽ　　 ',　　　　 ／二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 /' ｉ　　　　　　＼　　　ヽ ＼　　　　　 ',＿､丶´二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　 l　 　 ＼ ＼　 ＼　　　　 ヽ 　 　 　 --=ﾆ二￣＿
　　　　それはできないわ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 |八　　 |＼,ィ==ミ ､　 ∨ /:__　 　 　 `､ -=二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　|-‐＼　|〃　r ﾊ 〉 `､　∨⌒ ｉ　　　　　 ､　　　￣￣
　　　　夷狄を義によって服従させるのは難しい。　　　　　　　　|　　| ,ｨ=ミ＼　　 ｀"　　　`､　( ﾉ人　　　　　 ＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　|i　　爪 vﾘ　　　　　　　　　__､ 〈 　 ヽ　 　 　 　 ＼　　
　　　　誠意を包み隠さず示さなければ　　　　　　　　　　　　　 八　　ﾊ　　'　　　　 　 　 　 　 ＼､　　 ＼　　　　　 ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　込　　　､　- 　 　 /　　　　＼　　　＼　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 个　　 　 　 　 ｨ 　 　 ／ '　＼――― ミ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|　　＞‐　 ´　ﾊ　 ／　　 ／ ――=彡'⌒ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿ |　　| 　 ｉ 八　／ '/／　　 ／　　　　' 　 　 　 　 ＼

491 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:41:47.83 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────┓
　これより後、上下の心が離れたため、
　段匹磾は胡人と晋人を引き連れて上谷郡へ居を移そうとしました。

　劉琨はこれに深く反対し、厭次へ移って南の朝廷を頼るよう勧めました。

　段匹磾はこれを聞き入れず、
　逆に劉琨父子四人を殺し、従兄の息子二人も同時に命を絶たれました。
┗──────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　 ／ く〈(__)〉i:'，　　} [　[ ヽ　　`､　 　＼
　　　　　　　　　　 .:　　　 ＼i:i:i:i:i‘, 　 } [　〔　[ 　　 '，　　　`､
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　　　　　　　　　/ ,′　 /{　　 .`､i:i:ｉ}　} :[ . [　〔 　　 〔　　　 　 �Y! 　　　　　　 _
.　　　　　　　　/　′ . / :{　　　}‘,i:i:} ,′[　〔　〔　　　[　　 　 　 }__
　　　　　　　　′ {　￣￣~ﾟ^''' ,′∨:　　[　〔　‘, 　 . [　　 　 　 }廴　　　_｣L�廊
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.　　　　　　／{ 　 / うぅx､'， /　　/　　 /　{:‘, .　ﾟ｡　.〔 　 　 　 ′　　_､‐^⌒　　
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　 {i　　乂.　　/ {　 ⌒¨´　 // . /: , ﾞ ‘,　 　{＼　､、　　 ｀`〜､、 　 ~"''〜=ﾆ二
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　 　 ｀¨⌒.　 　 　 　 　 i|/　/ 沁,:／ . . . . ＼　 ＼{廴　〕Iｯ｡.,,_　 ´^''冖¬…¬
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　　　　　　　＼ ￣　イ／廴___/　　_ -=ﾆ . .　　　　 　 ､ ＼ __　 −−　￣Ξﾆ‐
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　　 　 　 　 　　_)ｱﾟ 　　_ -=ﾆ . .　　　　　. :　　　　　 　 }�Y'，　__⌒ﾆ=---　　 _

492 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:42:24.77 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────┓
　劉琨は殺害される前、段匹磾に禍心があるとして、臣らにこう語りました。
┗──────────────────────────────┛


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -――-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／__／　-―-　｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'／　/::／ ￣￣￣ ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　∨　　 　 　 ＼　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　　|　　　　｜ヽ 　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　|　　　|　　|　　　　｜　ト　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　|　　　／　 /'|　 {xミ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 :八 ／　　 /　|　 佗 Y　八
　　　　　　　　　　　　 　 /　　＿　∨!　　, 　 ＼　 x=ﾐ　|/　, "｜'　　ヽ
.　　　　　　　　　　　 　 /　　/⌒ヽ }/　 / _∧ 　 /vﾂ　　　　　 '　|　　 ｉ　　　　　国家の厚恩を受けながら返せなかった。
　　　　　 　 　 　 　 - /　⌒ --=彡'　 /　（　　､　 ､ "　　　,　/　 |　　 |
　　　　 　 　 　 ／　 / {　　　／ /　} /　　　ト ∧　 ト 　 ___ /! 　 ; 　 ,　　　　　 才知至らずとはいえ、
　　　 　 　 　 /／　,　八__／　 /⌒'/　　　/　ヽ∧　∨:./: : :.:|　　|　/　　　　　 .厄運に巡り会ったのもあるでしょう。
.　　　　　 　 /　　　ｉ　　 ､　　　{　 /＿___./　＿_ ＼､ ∨八从|　　|:/
　　　　　　　　　 　 l　 ／￣￣￣￣￣￣／　￣￣ ＼ ＼　　| 　 /　　　　　　　死なない者はいないし、
　　　　　　　　　　　／:: ￣￣￣￣￣::／=x==ミｒ―､　＼ ＼ |　,　　　　　　　　 死ぬか生きるかは命運次第
　　　 　 　 　 　 ／:::／￣／:::::::::::: ／　 }　／　へ　　７}八ヽ八{
.　　　　 　 　 ／::::::::￣￣::::::::::::::／ |　|八 {／|///|￣ヽj　　 ＼ )
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::／:/　|　| ／}　 |///|　　 ｉ: 　 　　＼､
　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::／ ノ＿,ﾉ 人　/　-―-ミ　/ {　　　　 /=|
　 　 ／::::::::／￣／:::::::::／ ／　　　 |　／//////〉二∨, 　 __／二:|
.　／::::::::::::::￣:::::::::::: ／ ／ 　 　 　 ／-=二二二二二}　　 |/|ニニ,
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ／ 　 　 　 ／∨==／￣￣＼ﾆ/＿／/,|ニ=/

493 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:42:55.74 ID:rs3FrmGi0

┏────────────────────┓
　言葉には悲憤があり、左右の者を動かしました。
┗────────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -――-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／__／　-―-　｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'／　/::／ ￣￣￣ ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　∨　　 　 　 ＼　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　　|　　　　｜ヽ 　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　|　　　|　　|　　　　｜　ト　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　|　　　／　 /'|　 {xミ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 :八 ／　　 /　|　 佗 Y　八
　　　　　　　　　　　　 　 /　　＿　∨!　　, 　 ＼　 x=ﾐ　|/　, "｜'　　ヽ
.　　　　　　　　　　　 　 /　　/⌒ヽ }/　 / _∧ 　 /vﾂ　　　　　 '　|　　 ｉ
　　　　　 　 　 　 　 - /　⌒ --=彡'　 /　（　　､　 ､ "　　　,　/　 |　　 |　　　　　　下は節義を一地方で尽くせず、
　　　　 　 　 　 ／　 / {　　　／ /　} /　　　ト ∧　 ト 　 ___ /! 　 ; 　 ,　　　　　　 上は誠心を陛下に示せなかった。
　　　 　 　 　 /／　,　八__／　 /⌒'/　　　/　ヽ∧　∨:./: : :.:|　　|　/　
.　　　　　 　 /　　　ｉ　　 ､　　　{　 /＿___./　＿_ ＼､ ∨八从|　　|:/　　　　　　　 .それが心残りね
　　　　　　　　　 　 l　 ／￣￣￣￣￣￣／　￣￣ ＼ ＼　　| 　 /　　　
　　　　　　　　　　　／:: ￣￣￣￣￣::／=x==ミｒ―､　＼ ＼ |　,　　　　
　　　 　 　 　 　 ／:::／￣／:::::::::::: ／　 }　／　へ　　７}八ヽ八{
.　　　　 　 　 ／::::::::￣￣::::::::::::::／ |　|八 {／|///|￣ヽj　　 ＼ )
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::／:/　|　| ／}　 |///|　　 ｉ: 　 　　＼､
　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::／ ノ＿,ﾉ 人　/　-―-ミ　/ {　　　　 /=|
　 　 ／::::::::／￣／:::::::::／ ／　　　 |　／//////〉二∨, 　 __／二:|
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.::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ／ 　 　 　 ／∨==／￣￣＼ﾆ/＿／/,|ニ=/

494 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:45:08.98 ID:rs3FrmGi0

┏─────────────────────────────────────────────┓
　段匹磾は劉琨を殺害すると勝手に誹謗を加え、劉琨が神器を狙って反逆を謀ったと言いました。

　劉琨に公孫述や隗囂のような頑迷な悪心はありませんし、韓信や黥布のような誅殺を恐れる心もありません。

　亡国の乱の際に辛苦を重ね、
　異類の間で肩を狭くしているのに、そのような心があると言うのでしょうか。

　愚かな奴婢や賢い雑役でも反逆しないのに、国士の列に在って忠節で先んじた者ならば猶更でしょう。
┗─────────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ 　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ
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　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣| -=ニ　　太尉劉琨は帝位を狙い、法を犯す企みを為した！　≦　　　
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!|￣￣| ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦`~|i￣
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ｌ￣￣|￣｀~|i￣″| ￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣|ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣
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|￣i￣￣|￣￣i￣￣ |￣￣　|￣!,,￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : :　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : :-=ニ　　　　　よって、詔勅により誅殺した！！！　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

495 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:45:57.33 ID:rs3FrmGi0

┏─────────────────────────────────────────┓
　段匹磾は劉琨の殺害を陛下の密詔であると称していました。

　劉琨が有罪であると信じて陛下が誅を加えられるのなら、
　市場において人々の前で棄死すべきであり、風俗の異なる小人に命じてはならないのは明白です。

　そして、詔を思い通りにするのは有罪であり、
　些細な事柄でも必ず誅殺すべきで、勅命と偽って功が有っても、大功と言えども論じるに値しません。

　まさに興廃の根本はここにあり、開閉の要因を閉めないわけにはいきません。
┗─────────────────────────────────────────┛





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃´ 　 . 7ヽ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　,ｒｨ天ヽ　　./
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃ｨ7三ミヾ　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{l「（{{句j刈}｝./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ弋沁少ｨjﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＝一"'

496 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:48:15.98 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────────┓
　段匹磾は憚る所なく、乱を恃みに殺人を働き、
　偽りの王命によって鼎臣を虐殺し、諸夏の名望を辱めて王室の法を損ないました。

　これが堪えられるのなら、堪えられないものなどあるのでしょうか。

　もし、聖朝がなお隠忍を加えて大礼を明らかにしなければ、
　不逞の者が段匹磾の後に続き、好悪に任せて殺生を自由にするでしょう。

　陛下は何をもって彼らを誅殺されるのでしょうか。
┗──────────────────────────────────┛
　
　　　　　　　　　 　 ∧　_＿＿
.　　　　 　 　 　 ＜＞''´―――-ミ,''ヽ
　　　　 　 　 　 ／ /.　 l　　 |　　　 �_∨
.　　　 　 　 　 /　 ,'　|　|　　ハ |　|　〇∨
.　　　　 　 　 l !　 |l　|　|.　/三 |　|、|xxxl
　　　　 　 　 从　 lﾄ､|、|v'三〇}　l 从ヽxl　　　　　　　　ファッキン司馬え……
　　　　　　　 　 ヽ从⊃ ､_,､_,　ﾉイ ツ　 `l
　 　 　 　 /⌒ヽ__|ﾍ　　 ゝ._） 　 ,ｲ/⌒i　 ',
.　　　　　 ＼ /<>|　l＞,､ __,　イァ/　 /　　V　　　　　　　　　　　　　　 ＼_-_ﾆ=-　 _　　　　　　　　　　　　 |_-_
.　　　　　 　 /<> |　|丶<>|　 / ﾍ､__∧　 　 V　　　　　　　　 　　　　　　　`''＜_-_-_-ﾆ-''"ﾟ~~::::::::~~ﾟ"'::.､　 -_-_
.　　　　　 　 ｀ヽ　}从　 ヽ. V ,／<><>}　　 从　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `,.:'´:::::::::::::::::::::＼:::＼:::::::::/_-_-}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::＼:/_-_-_]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 /:/::::::/::／⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 　 / ,ﾞ::::::::::/　　　l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　{　:::::::::/＼　　 :::| ＼::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　{　|::::::斗=ﾐ　 /:/─‐＼：:::::|:::::|::::::::}::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 人::::ヽVｿ /'゛ 斗=ミ　|::::::|:::::|::::::/:::::′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 .::::ハ乂　 ,　　　弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
　　　　　　　　　　　　　　やめなさい　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　.::/　.::::.　　　　　　　　 /:::/:::/:／::::::'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　廴_八:込,　丶　　　　/:::/:::/:::::::::::/)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 (⌒ﾊ::l::＼_,,. 　-=/:::/／:::::::::::::':(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 )　ﾉ::|:::__::ｰ┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ｰ--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　..:::::／乂⌒＼　　八:::::::::::/乂::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 　 　 　 八:::(/　　 ⌒乂＼(⌒:::::::::::＼} ):〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 　 　 ／/　　　　　 }乂 ＼ﾉ人:＼ヾ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 ,　'ﾞ__√　　　　 ,/　　／'´⌒)::::::.}):〉

497 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:49:24.74 ID:rs3FrmGi0

┏───────────────────────────────────────────┓
　黄河以北から幽州・并州以南にかけて、醜類が憚っていた人物は劉琨のみでした。

　劉琨が殺された後、
　群凶は嬉々として得意にならない者はなく、鼓を鳴らして中原を往来する事に懸念を持たなくなりました。

　これもまた、華夷の大小が長く嘆息する理由です。
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＿＿ ゝ_＿ノ　 　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨz=ミ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ＿ 斤夭f批｀}_)¬＜_ノハ　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔_7 7{ f⌒ヽ＜ﾆミｰ个z≦升/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _r≦ニ∨/f∧Vな≧{　 /＞ ミ辷ノ r――こi〕ト,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　/∠V⌒7 /｀ヽ l ﾄ毛vﾉ __l-（　＞--ィ＼三ﾆ三ﾄ､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 {ｲ{　〕C// 〉ifﾊ (⌒Y´`{/=)ﾆ≧ニニ{‐{≧===ヽ} 〉　　(´⌒(´　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 Vﾄ个-く ｼｲ/｀fこrヘ>ｲ＝＝〉⇔ﾑV{斗z∠　ﾉｲ/ ≡≡≡(´⌒;;;≡≡
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498 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:51:02.60 ID:rs3FrmGi0

┏──────────────────────────────────┓
　伏して思いますに、
　陛下は睿聖の隆盛かつ中興の端緒を開かれ、
　まさに典刑を明らかにして万国を統治しようとしておられます。

　しかし、劉琨が相応しくない場所で殺害され、
　冤罪への痛みは甚だしいのに、朝廷で真偽が論じられたとは未だに聞きません。
┗──────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 ∨-_-_-_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　＼ﾆ=-　 _　 　 ∨_-_-_-_━─-...ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼_-_-_-＞'"~~~"''〜､、::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 　 /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 〈__,{:八:::::::::::::::::`､:::::::::::::::::::`､::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 .::|∧:::::＼:::::::::::::::`､::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　.::/|:::∧:::l_,,.`'＜:::::::::`､::::::::::::::|::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ＼::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 .::/ j八::::从　 V} '　　 |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
　　私たちは劉琨と共に流浪し、　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〈:〈 /'　 l:/':ノ　　　　 　 |/::::::::::::::/:::::::::::::/
　　事の一部始終に関わってきました。　　　　　　　　　　　　　　｀＞>　l:::::＼　　　　　 /:::::::::::／::::::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　(:::(　　l::::::::::::... っ　　/::::::::／!:::::::::::::::::::::::.　　 　 ＿
　　謹んで大切な事を述べ、死を覚悟で申し上げた次第です　 )ノ　八:::::::＼:::＼　/:::::／　 |::＼::::::::::::::::::::... 　 ⌒):)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ＼:::::::＼::::/::／::::}／|:」　＼::::::::::::::::::::::.....／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼::::::∨::(､:::／　　 ／-_-_⌒＼:＼:::::::::...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 .:::::::::::)＼::::::...... ／-_-_-_-_-_-_`､:＼::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 〈::::厂/-／＼::::::ﾉ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　　　　 　 　 )/ /／　 ／:／∧_-/-_-_-_-_-_-」|:::∧:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　／⌒Ｘ:::／,. /-_∨-_-_-_-_-_-�Y}/　 '/:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 ／-_-_⌒´／_-_-_./-_-_-_-_-_-_-∨ /(　):}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　∨-_-_-.／ _-_-_-_＼-_-_-_-_-_-_-_〉乂:::ノ

499 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:52:12.98 ID:rs3FrmGi0

┏─────────────────────────────┓
　聖朝からの哀悼の意を特別に賜わりますよう仰ぎ望むものであります。
┗─────────────────────────────┛



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　　　陛下。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 �Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　　私からも劉琨様に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
　　　　　　格別の御沙汰を賜わるようお願い申し上げます　　　　　　　　　　　.＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　＼:.:.:.:.:.:.:.:}☆:.:.:| /<　 ￣7!/:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ　}:.:.:.:.:.:.:.:||:.:／{／ｨ､ {´　{:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /_ノ 　|:.:.:.:.:.:.:.:||:.{　//ー‐ ´　 |:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {|/|　　{ :.::::::.:.: ||:.|////＼　 _ノ:.:.|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　太子中庶子の温嶠もまた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .劉琨に関する道理を上奏し、皇帝司馬睿は詔勅を下して言った
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

500 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:53:22.88 ID:rs3FrmGi0

【陛下の詔勅＠『晋書』『劉琨伝』】
┏────────────────────────────────────────┓
　故太尉・広武侯劉琨は嘘偽りなく事業を始めて成し遂げ、
　王家に誠意を貫いたが、不幸にも難に遭って志節を遂げられず、朕はこれを甚だ悼むものである。

　往時は戦のために、弔祭を加えられずにいた。

　よって、幽州に命令を下し、直ちに旧例に従って弔祭を行うように。
┗────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 ￣￣　　 、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　 ＿_　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　. '　　　　　　.ィﾟ　　 ゝ..l
　　　　　　　　　　　＿／ 　 　 　 　 /　>'´￣ﾟ)　〉
　　　　　　　　　　　Ζ＿　　　　　　i￣]ィﾐ､V　/
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　にﾆl　 `{／
　　　　　　　　　　　＿/⌒Zィ 　　, └r'⌒!　>
　　　　　　　　　〃 ￣　　,＿＞イ辷ト､>-' ´　　　　　　　　　　　これで勘弁して下さい！
　　　　　　　.　-j{　＿_.. ｲ::::::::::::;:::::::::::: ＼
　　　　 　 ./　　　 )7ィYﾟ~ﾟ~ﾟ'*｡_i::::::::::i＼:::ヽ
　　　　 ／′┬イｰ､_ﾝｨ三ミー |:::::::: |､Λ_ﾉ
　　　 ,.」　___ノ　/ .∠..＿　　ヾ/Ti ¨´　　ﾉ
　　 ./　　 〉　 ./／:.:.:.:.:.:.:.｀丶. 寸 ーr '´廴_
　　厶　イ　／７:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼|　　�X[l　｜
　 .′　ノ　.Lﾌﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　 .i　.　┴ ､
　人／　　　 /i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 弋　　 ィﾍ
/　,ﾊ　　　 ./: |:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　 丁Lﾚ'┘

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 これだけ劉琨の故吏が働きかけた結果がこの詔勅だ。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ようやく劉琨への弔意は示したが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　段匹磾については相変わらず不問のまま。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　東晋の朝廷が
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 劉琨殺害の一件に及び腰だったのが分かる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

501 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:56:22.60 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :＼: :/∧: : ヽ
　　　 　 //: : :/: :/: :./: : : : : {ﾊ､r ､:.Yヽ,.ﾊ: : ::.
　　　　:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.|　 　 |: |:|:∨}: : :,:.:.
　　　 .| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:|　 　 |: |:|: :�Y: :.:|l:|
　　 ,.r'-:.:|: :.:.|:-ト､_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }ﾘ　　　　　　詔勅には幽州へ弔祭を命じるとあります。
　 ､_,ｨ≦_|: :.:.|:/ィrftｫ ､|: :/　 ,ｨﾁﾊ|/: | : |:|:.: ,'
　　 _,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨　　らr}　': :.}: /:} }/　　　　　　　.ですが、現行の幽州刺史は冀州へ逃げた段匹磾のまま。
　　　　∧:∨: :| 弋こｿ　　　　しｿ /: :/:/:/ /
　　　　{! i从: :.|　 　 　 　 _'　　　/: :/{/:/　　　　　　　　　　幽州には詔勅を実行に移せる者がいませんが？
　　　　　/从＼〉:.､　　 ( У　 ..ｨ{: /　i/
　　r=≦＝==ﾐ､:::::::≧ = - ≦!:.|j/
　　{）　/-､:.:.:＼〉-､::::::/::::::| /://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ィi〔ィi〔 { ィi〔=ミ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/ :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ﾑ　 　 　 　 ∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム　v:　　　 ∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ﾊ‐ ‐ ‐}:　W　　　v∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　‐=‖,ｲ/ i∨‐ ァ'７７zj}:‐ ‐/:　:|ム　　 (: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　⌒j}:| : :!`ィ'゛　 乂シ〕Ii<,'　　:|　 ＼　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 j}:レハ　､　　　　//　 i:＼_j　:!　:{＼!
　　　　　　　では、段末波を幽州刺史にしましょう　　　　　　　　　　　　 ':/ﾑ　　 ´　 j{:j　/{⌒ミ⌒i　 {＼{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　⌒ `　-=≦i{ﾉｲミ}〉 /＼{i＼{:v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'＜:〉 v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ／‐ }i:i:i: {::＼:i:i:i:i:iﾊ　　　＼}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 ／≧≦i:i:i:i:i{:::::::＼:i:i:i:i〕iト 〕iトi､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　.／:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : ＼:i:i:i:i:i:i:＼　＼:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: ＼:i:i:i:i:i:i:ヽ:　＼⌒ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　 ただ、この時点で段末波が幽州刺史に任命されたと推測される。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　後年、『晋書』『明帝紀』に
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.幽州刺史段末波と名前が出るためだ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　これは、段末波の幽州支配に正当性を与えたのに等しい
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

502 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:57:02.44 ID:rs3FrmGi0

　　　　 ／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
　　 　 ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|｀´ ヽ: :三_〉:_ヽ､_
　　　/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :|　　 |: :|: : :|:!: :￣彡´
　　　|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :|　 　}: :|: : :.:|:.|:＜
　　　{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.ﾘ､/_／ j从: : :}:|:.|､:_:_≧
　　　 ＼}: : ∨: :|: |≧-_､: : / ィ≦⌒ヽｲ: :/: !:.!: /　　　　　　　　私にできるのはここまでです。
　　　　イ�Y:.:{: : �Y ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/　
　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦 ら::ﾑ　　　 ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|　　　　　　　　　.あまり力になれず、申し訳ありませんでした
　　　　　　 �Y､:＼:｣ ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　　　　 ＼: ﾊ　　 　 ＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
　　　　　　　　　　＼:＞　　_　　 ...イ: :/／￣￣ヽ:.i
　　　　　　　　　　　/＼〉:.:./三ヽ　j: //　// ///�Y　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　 　 　 /{:.:.:.:.:.:.:＼三､／�W /／}:.∨　}|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';:.:.:.:.. ,.'´　　　 　 　 　 ｀ヽ .':,
　　　　　　　　御謙遜を。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　';::.:.:.:. .　●　　　　　　●　　;'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　';:::.::.:.　　　 （__人__） 　　　;'
　　　　　　　　温嶠様のおかげで、良い報告ができそうです　　　　　　　　　　　 '':;,:.:.:.:.:. . 　 　　　 　　 ､:'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'':.:.:.　　　∫∫　　 '':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;'::　　　;,　┌─┐　　,; ';,
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./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段末波と盧�ｪの思惑は、半ば以上は達成できたと言って良いだろう
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

503 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:57:33.84 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　';:::|
　　　 　 　 　 / | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　 ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　以上の動きを踏まえた上で、段匹磾の最期を見ていこう
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､ 　 ヽ:::::::::::ヽ- 、　
　　　　 ,. -‐､　　　 ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　
　　　,r'::::.,.-'　　 ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　 　 　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　 　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　 　 ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ ｰ-　一 ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　 ／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　 　 　 　 　 ／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

504 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:58:55.87 ID:rs3FrmGi0

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　棘城　　　　○襄平
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○

　 　　　　　　　　　　　　　盛楽　　 　 　 　　　 　 　 　 　 　 　､-' ﾍ
　 　 　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　○　　　　　　　　　　　薊 　 　　 　/´　　/
　 　 r'´　　　　　　 ￣ヽ,　　　　　　○　　　　 ○　 　 　 ,r'´　　　r'　 r‐
　 　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　平城　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　 　/　　　　　　　　　 r'　　晋陽　　太　　　　　 /　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　 ﾉ　　　　○　　　　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　陽邑○行　　　　　厭次ｰ､　　 　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　　○襄国　● ／ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　平陽　　　 山 鄴　○　r-'´　〇　　　　　r' ' 　　　
　 　　　　　 ｀ヽ　　　}　○　壺関○　○広宗ノ　　　臨淄　　}'ｰ'　　　　
　 　　　　　　　{　 　 {　　　　　　　脈　　　　r○廩丘　　　　r'　　　　　　
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノ ﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　 　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　 ﾉ/i/ﾉ
　　　　　　　　太興四年（三二一年）四月。　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　　　　　石季龍が厭次の段匹磾を攻めた　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　　（_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ｀￣￣￣´｀￣￣￣´

505 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:59:44.33 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２１年４月　晋　冀州　厭次】





　　　　.. .　... :. .: .: : : . .: .... ..: : : : : ..　　　　　　　. : : : . ..　 ..　... . .: : : : . . . 　 　 　 　 　 　 ,癶ﾆ癶、　　　 　
　　　　　　　　　　　　　　　.. : : : : : : : : ... ....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 f竺竺竺竺i_ 　　　
　　　　.. . : : : : : : : : : .... ... 　 　 　 　 　 　.. .　... :. .: : : : .. .... ..: : : : : : . .　... ..　 ...　　 　　 {:i:i:i| ﾛ ﾛ ﾛ}〕iト｡,,_＿＿＿
　　.... . : : : . . .　　　　　　_＿__　　　　　　　　　 　 　 　.... .: : : :. . ..　　　._,,.._＿＿__ __,,..ｨi{￣￣￣￣￣}ト｡,_.＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　,癶ﾆﾆ癶、 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..ィ´.;'.;{__＿___ｉ_}竺r‐r{辷ｉ^~¨爻x､,,⌒＼';';';.;'.;'.:.
_,、　　　　　　　　 　 .ｨi三三三｢i:}h､_＿_ 　　 　 　 　 　,,..， ─‐‐;'.;'.;'.;'.;'.;':｢ ﾛ　ﾛ [i:云zzz:辷ｉ.;'.;'.;'.;'.; r‐r‐r‐r‐┐__,,
.:.:.~ﾞ'^'~⌒'ー'';'; 冂__冂__冂__冂]｢ｉ¨¨i二i}_,,,..， ‐─‐' '.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.; i{ﾆ｢辷j＼i￣｀ヽ辷ｉ＿__＿_|:i|＿＿＿|.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'{￣￣￣￣￣i{￣ｉ¨¨i二i}.;'.;': : .;'.;'.;'.;'.;'. ': : : : : . ;'.;'.;'.;'.;'.; └ ､＼辷 i＼_,,..ｨ'⌒￣ｉ_,,..ｲｉ:i| ﾛ ﾛ ﾛ｜.;'.;
.;'.;'.;'.;'. : : : : ;'.;'. {　[]_　[]　 []　i　[ｉ　[i　[i{〕iト｡,.;'. : : '.;'.;'.;'.;'.;': : : : : : ;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'＼}ｉ≫''"　 _,斗*''~￣〔i:i:i|───|;'.;'.;
'~⌒'ー': : ;_＿__j＞' }_}i_＿__ノi]…── ‐〕iト｡,.:￣￣￣￣￣￣ ⌒ﾆ=- _ -=ﾆ⌒_,.斗*''ｉ〔　　　.:.:.:.:.:.:i:i:i|￣￣￣|＿;ﾞ
.;'.;'.: : : :.:/〈￣￣__ｉノ／⌒¨ : :i]＿__＿＿_i:i:i:ｉ:.:. ￣￣￣￣￣¨¨¨¨ ‐───‐‐‐‐=ﾆ⌒ 　　　 .:.:.:.:.:.:i:i:i|_,,..从_,,..x爻
.;'.: : : : :/ .ｲ￣￣￣ {i__,.ｨ⌒ヽi]三三三ｱ¨ヽi:＿_￣ ‐─‐‐:.:.:..　‐─‐‐.:.:.. 　.:.:. 　ｰ─‐‐ ..:.: ＿__,,少'⌒'';'';'';'';'';'';''';'';
.;'.;'.;'.;'. i冖ｉ ￣￣￣ {i: : : : : : :i]三ﾉ￣¨;': :;'.;'.;'.;';'爻x､_,,＿___＿_,,..,,_.:._:.:._,,x_,,_.:_＿＿_,,.､丶´.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'
.;'.;'.;'.;'. |＼＼￣￣￣}＼ : : .ノi]:'､';'';'';'';': : '';'';'';'';':'､;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ';'';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ',ﾞ:'､'.;'.;'.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'. |:.:. ＼}ｈ､ ￣ ＼i:＼j_,ノi,ﾞ:'､';'';'';': : : :'ﾞ:'､';'';'',,_';'';'';'';',';'';'';'';''
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:｢{ ￣￣￣`'＜}iノ';'';'';'';',';ﾞ':､,.'´: : : : : : :ﾞ:'､';'';'';'';'';'';'';
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:i├┐￣i＼＿j}';';';';';';'';'';'';',';ﾞ':､: : : : : : : : : ﾞ:'､';'';'　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:lﾆニiﾆﾆ|:.:.:|￣| '.;'.;'.;'.;'.;'.;'. <＼ﾞ':､ : : : : : : : : 　　　　　　　　　　　 　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:iﾆニiﾆﾆ|:.:.:|⌒i_＿_ '.;'.;'.;'.;' {ｉヽ込'.､..,,_..,,: : : :　　　　　　　　　　　　＜　申し上げますっていう！！＞
.;'.;'.;'.;r＜￣￣￣￣＼＼|⌒〕iト i〕iト｡,r─i:.:<＼.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.　　　　　　　　　　　 　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
.;'.;'.;'.;|i:i:ｉ:〕iト＞ｰ───|/⌒i＿＼＿i〕辷i:.:.:.ヽ込.;'.　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
.;'.;'.;'.;|i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iトｰ──|/⌒i辷竺i￣j:.:辷i:.:.:.<＼.;'.

506 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:00:46.76 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２１年４月　晋　冀州　楽陵郡】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨz=ミ、
　　　　　　　　　　　　　　　rl　　　 　 　 　 fﾑ>〉::::}
　　　　　　　　　　　　　 　 j｣　＿　　　 　_〈勿くこi　　　　　　　　　　　 .王安！
　　　　　　　　　　　 ＿ 斤夭f批｀}_)¬＜_ノハ　 〉
　　　　　　　　　　 〔_7 7{ f⌒ヽ＜ﾆミｰ个z≦升/　　　　　　　　　　　　この塁壁は落とした！
　　　　　　　　　　　/i/ィ.人　　 /　　 ￣｀ヾｱr‐'￣￣l__
　　　　　　_r≦ニ∨/f∧Vな≧{　 /＞ ミ辷ノ r――こi〕ト,　　　　　　 金目の物と兵糧は頂いとけ！！
　　　　　/∠V⌒7 /｀ヽ l ﾄ毛vﾉ __l-（　＞--ィ＼三ﾆ三ﾄ､ﾊ
　　　 　 {ｲ{　〕C// 〉ifﾊ (⌒Y´`{/=)ﾆ≧ニニ{‐{≧===ヽ} 〉
.　　　 　 Vﾄ个-く ｼｲ/｀fこrヘ>ｲ＝＝〉⇔ﾑV{斗z∠　ﾉｲ/┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　 　 　 　 `＜ニ＞ '　　｀ ー==｀　ー‐＝＝＝' ＜ﾆﾆ＞ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／{　　　　　　　／｝
　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　　　　　　　　　　　　{:::::L＿____,-､／::::::}
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　　　　　　　　／: -=＝=-く: :.＼:::::ﾉ　　　　　-=つ
-=ニ　　　　　石勒軍は郡内の諸城を陥落させ！！　　　≦　　　　　　　　 /: : :./: : :∧: : :＼: :.ヾ､ー､
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦　　　　　　　　./: : :.∧/ソ　＼: :.∧: : : ﾄ､: ＼　　　　　-=つ
　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼　　　　　　　　 {: : :/　 　 ,,　　 ＼: :ﾄ､: : }:.} : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　∧: :l　＞　 　＜　 ｀Y: :}: :l∧: : : : 彡う)　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　ヽ:l: :　,-　-､ : : :　 l: :.l: :}　｀ー'´ ／'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ヽ　ヽ　 ノ　 iー┴.l:/ー､
　　　　　　　　　ひゃっはー！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ＿_＞ t-=＝=l::　　 !'　 　 〉
　　　　　　　　　　　　 ｳﾏﾋﾟｮｲ　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　　　　　　　,( ):::}　　 :l　::　 ::l::　　　 ーく::ス
　　　　　　　　　これが略奪なんだね！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヾ::ノー､ ::l　::　 ::l::　　　　　::〉:::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 } ::l__::＿_::＼＿＿／￣
　　　　　　　　　前からやってみたかったんだー！！　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼}＼:::::::::::::／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼Y＞´　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ｰ---/:ヨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |三ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 く::::::::::〉

507 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:02:47.34 ID:rs3FrmGi0

　　　 vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､　
　　　Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ　
　　　}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,
　　　ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'　
　　　ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´　　　　　　　　　　　　　　　なんだ？
　　　 };lヾ;;j　￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ
　 　 　 7;;;;|',　 　 =､j,. 　 /仆､　　　　　　　　　　　　　　　.あの頭の悪そうなピンクは？
_　 　 　 ゞ;|:ヽ 　 ,:ニ>　/:: ﾚ ｿ＼,.､- ' "´;;￣::
　."￣＞.ﾆﾄ､:＼` "''　/／／,r／:::::::_,..､'''　..,,　　
　　 .ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　 :;/::;;;{!　`ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/　" ヽ､.　ﾘ'"　　,､_,　 　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､　(∴,､-''"　　 　≧　　　この厭次に迫っていますっていう！！！　　ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,. -─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,;:;:;;;;;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::!
　　　祖逖の所から来た新入りよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{ﾐﾚ'"´.　,..　""｀,ｨ;;彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡
　　　可哀想な奴だから面倒見てやれって兄者がな　　　　　　　　 　 　 　 iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|　　　 　 /l　/l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､　　　　 ヽ入:::::::::::::::::::｀V�Y　 　 _../　ﾚ' ..!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.　!　Vl ,..ィノ::`1 ﾐヽﾆﾆ彡'´　L:爪Y´./l　 ｀`　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　ヽ|　〃／./::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣:ｒl　/ .l.:.:.:.:.　　／ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ィ´ヽ ﾉ／ /　　:::.人::::::::::::::::::::::::::::::::!!::! ゝ '　　／.ィ´ `ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾄ､, ´/　./:::''　 ::::｀Y::::::::::::::::::::::.人::::::// .i!　／　 ´ ;;　　 .ﾞ､

508 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:04:27.32 ID:rs3FrmGi0

　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　
　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　-=ニ　　　　　　　　大将は石虎の模様ッ！！！　　　　　　≦
　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼



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几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几 几
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＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／
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　　　＼　皿　／　　　　　　.＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　 　　　＼ .皿　／　
　　　／　　　.＼　　　　　　 ／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　 ／　　　.＼　　　　　　 ／　　　.＼　




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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 『晋書』『石勒載記』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石季龍が厭次の段匹磾を攻め、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .孔萇が段匹磾の勢力内の諸城を陥落させた
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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509 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:05:03.97 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２１年４月　晋　冀州　厭次】



　　　　.. .　... :. .: .: : : . .: .... ..: : : : : ..　　　　　　　. : : : . ..　 ..　... . .: : : : . . . 　 　 　 　 　 　 ,癶ﾆ癶、　　　 　
　　　　　　　　　　　　　　　.. : : : : : : : : ... ....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 f竺竺竺竺i_ 　　　
　　　　.. . : : : : : : : : : .... ... 　 　 　 　 　 　.. .　... :. .: : : : .. .... ..: : : : : : . .　... ..　 ...　　 　　 {:i:i:i| ﾛ ﾛ ﾛ}〕iト｡,,_＿＿＿
　　.... . : : : . . .　　　　　　_＿__　　　　　　　　　 　 　 　.... .: : : :. . ..　　　._,,.._＿＿__ __,,..ｨi{￣￣￣￣￣}ト｡,_.＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　,癶ﾆﾆ癶、 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..ィ´.;'.;{__＿___ｉ_}竺r‐r{辷ｉ^~¨爻x､,,⌒＼';';';.;'.;'.:.
_,、　　　　　　　　 　 .ｨi三三三｢i:}h､_＿_ 　　 　 　 　 　,,..， ─‐‐;'.;'.;'.;'.;'.;':｢ ﾛ　ﾛ [i:云zzz:辷ｉ.;'.;'.;'.;'.; r‐r‐r‐r‐┐__,,
.:.:.~ﾞ'^'~⌒'ー'';'; 冂__冂__冂__冂]｢ｉ¨¨i二i}_,,,..， ‐─‐' '.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.; i{ﾆ｢辷j＼i￣｀ヽ辷ｉ＿__＿_|:i|＿＿＿|.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'{￣￣￣￣￣i{￣ｉ¨¨i二i}.;'.;': : .;'.;'.;'.;'.;'. ': : : : : . ;'.;'.;'.;'.;'.; └ ､＼辷 i＼_,,..ｨ'⌒￣ｉ_,,..ｲｉ:i| ﾛ ﾛ ﾛ｜.;'.;
.;'.;'.;'.;'. : : : : ;'.;'. {　[]_　[]　 []　i　[ｉ　[i　[i{〕iト｡,.;'. : : '.;'.;'.;'.;'.;': : : : : : ;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'＼}ｉ≫''"　 _,斗*''~￣〔i:i:i|───|;'.;'.;
'~⌒'ー': : ;_＿__j＞' }_}i_＿__ノi]…── ‐〕iト｡,.:￣￣￣￣￣￣ ⌒ﾆ=- _ -=ﾆ⌒_,.斗*''ｉ〔　　　.:.:.:.:.:.:i:i:i|￣￣￣|＿;ﾞ
.;'.;'.: : : :.:/〈￣￣__ｉノ／⌒¨ : :i]＿__＿＿_i:i:i:ｉ:.:. ￣￣￣￣￣¨¨¨¨ ‐───‐‐‐‐=ﾆ⌒ 　　　 .:.:.:.:.:.:i:i:i|_,,..从_,,..x爻
.;'.: : : : :/ .ｲ￣￣￣ {i__,.ｨ⌒ヽi]三三三ｱ¨ヽi:＿_￣ ‐─‐‐:.:.:..　‐─‐‐.:.:.. 　.:.:. 　ｰ─‐‐ ..:.: ＿__,,少'⌒'';'';'';'';'';'';''';'';
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.;'.;'.;'.;'. |＼＼￣￣￣}＼ : : .ノi]:'､';'';'';'';': : '';'';'';'';':'､;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ';'';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ',ﾞ:'､'.;'.;'.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'. |:.:. ＼}ｈ､ ￣ ＼i:＼j_,ノi,ﾞ:'､';'';'';': : : :'ﾞ:'､';'';'',,_';'';'';'';',';'';'';'';''
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.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:i├┐￣i＼＿j}';';';';';';'';'';'';',';ﾞ':､: : : : : : : : : ﾞ:'､';'';' ＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:lﾆニiﾆﾆ|:.:.:|￣| '.;'.;'.;'.;'.;'.;'. <＼ﾞ':､ : : : : : : : : 　　 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:iﾆニiﾆﾆ|:.:.:|⌒i_＿_ '.;'.;'.;'.;' {ｉヽ込'.､..,,_..,,: : : :-=ニ　　　　　石勒軍の姿が見えました！！！　　　　　　≦
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
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　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
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510 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:06:43.91 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　 　 　 　 　 | ニ }∧ ∨{　　　〈　ﾆﾆi　}
　　　　　　　　　　　 -|　ニ,. -='"~￣~"'' =ニ/ / _
　　　　　　 　 ＿／／∨ '": :/ : :/:): : : : }: : ∨(=-=ﾆ＝- _
　　　 　 　 ／//-=／/.: : : : | : :／: : : ／＼: :∨', 　 ゝ///
　 　 　 　 ,|-=_／-=/: : :/: : |／　_ - : ＼: : ＼:V:', 　 ＼ ￣|
　 　 　 　 {//∧-=/: : :/ :∠ - '"V: : : : /}＼＿￣＼　,:へ /　　　　　　　　　　兄上ー。
　 　 　 　 ∨　-=ノ／: {: : :/-ミ: : ∨:.ィﾃﾉ: : /: :i＼　∨: :|
　　　 　 　 /: : : /: /i: :└斗孕ミ､: :∨斗孕ミ} : }: :|:＼<: :[　　　　　　　　　　　出撃しよう
.　　 　 　 /: : : /: /|: |: :∧乂リ　) X" 乂リ /,': :| : |i: :∨: :[
　　　 　 /: : : /: /　|: |: : ∧ 　 　　' 　　　 / : : |: :/∨: ∨∧
　　　　/: : ／: / 　 ∨`''人　　 ー　　v'　　)`'": :|　 ∨: ∨∧
.　　　/:.／: : :/ 　 ＿∨: : : >　　 　 　 　 </: : : /＿　 v: : ＼:. 　　 　 　∨]::::＼...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
　　／'": : : , ' r-={_ 　 ∨∧　　≧　≦　 /: : : /　f─┐　　　　　　　　　 ∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
..／: : : : :／　 {　　 }　　 V∧ ノ.　　　弋/: : : / 　 |_　 ].　　 　　　　　　 __冫／_:.:.:.:.:厂l:.:ｎ:.:.:.:.:.:.＼/:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〔＿只＿_〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.厶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/＼:.:.:.:.:.:.:√｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼／:.:|／/:.:.／:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ﾊ:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:┌く:::/∠_／:.:.:〈/:.:/ ´　　∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}／　ィ禿¬y/:.:.:.ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.八ﾚ＼|{ 弋ツ　　 　 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　ダメ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ ''''　　　　 　 ''' {:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.＼:.:込、 　 - -　　 ｲ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 ﾘ
　　　　　　　あんたの騎兵を失おうものなら、　　　　　　　 　　＼{＼:.:.:.:.:.:.:.:Υ　＞ 　 _,. イ　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
　　　　　　　アタシらの命運は尽きたも同然じゃん　　　　　　　　　　＞-ミ:.:.ﾘ __／〔} 　 _／＼|:.:.:.＿／⌒^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　}/ ∧＿_/Υ｛＿_／＼(　　｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 　 jﾆ{// [廷_] // }ﾆj/　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 人　　　　/ﾆゝ--ｲ⌒ト--くﾆ{　　 　 　 丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }T"⌒7ﾆく＿__」ﾆ八＿__]人　　 __／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 〈/⌒´7ﾆﾆiﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆT爪　｛

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『段匹磾伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段文鴦は城壁に登り、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒軍に臨み見て出撃を欲した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　出撃を許さない段匹磾へ彼は言った
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

511 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:08:31.09 ID:rs3FrmGi0

　　　　　 {｛　＼／{___________／ / }
　　　 　 人__,rく_／￣￣￣｀＼{.ノ
　　 　 く＿__／⌒　 　'⌒＼ 　 ＼
.　　 　 /　/.　 /　｛　　　 　 ＼　 ‘，
　　　　{　 { 　 {　 ﾉ＼ 　 ＼ 　 ＼ ‘.
　　　　{　 { 　 {／ｰ─＼| | | ─　}　}　　　　　　　　　　そうですわ。
　　　　{　 { 　 {ニニニ= | | |====}　}
　　　　}　 { 　 { {　 |り|　　 　 |り|ﾉ　}　　　　　　　　　　段文鴦殿のいない我が軍なんて、
　　　 /　 ,’ 　{　　 ￣　 　 　 ￣{　 }　　　　　　　　　　大谷選手のいないエンゼルスみたいなもの。
.　　 / 　/　　 { 　 し　 ┌┬　　 ） ∧
　　 {　　{　 　 {ﾆ=-　　____,　-=ﾆ}　　}　　　　　　　　　.もう少し我が身を大切に……
　　 {　　{　 ＼{＿／{__／//　___ﾉ　　}
　　 {　　{人/ //}x─‐ｎ//　_／＿人} 　 　 　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 /zニv　　　　　　　　 　 　　 　 　,L_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_LL、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　〈' -ｿ. V　　　　　　　　　　　　/ヽ{: : lヽ 　.l|V 　　　　　　　　　　　　　　　 　γ r.彡V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 .＼:. 　',　　 　 　 　 　 　 　 /ﾆﾆ}ヽ: V　 l:lﾆV　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　` ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 ヽ　ヽ　　　　　　　　　　,':{ﾆ./ﾑ.-7'v＜ヽ:.V　　　　　　　　　　　　　 　, ' 　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 ヽ　ヽ　 ,.斗v　　　 　 ヽ／／:,.{: :.Ｖ: : :.}ヽ 　　　　　　　 ,LL_　　 ／　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 ﾍ　 `く ./ .〉、z≦Y／／:.∠斗:'": :.／､: ＼　　　 　 　/--.､｀ く 　 ,.'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 ,.+ﾍ　.:／メ.....V//./:, ': ／` ｰ-r‐＜/: : :>.､: ﾏ''''7ｵ　./////,＼ `:く
　文鴦の武勇を聞いて、　　　　　　　　　　　 ／／...〉' ／...........ヽ 7/: /: |: /: :/__V: :.V∠: :ﾊヽV､_/ .////////,＼　ヽ
　みんなが文鴦を頼ってくれる。　　　　　　.,' /....／／.....................＞､1: :.V,z芯.､,ｨ＼:ｯ芯ｲ: :}ｨ}}　／//////////,.ヽ　V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 |_レ' ／..........................}.:.:.ﾊV: :〈. 送　￣　 以 〉: :l ",.ｲ/////////////,∧　V
　百姓が略奪されているのに　　　　　　　　｀`＜ _...........................,'.:.:.:.:!:ヽ: :＼　　 　′ 　/: ,1 ,'///////////////,.斗 ┘
　救わないのは男らしくないでしょ？　　　　　　　 .｀` ーr ､....../.:.:.:.:.:}: :.｀T:´、 ｀ 　 ´　/T: |////////,.斗 ― ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 　　 　 |: :.:Ｙ.:.:.:.:.:.:.:ヽ: : :.V :ﾐh､__,. イ-}.!: j//////r ´
　みんなが失望したら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: : : V.:.:.:.:.:.:.:.:.l＼: }　　　{　/l/,|.|:///////j
　二度と誰も文鴦たちのために死んでくれなくなる　　 .,: : : : :V.:.:.:.:.:.:.:.:Vﾉ/__ 　 :辷zﾄ､ヾV//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 　　 ,': : : : :.lV.:._,.斗.彡"l!- ミヽ ／ノヽ.｀`ｰ=_-'-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ./: : : : : ハ.:.￣｀`ヾ､.:l!////,《"//,∧////: ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　/: : : : : /　 V(.:.:.:.:.:.:.:),l!｀ヽ､//}}///∧/V{:/　　　　)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 , ': : : : : /　　 .ゞ､z≠彡.:l!.:.:.:.:＼,}}////,}/ﾊゞ ==≠"

512 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:09:14.04 ID:rs3FrmGi0

　　　　　 {｛　＼／{___________／ / }
　　　 　 人__,rく_／￣￣￣｀＼{.ノ
　　 　 く＿__／⌒　 　'⌒＼ 　 ＼
.　　 　 /　/.　 /　｛　　　 　 ＼　 ‘，
　　　　{　 { 　 {　 ﾉ＼ 　 ＼ 　 ＼ ‘.
　　　　{　 { 　 {／ｰ─＼| | | ─　}　}
　　　　{　 { 　 {ニニニ= | | |====}　}
　　　　}　 { 　 { {　 |り|　　 　 |り|ﾉ　}
　　　 /　 ,’ 　{　　 ￣　 　 　 ￣{　 }
.　　 / 　/　　 { 　 し　 ┌┬　　 ） ∧
　　 {　　{　 　 {ﾆ=-　　____,　-=ﾆ}　　}　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /＼　　　　　 ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト､
　　 {　　{　 ＼{＿／{__／//　___ﾉ　　}　　　　　　　 　 　 　 　 　 <人>＼＿__／:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.＼
　　 {　　{人/ //}x─‐ｎ//　_／＿人} 　　　 　　　　　　　　　　　<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: �Y:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<人>／:.:.:.:.:/:::ﾘ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.｀､:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:｀､:.:人__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,≫―==彡/::/＿／:::/:.:.:.:.〈/:/　∨:.:.:.:.:.:.:|:.√￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く/ ┌―=≦∠＿＿／:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト／}/　　　　∨:.／:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:｀、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ,，‐┬'’:.:.:.:.＼ヽ弋ツ　　　　 '''／:.:.:.:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′ /´　　/:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ﾊ ''' 　　　　　/:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .′　|　　 /:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.込、　 -　　 |:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　 |　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.＞　　イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／}∧:.:.＼_ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀､__／ア┘　　|:.:.:.:.:.:.:._＿／⌒＼ `'ー‐彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　 　 |　 |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ　 ./｀　 ´／|:.:.:.＜/::::/: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　 ├―ﾍ　 ＼:.:.:.:.:.∧.:.::|　 |'⌒У　八(⌒´::::/: : : : : : : : : ﾆ=┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 ∨ﾊ: )／}/: :)／　 |: :/　　　　　 /:::::| : : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 八　　　＿,,. イ}| |: : : : :/└-　 _|厶ﾆ= 　 　 /:::::: | : : : : : : : : : : : :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀￣　　　　　乂＿／|￣￣Y∩Y￣￣＼_/:::::::八: : : : : : : : : :／ 人

513 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:10:22.99 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,､‐--‐　､r‐ 、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 「` ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　　　　　У/＾〉
　　　　 　 　 　 　 　 jI斗─‐､|........＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞'"⌒ヽ　 ,イ､＿__才′
　　　　　　　　　　　/:. 〈￣｀ヽﾄ､........〕＼　 　 　 ＿＿＿＿＿_　 　 　 　 　 　 　 ＞'"ﾆニﾆl　|／　}_ﾉ　 ＼＼
　　　　　　　 　 ト､ ＼_ｿニ７´￣厂{＾''〜ヽ､〔￣￣｀`ヽ､　　了　 　 　 　 　 ＞'"ﾆニニニﾆl　|　　　　　　　＼）
　　　　　　　 　 |....ヽ／:.:.:.:,′:. 人:. ｀＞─=ミ､、　　　　‘, 　(　　　　　 ＞'"二ニ二ニニ二l　|
　　　　　　　 　 |...../:. : :／:: ／ : :}~''┬……‐､ ＼／「⌒〕 　 ） 　 ＞'"ニニニニニニニ二ｌ ﾘ
　　　　　　　ｒ‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ﾊ : :ト､:.:.:.:.:. : ＼ﾄ､ ＼_廴／＞'"二＼＿_人＿人从＿人＿人从／　
.　　　　　　 ﾒi:∨-=彡'"＾＼:: : :厶}ﾊﾉ、 ',:.:.:.:.: : Ｙ:|　＼　　／ニニ　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿　
. 　 　 　 ／i:i:i:i|:. : :| : :ﾄ､ : :｀ヽ､ｲんハ∨:: : :i: : :|.:|　　 )／ニニニニ　）　　　　お前たち！　　　　（ 　
　　　　 ん斗r､|:. : :| : :|ｲ ＞‐‐┘乂ソ ﾘ:.:.:.:.:|ﾊ: }ｲ 　／ニニニニ ￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣　　　
　　 　 人ｉ:ｉ:|⌒|:. : :|:: 坏んﾊ 　 　 _､　'ー‐ｧ'＾ﾘノ' ／二二二二ニ二　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　 ｀¨　人 : :|＼{{､くソ′ ／_r‐〉 　/ : :i/／二二二二二二二二二＞'".:.:.:.:.:.＞==　　
　　　　　　　　　 ＼{:. 小　　 ／ｨ'^　/　 / i／/二ニ二ニ二ニ二ニ二＞'"￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　 　 乂从 ＼ ｀ ｰ‐''´　,/ : :{ /二ニ二 ＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　 　 　 　　　厂∨_＞''"￣厂{:. : :| {ﾆニニニ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　 　 　 |ｉ : :|/　＼　/　∧ : :∨ﾆ二-=ニ　　　　ついて来たい奴だけついて来い！！！　　　≦
　　　　　　　　　 　 　 ﾘ:. /＼_＿Ｙ　　　＼:. ＼ﾆニ二 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　 　 ｒ………==彡 '"∝厂d|⌒ヽ　　　＼:.:.＼ ニ ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　＼ （￣￣　 　 　 / ヘ」()ﾉﾉ　　　 　 ＼:.:.:.:.:.:.￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(~) 　　　　　　　　 　　　　　　　(~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´⌒｀γ. 　　　　　　　　　　　 ,r'´⌒｀γ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:i:i:i:i:i:i:i:i}　　　　　　　　　　　　 {:i:i:i:i:i:i:i:i}
　　　段文鴦様にだけいいカッコはさせませんよ！　　　　　　　∧,,∧（・ω・´） 　 　　　　　　　∧,,∧（・ω・´）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　・　・　Ｏニ)< > 　 　　　　　　　・　・　Ｏニ)< >
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. /　　 ノ lﾐL, (ヾヾ 　 　 　　　　./　　 ノ lﾐL, (ヾヾ 　 　 　
　　　　　　　　厭次がダメになるかならないかなんだ！　　　(o_o,ｲ 　 ヾ´|(__) ,)~⌒）彡　　 .(o_o,ｲ 　 ヾ´|(__) ,)~⌒）彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,)　 　 ヾ| |￣ノl　,) 　 　　　　　 ,)　 　 ヾ| |￣ノl　,) 　
　　　　　　　　やってみる価値ありますぜ！！　　　　　　　 ヾ_ / /~ヾ ,)'''''''~ヾヾ＼ヾ　　　 ヾ_ / /~ヾ ,)'''''''~ヾヾ＼ヾ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ,)ヾニﾌ|_|　　　(_/　(_ヾ　　　　ヾ,)ヾニﾌ|_|　　　(_/　(_ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 (_ヾ 　　　　　　　　　 　　　　 　 (_ヾ 　　　　　　　

514 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:11:05.69 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,､‐--‐　､r‐ 、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 「` ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　　　　　У/＾〉
　　　　 　 　 　 　 　 jI斗─‐､|........＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞'"⌒ヽ　 ,イ､＿__才′
　　　　　　　　　　　/:. 〈￣｀ヽﾄ､........〕＼　 　 　 ＿＿＿＿＿_　 　 　 　 　 　 　 ＞'"ﾆニﾆl　|／　}_ﾉ　 ＼＼
　　　　　　　 　 ト､ ＼_ｿニ７´￣厂{＾''〜ヽ､〔￣￣｀`ヽ､　　了　 　 　 　 　 ＞'"ﾆニニニﾆl　|　　　　　　　＼）
　　　　　　　 　 |....ヽ／:.:.:.:,′:. 人:. ｀＞─=ミ､、　　　　‘, 　(　　　　　 ＞'"二ニ二ニニ二l　|　　　　　 　 　 ,､
　　　　　　　 　 |...../:. : :／:: ／ : :}~''┬……‐､ ＼／「⌒〕 　 ） 　 ＞'"ニニニニニニニ二ｌ ﾘ　　　　　 　 ／.:.:.
　　　　　　　ｒ‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ﾊ : :ト､:.:.:.:.:. : ＼ﾄ､ ＼_廴／＞'"二ニ二ニ二ニ二ニニﾆl/　 　 　 　 ／.:.:.:., '
.　　　　　　 ﾒi:∨-=彡'"＾＼:: : :厶}ﾊﾉ、 ',:.:.:.:.: : Ｙ:|　＼　　／ニニニニニニニニニニニ／　 　　　 ／.:.:.:.:／　
. 　 　 　 ／i:i:i:i|:. : :| : :ﾄ､ : :｀ヽ､ｲんハ∨:: : :i: : :|.:|　　 )／ニニニニニニニニニニニ／　 　 　　／.:.:.:.:／　　　
　　　　 ん斗r､|:. : :| : :|ｲ ＞‐‐┘乂ソ ﾘ:.:.:.:.:|ﾊ: }ｲ 　／ニニニニニニニニニニニ／　　　 　 ／.:.:.:.:／
　　 　 人ｉ:ｉ:|⌒|:. : :|:: 坏んﾊ 　 　 _､　'ー‐ｧ'＾ﾘノ' ／二二二二ニ二ニ二二二, ヘ､　 　 　 ／.:.:.:.:／　　
　　　　　 ｀¨　人 : :|＼{{､くソ′ ／_r‐〉 　/ : :i/／二二二二二二二二二＞'".:.:.:.:.:.＞==＜＿__彡'′　
　　　　　　　　　 ＼{:. 小　　 ／ｨ'^　/　 / i／/二ニ二ニ二ニ二ニ二＞'"￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　 　 乂从 ＼ ｀ ｰ‐''´　,/ : :{ /二ニ二ニ二ニ二ニﾆ／　　　
　　　　　　 　 　 　　　厂∨_＞''"￣厂{:. : :| {ﾆニニニニニニニニ/　　　　
　　　　　　　　　 　 　 |ｉ : :|/　＼　/　∧ : :∨ﾆ二二ニ二ニ二ニ/
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　　　 　 ｒ………==彡 '"∝厂d|⌒ヽ　　　＼:.:.＼ ニニニニﾆ/　　 　 　 ⌒＼＼
　　　　　＼ （￣￣　 　 　 / ヘ」()ﾉﾉ　　　 　 ＼:.:.:.:.:.:.￣￣｀ヽ　　　　　　　　 |.:.:|
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　　　　乂_　　し'" 　 　 ＼＿,ﾉ 　　　　　　　　　　　　　7 √~"''〜､、　　_､丶｀.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:`､　　
.　　　　　　　 φ ／　　　}７フ'⌒ヽ　　　 　 　 　 　 　 / /　　　　 　 ｀`く、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.∨　
. 　 　 　 　 ,メ{ rﾍ ／　 厶/ 　 　 }L 　 　 　 　 　 ＿/ /＿＿＿＿　　　 ＼.:.:.:.:.:.:.:,､丶`^¨¨¨¨~^ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
　　　 ┌‐く　∧ゝ'′__ノl　{　　 　从 ＼　_､＜l｢二二二二二二二二ﾆ〕ｈ､　ヽ彡'"　　　　 　 　 　 ∨.:.:.:.:.:.:.:.}　
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　　　　　　　　　|二|　　　　 　 　 ／ニニ_＜￣￣￣￣￣￣￣￣`ヽ二ニニ二∨}!　　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:/　　
　　　　　　　＿人ﾆ|　 　 　 　 ／二二／_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_∨...￣＾＼ニ|!　　＿__ 　 　 ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.{　　

515 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:12:23.66 ID:rs3FrmGi0

　　　　.. .　... :. .: .: : : . .: .... ..: : : : : ..　　　　　　　. : : : . ..　 ..　... . .: : : : . . . 　 　 　 　 　 　 ,癶ﾆ癶、　　　 　
　　　　　　　　　　　　　　　.. : : : : : : : : ... ....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 f竺竺竺竺i_ 　　　
　　　　.. . : : : : : : : : : .... ... 　 　 　 　 　 　.. .　... :. .: : : : .. .... ..: : : : : : . .　... ..　 ...　　 　　 {:i:i:i| ﾛ ﾛ ﾛ}〕iト｡,,_＿＿＿
　　.... . : : : . . .　　　　　　_＿__　　　　　　　　　 　 　 　.... .: : : :. . ..　　　._,,.._＿＿__ __,,..ｨi{￣￣￣￣￣}ト｡,_.＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　,癶ﾆﾆ癶、 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..ィ´.;'.;{__＿___ｉ_}竺r‐r{辷ｉ^~¨爻x､,,⌒＼';';';.;'.;'.:.
_,、　　　　　　　　 　 .ｨi三三三｢i:}h､_＿_ 　　 　 　 　 　,,..， ─‐‐;'.;'.;'.;'.;'.;':｢ ﾛ　ﾛ [i:云zzz:辷ｉ.;'.;'.;'.;'.; r‐r‐r‐r‐┐__,,
.:.:.~ﾞ'^'~⌒'ー'';'; 冂__冂__冂__冂]｢ｉ¨¨i二i}_,,,..， ‐─‐' '.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.; i{ﾆ｢辷j＼i￣｀ヽ辷ｉ＿__＿_|:i|＿＿＿|.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'{￣￣￣￣￣i{￣ｉ¨¨i二i}.;'.;': : .;'.;'.;'.;'.;'. ': : : : : . ;'.;'.;'.;'.;'.; └ ､＼辷 i＼_,,..ｨ'⌒￣ｉ_,,..ｲｉ:i| ﾛ ﾛ ﾛ｜.;'.;
.;'.;'.;'.;'. : : : : ;'.;'. {　[]_　[]　 []　i　[ｉ　[i　[i{〕iト｡,.;'. : : '.;'.;'.;'.;'.;': : : : : : ;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'＼}ｉ≫''"　 _,斗*''~￣〔i:i:i|───|;'.;'.;
'~⌒'ー': : ;_＿__j＞' }_}i_＿__ノi]…── ‐〕iト｡,.:￣￣￣￣￣￣ ⌒ﾆ=- _ -=ﾆ⌒_,.斗*''ｉ〔　　　.:.:.:.:.:.:i:i:i|￣￣￣|＿;ﾞ
.;'.;'.: : : :.:/〈￣￣__ｉノ／⌒¨ : :i]＿__＿＿_i:i:i:ｉ:.:. ￣￣￣￣￣¨¨¨¨ ‐───‐‐‐‐=ﾆ⌒ 　　　 .:.:.:.:.:.:i:i:i|_,,..从_,,..x爻
.;'.: : : : :/ .ｲ￣￣￣ {i__,.ｨ⌒ヽi]三三三ｱ¨ヽi:＿_￣ ‐─‐‐:.:.:..　‐─‐‐.:.:.. 　.:.:. 　ｰ─‐‐ ..:.: ＿__,,少'⌒'';'';'';'';'';'';''';'';
.;'.;'.;'.;'. i冖ｉ ￣￣￣ {i: : : : : : :i]三ﾉ￣¨;': :;'.;'.;'.;';'爻x､_,,＿___＿_,,..,,_.:._:.:._,,x_,,_.:_＿＿_,,.､丶´.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'
.;'.;'.;'.;'. |＼＼￣￣￣}＼ : : .ノi]:'､';'';'';'';': : '';'';'';'';':'､;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ';'';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ',ﾞ:'､'.;'.;'.;'.;'.
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.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:lﾆニiﾆﾆ|:.:.:|￣| '.;'.;'.;'.;'.;'.;'. <＼ﾞ':､ : : : : : : : 　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:iﾆニiﾆﾆ|:.:.:|⌒i_＿_ '.;'.;'.;'.;' {ｉヽ込'.､..,,_..,,: : :-=ニ　　　　　　　　文鴦についてこーい！！！　　　　　≦
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　おうッ！！！　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

516 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:14:50.48 ID:rs3FrmGi0

　 　　　　　　　　　＿__　
　 　　　　/　　　 / ））））
　 　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ
　 　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|
　 　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　　　　　　　　　.大変です！
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／　　　　
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　　　　　　　段文鴦が数十騎を率いて攻めて来ました！！
　　　　　　　　　　ﾉ　　　 　　／>　>　
　 　　　　 　　　/　 　　　／　6三ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'　
　　　　　　　気を引き締めろ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 };lヾ;;j　￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ
　　　　　　　数十騎といえど、相手はあの段文鴦。　　　　　　　　　　　　 　　7;;;;|',　 　 =､j,. 　 /仆､　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　 　 　 ゞ;|:ヽ 　 ,:ニ>　/:: ﾚ ｿ＼,.､- ' "´;;￣::
　　　　　　　恐らく、今天下で一番強い男だ　　　　　　　　　　　　　　　　"￣＞.ﾆﾄ､:＼` "''　/／／,r／:::::::_,..､'''　..,,　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :;/::;;;{!　`ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/　" ヽ､.　ﾘ'"　　,､_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､　(∴,､-''"　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段文鴦は壮士数十騎と共に出撃した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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517 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:16:47.74 ID:rs3FrmGi0

　　　　　 　 　 　 　 　 上.._/: : : : : : : : : : : : : /ﾊ＿＿／ﾆ]: : : : : : ｀、
　　　　　　　　　　　／: : : : ＼ : : : : : : : : ┌<.／|ﾆﾆﾆﾆﾆ∧: : : : : : : .
.　　　　　 　 　 　 /: : : :ｘﾍ: : : : : : : : : : : : |￣　人ﾆﾆ/ﾆ/: :丶: : : : : : :.
　　　　　　　　　 /: : : /ﾆﾆ.＼: : : : :'"~￣｀丶、　　＼＿.|: : : ﾊ: : : : : : :i　　　　　 ／: : :
　 　 　 　 　 　 /: : : / : ＼ﾆﾆ＼＿ﾍ: : : : : : : ＼　／ ＿＞: : |: : : : : : :|　　　 ／: : : : :
　　　　　　　　 : : : :/ : : /: :＼＿ﾆﾆ ∨: : : : : : : :＼／＿＿__√ : : : : : |　 .／:　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　 　 　 　 　 | : Ν＼∧ : : : : : Т￣∨: : : : : : : : :＼ﾆﾆﾆﾆ/＼: : : : : |／: : :　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　 　 　 　 　 |: :.|: : :r¬ミ: : : : :人: : : ∨: : : : : : : : : :∨￣/ﾆ／: : : : : |: : : : :　　）　　　　　王安ッ！　　　　（
　　 　 　 　 　 ∨:|: : {{ j�G∨ : /　 ヽ:._ノ∨: : : : : : : : : ∨:/ﾆ〈: : : : : : : :_,,:ﾆ=￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　 　 �Y: : : j弋ﾝ |／　 ｰ≦z_: :|: : : : : : : : : : :∨_Ξ＼＿__／::::::::::::　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　　　　　 ∨: : {　　　　　　⌒�G､刈: : : : : : : : : : : :∨ﾆ=-く_)ΞﾆΞ＿__:::::::::::::::::I |
　 　 　 　 　 　 　 ∨从　　,　　　　弋少　}} 、 : : : : : : : : : ｀、　　 ￣＼:∨￣∨ﾆ_::::::::┴|
　　　　　　　　　　　＼∧ 、 　 　 　 　 　 /: ｀、 : : : : : : : : : ｀、　　　　 ∨＼/　 ⌒ﾆ=-　　　　あの青いのを
　　　 　 　 　 　 　 　 冫丶　ー∋　　　 /: : :∧: : : : : : : : : ∧|　　　　　 ∨ ∧＼　　　　　　　 殺せばいいんだよね！
　　　　 　 　 　 　 　 /::/:::)＼＿__,,..　イ厶／|::::＼: : : : : : : |　　　　　　　//　 |:::::＼
　　　　　　　　　　　/::/:::::)　　 |　　　　∧　　∨:::::＼: : : : : |　　　 　 /／/　 /＿_／
　 　 ┌―-. ._　　 j:::/::::ﾉ　　　|　　　 ,′:＼　∨:::／＼＿_八＼ 　 // ./　 /::∨
　　　 ∨　 : : :＼　|::|:::::)　　　/　　　 |―ｧ:::::＼∨　　　　　 　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
.　　 　 丶 　 : : : ＼:|::::::∨　/　　 　 .| .厶＿__::丶、　 　 　 　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　 ｀､ ＼: : : : ＼::::∨|￣￣＼ |＿＿＿＿ 　＼　　　 ≧　　　　段文鴦は絶対に生け捕りにしろ！！　　　　ニ=-
　　　　　 　 ＼ 丶: : : : :＼�Y/￣ ＼ﾊ/　　//　 ￣￣_＞ｘ　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦ 　
　　　　　　　　 ＼ ＼: : : : :＼―-ミ ﾉ/　　// 　 ./￣::::::::::::: ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼＼
.　　　　　 　 　 　 ＼丶ｘヘ斗┘　 ＼＿ //_,,. -┴ﾍ::::::::::::::::::::＼_／/::/　　 　 　 ｀、 　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 Υ　 (_　　　　　　　∨∧　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　 　 ｀、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼_　 　 　 ＿|__,,上¬¬＿二ﾆ=-＜⌒｢　　　　　　　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀¨¨´`マ_〉:::::::::::::::::／　　 　 　 　 　 ∨ 　________／　/┣¨┣¨┣¨┣¨

518 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:19:06.82 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿_＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 -＝二￣ 　 　 　 　 　 　 rｰ'''"￣
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　　　　　　　　　　　　 : -..、　 　 　 　 　 　 ﾞ''ｰ､、　　 　 　 ゝ
　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　　　｀''-..、　　　　　　　　 　'.-､　　　　 . ＼
＜　　　雑魚は邪魔ッ！！　　　＞　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 `'-.. ＼ ,　　　 .、　　　　｀'-、　　　　 ﾞ'-、
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀''-､ﾞ''-､.　ﾞ.ｌ'､　　　　　｀'､.　　　　　｀'-､
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'-､｀'ｰゝ.＼,　　　　 .＼　　　　　　｀'-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀''-、　　.＼　　 .'､　ヽ　　　　 .广ｰﾆ'-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''-、　 .＼　 ﾞｌ!､ ｌ　　　　 . ｌ　　　 .｀''-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　＼　!ヽ|　　 i-､　..ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀┘.|　　 l.|l,＼　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 /　　 .ｌ! ｌ,　＼l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀‐/　　　 l　.ｌ　　" l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　　　　ｌ　.ｌ,　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　　　　 i〈l　 ｌ.　 il′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 ,i''､　.| 　　 .ｌ /.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/ 　.ｌ　! 　　 .｀　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼、　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　 ./ 　　 .ｌ.!　ｌ.　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　｀'ﾐ'- ,,、　 　 　 　 　 　 ,／　　　　　/ 　　　 　　 !　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　｀ﾞ'ｰ ..,_　　 . ／ 　　　 .,..-'､/　　　　　　　,!　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 , ／ 　　　 . ／ 　　｢　　　　　　　/ 　　 .|　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'...-'" . ,.. ‐'>..／　ー- ....,,,＿____,,,,.. ‐"　　 　 ﾌ//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _..-'"゛ .,..-'"、 .,/‐､　　　 　 　 　 　 　 　 　＿＿＿_＝─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 _..-'"´　._..-'″　 `'ゝ'’　　｀'-､, '!ﾐ'''ｰ　,,_　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 　 　 _,, -'"´ -''ｺｼ'"　　　　　　　 　 　 　 　 ｀''.ｌｉi、　 .｀ﾞ'''ｰ ..,,_.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 ''''"゛　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀　　　　　　 .｀ﾞ'''!ﾍ

519 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:19:52.72 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　 」´￣￣｀`ー-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 ＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽ ヾ ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; 　.　　　　
　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:
　　　　　　 ヽ 「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣　
　＼＿_人＿人从＿人＿人从／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l:::::::＼　 　 _＿＿/::::::::}
　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::::;へ｀: : : : : :／;へ:::/⌒ヽ
　　）　　　　郭黒略ッ！！　　（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ/: :, --――､: : : : ヽ:＼: :∨
￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : ﾚ―――∧: : : : :ﾄ､_ヽ: ∨
　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : /{: : : : /{: :∧: : : :.lーｦ: :.∨
　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :/u ＼／　＼_∧: : : l: : l: : : ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .l: : :l　 ノ　　　 ヽ、 ∧: : l: :.l＼: : ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l: : :l　＞　　　＜ 　 ∧: ｌ: :ﾄ､　ヽ: :ゝ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚ'⌒了u ,-ー､uと⌒ヽY: :l　＼　ゝ-､:∨
　　　　　　　　　　　　　うええぇぇ〜んっ！！　　　　　　　　　　　　　 .{ヽ::::::ﾄ､u ヽ　ﾉ　 ゝ:::::::〉ノ　 　 ＼ 　 ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈｀ミｲ}　＞--- t--ｰ 〕ﾆl￣} 　 　 ∨　 ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ::∠＿＿ 　 ::l ::　 :[:::::::::ﾉ　/　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ::l ::　 ::lﾆ二__ノ　　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 }　 ::l ::＿::}::　　　　　　,,..._〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ヾ::::::＞'￣￣￣ヽ::::}＼ ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　 /　 　 　　　Y　 　 　 　 　 };イ､: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ、 　 　 　 {　　 　 　 ＿ノ::::ヽ、｀ー―― ､}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ｰ――'´｀ー―――''￣￣　　　　　　　ﾘ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　非常に多くの胡人を殺害したという
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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520 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:21:51.23 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ﾆ＼　／ : ﾉ: : : : : ﾄ､: : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ニ〉У: ／ : : : : : / : ＼: : : : : Y⌒＼ー=ミｰ―┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂／l／: : : : : : : ヘ : : : ｀:ｰ―=ミ_／{ ヽ 　 ):.:⌒>
　　　　　　 　 　 r∩┐　 　 　 　 /＜ : : : : : : イ: ﾊ: : :丁￣￣￣｀ヽ : ＼}_／＼/
　 　 　 　 　 　 ｢| | |｜　　　　　/　⌒ヽ￣ ＼ : / ,j : : ﾊ: : : : : :|: : :}ノ: : : : : : : :＼　　　　　　　お前になら、
.　　　　　 　 　 l | | |｜　 　 　 ｲ../: : ∧＼ : : ＼ｨf示ミx}: : : : : |: :人＼: : : : : : : : :＼　　　　　.首をやってもいいかも！
　　　　　　　　 ′　　「 } 　 ／.:{..{人 {,z=ミ＼{⌒ 乂り　/: : : : : | : : :}＼＼: : : : : : : : :ヽ　
　　 　 　 　 　 i　 　 ´　|_　{:.:.:.∧!: : :|{乂ﾘ　　　　 　 ／ : : : : : :|: : / 　 ＼＼: : : : : : : :‘,　　　 獲れるならね！！
　　　　　　 ／:|　　 }　 ﾉ:.}　￣7: |: : :ゝ　　′　　＿_ ＼: : : : : :/: ｨ　 　 　 ＼＼: : : : : : ‘,　
　　　 　 ／(:.:人　　／.:.:.ﾊ　 /: 八: : : : > 　 F　〜ｰﾉ　 ７ヽ／´―‐ヘ　　 　 ＼＼: : : : : :＼
　 　 　 ｛:.:.:.:￣￣.:.:.:.:／　|　′: : {＼_/ ゝ　　ー‐＿＿,/: : :/　　 /　　 ＼　　　 ＼＼: : : : : :｀ ー――=ミ
　　　 ／＼:.:.:.:.:.:.:. ィ　　　|　| : : : ト､: : :{／´{ {:.:.{　　 く: : : ＼＞'　　　　　＼＿ ..　-―――- ､ : : : : : : : :＼
.　　 /　　　￣￣´　 　　　|　| : : : |　У: 〉:.:.∧ :.:.V　　//＞ :,:｀ ー―＜⌒´　　　　　　　　　　　＼――- 、:
　　｜　　 　 　 　 　 　 　 }　{ : : : { /: :/＼:.:.:.:＼､:＼//〈_r＿＞――┬ ＼　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　＼
　　｜ 　 　 　 　 　 　 　 /⌒＼―/: :/′:.:＼f!:.:.Y:.:.} {　[X]　 　 　 　 |: : : :}　　　　　　　　　　　　　　＼
　　｜　　　　　　　　 　 /　 　 　 /: :/ |:.:.:.:.:.:[X]:. { V ﾉ　　　　　　　　｜: : /　　　　　　　 }　　　 　 　 　 ヽ
　　｜ 　 　 　 　 　 　 /　　　　 /: :/　|＼:.:.:.:.:.:.:.: ヽ ｰ――‐γ⌒ヽ.､ﾉ : : {　 ⌒＼　 　 /　　　　 　 　 　 |
　　｜ 　 　 　 　 　 ／}　　　　 {: : ﾍ　|＼/⌒ヽ:.:.:.:} ｢￣￣￣乂＿ﾉ〉:.〉: : :{＿＿): }　　/´　　　　 　 　 　 |
　　｜　　　　　　　　 /　　 　 　 ＼: ＼:.:人＿ﾉ､:.://.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / /.:/＼: :｀: : : :／ ,／　 　 　 　 　 　 　 j
　　｜　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: ＼:.:.:.:.＼＼:.:.: ＿＿＿_/ /.:/　　 ￣￣､　／＼　 　 　 　 　 　 ／:}
　　人　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼: ＼:.:.:// ／{　 ＼ ｀ヽ ＼′　　 　 　 ∨　 　 ＼　　　　　 ／.:／
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　 |:.:.:): : ﾉ //:/　∧　　‘， ‘,　‘,　　　　　 　 ＼　　 　｀ヽー一.:.:.／＼
　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　　.|／ イγ⌒＼　　＼｡　} ｡∧__j　　　　　　　　 ＼　　　　｀ ｰ＜　　　}
＜　　　　　ほざくな！！　　　　　＞　　|:.:.:.:.:.:人　 　 ｀　＿ﾉ　ﾉ ｲ　}　　　　　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 ヽ)､i リ
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　 　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　　　 -=ニ　　　　　　今の俺は昔の俺ではないぞ！！！　　　≦
　　　　　　　　　　　 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　　　　 　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

521 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:22:28.77 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::..'''::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､;;　'､- '' """;;''' ､　　　　　　　　　　　　　　　.::: ,ry'''i／）::
　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　ヽ　　　　　　　　　　　　　　r'Y　ﾉ./ｰ,'　::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|,";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',,　　　　　　　　　　　　　ノ''ﾘ ﾉ ,,r ::'' ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,i)i)i）､;;;i　　　　　　　　　　　　　　{ ~j .ﾘ__ i　,,'~'i ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､.　!　Vl　|itttt､;;;;tzｯｰ''")ﾟ｡彳i　　　　　　　　　　　　　 | ｰ',,"-ｰ't（　 ', ::
　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ|　〃,r|';,ﾐi､､､,ij,t-ｰ彡〈ﾟ〈;;;t-　　　　　　:　　　 　　　}　　,､ ''~　 / ::
　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　,.ィ´ヽ ﾉ／ /;/|ﾆ'tiT而|円同|;|| /"'ヽ' ､;;;;i　　　　　　　　　 /'i／）ヽ'"　 r' ::
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　' ﾄ､, ´/　./:::'i ;r't､i.|||.|;|t;||;|/ﾐi i',､-;;）'ヽ,|　　　　　　　 ,､-'./ｰ,':::::　 ／ ::
　　　　　　　　　　　 　　　　　 ,,､-'"ﾂ:::~V.:.:.i　 / ,::t|ﾚ｀''t-''tt'-'"　)"));;/;;|　,t|,､-'),､-―､／'ﾘ ﾉ ,,r:::　／ ::
　　　　　　　　　　　　　,､ '´;:;:;:;:;:;:j::::::::ヽ,三=::;ヽ　:::::　:'''''''":::''::: :::ﾘ;;;;ヽ"::ヽ　,ry'''i／） ~j .ﾘ__ i　,'~'i ::
　　　　　　　　　　　　　:''ﾞ""´:;:;:;:;:,,ノ:,~ｰ､ ,､ｰ､　,i;;｀'､;;;;,､､､､ , -､　,ｰ､;;;;;;|ir ,r'Y　ﾉ./ｰ,''. ｰ',,"-ｰ't,i 　i ::
　　　　　　　, ｰ､ ,,､ｰ､'''ﾞ"";:;:::r'''i　 /､,,,ﾉ/､,　ﾉ:::::,,､ ､;;r'~'i　/､,,,ﾉ/､, /~）ﾘ ,' ,ノ''ﾘ ﾉ ,,r~''"}　:::,､ ''~　/ ::
　　　r'''i　 /､,,,ﾉ/､,　ﾉ:::::,,､ ､:j ;;ｲ. /,,, //,　,r",､ '~　ノ;;j ;;ｲ./,,, //,　/,､/;/ i ｰ{ ~j .ﾘ__ i　,'~'i ／::::　r' ::　　r''ヽ
　　 j ;;ｲ. /,,, //,　,r",､ '~　ノ:i､,-tj r'''ﾚ::~'/,r'"､,､ '";;;;;j､-tj r'''ﾚ::~'/　/;ﾉ'=i -' ｰ',,"-ｰ't,i 　',､ ,､-'" r''ヽr''ヽ（ ヽ
　　 i､,-tj r'''ﾚ::~'/,r'"､,､ '"::::,〉ｰ'　ｰ'' 二,,,,,,'ｰﾘ ｰ（､,,,,iｰ'　ｰ'' 二,,,,,,（~ ヽ,,ﾉ ~''"}　　,､ ''~　/''";;; ,,ti''ヽr''ヽ,　ヽ
　　 ,〉ｰ'　ｰ'' 二,,,,,,'ｰﾘ　　:::::j ~'''''''""　 ,,,､-~ﾉ　　　　j ~''''''""　,,,､-ｲヽ ''||　　 ヽ ／　　 r'::::::, '（　. '､ ''t,, ', r ､',
　,r"j ~'''''''""　 ,,,､-~ヽ ::::::::/:::　　:::::~'''~　　 ヽ-("~,)/:::　　::::~''~　　t　／､（:､,,,,ｿ､､ ,､-"::,､ '"　 ヽｰ',〉-.〉　|.| .i
,､"'/:::　　:::::~'''~　　　ｱ~'Y'"~_,) ）,,;;;; ,,,;;;　　,',,,,､ｰ'"　　　t,,;;;; ,,;;;　,,､ '"'､;;;;｀''ｰｰ,､-'":::,,､ "_､,'''' ､ {ｰ ''ｰ t,,,,ii'ｰ|:
: 从;;;;;;;;,,,,,,,;;;; ,,,;;;　　,',,,,､､ｰ'"~'ｰ-- ｰｦ''''ヲｰ'i　::::~'ｰ-- ｰｦ''''ヲ'"　'､,,,,,,　,､-ｰ'"::::::,､'"　 (　 ' ､,,,､''~ ~'''''ｰ､　　:
:ヽミ;;｀'''ｰ--- ｰｦ''''",('''"（~'ｰ---ｰ''''"-'"从:::' ､;;;;;;r､;;;;;; ､-'"'ｰ ､~'''''',､ '":::::::::::,､ '"　　　 ｀'-､

522 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:23:03.04 ID:rs3FrmGi0

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523 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:26:17.94 ID:rs3FrmGi0

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　趙　.|　　　　┌─┐　　|　石　 |　　　　　　　 .|　趙　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
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524 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:26:55.26 ID:rs3FrmGi0

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　　　　. 　┌─┐　　　　　|　趙　.|　　　　┌─┐　　|　石　 |　　　　　　　 .|　趙　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
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∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
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幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

　　　　1!　 　 |　　　　 i
　　　　i|l＿＿il＿＿＿i!　　　 | 　 　 i　　 　 |　　　｜　 　　　 l|
　　　　l|　　＿＿_　 　l|i 　 　 |!＿＿il＿l!＿|i　　　 l|＿＿i!＿l|i　　　 l!　　　 !　 |
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　　　　i|＿l|!　 　 i|ｌ　 |l　　　　￣￣￣￣l|　l|　　　 ￣￣￣｀i|_li　　　 ー＝===, /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　(~) 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ,r'´⌒｀γ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 {:i:i:i:i:i:i:i:i}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　∧,,∧（・ω・´） 　 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　段文鴦様！　　　　　　　　　　 ・　・　Ｏニ)< > 　 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　./　　 ノ lﾐL, (ヾヾ 　 　 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .(o_o,ｲ 　 ヾ´|(__) ,)~⌒）彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ,)　 　 ヾ| |￣ノl　,) 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ_ / /~ヾ ,)'''''''~ヾヾ＼ヾ　ﾖﾛﾖﾛ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　ヾ,)ヾニﾌ|_|　　　(_/　(_ヾ
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525 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:30:05.02 ID:rs3FrmGi0

【AAはイメージです】

＜:｀`〜｡、　　　　　:|::.　　 　 　 ＼; ;.|; ; ; ; |ﾆヽ,':.{; Y"´L_L/ﾆﾆl!::::::＼　　Y　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
//,｀`〜｡､:｀丶､　　.:|::.　　 　　 　 .:`'.V; ;, -lﾆﾆ{: :乂'"´: : : {!ﾆﾆl:l＜⌒ー=へ　　　　　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
.｀`〜､、//｀丶､｀丶.j::.　　　　　　　　::Y＿__Vニ＞-:｀: :.､: ┴.､ﾆl:}.　｀`〜､//}V~Y　 　　）　　　　馬の脚が！！　　（
　　　 　｀` ｰ､ﾆニ二､｀丶､　　　　　.:r/ :}　　 >':／: : : : : ヽ: ､: ヽﾑ:.　 　 , -ミ7l /　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　 ｀`〜､/｀丶､｀丶､　. ::Ｎ__,V　/,ｨ!: : l: : : /: : }: :V: :V　 　 /､__{/ |'　　 　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　　　　　　　　 ｀`〜､｀丶､`'＜　/:,>'":__L,斗:＜: : ノヽ:.}: : :V-- ': :|　　 .}ミ　　　　　　　　　　　　　　　　ｸﾞｼｬ!!
　　　　　　　　　　 　 　　 　 |｀`〜ミ〜／:,ｨ''':.＼＿＿,. イ､: : :`'＜:.}: : : : :l　　 /　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　＿＿l ､ ヽ: V,.{: :./:!: : :|: :V: V:.メ／＞┬--ミY: : : !-.イ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　 {///,.〈 fl｀ゞr.ﾆ,^ヾ:l:!: : :|:＜ヽヽ ´ォ廻了: l: :|:)': : : :|.......V　　＼
　　　　　　　　　　　 　`┬― ゞ>-ｱ /: : :.l: ＼:.ヽ|＼'ヾ.ｪｪｫ_ij/: メ:.:ll.l: : : : :V....i...V　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　,:'ｱTT ´　　 {: : : :.!: : | ヾ. 　 `T T ~.ｱ／: :./l!.V: : : :.V/...ﾉ　　 }　　　　　　　はぁ、はァ……
　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀`〜､
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{_.ﾉ:!..... l!...........＼: : : V .: }: : : : : ＼
　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.廴_/....... l!........../　ヽ: : :Vｲ＜: : : : :
　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　.|///!　　　./. |: :./ j: jｱ｢｢／{: {.....{__｣.|...........l..........,'　　.ﾊ: : :V　　＼: : : :
　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : :
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　　.|/／／ア.............,.�j‐=≦´|　 r:V　 l....................../　　/: : :/..................＼; ; ;Y
　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡、..........ヽ:{{⌒ヽ、
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　{｀ヽ、.....｀W`＜_＼
,ｲ//:,ｲ　　　　　 ,.斗:＜　　V: ﾏ＞- イ .,ｲ,ｲ　　|//,1　 　 　 　ﾊ u　　ﾍ_ry !: :.{ 　　 ヾ　 `ー＜￣`　 　 ￣｀`ヽ、
/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
　　　　　　w从从　　　,..(_,从'): :.〉　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlｰr.予'''"　): : )　　　　　　 　 ｀ ー-ゝ从　　メ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　 やがて、彼らの馬が疲弊したのか、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　伏せて起き上がれなくなってしまった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .鮮卑段部の重装騎兵が長時間の戦闘に耐えられなかったと思われる
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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526 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:34:00.87 ID:rs3FrmGi0

　　 　 　 　 　 　 ｌ､　　　　　　　　　　l !　 / /:::::::::.! 　::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.!　　　　　　　 /.!
　 　 　 　 　 　 　 ｌ.ヽ 　 　 　 　 __　.|　!　|: ":::::::::.l :::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.il,　　　　　　 ./ |
　　　　　　　　　　 ﾞl, ヽ　　 ,,--'/-ﾐ'.ｌ　.! .l,,v、..:::: !:::::::: ,,.:,.v-､ ;;;;; l│　　　　　 /　!　　　　　.馬がへばったのか。
　　　　　　　　　　　..ｌ　 ｌ_／ｙ'".!　 !:::ヽ,| l´.;,irﾐ;;-.....ニ=:ヘ.;;' | :;;;; ! .l､　　　　 /　 |
　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ...! lﾞ .|　 ＼..ﾌ;;;;;.ﾞ'{:...;.ｌ.-･ ｴ; |∠･- !';;;;;:l;:;;; !　l;:ヽ,　　 /　　!　　　　　 そりゃあんだけ重武装じゃな。
　　　　　　　　　　　　 / |＿_ﾞ''-ｨ'".;;;;;;;;::;: ｌ.ｌ.;;;゛￣.;.ﾞﾞ￣ﾞﾞ´..;;;; / ;;:.l　 .!;;;;〉　 /　　 !
　　　　　　　　　　　,,-彳 . |,､´"..::: 　 ;;;.,／l ::.:. _ｌ'.!:/i;;;i''i |ﾞ.!　|;:;;;.l　　lwﾆ.. /　　 .lﾞ　　　　　. 騎兵の数が少ないから
　　　　　　._..――┴-ﾆ;=__,;!.:.:;: ;;.;;;....:/ﾞ;:;:;:;::ﾞ''ﾐ/::|.|;;.V;;.ﾘ;;.|　l.:;:;,i　　.|::::::: : ﾞ'ｰ-'¬ ､ ／　　.こっち上手くが粘れた感じだが
　　　　,,-',ﾞ,, -''''￣ﾞﾞﾞ''''''ｰ-..,,_.｀‐-､_::/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::｀''〈ニ=..,_.ｌ,,iゞ゛:ヽ,__, !::::::::::: ::::::::;:;;;;;;.ヽ　　
　　 _ ''ﾞ'／.;::..ｒ'"::::::::::;:;:;:.;:;:;:;:;::´'''ｰ=ニ=ｰ-､､.＿＿＿ﾐ= ....ﾐｭ、::::::::::::;:;;;;;;;;.;:;:;:;:;:.;;;;;;;;;;;;;;."



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ﾉﾉｲl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;／从;;;;）从从之
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 之三;;彡;;;､l|;;|;;;lイ/从ﾉ;八;|llYイノイ／;;从从ﾆ<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/イ/t=;;;;;ﾐｨ;;;;;;;;;;;｀ミ;;人ｨ''彡二二ﾐﾞ'､j;;jj;;ｭ;;;､）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　（（/;;|lヽ;;|､'''ｨ,t;;ｯ=､;;;j人;;;ｨ:;ﾐｯ;ラﾆ' ｲ;;;/ l|;;lﾄ
　　　　　　　兄弟よ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ﾞ之;;;'､l|;;ﾞ, ::､｀￣´´":|"ﾝ:::::::::'''ｲ:..　ﾘ;ｲ),r';;之ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　{彡;;;ヽ;;;',::::::...　　 ::::|:　ﾘ::::　　ﾞ　 ｲ;/ノ;;;;ﾞl|
　　　　　　　俺たちは共に戎狄ではないか。　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ|/;;;;;;;|ﾞ:',:::::: : : ::; ､j_, -､:::　　　 ｲ;|ﾞ/;;;l从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ノﾉ;;;;;;|:l|:', :::: : :::｀ﾞ'ｰ '´"　　　　,':::l|/;从｀' ､
　　　　　　　共に戦いたいとずっと願ってきた　　　　　　　　　　 ,, ､-ｰz''"ｲﾘ|l|::|l:'､ : :::::::　,;}､　　　　　/　:: ﾞl､从l|',::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''"　,､ '":/　　 /|::}}:::ヽ ::::::r'二ﾞﾞ'ヽ　　 , ':::　:: ::l|彡　',从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／イ::/::　::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""''　 　, ':::::: :: ::}::l|彡::: ll||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /"://::/　::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ 　 ／::::::::"}　}:::|彡 ::: |||

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　　　／.:.:.　　　　　　　　 ＼
　　/:,:.:.:　 ／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　以下は『晋書』『『段匹磾伝』にある石虎と段文鴦のやりとりだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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527 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:35:19.66 ID:rs3FrmGi0

【>>526修正】

　　 　 　 　 　 　 ｌ､　　　　　　　　　　l !　 / /:::::::::.! 　::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.!　　　　　　　 /.!
　 　 　 　 　 　 　 ｌ.ヽ 　 　 　 　 __　.|　!　|: ":::::::::.l :::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.il,　　　　　　 ./ |
　　　　　　　　　　 ﾞl, ヽ　　 ,,--'/-ﾐ'.ｌ　.! .l,,v、..:::: !:::::::: ,,.:,.v-､ ;;;;; l│　　　　　 /　!　　　　　.馬がへばったのか。
　　　　　　　　　　　..ｌ　 ｌ_／ｙ'".!　 !:::ヽ,| l´.;,irﾐ;;-.....ニ=:ヘ.;;' | :;;;; ! .l､　　　　 /　 |
　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ...! lﾞ .|　 ＼..ﾌ;;;;;.ﾞ'{:...;.ｌ.-･ ｴ; |∠･- !';;;;;:l;:;;; !　l;:ヽ,　　 /　　!　　　　　 そりゃあんだけ重武装じゃな。
　　　　　　　　　　　　 / |＿_ﾞ''-ｨ'".;;;;;;;;::;: ｌ.ｌ.;;;゛￣.;.ﾞﾞ￣ﾞﾞ´..;;;; / ;;:.l　 .!;;;;〉　 /　　 !
　　　　　　　　　　　,,-彳 . |,､´"..::: 　 ;;;.,／l ::.:. _ｌ'.!:/i;;;i''i |ﾞ.!　|;:;;;.l　　lwﾆ.. /　　 .lﾞ　　　　　. 騎兵の数が少ないから
　　　　　　._..――┴-ﾆ;=__,;!.:.:;: ;;.;;;....:/ﾞ;:;:;:;::ﾞ''ﾐ/::|.|;;.V;;.ﾘ;;.|　l.:;:;,i　　.|::::::: : ﾞ'ｰ-'¬ ､ ／　　.こっちが上手く粘れた感じだが
　　　　,,-',ﾞ,, -''''￣ﾞﾞﾞ''''''ｰ-..,,_.｀‐-､_::/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::｀''〈ニ=..,_.ｌ,,iゞ゛:ヽ,__, !::::::::::: ::::::::;:;;;;;;.ヽ　　
　　 _ ''ﾞ'／.;::..ｒ'"::::::::::;:;:;:.;:;:;:;:;::´'''ｰ=ニ=ｰ-､､.＿＿＿ﾐ= ....ﾐｭ、::::::::::::;:;;;;;;;;.;:;:;:;:;:.;;;;;;;;;;;;;;."


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ﾉﾉｲl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;／从;;;;）从从之
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 之三;;彡;;;､l|;;|;;;lイ/从ﾉ;八;|llYイノイ／;;从从ﾆ<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/イ/t=;;;;;ﾐｨ;;;;;;;;;;;｀ミ;;人ｨ''彡二二ﾐﾞ'､j;;jj;;ｭ;;;､）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　（（/;;|lヽ;;|､'''ｨ,t;;ｯ=､;;;j人;;;ｨ:;ﾐｯ;ラﾆ' ｲ;;;/ l|;;lﾄ
　　　　　　　兄弟よ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ﾞ之;;;'､l|;;ﾞ, ::､｀￣´´":|"ﾝ:::::::::'''ｲ:..　ﾘ;ｲ),r';;之ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　{彡;;;ヽ;;;',::::::...　　 ::::|:　ﾘ::::　　ﾞ　 ｲ;/ノ;;;;ﾞl|
　　　　　　　俺たちは共に戎狄ではないか。　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ|/;;;;;;;|ﾞ:',:::::: : : ::; ､j_, -､:::　　　 ｲ;|ﾞ/;;;l从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ノﾉ;;;;;;|:l|:', :::: : :::｀ﾞ'ｰ '´"　　　　,':::l|/;从｀' ､
　　　　　　　共に戦いたいとずっと願ってきた　　　　　　　　　　 ,, ､-ｰz''"ｲﾘ|l|::|l:'､ : :::::::　,;}､　　　　　/　:: ﾞl､从l|',::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''"　,､ '":/　　 /|::}}:::ヽ ::::::r'二ﾞﾞ'ヽ　　 , ':::　:: ::l|彡　',从
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　 ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　 〃 /　j　}　:|　 　 ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　以下は『晋書』『『段匹磾伝』にある石虎と段文鴦のやりとりだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘ ﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　 　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　 　 小/　　　　　　　　　
　 　 　 ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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528 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:36:19.60 ID:rs3FrmGi0

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＜:｀`〜｡、　　　　　:|::.　　 　 　 ＼; ;.|; ; ; ; |ﾆヽ,':.{; Y"´L_L/ﾆﾆl!::::::＼　　Y　　　　　　
//,｀`〜｡､:｀丶､　　.:|::.　　 　　 　 .:`'.V; ;, -lﾆﾆ{: :乂'"´: : : {!ﾆﾆl:l＜⌒ー=へ　　　　　
.｀`〜､、//｀丶､｀丶.j::.　　　　　　　　::Y＿__Vニ＞-:｀: :.､: ┴.､ﾆl:}.　｀`〜､//}V~Y　
　　　 　｀` ｰ､ﾆニ二､｀丶､　　　　　.:r/ :}　　 >':／: : : : : ヽ: ､: ヽﾑ:.　 　 , -ミ7l /　
　　　　　　　　 ｀`〜､/｀丶､｀丶､　. ::Ｎ__,V　/,ｨ!: : l: : : /: : }: :V: :V　 　 /､__{/ |'　　 　
　　　　　　　　　　　　 ｀`〜､｀丶､`'＜　/:,>'":__L,斗:＜: : ノヽ:.}: : :V-- ': :|　　 .}ミ
　　　　　　　　　　 　 　　 　 |｀`〜ミ〜／:,ｨ''':.＼＿＿,. イ､: : :`'＜:.}: : : : :l　　 /　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　＿＿l ､ ヽ: V,.{: :./:!: : :|: :V: V:.メ／＞┬--ミY: : : !-.イ⌒ヽ　 `ー ⌒Y
　　　　　　　　　　　　 {///,.〈 fl｀ゞr.ﾆ,^ヾ:l:!: : :|:＜ヽヽ ´ォ廻了: l: :|:)': : : :|.......V　　＼ 　 　 .ﾉ
　　　　　　　　　　　 　`┬― ゞ>-ｱ /: : :.l: ＼:.ヽ|＼'ヾ.ｪｪｫ_ij/: メ:.:ll.l: : : : :V....i...V　 ﾊ ￣￣　　　　　…………
　　　　　　　　　　　　　,:'ｱTT ´　　 {: : : :.!: : | ヾ. 　 `T T ~.ｱ／: :./l!.V: : : :.V/...ﾉ　　 }　　
　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀`〜､
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.　|　　天は願いを違わず、今日相見える事ができた　 |
　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　.|///!　　　./. |: :./ j: jｱ｢｢／{: {.....{__ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : : :.}
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
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　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡|　　 何故戦い続けるのか？　　|
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
,ｲ//:,ｲ　　　　　 ,.斗:＜　　V: ﾏ＞- イ .,ｲ,ｲ　　|//,1　 　 　 　ﾊ u　　ﾍ_ry !: :.{ 　　 ヾ　 `ー＜￣`　 　 ￣｀`ヽ、
/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
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529 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:37:17.52 ID:rs3FrmGi0

【>>528修正】


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＜:｀`〜｡、　　　　　:|::.　　 　 　 ＼; ;.|; ; ; ; |ﾆヽ,':.{; Y"´L_L/ﾆﾆl!::::::＼　　Y　　　　　　
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　　　 　｀` ｰ､ﾆニ二､｀丶､　　　　　.:r/ :}　　 >':／: : : : : ヽ: ､: ヽﾑ:.　 　 , -ミ7l /　
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　　　　　　　　　　　　 ｀`〜､｀丶､`'＜　/:,>'":__L,斗:＜: : ノヽ:.}: : :V-- ': :|　　 .}ミ
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　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.　|　　天は願いを違わず、今日相見える事ができた　 |
　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　.|///!　　　./. |: :./ j: jｱ｢｢／{: {.....{__ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : : :.}
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
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　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡|　　　何故戦い続けるのか？　　|
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
,ｲ//:,ｲ　　　　　 ,.斗:＜　　V: ﾏ＞- イ .,ｲ,ｲ　　|//,1　 　 　 　ﾊ u　　ﾍ_ry !: :.{ 　　 ヾ　 `ー＜￣`　 　 ￣｀`ヽ、
/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
　　　　　　w从从　　　,..(_,从'): :.〉　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlｰr.予'''"　): : )　　　　　　 　 ｀ ー-ゝ从　　メ

530 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:37:58.28 ID:rs3FrmGi0

＜　　　　　　　　　　|:.　 　　 ＼＜; ; i; ; ; ; r:､; ; ;//｀ヽ/,＞=./ﾆ!二_''〜､、
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　　　 　｀` ｰ､ﾆニ二､｀丶､　　　　　.:r/ :}　　 >':／: : : : : ヽ: ､: ヽﾑ:.　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿乂 ,
　　　　　　　　 ｀`〜､/｀丶､｀丶､　. ::Ｎ__,V　/,ｨ!: : l: : : /: : }: :V: :V　 　 /､__{/ |'　　
　　　　　　　　　　　　 ｀`〜､｀丶､`'＜　/:,>'":__L,斗:＜: : ノヽ:.}: : :V-- ': :|　　 .}ミ　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　 　 　　 　 |｀`〜ミ〜／:,ｨ''':.＼＿＿,. イ､: : :`'＜:.}: : : : :l　　 /　｀ヽ、|　　　……得物を置いてくれ　　　|
　　　　　　　　　　　　　＿＿l ､ ヽ: V,.{: :./:!: : :|: :V: V:.メ／＞┬--ミY: : : !-.イ⌒ヽ　 `ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　 {///,.〈 fl｀ゞr.ﾆ,^ヾ:l:!: : :|:＜ヽヽ ´ォ廻了: l: :|:)': : : :|.......V　　＼ 　 　 .ﾉ
　　　　　　　　　　　 　`┬― ゞ>-ｱ /: : :.l: ＼:.ヽ|＼'ヾ.ｪｪｫ_ij/: メ:.:ll.l: : : : :V....i...V　 ﾊ ￣￣
　　　　　　　　　　　　　,:'ｱTT ´　　 {: : : :.!: : | ヾ. 　 `T T ~.ｱ／: :./l!.V: : : :.V/...ﾉ　　 }　　　
　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ　　　　　お前が敵だから、
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀`〜､　　.ずっと殺したかっただけ
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{_.ﾉ:!..... l!...........＼: : : V .: }: : : : : ＼
　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.廴_/....... l!........../　ヽ: : :Vｲ＜: : : : : :.V
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　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : : :.}
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
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　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡、..........ヽ:{{⌒ヽ、
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　{｀ヽ、.....｀W`＜_＼
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/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
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531 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:38:42.16 ID:rs3FrmGi0

【紀元３１２年秋　晋　冀州　趙郡】




　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　xく: : :〵　　　./「i　　　 |　　　兄上が文鴦の計を用いなかったせいで　　　|
　　　　　　　　　　　　　|＼　 / /ﾞ＼: 〵　　/:;’i|　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　や心乂{　　ﾊ: /「＼: | . |＿　　　 　 　 　 　 　 　 　 rf^ﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 や仏Y ,ィﾞ: : f'V: : :ト..,,ﾉ:::::|　　　　　　　 　 　 　 　 |｜|い
　　　　　　　　　_,,..．‐:::~~＼_／/|: : : V: : :/､;_:｀' ミト ､ 　 　 　 　 　 　 　 __i｜i i｜
　　　　 　 　 　,」:::::::::／￣／:ノ|: |t‐''ﾞ: :,xく}＼|｀`ｈ､＼ﾄ、　　　　　　　＿╲〵__
　　　　　　　　〵::::; ’ 　 /: ;ｲ:.人| x宍[＼「 '芯ﾐ:.}: :i＼[ﾉ　　 　　-‐ｧ'ﾞ: : :. ﾊ　 〵 i
　　　　　　　　　V/　 　〳/ i:.{: :汽代iﾉ　　､乂ﾉ价N＼}　　　／: :.:/: : : : :.{ 〵--r'’
　　　 　 　 　 　 /＼〈-､|/　j: :､: 乂　,.． ―- 、 ]/〵＼_,.．ｧﾞ: : : ;′: : : : 〵 ╲/:|　　.石勒討伐の命令で来ておいて、
　　 　 　 　 　 〳: : : : : ＼人_rｆ'「l　 (/V^′^ﾌ 八 〵'ﾞ: : :/: : : : ′: : : : : : ╲: : >　　 末波一人の命のために
　　　　　　　　 ,: : : : : : :〳 /{ !|｜!ﾍ ＞-―- く- 〵〵: :/: : : : :; : : : : : : : : : :ｱ　　　 石勒を解放するのはおかしくない？
　　　 　 　 　 〳: : : : : :_jニ{｜ｊ　　}｜::::::::|　|::|　/∧.〵; : : : : : i: : : : : : : : : /
　　　　 　 　 〳: : : ／: : : :了'， 　 　} ::::::::|　|::|ノ_,ノ ╲.╲: : : : :.:i: : : : : :: : ::/　　　　　王浚の機嫌が悪くなって、
　　 　 　 　 〳:＞fﾞ: : : : : :j{: :{＼＿ノﾞ~||~ﾟ╲ ╲╲ 　　　＼＼: :.〳: : : : : : :/　　　　　　後で恨まれるんじゃないの？
　　　 　 　 〳/::::::{ : : : : : l:.:╲╲イ: : | ::||:::::::〉-- L_　xr-､╲〵/: : : : : :; く
　 　 　 　 〳;′: : : : : : : :.|: : ＼＼__j:::::ll::::/ fﾟ　ｷい{乂　)ﾉノ′: ,.．'": : :.＼
　　　　　 /: :{: : : : : : : : : :.|: : : : : ￣|:::::乂j ｜・ ｷ・}〵ｰく,,乂,．'ﾞ＿: : : : : γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　 　 /: : :.＼: : : : : : : : : : : : : :.／:::::::::::|　!ー‐ く, 〵　　￣「￣}}　｀'　,: :|　　　お前がここまで来ちゃったんだ　　　 |
　　　　/: : : : : : :>.,.: : : : : : : : :;．'ﾞ::／＼:::乂ｊ　　ｷ }__ﾉ　　　　╲ 丿 　 　 ’ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　 /: : : : : ／　　’'　..,,_,.．'ﾞ::::／／＼.＼人 　 }ﾉ＼}.　 　__　〵　　　　　 　 ＼: : : ╲
　 ／: : : : ／　　　 　 　 　 |::／,ｘ''芯ｈ, ＼.＼「¨~＼　}　fﾞ(f'~ヽ,〵　　　　　　　　＼: :}ﾊ
／: : : : ／　　　　　　 　 　 | ／{(（_,ﾉj　}.　 ＼＼:::::/7ﾞ　 ╲＼__ﾊ〵　　　　　　　　　)'’: }

532 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:39:12.57 ID:rs3FrmGi0

【紀元３２１年４月　晋　冀州　厭次】



＜　　　　　　　　　　|:.　 　　 ＼＜; ; i; ; ; ; r:､; ; ;//｀ヽ/,＞=./ﾆ!二_''〜､、
＜:｀`〜｡、　　　　　:|::.　　 　 　 ＼; ;.|; ; ; ; |ﾆヽ,':.{; Y"´L_L/ﾆﾆl!::::::＼　　Y　　　
//,｀`〜｡､:｀丶､　　.:|::.　　 　　 　 .:`'.V; ;, -lﾆﾆ{: :乂'"´: : : {!ﾆﾆl:l＜⌒ー=へ　　
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　　　 　｀` ｰ､ﾆニ二､｀丶､　　　　　.:r/ :}　　 >':／: : : : : ヽ: ､: ヽﾑ:.　 　 , -ミ7l /
　　　　　　　　 ｀`〜､/｀丶､｀丶､　. ::Ｎ__,V　/,ｨ!: : l: : : /: : }: :V: :V　 　 /､__{/ |'　
　　　　　　　　　　　　 ｀`〜､｀丶､`'＜　/:,>'":__L,斗:＜: : ノヽ:.}: : :V-- ': :|　　 .}ミ
　　　　　　　　　　 　 　　 　 |｀`〜ミ〜／:,ｨ''':.＼＿＿,. イ､: : :`'＜:.}: : : : :l　　 /　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　＿＿l ､ ヽ: V,.{: :./:!: : :|: :V: V:.メ／＞┬--ミY: : : !-.イ⌒ヽ　 `ー ⌒Y
　　　　　　　　　　　　 {///,.〈 fl｀ゞr.ﾆ,^ヾ:l:!: : :|:＜ヽヽ ´ォ廻了: l: :|:)': : : :|.......V　　＼ 　 　 .ﾉ
　　　　　　　　　　　 　`┬― ゞ>-ｱ /: : :.l: ＼:.ヽ|＼'ヾ.ｪｪｫ_ij/: メ:.:ll.l: : : : :V....i...V　 ﾊ ￣￣
　　　　　　　　　　　　　,:'ｱTT ´　　 {: : : :.!: : | ヾ. 　 `T T ~.ｱ／: :./l!.V: : : :.V/...ﾉ　　 }　　　　　文鴦は死んでも、
　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ　　　　.お前の捕虜にはならない
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀`〜､
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{_.ﾉ:!..... l!...........＼: : : V .: }: : : : : ＼
　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.廴_/....... l!........../　ヽ: : :Vｲ＜: : : : : :.V
　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　.|///!　　　./. |: :./ j: jｱ｢｢／{: {.....{__｣.|...........l..........,'　　.ﾊ: : :V　　＼: : : : :V
　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : : :.}
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　　.|/／／ア.............,.�j‐=≦´|　 r:V　 l....................../　　/: : :/..................＼; ; ;Y
　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡、..........ヽ:{{⌒ヽ、
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　{｀ヽ、.....｀W`＜_＼
,ｲ//:,ｲ　　　　　 ,.斗:＜　　V: ﾏ＞- イ .,ｲ,ｲ　　|//,1　 　 　 　ﾊ u　　ﾍ_ry !: :.{ 　　 ヾ　 `ー＜￣`　 　 ￣｀`ヽ、
/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
　　　　　　w从从　　　,..(_,从'): :.〉　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlｰr.予'''"　): : )　　　　　　 　 ｀ ー-ゝ从　　メ

533 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:39:55.74 ID:rs3FrmGi0

＜　　　　　　　　　　|:.　 　　 ＼＜; ; i; ; ; ; r:､; ; ;//｀ヽ/,＞=./ﾆ!二_''〜､、
＜:｀`〜｡、　　　　　:|::.　　 　 　 ＼; ;.|; ; ; ; |ﾆヽ,':.{; Y"´L_L/ﾆﾆl!::::::＼　　Y　　　
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　　　　　　　　　　　　　＿＿l ､ ヽ: V,.{: :./:!: : :|: :V: V:.メ／＞┬--ミY: : : !-.イ⌒ヽ　 `ー ⌒Y
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　　　　　　　　　　　 　`┬― ゞ>-ｱ /: : :.l: ＼:.ヽ|＼'ヾ.ｪｪｫ_ij/: メ:.:ll.l: : : : :V....i...V　 ﾊ ￣￣　　　　 .文鴦はもっとやれる。
　　　　　　　　　　　　　,:'ｱTT ´　　 {: : : :.!: : | ヾ. 　 `T T ~.ｱ／: :./l!.V: : : :.V/...ﾉ　　 }　　　　　
　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ　　　　.　　　.もっと戦えるんだ。
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀`〜､
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{_.ﾉ:!..... l!...........＼: : : V .: }: : : : : ＼　　　.息は切れたけど、
　　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　.|///!　　　　/}: : :| |: }///／/:.ハ.廴_/....... l!........../　ヽ: : :Vｲ＜: : : : : :.V　　脚はまだ元気だし
　　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　.|///!　　　./. |: :./ j: jｱ｢｢／{: {.....{__｣.|...........l..........,'　　.ﾊ: : :V　　＼: : : : :V
　　　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　.|///!　　 ,.'. ..j:メ /／__ﾚ'.......|: |.....,ｨV.............l.........l -r彡}: : : }　　　 V: : : :.}
　　 　　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　.|///!　 , '. ／,＞{√.................|: |イ　/..............l.........|'''ﾏ....,': : :.,'! 　 　.ﾉ: : : /
　　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　.|///!／／／.......{{................／ヽヽ　.{................l........,' 　 Ｖ: : :./..マ''＜_.z≦、
　 　 ,ｲ//:,ｲ　　　　　　　.|/／／ア.............,.�j‐=≦´|　 r:V　 l....................../　　/: : :/..................＼; ; ;Y
　　,ｲ//:,ｲ　　　　　　　 _,L{: :{／.......,.｡ｒ'"　 ,))/.|//,1 　｀ヾ､ .V................ノ 　./: : :/` ー ｡、..........ヽ:{{⌒ヽ、
　,ｲ//:,ｲ　　　　　　,.+'"＞'|: :|......／; ; l}　.,ｲ"' . |//,1 　 　､_) .ﾏ====く　　 {: : :/　　{: {　{｀ヽ、.....｀W`＜_＼
,ｲ//:,ｲ　　　　　 ,.斗:＜　　V: ﾏ＞- イ .,ｲ,ｲ　　|//,1　 　 　 　ﾊ u　　ﾍ_ry !: :.{ 　　 ヾ　 `ー＜￣`　 　 ￣｀`ヽ、
/从从　　　　w/　　　 　 ,ィ'ヽ: :V　　 ,ｲ从w　.从w从　　 　 　 .{ヽ　　-z彡,V: :V　　　　　　.乂.｀7 ＜　　　 　　.}
　　　　　　w从从　　　,..(_,从'): :.〉　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlｰr.予'''"　): : )　　　　　　 　 ｀ ー-ゝ从　　メ

534 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:40:38.72 ID:rs3FrmGi0

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　　　　　　　　　　　　,:',.'　 |.|　　　　|: : : : V: !　　　 　.',..',　"/: : , '...l!.....V: : : :Ｖ´.:　　 ﾙ＜　　　吠えろ段文鴦ッ！！　　＞
　　　　　　　　　　　,:',.'　　 |.|　 　 　 V: : : :lVl　　　　 ,ﾑ..(ア,. イ!......l!.......ヽ: : : :ヽ　　./｀　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　 　 ,ｨ''气　　.｢￣.l　　　　 V: : :| }:V--- '"..／.イ{_.ﾉ:!..... l!...........＼: : : V .: }: :　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
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535 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:41:50.44 ID:rs3FrmGi0

　　　　　 　 　 　 　 　 上.._/: : : : : : : : : : : : : /ﾊ＿＿／ﾆ]: : : : : : ｀、
　　　　　　　　　　　／: : : : ＼ : : : : : : : : ┌<.／|ﾆﾆﾆﾆﾆ∧: : : : : : : .
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　　 　 　 　 　 |: :.|: : :r¬ミ: : : : :人: : : ∨: : : : : : : : : :∨￣/ﾆ／: : : : : |: ＜　　　　まずいッ！！　　　　　＞
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　　　　　　　 　 �Y: : : j弋ﾝ |／　 ｰ≦z_: :|: : : : : : : : : : :∨_Ξ＼＿__／:::　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
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　 　 　 　 　 　 　 ∨从　　,　　　　弋少　}} 、 : : : : : : : : : ｀、　　 ￣＼:∨￣∨ﾆ_::::::::┴|
　　　　　　　　　　　＼∧ 、 　 　 　 　 　 /: ｀、 : : : : : : : : : ｀、　　　　 ∨＼/　 ⌒ﾆ=　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　 　 　 　 　 　 　 冫丶　ー∋　　　 /: : :∧: : : : : : : : : ∧|　　　　　 ∨ ∧＼　　 　＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　　 　 　 　 　 　 /::/:::)＼＿__,,..　イ厶／|::::＼: : : : : : : |　　　　　　　//　 |:::::＼　　　）　　　　王安！！　　　　　（
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　 　 ┌―-. ._　　 j:::/::::ﾉ　　　|　　　 ,′:＼　∨:::／＼＿_八＼ 　 // ./　 /::∨　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
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　　　　　　　　 ＼ ＼: : : : :＼―-ミ ﾉ/　　// 　 ./￣:::::::::::::＼ ≧　　　　　　段文鴦を食い止めろッ！！！　　　　　　ニ=-
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　 　 　 　 　 　 　 　 Υ　 (_　　　　　　　∨∧　　　 |::::::::::::::::::::／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼_　 　 　 ＿|__,,上¬¬＿二ﾆ=-＜⌒｢　　　　　　　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀¨¨´`マ_〉:::::::::::::::::／　　 　 　 　 　 ∨ 　________／　/
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536 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 15:42:21.19 ID:rs3FrmGi0

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